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令和 4年第 2回 2月定例会−02月10日-02号

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  1. 広島市議会 2022-02-10
    令和 4年第 2回 2月定例会−02月10日-02号


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    令和 4年第 2回 2月定例会−02月10日-02号令和 4年第 2回 2月定例会         令和4年  広島市議会定例会会議録(第2号)         第 2 回                  広島市議会議事日程                                 令和4年2月10日                                 午前10時開議                   日    程  第1┌自第1号議案 令和4年度広島市一般会計予算    ┤    └至第55号議案 広島市障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行条例の一部を改正する条例の一部改正について      (総括質問) ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)
     日程第1┌自第1号議案 令和4年度広島市一般会計予算      ┤      └至第55号議案 広島市障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行条例の一部を改正する条例の一部改正について       (総括質問)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  総括質問(続行し,14日も続行)  次会の開議通知(14日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  岡 村 和 明            2番  川 本 和 弘    3番  田 中   勝            4番  並 川 雄 一    5番  川 村 真 治            6番  石 田 祥 子    7番  川 口 茂 博            8番  水 野   考    9番  平 岡 優 一            10番  椋 木 太 一    11番  吉 瀬 康 平            12番  山 本 昌 宏    13番  山 内 正 晃            14番  碓 氷 芳 雄    15番  海 徳 裕 志            16番  木 戸 経 康    17番  山 路 英 男            18番  森 畠 秀 治    19番  石 橋 竜 史            20番  平 野 太 祐    21番  定 野 和 広            22番  伊 藤 昭 善    23番  桑 田 恭 子            24番  近 松 里 子    25番  大 野 耕 平            26番  西 田   浩    27番  渡 辺 好 造            28番  豊 島 岩 白    29番  宮 崎 誠 克            30番  八 條 範 彦    31番  母 谷 龍 典            32番  三 宅 正 明    33番  八 軒 幹 夫            34番  馬 庭 恭 子    35番  竹 田 康 律            36番  藤 井 敏 子    37番  中 原 洋 美            38番  太 田 憲 二    39番  若 林 新 三            40番  今 田 良 治    41番  佐々木 壽 吉            42番  元 田 賢 治    43番  谷 口   修            44番  永 田 雅 紀    45番  金 子 和 彦            46番  木 山 徳 和    48番  中 森 辰 一            49番  碓 井 法 明    50番  山 田 春 男            53番  木 島   丘    54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名    51番  中 本   弘            52番   児 玉 光 禎 ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    石 田 芳 文       事務局次長   松 坂 康 雄  議事課長    小 田 和 生       議事課課長補佐主任事務取扱                                吉 川 和 幸  議事課主査   村 田 愛一朗       議事課主査   小 崎 智 之  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     小 池 信 之  副市長     及 川   享       危機管理担当局長岩 崎   学  企画総務局長  荒神原 政 司       財政局長    古 川 智 之  市民局長    杉 山   朗       健康福祉局長  山 本 直 樹  健康福祉局保健医療担当局長         こども未来局長 森 川 伸 江          阪 谷 幸 春  環境局長    重 村 隆 彦       経済観光局長  津 村   浩  都市整備局長  中 村   純       都市整備局指導担当局長                                谷   康 宣  道路交通局長  加 藤 浩 明       下水道局長   油 野 裕 和  会計管理者   金 森 禎 士       消防局長    勝 田 博 文  水道局長    友 広 整 二       監査事務局長  大 杉   薫  財政課長    後 藤 和 隆       教育長     糸 山   隆  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          橋 場 聡 子               仁 井 敏 子 ───────────────────────────────────────                午前10時00分開議                出席議員  30名                欠席議員  23名 ○佐々木壽吉 議長      おはようございます。  出席議員30名でございます。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 議長      これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                 会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 議長      本日の会議録署名者として               5番 川 村 真 治 議員               23番 桑 田 恭 子 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 議長      これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1┌自第1号議案 令和4年度広島市一般会計予算      ┤      └至第55号議案 広島市障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行条例の一部を改正する条例の一部改正について       (総括質問) ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 議長      日程第1,第1号議案から第55号議案を一括議題といたします。  これより総括質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  30番八條範彦議員。                〔30番八條範彦議員登壇〕(拍手) ◆30番(八條範彦議員) おはようございます。  自民党・市民クラブの八條でございます。2月議会のトップバッターを務めさせていただきますので,どうかお付き合いをお願いしたいと思います。  早速,質問に入らせていただきます。まず,中央図書館等の移転についてでございます。現在,広島市は,中央公園内にある中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーこども文化科学館青少年センターファミリープールなど老朽化して更新が必要となっている公共施設について,令和2年3月に策定した中央公園の今後の活用に係る基本方針に基づき,集約化等の検討を進めています。今年度から,私も所属する都市活性化対策特別委員会において,魅力ある都心づくりの推進に関する取組の一つとして中央公園内の公共施設の集約化等に向けた検討が調査項目となり,これまで昨年9月,11月,そして今年2月と3回にわたって市の報告を受けてきました。  11月18日の特別委員会で,中央図書館等エールエールA館に移転する案が提出され,その資料では,エールエールA館が最も条件に適していることから,中央図書館等の移転先として選定することとしたとの方向性が示されるとともに,広島駅南口開発株式会社から市長宛てに令和3年9月13日付で「中央図書館等の移転先のご検討について(お願い)」と題した文書が提出されているとの説明がありました。中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーという市民生活に身近な公共施設の移転先を決めるという重要な局面であると私は感じておりますが,こうした一連の流れはあまりにも急ではないかという声も多く聞くところであり,移転する場合と現地建て替えの場合との経費比較などの具体的な情報が事前に十分に示されていない中で,マスコミ報道などによる駅前移転という言葉が独り歩きし,移転の目的や効果がよく分からないまま,多くの市民が戸惑っておられるというのが実情ではないでしょうか。こうした中,1月31日には新年度の当初予算案が発表され,中央図書館等の移転整備として基本・実施設計,不動産鑑定等に係る1億7729万9000円の予算案が計上されました。中央図書館こども図書館及び映像文化ライブラリーの移転については市民の間で賛否があり,市の説明不足を指摘する声も上がっています。これらの移転に関連する来年度当初予算案が発表された今,改めて本会議の場で市の考えを確認する必要があると考えます。
     そこでお伺いいたします。市は,これまで中央公園内の公共施設の集約化についてどのような検討を行い,なぜ中央図書館等エールエールA館に移転することに決めたのでしょうか。また,移転以外の方法として現在地での建て替えでは対応できないのでしょうか。さらに,そもそもの問題として,中央公園内の他のスペースへの移転というのは考えられないのでしょうか。特にこども図書館については移転に反対する声が高まっていると感じています。市としてこうした声をどう受け止めているのでしょうか。こうした疑問に真摯に,丁寧に応じていくことが広く市民の理解を得るためには不可欠だと私は考えます。誠意ある御答弁をお願いいたします。  次に,官民連携のまちづくりについてですけれども,広島の都心は,令和2年9月に国から特定都市再生緊急整備地域に指定され,コロナ禍にもかかわらず民間開発の機運が大きく高まっています。こうした機運を生かし,市は都心全体の活性化について民間の考え方を積極的に取り入れ,10年先20年先を見据えながら,官民連携で進めていくべきだと考えますが,どのようにお考えでしょうかお伺いをいたします。  また,本市所有の公共施設の空きスペースや道路整備等のために取得した事業用地について,例えば民間によるソーラーパネルの設置を認めるなど,本来の目的に支障のない範囲内で,暫定的に有効利用できることを考えるべきとの声も聞きます。こうした本市所有の不動産の空きスペースの暫定的な活用について,民間のアイデアを積極的に採用して検討していくことが重要であると考えますが,市として何か検討されているのかどうかお伺いをいたします。  次に,入札制度についてお伺いします。指定管理の入札制度では,総合評価制度で入札されていますが,条件を表記して金額入札でよいのではと思われます。といいますのが,ほぼ前年度の業者で決定されており,競争性が失われ,発展性に欠けていると思われます。総合評価制度に疑問を感じているのは私だけではございません。特別な工法とか内容の案件であれば別ですが,市役所のOBの受入先と思われているのも事実です。指定管理を受けた業者にたまたまOBが入ったのか,OBがいるから落札しやすいのか,総合評価制度に疑問を抱くようになります。個人的にはOBを受け入れてくれる業者は非常にありがたいと思いますが,公正な入札制度そのものの在り方を覆すようなことがあってはならないと考えます。新たな取組等,改革の必要性があれば,その都度,事業計画の募集をされてもよいのではと考えますが,当局のお考えをお伺いいたします。  全国的に問題となった教科書選定にも疑問を抱きます。書籍メーカーが担当職員を接待していたことが全国ニュースとなり,なぜか尻切れとんぼのような幕切れになった案件でありましたが,本市においても,ほとんど同じ書籍メーカーと契約しているようです。給食会と教科書選定に関しては,昔からいろいろなうわさが出ていますが,今回は学校給食についてお伺いをいたします。  まず,石内にある五日市地区学校給食センターですが,市は,このセンターの建設手法について,施設整備までに要する期間が短いことや費用負担の軽減ができるといったメリットがあるといった理由で,民設民営方式を採用されましたが,この民設民営方式は,事業者にとって建物を自ら整備しなければならないといった点や,自ら土地を探し確保の見通しを立てなければならないという点で負担が大きく,限られた事業者だけが参入できる手法ではないかと考えています。また,最初の契約期間が過ぎた後,新たに別の給食センターを建てようとはされないでしょうから,今の業者と再契約せざるを得なくなり,その再契約の条件を設定する際に,事業者が主導権を握ることが見込まれます。このように,民設民営方式については幾つかの課題があると考えているところですが,改めて現在の五日市地区学校給食センターの契約についてお尋ねします。  まず,この給食センターの土地と建物は誰が所有しているのでしょうか。また,その土地・建物の取得に係る費用の市と事業者の負担割合はどのようになっているのでしょうか。そして調理・配送に係る委託料はどのように決定されたのでしょうか。さらに市は,民設民営方式の導入に併せて食材の調達方法を変更し,一部の食材のみ給食センターの運営事業者が調達することを認めています。地産地消の推進だとか,六次産業化の推進だとか言われていますが,昭和32年に市の学校給食会が設立されて以来,ずっと広島市の子供たちのために給食で使用する青果の調達に御尽力いただいてきた市場関係者の皆さんを,入札などを経ることもなく,いきなり締め出すような形を取ったのは問題だと考えます。このような形になったのは,一部の事業者だけの意見を聞いて給食センターの建設手法や運営方法を決めたからではないでしょうか。  さて,先日の文教委員会でも報告がありましたように,市は,老朽化した可部地区学校給食センター安佐市民病院の南館跡地に建て替えようと計画されています。そこで気になるのが,その建て替え手法でございます。現段階でのお考えで結構ですので,新たな給食センターの土地と建物の所有やその取得に係る費用負担をどのようにされるのかお答えください。また,調理・配送に係る委託料の算出方法についてもお答えください。そしてこの新センターにおいては,五日市地区学校給食センターのように,運営事業者が一部の食材を調達する方式ではなく,運営と食材の調達を切り離すべきではないかと考えますが,いかがでしょうか,市のお考えをお答えください。  次に,学校給食会における食材調達についてです。本市の学校給食で使用する食材の大半を調達する市の給食会ですが,かつてはその食材の調達に当たり,一部の物資でメーカーや商品指定などを行い,特定の業者だけが応札できるような入札条件を設定するほか,物資の調達から配送までを同一業者が行うよう義務づけるなど,競争性が生まれにくい環境をつくっていました。さらに,これらについて,今は見直されているとのことですが,より入札参加者を増加させるためには,私は物資の調達と配送業務を完全に分離した配送センター方式を取ることが一番望ましいと考えております。安全でおいしい学校給食を持続していくために,また,来年度から学校給食費も公会計化されることから,食材調達に当たっては,より競争性を高めていく必要があると思いますが,いかがお考えでしょうか,当局のお考えをお伺いいたします。  給食会に係る最後の質問ですが,公会計化後の給食費の徴収についてですが,本市の近年の給食費の未納額を見ると,平成30年度が84万円,令和元年度が104万円,令和2年度が25万円と,いずれも未納率は約0.1%未満となっており,他の政令市と比べても低い水準となっていますが,既に公会計に移行した他都市では,督促を行うのが,保護者との関係が構築されている学校の教職員から市の職員に替わることで,私会計のときよりも未納額が増えたというような話も聞きます。このため,来年度からの公会計化に当たっては,こうした徴収率の低下を生じさせないような取組が重要になると考えていますが,公会計化後の給食費の徴収方法はこれまでとどのように変わるのでしょうか。また,未納の場合の取扱いはどのようにされるのでしょうか。  次に,学校教育についてですけれども,以前から学校・家庭・地域が一体となってという言葉がございますが,学校がいじめに関わって家庭や地域との連携や情報共有を行っていても,保護者が,学校と相談する間に他者と相談したりする場合もあると聞いています。本来であれば,いじめの問題は,学校と保護者が親密に連携して取り組むべきことなのに,これでは学校と保護者との信頼関係に疑問を抱いてしまいます。このことについて,以前,私が質問した際,教育委員会は,いじめの問題解決には家庭や地域との連携が不可欠であり,学校で発生した問題について,児童生徒の状況や個人情報の保護に十分配慮した上で,家庭や地域に情報を提供し,共に取り組むことは重要であると考えているとの答弁をされていましたが,いじめ問題の解決に向けた学校と家庭・地域との連携について,教育委員会として具体的にどのように取り組まれているのかお伺いいたします。  また,いじめを受けた児童生徒が深く悩んだ挙げ句に転校してしまったというケースについて耳にすることもあり,本人はもちろん,保護者の気持ちを考えますとやりきれない気持ちでございます。こうしたいじめを受けた児童生徒を最後まで守り通すことは,児童生徒の生命・身体の安全を預かる学校として当然の責務であり,いじめを行った児童生徒に対して,毅然とした対応と粘り強い指導により,いじめは絶対に許されない行為であること,ひきょうで恥ずべき行為であることを認識させる必要があります。そのために,教育委員会と学校は,十分な教育的配慮の下,出席停止や懲戒等の措置も含め毅然とした対応を取り,学校を安心できるものにしていただきたいと考えます。このことについて,教育委員会としてどのように考えているのかお伺いいたします。  次に,教育現場で,よりよい学校教育を通じて,よりよい社会をつくると言われている中,学校で行われる授業が卒業後の学習や社会生活に必要な力の育成につながっているのかと疑問に思うことがあります。子供たちの生きる力を育むため,指導方法等を工夫して,必要な学習環境を積極的に設定し,幅広い学習改善の工夫が展開されることを期待し,国の方針や全国学力テストの質問紙の結果,東京都など他都市の取組を参考に,私の考えを交えながら幾つかお伺いいたします。  まず,夏休みや週休日の教育活動についてです。ここ2年間,新型コロナウイルスの影響でやむなく臨時休業となるなど,授業時間の確保と学力の維持・向上が心配されています。そのような中,今年度の全国学力テストの質問紙の結果によると,土曜日や日曜日など学校が休みの日に1日当たりどれぐらい勉強しますかという質問事項において,小学校では約3割,中学校では約5割の子供が2時間以上勉強していると答える一方で,1時間以下と回答した子供が,小学校で約4割,中学校では約2割いることが分かっています。このような土曜日の教育環境に格差がある現状を踏まえ,土曜日の教育活動の充実に取り組んでいるところもございます。平成27年の調査ではありますが,土曜授業は7,284校で22%,土曜日の課外授業は2,821校で8%,土曜学習は9,465校で28%で実施され,補充的・発展的な学習のほか,様々な活動が展開されているようです。また,夏休みにおいても様々な取組を進めるよい機会となるのではないでしょうか。地域の人と一緒に地域の自然や文化を活用した,ふだんすることができない活動をしたり,補習授業等の多様な学習をしたりするなど,ぜひそれぞれの学校において,学校実態に応じた取組に挑戦してほしいと思っています。以前も申しましたが,例えば夏季休業日を短縮して授業日としたり,夏季休業日や土曜日に地域と学校が一体となり多様な活動を行ったりするなど,夏季休業日や土曜日の有効な活用方法を考えてはどうかと思いますが,当局のお考えをお伺いいたします。  次に,個に応じた指導についてお伺いいたします。このところ個に応じた教育という言葉をよく耳にします。国においても,子供たちが学習内容を確実に身につけるためには個に応じた指導の充実を図ることが必要であるとしています。個に応じた指導といっても様々あり,個別学習やグループ学習,繰り返し学習,学習内容の習熟に応じた学習,補充的な学習や発展的な学習などが,子供や学校の実態に応じて行われているようです。欧米では,習熟度に応じて最適な授業を受けるほうがむしろ公平という考え方もあります。しかし,日本の学校には,みんなで同じことを同じようにという考えが根強いようです。  東京都では,少人数・習熟度別指導ガイドラインを作成し,都内の全公立中学校で少人数指導や習熟度別指導を推進しています。生徒が自らの学習目標に向かって主体的に学習に取り組めるよう,生徒の理解度や技能等の習熟度,そして生活習慣や学習意欲,生活指導上の課題までも十分に考慮しコース分けを行った上で授業を実施しており,学力向上につながることが期待されています。しかし,当然課題もございます。これらのコースをどの先生が受け持つのかということが必ず問題になるそうです。残念ながら現実問題として,教え方のうまい先生もいればそうでない先生もいるので,習熟度別授業が必ずしもうまくいかない原因の一つとなっているようです。しかし,習熟度に関係なく,みんなが一律に同じ授業を受け,同じ課題に取り組めばよいのかというと,答えは明らかにノーだそうです。  先ほど述べましたが,少人数・習熟度別ガイドラインに示している内容の一部を御紹介いたします。少人数・習熟度別指導の実施における指導方法・指導体制では,まず一つ目,生徒の理解や習熟の程度等を的確に把握する,二つ目,生徒の理解や習熟の程度等に応じて効果的な学習集団を編成する,三つ目,必要に応じて,既習事項の学び直しや反復学習などによる補充的な学習による指導を行う,四つ目,習熟が早く,さらに学習を進めていきたい生徒には,発展的な学習による指導を行う,五つ目,効果的な学習指導を推進するため,学習集団の特性に応じて教材・教具等を工夫して活用する,以上のことが重要であり,校内の推進体制については,一つ目,校内に少人数・習熟度別指導を推進するための委員会等の組織を設置する,二つ目,校内推進計画(基本方針,実施計画等)を作成する,三つ目,生徒及び保護者へ説明する機会や意見・要望等を聴取する機会を設けるといったことが必要となるようです。  子供一人一人の個性を生かす教育を行うためには,実態や地域に応じて,それぞれが特色ある学校づくりに取り組む必要があります。校長先生をはじめ先生方の考え方や教育方針を地域にも示し,地域の納得を得た上で自信を持って学校ならではの取組を進めていかれるべきと考えます。令和になって以降,ここまで述べてきました個に応じた指導を学習者,子供の視点から整理し,個別最適な学びと表現しています。子供一人一人の特性や学習進度,学習到達度等に応じ指導方法・教材や学習時間等の柔軟な提供・設定を行うという考え方で,個人的には賛成で,本市でも推し進めていただきたいと思います。子供たちが自分の進路を決める上で,進みたい高校や大学に応じた適切な学習を行うことは当たり前であり,中でも学習内容の習熟に応じた最適な授業を受けることは,子供たちそれぞれの将来を考えたとき非常に大切なことではないでしょうか。  全国学力・学習状況調査の結果においては,下位県の成績が全国平均に近づく状況が見られ,学力の底上げが図られている一方で,一人一人の学力状況を見ると,正答数の分布にばらつきが見られ,特に知識を活用する力の育成などのために,一人一人へのきめ細かな対応が重要になってきます。小・中学生の学びについて行われた実態調査によると,授業についていけない生徒がいる一方で,簡単過ぎると感じている児童生徒も一定数いることが分かっています。また,全国学力・学習状況調査の,これまで受けた授業は自分に合った教え方,教材,学習時間などになっていますかという質問に対して,小・中学校で約2割の子供がそうは思わないと答えています。ある程度,能力別の授業を取り入れたほうが本人や地域のためになるということも耳にします。私も同感です。いろいろなことを想定し,改革するべきと考えます。国とか,県に遠慮することはないと思います。広島市型の教育方針を鮮明に打ち出して,広島市ならではの教育を宣伝するべきと考えます。  そこでお尋ねいたします。習熟度学習等の個別最適な学びについて,教育委員会は現状の取組や今後の方針を含めどのようにお考えかお伺いをいたします。  次に,ICTの活用についてです。一部の学校や学習塾,通信教育ではAIを搭載したタブレット学習が既に取り入れられています。これは学習者の習熟度に応じて出題する問題の難易度を変える学習方法だそうです。個別最適なドリル学習も可能だそうで,AIが生徒の習熟度,つまずきに応じて出題内容を変えてくれるとのことです。さらに,こうしたAIの特徴は,生徒の習熟度を判断して,個別最適な課題を提供できるだけではありません。出題された問題はすぐに採点をしてくれるため,生徒への瞬時のフィードバックも可能です。国においても,今後,GIGAスクール構想により整備された学校のICT環境を活用するとともに,少人数によるきめ細かな指導体制の整備を進め,個に応じた指導を充実していくことが重要であるとしており,子供がICTを日常的に活用することにより期待される効果として,自ら見通しを立てたり,学習の状況を把握し,新たな学習方法を見いだしたり,自ら学び直しや発展的な学習を行いやすくなったりすることを挙げています。つまり,個別最適な学びを進めるためには,ICTの活用が不可欠であるということです。  そこでお伺いいたします。本市では,昨年12月,全校にタブレット端末を配備したと聞いていますが,どのような活用をしているのか,また今後どのような取組をお考えでしょうか,お伺いをいたします。  最後に,少し時間がありますので,お願いなんですけれども,農業の活性化について,いろいろ話せば長くなるので,途中は省きますが,いろんな意見を聞きましたけれども,専業農家では安定した生活ができないと,後継者を見つけることもできない,育てることができないというふうなことの中で,地産地消を進める施策が必要ではないかという思いから,地産地消ひろしまそだちの活動は承知しておりますが,それ以上に,例えばマスコミ等に地元産の消費を促すような報道とか,各種団体・企業等で社員・取引先・関連会社等に普及啓発を官民一体で行い,市民の意識改革をより一層推し進めていくような施策をお願いしたいと思います。  以上で総括質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○佐々木壽吉 議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       八條議員からの御質問にお答えいたします。  中央図書館等の移転についてのうち,これまでの検討状況,中央図書館等を移転する理由等についての御質問がございました。  これまでの検討状況としては,私が1期目の市長に就任した平成23年に旧市民球場跡地の活用方策を議論するため,各界各層からの意見を聞く旧広島市民球場跡地委員会を設置いたしましたが,そこでは,それまでの経緯を踏まえるならば,球場跡地だけでなく,老朽化が進む中央公園内の他の公共施設も含めた全体を視野に入れて検討しなければ議論が進まないということになりました。そこで,1年間かけて検討を行い,平成24年に中央公園の今後の活用に係る検討状況を中間報告として取りまとめましたけれども,そこで中央図書館映像文化ライブラリーこども図書館は,合築して配置場所の見直しを行うとしておりました。その後,平成25年に球場跡地に絞って活用方策を策定し,平成26年度以降,取組に逐次着手することにしておりましたけれども,球場跡地がサッカースタジアムの建設候補地の一つになったことから,これが決着するまでの間,取組を延期するということになりました。そして令和元年になって,サッカースタジアムの建設場所が決定されたことから,ようやく令和2年3月になって,それまでの検討成果を踏まえた上で中央公園の今後の活用に係る基本方針を策定し,中央公園内の公共施設の集約化等に向けた取組を再開したところであります。  このように,手順を踏んで検討を進めてきた過程におきまして,基本方針策定後の令和2年9月に,広島駅周辺地区及び紙屋町・八丁堀地区が国から特定都市再生緊急整備地域に指定され,都市機能の集約・強化を図る環境が整ったことから,公共施設の機能更新をまちづくりの好機と捉えまして,その配置先については,中央公園内にこだわることなく,まちづくりという視点も考慮して都心全体で考えるという方向に切り替えたわけであります。あわせて,都心の東西の核のバランスに配慮した平和文化のさらなる振興,中央公園内の各ゾーンの特性を踏まえた空間の利活用,こういったことを図ることといたしまして,さらには,財政的に有利な地方債も活用しながら公共施設の集約化を総合的に進めることとしたわけであります。  こうした中で,中央図書館の中央公園内での建て替えは,その他の施設整備等との調整が難しくなるということが明らかになったことを踏まえまして,市外あるいは県外からも多くの方が訪れる広島駅の交通結節点の機能に着目して,広島駅周辺地区に移転することとして,図書館の本来の機能の向上を図るとともに,本市の平和文化の情報拠点として周辺の商業機能とは競合しない,新たな文化的な機能を持つものとしようとしたところであります。  エールエールA館への移転を提案しておりますのは,広島駅周辺の既存のストックを活用するという方向で,それにふさわしい施設を探していたところ,広島駅南口開発株式会社から移転を検討してほしいという要望書が提出されましたので,周辺の他の民間施設と比較検討した結果であります。エールエールA館は,中央図書館等に必要な条件に最も適合するとともに,建設費という面から見ても,中央公園内での建て替えと比較しても負担軽減になります。また,広島駅にペデストリアンデッキで直結する予定でありますことから,これまでの利用者に加えて,新たな利用者層を呼び込むことにもつながり,図書館本来の学習機能や調査研究機能をより多くの方に利用していただくことで,中央図書館としての機能が今まで以上に発揮されることになると考えております。なお,こども図書館については,2月3日開催の都市活性化対策特別委員会において説明しておりますように,中央図書館等の移転に関する様々な議論を踏まえまして,引き続き親子が心地よい,緑豊かな環境の中で本を楽しめるような空間を中央公園内に残すということにいたしまして,改修することとなりますこども文化科学館内に児童図書の閲覧,そして絵本の読み聞かせなどができるような空間を整備することにしたものであります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○佐々木壽吉 議長      市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      中央図書館等の移転についての御質問のうち,移転以外の方法として現在地での建て替えでは対応できないのかについてお答えします。  中央図書館は,本市全体の図書館資料の収集・整理・保存のほか,行政資料,専門書などについて質問・相談を受けて,必要な資料を探すレファレンス機能を持つ市内唯一の図書館であり,また,各区図書館等で利用者が受け取る予約図書や公民館に配本する図書の集配車の運行や移動図書館車の運行など,市立図書館の総合的な管理・運営を担う中枢図書館でございます。  仮に現在地で建て替えを行うとすれば,現施設を解体する前に,本市全体の図書館機能を維持し,市民サービスを確保するための施設を別途用意し,建て替え工事期間となる約三,四年は,そこで仮の中央図書館としての機能を担わせる必要があると考えています。そのため,新築の建物を別の場所に設置する場合に要する費用に加えて,仮の施設を設置するための費用も必要となります。その額は,他都市の事例を参考に算出すると,仮施設の設置等に要する費用として約32億円,新築の建物の設置に係る費用として約90億円,引っ越し費を含めますと合計で約123億円かかると見込んでいます。また,新しい中央図書館の運用開始までに要する期間については,現在地建て替えの場合には,仮施設の運用開始後に現施設を解体し,その後に新しい施設を建設することになり,仮施設の工事に約1年,解体工事等に約1年を要することから,新築移転の場合よりも約2年は遅れることになります。  その上で,今回は既存の建物を改修し移転するものであることから,エールエールA館での再整備であれば,床の取得費用として約60億円,建物の改修工事費等に約35億円,引っ越し費を含めますと合計で約96億円となり,新築に要する費用に比べて財政負担を軽減できるとともに,新築工事よりも工事期間が短縮できるため,運用開始時期もさらに1年は早くなることになります。  このようなことから,現地建て替えではなく改修・移転をすることとしたものです。なお,このような対応は,これから行っていくことになる中央公園内の他の公共施設のリニューアル等の計画の速やかな実施にも資することになると考えております。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    中央図書館等の移転についての御質問のうち,中央図書館等を中央公園内の他のスペースへ移転することは考えられないのかについてお答え申し上げます。  中央公園内の公共施設の機能更新については,多数の施設の老朽化が進み,耐震性能も不足する中で,財政負担を考慮しながら着実に進めていくために,老朽化が著しいものから着手することとし,中央公園内にふさわしい空きスペースが確保できるようであれば,そこに移転させることを基本にして取り組んでいるところです。  ところで,今回言わばトップランナーとなる中央図書館については,他の公共施設が稼働している中にあって,移転・建て替え場所とするに適した規模の空きスペースはなく,仮に他施設の更新の手順を先行させて確保するとしても,短期間で適切な空きスペースを用意することは困難であるだけでなく,全体スケジュールに悪影響を及ぼすことになります。このため,総合的に検討させていただいた結果として,中央公園外への移転・集約を提案させていただいたものでございます。  以上です。 ○佐々木壽吉 議長      財政局長。 ◎古川智之 財政局長     官民連携のまちづくりについてのうち,市所有の不動産の空きスペースの暫定的な活用に民間のアイデアを積極的に採用することについて何か検討しているのかとの御質問にお答えいたします。  本市所有財産の空きスペースの暫定的な活用については,財源確保等の観点から,未利用市有地の積極的な貸付けによる有効活用を図ることを目的に,未利用市有地貸付実施要領を定め,ホームページで市民・企業等へ未利用市有地の情報提供を行うとともに,未利用市有地や市有建物の有効活用に係る通知を全庁に発出し,その取組を推進しております。現在,資材置場であるとか,駐車場等として未利用市有地が活用されている事例がございます。  議員御提案の民間のアイデアを積極的に採用して検討していくことについては,未利用市有地等のより一層の有効活用に資すると考えられることから,他都市の取組事例の調査や専門家からアドバイスを受けることなどによりまして,どういった取組が有効なのか検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    官民連携のまちづくりについての御質問のうち,都心全体の活性化について民間の考え方を積極的に取り入れ,10年先,20年先を見据えながら,官民連携で進めていくべきだと考えるがどうかにお答えします。  平成29年に策定しましたひろしま都心活性化プランにおきまして,にぎわいと交流を生み出す都心の実現に向けた施策の方向性の一つとして,市民,企業,行政などの連携・協働によるまちづくりを掲げてございます。そうした中,昨年4月に経済界が中心となり,ひろしま都心活性化プランの実現を目指して,地域のエリアマネジメント団体と行政の中間に位置し,エリアマネジメント団体を支援するプラットフォームとして,広島都心会議が設立されました。本市は,この広島都心会議が民間主導のまちづくりの要として適切に機能できるよう財政支援を行うとともに,同会議の活動に関する各種助言等を行うことなどを通じて都心のエリアマネジメントの活性化を図ることとしております。こうした取組を通じて,同会議やエリアマネジメント団体とまちの将来像を広く共有し,官民で様々な意見交換を重ねることにより良質な民間開発につなげるなど,今後とも官民連携によるまちづくりを推進していきたいと考えております。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  入札制度についての御質問がございました。  指定管理者の選定に当たり,総合評価方式を採用しているが,競争性が失われている,公正な制度を覆すようなことがあってはならない,新たな取組等改革の必要性があれば,その都度,事業計画の募集をしてもいいのではないかについてです。  指定管理者制度は,管理経費を縮減するとともに,民間事業者や各種団体などの能力を活用し,複雑化・多様化する市民ニーズに的確に対応することにより,市民サービスを向上させることを目的として,平成18年度から導入されているものです。  議員御指摘の,指定管理者を選定する際の総合評価方式については,制度導入から相当期間が経過しており,管理経費を縮減することが限界に来ているところ,指定管理者の選定に当たっては,価格以外の要素として,市民サービスの向上の観点や安定した行政サービスの提供のため,事業者の経営の安定性等も評価する必要があるとの考え方から採用しているものです。また,競争性が失われているのではないかという点については,事業者の参入意欲を高めるため,原則として指定期間を4年から5年へ延長するとともに,優良な指定管理者については最長10年間の指定管理を可能とする更新制の導入など,制度の見直しに取り組んでいるところです。さらに,公正性の確保という点については,選定過程の客観性を高めるため,各局等に設置する指定審議会において,公募施設の選定に係る委員総数のうち外部委員を半数以上とするなどの見直しを行っているところです。今後も,指定管理者制度がよりよいものとなるよう,不断に制度の見直しに努めてまいりたいと考えております。  以上です。 ○佐々木壽吉 議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       学校給食について,五点の御質問に順次お答えします。  まず,五日市地区学校給食センターの土地と建物は誰が所有しているのか,土地と建物の取得に係る費用の市と事業者の負担割合はどうか,また,調理・配送等に係る委託料はどのように決定したのかという御質問についてです。  五日市地区学校給食センターの土地と建物は,いずれも受託者である広島アグリフードサービス株式会社が所有しており,この土地の取得と建物の整備に係る費用についても同社が負担をしています。本市は,このうち建物の整備費について,学校給食に使用する時間及び面積から算出した使用割合に応じ,おおむね7割を委託料の中で支払っています。  次に,調理・配送等に係る委託料についてですが,まずこの委託業務は,価格のみで事業者を決定する競争入札ではなく,提案内容を総合的に評価して事業候補者を選定する公募型プロポーザル方式を採用しています。候補者の選定に当たっては,衛生管理面や経費面,事業者独自のアピールなどについて提案を受け,総合的に最も優れた提案を行った同社を候補者として選定しました。その後,この候補者と契約を締結するに当たり,通常の給食センターより高度な衛生管理体制を整備するといったプロポーザルでの提案内容を踏まえ,これに必要な金額を加味した予定価格を設定し,事業候補者から見積書を徴取した上で契約を締結しております。  次に,可部地区に新たに整備する学校給食センターの土地と建物の所有やその取得に係る費用負担はどのようになるのか,また,調理・配送等に係る委託料の算出方法はどのようにするのかという御質問です。  このたび可部地区に新たに整備する学校給食センターも,五日市地区学校給食センターにおける実績を踏まえ,民設民営方式により建物を民間事業者の所有とした上で整備を進めていきたいと考えておりますが,土地については,事業者に探してもらうのではなく,安佐市民病院跡地を建設候補地として用意するとともに,定期借地権を設定して賃借することを考えております。こうした事業手法に関して,この事業に関心を有している事業者から意見や提案を聴取するサウンディング調査を予定しており,当該調査で得られた意見等を参考に,今後,整備に係る諸条件を決めていきたいと考えております。  次に,調理・配送等に係る委託料の算出方法については,先ほど御答弁申し上げました五日市地区学校給食センターと同様,公募型プロポーザルによる提案内容を踏まえた上で決定したいと考えております。  次に,可部地区に新たに整備する学校給食センターにおいては,五日市地区学校給食センターのように,運営事業者が一部の食材を調達する方式でなく,運営と食材の調達を切り離すべきと考えるがどうかという御質問です。  五日市地区学校給食センターでは,運営事業者が給食の調理運営だけでなく青果を自ら調達していますが,これは公募型プロポーザルの提案の中で地産地消の推進を一層進め,地域経済に貢献していくといった趣旨で提案され,こうした提案も含め衛生管理面や経費面などの提案を総合的に評価した結果として,現在の事業者を委託先として決定したものです。可部地区に新たに整備する学校給食センターでの食材調達については,先ほど申し上げましたサウンディング調査の中で事業者の意見等を聴取する予定としており,その意見等を参考に,今後,具体的な検討を進めていきたいと考えております。  次に,学校給食会による食材調達について,より競争性を高めていく必要があると思うがどうかという御質問です。  現在,広島市学校給食会では,学校給食の食材は入札により調達していますが,この入札に参加するためには,原則として広島市内に本店・営業所等を有することや2年以上の営業経歴があることに加え,衛生管理が徹底されていること,品目ごとに大量の食材を調達し,全市域120余りの給食調理場に配送できる能力を有することなど複数の要件を満たす必要があります。このうち配送に係る要件により,入札に参加できない食品関係事業者がいることも考えられます。今後,給食提供体制の見直し方針に基づき,給食センター方式に順次移行していけば,配送箇所が限定されていくことになりますが,それには長期間を要することから,まずは可部地区に新たに整備する給食センターの稼働に併せ,学校給食会による食材調達について,例えば幾つかの地域にグループを分けて入札を行うなど,より競争性を高めるような仕組みの検討を進めていきたいと考えております。  次に,学校給食費の公会計化に伴い,学校給食費の徴収方法はどのように変わるのか,また,学校給食費に未納が生じた場合,未納者に対してどのような対応を取るのかということについてです。  これまでの学校給食費は,各学校が保護者から学校納入金の一部として徴収していましたが,公会計化後は,本市から保護者に対し年間及び月額の納付額・納期限を通知し,原則,口座振替により徴収することとなります。次に,未納者への対応については,教育委員会事務局において文書による督促のほか,電話や訪問による納付折衝を行います。その際,経済的な理由で納付が困難な家庭には,生活保護制度や就学援助制度の支援が適切に受けられるよう,関係部署と連携しながらきめ細かな対応に努めてまいります。一方,資力があるにもかかわらず支払いに応じないような悪質な未納者には,納付していただいている方との公平性の観点から,法的措置を講ずることも検討してまいります。  次に,学校教育に関して,五点の御質問にお答えいたします。  まず,いじめ問題の解決に向けた学校と家庭・地域との連携について,どのように取り組んでいるのかという御質問です。  いじめ問題については,学校において,その早期発見に努めるとともに,発生した個別の事案に関して,被害児童生徒と加害児童生徒の双方の保護者とも緊密に連携して解決に取り組む必要があります。また,児童生徒の状況や個人情報の保護に十分配慮した上で,家庭や地域と情報を共有し連携しながら,いじめを生まない支持的風土を醸成することが重要です。こうしたことから,まず学校では,保護者との連携について,日頃から家庭連絡や家庭訪問等を積極的に行い,信頼関係を構築するとともに,個別の事案が発生した際には,対応方針や対応状況等についてきめ細かい情報共有を行い,その解決に向けて協力して取り組んでおります。また,地域との連携については,学校だよりの配付や学校協力者会議での課題の共有などによる地域への積極的な情報発信を行うとともに,地域でのボランティア活動や行事等への児童生徒の参加など,学校と地域とが協力した教育活動にも取り組んでいるところです。次に,教育委員会では,いじめ対策推進教諭7名に全市立学校を巡回させ,学校のいじめに係る取組状況を把握するとともに,課題に応じた指導・助言を行っております。また,いじめ対応ハンドブックを作成して全教職員に配付し,いじめの未然防止,早期発見の取組に係る家庭や地域との連携をより円滑に進めていくことができるよう支援をしています。今後とも,学校と保護者の信頼関係の構築や学校・家庭・地域が連携した取組の充実に努めてまいります。  次に,いじめへの対応について,出席停止や懲戒等の措置も含め毅然とした対応を取り,学校を安心できるものにしていただきたいがどうかという御質問です。  議員御指摘のとおり,加害児童生徒への指導に当たっては,全教職員が,いじめは絶対に許されないという強い認識の下,加害児童生徒が自らの行為を振り返り,深く反省をし,自らの行動を改善するよう指導する必要があり,学校いじめ防止委員会を中心に組織的に対応してきました。こうした中,平成30年12月,広島市いじめ防止対策推進審議会から,こうした指導を行っても改善が見られず,他の児童生徒の教育を受ける権利を保障することに支障を来す際には,加害児童生徒の保護者に十分説明した上で,出席停止や懲戒といった法令に基づく措置も視野に入れた対応を検討する必要があるとの答申が出されております。教育委員会としては,こうした状況が生じた場合には,この答申の内容を踏まえ,対応を検討していきたいと考えております。  次に,夏季休業日を短縮して授業日としたり,夏季休業日や土曜日に地域と学校が一体となって多様な活動を行ったりするなど,夏季休業日,土曜日の有効な活用方法を考えてはどうかという御質問です。  夏季休業日を短縮し授業日とすることについては,平日の一日当たりの授業時数を減らすことが可能となり,教職員がゆとりを持って勤務できるようになることで,働き方改革につながる取組の一つであると考えております。教育委員会としては,こうした認識の下で,児童生徒の負担や長期休業中における地域や家庭の行事計画等も考慮し,夏季休業期間を適切に設定するよう,今後とも学校を指導していきたいと考えております。また,長期休業日や土曜日に地域と学校が一体となって多様な活動を行うことについては,児童生徒の豊かな心や感性,社会性などを培うことにつながる機会となると考えております。今後,学校と地域で構成する学校運営協議会において,地域資源を活用した地域主体の体験活動等について検討が行われるよう働きかけてまいります。  次に,習熟度学習等の個別最適な学びについて,現状の取組や今後の方針を含めどのように考えているのかということについてです。  一人一人の個性・特性を尊重し,知・徳・体のバランスの取れた教育を推進するためには,児童生徒の学習進度や学習到達度に応じた指導により,個別最適な学びを推進することが重要だと考えております。このため,本市では,本年度,小学校4校,中学校4校を個に応じた指導研究校に指定し,1学級2展開の少人数指導やチームティーチングを実施するなど,個に応じたきめ細かな指導について実践的な研究を行っております。また,放課後等を活用した補充学習を行い,児童生徒一人一人の習熟度に応じた支援も行いました。これらの取組については,公開研究会において全校に周知をしたところです。今後は,研究校の成果を全校へ普及していくとともに,学校に配備された一人一台端末を活用して,児童生徒の学習到達度や習熟度に応じた振り返り学習や発展的な学習を行うことができる学習支援ソフトに取り組ませることなどにより,個別最適な学びを一層充実させたいと考えております。  最後に,本市では昨年12月,全校にタブレット端末を配備したが,どのように活用しているのか,また今後,どのような取組を考えているかという御質問です。  現在,各学校においては,授業の中でタブレット端末を活用し,カメラ機能で撮影した身近な植物や昆虫などの画像を子供同士で見せ合う学習や,インターネットを用いた調べ学習,双方向のコミュニケーション等を行うアプリケーションで画面上にクラス全員の考えを表示し,それを基に意見を交流する学習などを行っております。また,新型コロナウイルス感染症の影響等により,やむを得ず一定期間登校できなくなった児童生徒に対しては,タブレット端末を自宅に持ち帰らせるなどして健康観察や学習課題の提示,授業の配信等をオンラインで行っております。今後は,授業におけるタブレット端末の活用をさらに進めるとともに,先ほど御答弁申し上げました学習支援ソフトを用いて,児童生徒が自らの学習状況や興味・関心に応じて学習内容を選択し,振り返り学習や発展的な学習ができるよう取り組んでいきたいと考えております。また,やむを得ず登校することができない児童生徒に対するタブレット端末を活用した学習保障についても,引き続き取り組んでまいります。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      30番八條議員。 ◆30番(八條範彦議員) どうも御丁寧な御答弁ありがとうございます。  ちょっと時間もないので,簡単に数点要望だけ。  まず,指定管理なんですけれども,かなり前から伺っておりますけれども,単市,単体の案件等々でもいろいろあったんですが,それはそれとして,この指定管理と給食会,今の教科書等については,ずっと続くものなので言っておきたいんですけれども,やっぱりまず仕入れの発生しない現金商売というような内容のお仕事なので,比較的若く勢いのある会社でもできると思うんですよね。ですから,そういった地元の業者にはもっともっと受注機会を与えてあげていただきたいというのも含めて,総合評価でなくてもいいんじゃないかというふうに考えているわけで,そういったところも含めてよく研究していただきたい。  そして,給食センターですけれども,委託料という名目ではありますけれども,建物の7割は市が負担しているのと同じなわけで,普通あり得ないですよね。普通であれば,何もないところにどういったものを造るかとかどういった内容で管理するかとかいうのがそうであって,もうあるものですから,ぜひともこの可部地区に造る場合は誰もが参加しやすい,そうした入札方法を考えていただきたい,そのようにお願いをしておきます。  そして,そういったOBの就職先も確かに大切です。地元の業者をかわいがることも大切です。これは大賛成ですけれども,言ってはなんですけれども,ちょっとやり過ぎじゃないかなと。ここに53名議員がおりますけれども,みんなの目は節穴じゃないですよ。誰かが見ていますよ,いろんな角度から。そこら辺はよくよく気をつけていただきたい。  そして,習熟度別の授業とICTの活用ですけれども,よく他都市の事例とか云々という言葉を言われますが,他都市の事例じゃなくて,先駆けて,他都市はどうでもいいです,広島がとにかく先行していっていただきたい。そういった教育熱心な広島市にしていただきたいということが私の本日のお願いなんです。そういったことも含めて専門的なことまでは,当然,皆さん方プロにお願いするしかないんですけれども,どうかそういったところを教育県広島として何とか注目を浴びられるような,そういった市にしていただきたいと,そういったお願いをして終わります。ありがとうございました。 ○佐々木壽吉 議長      次に,32番三宅正明議員。                〔32番三宅正明議員登壇〕(拍手) ◆32番(三宅正明議員) 皆様,おはようございます。  自民党・保守クラブの三宅正明でございます。  私が昨年の総括質問をさせていただきまして約1年がたちますが,新型コロナウイルス感染症はオミクロン株として変異し,私たちの暮らしはもう2年間,新型コロナウイルスとの闘いを続けております。当たり前であった日常は戻らず,絶えずマスクを着用した生活です。現在のところ,対処策はワクチン接種と自己防衛のみでございます。また,近年は毎年のように大雨が続き,豪雨災害の爪跡も癒えぬまま,次の災害が起こるような感覚にさいなまれており,絶えず安全保障の在り方を探しつつ,不安の募る毎日が続いております。  さて,このたびの定例会で,松井市長は,国の16か月予算で措置される財源を活用して,切れ目のない予算編成を行ったと宣言されました。私は,行政の得意な分野や得意なこと,それらを生かした対処方法はないかを模索しつつ,質問をしてまいりたいと存じます。しばらくの間,お付き合いください。  まずは,福祉政策と新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。
     新型コロナウイルス感染症対策関連事業を令和2年5月より現在までの約2年間,広島市は,特別給付金や感染防止対策,PCR検査,ワクチン接種,地域や団体への支援,介護や教育現場への支援など多くの事業を行ってこられました。しかしながら,新型コロナウイルスは度重なる変異株の登場で,まだ先が見えない状況が続いており,市民にとっては日常を取り戻せない不安な生活が続いております。広島市においては,現在,3回目のワクチン接種の前倒しの対応やPCR検査などに鋭意取り組まれていると思いますが,私が昨年の決算特別委員会でも指摘させていただきましたように,新型コロナウイルス感染症対策の担当部署にはかなりの負担がかかり続け,疲弊していると思います。もちろんほかの部署からの応援を得た上で市民の要望に応えるよう対応されていることを念頭に置きつつも,今後,新型コロナウイルス感染症対策が,現在のところ,いつまで続くか分からない状況であることから,今後の対応方針を考える上でお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症の発現によるこれまでの2年間の広島市としての対応と自己評価,また,見えている課題をどのように認識しておられますか,お答えください。  新型コロナウイルス感染症は未曽有の国難でありますが,基礎自治体の広島市にとって,福祉の充実はとても重要な政策でございます。今定例会に提案されております令和4年度の当初予算でも,扶助費は昨年度の当初予算と比較して約16億円増の約1457億円,一般会計全体6589億円のうち22.1%と,最も構成比が高くなっております。限られた財源の中で,少子高齢化による人口減少が現実のものとなる近未来に対して,今後の福祉政策について,広島市としてどのような課題があると認識しておられますか,お伺いいたします。  昨年12月,新型コロナウイルス感染症対策として,こども未来局が所管いたします子育て世帯への臨時特別給付金の支給が行われました。また,今年1月には,健康福祉局が所管いたします住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金が支給されました。所管局が違いますので,両方の制度がともに該当する世帯には,広島市から1か月の短期間の間にそれぞれの通知が届くことになります。市民の立場からは非常に分かりづらいと感じられるかもしれません。福祉を必要とされている方は,高齢者,障害者,生活困窮者,子供,さらには年金に健康保険など,その環境や課題は千差万別です。また,それらの制度は,国の度重なる改正によりまして,大変複雑化しております。  私は,福祉の充実を図るといえば,どうしても新規事業や拡充事業に目が行きがちでございますが,既存事業の利用者の利便性をよくするなど,対象者になるべく利用していただくことでも福祉の充実につながると考えます。そのためには,福祉を必要とされている方が一度に相談できるように,行政組織の横の連携を図ることが重要と考えます。もちろん,今現在の市の職員の皆さんが市民のために仕事をされていることは十二分に分かった上で,市民の立場に立ったらどうだろうかを考えていただきたいから申し上げております。  しかしながら,広島市では,平成20年に重要施策を総合的に推進するための庁内横断的な組織としてクロスセクションを設置されましたが,現在では跡形もなく,機能もしておりません。私は,行政組織の横の連携は,その重要性は理解しながらも,大変難しい課題であると思います。であるならば,名古屋市が導入している福祉コンシェルジュ──これを福祉制度案内員と言いますが──などの例を研究されて,組織の連携そのものを目的とした事業を行うべきと考えますがいかがでしょうか,お答えください。  次に,まちづくりと災害対策についてお伺いいたします。  平成26年,平成30年,そして昨年8月と,立て続けに豪雨災害が発生しており,毎年のように災害が起こると感じておられる方も多いと思います。災害が起こった場所の復旧工事も,途中の雨で流され,中断したり,なかなか計画どおりに進まない状況が起きております。昨年の決算特別委員会で,災害復旧工事の入札不調について,一般競争入札だけでなく,指名競争入札や入札参加者へのインセンティブなどの工夫はしているものの,入札の不調が起きているとの御答弁がございました。被災地の住民からは,見通しが立たず,一体いつになったら日常が取り戻せるのかとの声が寄せられています。  そこで,お伺いいたします。災害復旧工事において,当初の計画どおりに進まない理由をどのように認識しておられますか,また,その課題についてどのように対応されておられますか,お答えください。  まちづくりは,道路や橋梁などのインフラ整備や公共施設の箱物整備といった利便性,活力,安心・安全,教育などを目的とする,行政にとって重要な仕事の一つであります。もちろん,まちづくりにはハード整備とソフト事業の両面があることは承知の上ですが,特にハード整備に目を向けて質問をしてまいります。  行政におけるハード整備は,道路や橋梁,公園の整備や災害復旧などの課題に対する対応,または,このたびの当初予算案に計上されておりますサッカースタジアムの建設といった新しい価値の創出への投資が挙げられます。私は,どの事業も重要であると考えますが,一方で,近年の度重なる豪雨災害,また,今後30年間で90%の確率で起こると予想されている南海トラフ地震などの大規模な災害に対する対策を急ぐ声が増えていると感じております。国は,大規模災害時に人命を守り,経済社会への被害が致命的にならず,迅速に回復する強さとしなやかさを備えた国土,経済システムを平時から構築するために,国土強靱化基本法を制定し,広島市も平成29年に広島市地域強靱化計画を策定されております。最近の事例では,水害による被害額と復旧に要する費用よりも,事前に防災対策をしたほうが少ない先行投資で大きな整備効果をもたらすことが可能であることが証明されております。  そこで,お伺いいたします。災害に対する事前の防災対策についてどのように考えておられますか,お答えください。  私は,まちづくりに対する市民の願いは見通しを示すことだと考えております。例えば自分が住む地域が土砂災害警戒区域であったとしても,事前防災工事により5年後に警戒区域を外れる,あるいは,水害による浸水被害が7年後に解消するなどの安心。また,昨年の決算特別委員会で指摘いたしました都市計画決定道路の開通の時期や広島市下水道ビジョンが示している浸水対策の実現,東部地区連続立体交差事業など長期間かかる事業の早期実現などの見通しを示すことで,広島市の安心・安全を図ることが重要であると思います。また,まちづくりのハード整備には,裾野の広い多くの事業者が関わります。災害復旧工事の入札不調を見ても,事業者の技術者不足が主な原因ですが,見通しを示すことで,少しずつですが,人材育成が図られ,いざというときのための安全が図られると考えます。しかしながら,多くの行政需要の中,また,厳しい財政状況下での財源不足で,見通しを示すことははばかられるかもしれません。毎年8月頃に出される国予算の概算要求前に,広島市の要望事項を早期にまとめ,要望活動を積極的に行うなど,あらゆる手法を駆使してでも,今後5年から10年単位の見通しを広島市が示すことが重要であると考えますが,いかがでしょうか,お答えください。  次に,文化政策と中央図書館についてお伺いいたします。  国際平和文化都市を目指す広島市にとって,文化政策は大きな柱であると認識しています。昨年11月に開催されました都市活性化対策特別委員会において,文化施設である中央図書館等エールエールA館への移転を公表されました。具体的な理由としては,中央図書館は本市全体の図書館資料の収集・整理等の総合的な管理を担う中枢図書館であり,市民サービスを確保する観点から,建て替え時の工事期間中も閉鎖すべきでなく,現在地での建て替えは仮施設設置の経費等を勘案すれば現実的でない,また,中央公園内には適地がないため,中央公園外への移転とし,その後,広島駅南口開発株式会社からエールエールA館への中央図書館等の移転についての要望書を受理し,検討した結果,移転することにしたとの報告がありました。中央図書館は,紛れもなく文化施設であり,広島市の文化政策において大きな役割を果たしていると考えます。  そこで,広島市の文化政策の観点から質問をしたいと思います。  現在,広島市のあらゆる政策分野において,政策評価,事務事業評価が実施され,その重要性は増大しております。しかしながら,文化政策や文化事業,文化施設の評価は,ほかの政策領域に比べて,元来,効果や成果が測定しにくい特性を有しており,必ずしも容易でないと言われております。それは,定性的なアウトカムを把握するには技術的に困難であること,事業の実施から具体的な成果が生じるのに相当の時間がかかるなどの理由があります。結果として,文化政策に関する評価は入場者数や参加者数,施設の稼働率といった定量的なアウトプットに関するデータに頼りがちになったと考えます。これらの基礎評価は不可欠でありますが,短期的な成果の現れにくい事業からの撤退などの危険性もあると思います。また,私は,文化政策の大切なことは,根づいているかという視点も同時に重要であると考えます。  そこで,お伺いいたします。中央図書館及び周辺地区の今までの広島市の文化政策の方向性と目的をお聞かせください。  また,今まで文化政策として積み上げてきたものに対しての広島市の自己評価についてお聞かせください。  さらに,市民の中央図書館の評価について,行政はどのように認識しているのかをお聞かせください。  広島市は,令和4年度の当初予算案で中央図書館等エールエールA館に移転・集約し,誰もが学び,憩う,平和文化の情報拠点として整備するとして,1億7729万9000円を提案されております。多様な価値観を認め合う現在において,市民の合意形成を図るための市の機関決定は,なるべく合理的で小さな物差しのみを用いなければ前になかなか進まないことは理解いたしますが,一方で,市民サービスの遅滞のない提供,費用の問題といったアウトプットのみで判断することは乱暴であるとも感じます。50年間にわたって根づいている空間,緑豊かで静かな空間,車が通ることのない空間,それら全てが定性的なアウトカムであると思います。  そこで,お伺いいたします。それらの定性的なアウトカムを捨ててでも,中央図書館等を移転させることで生まれる広島市の文化政策における新たな価値とは何でしょうか,お答えください。  最後に,地域コミュニティーと行政の関わりについてお伺いいたします。  広島市は,自助・共助・公助の下,地域コミュニティーに対して,市民主体のまちづくりとして「自分たちのまちは自分たちで創る」をスローガンに,今まで補助金や助成金を活用して地域コミュニティーの活性化を図ってこられました。このたび町内会・自治会等実態調査の調査結果を基礎データとして,広島市地域コミュニティ活性化ビジョンを作成され,令和4年度の当初予算に,広島市地域コミュニティ活性化ビジョンに基づく取組の推進として,2004万3000円を提案されております。ビジョンの中で,広島市は,地域コミュニティーは公と私の中間に位置する集団と定義し,そこに属する人には居住や意識の面で共通点があり,伝統的に生活課題,相互扶助,伝統文化,交流の場の提供,地域内の課題調整などの役割があり,災害時における協力・連携にも大きく寄与しているとされております。しかしながら,社会情勢により地域コミュニティーへの参加意欲が減少していると分析され,地域を支える人材の不足や活力低下が懸念されると評価されております。まさに自助・共助・公助の共助の役割が低下しているとの分析であります。これは,以前から指摘されていたこととはいえ,アンケート調査とその分析により明確になったと感じております。このたびの広島市地域コミュニティ活性化ビジョンにおいて,広島市はこれからの地域コミュニティーのあるべき姿を提案されたわけですが,地域からは,従来のやり方ができなくなってきていることは認識しているが,広島市のビジョンの示すあるべき姿は想像しにくいとのお声をいただきます。  そこで,私なりに提案されたビジョンを実現可能にするための提案を含めて質問したいと思います。  まずは,行政から見た地域コミュニティーの位置づけについての認識をお聞かせください。市の示したビジョンでは,地域はおおむね小学校区単位とし,その中に町内会などの任意団体や社会福祉協議会,民生委員児童委員協議会,自主防災会などの市の委嘱団体とが結びつくことが提案されております。従来の補助金・助成金制度は,団体によって手続が違うことがございます。また,従来の団体ごとの役割が異なっていたり,地域によっては団体の代表者が様々な団体の代表を兼ねていることもございます。私は,まず,これを整理する必要があると考えます。  次に,このたびのビジョンでは,地域コミュニティーの形を従来から変化することを提案されておりますが,公助である行政は組織的に変化されるのでしょうか,お答えください。  行政との関係性の中で,組織横断的な支援や職員の育成を書かれておりますが,先ほど私が福祉政策のところでも述べましたように,行政は組織横断が苦手だと考えております。また,行政主導型から市民・行政協働型へと言われるのであれば,地域の中に行政の窓口になる部署,例えば1小学校区に1公民館がある佐伯区と1中学校区に1公民館があるほかの7区に,公民館を中心としたコミュニティーづくりを進めることで,公共施設等総合管理計画で述べられている地区ごとの集会所の課題,行政とのかけ橋による事務手続の簡略化など,地域と行政をつなぐことを検討すべきと考えますが,いかがでしょうか,見解をお伺いいたします。  以上で私の総括質問を終わります。最後までの御清聴,誠にありがとうございました。(拍手) ○佐々木壽吉 議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       三宅議員からの御質問にお答えします。  福祉政策と新型コロナウイルス感染症対策についてのうち,少子高齢化,人口減少化における今後の福祉政策についての御質問がございました。  私は,市長就任以来,人口減少・少子高齢化の進展,家族形態の変化,コミュニティー意識の希薄化が進むなど,社会構造・経済環境が変容する中にあっても,この広島が持続的に発展するためのシステムを構築することに,基礎自治体としての役割を踏まえながら,全力で取り組んできているところであります。  福祉政策について申し上げれば,社会福祉や社会保障などに関わる事業は,国において全国的な視点で実施することを基本としつつ,基礎自治体には,その事業を実施する際に生じる当該自治体に特有の課題解消などに当たる役割があると捉えております。そのため,私は,指定都市市長会の厚生・労働部会長として,これまでも大都市が直面する保健医療・福祉分野の共通課題に正面から向き合い,生活保護制度や子ども医療費助成制度など社会保障費に関わる国の財政措置や自治体間での格差解消などに向けて,国に対して制度変更などの提案を行ってきており,引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えております。  また,本市においては,持続可能性の高い地域福祉を再構築する必要があると考えており,自助・共助・公助を適切に組み合わせた地域共生社会の実現の一環として,高齢者いきいき活動ポイント事業などに取り組んでいるところであります。引き続き,こうした高齢者等の社会参加の促進や介護経費等の増加の抑制に資する取組を積極的に進めるとともに,増大する福祉ニーズに的確に対応するために,事務事業の不断の点検・見直しを行ってまいります。  さらに,地域福祉の再構築は,地域住民が主導するまちづくりと密接不可分な関係にあると考えており,住民目線を踏まえながら,行政が的確な支援を行い,着実かつ適切に進めていくことにしております。具体的には,特にコロナ禍の下で,地区社会福祉協議会をはじめとする地域団体が共助の主要な担い手になって,地域において様々な取組が行われているところであり,福祉政策の一端を担う社会福祉協議会が包括的な支援体制づくりの一環として,まちづくりに積極的に参加できるようにしていきたいと考えております。新年度予算案では,地区社会福祉協議会が行う各種地域団体との連携活動への多年度にわたる支援などを行うために基金を設置している市社会福祉協議会に対する原資の出捐や地域団体等が運営する認知症カフェの継続的な支援活動を行うなど,地域団体等が地域の実情に応じて,より効率的・効果的な活動が展開できるよう支援を強化していきたいと考えております。団塊の世代が75歳以上となる2025年を目前にする中で,今後も福祉政策のあるべき姿を見据えつつ,人口減少・少子高齢化の下にあっても,これに打ちかち,持続可能な市政運営を行っていきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○佐々木壽吉 議長      企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  福祉政策と新型コロナウイルス感染症対策についてのうち,これまでの2年間の広島市としての対応と自己評価,見えている課題をどのように認識しているのかについてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症に係る対応のうち,市民の命を守るため,感染拡大を防止する感染症対策については,国・県が立てる対策を確実かつ着実に実行することが市の役割であるとの考え方の下,マスクの着用や手洗いの励行といった基本的な感染対策の市民への啓発,感染拡大を防止するための積極的疫学調査,濃厚接触者等へのPCR検査,ワクチンの接種などを実施してきているところです。  また,コロナ禍における経済・福祉対策については,国・県・市の役割分担を明確にした上で,公助による下支えにも取り組みつつ,それを補完・補強するために,コロナ禍後も見据えて,地域での支え合いや,事業者同士が連携する共助による取組を支援し,本市が目指す地域共生社会の基盤強化を図るという考え方の下,長期的な市民活動や事業活動への支援という視点にも意を用いて,日常生活・経済活動に影響を受けている方への支援策を講じてきたところであり,現下の困窮状態の緩和だけでなく,地域共生社会づくりの確実な進展にもつながるものと考えています。  本年に入り,全国的に感染者数は増加し,今後も新型コロナウイルス感染症との共生が続くと見込まれます。こうした状況下,本市においては,感染症対策に万全を期すべく,感染拡大防止に全力を挙げて取り組むとともに,経済・福祉対策については,生活様式や社会の変化に対応しつつ,国・県の支援策の動向も踏まえ,コロナ禍後を見据えた継続した支援を行っていく必要があると考えています。  こうしたコロナ禍への対応を行う中で見えてきた課題の一つとして,感染者の多くが都市部に集中していることから,本市のような指定都市の果たすべき役割が極めて大きいものになっている一方で,権限が道府県知事に集中しているため,指定都市が,地域の実情に応じた柔軟かつ機動的な感染症対策を実施することが難しいことが挙げられます。現行制度の課題を解消するための当面の対応としては,感染症対策に係る道府県と指定都市の役割分担の見直しを国に対し要請しているところですが,抜本的な課題解決に向けては,地方自治制度の再構築により,特別自治市の実現を目指す必要があると考えており,県を含めた多くの関係者に特別自治市制度への理解が得られるような環境を醸成していきたいと考えているところです。  以上です。 ○佐々木壽吉 議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   福祉政策と新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち,名古屋市が導入している福祉コンシェルジュなどの例を研究して,組織の連携そのものを目的とした事業を行うべきと考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。  議員御紹介の名古屋市の福祉コンシェルジュ制度は,区役所等に配置された職員が,来庁した市民に直接声がけを行い,相談内容を聞き取って,適切な相談窓口に案内するという取組と聞いております。  ところで,本市では,区役所厚生部再編に伴い設置しました地域支えあい課に,保健・医療・福祉の総合相談窓口を設け,支援を必要とする方々に確実に支援が行き届くようにするため,保健師やケースワーカーなどが市民からの各種相談に応じ,手続等の担当者の下まで案内するなどの対応を行っているところでございます。本市としては,この体制を基本に,福祉サービスの充実を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      危機管理担当局長。 ◎岩崎学 危機管理担当局長  まちづくりと災害対策についてのうち,ハード整備の面で,事前の防災対策は経費的にも効果が大きいとの事例があるが,災害に対する事前の防災対策についてどのように考えているのかとの御質問にお答えいたします。  災害による被害を軽減し,市民の生命や財産を守るためにはハード・ソフト両面からの事前の防災対策が重要であると認識しております。このため,本市では,地域強靱化計画や地域防災計画などを策定し,総合的に対策を講じているところであり,ハード面では,公共施設等の耐震化,急傾斜地崩壊対策事業等,様々な取組を実施しているところです。今後ともこうした取組を推進し,災害に強いまちづくりに努めてまいります。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   まちづくりと災害対策についての御質問のうち,まちづくりにおけるハード整備は,今後5年から10年単位の見通しを示すことが重要であると考えるがどうかについてお答えいたします。  例示にございました都市計画道路の開通時期について申し上げますと,全体の事業スケジュール等をお示しした上で事業着手しているところですが,事業期間が長期に及ぶことから,社会経済情勢の変化等の影響や用地交渉の長期化などにより遅れが生じる場合もあり,そうした場合においても必要に応じて見通しをお伝えできるよう取り組んでいるところです。  また,現在,本市の今後10年間の道路交通政策の進路の全体像を示す総合交通戦略の改定に取り組んでおり,その中で,本市が取り組む施策のスケジュールを5年,10年,それ以降という区分で示しています。今後は,こうした中長期の計画を活用して,広く市民の皆様に整備の見通しを示せるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      下水道局長。 ◎油野裕和 下水道局長    まちづくりと災害対策についての二点の御質問についてお答えいたします。  まず最初に,災害復旧工事において,当初の計画どおりに進まない理由をどのように認識しているか,その課題についてどのように対応しているかについてです。  平成30年7月に発生した豪雨は,県内各地に甚大な被害をもたらしており,多くの災害復旧工事を迅速に発注する必要がある中で,建設業者や技術者が不足する状況になったこと,また,災害復旧工事の性質上,通常より施工が困難な現場条件であったことも相まって,入札の不調・不落が高い割合で長期間続いたことなどが災害復旧工事の遅れた主な原因であったと考えています。こうした状況に対応するため,平成30年9月から,主任技術者等を確保するための兼務制限の緩和や工事費を上乗せするための復興係数・復興歩掛かりの導入,建設業者の受注意欲の向上を図るための災害本復旧工事等受注者限定競争入札の試行など様々な契約に係る対策を講じてきました。また,現場条件に差がある河川と道路の災害復旧工事を一体的に発注する試みも適宜実施してきました。こうした取組により,本年度は,昨年度に比べ,入札不調率は半分程度まで改善されました。今後の見通しとしては,新型コロナウイルスの度重なる感染拡大や昨年8月中旬の大雨による復旧途上の工事現場の再度災害の発生など厳しい復旧環境にありますが,本年度末には,河川や道路等の公共土木施設全体の約80%が完了すると考えています。引き続き,市民の安全・安心の確保に向け,災害復旧工事の早期完了を目指し,一層積極的に取り組んでいく所存です。  次に,まちづくりにおけるハード整備は今後5年から10年単位の見通しを示すことが重要であると考えるがどうかについてです。  本市の下水道の場合では,自然災害の頻発化・激甚化,地球温暖化の進行など社会環境の急速な変化を変革期と捉え,持続的な下水道を実現することを目的として,令和3年度から令和12年度の10年間における下水道の基本理念や基本方針などを取りまとめたひろしま下水道ビジョン2030を策定し,公表しています。このビジョンに掲げる基本理念を実現するため,本市の財政収支計画を踏まえ,事業計画と経営計画で構成する広島市下水道事業中期経営プランを4年ごとに策定しており,この中で整備目標,整備内容及び所要の建設事業費を示しながら,浸水対策や地震対策の推進などに取り組んでいるところです。今後も,こうしたハード整備の見通しを適切に示しながら,事業を推進していきたいと考えています。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      文化政策と中央図書館についての御質問がございました。  まず,中央図書館及び周辺地区において,今まで広島市はどのような方向性と目的に沿って文化政策を行ってきたかについてです。  これまでの文化政策については,昭和27年に決定された平和記念都市建設計画において,広島城跡を含む基町地区を中央公園とし,レクリエーション,文化施設を配置して,市民生活の基盤とする配置構想が示されました。昭和45年には,広島市総合計画書基本計画において,中央公園を文化・教育活動の中心地と位置づけ,体育館,屋内プール,青少年センターに加え,中央図書館等を整備する中で,文化・教育施設の集積を図ってまいりました。さらには,昭和53年策定の広島市新基本計画において,広島駅から縮景園,中央公園を経て平和記念公園に至る道を文化の道と位置づけ,文化施設間の相乗効果を高めるなどに取り組んできました。こうしたことにより,中央公園一帯は,市民や広島を訪れる人々にとりまして,魅力のある風格と文化的雰囲気を持ったエリアとして親しまれてきています。こうした中,広島市民球場の移転を契機として,平成23年に都心の活性化に向けた議論が始まりまして,老朽化が進む中央公園内の公共施設についても,個々の施設ではなく,全体で集約化・複合化の検討を進めることとなりました。その後,令和2年3月に,中央公園の今後の活用に係る基本方針を取りまとめ,中央公園内の各ゾーンの特性を生かした空間の利活用をお示ししているところでございます。  次に,中央図書館及び周辺地区において,今まで積み上げてきた文化政策をどのように自己評価しているのか,また,今までの文化政策を受け取ってきた市民がどう評価していると行政は認識しているのかについてです。  中央公園一帯に整備された中央図書館をはじめとする文化施設では,市民や国内外からの来訪者の文化活動やレクリエーション,交流の場として多くの人々に親しまれており,本市の豊かな文化的環境の創出の一翼を担っていると考えていますが,平和記念公園等と比較すると,人の流れもまだ少なく,都心全体の回遊性を高めていくとともに,中央公園の持つ歴史,文化芸術,スポーツ,水辺空間としての魅力の向上をより一層図っていく必要があると考えています。  市民の評価につきましては,例えば,このたびの中央図書館等の再整備案について市民意見募集を行ったところ,落ち着いた雰囲気で安心できる空間,市の中心にある癒やしと文化のエリア,児童図書館を引き継ぐ施設として重要な歴史があるといった声が寄せられており,市民の文化活動の場として一定の評価をいただいているものと受け止めています。  次に,中央図書館を移転させることで,広島市の文化政策における新たな価値をどう考えているのかについてです。  図書館は,教育や文化の発展に寄与することを目的とした,学習や調査研究などに資する社会教育や生涯学習の拠点であり,また,地域の情報拠点として市民の文化度を向上させていくためにも重要な役割を担っています。特に中央図書館については,区図書館などにはない行政資料や専門書等を中心としたレファレンス機能や商用データベースの提供によるビジネス支援機能などがあります。こうした効果を最大限発揮するためには,一人でも多くの方に利用してもらうことが何より大切だと考えています。  しかしながら,中央図書館の入館者数は平成21年度から平成30年度の10年間で20.3%減少しており,これは本市の図書館の平均減少率である10.9%よりも減少率が大きく,昨年6月に実施した市民アンケートでは,中央図書館を利用しない理由として,近くの図書館で十分,場所が不便で行きにくいという意見がありました。こうした中,市民一人一人が幸せに暮らすために大切となるものへの思いを共有し,自分にできることを日常生活の中で実践する文化である平和文化の情報拠点として,中央図書館等を新たに交通結節点である広島駅周辺地区に整備することにより,都心の東西の核に文化的機能が配置されることになり,多くの市民や来訪者も平和文化を学びやすくなります。こうした取組を通じまして,都心全体での文化度を高めるとともに,平和への思いを共有する平和文化を広く市内外へ広めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  地域コミュニティーと行政の関わりについて,三点の御質問に順次お答えいたします。  まず,行政から見た地域コミュニティーの位置づけについての認識はどうかについてです。  町内会に代表される地域コミュニティーとは,一定の地域で住民を中心にしたつながりを持つ集団であって,多様な主体が個人の立場を尊重しながら,住みやすい地域を実現するために自主的・主体的に協働するものと捉えており,住民によって主体的に運営され,生活に係る課題の解決・相互扶助,伝統文化等の維持,交流の場の提供,地域全体の課題への調整といった共助の精神に基づく取組を進めていると認識しています。  この地域コミュニティーは,人口減少・超高齢社会の到来,経済の停滞,さらには大規模災害の頻発により,2000年代後半からはその重要性が高まる一方で,少子高齢化・家族単位の縮小,労働環境の変化,そして生活環境の変化により,その衰退が反比例して進んでおります。  こうしたことから,市民の多様化・複雑化する生活課題に的確かつきめ細やかな対応をしていくためには,地域コミュニティーに視点を当てて,それが十全に機能を果たすことができるような,共助の精神に基づく新たなシステムを構築する必要があります。これによって,本市が目指す地域共生社会の実現や世界に誇れるまち広島の実現につながるものと考えております。  次に,ビジョンでは地域コミュニティーの形を従来から変化することを提案しているが,公助である行政は組織的に変化するのかについてです。  このたび策定する地域コミュニティ活性化ビジョンは,市民の生活課題が多様化し,より個々人のニーズに応じたきめ細やかな公共サービスが必要となる中にあって,現に地域が取り組んでいる多種多様な好事例を提示し,地域がおおむね小学校区を単位とする新たな協力体制を構築し,納得のできる取組が選択できるようにしているところです。また,その選択を行うために必要となる支援措置を講じるとともに,具体化に向けて動き出すときには能動的に地域課題を把握・分析し,柔軟な活動支援を行っていくこととしているところです。また,支援体制については,これまでの縦割りの支援体制から,組織横断的な発想の下,本庁,区役所,市・区社会福祉協議会の連携による支援体制を構築するなど,連携体制を大きく変えていくこととしています。  最後に,行政主導型から市民・行政協働型へと言うのであれば,地域の中に行政の窓口となる部署として,例えば公民館を中心としたコミュニティーづくりを進めることで,地域と行政をつなぐことを検討すべきと考えるがどうかについてです。  このたび策定するビジョンは,あくまで地域コミュニティーが主体となって行う活性化のための取組を,段階を追って着実に支援しようというものであり,組織横断的な発想の下,本庁が中心となって,区役所,議員御提案の公民館,さらには市・区社会福祉協議会など既存の組織が一丸となって支援していくこととしております。来年度行うこととしている支援内容は,ヒトの支援として新たな協力体制の設立・運営に係る支援措置,モノの支援として活動拠点運営の支援,カネの支援として新たな協力体制の設立に係る助成,デジタル化の支援として地域活動におけるICT活用の支援などですが,いずれも地域の皆さんによる活性化のための準備支援と位置づけており,今後の展開に応じてさらなる支援を講じることとしております。  以上です。 ○佐々木壽吉 議長      32番三宅議員。 ◆32番(三宅正明議員) 今から提案を三つ,再質問を一つ行います。  提案のまず一つ目,質問の順番に従って言いますが,まず,福祉政策。市のほうから福祉コンシェルジュについて丁寧な御答弁をいただきましたが,私がこのたび言いたかったことは,福祉コンシェルジュを導入しなさいよということを言いたかったわけではありません。それに準じた組織を,今,既にもうやっておられることは知った上で,そうは申しましても,例えば様々な方がいらっしゃいますよね,市民の中には。当然,年齢も性別もその方が置かれている状況も,もしかしたら全て違います。それらの方々が悩んで来られたときに的確に判断するためには,広島市の制度だけではなくて,国の制度改正とか,いろんなことがある中で,それらをある程度,スペシャリストじゃなくて,ゼネラリストとして総合的に対応できる体制,それを取っていくことが必要ではないかということを提案させていただいております。その中の一つの例として,そういうことをやっているところもあるから研究してみたらどうかということをお話しさせていただきました。大切なことは,私は縦割りが悪いと言っているわけじゃないんですよ。いいところもいっぱいあります。縦割り行政になれば,当然,専門性が高くなりますし,非常に細かなところにまで目が届くようになります。これは逃さないという点では大変重要な観点なんだけれども,そこまでいかなくても,いろんなことが知りたいけれど,あっち行ってこっち行ってというのは嫌だと。行政のワンストップ化といつも言われますよね。それをやれと言ってもなかなか難しいんです,一つの部署ならできるけど。ですので,それは連携することを前提とした事業を行うことで,実質的に横断的な形ができるのではないかということを言わせていただいただけですから,それはぜひ様々な分野において検討していただければと思います。  二つ目は要望です。私は見通しをつけるべきではないかと申しました。この見通しを,広島市はやっているんですよ。何かできていないように思って,やりますやりますと言われていましたが,そうじゃないですよ。例えば平成26年に豪雨災害がありました八木地区とか梅林地区で,復興まちづくりビジョンというのを地域と共につくっていますよね。そして,それを広島市は,5年の集中復興期間です,5年の継続復興期間ですと地域に10年の見通しを示しているじゃないですか。そうすることによって,地域の人たちは安心したわけですよね。ああ,そうか,今はこの辺りだからこうだね,じゃあ,こういう投資が来るんだね,こういうまちになるんだね,そういうことが見えるようにしましょう,様々な分野においてということを言っているわけです。しかしながら,先ほど言いましたように,行政的には道路交通局や下水道局などそれぞればらばらです。地域においては別に関係ない,それぞれがやっていても。地域ごとにどうなんだろうかということが分からなかったら,地域の人たちは,うちの地域はこれからどうなるんだろうかと全然想像ができませんよ。それをやろうということだけでも,見通しを示すことになりませんか。見通しを示したら,さっき言いました事業者の方々も,ああ,そうか,この地域はこれからこういう仕事があるんだな,じゃあ,投資しよう,そういう方向になるように,官と民はそれぞれが車の両輪ですから,そういうことを考えていただきたいという意味ですから,やっていないとは言っていません。地域ごとにそういうことをやることが地域の皆さんの願いじゃないかということです。  三つ目の要望は,地域コミュニティーのところです。今から例えば行政が上で,地域が下のトップダウン型じゃなくて,横並び型でやりたいですということを今回おっしゃられている。ただ,ここで私が行政サイドにお願いがあるとしたら,地域の方と話す,地域の代表者の方と話すと,こういう言葉が出てまいります,広島市からお金をもらったから,これ,やろうよと。この言葉の裏にあることをよく考えていただきたいんです。お金をもらうということは,お上からお金を頂いて,下々が活動するという精神。分かりますか。つまり,行政が上で,地域が下という根強い潜在意識が私はあると思っているのです。今回のビジョンというのも,まさに行政が示している形ですよね。そうすると,地域の受け手の方々から見ると,行政から押しつけられた,あるいは行政から下りてきたという認識を持たれる方がいらっしゃるかもしれない。そうなってはいけないじゃないですか。であるならば,私は,行政が地域の中,一つ一つに入っていく。そのためには,新たに人を雇ってどうこうというのは難しいですから,じゃあ,今ある既存の地域の施設の中でできることはないかということを考えることが現実的ではないかと提案させていただきました。今のその潜在意識を少しでも変えていって,一緒にやるんだというふうにどうやったらできるかは,今まで上にいた行政が考えない限り不可能でございますので,ぜひ考えてください。  最後に,再質問を行います。中央図書館の件です。私は,先ほど定性的なアウトカムや定量的なアウトプットの両方をもって文化政策というのは判断されるべきではないかと申し上げました。先ほどの質問の中でも言いました,多様化する価値観を世の中,認め合っていきましょうということは,何かの合意形成をするためにはお金とか利便性とか,みんなが分かり合える小さな小さな物差しで物事を決めていくしかなくなります。だって,いろんな考え方があるから。ただ,この文化施設は,やはりこの50年間にわたって我々の先人たちが積み上げてきた文化財ですよね。これらをさらに発展させるんだ,そのためには移ったほうがより発展するんだ,あるいは新たにこういう文化的価値が生まれるんだということを,私は広島市には言ってほしいんですよ。そのことによって,理解というのが少しずつ広がるかもしれない。だけど,今の発表の仕方と今の話では,平和文化が国内外に広がるんですというふうに言われましたが,じゃあ,今の場所では平和文化が広がらないのかという話に対しては答えがあるのかないのか大変気になったもので。今言われること,先ほど言われたのは,入場者数が年々減っているから便利がいいところに移ったほうがいいよとかお金が大変かかるよとか言われました。それは分かりました。私が言うのは価値なんです。あそこに移ったら価値が上がるんだったら,その価値をもう一度言ってほしいんです。お答えください。 ○佐々木壽吉 議長      市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      先ほども少し御答弁申し上げましたけれども,中央公園の評価といいますか,旧広島市民球場の移転というものを契機としまして,今まで紙屋町地区に大きなにぎわいがあったということが旧広島市民球場の移転に伴って,旧市民球場があったときは,中央公園は,どちらかというと,憩いの空間,あるいは静かな空間としての認識が広まっていて,それは,先ほど御紹介したとおり,一定の評価をされていたものだと思います。それが市民球場の移転に伴いまして,市民の皆さんの評価もここで大きな転換がございまして,中央公園が静かなだけではなくて,公共施設を含めまして,にぎわいといった観点を考えなければいけないのではないのかという大きな転換が一つございました。中央公園に求められる市民の皆さんの意識が少し変わってきたということだと思います。これを受けまして,先ほど御答弁申し上げたように,平成23年から中央公園の在り方,公共施設の在り方を含めて検討をスタートさせまして,文化というだけではなくて,にぎわいといったことも含めて検討を進めてきたわけでございます。その中で,私どもが取りまとめた中間報告の中で,これからの中央公園は,文化ということだけじゃなくて,憩いのゾーン,それからにぎわいのゾーン,それから文化のゾーンと,こういうそれぞれの側面を持った形で中央公園を整備していこうという方針を取りまとめたところでございます。この方針に沿って公共施設の再配置等も考えた中で,このたび令和2年にこの報告を取りまとめて,各施設を集約化・複合化しようという中で,最前,市長のほうから答弁申し上げましたように,広島駅という話が出てきて,現在,広島駅のほうに,中央図書館につきましては広島駅のほうの移転を御提案させていただいているというものでございます。この新しい中央図書館においても,当然,図書館ということですので,市民の皆さんが歴史を学び,文化を学び,あるいは平和を学ぶという,そういう文化を学ぶ拠点でもあります。そういった文化を学ぶ拠点が,中央公園の考え方の変化に伴いまして,中央公園だけではなくて,都心全体で新たな文化をこれからつくっていくという意味で,紙屋町だけではない,広島駅も含めた形,都心全体で広島市の市民の文化度を高めていく意味で,このたびの中央図書館の移転を提案させていただいているものでございます。  以上でございます。 ○佐々木壽吉 議長      32番三宅議員。 ◆32番(三宅正明議員) 今,お答えいただきましたが,もうあと時間があまりありませんので,基本的には細かな話,お金の話とか経緯とか,そういうのは予算特別委員会でさせていただこうと思うんですが,大切なことは,今,局長がおっしゃられました,どういう価値が生まれるのかということを都心全体で生み出すんですというお答えでしたかね。でしたら,それはそれで,それをきちんと分かるように表現する必要があると思います。なぜならば,例えば,思い出してほしいんですよ,今のマツダスタジアムができるとき,旧市民球場を移設するとき,この市議会の中では大きな議論が起こりました。それに今の答弁された局長もどっぷりつかっておられた時期だったと思います。そのときにも,今の中央図書館と同じように,様々な意見が出てきたんだろうと思うんですよね。そのときに広島市が最終的にどういう結論を出すかということを決めたかというと,こういう価値が生まれる,それを皆さんに伝えていらっしゃったんですよ。文化政策の継続性を私が問うたということではなくて,新たな価値が今以上に生まれるということを提案しない限りはなかなか理解が得られないのではないか,そう思って質問いたしました。細かなことはまた後日の予算特別委員会等でお聞きしたいと思いますので,今日はこれで終わります。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告
    ─────────────────────────────────────── ○佐々木壽吉 議長      この際,暫時休憩いたします。                午後0時04分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時10分開議                出席議員  30名                欠席議員  23名 ○若林新三 副議長      出席議員30名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○若林新三 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,総括質問を行います。  4番並川雄一議員。                〔4番並川雄一議員登壇〕(拍手) ◆4番(並川雄一議員) 皆さん,こんにちは。  公明党の並川雄一です。それでは,会派を代表して総括質問を行います。  最初に,成年後見のさらなる利用促進についてお伺いいたします。  本市では,10月より市社協に委託して,成年後見利用促進センターを稼働しています。現在,このセンターでの事業は,成年後見制度の広報・啓発及び相談であり,さらに,従前から市民後見人候補者の養成も行っています。センターが稼働して4か月が経過しましたが,相談件数も当初の予想を超えて増えていると聞いています。  そこで,お伺いいたします。1月までの相談件数は何件でしょうか。  さて,センターが今後順調に稼働していきますと,二点問題が起きることが予想されます。  一つ目は,成年後見制度の利用者の増加による後見人などの候補者の不足です。現在,広島家庭裁判所で選任される後見人などのうち,弁護士,司法書士,社会福祉士の士業及び社会福祉協議会が全体の74.2%を占めます。これらの専門家の人数には限界があり,現在でも,地域によっては専門家候補者が足りない状況です。今後,場合によっては,市民が成年後見制度を利用しようとしても,後見人などの候補者不足で利用できないことになってしまうおそれがあります。  二つ目は,市民後見人の養成人数に対して,広島家庭裁判所からの選任件数が不足し,市民後見人に選任されないままの市民後見人候補者バンク登録者が多くなることです。現状,市民後見人は市社協と共同受任が前提であり,市社協の体制を大幅に拡充しなければ,市民後見人を多く選任することはできず,養成人数に対して選任される人数が少なくなる状況だからです。  そこで,お伺いいたします。現在までの市民後見人候補者の養成数,市民後見人候補者バンク登録者数,市民後見人候補者の今後の養成計画,そして現在までの広島家庭裁判所から選任された市民後見人の人数,市社協の市民後見人の現在のフォロー体制,今後の体制強化の予定,後見制度を利用する前段階であるかけはしの利用者数,社協の担当者数を教えてください。  市民後見人候補者バンク登録者が市民後見人に選任されずに長期間経過すると,登録者のやる気の低下が懸念されます。今後,家庭裁判所で市民後見人を多く選任してもらうためには,市社協との共同受任ではなく,単独受任方式を進めることが不可欠です。その場合,市社協は,市民後見人のフォローを行ったり,後見監督人となることになりますが,課題として,市民後見人が単独受任するための環境づくり,選任する家庭裁判所との調整が必要になります。単独受任の前提条件として,家庭裁判所は市民後見人への支援体制を重視しています。単独受任の市民後見人を多く輩出している先進地,大阪市では,市民後見人に対し,マニュアルを整備,市社協及び専門家の相談体制の整備を行っています。先日,私が大阪市の成年後見支援センターから現在利用しているマニュアルなどを取得し,担当課に参考としてお渡ししましたが,それを参考にして,本市でも同様の体制を整える必要があると思います。  そこで,お伺いいたします。市民後見人が単独で受任するための環境づくりについて,広島家庭裁判所との協議を進める必要があると思いますが,見解をお伺いいたします。  さて,今後,市民後見人を多く輩出するためには,国の基本計画にも示されているとおり,本人と後見人候補者をマッチングする機能がどうしても必要になります。  そこで,お伺いいたします。後見人として市民後見人が適当か,市民後見人を選任する場合,誰にするのかなどを決定するマッチング機能を本市も整備することを検討していますか。  また,本市は,成年後見制度の利用促進に向け,今後はどのように取り組んでいきますか,見解をお伺いいたします。  次に,中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーの集約化・移転についてお伺いいたします。  図書館法第2条によると,図書館とは,図書,記録その他必要な資料を収集し,整理し,保存して,一般公衆の利用に供し,その教養,調査研究,レクリエーションなどに資することを目的として,誰もが気軽に利用できる,本を通した学びの場とされています。本市では,赤ちゃんから中学生までを対象とするこども図書館,高校生以上を対象とする中央図書館,漫画を専門的に扱うまんが図書館などの中枢図書館と,各区図書館・移動図書館・公民館図書館などで図書館ネットワークを形成し,市民に図書館サービスを提供しています。  さて,本市より,中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーの再整備案が発表されました。さらに,先日は中央公園内の公共施設の集約化等に係る方向性についての案を発表し,中央公園内の文化施設について削減などの案を発表しています。これに対し,市民の方から多くの意見や質問が我が会派にも寄せられています。  そこで,質問させていただきます。本市には,いわゆる文化施設についての基本計画がありません。基本計画に沿って,本市が必要と考える文化施設,基本的な配置などを決めなければ,統制の取れた文化施設の整備はできません。本市には,広島市公共施設等総合管理計画がありますが,これは現存する公共施設の整備についての基本的な考え方を規定したものであり,文化施設の整備基本計画というようなものではありません。本市は,文化施設の整備基本計画を作成するべきだと考えますが,見解をお伺いいたします。  次に,文化施設のうち図書館・美術館・博物館など施設ごとの個別の計画も必要だと考えます。例えば図書館では,本市の図書館サービスを今後どのように展開していくのか,そのために図書館ネットワークをどのように整備するのか,そして各図書館の役割をどのようなものにするのかなどの本市に必要な図書館機能の内容・配置などの計画です。文化芸術の振興に関する基本的な方針では,図書館などが優れた文化芸術の保存・継承,創造,交流,発信の拠点のみならず,地域の生涯学習活動,国際交流活動,ボランティア活動や観光などの拠点としても積極的に活用され,地域住民の文化芸術の場やコミュニケーションを通じた絆づくり,感性教育,地域ブランドづくりの場として,その機能・役割を十分に発揮できるようにするとしています。大阪市,堺市,熊本市などほかの政令市,中核市でも図書館整備の基本計画を作成しています。  そこで,お伺いいたします。本市では,平成15年に21世紀広島市図書館計画の提言,平成24年には広島市立図書館サービスの在り方検討についてをまとめていますが,その後,基本計画は作成されていません。本市でも図書館サービスの整備について基本計画を作成するべきであると考えますが,見解を教えてください。  このたびの中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーの集約化・移転案では,利用者の増加を目的として挙げています。そうであるならば,現在の利用者の支持を維持しつつ,新たな利用者を獲得しなければ困難ではないでしょうか。そのためには,現在の図書館利用者へのきめ細かなアンケート調査が必要だと思います。本市から提示された図書館に関するアンケートでは,有効回答数は1,027件,回答者のうち中央図書館をよく利用する人は12%弱の120人程度,こども図書館については2.4%,30人弱です。どちらも各施設の1年の利用者の0.1%にも満たない人数です。もっと利用者の意見をしっかりと聞かないといけないと考えますが,今後どのように進めていくつもりなのか,考えをお聞かせください。  また,今回の案では,現地での建て替えについて十分な検討が不足しています。そもそも当初の説明では,現地建て替えについて白紙から検討したことがないと聞きました。現地建て替えの敷地がないからだとも説明を受けています。しかし,ファミリープールの再整備と連動して行うなど,建て替えをすることは物理的には無理ではないと考えます。これでは移転ありきだと言われても仕方がありません。現地での建て替え案と移転案とを比較検討した上で,今後の図書館サービスに最善となる案を取るべきだと考えますが,本市の見解をお伺いいたします。  次に,吉島老人いこいの家及び吉島屋内プールの集約化・移転についてお伺いいたします。  吉島老人いこいの家は,昭和51年稼働の旧中工場の地域環境整備事業として,昭和51年に設置されました。この施設は60歳以上の高齢者に対し,教養の向上,レクリエーションなどのために気軽に利用できる場を提供し,高齢者の心身の健康の増進を図ることを目的とする施設で,利用料は無料です。主な施設としては45畳の大広間,12畳と8畳の和室,男女別の浴室があり,大広間などでは高齢者いきいき活動が行われ,浴室も毎日60名近くの方が利用されています。浴室の利用時間は10時から15時半で,地元の公衆浴場の利用時間とは重ならないよう配慮されています。平成16年稼働の新中工場への建て替えに当たり,地元の学区社協と確認書を締結し,吉島老人いこいの家の建て替えが決まりました。なかなかその話が進捗しない中,本市から吉島屋内プールと合築することで早く建築できるという説明を受け,地元は吉島老人いこいの家と吉島屋内プールの合築に合意し,平成27年に地元の学区社協から本市に対し,大広間などの集会施設や浴室を設置するなどの要望書を提出しています。しかし,本市は,浴室の設置については,公衆浴場組合とたった2回協議しただけで,その理解が得られないと判断し,地元の学区社協に設置は無理であると説明したそうです。地元の学区社協は,本市と何度も交渉しましたが,本市からの設置はできない旨の説明は覆らず,そのほかにも予算の関係上という理由で要望書の内容が削られ,やむを得ず,浴室の設置をはじめ,その他様々な要望を断念し,新吉島屋内プールの現在の案を承認した経緯があります。今回の吉島老人いこいの家と吉島屋内プールの集約化による新吉島屋内プールの施設には,現在,吉島老人いこいの家を利用する方への対応策が決定的に欠けていると思います。また,新中工場への建て替えに対する地元対策がなし崩し的に減っています。このようなことがあると,次期中工場の建て替え時には地元の協力が簡単には得られなくなります。少なくとも私も協力できないんじゃないかと思います。高齢者の人数は増加する中で,高齢者サービスを減少してもよいのでしょうか。新吉島屋内プールでも,高齢者の集会施設の無料での利用,公衆浴場組合に配慮した形での無料の浴室を存続すべきです。しかし,本市は,こうした対応を検討せず,吉島老人いこいの家を令和4年度で閉鎖するとの方針を掲げていますが,利用者への対処がもっと必要です。現在の段階で吉島老人いこいの家を閉鎖することはやめるべきですし,集約化を根拠に高齢者へのサービスを減少するべきではありません。  そこで,お伺いいたします。本市は,吉島老人いこいの家と吉島屋内プールの集約化による新吉島屋内プールの施設において,高齢者が集会施設を無料で利用できるようにすること,同施設に公衆浴場組合に配慮した形で無料の浴室等の設置を行うこと,これらの対応ができるまでは吉島老人いこいの家を存続することについてどのように検討するつもりか,お答えください。  また,今後,駐車場・駐輪場の整備も進めていくことになりますが,現在地より南に建設される新吉島屋内プールでは,地元の方は自転車やバイクで利用することが多くなります。自転車・バイクの駐輪場を多く整備することが必要と考えますが,いかがお考えでしょうか。  次に,長期未払い金の整理についてお伺いいたします。  本市では,長期未収の私債権が多く存在しています。その中には周辺市町村を合併した際に引き継いだ債権も多く存在し,その管理は各担当部局が行っていますが,管理に係るコストが債権額を上回ることも多く,困っている状況だと聞きました。2020年10月の決算特別委員会で,私がこれら債権の扱いについて質問したときに,本市は検討していくと答弁されました。  さて,国では,財政法第8条で,国の債権の全部,もしくは一部を免除し,またはその効力を変更するには法律に基づくことを要すると規定していますが,債権管理事務取扱規則第30条で,次の各号に掲げる事由が生じたときはそのことの経過を明らかにした書類を作成し,当該債権の全部,または一部が消滅したものとみなして整理するものと規定し,実質,一定の事由が生じた場合には,債権を消滅したものとして管理しないということにしています。一定の事由としては,消滅時効が完成し,債務者が援用する見込みがある場合,債務者が法人で清算が結了した場合,また,破産・会社更生などで債務者が免責された場合など,回収の見込みがほぼないものとされています。本市は,内閣府の行う令和3年の地方分権改革に関する提案募集に対して,地方自治体でも債権管理事務取扱規則と同様のことができないか,ほかの市町村と合同で総務省に照会・提案したところ,今のところは考えていない,提案団体から改めて支障事例等が具体的に示された場合などに調整の対象とする提案と回答を受け,当面,実施される見込みがなくなりました。  そこで,お伺いいたします。債権の管理や放棄などを定めた条例を定めるべきだと考えますが,本市の見解はいかがでしょうか。  私も,引き続き,国会議員を通じて内閣府の地方分権改革に関する提案で債権管理事務取扱規則と同様の手当てを国が行うことを提案していきますが,それには時間がかかりますし,また,本市が条例を制定するにも時間がかかります。  そこで,お伺いいたします。市議会で債権放棄の議決をするために,各担当課が債権放棄を提案するための具体的な基準を定めるべきだと思いますが,本市の見解をお答えください。  次に,保育士の配置基準の緩和についてお伺いいたします。  保育士の配置基準について,開園時間中は保育士を最低2名配置するようになっています。しかし,朝夕など児童が少数となる時間帯にも最低2名の保育士を配置するということになると,短時間の勤務者を雇ったり,常に残業してもらうなどして,児童が多い時間帯に保育士を厚く配置することが困難になります。そのため,厚生労働省は,平成28年4月より,配置する2名のうち1名は研修を受けた保育士以外の従業員でもよいとする特例を設けました。当然この場合でも預かる児童の人数に応じた保育士を配置され,問題はありません。保育士の待遇改善として,給与を上げることも重要ですが,勤務時間を改善しなければ,子育て中の若い保育士が定着できません。働き方改革という点からも,保育士の配置基準の緩和を導入することは重要です。  そこで,お伺いいたします。本市において,保育士の配置基準の緩和は適用されているのでしょうか,また,適用されていればその運用状況,適用されていなければその理由,今後の適用の検討状況を教えてください。  また,待機児童解消のためもあり,小規模保育事業所が増えていますが,その運営の実地検査の状況,また,実地検査は抜き打ちなのか,事前に通告して行うのか,教えてください。  また,保育所運営につき,賃借料加算という項目がありますが,例えば中区白島地域と安佐北区の白木地域では賃料の水準が全く異なります。この場合に,賃借料加算の金額の増減をすべきであると考えますが,本市の考えを教えてください。  次に,行政にしかできない終活の支援についてお伺いいたします。  本市では,毎年1万人前後が亡くなり,令和2年度はそのうち171人の遺骨が引き取られていません。つまり,100人に2人弱の遺骨が引き取られていないということです。身元の分かっている一般市民にもかかわらず,遺骨が引き取られていないのです。引取り手のいない遺骨といえば生活保護受給者の方の遺骨がほとんどだと思っていましたが,現在ではそうでない方の遺骨も増えているようです。引取り手のない市民の遺骨の連絡先は簡単には分かりません。時間とお金をかけて戸籍などを取り,親族の住所,氏名までは分かっても,電話番号までは分かりません。ですから,手紙で連絡するしかありませんが,手紙では返事はなかなか来ません。無縁墓地に埋葬すれば,遺骨の行き先がないということはありませんが,亡くなった方の意思を無視してしまうことになりかねません。このような方の生前の意思を聞く制度が必要だということで,横須賀市ではエンディングプラン・サポート事業を平成27年度から始めています。対象は,独り暮らしで,収入・資産が少ない市民,内容は,当事者に葬儀社を選んでもらって,葬儀・納骨の生前契約をしてもらい,当事者には生き生きと人生を送ってもらい,行政は,契約後は訪問・電話による見守りを続け,最期のときには契約が履行されるよう,市の職員が葬儀・納骨に立ち会うというものです。令和2年度には22件の登録がされ,10件が活用されたということです。  そこで,お伺いいたします。今後,単独世帯が増えている本市でも,横須賀市と同様の事業を行うべきだと考えますが,本市の見解をお聞かせください。  さて,後継ぎのいない夫婦などで,夫が先に他界し,後から妻が亡くなったときにはお墓の場所が分からない場合があります。問題は,亡くなった方の情報が適切なときに適切な方に伝達されないことです。そこで,横須賀市ではわたしの終活登録事業を始めています。病院や救急隊,警察などは何かあれば本人について必ず市役所に問い合わせるため,市役所が情報の中継点の役割をするのです。内容は,付加価値のある新しい住民登録のようなものです。対象者は市民全てで,登録できる内容は氏名や緊急連絡先,支援事業者,かかりつけ医やアレルギーなど,終末期医療における事前の指示を示したリビングウイルの保管場所,自分の人生の終末について記したエンディングノートの保管場所,臓器提供意思,葬儀や遺品整理の生前契約先,遺言書の保管場所,墓の所在地など,本人しか分からない重要な事項のうち希望するものです。葬儀や遺品整理の生前契約先の登録は,業者にとってはせっかくの契約が履行されないことが減る。また,違法な業者は登録されると困るので淘汰されるということで,消費者保護の一環にもなります。これについては,平成30年6月定例会で馬庭議員が質問し,本市はアドバンス・ケア・プランニングの普及に取り組み,終活登録事業については,高齢者のニーズや登録情報の管理に要する事務負担や,長期にわたり公的機関で保管することになる登録内容の正確性の担保をいかに行うかなど運用上の課題も少なくないことから,まずは横須賀市での成果を注視していきたいと答弁されました。既に横須賀市では何年か行っていますが,その横須賀市の成果についてはどのように評価していますか,お答えください。  アドバンス・ケア・プランニングは,自分が望む医療やケアについて,家族や医療・介護の専門職など信頼できる人と話し合い,共有する取組ですが,いざというときにその方に連絡できないと意味がありません。その連絡先を登録しておくことが重要なのです。横須賀市では,令和2年度までに183件の登録がされ,2件の登録が生かされました。事例の一つです。めいから市役所に三つの要望があったそうです。一つ目は,自分以外の緊急連絡先の人を教えてほしいです。亡くなった本人は緊急連絡先として5人を登録していましたが,めいはほかの連絡先を知らない中,ほかの人とも連絡が取れ,火葬に間に合ったそうです。二つ目は,遺書の保管場所を教えてほしいです。自宅の寝室のベッドの下の黒いかばんの中にあり,無事,裁判所で検認がされたそうです。三つ目は,お墓の場所を教えてほしいです。亡くなった本人は横須賀市に住んでいましたが,お墓は静岡県にあり,そのお墓に納骨することが無事できたそうです。これらは終活情報登録がなければ実現できなかったものばかりです。  そこで,お伺いいたします。本市でも終活登録事業を実施するべきだと思いますが,見解をお伺いいたします。  次に,養育費確保の支援についてお伺いいたします。  家族の多様性が進む中,独り親家庭への支援が重要になっています。平成27年国勢調査では,母子のみにより構成される母子世帯数は約75万世帯,父子のみにより構成される父子世帯数は約8万世帯です。平成28年度全国ひとり親世帯等調査では,母子家庭の母自身の平均年収は243万円,父子家庭の父自身の平均年収は420万円です。さらに,2019年国民生活基礎調査では,子供がいる現役世帯の世帯員の相対的貧困率は48.1%と,先進国でトップです。独り親になった理由は,母子・父子ともに,離婚が約8割弱であり,平成28年度の全国ひとり親世帯等調査では,養育費の取決めをしているのは母子家庭で42.9%,父子家庭で20.8%,養育費を現在も受給しているのは母子家庭で24.3%,父子家庭では3.2%です。母子家庭の就業している母のうち,パート・アルバイト・派遣社員などは48.4%と,非正規労働者の割合が高く,父子家庭も非正規労働者の割合は17.8%と,一定の数を占めています。この調査で,生活全般で困っていることは母子家庭,父子家庭ともに家計が最も高く,相談する相手がいないと答えているのは母親で20%,父親は44.3%にもなります。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で非正規雇用の多い母子家庭や父子家庭では収入減少や失職などが多い傾向であり,先ほども言いましたが,養育費は取決めも受け取りも少ない状況なので,家計に困っていることが容易に想像されます。  さて,国は,養育費確保の支援策として,平成24年に民法を改正し,離婚届に養育費,面会交流の取決めのチェック欄を設けました。さらに,令和2年には民事執行法を改正し,養育費の強制執行を容易にするため,勤務先情報の開示制度を設け,公正証書でもそれができるようになりました。また,養育費等の履行確保の支援事業として,一つ,養育費等の相談,二つ,面会交流支援,三つ,離婚前後の親支援講座,四つ,養育費の履行確保に資する取組の事業を実施している市町村に対し費用の助成を行っています。養育費を払うこと,また,面会交流を実施するのは子供のための制度です。  そこで,お伺いいたします。本市では,どのような事業を実施しておりますか。また,事業の利用者数はどのように推移していますか。  さて,養育費の履行確保に資する取組では,国はモデル事業を拡充し,一つ,公正証書などによる債務名義の作成支援,二つ,保証会社と養育費保証契約を締結するための支援,三つ,家庭裁判所への調停申立てに必要な戸籍の取得費用,印紙,郵便切手代などの支援を始めています。これを受け,東京都などの都道府県,品川区などの特別区,横浜市,横須賀市,仙台市,大阪市,堺市,神戸市,北九州市,福岡市など,次々と支援事業を開始しています。本市でも,独り親家庭が困窮し,支援を必要としている状況は同じです。  そこで,お伺いいたします。本市でも,公正証書などによる債務名義の作成,保証会社と養育費保証契約の締結,家庭裁判所への調停申立てに必要な戸籍の取得費用,印紙,郵便切手代などを支援する養育費確保のための事業を実施するべきだと思いますが,本市の見解をお答えください。  最後に,校舎外のトイレの洋式化についてお伺いいたします。  本市は,令和3年6月定例会で指定避難所となっている市立学校171校の体育館のうち,学校の体育館の棟内にトイレ設備がない学校は10校であり,体育館に隣接した別棟のトイレ用建物や校舎内のトイレを利用している状況がある。また,学校の体育館については,児童生徒の運動の場であるほか,災害時の避難所や地域のスポーツ活動の場などの役割も担っており,そうした利用者の利便性の確保も重要であると認識していると答弁されています。  さて,先の答弁のとおり,学校は地域のスポーツ活動の場として利用されておりますが,校舎の外での利用の際には,校舎や体育館の外にあるトイレを利用しています。例えば舟入小学校では,校舎の横にトイレ棟がありますが,洋式トイレは整備されていません。そのため,高齢者の方がトイレを利用するのに非常に不便を感じている状況です。校長先生に洋式化はされないのですかとお伺いしたところ,以前から洋式トイレがあったらいいなと思っていました,もし洋式化されれば,生徒や地域の利用者に喜んでもらえるとおっしゃっておりました。  そこで,お伺いいたします。校舎外のトイレの管理はどこが担当していますか。校舎外のトイレについて洋式化するべきだと考えますが,本市の見解はいかがでしょうか。  以上で総括質問を終わります。最後まで御清聴ありがとうございました。(拍手) ○若林新三 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       並川議員からの御質問にお答えします。  成年後見のさらなる利用促進についての御質問のうち,成年後見制度の利用促進に向けた今後の取組についての御質問がございました。  認知症高齢者や独り暮らしの高齢者などの増加に伴い,預貯金などの財産管理や施設入所に関する契約の締結などを行う際の判断能力が十分でない方が増加していることから,こうした方々の財産,権利を保護し,安心して生活できるよう支援を行う成年後見制度の利用促進は重要な課題であると認識しております。  こうした認識の下,本市では,これまでに,市長による成年後見人等の選任申立てなどの成年後見制度利用支援事業や,司法書士や弁護士などの専門職後見人の不足を補うための市民後見人養成事業を実施するほか,講演会の開催などの市民に対する啓発事業に取り組んでいるところですが,市民の成年後見制度の利用は,対象者である認知症高齢者や知的障害者等の約3%にとどまっており,制度の普及を促し,認知症等の早い段階から専門的な助言等に基づく適切な支援を受けることができる体制づくりが急務となっております。  こうしたことから,本市は同制度の利用促進を図るため,昨年10月,保健・医療・福祉・司法が連携する地域連携ネットワークを構築するとともに,その中核的な役割を担う機関として市社会福祉協議会に広島市成年後見利用促進センターを設置し,地域での成年後見制度の研修会・勉強会の開催支援や,法律・福祉の専門職団体と連携した定期相談・随時相談の開催,個別の事例を検討するケース検討会議への専門アドバイザーの派遣など,機能の拡充を図ってきたところであります。  今後は,このネットワークを有効に機能させるために設置した地域連携ネットワーク推進会議において,成年後見利用促進センターの運営状況等について検証し,その結果等を踏まえた改善を進めるとともに,市民の誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていくことができるよう,地域連携ネットワークの関係機関と連携し,各地域における課題の検討・調整・解決に向け継続的に協議していくことなどによりまして,さらなる権利擁護支援に向けた取組を推進していきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○若林新三 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   成年後見のさらなる利用促進についての数点の御質問に順次お答えいたします。  まず,広島市成年後見利用促進センターにおける相談件数についてです。  昨年10月1日に設置した広島市成年後見利用促進センターにおける今年1月までの累計の相談件数は,107件となっています。  次に,現在までの市民後見人候補者の養成数,市民後見人候補者バンク登録者数,そして今後の養成計画についてです。  本市では,市民後見人を養成するため,平成29年度から市民後見人養成研修を実施しており,この研修を修了した市民後見人候補者は48名となっています。また,このうち,市民後見人候補者バンクに登録されている方は33名となっています。  今後も,市民後見人養成研修を実施するとともに,研修修了者に対しては定期的にフォローアップ研修を実施し資質の向上を図るなど,引き続き市民後見人の養成に取り組んでまいります。  次に,市内での市民後見人の人数です。  これまで広島家庭裁判所から選任された本市の市民後見人は1名であります。  次に,市社協における市民後見人に対するフォロー体制,今後の体制強化の予定についてです。  市民後見人に対しましては,現在,市社会福祉協議会において定期的に研修を実施するほか,現場での困り事などを面談で聞き取るなど,成年後見制度に係る継続的な学習や相談支援を行っております。この市民後見人に対する支援体制の強化につきましては,昨年10月に設置した地域連携ネットワーク推進会議等での法律・福祉などの専門職団体や関係機関の意見や議論を踏まえつつ,検討してまいりたいと考えております。  次に,かけはしの利用者数,それから市社協の担当者数についてです。  判断能力が十分でない方に対する福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理サービスなど,市社会福祉協議会が実施していますかけはしの利用者数は,本年1月末現在で369名となっております。また,市社協の担当者数は,同月末現在で5名であります。  次に,市民後見人が単独受任するための環境づくりについて,広島家庭裁判所との協議を進める必要性についてです。  現在の1名の市民後見人は,法人後見人である市社会福祉協議会との複数後見として選任されたものです。市民後見人が単独で家庭裁判所に選任されるためには,養成してきた市民後見人候補者が後見業務を着実に実施している実績をきちんと裁判所に示すことが必要であることから,本市としては,今後も市民後見人候補者の養成に努めるとともに,まずは,候補者への定期的な研修や複数後見での受任実績を積み上げていくことで,広島家庭裁判所に対し,市民後見人を単独で選任するよう働きかけてまいりたいと考えております。  最後に,市民後見人として選任すべきかどうかのマッチング機能を本市も検討するべきではないかという御質問です。  議員から御提案のありましたマッチング機能,いわゆる事案に応じて適切な市民後見人候補者を選んで家庭裁判所へ推薦する受任者調整につきましては,令和4年度から成年後見利用促進センターで行う予定としております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      中央図書館こども図書館及び映像文化ライブラリーの集約化・移転についての御質問がございました。  まず,文化施設の整備基本計画を作成すべきと考えるがどうか,また,図書館機能の内容,配置などの図書館サービスの整備について基本計画を作成すべきと考えるがどうかについてお答えします。  本市では,公共施設について,美術館や科学館等は文化施設,図書館や公民館等は社会教育施設と分類しています。その機能に応じ所管する部署は分かれており,建て替えや新たな機能の追加,老朽化した際の修繕に当たっては,所管部署において,これまでの運営経験を踏まえて各施設の整備や配置の計画を立案していくこととしています。  具体的な計画の内容については,こうした基本的方針の下,各施設の特性に応じてまちづくりや広島広域都市圏の圏域づくりとの整合性を図りつつ,利用者の利便性や財政状況を踏まえて,施設の複合・集約化等の工夫を講じながら検討していくこととしており,公共施設をまとめた形での整備基本計画を作成することは考えていません。
     なお,図書館については,平成23年度にそのサービスの在り方について検討し,取りまとめを行っており,その中で,市民が知識を習得し,生活に還元するための知識を集積した知の情報拠点,読書の習慣づけを働きかける場,身近で利用しやすく役立つ図書館を基本的な考え方として示しています。  これらの基本的な考え方を基に,各区図書館や各公民館内の図書コーナー,また移動図書館車などにより,市民ができるだけ身近で図書館サービスが受けられるようにするとともに,中央図書館においては,それらの総合的な管理・運営や他所にはない行政資料や専門書等を中心としたレファレンスを行うなどの中枢機能を担いながら,本市全体の図書館サービスの充実に努めています。  今回の中央図書館等の再整備についても,このような本市全体の図書館サービスの考え方に沿って検討を進めてまいります。  次に,現在の中央図書館の利用者が利用しなくなると,移転後の利用者増につながらない,もっと現在の利用者の意見をしっかり聞かないといけないと考えるがどうかという御質問でございます。  議員御指摘の市民へのアンケート調査については,昨年6月に図書館の今後の在り方等に関するアンケートを,市民3,000人を対象に実施し,1,027人の方から回答をいただきました。その中で,中央図書館がどのような施設であればもっと利用したいかという問いに対しては,カフェなどの憩いのスペースがある,交通の便がよい,通勤・通学や買物の途中に寄りやすいなどの意見が多く,また,どのようなサービスがあればもっと利用したいかという問いに対しては,新刊・話題の本の充実,他の公共施設や駅などで本の貸出し・返却ができる,開館時間が長いなどの意見が多くありました。これらの意見は再整備する中央図書館においても参考とすべきものであり,できる限りこれらの要望に沿ったものとすることで利用者の増加が期待できると考えています。  なお,アンケート調査に回答していただいた方のうち,中央図書館を月1回以上利用する方は約10%と低い割合であったため,昨年7月には改めて中央図書館の来館者に対するアンケートを行い,166人の方から回答をいただきました。その御意見の中には,静かに本を読めるスペースがある,新刊・話題の本の充実,自習やグループ学習で使えるスペースがあるなどを望む声が多くありましたので,それらの意見も参考にしたいと考えています。  次に,現在地での建て替えについて,検討が不足している,現地での建て替え案と移転案を比較検討した上で最善となる案を取るべきと考えるがどうかについてです。  本市では,平成23年以降,老朽化が進む中央公園内の公共施設も含めた全体を視野に入れた検討を行い,その後,利用者の利便性の向上や各施設の更新に係る経費等を踏まえまして,平成24年度に中央公園の今後の活用に係る検討状況を中間報告として取りまとめ,中央図書館映像文化ライブラリーこども図書館は,合築して配置場所の見直しを行うとしました。その後,令和元年にサッカースタジアムの建設場所が決定したことから,令和2年3月に中央公園の今後の活用に係る基本方針を策定し,中央公園内の公共施設の集約化等に向けた取組を再開しました。  このように手順を踏んで検討を進めてきた過程において,令和2年9月に広島駅周辺地区及び紙屋町・八丁堀地区が国から特定都市再生緊急整備地域に指定されたことから,中央公園内にこだわることなく,まちづくりという視点も考慮して都心全体で考えることといたしました。  中央図書館の建て替えに当たって,中央公園内には,他の公共施設が稼働している中にあって,移転・建て替え場所とするに適した規模の空きスペースはなく,他の施設整備等との調整も困難です。  また,現地で建て替えを行うとすると,本市全体の図書館機能を維持し,市民サービスを確保するための仮の施設が必要となり,新築の建物を別の場所に設置する場合に要する費用に加えて,仮施設を設置するための費用も必要となります。その額は,他都市の事例を参考に算出すると,仮施設の設置等に要する費用として約32億円,新築の建物の設置に係る費用として約90億円,引っ越し費を含めますと合計で約123億円かかると見込んでいます。  また,新しい中央図書館の運用開始までに要する期間については,現在地建て替えの場合には,仮施設の運用開始後に現施設を解体し,その後に新しい施設を建設することになり,仮施設の工事に約1年,解体工事等に約1年を要することから,新築移転の場合よりも約2年は遅れることになります。今回,エールエールA館での再整備であれば,床の取得費用として約60億円,建物の改修工事費等に約35億円,引っ越し費を含めますと合計で約96億円となり,新築に要する費用に比べ財政負担を軽減できるとともに,新築工事より工事期間が短縮できるため,運用開始時期もさらに1年は早くなります。  こうした点を総合的に検討した結果として,現地建て替えではなく,改修移転することとしたものでございます。  次に,吉島老人いこいの家及び吉島屋内プールの集約化・移転についての御質問のうち,現在地より南に建設される新吉島屋内プールでは,自転車・バイクの駐輪場を多く整備することが必要だと考えるがどうかについてです。  新吉島屋内プールには,敷地内に駐輪場を整備するほか,令和5年度には隣接する中工場駐車場内にプール利用者も利用可能な駐輪場を整備する予定です。これにより,敷地内と合わせて現施設の26台より多い30台分以上の駐輪場を確保する予定としています。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   吉島老人いこいの家及び吉島屋内プールの集約化・移転についての御質問のうち,新吉島屋内プールの施設において高齢者が集会施設を無料で利用できるようにすること,同施設に公衆浴場組合に配慮した形での無料の浴室等の設置を行うことについてどのように検討するつもりか,また,こうした対応ができるまで吉島老人いこいの家を存続することについて検討してはどうかについてです。  吉島老人いこいの家は,吉島地区に中工場を建設することに伴う地域環境整備事業として,昭和52年2月に当時の地元の要望を踏まえ,大広間などの諸室のほか,浴室も備えた施設として建設をいたしました。今回の中工場の老朽化等に伴う建て替えを進めるに当たっては,地域環境整備事業として建設したものであることを考慮し,平成12年に地元の学区社会福祉協議会との間で,老朽化した吉島老人いこいの家の再整備について,吉島屋内プールの機能と一体的に整備する旨の確認書を締結しておりますが,体育館と公民館の建設を先行させたことから,具体的な整備内容についての協議は平成26年度になって開始いたしました。  浴室の存続要望は当初から出ておりましたが,入浴施設の設置に当たりましては,競合関係にある公衆浴場組合等との協議を十分に行うようにという昭和59年の国からの通知に沿って,広島市浴場組合と協議したところ,一般公衆浴場の営業を圧迫する無料の浴室設置は認められないとの回答があったことから,浴室は設置しないことについて地元に御説明し,御了承を得たところです。  そして,高齢者のみならず,全ての方のコミュニケーションが図れる場を確保するために,地元の要望を踏まえ,廃止する老人いこいの家の機能の一部を複合・集約化した新吉島屋内プールを整備することとしました。  これによりまして,地域環境整備事業としてようやく吉島地区の方々を含め,広く市民が様々なスポーツ・レクリエーション活動に関わり,生きがいを感じることができるような施設の整備ができるようになったものと受け止めているところでございます。  なお,この新吉島屋内プールの多目的室につきましては,広く市民に利用していただくことになることから,市内にあります他の類似の施設と同様に利用料金の設定は不可欠でございますが,同プールを所管する市民局とともに軽減策について検討を行っているところでございます。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      財政局長。 ◎古川智之 財政局長     長期未払い金の整理についての御質問にお答えいたします。  債権の管理や放棄等を定めた条例の制定について,また,債権放棄に関する具体的な基準を設けることについての御質問でございます。  債権の管理や放棄等を定めた条例を制定することについては,現在,他都市の状況を調査するとともに,本市の長期未収金に係る債権管理の実態を把握するため,所管する部署から聞き取り調査を行っているところです。  また,債権放棄を行うための具体的な基準を設けることについても,条例化の検討と合わせて検討を行っているところです。  さらに,議員から紹介がありましたとおり,地方分権改革に係る国への提案に対しては,内閣府において,昨年7月に提案団体から改めて支障事例等が具体的に示された場合等に調整の対象とする提案とされ,今年度の提案としては検討されないものとされましたが,主たる提案市である金沢市とともに再提案を行うことを検討しているところです。  こうしたことから,引き続き国の動向も注視しつつ,本市の債権管理の実態を踏まえ,債権放棄に関する制度の在り方を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      こども未来局長。 ◎森川伸江 こども未来局長  保育士の配置基準の緩和等についての三点の御質問にお答えします。  本市において保育士の配置基準の緩和は適用されているのか,適用されていればその運用状況を,適用されていなければその理由と今後の適用の検討状況を教えてほしいについてです。  保育士の配置基準については,本市では国の基準に従って条例で定め,この基準による年齢別の児童数に応じた配置を行っています。  こうした中,国は,保育の担い手確保策の一環として,平成28年4月から,朝夕等の児童が少数となる時間帯における保育士の配置について,2名以上とする配置基準を緩和し,2名のうち1名は子育て支援員研修を修了した者等の保育士資格を有しない者の配置を特例的に可能としています。  本市としては,保育士資格を有する者の配置による保育の質の確保に重点を置いて,この特例については適用せず,別途,保育士の確保策に取り組むこととし,処遇改善をはじめ,説明会の開催や保育現場の体験事業等による就職支援,ICTの活用による保育現場の負担軽減等を通じた離職防止など,総合的な取組を進めています。  今後とも,保育の質の確保を図りつつ,各園における保育士確保の状況を踏まえ,議員御指摘の職員配置の特例的運用に係るニーズや課題などについて,関係者の声や他都市の事例などを調べてみたいと考えています。  次に,小規模保育事業所の運営の実地検査の状況はどうか,また抜き打ちなのか,事前に通知して行うのかについてです。  小規模保育事業所を含め,保育園等の指導監査については,児童福祉法に基づき年1回,全施設の実地検査を行っています。また,実地検査の際には,事前に通知を行い,職員配置や保育の状況等に係る資料を準備していただいた上で実施しています。ただし,保護者等から保育士配置基準を満たしていないなどの情報提供があった場合は,事前通知をせず,実態把握のための検査を行う場合もあります。  最後に,保育所運営につき,賃借料加算の項目があるが,中区白島地区と安佐北区白木地区では賃料の水準が異なるため,賃借料加算の金額を増減すべきではないかについてです。  本市では,保育園の運営費等につきましては,国の公定価格に基づいて算出しております。議員御指摘の賃借料加算はこの公定価格の中に含まれており,その加算額は全国を4地域に分け,地域ごとに都市部と標準の区分がありますが,自治体単位での適用となっており,本市域内は同一の額となっています。本市としては,これまでも各地域の実勢に適正に対応したものとなるよう,大都市民生主管局長会議などを通じて国に要望しており,引き続き要望してまいります。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   行政にしかできない終活の支援について,横須賀市が実施しているエンディングプラン・サポート事業や終活情報登録伝達事業の成果についてどのように評価しているのか,また,本市でもこれらの事業を実施すべきと考えるがどうかについてです。  議員御紹介の横須賀市で実施しているエンディングプラン・サポート事業や終活情報登録伝達事業は,行政が身寄りのない高齢者等を対象として生前に人生の最期を迎える準備を支援するものであり,そうした方々にとって残りの人生を送る際の安心感につながるとともに,残される周囲の方々にとっても不安や心配の解消に資するものと考えております。  しかしながら,これらの事業については,横須賀市の例等を見ますと,実際の事業登録者数が少数にとどまるなど利用者のニーズが不明であることや,既に終活に関する事業を実施している民間事業者とのすみ分け,さらに臓器提供に関する意思表示や遺言書の保管場所など,終活に関する様々な個人情報を適宜確認しながら,長期にわたり行政で保管し続けることの事務負担など,引き続き解決すべき運用上の課題も少なくないと考えております。  このため,本市としては,現在取り組んでおりますACP── アドバンス・ケア・プランニングの実践や普及啓発を進める中で,高齢者や関係者のニーズ把握に努めつつ,ACPを含む終活に係る支援について,行政としてどのような対応が可能か見極める必要があると考えておりまして,引き続き横須賀市をはじめとする他都市の動向や民間事業者等が実施しております終活サービスの提供状況等も注視しながら,検討をしていきたいと考えております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      こども未来局長。 ◎森川伸江 こども未来局長  養育費確保の支援についての三点の質問にお答えします。  まず,養育費確保の支援について,本市ではどのような事業を実施しているかについてです。  本市においては,養育費の確保の推進に当たっては,離婚時における養育費の取決めがより一層促進されることが重要であると考え,離婚前から離婚後早期の段階において,当事者に対して養育費やその取決めの重要性等に係る周知を図っているところです。  具体的には,各区の独り親家庭の相談窓口に母子・父子自立支援員を配置し,離婚に係る相談に応じる際にチラシ等を使って説明するとともに,市総合福祉センターや各区で弁護士による法律相談を実施しています。また,離婚前後の父母を対象に,元家庭裁判所調査官による講義やグループワークを通じて,離婚が子供に与える影響や養育費の取決めの重要性等について考える離婚前後親支援講座を実施しています。  次に,事業の利用者数はどのように推移しているかについてです。  まず,法律相談については,令和元年度36回,令和2年度33回,令和3年度は1月末時点で26回実施し,養育費を含めた離婚問題の相談は,令和元年度は80人,令和2年度は74人,令和3年度は1月末時点で64人でした。  次に,離婚前後親支援講座については,令和元年度から事業を開始し,令和2年3月に開催予定でしたが,新型コロナウイルスの感染拡大により中止しております。令和2年度は,令和2年10月及び令和3年3月に講座を開催し,参加者は合計で24人でした。令和3年度は,令和3年6月に講座を開催し,参加者は2人で,令和4年1月にも講座を開催予定でしたが,新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置の適用期間のため中止しました。  最後に,他都市が既に実施している公正証書等による債務名義の作成支援等,養育費の履行確保のための事業を実施するべきだと思うが,本市の見解はどうかについてです。  本市では,離婚時における養育費等の取決めの重要性について,現在,当事者の意識醸成を図っているところですが,取決めを交わした養育費の確実な履行は,独り親家庭が経済的に自立し,子供が健やかに成長するために必要であると考えています。  このため,今後,先行都市における事業の実施状況や支援に対するニーズ,国の動向等を踏まえ,議員御提案の事業も含め,より効果的な支援策について検討していきたいと考えています。 ○若林新三 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       校舎外のトイレの洋式化についてお答えをいたします。  屋外にあるトイレの管理はどこが担当しているか,校舎外のトイレの洋式化をすべきと考えるがどうかという御質問です。  学校敷地にある屋外トイレについては,教育委員会で設置し管理しているものが58校にあるほか,学校体育施設開放事業における利便施設として,市民局が設置し管理しているものが72校にあります。  学校施設のトイレの洋式化については,児童生徒や学校施設利用者の利便性の向上を図るため,令和4年度から全ての学校の校舎において令和8年度までに洋式便器率を95%以上とすることを目標に整備を進めていくことにしております。  これに加え,議員御指摘の屋外トイレなど校舎外のトイレの洋式化についても,老朽化に伴い修繕が必要となった際などに,利用実態や洋式化のニーズを踏まえた洋式便器への取替え修繕を実施していきたいと考えております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      4番並川雄一議員。 ◆4番(並川雄一議員) ありがとうございます。  まず,成年後見のさらなる利用促進について一点再質問させていただきます。  国の基本計画には,成年後見制度の利用促進の取組については実施状況の検討をすることも求めています。既に本市では,成年後見制度の利用促進の取組については協議会が設置されています。また,現在,第8期高齢者施策推進プランで権利擁護についての基本的な方針を定めています。  しかしながら,現状の把握,問題点抽出,課題への対応を話し合うためには,検討を行うための物差しである具体的な目標を定める必要があるのではないかと思います。今後目標を定めることを検討する必要があると思いますが,本市の見解を教えてください。  続いて,中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーの集約化についてです。  本市の整備案では,図書館の開館は令和7年となっておりますけれども,期間の制約というのはあるのでしょうか。  また,基本設計・実施設計,土地の鑑定評価が予算として上げられていますが,十分な検討がされていない中で予算計上するのは早過ぎるのではないかと思います。今後,基本的な方針が決まってから,例えば補正予算で計上するなど方法はあると思うのですが,本市の見解を教えてください。  さらに,先ほどの答弁では,移転では96億円が総合計でかかると言われておりました。また,建て替えでは123億円と聞いております。それで,それぞれエールエールA館では耐用年数があと40年,新築の場合には通常60年ぐらいの耐用年数がありますので,耐用年数1年当たりの費用としては,移転の場合は1年当たり2.4億円,建て替えの場合は1年当たり2億500万円と,1年当たりの金額でいうと約0.3億円,移転のほうが高くなっています。これについてはどのようにお考えでしょうか。  また,環境についてですけれども,今後まちづくりの視点からということで御答弁がありましたが,もし今後,中央図書館を移転するということになりますと,紙屋町地区でどういった文化施設があるかということになりますと,図書館がなくなりますから青少年センター,プール,こども文化科学館ぐらいしか残らない形になります。対して,広島駅周辺ということになりますと,まず近くには東区民文化センター,東区図書館,また留学生会館,すぐ目の前にはビッグフロントがありますし,さらに図書館ということになると,駅周辺のほうが多くなるのではないかと思います。バランスある施設整備ということでいうと,今ある中央公園で整備したほうがバランスがあるのではないかと思いますが,どうでしょうか。  さらに,本市には1万3000名を超える自筆の署名が,今回こども図書館については届けられていると思います。整備案に対する市民意見も多く寄せられたと聞いております。市民のための図書館です。これらの意見をどのように考えて検討していくのか,教えてください。  続いて,吉島老人いこいの家,屋内プールの集約化・移転についてです。  地元では,今回の案に対して吉島老人いこいの家の存続を求める700名の署名が既に市に,また議会に陳情などが提出されています。これらについても,この人たちの意見を今後どのように受け止めていくのか,見解をお願いいたします。  あと,意見ですけれども,保育士の配置基準の緩和ですが,現場で働いている保育士の方は,保育所を運営するために朝早く出勤し,また夜遅くまで働いています。そのため,自分の子供の面倒がなかなかできないジレンマに陥っているそうです。そういった現場の状況をしっかり聞き取って,待遇改善につなげることを要望いたします。  行政にしかできない終活の支援ですけれども,これから単独世帯が増え,固定電話が減って,電話帳に掲載されない,携帯電話しかない連絡先ということになりますと,ますますいざというときの連絡先が分からず,本人の意思を無視した葬儀や埋葬が増えていくことになり,市民の死後の権利を奪うことにもなりかねません。横須賀市でも実施できている終活情報登録事業については,ぜひとも検討・実施するよう要望したいと思います。  最後に養育費確保の支援についてですが,DV等で養育費の取決めが困難な家庭に対する支援をしっかりと検討していただくよう要望します。  以上です。 ○若林新三 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   まず,成年後見の御質問でございます。  目標設定についてですが,成年後見制度の利用促進に当たりましては,先ほど御答弁したように地域連携ネットワーク推進会議というのをこのたび立ち上げて,その中には保健・医療,あるいは法律の専門家等々に入っていただいて,利用促進センターの運営状況の検証ですとか,今後の権利擁護の在り方について様々な御議論をいただくことにしております。  今,議員から御提案ありました施策目標の設定につきましても,このネットワーク推進会議でのいろんな議論を踏まえながら,何をどういう形でやればこの利用促進につながるのかといった議論を踏まえて,必要に応じて検討してまいりたいと考えております。  それから,吉島老人いこいの家でございます。  先ほど御答弁申し上げたように,吉島老人いこいの家につきましては,当初は中工場の建て替えに伴う地域環境整備事業という形でスタートしてまいりました。そうした中で,地元と協議を重ねながら様々な御要望に対して,ある意味,確認とかあるいは対応を重ねながら整備計画をまとめて今日に至ったということでございます。その結果,地元の方を含めて広く市民に御活用いただけるようなスポーツ・レクリエーション施設としての形が,今,まさに出来上がろうと今しているような段階に来ているんだろうと思います。本市としては,そうした一連のこれまでの経緯を踏まえて,着実に予定どおり進めていきたいと思っております。  今御紹介のありました利用者の多くの方の声は私も承知しております。こういったお声に対しましては,多目的室の利用という御要望が一つございますけれども,先ほど御答弁したように,こういった多目的室の利用について広く多くの方に利用していただけるような形で,今,市民局のほうとも連携して軽減策についての対応を検討しております。そういった検討状況もお示ししながら,引き続き多くの方の御理解がいただけるよう努めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      まず一点目です。開館時期が令和7年でないといけないのか,また,予算計上が早過ぎるのではないかという御質問でございました。  中央公園内の公共施設の集約化・複合について,先ほど御答弁したとおり,平成23年から検討を行ってきたものですが,サッカースタジアムの問題が生じたということで,一旦,取組を延期しておりました。令和2年3月に取組を再開いたしまして,このたびようやく中央図書館等の再整備を御提案することができたという状況に今至っているところでございます。  このように手順を踏んで検討を進めてきた中で,このたびの中央図書館の移転・集約は,中央公園内の様々な施設の集約化のトップランナーと言うべきものだと考えておりまして,これから進むべき公共施設の集約化の好事例にしていきたいというふうに考えております。  広島駅周辺地区では,令和7年には広島駅南口の路面電車の駅前大橋ルート,あるいは広島駅ビルの開業といったものが予定されておりまして,令和7年には新しい人の流れが生まれるということが期待されています。図書館の開業時期については,こうした人の,まちの,都市の活性化と合わせることで利便性も一層高まるということで,今,令和7年の開業を目指しているところでございます。  こうした計画の内容について御議論を深めていただきたいということで,このたび議会に必要となる予算を提案させていただいているところでありまして,市といたしましては,中央図書館の再整備を皮切りに,公園内の各施設の移転・集約化を着実に進めていきたいというふうに考えております。  二つ目の質問でございます。移転の場合は96億円,新設建て替えの場合は123億円だけれども,耐用年数を考えると年当たりの単価ではどうなのかという御質問であったと思います。
     移転建て替えの場合の96億円の試算でございますけれども,この96億円の中には,実は駅前の土地の取得費が入っておりまして,この土地の取得費が35億円と見込んでおります。この35億円については,将来的に市の財産となるものでございます。ですから,実質的なこのたびの移転に伴う工事費につきましては,96億円から35億円を引きますと約61億円ということになります。61億円を40年の年限で割り戻しますと,1年間当たり約1.5億円という計算になります。これに対しまして,新築の場合は123億円かかります。耐用年数は60年と長いですけれども,60年で割り戻しますと先ほど御説明があったように1年間で約2億円ということになります。そういう,1.5億円と2億円ということで,土地の取得を考えますと,現地建て替えよりも移転建て替えのほうが負担軽減にもなるものだというふうに理解をしていることから,提案をさせていただいているものでございます。  三点目,文化機能という面で,東の核と西の核で,東の核のほうが文化的に逆に進むのではないかというような御質問だったと思います。  東の広島駅周辺には確かに区民文化センター等がございますけれども,駅からかなり距離もございますし,基本的には,広島駅周辺地区は商業業務の集積のある地域だと考えております。  これに対しまして,紙屋町・八丁堀地区におきましては,午前中の答弁にもありましたけれども,これまで文化ゾーンとして,議員から御提案のあった青少年センターに加えまして,広島城であるとか広島美術館といった広島の歴史の礎となるような施設もございますし,これから新たに広島城三の丸に三の丸歴史館という広島の歴史を振り返ることができるような施設も造る予定となっておりまして,これからの紙屋町・八丁堀地区の中央公園ゾーンにつきましては,文化ゾーンとして,さらには,今,中央図書館の跡地の計画として,まだ具体的なものではございませんが,文化芸術ゾーンの跡地利用として芸術文化施設を持ってきてはどうかということも検討の俎上にはありますので,そういったことも含めますと,紙屋町・八丁堀地区の文化的機能はこれからも一定程度の水準以上のものがあると思っております。  これに対して,東の核は,まだまだ紙屋町に比べると文化的機能の面で劣るのではないかということから,このたび中央図書館を文化的機能の拠点として配置することで,広島市の都心全体として文化機能を高めるということに取り組んでいきたいと考えております。  四点目は,市民の意見をこれからどう取り扱っていくのかという御質問だったと思います。  市民からこのたび215件の御意見を,市民意見募集においてもいただいております。この意見の中には,賛成の意見もありますけれども,総じて移転に反対という御意見を多くいただいております。これは,我々はこのたび移転案を提案させていただいたわけですけれども,反対の意見が多かったということは一つの課題があるというふうに受け止めておりまして,こういった課題,いただいた意見を踏まえまして,よりよい施設となるようさらなる検討を深めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      4番並川議員。 ◆4番(並川雄一議員) ありがとうございます。  中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーですが,まだまだしっかりと議論をしていかないといけないというふうに思っております。常任委員会,また予算特別委員会等がありますから,そこでまたしっかりと質問していきたいというふうに思っております。  また,吉島老人いこいの家につきましても,今後の在り方等についてもまだ検討中とかいうところもありますので,それもまたしっかりとお聞きしていきたいというふうに思っております。  以上です。 ○若林新三 副議長      次に,34番馬庭恭子議員。                〔34番馬庭恭子議員登壇〕 ◆34番(馬庭恭子議員) 市政改革・無党派クラブの馬庭恭子です。会派を代表して総括質問をいたします。  まず,コロナ対策全般についてでございます。  目に見えない敵,新型コロナウイルスが変異し,今はオミクロン株,そして新たに感染力の強いステルスオミクロン株と言われる存在も指摘され,戦々恐々です。この2年間,新型コロナの変異株の登場によって人々の日常生活に制限や規制がかかり,社会経済も大きく影響を受けています。諸外国でも,この日本においても,政府をはじめ各自治体が新型コロナウイルスの対応に苦慮しています。この広島においても,第六波として感染者が急増し,1月8日から31日までまん延防止等重点措置の対象となり,さらに期間は2月20日までに延長されたところです。感染防止のために県民・市民に不要不急の外出は避けるよう協力を仰いでいるところです。  その中で,1月27日に,2023年に予定されているG7サミットの広島誘致要望のために,市長は県知事,広島商工会議所会頭とともに,総理大臣,外務大臣を訪問されました。G7サミットの開催選考は今年の6月末をめどに決定されると聞いています。  そこで,お尋ねいたします。なぜ過去最多感染者数が連日報道される中,上京されたのか,その理由をお答えください。  国のリーダー,地方自治体のリーダーも自分自身の健康におけるリスク管理をする必要があります。官邸では,岸田政権の幹部が本人の感染あるいは濃厚接触者に認定され,自宅療養や自宅待機になるケースが相次いでいると報道されています。日本では首相が病気や死亡などで執務不可能になった場合は,内閣法第9条であらかじめ指定された臨時代理が第5位まで決められています。地方自治体の市長としては,どのようなことに配慮して,行事参加,面談などをされているのか,お答えください。  昨年9月,名古屋市の河村市長が新型コロナに感染し,議会を欠席したということがありました。地方自治法第121条では,正当な理由があれば欠席が認められるとされていますが,議会中,市長を含め幹部などがクラスターとなった場合,どのような対応をされるのか,お答えください。  次に,先日スパコン「富岳」の分析では,オミクロン株は50センチメートル離れても15分間相手と会話をした場合,マスクをしていても感染確率は30%という結果が出ました。マスクをしていない場合は,2メートルで15分間会話をしたら60%の感染確率となるということでした。最近の動向としては,子供が感染することによって家庭内に感染が拡大することが多くなっています。こうした科学的なエビデンスに基づいた知見は,早く学校をはじめ各機関に広報すべきだと思いますが,どのようにお考えでしょうか。  次に,市民からよく問合せがあるのですが,感染した場合の情報共有,情報提供の在り方です。例えば2人兄弟で,兄の通学する小学校で感染が起きても弟の通園する保育園には情報が行きません。つまり,保育園ではいち早く知っていれば,様々な注意喚起ができます。また,共働きの世帯が多くなり,保育園の送迎などは高齢者である祖父母が対応している事例も増えています。各施設同士が情報交換をするのではなく,保護者を通して感染事実を知るということは避けたほうがよいのではないでしょうか。例えば呉市,福山市は,感染した学校名等を公表し対応していますが,それらの都市で何か問題が起きていますでしょうか,お答えください。  デルタ株と比較して,オミクロン株は感染スピードが早く,いつでも誰でも感染する可能性は高いのですから,これからは公表していくことにシフトすることが必要なのではないでしょうか,お考えをお聞かせください。  次に,ワクチン接種についてです。  アメリカ疾病予防管理センター── CDCは,新型コロナウイルスがインフルエンザ並みになるまで長い道のりだと報告していました。現在3回目のワクチンは前倒しで行っています。現在,18歳以上の接種率はどうなっているのか,お答えください。また,このうち高齢者の接種率はどうなっているのかもお答えください。  加速するオミクロン株の感染に対して,社会生活を維持させるために検査難民という言葉が出ています。広島市において,感染に不安のある無症状者の検査体制は整っていますか,また,検査キットは十分なのでしょうか,お答えください。  また,症例数は少ないと思いますが,妊婦が新型コロナに感染した場合の医療対応の事例があると思いますが,どのように対応しているのか,また課題は何なのか,お答えください。  次に,子供へのワクチン接種についてです。16歳以上の子供は自分で判断するので親の同意は要りません。12歳以上の子供への接種は,親権者からの同意が必要となります。そこでお聞きします。児童養護施設等にいる子供たちへのワクチン接種はどのようになりますか。中には同意を得られない子供もいるのではないでしょうか。親権者の同意を得られなかった子供への対応をどうされているのか,お答えください。  次に,EBPM── 証拠に基づく政策形成についてお尋ねいたします。  新型コロナによって新しい形でデジタルの恩恵を感じる場面が次々と生まれています。在宅ワークでのZoom会議など,デジタルの活用によって安全に効率的に仕事ができます。総務省の自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画では,一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ,多様な幸せが実現できる社会を示しています。その中で,データを活用し,住民のニーズをいち早く把握し,効率的・高度化を図ることがこれからの行政に求められるとして,EBPM── エビデンス・ベースト・ポリシー・メーキング── 証拠に基づく政策形成という手法が使えると提案しています。  医療の世界では,EBM── エビデンス・ベースト・メディシンといって,根拠に基づく医療が浸透しています。つまり,パターン化した前例踏襲や単なる経験値から来る勘ではなく,客観的に精密にデータ分析した上で,患者へ納得のいく最良の治療を提供するというものです。  一方,EBPMは,政策を立案するときに,単に首長や議会の根拠のない思い込みや利害で政策形成やその決定を実行せず,行政が住民のニーズに基づいて分析し,政策立案するというものです。人口減少・少子高齢化に伴い,広島の財政基盤は盤石ではありません。特に広島市の市債依存度は20政令指定都市で最下位となっています。広島市では,新規事業を打ち出すとき,どのような分析・検証をして提案しているのですか。新規事業に当たって,新たに1事業1課長が標榜されています。しかし,本当にその事業が必要なのか,効果はあるのか,税金の無駄遣いに当たらないのかの検証をした上での提案が必要です。また,事業遂行後に全体的にその事業の効果を検証する,例えば政策検証課などの専門チームが必要と思いますが,行政としていかがお考えでしょうか,お答えください。  次に,中央図書館等移転再整備についてお尋ねいたします。  国内外にある図書館,美術館,博物館などを見ると,その都市の品格・文化・教育レベルが一目で分かるといいます。広島市は国際平和文化都市です。であるなら,今後,100年を見据えた市民の財産である公共図書館像が浮かぶ練りに練った提案でなければなりません。しかし,広島市民の公共財産である中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーが急転直下,駅前の商業施設であるエールエールA館への移転の方針,まず,この移転案の発案者は誰なのか,教えてください。  移転の前に現在地において耐震化を図り改修工事をするという議論,また,他の候補地を選定し,建て替えの比較検討をされた上でのことなのか,駅前エールエールA館への移転と決定した根拠をお答えください。  令和3年11月18日,都市活性化対策特別委員会中央図書館等移転を初めて説明し,その後,令和3年12月20日から令和4年1月14日までパブリックコメントとして市民意見を募集し,215件の意見が出ました。市民意見としてどんな意見があったのか,また,論調としてエールエールA館への移転の反対が多かったのか,賛成が多かったのか,数も併せてお答えください。  また,こども図書館に関して,移転反対の署名活動,請願,メール署名も含めて約2万筆の署名文が提出されています。こども図書館は全国初の子供図書館であり,歴史的な背景をはじめ,今まで活動してきた市民の声は無視できません。広島市は,急遽,こども図書館に関しては一部読み聞かせのコーナーを残すという案を提案してきました。どうして読み聞かせコーナーを残せば読み聞かせ機能は維持できるとお考えなのか,お答えください。  そもそも図書館法では,公共図書館は社会教育機関で,所管は地方自治体の教育委員会となっています。特例として市長部局に移管することも可能です。教育委員会には教育委員会議があり,有識者をはじめ教育に係ることを議論するところです。この会議では,中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーの移転についての議事録はなく,つまり正式な議題にはまだ上がっておらず,個別に移転の話を委員にしたのみです。  図書館運営に関しては,広島市図書館協議会があります。そこで議事録を見ると,図書館移転は議題にもならず,議論もされていません。今月2月3日の都市活性化対策特別委員会の答弁では,協議会は開催されなかったので委員に個別に移転の話を出したということです。しかし,そのときには,担当者は,移転先は駅前のエールエールA館だとは伝えていません。もし移転先を具体的に示せれば同じ反応だったと考えていますか,お答えください。  また,中央図書館等の駅前移転により,平和文化の拠点となるという説明ですが,現在の中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーは,平和公園,原爆ドーム,ひろしま美術館もあり,まさに平和の象徴となる緑あふれるエリアに位置し,紛れもない不動の平和文化都市の拠点です。また,中央図書館の前身である浅野図書館とゆかりのある広島城にも近接しています。お尋ねしますが,移転によって駅前でどんな平和文化が生まれるのか,お答えください。  また,移転後の跡地はどうするのかと問うと,都市活性化対策特別委員会では,例えば音楽専門ホールなどを造るなどという答弁でした。広島の3大プロの一つである広島交響楽団は,既存のホールで既に演奏可能で何回も行っています。今まで市民からぜひ音楽専門ホールを造ってほしいという要望や署名活動がありましたか,お答えください。  次に,エールエールA館は,広島市が出資している第三セクター,広島駅南口開発株式会社が管理運営しています。もともと総事業費455億円のうち310億円が借金です。しかも,広島市が令和3年当初で6億6000万円の金利の放棄を行い,令和46年度まで返済期間を延長する支援を行ったところです。最近の百貨店を取り巻く状況は厳しいものがあり,呉駅前のそごうは既に撤退し,広島のそごうも売却するという報道も出ています。駅前開発でのにぎわいをつくるためには,もっと早くから,核テナントの百貨店である福屋が万が一撤退しても,広島駅南口開発株式会社が広島市民の税金を当てにせず必死に営業しておく必要があったのです。努力も能力もないで済まされる問題ではありません。  さて,エールエールA館の建物自体は平成11年に建築されていて,設計も商業施設を意識したデザインになっています。移転先として8階,9階,10階フロアを60億円で取得するということですが,なぜその3フロアとなったのか,お答えください。  現在,8階,9階,10階のフロアは空きテナントではありません。既に入居しているテナントの退去をお願いしなければなりません。例えば今ある10階の本屋はどうなりますか,お答えください。図書館が入居すれば,まず,同じ建物の中に再び本屋として入居するとは思えません。今営業している店舗,そしてクリニックなどをはじめ契約金・敷金の返還,それぞれ解決しなければならない問題が出てくるのは必須です。さらに,フロアごとに地権者・使用権が複雑に絡んでいます。そのことの解決も示されていないのに,まず移転に関わる設計予算等を提出してくること自体,あまりにも拙速ではありませんか。なぜ今急いで移転をしなければならないのか,お答えください。  エールエールA館は,建築されて既に23年経過しています。また,あと20年後先には移転するようになるかもしれません。建築基準法によると,建築物を造る上での建築構造計算は使用用途によって基準を満たすことになっています。今回の改修に伴い,蔵書数約121万冊,約560トンに及ぶ各フロアの載積荷重を考慮した上の構造計算を満たした提案なのでしょうか,お答えください。  改修工事はエールエールA館を設計した大阪に本店のある建築設計事務所などに1億8000万円の改修見積りを出していますが,設計・工事した会社で見積りを出させるということは,今後,改修工事は随意契約となるのか,お答えください。  次に,成人年齢の引下げに伴う消費者教育等についてです。  今回,民法が改正され,成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。明治時代より140年ぶりの改正となり,この4月より18歳が成人として扱われます。このことによって,1人で契約することができる年齢,父母の親権に服さなくなる年齢となります。しかし,社会経験もまだ乏しく,トラブルに巻き込まれることが多いのではないかと思います。  そこで,消費生活センターでは,これからそういった案件が増加してくることが予想されます。消費者庁が行った徳島県全高校生を対象に行った追跡調査では,契約ルールの知識に関する質問の平均正答率は授業後は70.8%であるのに,2年後になると51.4%に下がったという報告があります。これからこういった若い人たちにどう対応していくのか,お答えください。  次に,教育委員会として,当事者の市立高等学校生徒に契約の仕組みや消費行動など,消費者教育をどのようにするのか,お答えください。  また,市立看護専門学校,市立大学の学生に対して,公としてどう対応していきますか,お答えください。  次に,適正な投票所設置についてです。  選挙により自分の投じる1票の大切さを市民に認識してもらうことについて,選挙管理委員会は今まで努力してきたと思います。投票日に有権者である市民に投票を呼びかけ,生活に密着した利便性の高い日常生活圏内の投票所で投票できるよう環境を整えることは,投票率向上に資すると思います。  一方,最近では,期日前投票の投票が増え,衆議院議員総選挙では広島駅南口広場の期日前投票を3日間で8,875人が利用しました。また,区役所における期日前投票の来場者も,車で列をなすほど増加傾向にあります。市内の投票日の投票所は,学校や集会所などが中心となっていますが,実は1日の投票のために約300万円かけて公園にプレハブ建設をしている場所が南区宇品に1か所あります。その公園内には集会所がありますが,会議室が2階にあるため利用できないのが理由です。そのプレハブ投票所は,過去26回使用され,今まで約7,800万円の公金が投入されています。しかし,その投票区内には大型スーパーがあり,平成30年に投票所として利用することに承諾はもらっているということです。現在設置しているプレハブ投票所から大型スーパーまでは直線距離約350メートルです。地域住民に協力を仰いで,今後は大型スーパーで投票してもらってはいかがでしょうか,お答えください。  最後に,重度精神障害者通院医療費助成についてです。  重度知的障害者,重度身体障害者に対しては,通院医療費助成があるにもかかわらず,重度精神障害(精神保健福祉手帳1級保持者)についての通院医療費助成への対応は長く検討されてきませんでした。2020年,令和2年3月に厚生労働省で精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築の検討が行われ,政府へも広島県市長会,広島県町村会から,毎年,一般要望として上げています。同年10月1日には,広島県はこの制度創設と今後の対応等について通知し,一人でも多く,一人でも早く支援を行うため,翌年,2021年4月から重度精神障害者の方への医療費助成を行った場合の補助金交付制度を設けました。この制度が導入されることで,通院に限りますが,医療保険と併せて全ての診療所の受診の自己負担額の助成が受けられます。つまり,対象者の経済的負担の軽減が図られ,必要な受診により安定した生活とともに,重症化予防が図れるというものです。  広島市における対象者は約800人です。この制度導入は,広島県内市町においては2021年,令和3年4月実施が17市町,7月実施が1市,8月実施が4町となっており,7月,8月の実施の市町はいずれも4月に遡る償還払い方式を採用しています。しかし,広島市のみ2022年2月からの実施としました。昨年12月の厚生委員会では,私がなぜ広島市だけが10か月も遅れるのかとただしたところ,システム改修に時間を要したため,なぜ償還払い方式を取らないのかという質問に対しては,混乱を招くからという答弁でした。2021年,令和3年12月8日の広島市精神保健福祉家族会連合会からの陳情書では,他の市町はシステム改修が行われるまで手処理で対応するか,システム改修後,償還払い方式で対応しているので,広島市も遅れた10か月分を償還払い方式で対応してほしいと要望しています。  私はどう考えても広島県の補助金交付制度の枠組みの中で,広島市だけが他の市町と比較して,対象者への保健の向上と福祉の増進を考えて対応しているとは思えません。つまり,同じ制度がありながら,広島市に住んでいるだけで一部不公平・不平等な状況になっているという実態があるからです。広島市には,2020年,令和2年10月1日施行の広島市障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例があります。また,2021年3月の広島市実施計画では,障害者の自立した生活の支援の中に,障害者の権利擁護,障害者の差別の解消等の推進,障害者が住み慣れた地域で暮らせるための支援,障害者の活躍の支援を掲げ,そこに主な事業として今回の重度精神障害者通院医療費助成を掲げています。言っていることとやっていることにそごがありませんか。この状況を市長としてどう認識しているのか,お答えください。  また,条例改正し,償還払い方式にできるようにするお考えはないのか,お答えください。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       馬庭議員からの御質問にお答えします。  EBPM── 証拠に基づく政策形成についての御質問がございました。  本市としては,広島が将来にわたって魅力あふれるまちであり続けるために,持続可能なまちづくりを進めております。また,本市が展開する様々な事務事業や行政サービスを効果的・効率的なものにするために,人口減少,少子化・高齢化,成熟社会化が言われる中にあって,統計データや各種指標など客観的なエビデンス,根拠や証拠に基づいて本市が直面する多様化・複雑化する様々な課題をしっかり把握し,的確な政策決定を行った上で実行する必要があるということは論をまたないというふうに認識しております。したがって,本市における政策決定は,既にEBPMという手法,この重要性をわきまえた上でそれを着実に実施してきているというふうに心得ております。  また,今年度策定することにしております広島市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画に,先端的な技術を用いて庁内のデータを横断的に活用する仕組みを構築することを掲げているところでありますけれども,今後,これを使い,一層分析力を高めていこうというふうに考えております。  こうした取組の下で打ち出した事業については,事業所管部局,そして企画調整部,これによる協議体制をしっかりつくり,その下で数値目標を基本としたPDCAサイクルを実施することにより,議員御提案のように新たな専門チームを設けるまでもなく,効果的な事業実施,検証ができているというふうに考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○若林新三 副議長      企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  コロナ対策全般についてのうち,二点の御質問にお答えいたします。  まず,G7サミットの広島誘致要望のために,市長は県知事,広島商工会議所会頭とともに総理大臣,外務大臣を訪問された,新型コロナウイルスの過去最多感染者数が報道されている中,上京されたのはなぜかについてです。  G7サミットの誘致については,広島にとって極めて大きなメリットがあるため,昨年11月30日に市長,県知事,広島商工会議所会頭の三者で誘致表明を行い,12月に県と共同で誘致計画案を国に提出いたしました。  なお,市議会においても,こうしたメリットがあることから,全会一致で広島開催を求める決議をされたものと認識いたしております。  現在,国において開催地の検討を行っているところであり,その決定に当たっては,岸田総理大臣は,それぞれの都市の思いをしっかり踏まえた上で判断しなければならないと述べられています。  こうした状況の中,官民が一体となって地元を挙げて広島への誘致を進めるため,本市と広島県,広島商工会議所をはじめとする経済団体,平和・観光の関係団体を構成員とした2023年G7サミット広島誘致推進協議会を1月26日に設立したところであり,設立後,できるだけ早く要望活動を行うことが誘致に効果的であると考えたところです。  したがって,総理大臣及び外務大臣に対して,直接,広島がサミット開催地として十分に対応できる都市であることや,我々の思いを時期を失することなくしっかりと受け止めていただくため,新型コロナウイルス感染症対策に万全を期した上で,1月27日の要望となったものです。  次に,国のリーダー,地方自治体のリーダーも自分自身の健康におけるリスク管理をする必要がある,市長はどのようなことに配慮し,行事参加,面談などをされているのかについてです。  市長は,行事参加や面談においてリスクマネジメントの観点から新型コロナウイルス感染予防に万全を期すことは当然のことであり,その対策は徹底して行っているところです。  具体的には,対面による会議をオンライン会議に変更する,各種行事について出席を見合わせるほか,市長の挨拶を求められた場合には,現地に出向いて挨拶を行うのではなく,事前に収録したビデオでの挨拶に変更する,また,出席した場合にあっては,滞在時間を極力短縮する,緊急性の伴わない各種行事・面談についてはその時期を延期するといった対策を先方と調整した上で講じているところです。  加えて,対面での協議など面談が必要な場合には,市長と面談する前に通過する秘書課執務室前に設置した検温器及び消毒液を活用し,来訪者等に検温の実施と手指消毒の徹底を行っているところです。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      財政局長。 ◎古川智之 財政局長     コロナ対策全般についての御質問のうち,議会中,市の幹部などがクラスターとなった場合の対応についてお答えいたします。  議員御質問のような場合の対応として,説明員の欠席や代理出席などが考えられますが,具体的な対応につきましては,感染者の役職,人数,議会審議への影響など個々の状況に応じ,議会側と適宜調整を図りながら,地方自治法などの規定に沿って適切に行うことになるものと考えております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  コロナ対策全般について四点の御質問にお答えいたします。  初めに,科学的なエビデンスに基づいた知見は,学校をはじめ各機関に早く広報すべきだと思うがどうかについてです。  市民が新型コロナウイルスに関する情報を正しく理解し,適切な感染予防対策を行うためには,正確な情報を分かりやすく迅速に発信していくことが重要であると考えております。このため,本市では,内閣官房や厚生労働省,国立感染症研究所など,公的機関から発信される科学的知見に基づく正確な情報を速やかに市のホームページに掲載するとともに,必要に応じて教育委員会など関係部局に情報提供しているところです。  次に,3回目のワクチン接種の18歳以上の接種率はどうなっているのか,また,このうち高齢者の接種率はどうなっているのかについてです。  3回目となる追加接種につきましては,18歳以上の接種率は2月8日時点で10.0%となっており,約10万2000人が接種を終了しております。このうち,高齢者の接種率は19.9%となっており,約6万3000人が接種を終了しております。  次に,広島市内において感染の不安がある無症状者への検査体制は整っているのか,また検査キットは十分なのかについてです。  感染の不安がある無症状者につきましては,広島県が中区の繁華街や広島駅などに設置したPCRの検査会場において,無料で検査を受けることができる体制を整備しております。こうした中,本年1月にオミクロン株による感染が急速に拡大し,検査を希望する方が急増したことから,一時期,検査の予約が取りにくい状況となりましたが,検査会場の増設や検査の受付時間の拡充などにより,現在は予約が取りにくい状況は解消されつつあると聞いております。  また,薬局等で販売している抗原検査キットにつきましても,感染の急拡大に伴い,全国的に検査の需要が急激に高まり,品薄状態が続いているところですが,現在,国が医薬品卸売業者やメーカーに対して安定供給に必要な措置を講ずるよう要請していることから,今後,徐々に需給が安定してくるものと考えております。  最後に,妊婦が新型コロナに感染した場合の医療対応の事例があると思うが,どのように対応しているのか,また課題は何かについてです。  オミクロン株が感染原因の主流となっている現状では,妊婦が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合には,妊娠36週以降の方であれば広島県が指定する医療機関へ入院することになります。一方で,妊娠36週未満の方については,原則として自宅で療養することになりますが,出血,腹痛,胎動減少などの産科症状がある場合や,発熱,せき,呼吸困難など新型コロナウイルス感染症としての症状が強い場合には,妊娠36週以降の方と同様に医療機関へ入院することになります。  また,自宅療養中の妊婦の容体が急変した場合には,患者等から119番通報もしくは区保健センターに連絡していただき,救急隊員や保健センター職員がかかりつけ医等に相談した上で,必要に応じて広島県が指定する医療機関に搬送することになります。  新型コロナウイルス感染症に罹患した妊婦に対応できる医療機関は限られていることから,感染者が急増する中にあっても,速やかに適切な医療につなげることができる体制の確保は重要であると考えており,引き続き,広島県や関係機関と連携して取り組んでまいります。
     以上でございます。 ○若林新三 副議長      こども未来局長。 ◎森川伸江 こども未来局長  コロナ対策全般についてのうち,子供へのワクチン接種についてお答えします。  12歳以上16歳未満の子供たちのワクチン接種は,保護者の同意が必要となるが,児童養護施設等にいる子供たちにはどのように対応しているかについてです。  児童養護施設等に入所している子供の新型コロナウイルス感染症に係る予防接種については,令和3年7月5日付の厚生労働省の通知に基づき対応しています。この通知においては,保護者の同意を得る際には,電話連絡や文書送付等によりワクチンの効果や副反応について丁寧な情報提供を行い,可能な限り文書による同意を得るよう努めることとされています。  また,連絡が取れない等の理由により保護者の同意の有無が確認できない場合は,保護者に代わって児童養護施設の長等から同意を得ることができるとされています。  次に,保護者の同意を得られなかった子供の人数とワクチン接種への対応状況はどうなっているかについてです。  対象となる子供84名の保護者に対して児童相談所から文書を送付した後,電話連絡や家庭訪問を行った結果,連絡が取れず同意の有無が確認できなかった子供8名については,児童養護施設の長等の同意を得て接種を行いました。  また,保護者から不同意の意向が示された子供4名については,いずれもアレルギー体質や重度の身体障害が理由でしたので,接種は行っていません。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       コロナ対策全般について一点お答えいたします。  兄の通学する小学校で感染が起きても弟の通園する保育園へは情報が行かない,呉市や福山市では学校名を公表しているが問題が起きているか,注意喚起ができるよう,学校名を公表してはどうかという趣旨のお尋ねです。  本市の学校に在籍する児童生徒等が感染した場合の情報提供については,まず,当該学校の保護者に対しては,学級閉鎖等の有無にかかわらず,学校から一斉メールまたはプリント配付により患者発生等の情報を全ての保護者に伝えております。  次に,一般市民に対しては,学校名を公表した場合,その学校に通う児童生徒等に風評被害が及ぶおそれがあること,また,大人が感染した場合には,住所地に係る情報は公表していないことなどから,公表は区レベルまでにとどめております。  御紹介のあった呉市と福山市に確認したところ,現在,両市では学級閉鎖等を行う場合に学校名を公表しているとのことであり,それにより,現在,特段の問題は確認されていないと聞いておりますが,本市としては,学校は不特定多数の市民が出入りする施設ではないことから,広く市民に注意を喚起するために学校名を公表しなければならないとは考えておらず,現状においては取扱いを変えることは考えておりません。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      この際,皆様にお願いいたします。3時を過ぎましたが,このまま会議を続けさせていただきたいと思います。いましばらく御協力ください。  市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      中央図書館等の移転についての御質問がございました。  まず,中央図書館こども図書館映像文化ライブラリーエールエールA館への移転案の発案者は誰なのか,また,これまで検討した中で,エールエールA館への移転を決定した根拠は何かについてです。  本市では,平成23年以降,老朽化が進む中央公園内の公共施設も含めた全体を視野に入れた検討を行い,平成24年に中央公園の今後の活用に係る検討状況を中間報告として取りまとめ,中央図書館映像文化ライブラリーこども図書館は合築して配置場所の見直しを行うとしました。その後,サッカースタジアム問題が決着するまで活用策には着手しないこととされましたが,令和元年にサッカースタジアムの建設場所が決定したことから,令和2年3月に中央公園の今後の活用に係る基本方針を策定し,中央公園内の公共施設の集約化等に向けた取組を再開しました。  このように手順を踏んで検討を進めてきた過程において,令和2年9月に広島駅周辺地区及び紙屋町・八丁堀地区が国から特定都市再生緊急整備地域に指定され,都市機能の集積・強化を図る環境が整ったことから,公共施設の機能更新をまちづくりの好機と捉え,その配置先については,中央公園内にこだわることなく,まちづくりという視点も考慮して都心全体で考えることとしたものです。  あわせて,都心の東西の核のバランスに配慮した平和文化のさらなる振興や,中央公園内の各ゾーンの特性を踏まえた空間の利活用を図ることとし,公共施設の集約化を総合的に推進することといたしました。  こうした中で,中央図書館の中央公園内での建て替えは,その他の施設整備等との調整が困難になるということが明らかになったことを踏まえ,市外や県外からも多くの方が訪れるという広島駅の交通結節機能に着目して広島駅周辺地区に移転することとし,図書館の本来機能の向上を図るとともに,本市の平和文化の情報拠点として周辺の商業施設とは競合しない新たな文化的機能を併せ持つものとすることといたしました。こうした発案は,広島駅周辺地区整備を所管する都市整備局と中央図書館再整備を所管する市民局とが協議を進めていく中で出てきたものでございます。  エールエールA館への移転を提案しているのは,広島駅周辺の既存ストックの活用という方向でそれにふさわしい施設を探していたところ,広島駅南口開発株式会社から検討してほしいという要望書が提出されたので,周辺の民間施設と比較・検討した結果です。エールエールA館中央図書館等に必要な条件に最も適合するとともに,建設費という面からも中央公園内での建て替えと比較して負担軽減となることから,同館を移転先としたものです。  次に,中央図書館等の移転についてのパブリックコメントではどのような意見があったのか,また,論調として反対意見が多かったのか,賛成が多かったのか,数も併せて教えてもらいたいということについてお答えします。  市民意見募集の結果については,各施設の移転に関する意見や機能に関する意見など様々な意見をいただいています。移転についての意見としては,現在地周辺の自然環境や他施設との関係から現地に残してほしいという意見や,商業施設に移転することに対する懸念などから,総じて移転に反対する意見が多く寄せられています。件数としては,移転に関する意見199件のうち,賛成のものが10件,反対のものが189件でございました。  また,機能に関する意見としては,カフェの設置に対する意見や開館時間に関する意見,バリアフリー化,Wi−Fi環境整備などといった意見が寄せられています。  次に,こども図書館について,なぜ読み聞かせコーナーのみ残すという発想が生まれたのか,コーナーだけ残せば読み聞かせの機能は維持できると考えているのかについてです。  こども図書館については,中央図書館等に関する様々な議論を踏まえ,引き続き親子が居心地のよい緑豊かな環境の中で本に親しめるような空間を中央公園内に残すこととし,改修することとなるこども文化科学館内に開架書庫を置いた上で,児童図書の閲覧や絵本の読み聞かせなどが可能となる空間を整備することとしたところです。  具体的には今後さらに詰めていくことになりますが,開架書庫や閲覧スペース及び読み聞かせが可能となる空間を整備するためのスペースとして,現在のこども図書館の閲覧・読み聞かせ等のスペース約700平米の3分の1程度を確保した上で,専門的知識を有するスタッフを配置することを予定しております。  次に,なぜ広島市立図書館協議会で移転先のエールエールA館だと明確に伝えなかったのか,伝えていれば同じ反応だったと考えているかについてです。  広島市立図書館協議会は,有識者で組織された広島市の図書館の運営に関して意見を述べる機関でありまして,毎年二,三回開催をしております。中央図書館等の再整備については,昨年8月に各委員へ個別に,中央図書館等3施設の集約化を図り平和文化の情報拠点とすることや,中央公園以外の例えば広島駅周辺地区なども立地場所として視野に入れて検討することなどについて事前に説明し,意見を伺いました。その後,広島駅南口開発株式会社からエールエールA館への移転を検討してほしいという要望書が提出され,市として,周辺の他の民間施設と比較・検討した結果,移転先としてふさわしいと判断したことから,11月に開催した第2回の図書館協議会において,エールエールA館を移転先とする再整備の方向性について説明し,意見をお伺いしたところです。また,今年1月には,各委員に個別に,再整備後の機能や立地場所について改めて説明し,意見を伺っています。  次に,移転によって駅前でどのような平和文化が生まれるのかについてです。  図書館は,市民の学習や調査研究などに資する社会教育や生涯学習の拠点であり,そこを利用する人が広島の歴史,文化,産業等を学び,平和への思いを共有し実践する中で,その思いをさらに広めていくきっかけを得ることになるものと考えます。このような機能を持った拠点施設を新たに交通結節点である広島駅周辺地区に整備することにより,多くの市民や来訪者がそれに触れる機会を確保することになります。  こうした取組によって,市民一人一人が幸せに暮らすための大切となるものへの思いを共有し,自分にできることを日常生活の中で実践する平和文化が広く市内外に広まっていくものと考えています。  次に,移転後の跡地に例えば音楽ホールなどを造るということだが,今まで市民から音楽ホールを造ってほしいという要望や署名活動があったかについてです。  これまで正式な要望書という形ではいただいていませんが,市長との面会時や協議等の場で文化芸術関係者等から音楽ホールを造ってほしいという要望をいただいており,これからの重要な課題であると受け止めております。  次に,中央図書館等の再整備において,なぜエールエールA館の8,9,10階のフロアを取得することになったのかについてです。  エールエールA館で利用するフロアについては,まず本市から,中央図書館等の3施設を移転・集約する場合に必要な面積を広島駅南口開発株式会社に提示しました。本市からの提示を受け,同社において入居するテナントとの調整などを行い,同館の8から10階フロアを利用することについて打診がありました。3施設を集約するに当たり,特に映像文化ライブラリーの上映ホールについては,天井高を確保する必要があり,提案のあった10階は他の階より天井が高く,上映ホールの整備に適しています。さらに,施設の一体性を確保する必要から,10階と連続する8階,9階のフロアを利用する計画を提案させていただいているものでございます。  次に,エールエールA館の8,9,10階フロアを取得するということは,空きテナントではなく,今入っているテナントが退去しなければならないが,今ある10階の本屋はどうなるのかについてです。  エールエールA館の10階で営業するジュンク堂書店に関しては,エールエールA館を管理運営する広島駅南口株式会社とジュンク堂書店との間で移転を前提に協議が進められていると聞いております。  次に,なぜ中央図書館等の移転を急ぐのかについてです。  先ほど申し上げましたように,令和元年にサッカースタジアムの建設場所が決まったことから,令和2年3月に中央公園内の公共施設の集約化に向けた取組を再開し,このたび中央図書館等の再整備をようやく提案させていただいたというものでございます。このように手順を踏んで検討を進めてきた中で,このたびの中央図書館等の移転・集約は,言わば集約化のトップランナーとなるものであり,他の施設の好事例としていきたいと考えています。  広島駅周辺地区では,令和7年に,路面電車の駅前大橋ルートなどの完成により,広島駅南口に新しい人の流れが生まれ,より一層のにぎわいが創出されることが想定されています。図書館の開館時期をこれらの開業時期と合わせることで利用者の利便性も一層高まることから,令和7年の開館を目指しているものです。  こうした計画内容について議論を深めていただくために,今,議会に必要となる予算を提案させていただいているものであり,市としては,中央図書館の再整備を皮切りに,中央公園内の各施設の移転・集約化を着実に進めていきたいと考えております。  次に,中央図書館の本121万冊,560トンに及ぶ積載荷重は考慮できているのかについてです。  新しい中央図書館については,今後,積載荷重に耐えれるよう具体的なフロアの配置等を考慮した上で基本設計・実施設計を行っていくことにしております。  最後です。エールエールA館を設計・工事した会社と随意契約となるのかについてです。  エールエールA館を改修する設計及び工事の施工については,施設の特性等を踏まえ,今後,適切で効率的な手法を検討してまいります。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  成人年齢の引下げに伴う消費者教育等についてのうち,広島市立大学は学生に対し,どのように対応するのかについてお答えいたします。  市立大学では,成人年齢の引下げに伴い注意すべき事項について,今年度から入学式後に行うオリエンテーションの場で注意喚起を行うとともに,在学生に対しても改めてメールや掲示板等で注意喚起を行っており,令和4年度においても同様の対応を行う予定と聞いております。  また,トラブル等が生じるおそれがある場合や生じた場合には,心と身体の相談センターが中心となって学生に対する相談・支援を行うとともに,学生の希望があれば弁護士による法律相談を無料で受けることができる仕組みを設けているとのことです。  このように市立大学では,学生がトラブル等に巻き込まれないよう,また巻き込まれた場合にもしっかりとサポートできるよう,取り組んでいるところです。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      成人年齢の引下げに伴う消費者教育等についての御質問のうち,新成人が消費者トラブルに巻き込まれることが多くなると思うが,それにどう対応していくのかについてです。  本市では,若年者向けの消費者教育の一環として,高等学校等に消費生活相談員経験者などの講師を派遣し,若年者に多い消費者被害や被害に遭ったときの相談先,成人になることにより生じる責任などを内容とする出前講座を開催しており,この中で成人年齢の引下げによる消費者被害の防止について注力して説明をしています。  また,校長会などを利用して高校生の消費者被害の実態を説明するとともに,出前講座の受講の働きかけや,消費者教育を実施する上で参考となる学習用教材の紹介などを行っています。  さらに,広報番組で成人年齢の引下げに伴い懸念される消費生活の注意点などを紹介するとともに,消費生活センターの展示コーナーで若者が遭いやすい消費者被害の例なども紹介をしています。  加えて,3月1日発行予定の「市民と市政」でも,成人年齢の引下げについて取り上げることとしております。  また,消費生活センターでは,12人の消費生活相談員が消費者から寄せられる様々な相談に助言等を行っています。今後,成人年齢の引下げに伴い,若者からの相談が増えることが見込まれることから,迅速かつ適切な助言ができるよう,相談員間で情報共有を進めるとともに,研修への参加などを通じて資質の向上を図っていきたいと考えています。  今後も,教育委員会などと連携を図りながら,成人年齢引下げに伴う消費者被害の防止に努めてまいります。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  成人年齢の引下げに伴う消費者教育等についてのうち,広島市立看護専門学校は学生に対し,どのように対応するのかについてお答えいたします。  市立看護専門学校は,入学生の約8割が高等学校を卒業した18歳の学生であり,初めて親元を離れて生活する学生もおります。このため,入学生に対しては,広島県が作成している若年者向け消費者啓発リーフレットを入学時に配付し,消費者トラブルへの注意喚起を行っており,令和4年度においても同様の対応を行う予定です。  また,本校では学生を精神的にサポートしつつ,学生生活全般についてアドバイスを行うチューター制を導入しており,日頃から担当教員が学生と面談を行うとともに,相談窓口を常設し,必要に応じて専門の機関につないでトラブル等の解決に努めているところです。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       成人年齢の引下げに伴う消費者教育等について,市立高等学校の対応を御紹介いたします。  文部科学省では,成人年齢の引下げに先立ち,平成30年に高等学校学習指導要領を改訂し,公民科や家庭科で,多様な契約や消費者保護の仕組みなどの内容を新たに加えました。これを受け,市立高等学校では,改訂された学習指導要領の内容を踏まえつつ,公民科や家庭科において,消費者庁が作成した消費者教育教材,社会への扉を活用した授業を行うほか,弁護士や消費生活相談員経験者を外部講師として招聘する出前講座を行うなど,消費者として主体的に判断し,責任を持って行動することができる生徒の育成に向け,取り組んでいるところです。  今後とも,消費生活センターと連携を図りながら,消費者教育の推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      選挙管理委員会事務局長。 ◎橋場聡子 選挙管理委員会事務局長  適正な投票所設置について,仮設をやめて投票区内の大型スーパーに投票所を設置してはどうかとの御質問にお答えします。  投票所の設置につきましては,自治会等からの要望を踏まえた上で,地域の交通事情,学区やコミュニティー活動の範囲,投票所として使用できる施設の有無等を考慮して区選挙管理委員会が定めております。  議員御指摘の投票区は,投票所として利用できる広さの部屋が集会所の2階であったことから,高齢者等が利用しやすいよう,平成13年11月の県知事選挙からは集会所に隣接する公園内にプレハブを仮設して投票所としているものです。  なお,これまでに仮設によらない方法についても検討し,投票区内にある大型スーパーからは店舗内に投票所を設置することについて了解を得たものの,地域の御意見は現在の場所がよいということであったため,同店への設置には至っておりません。  今後も,地域のできるだけ多くの方々の利便性等に配慮した投票環境の確保に向けて検討してまいります。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   重度精神障害者通院医療費助成について,本制度の開始時期が,県内の他の自治体が令和3年4月のところ,広島市だけが令和4年2月となっていることをどう認識しているのか,また,令和3年4月に遡って償還払いができるように条例を一部改正する考えはないかについてお答えいたします。  精神障害者に対する医療費助成制度につきましては,従来から実施しております本市独自の通院費助成制度を組み合わせながら,継続的な通院治療を必要とする重度精神障害者に新たな負担をかけることなく早期に支援できるよう検討したところです。  助成開始を令和4年2月からとしましたのは,手続的に新たに所得要件を満たす対象者を抽出し,受給者証を作成する必要があり,そのための福祉情報システムの改修・検証におおむね10か月を要するためで,妥当なものであり,新たな負担をかけることになる償還払いのために条例改正をすることは考えておりません。  なお,制度を創設した広島県からは,令和3年4月以降,各市町の判断による対応とするという方針が示されておりまして,対象となる方々の負担等も考慮した上で開始時期が県内でまちまちになることは見込まれているものと受け止めております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      34番馬庭恭子議員。 ◆34番(馬庭恭子議員) 若干,再質問をさせていただきます。  市長答弁でEBPMのお話があって,私が提案したことについて,ちゃんともうやっているからいいという御答弁だったと思うんですが,では,きちんと政策検証をして,失敗例と成功例を一つずつ教えてください。  それから,図書館の件ですけれども,ずっと聞いているとどうしても公共図書館としての全体像が全然見えない。言われることは集約と,それから必要な面積とか,それから,国からもらえる地方債とか,そういう言葉は並べられるんですけれども,公共図書館として,広島市民にとってどんな図書館が必要なのかという議論が見えにくいんですね。特に御答弁のあった中で,図書館協議会でエールエールA館への移転は説明したとおっしゃったんですね,11月2日に。でも,議事録には出ていないんですよ。なぜ議事録がないのか,それを御答弁してください。  それから,最後,重度精神障害者通院医療費助成制度ですね。私,22市町に全部アンケートを取ったんですよ。それで,システム改修ができないところもありました。でも,それは皆手作業でやっているんですよ。それで,2か月,3か月システム改修にかかったところもあるんですよ。それをどうして手作業でやったかというと,そういう対象者,精神障害者の方々が不利になるから,行政として不利を与えてはいけないからと必死でやっているんですよ。でも,この22市町の中でやっていないのは広島市だけなんです,償還払いもしていないし。これは福祉政策の中で,広島県が始まって以来初めてのことですよ,とても恥ずかしい。  それで,私はこの条例を制定したとき,広島市の障害者の方々が恩恵を被るからいいわと,条例が立ち上がってよかったと思ったんですけれど,これは私が恥ずべきことなんですけれど,その中身を吟味していなかったんですね。後から,家族会の方とか,この重度精神障害者の方にふさわしいいろんな活動をされている方からいろいろ説明を聞くと,いかに広島市が対応してこなかったか。確かに福祉情報システムは古いですよ。ほかのシステムとマッチングがなかなかうまくいかない,その対象者を選んで対応するというのは難しいことかもしれません。でも,それをしなかったんですよ,手作業でもしなかった。  私は19年議員をやっていますけれど,福祉政策,これは無駄だなとか,こんなことをして意味があるのかなというものもいっぱいありましたけれど,広島市はすごく優秀な職員がいっぱいいるのに,こんなことももうできなくなってしまったのかと思って非常に情けなくなったんですけれども。ほかの市町の担当者は笑っていますよ,広島市はとてもやれなかったと言って。償還払いも,混乱を招くからと言ってしなかったと。精神障害者保健福祉手帳の1級を持っていなくても広島市は医療費の補助をするという制度がありますけれど,それは府中も,海田もあるんですよ。でも,この制度を利用して補助金をもらって,そして障害者の人が恩恵を得られるのならちょっと頑張ってやろうというところが全然見えていないんですよね。私は19年やっている中で,これは一番最悪の仕事だというふうに思っております。条例を改正して償還払いができるようにしてください。それはちょっと要望になるかもしれませんけれど,それについてどう思っているのか。  私はこれについて市長は知らなかったと思いますね。市長は知っていたら恥ずかしいからこんなことはさせません。市長は知らなかったと思う。よく知ってて副市長レベルだったのかなというふうに思うんですけれど,やはり政令指定都市としてほかの市町に誇れる事業を展開していかなきゃいけないのに,それをしていないというのはもう大変恥ずかしいというふうに思います。情けない。  まあ,要望も入ってまいりましたけれども,再質問としてお答えしていただきたいということと,さっきパブリックコメントのところの数が189と26と言いましたけれど,私,215を全部読みました。でも,数が違うかなというふうにちょっと思ったんですが,それはよしとして,ほとんどエールエールA館への移転反対でした。パブコメの中を読んでいると,あっ,広島市民は本当に賢いなと思うぐらいの御意見が山のようにありました。副市長,市長ともにパブリックコメントを読んだかどうか,教えてください。  以上です。
    ○若林新三 副議長      企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  EBPMに関する再質問をいただきました。  既にやっているということであれば成功例と失敗例を一つずつ挙げろということですけれども,一つというのは,それは個人の主観になりますので,我々広島市は組織で仕事をいたしております。したがいまして,先ほども御答弁いたしましたが,数値目標を基本としたPDCAサイクル,これは毎議会にきちんとお示ししております。  また,それに基づいて予算編成を行っております。予算特別委員会を開いて丁寧に御説明もさせていただいていますし,決算特別委員会でも様々な御指摘をいただいて,次の予算に反映させていただいております。こういったような取組を地道にやることで,市民の信託に応えていると,そのように思っております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      御質問を何点かいただきました。  公共図書館としての機能についての御質問がございました。  公共図書館として図書館の本来果たすべき機能は,当然のこととして学習機能,調査研究機能の充実と発揮,こういったものが図書館の基本的な機能だと思っております。こういったことについては,例えば学習機能については,一般書・専門書を充実させる,調査研究機能については,商用データベースの充実によってビジネス客や創業支援者に向けたビジネス支援を充実すると。こういったことについては,12月に総務委員会でお示しした資料の中にきちんと盛り込んでおりますので,そういったことも踏まえて機能強化を図っていきたいと考えております。  それから,図書館協議会でございますけれども,図書館協議会では議題になっていないということでしたけれども,議事ということではなくて報告案件という形で報告させていただいて,御意見を聞いております。主な意見としては,移転によって解決することとそうでないこともある,広島広域都市圏の方々をターゲットとした取組は,まさに移転することでできるようになる取組ではないか,あるいは学びの場という当市の図書館というだけでなく,憩える場所という言葉が出てきたのは非常によいことだと思った,あるいは利便性が高くなることで本に興味を持っていない人が行く可能性が高くなり,結果として本に興味を持つようになるかもしれないといった御意見もいただきました。エールエールA館への移転に反対するといった御意見もいただいております。  あと,パブリックコメントにつきましては,現在,基本計画を策定する中でパブリックコメントの主な意見を整理しております。その主な意見については,市長,副市長にはきちんと報告をしております。  先ほどの件数でございますけれども,215件ございまして,そのうち私どもで整理いたしました移転に関する意見というものが199件,もちろん移転に関わらない意見もございますので,215件のうち移転に関するものが199件,そのうち反対のものが189件だったということで整理をしております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   重度精神障害者通院医療費助成について,御指摘というか御質問をいただきました。  先ほど御答弁申し上げたとおり,この医療費助成につきましては,県の方針を踏まえて,本制度を確実に最も早く実施できる時期を,償還払いの必要性も含めて検討した結果,受給者証の発行が可能な時期に合わせ令和4年2月ということにしたものでございます。  議員から御紹介がありましたように,この県の制度が入る以前から,本市では単市で,所得要件もなく,手帳の有無にかかわらず精神科の通院医療費助成をしております。その目的とするところは,精神障害者の方にきちんと通院医療を受けていただいて,重症化を防いで社会生活をしっかり行っていただくという政策の目的があります。償還払いということになりますと,もう御承知と思いますけれども,受給者証がない形ですので,自己負担を一旦していただいて,その後にまた役所の窓口で領収書を持って申請をしていただくという手続になります。  この県の助成制度の対象になる方というのは,手帳の1級の所有者なんですね。1級の所有者というのは,実際のところ他人の援助を受けなければ,なかなか自力で対応することが難しい方が多うございます。金銭管理を含めて,なかなかそういった申請とか金銭の部分ですね,領収書の確保とか,そういったものが非常に難しい状況がございまして,そういう障害の特性を考慮するのであれば,償還払いに伴う新たな負担をそういった精神障害者の方にかけるべきではないというふうに我々は判断して,償還払いの手続は取らなかったものでございます。遡ってやるということになれば,10か月のシステム改修の期間中の医療費を全て確定した上で,本市の通院助成の部分だけ特定して,さらに,その償還手続を取るという膨大な手間がかかってくることを,また新たに精神障害者の方に御負担を願わないといけないということになりますので,そういったことは我々の政策目的に反するということで今回採用していないということでございます。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      34番馬庭恭子議員。 ◆34番(馬庭恭子議員) だとしたら,ほかの市町は償還払いしているということは,ほかの市町に住んでいる障害者の人は混乱なくそれが対応できるからいいということですか。広島市の場合は,おもんぱかって,その人たちが混乱して負担がかかったらいけないからしなかった。それは精神障害者の人の自立を妨げる発言じゃないですか。混乱しないようにやっていくのが一つの仕事です。  それと,当事者の視点に立つと,混乱するかどうかはこちらが丁寧に指導すればいいわけですから,それを受ける権利があるわけじゃないですか,その人たちに。最初から混乱するからその枠組みの中にはめていないというのは,それは障害者の方にとってとても失礼だと思いますけれど。  それをどういうふうに思われているのかということと,それから,図書館のことなんですが,図書館協議会のときに,それは正式議題ではなくて報告案件だったというふうにおっしゃったんですが,報告案件は議事録に載っていません。あれは,議題に上がって正式に議事録になった,あれは公開されているものなんですから,報告案件は誰も知りません。どんな反応なのか,あなたたちが知っているだけです。市民は知る由もない。そんな,市民の人がどういう議論があって,まだ教育委員会には上がっていないというのはきちんと確認しましたけれども,図書館協議会は,公立図書館をどうやって運営するかというのはとても大切だからきちんと決められて,図書館法にも決められた協議会ですよ。その中で,正式に話し合われていない中で移転の方向性をつけるというのはいかがなものかというふうに私は思いますけれど。それじゃあどうして正式な議題として上げて,かんかんがくがくとやらなかったんですか。大事な公共図書館,高齢者から始まって広島市民の小さな子供たちまで,図書館は何たるものかというところを一番考えるのが図書館協議会じゃないですか。そのときに,なぜ出さなかったのか,それでは。何で報告案件としたのか,臨時の協議会を開いてもいいじゃないですか。広島の大事なこれから図書館のことを決めるからきちんと開きたいというふうに臨時協議会をやればいいじゃないですか。そんなこともせず,一体どういうふうに考えているんですか,そこも答弁してください。 ○若林新三 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   この件は我々の想像で物を言っているわけではなくて,陳情を出していただいた家族会の方に御説明して,その御理解もいただいております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      図書館運営協議会ですけれども,図書館の運営について御意見をいただくということで,このたびは施設の集約ということでございましたので報告案件ということにしているものでございます。  ただ,委員からいただいた意見は,12月に報告させていただいた総務委員会のときに付させていただいた資料に,図書館の運営協議会の委員からこういった意見をいただいたということはきちんと整理して,参考としてつけて皆さんにお配りしていると思います。以上でございます。 ○若林新三 副議長      本日の総括質問はこの程度にとどめたいと思います。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○若林新三 副議長      この際,御通知申し上げます。  14日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○若林新三 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後3時37分散会 ─────────────────────────────────────── ───────────────────────────────────────   議 長   佐 々 木  壽  吉   副議長   若  林  新  三   署名者   川  村  真  治   署名者   桑  田  恭  子...