広島市議会 2022-02-07
令和 4年第 2回 2月定例会-02月07日-01号
(終了)
日程第3┌自
検査報告第1号 令和3年10
月分例月出納検査
┤
└至検査報告第9号
高南財産区会計の令和3年12
月分例月出納検査
(終了)
日程第4 令和3年度
包括外部監査結果報告について
(質疑)
(終了)
日程第5┌自第 1
号議案 令和4年度
広島市
一般会計予算
┤
└至第 55
号議案 広島市
障害者の
日常生活及び
社会生活を総合的に支援するための
法律施行条例の一部を改正する条例の一部改正について
┌自第296
号議案 令和3年度
広島市
一般会計補正予算(第12号)
┤
└至第316
号議案 変更契約の締結について
(
市長説明後,質疑は後日に譲る)
休会について(明日及び明後日を休会と決定)
次会の
開議通知(10日午前10時開議を宣告)
散会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 岡 村 和 明 2番 川 本 和 弘
3番 田 中 勝 4番 並 川 雄 一
5番 川 村 真 治 6番 石 田 祥 子
7番 川 口 茂 博 8番 水 野 考
9番 平 岡 優 一 10番 椋 木 太 一
11番 吉 瀬 康 平 12番 山 本 昌 宏
13番 山 内 正 晃 14番 碓 氷 芳 雄
15番 海 徳 裕 志 16番 木 戸 経 康
17番 山 路 英 男 18番 森 畠 秀 治
19番 石 橋 竜 史 20番 平 野 太 祐
21番 定 野 和 広 22番 伊 藤 昭 善
23番 桑 田 恭 子 24番 近 松 里 子
25番 大 野 耕 平 26番 西 田 浩
27番 渡 辺 好 造 28番 豊 島 岩 白
29番 宮 崎 誠 克 30番 八 條 範 彦
31番 母 谷 龍 典 32番 三 宅 正 明
33番 八 軒 幹 夫 34番 馬 庭 恭 子
35番 竹 田 康 律 36番 藤 井 敏 子
37番 中 原 洋 美 38番 太 田 憲 二
39番 若 林 新 三 40番 今 田 良 治
41番
佐々木 壽 吉 42番 元 田 賢 治
43番 谷 口 修 44番 永 田 雅 紀
45番 金 子 和 彦 46番 木 山 徳 和
48番 中 森 辰 一 49番 碓 井 法 明
50番 山 田 春 男 53番 木 島 丘
54番 藤 田 博 之
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欠 席 議 員 氏 名
51番 中 本 弘 52番 児 玉 光 禎
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職務のため議場に出席した
事務局職員の
職氏名
事務局長 石 田 芳 文
事務局次長 松 坂 康 雄
議事課長 小 田 和 生
議事課課長補佐主任事務取扱
吉 川 和 幸
議事課主査 村 田 愛一朗
議事課主査 小 崎 智 之
外関係職員
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説明のため出席した者の
職氏名
市長 松 井 一 實 副市長 小 池 信 之
副市長 及 川 享
危機管理担当局長岩 崎 学
企画総務局長 荒神原 政 司
財政局長 古 川 智 之
市民局長 杉 山 朗
健康福祉局長 山 本 直 樹
健康福祉局保健医療担当局長 こども未来局長 森 川 伸 江
阪 谷 幸 春
環境局長 重 村 隆 彦
経済観光局長 津 村 浩
都市整備局長 中 村 純
都市整備局指導担当局長
谷 康 宣
道路交通局長 加 藤 浩 明
下水道局長 油 野 裕 和
会計管理者 金 森 禎 士
消防局長 勝 田 博 文
水道局長 友 広 整 二
監査事務局長 大 杉 薫
財政課長 後 藤 和 隆
教育長 糸 山 隆
選挙管理委員会事務局長 人事委員会事務局長
橋 場 聡 子 仁 井 敏 子
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午前10時00分開会
出席議員 50名
欠席議員 3名
○
佐々木壽吉 議長 おはようございます。
出席議員50名であります。
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開会宣告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 ただいまより令和4年第2回
広島市議会定例会を開会いたします。
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開会挨拶
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 開会に当たりまして,一言御挨拶を申し上げます。
本
定例会には,令和4年度の当初
予算案や
条例案など,
市民生活に関わりのある重要な議案が多数提出されております。
議会といたしましては,これらの議案に対しまして
十分審議を尽くし,市民の負託に応えていく所存でございます。
会期も長期の日数を予定しておりますので,議員並びに
理事者各位におかれましては,健康に十分留意していただき,円滑な
議会運営に御協力を賜りますようお願いを申し上げまして,開会の御挨拶とさせていただきます。
───────────────────────────────────────
開議宣告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 これより本日の会議を開きます。
───────────────────────────────────────
会議録署名者の指名
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 本日の
会議録署名者として
31番 母 谷 龍 典 議員
42番 元 田 賢 治 議員
を御指名いたします。
───────────────────────────────────────
報告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 この際,御報告を申し上げます。
沖宗正明議員より,2月4日付で
議員辞職願が提出されましたので,
地方自治法第126条ただし書の規定により,議長において同日付で辞職を許可いたしました。
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諸般の報告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 この際,諸般の報告がありますので,
事務局長に朗読させます。
◎
石田芳文 事務局長 (朗 読)
報告事項
1 本
定例会に市長より提出された案件は,令和4年度議案として,第1
号議案から第55
号議案及び令和3年度議案として,第296
号議案から第316
号議案並びに報告第34号から第36号の計79件であります。
1 市長より,
人権擁護委員候補者の推薦に関する諮問1件を受理いたしました。
1
監査委員より,
検査報告第1号から第9号を受理いたしました。
1
包括外部監査人より,令和3年度
包括外部監査結果
報告書を受理いたしました。
1
地方公務員法第5条第2項の規定に基づき,第25
号議案について
人事委員会の意見を求めたところ,お手元に配付した文書のとおり回答がありました。
1 受理した陳情は,お手元に配付した
陳情受理報告書のとおりであります。
以上であります。
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日程に入る旨の宣告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 これより日程に入ります。
───────────────────────────────────────
△日程第1
会期決定について
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 日程第1,
会期決定についてを議題といたします。
お諮りいたします。
本
定例会の会期は,本日から3月17日までの39日間にいたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
佐々木壽吉 議長 異議なしと認めます。よって,会期は39日間と決定いたしました。
───────────────────────────────────────
△日程第2┌自報告第34号
専決処分の報告について
┤ (道路の
管理瑕疵等に係る
損害賠償額の決定)
└至報告第36号
専決処分の報告について
街路樹の
管理瑕疵に係る
損害賠償請求事件における訴訟上の和解
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 次は,日程第2,報告第34号から第36号を一括上程いたします。
本件については,発言の通告がありませんので,これをもって終わります。
───────────────────────────────────────
△日程第3┌自
検査報告第1号 令和3年10
月分例月出納検査
┤
└至検査報告第9号
高南財産区会計の令和3年12
月分例月出納検査
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 次は,日程第3,
検査報告第1号から第9号を一括上程いたします。
本件については,発言の通告がありませんので,これをもって終わります。
───────────────────────────────────────
△日程第4 令和3年度
包括外部監査結果報告について
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 次は,日程第4,令和3年度
包括外部監査結果報告を上程いたします。
本件について,質疑の通告がありますので,順次発言を許します。
34番
馬庭恭子議員。
〔34番
馬庭恭子議員登壇〕
◆34番(
馬庭恭子議員)
市政改革・
無党派クラブの
馬庭恭子です。
包括外部監査結果報告,
水道事業に関する
経営管理についての質疑を行います。
水道事業は,
市民生活にとってまさに命綱であるということは言うまでもありません。災害に被災した折,いち早く届けなくてはならないものである理由は,人間の体の60%が水分で成り立っているという科学的な根拠もあり,その
重要性は明確です。
広島市
水道ビジョンにも書かれていますが,行政として安全で良質な
水道水を安定的に市民に届けることは使命です。そして,市民はその事業に対して対価として
水道料金を支払うことになります。
水道料金はそのときの
財政状況を見ながら料金設定するものですが,超
高齢社会が進行する中,値上げには相当な理解が必要だと思います。むしろ業務を見直し,
効率化を図ることが必要と考えます。
水道事業の中でも多岐にわたる
委託契約がありますが,私は,今から10年前の平成23年度
決算特別委員会において,
計量委託業務について,この契約の見直しを指摘しました。実にこの
広島市と個人との
私人契約は,昭和44年から今日まで53年という長きにわたって継続しているものです。この
計量委託業務の内容は,
委託期間は1年
更新制となっています。個人には
委託実績手数料として計測したメーターの
実績件数に応じて支払われ,
契約年数に応じた
奨励金と,
契約終了時には
慰労金が支払われることになっています。長く委託している人は20年,そして
委託年齢は65歳までとなっています。令和3年度は1人
当たり年額360万円となり,1年間の
契約金総額は3億901万円となっています。平成23年度においては83人との契約で,1年間の
契約金総額は2億8148万円,1人
当たり年額340万円でした。11年で1人当たりにすると年額20万円上昇していることが分かります。今回の
包括外部監査において,この
計量委託業務がなぜ長期にわたって個人,いわゆる
私人契約をしてきたのかの理由や分析は行われていません。
そこでお尋ねいたします。大都市の中でこのような
私人契約をしている都市は何都市あるのかお答えください。
水道料金など
市民益を優先するために効率的な運営をすべきだと思いますが,53年という長きにわたる
私人契約が何ゆえ継続されたのか,その理由をお答えください。
最後に,料金収納業務は令和3年度から民間委託しています。であるなら,その時点で計量事務も民間委託し,包括委託すればよかったのではないでしょうか。なぜできなかったのか,その理由をお答えください。また,二つの業務を包括委託に切り替えれば今以上に
市民益に応えることができると思いますが,どう対応されるのかお答えください。
以上です。
○
佐々木壽吉 議長
水道局長。
◎友広整二
水道局長 令和3年度
包括外部監査結果報告について,三点の御質問に順次お答えします。
まず,計量事務委託について,大都市の中で本市のように私人委託をしている都市は何都市であるのかについてです。
大都市の
水道事業体の中で,計量事務を全て私人委託としているのは本市のみです。
次に,
市民益を優先する効率的な運営をすべきと思うが,53年という長きにわたり私人委託を行っている理由は何かについてです。
本市においては,大都市の多くが職員による直営で計量事務を行う中,経営の
効率化を図るため,昭和44年度から私人委託を実施しています。その後,平成の時代に入って以降,大都市において計量事務を含む
水道料金等徴収業務を民間事業者へ委託する事例が見られるようになったことから,他都市の委託状況について継続的に調査を行ってまいりました。その結果,計量事務を私人委託から民間委託へ切り替えても,委託費に諸経費等がかかるため,直営から民間委託へ切り替えるほどの経費効果が期待できないこと,また,計量事務単体の委託では利益が見込めないため,受託する民間事業者がいないということを確認しました。こうしたことから,本市では計量事務について私人委託を継続しています。
最後に,令和3年度から料金収納業務を民間委託しているが,計量事務も併せて包括委託しなかった理由は何か,また,二つの業務を包括委託すれば
市民益に応えることができると思うが,どう対応するのかについてです。
水道料金等徴収業務の委託に当たっては,お客様サービスに支障がないよう十分に配慮しながら進めていく必要があります。既に包括委託を実施している大都市においては,特定の業務について委託を開始し,その後,履行状況を確認しながら委託範囲を拡大していくのが一般的となっています。
本市においてもこのような考えの下,包括委託を検討するに当たり複数の民間事業者へ聞き取りを行ったところ,本市のような大規模事業体において最初から二つ以上の業務を一斉に受託するのは,従業員確保等の問題があり対応困難とのことでした。こうしたことから,定型的な業務が多く履行状況が確認しやすい収納業務を先行して令和3年度から民間委託することとしたものです。
今後においては,この収納業務委託の安定した履行状況が確認できていることから,さらなる経営の
効率化を図るため,令和5年度から委託範囲を拡大することとしています。具体的には,現在委託している収納業務に計量事務,
水道料金等の調定業務,引っ越し等に伴う精算業務を新たに加え,
水道料金等徴収業務の包括委託を実施する予定です。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 34番馬庭議員。
◆34番(
馬庭恭子議員) この包括委託はほかの大都市はもう皆早くから始めていて,
広島市が最後まで残ったわけですけれども,やはり経営努力といいますか,収納業務も計量業務も一緒に併せて委託業務として出すとか,いろんな工夫があればもっともっと早くできたんじゃないかなと思うんですね。私も10年前に指摘してからずっと変わらなくて,昭和44年ですからもう53年もそういう状況だったというのは,やはりほかの小さな都市もできているわけですから,もっと
市民益にかなうようにしていただきたい。
今度,包括委託になったときは,これはプロポーザル方式ということでよろしいでしょうか。随意契約とか一般競争入札とかプロポーザル方式の入札とかいろいろあると思うんですが,どのようにされるつもりですか。
○
佐々木壽吉 議長
水道局長。
◎友広整二
水道局長 契約方法につきましてはプロポーザル方式を考えております。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 次に,36番藤井敏子議員。
〔36番藤井敏子議員登壇〕(拍手)
◆36番(藤井敏子議員) 皆さん,おはようございます。
日本共産党の藤井敏子です。日本共産党市議団を代表して,令和3年度
包括外部監査結果報告,
水道事業に関する
経営管理についての監査結果について質疑を行います。次の二点について質問します。
初めに,
広島市
水道ビジョンの具体的な取組の目標設定について伺います。
現行の
広島市
水道ビジョンは平成30年2月に改訂され,向こう10年間の事業運営の指針を定めています。その中の施策目標「安全でおいしい水の供給」の主要事業である水質管理体制の強化において,具体的な取組の一つに残留塩素濃度の提言・監視が掲げられています。この取組についての目標値や目標達成時期の見通しについては未設定とのことでした。「重要な施策であるため目標達成時期をできるだけ早い時期に明確にしておくことが望ましい。」との監査人の意見がつけられています。
そこでお聞きしますが,市は監査人の聞き取りに対して,法で定められた残留塩素濃度0.1ミリグラムパーリットル以上で,かつ旧厚生省がおいしい水の要件であると示した0.4ミリグラムパーリットル以下の
水道水を利用する給水人口の割合を75%以上にすることを目標値とするとしています。これについては検討会にて審議中の数値であり,正式決定したものでないため,
広島市
水道ビジョンにおいても目標値として掲げていないと答えられています。
そこでお聞きします。「安全でおいしい水の供給」のための主要事業である水質管理体制の強化について,現状はどうなっているのか。また,現在どういった検討を行っているのですか。今後早期に目標を決定していくために,どう取り組んでいくのかお答えください。
次に,
水道事業の広域連携について伺います。
水道事業は市民のライフラインとして重要な事業であり,日本共産党市議団としては,フランスのヴェオリア社が主体である株式会社水みらい
広島を指定管理者としている
広島県が進める広域連携については,民営化につながりかねないものであり,統合による連携──企業団方式への参加は反対の立場で議論をしてきました。市は議会での議論を踏まえて,広域連携に参加せず,令和2年6月に,統合によらない連携を選択するに至りました。監査人からは,
広島市は
広島県が進める
水道事業の広域連携に対して,統合による連携──企業団方式に参加せず,統合以外の連携を判断・選択を行ったことに対して,水道法改正では各都道府県が主導し広域連携を進めるようにも規定されているとして,なぜ
広島市水道局が統合以外の連携を選択するに至った根拠を示す市独自にまとめた経過や資料はないのか,疑問が出されています。これにどう答えられたのかお答えください。
また,広報・広聴活動の必要性については,情報をできるだけ市民に公開することは,
水道事業を市民に理解し協力してもらうためにも重要です。こうした意見についてはどのように受け止められているのかお答えください。
最後に,
水道事業の広域化については国は推進していますが,2018年改正水道法の下でも,官民連携の在り方も広域化の在り方も,決めるのは地方自治体です。地方自治体として,地域の自然的な,また社会的条件に応じた最もふさわしい水道の計画を立てることや,水は人権の視点で公衆衛生の維持・向上の責任を自覚し,必要な人員の採用もして,公共部門としての知識,経験,技術を維持・継承していくことがどうしても必要です。こうした点からも,
水道事業は基本的に民営化にはなじみません。既に先行して民営化した海外の多くの自治体で
水道料金の高騰を招くなどの問題もあり,再公営化が相次いでいます。
そこで伺います。
広島県は,統合以外の連携を選択した自治体に対して,今後も統合への参画を促していくとしていますが,今後の
広島市の基本的姿勢についてお答えください。
以上で質疑を終わります。
○
佐々木壽吉 議長
水道局長。
◎友広整二
水道局長 令和3年度
包括外部監査結果報告について,五点の御質問に順次お答えします。
まず,
広島市
水道ビジョンの具体的な取組の目標設定についてです。
広島市
水道ビジョンの施策目標,「安全でおいしい水の供給」の主要事業である水質管理体制の強化について,現状はどうなっているのかについてです。
水質管理体制の強化のうち,残留塩素濃度の低減・監視の取組としては,消毒用の塩素を従来は浄水場において集中的に注入していたものを,経由する配水池等において分散して注入するための追加塩素設備や残留塩素計等を整備することにより,残留塩素濃度の低減化を推進してきました。
次に,残留塩素濃度の目標値の設定について,どういった検討を行っているのか,今後,早期に目標を決定していくためにどう取り組んでいるのかについてです。
残留塩素濃度については,水道法で0.1ミリグラムパーリットル以上確保することとされている一方で,濃度が高過ぎるとカルキ臭が強くなることから,1ミリグラムパーリットル以下という目標値が設定されています。本市の
水道水はこの目標値を十分満たしていますが,お客様によりおいしい水をお届けするため,平成30年に策定した
広島市
水道ビジョンに残留塩素濃度の低減・監視を掲げています。これに伴い,残留塩素濃度の目標値やその達成時期を設定するため,平成30年度から給水区域内全域について残留塩素濃度の実態調査を継続して行っているところです。今後においては,令和5年度に完了を予定している残留塩素濃度の実態調査の結果に基づき,できるだけ早期に残留塩素濃度の目標値及びその達成時期を設定するとともに,低減手法や監視体制など必要な取組について計画を策定したいと考えています。
次に,
水道事業の広域連携について,本市が統合以外の連携を選択するに当たり,その根拠を示す市独自にまとめた経過や資料はないのか監査人から疑問が出されたが,どう答えたのかについてです。
広域連携による効果の推計に当たっては,各市町等の決算や固定資産を基に試算条件を統一した上でシミュレーションを行う必要があるため,
広島県が事務局を務める
広島県水道広域連携協議会の中で各市町も参加して検討を行いました。その結果を取りまとめたものが
広島県水道広域連携推進方針であり,これが根拠を示す資料に該当するものです。また,事務局である
広島県は,外部委託も利用しながら約2年の期間をかけて当該方針の取りまとめを行っており,これを各市町が個別に行うことは現実的ではない旨を回答しています。
次に,情報をできるだけ市民に公開することは,
水道事業を市民に理解して協力してもらうためにも重要であると監査人から意見が出されたが,どのように受け止めているのかについてです。
水道事業の広域連携の検討状況については,機会を捉えて議会へ説明するとともに,市民へはホームページなどを通じて情報公開を行ってきたところです。将来にわたって信頼される事業運営を行うためには,市民との相互理解を深めていくことは大変重要であると考えています。このため,今後ともホームページなどを通じて積極的に情報公開を行い,寄せられた市民意見については事業運営の参考としていきたいと考えています。
最後に,県は統合以外の連携を選択した自治体に対して統合への参画を促していくとしているが,今後の
広島市の基本的姿勢はどうかについてです。
本市としては,これまで議会からも数多くの御意見をいただきながら進めている経営改革を着実に進めることとしており,企業団へ参画することなく単独経営を維持した上で,職員研修の共同実施をはじめとする事務の広域的処理などに取り組むことで,企業団や市町との協力関係を構築していきたいと考えています。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 本件は,これをもって終わります。
───────────────────────────────────────
△日程第5┌自第 1
号議案 令和4年度
広島市
一般会計予算
┤
└至第 55
号議案 広島市
障害者の
日常生活及び
社会生活を総合的に支援するための
法律施行条例の一部を改正する条例の一部改正について
┌自第296
号議案 令和3年度
広島市
一般会計補正予算(第12号)
┤
└至第316
号議案 変更契約の締結について
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 次は,日程第5,第1
号議案から第55
号議案及び第296
号議案から第316
号議案を一括議題といたします。
当局の説明を求めます。
市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 令和4年第2回
広島市議会定例会の開会に当たり,議員各位に敬意を表するとともに,今回の
定例会に提出しています令和4年度当初
予算案をはじめ関係諸議案の概要について説明いたします。
最初に,予算編成の基本方針及び
予算案についてです。
一昨年来,新型コロナウイルス感染症が
市民生活に大きな影響を与えている中,本市においては,累次の補正予算措置を講じ,感染拡大の防止と経済活動の活性化を両立させながら,市民の生活を守るための取組を国・県との適切な役割分担の下で進めてきました。
しかしながら,本年に入り,オミクロン株の影響により,全国的に第5波までとは比較にならないスピードで感染が拡大し,本市では社会経済活動が制約される状況になりました。
こうした状況下において,本市としては,市民の方々に感染防止の取組を行っていただきながら,引き続き,切れ目なく万全の対策を講じることとし,国の「16か月予算」で措置される財源を活用して,令和3年度2月補正予算と令和4年度当初予算を一体的に編成しました。
新年度予算編成に当たっては,感染症対策など直面する課題に最優先で取り組みつつ,「平和文化の振興」や「地域コミュニティの活性化」などの重要課題に,前向きで強い信念を持って取り組むことで,世界に誇れる「まち」
広島の実現が図られるよう意を用いました。
このような考え方の下で編成した新年度予算に基づき,
広島市総合計画に掲げた「世界に輝く平和のまち」,「国際的に開かれた活力あるまち」,「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」という3つの柱に沿ったまちづくりを進めます。
まず,「世界に輝く平和のまち」に関しては,昨年,平和首長会議の「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン」(PXビジョン)において目標の一つとして位置付けた「平和文化の振興」に取り組むことにより,日本中に更には世界中に平和への思いを広め,為政者が核抑止力に依拠しない政策へと転換するための環境づくりを目指します。
具体的には,「平和文化の振興」に関する冊子の作成やワークショップなどの開催に取り組むとともに,引き続き,11月を平和文化月間と定め,平和文化をテーマにしたコンサートの開催など様々な取組を集中的に実施し,市民一人一人が幸せに暮らすために大切となるものへの思いを共有し,自分にできることを
日常生活の中で実践できるようにしていきます。
また,平和首長会議総会を開催し,核兵器のない平和な未来の創造に向け,加盟都市が今後の取組について議論するとともに,平和首長会議設立40周年を記念する行事を行います。
次に,「国際的に開かれた活力あるまち」に関しては,
広島内外の人が集い交流し,にぎわうまちを目指し,
広島駅周辺地区において,南口広場の再整備等に向けて工事を進めるとともに,中央公園においては,サッカースタジアムや旧
広島市民球場跡地イベント広場の整備に取り組みます。
また,
広島高速5号線や新交通西風新都線などの交通ネットワークの整備,西
広島駅北口地区や西風新都におけるまちづくり,東部地区連続立体交差事業などを着実に進めるとともに,
広島高速4号線の延伸に向け環境影響評価などに着手します。
さらに,中山間地・島しょ部について,引き続き,似島臨海少年自然の家の整備や戸山地域・湯来地域の活性化プランを推進するとともに,空き家に関する相談から活用までを一体的に支援する取組を開始します。
最後に,「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」に関しては,市民や国内外の観光客が本市における文化芸術に触れる機会の拡充を図るため,音楽とメディア芸術を柱とした「第1回ひろしま国際平和文化祭」を8月に開催するとともに,
広島城の魅力向上を図るため,
広島城三の丸歴史館の設計などに取り組みます。
また,住民同士が支え合い,安全・安心に暮らすことができる地域を創り,持続可能な地域社会の実現を図ることを目的とした「
広島市地域コミュニティ活性化ビジョン」に掲げる取組を着実に実施するとともに,地域における多様な課題に応じた取組を行う「協同労働」を一層推進します。
さらに,未来を担う子どもに関する新たな取組として,小児がんの治療のための造血細胞移植後等の予防接種の再接種費用を助成するほか,学校教育において「伝統文化」などのテーマに沿って地域人材等を活用した授業を実施するとともに,中学校における選択制のデリバリー給食の解消を進めます。
このように,限られた財源の中,引き続き事務・事業の見直しに取り組むとともに,社会経済情勢の変化にデジタル技術を活用して的確に対応するために,DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推し進めるなど,効果・効率性の高い持続可能な行政体制の構築に意を用いながら,真に求められる施策について,重点的に予算配分しました。
それでは,新年度の
予算案について,新規・拡充事業を中心に,
広島市総合計画に掲げた三つの柱に沿って,順次説明いたします。
第一の柱は,「世界に輝く平和のまち」の実現に向けた取組です。
(1) まず,核兵器廃絶と世界恒久平和の実現についてです。
新年度に開催が予定されているNPT再検討会議に出席するほか,第10回平和首長会議総会を開催し,今後の取組について議論するとともに,会議設立40周年を記念する行事を行います。
また,平和文化月間と定めた11月に,平和文化をテーマとしたコンサートや講演などを実施するとともに,
市民生活に平和文化が根付くよう,新たに,「平和文化の振興」に関する冊子の作成やワークショップなどの開催に取り組みます。
(2) 次に,「ヒロシマの心」の共有の推進についてです。
若者による平和の誓いの集いを引き続き開催するほか,幅広い被爆体験を伝承するため,家族である被爆者から被爆体験を受け継ぎ,伝承する「家族伝承者」を新たに養成するとともに,国外に向けて被爆の実相を伝えるため,平和記念資料館のホームページの多言語化を進めます。
第二の柱は,「国際的に開かれた活力あるまち」の実現に向けた取組です。
まず,「活力の創出と都市の個性の確立を目指したまちづくり」のうち,
(1) 都市機能の充実強化についてです。
① 「楕円形の都心づくりの推進」については,広島駅周辺地区の更なる活力とにぎわいを創出するため,広島駅南口地下広場の改修に向けた基本計画を策定します。
また,紙屋町・八丁堀地区においては,基町相生通地区市街地再開発事業へ新たに補助を行うほか,旧広島市民球場跡地イベント広場の令和4年度末の供用開始に向け整備に着手します。さらに,サッカースタジアムについて,令和6年の開業を目指し,建設工事を進めるとともに,基町地区の活性化に引き続き取り組みます。
② 「拠点地区等におけるまちづくりの推進」については,安佐市民病院跡地の活用に向け,南館を解体するとともに,整備予定施設の基本計画を策定します。
また,西広島駅北口地区において引き続き土地区画整理事業に取り組み,まちづくりの推進を図るとともに,西風新都の都市づくりを推進するため,西風新都環状線の梶毛南工区及び善當寺工区の整備を進めます。
③ 「公共交通の充実強化」については,広島駅南口広場の再整備等を進めるほか,新交通西風新都線の整備に係る地質調査や駅舎等の基本設計を行うとともに,西
広島駅周辺地区交通結節点整備では,南口駅前広場の再整備に取り組み,令和4年度末の完成を目指します。
④ 「自転車を生かしたまちづくりの推進」については,民間駐輪場整備費補助の対象に本市が指定する道路用地への整備を加え,民間駐輪場の整備を促進します。
⑤ 「体系的な道路網の整備」については,
広島高速5号線の工事等の進捗にあわせて,事業を行う
広島高速道路公社に対し出資及び貸付けを行うとともに,関連道路の整備を進めます。
また,
広島広域都市圏における交流・連携を一層強化していくため,
広島高速4号線の山陽自動車道への延伸に向け,環境影響評価などに着手するほか,東部地区連続立体交差事業について,鉄道の仮線路工事を行うなど,着実に事業を推進します。
(2) 2点目は,産業の振興についてです。
① 「産業の集積・強化」については,
広島広域都市圏内の自動車関連企業の経営者による脱炭素化・電動化などに対応するための協議体制を構築するほか,ものづくり企業を対象とする研修会を開催します。
また,特産品の商品改良等に取り組む圏域内の中小企業者等に対し,必要となる経費を新たに補助します。
さらに,企業等の立地誘導を推進するため,引き続き立地企業への助成を行うとともに,圏域市町と連携した企業誘致活動に取り組みます。
② 「中小企業・商店街の活性化」については,商店街と地域団体が連携して実施する地域のにぎわい創出等に資する事業や,商店街によるDX技術を活用した消費動向等の調査・分析などに要する経費を新たに補助します。
③ 「農林水産業の振興」については,「ひろしま活力農業」経営者育成事業を引き続き実施し,農業経営者を育成するとともに,共助の取組で農地の利活用を図ろうとする地域団体に対し,農業機械の購入経費などを補助します。
また,新中央市場については,民間活力を活用した建設に向け,事業者の公募などを行います。
(3) 3点目は,観光の振興についてです。
① 「広域周遊観光の取組の推進」については,芸備線の沿線市等が一体となって行う観光列車等による沿線回遊ツアーの実施回数を拡充し,芸備線を活用した観光振興を図ります。
② 「MICEの取組の推進」については,歴史的建造物や文化施設等を活用したユニークベニューにおけるおもてなし機能の向上に圏域市町と連携して取り組むとともに,引き続き,施設の整備に向けた検討を行います。
③ 「誘客拡大と観光消費額の増大に向けた取組の推進」については,引き続き,ピースツーリズム推進事業や圏域市町と連携した「食」をテーマとした周遊キャンペーンを展開します。
次に,「地域特性に応じた個性的な魅力を生かしたまちづくり」のうち,
(1) デルタ市街地やその周辺部,中山間地・島しょ部のまちづくりについてです。
① 「地域資源を生かしたまちづくりの推進」については,比治山公園「平和の丘」に係る取組や,似島臨海少年自然の家の整備を進めるとともに,戸山地域・湯来地域活性化プランを推進するため,コーディネーターの派遣などを行います。
また,
広島駅南口の水辺空間において,民間主導による新たなにぎわい創出につながる取組を行うとともに,平和大通りの利活用に向け,具体的な整備内容等を検討するワークショップの開催などを行います。
さらに,「花と緑の
広島づくり」を推進するため,小学校等への切り花等の資材提供などを新たに実施し,花を愛でる市民意識の醸成を図ります。
② 「定住者受入れのための環境整備等」については,新たな取組として,中山間地域の空き家に関する相談対応や活用希望者とのマッチング等を行うプラットフォームを設置するとともにリフォーム等に対する支援を行うことにより,相談から活用までを一体的に支援する事業を実施します。
③ 「魅力ある里山づくりの促進」については,捕獲した有害鳥獣の焼却施設までの運搬等を民間事業者が行うモデル事業を新たに実施します。
(2) 2点目は,
広島広域都市圏の発展への貢献についてです。
広島広域都市圏協議会に,圏域の地域資源である西国街道をテーマにした新たなまち起こし協議会を設けます。
また,
広島大学が
広島の地で躍動するための環境の構築を目指して行う法学部等の東千田キャンパスへの移転やリカレント教育の拠点づくり等を支援するため,同大学が設置している「
広島大学が躍動し
広島の地を活性化させる基金」に出捐します。
第三の柱は,「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」の実現に向けた取組です。
まず,「多様な市民が生き生きと暮らせるまちづくり」のうち,
(1) 高齢者や女性を始め全ての市民の意欲と能力が発揮できる環境づくりの推進についてです。
① 「若い世代の人材確保」については,「有給長期インターンシップ」事業に企業や学生が参加しやすくなるよう,夏休み期間に加え春休み期間にも事業を実施します。
② 「高齢者が活躍できる環境づくり」については,地域における多様な課題に応じた取組を行う「協同労働」をより一層推進するため,地区社会福祉協議会等を対象とした勉強会を新たに開催するとともに,支援対象団体に係る年齢要件を撤廃します。
③ 「生涯にわたり学習し活躍できる環境づくりの推進」については,中央図書館等をエールエールA館内に移転・集約し,「誰もが学び,憩う『平和文化』の情報拠点」として整備するため,基本・実施設計等を行います。
(2) 2点目は,文化・スポーツの振興についてです。
① 「文化の振興」については,
広島交響楽団等による様々なコンサートの開催や,
広島ウインドオーケストラと連携した音楽教育プログラムの実施など,市をあげて「音楽のあふれるまちづくり」に引き続き取り組みます。
また,市民や国内外の観光客が本市における文化芸術に触れる機会の拡充を図るため,音楽とメディア芸術を柱とした「第1回ひろしま国際平和文化祭」を開催するほか,現代美術館の改修工事を進め,令和5年3月にリニューアルオープンします。
さらに,
広島城の魅力向上を図るため,
広島城三の丸歴史館の整備に向けた基本・実施設計に着手するとともに,三の丸にぎわい施設の整備等を行う民間事業者の選定などを行います。
このほか,長期にわたり更新されていないこども文化科学館の展示内容のリニューアルに着手することとし,展示に係る基本構想を策定するとともに,被爆の実相を国内外により一層普及・継承していくため,原爆ドームの特別史跡指定に向けた取組を新たに行います。
② 「スポーツの振興」については,
広島西飛行場跡地に少年野球やソフトボール等のスポーツ施設の整備を進めるほか,湯来地域においてスポーツと温泉を連携させた新たな取組を行うため,クアハウス湯の山や湯来運動広場等の施設改修に係る基本設計などを行います。
(3) 3点目は,地域コミュニティや多様な市民活動の活性化についてです。
持続可能な地域社会の実現を図ることを目的とした「
広島市地域コミュニティ活性化ビジョン」に基づく取組として,地域団体とNPOなどが連携する新たな協力体制の設立に向けた議論等を円滑に進めるためのコーディネーター等の派遣や,地域貢献活動に積極的な企業等の認定などを行います。
また,集会所にAEDを設置する集会所管理運営委員会に対し,必要額を新たに補助します。
次に,「保健・医療・福祉,子どもの育成環境の充実を目指したまちづくり」のうち,
(1) 地域共生社会の実現についてです。
地区社会福祉協議会が行う各種地域団体との連携活動への多年度にわたる支援等を行うための基金を設置している市社会福祉協議会に対しその原資を出捐するとともに,民生委員・児童委員の負担軽減などのために配置している民生委員協力員の配置拡充に向け,活動費の増額などを行います。
(2) 2点目は,保健・医療・福祉の充実についてです。
① 「健康づくりの推進と医療提供体制等の充実」については,子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨を控えていたことで接種機会を逃した年代の女性を無料接種の対象に加えるとともに,小児がんの治療のための造血細胞移植等により,各種予防接種による抗体を消失した者が再接種する場合の費用を新たに助成します。
また,歯周病を予防し,歯と口の健康増進を図るため,節目年齢歯科健診の対象年齢を拡大するとともに,うつ病・自殺(自死)に係る相談体制のさらなる充実を図るため,専門家へのメール相談等が可能な相談窓口を設置し,その連絡先を表示したインターネット広告を掲載します。
さらに,施設の老朽化が進んでいる安芸市民病院の病棟等の建替えに向け,実施設計等を行うとともに,現在の安佐市民病院北館に,日常的に地域住民が受診できる医療機能等を備えた病院等の整備を進め,本年12月末の開設を目指します。
このほか,将来の火葬件数の増加に対応するため,西風館火葬炉等の増設に係る基本・実施設計に着手するとともに,地域猫活動について,支援対象を拡充するほか,手術体制の強化を図ります。
② 「高齢者が安心して暮らせる社会の形成」については,高齢者の社会参加の促進などに資する高齢者いきいき活動ポイント事業を引き続き実施するほか,地域包括支援センターに経験豊富な職員が配置されるよう,委託料の加算制度を設けるとともに,認知症カフェの運営が継続的に行えるよう,支援内容を見直します。
③ 「
障害者の自立した生活の支援」については,
障害者の就労支援施設における仕事の受注拡大等を支援する就労支援センターに営業担当職員を新たに2人配置するとともに,重度精神
障害者通院医療費助成の対象者が介護保険サービスを円滑に利用できる環境を整えるため,サービス利用に係る自己負担額の一部を新たに助成します。
④ 「原爆被爆者援護施策の充実」については,国の基準見直しを受け,新たに黒い雨体験者の方々への被爆者健康手帳の交付や諸手当の支給などを行い,高齢化が進んでいる被爆者の支援を充実させます。
(3) 3点目は,未来を担う子どもの育成と教育についてです。
まず,全ての子どもが健やかに育つための環境づくりのうち,
① 「多様で良質な切れ目のない支援」については,待機児童対策として,保育園等の整備費補助を行い,令和5年度当初における受入枠を255人分拡充するとともに,現役の保育士や園長からの労働条件や職場環境等に関する相談に対し,適切な指導・助言を行う相談窓口を新たに設置します。
また,放課後児童クラブのサービスの充実等として,保護者が注文した昼食やおやつについて,市が配送料を負担して提供するサービス向上策を各区1クラブで先行実施するための経費や,令和5年度からの基本時間部分への受益者負担措置の導入に必要となるシステム改修費を計上しています。
② 「社会的支援の必要性が高い子どもへの支援」については,新たな取組として,医療機関との連絡調整を行う看護師などを雇用する児童養護施設等に対し必要経費を補助するとともに,経済的困窮や障害を有するなど困難を抱える特定妊婦の産前・産後を支援するため,母子生活支援施設等に,相談支援員や看護師を配置するほか,受入れのための専用居室を設置します。
また,児童相談所及びこども療育センターの建替えを引き続き進めるとともに,新たに各区こども家庭相談コーナーや児童相談所の補完的機能を担う児童家庭支援センターを設置・運営する社会福祉法人等に対し,必要経費を補助します。
③ 「地域における子育て環境の充実」については,地域の子育て支援拠点であるオープンスペースや,ひとり親家庭等の子どもに学習支援や食事の提供等を行う居場所づくりの実施箇所数をそれぞれ拡充します。
次に,一人一人を大切にする教育の実現のうち,
① 「個に応じたきめ細かな質の高い教育の推進」については,
広島特別支援学校など児童生徒数の増加に対応するための校舎の増改築や,学校施設の老朽化対策,トイレの洋式化などの教育環境の充実に取り組むほか,学力向上に向けて研究校を指定し,ICTを活用して児童生徒の学習進度や学習到達度に応じた指導等を行います。
また,地域社会を支える人材を育成するため,小・中学校等において,伝統文化などのテーマに沿って地域人材等を活用した授業を新たに実施します。
さらに,中学校における選択制のデリバリー給食の解消に向け,老朽化している可部地区学校給食センターの建替えなどを行うほか,新年度から,学校給食費を公会計化します。
② 「いじめ・不登校対策と持続可能な学校教育体制の構築に向けた取組の推進」については,福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの配置人数を拡充するとともに,学校運営への地域住民や保護者等の参画を一層推進するため,「学校運営協議会」の設置校数を拡充するほか,学校における働き方改革を推進するため,高等学校等へのインターネット出願システムの導入などを行います。
次に,「安全で安心して生活でき,豊かな自然を将来に引き継ぐまちづくり」のうち,
(1) 安全・安心に暮らせる生活基盤の整備についてです。
① 「災害に強いまちづくりの推進」については,平成26年8月豪雨,平成30年7月豪雨,令和3年8月の大雨に係る災害被災地の復旧・復興に引き続き取り組むとともに,住宅の防災・減災推進事業として,住宅の基礎となる崖地の所有者等が擁壁の耐震性を向上させるなどの工事を行う場合に,必要となる経費を新たに補助します。
また,消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図る新たな取組として,消防団活動を通じて若い世代に消防団への理解を深めてもらう消防団サポーター制度を創設するとともに,原則として平日日中のみ活動する機能別団員を導入します。
② 「
日常生活の安全・安心の確保」については,犯罪被害者等への支援を充実させるため,
犯罪被害者等支援条例を制定し,家事・介護サービス利用費等を新たに助成します。
③ 「生活環境の維持・改善」については,老朽化した基町第17アパートの更新に向けた基本設計等に着手するほか,老朽空き家対策として,危険空家の除却に対する補助制度を設けるとともに,高経年マンション対策として,本市が適切な管理計画を有するマンションを認定する際の基準などを定めたマンション管理適正化推進計画を策定します。
(2) 次に,環境と調和した循環型社会の形成についてです。
① 「地球温暖化対策の推進」については,脱炭素社会の構築に向け,温室効果ガス排出量の削減を着実に進めていくため,
広島市地球温暖化対策実行計画を改定するとともに,高効率の断熱材の使用や再生可能エネルギーの活用など温室効果ガスの排出削減に資するゼッチ・マンションの建築に要する経費を新たに補助します。
② 「ゼロエミッションシティ
広島の推進」については,安定的なごみ処理体制を確保するため,老朽化した南工場の建替え及び運営に係る事業者の選定などを行います。
次に,「効果的・効率的な行政の推進」についてです。
窓口業務の
効率化を推進するため,戸籍・住民票に係る事務のうち,窓口現場で行う必要のないものを集約し,それらの事務を一括処理する戸籍・住民票事務センターを設置するとともに,出生に関連する複数の手続を市民課のワンストップ窓口で対応することができるよう,関連する手続の申請書を発行するための専用システムを導入します。
また,DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進として,マイナンバーカード所有者が,マイナポータルから子育てや介護等に関する手続を行えるよう,必要なシステムの改修を行うとともに,人流データを活用した地域の活性化の実証など地域のデジタル化を進めます。
次に,組織・職員数等について説明します。
まず,組織については,区役所窓口における市民サービスのより一層の充実に向けた施策の企画立案等に取り組むため,企画総務局に区政課を設置するほか,住民票の写し等の郵便請求に係る証明書交付事務について,更なる
効率化を図るため,戸籍・住民票事務センターを設置するなど,効果的・効率的な執行体制の整備を行います。
また,動物の愛護等についての市民の関心及び理解を深めていくため,動物管理センターを動物愛護センターに改称します。
次に,職員数については,「
広島市地域コミュニティ活性化ビジョン」に基づき,地域の新たな協力体制の設立・運営に係る支援に取り組むとともに,住民記録,市税,福祉情報等システムの更新業務などに取り組むため,職員の増員を行う一方,正規職員と非正規職員との役割分担を踏まえた執行体制の見直しなどにより,職員の減員を行います。
また,各種施策を着実に推進していくためには,全ての職員にその能力を存分に発揮してもらうことが重要です。そのため,職員一人一人が「ワーク・ライフ・バランス」を実現できるよう,時間外勤務の縮減はもとより,柔軟な働き方を可能とするテレワークの推進,メンタルヘルス対策やハラスメント対策の充実など職場環境の整備に取り組むとともに,女性や若手職員の育成に力を入れていきます。
以上の施策を中心に編成しました令和4年度当初予算の規模は,一般会計で6,588億8,140万9千円,前年度当初予算に対し3.6パーセントの減,全会計では1兆2,214億1,441万1千円,前年度当初予算に対し3.7パーセントの減となります。
次に,予算以外の議案としては,職員の服務の宣誓に関する条例の一部改正案など,
条例案24件,その他の議案7件を提出しています。
次は,令和3年度関連の諸議案についてです。
令和3年度関連の諸議案は,
一般会計補正予算案など21件であり,以下,その概要について説明いたします。
最初に,補正
予算案について,主な項目を説明いたします。
(1) まず,国の補正予算等に伴う補正のうち,新型コロナウイルス感染症対策関連についてです。
国の方針に基づき,新型コロナウイルスワクチンの追加接種を実施するとともに,PCR検査に要する経費や入院に要する自己負担額について,引き続き本市が負担するほか,医療機関や保健センター,保育園,学校等において,感染症対策の徹底を図るため,医療資材や保健衛生用品の購入などに要する経費を計上しています。
また,社会経済活動の再開に向けて,中長期的な視点に立ち,地域の魅力を高める新たな取組や,スポーツ活動及び文化芸術活動を支援します。
さらに,販売促進・販路拡大に取り組む市内中小企業者等に応援金を支給する
広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会や,アフターコロナにおける売上回復や販売促進に取り組む商店街に対し,その取組を支援します。
このほか,観光需要の回復を促進するため,夜間・早朝の時間帯を生かした新たなイベント開催等に要する経費の補助や,
広島広域都市圏内の体験型観光プログラムに利用可能な割引クーポンの発行等を行うとともに,引き続き,バス,路面電車などの交通事業者への支援などを行います。
(2) 次に,国の補正予算等に伴うその他の補正についてです。
まず,転出届や転入予約がマイナポータルから行えるよう,住民記録システムを改修します。
また,令和4年度からの不妊治療の保険適用の円滑な実施に向け,年度をまたぐ一連の治療について,経過措置として助成金を支給するとともに,職員の賃金を3%程度改善する
私立保育園等や民間放課後児童クラブに対し,賃金改善に必要となる経費の補助等を行います。
さらに,耐震化対策や老朽化対策等が課題となっている青少年野外活動センター・こども村,三滝少年自然の家・グリーンスポーツセンターについて,更新のあり方を定める基本計画の策定等を行います。
このほか,国庫補助金の追加内示を受け,安佐市民病院北館整備,道路・橋りょう整備などに要する経費を計上するとともに,サッカースタジアムの建設については,歳出の補正予算のほか,既計上予算に係る県市負担額の調整に伴う歳入の補正予算を計上しています。
(3) 次に,一般補正についてです。
市税の増収額等を財政調整基金に,民間からの寄附金相当額をサッカースタジアム建設基金に,それぞれ積み立てるとともに,
障害者自立支援給付,がん検診事業などに係る経費を増額するほか,昨年8月の災害に関連して災害対策本部などに従事した職員の人件費を計上しています。
(4) このほか,既定の経費を精査し,事業費の決定により不用額が生じる事業や年度末までに執行が困難な事業について減額の補正を行います。
以上の結果,今回の令和3年度補正予算額は,全会計で339億825万9千円となり,補正後の予算規模は1兆3,630億836万3千円となります。
次に,予算以外の議案としては,
広島市
漁船巻揚施設条例の廃止など11件の議案を提出しています。
以上が,今回提案いたしました議案の概要です。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○
佐々木壽吉 議長 ただいま上程中の議案に対する質疑は,後日に譲ります。
───────────────────────────────────────
休会について
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 この際,休会についてお諮りいたします。
明日及び明後日は,議案調査研究のため休会にいたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
佐々木壽吉 議長 異議なしと認め,さよう決定いたしました。
───────────────────────────────────────
次会の
開議通知
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 この際,御通知申し上げます。
10日は午前10時より議会の会議を開きます。
───────────────────────────────────────
散会宣告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 本日は,これをもって散会いたします。
午前11時08分散会
───────────────────────────────────────
△(参照1)
(写)
広人委調第44号
令和4年2月3日
広島市議会議長
佐 々 木 壽 吉 様
広島市
人事委員会
委員長 飯 田 恭 示 印
条例案に対する意見について
令和4年1月31日付け広議議第59号で
地方公務員法第5条第2項の規定に基づき意見を求められた
条例案について、下記のとおり意見を申し述べます。
記
第25
号議案 職員の服務の宣誓に関する条例の一部改正について
この
条例案は、職員の服務の宣誓に関する政令(昭和41年政令第14号)の改正等に鑑み、任命権者等の面前における署名を廃止する等所要の改正を行おうとするものであり、異議はありません。
△(参照2)
令和4年2月7日
議 員 各 位
広島市議会議長
佐々木 壽 吉
陳情の受理について(報告)
下記のとおり陳情を受理し、陳情第187号、第188号、第189号、第190号、第192号、第193号及び第194号は、関係委員会に付託したので報告します。
記
陳情
┌───┬────────────────┬─────┬─────┬─────┐
│ 受理 │ 件 名 │ 受 理 │ 付 託 │付託委員会│
│ 番号 │ │ 年 月 日 │ 年 月 日 │ │
├───┼────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 187 │岸田文雄の選挙期間中における違法│ 3.12.27 │ 3.12.27 │建設委員会│
│ │ポスターに関し告発状が受理される│ │ │ │
│ │に至った過程で松井一實が西区維持│ │ │ │
│ │管理課と疑義を抱くようなやり取り│ │ │ │
│ │がなかったか検証することについて│ │ │ │
├───┼────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 188 │道路管理者である
広島市が、車道外│ 3.12.27 │ 3.12.27 │建設委員会│
│ │側線を修復しない判断の検証を求め│ │ │ │
│ │ることについて │ │ │ │
├───┼────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 189 │似非(えせ)平和都市ヒロシマの原│ 3.12.27 │ 3.12.27 │建設委員会│
│ │爆産業を芟除(さんじょ)し以 │ │ │ │
│ │(もっ)て地域住民の安全を最優先│ │ │ │
│ │する事について │ │ │ │
├───┼────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 190 │
広島市内全小学校の通学路の道路標│ 3.12.27 │ 3.12.27 │文教委員会│
│ │示の点検を即時実施し適正な通学路│ │ │ │
│ │実現に向けた計画を作成することに│ │ │ │
│ │ついて │ │ │ │
├───┼────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 191 │対外的情報省の設立を求める意見書│ 3.12.27 │ │ │
│ │を
広島市議会は内閣府に提出するこ│ │ │ │
│ │とについて │ │ │ │
├───┼────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 192 │「
広島市立中央図書館」のエール │ 4. 1.24 │ 4. 1.24 │総務委員会│
│ │エールA館への移転に反対すること│ │ │ │
│ │について │ │ │ │
├───┼────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 193 │地方たばこ税を活用した分煙環境整│ 4. 2. 4 │ 4. 2. 4 │厚生委員会│
│ │備に関することについて │ │ │ │
├───┼────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 194 │地方たばこ税を活用した分煙環境整│ 4. 2. 4 │ 4. 2. 4 │建設委員会│
│ │備に関することについて │ │ │ │
└───┴────────────────┴─────┴─────┴─────┘
───────────────────────────────────────
議 長 佐 々 木 壽 吉
署名者 母 谷 龍 典
署名者 元 田 賢 治...