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令和 3年第 1回 2月定例会−02月18日-02号

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  1. 広島市議会 2021-02-18
    令和 3年第 1回 2月定例会−02月18日-02号


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    令和 3年第 1回 2月定例会−02月18日-02号令和 3年第 1回 2月定例会         令和3年  広島市議会定例会会議録(第2号)         第 1 回                  広島市議会議事日程                                 令和3年2月18日                                 午前10時開議                   日    程  第1┌自第1号議案 令和3年度広島市一般会計予算    ┤    └至第59号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第1号)      (総括質問) ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)
     日程第1┌自第1号議案 令和3年度広島市一般会計予算      ┤      └至第59号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第1号)       (総括質問)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  総括質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  岡 村 和 明            2番  川 本 和 弘    3番  田 中   勝            4番  並 川 雄 一    5番  川 村 真 治            6番  石 田 祥 子    7番  川 口 茂 博            8番  水 野   考    9番  平 岡 優 一            10番  椋 木 太 一    11番  吉 瀬 康 平            12番  山 本 昌 宏    13番  山 内 正 晃            14番  碓 氷 芳 雄    16番  木 戸 経 康            17番  山 路 英 男    18番  森 畠 秀 治            19番  石 橋 竜 史    20番  平 野 太 祐            21番  定 野 和 広    22番  伊 藤 昭 善            23番  桑 田 恭 子    24番  近 松 里 子            25番  大 野 耕 平    26番  西 田   浩            27番  渡 辺 好 造    28番  豊 島 岩 白            29番  宮 崎 誠 克    30番  八 條 範 彦            31番  母 谷 龍 典    32番  三 宅 正 明            33番  八 軒 幹 夫    34番  馬 庭 恭 子            35番  竹 田 康 律    36番  藤 井 敏 子            37番  中 原 洋 美    38番  太 田 憲 二            39番  若 林 新 三    40番  今 田 良 治            41番  佐々木 壽 吉    42番  元 田 賢 治            43番  谷 口   修    44番  永 田 雅 紀            45番  金 子 和 彦    46番  木 山 徳 和            47番  沖 宗 正 明    48番  中 森 辰 一            49番  碓 井 法 明    50番  山 田 春 男            51番  中 本   弘    53番  木 島   丘            54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名    15番  海 徳 裕 志            52番  児 玉 光 禎 ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    石 田 芳 文       事務局次長   松 坂 康 雄  議事課長    小 田 和 生       議事課課長補佐主任事務取扱                                吉 川 和 幸  議事課主幹   沖 原 義 文       議事課主査   村 田 愛一朗  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     小 池 信 之  副市長     及 川   享       危機管理担当局長岩 崎   学  企画総務局長  手 島 信 行       財政局長    古 川 智 之  市民局長    政 氏 昭 夫       健康福祉局長  山 本 直 樹  健康福祉局保健医療担当局長         こども未来局長 松 井 勝 憲          阪 谷 幸 春  環境局長    重 村 隆 彦       経済観光局長  日 高   洋  都市整備局長  中 村   純       都市整備局指導担当局長                                胡麻田 泰 江  道路交通局長  加 藤 浩 明       下水道局長   油 野 裕 和  会計管理者   長   敏 伸       消防局長    斉 藤   浩  水道局長    友 広 整 二       監査事務局長  荒神原 政 司  財政課長    沖 村 慶 司       教育長     糸 山   隆  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          橋 場 聡 子               仁 井 敏 子 ───────────────────────────────────────                午前10時00分開議                出席議員  30名                欠席議員  24名 ○山田春男 議長       おはようございます。  出席議員30名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       本日の会議録署名者として               2番 川 本 和 弘 議員               18番 森 畠 秀 治 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1┌自第1号議案 令和3年度広島市一般会計予算      ┤      └至第59号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第1号)       (総括質問) ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       日程第1,第1号議案から第59号議案を一括議題といたします。  これより総括質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  29番宮崎誠克議員。                〔29番宮崎誠克議員登壇〕(拍手) ◆29番(宮崎誠克議員) 皆さん,おはようございます。  自由民主党・市民クラブの宮崎誠克です。それでは,会派を代表して総括質問をさせていただきます。しばらくの間,御清聴をよろしくお願いいたします。  まず最初に,新型コロナウイルス感染症ワクチン接種についてお伺いします。  全世界で1億人以上の感染者が確認されている新型コロナウイルス感染症は,昨年11月に首都圏を中心に新規感染者数が急増し,1月7日には埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県を対象に緊急事態宣言が出され,また,1月14日からは,これらの地域に加え,栃木県,岐阜県,愛知県,京都府,大阪府,兵庫県,福岡県が緊急事態宣言の対象地域に追加されました。最近は新規感染者数も全国的に減少傾向にあるものの,現在もまだ東京都をはじめとする10都道府県でいまだに緊急事態宣言が解除されておらず,さらなる感染拡大が起こる可能性があることから,予断を許さない状況となっています。
     広島県内においては,昨年11月下旬以降,広島市を中心に感染者数が急増し,感染状況が県内全域にわたって拡大基調となり,12月12日から1月17日までの,エリアを広島市と近隣市町に限った集中対策が行われましたが,広島市の感染状況が高止まりであるということから,引き続き1月18日から2月7日まで期間を延長し,第2次集中対策が行われました。さらに,第2次集中対策期間中の今月4日には,県独自の警戒基準を上回っている状況であることから,2月8日から2月21日まで期間を延長し,第3次集中対策が行われました。対策の一環として,外出機会の削減や飲食店の営業時間の短縮などがなされていますが,このような対策は,感染拡大防止に必要とはいえ,当然市民生活や経済活動に多くの負担を強いるものであることから,早期に新規の感染者が少なくなり,その状況が継続することが強く望まれます。  そこでお伺いします。広島市における現在の感染状況はどのような状況でしょうか。また,昨年12月以降,感染者が急増した要因について,市はどのように考えており,今後,新規感染者の発生を抑えていくにはどのような対策が必要だと考えておられますでしょうか,お答えください。  また,市の発表資料によると,12月以降,死亡者数が急増しています。市内では11月までに2名の方が亡くなられており,その後,12月に19名,1月に38名,2月に入ってから15日までに既に2名の方が亡くなられています。12月以降,死者が増加している要因について,市はどのように考えていますか,お答えください。  次に,広島県のPCR検査の集中実施についてお伺いします。  広島県は,10億円余りの補正予算を計上し,市内で,特に感染者の多い中区,東区,南区,西区の全ての住民と就業者を対象とした28万人規模の無料のPCR検査を行う計画を打ち出しましたが,市内の感染状況が改善したことから,感染拡大期に備えた試行的な検査と位置づけ,中区に限定した8,000人規模の検査を行うことにしました。この検査は,明日から21日までの3日間,中区の特定の地域の住民を対象に,また,24日から26日にかけて,希望する事業所の従事者を対象に実施されます。  そこでお伺いします。今回の試行的なPCR検査について,市はどのように考え,どのように関わっていくのでしょうか,お答えください。  次に,新型コロナウイルスワクチンの接種についてお伺いします。  新型コロナウイルスの発生により,国内で多くの患者が生まれ,健康を損なうとともに,医療提供体制に大きな負荷を及ぼしているほか,国民全体が感染防止対策を求められるなど,生活に大きな影響を与えています。  このため,国は,新型コロナウイルス感染症の発症を予防し,死亡者や重症者の発生をできる限り減らし,結果として新型コロナウイルス感染症の蔓延防止を図ることを目的として,新型コロナウイルスワクチンを国民に対して接種することにしました。  この接種では,新たに開発されたワクチンを使用することとなり,また,既に接種を開始している国からアナフィラキシーショックなどの副反応が報告されていることから,ワクチン接種に対する安全性に不安を抱いている人が多くいると聞いています。また,接種を受けるためには,国は,接種できる場所を自分で探し,事前に予約しなければならないとしていることから,市民にとっては非常に煩雑な手続であると考えられます。市民が安心して簡単に接種を受けることができなければ,接種率が上がらず,新型コロナウイルス感染症の蔓延防止を図る目的が達せられない可能性があります。  そこでお伺いします。現在,広島市においても,国の指示の下,接種に向けた準備を進めていると思いますが,どういったスケジュールで,どのような場所で接種を行う予定なのかお答えください。あわせて,中山間地域や島嶼部など,人口の少ない地域での接種について,どのように考えているのかお答えください。また,接種に対して不安を抱いている人が多くいます。安心して多くの方に接種を受けてもらうためにどのような周知を行うのかお答えください。  神奈川県の寒川町など多くの自治体では,予約を簡単に行えるよう,LINEアプリを活用した予約システムを導入しています。また,先月28日には,LINEは無料通信アプリを使った新型コロナウイルスワクチン接種予約システムを全国の市町村に提供すると発表しました。  そこでお伺いします。LINEのように幅広い世代に使われているアプリを接種の予約に活用すれば,利便性が高まり,接種率向上につながる可能性があると考えますが,どのように考えておられるのかお答えください。  次に,サッカースタジアム建設についてお伺いします。  サッカースタジアムの建設については,昨年9月議会における予算の議決以降,設計・工事を行う事業者の公募を開始しており,来年度はいよいよ設計に着手し,本格的に事業が進んでいく予定となっています。  新たなサッカースタジアムは,都心のど真ん中とも言える中央公園に整備することになっていますが,この中央公園においては,スタジアムをはじめとして,旧市民球場跡地広島城三の丸の整備といった取組が並行して進められており,広島のまちは近い将来,大きく変わろうとしています。  こうした様々な取組の中でも特にサッカースタジアム建設事業に寄せる期待は大きく,向こう数十年の広島の明るい未来を占う非常に重要なプロジェクトであると認識しています。こうした大きな期待や本市として大きな投資を行うことになることなども踏まえ,この町なかに整備することの意義が強く求められているものと思っています。  そこでお伺いします。本市のまちづくりにおいて,サッカースタジアムはどのような役割を担うと考えていますでしょうか,お答えください。  現在,サッカースタジアムの整備事業者の選定作業を進めておられるところだと思いますが,事業者が決定すれば,設計,建設工事へと進み,いよいよ目指すべきゴールが見えてくるものと期待しています。昨年12月にはサンフレッチェ広島のホームページにおいて,彼らが思い描くサッカースタジアムのイメージが公開されておりましたが,やはり完成後のイメージが目に見える形となると期待感は大きく膨らむもので,長年スタジアム建設を待望しているサッカーファンをはじめとした市民の期待は一層高まっているように感じます。私としても,サッカースタジアムがどんなデザインになるのか,どんな魅力ある機能を兼ね備えたスタジアムになるのか,市民の一人として非常に楽しみにしているところです。  そこでお伺いします。サッカースタジアムを具体的にイメージできるものはいつ頃公表されるのでしょうか。また,今後の整備スケジュールについても併せてお答えください。  さて,市民・県民の期待が大きい一大プロジェクトを着実に進めていくためには,この財源の確保について,確実な見込みを立てておくことが重要だと考えます。個人からの寄附金については,着実に集まっており,もうすぐ3億円に到達する勢いであると聞いていますし,企業からの寄附金についても,エディオンやマツダから多くの御支援をいただけるほか,広島の経済4団体が協力して,10億円を目標に掲げて募集を進めていただいています。  このように,サッカースタジアム建設事業については,各方面から多くの御支援をいただきながら進めているところですが,一方で,県と市の費用負担の問題はまだ決着に至っていない状況です。本事業の財源のうち,県・市が負担する部分は大きな割合を占めており,本事業を円滑に進めていくためには,県と費用負担について早期に合意できるよう取り組んでいただきたいと思っているところです。  そこでお伺いします。県・市の負担割合についてはどのような調整状況にあるのでしょうか。また,県との合意に向けて,どのように取り組んでいかれるのかお答えください。  これだけ大きなプロジェクトを進めていく上では,事業主体の本市だけの力ではなく,多くの関係者の御理解を得て,御支援,御協力をいただきながら推進していくことが事業を成功させるための鍵だと思いますので,丁寧に合意形成を図りながら取り組んでいただきたいと思います。  次に,持続可能な地域づくりについてお伺いします。  人口減少・少子高齢化が叫ばれる昨今,全国的に健康寿命の延伸に向けた取組が行われ,人生100年時代を見据えながら,これからの時代にふさわしい形で高齢者を含めた住民が社会参画する持続可能な地域社会の構築が求められています。  しかし,人口減少が著しい中山間地域においては,地域活動を継続していくことが困難な地域も出始めており,都市部においても町内会加入率が年々低下し,役員になる人の不足が生じるなど,地域コミュニティーの希薄化が大きな課題となっています。  このような状況を受け,市は,地域コミュニティ活性化ビジョンの策定に着手し,これらの課題への対策の検討を本格的に開始しています。今年度については,町内会・自治会や地区社会福祉協議会などの地域団体や,無作為抽出した一般市民に対しアンケート調査などによる実態調査を行っています。そこで得た情報は,地域コミュニティーが抱える課題の把握と分析,また活性化のための方策検討の基礎資料として活用するとのことです。  昨年12月の安心社会づくり対策特別委員会で行われた中間報告を見ると,広島市の地域コミュニティー弱体化の状況がはっきりと分かります。特に町内会・自治会長の方々へのアンケート調査の結果では,地域活動の担い手が感じている現在の活動状況への閉塞感,例えば活動の参加者減少に歯止めがかからない現状,また,町内会加入を呼びかけても断られる状況がリアルに伝わります。町内会・自治会長が感じている今後の団体存続への危機意識は非常に高いと思いました。  そこでお伺いします。今回の町内会・自治会等実態調査では,町内会・自治会長などの役員の方々から,地域活動や団体運営上の課題について,どのような意見が多く出されているのでしょうか,お答えください。  私は,昨年の2月定例会総括質問において,それらの地域活動を継続していくための課題を解決する方法,すなわち将来にわたって地域の担い手を確保するための方法として,定年退職をした方々に地域活動を行う一員になってもらうこと,次に,子供たちが地域活動に関わることができる機会を取り入れること,そして地元企業が地域活動に参加するようになること,以上の三点が鍵になるのではないかと述べさせていただき,本市のお考えと取組状況についてお聞かせいただきました。  さらに,神奈川県で行われている多様な主体によるプラットフォームの立ち上げと地域住民を活動の場へつなぐ取組を紹介し,持続可能な地域づくりに向けて,他都市の取組事例などを参考にしながら,有効な仕組みづくりに着手していただきたいと提案しました。  今回の実態調査の結果でも地域団体の役員の方から,団体運営の最大の課題として担い手不足が挙げられています。また,地域コミュニティーへの市民意識調査では,地域活動へ協力しない理由として,活動に協力する時間がない,また,役員を引き受けるのが面倒といった回答が多い一方で,地域とのつながりは大切であるとの回答も多い結果となっています。  そこでお伺いします。広島市は,今回の町内会・自治会等実態調査の結果を踏まえて,住民の地域活動への参加や協力に対する認識についてどのように分析していますか,お答えください。  私自身,この調査結果から,地域活動は必要ないという意識の人々も確かにいるかもしれませんが,地域活動に関わるとどこまで協力を求められるのか,何をさせられるのか分からないという不安感,また,仕事や家庭に時間を取られている中,活動に協力しろと言われても難しいという物理的な問題,この二つが協力しない大きな原因と感じています。そして,このような状況を踏まえたとき,地域活動を活発に行い,住民同士がしっかり関わる地域コミュニティーをつくるには,昨年の答弁のように,活動の担い手と期待される方々に積極的に働きかけることも重要ですが,もう一つ,そもそも地域活動のやり方は,地域住民が広く参加・協力できるものになっているのか,そして地域団体もそのような運営方法となっているのか,いま一度検証し,活動のやり方や団体運営そのものから見直す必要があるのではないかと感じるようになりました。  現在,人々の日々の生活を支えている地域活動の多くは,ボランティア団体やNPO団体ではなく,町内会・自治会をはじめとする地域団体が行っています。そして,地域活動は,地域団体に属する役員をはじめとする担い手によって支えられています。地域活動の担い手が様々な役職を引き受けながら,多くの活動を掛け持ちするのはよく見る光景ですが,中には内容がよく似た活動,また,おのおのの活動を連携すればより効率的に行うことができるものもあるかもしれません。しかし,多くの団体は今までのやり方を続けており,地域コミュニティーが衰退している地域では,徐々に活動を続けられなくなるだろうと思います。地域団体の置かれている立場を考えると,その組織体制や運営方法をもっと住民にとって協力しやすい,分かりやすい形に改めていき,そしてそのことが新たな担い手確保や育成の近道になると思います。この二つの問題への対策は,車の両輪のようにうまく連動して進めていくべきものであり,対症療法的な活性化策を充実しただけでは活発に活動する地域コミュニティーの実現は難しいのではないかと考えます。  市も私と同じ危機意識をお持ちであるがゆえに,このたび地域コミュニティ活性化ビジョンの策定に着手し,地域コミュニティー在り方そのものを見直して,これからの地域コミュニティーのあるべき姿を模索することにしたのだと思います。現時点ではまだ来年度のビジョン策定に向けての作業を進めている途中であり,このような質問に答えるのは難しいかもしれませんが,今,可能な範囲でお答えいただければと思います。  そこでお伺いします。地域活動が活発に行われる地域コミュニティーを形成するため,地域団体の組織体制や運営方法の見直しを図るべきと考えますが,市として,この問題に対し,どのように検討していきたいと考えていますか,お答えください。  御承知のとおり,福岡市では,平成14年度から市民検討委員会を立ち上げ,住民が自己の責任と判断で地域社会の事柄を決定,実現するコミュニティーの自立経営が必要との考えの下,自治協議会という新しい地域コミュニティーを形成し,持続可能な地域づくりに向けて様々な取組を総合的に行っています。広島市とそれぞれ成り立ち,歴史,文化などは当然異なり,福岡市の実例をそのまま広島市に当てはめるのは適当ではありませんが,取組のきっかけは今の広島市の現状と共通する部分が多く,ぜひとも福岡市の取組を参考とし,有用な取組については,広島市に合う形にアレンジしつつ,導入されてみてはいかがかと思います。  次に,市営基町駐車場周辺の再開発事業についてお伺いします。  私は,平成30年の9月定例会において,老朽化が進み耐震基準を満たしていない市営基町駐車場への対応と,平和記念資料館と原爆ドームをつなぐ南北軸線上にある広島商工会議所ビルの建て替えという課題,そして都心の交通はマイカーではなく公共交通にウエートを置くべきであるというまちづくりの方向性をお示ししながら,商工会議所ビルの移転に伴う市営基町駐車場周辺での再開発を強力に推進するよう提案をさせていただきました。これは,1,紙屋町・八丁堀地区をはじめとした都心の活性化,2,議論の開始から十数年が経過している商工会議所ビルの建て替え問題,3,さらには広島市にとって長年の懸案事項であった平和都市を象徴とする南北軸の景観形成という三つの課題を一気に解決するまさに一石三鳥,千載一遇のチャンスだという思いで提案をさせていただいたものです。  この提案に対して松井市長から,市営基町駐車場については,その在り方を抜本的に見直し,都心のにぎわいの創出や魅力向上に資する施設へと変更することが本市の都心のまちづくりを進めていく上で非常に有益であると考えていること,その上で,商工会議所ビルの移転に伴う市営基町駐車場周辺での再開発は,紙屋町・八丁堀地区の活性化を加速させるリーディングプロジェクトになるものと考えており,ぜひとも実現していきたいという非常に力強い決意に満ちた答弁をいただきました。  その後,令和2年6月に策定された第6次広島市基本計画において,楕円形の都心づくりのリーディングプロジェクトとして,商工会議所ビルの移転に伴う市営基町駐車場周辺の再開発が盛り込まれたところです。  また,令和2年9月には,国から都市再生緊急整備地域に指定されている紙屋町・八丁堀地区と広島駅周辺地区の一部が税制優遇などがさらに拡充される特定都市再生緊急整備地域に指定,言わば格上げとされたところであり,このコロナ禍にあっても都心における再開発の機運は大きく高まっています。  さらに,平成30年9月に,私が提案を行ってから2年余りの間で商工会議所ビルに隣接する中央公園の活用方策の議論は大きく進展し,サッカースタジアムの建設,旧広島市民球場跡地イベント広場の整備など,中央公園一帯が都心の新たなにぎわいの核となる絵姿が具体的に見えてまいりました。都心の活性化をさらに加速させるため,リーディングプロジェクトである市営基町駐車場周辺の再開発事業は早期の事業着手が期待されるところです。  そこでお伺いします。商工会議所ビルと市営基町駐車場の財産交換により,商工会議所がこの再開発事業に参画する方向で協議していると聞いていますが,この財産交換はどのような考え方で行われるものなのでしょうか。また,この再開発によってどのような機能が導入されるのか,また,今後はどのように進めていかれるのかお答えください。  最後に,広島市・湯来町合併建設計画についてお伺いします。  平成の大合併により,平成17年4月に広島市と湯来町が合併をして,早いもので16年が経過をしようとしています。これまで合併建設計画の推進により,温泉を活用した交流施設をはじめ,道路・街路,上下水道の整備や,公民館や保育園,小・中学校の整備など,37の事業に取り組んでいただきました。広島市・湯来町合併建設計画は,合併後の湯来地区のまちづくりの目標や方向を実現するため,平成17年2月に広島市・湯来町合併協議会において作成されました。事業費289億5600万円,そのうち220億5800万円が道路・街路事業,計画期間は,当初,平成17年度から平成26年度までの10年間としていましたが,その後,平成24年に東日本大震災により法改正が行われ,合併特例債の適用期間が延長され,平成26年12月議会の議決を経て,令和2年度末までの16年間となりました。  先ほど申し上げました37の事業の対応状況につきましては,毎年,決算特別委員会の開催に合わせて当局より情報提供いただいたり,場合によっては区役所の担当課と進捗状況等について情報交換をさせていただいています。  しかしながら,昨年9月の資料を見てみると,昨年度末時点で道路・街路・河川事業の8事業と県事業である通常砂防事業1事業が完了していません。また,合併特例債についても昨年度で発行上限額に達しているとお聞きしています。  御承知のとおり,合併建設計画の事業のほとんどが道路・街路事業であります。これまで非常に道路事情の悪かった湯来地区の住民にとって,これらの道路・街路事業の完成は念願であり,大きく生活環境を改善してくれるものと大きな期待を寄せていました。あわせて,本市が湯来地区に求める観光振興,定住促進,交流人口の増加,企業の誘致等,これらの大きな課題を一歩一歩前進させていく上でも道路・街路事業を完結させることは不可欠であります。  そこでお伺いします。本年度末で計画期間が終了する,また,既に合併特例債が発行上限額に達している中,今後,事業を中止したり,用地交渉が成立しても事業が進まないということがないよう,引き続き早期に事業完了に向けて尽力していただきたいと思いますが,本市のお考えをお聞かせください。  また,合併建設計画には,街路事業として,都市計画道路駅前線の整備も含まれていますが,既に事業開始後24年が経過し,朝夕を中心に五日市駅方面に向かう車が日常的に渋滞を引き起こしており,地域の住民にとって,新たな路線の一日でも早い完成を願うばかりですが,本事業の現在の進捗状況並びに今後の見通しについてお聞かせください。  以上で私の総括質問を終わります。長時間の御清聴,誠にありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       宮崎議員からの御質問にお答えします。  サッカースタジアムの建設についてのうち,本市のまちづくりにおけるサッカースタジアムの役割についての御質問がございました。  サッカースタジアムを建設する中央公園は,紙屋町・八丁堀地区という都心の中にあって,各種公共施設が配置される緑豊かな空間であり,市民に憩いを提供する場としての役割を担うなど,重要な都市機能を有する貴重な資産であります。この貴重な資産については,今後とも市民・県民のために有効活用できるようにしていくことが重要であり,本市のみならず,広島県全体の活性化や中枢拠点性の向上といった広域的な視点に立って整備していく必要があると考えております。  こうした考え方の下,サッカースタジアムを含む中央公園広場の整備に当たっては,スタジアムと広場エリアが一体的な空間となったスタジアムパークとして整備することによって,広島を訪れた方々が必ずこの地に立ち寄りたいと思う魅力的な空間,場所とし,中央公園広場全体を年間を通じて広域から多世代の方々が集うにぎわいの拠点としていきたいと考えております。  また,サッカースタジアムの建設とともに,旧市民球場跡地方面と広島城方面をつなぐペデストリアンデッキを整備することとしておりまして,公園内の回遊性が向上することに併せて,旧市民球場跡地のイベント広場の整備や広島城三の丸のにぎわい施設整備等の周辺の取組と連携することによりまして,相乗効果が期待されるものであります。  このように,サッカースタジアムは新たなにぎわいを生む拠点となるとともに,このエリアを中心として多くの人々が回遊し,さらに周辺がにぎわうという好循環を生み出し,本市,ひいては広島県全体の持続的な発展を牽引する存在になるものと確信しておりますので,その具体的なイメージが目に見える形になっていくことで,県においても県全体の活性化につながるものであるとの理解が深まっていくものと考えております。  このサッカースタジアムの建設に当たっては,広島県知事,広島商工会議所会頭,サンフレッチェ広島会長と共に推進してきましたが,このたびから国際試合やアマチュア利用の観点から広島県サッカー協会会長にも検討に加わっていただき,より強固な協力体制を構築したところであります。そして,先月開催いたしました建設推進会議において,令和6年の開業を目指すという事業スケジュールなどについて,関係者間で改めて認識を共有いたしました。事業主体である本市としては,サッカースタジアム建設を待ち望んでおられる皆さんの期待に最大限応えていくため,責任を持って着実に推進していかなければならないという思いを新たにしたところであります。  今後とも関係者としっかり合意形成を図りながら,力強く推進していきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    サッカースタジアム建設について,二点の御質問にお答えを申し上げます。  サッカースタジアムを具体的にイメージできるものはいつ頃公表されるのか,また,今後の整備スケジュールはどうなっているのかについてです。  サッカースタジアムの整備に関しましては,設計と施工を一括で発注するデザインビルド方式を採用しており,今月16日に事業者からの提案を受け付けたところでございます。  今後は,事業者選定審議会において提案内容を審議・評価し,事業者を選定することとしております。  事業者選定に伴いまして,3月末には中央公園広場全体のコンセプトやスタジアムの整備計画などが盛り込まれた具体的な提案内容とともに,整備後のイメージパースが明らかになりますので,市民・県民の皆様に速やかに公表したいと考えております。  今後の整備スケジュールにつきましては,来年度,基本・実施設計に着手し,順次,建設工事,開業準備に取り組んでいくこととしており,令和6年の開業を予定しております。  次に,県・市の負担割合についての調整状況と合意に向けた取り組み方についてお答えを申し上げます。  県・市の費用負担については,9月議会で債務負担行為予算の承認をいただいて以降,県当局としっかり協力しながら,県の負担についての理解を得るための取組を進めてきたところですが,先月開催した建設推進会議において県知事から,県としても応分の負担をする考えはあるが,現時点では県民や県議会に説明できる実現可能な具体案がまだできておらず,県の費用負担を判断できない状況にあり,令和3年度当初予算への計上は難しいとの考え方が示されたところです。  したがって,費用負担についての県との合意に向けては,これまで県・市が共同して本事業に取り組んできた経緯等を踏まえつつも,県議会議長から知事に対して,スタジアム建設についてちょっと立ち止まり,総力を挙げてコロナに立ち向かうべきだという申入れがあったことなども配慮しながら,3月末には明らかとなる具体案を用いて,費用負担についてできるだけ早期に合意できるよう取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について,数点の御質問に順次お答えいたします。  初めに,本市における現在の感染状況はどうかについてです。  本市では,昨年12月以降,急速に感染が拡大し,12月11日には感染状況を示す指標の一つである直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が25人を上回り,ステージ4相当となりました。その後,広島県と連携した集中対策を実施したことにより,感染拡大に歯止めがかかり,直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は,1月18日以降,ステージ2の水準で安定的に推移しており,さらに2月12日以降は広島県の警戒基準値を継続して下回っております。  次に,昨年12月以降,感染者が急増した要因についてどのように考えているのか,また,今後,新規感染者の発生を抑えていくにはどのような対策が必要だと考えているのかについてです。  昨年12月以降,本市において感染者が急増した要因については,東京など感染拡大地域との往来により感染した方が会食や職場で感染を広げ,そこで感染した方から家庭内に感染が広がり,さらに家庭内で感染した方が勤務先の高齢者施設や医療機関,事業所などで感染を広げたことによるものと考えております。  新型コロナウイルス感染症は,誰もが感染し得る強力な感染症であることから,新しい生活様式,すなわち身体的距離の確保やマスクの着用,手洗いの三つを基本とし,生活の各場面での三密を回避することを市民一人一人が徹底することが最も重要と考えております。  また,感染が拡大している他の都道府県への往来については,御自身でその地域の感染状況など様々な情報を確認し,感染が拡大している地域への不要不急の往来は控え,往来せざるを得ない方は,感染対策が徹底できている施設の利用を心がけるとともに,自らも三密対策を講じていただくことも必要です。加えて,熱やせきなど,ふだんと体調が違うと感じた場合は,外出を控え,速やかに身近な医療機関を受診する必要がございます。  感染の拡大を再び繰り返さないためには,市民一人一人が感染を広げないという強い意識を持って行動していただくことが重要であることから,引き続き市民への啓発に取り組んでまいります。  次に,12月以降,死亡者が増加していることの要因について,どのように考えているのかについてです。  昨年12月と本年1月に本市の死亡者が増加した要因については,この2か月間でそれまでの感染者数の5倍余りとなる約2,700名の感染者が発生し,このうち重症化リスクの高い65歳以上の高齢者が感染者の4分の1に当たる約700名と大幅に増加したことによるものと考えております。  次に,県が実施するPCR検査について,市はどのように考え,どのように関わっていくのかについてです。  明日から試行的に実施されるPCR検査について,広島県からは,今後の本市における感染の拡大に備えて,検査の実施体制の精度を高めることを目的として行うものであると聞いており,本市としては,県が立てる対策を確実かつ着実に実行し,感染拡大を防止するという立場にあることから,円滑な実施に向けて,県と連携して対応していきたいと考えております。  このため,検査の実施に伴い,患者が確認された場合には,本市は患者に対する積極的疫学調査を実施するとともに,病院や宿泊療養施設への搬送業務を実施することになりますが,検査については,県が全て民間の検査機関に委託して実施すると聞いており,本市の衛生研究所では検査を実施いたしません。  次に,ワクチンの接種はどういったスケジュールで,どのような場所で行うのか,また,中山間地域や島嶼部など人口の少ない地域での接種について,どのように考えているのかについてです。  新型コロナウイルスワクチンの接種スケジュールは,現時点における国からの通知を踏まえれば,2月17日から国が医療従事者を対象に医療機関で先行接種を行い,3月中旬に県が医療従事者や保健所の職員,救急業務に従事する職員などを対象に,医療機関等で優先接種を行う予定です。  一方で,市民への接種は,本市が4月上旬から市内に約30万人在住の65歳以上の高齢者を対象とした接種を行い,その後,接種時期は未定ですが,国・県が接種した者を除く65歳未満の方を対象に接種を行います。このため,現在,高齢者向けの優先接種を4月上旬に開始できるよう準備を進めているところです。  接種する場所については,各区の保健センターなどの公共施設や民間商業施設などに会場を設置して接種を行う集団接種と医療機関等で行う個別接種とをどのようにして組み合わせると利便性が高くなるかという視点に立って検討を行っております。  また,中山間地域や島嶼部につきましては,地域にある学校などの公共施設を会場にして,できる限り身近な場所で接種をしていただけるようにすることを検討しております。  次に,接種に対して不安を抱いている人も多くいる,安心して多くの方に接種を受けてもらうためにどのように周知を行うのかについてです。  ワクチンの接種に当たっては,多くの住民が接種に対して不安を感じることなく安心して接種を受けることができるよう,必要かつ適切な情報を発信することが重要と考えております。このため,接種の方法や国から発信されるワクチンの効果や副反応に関する情報などを本市のホームページや広報紙,広報番組に加えて,報道機関やデジタルサイネージを所有する民間企業の協力も得ながら,例えば副反応の発現等があれば,分かりやすく丁寧に市民の皆様にお伝えするという方針で対応していきたいと考えております。  最後に,LINEのように幅広い世代で使われているアプリを接種の予約に活用すれば,利便性が高まり,接種率の向上につながる可能性があると考えるがどうかについてです。  本市では,誰でも簡単にワクチンの接種予約ができるよう,本市単独でワクチン接種に係る予約コールセンターを設置するとともに,予約専用ウェブサイトへアクセスして,希望する日時と場所を入力していただく予約システムの構築に向けて準備を進めているところです。  一方,議員御提案のLINEは多くの世代で使われているアプリであり,本市では,本年3月からLINEの公式アカウントを開設する予定であることから,現在,当該アプリを活用した接種の予約について検討しているところです。
     以上でございます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   持続可能な地域づくりについて,三点の御質問に順次お答えをいたします。  まず,町内会・自治会等実態調査では,町内会・自治会長等の役員の方々から,地域活動や団体運営上の課題についてどのような意見が多く出されているのかについてです。  今回の調査では,地域団体の代表者である町内会・自治会長と地区社会福祉協議会及び連合町内会・自治会長に対し,おのおのアンケート調査を行っており,議員御紹介の中間報告では,回答の集計が完了した町内会・自治会長向けのアンケートの結果に基づいた分析内容を報告いたしました。  まず,地域活動の課題については,約4割の町内会・自治会が活動への参加者が減少していると回答しており,その理由を,地域に興味がない住民が増加や,活動に参加する時間が取れない住民が増加とする意見が多くありました。また,現在注力している活動は,お祭りや住民間の親睦活動が特に多くなっていますが,今後は防災活動や高齢者等の支援活動を充実することが必要であるといった意見も多くありました。  次に,町内会・自治会の運営上の課題については,加入世帯の減少と役員の高齢化・後継者不足の二つが多くなっております。加入世帯数については,4割強が減少と回答しており,その理由を高齢者の脱退や活動への住民の関心が低いとする意見が多くありました。また,役員の高齢化については,町内会長の約半数,役員全体の約4割の方が70歳以上となっており,後継者不足の原因については,住民から役員の負担が大きいと思われているためが特に多く,次いで,地域活動を行う時間が取れない人が増加,地域のために頑張りたいと思う人が減少の順となっています。  また,ほかにも自由意見として,住民から町内会加入に何のメリットがあるのかと聞かれると答えに窮する,子供会の加入率が減少している,親が協力しないなどの理由により,子供会の活動が停滞しているといった意見が数多くありました。  次に,市は,実態調査の結果を踏まえて,住民の地域活動への参加や協力に対する認識についてどのように分析しているのかについてです。  今回の調査では,町内会・自治会の結成区域と未結成区域に分けて,おのおの市民意識アンケートを実施しました。まず,結成区域においては町内会・自治会への未加入理由,また,未結成区域においては結成する必要性を感じない理由のどちらも,役員を引き受けるのが面倒や地域活動に協力する時間がないといった意見が多くなっています。また,両方の区域ともに約7割の住民は住んでいる地域が好きと回答する一方で,地域活動へ積極的に参加したいと回答した住民は,結成区域では約2割,未結成区域では約1割にとどまっています。さらに,結成区域で地域活動に参加していない住民にその理由を尋ねたところ,時間の余裕がない,次に,活動がどんなものか分からないといった回答が多くなっています。  この結果から,多くの住民が自分の住んでいる地域に愛着を感じ,あるいは地域活動に感謝しつつも,地域活動へ参加することによる責任や負担の度合い,またそれに伴う生活時間の確保方法などについての情報不足が地域活動への参加の回避につながっていると考えられます。  このような現状を改善するには,まずは現に地域活動に参加している市民が納得し,さらに活動しやすいものとなるよう組織体制や運営方法を改善するとともに,地域活動への参加を回避しがちな市民に対しては,住民同士が支え合い,助け合うことの意義や地域活動の果たす役割などを分かりやすく伝え,参加を促すための効果的な方策を検討していく必要があると考えています。  最後に,地域活動が活発に行われる地域コミュニティーを形成するため,地域団体の組織体制や運営方法の見直しを図るべきと考えるが,市として,この問題に対し,どのように検討していきたいと考えているのかについてです。  このたびの町内会・自治会等実態調査においては,複数の代表者の方から,地域団体同士の連携強化とそれを担保する仕組みの必要性について指摘されました。また,一部の地域では以前から,個々に活動している地域団体同士の連携を深めるため,新たな話合いの場を設けたり,そのための組織を形成する動きが出ていることも聞き及んでいます。さらに,昨年,新型コロナウイルス感染症対策として行った地域福祉団体への応援金支給の過程においても,その調整を行う地区社会福祉協議会と各地域団体との話合いが重ねられ,互いの活動実態等を再確認するとともに,相互理解を深める契機にもなったと承知をしております。  地域団体の組織体制や運営方法,団体間の役割分担についての見直しに当たっては,このような実例や今回調査でいただいた地域団体の代表者の皆様の意見を参考にしながら,また,都市部や中山間地域等の地域特性に配慮するとともに,幅広い年代や企業に勤める方々など,多様な主体が担い手として参画することを容易にするための方策についても検討したいと考えています。  さらに,こうした検討に併せまして,これまでの行政側の支援策や支援体制の成果分析を行い,その充実・強化のための方策を検討することとしており,来年度開催する懇談会等で関係者の皆様と十分な対話を行いながら,総合的な支援策を地域コミュニティ活性化ビジョンの中でお示ししたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    市営基町駐車場周辺の再開発事業について,二点の御質問にお答え申し上げます。  商工会議所ビルと市営基町駐車場の財産交換の考え方について,まずお答えを申し上げます。  市営基町駐車場については,本市における人中心のウオーカブルで回遊性のあるまちづくりという方針に沿って用途廃止することとし,その跡地については,都心のにぎわいの創出や都市機能の充実・強化など,都心の活性化のために活用するという観点から,周辺の民有地と一体となった再開発事業の実現に向けて検討を深めてまいりました。  こうした中で,建設から半世紀以上経過し,建て替えが必要となっている商工会議所ビルは,この際,他の場所に移転するとすれば,原爆ドームの背景の景観改善につながることから,平成30年9月,商工会議所に対し,市営基町駐車場周辺における再開発事業の検討に併せた同ビルの移転・建て替えについて提案をいたしました。  その後,議論を重ねた結果,本市と商工会議所が一丸となった再開発事業を行うためには,金銭のやり取りを最小限に抑え,地権者の一人として事業参画するほうが円滑に作業を進めることができると考え,再開発事業に先立ち,財産交換を行うこととしたものでございます。  財産交換の具体的な内容としては,市営基町駐車場については,駐輪場の機能は残しつつ,全体としての駐車場という用途は廃止して,廃止する駐車場の部分とそれに相応する土地の持分を対象とし,商工会議所ビルについては,建物と土地を対象として,それぞれ鑑定評価を行った上で等価交換するというものです。  現在,このような方向性の下,財産交換後の両施設の管理・運営に関する取扱い等を含め,商工会議所と詳細な協議を進めております。本市としては,商工会議所と合意に至った後に速やかに仮契約等の手続が行えるよう,等価交換に伴う交換差額金の支出を来年度当初予算案に計上させていただいたところであり,令和3年度中のできるだけ早い時期に財産交換を行いたいと考えております。  次に,この再開発への導入機能と今後の進め方についてお答えを申し上げます。  再開発事業の区域は特定都市再生緊急整備地域に含まれており,同地域の地域整備方針では,整備の目標として,国内外からさらに多くの人や企業を引きつける大規模オフィスやホテルなど,次世代の社会を見据えた国際水準の都市機能の集積・強化を推進することを掲げております。本再開発事業では,こうした方針に沿った機能を導入する方向で協議・調整が進んでおります。  具体的な導入機能については,現時点で正式に決定しているものはございませんが,本市としては,商工会議所,オフィス,ホテル等が入る高層棟と別棟により変電所,市営駐輪場がそれぞれ整備されるものと想定をしております。  次に,スケジュールについては,現在,関係権利者等の間で再開発の具体的な内容や事業スキームを盛り込んだ計画の早期合意を目指しているところです。この合意が得られ次第,まずは令和3年度中の都市計画決定を目指して調整を進め,その後,市街地再開発事業の事業認可及び権利変換計画認可といった行政手続を経て,令和5年度頃に工事に着手し,令和9年度頃には高層棟と変電所が竣工することを想定しております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   広島市・湯来町合併建設計画について,本年度末で計画期間は終了するが,今後,事業を中止したりすることがないよう,引き続き早期の事業完了に向けて尽力してもらいたいと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。  広島市・湯来町合併建設計画は,広島市と旧湯来町の議会の代表者や理事者などで構成する合併協議会の合意を経て作成され,市議会の議決を受けたものであり,本市は計画を尊重し,着実に実行する必要があります。このため,計画期間内の全事業完了を目指しこれまで鋭意取り組んできた結果,全37事業のうち,交流施設や小・中学校の整備など28事業は完了したものの,道路・街路整備など残る9事業については,用地交渉が難航していることなどから,期間内に完了することが困難となっております。  本市としましては,合併建設計画の着実な実行こそ,広島市と旧湯来町との合併を実りあるものとするために必要不可欠なものであると認識をしております。今後とも粘り強く用地交渉を行うとともに,事業費の確保についても最大限配慮しながら,事業を中止することなく着実に進め,早期の完了に向けて全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   広島市・湯来町合併建設計画についての御質問のうち,都市計画道路駅前線の現在の進捗状況と今後の見通しについてお答えいたします。  駅前線は,佐伯区五日市周辺の住宅団地などを相互に連絡する環状型道路ネットワークの一部を構成する重要な路線であり,JR五日市駅北口から八幡東三丁目の石内バイパスに至る延長2.3キロメートルの道路ですが,その中央付近の約600メートル区間が事業中であるため,全線完成に至っておりません。  この区間については,用地境界の確定作業等が難航して用地取得に日時を要してきましたが,ここ数年で進展が見られ,現在は山林の一部の用地を残すのみとなりました。また,工事については,今年度,皆賀川をまたぐ橋梁の下部工事に着手したところです。  引き続き残りの用地取得に全力を注ぎ,令和7年度の完成を目指して取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       29番宮崎議員。 ◆29番(宮崎誠克議員) ありがとうございます。  コロナ禍でなかなかコロナの収束が見通せない中,これからワクチンの接種が始まるということで,本当に息つく暇もない中,また,財政の上でも,昨年発表されました財政運営方針でも4年間で110億の収支不足が見込まれる大変厳しい中,本当に前向きな御答弁をいただいたと思います。今回ちょっと質問が多岐にわたりますので,詳細につきましては,進捗状況を見ながら,今後,また委員会等で質問させていただきたいと思います。  ちょっと一点だけ再質問といいますか,ちょっと確認をさせていただきたいと思います。  市営基町駐車場周辺の再開発事業についてですが,御承知のとおり,この再開発事業は,事業区間が相生通り沿いの本当に都心の一等地ということで,都心の活性化に資するための機能が非常に重要というのは認識をいたしております。先ほど都市整備局長から,導入機能について,正式ではありませんが,商工会議所,オフィス,ホテル等が入る高層棟と別棟に変電所と市営駐輪場が整備されると想定していると御答弁をいただきましたが,それとは別に,先月だったと思いますが,商工会議所の池田会頭が,経済誌の新春のインタビューで,再開発ビル内に商工会議所のみならず,行政などと連携して,地域の産業支援機関を集約できればと思っていますと述べられています。この産業支援機関の集約について,広島市としてどのようにお考えなのかお聞きして,私の質問を終わりたいと思います。 ○山田春男 議長       都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    今,議員のほうから御紹介ございましたように,商工会議所会頭の記事,私も拝見させていただきましたが,産業支援機関をこの再開発のビルにこの機会に関係者と連携しながら集約するというようなことが実際にできるようになれば,確かに交通の便のよい都心でございますので,中小企業支援のワンストップサービスがそこで実現されるということになると思います。非常に市民の利便性向上にもつながることだというふうに考えておりますので,再開発事業によります都心機能の集積・強化,これと中小企業の支援強化,こういったものが相乗効果を生むことになると,非常にこの事業自体がさらにリーディングプロジェクトとしてふさわしいものになるというふうに理解してございます。本市の産業支援機関をこの再開発ビルに集積することについても,私ども都市整備局としては,関係部局ともよく相談をしながら,前向きに検討させていただきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       次に,32番三宅正明議員。                〔32番三宅正明議員登壇〕(拍手) ◆32番(三宅正明議員) おはようございます。  自民党・保守クラブの三宅正明でございます。よろしくお願いいたします。  さて,私たちの今日までの1年間を振り返るとき,新型コロナウイルス感染症に対することで,パンデミック,ロックダウン,医療崩壊の危機,三密を避ける,新しい生活様式,緊急事態宣言,PCR検査,国民へのお願いなどの言葉が聞かれなかった日は一日もございません。連日,新型コロナウイルス感染症新規感染者数や医療現場の逼迫の状況,経済的に追い込まれていく人々の暮らしぶりなどが報道され,対応策としての医療や経済対策などの政治の対応を聞かなかった日もないと思います。前代未聞,大規模かつ未曽有の危機において,私たちはどうすればよいのかを常に自問自答し,また,日頃私たちの健康を守ってくれている医療現場は少数の善意の医療従事者によって支えられていることや,通常であれば見落としがちな私たちの生活維持のために働いていただいている方々の存在を知り,感謝しつつ,新型コロナウイルス感染症流行前の日常はいつ戻ってくるのか,そしてそれまでに何か解決策はないのかと政治に答えを求めています。だからこそ,皆,政治リーダーのメッセージを注意深く聞き,答えを求めているのだと思います。もちろん政治や行政は万能ではありません。しかし,危機だからこそ,政治,そして行政に求められる役割は大変大きく,苦しい選択であっても完遂する必要があると考えます。  私は,このたびの総括質問において,現在の社会情勢から,市民に対してむやみに不安をあおるのではなく,混乱することがないようきちんと伝えるためにはどうすればよいのかをテーマに質問してまいりたいと存じます。しばらくの間,御清聴をよろしくお願いいたします。  まず初めに,県と市の関係についてお伺いいたします。  本年度で松井市長が就任されて10年がたちます。松井市長は就任以来,それまでぎくしゃくしていた県と市の関係について,自分がやりたいことは認めろ,相手のは認めないというのは意味がない,トータルで何がベストかを相手と相談し,譲歩し合うよう調整するのが当然であると述べられ,県・市にある二重行政の解消が課題であるとの認識の下,どちらか一方に事務事業を集約すると考えがちだけれども,一緒に実施したり,あるいは役割分担をしながら実施することが効果的な事業もあるとして,平成24年に広島県・広島市連携のための合同研究会を設置されました。目的は,県民・市民にとってより有益なサービスを提供すること,そのため,県・市の役割分担,連携方策を整備する。以来,県・市の役割分担,さらに国との関係性についても,国・県・市の役割分担というキーワードは,松井市長就任10年間における二度の豪雨災害からの復旧・復興やこのたびの新型コロナウイルス感染症対策においても言われ続けている言葉であります。  成熟した日本社会において,国を挙げて統合的に対応しなければならない事務も,個別具体的な地域の事情によって機動的に対応しなければいけない事務と,そして中間的な事務,それらに対して案件に応じて適切な役割分担をし,執行体制について共通認識をつくることが重要であると言われています。  しかしながら,現在,譲歩し合い,調整をし,共通認識を持ったとしても,最終的には事業の主体をどちらにするか,つまり費用負担において折り合いがつかない事例が散見されます。県の来年度の当初予算案も市の当初予算案も厳しい財政状況でありますので,費用負担について慎重になることは理解いたしますが,市民から見れば,結局成果が見えない状況が続いているだけであります。また,それに起因して,新型コロナウイルス感染症という大災害においては,県や市の政治メッセージが正しく伝わらない,県と市はちゃんと調整しているのか,ちゃんと役割分担しているのかとのお声をいただいております。  そこでお伺いしてまいります。  平成26年8月20日の豪雨災害以降,県は,土砂災害特別警戒区域,いわゆるレッドゾーンを従前より綿密に広げました。このこと自体は,長年,個人が所有する土地の価値を下げるとの意見から進まなかったことが,災害発生によって理解が得られやすくなり,住民にとって危険な箇所が目に見えて分かるようになったという一定の効果はあったと思います。しかしながら,広島市が従前より指定していた避難所及び福祉避難所が土砂災害特別警戒区域の指定により区域内に立地してしまうという矛盾が発生しております。言うまでもなく,災害時に避難する避難所が土砂災害特別警戒区域という危険な場所にあってよいはずがありません。  そこでお伺いいたします。現在,広島市が災害時に指定している避難所及び福祉避難所のうち,土砂災害特別警戒区域に立地している避難所は何か所ありますか。また,レッドゾーンには立地していないが,避難所までの避難経路がレッドゾーンにかかっている避難所は何か所ありますか,お答えください。  避難所がレッドゾーンに立地している場合,避難所の場所を変えるか,レッドゾーンにおいて,急傾斜地崩壊防止対策や砂防堰堤の整備等の防災工事を実施し,指定事由がなくなったと県が判断すれば指定が解除されると聞いておりますので,工事を行うかの選択があると思いますが,市はどう考えておりますか。また,県とどのような調整や役割を分担されておりますか,お答えください。  次に,避難所までの避難経路がレッドゾーンにかかっている場合も同様に,避難経路を変更するか,道路整備を行うかの判断が必要と思いますが,市はどう考えておられますか,お答えください。  次に,PCR検査についてお伺いいたします。  PCR検査は,新型コロナウイルス感染症の場合,指定感染症の二類相当と位置づけられているため,感染者の感染経路の特定や隔離,濃厚接触者への義務づけなどが定められております。これにより,広島市の保健所は,PCR検査で陽性者が判明した場合,直ちにそれらの調査に乗り出し,適切な処理を行わなければなりません。つまり多くの陽性者が発生したときには,広島市の保健所は,自身の事務処理能力を超え,機能不全に陥る可能性もございます。  そこでお伺いいたします。県は広島市での大規模な無料PCR検査を実施する方針を打ち出し,現在は感染者数の減少により,中区の一部での試行実施に変更されましたが,無料PCR検査の実施に当たり,その方針決定について,県と市はどのような調整を行ったのですか,お答えください。  また,無料PCR検査は市民の中でも様々な意見がございました。陽性反応が出ると仕事を休まなければならないという感染防止と経済活動の両立が難しいといった意見や,任意だから効果がないのではないかといった意見など,アンケートによれば,約半数以上の方が自分は受けないと答えられていました。  そこでお伺いいたします。役割分担の考えの下,市は県に対して,市の検査体制などの現場の状況や市民への周知方法について,どのような調整を行ったのですか,お答えください。  次に,費用負担が課題になる大規模開発についてお伺いいたします。  まず,サッカースタジアムの建設についてです。  広島市は,令和2年第6回広島市議会定例会において,サッカースタジアム及びその関連施設である広場エリア,ペデストリアンデッキの整備に係る補正予算案を債務負担行為の設定として,期間,令和3年度から令和6年度,限度額257億400万を提出され,議決されました。その際,設計と施工を一体的に整備する事業者の公募を行うこと,事業スケジュールを遵守するため,県の費用負担額は提示されながらも,県からの了承は受けていない状況でしたが,今までの経緯から提案されたと理解しております。  そこでお伺いいたします。サッカースタジアムの建設に関して,県は令和3年度の当初予算案に費用負担を計上しませんでしたが,先日の五者会談での県知事の発言を類推して,いつ頃計上していただけると市は考えているのですか,お答えください。  また,スケジュールの関係上,県の負担金を待たずに進めなければいけない状況も考えられますが,その場合,どのような財源フレームで進めるおつもりですか,お答えください。  また,サッカースタジアムの建設に当たっては,長期間にわたって県と市は協議を重ねていたと思いますが,費用負担について,これまでに話し合ったことはないのですか,お答えください。  次に,旧陸軍被服支廠の保存と利活用についてです。  旧陸軍被服支廠は,議会から,広島市の所有ではないが,被爆遺構として後世に残し,伝えていくべきであり,全棟保存と利活用の要望が出されており,これに対して市は,被爆建物は,被爆という歴史的な事実や原爆被害の凄惨さを今に伝える物言わぬ証人であり,失われてしまうと二度と取り戻せない貴重な財産であることから,所有者の意思を尊重しつつ,できる限り保存・継承していただくよう要請している,旧陸軍被服支廠についても,行政として安全対策や財源措置という観点も考慮することは理解できるが,できる限り全棟保存していただきたいと県に意見されました。  本年1月,市長は,旧陸軍被服支廠の利活用について,研究会をつくり協議した結果,所有者と利用者の観点から,費用負担について整理できる局面だとの発言がありました。一方で,県は先日,重要文化財の指定に向けた調査が必要との認識を示されました。  そこでお伺いいたします。重要文化財の指定となれば,その利活用に際しては相応の制約,あるいは近隣への影響などが考えられますが,市は今後,県の動向を待ってから協議するのですか,それとも今から県と市が共同で協議しながら進めるのですか,お答えください。  サッカースタジアムの建設にしろ,旧陸軍被服支廠の保存・利活用にせよ,結局は費用負担が課題となります。ここで考えていただきたいのです。サッカースタジアムの建設に期待する寄附金は,広島市民のみならず,広島県民,ひいては全国から頂いております。旧陸軍被服支廠の保存・利活用も,被爆者団体等をはじめとする多くの方から保存の要望があったと聞いています,ここに多くの民意があるのではないでしょうか。県・市の財政状況が厳しいことで費用負担に慎重になることは理解できますが,納税者の民意が背景にある場合,費用の捻出方法,事業化へのスキームを考え出すことが市民・県民の負託に応えることになるのではないでしょうか。このことをぜひ共通の認識としていただき,進めていただきたいと存じます。  県と市の関係について,最後にまちづくりについてお伺いいたします。  県と市はこの10年間,事業の性格上,県・市の費用負担率が決まっている,例えば東部地区連続立体交差事業については,財政状況の悪化を理由に見直し,予算額の削減を,また,広島空港へのアクセス向上,交通政策の一環としては,広島高速5号線の二葉山トンネルのシールド工法で予算額を増額,さらにその後,契約問題でさらなる増額。私は,これらを見て,費用対効果による財源問題を共通の土台として進めてきたのではないかと分析しております。よく言われます持続可能性も費用対効果があるので継続できるという理論に起因します。逆に言えば,費用対効果がなければ事業化することは難しいとなります。  このたびの総括質問では,費用対効果が低い,もしくは効果がないのだけれども必要なまちづくりについては,後日予定されております予算特別委員会に議論を譲り,県も市も共通に事業化すれば,費用対効果の高い,まさにまちの発展のポテンシャルを秘めた中心市街地,紙屋町・八丁堀地区のまちづくりについてお伺いいたします。  広島市はこのたびの当初予算で,市営基町駐車場と商工会議所ビルの財産交換や,旧広島市民球場跡地イベント広場の整備などの経費を予算計上されております。翻って,県と市は,平成29年におおむね30年後を見据えた広島市都心部の目指す姿やその具体化に向けた施策等を示すひろしま都心活性化プランを共同で策定し,プランに掲げる工程表に基づき進めてこられました。  そこでお伺いいたします。今回提案されている市営基町駐車場と商工会議所ビルの財産交換について,また旧広島市民球場跡地イベント広場の整備について,これまで県と調整・協議したことはございますか,お答えください。  一方,紙屋町・八丁堀地区の一等地である県の所有地について,広島市から意見提案されたことはありますか,お答えください。  私は,まちづくりの観点から,県の所有する資産の利活用について,市は意見を述べてはいけない,述べるのであれば費用負担だ,逆に,広島市が進める事業については,県は意見を述べるが費用は負担するか分からないという状況は,あまりにいびつなのではないかと感じます。大規模災害でも,新型コロナウイルス感染症対策でも,まちづくりでも,その事業主体が県であるか市であるかは費用負担の面では重要かもしれませんが,市民感覚からはどちらでもよいことなのではないでしょうか。行政同士のよさというものは,調整力の高さであると考えている私にとりましては,県・市が共に市民から分かりやすく,目に見える形でのメッセージの発信が,新型コロナウイルス感染症対策に苦しんでいる皆様に対する責任であり,希望であると考えます。厳しい状況であり,昔の上級庁や下級庁といった考え方の歴史があったとしても,お互いに言うべきことは言い,譲るべきところは譲り,互いに尊重することを望みます。  次に,新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。  私は,昨年6月定例会の一般質問において,新型コロナウイルス感染症は,自然災害とは違い,被災地や被災者が特定されず,全員が被災者であり,行政の言う自助,共助が働きにくいと指摘いたしました。あれから1年弱にわたり,今もなお新型コロナウイルス感染症の脅威は収まっておりません。今後実施が予定されているワクチン接種の効果が日常を取り戻すことを心から望んでおります。  1年にわたる自粛,行動規制,新しい生活様式は,市民生活に深刻な影響を与えています。そこで,このたびは,全員が被災者との観点から,高齢者,働く世代,そして子供たちという世代ごとに,また,その中でも立場の弱い方々を対象に,今,目の前で起こっている課題について,市の認識と対応についてお伺いいたします。  まず,医療・保健についてお伺いいたします。  この1年ほど,保健所に注目が集まり,その仕組みを多くの方が理解した年もなかったのではないでしょうか。保健師の方々には,連日厳しい就業環境の中で職務を今もなお遂行していただいていることに改めて心から感謝申し上げます。  そのような中,コロナ後を見据えて,保健所の体制を安定的・恒常的に強化しなければならないとの国の方針により,保健師を増やすことが国から財政措置され,広島市は10名増員するとのことであります。  そこでお伺いいたします。今まで広島市は,保健師を増やすことについて,どういう査定なり人員管理をしてこられましたか,お答えください。  広島市では,昨年4月から,各区の保健師を地区担当制とし,それぞれの担当者が地域と連携を密にすること,また事務負担を軽減することなどにより,保健指導や健康指導をより細やかに行うよう組織改編を行いました。コロナ禍により,当初実施しようとしていた事業もままならなかったとは思いますが,来年度からは各区に保健師が1名増員される予定です。  そこでお伺いいたします。現在,地区担当制を取っている保健師ですが,今後,増員した保健師で広島市の保健所はどのような形になり,市民はどのような行政サービスの恩恵を受けることができるようになるのですか,お答えください。  次に,コロナ禍において,高齢者の外出機会が減少し,寝たきりや認知症など健康被害の出る方が増加すると予測されます。また,高齢者いきいき活動ポイント事業や地域活動の担い手も,活動自粛によってコロナ禍前と同様の活動は難しいと感じている方も多いと聞いております。市としてはどのように対応していかれますか,それぞれお答えください。  高齢者いきいき活動ポイント事業は,保険者努力のインセンティブ交付金がもともとあり,介護予防や医療費削減に取り組んだ自治体には補助金が多く国から支給される仕組みであり,そのお金を保険料の軽減などに使える仕組みであります。そういった意味では継続すべき事業でありますが,コロナ前と同様の活動ができにくいという面がございます。市は,タブレット端末により,リモート活動など試行錯誤されておりますが,運営主体は市ではなく登録団体です。コロナ禍での運営について,市も登録団体も互いに手探りの状況なのではないでしょうか。私は,この状況下においては,市は登録団体に対して,どのような運営方法が望ましいか,御相談するのもよいのではないかと考えます。タブレット端末配付時の説明や連絡等の機会を捉え,それぞれの登録団体にとって活動しやすい環境を共に考えていただきたいと存じます。  次に,経済対策と雇用についてお伺いいたします。  コロナ禍により,働く世代も甚大な影響を受けています。経済対策や雇用の問題となると,すぐに国がやるべき課題であると考えがちですが,広島市で実際に起こっていることを国の役割に押しつけるのではなく,現状を把握し,市としてできることを考え実行することはとても重要です。
     広島労働局が公表している令和2年12月末現在の大学卒業予定者の内定率は79.1%で,10年ぶりに前年を下回りました。また,11月末現在の令和3年3月高校卒業予定者の就職内定率は80.6%と2年連続で前年を下回っています。また,有効求人倍率は増えながらも,正社員の有効求人倍率は下がり,離職者が増加傾向にあります。これらの統計から見えてくることは,コロナ前から引き続いている人手不足はあるものの,事業者側がコロナ禍により先行き不透明感を持ち,採用において非正規雇用を増加させていると推察いたします。  そこでお伺いいたします。大学卒業の内定者が10年ぶりに前年を下回っていますが,市ができることは何と考えていますか。また,特に契約社員,派遣社員,パート,アルバイトといった非正規雇用者に対して,市ができることは何と考えておられますか,お答えください。  次に,広島市において,特に安芸区や安佐北区には,外国人技能実習制度を利用した外国人市民の方々が暮らしておられます。外国人市民がコロナ禍により自国にも戻れず,職もない状況になり,また,言語が通じないなどで地域から孤立することが発生しております。外国人市民への対応は,主に厚生労働省と法務省の管轄ですが,地域との関わりとの点で市ができることは何と考えておられますか,お答えください。  最後に,飲食業者に対する休業補償は,規模の大小によって十分か不十分かの議論はありますが,一部の業種を除き,特に第三次産業の就業者の多い我が市においては,多くの市民生活に影響を与えています。市としての認識と,市としてできることは何と考えておられますか,お答えください。  次に,子供についてお伺いいたします。  コロナ禍において,学校ではマスクの着用が義務づけられていますが,子供たちは相当のストレスを抱えていると考えられます。特に虐待を受けている子供は,学校が唯一の安息地であり,今までは友達と接するなどで心の安寧を得てきた子供たちも多いと思います。また,そうでない子供も,学校で感染者が発生した場合など,心が傷ついている子供たちも多いと考えます。また,昨今は,SNSの普及などで,感染者が出た学校が即座に特定され,また,感染者探しが横行しているとも聞いています。これらのことについて,教育委員会の認識と対応についてお聞かせください。  次に,コロナ禍においてストレスを抱える保護者が増加し,同時に児童虐待が増加傾向にあると考えます。国は児童虐待に対して児童福祉司を1年前倒しでさらに増員する財政措置をされ,我が市においても来年度13名増員するとのことですが,その効果を市はどのように考えておられますか,お答えください。  最後に,児童虐待は,保護者のストレスのはけ口やしつけの未熟さ,経済環境など,様々な要因が考えられます。しかしながら,児童虐待といえば児童相談所の担当と縦割り行政の中で捉えておられますが,虐待に及ぶ要因が複雑である以上,本来,子供に関わる全ての部署で関わる必要があると考えますがいかがでしょうか,お答えください。  最後に,デジタル化についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大により社会が変容する中,多様な分野でデジタル化への課題が浮き彫りになったことで,国は,国民が安全に安心して暮らせ,豊かさを実感できる強靱なデジタル社会の実現を目指し,デジタル庁の創設に向けて動き出しています。  広島市は,国の動きに呼応して,このたびの当初予算でデジタルトランスフォーメーションの推進を提案されております。広島市の情報化の推進は,1990年に策定された広島市高度情報化基本計画を皮切りに,2000年に広島市情報化基本計画,2010年に広島市ICTビジョンというそれぞれ10か年,10か年,5か年の中長期計画を実行され,情報通信基盤の整備と情報利用環境の整備を行ってまいりました。また,平成27年度以降は,基本計画の策定を行わず,国の方針を参考に,本市の課題解決につながる個別政策を推進するとのことでありました。  そこでお伺いいたします。国のデジタル社会の実現の方針を受けても個別政策を推進するのでしょうか,お答えください。  次に,当初予算に掲げられている広島市の言うデジタル化された情報を使いこなす「匠のまち」とは,どういうグランドデザインでしょうか,お答えください。  デジタル化は本来,グランドデザインに向けて必要な組織改革や業務改革を行うための手段としてデジタル技術を用いるべきと考えますが,市はどのように認識しておられますか,お答えください。  平成2年以降,三十余年にわたり,広島市は情報化に取り組み,広島市が公表している主要な施策の成果のうち,情報化の推進について,平成2年度から令和元年度までの30年間の累計決算額は647億5000万円になります。しかしながら,システムの改変や人為的ミスなどにより多くの事務処理ミスを起こし,その都度,再発防止策としてチェック体制の見直しを掲げ,複数の担当者で確認すると言い続けてこられました。これは決して業務改善にはつながらないと考えますがどうでしょうか,お答えください。  デジタル化について,市民から見れば,ミスのない行政事務処理が当然であり,システムの変更により起こり得るリスクを考えれば,現場は業務を変更することに抵抗しがちであります。結果として,旧システムの機能や使い方を温存しつつ,国の予算であるからとの安易な理由で新システムを併用することも考えられます。結果,旧システムと新システムを二重で負担することになり,旧システムの存在が新システムの大きな進化を制限することになります。従前の行政サービスの在り方について,市は市民に対して理解を求め,内部の業務改善と組織改革を同時に行う必要があると考えますが,いかがでしょうか,お答えください。  これで私の総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       三宅議員からの御質問にお答えします。  デジタル化についてのうち,デジタル化された情報を使いこなす「匠のまち」についての御質問がございました。  国においては,デジタル庁創設にも象徴されますように,DX── デジタルトランスフォーメーションの推進に大きく力を入れようとしております。DX── デジタルトランスフォーメーションは,刻々と変化する情報を迅速かつ的確に処理できる高度に優れた技術であり,その技術をうまく使いこなして情報を広く集め,それぞれの部局が情報を共有し,分析の上,組み換えて活用することで,各部局が持っている行政課題に対し,これまで以上に効果的・効率的な対応ができるようになるとともに,行政体制をこれまでの受動的な対応から能動的な対応に変革できるという可能性を持っているというふうに捉えております。  ところで,市が展開いたします行政サービスについては,人口減少・少子高齢化,成熟社会といった状況の中で,行政需要が確実に増えていくとともに,多様化していくというふうに考えられまして,これらに的確に対応していくことが重大な課題となってきているというふうに捉えております。これまでの行政は,困り事がある市民が市役所に出向き,行政が対応するという言わば待ちの姿勢でありましたけれども,これからの行政は,様々な情報を収集・解析し,問題がありそうなところをあらかじめ把握した上で,地域に出向き,積極的に解決策を提示するなど,能動的に対応することが必要かつ重要になってくると考えております。DX── デジタルトランスフォーメーションはまさにこうした問題意識に応える重要なツールになるものであると考えています。  また,こうした市内部での活用のほか,地域の様々な場所に設置されておりますIoT,センサーなどによりまして,恒常的に人の流れなどのデータを収集し,これに各所に点在する産学官のデータを加えまして,多様な主体が自由にデータを活用できる環境を構築して,データを活用した新たなまちづくりを進めるといった地域社会のデジタル化といったことにも取り組んでいきたいと考えております。  いずれにしても,こうした発想の下で現在の取組を着実に行うとともに,さらに新たな取組として,行政サービスといったものを受動態から能動態に変えていく,そして行政に限らず様々な分野で情報をうまく使いこなして,新たな価値観を,あるいは価値を創造していくという匠の精神によりまして,誰一人取り残さない,人に優しいデジタル化といったことを目指したいと考えておるところであります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   デジタル化について,数点の御質問に順次お答えいたします。  まず,広島市の情報施策は,平成27年以降,基本計画の策定を行わず,国の方針を参考に,本市の課題解決につながる個別政策を推進するとのことであったが,国のデジタル社会の実現の方針を受けても個別政策を推進するのか,また,デジタル化は本来,グランドデザインに向けて必要な組織改革や業務改革を行う際の手段としてデジタル技術を用いるべきと考えるが,市としての認識はどうかについてお答えをいたします。  本市では,国が平成25年に策定したICT施策推進の基本計画であります世界最先端IT国家創造宣言の下,各種のICT施策を積極的に展開してまいりました。これまで各部局ごとにデジタル化に取り組んできましたが,先ほど市長が御答弁しましたとおり,今後,デジタル化された情報を使いこなす「匠のまち」を目指してDXを推進していくに当たり,改めて施策を体系化し,着実に展開する必要があると考えています。  また,自治体のデジタル化においては,Society5.0への取組,マイナンバーの利用促進をはじめとする行政事務の効率化,さらに今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けてのデジタル・ガバメントの推進といった地域,行政のあらゆる分野でデジタル化を積極的に推進していくことが求められています。  こうしたデジタル化をめぐる様々な環境の変化を踏まえまして,デジタル化に関する全庁統一した基本的な考え方や取組の方向性をまとめる必要があると判断し,機動的かつ全庁横断的にDXを推進していくため,来年度,広島市DX推進計画を策定することといたしました。このDX推進計画を策定することにより,デジタル化された情報をうまく使いこなし,今後の本市における多様な市民ニーズに対応し,積極的な行政展開を図るとともに,豊かな地域社会の創造を目指してDXの推進に取り組んでまいります。  次に,事務処理ミスの発生防止策として,チェック体制を見直し,複数の担当者で確認するとしてきたことは,業務の改善にはつながらないと考えるがどうか,また,システムの更新時に現場は業務を変更することに抵抗しがちであり,結果として旧システムと新システムを二重で負担することも考えられる,従前の行政サービスの在り方に対して,市は市民に対して理解を求め,内部の業務改善と組織改革を同時に行う必要があると考えるがどうかについてお答えをいたします。  事務処理ミスの発生は,効率的な業務の妨げになるだけではなく,サービスを受ける市民の方々にも迷惑をかけるものであることから,その発生を防止することは業務の改善を行うためにも不可欠でございます。チェック体制の見直しは,事務処理ミス発生の抑制に効果はあるものの,根本的な防止を図るためには業務の在り方やシステムそのものを見直すことに重点をシフトしていく必要があると考えております。  このため,これからのシステムの更新に当たりましては,今までの事務処理の流れを単に機械化するという発想ではなく,その業務の本来の目的,担当職員の負荷,サービスを受けられる方の利便性の確保といったことを総合的に勘案し,業務負担の軽減と業務処理の確実性の向上に資する行政システムへの転換を目指した検討を進めていく必要があると考えております。  その際,現在,国において,地方公共団体における情報システム等の共同利用,手続の簡素化・迅速化,行政の効率化等を推進するため,地方公共団体の業務プロセス・情報システムの標準化が進められていることから,この動向にも注視をしてまいります。  また,システムの更新により申請方法が変更になるなど,市民に影響がある部分については,市民に丁寧な御説明を行い,理解を求めながら進めてまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       危機管理担当局長。 ◎岩崎学 危機管理担当局長  県と市の関係についてのうち,大規模災害についての数点の御質問に順次お答えいたします。  まず,災害時の避難所や福祉避難所のうち,土砂災害特別警戒区域,いわゆるレッドゾーンに立地しているものは何か所あるのかについてです。  土砂災害に対応する指定緊急避難場所については,事後的に土砂災害特別警戒区域に指定されたことにより,避難場所の一部が区域内にかかることとなっているものは1施設ございます。また,福祉避難所については15施設あります。  次に,レッドゾーンに立地していないが,避難所までの避難経路がレッドゾーンにかかっているものは何か所あるのかについてです。  指定緊急避難場所に通じる避難経路は複数あることが多く,また,そこに至るまでの道のりや距離は,避難を始める場所によって様々であり,厳密にカウントすることについては限界があるため,避難場所から半径200メートル以内の範囲で調べたところ,周辺道路が土砂災害特別警戒区域にかかっている避難場所は203施設ございます。また,同様に,福祉避難所については12施設あります。  次に,避難所がレッドゾーンに立地することとなった場合,避難する場所を変えるのか,防災工事の選択をするのか,市はどう考えるのか,また,県とどのような調整や役割分担をしているのかについてです。  指定緊急避難場所が立地する場所が土砂災害特別警戒区域に指定された場合は,早急に避難場所の見直しを行う必要があるため,県との調整を行うことなく,指定緊急避難場所としての指定を解除し,必要に応じて代替の避難場所を指定することを基本としております。  最後に,避難所までの避難経路がレッドゾーンにかかっている場合,避難経路を変更するのか,道路整備を行うかの判断を市はどのように考えているのかについてです。  議員御質問に対する現実的な対応として,本市では,地域の方々に警戒区域に含まれている経路かどうかをしっかりと確認していただき,警戒区域を通らざるを得ない地域においては,徹底して早めの避難が必要であることを認識していただくようにするため,地区ごとにわがまち防災マップの作成を奨励しているところです。  また,避難訓練や防災研修会など,あらゆる機会を捉えて確実な避難行動の実施を推進しているところです。  以上でございます。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     県と市の関係についてのうち,旧陸軍被服支廠の利活用について,県は先日,重要文化財の指定に向けた調査が必要との認識を示したが,重要文化財の指定となれば,その利活用に際しては相応の制約などが考えられるが,市は今後,県の動向を待ち協議するのか,それとも県と市が共同で協議しながら進めるのかについてお答えいたします。  本市は,今年1月に開催した旧陸軍被服支廠の保存・継承にかかる研究会において,被爆建物としてヒロシマの心を発信していくことができる施設として利活用していくための方策について,共に議論していきたい旨の発言を行いました。この発言は,同研究会において,広島県から耐震性の再調査の結果についての説明を受け,それを踏まえた利活用策について議論させてもらいたいとの要請を受けたことに対して行ったものです。  先週,県が表明した重要文化財指定に向けた調査については,今後,県において検討を進められるものと承知しています。本市としては,県からその検討結果を利活用策の議論に反映したいという申出があれば,これに応じ,しっかりと議論していきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  県と市の関係についての御質問のうち,大規模災害について,二点の御質問にお答えいたします。  初めに,県の無料PCR検査の実施に当たり,方針決定について,県と市はどのような調整を行ったのかについてです。  本年1月13日に広島県から,1月18日からの第2次新型コロナウイルス感染拡大防止集中対策において,本市の感染状況を踏まえ,早期に感染者を捕捉し,感染の連鎖を遮断するための対策として,中区,東区,南区,西区の住民及び就業者に対するPCR検査を実施することについて説明がございました。その際,検査会場に市有施設を借り上げたいことや,当該検査の実施により積極的疫学調査や患者搬送など本市の業務が大幅に増加することがあれば,県内の職員を派遣するなどの協力を行う旨の申出がございました。本市からは,検査体制に限りがある中で,必要な検査を遅滞なく行うことができるのか,また,患者が多数発生したときに受皿となる病床や宿泊療養施設が確保できるのかなどの懸念を伝えました。  翌14日には,県から,県内市町に第2次新型コロナウイルス感染拡大防止集中対策の素案が示され,意見を求められたことから,本市は同日,県に対して,PCR検査の実施に当たっては,増加する感染者の受皿となる医療機関の病床や宿泊療養施設を確保するとともに,宿泊療養施設については,症状が急激に悪化する感染者に備えて医師を常時配置するなど,必要な措置を講じてほしい,また,検査体制の整備については,これまでと同様,県において対処してほしいとの意見を文書により提出しております。  県は,同日午後には県知事が記者会見を開き,第2次新型コロナウイルス感染拡大防止集中対策の実施を発表するとともに,市内4区における無料PCR検査の実施について検討することを発表したものです。  次に,役割分担の考え方の下,市は県に対して市の検査体制などの現場の状況や市民への周知方法などについてどのような調整を行ったのかについてです。  県が実施するPCR検査について,県は市民等への周知や検査の実施といった事業全般の業務を担い,本市は検査の実施に伴い感染者が確認された場合の積極的疫学調査や病院及び宿泊療養施設への搬送業務を担うことになります。  こうした認識の下,感染が判明した市民への積極的疫学調査や病院等への搬送をより円滑に実施するための県・市間の連携方法の検討や,感染者の増加により対応が困難となった場合における県からの応援職員の派遣等について,県と協議・調整を行いました。  このほか,検査会場の選定を担っていた県から本市の市有施設の利用調整を求められたことから,施設管理者との調整を行っております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    県と市の関係についての数点の御質問にお答えを申し上げます。  まず,大規模開発について,サッカースタジアムの建設に対して,県は当初予算案に費用負担を計上しなかったが,市としてはいつ頃計上していただけると考えているのか,また,スケジュールの関係上,県の負担金を待たずに進めなければいけない状況も考えられるが,どのような財源フレームで進めるのかに併せてお答えをいたします。  県・市の費用負担については,先ほど宮崎議員にも御答弁を申し上げたとおり,本年度末に明らかになる具体案を用いて,できるだけ早期に県と合意できるよう取り組んでいくこととしており,こうした合意に向けた取組状況等を踏まえつつ,事業スケジュールに影響が出ることのないよう,県に適切な時期に予算計上していただくよう求めていきたいと考えております。  なお,来年度の事業スケジュールについては,県知事からの御発言として,県としても応分の負担をする考えであり,事業スケジュールに支障のないよう適切に対応していくとの考えが示されていることから,県との協力により十分対処できるものと考えております。  次に,サッカースタジアムの建設に当たっては,県と市は協議を重ねていたと思うが,費用負担について話し合ったことはないのかについてです。  県・市の費用負担については,建設場所等を合意した平成31年2月以降,サッカースタジアムの在り方に係る基本方針や基本計画の策定作業を共同で行う中で,県・市が協力しての資金確保に向けて,継続的に県と協議を重ねてきたところでございます。  次に,まちづくりについて,市営基町駐車場と商工会議所ビルの財産交換や旧広島市民球場跡地イベント広場の整備についての県との調整・協議について,また,紙屋町・八丁堀地区の一等地である県の所有地について,市から意見提案を行ったことがあるのかについてです。  市営基町駐車場と商工会議所ビルの財産交換や旧広島市民球場跡地イベント広場の整備については,都心の活性化に資する様々な取組の一環として,方向性を決める初期の段階から県とは情報の共有を図るとともに,必要に応じて協議・調整を行ってきております。  また,県の所有地については,意見提案という形ではございませんが,平成29年に県と共同で策定をしましたひろしま都心活性化プランにおいて掲げております官公庁街の土地利用の在り方検討と民間活力の活用という項目の対象となっているところでございます。  以上でございます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   新型コロナウイルス感染症についてのうち,今まで保健師の増員について,どのような査定をしてきたのかについてお答えをいたします。  職員配置につきましては,組織全体が最も効果的かつ効率的に施策を実施できる執行体制の確保を念頭に,業務量や事務事業の難易度のほか,時間外勤務の状況など職員の勤務実態も踏まえながら決定してきております。また,近年は育児休業取得者が増加傾向にあることから,職員が安心して育児休業を取得できるよう,代替職員を積極的に配置をしております。  こうした考え方の下,保健師につきましても,これまで地域包括ケアシステムの構築に向けた推進体制の強化のほか,育児休業取得者の増加に伴い,代替職員を配置するための増員を進めてきたところでございます。  なお,令和3年度におきましては,先ほども議員から御紹介ありましたように,新型コロナウイルス感染症に係る積極的疫学調査等への対応といたしまして,健康推進課に2人,各区役所の地域支えあい課に各1人の合計10人の増員を予定しております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     新型コロナウイルス感染症についてのうち,外国人市民がコロナ禍により自国にも戻れず,職もない状況になり,また,言語が通じないなどで地域から孤立することが発生しているが,地域との関わりの点で市としてできることは何かについてお答えいたします。  在留外国人に係る出入国管理や労働問題などの対策は,一義的には国の施策として取り組むべき問題であり,新型コロナウイルス感染症対策についても同様であると考えています。  しかし,実際にはその支援が必ずしも十分に行き渡っておらず,様々な問題が発生していることから,外国人を住民として受け入れる基礎自治体として,国の取組を補完するためどのような対応が必要なのか検討し,その支援に取り組んでいます。  具体的には,まず,広島国際会議場に設置している外国人相談窓口において,確実に必要な支援が受けられるよう,市・国等の関係機関と連携して対応しています。なお,令和3年度からは,外国人相談窓口を安芸郡4町と共同で運営し,これら4町の外国人住民の相談にも対応する予定です。  また,市や広島平和文化センターのホームページに新型コロナウイルス感染症についての特設サイトを設け,感染症対策,相談窓口の案内,患者の発生状況,国・県・市からの支援情報などについて,易しい日本語や多言語で情報発信を行っています。  さらに,外国人への日本語教育の充実を図り,外国人が孤立することのない環境づくりを進めていくとともに,地域住民を対象とした外国人市民の現状についての出前講座や「やさしい日本語」講座の開設などにより,地域住民と外国人との相互理解の促進を図っています。  こうした取組に加えて,今年度,新たに外国人の受入れに関係する企業や地域団体等で構成する多文化共生推進ネットワーク会議を設置し,関係者間で情報・意見交換等を行うことにより,地域への受入れを含む外国人市民に関する諸課題を把握・整理することとしています。  今後ともこうした枠組みを活用し,国・県と課題を共有しつつ,それぞれの取組とのバランスを図りながら,地域住民と外国人市民が共に安全に安心して暮らせるよう,市として可能な対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   新型コロナウイルス感染症についてのうち,医療・保健に関する二点の御質問にお答えいたします。  まず,コロナ禍において,高齢者の外出機会が減少し,寝たきりや認知症などの方が増加すると予想されるが,市としてはどのように対応していくのかについてです。  本市におきましては,現在の感染拡大防止集中対策期間中に認知機能等が低下した高齢者の増加が顕在化するといった状況にはございませんが,感染症の収束を見据えて,高齢者が良好な健康状態を維持できるための対応を的確に行うことが重要であると考えております。  このため,現在,地域包括支援センターの保健師や看護師等が,独り暮らしの高齢者など特に配慮を要する方を中心に,電話や訪問等による定期的な状況確認や健康相談などを行うとともに,認知症地域支援推進員等が認知症カフェ等の感染防止対策を講じた活動方法について助言するなどの取組を行っております。  このほか,活動自粛中であっても高齢者の方が自宅で介護予防に取り組むことができるよう,いきいき百歳体操の動画をユーチューブやケーブルテレビで放映したり,本市の広報紙等を活用して,栄養や口腔等のケアなどに関する周知・啓発を行っているところでございます。引き続き適切な支援を行ってまいります。  次に,高齢者いきいき活動ポイント事業や地域活動の担い手も活動自粛によってコロナ禍前と同様の活動は難しいと聞いているが,市はどのように対応していくのかについてです。
     先ほど御答弁したように,今後の市民生活におきましては,感染症の収束に向けての対応が重要になると考えられますが,ポイント事業や地域における支え合い活動の目的とするところは,2025年には団塊の世代が全て後期高齢者になるということを見据えつつ,通いの場等の確保などを通じて高齢者の社会参加を促進するとともに,高齢者の支援の活動に取り組む担い手を確保していくことであると考えております。  このため,当面は,適切な感染防止対策を十分に講じた上で,介護予防活動を行うための方策などについて周知・啓発を図るとともに,オンラインを活用した在宅等での健康づくりに資する活動や,民生委員・児童委員の方が安心して見守り活動を行えるための支援にもしっかり取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  新型コロナウイルス感染症についての御質問のうち,医療・保健について,令和3年度に増員した保健師で,保健所はどのような形になり,市民はどのような行政サービスの恩恵を受けることができるようになるのかについてお答えいたします。  令和3年度からの各保健センターへの保健師1名の増員は,保健師が担う積極的疫学調査等の新型コロナウイルス感染症対策の効率化を図りつつ,各保健センターにおける地区担当保健師が個人や世帯の状況に応じた訪問指導や健康相談,地域団体等と連携した各地区が抱える課題解決に向けた取組などを引き続き確実に行えるようにするために行うものであり,これにより,地域住民への支援が充実するものと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       こども未来局長。 ◎松井勝憲 こども未来局長  新型コロナウイルス感染症についてのうち,子供についての二点の御質問にお答えをいたします。  まず,児童相談所の職員が13名増加するが,その効果をどのように考えているかというお尋ねについてです。  令和3年度,児童相談所において増員する13名の内訳は,児童福祉司が9名,児童心理司3名,担当課長1名となっております。児童福祉司が増員されることにより,職員一人当たりの担当ケース数が減少し,より丁寧なケースワークと子供及び保護者へ寄り添った対応につながるものと考えています。  また,児童心理司の増員により,虐待等により心に傷を負った子供へのカウンセリング等の充実を図ることができると考えております。  さらに,担当課長の増員により,予算・決算や研修企画等といった事務的な業務と虐待事案等のケースワーク業務を切り離すことで,新たに配置する相談担当課長がケースワークに専念できる環境が整い,虐待の早期発見や重症化防止につながるものと考えております。  次に,児童虐待は児童相談所が担当するものとして縦割り行政の中で捉えているが,虐待要因は複雑なので,子供に関わる全ての部署で関わる必要があると思うがどうかというお尋ねについてです。  御指摘のとおり,児童虐待防止につきましては,児童相談所のほか,子供に関わる部署や関係機関が連携しながらそれぞれの役割に応じて取り組む必要があると考えております。  現在,各区においては,妊娠期や産後間もない時期から,地区担当保健師等が家庭訪問等により,妊産婦の健康状況や育児に関する相談・助言等を積極的に行っております。また,その中で,児童虐待のおそれがある場合には,専門の家庭相談員等を配置しているこども家庭相談コーナーが対象世帯の子供の安全確認を行うとともに,子供の様子や保護者の養育状況等に関するアセスメントにより,虐待リスクの程度を確認しています。さらに,生命の危険があるなど重篤なケースについては,一時保護や施設入所を行う権限を持つ児童相談所に依頼し,子供の安全確保を図っております。  また,児童相談所や区役所のほか,医療機関や警察,学校,保育園,民生委員等の関係者で構成する要保護児童対策地域協議会を区ごとに設けており,本市から要保護児童等に関する情報提供を依頼するとともに,継続的な支援を要する世帯等について,個別の支援内容や関係者間の役割分担を協議しながら,支援対象児童の定期的な状況確認などを行っております。  今後とも関係機関がしっかり連携しながら児童虐待防止に努めてまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       この際,皆様に申し上げます。12時を過ぎましたが,このまま会議を続けさせていただきたいと思います。いましばらく御協力ください。  経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    新型コロナウイルス感染症対策についてのうち,経済対策と雇用について,二点の御質問にお答えをいたします。  まず,コロナ禍で大学卒業予定者の就職内定率が前年を下回っているが,市としてできることは何か,また,非正規雇用者に対して市としてできることは何かについてでございます。  議員御指摘のとおり,県内の大学卒業予定者の就職については,企業の採用控えや合同企業説明会の中止などにより,10年ぶりに内定率が前年同期を下回っている状況でございます。また,広島県の有効求人倍率は令和2年12月時点で1.17倍であり,令和元年12月時点の1.96倍と比べて大幅に低下しており,さらに,厚生労働省の発表によると,令和3年2月12日時点で新型コロナウイルス感染症の影響による解雇等見込み労働者数は広島県で2,144人となっているなど,コロナ禍の長期化に伴い,雇用情勢も悪化をしております。  こうした中,本市では,就職氷河期世代を中心に,新型コロナウイルス感染症の影響による失業者や不本意ながら非正規雇用で働いている方,新卒で就職の希望がかなわなかった方なども含めて,就職支援を行うカフェテリア形式の相談窓口を紙屋町シャレオ内に設け,就職や転職を希望する相談者に対してきめ細かい伴走型の支援を行うこととし,必要な経費を新年度予算に計上しております。加えて,事業者が雇用調整助成金を利用して雇用の維持や事業の継続が図れるよう,現在,雇用調整助成金等申請費用の補助事業を実施しており,その申請期間を延長するための補正予算もこのたび計上しております。  また,昨年6月からは,企業間の出向・移籍による雇用のマッチングを実施している公益財団法人産業雇用安定センターに対して本市が入手した市内企業の雇用に関する情報を提供し,市ホームページには同センターの情報を掲載して連携を図るとともに,昨年7月と12月には,高等学校及び大学等卒業予定者等の求人枠の確保について,広島労働局や中国経済産業局,広島県と共に広島商工会議所などの経済団体へ要請をしております。  今後ともコロナ禍における雇用の維持と確保がしっかり図れるよう,広島労働局や広島県などと連携を取りながら本市の取組を進めてまいります。  次に,新型コロナウイルス感染症は,特に第三次産業の就業者の多い本市においては多くの市民生活に影響を与えているが,市としての認識と,市としてできることは何と考えているかについてでございます。  民間の調査機関によると,2月16日時点の本市におけるコロナ関連の負債総額1000万円以上の企業倒産はこれまで21件で,このうち約8割が第三次産業であり,就業者の7割以上が第三次産業に従事している本市においては,議員御指摘のとおり,多くの市民生活に影響を与えており,いまだに新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中で,本市の経済は依然として厳しい状況にあると認識をしております。  こうした中,本市では,市民生活を守るため,雇用の維持と事業の継続を図ることができるよう,国・県・市の役割分担を念頭に置いた上で,事業者に対する直接的な支援である公助による下支えにも取り組みつつ,それを補完・補強するために,地域での支え合い,事業者同士が連携した共助による取組を支援しており,厳しい状況に置かれている事業者の立場に立ったきめ細かい支援に努めてきたところです。  例えば,営業活動に影響を受けながらも感染拡大防止や苦境打破に取り組む事業者を共助の精神に立って支援する方に対する補助事業を創設して,300件以上の取組を支援してきましたが,その運用に当たっては,1件1件の申請に対して支援者の思いを酌みながらきめ細かく相談に乗り,迅速かつ柔軟に事業者を支援してまいりました。  このほか,共助の精神に立って,家賃等の減額を行うテナントオーナーに対して減額した家賃等を補助する事業や,テレワークの導入など新しい生活様式に対応した企業活動を行う中小企業者に対し,ICT環境を整備する経費を補助する事業などを実施しております。  さらに,12月には,飲食関係団体で構成する広島市飲食店応援実行委員会から,業界として率先して感染拡大防止に協力するとともに,休業する飲食店を支援するため,応援金を支給したいと要望があったことから,当該要望に応え補助金を交付し,加えて,このたびの補正予算へ,県による時短要請等の要請を受けていない飲食店等への支援に協力する負担金を計上したところでございます。  引き続き,本市の経済状況及び国・県の支援策の動向をしっかり把握しつつ,感染拡大防止と経済活動のバランスに配慮し,事業者にとって最も身近な存在である基礎自治体として,きめ細かい支援に努めながら,本市の経済の回復に向けた取組を進めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       新型コロナウイルス感染症についてのうち,子供について,一点お答えいたします。  コロナ禍において,多くの子供がストレスを抱え,心が傷ついている子供もいる,SNS等で感染者探しも横行していると聞く,教育委員会はどう認識し,対応しているのかという御質問です。  全国的に新型コロナウイルス感染症の拡大状況が見られ,感染症対策の徹底により様々な制約のある生活が続いている中で,児童生徒は様々なストレスを抱え,また,自分も感染するかもしれない,もし感染したらいじめに遭うかもしれないといった不安や悩みを抱えている児童生徒もいるものと考えています。  そのため,各学校においては,教職員の共通理解の下,児童生徒の不安や悩みを早期に把握できるよう,教育委員会が配布しております教職員が児童生徒に対応するに当たっての留意点や,児童生徒の不安感を察知するためのアンケート例を示した資料を活用し,日々の児童生徒の様子を注意深く観察するとともに,定期的なアンケートや教育相談を実施しています。その上で,児童生徒の不安や悩みを把握した場合には,速やかに教職員間で情報を共有し,必要に応じてスクールカウンセラーとも連携しながら適切な支援に努めているところです。  また,児童生徒が感染した場合,誰が感染したかを特定しようとすることは,感染した児童生徒に不安を与えるだけでなく,いじめや誹謗中傷につながるおそれもあることから,日頃から各学校において,担任等が児童生徒に対し,もし自分や自分の家族だったらということを考え,自らの言動に十分気をつけるよう繰り返し指導しております。  さらに,新型コロナウイルス感染症患者が発生した学校では,いじめ等の防止に向けて,改めて校長や担任が同様の指導を行うとともに,校長OBであるいじめ対策推進教諭等を当該校に派遣し,児童生徒の様子を観察したり,声かけをしたりするなど,いじめや誹謗中傷の防止に向けた体制を強化しております。加えて,保護者に対しても,うわさ等の風評被害が生じないよう,学校からの文書を通じて個人情報保護の徹底について協力を依頼しているところです。  以上でございます。 ○山田春男 議長       32番三宅議員。 ◆32番(三宅正明議員) ちょっと12時過ぎてますので,三つほど意見を述べます。それぞれですが。  まず,県と市の関係についてでございますが,御答弁では,県・市は常に調整してますよという御発言でございました,全ての案件に関して。しかしながら,結果として予算計上されてなかったり,初めて聞きましたよねという話もたくさん出てくるわけですね。これは,連携をしているのか調整をしているのかということが結果として出ているかとなると,結果として出ていないという評価になります。皆さんはやってますということですが,結果としてはしてないですよねということになるのではないでしょうか。  ここに,県と市の関係の中で,市長が今まで随分述べておられます,けんかするわけじゃない,お互いにお互いの組織があるけれども,ちゃんと話し合って,譲歩し合ってやりましょうというふうにずっと言っておられました。これは私はそのとおりだなと思うんです。ただし,受け手側の県の立場はどうでしょうか。県の立場がそういうことじゃなければ,市が幾らそうであっても,県はそのように考えていただけない。これがいわゆるこういったことの原因になってくるのではないかなと思うのです。  通常時であれば特に目立ったことはないかもしれないけれども,こういった非常事態の間にはそういうことが多く顕在化します。県が,市がということではなくて,それをちゃんと伝えるためにはどうすればいいかというのは,県側にもう少し考えてもらえるように市から申し入れるべきだと思いますので,よろしくお願いいたします。  二つ目,コロナ禍の高齢者や働く世代の方々や子供たちということを私は今回取り上げました。聞きたかったことはただ一つです。市はどう思っていらっしゃいますかということです。  通常時であれば,行政はより立場の厳しい方々に目線を向けて福祉政策を実施してまいります。全ての方々ではなくて,ある程度の角度をもってそれらに対して対応していく,これが通常時でございますね。もちろんそれを広げるか狭めるかというのが,これが政治の課題でございます。しかしながら,このように広くなってしまうと全員を対象にしなくちゃいけない。そんな政策は今までやったこともない,それだけの財源もない,それだけの人もいない,そんな中でどうするかというときに,私は,広島市はやっぱり今の状況はどうなのかというのを聞くということがとても重要だと思うんです。ただし,コロナ禍ですから,区役所の窓口に来られる方も少なくなりますし,会議もできませんし,そしたら皆さんの意見を聞く場がなくなります。そしたらますます,今,現実に何が起こっているかが市の中で認識できなくなってまいります。  私は,今回,このコロナの部分について一番考えていただきたいのは,まず,現場はどうなっておるのかを分かろう,知ろうという認識で全ての部署でやっていただきたいという思いを込めて質問いたしております。細かな内容については予算特別委員会でそれぞれお話ししますけれども,まずその前提を持っていただきたいということです。  三つ目,デジタル化についての意見を述べます。  市民の協力を求めてくださいねということを言ったのをさらっと答弁で流されましたが,ここが一番重要です。言葉ではDXと書いてあるから何のことかよう分かりませんが,デジタルトランスフォーメーションの略称です。今までの市がやっているシステム,情報化の推進は,単なるデジタルフォーメーション。トランスというのは変革という意味です。変革するためには,実は市民の皆さんに御協力いただく必要があろうかと思います。  一つだけ例を言って私の発言を終わりますが,例えば広島市のごみの収集は6種分別をします。昔は分別ありませんでした,市民の皆さんに御協力いただきました,結果,ごみ収集の業務は物すごく改善したはずです。さらには,例えばごみの焼却とか,埋立てとか,様々なこともほかの同等の近隣市町に比べれば長もちするし,皆さん,きちっときれいな環境で育てられるしということがございますよね。それは市民の皆さんの協力と市政の業務の改善と,これから長い期間の財政運営に全てつながってまいりますよね。デジタルになると途端に専門の情報政策部の人たちだけがやるんだよということになるんです。そうじゃないんです。皆さんに少し協力してもらうこと,もちろんこれは広報が要りますが,それを考えることが今回の政策なのではないかということで,私は今回質問させてもらいました。それをするから業務改善ができます。ぜひそこを考えていただきたいんですが,細かいことはまた予算特別委員会で言いますので,ここでは終わります。ありがとうございました。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       この際,暫時休憩いたします。                午後0時14分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時17分開議                出席議員  29名                欠席議員  25名 ○渡辺好造 副議長      出席議員29名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,総括質問を行います。  6番石田祥子議員。                〔6番石田祥子議員登壇〕(拍手) ◆6番(石田祥子議員) 皆さん,こんにちは。  公明党の石田祥子です。会派を代表して,総括質問をさせていただきます。  初めに,新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の対応についてお伺いします。  広島市では現在,新規感染者数が低い水準で推移していますが,またいつ感染者が増加するか,予断を許さない状況です。ワクチンの接種が感染拡大を防ぐために有効な手段だと言われていますが,ワクチンの確保はまだ見通しが立たない状況です。しかし,実施主体となる自治体は,接種を行う医療機関との契約,会場確保,接種券の配布など,数多くの集団接種に向けた体制づくりの実務を行わなければなりません。加えて,1瓶当たりの接種は5回分であり,超低温下での厳格な管理が求められるなど,少ないワクチンの無駄をなくすため,煩雑な仕組みをつくらなければなりません。  そこで,広島市の体制づくりの状況についてお伺いいたします。  一つ目ですが,ワクチン接種をする優先度は医療従事者の次に高齢者とされています。本市において,ワクチン接種の対象となる方の総人数,そのうち令和3年度中に65歳以上に達する方の人数は何人でしょうか。  次に,外国人への対応です。厚労省の手引では,外国人であっても住民基本台帳に登録されている方は対象になりますが,市内の対象者は何名でしょうか。  ワクチン接種券の送付において,日本語の案内では外国人の方に内容が伝わらないことが考えられます。また,接種の予約,コールセンターへの相談,接種会場での対応など,外国語の対応が必要だと思いますが,現在の検討状況を教えてください。  次に,接種する場所です。厚労省の手引では,住民票所在地の市町村に所在する医療機関等で接種することが原則とされています。例外的に長期入院,介護施設等への長期入所者,出産のために里帰りしている妊産婦,学生などは住民票所在地以外の市町村でも接種できるとされていますが,接種券の配布,接種の管理など,どのように行うのでしょうか。  また,産業医を設置している事業所などでは勤務地での接種が効率性の観点からもよいと思いますが,広島市は近隣市町から通勤される方も多いため,近隣市町との連携は重要です。現在の検討状況を教えてください。  次に,不妊治療の周知及び包括的性教育の推進についてお伺いします。  昨年,菅総理大臣が政策の一つに掲げた不妊治療への保険適用の方針は,不妊に悩む人たち,特に経済的な理由で不妊治療を諦めた人たちにとって大きな朗報となりました。これまで公明党は,20年以上にわたり,関係者の声を聞きながら署名活動や国会論戦等で不妊治療への保険適用を訴え,一歩ずつ推し進めてまいりました。私もその活動に取り組んできた一人として,令和元年12月議会において一般質問をさせていただきました。現在,広島市においても,令和2年2月補正予算案に計上されているとおり,令和4年の保険適用までの間,現行の助成制度の拡充を行うことについて準備を進めているところだと思います。  一方で,不妊治療の課題は経済的な面だけではありません。広島市で不妊治療を数多く手がけている産婦人科医は,保険適用により,不妊治療のハードルが大幅に低くなったことは喜ばしいが,高齢になるほど妊娠しにくいことは変わらない,不妊治療が受けられるから大丈夫と誤解して妊活に取り組む時期が遅くなるのが心配だと危惧していました。35歳をピークに妊娠率が下がること,不妊治療は行えば必ず妊娠に結びつくとは限らず,年齢が進むほど精神的・肉体的に負担が大きいことなど,不妊治療の現状をもっと知る必要があります。特に若い世代の人たちは,出産を望む,望まないにかかわらず,不妊治療の理解を深めるためには,女性の健康や妊娠・出産等に対する正しい知識の周知と啓発が必要であると考えます。  そこでお伺いします。前回,不妊に悩む前の若い世代に向けての啓発活動についての本市の見解について質問し,本市からは,効果的な普及啓発の方策を検討するとの御答弁をいただきましたが,現時点では進捗状況はどのようになっているのかお答えください。  妊娠の計画の有無にかかわらず,早い段階から妊娠・出産の知識を持ち,自分の体への健康意識を高めることをプレコンセプションケア── 包括的性教育といい,昨年12月に策定された国の第5次男女共同参画基本計画において,学童期・思春期にプレコンセプションケアに関する事項の取組の推進が掲げられました。  そこで,現在,広島市で性教育に使用されている高等学校の保健体育の教科書を見せていただきました。それは,私の高校生時代とは随分違う踏み込んだ内容で,少々驚きましたが,エイズや性感染症,避妊法などの内容に多くの紙面が割かれていました。身を守るために必要な情報だと納得しながらも,妊娠が若い世代にとってネガティブワードになるのではと心配になりました。欲しいと願っても授からない命,生まれてきたこと自体が奇跡なんだと生命の不思議を実感し,喜び合える教育,それをベースに男女がお互いの体を理解した上で,結婚,妊娠・出産を含むキャリアプラン教育も学べる包括的性教育は,子供たちがそれぞれの幸せを求めていく上で大切な力となると思います。  一方で,インターネットやSNS等で歯止めがかからない情報が氾濫する中,いち早く正しい情報をインプットし,ゆがんだ性思考に向かないように大人が導く必要があります。  日本の学習指導要領の性教育は,国際基準の包括的性教育と比較して大きく遅れています。例えば日本の高等学校で扱う意図しない妊娠による身体的影響や避妊方法について,ユネスコが作成した国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは9歳から12歳で取り上げ,並行してジェンダーの理解や健康,幸福を考える指導もあるそうです。私も子供たちを早い時期から正しく導く必要性を感じています。  そこでお伺いいたします。広島市においてもお互いの生命,健康,人権を大切にすることを基本にしつつ,妊娠・出産を含む人生設計まで学べる包括的性教育を取り入れていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  次に,里親やファミリーホームなど,家庭的環境での子供の養育の充実についてお伺いいたします。  広島市の児童相談所における平成31年度の児童虐待相談・通告件数は2,178件で,平成30年度に続き高止まりとなっています。昨今のコロナ禍で不安が続く中,子供を取り巻く環境の変化等により,虐待のリスクが高まっていくことは容易に想像がつきます。虐待の事件は,その非道さからセンセーショナルに報道されますが,その後の子供の生活については,私たちはあまり知ることがありません。しかし,子供にはそれからの長い人生が待っています。親からの虐待など様々な事情により家庭を離れて生活しなければならない子供たちを家庭的な環境と温かい愛情の中で養育していく里親制度は,子供の自己肯定感を育み,健やかな成長を支える大切な制度であると思います。  現時点で,保護を要する子供の多くが乳児院や児童養護施設で過ごし,里親・ファミリーホームの元で育つ子供は全国平均で僅か20.5%です。広島市の令和2年3月末の里親等委託率は20.0%で,平成26年の13.9%からは伸びていますが,広島県社会的養育推進計画において令和6年度の広島県全体の目標値としている30.7%にはかなり遠い状況です。  そこでお伺いいたします。本市の里親登録数及び里親等委託率を増やすために,これまでどのような取組をしてきたのかお答えください。  大まかな里親制度の仕組みとしては,まずはチラシやイベントによる里親制度の周知,興味を持った方は研修を受けて里親に登録,実親の了承が取れ,落ち着いた状態と判断された子供のみ里親登録者とのマッチングが行われます。里子が委託された後は,里親の不安を聞き,アドバイスをするフォローアップ体制も不可欠です。このような里親のリクルートや研修,マッチング,里親の相談支援などの一連の業務をフォスタリング業務といいますが,広島市において,これらは現在,児童相談所が業務の一つとして担当しています。しかし,近年,虐待案件も多く,児童相談所も緊急性の高い案件の対応に日々追われる中,その後の子供の生活の回復や心のケアまでなかなか目が向かない実態もあるのではないかと思います。  そうした中,このフォスタリング業務を民間に委託することで大きな成果を上げている自治体もあります。  里親等委託率47.9%の福岡市では,子どもNPOセンター福岡に市民参加型里親普及事業を委託して,里親制度の普及を推進しています。具体的には,里親に関するイメージを刷新する明るいカラーやデザインのポスターやホームページ等のPR戦略,少人数で気軽に話が聞ける里親カフェの開催,また,里親フォーラムを企画する実行委員会は,行政をはじめ,NPO法人や里親会の代表,小児科医,弁護士などの多職種で構成され,この市民ネットワークの拡大が里親・里子を地域で支えようという機運を高めています。  また,里親等委託率48.5%の静岡市では,NPO法人静岡市里親家庭支援センターへ里親支援事業の一部を委託しています。それは,長期にわたり里親と児童に寄り添う必要のある里親支援事業については,通常の職員ジョブローテーションと切り離した支援体制が望ましいとの視点からで,児童相談所は里親の認定・登録,児童とのマッチング業務,実親との対応,問題発生時の対応などを行い,その他の里親支援業務の全般についてはNPO法人に委託しています。その業務内容は,1,里親リクルート,2,里親研修,3,相談支援ですが,特に里親研修に関しては,未委託里親のためのフォローアップ研修,里親スタート研修,乳児受託前養育実習,養育スキルアップ研修と,段階に応じたプログラムを準備しています。また,相談支援については,新規の里親委託の場合,里親経験が豊富で,しかも研修を受けた里親相談員が定期的に訪問支援し,センターとつなげながら,里親ネットワークを支えています。  いずれの市も行政とは役割分担をはっきりと線引きした上で,民間の柔軟な発想と行動力,ネットワークをこのフォスタリング業務に大いに生かし,連帯することにより,里親養育を充実させています。  広島市もぜひこうした他都市の事例を参考にして,フォスタリング業務の民間委託を考えていただきたいのですが,私が提案する理由はもう一つ,新しく里親になられた方から受けた相談にあります。  その内容は,里子を育てる上での不安や悩みを児童相談所に相談したいけれど,頻繁に相談をすると,養育能力がないと判断されて里親を外されそうで,よほどの問題がない限りは相談できないというものでした。里親の中には実子に恵まれないことから里親を希望する方も多く,子育て経験のない中,手探りの中で養育する方もいらっしゃいます。それなのに,相談窓口が里子のマッチングも担当する児童相談所では,相談をしにくいのではないでしょうか。里親が気兼ねなく相談でき,時には短期間,子供を預けることができるレスパイトケア等のフォローアップ体制の強化は,里親制度を維持する上で大切なことだと思います。
     加えて,私自身,昨年11月に児童養護施設を視察させていただいた折,痛感したことがあります。その施設では,施設に入所していた児童の里親になった方が休息を取るために里子を一時的に施設で預かったり,また,里親は施設の児童指導員から養育に関する経験談などの話を聞いたり,入所児童との遊びなどを通じて子供との関わり方を学んだりなさっているとお聞きしました。こうした取組についてもフォスタリング業務における研修事業に生かし,広げていけるのではないかと思うのです。  そこでお伺いします。本議会では,令和3年度当初予算案にフォスタリング業務が計上されており,本市においても里親養育の充実に向けた取組を進められるものと考えていますが,当事者である里親さんの声や里親希望者に対する児童養護施設の取組を参考にして,少なくとも相談支援や研修の業務を専門性や経験を有する民間事業者に委託するべきであると考えますが,本市の見解をお聞かせください。  次に,ファミリーホームについてお伺いします。  ファミリーホームは,里親と補助員数名が五,六人の子供たちをその家庭に迎え入れて養育する家庭養護です。広島県で初めて認定された呉市の稲垣ファミリーホームと広島市西区にある「ファミリーホーム吉田〜母譜〜」を視察させていただきました。大きめな一軒家のダイニングにはみんなで囲む広いテーブル,年齢に応じて男女別の個室があり,学校帰りに友達も遊びに来るとのこと。家庭での経験を通して子供たちが基本的な習慣や社会性を身につけるためにはよい環境という印象を受けました。現在,広島市にファミリーホームは二つありますが,社会的養護が必要な子供たちを家庭的な環境の中で養育するためには,今後,里親制度の拡大と併せて,ファミリーホームが増えることが望ましいと考えています。  ファミリーホームの養育者の方とお話しする中で,共通の相談がありました。最近の子供たちには発達障害や知的障害などの障害を持っているケースが増えている,言葉の訓練や理学療法,体幹を鍛える水泳や療育訓練に連れていくと,その教育指導費は赤字になるし,何より付添いが必要となるので人的にも厳しい,障害児等の受入れ加算を考えてほしいというものでした。  そこでお伺いします。ファミリーホームで生活する発達障害等の障害を持つ子供の養育に当たっては,養育者の負担が大きいため,障害児等を受け入れるための加算があることが望ましいと思いますが,広島市の考えをお聞かせください。  最後に,ひきこもりの支援についてお伺いします。  内閣府の調査によると,全国のひきこもりの人数は約115万人,中でも8050問題は社会問題となっており,実際に私も,引き籠もって15年になる40代の息子さんの相談を70代のお母様から受けています。ひきこもりは特別な人がなるわけではなく,きっかけさえあれば誰でもなり得る社会現象です。これまで当事者の自由な意思による行動だと考えられがちでしたが,その実態の多くが追い込まれた結果の行動であることが近年明らかになってきました。それぞれの背景を理解することが支援にとって重要ですが,その複雑さや顕在化しにくいゆえに,制度のはざまに取り残されてしまっています。最近では,NHKのドラマや特集番組等,メディアで取り上げられることも多く,全国的にも増加傾向であることが予想されますが,広島市としてはどうなのか,直近の30年度,31年度の相談件数の推移をお答えください。  次に,ひきこもり地域支援センターについてです。  ひきこもりに特化した専門的な相談窓口であるひきこもり地域支援センターは,ひきこもりの状態にある本人や家族が最初に相談する場所として明確であり,より適切な支援に結びつきやすくなっています。現時点で全国に75か所あり,広島市は,安芸区以外の相談は広島ひきこもり相談支援センター,西部センターで,安芸区の相談は中部・北部センターで対応しています。現在,広島市から業務受託したNPO法人青少年交流・自立・支援センターCROSSがこのセンターを拠点に,ひきこもりの本人・家族からの電話・メール・来所による相談や訪問支援,ハローワークへの同行,グループワークなどを行っています。  そこでお伺いします。広島市におかれましては,国が示したひきこもり対策推進事業実施要領に沿って進められていると思います。今年度から継続的な支援につながりやすくなる効果的な取組として,アウトリーチを開始なさっていますが,広島市におけるアウトリーチの取組状況はどうなっているのかお答えください。  次に,ひきこもりサポーターについてお伺いします。  令和元年6月議会で山路議員が質問されたひきこもりサポーター制度について,令和2年度,取組を始めたと伺いました。私も大切な取組と思い,推進している自治体を調査する中で,ひきこもり支援推進事業を先進的に行っている地域があることを知りました。  その一つ,岡山県総社市は,平成27年に市,社協,保健所,ハローワーク,民生委員,教育委員会,医療福祉の専門家等で構成されたひきこもり支援等検討委員会を立ち上げ,様々な支援事業を展開しています。ひきこもりは社会全体の問題であるという考えの下,これまで培ったノウハウや地域ネットワークを生かした支援体制の構築は,本市も参考になると思い,委員会が発行している冊子とひきこもりサポーター養成テキストを取り寄せて勉強させていただきました。驚いたのは,ひきこもりサポーター養成講座全5回の充実した内容と質の高いテキストです。その内容は,ひきこもりの捉え方,当事者インタビュー,サポーターの役割,本人や家族との接し方など,テーマ別に整理され,図やイラストもあり,読みやすく工夫されています。専門講師を招き,このテキストを使って講座でしっかり学習すれば,かなり専門性の高いサポーターが誕生するのではと期待が持てます。  そこでお伺いします。広島市では今年度からスタートさせたひきこもりサポーター制度ですが,現在の取組内容をお聞かせください。  また,私が申し上げた総社市のテキストや講座内容等,参考にしていただければと考えますが,いかがでしょうか。  次に,就労支援の視点から,秋田県藤里町の例を紹介します。  藤里町の社会福祉協議会は,2007年頃から家庭訪問によるひきこもり調査を始め,2010年には福祉の拠点である就労支援施設こみっとを開設。その施設には,研修やワークショップができる会議室のほかに,うどんやそばが食べられる食事どころを地域に開放し,住民との交流も図っています。支援対象者はこみっとに登録をして,ウエーターや調理,町内の施設管理の仕事をしたり,最新の就職情報を継続的に得ることができます。また,特産物のマイタケを使ったキッシュを支援対象者と共に開発し,お土産品として販売するなど,働く場を創出し,就労に結びつけるまでの長期的な伴走型支援を行っています。情報提供などを行うアウトリーチから,中間的就労の場をつくり,外に出るチャンスを広げ,次は一般企業で短時間就労を体験しながら適性を見て就職活動を行っていく,このようなシステムをつくり上げ,当初113名の支援対象者が現在はゼロになっている藤里モデルは,自治体の規模は違うといえども,学ぶ点は大いにあるかと思います。  そこでお伺いします。本市においては,ひきこもり支援センターで就労できるまでの状態になった方の次の支援として,若者交流館ユーストピア中央サテライトを紹介するようになっていますが,そちらではどういう支援をされているのでしょうか。  今回,ひきこもり支援について調査する中,先進的な自治体の取組で欠かせないと感じた事業が居場所づくりでした。令和元年度の厚労省の調査研究報告書にある全国27か所の居場所の実態は,設立のきっかけ,活動日数も違いますし,会場も会議室から一軒家,カフェ形式とそれぞれです。活動内容も,サポーターが自然と話を聞いてくれる場所,ゲームや読書など自由に過ごせる場所,グループワークの企画や中間的就労のできる場所等,様々な形態を取っています。それは,ひきこもり状態から一歩出て就労等に至るまでには幾つもの段階があり,どこに視点を置くかによって居場所の目的が違うのは当然だからです。  本市において,居場所の役割も担っている広島ひきこもり相談支援センターの齋藤理事長は訴えておられます。何年ものひきこもりを経てやっと支援につながった本人が頑張ろうと思っても,次に行くところがなかなかないんです,昼夜逆転を直したい,体力をつけたい,人の中にいても大丈夫になりたい,この願いを同時にかなえられるのが居場所の存在です,だからこそ,この居場所事業をもっと充実させたいと。  ひきこもり状態で孤立しがちな本人や家族にとって,居場所の存在は,安心して出かけられる場,人との出会いの場,未来への希望を生み出す場であることは間違いありません。広島市としてもこの居場所づくり事業にぜひとも力を入れてほしいと切に願っています。  新型コロナウイルス感染症の収束を願う中にあって,妊娠を心待ちになさる御夫婦が,また里親を望む方々が,そして社会に一歩踏み出そうと頑張っていらっしゃるひきこもりの方々も,一日も早い行政のさらなる支援を待っていらっしゃいます。そうした市民の皆様に寄り添う広島市であることを最後に重ねて要望し,私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○渡辺好造 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       石田議員からの御質問にお答えします。  家庭的環境での子供の養育の充実についてのうち,里親制度についての御質問がございました。  様々な事情で家族と離れて生活しなければならない子供の支援に当たりましては,それぞれの子供が持つ事情や特性に応じた養育環境を提供することが重要であります。中でも物心がつく前の乳児期に家族と離れざるを得なかった子供たちについては,将来家庭を築く上でのモデルとなるよう,家庭的な環境で養育を行う里親制度の活用はより適しているというふうな認識を持っております。  このため,本市では,里親による支援が望ましい子供がその子に合った里親に出会うことができるよう,まずは里親登録者を増やす必要があると考え,より多くの市民に里親制度への理解を深めてもらうことを目的に,広報紙「市民と市政」や広島県と連携したポスターの作成・掲示,ラジオ番組での広報などに取り組んでおりますとともに,里親希望者に対しましては,里親としての知識を深め,意欲を高めてもらうための研修も実施しております。また,実際に里親になっていただく際には,里親と里子の丁寧なマッチングが重要でありまして,おおむね二,三か月,繰り返し面会や外泊での交流を行う必要があるために,その際の交通費あるいは宿泊費用の補助を行うなど,里親制度の効果的な運用につなげるための取組を実施しております。  こうした中,今後,里親制度を全体としてさらに充実・強化していく上では,議員御指摘のように,業務の内容によっては民間の事業者を活用することも重要であると認識しております。令和3年度からは,里親希望者を対象とした研修,新規の里親宅への家庭訪問,電話相談及び里親同士の交流の場の運営を,社会的養育に関する専門的知識や経験が豊かな民間事業者に委託するための予算を計上しております。これによって,児童相談所は子供の事情や特性において最適な里親を選び,安心して安定した生活が送れるようにしていく上での重要な,里親と子供とのマッチングに注力するようにしていきたいと考えています。  今後も,様々な事情で家族と離れて生活しなければならない子供の個々の事情や特性に応じ,その子にとってふさわしい支援ができるよう,里親制度の実効性を高めていきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○渡辺好造 副議長      こども未来局長。 ◎松井勝憲 こども未来局長  里親やファミリーホームなど家庭的環境での子供の養育の充実についてのうち,ファミリーホームで発達障害児等を受け入れるための加算があることが望ましいと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。  ファミリーホームは,御紹介もありましたとおり,定員を5人から6人としており,保護者のない児童や虐待されている児童などを養育者の住居に受け入れ,家庭における養育環境と同様の環境の中で養育するものです。御指摘のとおり,近年,発達障害児の増加などに伴い,本市のファミリーホームにおいても障害の特性に応じた支援を要する児童等を受け入れており,養育者の負担は大きいものと認識いたしております。  このため,養育者を補助する方を雇用する場合の人件費を助成することにより,ファミリーホームの運営体制を強化することを検討するとともに,障害児等の受入れのための措置費の加算制度の創設を国に要望してまいりたいと考えております。  以上です。 ○渡辺好造 副議長      保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の対応について,四点の御質問に順次お答えいたします。  初めに,ワクチン接種の対象者の総人数は何人か,そのうち令和3年度中に65歳以上に達する人は何人かについてです。  現段階で承認されているワクチンの接種対象者は16歳以上となっていることから,そのワクチンを使用する場合には,本市の接種対象者は102万人となります。このうち令和3年度中に65歳以上に達する者は約32万人となります。  次に,本市の住民基本台帳に登録されている外国人は何名か,また,ワクチンの接種券の送付や接種の予約など,外国語の対応が必要だと思うが,現在の検討状況はどうかについてです。  令和2年12月末現在で本市の住民基本台帳に登録されている外国人市民は約2万人です。ワクチンの接種に当たって,日本語に不慣れな外国人市民が接種に対して不安を感じることなく,安心して接種を受けることができるようにするためには,必要かつ適切な情報を正しく理解していただける環境を整備することが重要であると考えております。  こうした考えの下,外国人市民への対応については,接種券を送付する際に多言語で相談できる窓口を案内するとともに,予約コールセンターでは,英語,中国語,ベトナム語などの多言語で対応できるよう検討しております。  また,集団接種会場では,多言語対応の翻訳機を設置するなど,外国人市民が安心して接種できる環境を整備することにしております。  次に,例外的に住民票所在地以外の市町村で接種できるとされているが,接種券の配布や接種の管理などはどのように行われているかについてです。  新型コロナウイルスワクチンの接種は,各自治体で住民向けの接種体制を構築することから,住民票所在地の市町村で接種を受けることが原則とされ,接種券は住所地に送付されます。一方で,単身赴任や出産のための里帰り,高齢者施設等への入所など,やむを得ない理由があり住所地で接種を受けることが困難な者は,事前に接種を受けようとする医療機関等が所在する市町村に届出を行い,届出済証の交付を受けた上で,接種券と届出済証を医療機関等に持参し,接種を受けることができます。  また,住所地以外で接種を受けた場合の接種歴は,接種後に国民健康保険団体連合会から市町村へ送付される予診票及び接種券を基に住所地の予防接種台帳へ登録し,管理されることになります。  最後に,広島市は近隣の市町から通勤される方も多いため,近隣の市町との連携は重要であるが,現在の検討状況はどうかについてです。  本市には,近隣の自治体から通勤・通学する方が多いことから,今後,近隣の自治体と連携して共同接種体制を構築し,職場や学校の近くで接種が可能となるよう,協議・検討を行うことにしております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      こども未来局長。 ◎松井勝憲 こども未来局長  不妊治療の周知及び包括的性教育の推進についてのうち,令和元年12月議会において,不妊に悩む若い世代に向けての効果的な普及啓発の方策を検討するとの答弁があったが,現時点での進捗状況はどうかとのお尋ねにお答えいたします。  前回も御答弁申し上げましたとおり,若い世代が命の大切さや妊娠・出産等に対する正しい知識を得ることは,自らのライフプランを考えるという観点からも重要であると認識しております。  このため,現在,本市では,ホームページ内にサブサイトを開設し,不妊治療費助成制度をはじめ,目的別,年齢別の子育て支援情報を掲載していることに加え,今年度末を目途に,若い世代の多くが日常的に利用しているLINE等のSNSを活用し,妊娠・出産や不妊治療の現状,他人に聞きづらい疑問などについて情報を発信する準備を進めております。さらに,こうした取組が世代を問わず多くの方の目に留まるよう,区役所等でのパンフレットの配布,本市広報紙への掲載について検討することとしており,今後も効果的な普及啓発に努めてまいります。  以上です。 ○渡辺好造 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       不妊治療の周知及び包括的性教育の推進について,一点お答えをいたします。  互いの生命,健康,人権を大切にすることを基本にしつつ,妊娠・出産を含む人生設計まで学べる包括的性教育を取り入れてほしいがどうかというお尋ねです。  学校における性教育は,児童生徒が性に関して正しく理解し,適切な行動が取れるようにすることを目的として,学習指導要領等に基づき,保健体育科,特別活動等を中心に,児童生徒の発達段階に応じて行っております。具体的には,小学校では,体育科の保健学習等において,性に関する初歩的な知識や相手を思いやることの大切さなどについて,また,中学校では,保健体育科等において,異性との関わり方や性に関する情報への適切な対処の仕方などについて学習をしています。高等学校では,保健体育科等において,性感染症の予防,受精・妊娠・出産とそれに伴う健康課題などとともに,御質問のあった包括的性教育に関連する家族計画の意義などについても学習をしております。  こうした中,議員御指摘のとおり,昨年12月に第5次男女共同参画基本計画が閣議決定され,その計画の中の年代ごとにおける取組の推進の中に,学童・思春期において,早い段階から妊娠・出産の知識を持ち,自分の体への健康意識を高めるプレコンセプションケア── 包括的性教育の実施が掲げられていることから,今後,国の動向を踏まえながら,保健体育科や特別活動等において,どのように取り入れていくことができるか検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   ひきこもりの支援についての三点の御質問にお答えいたします。  まず,直近の平成30年度,31年度のひきこもりの相談件数の推移についてお答えいたします。  本市では,市内に2か所ある広島ひきこもり相談支援センターにおきまして,精神保健福祉士や臨床心理士等の資格を持った専門の相談員がひきこもりの方を抱える家族等から寄せられる様々な相談に電話やメール,面接により対応しているほか,各区役所の地域支えあい課等でも保健師が相談を受けております。代表的な窓口であります広島ひきこもり相談支援センターにおける相談件数を申し上げますと,平成30年度が延べ3,593件,31年度が延べ3,894件で,301件増えております。  次に,本市におけるアウトリーチの取組状況についてです。  ひきこもりの方を抱えた世帯は,その御家族がひきこもり本人の存在を隠そうとして社会的に孤立したり,高齢化により相談に出向くことができなくなるなどの困難な問題を抱えておられます。こうした世帯に対しては,支援員による訪問相談の機会を増やすなど,できるだけ早い段階で自立支援に確実につなげていく取組を強化する必要があります。  このため,本市では,国の補助制度を活用して,今年度から相談件数の多い西部センターに訪問支援,いわゆるアウトリーチを中心に行う訪問相談支援員1名を追加で配置し,早期支援に取り組んでいるところでございます。  この訪問相談支援員は,現在,新型コロナウイルス感染防止に努めながら,民生委員や介護支援専門員等が出席する会議に参加するなどして,地域の支援関係者と顔の見える関係づくりや地域のひきこもりに関する情報の収集・共有に努めております。こうして得られた地域の実情を基に,訪問相談支援員は,例えば地域包括支援センターの看護師等と一緒にひきこもりの世帯を継続的に訪問し,信頼関係を築くことで,ひきこもり本人の病院受診や障害福祉サービスの事業所見学等に同行するなどの支援を行っております。  今後も地域の関係者と緊密に連携を図りながら,より多くの早期支援につながるよう取り組んでまいります。  最後に,ひきこもりサポーター制度についての取組状況,そして岡山県総社市のテキストなどを参考にしてほしいと考えるがどうかという御質問についてです。  ひきこもりサポーター制度は,ひきこもりについての理解を深め,より身近な地域でひきこもりに悩む方やその家族を支える人材を養成するもので,サポーターとして登録された方は,専門の支援員による訪問相談に同行して支援を行ったり,地域でのひきこもりに関する普及啓発などの活動を行います。今年度から広島ひきこもり相談支援センターに委託してサポーターの養成等を行っており,国のガイドラインに基づいて,ひきこもりに関する基本的な知識や支援方法等を習得する研修を実施し,昨年の10月に13名のサポーターが登録されました。新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中で,サポーターの活動はできておりませんが,今後の感染状況を見ながら,活動を円滑に開始できるよう,現在,サポーターが参加した交流会の開催などの準備を計画しているところでございます。  また,議員から御紹介のありました岡山県総社市のひきこもりサポーター養成テキストは,ひきこもりを地域社会全体の問題として捉え,地域の支援関係者が協力して作成されたもので,サポーター活動に必要な情報・技能が分かりやすく解説されていることから,本市としても,今後,養成研修等を行う際の参考にしていきたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    ひきこもりの支援についてのうち,若者交流館ユーストピア中央サテライトではどのような支援を行っているのかについてお答えをいたします。  若者交流館ユーストピア中央サテライトでは,特定非営利活動法人への委託により,働くことへの悩みや対人関係に不安を抱える15歳から49歳までの若者やその家族を対象に,各種の支援を行っております。  具体的には,キャリアコンサルタント等の有資格者による相談業務,コミュニケーション能力向上のためのジョブトレーニング,就職活動につなげるための職場体験や,若者,その保護者,支援者等の参加者が悩みを共有しながら互いの情報や意見を交換することのできるセミナー等を行っており,これらの支援に当たっては,広島市ひきこもり相談支援センターからも対象者の紹介を受けるなど,同センターとも連携を取っております。ひきこもりの方だけを対象にするものではありませんが,令和元年度の実績では利用者は延べ2,376人で,就職につながったのは27人でございました。この若者交流館ユーストピア中央サテライトについては,中央勤労青少年ホームの一角において運営をしておりますが,同ホームは令和4年3月末をもって閉館する予定としていることから,閉館後は,より利便性の高い場所に移転して事業を継続していきたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      6番石田議員。 ◆6番(石田祥子議員) 御答弁ありがとうございました。  ワクチン接種に関しては,多くのことがまだまだ決まらない中で,本市として準備を考えなければならないことは本当に御苦労が多いと思います。感謝いたします。  私から一つちょっと要望なんですけれども,高齢者の方の中には,本人が病歴を持っているとか,薬をずっと服用している,アレルギーがあるとか,そういうことを顔なじみのかかりつけ医はよく分かっているので,かかりつけ医に接種してほしいと希望している方もやっぱりいらっしゃるんですが,そういうことは医師会との連携であったりとか,高齢者の安心感とかを考えると私もそれが望ましいなとは思うんですが,今お聞きしたように32万人の高齢者だけでもということを考えると,やはり集団接種が基本になるということは分かるんですが,どうしても近くのお医者さんじゃないと不安だという特別なというか,そういう方への受皿というか,そういうことを考慮していただければなというふうに思います。  それと,不妊治療の周知に関してですが,前回の質問のときには若い世代に対して周知をお願いしたんですが,今回はもう一歩踏み込んで,学童期からの包括的性教育という形で,もう一つ若いところの方への質問をさせていただきました。学習指導要領に沿ってというのは本当によく理解できますし,保護者の理解とかもあると思うのでなかなか難しいところはあるかと思うんですけれども,私が知っている東京の私立小学校では,既にこういう包括的性教育を意識した授業をしているという話も聞いておりますので,私もちょっと今後勉強していきたいと思うんですが,また考えていただけたらと思います。  里親のフォスタリング業務の民間委託に関しては,前向きな御答弁をいただき本当にありがとうございます。社会的養護が必要な子供たちにとって大切なことは,施設でも里親でもファミリーホームでも,安心して養育されて,愛情を持った大人に育てられる環境の整備だと思います。今後とも広島市の対応をよろしくお願いいたします。  ひきこもりに関しては,本当に様々な年代の方々がそれぞれの事情を抱えながら家族で悩んでおられます。その複雑さゆえに本当に支援の手が届きにくいというのが現状なんですが,せめて社会に一歩踏み出そうと決意された方たちの受皿については,ぜひ広島市としても積極的に考えていただきたいなと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。 ○渡辺好造 副議長      次に,21番定野和広議員。                〔21番定野和広議員登壇〕(拍手) ◆21番(定野和広議員) 市政改革ネットワークの定野和広です。  これより総括質問を行います。  いまだ収束しない新型コロナウイルスにより,不幸にも命を落とされた方へのお悔やみと,病の床に伏せておられる方にお見舞いを申し上げます。今こうしているときも,現場で闘う医療・介護従事者,エッセンシャルワーカーの皆様に,心から敬意と感謝の意を表します。  初めに,新型コロナウイルスワクチン接種について質問します。  新型コロナの感染拡大に伴い,人との距離を保ち,マスクや消毒を欠かさず,極力接触を避けるなど,これまでとは全く異なる生活様式がこれからの当たり前になると言われております。東京大学医科学研究所の石井教授によれば,感染者がほとんどいなくなるなど社会的に実感が得られるには最低でも四,五年はかかると見解を述べています。長期戦です。しかし,生活様式を変えるだけで感染拡大を抑え込むことはできません。一日も早いワクチン接種が待ち望まれるところです。昨日,国内第1号の接種が行われ,いよいよ始まるのかと心強く思います。  国においては,令和2年,予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律を成立させ,ワクチン接種の体制整備を行いました。これにより,ワクチン接種は厚生労働大臣の指示の下,都道府県の協力により,市町村において実施することとされています。つまりワクチン接種は広島市が実施主体であり,滞りなく行う責任があります。ワクチン接種は,医療従事者,高齢者,基礎疾患のある方,そのほか一般の方と,幾つかのグループに分けて進めると聞いております。実施主体である本市としては,対象となる方がどこにどれだけいるのかを正確に把握しなければなりません。ワクチンはそれぞれ特性があり,その中でもファイザー社のものは保管温度マイナス75度,室温で溶かして接種前に生理食塩水で希釈するという手間がかかります。解凍した後は5日以内に使い切らなければなりません。しかも最小流通単位は975回分,貴重なワクチンを無駄にしないためには975回分を5日以内に接種できる体制づくりが必要です。ワクチンの性質上,できるだけ多くの方にまとめて接種するのが理想であり,集団接種が有効と考えられますが,我が国では現在,集団接種は行われておらず,各自治体でのノウハウは失われています。  今年1月27日,川崎市において集団接種を想定した訓練が行われました。川崎市立看護短期大学の体育館では,本番さながらに間仕切りをして一連の流れを確認しました。受付,予診表記入,問診,接種,経過観察と,実際に試してみると幾つかの問題が見つかりました。  まず,問診に時間がかかること。例えば,サバを食べて蕁麻疹が出るが大丈夫だろうか,薬を飲んでいるが問題ないかなどの相談や質問に丁寧に対応するため,接種の待ち時間も含めると想定の2倍の時間がかかったようです。また,接種後は副反応が出ないか30分程度の経過観察が必要です。この日の訓練では,およそ1時間程度かかりました。  会場までの移動は公共交通機関を避けて自家用車を使う方が多いとなれば,広い駐車場も必要になります。数か月間使用できる会場の確保などの問題もあります。ワクチン接種に関する情報が一元化されなければ,ここにも非効率が発生します。しかし,幾つかのシステムを併用しなければならず,そのことで目詰まりが起きるのではないかと懸念しております。  厚生労働省は,ワクチンの流通管理を行うV−SYSというシステムを運営しており,各自治体ではこれまでどおり予防接種台帳を使用しています。この二つに加え,新たに個人の接種情報をリアルタイムで管理するシステムを政府が構築し,全てを連携させるというもくろみです。しかし,急ごしらえのシステムは往々にして不具合が発生します。
     以上を踏まえて質問いたします。  本市では,医療従事者や高齢者などグループごとの対象人数をどのように見込み,接種のスケジュールはどう考えていますか。一度に多くの接種をするためには,集団接種も有効と考えます。ワクチンの保管場所,接種会場など場所の確保,人材確保,その他資器材の確保の状況はどうなっていますか。予約が集中すると思われる土日祝日だけでなく,平日でも接種を受けやすくするために職場でも接種を受けられるようにすればよいと考えますが,いかがでございましょうか。  ワクチンは3週間程度の間隔で2回接種しなければなりません。接種がまだの方あるいは1回目を受けたが2回目を受けていない方に対する接種勧奨も必要です。市民向けの広報についてどのように行いますか,お答えください。  リアルタイムで接種情報を管理するということは,接種後速やかにデータを入力しなくてはなりません。システムが三本立てになっていれば,複数のシステムに何度も情報を入力することになります。医師なのか,自治体なのか,誰が行うにせよ作業の負担が増えることになります。本市ではどのように対応するおつもりでしょうか,お答えください。  次に,行政の効率化について質問します。  今日,技術の進展により,私たちは時間や場所といった様々な制約に縛られず活動することが可能になってきました。自宅にいながらにして遠い場所にいる人たちと会議をしたり,窓口に足を運ばなくても手続を済ませることができるなど,ますます便利になるでしょう。  2019年4月18日の日本経済新聞電子版によれば,NECソリューションイノベータがAIによる人事異動支援システムを発表しました。これは,企業が保有する従業員のデータを人工知能で分析し,人事異動で空いた職務に適性があるのは誰か,離職の可能性がある者はいないかといった情報を人事担当者に提供するものです。従業員の保有スキルや過去の業績評価といった情報をAIに学習させ,分析用モデルを作成し,このモデルで条件に近い人材を見つけ出す仕組みです。適性の高い人材を見いだしたり,離職可能性のある人を察知したり,研修の効果をより期待できる人材を探すことにも応用できます。  大手生命保険の明治安田生命保険は,2024年度をめどに,内勤社員1万人を対象とした人事異動にAIを導入すると発表しました。AIの提案を受け,最終的に人事担当者が配属を決定します。  民間企業だけではありません。福島市では,今年度,NECなどと共同でAIによる人事異動の実証実験を行っています。福島市では,約2,000人の職員のうち,毎年約4分の1が定期異動となります。手作業の負担や業務の属人化が課題となっていました。これは全国どの自治体でも同じです。これまでの人事・給与システムのビッグデータをAIが分析し,熟練者の意図を学習し,それを模倣する技術を使い,過去の異動情報から既存の条件や数値化しにくい暗黙値のルールを探して明文化します。こうした条件と過去の異動情報を突き合わせることで,最適な人材配置を提案するというものです。現在,実証実験の最中ですが,令和3年度の定期異動の際,人が行う場合と比較検証すると聞いています。  人事をAIで行うというと,無機質で冷たい印象を与えるかもしれませんが,職員の勤務実態に客観的な視点から評価をすることができるのではないでしょうか。最初から最後までAIに任せるわけではありません。しかし,巨大な組織である広島市の職員人事の作業は膨大です。その一部をAIに置き換えて,余力を細やかな配慮が必要な作業に回すべきではないかと考えます。  そこで質問です。本市は,人事異動を行う際にどのようなことを考慮しているのか,お答えください。現在でも人事・給与システムというものを利用していると聞いていますが,現行のシステムとはどのようなもので,人事異動に伴い,業務をどの範囲まで行っているのか,お答えください。また,年度末の定期異動について,最終的に人事異動が発令されるまでの間に,どのような流れでどれほどの業務があるのか。本市は人事異動にAIを活用して作業の省力化を図ることは検討しないのでしょうか,お答えください。  市役所の人事異動と同列に論じることはできませんが,一つの例として,保育所の入所調整について挙げておきます。今年2月3日の中国新聞記事によれば,広島県では,保育所選考にAIを活用する自治体に費用の半分を補助する方針です。来年度は東広島市が該当します。県内では,尾道市が既にAIでの入所調整を行っており,2,000人から2,500人を振り分けるのに3人の担当者が240時間かけて行っていたものが,AIを利用すると僅か30秒でできるそうです。これにより選考結果の通知が2週間前倒しとなり,希望がかなわなかった場合,すぐに次を探すことができるという利点があります。市役所の人事異動とは異なりますが,大幅な省力化が期待できるという好事例として挙げておきます。  都市の在り方について質問いたします。  昨年11月1日,大都市制度をめぐり注目を集めた大阪都構想の賛否を問う住民投票が行われ,否決されました。政令指定都市である大阪市を廃止して,新たに四つの特別区に再編することにより,大阪府と大阪市の持つ権限を一元化する,これにより二重行政の解消を図るというものでした。都道府県と基礎自治体が同じような事業を行い,似たような施設をつくるのは確かに非効率であり,これを見直すことは必要です。例えば,大阪では,かつて府と市の第三セクター同士がビルの高さを競い合い,どちらも経営破綻するといったことがありました。行政の無駄をなくすことが待ったなしの課題であり,今回の住民投票もその危機感の表れであったと思います。  結果として否決されたものの,大阪都構想を通じて改めて大都市の在り方について考えました。現在の政令指定都市制度は,その仕組みの中に二重行政の種を宿していると言えます。県と市の役割分担が曖昧なまま,今日まで妥協の産物である政令指定都市が存続してきました。県と市は,本来は綱引きで競うのではなく,はなから乗っている土俵が違うという認識に立つところから大都市の在り方が議論されるべきです。  指定都市市長会は,あるべき大都市制度の姿として特別自治市を志向してきました。毎年,国への要望も提出しています。しかし,全く前進する気配はありません。  特別自治市とは,平たく言えば,市が県から独立するということです。市域にあっては,徴税から住民サービスの提供まで全ての権限と責任を市に集中させるということです。確かにこれで二重行政は解消するでしょう。より市民の意向を反映したきめ細やかなサービスが充実するならば,迷うことなく実現すべきです。市民から負託を受け,将来にわたる市民の幸せを目指す我々政治の場に身を置く者は考えなくてはならないことです。現状をどのように認識しているかによって,大都市制度についての考え方も異なります。  昨年10月11日の毎日新聞に大都市制度についてのアンケート結果が掲載されました。対象は,大阪府と大阪市を除く19の政令指定都市の市長と,政令指定都市を抱える14の道府県の知事です。道府県と政令市が併存することの課題は何かとの設問には,権限と財源の不足や二重行政を挙げる自治体が多い中で,広島市と広島県は,合同研究会を立ち上げ事務分担を整理しているとの回答でした。ところが,10月13日の読売新聞に掲載されたアンケート結果では,二重行政の有無を問われ,県知事は,二重行政があると答え,広島市長はないと答えています。二重行政は,県はないと言い,市はあるとする回答が多い中で,これはかなりまれな例です。  そこで質問です。二重行政の有無について,県はあり,本市はなしと,全く反対の認識ですが,何をもって二重行政はないとしたのか,お答えください。  県と市の合同研究会において課題の洗い出しを行ったということですが,この研究会はどのようなもので,これまでどのような議論を重ねてきたのか,何を課題として洗い出し,どのような解決を見たのか,お答えください。  効率のよい行政を目指すためには,制度そのものに切り込んでいくことも必要です。指定都市市長会の提言にあるとおり,大都市には集積性,高次性,中枢性を生かして日本経済を牽引する役割があるとされています。反面,大都市ならではの課題も存在しています。例えば,土木費と民生費の割合が大きくなることなどです。企業などが大都市に集中すれば,大都市は周辺住民が利用することも含めてインフラの整備をしなくてはならない。大都市の投資の効果は,市域にとどまらず周辺にも波及しますが,その分,大都市の持ち出しが増えるというものです。これは多くの経済活動を引き寄せる大都市の宿命であって,引き受けなくてはなりません。都市は大きくなることでその活力を増し,発展の勢いを増してきました。周辺の市町を巻き込むことで本市が発展してきたことは疑いようもありません。本市が今後も発展していくためには,周辺との一体的な施策の展開が求められます。  本市では,200万人広島都市圏構想を掲げ,広範囲にわたる連携に取り組んでおられます。これは連携中枢都市圏という国の制度を利用したもので,連携の取組に対して国の交付金がついてきます。平成の大合併で多くの市町村が合併しました。連携中枢都市圏として現在,全国で34の圏域が誕生しています。道州制でもなく,合併でもなく,果たしてその行き着く先にどのような国の姿を描いているのか,いまだ不透明です。かつては本市も周辺との合併を行い,現在の姿になりました。広島市とその周辺市町において一体的で切れ目のないまちづくりを行うためには,将来のまちの姿だけでなく,その実現のために,どこにどれだけ投資するのかということも圏域内で共有していなくてはなりません。  例えば,本市の東隣に位置する府中町と海田町については,地理的に本市と一体と言えます。かつて合併を検討した海田町については,合併協定書に調印しました。平成15年9月のことです。その後,海田町の意向で合併は白紙となりましたが,もしあのとき合併していたら,東部のまちの姿は現在と全く違ったものになっていたでしょう。  平成の大合併では,合併を後押しするために合併特例債の起債と,それに対する国からの交付税措置があるなど様々な推進策が取られました。現在,それに代わり連携中枢都市圏を形成することで,国からの交付金を得ることができます。国は,連携中枢都市圏という名前で平成の大合併に続く緩やかな合併を考えているのではないかと思います。人口減少社会を乗り越えるための連携中枢都市圏構想ですが,実際には合併とは異なるものです。単なる連携にとどまらず,合併をすることで一体的なまちづくりを推進できる可能性があるまちが極めて近くに存在します。海田町並びに府中町です。  質問です。本市から歩み寄ることで,合併について再度検討することについていかがお考えでしょうか。合併は,選択肢の中に残っているのでしょうか,お答えください。  次に,コロナ禍における学校の対応について質問します。  新型コロナウイルス感染症で学校が受けた影響は大きなものがあります。学校行事も,その多くが中止や延期を余儀なくされました。たとえ開催できたとしても,内容を簡素にしたり,あるいは保護者の参観ができなかったり,行事の在り方も大きく変わりました。しかし,どのような状況であっても教育を質・量ともに低下させてはなりません。教室で授業を受けるだけではなく,友達と競って,力を合わせて,同じ体験を通じてお互いを高め合っていく,かけがえのない時間を過ごすのが学校です。特に学校行事はこうした学びの絶好の機会です。  学校行事の中で特に印象的だったのは,運動会の開催です。我が子の通う小学校では,いつもと同じというわけにはいかないながら,先生も児童もいろいろ工夫を凝らしていました。開会式の簡略化,児童は低学年,中学年,高学年に分かれて,自分たちが出場しないときは教室待機,御家族も人数制限した上で入替え制としました。注目すべきは,タブレットを使い,先生が児童の競技の様子を撮影し,教室に生中継していたことです。それをほかの学年の子が教室から応援します。テレビに映し出される行事の様子に熱心に見入る姿は,教室と校庭とたとえ場所が離れていても一体感が感じられました。学校のお互いに息を合わせることや,ほかの子の競技や演技をお互いに見合うことが運動会の大きな意義であるという考えが伝わってきました。このリモート観戦は面白い取組だということで,当日はテレビ局の取材も来ておりました。  一方で,授業時間も確保しなければならない,その制約の中で,どの行事を残してどの行事を取りやめるのか,どこまで簡略化するのか,学校には難しい判断が求められます。やめてしまうのは簡単です。しかし,行事を行うことの教育的な意義は何だろうか,この行事は何のために行うのか,子供たちのために何ができるのだろうか,本質的なところに立ち返って考えなくてはならないと思います。各学校で,それぞれのやり方で感染対策と行事の両立を図ったことは貴重な経験です。各学校だけにとどめるのではなく,よいものはぜひ広く共有すべきだと思います。  そこで質問です。本市の学校では,コロナ禍において学校行事をどのように工夫しながら実施し,その工夫をどのように共有しているのか,お答えください。  今年度,標準授業時数確保の見通しはあると聞いておりますが,例年に比べると時間的な余裕がない中での学びになっており,児童生徒が学習内容をきちんと理解できているのかが気になります。随分駆け足だとも聞いております。今年度も残り少なくなりましたが,授業時数の確保とともに,学習の質の確保もぜひお願いします。5月に実施される全国学力・学習状況調査の結果に注目したいと思います。  次に,少人数学級について質問します。  政府の方針で,来年度から5年間かけて,公立小学校の全学年での35人学級を実現することになりました。少人数学級でよりきめ細やかな配慮が行き届いた教育が実現します。実に喜ばしいことであり,歓迎いたします。  気がかりなのは,教員の質と数をどのように確保するかということです。昨年度の公立小学校の教員採用試験の倍率は,全国平均で2.7倍でした。最も高倍率の高知県で7.1倍,低い佐賀県と長崎県が1.4倍,本市は,広島県と合同で採用しており1.7倍となっています。明らかに学生の教員離れが起きています。勤務時間の長さやいじめなどへの対応,英語やプログラミングなど教える内容も複雑になり,多忙に拍車をかけている中での35人学級の推進です。全国的に教員の不足と,それに伴う自治体間での教員争奪戦が予想されます。本市は,国に先駆けて小学校全学年で35人学級を実現しており,教室と教員は確保できていると思いますが,今後も引き続き安定的に人材を確保しなくてはなりません。  そこで質問です。本市では,教員の志願者数を増やすためにどのような取組を行っていますか,お答えください。  人数だけではなく,教員の質も大切です。現場でよく耳にするのは,大量採用世代の教員が一斉に定年を迎え,それに続く世代が少ないために,年齢的な均衡を欠いている,あるいは経験豊富な教員が不足しているといった声です。教員の能力を高めるには,一般的な研修だけでなく,同じ学校の中で先輩が後輩を指導するということも重要です。定年を迎え現場を離れてしまうベテラン教員の豊富な経験を,どのように継承するのかということも考えなくてはなりません。  例えば,定年退職した教員が再任用される場合,フルタイムで担任を含めて若い先生方と同じ業務を担うか,短時間勤務で特定の教科や業務を受け持つかのどちらかです。しかし,担任は負担が大きいので難しいが,もっと子供を教えたいという人は大勢います。こうした人たちに複数で一つのクラスを担当してもらうなどすれば,現役教員の負担軽減と経験の継承ができるのではないでしょうか。  質問です。教育委員会として,教員の質の向上に向けてどのように取り組もうとしているのでしょうか。本市では,中学1年までの35人学級が実現しており,残るは中学2年と3年です。現在,この2学年の定員は1学級40人です。少人数学級を進める趣旨に鑑みれば,義務教育全てでこれを進めるべきです。私は,今後は中学2年と3年の35人学級実現に向けて取り組むべきだと考えます。これまで本市では,小学校全学年と中学1年までの35人学級を実現していました。小学3年生から6年生までは,これまで市費で賄っていた加配分が,今後は国費に置き替わります。例えば,平成31年度の4学年分の加配に係る本市の決算額は年間約8億円です。  質問です。今後,これが国費に置き替えられるのであれば,ぜひとも中学2年と3年の35人学級に力を注ぐべきだと思います。本市としてのお考えはどうであるか,お答えください。これまで子供の教育のための,しかも教育に携わる人についていた予算です。引き続き,教育のための,人のための活用をと願っております。  以上で総括質問を終わります。 ○渡辺好造 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       定野議員からの御質問にお答えします。  都市の在り方についてのうち,県・市の合同研究会についての御質問がございました。  県・市の合同研究会の立ち上げに当たっての私の基本的な考え方を申し述べたいと思います。  市民のまちづくりへの思いや行動を行政運営に生かせる社会,真の分権型社会の実現のためには,基礎自治体という市民に最も身近な存在である本市が,特別自治市制度など基礎自治体の機能強化につながる新たな大都市制度の導入を目指しつつ,現行制度の下でも実現可能な方策を用いて,能動的に地方分権の推進に取り組むことが重要であると考えています。  こうした考えの下,私は,平成24年2月に,県との間で広島県・広島市連携のための合同研究会を設置し,二重行政の解消に向けては,県・市に類似する行政サービスを住民により有益に提供できるよう,県・市間の役割分担や連携の在り方について協議・調整を進めるとともに,県の事務・権限のうち市民に身近な本市が担うことで市民サービスの向上などの効果が見込めるものについては,積極的に県に働きかけを行い,独自にそれらの事務・権限の移譲ということを行ってきたところであります。中でも,二重行政の解消に関しましては,県・市に共通する20分野34項目の行政サービスを対象に,県民・市民の利便性の向上,県・市を合わせた費用対効果の改善,県と市の施策の整合性の三つの視点に立って検証を行い,改善の余地があるものとして産業振興,観光,公営住宅,教育,試験研究,児童福祉,スポーツ・レクリエーションの7分野8項目を洗い出しました。  これら7分野8項目について合同研究会を中心に見直しに取り組んできた結果,例えば産業振興の分野では,県西部地域における総合的な相談業務を市の中小企業支援センターに移管するとともに,公営住宅では,県営住宅及び市営住宅の相互受付などを開始しております。また,試験研究では,県・市の工業技術センターの窓口のワンストップ化などを図るとともに,スポーツ・レクリエーションでは,県緑化センターと市森林公園をひろしま遊学の森として一体的運営を開始することができました。  今後とも市民の意向に沿った行政運営ができる社会,真の分権型社会を目指して,単に国や県の進める施策の結論を待つのではなく,能動的に国や県に働きかけを行っていきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○渡辺好造 副議長      企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   都市の在り方について,二点の御質問に順次お答えをいたします。  まず,県・市の二重行政の有無に係る新聞社からのアンケートについて,本市は,なしとの回答であったが,何をもってなしと回答したのかについてです。  先ほど市長が御答弁したとおり,二重行政に関しては,合同研究会で7分野8項目の行政分野の全てについて協議・調整を行い,具体的な処理方針を確定させるなど一定の成果が得られたことから,二重行政のまま放置されているものはないと認識し,本市としては,なしと回答したものでございます。  次に,本市から歩み寄ることで,海田町と府中町との合併を再検討することについてどう考えているのか,また,合併は選択肢の中に残っているのかについてです。  200万人広島都市圏構想を掲げる本市としては,近隣市町との合併にこだわることなく強固な信頼関係を構築し,国の連携中枢都市圏制度を活用しながら,圏域全体の持続的な発展を図っていきたいと考えています。その際,関係市町の住民が,我がまちあるいは地域さえよくすればよいのではないかという発想を超えて,それぞれのまち,地域の自主性・自立性を十分に尊重しつつも,共助,連帯の精神を尊重する環境づくりこそ重要になると考えています。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  新型コロナウイルスワクチン接種について,五点の質問に順次お答えいたします。  初めに,本市では,医療従事者や高齢者などグループごとの対象人数をどのように見込み,接種スケジュールはどのように考えているのかについてです。  ワクチンの接種対象者数については,国から算定方法が示されており,65歳以上の高齢者及び60から64歳の者の人数は住民基本台帳から算出し,医療従事者等,基礎疾患を有する者及び高齢者施設等の従事者の人数は,市の人口に国の推計に基づいた一定の割合を掛けて算出し,これらの者以外の者の人数は住民基本台帳に基づく本市の全人口からそれぞれの対象者の人数を差し引いたものとしております。このため,本市における対象者数は,65歳以上の高齢者が約30万人,60から64歳の者が約6万5000人,医療従事者等が約3万6000人,基礎疾患を有する者が約5万9000人,高齢者施設等の従事者が約1万8000人,これらの者以外の者が約71万3000人となります。  ワクチンの接種スケジュールは,現時点における国からの通知を踏まえれば,2月17日から国が医療従事者を対象に接種を行い,3月中旬に県が医療従事者等を対象に接種を行う予定です。本市は4月上旬から65歳以上の高齢者を対象とした接種を行い,その後,接種時期は未定ですが,国・県が接種した者を除く65歳未満の方を対象に接種を行います。  次に,一度に多くの接種をするためには集団接種も有効と考える,ワクチンの保管場所・接種会場などの場所の確保,人材確保,その他資器材の確保の状況はどうなっているのかについてです。  ワクチンの保管は,冷凍した状態で管理できるディープフリーザーを設置する基本型接種施設と呼ばれる医療機関等で行うことにしており,本年3月末時点では市内18か所の医療機関で保管する予定です。  集団接種の会場については,各区の保健センターなどの公共施設や民間商業施設などを使用する方向で調整を行い,接種に従事する医療従事者については,市域の医師会や看護協会等に協力を求めているところです。今後,国からワクチンの供給時期や量に関する情報提供を受けた上で,接種会場や医療従事者の必要数を確保することにしております。また,ワクチンの接種に必要な資器材等につきましては,現在,業者から見積りを徴取するなど,購入に向けた準備を進めております。  次に,予約が集中する土日,祝日だけでなく,平日でも接種を受けやすくするために,職場でも接種を受けられるようにすればよいと思うが,どのように考えているのかについてです。  仕事をしている世代は平日に接種会場に行きにくく,接種の予約が週末に集中することが懸念されることから,現在,国において職場での集団接種について検討が進められているところです。本市としましては,職場での集団接種が可能になれば,実施に向けて検討したいと考えております。  次に,ワクチンは3週間程度の間隔で2回接種しなければならない,接種がまだの方あるいは1回目受けたが2回目受けていない方に対する接種勧奨も必要である,市民向けの広報をどのように行うのかについてです。  多くの市民に安心して円滑に接種を受けていただくためには,ワクチンの接種方法や国から発信されるワクチンの効果や副反応の発現状況に関する情報などを,分かりやすく丁寧に市民の皆様にお伝えする必要がございます。こうした認識の下,宮崎議員の御質問にも答弁いたしましたが,本市のホームページや広報紙,広報番組などに加えて,報道機関やデジタルサイネージを所有する民間企業の協力も得ながら,日常生活の様々な場面で接種に関する情報を発信したいと考えております。  また,議員御指摘のとおり,当該ワクチンは十分な抗体を得るためには,一定の間隔を開けて2回接種する必要がありますが,2回目の接種を失念してしまう方がいることが懸念されるため,1回目の接種の後に,被接種者に対して何らかの方法で2回目の接種日等を伝えることを検討しております。  最後に,リアルタイムでワクチンの接種情報を管理するということは,接種後速やかにデータを入力しなければならない,システムが三本立てになっていれば複数のシステムに何度も入力することになるが,本市ではどのように対応するのかということについてです。  国が構築したワクチンの配分量や残数などの管理を行うV−SYSへの入力は,本市や接種を行う医療機関が行い,接種履歴の管理などを行う本市の福祉情報システムへの入力は本市が行います。一方,現在,国が開発しているワクチンの接種管理システムについては,機能や活用方法によっては本市の福祉情報システムへの影響が生じることや,接種会場での入力事務が必要となるおそれがあることから,国の接種管理システムの導入に当たっては,本市が進めている事務に手戻りがなく,新たな業務負荷が生じないよう国へ要望しているところです。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   行政の効率化について,三点の御質問に順次お答えをいたします。  まず,人事異動を行う際に,どのようなことを考慮しているのかについてです。  職員の人事異動は,新たな業務や職責を経験することによる職員の能力開発,事務能率の向上や退職等を伴う欠員補充など適正な執行体制の確保を目的として,一般的には3年程度を目安に行っております。具体的な配属先については,職員の経験や能力,所属局・区等からの内申やヒアリングを基に,毎年度実施する職員意向調査により把握した希望業務や健康状況,人事異動に当たり配慮してほしい事項等を考慮して決定しているところです。  次に,現行の人事・給与システムはどのようなもので,人事異動に伴う業務をどの範囲まで行っているのかについてです。  人事・給与システムは,平成9年度から導入しており,職員の氏名,住所,年齢,勤続年数,庁内歴等の職員情報の管理や給料,各種手当等の給与の管理などを行っています。学校の教員等を除く約9,000人の職員のうち,毎年3,000人規模の職員の異動を行う定期人事異動においては,膨大な業務が生ずることから,人事・給与システムを活用することにより,職員情報の更新,辞令書,内示書等の資料作成,昇給・昇格に伴う給与格付,定年退職に伴う退職手当の計算などを処理し,業務の効率化を図っております。  最後に,定期人事異動に伴う業務について,どのような流れで,どれほどの業務があるのか,AIを活用して省力化を図ることを検討しないのかについてです。  定期人事異動について,まず業務の大まかな流れを申し上げますと,前年の9月から10月に所属において人事評価及び職員意向調査を実施し,11月から12月に各所属局・区等が人事課へ内申書を提出し,それを基に人事課がヒアリングを実施した上で,3月までに人事異動案を検討し,決定しております。定期人事異動作業が本格化する12月以降の主な業務の量を延べ時間数で申し上げますと,内申書に基づくヒアリングの実施に約700時間,人事異動案の検討・作成に2,200時間,システム入力作業に100時間,内示書や辞令書等のチェックに600時間であり,合計すると3,600時間程度となります。これまでも人事・給与システムの活用のほか,資料の削減や簡素化,業務スケジュールの見直し等により業務の効率化に努めてきたところですけれども,入力作業等の定型業務にRPAを活用する取組や,議員御紹介のAIを活用した職員配置の最適化の取組等も参考にしながら,さらなる効率化・省力化の手法を研究してまいります。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       学校行事と少人数学級について,数点の御質問に順次お答えをいたします。  まず,学校では,コロナ禍において学校行事をどのように工夫しながら実施し,その工夫をどのように共有しているのかという御質問です。  年度当初の約2か月間の一斉臨時休業に伴い,授業時数の確保に努めなければならない中,各学校は,できるだけ学校行事が行えるよう,様々な工夫をしています。  まず,修学旅行については,ほとんどの学校で実施時期や行き先を変更するとともに,実施の際にはバスなどの乗り物内での会話を控える,施設見学や売店等を利用する際には時間差を設ける,食事は1人ずつの配膳とし会話を控える等の工夫をしています。  運動会や体育祭については,事前の練習や当日の開催時間を短縮する,体を接触する機会を減らすため騎馬戦などの団体競技を取りやめる,参観者を保護者のみとし,学年ごとに入れ替わって参観していただく等の工夫を行った学校がありました。  文化的行事については,集団で大きな声を出す合唱は,多くの中学校,高等学校では取りやめとなりましたが,文化祭では,吹奏楽や演劇のステージ発表をICTを用いて各教室に配信するなどの工夫をした学校もありました。こうした学校行事の工夫については,定期的に開催をされる各区や全市の校種ごとの校長会等において情報共有が図られているところですが,教育委員会としても,指導主事の学校訪問等で把握した好事例について,教育委員会LANシステムを活用し,各学校から閲覧できるようにしていきたいと考えております。  次に,教員の志願者数を増やすためにどのような取組を行っているのかという御質問です。  近年,教員採用試験において志願者が減少傾向にあり,教員の資質の維持・向上を図るという観点などから,志願者の確保が喫緊の課題であると考えております。こうしたことから,全国の13会場及び11大学での採用試験説明会や,主に県内の大学生を対象とするひろしま未来教師セミナーを開催し,本市の教育施策や教員の魅力等の情報発信に努めているところです。  また,教員採用試験を受験しやすい環境を整えるため,受験資格の年齢制限を緩和したり,県内・市内の臨時的任用教諭や他県における正規教員を対象とした特別選考や,教員免許状取得者で,現在,民間企業等で勤務している方や子育て等の理由で教育職から離れている方を対象とした特別選考などを実施しています。  今後は,より一層大学等と連携を図りながら,教員養成段階から学生に教育現場におけるやりがいと魅力が伝わるようにしていく必要があると考えており,例えばひろしま未来教師セミナーについて,多くの人が参加しやすいオンライン形式を取り入れたり,大学生が本市の児童生徒と触れ合える体験的な場を増やしたりするなど,一人でも多くの教員志願者に教員採用試験を受験していただけるような取組を進めていきたいと考えております。  次に,教育委員会として教員の資質の向上に向けてどのように取り組もうとしているのかという御質問です。  本市教育委員会では,教員の資質の向上に向けて,経験年次に応じた研修等を計画的に実施しています。具体的には,法定研修である1年目の初任者研修と11年目の中堅教諭等資質向上研修に加え,本市独自に教職経験2年目,3年目,6年目に受講する研修と,臨時的任用教諭を対象とした研修を行っており,これにより教員が経験年数に応じて着実に資質・能力の向上を図ることができるように取り組んでいるところです。  また,退職するベテラン教員のノウハウを継承できるよう,退職教員を初任者研修の指導教員として再任用し,長い教員生活で培った指導技術などを生かして,直接初任者に指導するなどの取組も行っております。そのほか各学校においては,校内授業研究会や公開授業研究会の実施,中堅教員やベテラン教員が若手教員を指導する自主研修会の実施などにより,教員の資質の向上を図っているところです。今後とも,こうした取組を通じて教員の資質の向上に努めてまいります。  最後に,今後,市費で負担していた加配分が国費に置き替えられるのであれば,中学校2年,3年での35人学級に力を注ぐべきだと思うがどうかという御質問です。  国においては,公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づき,小学校1年生は35人以下,小学校2年生から中学校3年生までは40人以下を学級編制の標準としておりましたが,このたびこの法律を改正し,令和3年度から令和7年度までの5年間で小学校全学年を順次35人以下の学級編制とする方針を出しました。  このたびの国の方針決定は,本市が既に実施している取組,具体的には小学校2年生は国の加配措置により,小学校3年生から中学校1年生までは市独自の財源で35人以下学級とする少人数教育を言わば追認するものであり,令和4年度以降,小学校について順次,本市の財源負担を国が自ら措置することになります。  本市では,将来にわたって持続可能なまちづくりを進めていくこととしており,そのためには,国と市の役割分担が適切になり,国の財源措置により確保できることとなった自主財源については,本市が推進すべき施策の全体最適のために活用していくことが必要です。したがって,本市における少人数学級の一層の拡大については,こうした基本的な考え方を踏まえつつ,学級数の増加に伴う教員の確保や教室の増設など,それに伴う一連の課題とともに,国の少人数学級に関する今後の動向,本市の児童生徒数の今後の推移などにも十分留意しながら検討をしていきたいと考えております。
     以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      21番定野議員。 ◆21番(定野和広議員) 幾つかちょっと質問もさせていただきたいんですが,まず,人事ですね,延べで3,600時間,やはりこれは大きな時間だと思います。ただ,人事については,やはりどうしても人の手ならではというところがあるということも理解はしております。なるほど,そう来たかというような人事の妙といいますか,そういったところも確かにあるのはあると思いますが,ですので一遍に全部変えてしまうというのは,これは難しいというのは分かります。例えば,保育所の入所調整も,実際にやっているところがありますので,例えば本市においても,そういった一部だけでもまずやってみるとか,それから横に手を広げてみるとか,そういったこともぜひ検討していただきたいなということで今回の質問をいたしました。こういった技術というのはもう日進月歩で,あっという間に普及しますので,ぜひいろいろと,ここについてはAIの活用を検討してみてください。  それと,2月15日に報告を受けましたけれども,公営住宅の管理,これは二重行政の部分なんですけども,公営住宅の管理,広島県と市の一元化そのものはちょっとうまくいかなかったということで,募集であったり,その辺りは共用,共通でできるということで一歩前進ではありますけども,やはり県と市の連携,いざやるとなるとお金の問題が絡んでくるのでなかなか思うようには進まないなと,一つの例だなということで報告を聞かせていただきました。どうしても費用が絡むと,じゃあどちらが負担するんだと,これはもう切っても切れない話ですので,なかなか難しいんだろうなということは改めて感じました。  35人学級についてです。本市がこれまで進めてきた35人学級ですけども,これは堂々と胸を張っていいことだと思っています。国に先駆けて,市費を投入してまで加配をしてきたわけですから,これは誇るべきことだと私は思っています。先ほどの答弁にもありましたけども,国のほうがやっと広島市に追いついてきたというふうに私は思っております。  今回,この加配をしていたからこそ,教員の確保も随分と楽だったのではないかなというふうに思います。本当によかったと思っています。この少人数学級というのは時代の要請でもあり,社会の要請でもありますので,一旦この流れが動き出した以上は,もう後戻りはないんだろうと思います。であれば,次は中2,中3,これが当然じゃないかなと私は思っております。  全国的に小学校の全学年で35人学級,これが実現すれば,今まで広島市が先行していたんですけども,これも全国横並び,広島市も同じ,全国同じようなことになってしまうわけで,今まで誇るべき少人数学級をやってきた広島市ですから,また改めて一歩前にここで出るべきではないかなということを申し上げておきたいと思います。  先ほど質問の中で申し上げました加配に要していた,投入していた費用は,市費で8億円余り。言葉は適当ではないかもしれませんけども,将来的にこの金額が浮いてくるんですね。もし中2,中3で35人学級を実現すればどれぐらいの費用がかかるのか,一度試算してみられたらいいんじゃないかと思います。これまで4学年分で8億円です。それに対して,今度中2,中3ですから,2学年分です。この2学年分のほうが,その4学年分を上回るということはないだろうと思います。  例えば,数年後に中2,中3,生徒数が何人になるんだろうかとか,例えば教員の給与ですね,これが大体幾らなんだろうかと,これはもう分かっている数字なので,大まかに大体どれぐらいか分かるんではないかと思いますが,ちょっと聞きたいんですけども,おおよそ大体どれぐらいの費用が中2,中3に拡大するとかかるというのは,大まかな費用というのは分かるんですかね。 ○渡辺好造 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       今,資料を持っておりませんけども,少し古い数字になりますが,大まかに見ると,大体さっきの8億でいうと,半分程度というのが昔つくった資料であります。  ちょっと今お尋ねがありましたので,少人数学級について少し認識も含めてお話をさせていただきますと,今回,国のほうで,これまで少人数学級の推進ということで,新型コロナの影響もあって大変大きなかじを切ってきたというふうに考えております。少し前に振り返りますと,この広島市議会においても,小・中の30人学級ということで意見書を採択されて,それを出されて,文部科学省も30人学級を何とか小・中でやろうということでいろいろ動かれましたが,結果的には小学校までの35人ということで,ちょっと言葉が適切かどうか,取りあえずスタートを切ろうということになったというふうに考えております。  一昨日の文部科学大臣の記者会見の発言内容などを見ましても,基本的には国のほう,文科省においても,35人学級をさらに将来,拡大していくということは視野に入っているというふうに私は捉えております。我々教育委員会としましても,本来の一番の目的である個に応じたきめ細かな指導で基礎学力をつけたり,丁寧に子供たちの様子を把握できたりというような意味で言うと,やはり35人学級というのはさらに拡大していくのが,より望ましい姿であるというふうに考えております。  そういう認識の下で,実際じゃあそれを実現していこうというふうに考えたときに,おっしゃったような,当然お金の話もあるんですが,先ほど御質問があったように,今,教員の志願者が減少傾向にある中で,ある意味瞬時に増員をしていかなければならない。そして,例えば過大規模校のような,教室に余裕がない学校,こういうところでは校庭に仮設教室を建てないといけない,そういう学校も出てくるということになります。  そういったこともあって,先ほどの答弁の繰り返しになりますけども,今後の国の動向,これは少人数学級拡大,方向性についてはもうそういう方向で行くと思っていますけども,その拡大の方向性なりスピード感,そして広島市の児童生徒数の状況がここ数年もうちょっとどうなっていくか,こういったことも見ながら,引き続いて教育委員会として検討できることをやっていきたいなというふうに思っております。方向とすれば,ぜひそういう実現ができればということで思っております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      21番定野議員。 ◆21番(定野和広議員) そういう方向性は一致しているのかなと私は今,話を聞きながら自分では思っておりますけども,やはり広島市が35人学級を市費を投入してスタートしたときというのは,先ほど答弁の中で,全体最適を考えるとか国の動向を見ながらという言葉が出ていたんですけども,その時点で国の動向を見ながらやったんでしょうか,全体最適ということを考えながらやったんでしょうか,私はそうじゃないと思うんですね。  全体最適というと,全体を大きく見ると何とか最適に見えますけども,多分一つ一つは最適でなかったりもするんですね。だからそういった教育の中で全体最適でとかいうんではなくて,恐らく当時は国の動向を見ながらとかじゃなくて,広島市は広島市でやるんだと,広島市の子供たちのためにやるんだと,こういうところが原点だったんでないかなと思うんです。ですので,しっかり35人学級,国の動向を見ながら,もちろんそうだと思いますが,広島市としてどうするのかということをぜひ前向きに考えていただきたいと思います。  単純なことを一つ聞いて終わりますけども,広島市としては35人学級,したいのかしたくないのかということを聞いて終わりたいと思います。 ○渡辺好造 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       少人数学級の導入は,たしか平成20年頃からスタートを切ったというところだと思います。その目的は,先ほど申し上げたように,個に応じて一人一人にできるだけ目が行き届く,そのことによって学力であるとか,いじめへの対応とかいうことにより効果があるであろうというようなところ,それから中学校まで広げたのは,やはりそういうことをやる小学校との接続というのを考えて,中1まで盛り込んだというふうに理解をしております。  そういう中で,御質問のお答えは,先ほど申し上げたとおり,やはり35人学級ということを中学校3年まで広げていくというのは,より望ましい姿であるというふうに考えておりますし,それを実現していきたいと思っております。あとは,そのスケジュール感を例えばどうするであるとか,その辺りはやはり検討すべき課題もありますので,そこらをしっかり検討していきたいというふうに思います。  以上です。 ○渡辺好造 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き総括質問を行います。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後3時05分散会 ─────────────────────────────────────── ───────────────────────────────────────   議 長   山  田  春  男   副議長   渡  辺  好  造   署名者   川  本  和  弘   署名者   森  畠  秀  治...