福岡市議会 > 2010-10-07 >
平成22年決算特別委員会 本文 開催日:2010-10-07

ツイート シェア
  1. 福岡市議会 2010-10-07
    平成22年決算特別委員会 本文 開催日:2010-10-07


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  議案審査  議案第119号ないし議案第141号、以上23件を一括して議題とし、審査を行った。  なお、質疑・意見の概要は次のとおりである。 ◯平畑委員 厚労省の調べで、全国で生活保護を受ける世帯が、ことし6月、137万7,930世帯、世帯数としては過去最多数を更新し、受給者は190万7,167人となり、リーマンショックによる景気低迷の影響で2008年以降は半年に10万人のペースで増加し続けているとの報道がある。雇用情勢の悪化などに伴い生活保護世帯が増加していると聞くが、5年前、10年前との比較で生活保護の世帯数及び人員数の推移を尋ねる。 2 △保健福祉局長 10年前の11年度の世帯数1万3,602世帯、人員数2万327人、5年前の16年度の世帯数1万7,408世帯、人員数2万5,458人、21年度の世帯数2万3,525世帯、人員数3万2,896人であり、11年度を基準とした世帯数及び人員数それぞれの増減については、16年度の世帯数の増減率128.0%、人員数の増減率125.2%、21年度の世帯数の増減率173.0%、人員数の増減率161.8%である。 3 ◯平畑委員 本市の21年度の生活保護費決算額と5年前、10年前の決算額を尋ねる。 4 △保健福祉局長 11年度406億7,808万円余、16年度500億2,765万円余、21年度613億9,940万円余である。 5 ◯平畑委員 21年度の生活保護費決算額約614億円のうち、一般会計に占める割合と5年前、10年前の割合を尋ねる。 6 △保健福祉局長 11年度5.38%、16年度6.83%、21年度8.28%である。 7 ◯平畑委員 本市の一般会計決算額に占める割合が8.28%であることに対して、どう考えているのか。 8 △保健福祉局長 生活保護制度は最低生活の保障と自立助長を目的としており、支出した生活保護費は、昨今の経済不況の中で国の制度に基づき適正に実施した結果必要となった。本市としても、自立支援プログラムの拡充等により就労指導の充実等に取り組んでいるが、市民の理解を得るために、今後とも保護の適正実施に努めていく。なお、保護の適正実施には、就労対策や実施体制の整備等、全庁的な対応が必要であり、関係局の協力を得ながら幅広い視点で取り組みを進めていく。 9 △財政局長 生活保護制度は市民生活にとって最後のセーフティーネットとして重要な役割を担っているが、一方で、一般財源の大幅な伸びが期待できない中、生活保護費などの義務的経費の増嵩は財政構造の硬直化につながっていくことが懸念される。先ほど保健福祉局長から答弁があったように、保護の適正実施など全庁的な取り組みを積極的に進め、生活保護費の抑制を図っていくことが急務であると考えている。また、生活保護受給者の動向は経済情勢に大きく影響を受けるため、本市としても、景気や雇用の回復、また、中・長期的には安定した経済成長に向け、国と連携しながらしっかりと取り組んでいくとともに、社会保障制度全般を含めた抜本的な生活保護制度の改革や、生活保護費の財源措置について国に強く求めていくことが必要であると考えている。 10 ◯平畑委員 直近の生活保護申請の動向について尋ねる。 11 △保健福祉局長 本市の生活保護申請数については、平成22年3月821件、4月880件、5月878件、6月903件、7月818件、8月826件である。保護申請数は平成21年3月から急増しており、現在も21年度に引き続きその傾向は継続している。 12 ◯平畑委員 21年度の世帯類型別での世帯数は、16年度と比較してそれぞれの伸び率はどうか。 13 △保健福祉局長 21年度の状況は、高齢世帯1万98世帯で、全体世帯に占める割合43.0%、16年度からの伸び率115.3%である。以下同様に、母子世帯1,687世帯で、全体の7.2%、伸び率114.5%、障がい者世帯2,603世帯で、全体の11.1%、伸び率156.4%、傷病者世帯5,497世帯で、全体の23.4%、伸び率134.1%、その他世帯3,626世帯、全体の15.4%、伸び率256.8%である。 14 ◯平畑委員 その他世帯とはどのような世帯か。 15 △保健福祉局長 高齢者や障がい者、傷病者、母子世帯以外の世帯で、特に就労を阻害する要因がない失業者やホームレスなどが含まれている。 16 ◯平畑委員 その他世帯に対する支援の取り組みを尋ねる。 17 △保健福祉局長 その他世帯には、失業を原因とする生活保護受給者が多く含まれていることから、ハローワークの専門指導員と連携して就労支援を行う生活保護者等就労支援プログラムを実施するとともに、各区にハローワークOBの就労支援員を配置し、職業相談などの助言をしている。また、21年度からは、職業カウンセラー等を擁する民間の職業紹介事業者に委託し、就労意欲の喚起を中心に支援する就労意欲喚起等支援事業に取り組んでいる。
    18 ◯平畑委員 ホームレス等を含めた被保護世帯へ住宅を提供する際に、住宅扶助代理納付制度があるが、現状について尋ねる。 19 △保健福祉局長 住宅扶助は原則として被保護世帯に金銭給付するのが原則であるが、一部の被保護世帯に住宅扶助を生活費などの目的外に使用する例が見られることから、生活保護法及び施行令の改正により、18年度から特例として住宅扶助費を家主等の債権者に直接交付する代理納付が可能となった。本市における代理納付件数は、平成22年8月時点で、市営住宅1,817件、県営住宅67件、民間住宅46件である。 20 ◯平畑委員 民間住宅や県営住宅の件数が少ない理由を尋ねる。 21 △保健福祉局長 本市では、家賃滞納による強制退去を未然に防止する住宅困窮者のセーフティーネットとしての機能に着目し、従前より市営住宅において代理納付を実施しているが、県や県宅地建物取引業協会と協議を行い、平成21年3月から県営住宅や民間住宅で現に家賃滞納している世帯や生活保護開始時において安定した住居を有していない世帯で同意が得られた世帯へ対象を拡大した。このため、市営住宅に比べ、民間住宅や県営住宅の代理納付件数が少ない。 22 ◯平畑委員 実績が伸びていないのは、代理納付の要件として滞納要件をつけていることではないか。法的には要件がなくとも代理納付が可能であり、滞納要件を撤廃すべきと思うが、どうか。 23 △保健福祉局長 住宅扶助費の代理納付については、賃借人としての立場ゆえに同意の任意性が損なわれることや、家賃支払いの反対給付として行われる家主の住宅維持義務の履行が滞ることなどへ配慮し、特に代理納付の必要性が高い家賃滞納世帯等に限定して実施している。現時点においては、制度実施から間もないこともあり、多様な民間賃貸住宅の契約形態の中、円滑に制度が利用されているかという視点で状況に留意しているが、一方で、本制度の実施により住宅扶助の適正実施の促進が期待されるため、要件のあり方なども含め、効果的な代理納付制度について今後検討を進めたい。 24 ◯平畑委員 民間住宅は家賃を取り損ないたくないから宅建業界も要求をしているので、柔軟な運用をされたい。生活保護の基準は、21年度における東京都23区の標準3人世帯は月額16万7,170円、高齢者単身世帯8万820円、高齢者夫婦世帯12万1,940円であるが、本市の基準額と住宅扶助を含めた額を尋ねる。 25 △保健福祉局長 本市の月額の生活保護基準は、国が定める33歳、29歳、4歳の標準3人世帯15万9,870円、68歳の高齢単身世帯7万7,189円、60歳代の高齢者夫婦世帯11万6,462円である。一方、住宅扶助は単身世帯3万7,000円、二人世帯及び3人世帯4万8,000円が限度額であり、これを加えると、標準3人世帯20万7,870円、高齢単身世帯11万4,189円、高齢者夫婦世帯16万4,462円である。 26 ◯平畑委員 標準3人世帯で年間約250万円ということは、4人世帯になれば300万円を超えることになる。21年度の生活保護費決算額は約614億円にもなっており、年々保護費が膨らんでいるが、果たして現在のままの制度でいいのか、市長の所見を求める。 27 △市長 近年の生活保護の急激な増加は、生活保護制度がつくられて半世紀にわたる社会情勢の変化に対応できなくなっていると思っている。一昨年からの世界的な経済不況によって雇用環境が非常に悪化したということが、最近の急激な増加につながっていることは本市としても大きな課題であると考えている。自立支援、適正実施、実施体制の強化等の対策が必要になっていることで、本年3月から、副市長を委員長として福岡市生活保護課題検討委員会を設置して全庁的に対策を進めている。また、指定都市市長会でも、大阪市などを中心に、大都市における生活保護は大きな問題であることから、部会をつくり、私もその部会に入っている。やはり国がこの生活保護制度の抜本的な改正をやらないと、自治体任せではどうにもいかないということで、国に強く働きかけていきたい。また、指定都市市長会で近く提言をするようにしており、全国共通の大変大きな問題だと認識している。 28 ◯平畑委員 適正な保護の実施を行うよう要望しておく。次に、公民館の84坪館の改築整備は20年度に終了しているが、21年度の公民館整備について、設計も含めて尋ねる。 29 △市民局長 21年度の公民館整備は、規格外館の移転改築1館及び新設1館の計2館の建設を行うとともに、土地区画整理事業による100坪館の移転改築1館並びに規格外館の移転改築2館及び増築による100坪館3館の計6館の設計を行った。 30 ◯平畑委員 これまで公民館の建坪を昭和61年に84坪から100坪、さらに平成5年から150坪化へと規模を拡大した理由を尋ねる。 31 △市民局長 100坪館への拡大については、多様な学習の機会を提供するとともに、住民の新しい要請にこたえられる施設の整備充実、あるいは青少年の健全育成、高齢化社会への対応など、現代社会が抱える諸問題を解決するため、多目的に利用できる部屋の新設など施設規模の拡充を図った。また、150坪館への拡大については、生涯学習推進の観点から、青少年の学校外活動の充実を図り学校5日制に対応すること、あるいは、コミュニティ活動促進の観点から、地域諸団体等におけるコミュニティ活動の拠点施設とするため、施設規模の拡充を図った。 32 ◯平畑委員 100坪館の150坪化に21年度から取り組んでいるが、150坪化整備計画について、整備の考え方及び順番を尋ねる。また、現在100坪館は何館あるか。 33 △市民局長 整備の考え方については、原則年3館ペースで、まず増築整備を優先し、現地あるいは移転による改築は、増築による整備が完了した後に着手する方針である。整備の順番については、築年数を基本とするが、同一築年数の館がある場合は、校区人口、利用状況などを総合的に勘案して決定していく。なお、現在100坪館は、22年度に建設に着手している4館を含めて、全部で32館ある。 34 ◯平畑委員 今の100坪館は84坪館から改築されてきたが、当時の計画は甘かったのではないか。5,000人の校区で150坪館、1万5,000人の校区で100坪館という現状に対してどう考えているのか。 35 △市民局長 公民館の施設規模については、時代の要請にこたえるため、近年では昭和61年に100坪、そして平成5年に150坪へと規模の見直し拡大を行っている。校区人口については、都市化の進展などにより増減がある。校区内の諸地域団体が共通して校区ごとに組織化されている状況などを踏まえて、公民館は校区人口による基準ではなく、各校区共通な機能を統一した基準により整備する。 36 ◯平畑委員 150坪館で一番少ない人口は何人か。また、100坪館で人口の多い上位5校区を尋ねる。 37 △市民局長 平成22年6月末現在での登録人口で、150坪館で一番少ないのは玄界校区559人である。島嶼部にある玄界と能古を除くと脇山校区2,535人である。また、100坪館を有する校区で人口の多い上位5校区は、最も多い校区1万6,902人の香住丘校区、順に、壱岐校区1万5,969人、高取校区1万5,425人、南当仁校区1万5,285人、多々良校区1万3,603人である。 38 ◯平畑委員 100坪館でこの人口だから、少しでも早く整備してほしいというのは地元の要望としては切実であると思うが、どう考えているか。 39 △市民局長 150坪化への地域の強い要望は十分に理解しているが、整備順番については、先ほど答弁した方針、基準がある。この基準にのっとりながら整備を進めたい。 40 ◯平畑委員 私は、今ある使用できる公民館を解体して新しい公民館をつくりなさいとは言ってない。使える公民館は、名前を変えてでも地域に残すなり、障がい者の施設にするなり有効活用をして、新しい公民館をつくりませんかと言っている。リーマンショック以来、景気の低迷が続いているが、景気対策の一つとして、また、地元の要望の強い公民館の整備計画を、年間3館から前市長時代の年間10館ペースにする考えはないのか。 41 △市長 公民館の整備に関しては、地域の期待が非常に高いことは十分認識している。100坪館は今現在32館あるが、10館ペースで整備を進めると、あと三、四年で整備が完了することになるが、建ててから20~24年程度で建てかえることになる。この100坪館自体は建物も丈夫で耐用年数は60~70年であり、その期間の半分以下で建てかえることはやっぱりもったいないと思う。今100坪館の150坪化の整備に当たっては、財政状況もあるけれども、今ある施設をできるだけ長く使うという趣旨を踏まえて、整備手法については増築優先、また、順番は築年数の順番を基本に、年3館ペースでの整備方針を定めている。この整備方針に沿って150坪化を現在のところは進めたい。 42 ◯平畑委員 地域の要望として、実際使ってある方々は本当に切実に思っているので、少しでも早く整備されたい。次に、ことし4月に改正省エネ法が施行され、全市有施設が法の対象となり、これからは全市有施設では毎年1%以上のエネルギー使用量の削減が課せられたと聞いているが、本市の大変厳しい財政状況の中では、効果的な省エネ対策を推進しないと、この目標達成は難しいと感じている。そこで、省エネの推進には、まず市有施設のエネルギー使用量を把握し、その管理を行っていくことが重要であると考えるがどうか。また、21年度の決算において、市有施設の光熱水費総額は幾らか。 43 △環境局長 市有施設のエネルギー使用量については、これまで福岡市役所環境保全実行計画に基づいて、施設ごとの数値を把握するとともに、市長を本部長とする庁内組織「ストップ・ザ・温暖化推進本部」において、削減に向けた全市的な取り組みを行ってきた。また、省エネ法が改正されたことに伴い、本年4月からは、本庁舎、区役所、学校等の施設で床面積などの原単位当たり毎年1%以上の削減が求められ、その結果を国へ報告することが義務づけられるなど、省エネに関する規制が強化された。このため、本市も、各施設の21年度エネルギー使用量について、より詳細な調査を実施した。今後は、市有施設の省エネの取り組みをさらに強化するため、省エネ法に基づいた全庁的な省エネ推進組織において、施設ごとのエネルギーの使用量の削減に向けた進捗管理を行っていく。また、21年度の企業会計を含む市有施設の光熱水費の総額は約67億6,300万円である。 44 ◯平畑委員 21年度に実施した市有施設の主な省エネ対策について尋ねる。 45 △財政局長 旧型蛍光灯の安定器を省エネ型の安定器へ取りかえ88施設、白熱電球を電球型蛍光灯へ取りかえ112施設、旧型蛍光灯をLED照明への改修1施設、老朽空調機の更新の取り組み4施設、窓への熱反射フィルムの施工5施設、太陽光発電設備の設置74施設、以上の6項目を実施した。それ以外に17年度から市有施設で本市が独自に取り組んでいる省エネ診断事業を、21年度は学校117校のほか、区役所等の19施設で実施した。 46 ◯平畑委員 省エネ診断事業は、市有施設の省エネを企業が行い、その報酬を削減された光熱水費から一定割合を支払うという事業であるが、過去5年間それぞれどのような施設に導入してきたのか、導入した施設でどれだけの光熱水費が削減されているのか、また、市が得た経費削減額について尋ねる。 47 △財政局長 省エネ診断事業は、過去5年間で5局、5区役所及び教育委員会で実施している。財政局では、本庁舎、北別館で実施しており、削減累計額810万4,000円である。保健福祉局では、市民病院、こども病院、葬斎場、市民福祉プラザ、健康づくりセンターあいれふで実施しており、削減累計額2億1,560万5,000円である。経済振興局では、マリンメッセ福岡、国際センター、国際会議場、福岡競艇場で実施しており、削減累計額1億588万9,000円である。住宅都市局では、動物園で実施しており、削減累計額1,162万7,000円である。道路下水道局では、川端地下駐車場、自転車駐車場10カ所で実施しており、削減累計額968万7,000円である。区役所では、博多・中央・城南・早良・西区役所と西市民センターで実施しており、削減累計額1,395万7,000円である。教育委員会では、学校給食センター、美術館、学校117校で実施しており、削減累計額9,872万4,000円である。以上、過去5年間における光熱水費削減額の累計は、市全体で4億6,359万3,000円である。また、業者への報酬を差し引いて市が得た経費削減額の累計は1億9,565万5,000円である。 48 ◯平畑委員 5年間の累計で約1億9,500万円の経費削減については、大変すばらしいと思っている。そこで、22年度以降に省エネ診断を実行できそうな施設はあるのか。 49 △財政局長 22年度から、学校については、離島を除く全小・中・高、特別支援学校、幼稚園へ拡大して実施しており、加えて東区役所、南区役所、鮮魚市場会館で新たに実施している。また、今後省エネ診断事業の導入効果が期待できる施設は、総合図書館、保健環境研究所、アジア美術館、福岡市民体育館、こども総合相談センター、男女共同参画推進センター、博多市民センター、南市民センターの8施設であり、施設管理者と協議調整し、積極的に進めていく。 50 ◯平畑委員 省エネ診断事業は、民間のオフィスや店舗でも行うことができ、初期投資も不要で、有効な省エネ手法であると思う。本市として民間施設でも実施していくような誘導の施策は検討できないのか。 51 △環境局長 本市における民間施設の多くはオフィスや店舗などの業務部門に属しているが、部門別の二酸化炭素排出割合で見ると、業務部門は約3割と最も高くなっており、業務部門において効果的な省エネ対策を実施していくことは、本市の地球温暖化対策を推進する上でも重要であると考えている。環境局としては、19年度より事業者向けに省エネ対策の提案を行う省エネ診断を実施してきたが、22年度からは、省エネ診断を実施して一定の効果が認められる場合、事業所省エネ改修等支援事業により改修費用の一部を市が補助することとし、効果的な省エネを図っている。これに対し、17年度より本市が独自に取り組んできた市有施設向けの省エネ診断事業は、削減された光熱費の中から受託業者への報酬を支払うことから、発注者である本市は新たな支出が不要であり、一方、受託事業者は、省エネ提案だけにとどまらず、現場指導や機器の調整等まで責任を持って行う。福岡市役所で先行的に取り組んできた本事業については、民間企業の省エネ対策にとっても有効であると考えており、今後その導入促進のための方策について検討したい。 52 ◯平畑委員 14年度から仙台市が先進的に全市立小学校で導入した2学期制について、20年、21年と全小中学校の中から応募のあった、やる気のあるモデル校3校、博多小・中学校、千代小学校で2学期制が試行された。21年度決算において2学期制の試行による各校の費用と使途を尋ねる。 53 △教育長 博多小学校7万円、千代小学校16万6,000円、博多中学校16万8,000円である。その内訳としては、通知表や個人カルテの作成等に使用している。 54 ◯平畑委員 2学期制の特徴である秋休みについて具体的に示されたい。 55 △教育長 秋休みについては、体育の日を含む3連休としている。これに土曜参観等の振りかえ休日を加えている学校もある。具体的には、博多小学校6日間、千代小学校及び博多中学校4日間である。 56 ◯平畑委員 2学期制を導入している政令指定都市及び県の状況と全国の学校の何%になるか尋ねる。 57 △教育長 19政令指定都市のうち、仙台市、千葉市、川崎市、静岡市、京都市、広島市、横浜市、新潟市の8市が2学期制を導入している。県内では、古賀市、福津市、志免町など6市5町が導入している。全国の状況としては、小学校21.8%、中学校23%である。 58 ◯平畑委員 2学期制導入のメリット・デメリットを児童生徒、保護者、教員それぞれについて尋ねる。 59 △教育長 2学期導入のメリットとしては、児童生徒にとっては、長期休業日前にゆとりを持って行事や学習に取り組むことができること。保護者にとっては、秋休みがあることによって、子どもと過ごす時間がふえること。教員にとっては、通知表作成のための作業が減り、児童生徒にかかわる時間がふえること。デメリットとしては、児童生徒にとっては、定期考査の間隔が広がることにより学習の負担が増すこと。保護者にとっては、成績の状況を知る間隔が広がることに対する不安が大きいこと。教員にとっては、学期の途中に長期休業が入ることにより、児童生徒の学習意欲や意識の継続が困難になることなどである。 60 ◯平畑委員 2学期制導入によって通知表の数が減ることで保護者の不安があると思うが、どのように対応したのか、その対処法を尋ねる。 61 △教育長 保護者への対応については、夏休みに入ってすぐに、7月までのテストの結果や学校の生活状況などの資料をもとに三者面談や個人懇談を実施し、長期休業中の学習生活の進め方等について具体的なアドバイスをしている。 62 ◯平畑委員 夏休みになってすぐの何日間かを利用して三者面談をして、それまでのテストの結果等を保護者に示して詳しく説明している。これが12月にもあるので2回、通知表が2回、計4回保護者に連絡していることになる。導入していない学校の保護者にとって一番不安な通知表の問題は、逆にメリットとなるとも考えられる。2学期制について、児童生徒、保護者、教員の声について、主な意見を尋ねる。 63 △教育長 児童生徒、保護者の主な意見としては、夏季休業中の頑張りが通知表に反映されることに対する期待感や、三者面談等により目的意識を持って夏季休業を過ごすことができてよかったなどの声が上がっている。教員の声に関しても、学校独自の評価資料を作成し、三者面談等で保護者に直接子どもの学習・生活の状況を伝えることにより、それぞれの子どもの実態に応じた指導の充実を図ることができたなどの声が上がっている。 64 ◯平畑委員 先日、今年度から2学期制を試行している博多区の席田小学校を訪問した。なかなかやってみようという校長先生がいない中、よくぞ手を挙げられたと思いながら行ってきた。高原校長先生と教頭先生、教務主任の3人と話をしたが、校長先生の何か変えてみよう、チャレンジしてみようという強い気持ちが全教員の賛同を得たのだと感じた。また、隣接する志免町が全校で2学期制を導入していて、保護者の皆さんの不安が少なかったのも幸いしたのだと言われた。半年たっての感想を尋ねたところ、先生方の反応は、やってよかったと感じている教員が多いのではと言われていた。従来7月・12月の学期末に大きな行事は入れられなかったのが、通知表作成を考えなくてよいので実行できることや、新学期が始まってすぐの4月、5月といえば、児童生徒の名前、顔、性格などを把握してクラスをまとめるだけでも大変なのに、7月に入ってすぐ評価せざるを得なかったのが、夏休み期間中にじっくりできることなどメリットが多いからと言われた。2学期制の最大のメリットは、お金をかけずに、教員、保護者、児童生徒が発想の転換ができること、つまり何か大きく変わったのだということを確かめられることだと思う。今までの単に学力がある、勉強ができるだけの子どもではなく、もちろん勉強も大切だけど、自分で考え自分で判断することのできる子ども、つまり本当の意味で生きる力というものを持っている子どもを育てなければならない時期に来ていると思う。私は学校教育全体を見直すきっかけとして2学期制を支持している。そのためには、まず福岡市教育委員会自体が根本から変える意識を持たなければいけない。勇気を持って変えてみよう、やってみようという気になって、一丸となって取り組まれたい。さらに、現場の教員の気持ちである。本当にこのままでよいのか、変える勇気はないのか、何かにチャレンジする姿勢を子どもたちに見せることが必要ではないか。教員になって10年、20年、30年となっている先生にぜひ真剣に考えていただきたい。今、勇気ある、やる気ある先生によってモデル校として実践している2学期制のこのあかりを消さないでほしいと思う。ぜひ各区に1校モデル校をつくって、さらにその輪を広げて実践すべきと思うが、教育委員会の覚悟を尋ねる。 65 △教育長 本市における2学期制については、20年度から試行実践を行い、2学期制のメリットやデメリットの整理や、2学期制を取り入れた学校経営のあり方について協議してきた。22年度からは席田小学校を加え、試行実践校を4校とし、外部の有識者、校長・園長会、PTA、事務局等で構成される検討委員会を開催し、本市の実態に応じた2学期制のあり方について協議を進めている。本年度中に、検討委員会での意見を踏まえ、本市としての2学期制の方向性を示していく。 66 ◯平畑委員 免許更新制度は、2009年4月から導入され、その目的は、その時々で教員として必要な資質、能力が保持されるよう、定期的に最新の知識、技能を身につけることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることである。そこで、本市教員の人件費は県費負担であるが、21年度の人員と決算額、また、市費負担の教員と非常勤講師について尋ねる。 67 △教育長 市立小・中・特別支援学校の県費負担教職員数は、平成21年5月1日現在で合計6,733人であり、人件費の21年度決算額は、県教育委員会では県全体の決算額しか把握されていないため、市立学校の教職員数で案分すると、総額565億5,115万円余である。また、市立高校、幼稚園の市費負担教育職員数は、平成21年5月1日現在で合計314人であり、人件費の21年度決算額は総額29億1,200万円余である。なお、市費非常勤講師については、21年度において延べ366人任用しており、人件費の決算額8億5,860万円余である。 68 ◯平畑委員 退職金は何人で幾らか。 69 △教育長 21年度の退職者総数及び退職手当合計額については、県費負担教職員200人で51億2,496万円余、市費負担教育職員15人で4億5,112万円余である。 70 ◯平畑委員 21年度決算における校長、教頭、主幹教諭、指導教諭及び一般教諭の年収、月額給与の平均について尋ねる。 71 △教育長 21年度決算における役職別の平均年収及び例月の平均給与月額については、県費負担教職員は、県教育委員会に確認したところ、県全体の統計しかなく、地区・学校別のデータなど本市分のみを取り出して算出することは困難であるとの回答であり、把握していない。また、市費負担教育職員については、高校においては、校長が年収約1,143万円、月額約70万円、教頭が年収約1,031万円、月額約65万円、教諭は年収約839万円、月額約52万円、幼稚園においては、園長が年収約966万円、月額約60万円、教諭は年収約701万円、月額約43万円である。 72 ◯平畑委員 県費負担の教員採用試験は本市が行って、人事も本市教育委員会で行っているにもかかわらず、校長、教頭、それぞれの先生の年収等はわからないということと、支払っている県がわからないということがまず理解できない。また、それでよしとしている本市教育委員会のその姿勢もさらに理解しがたい。単純に平均すると、県費は840万円、市費が927万円、退職金で言うと2,500万円と3,000万円ぐらいということである。福岡市立高校の先生が相当高いというのは想像ができるが、本来把握をしておくべきだと思うので、把握する努力をされたい。次に、免許更新制の基本的な仕組みについて尋ねる。 73 △教育長 21年度以降に授与される教員免許状には10年間の有効期間が付され、この有効期限を更新するには、大学等で更新講習を受講し修了しなければならない。なお、有効期限の定めのない従来の免許状所持者も、10年ごとに更新講習を受講し、修了確認を受けなければならないこととなっている。 74 ◯平畑委員 受講対象者はどうなるのか。 75 △教育長 更新講習は、常勤または非常勤の講師を含め、現職の教員はそれぞれの修了確認期限までの講習を受講する必要がある。また、採用内定者や講師リスト登録者等今後教員として任用されることが見込まれる人についても講習を受講する必要がある。 76 ◯平畑委員 免除対象者、つまり更新を受講しなくても更新できる場合はあるのか。 77 △教育長 更新講習の免除対象者は、校長、副校長、教頭、主幹教諭または指導教諭の職にある者、また、学習指導等において特に顕著な功績があったとして表彰等を受けた者などであり、これらの者は申請することにより講習の受講免除の認定を受けることができる。 78 ◯平畑委員 教員免許を持っているが、現実には教員になっていない人はどうか。 79 △教育長 現に教員でなく、また、教員になる予定もない人については、更新講習の受講対象者とはならない。ただし、今後教員を希望する際に免許状の有効期限が経過している場合には、講習を受講し、有効期限を更新する必要がある。 80 ◯平畑委員 講習にかかる費用や時間について尋ねる。 81 △教育長 免許状更新講習は、修了確認期限前の2年間に、必修講習12時間以上、選択講習18時間以上、合計30時間以上の講習を受講・修了する必要がある。具体的な受講方法は、夏季休業期間を利用して大学で講習を受けるケースが多く、通信教育を活用する場合もある。また、講習受講にかかわる費用3万円程度、更新手続の手数料3,000円程度である。 82 ◯平畑委員 最近新聞で、政権交代があったので免許更新制度もなくなると考えていた教員が慌てて駆け込み更新をしているとの報道があるが、本市教育委員会の現状はどうか。 83 △教育長 今年度末に修了確認期限を迎える本市の正規教員は545人であり、これまでも更新講習の受講義務がある旨を通知するとともに、講習の開設状況など必要な情報提供を行ってきた。このような取り組みの結果、本年6月に実施した調査では、対象者のうち約7割は既に講習を修了しており、また、残り3割の未修了者についても、夏季または秋季の講習等を受講する計画であることを確認している。引き続き期限内に更新手続が終了するよう対象者の状況を把握するとともに、学校長を通じて必要な指導を行っていく。 84 ◯平畑委員 大学を卒業したと同時に教員になった人は、60歳定年まで38年間、子どもと保護者から先生先生と言われることになる。やはり10年に1回、気持ちを切りかえるつもりで免許を更新することはよいことと思うが、教育長の所感を尋ねる。 85 △教育長 教員が日ごろから指導に関する専門知識や実践的な指導力などの資質能力の向上、活性化を図ることは非常に重要で、本市でも各種の研修などを行っている。免許更新制は、教員が最新の知識を身につけ、その資質・能力が保持されるよう創設された制度であるので、教育委員会としても、制度が円滑に運営され、実効あるものとなるよう学校現場への支援に努めていく。 86 ◯平畑委員 21年度決算における教育委員の報酬について尋ねる。 87 △教育長 教育長を除く非常勤の教育委員5人の総額は1,860万円である。 88 ◯平畑委員 教育委員会会議は21年度何回開催され、また、予定されていた会議以外で緊急に開催されたことはあったか尋ねる。 89 △教育長 21年度は26回開催している。このうち予定外で開催した会議は、教育委員会表彰の表彰者を緊急に追加する必要があったものと、緊急に職員の処分を行う必要があったものの2回である。 90 ◯平畑委員 主な議題について尋ねる。また、教育委員からこの問題について取り上げたいという要望があれば可能か、また、事例はあるか。 91 △教育長 議題の主なものとして、教科用図書の採択、教育委員会規則の制定・改廃、全国学力学習状況調査について、不登校対策について、新しいふくおかの教育計画についてなどがある。また、教育委員の意向により会議の議題として取り上げることも可能であり、21年度においては、教育委員の指示により新型インフルエンザの対応等についての協議、報告を行っている。 92 ◯平畑委員 21年度の教育委員会会議の議事録は読んだが、まるで事務局の追認会議か、教育長の勉強会のように感じた。もちろん法的に決められている部分も多々あることもわかる。さらに、問題が山積している中で、いろいろな決済をしなければならぬことも理解する。しかしながら、教育委員として、本来の目的である、どういう教育方針でどのような子どもたちを育てるのかを熱く議論していると考えていた私からすると、大変がっかりした。そこで、教育委員の選出の仕方と会議の進め方について尋ねる。 93 △総務企画局長 教育委員については、保護者代表を初め、教育分野、法律分野など多様な分野から多様な人材を選出することが求められているため、委員構成を考慮しながら、教育行政に深い関心と熱意を持ち、大局的立場に立って教育行政の方針その他の重要事項を決定し得る見識と能力を有する者のうちから、市長が議会の同意を得て任命している。なお、現在、本市の教育委員会は、法律上義務づけられている保護者代表を含め、6人の委員で構成している。 94 △教育長 教育委員会会議については、教育委員が円滑に議論できるよう、できるだけ事務局で課題や問題点について整理を行い、説明を行っている。特に新しいふくおかの教育計画の策定、教育委員会の点検・評価、さらには予算・組織の編成など教育行政におけるさまざまな重要事項については、十分に時間をとり、幅広い観点から議論を行い、決定している。 95 ◯平畑委員 1人は現役の保護者から選出ということだけが決まっている。現在の6名は多方面から選ばれていることはわかるが、もっと現場の実態を理解している教員OBやそれなりの教育理念を持っている人を増員したらどうか。また、フリートークで議論する機会をつくって、もっと教育委員の意見や理念を反映させるべきと思うがどうか。 96 △教育長 教育委員の定数については、現行法上では6人以上とすることが可能であるが、現在も保護者代表や教育分野などの多様な分野から選任された教育委員により教育委員会を組織しており、今後とも現行の体制で運営したいと考えている。それから、教育委員の意見の反映については、教育委員会会議のほかに、さまざまテーマについて教育委員が自由な意見交換を行う場を設けており、そこでの意見も教育施策立案や実施に反映をさせている。また、教育委員は、校長・園長会との意見交換会や学校訪問を行うなど、学校現場の実態を踏まえた判断ができるよう努めている。 97 ◯平畑委員 去年、ことしの3月議会及び第2委員会の中で、パンの持ち帰りについて議論が交わされ、貝田委員長も教育委員として議論していきたいと答弁された。しかし、教育委員会会議の議題に上がったのがことしの2月23日の1回だけである。本市の教育における最高意思決定機関であると思っていたのに、学校給食運営検討委員会の出した、これ以上議論の余地はないという報告を受け、パンの持ち帰り禁止継続を教育委員会会議の結論としたことは間違いないか。 98 △教育長 パンの持ち帰りについては、保護者、有識者、学校関係者などさまざまな立場の意見を参考にするため、学校給食運営検討委員会において、さまざまな角度から3回にわたり審議している。教育委員会としては、学校給食運営検討委員会の検討内容の報告を受け、教育委員会会議で協議を行い、その中で、パンの持ち帰りについて、検討委員会における賛否両論を含めた意見や、教育委員会事務局の考え方、食べ残しを減らすための取り組みの成果などを踏まえ、委員からは、もったいないという考えは理解できるが、これまでの経緯から持ち帰りの禁止はやむを得ないと思うといった意見や、これからは子どもたちが食べ切れるような工夫が大事で、残さないようにすることが望ましい。このようなことを家庭でも教えていかなければならないなどのさまざまな意見が出され、総合的に判断して、パンの持ち帰り禁止は継続し、子どもたちがパンを残さず食べられるような取り組みを一層進めていくとした。 99 ◯平畑委員 パンの持ち帰りをさせた場合の事故について、児童生徒への口頭での指導、文書による指導、保護者からの念書を徴取した場合の責任について、市の責任が回避できるものではないとの法制課の見解について、総務企画局長に尋ねる。 100 △総務企画局長 持ち帰った学校給食のパンによって事故が発生した場合の市の責任については、すべての場合に市が責任を負うというものではなく、事故の具体的状況によって、責任の有無や程度は異なるが、仮に学校での衛生管理が不十分であったことが原因で事故が発生した場合には、市の責任が問われることも考えられる。そして、市に責任がある場合には、たとえ児童生徒や保護者に対しパンの取り扱いについて事前に指導を行っていたとしても、また、保護者の責任において持ち帰らせる旨の念書があったとしても、そのことだけで市が損害の賠償義務を逃れることはできないとの意見を述べたものである。 101 ◯平畑委員 パンの持ち帰りについては、市の管理瑕疵があれば責任を免れることはできないという当たり前の見解である。学校給食検討委員会の資料には、事故が発生した場合、市の責任は回避されるものではないという文章であり、市に管理瑕疵があろうがなかろうが責任はあるという文書であると私は感じるが、それをもって議論の余地なしとした検討委員会での発言に対して、法制課の見解を曲解したのか、故意に添付したのかわからないが、事務方から訂正も修正もなかった。教育委員会会議の議事録を読んだが、本当の教育とは、生きていく力とは何なのか、もっと踏み込んだ議論があっていると考えていた私は、単なる方法論や事故があったときのリスクや市の責任を免れるものではないという責任回避の話ばかり出て、読んでいて情けなくなった。唯一、菊池理事から、「現在はいろいろな場面で事故が起きた場合を想定して、守りの姿勢に入っていることがあるが、子どもたちが自分で自分を指導する自己指導能力を身につけさせることが生徒指導本来の趣旨である。給食のパンでも、いつまで食べられるのか判断したり、献立を考えて自宅で食生活を考えたりすることも自己指導能力である。事前に禁止することによって子どもたちの判断能力を奪っているという意見も学校現場にはある」との意見が出されていたのが救いである。そして、検討委員会と同じように、事故があった場合の責任は免れないとの法制課の見解を持ち出し、持ち帰り禁止の結論を出した。法制課の見解が改めて理解できれば結論が変わると思うが、教育長の判断を尋ねる。 102 △教育長 持ち帰ったパンによる事故発生時の市の責任については、一つの判断要素ではあると考えている。しかしながら、学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達と健康保持のため1日に必要なカルシウムや鉄分などの栄養素や栄養量の約3分の1を提供するとともに、食べ物を大切にする気持ちや給食にかかわった人たちへの感謝の心を養うなど食育を推進するものである。したがって、まずは子どもたちが完食できるよう、さまざまな工夫をすることが大事と考えている。今後とも、子どもたちが残さず食べられるような取り組みを一層進めていくことを基本として、現在の対応を継続したいと考えている。 103 ◯平畑委員 市木議員から指摘があった3月議会以降の教育委員会会議で、いまだに議題に上がっていないが、見解が変わればもう一度教育委員会会議に議論が必要と考えるが、教育委員長の考えを尋ねる。 104 △教育委員長 パンの持ち帰りも含め、学校給食のあり方については、今教育長から答弁したとおりである。学校給食運営検討委員会においてさまざまな議論が行われており、教育委員会としても、その検討状況の報告を受けながら、今後とも本件について注視したい。また、私ども教育委員の中でも、フリートークの中ではあるが、いろいろと話し合っている。 105 ◯平畑委員 教育委員が多様な分野から選ばれていることはよくわかるが、現在の教育委員会会議のあり方は、せっかくの教育委員のきばをぬいているというふうに感じる。パンを持ち帰って何かあったら親の責任、食べられるか否かを判断する力こそ大事な教育とはっきり言えるのが本当の教育委員会会議ではないか。何か教育委員まで、公務員というか、行政マンになった気がする。日本人が今失いつつあるもったいないという気持ちについて、枝葉末節にとらわれて大局を見失ってはいけない。もっと熱い気持ちを教育委員は我々に見せて、熱い議論をされたい。 106 ◯金出委員 教室への扇風機の導入、学校における新エネルギーや副読本を活用した環境教育、学校司書、アイランドシティにおける公共交通機関、子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成について質問する。まず、教室への扇風機の導入について、近年、地球温暖化の問題が地球規模で論議され、異常気象や気候変動のニュースが毎年のようにマスコミをにぎわせている。それと直接の関連があるかどうかは科学的には検証が必要だと思うが、ことしの夏は、梅雨明け以降、観測史上でも屈指の高温が日本各地で記録され、まれにみる猛暑となった。高齢者を中心に、熱中症で体調を崩し救急車で搬送される人も多くおり、中には命を落とした人もいる。私が子どものときと比べても、コンクリート製の建物やアスファルトによる舗装が進んだ都市部では、ヒートアイランド化が進み、窓をあければ暑さをしのげた時代とは状況が大きく変わっている。本年9月15日の西日本新聞夕刊によると、「北九州市では、6月1日から9月3日の学校の室内温度を調査した結果、7月に入り30度を超える教室が続出し、9月3日では35度を超える教室も見られた」とあった。本市でも同じような状況ではないかと思う。このような状況では、児童生徒の健康上の問題はもちろん、学習への集中力もそがれるのではないか。本市では、各学校における教室の温度を調査したことはあるのか。また、その必要性についてはどのように考えているのか。 107 △教育長 教室温度の調査は、夏季の教室の学習環境を把握するために行っており、22年度は小学校7校で休業中を除く7月から9月の最も温度が高くなる午後2時の温度を測定している。7月の調査結果では、12日間の調査日のうち30度を超える温度を記録した日が、最も多い学校で6日、少ない学校はゼロ日、平均では2.3日となっている。9月は、20日間の調査日のうち、最も多い学校で13日、少ない学校は4日、平均では8.5日であった。夏季の教室温度の調査については、実態を把握するため、今後とも実施していきたいと考えている。 108 ◯金出委員 日本の気候の亜熱帯化、また、都市環境の変化などから、都市部の公立学校における教室への冷房機、空調機の導入の動きが進んでいると聞いている。他の政令市における教室への空調設備の導入状況について尋ねる。 109 △教育長 22年度において小中学校のすべての普通教室に空調設備を設置している都市は、さいたま市、川崎市と京都市となっている。 110 ◯金出委員 本市の小中学校における教室への冷房設備の導入状況はどうか。また、その運用指針はどのようになっているか。 111 △教育長 本市では、福岡空港周辺の航空機騒音や、あるいは交通騒音で窓をあけて授業ができない小学校27校、中学校12校で整備している。また、その運用については、適正利用の観点から、運転は原則として夏季期間の授業中及び勤務中に限ることなどを通知している。 112 ◯金出委員 特別支援学校への冷房設備の導入状況はどうなっているか。 113 △教育長 市内8校すべての学校に冷房設備を設置している。 114 ◯金出委員 暑さで体調を崩した児童や生徒が回復するために、保健室など学校の中で涼をとれる対策の必要性を感じている。保健室、図書室、職員室への冷房設備の導入状況はどうなっているのか。また、特別支援学級への導入状況はどうなっているのか。 115 △教育長 保健室、図書室、職員室については、市立の全学校で冷房設備を設置している。また、特別支援学級については、肢体不自由特別支援学級、自閉症・情緒障がい特別支援学級に冷房設備を設置している。 116 ◯金出委員 教室への冷房設備の導入については、市PTA協議会が昨年要望を行っているが、市民の間にはさまざまな意見もあり、一概には本市全体での早急な導入は難しいのではないかと個人的には考えている。本市では、暑さ対策として教室への扇風機の導入が図られているが、その進行状況及び過去3年間の契約額はどうなっているか。
    117 △教育長 本市では20年度から教室に扇風機を段階的に設置しており、各年度の新規設置数は、20年度394教室、21年度659教室、22年度971教室となっている。各年度の新規設置数のみの契約額は、5年間のリース契約の単年契約額が、20年度設置分1,609万円余、21年度設置分2,652万円余、22年度設置分3,729万円余となっている。 118 ◯金出委員 実際に市内の小学校に出向いて子どもたちに感想を聞いたところ、「涼しい」、「ついてよかった」などという声が聞かれた。扇風機でも、効果が出ているようだ。これまでの決算額を踏まえ、次年度全教室に扇風機を導入した場合の予算は幾らになるか。 119 △教育長 小中学校の残りすべての普通教室数を1,200教室として試算すると、新たに約5,200万円が必要と考えている。 120 ◯金出委員 暑さや寒さに負けない体力や忍耐力が児童生徒の健全な発達にとっては必要であるが、近年の暑さは異常であり、児童生徒の健康上の問題や学習への集中力を維持するためにも、扇風機の全教室への導入は急を要すると考える。扇風機を導入した学校では、教室の両サイドに2台設置していたが、あと1~2台あれば、生徒全員に風が当たるという話も先生たちからは聞いている。平成23年6月までには全教室への扇風機の導入を完了すべきと考えるが、所見を伺う。 121 △教育長 小中学校の普通教室の扇風機設置については、設置校で行った扇風機の効果のアンケート調査の結果を見ると、「涼しい」、「学習効率が上がった」、「全教室へ設置してほしい」という意見が多く上がっており、残る教室についても、できる限り早期に設置したいと考えている。 122 ◯金出委員 次に、市立学校における新エネルギーや副読本を活用した環境教育について質問する。近年の異常な暑さも大きくとらえれば環境問題の一部であると思う。扇風機や冷房の導入に当たっても、そのためのエネルギーが必要になることは言うまでもない。本市においても、現在、学校等の公共施設へ太陽光発電装置が導入されていることは承知している。子どもたちに地球環境や新しいエネルギーについて教えていくことも重要な視点と考える。本市の市立学校における太陽光発電等の新エネルギー設備の導入実績と導入に係る過去3年間の決算額について尋ねる。 123 △教育長 本市の市立学校では、太陽光発電装置を12年度から導入し、21年度までに合計73校に導入している。また、過去3年間の決算額は、19年度が1校で約1,400万円、20年度は導入事例がなく、21年度は56校で約7億2,000万円となっている。 124 ◯金出委員 より多くの子どもたちが新エネルギーについて考えることができるよう設備を導入する学校をふやすとともに、環境教育にも活用を図るべきである。例えば太陽光発電で教室の扇風機の電力を賄うことで、子どもたちは新エネルギーの具体的な創出効果を実感できる。目につきやすい掲示板の設置や、状況の広報など、子どもたちにわかりやすい形で、新エネルギーを活用した環境教育について実施する考えはあるのか。 125 △教育長 太陽光発電の設置校においては、発電量がわかるようなデジタル掲示板を設置し、日常的に児童生徒が環境問題に関心を持ち、エネルギーの大切さについて実感しながら理解を図ることができるよう工夫している。環境に関する学習については、理科や社会科の学習にとどまらず、近年においては、生活や家庭科などの他の教科や総合的な学習の時間においても取り組んでおり、今後とも各学校が積極的に環境教育に取り組むよう指導に努めていく。 126 ◯金出委員 私が視察した学校では、校長室の隣に設置された小さなパソコンに発電量が掲示されており、子どもたちが非常に見にくいような状況であった。子どもたちの目につきやすい形で、消費電力量や発電供給量がわかりやすくすることにも取り組んでいただきたい。今後は、環境教育の観点からも、学校等で風力発電など太陽光発電以外の新エネルギー設備についても導入を図り、LED照明等省エネルギー設備についても学校施設に積極的に導入していくべきと考えるがどうか。 127 △教育長 風力発電など太陽光発電以外の新エネルギー設備については、環境教育の観点を踏まえ、その導入に向けて研究していきたいと考えている。また、省エネルギー対策として、これまでも省エネタイプの蛍光灯器具の導入を進めてきたが、今後はLED照明の特性や費用対効果などを勘案しながら、LED照明も導入していくこととしている。 128 ◯金出委員 環境教育は、太陽光発電など実際に児童生徒の目に見えるものを活用して実施することが有効と考えるが、あわせて副読本の活用も重要であると考えている。本市において環境教育を目的とした副読本の具体的な内容及び作成や配付に係る21年度決算額について尋ねる。 129 △環境局長 環境教育を目的とした副読本については、「ごみとわたしたち」、「わたしたちのまちの環境」の2種類の冊子を環境局で毎年作成し、市内の全小学校に配付している。これらの冊子は小学校の正規の授業の教材として活用されており、作成に当たっては、教育委員会社会科資料編集委員会の専門的知見を踏まえて編集を行っている。「ごみとわたしたち」については、小学校4年生を対象に、ごみ処理の仕組みや家庭でできる3Rの取り組みを紹介するなど、循環型社会づくりに主眼を置いた内容としている。また、「わたしたちのまちの環境」については、小学校5年生を対象に、地球温暖化問題や生物多様性を初めとした環境全般を主題とした内容としている。これらの副読本は、教育委員会が定めたカリキュラムに基づき、社会科の正規の授業においてそれぞれ年間7時間程度の活用が図られていると聞いている。副読本の作成や配付に係る21年度決算額は277万7,250円である。 130 ◯金出委員 教育委員会は環境教育のさらなる充実を図るべきであり、副読本等を活用した環境教育を積極的に総合学習などに取り入れる必要があると思うが、所見を伺う。 131 △教育長 副読本は児童生徒にとって身近な環境問題や本市の施設などを取り上げており、これらのことが自分たちの生活と深くつながっていることを理解させる上で有効であり、各学校では、社会科や総合的な学習の時間などにおいて、ごみ問題やエネルギー問題など環境にかかわる学習などに活用している。今後とも副読本等を活用して環境教育を一層充実させるよう学校を指導していく。 132 ◯金出委員 地球温暖化は、環境学習が重要で、特に子どもには積極的に行っていくことが重要である。環境局は、副読本を作成して配付するだけではなく、職員や環境の専門家を積極的に学校に派遣して、環境副読本を活用した環境教育を推進すべきと思うがどうか。 133 △環境局長 職員の派遣による環境教育の推進については、正規の授業との連携により、環境に対する関心や理解をより深める効果が期待できると認識しており、環境局では環境学習支援事業と地球温暖化対策等に関する出前講座を実施している。環境学習支援事業については、小学校4年生を対象に、ごみ収集車による実演や学校でのごみの分別など、見て、触れて、楽しく学んでもらうもので、12年度から実施しており、21年度は141校で実施し、約1万2,000人の児童が学んでいる。22年度からは地球温暖化の要素も取り入れている。また、より専門性が高い内容で実施している出前講座については、地球温暖化や家庭でできる省エネ対策、水質の実験や生物の観察、リサイクルに関する実験等三つのテーマで、21年度は要望があった16の小中学校で実施をしている。環境教育の推進については、今後とも対象者の拡大や副読本、普及啓発DVDを活用した教材の充実を図るとともに、環境に関する専門的知識を有する人材の活用のあり方についても検討するなど、さらなる充実を図っていく。 134 ◯金出委員 次に学校司書について、ことしは福岡市子ども読書活動推進計画の第2次計画の策定の年であるが、平成13年12月に施行された子どもの読書活動の推進に関する法律が目指す子どもの読書活動の基本理念について尋ねる。 135 △教育長 子どもの読書活動の推進に関する法律では、その第2条において、「子どもの読書活動は、子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない」と定めている。 136 ◯金出委員 そのような基本理念のもと、法律の施行から10年近くがたとうとしているが、今も子どもの読書離れやメディア漬けに関する話をよく聞く。家庭、地域、学校が一丸となって取り組まなければならないと思っているが、その中でも特に学校図書館が重要である。学校図書館に本を手渡す人、つまり学校司書を全校に配置することによって、子どもたちが読書によってみずから学び、考え、判断ができるようになる手助けにもなる。また、教職員も学校図書館を理解し、利用を深めてもらうことができる。幾ら立派な図書館があり、本があっても、人がいなければ、図書館は書庫に過ぎないということは昨年の12月議会でも申し上げた。そのとき市長は、「学校図書館にかぎがかかっているような状況は、できるだけなくすべきだと考えている」と述べたが、その後、学校図書館ではどのような改善がなされたのか。 137 △教育長 本市では、新しいふくおかの教育計画の中で、言葉を大切にする教育を柱の一つに掲げて、全教育活動において言葉を重視した指導に取り組んでいる。読書活動については、各学級において朝読書の推進や各教科における調べ学習の充実等を進めており、その中で必要に応じて学校図書館を利用している。また、学校図書館に常にかぎがかかっているのではないかという指摘については、昼休みなど児童生徒が利用できる時間帯には開館しており、本に親しむ環境づくりに取り組んでいる。今後とも、各学校において学校図書館の利用がさらに進むよう指導に努めていく。 138 ◯金出委員 21年度に学校司書を15人から30人に増員し、30の中学校ブロックで、それぞれ小学校1校、中学校1校を担当し、2年ごとに配置校を見直すと聞いているが、配置期間が終わった後の学校には司書がいなくなる。そのような状況でいいと思っているのか。学校司書配置がある学校とない学校があるということは、教育の公平性の観点から問題があるのではないか。子どもたちは日々成長する。学校司書の配置を待っている間に卒業してしまう。学校や教師は2年待てるかもしれないが、配置されていない学校の子どもたちは発達段階に応じた読書活動のサポートが十分に受けることができたとは言えないのではないか。学校司書未配置校や学校司書引き上げ後の学校の支援体制について尋ねる。 139 △教育長 学校図書館については、学校図書館法によって司書教員が中心的な役割を担って運営することとなっており、図書委員会の児童生徒も学校図書館の運営にかかわっている。特に小学校においては、ほとんどの学校で読書ボランティアが立ち上げられている。本市では、読書活動の一層の充実を図るため、学校司書を配置しており、2年ごとに配置校を見直し、効果が各校に及ぶよう推進している。学校司書引き上げ後の支援体制については、各学校においては、読書活動の重要性を踏まえ、全校挙げて組織的に実施しているところであり、今後は中学校における読書ボランティアの体制づくりを推進することにより読書活動の充実に努めていく。 140 ◯金出委員 司書教諭は忙しくて、図書館を整理するような時間はない。私が視察した学校では、司書が配置されており、本当にきれいに整理されている。せっかくきれいに整理する習慣がついたのに、司書がいなくなって、もとに戻るというのはいかがなものかと思う。政令指定都市で小中学校における学校司書を全校に配置している都市は、仙台市が190校、さいたま市が158校、千葉市が177校、新潟市が173校、浜松市が158校、岡山市が130校となっている。各市とも学校図書館に司書が必要という強い意思があって、小中学校における学校司書の全校配置が実現されている。子どもたちのために学校司書の全校配置を行うべきだと考える。読書ボランティアを中学校にも配置したいと言っているが、ボランティア頼みにするよりも、きちんと司書を置くべきだと思う。本市においては現行年間1人100万円であり、十分な待遇とは思わないが、厳しい経済状況の中で、雇用の観点からも、学校司書の全校配置が必要と思うが所見を伺う。 141 △教育長 学校司書は、21年度から増員しており、今後、その成果と課題を十分に検証し、効果的な配置に努めていく。 142 ◯金出委員 小学校では平成23年4月から、中学校では平成24年4月から新学習指導要領が実施されるが、読書指導についてどのように示されているか。 143 △教育長 新学習指導要領の総則において、学校図書館を計画的に利用し、その機能の活用を図り、児童生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実することが示されている。また、国語科の内容としても、小中学校の各学年に読書に関する指導内容が位置づけられている。このようなことから、本市においては、言語活動指導の手引きを作成し、読む力を育てるための読書の重要性や、国語を初めとした各教科等における言語活動の指導の重点等について示し、読む力を育てるための取り組みを推進している。 144 ◯金出委員 平成21年6月に策定された新しいふくおかの教育計画の中にも、学校司書の効果的な配置、学校図書館教育の活性化、子ども読書活動の推進について述べられている。さらにことしは、国・県の改定を受けて、市子ども読書活動推進計画も、成果を踏まえ第2次推進計画を策定しているようだが、現在どのような検討状況なのか。 145 △教育長 平成17年3月に計画が策定されてから5年を経過したことに伴い、これまでの取り組みの成果と課題を踏まえ、今年度から計画の改定に着手をしている。6月には、学識経験者や社会教育委員、市職員などから構成される子ども読書活動推進計画策定委員会を立ち上げて、これまで2回の会議を開催し、内容の検討を行っている。 146 ◯金出委員 策定委員会では、学校司書に対してどのような意見が出ているのか。 147 △教育長 学校司書が配置されたことにより学校図書館が活性化し子どもたちが多く訪れるようになった、また、学校図書館の充実により本の貸し出し冊数の増加や調べ物学習が進んだなどの成果が出ていることから、司書教諭が学校図書館にかかわる時間の増加や、学校司書の配置の充実を図るべきではないかといった意見が出されている。 148 ◯金出委員 よい成果が出ているということであり、前向きな検討を要望しておく。ことしは国民読書年と聞いているが、内容について尋ねる。 149 △教育長 近年、年齢や性別、職業などを越えて、活字離れ、読書離れが進み、読解力や言語力の衰退が我が国の精神文明の変質と社会の劣化を誘引する大きな要因となりつつあるという危機意識から、平成20年6月の国会決議により、平成22年を国民読書年とすることが決定され、政官民が協力し、国を挙げてあらゆる努力を重ねていくことが宣言をされた。 150 ◯金出委員 国を挙げて活字離れに歯どめをかける取り組みが進められている中で、学習指導要領の改定や第2次子ども読書活動推進計画の策定といった機会をとらえて、本市においても他都市のように学校司書の全校配置を進めなければ、一体いつ学校司書の増員が実現できるのか。現在策定中である第2次子ども読書活動推進計画にはぜひ小中学校に学校司書を全校配置するという目標を掲げるべきと思うが所見を伺う。 151 △教育長 児童生徒の読書活動については、21年度の平均読書冊数が前年度と比べて小中学校とも全国平均を上回るなど、本に親しむ児童生徒の育成を目指した取り組みの成果があらわれてきている。このような成果と課題を十分に検証し、学校司書の効果的配置に努めていく。 152 ◯金出委員 昨年の12月議会における私の質問に対し、市長は「学校司書をふやせば、それだけ子どもたちが本に触れる機会がふえる。本に触れる機会がふえれば、さらに自分の持っている知識を深めていくようなことも子どもたちが自発的に行うようになる。そのようなチャンスを与えてくれるのが図書館の利用であると考えている」と答弁した。そして、「子どもたちが言葉を大切にしていく教育環境の整備にはしっかり取り組んでいきたい」とも述べている。策定委員会でも、学校司書の配置により学校図書館が活性化し、本の貸し出し冊数の増加や調べ物の学習が進むなどの成果があらわれており、学校司書の配置の充実を進めるべきという意見が出ている。他の複数の政令市においても全校配置が実施されていることを考慮すれば、本市でもできないことはないと思う。節目のことしこそ、市長の英断により、前向きに取り組むべきと思うが、所見を伺う。 153 △市長 読書は子どもたちのコミュニケーション能力を上げ、表現力、思考力などの基盤を養うことに寄与する。本市では言葉を大切にする教育を進めているが、その点でも図書館、読書は大変重要だと考えている。今後、司書教諭、学校司書、ボランティアなど、さまざまな人のかかわりによって、子どもたちにとって開かれた図書館になっていくことは重要だと考えている。教育委員会では、現在、言葉を大切にする教育を目指して取り組んでいるが、最近の中学校の学力調査の結果でも、国語の応用力が随分伸びてきており、その効果があらわれているのではないかと考えている。今後とも子どもたちが言葉を大切にしていく教育環境の整備について、しっかり支援に努めていきたい。 154 ◯金出委員 学校司書の問題については、正面から向き合って、来年度策定される市第2次子ども読書活動推進計画で、目標や方向性をしっかりと打ち出してほしい。次に、アイランドシティにおける公共交通機関について質問する。アイランドシティでは、住宅、照葉小中学校、中央公園、病院などが整備され、既に約1,300世帯、約3,700人が居住しており、将来的にはこども病院の移転も予定されている。当初計画では鉄軌道の導入が予定されていたが、その実現にはまだ時間がかかると考えている。このような状況の中で、公共交通の整備は重要な課題と考えているが、アイランドシティの会社工区における21年度の基盤整備の取り組み状況について伺う。 155 △港湾局長 国の住宅市街地総合整備事業を活用し、まちづくりエリア中央部の幹線道路である都市計画道路アイランドシティ西3号線の用地取得及び舗装工事で約6億9,300万円を執行している。また、国のまちづくり交付金を活用し、博多港開発(株)の道路整備への補助金3,100万円を執行している。 156 ◯金出委員 アイランドシティの道路等の整備は着実に進められていると思うが、公共交通アクセスについて尋ねる。現在、天神・博多駅方面から西鉄バスが路線運行しているが、それとは別に、アイランドシティとJR・西鉄千早駅とを結ぶシャトルバスが運行を行っている。千早駅とアイランドシティ間のシャトルバスはどのような経緯で、また、どのような主体によって運行されているのか。また、市のかかわりはどのようになっているのか。 157 △港湾局長 シャトルバスは、アイランドシティの交通利便性の向上を図るため、既存バス路線がない千早駅とアイランドシティ間において、平成21年1月から博多港開発(株)と立地企業5社で構成するアイランドシティ・千早駅シャトルバス運営委員会が試行運行を行っている。シャトルバスの運行については、運営委員会が経費を負担して、西日本鉄道(株)とバスの運行に関する契約を締結しており、実施期間は1年としていたが、平成22年1月に1年間の延長を行っている。また、市のかかわりについては、市は運行主体者ではないが、アイランドシティにおける交通利便性の向上を推進する立場からオブサーバーとして参加しており、必要に応じて助言等を行っている。 158 ◯金出委員 運行ルート及びダイヤ、停留所はどのようになっているか。 159 △港湾局長 シャトルバスの運行は、アイランドシティから香椎浜1丁目を通り千早駅に至る路線であり、6時台から22時台までのおおむね1時間に1本のバスが1日に14往復している。停留所は、アイランドシティ内の香椎照葉3丁目バス停、照葉小中学校前バス停、アイランドシティ中央公園前バス停の3カ所と留学生会館前バス停を経て、千早駅前バス停までとなっている。なお、始発から午前9時までの時間帯のアイランドシティから千早行きは留学生会館前のバス停には停車していない。 160 ◯金出委員 シャトルバスの乗客数など運用実態について報告を受けていれば、その内容を教えてほしい。 161 △港湾局長 シャトルバスの乗客数は、毎月約3,400人が利用している。1便当たりの乗客数については、平均約5人となっているが、千早駅行きの通勤通学時間帯である午前6時から午前8時については、平均約10人と聞いている。また、運行経費は年間約2,500万円で、運賃収入の約500万円を差し引いた残り2,000万円を運営委員会が負担している。 162 ◯金出委員 大変利用が少ないようだが、JRや西鉄が乗り入れる千早駅とアイランドシティの公共交通の充実は、将来のアイランドシティの発展やアイランドシティ中央公園の利用促進を考えても意味のあるものだと考える。地域住民からは、運行ルート上にある香椎浜1丁目、香椎浜南公園、香椎浜北公園の既存の3停留所にシャトルバスが停車することを望む声が多い。公共交通の利用促進をうたいながら、大型バスが空車同然で走っている光景を目にするが、沿線には、千早西校区、香陵校区、香椎浜校区、城浜校区の住民が居住している。そして、香椎副都心にJR千早駅や西鉄千早駅があり、大型ショッピングセンターもその沿線上にある。このような状況の中で、既設の3停留所にシャトルバスがとまらないのは、法律的な支障や問題があるのか。 163 △港湾局長 シャトルバスを既設の3停留所に停車させることについては、福岡運輸支局への運行計画変更の届け出が必要となるが、そのほかには特段の法律的規制はないと聞いている。実施については、アイランドシティ・千早駅シャトルバス運営委員会と西日本鉄道(株)において具体的な協議を行っていくことになると考えている。 164 ◯金出委員 市中心部とアイランドシティをつなぐ公共交通は西鉄バスだけとなっており、この東西軸だけではなく、千早駅とアイランドシティをつなぐ南北軸の公共交通整備は、高齢者や近隣住民にとって利便性やアイランドシティの有効利用にとって重要であると考える。3停留所で乗降ができれば、沿線住民の利便性が向上する。また、利用者がふえれば、2,000万円の運営委員会の負担も軽減できる。本市としても、しっかり提言し、住民の利便性を図るべきと考えるが、所見を伺う。 165 △港湾局長 アイランドシティの公共交通の整備については、市としても、アイランドシティの事業推進を図る上で重要であると認識している。今回の既設の3停留所への停車の要望については、暫定的な試行運行であるということや、市が直接の運行主体ではないということもあるが、アイランドシティ・千早駅シャトルバス運営委員会や西日本鉄道(株)に沿線住民の声として伝えて、検討するよう依頼していきたいと考えている。また、あわせてアイランドシティの事業推進を図るため、西日本鉄道(株)にさらなる交通利便性の向上も要望していきたいと考えている。 166 ◯金出委員 アイランドシティの公共交通の整備については、しっかり取り組むよう要望しておく。次に、子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成について質問する。子宮頸がんは、乳がんに次いで多い女性特有のがんであり、その原因となるヒトパピローマウイルスに対するワクチンが平成21年10月に我が国でも承認され、予防・抑制に大きな効果が期待されている。本市における21年度の女性特有のがん検診推進事業にかかる決算額と無料クーポン券の使用枚数について尋ねる。 167 △保健福祉局長 女性特有のがん検診推進事業では、特定の年齢に達した女性を対象に、子宮頸がん検診及び乳がん検診に関する検診手帳と無料クーポン券を配付しているが、21年度の決算額は1億4,782万5,000円となっている。また、無料クーポン券の使用枚数については、事業開始の平成21年10月から平成22年3月までの半年間の実施で、子宮頸がん検診については、配付枚数5万6,875枚、使用枚数9,613枚、使用率16.9%、乳がん検診については、配付枚数5万439枚、使用枚数7,463枚、使用率14.8%となっている。 168 ◯金出委員 非常に低い使用率だと思うが、21年度の本市における子宮頸がん検診と乳がん検診の受診率はどうなっているか。 169 △保健福祉局長 子宮頸がん検診が32.4%、乳がん検診が14.9%となっている。 170 ◯金出委員 子宮頸がんワクチンの啓発活動は行っているのか。 171 △保健福祉局長 子宮頸がんワクチンは、予防接種法に規定されていない任意の予防接種であり、被接種者もしくは保護者が医師との相談によって判断し、接種を受けることになっていることから、保健所等に問い合わせがあった場合は、かかりつけ医への相談を勧めている。 172 ◯金出委員 名古屋市に調査に行ってきたが、名古屋市では、市医師会から強い要望があり、22年度から子宮頸がんワクチンの全額補助が実現したと聞いた。本市の医師会からは要望が出ているのか。 173 △保健福祉局長 本市医師会より、子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルスは性交渉で感染するため、早い時期からの接種が望ましいとされているが、その費用は4~6万円程度となっており、接種拡大には公費助成が不可欠であり、本市においても子宮頸がんワクチン接種の公費助成を行ってほしいとの要望があっている。 174 ◯金出委員 これまでも、子宮頸がん予防ワクチンの公費助成については、本市議会においても複数の議員から質問されていたが、答弁を聞いている限りでは、保健福祉局の積極的な姿勢が見られなかったような気がする。名古屋市のようにもっと積極的に取り組むべきと思うが、保健福祉局長の所見を伺う。 175 △保健福祉局長 子宮頸がんワクチンの公費助成については、国において子宮頸がんワクチン接種の助成事業を新たに設けることとし、23年度予算において約150億円の概算要求が行われている段階である。本市としては、引き続き国の動向を注視し、他都市の実施状況等を含めて検討を進めていきたいと考えている。 176 ◯金出委員 ことしの9月議会では、国会と政府に対し「子宮頸がんを予防するワクチン接種の公費助成及び受診率向上対策の充実を求める意見書」が全会一致で採択された。予防により発症リスクを大幅に低減でき、救える命を守ることは行政として大きな責任を負うと考えている。しかし、効果があるとされる3回のワクチン接種には5万円程度の費用がかかり、普及への大きな足かせとなっている。東京都杉並区を調査したときに、杉並区では区長のリーダーシップにより22年度から中学校の入学祝いとして中学1年生のワクチン接種が無料で行われるようになるということであった。女性の命を守るために、本市としても前向きに検討すべきと思うが、市長の所見を伺って質問を終わる。 177 △市長 子宮頸がんワクチン接種の公費助成については、これまでも本会議等で複数の議員から質問を受けており、全会一致の意見書も出されている。子宮頸がんワクチンは、ほかのワクチンに比べて予防の確率が非常に高く、がん予防の観点から非常に有効であることから、市民が接種しやすい環境をつくっていくことは非常に大切であると考えている。特に20代、30代の若い女性が発症する例がふえていると聞いているが、子育てや仕事において最も大切な時期であり、そのような時期にがんになるおそれがあるということは大変憂慮すべき事態だと思っている。このため、子宮頸がんのワクチン接種の公費助成については、早い時期に実施できるように取り組んでいくことを前向きに考えたい。 178 ◯山口委員 市職員の採用について尋ねる。22年度の市職員の採用者数と退職者数、うち技術系の採用者数と退職者数はどうか。 179 △総務企画局長 22年度の職員採用者数は242人、退職者数は445人、うち土木職や建築職など技術系の採用者数は56人、退職者数は76人である。 180 ◯山口委員 技術系職員の人数と全職員に対する割合、及び過去5年間の推移はどうか。 181 △総務企画局長 平成22年4月1日現在、技術系職員数は1,783人で、全職員9,590人に対する割合は18.6%である。また、過去5年間における技術系職員の比率の推移は、18年度18.0%、19年度17.4%、20年度17.7%、21年度17.6%、22年度18.6%であり、ほぼ横ばいの状況である。 182 ◯山口委員 22年度の技術系職員の採用のうち、土木・建築・電気・機械・造園等の職種の内訳を尋ねる。 183 △総務企画局長 22年度の採用者数は56人で、内訳は土木職31人、建築職10人、電気職7人、機械職7人、造園職1人である。 184 ◯山口委員 新卒者の就職がここ2年は氷河期と言われ、需要が減少している中、本市職員の採用242人、退職445人と差し引き203人も減少するのは社会全体としても問題ではないか。 185 △総務企画局長 退職者数と採用者数の差については、平成21年4月の市立病院の地方独立行政法人化等の特殊要因もあり、203人の減となったものである。職員の採用については、事務事業の見直しや定年退職者等の状況を勘案し、次年度の採用者を年度ごとに決定しており、今後も必要な職員の確保に努める。 186 ◯山口委員 病院関係の100人減を除いても、その他で100人も減少しているのが実態である。土木職員について、20年度から22年度の3カ年の採用人数はそれぞれ何人か。 187 △総務企画局長 20年度5人、21年度26人、22年度31人である。 188 ◯山口委員 土木職員の採用者数にばらつきがあるが、その要因は何か。また、22年度及び23年度の土木職員の退職予定者数は何人か。 189 △総務企画局長 20年度の土木職採用者数が5人と少ないのは、土木局と下水道局の統合により土木職員数の大幅減が予定されていたことによる。また、22年度及び23年度に退職予定の土木職員は、22年度24人、23年度33人である。 190 ◯山口委員 20人以上の新入職員が配属されても、特に技術系の場合は、1年程度では現場を任せる実働部隊の職員とはならず、指導する側にも新人と同数以上のベテラン職員が必要となるが、その点を認識しているのか。全体人数のみの調整ではなく、仕事の内容を加味し、各現場部局の意見を聞いて採用に当たるべきと考えるがどうか。 191 △総務企画局長 職員採用については、今後も事務事業の見直しや退職者数等の状況を踏まえ、毎年度必要数の採用を行っていくが、土木職など技術系職員は、事務職と比較して絶対数が少なく、採用者数の増減の波が大きければ人材育成や技術の伝承等に支障が生じる可能性があるため、今後も現場の声を踏まえつつ、職種間での配置の融通をきかすなど工夫し、採用者数の平準化を図っていきたい。 192 ◯山口委員 臨時的任用職員数について、21年度の任用者数と過去4年間の推移を尋ねる。 193 △総務企画局長 21年度については、本庁や区役所等で働く一般的な臨時職員として、5月1日現在で890人を任用している。これまでの推移は、18年度が5月1日現在で886人、19年度が6月1日現在で916人、20年度が6月1日現在で726人である。同一時点での数値集計ではないため若干変動があり、また、各年度で業務内容の違いやそれに伴う繁忙期の変動もあり、一概に比較はできないが、必要な人数を適正に任用していると考えている。 194 ◯山口委員 民間では正社員を減らしてパートやアルバイトなど非正規労働者をふやしており、問題になっているが、本市の臨時職員はどのような考えで採用しているのか。 195 △総務企画局長 臨時的任用職員については、効率的な人員配置の観点から、職員の育児休業取得や、繁忙期の一時的な業務集中などの場合に、予算の範囲内で必要最小限の期間と人数を適正に任用することとしており、正規職員を減らし、代替として臨時職員を任用するものではない。 196 ◯山口委員 正規職員数は役所においては重要であると申し述べておく。これまでの答弁をまとめて、全職種職員数と技術系の職員数を年齢別に見ると、問題が一目瞭然である。全職員のうち57歳の職員が約400人、58歳が約350人と、50歳台後半の年代が圧倒的に多い。また、技術系職員も同様に、57歳の約100人を筆頭に、50歳台後半が多く、これらの人数が毎年退職していくことになる。この世代は業務を監督し、若手を指導する立場にあると思うが、一方で若手職員の数は減少している。例えば、40歳台前半の年代は200人前後と、50歳台後半の約半分、29歳以下の年代に至っては150人前後しかいない。採用しなければ職員数はどんどん減少するが、それで本当に市役所の業務が円滑に遂行できるのか。監督できる年代は多く、実際に現場に足を運び実施状況などをチェックする実働部隊の若手が少ないというこの年代のばらつきは、組織として良好な状態ではないと考えるが、所見を伺う。 197 △総務企画局長 職員の年齢構成はどの年度でも均等であることが理想だが、現状は議員指摘のとおり、50歳以上の職員が占める割合が全職員の約37%と高年齢層に偏っており、人材育成上や人事管理上好ましくないと考えている。今後、職員の大量退職が続くが、この時期をとらえ、採用の平準化により年齢構成のバランスを図っていくとともに、急激な職員層の若返りへの対策として、本市行政に精通するOB職員のノウハウを生かす再任用制度や嘱託員制度の活用で対応したいと考えている。 198 ◯山口委員 特に技術系については、大量退職が続けば、諸先輩方の培った技術がうまく後輩に伝わらないと思うが、当局は危機意識を持って、技術の伝承に関する方針を持っているのか。 199 △財政局長 従来より、各職場で先輩が後輩に対し、具体的な仕事を通じて、仕事に必要な知識・技術などを習得させ、技術力の向上を図ってきたが、政令指定都市に移行した昭和47年前後に大量採用されたベテラン職員の退職が本格化していく中、技術の継承は重要な課題であることから、取り組み強化の必要性を認識している。20年度に技術分野の統括部門として財政局に技術管理部が新設されたのを機に、全庁的な技術職員の技術力の維持・向上を図るため、技術職員の職種・職責に応じた研修に取り組んでおり、21年度は新たに全庁技術研究発表会を開催するとともに、公共工事の一連の流れに沿った研修プログラム36講座を実施、延べ約1,200人が受講した。22年度は、技術職員へのアンケートで要望が高かった新技術や新工法等の新テーマを追加して内容を充実させ、21年度を上回る46講座を予定するなど、技術力の向上に努めている。 200 ◯山口委員 研修受講で技術の習得を図ることは必要だが、その間、現場の事業は少人数で幾つも現場担当を駆け回ることになりはしないか。また、今後の研修のあり方についての考えはどうか。 201 △財政局長 研修プログラムの年間スケジュール作成に当たっては、職種ごとの対象研修時期の分散や、年度始めと年度末の業務繁忙期の期間除外など、事業担当課の実情を考慮している。また、年度当初に年間スケジュールを提示し、技術職員が自分の立場に合った研修を選択し、計画的に受講できるよう配慮しており、技術職研修が受講者の通常業務への負担とならぬよう努めている。今後は、入庁10年未満の若手職員に対する重点的な取り組みが必要と考えており、必要な研修を受講させ、技術力の向上に努めていく。その一環として、21年度より、他職場の体験研修や、OB技術職員を技術アドバイザーとして、長年培ったノウハウを伝える技術体験懇談会などを行っており、引き続き技術の継承に重点を置き、OB職員の積極的な活用などで技術力の維持向上に努めていく。 202 ◯山口委員 国主導で自治体職員数の4.6%以上の削減が求められているとはいえ、毎年100人程度の職員数を削減しており、特に20代の若手の減少が顕著である。技術の伝承で肝心なのは、やはり現場で先輩が直接指導することだが、その余裕もなければ、上辺だけのまねで終わってしまうと心配している。特にこれからの公共事業は、新築の事業だけでなく、アセットマネジメント推進の立場から、建物を手直しして延命化を図るという技術の違いからくる困難さが出てくる。また、事業の継続を考えると、技術系に限らず、事務系も同様である。10年後、20年度の職員構成を考えて採用していくべきと考えるが、市長の所見を伺う。 203 △市長 職員全体の世代別の分布がいびつであり、技術の伝承の受け皿となる若手職員が少なく、受け継いでいく技術の総量が限られてくることから、アセットマネジメントへの対応のためにも、技術の伝承を採用全体の考え方に盛り込むべきという考えは、議員指摘のとおりと思う。そのために、技術の円滑な受け渡しができるよう、人材育成も含め、将来を見据えた職員採用に努めていく。 204 ◯山口委員 入札制度の総合評価方式と地場企業の受注増について質問する。21年度に開始された総合評価方式の入札について、21年度の契約件数と工事全体の契約件数、総合評価方式が全体に占める割合、及び地場外のみによる落札件数を尋ねる。 205 △財政局長 総合評価方式による入札は、平成21年6月に3億円以上の工事に対して本格導入した。21年度の工事契約件数は、水道局・交通局分を合わせた市全体で、試行を含め17件であり、市全体の工事契約件数2,581件に対する割合は0.7%、うち地場外企業のみの落札件数は、17件中3件である。 206 ◯山口委員 総合評価方式について、これまでの一般競争入札や指名競争入札と比べ、どのように評価しているか。 207 △財政局長 総合評価方式は、価格と品質を含めた総合的な評価により落札者を決定する方式であり、公共工事の品質の向上、企業の技術力向上、くじ引きの回避、談合防止などが利点に挙げられる。これまで、工事成績評定の平均点が全工事の平均点より約4点上回っているほか、複数の入札者が最低金額で同額入札となった工事36件において、技術評価点が最も高い企業が落札者となり、くじ引きが回避されるなど、より優良な企業の選定につながるという一定の効果があらわれており、公共工事の品質確保が図られたものと考えている。 208 ◯山口委員 くじ引きの回避は本市にとって望ましいと考える。一般競争入札の対象工事を1,500万円以上に拡大したが、どう評価しているのか。また、工事の最低制限価格について、平成21年10月の算出モデル改定後の平均値は20年度と比較してどうか。 209 △財政局長 一般競争入札の対象拡大は、競争性・透明性を高め、談合防止を図ることを本来の目的としていたが、登録業者の入札参加機会の拡大にも寄与しているものと評価している。また、工事の最低制限価格については、契約課契約分の20年度の平均値77.8%に対し、改定後の平成21年10月から平成22年8月までの平均値は84.3%と6.5ポイント上昇している。 210 ◯山口委員 地場企業が受注している福岡市の公共工事の割合はどうか。また、入札参加資格において地場企業の優先にどのような工夫をしているか。 211 △財政局長 21年度に契約を行った工事における地場企業の受注実績は、件数で88.3%、契約金額で73.6%である。また、地場企業への優先発注については、発注に当たって案件ごとに定める入札参加資格において、建築は予定価格20億円未満、一般土木は10億円未満の工事は原則として地場企業であることを要件に発注を行っている。例外としては、地場企業では対応できない高度な技術力が必要な電気プラントや機械プラントなど一部の特殊工事についてのみ、地場外企業にも対象を広げ発注を行っている。また、大規模かつ技術難度の高い、いわゆる大型工事については、施工能力の関係から地場外企業にも入札参加資格を広げているが、この場合においても、JV発注を採用し、地場企業の技術力・経営力の向上を図るため、構成員の一部に地場企業を参加させることを原則としている。 212 ◯山口委員 地場、地場外ともに下請業者として地場企業が受注している割合はどうか。 213 △財政局長 21年度に財政局契約課で契約を締結した工事で、一部が下請工事に出されたもののうち、地場企業が下請で受注した割合は、地場企業が落札した場合は68%、地場外企業が落札した場合は21%である。 214 ◯山口委員 公共工事の発注自体が減少する中で、市民から、税金の使い方として地元企業を優先してほしいとの要望が多く寄せられているが、地場外の大手企業が落札した場合、地場企業が下請に入る割合は少なく、現在、文書で地場企業の下請優先発注を要請しているにもかかわらず、21%にとどまっている。地場企業の採用をさらに進めるために、総合評価方式で、地場企業の下請率が高い場合に加点する等の方策をとることはできないか。 215 △財政局長 総合評価方式については、工事の品質確保の観点から、企業の技術提案や実績等を主体とした技術評価項目の構成・配点としており、地場企業の下請率が高い企業を加点することについては、業種によっては市内に下請できる企業がないなどの理由でやむを得ず地場外企業を下請としている状況があること等から、慎重な判断が必要と考えているが、構成・配点のあり方について、今後、他自治体の状況等も踏まえ、市総合評価技術審査委員会などでも検討していく。
    216 ◯山口委員 技術の向上という点から尋ねていく。総合評価の結果を入札参加業者に公表しているか。また、問い合わせがなくても知らせているのか。 217 △財政局長 総合評価の結果については、問い合わせの有無にかかわらず、入札参加者名、各入札参加者の入札価格、技術評価項目ごとの点数、評価値についてのみ、落札者決定後速やかに本市の契約部署や本市ホームページ等で公表している。 218 ◯山口委員 総合評価のうち技術評価項目は、提案項目と企業評価項目に大きく分かれる。企業評価項目は、施工能力や技術者の能力、社会貢献等で構成されており、客観的に評価されるため、入札参加業者も自分の実力がわかるが、提案項目である技術提案と施工計画の評価内容では、点数のみが公表されており、入札参加業者は、他の業者と比較してどのように評価されたか知ることができない。入札参加業者の全体の技術レベルを上げるため、提案項目の評価内容を公表すべきと考えるがどうか。 219 △財政局長 提案項目は、各企業の提案内容が知的財産であることや、競争性の確保の観点から、公表は行っていない。しかしながら、国土交通省では、平成22年4月から、総合評価方式の透明性の確保等の観点から、入札参加者自身に限定して、各提案を加点対象とするか否かを通知しており、今後、他自治体の状況等も踏まえ、同様の取り組みについて検討していく。 220 ◯山口委員 密室で決まっているとの疑念を持たれないよう、速やかに公表の検討に入るよう要望しておく。また、法人市民税収入及び地場企業からの税収入について、過去2年間の推移はどうか。 221 △財政局長 法人市民税の収入額については、20年度は430億3,000万円余であり、21年度は333億1,000万円余を見込んでいる。そのうち地場企業からの法人税割額は、20年度は125億円余であり、21年度は92億3,000万円余と見込んでいる。 222 ◯山口委員 法人市民税は430億円から333億円と約100億円減少しているが、22年度の予算は21年度よりさらに低くなる見込みである。全体の収入税額が下がっても、地場企業の割合はおおむね全体の30%を超えることがなく、厳しい状態が続いている。現在、国において法人税率の引き下げが検討されているが、仮に法人税の税率が5%減となれば、本市の法人市民税は21年度税収から見てどの程度減少するのか。 223 △財政局長 法人市民税は法人税額を課税標準としていることから、本市の減収額は約42億円と見込んでいる。 224 ◯山口委員 本市の法人市民税収入は、ここ4、5年で400億円台から300億円台へと減少を続けており、法人税率の見直しが行われれば、さらに約42億円減少の200億円台になる。福岡経済全体の発展こそが本市の根幹であり、地場企業の増収増益は、従業員の収入増、ひいては市全体の活性化につながる。この好循環をつくるために公共工事でできることは、いかに地場企業の受注機会をふやすかにかかっているのではないか。これから大量の公共施設が更新時期を迎えるが、今後、本市がどのような手だてをとるかが、地場企業の浮揚、ひいては税収増にもつながると思うが、市長の所見を伺う。 225 △市長 市民生活の安心と都市の成長に向けて必要な施策を着実に進めるとともに、地域経済の実態に応じた経済・雇用対策に取り組んでいく必要があると認識している。特に地場企業は、地域経済の担い手であり、地場企業が元気にならなければ税収も上がらず、地域経済もうまく回っていかないことになる。従来から、公共工事の発注に当たって、可能な限り地場企業を優先してきたが、さらに議員指摘の入札制度の改善なども含め、今後とも地場企業の受注機会の拡大を図り、地場中小企業の育成に努めていきたい。 226 ◯山口委員 次に、市営渡船事業の収入増について尋ねる。21年度の市営渡船事業特別会計における収入額と支出額、市からの繰入金額は幾らか。 227 △港湾局長 歳入歳出とも同額の14億9,200万円余であり、歳入のうち一般会計からの繰入金は9億4,000万円余である。 228 ◯山口委員 過去10年間で市の繰入金が一番少ない年度と金額、その要因を尋ねる。 229 △港湾局長 島民人口の減少や少子高齢化の進行による利用人員の減少等により、一般会計からの繰入金は長期的に増加傾向にある。過去10年間で繰入金が一番少なかった年度は12年度の繰入金8億7,800万円余であるが、市営渡船事業の収入につながる特別なイベント等があったわけではない。 230 ◯山口委員 市営渡船事業の損益分岐点から見て、乗客と貨物において収支の均衡が保たれる数値を試算しているか。 231 △港湾局長 21年度の歳出決算額14億9,000万円余に対し、乗客収入・貨物収入は3億7,200万円である。この支出を事業収入で賄うには、乗客人員が現行の約100万人から約400万人へ4倍の利用増、貨物件数が約10万件から約40万件へ4倍の利用増が必要となる。 232 ◯山口委員 21年度の貸し切り船及び納涼船の件数と収支状況はどうか。 233 △港湾局長 21年度の貸し切り船運航については、32件の利用があり、収入が360万円余、船舶建造に伴う経費や人件費の基本給など定期航路の分を除き、職員の時間外勤務手当、船舶燃料費等の追加的支出が70万円余となり、収支差額は290万円余である。納涼船の運航では、運航日数18日間、利用人員2,253人であり、収入180万円余、支出は、貸し切り船と同様の費用として120万円余であり、収支差額は60万円余である。 234 ◯山口委員 通常の定期航路、貸し切り船、納涼船を合わせても、黒字化には特段の施策が必要なことがわかるが、この経営的収支状況の実態をどう見ているのか。また、22年度は改善に向けて手を打っているのか。 235 △港湾局長 市営渡船事業の収支については、一般会計からの多額の繰り入れが継続しており、非常に厳しい経営状況にあると認識している。これまでにも、多客時の臨時便の運航、貸し切り船や納涼船の運航等により増収を図るとともに、ダイヤ改正による利便性の向上、委託費用や船舶の検査費用の削減等により効率的な運営に努めてきた。また、20年度から、港湾局に市営渡船事業の経営改善に係る組織を設置し、利用者や地元の意見を聞きながら、経営改善の検討も行っている。 236 ◯山口委員 貸し切り船や納涼船の運航にはまだ余力があると聞くが、港湾局は市営渡船事業の赤字は仕方ないと諦めているのではないか。航路別では、1航海当たり乗船者数は何人で収支が合うのか。 237 △港湾局長 21年度歳出決算額のうち、船舶建造費に係る起債の償還額や船舶等の維持管理費を除く人件費、燃料費など運航に要する経費のみを賄うために必要な1航海当たり平均乗船人員を航路別に試算すると、玄界島航路は21年度実績の18人を77人へ約4.3倍、能古航路は44人を82人へ約1.9倍、志賀島航路は21人を52人へ約2.5倍、小呂島航路は12人を69人へ約5.8倍の増加が必要となる。 238 ◯山口委員 4航路すべてが厳しい状況だが、航路縮小は断じてあってはならないと考える。一度休止すれば再開のめどが立たなくなるのは、これまで廃止された航路を見れば明らかであり、本市の財産として今後も育てていくことが大切と考える。本市は、食に関しては高い評価を受けており、全国的に知られているが、観光の行き先として知られているところは逆に少ないのが現状である。半日コースや1泊コースでの楽しみ方等の情報発信が足りないと考えるがどうか。 239 △経済振興局長 本市の観光コースに関する情報発信については、観光情報ウェブサイト・よかなびにおいて、観光地や食等の最新情報に加え、モデルコースを掲載しており、21年度は多言語による観光情報をさらに充実したところである。また、地元住民の発案による体験型観光商品・福たびの開発・支援を行うなど、新たな観光コースの充実強化にも取り組んでいる。今後とも、民と官が連携して福岡の魅力づくりに取り組むとともに、国内外におけるプロモーション活動やホームページ等による福岡の魅力発信に努めていく。 240 ◯山口委員 現在、国内・国外の観光客へ航路利用について情報を発信しているか、また結果はどうか。 241 △経済振興局長 国内外でのプロモーションとして、来福観光客向けに、4カ国語対応の福岡観光ガイドブックや9カ国語対応のよかなびで、のこのしまアイランドパークや金印公園などの能古島や志賀島の観光地紹介を行うとともに、市営渡船による交通アクセスを案内している。同ウェブサイトは、21年度実績で約1,700万件ページビューと自治体の観光ウェブサイトとしては非常に高いアクセス数である。また、福たびにおいて、能古島や志賀島などに関する歴史・自然ツアーを実施している。なお、観光客による市営渡船の利用状況は把握していない。 242 ◯山口委員 経済振興局が船の利用状況を把握していないのでは、利用促進もできない。例えば志賀島の航路では、休暇村や海の中道などの宿泊施設を生かし、旅行社に船を利用したイベント等への活用を要請したり、玄界島航路では、海の幸が豊富な漁港があっても観光客の食事場所がないので、地元にも協力を願い、観光客向けの環境を整備したりといったことを行政がすべきと考えるが、経済振興局長の所見を伺う。 243 △経済振興局長 地域への集客を図るためには、観光資源を掘り起こして磨きをかけるとともに、観光案内や外国語対応等の受け入れ環境を整備し、プロモーション等による情報発信が必要と考えており、今後とも、港湾局と連携しながら、旅行会社や地域の方々の発案による体験型観光商品・福たびの開発・商品化を積極的に支援し、市営渡船の利用促進にもつながるよう努めていく。 244 ◯山口委員 福岡都市圏の大島航路や相島航路などを見ると、大島には観光客向けの宿があり、相島は朝鮮通信使などの逸話や夜は夜光虫が見られる幻想的な船旅で人気がある。民間航路であれば、企業が宿や食事場所を用意すると思うが、市営航路においては、経済振興局が乗客増について取り組まれるよう要望しておく。先日調査を行った三重県津市と中部国際空港を40分で結ぶ津エアポートライン株式会社の航路では、公設民営の手法で、船と港の整備を行政が、運航を民間会社が担っている。仮に赤字の場合も補助金等の補てんはしない契約を結んでおり、1日700人で採算に乗るが、開設以来の利用者数は平均1日約930人、21年度は1日1,200人から1,700人と採算ベースに乗っており、満席の便もあるという。利用者のうち県外約17%、県内83%で、地元は41%にも上るなど、市民だけでなく観光客からも航路を認知されていることがわかる。また、交通事業者間で4日間のフリーパスポートをつくり、鉄道、バス、船が乗り放題の企画も実施されている。本市はどうか。乗船場では、能古・小呂航路待合所等の時刻表や航路の案内看板には、韓国語や中国語表記、さらには英語表記もなく、おもてなしをしているとは言えないのではないか。港湾局担当者によると、時刻表は現在あき時間を利用して職員が作成しているというが、国際部など他の部局の応援を受けて、案内板や時刻表などは直ちに整備すべきであり、案内図もせめて英語表記は掲載するよう要望する。本市を訪れるアジアの観光客がまた来たいと思えるよう、すべての乗船場を点検し、すぐにもやれることを身近なところから実行すべきと考えるが、港湾局長の所見を伺う。 245 △港湾局長 時刻表などの外国語表記については、博多埠頭の博多待合所に、英語、中国語、韓国語併記の航路案内図を掲示しているほか、各待合所で英語、韓国語の時刻表を配布している。現在、航路案内等を記載した時刻表の英語、中国語、韓国語版を新たに作成しており、今後も外国語表記への対応を進めていく。 246 ◯山口委員 市営渡船事業は、これまでも赤字であり、何も手だてを考えなければ今後も赤字が続くことは自明の理である。航路ごとの乗客増について、三重県津市のような手だてを考えるべきではないか。公設民営は運営の黒字化に対してよい手法だと感じる。航路別の1航海の収支では、小呂航路に至っては、現在の利用者は1回平均12人だが、採算ライン69人に対し、60人乗りの船で運航されており、最初から赤字を想定している。今後の対策としては、行政と事業者、市民の役割に関しビジョンをつくることだと思う。乗客をふやす施策においては、観光手段として活用するとともに、小中学生の遠足や社会科見学などで船を利用する機会をつくるなど、各局が船の利用を考え、応援すべきと考える。今後の渡船事業についての市長の所見を伺い、質問を終わる。 247 △市長 市営渡船は、基本的に生活航路であり、港湾局が所管する日常航路としての考え方が中心となっているが、観光面や教育面など、多方面からの活用を考えていかなければならない。今後、利用者や観光客の意見も踏まえ、航路のあり方について必要な見直しを行うことによって、市営渡船事業の経営の改善に努めていきたい。 248 ◯今林委員 国民健康保険料、学校給食、所在不明高齢者と地域の安全対策、市立病院、以上4点について質問する。初めに、国民健康保険料について、本市は全国一高い保険料ということで国会等で取り上げられているが、その概要について尋ねる。 249 △保健福祉局長 平成22年3月の参議院予算委員会における所得300万円の夫婦、子ども2人の4人世帯の21年度の医療支援分保険料に関する質疑の中で、例示された政令指定都市5市の保険料中、本市が44万8,500円で最も高かったことが取り上げられている。 250 ◯今林委員 ほかの4市の金額はどうなっているか。また、4市以外で本市の保険料より高い政令市はあるのか。 251 △保健福祉局長 京都市が44万500円、大阪市が42万8,700円、札幌市が41万3,000円、さいたま市が37万200円と示されている。その他の政令市では、同一条件で堺市の保険料が50万6,600円であり、本市より高くなっている。 252 ◯今林委員 21年度における国民健康保険特別会計の決算総額及び保険給付費、一般会計からの繰入金は幾らか。 253 △保健福祉局長 歳入総額は1,326億4,300万円余、歳出総額は1,355億8,000万円余、保険給付費は866億1,200万円余、一般会計繰入金は167億5,800万円余となっている。 254 ◯今林委員 国民健康保険は、本市の人口の約25%に当たる約36万人の健康保険である。相互扶助の保険制度であることから、負担は原則として保険料等で賄われるべきだが、実際には足りずに、すべての市民の税金である一般会計から167億円も繰り入れている。それでもまだ保険料が高いということは、制度自体に問題があるということではないか。 255 △保健福祉局長 21年度の一般会計繰入金167億円余の内訳は、法令等で定められた法定繰入が104億円余、また、市の判断に基づく独自の法定外繰入が63億円余であり、前者の法定繰入については、国・県の負担金や交付税措置といった財源手当てがある。一方で、法定外繰入はその財源が市税であるため、国保以外の保険に加入している人にも負担していただいている形になっており、このような繰り入れを恒常的に続けざるを得ない状況にあるのは、高齢者や低所得者が多く、財政基盤がぜい弱であるといった国保制度の構造的な問題にあると認識している。 256 ◯今林委員 ひとり世帯において、非課税、所得100万円、所得300万円、所得400万円の場合の本市の保険料は、他の政令市と比べてどうなっているか。 257 △保健福祉局長 市民税非課税世帯を給与収入98万円、所得33万円とした場合、ひとり世帯で21年度の医療分・支援分・介護分の保険料は、本市が2万3,200円となり、政令市の平均は2万1,100円で、高いほうから7番目となっている。同様に、所得100万円では、本市17万1,600円で、政令市平均は14万262円で2番目となっている。所得300万円では、本市45万2,400円で、政令市平均は39万6,312円で5番目となる。所得400万円では、本市57万1,200円で、政令市平均は51万6,600円で、5番目となっている。 258 ◯今林委員 所得階層によりばらつきがあるようだが、国会で取り上げられた所得300万円という数字は他都市と比較するときに一般的に使われるものなのか。 259 △保健福祉局長 一般的に保険料の他都市との比較は一定所得の世帯に限定しては行っていない。 260 ◯今林委員 一般的に保険料を他都市と比較する場合には、どのような指標を用いるのか。 261 △保健福祉局長 指標について特に定めがあるということではないが、国や国民健康保険中央会においては、1人当たりの現年分保険料調整額を保険料の地域格差をはかる指標として用いている。 262 ◯今林委員 本市の1人当たりの現年分保険料調整額は全国と比べてどうか。また、ほかの政令市との比較ではどうか。 263 △保健福祉局長 全国平均の直近のデータは20年度決算となるが、全国平均が9万625円、本市が9万3,577円で、本市が2,952円高くなっている。政令市の中では、21年度決算で最も高い市が浜松市の11万1,806円であり、本市は9万59円で高いほうから11番目となっている。 264 ◯今林委員 本市の1人当たりの保険料を全国平均まで下げるには幾ら必要か。 265 △保健福祉局長 20年度決算の全国平均との差額2,952円を解消する場合、単純に被保険者数を乗じて算出すると、10億円程度の財源が必要となる。 266 ◯今林委員 再度確認するが、国会で取り上げられた高い保険料とは何を示すのか。 267 △保健福祉局長 国会で例示された保険料は、所得300万円の夫婦、子ども2人の4人世帯の21年度の医療支援分保険料だが、この世帯は低所得者層を対象にした保険料の減額措置がなく、かつ、賦課限度額に届く所得に満たない、いわゆる中間所得層を指していると思われる。 268 ◯今林委員 本市の中間所得層の保険料が高いということであり、これを改善しなければ、市民は納得しない。所得100万円から300万円の世帯の保険料を単純に政令市平均まで下げるには幾ら必要か。 269 △保健福祉局長 一定所得層世帯だけの保険料を下げるということは、国民健康保険の制度上困難であるが、仮に所得100万円から300万円世帯の保険料と政令市平均との差額に単純に世帯数を乗じて算出すると、約23億円程度となる。 270 ◯今林委員 一定の所得階層の人だけを優遇しろと言っているわけではない。当然、所得が低い世帯や保険料が払えない世帯に対する減額や減免、そして生活保護などのセーフティーネットは大事だと思っている。本市では減額制度は活用されているか。法定減額の実施状況について、政令市比較で示してほしい。 271 △保健福祉局長 保険料については、国民健康保険法により定められた所得以下の場合、減額措置がある。本市の21年度の法定減額世帯の割合は63.15%で、政令市中最も多い割合となっている。なお、政令市平均は44.91%となっている。 272 ◯今林委員 保険料を滞納している世帯数と滞納額はどうなっているのか。 273 △保健福祉局長 平成22年5月末時点の滞納世帯数は5万3,306世帯であり、現年度保険料滞納額は44億7,460万円余となっている。 274 ◯今林委員 減額世帯の割合が政令市で最も高いのに、滞納額が44億円余もあるというのは驚きである。滞納に伴う赤字は、一般会計からの繰り入れにより補てんしているのか。 275 △保健福祉局長 一般会計からの繰り入れで補てんせず、翌年度の繰上充用金で賄うこととなるが、その財源は主に滞納繰越保険料である。 276 ◯今林委員 国保は強制的な加入が義務づけられた制度であり、その根幹として、納める能力がある人が滞納することについては厳しく対応すべきと思うがどうか。 277 △保健福祉局長 収納対策は国保事業の健全な運営及び保険料を誠実に納付している人との公平性の観点からも極めて重要と認識しており、保険料を納付する資力がありながら納付しない滞納者については、財産の差し押さえなど滞納処分を行い、収納の確保に努めていく。 278 ◯今林委員 国保には一般会計からも多くの税金が投入されている。しかし、国保は、創設当時、国から地方分権の試金石として地方に押しつけられた制度だと聞いている。国の負担について、従前は2分の1だったが、現在は何%か。 279 △保健福祉局長 国の負担は、従前から医療給付費等の50%となっており、基本的には現在も変わっていない。17年度の三位一体の改革による県への税源移譲に伴い、県財政調整交付金が創設され、国の負担の一部がこれに振りかわっているが、この県財政調整交付金を合わせると、従前と同様、医療給付費等の50%となっている。 280 ◯今林委員 従前は、医療給付費の50%ではなく、国保全体に占める補助金の割合が50%だったのではないか。現在、国保全体に占める補助金の割合は何%になっているか。 281 △保健福祉局長 21年度決算における本市の国保会計の歳入全体に占める国庫支出金の構成割合は28.0%となっている。 282 ◯今林委員 国保事業に、健診事業や共同事業などが新たに追加されたために、制度が少しずつ変わり、事業費全体に占める国の負担割合が減ってきたのではないか。国はこれを是正して、市町村に押しつけるのではなく、きちんと国の責任においてやっていくべきだと思っている。市町村は仕方なく一般会計からの繰り入れで負担しているが、完全な制度疲労を起こしているのではないか。今叫ばれている地方分権や地方主権が、まさしく、この国民健康保険のように国の押しつけで地方が対応できないということにならないようにしなければならない。一般会計からの繰入金167億円について、法定繰入及び法定外繰入の状況はどうなっているか。 283 △保健福祉局長 法令等で定められた法定繰入は104億円余で、その主な内訳は、保険料負担の緩和と国庫財政基盤の安定に資するため保険基盤安定制度に係る繰り入れである保険基盤安定負担金63億円余、国民健康保険事務費に係る繰り入れである職員給与費等事務費相当分18億円余、保険者の責めに帰することができない特別の事情に基づく要因に着目した繰り入れである財政安定化支援事業分15億円余となっている。また、市の判断に基づく独自の法定外繰り入れは63億円余となっている。 284 ◯今林委員 法定外繰入については、市が基準やルールを設けているか。 285 △保健福祉局長 21年度においては、必要とする保険料の20%相当分や、子どもや障がい者等への医療費助成の影響分など一定のルールのもとに、国保財政の安定化や保険料負担の軽減のための繰り入れを行っている。 286 ◯今林委員 ここ数年、本市の1人当たりの保険料が据え置かれているが、据え置くためにどのような方策をとっているのか。 287 △保健福祉局長 医療費の増高等に伴う1人当たり保険料の上昇分について、一般会計からの法定外繰入により据え置きとなるよう対応している。 288 ◯今林委員 法定外繰入は市の判断でできることから、市はここ数年保険料を据え置くという措置をとっている。1人当たりの保険料を据え置くために要した繰入額は幾らか。 289 △保健福祉局長 21年度決算では3億8,400万円余、22年度予算では5億8,700万円余となっている。 290 ◯今林委員 国保事業は、ぜい弱な財政基盤により赤字体質となっている。国は地方に負担を押しつけておきながら、地方分権と言って赤字を補てんせず、市町村は禁じ手である一般会計からの繰り入れを余儀なくされている。このような状況が常態化しており、市も国も一般会計からの繰り入れを正式な収入源として認識していること自体が問題ではないか。一般会計からの繰り入れはあり得ないということをきちんと問題意識として持ってほしい。根本的には国の仕組みを変更することが必要であるが、市の責任ではできないので、国にぜひ訴えてほしい。そうは言っても、現実に市民からは、国保が高いという声があり、当面は市が対応せざるを得ないが、保険料の据え置きに関して基準やルールを設けているのか。 291 △保健福祉局長 1人当たり保険料を据え置くために、21年度は3億円余、また、22年度は5億円余のルール外の特別な繰り入れを行ったところである。国保は職場の保険に加入していない非正規労働者やパート、企業を退職した年金生活者など低所得者が多く、現下の厳しい経済情勢等にかんがみて、本市としては据え置きが妥当であると判断し、諮問機関である国民健康保険運営協議会から答申をいただくとともに、議会の審議を経て決定したものである。 292 ◯今林委員 保険料を据え置くために一般会計から大事な税金を繰り入れる際には、国民健康保険運営協議会の意見をしっかり受けとめながら、市が独自の判断ができるよう繰り入れのルールをつくってほしい。市長は、認識不足かも知れないが、市民が求めている国民保険料の引き下げについては、もう少し市民の意見を謙虚に受けとめて、また、リーダーシップを持って対応すべきと指摘しておく。次に、学校給食について尋ねる。給食費については、平成21年9月より公会計化に移行しているが、その効果として収納率の向上や滞納状況の改善が期待されている。過去5年間の収納率、滞納額、累積滞納額はどうなっているか。 293 △教育長 収納率は、17年度99.0%、18年度98.9%、19年度98.9%、20年度98.9%、21年度98.7%、未納額は、17年度4,734万円余、18年度4,982万円余、19年度5,157万円余、20年度5,249万円余、21年度6,097万円余、累積滞納額は、17年度2億9,171万円余、18年度2億3,860万円余、19年度1億9,239万円余、20年度1億9,747万円余、21年度2億2,991万円余である。 294 ◯今林委員 20年度から21年度に滞納額が800万円ほどふえているが、その理由は何か。 295 △教育長 近年の社会全体の経済状況が厳しくなっているためであると考えている。 296 ◯今林委員 滞納がふえると不納欠損も大きくなると思うが、過去5年間の不能欠損額は幾らか。 297 △教育長 17年度1,968万円余、18年度8,009万円余、19年度6,732万年余、20年度942万円余、21年度193万円余となっている。 298 ◯今林委員 18年度と比べ21年度は極端に減っているが、その原因は何か。 299 △教育長 不能欠損については、給食費の時効を地方自治法に従い5年として厳格に運用したことから、それ以前の滞納分にかかわる不能欠損処理を18年度、19年度に分けて一斉に実施したため、この年度の不能欠損額が高額になったものである。また、21年度は、平成22年3月末時点で時効を迎えることになっていた16年度滞納分に対して、最終催告などの手続をとり時効中断を行ったため、例年に比べて少額になっている。 300 ◯今林委員 21年度決算では給食費の総額は幾らか。また、公会計化に係る初期投資の費用は幾らかかったのか。あわせて、給食費の徴収、滞納に係る費用は幾らか。 301 △教育長 給食費総額は46億5,000万円である。また、公会計化の初期投資費用は1億1,000万円、決定通知や還付、清算等、当該年度の給食費徴収に係る年間費用は1億5,000万円、最終催告や法的措置など過去の給食費滞納整理に係る年間費用は2,000万円である。 302 ◯今林委員 給食費の公会計化に伴って、市は滞納対策として直接交渉や法的処理も行うということだが、実際に今年度の滞納者に対してどのような対応を行ったのか。 303 △教育長 毎月の納期限後20日以内に督促状を発送し、それでも納付がないと催告書を発送している。さらに、6カ月以上未納の児童生徒を持つ世帯には、時効完成前までに最終催告書を発送し、それでも反応がない世帯に対しては、滞納が高額な世帯から支払督促申立を実施している。 304 ◯今林委員 悪質な滞納者などが問題になっているが、滞納問題については適切に毅然と対応することが、税の負担の公平性から大事なことだと思う。一方、滞納対策に係る費用も税金からの支出だということも考えなければならない。費用対効果を考慮した滞納対策が必要である。21年度決算における、過年度滞納分の収納額は幾らか。 305 △教育長 2,000万円余である。 306 ◯今林委員 就学援助の制度概要について尋ねる。 307 △教育長 就学援助は、学校教育法に基づき、経済的理由によって就学が困難と認められる児童生徒の保護者に対して、学用品費や給食費など就学に必要となる費用を基礎とする金銭的な援助を行うものである。 308 ◯今林委員 給食費が就学援助などで免除されている児童生徒数はどうなっているか。 309 △教育長 就学援助対象者など給食費を保護者が支払っていない児童生徒は、生活保護を含めて2万8,000人余であり、全児童生徒数の約25%である。 310 ◯今林委員 滞納者の全体に占める割合はどのくらいか。 311 △教育長 21年度の給食費において、年度を越えて納められていない滞納額が給食費全体に占める割合は1.3%である。 312 ◯今林委員 さまざまな事情により、約4人に1人が給食費を納めていないが、その費用はだれが負担しているのか。 313 △教育長 市が必要となる経費を負担している。 314 ◯今林委員 公会計化以降、納期内にきちんと納めている人の割合はどうなっているか。
    315 △教育長 口座振替の状況から推察すると、全体の95%程度が納期内に納められていると考えている。 316 ◯今林委員 給食費の公会計化のシステムにより適切に対応できれば、学校給食費の管理が効率化され、口座振替の促進とともに、今後収納率は改善していくと思われる。また、滞納者への対応については、現場で苦労している校長や担任の先生を収納交渉から解放し、市が直接法的措置を行うということであり、悪質な滞納者についても効果があるのではないか。しかし、そのための費用として、初期投資に1億円、ランニングコストとして年間1億7,000万円も発生している。保護者のほとんどが遅滞なく納めているということを考えれば、かなりの経費が滞納対策に投じられている。納期後の回収額は過去の滞納分を合わせると、約1億9,000万円になると思うが、1億7,000万円を投じて1億9,000万円を徴収するということでは余り効果がない。ところで、子ども手当についてであるが、国が実施する子ども手当は国が責任を持って全額負担すべきであり、地方に児童手当分の負担を求めることについては強く抗議すべきと思っている。21年度の児童手当分の本市負担額はどうなっているか。 317 △こども未来局長 21年度の児童手当の総額が約105億8,100万円に対し、本市の負担額は約27億6,700万円となっている。 318 ◯今林委員 子ども手当については、国において自治体の裁量として給食費滞納者には支給しないとか、滞納分と相殺するというような話が議論されているようだが、現在の状況はどうなっているか。 319 △こども未来局長 22年度の子ども手当については、受給権の保護及び租税その他の公課の禁止が法に規定されており、給食費と相殺する等の措置を講じることはできないことになっている。しかしながら、次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを社会全体で応援するという手当の趣旨を踏まえて、本市としても、全国市長会などを通し、必要に応じて未納の給食費等に充てることができるよう国に要望しているところである。また、国においても、23年度以降の制度設計の中で、現物給付等についても検討すると聞いている。今後とも国の動向を注視していきたいと考えている。 320 ◯今林委員 本市に限らず地方は、給食費の滞納問題には真剣に向き合っている。子ども手当については、強制的に本市も27億円余も負担させられているが、市は裁量権も行使できず、有効に使うこともできない。子ども手当は国の事務なのか、それとも市の事務なのか。また、市はこの業務を拒否できないのか。 321 △こども未来局長 子ども手当の事務については、地方自治法に定められた法定受託事務であり、地方自治体の事務ではあるが、その実施については国及び県の関与が既定されている。そのため、本市が業務を拒否し、手当を支給しないことになると、国や県から是正勧告や指示等が行われる。また、受給者の理解を得ることも困難であると考える。 322 ◯今林委員 地方自治体の事務であるのに何もできないとは、何とも情けない話だと思う。もともと子ども手当は国がつくった制度で、それを地方に押しつけている。地方分権と全く逆行した制度のように思える。本市は弱い立場なのかもしれないが、今後の地方分権を考えるならば、対等の立場で、せめて市負担分の27億円余だけでも国に対して拒否を表明するよう強く要望する。給食費について再度尋ねるが、小学校給食に限った場合、保護者が負担する費用は幾らか。 323 △教育長 小学校給食費の総額は30億円余であるが、そのうち就学援助などで約4分の1の6億7,000万円余を市が負担し、残り23億3,000万円余を保護者が負担している。 324 ◯今林委員 小学校だけを見ると、保護者が納めた給食費が23億円余であるが、一方で、市は子ども手当に27億円余も負担させられている。公平を保つために滞納を徹底的になくすことは当たり前のことだが、滞納額の回収には費用対効果も考えなければいけない。我が党のマニフェストにもあるが、ばらまき批判のある子ども手当の財源を有効に活用して、食育教育に振りかえるべきと意見を述べておく。次に、所在不明高齢者と地域の安全対策について質問する。今世間で問題となっている所在不明高齢者について、本市の状況はどうなっているのか。 325 △保健福祉局長 22年度末日までに満100歳に到達する人を含めた満100歳以上の622人を対象に調査を行い、介護保険等の行政データで617人、職員による訪問面会で3人、合計620人の確認を行った。残る2人のうち1人は調査時点で住民登録を職権消除手続中であり、もう1人は外国人登録の人であったが、日本から出国していることが後日判明したため、本市においては100歳以上の高齢者は全員所在の確認がとれている。 326 ◯今林委員 100歳以上だけでも職員による面会調査が必要な人が5人もおり、うち2人は、住民登録や外国人登録などで正確な整理ができていなかったということではないか。調査や利用データの突合など住民の実態把握に関する決算額はどうなっているか。 327 △市民局長 住民基本台帳の正確性を確保することを目的として、住民基本台帳法第34条に基づく実態調査を随時行っているが、21年度の決算額は383万9,000円である。 328 ◯今林委員 調査を行っているにもかかわらず、戸籍と住民登録のデータが合わない。どうしてこのようなことが起きるのか。 329 △市民局長 戸籍と住民登録のデータが合わない理由については、その人が死亡したにもかかわらず死亡届が提出されないまま、居住実態がないという理由で住民票が職権消除になった場合に、戸籍があるものの住民登録がないという状況が発生する。具体的には、海外に移住した後に死亡したり、身元が特定されないまま死亡したといった場合などが考えられる。 330 ◯今林委員 今回の所在不明高齢者の問題については、いずれ起きることがわかっていたのではないか。今後、調査対象者の年齢を引き下げた場合には、多くの所在不明者が出てくる可能性があると思うが、改めて調査することは考えているのか。 331 △保健福祉局長 今般の問題を受けて、厚生労働省において今後の調査の手法やその対象について具体的な検討に入っている状況であり、本市としても、国の動向に留意しながら、今後、考えていきたい。 332 ◯今林委員 これは国の問題ではない。極端なことを言えば、私たちの隣で起きることである。身近に起きる社会不安の一つである。今すぐにでも、できるところから安否確認すべきではないか。 333 △保健福祉局長 本年9月の敬老金支給の際に、100歳以上の人に加えて、対象となる80歳及び88歳の人について、民生委員に本人確認を依頼しており、その報告を受け、集計することにしている。 334 ◯今林委員 災害時の要援護者台帳の地域への情報提供については、個人のプライバシーの保護の観点から、市と自治協議会とで覚書を締結して行っているということだが、この台帳の目的は、災害時に地域の人に助けてもらえるよう要援護者が依頼するものである。その台帳は地域に提供されておらず、地域では助けたくても助けられないおかしなシステムだと言われている。要援護者台帳の地域への情報提供については、災害時など生命に危険が及ぶ場合に適用される個人保護条例の例外規定に該当すると思うが、どうして適用できないのか。 335 △市民局長 災害が発生した場合など、人の生命、身体、健康、生活または財産を保護するために緊急に必要がある場合には、福岡市個人情報保護条例第10条第2項の例外規定が適用され、情報提供できることになる。しかし、この例外規定は平常時においては適用できないと考えている。このため、現在、平常時においては、要援護者本人などの同意が得られた人の名簿を自治協議会等と市が覚書を締結した上で地域へ提供するという対応を行っている。 336 ◯今林委員 災害が起こってから名簿を配布する時間はない。要援護者台帳については、平常時という考え方はないのではないか。要援護者台帳の名簿登録者数は何人いるか。 337 △保健福祉局長 平成22年4月1日現在で1万6,678人を登載している。 338 ◯今林委員 市内に65歳以上の高齢者は何人いるか。 339 △保健福祉局長 平成22年3月末現在で24万4,721人となっている。 340 ◯今林委員 介護保険で要介護1の人は災害時に1人で対応できるのか。 341 △保健福祉局長 介護保険の要介護1の人については、心身の状態が安定していないか、認知症等により部分的な介護を要する状態とされているので、災害時には1人で対応できない人もいると思う。 342 ◯今林委員 施設等に入所していない、要介護1以上の人は何人いるか。 343 △保健福祉局長 本市の介護保険の要介護認定1以上の人から、特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養病床の介護保険施設に入所している人を差し引くと、平成22年3月末現在で2万5,016人となっている。 344 ◯今林委員 障がいのある人も対象者と思うが、身体障害者手帳、療育手帳の所持者で施設等に入所していない人は何人いるか。 345 △保健福祉局長 身体障害者手帳、療育手帳の両方の保持者がいたり、手帳保持者で介護保険施設に入所している人の把握等が困難であることから、正確な数字を答えるのは難しいが、両手帳の交付者数の合計から障がい者施設の入所者数の方を差し引くと、平成22年3月末現在で延べ5万4,816人となる。 346 ◯今林委員 施設に入所していない要介護1以上の人が約2万5,000人、障がい者の人が約5万4,000人おり、合計すると少なくとも台帳に登載されている1万6,000人よりも多い数になるため、支援が必要と思われる人が、台帳登載者以外にもいると思うが、その数は幾らと推計しているか。 347 △保健福祉局長 1人で避難できない高齢者など災害時要援護者台帳の調査において支援が必要な人の把握に努めており、現在、約1万6,000人程度を把握している。ただし、台帳登載には本人の同意が必要なため、要援護者すべてを登載しているものではないと考えている。 348 ◯今林委員 なぜ、すべて登載できないのか。 349 △保健福祉局長 災害時の支援の要否は、家族との同居の有無や、障がいの部位など個々の状況による。また、災害時要援護者台帳の登載をみずから拒否する人もいる。 350 ◯今林委員 支援を拒む人や地域との交流がない人こそ、災害時に助けが必要ではないか。対象者もあいまいで、拒否する人は登載されず、訪問時に不在であれば本人の意思と関係なく登載されない。このような災害台帳を災害時の援護者台帳と言えるのか。台帳の登載者はだれが把握しているのか。 351 △保健福祉局長 市内には約2,100人の民生委員がおり、民生委員が毎年担当する地区の対象者を個別に家庭訪問し、支援が必要な人を把握している。 352 ◯今林委員 あいまいな基準で、民生委員に丸投げして調査させている。現在、民生委員はかなり人手が足りない深刻な状況であるが、そのような状況で押しつけている。民生委員は、たまったものではない。民生委員も一生懸命取り組んでいただいているとは思うが、個人に任せるということになると、地域格差が生じてしまう。本来災害時の要援護者対象として助けが必要な人で、地域との関係が希薄な人、台帳登載を拒む人に対する支援をどのように考えているのか。 353 △保健福祉局長 台帳への登載を拒む人については、民生委員が毎年行う調査の際に、災害時要援護者自身も自助努力が必要という意識づけを行いながら、要援護者の登載拡大に向け、粘り強く働きかけを行っているところであり、今後とも台帳への登載に同意いただけるよう努めていく。 354 ◯今林委員 要援護者台帳には助けるべき人が登載されていない。また、その情報も地域には提供せず、全く不備だらけである。対応を検討中だと言い訳しているが、一体この台帳はいつから作成され、何年経過しているのか。また、この名簿に登載されていない人の安全確保はどうするのか。 355 △保健福祉局長 災害時要援護者の支援については、本年8月に、市民局、保健福祉局、消防局、区役所等の関係課で構成する災害時要援護者対策推進プロジェクトチームを庁内に設置している。その中で要援護者の定義を初めとしたさまざまな課題を検討している。台帳に登載されていない人の安全確保については、地域との情報共有が重要であると考えており、今後の地域への情報提供のあり方についてもあわせて検討を行っている。 356 ◯今林委員 地域への情報提供をどうするかという話をしているわけではない。市民の安全を市がどのように守るかということを尋ねているが、今の答弁では情報提供すれば市の役割はそれで終わりと思われても仕方がない。調査するにしても、国の指示を待つとか、やっと整理ができそうだとか、弁解のほうが先に立っている。災害が起きたときに、市長の怠慢で一番困るのは市民や地域である。市長は今すぐに行動を起こして、市民の安全確保を図るべきと指摘しておく。最後に、赤字事業の代表格とも言える市立病院について尋ねる。赤字体質の市立病院を見る指標である市の一般会計からの繰入金について、過去5年間の決算状況はどうなっているのか。 357 △保健福祉局長 17年度は、こども病院10億2,008万円余、市民病院8億9,910万円余、合計19億1,918万円余、18年度は、こども病院5億8,972万円余、市民病院8億2,579万円余、合計14億1,552万円余、19年度は、こども病院4億8,699万円余、市民病院8億7,644万円余、合計13億6,343万円余、20年度は、こども病院4億9,840万円余、市民病院8億7,731万円余、合計13億7,571万円余、21年度は、こども病院4億8,938万円余、市民病院8億7,524万円余、合計13億6,463万円余となっている。なお、公立病院における自治体からの繰入金は、公立病院がその役割を果たすため、能率的な経営を行ってもなおその経営を伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費などについては、総務省が示す繰出基準に基づき一般会計からの負担金等によって賄われることが地方公営企業法により定められている。 358 ◯今林委員 繰入額は改善しており、病院関係職員の努力がうかがえる。また、診療報酬の見直し等の影響もあるのではないかと思う。自治体病院のあり方について、平成19年の公的病院の改革ガイドラインで本市における公的役割を考えた場合、本市に必要な役割は高度先進医療ではないか。高度先進医療は、赤字体質であり民間では取り組みにくく、市が担うことが適当だと思っている。黒字体質の医療は本市のような政令市では民間病院の参入が期待できるので、逆に黒字体質の医療を市民病院で行ったら、市にとっては増収となるが、民業圧迫になるのではないか。さらに、市で検討された平成20年の検証・検討報告では、市民病院の民間移譲を視野に入れることになっている。また、その後開催された病院事業運営審議会の後も、市の考え方は、市民病院は存続させるが、経営改善が不十分な場合は、改めて市民病院のあり方を検討するとしており、売却や廃止を含めた方針を持っているのではないかと懸念している。黒字化して民間参入を促して売却するのであればわかるが、赤字のまま民間移譲して、その後民間によって黒字になれば、それこそ親方日の丸の市の組織体制が疑われることになる。黒字化のために病院関係者の努力もぜひ期待したい。今年度、民間病院との競争性を保つために市立病院を地方独立行政法人に移行したが、地方独立行政法人化により黒字化するのか。 359 △保健福祉局長 市立病院については、市が担うべき医療を安定的、継続的かつ効率的に提供していく経営形態としては地方独立行政法人が適当であるとの平成20年6月の福岡市病院事業運営審議会答申を踏まえ、本年4月に地方独立行政法人へ移行したものである。また、本市が示した22年度から3年間の数値目標に基づき、地方独立行政法人福岡市立病院機構が作成した中期計画の中では、財務内容の改善に関する目標を達成するためとるべき措置として、運営費負担金繰り入れ後の計上黒字が達成できる経営基盤を確立するため、効率的な病院経営を行うこととされている。地方独立行政法人へ移行したことにより、法人の自主性、自立性が発揮され、診療報酬改定等の医療環境の変化への柔軟な対応など種々の経営改善施策が進められており、中期計画どおり運営費負担金繰り入れ後の計上黒字は達成できると考えている。 360 ◯今林委員 独法化だけで黒字化するとはとても思えないが、独立行政法人化というのは、構造的な公的体質に民間並みの自由度を与えて、競争の中で市民によりよい医療を提供することを目指すものであって、病院自体のあり方を変えるものではない。公的な役割を踏まえてどのような病院を目指すかは、独法化の話ではなく、市の方針である。公的病院のあり方として、市立病院の位置づけが大変あいまいで、診療科目の見直し等が必要であると思っている。特に市民病院では、風邪など民間診療所でも行えるような診療科目などは見直して、自治体の責務として真に市民が必要とする分野を担うべきだと思うがどうか。 361 △保健福祉局長 市民病院の役割については、病院事業運営審議会答申を踏まえ、本市が示した中期目標において、地域の中核病院としての機能を維持しつつ、脳卒中センターの充実や、循環器系疾患への対応強化などを進め、高度救急医療のさらなる向上を図ることと指示しているところである。このため、市民病院においては、今年4月、脳卒中集中治療室(SCU)を開設するなど高度救急医療の充実に努めるとともに、東部オープンカンファレンスや地域連携パスなど近隣の医療機関との連携を図り、紹介率及び逆紹介率の向上に努めており、地域の中核病院としての機能充実に取り組んでいる。 362 ◯今林委員 公的な病院の役割をこれからも議論して、市民が必要な医療であれば、赤字であっても、市民は納得する。細かい見直しなどで黒字化できない場合は、簡単にあり方を見直すと言っているが、本来の公的な役割も見直さないで、単に独法化だけで判断するのは責任放棄だと思う。独法化すれば黒字になると思っているのかもしれないが、黒字にならなくても、医師、職員のせいにすべきではない。市長は、こども病院を移転して、市民病院はそのままにして、二つの病院自体を別々に残すと言っている。二つとも残すという市長は、1足す1が2の病院を目指している。我が会派は、1足す1が1.5となるスケールメリットを生かした病院を目指している。ちなみに現在のこども病院も残す1足す1が3の考えを持っている人もいるかもしれないが、売却や廃止なら話は別だが、どう見ても1.5とするほうが財政再建上も理屈が立つ。また、病院事業運営審議会でも、根本的な市立病院のあり方について、統合などの議論を先送りせず、逃げないで議論をしてほしい。PFI事業による事業者の選定については、今年3月に、1社の応募しかなく、応募規定によりやり直しとなった。このため、今回条件を緩和して再度応募を行い、8月で募集を締め切っているが、現在までに応募件数は何件あったのか。 363 △保健福祉局長 新病院のPFI事業については、まず、昨年12月の入札公告に関して、応募者が1人であったことから、入札説明書の規定に基づき入札手続を一時中断した。その後、幅広い参加を募るため、有識者委員会等の意見を踏まえ、参加資格要件などの緩和などの見直しを行った上で、本年5月17日に改めて入札公告を行い、現在入札手続を行っているところである。事業者からの応募状況などについては、落札者の決定後に公表することとしており、現時点での公表は控えさせていただいている。 364 ◯今林委員 応募件数を答えられない理由は何か。 365 △保健福祉局長 今回の入札公告では、幅広い参加を募るため、参加資格要件の緩和などの見直しを行うとともに、他の応募者の状況を推察できない仕組みを導入し、入札の競争性を確保し、入札手続を進めているところである。このため、入札手続中の現時点では、事業者の申請状況等については公表を控えさせていただいている。なお、応募等の状況については、12月22日に予定している落札者決定後に公表することとしている。 366 ◯今林委員 他の応募者の有無を推察できない仕組みとは何なのかよくわからないが、そのようなことで、秘密性や公平性が確保されるとは思えないが、再度説明を求める。 367 △保健福祉局長 今回の入札公告では、他の応募者の状況を推察できない仕組みを導入し、提案書の提出や提案審査において入札の競争性を確保している。具体的には、入札説明会にかえて入札説明資料を配付する、質疑や対話についての回答の方法を工夫する、応募者の公表時期は落札者の決定後とするなどの見直しや工夫を行っている。さらに、提案の質の確保に関しても、提案審査において施設計画や維持管理計画等についての詳細な確認による、より厳格な審査を行うということにしている。これらによって、よりよい提案が得られると考えている。 368 ◯今林委員 規定で1社でもいいということになっているが、日本でPFIを得意とする業者は数が知れている。それが病院事業になると、過去の失敗例などから、さらに絞り込まれる。現在同じようにPFI事業が進められている長崎県や神奈川県では、多数の事業者が参加しているが、本市では1社しか応募がなかった。本市にもたくさんの業者が参加できるようにすべきだったと思うが、本市のPFI事業に参入しない理由があったのか。 369 △保健福祉局長 最初の入札公告において応募者が1人であったことを受けて、その原因を把握するために、入札説明会に参加した事業者等に対して、地方独立行政法人福岡市立病院機構がヒアリングを行っている。その中で、病院PFIの入札に参加する場合は、コストやマンパワーの負担が大きいため、同時期に二つの案件の提案を行うことは困難であり、企業としては、入札時期、事業規模、勝算など総合的に判断し、特定の案件に集中する必要があるという意見が大勢であった。このため、これらの意見を踏まえて、できるだけ多くの事業者が参加できるよう、参加資格要件の緩和や入札提案書作成負担の軽減、入札スケジュールの見直しなどを行い、改めて入札公告を行っている。 370 ◯今林委員 二つの案件があってどちらか一方を選ぶときに、他方を選んで本市に来ないということは、本市のPFIに魅力がないということであり、本当に大丈夫なのかと心配になる。PFIは、代表的な民間活用であり、その手法の原点は競争である。競争性がない以上、進めるべきではない。今回の入札公告では、仮に1社しか応募がない場合は中止するのか。 371 △保健福祉局長 一般競争入札においては、広く入札希望者を募集したにもかかわらず入札者が1人であった場合は、他の者は競争に参加する利益を放棄したと見るべきであり、入札における競争性は確保されていることから、入札は有効であると解釈されている。また、PFIにおいて応募者が1人であった場合も、(財)地域総合整備財団が作成した自治体PFIハンドブックにおいて、透明性、客観性を確保しつつ、審査基準に基づき適切に評価を行うことにより入札を成立させることができるとされている。本市のPFIにおいても、あらかじめ公表した落札者決定基準に基づき有識者による適切な審査を行っていくことから、仮に応募者が1人であっても、適切な入札が実施できると考えている。 372 ◯倉元委員 水害対策について尋ねる。平成21年7月に起きた水害で樋井川流域は大きな被害を受けた。そこで、住家被害の件数を尋ねる。 373 △道路下水道局長 平成21年7月豪雨における城南区の被災住宅数については、床上浸水96棟、床下浸水269棟及び一部損壊が1棟で、合計366棟が被災している。 374 ◯倉元委員 樋井川の水害対策は流域住民にとって悲願である。そこで、河川改修の進捗状況と、これまで市はどのような働きかけを国や県に行ってきたのか尋ねる。 375 △道路下水道局長 樋井川床上浸水対策特別緊急事業が今年度採択されているが、事業採択後、福岡県において測量や調査に着手しており、現在河道計画の素案を作成中である。素案作成後に地域住民や関係者などに説明を行い、工事に着手することとなっている。今年度の工事の予定としては、河口から百道浜橋付近までの河道掘削に着手する予定となっている。また、国や県への要望については、市長を先頭に、国土交通大臣や九州地方整備局長、県知事に対して河川改修による治水対策や堆積土砂のしゅんせつ、適切な維持管理について強く要望したものである。また、機会あるごとに道路下水道局や7区長会においても国県に対し繰り返し要望活動を行った。 376 ◯倉元委員 一刻も早く改修が終わるために努力するよう要望しておく。平成21年に私は、河川改修と同時に浸水対策として雨水の流出抑制対策が必要だと主張し、市も河川流下させるだけではなく、流域全体で貯留あるいは地下へ浸透させる総合的な対策が必要と答弁している。そこで、この間どのような流出抑制対策を行ってきたのか尋ねる。 377 △道路下水道局長 雨水流出抑制施策としては、22年度にタンクなどの助成制度を拡充している。拡充の内容については、助成対象を従来の一戸建て住宅に加え事業所や集合住宅にも適用するよう拡大している。また、助成額についても、雨水貯留タンクの購入代金の2分の1としており、従来100リットル以上のものについて一律上限1万5,000円を、500リットル以上のものについては3万円まで引き上げている。雨水浸透施設については、22年度新しく導入しており、市街化区域で既に建築物に存する敷地を対象に、浸透ます1基当たり2万円、浸透管1メートル当たり7,000円とし、1敷地当たり合計10万円を上限に助成することとしている。また、雨水総合流出抑制計画を立て、公共施設の流出抑制にも取り組んでいるところである。 378 ◯倉元委員 雨水浸透ますなど雨水浸透施設や雨水貯水タンクへの助成制度の創設、拡充を行ってきたとのことだが、樋井川流域での実績について尋ねる。 379 △道路下水道局長 雨水貯留タンクの助成実績については、21年度が当初の予定110基を上回る166基となっており、このうち樋井川流域の助成実績は25基となっている。22年度は、8月末現在、89基で、このうち樋井川流域は18基となっている。また、22年度に新設した雨水浸透施設は、現時点では申請なしという状況である。 380 ◯倉元委員 合わせて50件ぐらいであるが、雨水浸透施設についてはゼロである。水害がいつも起こっているところでは、こういう施設が広がっていかなくてはいけないのにもかかわらず、実績は芳しくない。流出抑制はかけ声だけに終わってしまうと危惧しているが、当局の所見を伺う。 381 △道路下水道局長 雨水貯留タンクの利用については、雨水をため、散水などへ利用し、これにより上下水道の料金も軽減されるなどの利点から利用されており、流出抑制の観点からの利用はまだまだ少ないと考えている。また、ことし始めた雨水浸透施設については、流出抑制のみの効果であり、さらに理解度が低いのではないかと思っている。このため、雨水流出抑制施設の本来の目的を市政だより、出前講座並びにテレビや新聞などの報道機関を通してPRを実施しているところであり、市民への理解を深めていきたいと考えている。また、さらなる普及促進のために有効な手法と考えられる助成制度の拡充などについても、22年度の取り組みを評価し、他都市の制度を参考にしながら検討していきたいと考えている。 382 ◯倉元委員 設置促進のためにぜひもっと努力してほしい。しかし、その市民の努力に頼るようなやり方のままで、タンクや雨水浸透ますの設置がふえるのかということを考えると、簡単に進むわけではないと思う。そこで、これまで水害に遭っている地域、城南区鳥飼や田島等の地域においては、水害を起こさない防災対策の公共事業として、市が無償でタンクや雨水浸透ますを設置することが求められていると思うが所見を尋ねる。 383 △道路下水道局長 雨水の流出抑制は、市民と行政が一体となって取り組むことが重要であると考えている。平成21年7月の豪雨においても、市内各地で被災しており、浸水被害は全市的な課題であるので、市内同一基準で行うことについて理解願いたい。 384 ◯倉元委員 同一基準ではなく、水害に遭っている地域を特定しているわけであるから、そこにインセンティブを付加し、水害を起こさせないということを考えるべきである。水害に遭っている地域においては、抜本的な流出抑制が求められている。市がもっとイニシアチブをとって取り組むべきである。公共施設における貯水の問題について、平成21年の決算特別委員会で市長は指針をつくってやっていくと答弁している。そこで、樋井川流域での公共施設における貯水の計画はどうなっているのか尋ねる。 385 △道路下水道局長 22年度の樋井川流域の公共施設における雨水流出抑制については、七隈公民館及び道路の歩道部で約5,400平方メートルの透水性舗装を整備する計画としている。 386 ◯倉元委員 樋井川流域では、まだ計画が具体的にない。例えば鳥飼地域には当仁中学校跡地などがあるわけであるから、そこに地下貯留タンクをつけるとか、具体的に検討すべきではないかと思う。災害対策というのは時間がかかるのも承知しているが、被害に遭っている住民は一刻も早く対策をとってほしいと願っている。タンクや雨水ますの設置はなかなか民間任せで進まない、公共施設における貯水の計画も立っていないとなると、スピード感に欠けると言わざるを得ない。鳥飼には護岸沿いに土のうが積まれているが、1年間そのままである。民間の努力だけをあてにするようでは、本当に水害から市民の命と財産を守ることにはならない。河川改修の早期完了を県、国に求めるとともに、流出抑制のための制度の抜本的な拡充、公共施設における貯水の計画を行うべきと思うが、市長の所見を尋ねる。 387 △市長 樋井川流域の浸水対策としては、まず一番大事なのは治水の根幹である2級河川樋井川の河川の改修だと考える。さらに加えて、内水排除である下水道の整備、流出抑制が必要である。このため、平成21年7月の浸水被害の後、国土交通大臣、九州地方整備局長、県知事に対して、河川改修の要望活動を行ってきた。その結果、床上浸水対策特別緊急事業を採択している。また、その事業の採択後、福岡県から要請を受け、直ちに床上浸水対策推進室を設置し、現在、福岡県と共同して積極的に事業を進めている。あわせて、平成22年4月には鳥飼ポンプ場の稼働を開始している。これは内水排除のためのものである。そして、下水道施設の整備も鋭意進めている。また、雨水流出抑制を推進するために、平成21年2月に福岡市公共施設雨水流出抑制指針を策定し、公共施設において雨水の貯留浸透施設の整備も進めている。民有地の貯留浸透施設についても22年度助成制度を拡充新設している。まだまだ足りないという指摘ではあるが、そういう制度も始めており、十分活用してもらうよう、市民と一体的に取り組んでいきたいと考えている。 388 ◯倉元委員 市は、内水対策を真剣に一刻も早く行ってほしいというのが住民の願いである。早急な対応を強く求めておく。次に、小中学校の普通教室の教室冷暖房について質問する。まず、小中学校の校舎等整備費の決算額を尋ねる。 389 △教育長 21年度の校舎等整備費の決算額は、耐震改修工事や大規模改造工事などを含めて、小学校建設費で56億3,700万円余、中学校建設費で31億7,400万円余となっており、合計で88億1,100万円余である。 390 ◯倉元委員 さまざまな施設整備が行われたが、子どもたちが勉強しやすい環境をつくるのは市長の責務であることは言うまでもない。平成22年の夏は記録的な暑さだったが夏の教室温度調査の結果を尋ねる。 391 △教育長 教室温度調査については、夏季の教室の学習環境を把握するために行っているもので、休業日を除く7月から9月に、22年度は小学校7校で、最も温度が高くなる午後2時の教室温度を測定している。7月の調査結果については、12日間の調査日のうち、30度を超える温度を記録した日が、最も多い教室で6日、少ない教室はゼロ日、平均2.3日であった。9月については、20日間の調査日のうち、最も多い教室で13日、少ない教室は4日、平均8.5日であった。 392 ◯倉元委員 教育委員会の資料によると、30度を超えたところは多数ある。30度以下のところは29、28度など、ほとんど30度に近いというのが平成22年の夏の教室温度の状況である。このような状態では子どもたちの健康上問題が生じることになると思うが、所見を尋ねる。 393 △教育長 暑い日においては、健康上の問題が発生するおそれもあるため、常に健康観察を行い、児童生徒の健康管理に留意するようにしている。特に温度が高い日には、熱中症対策として小まめな水分補給などを指導しているところであり、現時点では大きく体調を崩すような健康上の問題となる事例があったとの報告は受けていない。 394 ◯倉元委員 報告を受けていないのは教育長だけで、現場の養護教員に聞いたらよい。何人もの子どもたちが気分が悪くなったと言って保健室で休み、そしてまた、暑い教室に戻るというのが何件もある。文部科学省がつくった基準では、夏季の教室温度は30度以下が望ましく、学習に集中できるのは28~25度としている。30度を超えるような教室温度を放置することは、文部科学省がつくった基準に違反しているのではないかと思うが、所見を尋ねる。 395 △教育長 夏季の教室温度については、国が定めた学校環境衛生基準によると、30度以下が望ましいとしている。温度調査の結果、7月~9月にかけて、一部温度が高い日があった。 396 ◯倉元委員 一部ではなく何日もあると思うがどうか。 397 △教育長 30度を超える日、それから30度以下の日、いろいろある状況であった。 398 ◯倉元委員 市長も、教室の温度については、教育長と同じような見解なのか尋ねる。 399 △市長 どの教室で何度が何日というのは詳細に把握してないが、平成22年の夏はやはり暑かったというのは、教育現場だけでなく、いろんなところから聞いており、北九州市長も言っていたが、36度という日があったということで、暑い日が多かったのは確かだと思う。 400 ◯倉元委員 小学生によると、扇風機が回っていても涼しくならないと言っている。プリントが汗で濡れて、字を書いたら紙が破れるという事例もあっている。扇風機を回したらプリントが舞い上がるので、弱風でしか回せないという現場の声もある。子どものことを考えて、普通教室の温度を下げるためには、冷房を設置すべきではないかと思うが、所見を尋ねる。 401 △教育長 普通教室における冷房設備については、航空機騒音や交通騒音対策として、小学校27校、中学校12校に整備をしている。他の学校については、最も暑い時期は夏季休業中に当たることや、両側に窓があり風通しがよいこと、扇風機が処熱対策として有効であるという結果を踏まえ、20年度より段階的に扇風機の設置を行っているところであり、現時点で冷房の整備の予定はない。また、女子中学生の夏服が暑いという子どもたちの意見を受けて、23年度より夏季標準服のデザインや生地などの仕様を約60年ぶりに変更するなど、さらなる暑さ対策に努めている。 402 ◯倉元委員 異常に暑い中、勉強している子どもたちの立場に立ったらどうかと意見を述べておく。次に暖房について、冬の教室の温度の状況について尋ねる。 403 △教育長 教室の暖房について、12年度及び13年度の1月から2月に小学校7校において室温の状況を調査している。その結果、午前中に室温10度以下の学校が12年度は6校、13年度は1校であった。 404 ◯倉元委員 調査結果によると、1月、2月に1時間目のときの教室温度は、4割の教室が10度以下になっている。10度以下といったら冷蔵庫と同じである。このような温度では子どもたちの健康に影響が及ぶと思うが、所見を尋ねる。 405 △教育長 教室の暖房については、現在、山間部や特別支援学校など配慮が必要な学校には暖房を実施しているところである。それ以外の学校については暖房は設置してないが、10度以下の日数も少なく、特に健康上で問題となったような報告は受けていない。 406 ◯倉元委員 冬季では10度以上であることが望ましい、また、最も望ましい温度は冬季では18ないし20度と文部科学省は基準をつくっている。これに照らしても、教室温度というのは異常な状態になっている。このような状況を放置することは許されないと思うが、所見を尋ねる。 407 △教育長 教室の暖房については、学校環境衛生基準によると、冬は10度以上が望ましいとしている。暖房未整備の学校については、温度調査の結果、10度以下が続く日が少ないことや、衣服による調節が可能ということから、暖房の必要性は低いと考えている。 408 ◯倉元委員 厚着をすれば問題はないかのように言うが、中学生は標準服である。冬になったら、スカートの下にジャージをはいている女子生徒を見たことがあると思うが、あれは寒いからである。男子も学生服の下に着込むといっても限界がある。したがって、厚着をして寒さをしのげというのはむちゃな話であると思うが所見を尋ねる。 409 △教育長 冬の温度というのは年によって変わるが、それぞれの置かれた学校の状況に応じて、厚着をするとか、あるいは運動をするとか、いろいろな工夫をしながらやっている。また、温度調査の結果でも、10度以下が続く日が少ないということで、暖房の必要性は低いと考えている。 410 ◯倉元委員 今の制服については、厚着ができないので子どもたちは寒いなか授業を受けており、インフルエンザも流行するわけである。冷暖房がない公共施設はないし、学校だけは例外である。子どもに対する愛情が感じられない。平成22年の夏は特に暑く、教室の冷房化は社会問題としてクローズアップされた。そして、意識調査のアンケートでは、約7割の人が冷房については必要だと回答している。世論の大勢となっている普通教室への冷暖房設置を行うべきではないかと思うが、市長の所見を伺う。 411 △市長 子どもを大切に育てていこうということで、まちづくりの三つの目標を掲げて、子ども、環境、アジアということで頑張っているところである。良好な学習環境をつくっていくのは児童生徒にとって大変大切なことだと思っている。現在、冷暖房を普通教室に導入するということが大きな議論になっているという状況も理解している。今現在は暑さ対策については、扇風機を設置しているが、これを段階的に導入し、費用対効果も考えつつ、学習効果や風力の影響などよく見きわめ、さらに教室の温度などの結果も見ながら、教育委員会と協議を行っていきたいと考える。状況はよく認識しており、平成22年は特に暑かったということで、子どもたちも大変だったと思うし、よく頑張ったと思う。 412 ◯倉元委員 教室への冷暖房の設置は常識であるということを指摘しておく。次に人工島について尋ねる。まず、2009年度、みなとづくりエリアにおける土地の売却計画と実績について尋ねる。 413 △港湾局長 アイランドシティみなとづくりエリアの土地分譲について、16年度事業計画に基づき、21年度の当初予算において、市1工区5ヘクタール区画の土地売り払い収入約66億円を計上していたが、未曾有の世界的な金融経済環境の悪化により、事業予定者から購入辞退の申し出を受け、分譲予定者の取り消しを行った。平成22年2月議会において減額補正を計上し、当該区画の分譲計画を22年度に変更したところである。
    414 ◯倉元委員 5.1ヘクタールの分譲地の今後の処分見込みはどうか尋ねる。 415 △港湾局長 市1工区5ヘクタール区画の土地分譲見込みについて、5ヘクタール区画については、現在複数の事業者と具体的な分譲協議を行っているところである。現在最も勢いのある成長分野である環境エネルギー産業においても、その生産地、消費地との関係で、輸出・輸入の両面で博多港は重要な物流拠点として最適との意見をもらい、関係企業と精力的に協議を進めている。現時点で決して楽観できる状況ではないが、しっかりと分譲につなげていきたいと考えている。 416 ◯倉元委員 いつも協議をやっているという答弁をするが、実際に売れていないというのが現実である。人工島の土地売却を促進するために、人工島に特化した立地交付金がある。進出企業には最高10億円の補助を出すというものだが、みなとづくりエリアにおける2009年度の実績を尋ねる。 417 △経済振興局長 アイランドシティのみなとづくりエリアにおける企業立地促進交付金の適用実績について、立地交付金の交付の流れでは、土地の取得を経て、施設が稼働した後の交付申請その他の手続を進めるものである。したがって、みなとづくりエリアにおいては、現段階で交付まで至った案件はない。 418 ◯倉元委員 1件もないと言うことである。それでは、2009年度以前はどうか。 419 △経済振興局長 21年度以前についてもない。 420 ◯倉元委員 1件も使われていないわけである。人工島の土地を買ったら、最高10億円をプレゼントするということであり、企業にとってこんなおいしい制度はなかなかないものである。しかしながら、実績はゼロである。最高10億円の補助を出すとしても、買い手がつかないというのが人工島の土地ではないのか。所見を尋ねる。 421 △港湾局長 昨今の厳しい貨物動向は、徐々に回復しつつあるが、厳しい金融経済環境が依然長引いていることもあり、決して楽観できる状況でないということは認識している。 しかしながら、厳しい時代だからこそ、アジアに近い地理的優位性や物流機能が1カ所で対応できるという立地特性などを持つ博多港の価値が認められてきているということも事実である。これまで数多くの荷主、物流企業、物流不動産事業者等に対し、あらゆる物流の中で、博多港、アイランドシティを利用してもらうための提案を着実に進めてきたところである。また、全国の港湾の中で最も使いやすい港として各界から一定の評価をもらっているが、これは官民労の一致協力のもとに、円滑な港湾運営がなされてきていることによるものである。今後もなお一層の誘致活動を進めていきたいと考えている。 422 ◯倉元委員 現在、やはりニーズがなく売れていない。埋め立てた土地を売ることもできないのに、まだ埋め立てを行っているのは許されないことである。今後、どれだけの面積の埋め立てを行おうとしているのか尋ねる。 423 △港湾局長 アイランドシティのみなとづくりエリアについては、市4工区とDターミナルがある。この市4工区とDターミナルを合わせて、面積については約75.2ヘクタールである。また、今後の事業費については、21年度策定したアイランドシティ新事業計画において、埋め立て造成工事及び道路等の基盤施設整備等に係る経費として、合計で約512億円を見込んでいるところである。 424 ◯倉元委員 市4工区とD工区、合わせて75.2ヘクタールは、7ヘクタールの規模であるヤフードームの約11個分をこれから埋め立てることになる。その事業費が512億円の公金を使って埋め立てるということである。新たにつくる土地は売れる見込みはあるのか尋ねる。 425 △港湾局長 アイランドシティのみなとづくりエリアのうち、市4工区の港湾関連用地の分譲見込みについては、アジア、世界に向けた国際物流拠点の形成を図るため、前面のコンテナターミナルと一体的に機能する保管施設や流通機能を持った港湾関連用地として整備することとしている。博多港における中国との取り扱い貨物は顕著に増加してきており、アジアに最も近い博多港の地理的優位性がしっかりと根づいてきている。また、貨物特性に応じた多様な国内輸送モードを選択できることや、日本発の荷役機械の全面電動化を進めるなど、世界でも有数のエコターミナルを整備していることも評価されており、アイランドシティはこれまでにない新しい物流ビジネスの拠点展開が可能となる港として注目を浴びているところである。 426 ◯倉元委員 それならば、今までにもう土地が売れている。今の土地も売り切ることができないのに新たにつくる土地は、売れる見込みがあると言えるのか。土地をつくったが、見込み違いで売れなかった。しかし、また土地をつくる。こんな非常識なことをやっていれば、民間ならばとっくに倒産である。本市がやっているのは、売れる見込みのない土地をつくるという税金の無駄遣いである。これ以上の埋め立ては必要ないと思うが、所見を尋ねる。 427 △港湾局長 博多港については、アジアに近いというような地理的優位性もあり、平成21年、貨物・コンテナの取扱量が減少したが、また復帰している。土地の分譲につなげるというのはまだ難しい点も確かにあるが、実現させていきたい。 428 ◯倉元委員 これからどうなるかわからないのに、埋め立てを続けていくというのは、本当に危険なことをやろうとしている。人工島は、成長戦略の一つだと市長も言うが、それどころか、人工島のせいで市の借金はふえて、市民生活にも大きな影響を与えているということを既に指摘しているところである。仮に今後埋め立てを行おうとしている市4工区、D工区の工事をやめたらどうなるのか尋ねる。 429 △港湾局長 市4工区については、現在しゅんせつ土砂による埋め立ての途上である。仮に工事が中止ということになれば、同工区の管理上の問題が生ずるだけでなく、維持管理等の新たな費用も発生する。また、みなとづくりエリアの事業収支については、仮に工事を中止したとしても、既存の土地分譲がすべてできるものとして試算した場合、約80億円の収支不足が見込まれる。さらには、こうした管理上、収支上の問題にとどまらず、事業の中断となれば、物流拠点としての博多港の評価の低下もあり、土地を購入したり、現地で事業を展開している事業者や、さらには本市経済に至るまで、多方面にわたる影響が見込まれる。Dターミナルについては、現在まだ工事に着手していない。Dターミナルは、本市の市民生活や経済活動を支える博多港の重要な基盤であり、整備時期等については、C2コンテナターミナルの稼働状況や今後のコンテナ貨物取り扱い量の推移、また、船舶の大型化の動向等を見きわめながら、国とも協議し、検討していきたいと考えている。 430 ◯倉元委員 数字上、今やめれば80億円の損失で済む。埋め立てを行えば512億円の支出になる。売れるかどうか不確かであり、ここでやはり立ちどまる必要があると思うが、見解を伺う。 431 △港湾局長 博多港については、今経済が伸びている中国などアジアに近いという地理的優位性もあるし、平成21年はコンテナの取り扱い量が減少したが、戻ってきている。土地の分譲は、厳しい点はあるけれども、この事業を進展させていきたいと考えている。 432 ◯倉元委員 これから5年間で、みなとづくりエリアを含めて、444億6,000万円も売却しなくては、現在の計画の収支計画は成り立たない。これが本当にできるのかということを市長は真摯に考えてほしい。市長は、もともと4年前の市長選挙のときは人工島を見直すと公約して市長になった。しかし、公約に反して、人工島推進本部長にまでなって、事業を推進してきた。その金額は、4年間で400億円である。この事業が、今、土地が売れない。そして次々と市民の税金が投入され、立ち行かなくなっている。人工島を推進してきた市長の責任は重大だと思うが、市長の所見を伺う。 433 △市長 公約には、人工島を市民の財産にするということで、何とか早く道筋をつけたいということで、その後も検証検討を含めて、新しい事業計画を立て頑張っている。リーマンショックなどあり、予定していたものが売れなくなったりというようなこともあるが、福岡がこれから先、アジアとの結びつきの中で発展していくためには、特に港のエリアというのは非常に重要だと思っている。これまでも15メーター岸壁のターミナルも供用開始をしているし、エコポートということで内外の評価も高まっている。これから先、まちづくりエリアも、現在約3,700人の市民も暮らしているので、コミュニティ豊かなまちに育てていきたいと思っている。平成22年10月1日には特別養護老人ホームも開所しており、福岡健康未来都市構想という取り組みも進んでいるので、トップセールスも続けながら、しっかり道筋を立てていきたいと思っている。 434 ◯倉元委員 市民にとって人工島事業は、市民の財産どころか負担になっている。トップセールスについても、売れた土地はいまだに更地である。必要もない埋め立て事業を行ったために、土地が売れ残る。土地が売れないと、銀行に返済できないので、市がその土地を買い取ってやる。こども病院、中央公園、新青果市場である。市5工区も値段を下げて売らざるを得なくなった。しかし、何の反省もなく、まだ埋め立てを進めようとしている、市長には厳しい市民の批判が起こっている。したがって、もう一度市長に尋ねるが、これ以上の埋め立ては税金の無駄遣いであり、きっぱりと埋め立ては中止して、人工島事業は抜本的に見直すべきだと思うが、所見を伺う。 435 △市長 確かに今の現状というのは楽観できない要素がたくさんある。リーマンショックの後の景気回復も一本調子で上がっているというわけではないし、この先世界的な経済も不安定という現状は確かにあると思う。ただ、これまで進めてきたアイランドシティの事業は、とめるということのマイナスも非常に大きいわけで、特にみなとづくりについては、博多港の発展というのが、本市、九州北部の発展にもつながるものである。港湾全体の発展というのは、福岡がこれから先何で食べていくかということに非常に重要な要素だと思っているので、この港の機能の強化というのは必要だと思っている。また、まちづくりでは、低炭素型のまちづくりということで新しい取り組みも進めているし、これから非常に優良な住環境もそろってくるので、何とか早く市民の財産だと言い切れるように頑張っていきたいと思っている。 436 ◯倉元委員 人工島事業について、走り出したらとまれないという理論で突っ走って大型事業を推し進めたあげくに、破綻をしていく典型だということを指摘しておく。次に、中小業者の暮らしと営業をどう守るかという問題について、まず、中小企業対策費の決算額について尋ねる。 437 △経済振興局長 21年度の中小企業対策費の決算額については、17億1,047万6,000円となっている。 438 ◯倉元委員 1事業所当たり2万4,000円ほどしかない。政府は景気回復などと楽観的なことを口にするが、中小企業は深刻な事態に陥っている。本市の中小企業の現状をどのように認識しているのか尋ねる。 439 △経済振興局長 本市の中小企業をめぐる経営環境については、リーマンショックによる景気の急速な後退に伴う消費の低迷、デフレの進展などにより、大変厳しくなったが、本市の緊急経済対策などが功を奏したこともあり、回復に向かっているところでもある。 しかしながら、最近では円高の一層の進行や株価の下落が景気の回復基調に水を差すことも懸念されており、地場中小企業をめぐる経営環境は依然として厳しい状況にあると認識している。 440 ◯倉元委員 とりわけ建設業についてはどのような現状なのか尋ねる。 441 △経済振興局長 建設業を取り巻く環境についても、大変厳しい状況にあると認識しているが、国の住宅エコポイント制度の効果もあり、新設住宅着工数も前年に比べ増加してきている。建設業の景況感は回復を続けているとされているが、公共工事の縮減などにより、経営状況は依然として厳しい状況にあると考えている。 442 ◯倉元委員 建設業の中で特に厳しい状況にあるのが中小零細建設業である。その中小零細建設業者が抱える問題は仕事がないということである。我々が予算議会において条例提案した住宅リフォーム助成制度は、中小零細建設業者の仕事をふやすと同時に、大きな経済波及効果を生み出すものである。その効果を認め、多くの自治体が実施し、大きな成果を上げている。今回、春から実施に踏み切った秋田県を調査したが、その概要については、9月議会において我が党の熊谷議員が明らかにしている。平成22年8月31日現在、申し込み件数は8,901件、当初予算の12億円を大きく上回る申請があり、平成22年8月の臨時議会でさらに8億円追加補正されるくらい市民にとって好評な制度となっている。秋田県の試算では、建設投資額が平年よりも約198億円の純増加とし、経済波及効果は約311億円の純増加、さらに、本年度のリフォーム全体では約512億円の経済波及効果と分析している。秋田県の実績を見ても住宅リフォーム助成制度の効果は抜群だと思うが、所見を尋ねる。 443 △経済振興局長 住宅リフォーム助成制度による経済波及効果については、公的助成による需要の喚起であるので、一定の効果はあると考えている。 444 ◯倉元委員 20億円の助成が500億円以上の仕事を生み出した、25倍の経済波及効果を直視すべきである。秋田県の調査結果では、制度による受注件数、工事額割合は建設業が一番多くなっている。特にその建設業でも個人業者が受注件数で30%、工事額割合で45%を占めており、この制度が中小零細建設業者にも効果があるということをデータは示している。さらに、秋田県が行った補助効果に係る聞き取り調査結果で、平成21年と比較して受注額が増加したかの問いに、72%がはいと答えている。受注に関して当事業は影響があったと思うかという問いに、98%の事業者が事業効果を認めている。これらのデータは住宅リフォーム助成制度が中小零細建設業者の仕事づくりに大きく寄与することを証明するものではないのか、所見を伺う。 445 △経済振興局長 秋田等の住宅リフォーム助成制度については、中小企業の建設業の仕事づくりに一定の寄与があると考えている。 446 ◯倉元委員 この不況の中で仕事がふえる、これはすごいことだと思う。しかし、経済振興局はあくまでも制度の効果を認めようとしない。市長は、9月議会において、住宅リフォーム助成制度の創設について、4月から省エネ改修助成事業をつくったので、それでよしとした。そこで尋ねるが、同制度の対象工事はどうなっているのか。 447 △住宅都市局長 福岡市住宅省エネ改修助成制度については、国の住宅エコポイント制度にさらに市が10万円を限度に上乗せ助成をするものであるが、助成対象工事については、窓や外壁、屋根、天井、床の断熱化工事及びそれらとあわせて行う手すりの設置や通路の段差解消などのバリアフリー改修工事が対象となっている。 448 ◯倉元委員 国の住宅エコポイントを受ける人限定である。現在の実績について尋ねる。 449 △住宅都市局長 本年度予算として取り組んでいるが、実績については、10月1日現在で申請受付を行ったものが300件で、助成額は1,256万2,000円、助成金の支払いを行ったものが171件で、助成額が708万5,000円となっている。 450 ◯倉元委員 この制度の当初予算は幾らか。 451 △住宅都市局長 当初予算については1億400万円である。 452 ◯倉元委員 1億円に対して、申請金額で見ても約1,200万円、やっと1割である。何でこんなに人気がないのか、見込みと大きくかけ離れた実績になっているのか、所見を伺う。 453 △住宅都市局長 本市の制度は本年4月から受付を開始しているが、助成対象については、国ではすべての住宅が対象であるのに対して、本市については、市内の事業者が施工することや、リフォームに限ること、9月までは自己居住用の住宅に限定するなど一定の要件を課していたこと、対象工事完了後、国のエコポイントを申請し、同ポイントが発行された後に市へ申請するものであるため、工事完了から市へ申請されるまでには平均で約3カ月を要するなど、実質の施行期間が短いことなどが現在の申請状況に至っていると考えている。 454 ◯倉元委員 対象を広げたということだが、広げたことに値しないぐらいのマイナーチェンジである。市長は、住宅省エネ改修助成事業について、我が党の代表質問への答弁で「国の住宅版エコポイントと連動させることで、短期に潜在的な需要を喚起させるなど、あわせて経済の活性化も図っていく」と言った。与党である民主党は、賛成討論でその効果で470億円程度の事業規模が見込まれると絶賛した。しかし、結果は答弁のとおりである。たった4億円の工事しか誘発できていない。経済の活性化に市長がつくった制度は役立っているのか、所見を伺う。 455 △住宅都市局長 助成対象を国の住宅エコポイントの対象のうち補助対象者をみずから居住する住宅の所有者に限定していたため、本市の要件に該当するものが国の住宅エコポイントの実績件数の約3割にとどまっている。また、制度開始から期間が短く、市内の業者や市民の方々への周知が不十分であったということで、現在の申請状況になっていると考えている。これまでの申請状況や昨今の経済状況、国のエコポイント制度の見直し条件を踏まえて、平成22年10月1日より助成対象を、自家用、賃貸を問わず、市内にある住宅すべてに拡大するとともに、助成対象となる期間についても、国のエコポイント期間の延長に合わせ、3カ月間延長し来年3月までとしている。広く市民や事業者への周知についてもしっかりと取り組み、少しでも経済の活性化につなげていきたいと考えている。 456 ◯倉元委員 札幌市の制度も本市の制度に似ていて、環境に限定したものになっている。募集期間が終わっても、22件400万円の予算しか消化できず、募集期間を10月末まで延長することに決めたそうである。そのくらい不人気であった。環境を条件とした札幌市の制度は、対象工事を限定したため申請者が伸びていない。やはり制度の効果を上げるためには、対象工事にはできるだけ条件をつけないことが必要だと考えられる。本市や札幌市の制度に人気がないのは、環境という特定目的に限定しているからではないのか。所見を尋ねる。 457 △住宅都市局長 本市における住宅に対する助成支援等については、現在までも、バリアフリー、環境対策、耐震という、政策目的を持った取り組みに対して行っている。一定の経済的効果はあるものと考えている。 458 ◯倉元委員 経済効果はない。全然上がっていない。対象工事に縛りがあるからこそ、制度を使いにくくしているわけである。対象工事の条件をなくすことが今求められている。 閣議決定された新成長戦略の中で、中古住宅の流通市場、リフォーム市場等の環境整備についてはどのような方針を出しているのか。 459 △住宅都市局長 国土交通省の新成長戦略におけるリフォーム市場及び中古住宅の流通市場についての方針については、平成22年5月に策定され、住宅建築投資活性化ストック再生戦略として、質の高い新築住宅の供給と中古住宅流通、リフォームの促進を両輪とする住宅市場活性化が掲げられており、中古・リフォーム市場等の整備に関しては、瑕疵保険つきのリフォームや中古住宅購入への支援拡充、中小工務店のリフォーム技術力向上のための支援、今後需要が見込まれる建物内装等のリフォーム工事にかかわる評価制度の導入、リフォーム工事にかかわるトラブルを簡易迅速に処理できるよう、紛争処理体制の整備を行うことなどの方針が出されている。 460 ◯倉元委員 国としても、住宅の長寿命化を図ることを促進している。本市においても長期優良住宅の認定の紹介と推進をうたっており、その中で、長期優良住宅の普及を促進することで環境負荷の低減を図りつつ、良質な住宅ストックを将来世代に継承するとうたわれている。このような施策を実現するために住宅リフォーム助成制度は大いに役立つと思うが、所見を尋ねる。 461 △住宅都市局長 住宅の長寿命化には、基本的には、柱、屋根、床などの主要構造部を修繕改修することや、給排水などの主要な設備を更新することが必要になってくると考えており、リフォームの内容により効果は異なってくるものではないかと考えている。 462 ◯倉元委員 長寿命化に対して全くやる気がない。市としてリフォームを促進する計画があるのにそれでもやらない。市長は、4年前、まだ市長になる前に、福岡県建設労働組合の公開質問状で、住宅リフォーム助成制度の創設に対して、前向きに検討すると答弁している。しかし、この4年間、建設業者の切実な願いに背を向けて、制度創設を否定する言いわけばかりしてきた。前向きに検討すると一度言ったならば、真摯に他都市の例に学んで、本市でも住宅リフォーム助成制度を創設すべきと思うが、所見を伺う。 463 △市長 国の住宅エコポイント制度を活用した住宅省エネ改修助成事業を平成22年4月より実施しているが、予想よりも応募が少なかったということは、どこか制度的な改善点があると率直に思っている。このため、10月より、さらに市民に広く利用してもらうよう事業内容の拡充を行っている。秋田県の成功例を含めて、研究を進めていきたいと考える。 464 ◯倉元委員 検討したけれどもできませんというのを、この4年間何回も聞いてきた。住宅リフォーム助成制度しかり、こども病院人工島移転の見直ししかり、人工島事業の見直ししかり、検討したけれどもできない。こんな市民との約束を平気でほごにするような市長には、きっと厳しい市民の審判が下されることを指摘して、私の質問を終わる。 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...