北九州市議会 > 2000-02-24 >
02月24日-01号

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  1. 北九州市議会 2000-02-24
    02月24日-01号


    取得元: 北九州市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    平成12年 2月 定例会(第1回)議事日程(第1号)                        平成12年2月24日(木曜日)午前10時開会(開 会)●諸報告 1 報告第1号 専決処分の報告について 2 請願の処理結果及び経過の報告について(市長) 3 請願の処理経過の報告について(教育委員会) 4 監報第20号 定期監査結果報告書の提出について 5 監報第21号 出納検査結果報告書の提出について 6 監報第22号 出納検査結果報告書の提出について 7 監報第23号 定期監査結果報告書の提出について 8 監報第24号 定期監査結果報告書の提出について 9 監報第25号 出納検査結果報告書の提出について 10 監報第26号 出納検査結果報告書の提出について 11 平成11年度包括外部監査結果報告書の提出について 12 請願、陳情の付託について第1 会期の決定について第2 大都市税財政制度確立等特別委員会の中間報告第3 産業活性化対策特別委員会の中間報告第4 少子・高齢化社会対策特別委員会の中間報告第5 環境部市づくり対策特別委員会の中間報告第6 都市開発・都市交通対策特別委員会の中間報告第7 まちづくり推進対策特別委員会の中間報告第8 議案第1号 平成12年度北九州市一般会計予算について第9 議案第2号 平成12年度北九州市国民健康保険特別会計予算について第10 議案第3号 平成12年度北九州市食肉センター特別会計予算について第11 議案第4号 平成12年度北九州市簡易水道特別会計予算について第12 議案第5号 平成12年度北九州市農業共済特別会計予算について第13 議案第6号 平成12年度北九州市中央卸売市場特別会計予算について第14 議案第7号 平成12年度北九州市渡船特別会計予算について第15 議案第8号 平成12年度北九州市国民宿舎特別会計予算について第16 議案第9号 平成12年度北九州市競輪、競艇特別会計予算について第17 議案第10号 平成12年度北九州市土地区画整理特別会計予算について第18 議案第11号 平成12年度北九州市土地区画整理事業清算特別会計予算について第19 議案第12号 平成12年度北九州市港湾整備特別会計予算について第20 議案第13号 平成12年度北九州市北九州大学特別会計予算について第21 議案第14号 平成12年度北九州市公債償還特別会計予算について第22 議案第15号 平成12年度北九州市住宅新築資金等貸付特別会計予算について第23 議業第16号 平成12年度北九州市土地取得特別会計予算について第24 議案第17号 平成12年度北九州市老人保健医療特別会計予算について第25 議案第18号 平成12年度北九州市駐車場特別会計予算について第26 議案第19号 平成12年度北九州市母子寡婦福祉資金特別会計予算について第27 議案第20号 平成12年度北九州市産業用地整備特別会計予算について第28 議案第21号 平成12年度北九州市廃棄物発電特別会計予算について第29 議案第22号 平成12年度北九州市漁業集落排水特別会計予算について第30 議案第23号 平成12年度北九州市介護保険特別会計予算について第31 議案第24号 平成12年度北九州市上水道事業会計予算について第32 議案第25号 平成12年度北九州市工業用水道事業会計予算について第33 議案第26号 平成12年度北九州市交通事業会計予算について第34 議案第27号 平成12年度北九州市病院事業会計予算について第35 議案第28号 平成12年度北九州市下水道事業会計予算について第36 議案第29号 北九州市到津の森公園基金条例について第37 議案第30号 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う         関係条例の整理に関する条例について第38 議案第31号 北九州市行政手続条例の一部政正について第39 議案第32号 北九州市個人情報保護条例の一部改正にっいて第40 議案第33号 北九州市事務分掌条例の一部改正について第41 議案第34号 北九州市職員の育児休業等に関する条例等の一部政正について第42 議案第35号 北九州市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について第43 議案第36号 北九州市手数料条例について第44 議案第37号 北九州市特別会計条例の一部改正について第45 議案第38号 北九州市印鑑条例の一部改正について第46 議案第39号 北九州市認可地縁団体印鑑条例の一部政正について第47 議案第40号 北九州市社会福祉施設の設置反び管理に関する条例等の一部改正について第48 議案第41号 北九州市福祉地区及び福祉事務所設置条例の一部改正について第49 議案第42号 北九州市介護保険条例について第50 議案第43号 北九州市介護円滑導入臨時特例交付金事業推進基金条例について第51 議案第44号 北九州市介護給付準備基金条例について第52 議案第45号 北九州市市民福祉センター条例の一部改正について第53 議案第46号 北九州市心身障害者扶養共済制度条例の一部改正について第54 議案第47号 北九州市国民健康保険条例の一部改正について第55 議案第48号 北九州市興行場営業許可申請手数料条例の一部改正について第56 議案第49号 北九州市化製場等の変更届出事項等に関する条例の一部改正について第57 議案第50号 北九州市食品衛生法に基づく公衆衛生上講ずべき措置の基準等に関する条         例について第58 議案第51号 北九州市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部改正について第59 議案第52号 北九州市産業観光施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第60 議案第53号 北九州市農業共済条例の一部改正について第61 議案第54号 北九州市漁業集落排水処理施設条例について第62 議案第55号 北九州市漁港管理条例の一部改正について第63 議案第56号 北九州市中央卸売市場業務条例の一部改正について第64 議案第57号 北九州市屋外広告物条例の一部改正について第65 議案第58号 北九州市準用河川占用料等徴収条例について第66 議案第59号 北九州市都市計画審議会条例について第67 議案第60号 北九州市自転車の放置の防止に関する条例の一部改正について第68 議案第61号 北九州市開発審査会条例の一部政正について第69 議案第62号 北九州都市計画折尾駅前地区第1種市街地再開発事業施行規程の廃止につ         いて第70 議案第63号 北九州都市計画事業徳力土地区画整理事業施行規程の一部改正について第71 議案第64号 北九州都市計画事業下上津役中央地区土地区画整理事業施行規程の一部改         正について第72 議案第65号 北九州市臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例の一部改正         について第73 議案第66号 北九州市の管理する港湾の港湾区域内及び港湾隣接地域内における水域の         占用等に関する条例について第74 議案第67号 北九州市海岸保全区域占用料等徴収条例について第75 議案第68号 北九州市火災予防条例の一部改正について第76 議案第69号 北九州市消防団員の定員、任用、給与、分限、懲戒、服務等に開する条例         の一部改正について第77 議案第70号 北九州市立看護専門学校奨学金貸与条例の一部改正について第78 議案第71号 北九州市教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第79 議案第72号 北九州市奨学資金条例の一部改正について第80 議案第73号 北九州大学(仮称)国際環境工学部校舎棟建設工事請負契約の一部変更に         ついて第81 議案第74号 北九州大学(仮称)国際環境工学部校舎棟建設電気工事請負契約の一部変         更について第82 議案第75号 北九州大学(仮称)国際環境工学部校舎棟建設機械工事請負契約の一部変         更について第83 議案第76号 (仮称)学術・研究都市産学連携センタービル建設工事請負契約の一部変         更について第84 議案第77号 (仮称)学術・研究都市交流センター建設工事請負契約の一部変更につい         て第85 議案第78号 絵画の取得について第86 議案第79号 包括外部監査契約締結について第87 議案第80号 公有水面埋立てによる土地確認について第88 議案第81号 字の区域の変更について第89 議案第82号 町及び字の区域及び名称の変更について第90 議案第83号 町の区域の変更について第91 議案第84号 土地改良事業の施行について第92 議案第85号 土地改良事業の施行について第93 議案第86号 字の区域の変更について第94 議案第87号 北九州市施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の委託に関         する協議について第95 議案第88号 大阪府都市競艇組合施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務         の受託に関する協議について第96 議案第89号 蒲郡市施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の受託に関ず         る協議について第97 議案第90号 下関市施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の受託に関す         る協議について第98 議案第91号 宮島競艇施行組合施行モーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の         受託に関する協議について第99 議案第92号 戸田競艇組合施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の受託         に関する協議について第100 議案第93号 箕面市施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の受託に関す         る協議について第101 議案第94号 府中市施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の受託に関す         る協議について第102 議案第95号 浜名湖競艇企業団施行モーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の         受託に関する協議について第103 議案第96号 青梅市施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の受託に関す         る協議について第104 議案第97号 尼崎市施行のモーターボート競走に伴う場外発売に係る事務の受託に関す         る協議について第105 議案第98号 土地の取得について第106 議案第99号 土地の取得について第107 議案第100号 新北九州空港連絡道路上部工第2工区及び上部工第3工区建設工事委託          協定締結について第108 議案第101号 新北九州空港連絡道路下部工第4工区及び下部工第5工区建設工事委託          協定締結について第109 議案第102号 基本財産の額の増加に係る福岡北九州高速道路公社の定款の変更に関す          る同意について第110 議案第103号 基本財産の額の増加に係る福岡北九州高速道路公社の定款の変更に関す          る同意について第111 議案第104号 損害賠償の額の決定及び和解について第112 議案第105号 平成11年度北九州市一般会計補正予算について第113 議案第106号 平成11年度北九州市簡易水道特別会計補正予算について第114 議案第107号 平成11年度北九州市競輪、競艇特別会計補正予算について第115 議案第108号 平成11年度北九州市土地区画整理特別会計補正予算について第116 議案第109号 平成11年度北九州市港湾整備特別会計補正予算について第117 議案第110号 平成11年度北九州市北九州大学特別会計補正予算について第118 議案第111号 平成11年度北九州市老人保健医療特別会計補正予算について第119 議案第112号 平成11年度北九州市産業用地整備特別会計補正予算について第120 議案第113号 平成11年度北九州市漁業集落排水特別会計補正予算について第121 議案第114号 平成11年度北九州市下水道事業会計補正予算について第122 議員提出議案 北九州市小児ぜん息患者医療費支給条例について   第  1  号(散 会)会議に付した事件●諸報告 1 報告第1号 2 請願の処理結果及び経過の報告について(市長) 3 請願の処理経過の報告について(教育委員会) 4 監報第20号から 10 監報第26号まで 11 平成11年度包括外部監査結果報告書の提出について 12 請願、陳情の付託について日程第1  会期の決定について日程第2  大都市税財政制度確立等特別委員会の中間報告から日程第7  まちづくり推進対策特別委員会の中間報告まで日程第8  議案第1号から日程第122 議員提出議案第1号まで出席議員(64人)  1番 木 村 正 幸     2番 上 田 唯 之  3番 梶 野 皓 生     4番 城 戸 武 光  5番 河 崎   誠     6番 田 仲 一 雅  7番 井 上 勝 二     8番 吉 尾   計  9番 木 下 憲 定     10番 三 村 善 茂  11番 浜 田 順 治     12番 木 村   証  13番 渡 辺 譲 治     14番 蔵 田   博  15番 細 川 政 勝     16番 武 智   弘  17番 後 藤 俊 秀     18番 佐々木 健 五  19番 新 上 健 一     20番 戸 町 武 弘  21番 香 月 耕 治     22番 加 来 茂 幸  23番 三 原 征 彦     24番 中 島 慎 一  25番 片 山   尹     26番 鷹 木 勝 治  27番 吉 田 通 生     28番 井 生 猛 志  29番 平 山 政 智     30番 石 田 康 高  31番 野 依 勇 武     32番 水 町 勝 利  33番 荒 川   徹     34番 田 村 貴 昭  35番 原 田 里 美     36番 有 馬 和 子  37番 柳 井   誠     38番 原   博 道  39番 橋 本 和 生     40番 髙 尾 新 一  41番 吉 河 節 郎     42番 平 田 勝 利  43番 西   豊 磨     44番 小 野 臣 博  45番 木 村 優 一     46番 桂   茂 実  47番 赤 松 文 雄     48番 宮 田 義 髙  49番 堀 口 勝 孝     50番 泊   正 明  51番 安 藤 正 道     52番 佐 藤 昭 紀  53番 重 田 幸 吉     54番 中 川   壽  55番 原 田 照 男     56番 春 田   篤  57番 長 野 敏 彦     58番 馬 場 一 榮  59番 福 島   司     60番 松 井 克 演  61番 世 良 俊 明     62番 江 島   勉  63番 森   浩 明     64番 三 宅 まゆみ欠席議員(0人)説明のために出席した者の職氏名  市  長    末 吉 興 一    助  役    内 貴   滋  助  役    岡 田 光 由    収 入 役   山 下 建 治  企画局長    久 保 公 人    総務局長    岩 橋   毅  財政局長    山 﨑 重 孝    市民局長    柿 本 和 夫  保健福祉局長  駒 田 英 孝    環境局長    奥 野 照 章  経済局長    志 賀 幸 弘    建設局長    今 里   稔  建築都市局長  會 田 満 義    港湾局長    中 尾 成 邦  北九州大学              消防局長    折 田 弘 信  事務局長    花 房 昭 一  水道局長    矢 野   浩    交通局長    木 原 信 之  病院局長    山 柿 勝 利    教 育 長   石 田 紘一郎  選挙管理委員会            人事委員会  事務局長    武 谷 忠 雄    事務局長    古 長 和 雄  監査事務局長  嘉 藤 紘 志職務のために出席した事務局職員の職氏名  事務局長    造 田 昌 孝    次  長    西   哲 功  議事課長    金 川 靖 弘    議事係長    山 下 恵 介  書  記    椿   利 行会議の経過                午前10時00分開会 △日程第1 会期の決定 △日程第2 日程第2から日程第7までの各特別委員会の中間報告 △日程第8 議案第1号から 日程第122 議員提出議案第1号まで ○議長(武智弘君) ただいまから、平成12年2月北九州市議会定例会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事はお手元配付の議事日程により進行いたします。 日程に入る前に諸報告をいたします。市長、教育委員会、監査委員及び包括外部監査人から11件の報告があっております。なお、それぞれの写しは各議員あて送付しておりますので、御了承願います。 次に、請願8件及び陳情9件を所管の常任委員会にそれぞれ付託いたしました。 以上、報告いたします。 日程第1 会期の決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。会期は本日から3月27日までの33日間としたいと思います。これに御異議ありませんか。               (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、会期は33日間と決定いたしました。 次に、日程第2から日程第7までの各特別委員会の中間報告を行います。各特別委員会の中間報告は、いずれもお手元配付の文書により行いますので、御了承願います。 以上で、各特別委員会の中間報告を終わります。 日程第8 議案第1号から、日程第122 議員提出議案第1号までの115件を一括して議題といたします。 まず、議案第1号から114号までの114件について提案理由の説明を求めます。市長。 ◎市長(末吉興一君) 21世紀を目前に控え、少子・高齢化や国際化、情報化の急速な進展など、現在、我が国は、明治維新、第2次世界大戦後に次ぐ時代の節目にあり、社会・経済環境は大きく変化し、先の見えない状況が続いております。 また、地方公共団体をめぐる状況も、地方分権や規制緩和の進展により、提供するサービスの質がますます問われる時代となり、都市間の競争は一層激しくなるとともに、あわせて広域連携の必要性も高まるものと考えます。 とりわけ本年4月から実施される介護保険制度は、都市の力量やその将来を問うものとなると言っても過言ではありません。 このような中、本市としては、北九州市ルネッサンス構想の実現を目指し、北九州方式による高齢社会対策や生活道路など、市民に身近な生活環境の整備を進めるとともに、将来の発展を支える新北九州空港、響灘大水深港湾、東九州自動車道、北九州学術・研究都市という地域経済の活性化、少子・高齢社会対策など保健福祉施策の推進、環境未来都市の創造、教育・文化の充実、暮らしやすいまちづくり、失礼、大変失礼しました。議長、済みません。 ○議長(武智弘君) いいえ、どうぞ、続けてください。 ◎市長(末吉興一君) 大変失礼しました。将来の発展を支える新北九州空港、響灘大水深港湾、東九州自動車道、北九州学術・研究都市という4大プロジェクトを着実に推進しており、再生から浮揚へ向けての基盤整備は確実に整いつつあるものと考えております。 とりわけ、昨年は、資源循環型社会の構築を目指す北九州エコタウン事業の推進や総合保健福祉センターの完成、第25回日米市長及び商工会議所会頭会議の開催など本市の個性あるまちづくりが進み、ますます国際性が増じた1年でありました。 このような大きな時代の変わり目の中で、これまでの取り組みの成果を踏まえ、21世紀という新しい時代の扉を開き、北九州新時代を築くためには、本市の独自性を再認識するとともに、新たな時代に対応した個性あふれるまちづくりを進めなければなりません。 その指針となるものが、北九州市ルネッサンス構想第三次実施計画であります。第三次実施計画では、まちづくりの基本的な方向として、環境未来都市の創造に向けて、少子・高齢社会モデル都市の創造に向けて、教育・文化充実都市の創造に向けて、産業・頭脳未来都市の創造に向けて、交流・物流拠点都市の創造に向けて、地域・生活充実都市の創造に向けてという6つの戦略的なビジョンを掲げ、その実現を目指すとともに、都市経営の視点に立って、本市の持つあらゆる資源を効果的、集中的に役人して、施策を展開することとしております。 また、真の意味での地方分権とは、市民が、まちづくりについて、その歴史や風土を踏まえながら、みずから考え、実行し、その責任を分かち合うことであるという認識のもと、市民が主体のまちづくりを進めることとしております。 そこで、第三次実施計画が実質的にスタートする平成12年度予算は、計画に掲げる6つのまちづくりの方向に向け、確かな第一歩を踏み出すことを念頭に置き、21世紀新時代を創る来来づくり予算として、地域経済の活性化、少子・高齢社会対策など保健福祉施策の推進、環境未来都市の創造、教育・文化の充実、暮らしやすいまちづくり、未来を支える学術研究など都市基盤の整備の6点に重点を置いて編成いたしました。 予算編成に当たっては、昨年の公共事業、公共施設等の見直しに関する提言を真しに受けとめ、反映するとともに、ゼロベースの視点に立ち、市民のニーズや経済性、効率性、有効性に着目して、施策の選択を行いました。 また、21世紀に本市が直面するさまざまな課題を克服するため、新たに未来づくり政策推進費を設けました。 この予算に盛り込まれた施策を着実に実施するとともに、本市を取り巻く厳しい状況にかんがみ、引き続きより一層の行財政改革の推進を図ることによって、地方分権時代にふさわしいみずからの力で切り開くまちづくりを進めてまいります。議員各位の格別の御指導、御協力をお願い申し上げる次第でございます。 それでは、まず、予算議案から御説明いたします。 今回提出いたしました平成12年度当初予算の規模は、一般会計5,697億3,000万円、普通特別会計5,001億8,039万円、企業会計1,332億3,138万円、計1兆2,031億4,177万円であります。前年度の当初予算に比較して、一般会計で3.2%の増、普通特別会計で6.6%の増、企業会計で0.2%の減、総額で4.2%の増となっております。 以下、重点項目を中心に、主要事業のあらましを北九州市ルネッサンス構想第三次実施計画に掲げる6つめまちづくりの方向に従って御説明いたします。 まず、環境未来都市の創造に向けてについて御説明いたします。 環境未来都市の創造については、市民の関心が高い環境問題について、積極的に取り組むことにより、環境未来都市づくりを推進します。 まず、第4回国連アジア太平洋経済社会委員会ESCAP環境大臣会議を日本で初めて開催し、本市の環境問題に対する先駆的な取り組みを国内外にアピールします。また、環境国際協力推進計画に基づき、一層の環境国際協力事業を推進します。 更に、容器包装リサイクル法への対応として、7月から紙パック、白色発泡トレイの拠点回収を行い、ごみの資源化、減量化に努めます。 このほか、日明工場ダイオキシン抑制対策事業ダイオキシン類対策事業等を実施するほか、市が所有するPCB廃棄物の集中保管管理を行うなど、環境汚染の防止対策にも積極的に取り組みます。 下水道事業については、引き続き普及の推進や老朽化した施設の計画的な更新を実施するほか、合流式下水道の改善を行うとともに、浸水解消のための雨水対策を進めます。 更に、環境学習や環境交流の活動拠点として、また、ジャパンエキスポ北九州博覧祭2001における環境をテーマとしたパビリオンともなる、仮称環境ミュージアムの建設に着手します。 環境産業の創出・育成については、資源循環型社会の実現に向けて、北九州エコタウン事業の推進を図るとともに、これを総合的に支援する中核施設として、仮称エコタウンセンターを建設します。 都市環境の整備については、良好な水辺空間の創出や自然に優しい川づくりを推進し、子供たちが自然を体験できる水辺の楽校の整備を行います。 また、市民利用水際線10倍増・20km整備計画の推進を図ります。 更に、到津遊園を引き継ぎ、動物や自然との触れ合いの自然環境教育施設として、仮称到津の森公園を整備します。 そのほか、河内温泉・水と緑の里の整備を進め、中核施設を開設します。 次に、少子・高齢社会モデル都市の創造に向けてについて御説明いたします。 北九州方式の推進については、市民福祉の向上と地域福祉活動の活発化を図るため、戸畑駅南口複合公共施設の建設に着手するとともに、市民福祉センターを中心として、各小学校区における保健福祉活動の充実に取り組みます。 総合的な高齢社会対策の推進については、4月からの介護保険制度の実施に伴い、居宅サービスや施設サービスの充実を図るとともに、市民が安心して利用できる介護保険の仕組みづくりを進めます。 また、介護保険制度の円滑実施のため、低所得者への支援、家族介護・在宅介護の支援、要介護認定の非該当者対策などに取り組みます。 低所得者への支援としては、経過措置として、ホームヘルプサービスの利用料の減額などを実施します。 家族介護・在宅介護の支援としては、在宅寝たきり高齢者等おむつ給付サービス事業などの新規事業を実施します。 非該当者対策としては、在宅高齢者生活援助事業などを新たに実施するとともに、施設入所者のための高齢者生活福祉センターの整備を促進します。 更に、痴ほう性高齢者への総合対策として、徘徊高齢者SOSネットワークシステムの構築などを推進します。 このほか、権利擁護モデル事業の本格実施や、訪問給食サービスモデル事業の事業区域拡大など、現行施策の充実を図ります。 総合的な少子化対策の推進については、少子社会懇談会において、総合的な少子化対策の具体的施策を検討し、仮称新子どもプランの策定に取り組みます。 あわせて、仮称新保育5か年プランを策定するとともに、従来からの延長保育や一時保育、放課後児童健全育成事業、学童保育クラブの充実や、仮称子どもの館の開館に向けた整備、ほっと子育てぶれあい事業の市内全区への拡大のほか、新たに地域における子育て支援連携モデル事業を実施するなど、地域と一体となった少子化対策に取り組みます。 総合的な障害者施策の推進については、障害者施策推進基本計画を着実に推進するため、障害者ホームヘルプサービスの充実を図るとともに、小倉南区と門司区で仮称障害者地域活動センターの施設を整備します。 また、障害者小規模共同作業所運営補助の充実や精神障害者地域生活支援事業などを実施するとともに、2002年に開催予定の世界車いすバスケットボール選手権大会の開催準備や、第4回全国知的障害者マラソン大会の開催など、障害者の社会参加を推進するための施策に取り組みます。 こころとからだの健康づくりについては、総合保健福祉センターを健康づくりの中核施設として、民間や関係機関の健康増進施設と連携し、各区保健福祉センターや市民福祉センターを含めた三層構造の中で、市民の健康づくりに関する事業を展開します。 次に、教育・文化充実都市の創造に向けてについて御説明いたします。 豊かな人間性をはぐくむ学校教育の推進については、教育内容の基礎、基本の確実な定着を図り、豊かな人間性とたくましく生きる力を育成するとともに、いじめや不登校などの問題解決に向けて、学校等における相談・指導体制の充実を図るなど、子供の心の教育に取り組みます。 また、幼稚園児の就園や私立幼稚園振興などの私学助成の充実などを図ります。 更に、北九州市奨学資金貸付事業に緊急貸付制度を新設し、会社の倒産などにより家計の急変した生徒、学生を支援します。 そのほか、教育用パソコンや学習ソフトの整備を進め、情報教育の充実を図ります。 教育環境の整備については、ハ幡東区の枝光中学校と枝光北中学校の統合校舎の改築や、老朽化の著しい門司区早靹中学校の校舎改築に着手するなど、計画的な整備を行います。 生涯教育の推進については、若松図書館を移転開設するとともに、学校施設や人材を活用した地域・学校ふれあい事業を展開するなど、生涯学習の推進を図るための各種の施策を実施します。 青少年の健全育成の推進については、さまざまな体験活動の場の提供を図るとともに、シンナー等の乱用など青少年の非行等問題行動に対して、学校、家庭、地域社会が一体となった青少年の健全育成のための施策を展開します。 文化・スポーツの振興については、国際音楽祭、演劇祭及び響ホール企画事業など文化的に質の高い事業を引き続き実施するほか、自分史文学賞10周年記念事業や松本清張記念館の推理劇場新作映像ソフトの制作など文化情報の発信に努めるとともに、市民のスポーツや健康づくりに対するニーズにこたえるため、市民体育祭など各種スポーツ大会を開催するなど、文化・スポーツ活動の振興を図る各種の施策を実施します。 また、文化的環境を整備するため、福岡県と共同で門司港地区拠点文化施設の建設を促進するとともに、引き続き、仮称自然史博物館・歴史博物館や仮称木屋瀬街づくり拠点施設の整備に取り組みます。 次に、産業・頭脳未来都市の創造に向けてについて御説明いたします。 北九州学術・研究都市整備事業の推進については、学術・研究機能の集積のための基盤整備として、引き続き北九州大学仮称国際環境工学部等の施設建設に取り組みます。 情報化の推進については、情報化先進都市づくりを推進するため、情報通信技術開発の在り方に関する調査研究に取り組みます。 活力ある産業社会の創造については、まず、地域における総合的な産業支援体制の充実、強化を図り、新事業、新産業の創出を促進するため、北九州地域新産業創出プラットフォーム形成事業に取り組みます。 また、大学等の研究成果や企業の未利用特許などの地元企業等への技術移転を促進するため、仮称北九州技術移転センター、TLOの整備を支援します。 中小企業の経営基盤の強化としては、金融支援について、十分な融資枠を確保するとともに、新たに、経営者の高齢化に伴う事業継承や事業転換を円滑に進めるため、ものづくり後継者育成事業に取り組みます。 企業立地の促進策としては、企業立地優遇制度を充実すちとともに、広域交通の結節点としてのポテンシャルを生かした産業団地を小倉南区朽綱地区に整備し、市内への企業誘致を図ります。 また、市内企業の人材の確保、育成を支援するとともに、高年齢者就業支援センターを拠点として、中高年者の雇用の促進を図ります。 商業の振興については、商業者の意識転換や人材づくりを支援するとともに、新しい魅力あふれる商業環境を創造するため、21世紀の商業支援システム調査事業や商店街魅カアップ支援モデル事業を実施します。 次に、交流・物流拠点都市の創造に向けてについて御説明いたします。交通・物流拠点都市づくりの推進については、北九州市物流拠点都市づくり基本方針に基づき、陸、海、空の各輸送モードの総合的な推進を図るため、物流拠点整備関連調査に取り組むとともに、引き続き新北九州空港や響灘大水深港湾の整備を推進します。 交通・物流ネットワークの整備促進については、新若戸道路や北九州高速5号線、戸畑大谷線、国道3号黒崎バイパス、東九州自動車道などの広域交通ネットワークの整備を推進します。 また、各プロジェクトを支援する関連道路や物流ネットワークを構築する道路など、都市内幹線道路の整備を図ります。 人が集まる都市空間の整備については、都心の基盤整備のため、マイタウン・マイリバー整備事業を進めるとともに、都心機能向上のための道路整備を推進します。 また、副都心では、撥川を安らぎをもたらすシンボル河川として整備を進めるとともに、副都心の求心力を高める関連道路の整備を推進します。 更に、室町一丁目地区市街地再開発事業や黒崎駅西地区市街地再開発事業により、都心・副都心の整備を一層促進し、魅力ある100万都市の顔づくりを進めます。 国際交流の推進については、今後の本市の国際化施策の指針となる、仮称北九州市国際化推進大綱・2001の策定に取り組むとともに、姉妹都市・友好都市を初めとする海外諸都市との各分野での活発な交流を推進します。 観光・コンベンションの振興については、ジャパンエキスポ北九州博覧祭2001の開催に向け、パビリオンなど関連施設の整備に取り組むとともに、順調に観光客が増加している門司港レトロ地区については、引き続き門司港レトロ第2期計画を推進します。 また、皿倉山懇話会の提言を踏まえ、老朽化の著しい帆柱ケーブルのリニューアルの支援を行います。 広域連携の推進については、福岡市との協調、連携関係を深めるため、福北連携シンポジウムを開催します。 次に、地域・生活充実都市の創造に向けてについて御説明いたします。 個性豊かな地域づくりの推進については、各区役所と曽根、折尾出張所に証明書自動交付機を導入し、休日や時間外の行政サービスを開始するとともに、同出張所に保健福祉関係の相談窓口を設置し、保健福祉相談機能の充実を図ります。 人権の尊重と男女共同参画社会の実現については、男女共同参画フォーラムヘの支援や女性が働きやすいシステムづくりなど、次期女性プランを推進します。 安全で安心な市民生活の確保については、昨年の台風18号等で受けた大きな被害を教訓にして、都市防災体制の一層の強化に取り組みます。そのため、防災情報イントラネットを構築するとともに、総合防災拠点として消防本部庁舎の建設に着手します。 また、引き続き、明るく安全なまちづくり街灯整備事業を実施します。 上水道事業については、安全な水を安定的に供給するため、長期構想に基づき、経年施設の計画的更新や東西連絡管整備事業などを推進します。 快適な生活基盤の整備については、市民の身近な要望を生かした生活道路等緊急整備事業を引き続き実施するとともに、生活幹線道路の整備や歩道などのバリアフリー化を推進します。 また、優良賃貸住宅供給支援事業などの住みやすさを考慮した住宅施策の充実を図るとともに、引き続き、八幡東区丸山・大谷地区における斜面地住環境整備事業や八幡高見地区住宅市街地整備総合支援事業などを推進します。 以上、平成12年度当初予算における主要な施策について御説明いたしました。 これらの施策の推進に当たりましても、市民の視点に立ったより質の高い仕事を目指すとともに、引き続き、効率的な行財政運営に努めてまいります。 次に、歳入について御説明いたします。 一般会計の財源といたしましては、市税1,582億1,112万円、地方譲与税37億7,870万円、地方交付税870億円、使用料及び手数料165億2,105万円、国県支出金839億218万円、市債816億7,710万円、諸収入その他1,386億3,985万円を見込んでおります。 市税収入は、前年度の実績をもとに、景気の動向、税制改正による影響等を考慮の上計上し、前年度当初予算より3.2%の減となっております。 また、地方譲与税、地方交付税、国県支出金については、国の予算措置その他の動向を勘案し、更に、使用料及び手数料、諸収入その他については、それぞれの実績等を基礎に収入見込額を計上しております。 市債については、地域総合整備事業債など国の財源措置のある有利な地方債を極力活用することとし、見込額を計上しております。 なお、この結果、公債依存率は14.3%となっております。 続いて、特別会計のうち、国民健康保険特別会計及び介護保険特別会計について御説明いたします。 国民健康保険特別会計の予算は、被保険者の高齢化等による医療費の伸びはあるものの、一方で、介護保険制度の導入により、介護保険に移行する医療費の減を見込み、総額863億7,900万円を計上しております。 このうち、一般会計から129億5,200万円の繰り入れを行い、被保険者の負担軽減を図っております。 また、平成12年度からスタートする介護保険特別会計の予算は、介護サービスの給付等に要する経費や、要介護認定等に要する事務費等に要する経費として、総額398億6,400万円を計上しております。 次に、企業会計について御説明いたします。 上水道事業については、業務の予定量を給水戸数44万2,859戸、給水量1億3,574万立方メートルと見込み、総額332億3,993万円を計上しております。 工業用水道事業については、業務の予定量を給水事業所50事業所、給水量5,700万立方メートルと見込み、総額52億2,302万円を計上しております。 交通事業については、業務の予定量を輸送人員1,058万人と見込み、総額38億769万円を計上しております。 病院事業については、業務の予定量を入院患者47万3,405人、外来患者91万4,830人と見込み、総額343億444万円を計上しております。 下水道事業については、業務の予定量を処理水量1億9,161万立方メートルと見込み、総額566億5,630万円を計上しております。 次に、平成11年度北九州市一般会計、普通特別会計及び企業会計の補正予算について御説明いたします。 今回補正いたします予算額は、一般会計215億3,575万円の増額、普通特別会計33億5J47万円の増額、企業会計8億4,800万円の増額、合計257億3,522万円の増額を行うこととしており、補正後の予算規模は、全会計で1兆2,093億22万円となります。 最初に、一般会計補正予算の主なものについて御説明いたします。 今回の補正予算は、国の第2次補正予算、経済新生対策に伴う道路や河川、港湾、住宅等の公共事業、及び介護保険の円滑な導入のために行う保険料軽減措置のための財源を基金に積み立てる事業などを計上しております。 また、室町一丁目地区市街地再開発事業を推進するため、地域振興整備公団の出資に合わせて、持ち床会社に出資する経費を計上しております。 そのほか、平成10年度の決算剰余金の一部や、基金運用利子収入相当額等を財政調整基金や公債償還基金などに積み立てるとともに、公共事業の見直しや事業の進ちょく状況に応じた予算額の増減をあわせて計上しております。 以上、御説明いたしました補正額の財源には、地方交付税や市債等を計上しております。 次に、普通特別会計補正予算の主なものについて御説明いたします。 まず、競輪、競艇特別会計及び港湾整備特別会計については、それぞれの会計ごとに設置された積立金及び基金の運用益などを積み立てるものであります。 また、老人保健医療特別会計において、医療費の増額による所要額を計上しております。 次に、一般会計及び普通特別会計の繰越明許費については、道路、河川、街路事業等において、用地取得の難航及び地元調整に日時を要したこと等の理由により、年度内に事業の執行ができないため、翌年度に繰り越すものであります。 次に、企業会計補正予算については、下水道事業会計において、国の第2次補正予算、経済新生対策に伴うポンプ場等の整備に要する経費を計上しております。 以上、平成12年度当初予算及び平成11年度補正予算について御説明いたしました。 次に、条例議案等の議案について御説明いたします。 今回提出いたしました議案は、条例議案44件、その他の議案32件、合計76件であります。 まず、北九州市到津の森公園基金条例については、市民からの寄附会等を生かして、到津の森公園の運官等に寄与する基金を設置するものであります。 次に、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例については、地方分権一括法の施行に伴い、関係条例を整理するものであります。 次に、北九州市行政手続条例の一部改正については、地方分権一括法に基づく福岡県事務処理の特例に関する条例等の施行に伴い、これらの条例等により本市が処理する事務について北九州市行政手続条例の規定を適用する等のため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市個人情報保護条例の一部改正については、民法の一部改正に伴い、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市事務分掌条例の一部改正については、企画局を企画・学術振興局に名称を変更する等のため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市職員の育児休業等に関する条例等の一部改正については、地方公務員の育児休業等に関する法律等の一部改正に伴い、基準日に育児休業をしている職員に、勤務した期間に応じて期末手当又は勤勉手当を支給するものであります。 次に、北九州市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正については、環境事務所等の組織改正に伴い、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市手数料条例については、地方分権一括法の施行等に伴い、手数料に関する事項を定めるものであります。 次に、北九州市特別会計条例の一部改正については、介護保険特別会計を設置するものであります。 次に、北九州市印鑑条例の一部改正については、印鑑登録証明書の交付に係る手数料に関する事項を定める等のため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市認可地縁団体印鑑条例の一部改正については、認可地縁団体の代表者等に係る印鑑の登録証明の手数料を定めるものであります。 次に、北九州市社会福祉施設の設置及び管理に関する条例等の一部改正にっいては、三郎丸児童館の移転、精神障害者地域生活支援センターの新設並びに老人福祉施設への利用料金制度の導入及び使用料の適正化等のため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市福祉地区及び福祉事務所設置条例の一部改正については、地方分権一括法の施行に伴い、福祉地区を廃止し、条例の題名を改めるものであります。 次に、北九州市介護保険条例については、介護保険法の施行に伴い、市が行う介護保険について必要な事項を定めるものであります。 次に、北九州市介護円滑導入臨時特例交付金事業推進基金条例については、国からの交付金をもって実施する事業に要する費用に充てるため、基金を設置するものであります。 次に、北九州市介護給付準備基金条例については、市が行う介護保険の中期的な財政調整を図るため、基金を設置するものであります。 次に、北九州市市民福祉センター条例の一部改正については、錦町市民福祉センターほか8館を新設するものであります。 次に、北九州市心身障害者扶養共済制度条例の一部改正については、民法の一部改正に伴い、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市国民健康保険条例の一部改正については、国民健康保険法等の一部改正に伴い、介護納付金の賦課に関する事項について定める等のため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市興行場営業許可申請手数料条例の一部改正については、興行場営業許可申請手数料の適正化を図るものであります。 次に、北九州市化製場等の変更届出事項等に関する条例の一部改正については、化製場設置許可申請手数料等の適正化を図るものであります。 次に、北九州市食品衛生法に基づく公衆衛生上講ずべき措置の基準等に関する条例については、地方分権一括法の施行に伴い、食品衛生法に基づく公衆衛生上講ずべき措置に関し、必要な基準等を定めるものであります。 次に、北九州市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部改正については、地方分権一括法の施行等に伴い、一般廃棄物処理施設の設置許可等の申請手数料を定め、一般廃棄物のごみ処理手数料及び産業廃棄物の処理費用の適正化を図るものであります。 次に、北九州市産業観光施設の設置反び管理に関する条例の一部改正については、北九州テレワークセンターを新設し使用料を定めるとともに、小倉城へ利用料金制度を導入するものであります。 次に、北九州市農業共済条例の一部改正については、農業災害補償法の一部改正に伴い、園芸施設共済の共済掛金率の区分を廃止する等のため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市漁業集落排水処理施設条例については、藍島における生活環境の改善を図るとともに、漁港及びその周辺水域の水質の保全に資するため、漁業集落排水処理施設を設置するものであります。 次に、北九州市漁港管理条例の一部改正については、地方分権一括法の施行に伴い、漁港の区域内の水域及び公共空地における土砂採取料等を定めるため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市中央卸売市場業務条例の一部改正については、卸売市場法の一部改正に伴う売買取引の方法の設定等及び使用料の適正化のため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市屋外広告物条例の一部改正については、屋外広告物の適正な管理の推進を図るため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市準用河川占用料等徴収条例については、地方分権一括法の施行に伴い、準用河川の占用料等について定めるものであります。 次に、北九州市都市計画審議会条例については、地方分権一括法の施行に伴い、北九州市都市計画審議会の組織及び運営について定めるものであります。 次に、北九州市自転車の放置の防止に関する条例の一部改正については、大規模小売店舗立地法の施行に伴い、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市開発審査会条例の一部改正については、地方分権一括法の施行に伴い、委員の数を定め、会議の定足数を改めるものであります。 次に、北九州都市計画折尾駅前地区第1種市街地再開発事業施行規程の廃止については、当該事業が終了したことに伴い、施行規程を廃止するものであります。 次に、北九州都市計画事業徳力土地区画整理事業施行規程及び北九州都市計画事業下上津役中央地区土地区画整理事業施行規程の一部改正については、事務所を移転するため、それぞれ事務所の所在地を改めるものであります。 次に、北九州市臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例の一部改正については、臨港地区内の分区における構築物の規制の適正化を図るため、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市の管理する港湾の港湾区域内及び港湾隣接地域内における水域の占用等に関する条例については、地方分権一括法の施行に伴い、港湾区域内及び港湾隣接地域内における水域の占用等について定めるものであります。 次に、北九州市海岸保全区域占用料等徴収条例については、地方分権一括法の施行に伴い、海岸保全区域の占用料等について定めるものであります。 次に、北九州市火災予防条例の一部改正については、介護保険法等の施行に伴い、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市消防団員の定員、任用、給与、分限、懲戒、服務等に関する条例の一部改正については、民法の一部改正に伴い、関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市立看護専門学校奨学金貸与条例の一部改正については、看護専門学校に男子学生が入学できるようにしたことに伴い、男子学生に奨学金を貸与できるよう関係規定を改めるものであります。 次に、北九州市教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正については、星ケ丘小学校の新設、若松図書館の移転並びに戸畑商業高等学校及び幼稚園の入学科等の適正化を図るものであります。 次に、北九州市奨学資金条例の一部改正にっいては、緊急に奨学金の貸し付けを受けようとする者に対する特例措置を設けるものであります。 次に、北九州大学(仮称)国際環境工学部校舎棟の建設工事、電気工事及び機械工事並びに(仮称)学術・研究都市産学連携センタービル建設工事及び(仮称)学術・研究都市交流センター建設工事の請負契約の一部変更についての5件は、それぞれ当該工事の工期を変更するものであります。 次に、絵画の取得については、絵画、麦わら帽子を被った女を買い入れるものであります。 次に、包括外部監査契約締結については、平成12年度の当該契約を締結するものであります。 次に、公有水面埋立てによる土地確認については、公有水面埋立工事により造成された土地が、市の区域内に新たに生じた土地であることを確認するものであります。 次に、字の区域の変更については、公有水面埋立工事により造成された土地を、字の区域に編入するものであります。 次に、町及び字の区域及び名称の変更については、住居表示を実施するに当たり、町及び字の区域及び名称を変更するものであります。 次に、町の区域の変更については、ハ幡西区における宅地造成に伴い、町の区域を変更するものであります。 次に、土地改良事業の施行についての2件は、門司区大字猿喰地内の基盤整備促進事業及び小倉南区大字吉田地内のため池等整備事業を施行するため、それぞれ福岡県知事に施行認可を申請するものであります。 次に、字の区域の変更については、小倉南区辻三地区の土地改良事業に伴い、字の区域を変更するものであります。 次に、モーターボート競走施行に伴う場外発売に係る事務の委託及び受託に関する協議についての11件は、本市が若松モーターボート競走場において開催する第46回モーターボート記念競走に係る勝舟投票券の発売委託及び第1回競艇名人戦競走ほか9特別競走に係る勝舟投票券の若松モーターボート競走場での発売受託について、関係団体と協議するものであります。 次に、土地の取得についての2件は、小倉南区大字沼に所在する土地を高蔵山森林公園用地として、また、ハ幡東区河内二丁目に所在する土地を河内温泉・水と緑の里用地として、それぞれ買い入れるものであります。 次に、新北九州空港連絡道路上部工第2工区及び上部工第3工区建設工事並びに下部工撤4工区及び下部工第5工区建設工事の委託協定締結については、それぞれ当該工事の委託協定を締結するものであります。 次に、基本財産の額の増加に係る福岡北九州高速道路公社の定款の変更に関する同意についての2件は、それぞれ当該定款の変更について同意するものであります。 最後に、損害賠償の額の決定及び和解については、平成7年9月に高見中学校で体育大会の練習中に生徒が負傷した事故について、損害賠償の額を決定し、和解するに当たり、承認を求めるものであります。 以上、上程されました議案について、提案理由の説明を申し上げました。よろしく御審議いただきまして、御承認賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(武智弘君) 次に、議員提出議案第1号について、提案理由の説明を求めます。 36番有馬議員。 ◆36番(有馬和子君) 私は、日本共産党市議会議員団を代表して、ただいま上程されました議員提出議案第1号、北九州市小児ぜん息患者医療費支給条例につきまして、提案理由の説明をいたします。 昭和48年10月5日施行された公害健康被害の補償に関する法律は、昭和63年改正され、新規公害患者の認定が中止されました。しかし、東京都、川崎市、大阪市を初め、大都市圏では自治体独自で条例を制定し、小児ぜんそく患者の医療費の支給を実施しています。 昨年の受診状況調査では、大気汚染が原因と見られる子供のぜんそく患者がぶえ続けていることが明らかになりました。 川崎市では、20歳未満を対象に医療助成が実施されていますが、1998年度の患者が前年度より600人増加し5,574人となり、10年前の2.1倍に、大阪市では、15歳末満が対象ですが、前年度より400人ふえて1万8,983人、10年前の5.2倍になっています。 本市でも、学校保健統計によれば、小・中学校のぜんそくは平成6年から急速に増加し、10年度の定期健康診断の結果では、ぜんそくは小・中学生合わせて2,908人で、児童生徒の3.27%に達しています。4年間で小学生は1.87倍、中学生は1.62倍に増加しています。ぜんそくの原因が、主として自動車排ガスによる浮遊粒子状物質、SPMの増加や二酸化窒素などによる大気汚染にあることは、科学的な調査でも明らかになりつつあります。1月末の尼崎公害裁判では、SPM等の排出差しどめを含む画期的な判決が出ました。 本市においても、1998年の公害状況調査で、SPMは全調査地点14地点で環境基準を超えていることが報告されています。こうした中で、特に弱い立場の小児ぜんそく患者に対する医療助成は早急に拡充すべきであります。 国も現在、小児慢性疾患治療研究事業により、20歳未満のぜんそく患者の1ヵ月以上の入院については、入院時の医療費と食事療養費を公費負担しています。また、本市においても、乳幼児医療助成制度により、3歳までの通院、入院治療費と4歳の入院治療費は助成制度があります。しかし、最も多い4歳以上の通院や1ヵ月未満の入院は対象となっていません。 小児ぜんそく患者にとっては、発作時の苦しみは筆舌に尽くしがたいものがあり、介護をする家族の精神的、経済的負担ははかり知れません。2歳の小児ぜんそくの子供さんを持つあるお母さんは、夜中に発作を起こしたときなど、命にもかかわることなので、タクシーで病院に駆けつけます。今は医療費の心配はありませんが、3歳以上になったら医療費がかかるので本当に不安です。医療費の支給制度を一日も早く実施してほしいと訴えています。 市が昨年実施した少子化問題を考える市民意識調査でも、医療サービスの充実が44.1%、経済的支援充実が55%とあり、市民の切実な要望となっております。 児童福祉法の精神に基づき、児童の健全な育成と患者家庭の医療費負担の軽減を図るために本条例を提案するものです。既に、議員各位の皆さん方には条例案を配付しておりますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。少子化対策の推進は、本市にとっても重要課題であり、本条例が速やかに制定されますよう議員各位の御賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明を終わります。 ○議長(武智弘君) ただいま議題となっております議案及び議員提出議案115件のうち、議案第30号、34号及び35号の3件については、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めておりましたところ、その意見の申し出があっております。なお、その写しはお手元に配付しておりますので、御了承願います。 本日の日程は以上で終了し、ここでお諮りいたします。2月25日、28日反び29日は、議案研究のため休会にしたいと思います。これに御異議ありませんか。                (「異議なし」の声あり。) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。 次回は3月2日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで散会いたします。                 午前10時56分散会            大都市税財政制度確立等特別委員会中間報告                                  平成12年2月24日                        大都市税財政制度確立等特別委員会                              委員長  梶 野 皓 生 平成11年3月29日、本委員会に付託された事件について、現在まで調査した経過を次のとおり中間報告する。                     記1 調査事件(1)大都市税財政制度の確立について(2)地方分権の推進について(3)北九州博覧祭2001について2 調査の経過(1)大都市税財政制度の確立について   近年における少子・高齢化、国際化、情報化の進展等、社会・経済情勢の著しい変化に  伴い、大都市においては、住民福祉の充実、生活環境の整備、都市機能の活性化など大部  市特有の財政需要は増加の一途をたどっている。   更に、防災対策の強化、ダイオキシン対策等の環境問題や平成12年4月から施行される  介護保険制度への対応など緊要な施策についても積極的に推進していかなければならない。  しかしながら、これらの財政需要に対し都市税源はまことに乏しい上、多額の借入金残高  を抱え、その償還が将来にわたり大きな負担となるなど、財政運営は極めて厳しい状況に  ある。   このため、従来にも増して、事務事業の見直し、機構・定員の抑制、各種施策について  優先順位の厳しい選択を行うなど、行財政運営の改善、効率化に格段の努力を払っていく  必要があるが、根本的には地方税など自主財源の拡充強化を図ることが何よりも急務であ  る。   また、地方分権一括法が成立し、平成12年4月から施行されるが、地方分権の推進に当  たっても、地方公共団体の自主性、自立的な行財政運営の確保を図るためには、事務・権  限の移譲と一体となった具体的な税財源の移譲が必要不可欠である。   今後、税制改正及び地方分権の推進に当たっては、国、地方の役割分担に即した税源配  分の是正を積極的に行い、住民に最も身近な基礎的自治体である市町村の税源、とりわけ  都市税源の充実を図るとともに、地方公共団体共有の固有財源である地方交付税総額の確  保、国庫補助負担金制度の見直しなどをあわせ行い、大都市の実態に即応した税財政制度  を確立することが極めて重要である。   本市においては、景気回復の足取りが依然として不透明な中、市税、地方交付税等の一  般財源は極めて厳しい状況にある。   本委員会は、このような本市及び大都市が抱えている税財政の厳しい実態を踏まえ、地  方財政の現状、大都市税財政制度のあり方などについて調査研究を行い、各政令指定都市  の関係委員会と協議し、共同で関係省庁、各政党及び地元選出国会議員等に対し、次のと  おり要望運動を行った。   また、本年度も昨年度に引き続き、より効果的な要望活動となるよう3項目を重点要望  として再掲し、要望運動を行った。   更に、平成12年度の税制改正に向け、関係団体等から要望の声が強かった固定資産税の  負担軽減とゴルフ場利用税の廃止について、指定都市の自主的な行財政運営に重大な支障  を来すことのないように、適切な措置を講じるよう緊急要望を行った。  ア 税制の改正  (ア)国、地方を通じる税源配分の是正  (イ)地方分権の推進に伴う地方税源の充実  (ウ)大都市特有の財政需要に対応した都市税源の拡充強化  (エ)大都市の事務配分の特例に伴う措置  (オ)具体的要望項目    a 所得課税の充実    b 消費・流通課税の充実    c 日本銀行の国庫納付金にかかる適切な措置    d 定額課税の見直し    e 租税特別措置等の整理合理化    f 市町村道路目的財源の拡充  イ 国庫補助負担金制度の改正  (ア)国庫補助負担金の整理合理化に当たっての配慮  (イ)国庫補助基準等の適正化と運用・関与の改善  ウ 地方債の発行条件等の改善  工 大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての重点要望  (ア)国・地方を通じる税源配分の是正  (イ)地方分権の推進に伴う地方税源の充実  (ウ)大都市特有の財政需要に対応した都市税源の拡充強化  オ 税制改正に関する緊急要望  (ア)平成12年度固定資産税の評価がえにおける適切な措置  (イ)ゴルフ場利用税の存続   要望運動の結果、平成12年度の税制改正においては、非課税等特別措置の整理合理化が  図られるとともに、平成12年度の固定資産税の評価がえに伴う土地に係る税負担の調整措  置による減収も最小限にとどめられ、ゴルフ場利用税は存続される見込みとなった。   なお、調査研究の参考とするため、貸借対照表(バランスシート)を財政管理に導入し  ている宮城県及び自治体の経営能力の向上を図る上で有効な進行管理・評価システムを活  用している川崎市の視察を行った。   大都市の財政を取り巻く環境は、景気の低迷による税収の伸び悩み等、今後も厳しい状  況が続くものと予想される。   大都市税財政制度の改善・充実は、政令指定都市共通の課題であり、本委員会としては、  今後も、政令指定都市が一致協力し、実態に見合った税財政制度の確立に向けて、国等に  対して積極的に働きかけていくとともに、その実現に向け、調査研究を続けていきたいと  考えている。(2)地方分権の推進について   平成5年6月の衆参両議院での「地方分権の推進に関する決議」を一っの契機として地  方分権が進められ、平成7年5月に「地方分権推進法」が制定された。   この「地方分権推進法」に基づき、地方分権推進委員会が総理府に設置され、これまで  同委員会により、5次にわたる勧告がなされた。   政府においては、地方分権推進委員会の勧告を受けて、平成10年5月に「地方分権推進  計画」、平成11年3月には「第2次地方分権推進計画」を閣議決定した。この「地方分権  推進計画」のうち、法律により措置すべき事項を一括して改正するため、「地方分権の推  進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(以下「地方分権一括法」という。)が平  成11年7月に制定された。   このような状況の中、本委員会では、地方分権一括法の概要と本市への影響について、  当局に説明を求め、調査研究を行った。  ア 地方分権一括法の主な内容  (ア)機関委任事務制度の廃止及びそれに伴う事務区分の再構成     国と地方公共団体の関係を対等・協力の新しい関係に改めるため、機関委任事務制    度を廃止するとともに、個々の機関委任事務を定めている個別法の改正が行われた。     従来の機関委任事務は、新たに自治事務と法定受託事務に区分された。    a 自治事務      地方公共団体の処理する事務のうち、法定受託事務を除いたもの      飲食店営業等の許可、特定工場の届出の受理・勧告等、96本の法律に基づく事務     が本市に該当する    b 法定受託事務      国が本来果たすべき役割に係る事務であって、国においてその適正な処理を特に     確保する必要があるものとして、法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの      戸籍事務、国政選挙事務等、87本の法律に基づく事務が本市に該当する  (イ)国等の関与の見直し     国と地方公共団体の新しい関係を確立し、地方の自主性、自立性を確保するため、    国の関与のあり方が見直され、地方自治法に関与の原則、基準、手順等について、新    たなルールが創設された。    a 法定主義の明文化      関与は、法律又はこれに基づく政令の根拠を要する    b 基本原則の明文化      関与は、必要最小限のものとし、地方公共団体の自主性、自立性に配慮しなけれ     ばならない    c 手続ルールの創設      書面主義、許認可の審査基準、標準処理期間の設定等    d 係争処理手続の創設      地方公共団体に対する国の関与に関する係争を処理する機関として「国地方係争     処理委員会」を総理府に設置    e 本市の該当状況    (a)廃止されたもの       教育長の任命に係る文部大臣の承認、公営住宅の管理等に関する建設大臣の指      示等    (b)縮減されたもの       市町村の土地改良事業の実施に係る都道府県の認可が同意を要する協議へ移行、      地方債の発行に係る自治大臣の許可が原則協議へ移行等  (ウ)権限移譲の推進     個別法の改正により、国の権限が都道府県に、都道府県の権限が市町村に移譲され    る。     また、都道府県から市町村への権限移譲を進めるため、「条例による事務処理の特    例制度」が創設された。    a 本市の該当状況    (a)個別法による権限移譲       都市計画の決定権限、毒物及び劇物の販売業の登録取消等、9事務    (b)条例による事務処理の特例制度       病院開設の許可、医療法人からの届出等に関する事務等、法令数34本  (エ)必置規制の見直し     個別法の改正により、地方公共団体の自主組織権を尊重し、行政の総合化、効率化    を進めるため、必置規制を廃止、緩和する。    a 本市の該当状況      公立図書館長の専任規制の緩和、公民館運営審議会の必置規制の廃止等、28項目  (オ)地方公共団体の行政体制の整備・確立    a 市町村合併の促進      住民発議制度の拡充、都道府県知事による合併協議会設置の勧告等    b 地方議会の活性化      議案提出要件及び修正動議の発議要件の緩和    c 議員定数の見直し      人口区分ごとに設定された上限数の範囲内で、条例で定数を定める  イ 地方税財源の充実確保    今回の一括法による改正には、地方税財源の充実確保に対する措置が盛り込まれてお   らず、国会審議でも論点になった。    その結果、一括法の附則に「政府は、経済情勢の推移等を勘案しっっ検討し、必要な   措置を講ずる」旨が、追加された。  ウ 条例整備    一括法の施行に伴い、本市の条例等の規定の整備が必要となる。    条例の制定・改廃が必要となる主な事項として、次のものが挙げられる。  (ア)平成12年4月までに行うもの    a 機関委任事務の廃止に伴うもの      政令又は規則により徴収する手数料、占用料等の条例化    b 権限移譲に関するもの      都市計画審議会の単独条例化    c 必置規制の見直しに伴うもの      社会福祉事業法の改正による福祉地区の廃止に伴う条例改正    d 条例で定めることとされたもの      食品衛生法の改正による営業施設の管理運営基準の条例化    e 引用法令等の条項の移動、文言の改正に伴うもの  (イ)平成12年4月以降に行うもの    a 議員定数      改正地方自治法に掲載された上限数の範囲内で、平成15年1月1日までに条例制     定が必要    b 国民年金の印紙検認事務の廃止に伴うもの      平成14年4月1日までに関係条例を廃止   以上の調査の過程において、委員から、今回の地方分権改革は、事務だけ地方に移譲し、  財源措置についてはあいまいである。財源確保については、自治体が事務を執行する上で  重要であり、今後とも執行部と連携を取りながら、国等に対し、交渉、要望を行うべきで  ある、との意見があった。   なお、調査研究の参考とするため、横浜市及び川崎市の取り組み状況について、視察を  行った。   地方分権一括法は、国と地方自治体を対等・協力という新しい関係に位置づけ、自己決  定、自己責任の原則に基づく行政システムの基礎的な枠組みを定めたものである。   今回の分権改革は、自治体が変わっていく転機となるものであり、その成果は、今後の  自治体の取り組みにかかっている。本市においては、これまでも市民本位で簡素・効率的  な行政を推進するため、行財政改革に取り組んできたところである。   本委員会では、新たな役割を担うにふさわしい行政体制の整備・確立と住民本位の真の  意味での地方分権の実現に向け、更に調査研究を進めていきたいと考えている。(3)北九州博覧祭2001について   平成9年12月に、市民各層からなる「(仮称)北九州2001年記念事業検討懇話会」が、  2001年に北九州市を国内外に大きくアピールする博覧会開催を提案した。   この提案を受けて、博覧会の具体化を図るため、「(仮称)北九州2001年記念事業準備委  員会」を平成10年3月に設立し、基本構想を検討し、博覧祭の開催を宣言し、意義や目的  を明確にしたものを平成10年6月に策定した。   その後、平成10年11月には、通産省のジャパンエキスポ制度の認定を受け、実施組織と  して北九州博覧祭協会を設立するとともに、主な事業をリストアップし、どんな博覧祭と  するのかを定めた基本計画を策定した。   北九州博覧祭は、博覧会とコンベンションと祭りが一体となった新しい発想の博覧会で  あり、中小を含めた企業や市民の総参加を実現し、全市を挙げて博覧祭を盛り上げていく  ため、本委員会では、第1次実施計画の概要を中心にその後の取り組み状況について、当  局に説明を求め、調査研究を行った。  ア 第1次実施計画の概要    第1次実施計画は、基本計画を踏まえて、より具体的な内容を盛り込んだ計画であり、   全体計画の最終版である「第2次実施計画」につながる役割を持っている。  (ア)テーマ・パビリオン計画     博覧祭のテーマを表現するパビリオンをテーマ・パビリオンとし、「モノづくり夢    ファクトリー」、「環境未来研究所」、「アジア交流村」、「健康・福祉館」及び「産業観    光センター」といった5つの視点に対応したパビリオンを計画した。     また、テーマ・パビリオンとは別に、北九州市の将来計画を直接紹介し、博覧祭を    通じて近隣自治体との都市間交流を行い、広域交流のプレゼンテーションを行う「北    九州交流会館」を計画している。  (イ)会場計画     来場者にゆっくり楽しく見てもらえるよう基本計画より7ヘクタール広げ、会場面    積を約27ヘクタールとした。  (ウ)催事計画    a 公式行事      開会式、閉会式、内覧会等    b 屋外行事      九州各地のラーメン博覧祭等    c フェスティバルホール催事      アジア各地の芸能を紹介するレギュラープログラム等    d パルコ催事      会場の祝祭性を高めるため、屋外ステージ(パルコ)における小規模なステージ      イベント等    e 市民ギャラリー      生け花や書画など市民文化活動の発表展示会  (エ)広報・集客計画    a 広報計画      目的と段階等に応じて、重点的な対象者やエリアを設定するとともに、マスメディ     ア、旅行代理店、交通機関などの協力を得ながら、費用対効果の高い手法を用いる    b 集客計画      次のとおり、戦略的な集客エリアを設定し、効果的な集客を図る    (a)北九州広域エリア    (b)福岡県エリア    (c)九州広域エリア    (d)下関エリア    (e)西日本広域エリア    (f)全国・アジアエリア  イ 第1次実施計画策定後の取り組み  (ア) 開催時間の設定     都市型博覧祭として、夜間の集客を期待できる時期に夜間開催を実施するとともに、    時期別に博覧祭の魅力を明確にする。    a 夏休み前(7月4日~7月19日) 10 : 00~19 : 00    b 夏休みから秋口(7月20日~9月24日) 10 : 00~22 : 00    c 秋の行楽シーズン(9月25日~10月25日) 10 : 00~18 : 00    d クロージング・スペシャル(10月26日~11月4日) 10 : 00~21 : 00  (イ)入場料会の設定     これまで開催されたジャパンエキスポや同時期に開催される「福島未来博」「山口    きらら博」の料金を参考に、また、市民ポストに寄せられた要望など、市民等の意見    を踏まえながら、博覧祭の事業収支と観客誘致の両面を考慮して、金額の設定をした。    a 料金区分を「大人(3,000円)」、「中高生(1,500円)」、「小学生(1,000円)」とし、     特に、「中高生」、「小学生」、『学校行事団体料金』を低く押さえた。    b 65歳以上や身体障害者等を対象とする『特別割引』に「留学生」や「海外からの     旅行者」等を加え、『留学生等特別割引』とした。    c 何回も入場できる『全期間通用入場券(パスポート券)』を、他の博覧会より割     安に設定した。  (ウ)企業パビリオンの出展     平成11年4月から北九州市及び北九州博覧祭協会で参加勧奨を行い、8社の企業か    ら出展表明があっている。     最終的には、パビリオン総数20館強を目標としている。   以上の調査の過程において、委員から、交通アクセスや駐車場については、「グリーン  ルネッサンス北九州’91」等における混雑状態等を考慮し、来場者の利便性について十分  に配慮すべきである。   市民総参加のイベント等の開催について、市民が参加しやすい仕組みづくりを配慮され  たい、等の意見、要望があった。   本委員会では、市民が主体的に参加し、町ぐるみで取り組む博覧祭を目指し、博覧祭後  のまちづくりに弾みをっけるため、また、近隣の自治体に参加を呼びかけ地域全体で取り  組む広域型のイベントとするため、更に調査研究を進めていきたいと考えている。              産業活性化対策特別委員会中間報告                                  平成12年2月24日                            産業活性化対策特別委員会                              委員長  泊   正 明 平成11年3月29日、本委員会に付託された事件について、現在まで調査した経過を次のとおり中間報告する。                     記1 調査事件(1)産業活性化対策について(2)観光都市の形成について2 調査の経過(1)産業活性化対策について   長引く不況の中で、市内産業を取り巻く経済環境は、依然として厳しい状況に置かれて  いる。   特に、本市の産業における中小企業の比重は極めて高い上に、経営環境の影響を受けや  すい実態にある。そのような状況の中で、中小企業者への支援は、本市の経済が長期低迷  を克服し、新たな発展をするために不可欠である。   また、本市の商業集積地も厳しい不況の影響を受けており、魅力的な商店街づくりのた  めに、新たな活性化策が求められている。そのほかにも産業構造の転換に対応した新規産  業の育成、企業誘致等、産業活性化のための多くの課題がある。   本市では、ルネッサンス構想において、産業構造の転換、経済の活性化を重要課題の一  つと位置づけ、既存産業の高度化を図るとともに、高い技術力を持った裾野の広い産業都  市構造の構築を目指している。   本委員会では、本市の産業活性化のための施策について調査研究を行うとともに、先進  的な取り組みを行っている他都市の行政視察及び市内施設の視察を行った。  ア 中小企業対策  (ア)金融対策     厳しい経営環境の中で企業経営め安定を資金面から支援するために、平成9年12月    以降10次にわたる緊急中小企業金融対策を実施して、平成11年度には、中小企業融資    貸付枠を拡充するとともに開業支援資金、短期資金の創設、大型店等進出対策資金の    拡充を行っている。  (イ)診断指導     中小企業の体質強化と経営基盤強化のため、経営に関する専門家である中小企業診    断士等を派遣したり、講習会を開催するなど、経営課題の解決を支援している。  (ウ)新技術・新製品等の開発や経営革新への支援     新技術・新製品等の開発を行う中小企業者、中小企業団体及び起業家に対する助成    を行っている。また、独自技術の開発、新分野への進出、生産管理システムの構築等    に取り組もうとする中小企業に対する相談やコンサルタント派遣及びISO認証取得    を目指す中小企業への支援事業を行っている。  (エ)中小製造業者の受注拡大の支援     事業拡大や販路開拓、異業種間交流等の場として、北九州ビジネスショー、北九州    テクノセールスなどを開催し、商工会議所、中小企業団体等と共同で中小企業の受注    拡大の機会を設けている。    今後の中小企業対策の課題として、開業率の低下などに対して、開業支援資金により、   新たに事業を行おうとする中小企業者等を積極的に支援し、開業後も経営相談、事後指   導などを行い、また、あわせて経済情勢に即応した融資制度の充実、拡大に努めていく   ことが重要である。    また、国際競争の激化、系列取引の崩壊など、経営環境が激変する中において、状況   に即応できる新技術の習得、新製品の開発などによる企業体質の転換が従来に増して求   められている。更に、この転換をスムーズに進めていくためにも、販路を拡大すること   が課題となっている。    このため、引き続き研究開発に対する助成や大学等の研究成果を企業に提供する体制   を整備して、中小企業の技術基盤強化を図るとともに、診断指導等を通じて経営革新の   ための支援を積極的に行い、販路拡大のために、商読会等の開催に加えて、情報発信を   強化するなど、今後も支援の充実に努めていくことが必要である。  イ 地域商業対策  (ア)商店街の活性化支援     本市では、北九州市商業活性化のビジョンを示すために、平成10年3月に「北九州    市商業活性化のあり方」を策定した。     また、商店街や商店等の企業の経営の安定を進めるために必要な資金を融資し、商    店街が共同施設等を設置する際の中小企業団体環境整備促進補助金の助成を行ってい    る。     更に、経営上の問題点の解決を支援する商店診断、アドバイザー派遣等を行ってい    る。  (イ)魅力ある商業集積づくり     商店街の活性化のため、拠点商業地パワーアップ事業、商業活性化支援モデル事業    を実施するとともに、商店街ににぎわいをもたらすイベントに対し、活き活き商店街    イベント補助を行っている。  (ウ)まちづくりの視点で商店街の活性化に取り組む組織体制の整備     商店街や市場の振興を、地域全体のまちづくりの視点から総合的に推進するため、    経済局、建設局、建築都市局の3局が一体となった「商店街振興センター」を設置し、    職員が市内の商店街や市場を訪問し、相談を受けている。  (エ)次世代を担う人材の育成     意欲ある商業者、事業拡大や多店舗展開を目指す経営者を対象にした「実践あきな    い塾」、商店街活動への女性の参画やネットワーク形成のために「商店街ミズカレッ    ジ」を開講している。     また、商店街の今後のリーダーとなる若手経営者で組織する北九州市商店街青年部    連絡協議会に対して支援を行っている。    北九州市の商業の問題点として、個性が弱く、似通った商業集積が多く、広域から生   活者を集める吸引力、都市間競争に弱い状況にある。    本委員会としては、その解決のために、商業者のまちづくりへの積極的参加、生活者   の視点に立った商業戦略、戦略推進のための実施システムづくりが求められていると考   える。  ウ 新規事業の育成    厳しい経済状況の中で、良質な雇用機会を確保していくためには、21世紀のリーディ   ングインダストリーとなる新規産業の創出が重要である。    本市では、今後雇用の拡大が期待される新規成長産業15分野の中でも、「情報通信関   連分野」「環境関連分野」「医療・福祉関連分野」の3分野を戦略産業と位置づけ、積極   的な取り組みを実施している。  (ア)情報通信関連分野     平成11年10月、北九州新映像情報都市構想に基づき情報産業振興の中核施設として、    「九州ヒューマンメディア創造センター」を開設し、各種研究開発及び調査研究事業    を実施するとともに人材育成、ベンチャー支援も行っており、その周辺には、セイコー    エプソンや日本テレコムなど情報関連産業の集積が進んでいる。     また、通信・放送機構(TAO)の北九州ギガビットラボを活用した地元企業等の    研究開発を推進しており、平成12年4月には、地元中小企業に情報通信ネットワーク    を有したオフィスを提供する(仮称)北九州テレワークセンターが開業予定である。  (イ)環境関連分野     ペットボトル、廃OA等の総合環境コンビナートや福岡大学資源循環・環境システ    ム研究所等の実証研究センターの整備及び中小リサイクル団地の建設計画などを行っ    ている。  (ウ)医療・福祉関連分野     平成10年4月に福祉用具研究開発センターを設立し、北九州ブランドの福祉用具の    商品化を進めている。現在、空気清濁器、脱衣用電動昇降ベッド等を開発し、高い評    価を得ている。  (エ)ベンチャー支援施策     平成7年度より、ベンチャー企業の創出育成に向け、起業支援のためのコンサルタ    ント派遣、新技術・新製品開発に対する助成等各種支援を実施している。    平成10年2月に施行された新事業創出促進法に基づき、地域企業の研究開発から販路   拡大まで総合的に支援する体制の中核的支援機関として、テクノセンターを認定した。    今後は、テクノセンターを中心として、九州ヒューマンメディア創造センターなどの   7つの新事業支援機関が連携して新規事業創出の支援が進められると考えられる。    新規事業の育成については、今後は産学官の共同研究開発の促進を図ることが重要で   ある。  エ 企業誘致  (ア)企業誘致活動の強化     本市では、企業立地促進のため、融資制度の拡充を図り、本市の優れた技術集積、    学術・研究都市などをPRしながら、海外での投資セミナーや企業訪問等を行い、積    極的な誘致活動が進められている。     平成9年度には、全国の研究所、ソフトウェアなど頭脳立地業種、先端技術産業及    び自動車関連企業に企業立地についてのアンケート調査を行い、立地意向のある企業    を中心に企業訪問を行っている。    海外への誘致活動としては、平成10年8月に台湾投資セミナーを行い、電子、電機   など67社が参加し、33社が北九州市への投資に関心があることが判明した。そのうち   17社へ企業訪問したところ、小規模な企業ながら、海外進出の意欲が高く、日本企業   との取引の開始、拡大を望む声も多く、一部進出を検討する企業もあった。    国内では、首都圏及び関西圏の日本及び外資系企業の訪問、関係機関との連絡調整、   シティセールス等を行い、誘致体制を強化している。    また、企業立地を促進するために、優遇制度の充実や、受け皿となる北九州臨空産   業団地等の整備を行っている。    こうした誘致活動を進める中で、最近10年間で261件の企業を誘致し、5,191人の新   規雇用を生み出している。    今後は、将来のリーディング産業である情報関連産業分野に焦点を合わせた誘致体制   の構築が重要である。    そのため、補助金等優遇制度の拡充、土地のリース制度の検討、産業用地の整備、更   に学術・研究都市に集積する頭脳を活用した産業界との連携が必要である。  オ 雇用対策  (ア)雇用確保と緊急地域雇用特別交付金事業     現在の厳しい雇用情勢を踏まえて、国、地方公共団体においても早急に雇用創出を    図ることが重要である。そこで、平成13年度までの応急の措置として創設された、緊    急地域雇用特別交付金事業を本市では有効活用し、平成12年度までに集中的に事業を    行い、雇用の創出を図ることとしている。  (イ)高年齢者の雇用環境づくり     少子・高齢化の進展による年金制度の改正や将来の若年労働力不足、高年齢層の厳    しい雇用情勢等を踏まえ、高年齢者の雇用環境づくりの拠点施設として、高年齢者就    業支援センター「ウィル」が平成11年1月にオープンした。     ここでは、高年齢者職業相談室、北九州市シルバー人材センターの窓口業務等の就    業支援機関を併設し、退職準備相談から職業紹介・人材派遣まで高年齢者の幅広い就    業ニーズに1ヵ所で対応できるようになっている。     また、北九州市シルバー人材センターでは、地域に役立つセンターづくりを目指し、    会員の生きがい・健康づくり、仕事の質的向上、就業機会の拡大に取り組んでいる。     その結果、平成元年の創設以来、受注件数、受注金額、会員数ともに大きく拡大し    ている。  (ウ)Uターン人材確保事業等の推進     お盆と年末年始にUターン就職希望者を対象に相談コーナーを開設し、県やハロー    ワークと合同で就職面談会等を実施することで、Uターン希望者を掘り起こすととも    に、市内企業を積極的に訪問し、登録企業の新規開拓を図っている。また、JR山手    線キャンペーン列車を実施するなど、大都市圏に向けて種々の情報を発信し、本市の    イメージアップとUターン事業の告知に努めている。     平成10年度の成果として、登録企業者数は、183社あり、Uターン希望の登録者数    763人のうち51人が就職した。  (エ)新規学卒者対策     新規学卒予定者を対象に、経済団体、地域ハローワーク等と連携し、合同説明会を    毎年開催している。     また、平成11年は学生の就業意識を育成するとともに、市内企業に対する理解促進    を図るため、市内外5大学と市内26企業の協力を得て、大学3年生を対象にインター    ンシップ推進モデル事業を実施した。     雇用対策の今後の課題として、高年齢者の雇用については、高年齢者就業支援セン    ター「ウィル」を拠点とした企業への積極的な訪問活動により、人材・雇用ニーズを    把握するとともに、企業に向けた助成金説明会や各種セミナーの開催、高年齢者の活    用に関する専門相談、人材情報の提供など雇用の場の開拓に取り組むことが必要であ    る。     また、Uターン事業については、相談コーナーの開設等を通じ、企業の求めている    システムエンジニアや営業職等の人材の掘り起こしを図るとともに、Uターン登録者    からの要望の高い職種の新規登録企業の開拓を図ることが求められている。    以上の調査の過程において、委員から、本市には、協同組合や地域の集まりに参加し   ていない商業集積が点在しているが、そのような小規模店舗も地域にとっては生活に不   可欠な場であり、具体的な支援策を講じられたい。    現在、深刻な雇用不安を反映して、ポリテクセンター等研修施設の利用者が増加し、   技術取得の場が不足しており、現状を把握した上で対策を考えるべきである、等の意見、   要望があった。    なお、調査研究の参考とするため、中小企業対策について、東京都墨田区の「すみだ   中小企業センター」の視察を行い、この視察を通して、委員から、本市でも中小企業の   現状について、詳細な把握とそれに基づいた具体的な対応が必要である、等の意見があっ   た。また、市内の九州ヒューマンメディア創造センター及びセイコーエプソン、日本テ   レコムの視察を行った。    本委員会としては、中小企業対策を初め、本誌の経済状況の安定、雇用の確保等産業   活性化のための有効な施策について、今後も調査研究を進めていきたいと考えている。(2)観光都市の形成について   本市では、経済の活性化や都市のイメージアップを図るため、観光振興に取り組んでお  り、魅力ある施設の整備や観光情報の発信、受け入れ体制の整備等について重点的に取り  組んできた。   その結果、平成10年次には、目標としていた観光客1,000万人を達成できたが、今後も  さらなる観光客の誘致を目指し、観光資源の整備、活用を図っていく必要がある。   本委員会では、本市の観光都市の形成に向けた施策について、調査研究を行う戸ともに、  先進的な取り組みを行っている他都市の行政視察を行った。  ア ハード及びソフト整備    本市には、スペースワールド、門司港レトロ等多くの主要観光施設があるが、特に、   門司港レトロは年間150万人を超える観光客が訪れる観光地に成長し、大きな経済波及   効果が期待されている。    今後も、更に観光都市としての振興を図るため、ハードとソフトの両面から観光振興   施策を推進することとしている。    ハード面では、平成11年の海峡プラザ、門司港レトロ展望室の完成や高齢者や障害者   に優しいまちづくりとして観光施設の総点検を行ったことを踏まえて、平成10年度から   2カ年計画で施設の改修を行っている。具体的には、門司港レトロの国際友好記念図書   館などに手すりや点字案内板を設置するとともに、主要観光施設のトイレの手すりの施   設や、身障者トイレへの建て替えを行っている。    また、平成11年度中に、旧門司税関や旧大阪商船にエレベーターを設置する予定であ   る。    ソフト面では、関西、関東方面で官民一体となった観光キャンペーンを実施するとと   もに、エージェント対策、近隣観光地とのネットワーク化、東アジアをターゲットとし   た外国人観光客誘致、土産物の振興などを行っている。   以上の調査の過程において、委員から、観光ボランティアの積極的な活用策について検  討されたい、との要望があった。   なお、調査研究の参考とするため、千葉源の幕張メッセ及び横浜ズーラシアについて視  察を行った。   本市の課題として、観光客は年々順調に増加しているが、宿泊観光客が占める割合は低  く、この増加に向けて滞在期間の長期化や回遊性の向上等を図る必要がある。   そのため、今後は門司港レトロ地区と商店街の回遊性を向上させる沿道の整備、海峡ロー  プウエー、観光列車の運行などの門司港レトロ第2期計画の推進や帆柱ケーブルカーのリ  ニューアルなど、各区ごとの魅力ある観光拠点の整備を図るとともに、市内観光拠点のルー  ト化を推進する必要がある。   また、平成13年に開催される「北九州博覧祭2001」を契機としたエージェント等への働  きかけの強化や、全国的な情報発信、観光キャンペーン・広域観光の推進、国際観光の振  興、受け入れ体制の整備を行うことが重要である。   本委員会としては、今後もこれらの観光施策について調査研究を行う必要があると考え  る。            少子・高齢化社会対策特別委員会中間報告                                  平成12年2月24日                         少子・高齢化社会対策特別委員会                              委員長  桂   茂 実 平成11年3月29日、本委員会に付託された事件について、現在まで調査した経過を次のとおり中間報告する。                     記1 調査事件(1)高齢化社会対策について(2)介護保険制度について(3)少子化対策について(4)男女共同参画社会の形成について2 調査の経過(1)高齢化社会対策について   全国平均を上回るスピードで高齢化が進行している本市では、平成17年には5人に1人  が高齢者になると予測されており、高齢化社会対策は市政の最重要課題の一つに位置づけ  られている。   そこで本市は、平成5年4月に「北九州市高齢化社会対策総合計画」(計画期間:平成  5年度~17年度)を、平成6年3月にはこれを具体化した「北九州市高齢化社会対策総合  計画第一次実施計画」(計画期間:平成6年度~10年度)を策定し、実施計画に基づいた  さまざまなサービスの充実を図るとともに、保健、医療、福祉と地域の連携による新しい  地域福祉のネットワークを構築し、高齢者が自立して生活できるシステムづくりを進めて  いる。   本委員会では、本市の高齢化社会対策の関係施策について、以下のとおり調査研究を行  った。  ア 平成11年度の主な施策の概要  (ア)総合相談窓口の充実     平成12年度にスタートする介護保険制度を見据え、各区保健福祉センターの年長者    相談コーナーの機能を充実するとともに、障害者等にも対象を拡大した総合相談窓口    を、平成11年4月に開設している。  (イ)市民福祉センターを中心とした地域づくり     市民福祉センターは、地域住民の交流や保健福祉活動、生涯学習など住民のあらゆ    る活動の拠点として、平成14年度に最終整備に着手することを目標に、地域公民館の    ない小学校区への整備が進められている。     また、市民福祉センターを拠点とする保健福祉活動を通じた地域づくりは、保健婦    とケースワーカーが中心となづて進められており、平成11年度からは、地域の実情に    応じて公民館なども活用し、すべての小学校区で実施されている。  (ウ)総合保健福祉センターのオープン     平成11年10月にオープンした総合保健福祉センターは、心身の健康づくり、リハビ    リテーション、福祉サービスにまたがる市のシステムを保健福祉センター、医療機関、    福祉団体、各種市民団体との連携のもとに推進し、新しいサービス調整システム全体    を専門的・技術的に支える中核施設である。  (エ)痴呆対応型老人共同生活援助(グループホーム)事業     小人数で共同生活を営む痴ほう性老人に対し、家庭的な環境の中で生活援助員が生    活上の指導・援助を行うことにより痴ほうの進行を縦やかにし、痴ほう性老人が健康    で明るい生活を送ることができるように支援するもので、2ヵ所で運営を開始するこ    とになっている。  (オ)高齢者・障害者権利擁護システム事業の実施     みずから金銭管理等を行うことが困難であったり、福祉サービスの手続、援助等を    必要としている痴ほう性高齢者や障害者などを支援していくため、権利擁護システム    を構築し、財産管理や生活支援等のサービスを提供するものである。     平成11年度においては、本格実施に向けての実務上の課題や対応方法を探るため、    事業をモデル的に実施している。  (カ)健康へのパスポート事業     総合保健福祉センター内の健康づくりセンターが中核施設となり、保健所、医師会    等が連携し、各区保健福祉センター、市民福祉センターを含めた健康づくりに関する    事業を実施するものである。その一環として、生活習慣改善のためのプログラム提供、    体験事業の実施、関係職員を対象とする研修、事業支援、情報の収集・提供などを行    い、市民の健全な生活習慣の定着を促進するものである。  (キ)(仮称)総合福祉プラザの整備     市民福祉の向上と地域福祉活動の活発化を図るため、北九州市ボランティア大学校    等の研修機能や情報の収集・提供、相談、世代間交流を促進する機能等を備え、主に    民間の地域福祉活動の拠点として整備するもので、平成14年度のオープンを目指して    いる。  (ク)高齢期へのパスポート事業     向高齢期の人々が、高齢期に向けて取り組むべき健康、趣味、財産管理、社会参加、    住宅などの課題について総合的に学習する講座を開設するものである。  (ケ)高年齢者雇用環境づくり事業     高年齢者就業支援センターを拠点として、公共職業安定所などの就業支援機関との    連携のもとに、高齢者が活躍できる社会的コンセンサスの形成、高齢者の働く場の創    出及び市民、企業の多様なニーズに応じた総合的な相談・支援の実施など、高齢者の    雇用促進を図るものである。  (コ)高齢者向け優良賃貸住宅供給促進事業     高齢者がいっまでも安心して住み続けられる居住環境を実現するため、高齢者に配    慮したバリアフリー等の住宅仕様と緊急通報設備が設置された優良な民間賃貸住宅の    供給を促進するものである。     一定の条件のもとに、建設費補助や家賃減額補助などを行うこととしており、平成    11年度は140戸の認定を行っている。  イ 北九州市高齢化社会対策総合計画第二次実施計画案の概要    第二次実施計画は、第一次実施計画終了に伴い、本格的な少子・高齢社会の到来や介   護保険制度の導入を踏まえ、今後、取り組むべき施策を明らかにするため策定するもの  である。   計画期間は平成12年度から16年度までの5年間とし、北九州市高齢化社会対策総合計  画の理念を引き継ぐとともに、第一次実施計画での取り組みなどを踏まえながら、「介  護保険事業計画」や「老人保健福祉計画」を包含する計画となるものである。   第二次実施計画の策定に当たっては、社会・経済状況や市民意識の変化、介護保険制  度の導入を初めとする社会福祉基礎構造改革の動き、分権型社会への動きなどを踏まえ、  「市民と地域が中心となったまちづくり・ひとづくり」を推進することを基本的な考え  方としている。   また、今後取り組むべき重点目標として、次の7項目を掲げている。    ①市民福祉センターを中心とした地域づくりの推進    ②総合的なサービス提供体制の確立    ③市民がサービス等を自己選択・自己決定できる仕組みづくり    ④市民が主体となった健康づくりの推進    ⑤総合的な痴呆対策の推進    ⑥生きがいと社会参加の促進    ⑦誰もが安心して暮らせるやさしいまちづくりの推進   以上の調査の過程において、委員から、交通弱者対策を第二次実施計画に盛り込むべき  である。   ふろのない住宅が多くありながら公衆浴場のない地域には、仮設の浴場を設置するべき  である。   地域公民館の2枚看板化に伴うエレベーターの設置は、明確な年次計画を定めて実施す  るべきである。   すこやか住宅改造助成事業の助成限度額の見直しを検討されたい、等の意見、要望があっ  た。   なお、調査研究の参考とするため、総合保健福祉センターの運営状況について現地視察  を行った。また、岩手県盛岡市の盛岡駅西口地区密集住宅市街地整備促進事業の一環とし  て整備された、老人デイサービスセンターや在宅介護支援センター等の在宅福祉サービス  推進拠点の視察及び保健・福祉施設を初め、地域住民との交流や生きがい活動のための施  設群として整備されている秋田市の中央地区老人福祉総合エリアについての視察を行った。   高齢化社会対策として、本市がこれまで取り組んできた「三層構造による北九州方式の  地域福祉のネットワークづくり」は、地域住民を初め、保健、医療、福祉等の関係者と行  政との協働により着実に具体化されており、大都市における高齢化社会対策のモデルケー  スの一つとして全国的に注目されるまでになっている。また、ホームヘルプサービスなど  の在宅サービスや特別養護老人ホームなどの施設サービスについても、サービスの提供体  制の確立や基盤整備が着実に進められている。   本委員会としては、今後の「北九州市らしい高齢社会対策」の推進を目指した取り組み  等について、更に調査研究を進めていきたいと考えている。(2)介護保険制度について   人口の高齢化の進展による要介護高齢者の増大、介護リスクの一般化、家族形態の変化  等介護を取り巻く状況の変化や現行の福祉制度による対応の限界などの理由により、平成  9年12月に介護保険法が成立した。   平成12年4月からの本実施に向け、本市では、平成10年4月に介護保険準備室を、同年  5月には介護保険推進本部を設置し、介護保険制度の導入に向けたさまざまな取り組みが  なされている。   本委員会では、このような本市における取り組みを中心に、以下のとおり調査研究を行っ  た。  ア 本市での介護保険導入に向けた取り組み  (ア)区での組織体制の整備     平成11年4月から各区保健福祉センターに介護保険係を設置し、介護保険に関する    相談や要介護認定申請の受け付けを行うための組織体制の整備を図っている。  (イ)高齢者等実態調査の実施     市内の要援護高齢者数や介護の状況等を把握するため、平成10年5月から7月にか    けて、市民約2万5,000入を対象に実施されたもので、この調査結果については、介    護保険事業計画策定の資料として活用されるものである。  (ウ)介護保険事業計画策定委員会の設置     平成12年度から16年度までの介護サービスの整備目標などを定める介護保険事業計    画の策定に当たり、被保険者の意見を反映するため市政モニター7名を含む28名の委    員で構成される介護保険事業計画策定委員会が平成10年7月に設置されている。  (エ)要介護認定モデル事業の実施     平成11年10月からの要介護認定の開始に備え、要介護認定のモデル事業を全区で行っ    た。これにより、実務上の課題を制度施行に反映させるとともに、厚生省に対し要改    善項目の報告を行っている。  (オ)市民PRの推進     平成10年度から、職員による出前講演、出前トークを積極的に実施し、広く市民の    意見や要望を聞くとともに、市政だよりやテレビ、ラジオを活用した市民PRを実施    し、幅広く介護保険制度の趣旨や内容の周知を図っている。  (カ)北九州市介護認定審査会の設置     要介護状態を審査判定するための北九州市介護認定審査会が平成11年7月15日に設    置された。認定審査会は、医師2名と保健、医療、福祉関係者3名の5名からなる合    議体74チームと、全合議体の審査判定基準の平準化を図る平準化委員会1チームで構    成される。     合議体による審査・判定は、各合議体ごとに1ヵ月に2回程度、総合保健福祉セン    ターで開催され、平成11年10月からの6ヵ月間で、最大約3万3,000件と予想される    申請を処理することとなっている。  (キ)介護保険サービス標準契約書の作成     介護サービスをめぐるトラブルを未然に防ぎ、適正な介護サービス利用契約が締結    されるよう、福岡県弁護士会北九州部会との共同事業として、利用者保護の視点を盛    り込んだ本市独自の標準契約書の原案を作成している。     契約書は在宅サービス、施設サービスの内容により16種類に区別されるが、医療系    のサービスまで作成する自治体は本市が初めてである。  イ 本市で実施される介護保険の概要    平成12年2月に、介護保険でサービスを提供する事業者などに支払われる介護報酬の   単価が厚生省から示されたことにより、本市で実施する介護保険の概要は次のとおりと   なっている。  (ア)施設サービス量の見込み     65歳以上の高齢者人口に対する施設利用者の割合は、国においては平成16年度目標    を3.4%としているが、本市では高齢者等実態調査の結果を踏まえ、特別養護老人ホー    ム、老人保健施設及び療養型病床群等の利用者割合を3.6%と設定した。その結果、    16年度までに7,430人分のサービスが提供できるように施設の整備が図られることと    なる。  (イ)在宅サービス量の見込み     ホームヘルプ、訪問看護などの訪問系サービスの利用希望率は、平成16年度に国の    基準である60%となるように設定し、デイサービス、デイケア、ショートステイは、    現在の利用実績から、その伸び率を毎年5%と見込んでいる。その結果、在宅サービ    スの平均利用希望率は、平成12年度では36.4%であるが、16年度には61.7%となる見    込みである。  (ウ)保険料について     厚生省が示した介護報酬の単価から試算された本市の65歳以上の第1号被保険者の    基準月額保険料は3,150円程度であり、被保険者の所得状況等により、保険料が決め    られることになる。  ウ 介護保険制度下での本市の高齢者福祉施策の方向性    現行施策で実施されている事業のうち、介護保険に移行する事業以外の事業や非該当   者対策などについては、次のとおり検討されている。  (ア)存続の見直しをする事業     介護保険の導入により介護者の負担が軽減されることなどから、寝たきり年長者等    介護見舞金については、その存続について見直しが検討されている。  (イ)非該当者対策     介護保険のサービスが受けられない人のうち、居住環境や家庭状況により支援が必    要と認められる人への家事援助サービスの提供、市民福祉センターなどを活用した    (仮称)生きがい対応型デイサービスの実施、また、特別養護老人ホーム等に入所し    ている人の経過措置期間内での円滑な退所を援助するために、高齢者生活福祉センター    の整備やぶれあいむら市営住宅の活用が考えられている。  (ウ)低所得者対策     介護保険の利用料は、利用者の所得状況にかかわらず、一律に1割の自己負担とす    る仕組みとなっているため、激減緩和の経過措置等及び利用料が著しく高額となる場    合に支給される高額介護サービス費の上限額を超える部分への貸付事業の実施が検討    されている。   以上の調査の過程において、委員から、介護保険制度を円滑に運営するために、リバー  スモーゲージ制度の導入を検討されたい。   市民に対して、特にひとり暮らし高齢者に、介護保険制度の周知を徹底されたい。   非該当者対策として実施する(仮称)生きがい対応型デイサービス事業での送迎を検討  されたい、等の意見、要望があった。   介護保険制度は、21世紀の超高齢社会を見据え、国民の最大の不安要因となっている介  護問題に的確に対応していくために、国民の共同連帯の理念に基づき、給付と負担の関係  が明確な社会保険方式により、社会全体で介護を支える新たな仕組みとして創設されるも  のである。   しかし、今までにはない新しい制度の導入であることから、平成12年4月の本実施に当  たっては、ある程度の混乱と試行錯誤も予想される。   本委員会としては、新しい時代への社会保障制度改革の第一歩となる介護保険制度の円  滑な導入・運営に向けた当局の取り組みについて、更に調査研究を進めていきたいと考え  ている。(3)少子化対策について   総務庁がまとめた平成11年4月1日時点の人口推計では、全国の15歳未満の子供の数は  12年連続で過去最低を更新して総人口に占める割合は14.9%となり、少子化に拍車がかかっ  ている実態が浮き彫りになっている。   本市では平成9年に「北九州市子どもプラン」を策定し、子供の最善の利益の確保、子  供が健やかに生き生きと成長できる環境づくり、及び子供を持ちたい人が安心して産み育  てられる環境づくりを目指したさまざまな取り組みがなされ、一定の成果が上がっている  ところである。   本委員会では、本市における今後の少子化対策への取り組みを中心に、以下のとおり調  査研究を行った。  ア 少子化の現状  (ア)少子化の原因     晩婚化、未婚率の上昇及び夫婦の理想子供数と実際の出生児数との格差などが指摘    されている。その背景には、仕事と子育ての両立困難、男女の役割の固定化及び地域    での親の孤立・孤独感など、若い世代が結婚や出産、子育てをためらうさまざまな要    因があり、これらの要因を取り除き、家庭や子育てに夢と喜びを持つことができる環    境づくりを進める必要がある。  (イ)子供が直面する問題     急速な少子化の進行は、子供同士、特に兄弟・姉妹や年齢の異なる子供同士の集団    体験の不足や、親の過保護・過干渉により子供自身の社会性をはぐくむことが難しく    なるなどの環境が、子供の成長にも影響を及ぼしている。また、いじめや不登校、児    童虐待などの子供が直面する問題が深刻化しているが、その背景には、家庭の教育機    能の低下や地域コミュニティーの変化など、さまざまな社会的要因が影響しており、    今後、父親、母親の役割を再確認するとともに、子供たちの成長を支える地域社会の    再構築に取り組む必要がある。  イ 平成11年度における本市の少子化対策への取り組み  (ア)「北九州市少子化対策推進本部」の設置     平成11年4月6日に、市長を本部長とし関係局長を本部員とする「北九州市少子化    対策推進本部」が設置された。総合的な少子化対策に取り組んでいく手始めとして、    市民団体や子育て世代から直接意見を聞く「市民の皆さんの意見をきく会」の開催や、    ファクス、ホームページの開設により、幅広い意見の聴取に努めている。  (イ)「市民の皆さんの意見をきく会」の開催     少子化対策についての幅広い意見を聞くため、平成11年4月から7月にかけて33回    にわたり、子育てサークル参加者、保健、医療、福祉関係者、学生、ボランティア、    企業関係者など、幅広く子育てに関係する人や公募による市民を対象に開催された。     ここで出された意見としては、子育て支援の仕組みづくりに関すること、保育所、    幼稚園、学童保育、教育に関すること、公共施設や公園など生活環境の整備に関する    こと及び経済的な支援や助成制度の充実など多岐にわたっている。  (ウ)「北九州方式の少子化対策」原案の策定     少子化の原因や子供が直面する問題、「市民の皆さんの意見をきく会」で出された    意見などを踏まえて、本市の少子化対策の方向性を示す「北九州方式の少子化対策」    の原案が策定された。     原案では「子どもの成長と子育てを地域で支え合うまちづくり」を基本的な目標に    掲げ、子どもの成長と子育ての支援(すくすくシステム)、地域の風土づくり(いき    いきシステム)、まちづくり(うるおいシステム)の3つの柱により構成されており、    それぞれ次のとおり取り組みの方向性が示されている。    a すくすくシステム    (a)地域住民との協働による「子育て支援」の仕組みづくり    (b)子どもの健やかな成長支援(保健・医療・福祉サービス、学校・社会教育の充      実)    (c)子育てと仕事の両立支援(保育サービス等の充実)    b いきいきシステム    (a)家庭・子育て・地域活動と両立できる雇用環境づくり    (b)地域活動の充実    (c)男女がともに子育てを担う意識づくり    c うるおいシステム    (a)遊び・体験の環境づくり    (b)安心して生活できる“人にやさしいまちづくり”  (エ)「少子社会懇談会」の設置     学識経験者、保健、医療、福祉関係者、教育関係者、企業関係者、労働団体関係者、    市民代表の25名からなり、「北九州方式の少子化対策」の原案をもとに、北九州市と    して取り組むべき重点的な課題について、施策レベルで自由な意見・提案を求めるた    めに設置されたものである。     平成12年夏ごろまで1~2ヵ月に1回程度開催され、懇談会での議論の結果は提言    として集約し、平成12年秋ごろに策定される予定の(仮称)新子どもプランに可能な    限り盛り込まれることになっている。   以上の調査の過程において、委員から、新婚世帯への住宅の提供や子育て世帯への経済  的な支援について、早急に検討を行うべきである。   平成12年4月から着用が義務づけられるチャイルドシートの貸し出し等を検討されたい、  等の意見、要望があった。   なお、調査研究の参考とするため、埼玉県熊谷市の「かごはらことぶき保育ステーショ  ン」での保育所への送迎とそれに伴う保育やこ育児相談、短時間保育への取り組みについ  て、視察を行った。   少子化の進行は、労働力人口の減少、家庭・地域の支え合い機能の低下、社会保障の負  担増など、社会経済全体に深刻な影響を及ぼす聞題であり、子供を持ちたいと思う人が安  心して産み育てることのできる生活環境や地域社会を形成することは、緊急を要する課題  である。   本委員会としては、「北九州方式の少子化対策」が、これらの課題の解決に向けた実効  ある施策となるように、更に調査研究を進めていきたいと考えている。(4)男女共同参画社会の形成について   少子・高齢化の進行、産業構造の変化、国際化の進展等社会のさまざまな変革に対応し、  21世紀に向けて豊かで活力ある社会を形成するには、女性と男性があらゆる分野に平等な  立場でともに参画し、その発展に貢献する男女共同参画社会の形成を図ることが不可欠で  ある。   本市では、女性に関する施策を総合的、計画的に推進するために策定された北九州市女  性プランに基づき、女性聞題の解決に向けた具体的な施策が展聞されている。   本委員会では、「北九州市女性プラン」に基づいた本市の女性行政施策について、次の  とおり調査研究を行った。  ア 本市の主な女性行政施策の概要  (ア)「男女共同参画フォーラムin北九州」の聞催支援     各種女性団体が横断的に連携した団体である北九州市女性団体連絡会議が主催する    「男女共同参画フォーラムin北九州」の聞催を支援することにより、男女共同参画社    会の形成を目指すものである。     平成11年度は、全体フォーラムを7会場、地域フォーラムを22会場で実施したほか、    新たに「地域団体男女共同参画聞題PR」を16会場で実施し、男女共同参画の視点で、    地域の各団体と身近な聞題について話し合う取り組みがなされている。  (イ)男女共同参画地域推進員の配置     地域で草の根的に男女共同参画に関する聞題等の広報、啓発を行い、地域と行政の    パイプ役を果たすことを目的に、平成4年から中学校区に1人ずつ、公募選考による    男女共同参画地域推進員が配置されている。  (ウ)女性が働きやすいシステムづくり     平成7年度から10年度にかけて、有識者、市民団体、女性団体代表者等で構成する    女性が働きやすいシステムづくり推進協議会が設置され、「職場環境」と「地域・家    庭環境」の2つのテーマに分けて検討、提言がなされている。     その成果の一つとして、北九州助成労働関係機関連絡会議が平成11年10月に設置さ    れた。今後、情報交換を行い、合同の広報・啓発事業の実施等に取り組むなど、各機    関と連携を図りながら女性が働きやすい環境整備が進められる予定である。  (エ)市の審議会等委員会への女性の参画の促進     現行の北九州市女性プランに掲げられた目標は「平成11年度までに30%」である。     平成11年6月1日現在の各種審議会等の女性委員の割合は24.4%であり、目標達成    には厳しい状況にあるが、引き続き努力が続けられている。  (オ)アジア女性交流・研究フォーラム事業     アジア地域の女性の地位向上と連携・発展の核として機能することを目指した事業    で、「アジア女性会議ー北九州」の開催、アジア諸国との共同研究、情報誌「Asian     Breeze」の発行など、国際交流と調査・研究事業を柱にさまざまな事業が展開されて    いる。  (カ)北九州市立女性センター「ムーブ」     女性問題に関する各種講座の開催、情報誌「ムービング」等による情報提供、相談    事業、就業支援事業等を実施しているほか、女性人材情報であるムーブネットの充実、    「ムーブフェスタ」市民企画事業参加グループへの助成等、市民の自主的な活動への    支援が行われている。  イ 次期助成プランの策定  (ア)次期助成プランに対する提言     学識経験者、市民団体代表、女性団体代表者からなる第9期北九州市女性行政推進    会議は平成10年3月に設置され、「次期北北九州市女性プランに対する提言」を検討    し、平成11年8月に、市民の意見等を踏まえた最終提言を市に提出している。     最終提言では、基本理念を「個人の尊厳」とし、これを支えるものとして「人権の    確立」と「両性の平等」を掲げ、基本理念を実現していくための今後10年間を見通し    た取り組みの目的を男女共同参画社会の実現と新しい価値の創造」と定めている。     また、この目的を達成するために、①男女の自立②女性のエンパワーメント(力を    つけること)③固定的性別役割分担意識からの解放④あらゆる場面での女性と男性の    対等なパートナーとしての参画⑤国際的視点の確保の5つの目標が掲げられている。     更に、目的、目標を達成するため、「女性の権利は人権である」との意識の確立と    取り組みの推進など6つの課題と、メディア等における女性の人権尊重と女性に対す    る暴力根絶に向けた取り組みの推進など17の方向性が示され、これらを推進するため    に、市役所内推進体制の充実・強化など6つの取り組みが示されている。  (イ)次期女性プランの概要     最終提言の中で示されている具体的取り組みの例示について、施策として具体化す    るものであり、おおむね最終提言に沿った内容となる見込みである。     計画期間は平成12年度から16年度までの5年間とし、平成11年度末までに策定され    る予定である。   平成11年6月に公布、施行された男女共同参画社会基本法の前文では、男女平等の実現  に向けたさまざまな取り組みが一層必要とされていることや、少子高齢化の進展、経済活  動の成熟化など、社会・経済情勢の急速な変化に対応していく上で、男女共同参画社会の  実現は緊要な課題であると述べられている。   本市では、平成2年に策定された北九州市女性プランにより、その実現に向けた取り組  みがなされ、一定の成果を上げているところである。   本委員会としては、次期女性プランの策定が、本市の男女共同参画社会の形成の促進に  つながるように、更に調査研究を進めていきたいと考えている。            環境都市づくり対策特別委員会中間報告                                  平成12年2月24日                         環境都市づくり対策特別委員会                              委員長  原   博 道 平成11年3月29日、本委員会に付託された事件について、現在まで調査した経過を次のとおり中間報告する。                     記1 調査事件(1)環境ホルモン等の対策について(2)エコタウン事業の推進について(3)生活環境の整備について2 調査の経過(1)環境ホルモン等の対策について   近年、ダイオキシン類や同物質を含む環境ホルモンの問題については、国民的な関心事  であり、私たちの生活に大きな影響を与えるものとされている。しかし、その因果関係は  科学的にほとんど解明されていない。そのため、現在、さまざまな研究が進められている。   本委員会は、環境ホルモン・ダイオキシン類対策の取り組み状況について、調査研究を  行った。  ア 環境ホルモン対策について    環境ホルモン物質とは、動物の生体内に取り込まれた場合に生体内で営まれる正常な   ホルモン作用に影響を与える外因性の物質である。    現在、環境庁では、農薬類、工業原料、塗料や焼却によって生成するダイオキシン類   など、67種類の化学物質をリストアップしている。環境ホルモン物質の影響により、動   物の生体内のホルモン作用をかく乱することで生殖機能を阻害したり、悪性しゅようを   引き起こすなどの悪影響を及ぼしている可能性があるとの指摘がなされている。  (ア)国の取り組みについて     建設省による主要河川の調査によって、ビスフェノールAなどの存在が全国的に広    がっていることが指摘されている。     環境ホルモン問題は生物生存の基本的条件に係るもので、世代間を越えて深刻な影    響をもたらす恐れがあり、環境保全上の重要かつ緊急の課題である。     環境庁は、平成10年5月、「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」を策定し、総合的な    環境ホルモン問題に取り組むなど、環境庁、厚生省、農林水産省などが各分野におい    て、環境汚染の実態調査や試験方法の開発などの取り組みを行っている。  (イ)本市の取り組みについて     本市としては、国の実施する調査研究に積極的に参加、協力するとともに、平成10    年8月、学識経験者及び市内研究機関の代表者などから構成する「環境ホルモン北九    州委員会」を設置し、山田緑地を中心とした多肢ガエルに着目し、環境モニタリング    や生物への影響調査の実施並びにドバトを指標にした環境モニタリングシステムの開    発の検討を行っている。このような環境ホルモン物質に関する調査研究を独自で実施    している自治体は、本市のみである。     また、環境ホルモン関連の情報を収集し、正確な情報を市民に提供することとして    いる。  イ ダイオキシン類対策について    我が国では、ダイオキシン類排出量の9割以上がごみを焼却するときに生ずると言わ   れている。そのため、国では、平成9年12月に大気汚染防止法並びに廃棄物の処理及び   清掃に関する法律を改正強化し、廃棄物焼却施設から排出されるダイオキシン類の規制   や排出量を抑制するため、施設の構造基準や維持管理基準を定めて対策を進めている。  (ア)国の取り組みについて     平成11年3月、ダイオキシン対策関係閣僚会議において、ダイオキシン類汚染に対    する国民不安を背景に、ダイオキシン対策推進基本指針を策定し、平成14年度までに    ダイオキシン類排出総量を平成9年に比べ、約9割削減することなど、ダイオキシン    類対策を推進していくことを決定した。     また、平成11年7月にはダイオキシン類対策特別措置法が成立し、平成12年1月に    施行された。本法律では、新たに大気、水質、土壌の環境基準を設定し、ダイオキシ    ン類排出施設として、現行の廃棄物焼却炉、製鋼用電気炉に加え、鉄鋼用焼結炉など    が指定施設となり、これらから排出されるダイオキシン類についても規制され、本格    的な対策が進んでいる。  (イ)本市の取り組みについて     本市では、平成9年度の大気汚染防止法並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法律    の改正を受けて、市のごみ焼却工場のダイオキシン低減対策の実施、民間の廃棄物焼    却炉の現況調査・指導を行ってきた。また、平成10年度からは市内4地点で環境大気    中のダイオキシン測定を開始し、平成11年度から土壌調査をあわせて行うなど、ダイ    オキシン類対策を実施している。平成10年度のダイオキシン類の調査結果では、一般    環境大気では、現行の環境指針値を大きく下回っている。また、市内廃棄物焼却施設    の排ガスについても現在の基準を下回っている。     更に、未規制の小型焼却炉については、公害防止条例の施行規則を改正し、条例対    象の焼却炉のばいじん規制を強化するとともに、家庭用焼却炉でのプラスチック類の    焼却の自粛を求めるなどの対策を行っている。   以上の調査の過程において、委員から、本市が率先して、福岡県域での積極的な取り組  みをされたい。また、市民の不安を解消するためにも、わかりやすい小冊子の作成など、  啓発活動に取り組まれたい、等の意見、要望があった。   なお、調査研究の参考とするため、平成11年7月に、横浜市の環境科学研究所のダイオ  キシン分析施設の視察を行った。   現在、より一層の環境保全のために、環境行政の骨格となる環境基本条例の制定に向け  て、準備が進められている。   本委員会としては、環境ホルモン北九州委員会での研究の成果やダイオキシン類対策と  して、発生源対策を徹底するにとどまらず、廃棄物の資源化、減量化をあわせて進めてい  くなど、資源循環型社会の実現を目指すため、継続して調査研究を進めたいと考えている。(2)エコタウン事業の推進について   エコタウン事業とは、すべての廃棄物を他の産業分野の原材料として活用し、あらゆる  廃棄物をゼロにするゼロ・エミッション構想の実現を目指し、資源循環型社会の構築を図  るものである。   本市では、北九州市ルネッサンス構想及びアジェンダ21北九州に基づき、環境に配慮し  た産業都市づくり、持続的発展可能な社会の実現に向けた取り組みを実施しており、公害  克服の過程などで培った技術や経験を生かして、環境産業をこれらの実現のための柱とし  て位置づけ、その振興を図っている。   平成9年7月、全国に先駆け、エコタウン事業の地域承認を受け、本市の環境産業の基  本方針を定めるため、産学官で構成する北九州市環境産業推進会議を設置して、北九州ェ  コタウン事業を積極的に推進しているところである。   本委員会は、北九州エコタウン事業の進ちょく状況について、調査研究を行った。  ア 実証研究センターの整備    企業、大学、行政の連携により、最先端の廃棄物処理技術やリサイクル技術を実証的   に研究する機関を集積し、環境関連技術開発拠点を目指している。現在、9施設が開設   され、その他にも複数の実証実験プラントの建設が計画されている。また、北九州エコ   タウン事業を総合的に支援する中核施設として、(仮称)エコタウンセンターを平成12   年度に建設する予定である。  イ 総合環境コンビナートの整備    環境産業の事業化を展開し、各事業を相互に連携することでゼロ・エミッション型の   産業コンビナートを形成することを目指している。現在、3施設が操業を開始し、1施   股が建設中である。    また、市内に既存する自動車解体業者の移転、高度化及び独創的・先駆的なリサイク   ル技術を有する中小業者・ベンチャー企業の事業化を支援するために、響リサイクル団   地の整備を行うこととしている。   以上の調査の過程において、委員から、リサイクル企業の誘致活動とともに、進出企業  の支援体制の強化を図られたい。また、リサイクル企業への地元雇用を促進されたい、等  の意見、要望があった。   なお、調査研究の参考とするため、平成12年1月に北九州エコタン事業における廃プラ  スチックリサイクル技術実証研究施設、OA機器リサイクル施設及び使用済み自動車リサ  イクル施設の視察を行った。   本委員会としては、我が国を代表する環境産業の集積とリサイクル技術開発の拠点化を  推進するため、継続して調査研究を進めたいと考えている。(3)生活環境の整備について   本委員会では、市民に身近な生活環境や快適な住環境の整備状況について、調査研究を  行った。  ア 市民に身近な生活環境の整備について  (ア)「明るく安全なまちづくり」街灯整備事業     夜間の明るく安全な道路空間の確保は、交通事故や犯罪の発生を防止する観点から、    かねてより市民要望が強いものである。     平成11年度、現行の道路照明灯と防犯灯の中間的な照明灯の新設及び自治組織に対す    る防犯灯の補助制度の拡充を図るものである。   a 街路灯・生活街路灯整備事業     住宅地区内の生活幹線道路やバス路線、通学路、夜間の利用が多い公共施設の周辺    道路に、街路灯・生活街路灯を設置する。   b 自治組織に対する防犯灯の補助制度の拡充     自治組織による防犯灯の設置・維持については、設置補助の補助率、限度額の拡大    を行う。また、電気料補助は、修繕料補助を含む維持管理補助として拡充を行う。     また、白熱灯から蛍光灯への切りかえを促進するため、環境保全基金を活用し、補    助制度を創設する。  (イ)生活道路等緊急整備事業     市民の身近な要望を生かして、道路や公園などの維持補修を行うとともに、地元中    小企業向けの事業を確保し、地域経済の活性化を図るため、平成10年度の重点化措置    として、生活道路等緊急整備事業枠を設けた。平成11年度も、これまでの実績や市民    要望、景気の動向などを総合的に検討し、引き続き実施するものである。     事業対象は、生活道路の維持修繕、舗装・側溝などの整備、身近な公園の整備及び    市の福祉・教育関係施設などの維持修繕である。  (ウ)東西連絡管整備事業     平成10年4月、耶馬渓ダムを水源とする第5期拡張事業により、井手浦浄水場への    通水が開始され、一日の給水能力は、76万9,000立方メートルとなった。これにより    遠賀川に依存した西高東低型の水源から、東西両方向からバランスよく導水できる水    源の多元化が図られた。     一方、水道の基幹的な送水管の老朽化が進んでいるため、東部地区と西部地区を相    互に連絡し、送水管のネットワーク化を推進するとともに、老朽化した送水管を改良    する目的で東西連絡管を整備している。このライフラインの整備により、事故や災害    などへの対応の強化を図ることができ、また、渇水期や豊水期には相互融通により効    率的な水運用も可能となる。     平成9年度から事業に着手し、平成14年度の完成予定である。  (エ)高度浄水施設整備について     近年、本市の主要水源である遠賀川の原水は、生活排水の影響による有機汚濁が進    行し、カビ臭の発生やアンモニア性窒素の増加などの対応が課題となっている。この    ため、カビ臭などの異臭味や遠賀川の水質特性であるアンモニア性窒素などの除去と    ともに、トリハロメタン生成の原因物質である有機物の低減化を図り、市民に安全で    良質な水の供給を行うため、平成12年度までに、本城浄水場に生物処理方式による高    度浄水施設を整備するものである。  イ 住環境の整備について  (ア)住宅市街地整備総合支援事業の推進     大都市地域などの既成市街地において、快適な居住環境の創出、都市機能の更新、    新しい市街地景観の形成等を図りつつ、職住近接型の良質な市街地住宅の供給を推進    するため、住宅などの建設、公共施設の整備等を総合的に行う事業について、国が必    要な助成を行う事業である。    a 八幡高見地区      当地区の総合開発は、新日鍼高見社宅の統廃合にあわせ、高級感のある地区のイ     メージを生かし、戸建住宅、共同住宅、公共施設等の整備を一体的に行い、良質な     まちづくりを行うものである。    b 穴生地区      当該事業は、未利用地の企業社宅跡地を活用し、地区内の豊かな自然環境を生か     した「自然にやさしい街」をテーマに住宅、道路、公園、公共公益施設などの整備     を総合的に行い、人口の定着、地区の再生を図るものである。    c 久岐の浜地区      当該事業は、若松駅構内跡地を活用し、海に面した立地により「ウオーターフロ     ントを生かした都市型住宅」をテーマに良質な住宅と道路、公園、公共公益施設を     あわせて総合的に整備し、新しい文化、コミュニティーの形成と地域の活性化を図     るものである。    d 篠崎地区      当該事業は、市の活性化及び健全な都心居住に資する住宅供給の先導的なプロジェ     クトとして位置づけ、「都心のふるさと造り」をテーマに道路、公園などの整備を     行い、住宅市街地としての再整備を行うものである。    e 白銀地区      当該事業は、公団住宅の建て替えに際して、土地の高度利用を図り、良好な居住     環境と利便性を備えた市街地住宅を供給し、都心居住を促進するものである。  (イ)住環境整備事業の推進     宅地や道路が狭く、木造老朽住宅が密集しており、居住者の高齢化もあって、自発    的な建て替えが進まない密集住宅市街地において、密集住宅市街地整備促進事業の手    法を用いて、住宅事情の改善、居住環境の整備、老朽住宅の建て替えの促進等を行い、    防災性の向上や活性化を図り、もって安全で決適なまちづくりを行うものである。    a 西折尾地区      当地区は、老朽化した住宅が密集し、生活道路は狭あいかつ急勾配で急傾斜地も     多く、日常生活や災害時の避難救助活動などに多くの問題を抱えるほか、公共施設     などが不足している。      折尾駅を中心とした開発計画「折尾まちづくり構想」の中で居住環境改善ゾーン     として位置づけ、住民合意のまちづくりを基本に、広域開発と一体となった安全で     快適なまちづくりを行うものである。    b 平松地区      当地区は、住宅が極度に密集しているため基盤整備が行えず、防災、衛生、住宅     更新等の面で問題を抱え続けてきた。      このため、老朽住宅・宅地の買収、従前居住者住宅の建設、道路・緑地等の公共     整備により、安全で決適なまちづくりを行うものである。    c 丸山・大谷地区      当地区は、旧中心市街地に近接する斜面に位置する住宅地である。この地区は地     形の複雑さと開発された時代背景により、車の寄り付ける住宅はわずかで、大半の     住宅へは狭あいな階段道や坂道を徒歩で行き来する状況にある。高齢化率の高い当     地区は、道路事情の悪さから、消防車等の緊急車両の進入困難や移動入浴サービス     等の福祉サービスの円滑な提供が阻まれるなど、住環境上の問題を抱えている。      本事業は、全国的にも例の少ない斜面住宅地における住環境整備事業の手法を確     立するため、モデル事業として取り組むものである。    d 長浜地区      当地区の東半分は、狭あいな私道に沿って極度に住宅が密集しており、災害発生     時の危険度の高さや、日照、通風、採光等の居住環境に問題を抱えている地域であ     る。また、平成10年度に施行された都市計画道路砂津長浜線によって地域コミュニ     ティーに対する影響が生じている。      そこで、砂津長浜線の整備にあわせ、地域コミュニティーの再編を考慮した住環     境の整備を行い、安全で快適な居往環境を創出するものである。  (ウ)土地区画整理事業の推進     土地区画整理事業は、都市計画区域内の上地について、公共施設の整備改善及び宅    地利用の増進を図るため、土地の区画形質の変更及び公共施設の新設、又は変更に関    する事業であり、健全な市街地の造成を図り公共の福祉の増進に資することを目的と    したものである。     現在、本市では、郊外地を中心として新市街地の建設を目指して数多くの事業を行っ    ており、現在までに約4,800ヘクタールの面積の事業を行っている。これは市街化区    域の約25%に当たり、本市のまちづくりに大いに貢献している。     現在、施行中の土地区画整理事業は、市施行が、徳力地区(小倉南区)、下上津役    中央地区(ハ幡西区)、上の原地区(ハ幡西区)、東折尾地区(ハ幡西区)の4地区、    組合施行は、東田地区(八幡東区)、永犬丸・則松地区(ハ幡西区)、乙丸地区(若松    区)、吉志地区(門司区)の4地区であり、合計8地区となっている。  (エ)公営住宅の計画的整備と質の向上    a 公営住宅整備事業      当該事業は、住宅に困窮する低額所得者に対して、低廉な家賃で良質な住宅を供     給することにより、市民生活の安定と社会福祉の増進を図るものである。      現在、本事業は、老朽化した市営住宅の建て替えを中心に行っており、その際、     市営住宅再配置計画に沿って、地域の住宅バランスの適正化を図るとともに、少子・     高齢化等の社会情勢に配慮した住宅整備を進めるものである。      住戸の整備に当たっては、平成3年度から床段差の解消等、バリアフリーを標準     として供給しており、平成7年度からは、一部の住戸に対して、高齢者向け浴槽の     設置等、特に高齢者の安全に配慮した整備を行っている。    b 借上型市営住宅等整備事業      都心部の人口減少、高齢化が著しい地域の定住促進を図ることを目的に、民間の     土地所有者が新築する住宅を市が20年間にわたり市営住宅として借り上げ、住宅に     困窮する低額所得者に低廉な家賃で転貸しするものである。      市営住宅再配置の推進に当たり、単独で建て替え困難な団地や用途廃止団地の従     前居住者の受け皿住宅として活用し、市営住宅の総戸数を増やすことなく計画的に     中心市街地等の人口減少地区に供給していくものである。  (オ)民間活力を活用した優良な賃貸住宅等の供給    a 特定優良賃貸住宅供給促進事業      高齢化、児童数の減少等、さまざまな問題を抱える人口減少地区等において、居     住環境が良好な賃貸住宅の供給を促進し、地域定住及び人口増の対策を推進するも     のである。    b 高齢者向け優良賃貸住宅供給促進事業      介護保険の導入に伴い、高齢者の安全で安定した居住を確保するため、低廉な家     賃で入居できる賃貸住宅の供給を促進することにより、高齢者と地域社会が自立で     きる居住環境を実現するものである。    c 定期借地権付分譲住宅の供給      平成4年の借地借家法の改正により創設された定期借地権を活用し、土地所有権     を取得する住宅に比べ、若年層でも取得しやすい比較的安価で良好な住環境をもつ     定期借地権付住宅を供給するものである。   以上の調査の過程において、委員から、住環境整備事業の推進に当たっては、住民の意  向を十分に把握し、事業に取り組まれたい。また、人口減少、高齢化などの状況を勘案し、  各区バランスのとれた住宅政策を展開されたい、等の意見、要望があった。   なお、調査研究の参考とするため、平成11年7月に、環境未来都市を目指すハウステン  ボスにおける環境設備の視察を行った。   本委員会としても、社会の成熟化や科学技術の急速な進歩の中で、市民の心の充足に対  するニーズは、ますます高まっている。地区の特性に応じたきめ細かなまちづくりや快適  で質の高い生活環境を実現するため、更に、調査研究を進めたいと考えている。           都市開発・都市交通対策特別委員会中間報告                                  平成12年2月24日                        都市開発・都市交通対策特別委員会                              委員長  新 上 健 一 平成11年3月29日、本委員会に付託された事件について、現在まで調査した経過を次のとおり中間報告する。                     記1 調査事件(1)物流及び広域交通ネットワークについて(2)学術・研究都市の形成にういて(3)都心・副都心の整備について2 調査の経過(1)物流及び広域交通ネットワークについて   産業構造等の変化により、交通・貿易の要衝として発展してきた本市の経済的、社会的  な地位は、相対的に低下している。そこで、地理的優位性や既存物流基盤の活用とともに、  新規物流関連インフラの充実、すべての輸送モードが提供できる広域的な交通拠点の形成  及びアジアとの密接な結びつきやFAZ機能を生かした輸出入基地化等に取り組み、陸、  海、空すべてのモードが結節したアジアにおける国際物流の拠点を目指して、交通・物流  施策を積極的に進めている。   本委員会では、物流拠点整備、響灘の港湾整備、新北九州空港の建設促進、北九州空港  対策並びに都市高速道路、東九州自動車道及び幹線道路網の整備等についで、次のとおり  調査研究を行った。  ア 物流拠点整備について    本市では、産業復興と交通拠点形成への取り組みを有効活用するとともに、国の「総   合物流施策大綱」に基づくインフラ整備や規制緩和等を追い風として、アジアにおける   産業技術・国際物流拠点の形成を目指している。平成10年7月には、北九州市物流対策   本部を設置し、関係部局が協力して、総合的な物流対策を講じる体制とした。また、平   成11年4月に提出された北九州市物流拠点都市構想基本調査報告書での、ヒアリング調   査による事業者ニーズの把握や50件にわたる提言を参考に、同年8月には「北九州市物   流拠点都市づくり基本方針」を作成し、物流拠点都市構想の具体化へと動き出した。  (ア)基本方針の骨格     基本調査での50件の提言は、下記の2つのビジョン、それぞれ3つの施策の方向性    に分類し、事業として取り組んでいくこととしている。    a アジアの技術フロンティアの形成    (a)技術力・人材の蓄積を生かしたアジアの国際分業を担う産業の育成    (b)環境関連産業の育成    (c)FAZ機能等を生かした輸出入ビジネスの振興    b グローバルネットワークの形成    (a)国際トランシップ(積替・加工)型港湾としての機能強化    (b)国内フィーダーネットワークの形成    (c)国内・国際複合一貫輸送拠点の形成  (イ)基本方針でのリーディングプロジェクト    a 使いやすく魅力ある新しい港づくり    b 港湾への多様な広域アクセスの整備    c アジアとの連携による新たな輸入・加工拠点の形成    d リサイクルゲートウエーの形成  (ウ)物流対策木部における今後の総合的な推進体制     物流対策本部関係部局間においてコンピューターネットワーク化を行い、物流関係    情報を共有化することで、企業へのセールス、情報収集の効率化を図る。また、国内    外との物流情報の収集、発信体制などの活動を推進する。  イ 響灘の港湾整備について  (ア)整備の全体構想及び第1期計画の進ちょく状況    a 全体構想      平成32年を完成目標に、響灘の貨物取扱能力は150万TEUを想定して、水深が     15~16メートルの岸壁を6バース、12メートルの岸壁を4バース及び10メートルの     岸壁を2バースの計12バースを整備し、あわせて防波堤、水深16メートルの航路及     び水深15メートルと水深10メートルの泊地の整備を行う。また、ふ頭用地として約     149ヘクタール、港湾関連用地として約318ヘクタールの土地造成を行っていく。    b 第1期整備計画の進ちょく状況      平成15年度の供用開始を目標に、水深が15メートルと10メートルの岸壁を各2バー     ス整備し、防波堤及び泊地の整備を行うとともに、ふ頭用地約36ヘクタール、港湾     関連用地約47ヘクタールの土地造成を行っている。現在、西防波堤及び水深15メー     トルと10メートルの各1バースの岸壁が概成しており、平成12年2月からは、航路・     泊地のしゅんせつ土砂による埋め立てを開始して、平成13年頃までに完了する予定     である。また、道路、ヤード等の整備は、平成13年から平成15年までの予定で整備     を進めている。  (イ)管理運営の検討状況     ひびきコンテナターミナルについては、三大目標を掲げて実現に向けた検討を行っ    ている。国の規制緩和の動きを視野に入れながら取り組みを重ねていくことで、従来    の日本の主要港にはない規制の少ない新しい港づくりに取り組んでいくこととしてい    る。    a 日本一安い経費の港      荷役機械等の設備を一括発注する等の方策を検討するとともに、共同荷役等につ     いて、地元港運業者と検討を行っている。更に、パイロット料金の軽減化やタグボー     ト、船舶給水、綱取り等の業務の共同化について、地元企業と検討を行っている。    b 365日24時間稼働の港      航行安全支援施設の整備に関する検討を行うとともに、荷役作業員の交代制導入     や24時間ゲートオープン等、常時貨物の搬出入が可能な体制を確立するため、民間     事業者と共同で検討している。    c 定時性・信頼性・効率性の高い港      各種中庸手続のペーパーレス化と情報化(EDI化)を進めるとともに、通関や     検疫等の各種行政手続の簡素化、迅速化を図るため、港湾関係諸官庁と共同でワン     ストップサービスの実現に向けた幅広い検討を行っている。  (ウ)PFI(民間資金等の活用による公共施設等の整備)の導入     国の平成12年度港湾関係予算の大蔵省内示において、PFI法に基づき整備される    コンテナターミナルの公共荷さばき地やガントリークレーン等の施設に対し、無利子    貸付金等の支援や税制優遇措置等が行われることとなったため、導入に向けて検討を    行っている。  ウ 新北九州空港の整備について    新北九州空港は、関門航路等のしゅんせっ土砂を利用して人工島を建設する港湾整備   と空港整備との合併事業であるため、海上空港としては建設コストが安くなることが大   きな特徴である。長さ2,500メートル、幅60メートルの滑走路1本、大型ジェット機用   5バース、中小型ジェット機用各2バースのエプロン、着陸帯等の空港や関連施設を建   設し、約160ヘクタールが管理面積となる。空港種別は、現在の北九州空港と同じく、   国が設置管理する第2種空港として、平成6年10月に本格着工され、平成17年10月の開   港を目指している。  (ア)建設スケジュールの概要     ほぼ概成している苅田沖土砂処分場に接続して、3工区に分けた新門司沖土砂処分    場を、第1工区から順次、護岸工事を概成させて埋立工事を実施し、その後、地盤改    良や滑走路・ターミナル地域の整備、無線施設、照明施設を完成させて開港する予定    である。しかし、昨年の台風18号により、第1工区及び第2工区の護岸等が一部被害    を受けたことから、平成17年の開港予定に支障がないよう第四港湾建設局に対して要    請し、この復旧費用として平成11年度の第2次補正予算が国において措置された。  (イ)今後の課題    a 事業費の確保      一日も早い開港を目指すには、事業費の確保が必要であり、国の平成12年度予算     案では、新北九州空港整備事業費として約100億円が計上されている。    b アクセスの整備      新北九州空港連絡道路については、現在、延長約8キロメートル4車線の地域高     規格道路(一般県道新北九州空港線)として整備に着手している。進ちょく状況と     しては、全長2,100メートルの連絡橋建設工事に平成8年度から着手し、平成11年     度秋には中央径間部の上部工約400メートルが架設された。陸域部約5キロメート     ルの平面道路整備についても、平成9年度から事業着手している。また、新北九州     空港の将来的な発展には、定時性、高速性、大量輸送力にすぐれた軌道系アクセス     が不可欠であり、海上アクセスの検討とともに、多様なアクセスの実現を目指して     いくこととしている。    c 路線誘致      今後の国際化の進展、圏域200万人の人口や産業活動等を考えると、国際定期便     の誘致・就航が必要である。積極的なエアポートセールスを行っていくとともに、     北九州空港において国際チャーター便を継続的に実施し、北九州圏域の国際線需要     を周囲にアピールしていく必要がある。    d 滑走路の延長      人工島の長さは4,125メートルあり、滑走路の延長は十分可能である。今後、国     の航空政策の動向を見ながら、取り組んでいく。  エ 北九州空港対策について  (ア)現状     平成10年度では、東京便の1日3便化が実現した。実施時期が閑散期だったことや    3~4ヵ月の季節運行だったため、定着は困難であったが、通年の利用率は採算ペー    スの60%を維持し、過去最高の利用者数を記録した。平成11年度から再び2便化となっ    たが、航空会社が減便をした背景には、滑走路の制約条件における要因が大きく、大    型機の就航できる本格的な空港が1日も早く望まれている。  (イ)今後の対策     福岡~東京間に新規航空会社が参入し、運賃値下げ競争が激化したことで、周辺の    各空港が影響を受けており、本空港も平成11年4月以降利用率が低下している。福岡    空港との著しい料金格差が生じないよう、今後、航空会社に対して是正措置を求めて    いく。  オ 都市高速道路、東九州自動車道及び幹線道路網の整備等について  (ア)広域自動車専用道路網の整備    a 東九州自動車道      東九州地域の中核として発展を目指す本市にとって、極めて重要な高速道路であ     り、早期整備に向けた取り組みが行われている。      進ちょく状況については、小倉ジャンクションから苅田インタ一間について、土     地の境界測量がほぼ完了し、用地買収範囲を示す幅杭を打設しだ。特に進ちょくの     早い朽網地区においては、用地交渉を行っているところである。また、苅田インター     から行橋インタ一間については、地元との設計協議を行っており、行橋インターか     ら豊津インタ一間については、路線測量、地質調査を実施している段階である。    b 関門海峡道路      関門断面の将来自動車交通需要への対応、関門地域の一本化促進による経済発展、     響灘ハブポート等広域性を持つプロジェクトヘのアクセス支援等を図るために重要     な路線であることから、早期整備を国や地元国会議員等へ要望している。建設省で     は、九州地方建設局と中国地方建設局が共同で、平成4年度からルート・構造等の     基礎調査等を実施している。また、地元経済団体等の動きも活発となり、民間主体     の「関門海峡道路建設促進協議会」が設立されるなど、官民一体となって取り組む     ことにより、国の「新道路整備5ヵ年計画」にも位置づけられている。  (イ)都市内自動車専用道路網の整備    a 国道3号黒崎バイパス      平成3年度に建設省の直轄事業として着手され、ハ幡東区西本町からハ幡西区陣     原までを事業区間としている。平成5年度からは、第1期区間である舟町ランプ地     区から陣山ランプ地区の用地買収が進められており、用地協議については、市及び     土地開発公社も積極的な取り組みを行っている。その中で、国道200号筒井通りの     西側部分については、平成10年10月から暫定拡幅工事に着手し、平成11年度中には     完成予定である。事業の進ちょく状況については、現在、用地取得率約25%、陣原     及び黒崎地区に限ると約80%であり、今後は、本線部分となるJR鹿児島本線北側     の大規模企業及び田町地区の測量、調査が早期着手されるよう、国に対し積極的に     要望している。    b 新若戸道路      新若戸道路は、近い将来、交通量の増加により若戸大橋での円滑な交通処理が困     難と予想されること、更に、ひびきコンテナターミナルの整備に伴い、将来的に交     通量が増大すると予想されることから計画されてさた。平成9年3月には、国際交     流インフラ推進事業の指定を受け、平成11年度予算では街路事業の新規事業として     着工準備調査費、港湾事業として実施設計調査費が計上されている。また、平成12     年度の政府予算大蔵原案では、港湾事業として新規着工予算が認められたことから、     本格的に事業着手されるものと期待される。ひびきコンテナターミナルの本格稼働     に合わせて、平成17年度の供用開始を目標としており、今後も関係機関に強く働き     かけを行っていく。    c 都市高速道路    (a)北九州高速1号線の横代延伸       横代出入り口から九州縦貫自動車道小倉東インターチェンジまでの延伸計画で      ある。平成10年2月に着工し、平成12年の供用開始を目指して工事を進めている。    (b)北九州高速5号線       高速2号線戸畑出入り口から高速4号線大谷出入り口を結び、あわせて国道3      号黒崎バイパスに連絡する路線であり、平成16年度末の完成を予定している。大      谷~枝光間については、平成13年夏の完成を目指し、現在、下部工の基礎工事を      行っている。    (c)都市高速道路出入り口の新設及び改良       紫川ジャンクションについては、連絡路の2車線化の工事を進めており、平成      12年の供用開始を予定している。戸畑出入り口については、高速2号線戸畑出入      り口からテクノパークヘ連絡する道路整備を進めている。藤松出入り口について      は、大里出入り口から富野出入り口までの距離が約5キロメートルと長く、利便      性向上を図るため、新設を検討している。    (d)都市高速道路へのアクセス道路       利便性向上、利用促進のため、出入り口に接続する都市計画道路5号線桜トンネ      ル等、18路線の整備を進めている。9路線は完成し、残る9路線の早期完成を目指      している。   以上の調査の過程において、委員から、新北九州空港で重視すべきターゲット貨物とな  る物流状況の把握は、食品関連等についても行われたい。台風18号による新北九州空港整  備の復旧においては、今回のような被害に対応できる基準で工事を行うとともに、安全性  を十分に確認した上で取り組まれたい。新北九州空港の整備に当たっては、旅客等の需要  を見定めて取り組まれたい、等の意見、要望があった。   なお、調査研究の参考とするため、北海道室蘭市の白鳥大橋の視察を行った。   21世紀における交通・物流拠点都市としての発展は、東九州自動車道、新北九州空港、  響灘港湾整備のプロジェクトを初めとした、本市の骨格を形成する大規模基盤整備や整備  後の更なる活用を促す物流施策の総合的推進の進ちょくが大きなかぎを握っている。本委  員会としては、物流及び広域交通ネットワークの整備について、更に調査研究を進めてい  きたいと考える。(2)学術・研究都市の形成について   北九州学術・研究都市の整備は、本市の産業技術の蓄積やアジア諸国との交流の実績、  地理的な優位性を生かして、大学等高等教育機関や研究開発機関を集積するソフト面の北  九州新大学構想と土地区画整理事業等による基盤整備を進めることで、国際的な学術・研  究ゾーンを形成し、新たな産業の創出、高度化を図ることを目指すものである。   本委員会では、北九州学術・研究都市整備事業について、次のとおり調査研究を行った。  ア 新大学構想について    学術・研究都市内に、理工系の国立、公立、私立大学等を同一キャンパス内に集積す   ることを大きな特色として、相互交流と競争により、学際的で高度な研究開発を目指す   もので、平成13年4月の開設を予定している。  (ア)北九州大学(仮称)国際環境工学部     環境工学の分野における高度で学際的な教育研究、環境問題解決への貢献及び国際    環境協力の即戦力となるエンジニアの育成を目標に、「環境化学プロセスエ学科」「環    境機械システムエ学科」「情報メディアエ学科」「環境空間デザイン学科」の4学科を    開設する。     入学定員規模は250人、収容定員1,000入を予定している。また、開学2年後の大学    院設置も検討している。  (イ)九州工業大学大学院(仮称)生命体工学研究科     生命の持つすぐれた機能の工学的実現とその基礎となるメカニズムの解明に関する    教育・研究を行う「生体機能専攻」と知能ロボットや画像認識システム等、脳の情報    処理機能の産業的な応用及びその基礎となるメカニズムの解明に関する教育・研究を    行う「脳情報専攻」の2つの専攻が検討されている。  (ウ)早稲田大学理工学総合研究センター九州研究所     産学連携に実績がある早稲田大学理工学総合研究センターは、サイエンス系、テク    ノロジー系、エンバイラメント系という3つの研究部門を持つ早稲田大学の研究所の    一つである。平成10年9月に開設の基本協定を締結し、現在、その研究分野や運営方    法等について検討がなされている。  (エ)クランフィールド大学日本センター     航空工学専門の国立研究機関を前身とした大学であり、産学連携の分野でヨーロッ    パを代表する大学院大学であるとともに、ビジネススクールとしても有名である。日    本で初めてとなる外国大学の学位(修士)授与システムの導入が検討されている。  (オ)GMD(ドイツ国立情報処理研究所)日本研究所     GMDは、ドイツ連邦政府が設立した情報分野では最先端の研究機関であり、日本    研究所ではロボティクス、テレコーオペレーション等の分野について、企業との共同    研究などを行っていく。平成10年11月、AIM内に日本研究所を開設して、研究活動    を始めており、平成13年4月に学術・研究都市内へ移転する。  イ 北九州学術・研究都市整備事業による基盤整備について    学術・研究機能の拠点づくりのため、若松区西部とハ幡西区北西部にまたがる地域約   335ヘクタールを拠点整備地区としている。周辺の自然環境や都市環境を生かしながら、   先端科学技術に関する教育・研究機関の集積や良好な住宅地供給を図ることを目的に、   複合的なまちづくりを行っており、全体を3期に分け、土地区画整理事業による段階的   な整備を進めている。  (ア)第1期事業    a 事業概要及び進ちょく状況      平成8年2月に事業着手され、都市開発事業のノウハウや学園都市開発に実績のあ     る都市基盤整備公団(旧住宅・都市整備公団)により南部地域約121ヘクタールの造     成工事等が行われている。      進ちょく状況については、平成11年度末で77%の造成が行われる予定であり、平成     15年度の完成を目指している。    b 大学ゾーンの整備状況      共同キャンパスを形成する約35ヘクタールの地域は、おおむね造成工事を完了し     ている。「環境共生」「オープンキャンパスと共同利用施設の整備」「バリアフリー」     を基本として、整備を進めており、平成11年7月から、北九州大学校舎棟、産学連     携センタービル等、中核4施設の建築工事が着手され、残り8施設の着工も随時、     進められている。  (イ)第2期事業     現在、第2期区域約136ヘクタールの事業化に向けた検討や環境影響評価等の手続    を進めており、平成13年度から21年度までを事業期間としている。第2期事業は、第    1期事業によるノウハウの蓄積ができたことや市が主体性を持って推進することで効    率的かつ効果的に整備できること、また、地元企業を活用する機会を増やせることか    ら、本市が直接、事業主体となって推進していくこととしている。   本委員会では、調査研究の参考とするため、北海道千歳市の千歳科学技術大学の視察を  行った。   少子化の進行による学生層の減少が懸念され、今後、大学等の生き残りをかけた競争は  ますます厳しくなるものと思われる。特色ある学術・研究都市の形成により、本市で高度  な専門知識を持つ多彩な人材を育成することは、次世代産業の創出・育成にも、大きく貢  献することから、本委員会としては、更に調査研究を進めていきたいと考える。(3)都心・副都心の整備について   本市は5市合併以来、多核都市政策による均衡ある発展を目指してきたが、多様なニー  ズに対応するには、効率的な都市機能を備えた都心・副都心が形成されることが必要であ  る。北九州市ルネッサンス構想においても、小倉を都心、黒崎を副都心と位置づけ、都市  機能の整備・強化を図ることを重要な課題としている。   本委員会では、都心及び副都心の整備について、次のとおり調査研究を行った。  ア 小倉都心の整備について  (ア)土地利用の将来像     小倉都心は、南と東は国道3号、西は日豊本線に固まれた区域と、JR小倉駅北口    地区を含めた約500ヘクタールを都心区域として、高度で多様な文化経済活動の中心    的な役割を担う200万都市圏の中核都市にふさわしい都心とするものである。平成4    年に「都心の都市基盤整備計画」を策定し、都心全体を「交流都心」「商業都心」「文    化都心」「都心外延都」と4っのゾーンに区分し、目指すべき将来像を定めている。  (イ)事業の進ちょく状況    a 小倉駅周辺の基盤整備      小倉駅の改築にあわせて、モノレール小倉線を延伸するとともに、南口駅前広場     には、ペデストリアンデッキを整備した。更に、小倉駅南北公共連絡通路や北口の     歩行者専用デッキの整備を行うことで、小倉駅周辺は100万都市の玄関口にふさわ     しい姿となった。    b 市街地再開発事業      小倉駅前東地区、紫川馬借地区がしゅん工されており、室町一丁目地区について     は、平成11年6月に再開発組合が設立され、平成12年度の着工に向けて準備を進め     ている。残る旦過地区、小倉駅西A地区や他の地区においても、事業化を図るため、     地元と協議を行っている。    c 紫川マイタウン・マイリバー事業      治水能力を向上させる河川改修を行うとともに、両岸の道路、公園、市街地をあ     わせて整備し、まちづくりを一体的に進めている。    (a)河川事業       治水の整備にあわせて、滝や洲浜ひろば等の親しみやすい水辺を整備している。      現在、河川拡幅により撤去した、井筒屋別館跡地の地下に「(仮称)水環境館」      を建設中であり、平成12年夏の開設を目指している。また、6つの橋が完成して      おり、平成11年度には水鳥の橋が、平成12年度中には石の橋が完成する予定であ      る。今後は、残る橋梁、護岸、JR橋の改築及び川底の掘削に取り組んでいくこ      ととしている。    (b)道路及び駐車場の整備       道路は浅野町愛宕線や馬借線、駐車場は室町市営駐車場と勝山地下駐車場が完      成し、都心部の渋滞解消に大きく貢献している。現在、紫川東線の浅野工区、城      内大手町線、大門木町線等を整備中である。    (c)公園整備       勝山公園を本市のシンボル公園として再整備しており、北側部分は小倉城庭園      や松本清張記念館等が開館し、おおむね完成した。今後、南側部分を城内大手町      線とあわせて整備していく。    (d)市街地整備       東京第一ホテル小倉や井筒屋新館のオープンにより、少しずつ川に「顔」を向      けた建物が整備されている。また、室町一丁目地区の市街地再開発事業は、平成      14年度の第1期完成を目指しており、文化・情報・商業・業務の複合拠点として      整備を行っていく。    d 幹線道路網整備      骨格幹線道路と有機的にネットワークし、都市活動の円滑な処理と魅力ある道路     空間の形成を図っており、マイタウン・マイリバー事業以外では、室町大門線、浅     野町線、砂律長浜線、博労町線、大門三六線を整備中である。小倉駅大門線につい     ても今後、JR西小倉駅前広場とあわせて整備していく予定である。    e バリアフリーのまちづくり      「小倉都心地区・バリアフリーのまちづくり推進計画」の策定により、医療セン     ター前交差点では、総合保健福祉センターとモノレール旦過駅が直結し、エレベー     ターや音声案内等を設けた歩道橋を整備した。今後も、道路、公園、公共交通、建     築物等のバリアフリー化を推進していく。  イ 黒崎副都心の整備について    JR黒崎駅南側のおおむね1キロメートルの中心機能地区及びその外側の1キロメー   トルの後背住宅地を対象として、平成5年に策定された「黒崎副都心整備計画」をもと   に、多様化する生活様式に対応できる魅力的で質の高い都市機能を目指し、国道3号黒   崎バイパスの整備を初め、数々のプロジェクトを進めている。  (ア)撥川河川再生計画     平成8年度に策定された「撥川ルネッサンス計画」基本構想は、周辺の地域環境と    調和した水辺環境の創出を図り、地域のシンボルとして親水性の高い河川整備を目指    しており、計画づくりの段階から市民と行政が一体となって取り組んでいる。河川延    長約4キロメートルのうち、第1期事業は、黒崎中学校から国道3号の約1.5キロメー    トルの区間及び水源の池で、平成17年度の完成を予定している。  (イ)黒崎駅西地区市街地再開発事業     バス、電車、JRなどの交通結節機能を強化し、土地の高度利用と都市機能の更新    を図るために、平成10年12月から着工し、平成13年10月の完成を目指している。事業    内容は、約1.9ヘクタールの地域に地上12階地下2階の複合ビルが建設され、約140店    の専門店からなる商業施設、約200室のビジネスホテル、バスと電車の停留施設、(仮    称)こどもの館及び約900台規模の駐車場施設等が計画されている。  (ウ)総合健康・保健地区の整備     岸の浦新日鐵社宅跡地を中心とした約7.4ヘクタールに、九州厚生年金病院の移転    建て替えを核として、総合福祉医療地区を整備する。平成11年11月に本工事を着工し    ており、移転、完成は平成16年度を予定している。  (エ)文化・交流拠点地区の整備     九州厚生年金病院跡地を中心とした約5.9ヘクタールの地域を「文化・交流拠点地    区」と位置づけ、まちと人を育てる文化・都市拠点として整備する。文化ホールや撥    川周辺での交流イベント広場等の施設整備及び八幡西区役所の移転問題や図書館等の    整備について検討を行った上で、平成12年度をめどに基本計画を策定し、平成16年度    ごろの整備着手を目指している。  (オ)シンボルゾーンの整備     「ふれあい通り」をシンボルロードとして、拡幅整備するとともに、沿道地区の一    体的整備を進め、副都心にふさわしい都市空間の創出を図っていく。なお、西側では    広幅員歩道を暫定整備している。  (カ)周辺道路の整備計画     田町鳴水線、城山西線は既に着手しており、一部事業着手している中央町穴生線の    残りの区間、黒崎駅前線及び藤田中間線については、拡幅案について地元協議を行っ    ている。  (キ)駐車場、駐輪場整備計画     将来的には不足が見込まれることから、徒歩での距離、幹線道路の配置等の面から    検討した上で、3ヵ所の公共駐車場の整備を進める計画である。また、黒崎駅前に1    ヵ所、公共駐輪場の整備を検討している。  (ク)藤田地区市街地再開発事業     中心商業ゾーンとしての市街地整備が必要な地区であり、平成元年に再開発準備組    合が発足された。現在、関係権利者の合意形成を図りながら、実現性の高い事業計画    の検討を行っている。   以上の調査の過程において、委員から、都心・副都心の整備も重要であるが、その他の  地域についても特性を生かした整備を進められたい、等の意見、要望があった。   なお、調査研究の参考とするため、北海道小樽市の小樽築港駅周辺地区整備の視察を行  った。   都心・副都心の整備は、本市の活性化を進める上で重要な課題である。   小倉都心については、室町一丁目地区市街地再開発が本格的にスタートし、「にぎわい  の拠点」を目指す時間消費型の大型複合商業施設建設へと動き出した。また、黒崎副都心  については、厚生年金病院の移転新築工事が着工され、「文化・交流拠点」整備へのめど  が立つなど、人々が集積する新たな「顔」づくりへの展開が期待される。本委員会として  は、都心・副都心の整備について、更に調査研究を進めていきたいと考える。            まちづくり推進対策特別委員会中間報告                                  平成12年2月24日                          まちづくり推進対策特別委員会                              委員長  香 月 耕 治 平成11年3月29日、本委員会に付託された事件について、現在まで調査した経過を次のとおり中間報告する。                     記1 調査事件(1)地域コミュニティの推進について(2)ボランティア活動の推進について(3)地域文化の振興について2 調査の経過(1)地域コミュニティの推進について   急速な経済成長により、本市においても都市化の進行が進み、これまでの生活意識や生  活様式も大きく変化してきた。更に少子・高齢化の進展は、これまでの地域社会(コミュ  ニティー)のあり方にも大きな影響を与えている。本市では市民福祉センターを核とした  コミュニティーの形成を目指し、全国的に先駆けてさまざまな施策を実施しているところ  である。ハード面の整備は計画的に進んでおり、今後はそれを支えるソフト面の一層の充  実が求められている。   本委員会としては、地域コミュニティーの推進に向けた主な関係施策について調査研究  を行うとともに、先進的な取り組みを行っている他都市の行政視察及び市内施設の視察を  行った。  ア コミュニティー活動を促進する主なソフト施策の概要  (ア)コミュニティーづくりの促進    a 校区を単位としたまちづくり協議会の設置      本市では、地域コミュニティー推進の拠点施設である市民福祉センターの整備と     並行して、小学校区を単位に自治会、婦人会、老人クラブなど地域のあらゆる団体     が参加したまちづくり協議会の設置を進め、そこで市民福祉センターの日常的な管     理を行うとともに、各種団体が協働して、さまざまな地域活動に取り組んでいる。    b 人材育成の支援      市民と行政と企業が共同学習を通して、まちづくりに実践的に取り組む「わくわ     くまちづくり工房」や地域で先頭に立って活躍できる人材を発掘し、育成する「地     域づくり大学」の開催など、区における人材育成事業の取り組みを行っている。      また、市民福祉センター職員の資質向上と地域福祉活動の活性化を目的とした     「市民福祉センター運営推進講座」や地域住民が自主的に参加して福祉活動を推進     するため、指導者養成を行う「地域福祉指導者養成研修」の開催等により、人材育     成の支援に力を入れている。    c 市民福祉センターを中心とした保健福祉活動の推進      市民と行政が共に連携して、協働で支え合い、安心して暮らしていける地域づく     りを目指して、保健、医療、福祉、地域のネットワークづくりを進め、本市独自の     地域(小学校区)レベル、区レベル、市レベルという三層構造によるまちづくりを     進めている。      特に、市民福祉センターを中心とした地域づくりを推進するため、平成11年度か     ら政令市で初めて、全市的に小学校区を単位として、保健婦とケースワーカーがチー     ムを組み、地域住民との協働による保健福祉活動を通して、お互いに支え合う地域     福祉のネットヮークづくりを進めている。具体的には「保健福祉なんでも相談」の     実施や「リハビリ教室」の開催、「育児サークル活動」の支援など、子供から大人     まで、心豊かに暮らせる地域社会の形成を目指して、取り組みを進めている。      また、各地域の校(地)区社会福祉協議会を中心に、地域住民による福祉協力員     やニーズ対応チームを配置して、地元の民生委員、児童委員と連携しながら、高齢     者や障害者など、支援が必要な方を地域で見守り、日常的な支援活動を行うふれあ     いネットワーク事業を推進している。この取り組みを通して、地域での連帯感が醸     成され、福祉に対する市民の理解が深まってきている。      今後は、市民福祉センターを拠点として、保健福祉活動を通した地域づくりを更     に進めるために、平成12年度から、介護保険サービスを受けられない高齢者等を対     象として、介護予防・生きがいづくりのための(仮称)生きがい対応型デイサービ     ス事業の実施などを計画している。また、介護保険制度に関する市民の身近な相談     窓口として、市民福祉センターの活用を図っていくこととしている。    d 生きがいと健康づくりの促進      市民一人一人が健康で生活できるよう、主に生活習慣の改善が必要と認められる     市民を対象に、健康に対する正しい知識の普及や生活習慣改善のプログラムを提供     することで、疾病予防、健康増進の向上を図る「健康教室」の開催、ひとり暮らし     の高齢者などを対象に食生活の改善を図る「ぶれあい昼食交流会」の開催、高齢者     の生きがいづくりを地域で支援する「高齢者の生きがいと健康づくり地域活動支援     モデル事業」等を、市民福祉センターを拠点として行っている。    e 生涯学習及びコミュニティースポーツ活動の促進      それぞれのライフステージにおいて、市民一人一人が自分に適した学習活動が行     えるよう、公民館、市民福祉センター等を拠点として、趣味・実技など生きがいを     見出すための講座など幅広い内容の学習機会を提供している。そのほか子供たちに     生活体験や異年齢交流の機会を与える「生き生き子ども講座」、家庭の教育力を高     めるための「家庭教育学級」の開設などの生涯学習活動の促進を図っている。      また、コミュニティースポーツの振興を図るため、校区単位で開催されるスポー     ツ・レクリエーション活動に対しては、施設使用料の減免や運営費の補助など積極     的な支援を行っている。    f 青少年育成活動への支援      年々会員数が減少し、衰退傾向にある子ども会活動に対し、他の子ども会活動の     参考になるような事業には、1事業につき10万円を助成するなどの支援を行ってい     る。      また、地域住民により組織され、地域の青少年健全育成や環境浄化等の活動を行っ     ている校区青少年育成会に対する支援等を行っている。    g 防災活動の促進      平成7年の阪神・淡路大震災を契機に、平成9年7月に、町内会を母体として、     小学校区単位に市民福祉センターを拠点に活動を進める市民防災会を発足させ、そ     の育成、指導に努めている。更に、消防隊を小学校区又は自治区会を単位として指     定し、関係機関と連携を図りながら、自主防災組織の育成指導、高齢者等災害弱者     対策、地域防災対策等を進めていく地区安全担当制度を導入、安全で安心な地域社     会の形成を目指している。また、住宅火災による死傷者減少を目指して、住宅防火     診断等を推進するなど、防火対策に積極的に取り組んでいる。      そのほか女性消防団員が、ひとり暮らしの高齢者宅を訪問し、防火指導等を行う     とともに、福祉ニーズ等を関係機関へつなぐ「いきいき安心訪問」を行い、市民生     活の(あんぜん)と(あんしん)の確保に努めている。    h 環境保全・リサイクル活動の取り組み      資源回収用保管庫を市民福祉センターに適宜設置しているほか、市民いっせいま     ち美化の日事業を行い、市民の美化意識の高揚を図っている。  (イ)住民参加によるまちづくり構想の推進     戸畑区では、幅広く区民の意見を取り入れる初めてのケースとして「市民参加によ    るまちづくり」を提案し、地元の代表者からなる戸畑まちづくり構想検討委員会を設    置した。そこで出された意見をもとに、行政と区民が一体となって、戸畑まちづくり    構想を策定し、現在その実現に向けて取り組んでいる。     また、ハ幡西区折尾地区についても、地元住民の参加を経て、折尾まちづくり構想    を策定し、その整備を進めている。  (ウ)住民によるまちづくりの推進     各種まちづくり団体が主体となって行うイベント等、地域を活気づける事業に対し    て助成し、住民主体のまちづくりへの実践や意識の醸成を図るため、区の特色を生か    した市民手づくり事業支援を進めており、平成11年度は50事業が採択されている。     また、魅力ある商店街づくりに取り組む商店街、市場に対し、関係部局が連携して、    ハード・ソフト両面にわたる事業プランを指導、支援し、活性化のモデルとなる商店    街づくりを推進している。  イ コミュニティー活動のための主なハード施策の概要  (ア)市民福祉センターの整備状況     市民福祉センターは、地域の人たちの触れ合いや保健福祉、生涯学習、コミュニティー、    防災、リサイクル活動など、地域住民の主体的な活動の拠点として、小学校区を単位    に整備を進めている。平成5年度から整備を進め、平成11年度末で35館が開館するな    ど、平成14年度を目標とする全市的な整備に向けて取り組んでいる。     また、高齢者、障害者の利用促進のためのエレベーターの設置については、平成11    年度開館分から全館設置しており、既設の市民福祉センターについても、随時、設置    していく予定である。2枚看板の公民館についても、管理運営を地元に委託した館か    ら、順次、設置を検討していく予定である。更に、少子化対策としてベビーベッド等    の設置を検討している。  (イ)その他のコミュニティー活動の場の活用     地域の高齢者の教養の向上や健康増進、生きがいづくりの促進を図る「年長者いこ    いの家」、住民の福祉の向上、相互の交流を深める「つどいの家」など地域コミュニ    ティー施設の活用を図っている。また、市民参加の公園づくりを進めるため、街区公    園などの身近な公園については、ワークショップ方式を取り入れ、計画段階から地域    住民のアイデアを募り、公園のリフレッシュを図っている。   以上の調査研究の過程において、委員から、今後設置される市民福祉センターの規模等  については、人ロバランス等を勘案しながら、検討されたい。   地域住民が校区単位でなく、町内でまちづくり等にかかわる事業をする際は、行政とし  て積極的な支援をされたい。   市民福祉センターとの2枚看板になった公民館については、今後更に市民福祉センター  としての機能を発揮できるよう、施設の充実を図られたい。   市民福祉センターの今後の活動として、健康づくり・介護予防に力点を置いた取り組み  を強めるとともに、市民福祉センターが、市民から更に認知されるよう努められたい。   年長者いこいの家、類似公民館等については、それぞれの施設の目的を整理しながら、  更に幅広く利用される活用の方向性を検討されたい。   まちづくりを進める事業に対しては、一定の基準に達すれば、事業費を増額するなどの  配慮をされたい。また、市以外のさまざまな助成団体に対しての申請方法や資金調達につ  いての講座も、人材育成の中に取り入れられたい、等の意見、要望があった。   なお、調査研究の参考とするため、地域住民が自主参加、自主運営、自主企画という市  民参加による三原則に基づき、地域コミュニティー施設を自主的に管理運営している武蔵  野市の吉祥寺南町コミュニティーセンターの視察や神戸市長田区真野地区における「まち  づくり条例」を活用した住民と行政の協働のまちづくりへの取り組みについて視察を行っ  た。また、本市内における戸畑区牧山東社会福祉協議会の「ふれあいネットワーク事業」  の取り組み、八幡東区槻田市民福祉センターのボランティアグループ「槻穂の会」の活動  等について視察を行った。   今後、少子・高齢化の進行により、高齢者から子供まで、お互いに触れ合い、支え合い  ながら、地域のコミュニティーを形成することがますます大切になってくると思われる。   しかし、市民福祉センターを核としながら、地域コミュニティーを推進する施策は、ま  だ緒についたばかりである。今後、行政内部の連携はもとより、行政と市民が一体となっ  て施策を推進していく必要があると考える。   本委員会としては、地域コミュニティーの推進に向けた取り組みについて、更に調査研  究を進めていきたいと考える。(2)ボランティア活動の推進について   平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機に、我が国でもボランティア活動の役割が社会  的にも広く認知されるようになった。これからの本格的な高齢社会の到来を前に、地域の  ことは地域で解決するという仕組みをっくっていく上で、ひとり暮らしの高齢者等社会的  弱者を支えるボランティアの役割は、今後ますます重要になってくると思われる。また、  社会構造が大きく変化し、市民ニーズが多様化していく中、それにこたえるためには、行  政や企業といった既成の団体だけではなく、NPOなど市民団体の役割が求められている。  本市においてもNPO相談室を開設するなど、ボランティア活動をバックアップするため  の環境整備を積極的に行うとともに、まちづくり、国際交流、福祉、環境保全、教育文化  などといった広範囲の分野にわたるボランティア活動を促進する施策を講じているところ  である。   本委員会としては、ボランティア活動の推進に向けた主な関係施策について調査研究を  行うとともに、先進的な取り組みを行っている他都市への行政視察を行った。  ア 本市のボランティア活動の実態  (ア)分野別活動状況     平成10年11月に、北九州市社会福祉協議会ボランティアセンターが調査したセンター    登録の本市内のボランティアグループは、全体で643グループ、会員数4万8,150人と    なっており、ボランティアセンターが開設された10年前と比較すると、グループ数で    3.1倍、人数で7.6倍にもふえている。なお、1グループが複数の分野で活動している    こともあり、延ベグループ数は1,188、延べ活動者数は14万2,003人に上っている。     また、ボランティア活動の分野をその特徴に応じて、地域、福祉、保健医療、環境    保全、教育文化、国際交流・協力の6分野に分類すると、最も会員人数が多いのは福    祉活動の分野で、延ベグループ数729、延べ会員数7万9,875人となっている。このこ    とは、高齢化社会の到来に伴い、こうした分野の社会的ニーズが高まっていることが    推察される。  (イ)年齢別構成反び男女別構成     年齢別では、50代が最も多く26%、次いで60代が25%となっており、50代及び60代    で全体の半分を占めているのに対して、20代及び20歳末満をあわせても13%にしか過    ぎず、若年層が少ない。     また、男女別では、男性が33%に対して、女性が67%と、女性の方が男性の倍以上    となっており、圧倒的に女性の参加の方が多いのが、特徴的である。  (ウ)階層別構成     階層別では、主婦が最も多く、全体の約4割を占め、次いで勤労者が33%、退職者    が13%と続いており、この3つの階層で、全体の85%を占めている。  イ 各局での主なボランティア活動促進策  (ア)企画局     財団法人北九州国際交流協会が、市民レベルの国際交流の促進を図るため、登録ボ    ランティアと協力して、同協会の国際交流事業を実施している。また、北九州市域で    国際交流活動を行っている団体の自主的運営組織として、北九州国際交流団体ネット    ワークがあり、同協会が事務局として側面的支援を行っている。  (イ)市民局     女性情報システム「ムーブネット」により、女性問題に関して市内反び近郊で活動    している個人や団体の情報を管理し、他の女性センターともネットワーク化を図りな    がら、幅広く市民に情報提供を行っている。また、年に1回、登録団体の交流会を開    催しているほか、毎年7月に開催される「ムーブフェスタ」では、市民企画事業を実    施し、個人やグループ相互の情報交換・交流を支援している。  (ウ)保健福祉局     あらゆる年代層の福祉に関する意識や関心を深め、福祉の風土づくりを進めるため、    ボランティアセンターを中心に、福祉ボランティア体験学習、ボランティア大会など    を実施している。また、外出が困難な虚弱高齢者等に対しての送迎サービスの実施、    「地域(小学校区)レベル」「区レベル」「市レベル」を単位としたボランティア活動    の拠点整備、地域福祉振興基金による助成などに取り組んでいる。  (エ)環境局     NGOと市民の環境についての学習や活動のための情報スペースとして「環境学習    情報室」を設置し、書籍等の貸し出しを行っている。また、ボランティアで地域の清    掃を行う団体及び個人に対するまち美化ボランティア袋の配布や古紙回収に取り組む    市民団体に対する奨励金の交付を行い、リサイクルの促進を図っている。  (オ)経済局     社団法人北九州市観光協会では、一般市民に対して観光市民大学を開催し、市内観    光施設等の視察や研修会などを行うとともに、修了者を市内観光地の案内を行う「観    光案内ボランティア」として登録している。     その支援のために、協会に対して補助金を交付している。  (カ)建設局     公園の環境美化活動を行う公園愛護会に対して、公園面積等に応じて助成金を交付    しているほか、河川の清掃を行う河川愛護団体に対しても、助成制度を設けている。    また、地域住民により構成されたほたる育成団体には助成金を交付し、ほたるアドバ    イザーの派遣やほたる会議の開催等技術的な支援を行っている。  (キ)消防局     大規模災害発生時に、消防活動の支援を行うことを目的として、北九州市消防職員    退職者からなる「北九州市消防活動支援OB隊」を組織し、訓練研修の実施などの活    動を行っている。  (ク)教育委員会     各区の中央公民館で、生涯学習ボランティア養成講座を実施し、講座終了後は、公    民館、市民福祉センターで活動をしている。また、少年自然の家等で、青少年施設ボ    ランティアを、美術館や考古博物館などで展示案内のボランティアを養成し、それぞ    れ活動の場を提供している。  ウ かながわ県民活動サポートセンターについて    本委員会は、調査研究の参考とするため、神奈川県のかながわ県民活動サポートセン   ターの視察を行った。    当センターは、ボランティア活動やNGO、NPOなどの活動を支援する県レベルで   は初めての総合的なボランティア支援施設である。平成8年4月にオープンし、場所は   JR横浜駅近くのかながわ県民センターの6階から11階にある。駅から歩いて5分以内   という交通至便な場所にあり、しかも夜10時まで開館しているため、利用者が多く、1   日平均656名(平成11年3月31日現在)もの人が利用している。    センターでは、ボランティア活動を支援するため、活動と交流の場の提供と活動の支   援の2つの機能を中心に、それを具体化する交流促進、情報提供など6つの事業を進め   ている。中でも特に目を引いたのは、インターネットを利用して、各種ボランティア団   体の連絡先、活動内容をデータベース化している「ボランティア情報システム」であり、   利用者が求めている団体の紹介等を行っている。行政は黒子に徹しているため、各団体   とのマッチングはしていないが、ボランティア活動や団体運営に関する相談には積極的   に応じている。   以上の調査研究の過程において、委員から、ボランティア団体が活動しやすいように、  公共施設の使用料の減免、無料化等を検討されたい。   市民福祉センターが、地域のボランティア活動の拠点として利用できるよう整備を進め  られたい。   「かながわ県民活動サポートセンター」のような利便性の高い、総合的なボランティア  支援施設を本市においても設置されたい、等の意見、要望があった。   近年、国際化や情報化の進展など本市を取り巻く環境は、激しく変化しており、NPO  などの市民団体の活動は、今後ますます重要になってくると思われる。 NPO法が施行さ  れてから、平成12年1月14日現在、全国的には1,234団体、本市においても11団体がNP  Oに認証されている。   本委員会としては、ボランティア活動の推進に向けたさまざまな取り組みについて、更  に継続して調査研究を進めていきたいと考える。(3)地域文化の振興について   本市においては、市内各地に伝統的な郷土芸能や地域文化が深く根づいており、また、  松本清張記念館が、市内外から人気を集めるなど、豊かで文化的な土壌にも恵まれている。  これからのまちづくりを進める上で、地域文化の振興は、そこに住んでいる人たちが、改  めて自分たちの地域を見つめ直し、再認識するよい機会を与えるとともに、地域社会に一  体感を醸成するなど大切な役割があると考える。   現在、本市では、文化の薫るまちづくりを推進するため、芸術・文化活動の振興及び地  域文化の保存・継承という2つの柱で、具体的な施策を進めている。   本委員会としては、地域文化の振興に向けたこれまでの取り組みや現状について把握し、  これから求められる施策について調査研究を行った。  ア 芸術・文化活動の振興    市民の文化活動などの支援、芸術・文化イベントの開催及び文化施設の整備という3   つの方向で、芸術・文化活動の振興を進めている。  (ア)市民の文化活動などの支援     市民の自主的な芸術・文化活動を奨励するため、基金による助成を初め、各種芸術・    文化事業への補助や共催、後援を行っている。主催事業としては、レディスコーラス    フェスティバル、少年少女合唱祭などの開催、文学、美術、音楽、その他の芸能の4    つの分野に分けた「市民文化賞」、「市民文化奨励賞」の事業の実施及び青少年育成の    ための北九州市少年少女合唱団や北九州市ジュニアオーケストラの事業を行っている。  (イ)芸術・文化イベントの開催     北九州国際音楽祭や響ホールフェスティバルなど、一流のアーティストによる演奏    会の実施や、市内外の演劇団体が参加する北九州演劇祭は、市民にも定着してきた。    また、森鴎外を記念して発足した「自分史文学賞」は、自分史という新しい文学ジャ    ンルの開拓を目指し、既に10回目を数え、創設以来、この事業を全国にPRする事業    に取り組んでおり、平成11年度は森鴎外小倉赴任100周年の記念事業を実施した。  (ウ)文化施設の整備     SHINE博物館構想に基づき、八幡東区東田地区において平成14年度の開館を目    指して、自然史博物館・歴史博物館の建設に着手し、楽しく学べる博物館として整備    している。また、門司区に県立の文化施設、小倉北区役所跡地及び戸畑駅南口におい    て文化施設の整備を進めている。具体的には、小倉北区役所跡地には文化拠点となる    大、中、小のホール、戸畑駅南口においては舞踊等にも対応できる大、中のホールを    整備する予定である。更に今後、八幡西区黒崎地区においても、副都心としての文化    施設等を整備していく計画である。  イ 地域文化の保存・継承    長崎街道整備事業の一環として、宿場町として栄えた旧木屋瀬宿の特徴を生かし、木   屋瀬街づくり拠点施設整備事業を進めている。また、平成10年8月にオープンした松本   清張記念館において、さまざまな文芸支援活動を展開しており、入場者は年間約18万人   に達している。   以上の調査研究の過程において、委員から、アジアという視点に立って文化の振興に努  められたい。   音楽の練習場については、使用料の減免や24時間利用など市民が利用しやすくなるよう  検討されたい。   明治以降の文学資料館の設置を検討されたい。   祭りについては、郷土文化としての独自性を尊重し、行政としても保護、育成に努めら  れたい、等の意見、要望があった。   地域文化は、人と人との心のつながりや相互に理解、尊重しあう土壌を提供するもので  あり、そのような背景のもとに、地域社会のコミュニティーの形成や個性的な文化の根づ  いた地域社会がっくりだされると思われる。   本委員会としては、地域コミュニティーの形成に必要不可欠である地域文化の振興につ  いて、更に調査研究を進めていきたいと考える。                     写                                  北九人委調第201号                                  平成12年2月24日北九州市議会議長 武 智   弘 様                          北九州市人事委員会                               委員長 清 原 雅 彦   人事委員会の意見の中出について 平成12年2月17日付け北九議議第136号をもって意見を求められた下記の条例案については、当委員会として異議はありません。                     記議案第30号   地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う        関係条例の整理に関する条例についてのうち北九州市職員の特殊勤務手当        に関する条例の一部改正について議案第34号   北九州市職員の育児休業等に関する条例等の一部改正についてのうち北九        州市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について議案第35号   北九州市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について...