北九州市議会 > 2016-09-13 >
09月13日-05号

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  1. 北九州市議会 2016-09-13
    09月13日-05号


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    平成28年 9月 定例会(第3回)議 事 日 程 (第5号)                          平成28年9月13日(火曜日)午前10時開議(開 議)第1 一般質問(散 会)会議に付した事件日程第1 一般質問出席議員 (61人)   1番 田 仲 常 郎  2番 西 田   一   3番 木 村 年 伸  4番 村 上 幸 一   5番 後 藤 雅 秀  6番 日 野 雄 二   7番 新 上 健 一  8番 香 月 耕 治   9番 片 山   尹  10番 中 島 慎 一   11番 佐々木 健 五  12番 戸 町 武 弘   13番 井 上 秀 作  14番 渡 辺   均   15番 奥 村 祥 子  16番 鷹 木 研一郎   17番 佐 藤   茂  18番 宮 﨑 吉 輝   19番 上 野 照 弘  20番 吉 田 幸 正   21番 田 中   元  22番 奥 村 直 樹   23番 大久保 無 我  24番 白 石 一 裕   25番 浜 口 恒 博  26番 中 村 義 雄   27番 森 本 由 美  28番 森   浩 明   29番 三 宅 まゆみ  30番 福 島   司   31番 長 野 敏 彦  32番 世 良 俊 明   33番 松 井 克 演  34番 吉 河 節 郎   35番 桂   茂 実  36番 山 本 眞智子   37番 木 下 幸 子  38番 岡 本 義 之   39番 成 重 正 丈  40番 本 田 忠 弘   41番 渡 辺   徹  42番 村 上 直 樹   43番 木 畑 広 宣  44番 松 岡 裕一郎   45番 大 石 正 信  46番 八 記 博 春   47番 柳 井   誠  48番 波 田 千賀子   49番 藤 沢 加 代  50番 山 内 涼 成   51番 田 中 光 明  52番 荒 川   徹   53番 石 田 康 高  54番 平 原   潤   55番 加 藤 武 朗  56番 荒 木   学   57番 八 木 徳 雄  58番 佐 藤 栄 作   59番 三 原 征 彦  60番 山 本 真 理   61番 吉 村 太 志欠席議員 (0人)説明のために出席した者の職氏名 市長      北 橋 健 治  副市長    梅 本 和 秀 副市長     松 元 照 仁  副市長    今 永   博 会計室長    松 原 英 治  危機管理監  原 口 紳 一 技術監理局長  下 向 則 好  企画調整局長 西 田 幸 生 総務局長    柴 田 邦 江  財政局長   田 中 雄 章 市民文化 スポーツ局長  大 下 徳 裕  保健福祉局長 工 藤 一 成 子ども家庭局長 近 藤   晃  環境局長   小 林 一 彦 産業経済局長  加茂野 秀 一  建設局長   横 矢 順 二 建築都市局長  柴 田 卓 典  港湾空港局長 権 藤 宗 高 消防局長    川 本 一 雄  上下水道局長 諌 山   修 交通局長    吉 田 茂 人  病院局長   古 川 義 彦                  行政委員会 教 育 長   垣 迫 裕 俊  事務局長   隈   乃理子職務のために出席した事務局職員の職氏名 事務局長    小 坪 正 夫  次長     松 本 久 寿 議事課長    中 畑 和 則          ほか関係職員                  午前10時1分開議 △日程第1 一般質問 ○副議長(山本眞智子君) ただいまから、本日の会議を開きます。 日程第1、昨日に引き続き、一般質問を行います。42番 村上議員。 ◆42番(村上直樹君) おはようございます。公明党の村上直樹でございます。傍聴席の皆様、朝早くから、また、足元の悪い中、大変ありがとうございます。 私は会派を代表して一般質問を行わせていただきます。市長並びに関係局長の前向きな答弁をお願いして、早速質問に入らせていただきたいと思います。 初めに、非構造部材の耐震化についてお伺いします。 地震などの災害が発生したときに、地域住民が駆け込む避難場所として大きな役割を担う施設が、体育館を初めとする学校施設です。全国の公立小・中学校における建物本体の耐震化率は、我が公明党による施策の強力な後押しにより、ほぼ100%を達成し、建物自体の安全性は確保されたと考えます。本市においても平成27年度に公立小・中学校の建物本体の耐震化を完了したところです。その一方で、天井や照明、窓枠及び窓ガラスといった非構造部材の耐震化率は全国平均で70%程度にとどまっており、本市においても取り組んでいくべき重要な課題と考えております。 そこで、お伺いします。 1点目に、非構造部材の耐震対策は、安全点検の種類が多様な上に耐震化の工法も特殊なため、一般の建築業者では容易に対応できないとされ、これがおくれの原因となっているようです。そこで、学校側とも積極的に連携をとるとともに、専門家への相談や派遣、費用確保など支援体制の強化に取り組む必要があると思います。既に、文部科学省は点検や耐震化対策を行う際の技術的な注意点を明らかにするため、学校施設の非構造部材の耐震対策先導的開発事業を開始し、情報発信しているようです。 こうした中、本市では天井等非構造部材落下防止対策として、体育館の非構造部材の落下防止工事を実施していますが、安全確保のために専門的な知見をどのように活用したのか、お聞かせください。 2点目に、天井等非構造部材落下防止対策により、具体的にどのような非構造部材の落下防止を行ったのか、また、それらの非構造部材以外に地震等の災害時に危険を及ぼすおそれがある非構造部材はないのか、見解をお聞かせください。 3点目に、有事の際、避難場所は何も学校だけとは限りません。市民センターなど避難場所になり得る公共施設の非構造部材を含めた耐震化について、どのように取り組んでいるのか、お聞かせください。 次に、ダブルケア、育児と介護の両立支援についてお伺いします。 少子・高齢化が急速に進み、高齢者を高齢者が介護するいわゆる老老介護は既に珍しいものではなく、また、認知症高齢者が同居する認知症高齢者の介護を行う認認介護も、老老介護と同様に近年ふえつつあり、社会問題となっている中、最近ダブルケアという言葉が注目を集めています。まだ聞きなれない言葉だと思いますが、子育ての忙しい時期に親の介護が重なり、ダブルでケアをしなければならない状態をダブルケアと呼び、この背景には晩婚化による出産年齢の上昇に加え、育児や介護を手伝ってくれる兄弟や姉妹、親戚の減少といった家族関係の変化が複雑に絡み合っているものと思いますが、男女問わずこうした状況に置かれた人がふえ、これもまた、社会問題になりつつあります。 このような中、国はその実態調査に乗り出し、本年4月、内閣府男女共同参画局が、育児と介護のダブルケアの実態に関する調査結果を公表しました。この結果によると、ダブルケアを行っている人は女性で約17万人、男性は約8万人の合計約25万人で、特に30歳から40歳代の人が男女ともに全体の約8割に上っているようです。 更に、ダブルケアを行っている人の中で、現在有業者の方が女性で約半数、男性では約9割に上るそうです。つまり、働き盛りであるにもかかわらず、育児と介護の両方を行わなければならないという負担を強いられている人が少なからずいるということです。こうした中、子育て環境や介護施設の充実に高い評価を得ている本市は、このダブルケア支援にも積極的に取り組んでいくべきと考えます。 そこで、お尋ねいたします。 1点目に、内閣府が国全体のダブルケアの実態調査を行いましたが、本市においても1人で悩まれている方がいるかもしれません。まずはその実態を把握するための調査を行うべきであると考えますが、見解をお伺いします。 2点目に、ダブルケアを行う方々の居場所を提供することも大切です。横浜市では昨年7月からダブルケアを行う人をダブルケアラーと呼び、悩みを共有し合い、息抜きできる居場所づくりに取り組んでいます。認知症カフェダブルケア版と言えるかもしれません。ダブルケアラーとして悩みなどを抱えている人たちが集い、励まし合うことはとても重要なことです。こうした居場所づくりに取り組むことも検討すべきと考えますが、見解をお伺いします。 3点目に、ダブルケア対策として、行政組織のあり方についても見直しが必要だと思います。子育てと介護は担当部署が異なり、当事者はそれぞれ個別に申し込みをしたり相談を受けたりなどすることになり、ダブルケアの負担感に担当部署の目配りが行き届きにくいものと思います。子育てと介護を一体として扱う行政組織を立ち上げることも検討すべき課題と考えます。これについては、中長期の問題として当面は子育て部署と介護部署が連携を図り、共同してダブルケアを行っている人への助言、支援を行うことなどは、今すぐにでもできることだと考えますが、見解をお伺いします。 次に、災害時対応型自動販売機の設置についてお尋ねします。 甚大な被害をもたらした東日本大震災、熊本地震などの相次ぐ災害は、安全・安心な生活と、それを守るための日ごろからの防災の取り組みの大切さを改めて認識する機会となりました。これを契機に市民一人一人の防災意識は高くなり、非常持ち出し品や備蓄品を備えた人も多くなったことでしょう。ところが、あるアンケートでは、震災直後は意識が高くなるものの、時間の経過とともに徐々に薄れるそうです。更に、自身の災害への備えを不十分と感じているそうです。 そのような中、地震など災害時や緊急時に社会貢献の一環として、飲料水メーカーなどが自動販売機ならではの機能を活用した支援を行っているようです。その方法はメーカーによりさまざまですが、基本は、災害時救援物資が到着するまでの間、自動販売機の中の商品を無償で提供するというものです。その自販機の機能もさまざまで、例えば備蓄機能を備えたものや、非常用電源を備えたもの、自家発電機能を備え、スマホや携帯端末の充電ができるもの、災害情報を電光掲示板に流すものなどさまざまですが、最も注目すべき機能は、災害時には電力供給の有無にかかわらず商品を取り出すことができるというものです。 そこで、お伺いします。 1点目に、これまでも有事の際の帰宅困難者へ無料で飲料水を提供するなど、災害時対応型自動販売機が有効に活用された事例があることから、設置に前向きな自治体もあるようですが、本市の設置状況についてお聞かせください。 2点目に、厚生労働省の通達によりますと、被災地での飲料水の衛生について、飲料にはペットボトル入りのミネラルウオーター又は煮沸水を使用し、生水を避ける必要があるとのことです。また、栄養バランスのとれた食事を摂取することが必要とのことです。災害が発生した際、救援物資が届くまで、地域や場所により3日ほどかかる場所もあるようです。現在、自販機で取り扱われている商品の種類はふえており、お茶やジュース以外に経口補水液やサプリメント、更には栄養補助食品などを販売するものもあります。救援物資が届くまでのつなぎとしても有効だと思います。 また、本市では平成29年度までをめどに、市内の小・中学校や区役所などに非常用の食料や飲料水の備蓄を進めていますが、5年ごとに更新する必要があります。しかし、自動販売機には定期的に業者が補給に来ており、常に新しいものが補給されています。こうしたメリットを踏まえ、本市においても災害時対応型自動販売機の設置促進に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いします。 次に、活用が広がる遠隔医療の取り組みについてお尋ねします。 情報通信機器を用いて、離れた医師と患者をつなぐ遠隔診療の可能性が高まりつつあります。既に医師が患者の病理画像などを専門医に伝送し、診療の支援を受けるといった形で、医療機関や医師の間では一部実用化されております。これに加え、今後は医師による直接の対面診療を受けることが困難な状況にある離島やへき地などの患者を、テレビ画像などを通して診療を行う遠隔診療や、自覚症状を周囲に伝えることが難しい高齢者、認知症患者などの病気の早期発見への活用が予想されています。 しかし、遠隔診療については、医師法との関係から特定の診療行為以外は認められていないとの誤解があったことから、厚生労働省が昨年8月に改めて基本的な考え方を示し、遠隔診療の取り扱いを明確化する事務連絡を出しております。 そこで、お伺いします。 1点目に、厚生労働省の通知には幾つかの留意事項が示されていますが、遠隔診療に関する国の基本的な考え方について、本市の見解をお伺いします。 2点目に、本市においては、離島の保健医療環境の不便さを解消するため、平成25年度より小倉北区の藍島で藍島遠隔診療事業として、テレビ電話を活用した遠隔診療を実施しております。システムが導入されてから既に3年が経過していますが、現在の実施状況及び課題をお聞かせください。 3点目に、高齢者や認知症患者への活用についてお伺いします。 具体的な遠隔診療の一例として、老人ホームで毎日計測される入居者のバイタルサイン、いわゆる血圧、脈拍、体温、酸素飽和度などのデータを、健康診断の基礎情報や問診記録などのデータと一緒に中核病院の担当医のパソコンに伝送することで、介護施設に医師がいなくても、入所者の健康状態をチェックしやすくするというシステムであります。このシステムの強みは、蓄積される入所者のバイタルデータを解析し、健康状態の悪化を自動で検知し、警告を発してくれることだそうです。万が一、医師がグラフから悪化を読み取れなくても、自動検知で判断を補ってくれます。 高齢者、特に認知症患者はみずからの症状を訴えられない場合が多く、病気の発見がおくれがちとなり、重症化すると、もとの健康状態に戻ることは難しく、寝たきりになることも少なくないようです。患者の自覚症状に頼らない病気の早期発見が、その後の健康を維持する上で最も重要になります。 こうした中、このシステムを導入した施設では、入所者の入院期間が短くなったとの結果も出ており、寝たきりを防ぐ一因にもなっているそうです。こうした遠隔医療は、今年度の診療報酬改定の基本方針の中にある医療従事者の負担軽減にもつながるものであり、本市においても普及に向けて医師会や関係施設への働きかけを行っていくべきと考えますが、見解をお伺いします。 次に、在宅医療・訪問診療の普及についてお尋ねします。 住みなれた自宅で逝きたいと願っている人は、55歳以上の男女の半数に上るという内閣府の調査結果があります。しかし、自宅で最期を迎える在宅死の割合は、死亡者全体の約12%にとどまり、しかもその割合はここ数年横ばいとなっているそうです。願望と現実に大きな差が生じている理由の一つは、自宅で医療を受ける在宅医療、訪問診療の体制が不十分であることです。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年には、在宅医療で療養する高齢者が現在よりも30万人以上ふえると予想され、超高齢化社会に続き多死社会が到来すると言われています。このような状況では、医療機関だけでは高齢患者の受け入れに限界があるため、在宅医療、訪問診療の体制整備は喫緊の課題です。 このため厚生労働省は本年7月、全国在宅医療会議を設置し、今後の普及策について議論を開始しました。また、来年3月にかけて重点分野ごとに詳細な議論が行われる予定でありますが、課題解決に向けた具体策が示されるよう期待しているところです。在宅医療のおくれが在宅死の少なさにも反映しているものと言えます。 更に、訪問看護サービスも在宅医療では重要な役割を担いますが、十分に普及している状況とは言えません。医療や介護に係る財源や人材不足、ひとり暮らしの高齢者や老老介護、認知症など高齢者を取り巻くさまざまな状況への対応は、本市としても重要な課題です。在宅での医療、介護、生活支援を充実させ、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるための地域包括ケアシステムをしっかり機能させていかなければならないと思います。 そこで、お伺いします。 1点目に、市民の皆さんがこれからも安心して暮らせるよう、患者や家族に寄り添った医療、介護を提供していくことが必要と考えます。そこで、地域包括ケアシステムの構築に向け、本市が果たすべき役割をどのようにお考えなのか、見解をお伺いします。 2点目に、更なる高齢化が見込まれる本市の状況を考えると、自宅で医療を受ける在宅医療、訪問診療の体制が不十分となることが予想されます。また、在宅医療、訪問診療を利用する際、家族への心情的な配慮も必要です。超高齢化社会を迎えるに当たり、重みが増してきている在宅医療、訪問診療の普及においても、自宅でのみとりに対する家族の不安解消という視点も不可欠であると考えます。 そこで、現在本市として在宅医療、訪問診療に関する相談支援をどのように行っているのか、お伺いします。 また、在宅医療や訪問診療の活用促進のため、制度内容を広く周知すべきと考えますが、見解をお伺いします。 最後に、ふるさとテレワークの取り組みについてお尋ねします。 情報通信技術、ICTを活用して、地方でも都会と同じように働ける環境をつくるふるさとテレワークが、地方創生の有益な施策として注目を集めています。テレワークとは、パソコンや携帯電話を使って自宅で在宅勤務を行う、又は外出先でも仕事ができるなど、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のことで、米国では9割近い企業が導入しているのに比べて、日本ではようやく1割を超えた程度のようです。実施する企業や団体は着実にふえ続けており、離職率も減少傾向にあるとの報告もされているようです。 安倍内閣における重要課題であるまち・ひと・しごと創生総合戦略において、2020年時点で東京圏から地方への転出・転入を均衡させ、東京一極集中を是正することが基本目標の一つとして掲げられております。そのため、総務省では地方のポテンシャルを引き出すテレワークやWi-Fi等の活用に関する研究会の提言を受け、都市部から地方への企業や雇用、人の流れを新たにつくり出すふるさとテレワークについて、平成26年度補正予算でふるさとテレワーク推進のための地域実証事業を実施し、全国15地域で実証を行ったそうです。 実証事業には4つの類型があり、1つ目は、地方のオフィスに都市部の企業が社員を派遣し、本社機能の一部をテレワークで行うもの、2つ目は、子育てや親の介護を理由に地方への移住を希望する社員がテレワークで勤務を継続するもの、3つ目は、クラウドソーシング等を利用し、個人事業主として又は起業により都市部の仕事をテレワークで受注するもの、4つ目は、都市部の企業がテレワークで働く人材を新規に地方で採用するものとなっております。 そこで、お伺いします。 1点目に、総務省はこの仕組みを通じて、企業や人材を地方へ誘致し、地方創生へつなげることが狙いとのことですが、人口減少に悩む本市にとって非常に魅力的な施策であると思います。折しも本市は50歳から住みたい地方ランキングで1位に選ばれた地域でもあります。本市へのU・Iターンを加速させるためにも、このような取り組みの実施を積極的に検討していくべきと考えますが、見解をお伺いします。 2点目に、こうした事業を進めていくためには、企業のテレワークに対する理解を深めることが重要です。総務省の実証事業では、企業や自治体への導入費用補助を盛り込んだにもかかわらず、導入をためらう企業があったとのことです。その背景には、テレワークについて適した仕事がない、情報漏えいが心配、メリットがよくわからないといった懸念があるようです。 そこで、まずはテレワークの普及に向け、導入事例やメリットなどの情報を市内企業へ周知啓発していくことが必要と考えますが、見解をお伺いします。 以上で私の第1質問を終わります。 ○副議長(山本眞智子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 村上議員の御質問にお答えいたします。 まず、ダブルケア、育児と介護の両立支援についてであります。 育児期にある者が親の介護も同時に担う、いわゆるダブルケアは、晩婚化、晩産化などを背景に指摘され始めた問題であります。内閣府の昨年度の育児と介護のダブルケアの実態に関する調査によりますと、ダブルケアを行う者は約25万人と推計されています。 このような状況も踏まえ、国ではニッポン一億総活躍プランにおきまして、保育士、介護人材の処遇改善や多様な人材の確保、育成、労働負担の軽減など、保育や介護の受け皿整備の一層の加速や、仕事と介護の両立が可能な働き方の普及促進などの取り組みを打ち出しています。本市におきましても平成25年度の初婚年齢は29.0歳、第1子を産んだときの母親の平均年齢は29.6歳と、いずれも前年と比べ上昇し、婚姻、出産については全国的な傾向と同様にあります。 また、議員御指摘のとおり、ダブルケアは仕事において働き盛りの年代が、家庭において育児と介護の両方を担うことから、担い手の心身に与える負担は大きく、その方々への配慮、支援は重要課題だと認識しております。 一方、一口にダブルケアと言っても、保育所や特別養護老人ホーム等への入所という施設の受け皿の問題に限らず、家庭での教育や、障害や難病、認知症への対応といった継続的支援を要する問題も含めて、その状態像は多種多様であります。育児、介護を行う市民が置かれている世帯の状況に応じ、きめ細かな支援を行うためにも、現状、実態を把握することは重要と考えております。 このため、今年度実施する高齢者等実態調査において、在宅の高齢者3,600人及びその方を介護する家族を対象とした調査項目の中に、ダブルケアに関する設問を新たに加えるとともに、区役所窓口等での市民からの相談状況や、市内企業の労務担当者との意見交換などを通じて、ダブルケアの実態把握に努めたいと考えます。 次に、行政組織についてであります。 本市では、現在子供や家庭、介護や福祉に関する相談については、各区役所の保健福祉課に専門のスタッフを配置するなど、きめ細かな体制の整備に努めております。具体的には、子育てについては子ども・家庭相談員などを置く子ども・家庭相談コーナーがあり、介護については保健師、ケアマネジャー、社会福祉士などを置く高齢者・障害者相談コーナーを設けております。相談者の個々の状況に応じて緊密に連携をとり、必要な対応を行っております。 例えば、同居している親族が常時介護や看護が必要となった場合には、介護負担の軽減に配慮し、これを理由として保育所へ入所の申し込みができるようになっております。また、地域包括支援センターの職員がケアプラン作成のため居宅を訪問した際に、家族の仕事や育児の状況によって子育て支援の情報を提供するなど、個別のケースに応じ柔軟に対応しております。 現在、各区役所では、高齢者の処遇困難なケースについて支援の検討を行う個別ケア会議を地区単位、市内24カ所で開催しておりますが、今後はダブルケアについてもこの枠組みを活用して、介護や保育に関する多くの職種が連携して対応してまいりたいと考えております。 また、急速に少子・高齢化が進展する中、社会情勢の変化の中で新たに生じる課題に対しては、行政のみならず市民、企業など各界の関係者が一体となって社会全体で取り組んでいく必要があります。したがって、今後はダブルケアの実態を把握しながら、行政内部の連携にとどまらず、NPOやボランティアなど民間資源のネットワーク化、見える化を図りながら、相談者に対してトータルな支援ができるような体制を考えていきたいと思います。 あわせまして、ダブルケアへの支援は当事者への助言、支援に加え、企業の環境整備や働き方に対する共通認識の醸成も不可欠でありますから、ワーク・ライフ・バランスの推進の視点とあわせ、部局横断的に市内企業とも連携をとり、速やかに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、在宅医療・訪問診療の普及について、本市の果たすべき役割、そしてまた、制度の周知について御提案をいただきました。 病気や要介護状態になっても、本人が希望すれば、住みなれた地域で生活を続けることができる社会を実現する上で、在宅での生活を医療の面から支える在宅医療の充実は不可欠な要素であります。現在、本市には24時間体制で連絡対応や往診を行う在宅療養支援診療所の届け出を行っている診療所が約200カ所あります。全国平均を大幅に上回っている状況ですが、多くの診療所が医師1人体制で運営されているため、実際に24時間体制で取り組んでいる診療所はまだ多くはありません。在宅医療の利用者数については、全国平均よりも低い状況となっております。 在宅での療養生活を継続する上では、退院時における病院と地域の医療・介護関係者間の情報共有や、主治医を中心とした訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャー等の専門職の連携によるチーム対応といった在宅医療と介護が一体となり、さまざまな療養生活の場面でサービスが切れ目なく提供される体制確立が求められます。 こうした在宅療養を支援する体制をつくるため、在宅医療と介護に関して現状把握と課題の抽出を行い、解決策を導き出すことが現段階での本市の果たすべき役割と考えており、本年度から新たに在宅医療・介護連携推進に関する会議を開催し、地域の医療・介護関係者と協働して取り組んでいくことにしております。 また、在宅医療の普及を進めるためには、市民が利用しやすい環境づくりが重要となることから、在宅医療や在宅でのみとりについて相談しやすい身近な相談窓口が必要となります。かかりつけ医がいる場合は、まずはその医師に相談していただくことが肝要ですが、それ以外の場合でも、地域包括支援センターや介護保険のケアマネジャーなどが相談先として対応しています。 そうした医療・介護関係者の活動を後方から支援するため、在宅医療に関する専門的相談に対応する在宅医療・介護連携支援センターの整備を昨年度から進めており、ことしの4月からは市内5カ所の地区医師会に拡充し、7月までに230件の相談を受け付けております。具体的には、患者の病状に対応できる訪問診療医の確保に関する調整や、在宅患者の容体が悪化した際の一時入院先に関する調整、また、退院して自宅に戻った後に訪問看護などの居宅サービスの導入が必要となる場合の助言などの相談支援を行っております。関係者間の円滑な連携とサービス提供につなげるよう努めております。 一方、在宅医療の利用を促進するには、市民に向けた情報の見える化と啓発が重要となります。このため、地域情報ポータルサイトG-mottyを活用した、在宅医療に取り組む医療機関や薬局の情報の公開、また、在宅医療・介護推進シンポジウムの開催、また、住民を対象とした地域単位の普及啓発講演会の開催などに取り組んでおります。本年度は在宅医療に関する制度のサービスやその利用方法を掲載した冊子を新たに作成する予定であります。 本市としましては、今後も医師会などの関係団体と積極的な連携を図り、市民が利用しやすい在宅医療環境の整備に向けて取り組みを進めてまいります。 次に、ふるさとテレワークの取り組みについて積極的な検討、また、企業への周知啓発について御提案をいただきました。 テレワークはICT、情報通信技術を活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方であります。その形態として、在宅勤務、外出先でのモバイルワークのほか、サテライトオフィス勤務があります。地方拠点を活用したテレワークは、首都圏のIT企業を中心に導入が進み、徳島県神山町などで地域活性化等に効果が認められたことから、国の地方創生総合戦略において、企業の地方拠点強化の施策に位置づけられております。 そのような状況を受け、総務省は地方に情報通信ネットワークが整ったサテライトオフィスなどを整備することで、都市部の仕事を地方でも行える環境を構築し、人や仕事の流れを創出するふるさとテレワーク推進事業を実施しております。 本市におきましても、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で新しい人の流れをつくるため、首都圏企業の本社機能の移転や地方拠点の誘致に積極的に取り組んでいるところであります。特に、雇用創出効果が大きく、サテライトオフィスなどテレワークを導入しやすい情報通信系の企業については、これまでもネットワーク環境が整備された町なかのオフィスビルに誘致を進めてまいりました。その結果、ICTを活用しながら東京本社の業務を本市で行うインターネット関連企業が進出するなど、これまでに約700人の新しい雇用を創出しております。具体的には、全国の保険金などの支払い業務を行っております三井生命保険や、首都圏で受注したウエブの制作業務を行っているIT企業、メンバーズなどの事例があります。 議員御提案のふるさとテレワーク推進事業については、民間企業などとコンソーシアムを組んで実施することが条件ではありますが、本市としては企業誘致の新しいツールとして活用を検討してまいります。 一方、サテライトオフィス勤務以外のテレワークの形態であります在宅勤務やモバイルワークなどの推進は、労働力人口が減少する中で柔軟な働き方を実現し、有能な人材確保、離職防止、生産性向上などに効果があると考えております。本市におきましても全国の女性建築士とのネットワークを構築し、女性視点による店舗施設の設計・施工を行う建設事業者ゼムケンサービスや、ソフトウエアのプログラミング工程を他社と分担している情報通信事業者ホーユーなど、テレワークを活用し新しいビジネスモデルを確立した中小企業の成功事例があります。 このようなことから、テレワークの推進は市内企業に対しても導入のメリットがあると考えており、今後機会を捉え周知啓発に努めてまいります。 残余の質問は、担当局長からお答えさせていただきます。 ○副議長(山本眞智子君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 学校の非構造部材の耐震化につきましてお答えいたします。 まず、落下防止対策を実施する際の専門的な知見をどう生かしたかという点であります。 平成23年に発生しました東日本大震災では、学校の体育館などのつり天井が多数落下するなど、大規模空間におけるつり天井の危険性と、つり天井を含めた非構造部材の地震対策の重要性が改めて指摘されております。 これを受けまして文部科学省では、非構造部材の地震対策を一層加速していくための方策などを検討する有識者会議を設置しまして、平成24年9月に学校施設における天井等落下防止対策の推進に向けてという提言をまとめております。更に、平成25年8月に学校施設における天井等落下防止対策の手引を作成しまして、全国の学校設置者に対して、この手引を踏まえた上で非構造部材と落下防止対策の一層の推進を促す通知がなされております。あわせて平成25年度から、御指摘がありました先導的開発事業を実施しておりまして、天井対策事例集として情報発信が行われております。 本市では、非構造部材の耐震化対策を実施するに当たりまして、こうした文部科学省からの手引や事例集などに示された内容、例えば体育館などにおける天井等落下防止対策の考え方、照明器具やバスケットボールゴールなどの取りつけ部分との耐震点検と対策、それから、関連する構造体の耐震点検と対策工事の要否あるいは工法、こういったことを対象施設の総点検、対策工事を実施する際に活用し、平成27年度までに文部科学省が求める非構造部材の地震対策を完了しております。 このように、本市の対策は有識者会議や先導的事業で得られた専門的知見を踏まえた対策となっております。今後も予防面、対策面、あらゆる面において国からの情報発信などを参考にしつつ、学校施設における非構造部材の安全確保に努めてまいりたいと思います。 次に、非構造部材落下防止対策の具体的な内容と、対策済みの部材以外に危険な非構造部材はないのかという点であります。 まず、非構造部材落下防止対策の具体的な内容でありますが、本市では、まず、平成23年度から体育館及び屋内プールのつり天井設置状況を調査し、平成25年度までに小学校6校、中学校8校の体育館のつり天井、それから、小学校1校の屋内プールのつり天井、これらの直下に落下防止ネットを設置いたしました。また、中学校1校の体育館のつり天井を撤去しております。 次に、平成24年及び平成25年に文部科学省から武道場などのつり天井や照明設備、バスケットゴールなどについても平成27年度までに必要な対策を講じるよう通知がなされております。本通知を受けまして、武道場などのつり天井の撤去を中学校18校、市立高校1校、それから、特別支援学校1校において実施をいたしました。また、ワイヤー取りつけによる照明設備の落下防止対策を体育館では小学校10校、中学校10校、武道場では中学校32校において実施し、これらは平成27年度に全て完了しております。 そこで、災害時に危険を及ぼす他の非構造部材はないのかという点であります。今回対策を講じました天井、照明以外にも体育館などには窓枠、ガラス、外壁、内壁などの非構造部材がございます。学校におきまして随時日常点検を実施しておりますが、あわせて3年に1度、これは法定の点検でありますが、一級建築士などの有資格者により専門的な視点で建築物の定期点検を実施し、これらの非構造部材についても点検を行っております。 学校施設は、児童生徒が過ごす場所であるとともに、災害時には市民の避難場所となる大変重要な場所であります。児童生徒や市民がいつでも安心して使用できるよう、外壁などの非構造部材についても経年による劣化の影響を受けるものもあるために、対策を行うことが必要であることは十分認識をしております。しかしながら、財政負担も大変大きくなるということもありまして、現在は指定都市教育委員・教育長協議会あるいは全国施設主管課長協議会などを通じて、財源確保の要望を国に対して行っているところであります。また、ことしの8月には文部科学省に対しまして、私自身直接同様の要望を行ってまいりました。 現在、熊本地震を受けて国が設置しました熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会というのが開かれております。この中で学校施設の安全性や防災機能の確保について検証されており、今後具体的な国の指導や支援策の動向について注視してまいりたいと思っております。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 非構造部材の耐震化のうち、市民センターなど公共施設の取り組みについてお答えします。 公共施設は災害時の活動拠点であるとともに、行政サービスを継続的に提供することが必要な施設であるため、その耐震化を図ることは重要であると認識しております。 公共施設の建物本体の耐震化に関して、多数の市民が利用する一定規模以上の施設である特定既存耐震不適格建築物については、平成27年度までに耐震化を完了したところでございます。また、これ以外の比較的小規模な建築物は、北九州市耐震改修促進計画に基づき、引き続き耐震化を計画的に進めております。 一方、非構造部材の耐震化については、平成8年度に建設省の整備基準が見直されたことを受け、それ以降に建設された全ての公共施設において天井、照明、窓ガラス等の安全対策を実施しております。また、平成7年度以前に建設された公共施設についても、大規模改修及び修繕工事に合わせ、現行の整備基準に対応した工事を進めております。特に、避難場所になり得る公共施設については、建物本体の耐震化はもとより、非構造部材の損傷、落下などが発生しない対策を講じ、避難者の安全確保及び被災後も継続使用を可能とするよう努めているところでございます。平成28年9月時点で、市有の地震対応避難所における非構造部材の耐震化については、352施設のうち289施設の安全を確認しております。 このように、本市の避難場所は地震に対して一定の安全が確保できていると考えておりますが、今後も更に市民の安全・安心のために、非構造部材を含めた耐震化を推進してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(工藤一成君) ダブルケア支援について及び遠隔医療の取り組みにつきまして、順次お答え申し上げます。 まず、ダブルケアを行う方々が悩みを共有し、励まし合える居場所づくりに取り組むことを検討すべきとの御質問でございます。 育児や介護に当たっている当事者同士や、その家族が相互に交流することは、孤立を防ぎ精神的な負担感の軽減にもつながると考えられることから、本市では育児については、親子が相互交流を図る親子ふれあいルームや子育てふれあい交流プラザの設置、介護につきましては、認知症・介護家族コールセンターの設置や介護家族交流会の開催など、育児や介護を担う当事者同士やその家族が気軽に立ち寄り、悩みを共有したり息抜きしたりできる居場所づくりに取り組んでおるところでございます。 また、本年4月に開設をいたしました認知症支援・介護予防センターにおいては、介護に関する不安や悩みを伺うほか、交流ルーム内に設置をしたカフェ・オレンジにおいて、認知症の方や介護家族と地域で活動する支援者やボランティア、医療・介護等の専門職が交流をいたしております。 当センターでは、ボランティアや専門職が介護の相談に限らず、子供連れの場合には子育てについての話も聞き、また、若年性認知症の介護家族交流会においては、より若い年代でダブルケアに直面することになった方のお話を聞くこともございます。お話を聞くことで、負担感や不安感を和らげるよう努め、その上で必要に応じて地域包括支援センターなど専門的な支援の窓口につなげる、こういった対応をしております。 そこで、まずはこの認知症支援・介護予防センターがダブルケアを行っている方にも開かれた場所であることを市民に御案内する形で、先行的、モデル的に取り組んでみたいと考えております。その上で、市役所の各局が所管する既存の施設等において、例えば子育て関係の交流の場に介護に関する専門職員が出向いたり、あるいは通勤の途中で立ち寄りやすい場所で相談の機会を設けるなど、タテ割りになりがちな組織の垣根を越えて、当事者の目線に合わせた居場所づくりの可能性について検討してまいりたいと考えております。 次に、遠隔医療の取り組みについてでございます。 まず、遠隔診療に関する国の基本的な考えについての本市の見解でございます。 厚生労働省は平成9年に情報通信機器を用いた診療、いわゆる遠隔診療についての通知を行っており、遠隔診療は対面診療を補完するものとの基本的な考え方を示しつつ、留意事項として、初診及び急性期の疾患や、直接の対面診療が可能な場合などについては、原則として直接の対面によること、そして、遠隔診療による場合の例として、離島、へき地の患者など往診又は来診に相当な長時間を要したり危険を伴うなどの困難がある場合や、病状が安定している患者に対し、療養上必要な助言、指導を行うことなどを例示しております。 一方、この通知では、診療は医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本とされているため、医療関係者の間で特定の診療行為以外は遠隔診療が認められないとの誤解が生じており、遠隔診療の普及の妨げになっているとの指摘が、政府の規制改革会議においてなされたところであります。 このような指摘を受け、昨年8月、厚生労働省は遠隔診療の対象として離島、へき地の患者を挙げているが、これは例示であること、そして、在宅酸素療法を行っている患者など、対象となる患者像についても例示であること、更に、必ずしも直接の対面診療を行った上で遠隔診療を行わなければならないものではないことなど、遠隔診療の取り扱いを明確化し、かつ柔軟に運営できるとする事務連絡を発出したところでございます。 遠隔診療が広く普及していくためには、現段階では導入費用に見合う診療報酬上の評価がなされていないといったコスト面での課題や、映像の伝達速度や色の再現性などの技術面での課題があると認識しております。 一方、今後更なる高齢化の進展により、在宅で医療や介護を受けながら療養する患者が増加することが見込まれております。本市としてはこのような在宅療養患者の療養環境の向上や、医療資源の効率的、効果的な活用といった観点から、今後遠隔診療の活用が期待できるのではないかと考えております。 次に、藍島遠隔診療事業の実施状況及び課題についてお答え申し上げます。 藍島には島内の唯一の医療機関として市立藍島診療所を開設しており、看護師は住み込みで勤務しておりますが、医師につきましては毎週月曜日と水曜日に市内の診療所とへき地医療拠点病院である戸畑共立病院から医師を派遣していただいております。このため、診療日以外の日、つまり火曜日、木曜日、金曜日でございますが、こういった診療日以外の日や、天候の影響等により診療日に船が欠航した場合には医師が不在のため、診察や薬剤処方等ができないことが課題でございました。 このような課題を解決するための方策として、平成25年6月から遠隔診療事業を開始したところでございます。具体的には、藍島診療所と戸畑共立病院をテレビ電話でつなぎ、医師が患者と話しながら問診をし、ビデオカメラで写した喉の様子やけがの患部などの映像を画面で確認し、必要に応じて看護師に点滴や薬の処方を指示しているものでございます。 これまでの実施状況を見ますと、遠隔診療を導入した平成25年度は16人、平成26年度は11人、平成27年度は8人が利用をされております。また、利用者の内訳を見ますと、インフルエンザや感染性胃腸炎、熱中症などであり、利用件数は少ないものの、離島における初期救急医療において一定の役割を果たしていると評価しております。 一方、遠隔診療はシステム構築や備品整備など、導入に係る初期投資に約700万円、診療業務委託や通信費等の運営経費に年間約660万円を要しております。運営経費につきましては、へき地医療に係る補助金収入、補助率は3分の2でございますけれども、この補助金収入がございますが、診療収入が少ないため、不採算となっていることが課題となっております。 また、テレビ電話を通じた診療であるため、触診や聴診はできないといった限界もございます。しかしながら、遠隔診療は離島における初期救急医療の役割を果たすなど、一定の成果を得ていることからも、今後も政策医療の一環として実施していきたいと考えており、必要な方に積極的に活用していただけるよう、改めて住民への周知を図っていきたいと考えております。 最後に、病気の早期発見に役立つ遠隔医療の普及に向けて、医師会や関係施設への働きかけを行うべきとの御質問でございます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、入所者の医療依存度が比較的高いため、常に入所者の健康に注意することが求められており、医師や看護職員の配置が義務づけられております。また、入所者の病状の急変等に備え、協力病院を定めることが義務づけられているなど、現状の体制においても適切な対応が図られる状況となっております。しかし、認知症患者が入所するグループホームや介護つき有料老人ホームでは、医師の配置が義務づけられていないため、入所者と病院を結ぶ遠隔モニタリングシステムにより健康状態を把握することは、病気の早期発見につながる可能性があると考えております。 一方、遠隔モニタリングシステムを含む遠隔診療の有用性等に関する臨床研究は不足しており、現在国の厚生労働科学研究事業において、モニタリングの評価手法の構築とともに、有効性や安全性に係るエビデンスの収集が行われているところでございます。 したがいまして、本市といたしましては、まずは具体的にどのような症例において遠隔診療が有効であるのか、また、遠隔モニタリングシステムと看護師や医師による対面での確認をどのように組み合わせることで安全性を確保できるのか、こういったことにつきまして国の検証結果等を踏まえる必要があると考えております。その上で、有効性や安全性が確認できれば、先行事例の状況についても情報収集を行い、遠隔モニタリングシステムの導入につきまして、医師会や高齢者施設等へ情報提供してまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 危機管理監。 ◎危機管理監(原口紳一君) 災害時対応型自動販売機の設置状況及び促進に関するお尋ねがございました。私から御答弁いたします。 本市では、災害時の飲料水や食料の確保として、市民センターや小学校への備蓄に加え、市内スーパー等と物資の優先供給に関する協定を締結するなど、被災直後から物資の提供ができるよう努めているところでございます。災害時対応型自動販売機は、御指摘のとおり飲料水などの物資の備蓄機能を有してございまして、こうした本市の取り組みを補完できるものと考えてございます。 この災害時対応型自動販売機につきましては、複数の飲料水メーカーに聞き取り調査を行ったところ、概数ではございますが、市内のJR駅などに40台から50台程度が設置されているとのことでございました。また、市有施設のうち予定避難所につきましては、指定管理者やまちづくり協議会などが市の許可を得て、それぞれ自動販売機を設置してございます。そのため、そのうち何台が災害時対応型自動販売機であるのか、現時点では把握できておりませんが、例えば今月供用を開始いたしました浅生スポーツセンターでは、指定管理者が予定避難所であることを考慮し、4台設置してございます。 一方で、自動販売機につきましては、設置する施設や敷地の管理者、自動販売機業者との契約の形態、こういうものが多様でありますことから、災害時対応型自動販売機の設置の促進に当たりましては、個別の条件についてそれぞれ整理していく必要があろうかと考えてございます。 このため、設置の促進に当たりまして、まずは他都市での導入状況や活用事例の調査を実施する、また、メーカーとしての設置に関する条件等の聞き取りを行っていくなどに取り組んでいくこととしまして、公的な備蓄の充実とあわせ、災害への備えを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 42番 村上議員。 ◆42番(村上直樹君) 御答弁ありがとうございました。ちょっと順番は変わります。災害時対応型自動販売機の設置について先にお尋ねしたいと思いますが、災害時対応型自動販売機は、多分災害時には非常に有効だということだと思うんですが、先日台風10号で被害の大きかった岩手県の孤立した集落のニュースが結構流れていたかと思うんですけども、北九州市内でも中山間部であるとか海に面した地域で、決して孤立する可能性がないということは言い切れないと思うんですけども、そういう場合に、この自動販売機も有用に活用できるんじゃないかなと思うんですが、まず初めに原口危機管理監にお聞きしたいんですけども、もし自分がそういう災害に遭われて、例えば孤立してしまったというところにいて、救援物資もなかなか届かない、そのときに目の前に自動販売機がある、その中には多分600本ぐらい飲料水があるかと思うんですけども、どういう対応をとられますか。 ○副議長(山本眞智子君) 危機管理監。 ◎危機管理監(原口紳一君) まさにそういう場合に身近にある自動販売機が使えるということであれば、非常に便利だし、助かるなということでございます。確かに大きな災害の場合には、孤立もそうですし、商店だとかコンビニ、そういうものも自動販売機も含めて機能を全部失うというようなこともございますので、やはりふだんから家庭内で備蓄をしっかりしていただく、持ち出し品を整理していただく、また、外出時にそういう災害に遭うこともございますので、勤め先だとか頻繁に立ち寄る先があれば、その周辺の避難所等もしっかり事前に確認するなど、やっぱり事前の備えをしっかりやっておくことが一番肝要かと思いますので、私も含めてですけれども、市民の方もそういうことに努めていただきたいと考えております。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 42番 村上議員。 ◆42番(村上直樹君) ありがとうございます。ちょっと私の聞き方が悪かったのかもしれないですけども、要するに災害対応自動販売機じゃないものがあって、あけられないという場合ですね、私も今回この質問原稿を書きながら、ちょっとそういう場面を想定しながら書かせていただいたんですけども、間違いなく震災が起こったときにその場に自動販売機があるのに取り出せないとなると、単なるお荷物、ごみなんですよね。何とかしてバールでも持ってきてこじあけよう、それが犯罪になるかどうかわからないんですけども、こじあけてでもやっぱり命をつないでいこうと、多分そうなるんじゃないかなと私は思いながら、今回原稿を書かせていただきました。ありがとうございます。 ちょっと話はかわりますけども、教育長、ところで小学校や中学校で、小学校はないかもしれない、中学校の体育館などには自動販売機というのは設置できるものなんですか。
    ○副議長(山本眞智子君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 今、市内の小・中学校には自動販売機というのは、現状は置いておりません。それは、1つはやっぱり自動販売機を日常的に置くということは、まず金銭の問題があって、小学校は特に金銭の問題がありますし、中学校でも不要なトラブルがあるかなということであります。それから、飲み物については、そういう意味で水筒を持ってきていただく、それから、中学校はウオータークーラーがほとんどありますので、そういうことで日ごろ満たしていただくということで、自動販売機が日常的に使われるような状況でありますと、学校としてはちょっと課題かなということで、今置いておりません。 ○副議長(山本眞智子君) 42番 村上議員。 ◆42番(村上直樹君) ありがとうございます。私もそういうふうに思っていました。基本的に小学校、中学校はお金を持ってくる必要がないところですから、もしお金を持ってきて中学生が、買える生徒、買えない生徒等がいると、ちょっと差別になってしまうかなというのがあって、置けないんだろうなと思っているんですけども、実は県内で、既に中学校の体育館に置いている自治体もあると私は聞いております。基本的には教育委員会であるとか学校側が置いたんじゃなくて、PTA側からの要望で、子供さんの熱中症対策で置いてほしいとかというような要望で置かれているということを聞いたんですけども、体育館は避難場所になる、市民が一番駆け込みやすい場所だと思いますので、ぜひ原口危機管理監、その辺もちょっと調査をしておいていただければと思いますので、よろしくお願いします。 それから、次にテレワークについてお伺いしたいんですけども、総務省が行ったふるさとテレワークとは別に、本市は本年2月から市職員を対象にテレワークの推進事業として、8つの部署でテレワーク業務を実施したと聞いているんですけども、ちょっとその詳細と、また、そこで見えてきた課題であるとか今後の予定をお聞かせいただければと思います。 ○副議長(山本眞智子君) 総務局長。 ◎総務局長(柴田邦江君) 市役所では、市役所の職員のダイバーシティ推進プログラムというのがございまして、それに基づいて平成27年度にテレワークの試行をやってございます。試行の部署では、具体的に言うと出張の移動時間にメールの送受信をしたり、文書をつくったり、あと在宅勤務で集中して資料を作成したりと、そういうことがあって、試行したところからは、時間の有効活用であるとか業務の効率化につながったというような意見が寄せられてございます。 一方で、課題としては、庁内のイントラネットとつなぐんですけれども、その接続がちょっと途切れたことがあるとか、セットした端末にもっとソフトウエアをいっぱい入れてほしいというような声が上がっております。 テレワークの試行については、今年度も実施をしておりまして、引き続き評価とか費用対効果を検証しながら進めてまいりたいと思っております。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 42番 村上議員。 ◆42番(村上直樹君) ありがとうございます。先ほど市長が答弁して、700人ぐらい雇用がふえたという話をされました。今回のふるさとテレワークの事業とは全然別なんですけど、実は私ももしかしたらその一人なのかなと思うんですけども、今から12年前に突然転勤を言い渡されまして、5日後に学研都市で仕事をしていたんで、東京から来たんですけども。当然5日間では引き継ぎなんか全くできないような状態だったんですけども、そのまま仕事を持ってきて、テレワークを使って東京の業務を3カ月ほどずっとやりながら、北九州の業務をこなしたという経緯があるんですけども、まさに今回総務省が掲げている、都市部の企業が社員を地方に派遣し、業務の一部をテレワークで行う、これに当たるのかなと今回勉強しながら思いました。 特に不便は全く感じませんでした。速度も遅いとかということも感じませんでしたし、結構強力なネットワークにつながれていましたので、とまったりすることも余りなかったという印象で、これは使えるなと思ったのが印象だったんです。ただ、1点思ったのが、パソコン1台あればどこでも仕事ができるんだなと、何も北九州じゃなくてもよかったんじゃないかと思ったのが私の印象の一つに残っているんですけども、そこでやっぱり大事なのが、企業が北九州に来てもらうためには、東京事務所でテレワークのことについてもどんどんやっぱりアピールをぜひしていっていただければなと思いますので、よろしくお願いをいたします。 それから、非構造部材につきましては、熊本で地震が起こったときに、天井等の落下によって体育館が避難場所として使えなかったというようなことが報道でもされていました。もし昼間だったら、やっぱり生徒が体育館で授業をやっていて、大きな被害になったんじゃないかなと思いますので、ぜひ窓ガラスであるとかガラスとか、耐震化はまだ、調査、点検はしているということなんですけども、ぜひこれもスケジュールをつくって耐震化に取り組むということにできればやっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。以上で終わります。ありがとうございました。 ○副議長(山本眞智子君) 進行いたします。23番 大久保議員。 ◆23番(大久保無我君) こんにちは。ハートフル北九州の大久保無我です。いつも緊張して自分の名前を言うのを忘れるんですけども、きょうは無事に言えたということで、緊張なくきょうは質問できるんじゃないかと思います。どうぞよろしくお願いします。 執行部の皆様方には前向きな答弁、前向き、前のめり、前に倒れるんじゃないかというぐらいの御答弁をお願い申し上げまして、質問に入らせていただきます。 まず初めに、本市の都市ブランド戦略についてお伺いいたします。 今議会では何度も取り上げられましたが、田舎暮らしの本を発行する株式会社宝島社が、50歳から住みたい地方ランキングを発表しました。その1位に北九州市が選ばれました。田舎暮らしということですので、政令市の私たちが単純に喜んでいいのかどうかわかりませんが、とにかく1位になったということは、私たちの町がやはり自他ともに住みよい町であるということが証明された一つの例であると言えます。 このように本市が住みよい町であるのは、きのうきょう始まったことではありませんが、このほか先日新聞を見ていたら、このような記事を目にしました。北九州市、一味違うイメージ向上作戦、ロケ誘致やコスプレ職員でPR、記事の内容はマイナスイメージが先行する本市のイメージを、映画ロケの誘致やアイドルを起用した観光ビデオなどで情報発信を行っているといったもので、その記事の中で市長のコメントとしてこのようなものがありました。北橋市長は、官民挙げて観光振興と知名度向上に取り組んでいる。暴力団絡みの報道が相次いだことを受けて、マイナスイメージを国民に抱かれたが、ピンチをチャンスに変えようと変貌しつつある。前例や慣習にとらわれず挑戦していくと述べた。私も全く同感でした。 では、どのようにしてイメージを変え、知名度を上げるのか。都市の名前を、しかもよいイメージとともに全国多くの人に知ってもらうということは容易ではありません。先ほどの北九州フィルムコミッションやギラヴァンツ北九州、TGC北九州など、北九州市のイメージアップにこれまで市民を挙げて取り組んできたところです。 本市は、来年オープンする北九州スタジアムで、プレイベントとしてラグビーの世界最高峰リーグ、スーパーラグビーに参加している日本チーム、サンウルブズのプレシーズンマッチを開幕する方向で調整することを明らかにしました。また、小倉駅の駅名変更についての議論も行われるなど、地元を思う人は何とか北九州市の認知度を上げていきたいと常に願っております。暴力団壊滅に向けた取り組みが成果を上げ、また、犯罪発生件数、発生率ともに減少傾向にあり、現在では20ある政令市の中でも中間あたりに位置するほど治安が劇的に改善された本市ですが、市外の人と話すと、やはり犯罪が多く危険という認識が強いと感じます。 そこで、お伺いいたします。 本市をイメージするキャッチコピーは、元気発進!北九州プランに掲げる人と文化を育み、世界につながる、環境と技術のまちや、市のホームページに掲載されているHOTで躍動感にあふれる街、ほっとやすらぎを感じる街など、また、にぎわいづくりのキャッチフレーズとして、レッツシティ!北九州、このほか市制50周年のキャッチフレーズ、結び合う、ちから、未来へ、響きあうや、世界遺産のある街・北九州市などなど、以前調べたゆるキャラ並みにあるのではないかと思われます。ただ、いずれのキャッチコピーもどれだけ市民や市外の方々に浸透しているのかは疑問です。本市を一言で言いあらわすしっかりとしたキャッチコピーをつくり、市のイメージを内外に定着させるまで戦略的に使い続ける意気込みを示してほしいと思いますが、見解を伺います。 次に、耐久性にすぐれたコンクリート舗装の導入についてお伺いいたします。 一般的に道路の舗装といえばアスファルトとコンクリートがありますが、現在ではアスファルト舗装がその主流となっています。全国的に1960年代までは、整備された道路のうち約3割がコンクリートで舗装されたという事実があります。しかし現在では、このコンクリート道路の整備率は約5%にまで落ち込んでしまいました。それは、アスファルト舗装に大きく2つの特性があったためだと言われています。まず1つ目は、工事にかかる時間が短い、つまり養生からアスファルトが固まるまでの時間が短く、短時間で道路を開放できるということ、2つ目は、工事にかかる費用が安いこと、この2つがアスファルト舗装の特性であると言えます。 さて、先日私は、コンクリート舗装に取り組んでいる愛知県名古屋市にある名古屋国道事務所を訪れ、このコンクリート舗装について学んでまいりました。愛知県ではこのコンクリート舗装の整備率が3割に達し、現在更に整備が進んでいるということです。アスファルト舗装とコンクリート舗装を比較したときに、先ほど申し上げましたように1回の施工にかかる費用と時間は、アスファルトのほうが安く早く仕上がるという利点があります。 では、なぜコンクリートの普及を提案するかといいますと、将来かかるさまざまな負担を低減できるからです。まずはコストの負担削減であります。先ほど私はアスファルト舗装のほうが費用が安いと申し上げました。確かに同じ場所を舗装した際にかかる費用はアスファルトに対してコンクリートが1.5倍程度割高とされています。では、耐久性はどうかといいますと、アスファルトは場所によって変わりますが、10年から20年もてばよいほうだと言われています。一方、コンクリート舗装の寿命は50年以上とされています。つまり、1回の施工にかかる費用は高くても、長期的な視点で見たときには、圧倒的にコンクリート舗装のほうが安いということがわかります。 次に、環境への負担が軽減できます。アスファルトに用いる素材は石油精製から出る残さを用いますが、生産技術の向上によりこの残さが出にくくなり、現在ではわざわざアスファルトの原料を石油からつくっているのだそうです。更に、石油は外国への依存度が高く、今後も安定的に供給されるかは産油国次第というリスクがあります。一方のコンクリートは、原材料の調達から製造までの大部分を国内で行うことができます。更に、コンクリートは私たちの生活から排出される家庭ごみの焼却灰もその原料として使用することができるなど、ごみの削減にもつながり、これに伴い廃棄物処分場の寿命も延長されることが期待できます。 このように、一度アスファルトからコンクリートへ道路を敷きかえることで、長期的には大幅な維持費の削減につながるほか、さまざまな効果があるとされるコンクリート舗装について、本市は真剣に検討すべきであると考えます。 そこで、まずコンクリートとアスファルトを比較したときに、費用面で本市はどのような見解をお持ちでしょうか。環境面での効果についての見解もあわせてお伺いいたします。 さて、本市では舗装修繕5カ年計画に基づき、道路の舗装修繕を計画的に進めてきました。しかしながら、トラックやバスなど大型車の通行が多い道路では、交差点付近などで舗装の損傷が散見されており、道路の平たん性、つまりでこぼこ状態になったり、わだちができたりして平らな状態が保たれていないことで、車の走行に支障が生じています。例えば国道199号の室町一丁目交差点付近のバスレーンでは、平成25年に舗装を打ちかえてから3年程度で路面が傷み、大きなくぼみが発生しています。このような箇所の修繕を10年間で3回から4回行うと考えれば、今後も多大な費用がかさみ、大きな財政負担になると考えられます。 先ほど申し上げましたように、コンクリート舗装のほうが初期工事の金額は1.5倍ほど高くなりますけども、耐久性を念頭に入れれば、アスファルト舗装はコンクリート舗装の費用を大きく上回ります。加えて、交通量の多い場所で数年に1度工事を行うということは、通行どめや車線の減少も伴うことから、交通に支障を来すのは言うまでもありません。 そこで、まずは大型車がよく通行し、数年でアスファルトが傷むような場所からコンクリート舗装の導入を検討してはどうでしょうか。見解を伺います。 次に、子供の居場所づくりについてお伺いいたします。 本市は平成20年度から平成22年度までの3年間をかけて、ほぼ全ての校区に放課後児童クラブを設置し、利用を希望する全ての児童を受け入れる体制を整えてきました。本市での放課後児童クラブの先駆けは八幡西区本城の本城学童保育クラブで、昭和52年に開設されて以来、ことしで40年が経過し、約1,100名が卒所されたとのことです。放課後児童クラブが全市的に広がる中で、今後こうした子供の居場所としての施設は、ますます必要不可欠になってくるものと考えられます。 しかし、ただ子供たちを預かるというだけの施設であってはならないと言えます。放課後児童クラブでは、さまざまな子供が同じ場所に集まります。学校と違い、学年ごとに部屋が分かれているわけでもなく、逆にそういう空間がよい状態を生み出す可能性は大きいのですが、全てがそうだとは限りません。さまざまなトラブルを防ぎ、放課後児童クラブを有意義なものとするためには、指導員の力量が重要になってきます。そういう意味では指導員の技量の向上のための研修、さまざまなよい事例、トラブル、その解決方法などの情報交換の場を設ける必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。 子供の居場所づくりを進める中で、本年6月定例会での子どもの居場所づくり事業の質問に対し、子ども食堂の概要については、ひとり親家庭等の子供の居場所として、学習支援や基本的な生活習慣の習得支援、生活指導、更には子供たちとともに調理し、食卓を囲むというものであり、学生ボランティアやNPO等の民間事業者のスタッフを配置して、地域や関係機関の連携のもとに運営する、本市ならではの居場所づくりのモデルを示すことにより、今後民間を主体とした子供の居場所づくりの活動が市内に広がることを目指すとともに、ひとり親家庭の子供の生活向上に取り組んでいきたいとの回答があったところです。 市が示した子ども食堂の事業は、東西2カ所に設置し、それぞれ予算が250万円ずつとされています。他の都市では市民団体が自発的に子ども食堂を立ち上げ、活動をしていますが、今回本市が行政として直接行う子ども食堂事業がどのようなものになるのか、お聞かせください。 次に、交差点の安全性の向上についてお伺いいたします。 本市における交通事故件数は、平成27年で8,075件、そのうち交差点での事故が2,941件、交差点付近が1,596件と事故全体の約56%が交差点及びその付近で、交差点には多くの危険が潜んでいることは多くの人が御承知のとおりであります。 また、円滑で安全な交通環境の整備は、ドライバーにも歩行者にも重要であります。国道や幹線道路が交わる交差点では右折レーンや左折レーン、矢印信号を使った交通円滑化、歩車分離信号、最近ではあぶないっ帯という交差点内での路面標示などさまざまな取り組みが展開されています。 その効果もあってか、ここ数年の交通事故の数字を見てみますと、平成23年9,137件、平成24年8,951件、平成25年8,949件、平成26年8,325件、平成27年8,075件とこの数年で大きく減少しています。しかしながら、まだまだ事故件数は多く、これからも事故発生を未然に防ぐ取り組みを続けなければならないと思います。 交差点の円滑化や安全性の向上を図るためには、さまざまな手法がありますが、右折レーンの設置は交差点での事故防止や安全性の向上に有効な手段とされています。右折レーンを設置するには、まず交差点付近の用地を買収し、歩道を確保しながら車線をふやすことで、右折レーンなどの設置を行うのが本筋ではありますが、用地の買収が難しい場合は、歩道を削るなどして右折レーンの用地を確保する手法があります。 例えば、私の近くの事例を申し上げますと、八幡西区竹末一丁目交差点などでは、交差点改良によって安全に通行ができる非常によい交差点へと生まれ変わりました。しかし、聞けば用地買収に時間を要し、一部の用地買収を行わず、歩道を狭めることでこの交差点の改良を行い、結果10数年の期間がかかってしまったということです。ただ、こうした交差点の改良がなければ、今もって危険な状態であったことを考えると、時間はかかりましたが、こうした交差点の改良は地域の住民にとってはとてもありがたいことであります。 さて、右折レーンがない交差点の危険性は、例えば後続車の急な車線変更による追突や、右折待ちの車が焦って右折することによって直進してくる車との衝突、急いで右折することで、曲がった先の横断歩道を横断する歩行者と接触するなど、いずれも最悪な場合、命にかかわることもあり、また、右折レーンがない状態で右折をせざるを得ない状況や、右折待ちで直進できずにいるドライバーなどにとってはそれぞれ大きなストレスであることが考えられます。また、こうしたスムーズに通行できないことによる時間の経過やストレスによって、その時点ではなく、後々の運転などにも影響を与え、それが事故につながらないとも限りません。 この点についても、愛知県の名古屋国道事務所で積極的な取り組みを行っているとのことで、さきのコンクリート舗装とあわせて視察と聞き取りを行ってまいりました。 名古屋国道事務所では、右折レーンのない交差点での急ブレーキ、急ハンドルなどによる交通の乱れ、事故を防止するために1.5車幅右折ポケットという手法を用いています。本市でも広い幅員と書いて広幅員という名前で行われているとのことです。名古屋国道事務所の調べによりますと、こうした1.5車幅右折ポケットの設置によって、右折待ちに起因する急ブレーキや急ハンドルなど交通の乱れが大幅に減少したことが明らかになりました。 これまでこうした右折レーンの設置が必要とされていなかった場所にも、周辺環境が次々と変わる中で、右折レーンの設置が必要な場所が発生し、また、その場合迅速な対処が必要になってきます。しかし、先ほど申し上げましたように、本格的な右折レーンを設置しようとすると、用地買収や予算の関係で大変な時間と労力が必要になってきます。右折レーンの設置が難しい交差点に対しては、時間と費用を節約できる1.5車幅右折ポケットを積極的に取り入れ、交差点での安全性を高めるべきと考えますが、見解を伺います。 次に、小・中学校へのエアコン設置の状況についてお伺いいたします。 この課題については、先日の質疑の中でも取り上げられましたが、議論を深めるためにこのまま質問させていただきます。 私を含め、小・中学校の暑さ対策については、これまで多くの議員が質問を行ってきました。その結果、まず扇風機の設置から始まり、その後平成26年度から普通教室への計画的なエアコンの設置が始まりました。先日、全ての中学校へのエアコン設置が完了したとのことですが、子供たちの教育環境が大きく改善されたことを大変喜ばしく思っております。 学校には普通教室と特別教室があり、特別教室には音楽室、美術室、理科室、家庭科室、図書室などがあり、小学校で1,134教室、中学校で815教室あります。現在、エアコンの設置が進められているのは普通教室と図書室、パソコン教室、一部の中学校における音楽室に限られています。子供たちは多くの時間を自分たちの普通教室で過ごし、特別教室を利用するのは児童生徒それぞれ週に1回程度かもしれませんが、多くの児童生徒が入れかわり利用する場所でもあります。 先日、ある中学校を訪問した際、音楽室へ招かれ吹奏楽部の練習を見学させていただきました。7月の終業式間際ではありましたが、音楽室の室温はとても高く、窓をあけてはいたものの、とても長時間練習するような環境ではないと感じたところです。生徒や先生にこのことについて話を聞いたところ、練習を行っていると、夏はやはり熱中症に気を使いながら練習しなければならないとの話を聞きました。 また、その際、理科室へも入らせていただきました。暑さについて先生に話を聞いたところ、やはり6月から7月と、9月の残暑が残るころは特別教室の授業はとても暑く、火を使う実験などはもってのほかだというようなことを言われておりました。今年度全ての中学校へのエアコン設置が完了しましたが、特別教室へのエアコン設置については、普通教室への設置完了を待たず、今から議論を始めておくべきと考えますけども、見解をお伺いいたします。 最後に、市営住宅でペットを飼う住人や共益費の支払いを行わない住人、こうした人たちに対する本市の対応についてお伺いいたします。 これは私が相談を受けた事例の中の一つなのですけども、市営住宅に入居する方で、隣人が飼う犬の声やにおいに悩む方から相談がありました。私は早速現地へ赴いて事情を聞き、当局へ現状を伝えました。それから約5年が経過しましたが、残念ながら今なお状況に変化がありません。 さて、市営住宅でのペット飼育に関して調べてみますと、市の住宅供給公社のホームページにはこのように書かれています。犬、猫などのペット飼育、騒音、不法駐車、団地敷地の耕作など他人に迷惑をかけてはいけません。市営住宅での生活は、ほかの入居者の生活妨害をしないことが前提となります。迷惑行為で市との信頼関係を損なうことになれば、契約違反として住宅の明け渡しを求める場合があります。つまり、ここで読み取れるのは、市営住宅に入居するにはこうした市といわゆる契約を結び、これを守れない場合は退去を求めることもあるということです。 先ほどの事例はまさにこれに当たると考えられますが、詳しく調べてみると、現在の条例や法律では、ペットの飼育だけでは市との信頼関係が損なわれたとは言えず、法的に賃貸借契約の解除が簡単ではないということがわかってきました。市の担当者や公社の職員の方々も、状況を変えるべく大変な努力をしてくださっているようですけども、このように有効な手段が乏しい中では実質的な効果を上げるのは難しいと考えられます。しかし、このまま今の状況を変えることができなければ、禁止されているはずの市営住宅でのペット飼育が容認されていると受け取られかねません。 私は、こうした問題ではなく、禁止されている行為に対して処罰や厳しい対応がとられることなく、なし崩し的になったままでは、道徳や規範意識が崩壊し、結果的に市に対する信頼が揺らいでしまうということを危惧しております。割れた窓を放置していれば、そこの治安が悪化して、次々と窓ガラスが割られるという割れ窓理論を今さら説明するまでもありませんが、こうした禁止事項を守らない入居者に対して有効な手段を講じなければ、それをまねする入居者が次々とあらわれないとは言えません。 そこで、お伺いいたします。 市営住宅でのペット飼育の苦情や相談は年間どのぐらい寄せられているのか、お伺いいたします。 また、入居時に約束した事項を守らない入居者に対しては、住宅の明け渡しなど法的な対応ができない場合でも、市として何らかのペナルティーを科すなど、実効的な方策を検討すべきではないでしょうか。見解をお伺いいたします。 以上で私の最初の質問を終わります。 ○副議長(山本眞智子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 大久保議員の御質問にお答えいたします。 まず、本市の都市ブランド戦略についてであります。 キャッチコピーは、企業や商品などのイメージを浸透させるため、覚えやすく簡単な言葉で表現された宣伝文句であります。自治体においては、キャッチコピーを市民や職員にとっての目標や旗印として活用するほか、自治体のブランド力を高め、その町に住んでみたい、住み続けたいと思わせること、また、市外からの企業や観光客を呼び寄せるためのきっかけになるものと捉えております。 こういうことから、キャッチコピーを活用して町のイメージを戦略的に発信することは重要であります。本市では、基本構想・基本計画であります元気発進!北九州プランにおきまして、多くの有識者が何度も議論をしていただきまして、そして、素案ができますと広くパブリックコメントで市民の方々にも御意見を伺って、そして集約をし、議会でも御承認をいただいたものであります。そこで述べられている本市のキャッチコピーは、人と文化を育み、世界につながる、環境と技術のまち、少し長いですけれども、このフレーズをまちづくりの目標に掲げております。 同時に、本市は多彩な文化や歴史などに根差した多種多様な魅力にあふれる町であります。それを一言で表現することは容易ではありません。人と文化を育み、世界につながる、環境と技術のまちを基軸としながらも、さまざまなキャッチコピーを活用しています。 議員御指摘の世界遺産のある街・北九州市のほかにも、公害を克服し先進的な環境産業などに取り組む姿勢を伝えるための世界の環境首都というキャッチコピーがあります。また、充実した子育て環境を伝える子育て日本一を実感できるまちというキャッチコピーがあります。そして、北九州フィルムコミッションや松永文庫などの活動を通して町の魅力を伝える映画の街・北九州、また、松本清張さんを初め著名な作家などを輩出した文化の土壌を伝える文学の街・北九州、このようにそれぞれの場面や目的に応じ、受け手に届くようなキャッチコピーを選んで、テレビや雑誌などのマスメディアを通した情報発信に取り組んでおります。 こういう取り組みの結果、本市はこれまでも多くのマスメディアでモノづくりの町として紹介されるとともに、そして、近年は映画の町のイメージが市の内外に浸透していることを実感しています。更に、最近では多くの読者を抱える雑誌に、50歳代から住みたい町、日本の自治体ランキング1位、また、生活天国ナンバーワンといった新たなフレーズで紹介されるなど、これまでの取り組みが着実に成果としてあらわれてきたのではないかとも考えております。 現在、本市では警察、市民、各界が一丸となって安全・安心なまちづくりを着実に進め、劇的な変化を遂げようとしております。こういう状況の中で、TOKYO GIRLS COLLECTIONやG7エネルギー大臣会合、ワンヘルス世界感染症会議などの大型イベントや国際会議の誘致が進み、つい先日も北九州空港に新規国際線の就航が決定するなど、明るい話題が続いております。これらを追い風にして、今後も本市の魅力、強みを国内外に更に浸透させるため、場面や目的に応じてキャッチコピーを活用するという考え方に基づき、粘り強く情報発信に努めてまいります。 次に、子供の居場所づくりに関して、子ども食堂について御質問がございました。 本市では、仕事などで保護者の帰宅が遅くなる御家庭の子供の孤食を防ぎ、幸福感や安心感を与える居場所を提供するため、親が帰宅するまでの間、子供たちが多くの人たちと触れ合えるように、子ども食堂をモデル事業として市内の2カ所、日明と尾倉の市民センターにて実施することといたしました。日明市民センターでは名称を日明げんきもりもりハウスとして毎週木曜日に開催し、また、尾倉市民センターでは名称を尾倉っ子ホームとして毎週水曜日に開催することにしています。どちらも調理実習を月1回行うなど、食育にも取り組む内容で、日明市民センターは9月29日、尾倉市民センターは9月28日の開設を予定しております。 現在、全国で実施されております子ども食堂は、民間を主体に、主に食事の提供を中心に行っているところが多いと聞いています。一方、本市の事業では子供たちと一緒に身近な食材を調理し、食卓を囲みながら温かい食事を提供するのみならず、学校の宿題や苦手科目の指導などの学習支援、また、食事の後片づけや掃除、挨拶など基本的な生活習慣の習得支援や生活指導をあわせて行うものであります。 更には、子ども食堂の運営に当たるスタッフに対して、食中毒や調理場の衛生管理に関する研修会を随時実施するほか、開催日における食材の点検など栄養士などの専門職を活用し、食の安全確保を確実に行うとともに、アレルギーにも十分配慮し、できる限り対応していくことにしております。 また、実施体制としては、食事の提供や生活指導などを行う民間事業者と、学習支援を行う学生ボランティアと連携して運営することにしています。運営に当たっては、食堂全体を統括する管理者、学生ボランティアなどの支援員の配置や調整を行うコーディネーターを配置し、現場で適切に対応できる体制を確保するものであります。 今回の取り組みを通じ、民間を主体とした子ども食堂の活動が本市においても継続した取り組みとして広がるように、そのモデルを示すとともに、得られた経験、ノウハウを生かし、開設に向けた手続や食の安全確保に関する相談対応、助言、また、子供の未来応援基金などの国の助成金についての情報提供など、市民団体やNPOなどに対してノウハウの伝承を行ってまいります。 現在、食事の提供などを行う民間事業者と食材の調達方法や調理体制、更には献立などについて調整を行っております。加えて、地域、大学、教育委員会などの関係先と子供たちの安全確保策や学習支援の内容、更には学生ボランティアの配置などについて最終的な協議を行っております。今後とも子供たちが夢と希望を持って健やかに育つことができる社会の実現を目指して、この居場所づくりに鋭意取り組んでまいります。 残余の質問は、担当局長からお答えさせていただきます。 ○副議長(山本眞智子君) 建設局長。 ◎建設局長(横矢順二君) コンクリート舗装、そして、交差点の安全性向上の2点についてお答えします。 まず、コンクリート舗装の費用面、環境面でどのような見解か、それと大型車が多い場所から導入を検討の2点について、あわせてお答えさせていただきます。 コンクリート舗装の施工はアスファルト舗装に比べ、コンクリート型枠の設置や鉄筋を組み立てる作業が必要なこと、工期も長くなることから、人件費や材料費が増加するなど費用が多くかかり、工事単価が面積当たり約1.5倍となっております。また、その耐久性につきましては、コンクリート舗装は50年程度もつと言われ、維持費を考えると有利であるということでございますが、劣化し、改修が必要となるとコンクリート盤を全て除去し、新たな施工が必要となります。 これに対しアスファルト舗装は、傷んだ舗装の表面だけを削り補修することで、性能を復活させることができます。また、舗装の部分補修に当たっても、アスファルト舗装は最小限の範囲で施工が可能であるが、コンクリート舗装は収縮などによるひび割れを防止するため、ほぼ1車線単位の幅員で施工する必要がございます。このように、新設に加え更新や補修を考えますと、コンクリート舗装の優位性は高くないと考えております。 実際の舗装種別の選定に当たりましては、交通量が多い道路における自動車走行音の対策、ガス管や水道管など埋設物の補修や入れかえを行う際の各事業者の負担や、通行どめなどによる交通への影響、雨天時における走行性や安全性向上のための排水性能の重要性などさまざまな要素を含め、総合的に判断する必要がございます。 本市では、このような判断に基づき舗装種別の選定を行っており、現状では舗装道路約3,860キロメートルのうち、アスファルト舗装が約98%となっております。コンクリート舗装は、トンネルや急な坂道など一部で使用を行っております。 次に、環境面でコンクリート舗装が有利という御指摘でございます。アスファルト舗装についても、補修の際に撤去したアスファルト殻を再生アスファルト混合物やコンクリートの再生骨材としてほとんど再利用しており、環境面も十分考慮されていると考えております。 今後につきましても総合的に判断すると、アスファルト舗装の施工が多くなると考えておりますが、御提案の大型車がよく通行するような箇所でコンクリート舗装が有利な場合がございましたら、施工を行ってまいります。 次に、交差点の安全性の向上についてお答えいたします。 本市の交通事故の発生状況を見ますと、その多くは交差点で発生しており、これまでも警察と連携しながら、事故危険箇所や通学路などにおいて交差点改良に取り組んでまいりました。平成27年度は、22カ所の交差点で右折車線の設置や信号機の改良など、交通の実態や事故の状況に応じた安全対策に取り組み、このうち5カ所の事業が完了したところでございます。 御提案の名古屋国道事務所が取り組んでおります1.5車幅右折ポケットは、用地買収が困難であるなどの制約により、正規の形で右折車線が設置できない場合に、中央分離帯などを削って中央線寄りの車線に1.5メートル以上の膨らみを持たせるものでございます。本市においても交通渋滞の緩和や追突事故の抑制に一定の効果があることから、これまでに小倉北区の国際会議場入り口交差点や中井交差点、若松区の宮丸交差点や奥洞海駅前交差点などで路肩や歩道幅員を縮小して整備した事例はございます。 一方で、直進車と右折車の並走による接触事故の危険性や、大型車が多い場合には対向車との衝突の危険性が高まることなどがありまして、その適用には十分注意しながら取り組む必要があると考えております。 いずれにしましても、交通事故の多くは交差点で発生していることから、今後も警察と連携しながら、交差点の形状や交通量、事故の発生状況などを総合的に勘案した安全対策を行いまして、市民が安全で安心して利用できる交通環境を実現してまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(近藤晃君) 放課後児童クラブの指導員の皆さんの技量の向上のための研修などについてのお尋ねにお答え申し上げます。 少子化や核家族化の進展、共働き世帯の増加、更には子育てに対する社会的な不安が増大する中で、放課後児童対策の充実は、児童の放課後の安全な居場所づくりを図る上で、本市の重要施策の一つだと考えているところでございます。 本市では、利用を希望する全ての児童を受け入れる放課後児童クラブの全児童化、これを実施しているところでございまして、高学年児童や障害のある児童の皆さんへのきめ細やかな対応など、指導員の皆さんの専門性を高める上で、その資質向上を図ることが大変重要だと考えているところでございます。 このため、配慮を要する児童などへの指導方法や、クラブでできる遊び、運動など、ニーズが高く実践的で専門性を高める本市独自の研修会を、これは昨年度の実績でございますけども、7つの分野で計21回実施をしたところでございます。具体的には、遊びや工作を体験する遊びの時間や、保護者などとのコミュニケーションに関する対応能力向上研修などの研修を実施いたしました。昨年度は延べ1,376名の指導員の皆さんに御参加をいただいたところでございます。 また、臨床心理士や教職員のOBの方をアドバイザーとして各クラブに派遣をし、専門的見地から助言や指導、学校や家庭などとの連携の促進に取り組んでいるところでございます。更に、規律ある生活や指導員間の連携、児童間のトラブル対応など、すぐれた保育を行っているクラブを会場といたしまして、他のクラブの指導員の皆さんが保育の状況などを参観し、情報交換を行う、これはお裾分け研修と呼んでおりますが、これを実施いたしまして、指導員間の交流促進などを積極的に進めているところでございます。 研修に参加した指導員の皆さんからは、他のクラブの取り組み事例が大変参考になった、あるいは身近な材料でもできる工作を学ぶことができたといった意見もいただいており、指導員の皆さんの資質向上に役立っているところでございます。今後とも指導員の皆さんの資質向上が図れるよう、クラブの運営に役立つさまざまな研修内容の充実、あるいは指導員相互の情報交換を促進するため、創意工夫した取り組みを他のクラブに紹介するなど、積極的に支援していきたいと考えているところでございます。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 特別教室へのエアコン設置についてお答えいたします。 小・中学校などへの空調設備の設置につきましては、平成26年度から普通教室への設置を開始し、本年6月までに全中学校への設置が完了し、設置した学校からは大変喜ばれているところでございます。小学校につきましては今年度から設置を開始し、3カ年で設置する予定でございます。 学校の特別教室は、小・中学校全部合わせますと1,949教室ありまして、このうちパソコン教室と図書室には全校設置されております。音楽室は住宅地に隣接しているなどの事情で、一部の中学校に設置されているものの、理科室、家庭科室、図工室あるいは美術室、こういった特別教室はエアコンは未設置でございます。 一般的に特別教室は普通教室よりも広く、大体1.5倍ほどございます。同じ教室数でありましても、エアコンの台数がふえるために費用が高額になります。それから、特別教室は特定の教科の授業で使用するために、普通教室と比べると使用頻度が相対的に少ないと、こういったことも考慮する必要があると考えております。 現在、小・中学校の普通教室への設置を進めているところでありまして、教育委員会としては、まずは現在設置中の普通教室の空調設備整備事業を完了させたいと考えております。特別教室への空調設置につきましては、今後の検討課題であると認識をしております。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 最後に、市営住宅での居住ルールの遵守について2点御質問いただきました。あわせてお答えいたします。 市営住宅においては、市営住宅条例で入居者の迷惑行為を禁止しており、犬や猫などのペット飼育もこの迷惑行為に含まれております。そのため、市営住宅に入居することが決まった方にはペット飼育ができないことを説明し、承諾書によりペットを飼育しないことを誓約してもらっております。また、既に入居されている方には年1回全戸配布する市営住宅だよりで、ペットを飼育しないよう改めてお知らせしております。 しかし、こうした取り組みにもかかわらず、市営住宅でのペット飼育について、平成27年度では約350件の苦情や相談が寄せられ、約160戸の飼育を確認し、全て指導を行っております。 こうした苦情が寄せられた団地で飼育者が特定されない場合には、町内会と連携してチラシの回覧や配布などを行い、ペット飼育を禁止していることをお知らせしております。また、飼育者が判明した場合には、当該入居者への戸別訪問により、ペットを手放すなどの指導を行っております。 このような取り組みにより、最終的には新たな飼い主が見つかるなど解決する場合もございますが、ほとんどのケースが解決に至らず、指導が長引き、対応に苦慮しているというところでございます。 一方、近年では高齢単身者が増加していく中で、ペットに癒やしを求めるケースもふえており、また、動物愛護の観点からもペットを処分しない傾向が強まっております。市営住宅においても、ひとり暮らしの物寂しさからペットを飼ってしまい、一旦飼ってしまうと情が湧いて容易に手放せなくなるケースが多くなっております。これは、他都市の市営住宅においても同様の状況にあり、その対応に苦慮していると聞いております。 そのため、まず、ペットの飼育を始めないように、市営住宅の募集段階から入居希望者にペットの飼育禁止を明示する、既に入居している方に対しては、市営住宅だより以外でもペット飼育禁止のお知らせをする機会をふやす、更に、既に禁止されたペットを飼っている入居者に対しては、ワンニャン譲渡会などの里親探しの情報を提供する、入居者だけでなく、その家族や親族を含めた指導でペットを手放すきっかけづくりを進めるなどにより、市営住宅でのペットを飼育しないよう指導を強化したいと考えております。 今後ともペット飼育などのルールを守らない、入居時に約束した事項を守らない入居者に対しましては、こうした取り組みによる指導を続けるとともに、同様の課題を抱える他都市とも協議しながら、ペナルティーを含むより効果的な対策について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(山本眞智子君) 23番 大久保議員。 ◆23番(大久保無我君) おおむね前向きな答弁をいただいたと言いたいところなんですけども、ほぼ厳しい答弁ばっかりでしたので、何か私が倒れそうになってしまいました。ただ、議会は議論をする場ですので、議論を積み重ねていくことが重要なのではないかと思っております。気を取り直して再質問させていただきます。意見も申し上げさせていただきます。 まず、特別教室のエアコン設置について再質問させていただきます。 市長は平成26年、2年前の8月のフェイスブックの中で、普通教室へのエアコン設置決定ということで掲載されていました。この時点で、市長のコメントとして、私も昨年、また、ことしも2度、実際に学校現場を訪れ、厳しい教育環境を体験していますとありました。2年前の話で大変恐縮なんでありますけども、具体的にどのようなことが厳しいと感じられたのか、そのときの感想を改めて詳しく語っていただけませんでしょうか。 ○副議長(山本眞智子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) ちょっと質問の趣旨がわからないんですけれども、やっぱり学校現場に行ってみて、ああこれは暑過ぎると、生徒さんも学校の先生も大変だと思いました。当時は学校に関する予算は耐震の工事を急ぐべきだという、これを最優先にしていたときでありまして、大規模であるとか、学校の新設がなかなか思うようにできなくて、まずは早く、全国から大変おくれていた耐震の工事を早くやろうということでした。それを何とか一段落見えるころには、やはり優先順位が高いのは、これはエアコンだなと、そのことを行って痛感した次第であります。 ○副議長(山本眞智子君) 23番 大久保議員。 ◆23番(大久保無我君) 市長のコメントの中に厳しい環境を体験したということを書いていましたので、厳しい環境とはどういうことだったのかということを聞きたかったわけでありますけども、質問の趣旨は多分御理解されて答弁されたんじゃないかと思うんですけども、同じ質問を教育長にもしたいと思うんですけども、教育長は質問の趣旨はわかるとは思いますが、教育長も学校に行かれて暑さを体験されたと思いますが、そのときの感想とかありましたらお聞かせください。 ○副議長(山本眞智子君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 市長と同じような感想も当然持っております。学校に行きまして、夏、私が平成26年4月に就任して学校を回っているうちに、夏になりますとさすがに暑いなあということは正直言って感じたところでございます。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 23番 大久保議員。 ◆23番(大久保無我君) 私もエアコンが入る前の教室とか入らせていただいたことがありますし、また、先日特別教室、音楽室に入らせていただきました。ちょうど、申し上げましたように7月の末でしたので大変暑かったんですけども、立っているだけでも汗がにじんでくる状態でした。理科室も家庭科室も音楽室も本当に厳しい暑さなんだろうと思います。国語や数学はエアコンがきいた中でやるけども、例えば家庭科や音楽は暑い中でもいいんだというような、教科によって差があるわけではないと思いますので、きょうの議論をきっかけにして、執行部の中でも議論を始めていただきたいと思います。 次に、教育長にお伺いいたします。 特別教室へのエアコン設置は今後の検討課題ということでしたけども、本市以外の政令市への特別教室へのエアコン設置状況はどのようになっていますでしょうか。図書室やコンピューター室以外に設置が進んでいる教室はないのでしょうか。 ○副議長(山本眞智子君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 図書室とコンピューター室は、これはほとんどの政令市といいますか、ほぼ全ての政令市で整備されているようでありました。私どももいろいろ調べておりますけども、それ以外といいますと、やはり音楽室というのが一番多いようでありまして、おおむね、全てではありませんけども、かなりの割合のところが音楽室の空調を整備する、あるいはしつつあるというところが多いようであります。特に中学校でしているところが多いと承知をしております。以上です。 ○副議長(山本眞智子君) 23番 大久保議員。 ◆23番(大久保無我君) 私がたまたま招かれてお邪魔したのが音楽室でありました。たしか4階にありましたので、ちょうど屋上の真下でありました。ちょうど屋上からおりてくる熱がすごかったのを覚えております。 たまたまこういう例を挙げましたけども、逆に、とりわけ音楽室は大きな音も出しますので、窓をあけると近所からのクレームになったりとかということもありまして、本市でも幾つかの学校で設置が進んでいるという話を聞いております。また、何より本市は、例えば合唱の街・北九州にも力を入れていますし、中学校では吹奏楽部も頑張っています。こうした取り組みを支援する意味でも今後の検討課題などと言わずに、まずは音楽室へのエアコン設置を強く要望したいと思います。 それから、コンクリート舗装なんですけども、地下埋設物とか費用の話でなかなか厳しい答弁もございましたけども、例えば工法はプレキャストという工法がありまして、現場でコンクリートを固めるというのは当然時間がかかるんですけども、事前にユニットで固めたものを持ってきて道路に置くという手法もあるようであります。これですと、かなり工期も短縮できるということでありました。 また、本市でも電線共同溝とかいろいろされている場所もあると思います。そういったところでは地下埋設物の話などはクリアできるのではないかと思いますし、また、費用の面なんですけども、私が行政事務照会をかけまして、アスファルトとコンクリートの平米当たりの舗装の比較を出してもらったんですけども、市からいただいたのは、アスファルトが平米当たり4,200円、コンクリートは1万200円と2倍ぐらいということを伺っております。 ただ、名古屋の国道事務所などの資料をもとに調べたところ、平成20年以降、アスファルトの原料の高騰があったんだろうと思われます。平米当たり9,000円ぐらいを出しているんですね。そういった意味ではコンクリートは安定をしております。ですので、金額、コストの面の話の前提が変わってくるということになります。これは、どっちが正しいとかという話をするわけではありませんけども、こうした見解がちょっと変わって、食い違うような話があるということなので、もう一度しっかり検討していただけたらなと思います。 今回提案していますのは、繰り返しになりますけども、可能なところからできないかというお願いでございます。お願いというか、要望でございますので、例えば先ほど申し上げましたバス停とか、よくブレーキをかけてとまるときに、アスファルトは横に広がったりするという特性がありますので、バス停なんかが傷みやすいとか、交差点なんかがとても傷みやすいという話もありますので、可能なところから課題を整理していただいて、ぜひ取り組みを考えていただければなと思います。 更に、道路がぼこぼこになっている状態というのは、例えば今、市ではインバウンドとか観光客の呼び込みとかもやっていますけども、町の一等地の一番いいところでそういう道路がぼこぼこになっている状態というのは、やっぱりそれはそれで恥ずかしい状態なのではないかなと思います。そういった意味でも、町の美観のところも考えたり、更にはコンクリートは、例えば白くなりますので、温度も若干アスファルトに比べて低くなるという話もありますし、照明も30%ぐらい節約できるというような話も聞いております。かなりそういった意味で耐久性とかもアスファルトよりもすぐれていますので、再度要望させていただきます。 それから、子ども食堂なんですけども、本市がやろうとしている子ども食堂は、若干今、ほかの町でやっている子ども食堂とは違うのかなという印象を受けましたが、私は、実は子ども食堂については、名前を聞いても余り知らなかったんです。子ども食堂というのはことしに入って本格的に勉強しまして、ことしの4月、6月、8月、それぞれ福岡市の城南区、6月に大野城、8月に東京・豊島区のそれぞれの子ども食堂を見てまいりました。 この中でたまたま印象に残ったのが、東京・豊島区の要町にあるあさやけ子ども食堂というところで、子ども食堂の始まりの場所とも言われているような場所だそうです。ここで聞いてきました。理事長の山田さんという方に言われたんですけども、行政が税金を投入してこういった子ども食堂をつくるというのは、よくよく考えたほうがいいという話です。なぜかといいますと、やっぱり税金を投入するとなると成果を求められますのでねと。例えば子ども食堂がいわゆる貧困の子供たちを救うための食堂だとするならば、じゃあその費用対効果はどうなのかとか、どのくらいのいわゆる貧困の子供たちが来たのかということを検証しなければならなくなると。この要町のあさやけ子ども食堂は、はっきり言うとそうした費用対効果みたいなものは絶対に検証しないという話でした。反省会もしないと。なぜならそういう話をし出すと、必ず費用対効果の話が出てくるからと。大体、ボランティアの方々が子ども食堂をやるためのエンジンであって、ボランティアの人たちが楽しく料理をつくらなければならない、楽しくなければ子供たちは来ないということ、その中に子どもが楽しい食堂、おいしい食堂を目指していく中で、その中にいわゆる貧困の子供たちがどんどん来て食べることが実はいいことなんだと言われておりましたし、実はこれは大人食堂でもあり、お年寄り食堂でもあるんだというような話でもありました。例を挙げますと、おばあちゃんが子供たちの声がする中で御飯が食べたいということで、子ども食堂をやるときに毎回来て一緒に御飯を食べるんだそうです。 ですので、私はこの子ども食堂をやるときに、行政の役割というのは本当に重要な位置にいるとは思うんですが、答弁の中にもありましたけども、横のネットワークとか、例えば食材の融通とか、それから、ノウハウのやりとりのし合いという話をつくる中心的な位置に行政が位置していただければいいなと思うんです。例えば、食材の融通の話のときに、多過ぎたものを保管する場所をどこにするのかとか、企業に提供を求めたりとか、そういったときに一緒に探してあげますよとか、そういうのはすごく大事な話なんだろうと思います。今回のはモデルケースということですので、これやる中でいま一度、この子ども食堂のあり方について、よく考えていただければなと思います。 そして、私たちが一番考えなければならないのは、何で子ども食堂がこんなに全国にふえているのかということではないでしょうか。恐らく子ども食堂というのは、多くの事例を見てみますと、いわゆる貧困の子たちを何とか救いたいという思いで、各地のNPOが立ち上がったわけでありますけども、社会の隠れていた部分が貧困問題、子ども食堂という形で表面に出てきた、これが現象の一つではないかと思えてならないのであります。景気が上向いているとか、例えば有効求人倍率が改善しているとか聞こえているんですけども、その反対側で行政が貧困対策で食堂までつくらなければならない状況になってしまったのか、それはなぜなのかということ、こうした根源的にどんな闇がこの社会にあるのかということを私たちは考えなければいけないと思います。 それから、最後のブランド戦略についてなんですけども、1つのキャッチコピーに絞っていくのは本当に難しいとは思います。なかなか難しいと思います。先日からのやりとりの中で何度もありましたけども、本市は住みやすさナンバーワンの町だと評価をもらえている都市です。イメージでなくて、客観的なデータなどからまさにそういうふうに言えるのではないかと思っております。先日、西田議員も言われておりましたけども、こうした機会をうまく捉えて、畳みかけるように宣伝するということがよいことなんだろうと思います。 今、本市はさまざまなメディアで取り上げられていますけども、厳しい都市間競争の中で、市民と本市職員の方々が歯を食いしばるような思いで多くの種まきをし続けてきた結果、市長の答弁の中でもありましたけども、芽を出して花を咲かせてきているんだろうと思います。花はそれぞれ大きく咲かせようと、そんなに無理しなくても私はいいと思うんです。しかし、どこの町よりもそうした花が多い、そういう花が集まってどこにも負けないような大きな花となるような、いわゆるミモザの木のような町であってほしいと私は思っております。 我が国の中で、小さくても個性ある花が集まり、そして、大きく輝く、そういう町になるよう、執行部の皆様方の一層の奮起を期待して質問を終わります。 ○副議長(山本眞智子君) ここでしばらく休憩いたします。再開は午後1時といたします。                  午後0時1分休憩                  午後1時1分再開 ○議長(戸町武弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続行いたします。47番 柳井議員。 ◆47番(柳井誠君) 皆さんこんにちは。日本共産党の柳井誠です。私、議員になって20年になりますが、きょうは多くの若者の皆さんが傍聴においでいただいております。私の議会質問の中ではこれだけ若者の皆さんが来るのは初めてのことで、大変励まされます。頑張ります。 日本共産党市会議員団を代表して一般質問を行います。 まず最初に、自助、共助、公助の連携の取り組みによる地震の防災・減災対策について伺います。 熊本大地震が発生して5カ月、いまだ被災地復興には大きな支援が求められています。日本共産党として、8月末から1カ月間、熊本県の被災地での訪問調査に取り組んでおります。私と藤沢市議は8月28日、熊本県益城町に隣接する西原村で被災者宅を訪問しました。西原村は世帯数2,500のうち、全壊500、半壊700、一部損壊1,000以上という被害で、軒並み訪問した調査では全ての家屋に損害が出ていました。とりわけ一部損壊は1万円の見舞金のみで、支援制度の拡大が強く要望されていました。 あわせて、私は独自に減災の備えとしての自助の取り組みについて聞き取り調査を行いました。その結果は、訪問対話28軒のうち家具固定は3軒、約11%、食料、水の備蓄は1軒、4%、NTT災害用伝言ダイヤル171などの活用経験は4軒、14%のみでした。 本市では、消防団のいきいき安心訪問で家具固定の点検指導を記録に残す取り組みを7月から始めたばかりですが、7月から8月の訪問では家具固定実施率は約11%でした。家具固定は自助、共助で取り組むとの従来からの市の答弁でありますが、家具固定には実際の地震の揺れに持ちこたえる工法が必要で、素人では難しいものが多くあります。例えば、埼玉県では現在の家具固定実施率約50%を65%に引き上げる取り組みが進んでおりますが、それと比べても本市の取り組みは大きくおくれています。 阪神・淡路大震災の死者6,434人のうち80%以上が、家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死であったことは、本市の防災ガイドブックにも書かれており、家具固定のイラストが示されています。また、パンフレット、あなたと家族の命を守るために!防災の心がまえにも、自分の命は自分で守る自助、共助が啓発されています。しかし、以上のような取り組みが進んでいるとは言えず、なお一層の拡充が求められます。 私は8月、埼玉県の命を守る3つの自助の取り組みについて説明を受けました。埼玉県では、地震対策は予測できず避難の余裕のない災害であり、だからこそ事前の対策が必要、地震の減災の9割方は自助だと強調され、命を守る3つの自助として、1つ、家具の転倒防止、2つ、3日以上の水、食料の備蓄、3つ、災害用伝言ダイヤル171や災害用伝言板の活用に向けた体験を促進しておりました。また、家具固定サポーター登録制度をつくり、専門業者を県が指定してホームページで案内しています。 本市地域防災計画では、計画の基本的な考え方において、多様な主体が協働を図るとして、自助、共助、公助の相互関係に触れてはいますが、どのように効果的に進めるかは示されていません。国土交通省のまちづくりを担う自治体職員のための地域力による都市の安全性向上の手引きでは、支援される自助、共助と支援する公助という関係ではなく、それぞれが得意な分野で頑張り、既成概念にとらわれずに進めることが重要であるとして、家具固定の事例を挙げています。 引用すると、家具固定は各自で行うものと考えがちであるが、購入した金具などを高齢者が自分で設置することは大変なため、地域のボランティアや防災点検を行う消防職員などが取りつけることで対策が広く行われるようになる、地域力を最大限に発揮するためにも、家具固定は自助、施設整備や訓練などは公助といった既成概念にとらわれずに、各主体がそれぞれの立場でできることを検討するため、実施主体を決めてから対応策を考えるというアプローチとともに、対応策を考えた上で既成概念にとらわれないアプローチが重要と解説されております。 そこで、1つ、自助、共助、公助の連携の観点で、地域防災計画をもとに市の多くの訪問事業で、家具固定、水・食料備蓄、災害用伝言ダイヤル171などの活用体験の促進目標を持ち、チェックと啓発を行うことを求めます。 2つ、埼玉県での家具固定サポーター登録制度は、見積もり無料でリーズナブルな価格となっています。また、埼玉県下市町村では、シルバー人材センターが福祉分野での家具固定に活躍しています。本市でも必要な世帯が安価で家具固定工事ができる仕組みづくりが必要ではないでしょうか。 3つ、防災ガイドブックなどの更なる拡充を求めます。簡易な家具固定メニュー、災害時避難のトイレ対策啓発、携帯用のハンドブックの作成が必要ではないでしょうか。こちらをごらんいただきたいんですが、埼玉県作成のこのような防災マニュアルがあります。1つは手帳サイズの18ページのもので、こうやって9枚重ねることができる携帯用の大変便利で中身も充実しているものです。もう一つは、災害時の自宅でのトイレ対策マニュアルです。こちらは3月に製作したばかりのものを、熊本地震の避難所に派遣された埼玉県の保健師が持ち込んで早速活用したというものであります。議場に配付させていただこうと思いまして、70冊もらってきたんですが、配付してはならないということなので、後ほど皆さんの会派のほうにお届けしたいと思っております。 4つ目には、住まい向上リフォーム促進事業の安全・安心に係るリフォーム工事のメニューに家具固定の導入を求めます。 次に、海外水ビジネスにおける下水処理の支援策の調査研究、連携について伺います。 本市の支援によりハイフォン市が策定したハイフォン市グリーン成長推進計画では、廃棄物分野の具体的施策、カットバ島分野の具体的施策、上下水、雨水排水分野の具体的施策などを計画していますが、人間のし尿処理についての施策は下水道施設という項目以外にありません。しかし、下水道施設は上水道をはるかに上回る設備投資が必要で、見通しは長期間を要するインフラ整備にならざるを得ないのではないでしょうか。福岡県では、し尿処理と農業振興を組み合わせた循環方式が県南の大木町、京築の築上町で成功しています。 我が会派は平成24年、大木町を視察し、故野依謙介議員が紙おむつや生ごみリサイクルについて本市でも検討を求める質問をしております。一方、築上町はJICAを通じてベトナムのダナン市へのし尿液肥化プラント整備の支援を行おうとしております。西日本新聞によると、ダナン市の視察団は導入に意欲を見せ、町は事業を軌道に乗せ、ベトナム全土に広げたいと、支援の方向が報道されています。 私は7月、姉妹都市であるプノンペン都を表敬訪問させていただきました。その際に受けたJICAカンボジアの説明では、就業人口の8割を占める農業生産力の向上は、JICA支援の大きな分野であると聞きました。私も姉妹都市の一員として情報収集、提供に努めているところです。築上町と連携してベトナム、カンボジアなどへの支援の計画、グリーン成長推進計画拡充に向け、相手方のニーズと意向調査、事業化の熟度の研究が必要ではないでしょうか。答弁を求めます。 以上で最初の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 柳井議員の御質問にお答えいたします。 海外水ビジネスについてであります。 本市では、アジア低炭素化センターを核としまして、環境ビジネスの展開によるアジアの環境改善、低炭素化を目指しております。その事業の展開に当たっては、都市間の連携を図り、相手都市のニーズや社会的状況を踏まえた環境技術の普及に努めております。また、ほかの自治体においても海外への技術支援を進めていることも承知しております。議員御指摘の築上町の事例は、し尿と浄化槽汚泥を発酵させて液肥をつくるものであります。 一方、本市がこれまでアジアのさまざまな都市と顔の見える関係を構築し、具体的なニーズを調査する中では、し尿や浄化槽汚泥だけでなく、生ごみを初めとする廃棄物問題に苦慮している実態が明らかになっております。そこで本市では、し尿や浄化槽汚泥に加え、生ごみなどを統合的に処理し発生するメタンガスによる発電や、残さとしての液肥の農業利用など総合的な課題解決を目指しております。既にその導入を検討しているところであります。 具体的には、本市エコタウン企業のアミタと連携し、ベトナム・ハイフォン市のカットバ島において、ハイフォン市グリーン成長推進計画に基づいたプロジェクトを展開中です。ここでは南三陸町で同様の事業を行っておりますアミタの豊富な経験を生かし、家庭の生ごみ、ホテルやレストランの食品残さ、浄化槽汚泥などを活用したメタン発酵施設の導入を検討しております。更に、発生する液肥を農業に活用し、野菜や果物などを有機栽培し、ブランド化した上でホテルやレストランに販売するなど、地域資源循環システムの構築も目指しております。 また、環境省の支援を受け、パラオにおいても同様の事業に取り組んでおります。パラオは島国であるため、コストの高いディーゼル発電に頼っていることから、メタン発酵により発生するメタンガスを活用することでコストを下げる発電事業に力点を置いた取り組みを進めております。今後とも本市ではメタン発酵技術に限らず、現地の状況を勘案し、最良の事業方法を調査研究し、総合的かつ効果的なプロジェクトに取り組んでまいります。 なお、本年4月、北九州市は近隣16の市町と連携協約を締結し、連携中枢都市圏北九州都市圏域を形成いたしました。連携協約の中では、圏域全体の環境保全及び循環型社会の構築に向けた取り組みを行うことが掲げられております。この締結先に築上町も含まれております。このことから、相互に協議できる環境は整っていると考えております。 残余の質問は、担当局長よりお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 危機管理監。 ◎危機管理監(原口紳一君) 防災・減災につきまして幾つかの御質問をいただいてございます。まず最初に、市の訪問事業等で家具固定、食料備蓄等の促進目標を持ち、チェックと啓発を行ったらどうか、及び家具固定について家具固定工事ができる仕組みづくりが必要ではないかと、この2つの質問につきましてまとめて御答弁させていただきます。 自然災害によります被害を最小限に抑えるためには、市民一人一人が、いざというときにみずからの命を守るための適切な判断や行動を行えることが重要でございます。そこで、防災意識の向上や災害に関する知識を高めるため、防災ガイドブックの全戸配布、ガイドブックをテキストにしました出前講演やDIG、これは災害にかかわる図上訓練でございますけれども、こういうものの実施、市政だよりや市ホームページを活用した情報提供、市民参加型によるさまざまな防災訓練などをこれまで実施してきたところでございます。 議員御指摘の家具固定や水、食料の備蓄、災害用伝言ダイヤルにつきましては、市民の命を守る防災対策の重要な要素でございますことから、全戸配布したガイドブックに掲載したところでございます。 家具固定につきましては、今御質問の中にもありましたけれども、女性消防団員によるいきいき安心訪問におきまして、本年7月から啓発指導に合わせ、実施の把握を始めたところでございます。ことしの秋を目途に、消防職員による住宅防火訪問でも同様の取り組みを開始する予定でございます。 また、御家庭での水や食料の備蓄につきましては、非常持ち出し品とあわせまして、備蓄品のリストを掲載するとともに、いわゆるローリングストックについても、イラストで詳しく説明しているところでございます。 そして、災害伝言ダイヤルにつきましては、ことしの市の総合防災訓練で参加者に実際に体験していただく予定としてございます。更に、今後につきましてもNTTが毎月1日と15日に設定しております体験利用日、これにつきまして市民に周知し、体験を促していきたいと考えているところでございます。 市といたしましては、こうした防災対策を全ての市民が行うことを最終的な目標とすべきであると考えております。そのため、継続的な啓発や市民参加型の訓練を重ねていくとともに、例えば訪問活動など他の事業との連携について検討するなど、その内容や手法につきまして今後とも工夫をしていきたいと考えてございます。 また、家具の固定につきましては、命やけがに直接かかわることでございまして、市民が取り組みやすい環境づくりが重要と考えているところでございます。そのため、家具固定や住宅の耐震化の実施に関する相談につきましては、市内にございます福岡県建築住宅センターで受け付けております。また、本市のシルバー人材センターでも事前調査の上、家具固定器具の取りつけに対応しておりますことから、これら事業につきましても積極的に周知し、市民の防災意識と行動の両面から促進につなげてまいりたいと考えてございます。 続きまして、防災ガイドブック等の更なる拡充、携帯用ハンドブックの作成に関する質問でございます。 本市での防災啓発の基本となりますのが、昨年全戸配布いたしました防災ガイドブックであります。従来の防災情報マップ、これから防災啓発に関する内容を大幅に充実し、冊子形式といたしております。防災ガイドブックにつきましては、次回の改訂時期は決まっておりませんが、災害時避難のトイレ対策あるいは熊本地震の教訓など、必要なものについては更新の際に取り入れ、内容の一層の充実を図ることとしてございます。 なお、更新までの間は市のホームページや出前講演などを通じまして、こうした情報の市民への周知を進めてまいりたいと考えてございます。 防災ガイドブックでございますけれども、これをA4判の冊子形式といたしましたのは、家庭や地域で話し合った結果など必要な情報を書き込める、平時から目につきやすく、災害時に携帯できるものとして策定したところでございます。家族の連絡先等を記入し、非常時持ち出し袋と一緒に保管するなど、まずは防災ガイドブックが十分に活用されるよう、啓発等を進めてまいりたいと考えてございます。 また、現在防災ガイドブックの内容につきましては、市のホームページで閲覧可能となってございます。近年の災害では、携帯したスマートフォンなどを活用して情報を入手する方も多くなってございます。そうしたことから、さまざまな手段や特性に応じました効果的な情報提供につきまして、印刷物に加えインターネットの活用等を含めて検討してまいりたいと考えてございます。 本市は、幸いなことに近年大規模な災害に見舞われておりませんが、近隣での災害を我が事として受けとめ、今後とも市民の防災啓発や情報提供に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 最後に、防災・減災対策のうち、住まい向上リフォーム促進事業のリフォーム工事メニューに家具固定が導入できないかという御質問にお答えします。 住まい向上リフォーム促進事業は、既存住宅においてエコや子育て、高齢化への対応、安全・安心に寄与するリフォーム工事に対してその費用の一部を補助することにより、地元活力による良質な住宅ストックの形成と活用を促進するものであります。補助対象は住宅の機能・性能を向上させるリフォーム工事で、安全・安心工事においては防犯ガラスへの交換、シャッターや窓面格子の設置、防犯錠の交換など、改修後、相当期間そのままの状態で使われるものを対象としております。 一方、火災の早期発見に役立つ火災報知機や熱中症対策に有効なエアコンなど、住宅と一体となっているとは言いがたい設備機器類については、補助の対象外としております。家具固定についてもこれと同様の扱いとなり、住宅そのものの機能性の向上等を図るというリフォーム補助の趣旨になじまないと考えております。ただし、家具固定については地震に対する事前の備えの有効な取り組みの一つとして、今後とも出前講演や耐震改修セミナー等さまざまな機会を通じ、関係部局と連携し、普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 47番 柳井議員。 ◆47番(柳井誠君) 最初に要望いたします。 今答弁いただきました家具固定の住まい向上リフォーム促進事業のメニューのことですが、分野は耐震改修という分野でありますけれども、1軒当たり80万円の補助で、改正された耐震改修促進法をもとに95%の民間家屋が耐震化を目指しておるところです。その全てに補助をすると、恐らく100億円を超える補助額になってしまうわけで、それに比べたら1軒当たり1万円程度の家具固定工事費というのは検討が具体化しやすいメニューではないかと思いますので、ほかの自治体の施策を参考に、その費用の試算や検討を要望しておきます。 それから、家具固定に関する点検指導についてでありますが、消防士やいきいき安心訪問だけではなくて、地域防災計画の災害対策編では、市民に対する防災知識などの普及で普及内容、備蓄物資、非常時持ち出し袋の準備、住宅の耐震化、家具固定などを戸別に訪問する事業などに合わせて普及を図ることになっていると書いております。 現在の訪問事業をちょっと思い浮かべてみますと、生活保護受給世帯1万8,000世帯を年間数回訪問して延べ数万回の訪問になります。その他高齢者ふれあい巡回訪問、市営住宅の訪問などもありますし、地域包括支援センターによるハイリスク高齢者に対する訪問支援の中でも、気をつければ、家の中が雑然として危険な状態にあるんではないかというのがわかるわけで、問題は気がついていてもそれを放置してしまって消防につながない、あるいは地域の町内会で共助につながないというのが一番問題ではないかと思います。 今言われた2つの指導、チェックの訪問事業以外にも、この防災計画どおりいけば全てに広げなきゃいけないんではないかと思いますが、改めて答弁を求めます。 ○議長(戸町武弘君) 危機管理監。 ◎危機管理監(原口紳一君) 議員御指摘のとおり、市が行っております訪問事業、いろいろなものがございます。やはり訪問の目的がそれぞれございますし、訪問の形態だとかそれに携わる方もさまざまでございます。いろいろ訪問される方の負担等もございます。いろんな種類がございますので、そこにつきまして、議員言われましたように、しっかりとした指導から、あるいはちょっと気づきの部分で頑張ってくれないかという話まで、いろんな幅広い取り組みがございますので、そういう訪問事業をやっております部局とも今後話をしながら検討させていただきたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 47番 柳井議員。 ◆47番(柳井誠君) よろしくお願いします。 次に、こうした備えの実態の調査なんですが、訪問事業で調べるのは、今いきいき安心訪問や消防士が調べ始めました。しかし、全容をつかむのはなかなかそう簡単ではない。そこで、紹介したとおり、埼玉県では定期的な県民アンケートをとっておりまして、家具転倒防止で5割、非常時の緊急連絡手段の活用で12%、3日分の水・食料の備蓄で5割強という、そういう数字をもとに目標を立てております。政令市のさいたま市も平成23年度に同じ調査をしております。 それで、実態調査という点で、訪問事業による把握と市民意識調査による把握が必要ではないか、今後やっぱりそうやって実態をつかむ必要があるんではないかと思いますが、答弁を求めます。 ○議長(戸町武弘君) 危機管理監。 ◎危機管理監(原口紳一君) おっしゃるとおりでございます。最初の答弁の中でも、全世帯をやることを目標にして頑張るんだという答弁をしてございます。そのためにも実態を把握していくということは重要でございまして、議員の質問の中にもありましたように、消防団がやっている訪問の中ではそういうデータの集積も行っていると。全体的な調査でございますけれども、平成27年度から市民アンケート調査の中に災害への取り組みを入れてございまして、危険箇所の固定や補強をしているかとか、非常持ち出し品の準備をしているか、こういうものも設問項目に含まれてございます。 実際、そんなに高い数字ではないんで、もっと頑張らないといけないような結果ではございますけれども、こういう調査を活用する、あるいは必要に応じてはこの部分の調査項目をふやす、先ほどお答えしました中の訪問による調査の中でも把握できるものがあれば、そういうものに努めていくという形で今後取り組んでいきたいと考えてございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 47番 柳井議員。 ◆47番(柳井誠君) それでは、海外事業について伺いますが、平成24年度に策定した北九州モデルの中には、し尿の液肥化処理というのがたしか出てこないんです。しかし、相手国にとって、とりわけ経済力の低い国とか農村地域ではローコスト、メンテナンスフリー、この循環方式こそが求められているんじゃないかと思います。日本でもそうです。 私は、平成26年に本会議で海外水ビジネスで質問したときに、ビジネスという表現を変えたらどうかという提案もしたことがありますけども、一定の利潤の確保を前提とするビジネスと比べて、築上町などの方式、これダナン市が注目した方式というのは、初期投資以外は経費が安くてほとんど壊れない、管理が要らないという設備なんですね。紹介しますと、築上町の水田農家の田中さんという方は、化学肥料のときと比べて年間50万円経費を節減し、10年間で500万円ためて、高級車クラウンを買ったと。その車の名前には液肥号という名前がつけられて、これは有名な話です。また、大木町の生ごみは現在も無料で収集しております。いずれもローコストです。 一方、ハイフォンの計画では、生ごみのコンポスト化は公共機関が行うごみ処理として市民が応分の負担、賦課金などを負担するように計画されております。ビジネスでやる部分と可能な分野ではローコストで、相手方の負担を少なくして行う方式に、北九州方式、私は最初の質問で拡充見直しと言いましたけども、そう見直しをしたほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(戸町武弘君) 環境局長。 ◎環境局長(小林一彦君) 今、議員から御提案がありましたけども、我々のところでも先ほどの答弁でも申し上げましたように、液肥を活用して地域で循環した農業を育成して、それをまた食材に変えて都市に返すというような事業を行っているところでございます。そうしたところで我々もその地域のニーズに沿って事業を進めているということで、頑張っていきたいと思っているところでございます。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 47番 柳井議員。 ◆47番(柳井誠君) 私、築上町にも行って、職員からも熱意ある話を聞いてまいりました。ぜひ連携もしたいという意向を持っていると、係長クラスですけど感じましたので、ぜひ市長答弁にありましたように協議、協力を進めていただきたいということを要望して終わります。 ○議長(戸町武弘君) 進行いたします。48番 波田議員。 ◆48番(波田千賀子君) 傍聴にお見えの皆さん、テレビをごらんの皆さんこんにちは。波田千賀子でございます。日本共産党市会議員団を代表して一般質問を行います。 初めに、アスベスト健康被害対策について3点質問いたします。 北九州市は、平成21年度より平成26年度まで石綿暴露健康リスク調査を環境省から受託し、医学的所見の有無と健康影響などとの関係に関するデータを収集するため、平成16年以前に門司区に居住歴のある人を対象に胸部エックス線検査、胸部CT検査を実施しました。この調査は平成26年度で終了し、平成27年度から環境省は仮称石綿検診の実施に向けて、市の肺がん検診との連携方法などの課題を抽出する目的で、石綿暴露者の健康管理に係る試行調査を行うことになり、市はこれを受託し実施しました。 平成21年度より平成27年度までに受診された方は実数で467人でした。そのうち石綿による所見のある人は68人でした。しかし、現在までに健康管理手帳を取得したのは44人にすぎません。健康管理手帳は石綿を直接扱う業務やその周辺での業務などに携わっていた人で、石綿による医学的な所見がある人に発行される手帳です。将来肺がんや中皮腫などの健康被害が生じるおそれがあるため、半年に1回検診を無料で受けることで、離職後の健康管理が行われます。石綿暴露健康リスク調査の受診者数は年平均160人ほどいましたが、平成27年度の石綿暴露者の健康管理に係る試行調査は99人に激減しています。 そこで、以下3点お尋ねします。 1つ目に、これまでの調査に参加されている方に継続して受診することが大事であることを啓発するとともに、新たな受診者の掘り起こしのための広報や、健康管理手帳の取得を推進するための案内や相談、保健指導が必要と考えます。答弁を求めます。 2つ目に、従来のリスク調査は指定医療機関で胸部エックス線検査と胸部CT検査を同日に行っていました。しかし、新たに始まった試行調査は、胸部エックス線検査を行い、胸部CT検査の必要な人は改めて指定医療機関に予約し検査を受けなければなりません。1日で済んだものが2日かかり、予約も必要です。従来どおり指定医療機関で胸部エックス線検査と胸部CT検査を同日に行うべきではないでしょうか。また、肺がん検診の受診者の中にはアスベストを扱っていたという方がおられるそうですが、こういう方にはアスベストの検診を御案内すべきではないでしょうか。お尋ねします。 3つ目に、6月28日、門司区大里地域モデルプロジェクト、旧門司競輪場解体工事について、高田町町内会住民に対しての説明会が開催され、解体スケジュールと家屋調査の説明がありました。旧門司競輪場は昭和25年に開設され、築65年です。市に問い合わせると、平成元年と平成3年に改修工事が行われ、その後平成17年11月に旧競輪場のバックスタンド天井のはりなど、露出部分4カ所のアスベスト調査が行われた結果、アスベストはないとの説明を受けました。 私は7月1日、旧競輪場視察を申し入れ、その折に競輪の選手の自転車検車場に入り、破れた天井より落下している石こうボードのようなものと、ふわふわした薄茶色の綿のようなものが落ちているのを確認しました。アスベストではないかと疑われたので、市当局に調査を依頼しました。市は、8月に解体業者が決まり次第調査するとのお返事があり待っておりましたら、8月30日に石綿の一種であるアモサイトが検出されたとのことでした。 今回、分析結果でアスベスト含有が明らかになりましたが、平成17年の調査ではアスベストは含有されていないとの分析報告となっています。調査建材の違いで生じているとすれば、再度調査対象を広げ調査する必要があるのではないでしょうか。解体工事による騒音、ばいじん、アスベスト対策、大里柳小学校の通学路の安全確保、解体工事にかかわる周辺住民に対する安全対策についてお尋ねします。 次に、門司区モデルプロジェクト再配置計画と跡地活用についてお尋ねします。 8月30日には大里地域6校区に対し、大里体育館集会室において大里地域モデルプロジェクトについての地元意見交換会が開催されました。当初、申し込み受け付けは50人程度としていましたが、参加人数は71名でした。たくさんの意見が述べられました。私も参加させていただきました。 幾つかの住民の意見を御紹介しますと、市は競輪場内の芝生部分の半分は住宅建設のために売却する計画と説明されているが、計画そのものが住民の声を聞く前に策定されている、売却が計画されているこの緑地を住宅建設のために売り渡すのではなく、市民の憩いの場として残してほしい、ハイビジョンシアターを別の場所に移転してほしい、大里地域の公園では禁止されているボール蹴りやキャッチボールなどができる遊び場公園が欲しい、跡地を歩いたりランニングができる健康づくりのできる公園にしてほしい、室内プールは25メートルプール、子供プールと幼児プール、歩行専用のプールの3つと聞くが、幼児プールは現在の広さの約半分くらいとなる、子供プールが狭過ぎる、施設を集約するということは、遠方から車で集まることとなる、駐車スペースがたくさん必要など、大きく分けて跡地活用問題と複合公共施設についての多くの意見が出されました。 市は、公共施設マネジメント実行計画の推進に当たっての留意点として、情報公開と市民の理解を掲げ、広く市民の方々との対話の中で御意見をいただきながら調整を図ることとしています。また、早い段階で説明会を開催するなど、市民の理解を得ながら丁寧に進めていくことともしています。今回の意見交換会は市が示した暫定の内容に対して貴重な意見が出されていると考えます。大里地域の基本計画策定に当たっては、住民の意見が生かされ、住民の合意形成に努めるべきと考えますが、見解をお尋ねします。 最後に、公設掲示板の設置と選挙公報のあり方についてお尋ねします。 来年に予定をされています北九州市議会議員一般選挙の選挙公報についてお尋ねします。 政令指定都市20市で、候補者の経歴や政見などを掲載した選挙公報が発行されていないのは北九州市と広島市です。選挙公報はどの政党、候補者を選ぶのか判断材料として大切な資料です。一日も早く発行できるように努力すべきです。答弁を求めます。 2つ目に、ポスター掲示場については、脚立を持参しなければポスターが張れない高さであるとか、花壇に足を踏み入れなければ張れないところがあります。また、歩行者には見えても、位置を変えるだけで車道側からも両方見ることのできる位置があります。より効率的なポスター掲示場の設置を検討するべきです。答弁を求めます。 以上で第1質問を終えます。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 波田議員の御質問にお答えいたします。 アスベストの健康被害対策についてであります。 最初に、継続受診の啓発、受診者掘り起こしのための広報、案内などについて御質問がございました。 石綿による健康被害は、発症するまでの期間が非常に長く、肺がんで15年から40年とも言われています。そのため、石綿業務に従事していた方などが継続して健康診断を受けて、健康管理を行うことが大変重要であります。本市では、環境省からの委託を受け、石綿暴露の可能性のある門司区に居住していた方を対象に、平成21年度から平成26年度までは石綿暴露健康リスク調査、そして、平成27年度から平成31年度までは石綿暴露者の健康管理に係る試行調査を行っております。 これらの調査を実施するに当たり、継続した受診を促すため、過去の受診者、平成28年度の調査では294名であります。この受診者の皆様へ文書で個別の勧奨を実施してまいりました。また、新たな受診者の掘り起こしとしては、市政だより、ホームページでの案内に加え、調査への参加を案内するチラシ、ポスターを毎年作成し、門司区町内会でのチラシの回覧に約4,500枚、市内医療機関でのポスター掲示約1,000カ所、門司区内で過去に石綿スレート工場が稼働していた周辺地域帯へのチラシの戸別配布約5,300枚など、これまでも広く案内に努めてまいりました。 平成28年度の試行調査では、募集期間を平成27年度の2カ月、6月から7月を、3カ月、6月から8月に延長したところ、新規の申込者が平成27年度の17人から平成28年度には27人に増加したところであります。本市では平成31年度まで試行調査を継続実施する予定であり、引き続ききめ細かな参加の呼びかけを行ってまいります。 次に、石綿健康管理手帳についてであります。 その取得を促進するため、これらの調査の面談の際に、交付対象である石綿業務に従事していた方に対し、取得の申請を勧めるパンフレットを配布し、御案内しております。また、調査結果の通知、平成27年度は99人でありますが、その際にも再度石綿健康管理手帳の取得申請を勧めるパンフレットを同封して御案内をしております。 石綿健康管理手帳は、石綿業務に従事し、離職した労働者の健康維持を目的とした制度であります。手帳の交付を受けた方は、指定された医療機関で健康診断、胸部エックス線検査を6カ月に1回無料で受診できます。このことから、適切な健康管理を行うために、一人でも多くの対象者に健康手帳を取得していただくことは大変重要と考えております。 今後も調査を実施する際には、石綿健康管理手帳の取得状況を確認するとともに、取得されていない方に対しては、御家族など周囲の方の御協力もいただきながら、手帳取得のメリットを看護師などの専門職が説明するなど、引き続き取得促進に向けた保健指導に取り組んでまいります。 次に、試行調査でも胸部エックス線検査を行うべきであるなどの御提案をいただきました。 本市が平成21年度から平成26年度まで実施した石綿暴露健康リスク調査では、指定医療機関で胸部エックス線検査と胸部CT検査の双方を実施し、医学的所見の有無と健康影響などとの関係についてのデータ収集を行ってまいりました。平成27年度からの石綿暴露者の健康管理に係る試行調査は、環境省が今後実施を計画しております仮称石綿検診のうち胸部エックス線検査を、自治体が現在行っております肺がん検診の中で実施するものであり、その場合の課題について、平成31年度までの5年間で調査検討を行う予定になっております。 本市の肺がん検診は北九州市医師会に委託し、地域に身近な各区の市民センターなどでエックス線検診車による検診を実施しているために、胸部CT検査を同時に実施することはできません。このため、新規以外の試行調査参加者にとりましては、身近な市民センターで胸部エックス線検査が受けられるというメリットもありますが、議員御指摘のとおり、新たに参加された方については別途指定医療機関で胸部CT検査を受ける必要があり、試行調査で明らかになった課題の一つと認識しております。本市としてはこの課題について環境省へ報告し、より効果的で利用者の立場に立った検診方法の改善について働きかけてまいりたいと考えております。 また、アスベストの検診にできるだけ多くの方を案内するため、本市の肺がん検診受診者の中から、過去にアスベストを取り扱っていた方を検診時に抽出、特定することは有効と考えますが、現時点ではその手順が明確にされていないことが課題であります。そのため、新たに環境省が実施を計画しております仮称石綿検診が本市で円滑に実施できるように、本市の肺がん検診におけるアスベスト暴露歴のある方の特定や、該当者への受診勧奨などの手順の見直しについても、今後医師会などの関係機関と協議を行ってまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 旧門司競輪場の解体工事にかかわる安全対策についてお答えします。 平成14年3月に廃止した旧門司競輪場につきましては、大部分を当時のまま閉鎖しておりましたが、北九州市公共施設マネジメント実行計画において示された跡地を有効活用するモデルプロジェクトに基づき、解体工事を発注いたしました。現在、施工業者が着工に向けて現場の状況を詳しく調査しているところであります。この旧門司競輪場は、近隣に住宅もあることから、解体工事に当たりましては周辺への配慮が必要であると認識しております。 この中でアスベスト対策につきましては、環境省から建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアルが示されておりまして、本工事においてもこのマニュアルを遵守し、工事を進めてまいります。 現在、施設に使用されている建材につきまして、アスベスト含有調査を進めておりまして、その中で旧選手管理棟の天井裏においてアスベストを含む断熱材の使用が確認されました。この結果を受けまして、解体工事の際のアスベスト飛散を防止するため、当該施設の密閉養生を行い、作業員はマスクや防護服を着用するなどの対策を施しております。 なお、議員御指摘の平成17年のアスベスト調査につきましては、外壁や屋根などの露出部の調査でありまして、今回検出のアスベストは解体工事に伴う屋内の調査の中で、天井裏などの閉鎖された空間の中に入って確認したことにより判明したものでございます。今後も全ての解体対象施設で、作業の着工前に閉鎖された空間の中の調査を行い、アスベストの含有が判明した場合には、密閉養生など適切に飛散防止の処置を行うこととしております。 更に、防音シートの設置や散水などによる騒音、ばいじん対策、工事車両の生活道路への進入回避による通学路の安全確保などについて十分留意し、説明会などで地域住民に適切な説明を行いながら、安全に工事を進めてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(西田幸生君) 門司区モデルプロジェクト再配置計画策定に当たって、住民の合意形成に努めるべきとの御質問にお答えいたします。 大里地域における公共施設の再配置計画は、本年2月に策定した北九州市公共施設マネジメント実行計画の中で、モデルプロジェクトとして基本的な考え方を示しております。その中で、門司競輪場跡地では、西側でスポーツ施設等の集約、公園広場の整備を行い、JR九州病院寄りの東側では、大里地域の活性化のために居住ゾーンとして利用する計画としております。今年度は土地利用方針や区域設定と、居住ゾーンのあり方を定める基本計画を策定することとしております。 8月30日に行った意見交換会は、基本計画の策定に向けて実行計画の説明を行い、大里地域のモデルプロジェクト、特に公園の整備に関する意見を把握するために開催したものであります。この中では、議員が紹介していただいた意見に加えまして、北九州市には公共施設が多過ぎる、居住ゾーンの導入は理解できるなどの声もありました。 一方、公共施設マネジメントの方向性に関する市民アンケートでは、競輪場跡地は公園や住宅として活用を図ることへの賛同は81%、基本方針として掲げている余剰資産は民間売却等を基本とすることへの賛同は86%でありました。このように、市ではこれまでも市民意見の把握に努めてきております。 お尋ねの住民の合意形成につきましては、住民参加の仕組みとして、まちづくりの専門家や市民団体、利用者団体の代表から成る懇話会での意見把握、市民や議会への説明と意見交換、公共事業評価の手続の中での意見聴取などがございます。以上のように節目節目で市民や議会の御意見をお聞きし、対応可能な意見を計画に反映させながら、モデルプロジェクトを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 行政委員会事務局長。 ◎行政委員会事務局長(隈乃理子君) 最後に、公設掲示場の設置と選挙公報のあり方についてお答えいたします。 まず、市議会議員選挙に選挙公報を発行するようにできるよう努力すべきではないかという御質問にお答えいたします。 選挙公報は、候補者の氏名、経歴、政見などを掲載した文書であり、選挙を管理する選挙管理委員会が発行するものでございます。公職選挙法により衆議院議員選挙、参議院議員選挙及び知事選挙においては選挙公報の発行が義務づけられております。市長選挙及び市議会議員選挙につきましては、条例で定めることにより発行できることになっており、本市では市長選挙の選挙公報は条例を定めて発行しておりますが、市議会議員選挙については条例を定めておりません。 市議会議員選挙の選挙公報の発行につきましては、議会改革協議会の協議事項とされており、平成27年3月、議会改革協議会の報告書の中において、今後協議を行ってまいりますと報告されております。選挙管理委員会としましては、お尋ねの選挙公報の発行については、議会改革協議会での議論を見守っていきたいと考えております。 次に、ポスター掲示場について、より効率的な配置を検討すべきであるという御質問にお答えいたします。 ポスター掲示場の配置につきましては、公職選挙法施行令に基づき、投票区の人口密度、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して設置するよう定められております。また、掲示場の数につきましても同施行令に基づいて、投票区選挙区ごとの登録有権者数及び面積の基準により設置数が決まっており、7月の参議院議員選挙では全市で1,721カ所に設置をいたしました。 本市の設置の考え方ですが、本市では投票所の入り口近くに1カ所設置するほか、投票区域内にバランスよく、有権者の目につくところで設置の許可が得られる場所に設置をしております。また、歩行者に見やすく通行の妨げにならないことや、ポスターを張りやすいことなども考慮して設置場所を選定しております。 具体的な設置箇所につきましては、選挙前に毎回確認を行っておりますが、地理的条件や地形などにより、脚立等を利用して張るような場所などに設置せざるを得ないところもございます。議員御指摘のポスターを張る際に花壇の植栽に踏み入ったり、脚立を必要とする箇所につきましては、代替の場所が確保できないか再検討し、できるところから移したいと思っております。 今後も選挙ごとに点検を怠らず、有権者に見やすく、かつポスターを張りやすい場所の確保に努めていきたいと思います。 ○議長(戸町武弘君) 48番 波田議員。 ◆48番(波田千賀子君) 第2質問を行います。 石綿の健康被害対策について1つお尋ねしたいのは、新しく受診する人を見つける努力をしていると言われていますけども、過去7年間で68人の健康被害が見つかっているんですけど、こういうことが市民に知らされているんでしょうか。それをちょっとお尋ねしたいと思います。 ○議長(戸町武弘君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(工藤一成君) この調査結果につきましては、積極的な広報というのは今まで行ってきておりませんので、今後これについて調査結果の有効性、こういったものを市政だより等で市民に周知するように努めてまいりたいと思います。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 48番 波田議員。 ◆48番(波田千賀子君) やっぱりアスベストでこんな被害が起こっているという、そういうことがわかることで、自分も過去にアスベストを扱っていたんで、受診してみようかという気持ちになると思うんですね。そこら辺ちょっと大事だと思うんですよね。 そして次に、旧門司競輪場解体の件についてお尋ねします。 当初は高田町町内会の説明会では、アスベストはありませんと説明されたんですよね。ですから、町内会の方々はアスベストはないよねと受けとめていましたよ。ですから、その説明で本当によかったんですか。やっぱりまだ内部のほうはわからないから、解体の前に詳しく調査しますからというふうな説明が必要だったんじゃないでしょうか。 ○議長(戸町武弘君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) アスベストがあるかもしれないという認識があったのにそう言ったというのは、ちょっと言葉足らずで非常に申しわけなかったかもしれません。誤解を招いたかもしれないんですが、もともと飛散して危ないとかというところについて、平成17年に調べるように言われまして、全部局的にやったときに、外側のところにはないと言うべきところを、全部ないような表現になったんだとしたら、それは誤解を与えて申しわけなかったと思っております。 ○議長(戸町武弘君) 48番 波田議員。 ◆48番(波田千賀子君) そういうことだろうと思うんです。やっぱりないよと言うとったのに、今回アスベストが出たということで、今度いつ町内会の方々に説明をされるんですか。そういうことをしっかりしとかないと、市に不信を抱かれたらいけないと思うんですよね。 ○議長(戸町武弘君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) その辺もちゃんと配慮して御説明をするようにしたいと思います。 ○議長(戸町武弘君) 48番 波田議員。 ◆48番(波田千賀子君) もう一つ、再配置計画のことで、ちょっと時間が足りなかったらいけないので、先に言いますけれども、意見交換会があって、たくさんの参加者から、民間に土地を売却するのをやめてほしいという声が次々と上がってきたんですよね。満場の拍手が送られていたこと、担当の方々は聞かれていたと思うんです。複合施設建設後の余地は1ヘクタールほどあります。周辺の住民の人たちは何もないグリーンのところで、芝生があるんですけれども、歩いたり走ったり、そんなことができる、そういう広場でいいよと言われているんです。住民の納得できる跡地活用策について、もっともっと議論を深める必要があると思うんですけど、複合施設についても柔剣道場の利用者から、利用するたびに床の敷物などを準備していかなければならない、大変な不便が生じると言われています。この図式では、住民が幾ら反対してもこれを行っていく計画なんでしょうか。このスケジュール表を見たら、解体後すぐに平成29年には住宅計画、整備が先で、その後複合施設建設が始まるような図式になっているんですけども、跡地を売ってからこれを行うということなんでしょうか。 先日、匿名のお手紙が届きました。九州の表玄関の門司が世捨て人のようになっていると、るる書き連ねてあるんです。何度も市にお手紙出したけれども、ナシのつぶてだと。JR九州の移転、サッポロビールは日田へ行ってしまった、門司区15万人が10万人に減った、何とかしてほしい、レトロがあっても地域住民にとっては買い物客がふえるでもなく、人口減少に歯どめがかからない、4つの公立高校は2校に統廃合されて、大里の私立高校も近々廃止の予定です。競輪場の跡地に住宅を建設すれば門司がにぎわうかというような、そういうことではないんだと言われています。高齢者のための高齢者が安心して住める住宅が欲しいとか、同じ民間に売るでも高齢者施設を建てるとか、医療系大学や専門学校の誘致であれば若者はふえるし、雇用もふえるんではないか、そんな声もあります。門司区の未来のかかった計画ですから、跡地活用策についてはしっかり地元の声を生かして計画を立てていただきたいと思うんです。 私は、門司区の地域の代弁者として切にこのことをお願いして、質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 進行いたします。17番 佐藤議員。 ◆17番(佐藤茂君) 自民党の佐藤茂でございます。会派を代表して一般質問を行います。 傍聴席を見ますと、空席を除けば全て満席、(笑声)傍聴席の皆様に感謝申し上げ、一般質問に入ります。 まず初めに、ごみステーションのあり方の答申についてお伺いいたします。 ごみステーションの維持管理については、これまでの議会においても何度かお尋ねをし、議論をさせていただきました。また、市長にも御同行いただいて、現場視察などを行いました。現状は、過去に比べかなり改善されていると思いますが、相変わらずごみ出し日が守られていない、ネットの対応がしっかりしていないなどのマナー違反から、カラスによる散乱を引き起こしている場所がまだまだございます。出張等で北九州市に来られた市外の方々が、カラスの被害とわからず、町に散乱するごみを見たら、何てマナーの悪い町なんだろうと思うでしょう。環境未来都市の看板が泣きます。本市の家庭ごみの散乱ゼロに向けては、市として不断の努力が不可欠であり、抜本的な対策が今も必要と強く感じております。 そうした中、平成27年4月に、ごみステーションの配置や地域への支援、指導及びPRや事業系ごみ対策などについて検討したごみステーションのあり方についての答申が出されました。市としても答申を受け、新たな視点で取り組みを進められていると思いますが、そこで2点お伺いします。 答申に掲げられている5、今後の市の対策の中で、指導及びPRの具体的な方策として、地域ごとに決められたステーションへのごみ出しは、廃棄物処理法第6条の2第4項に基づく一般廃棄物処理実施計画に従う法的義務であることを周知すべきであるとありますが、この点について、現状どのような取り組みをしているのか、お伺いいたします。 2番目、本年6月、地域の強い要望を受け、小倉北区の市営住宅の敷地内2カ所に、フェンス等で囲んだ強固なごみステーションの整備が実現しました。これにより、当該地域のごみの散乱被害は大きく改善されるものと思われます。この整備は、環境局と市営住宅の担当局である建築都市局とが連携しながら進めてきたと聞いております。答申の中でも、地域のステーションの設置については、市の関係部署の連携を進めるべきと記載されています。特に、市が管理する市営住宅での取り組みは着手しやすく、効果的であることから、今後も同様の取り組みを積極的に進めていくべきと考えますが、見解をお伺いします。 次に、し尿収集機能の維持についてお伺いいたします。 本年4月、熊本地震ではこれまで経験したことのない震度7という大きな揺れによって、道路や家屋の倒壊など、広い範囲に甚大な被害が発生しました。こうした震災の直後にまず問題となるのは、ライフラインの寸断、つまり電気や水、ガスがとまることにより、食事や入浴など日常生活が送れなくなることです。特に深刻な問題がトイレの問題です。 現在、都市部では高い下水道普及率により、ほとんどの世帯は水洗トイレを使用していますが、水道管や下水管が破損した災害時では水洗トイレは使用できません。したがって、避難所等に仮設トイレを設置して対応していくこととなりますが、その際重要な機能となるのがし尿の収集です。せっかく仮設トイレの数を確保しても、日々のくみ取り業務を行うことができなければ、使用に支障を来すばかりでなく、衛生的にも問題が発生します。現に、阪神・淡路大震災時の神戸市や東日本大震災時の仙台市など、いずれも水洗化率が高い都市で、バキューム車の保有台数が少なく、し尿のくみ取り体制が不十分だったことから、大きな混乱を招いたと聞いております。 こうした経験を受け、国は平成28年4月に避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインを公表し、その中で有事の際のくみ取り収集計画やし尿収集業者との協定締結など、平時からの備えを示しています。また、今回の熊本県でも地元清掃3団体と連絡を密にしたし尿収集体制の確保に取り組んでいると聞いております。 このような中、本市のし尿収集の現状を見ますと、平成27年度末時点で下水道人口普及率99.8%を受け、大半の住宅、公共施設等は水洗化がなされていますが、山間部など約2,500世帯については現在もくみ取り方式をとっております。市が地元の専門業者に委託して収集業務を行っている状況です。現在、本市のし尿収集体制は、市内の事業者10社から成る3組合の連合会に全面委託し、15台の収集車で対応してもらっています。しかし、事業規模が小さく、年々対象世帯も減少していることから、将来的にこの機能が縮小してしまうのではないかと懸念をしております。 そこで、お伺いします。 本市にとってこのし尿収集機能は、市内の対象世帯への対応はもちろんのこと、大規模な災害時への備えとして非常に重要な機能であると考えています。そのために恒久的に一定のレベルを維持することが重要であると考えますが、見解をお聞かせください。 最後に、スタジアム開設を生かした小倉駅周辺のにぎわいづくりについてお伺いいたします。 北九州スタジアムは、平成29年3月の供用開始に向け順調に工事が進められています。7月には工事中のスタジアム内部の視察会が市議会議員を対象に開催され、私も参加させていただきました。その大きさや広さ、そして、ピッチとの近さや見やすさに大変感動いたしました。最大1万5,000人が収容できるこの規模の施設であれば、サッカーだけではなく、今回の補正予算案にも上がっていましたラグビーなどの他の競技での活用や、大規模なイベント、コンサート等の開催も可能であると思います。 一方、スタジアムまではJR小倉駅からペデストリアンデッキや動く歩道があり、徒歩で楽に行くことができます。完成すれば数多くのお客様が小倉駅新幹線口地区を埋め尽くし、駅周辺が大いににぎわうだろうと楽しくイメージしております。まさに北九州市の新たな集客スポットとして、このスタジアムの完成を心から楽しみにしています。 そこで、まず要望させていただきます。 北九州スタジアムは、来年3月12日に完成式典を含めたグランドオープンが予定され、さまざまな試合や行事が予定されているとお聞きしました。今後もJリーグの試合への集客はもとより、多彩なイベントの開催やスポーツ大会等の誘致などに取り組み、いつでもにぎわうスタジアムであり続けるよう、関係者が一丸となって頑張っていただきたいと要望いたします。 そこで、お伺いします。 小倉駅新幹線口地区に集まる多くの方々に食事や買い物、また、観光スポットへの立ち寄りなど、小倉駅を起点とした町なかの回遊をしてもらい、都心のにぎわいに結びつける戦略が必要だと考えます。大分県別府市では駅周辺の主要観光スポットを歩いてめぐり、町の魅力に触れてもらうお散歩プロジェクトに取り組んでいます。これは、別府駅から周辺のお店、食事どころ、また、温泉や商店街等を結ぶ歩道上に猫の足跡のシールを施し、来訪者にそのシールをたどりながら別府の魅力を感じていただくものであります。個々の店舗や観光スポットの情報を盛り込んだユニークなマップ等も製作しております。本市もスタジアム開設を生かした町のにぎわいづくりのため、こうした戦略や回遊促進策が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。 以上で私の第1質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 ごみステーションのあり方の答申などについてお答えさせていただきます。 一般廃棄物処理実施計画に掲げる家庭ごみの排出方法については、市民の遵守事項でありますから、平成27年4月の環境審議会の答申を踏まえ、その周知徹底と指導の強化に努めてまいりました。 まず、御指摘のごみ出しルール、マナーの周知徹底については、環境審議会答申を受け、一般廃棄物処理実施計画の中に地区ごとの収集曜日を明記したほか、環境情報誌ていたんプレスに正しいごみ出しルールについての特集記事を掲載しました。更に、市外からの転入者、外国人に対して広く周知するため、新入生や外国人を対象にした大学、日本語学校での説明会の開催、外国語で収集日や注意事項をお知らせする掲示幕を作成し、外国人が利用するステーションへの掲示などにも取り組んできました。 また、ごみ出しのルール違反に対しては、環境センター職員が出向き、違反ごみの開封調査を行い、違反者が特定できた場合は直接指導を行うほか、ごみステーションへの啓発看板の設置や地域住民へのチラシの配布、事業系ごみについては散乱ステーション周辺の事業所への訪問指導、業界団体へのルールの周知などに取り組んできました。この結果、ごみ出しのルール違反については、平成26年度の767件から平成27年度は409件に減り、今年度もその傾向は続いております。 このように、周知や指導の取り組みは一定の成果を上げていることから、今後も地域の声を十分に聞きながら、連携してルール、マナーの徹底、きめ細かな指導に努めてまいります。 また、議員御指摘の小倉北区の市営住宅の事例については、以前は路上にステーションがあり、ごみの散乱に悩まされていました。このため、地域住民の要望を踏まえ、施設管理者である建築都市局と収集業務を行う環境局環境センターで協議を行い、ごみ集積所の設置が実現したものであります。このような市営住宅でのごみ集積所の整備は、カラス被害等によるごみの散乱を防ぐことができ、町の美観の向上、更には効率的なごみの収集作業が可能となる、そうした効果も期待できます。したがって、今後とも地域のニーズや市営住宅のステーションの散乱状況などを踏まえ、関係部局で協議しながら、ごみ集積所の整備について検討してまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 環境局長。 ◎環境局長(小林一彦君) 本市のし尿収集機能の維持についての御質問にお答えさせていただきます。 し尿の収集業務につきましては、市町村の業務として、公衆衛生保持の観点から確実な履行が求められております。これまで民間事業者の協力のもとで委託方式で実施してきたところでございます。しかし、下水道普及の進展に伴いまして、全国的にもし尿収集世帯が年々減少してきたこともありまして、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法が定められ、国を挙げて、担い手でありますし尿収集業者に対する影響の緩和や業務の安定保持を進めてきたところでございます。 これを受けまして本市におきましても、し尿委託業者の協力のもとで適宜収集車両数の見直しを行い、し尿の適正な処理と業務の安定化を進めてまいりました。この結果、現在は2,461世帯を対象に15台体制で収集業務を行っているところでございます。 御指摘のように、収集世帯の減少はこれからも続くと見込まれますが、地理的な条件や経済的な要因で水洗化できない世帯の収集は依然残ると考えております。また、災害時におきましても、仮設トイレのくみ取りなどを衛生的かつ確実に行える体制の確保は不可欠であると認識しております。 そのため、今後とも北九州地域環境協同組合連合会など関係団体と綿密な連携を図り、今後のし尿収集体制のあり方や災害時の収集体制づくりなどについてしっかりと意見交換を行いながら、市民に不便をおかけすることのないよう、適正な収集体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 なお、災害時におけるし尿収集体制につきましては、自治体間の広域連携のほか、し尿委託業者との協定による対応を想定しており、現在その締結に向け協議を行っているところでございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 最後に、スタジアム開設を生かした町のにぎわいづくりについてお答えします。 本市ではこれまで都心集客アクションプランをもとに、北九州ポップカルチャーフェスティバルにおける小倉駅南北エリアでのタイアップイベントの開催、事前事後のイベントを含め小倉都心部を女性や若者、親子連れが行き交ったTGC北九州の開催、町なかの店舗が出展し、イベント後の来店を促す北九州フードフェスティバルの開催などの回遊促進の取り組みを進めてまいりました。 他都市の事例を見ますと、飲食店によるアウエーサポーターに向けた割引サービス、スタジアム来場者への地元特産品の売り出しイベントなど、町なかへの誘導やにぎわいにつなげる取り組みを実施しておられます。こうした他都市の事例なども参考にしながら、さまざまなイベントを連動させることや、商業者と連携することなどを通じて、更なる回遊性の向上や町のにぎわいの創出につなげていくことが必要だと考えております。 現在、地元商業団体とともに、来年魚町を中心とした一帯で開催される小倉食市食座、旦過まちなかバーベキューなどのイベントを初め、南北の回遊性向上を含めた、町のにぎわい創出につながるさまざまな取り組みの検討を進めているところであります。 また、ハード面におきましても、スケートボードやストリートダンスなど各種イベントが実施できる浅野町緑地、海辺の魅力を感じながら散策できる砂津緑地、快適な歩行空間を確保するための横断歩道橋やスタジアム外周デッキなどの整備や、小倉駅南北公共連絡通路のリニューアルなどを進めまして、にぎわいの創出や回遊性の向上を図ることとしております。 来年春の北九州スタジアムのオープンを契機に、地域のまちづくり団体や商業者と連携して、都心部の更なる戦略的なにぎわいづくりに努めてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(戸町武弘君) 17番 佐藤議員。 ◆17番(佐藤茂君) ありがとうございました。 それでは、まずごみステーションの答申について意見、要望を述べさせていただきます。 ごみの散乱の問題については、まだまだゴールへの道のりは遠いと思っています。今後も切れ目ない取り組みが必要だと思っております。本市の場合、家庭で発生したごみは決められた袋に入れ、決められた日時にネットで覆う等のルールでありますけども、さほど難しい問題ではないんですけど、しかしながら前日からごみを出す人、袋を閉めていない人、ネットをかぶせない人、よそから持ってくる人など自分本位のルールで持ってくるものですから、そのごみがカラスの標的となって、地域の環境や景観、風紀を乱しているわけでございます。 私もよく散乱したごみを見るんですけども、善意の市民が清掃している姿に出くわすたびに不公平感を感じ、怒りが込み上げてきます。私はこれまで、この問題の解決に向けたさまざまな提案や意見を述べさせていただきました。そうした私の声に耳を傾けてくれたものと理解し、ごみステーションにルールの徹底の看板を、そしてまた、指導、啓発など頻度を上げてまいりました。状況は以前に比べてかなり改善されていると思います。とにかく一歩一歩着実に取り組みを実施していくことが大切だなと思っております。 その点、先ほど申し上げた市営住宅におけるごみステーションの整備は大変効果があると私は思っております。もちろん、予算やいろんな調整等で簡単ではないと思いますが、市の関係部局が連携してぜひ進めていただければなと思っております。 また、並行して新たな分野の技術による防止策にも目を向けてみてはどうかなと思っています。きょうお手元に資料を配付しておりますが、こちらの資料ですが、これは画像認識技術で、ごみステーションに近づく小動物や鳥を検知し、近づいた際には動物等が嫌がるモスキート音というのを発し、そして、追い払うというシステムでございます。実際、私はことしの4月7日から5月31日にかけて、このシステムの効果を確認するため実験をやってまいりました。その間の収集日16回中、撃退回数が10回、失敗回数が6回で、撃退率は62%でした。その6回の中の失敗というのは、モスキート音が来たときに、ごみの山の向こうからカラスが来るものですから、モスキート音が届かないんですね、横から来るから。だから、一番いいのは真上からおろすのがいいのかなと思っておりますが、ある意味大変効果があったのかなと思っております。これは、私の同僚であります田仲常郎議員のほうから御紹介していただいた機材でございます。 こうした別の視点でのやり方が確立されていけば、家庭ごみの散乱の問題の解決に向けた新たな展開も期待できるのではないかなと考えております。官民が連携し、テクノロジーを駆使した先進的なごみステーションの維持管理も夢ではないと思っておりますので、ぜひ前向きに検討をお願いします。 次に、し尿収集機能の維持について意見と要望をさせていただきます。 このし尿収集機能は、災害時にはとても重要な役割を果たすわけであります。先般の熊本地震での状況を見て極めて危機感を持ち、このたび質問させていただきました。こうした機能は本市のような中枢拠点都市では、少なくとも現状レベルを恒久的に保つべきだろうと思っております。本市の地域防災計画では、有事の際のし尿処理への対応について掲げられていますが、国のガイドラインにも触れられているように、災害時のし尿の発生率や処理能力などを算定し、事業者等と連携しながら、バキューム車の数や災害発生時の道路状況を検討し、想定し、具体的な収集計画などを検討していくことが大切かと思っています。 また、本市では既にガスや電気等は防災協定を結んでいます。今さっき局長が言われましたように、し尿との協定も近々結んでいただけるというお話をいただいておりますので、しっかりとやっていただければと思います。 また、この委託、連合会にお聞きしますと、委託車15台以外にもライフラインの確保に努め、災害緊急時対策、不慮の災害時などあらゆる問題点を想定し、予備車20台を維持しているそうです。しかし、し尿収集業務委託料は、水洗化の普及により年々減少しており、維持管理も大変だと連合会はおっしゃっていました。 そこで、先ほど局長が言われましたように、合特法というのがあります。特別措置法の中の合理化特別措置法、いわゆる合特法なんですが、下水道の整備に伴う一般廃棄物処理業者等の合理化に関する法律でございます。この法律は、下水道の整備により仕事を失うくみ取り業者などに、かわりの公共事業の受注や金銭補償、職種転換のための職業訓練支援など、自治体が便宜を図ることを許した法律でございます。経営難で業者が撤退することで、下水道に接続されていない市民の生活に支障が出ないように1975年に施行された法律でございます。どうかこの合特法の趣旨に基づいて、自治体として支援できる対策を検討していただければと強く要望させていただきます。 最後に、スタジアムを生かしたにぎわいづくりについてまず質問させていただきます。 スタジアム開設を生かしてにぎわいを創出するには、まずこのスタジアムを多くの人に知っていただき、実際に足を運んでいただくことが必要だと思っています。最近では、ネーミングライツを導入し、覚えやすい愛称で呼ばれているスタジアムが多くなってきていますが、北九州スタジアムも先日新聞報道で、ネーミングライツを導入し、命名権料は2,000万円程度を見込むという記事がございましたが、これについての概要を教えてください。 ○議長(戸町武弘君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(大下徳裕君) スタジアムのネーミングライツについてでございますが、スタジアムの建設の当初から、ネーミングライツの導入につきましては検討してまいりました。来年1月の完成、それから、来年3月のグランドオープンというところが見えてまいりまして、このタイミングで今ネーミングライツの募集を広くかけたいと思ってございます。 募集の期間につきましては、今週の9月15日から募集を1カ月程度行いたいと思っております。募集企業につきましては、市内の企業に限定することなく、広く全国から募集をしたいと考えております。応募をいただければ11月には選定をして決定をしたいと思ってございます。 それからもう一点、命名権料につきましては、他都市の類似スタジアムなどを参考にしまして、私どもの希望価格としましては、年間3,000万円以上ということで設定をしたいと考えてございます。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 17番 佐藤議員。 ◆17番(佐藤茂君) 希望価格3,000万円以上、3年以上ということですね。希望価格に届くようにしっかりと頑張っていただきたいと思います。 このスタジアムの開設に伴う小倉駅新幹線口地区のにぎわいなんですが、昨年のJ2の平均観客動員数が6,845人、残念ながらギラヴァンツは3,488人と、当然北九州スタジアムの集客強化が最も重要になるというわけですが、いずれにしろ、数千人の人が試合ごとに小倉駅新幹線口地区に集まるわけでございます。これは大きなチャンスであると思っております。 市では都心集客アクションプランを平成26年6月に策定し、その後平成27年4月に一部改定いたしました。その中に、スタジアムを初め新幹線口地区エリアを訪れた人の都心部の回遊性を高める仕組みを構築するというのがございます。ぜひ先ほど紹介した別府のような形も研究をしていただいて、できれば実践をしていただきたいなと思っています。例えば、ギラヴァンツが勝利した場合、近隣の商店街の中の品物を割引する、例えば勝ったときの半券を持っていって、割り引いた分をインセンティブする、そういったことも考えていただければと思います。 スタジアム完成に向けては、JRや民間企業もいろいろと考えているとは思いますが、それぞれがばらばらに行動するよりも、民間企業や地域団体等と連携をして、このチャンスをしっかりと北九州市の総合力で生かしていただきたいと要望して、一般質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 進行いたします。4番 村上議員。 ◆4番(村上幸一君) 皆さんこんにちは。自由民主党・無所属の会の村上幸一でございます。本日、傍聴にお越しいただきました皆様、本当にありがとうございます。私のこの本会議での質問で、本議会の一般質問は終わりとなります。ぜひ議場の皆さんも大変お疲れかと思いますが、30分間でございますので、おつき合いのほどどうぞよろしくお願いいたします。 それでは、早速質問に入ります。 初めに、本市における年代別人口転出入超過についてのお尋ねです。 本市では地方創生の実現に向け、本年度もさまざまな定住・移住促進施策を実施しています。最近では、その取り組みや本市の住みやすさがテレビを初め全国版の雑誌、田舎暮らしの本、そして、女性自身に取り上げられるなど大変話題となっています。こうした本市のよさが広く知られることで、人口増に向けた定住・移住促進策が一層進み、大きな成果に結びつくことを期待しています。 さて、本日は皆様のお手元に2種類の資料をお配りいたしております。ぜひちょっとこれに目を通しながら私の質問を聞いていただきたいと思いますが、まずその中で資料1、年代別人口転出入超過数をごらんいただきたいと思います。 これは、2011年から2014年までの4年間における東京都の全特別区と福岡市、北九州市の年代別の転出入の超過数の表であります。この表を見て私が最初に思ったことは、本市は全世代の中で唯一10歳代だけが転入超過であるということ、そして、東京と本市は50歳以上の全ての年代が転出超過であるのに対し、福岡市は50歳以上が全て転入超過で、まるで定住・移住促進が福岡では進んでいるかのように見えます。 人口減少を食いとめるには、転入をふやし、転出を減らすこと、これは言うまでもありません。転入の増加策については、現在市で進めている定住・移住促進施策に期待するところでありますが、出ていく人を減らすことへの取り組みも私は大変重要だと考えています。 そこで、資料1に基づき、転出について3点お尋ねします。 初めに、ゼロ歳から9歳までの人口は、2011年から2014年の4年間で768人の転出超過となっています。この年代は本人の意思ではなく保護者の都合によるものと思われますが、その原因と転出超過に対する本市の対応策についてお尋ねします。 次に、20歳代についてですが、表を見てのとおり、4年間で3,108人と大幅な転出超過になっています。中でもこれは22歳に限ると、4年間で1,529人の転出超過となっており、その原因と転出超過に対する対応策についてお尋ねします。 最後に、意外なデータだと感じたのが、高齢者の転出超過です。本市の場合、高齢者福祉施設や医療が充実していると紹介されているにもかかわらず、70歳代と80歳代の方が転出超過になっています。90歳以上も同様です。その原因と転出超過に対する対応策についてお尋ねします。 次に、2018年問題についてお尋ねします。 皆さん、2018年問題というのを御存じでしょうか。今度は資料2、2031年までの18歳人口の動態と4年制大学進学者数予測を見ていただきたいと思います。この表に基づき2018年問題について説明いたします。 2018年問題とは、2009年以降横ばいだった日本の18歳の人口が2018年ごろから再び減り始めるため、国内の多くの大学が定員割れとなり、次々に経営破綻していくのではないかという問題です。日本の18歳人口は1992年の205万人から2009年には121万人へと激減しました。しかし、この時期は大学進学率が26%から50%に伸びたため、進学者は逆に増加しました。その後18歳人口は2017年までほぼ横ばいの状態で推移していきますが、2018年以降に再び減少に転じ、推計では2031年までに100万人台を割り込むとまで言われています。 大学進学者数は、こうした人口減少の影響をそのまま受け、2018年の65万人から2031年には17万人も減少し、48万人まで落ち込むと見られています。既に2015年時点で約4割の私立大学が定員割れの状態にある中、2018年以降は私立大学だけではなく、地方国公立大学にまでその影響が及ぶのではないかと懸念されています。 これが2018年問題というやつですが、この問題を踏まえ、本市の状況を考えてみたいと思います。いま一度、今度は資料1を見ていただきたいと思います。本市では、全世代の中で10歳から19歳のみが2,134人の転入超過となっています。実は、そのうち18歳人口は2,129人の転入超過となっています。つまり、大学が多く立地する本市では、大学入学者で転入増を稼いでいるというのが現状なのであります。 そこで、お尋ねします。 まず、大学進学者が減少していくと言われる2018年問題が本市に与える影響について見解をお聞かせください。 次に、首都圏における市内大学のPRについてのお尋ねです。 本市内の大学は、東京を含めた東日本から受験する学生が少ないと聞いています。間もなく東京の有楽町に新しくオープンする東京事務所は、以前に比べてかなり広いスペースとなるということですので、そこで市内大学のPRと進学相談などを実施し、東京を含めた東日本から受験する学生をふやすお手伝いをしていただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。 2018年以降の大学進学者の減少は、定員割れから経営が立ち行かなくなり、廃校に追い込まれる大学を出してしまうおそれがあります。これは立地する自治体にも大きな問題です。特に私立大学は心配であり、これは本市も例外ではありません。そこで、本市内大学全体の魅力向上に向けた取り組みを強める必要があると考えますが、見解をお聞かせください。 次に、大学と産業界の連携は、イノベーションを起こし、ベンチャー企業の創出など、大学の魅力向上と本市産業の発展には欠かすことができません。また、それをコーディネートする官の役割も重要です。本市には、かつて産業を所管する経済局と学術を所管する企画・学術振興局とを再編し、産業学術振興局という局をつくり、産学官の連携を進めてきた歴史があります。本市の産学官の連携に関する考え方と、本年度から大学の所管を産業経済局から企画調整局に移した狙いについてお聞かせください。 最後に、2018年問題は、市が所管する北九州市立大学でも定員割れを起こし、厳しい状況に追い込む可能性があります。今後、この問題を踏まえれば、市内の個々の大学が個別に対応してもなかなか難しいのではないかと考えています。 そこで、私からの提案ですが、市内の北九州市立大学、九州工業大学、産業医科大学、九州歯科大学を統合した本格的な総合大学をつくってはいかがでしょうか。市内の大学の強みを結集することで九州大学をりょうがし、2018年以降にも市内で勝ち残っていく大学をつくるべきだと考えます。そのための構想づくりを早速進めてみてはどうかと思いますが、見解をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 村上議員の御質問にお答えいたします。 年代別人口の転出入の問題についてお答えさせていただきます。 本市の転入・転出の状況については、製造業の雇用吸収力が下がってきました。また、機能が集約されてきました。そうした事情によりまして、転出の超過が昭和40年ごろから50年以上続いております。多いときには約1万5,000人もの転出超過の年もありました。これまで企業誘致などの各種の取り組みによりまして、転出超過は落ちつきつつあるものの、20歳代、30歳代の転出超過は年間約2,100人となっております。 転出先は、全世代の合計で東京圏、福岡市が約8割を占めております。近年、国と各自治体が地方創生に取り組む一方で、国全体では若者と企業の東京一極集中が加速し、また、九州の中では福岡市への一極集中の影響が出ているものと思います。 昨年の本市の転出・転入数を合わせた人口移動は約8万9,000人となっております。転出者の数に大きな変化はありませんが、転入者の数が減少しているために、転出超過の状態が近年続いております。したがって、人口移動の対策としましては、景気の動向や雇用状況などの社会情勢を踏まえ、転入者をふやすことが基本と考えております。あわせて御指摘のように転出者の抑制にも取り組む必要があります。 各年代別の転出状況についてでありますが、ゼロ歳から9歳の転出は、その保護者に同伴するものであると思われますから、転出超過の原因は保護者世代が多い30歳代の転勤などによる転出超過が主な原因と考えております。ゼロ歳から9歳の転出を引きとめるため、主な保護者世代である30歳代に向けて、子育て環境や住環境、教育環境などの更なる充実や、保護者が近隣に転勤となっても本市から通勤してもらうための企業や他都市の事例などの施策の研究、転入を促進して転出を抑制するための雇用の場の拡大など、家族で引き続き本市に住み続けていただけるよう取り組みを進めます。 次に、20歳代についてです。初めての就職や若いうちの転職のタイミングとなりますが、本市ではこの年代のニーズに合った就職先の確保や、市内企業の魅力の更なる発信力という課題があります。特に、20歳代前半では市内の大学の卒業者の約8割が市外の企業に就職しているのに対し、同年代の市外からの転入、つまり市内への就職は少ないということが転出超過の主な要因となっております。 一方で、昨年の調査によると、企業、本社の東京圏の転入が前年に比べて13%増加して過去最も多くなったと報道されましたが、東京圏への若者の流出に拍車がかかるおそれもあります。このため、地方への企業・本社移転に対する国の更なる施策の強化を要望しているところでありますが、本市としてもさまざまな誘致策など強化する必要が大きいと考えております。 具体的には、東京圏で採用難になっております情報通信産業の誘致や本社研究機能などの誘致の強化、また、特に大学生についてはインターンシップの強化や、就職情報サイトにおける新卒採用支援などによる市内就職の促進、加えて新たな取り組みとして、東京圏からの地方創生インターンシップや、福岡市内の大学に対する地元企業のPRの実施、また、地元就職促進に向けた奨学金返済支援の検討などに取り組んでまいります。 また、市内大学の就職担当者にヒアリングをしておりますと、大都市との賃金格差も転出の一因になっていることがあり得るというお話もございました。地元経済界の皆様方にもますます頑張っていただいて、市内企業の処遇改善など人材確保のための取り組みを進めていただきたいと思いますが、行政と企業が一体となって地元中小企業を含む産業振興、また、大学生、高校生に地元の企業の魅力、将来性をしっかりと伝えるゆめみらいワークというのを、昨年に続いてことしも数千人の学生さんが集まっておりますけれども、そうした若者の地元定着、また、生活天国と週刊誌で評価をされましたが、物価、住宅費がこれほど安い大都市というのは日本にはないと思いますが、そういうよさも、一面的な賃金だけではなくて、そういうよさもあるんだということを伝えていく必要があると感じております。 70歳以上につきましては、健康上などの理由から日常生活に不安を抱え、市外に居住する親族と同居するための転出など、一般的に高齢者のお世話をする親族の事情に左右されることが大きいと考えられます。そこで、本市に親族がいるなどゆかりのある40歳代及び50歳代の転入を促し、70歳代以上の方も含めた中高年齢者が安心して長く本市に住み続けていただくことが必要であります。 本市では、生涯活躍のまち構想の移住拠点モデルとして全国、また、東京圏からのアクティブシニアの移住を促進しています。このたび開設したシニア・ハローワークは日本で初めての試みですが、求職者とのマッチングなどアクティブシニアの方々に長年培った技術、経験などを生かして地元にUターン、Iターンをして活躍していただけるように取り組んでまいりたいと思います。このためにも、地元経済界におきましても、ぜひともアクティブシニア、シニア世代の求人開拓、雇用の拡大を期待いたしております。 このように、本市としましては地元経済界と更に連携を強化いたしまして、さまざまな世代に対する転出防止策をきめ細やかに行い、企業誘致、市内企業の支援などによって雇用をふやす取り組みを積極的に進め、本市のまち・ひと・しごと創生総合戦略をオール北九州で加速させていく必要があると改めて感じております。 残余の質問は、担当局長からお答えさせていただきます。 ○議長(戸町武弘君) 企画調整局長
    企画調整局長(西田幸生君) 2018年問題についての5点の御質問に順次お答えいたします。 大学を取り巻く環境は、少子化や社会情勢等の変化によりまして厳しい状況を迎えつつあります。このため、特に私立大学では大学運営に苦慮する学校も多くなっていると聞いております。市内の大学には約2万3,000人の学生が在籍をされております。今後、市内の大学への進学者が減り、本市の若者人口が大きく減少することになれば、大学の経営そのものへの影響に加えまして、地元企業の人材確保などに影響が生じるおそれがあります。このような点から2018年問題は本市としても重要な課題であると受けとめております。 2点目の首都圏でのPRでございます。市内の大学におきましても近年の少子化等の流れに危機感を持ち、大学経営の効率化、特色のある教育活動の展開や学生募集活動等、さまざまな努力を行っております。大学の学生募集活動は重要でありまして、市内の大学から東京事務所を活用し、首都圏から学生を集めるため、パンフレットや募集要項の配置、進学相談会を開催したいなどの要望がありましたら、市としても応援したいと思っております。 このほかにも東京などで開催される本市の関係イベントにおける大学PRブースの出展なども有効ではないかと考えております。いずれにしましても、市内大学のPRにつきましては、大学の希望を踏まえながら、市が行う地方創生に関連する事業などでも支援を検討したいと思っております。 3点目の市内大学全体の魅力向上に向けた取り組みを強めることでございますけども、市内大学全体の魅力向上については、市内のみでなく、関門などを含めた大学の連携が進んでおります。具体的には、学生が市民や企業と協働し、環境や地域の問題解決に取り組む北九州まなびとESDステーションや、学生と地元企業との共同プロジェクトにより地元就職を促進し、本市の地方創生にも貢献するCOCプラス事業などにおきまして、大学の魅力の向上に取り組んでおります。 本市としても市内大学の魅力を情報発信するため、その活動の市ホームページへの掲載、市政テレビでの放送などで具体的な提案を行い、応援したいと考えております。本市としても市の魅力向上に全力で取り組むとともに、各大学の取り組みにつきましても連携して支援してまいりたいと考えております。 次に、4点目の本市の産学官連携に関する考え方と、大学の所管を企画調整局に移した狙いでございます。 本市では新たな産業の創出、技術の高度化を目指すため、産学官連携に取り組んでまいりました。この産学官連携は、特に独自に研究開発機能を持つことが難しい地元中小企業にとって、事業拡大などにつながる重要な支援策となっておりまして、大学にとっても研究の活性化につながっております。このため、産業振興分野での産学官連携につきましては、本市の新成長戦略においても重点的な取り組みの一つと位置づけておりまして、引き続き産業経済局が中心となって取り組むこととしております。 今後、本市のまちづくりにおいては、産業振興分野のみならず、地方創生の主要目標であります若者の定着、シビックプライドの醸成、子育て環境の充実などさまざまな分野で産学官等の連携を進める必要がございます。このため、理科系に限らず文科系も含めた大学の持つ知恵と力、若者の活力などをまちづくりに生かすことが重要と考えております。 一方、本市では平成28年度組織改正で、総合的な観点からまちづくりを企画立案し、庁内の調整を行う組織として企画調整局を新設したところであります。この中で大学の取り組みを地方創生を初めとする本市のまちづくり全体に生かすため、企画調整局に大学の所管を移したものでございます。 最後に、強みを生かし、市内大学を統合した総合大学の創設について考え方をお答えいたします。 本市には、設置主体や建学の精神、教育研究の方向性などが異なるさまざまな大学が立地しております。このことは大学を目指す若者の幅広い選択を可能としております。一方で、少子化が加速する現状から、全国各地におきましても、これまでも大学の再編や統合があっていることは認識をしております。 市内大学の統合につきましては、スケールの大きい大変壮大な御提案であり、大学運営の効率化や知名度向上などのメリットが期待できます。その一方で、統合する大学の設置主体をどうするのか、毎年100億円を上回ると想定されます大学の運営費交付金はどこが負担するのか、また、大学の強みであります個性が統合により薄れないかなど多くの課題がございまして、やや現実的ではないと思われます。 一方、現在市内の大学はそれぞれの自治と主体性を保ちながら、その強みや特徴を生かしつつ、共同研究の実施、就職の支援、職員の研修など大学間で連携を進めております。本市としてもこのような動きが加速することを期待し、さまざまな支援をしているところであります。 2018年問題と言われる18歳人口の減少は、今後の大学運営に大きな影響を及ぼす問題であります。本市としては市内大学にとってメリットとなる連携事業を支援するとともに、全国における大学の再編や統合の動きにつきましても注視してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(戸町武弘君) 4番 村上議員。 ◆4番(村上幸一君) 御答弁ありがとうございました。少し時間がありますので、第2質問をしたいと思います。 本格的な総合大学についてですが、今西田局長から現実的でないと。これは市の職員としては立派な答弁だと思います。僕はこれはやっぱり政治の話だと自分自身は感じておる次第でございまして、大阪においては大阪府立大学と大阪市立大学との統合の話が今進んでいるのは皆さん御存じだと思っています。これは府と市の壁を乗り越えた統合の話であります。 きょうお話ししたのは、国、県、市という3つの壁を乗り越えなくちゃいけないから、更にハードルは高いわけでありますが、僕は今、これはチャンスだと思っています。その理由は何かといいますと、まず、北九州市と国との関係、ことし国家戦略特区の指定を受けました。また、G7環境大臣会合も北九州で開催されました。また、地元の山本幸三議員が地方創生大臣となっています。北九州市と国との関係は本当に今いい関係ができています。こういう関係を生かさなくちゃいけません。 また、福岡県との関係もしかりでございます。北橋市長と小川知事の関係は、非常に僕は良好だと思っています。そのことが北九州空港の支援やさまざまなイベントの開催、例えばTOKYO GIRLS COLLECTION等、そういったものに反映されているんだと思っています。そういった今の国、県、市の良好な関係を生かしてこそ、私はチャンスがあるんだと思っています。ぜひ北橋市長に政治家としての御意見をお伺いしたいと思います。 ○議長(戸町武弘君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) この大学の2018年問題が市議会で本格的に論じられるのは初めてではないかと思います。大変関係者の間でも非常に重要な問題、ややピンチとして捉える向きも多いように思います。しかし、ピンチは同時にチャンスともなり得るわけでありまして、北九州の将来のためにアカデミックなこの学術の世界において、より強力な発信というものは多くの方が期待されていたこともあわせますと、単にこれをピンチのウエーブがこの北部九州にもやってくるというよりは、それを乗り越えるために、どうやって新しい目標に向かって頑張っていくかという議論は、大変大事だと思います。 昨今のこの九州におきましても、国立大学で医科大と合併するとか、九大は芸工大と合併しましたし、こういう状況を見てきますと、将来こういうことはあり得ないことではないと考えます。 ただ、大学にとりましては非常に重大な、また、シリアスなテーマでもありますので、それぞれの大学が一生懸命チャレンジをされておられます。模索もされておられますので、それぞれの大学が当面どのようにしてこの波を乗り越えていくのかということをお考えだと思いますから、その御意向がどうかということがまずは大事ではないかと。ただ、言えることは、いずれにしても産学官金労言住ということで、地方創生の成功モデルを目指しているわけですから、この連携のよさ、国、県、市のパイプ、これはそういった意味では大学にとっては非常に追い風だと思いますので、そうした面からの私どもができるバックアップはしたいと思っております。動きを見守りたいと思います。 ○議長(戸町武弘君) 4番 村上議員。 ◆4番(村上幸一君) 市長から御答弁いただきました。本当にありがとうございます。私は本当に北橋市長のお人柄、これが国、県、市を、この3つを結びつけるものになると思っています。ぜひこのことを、今すぐはできないことかもしれませんが、しっかりとこの町のために御検討いただきたいと思います。 きょうはこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(戸町武弘君) 以上で一般質問は終わりました。 本日の日程は以上で終了し、ここでお諮りいたします。9月21日は議事の都合により休会にしたいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 次回は9月27日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで散会いたします。                  午後2時59分散会...