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03月04日-01号

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  1. 北九州市議会 2019-03-04
    03月04日-01号


    取得元: 北九州市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    平成31年 3月 定例会(第1回)議 事 日 程 (第1号)                          平成31年3月4日(月曜日)午前10時開会(開 会) ○補欠議員の紹介 ○市長のあいさつ ○ 諸報告  1 議員の辞職について  2 議会運営委員の辞任について  3 閉会中における補欠委員の選任について  4 常任委員会所管事務調査の報告について  5 報告第1号 専決処分の報告について  6 請願の処理経過の報告について(市長)  7 請願の処理経過の報告について(教育委員会)  8 監報第19号 出納検査報告書の提出について  9 監報第20号 定期監査の結果報告書の提出について  10 監報第21号 定期監査の結果報告書の提出について  11 監報第22号 出納検査報告書の提出について  12 監報第23号 出納検査報告書の提出について  13 監報第24号 出納検査報告書の提出について  14 監報第25号 定期監査の結果報告書の提出について  15 監報第26号 出納検査報告書の提出について  16 監報第27号 定期監査の結果報告書の提出について  17 監報第29号 定期監査の結果報告書の提出について  18 監報第30号 財政援助団体等監査の結果報告書の提出について  19 監報第31号 財政援助団体等監査の結果報告書の提出について  20 監報第32号 定期監査の結果報告書の提出について  21 監報第33号 財政援助団体等監査の結果報告書の提出について  22 監報第34号 財政援助団体等監査の結果報告書の提出について  23 監報第35号 出納検査報告書の提出について  24 議員の派遣の報告について  25 陳情の付託について第1 議席の変更について第2 補欠議員の議席の指定第3 会期の決定第4 議長の辞職について第5 副議長の辞職について第6議員提出議案 第1号北九州市議会委員会条例の一部改正について(散 会)会議に付した事件日程第1 議席の変更について日程第2 補欠議員の議席の指定日程第3 会期の決定日程第4 議長の辞職について追加日程 議長の選挙日程第5 副議長の辞職について追加日程 副議長の選挙追加日程 議会運営委員の辞任について追加日程 議会運営委員の補欠選任について追加日程 議会運営委員会の委員長の選任について日程第6 議員提出議案第1号出席議員 (57人)   1番 上 野 照 弘  2番 吉 田 幸 正   3番 木 村 年 伸  4番 佐 藤   茂   5番 渡 辺   均  6番 奥 村 祥 子   7番 戸 町 武 弘  8番 香 月 耕 治   9番 片 山   尹  10番 中 島 慎 一   11番 佐々木 健 五  12番 井 上 秀 作   13番 日 野 雄 二  14番 村 上 幸 一   15番 鷹 木 研一郎  16番 田 仲 常 郎   17番 西 田   一  18番 田 中   元   19番 吉 村 太 志  20番 佐 藤 栄 作   21番 三 原 朝 利  22番 宮 﨑 吉 輝   23番 金 子 秀 一  24番 冨士川 厚 子   25番 渡 辺 修 一  26番 渡 辺   徹   27番 本 田 忠 弘  28番 成 重 正 丈   29番 岡 本 義 之  30番 山 本 眞智子   31番 木 下 幸 子  32番 村 上 直 樹   33番 木 畑 広 宣  34番 中 島 隆 治   35番 松 岡 裕一郎  36番 森   浩 明   37番 森 本 由 美  38番 浜 口 恒 博   39番 白 石 一 裕  40番 大久保 無 我   41番 奥 村 直 樹  42番 中 村 義 雄   43番 河 田 圭一郎  44番 福 島   司   45番 三 宅 まゆみ  46番 世 良 俊 明   47番 田 中 光 明  48番 荒 川   徹   49番 石 田 康 高  50番 柳 井   誠   51番 出 口 成 信  52番 山 内 涼 成   53番 高 橋   都  54番 藤 沢 加 代   55番 藤 元 聡 美  56番 讃 井 早智子   57番 村 上 さとこ欠席議員 (0人)説明のために出席した者の職氏名 市長     北 橋 健 治  副市長    梅 本 和 秀 副市長    松 元 照 仁  副市長    今 永   博 会計室長   石 井 佳 子  危機管理監  東   義 浩 技術監理局長 石 松 毅 彦  企画調整局長 大 下 徳 裕 総務局長   小 林 一 彦  財政局長   小 牧 兼太郎 市民文化 スポーツ局長 久保山 雅 彦  保健福祉局長 阿 髙 和 憲 子ども家庭 局長     江 副 春 之  環境局長   近 藤   晃 産業経済局長 加茂野 秀 一  建設局長   横 矢 順 二 建築都市局長 柴 田 卓 典  港湾空港局長 木 本   仁 消防局長   土 田 久 好  上下水道局長 有 田 仁 志 交通局長   吉 田 茂 人  病院局長   古 川 義 彦 公営競技局長 上 野 孝 司  教育長    垣 迫 裕 俊 行政委員会 事務局長   小 坪 浩 子職務のために出席した事務局職員の職氏名 事務局長   窪 田 秀 樹  次長     古 澤   玲 議事課長   馬 場 秀 一          ほか関係職員                  午前10時6分開会 ○議長(井上秀作君) ただいまから、平成31年3月北九州市議会定例会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元配付の議事日程により進行いたします。 議事に入る前に、先般の北九州市議会議員補欠選挙において当選されました木村年伸議員を紹介いたします。(木村議員が起立し、一礼) 木村議員から御挨拶がございます。(木村議員、登壇) ◆3番(木村年伸君) ただいま御紹介にあずかりました、さきの北九州市議会議員小倉北区の補欠選挙に当選させていただきました木村年伸でございます。よろしくお願いいたします。 また、今回私が今登壇するに当たりまして、段差をなくす仮設のスロープ等をつくっていただきましたこと、まことにありがとうございます。まだ治療中、体も回復の途中でありますので、皆様に御迷惑をかけることがあるかもわかりませんが、私も選ばれた以上、皆さんと同様に市民のため、本市のためにこれからまた一生懸命頑張りたいと思いますので、どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(井上秀作君) 次に、市長から御挨拶があります。市長。 ◎市長(北橋健治君) 皆様おはようございます。本会議の開会に当たりまして一言御挨拶させていただきます。 平成19年2月に市長に就任して以来、基本構想、基本計画、元気発進!北九州プランに基づきまして、人に優しく元気なまちづくりを目指し、市政に鋭意取り組んでまいりました。このたび市民の皆様の御支援を賜りまして、4目の市政を担当させていただくこととなりました。これまでの任期中は市民や議員の皆様のお力添えによりまして、子育て、福祉、教育、環境政策を初め、安全・安心なまちづくりや地域経済の活性化の取り組みなど、多くの成果を上げることができたと思います。4目は、元気発進!北九州プランの総仕上げとして、日本で一番住みよい町を目指して鋭意政策に取り組んでまいります。 1つ目は、洋上風力発電ロボット開発、企業誘致、北九州空港の活用などによって地域経済の浮揚に努め、若者が地元で夢を持って働ける町をつくることです。2つ目は、持続可能な開発目標、SDGsのトップランナーとして、持続可能で子供や高齢者、障害者など全ての人に優しい町、安全・安心な町への取り組みを加速させることです。3つ目は、2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会や、本市で開催される東アジア文化都市事業に向け、文化芸術やスポーツ振興を強化して、町のにぎわい、シビックプライドの醸成につなげることです。また、安定した財政の維持のため、行財政改革を引き続き進めてまいります。 今後とも市民や議員の皆様とともに、本市の力強い発展に向けてまい進し、全力を尽くしてまいりますので、引き続き皆様の御理解、御指導をお願い申し上げまして、一言挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) △日程第1 議席の変更について △日程第2 補欠議員の議席の指定 △日程第3 会期の決定について ○議長(井上秀作君) 日程第1 議席の変更についてを議題といたします。 お諮りいたします。お手元配付の議席変更表のとおり、13名の方の議席を変更したいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 次に、日程第2 補欠議員の議席の指定を行います。 木村議員の議席は、3番に指定いたします。 ここで、諸報告をいたします。 まず、議員の辞職について報告いたします。 平成30年12月12日、大石正信議員から辞職願が提出され、これを許可いたしました。 次に、閉会中における議会運営委員の辞任について報告いたします。 平成30年12月12日、山内涼成議員から議会運営委員の辞任願が提出され、これを許可いたしました。 次に、平成31年1月28日付で、木村年伸議員保健病院委員の補欠委員として選任いたしました。 次に、各常任委員会から所管事務調査の報告書が提出されておりますので、それぞれの写しをお手元に配付しております。 次に、市長、教育委員会及び監査委員から19件の報告があっております。なお、それぞれの写しは各議員宛て送付しておりますので御了承願います。 次に、お手元配付の議員派遣報告一覧表記載の1件の議員の派遣を議長において決定いたしました。 次に、陳情2件を所管の常任委員会にそれぞれ付託いたしました。 以上、報告いたします。 日程第3 会期の決定を行います。 お諮りいたします。会期は、本日から3月14日までの11日間としたいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、会期は11日間と決定いたしました。 ここで副議長と交代いたします。                 (議長退場、副議長着席) △日程第4 議長の辞職について ○副議長(木下幸子君) 日程第4 議長の辞職についてを議題といたします。 井上議長から、議長の辞職願が提出されております。 お諮りいたします。議長の辞職を許可することに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、議長の辞職を許可することに決定いたしました。 ここでしばらく休憩いたします。再開は追って通知いたします。                  午前10時16分休憩                  午後4時2分再開 ○副議長(木下幸子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 お諮りいたします。ここで議長の選挙を日程に追加し、直ちに選挙を行いたいと思います。これに御異議ございませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 ただいまから議長の選挙を行います。 議場を閉鎖します。                   (議場閉鎖) ただいまの出席議員数は57名であります。投票用紙を配付します。                  (投票用紙配付) 投票用紙の配付漏れはありませんか。                (「なし」の声あり。) 配付漏れなしと認めます。 投票箱を改めます。                  (投票箱点検) 異状なしと認めます。 念のため申し上げます。投票は、単記無記名であります。投票用紙に被選挙人の氏名を御記入願います。なお、投票の効力判定については、公職選挙法第68条第1項の規定が準用されます。 それでは、点呼に応じて、順次、投票をお願いいたします。点呼を命じます。議事課長。 ◎議事課長(馬場秀一君) 1番 上野議員、2番 吉田議員、3番 木村議員、4番 佐藤茂議員、5番 渡辺均議員、6番 奥村祥子議員、7番 戸町議員、8番 香月議員、9番 片山議員、10番 中島慎一議員、11番 佐々木議員、12番 井上議員、13番 日野議員、14番 村上幸一議員、15番 鷹木議員、16番 田仲常郎議員、17番 西田議員、18番 田中元議員、19番 吉村議員、20番 佐藤栄作議員、21番 三原議員、22番 宮﨑議員、23番 金子議員、24番 冨士川議員、25番 渡辺修一議員、26番 渡辺徹議員、27番 本田議員、28番 成重議員、29番 岡本議員、30番 山本議員、32番 村上直樹議員、33番 木畑議員、34番 中島隆治議員、35番 松岡議員、36番 森議員、37番 森本議員、38番 浜口議員、39番 白石議員、40番 大久保議員、41番 奥村直樹議員、42番 中村議員、43番 河田議員、44番 福島議員、45番 三宅議員、46番 世良議員、47番 田中光明議員、48番 荒川議員、49番 石田議員、50番 柳井議員、51番 出口議員、52番 山内議員、53番 高橋議員、54番 藤沢議員、55番 藤元議員、56番 讃井議員、57番 村上さとこ議員、31番 木下議員。 ○副議長(木下幸子君) 投票漏れはありませんか。                (「なし」の声あり。) 投票漏れなしと認めます。 以上で投票は終わりました。議場の閉鎖を解きます。                  (議場開鎖) 開票を行います。立会人に、2番 吉田議員、33番 木畑議員、39番 白石議員、47番 田中光明議員を指名いたします。よって、立ち会いをお願いいたします。                   (開票) 投票結果を報告いたします。 投票総数57票。これは先ほどの出席議員数に符合いたしております。このうち、有効投票56票、無効投票1票。有効投票のうち、村上幸一議員56票、以上のとおりであります。 この選挙の法定得票数は14票であります。よって、村上幸一議員が議長に当選されました。 ただいま議長に当選されました村上幸一議員が議場におられますので、本席から告知いたします。村上幸一議員、当選の御挨拶をお願いいたします。                  (村上議員、登壇) ○議長(村上幸一君) 議長就任の御挨拶を申し上げます。 ただいま多くの皆様方に御推挙いただきまして、この席にいることを非常に感謝申し上げたいと思います。 今、議長として果たさなければならない使命、そしてその役割は非常に大きなものと感じております。身の引き締まる思いでありますが、皆様のお力をおかしいただいて、しっかりとした議会運営ができるように頑張ってまいりたいと思います。 また、民主的で公正公平な議会運営ができるよう、ここにおられる議員の皆様にお約束申し上げたいと思います。 そして、北橋市長を初めとする執行機関の皆さん、そして我々議会とはお互いの代表であり、二元代表制の一翼を担うものであります。お互い緊張関係を持ちながら切さたく磨し、北九州市の発展と市民生活の向上に向けてしっかりとお互い議論してまいりたいと思います。執行部の皆様もよろしくお願い申し上げます。 大変簡単ではございますが、以上をもちまして議長就任の御挨拶とさせていただきます。皆様どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(木下幸子君) ここで議長と交代いたします。                (副議長退場、議長着席) △日程第5 副議長の辞職について ○議長(村上幸一君) 日程第5 副議長の辞職についてを議題といたします。 木下副議長から、副議長の辞職願が提出されております。 お諮りいたします。副議長の辞職を許可することに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、副議長の辞職を許可することに決定いたしました。                  (木下議員入場) お諮りいたします。ここで副議長の選挙を日程に追加し、直ちに選挙を行いたいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 ただいまから副議長の選挙を行います。 議場を閉鎖します。                   (議場閉鎖) ただいまの出席議員数は57名であります。投票用紙を配付します。                  (投票用紙配付) 投票用紙の配付漏れはありませんか。                (「なし」の声あり。) 配付漏れなしと認めます。 投票箱を改めます。                  (投票箱点検) 異状なしと認めます。 念のため申し上げます。投票は、単記無記名であります。投票用紙に被選挙人の氏名を御記入願います。なお、投票の効力判定については、公職選挙法第68条第1項の規定が準用されます。 それでは、点呼に応じて、順次、投票をお願いいたします。点呼を命じます。議事課長。 ◎議事課長(馬場秀一君) 1番 上野議員、2番 吉田議員、3番 木村議員、4番 佐藤茂議員、5番 渡辺均議員、6番 奥村祥子議員、7番 戸町議員、8番 香月議員、9番 片山議員、10番 中島慎一議員、11番 佐々木議員、12番 井上議員、13番 日野議員、15番 鷹木議員、16番 田仲常郎議員、17番 西田議員、18番 田中元議員、19番 吉村議員、20番 佐藤栄作議員、21番 三原議員、22番 宮﨑議員、23番 金子議員、24番 冨士川議員、25番 渡辺修一議員、26番 渡辺徹議員、27番 本田議員、28番 成重議員、29番 岡本議員、30番 山本議員、31番 木下議員、32番 村上直樹議員、33番 木畑議員、34番 中島隆治議員、35番 松岡議員、36番 森議員、37番 森本議員、38番 浜口議員、39番 白石議員、40番 大久保議員、41番 奥村直樹議員、42番 中村議員、43番 河田議員、44番 福島議員、45番 三宅議員、46番 世良議員、47番 田中光明議員、48番 荒川議員、49番 石田議員、50番 柳井議員、51番 出口議員、52番 山内議員、53番 高橋議員、54番 藤沢議員、55番 藤元議員、56番 讃井議員、57番 村上さとこ議員、14番 村上幸一議員
    ○議長(村上幸一君) 投票漏れはありませんか。                (「なし」の声あり。) 投票漏れなしと認めます。 以上で投票は終わりました。議場の閉鎖を解きます。                  (議場開鎖) 開票を行います。立会人に、2番 吉田議員、33番 木畑議員、39番 白石議員、47番 田中光明議員を指名いたします。よって、立ち会いをお願いいたします。                   (開票) 投票結果を報告いたします。 投票総数57票。これは先ほどの出席議員数に符合いたしております。このうち、有効投票56票、無効投票1票。有効投票のうち、岡本議員47票、石田議員9票、以上のとおりであります。 この選挙の法定得票数は14票であります。よって、岡本議員が副議長に当選されました。 ただいま副議長に当選されました岡本議員が議場におられますので、本席から告知いたします。岡本議員、当選の御挨拶をお願いいたします。                  (岡本議員、登壇) ○副議長(岡本義之君) ただいま栄誉ある北九州市議会第22代副議長に御推挙いただき、議員の皆様に厚く御礼を申し上げます。身の引き締まる思いであります。 地方分権一括法が制定されて20年がたちました。本議会ではこれまで代々の議長、副議長のもと、議員の皆様が取り組んでこられた議会改革、そして議会活動の活発化の流れをしっかりと引き継いでいかなければならないと思っております。微力ではございますが、村上議長とともに円滑な議会運営に努め、本市の更なる発展、活性化に全力を尽くしてまいる決意でございます。 議員の皆様並びに市長を初め執行部の皆様方には御支援と御指導、ごべんたつを賜りますことを心からお願い申し上げ、就任の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) △日程第6 議員提出議案第1号 ○議長(村上幸一君) 次に、吉田幸正議員奥村祥子議員及び西田一議員から、議会運営委員の辞任願が提出されております。 お諮りいたします。ここで議会運営委員の辞任についてを日程に追加し、直ちに議題としたいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 議会運営委員の辞任についてを議題といたします。             (吉田議員、奥村議員、西田議員退場) お諮りいたします。申し出のとおり、これを許可することに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。             (吉田議員、奥村議員、西田議員入場) お諮りいたします。ここで議会運営委員の補欠選任についてを日程に追加し、直ちに選任を行いたいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 議会運営委員の補欠選任を行います。 お諮りいたします。委員の辞任に伴い、欠員となりました議会運営委員に、田仲常郎議員佐藤栄作議員及び三原朝利議員を指名したいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 お諮りいたします。ここで議会運営委員会の委員長の選任についてを日程に追加し、直ちに選任を行いたいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 議会運営委員会の委員長の選任を行います。 お諮りいたします。委員長に田仲常郎議員を選任したいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 次に、日程第6 議員提出議案第1号を議題といたします。 提案理由の説明を求めます。議会運営委員長、16番 田仲常郎議員。 ◆16番(田仲常郎君) ただいま議題となりました議員提出議案第1号について、提案理由の説明を行います。 北九州市議会委員会条例の一部改正については、議会運営委員会の委員の定数を変更するため、関係規定を改めるものです。 以上、よろしく御審議の上、皆様の御賛同をお願い申し上げ、提案理由の説明を終わります。 ○議長(村上幸一君) 質疑の通告がありませんので、質疑なしと認めます。 お諮りいたします。ただいま議題となっております議員提出議案第1号については、委員会付託を省略したいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、委員会付託は省略することに決定いたしました。 討論の通告がありませんので、ただいまから採決に入ります。 本件については、原案のとおり決定することに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、本件は、原案のとおり可決されました。 本日の日程は以上で終了し、次回は3月5日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで散会いたします。                  午後4時42分散会   議  席  変  更  表┌───────┬────┬────┐│議 員 氏 名│旧 議 席│新 議 席│├───────┼────┼────┤│佐 藤   茂│  3  │  4  │├───────┼────┼────┤│田 仲 常 郎│  4  │ 16 │├───────┼────┼────┤│西 田   一│ 16 │ 17 │├───────┼────┼────┤│宮 﨑 吉 輝│ 17 │ 22 │├───────┼────┼────┤│金 子 秀 一│ 22 │ 23 │├───────┼────┼────┤│冨士川 厚 子│ 23 │ 24 │├───────┼────┼────┤│渡 辺 修 一│ 24 │ 25 │├───────┼────┼────┤│成 重 正 丈│ 29 │ 28 │├───────┼────┼────┤│岡 本 義 之│ 28 │ 29 │├───────┼────┼────┤│木 畑 広 宣│ 34 │ 33 │├───────┼────┼────┤│中 島 隆 治│ 25 │ 34 │├───────┼────┼────┤│松 岡 裕一郎│ 33 │ 35 │├───────┼────┼────┤│世 良 俊 明│ 35 │ 46 │└───────┴────┴────┘              総務財政委員会報告書                           平成31年2月14日北九州市議会議長 井 上 秀 作 様                  総務財政委員会委員長 宮 﨑 吉 輝  本委員会は、次の事件について調査を終了したので、北九州市議会会議規則第101条の規定により報告します。                     記1 調査事件 ○ 地方創生について  国においては、少子高齢化・人口減少という我が国が直面する大きな課題に取 り組むため、平成26年に制定したまち・ひと・しごと創生法に基づき、まち・ひ と・しごと創生総合戦略を策定し、東京一極集中の是正、若い世代の就労・結婚・ 子育ての希望の実現、地域の特性に即した地域課題の解決の3つの視点を基本に 魅力ある地方の創生を目指すこととしている。  これを受けて本市では、女性・若者の定着につながる魅力あるまちづくりを目 指していくため、北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、地元就職 支援、定住移住促進、交流人口増、国家戦略特区などに取り組んでいる。  本委員会は、地方創生の重要性に鑑み、本市の地方創生について調査を行うこ ととした。2 調査の経過及び結果 ○ 平成29年5月11日 総務財政委員会  北九州市におけるまち・ひと・しごと創生総合戦略の推進について、当局から 説明を受けた。  主な説明内容は、国の地方創生への動き、本市の人口動態、本市のまち・ひと・ しごと創生総合戦略の概要及び地方創生の主な取り組みに関するものであった。 〔説明要旨〕  ①国の地方創生への動き    我が国の出生数・人口が減少していく中、東京への一極集中が進んでおり、   これらの解決のため、平成26年度にまち・ひと・しごと創生法が成立し、   まち・ひと・しごと・創生総合戦略が策定され、各自治体においても地方創   生の総合戦略が策定されることとなった。  ②本市の人口動態    昭和54年をピークに減少。自然動態は平成15年以降マイナス、社会動態    は50年以上マイナスであるが、近年マイナス幅が減少している。若者の転   入が多い福岡市と比べ、本市は20~30代前半の若者の流出が顕著であるこ   とが課題である。  ③北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略(平成27年10月策定、平成29   年4月改訂)  ┌────┐  │基本方針│  └────┘    女性と若者の定着などにより社会動態をプラスにしていき、「地方創生の   成功モデル都市」を目指す  ┌─────────────┐  │基本目標(平成27~31年度)│  └─────────────┘  ア しごとの創出    市内大学生地元就職者数:1.5倍、市内新規雇用者数:2万人など  イ ひと「新しい人の流れをつくる」    首都圏からの本社機能移転等:30社、外国人観光客:40万人など  ウ ひと「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」    女性の就業率を高める、合計特殊出生率:政令市トップクラス維持など  エ まち「時代に合った魅力的な都市をつくる」    市への誇り・自信の向上、体感治安の向上、公共施設保有量の削減など  ④本市の平成29年度以降の地方創生の主な取り組み  ア 地方創生関連交付金等を活用した地方創生の推進   (ア) 関門連携、北九州都市圏域連携(17市町)の推進による観光振興      や回遊性の向上、にぎわいづくりに向けた取り組み   (イ) 観光拠点の整備(小倉城施設整備、旧安川邸利活用、水環境館リ      ニューアル)   (ウ) 首都圏からの就職や定住移住の促進のため、首都圏で本市を応援      してくれる人の掘り起こしを目的としたイベントを開催   (エ) 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用した奨学金返還      支援制度の創設など  イ 国と連携した地方創生人材の育成    地方創生担当大臣を招いてのシンポジウム、官民連携講座の実施  ウ 定住・移住促進に向けた取り組み    首都圏における移住セミナー・イベントの開催、移住希望者への特典提   供・情報発信、お試し居住の実施、SNS等による積極的な情報発信  エ 国家戦略特区    本市では、高年齢者の活躍や介護サービスの充実による人口減少・高齢   化社会への対応をテーマに平成28年1月に国家戦略特区に指定された。   介護ロボット等を活用した「先進的介護」の実証実装、シニア・ハローワ   ークの設置による高年齢者等への重点的な支援、郊外エリアにおける特区   民泊等、11事業が認定され実施している。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ●雇用確保のために市外企業との賃金格差の解消に向けて取り組まれたい。││ ●正規雇用及び安定雇用の増加に向けて取り組まれたい。        ││ ●外国人等の観光客の消費額を増やすために、魅力的なコンテンツの開発に││  取り組まれたい。                         │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成29年5月17日 視察(札幌駅前通まちづくり株式会社)   札幌駅前通まちづくり株式会社では札幌駅前通地下広場を活用したイベントの  実施や、市民参加によるにぎわい(ストリートライブ、ワゴン販売、地域振興P  Rなど)をつくりだす活動を行っている。市民が都心を訪れる機会の増大や、大  通地区と札幌駅前地区の回遊性の向上に貢献している。地下広場の運営・管理を  行う事業等で得られた収益をまちづくり活動に還元することで、さらなる魅力発  信・にぎわい創出の循環を生み出し、エリアマネジメントを推進している。 ○ 平成29年5月18日 視察(北海道当別町)   当別町のスウェーデンヒルズ地区は、国による日本版CCRC構想の動きに先  行する形で開発された地域であり、町全体が人口減少に悩む中、人口が増加して  いる数少ない地域となっている。しかし、同地域には医療・介護関係施設が整備  されておらず、今後は「駅周辺再開発プロジェクト」による商業や医療といった  施設の整備と併せて、スウェーデンヒルズからJR石狩太美駅周辺及び道の駅ま  での地域を当別町版CCRC構想のエリアとして民間事業者の誘致を進めるとと  もに、既存の環境を活かした取り組みを進めている。 ○ 平成29年5月19日 視察(札幌市)   人口減少社会を迎え、世界の社会経済情勢にも大きな変化が生まれている今、  都市戦略の転換が求められている。また、東日本大震災以降、「ライフスタイルの  重視」や「競争から協力へ」といった、経済性だけではない価値観が重要になっ  てきている。札幌市では、大量消費の価値観や、右肩あがりの経済成長時代の考  え方を再検証しながら新たなシティプロモート戦略を策定した。新しい時代のシ  ティプロモートは、個別事業のPRではなく、その都市ならではの価値観を、市  民一人ひとりが世界と市民に向かって発信し、来訪者を温かく迎え入れおもてな  しをすることとし、行政、民間企業、市民が協力してシティプロモートを進めて  いる。 ○ 平成29年7月27日 総務財政委員会   第6回北九州市まち・ひと・しごと創生推進協議会の開催結果等について、当  局から説明を受けた。   主な説明内容は、平成28年度北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略基本目  標の進捗状況(中間報告)と今後の取り組み、本市の社会動態の推移及び特区民  泊に関するものであった。  〔説明要旨〕   ①総合戦略の推進に向けた基本的な考え方     総合戦略策定後1年半経過し、事業の進捗に差があるが、既に目標を達成    しているものについては、平成29年4月の総合戦略改定において目標数値を    上方修正した。今後も、成果を上げることに注力していくものであるが、併    せて、事業の成果(KPI)を評価・検証し、結果に応じて総合戦略の見直    しを行うことにより、総合戦略の基本目標達成に向けた継続的な改善を行っ    ていく。   ②総合戦略における基本目標の進捗状況と今後の取り組み    ア しごとの創出      市内大学生地元就職者数については、平成28年度は前年度より減少し     ている。これは東京一極集中が要因であり、厳しい状況ではあるが、奨学     金返還支援制度の開始、地元企業の情報提供の充実、福岡市・首都圏への     進学者に対するアプローチ強化等により若者の市内定着に取り組む。    イ 新しいひとの流れをつくる      首都圏からの本社機能移転等については、平成31年度累計目標30社に     対して、平成27、28年度の累計では9社である。補助金や税控除のイン     センティブ活用により引き続き積極的な企業誘致を推進する。    ウ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる      女性の就業率は既に目標の70%を達成し、ダイバーシティ行動宣言等登     録・届出企業数は目標の800社を大幅に超えている。    エ 時代に合った魅力的な都市をつくる      「本市への誇りや自信がある」と答えた市民の割合、「安全だ(治安が     よい)」と思っている市民の割合及び刑法犯認知件数ついては、横ばいの     ままで、目標値には達していない。特に「本市への誇りや自信がある」と     答えた市民の割合については目標の80%以上の達成は難しい状況である。     このような目標の達成には、息の長い取り組みが必要であると考えており、     本市の多様な魅力を市内外に情報発信し、魅力ある都市イメージの定着を     図る。   ③その他の取り組み    ア 国家戦略特区      本市は、平成28年1月、国家戦略特区に指定され、7つの特例を活用     し、11の事業を実施している。      特区民泊については、平成29年7月に本市の特区民泊の第1号となる     事業が、小倉南区平尾台の物件で認定された。これは、市街化調整区域に     おける全国初の特区民泊の認定である。      今後も「介護ロボット等を活用した『先進的介護』の実証実装」や「シ     ニア・ハローワーク」、「エリアマネジメントの民間開放による賑わいの創     出」などの取り組みを継続的に実施するとともに、新たな規制緩和の提案     や本市のインバウンド増加に寄与する「特区民泊」、地元産ぶどうを使っ     た「ワイン特区」などの取り組みを積極的に進める。    イ 地方創生交付金を活用した事業      地方創生交付金を活用し、介護ロボット産業の振興、若者の定住や移住     促進、関門地域の観光連携、小倉城周辺の魅力向上などに取り組んでいる。   ④本市の社会動態の推移     総合戦略では、女性・若者の定着などにより社会動態をプラスにすること    を基本方針に掲げている。本市の転出超過数については、最近は改善傾向に    ある。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ●旧安川邸の洋館の取り扱いについて慎重に検討されたい。       ││ ●空港利用促進のためにアウトバウンドにも取り組まれたい。      ││ ●ミクニワールドスタジアムでのイベント等の活用策を検討されたい。  ││ ●市内の新規雇用者について早期離職者の状況を把握されたい。     ││ ●女性就業率の目標値について上方修正して取り組まれたい。      │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成29年11月10日 総務財政委員会   定住・移住促進に向けた取り組みと戦略的な広報について、当局から説明を受  けた。  〔説明要旨〕   ①定住・移住促進に向けた取り組みについて  ┌───────────────┐  │平成29年度定住・移住促進事業 │  └───────────────┘   ア 住むなら北九州市!応援団体登録制度     市と一緒に定住・移住促進に取り組む企業・団体を登録し、官民一体と    なって本市への定住・移住を促進する制度。平成29年度10月末で48団    体登録。   イ 北九州市すまいるクラブ     本市への移住希望者の会員制度。応援団体による会員特典(引っ越し代    金の30%割引、不動産仲介手数料の割引など)の提供は好評である。また、    2~3ケ月に1度、移住に関する情報を郵送している。平成29年度10月    末で263人登録。   ウ お試し居住     移住を検討している人を対象に、本市での暮らしを実感してもらう制度。    滞在期間は、1週間から1ケ月。平成29年度10月末までで32組55名が    参加。   エ 移住相談員・移住コーディネーターの配置     首都圏の移住希望者の相談等に対応するために、東京事務所に移住相談    員を配置。首都圏で本市の魅力を伝え、実際の移住につなげていくための    移住セミナーも実施。     本市での受け入れ体制構築やお試し居住等で市を訪問した移住希望者    の相談等に対応するため、本市に移住コーディネーターを配置。     相談実績:平成28年度84件、平成29年度74件(9月末)   オ イベント等の実施     首都圏での移住セミナー・相談会の実施、移住フェア・移住促進イベン    トへの出展に加え、平成29年度から福岡市での移住促進イベントへの出    展を開始。ライフセミナーを3ケ月に1度のペースで計8回開催し、延べ    284人参加。   カ 情報発信     ポータルサイト「北九州ライフ」を開設し、移住情報を一元的に収集で    きるよう移住支援や住みやすさに関する情報を分かりやすく紹介。平成29    年度の月平均アクセス数は約14,500件で増加傾向。Facebook、    twitterでも本市の旬な情報を随時発信。     また、移住を具体的に検討できるよう、子育て・くらし・仕事等の魅力、    移住者へのインタビュー、移住の始め方や目的別問い合わせ先を紹介した    スタートブック等のパンフレットを作成し、地元同窓会等のイベントでの    配布、移住相談において使用している。  ┌───────────────┐  │生涯活躍のまちに向けた取り組み│  └───────────────┘    中高年齢者が希望に応じて地方や町なかに移り住み、地域の多世代住民と   交流しながら、健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を   受けることができる地域づくりを目指すため、以下に取り組んでいる。   ア 官民一体となった多世代の住民が住みやすいまちづくり   イ シニア・ハローワーク、U・Iターン応援プロジェクト等を活用した就    職支援   ウ 要介護認定者増加への対応や介護従事者の負担軽減のための介護ロボ    ットの導入   エ 地域での生涯学習や健康づくり    市内6地区をモデルエリアとして設定し、地域の実情に合わせたエリア形    成を目指しており、とりわけ洞南四地区(八幡西区)が先行して取り組んで    いる。   ②戦略的な広報について   ア 戦略的な広報に取り組むための体制    本市の情報発信・取材協力の一部を広報室から企画調整局に移管し、企    画調整局が中心となって、首都圏等における重点的広報テーマの情報発信    強化を図る。    平成29年5月に広報戦略会議を設置。首都圏における広報活動を担当    する東京事務所、メディア活用による広報を担当する広報室、分野ごとの    広報を担当する各部局の課長級で構成し、地方創生推進室が総合的に取り    まとめる。首都圏や福岡市を重点エリアとして、効果的な情報発信を行う。   イ 重点広報テーマの設定     「元気発進!北九州」プランの北九州ブランドの創造において、個別ブ    ランド中「政策」としてのブランドをピックアップし、「住みよいまち」    を重点広報テーマに設定。   ウ 情報発信の流れ     「住みよいまち」のコンテンツをテーマごとに整理した上で、年代、エ    リアごとにターゲットを絞り込み、有力メディアを選定し、適切なタイミ    ングで情報発信する。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ●文化・生活様式の違いによる定住・移住者のトラブル対策として相談体制││ の拡充を検討されたい。                       ││ ●お試し居住を定住につなげられるよう取り組まれたい。        ││ ●モデル的な定住・移住者に関する情報を戦略的に広報されたい。    ││ ●定住・移住の促進のための生活モデルを複数提供されたい。      ││ ●戦略的な広報に精通した人材の活用を検討されたい。         ││ ●戦略的な広報について福岡県との連携を強化されたい。        │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成29年12月7日 総務財政委員会   北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略の平成28年度の進捗状況と今後の取  組み、平成29年度北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略改訂案等について、  当局から説明を受けた。  〔説明要旨〕   ①平成28年度北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略の進捗状況と今後の    取り組みについて   ア 総合戦略の推進に向けた基本的な考え方     基本目標の達成状況については、事業の効果が既に現れているものや、    現在は効果が現れていないが今後効果の出現が見込まれるものなど、事業    の進捗に差があるが、今後も、それぞれの事業を推進協議会と連携して着    実に推進し、成果を上げることに注力していくものであり、基本目標達成    に向けた継続的な改善を行っていく。   イ 総合戦略の進捗の総括     基本目標として掲げる「市内新規雇用者数」や「小倉駅新幹線口年間集    客数」等の項目は、順調に実績が上がってきているが、「市内大学生地元    就職者数」や「首都圏からの本社機能移転等」等については、目標達成の    ためさらなる努力が必要なため、その要因の分析とともに課題を整理し、    新規取り組みの検討等、改善を図っていく。     全182事業ごとにKPIを設定し、そのうち数値目標でないものなど    を除いた150事業の達成状況は、3分の2以上の104事業が100パーセン    ト以上の達成率となっている。進捗状況によって、目標数値の上方修正等    を行っていく。   ウ 各政策パッケージの基本目標の達成状況等    (ア) 北九州市にしごとをつくり、安心して働けるようにする        市内大学生地元就職者数については、東京一極集中により厳しい       状況であるが、今年度から始めた奨学金の返還支援や地元企業の情       報提供の強化などにより、若者の市内定着に取り組んでいる。        市内新規雇用者数は順調に進捗している。       空港利用者数は平成28年度に過去最高となったが、航空貨物取       扱量は低迷しており、引き続き貨物定期便の誘致等に取り組んでい       く。    (イ) 新しいひとの流れをつくる        首都圏からの本社機能移転等の累計は目標30社に対して平成28       年度までで7社となっており、補助金、税控除等のインセンティブ       の活用や人材確保の支援等により、引き続き移転を推進していく。        小倉駅新幹線口年間集客数と外国人観光客数は順調に推移して       おり、引き続き交流人口の拡大に取り組んでいく。    (ウ) 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる        女性の就業率は目標を達成した。       ダイバーシティ行動宣言等登録・届出企業数は順調に推移してい       るため、目標を800社から1,200社に上方修正した。    (エ) 時代に合った魅力的な都市をつくる        「本市への誇りや自信がある」と答えた市民の割合と「安全だ(治       安がよい)」と思っている市民の割合については横ばいで推移して       おり、目標に達していない。特にシビックプライドについては厳し       い状況であるが、息の長い取り組みが重要であり、引き続き本市の       魅力を市内外に発信し、魅力ある都市イメージの定着に取り組んで       いく。        刑法犯認知件数の政令市中の順位は横ばいであるが、件数は減少       しており、引き続き警察や関係団体と連携して安心・安全なまちづ       くりを推進していく。    エ 国家戦略特区について      これまでに7つの特例を活用し、13の事業を実施している。引き続き新     たな規制緩和の提案や特区民泊、ワイン特区等の取り組みを積極的に進め     ていく。    オ 本市の社会動態の動向について      本市の社会動態増減数は平成27年度から比較して改善傾向にある。     本市からの日本人の転出抑制と本市への新規転入を図るとともに、増加     傾向が続いている留学生や高度人材等の外国人についての増加策の検討     が必要であると考えている。   ②平成29年度北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂案について    ア 事業の新設      外国人市民の定住促進や本市の国際化を推進することを目的に留学生     等受入定着促進事業を新設。留学誘致や生活支援の取り組みにより、外国     人人口の増加を図る。    イ KPIの追加      都市型園芸農業推進事業等の5事業について、進捗をより分かりやすく     するためにKPIを追加する。    ウ KPIの上方修正      集まれ若者!キタキュー就職促進事業等の16事業について、平成28年     度末の進捗状況を踏まえKPIを上方修正する。    エ KPIの追加かつ上方修正      介護ロボット等導入実証事業について、KPIを明確化するとともに、     上方修正する。    オ その他の見直し      "ようこそ北九州市に"転入者ウェルカムパスポート事業のKPIが過     大であったため、算定のための基礎数値を見直す等の修正を行う。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ●本市に誇りや自信を持っている市民の割合の調査について行政区単位でも││  実施されたい。                          │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成30年1月11日 総務財政委員会   第7回北九州市まち・ひと・しごと創生推進協議会の開催報告と北九州市まち・   ひと・しごと創生総合戦略(改訂案)について、当局から説明を受けた。  〔説明要旨〕   ①第7回北九州市まち・ひと・しごと創生推進協議会での主な意見と意見に対    する事務局の考え    ア 総合戦略全般     ・総合戦略の進捗状況、KPIの評価などの報告の仕方やKPIの設定の      仕方などを工夫、見直すべき。     ・地元就職などの重点分野について集中して議論した方がよい。     →今後、重要な基本目標について協議会とは別に意見交換の場を設ける予      定である。    イ 北九州市にしごとをつくり、安心して働けるようにする     ・市内のIT系企業の求人をふやしてほしい。     ・創業支援が重要であり、重点化すべき。     ・地元就職については、ハードルは高いが、引き続き学生のニーズや現状      の課題をしっかり分析し、成果が上がるよう取り組むべき。     →今後とも、IT系企業などの若者にとって魅力ある仕事の拡大や企業誘      致に取り組むとともに、地元就職について、奨学金返還支援事業や学生      に対する地元企業の情報提供を更に強化し、若者の地元定着に取り組む。    ウ 北九州市への新しいひとの流れをつくる     ・交流人口の実績は上がっており、これは地方創生の成果ではないか。     ・公共交通機関を利用する際の北九州空港への利便性を向上してほしい。     ・健康寿命を延ばすという観点での取り組みを強化すべき。     →今後、交流人口については、小倉城の周辺整備や映画のまちとしての発      信強化に取り組み、引き続き観光客誘致に取り組む。北九州空港のアク      セスバスについては、利用者の満足度を高めていけるよう改善に取り組      む。健康寿命については、引き続き生活習慣病対策、介護予防や高齢者      の生きがいづくりなどにより、延伸に努める。    エ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる     ・婚活事業に力を入れてほしい。     →仕事・恋愛・結婚・家族をテーマとした若者向けのセミナーを今年度3      回程度開催する予定であり、引き続き若者の結婚支援に取り組んでいく。    オ 時代に合った魅力的な都市をつくる     ・映画のまち北九州と言われているが、本市を舞台とした映画も誘致して      ほしい。     ・ミクニワールドスタジアムにコンサートなどの大規模イベントを誘致し      てほしい。     ・もっと効果的な情報発信に力を入れるべき。     →映画の誘致やミクニワールドスタジアムの活用などさまざまな取り組      みが必要であり、引き続きイベントの誘致等に市を挙げて取り組んでい      く。情報発信については、SNSの活用等、さまざまなツールを活用し      て取り組んでいく。(株)宝島社が発行する田舎暮らしの本(2018年2月      号)において発表された住みたい田舎ベストランキングで、本市が人口      10万人以上の大きな町の中で、総合部門・シニア世代部門の2部門で全      国第1位を獲得しており、こうした成果の情報発信を通じて、本市のブ      ランド力をさらに高めていく。   ②北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略(改訂案)について    平成29年12月7日の総務財政委員会で改訂案を報告した後、平成29年12   月22日の第7回北九州市まち・ひと・しごと創生推進協議会で了承を得てお   り、平成30年2月1日付で改訂する。 ○ 平成30年2月1日 総務財政委員会   平成29年度における北九州市国家戦略特区の取り組みについて、当局から説明  を受けた。  〔説明要旨〕   ①北九州市国家戦略特区の取り組み概要    本市では、平成29年度に3つの特例措置を活用し、5事業が認定された。   国家戦略特区指定後、これまでに9つの特例措置を活用し、16事業に取り組   んでいる。   ②国家戦略特別区域会議での提案    ア 報告     (ア) 特区民泊         平成29年7月から小倉南区平尾台において特区民泊がスタート        した。    イ 特区メニューの活用     (ア) エリアマネジメントの民間開放         既存5カ所に加え、黒崎2カ所(カムズ通り、黒崎駅ペデストリ       アンデッキ)を提案し、カムズ通りは平成29年10月から、黒崎駅       ペデストリアンデッキは同年12月から事業を開始した。     (イ) 空港アクセスの改善に向けたバス関連規制の緩和         空港アクセスの充実を図るため、エアポートバスにかかる運行計        画設定の届出期間を30日前から7日前に短縮する。7日前のフラ        イト乗客情報に基づき、空港と小倉駅間で発着時刻やルートを柔軟        に設定した臨時バスの運行が可能となる。平成30年1月からのソ        ウル線増便に合わせて臨時バスを運行している。     (ウ) 電波法に係る特定実験試験局の免許発給手続きの短縮         電波を利用した実験を行う際に必要な電波法の簡易な免許手続        きである特定実験試験局制度について、申請から許可までの期間を        1、2週間から即日に短縮する。無人水上艇やドローンに設置した        カメラにより、人の立ち入りが困難な場所等を撮影し、高画質映像        を遅滞なく伝送する技術実証や、マイクロ波レーダーを利用し、無        許可で飛行しているドローンの監視を行う国内初の技術実証を予        定している。    ウ 新たな規制緩和の提案     (ア) 大規模国際大会誘致等に向けた留学生の資格外活動許可に係る規        制緩和         本市では、東京オリンピックパラリンピック競技大会等に向け、        市内でキャンプを行う各国代表チームの誘致を推進しており、プロ        の通訳が少ない言語で、スポーツ等の協定を締結している国の留学        生に限り、大会関連期間中の資格外活動にかかわる就労時間を週28        時間から週40時間にまで緩和し、留学生が活躍できる環境整備を        提案している。    エ 今後の取り組み      国家戦略特区の規制緩和改革項目は、62項目あり農業、医療、創業等多     岐にわたっている。今後も新たな規制緩和の提案を検討するとともに、あ     らゆる特区の特例を活用することによって取り組みを加速させ、地方創生     の成功モデル都市を目指していく。   ③国家戦略特区の広報活動    ア 出前講演の実施      経済団体、市民団体等への広報として、平成29年9月の北九州青年会     議所の例会において、山本前地方創生担当大臣を交え、特区に関するパネ     ルディスカッションに参加した。また、同年11月には、東京で開催した     企業立地セミナーにおいて特区に関する講演を実施した。平成30年2月     には、国家戦略特区推進セミナーを開催し、ワイン特区、エリアマネジメ     ントの民間開放及び特区民泊の事業者や支援パートナーの講演を行うな     ど、特区の意義、必要性について周知、広報を行った。    イ 出版物等      市政だより11月号で特区の取り組みを特集した。また、11月から12月     にかけて小倉駅のJAMビジョンで特区民泊のPR動画を放映した。今後     は、市ホームページでも掲載し、市内外へ幅広く発信する予定である。更     に、若松ワインやシニア・ハローワークの取り組みをラッピングバスの図     柄で広告し、市民に見える形の広報に努めている。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ●特区民泊の観光地周辺での積極的な活用に努められたい。       ││ ●介護ロボット等の活用による介護人材不足の解消に取り組まれたい。  ││ ●他都市で活用している国家戦略特区特例措置の活用に努められたい。  ││ ●他都市に先駆けたドローン技術の開発に取り組まれたい。       ││ ●規制の趣旨を尊重した規制緩和への対応に努められたい。       ││ ●ワイン特区における製造事業者の支援に取り組まれたい。       │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成30年4月18日 視察(ワタリセファーム&ワイナリー)   若松区響灘地区で農家がワイン用品種のブドウづくりを開始。平成27年度は  150本、28年度は400本のワインを委託で醸造。平成28年10月に北九州市が国  家戦略特区の「特産酒類の製造事業[ワイン特区]」に認定され、酒類製造免許に  係る最低製造数量基準が6キロリットルから2キロリットルに緩和されたことを  活用して、平成30年3月から自家醸造を開始した。   この特例の活用により、地産地消の推進、シビックプライドの醸成や農産物・  食品ブランド化を推進し、農業、6次産業の新たな担い手の育成を図っている。 ○ 平成30年5月8日 視察(北海道北広島市)   北広島市では、人口減少傾向にあるなか持続可能な都市経営に向けて、人口増  加のための定住や移住の促進などを推進していくため、定住促進を目的としたシ  ティプロモーションに取り組んでいる。住みよさランキング(都市データパック  2014~2017 東洋経済新報社)において4年連続北海道第1位に選ばれた一方で、  北海道外の方からの認知度があまり高くないことから、もっと住みよいまち北広  島市を知ってもらうため、平成26年度から、北広島市の特徴や長所をテーマにし  たインターネット動画「北海道北広島市に住みたくなる動画」シリーズの制作な  どに取り組んでいる。 ○ 平成30年5月9日 視察(北海道余市町)   余市町は、朝の連続テレビ小説の舞台となり、一躍注目を集めたウイスキーの  町として有名である。しかし、実は、ワイン用ぶどうの収穫量が全道一を誇るワ  インの町としても、今、非常に注目を集めている。  余市町内のワイナリー数は9軒にまで増え、国の構造改革特別区域法による「北  のフルーツ王国よいちワイン特区」に認定されたことで、ワイン醸造への新規参  入者の支援も行っている。また、隣接する仁木町でも本格的なワインづくりがス  タートし、2つの町を中心とした「余市・仁木ワインツーリズムプロジェクト」  をその第一歩とし、これからワインで町を活性化させていく考えである。 ○ 平成30年5月10日 視察(札幌市)   札幌コンテンツ特区は「アジアにおけるコンテンツ産業拠点都市の創造」を目  標とし、札幌等を舞台とした映像を多数流通させることで、ロケ等の誘致、実施  による経済効果の増大、映像輸出の増加、視聴者による観光誘客や物販等を促進  し、他産業への波及も含めた地域活性化を図り、ロケ等に伴い52億円、映像の海  外輸出額で3.4億円の経済効果があり、外国人観光客の宿泊者数の増加に寄与し  た。   こうした映像の力を活用したまちづくりのため、平成26年5月に「映像の力に  より世界が憧れるまちさっぽろを実現するための条例」を施行し、「札幌市映像活  用推進プラン」による取り組みを進めている。 ○ 平成30年8月23日 総務財政委員会   平成29年度北九州まち・ひと・しごと創生総合戦略基本目標の進捗状況(中間  報告)と今後の取り組み等について、当局から説明を受けた。  〔説明要旨〕   ①本市の地方創生の推進    本戦略は、女性や若者の定着などにより社会動態をプラスにしていき、地方   創生の「成功モデル都市」を目指すことを基本方針としている。    本市の社会動態は戦略を策定した平成27年と比較して改善傾向にあり、29   年は減少幅が約44%改善している。ことしに入っても、その傾向は続いてお   り、特に3月から4月にかけては、15歳から39歳の若い世代の社会動態はプ   ラスになっており、明るい兆しも見え始めている。しかしながら、社会動態の   マイナスは依然として続いており、引き続き対策を進めていく必要がある。    この戦略は、基本方針を踏まえたしごとの創出など4つの政策パッケージと   15の基本目標のもと、184の個別の事業から構成されている。    また、国内外から非常に高い評価を受けている本市のSDGsの取り組みを   加速して、都市ブランドの向上などにもつなげていく。   ②総合戦略における基本目標の進捗状況と今後の取り組み    ア 北九州市にしごとをつくり、安心して働けるようにする      市内大学生の地元就職者数は、ここ数年と比較して増加しており、昨年     度は873人となった。しかしながら目標が1,200人という状況であり、東     京一極集中が進む中、大変厳しい状況であると認識している。平成29年     度からは奨学金の返還支援制度をスタートさせ、学生に対する地元企業の     情報提供をこれまで以上に積極的に行う。また、市内に住んでいて福岡市     内の大学に通っている学生や、首都圏在住の市内出身者に対する働きかけ     も強化していき、若者の市内定着に取り組む。      市内新規雇用者数は、平成27年度から29年度の累計で1万2,915人と     なり、順調に進捗している。      空港利用者数は、平成29年度は過去最高の164万人となったが、一方     で貨物は5,000トンにとどまっている。引き続き、利用促進や路線の安定     化に努めるとともに、貨物については、本年6月より国際貨物定期便が新     規就航しており、引き続き、貨物拠点化に向けて取り組んでいく。      ものづくりと環境エネルギーに関する経済波及効果は、平成27年度か     ら29年度の累計で約2,300億円となっている。    イ 新しいひとの流れをつくる      首都圏からの本社機能の移転等については、累計で30社を目標として     おり、平成29年度の累計で12社となっている。引き続き、補助金や税控     除などのインセンティブを活用しながら、企業誘致を推進していく。      小倉駅新幹線口の集客数、外国人観光客数は、いずれも順調に推移して     おり、引き続き、交流人口拡大に向けて取り組んでいく。    ウ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる      女性の就業率については、目標である70%の就業率を達成できた。      ダイバーシティ行動宣言等登録・届出企業数については、1,106社とな      り順調にふえている。      合計特殊出生率については、政令市のトップクラスを維持できる見込み     である。    エ 時代に合った魅力的な都市をつくる      本市に対する誇りや自信があると答えた市民の割合及び安全だと思っ     ている市民の割合については、ほぼ横ばいの状況である。いずれも目標に     は届いていない状況であり、特に、誇りや自信があると答えた市民の割合     については、なかなか厳しい状況であると認識している。この目標の達成     に向けては、息の長い取り組みが非常に重要だと考えており、引き続き、      本市の魅力を市内外に発信して、魅力ある都市イメージの定着に取り組ん     でいく。      刑法犯認知件数は、政令市のうち12位で、政令市中の順位としては、      ほぼ横ばいの状況が続いているが、認知件数は大幅に減少している状況で     ある。引き続き、警察や関係団体とも連携して、安全、安心なまちづくり     を進めていく。      公共施設マネジメントについては、平成27年度に策定した計画を推進     している。   ③国家戦略特区    本市では、昨年までに9つの特例を活用し、16の事業を実施している。今   後もこれらの取り組みを継続するとともに、新たな規制緩和の提案や、特区民   泊、ワイン特区などの取り組みを積極的に進めていく。   ④地方創生関連交付金を活用した事業    交付金を活用して、関門地区の観光関連事業や若者の地元就職促進事業、小   倉城周辺魅力向上事業などに取り組んでいる。   ⑤第8回北九州市まち・ひと・しごと創生推進協議会の開催    第8回北九州市まち・ひと・しごと創生推進協議会では、構成員からテーマ   ごとに、地元企業のよさをもっと伝えていくべきではないか、小倉城をうまく   活用することが重要であるといったさまざまな意見があった。今後とも、この   ような意見を踏まえ、総合戦略に掲げる施策を推進して地方創生の「成功モデ   ル都市」となるよう取り組んでいく。   ⑥北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略KPI達成状況    総合戦略における184の個別事業の進捗状況であるKPIについて、評価、   分析を行い、今後の戦略改訂に生かしていきたいと考えている。   ⑦地方創生シンポジウムの開催    8月1日と7日にシンポジウムを開催し、人口問題を解決するための仕事面   の対策及びまちの魅力やシビックプライドにおける取り組みについて議論を   行い、2日間合計で約700名の参加があった。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ●目標値を達成した取り組みについては、できるだけ目標値を上方修正し、││  更に積極的に取り組まれたい。                   ││ ●市内に高級ホテルがあれば、都市ブランドが向上し、商業施設等のまちの││  にぎわいやインバウンド対応に貢献すると思う。           ││ ●北九州空港へのアクセス方法としての新幹線等の軌道系の整備による北九││  州空港利用者の増加及び市内定住・移住促進について検討されたい。  ││ ●市内就職者をふやすため、市外から来た若者に本市のよさを知ってもらう││  など、本市での就職希望者がふえるようなきっかけづくりに更に取り組ま││  れたい。                             ││ ●市民のシビックプライドを醸成し、市民一人一人が本市のPRをする意識││  で、定住・移住が促進されるような戦略的広報に更に取り組まれたい。 ││ ●テレビ番組による本市取材を更に誘致し、本市のイメージアップ及びPR││  に努められたい。                         │└───────────────────────────────────┘3 まとめ  本市は、高齢化率が政令市の中で最も高く、昭和54年をピークに人口減少が続 いている。しかし、平成29年の社会動態が、北九州市まち・ひと・しごと創生総 合戦略を策定した平成27年と比べ、減少幅が約44%改善しており、地元就職促進 やU・Iターン事業、企業誘致など、総合戦略に基づく取り組みの効果が少しずつ あらわれてきていると考えられる。  今後は、目標に対する実績が伸び悩んでいる市内大学生の地元就職者数やシビッ クプライドの醸成等について課題を整理し、改善が図られるとともに、平成30年 6月に国からSDGs未来都市に選定されたことを活用し、都市ブランドの向上に つなげていくなど、新たな取り組みにより、本市が地方創生の「成功モデル都市」 となることを期待する。              経済港湾委員会報告書                           平成31年2月6日 北九州市議会議長 井 上 秀 作 様                   経済港湾委員会委員長 中 村 義 雄  本委員会は、次の事件について調査を終了したので、北九州市議会会議規則第101条の規定により報告します。                     記1 調査事件  公営競技(競輪・競艇)を活用した観光振興について  本委員会では、更なる観光客の増加と消費の拡大を目的に、「観光やMICEに よる来訪者の消費喚起」について、調査を進めているところである。  観光客を呼び込むためには、一般的には魅力的な観光地や食などが重要な要素と 考えられるが、外国人においては「モノ」から「コト」へ、消費型から体験型の観 光を求める旅行へとシフトしている。これに合わせて、本市でもさまざまな「コト」 を提供する取り組みが行われているが、競輪、ボートレース、競馬といった公営競 技も魅力的な体験を提供する場と考えられる。  このため、本委員会では、公営競技による大型の集客施設を複数有するという本 市の優位性に着目し、観光振興に向けた活用の可能性について調査を行うこととし た。2 調査の経過及び結果 ○ 平成30年10月17日 経済港湾委員会   本市公営競技事業の現状について、当局から説明を受けた後、ボートレースに  おけるインバウンド等の各種施策及びJRAにおける外客誘致の取り組みにつ  いて、参考人を招致し説明を受けた。 [本市公営競技事業の現状]  (説明及び答弁要旨)   ・ 全国の公営競技全体の売上額は、平成3年度の8.9兆円をピークに年々減少    し、平成23年度に4.2兆円まで落ち込んだものの、各業界の経営努力により平    成29年度までの6年間で1兆円回復した。この6年間で本市が実施している    公営競技については、全国で競輪171億円、ボートレース3,200億円の増加と    なった。   ・ この6年間の競輪、ボートレースの全国的な状況としては、電話投票の割    合が大幅に伸び、購入形態が電話投票を含めた広域発売へシフトしている。   ・ 小倉競輪の年間売上額は250億円前後で推移している。1日当たりの売上額    は、この6年間で普通開催では1億6,600万円から2億4,800万円に増加した。    また、平成29年度における競輪祭の1日当たりの売上額は21億5,000万円であ    った。   ・ 小倉競輪の売上額の構成は、電話投票の割合が年々拡大し、平成29年度は    56.2%、その一方で本場の割合は3%であった。   ・ 小倉競輪の1日当たりの入場者数は、競輪祭では4,000人台を維持している    ものの、普通開催では大きく落ち込んでいる。入場者数の減少が進む中、競    輪祭ではタレントを起用して、レースの合間にお笑いライブやトークショー    を行うとともに、肉フェスなどのさまざまなイベントを実施している。   ・ 小倉競輪のホームページは2カ国語(英語、ハングル)に対応している。    場内のサインや車券発売機には外国語表記はない。   ・ 小倉競輪の無料バスは、普通開催時は小倉駅から往復1便、競輪祭開催時    は往路で福岡線を含めて21便、復路で小倉駅線4便を運行している。   ・ ボートレース若松の年間売上額は、最近6年間のうち最低が平成23年度の    509億円、最高が平成29年度の778億円であった。   ・ ボートレース若松の1日当たりの売上額は、普通開催では平成23年度の2    億6,000万円から増加し、平成27年度以降3億6,000万円前後を維持している。    年記念では平成28、29年度に10億円弱まで持ち直し、SG競走では18~19    億円となっている。   ・ ボートレース若松の売上額の構成は、電話投票の割合が年々拡大し、平成    29年度は51.7%、その一方で本場の割合は5.4%であった。   ・ ボートレース若松の1日当たりの入場者数は、SG競走では3,500人前後を、    年記念では平成27年度以降2,100人前後をそれぞれ維持している。普通開催    は減少傾向となっている。SG競走や年記念では、タレントを起用すると    ともに、ファミリー向けのさまざまなイベントを実施している。   ・ ボートレース若松のホームページは3カ国語(英語、中国語、ハングル)    に対応している。場内のサインや舟券発売機には外国語表記はない。   ・ ボートレース若松の無料バスは、普通開催時は往路24便、復路14便、SG    競走開催時は往路48便、復路で天神行きを含めて25便を運行している。   ・ 昭和38年度から平成29年度までに、競輪・競艇特別会計から、総計で約1,600    億円の繰り出しを行っている。  (委員からの意見)   ・ 在日の方にボートレースや競輪の観戦を楽しんでもらい、その方たちのS    NSやネットワークを活用して、本国や外国人の方の来場につなげるような    取り組みを検討していただきたい。 [ボートレースにおけるインバウンド等の各種施策]  参考人:一般財団法人BOATRACE振興会 常務理事 伊東髙廣 氏  (説明及び答弁要旨)   ・ 平成30年度上半期の総売り上げは6,361億円、前年度同期比プラス7.6%、    448億円の増である。そのうち電話投票は3,282億円と、前年度比プラス19%、    525億円の増であり、占有率は全体の51.6%と過半数を超えている。   ・ 本場売り上げはマイナス1.8%であるが、外向発売所を除いた、実際にレー    スを見ながら買っているファンの売り上げは、マイナス11%である。   ・ 本場の活性化が現在のボートレース業界の重要施策の一つであり、電話投    票、場間場外発売で得た収益を活用して、来場者の掘り起こしに業界を挙げ    て取り組んでいる。ボートレース業界にとって、本場の活性化は、観光の推    進につながるという考え方を持っている。   ・ 本場活性化における基本的な考え方は、施設を適正規模にし、設備の充実    を図りながらも、既存ファンの多様なニーズに応えるためにゾーン分けをし    っかり行い、それぞれのファン層の満足度を上げることである。その上で、    遊休スペースを活用し、スポーツ、文化、観光の発信基地となるような、地    域と共生するレース場に生まれ変わることである。   ・ 各ボートレース場の設置環境や特性を考慮してボートレースパーク化構想    に取り組んでいる。モデル場として、昨年3つのレース場で活性化施策を展    開した。都市型レース場であるボートレース江戸川では場内のIT化、スマ    ホアプリの作成やWi-Fi環境を整備し、ITスタジアムの実地検証を行    った。ボートレース宮島では、地元新聞社の協力を仰ぎ、広島カープと連携    を行い、繁華街、レース場でさまざまなイベントを展開した。ボートレース    鳴門では、遊休スペースの活用として、鳴門市と連携して、サイクルステー    ション、ミニバスケットコート、スケートボードパーク、芝生広場等のスポ    ーツ施設を駐車場空きスペースにプレイパークとして建設中であり、11月17    日にグランドオープン予定である。   ・ 地域貢献のための各種イベントサービスとして、ボートレース浜名湖にお    いて、本年3月のSG競走の際に、ボルダリング施設を仮設して、半年間、    実地検証を行った。地元インストラクターと連携した結果、延べ利用者が72    日間で1万636名と大変な人気を博した。ボートレース若松では、いち早く常    設のボルダリング施設をわかわくらんど2階に設置し、地元業者の活用によ    る運営体制で、本年11月1日にオープン予定である。   ・ 夏休みの本場活性化事業として、ボートレース浜名湖では、総合スポーツ    イベント浜スポを22日間、ボートレース大村では仮設プラネタリウムイベン    ト、メガスターを22日間、鳴門、芦屋、びわこ、児島の各レース場では、ボ    ーネルンド知育玩具イベントボートキッズパークを最長で30日間開催し、大    勢の来場があった。   ・ インバウンド事業として、平成27年から在日の中国人の方にアプローチす    ることを実施している。在日関係の情報誌等で観戦ツアーイベントの集客を    行い、その参加者にSNSを通じて、国内外へボートレース情報を発信して    もらうことが基本である。そして、本国でその情報に興味を持った方が、訪    日の際に来場するというのが、理想的なフローだと思っている。   ・ 東京のボートレース平和島では、横浜の中華街も近く、リピーターも結構    いると聞いている。   ・ 観光庁が打ち出している観光立国推進基本計画を意識し、受け入れ体制の    基本的な整備、ツールのパッケージ化推進に取り組んでいる。   ・ 平成28年にNTTデータに調査依頼した訪日中国人の情報取得に関するア    ンケートで、訪日前、訪日中を通じて、ネット、口コミによって熱心に情報    を取得し、訪日後は中国版LINE、ウィーチャットを通じて情報を拡散し    ていることがわかった。   ・ 公営競技のインバウンド事業では、中国では外国に行っても中国の刑法が    適用されるというような法的な問題も内在しており、大変時間のかかる課題    だと認識している。将来に備え、情報発信等の準備を地道に実施していくこ    とが肝要と考えている。   ・ ボートレース業界は、本場活性化を初め、各種施策を業界一丸となって推    進しており、施行者においては、自場の売り上げ向上と業界の発展をバラン    スよく考えて尽力していただいている。  (委員からの意見)   ・ 外国の方が日本のどこかに行こうとするときに、競輪、ボートレース、競    馬があるということが選択肢になればいい。   ・ ボートレースパーク化は画期的であり、ボートレースに興味のない方も足    を運ぶことができ、新しい顧客をつかむ形にできるのではないか。 [JRAにおける外客誘致の取り組み]  参考人:日本中央競馬会小倉競馬場 場長 松田恵作 氏  (説明及び答弁要旨)   ・ 平成20年から外国人誘致に関する取り組みを行っており、当初は市場調査、    中国人向けツアーの造成などを行っていたが、各種課題が見つかったことで、    平成27年度をもって本ツアーは行っていない。現在は、訪日を検討している    外国人がよく見るウエブサイトやフェイスブックへの記事掲載、動画配信等    を通じて、日本の競馬の認知度向上を図っている。   ・ 外国人誘致の取り組みついて、中央競馬の認知度向上策として外国語版ウ    エブサイトがあり、英語、フランス語、韓国語、中国語を用意し、開催日程、    重賞競争、競馬の楽しみ方などを紹介している。   ・ 外国人が日本旅行を検討する際に閲覧するウエブサイトにおいて、人気ブ    ロガーのフェイスブックやネット動画等のSNSに競馬の体験記事を載せる    など、中央競馬の魅力を伝える動画や記事を配信している。人気ブロガーた    ちによる競馬体験の発信を通じて、外国のお客様に来ていただきたいと考え    ている。   ・ 馬主や競馬関係者を通じて、海外競馬場でのプロモーション活動等も行っ    ており、日本の競走馬の競りにも数多くの外国の方が来るようになっている。   ・ 平成11年からは、秋に東京競馬場で行われるジャパンカップ等のG1競走    を中心に、海外に映像を配信している。さらに、競馬の国際化を通じて海外    研修生の受け入れや人馬の交流等を行い、外国人の方の誘致を地道に行って    いる。   ・ 受け入れ体制の整備について、競馬場内の施設改善ということで、場内の    案内看板の多言語化の推進やコミュニケーションボードとして、トイレの男    性、女性とか非常口のマークなどのピクトグラムを採用している。   ・ 快適な環境づくりとして、海外のお客様に対してインフォメーションにお    いて、日本の競馬にかかわるツールを提供している。競馬に関する手引を英    語、韓国語、中国語で作成しており、全競馬場、全ウインズに備えている。   ・ 勝ち馬投票券の購入方法やマークカードの記入ツールを用意している。更    に英語版のレーシングプログラムを用意し、英語表記による競馬場の案内図、    一部の競馬場やウインズにおいては、タブレット端末を活用した通訳サービ    スを行っている。ただし、競馬場やウインズを訪れる外国人の来場者比率等    の調査については、判別することができないため実施していない。   ・ インバウンドの取り込み策については、本部の国際部主導により一括で行    っており、代理店等と話し合って決めている。   ・ 小倉競馬場では、平成21年から韓国の釜山競馬場と姉妹競馬場を締結して    おり、これを機に双方の競馬場で優勝馬の関係者へのプレゼンターを行うな    どの交流を実施している。また、あわせてお互いの競馬場の紹介パネルの展    示等を行っている。   ・ 海外の騎手が日本に来て騎乗することはある。今イタリアとフランスの騎    手が1名ずつ日本の免許を取得しており、常時騎乗している。騎手及び調教    師に対する門戸は開かれている。日本からは、春と年末に馬と一緒に香港に    行き、競走に参加する騎手もいる。香港以外の中国本土では、競馬という形    の賭事が禁止されている。地方競馬の騎手が韓国で修業することはあるが、    韓国の騎手が来ることは現在のところない。   ・ 馬主について、中国や韓国の方で日本の馬主になっている人はいない。ド    バイなどで馬主になって日本に代理人を置いて日本で競走させるという例は    ある。  (委員からの意見)   ・ 日本のプロ野球選手が大リーグに行くようになって日本人が注目したとい    うこともあるので、地方のいい観光材料となるよう、公営競技選手や環境の    国際化、グローバル化をお願いしたい。   ・ 町の活性化のために、小倉競馬場の開催日数や大きなレースの設定をお願    いしたい。 ○ 平成30年11月8日 経済港湾委員会   公営競技の情報発信について検討するため、本市来訪者向けの情報発信の現状  について、当局から説明を受けた。  (説明及び答弁要旨)   ・ 旅行会社へのセールス活動については、平成28年度は47回、延べ554社に、    平成29年度は32回、延べ439社に実施した。   ・ 旅行会社への招請ツアー(ファムツアー)については、平成28年度は11回、    延べ123人に、平成29年度は15回、延べ126人に対して実施した。   ・ メディア、ブロガー等の招請、受け入れについては、平成28年度は15回、    延べ38人に、平成29年度は16回、延べ53人に対して実施した。   ・ セールスの結果、平成29年次の観光客数は1,242万4,000人、外国人観光客は    68万2,000人と、ともに過去最高を記録した。   ・ MICEの誘致活動については、市内外の大学、国内外の商談会、MIC    E誘致のキーパーソンとの東京での交流会などを通じて実施し、その結果、    平成28年度は286件、46万1761人の参加者、平成29年度は307件、70万5,226    人の参加者があった。JNTOが公表する国際会議開催件数は、平成28年次    に初めて全国10位となった。   ・ 報奨旅行(インセンティブツアー)の誘致活動については、海外の商談会    や官民一体となったセールスを行っている。その結果、平成28年度は33件、    6,523人の参加者、平成29年度は64件、7,798人の参加者があった。   ・ 市のメーンパンフレットもりたびでは、公営競技の紹介をしている。今後、    公営競技局と連携し、ファムツアー等の提案も行っていきたい。   ・ 本市では、MICE開催地として魅力向上を図るため、小倉城やいのちの    たび博物館といった公的空間を使ったユニークベニューを主催者に提案して    いる。特に、国際会議の誘致に当たっては、非日常空間の活用が大切になっ    ている。  (委員からの意見)   ・ ブロガー等の招請による効果の詳細について知りたい。   ・ MICEの来訪者に対して、事前にアクセスすることが非常に重要である。    ビフォー、アフターコンベンション向けに、本市の公営競技や他のレジャー、    食など、他の町にないものの情報を発信されたい。3 まとめ  本市の決算において、収入の拡大が課題となっていることは、「観光やMICE による来訪者の消費喚起について」の調査報告書で述べたとおりである。 その改善策の一つとして、本市への来訪者を増加させ、消費の拡大を図る必要が あるが、投資を抑えて効果を上げるため、今ある施設・設備を有効に活用していく という視点を持つことも重要である。  今回の調査では、参考人という形で、ボートレースの中央団体及び競馬の運営組 織の上層部の方に御臨席いただき、普段聞くことのできない業界の情報や有用な御 意見を伺うことができた。  また、公営競技における本場活性化の取り組みに合わせて、本市への来訪者増加 の視点も取り入れ、公営競技局と産業経済局が連携して新たな取り組みを行ってい くことが確認できたのは、大きな収穫である。  来訪者と消費の拡大は、観光コンテンツ及び受け入れ体制の充実と情報発信にか かっており、公営競技施設の活用策の検討を進め、受け入れ体制の充実を図るとと もに、先の「観光やMICEによる来訪者の消費喚起について」における調査内容 を含めて、これまでの調査過程で上げられた魅力的な食やレジャー(釣り、ゴルフ など)なども融合させて、本市が選ばれるための情報集約と発信に取り組まれたい。             教育文化委員会報告書                             平成31年2月6日北九州市議会議長 井 上 秀 作 様                    教育文化委員会委員長 藤 沢 加 代 本委員会は、次の事件について調査を終了したので、北九州市議会会議規則第101条の規定により報告します。                     記1 調査事件(1)地域コミュニティのあり方について   本市の地域コミュニティを取り巻く状況は厳しさを増しており、生産年齢人口  の減少や高齢者、単独世帯、共働き世帯の増加などにより、自治会加入率は、年々  減少傾向にある。   このような中、今後も安全・安心で住みやすいまちを維持していくためには、  市と自治会が連携し、地域の課題解決に向けて取り組むことが求められている。   本委員会は、このような点を踏まえ、自治会活性化の取り組みや自治会の加入  促進、脱会防止の活動等について調査を行うこととした。(2)スポーツ・文化振興について   本市は、「北九州市スポーツ振興計画」及び「北九州市文化振興計画」に基づき、  スポーツ、文化の振興に積極的に取り組んでいる。   このような中、スポーツにおいては、スタジアム(平成29年2月供用開始)や  桃園市民プール(整備中)など大規模大会に対応可能な施設の有効活用策や、北  九州マラソンなどスポーツイベントの充実、2020年東京オリンピック・パラリン  ピック競技大会(以下、「東京2020」という。)を契機としたスポーツの振興など  が課題となっている。また、芸術・文化においては、美術鑑賞事業「ミュージア  ム・ツアー」の実施や、「創造都市・北九州」の実現に向けたさまざまな取り組み  が計画されている。   本委員会では、本市の魅力を国内外へ広く発信し、シビックプライドの醸成に  つながる、これらのスポーツ、文化の取り組みについて調査を行うこととした。(3)図書館の利活用と子どもの読書習慣の定着について   本市は、全国で初めてといわれる子供の読書に特化した「北九州市子ども読書  活動推進条例」(平成27年7月施行)や、「新・北九州市子ども読書プラン」(平  成28年3月策定)に基づき、さまざまな施策を通して子供の読書活動の推進を図  っている。平成30年12月には、市立図書館の児童部門のセンター的役割を担う「子  ども図書館」が新たに設置されたところである。   子供時代の読書活動は、子供が充実した人生を送るために必要となる考える力、  感じる力、想像する力、表現する力等を身に付ける上で極めて重要であることか  ら、本委員会では、子供の読書習慣の定着に向けた市立図書館や学校図書館にお  ける読書環境の充実、読書習慣の形成に向けた取り組みについて調査を行うこと  とした。2 調査の経過及び結果(1)地域コミュニティのあり方について ○ 平成29年5月10日 教育文化委員会   本市の地域コミュニティのあり方について、当局から説明を受けた。   主な説明内容は、本市の地域コミュニティを取り巻く状況、地域コミュニティ  の活性化に向けた主な取り組み、平成26年度市民意識調査の結果に関するもので  あった。 (説明要旨)   ・ 本市の自治会加入率は、平成18年度の78.5%から平成28年度は68.6%に減    少している。   ・ 加入率減少の主な要因として、生産年齢人口の減少や、単独世帯の増加、    共働き世帯割合の増加が挙げられる。   ・ 地域コミュニティの活性化に向け、コミュニティの必要性を紹介したパン    フレットの全世帯配布や、マンション等集合住宅における自治会未加入者対    策の実施、防犯灯の設置や維持管理の支援等を行っている。   ・ 市民主体のまちづくりについての市民意識調査(平成26年度)によれば、    住民主体のまちづくりが必要かという問いに、89.4%が必要と回答している。     一方、地域活動への参加経験がない人が半数近くに及んでおり、意識が行    動に結びついていない状況が浮き彫りになった。┌────────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                           ││ ・ PTA活動の参加経験者を自治会活動へつなげる工夫を考えられたい。 ││ ・ 企業との交流活動を推進されたい。                 ││ ・ 特定の人に負担が偏らないよう、自治会への業務委託のあり方について検││  討されたい。                            │└────────────────────────────────────┘ ○ 平成29年11月22日 教育文化委員会   自治会の取り組みの研究として、徳力団地自治会の事例について、当局から説   明を受けた。 (説明要旨)   ・ 徳力団地では、本市平均よりも高齢化が進展する中、自治会役員の熱意と    献身的な活動を核として、見守りが必要な高齢者を対象とした食事会の開催    や団地集会所における健康づくり、子どもの居場所づくりの取り組み等、多    様な自治会活動を住民の発意によって自治会が主体となって行っている。   ・ UR都市機構から支援を得られている特殊なケースであるものの、大学等    との連携が行われているなど特徴的であり、地域コミュニティの共助を考え    る上で参考となるものである。   ・ 課題として、役員の後継人材の不足や自治会加入率の低下(加入率5割弱)、    財政的な問題などが挙げられる。┌────────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                           ││ ・ 徳力団地はURや大学等、他の団体との協力体制が構築されている特殊な││  例であり、他の地域へ当てはめることは困難。例えば、一般化できる取り組││  み事例や、逆にもっと厳しいところの事例なども取り上げてほしい。   ││ ・ さまざまな取り組みを行っているにもかかわらず加入率は低い。自治会の││  加入率を上げるための方策を検討すべき。               ││ ・ 加入率を上げるには子育て世代の加入が必要。学校と地域との連携を更に││  推進すべき。                            │└────────────────────────────────────┘ ○ 平成30年5月17日 行政視察(仙台市)   仙台市における地域コミュニティの活性化について視察を行った。   仙台市では、東日本大震災をきっかけに地域の人々の交流や支え合い(共助)  の重要性が市民の間で再認識され、防災を初めとした様々なまちづくり活動が活  発に行われるようになった。自治会加入率は政令市の中でも高水準である。(仙  台市79.7% 北九州市68.6%)   仙台市民の6割が集合住宅に居住していることから、マンションにおける町内  会の形成促進に重点的に取り組んでおり、市独自の制度である「防災力向上マン  ション認定制度」の導入により、共有財産であるマンションをみんなで協力して  守る意識が醸成されるとともに、防災活動の継続実施により顔の見える関係づく  りが促進され、良好なコミュニティが形成されるようになった。   町内会への活動支援については、加入世帯数×530円を交付する町内会育成奨  励金や、集会所建設補助等を行っている。   今後は町内会だけでなく地域課題に応じて、地域の社会資源(学校、商店街、  NPO等)との連携、協働を推進することで地域の活性化を図っていきたい等の  説明を受けた。 ○ 平成30年7月25日 教育文化委員会   自治会・町内会への加入促進について、当局から説明を受けた。   主な説明内容は、自治会加入率の推移や平成29年度に実施した市民意識調査の 結果、今後の自治会への加入促進に向けた取り組みに関するものであった。 (説明要旨)  ① 自治会加入率の推移    平成29年度の加入率は、平成28年度から1.1ポイント減少し、67.5%となっ   た。    高齢化の進展や共働き世帯の増加等による、町内会役員のなり手不足等の   理由で、町内会が解散するケースがふえている。  ② 平成29年度市民意識調査の結果について   ・ 住民主体のまちづくりについて、80%以上が必要と感じている一方で、    地域活動の参加経験がない方が45%おり、意識は持っていながら行動に結    びついていない状況。   ・ 地域活動に参加している理由は、地域の人と触れ合えるから、地域活動    に参加することが当然であるから、地域の情報を得ることができるからと    いった意見が多い。   ・ 地域活動に参加したことがない理由は、地域活動する時間がない、特に    理由はないという意見、地域の団体のことがよくわからないの順。   ・ 自治会、町内会に加入していない理由は、加入しなくても日常生活に支    障がない、加入を勧められたことがない、役員になりたくないの順。  ③ 今後の加入促進の取り組みについて   ア 市自治会総連合会における活動方針等について(4つの柱)    ・災害時等に強い自治会づくり    ・役員の業務負担の軽減    ・地域活動の担い手を増やす    ・自治会の信頼性の向上につながる情報発信     これらの活動方針に沿って、各自治会での加入促進や脱会防止に効果が    ある活動事例やノウハウを、自治会の間で情報共有して、ほかの地域にも    広めていく。   イ 市と自治会との連携による取り組み    ・自治会の重要性や活動意義の理解促進      加入促進・脱会防止事例集の活用、加入促進ポータルサイトによる      情報発信など    ・自治会が主体的に取り組む加入促進活動の支援      マンション建設会社や管理会社等への早い段階での働きかけ、転入者      ウエルカムパスポート事業による市外からの転入者の加入促進など    ・活発な活動を行うための自治会組織の強化に向けた支援     防災リーダー研修の実施、地域デビュー手引書の活用など┌─────────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                            ││ ・ 新築マンションなどで、町内会長や自治会からの要請があれば、コミュニ ││  ティ支援課が同行するなどして、きめ細かな加入の働きかけを行政としてバ ││  ックアップしていただきたい。                     ││ ・ 加入促進ポータルサイトを、若者にもっとPRするなどして推進されたい。││ ・ 防災や減災対策というのは自治会加入のきっかけになるので、自治会が果 ││  たしている役割を広く知ってもらうよう努められたい。          │└─────────────────────────────────────┘ ○ まとめ   少子高齢化の進展とともに、子供や高齢者の見守り、防災活動など、地域コミ  ュニティの中心的な担い手である自治会が果たす役割はますます重要になってい  る。このような中、本市の自治会加入率は低下し続けており、自治会の活性化、  加入促進は喫緊の課題である。   活動事例として報告のあった小倉南区徳力団地自治会においては、加入率が市  の平均より低いにもかかわらず、子供から高齢者まで多彩な自治会活動が行われ  ている。これは、徳力団地自治会がUR、大学等の地域資源をうまく活用した事  例であると言えるであろう。一方で、各自治会が抱える個別具体的な課題には、  それぞれ寄り添った支援が必要である。   平成29年度市民意識調査結果によれば、80%以上が住民主体のまちづくりが必  要と答えているが、一方で地域活動に参加経験がない人は45%に上っており、こ  のギャップをどう埋めるかが課題である。地域活動に参加するにはきっかけが必  要であり、その第一歩として、経験がない人へどのようにして参加を呼びかける  かが重要と考える。その手助けを行政ができるのではないだろうか。   現在、自治会と協力して取り組んでいる加入促進のための事業とあわせて、よ  り実効性のあるものとなるよう今後の取り組みに期待したい。(2)スポーツ・文化振興について ○ 平成29年5月17日 行政視察(石川県金沢市)   金沢21世紀美術館では、平成18年度から、金沢市内にある67校の小学校と特別  支援学校で学ぶ小学4年生を対象に「ミュージアム・クルーズ」と題した作品鑑  賞プログラムを継続的に実施している。   実施アンケートでは、95%の子供たちが再来館を望んでおり、ミュージアム・  クルーズを通じた美術館体験を学校活動の一環として実施する意義は大きい。   本事業が「4年生の年間行事」として学校内で定着したことにより、学校と美  館の双方で、子供たちが作品と出会うための環境整備への理解が深まっている。  また、子供たちの美術館体験をサポートするクルーズ事業のボランティア(69名)  の中には、本プログラムの体験が、後のボランティア参加につながった人もいる  等の説明を受けた。 ○ 平成29年8月10日 教育文化委員会   本市のスポーツ振興に向けた総合的な計画である「北九州市スポーツ振興計画  (改訂版)」について、当局から説明を受けた。   主な説明は、計画改訂の主旨、改訂版の基本理念と目指す姿(目標)、改正ポ  イント、平成29年度の主な取り組みに関するものであった。 (説明要旨)  ① 計画改訂の主旨    平成23年9月に策定した北九州市スポーツ振興計画の前期5年を検証す    るとともに、社会情勢の変化や市民ニーズなどを踏まえて、後期5年間の計   画として、平成28年9月に改訂。  ② 改訂版の基本理念と目指す姿(目標)    計画の基本である基本理念や三つの目標、五つの政策については、計画策   定当初と同様。  ③ 主な改正ポイント   ・ 基本施策に「オリンピック・パラリンピック等への協力・参画を契機と    したスポーツの振興」を追加。更に、キャンプ地誘致を成功させるために    は、市民が一丸となった開催機運の醸成が重要であることから、それらの    取り組みをあわせて追加。   ・ 基本施策「みるスポーツに対応する高規格・大規模施設の整備」に、大    規模国際大会誘致の視点を追加。   ・ 施設整備等の分野において、公共施設マネジメント実行計画(スポーツ     施設分野別計画)を盛り込み、基本施策を拡充。など  ④ 平成29年度の主な取り組み   ・ 夢・スポーツ振興事業...実施種目を8種目から10種目に拡大   ・ 北九州マラソン...フルマラソンの定員拡大、海外ランナー枠の新設   ・ 北九州スタジアム維持管理事業...市民が気軽に参加できるスポーツイベ    ント、大会の誘致、開催   ・ 桃園市民プール整備事業...新築工事の実施設計及び既存建物の解体・    撤去など┌────────────────────────────────────┐│ ≪委員の主な意見≫                          ││・ スポーツを競技ではなく余暇で楽しみたい人のニーズを把握されたい。  ││・ オリンピック・パラリンピック等のキャンプ地誘致により、スポーツ施設 ││ の市民利用に制限がかかることがないよう慎重に進められたい。      ││・ カヌー等水辺のスポーツの振興のため、水辺の開放など環境整備の推進に ││ 努められたい。                            ││・ アスレチックやプレイパーク等の設置について検討されたい。      │└────────────────────────────────────┘ ○ 平成29年10月18日 教育文化委員会   東京2020を契機としたスポーツの振興について、当局から説明を受けた。   主な説明内容は、スポーツ振興計画での位置付け、事前キャンプ実施チームの  誘致状況、タイとの交流、東京2020に向けた連携体制の構築、主な大規模国際ス  ポーツ大会等の誘致状況に関するものであった。  (説明要旨)   ① スポーツ振興計画での位置付け     平成28年9月に改定した北九州市スポーツ振興計画において、東京2020を    初めとする大規模国際スポーツ大会の開催を契機に、本市のスポーツの振興    はもとより、まちのにぎわい、活性化につなげていくことが重要であるとの    方向性が示された。   ② 事前キャンプ実施チームの誘致状況    ・タイ      平成28年6月 タイ王国スポーツ公社とスポーツ連携及び交流に関す             る覚書締結      平成29年7年 タイ卓球協会とキャンプ実施に関する覚書締結    ・インドネシア      これまでの同国と本市との間での環境交流などを足がかりとして、覚書     締結に向けた協議と競技団体へのアプローチを継続。    ・フィンランド      同国オリンピック委員会の大会運営ディレクターが、平成29年6月に     本市を視察。   ③ 大規模大会開催及びキャンプ地誘致に関するタイとの交流     平成28年1月、タイを相手国に東京2020のホストタウンの登録団体に決定。     これまでに、卓球ジュニアチームによる本市でのキャンプの実施、本市で    開催されたパラ・パワーリフティングジャパンカップへのタイ選手の出場、    タイからの学生を対象にした文化・スポーツ研修の実施、北九州マラソンへ    の選手の参加など、交流を進めている。   ④ 東京2020に向けた連携体制の構築     平成26年7月に、北九州市大規模国際大会等誘致委員会を設置。平成28年    12月に、日本オリンピック委員会とパートナー都市協定を締結。更に、市内    の大学などとスポーツ分野における包括連携協定の締結も進めている。   ⑤ 主な大規模国際スポーツ大会等の誘致状況     ワールドラグビー女子セブンズシリーズ、卓球ジャパンオープン荻村杯、    ワールドパラパワーリフティングアジア・オセアニアオープン選手権大会な    ど、大規模国際スポーツ大会の開催。ラグビーワールドカップ2019日本大会    におけるウェールズ代表チームによる事前キャンプの決定。     今後もキャンプ地誘致の成功に向けて、さまざまなニーズへの対応や課題    の解決にスピード感を持って取り組み、スポーツを通じた元気なまちづくり    を推進していく。 ○ 平成30年1月31日 教育文化委員会   北九州市立文学館の取り組みについて、当局から説明を受けた。   主な説明内容は、北九州市文化振興計画改訂版(概要)、文学館の取り組み、文  学館展示リニューアル基本計画に関するものであった。  (説明要旨)   ① 文学館の設置目的     本市ゆかりの文学者の顕彰と次世代への継承を目的に、平成18年11月に開    館。文学の街・北九州の発信拠点として、調査・研究を生かした企画展や講    演会の開催、全国規模の文学賞など、文学の普及・啓発に取り組んでいる。   ② これまでの取り組み    ・ 近年は、「赤毛のアン展」、「ブンガク最前線-北九州発」、「司馬遼太郎展」     など、より多くの市民が興味を持つ企画展を開催し、入館者は年間2万人     を超えている。    ・ 講演会や文学館文庫の発刊等、文学館内外での活発な教育普及活動を展     開。    ・ 火野葦平や橋本多佳子、宗左近などの資料の寄贈・寄託を受けるなど、     貴重な文学資料の受け皿として機能。    ・ 林芙美子文学賞や子どもノンフィクション文学賞、詩のコンクールなど      を実施。   ③ 文学館における課題    ・ 小倉城周辺の外国人観光客の増加への対応。    ・ 平成以降に登場した作家の紹介ができておらず、来館者についても小・     中学生などの若年層が少ない。     など、文学館の展示のあり方にも変革が求められてきている。   ④ 展示リニューアル基本計画の策定     文学館が抱える課題を踏まえ、学識経験者等で構成する北九州市立文学館    展示リニューアル懇話会などの意見も参考に、平成29年12月に北九州市立文    学館展示リニューアル基本計画を策定した。    ・ 展示リニューアルの基本理念     「まちの記憶を刻み、まちの誇りを未来につなぐ文学館」    ・ リニューアルの整備方針(3つの柱で構成)     ア みんなの文学館 ~みんなで学び、育てる文学館~     イ 楽しい文学館 ~誰もが楽しく集える文学館~     ウ 広がる文学館 ~広く羽ばたく文学館~    ・ 今後のスケジュール案      平成30年度から、本計画に基づいた設計に着手し、東京2020で実施され    る文化プログラムに合わせてリニューアルに取り組む。┌────────────────────────────────────┐│ ≪委員の主な意見≫                          ││・ 入館者数の増加に向けた取り組みを進められたい。           ││・ 子供たちが本市ゆかりの文学者や文学作品に触れる機会を更にふやすなど、││ 文学の基礎を育む取り組みに努められたい。               ││・ 外国人観光客の増加を踏まえた多言語対応について検討されたい。    ││・ 明治から昭和だけでなく、平成も加えた幅広い作品紹介など、文学館 ││ での取り組みを拡充されたい。                     │└────────────────────────────────────┘ ○ 平成30年5月9日 教育文化委員会   メディア芸術拠点化に向けた取り組みについて、当局から説明を受けた。   主な内容は、取り組みの背景、位置づけ、目的、主な取り組みに関するもので  あった。  (説明要旨)   ① 取り組みの背景    ・ 本市は、多くの漫画家を輩出するなど、クリエーター輩出の文化的土壌     を有している。    ・ あるあるCityや北九州市漫画ミュージアムなど、ポップカルチャー     に関する拠点を有している。    ・ 全国的に高く評価されている北九州フィルム・コミッションの活動。    これら本市の取り組みを更に活用、発展させることで、地域活性化のけん引    役となる文化芸術の振興を図る。   ② 位置づけ、目的    北九州市文化振興計画(改訂版) 施策3「発信力の高い文化芸術の振興」    ・ 魅力ある先駆的な施策を実施することで国内外からの集客を図り、市民の     シビックプライドを醸成する。    ・ 既存施設と新たな事業を連携させ、メディア芸術の更なる拠点化を図る。    ・ メディア芸術に接する機会の創出、人材育成、ネットワークを構築する。     以上を目的としている。   ③ 主な取り組み    文化庁が新たに創設した国際文化芸術発信拠点形成事業に提案を行い採択。    メディア芸術拠点化に向けて、文化芸術、人材育成、ネットワーク構築、国   際情報発信の4つの柱に基づいた事業を実施する。   主な事業:北九州ポップカルチャーフェスティバル、国際的なマンガフェス         タ、日中韓新人MANGA選手権、北九州国際漫画大賞の開催、        海外の映画作品の誘致など┌────────────────────────────────────┐│ ≪委員の主な意見≫                          ││・ アニメの聖地として多くの方に来てもらえるよう、更に努力されたい。  ││・ 映画の街 北九州と漫画文化を融合させるような、北九州らしい国際映画  ││ 祭の開催について検討されたい。                    │└────────────────────────────────────┘ ○ 平成30年5月15日 行政視察(松本山雅FC(長野県松本市))   2018シーズン、J2に所属する松本山雅FCは、そのミッションに、スポーツ  を通じて地域の人々に夢と希望と感動を与え、「ひとづくり」「まちづくり」「未来  づくり」に貢献することを掲げ、地域に密着したさまざまなホームタウン活動を  展開している。その活動回数は、年間340回に上る。   また、Jリーグ屈指の集客力を誇っており、2017シーズン平均観客動員数は、  J2で2位の約12,000人。(ギラヴァンツ北九州は、同約6,000人)   サポーターの多くがシーズンパスを購入(約9,000人)しており、彼らは勝敗に  関係なく応援に来てくれるため、毎年、安定した観客動員とチケット収入が維持  できている。スポンサーはエプソン、長野銀行など、大小含め600社。松本市か  らは、資本金として2,000万円の出資と練習場の優先使用の支援を受けている等の  説明を受けた。 ○ 平成30年8月22日 教育文化委員会  「創造都市・北九州」の実現に向けた取り組みについて、当局から説明を受けた。   主な内容は、取り組みの経緯、これまでの主な動き、東アジア文化都市の開催  に関するものであった。  (説明要旨)   ① 取り組みの経緯     平成28年に改訂した市の文化振興計画、施策7「文化芸術によるまちづく    り」に、創造都市への取り組みを推進していくことを表記。   ② これまでの主な動き    ・創造都市ネットワーク日本への加入(平成28年4月~)    ・組織体制の強化...文化創造都市推進担当ラインを新設    ・市民の機運醸成...平成30年2月に文化創造都市・北九州フォーラムを開催    ・文化庁長官表彰(文化芸術創造都市部門)の受賞    ・文化庁補助事業の積極的な活用...メディア芸術創造拠点推進事業、東田地     区ミュージアムパーク創造事業   ③ 東アジア文化都市の開催     平成30年8月に、2020年の東アジア文化都市の本市開催が決定。     日中韓3カ国から各1都市を選定して、相互に交流しながら1年間にわた    って、さまざまな文化芸術のイベントを実施するもの。     開催期間を2020年2月頃から12月上旬頃までとし、文化芸術関連イベント    を集中して開催するコア期間を設定。    ・ 4つの柱「コア事業」     ア 日本や東アジアの伝統芸能が集結する「伝統芸能」     イ 漫画やアニメ、映画など本市の強みを活かした「メディア芸術」     ウ 東アジア文化都市の提案として今回初めて柱として取り上げる「文      学」     エ SDGsをテーマに未来の都市・社会像を表現する「Art for       SDGs」    ・ 期待する効果      中長期的に、本市の文化芸術水準の向上といった本質的価値の向上、障     害者アートの振興など社会包摂機能の向上など社会的価値の向上、施設の     多言語化の整備や文化遺産の活用の促進、コンテンツの産業化といった経     済的価値の向上を期待。    ・ 今後の進め方     市民の機運醸成のための広報、啓発、実施体制の構築などの準備に着手。┌────────────────────────────────────┐│ ≪委員の主な意見≫                          ││・ 映画の街・北九州ということで、国際映画祭を柱として取り組まれたい。 ││・ 市民の生活に根差した文化的、教育的建物が観光資源化されることにより、││ 市民が落ち着いて調査、研究、勉強ができない環境にならないよう留意して ││ 進められたい。                            │└────────────────────────────────────┘ ○ まとめ   本市スポーツ振興計画(改訂版)では、基本施策にオリンピック・パラリンピ  ック等を契機とする取り組みが追加されており、これに基づいて東京2020関連の  事前キャンプ地誘致や、大規模国際スポーツ大会の誘致等に積極的に取り組んで  いる。本市を世界にアピールできる大きなチャンスとして生かすことは大切であ  るが、東京2020の終了後に、その盛り上がりを本市のスポーツ振興にどう生かす  かが課題である。また、国際交流や著名なアスリートと触れ合える機会を、今後  の市民活動や子供の教育につなげていくため、一過性で終わらせないことも大切  である。   文化振興では、本市文化振興計画(改訂版)施策3「発信力の高い文化芸術の  振興」に掲げる漫画ミュージアムや北九州フィルム・コミッションの取り組みに  加え、文化庁の補助事業に本市のメディア芸術創造拠点推進事業が採択されるな  ど、今後のメディア芸術の更なる拠点化が期待される。また、2020年の東アジア  文化都市の開催地に決定したことは、本市が目指す「創造都市・北九州」の実現  に向けて大きな推進力になるであろう。   イベントの開催だけでなく、ネットワークの構築や人材育成の事業が計画され  ていることは重要であり、長期的な視野に立った成果を生み出す取り組みとなる  ことを期待する。   スポーツや文化には、市民がみずから健康維持や生きがい活動として日常的に  取り組んでおり、市にはその環境づくりと支援が求められる。市民の活動の拠点  となる公共施設の維持管理を含め、今後、必要な公共サービスを持続的に提供し  ていくことは大変重要である。公共施設マネジメントの取り組みにおいては、市  民合意を形成していくことが不可欠であり、そのための丁寧な説明に努められた  い。(3)図書館の利活用と子どもの読書習慣の定着について ○ 平成29年5月15日 行政視察(神奈川県海老名市)   海老名市立図書館では、「市民の誰もが利用しやすく、いつでも利用したくな  る」、「多くの本、人、そして価値観に出会うことができる多様性と可能性を育む  図書館を実現する」ことを目指して、平成26年度に指定管理者制度を導入、平  成27年度に中央図書館のリノベーションを行った。31万冊の蔵書を備え、文具、  雑貨を取り扱う蔦屋書店や、飲み物を飲みながら本が読める飲食施設を併設して  いる。また、指定管理後の新たな取り組みとして、常時開館(365日、9時~21  時)、プラネタリウムドームを活用したキッズライブラリーの設置、英語や手話  による読み聞かせ、小・中学校への定期的な司書派遣など、民間のノウハウやア  イデアを生かした既存の図書館の枠に捉われない管理運営を行っている。   これらに取り組んだ結果、来館者数は、改修前の月3万2千人から、現在は月  5万人に増加している等の説明を受けた。 ○ 平成29年5月16日 行政視察(東京都千代田区)   千代田区web図書館では、絵本に「動き」と「読み聞かせ機能」を付加した  電子図書や昆虫などの3D図鑑、音声やアニメーションを利用した英語コンテン  ツ、文学作品を録音した音声コンテンツなど、インターネットを通じて貸し出し、  閲覧できるサービスを行っている。千代田区在住・在勤・在学者を対象としてお  り、利用者は約8千のコンテンツから同時に5点を2週間借りることができる。   本サービスは、24時間365日提供可能で、蔵書スペース制限の解消、蔵書の紛  失や延滞防止などのメリットがある一方、著作権上、利用者の全てのニーズに  応えられないことや視覚障害者が利用するためのサポート機能がないことな  どに課題がある等の説明を受けた。 ○ 平成29年7月20日 教育文化委員会   図書館の利活用と子どもの読書習慣の定着について、当局から説明を受けた。   主な説明内容は、本市の図書館の概要、子供の読書習慣定着の取り組み等に関  するものであった。  (説明要旨)   ① 図書館の概要    ・市立図書館の機構      中央図書館を中心に国際友好記念図書館と5つの地区図書館、10の分館     の計17館で構成    ・最近の主な取り組み      平成18年4月 全館オンライン化      平成22年8月 返却フリー制度開始      平成24年4月 インターネット予約を開始      平成29年7月 小倉駅と黒崎コムシティに返却ボックスを設置    (図書館整備)      平成24年7月 八幡西図書館を新設      平成26年3月 戸畑図書館を移転、開館      平成28年4月 八幡図書館を移転、開館      平成29年7月現在 小倉南図書館と子ども図書館を整備中    ・利用状況      平成23年度と平成28年度を比較すると、登録者数が約16%、貸出者数が     約30%、貸出冊数が約10%増加。   ② 子供の読書習慣定着    ・条例の制定等      平成27年7月 北九州市子ども読書活動推進条例の施行             (委員会提出議案として、全会派賛成で可決)      平成28年2月 新・北九州市子ども読書プランの策定(7施策36事業)    ・具体的取り組み     ア 図書館等での取り組み       子ども司書養成講座の開催、学校貸出図書セットの実施、読み聞かせ       ボランティアの学校等への派遣、読み聞かせ・おはなし会の実施、図書      館司書の学校への派遣など     イ 学校での取り組み       子ども読書の日、一斉読書の時間(10分間読書など)の推進、学校図       書館職員の配置、育成、ブックヘルパーの配置など   ③ 子ども読書プランにおける達成状況     プランに掲げる7施策36事業のうち、16の事業に数値目標を設定。     平成28年度の達成状況については、おおむね目標達成できている。   ④ これからの子供の読書活動の推進について    ・子ども図書館の整備     子供の読書習慣の定着に向けて、子ども図書館が、市立図書館の児童サ    ービスの統括と学校図書館支援機能等を担いながら、新・北九州市子ども    読書プランに掲げる取り組みを実施する中核的な機関となる。┌────────────────────────────────────┐│ ≪委員の主な意見≫                          ││・ 子供の読書環境の整備については、よい方向に進んでいる。今後も引き続 ││ き努力されたい。                           ││・ 不読率の改善に向けて、本を読まない子供へのアプローチの方法について ││ 検討されたい。                            ││・ 読書の重要性を保護者に理解してもらうための取り組みを進められたい。 │└────────────────────────────────────┘ ○ 平成30年4月25日 視察(守恒中学校、小倉南図書館)   守恒中学校における読書活動など、学校図書館教育の取り組みについて、校長  及び学校図書館職員から説明を受けた。   また、平成30年3月に開館した小倉南図書館の視察を行い、当局から施設の概  要や来館者数の状況等について説明を受けた。 ○ 平成30年5月16日 行政視察(千葉県市川市)   市川市教育委員会では、生きる力・夢や希望を育む学校図書館の推進をねらい  とした、「学校図書館ネットワーク事業」を実施している。本事業では、学びを支  える人・物・情報として、全小・中学校55校に学校司書を配置するとともに、公  共図書館と学校図書館、更に学校図書館相互の物流と情報をネットワーク化する  ことにより、市内全体を150万冊の一つの図書館として機能させている。   これにより、自分の学校にない本を手に取る機会の増加や、調べ学習等におい  て学習方法の質的改善が可能になるなど、学校図書館を中心として学校の教育機  能を高め、児童生徒の豊かな心と自ら学ぶ力の育成が図られている等の説明を受  けた。 ○ 平成30年10月19日 視察(子ども図書館)   子ども図書館は、子供の読書活動を推進する拠点として、市内図書館の児童部  門のセンター的役割を担うとともに、子供向け専門図書館として良質な資料の収  集、提供を行い、また、学校図書館支援センター機能を有するなど、さまざまな  支援を行うことを目的に設置される。   12月の開館に向けて整備中であったが、閲覧室、大研修室、ボランティア控室、  世界の絵本と地図のコーナー、調べ学習コーナー等、館内を回りながら完成時の  状況等について、教育委員会から説明を受けた。 ○ まとめ   子供の読書活動の推進においては、子ども読書活動推進条例に基づき「新・北  九州市子ども読書プラン」が策定され、「豊かな心と生きる力をはぐくむ読書環  境の充実と子どもが楽しく自主的に本を手に取る読書習慣の形成」を基本目標に、  さまざまな取り組みが積極的に行われている。   プランの施策ごとに設定された16の数値目標は、おおむね達成できており評価  できる一方、学校の授業以外で本を読まない子供は一定数おり、それらの子供た  ちへのアプローチ方法をどのように行うか課題である。あわせて、読書の重要性  について保護者に理解してもらうための広報、啓発の取り組みが更に求められる。   八幡西、戸畑、八幡、小倉南の図書館整備が進み、平成30年12月には、子ども  読書活動推進条例に基づく「子ども図書館」が設置された。開館を機に、学校図  書館との連携等で子供の読書活動が一層充実することを期待したい。             保健病院委員会報告書                             平成31年2月12日北九州市議会議長 井 上 秀 作 様                     保健病院委員会委員長 本 田 忠 弘 本委員会は、次の事件について調査を終了したので、北九州市議会会議規則第101条の規定により報告します。                     記1 調査事件(1)健康づくりについて   日本人の平均寿命は、医学の進歩、社会保障制度の充実、生活環境の改善な  どにより、戦後、急速に延び、平成22年時点で男79.6歳、女86.4歳となった。   また、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間である  健康寿命についても、平成22年時点で、男性70.42歳、女性73.62歳となって  おり、世界トップクラスという統計もある。   本市の状況について見ると、平成22年の平均寿命は男性78.9歳、女性86.2  歳、健康寿命は男性68.46歳、女性72.2歳となっているが、本市の健康寿命は  全国と比較して、男性が1.96歳、女性が1.42歳短い状況にある。   一方、高齢化が進むにつれて、医療や介護などの社会保障費が増大している。  本市においても、国民健康保険加入者の医療費は政令市で2番目に高い状況に  あり、介護が必要となる高齢者も増加している。   平均寿命は今後も延伸し、高齢化率は2060年まで一貫して上昇し、少子高齢  化が更に進展していくことが予想されている。   このような中、持続可能な社会保障制度を構築し、誰もが安心して暮らせる地  域づくりを進めていくことが急務である。   本委員会では、こうした状況を踏まえ、健康寿命の延ばすため、市民の健康づ  くりの支援のあり方について調査を行うこととした。(2)子どもの居場所づくりについて   現在、日本各地で、NPO法人や民間などにより、無料又は低額で栄養のある  食事や温かい団らんを提供する子ども食堂の取り組みが広がっている。   本市においても、経済的に厳しい状況に置かれたひとり親家庭は増加傾向にあ  り、仕事等の理由で保護者の帰宅が恒常的に遅くなる家庭も多くなっている。   このため、本市では、ひとり親家庭等の子供の孤食を防止し、子供たちが多く  の大人たちと触れ合うことで、幸福感や安心感を与える居場所を提供することを  目的にモデル事業として、平成28年9月から子ども食堂を実施している。   本市の子ども食堂では、食事の提供だけでなく、親が仕事を終えて帰宅するま  での間、子供たちが多くの人たちと触れ合い、健やかに成長できる居場所にする  ための取り組みを行っている。   具体的には、子供たちとともに調理を行い、食卓を囲みながら、温かい食事を  提供するとともに、学生ボランティアや教員OBなどによる学習習慣の定着など  の学習支援や基本的な生活習慣の習得の支援や生活指導などを実施している。   これらの実施に当たっては、ひとり親家庭の実情を十分理解し、これらの取り  組みに適切に対応できる団体に運営を委託し、その取り組みが徐々に広がりを見  せるなどの成果が出ている。   このような取り組みを通じて、子ども食堂の経験や運営ノウハウを蓄積し、民  間を主体とした子ども食堂の取り組みに対する継続的な支援を続けるとともに、  新たに子ども食堂の開設を考える団体に対しての支援や情報の提供を行い、子ど  も食堂の取り組みが更に市内全域へ普及することを目指している。   本委員会は、こうした状況を踏まえ、子供の居場所づくりの中でも、貧困家庭  の子供への支援に限らず、地域活動の一環として、地域の交流の場としての役割  を担っている子ども食堂の支援のあり方について調査を行うこととした。(3)高齢者の生きがいと人材活用について   本市の高齢化率は平成2年に全国を上回り、その後、一貫して全国よりも高い  水準で推移し、平成27年には29.3%(全国26.6%)となっている。   高齢化率は今後も上昇することが見込まれており、65歳以上の高齢者に占める  75歳以上高齢者の割合は、平成27年国勢調査では49%であったが、2020年には  5割を超え、2030年には65%を超えるものと予想されている。   また、年少人口(0~14歳)や生産年齢人口(15~64歳)は今後も減少を続  けると推計されており、昭和55年には、1人の高齢者(65歳以上)に対して7.8  人の現役世代(15~64歳)だったのが、平成27年には高齢者1人に対して現役  世代2.0人となり、2040年には1人の高齢者に対して1.4人の現役世代の比率  になると見込まれている。   このような高齢化の進展は、地域づくりや社会保障制度に影響を及ぼすことが  懸念される。   また、一方で、高齢者の健康、スポーツ活動や就労への意欲が高いこともうか  がえ、高齢者自身のライフスタイルも変化している。   このような社会構造は、今後も当分の間、継続することが見込まれることから、  高齢になっても安心して過ごせる地域の仕組みづくりを進め、年齢にかかわらず  生涯現役で誰もが社会の主役になる環境づくりが必要である。   本委員会では、こうした状況を踏まえ、高齢者がいつまでも健康で、生きがい  をもち、安心して地域で暮らせる社会のあり方を検討するため調査を行うことと  した。(4)児童虐待の防止について   平成30年3月、東京都目黒区で5歳の女の子が虐待で死亡するという事件や、  本市でも、4歳の男の子が自宅で死亡し、父親が逮捕される事件など、幼い命が  奪われる痛ましい事件が後を絶たない。   子供への虐待は、子供の生命、心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与え  るとともに、将来にわたって子供を苦しめる重大な人権侵害であり、決して許さ  れないことである。   子供の権利を守り、虐待のないまちづくりを実現するためには、虐待に苦しみ、  助けを求める子供や、子育てに悩み、助けを求める保護者に、手を差し伸べ、支  援していくことが必要であり、虐待による新たな被害者や加害者を生まない社会  の一日も早い実現が求められている。   このため、全会派の議員有志で構成された、子どもを虐待から守る条例プロジ  ェクトチームにおいて、北九州市子どもを虐待から守る条例の制定に向けて協議、  検討を進め、条例素案を策定した。   本委員会では、プロジェクトチームが策定した条例素案を引き継ぎ、条例の制  定に向けて調査することとした。2 調査の経過及び結果(1)健康づくりについて  ○ 平成29年5月10日 保健病院委員会    当局から、平成28年度北九州市健康づくり実態調査の調査結果について説明   を受けた。    主な説明内容は、実態調査などからみる現状、課題と次期北九州市健康づく   り推進プランの策定についてであった。   (説明要旨)    ・ 朝食の摂取状況は、就学前の子供、小学生、中高生とも前回調査とほぼ     同水準であるが、中高生では9割を切っている。    ・ 野菜の摂取量や塩分の取り方など、バランスの取れた食事摂取について     は、特に青年に課題が多い。    ・ 子供のしつけや遊びにスマートフォンを「よく使っている」あるいは「時々     使っている」割合は就学前で40.0%、小学生で36.4%となっている。    ・ 小学生、中高生ともに外で体を動かして遊ぶ頻度は下降傾向にある。    ・ 喫煙者は青壮年で約2割、受動喫煙の機会は減少している。    ・ 壮年の男性はほとんど毎日飲酒する割合が高く、その半数以上が1回     当たり、基準の2倍以上の飲酒をしている。    ・ 歯と口腔の健康と全身疾患との関係の認知度は上昇傾向にある。    ・ 疲労を感じたら意識的に休養をとる者の割合は減少傾向にある。    ・ 北九州市健康づくり推進プランが平成29年度に終了するため、新たな健     康増進計画として、次期北九州市健康づくり推進プランを策定する。  ≪委員の主な意見≫   ・ 健康づくりについては、若い世代に対する視点を強められたい。   ・ 健康という切り口から、高齢者になっても趣味や仕事をもって暮らしてい    けるよう考えられたい。   ・ 若い女性に対して、喫煙や飲酒の健康被害についての啓発や予防を図られ    たい。   ・ 市役所での体操の実施など、市が率先して健康づくりに取り組んでいる姿    勢を見せられたい。   ・ 糖尿病や肥満の予防対策については、他都市を参考にして地域ぐるみで進    められたい。   ・ 食事の摂取の仕方など食生活のあり方について、小学生の段階から教える    よう推進されたい。   ・ 健康づくりの啓発活動に当たってはわかりやすい表現を心がけるなど工夫    されたい。   ・ スマートフォンの使用が子供に与える影響について今後も注視されたい。   ・ 健康づくりについては所得との関連も視野に入れて取り組まれたい。   ・ きたきゅう体操などの認知度を高めるよう一層周知を図られたい。   ・ 国民健康保険の特定健診の受診率の向上に努められたい。  ○ 平成29年5月17日 行政視察(奈良県奈良市)    奈良市におけるポイント制度について視察を行った。    奈良市では、平成27年1月から奈良市ポイント制度を開始した。この事業   は同市の指定するポイント対象事業への参加や同市が指定する加盟店で買い   物をすることでポイントをためられる制度で、たまったポイントは同市の特産   品との交換や奈良交通バスのチャージ券、加盟店で買い物をする際の割引など   に利用することができる。    ポイント対象事業として、以下の事業を実施している。    ・長寿健康ポイント事業     高齢者の外出の機会をふやし、高齢者が生き生きと健康的な生活を送るこ    とにより、健康寿命を延ばすことを目的とする。    ・ボランティアポイント事業     ボランティア活動へのきっかけづくりと地域に根差したボランティア活動    を促進し、市民のボランティア活動への参画の意識の向上を目的とする。    ・健康増進ポイント事業     食事、運動、禁煙等、健康づくりに継続して取り組むことを目的とする。    ・健康スポーツポイント事業     スポーツイベントへの参加やトップスポーツの試合観戦など、スポーツに     関心を持ち、健康づくりやスポーツをする機会をふやすことを目的とする。     長寿健康ポイント事業は70歳以上の市民、それ以外の事業は全ての市民が対    象となっている。     市民はポイントカードを使って、ポイント対象事業への参加や、同市が指定    する加盟店で買い物をすることでポイントをためる。     ポイントカードは70歳以上の市民は70歳到達時に自動的に交付される「な    なまるカード」、70歳未満の市民は個別に登録が必要で、交通系などのICカ    ードを自分で準備する必要がある。     同事業の運用業務については業者に委託しており、年間1,200万円の経費が    かかっている。  〇 平成29年5月19日 行政視察(埼玉県)    埼玉県における健康長寿埼玉プロジェクトについて視察を行った。    埼玉県は平均年齢45.4歳と若く、また、高齢化率も24.8%と低いため、県   民一人当たりの医療費及び介護給付費は全国で最も少ない。    その反面、高齢化のスピードは全国トップで、将来的に医療費及び介護給付   費が増大することが予想されている。また、医療費の3割を生活習慣病が占め   ており、その予防が重要である。    このため、埼玉県では、健康寿命の延伸と医療費の抑制を目的として、平成   27年度から全県で健康長寿埼玉プロジェクトを実施している。    埼玉県では健康寿命延伸のために、毎日1万歩運動、筋力アップトレーニン   グ、バランスよい食事の摂取の推奨、埼玉県コバトン健康マイレージ、スーパ   ー健康長寿サポーター制度などの事業を実施しており、糖尿病などの慢性疾患   を持つ人の医療費が減少するなどの医療費の抑制効果が確認されている。  ○ 平成29年8月10日 視察(小倉北区 緑ヶ丘第四マンション自治会)    所管事務調査の参考とするため、きたきゅう体操・ひまわり太極拳に取り組   んでいる緑ヶ丘第四マンション自治会(サロン緑ヶ丘)が活動している集会所   にて視察をおこなった。      現地では、きたきゅう体操・ひまわり太極拳の説明を受けた後、きたきゅう   体操を一緒に行い、体操の後は、参加している方との意見交換を行った。   (説明要旨)    きたきゅう体操・ひまわり太極拳は、65歳以上の高齢者が地域で健康づく    り、介護予防をグループで楽しく取り組むことができるよう一つのツールとし   て開発され、平成19年度より取り組みが行われている。    きたきゅう体操は、日常生活に必要な筋力や、転ばないためのバランス力の   アップなどを目的として、日常生活で行う動きを中心とした30分程度の体操   である。    ひまわり太極拳は、太極拳の特性、風格を生かしながらも、全身の筋力アッ   プなど転倒予防に役立つ動きを取り入れた北九州市オリジナルの12の型から   なる5分程度の体操である。    きたきゅう体操・ひまわり太極拳を学ぶ教室は、市内7区で開かれており、   地域での自主的なグループ活動を実践していく普及員、指導員の養成講座を開   催し、地域での継続した活動への支援についても取り組んでいる。    普及員及び普及員による自主グループも年々少しずつ増加しており、様々な   場所で自主的な活動が展開され、地域の健康づくり、介護予防につながってい   る。平成28年度、普及員は569名、自主グループは210団体が登録している。  ○ 平成29年12月7日 保健病院委員会    当局から、「(仮称)第二次北九州市健康づくり推進プラン(素案)」につい   ての説明を受けた。  (説明要旨)  ・ 本プランは「元気発進!北九州」プランの分野別計画の一つであり、他の   分野別計画と相互に連携を図る。また、健康増進法に規定する市町村健康増進   計画として策定する。  ・ 計画期間は平成30年度から平成34年度までの5年間である。  ・ 推進体制は、保健福祉局だけでなく、子ども家庭局、教育委員会、市民文   化スポーツ局など部局横断的に連携、協力して取り組む。また、協会けんぽ   等の医療保険者や企業、NPO、地域のボランティア、医師会、歯科医師会、   薬剤師会、福岡県、大学など様々な関係機関との連携の充実、強化を図って   いく。  ・ 本市は、政令市の中で最も高齢化が進み、高齢者単身世帯や母子世帯が増   加傾向にある。  ・ 平成22年の本市の健康寿命は全国平均より男女とも2歳弱短い。  ・ 国保1人当たりの医療費は平成27年のデータで政令市中2番目に多い。  ・ 糖尿病を疑われる方が約1割おり、がん死亡率が政令市で1番高く、がん   検診の受診率が非常に低いなどの課題がある。  ・ このような課題について、北九州市健康づくり懇話会で検討を行い、素案   の策定を行った。  ・ スローガンは、「「オール北九州で健康寿命を延伸する」-健康寿命2歳延   伸を目指して-」とし、健康寿命が全国を上回るように取り組んでいく。  ・ 素案については、平成29年12月15日から平成30年1月15日にかけて   パブリックコメントを実施する予定である。 ≪委員の主な意見≫  ・ プランを達成するための人員配置等について具体的に検討されたい。  ・ 企業や保険者など関係機関等との具体的な連携について検討されたい。  ・ 健康に対する意識が低い市民に対する周知方法について工夫されたい。  ・ ICTを利用したマイレージ事業など、若い世代が健康づくり事業に参加   するような取り組みをされたい。  ・ データを活用して健康寿命の延伸や医療費の削減など効率的な事業を検討   されたい。  ・ SNSなどを活用した効果的な広報を検討されたい。  〇 平成30年2月8日 保健病院委員会    当局から、「(次期)第二次北九州市健康づくり推進プラン(素案)」に対す   るパブリックコメントの実施結果及び計画素案からの変更点について説明を   受けた。    主な説明内容は、意見の内訳、計画への反映状況、意見に対する市の考え方、   具体的な修正内容についてであった。   (説明要旨)  ・ 19人、団体から延べ75件の意見が寄せられた。  ・ 最も多かった意見が、市民の健康を支える社会環境の新創に関するもの、   次いで、データに基づく生活習慣病予防及び重症化予防の推進、多様な背景   の市民に対応する健康づくりに関するものであった。  ・ パブリックコメント等で、素案から12カ所の修正を行い、スローガンに   ついても、「「オール北九州で健康(幸)寿命を延伸する」-元気でGO!G   O!プラス2歳へ スクラムトライ!-」に修正した。 ≪委員の主な意見≫  ・ 子供や保護者への健康づくりの啓発を更に進めるよう検討されたい。  ・ 目標達成のために個別具体的にKPIの設定を検討されたい。  ・ 個人情報の保護に配慮した上で、保健指導などに、医療データの効率的な   活用を検討されたい。  ・ 健康意識が低い保護者への対策を、学校とも連携して進められたい。  ○ 平成30年8月17日 保健病院委員会    当局から、健康づくりについて説明を受けた。    主な説明内容は、健康寿命と平均寿命、「第二次北九州市健康づくり推進プ   ラン」、「北九州市いきいき長寿プラン」の背景・課題と基本目標、健康(幸)   寿命延伸に向けた取り組み、健康(幸)寿命プラス2歳推進体制についてで   あった。   (説明要旨)  ・ 本市の健康寿命は、平成22年は全国と比較して、男性1.96歳、女性1.42   歳短かった。平成28年は本市の健康寿命も延び、全国との差が縮まったが、   男性0.21歳、女性0.78歳短く、まだ全国平均には追い付いていない。  ・ 政令市比較では1位の浜松市に比べて、男性1.26歳、女性2.16歳短い。  ・ 「第二次北九州市健康づくり推進プラン」では、本市の健康寿命の2歳延   伸を目指して、企業や地域団体、福岡県、医療保険者等と連携したオール北   九州体制で取り組みを進めることとしている。  ・ 健康寿命の延伸は、高齢者の生きがい、社会参加や就労とも関係し、「北   九州市いきいき長寿プラン」では、「「健康長寿」を合言葉に高齢者が主役に   なるまちづくり~人生90年時代へ備える~」を基本目標としている。  ・ 本プランは「北九州市いきいき長寿プラン」と一体となって取り組みを進   めていく。  ・ 健康(幸)寿命延伸に向けた取り組みとして、企業、地域団体、NPO、   福岡県などと連携し、健康づくり、生きがい・社会参加、高齢者就労の三本   柱を推進し、更なる健康寿命の延伸を実現し、医療費適正化、健保組合の健   全経営、地域活性化につなげていく。  ・ 健康づくりについては、生活習慣病予防及び重症化予防、健康格差の縮小、   市民の健康を支える環境づくり、受動喫煙の防止の112事業を着実に進めて   いく。  ・ 生きがい・社会参加については、いきがい活動ステーション、生涯現役夢   追塾、年長者研修大学校、ボランティア大学校、高齢者サロン活動などの事   業を進めていく。  ・ 高齢者就労については、シルバー人材センター、高年齢者の相談支援、各   種セミナーの開催などの事業を進めていく。  ・ 健康(幸)寿命延伸に向けた課題克服のため、健康(幸)寿命プラス2歳   推進本部会議を設置し、市内部で部局間連携の充実、強化を図る。また、推   進本部会議の決定事項については、経済団体や医療関係団体、地域団体等の   トップで構成された健康(幸)寿命プラス2歳推進トップ懇談会(サミット)   で、市長から市内各団体のトップに取り組みを働きかけるとともに、関係事   業の担当課長をメンバーとする推進幹事会で、事業、計画を着実に推進して   いく。 ≪委員の主な意見≫  ・ 市職員が退職後に活動するボランティア団体の設立を検討されたい。  ・ 喫煙や受動喫煙がもたらす健康被害について啓発されたい。  ・ フレイルやサルコペニア予防のため低栄養状態の改善に取り組まれたい。  ・ 健康(幸)寿命2歳延伸のスローガンについては、多くの市民が可視化で   きるような広報活動を図られたい。  ・ 重症化予防のために低所得者が健康診断やがん検診をきちんと受けるよう   な施策を検討されたい。  〇 平成31年1月29日 政策立案支援事業(改正健康増進法で求められる自治   体の受動喫煙防止対策、加熱式タバコの真実と禁煙支援)    本委員会から議長に対し、所管事務である健康づくりの調査の一環として、   政策立案支援事業の実施を要請し、「改正健康増進法で求められる自治体の受   動喫煙防止対策、加熱式タバコの真実と禁煙支援」をテーマに、産業医科大   学の大和浩教授による講演会を実施した。    講演会では、改正健康増進法で求められる自治体の責務、禁煙や受動喫煙に   よる健康被害について説明があった。   〇 平成31年1月31日 保健病院委員会    報告書の取りまとめのため、委員間討議を行った。  ○ まとめ    本市は平成30年3月に「第二次北九州市健康づくり推進プラン」を策定した。    本プランは、「二十一世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21   (第二次))」を踏まえ、「北九州市健康づくり推進プラン」の基本理念の骨子を   引き継ぎながら、本市の現状や課題を踏まえた新たな視点、強化すべき点など   を整理、反映した、平成30年度から平成34年度までの5年間の計画である。    本プランの策定にあたっては所管事務調査において、本委員会からも、各委   員が、子供に対する健康教育の重要性、市が率先して健康づくりに取り組んで   いる姿勢を見せること、指標の設定などについて提言し反映された。    本プランでは、「「オール北九州で健康(幸)寿命を延伸する」-元気でGO!   GO! プラス2歳へスクラムトライ!」をスローガンとし、データに基づく    生活習慣病予防・重症化予防の強化、多様な背景の市民に対応した健康格差の   縮小を目指した健康づくりの推進、こころの健康づくりの推進、個人の健康づ   くりを支える環境の整備に重点的に取り組み、健康寿命を延ばすこととしてい   る。    本市の健康寿命は全国と比較して、平成28年では、男性0.21歳、女性0.78   歳短い。平成22年(男性1.96歳、女性1.42歳)に比べて、男女とも健康寿命   が延び、全国との差も縮まったが、まだ追いついていない。    本市の健康寿命を今後も延ばしていくためには、本プランに位置づけられた   事業を着実に推進することが求められる。    このため、全ての市民が本プランの内容を認識し、各事業に参加するよう、   わかりやすい広報を図られたい。    特に、若い世代や健康意識が低い世帯へのアプローチは重要である。   市は、委員も提言した健康づくりのスマートフォンアプリを配信するなど、   若い世代や健康意識が低い世帯が気軽に健康づくり事業に参加するような新た   な取り組みを始めたが、今後もSNSを活用した広報やコンビニエンスストア   など人が集まる場所などでの健康づくり事業の実施を検討されたい。    また、健康寿命の延伸や医療費の削減のために、官民データを利活用するこ   とは有効であると考える。このため、他都市の先行事例を研究して、官民デー   タを利活用した事業の検討を行われたい。    なお、調査の過程において委員から、次のような意見があった。   ・ 喫煙や飲酒による健康被害について、特に若い女性へ啓発されたい。   ・ 外食店と連携して、糖尿病や肥満の予防対策を進められたい。   ・ 所得との関連も視野に入れて事業に取り組まれたい。   ・ 保健師の配置等について具体的に検討されたい。(2)子どもの居場所づくりについて  〇 平成29年5月18日 行政視察(NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク)    豊島区における子どもの居場所づくりについて視察をおこなった。    豊島区では、地域の子供を地域で見守り、地域で育てるために、さまざまな   居場所を地域に創出し、それらが有機的につながるための真のネットワークを   構築し、子供の未来に広く寄与することを目的とした活動を実施している。    豊島区内で、プレーパークや子ども食堂、無料学習支援を実施しており、特   に子ども食堂の取り組みについては、先駆け的な存在である。    視察は、地域の子供を地域で見守り育てるために設立され、遊びや学び、暮   らしのサポートを実施しているNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネッ   トワークで行った。    視察では、豊島子どもWAKUWAKUネットワークの取り組みについて説   明を受けた後、みんなの冒険遊び場「池袋本町プレーパーク」の現地にて説明   を受けた。    池袋本町プレーパークは、近年、公園での禁止事項が多く、昔のように子供   が自由に遊べる場所が少ないことから整備され、自分の責任で自由に外遊びが   できる遊び場となっている。   (説明要旨)    ・ プレーパークでさまざまな問題を抱える子供たちを発見することができ、     子ども食堂や無料学習支援につなげることができている。    ・ 行政から受ける支援は初期投資とリーフレットの作成等広報のみで、食材     の調達やスタッフなどは全て寄付やボランティア、賛助会員で運営している。    ・ 地域の方に理解していただき、活動を通じて、地域を耕すことで子供たち     を地域で育てる支援の輪が広がっている。    ・ 子ども食堂は、地域と子供がつながる場、孤立しがちな家庭が地域とつな     がる場、地域の女性活躍の場である。    ・ 子供は地域の宝だという意識をもって、この取り組みを広げていきたいと     感じている。  ○ 平成29年7月6日 保健病院委員会    子ども食堂の実施状況と今後の取り組みについて、当局から説明を受けた。    主な説明内容は、子ども食堂の目的、市が実施しているモデル事業の概要、   平成28年度の実績及び29年度の取り組みについてであった。   (説明要旨)    ・ ひとり親家庭等や共働き家庭など、仕事等の理由で保護者の帰宅が遅くな     るなどのニーズがある家庭の子供であれば、誰でも利用でき、親が帰宅する     までの間、子供の孤食を防止し、幸福感や安心感を与える居場所を提供する     ため、モデル事業として、子ども食堂を実施している。    ・ モデル事業では、食事の提供、学習支援、生活習慣の習得支援、生活指導     を実施している。    ・ モデル事業の取り組みを通じて、民間を主体とした子ども食堂の活動が本     市において、継続的な取り組みとして広がるように、そのモデルを示すとと     もに、得られた経験やノウハウを生かして、今後子ども食堂の開設を考えて     いる、または既に運営している団体に対して、きめ細かくサポートしていき     たいと考えている。    ・ モデル事業は、平成28年9月から八幡東区の尾倉市民センターと小倉北     区の日明市民センターで実施している。尾倉市民センターが毎週水曜日、日     明市民センターが毎週木曜日の17時から21時までで、参加費は無料である。    ・ モデル事業では、NPO法人等の民間事業者、学生ボランティア、地域が     連携して運営を行っている。    ・ 平成29年度は、平成28年度の子ども食堂モデル事業を継続するとともに、     民間を主体とした子ども食堂の活動を支援するため、子ども食堂に関心のあ     る市民や企業、団体等が気軽に参加できる「子ども食堂ネットワーク北九州」     を新たに創設する。  ≪委員の主な意見≫    ・ 校区単位で子ども食堂が開設されるよう推進されたい。    ・ 子ども食堂の運営が負担にならないように市は側面的な支援をされたい。    ・ 子ども食堂の実施にあたっては、局の垣根を越えて、市の独自性を生かし     た取り組みを進められたい。  ○ 平成29年10月12日 視察(小倉北区 日明げんきもりもりハウス)    所管事務調査の参考とするため、モデル事業として平成28年9月から日明   市民センターで実施されている子ども食堂、日明げんきもりもりハウスの視察   を行った。    現地では、子育て支援課長より、日明げんきもりもりハウスに関する説明を   受けた後、調理室、自由室の視察を行い、子供たちや学習支援を行っている学   生、調理を担当する地域住民などボランティアスタッフと食事をしながら意見   交換を行った。  ○ 平成30年5月10日 保健病院委員会    当局から、子ども食堂開設支援事業について説明を受けた。    主な説明内容は、平成28年9月からモデル事業として実施してきた子ども食   堂の概要、子ども食堂ネットワーク北九州の取り組み、コーディネーターの配   置についてであった。   (説明要旨)    ・ 平成28年9月からモデル事業として実施してきた子ども食堂の運営を平     成30年4月から民間団体に移行した。    ・ 平成29年度は平成28年度に比べて、約2倍のボランティアが参加した。    ・ 市内の民間主体の子ども食堂は今夏までに14カ所となる見込みである。    ・ 平成30年度も子ども食堂ネットワーク北九州により、子ども食堂に関す     る情報提供や意見交換、衛生管理や食育、福祉行政などの研修、子供との接     し方などの勉強会を開催し、国の補助金等の情報提供やボランティアの募集、     配置調整、食材、寄附金の分配等を行う予定である。    ・ 平成30年度から新規開設、運営に関する相談対応を行うコーディネータ     ーを配置し、更なる子ども食堂の開設機運の醸成や支援の輪を広げる活動を     行う。  ≪委員の主な意見≫    ・ 子ども食堂の運営が地域の負担にならないように慎重にされたい。    ・ 子ども食堂の取り組みを通じて、支援が必要な子供に対して、必要な支援     が届くようにされたい。    ・ 子ども食堂ネットワーク北九州の周知に努められたい。    ・ 子ども食堂に関する相談については、寄り添って支援されたい。    ・ 子ども食堂の運営は地域の理解を得た上で取り組まれたい。    ・ 子ども食堂を、子供に対するかかわり方の一つのツールとして、ネットワ     ーク化して広げられたい。    ・ 新しい地域づくりの観点からも、高齢者によるふれあい昼食交流会や地域     のサロン活動との連携などを検討されたい。  ○ 平成30年5月16日 行政視察(北海道石狩市)    石狩市における子どもの居場所づくり推進事業について視察を行った。    担当課から、子どもの居場所づくり事業、子ども食堂等の取り組み、こども   未来館(あいぽーと)について説明を受けた後、こども未来館(あいぽーと)   の視察を行った。   (説明要旨)    ・ 石狩市では、子供の居場所は、成長により変化していくという観点から、     成長段階ごとに各年齢層にあった施策を推進している。    ・ 行政は施設整備等のハード面、民間は施設等の運営などのソフト面と役割     を分担している。    ・ 子ども食堂や子どもの学習支援事業は、平成28年度に提案団体を募集し、     平成29年度から実施している。    ・ 子ども食堂の運営に当たっては、子供の利便性や安全への配慮とともに、     地域住民の理解を得るよう指導し、交付金がなくなっても継続的に運営でき     るように、運営団体同士の意見交換に参加するよう促している。    ・ 地域子育て支援拠点が市内5カ所に設置され、専用室の開放や子育て相談、     子育て支援サークルの支援、子育て講座などを実施している。    ・ こども未来館(あいぽーと)は市内に4館ある児童館のうちの1館で、乳     幼児から高校生まで利用できる施設であり、平成23年4月に開設された。    ・ こども未来館(あいぽーと)は自由来館の一般利用のほか、放課後児童ク     ラブ(花っこクラブ)や地域子育て支援拠点(りとるきっず)が併設されて     いる。    ・ 幅広い年齢層が利用するため、当初は安全面の心配があったが、今のとこ     ろ特に大きな問題はない。反対に小さいときに中高生にいろいろしてもらっ     たことを、自分たちが中高生になったときに小学生にするなどといったよい     面が見られる。    ・ 小学生から高校生で構成するこども会議により、こども未来館(あいぽー     と)の利用方法やイベントを企画している。    ・ 児童館では子供の悩みや貧困などの家庭環境が見える場面が多い。このた     め、はらぺこクラブ事業(毎月第1日曜日に子供たちで昼御飯をつくり、食     べるクラブ)の実施などさまざまな方法でアプローチしている。  ○ 平成31年1月31日 保健病院委員会    報告書の取りまとめのため、委員間討議を行った。  ○ まとめ    近年、子どもの居場所づくりについては、生活保護世帯などの生活困窮世帯   の子供への学習支援や居場所づくり、ひとり親家庭の子供に対する基本的な生   活習慣の習得支援、学習支援や食事の提供、共働き家庭など留守家庭の小学校   に就学している児童に対する放課後等の遊びや生活の場の提供など、さまざま   な事業が展開されている。本市でも早くから希望する全ての児童が放課後児童   クラブに入所できるよう取り組みを進めており、高い評価を得ている。    本委員会では、このような取り組みの中から、平成28年9月からモデル事業   として実施した子ども食堂の取り組みについて調査研究を行った。    平成28年9月からモデル事業として実施した子ども食堂は、大きな事故もな   く順調に運営されており、利用者やボランティア等からも好意的な意見が多く   寄せられている。    また、平成29年度には、子ども食堂運営団体、地域団体、社会福祉法人、企   業、大学、NPO法人、行政などが参加して、子ども食堂の取り組みが市内   に広がるように、子ども食堂ネットワーク北九州が設立され、平成30年度には、   地域や学校、PTA、行政などとの開設や運営に関する調整や相談、情報提供   などにきめ細かく対応していくため、子ども食堂の運営ノウハウを熟知した子   ども食堂コーディネーターを2名配置し、子ども食堂が地域に根差したものと   なるよう支援している。    このような取り組みの結果、市内の子ども食堂は市が把握している限りで18   カ所(平成31年2月6日現在)となり、順調にふえている。    一方、子ども食堂については、この取り組みが一過性のものにならず、継続   的な活動となるよう、どのように支援していくのか、子ども食堂の開催回数を   運営団体や地域の負担に配慮した上でどのようにふやしていくのか、子ども食   堂に参加している子供のうち、支援が必要な子供をどのように福祉施策などの   支援につなげていくのか、反対に、支援が必要な子供のうち、子ども食堂に参   加していない子供に対してどのようにアプローチしていくのか、安心して子ど   も食堂に参加するため、子ども食堂の質をどのように確保していくのかなどの   課題がある。    このため、市としては、これらの課題に丁寧に向き合い、子ども食堂ネット   ワーク北九州を中心として、利用者、運営団体、ボランティア、地域住民と連   携して、それらの意見を聞きながら、子ども食堂のあり方を検討され、よりよ   いものとされたい。    また、新しい地域づくりの観点から、子ども食堂が子供だけでなく、例えば、   高齢者の方などと一緒に食事したり、遊べたりするような多世代交流の場にな   れば、新しい地域交流の拠点となり、地域の活性化につながるものと期待され   る。市としては、地域の負担に配慮した上で、このような視点からも取り組み   を進められたい。    なお、調査の過程において委員から、次のような意見があった。   ・ 校区単位で子ども食堂が開設されるように推進されたい。   ・ 高齢者によるふれあい昼食交流会との連携などを検討されたい。   ・ ユースステーションなどについては、利用者による会議によって、利用方    法やイベントの企画運営などを決定、実施し、利用者の自主性を育み、施設    の活性化を図られたい。(3)高齢者の生きがいと人材活用について  ○ 平成30年8月23日 保健病院委員会   当局から、高齢者のいきがいと人材活用について説明を受けた。    主な説明内容は、高齢者の生きがいづくりの基本的な考え方、高齢者を取り   巻く背景、高齢者の生きがいと人材活用のための本市の取り組み、高齢者の意   識、「北九州市いきいき長寿プラン」の概要についてであった。  (説明要旨)   ・ 高齢者が生きがいや日々の生活に張り合いを感じ、地域で元気に暮らし続    けるために、多様なライフスタイルや健康状態に応じた教養、文化、スポー    ツ活動、ボランティア、就労などの機会づくりや情報提供を行う。   ・ 高齢者の生きがい、社会参加、地域貢献の推進のために、年長者研修大学    校、生涯学習市民講座などの事業、高齢者の就労のために、高年齢者就業支    援センターを設置し、シルバー人材センター、シニアハローワークなどと連    携して事業を行っている。   ・ 高齢者の意識調査の結果、社会貢献や就労の意欲は高く、高齢者と思う年    齢を「70歳以上」と回答した割合が70%を超えるなど、市民意識の変化が    うかがわれることなどがわかった。   ・ 平成30年3月に北九州市いきいき長寿プランを策定した。   ・ 基本目標は「「健康長寿」を合言葉に高齢者が主役になるまちづくり~人生    90年時代へ備える~」であり、平成30年度から平成32年度までの3カ年計    画である。   ・ 「北九州市いきいき長寿プラン」では、①健やか、②支え合い、③安心と    いう3つの目標ごとに施策をまとめた。   ・ 「健やか いきいきと生活し、生涯活躍できる」という部分が所管事務調    査に該当する部分となる。   ・ この目標では、「生きがい・社会参加・地域貢献の推進」と「主体的な健康    づくり・介護予防の促進による健康寿命の延伸」を2つの柱としている。前    者では、「「学ぶ」・「動く」・「働く」で生きがいを探す、仲間をつくる」、「特    技や趣味をいかして社会とつながる、社会の一翼を担う」、「人と人をつなげ    る、人を地域につなげる」ことを取り組みの方向性としている。   ・ 具体的な施策としては、年長者研修大学校の運営、北九州穴生ドームの運    営、高齢者いきがい活動支援事業、ボランティア活動促進事業、年長者いこ    いの家などの事業を推進する。  ≪委員の主な意見≫   ・ 高齢者の働く意欲に応えるために雇用先の確保に努力されたい。  ○ 平成31年1月31日 保健病院委員会    報告書の取りまとめのため、委員間討議を行った。  ○ まとめ    本市は平成30年3月に「北九州市いきいき長寿プラン」を策定した。    本プランでは、「「健康長寿」を合言葉に高齢者が主役になるまちづくり~人   生90年時代へ備える~」を基本目標と定め、住民同士が支え合いながら、自   分らしく、安心して暮らせるまちづくりを推進し、また、高齢者がいきいきと   活躍できるまちづくりを目指すこととしている。    高齢者が活躍するためには、高齢者自身が健康であることが重要である。    高齢者が要介護状態にならないようにするため、フレイル(加齢とともに運   動機能や認知機能等が低下してきた状態)やサルコペニア(筋肉量の減少によ   り筋力の低下や身体機能が低下した状態)の適切な予防が必要である。    このため、高齢者に対する適切な筋力トレーニングなどの運動療法の必要性   や口腔保健に関する知識の普及、低栄養状態を改善するための食生活の啓発に   努められたい。    また、できるだけ長く自立した活力ある社会生活を営むためには、高齢者が   積極的に社会参加をすることが必要である。    このため、高齢者の多様な働き方に対応するような雇用先の確保などへの支   援についても努力されたい。    また、委員会では、高齢の女性は地域活動に積極的に参加し、お互い顔が見   える関係を築いているが、高齢の男性は地域活動に参加せず、孤立しており、   地域とのつながりが希薄であることが多いとの指摘もなされた。    本市では、地域の人がお互い誘い合って、地元の市民センターや老人クラブ   で行われている料理や運動の教室や地域活動などに参加している地域もみられ   る。このため、このような事例を参考にして、市は、老人クラブの活性化など、   定年後の男性の居場所づくりの支援について検討されたい。    更に高齢者が気軽に外出できるようにするためにはインフラ等の環境整備が   必要である。社会的孤立と閉じこもり傾向にある高齢者は、両者に該当しない   高齢者に比べて、死亡率が顕著に高くなるとの東京都健康長寿医療センターに   よる調査結果もある。    本市では、高齢者の健康づくりの健康づくりを支援するため、健康遊具を設   置する公園整備事業やふるさと納税を活用した市営バスのバス停ベンチの設置   する事業を実施し、福岡市では、誰もが気軽に外出しやすいまちの推進や超高   齢社会への対応から、ベンチ設置を推進する「おさるのベンチプロジェクト」   を行っている。    今後も高齢者が気軽に外出できる環境整備のため、保健福祉局だけではなく   他部局と連携した高齢者の外出支援事業の推進に努められたい。 (4)児童虐待の防止について  ○ 平成30年11月7日 保健病院委員会    子どもを虐待から守る条例プロジェクトチームで取りまとめられた条例素   案をパブリックコメントに付する条例素案とすること、及びパブリックコメン   トの募集要領について決定した。  〇 平成30年11月7日~11月27日    パブリックコメントを実施した。  ○ 平成30年12月4日 保健病院委員会    パブリックコメントに対する本委員会の考え方について決定した。  ○ 平成30年12月10日 保健病院委員会    条例案について確認し、委員会提出の条例案を決定した。条例案は同日議    長に提出し、12月12日の本会議で可決された。    なお、委員から、警察との情報共有や児童相談所への元警察官の配置につい   ては慎重に対応されたいとの意見があった。  ○ 平成31年1月31日 保健病院委員会    報告書の取りまとめのため、委員間討議を行った。  ○ まとめ    本市から児童虐待をなくすためには、市民が一丸となって児童虐待は許さな   いというメッセージを送ることが重要である。    このため、本市議会では、子供を虐待から守るという議会の意思を明確にし、   市民の意識を高めていくことが大事であると考え、市議会の全ての会派の協力   を得て、保健病院委員会の委員も参加した委員15名で構成する子どもを虐待か   ら守る条例プロジェクトチームを設置し、11回にわたる協議、検討を行い、条   例素案を取りまとめた。    保健病院委員会では、その条例素案を引き継ぎ、条例制定に向けて検討を進   め、委員会提出議案として、北九州市子どもを虐待から守る条例案を提案し、   平成30年12月定例会において可決され、同月19日に条例が公布された。    条例制定に当たっては、虐待でとうとい命がなくなるような悲しい事件は二   度と繰り返さないという市議会の強い思いを込め、単なる理念条例ではなく、   実効性のあるものにした。    条例の前文には、北九州市議会の意思として、子どもには、子どもの権利条   約に記された4つの権利、すなわち、生きる権利、育つ権利、守られる権利、   参加する権利があること、そして、本市の全ての子供が虐待から守られるよう、   市民が一丸となって、子育て支援を充実し、子どもの命と育ちを守るために、   この条例を制定することなどを記載した。    また、条例の条文では、子供の虐待への対応で中心的な役割を担う児童相談   所や福祉事務所の機能強化や人材育成、はい回している子供への声かけなど事   業者の責務、市立学校でのスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカ   ーの配置など学校での体制整備、虐待を受けた子供や保護者が転出する場合の   転出先の自治体との情報共有、虐待の未然防止のための具体的な取り組みなど   についても規定した。    児童虐待は子供に対する重大な人権侵害であり、子供の心身の成長や発達に   多大な影響を与えるものである。    本委員会としては、本条例の趣旨を踏まえて、児童虐待による新たな被害者   や加害者を生まない社会の一日も早い実現のために、委員から出された意見を   参考に、今後も子供の視点に立って、本人の気持ちに寄り添い、その意思を尊   重した、より実効性のある施策を進めていくことを期待している。    なお、調査の過程において、委員から、次のような意見があった。   ・ 警察との情報共有などの連携については市民が萎縮することがないよう慎    重にされたい。   ・ 虐待を受けている、又はその疑いがある児童やその保護者が転出する場合    の転出先の自治体との引き継ぎについては今後も丁寧に対応されたい。   ・ 適切なしかり方がわからず、児童虐待につながるケースがあると思われる    ため、保護者に対して、子供のしかり方などの研修などを実施されたい。     また、実施に当たってはより多くの保護者に伝わるように工夫されたい。   ・ 虐待で一時保護された児童について、一時保護された施設で安心して生活    できるように配慮されたい。   ・ 児童相談所等の職員について、研修などにより専門性を高めるとともに、    適性や専門性を考慮した上で、長期間在籍できるよう配慮されたい。   ・ 児童相談所等の相談窓口の充実やSNSなどを利用した相談環境の整備を    検討されたい。   ・ 市民に周知する際は、イラストを入れるなどして、児童虐待に関心のない    人でも手に取って読むものになるよう工夫されたい。   ・ 児童虐待の認識がないと声をあげられない。このため、児童虐待について、    子供のころからきちんと教育されたい。                環境水道委員会報告書                                 平成31年2月7日北九州市議会議長 井 上 秀 作 様                        環境水道委員会委員長 上 野 照 弘 本委員会は、次の事件について調査を終了したので、北九州市議会会議規則第101条の規定により報告します。                     記1 調査事件(1)「世界の環境首都」を目指したまちづくりについて   本市は、「世界の環境首都づくり」の実現に向けて、市民、NPO、事業者、行  政などのあらゆる主体が協働して取り組むための行動計画「環境首都グランド・  デザイン」に基づき、環境首都づくりへの取り組みを進めている。   本委員会は、その実現のための取り組みについて調査を行うこととした。(2)災害対応力の充実強化について   東日本大震災以降、各地で起こる災害に備えて、本市の災害体制の見直し及び  地域の防災力向上を図るとともに、自助、共助での市民一人一人の防災意識向上  を図るための取り組みを行っている。   本委員会は、これらの取り組みについて調査を行うこととした。2 調査の経過及び結果(1)「世界の環境首都」を目指したまちづくりについて  ○ 平成29年5月17日 行政視察(京都市・京エコロジーセンター)    地球温暖化防止京都会議(COP3)を記念して、2003年に開設された京エ   コロジーセンターでは、市民に温暖化防止やごみ減量などの環境学習の場とプ   ログラムを提供するとともに、環境学習を通じて地域で環境保全活動を行う人   材育成に力を入れている。    開設に当たっては、基本計画の策定から開設に至るまで、市内のNPO、消   費者事業者団体の代表者、学識者等による研究会、企画委員会等が主体的にか   かわり、開設後も新たに地域団体などを加えて発足した事業運営委員会が、事   業の承認や運営方針の決定など、事業運営の基本を担っている。  ○ 平成29年11月9日 環境水道委員会    北九州市環境審議会答申「環境首都における産業廃棄物処理高度化に向けた   制度のあり方について」の概要と、答申に基づいた本市の強み、今後の課題の   整理状況と産業廃棄物処理の方向性及び制度見直し等の主な方向性について、   当局から説明を受けた。   (説明要旨)    ア 産業廃棄物処理をめぐる本市の現状     (ア)市内からの産業廃棄物排出量 約400万トン       →再生利用率46%(全国平均53%)、最終処分率6%(全国平均3%)     (イ)域外搬入分を含む産廃処理量 約500万トン       →処理業者による域外物の処理量が全体の4分の1を占める     (ウ)産業廃棄物処理の許可件数       収集運搬業 326者       中間処理業 166者       最終処分業  5者       →市場規模は約690億円(処理量ベースで計算)     (エ)本市では、不法投棄監視のほか紛争予防要綱、広域移動要綱や各種       報告制度により適正処理を確保。また、優良認定要綱により優良な排       出事業者や処理業者を育成。    イ 本市の強みと課題を踏まえた産業廃棄物処理の方向性     (ア)動脈産業の受け皿としての産業廃棄物処理業から、再生資源等を生       み出す資源産業及びトータルでの環境負荷低減や付加価値を生み出       すトータル環境ソリューション産業へ     (イ)労働安全衛生の向上、地元人材の雇用、人材育成、イメージ改善、       災害・エネルギー拠点化を図るとともに、地域の製造業や農林水産業       と連携して地域の資源、資金、自然、人材の循環を図る     (ウ)北九州産廃ブランドを確立し、地域や国内の産廃を集積して高度処       理を行うとともに、海外の廃棄物の受け入れや海外展開等を図る     (エ)国、近隣自治体との連携、製造部門との連携、他の政策分野(経済、       防災、労働等)との連携を図り、産廃処理の分野からSDGsや環境       首都の実現をリード    ウ 制度見直し等の主な方向性     (ア)排出事業者向けの取り組み       優良な排出事業者の評価・認定制度、適正な処理委託の推進など     (イ)産業廃棄物処理業者向けの取り組み       透明性、トレーサビリティの向上、優良事業者の評価、公表制度や       指針、ガイドライン作成、イメージアップなど     (ウ)全体の高度化に向けた取り組み       再生利用指定制度やグリーン調達による再生利用推進、最終処分場       の有効活用、ICT、AI、ビッグデータ等の新技術の導入促進など┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・太陽光パネルやリチウムイオン電池などの産業廃棄物の再生利用につい ││  て、ビジネス化を見据えた取り組みに尽力されたい。         ││ ・業界団体や企業と共同で産業廃棄物再生利用のビジネス化に取り組むこ ││  とで、循環型社会の構築を目指すよう努められたい。         │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成30年1月11日 環境水道委員会    本市における環境国際協力及び環境ビジネスの取り組み状況について、当局   から説明を受けた。   (説明要旨)    公害克服で蓄積された経験やノウハウ、アジア諸都市とのネットワークを生   かし、環境国際協力として、平成28年度までに161カ国・地域から8,676人の研   修員の受入れ及び25カ国に延べ199人の専門家の派遣を行っている。    また、平成22年開設のアジア低炭素化センターでは、海外での環境ビジネス   展開を図る市内企業等への支援を行い、グリーン都市づくりに向けたマスター   プラン策定や都市インフラ、環境技術のパッケージ輸出などで100億円を超える   プロジェクトを実施している。┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・本市がこれまでに行ってきた事業成果について、市内の小・中学生に機会││  を捉えて教示することで、シビックプライドの醸成につなげられたい。 ││ ・事業の財源に多額の公金を投入していることを念頭に置きつつ、更なる事││  業の推進を図られたい。                      ││ ・環境技術分野における外国人材の確保と、各局と連携し世界の環境首都と││  してのより一層の成果を期待する。                 ││ ・高校生など若者の未来につながる環境国際ビジネスの取り組みに、引き続││ ・き尽力されたい。                         ││ ・世界の環境首都として、世界に向けて本市のSDGsに関する取り組みの││  PRに取り組まれたい。                      ││ ・国の補助事業である温室効果ガス削減の見える化事業について、効果測定││  ができるよう同事業の数値化を更に取り組まれたい。         │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成30年1月26日 環境水道委員会    上下水道局の国際技術協力及び海外水ビジネスの取り組み状況について、当   局から説明を受けた。   (説明要旨)    北九州市上下水道事業中期経営計画の重点施策に「国内外に貢献する上下水   道」を掲げ、国際技術協力及び海外水ビジネスを推進している。    国際技術協力では、100年にわたって培われた技術力を活かし、平成29年末   までの27年間で、13カ国に延べ196人の専門家を派遣し、146カ国から5,718人   の研修員を受け入れてきた。    また、海外水ビジネスでは、国際技術協力により培われた諸外国との厚い信   頼関係を土台に、平成22年、全国に先駆けて「北九州市海外水ビジネス推進協   議会」を設立した。本市が独自開発した高度浄水処理技術「U-BCF」の普   及や地元企業が開発した下水道台帳システムの導入促進など、官民連携による   海外水ビジネスを展開し、平成29年末までに15件の覚書を締結したほか、52件   39.6億円のビジネス受注実績を残している。    このような取り組み等が評価され、平成29年12月、本市は国から「第1回ジ   ャパンSDGsアワード・SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」を受賞し   た。┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・海外水ビジネスでは環境局との連携が大切と思われるが、今後は観光等の││  いろいろな分野で横の連携をとりながら、引き続きアジア諸国への北九州││  市のPRに努められたい。                     ││ ・料金徴収システムや台帳システムは非常に優れており、今後もそれらをパ││  ッケージ化した技術の海外輸出について取り組まれたい。       │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成30年5月8日 環境水道委員会    響灘地区のエネルギー関連施設の集積状況について、当局から説明を受けた。    東日本大震災後に生じた電力需給ひっ迫を踏まえ、低炭素で安定したエネル   ギー供給を目指し、洋上風力発電施設、高効率火力発電所等の立地促進、地域   エネルギー会社の設立の2つを柱に取り組んでいる。   (説明要旨)    [発電施設集積状況(響灘地区)]     ┌──────────────┬──────────┬─────────────┐     │施設種別          │既設        │合計(建設予定も含む)  │     ├──────────────┼──────────┼─────────────┤     │風力発電(陸上)      │30,290Kw[16基]   │35,290Kw[17基]      │     ├──────────────┼──────────┼─────────────┤     │風力発電(洋上)      │1,980Kw[1基]    │224,980Kw[46基]      │     ├──────────────┼──────────┼─────────────┤     │バイオマス発電       │―         │349,000Kw         │     ├──────────────┼──────────┼─────────────┤     │太陽光発電(メガソーラー) │119,127Kw      │119,127Kw         │     ├──────────────┼──────────┼─────────────┤     │LNG発電         │―         │1,680,000Kw        │     ├──────────────┼──────────┼─────────────┤     │合計            │151,397Kw      │2,408,397Kw        │     └──────────────┴──────────┴─────────────┘      →既設では市内電力使用規模(約150万Kw)の約10%、今後の稼働予定を      含むと市内電力使用規模の約160%となる予定    このほか、送電線増強への積極的支援や水素関連事業の推進を行うなど、再   生可能エネルギーを通じた産業の集積や雇用の創造により、低炭素化への貢献   のみならず、雇用面、経済効果からも市の成長を支える基盤となっている。┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・再生可能エネルギーの発電所立地促進事業が進むことにより、CO2削減 ││  の効果も期待され、企業誘致にも有利に働くことから、国や世界の動向を││  踏まえて引き続き研究されたい。                  ││ ・企業だけでなく一般家庭にも安価な電力供給が可能となるよう、将来性を││  見据えた取り組みを検討されたい。                 │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成30年5月16日 行政視察(沖縄県宮古島市・エコアイランド宮古島推進   事業について)    宮古島市では、2018年3月にエコアイランド宮古島宣言2.0として新たなビジ   ョンを発表し、島外に依存しているエネルギー資源の自給率向上を目指して、   より安定的、持続的で低コストのエネルギー供給による持続可能な島づくりを   行っている。    その具体的な取り組みとして、島しょ型スマートコミュニティ実証事業では、   離島におけるエネルギーコストを構造的に下げる仕組みとして、電力の需要と   供給のバランスを維持するため、蓄電池を活用した日中の電力需給のピークシ   フト調整を行っている。具体的には、太陽光発電等での電力貯蔵や、深夜時間   帯の電力を活用したエコキュートによる貯湯を行うことにより、必要な時間帯   にいつでも電力や温水を供給する仕組みを確立させた。この事業では、各事業   者が必要な機器を一括大量調達することや、事業者間でピーク時の需要調整を   行うことで、住民のリスク負担なしに生活コスト削減に寄与している。    また、電気自動車の普及促進や耐風、遮光効果のある有孔ブロック等を取り   入れたエコハウスの普及啓発などを行っている。更に、これらの取り組みを地   域経済の活性化につなげていくため、エコアイランド宮古島の取り組みをブラ   ンド化し、観光等の関連産業の高付加価値化を目指している。    なお、宮古島市は本市とともに環境モデル都市として選定されており、熊本   県水俣市との九州・沖縄3都市連合を設立している。  ○ 平成30年10月17日 環境水道委員会(現地視察)    若松区の響灘ビオトープにおいて、ビオトープの生態系維持の取り組み状況   及び響灘地区の次世代エネルギーパークの各施設の概要説明を受けた。また、   平成31年2月から稼働予定の響灘火力発電所において、事業概要の説明を受け   るとともに施設設備等の視察を行った。  ○ まとめ    本市では、世界の環境首都の創造に向け、国内においては産業廃棄物処理の   高度化や再生可能エネルギーを中心としたエネルギー施策の推進に取り組んで   いる。また、公害克服で蓄積された技術や豊富な経験に基づき、アジア地域に   対し、都市インフラや環境技術のパッケージ輸出など、国際協力や海外ビジネ   スを積極的に展開しており、そのさまざまな取り組みについては国内外から高   く評価されている。    今後も、市民、企業、NPO、各種団体などと連携したさまざまな環境施策   に積極的に取り組み、世界の環境首都を目指し、SDGs未来都市として持続   可能な社会の実現に向けたまちづくりに努められたい。    なお、調査の過程において委員から、次のような意見があった。    ・海外との姉妹都市等の提携においては、締結式に議長や委員長を立ち会     わせるなど、より深く議会との協力体制を取り、議会としても積極的に     関与できるよう検討されたい。(2)災害対応力の充実強化について  ○ 平成29年5月9日 環境水道委員会    平成28年4月に発生した熊本地震の教訓と支援の経験等を踏まえた本市の防   災体制の見直し、強化と、本市における緊急消防援助隊の概要及び今後の取り   組みについて、当局から説明を受けた。   (説明要旨)   [熊本地震の教訓を踏まえた本市の防災対応]    ア 大規模災害に備えた避難所運営体制の充実強化    (ア)食糧、飲料水のほか、オムツやミルクなどの高齢者や乳幼児及び女性      等に配慮した生活必需品の備蓄整備    (イ)長期的避難に備えた避難所運営マニュアルの改定    イ 防災訓練を通じた関係機関や地域との連携強化     救援物資の搬入から荷さばき、配送までの一連の流れを含めた関係部局・     機関との総合防災訓練の実施    ウ 災害時の情報伝達手段など防災情報の充実強化     市内全ての市民センターへのWi-Fi設置拡充及び大規模災害時の接    続回数制限解除    エ 被災地への支援及び受援体制の強化    (ア)本市の業務継続計画の見直しによる受援対象業務の抽出及び他都市か      らの応援職員受け入れ体制を含めた受援計画の策定    (イ)り災証明発行に係る被害認定調査研修の実施    (ウ)東日本大震災及び熊本地震の被災地への職員の中長期派遣による支援   [本市の緊急消防援助隊について]    ア 制度の概要     緊急消防援助隊は、平成7年の阪神・淡路大震災を契機に発足し、災害の    種類に応じて出動できるよう、全国の消防本部から消火・救助・救急の隊ご    とに登録されている。    (ア)本市の登録状況(平成29年4月1日現在)      ・41隊、175人      ・登録車両台数39台(消防ヘリコプター1機、消防艇1艇含む)    (イ)出動体制      ・最大震度6弱(政令市等は5強)以上の地震発生時      ・災害発生都道府県知事等の応援要請による場合    (ウ)緊急消防援助隊訓練      毎年全国6ブロックでの合同訓練及び5年ごとの全国規模の合同訓練     を実施┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・発災時に命を守るために、防災訓練等を通じて市民の防災意識向上のため││  の啓発を図られたい。                       ││ ・避難所におけるトイレ整備の充実を図られたい。           ││ ・簡易トイレ等の家庭での備えについて、市民への周知を図られたい。  ││ ・保健福祉局等と連携したスムーズな支援物資集配体制の構築を検討され ││  たい。                              │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成29年5月18日 行政視察(石川県金沢市・大桑防災拠点広場)    金沢市では、東日本大震災を教訓とし、大規模災害に備え、防災拠点施設の   計画的な整備を進めており、平成27年に備蓄倉庫機能を有した防災拠点施設「大   桑防災拠点広場」を整備している。災害発生時には、地域住民の避難場所、市   内の被災地域への支援拠点として、更には他都市からの緊急支援隊や支援物資   の集積基地としての機能を果たしている。    平常時には市民の憩いの場としての利用を初め、地域の防災訓練、防災教室   及び防災イベントなどで活用し、防災意識の高揚を図っている。    なお、大桑防災拠点広場は、土地取得に約11億円、建物設備等に約6億円の   計17億円で完成している。  ○ 平成29年5月19日 行政視察(神戸市・防災対策について)    阪神淡路大震災は、市内で死亡者4,500人余り、ピーク時で約24万人が避難所   での避難生活、電気、ガス、上下水道はほぼ停止、全壊家屋約67,000棟という   甚大な災害であり、多くのものが失われた。    震災で学んだ教訓としては、行政の力には限界があり、自分の命は自分で守   る、自助、共助が特に重要であることから、地域は地域で守っていただくこと   の重要性を認識し、防災福祉コミュニティを校区単位で全地区に結成した。地   域が自主的に考え、計画を作成し、各地域での避難場所の確認や避難訓練など   の防災活動、福祉活動として友愛訪問、ふれあい給食会など、日ごろから顔と   顔の見える関係を築き、いざという時に備える取り組みを行っている。防災福   祉コミュニティには市が助成、助言等を行っている。    市民の「自己決定力の向上」を浸透させる取り組みとして、市内の大学やN   PO、企業等と連携した防災啓発活動を推進するとともに、阪神・淡路大震災   の経験や教訓を発信し次世代に継承している。また平成25年度から、神戸市民   の安全・安心を促進するための効果的な啓発や教育プログラムの研究、開発を   支援し、その成果を将来の地域での啓発、教育活動に生かすことを目的とした   「神戸発防災・減災プログラム事業」を実施している。これらの取り組み事例   として、神戸学院大学の防災・社会貢献ユニットの「防災女子」や「117K   OBEぼうさい委員会」がある。    また、市が一体的な危機対応を行う中枢拠点として、今まで以上の機能が求   められていることから、市役所自体が災害に強く、風水害や震災を含めたあら   ゆる危機に対応できるよう、新たに危機管理センターを整備している。  ○ 平成29年11月9日 環境水道委員会    九州北部豪雨における本市の被害及び復旧状況等について及び弾道ミサイル   を想定した避難訓練の実施について、当局の説明を受けた。┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・大規模災害時における熱源確保について研究されたい。        ││ ・一定規模の災害及び被害発生の際に総合相談窓口が開設されることにつ ││  いて、市民に対する十分な事前広報に取り組まれたい。        │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成29年12月7日 環境水道委員会    被災後の区の「総合相談窓口」の設置について、当局の説明を受けた。   (説明要旨)     平成29年7月の九州北部豪雨を受け、地域防災計画の「市民相談、問合せ対    応体制」に定めた区対策部が設置する総合相談窓口を12月より試行実施し、    現在改定中の「被災者支援対策マニュアル」に、その他関係部局が開設する    相談窓口の設置基準等を盛り込んだのち、平成30年4月より本実施する。┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・区役所及びその他の部局が設置する相談窓口について、相談者に対してわ││  かりやすい広報に取り組まれたい。                 ││ ・総合相談窓口開設区以外の区民の相談に対しても、柔軟な対応を検討され││  たい。                              │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成30年4月17日 環境水道委員会    消防団の充実強化に向けた取り組みについて、当局の説明を受けた。   (説明要旨)     地域における消防団は、常備消防の補完や消防体制の維持に大きな役割を    果たしているが、近年消防団員の確保対策や大規模災害時の地域防災力の充    実強化が喫緊の課題となっている。     本市では、団員の定年延長や学生消防団活動認証制度等の導入による入団    促進や、各種装備や安全対策の充実、費用弁償額改定による処遇の改善など    の取り組みを行っている。     今後の取り組みとして、女性消防団員の活躍推進、機能別消防団(大規模    災害団員)の検討及び自主防災組織等との連携強化を通して、引き続き消防    団の充実強化に取り組んでいく。┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・女性消防団員が多く活躍している消防団の取り組みを研究されたい。  ││ ・女性消防団員も含め、定員の見直しについては今後どうあるべきかという││  点で、委員会にも資料を提示されたい。               │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成30年5月8日 環境水道委員会    大規模災害等の教訓を踏まえた本市の防災対応について、当局の説明を受け   た。   (説明要旨)     東日本大震災を初め各地で頻発する災害の教訓を踏まえ、次の視点で本市    の防災体制の見直し、強化を行い、市民が自ら命を守り抜くことができる自    助、共助の力の向上につながる事業をすすめ、地域防災力の充実強化を図る。     ・想定を超える災害でも命を守れる防災体制の充実強化      ハザードマップの作成、各種備蓄品の整備、「みんなde Bousai     まちづくり推進事業」の実施     ・防災訓練を通じた関係機関や地域との連携強化     ・災害時の情報伝達手段などの防災情報の充実強化     ・被災地への支援及び受援体制の強化      受援マニュアルの策定、被害認定調査研修事業の実施、職員の中長期派     遣による支援┌───────────────────────────────────┐│《委員の主な意見》                          ││ ・想定外の降雨による土砂崩れや地すべりの危険性等について、関係各局と││  連携して調査研究されたい。                    ││ ・使用期限のある非常用食糧や飲料水の備蓄品について、校区で宿泊型防災││  訓練等を実施するなどして提供するとともに、子供たちや地域の方々に災││  害時の経験談を聞かせる機会を作るなど検討されたい。        ││ ・ハザードマップや避難所の見直しに際し、想定し得る最大規模の災害に応││  じた避難方法について、関係地域の住民に十分理解されるよう啓発に努め││  られたい。                            │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成30年5月18日 行政視察(沖縄県那覇市・津波避難ビル)    那覇市は、海岸線から内陸部にかけて標高5m未満の低地帯が広がっており、   沖縄県が公表している津波浸水想定によると、津波襲来時には2mから5m浸   水するとの予測が出ている。    このため、特に公共施設が少なく避難先確保が難しい松山・若狭地域に、2016   年に地上4階建て、プレキャスト鉄筋コンクリート造一部鉄骨造の津波避難ビ   ルを完成させた。津波襲来時には24時間365日いつでも避難することができ、体   の不自由な方でも利用できる避難用スロープや屋上広場、太陽光発電等の自家   発電システムを備え、3階以上の避難スペースには、最大2,000人が避難可能と   なっている。    また、津波以外に台風や高潮等の風水害時の避難所としても活用することが   でき、施設内には2,000人×2日分の食料等の非常用物資を備蓄している。    なお、1階部分には民間事業者(24時間営業スーパーマーケット)が入居し、   2階から3階には、那覇市の子育て支援施設や高齢者介護予防施設、青少年の   居場所づくりのための施設が入居している。平常時には、子どもから高齢者ま   で世代を超えた地域の方々が集い、交流を通して地域の絆を深めることで、災   害時の共助の心を育むためのコミュニティ施設として活用している。 ○ 平成30年11月21日 現地視察(消防訓練研修センター)    小倉北区の消防訓練研修センターにおいて、西日本地区の国際消防救助隊に   よる連携訓練の概要説明を受けた後、実際の訓練現場の見学を行った。また、   救急救命士による心肺停止状態を想定した救急活動デモンストレーションの後、   応急手当の実技体験を行った。 ○ まとめ    東日本大震災や熊本地震を初め、各地で頻発する災害の教訓を踏まえ、他都   市の取り組みの視察も取り入れながら、本市の防災対応のあり方について、調   査、研究を行った。    また、調査期間中に起きた平成29年7月九州北部豪雨及び平成30年7月豪雨   では、本市でも土砂崩れ等の被害が発生し、避難情報発令の運用の見直しや災   害時の情報伝達手段の充実強化など、浮かび上がった課題に引き続き丁寧に対   応していく必要がある。    今後も、市民一人一人の自助、共助の意識を高めるべく、防災訓練を通じた   関係機関や地域との連携強化や、防災情報の伝達手段の充実強化等を図り、地   域防災力の充実強化に取り組まれたい。                建設建築委員会報告書                                平成31年2月15日北九州市議会議長 井 上 秀 作 様                        建設建築委員会委員長 浜 口 恒 博 本委員会は、次の事件について調査を終了したので、北九州市議会会議規則第101条の規定により報告します。                     記1 調査事件(1)道路施設における長寿命化修繕計画の取り組みについて   本市では、社会基盤の老朽化が全国的な課題となる中、道路利用者の安全・安  心の確保とコスト縮減、予算平準化を図るために「橋梁長寿命化修繕計画」及び  「トンネル長寿命化修繕計画」等を策定している。   本委員会は、道路施設における長寿命化修繕計画の取り組みについて、計画の  内容や維持管理の現状を把握し、事業の進捗について調査を行うこととした。(2)交通政策について   本市では、人口減少社会に対応した持続可能な公共交通ネットワークの再編を  図ることを目的とし、北九州市基本計画「元気発進!北九州」プランに示すまち  づくりの目標を実現するため、北九州市立地適正化計画との連携を図り、都市交  通分野の取り組みを戦略的に推進していくための基本計画として、北九州市地域  公共交通網形成計画を平成28年8月に策定している。   本委員会では、北九州市立地適正化計画に基づく都市形成の基盤となる次世代  都市交通網(BRT、LRT等の導入)について検討し、本市の公共交通ネット  ワークとともに、持続可能な地域公共交通網に向けた調査を行うこととした。2 調査の経過及び結果(1)道路施設における長寿命化修繕計画の取り組みについて  ○ 平成29年7月3日 建設建築委員会    道路施設における長寿命化修繕計画の取り組み(橋りょう、トンネル)につ   いて、当局から説明を受けた。   (説明要旨)     橋りょう、トンネルでは、国の動向を踏まえつつ、長寿命化修繕計画に基    づき、予防保全型の維持管理に取り組んでいる。     ① 橋りょう(市管理1,967橋)      ア 橋りょうの状況        平成28年度時点で、建設後50年を経過する橋りょうの割合は、全体       の34%であるが、10年後に60%、20年後に82%と急速に老朽化が進展       する。      イ 予防保全型の維持管理の考え方        安全性、信頼性を確保し、トータルコストの縮減と予算の平準化を       図るためには、損傷が軽微な段階で必要な対策を適切な時期に、着実       かつ効率的に講じていくことが必要であるため、予防保全型の維持管       理を導入し、平成21年度に橋梁長寿命化修繕計画を策定した。      ウ 橋りょうの長寿命化の取り組み        ・ 橋梁長寿命化修繕計画(平成21年度策定)により、予防保全型         の維持管理を行うため、主要橋りょうを対象に優先して取り組む         橋りょう128橋を選定した。        ・ 平成26年7月の道路法等の一部改正により、全ての橋りょうにお         いて近接目視による定期点検が義務化され、健全性の区分が示さ         れた。これを受け、主要橋りょうに加え一般橋りょうの定期点検         にも取り組み、予防保全型の維持管理の対象とするよう、平成29         年3月に橋梁長寿命化修繕計画を改定した。        ・ 国による健全性区分の設定に伴い、リニューアル対象橋りょう         の見直しを行った結果、主要橋りょう31橋、一般橋りょう24橋と         なっており、これらは点検後5年以内にリニューアル工事を完了         していく。      エ 橋りょうの耐震対策への取り組み        平成22年度より橋梁長寿命化修繕計画の中で、耐震対策を開始。平       成2年の耐震基準改定以前に建設された橋りょうのうち、耐震対策が       急がれる橋りょうとして、対策を優先して実施する橋りょう110橋を選       定。        85橋は既に耐震工事が完了しており、今後は引き続き、未完了であ       る25橋の進捗を図っていく。      オ 橋りょうの将来的な取り組み        点検、診断、措置などのメンテナンスサイクルを確立し、施設の健       全性を良好に保てるよう、予防保全型の維持管理を着実に実施してい       く。     ② トンネル(市管理39本)      ア トンネルの状況        平成28年度時点で、建設後50年を経過するトンネルの割合は全体の       10%であるが、10年後に15%、20年後に28%と老朽化が進展する。      イ 予防保全型の維持管理の考え方        橋りょうと同様に、損傷が軽微な段階で必要な対策を適切な時期に、       着実かつ効率的に講じていくことが必要であるため、予防保全型の維       持管理を導入し、平成24年度にトンネル長寿命化修繕計画を策定した。      ウ トンネルの長寿命化の取り組み        ・ トンネル長寿命化修繕計画により、予防保全型の維持管理を行         うため、コンクリートのひび割れ等の損傷具合を考慮し、優先し         て取り組むトンネル8本を選定。        ・ 平成26年7月の道路法等の一部改正に伴い、近接目視による定期         点検が義務化され、健全性の区分が示された。点検の結果、リニ         ューアル工事対象トンネルは6本となっており、これらは点検後         5年以内にリニューアル工事を完了していく。      エ トンネルの将来的な取り組み        点検、診断、措置などのメンテナンスサイクルを確立し、施設の健       全性を良好に保てるよう、予防保全型の維持管理を着実に実施してい       く。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ・ 橋りょうやトンネルの点検については、市民を安心させるためにも国の││  基準である5年に1回の頻度ではなく、可能な限り早く実施されたい。 │└───────────────────────────────────┘  ○ 平成29年11月22日 視察(新砂津橋、愛宕跨線橋)    橋りょうの点検及び補強補修工事について視察を行い、新砂津橋では当局の   説明を受けながら実際の定期点検の様子を見学し、愛宕跨線橋では補強補修工   事についての説明を受けた。  ○ 平成30年3月22日 建設建築委員会    北九州モノレール長寿命化計画の取り組みについて、当局から説明を受けた。   (説明要旨)     ① 北九州モノレールの現状        昭和60年の開業後、平成10年にJR小倉駅まで延伸を行い、全延長       が約9キロメートルで運行している。        都市モノレールの支柱、桁等のインフラ施設は道路構造の一部とし       て、道路管理者(北九州市)の負担で整備することとなっている。     ② 維持管理の考え方        モノレールを構成するインフラ構造物は建設から30年以上が経過       し、延伸区間を除き同時期に建設されているため、老朽化も同時期に       進展する。そこで、モノレールの安全性や公共交通としての信頼性の       確保、維持管理のトータルコストの縮減と予算の平準化を図るため、       予防保全型の維持管理を導入し、平成23年度に北九州モノレール長寿       命化修繕計画を策定した。     ③ モノレール長寿命化計画の概要      ア 進め方        ・ 予防保全型の維持管理を進めるため、点検、診断、修繕、記録         のメンテナンスサイクルを構築する。        ・ 修繕計画は5年ごとの点検結果を踏まえ、更新する。      イ 対策内容        ・ 各構造物の点検、診断結果に応じて、その性能や機能を保持、         回復させるための劣化対策と、現行の道路橋示方書に準じた耐震         性能を確保するための耐震対策を行う。     ④ 長寿命化計画の将来的な取り組み        点検、診断、措置などのメンテナンスサイクルを確立し、施設の健       全性を良好に保てるよう、予防保全型の維持管理を着実に実施してい       く。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ・ モノレールの劣化対策に係る塗装塗りかえ時の作業員の安全確保に努め││  られたい。                            │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成30年4月24日 視察(若戸大橋、若戸トンネル)   若戸大橋の橋台内にある展示室において、北九州市道路公社担当者から若戸  大橋、若戸トンネルの説明及び主ケーブル定着部の状況等についての説明を受  けた。 ○ 平成30年5月11日 行政視察(東京都・東京港管理事務所)   レインボーブリッジは、若戸大橋の類似施設であり、千葉県方面及び神奈川  県方面から都心へ向かう交通を分散させ、渋滞を緩和するとともに、開発が進  む東京臨海副都心と既存都心部を結ぶために建設された。上層は首都高速11号  台場線、下層は臨港道路、新交通システムのつり橋である。平成5年8月に首  都高速道路、臨港道路部分が開通し、平成7年11月には東京臨海新交通臨海線  「ゆりかもめ」も開通した。臨港道路の両サイドにある遊歩道は、平成12年  4月から無料開放されている。   また、年間を通してライトアップを行い、季節にあわせ、さまざまなパター  ンで美しさを演出している等の説明を受け、質疑を行った。 ○ 平成30年10月11日 建設建築委員会   道路施設における長寿命化修繕計画の取り組み(大型カルバート、横断歩道  橋)について、当局から説明を受けた。   (説明要旨)     ① 大型カルバート(市管理20基)        5年に1回の頻度で定期点検を行い、その診断結果に基づき、必要       な措置(対策工事)を講じていき、施設の健全性を良好に保てるよう、       予防保全型の維持管理に取り組んでいる。      ア 大型カルバートの状況        平成29年度時点で、建設後50年を経過する大型カルバートの割合は、       全体の5%(1基)であるが、20年後に30%、30年後に50%と老朽化       が進行していく。      イ 点検状況とリニューアル工事の取り組み        ・ 点検の結果、リニューアル工事対象は2基となっており、頂版         や側壁等のコンクリート部材にひび割れが確認されている。        ・ 1基については、実施設計を行っており、残りの1基は関係機         関との事前協議を進めているところである。      ウ 大型カルバートの将来的な取り組み        点検、診断、措置、記録のメンテナンスサイクルにより、施設の健       全性を良好に保てるよう、予防保全型の維持管理を着実に実施してい       く。     ② 横断歩道橋(市管理92橋)        5年に1回の頻度で定期点検を行い、その診断結果に基づき、必要       な措置(対策工事)を講じていき、施設の健全性を良好に保てるよう、       予防保全型の維持管理に取り組んでいる。      ア 歩道橋の状況        平成29年度末時点で、建設後50年を経過する横断歩道橋の割合は、       全体の10%であるが、10年後に61%、20年後に77%、30年後に84%と       老朽化が進行していく。      イ 点検状況とリニューアル工事の取り組み        ・ 点検の結果、リニューアル工事対象は28橋となっており、塗膜         劣化の範囲が広いものや防食機能の低下による部分的な塗膜の剥         離や鋼材の腐食が確認されている。        ・ 年間5橋程度の工事を実施することで、点検5年後以内に工事         を完了させていく計画である。なお、この工事の実施に当たって         は、通学路を優先することとしている。      ウ 横断歩道橋の将来的な取り組み        点検、診断、措置、記録のメンテナンスサイクルにより、施設の健       全性を良好に保てるよう、予防保全型の維持管理を着実に実施してい       く。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ・ 柳町横断歩道橋については、通学路の安全を確保する上では良いと思う││  が、高齢者や病院への通院者のことも考慮し、横断歩道を設置する等地元││  の方と協議を進めながら検討されたい。               ││ ・ 高齢者等の安全対策のため、歩道橋にエレベーターやエスカレーターを││  設置するか、横断歩道が近辺にない箇所には横断歩道の設置等を検討され││  たい。                              ││ ・ 通学路でも学校前の歩道橋を撤去した例もあるので、歩車分離信号を活││  用する等、誰もが安全に利用できる方法を検討されたい。       │└───────────────────────────────────┘  ○ まとめ   現在、北九州市の道路ネットワークは4,200km を超え、道路施設は地域経  済の活性化や生活環境の向上など、市民生活に欠かせない最も基礎的な社会資  本となっている。   道路施設はいずれも市民の安全にかかわるものであり、日々の点検と適切な  維持管理が重要である。   国の方針では5年に1度の定期点検となっているが、利用頻度が高い主要な  ものについては、物理的に不可能でなければ、市民を安心させるためにも可能  な限り早いサイクルでの点検に努められたい。   また、横断歩道橋については、点検結果に基づく対策を講じているが、利用  状況などの変化により、各地区で需要が異なるため、地域とも協議し、その地  区のニーズに合った整備を進められたい。   今後も、道路施設においては、点検、診断、措置、記録のメンテナンスサイ  クルを基本とした長寿命化修繕計画により、予防保全型の維持管理を着実に実  施し、施設の健全性を良好に保たれたい。(2)交通政策について ○ 平成29年5月17日 行政視察(富山県富山市)   富山市では、人口減少や超高齢社会に対応した持続可能なまちづくりを進め  るため、鉄軌道をはじめとする公共交通を活性化させ、沿線に居住、商業、文  化等の都市の諸機能を集積させることにより、公共交通を軸とした拠点集中型  のコンパクトなまちづくりを目指している。   公共交通の活性化のため、LRTネットワークを形成し、歩いて暮らせるま  ちの実現を図り、利用者の減少が続いたJR富山港線(鉄道)を公設民営の考  え方を導入し、日本初の本格的LRTシステムによみがえらせる取り組みを行  った。   また、公共交通沿線地区への居住促進のための助成や、中心市街地の活性化  のために、交通事業者と連携し、65歳以上の高齢者を対象に市内各地から中心  市街地へ出かける際に公共交通利用料金を1回100円とするおでかけ定期券事  業等を実施している等の説明を受け、質疑を行った。 ○ 平成29年5月18日 行政視察(石川県金沢市)   金沢市中心部の渋滞解消や、交通弱者への新たな移動手段の提供を目的と  して、北陸鉄道株式会社に運営委託を行い、コミュニティバス(金沢ふらっ  とバス)運行事業を導入している。   細街路等を走行する短距離、少量多頻度、巡回型で公共交通空白地域を運  行し、あらゆる人々に快適なモビリティを提供する利用者優先、需要創造型  のシステムを基本としている。   また、通勤者ではなく高齢者及び主婦層を主なターゲットにしており、買  い物や通院利用としての時間帯(8:30~18:15)で利便性の高い15分ヘッドで  運行している。   より便利に、より身近に感じてもらうための利用促進策として、こども料  金の導入、こども音声案内、親子・三世代利用促進キャンペーンや公民館と  の連携事業等を実施している。基本的に地元の方を対象としており、今後も  できるだけ地域の方に利用してもらえるように促進していきたい等の説明を  受け、質疑を行った。 ○ 平成29年5月22日 建設建築委員会   北九州市地域公共交通網形成計画(平成28年8月策定)について、当局から  説明を受けた。  (説明要旨)    ① 計画の概要     ・ 人口減少社会に対応した持続可能な公共交通ネットワークの再編を      図ることを目的とし、北九州市基本計画「元気発進!北九州」プラン      に示すまちづくりの目標を実現するため、北九州市立地適正化計画      (平成28年9月策定)との連携を図り、都市交通分野の取り組みを戦      略的に推進していくための基本計画として策定。     ・ 期間は平成28年度から平成32年度までの5年間とする。     ・ 計画の作成及び実施については、北九州市環境首都総合交通戦略推      進連絡会において協議を行う。    ② 総合交通戦略(地域公共交通網形成計画)で取り組む交通施策     ア 交通施策の概要       平成26年8月の総合交通戦略(中間見直し)で設定した30の交通施      策とその中の取り組みの柱となる7つの重点施策について、意識、公      共交通、道路交通の3つの分野でまちづくりと連携し人口減少に対応      すべく取り組みを充実させ、展開していくこととする。     イ 公共交通ネットワークの再構築に向けた取り組み     ・ 人口減少社会の到来を見据えたバス路線の再編を行い、地域密着      型バスネットワークの提供を進める。     ・ 都心部の余力ある輸送力を周辺部に分散させ、効率化を図るとと      もに、地域の実情に応じたサービスを提供する。    ③ 計画目標       望ましい交通体系を目指すための基本方針に沿って、わかりやすく      効果計測が可能な3つの計画目標を設定。     ・ 公共交通人口カバー率の80%維持     ・ 公共交通分担率24%に向上     ・ 自家用車CO2排出量について平成17年度比で約6%の削減┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ・ 市全体の力を結集した計画推進に努められたい。          ││ ・ 超高齢者が利用しやすい公共交通について検討されたい。      ││ ・ 超高齢社会を見据え、福祉関係部局など関連の部署と連携した事業の推││  進に努められたい。                        ││ ・ 公共交通網形成計画を補完する施策の一体的な展開を検討されたい。 ││ ・ BRTの導入に向けた目に見える形での早期の取り組みをされたい。 ││ ・ 高齢化社会の進展を踏まえた市民主体の施策を検討するための体系の構││  築をされたい。                          │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成29年12月7日 建設建築委員会   拠点間BRTの検討状況について、当局から説明を受けた。  (説明要旨)    ① 目的       人口減少、超高齢化、少子化社会に対応した持続可能な公共交通ネ      ットワークの再構築を図るため、まずは、小倉~黒崎間を中心に、拠      点間BRTの形成に段階的に取り組む。    ② 内容       バス機能強化区間に幹線バスとしての連節バスの導入、わかりやす      い停留所の整備、路線バスとの乗り継ぎ強化に加え、定時性、速達性      を向上させる専用走行空間を備えたシステムとする。    ③ 導入予定箇所(案)     ・ 小倉~黒崎間(旧電車通り)     ・ 戸畑~小倉間     ・ 小倉~門司港間    ④ 拠点間BRTの形成に向けた進め方      バス路線の再編、効率化、乗り継ぎ拠点の整備と専用走行空間の整備     については、北九州市次世代都市交通システム勉強会において検討する。    ⑤ 連節バス試走調査について      西日本鉄道株式会社所有の連節バスを用いて、走行予定ルートにおけ     る交差点での右左折状況や、バス停への接車状況などの走行確認をする     ことを目的とし、導入予定箇所である3路線において、平成29年度中に     試走予定。┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ・ バス専用レーンや優先レーンを試走し、実際にどういった課題があるの││  か検証結果を委員会に報告されたい。                ││ ・ 連節バスの導入による市民生活の向上に努められたい。       │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成30年1月11日 建設建築委員会   高齢者モビリティマネジメントの推進、高尾地区プチおでかけ交通の運行、  拠点間BRTの試走について、当局から説明を受けた。  (説明要旨)    ① 高齢者モビリティマネジメントの推進について      高齢者を対象にモビリティマネジメントを行うことで、公共交通への     利用転換を図るとともに少子高齢化社会の到来に向け、持続可能な公共     交通ネットワークの構築を図っていく。併せて自動車運転免許証の自主     返納を支援し、高齢運転者の交通安全の推進を図る。    [今後の進め方]     ・ 交通事業者と連携し、積極的にモビリティマネジメントを行う。     ・ 立地適正化計画で定める公共交通軸沿線の居住誘導区域において      各区ごとに順次実施していく。(平成29年度から実施)     ・ 多くの高齢者にモビリティマネジメントを実施するため、保健福      祉局や市民文化スポーツ局と連携し、効果的に実施していく。     ・ 期待される効果は、自動車運転免許証の返納による公共交通利用      の増加や高齢者による交通事故の減少、更には外出の増加による認知      症防止や健康増進。    ② 高尾地区プチおでかけ交通の運行について      北九州市地域公共交通網形成計画において設定した30施策の中で、地     域の実情に応じた輸送サービスを提供し、買い物などの交通手段の確保     を目的とした「おでかけ交通への支援強化」は重点施策に位置づけられ     ている。      既存のおでかけ交通では対応が困難な需要が小さな地域において、相     乗りタクシーによる地域と鉄道駅や主要バス停、スーパーマーケット等     を結ぶ移動手段の確保について、地元や交通事業者、国など関係機関と     協議を行ってきた。今回、協議が調い、小倉北区高尾地区において、自     宅から最寄りスーパーマーケットまで相乗りすることにより、割り勘程     度の料金で利用できるプチおでかけ交通を開始することになった。(平     成30年1月下旬乗合事業の認可予定)     ・ 運行主体 北九西鉄タクシー株式会社     ・ 運営主体 高尾地区プチおでかけ交通運営委員会     ・ 運行車両 5人乗りセダン型タクシー     ・ 運行頻度 月~金の週5日運行 6便(3往復)/日            事前予約制(土曜日10時から15時に予約受付)     ・ 運行区域 高尾地区~アルク到津店(乗降場所自由)     ・ 割り勘程度の料金で利用できる。(運賃は人数によって変動)     ・ タクシー会社はメーター程度の料金を受領するため、赤字にならな       い。     ・ 市は従来のおでかけ交通と同様、運行に関する関係機関との調整を       担う。    ③ 拠点間BRTの試走について      関係機関との協議が調い、連節バスの試走の日時が決定した。     ・ 小倉~黒崎間:平成30年1月18日(木)0:00~5:00             (八幡営業所までの回送ルートも含む)     ・ 小倉~戸畑間:平成30年1月19日(金)0:00~5:00             (戸畑営業所、北九州工場までの回送ルートも              含む)     ・ 小倉~門司港間:平成30年1月20日(土)0:00~5:00┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ・ モビリティマネジメントについて、市民に分かりやすいよう、易しい日││  本語での表現に努められたい。                   ││ ・ 高齢者に優しい交通政策を推進されたい。             ││ ・ 公共交通への利用転換の促進のため、おでかけ交通以外の交通手段も検││  討されたい。                           │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成30年2月8日 視察(筑豊電気鉄道株式会社・LRT)   筑豊電鉄の新型低床式車両(LRT)の運行便(黒崎駅前駅~楠橋駅間)に  体験乗車後、楠橋電車営業所において、当局から北九州市地域公共交通網計画  について、筑豊電気鉄道株式会社事業本部運輸車両課長から、同社の概要及び  LRTの現状等についてそれぞれ説明を受けた。 ○ 平成30年3月22日 建設建築委員会   拠点間BRTの試走結果について、当局から説明を受けた。  (説明要旨)    平成30年1月18日から20日の3日間で試走3ルート(小倉~黒崎間、小倉   ~戸畑間、小倉~門司港間)、回送3ルート(八幡営業所、戸畑営業所、北   九州工場)で連節バスの試走を実施した。    ① 実施結果     ア 交差点等通過状況      32交差点のうち、5交差点で走行時の課題が確認された。      ・ 右折時の区画線の逸脱(中央ゼブラ帯や誘導線)      ・ 対向車線への逸脱(対向車線停止線、対向右折誘導線)     イ 停留所定着状況      74停留所のうち、51停留所で課題が確認された。      ・ 横断防止柵等の路上施設が支障となり、乗降口が使用できない。      ・ バスベイの長さ不足や道路カーブ付近への停留所設置により、バ       スベイに車両が収まらない。      ・ 停留所で停車した車両の位置が取り付け道路等からの離隔5メー       トルが確保できない。    ② 今後の対応等      ・ 試走結果を踏まえ、運行主体である西鉄バス北九州株式会社におい       て、ルートや停留所の選定、停留所での3ドア運行の運用方法などの       検討を行う。      ・ 平成31年度中の連節バス導入(営業運行)に向けて、関係機関と協       議を進めていく。 ○ 平成30年5月9日 行政視察(神奈川県鎌倉市)   鎌倉市では、交通需要マネジメント(TDM)施策であるパークアンドラ  イドや鎌倉フリー環境手形等を実施し、成果を上げている。首都圏中央連絡  自動車道の開通や東京オリンピック・パラリンピックの開催により、鎌倉地  域に多くの来訪車両が流入してくることが想定されるため、鎌倉地域の地区  交通計画の策定に向けて、関係機関とともに自動車利用の抑制策であるロー  ドプライシングなどについて検討を行っている等の説明を受け、質疑を行っ  た。 ○ 平成30年5月10日 行政視察(新潟県新潟市)   新潟市では、超高齢社会、環境問題、まちなか再生などに対応するため、  過度にマイカーに依存しなくても誰もが移動しやすい交通環境の実現に向け  た取り組みを進めている。とりわけ、都心部においては、マイカーを使わな  くても移動しやすいサービスレベルの高い交通環境を整備していくため、新  たな交通システム「BRT」を導入している。   また、それとあわせて乗り換え拠点などを整備し、まちなかのバス路線を効  率的に再編、集約し、生じた余力を郊外路線の維持、拡充に充てながら、全市  的なバス路線再編を図る「新バスシステム」により、将来にわたって持続する  公共交通の実現を目指している。新バスシステムの取り組みは、BRTの施設  整備など初期投資に関する事項は新潟市が担い、運行や運営といった事項は運  行事業者が担う公設民営方式で進めている。   なお、バス路線については、中心部を走る骨格幹線をBRT、郊外部のフィ  ーダー交通は、路線バスとそれにつながる区バス、住民バスが運行を担ってい  る。   事業効果としては、重複して運行していたバスをまちなかでBRTに集約し  て効率化し、郊外路線を増便した。更に新たな経路や新設路線により空白区域  解消の効果もあった。開業後、利用者数は増加している。   今後は、専用走行路と道路中央部への島式ホームの設置や新潟駅から駅南方  面への延伸、県庁方面とを結び、大きな環状線の早期実現等を検討していく等  の説明を受け、質疑を行った。あわせて市役所前バス停の見学も行った。 ○ 平成30年5月22日 建設建築委員会   「北九州市交通安全対策事業推進基金(黒土基金)」を活用したおでかけ交  通の新たな支援策について、当局から説明を受けた。  (説明要旨)    おでかけ交通は、バス路線廃止地区やバス路線のない高台などにおいて、   地域住民の交通手段を確保するため、地域住民、交通事業者、市がそれぞれ   の役割分担のもとで連携し、ジャンボタクシー等を運行するものである。    昨年10月に第一交通産業株式会社の黒土始会長から、交通安全対策事業の   推進を目的とした寄附を受け、「北九州市交通安全対策事業推進基金」を設   置。基金の活用方法の一つとして、おでかけ交通の利便性向上や利用客の増   加につながる方策に対して支援を行うことにした。   [現行の支援策]     車両調達等の費用、試験運行や本格運行に要する費用の一部に対する助    成など    ・ 交通事業者が運行開始時に要する費用に最大460万円を助成    ・ 交通事業者が車両更新時に要する費用に最大300万円を助成    ・ 交通事業者の収支が赤字の際に、赤字額の一部を助成    ・ 地域が主体となって試験運行を実施する際に、赤字額の一部を助成   [新たな支援策]予算額3,000千円(平成30年度)    ・ 定期券や回数券を新設、設定額の30%相当を助成し、割引して販売    ・ 地域と交通事業者が協働して行う利用促進活動経費を助成┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ・ 住民に対して、利用しないとおでかけ交通は成り立たないということを││  周知徹底されたい。                        ││ ・ 基金に頼るだけでなく、新潟市のような支援の仕方を研究されたい。 ││ ・ 公共交通について、政策を新たに転換する必要もあるのではないか。 ││ ・ 福岡市でベンチャー企業が計画している、広告収益で無料タクシーを運││  行するような新たな取り組みについても、調査研究されたい。     │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成30年11月12日 建設建築委員会   新潟市のバスに関する取り組みと本市の拠点間BRT導入の現状について、  当局から説明を受けた。  (説明要旨)    ① 新潟市のバスに関する取り組みについて     ア 新潟市の概況       新潟市の交通体系は、都心と各区を放射状に結ぶ都心アクセスと、      中央区以外の7つの区の中心部と各地を結ぶフィーダー交通により構      築されている。     イ 新バスシステムについて      ・ 持続可能な公共交通体系の構築を目指すため、都心アクセスの強       化策として、平成27年度にBRT導入によるバス路線の再編を行っ       た。      ・ 再編により郊外部の路線が充実したことや併せて高齢者割引(市       内居住の65歳以上対象の「シニア半わり」)を始めたことから、バ       ス利用者が開業後1年目で前年比の0.8%増、2年目は1年目比       2.5%増、直近の3年目は2年目比2.3%増となっている。     ウ 郊外部のフィーダー交通について      ・ 郊外部の生活交通については、路線バス(33路線)、区バス(13       路線)、住民バス(15路線)で形成されており、郊外部は人口密度       も低いため、概ね全路線において収支は赤字であり、赤字額は概ね       全額市が補填している。     エ 高齢者割引制度について      ・ 公共交通の利用促進と健康寿命の延伸につなげるため、市内居住       の65歳以上を対象として、バス運賃が半額になる「シニア半わり」       制度を導入している。利用者は約31,000人(平成29年度実績)     オ まとめ      ・ 新潟市の郊外部の人口密度は低く、更に公共交通分担率も7.5%と       低いため、運行補助や高齢者割引制度などに年間約6億円近くの予       算を投入することで、公共交通を維持している。      ・ BRTの導入やフィーダーバス路線の設置、乗り継ぎ拠点の整備       など、複数の事業を一体的に進めることが重要であることから、新       潟市の取り組みを参考にしたいと考えている。    ② 本市のBRT導入についての現状       人口減少、超高齢社会、乗務員不足に対応した持続可能な公共交通ネ      ットワークの再構築を図るため、小倉~黒崎間を中心に拠点間BRTの      形成に段階的に取り組むこととしている。     ア 連節バス導入の概要      ・ 事業主体 西鉄バス北九州株式会社      ・ 総事業費 約10億円      ・ 全体計画 平成31年度に2台、32年度に4台、33年度に4台の計10       台を導入予定。(平成30年度は環境省補助事業に採択された)      ・ 平成31年度の運行ルート        小倉~戸畑間及び小倉~黒崎間で運行予定。         ※ 小倉・門司港間は平成32年度以降を予定     イ 今後のスケジュール      ・ 平成31年1月  車体デザイン市民投票      ・ 平成31年3月まで 連節バスが正着するためのバス停整備      ・ 平成31年4月以降 昼間試験運行      ・ 平成31年夏頃  運行開始┌───────────────────────────────────┐│≪委員の主な意見≫                          ││ ・ BRT導入について、先行事例を学ぶことは重要である。本市で実施す││  る場合には、その課題を研究し、更に内容を改善して事業に取り組まれた││  い。                               │└───────────────────────────────────┘ ○ 平成30年11月12日 視察(おでかけ交通・八幡東区枝光地区)   八幡東区枝光本町商店街アイアンシアターにおいて、株式会社光タクシー代  表取締役社長の石橋孝三氏からおでかけ交通(八幡東区枝光地区)について事  業説明を受け、2班に分かれて体験乗車。その後、アイアンシアターに戻り、  おでかけ交通の現状や課題等について説明を受けた。 ○ まとめ   本市は、人口減少やマイカー利用者の増加に伴い、公共交通機関利用者が減  少している。そこで、今後の都市交通のあり方を総合的に検討し、持続可能な  公共交通ネットワークの再構築を図る「北九州市環境首都総合交通戦略(北九  州市地域公共交通網形成計画)」を策定した。この計画に基づき、過度なマイ  カー利用から、公共交通機関等への利用転換を図り、市民の多様な移動手段の  確保と安全・安心な交通体系を実現するため、市と交通事業者、関係行政機関  が一体となって、総合的な都市交通施策の推進に努めているところである。   本委員会の調査事項となっている次世代都市交通網であるBRTやLRT  の導入については、先進事例である新潟市や富山市等に赴き、その成果と課題  を調査してきた。新潟市はBRT導入によるバス路線の再編を行うことで郊外  部の路線が充実し、利用者が増加した。富山市は公共交通軸によるコンパクト  なまちづくりを行い、LRTネットワークの形成とともに郊外から居住誘導地  域への誘導策が効果を上げている。今後は両市のような先進事例を更に調査、  研究し、本市のニーズにあった内容に改善して施策に取り入れられたい。   交通施策の中でも、フィーダー的なバス路線の構築は大切である。現行のお  でかけ交通については、事業者による地域貢献事業としての側面があることも  認めざるを得ない。利用促進のためには、地域住民への周知徹底と市の支援方  法の調査、研究も必要である。現在のルールでは既に行き詰まっている感があ  るため、更なる超高齢社会を迎えようとしている中、新たな施策についても検  討すべき時期に来ているのではないかと思われる。   また、超高齢社会に対応していくためには、単に人口カバー率を維持すると  いうことではなく、高齢者にとって利用しやすい公共交通機関が何かというこ  とも研究していく必要があると思われる。一部局だけでこの問題を考えるには  限界があるため、福祉面からのアプローチや予算面も考慮し、関係部局と連携  を図りながら取り組むことが求められる。   今後は、本市が目指す持続可能な公共交通ネットワークの再構築のため、更  なる施策の拡充を期待する。                  議員派遣報告一覧表      (北九州市議会会議規則第157条第1項ただし書きを適用した派遣)┌───────────────┬──────────┬─────────┬───────┐│   派遣議員(団体名等)   │    目 的    │   場 所   │   間  │├───────────────┼──────────┼─────────┼───────┤│北九州市議会議員連盟     │「下関北九州道路整備│東京都千代田区(国│平成30年12月 ││ 木下幸子          │促進」についての要望│土交通省及び財務 │21日     ││               │活動        │省)       │       │└───────────────┴──────────┴─────────┴───────┘...