この第一点目として、各位御案内のとおり本年三月には基本構想が議決され、
基本計画策定へと進んでまいったわけでございますが、これが市政二期目の田尻市長が今後三期、四期と目指す基礎になるものではないかと考えるわけでございます。そこで、市長においてはこの
マスタープランの中に
政令指定都市を目指すとの言葉は折り込まれてはいらっしゃいませんが、本年第一回定例会における森田議員の質問に対し、政令都市を目指して歩き始めた第一歩であると御答弁されていらっしゃいます。しかし既に本市は平成の大合併に伴い
全国一般都市人口では第三位に躍進しており、
テクノポリス構想や地の利を生かした企業の誘致、Uターン、Jターン等による人口増加の傾向にあるとともに、
政令指定都市並みに保健業務、さらに来年度よりは
都市計画業務の県よりの移行等がなされるわけであります。
政令指定都市になれば必ずしもメリットばかりではなくデメリットもあるわけですが、市民の間にもその点における機運も盛り上がりつつあり、人間の生活においても常に夢を持ち続けろと言われるように、都市にも夢の部分での目標が、市民意識の高揚の意味からも必要ではないかと思います。ここでいま一度市長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
〔市長 田尻靖幹君 登壇〕
◎市長(田尻靖幹君) 下川議員にお答えをいたしたいと思います。
その前に、去る四月の統一選挙におきまして、歴史と伝統に輝く
熊本市議会に議席を得られましたことに心から敬意を表しますとともに、今後ともどもに市勢発展のために力の限り頑張っていきたいと、このようにかたく決意を申し上げたいと思うわけであります。
さて、ただいま
マスタープランの中におきまして
政令指定都市についてのお尋ねでございますが、私は本年の三月に森田議員に対しまして、今回の新熊本構想はまさに政令都市に対する第一歩を歩き始めたところであると、このようにお答えをいたしたわけでございます。下川議員御案内のとおりに、今全国に六百六十の都市がございまして、千葉市がいよいよ来年
政令指定都市ということになりますと、大阪府の堺市に次ぎまして我が熊本市が一般都市では二番目という大変大きな都市に生まれ変わってまいったわけであります。御案内のとおりに我が熊本市は熊本県の県都として、一
県庁所在都市というばかりでなく、国の出先機関が十指に余る、全国の都市の中で代表すべきすばらしい実力を備えた町でありまして、私どもは当然
政令指定都市を目指さなければならない一つの命運を持っていると、私はこのように考えております。
全国市長会におきましても、現在地方制度の改正問題点を中心にいたしまして、県庁所在地には権限付与をして、これを
政令指定都市にすべきではないかという意見も出ているわけでございますが、この道はなお険しくなかなか実現にまでは大変であろうと、このように考えておりますけれども、私は志は千里にありと、このようなかたい決意を持ちまして今後新熊本構想の実現の中におきまして、今申し上げましたような目指すものを強く持ってまいりたいと。このことにつきましては下川議員も御同感をいただけるものと、このように考える次第でございます。
いずれにいたしましても、今後六十三万都市にふさわしい町づくりに専念をしてまいりたいと、かように考える次第でございます。
〔七番 下川 寛君 登壇〕
◆七番(下川寛君) ただいま市長の御答弁をいただきまして、市民の意識もこれから先自分たちの町を誇りある町にしたいと……。熊本が政令都市になり九州の雄都として発展できるような町を考えたいという機運も盛り上がりつつあります。確かにただいま市長がおっしゃいましたように、この新熊本構想は政令都市をにらんだ内容になっているように理解しておりますが、その夢の部分が実現できるようにまた御尽力いただければと思います。
さて、第二点目としまして
公営住宅建設についてお尋ねいたします。
去る第三回定例会において東議員の質問に対し、市長は今後五百戸の建設計画がある旨答弁しておられ、また
マスタープランにもその方針が打ち出されているところでございますが、その計画について具体的に御答弁を賜りたいと存じます。
私がこの問題に触れましたのは、昭和六十三年であったかと思いますが、市の外郭団体であります住宅供給公社の調査集計によれば、民間経営の住宅において一千数百戸の空室があり、民間経済の圧迫につながる
公営住宅新設については一考を要するとの報告があり、同社の休業に踏み切られたというように聞いております。時代は変化しているとはいえ、その状況においては大きな変動は見受けられないように思え、また既存住宅の建てかえも迫られる中、どちらに重きを置くのか、以前の計画が変更になったものであれば、その後の民営の状況を把握された上での計画であるのかをあわせて御答弁賜りたいと存じます。
さらに、新築改築を含め、
高齢化社会対策としての
ケアつき住宅の計画についても御答弁を賜りたいと存じます。
第三点目は国際交流についてでございます。
国際化の進展に伴い、本市におきましても
姉妹都市交流を初めとして諸外国との交流が進められ、一応の成果が上がっており、私といたしましても評価しておるところでございます。市長には、本
定例会冒頭の
提案理由説明の中で、
ハイデルベルク市との
友好都市締結について積極的に取り組まれる旨の表明がありました。これが実現しますと、
ドイツ統一後市レベルでは初めての友好関係の実現となり、本市の一層の国際化の面からもまことに意義あることであり、大いに評価できるものでございます。
そこでお尋ねいたします。今後同市との
友好都市締結を進めるに当たり、市長はどのようなお考えのもとに進められるおつもりかお聞かせいただきたいと存じます。
また、これが実現すれば、まさに本市はアジア、欧米へと全世界に向けての交流の窓口が広がり、大変に喜ばしいことであると思う反面、現状の交流で果たして満足してよいのであろうかと危惧の念を抱くものであります。言うまでもなく、交流の基本は
市民レベルにおいての相互の送受信による相互理解の推進ではないかと存じます。先日のマスコミによる
市民意識調査では、外国に行って見聞を広めたり語学を勉強したいという意識は高いものの、外国人の受け入れに対する活動への関心は薄いといった結果も出ており、これでは日本文化の発信といった面から見ても、真の相互理解にはつながらないと思うものであります。ここにおいて、今後の課題として、当然ながら迎え入れの施策並びに語学習得を初めとする
市民レベルの意識の高揚が必要であると感じますが、この点についての指針をお伺いいたしたいと存じます。
第四点目といたしまして、駐車場、駐輪場問題についてお尋ねいたします。
まず駐輪問題について、自転車は弱者の唯一の交通手段として欠かせないものでございますが、最近の傾向として、健康面の問題や若者の流行の一端として、日増しにその数が増加しているようでございます。しかし、都市部に乗り入れた場合、整備されつつあるとはいえ駐
輪スペースに限りがあることと、モラルの欠如、すなわち自己中心による、置きやすい場所、便利なところに駐輪するという自己ベースによる不法駐輪は後を断たないのが現状であることは周知のとおりでございます。このような現状を踏まえ、行政は市民意識の啓蒙をしながら対応を図る必要があるのではないかと考えます。例えば消防法や道路法等の隘路もあるかと存じますが、道路の一部に駐
輪スペースを設置する等によって解決を図る方策等も考えられるのではないでしょうか。これについての御所見をお尋ねいたします。
次に駐車場問題でございますが、この問題は決定打ともいうべき解決策を持たないことは申すまでもございません。市長においてもその一助との考えのもと、
地下駐車場の建設に着手されているところでございますが、その成否をここで論ずる気はございません。ただ、都心部の渋滞を招くおそれがあるとの指摘もあることは紛れもない事実であり、検討中である
パーク・アンド・ライド構想に逆行するものではないかと思うものでございます。この渋滞対策として、市中心部に
駐車場案内システムを導入し解決策とされるようなことも聞き及んでおりますが、もしそうであれば──私はたまたま先日横浜市内を車で走る機会があり、ある程度地理には明るかったにもかかわらず、走行中の車からではそこの
案内システムからの情報を理解することができませんでした。このことについて、他都市の状況も視察し、問題点を踏まえた上でのことであればよいのですが、都心部の渋滞対策をも踏まえた上での計画をお尋ねいたします。
第五点目として、
交流拠点都市に関してお尋ねをいたします。
市長におかれましては、いよいよ
コンベンションシティーに対する本格的な取り組みとして
コンベンション協会を設立され、活動を開始されたことは大変喜ばしいことであると賛意を表するものでございます。これから実践に向かってのあらゆる施策が行われるわけでございますが、早急に取り組まなければならない諸問題は山積していると思われます。ハード面にしましても現状は不足しており、予約もままならない状況にあり、一たび
巨大コンベンションがあると、
キャパシティー不足が露呈し、現段階での
国際交流会館にしても、そのキャパを考えますと、誘致運動が制限されるものでございます。
また、ソフト面におきましても、市民意識の問題が挙げられると存じます。先日のスポレクにおきまして、参加者の
テレビインタビューを見ますと、施設は別として、受け入れ側の意識の低さから、必ずしも好印象を与えたとは言いがたい感がしたものでございます。私が個人的に
コンベンション誘致に力を入れる他都市を視察した折、それとなく市民に声をかけてみますと、まさに市民を巻き込んだその誘致への情熱には驚かされるものがありました。また、
日本青年会議所の一員として各地での
全国レベルの大会に参加する機会も持っておりますが、すべての大会にその都市の長本人が出席して歓迎の意を述べられます。すなわち市長が陣頭指揮をとって官民一体で誘致し、歓迎する姿勢が見受けられるものでございますが、先日本市においてその種の大会があった折、残念ながら別の市民向けのイベントに市長が参加され、大会会場にそのお姿は見受けられませんでした。このような状況では市民の意識高揚など求めるすべもなく、参加者にも好印象を与えないと思うわけでございますが、ここであらゆる行事の誘致に対する市長の基本的な所信と、今後の市民総参加への方策をお示しいただきたいと存じます。
最後に、この問題に関連し提案を申し上げながらお尋ねいたします。
現在本市には戦災復興に伴う一助として大きな財源となっております競輪場が水前寺にあるわけでございますが、開設当時とは時代も変わり、モータリゼーションの発達とあわせ、現在地にこの施設があることの是非は、本会議場においても過去論議があったことを思い出すとき、特に現在の交通問題を考えれば、広大な駐車場を持てる位置に移転し、跡地に大規模の
コンベンションホールを建設してはどうであろうと考えるものでございます。
また、最近の市当局の御努力により、
コンベンションが増加するに伴い
アフターコンベンションとしての観光客が増加し、平成二年においては百四十二件の
コンベンションで実に十二万五千五百二十六人の観光客があったやに聞き及んでおります。しかし、これを他都市と比較すれば、本市は六十二カ所の史跡・建造物の観光資源があるにもかかわらず、そのほとんどが有効に活用されていない感がするわけでございます。その大きな原因の一つとして、施設間のバスルートの未整備が挙げられると思いますが、立地上改善は不可能に近いと言わざるを得ません。
去る第三回定例会において中沢議員より、
文化財保護の面から明治村的施設の整備が提議されたところではございますが、この移転跡地に、
文化財保護と観光の両面から考えたこのような施設を設置し、
コンベンションホールとの複合施設とすることで、
アフターコンベンションのみならず、滞在型の熊本市観光の一助にもなり、また市民の地域理解の場ともなると考えるものでございます。このような施設に対する考えをお尋ねいたします。
〔建設局長
木下實也君 登壇〕
◎建設局長(
木下實也君)
公営住宅関係についての御質問にお答えをいたします。
まず年間五百戸建設についての可否でございますが、公営住宅の供給目的は、御承知のとおり、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を建設いたしまして、困窮する低所得者の方々に対して低廉な家賃で賃貸することにより、生活の安定と社会福祉の増進に寄与することでございます。本市の最近の市営住宅の応募状況を見ますと、昭和六十三年度が一・九倍、平成元年度が二・八倍、平成二年度が三・七倍と応募率が年々伸びております。また
補充入居待ちの方が約一千人ほどおられまして、依然として市営住宅に入居を希望される方が多く、供給が必要でございます。御参考までに九州の主要都市の
公営住宅状況を申し上げますと、本市は九州で高い応募率を示しております。
このような住宅状況に加えまして、既に御承知のとおり旧飽託四町の合併により人口、面積ともに増大いたしまして六十三万都市に一大飛躍いたしましたことや、
住宅統計調査、
高齢化社会に対する公営住宅の必要性などを十分に考慮いたしまして、これから年間の建設戸数五百戸を目指しているところでございます。ただ量的なものだけではなく、質的なことや住環境などの整備、さらに地域に密着した
コミュニティー団地づくりを行いまして、地域経済の活性化、町づくりの一環として建設してまいりたいと存じます。実行につきましては公的資金による住宅建設だけでなく民間活力を十分に配慮いたしまして、住宅対策の展開を図り推進してまいりたいと、このように思うわけでございます。
次に、
ケアつき住宅についてでございますが、まず
高齢化社会に対する居住の安定を図ることが肝要でございまして、今後ふえると思われます
ひとり暮らしの
高齢者世帯などを考えますと、
ケアつきサービス住宅が必要であろうと思います。したがいまして、本年から二年で予定しております、ただいま準備をしております
公営住宅供給基本計画策定の中での議論、
長寿社会対策特別委員会等の御意見を十分に踏まえまして今後の方針を固めたいと、このように思います。
〔市長 田尻靖幹君 登壇〕
◎市長(田尻靖幹君) 下川議員にお答えをいたしたいと思います。
国際交流の問題と
コンベンション問題でありますが、ただいま
ハイデルベルク市との
姉妹友好都市締結の問題につきましてお触れいただいたわけでありますが、この問題は我が熊本市にとりましては多年の念願であったわけでありまして、ちょうど今から二十七年前でありますが、昭和三十九年の十二月の八日に、当時の
石坂繁市長さんが羽田空港を立たれまして──当時は成田空港はございません。そして
一路西ドイツ・
ハイデルベルクに国際交流の先駆けとして出発をされたわけでございまして、その日は大変寒い日でありましたが、空港にお送りいたしました私にとりましてもまことに感慨深いものがございまして、二十七年にしてようやく今市議会の多年にわたる御協力、御理解によりまして実現を見んといたしておるところでございまして、感無量でございます。
私どもは今世紀におきましていろいろのことを経験をいたしました。そして同時に、私どもが今世紀思いもかけないような問題がいろいろと山積してまいったわけであります。特に長寿社会の問題、あるいはまた
高度情報化の時代、あるいは国際化の時代、今後二十一世紀に向かって我々の愛する子孫のために全力を挙げてこういう課題に立ち向かっていかなければならない、そういう中におきまして今回の西ドイツ、特に世界を代表する
ハイデルベルク、
統一ドイツのまさに象徴的な
ハイデルベルク市と熊本市が世界的な注目、関心の中でこのような運びになったということは、同時に我が熊本市の歴史と伝統がこのような事実をもたらしたものであるというふうに私は確信をいたしているわけでございまして、今後平和の問題あるいはまた環境保護の問題、そういう問題につきまして両市におきましていろいろと検討、そして同時に世界の平和、繁栄のために頑張っていきたいと、このように決意を新たにいたしているところであります。
去る十一月五日に、私どもにとりましては非常にうれしい日でございました。それは駐
日大使アマコスト氏が我が熊本市に初めておいでになりました。アメリカの大使としては初めてお見えになりました。同時にまた中国を代表されます
孫平化先生、この方もお見えになりまして、私はいろいろと世界の情勢等につきましてお話をいたしました。その中におきまして、今後やはり
地方都市同士がしっかりとした足腰の強い、そういう結合をしなければ国家の繁栄はないと、こういうことでございまして、今日いわゆる国際的貢献の問題が論議されている中におきまして、私どもはいよいよ姉妹都市、あるいはまた民間のいろいろのお力をかりまして、今後国際交流に力の限り頑張っていきたいと、かように考える次第でございます。
また
コンベンションの問題につきまして、これまた我が熊本市の長い間の懸案でございました。特に今回は熊本の経済界の皆さん方の大変な御熱意によりまして、去る十一月一日に
国際コンベンションビューローが成立をいたしたわけでございまして、今後私どもは熊本市を代表するいろいろの総合戦略によりまして、先ほど前段にお答えいたしましたような
国際交流等も含めまして、全力を挙げて熊本の歴史、伝統、そしてまた産業、経済、いろいろの分野におきまして新しい活性化のために頑張っていきたいと、かように考える次第でございます。
なお、
コンベンションの件につきまして、市長のいろいろの会合への出席につきましてありがたいお言葉をいただいたわけでございますが、私も就任以来五年間、日夜を分かたずあらゆる機会をとらえまして出席をいたしました。ただ市の主催する行事にたまたまぶつかったこともございまして、まことにその点につきましては申しわけなく思っておりますけれども、今後御指摘のとおりあらゆる会合に私は出席をしていきたいと、かように考えておりますので、どうぞひとつ御了解をいただきたいと思います。ありがとうございました。
〔
市長公室長 出田四郎君 登壇〕
◎
市長公室長(出田四郎君) 下川議員にお答え申し上げます。国際化に向けての市民意識の高揚についての御質問でございますが、本市の
国際交流事業は、市民が実際に
友好姉妹都市などの外国を訪問したり、在熊の外国人と交流機会を持つことなどによりまして、市民一人一人の国際化を高めていくことを大きな目的の一つとして実施しているところでございます。
御質問の市民意識の高揚につきましては、これまで
市民ボランティアの育成や留学生と市民の交流会をつくり出す一方、
市民センターなどでの
語学教室等を通じまして意識の高揚を図ってきたところでございます。今後も在熊留学生のみならず、来熊される訪問団及び観光その他で熊本市を訪れる外国人の方々へも、市民一人一人が熊本の歴史、日本の文化などを紹介できるような施策を推進してまいりたいと考えております。さらに、ただいま市長からも御答弁がありました
財団法人熊本国際コンベンション協会と連動しながら、外へ向けての
情報発信機能を高めていくことも重要であろうと考えております。そのため市といたしましては、ハード面で、市民と外国人の触れ合いの拠点となる
国際交流会館の建設を促進し、ソフト面では、市民の国際化を高めるための事業を実施する国際交流に関する財団を設立させまして、市民と外国人の
触れ合い事業をさらに充実させながら、市民の国際意識を高めていく所存でございます。
〔市民局長 坂西奏一君 登壇〕
◎市民局長(坂西奏一君) 不法駐輪対策についての御提言を踏まえての御質問でございます。お答えを申し上げます。
不法駐輪いわゆる
放置自転車対策につきましては、本議会においても過去いろんな角度から御論議、御提言、御助言をいただき、私どもといたしましても一生懸命に取り組んできたところでございます。御案内のとおり
放置自転車は今や行政のネックとして、全国的な社会問題としてその対策が急がれているところでございます。本市におきましても、自転車の放置防止に関する条例の制定とともに、市民の方、旅行者の方、あるいは特に高齢者の方、車いすを利用される身障者の方々等、都市住民の安全確保を前提に、歩いてみたくなる道、通ってみたくなる道、楽しいショッピングができるような道、そのような都市景観の整備が市長の方針のもとに今進行いたしているわけでございます。私どもは
自転車整理指導員を配置し放置防止に努めてはおりますが、まだまだ散乱放置が目についている今日でございます。警察関係、
教育委員会、学校とも連携を図りながら、自転車、二輪車を道路や歩道上に放置しないよう、モラルの向上を含め意識の高揚と安全対策について啓蒙啓発に努めているところでございます。市中心部におきましてはその受け皿として
市役所駐輪場の設置、さらには現在建設中の
地下駐車場に付設をして駐輪場の建設計画に取り組んでいるところでございます。今後とも全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように考えております。
なお、道路空間、道路面に面した
グリーン地帯に駐
輪システムを設けたらどうかとの御提言でございます。早い時期に関係機関との協議、さらには新
都市総合調査特別委員会での御意見等もお伺いしながら改善策を講じてまいりたいと、このように考えております。
〔都市局長 本田吉継君 登壇〕
◎都市局長(本田吉継君)
駐車場案内システムについてお答えいたします。
御承知のとおり昨今のモータリゼーションの進展により本市の都心部の、特に日曜祝日の混雑は深刻なものがございます。中でも駐車待ちの車両の行列や駐車場探しのうろつき車両等がその一因をなしております。これらをなくすため
駐車場案内システムの導入を計画し、駐車場の有効活用を図り、その需要と供給のバランスをとり、ひいては都心部の活性化を図ろうとするものであります。この
駐車場案内システム導入の計画に当たりましては議員御指摘の問題点があることも十分踏まえ、先進地の福岡市、高崎市、甲府市等の調査を今しておりますので、それらも参考に、本市に合ったわかりやすい
案内システムの導入を図ることにいたしたいと思っております。
〔産業局長 竈 啓一郎君 登壇〕
◎産業局長(竈啓一郎君)
コンベンション活動の振興に関しましての御質問でございますが、今後の
コンベンション活動につきましては、先般設立させていただきました熊本国際
コンベンション協会を中心といたしまして業務を展開してまいるわけでございますが、特にこの組織の活性化を図りますために、今後民間活力の活用を図るためにも、各関係団体、企業に対して人的な支援の要請というものも行っていきたいと。また特に
コンベンションの開催に当たりましては、開催団体からの問い合わせとかそういったものに直ちに情報が提供できるという体制が必要でございますし、こういった情報ネットワークシステムの構築などを図りまして、組織、体制の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
また、議員御指摘のとおり
コンベンションの誘致につきましては、いわゆる
アフターコンベンションの魅力づくりというものが不可欠でございますし、中でも
コンベンションという言葉が、言葉をかえて申し上げますならば、ホスピタル・インダストリー、いわゆるもてなし産業というふうに言われるわけでございまして、宿泊施設、交通運輸、あるいは商店街など、各方面の業務に携わる方の温かく観光客を迎えるという心が大切であると言われているわけでございます。そういったことから私どもも、今後熊本の歴史文化や観光施設の魅力といったものを市民一人一人の方が実際に知り、あるいはPRに努めるという市民ぐるみのソフト振興というものが必要であろうかというふうに考えておりまして、この問題について今後取り組んでいきたいというふうに考えております。
次に
コンベンションのハード面でございますが、これは規模別の開催状況を見てまいりますと、全国的にも五百人から二千人規模といいますか、こういったところが最も開催頻度が高いわけでございまして、市民会館あるいは既存のその他の施設の活用を図りながら当面取り組んでいきたいというふうに考えているわけでございます。
ただいま議員御指摘のとおり、時期によりましてはこれらの施設も不足の傾向にございまして、また規模の大きいものにつきましては総合体育館、水前寺体育館等の各施設を利用しているわけでございますが、いわゆる一万人を超える
巨大コンベンションの受け入れは現在の態勢では非常に困難であるというふうに考えております。また現在県におきまして国際会議場あるいは展示場の建設計画が進められているわけでございまして、その一日も早い完成に期待を寄せているところでございます。
また市におきましても、現在各局でいろいろ検討されております構想、計画の中で、この
コンベンション機能の取り入れができるように今後協議をしていきたいと考えております。
なお、競輪場を移転させましてその跡地に
コンベンション施設を建設したらどうかという御提案につきましては、現在競輪場を使っているわけでございますので、将来
コンベンションのハード整備の一つの考え方といたしまして今後検討させていただきたいというふうに考えております。
〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕
◎教育長(谷口弘毅君) 下川議員にお答えをいたしたいと思います。
アフターコンベンション施設としての文化財的な面からのお尋ねでございます。
御承知のように歴史的、時代的建造物を一堂に集約しました施設は、代表的なものといたしましては岐阜県犬山市の明治村、金沢市にございます江戸村、高松市の四国村、豊中市に日本民家集落博物館、北海道に開拓村といったようなものが全国に数多くございまして、毎年数多くの観光客や民俗あるいは建築に興味のある方々が大勢訪れられているのでございます。熊本市にも、さきの第二次大戦で戦災に遭ったにもかかわらず、明治期及びそれ以前の時代的建造物が幸いにして数多く現存いたしておるところでございます。これらは明治期の文豪のやかたや豪商の住まいなど由緒ある建物や、往時の建築の粋を駆使した学術的価値の高い建築物であるわけでございます。市内の各所に点在いたしますこういった歴史的、時代的建造物を一堂に集積した施設をつくることによりまして、観光客の誘致、
アフターコンベンションとしての役割、あるいは経済効果、教育的役割など大きな効果が望まれるところでございます。しかしながら実現に向けては広大な用地と莫大な財源が必要となってまいりますので、長期的な視点から他都市の状況など早急に調査いたしまして、その結果などを分析しながらその実現に努力してまいりたいと思っているところでございます。
〔七番 下川 寛君 登壇〕
◆七番(下川寛君) ただいまお答えいただいたわけでございますが、住宅建設に関しましては民間活力を利用されるだけでなく、民間の借家業というものの経済を圧迫しないような方策を十分に検討していただきたいと存じます。
また、
コンベンション問題につきましては、市長も大変御多忙とは思いますが、熊本市民の父として、また雄都熊本の長として陣頭指揮をとって、ひとつ熊本市民の意識を引っ張り上げていただきたいと思うものでございます。
また、国際交流などにつきましては、大変今世界で反日感情というものも盛り上がっておりまして、外国人の方に熊本に来ていただいてそこで日本文化を発信していく、つまり日本文化を発信することによって日本の根本を理解していただいて、反日感情を取り除いていくような事業に力を入れていただきたいと思うものでございます。
また明治村的なもの、
アフターコンベンションの存在としましては、競輪場の移転と申しましたのは一つの例であり、そういった考え方もあるのではないかというところで御理解いただきまして次に移らせていただきたいと思います。
長寿社会対策に関連して五点ほどお尋ねをいたします。
厚生省の「ふるさと健康長寿のまちづくり事業」の指定を受けた本市は、去る十一月二十六日、基本計画の策定を進めるための初会合を持たれ、長寿社会に向けての第一歩が大きく踏み出されたことに喜びを感じるものでございます。
私は、かつて父が在職中の昭和五十三年第四回定例会において老人福祉について質問を行った折の言葉が今も耳に残っているものです。それは、やがて来る本市の
高齢化社会に向けて国の施策、すなわち年金等を与えるのみにとらわれず、老人の方々の真の対策として、生きがいを与える施策に向かって考えるべきだとの質問に、当時の星子市長も共鳴をされたことでした。
当時の本市の六十歳以上の老人人口は六万人を突破し、総人口比率一二%であったものが、今日では総人口の増加があるものの、六十五歳以上の人口で七万三千人を突破、総人口比率も一二%に迫ろうとしております。当時より本格的に始まった長寿社会対策も、この厚生省の指定を機に、今こそ真剣に取り組むときではないでしょうか。
先日の報道によれば、策定委員会の席上、委員より提言があった中で、大変共鳴を覚えた発言がございまして、それは青少年育成と老人の生きがいとの連携というものでございました。古来よりの名言の中に、「子を思わぬ親はなし」という言葉がありますが、今日も受け継がれているこの言葉の裏を返してみるとき、「親を思わぬ子はなし」の言葉がともすれば忘れられている感がするものであり、
教育委員会としても考えを新たにして長寿社会に向けての施策の一環を担っていただきたいと考えるものでございます。
そこでお尋ねいたしますが、来年三月までに基本計画をまとめ実行に移されるように聞き及んでおりますが、本市としての重点目標をどのような認識のもとにお考えかお尋ねしたいと存じます。
また、平成元年四月の調査での寝たきり老人の数は五百三十六人であり、現在はその数も増加していると推定され、またこれに痴呆性老人やそれに近い方々を加えるとかなりの数に上ると思われます。その看護に対しての家族の心労ははかり知れないものがあり、施設への入居希望者、待機者は数知れず、また介護支援センターにしても利用者が多く、半ばあきらめ気分も伴って、ニーズを満たしていないのが現状のようでございます。デーサービスにつきましても、その心情を考えると何か荷物の一時預けの感があり、一抹の哀愁を感じ、やはり基本は在宅福祉であると思いつつも、市民のニーズを一〇〇%満たすことは不可能に近いと感じるものでございます。しかし、これに一歩でも近づくための施策を講じることが肝要ではないかと感じるものでございまして、在宅福祉、すなわち介護対策の施設の強化、及び本議会でも都度都度取りざたされますホームヘルパーの増員についてのお考えをお尋ねいたします。
加えて、寝たきり老人及び障害者に対しての移動及び簡易入浴についてでございますが、現在二台の移動入浴車と一台の簡易入浴車がフル回転で事業に当たり、寝たきり老人及び家族の方々に喜ばれているところであり、この過酷な就労に対し、従事者の方々には深甚なる敬意を表するものでございますが、いかに献身的に就労されても、成果がニーズに対応できるものとはなっておりません。入浴のインターバルは月一・五回と長く、特に夏場においてはそれを待ち焦がれる姿を拝見し、また想像するときに、いま少しこの事業の拡大が図れないものかお尋ねいたします。
また、これらの事業に関し、業務の拡張や新設が図られると、当然行政の守備範囲も広くなり、そこには多くのマンパワーが要求されてくると思われるものでございます。このような事業に関してはそのスピード性といったものも要求されてくるわけでございまして、従来のように職員を研修させながら養成して事業に当たらせるような時間的なゆとりといったものがなくなってきがちでありますが、ここにおいて、この分野に限らずマンパワーを確保すべく、例えば在宅リハビリ等に必要な理学療法士、作業療法士、言語療法士や社会福祉士、コーディネーター等の専門資格を持つ人的資源を専門職として採用していくお考えはないかお尋ねいたします。
長寿社会対策についてもう一点。これまでお尋ねした事項に関連することでございますが、福祉事業の一部民間委託についてお尋ねいたします。
現在ホームヘルパーやボランティア活動について、一部社会福祉協議会等を通じた委託業務も行われておりますが、大勢は福祉の本筋として市民の善意による奉仕に頼っているのが現状でございます。気持ち的には奉仕活動で社会の役に立ちたいとは思っても、みずからの生活のことを考えると、その生活のためにできないという人も多く、潜在的供給はあるが、現実的供給についてはわずかな人に頼るしかない状況にあります。
本市においてはボランティア協会参加団体は四十五団体あり、多数の方々の登録はありますが、現実に活動できる人数は限られており、この方々の中には、家庭を一部犠牲にし献身的活動をされていらっしゃるとも、また奉仕活動による過労により倒れられた方もいらっしゃるという現実がございます。前段でもお尋ねいたしました入浴車増設にしても、人件費ほか種々の点で、やりたくとも財政的面での問題も抱えられているようでございます。業務として営利として福祉をすることが是か非かは議論の分かれるところかもしれませんが、最近民間において心ある方々の善意のもと、介護等に関する福祉団体の設立の動きもあるようでございますが、民間人のみの団体設立の助成、そして公共からの業務の委託等、最終的な市民への福祉の向上を目的とした福祉行政に対する取り組みのお考えはないものかお尋ねいたします。
〔市民局長 坂西奏一君 登壇〕
◎市民局長(坂西奏一君) 長寿社会対策について四点についてお尋ねでございます。
まず第一点、長寿社会の諸問題についての現況、対策についてのお尋ねでございます。
御案内のとおり間近に迫りました二十一世紀の超
高齢化社会の対応策といたしまして、本市は全国の先陣を切って熊本市民長寿社会憲章を制定いたしたところでございます。さらに、当面対応を急ぐべき施策として在宅福祉の三本柱と言われておりますデーサービスセンター、ショートステイ、ホームヘルプ事業の整備充実に加え、在宅介護支援センターや緊急通報システムの整備など、高齢者のニーズに即したサービスが受けられる、そのような福祉の推進に積極的に取り組んでいるところでございます。加えて年明け早々に着工予定の仮称ヒューマンシティーくまもと長寿の里に建設いたしますデーサービスセンターは、国が定めましたメニュー以外に、食生活の喜びを失われ、あるいは失われつつある高齢者の方々、虚弱老人の方々に対し、食生活の喜びを再現できるような施策を推進するために歯科診療所の併設、さらには寝たきり老人、痴呆性老人を介護される方々に心の安らぎを与えるために一泊二日の宿泊施設──ツーデーサービスと我々は呼んでおりますが、ツーデーサービスを設置しようと、このように考えているわけでございます。福祉の夜明けは熊本から発信しようと、そのような意気込みでただいま全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
さらに、高齢者や障害者の方が安心して日常生活を営むことができるよう、高齢者、身障者にやさしいまちづくり事業の推進、熊本のケースに合った、風土に合ったケースマネジメントの確立等を基本に在宅福祉サービスを提供するための福祉公社の設立準備など、本市を福祉の発信基地とするべく新たなる事業に積極的に取り組んでいるところでございます。
また、昨年完成を見ました精神薄弱者通所更生施設平成学園は厚生省からも高い評価を受けておりまして、東京都あるいは大阪府下を中心に全国各地からの視察者が相次いでいる状況でございます。なお、二十一世紀の
高齢化社会を展望した長寿社会の基本計画を策定するため先般庁内に長寿社会対策推進本部を設置したのを初め、学者、文化人、そして市民の代表の方々で構成されます健康長寿のまちづくり検討委員会も設置をしたところでございます。
お尋ねの目指すべき二十一世紀の対策につきましては、新熊本構想に基づく基本計画、先ほど申し上げました局長クラスで構成します推進本部、さらには検討委員会の中で全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように決意を新たにしているところでございます。
第二点といたしまして、在宅介護対策についてのお尋ねでございます。
要介護老人が住みなれた地域や家庭にあって、生涯を安心して暮らしていけるような思いやりあふれる在宅福祉対策の充実が今こそ必要でございます。そのために、本市といたしましては従来の社会福祉協議会への委託といった形だけでなく、現在検討しております福祉公社や在宅介護支援センターへの委託、あるいは医師会との連携など、ホームヘルプサービス供給主体を多元化する中で、サービスを必要とする人に必要なサービスが希望に応じて供給できるような体制を築いてまいりたいと、このように考えているのでございます。
第三点の入浴サービスの拡大についてでございますが、寝たきり老人等の保健衛生の保持や健康の維持増進を図る上での入浴の果たす役割はまことに大きなものであります。本市といたしましては移動入浴車、簡易入浴車による入浴サービス、ホームヘルパーによる家庭内の入浴のほか、介護者の介護負担を少しでも軽減し家庭内入浴を容易にして入浴を促進するためのシャワーチェアーの支給など、入浴サービスの向上に努めているところでございます。もともと移動入浴車事業は本市社協が全国に先駆けて実施いたしたものでございます。また、新聞、テレビ等で御案内のとおり、熊本市遊技場組合からは平成元年、平成二年度の両年にわたりまして新しい近代的な浴槽車の御寄贈をいただき心から感謝をいたしているところでございます。入浴サービスの拡大につきましては、今後とも時代の要請にこたえた需要に見合ったサービスが行われるよう全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように考えております。
次に福祉業務の民間委託でございますが、御案内のとおり長寿社会における老人介護の諸問題を考えますとき、これからの福祉は行政を中心とした公的福祉のみならず、ボランティアサービス、または非営利団体による相互扶助的サービス、あるいは効率性、創造性といった面ですぐれたシルバーサービス、シルバービジネスがうまくかみ合わさった総合的な老人介護対策が必要となってまいります。民間委託の問題につきましては、御案内のとおり中小企業庁発行の「シルバーサービス業の経営実態」という本の中で、総理府所管の社会保障制度審議会が、民間に委託することも考えるべきだと述べているところでございます。高齢者の皆様が安心してシルバーサービスを受けられるようにするには、国が定めましたシルバーマーク、これは悪徳商法から守るためのシルバーマークでございますが、このシルバーマークを取得したシルバー産業が今後の産業条件の一つになりはしないかと、このように考えております。
〔
市長公室長 出田四郎君 登壇〕
◎
市長公室長(出田四郎君) 下川議員にお答え申し上げます。長寿社会を迎えて専門職員の採用、養成をすべきではないかというような御質問でございますが、近年における行政の複雑化、高度化、多様化といった状況の中で、本市職員の採用に当たりましては時代の要請などにこたえるため専門職種の確保に努めているところでございます。ただいま御提言をいただきました専門職員の採用、養成に関してでございますが、理学療法士につきましては現在市民病院、保健所等で勤務いたしておりますが、その他の専門職種とともに今後長寿社会に対応する事業の拡充に合わせまして関係部局と十分に協議をいたしながら積極的に取り組んでまいりたいと思います。
〔七番 下川 寛君 登壇〕
◆七番(下川寛君) ただいまお答えいただきました中で、市民局長の方から福祉の夜明けは熊本からと、大変に心強いお言葉をいただきまして、民間委託も含めまして実際の市民のニーズに一歩でも近づけるようにぜひ努力していただきたいと存じます。
それから専門職の件でございますが、ただいま採用のお考えがあるようなことでお答えいただいたと理解しておりますが、この長寿社会対策の分野に限りませずほかの分野においてもぜひ御検討いただきたいものでございます。実際に、過去鹿児島市などにおきましては交通工学士の採用をすることによって市内の交通の流れが非常にスムーズになったということも聞き及んでおりますので、市政全般にわたりましてスピーディーな住民サービスということを考えました折、必要になってくるのではないかと思われます。ぜひともこの点での御検討を要望いたしまして、次に教育の諸問題についてお尋ねいたします。
まず、本市
教育委員会の基本的考え方を教育委員長にお尋ねいたしたいと存じます。
本市教育のかなめとなる
教育委員会の開催についてでございますが、本市においては月一回の定例会と臨時会が開催されていると聞き及んでおります。しかし、この委員会は非公開にて開催されているようであり、議事録の閲覧もできないのが現状であるようでございます。この会議が非公開で、かつ要点筆記とはいえ議事録の閲覧もできないというのが不思議でなりません。公開の原則を遵守せよということではございませんが、少なくとも市民の代表である議員は、事の成り行き、会議の進行を知ることにより本市教育の方向性を知る必要があると存じますが、教育委員長として今後の公開、また議事録の閲覧及び市民への結果の広報等を実施されるお考えはないものかお尋ねいたします。
また、だれもが教育に大きく目を開き関心を寄せて日常を過ごしていることは、子を持たない家庭でも一大関心事であるのは火を見るより明らかであります。私たち議員にとっても教育こそ重要課題であると考えております。そこで今、世間で大きな問題となっております幾つかの問題点についても、あわせて教育委員長としてのお考え並びに取り組みについて答弁を賜りたいと存じます。
第一番目に登校拒否、第二番目に校内暴力、第三番目に校内セクハラ問題、これは先日RKKの報道に、それとないニュアンスの発言が現場教師よりあっておりますので、生徒、児童、教師の三つの分野においてお答えいただきたく存じます。第四番目に、今後の国際化社会へ向けての子供に対する指導育成について。第五番目に先日白川中学で行われたアンケートによる父母と教師のトラブル等において、健全なPTA運営に幾ばくかの疑問を抱く者として
教育委員会の指導育成について。第六番目として、教育情報公開についてでございますが、この問題も全国的に大きく揺れ動いている問題ではないかと思います。その中の一つとして生徒の内申書の問題が大きく取り上げられ、高槻市においては市議会が公開を議決し、川崎市においては一部公開となりましたことは御案内のとおりでございます。
なぜこの問題が社会問題となったかを考えるとき、これが生徒を縛る大きな武器となっているとの批判を受け、公開という方向に発展していったのであることも紛れもない事実であると思います。そのあかしとして、小学校PTAの役員の選出は困難であるが、中学校の役員にはなり手が多い、すなわち担任との顔合わせが多く、内申書に有利であると口外する間違った保護者もあると聞き及んでおります。また、小学校で自由濶達であった子が、中学になると内申書を気にして委縮してしまっている例もよく見られるものでございます。教師も人の子、ないことではないかもしれません。全部を公開してしまえば個人情報保護の問題もあり、本人の分の、しかも部分公開で構わないので、公開される方針を打ち出されることを強く要望し御答弁を賜りたいと存じます。
また、これに関連して子供の権利オンブズマン制についてでございますが、この問題は国連が子どもの権利条約を起草したことに端を発し、市民運動が起こりつつあるわけでありますが、時あたかも人権週間でもあり、前段の教育情報公開にも関連して子供に対する理不尽への監視制度を設け、子供にも市民権を与えるべきであると考えるわけでございまして、これに対するお考えを教育委員長にあわせて御答弁賜りたいと存じます。
〔教育委員長 柏木 明君 登壇〕
◎教育委員長(柏木明君) 下川議員の質問にお答えいたしたいと思います。非常に数多く御質問がございましたが、まず
教育委員会の基本方針について私から一通り申し上げ、そしてあと個々の問題についてお答えを申し上げます。
教育は、国のすべての事業の根幹をなすものでありますことは申すまでもございません。我が国では幾たびかの学制改革が行われながら、広く国民の教育水準の向上が図られてまいりました。第二次大戦を経て日本国新憲法が制定されました。教育の目的は個人を重視した新たな価値観に基づく教育へと転換、さらに教育基本法の制定により、教育は不当な支配に屈することなく国民全体に直接責任を持って行われるべきものであると教育行政のあり方を規定しております。一方、現行の地方教育行政制度は
教育委員会制度を中核としておりまして、これを支える基本理念は、まず第一に地方自治の尊重、第二に国、都道府県、市町村の連携・協力、第三に教育の中立性、特に政治的な中立性及び教育の安定性の確保、四番目に民意の反映の四つに集約されるかと思います。
以上の理念を踏まえまして、
教育委員会が教育委員の合議により方針決定、意思決定を行うわけでありますが、教育委員には地域の父母、住民の教育あるいは教育行政に対する意向など良識ある民意を適切に反映させていくことが期待されているわけであります。
教育委員会は学校教育、社会教育、文化等の教育行政の一般的方針を決定いたしますが、現場で教育に携わるものの果たすべき責務といたしましては、一人一人の子供が、特性を生かし、創造的で活力ある心豊かな社会の形成者として生涯にわたり潤いと生きがいを持ち、常に他への思いやりを忘れない充実した生活を営むように育てることであると考えております。
教育委員会の活動と広報についてでございますが、
教育委員会は、議員御案内のとおり、地方自治法第百八十条の五の規定により設置されておりまして、その職務権限は同法第百八十条の八などに規定されているところでありますが、具体的には、学校その他の教育機関の設置、管理を初め学校教育の実施、あるいは社会教育、学術及び文化に関する広範な事務などを管理執行いたしております。このような活動を進める上で、五名の委員で構成される
教育委員会は、教育行政の方針や目標を決定し、そして事務局が実際の事務を推進していくわけでありますが、最近の教育問題、特に学校をめぐる諸問題、あるいは生涯を通じての学習体制づくりなどが重要な課題としてクローズアップされておりまして、
教育委員会の役割に対しますます市民の期待が寄せられているものと認識をいたしております。
教育委員会活動の広報につきましては、これまで市政だよりなどの市広報紙の活用、あるいは
教育委員会が独自に刊行しております教育要覧などで行ってきておりますが、他都市におきましては市民や教育関係団体等に向けたパンフレットやリーフレットを発行しているところもございます。今後市民の皆様に
教育委員会活動内容につきまして十分御理解をいただくためにも、議員の御提案のように新たな方策を検討し、一層積極的な広報活動あるいは広聴活動を行ってまいりたいと考えております。
教育の諸問題について。
校内暴力につきましては、万一発生いたしますと学校教育への影響が大きいわけであります。したがいまして暴力を許さないだけでなく、常日ごろから子供同士、教師と子供の信頼関係の確立を目指した全教職員の一致した指導方針、すなわち一人一人の子供の個性や人権を尊重した人間味あふれる生徒指導に徹することが最も大切であると考えております。
私は医療に携わっておりますが、医療が医師と患者さんとの信頼関係を基本に成り立っているのと同様に、教育もまた教師と子供との人間的信頼関係の上で実を結ぶものであり、生命をはぐくむ賛歌であると確信をいたしております。今後さらに教師の指導力の向上と指導体制の確立、学校と家庭の連携強化など生徒指導の充実に一層の努力をしてまいりたいと考えております。
セクハラに対応する教育についてでございますが、議員御指摘のように性に関する情報がはんらんする中で、性にかかわる犯罪や嫌がらせなどの新たな社会問題が起きております。人間として心身ともに調和のとれた発達を願う学校教育におきまして、この問題を基本的人権にかかわる重要な教育課題としてとらえ、指導の徹底を図っているところでございます。例えば児童・生徒が心身の成長過程に応じた性知識を身につける性に関する指導の充実、男女がお互いの性を尊重し、一人の人間として大事にされる人間尊重の精神と健全な異性間の育成、すべての教育活動を通じ児童・生徒の発達段階に応じて男女平等の教育の推進などでございます。今後もこれらの教育を充実、進化させるため、家庭や地域の御協力を得ながら努力してまいりたいと思います。
次は不登校児童・生徒の問題でございます。
不登校児童・生徒の問題につきましては、どの子にも起こり得る問題であり、その要因が学校生活にもあることを明確に受けとめ、学校現場と一体となって努力いたしているところでございます。この原因は学校あるいは家庭、あるいは生徒本人にあるという場合もございますが、不登校児童・生徒数は増加してまいっております。その対応を急いでおりますが、市教育センター内におきましては、本人及び保護者への教育相談や適応指導の体制を整えておりまして、また家に引きこもり相談にも来れない生徒、児童に対しましては、現在訪問相談員派遣事業、メンタルフレンドの制度を計画いたしておりまして、御提案申し上げておりますので、皆様方の御理解と御協力をお願いしたいと思います。
国際化への教育問題であります。
今日国際化がますます進展しておりますときに、次代に生きる子供たちに対し世界の中の日本人としての自覚を持たせ、国際社会に貢献し得る人材の育成を図ることが必要であると考えております。そこで本市といたしましては、教育の重点施策といたしまして国際理解教育の推進を進めているところでございます。その教育は、まず一つが諸外国の異文化理解、二番目に日本の伝統文化の理解、三番目が外国人の考え方を理解し尊重していく教育、四番目に各国の言葉に関心を持ち、表現力を身につけていく教育などでございます。それらの成果を実践校でまとめていただき、市内のすべての学校に広め実践されていきますよう指導いたしているところでございます。
次に、PTAに携わる教師の指導のお尋ねでございます。
児童・生徒の健全な成長を図るためには、学校と家庭と地域社会とがそれぞれの教育の責務を分担し協力していくことが必要であると考えております。中でも児童・生徒の教育に直接責任を負っております学校と家庭の協力体制は不可欠の要素と言えるものでございます。このことを考えますとき、今回本市中学校で起きました父母からのアンケート調査回答の一部焼却事件はまことに遺憾なことでありまして、
教育委員会といたしましても厳しく受けとめているところでございます。そのため校長会や教頭会を通しまして、PTA活動の本来の目的でございます父母と教師がともに教育について語り合うという基本姿勢を大切にしながら、地域に根をおろした開かれた学校づくりに努力するよう指導しているところでございます。
教育情報の公開についてでございます。
中学校の三年生が高等学校等に進学する際の調査書は学校教育法施行規則第五十四条の三に、「校長は、中学校卒業後、高等学校、高等専門学校その他の学校に進学しようとする生徒のある場合には、調査書その他必要な書類をその生徒の進学しようとする学校の校長あて送付しなければならない。」とあります。議員御指摘のように、川崎市では調査書の一部を公開しているということでありますが、本県では非公開となっております。これは、調査書が入試判定の参考とするために作成された内部的資料という性格からであります。
昭和四十六年度実施されました東京都の高校入試の際、内申書提出命令申し立て事件がございましたが、昭和五十一年六月二十九日、東京高裁は提出義務のある文書でないと決定を下しております。以上のことを御理解いただきたいと思います。
〔議長退席、副議長着席〕
最後に、子供の権利オンブズマン制度であります。
一九八九年十一月二十日に国連総会で子どもの権利条約が採択されました。そして一九九一年十月現在、同条約批准国は九十八カ国に上っております。この条約は十八歳未満のすべての子供の権利を保障しようというものでございまして、子供たちの人権問題については世界的に関心が高まっているところでございます。しかし、議員御指摘のように日本はまだこの条約を批准しておりません。学校教育現場ではいじめや不登校などもろもろの人権問題があるわけでございますが、子供たちの人権を守るためにもこの条約の意義は大きいものがあると考えております。今後十分研究させていただきたいと存じます。
〔七番 下川 寛君 登壇〕
◆七番(下川寛君) ただいまお答えいただきました中で、
教育委員会活動の広報について市政だよりを利用されていたというのは、大変気がけて見ておりますが、私の勉強不足かと思って、ただいま反省しておるところでございます。ただ市政だよりに限らず、一般市民の理解を教育行政について得るという意味からもっと広範囲な広報を今後ひとつお願いいたしたいと思います。
それから、教育委員長がおっしゃいました中で、学校と家庭の連携を強化するというようなお話がございましたが、これがまさに子供の指導の根本ではないかと思う部分があるわけでございます。最近子供の教育の面で家庭教育という部分が大変に忘れ去られている感がするものでございまして、この役目を悲しいかな塾が請け負っているような向きもあるわけでございます。
教育委員会の方としましても、この学校と家庭の連携強化という面に今後力を入れていただければと要望するものでございます。
ただお答えいただきました中で、教育情報公開につきまして、内申書が内部的資料であるというようなお答えをいただいておりますが、入試判定に使う内部的資料といたしましても──それでは内部的資料で子供に見せられないようなことが書いてあるのかということが一つ疑問でわいてまいります。子供が、自分の知らないところで自分に見せられないようなことが書いてある文書が行き来しているようなことを認識した場合、子供の健全なる育成ということにかなり悪影響が生じてくるおそれがあると考えるものであります。実は調査いたしました段階にも内部的資料というようなお話も伺ったことがございますが、子供に見せられないものを、それを入試判定に使うということが、子供に対する理不尽さ、子供の人権を、人格を無視したものであるのではないかと思う次第でございます。子供の指導、育成上に、子供に教えるべきでないものが仮にあるかもしれません。ただ子供に見せられないような指導、育成上の秘密があれば、それを高校入試の判定に果たして使ってよいものなのか、例えば高校に入った後に指導に当たるべき先生にその旨伝えれば事足りるのではないかと存じますが、この子供の人格を無視することにもつながるであろう内部的資料としての取り扱い、これが大変に問題であるのではないかと思います。
その後の子供の権利オンブズマン制につきましても、いいと思うことがあれば他都市に先駆けてでも、また県教委の方針があれば、改善すべきことは熊本市教委から逆に盛り上げてでも働きかけるような姿勢が必要であるのではないかと存じますが、この教育情報公開について、特に内部的資料、今言いました子供の人格の面につきまして、再度教育委員長さんにお考えをお尋ねいたしたいと存じます。
〔教育委員長 柏木 明君 登壇〕
◎教育委員長(柏木明君) 教育情報の公開について御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、本調査書は一応内部資料であり、そしてその影響が、今議員御指摘のように子供の人格を認めないそういう結果を来すのではないかというような御質問でございました。
私どもといたしましては、これは入試判定の参考とするための内部資料という性格を持っておりまして、しかも現在川崎市で一部公開しているところもございますけれども、本県におきましては県
教育委員会の指導のもとにこれを非公開としておるわけでございます。先ほども申し上げましたように東京都の高校入試の際の高裁の提出義務のある文書ではないという決定に基づき、やはり本県ではこれを未公開ということで、当市におきましても
教育委員会ではやはり未公開の立場をとっているものでございます。
〔七番 下川 寛君 登壇〕
◆七番(下川寛君) ただいま教育情報の公開について再度お答えをいただいたものでございますが、高校入試の参考資料ということにしましても、それが眼前として書かれているという事実についてはこれは動かしがたいものがあると思います。例えば教育委員長さんが、自分の知らないところで自分のことについて何か書かれている文書が人の手に渡っている、それがどういったものであるか自分としては知ることができないということになれば、知りたいと思うのは当然のことではないでしょうか。さらに、そこに何が書かれているのかわからないのであれば、人間としていかに善の心を持っておりましても、悪口が書かれているのではないだろうかというような疑心暗鬼に陥る点は避けて通ることができない点であると思います。子供たちの健全育成という面を考えましたときに、高校入試への参考であるならば、当然また自分たちが知る権利があるのではないかという意見が子供の側から出てきても当然であるかと存じますが、先ほど申しましたように、県教委の方針にあわせて市教委が動くということであれば熊本市
教育委員会は要らないわけでございます。熊本市としての、自分たちの住む町の将来を支える子供たちの育成という面からこれを考えましたときに、こうやりたい、こうあるのが本当の姿ではないかということを上の方に働きかけることが、またそこの
教育委員会の活動、求められる姿勢ではないかと思うものでございますが、この点について再度お尋ねを申し上げます。
〔教育委員長 柏木 明君 登壇〕
◎教育委員長(柏木明君) 教育情報の公開につきましては、先ほど何回も申し上げたとおりでございますが、議員の御意向につきましては県の
教育委員会にも十分伝えてまいりたいと思います。
〔七番 下川 寛君 登壇〕
◆七番(下川寛君) ただいまのお答えにおきまして、まだ何かちょっと納得できない気持ちもあるものでございますが、ほかにいろいろとお尋ねしたい問題もございまして、時間も迫っておりますので、一応、県教委の方にまた御相談いただくということでこの件を終わらせていただきたいと思いますが、今後の教育情報の公開について積極的なお取り組みを強く要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。以降の教育の諸問題につきましては教育長に御答弁をいただきたいと存じます。
まず、教職員の資質向上についてでございます。
先ほどここで問題にいたしました内申書についてでも若干触れておりましたが、教師の人間性というものが子供の健全なる成長に大きくかかわるものであるという基本に立ち、最近マスコミを騒がせている教師によるいじめ問題や、教師のノイローゼの多発等が子供に与える影響について大変に心配するものでございます。最近、子供の塾通いの過熱によるさまざまな弊害も問題視されているところでございますが、塾に来ている子供に聞いてみますと、勉強したいという子より学校の先生が嫌いで逃げ出してきているという子が圧倒的に多く、塾で甘やかしているわけでもないのにと首をかしげたことでございました。結局、その子供たちは教師に人間的魅力を感じることができずに、精神面のよりどころを求めて塾に来ているということのようでございます。悲しいかな塾が学校の役目までも受け持っておるような状態でございます。学習指導力というものは、だれもがある程度の研修によって身につくものでございますが、生活指導力というものは、そこに相互信頼があって初めて生まれてくるものではないでしょうか。先ほど教育委員長さんが答弁の中で述べられたとおりでございます。すなわち、教師の人間的魅力というものが非行防止や登校拒否防止に大きな役割を担ってくるものと考えますが、この点について今後の研修等のお考えを賜りたいと存じます。
次に熊本城三の丸整備についてお尋ねいたします。
私はこの三の丸というすばらしい立地を考えるとき、景観的に歴史を感じさせるような施設をつくることはもちろんですが、ここに熊本に残る古武道の修練の場を併設していただきたいと思うものでございます。例えば、それは弓道であり、また流鏑馬の行われる馬術修練の場でございます。来る平成十一年には本県において国民体育祭開催が決定され、県においてはその施設の建設に着手されておるところでございます。武道の町としての本市において、ぜひこれらの競技が行われることを望むものでありますが、本市には遠的の施設もなく、練習不足により上位入賞の望みも薄いという実情を聞くとき、城下町、歴史の町として栄えてきた本市にとって恥ずかしいことであると存じます。馬術においてもしかりでございます。この三の丸については敷地や文化庁との関係等さまざまな隘路があると思われますが、歴史的伝統文化の継承といった面からも、この整備のお考えを賜りたいと存じます。
続いて社会体育施設についてでございますが、世はレジャーとスポーツの時代を迎え、社会体育も日増しに隆盛を見ていることは大変に喜ばしいことであると言わざるを得ません。しかし、施設の不足は市民のニーズを満たすに至っていないのが現状でございます。平成三年度において学校施設の夜間一般開放は、運動場で月平均約五百件、体育館で同じく約二千件の利用があり、休日グラウンドは平成二年度で延べ二百六十一日の利用があっておりますが、この利用に当たって一部の不便を感じているのがトイレでございます。校舎の警備の面から、時間外の校舎は無人管理体制がとられ、立ち入りができない状態となっております。尾ノ上小学校を例にとりますと、屋外トイレは一カ所しかなく、用便を催した場合、困難な問題が生じるわけでございまして、
教育委員会として御一考をお願いしたいと存じます。
またこの問題に関連して、特に夏期、冬期のクラブ活動においていちずにスポーツ活動に励む子供たちを見るとき、その汗まみれ泥まみれの姿は何物にもかえがたいものがございます。しかし、この子供たちはその後着がえをすることもなく、そのままの姿で帰宅を余儀なくされているわけでございますが、夏はともかく、冬はその汗が冷えてたえがたいものがあると思われます。シャワーを浴び、さっぱりと帰宅することができれば、健康面はもとより、学生生活の充実感から勉学にも力が入ることと考えるものでございますが、
教育委員会の御英断のもと、全学校にこれらの設置を強く要望するものであり、御答弁を賜りたく存じます。
次に脊柱側わん症についてでございます。
健全な体に健全な心が宿ると言われておりますが、この疾病については昭和五十三年ごろから大きな問題として取り上げられ、その後影を潜めており、減少したものと思っておりましたが、昨年よりまた増加がクローズアップされております。早期発見によって矯正器にかけること等による対策をとられ、原因究明より事後の処置をもって減少したものと思っておりました私にとっては青天のへきれきでございました。といいますのも、昭和五十三年第四回定例会で私の父がこの問題を取り上げ、時の教育長は、専門医の意見を聞きながら研究課題として取り組む旨の答弁がなされていたからでございます。研究課題として取り組んだものが、十数年たった今日、増加していることに疑義がわいてまいります。当時、本市において二・一八%の疾病率であったものが、現在約半数抽出のうち小学生二・二四%、中学生二・六一%であり、三%を超えるという報道もなされております。比率は別としても、健康上の欠陥を抱く子供が多いことには違いありません。
教育委員会としての今日までの取り組みと、今後の取り組みについて御答弁を賜りたいと存じます。
続いて自転車安全教育についてお尋ねいたします。
高等学校教育の中では、二輪車、単車の運転について、それぞれの学校において規制を行うと同時に、万全とはいえないまでも安全教育について神経を使われているわけでございますが、小中学校において皆無とは言わないまでも、この周知徹底が不足している感がするものでございます。私たち自動車を運転する者にとりまして、児童・生徒の無灯火、信号無視が最も怖い存在となり、夜間の事故につながる大きな原因となっております。以前は学校別であったと記憶いたしておりますが、自転車免許もあったかと存じます。現状と今後の自転車運転に対する、駐輪を含めたモラルの指導徹底はどのようにされるお考えかお聞かせいただきたいと存じます。
次に地域教育についてお尋ねいたします。
現在本市では小学校三年生と四年生に対して地域学習の副読本を使用し、私たちの住む地域について子供たちの理解を深めるよう努力されており、評価に値するところでございますが、残念ながらその内容について不足がある感がするものでございます。その内容については、現在の生活にかかわるものがほとんどであり、本市の気候風土や特色、歴史的な成り立ちという内容が不足しているようでございます。
なぜこういうことを言うかと申しますと、例えば子供たちが大きくなってよその地域の人と話をする際に、本市の特色なり歴史なりを尋ねられても、それに満足に答える知識を持ち合わせていないという点が挙げられます。例えばよそに行って、町を歩く市民に故事来歴を尋ねたとしますと、実に驚くほど詳細な説明が返ってまいります。彼らには地域を愛する心があり、愛するもののことを知りたいという欲求から知っていることが多いようでございます。これを逆に考えますと、内容を詳しく知っているから愛着がわくというようなケースが考えられるわけでございまして、ひいてはこれが愛市精神につながり、人材も流出せずに町も発展するということにつながることがあるかと存じます。また、皆がそういうことに詳しくなれば、現在観光行政の中で行われている市民ガイドの養成等も不必要になるわけで、皆が自分の町を誇りに思えるようになると思うわけでございますが、これについてお考えを賜りたいと存じます。
それからもう一点でございますが、過日、熊本日日新聞にて報道されました学校内よりの危険物の投棄についてでございます。これは竜南中学校のことと聞き及んでおりますが、このことは一度ならず数度にわたり起こったことであるとのことであり、本件についての詳細な説明とその後いかなる対策をおとりになられたかについて御答弁を賜りたいと存じます。
また、これは本市の例ではありませんが、豊中市において校内暴力のため死亡事故があったことは記憶にも新しいところでございます。報道によりますと、
教育委員会の調査では、その学校の校内暴力は皆無であるとの報告が校長よりあり、全く知らなかったということでございました。このことより憶測するに、現場の校長の立場で不名誉なこと、すなわち管理指導力の不足を
教育委員会にさらしたくないとの気持ちが大きく働き内々に済ませているのではないかと思うものでございます。善悪を考え、正確な報告をされずに済まされれば、判断に大きな誤りを生じ大事に至ることもあるかと思われ、
教育委員会として正確な報告を求める指導徹底を図る通達をすべきではないかと存じますが、あわせてお答えを賜りたいと存じます。
〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕
◎教育長(谷口弘毅君) 下川議員にお答えをいたしたいと思います。
七点についてのお尋ねでございますが、まず最初に教職員の資質の向上についてお答えをいたしたいと思います。
教育は人なりと申しますとおりに、教育の成果は、教育に携わります教師の資質と指導力に負うところ大なるものがございます。特に教育という営みが教師の人格と子供たちとの触れ合いによって進められますことを考えますときに、教師は教育者としての修養に努め、その職責の遂行に当たることが肝要でございます。本市におきましては、教師としての使命感とすぐれた指導力、さらには人間的魅力の向上を目指しましていろいろ研修会を行っているところでございます。
具体的に一例を申しますと、年二回行います教育講演会では、専門的な知識と人間味のある講師を招聘いたしまして、また合宿研修会では、班別のグループ討議を中心にした研修で忌憚のない意見交換を行いながら、お互いに切磋琢磨の研修会を開いているわけでございます。しかしまだ十分な成果を上げているとは言えませんので、今後それぞれの研修会のあり方を見直し、教師としての資質と幅広い教養に基づいた豊かな人間性、子供たちと心の触れ合いを大事にした教育的愛情にあふれ、人間的魅力ある教師の育成に今後なお一層努めてまいる所存でございます。
次に、第二点の三の丸の整備についてお答えを申し上げます。
現在三の丸整備事業といたしまして取り組んでおりますのは、元細川藩重臣の屋敷跡でございます化血研跡一帯、約三万九千五百平方メートルでございます。現在化血研から買収済みの一番西側に、子飼にあります県指定の細川刑部邸を移転復元中でございまして、平成五年の秋には完成の予定でございます。刑部邸に必要とします約四千平米を除きます有効面積約二万八千平方メートルの土地利用につきましては、熊本城と一元化した整備が必要ということから、熊本城総合整備計画委員会の答申を踏まえながらその構想づくりに着手したいと思っておるところでございます。
三の丸整備事業につきましては、自治省のふるさとづくり特別対策事業の認可を受けて進めておりますが、この目的といたしまして、熊本城とマッチした歴史的、時代的建造物などの施設としての整備をうたっておりますので、この理念を受け継ぐことになると思います。ちなみに例示的に申し上げますならば、議員御指摘のような例えば流鏑馬の場や古典芸能の場、あるいは肥後六花園、あるいは歴史、人文資料館等の施設がその例示として考えられるわけでございます。ともあれ三の丸地域は城内でこれから活用できます最重要地でございますので、この構想策定につきましては議会の御意見等も踏まえながら、熊本城総合整備計画委員会等に図りながら慎重に進めてまいりたいと思っておるところでございます。
次は三点目の社会体育施設の整備でございます。
学校におきます体育施設は、児童・生徒はもちろんのことでございますが、本市社会体育振興の中核施設として多くの市民に利用されておるところでございます。議員御指摘のトイレやシャワー設備の設置につきましては、現状を申し上げますと、トイレの便器数は文部省の基準に沿って設置いたしておるところでございまして、屋外のトイレにつきましても一定規模のものを全校に設置いたしておるところでございます。またシャワーにつきましては十五校の体育館のクラブハウス内に設置し、昼間は児童・生徒に、夜間は一般の方々に利用されておるところでございます。しかしながら議員御指摘のとおりに、日曜日や祝日などに大きな行事が開催されます場合は既設の施設だけでは十分な対応ができないのが現状でございます。そこでそのような大会を開催される場合のトイレや部活動終了後のシャワーの使用につきましては、校舎や体育館等の施設を開放したり、今後の体育館改築にあわせましてクラブハウスの整備に努めるなど、利用者が使いやすい施設づくりを進めるため、関係課とも十分に協議いたしまして市民へのサービス向上に取り組んでまいりたいと存じます。
次に脊柱側わん症でございますが、これは昭和五十二年に学校保健法の一部改正によりまして定期健康診断として位置づけられて以来、学校医の内科検診として実施してまいっておるところでございます。その後本格的には平成二年度から熊本市医師会に委託をいたしまして脊柱側わん検診システムを確立いたしまして、本格的に早期発見、早期治療を目指して検診を開始しているところでございます。中学生では発育、成長が盛んとなりまして非常に変化が激しい時期でございますが、一年生を対象に重点的に検診体制を組みまして、結核検診として撮影してございますエックス線のフィルムの読影と学校医による内科検診を一次検診といたしまして、ここで異常が発見されましたときには精密検査を受けるよう指導をいたしているところでございます。
今後の対策でございますが、今申し上げましたように中学生の検診は既に実施しているところでございますが、小学生の検診につきましては、校医並びに医師会の御厚意によりまして調査研究をしている段階でございます。今後は小学生の側わん症検診につきましても実施できますよう関係局とも協議を重ねてまいりたいと。そしてまた平成二年度の中学生の精密検査を要する者の受診率でございますが、四二%でございますので、さらに今後受診率を高めるために、地域や学校を通しまして啓発を図ってまいりたいと思っておるところでございます。
次は第五点目の自転車安全教育でございます。
議員お尋ねの件でございますが、自転車安全教育につきましては、各小中学校とも児童・生徒の交通事故防止策に十分配慮し鋭意取り組んでいるところでございます。小中学校の現状を申し上げますと、現代の社会情勢から安全教育における指導内容を、まず一つが生活安全、それから二番目が交通安全の二つの側面から構成いたしまして指導の徹底を図っているところでございます。交通安全指導につきましては学校教育計画に明確に位置づけをいたしまして、全職員の共通理解のもと交通安全への意識の高揚を図り児童・生徒への計画的指導がなされているところでございまして、具体的に申し上げますと、学期ごとの自転車点検、安全な乗り方や交通マナーを身につけさせるための自転車教室や乗車テストの実施などでございます。そしてまた一方、児童・生徒への指導とあわせまして家庭との連携を密にするために、家庭だより等々によりまして保護者への啓発も図っているところでございます。今後は校長会を初め教頭会、安全担当者会等を通じまして、人命尊重の精神や交通ルールを遵守する心を育てるように、なお一層の機会あるごとの安全教育についての徹底を図っていく所存でございます。
次は第六点目の地域教育でございます。
先人がこれまで築いてまいりましたすぐれた特色ある伝統や風土、そしてまた文化遺産につきまして理解を深めることは、議員御指摘のとおりに大変重要な教育活動と受けとめておるところでございます。郷土の歴史やその成り立ち等に関しまして学校での学習状況を申し上げますと、社会科学習では小学校三年、四年におきまして地域の人々の百年間にわたる生活の移り変わり、あるいは地域の発展に尽くされました先人の働きを学習し、六年及び中学一、二年の我が国の歴史の学習におきましては、地域教材として郷土の歴史事象や文化遺産を取り上げておりまして、その中で郷土の歴史について学習を進めておるところでございます。このほか、博物館を初めといたしまして地域の文化遺産を訪ねる等の活動を行い理解を促進いたしているところでございます。
教育委員会といたしましては、こうした現場の活動を促進していくために「薩摩街道へのおさそい」など、市内を五地域に分けまして五十六の巡検コースを設置いたし、指導のポイントを示しました「くまもとの自然と文化」、あるいは市の移り変わりを写真や図、グラフ等であらわしました「目で見るわたしたちの熊本市」、それから高橋守雄氏など市発展に尽くされました先人八氏の業績や人となりを紹介いたしました「熊本市の先哲」、市内の史跡や文化財や行事などを素材にいたしました「熊本市郷土いろはカルタ」などの資料を作成して各学校に配布し学習に役立てているところでございます。また、市内の史跡等を訪問します巡検会というものを開催いたしまして教職員の研修を行いますとともに、郷土教育実践校の指定を行いまして、各学校におきます郷土教育の充実を目指しているところでございます。このような教育の推進によりまして我が郷土を誇りに思うとともに、郷土の伝統や文化を愛する児童・生徒の育成を目指しましてさらに努力を重ねてまいる所存でございます。
最後に、ある学校での事故の件でございますが、このたびの事故の件につきましては、当該民家の方、それから議員各位、各方面に御心配をおかけいたしましたことに対しまして、この場をかりまして深くおわびを申し上げます。
この事件の主な経過を申し上げますと、今回の事件はある中学校に隣接いたしました民家からの連絡により事件が判明いたしたものでございます。その内容は、去る十一月二十二日の午後三時ごろ、校舎から民家の庭先へナイフ様の刃先が飛んできたということでございます。この善後策といたしまして、学校では、この連絡を受けました校長はすぐに謝罪に出向きまして陳謝をいたしました後、三年生全員に集まってもらって、そして校長、教頭より人身事故につながりかねない事件の重大性について説明をいたし、二度とこのようなことがないよう厳しく説諭したというようなことでございます。
教育委員会の方からもこれに対しまして早速その連絡、あるいはその善後策についての適切な指導をするように、また学校現場へも通知をいたしているところでございます。今後はこのようなことがないように、当該校はもちろん、本市小中学校に対しまして生徒指導の徹底をより一層充実するよう指導いたしますとともに、こういった事故のないように、また校長会、教頭会等で文書にてそういった指導をしてまいる所存でございます。
〔七番 下川 寛君 登壇〕
◆七番(下川寛君) ただいまお尋ねの件につきましては今後の努力を期待するものでございます。大変時間が超過しておりまして、まだお尋ねの項目も多く残っておりますのではしよってまいりたいと存じますが、ひとつ答弁の方は簡潔にお願いしたいと存じます。
保健衛生行政について四点ほどお尋ねいたします。環境問題についてでございます。
今や私たちを取り巻く生活環境への諸問題は余りに多く、公害、リサイクル、汚染、自然保護等、形こそ違えマスコミをにぎわわせない日は一日たりともないというのが現状でございます。このようなことから、市民の環境問題に対する意識は、よきにつけ悪しきにつけ著しく高まりつつあることは申すまでもございません。本市においてもこの問題は最重要課題としてさきの
マスタープランにも取り上げておられるわけでございますが、長期プランにとどまることなく、今日より直ちに行動に移すことが肝要であると存じます。
私はこの問題の中から、善通寺市の取り組みを見聞いたしましたが、ごみのみならず、リサイクル運動として市民意識が高まり、分別集収を周知徹底させ、ごみ対策とともにリサイクルの成功を見るに至り、まさに一石二鳥の成果をおさめているということでございました。本市においても一応の分別集収が行われ、完全とはいかなくとも、一応の成功を見ていると思われるものの、いま一歩の感がするわけでございまして、現在も啓発活動は行われているとは思いますが、簡易包装等についてもいまひとつ現実に効果が感じられない思いがする中で、この機にいま一度市民啓発を進める必要があると感じるものでございます。このような見地から、本市の今後の取り組みについてお考えを賜りたいと存じます。
さらに、市長に提議を申し上げ御高配をお願いいたしたいことは、冒頭に申し上げましたように、この環境諸問題はいずれを取っても重要課題であり、問題は多岐にわたっております。現在の本市の機構の中で、日夜担当職員の方々は努力をされていらっしゃることに敬意を表するものでございますが、限られた機構と職員数の中での職務遂行には限度があり、市民のニーズや将来の地球環境に憂いを残すことになるのではないかと危惧するものでございます。そこで、市行政の機構の中で最重要の位置を占める環境問題の部所として、環境局なり何なりの専門部所を設置され、十分な環境対策にお取り組みいただきたいと存じますが、御英断ある答弁を賜りたいと存じます。
次に、救急救命センターについてお尋ねいたします。
高齢化社会及び都市型疾病が進む中、高度医療及び初期医療の重要性がクローズアップされ、まさに医療の分野は大きな転換期を迎えようとしているところでございます。ここにおいて人命の尊重という点が特に大きく問題視されてきているにもかかわらず、現在、救命というに足りる設備を持ったものは公的医療機関として市東部に日赤救急センターがあるのみでございます。しかもこの日赤に設置されているベッド数は三十床となっており、ベッド数より患者数が多い日があり、応急処置室のベッドにも患者があふれる日もあるわけでございまして、周辺市部を合わせ百万人にならんとするときを考えるとベッドの不足は言を待たないところでございます。先ほど申し上げましたように、市民の生命を守る立場から、本市においても救急救命センターを設置されるお考えはないかお尋ねいたします。
この救急救命センターの重要性は、執行部においては十分に認識されておることであると存じますが、これにも隘路があることは私も十分承知するところでございます。まず資金の問題、次に医師会との協調、場所、採算性、また百万人に一カ所という基準等、メジロ押しであることは言うまでもありません。仮に設置されたとしても不採算事業となることは明白ではございますが、人命を考えるとだれかがやらねばならない事業であり、公的立場より一考を要する問題であると、あえて提言申し上げた次第でございます。
なお、これに関連して消防の救急業務の現状をあわせてお尋ねいたします。
続いて、先ほど環境行政に触れさせていただきましたが、ここで清掃行政の中から具体的に埋立地に関する将来の展望についてお尋ねいたします。
現在、本市においては北部に位置する扇田に頼っており、昭和五十九年の埋立開始から平成二年度で全体埋立量百五十八万立方メートルに対し二八・四%を完了し、当初計画では平成十年までの埋立量を確保しておりましたが、御案内のとおり全国を吹き荒れた未曾有の台風十九号の被害により、その寿命が一年ほど縮まったと聞き及んでおります。破棄が美徳とされた現代の風潮からか、埋立地への搬入量は当初計画より大幅に進んでいるような現在、幸いにも不動産関連法案の改正により公共用地が取得しやすい状況となってまいりました。この機を逃さず、次期埋立候補地を早急に先行取得すべきではないかと考えるものでございます。この埋立地については、仮に適当な候補地があっても、地区住民の理解とアクセス道路、附帯設備等の多くの問題を抱えることは必至であり、解決には長い時間がかかるものであるため、一日も早い対応を望むものでございます。埋立地確保の今後の見通しをお示しいただきたいと思います。
次に、ペット問題についてお尋ねいたします。
先日植木町で起こりましたペットによる咬傷事故は御記憶に新しいところではないかと存じますが、本市におきましても平成二年度で四十二件、元年度では四十七件の咬傷事故が発生しております。しかし、これはあくまで届出数でございまして、実際の事故はこの数倍にも上ると言われております。そして、その原因のほとんどが発情によるものであると言われておりまして、ひどい場合は人間を殺傷することもあるということでございます。ペットを飼うに当たっては、飼い主の管理責任というモラルのレベルでの話が最も重要なわけでございますが、これが欠如している現在、事故防止のためにペットに対する避妊手術をする必要がありますが、この促進のための補助制度を設けるお考えはないかお尋ねいたします。
本市においても過去昭和四十五年度より五十四年度までは若干の補助がなされていたものの、昭和五十五年度に申請がゼロとなり現在に至っているものでございます。当然、ペットといえど生き物であり、人間の勝手で自然の摂理を妨げることについては議論の分かれるところとは存じますが、住民の安全を考えたときにはやむを得ぬ措置かとも思われるものでございます。なお、避妊等によりペット数は増加するとの調査報告もなされており、子供の情操教育にも役立つペットとの安全な共生のために、ぜひ御一考いただければと存じます。
〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕
◎保健衛生局長(後藤勝介君) 保健衛生局に関連します四件の問題についてお答えを申し上げます。
まず、ごみに関係いたしまして市民啓発等組織の問題でございます。ただいまいろいろ御指摘がございましたように、本市におきましてもごみ問題は極めて重要な問題と位置づけましていろいろな取り組みを今日まで進めておるところでございますが、啓発問題等も含めましていま一歩徹底されていないというのが現状でございます。したがいましてこれらをさらに徹底しますために、私どもといたしましても、市民や事業者の皆様方の理解が得やすくなるようなシステムづくりや啓発活動を今日まで以上に徹底していく必要があると考えております。そういうことも含めまして、それに対応できるような組織も私どもとしては考える必要があると考えておりますので、現在関係当局とも協議を行っているところでございます。
それから救命センターの件でございます。
ただいま御説明がございましたとおり、熊本県下では熊本赤十字病院が国の指定を受けました県下唯一の三次の救急施設として活動されております。しかしながら経常的に満床の状態ということでございまして、なかなか利用がしがたいという面もあるようでございます。
御承知のとおり三次の救急医療体制につきましては本来国、県の責任で整備すべきものであると考えるわけでございます。昭和六十三年に県において策定されました熊本県保健医療計画の中におきましては、人口及び時間、距離を考慮して県南地方に救急救命センターの整備を図るとともに、遠隔地についても交通体系の整備状況を考慮しながら、患者もしくは医療スタッフの高速搬送システムを検討する。また重度熱傷等、高度あるいは特殊な救急医療についてその整備を検討するというようなことが計画の中でうたわれております。本市といたしましてはこのような状況、ただいま御指摘のような状況を十分踏まえまして、五年ごとに見直しが検討されておりますこの保健医療計画の中で、ただいまのような状況を県にも要望してまいりたいと考える次第でございます。
それから次期埋立地についての取り組みの問題でございます。
御案内のとおり、現在扇田の埋立処分場を活用しておるわけでございますが、この処分場につきましては、旧北部町の皆様方の大変な御協力によりまして昭和五十九年五月から使用を開始しているところでございます。総面積が約十二万四千平方メートル、埋立容量は百五十八万立方メートルになると想定しているわけでございます。平成二年度までは比較的通常のごみを処理してまいったわけでございますが、先ほども御紹介ございましたように、今回の台風等のごみが大量に発生をいたしまして、私どももこれは大変なことになるというふうに思った次第でございます。平成三年の十月末現在で約五十三万立方メートルの埋め立てが進みました。全体容量の三六%に達するという状況でございます。このような中で、今後の埋立期間の予測でございますけれども、通常のごみが年間三ないし四%程度増加すると想定いたしますと、平成十四、五年ぐらいまでは埋め立てが可能ではないかと推計をいたしております。しかしそれは通常のごみの場合でございまして、今回のような不測の事態も当然予想されるわけでございますので、次期の埋立地については早急に確保が必要であると考えております。したがいまして、私どもといたしましては平成四年度から次期埋立地の確保のために調査を開始したいというふうに考えております。
それからペットの不妊手術の件でございますが、ただいま御説明がございましたとおり、犬の不妊手術に対しましては、報奨制度として本市も過去において実施をいたしております。ところが昭和四十八年のころをピークといたしまして申請が減少いたしまして、昭和五十五年度にはほぼ申請がなくなった次第でございます。本年度に至りましてこの制度を復活したらどうかというような意見もございまして、六月ごろから本市の獣医師会とも協議を重ねているところでございます。この不妊手術の問題は野犬防止対策の一環としても極めて重要な事業であると考えておりますので、さらに市の獣医師会とも協議を重ねながら努力してまいりたいと考えております。
〔消防局長 吉原準二君 登壇〕
◎消防局長(吉原準二君) 下川議員にお答え申し上げます。救急救命センターに関連しての消防における救急業務の現況についてということでございます。
議員御案内のとおり、現在消防局といたしましては救急業務の対応として三消防署、十三の出張所のすべての署所に救急車十六台を配備し救急活動を実施しているところでございます。ちなみに平成三年における十月末現在の救急活動について申し上げますと、総出場件数が一万二百十三件、対前年度比六百七十三件、六・六%の増加ということで年々増加の傾向にございます。この中で救急隊がCPRいわゆる人工呼吸や心臓マッサージを実施しながら搬送した重症の傷病者は百十八人でございました。病院到着時既に死亡の状態にあった人が六十九名三八・一%を占めておりました。さらに残りの百十二名の疾病分類を調べてみますと、脳疾患、心疾患等の循環系の傷病者が八十三名、全体の七四%に上り、その半数が六十五歳以上の方であって、人口の高齢化等社会現象のあらわれとも言えるのではなかろうかというふうにとらえております。
このような中で、国におきまして救急救命士制度が本年八月に創設されまして、これまで搬送中心であった救急活動に医療行為的な応急処置の道が開かれたところであります。消防局といたしましても早速この救急救命士制度の導入に取り組みまして、去る十月から職員一名を養成機関に派遣いたしております。またこれとあわせて特殊の医療機器を装備した高規格の救急車を本年度末までに配備し、新年度から新たな救急体制をスタートさせる予定でございます。
いずれにいたしましても、生命に危険のある傷病者の救命率向上が救急業務における今後の課題でありまして、その受け入れ側となる専門的な医療機関あるいは救急センターとの連携がますます重要となってきているというふうに認識しております。
〔企画調整部長 徳田勝比古君 登壇〕
◎企画調整部長(徳田勝比古君) 組織についてのお尋ねでございますが、現在基本構想に基づきます基本計画を策定中でございます。この基本計画の中には環境、市民生活、経済交流あるいは文化と、こういったいろんな重要な事業が含まれておるわけでございます。二十一世紀に向けましてこれらの重要事業を推進あるいは実現をしていくという必要があるわけでございます。そのためには特にその推進体制というものが重要であるというふうに考えております。中でも特に環境問題につきましては、既にさきの議会で市長が最重要課題であるとして取り組むというお答えをいたしておるわけでございます。環境行政につきましては何よりも組織が最も重要でありますし、しかも広範にわたる調整機能というものが必要であろうというふうに考えております。
お尋ねの環境部門の執行体制につきましては十分検討させていただきたいと、こういうふうに考えております。
さて、本市は、いち早く長寿社会に備え福祉施設の建設や基本方針を打ち出されています。健全な執行をお願いするとともに、福祉活動ではボランティア活動に的を絞り御質問をしたいと思います。高度に発展していく市民社会では、市民総ぐるみの啓蒙活動と健康はみずからの手で自主的にを基本に、市民総出の福祉ボランティア活動の発展こそが、本市の目指すいきいきとした市民福祉都市の形成の一翼を担うと考えます。
ボランティア活動とは、人々の悩みや社会的な問題に進んで参加し、社会や人々の福祉を高める活動です。そして、始めたことは最後までやり遂げ、その行為に報酬を求めない民間活動と言われております。進んでとは、自発性ややる気でございますし、福祉を高めるとは、福祉性、世直しでございます。またやり遂げは、継続性、根気でありますし、そして重要なのは、報酬を求めないは、無償性、手弁当でございます。
あるボランティアをされております御婦人に「なぜボランティアをしなはっとですか。」と聞いてみましたら、「私の家庭がお世話になりましたけん恩返しを」とか、「私も将来お世話になるかもしれまっせんけん」、といろいろな御意見がありました。私は、ボランティアに参加される皆さんはいろいろなきっかけが心を動かし、福祉活動に大切なボランティア活動へ参加を促したというふうに思います。
これを機に、ボランティア参加者に、皆さん御承知のあの献血手帳ではございませんが、同様の、仮称ではございますがボランティア手帳の発行を考えてみたらいかがでしょうか。報酬ではありません。自分自身の意識の高揚や、将来自分がボランティアを受ける家族ぐるみの権利ボランティア預託制度など、社会一般への啓蒙活動に利用したらいかがでしょうか。
また、市民への啓蒙活動と、ボランティア活動に参加されております皆さんの意識調査をされたことはありますでしょうか、以上二点お尋ねをしたいと思います。
〔市民局長 坂西奏一君 登壇〕
◎市民局長(坂西奏一君) ボランティア活動のことについてお答えを申し上げます。御案内のとおり、今日私どもが到達し得ました長寿社会がすべての市民の方々に喜ばれるような望ましい社会であるためには、公的施設の充実はもとより、市民一人一人の助け合い、支え合いの互助精神に基づいた地域で支える草の根福祉の形成が大切でございます。そのためには、担い手でありますボランティア活動は政治的中立が強く求められております。近年、ややもすれば政治的動きの印象が残ることもございます。政治的中立性の確立を基本精神といたしまして、現況とお尋ねのことについてお答えを申し上げたいと存じます。
二十一世紀のボランティア活動の振興を図るため、熊本市社会福祉協議会のボランティアセンターにおきましては、ボランティア活動の啓発、相談、あっせん、養成、研修、活動への援助、組織づくりに努めているところでございます。現在ボランティアセンターには主婦層を中心に七十八グループ、二千二百六十六人が登録されておりまして、デーサービスセンターや特別養護老人ホームにおける入浴時の衣服の着脱、整髪、つめ切り、話し相手、あるいは食事介護、清掃等のボランティア活動や、
ひとり暮らしの高齢者や障害者のお宅へ給食を配達する、例えば花園
市民センターを利用した池田校区における総ボランティア活動による手づくりの給食サービス等は大変喜ばれておりまして、大きな評価を受けているところでございます。また給食サービスにつきましては現在四十六校区にわたり、市民総ボランティアへのすそ野が大きく広がっているところでございます。さらに、児童のころから福祉の心がはぐくまれますことを願い、ジュニアボランティアスクール、ワークキャンプの開催や、学校を単位としての福祉の心を養う福祉協力校を指定いたしまして、福祉の心は教育にありという原則に立ちまして、福祉教育の一層の充実に努めているところでございます。
また、検討を進めております総合福祉会館の中にボランティアの育成や組織づくり、ボランティア活動の支援などの機能を盛り込み、福祉マンパワーの確保に積極的に努めてまいりたいと、このように考えております。
さらに、本年度から地域福祉活動の拠点施設といたしまして整備を進めております地域福祉コミュニティーセンターにおきましても、健康増進事業、給食サービス事業など、地域住民による地域住民のための地域に根差した福祉活動の助長にも今後力を入れてまいりたいと、このように考えております。
次に、ボランティア参加者に将来献血手帳と同様の仕組みを持つボランティア手帳を考えたらどうかという御提案でございます。
このことにつきましては、ただいまお触れになりましたように、現在設立に向けて準備を進めております福祉公社においてホームヘルプーサービスを提供する非常勤の協力会員、いわゆる有償ボランティアが報酬を受け取るかわりに活動実績を預託し、将来自分自身もしくは家族のために引き出し活用する点数預託制度の活用を検討いたしております。あわせてボランティア手帳の制度化にも積極的に取り組ませていただきたい、このように考えております。
次に、ボランティア参加者の意識調査は実施したかどうかのお尋ねでございます。
ボランティアの意識調査につきましては、これまで、施設ボランティア育成のための社会福祉施設ボランティアニード調査や高齢者による町づくりの展開のため、各校区社協を中心にボランティアに対する高齢者の意識調査を実施いたしております。なお、本年度は、ボランティア活動の必要性や地域でいかに活動されているかを理解していただき、積極的参加を促すことを目的といたしまして、熊本市内の主たる企業百七十社に対して企業ボランティア意識調査を実施したところでございます。今後、高校生等の意識調査も準備が整い次第逐次取り組んでまいりたいと、このように考えております。
〔十八番 田尻将博君 登壇〕
◆十八番(田尻将博君) ありがとうございました。福祉都市を目指すためには市民一人一人がボランティアの精神を忘れず参加することが、私は熊本市が福祉都市ということで伸びていくというふうに確信をいたします。また私が提案いたしましたボランティア手帳につきましては前向きに設定をするということで、進むという答弁をいただきましてありがとうございました。ぜひ私も参加をさせていただきたいと思います。
続きまして、観光行政と地域ふるさとづくりについてお尋ねをしたいと思います。
財団法人熊本国際コンベンション協会設立おめでとうございます。特に財団化には地元経済界や団体の百二十の企業の協力があり、
財団法人熊本国際コンベンション協会設立に対する期待度は想像を絶するものであり、本市としての責任もはるかに重い存在でございます。特に全国的にユニークな、従来の
コンベンションと観光協会、火の国まつり事務局が一体化されたことは、業務の効率化など、本市の観光行政がより一層推進に歯車がついたことと考えます。
さて、この国際
コンベンションシティーにかける市長の意気込みが報道されました。市長は、「若者が残り、若者が集まり、子供たちや若者が自分の町に誇りを持てる町づくり、そして熊本での発言が東京に、いや世界に流れていく都市」、私も同感でございます。最後に、「しかし、生かすも殺すも市民の皆さんの協力です。事務局も精いっぱい頑張りますので、企業や市民の協力をお願いします。」と結んでおられます。
そこで私は、市民あっての観光行政について御質問いたします。
地味だがもう一度行きたい町、そういう町づくりには、市長も主張されております市民の参加が不可欠であります。すなわち、市民がまず熊本市内の観光地や公園、公共施設に足を運び、そして「住んでよかった」、転勤者などからは「退職後は熊本に家をつくろう」など、熊本好き好き町づくりを市民主役の遊び心を取り入れた活動を展開していただきたいと思います。
会社には社員証がありますように、本市にも職員証というのがあります。私は市民にも市民証があってもいいのではないかというふうに思います。「え、市民証、何だろうか」というふうに思いますが、やはり市民あっての観光行政だし、市民あっての市政でございます。市民証の目的は、熊本市民である誇りの醸成と社会生活人としてのモラルアップや遊び心から派生するゆとり、生涯教育などいろいろあろうかと思います。別の面では、これは特権ではございますが、熊本市の観光施設や文化施設の割引などいろいろ考えられるわけでございますが、全市民に配布となれば市職員の業務の煩雑化が予想されますが、そこまで考えず、私は市民あっての観光行政という目的から、市民が足を運ぶための、市民に関心を持たせるための熊本観光ビザ的な市民証を検討していただきたいというふうに思うわけでございます。
次に、
放置自転車の活用でございます。午前中に下川議員の方からも指摘がございましたが、私は全然別な視点でございまして、この
放置自転車につきましては頭の痛いところでございます。
私なりに
放置自転車の要因を考えてみますと、買い物や通勤・通学者の皆さんが適当なところに放置をしていくという行為と、ちょっと済みませんばってん黙って借りていくという、そういう長期的な放置ではなかろうかというふうに思います。しかし、前者も後者も行政の悩みのもとでございまして、この対策はなかなかいい効果があらわれてきておりません。
その
放置自転車の有効活動でございます。いろいろ調べましたが、熊本には熊本カラーという、熊本の市色といいますか、色はなかなか見つけ出しませんでした。歌にはグリーンシティーとかあるので緑かなというふうに考えております。その熊本のシンボルカラーを自転車に塗っていただきまして、熊本の色に塗りかえて、シルバーセンターとか、ボランティアセンターの皆さんによるレンタルバイスクルウォッチング制度、要するに自転車を使って、観光地に我が勝手に乗っていくというふうに、そういう遊び心を踏まえた自転車、いわゆる
放置自転車の有効活用はできないものだろうか。特に駅や観光地に配備をしていただきまして、市民も利用できるし、もっとゆっくり熊本ウォッチングなどなどでございますが、楽しんでいただきたいということでございます。
そして観光用の車いすの配備の問題でございます。これはある高齢者の方でございますが、私は家内と二人で行く観光が一番の楽しみということで、その観光地に行ってみる、そして観光地からちょっと歩くぐらいは私のこの足の力でも歩行は可能でございます。そるばってんせっかく来たけん町並みば見ろごたる。しかしそういうときになかなかレンタルの車いすというのは置いてないというような投書でございました。当局に伺いましたところ、いろいろあるそうでございますが、私が言うどこででもレンタルが可能な車いすの観光地への配備でございます。この件につきましてもお尋ねをしたいと思います。
次に火の国まつりの延期と今後の対応についてでございます。
火の国まつりの延期につきましては、賛否両論あろうかと思いますが、火の国まつりのスタートが各地域や各校区のふるさと祭りや盆踊りの復活に寄与した波及は大したものでございます。私どもの地区でも火の国まつりのスタートがやっぱり祭りのスタートとなっております。しかし、この火の国まつりも十年を経過いたしまして、長く長く熊本市の歴史、そして熊本市の観光として発展させるためには、参加協力ください、ぜひ出てくださいという呼びかけではなく、おるも出させっくれ、おるも我も出させっくれという火の国まつりにつくり上げる必要があろうかと思います。すなわち、今行政が主導して火の国まつりを実施しておりますが、民間への移行等も含めて考えがございましたらお聞かせ願いたいと思います。以上、お願いいたします。
〔産業局長 竈 啓一郎君 登壇〕
◎産業局長(竈啓一郎君) 観光行政に対しまして四点についての御質問でございます。
まず第一点の観光ビザの発行という御提案でございますが、観光行政につきましてはもう申し上げるまでもなく、国民価値観の変化とかあるいは余暇時間の増大、あるいは高齢化、国際化といった時代の流れから非常にニーズが多様化、拡大しているわけでございまして、またこれは財団法人余暇開発センターの試算でございますけれども、西暦二〇〇〇年の余暇市場といいますものは約百五十兆円と、GNPの一八・七%に及ぶと言われておりまして、今後の産業振興の大きな柱になっていくものというふうに考えているわけでございます。このようなことから多くの自治体におきまして、地域振興の目玉といたしまして観光振興に取り組んでいるわけでございますが、議員御指摘のように、そのためには行政のみでなく市民総ぐるみでの観光振興といいますか、それに取り組む必要があるのではないかというふうに考えているわけでございます。
本市におきましてもこういった認識のもとに、一般市民を対象といたしました市民観光ガイド講座、あるいは観光施設めぐり、あるいは夏目漱石ゆかりの草枕ハイキングコースにおきます健康ウオークとか、こういったいろんな催しをやりまして市民の方に御参加をいただいているわけでございますが、最近は大勢の方が御参加いただいているわけでございます。また公民館活動等におきましても、郷土史の学習会とかこういったものが盛んに行われているというふうに聞いているわけでございまして、そういった意味では私どもにとりましては非常にありがたい話であるわけでございます。
御提案の観光ビザでございますけれども、これは市民意識を啓発していくという一環から考えまして非常に有効ではなかろうかと思っておるわけでございますが、全国各地におきましても、例えば温泉地におきます入湯手形というものが最近はやっております。これは後々の記念になるということで大変好評のようでございますけれども、こういったいろんな各地での工夫がございます。こういったものも調査いたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。
ただ観光施設の割引の問題、これは一つの方法論として議員御提案でございますけれども、要はただいま申し上げましたように市民の方々に観光の魅力というものを大いに知っていただいて、お一人お一人が広報マンと言いますか、そういった形でのPRをという御趣旨だろうと思いますし、御質問の趣旨を踏まえまして私どももさらに調査検討してまいりたいというふうに考えます。
〔議長退席、副議長着席〕
第二点目、リサイクル自転車の有効利用という観点から駅前とか観光地に自転車を配置しないかという御質問でございますけれども、御案内のとおり熊本市の観光地、例えば熊本駅といたしますと、それから熊本城まで自転車で走らなければならないということもございますし、こういった道路事情、交通アクセスの問題につきまして検討を要するのではなかろうかというふうに考えております。また、地理に不案内な県外の旅行者の方にとりまして──どう御案内するのか。あるいはリサイクル自転車の管理運営方法でございますが、その辺に、既に限られたエリアで各地行っているところの話を聞きますといろいろ問題もあるようでございます。私どもリサイクル自転車の活用という観点からこういった諸問題、あるいは自転車で走れるような観光開発といいますか、条件整備に取り組んでいきたいというふうに考えております。
第三点の観光地の車いすでございますが、先ほど御質問の中でも触れられましたように、熊本城あるいは動植物園とかこういった施設には既に置いてあるわけでございます。それから水前寺公園とかこういったところにも置いてあるわけでございますが、まだ民間施設へまでの普及というのがなかなかうまいぐあいにいってないと、この辺につきまして、高齢者、身障者にやさしいまちづくり運動の一環といたしまして、私ども市の施設はもちろんでございますけれども、そのほかの観光施設についても車いすの配置について積極的に働きかけをやらせていただきたいと思っております。
次に第四点、最後の点でございますが、火の国まつり問題でございます。
火の国まつりにつきましては、市民総参加によります市民手づくりのまつりといたしまして年々盛況を呈しまして、また各校区の中でさまざまな団体の方が中心となられまして地域の祭りが行われていると、帰省客はもちろんでございますけれども、メーンの火の国まつりにつきましては、近年観光客にも楽しんでいただくという熊本を代表する夏祭りといたしまして定着してきたところでございます。しかしながら本年につきましては、雲仙・普賢岳の噴火によります未曾有の被害状況等によりまして、まつりの主要行事についてやむなく中止せざるを得なかったところでございますが、その後事務局にも多くの方から今後のまつりの継続と振興につきましてのお声をいただいているわけでございます。また先般開催されました火の国まつり運営委員会におきましても、来年は従来にも増して一層楽しい市民を中心としたまつりをという御意見も賜っているわけでございます。また、今後は民間の力をより一層結集して実施してはどうかという御意見をいただいております。こういった御意見を踏まえまして、先般発足いたしました熊本国際
コンベンション協会──まつり事務局のまつり体制もこの中に含めて今後運営をさせていただくわけでございますが、本協会の中での民間主導による実行委員会という形で現在民間有志の方に御検討いただいているわけでございます。この際、御質問にもございましたように、民主導でのまつりの継続実施というものについて努力してまいりたいというふうに考えております。
〔十八番 田尻将博君 登壇〕
◆十八番(田尻将博君) なかなか難しい内容ばかりぶつけまして、新しいアイデアでございますので、ひとつよろしくお願いをしておきたいと思います。
次に町おこしについてでございます。
私が住んでおります西部地区の池上、高橋、城山は古い伝統ある地域と新しい居住者を迎えた混合居住地域とでも言いましょうか、自然と緑に囲まれた歴史深い、居住性の高いすばらしい地域でございます。私は古い伝統、歴史を守り、
きょうからみんなで歴史をつくりましょうと主張しております。老いも若きも賛同していただきまして地域の町おこしの芽がはぐくもうとしております。自然と緑と川に恵まれた地域でございます。戸坂町、谷尾崎町、池上町、上高橋町そして高橋町で合流するこの井芹川の春夏秋冬の草花による自然の変化は心の潤いを感じさせてくれます。この河川堤防は朝夕の散歩やジョギングコースであり、ちょっと手を加えればすばらしい市民憩いのリバーウオーク公園地帯となります。その周辺に私どもが誇る梅まつり、谷尾崎地区の本市梅林公園を中心とした梅まつりは十年を超え、地区住民一丸となり企画実行まで地区民手づくりのまつりでございます。本市が託す地域おこしのモデル的存在であります。混合居住地域での新しい文化のスタートでもあります。ぜひこの梅まつりをモデルに大きく取り上げていただきたいというふうに思います。
また、奈良・平安時代の遺跡で有名な、池上地区が管理し毎年九月十日に公開する味生の池の七不思議の竜などの縁起絵巻、全国でも例のない平安時代の密教寺院跡として注目を集めております池上町の池辺寺のなぞ、平安時代の郡衙(役所)だったかもしれない上高橋町の高田遺跡、池上、城山にまたがる、加藤清正が築城の際採石したなぞに包まれた独鈷山など、奈良時代、平安時代の数々の遺跡があります。集積すれば佐賀の吉野ケ里遺跡に匹敵する遺跡群であります。都心からわずか十分、この独鈷山に一大歴史ロマンの集積古墳群観光地をつくり上げたらいかがでしょうか。
また、高橋町は高橋の津と呼ばれ、平安時代から栄え、細川藩時代は五カ町の一つとして城下町の待遇を受け町奉行もありました。そこには武士や町人が住み、坪井川(別名高橋川)は貨物が行き交い、商いの町、交通の拠点として城下町熊本の発展に寄与したと聞いております。また明治五年の明治天皇行幸に際し奉行所跡が休憩所となり、高橋舟の往来は繁忙を呈したそうでございます。しかし、この情景も幾度の河川改修で見ることはできませんが、高橋稲荷神社や参道など我が町には遺産がたくさんあります。この高橋町でも、遠い歴史に夢をはせ新しいよき高橋を創造しようと高橋舟の復活の動きもあります。ぜひ地域民とともに、行政としても眠った遺産の掘り起こし、点が線になり、線が面になるよう御支援、御助成をお願いします。
村・町おこしに対する本市の考え方をお聞かせください。
〔産業局長 竈 啓一郎君 登壇〕
◎産業局長(竈啓一郎君) 観光振興あるいは地域振興という観点からの地区の文化遺産と町おこしを積極的にという御趣旨でございますが、ただいまの御質問の中でも触れられましたように、西部地区の池上、高橋、城山地区、ここにつきましては古い伝統と歴史が守られた地域でございまして、特に先ほど述べられました地区住民が一体となられまして行われております谷尾崎の梅まつり、私も一回参加させていただいたことがあるわけでございますが、ほのぼのとした手づくりのよさというものを感じるわけでございます。その梅まつりが地域のコミュニケーションの場といたしましてあるいは地域振興に寄与してきたものではないかというふうに考えているわけでございます。
また、市内各地におきましても、例えば桜まつりとか、それから先ほど御質問にもございました火の国まつりと呼応いたしました夏祭りが各地で行われておりますし、こういったいろんな地域での熱意といいますか、これがひいては観光振興につながっていくのではないかと私考えているわけでございまして、地域ではぐくまれる町おこしの機運と、これは産業局観光サイドだけではなくて、産業振興という面からもぜひこの機運のあるところに対しましてはその振興を促進していかなければならないと考えているところでございます。
また、現在池辺寺周辺につきましては平安時代の貴重な文化遺産といたしまして発掘調査が進められているわけでございますが、観光サイドからいたしますと、今日の古墳ブームといいますか、これを反映する上からも発掘調査の最終結果というものを待たなければいけないというふうに考えているわけでございます。ただ、現在観光サイドで取り組んでおります金峰山有明海沿岸の観光開発基本調査を今進めさせていただいているわけでございますが、合併いたしました飽託四町あるいは西部地域におきましても、いろんな史跡あるいは埋もれた文化財がございます。こういった資源というものを観光資源として今後全体の計画の中で、先ほど先生もおっしゃいましたように点から線へという形で結びながら、全体の観光開発というものを進めさせていただきたいというふうに考えております。文化財の問題につきましては、今後いろいろ観光施設として使います場合と文化財の保護という若干相反する面もあるわけでございますので、関係の方と十分協議いたしまして活用について前向きに検討させていただきたいと思っております。
〔十八番 田尻将博君 登壇〕
◆十八番(田尻将博君) ありがとうございました。
西部地区の観光しか知りませんもんで、私の出身のところを、それ以上あるかもしれませんけれども、今知っているところがそれだけでございますので、ぜひ文化財としての価値、観光としての価値、いろいろあろうかと思いますが、行政の方の手助けをよろしくお願いをしておきたいと思います。時間も残り少なくなっておりますが、超スピードで行きますのでよろしくお願いいたします。
資源のリサイクル運動についてでございます。環境問題につきましては、地球規模的問題から家庭のごみまで幅が広過ぎまして、私はごみという点から意識調査とごみ教育について質問を行いたいと思います。
毎日のようにごみ問題が新聞に掲載され、熊本市も市政だよりの紙面を大きく取りまして啓発運動に全力を挙げられております。私は、この繰り返しによるその反響が市民のごみに関するパワーとなりまして一歩一歩対策が実るというふうに確信をしております。
これは世界十七カ国の環境に対する調査でございますが、その結果から日本人の環境意識調査の内容を紹介しますと、ごみ放置による地球の危機とか環境を守るための労力、資金提供をやりますかとか、公害反対団体リーダーを支援しますかとか、工場建設に伴います森林伐採での公害とかいろいろな設問がございました。そして最後に過去十年間環境の悪化ぐあいはという十七カ国のアンケートでございましたが、日本人の意識は最低というふうに書いてございました。
それと前後いたしまして、総理府が平成二年三月に同じように世論調査をやった答えがございます。これはスポットでちょっと見てみますと、「ふだんの生活で何か気をつけていることがございますか」の問いに対しまして、一番多いのが「日常の生活で節電に気をつけている」これが五〇・二%、二番目に「なるべくごみを出さないようにしている」四四・五%、「使い捨てのものはなるべく買わない」三二・一%、「フロンガスのスプレーは使わない」三一・五%、「不用品はなるべくリサイクルに回す」二六・九%。確かに各家庭八八・九%の人がふだんの生活で何らかの工夫をしているというふうな答えになっているわけでございますが、この総括的な回答は「日本人は環境危機は知ってはいるが楽観的である」という答えになっております。
私も本市でも同じ調査をするならばごらんのような結果だろうと思います。それはごみの白書でもわかりますように、本市のごみの量が年間で二十六万八千八百六十トン、日量七百三十七トン、膨大なごみでございます。家庭用ごみは昨年度に比べ若干減少しているが、事業系廃棄物は増加の傾向にあるそうでございます。平均しても全体的増加ということで、ごみはいろいろな対策を打つが減ってないというような答えでございます。確かに本市の対策には、市民のごみ啓蒙活動の一環ということで瓶・缶等再資源化推進事業やくまもとダイエット一〇〇キャンペーン、ストップ・ザ過剰包装、不用品情報登録制度など着実に効果が上がっているとは思いますが、調査の結果から見ても、市民の意識はあっても行動まではいってないという結果だろうというふうに考えます。地球環境は足元からと言いますように、ごみ啓蒙運動は新しい生命の源、ごみは出す人、集める人、処理する人、この三者の信頼こそがごみ減少啓蒙運動の基本というふうに考えます。出す人は集める人、処理する人のことを考えたことがあるでしょうか。集める人、処理する人は出す人のことを考えたことがあるでしょうか。これはあるはずです。それは行政が知恵を絞って考え、収集、処理を行っています。しかしこれが限界に近づいており頭の痛いところということでございます。毎回の議会でもこのごみ問題は取り上げるが、具体策がないという現実でございます。
私どもごみを出す人はこのごみを資源の源と考えるならば、集める人、処理する人に、また新しい資源に戻してくださいと感謝の心が芽生えてきます。ぜひ収集、処理する人の労働の立場に立った一面も配慮した発想があってもいいのではないでしょうか。三者に対する意識調査など実施されたことがあるでしょうか。また、熊本市内一円を走るごみ収集車の機動力の充実や安全衛生の手段、働きがいのある職場づくりなど十分に配慮されておるのか、現状と将来にわたった施策についてお尋ねをいたします。
また、教育の場、幼稚園、小学校、中学校の児童・生徒への啓蒙活動でございます。子供たちに地球環境の危機や省資源・省エネに直接結びつく活動など、本市が今日まで指導した例があればお聞きしたいと思います。
全国で見るといろいろなアイデアがございます。給食を環境教育にとか、地球にやさしい生活術とか、ごみを決められた場所に捨てる習慣づけなど、いろいろあります。そこで、珍しいのが一つございます。単なる廃品回収ではなく全市統一の学校内廃品回収でございます。児童たちが日常使っている、不用ノートや雑紙や本、そして毎日給食に出る牛乳瓶の紙ふたなどを教室の片隅に児童がつくった回収箱に入れ、定期的に回収し、その代償は、再生紙の用紙が返ってくるそうでございます。そういうリサイクルの体験学習が他市では行われておるというふうに記載されておりました。本市ではこの教育の場で何らかの指導、あるいは学校等で工夫され実施されておるところがありますかどうかお尋ねをしたいと思います。
続いて、ごみ発電所、電気自動車の活用でございます。
古紙が再生紙に、アルミ缶がアルミ缶になど、リサイクル社会の環境整備は整いつつありますが、燃えるごみが電気に変わるごみ発電所については、全国百二カ所、九州は本市を入れて八カ所、先駆けて西部清掃工場でその設備を備えておりますし、また新鋭の東部清掃工場でも計画に入っており、焼却廃熱利用発電に積極的に取り組んでおられます。リサイクル社会の先駆けというふうに考えます。また全国に先駆け電気自動車もこの生きた教材であります。これらの活用について、施設見学、教育の場としての現状と将来について各局の方から御答弁をお願いしたいと思います。簡潔な答弁をよろしくお願いします。
〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕
◎保健衛生局長(後藤勝介君) ごみ問題に関しまして私の方から二点お答えを申し上げます。ただいまいろいろ御指摘がございました。私どもも市民の皆様方の間でごみ問題に関する関心が非常に高くなっているというふうには認識しております。しかしながら市民一人一人の具体的な行動にまではなかなか結びついていないというのが実情ではないかと考えております。
例えば一つの例でございますけれども、先日の新聞記事にもございましたが、ある学生マンションから集めました燃えるごみを資源ごみと不燃物にさらに分別しましたところ、燃えるごみは半分になってしまったというような事例もございます。ほんの一部のケースかもしれませんけれども、ごみを出される側の分別に対する意識はまだまだであると考えております。
さらにまた不燃物の収集作業におきましても、年間十回程度の収集車の火災事故が発生いたしております。この原因を探ってみますと、家庭用のスプレー缶に残っております可燃性のガスに、積み込み作業を行います際に発生する金属火花が引火したもののようでございます。したがいまして、機会あるごとに穴をあけていただく等の啓発を行っているところでございますけれども、なかなか徹底されていないというのが実情でございます。
このような事例に対する対策も含めまして、ただいま議員が申されましたような、ごみを出す人、集める人、処理する人、それぞれの意識調査等についても今後実施をしてまいりたいと考えております。そうしまして、収集、処理する人の立場に立ったごみの出し方、意識が行動に変わるような啓発等に努めてまいりたいと考えております。
それから、次に職場環境の件でございます。
ごみ収集作業の職場環境等につきましては、今日までも作業所の整備等を順次進めてまいっておるところでございますし、昨年度からは収集効率を高めるために中型車の導入等も進めているところでございます。今後とも部内の連携を十分に図りながら、働きやすくしかも働きがいのある職場づくりに努めてまいりたいと考えております。
〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕
◎教育長(谷口弘毅君) それでは私の方から環境教育についてお答えを申し上げたいと思います。
環境教育は、これは学校でも大事な学習内容の一つとなっておるわけでございます。具体的には、学校では「私たちの熊本」という副読本や、また「くらしとゴミ」というような資料を使いまして、環境教育問題につきましては小学校四年生が学習をいたしておるところでございます。また議員御提案のように学校での学習だけではなく、課題を持って清掃工場の現地学習等もいたしているところでございます。子供たちが現地学習で、大規模でそしてきれいな清掃工場に感動したり、その見学過程で焼却熱によります発電や温室栽培に有効利用されていることで、ごみもまた一つの資源になるということを学びとっておるところでございます。ちなみに今年度西部清掃工場等の現地学習をいたしました学校数は、小学校四十八校、児童数で五千四百名でございます。
そしてまた先ほど御提案をいたされました、熊本市が初めて購入いたしました電気自動車についてでございますが、この電気自動車も環境教育の貴重な教材として活用させていただいておるところでございます。既に、所管局の御厚意によりまして小学校二校がこの車を試乗したり、あるいは環境についての効用等々を学びとっておりますし、廃棄ガスの問題あるいは騒音の問題、そしてまた住みよい暮らしへの実践的な態度等々について指導し、学習をいたしておるところでございます。したがいまして今後もこういった議員御提案のアイデア、あるいは身近にあるようなもの、貴重なものを学習の中に教材として取り入れまして、積極的に環境教育を推進していく所存でございます。よろしくお願いいたします。
〔十八番 田尻将博君 登壇〕
◆十八番(田尻将博君) 資源のリサイクル運動ということでなかなか難しいわけでございます。市民の意識、出す人、処理する人、そしていろんな立場の方がごみに対して関心を持っておるがななか実行ができないというのが現実でございます。行政としてもいろいろな工夫をしまして、ごみが出ないということはございませんが、今後減少対策に効力を発揮できるよう切にお願いをしておきたいと思います。
続きまして教育行政でございます。教育行政につきましては、学校の五日制と学校施設の有効利用と教室の暖房化につきまして、三点お聞きをしたいというふうに思います。
まず学校五日制の試行についてでございます。学校五日制の導入につきましては賛否両論あるわけでございますが、もはや反対するよりどうやって実施するのかの時期に来ていると思います。学校指導要領の改訂、保護者や地域の啓発など問題は山積しておりますが、本市の学校五日制への取り組みについて御意見を伺いたいと思います。
それと学校施設の有効利用についてでございます。これは要望でございます。
私どもの地域では、校区のコミュニティーは小学校を中心に活動を展開しております。本市は近年、五福小学校などのコミュニティーセンター併用の新施設など、校区民に気軽に利用、親しまれる施設の建設など喜ばしいことでありますが、まだまだ限られたところでございます。聞くところによりますと、空き教室の開放など地域に開放され生涯教育の場として喜ばれております。しかし本市の教室の現状は、空き教室より教室の増設が緊急課題でございまして、コミュニティーセンターや地域公民館のない地域では、どうしても小学校を利用するか何らかの対策が必要と考えます。教室の夜間開放などにつきましては、警備面、施設設計面などいろいろありますが、将来に向けての本市の検討を要望しておきたいと思います。
五日制について、まず教育長の御答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕
◎教育長(谷口弘毅君) 学校週五日制の御質問でございます。
学校週五日制の問題につきましては、文部省の調査研究協力者会議におきまして、来年度の二学期から月一回の土曜休校という段階的な実施が現在検討されているところでございます。この実施に当たりましては、御指摘のようにそのための準備をぜひしておかなければならないわけでございます。そこで
教育委員会といたしましては、
教育委員会内に学校週五日制対策プロジェクトチームを編成いたしまして今後の対応策を検討いたしているところでございます。その内容といたしましては四つの視点から対応策を検討いたしております。
まず第一点が行政としてのサイドからでございますが、
教育委員会として総合的な対応はどうあるべきなのか。第二点が学校サイドでございまして、教育課程の編成あるいは学校施設の活用等々どうあるべきか。第三点目が家庭に対してでございますが、保護者への啓発とかあるいは子供の過ごし方。そして第四点目が地域社会に対してでございますが、関係機関、諸団体との連携、あるいはボランティアの養成等々の点からどうあるべきなのか。このような点から現在検討をいたしておりまして、それを踏まえまして具体策を今後用意し、円滑な移行ができますように今後取り組んでまいる所存でございます。
〔十八番 田尻将博君 登壇〕
◆十八番(田尻将博君) 学校五日制の試行については教育長の御答弁のとおりと思います。私どもも、PTAの役員といたしましても地域ぐるみで一生懸命この件については考えなければならない時期というふうに判断をしております。よろしくお願いをしておきたいと思います。
続きまして、教室暖房化についてお尋ねをしたいと思います。
教室暖房化について、ストーブ問題を考える会が発足をいたしまして、教室の暖房化について四千七百余名の署名をもって先般議会にも陳情がなされております。本市は昭和四十三年にストーブを設置し、昭和五十五年廃止をした経緯があります。当時は賛否両論の中、いろいろ検討されたが廃止になったと聞いております。既に十年を経過し、社会環境や家庭環境の急速な変化の中、再考の時代に来ていると考えます。このストーブ問題、教室暖房化について本市のお考えをお聞かせください。
〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕
◎教育長(谷口弘毅君) 教室の暖房化についてお答えを申し上げます。
教育委員会におきましては昭和五十二年の学習指導要領の改訂に伴いまして、新教育課程のねらいの一つでございます健康でたくましい身体の鍛錬に努めることといった観点を踏まえまして、昭和五十四年から児童・生徒の体力づくり推進に係る調査検討を重ねまして、その具体的方策として部活動の奨励、はだしの励行、体力づくり施設整備、教室のストーブ廃止の四点を推進目標に掲げまして、昭和五十五年各界の有識者で構成いたします熊本市の教育を考える会に対し諮問を行い、賛同を得、さらに市医師会の御意見を参考にいたしまして、体力づくり推進事業がスタートするのに伴って教室のストーブが廃止された経緯がございます。しかしながら十年を経過しました今日、社会情勢の変化や、北側の特別教室を普通教室に転用して使用するという状況もあるわけでございますので、昨年より北側教室の調査や他都市の状況などの調査を行って、
教育委員会内部での検討を続けてまいったところでございます。
今後はさらに市議会の御意見なども踏まえながら、関係諸団体との調整も図りながら、早い時期に、例えば有識者によります子供の健康を考える会といったような検討委員会を設置いたしまして、十分論議を尽くして今後対処してまいりたいと存ずる次第でございます。
〔十八番 田尻将博君 登壇〕
◆十八番(田尻将博君) 教室暖房化の関連でございますが、三点、あわせて質問をしたいと思います。一点は、旧飽託四町以外の小学校で一部教室にストーブが設置されているが、その実態と経緯をお伺いしたいと思います。二点目は、PTAや保護者がストーブを自費で設置をしたい旨の要望があれば、
教育委員会としてどう対応するのか。三点目、インフルエンザの流行と寒冷の相関関係をどう見るのか。以上三点お伺いします。
〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕
◎教育長(谷口弘毅君) 二点についてのお尋ねでございます。
まず第一点の、現在ストーブを入れている学校についての実態と経緯ということでございます。
現在ストーブを設置している学校について申し上げますが、先ほど申し上げました経緯は、昭和五十五年の廃止当時諮問いたしました熊本市の教育を考える会におきまして廃止する対象教室の論議もなされているわけでございます。その対象外の範囲といたしまして、山間地の松尾北小学校、保健室、職員室等の管理諸室、それから特殊学級、プレハブ教室、北向き校舎等でございますが、実態に応じて配慮していくことで当時賛同を得たわけでございます。したがいまして現在ストーブを設置してある学校につきましては、学校からの申請を受けまして現地調査等を行い、先ほど申し上げましたような範囲において設置をされているものでございます。