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平成 3年第 4回定例会−12月11日-06号
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  1. 熊本市議会 1991-12-11
    平成 3年第 4回定例会−12月11日-06号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成 3年第 4回定例会−12月11日-06号平成 3年第 4回定例会   平成三年十二月十一日(水曜)   議 事 日 程 第六号   平成三年十二月十一日(水曜)午前十時開議   第 一 質 問    第 二 議第一八五号 平成二年度熊本市産院会計決算について   第 三 議第一八六号 同       市民病院会計決算について                午前十時三分 開議 ○議長(嶋田幾雄君) ただいまより本日の会議を開きます。     ─────────────────── ○議長(嶋田幾雄君) 日程第一「質問」を行います。順次発言を許します。佐々木俊和君。           〔八番 佐々木俊和君 登壇 拍手〕 ◆八番(佐々木俊和君) おはようございます。日本社会党の佐々木俊和です。本定例市議会本会議におきまして、初登壇の機会を与えていただいた先輩議員並びに同僚議員に心から感謝を申し上げます。  通告に従いまして質問を申し上げますが、何分にも経験不足であります。質問の要旨その他、不十分な点があるかと思いますが、皆様の御理解と御協力をいただき、市長初め執行部の明朗、真摯な御答弁を期待いたしまして質問に入らせていただきます。  一点目は、交通問題についてであります。  今日の日本の交通政策の基本的な枠組みとなっているのは、運輸政策審議会が出した一九七一年の第一回答申「総合交通体系に関する答申」と一九八一年の第二回答申「長期展望に基づく総合的な交通政策の方向」であり、これらの答申の骨子となった競争原理、市場原理の導入と効率性の追求は、今日の自動車社会を築き上げました。確かに自動車は私たちの生活をいろいろ便利にしているし、楽しみもつくり出しております。今や自動車なしには暮らせなくなっているのは疑いのない状況ではありますが、一方でマイカー重視による公共交通の衰退、交通事故の激増、交通渋滞や過疎、過密、老人、子供、病人、障害者などの交通弱者をも生み出すなど多くの矛盾を派生させ、大きな社会問題となっています。私たちの住むこの熊本都市圏においても例外ではなく、県警が行った熊本都市圏交通実態調査によれば、交通量の増大に伴う交通渋滞状況が悪化してきていることが認められています。  このように交通環境が悪化してきた最大の原因は、やはりモータリゼーションの進展とそれに対する有効な抑制策が十分機能していないことと、道路整備の立ちおくれであり、総合交通体系確立の立ちおくれであると言えます。これらを克服していく道は、国及び地方自治体の責任を明確にし、交通福祉の概念や高齢化社会に対応、貢献できる交通手段を確保すること。あわせて環境問題、省エネルギー、町づくり、観光資源としての観点からも総合交通体系が確立されなければならず、その基本は公共交通の発展的整備と再生のいかんにかかっています。今や交通は住民生活に必要な社会的機能であり生活権の一部であると言えます。したがって、交通権は公共性を付与されており、公共交通はその基底においてこれを保障するものでなければならないのです。  熊本市の現状は、交通手段の私的所有により、共同利用の交通機関としての公共交通は、利用者の必要に即した交通体系網の整備という観点よりは、企業としての収益重視の余り、利用者のニーズ、公共性が失われ、サービスの低下がマイカー利用、交通混雑という悪循環を起こしています。さらに近年の熊本市近郊の人口増により、マイカーの流入増加で市中心部の交通混雑に一段と拍車がかかっており、快適な生活や環境、経済活動をも含め、都市としての機能に大きな障害をもたらしています。このような中、本市はマスタープランの中で都市づくりの一環として総合交通体系の整備を掲げておりますが、実現に向けての市長の熱意と交通問題における見解と公共交通に対するお考えをお聞かせ願います。
              〔市長 田尻靖幹君 登壇〕 ◎市長(田尻靖幹君) 佐々木議員にお答えを申し上げたいと思います。  その前に、去る四月の統一選挙におきまして、歴史と伝統に輝く熊本市議会に議席を得られました佐々木議員に対しまして心から敬意を表する次第でございます。  ただいま交通環境の悪化、そしてこれを克服するためには公共交通の発展的整備と再生が基本であると、このような御趣旨でございまして、私も全く同感でございます。佐々木議員御指摘のとおりに、近年モータリゼーションの進展あるいはまた市街地が外にずっと延びていく、経済活動が非常に活発になってきたと、こういうことを背景にいたしまして、慢性的な交通渋滞の発生、そしてまた必然的に交通事故が多発いたしておりまして、本市の交通事情はますます深刻な状態にあると、私もそのように考えているわけであります。このことはただ我が熊本市のみならず、全国のあるいはまた世界の都市がすべて直面している深刻な課題であるというふうに感じているわけでございます。  特に、熊本市電それからバスの公共交通を今後さらにサービスを向上させていくと、そしてまたこういうことで悪循環を克服していくと、このような佐々木議員の御指摘に対しまして、まことに適切な御指摘であるというふうに感じております。これまで我が熊本市におきましては、都市交通問題につきましては大規模なパーソントリップの調査を実施してまいりました。特に公共的な交通に対しましては、武蔵塚、新水前寺駅の設置、あるいはまた市電の電停の抜本的な改良、新型車両の導入、さらにはバス専用レーンの拡大、こういう問題につきまして、関係機関の御協力もいただきながら積極的に取り組んでまいったわけであります。しかしながら、我が熊本市のこの交通対策の中におきまして最も忘れておりましたことは、やはり道路面積率をもっと広げるということではなかったかと思うわけであります。  ちなみにいろいろの資料から私ども見てみますと、例えばアメリカのニューヨークは二三・二%、ロンドンは一六・六%、パリが二〇%、東京都におきましても一三・六%というのに、我が熊本市におきましては道路面積率が七・六%であると。それに加えまして熊本市の自動車の台数が昭和五十年に十二万八千台でありましたのが、平成元年、ちょうど十五年目には二十五万三千、一・九八倍ということになっているわけであります。しかも道路の延長につきましてはわずか一・〇八%しか延びていないと。こういうことを考えますときに、今佐々木議員御指摘のとおりに、これは当然の帰結であるというふうに考えておりまして、都市計画道路のおくれに対しまして深く反省をいたしているところでございます。  この問題につきましては、今後新都市総合調査特別委員会におきまして、いろいろと議会の貴重な御見解等承りまして積極的に解決していきたいと、かように考えているわけでございます。今後は、三月に御議決をいただきました新熊本構想、その中におきまして、特に都市交通のこれから先のいろいろの問題点につきまして御指摘をいただきながら、長期的視野に立ってこの重要な課題を果たしていきたいと、かように考えるわけであります。  同時にまた、ハードな面ばかりでなくてもっとソフトな面、特に高齢者や障害者の社会参加に対します、そのようなやさしい乗り物への転換と、あるいはまた電気自動車による市内市域の交通と、そういうことも十分考えて取り組んでいかなければならないというふうに考える次第でございまして、今後議会における新都市総合調査特別委員会の論議を十分承りながら、全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように考えております。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) ありがとうございました。市長の御熱意どおりに早急な問題解決を期待いたします。また、問題意識も基本的には一致をいたしておりますので、ぜひ、公共交通を柱とした総合交通体系の整備を念頭に置かれマスタープランの推進をお願いいたします。  冒頭述べましたように、全国的に交通問題がクローズアップされている中で、運輸政策審議会はことしの六月に平成三年度の運輸白書、つまり第三回答申を出しました。その中で言っているのは、九〇年代の輸送を担うのは公共交通機関、とりわけ鉄道であると、強い調子で二十一世紀を展望した九〇年代の交通政策の基本的方向を位置づけているのです。その理由は、環境問題とエネルギー問題にあります。白書の中でも言っておりますが、資源エネルギー庁が出した「八七年版省エネルギー総覧」では、交通の分野において、単に需要追随型の施策を講ずるにとどめていては、輸送に必要とされるエネルギーの量的不足とエネルギー価格の上昇による輸送費用の上昇という状況が強まっていくに従い、やがて人と物とのモビリティーを確保することが困難となっていくと言っています。つまり今の交通体系のままではいずれエネルギーが制約となって、交通機関が思うように運行できなくなると示唆をしているのです。エネルギー効率の比較は、鉄道と自動車では四、五倍の差があります。さらに鉄道の場合は惰行が有効に利用できるため、総合的なエネルギー効率はもっと高くなり、総合効率では自動車の十倍ほどになります。  また、一九八九年七月に行われたアルシュ・サミットでは国際的な環境問題が話題になりました。中でも地球温暖化の問題が深刻であります。燃料を燃やしたときに発生するCO2の排出は地球の温暖化を招き、最悪の場合には極地の氷が解け出すため、海面上昇で極地が水没したり、そこまでいかずとも気象の大異変、マラリアの流行などが生じると予測されています。温暖化と地球規模の環境汚染の問題は、これまでの災害の中で人類にとって初めての、「森に逃げても解決することのできない問題」だと言われています。  日本では交通運輸の分野で全体の二割から三割のCO2を排出していますが、排出源の大部分は自動車であります。このような情勢なのに、殊に乗用車の部門では大型車、高級車ブームなどによって、ますますエネルギー浪費とCO2その他の排出ガスが増加しています。これに対し鉄道は、ガス排出の少ない交通体系、省エネ型交通体系の構築が可能な交通手段であると言えるのです。この鉄道復権の時代と言われる中にあって、熊本の都市交通はどうあるべきかと考えてみた場合、熊本市中心部の交通は、現在の市電を利用した新交通システムライトレール・トランジット)方式を採用し、熊本都市圏軌道型交通網として整備し、基幹交通として位置づけてはどうかと考えます。  このライトレール・トランジットとは、略してLRTと呼ばれ、日本語では軽快電車と訳されます。以降LRTと呼ばせていただきます。このLRTは、モノレール、ガイドウエイバスなどのように案内軌条を媒体としてゴムタイヤで走るというような特殊なものではなく、路面電車や鉄道などで長い間倍われてきた技術がベースとなっているのです。一口で言えば、これまでの路面電車を大幅に改良、グレードアップしたもので、都市高速軌道と言うべきものであります。中でもその走行形態に最大の特徴があり、都市構造や地形に応じたあらゆるタイプの走行路がとれることであります。例えば混雑する都心部は地下に潜らせたり高架区間にしたり、交通量の少ない郊外では路面や専用軌道を走らせるなど、その場所に最適の軌道を走ることが可能なのです。通常一両から四両の車両編成の電車で、必要に応じて車両をふやすことができ、ネットワークも組みやすく、さらに建設予算に応じて段階的に整備することができるのです。  さらにLRTは、環境面では、電気エネルギーで駆動されるので、都心部での大気汚染は皆無であり、低騒音、低振動であります。走行路幅も複線で五メートルから五・五メートルで済み、特に地下区間ではそのスペースを最小限に抑えることができます。また経済面では、建設費が比較的にほかの公共交通機関と比べて安く、LRTは路面区間でキロメートル当たり四億から十億円、地下鉄はキロメートル当たり二百億円、モノレールはキロメートル当たり百億円であります。また技術が確立しているため保守が容易に行え、メンテナンス、ランニングコストを低くできます。さらにエネルギー消費では、加速時と登坂走行時だけで、通常は惰力走行でエネルギーが不要なだけでなく、減速時や下り坂走行時には発電を行い、ほかの車両にエネルギーを供給できるなどすぐれています。  このようにLRTは大変にすぐれた交通機関でありますが、問題があるのも事実です。しかし、具体的に路線ごとに取り組めば決して解決できないものではないと考えています。将来的に十分熊本都市圏の交通体系を担える交通機関であると確信します。その上に立って、LRTを含め、熊本都市圏の交通体系の基幹部分を軌道型のシステムで構成した具体的な路線案を、既存システムの改良六路線、新設する軌道九路線について提案をしたいと思います。少し長くなりますが、皆さん方の頭の中で路線をイメージしていただければ幸いかと思います。  改良路線の一つは市電健軍線、もう一つは市電上熊本線です。短期計画、三年以内に軌道外側にびょうや低ブロックを設置し緊急車両以外を分離し、電停の拡幅とスロープの設置、上屋の設置、JR新水前寺駅との乗り継ぎ改良を行います。中期計画、十五年以内に輸送力の増大に応じて車両の大型化を図る。福祉対策として超低床車両の導入を行う。長期計画、三十年以内に熊本駅から交通局前の地下化を行う。  次に、電鉄上熊本─北熊本間です。短期計画では、路線をJRホームに引き込み同一ホームでの乗りかえができるようにする。中期計画では、路線を三線軌道にして市電の乗り入れをする。線路の複線化を行う。  次に、電鉄本線・黒髪線(藤崎宮前─御代志間)です。中期計画では、藤崎宮前から北熊本間の地下化、路線の複線化、駅設備の改良、藤崎宮前─北熊本間の線路幅を広げ市電の乗り入れを行う。長期計画では、須屋─御代志間の線路幅を広げ、北熊本─須屋間を三線軌道にし市電を御代志まで乗り入れる。  次に、JR鹿児島本線です。短期計画では、近見駅の設置。長期計画では、近見─上熊本間の高架化を行います。  次に、JR豊肥本線です。短期計画では、本荘、楠、弓削各駅の設置を行います。新水前寺駅での市電の乗り継ぎ改良。中期計画では、立野までの電化、肥後大津までの複線化。長期計画では、熊本から竜田口までの高架化を行います。  次に新設する軌道路線でありますが、一つにLRT空港線です。これは熊本駅から大江渡鹿─長嶺団地を経由し熊本空港という路線です。中期計画で、熊本駅─大江渡鹿間は高架路線を設置し、大江渡鹿─南郷団地間は路面軌道を設置する。南郷団地から長嶺団地の区間は都市計画道路の進捗に合わせ中央分離帯路面専用軌道を敷設する。長期計画では軌道を熊本空港まで延伸する。  二つにLRT東バイパス線です。これはJR竜田口駅から神水橋─田井島を経由してJR近見駅前という路線です。中期計画で、竜田口駅前から西原は高架軌道を敷設する。西原から近見駅前は東バイパス中央分離帯に専用軌道を敷設をします。長期計画において順次高架化をしていくというものです。  三つにLRT熊本港線です。これはJR近見駅前から熊本港への路線です。中期計画で、都市計画道路の進捗に合わせ中央分離帯に専用軌道を敷設します。また、熊本新港の貨物輸送が必要な場合には流通団地まで引き込み線を設置いたします。  四つにLRT木山線です。これは市電健軍終点から木山の路線であります。中期計画で、健軍終点から沼山津の県道に路面軌道を敷設します。長期計画で、沼山津から木山の県道を拡幅し路面専用軌道を敷設します。  五つ目にLRT城南線です。これは市電辛島町からJR南熊本駅─田井島を経由し中ノ瀬という路線です。中期計画で、市電辛島町から南熊本駅前に路面軌道を敷設し、南熊本駅から中ノ瀬には高架軌道を敷設します。長期計画で、市電辛島町─南熊本駅前間の高架化。需要にあわせて中ノ瀬から先への路線延長を行うというものです。  六つにLRT連絡線です。これは水道町から藤崎宮前の路線です。中期計画で、水道町─藤崎宮前間の地下路線を敷設し電鉄線に連絡をします。長期計画で、市電線の地下化にあわせて熊本駅前から直接乗り入れを行うというものです。  七つにLRT北バイパス線です。これはJR竜田口駅から電鉄新須屋駅を経由してJR西里駅前の路線であります。中期計画で、竜田口─新須屋間で北バイパス中央分離帯に専用軌道を敷設をし、竜田口駅前付近は高架化としLRT東バイパス線と結びます。長期計画で、新須屋─四方寄間で北回りバイパス中央分離帯に専用軌道を敷設します。四方寄─西里駅前間に専用軌道を設置いたします。  八つにLRT北回り線です。これはJR武蔵塚駅から電鉄黒石駅の路線です。短期計画で、専用軌道とするため早期に用地買収を開始いたします。中期計画で、当面非電化路線として専用軌道上をディーゼル車両でJR線と電鉄線を直結します。長期計画で、状況に応じて電化、軌道拡幅を行いLRT化を進めていくというものです。  最後にLRT近見線です。これは市電田崎橋からJR近見駅前の路線であります。中期的に、田崎橋─蓮台寺間を路面軌道で、蓮台寺─JR近見駅前間を専用軌道で結び、近見駅前を高架でLRT東バイパス線LRT熊本港線をつなぎ環状線を形成するというものであります。長期計画で、市電線の地下化にあわせて田崎橋まで地下化、JR近見駅前まで高架化する。状況に応じて川尻まで延長するというものです。  このように鉄道を縦横に走らせ、JRと熊本電鉄、市電の相互乗り入れをし、新たな路線でつなぎ環状線を形成し、また放射線上に延びていく理想的な基幹交通が確立できると思います。さらに、交通結節点と言われる熊本駅、上熊本駅、神水、新水前寺駅、北熊本駅、近見駅等にはターミナルをつくり、バスとの連絡を図る。このことによって現在の交通センター一極集中による交通混雑を改善することができます。また郊外からのマイカーの流入を減少させるために各流入拠点になっている健軍、竜田、清水、川尻、上熊本、田崎方面に公営駐車場を設置し、そこから新交通システム、バスに乗りかえるというパーク・アンド・ライド方式も導入すべきだと考えます。運営については今日の各交通機関の競合、同業他社との競争の現実を踏まえ、新会社を設立し、第三セクターで運営させるべきだと考えます。  以上が、私の提案する総合交通体系であります。快適で住みよい都市づくりには交通問題は避けて通れない問題であり、現状を見るとき抜本的な解決策が必要であります。さらに、それは社会的ニーズと合致しなくてはなりません。前段に言いましたように、鉄道は環境面、エネルギー面でもすぐれ、大量に安全に定時性をもって運行ができる交通機関です。経済的にもほかの交通機関よりすぐれ、建設用地についてもほとんどが道路の上空、地下、中央分離帯を想定しています。  このように鉄道を活用した公共交通網が確立できれば、現在のような交通混雑は解消できると考えます。決して実現不可能な案ではないと思いますが、私の提案に対するお考えを、先日まで交通現場の第一線におられた都市局長にお尋ねをいたします。           〔都市局長 本田吉継君 登壇〕 ◎都市局長(本田吉継君) 佐々木議員にお答えいたします。  佐々木議員の本市における総合交通体系づくりへの思いを込めたただいまの御提案を、私の頭の中にございます図面の上に落としてお聞きしていたところでございます。本市の総合的な交通体系づくりが緊急の課題であるとの認識は議員と同様でございます。LRT──軽快電車と申しますか、につきましては詳しく議員がお述べになりましたとおりでございます。LRTは輸送需要量と供給輸送力との関係から、バスと地下鉄との中間の中量輸送機関でございまして、地方中核都市に十分適しております。しかも環境面、エネルギー面で優位であること、さらには安全であることなど、多様化、高度化する交通需要を満足させる輸送機関として大いに検討に値するシステムだと思っております。  世界的にもLRTに対する評価は高く、イギリスや西ドイツなど西欧諸国では新しい交通システムとして路面電車をLRTに更新し、既に路面電車を廃止いたしました米国、カナダ、フランス、イギリス等におきましても、その都市でLRTの導入を進めていることなども聞いております。諸外国ではこれを単に人を輸送する機関としてではなく、町づくりに活用していることが重要であります。  このような欧米の傾向と今後の都市づくりの参考とするため、先般全国の路面電車を有します十三都市が集まりまして、このLRTの導入についての路面公共交通研究会を発足させましたが、本市もこれに参加しているところでございます。この研究会を中心にいたしまして、今後LRTの特性や、導入することによる諸問題、あるいは補助事業の可能性等について研究を重ねていきたいと、そして本市の都市交通としての適合性を考えてみたいと、このように思っております。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) LRTに対して大変な評価をしていただきましてありがとうございました。ぜひ今後、この熊本における総合交通体系の中で大きな一つのハード面としての御検討をぜひ前向きにお願いをいたします。  それから、私は交通というもの、乗り物というものは、やはり用事がなくても乗ってみたくなるような交通機関をつくるべきだとも考えておりますので、その点もあわせて御検討をよろしくお願いいたします。  次に朝の交通混雑解消についてソフト面から提案したいと思います。時差出勤の導入であります。  第二回熊本都市圏パーソントリップ調査によりますと、都心部のピーク時は八時台で、通勤目的の集中トリップのうち官公庁関連は一七・四%と推定されています。仮に官公庁の八時台の集中トリップをすべて九時台に移すと、八時台に集中する自動車、オートバイ、バイク利用トリップの一三・四%を減少させることができます。また、都心部の事務所の割合は官公庁の二倍強となっており、民間企業の一部を含めての導入はさらに効果が上がるものになるわけです。この時差出勤の効果はすぐに上がるものです。熊本市が先頭に立って、関係官公庁と連携をとり、民間企業にも協力を要請し実行に移してはどうでしょうか。もちろん市民サービスに直接かかわりを持つ窓口業務などは別にして、できるところから実施をすればよいと思います。通勤者にとっては通勤時間も短くなり、混雑も緩和できます。市役所からでもすぐに実施してはいかがでしょうか。市長公室長にお尋ねをいたします。  次に、交通問題は先ほど提案した総合交通体系の整備を初め、重要かつ早急に解決すべき問題が山積しており、非常に難しい面が多々あり、幅も広いこともあって、担当部局の皆さんは大変御苦労をなさっていることと思います。企画調整局を初め都市局、建設局、交通局とそれぞれにかかわる部分で交通問題に対処されていると思いますが、これだけ交通問題が深刻になってきている中で、専門的に対処する交通対策課を設置すべきだと思いますが、いかがでしょうか。企画調整部長にお尋ねいたします。           〔市長公室長 出田四郎君 登壇〕 ◎市長公室長(出田四郎君) 佐々木議員にお答えいたします。  時差出勤の導入について、第二回熊本都市圏パーソントリップ調査に基づいてのお尋ねでございますが、本市にとりまして時差出勤は交通混雑解消に向けての有効な方策であることは十分に承知しているところでございます。現在本市の基本計画策定委員会の環境部会におきまして、時差出勤の問題も含めた交通問題全般にわたる討議がなされているところでございます。時差出勤を本市に導入するとした場合、交通混雑の緩和策として非常に有効ではございますが、市民サービスへの影響、市民のコンセンサスといった問題、また勤務条件として労使間での協議が必要であることなど、さまざまな角度からの検討が必要であると思うわけでございます。したがいまして、今後、基本計画策定委員会の御論議を踏まえまして関係部局と連携を密にしながら十分に検討してまいりたいと思います。           〔企画調整部長 徳田勝比古君 登壇〕 ◎企画調整部長(徳田勝比古君) 交通問題を専門的に取り扱う組織の整備についてのお尋ねでございます。  議員御案内のとおり、現在基本計画を策定中でございますが、この中でも交通問題につきましては骨格となる道路網の整備、あるいは環状線、都心部やその周辺における駐車場、駐輪場の整備、交差点の立体化、さらには都市間交通の整備促進など極めて重要な課題がございます。お尋ねの件につきましても、基本計画の推進体制の中で総合的に検討してまいりたいと考えております。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) 時差出勤については、市職員の労働条件、市民サービスの面から運営上の問題があることも十分わかります。今後検討を進められ実施に向け努力をお願いいたします。また、他の官公庁、民間に対しての協力についても御検討をよろしくお願いいたします。  交通対策課設置については総合的に検討するということでありますが、マスタープランでは熊本広域都市圏の人口は現在の九十二万人から百万人に達すると想定されております。それだけ人口がふえれば交通量も増加することは明らかでありますし、また交通渋滞が今以上に深刻化することは私が申し上げるまでもないことであります。早急な対応をお願いしておきたいと思います。  次に、市民レベルにおいて日常的に交通問題に対する意見反映の場がありません。もし設置されていたとしてもほとんど機能していないように感じます。したがいまして、交通問題の解決、政策策定などを行う行政リードによる交通委員会を設置したらいかがでしょうか。委員会の構成は、行政、利用者、交通産業労使等で編成し、具体的政策策定に当たっては、他都市を初め西欧型の都市交通を視察するなど、早急に手を打たなければならない時期に来ていると考えます。もちろん交通問題の解決は今や世界的な課題であり、解決困難な問題であります。我が国はもとより、世界の各国でもその解決に向けてそれぞれの都市の地形、道路形態、国民意識等によりさまざまな方法で努力しているところであります。しかしこれは逃げられる問題ではなく、二十一世紀の都市づくりを想定すると早く着手しなければならないと考えます。  都市局長の御答弁をお願いいたします。           〔都市局長 本田吉継君 登壇〕 ◎都市局長(本田吉継君) お答えいたします。交通問題に関し、専門家、行政だけでなく交通施設を直接利用する一般市民の方々や実際に運輸業務に携わる労使の方々など、その立場に立った切実な意見を吸収し交通問題の解決に役立たせることができるような組織をつくったらどうかというような御提案でございますが、貴重な御意見であると思います。日常の交通問題や新しく交通計画を立てる場合など広く意見を集めることが必要であります。したがいまして、御提案のような委員会の設置につきましては今後十分検討させていただきたいと思います。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) 私が提案する交通委員会は、現在の縦割り行政の弊害を乗り越え調整ができるテーブルであり、具体的な政策策定の機能、問題点の解決ができるという委員会であります。今後、設置の立場での検討を期待いたしまして、次の質問に移ります。  二点目に熊本駅周辺地域整備事業についてであります。  熊本駅周辺は、熊本市の玄関口として、広域交通の結節点として、また本市の副都心として非常に重要な位置にあると思います。これまで熊本駅周辺再開発は、熊本市政の大きな課題として位置づけられ、市長を初め先輩議員各位の多年にわたる御努力は周知のことであり、心から敬意を表するものであります。その成果として、熊本駅前北地区の再開発ビルが着工し、来年秋に完成の予定でありますし、本年四月には駅ビル「フレスタ」がオープンをしました。また昨年十月には、県と市で駅周辺約二百ヘクタールを大規模に再開発する副都心化構想がまとめられ、新しい町づくりの方向が示されたわけです。そのような中、駅周辺開発に対し、民間から二つの提言が出されました。一つは、九月二十五日に熊本商工会議所から「熊本駅前広場整備構想について」、もう一つは、十月十四日に駅周辺再開発推進懇談会からの「熊本駅周辺地域整備について」であります。  そこでお尋ねでありますが、市としてこの二つの提言をどのように受けとめられているのかお聞かせください。  あわせて、北地区の再開発ビルの着工とともに、熊本駅前東地区並びに南地区など熊本駅周辺のいろいろの調査が実施されているようでありますので、その調査の概要と現在の進捗状況についてお聞かせください。  さらに、熊本駅周辺の開発については基本構想と二つのプランが出たことになり、当然その整合性が問われると思います。それぞれに特徴があり共通事項もあるようです。今後一つのまとまったプランとして整理する必要があると考えるのですが、どのようにお考えですか、お聞かせください。  都市局長の御答弁をよろしくお願いいたします。           〔都市局長 本田吉継君 登壇〕 ◎都市局長(本田吉継君) お答えいたします。熊本駅周辺地域整備構想が昨年の十月、県と市の合同によりまして公表されたところでございます。この構想の公表以来、駅周辺地域に対する再開発の機運がとみに高まっておりまして、議員の御質問の中にありますように駅周辺整備促進のための貴重な二つの御提言をいただいているところでございます。  さて、御質問の第一点は、この二つの提言をどのように受けとめているかということでございます。この二つの提言によりまして駅周辺整備について、地元の住民の方々はもとより、多くの市民の関心を喚起し、公益事業各社はもとより民間と一体となって整備促進を図る土壌づくりができまして、まことに時宜を得た貴重な御提言として受けとめております。  御質問の第二点は、駅東地区、南地区の調査の概要とその進捗状況についてでございます。調査の概要といたしましては、一つは熊本駅周辺地域における交通体系のマスタープラン策定のための調査、二つは駅前東地区を対象とした市街地再開発を目的とした調査、三つは権利調査、都市施設調査及び基本計画の策定などであります。以上の調査を本年度から二カ年にわたりまして実施いたしますが、本年度は既に地元説明会、アンケート調査などを行っております。  御質問の第三点は、冒頭に申し上げました整備構想と二つの提言を一つのプランとして整理する必要があると思うがいかがかとのお尋ねでございます。このことにつきましては、これらの提言を今後の事業推進にどのように役立てていったらいいのか、現在その検討をしているところでございます。  なお、本会議におきましてこれまで熊本駅周辺整備の推進に関する御質問を過去数回にわたりいただいていまして、心強い限りでございます。この上は熊本駅周辺整備の事業化に向けて全力を挙げて取り組んでまいりますので、議員各位のさらなる御支援をお願い申し上げます。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) 町づくりは、地元の住民、事業者の熱意と行政のリーダーシップが必要だと思います。地元の皆さんの意向を十分に尊重、反映したプランをまとめ上げ、実行に移していただきたい。熊本駅は広域交通の結節点として、副都心として大いに期待が持たれておりますので、早急な対応をお願いいたします。私もJR九州の出身議員としてできる限りの御協力をさせていただきたいと考えております。またJR九州熊本支社も同様に考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。           〔議長退席、副議長着席〕  それでは次の質問に移らせていただきます。三点目に水資源についてであります。私は、地下水の問題を山の側から考え質問を行いたいと思います。  古来、人類はさまざまな形で森林から多くの恩恵を受けてきました。山は木材を生み出すだけでなく、きれいな空気を与え、人々に潤いと安らぎをもたらしてくれます。そして雨水の流れを和らげ、洪水を防止し、水を蓄えるという緑のダムとしての役割を持っています。近年、地球規模での森林の減少が急速に進む中で、二酸化炭素の増加による地球の温暖化や酸性雨による被害など、環境保全が大きな問題として取り上げられるようになりました。そして、山の持つ多くの公益的機能についての認識が高まり、その機能回復への要求も大きくなってまいりました。  日本の森林面積は国土の六割以上を占める森林国でありながら、世界の森食い虫と世界的に批判を受けるほど熱帯林を中心とした外材を大量に輸入しています。その量は世界の原木貿易量の四割という世界最大の輸入国であるのです。安いというだけの安易な外材の大量輸入によって、国産材は外材に押され、比率は三割まで落ち込み、国内の林業さえも衰退に追い込み、世界の森林資源を荒らし、地球環境の悪化をもたらしてきたわけです。  このように、経済優先の木材輸入自由化により世界の森林と日本の森林をも荒廃させ環境を破壊していくという、自分で自分の首を絞める状況をみずからつくってきていることを認識すべきだと思います。折しも市長が提案理由説明の中で触れられたガット・ウルグアイ・ラウンド交渉が大詰めに来ていますが、自由化によって米も農業も木材と同じようなことにならなければいいがと願うものの一人です。  話が少しそれましたが、冒頭にお話しましたように、森林は私たちが生きていく上でなくてはならない役割を担っているのです。しかし、残念ながら日本の林業は安い外材に押され、国産材価格も低迷し、悲しいかな三K職場と言われるようになり、山村の過疎化は進み、自然、山を守る人も減少してきているという危機的な状況にあります。  このような中、国は林業再建のため新しい森林計画制度を打ち出しました。それは、森林法を改正し、効果的、効率的な森林管理を行おうとするもので、民有林と国有林が一体となって流域単位に森林を管理していく、いわゆる流域管理システムと呼ばれるものです。  具体的には、来年度からスタートする予定でありますが、熊本市は白川、菊池川流域に位置しています。この流域管理システムの特徴は、森林の管理を流域単位で上流地域と下流地域の関係を意識して行おうとするもので、この考え方により下流地域の人たちの森林に対する期待を具体的な形で上流地域の森林の整備に反映させることができるというものです。例えば、大量の水を必要とする都市の上流の森林では、水源涵養能力を高めるため保安林などの森林整備の充実を図り、複層林や長伐期の施業なども取り入れるといったぐあいです。そして下流の都市住民からは、森林の整備に対する資金的な支援や参加をしてもらうといったことが考えられます。この考え方は国政の場ではことし出されたものでありますが、全国的には幾つもの自治体がこの考え方によって既に水源の森基金などの創設を行っています。  本市においてもことし三月二十六日に、熊本市を含む十六市町村における広域的な地下水保全を推進するため財団法人熊本地下水基金が設立され、水源涵養林の造成、整備に関する助成、確保や地下水涵養に関する助成等に取り組むことになっています。  そこで、お尋ねでありますが、一つに、森林・林業に対する基本的な認識をお聞かせください。二つに、現在までの地下水基金の運用の実績と今後の取り組みについてお答えください。三つに、平成元年度から開始された水源涵養林造成事業の実績と計画についてもお答えください。四つに、市営造林の現状と位置づけについてお聞かせください。  以上四点、関係局長の御答弁をお願いいたします。           〔産業局長 竈 啓一郎君 登壇〕 ◎産業局長(竈啓一郎君) 水資源に関連いたしまして山の立場からということで、今四点にわたりましての御質問をいただいたわけでございますが、そのうち三点につきまして私の方からお答え申し上げたいと存じます。  まず第一点の森林・林業に対します基本的な認識、どういったふうに考えているのかということでございます。  ただいまも御質問の中で触れられましたように、森林の持ちます役割というものにつきましては、国土保全あるいは水資源の涵養、環境浄化等のはかり知れない機能があるわけでございまして、今や地球的規模での論議があっているわけでございます。しかしながら近年の木材不況、あるいは山村の過疎化等によりまして林地の管理低下を招いている事例もあるわけでございまして、緑のダムと言われます森林につきましても、適正な保育管理がなければ森林機能は低下し、ついには林地崩壊等の災害の発生源となるものでございます。  このような中で、本市におきましては昭和二十八年の白川大水害を契機といたしまして、流域の水害予防を最大の目的といたしました分収方式によります市営造林事業に取り組んでいるわけでございます。また、上流の森林地帯の恩恵を熊本市は最大限に受けているわけでございまして、こういった市民の実態からいたしましても森林資源の大切さといいますか、あるいは緑化意識というものを図る上からも、可能な場所につきましては市民参加方式によります事業推進を図っておるわけでございます。このように森林の恩恵を上流地域の人に依存するだけでなくて、下流に位置します本市みずからが上流地域において造林事業を実施するということが責務であるというふうに基本的に認識しているわけでございまして、さらには地域の林業の活性化につながるような方策というものを十分考えながら事業推進を図っていかなければならないというふうに考えております。  第二点の水源涵養林造成事業の実績と今後の計画でございます。  市制百周年記念事業の一環として水源涵養林の造成が大津町を中心として始まったわけでございますが、この計画につきましては平成元年度から五カ年計画で面積百ヘクタールを造成するということにしているわけでございます。この事業につきましては御承知のとおり、市民参加の記念植樹祭というものを平成元年度に実施いたしまして現在で二カ年過ぎたわけでございますが、その二カ年の中で三十八ヘクタール、それから本年度中にあと二十二ヘクタールを造成いたしまして、さらに平成四年、平成五年の二カ年間で四十二ヘクタールと、大体目標の百ヘクタールを超える実施可能の土地の確保もできたわけでございます。今後とも水源涵養林造成事業の重要性を認識いたしまして、さらにこの計画の後の第二次計画といいますか、これにつきましてもあわせて今後検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、市営造林の現状と位置づけでございます。  これは先ほど申し上げましたように、二十八年以降、阿蘇、菊池、あるいは熊本市内におきまして造林事業を続けてきたわけでございまして、先ほど申し上げました水源涵養林を含めまして四百八十四ヘクタールを造成しているわけでございます。その中には二十五年生以下の林地が多くを占めておりまして、下刈り、除伐、間伐、枝打ち、こういった保育事業につきまして地元の森林組合にお願い申し上げまして行っているところでございます。ただ、この造林地が非常に広範に所在いたしますために、各造林地につきましては巡視員を配置いたしまして定期的な御報告をいただいております。また本年四月に農業振興課の中に林務係を設置させていただきまして、専門職員の適時の巡回を行って適正管理に努めているところでございます。  市営造林の位置づけといたしましては、第一点が分収方式で実施しているということで、やはり経済林としての位置づけがあるわけでございまして、それから森林の持つ公益的機能の高度化によりまして、所期の目的でございます治山治水あるいは環境保全林としての役割、さらに市営造林地の約九割が地下水涵養域内に所在しておりますために、水源涵養林としての機能も基本的な役割であろうかというふうに考えているわけでございます。  なお、金峰山一帯につきましては、こういった機能に加えまして、本市の貴重な市民の保健休養の場といいますか、そういった機能もあるわけでございまして、昭和五十九年度よりふれあいの森林づくりも実施しているところでございます。ただいま議員御指摘いただきました点につきましては、今後とも十分留意いたしまして林業の活性化に努めてまいりたいというふうに考えております。           〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕 ◎保健衛生局長(後藤勝介君) 私の方から地下水基金に関係しますことについてお答え申し上げます。  ただいま御紹介がございましたように、財団法人熊本地下水基金は、熊本市及び周辺の十五市町村が広域的地下水保全対策に取り組むことを目的といたしまして本年三月に設立されたものでございます。財団で取り組みます事業といたしましては、水源涵養林の造成整備に関する助成並びに確保事業、地下水涵養に関する助成事業、地下水保全に関する普及啓発事業等がございます。本市といたしましてはこの事業促進のための資金といたしまして、平成六年度までに七億円の出捐を予定しておるところでございます。なお、平成三年度までにそのうちの二億八千万円を出捐いたしております。  基金の活用状況でございますが、本年度が実質的に初年度でございまして、いまだ十分の事業をしておらないところでございます。まず資金の運用につきましては、十一月末日現在で約一千二百三十一万円の運用利息が見込まれております。そのほか民間の三団体から二百六十万円余りの寄附が寄せられておるところでございます。また実際の事業といたしましては、この基金に加入していただいております関係市町村において実施されております小型合併処理浄化槽の設置事業に対しまして助成を行うことになっておりまして、植木町、城南町、宇土市など六市町村分といたしまして七百六万四千円の補助が決定されておるところでございます。また、この基金の中心的事業として位置づけられております水源涵養林整備事業につきましては、助成事業に取り組むための準備が進められているところでございます。なお、その他の事業につきましても逐次実施に移していかれるものと考えております。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕
    ◆八番(佐々木俊和君) それぞれ事業ごとに努力をされておりますので、今後ともさらなる事業の推進に御努力をお願いいたしながら、今森を守るということで一番心配なのは守る人がいないということであります。幸いにしてただいまお聞きした市有林、水源涵養林については適切な管理が行われているようでありますが、山全体を見た場合に、現実の姿は管理の行き届かない森林が多いのではないかと思います。  森林は、山村の人々の林業経営の一環として守り育てられてきたものでありますが、近年の林業不振、山村の過疎化によって、森林の恵みを受けるためには山村の人々の努力のみに頼ることができなくなってきているのです。だからこそ、恵みを受ける側からの森林づくりへの参加が必要であるのです。そういった意味では、財団法人熊本地下水基金の事業を実施していくということは、恩恵を受ける側からも森林づくりを進めていくということになります。現在、発足したばかりということで、具体的事業については検討中とのことでありますが、今後に期待をするものであります。  第六条について、水源涵養林の取得の条項で、「森林所有者が維持管理しがたい森林について、買取ることができる。」と明記をしてあります。森林の現状は、多くの小さな山村所有者の都市部への流動で不在村所有者の山林が増大をしています。熊本市の涵養地域の不在村所有地の買い取り、または借り入れによって維持管理を行うことを検討課題の柱に据えていただくことを強く要望をしておきます。  次に第七条、「地下水保全に関する普及啓発に関する事業を企画、実施することができる。」という条項があります。これほど環境問題が社会化をし、環境保全が叫ばれていても、残念ながら山への産廃不法投棄、空き缶の投げ捨てなど後を絶たない状況にあります。さらに啓発活動の強化が必要であると考えます。幸いにして小学校の社会科の教科書には、十数年ぶりに森林と環境の問題が掲載をされ、学校教育の場でも十分に活用され、小さいころからの環境教育による意識高揚を期待しているところであります。また市民への啓発の方法として、各部局でこれまでもいろいろな努力がされてきています。今後、基金の事業とあわせて、統一的にみどりの日に環境についてのイベントを計画したらいかがかと考えます。内容はシンポジウム、展示、講演会、自然との触れ合いとしてオリエンテーリング、森林浴、バードウオッチングなど、水、ごみの問題なども含めたアピールを統一的に行ったらどうかと思います。もし現在計画中のものがあればお答え願いたいと思います。  また、このような地下水保全のための事業を進めるためには、現在の五カ年計画、七億円の基金では不十分だと思います。お隣の福岡県のように電力会社等民間企業の参加も要請されてもっと基金を大きくし、公益的機能の回復にもっと力を注がなければならないと考えます。そうでなければ、私たちが生きていく上で欠かすことのできない空気、水を失ってしまうことになるのです。全力を挙げて取り組みを進めなくてはならないと考えます。保健衛生局長のお考えをお聞かせください。           〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕 ◎保健衛生局長(後藤勝介君) 私の方から二点お答えを申し上げます。  まず最初に、環境啓発事業の件でございます。  ただいまいろいろお触れいただきましたように、環境問題が大きな社会問題となりまして、毎日のようにいろんな形で取り上げられています割には具体的な成果がなかなか上がっていないというのが現実でございます。私ども保健衛生局といたしましては、緑に対する関心を深めるための植樹祭、環境美化活動としてのクリーン大作戦、水に対する意識の高揚を図るためのウオーターフェアなどの啓発事業に今日まで取り組んでまいっているところでございます。これらの啓発事業をさらに効果的なものにするために統一的な事業にしたらどうかというような御提案だと思いますが、私どもといたしましては、今日までのこれらの事業の効果も見きわめますとともに、さらに地下水基金において実施される啓発事業との連携も考えながら検討してみたいと考えております。  それから、地下水基金に企業等の参加を呼びかけたらどうかということでございます。  今お話がございましたとおり、近代文明が森を食いつぶしているという現実を私どもは厳しく受けとめる必要があると考えております。森林の破壊が私どもの生存そのものを脅かすことになるという意味で、森林の保全整備は、行政はもちろんでございますけれども、民間企業や市民が一体となって取り組んでいかなければならない問題と考えております。熊本地下水基金は設立されて日も浅く、実動はこれからというところでございますが、この設立に賛同されました民間の企業一社及び二つの団体から貴重な御寄附をいただいているところでもございます。ただいま申されました民間企業の参加等に関しましては、今後財団当局とも十分相談を行いまして取り組んでまいりたいと考えております。           〔産業局長 竈 啓一郎君 登壇〕 ◎産業局長(竈啓一郎君) 保健衛生局長のみどりの日に関連いたしまして若干補足をさせていただきたいと思っております。  このみどりの日の創設がございまして以来、農林水産部の方で、農協、花市場、それから生花商組合等の御支援をいただきまして、実は花のフェスティバルを開催させていただいているわけでございます。緑の大切さというものを──時期的に、これは植樹式をやる時期とはちょっとずれておりますので、そういった意味におきましていわゆる花を中心としたイベントを行っているわけでございます。またそのほか植木市とかいろいろやっているわけでございますが、今後みどりの日の趣旨を私どもも考えまして、この行事のさらなる拡大に努めてまいりたいと思っております。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) いろんな形で市民総参加の環境を考える日があっていいと思います。ぜひ、そういった意味でも御検討をよろしくお願いいたします。  地下水基金についても、今後森林を守るということは、私たち恩恵を受けている下流の者についても大変な意義があるということで、地下水基金の今後のさらなる援助体制ができますようによろしく御努力をお願いいたします。  中国のことわざに「飲水思源」というのがあります。これは、水を飲む人はその源に思いをはせ、それが井戸水であるならばその水を探し当て、それを掘った人の苦労を思えの意味であります。私たちも水を飲む際に、地下水の源に常に思いを寄せながら生きていかなければならないと思うわけです。その視点に立って水を守っていかなければなりません。さらなる事業推進を強く要請をいたしまして、次の質問に移ります。  四点目に、その他の項で三点にわたって質問をいたします。  最初に、高齢者や障害者にやさしいまちづくりについてお尋ねいたします。  高齢化社会の到来が叫ばれる中で、全国の自治体、国は、かつて経験したことのない対応や新しい施策の展開が強く求められています。特に子供を初め高齢者、身障者は多くの場合、社会的には弱者として扱われがちであります。高齢者の中でも、病気で在宅ケアが必要な方、あるいは病院等施設での治療、療養が必要な方、いろいろな方々がいらっしゃいます。世界一の長寿国となった我が国には、健康に恵まれた高齢者、また長年のうちに養われた知識、技能、経験を持っておられるすばらしい方々がたくさんいらっしゃいます。したがって、そのような方々にはいろいろな方面においてその経験を生かしていただき、社会参加型の生きがいの持てる社会づくりを進めなければならないと考えます。  高齢者や障害者にやさしいまちづくりの中で、身障者等の方々のためには、昭和五十年から身体障害者福祉モデル都市の指定を受け、歩道の段差の解消や歩道の盲人用カラーブロック、盲人用音響式信号機の設置を初め、公共施設においても車いすで利用できるよう施設の改善、福祉副読本の配布など、ハード面、ソフト面での対応がなされていることはお聞きをしております。しかし、まだまだ高齢者、身障者の皆さんが安心して通れる状況にはほど遠い感じがいたします。そうした中で、六月議会では調査予算が計上され、九月議会で動植物園畜舎改造並びに市民会館会議棟玄関ドア改修の予算が組まれたわけでありますが、現在までの調査状況、進捗状況はどうなのか、今後の計画はどのように進められるのか、あわせて、今後の高齢者や障害者にやさしいまちづくりはどの範囲までの環境整備を考えていらっしゃるのかをお尋ねいたします。  またお聞きしたところ、本市にはハード面でのマニュアルがないとのこと、確かに建築基準法がありますが、本市には本市独自のマニュアルがあってよいと考えますが、どのようにお考えになりますか。  それから一つ、私が改善してもらいたいことがあります。それは歩道の盲人用タイルについてであります。町を歩いていてだれもが敷設してあることは御存じだと思います。盲人用タイルの敷設がその都市の福祉に対する姿勢の一つの指標になるのではないかとも考えるわけでありますが、現在の熊本市の歩道における盲人用タイルの敷設状況は、磁器タイルの舗装部分では満足いく状態であると思いますが、それ以外の部分では、これで盲人用タイルの役目ができているのかと思えるようなものがあります。  例を挙げてみますと、県道ではありますが、ことし竣工した歩道で、八丁馬場電停から神水橋電停までの区間、約四百メートルの距離でありますが、直線の歩道部分でありながら直角に三十二カ所にわたって方向転換をしなくてはならないように施工されています。これは通行できる排水溝のふたの上でありながら、盲人用タイルはそれをよけて敷設をされているからです。設計がそうなっていたのか、施工が面倒だったからそうなったのか、いずれにせよ非常に不親切であり、用をなしていないと思います。市道においても同様の箇所が幾つも見られます。ぜひ、このことも調査の上改善を要望いたします。  この例のように健常者の感覚では気づかないことが多々あります。今後の施策として、高齢者、身障者の皆さんの意見を聞きながら、高齢者や障害者にやさしいまちづくりの実現に向け対処をお願いするものであります。市民局長の御答弁をよろしくお願いいたします。           〔市民局長 坂西奏一君 登壇〕 ◎市民局長(坂西奏一君) 高齢者、障害者にやさしいまちづくり事業、特に調査の進捗状況、今後の計画、事業の範囲、独自マニュアルの作成についてのお尋ねでございます。一括してお答えを申し上げたいと存じます。  高齢者、障害者にやさしいまちづくり事業は、御案内のとおり本年四月の県市連絡会議での合意を受けまして、六月議会で公共建築物の実態を把握するための調査経費をお願いをいたしたところでございます。現在その調査を進めているところでございます。調査は、市民に身近かな公共施設百施設について段差や手すりの有無、自動ドア、あるいは身障トイレ、エレベーターの有無など、きめ細かな利用する人の立場に立った施設の点検調査を実施したところでございます。特に利用度の高い代表的な施設につきましては高齢者や障害者の方々にも実地調査に御参加をいただき、大変貴重な御意見をいただいたところでございます。調査は大学の研究機関と協力して進めてまいりました。間もなく結果がまとまる予定でございます。調査結果を受けて関係部局とも十分連携を図りながら、本市独自の高齢者、障害者にやさしいまちづくりの整備指針を策定したいと、このように考えております。  なお、環境整備の範囲でございますが、高齢者や障害者の方々が安心して生活することのできるやさしい町を実現しますためには、公共建築物だけでなく道路や公園、公共輸送機関などすべてがやさしく配慮されることが必要であろうと思うのでございます。お尋ねの趣旨を踏まえまして関係部局と緊密な連携のもと、高齢者や障害者の方々が熊本に住んでよかったと心から喜び合えるようなやさしい町の実現に努力を重ねてまいりたいと、このように考えております。  事業の推進に当たりましては、県市が一体となり、また国にも働きかけをしていかなければならないと、このように考えております。なお、高齢者、障害者にやさしいまちづくり事業の第一弾といたしまして、心身障害者の方々の永年の悲願でございました入浴施設を希望荘に設置すべくただいま準備をいたしているところでございます。  なお、最後の歩道のタイルの敷設でございますが、県道部分につきましては早速県と御相談を申し上げたいと、このように考えております。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) ありがとうございました。非常にすばらしい町づくりの概要が今まとめられようとしております。ぜひ今後ともその方向で町づくりの推進を行っていただきたいというふうに考えます。  次に、私の住む地元若葉の問題について二点。  若葉小学校の通学路についてであります。  秋津町秋田の秋津市営団地と秋津レークタウンは、緩衝地域のため、秋津小学校と若葉小学校に通う児童がいます。該当児童数は二百四十八名、秋津小学校に五十二名、若葉小学校百九十六名、約一対四の割合で通学をしています。今回取り上げますのは、この秋津市営団地と秋津レークタウンから若葉小学校間の通学路の問題に関してであります。百九十六名の児童が通常利用する通学経路は、レークタウンからことし整備いただいた小川の橋を渡り、西無田橋から市道を経由して学校へ行くというもので、通勤、買い物にもこの経路を利用する市民が多いようであります。そこで三点についてお尋ねをいたします。  一つに、西無田橋から市道までの間、明かりがないため防犯上の問題から父兄の中からも心配の声が出されています。早急に防犯灯の設置が必要と考えますがいかがでしょうか。  二つに、西無田橋は指定許可車両の通行しかできないように時間制限になっていますが、現状は一般車両の通行が頻繁に行われ、幅員二・五メートルの橋の上はまさに危険状態であります。取り締まりの強化とともに、車両通行どめの規制などの対処が必要と考えますがいかがでしょうか。  三つに、水害時期には浸水の常襲地帯でありまして、市道も冠水をいたします。事故防止の面からも早目の通報が必要であります。道路掲示板の設置等の措置が必要と考えますがいかがでしょうか。  以上三点、教育長の御答弁をお願いいたします。           〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕 ◎教育長(谷口弘毅君) 若葉小学校の通学路整備についてのお尋ねでございます。教育委員会では、通学路の整備につきましては、学校やPTAなどから整備要望を受けましたら現地調査を行いまして、その整備内容により各関係機関へお願いし、安全確保を図っているところでございます。  そこで、議員お尋ねの第一点目の西無田橋から市道までの間の防犯灯の設置と、それから三点目の水害時の道路掲示板等の設置についてでございますが、これにつきましては付近農耕者とのコンセンサスが必要な場所でもございます。その改善策なども含めまして検討の上、関係部局へお願いし、安全確保を図ってまいりたいと存じます。  第二点目の西無田橋の交通規制でございますが、現在七時三十分から八時三十分まで規制がなされておるところでございますが、違反車両もあるようでございますので、この件につきましては所轄の警察署へ取り締まりの強化等をお願いしてまいる所存でございます。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) 一点目の防犯灯設置については、農産物育成の問題からも難しいかというふうに思いますけれども、子供たちの安全確保のためです。常時点灯が困難であれば、日没の早い冬場の点灯だけでも強く要望をいたしておきます。いずれの問題も児童の安全に関する問題でありますので、ぜひとも早急な対応をよろしくお願いいたします。  次に治水対策についてであります。  それぞれ、各議員からも出されておりますように、本市は都市型水害と呼ばれる浸水が梅雨の時期になりますとあちらこちらで発生を見るわけであります。私の地元若葉校区も例外ではなく、秋津都市下水路の改修は地域の大きな課題の一つになっております。御存じのように、秋津都市下水路は東町、秋津、若葉地域の雨水を排水しており、大雨が降れば、処理できない雨水は県道熊本高森線を初め生活道路にあふれ出し、道路が川と化し、毎年床下・床上浸水の被害を受けられる家庭が多く、何とかしてくれという切実な訴えが長年続いてきています。これまでも何回もの改良工事が行われてまいりましたが、解消に至っておりません。本市のマスタープランにも、災害に強い安全な都市の形成とうたわれていますように、抜本的な対策が早急に望まれるわけであります。考えておられる施策、またその実施時期について、都市局長の御答弁をお願いいたします。           〔都市局長 本田吉継君 登壇〕 ◎都市局長(本田吉継君) お答えいたします。  議員御指摘の秋津都市下水路は、東部地区の健軍町佐土原、昭和町、若葉町、秋津町秋田ほか約三百十三ヘクタールの区域の雨水排除を目的といたしまして昭和三十八年度に事業認可を受け、一期工事として加勢川の吐き出し口から県道高森線までの約一千五百メートルを昭和四十一年度までに整備し、さらに二期工事として県道高森線から健軍町山ノ神までの区間約二千四百メートルを昭和五十年度から五十六年度にかけて整備したものでございます。しかしながら、当時といたしましては大き過ぎるのではないかという地域の人々の声がございました水路も、集水区域の急速な都市化に伴いまして、この区域の唯一の施設であるこの水路に雨水が集中し、一部の地区で浸水被害が生じておりまして、住民の皆様に御迷惑をおかけいたしております。  そこで、このような水害を解消するため、昭和五十六年度から水路の部分的拡幅、カーブ箇所の改良、落差工の改良、溢水防止のためのパラペットの設置などを行ってまいりましたが、豪雨時には溢水による被害が生じているのが現状でございます。水路の沿線には住宅が密集しておりますので、水路の拡幅などの能力アップは不可能でございまして、抜本的対策といたしましては、ピーク時の水量をカットする雨水調整方式以外にはないと考えているところでございます。しかしながら、大量の雨水貯留が必要でございますので、かなり大きな規模の施設になろうかと思われます。したがいまして建設省の補助事業とするため、現在水理解析、規模、建設場所の選定などの調査を発注する準備を進めているところでございます。           〔八番 佐々木俊和君 登壇〕 ◆八番(佐々木俊和君) これまでも対策として言われてきた調整池などの建設に向けて具体的に動き出したという御答弁をいただいたかというふうに思います。大変ありがとうございました。今後は、一日も早い着工、竣工に向け、さらに御努力をお願いをいたします。  本日の初質問を行うに当たり、日ごろの勉強不足を痛感しているところであります。これからもさらに勉強を重ね、市勢発展のため、微力ではありますが全力を尽くしていく決意であります。今後とも、執行部並びに先輩、同僚議員の皆様の御指導を賜りますようよろしくお願いいたします。  最後に、長時間にわたり御清聴いただきました皆様に感謝を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)     ────────────────── ○副議長(西田続君) この際、議事の都合により休憩いたします。  午後二時に再開いたします。             午前十一時三十二分 休憩             ────────────             午後 二時  三分 再開 ○議長(嶋田幾雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。     ────────────────── ○議長(嶋田幾雄君) 質問を続行いたします。鷲山法雲君。           〔十二番 鷲山法雲君 登壇 拍手〕 ◆十二番(鷲山法雲君) 自由民主党の鷲山法雲でございます。質問の機会を与えてくださった先輩議員初め議員各位に厚く御礼を申し上げます。  しんがりを賜っての十番目の登壇でございます。大変お疲れのこととは存じますが、御清聴をよろしくお願いしますとともに、執行部におかれましては、本議会での初めての登壇ですのでスムーズに参らないこともあろうかとは思いますが、明快な御答弁をどうぞよろしくお願いします。  さて、さきの十九号台風によって本市はこれまでにない大きな被害をこうむったのであります。停電、断水、家屋や公共施設等の損壊、さらには農水産業への被害等々、災害救助法の適用を受けるまれに見る風災害でした。ここに、被災者の方々に対し心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りする次第でございます。  それでは、質問に入らせていただきます。  御存じのとおり、戦後、我が国の経済は飛躍的な発展を遂げ、現在におきましても、戦後最長であるイザナギ景気を超え、五年有余の長期にわたる平成景気の中にあるわけでございます。世界経済を見ましても、先進諸国全体のGNP成長率が一九八九年の三・三%から九〇年には二・五%に減速し、さらに九一年には一・三%台への低下が予想されます。そのような中で我が国は、その成長率が九〇年度には五・七%の伸びを見せるなど、今や世界をリードする経済大国になっているわけでございます。  また、家庭電化製品、自動車などの高い普及率や、海外旅行、レジャー人口の急増などに代表される、日常生活における高度化、多様化する消費活動は、我が国の経済活動がいかに急速な進歩を遂げてきたかを物語っております。しかしながら、このような経済の発展は必ずしも直接地域や個人の真の豊かさに結びついてはおらず、生活実感として十分な豊かさを享受するに至っていない面もあるわけでございます。中でも、我々の日々の暮らしの基盤となります住宅、下水道、公園、道路などの社会資本の整備は欧米諸国に比べ立ちおくれており、この整備こそが暮らしの豊かさを実現していくに当たって克服すべき重要な課題であると考えるわけでございます。  例えば都市基盤の整備面を欧米諸国と比べますと、いまだ半分にも満たない下水道普及率、諸外国からウサギ小屋と酷評される住宅、ふえ続ける自動車台数に追いつかない道路、駐車場の容量、そして比べものにならないほど低い一人当たりの公園面積など、相対的に大きく立ちおくれているのが現状でございます。  このような中で、田尻市長におかれましては就任以来、市政の基本方針の一つとして、特に魅力ある都市環境の形成、すなわちこの社会資本の整備に力を注がれておるわけでございます。例えば、清潔な環境をつくるために最も重要な下水道事業には百二十七億円を計上され、その計画区域内の普及率一〇〇%を目指して整備を進めておられます。また、中心市街地に残る緑の拠点である立田山は、生活環境保全林として公有化を進められ、市民憩いの森の整備を図られるとともに、花の休憩所を建設、公園リフレッシュ事業を推進されるなど、ゆとりと潤いあふれる公園・緑地の市民への開放に努めておられます。さらには、市営住宅の建設、建てかえも年間五百戸という目標を打ち出されるなどなど、都市基盤の整備に積極的な取り組みをなされており、その御熱意に心より敬意を表する次第であります。まさに今市民生活を営む上で必要とされているのは、真の豊かさを実感できる快適で潤いのある生活環境ではなかろうかと思うわけでございます。  そこで田尻市長に、市民一人一人が人間本来の豊かさ、潤いを実感できる二十一世紀に向けた都市基盤整備について、その御決意をお伺いしたいと思います。           〔市長 田尻靖幹君 登壇〕 ◎市長(田尻靖幹君) 鷲山議員にお答えをいたしたいと思います。  その前に、去る四月の統一選挙におきまして、歴史と伝統に輝く熊本市議会に議席を得られましたことに深く敬意を表する次第でございます。  さて、お尋ねの問題でありますが、今お伺いいたしておりますと、我が国は世界をリードする経済大国にはなったものの、暮らしの上では生活の実感としての豊かさをまだ享受するには至ってない、このような趣旨でございました。私も全く同感でございます。我が国の都市は、道路の問題、公園の問題あるいは住宅、下水道、このような生活に密着した生活関連の施設が欧米諸国に比べて立ちおくれていることは事実でございまして、議員御指摘のとおりでございます。このようなことから私は就任以来、特に地域経済の活性化とともに都市基盤の整備につきましては特段の努力を、議員各位とともに取り組ませていただいたわけでございます。  例えば諸外国との例を挙げてみますと、下水道の普及率が日本では四四%、我が熊本市におきましては五三%までいっているわけでありますけれども、アメリカの七三%、イギリスの九五%、あるいは旧西ドイツの九一%に比べますとこの普及率も大変おくれていることになります。また、生活の潤い、そういう意味におきます都市公園、この一人当たりの面積も我が熊本市が六・八平米であります。東京都はわずかに二・五平米。アメリカのワシントン、四十五・七平米、イギリスのロンドンは三十・四平米、非常に高い比率でございます。きょう午前中に佐々木議員にもお答えいたしました交通渋滞の最大のネックになっております道路面積率でありますが、これまた熊本市は七・六%、イギリス・ロンドンの一六・六%、パリの二〇%、東京都も一三・六%でありますから、いかに我が熊本市がおくれているかということがおわかりいただけます。特に市民の生活と経済に最も関係の深い都市計画道路の整備率でございますけれども、五三・六%でありまして、これこそ今後私ども全力を挙げて道路の整備に力を入れなければならないと。特に都市計画道路につきましては今後全力を挙げて取り組ませていただきたいと、かように考える次第でございます。  私はこういう議員御指摘の問題につきまして、新熊本構想、この基本計画の推移によりましてこれを二十一世紀までできるだけ魅力と活力ある都市づくりの基幹として取り組んでいきたい、こういうふうに考えているわけでございます。特に今後、福岡市あるいはまた九州のそれぞれの立派な町との競争の時代に入るわけでございます。ここで市勢発展に大変寄与されました故長野商大学長の言葉を申し上げたいと思います。「熊本市は一県庁所在地の行政都市ではなく、中央出先の多くの官庁を持つ我が国十指の行政中心都市である。」このように先生は喝破されまして、熊本市の発展こそが本県の地域振興につながると、このように言っておられるわけでありまして、私どもはこのように我がふるさと熊本に限りない愛着と誇りを感じているわけでございまして、今後議員各位とともに全力を挙げて市勢発展に取り組んでまいりたいと、かように決意を新たにいたしているところでございます。           〔十二番 鷲山法雲君 登壇〕 ◆十二番(鷲山法雲君) 御答弁ありがとうございました。ただいまの田尻市長の熱意あふれる御決意を拝聴し大変意を強くした次第でございます。  次に、市民生活の向上に不可欠な都市基盤整備の中で、特に公園・緑地についてお尋ねします。  公園・緑地は、子供たちが一番伸び伸びと遊べる場、市民が気軽に利用できるスポーツ・レクリエーションの場であり、また散歩や憩い、触れ合いの場として、そこにいるだけでも安らぎを与えてくれる貴重なオアシスであり、市民の心身の健康の維持増進に大きな役割を果たしているものでございます。また同時に、災害時においては住民が避難するオープンスペースとして役立つばかりでなく、災害の拡大を防止し、その緑は大気汚染、騒音などの公害を和らげるなど極めて重要な機能を持った施設でもあります。  この公園・緑地の整備事業につきましては、古くは大正十三年の水前寺運動公園の建設に始まり、現在まで土地区画整理事業や開発行為、あるいは用地買収などによる公園の整備、開設を進め、ゆとりと安らぎのオープンスペースの確保に努めておられるところでございます。また、公園として絶好の場所にありながら何か利用しにくい暗いイメージであった既存公園も、公園リフレッシュ事業による再整備が図られており、堂免公園、泉ケ丘公園、西岸寺公園などは、既に見違えるような明るく美しい公園へと生まれ変わっております。しかしながら、本市の市民一人当たりの都市公園面積は平成二年度末で六・八平方メートルであり、国においての整備目標の五・八平方メートルは上回っているものの、九州主要都市の中では中間に位置するにとどまっており、全国の類似都市と比べましても決して高いとは言えないのが現状でございます。  また先ほど申し上げましたように、社会資本整備の先進国であります欧米諸国と比べますとかなり低く、本市と大体同じ程度の人口を有しておりますサンフランシスコに至っては、何と本市の約六倍となっております。これらの他都市とは、面積、地形などの諸条件に違いがございますので一概には申せませんが、森の都熊本としましては少々寂しい気持ちがいたすわけでございます。  また近年は、余暇時間の増大に伴いますレクリエーション需要の多様化、高度化が著しく、特に公園・緑地に対する市民のニーズは極めて大きなものとなっております。住区公園の計画的、系統的配置、遊具、施設などの整備充実はもとより、緑や水などの自然環境を生かした公園・緑地の整備も重点的に進めるべきではないでしょうか。  子供たちが伸び伸びと遊び、かつ自然観察、学習のできる場、またお年寄りが毎日安心して散歩や体操ができる場、休日には家族連れが弁当を広げ、のどかな時を過ごせる場、そのような自然との触れ合い、憩いの場の創出こそが、単に至るところに緑があるというだけではなく、名実ともに森の都熊本にふさわしい姿ではなかろうかと思うわけでございます。  また、先般策定されました新熊本構想の将来都市像、水と緑の人間環境都市の中にありますように、人と自然が共生する、ゆとりや潤いのある良好な環境の都市の実現のためにもこのような整備がぜひ必要ではないかと考える次第であります。さらに、この平成三年度は建設省の第五次都市公園等整備五カ年計画の初年度でもあり、旧飽託郡四町も含め、さらに総合的、計画的な整備を図っていかれるものと大きな期待を寄せているわけでございます。  そこでお尋ねいたします。この第五次五カ年計画における今後の整備方針と、その具体的内容はどのようなものなのでしょうか。また、計画期間は平成三年度から七年度まででございますが、その達成見込みはどうでしょうか。  さらにあわせてお尋ねいたします。このように、さらなる整備が望まれております公園・緑地の中で、特に市民に親しまれており本市の貴重な財産でもあります水前寺江津湖公園についてでございます。  水前寺江津湖公園は、本市を代表する観光名所の水前寺成趣園から下江津湖に至る市内唯一の広域公園であり、この一帯は特にアメニティの高い重要な景勝地でありますとともに、清らかな湧水に恵まれ、多くの魚介類、野鳥、動植物をはぐくんできた自然の宝庫でもあります。  そのような観点から、この水前寺江津湖公園の百二十六・五ヘクタールについては、昭和四十八年から本格的整備を始めておられ、当該地区を五地区に分け、それぞれのテーマを持って現在も整備が進められておりますのは御案内のとおりでございます。本年度は、その一地区であります動植物園内に花の休憩所が完成するとともに、湖畔の遊歩道などの整備も進められ、多くの市民や観光客が自然の中で触れ合い、美しい花々や珍しい樹木に感動を覚えられたものと高く評価しております。そこで、この水前寺江津湖公園の整備計画全体における現在の進捗状況及び今後の整備計画はどのようになっているのでしょうか。  以上二点につきまして都市局長にお尋ねいたします。  次に、江津湖の環境問題についてでございます。  このような公園整備が進む一方では、江津湖の湧水量の低下、水質汚染、堆積するヘドロの問題などが深刻化しているのも現状でございます。「うき草の寄する汀や阿蘇は雪」本市の名誉市民であります中村汀女先生が江津湖を詠まれた句であります。このように、かつてはこんこんとわき出る地下水がその湖面をたたえ、多くの動植物をはぐくみ、水鳥たちが羽を休めた美しい水辺は、現在、上流からの家庭雑排水やごみ、土砂などの流入により随分さま変わりしました。これらの問題につきましてはこれまでも議員各位や関係諸団体からこの江津湖の再生を願い、幾多の御提言、御要望がなされてきたところでございます。江津湖は市民の貴重な一大オアシスであるとともに、自然動植物の重要な生態系を形成しており、学術資料の宝庫でもあります。これらを保全、復元し、後世へと継承していくのは市民全体の切なる願いであり、大きな責務ではなかろうかと思うわけでございます。  そこで、最近の江津湖の水質及び湖底の汚染の実態とその原因についてお尋ねいたします。  また、この江津湖の自然を守り修復していくために、その方策の一つであるヘドロのしゅんせつは急を要する課題であると考えるものであります。湖底に堆積したヘドロを江津湖の生態系に配慮した手法で除去し、往年の満々と水をたたえた湖に再生できないものでしょうか。江津湖のしゅんせつ事業は県の河川事業として実施すると聞いておりますが、その後の対応はいかがなっているのかお聞かせいただきたいと存じます。
     以上、関係局長の明快なる御答弁をお願いいたします。           〔都市局長 本田吉継君 登壇〕 ◎都市局長(本田吉継君) 鷲山議員にお答えいたします。  都市公園等整備五カ年計画の内容と達成見込みについてであります。  本市におきます昭和六十一年度からスタートいたしました第四次都市公園等整備五カ年計画の実績は、先ほど議員述べられましたとおり、市民一人当たり六・八平方メートルとなっておりまして、これは全国の一人当たりの公園面積五・八平方メートルを一・〇平方メートル上回る結果となっております。平成三年度を初年度としてスタートいたしました国の第五次都市公園等整備五カ年計画では、一人当たり公園面積五・八平方メートルを平成七年度末には七・〇平方メートルとするものとなっております。これに対し本市におきましては、現在の六・八平方メートルを平成七年度末までに国の目標を上回る八・二平方メートルとする計画を策定したところであります。これまでの実績を踏まえますと、本市の第五次五カ年計画の目標達成は十分可能であると考えております。しかし、先行き不透明な財政事情を勘案したとき決して楽観はできないものと思われますが、国の補助等財源確保に努め目標達成に向け鋭意努力してまいりたいと思います。  次に、水前寺江津湖公園の整備について、その進捗状況と今後の整備計画についてであります。  現在水前寺江津湖公園は五つの地区に分けて、それぞれの地域特性を生かした広域公園として整備を進めているところであります。その地区は水前寺地区、出水地区、上江津地区、下江津地区、広木地区であります。このうち出水地区、広木地区は県事業として整備することになっております。整備状況といたしましては、水前寺地区は公開庭園地区として水前寺成趣園が公開されております。次に出水地区ですが、カルチャーパーク地区として総合体育館・青年会館、県立図書館が完成し、昭和六十年度に供用開始いたしております。上江津地区は子供文化園地区として一応の整備がなされ供用されております。下江津地区は都市緑化植物園地区として艇庫周辺整備を残し供用開始したところであります。今後、平成四年度におきまして整備を完了することといたしております。庄口地区につきましては平成四年度から二カ年計画で軽スポーツ公園地区として整備を行う予定であります。最後に、県が事業実施しております広木地区は田園景観地区として平成元年度に事業着手し、平成十年度完成を目指して整備を進めているところであります。  続きまして、江津湖公園の水を守るためのしゅんせつはどうなっておるかという御質問であります。江津湖のしゅんせつは、県が環境整備事業として国の補助を受けまして実施しているところであります。  まず、下江津湖のしゅんせつは、昭和四十八年から昭和六十一年にかけて約四十二万立方メートルの堆積土及びホテイアオイを撤去いたしております。また上江津湖につきましては昭和四十年度に約二十万立方メートルの土砂を撤去いたしております。しかし、その後ヘドロの堆積が著しく水深が浅くなり部分的に陸地化している状態にあります。したがいまして、そのしゅんせつについて県にその実施を強く要請してきたところであります。  県におきましては事業実施計画策定に当たりまして、昭和六十二年から平成元年度の三カ年でヘドロ量、魚類、昆虫、底生生物等のしゅんせつによる影響について調査されておりまして、ヘドロの堆積量は約十七万五千立方メートルでありますが、そのうち十二万立方メートルを四カ年計画で実施するものとしております。本市といたしましては、江津湖が市民の憩いの場として、また学習の場として市民に親しまれていることから、事業実施による騒音、振動、悪臭の発生や水遊びの制限等にも配慮され、湖内の生物の生態系等に悪影響がない工法で実施されるよう要望いたしております。また住民への周知や捨て土の仮置き場等について市といたしましても積極的に協力していく所存であります。  また、上江津湖のヘドロのしゅんせつにつきましては本議会で何遍も御指摘を受けてきたところであります。しゅんせつは平成二年度から四カ年で実施する計画でありましたが、平成二年度は中止となっております。このことにつきましては九月の県議会の執行部答弁では、ヘドロのしゅんせつについては今後も引き続き熊本市漁協への理解と協力を求めていくとともに、年内着工に向けて努力したいとなっております。           〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕 ◎保健衛生局長(後藤勝介君) 私の方から江津湖の水質の件につきましてお答えを申し上げます。  江津湖の水質の実態につきましては、平成二年度の調査結果を、私どもが江津湖の水質保全目標値といたしておりますBOD二ミリグラムパーリッター、この値はヤマメとかイワナ等の生殖に適する水質の基準と言われておりますけれども、この数値と比較いたしますと、上江津湖の左岸、右岸では年間平均それぞれ〇・八ミリグラムパーリッター、一・九ミリグラムパーリッターと保全目標を満足しておりますけれども、斉藤橋では二・四ミリグラムパーリッターと目標値をやや上回っております。一方、下江津湖は、その左岸が四・七ミリグラムパーリッターと最も悪く、右岸で三・六ミリグラムパーリッター、下江津湖の出口でございます秋津橋で三・二ミリグラムパーリッターと保全目標を達成できていないのが現状でございます。また湖底につきましては、上江津湖が特にヘドロ等の堆積によりかなり浅くなっている状態でございます。  この汚濁の原因でございますが、御承知のとおり江津湖には健軍川、藻器堀川等都市の生活排水路となっております小河川が流入しております。特に上江津湖の水質は、このような流入河川の汚濁が直接影響を与えると考えます。この流入河川の一つでございます健軍川の最近の水質を見てみますと、江津湖流入口で、昭和四十年ごろまではBODが二けたの値を示しておりましたけれども、平成二年度には二・二ミリグラムパーリッターと江津湖の保全目標値に近い値まで改善されてきております。同様に藻器堀川最下流でも二・〇ミリグラムパーリッターと、最近では良好な水質となってまいりました。これは、この流域におきます下水道の整備が進んできたためと考えられます。  なお、下江津湖の水質汚濁の原因でございますが、下江津湖は、その形状等から湖沼としての性格が強く、水が滞留しやすい状態になっております。特に夏の時期にはこの傾向が強まり、植物性プランクトンがふえ水質が悪化する原因となっていることが判明をいたしております。           〔十二番 鷲山法雲君 登壇〕 ◆十二番(鷲山法雲君) 私は、五、六年前から江津湖の自然と水を守る会の皆様方とともに、毎月第二日曜日朝六時半、冬場は七時より江津湖清掃を続けていますが、四季折々すばらしい景観が見られます。先ほど申しましたように、市民の貴重なオアシスでもあります江津湖の保全、復元に対する執行部のさらなる御努力をお願いいたします。  今や環境問題は、国内はもとより地球的規模で取り組むべき最重要課題となっております。このような折、仄聞いたすところによれば、田尻市長におかれましては、厚生省の生活環境審議会の委員として全国市長会の推薦を受けておられるとのことでございます。この審議会は、生活環境に関する国レベルの重要事項を調査審議する厚生大臣の諮問機関であります。委員の顔ぶれを見ますと、各界の著名人ばかりであり、全国の市長を代表して田尻市長がそのメンバーに就任されるとすれば、私どもにとっても誇らしい限りでございます。またこのことは、田尻市長の環境行政への積極的な取り組みが高く評価されたものとお喜び申し上げますとともに、さらなる御活躍を期待いたす次第であります。  それでは次に、福祉行政に関連しまして幾つかお尋ねしたいと存じます。  核家族化の進行やコミュニティーの希薄化、さらには女性の高学歴化に伴う社会進出の増大など育児を取り巻く環境は近年大きく変わってきております。このような中にあって子育ての問題は、これまでその中心的役割を担ってきた女性のみの問題ではなく、隣近所の助け合いの精神や地域社会の養育機能の向上、また保育に携わる関係者や行政的支援などさまざまな問題としてとらえなければならないものと考えられるのであります。特に、これからますますふえていくであろう女性の社会参加を考えますときに、今後の保育行政のあり方には当然注目が集まるところでございます。  本市においても現在熊本市女性プランの策定を進められておるとお聞きしておりますが、私は、このプランでぜひとも女性の社会活動の促進を図るため、その基盤整備として子育ての支援システムの構築を取り上げていただきたいと強く念願をしているところでございます。  さて、保育行政の最前線である保育所においては、これまで児童の健全育成のために保育内容の充実や環境の整備などに一生懸命取り組んできたところでございますが、これからは今申し上げましたような時代背景を踏まえ、もっと開かれた保育所になっていかなければならないのではと思うのであります。すなわち、これは現在も一部の保育園で行われておりますが、育児に関する母親の悩みや家庭でのしつけなどに関する相談の実施や、地域の敬老会や婦人会などのコミュニティー活動と一体になった行事の開催などをもっと広範にかつ積極的にやっていくべきではと考えるのであります。特にお年寄りとの世代間交流は、とかく薄れがちになっている両者の触れ合いと相互理解を深めるだけではなく、お年寄りの生きがいや、子供にとっては日ごろ経験の少ない貴重な体験をもたらすものであり、その効果は多大なものがあると、かように思うのであります。  そこでお尋ねをいたします。現在は年間を通して一日か二日だけの交流が主になっておりますが、私は、できることならば、保育所のあいている保育室をミニデーケア施設に転用して、お年寄りと子供たちが日常的に触れ合えるようにすれば、さらにお互いにとっていろんな面でよい結果が得られるのではなかろうかと考えますが、いかがでしょうか。既に先進都市においては実践されているところもあるやに聞いておりますが、本市でもこういったことが考えられないか、市民局長の御見解をお聞かせ願いたいと存じます。  次に、高齢化社会への対応についてでございますが、昨年答申が出ております熊本市長寿社会対策研究会の資料によりますと、本市の高齢化の現状は平成元年十月現在で、人口に占める高齢者の割合が一一・〇%であり、国の一一・六%と比較してほぼ同水準にございます。今後の推移に関しましては、国の増加率を若干上回るのではないかという予測もされております。  このような状況の中で、本市におきましてもこの長寿社会対策研究会の提言を踏まえ、来るべき超高齢化社会に対応するため数々の施策に取り組んでこられたことは改めて私から申すまでもございませんが、田尻市政のまさに政策の大きな柱として着実に実を結びつつあります。また今般は、この高齢化社会におけるさまざまな問題に総合的に対応するための基本計画をお考えとのことでございますが、策定に当たっての基本方針はどのようなものか、またどのような手順で進められるおつもりか、市民局長にお尋ねする次第でございます。  あわせて、この問題に全庁的に対応するため長寿社会対策推進本部を設置されておりますが、これを設置された意図はどのようなものか、御答弁をよろしくお願いいたします。           〔市民局長 坂西奏一君 登壇〕 ◎市民局長(坂西奏一君) 福祉問題に対する二点のお尋ねでございます。保育問題については議員、もう専門家でいらっしゃいますので御承知のとおりと思いますが、お答えをさせていただきたいと存じます。  まず第一点目の保育所の未使用の部屋を老人福祉施設に転用してはどうかというお尋ねでございます。ただいまお触れになりましたように、急速な高齢化社会、核家族社会が進行する中におきまして、子供と高齢者を結びつける触れ合いのかけ橋といたしまして、私ども、日常的にともに接触しともに語られる場を設ける必要が今強く求められていると、このように認識をいたしているわけでございます。本市におきましては保育園児の老人福祉施設への訪問、世代間交流事業、地域における保育園児と小学生を含めた交流事業、あるいは保護者等への育児講座、郷土文化伝承活動、あるいはまた地域の特性に応じた保育需要への対応など、保育所地域活動事業を実施いたしているところでございます。  なお、ただいまお触れになりました先進都市に見られる保育所の老人福祉施設への空き部屋の一部転用は大幅な定員割れが前提になるであろうと、このように考えるものでございます。本市におきましては御案内のとおり、措置児童数は常に八千人台でございまして、ただいまのところ児童数の減少による未使用の空き部屋は生じておりません。将来大幅な定員割れによる未使用の空き部屋が生じましたときはその転用について、適正配置を含めまして、国、県と積極的に協議し、その実現に向かって努力をしてまいりたいと、このように考えております。           〔議長退席、副議長着席〕  次に、高齢化社会に対応する基本計画、そしてまた長寿社会対策推進本部の設置目的についてのお尋ねでございます。  この計画は国のふるさと二十一健康長寿のまちづくり事業に沿って策定するものでございます。国が示しております健康、生きがい、安心というテーマのほか、本市におきましては地域性にも配慮いたしまして積極的に検討項目を追加しながら、熊本型マスタープラン長寿社会対策版とでも言えるような総合的な基本計画にいたしたいと、このように考えているわけでございます。計画の策定に当たりましては、庁内に長寿社会対策推進本部を設置いたしますとともに、先月下旬発足を見ました健康長寿のまちづくり基本計画検討委員会の委員の皆様の御意見を幅広くいただきながら、マスタープランとの整合性を保ちつつ、具体的な施設群の整備など幾つかのケーススタディも折り込みまして、本市にふさわしい基本計画をつくってまいりたいと、このように考えているのでございます。  長寿社会対策推進本部の設置意図につきましては、基本計画の内容が単に福祉や保健衛生だけのものではなく、産業経済、教育、都市計画、住宅など行政の全分野にまたがるものであり、部局の枠を越えた横断的な組織で、関係部局との密接な連携のもとに対応策を検討していく必要があろうと、このように考えております。庁内の主管部長を構成員といたしました長寿社会対策推進本部につきましては、市民局長が市長の命を受けて本部長となっているわけでございます。今後、推進本部を核といたしまして基本計画の策定を図りますとともに、長寿社会対策の総合的推進に努めながら、本市の健康で明るい長寿のまちづくりに全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように考えております。           〔十二番 鷲山法雲君 登壇〕 ◆十二番(鷲山法雲君) ありがとうございました。子供たちのより健全な育成のため地域に開かれた保育所づくりへの積極的な取り組みを期待いたします。また先般、熊本市保育園連盟より保育に関する陳情がなされたと聞き及んでおります。いずれも重要な事項でございますので、前向きに御検討いただきますようお願いいたします。  そして高齢化社会への対応は、現在最も喫緊の課題の一つであります。さらなる御努力をお願いして、次の質問に移りたいと思います。  音楽施設の整備に関してお尋ねをいたします。  最近、毎年十二月になりますと日本各地でベートーベンの「第九」が演奏され、その回数は二百回とも三百回とも言われており、暮れに歌われる合唱の響きは今や日本の風物詩の一つになった感があります。このことは、芸術文化、特に音楽に対する興味の高まり、しかも単に鑑賞するだけではなく、みずから参加し発表する喜びを求める国民がふえていることのあらわれでありましょう。また施設的にも、宮城県に建設されたコンサート専用ホールであるバッハホール、昨年水戸市にオープンした水戸芸術館など、音楽専用ホールを有する文化施設が地方都市で建設されるようになっており、音楽を通じた町づくりとして話題になっております。  本市におきましても音楽活動は盛んであり、市内には音楽関係の文化団体が多数あり、それぞれ活発な活動が行われております。市民会館、総合婦人会館・カルチャーセンターなどの文化ホールの利用者の中でも、特に音楽関係の利用者が多いとお聞きしております。こうした音楽愛好者とお話をしておりますと、その多くの方々から、熊本市にも音楽専用ホールが欲しいという要望をしばしばお聞きいたします。と申しますのも、市内に建設されているホールのほとんどが、演劇、音楽、会議などいろいろな目的に利用できるいわゆる多目的ホールであり、決して音楽活動専用の施設として整備されていないためであります。  少しくどくなりますが、同じ芸術活動というものの、例えば演劇の場合は残響があっては観客にせりふが聞きづらい、しかし音楽の場合は残響時間が長い方が好まれるというようなぐあいでありまして、多目的ホールは何でもできはしますが、無目的ホールとして専門家からの批判を受ける施設でもあります。現在本市には県立劇場に専用のコンサートホールがあります。これは一千八百の席を有する大規模な施設であり、大きなコンサートを行う上では貴重な場であります。しかし熊本市の音楽人口等からすると、日常的にコンサートを市民が楽しむにはこの施策は大きく、むしろ四百席から六百席ある中規模程度の音楽専用施設が運用上適正な規模であると考えられます。音楽は国際共通語であり、その振興は国際都市を目指す本市にふさわしいものであります。また音楽体験は感性を磨き豊かな情操を育てるものであります。ぜひ音楽専用ホールを建設していただきたく存じますが、教育長に御見解をお伺いいたします。  引き続き幼稚園教育についてお尋ねをいたします。  三つ子の魂百までとよく言われますが、人間として無垢な状態にある幼児期において適切なしつけや教育を受けることは、まさに人づくりの基本であると言えます。しかし特に近年では、核家族化に伴う家庭の教育力の低下、都市化の進展に伴う自然体験の減少、またテレビなどを通じた一方的な情報過多など幼児の健全な発達にとって好ましくない環境がふえており、その意味でも専門の機関による適切な幼児教育の必要性がますます高まっているのであります。  現在、幼児教育にかかわる機関としては、学校教育の一環である文部省管轄の幼稚園、児童福祉の一環である厚生省管轄の保育園と、大きく二つの系統がございます。このうち幼稚園はまさに幼児教育の実施機関として設置されたものであり、情操教育、健康な体づくりなどはもとより、基本的な生活習慣や社会性を身につけることにも積極的に取り組んでおられるようであります。一方保育園は、あくまで家庭などでの保育に欠ける幼児を対象にした福祉施設でありますので、食事や遊びなどの日常生活に重点が置かれ、教育目的の追求には制約が多いわけですが、各園それなりに工夫を凝らして教育的な保育内容も実施しておられるようであります。  このように幼児教育の重要性が一層増す中で、実態的には余り変わらぬ役目を果たしている幼稚園、保育園の両者が連携協力をしながら、よりよい幼児教育の方向や具体的内容等をじっくり調査研究し実施に移していくことが必要ではないかと考えます。しかし現実はといいますと、特にそうした幼児教育についての調査研究や指導についての行政の取り組みは、教育サイド、福祉サイドともに非常に弱いと感じるのはひとり私だけではないと思います。  そこで提案といいますか、お尋ねでありますが、小中学校教育については市教育委員会に指導主事が配置され、教育内容の調査研究や指導に当たっておられるように、幼児教育についても同様の役割を持った指導主事を教育委員会に配置したらどうかと考えるものであります。そうして幼稚園における教育の充実を図るとともに、また保育園の方でもその成果を活用できるようにすればどうでしょうか。  次に、私立幼稚園に対する助成措置に関してお尋ねいたします。  現在、全国には一万五千余りの幼稚園が設置されており、そのうちの約六割が私立によるものであります。また本市では公私立合わせ六十の幼稚園が設置され、そのうち五十二園が私立により経営されております。比率にして八六%となり、本市の幼児教育の大部分が私立により担われている状況であります。このことは、熊本市の私立幼稚園が、私学として、それぞれの建学精神に基づき、さまざまな工夫を行い、地域に深く溶け込み、幼児教育を実践されてこられた結果であります。  ところで、こうした私立幼稚園に対する公的助成はと申しますと、昭和五十年の第七十五回国会において私学振興助成法が制定された結果、現在県から私立幼稚園に対して人件費などの経常費に対する補助が実施されております。また本市ではそれ以前から独自に私立の幼稚園の研修費用の一部に対し助成を実施されておりますし、幼稚園の保育料を助成し就園を促す就園奨励費補助事業にも積極的に取り組んでおられるところであり、関係者の一人として深く感謝申し上げます。  しかし、こうした公的助成措置が県や市から実施されているにもかかわらず、公立幼稚園に通園させている保護者と、私立幼稚園に通園させている保護者との経済的負担を比較いたしますと、残念ながら、私立幼稚園に通園させている保護者の方が負担が依然として大きいというのが実情であります。具体的に平成二年度の状況からしましても、公立幼稚園児一人に投下された公的経費のおよそ四分の一程度しか私立幼稚園児には公的経費が投下されていない結果となっております。この差が私立に通わせる保護者の負担となり、その保護者に不平等な感じを与えております。  幼児教育は義務教育ではないものの、先ほども述べましたように、その社会的使命は今日ますます高まっており、私立幼稚園に対する公的助成をより一層充実していただき、ぜひ公私立間の保護者負担の格差是正を図っていただきたいと願う次第であります。教育長に御見解をお尋ねいたします。           〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕 ◎教育長(谷口弘毅君) 鷲山議員にお答えをいたしたいと思います。  まず第一点目の音楽施設の整備についてでございます。鷲山議員の音楽に対します高い見識からの御質問でございます。  現在、市内には文化ホールと言われるものは公設、民設を問わずさまざまなものがございますが、最近の市民の文化意識の高まりを考えますとまだ十分なものとは言えないのが現状でございます。また議員御指摘のとおり、市民の芸術文化活動に対する欲求は専門化、高度化しているところでございまして、施設整備に対しましても、多目的なものより専門施設をとの声が各方面から出されていることは認識いたしているところでございます。  本市では、今後の町づくりの基本となります新熊本構想の柱の一つに、風格ある文化創造都市の実現を掲げておるところでございまして、芸術文化活動の拠点施設の整備は、その実現のための重要な施策であると考えております。また音楽につきましては、特に青少年代の若いころからの音楽に対する体験あるいは教育が非常に大切であり有効であると言われておるところでございます。議員御質問の音楽専用ホールの建設についてでございますが、現在ある文化施設の利用状況の調査分析を行いますとともに、文化団体の集まりでございます県文化協会や音楽家、音楽団体等の意見を参考に、議会の御意向も踏まえながら芸術文化振興のための施設づくりに取り組んでまいりたいと存ずるところでございます。  次に、二点目の幼稚園担当の指導主事の配置でございます。  現在、幼稚園の教育指導につきましては、義務教育との兼務で二名の指導主事が担当しているところでございます。しかしながら、幼稚園教育の重要性にかんがみまして、御提言のように幼児教育についての専門的な教養と経験を持った専任の指導主事の配置が望ましいと考えておるところでございますが、この配置につきましては、定数との関係もございますので今後の課題として十分検討させていただきたいと思うところでございます。  次に、三点目の私立幼稚園に対します助成措置の充実についてでございます。  本市におきます私立幼稚園に対します助成につきましては、議員御案内のとおり現在私学助成事業、それから就園奨励費補助事業を実施しているところでございます。私学助成につきましては平成二年度に五%増額し、教師の研修費用に対する補助金として幼稚園に助成交付をいたしているところでございます。また就園奨励費補助事業につきましては、国の制度改正に合わせまして、既に本市独自の制度として実施していました三歳児に対する補助を拡充するとともに、四、五歳児につきましても増額することとして今回の議会に必要な予算の補正をお願いしているところでございます。もとより、私学は独自の教育理念に基づきました自由な発想、自主自立の精神による教育運営を行うことが理想でございますが、最近の社会経済情勢により厳しい状況にあることは十分に理解しているところでございまして、幼児教育の重要性もまた強く認識いたしているところでございます。本市におきましては私学の一層の健全な発展を図るべく私学振興懇談会を設置いたしまして、私学の振興について御論議をいただいているところでございます。議員お尋ねの私立幼稚園に対します助成の充実につきましては、県との役割分担という制約もございますが、議員のお気持ちに沿いますよう十分検討し努力してまいる所存でございます。           〔十二番 鷲山法雲君 登壇〕 ◆十二番(鷲山法雲君) 御答弁ありがとうございました。  音楽専用ホールの建設については私たち音楽家の悲願であります。そこで強く要望いたします。  また、幼稚園教育の充実につきましても積極的な取り組みをお願いして、次に出水南中学校の運動場の拡張についてお尋ねいたします。  出水南中学校は、地域住民の切なる願いにこたえ、出水中学校の分離新設校として建設され、昭和五十八年四月に開校いたしました。ついきのうのことのようですが、早いもので来年は創立十周年を迎えることとなります。  さて、開校当初からその運動場については広さと形状両面から心配されておりました。約一万二千平方メートルと新設校としては狭い方で、なおかつ南北に細長いウナギの寝床のような非常に使いにくい形状をしているのであります。この十年間何とか工夫して使用してはこられたようですが、体育の授業や各種の行事はもとより、生徒のクラブ活動などでも支障を来している状況にあり、その拡張は、学校、地域住民双方の強い要望となっております。学校に運動場が必要なのは当たり前の話ですが、それもできる限り十分な広さを確保することが、ゆとりある教育環境を実現していく第一歩です。現在、出水南中学校の運動場の周囲は、西側と南側は農地となっており、今なら買収も可能でありますが、もしこのまま放置し、周囲が宅地化してしまえば、運動場拡張はかなり困難となってしまいます。したがって、ぜひ早急に御検討いただきたいと考えます。教育長の御答弁をお願いいたします。  引き続いて、本市と砥用町との交流についてお尋ねいたします。  本市は昭和五十九年九月、砥用町を熊本市民の憩いの町として指定し交流を図るという協定を結んでおります。具体的な協定の内容は、熊本市民が砥用町の観光施設やスポーツ施設などを利用する際は、その使用料金の減免措置を講じるなど、施設利用を促進することにより市民と町民が触れ合う機会を数多く提供していこうというものであります。私自身、その砥用町の出身者の一人でございまして、今後もさらに活発な交流を期待しているわけでございます。そこで少々砥用町の紹介をさせていただきたいと思います。  この熊本市民の憩いの町である砥用町は、本市より約四十キロメートル、車で約六十分の地点に位置し、矢部周辺県立公園内でもあるその地域は、豊かな自然や満々と水をたたえた緑川ダム、その静かな湖面に映える緑などすぐれた景観を有する観光の町であります。特に、運輸省の指定を受けております家族旅行村は、その六十七ヘクタールの敷地に、キャンプ場、総合運動公園、ピクニック緑地などの整備がなされており、ちょっとしたレジャーを望んでおられる家族連れの皆さんなどには最適ではなかろうかと思うわけでございます。また、通潤橋や霊台橋を初めとした多くの石橋、文化財など、本市には見られない貴重な資源が豊富にあり、教育的にもすぐれた価値がある地域でもございます。  このような地域との交流は、その地域の活性化を促進することはもちろんでございますが、温かい触れ合いのある地域社会の形成、また青少年の健全育成にも大きな役割を果たすものと考える次第でございます。この協定の趣旨を考えますと、私は、一人でも多くの市民の方に砥用町に足を運んでいただき、もっと交流の活発化を図っていただければと考える次第であります。  現在は、年に一度、観光課が市政だよりを通じて砥用町の観光情報を提供されておりますが、さらに積極的なPRをしていただきたいと思うわけであります。その点につきまして産業局長のお考えをお尋ねいたします。           〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕 ◎教育長(谷口弘毅君) 出水南中学校の運動場拡張についてお答えをいたします。  お尋ねの出水南中学校の運動場拡張につきましては、議員御指摘のとおり、当校の運動場の形状が長方形で球技などの体育活動に不十分でございます。開校以来、学校や地元からたびたび拡張の御要望がなされているところでございます。  教育委員会では、学校用地の確保充実につきまして新設校予定地を初め運動場用地の拡張など多数の陳情、要望がなされております中で、その必要性や緊急性、あるいは立地条件などを総合的に判断して順次取り組んでいるところでございます。議員お尋ねの出水南中学校につきましてもその必要性は十分認識しておるところでございまして、全体計画の中でできる限り早期に整備しなければならない拡張用地の一つであると考えております。財源面等々の諸条件をクリアしながら今後その実現に向けて精いっぱい努力してまいりたいと存じます。           〔産業局長 竈 啓一郎君 登壇〕 ◎産業局長(竈啓一郎君) 砥用町との交流につきましての御質問でございます。ただいま質問の中でも触れられましたように、熊本市と砥用町との間におきましては昭和五十九年の九月に市民の憩いの町として指定する協定書を交換しているわけでございまして、この協定に基づきまして、市民に対し家族旅行村の施設の利用料につきましては砥用の町民の方々と同じような減免措置が講じられているところでございます。  砥用町の最近の資料によりますと、砥用町を訪れております観光客数につきましては、平成元年度で二十二万八千人、平成二年度におきまして二十三万一千人、平成三年度は見込みでございますが二十七万人と言われておりまして、年々増加の傾向にあるわけでございます。このうち熊本市からの観光客数──ほとんどが日帰りであるわけでありますけれども、平成三年度の見込みで申し上げますと約七〇%を超えるんじゃないかというふうに聞いているわけでございます。砥用町の話によりましても、この交流というものがだんだん活発化しているというふうに聞いているわけでございまして、こういった交流を私どもさらに息の長い交流として育てていく必要があるというふうに考えております。  今後砥用町の御意見も参考にしながら、市政だよりはもとよりでございますが、市の観光情報センター等を通じました情報案内、あるいは従来から史跡めぐりを、石橋を訪ねてといいますか、そういった催しもやっているわけでございますので、いろんな行事を通じまして今後砥用町との交流の活性化のPRに努めさせていただきたいと思っております。           〔十二番 鷲山法雲君 登壇〕 ◆十二番(鷲山法雲君) 御答弁ありがとうございました。  出水南中学校の運動場の拡張について重ねてよろしくお願いしておきます。  また砥用町との交流につきましては、阿蘇に本市の青少年野外活動センターもありますが、例えば小中学生の林間学校やキャンプを行い砥用町の子供たちと交流するなど野外教育の場としたらいかがでしょうか。ぜひ実現させていただきたいものでございます。以上、要望を申し上げます。  田尻市長さんにお願いがございますが、どうか砥用町に一度遊びに来てください。町民挙げて大歓迎いたします。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは次に、出水南地区の明るい町づくりについて三点ほどお尋ねいたします。私の住む出水南地区は、来年四月より学校名が湧心館高校と改められる江津高校を初め、熊本養護学校や小中学校、さらには幼稚園など教育施設の多い江津湖畔の文教の町でございます。また質のよい住宅地が広がっており、文教の町として、また住宅地としてアメニティの高い町づくりが求められております。           〔副議長退席、議長着席〕  そこで一点目のお尋ねですが、この地区には皿田公園や川窪公園など幾つかの公園がございます。地域住民の貴重な触れ合いの場となっておりますが、これらの公園をコミュニティー公園として、リフレッシュと申しますか、再整備できないものか都市局長にお尋ねいたします。  二点目は地区内の商店街についてであります。江津高校から江津湖団地にかけての商店街通りは、スーパーなどもあって近隣住民の日常的な買い物の拠点となっているところであります。ここでは商店主の方たちがレークサイド繁栄会を結成し、環境整備のために毎年五十万円を積み立てるなど、地域の活性化に大変熱心に頑張っておられます。  そこで、これを行政として支援する方策はないものでしょうか。商店街組織が行う町づくりに対する支援施策について中小企業局長にお尋ねいたします。  さらに、三点目はただいま申し上げた商店街を含む一帯の道路のライトアップであります。これから冬至へ向けて日没時間が早くなり、夕方五時を回るころには暗くなるといった日々が続きます。先ほども申しましたように出水南地区は学校の多い町であります。特に江津高校は夕方五時から六時にかけて単車や自転車での通学が多うございます。また出水南小学校や中学校からの下校時には、とても暗い場所が多く、部活動等で遅くなって暗い夜道を急いで家へ向かっている子供たちをよく見かけるのであります。児童・生徒の通学時の安全確保が気になるところでございます。  そこでお尋ねですが、安全確保の面、さらには商店街の活性化にもつながると考えますので、あの一帯の道路のライトアップにぜひとも取り組んでいただきたいのですが、いかがでしょうか。建設局長の御答弁をお願いいたします。           〔都市局長 本田吉継君 登壇〕 ◎都市局長(本田吉継君) 出水南地区にある公園の再整備についてお答えいたします。  本市では都心部を中心に昭和三十年代の前半から公園の整備が図られ、相当数の公園が開設されてまいりました。開設後二十年以上の年月を経て施設の老朽化が著しく、また特に近年、周辺の環境が大幅に変化しておったりしまして、またさらに公園利用者のニーズに対応するためもございまして、一定の要件を備えた公園を平成元年度からモデル的に都市公園リフレッシュ事業を進めてまいりました。今後も地域の特性と周辺環境の変化を見きわめながら実施計画を策定してまいりたいと思っております。  出水南地区にあります公園の再整備につきましては、都市公園リフレッシュ事業以外の公園愛護会活性化事業の中で、地元公園愛護会と一体となって地域の特性を生かしながら、地域交流の拠点となるような、また地域づくりの核となるような公園の再整備を年次計画を立てて進めてまいりたいというふうに思います。           〔中小企業局長 木村和臣君 登壇〕 ◎中小企業局長(木村和臣君) 鷲山議員にお答えを申し上げます。  商店街が行う町づくりに対する支援策でございますが、市内には現在百三十を超えます商店街組織があるわけでございます。その商店街組織はただ単に商業活動のみならず地域の環境整備、あるいは地域社会をリードする町づくりのために大いに貢献しているところでございます。レークサイド繁栄会につきましては昨年八月に設立以来、会員の相互理解を深めるために、夏祭り、あるいは運動会、あるいはもちつき大会、さらには江津湖のクリーン作戦と積極的に参加しておられるわけでございまして、今後商店街の発展を期待するところでございます。  さて、御質問の件でございますが、地域経済の活性化という観点から商店街組織が行います街路灯の建設、あるいはカラー舗装等道路環境整備については今まで積極的に助成を行ってきたところでございます。具体的に申し上げますと、商店街共同施設助成といたしまして街路灯につきましては三〇%、限度額五百万円、それからカラー舗装につきましては二〇%の助成をしているところでございます。さらにまた街路灯の維持管理につきましては、年間電気料金の二〇%を助成しているところでございます。もとより、商店街につきましては、これまでのように物を売る、買う、そういうものだけじゃなくて、町の顔、あるいは暮らしの広場、触れ合いの場としてのコミュニティーの機能も要求されている現在でございます。私たちといたしましても、大店法規制緩和を目前に控え、厳しい状況にある地元商店街の活性化につきまして積極的に支援をしていく所存でございます。
              〔建設局長 木下實也君 登壇〕 ◎建設局長(木下實也君) 道路照明についての御質問にお答え申し上げます。御承知のとおり、近年は商業業務や生活様式の二十四時間化、小中学生のスポーツ活動などの社会生活の変化にこたえるために、自由で利便性の高いもの、福祉の視点からも良好な道路の環境が強く求められるところでございます。そこで本市におきましては、道路環境整備の一手法といたしまして平成元年度から景観照明事業を積極的に推進しているところでございます。これまでに市民センター周辺、定期バス路線、学校周辺、横断歩道のある交差点、幹線道路など人通りの多い道路を重点的に照明灯を設置してまいりました。本市管理の道路ストック二千二百十九キロに設置しております照明灯は、本年度の予定も含めまして約四千二百灯でございます。このうち平成元年から取り組んでおります景観照明事業量は、本年度の予定分を含めて三年間で延長約八十キロメートル、設置灯数一千六百灯でございます。今後も全市域を対象に交通状況や学校、集会場など公共性の高い施設の周辺道路、その他地域の主な道路につきまして景観照明事業を積極的に推進いたしまして、都市景観の向上、明るい町づくりを図る所存でございます。  さて、御質問の地区の整備につきましてはお説のとおりと思いますので、実施に向けて十分検討いたしたいと思います。           〔十二番 鷲山法雲君 登壇〕 ◆十二番(鷲山法雲君) 御答弁ありがとうございました。  出水南地区の公園の再整備、商店街の町づくりに対する支援、さらには道路のライトアップについて積極的な取り組みを期待いたします。  それでは次に放置自転車対策についてお尋ねいたします。この問題は今議会でも二人の方から、グリーンベルトを利用した駐輪対策や放置自転車をレンタサイクルとして観光地に配置したらどうかとの提案がなされましたが、私は別の角度よりお尋ねしたいと存じます。  今日の車社会の中において、自転車やバイク等は、通勤、通学、買い物など市民生活を支える便利で手軽な交通手段として広く親しまれ、その利用は年々急増いたしているところでございます。一点集中型の交通体系で朝夕のラッシュに悩まされる本市では生活の知恵でありましょう。しかしその一方では、中心部を初めといたしまして、熊本駅、新水前寺駅、武蔵塚駅等には無秩序に放置されており大きな社会問題を引き起こしております。特に市の中心部の辛島町、花畑町、上通り、下通りにおきましては、大量の自転車、バイクが歩道上あるいは道路上に放置され、歩行者の通行や緊急自動車等の業務活動に障害を与えており、さらに都市美観を大きく阻害するなど、安全で快適な町づくりの面からもその対策は行政が対応すべき緊急課題であるのではないかと考える次第であります。  このような中において、市では昭和六十年に、公共の場所における自転車の放置を防止することにより市民の良好な生活と都市美観を維持し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とした「熊本市自転車の放置防止に関する条例」を制定し、これに基づきまして昭和六十一年に市役所周辺及び武蔵塚駅周辺を、昭和六十二年に鶴屋デパート周辺を、さらに今年の二月には上通り、下通り、新市街アーケード街、岩田屋伊勢丹周辺等を自転車放置禁止区域に指定するなど、市民生活の安全のために積極的な対策を実施されておりますが、現状におきましては、放置禁止区域を指定するだけでは放置自転車対策の問題解決は不可能ではないかと思われます。すなわち、受け皿としての駐輪場建設を強く待ち望んでいるところでございます。この現状を認識して、昭和六十一年に市役所横に市営の駐輪場が建設されまして、今日において広く市民の皆様の利用が図られておりますが、なおかつ、本庁舎周りや花畑別館を含め一千二百台収容されながら、なおシルバー人材センターを活用して啓発しているにもかかわらず、裏通りには無秩序に放置されております。  そこでお尋ねをいたします。最近二段式サイクルポートという新しい駐輪機器が開発されました。この機器は取り扱いが簡単で、だれでも自由に操作できる安全機構つきの、平たく言えば二階方式で、地面の駐輪場の約倍近くの威力を発揮する都市型駐輪機器であります。駅前の広場、マンション、学校、会社、銀行、デパート、スーパーなどに広く利用できるということで全国の注目を集めているところであります。九州の雄都を目指す熊本市は、この新機器を地域社会に広く普及するためにも率先して導入を図るべきではないかと思います。民間のモデル事業として先導的役割を果たすと思いますがいかがでしょうか。市民局長の前向きの御答弁を求めるものであります。           〔市民局長 坂西奏一君 登壇〕 ◎市民局長(坂西奏一君) お答えをいたします。  放置自転車の現状につきましてはただいまお触れになりましたとおりでございます。私どももこの対策については一生懸命に努力をいたしているところでございます。ただいま御提案いただきました二段式サイクルポートの設置につきましては、早速見聞をいたしまして具体的に調査を実施いたしまして、実験的にでも導入に向かって検討をさせていただきたいと、このように思います。           〔十二番 鷲山法雲君 登壇〕 ◆十二番(鷲山法雲君) 前向きの御答弁、まことにありがとうございました。何度も繰り返すようでございますが、自転車の放置防止条例の実効性のある運用が強く望まれるわけで、そのためには駐輪場の整備、いわゆる受け皿が前提であります。特に市街地における駐輪場の台数増につきましては大きな効果を上げると思いますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  さて、本日は、ふなれな質問であったにもかかわらず、田尻市長初め執行部におかれましては終始懇切な答弁をいただき厚くお礼を申し上げます。  また、議員各位、傍聴の皆様方には最後まで御清聴いただきまして本当にありがとうございました。これで終わらせていただきます。(拍手)     ────────────────── ○議長(嶋田幾雄君) 次に、  日程第二 議第一八五号「平成二年度熊本市産院会計決算について」  日程第三 議第一八六号「同       市民病院会計決算について」 以上二件を一括議題といたします。  平成二年度公営企業会計決算特別委員長の報告を求めます。           〔平成二年度公営企業会計決算特別委員長 中村徳生君 登壇〕 ◎三十五番(中村徳生君) 平成二年度公営企業会計決算特別委員会に付託を受けました産院、市民病院、酒類製造事業、水道事業、交通事業、各会計の決算十件につきましては、第三回定例会において閉会中の継続審査とすることとし、以来三回にわたり委員会を開催し審査を行ったのでありますが、そのうち産院並びに市民病院会計について結論を得ましたので、この際、両件に対する審査の経過並びに結果について御報告いたします。  まず、議第一八五号「平成二年度熊本市産院会計決算について」申し上げます。  本会計の決算状況は、収益的収支における事業収益で、一般会計からの補助金一億六千六百三十九万九千円を含め三億六千九百十六万余円、事業費用で三億六千八百九十六万余円となり、差し引き十九万余円の黒字となっております。  本決算審査における質疑要望の主なるものについて申し上げますと、まず委員より、全国的な出生率の低下傾向により産院を取り巻く経営環境は年々厳しくなってきている中で、平成二年度の入院患者数が前年度より増加していることは高く評価する。この増加要因をどのようにとらえているかとただされ、当局より親切丁寧な診察・診療と、患者とのコミュニケーションを大切にした明るい雰囲気づくりに心がけたこと、さらには院長みずから講演や講座の講師などに積極的に出席したこともその要因の一つと考えられる旨の答弁がなされました。  次に委員より、職員数が減少しているが、現在の体制で十分な診察・診療ができるのか、職員の過重労働になっていないかとただされ、当局より、現在の職員数は総数三十六名で、そのうち医師三名、看護婦二十五名等となっている。夜勤体制については現在三・八体制をとっているが、この体制を維持することが厳しくなっており、職員増を人事当局へ要望しているとの答弁がなされました。  次に委員より、医療サービスの向上面からも医療機器の整備が必要と思われるがどうかとただされ、当局より、本年度超音波診断装置を購入したが、高度な医療を追求するためにはより一層の医療機器の整備充実が必要であり、随時要望していきたいと考えている旨の答弁がなされ、さらに委員より、一般会計からの繰り入れも年々増加傾向にあるが、産院の設立目的は児童福祉法に基づく措置病院であることを念頭に置いて経営努力に励んでもらいたいとの意見が述べられました。  また委員より、産院の措置病院としての特性を市民に理解してもらうことが必要である。特に飽託四町との合併により旧四町の市民に対するPRが必要であり、市政だよりに記載するだけでなく折り込みを入れる等、積極的なPR活動にも力を入れてもらいたいとの意見が述べられました。  かくして本件について採決いたしました結果、全員異議なく認定すべきものと決定いたしました。  次に、議第一八六号「平成二年度熊本市市民病院会計決算について」申し上げます。  本会計の決算状況は、収益的収支における事業収益で七十二億八千七十九万余円、事業費用で七十四億四千七百五十六万余円となり、差し引き一億六千六百七十六万余円の赤字となっております。  本決算についてまず委員より、赤字決算の理由として退職金の増加、外来患者の減少が挙げられているが、自治体病院の使命は利益追求ではないということを念頭に置いて、市民サービスの向上を目指した経営に努力してもらいたいとの意見が述べられた後、医療機器の一部に耐用年数を過ぎたものがあるのではないかとただされたのに対し、当局より、医療機器の一部には法定耐用年数を超えたものがあるが、耐用年数に達したら使用不能になるというものではなく、老朽化したものについては随時買いかえを行っているとの答弁がなされました。  次に委員より、レセプト整理作業が、外来患者等で一番混雑する玄関付近で行われているが、作業室の確保はできないのかとただされ、当局より、現状では作業室の確保は難しいが、病院事務の電算化を図ればレセプト作業の軽減が図られるものと考えているとの答弁がなされ、さらに委員より、病院事務の電算導入の時期はいつか、また電算化した場合患者の待ち時間はどれくらい短縮できるのかとそれぞれただされたのに対し、当局より、電算導入については四、五年前から検討しており、現在福岡で導入されている病院等の調査も行っている。来年度には電算導入に向けての具体的な事務作業に着手したいと考えている。また待ち時間については、薬局では以前は一時間ほどかかっていたが、内部努力により二十分から三十分に短縮された。電算化すれば十分ほどの待ち時間で済むものと考えられる。なお、検査の待ち時間は医療機器の能力アップ等により短縮されているが、診療部門の待ち時間短縮は難しいので、今後電算化の導入により、薬局、会計等に係る待ち時間の短縮を図っていきたいとの答弁がなされたのに対し、委員より、市民サービスのためにも早急な電算導入を図ってもらいたいとの要望がなされました。  次に委員より、入院患者数に対する看護婦数の割合と夜勤体制についてただされ、当局より、市民病院の場合特二類の基準看護の承認を受けているので、看護体制は患者二・五人に対し看護婦一人が必要である。よって、現在病棟部門の看護婦数は二百三十七名を配置している。また夜勤体制については、病院の形態、病棟部門によって異なるが、高度医療体制をとっている市民病院では看護密度を高くとらざるを得ない状況となっている。特に新生児医療部門では看護婦七人の夜勤体制が必要となっているとの答弁がなされました。  そのほか委員より、 一、パート看護婦に対する待遇の改善として賃金面と食事をとる際の場所の確保について検討してもらいたい。 一、駐車場や待合室のスペースが狭過ぎるので早急な対応策を検討してもらいたい。 旨、それぞれ要望が述べられました。 かくして本件について採決いたしました結果、全員異議なく認定すべきものと決定いたしました。  これをもちまして平成二年度公営企業会計決算特別委員長の報告を終わります。 ○議長(嶋田幾雄君) 特別委員長の報告は終わりました。これより質疑を行います。  以上二件に関し質疑はありませんか。           (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(嶋田幾雄君) 質疑なしと認めます。  別に討論の通告がありませんので、以上二件を一括して採決いたします。  以上二件に対する特別委員会の決定は「認定」となっております。  特別委員会の決定どおり決定することに御異議ありませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(嶋田幾雄君) 御異議なしと認めます。  よって、いずれも特別委員会の決定どおり確定いたしました。     ─────────────────── ○議長(嶋田幾雄君) 本日の日程はこれをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明十二日から十二月十六日まで五日間は休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(嶋田幾雄君) 御異議なしと認めます。  よって、明十二日から十二月十六日まで五日間は休会することに決定いたしました。  次会は十二月十七日(火曜日)定刻に開きます。     ─────────────────── ○議長(嶋田幾雄君) では、本日はこれをもって散会いたします。              午後三時四十一分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり  平成三年十二月十一日  出席議員 五十六名   一番 嶋田幾雄    二番 西田続     三番 馬場成志   四番 竹原孝昭    五番 牛嶋弘     六番 北口和皇   七番 下川寛     八番 佐々木俊和   九番 田辺正信   十番 大江政久   十一番 古川泰三   十二番 鷲山法雲  十三番 税所史熙   十四番 岡田健士   十五番 河村寅麿  十六番 田尻清輝   十七番 鍬農健蔵   十八番 田尻将博  十九番 東すみよ   二十番 島田俊六  二十一番 加藤静穂 二十二番 諸熊文雄  二十三番 荒木あきひろ二十四番 江藤正行 二十五番 荒木哲美  二十六番 奧田光弘  二十七番 宮原正一 二十八番 落水清弘  二十九番 鈴木昌彦   三十番 上村恵一 三十一番 磯道文徳  三十二番 西泰史   三十三番 主海偉佐雄 三十四番 伊形寛治  三十五番 中村徳生  三十六番 村上裕人 三十七番 竹本勇   三十八番 大石文夫  三十九番 西村建治  四十番 本田光夫  四十一番 家入安弘  四十三番 角田勝浩 四十四番 亀井省治  四十五番 中沢誠   四十六番 村上春生 四十七番 田尻武男  四十八番 紫垣正良  四十九番 島永慶孝  五十番 矢野昭三  五十一番 藤山増美  五十二番 白石正 五十三番 村山義雄  五十四番 森田粹彌  五十五君 中山弘規 五十六番 西野法久  欠席議員 一名 五十七番 佐々木亮 説明のため出席した者
    市長      田尻靖幹   助役      御厨一熊   収入役     吉田紀生 市長公室長   出田四郎   企画調整局長  徳田勝比古  総務局長    中村順行 市民局長    坂西奏一   保健衛生局長  後藤勝介   産業局長    竈啓一郎 中小企業局長  木村和臣   都市局長    本田吉継   建設局長    木下實也 消防局長    吉原準二   交通事業管理者 谷壽夫    水道事業管理者 境三子夫 教育委員会委員長職務代理者  教育長     谷口弘毅   代表監査委員  服部公雄         加藤禮子 総務部長    野田晃之 職務のため出席した事務局職員 事務局長    佐藤二郎   事務局次長   田尻紘    議事課長    友枝佑二 議事課長補佐  北村政典...