〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 消費税に関連しまして2点のお尋ねでありますけれども、一括して答弁をさせていただきます。
御承知のとおり、社会保障と税の一体改革につきましては、将来にわたって持続可能な
社会保障制度を構築し、国と地方を通じて安定した財源を確保していくためには極めて重要な取り組みであり、その中で消費税増税の選択はやむを得ないものと認識いたしております。
一方、
消費税引き上げによって、いわゆる
駆け込み需要の増加が期待されますものの、その後の反動や、あるいは家計の
実質可処分所得減による個人消費の減少など、消費への影響も懸念されるところではあります。
お尋ねの市民生活への影響額についてでありますけれども、仮に家計面での負担増という観点から、平成24年の
家計調査年報における消費支出額をもとに試算いたしますと、年間で1世帯当たり約8万4,000円、全世帯で約264億円となります。
また、地域経済への影響額についてでございますが、試算が困難でありまして、具体的な金額をお示しすることはできませんけれども、いずれにいたしましても消費税増税は、個人消費や企業活動など地域経済への影響が懸念されますことから、国の低所得者への配慮などの対策も含めまして、10月初旬の最終判断を引き続き注視してまいりたいと考えております。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 どんな世論調査でも、来年4月からの消費税の増税は、賛成は20%前後にすぎません。しかも庶民と
中小零細業者に3%の負担増を押しつけながら、そのうち2%は大企業への大幅減税等に充てるというのですから許せません。私たちは、来年4月からの増税中止一点での共同を広げて、国民運動の発展に全力を尽くす決意です。
それでは続いて、
国民健康保険について伺います。
当市議団が行いました
市民アンケートには、「
国民健康保険料を毎月4万円から5万円払っています。ほとんど病院に行かないのに、家賃と国保、税金、年金で給与のほとんどがなくなります。」、また、「
国民健康保険料が支払えず、気が重い毎日です。家族はここ数年一度も病気で病院にかかっていません。毎月6万6,000円という家賃より高い額で、とても腑に落ちない感じです。」などの声がありました。
熊本市の
国民健康保険では、加入者世帯の所得は、1世帯当たりで5年前の106万6,600円が、昨年度は90万8,000円と、5年間で15万8,600円も減っています。年間所得106万円は、それだけでもかなり厳しい生活ですが、それが月にして1万3,200円も減っています。一方で、保険料は毎年上がっています。所得に占める保険料の負担割合は、5年間で15.2%から18%へと上がっています。所得が減って、保険料が上がって、全く逆です。保険料の政令市比較では、年間所得200万円、4人世帯の
モデルケースで、堺市、京都市に次いで高い方から3番目です。熊本市の市民所得は全国でも最低レベルで、国保料の負担は大変重い状態です。
本市は、この5年間、国保会計の財政健全化に取り組んで、一般会計の
法定外繰り入れを10億円ないし30億円ほど行って、2010年度から単年度収支が黒字に転じて、5年前に80億円あった累積赤字は、昨年度22億円まで減っています。
一方で、加入者は負担の限界を超えた保険料を払っております。先ほどの4人世帯の
モデルケースで、熊本市は年間42万6,690円で、政令市平均の35万8,000円よりも約7万円も高くなっています。収納率は、現年度分で8割台で推移し、支払いが厳しいことを示しています。
国保会計の赤字は、
一般会計繰り入れをふやして解消してきています。今度は一般会計の繰り入れで、保険料をせめて
政令市平均程度に引き下げるべきではないでしょうか。
また、本市は、2008年度から低所得者減免を実施しています。
保険料負担は重くなっているのに、
独自減免実績はふえるどころか減っています。保険料減免の拡充についてお尋ねいたします。
世帯の平均所得が100万円にも満たない貧困層が多く加入している
国民健康保険では、医療費も加入者にとって大変大きな負担です。私どもは、
生活困窮者世帯の医療費軽減をと、国保法第44条に基づく一部負担金の減免・免除の適切な実施を求めてきました。しかし、
東日本大震災関連を除いた政令市の比較で、本市の実績は年間たったの7件で、制度がありながら運用されていない状況です。広島市のように年間2,000件を超える実績の政令市もあります。生活の苦しい人は、金の切れ目が命の切れ目で、病気でも病院に行けません。国保のしおりへの丁寧な説明や、市政だよりへの掲載など周知の徹底と、他都市よりも厳しい免除・減額の基準を引き上げ、減免・免除の適切な実施についてお尋ねいたします。
市長並びに
健康福祉子ども局長に伺います。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長
国民健康保険に関するお尋ねの中で、私の方からは
保険料引き下げに関するお尋ねにお答えさせていただきたいと存じます。
本市におきましては、御案内のとおり
国民健康保険会計健全化計画に基づきまして、医療費の適正化、あるいは収納率の向上に取り組みますほか、一般会計からの
法定外繰り入れにつきましても、平成24年度からさらに毎年10億円を増額いたしておりまして、被保険者1人当たりで比較いたしますと、
指定都市平均以上の水準を確保している状況にございます。
これらの取り組みの結果、平成21年度に過去最大82億円ございました累積赤字でありますが、減少しつつあります。しかしながら、平成24年度決算におきましては、21.9億円の赤字が依然として存在しているのも現実でございます。
今後、この累積赤字の解消を図りますためには、被保険者の年齢層が高く、医療費が高くなる一方、低所得者が多いという国保の構造上の課題がございます中、より一層の厳しい財政運営が続くことも予測されまして、現状におきまして保険料の引き下げを行うことは困難であると考えております。
なお、国におきましては、
社会保障制度改革の動きの中で、平成29年度を目途といたしまして、国保の財政運営を現在の市町村から都道府県へと移行させるなど、抜本的な制度改革が行われることが決定したところでもあります。現時点で、その詳細につきましては、まだ不明なところが多いわけでありますが、本市といたしましては、今後の国の制度改革の動きを注視してまいりたいと考えております。
〔
宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦
健康福祉子ども局長 国民健康保険に関しまして、2点のお尋ねにお答え申し上げます。
まず、
保険料減免制度の拡充についてでございます。本市独自の減免制度につきましては、平成20年度から子育て世帯への軽減を目的といたしまして、被保険者が3名以上で、基準総所得額が100万円以下の世帯の保険料の1割減免制度を創設しております。
また、平成23年度からは、所得激減の減免対象となります所得の減少割合を、前年度所得の3分の1の減少から5分の1の減少へと対象者を拡大するなど、本市が独自に減免いたしました総額は、平成19年度の約3,000万円から、平成24年度には約1億7,000万円と大幅に増加したところでございます。
低所得者の
保険料負担の軽減につきましては、国の
社会保障制度改革において検討され、平成26年度より順次必要な措置を講じていくことが決定されております。本市といたしましては、まずは現行制度の周知徹底に努めつつ、今後の国の動向を注視してまいります。
2点目の一部負担金の減免制度の広報と基準の見直しについてでございますが、
国民健康保険法第44条に基づく
医療機関窓口での一部負担金の減免につきましては、本市では国が示した基準より広い範囲で実施いたしております。
具体的に申し上げますと、国基準において
生活保護基準以下となっております収入要件を緩和しておりますほか、対象外の外来、療養なども対象としております。
また、本年8月には、
生活保護基準の見直しに伴い、影響が生じないよう、収入要件について見直しを行ったところであります。
また、制度の周知につきましては、現在、制度の内容を記載した国保のしおりを保険証に同封し、全世帯に配布しておりますが、今後もさらに市政だよりや
ホームページ等を活用して周知に努めてまいります。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 私どもの
市民アンケートでは、市政に望むことの第1位が
国民健康保険料の引き下げでした。その願いに応えていただきたいと思います。
また、保険薬局が
無料低額診療事業の対象事業所になれないことから、薬代が自己負担です。診療費よりも薬代が高い方もおられます。現状では、診療が受けられても薬が飲めません。国に対して、保険薬局も
無料低額診療事業の対象となるよう働きかけていただくとともに、高知市、旭川市、青森市などで実施されているように、保険薬局が
無料低額診療事業の対象となるまでの期間、
無料低額診療事業の対象者に薬代を補助していただくよう要望しておきます。
この
無料低額診療の薬代助成を行っている青森市の市長は、「市の財政も厳しいですが、困っている住民がいるのです。命にかかわる問題です。予算が限られているなら、教育や福祉を最優先でやるべきです。」と言い切られています。住民福祉の増進を目的とする地方自治体の市長としてあるべき姿ではないかと思います。
続いて、介護保険についてお尋ねします。
8月に出された
社会保障制度改革国民会議の最終報告書では、介護制度の改悪が具体的な形で示されました。
重大な問題の一つは、軽度者の
介護サービスからの締め出しです。介護保険では、65歳になると介護保険証だけは交付されますが、認定審査や利用料負担など幾重にも高いハードルを越えなければサービスは使えません。本市の場合、65歳以上の第1号被保険者16万1,770人のうち、要介護、要支援に認定されているのは3万4,477人で21.3%、65歳以上の5人に1人しか
介護サービスの対象になりません。そして、高い利用料を払い、
介護サービスを受けているのはわずか17%です。8割を超える人が高い保険料を掛け捨てです。ところが、今でも少ない利用者をさらに締め出そうとしているのが今回の改悪です。
要支援1、2、全国で154万人の保険給付外しは、軽度者とはいえ日常生活に支障があり、サービスが受けられなくなれば要支援から要介護へと重症化するおそれも指摘されており、何より援助がなければ生活が成り立たない高齢者の生きる権利を奪うものです。重症化で介護度が上がれば多くのサービスが必要となり、介護費用はさらに増大、むしろ介護財政の負担はふえます。
このように矛盾だらけの
軽度者切り捨てはすべきではありません。軽度者外しによって、熊本市では何人の人がサービスから外され、受けられなくなるサービスの事業費額はどの程度になるのでしょうか。
また、外された人たちへのサービスは市町村へと委ねられますが、本市としての対応が十分にできる見通しはあるのでしょうか。
また、改悪案の一つ、一定の所得がある人の利用料を2割へとの引き上げが検討され、対象は
住民税課税者という意見もあります。この場合、第1号被保険者の何割が2割負担となるのでしょうか。
年々と年金が減る中で、
介護保険料は事業計画の更新のたびに引き上げられ、基準月額で制度発足時の3,250円は、今や5,280円へと1.6倍にふえ、年間2万4,360円もの負担増です。市の
介護サービスアンケートでも、保険料は約50%の人が「負担が重い」「少し負担」と回答しています。ことし10月分からは、年金の大幅削減が予定され、高齢者の暮らしはますます厳しくなることが予想されます。負担の重い保険料は引き下げるべきではないでしょうか。
また、保険料の独自減免は、毎年40人から50人程度の申請です。低所得者への
独自減免拡大についても伺います。
また、本市で介護認定を受けているのは3万4,477人、うち居宅、施設合わせて利用者数は2万7,476人なので、約7,000人、20%の人は利用していません。市のアンケートでは、約4割の人が利用料に負担感を持ち、3人に1人がサービスを控えていると回答しています。全国では、2割の自治体が利用料の独自減免を行っています。本市でも利用料の独自減免をぜひ実施していただきたいと思います。
特別養護老人ホームの待機者は年々ふえ続け、この10年間に全国で4倍にふえ、40万人を超えています。本市でも昨年度時点で3,352人。
介護保険施設の整備は、需要に全く追いついていません。2012年度から2014年度の第5期くまもとはつらつ
プラン介護保険施設整備計画では、
特別養護老人ホーム322床増床を含め、グループホームなどの整備も合わせて781床の整備計画です。介護施設は圧倒的に不足しています。計画を抜本的に見直し、整備を促進すべきではないでしょうか。
健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。
〔
宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦
健康福祉子ども局長 介護保険制度につきまして、5点のお尋ねに順次お答え申し上げます。
まず、第1点目の要支援1及び2の方が
介護保険制度の
サービス対象者から市町村へ移管された場合の影響と対応についてでございます。
平成24年度末時点での本市における要
支援認定者数は、要支援1が5,272人、要支援2が5,058人で、合計1万330人となっております。予防給付額は、要支援1が10億7,916万6,880円、要支援2が22億575万5,011円で、総額32億8,492万1,891円となっております。要支援者の介護予防につきましては、本市といたしましても大変重要と認識いたしておりますが、予防給付のあり方につきましては、現在、国の
社会保障審議会介護保険部会で検討が行われておりますため、今後の国の動向を注視してまいります。
2点目の
利用料引き上げの場合の影響についてでございます。
利用料2割負担の対象者を仮に
住民税課税者であると想定した場合、
保険料所得段階区分では7段階以上の方となりますため、平成25年度では、第1号被保険者16万4,727人のうち、36.1%の5万9,535人と見込まれます。
3点目の低所得者の
保険料減免制度の拡充についてでございます。
介護保険料の引き下げにつきましては、
介護保険事業計画が3年間を単位としており、
計画期間ごとの
サービス費用見込み額等に基づき、財政の均衡を保つよう設定しておりますため、困難でございます。
第5期の
介護保険料は、本人や世帯員の収入、所得、
市民税課税状況に応じた
保険料所得段階を、第4期の10段階に新たな
最高所得段階の追加や低所得階層の分割を行い、12段階の保険料区分としたところであり、低所得者にも配慮した料金設定としております。また、
保険料所得段階が3段階の方々につきましては、世帯全員が
所得税非課税で、
課税年金収入額と
合計所得金額の合計が80万円を超え120万円以下という新たな段階を設け、軽減を図ったところでございます。
なお、収入激減や災害により損害を受けられた場合等による減免適用につきましても、市民の方々に周知を図ってまいります。
4点目の利用料の
独自減免制度の導入についてでございます。
低所得者に対する利用料の負担軽減につきましては、
高額介護サービス費、
特定入所者介護サービス費、
社会福祉法人等による
利用者負担軽減制度などの各種の
負担軽減制度がございますことから、本市独自の減免制度の実施は考えておりません。
なお、これらの
負担軽減制度につきましては、
高額介護サービス費につきましては、該当すると思われる利用者へ申請を勧奨する通知を郵送いたしております。また、
特定入所者介護サービス費、
社会福祉法人等による
利用者負担軽減制度につきましては、
居宅介護支援事業所や
介護保険施設に対し、利用者やその家族に申請についての説明を行うよう協力を依頼しているところであり、今後もこれらの制度の周知を徹底してまいります。
最後に、5点目のはつらつプランにおける施設整備の拡充についてでございます。
現在の
特別養護老人ホームの整備数につきましては、平成22年度に実施いたしました待機者調査結果と第5期はつらつプランの策定委員会において、真に
特別養護老人ホームへの入所が必要な方を、在宅生活者であって要介護度が4または5の方、及び要介護度が1から3であっても認知症が重度の方と設定し、平成26年度の時点を推計いたしましたところ約300名となりましたため、3年間で322床の整備を行うこととしたものでございます。
今後の整備方針につきましては、今年度実施いたします待機者調査の結果や国の動向を踏まえ、来年度策定いたします平成27年度からの第6期はつらつプランの中で、真に入所が必要と考える方が入所できますよう方針を決定してまいります。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 要支援1、2の介護外しは介護認定を受けた人の3分の1、約1万人が
介護サービスを使えなくなります。介護保険の改悪を許さず、負担の重い保険料や利用料の軽減こそ進めるべきです。
また、介護施設の不足の中で、
ケアつきマンション、
有料老人ホームが次々に建設されています。しかし、その多くが月額入所費が十数万円もかかって、圧倒的な方が本人の年金では入れません。高齢者への安心の住まいの確保のため、低所得者への
入居費助成等を検討していただくよう要望しておきます。
続いて、子育てです。
児童虐待や子供たちが犠牲となるような孤独死や餓死事件が相次いで発生。ことし5月、大阪市での、母親が「もっと食べさせたかった」というメモを残し、死後数カ月後に発見された
母子餓死事件などは、子供が犠牲になった痛ましい事件の一つでした。貧困と孤立化が一層進み、子供の貧困は新たな段階へ深まっていると識者も指摘をしています。
一方で、内閣府の意識調査では、断然トップが経済的支援で、7割を超える回答者の要望です。中でも、保育所または幼稚園費の軽減が一番の要望でした。日本は欧州諸国に比べて家族政策全体への財政的支援が小さく、
家族関係社会支出の対GDP比を見ると、日本は0.79%で、フランスやスウェーデンなどの欧州諸国に比べ4分の1しかありません。子育て世帯への経済的支援は差し迫った課題です。
第1に、次年度から予定される保育料改定は、
市民税非課税世帯は引き下げとなるものの、現行の
所得区分細分化で、引き下げと引き上げの世帯があります。保育料が引き上げとなる世帯数とその割合、影響額をお示しください。
また、政令市中6市は、非課税世帯が無料です。本市でも非課税世帯の無料化や、その他の段階でも、せめて
政令市平均程度になるよう保育料の引き下げを実施していただきたいと存じますが、いかがでしょうか。
また、熊本市の待機児、保留児は、今年度4月1日時点で1,266人に上ります。認可保育園に入所申請して入れなかった児童数を、就学前児童数に占める割合で政令市比較をすると、川崎市、さいたま市に続いて熊本市はワースト3位です。市長は今期の公約で、暮らしやすさ実感、子育てしやすいまちの第1に、保育所の待機児ゼロの実現を掲げられています。ところが、待機児、保留児は、過去5年間、減るどころかふえ続けています。今年度は540人分の増員予定ですが、次年度以降の
保育所整備計画はどのようになっているでしょうか。本来、待機児ゼロというのは、入所希望の子供が全て入所できることです。待機児、保留児合わせた解消計画を策定し、実施していくべきではないでしょうか。
2番目は、子供の
医療費無料化制度です。
私どもの
市民アンケートに、「東京、山口、福岡、熊本と転勤してきましたが、熊本は子供の医療費助成はひどいです。」という残念な声がありました。この声を裏づけるように、政令市で比較すると、入院では政令市20市のうち16市、何と8割が中学校終了まで無料です。そのほか2市が小学校終了までの無料なので、熊本市は政令市でワースト2位です。通院でも、6市が中学校終了まで、2市が小学校終了まで無料化をしており、小学校3年生どまりの本市はおくれた状態です。政令市で最低とも言えるような状態を改善すべきと思います。入院・通院含め、速やかに中学校終了までの無料化を実施できないでしょうか。また、中学校終了までの無料化に必要な費用は幾らでしょうか。
市長にお尋ねいたします。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 子育て支援に関する数点のお尋ねに順次お答えさせていただきたいと存じます。
まず、保育料改定に伴う影響と保険料の負担軽減についてでございます。
本市の保育料につきましては、今回、
徴収金基準額表を8階層から16階層へと細分化を行うことによりまして、各階層区分の中で生じておりました不公平感の解消を図ることといたしました。また、概して低所得世帯層の負担を減らし、高所得世帯の階層を新設し負担金額をふやしますことで、現行より所得に応じた負担となるよう平成26年4月から改定するものであります。
改定による影響の見込みなどにつきましては、平成24年10月の在園データをもとに試算をいたしておりまして、保育料が引き上げとなる児童数は、総児童数1万6,694人のうち4,651人、割合にして27.8%でございます。また、引き下げとなります児童数の割合は、36.7%でございます。
階層及び年齢により改定の影響額は異なるわけでございますが、最大3,000円の引き下げから、新設した高所得世帯の階層の7,000円の引き上げまで想定されるものでございます。
非課税世帯の無料化及びその他の階層のさらなる引き下げについてのお尋ねでございます。本市の保育料は国基準額から全体で約3割の負担軽減を行いまして、その中でも低所得階層におきましては国基準の5割前後と、特に軽減幅を大きくしているところでありまして、さらなる引き下げは困難であると考えております。
また、国基準額から本市保育料への軽減率を平成24年度決算による数値で比較いたしますと、指定都市20市中10番目という状況でございます。
続きまして、待機児、保留児対策についてでございます。
喫緊の課題でもございます待機児童の解消につきましては、これまでも計画的な保育所の整備による受け入れ枠拡大などで対応してまいりました。整備に当たりましては、安心こども基金の活用により
保育所整備計画を前倒しいたしまして、平成24年度は240人分の整備、平成25年度は新設を含めまして540人分の受け入れ枠拡大を図ることといたしております。そして、来年度整備分につきましても390人程度の拡大を見込んでいるところであります。
また、補完的事業といたしまして、3歳未満児の待機児童解消に有効な手段でもございます家庭的保育事業につきましても、既存の3カ所に加えまして、今年度は新たに3カ所拡充することといたしております。
さらに、本年4月には幼稚園型の認定こども園を幼保連携型に移行いたしまして、3歳未満児を対象といたしました定員30人の保育所を新たに設置したところでもあります。
しかしながら、潜在的な保育ニーズは依然として高く、近年、入所申し込みは増加傾向にございまして、先般、国におきまして平成26年度末までの2年間で、早急に待機児童を解消する加速化プランが示されたところでありまして、本市におきましても待機児童解消に有効と思われる事業につきましては積極的に活用していきたいと考えております。
具体的には、第2回定例会で補正予算の議決をいただきました保育士等処遇改善臨時特例事業などの人材確保事業に続きまして、幼稚園の長時間預かり保育支援事業、認可外保育施設運営支援事業などに係る予算を今議会に計上しているところでもあります。
保育所整備や家庭的保育事業に加えまして、幼稚園の活用や、あるいは認可外保育施設の認可保育所への移行にも取り組みながら、早急な待機児童等の解消に努めてまいります。
最後に、子供医療費に関するお尋ねでございます。
この助成制度につきましては、子育て家庭に対する経済的な負担の軽減策の一つとして重要な施策と考えておりまして、平成23年の10月診療分からは小学校3年生までの全ての医療費について対象を拡大したところでございます。
自己負担につきましては、医科3歳以上、歯科5歳以上で、1カ月当たり1医療機関につき500円と、過重な負担をかけない程度の額といたしておりまして、今後も継続してまいりたいと考えております。
また、中学校終了までの無料化に必要な費用のお尋ねについてでございます。自己負担をなくした場合、入院・外来など全ての医療費を対象にいたしますと、さらに約6億5,000万円が必要になると試算をいたしております。
いずれにいたしましても、さらなる対象年齢の引き上げにつきましては、さまざまな子育て支援策の中で、優先順位を含め、総合的に検討してまいりたいと考えております。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 昨日は敬老の日でした。長寿日本一の村、長野県松川村は、1万人の小さな村ながら人口がふえて、子供医療費は高校まで無料です。大きいことはいいことだと合併して政令市になったはずです。こうした分野でこそ、合併してよかったとなるように頑張っていただきたいと思います。
続いて、教育問題です。
第1に、文部科学省の取りまとめでは、少人数学級は子供たちにとって学習意欲の向上、勉強が好きになったなどの効果に結びつく、学校や教員にとっても一人一人に目が行き届き、学習のつまずきの発見や、個々の学習進度等に応じた指導が可能になる、子供の悩みや相談に親身に応える時間が確保できる、家庭、保護者にとっても学校、家庭の連携が密になり、子供の見守り、課題への対処が進むと評価しています。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 答弁が違っていたのですけれども、破綻を確信した時期はいつでしょうか。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 確信した時期というお尋ねでございますけれども、正式に決定したのは平成24年11月ということでございます。
しかしながら、もちろんその協議会の解散方針が決定されるに至りますまではいろいろなやりとりがあっていることは事実でございますので、その前であることは間違いございません。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 不十分な答弁でありますけれども、ちょっと疑問がありますので、お尋ねしたいと思います。
第1に、市長は確信した時期は言われませんでしたけれども、私は、花畑地区開発協議会の会議録を拝見しました。平成24年6月25日、第97回の協議会にNHKの花畑への単独移転が報告されて、対象地区と協議会構成員名簿の変更が提案され、決議されています。この日、大成建設からは、資金協力と事業協力を7月より一時中断することを含めた回答がされています。市長は、NHKが単独移転を発表した段階でも、再開発に弾みがつくとコメントされていましたが、大成建設が協力しないと言ったときに、再開発が破綻するとは思われなかったのでしょうか。
また、同じく花畑開発協議会、10月19日の会合では、今後の事業の進め方として、協議会の解散も選択肢に入れた協議を進めることを全員の賛成により決定し、解散を前提とした民間地権者間の債権債務の整理や、大成建設の資金立てかえの精算についても協議されています。ここまで来れば、どんな素人でも破綻すると確信したのではないでしょうか。
市長の答弁は大変曖昧でしたけれども、こういう経過を知っていながら、直前まで議会に説明もされなかったのはなぜでしょうか。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 再度のお尋ねにお答えさせていただきます。
先ほど御紹介のございましたNHKの移転が決まったことにつきましては、当初の構想を進めていくということが難しくなったことは間違いございません。しかしながら、残されたエリアの中での推進というものを何とかできないかということで、さまざまな協議を引き続き行っていたということもまた現実でございます。
最後に、議会への報告についてのお尋ねでございました。これまでも花畑地区に限らず、桜町地区も含めましての事業の進め方につきまして、議会の方からその説明不足、あるいは変化が起きましたときの報告等につきまして指摘もいただいているところでございますので、そのことにつきましては真摯に反省をさせていただきまして、しっかりと今後の対応につながるように心がけてまいりたいと考えております。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 もう一つお尋ねします。
11月27日、花畑再開発破綻と花畑町の広場計画が報告された市議会の全員協議会には、既に立派な広場の予想図が準備されていました。破綻をしたのがその前だというならば、破綻をする大分前からこっそり再開発を計画した事業者の土地と建物を買収して広場と仮バスターミナルをつくる計画を既に進めていたのではないでしょうか。それとも、行き当たりばったりの思いつきで広場計画を打ち上げたのでしょうか。
私たち議会にしてみれば、花畑再開発破綻の経緯も知らないのに、突然の広場の構想というのは、余りにも議会や市民を軽視したやり方ではなかったかと思います。本来ならば、その時点で、「花畑再開発は破綻しました。もう一度原点に戻って、市民と議会の意見を聞いて、花畑地区のあり方を根本から再検討します。」と言うべきではなかったでしょうか。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、再度のお尋ねにお答えさせていただきます。
先ほど、行き当たりばったりではないかでありますとか、さまざまな御指摘をいただいたところでありますけれども、特に花畑地区の再開発につきましては、さまざまな状況の変化が起きていたということは間違いございません。
そして、そういう中で花畑地区の構想がなかなか具体化していかない。さらには、産業文化会館も閉館しましてからかなりの年月が流れていくという状況におきまして、9月議会であったかというふうに思いますけれども、予算決算委員会等でもやはり厳しくそのような指摘を受けたものでございました。
そのような中で、当時の議会、委員会等では、そろそろ判断をする、花畑地区につきまして方向性を示す段階に来ているというような答弁もさせていただいたところでございますので、その時点におきましては、花畑地区構想の全体像の見直しというものを念頭に置きながら答弁をさせていただいたということは間違いないわけでございます。そして、11月27日に行われました全員協議会に向けまして、その準備を進めてきたというものでございます。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 一番問題なのは、市民や議会にまともに説明せずに、裏で事を進め、一方的に押しつけている点だと私は思います。そこで伺います。
第1に、3月18日の都市整備分科会でも話題になっておりましたように、駐車場の地権者は、昨年末の12月26日に駐車場部分にはホールを整備したいと発言され、現在も駐車場を売却する意思はないようです。市長は、民間2棟の建物買収を進めながら、広場隣地の駐車場買収の交渉をすると答えられましたが、それは議会の特別委員会の取りまとめに反するのではないでしょうか。一体整備の見通しが立つまで用地買収は見合わせるべきではないでしょうか。でないと、議会としての取りまとめが踏みにじられたことになります。
第2に、ことし3月議会の都市整備委員会で、寺本議員が「産文会館の解体は劇場構想があったから早急に廃止したといういきさつを聞いている。バスの停車場も民間駐車場を借りれば済むという発想もある。そういうことで、今回の産文を早急に解体して、隣接する2棟を取得、そして、なおかつ解体して更地になすのを早急にやる必要性がなかなか難しい感じがする。」という意見を述べられていました。
また、2009年に出された産業文化会館廃止に伴う移転補償費の返還を求める監査請求の監査委員の判断では、「再開発事業によって中心市街地をより活性化させる行政目的実現のために産業文化会館を廃止した市長の行為は、不当であったとまでは言えない。」と述べられています。
寺本議員の発言、監査委員の判断に共通するのは、産文会館解体の前提は花畑町再開発だったという点です。そして、花畑町再開発が頓挫した今、前提条件を欠いているわけですから、産文解体、広場づくりは監査委員の判断に反するものとは考えられませんか。また、緊急性はないのではないでしょうか。
第3に、特別委員会の取りまとめでは、民間2棟の買収に当たり、一般的社会通念に配慮した取得価格とするということが求められています。平成23年9月の花畑開発協議会の会合で雇用促進事業会は、平成24年6月末までに再開発の種地として取得したフラワーズビルを自己資金で解体する意向を正式に報告されていました。ところが、市が4億円も無駄にして再開発が破綻したら、その計画立案者である雇用促進事業会の責任は問われないまま、自己資金で解体すると言っていた土地を高い補償費まで払って買収するというのは、一般的社会通念と言えるでしょうか。
3点、市長にお尋ねします。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、3点ございましたので、お答えさせていただきます。
用地取得についての再度のお尋ねであったわけでございますけれども、この点につきましては、先ほど答弁させていただきましたとおりでございます。私といたしましても、この附帯決議を重く受けとめているところでございまして、民間2棟の建物と並行いたしまして、平面駐車場につきましても取得に向けて協議してまいる所存であります。
続きまして、2点目の花畑広場に関するお尋ねでございます。この点につきましては、これまでも花畑地区のみならず、桜町も含めました全体像を示させていただいているところであります。その一環として、あそこの広場化は必要であるというような認識であることに変わりはございません。そのような中で、この花畑地区の広場化というものも進めてまいりたいと考えております。
また、3点目のお尋ねでございましたけれども、議事録の発言も含めましていろいろと御紹介をいただいたところではございます。しかしながら、今後の事業を進めるに当たりまして、そして費用を支出するに当たりましては、社会通念に基づいた、あるいは適正な価格での執行というものを、当たり前のことではありますが、進めていきたいと考えております。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 特別委員会の取りまとめ、議会の決定をなし崩しにすべきではありません。民間2棟の用地買収先にありきでなく、一体整備という議会の方針を踏まえて、条件も整わない広場整備の用地買収は見合わせるべきです。
また、監査委員の判断に反する産文解体に正当性はありません。住民監査請求がなされる可能性が高いと思われます。昨年の夏まで、市は公の場で、シンボルプロムナードはかなり大きい空間なので花畑地区に広場は要らないと言っていました。しかも、広場整備の費用対効果では、通行人までカウントした過大な予測など、広場の必要性そのものも問われる問題です。広場整備は問題山積で、行き当たりばったり。曖昧なこの計画では、中心市街地の真の活性化にはつながらないと思います。花畑町再開発の破綻も、民間企業なら首になるような重大問題だと思います。市のいい加減さを象徴したような40億円の広場整備は見直すべきです。
続けて、MICE施設整備についてお尋ねいたします。
私どもが行った
市民アンケートの桜町の大会議場整備では、「箱物は維持費がかかるだけ。3,000人規模の会議場など熊本には不要。」、「人口が減っていくのに、もっと必要なことがある。」などの声がありました。特に多かったのが、会議場の必要性がわからないというものでした。そこでお尋ねします。
1、MICEの4つの施設、メーンホール、多目的ホール、国際会議ホール、イベントホールについて、国外、国内、それぞれの需要について詳細な調査結果をお示しください。
2、ことし5月、本市で行われた糖尿病学会の全国会議には、1万2,000名が参加されました。大型のMICE施設がない中、どのような方法でそれができたのでしょうか。
3、県民百貨店から、再開発ビル完成まで産業文化会館を仮店舗として利用させてほしいと市に要望されていました。その対応は、どのようになっているのでしょうか。これまで桜町地区で営業を営んでこられた地元の方々の営業をしっかりと守ることは、地域経済振興の面から大変重要です。県民百貨店とセンタープラザのテナントが、桜町再開発に残って営業できるように市としても要望されているのでしょうか。その見通しはどうでしょうか。
4、桜町再開発の地権者は、九州産交ホールディングス1社ですが、MICE整備は再開発の保留床を取得することになるのでしょうか。それとも、上通A地区再開発のように地上権を設定し、地代を払うようなやり方でしょうか。
以上、市長にお尋ねします。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、4点についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
まず、1点目のMICE施設の利用見込み等についてのお尋ねでございます。
平成23年度に熊本市コンベンションシティ基本構想を策定しておりますが、その際に全国の政令指定都市におけるコンベンション開催状況でありますとか、施設の利用状況調査などを行ったところでございます。その結果といたしまして、コンベンションの開催状況でございますが、札幌市や福岡市では年間1,000件前後が開催されておりました。また、イベントやコンサートなども含めました施設の利用率でございますが、全体の平均で約80%ということでございました。
また、平成23年に国内で開催されました国際会議でございますが、1,892件、全国で開催されました医学薬学系学会は約6,000件などの統計データも得たところでございます。
これらの結果を総合的に勘案いたしまして、コンベンション専門運営業者などの意見も踏まえました上で、基本構想におきましては、メーンホールと展示会場の機能を兼ね備えました3,000平米の多目的ホールで、コンベンション68件、イベント、展示会等104件、合計年間172件の開催を見込んだところでございます。
続きまして、日本糖尿病学会に関するお尋ねについてでございます。
この学会は、本市におきまして、5月16日から18日までの間、開催されました第56回日本糖尿病学会年次学術集会でございますけれども、総数で1万1,527名の参加者が熊本市に集われたというものでございました。かなり大規模な学会でございました。
全体会は市民会館崇城大学ホールの大ホール、また、市民公開講座は県立劇場コンサートホールで開催されましたが、講演会場やポスター会場、企業の展示会場など、多数の会場が必要でございましたため、計12施設、33会場を用いて開催されたものでありました。このため、複数会場を確保し、会場の間を臨時のシャトルバスで運行することによりまして、コストあるいは時間的なロスも発生しているものでございます。
しかしながら、今回の日本糖尿病学会は、御承知かと思いますが、会長が熊本大学病院に勤務しておられまして、熊本で開催したいとの強い思いがございまして、早くから複数の会場を確保し、先ほど申し上げたシャトルバスでつなぐなどの困難を乗り越えられて開催されました。もちろん、私どもとしましても、できる限り協力、応援をさせていただいたというものでございました。
そのような中で、今後の施設についてでございますけれども、主催者あるいは利用者の視点に立った使い勝手のよいMICE施設を整備し、産学官が一体となって設置したMICE誘致推進機構なども活用いたしまして、積極的に誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、旧産業文化会館の仮店舗としての利用についてのお尋ねでございますが、県民百貨店からそのような要望がございました。利用再開に際しましては、先ほども申し上げましたように、その建物自体、改修などに多額の費用を要すること、さらには県民百貨店の現在の売り場面積でございますが、2万5,000平米でありまして、それに対しまして、産業文化会館の有効床面積でございますが、5,000平米程度ということでございまして、仮店舗としての利用には大きな課題がございました。
また、本市としては、先ほど申し上げましたように、桜町・花畑地区におけるにぎわいと潤いに満ちた空間として広場を整備する方針でございますことを県民百貨店にはお伝えしたところでもございました。
また、営業存続についてでございますが、このことにつきましては、現在、県民百貨店などと再開発事業者との間で協議を進められていると伺っております。今後もその協議の動向を注視していきたいと考えております。本市におきましては、これも答弁でお答えさせていただいているかというふうに思いますが、雇用の維持確保は大変重要な課題でもございますことから、雇用者でございます県民百貨店、あるいは再開発事業者に対しましては、雇用不安や雇用確保に十分配慮いただくように求めたところでもございます。
最後に、MICE施設の整備手法についてのお尋ねでございます。
桜町再開発事業は再開発会社施行による予定でございまして、市はMICE施設として建物の保留床の一部を取得する予定でございます。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 いろいろ答弁いただきましたけれども、1万2,000人規模の糖尿病学会が無事成功したにもかかわらず、ロスがあったと言われました。私も全国規模のいろいろな大会に幾度となく参加しましたが、シャトルバスの運行は当たり前です。8,000人収容の大分ビーコンプラザでの大会にもシャトルバスがありました。今回は会場が分散したことで、むしろ電車やバスが利用され、まちのにぎわいにもなっていたのではないでしょうか。
また、九州のコンサートツアーの際、2,000名以上の会場がないために熊本では開催されなかったという理由が3,000名収容ホールの建設の根拠の一つともされていましたが、同じツアーが来年度は市民会館大ホールで開催される計画にもなっています。
その他の答弁でも熟度は極めて低いまま、既成事実だけが積み重ねられていると言わざるを得ません。このままいけば、三百数十億円も投入しながら、こんなはずではなかったということになりかねません。そこでお尋ねします。
第1に、MICE施設の需要について、国内で開催された国際会議や学会等を紹介されましたが、大中小合わせて数千件とはいいましても、それを一手に熊本で引き受けるわけではないでしょう。コンベンション基本構想では、3,000人以上規模を50件と見込まれていますが、150万都市の福岡市でも3,000人以上規模の実績は年間20件です。どういう根拠で福岡の2.5倍の開催が想定できるのでしょうか。
第2に、熊本市でのコンベンション開催の実績は、2011年10月のコンベンションシティ構想第2回誘致部会の資料では、開催件数が年々減り、2,000人以上規模の実績は、過去5年間の平均で年8回と報告されています。新規施設の利用見込みは、2,000人規模が8件、3,000人以上が7回と想定されていました。しかし、決定した基本構想では、2,000人規模35回、3,000人以上を50回と大幅に引き上げられました。どんな考えで過大な利用見通しとなったのか、全く理解できません。この見通しが現実のものになるのでしょうか。300億円もの事業費をつぎ込んで、利用見通しは福岡ほどにもならず、下回って、大幅に赤字になった場合、市長はどのように責任をとるおつもりでしょうか。
第3に、県民百貨店やセンタープラザの存続については傍観者のような弱腰の答弁でしたが、それで地元中心の店舗、従業員の雇用が守れるのでしょうか。残れる条件づくりを市が率先して具体的な形で再開発業者に要請すべきではありませんか。
以上、3つお尋ねいたします。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 MICE施設の利用に関すること、さらには県民百貨店に関することにお尋ねがございましたので、合わせる形でお答えさせていただきたいというふうに存じます。
利用件数の見込み、見通し等につきましては、現在、手元に資料がございませんので、詳細についてのお答えをすることはできません。しかしながら、本市におきましては、これまでもお話をしてまいりましたように、例えば、医療機関の集積でございますとか、あるいは教育機関の集積等もございまして、本市における学会等の開催の優位性というものはかなり高いものがあるというふうに認識いたしております。その一環として日本糖尿病学会も開催されたというものでございました。
そのような優位性をより高めてまいりますために、そして本市のにぎわいづくりでありますとか、あるいは経済の活性化等も見据えながらMICE施設の整備等を進め、交流人口の増加につなげていきたいというふうに考えております。
しかしながら、先ほどは福岡を例に挙げられましたけれども、このMICEの誘致等につきましては、競争がますます激化していることは間違いございません。そのような中で、本市の施設、あるいは花畑・桜町も含めましたあの空間というものの本市の独自性といいますか、オンリーワンといいますか、そのような魅力をさらに高めていくことによりまして、本市での開催を呼び込んでまいりたいというふうに考えております。
そして、現在、新たな会議体が開催されまして、議会にも入っていただいておりまして、その中でも施設の使い勝手という点も含めまして議論していただいているところでもありますし、さらには空間一体ということに関しましては、シンボルプロムナードの委員会等もございますので、そのような中で、もちろん議会等の御指摘等も踏まえました上で、より魅力的な空間とし、この熊本におけるMICEの開催、選ばれる都市を目指してまいりたいと考えております。
2点目の県民百貨店についてのお尋ねでございますが、この点につきまして傍観者のようだということでございましたが、決してそのような考えではございません。現時点におきましては、当事者間におきましての協議、話し合いが行われているというふうに伺っておりますけれども、このことが本市の雇用の悪化、あるいは経済の悪化につながらないように、そこは私どもとしても十分に注視し、適切に対応してまいりたいと考えております。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 市長は、具体的な数の問題では、手元に資料がないのでよく答えられないということでありましたけれども、その程度の答えでは、300億円も事業費を使う、これからの熊本市の一大事業を進めるのに、議会で数字がないから説明できないというのは、私は無責任だと思います。市民が聞いたら、怒りますよ。それぐらい頭に入れて答弁台に立ってください。とても納得できません。
そこでもう少しお尋ねいたします。
第1に、今回のMICE整備は、再開発に参加することで高くなっています。本市のコンベンションシティ構想に紹介された福岡国際会議場の建設費は約100億円、延床面積が2万2,185平方メートルで、1平方メートルの床単価は45万円です。よく聞いていてくださいね。他都市のコンベンション施設も1平方メートル当たり、大抵45万円から60万円ぐらいです。
一方で本市の場合、今の事業費とフロア面積からしますと二百数十億円なので、最低でも70万円以上、最高100万円ぐらいが予想されます。どう考えても高過ぎます。しかも、先ほどの答弁でわかるように事業者の言いなりです。駅前東A地区再開発がそうでしたが、これではもっと高くなることも予想されます。このような莫大な投資に市民の理解が得られるとお考えでしょうか。
第2に、先ほどアセットマネジメントでも申しましたが、今、全国の自治体が膨大な公共施設のストックをどのように維持管理、更新していくのか、頭を痛めています。本市も、今後は他都市の状況を踏まえながら、公共施設のより効果的、効率的な管理に取り組まれていくということです。
政令市で先進的にアセットマネジメントに取り組んでいる自治体を見ますと、今後必要となる維持管理・更新費は、既に策定している福岡市で30年間で2兆3,140億円、年間770億円。名古屋市は40年間で4兆4,900億円、年間1,122億円。さいたま市が40年間で2兆7,870億円、年間約700億円。策定中の静岡市が50年間で1兆7,500億円、年間350億円となっています。
各自治体は、今ある公共施設の維持と更新だけでも数兆円という莫大な費用が予想されることから、さまざまな方針を立てています。共通しているのは、徹底した公共施設の長寿命化、維持管理費の削減などで、さいたま市では原則新規施設は建設しないということも決められていました。本市では、そうした計画づくりや検討が今後の課題で、今後必要となる費用もわからないので、300億円もの費用を要するMICE施設の整備をする前に、アセットマネジメントこそ優先すべきではないでしょうか。
以上、市長にお尋ねいたします。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、お答えさせていただきます。
先ほどは福岡の施設等を例に挙げられましての単価等のお尋ねでありまして、それに比較して桜町は高いのではないかというような御指摘でございました。
前提が異なる、あるいは時点も異なるでしょうから、一概に比較はできないというふうに考えております。
しかしながら、もちろん公金を使うということになるわけでありますので、そのかかる費用等につきましては十分精査し、そしてもちろん、その段階段階に応じまして、公表につきましては可能な限り精度のある数字を、今後、報告してまいります中で御理解を求めていく必要があろうかというふうに考えております。
議員に大変僭越ではございますが、通告制度がございますので、細かな数字等が必要なものにつきましては、よければ通告をしていただければ大変幸いに存ずるものでございます。
アセットマネジメントのお尋ねにつきましては、先ほど基本的な考え方につきまして、総務局長が答弁したとおりでございます。今後、よりストック重視の考え方というものを強化していかなければならないというふうに思います。そして、将来にわたる維持管理費等も見据えた中での財政運営も心がけていかなければならないという中で、先ほど局長が答弁したとおり検討を進めていきたいと考えております。
〔27番
上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員 私は、数字そのものを聞いているわけではありません。私が言った数字に対して、市長の考えをお聞きしているだけです。
ただいまの答弁でいろいろ言われましたけれども、再開発事業は大変な状態だと思います。
300億円も投資するようなMICE施設の整備は、民間事業者の言いなりの再開発でもあって、今後の市の財政に大きな負担をもたらすことは間違いありません。そこで伺います。
花畑町の再開発は、迷走の末、失敗に終わりました。現在のような経済情勢の中で桜町再開発がスムーズに進んでいくのか、心配です。都市計画決定の時期も平成25年中から、平成25年度中にとトーンダウンしています。そして現在、9月です。桜町再開発の事業フレームは、どこまで固まっているのでしょうか。特に、5万平米の商業スペースの床は、どの程度埋まっているのでしょうか。
都市計画決定に当たり、当然クリアすべき課題として周辺環境の問題もあります。交通問題や特別委員会で不可となったバスターミナルの問題は、現在、どのように検討されているのでしょうか。
これらを踏まえて、都市計画決定の年度内の見通しはどのようになっていますでしょうか。
そのような中で、私を初め副市長や各局長によりまして構成されます市政経営会議でありますとか、あるいは経営戦略会議などにおきまして、重要な案件につきましては議会への報告や説明はもとよりでございますが、市民が政策立案や構想、計画段階から意見を表明できる場を設けることの重要性を共有し、これらを適切なスケジュール、あるいはタイミングに沿って実施してまいりますように指示をしてきたところでございます。
しかしながら、今回改めまして情報提供のタイミングの遅さ、あるいは議論の場の不足などにつきまして議員より御指摘のあったことにつきましては、改めて教訓とさせていただきまして、さらなる丁寧な説明を心がけまして、活発な議論を通じ、政令指定都市としての新たな熊本づくりを進めていくことができればと考えているものでございます。
〔30番 満永寿博議員 登壇〕
◆満永寿博 議員 大事業を推進していく過程においては、幹部の間では、議会との調整はどうするか、まだ早いかなどと議論されることは当然であります。市政経営会議などにおいても、単に形式的なものではなくて、市長のリーダーシップのもと縦横の遠慮のないフリーな議論が行われることを望むものであります。市民の立場に立って、タイムリーに情報提供をされるようにお願いしておきます。今後は適切な対応をいただけるものと期待申し上げまして、次の質問に移ります。
次に、第2期の中心市街地活性化基本計画についてお尋ねします。
中心市街地の再開発関係予算については、さきの6月議会で凍結解除されましたので、今回はそのことから少し離れて、その他の中心市街地活性化策についてお尋ねします。
まず、下通などアーケード街の活性化についてお尋ねします。
計画では空き店舗の利活用を進めるための支援措置を講ずるとありますが、本市の中心部は全国チェーンの店が多くなって、熊本らしさが薄くなり、まちの魅力が少しずつ薄れてきているように感じます。地元の人にとってはどこに行っても同じものが買えるし、観光客にとっても個性に乏しい魅力のないまちになると、訪れる人が減少し、市街地の空洞化に拍車がかかるのではないかと心配しております。
中心部に買い物に出てくるためにはバスやマイカーに乗る必要があり、人によってはストレスを感じる人もおります。その方たちに、そのストレスを乗り越えてでも行きたいと思わせる魅力が商店街になければ、人の足が遠のくのは自明の理であります。
熊本らしさを感じることができる個性的な店が少なくなり、空き店舗がふえている理由は、家賃が高いからという話をよく耳にします。先月末には、幸いにして空き室が減少傾向にあるという民間の調査結果が報道されておりましたし、家賃も下がっているとのことでありましたが、下通は上がっているとの内容でありました。
家賃をどうする、店舗を誰に貸すということは、もちろん自由な商業活動でありますから、行政が口を出すのは難しい話であるかもしれませんが、ぜひ中心部の関係の皆さんと話し合いの場を持っていただいて、単に空き店舗を埋めればいいという発想、対策ではなくて、中長期の視野を持って、個性的で魅力あるまちづくりを目標とした対策を講じていただきたいと考えます。同じような悩みを持った他市においても新しい発想で対策が進んでいるようでございますので、大変参考になると思います。
本市における空き店舗の利活用についての考え方と対策について、担当局長にお尋ねします。
次に、城彩苑の入苑者をふやす試みについてお尋ねします。
湧々座の入場者数は、平成23年度に19万人台だったものが、昨年度は13万人台へと大幅に減少しております。湧々座は、つくることが目的ではなく、熊本城との相乗効果を期待した施設であったろうと思います。湧々座の展示はわかりやすくて大変よくできていると思いますが、しかし、現実には入場者は減少しております。この原因は何だったのでしょうか。
確かに、簡単にソフトをいじることができないことから、リピーターを期待できないのは第三セクターに共通する弱点でありますが、お金をかけないで知恵を絞るとともに、情報発信の仕方で入場者をふやすことはできないものかと考えます。何とか熊本城との連携を図って、できることならば湧々座を見て勉強してから熊本城にというルートが確立できないものかと思う次第であります。熊本城と湧々座の共通入場券も発売されているようでありますが、その効果は出ているのでしょうか。
観光地が栄えるためには、お客を運んでくるドライバー、バスガイドさんによい感触を持ってもらわなければバスがやってこないと聞いたことがあります。熊本城との連携のあり方等について、ぜひ観光業界などの意見を聞く機会を持つべきであると思います。
湧々座の入場者減少の原因の分析とその対策について、担当局長にお尋ねします。
次に、熊本駅周辺整備のポイントとなるゼロ番線ホーム跡地の再開発についてお尋ねします。
このことについては、熊本商工会議所や学識者、そして行政などで勉強会が発足したと聞いております。ゼロ番線ホーム跡地問題は重要な課題であると市長もたびたび発言しておられますとおり、3万平方メートルという広大な面積でありまして、熊本の陸の玄関口となる重要な再開発であります。
7月の新聞報道によりますと、大分駅と鹿児島駅を例として挙げてありましたが、JR九州はこれからも、地元とのあつれきがあったとしても、いわゆる客の囲い込みを進めていくという戦略のようであります。このようなJRの戦略を考えると、熊本駅周辺がコンパクトシティを目指す本市のスタンスとは相入れないものになる可能性があるのではないかと心配するものであります。
したがって、JR側が先手を打って早目に独自の計画を公表するということもあるかもしれないということを、危機管理としてしっかり押さえておく必要があると思います。そして、防止するために、JRも入った駅周辺整備についての関係者会議を頻繁に開催して、本市としての考え方を明確に伝えるとともに、JRからも情報をいただくことが大事ではないかと考えます。
ゼロ番線跡地の再開発について、陸の玄関口の考え方を含め、どのようなスタンスで臨もうとしておられるのか、市長にお尋ねします。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 中心市街地活性化基本計画に関連しての3点のお尋ねの中で、質問の順番と前後いたしますが、私の方から先に熊本駅ゼロ番線ホーム跡地の再開発に関するお尋ねにお答えさせていただきたいというふうに存じます。
先ほども御紹介がございましたが、熊本駅構内のゼロ番線ホームは、在来線の連続立体交差事業が完了しました後に未利用地となります予定のJR九州所有の土地でございまして、約3ヘクタールの広さでございます。
この高架化事業は平成30年度を目途に終了する予定でございまして、それを見据え、整備主体でもありますJR九州が、具体的な利活用につきまして検討を進められているところでございます。
この土地を有効活用しますことは、駅周辺のにぎわい創出のみならず、本市域あるいは県全体の魅力や機能の向上に重要な役割を果たすものと考えております。
また、本事業につきましては、先ほども少しお触れになりましたけれども、中心市街地全体の活性化への影響も想定されるところでございまして、各エリア機能の整理や連携のあり方を議論しますことが重要でありますことから、今年度、熊本商工会議所の呼びかけによりまして、経済界や学識者、県、地域住民等、産学官民によるゼロ番線ホーム跡地の利活用方法についての検討会議が設置されたところでございまして、本市も参加しているところでございます。
今後は、この検討会議の中での審議内容なども踏まえまして、JR九州を含めた関係者で意見交換を行いながら、陸の玄関口にふさわしい熊本駅周辺地区として整備が進められますよう努めてまいりたいと考えております。
〔多野春光農水商工局長 登壇〕
◎多野春光 農水商工局長 私からは、空き店舗の利活用についてお答えさせていただきます。
中心商店街の空き店舗は景気低迷等の影響により増加し、平成22年度には11%を超えるまで悪化、その後は、平成23年度は8.1%、昨年度は7.5%と改善傾向にあるものの、依然として高い水準にございます。
このような中で、本市では商店街等が実施いたします各種イベントや共同施設整備への助成など活性化を支援いたしますとともに、商店街等が空き店舗を活用し、施設を設置する際、改修費や賃料の助成を行い、また、平成24年度からは、民間事業者や創業者等もその助成の対象とするなど、空き店舗解消に向けた直接的な対策にも取り組んでいるところでございます。
その結果、中心商店街におきまして、昨年度は7件、今年度も既に2件の空き店舗が解消するなど、一定の成果を上げております。
一方、議員御指摘のように、本市中心商店街の不動産賃料が全国主要都市と比較しまして高い水準にあることが、空き店舗の要因の一つでございます。
このようなことから、商店街関係者、不動産オーナー、学識者、そしてまちづくり会社等で構成いたします、仮称ではございますが、熊本遊休不動産利活用協議会が近々設立される予定でございます。本市も参画し、フロア分割による借り手ニーズとのマッチング、賃料を抑える手法、空き店舗の魅力的な利活用等につきまして、先進都市の事例も含め研究いたしますとともに、実際にモデル的な取り組みを行い、成功事例をつくることで、この取り組みを中心市街地、あるいは地域の商店街にも広げてまいりたいと考えております。
今後も商店街等と連携協力を図りながら、空き店舗の解消に向けた取り組みを初め、魅力ある商店街づくりを推進してまいります。
〔坂本純観光文化交流局長 登壇〕
◎坂本純 観光文化交流局長 城彩苑の入苑者をふやす取り組みにつきまして、3点のお尋ねにお答えいたします。
まず、1点目の湧々座を見てから熊本城に行くルートの確立につきましてでございます。湧々座は、熊本城のビジターセンターの役割を担う施設として、熊本城のエントランスに当たる桜の馬場地区に設置した施設でございます。このことから、旅行エージェントなど観光業者のセールスや、各地で行う観光プロモーションにおきましては、まずはお客様に湧々座で学習していただき、その後に本物の熊本城をごらんになることでより理解を深めていただけるよう積極的にPRしているところです。
2点目の熊本城との連携につきまして、観光業者などの意見を聞く機会を持つべきではないかということでございます。これまで、東京、名古屋、大阪など、お客様を熊本に送り出す送客側の観光業者の皆様に対しまして観光説明会を開催いたしますとともに、お客様を受け入れる受け入れ側の地元観光事業者の皆様についても意見交換会を開催しております。このような機会の中で、議員御提案の熊本城との連携のあり方、あるいは観光バス事業者への対応についても御意見をいただき、検討してまいります。
3点目の湧々座の入場者減少の原因の分析と対応についてでございます。まず、原因の分析についてでありますが、毎年秋に行います観光実態調査の城彩苑における出発地ごとの入り込みでは、開業2年目となります昨年、平成24年度におきまして、九州外から伸びを示しているのに対し、九州内が減少しておりますことから、県内を初めとする九州内における城彩苑の開業効果の落ち着きが原因の一つと考えております。
そこで、湧々座利用者の増加に向けた対応でありますが、まず湧々座と熊本城をお得に体験できる共通入場券を販売しておりますほか、館内1階のシアターではCG技術を使って築城当時の熊本城の姿を再現するバーチャルリアリティ映像のリニューアルを行うなど、工夫を行っております。
また、2階にまいりますと、ものがたり御殿がありますが、人と映像によるパフォーマンスで肥後の偉人や歴史を紹介するライブ上映を充実するなど、来場者を飽きさせない仕組みづくりにも努めております。
さらに、城彩苑で降車する団体バス利用事業者への二の丸駐車料金のキャッシュバックのほか、団体バスの乗降所につきましても、合同庁舎側から城彩苑の玄関口となるロータリー側へ近づけるとともに、一定時間の駐車を可能にしたところです。
加えまして、城彩苑内の親水空間を活用したステージイベントや夜市など、時宜に応じた催しを開催するなど、城彩苑の入苑者増に向けた取り組みに努めているところです。
〔30番 満永寿博議員 登壇〕
◆満永寿博 議員 空き店舗対策については、どうか物心両面にわたり、行政としてもできる限りの支援をしていただきたいと思います。
城彩苑の最大の問題は駐車場にあると思いますので、合同庁舎跡地の活用は駐車場案になっていますが、一刻も早く固めていただきたいと思います。跡地を駐車場にすることによって、熊本での宿泊や飲食の増加につなげることができるものと期待しているものでございます。
ゼロ番線ホーム跡地については、跡地利活用方法の検討会議が設置されましたが、しかし、これにはJRは参加しておりません。
私は、先月、有志で鹿児島駅と天文館を視察してまいりました。鹿児島市役所にも状況を教えてもらいました。天文館の夜はにぎわっているようでありますが、昼間は新聞報道のとおり、かなりさびれているようであります。駅ビルの中だけで何でもできて、そこから客が外に出てこないのならば、駅周辺や中心市街地がにぎわうはずがありません。だから、客の囲い込みというわけであります。将来に禍根を残さないためにも、ふんどしをよく締め直して、早目早目の対策を講じていかなければならないと思います。抜かりのないような万全の対応を強くお願いしまして、次の質問に移ります。
次に、教育問題についてお尋ねします。
まず、教育委員会制度改革についてお尋ねします。
有識者による教育再生実行会議が設置されて、今後の日本教育のあり方についての議論が展開されています。その中で、教育委員会制度の改革についても議論がなされ、4月に、教育委員会のあり方について第二次提言が出されています。
教育委員会制度については、これまでもさまざまな課題が指摘されておりました。例えば、教育委員会の代表者である教育委員長と、教育委員会事務局の統括者である教育長とが存在することや、公立小中学校の教員の任免は県が担当し、服務監督は市町村が担う仕組みになっており、権限と責任が非常にわかりにくいことがあります。また、教育委員会の審議が形骸化しているのではないかというような指摘がなされていました。
教育再生実行会議から示された教育委員会制度の改革の方向性は、一つは責任体制を明確にするため、首長が任命する教育長を教育行政の責任者とすることであります。このことは、教育の政治的中立性や継続性の確保をどうするかなど多くの課題があります。教育再生実行会議の提言を受け、文部科学省の中央教育審議会において、現在、審議が行われており、年内には答申をまとめられると聞いております。今回の内容は、教育委員会制度の根幹にかかわる重要な問題であります。
そこで、教育再生実行会議からの第二次提言、教育委員会のあり方について、市長の見解をお尋ねします。
次に、教職員給与の総額裁量制についてお尋ねします。
ただいま申し上げました今後の教育行政のあり方にも取り上げられているところの服務監督権者と給与負担者が異なることに関してのお尋ねであります。
本市が政令市となって、小中高校の教員採用については本市独自で採用選考考査を行うようになりましたが、小中学校教職員の給与などは依然として熊本県の権限であります。このことについては、これまでさまざまな議論がなされてきておりますが、学校現場の状況を見ますと少々心配な点があるように感じます。
それは、教員採用選考考査の合格者である本採教職員と臨時採用教職員の配置の割合であります。平成24年度と25年度を比較しますと、小中の臨採の教職員は225人から294人に、実に69人ふえております。教員定数も25人ふえておりますから、仮にその分を全部臨採にしたとしても、25人のところを69人ふやしているのであります。単純計算で、本採教職員が44人減っているのであります。もちろん、臨採の先生の中には高い能力の方も多くおられることは承知しておりますが、多忙を極める学校現場がさらに大変な状況になるのではと危惧するものであります。
教職員の給与は、現在の給与国庫負担制度では、財政力がより安定している県が負担するというか、担当することになっております。そして、総額裁量制という制度でありまして、国庫負担金総額の範囲内なら県の裁量で給与や教職員数を決定できる仕組みになっております。
ただいま申し上げました本採と臨採の割合を県が決めるはずでありますから、県の懐ぐあいで給与が安くて済む臨採の割合がふえているのではないかと、根拠はありませんが、そのように感じる次第であります。
そこで、本採と臨採の現状についての認識と、このことに関して県とどのようなやりとりをされたのか、教育長にお尋ねします。
次に、教職員の育成、資質向上についてお尋ねします。
本市では、政令市になった昨年度から小中学校の教職員の採用選考考査を実施し、そして、平成26年度からは高校の教職員も採用を行う予定であります。このように、政令市になって教職員採用を市独自で実施するようになったことについては、高く評価しております。
しかし、私は、次のステップとして、採用した教職員の人材育成、資質向上をどのように行っていくのかが重要であると考えております。その一つの方策として、県と教職員の人事交流を行う予定と聞いておりますが、具体的にはどのような方法で、例えば、対象年齢層や交流規模等についての現時点での考えをお尋ねします。
また、資質向上のためには、研修が重要と考えます。初任者研修などの法定研修以外に、市教育委員会として特に力を入れていること、あるいはこれから取り組もうとされていることについて教育長にお尋ねします。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、私の方から教育委員会制度改革についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
急速な社会変化によりまして、子供たちを取り巻きます環境でありますが、より一層厳しさを増しております中、地方自治体が創意工夫や地域の教育力を生かしながら、地方分権時代にふさわしい教育行政に取り組んでいくことは重要なことでございまして、そのために必要な地方教育行政のあり方について議論を深めていくことは必要なことであると、もちろん考えております。
教育再生実行会議の第二次提言につきましては、教育委員会の存在意義を原点に立ち返って見直し、全国どこでも責任ある地方教育行政の体制を築くため、検討が進められております。その第二次提言の3つの柱、1つ目が地方教育行政の権限、責任の明確化、2つ目の柱が、国、都道府県、市町村の役割の明確化と権限の見直し、3つ目の柱が、地方教育行政、学校運営への地域住民の意向の反映、この3つの柱に基づきまして改革が進められているところでありまして、その基本的な考え方につきましては、十分理解するところであります。
現在、この提言を受けまして、今後の地方教育行政のあり方に関して中央教育審議会で審議されているところでありますが、制度改革に当たりましては、先ほど議員からも御指摘がありましたが、教育行政の政治的中立性、継続性、安定性の確保に十分な配慮がなされるかどうかが必要であると考えております。
本市におきましては、私と教育委員会がそれぞれの役割を果たしながら、引き続き教育を取り巻くさまざまな課題に対しまして、連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〔廣塚昌子教育長 登壇〕
◎廣塚昌子 教育長 私からは、教育問題に関する2点のお尋ねにお答えいたします。
1点目の正式任用教員と臨時的任用教員の配置割合についてでございます。
本市における教員定数に占める臨時的任用教員の割合は、概ね7%前後で推移しております。
臨時的任用教員を配置せざるを得ない大きな要因といたしましては、教職員の採用予定数を決定する段階では、次年度の学校ごと、学年ごとの児童・生徒数の変動の予測が立たず、各学年の教員定数を確定することが困難でございまして、学校によりましては、生じた欠員に対しまして臨時的任用教員を配置せざるを得ない状況が発生することが挙げられます。
しかしながら、正式任用教員の割合を現在よりも大きくしていかなければならないという認識は、県市ともに持っているところでございまして、そのためには新規採用の教員数をふやす必要があると考えております。
今後、さらに新規採用数の増加を求めていくなど、定数決定権を持っております県との協議を進め、正式任用教員の配置割合の拡大を図ってまいりたいと考えております。
2点目の教職員の育成、資質向上についてお答えいたします。
まず、本市で採用いたしました教員の県との人事交流でございますが、県市間で教員の交流を行うことは、県下全体の教育水準の維持向上のために必要であるばかりでなく、本市とは異なる教育環境にある他の市町村の学校におきまして、学級経営、学習指導等の教育活動を行うことは、本市の教員にとりましても大変有意義な経験となります。
このようなことから、管理職及び教員を対象といたしまして、原則3年間の研修交流を行うこととしたところでございます。研修交流の主な対象となります経験年数、交流規模等の詳細につきましては、本市教職員の人材育成を図ることを念頭に置きまして、県と具体的な協議を進めてまいります。
最後に、資質向上のための研修についてでございます。政令指定都市となったことで、本市教育にふさわしい教員の採用から育成まで一体的に取り組むことが可能となりました。
そこで、本市独自の取り組みといたしまして、採用4年目から10年目の若手教員を対象とした教師塾「きらり」を昨年度開講いたしました。ベテランのすぐれた指導技術を若手に継承する場を提供するとともに、塾生の意欲を高め、塾生同士のつながりを深めておりまして、将来、熊本市のリーダーとして活躍する人材が育つものと期待しているところでございます。
また、全ての教職員の資質の向上を図るためには、日々の学校内での研修を充実させることが重要でございます。その支援策といたしまして、指導主事等が学校へ講師として出向きまして講座を行ったり、教育センターから授業で活用できる資料や指導のポイントの解説などを配信したりすることで、学校にいながら学ぶことができる場を提供しております。
このほか、特色ある取り組みといたしましては、初任者研修の後にフォロー研修として2年目研修、3年目研修、さらには中堅教員としての自覚と学校組織の運営能力を高める15年経験者研修や、20年経験者研修を実施しております。
今後も教育都市熊本の教職員像の実現を目指して、教職員がお互いに研さんを積むことができますよう研修の充実を図ってまいります。
〔30番 満永寿博議員 登壇〕
◆満永寿博 議員 教育委員会制度改革については、若手市長らしい斬新な御意見が聞けるかもしれないと少しは期待しておりましたが、軽くいなされた感じがしております。残念であります。
臨採教職員の必要性については理解しておりますが、その割合が高くなることについては納得できません。政令市でありますから、新制度になれば本市において人員配置も給与も決めることができるようになるものと思いますが、そうなるまでは県に遠慮するのではなく、おかしいことはおかしいとはっきり物を申すべきであると思っております。本採教職員の配置割合がこれ以上低くならないよう、市教委として踏ん張るべきであると強く思います。御努力いただきますようにお願いをして、次の質問に移ります。
次に、市民の安全安心対策になくてはならない消防団員の確保についてお尋ねします。
消防団員は、常備の消防職員のような高度な技術や機材は持ち合わせていないものの、危険を顧みずその任務を遂行する使命感には、私も心から敬服いたしております。
ところが、その消防団の団員へのなり手が少ないという状況があります。そこで、自民党では消防団員の減少に歯どめをかけるため、地域総合防災力整備促進法案をこの秋の臨時国会に提出します。サラリーマン等が消防団に加入しやすくなるような環境づくりが柱と伺っております。社員を入団させるためには、当然のことながら職場の理解を得るための努力が肝要であると思います。新法案では、企業等に環境づくりの努力義務を課すということでありますが、あくまで努力義務でありますので、効果を上げるためには、行政からの強力な働きかけが重要な意味を持ってまいります。
そこで、本市において、新法案成立に先駆けて幹部職員が直接企業などに出向いて入団についての理解を求める考えがないか、お尋ねします。
ただ、そのためには、模範を示す意味において、ある程度の市職員が消防団に加入していることが必要と考えます。現時点での市職員の加入状況がわかれば、あわせて教えていただきたいと思います。
次に、同じく消防団員確保のための機能別分団制度の導入についてお尋ねします。
国、県では、サラリーマンなどが入団しやすいように機能別分団制度などの創設を推進しておりますが、本市ではまだ採用されておりません。通常の消防団は、消火や救助活動、火の用心の巡回指導などの予防業務、広報活動など幅広い業務を任務としております。したがいまして、それぞれの仕事を持ちながらこのような任務をこなしていくことは、団員にとって大きな負担になっております。
そこで考え出されたのが、機能別分団制度であります。この制度は、例えば大規模な災害時だけ出動する分団や、土日に限って巡回指導や広報活動だけ行う分団など、多様な参加形態を可能とするものであります。既に県内では、八代市や玉名市など16市町村が新制度を導入しております。本市は特にサラリーマンが多い地域でありますので、このような参加しやすい制度を導入すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。