広島市議会 2009-10-01
平成21年第 3回 9月定例会−10月01日-03号
平成21年第 3回 9月定例会−10月01日-03号平成21年第 3回 9月定例会
平成21年
広島市議会定例会会議録(第3号)
第 3 回
広島市議会議事日程
平成21年10月1日
午前10時開議
日 程
第1
一般質問
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会議に付した事件等
開議宣告(終了)
会議録署名者の指名(終了)
日程に入る旨の宣告(終了)
日程第1
一般質問
休憩宣告(終了)
開議宣告(終了)
一般質問(続行し,明日も続行)
次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)
散会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 八 軒 幹 夫 2番 大 野 耕 平
3番 三 宅 正 明 4番 碓 氷 芳 雄
5番 西 田 浩 6番 渡 辺 好 造
7番 馬 庭 恭 子 8番 豊 島 岩 白
9番 清 水 良 三 10番 森 本 真 治
11番 藤 井 敏 子 12番 今 田 良 治
13番 桑 田 恭 子 14番 原 裕 治
15番 米 津 欣 子 16番 星 谷 鉄 正
17番 安 達 千代美 18番 八 條 範 彦
19番 竹 田 康 律 20番 元 田 賢 治
21番 沖 洋 司 22番 松 坂 知 恒
23番 村 上 厚 子 24番 中 原 洋 美
25番 永 田 雅 紀 26番 増 井 克 志
27番 山 田 春 男 28番 橋 本 昭 彦
29番 平 木 典 道 30番 母 谷 龍 典
31番 谷 口 修 32番 宮 本 健 司
33番 沖 宗 正 明 34番 酒 入 忠 昭
35番 田 尾 健 一 36番 太 田 憲 二
37番 若 林 新 三 38番 中 森 辰 一
39番 熊 本 憲 三 40番 佐々木 壽 吉
41番 種 清 和 夫 42番 木 山 徳 和
43番 金 子 和 彦 44番 児 玉 光 禎
45番 碓 井 法 明 46番 平 野 博 昭
47番 月 村 俊 雄 48番 土 井 哲 男
49番 都志見 信 夫 50番 皆 川 恵 史
51番 中 本 弘 52番 木 島 丘
53番 柳 坪 進 54番 藤 田 博 之
55番 海 徳 貢
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欠 席 議 員 氏 名
な し
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職務のため議場に出席した
事務局職員の職氏名
事務局長 浜 中 典 明
事務局次長 松 村 司
議事課長 重 元 昭 則
議事課課長補佐主任事務取扱
立 原 満
議事課主査 宮 田 武 雄
議事課主査 小 田 和 生
議事課主査 垣 井 英 孝
外関係職員
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説明のため出席した者の職氏名
市長 秋 葉 忠 利 副市長 三 宅 吉 彦
副市長 米 神 健 副市長 豊 田 麻 子
企画総務局長 湯 浅 敏 郎 財政局長 佐 伯 克 彦
市民局長 皆 本 也寸志
健康福祉局長 三 村 義 雄
こども未来局長 梶 原 伸 之 環境局長 堀 内 雅 晴
環境局エネルギー・
温暖化対策担当局長 経済局長 藤 本 誠
渋 谷 祐二郎
都市活性化局長 片 平 靖
都市整備局長 荒 本 徹 哉
都市整備局 山 本 哲 生
道路交通局長 木 時 誠
指導担当局長下水道局長 市立大学事務局長志 賀 賢 治
向 井 政 博
会計管理者 紙 本 義 則 消防局長 高 野 哲 司
水道局長 飛 原 秀 登
病院事業局事務局長
中 田 英 樹
監査事務局長 藤 岡 賢 司 財政課長 古 川 智 之
教育長 濱 本 康 男
選挙管理委員会 舛 田 時 男
事務局次長
人事委員会事務局長
山 本 正 己
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午前10時00分開議
出席議員 44名
欠席議員 11名
○
藤田博之 議長 おはようございます。
出席議員44名であります。
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開 議 宣 告
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○
藤田博之 議長 これより本日の会議を開きます。
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会 議 録 署 名 者 の 指 名
───────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 本日の
会議録署名者として
12番 今 田 良 治 議員
37番 若 林 新 三 議員
を御指名いたします。
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日 程 に 入 る 旨 の 宣 告
───────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 これより日程に入ります。
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△日程第1
一般質問
───────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 日程第1,昨日に引き続き
一般質問を行います。
発言通告者に順次発言を許します。
33番
沖宗正明議員。
〔33番
沖宗正明議員登壇〕(拍手)
◆33番(
沖宗正明議員) おはようございます。
さきの総選挙によって,
フレッシュマン代議士が数多く誕生しました。結婚と当選は第1日目が最も幸福であるという言葉がありますけども,本議場の
議員諸兄がその実感を抱いたかどうかわかりませんけども,彼ら
フレッシュマンがそんな悲哀を味わうことのないように祈っております。
政治の世界だけでなく,経済情勢なども含めて世界は目まぐるしく変化しています。医療の世界では崩壊が進み,もはや救急車に乗ったら安心できる時代は終わりました。
我が広島県は,
医療先進県と思われているかもしれませんが,幻想にすぎません。平成20年に医師数が減少したのは全国でただ1カ所,広島県だけです。医師数の減少のうち87名が
広島大学医学部であり,
国立大学医学部といえども医師不足の波にさらされています。外科医の絶対数の不足から,早ければ5年で,遅くとも10年で外科手術を受けたくても受けられない時代が来ます。かつて
サッチャー首相の時代に,イギリスがたどったのと同じ道を我が国もたどっています。
そんな変化の中で,私が興味を持っているのは
自動車産業です。現在,トヨタプリウスを初めとする
ハイブリッド車が大変な人気を博しており,待ち切れない人たちは新車よりも高価な中古車を購入しています。しかし,私はトヨタがうけに入っているのもそう長くないと思っています。
ハイブリッド車は,ごく近い将来
電気自動車にその地位を取ってかわられると思うからです。
電気自動車のパイオニアの称号が与えられるであろう,テスラ・モーターズという
メーカーの
電気自動車は,ポルシェよりも加速性能がすぐれています。テスラのユニークなところは,創業者がコンピューターの専門家だということです。自動車用の大容量の電池を開発するより,日本製の
ノートパソコンの電池約7,000個を搭載して
電気自動車をつくりました。排気ガスも騒音もない
電気自動車は,見方を変えれば大きな模型であり,大きな家電であり,住居の一部でもあります。近い将来,プラモデルの
メーカーや
家電メーカー,
住宅メーカーが参入してくるでしょう。チョロQをつくったタカラトミーの
電気自動車,ソニーやパナソニックの
電気自動車,セキスイの
電気自動車などが現実味を帯びています。
かつての
自動車業界には,ビッグスリーがありました。これに対して,
電気自動車業界にはスモール・
ハンドレッドという言葉があります。部品の少ない
電気自動車は,
ガソリン車と違って簡単につくれるため,小さい
自動車メーカーが数百社できるであろうという意味です。既に中国では210万円の
電気自動車がつくられています。燃費も,
ハイブリッド車といえども太刀打ちできません。東京−大阪間を走る電気代は,わずか500円と試算されています。しかも,家庭で安い夜間電力で充電できます。
私は,
ガソリン車だけでなく
ハイブリッド車も近い将来,
電気自動車に駆逐される日が来ると想像しています。ましてや,スタンドの整備が必要な
水素自動車など問題外だと思います。そのときには,ピラミッド型の
アセンブリー産業である
自動車業界は,構造が大きく変わることになります。
ガソリン車に必要なミッション,ピストン,ラジエーター,オイルなどは不要になります。ガソリンスタンドもなくなります。そんな時代がすぐ間近に迫っています。
航空の分野も確実に変わりつつあります。かつてあれほどの栄華を誇ったJAL──日本航空でさえ存亡の危機に立たされています。こうした情勢を踏まえて,
広島西飛行場について質問をいたします。私の今回の質問では,この問題に最も大きな比重を置きます。
ことし6月4日,紆余曲折を経て総事業費1900億円を費やした本邦第98番目となる
静岡空港が開港しました。来年には99番目の茨城空港が開港予定です。国土面積に占める空港の数は,イギリス,ドイツに次いで世界第3位となりました。1万平方キロメートル当たりの空港の数は2.6であり,
航空先進国のアメリカの2.0をはるかにしのいでいます。
例えば人口60万人の鳥取県には鳥取と米子の2つの空港が,72万人の島根県には出雲と石見の2つの空港があり,100キロメートルごとに4つの空港が並んでいます。島根県にはもう一つ,隠岐空港があることも忘れてはなりません。狭い日本にこれほどの空港が必要であるのかは甚だ疑問です。
静岡空港には幾つもの問題があり,
広島西飛行場を抱える本市にとっても他山の石とすべきものです。
静岡空港の問題点の幾つかを上げます。まず,
利用者予測がずさんだったと言わざるを得ません。静岡県が最初に,当時の運輸省に
空港設置許可を申請した1995年2月に発表した国内線の
利用者予測は,年間178万人と大見えを切りました。それが5年後の2000年7月には121万人に,さらに5年後の2005年4月の最新の予測では106万人に下方修正されています。しかも,この106万人という数字さえ信憑性があるとは言えません。
私は
静岡空港のホームページで乗客数を計算してみました。同空港から現在運航している国内線は札幌,福岡,沖縄,小松,熊本,
鹿児島便で合計1日10便となっています。それぞれに使用する機種の定員から計算すると,1年365日すべての便が満席となったと仮定しても78万1100人です。すべての便が満席などあり得ませんから,
平均搭乗率60%と甘く見積もっても年間47万人,50%と見積もれば39万人でしかありません。さらに
静岡空港周辺は霧が多いことでも知られ,欠航の頻度も高いと予想されます。これまで静岡県が出した数字が,いかに現実離れしたものであるかを物語っています。
さらに問題なのは,JALの福岡便について,搭乗率70%を切ると差額を県が補てんする契約となっていることです。6月末時点の静岡−福岡便の搭乗率は平均で59.8%であり,このペースが続けば1年で3億5000万円の税金がつぎ込まれます。平均50%なら倍の7億円です。ドル箱といわれる羽田−福岡便でさえ昨年の搭乗率は平均65.3%ですから,70%の
搭乗率保証がいかに無謀なものかがわかります。とはいえ,
広島西飛行場に毎年県と市で約6億円の損失を埋めている我々が,
静岡空港を批判できるでしょうか。
さて,これまで本市は,都市機能を残すために
東京便復活を探っていくと繰り返し答弁されています。そのよりどころとなっているのは,来年10月に供用開始が予定されている羽田の第4滑走路の11万回の発着枠です。年に11万回ということは大変に多い数字に思えますが,決してそうではありません。
それを説明する前に,我が国の航空行政の実態に少し触れます。首都圏の空港は,国際線は成田,国内線は羽田とすみ分けがなされていますが,羽田からもチャーター便の扱いで国際便が就航しています。ただし,羽田からの国際便には
ペリメーター規制と呼ばれる
運航距離制限があります。これは羽田から最も遠い国内線である
石垣空港までの距離1,947キロメートルを超えない範囲に限るというものです。この範囲には上海,ソウル,大連は含まれますが,北京,香港,台北は含まれません。しかも,相手側の空港も
国内線専用に限られています。例えばソウルなら,新しくできた
仁川国際空港でなく金浦空港であり,上海なら
浦東国際空港でなく虹橋空港にしか飛べません。
こうしたことを受けて2007年3月13日,当時の
冬柴国土交通大臣は
参議院予算委員会で次のように答弁しています。すなわち羽田空港は
国内拠点空港である,2010年に完成する第4滑走路の発着枠11万回のうち,3万回を国際線に割り振ってもよいのではないか,羽田は
国内空港という立場から,日本の
国内空港で最も遠距離にある
石垣空港までの2,000キロ弱を中心に,円を描いた範囲の中に飛ばしてもよいのではないかと述べています。
つまり羽田第4滑走路の発着枠11万回のうち,国内線に振り分けられるのは残り8万回ということになります。発着回数は,離陸と着陸をそれぞれ1回と数えますので,8万回とは便数にして4万便となります。これを365で割ると1日に約109便となりますが,事はそう簡単ではありません。
現時点での予想では,2010年10月に10便の配分枠が,2011年4月に27便の配分枠が決まります。この合計37便は大きい
航空会社に配分されるので,
西飛行場への小型機による便の配分は不可能と思われます。そこで,2013年4月に決まる残り72便の配分枠に入れるかどうかが大きな焦点となります。この72便の枠の,国際線と国内線の割合は不明ですが,仮に国内線への振り分けが半分と仮定すれば,1日にわずか36便です。3分の2の配分なら48便です。この36便ないし48便を,国内の100になんなんとする空港で奪い合うことになります。この枠に入れる可能性については,どのように考えておられるのでしょうか。
今,
航空会社の不採算路線からの撤退が相次いでいます。日本の
航空会社で,
関西国際空港発の欧米路線は今やJALの
ロンドン便わずか1本になっていることがそれを象徴しています。この
ロンドン便でさえも廃止が検討されています。去る9月15日,JALが国際線21路線,国内線29路線の廃止を検討していることが明らかになりました。この中には,さきの関空−
ロンドン便を初めとして,
広島西飛行場の定期便4便も含まれています。当然,
航空会社は羽田の4万便の枠を採算性のよい路線に振り分けるはずです。採算性とは,大量輸送できることも条件になるでしょう。70人乗りしか離発着できない
広島西飛行場が,その中に選ばれる勝算があるのでしょうか。
次に,重要な要素として,仮に朝夕2便の羽田便の枠を獲得できたとした場合の
西飛行場の収益について述べます。去る8月28日の産経新聞に,
関西国際空港の着陸料の値下げが検討されていることが報じられていました。世界一高いと言われる同空港の着陸料は,中型機で57万円です。成田と
中部国際空港は45万円,韓国の
仁川国際空港は14万円です。
これに対する
広島西飛行場の着陸料を聞いて耳を疑いました。
議員諸兄は御存じでしょうか。
鹿児島便,宮崎便とも何とわずか5,071円です。セスナと
ヘリコプターに至っては1,050円です。空港の収益の2本柱は着陸料と使用料ですが,着陸料は年間1500万円でしかありません。これも
鹿児島便,宮崎便が廃止になればゼロになります。このような状況のもとで,東京便が2便就航したとしても1日に1万数千円が上乗せされるだけで,収益には全く貢献しないことは明らかです。東京便を復活させることは,すなわち
西飛行場の年間6億円の赤字を永続的に受け入れるということになります。これでは,冒頭述べたような
静岡空港の
搭乗率保証と何ら変わるところはありません。広島県は既に
西飛行場からの撤退を表明しています。その場合,広島市は単独で
西飛行場を運営する覚悟はあるのでしょうか。
私は防災ヘリや
マスコミヘリの拠点としての有用性は認めますが,
ヘリコプターなら
広島市民病院にあるようなヘリポートや狭いグラウンドでも離発着でき,
西飛行場がなくても機能します。執行部にはそれだけの赤字を続けてもなお
西飛行場を維持する価値があるとお考えなのでしょうか。県との協議のタイムリミットが迫っているこの時期に,緊急的にこの問題を取り上げました。
2番目の質問は,使命を終えた条例を取り上げます。
テレビでは「開運!なんでも鑑定団」という番組が人気を博しています。物置や蔵でほこりをかぶっていた骨とう品がとてつもない価値を持っていたり,高い金を出して購入したものが二束三文であったりして楽しませてくれます。条例の場合は骨とうとしての価値は全くありませんが,私はこの番組からヒントを得て,本市においてもほこりをかぶって埋もれている条例がないか探したところ,かなりの数に上りましたので今回取り上げました。
現在,本市では平成22年度から始まる新たな
行政改革計画の策定に取り組もうとしています。行政改革とは,とかく人員の削減や組織改正に焦点が向けられますが,私は条例や規則の廃止が議論されていないことに異を唱えたいと思います。
議会にとって最大の行革は
定数削減と言われます。その意味では,本市議会は行革の優等生です。しかし,私の
個人的意見としては,人口がふえれば
議員定数を増加させるのが
地方自治法の原則であり,
定数削減はあくまでも
例外的措置であると考えています。議会が真に住民の多様な意見を代表するためには,定数をふやすべきであり,もっと女性やサラリーマンの代表が議会に議席を占めるべきと考えています。先ごろ放送された
テレビドラマ「結党!老人党」のように,高齢者の代表も議席を得るべきでしょう。そのために議員報酬の総額がふえても,それは民主主義のコストであると思っています。
さて,例規があるところには職制と権限が存在します。例規の廃止によって,その職制と権限を廃止することができます。つまり例規の行革です。今回私は,広島市例規類集全5巻に目を通してみました。厚さにして42センチメートルありました。その中に既に使命を終えたと思われるものがありましたので,指摘をいたします。国の法令に従ったもののほか,本市との合併に伴うものが目立ちましたが,中には首をかしげたくなるようなものも数多くありました。
まず,昭和27年5月27日制定の条例第36号,日本国との平和条約の効力発生に伴う職員の懲戒免除及び収入役等の賠償の責任に基づく債務の免除に関する条例があります。この条例は,昭和27年4月28日に発効した
サンフランシスコ講和条約により,日本が独立を回復したことによる恩赦に関連したものです。昭和27年4月28日前の行為について懲戒処分を受けた職員について,将来に向かってその懲戒を免除し,同日前の行為についてもまだ懲戒を受けていない者に対しては懲戒を行わないとする内容です。また,賠償の責任に基づく債務で,昭和27年8月28日前における事由によるものは将来に向かってその債務を免除することもうたわれております。我が国が独立を回復する前の職員の罪を許すという,まことに寛大な条例です。同様に,
平成元年3月9日制定の条例第6号,昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に基づく債務の免除に関する条例も,昭和64年1月7日前の行為について
平成元年2月24日前に減給や懲戒を受けた者に対して,将来に向かってその懲戒を免除する内容です。昭和64年1月7日は
今上天皇即位の日であり,
平成元年2月24日は大喪の礼が行われた日です。
以上,2つの条例にかかわるような懲戒や債務は既に意味を失っています。これら2つの条例の根拠となった法令は今でも廃止されていませんが,本市にとってはもはや存在意義を失ったと思いますがいかがでしょうか。
昭和46年3月31日制定の条例第30号,安佐郡沼田町の編入に伴う広島市
国民健康保険条例の適用の特例に関する条例,これは旧安佐郡沼田町
国民健康保険の被保険者に係る保険給付及び被保険者の適用についての特例を定めたものです。同様の内容のものが旧安佐郡可部町,祇園町,安古市町,佐東町,高陽町,安芸郡瀬野川町,熊野阿戸村,矢野町,船越町,佐伯郡五日市町の編入に関しても残っています。
昭和47年7月21日制定の条例第76号,安佐郡祇園町の編入に伴う広島市
敬老年金条例の適用の特例等に関する条例,この条例は,編入に伴う同町の住民に広島市
敬老年金条例の適用をするための条例です。この条例の第3条第2項には,昭和47年7月1日から同年12月31日までの間に係る分に限るものとするとなっていますが,時限立法でないため現在も効力を持っています。
同様の条例は,旧安芸郡船越町の養老年金についても残っています。昭和46年3月31日制定の条例第29号,安佐郡沼田町の編入に伴う広島市市税条例等の適用の特例に関する条例は,市民税と都市計画税,軽自動車税の特例を定めたものです。同様の条例が旧安佐郡安佐町,祇園町,可部町についても残っています。
また,昭和60年2月27日制定の条例第16号,旧五日市町生業資金貸付条例の規定に基づく生業資金の経過措置に関する条例,生業とは生きる業と書きます。旧佐伯郡五日市町の合併に伴い,昭和60年3月20日前に旧条例の規定に基づきなされた借り受けの申し込みに係る生業資金の貸し付け及び償還については,旧条例によるというものです。この条例によって新たな貸し付けが行われる可能性はなく,この条例も使命を終えています。
五日市町の編入に関しては,同日制定の旧五日市町住宅新築等及び宅地購入資金貸付条例等の規定に基づく住宅新築資金等の経過措置に関する条例も残っています。そのほか編入に伴う特例を定めた条例で,ほこりをかぶり,もはやその意義を失ったと思われる条例は,まさに枚挙にいとまがない様相を呈しています。
これらの条例が,最近10年間に適用された例があるのでしょうか。また,将来にわたって適用される可能性があるのでしょうか。もし,適用された例がなく,将来適用される可能性がないのなら条例を残す意味があるのでしょうか。
さらに,市はこれまでこうした条例の点検を行ったことがあるのでしょうか。点検をしていないならば,市の行政の怠慢と言うべきですが,その責任の一端は立法府たる議会も逃れ得ないものとも考えています。
条例は,その時代の求めに応じて制定されたものです。しかし,既に明らかにその使命を終えたものがあります。それらは,法の趣旨からして執行部が提出したものだと思われます。そのような条例については,労をねぎらい,手厚く葬り,骨を拾ってやるのも執行部の務めでありましょう。条例の廃止も行政改革の大きな前進です。執行部がその責務を怠るなら,議会が廃止条例を提出することも選択肢の一つと考えていますが,いかがお考えでしょうか。
続いて,市長の専決処分について伺います。今定例会にも道路の管理瑕疵や市営住宅の明け渡しなど,専決処分の報告が5件提出されています。
地方自治法第180条第1項の規定には,軽易な事項で議会が議決したものは,普通地方公共団体の長が専決処分することができるとうたわれ,報告だけでよいことになっています。本市では,昭和28年12月23日制定の条例第60号,
地方自治法第180号第1項の規定による市長の専決処分事項に関する条例がよりどころとなっています。
このような報告とは別に,議会の承認が必要なものもあり,平成16年からことし6月定例会までになされた12件の専決処分については,すべて議会の承認が得られています。多くは年度末の税制改正に伴うもので,訴訟事件の控訴も含まれています。
平成18年の
地方自治法改正に伴い,専決処分の明確化がうたわれ,具体的説明が求められるようになりました。
地方自治法第179条第1項によると,専決が認められるのは以下の4条件に限られています。
すなわち1,議会が成立しないとき。2,同一の事件につき再度招集しても,なお半数に達しないときや招集に応じても
出席議員が定数を欠き,議長が出席を催告してもなお半数に達しないときなどでなお会議を開くことができないとき。3,議会が議決すべき事件を議決しないとき。4,特に緊急を要するため,議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであるとき。以上の4つに限られています。
極端な場合,議会の議決権のうちで最も大切な当初予算でさえ,専決処分することが可能となります。実際に,
藤田博之本市議会議長がかつて籍を置いた旧五日市町では,当初予算の専決処分が行われた先例があります。以前に国会で行われたような牛歩戦術のように,議会が故意に議事を引き延ばした場合にも専決処分が可能となります。しかし,そのような場合は議会が非難されることにはなります。
ここで,私が最も問題と考えているのは,4の特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであるときに関してです。議会を招集する時間的余裕がないことの具体的判断基準はどのようなものでしょうか。専決処分が,議会で不承認の場合の説明責任をどのようにお考えでしょうか。議会の承認が得られなかった場合でも,法的には専決処分の効力に影響がないとされています。専決処分は,それほど重大な意味を持っています。
本来,専決処分は議会の執行部に対する監視機能を奪うものであり,これが横行することは議会として見逃すことはできません。専決処分に対する市長の基本的な考えをお聞かせください。
平成18年の
地方自治法改正では,議長への議会招集権の付与が見送られました。私の個人的見解ですが,市長の専決処分を少なくし議会の権能を高めるためには,定例会の回数を減らし,会期を延ばしてほぼ通年議会にするような改革が必要と考えています。
最後に,歯科健診について質問いたします。この問題については,これまで
一般質問で取り上げられた記憶がありませんので,厚生委員会でなくてあえてこの場で論じたいと思います。
一般に不治の病と聞いたとき,どのような病気を連想するでしょうか。不治の病といえども,その概念は時代によって変わります。昭和初期からしばらくは結核がその代表であり,つい最近まではがんがその地位を占めていました。しかし医学の進歩で,現在では結核やがんでさえも治癒が期待できるものがふえてきました。
現在における不治の病は,齲歯,つまり虫歯です。一たん歯が侵食されると,決して自然治癒はあり得ません。でありながら,高校を卒業して以降,歯科健診を受ける人はまれです。冷たいものが歯にしみる程度では受診せず,痛みを感じるようになって初めて歯科のドアをあけるようです。
2007年の広島県内の虫歯発生率は,幼稚園児が全国最低となるなど各世代とも全国平均を下回っています。しかし,全国最低の虫歯発生率といえども45.4%であり,全国で下から2番目の発生率である中学生,高校生はそれぞれ47.6%,57.2%であり,他県の状況は推して知るべしです。いかに虫歯が国民の健康をむしばんでいるかがわかります。また,35歳以上の虫歯発生率は調査年度ごとに増加しています。これは,成人の口腔保健の法的基盤が極めて貧弱であり,定期管理という視点が抜け落ちていることにも原因があります。
歯周病についてはさらに悲惨な結果です。平成17年度疾患実態調査によると,25歳で74.7%,30歳で80.3%が歯周病を有しています。特に80歳以上に限れば,歯周病のないのはわずかに2.3%となっています。
これを防ぐためには予防が重要であり,現在の節目年齢健診の対象を広げることが必要と考えます。特に歯周病については20歳からの健診が必要です。現在,本市の節目年齢歯科健診の対象者は,広島市に住居を有する満40歳,50歳,60歳,70歳の者となっており,今年度の当初予算では1975万円が計上されています。自己負担は1,300円です。
しかし受診率を見ると,平成13年度の4.21%から徐々に上がっているとはいえ,平成19年度は8.02%でしかありません。対象者6万3166人のうち,受診したのはわずかに5,066人です。さらに驚くことは,この低い数字でも他の政令市に比較すると優秀であるということです。ちなみに京都の0.08%を筆頭に静岡市の0.3%,札幌市の0.8%,さいたま市の2.6%など悲惨な数字が並んでいます。
本市では健診の案内を郵送し,市歯科医師会の協力を仰ぐなど,受診率向上に努力していますが,現状の受診率に満足することなく,さらに受診率を上げる方策を考えなくてはなりません。成人式を迎える若者たちに無料の歯科健診受診券を配るのはいかがでしょうか。また,満30歳も健診の対象に入れるべきと考えますが,いかがでしょうか。さらに,自己負担の金額を下げることはいかがでしょうか。
健康な高齢者は,歯や口腔機能がすぐれていることが証明されています。亡くなった伊藤稲造元市議会副議長は,80歳を過ぎても全く虫歯がありませんでした。歯が丈夫であれば,しっかりとかむことができ,消化器の負担を軽くし,脳に刺激を与え,脳の老化予防にもつながります。残存歯が多いほど医療費が低いという統計があり,歯の健康の重要性をさらに認識すべきだと思います。8020,つまり80歳で20本の歯を残す運動が進められています。80歳で20本の自前の歯があれば,何とか健康を維持できるというものです。
また,児童虐待の一種にデンタルネグレクトがあります。これは,親が子供の虫歯を治療させず,子供の健康がむしばまれることをいいます。このような子供は,学校健診の日に欠席させられることが多いため,その実態は不明です。
こうした状況のもとで,広島市民の健康のため,本市の
国民健康保険事業の収支改善のため,歯科健診の重要性についての基本的な考え方,また将来の展望を伺います。
以上で,私の質問を終わります。
御清聴,感謝申し上げます。(拍手)
○
藤田博之 議長 市長。
〔秋葉忠利市長登壇〕
◎秋葉忠利 市長 沖宗議員の御質問にお答え申し上げます。
歯科健診についての御質問がございましたので,私から基本的な考え方と将来の展望について答弁させていただきます。我が国の平均寿命は世界でも最高の水準にあり,5人に1人が65歳以上という高齢社会になりました。疾病構造が変化し,糖尿病,循環器病,がん,歯周病などの生活習慣病が増加しています。
こうした中,本市では平成14年,2002年に,市民の健康づくり計画である「元気じゃけんひろしま21」を策定しました。この計画では,歯と口の健康を,栄養・食生活や身体活動・運動とともに取り組むべき9つの領域の一つとして掲げ,目標を設定し,積極的に対策を講じてきました。
また,平成19年度,2007年度に策定した広島市食育推進計画においても,食べ物をよくかむ習慣は心身の成長だけでなく歯の健康にとっても重要であることから,1口当たり30回以上かんで食べる習慣をつくる,これは噛ミング30というんですが,かむにひっかけて噛ミング30運動を進めております。
歯と口の健康は全身の健康とも関連があると言われており,歯の喪失が高齢者の生活の質や運動能力に悪い影響を及ぼすことがわかっております。議員御指摘のように,高齢者だけではなくて子供たち,あるいは働き盛りの市民にとっても大きな影響のあること,これもよく知られております。
こうした歯の喪失の原因の約9割は虫歯と歯周病です。生涯にわたり歯と口の健康を維持するためには,歯科保健に関する正しい知識に基づく日ごろの健康管理とともに,定期的な健診が重要です。
このため保健センターの幼児健診や学校健診の中で,歯科の健診を実施するとともに,40歳から70歳までの10歳刻みの人を対象として節目年齢歯科健診を実施しています。また,80歳以上で自分の歯が20本以上ある人を表彰する制度や,歯や口の健康管理のためにデンタルフロスや歯間ブラシを継続的に使用し,すぐれた効果が認められた人を認定する制度を設けるなど,歯科保健に関する正しい知識の普及啓発に努めています。
こうした取り組みの結果,80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合が平成12年度,2000年度ですけれども,これは36.2%でしたが,平成17年度,2005年度は43.8%と向上しています。
議員御提案の,節目年齢歯科健診の対象者の拡大については,20歳代,30歳代においても4人のうち3人以上が歯周病にかかっている実態があることから重要と考えております。しかしながら,節目年齢歯科健診を20歳,30歳の人に実施した場合,国の補助がないなど財政上の課題があることから,段階的に対象を拡大することを含めて検討してまいります。
やがては,すべての市民が自分の歯で毎日の食事を楽しみ,健康で豊かな人生を送れる広島市を目指して,関係団体や関係機関と連携を図りながら歯科保健対策の充実に取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。
○
藤田博之 議長
企画総務局長。
◎湯浅敏郎
企画総務局長 使命を終えた条例についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘の条例のうち,日本国との平和条約の効力発生に伴う職員の懲戒免除及び収入役等の賠償の責任に基づく債務の免除に関する条例,及び昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に伴う債務の免除に関する条例については,最近10年間で適用事例はございません。
議員御指摘の他局所管の条例についても,私の方からまとめて答弁をさせていただきます。
まず,財政局が所管する安佐郡沼田町の編入に伴う広島市市税条例等の適用の特例に関する条例等については,一部の旧町が交付した軽自動車税に係る原動機付自転車等の標識を取りつけている車両が現存しており,当該旧町に係る条例は現在も適用されております。
それから次に,市民局が所管する旧五日市町住宅新築等及び宅地購入資金貸付条例等の規定に基づく住宅新築資金等の経過措置に関する条例,及び経済局が所管する旧五日市町生業資金貸付条例の規定に基づく生業資金の経過措置に関する条例,この二つにつきましては,貸付金の未償還者がいるため現在も適用されております。
次に,健康福祉局が所管する安佐郡祇園町の編入に伴う広島市
敬老年金条例の適用の特例等に関する条例等については,最近10年間で適用事例はございません。また,健康福祉局が所管する安佐郡沼田町の編入に伴う広島市
国民健康保険条例の適用の特例に関する条例等については,最近10年間で一部の旧町の保険税に係る滞納処分の適用事例がございます。
これまで本市においては,長期間適用したことのない条例について全庁的に点検を行ったことはございません。今後,最近10年間で適用事例がない条例等について,存続の必要性等を検討し,存続の必要がないと判断される条例については適宜廃止の措置をとっていきたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 財政局長。
◎佐伯克彦 財政局長 専決処分について御答弁申し上げます。
議員御指摘のとおり,市長が専決処分できますのは
地方自治法第179条で4つの場合に限られております。その中の1つに,特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるときがございます。
その判断基準でございますが,
地方自治法の解釈基準を示しているとされます逐条
地方自治法によりますと,議会を招集する時間的余裕がないとは,絶対に議会の議決または決定を得ることが不可能な場合ではないが,当該事案が特に緊急を要し,議会を招集してその議決を経ている間にその時期を失するような場合とされています。具体的には,議会の招集に当たっては,常に少なくともすべての議員が開会までに参集し得る時間的な余裕を置いて告示しなければなりませんが,そういった時間的な余裕を置いていたのでは時期を失することが明らかな場合を指しますとされております。
本市におきましては,この趣旨を踏まえまして事案ごとに個別に専決処分とするかどうかの判断を行っております。また,専決処分が必要な事案が予想される場合には,事前に議会運営委員会などの機会を通じまして,議会に対して説明させていただいております。
今後とも専決処分につきましては議会で不承認となるようなことのないよう,慎重かつ適切に取り扱ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
健康福祉局長。
◎三村義雄
健康福祉局長 歯科健診についての御質問の中で,健診の自己負担額の軽減についてお答えいたします。
本市の節目年齢歯科健診の健診費用は,国の補助基準額どおり受診者1人当たり4,227円としております。このうち1,300円を受診者の負担とし,残りは公費で負担をしております。ただし,受診者のうち70歳の人や市民税非課税世帯及び生活保護世帯に属する人につきましては,いずれも自己負担を免除し全額公費で負担しております。
議員御提案の自己負担の軽減につきましては,自己負担の軽減を既に実施している他都市の受診率が必ずしも本市と比べて高くないこと,それから特定健診やがん検診など,他の健康診査における自己負担との均衡を考慮する必要があることから,慎重に判断しなければならないものと考えております。
以上です。
○
藤田博之 議長
道路交通局長。
◎木時誠
道路交通局長 広島西飛行場についての御質問についてお答えいたします。
まず,羽田第4滑走路の発着枠のうち,2013年4月に決まる72便の中に
広島西飛行場が入れる可能性はあるのかという御質問です。
本市にとって,東京便の就航はこれまで8万人を超える要望書が出されるなど市民から強い要望があることに加え,本市の中枢拠点性の向上や,地域経済の活性化にも寄与する重要な課題であると考えています。羽田空港の発着枠配分については,現在,羽田空港発着枠の配分基準検討懇談会において協議されており,第4滑走路が供用開始される平成22年,2010年には国際便28便,国内便37便が配分され,その後,平成25年,2013年4月に72便が追加配分される予定です。この72便の配分について,現時点では国内便と国際便の配分は不明ですが,国内便の配分に当たっては地方ネットワークの維持・拡充や小型機による乗り入れも検討されています。こうした国の配分方針や
航空会社の動向を見きわめつつ,100席以下の小型ジェット機による就航も視野に入れて,あらゆる可能性を求めていきます。
次に,市が単独で運営する覚悟はあるのか,また
西飛行場を維持する価値があると考えているのかという御質問です。
現在,
広島西飛行場には航空写真の撮影や宣伝飛行のための小型飛行機が10機,消防,警察,取材,送電線パトロール等の用に供する
ヘリコプターが14機常駐しています。このように,
西飛行場はコミューター空港としての機能のほか,防災や報道関係の取材用などの小型航空機の基地としての機能を担っています。また,国の中央防災会議が定める東海地震発生時における全国11カ所の被災地外広域搬送拠点の一つにも指定されています。平成19年,2007年9月1日の防災の日には,
広島西飛行場と航空自衛隊浜松基地の間で航空自衛隊C−1輸送機による広域医療搬送実動訓練も行われています。多数の救急医療機関や報道機関,官公庁が集積している都心に近い
広島西飛行場は,緊急時に重要な役割を果たすことが期待されています。県の試算では,コミューター便がなくてもこうした機能を維持するためには2億8000万円程度は必要であるとされています。
県はこの機能をすべて三原市にある広島空港へ集約する考えですが,都心から遠く離れた空港に移すことについては十分な検討が必要であると考えております。また運営経費についても,
西飛行場の有する機能が県域全体に及ぶものであることから,これまでどおり県市で負担することが適当であると考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 沖宗議員。
◆33番(
沖宗正明議員) まず,歯科健診につきましては,広島市は全国トップレベルの成績を上げております。そういうことで自慢すべき状況ですが,さらにこれを,成績を上げるために,やはり健診の拡大であるとか,特に20歳の健診をぜひとも要望しておきます。
それから,使命を終えた条例につきましては,ごく短時間にこれだけしっかりと調べていただいたことに敬意を表します。それから,私はほとんど死滅した条例だと思ってましたけども,適用された例があるというのは大変驚きました。しかし,適用されてない条例も相当数あるようですので,それについては,かなりのエネルギーは要るかもしれませんけど要らないものは廃止するということで御検討ください。
それから専決処分につきましては,今のところ問題になったものはありませんけども,基本的に議会の監視能力を侵すという制度でありますし,相当な強い権限を持っております。そういうことで,確実にだれが見ても納得いくような判断基準をしっかりと内部でつくっておいていただきたいと思います。
肝心の
西飛行場につきましては,今までの答弁から余り踏み込んだものはなかったように思いますが,最後に伺います。最悪の場合,来年定期便がなくなって県も撤退するといったときに,広島市では単独でもやる覚悟,あるかないのか,これだけはお答えください。
○
藤田博之 議長
道路交通局長。
◎木時誠
道路交通局長 現在,県と
広島西飛行場のあり方について協議しておりまして,そういう協議しとる中で今,議員御指摘のこうなった場合にどうなるかというような御質問については,先ほど申し上げましたように25年の,2013年の配分枠,それまでは,
西飛行場というのはさまざまな機能があります,これも県域全体での機能があります,ということで,先ほどの答弁したとおりの形で協議してまいりますので,ちょっと直接には御答弁できません。御理解願いたいと思います。
○
藤田博之 議長 次に,11番藤井敏子議員。
〔11番藤井敏子議員登壇〕(拍手)
◆11番(藤井敏子議員) おはようございます。
日本共産党の藤井敏子です。会派を代表して
一般質問を行います。よろしくお願いします。
8月の総選挙の結果,日本の新しい歴史の1ページが開かれました。圧倒的国民が,長年の自公政治の悪政にノーの審判を下し,国民みずからの力で新しい日本への扉を開きました。かわって登場した新政権のもとで,今,多くの国民が新しい歴史が始まっていると実感しているのではないでしょうか。
日本共産党は,総選挙の中で自公政権の退場を訴え続けてきた立場から,今回の総選挙の結果を心から歓迎するとともに,今後日本が従来の古い政治の枠組みから抜け出して,財界中心から国民中心へ,日米軍事同盟中心から自主・自立,平和の日本へ前進するよう,新政権のもとで建設的野党として,よいものは大いに協力し,悪いものには反対し,問題点を正す立場で臨んでいきます。
そこで,市長に伺います。まず第1に,市長は今回の日本の政治史に起こった劇的変化と新政権について,どのように受けとめておられますか。
第2に,この9月,国連総会を初め重要な国際会議が開かれましたが,中でも国連安全保障理事会の首脳級特別会合で,核なき世界を目指す決議が全会一致で採択されたこと,鳩山首相がそこでの演説の冒頭で,世界の指導者が広島,長崎を訪れることを呼びかけたことは,被爆地広島にとって大変歓迎すべきことです。核なき世界の決議が,今後実態を伴ったものになるかどうかは,これからの国際的な世論と運動にかかっていると思いますが,この決議を受けての市長の核なき世界実現への決意をお聞かせください。また,11月に予定されているオバマ大統領の来日で,ぜひ広島,長崎訪問が実現されるよう,改めて強く要請すべきだと思いますがいかがでしょうか。
さて,小泉構造改革がもたらした格差と貧困の拡大と世界不況の中で,7月の完全失業率は5.7%と過去最悪になり,自殺者は12年間連続3万人を超え,過去最悪だった2003年の3万4427人に迫る異常な状況が続いています。2009年のOECD,経済協力開発機構が発表した統計によると,日本では貧困層に占めるワーキングプアの割合が80%を超え,OECD諸国平均の63%を大きく上回る水準になっています。
国による毎年2200億円の社会保障費削減で,医療費,介護費抑制だけではなく,生活保護基準まで切り下げられ,国民の生きる希望と安心を奪い取る異常な政治が行われてきました。特に,日本のひとり親世帯の子供の貧困率は60%と,先進国の中でも最も高く,子供の貧困問題は深刻です。母子世帯のセーフティーネットとなるべき生活保護制度ですが,ことし4月,月2万円余りの母子加算も廃止され,子供の命と健康を脅かし,教育の機会の平等さえ保障できない状況になっています。
母子家庭のお母さんは訴えます。おかずは1品のみ,肉や魚を食べるのは週一,二回,1袋38円のもやしを5人で食べる日もある,成長期の子供に満足に食べさせてやれないのが一番つらい,光熱費を節約するために入浴の回数を減らしているけれども,子供が汗臭いと学校でいじめられないか心配,せめて電気や水道のメーターを気にせず生活したい,成長に合わせて服や靴も買いかえてやりたいが,トレーニングパンツや運動靴,制服代が非常に高くなり,それもできない,クラブ活動費用を負担できず,入部をあきらめさせているが,笑顔で部活に行かせてやりたい。これがお母さんたちの声であり,子供の実態です。
貧困世帯に育つ子供が,学力,健康,家庭環境,非行,虐待など,さまざまな側面で貧困でない世帯に育つ子供に比べて不利な立場にあることは,多くの専門家も指摘しているところです。
改めて市長に伺います。子供の貧困についてどのような認識をされているのか,また市として子供の貧困に対してどのような対策を講じられるのか伺います。
子供の貧困の根本的な解決は,雇用の安定化と所得の引き上げ,労働時間の短縮など雇用対策とともに重要なのが社会保障制度の充実です。特に子供を権利の主体者としてとらえ,子供の医療費の無料化や高等教育の無償化など,子供に直接支援することが求められています。
その立場から数点伺います。まず,教育の無償化と奨学金制度についてです。貧困と,教育を受ける権利については,国連のユネスコは学習権宣言で,学習権なくして人類発達はあり得ない。学習権は基本的人権の一つであり,一部の人たちだけが教育を受けられる排他的特権であってはならないとし,経済的理由で進学をあきらめることがあってはならないというのが世界の常識です。しかし,日本の学費は世界一高く,世界から見たら極めて異常です。しかも,公費負担の少なさはOECD加盟国の中でもワースト2位と少なく,さらに給付制の奨学金制度がない国は日本だけです。国連160カ国の中で,高校や大学の教育を段階的に無償にするという国際人権規約の条項を留保しているのは,日本とマダガスカルの2カ国だけになりました。
日本は本来,憲法で教育は無償とするとしているにもかかわらず,義務教育である小中学校でさえ,実際には1学年で平均5万円,6年間で30万円と給食費や副教材費,実習費などさまざまな名目で保護者負担を求めています。そのほか入学時には制服代,体操着,部活費用や修学旅行や野外活動費も入れれば,小学校6年間と中学校3年間だけでも大変な負担です。給食費や公費私費区分として補助教材費まで保護者負担が当たり前としているところから見直し,少なくとも義務教育では保護者負担はなくしていくべきです。お聞きしますが,小学校,中学校の給食費と補助教材費を全額無償とするためには,財源は幾らかかるのかお答えください。
高校ではもっと深刻です。進学率は全国平均でも97.5%という今,私学では授業料が払えず卒業証書がもらえない高校生や,修学旅行に参加できない高校生,公立でも,希望に燃えて入学しても,家計を支えるために部活動をあきらめてアルバイトして,やむなく中途退学と,教育を受けたくても受けられない状態がつくり出され,一層深刻な問題となっています。市の調査によると,高校では初年度,公立校では平均31万円,私立高校では平均69万円の納付金が必要です。授業料の免除があっても,そのほかに通学費用や修学旅行,クラブ活動費もかかります。教育は自己責任ではなく社会の責任です。どの子も,教育を受ける権利は生きるための権利であり,国と自治体の責任で保障されなければなりません。貧困の連鎖を断ち切るためにも,市独自に,高校大学進学のための支援制度を設けるなど,思い切った対策が必要です。
そこでお尋ねします。18の政令市の中で市独自の奨学金制度を持っていないのはどこの都市ですか。
また,国は2003年に貧困の連鎖をなくすために,生活保護世帯の子供の高校進学支援を認めるようになりました。広島市で現在,修学援助を受けている要保護児童生徒数は2,062人,準要保護世帯の児童生徒数は2万4032人です。これは修学援助を受けている生徒の9割が高校進学に対する支援は何もないということです。生活に困窮している家庭の児童生徒の高校や大学進学を支援するための給付型の奨学金制度を検討するべきだと思いますが,どうでしょうか。
また,国に対して高等教育は段階的に無償とするとした国際人権規約第13条b項c項の留保を撤回するよう求めるべきだと思いますが,どうでしょうか。
次に,児童相談所と自立援助ホームについて伺います。虐待や非行により親と離れて生活せざるを得ない子供たちを一時保護し,児童や保護者への援助を初め,児童福祉施設への入所や里親制度を実施している広島市の児童相談所についてお聞きします。
児童虐待がふえる中で,今年度からこども虐待夜間・休日電話相談事業による相談体制を実施され,24時間の相談体制で,深刻なケースが発生した場合には深夜でも現場に駆けつけることができるようにと児童相談所の正規職員を2人ずつ自宅待機させるなど,児童相談所の体制強化を図られています。虐待相談件数は2006年度に476件と過去最高の件数となり,2007年度以降も300件を超える状況が続いていると聞いております。一体何人体制でどのように24時間対応されているのか教えてください。
何よりも子供の安全確認を最優先し,子供の命を守ろうと,職員の皆さんは献身的な努力をされています。夜間,休日等の相談体制を制度として充実するためには,手当等の見直しも必要と思いますが,そのお考えはありませんか。
4月から発達障害児にも療育手帳を交付できるように制度が拡充されましたが,これを受けて申請者がふえたのでしょうか。申請する児童がふえれば,手帳発行の判定業務も多忙にならざるを得ませんが,現場の状況を教えてください。制度の拡充にあわせて,職員の加配も必要だと思いますがいかがですか。
また,児童相談所で相談や心理的ケアを行うには児童福祉司が必要です。児童福祉法施行令第2条の規定により,人口5万人から8万人までに1人の児童福祉司を配置するように定められています。児童福祉司の配置状況を政令市比較すると,1番に手厚くされているのは京都市です。約3万5000人に1人の児童福祉司が配置されています。しかし,広島では人口6万4133人に1人の配置にしかなっておらず,政令市の中で最低です。
お聞きしますが,基準財政需要額では児童福祉司は何人分交付税措置されていますか。実際の配置状況は何人ですか。交付税措置されている人数がきちんと配置されているのでしょうか。例えば京都の基準で人口3万5000人に1人の児童福祉司を配置するとすれば,何人必要ですか。児童福祉司を増員する必要性についてどのようにお考えですか。
また,児童相談所内には虐待などで緊急に保護された児童を一時的に保護するため,定員20人の一時保護所があります。先日,市議団で現地視察をしましたが,1981年に増築されたもので,殺風景な味気ない部屋で,心に傷を受け,特別なケアが必要な2歳から18歳の子供たちが一緒に生活するには余りにも狭く,施設として限界と感じました。浴室も男女兼用のため,時間制限があり,子供たちは大変窮屈な思いをしているのではないでしょうか。本格的な建物の改築が必要ではありませんか。お考えを伺います。
次に,自立援助ホームについて。
現在,児童養護施設や少年院などを出た後や,また虐待などさまざまな事情で家庭に戻れない16歳から20歳までの少年を受け入れる自立援助ホームの設置が全国で進んでいます。2005年に児童福祉法と児童虐待防止法が改正され,全国24都道府県に55カ所と,5年前の約2倍にふえています。深刻な雇用悪化はこうした子供たちの自立をますます困難にし,自立援助ホームの必要性がますます高まっています。
しかし,中国5県の中で設置されていないのは広島県だけです。9月11日,日本共産党市議団は,岡山市と鳥取市にある自立援助ホームの視察に行ってきました。鳥取市にある鳥取こども学園は,自立援助ホームをつくったきっかけは,養護施設を出て社会に出たばかりの仲間が相次いで自殺するという悲しい事件を受けて,助けが必要な若者の自立を援助する施設が必要だと,84年に施設を出たOBでつくり,運営するようになったのが始まりです。その後,精神的なケアもできる情緒障害児短期治療施設も開設しました。家族から愛される経験を持たず,自立援助ホームに来て初めて僕も家族の一員と自覚できた少年に出会い,自分が認められる安心感こそが社会へ巣立っていく大きな力になっていくことを知ることができました。何より子供の権利を守る最後のとりでであり続けたいと,国や県に働きかけながら実現してきた学園の姿勢そのものに大変感動いたしました。
本当に支えが必要な子供の援助をどこまで真剣に考えるか,行政の力量が問われています。鳥取こども学園の自立援助ホームも国の補助金が少なく,鳥取県が独自に財政的支援をしています。視察に行った岡山や鳥取にも,広島の子供たちが受け入れられていました。大都市の広島市にこそ,自立援助ホームが必要です。市は自立援助ホームの必要性をどのように考え,具体化されようとしているのか伺います。
次に,公立保育園について。貧困の拡大とともに,自治体として子供の虐待件数の増加にどう対応するか問われています。虐待を受けた児童への対策は当然必要ですが,虐待を未然に防ぐことも重要です。地域の子育て力が低下する中で,児童相談所1カ所だけでは対応に限界があります。こういう点からいっても,身近に相談できる場所として地域の子育て支援センターとしての役割が期待できるのが公立保育園です。子供と親の巣立ちを丸ごと支援できる公立保育園の役割が,今ほど重要になっているときはありません。
市は公立保育園のこうした役割と積極面を再認識すべきです。市が進めようとしている公立保育園の民営化で,各区に数カ所しか公立保育園を残さないという拠点化方針そのものが時代の要求に逆行していると言わなければなりません。公立保育園の民間移管の問題は,これまで何度も議論してきました。
この方針が出された2005年当初から,市内86の公立保育園の保護者会が見直しを求める要望書を出されてきたにもかかわらず,ことしの1月に安佐南区の原保育園,古市保育園,中区の舟入保育園,竹屋保育園,佐伯区の坪井保育園の5つの園を2011年から順次民間移管していくと一方的に発表しました。しかし,各園ごとの説明会をした後でも,5つの園の保護者会から民間移管方針の見直しを求める要望書が出されています。保育園で行われた説明会で,保護者が何を聞いても,財政が厳しい,スケジュールどおりに進めます,御理解を,こういったことに終始し,これでは保護者は納得できません。民間移管で,子供たちの保育の質を今より下げる危険性があることには妥協したくないというのが保護者の思いです。
私たちは,保育の質の大もとは,第一に保育士集団の能力の水準だと考えています。広島市行政もそのことに異論はないと思います。保育士たちの能力を高めるために,広島市も公立,私立を問わず研修の充実を図ってきました。私たちは,保育士が机の上で勉強することとあわせて,多くの先輩たちと現場での実践の中で研さんをより多く重ねることが最も重要だと思います。そうした研さんが5年でいいということにはなりません。保育士の多くは女性ですが,結婚して子供を育てながらも働き続けることができる職場であってこそ,保育士たちの能力を高めることができるのではないでしょうか。
広島市として取り組むべきことは,民間保育園でも公立保育園と同様に,平均20年でも働き続けることができる条件をつくることです。それは公立保育園の民間移管で保育予算を削減することではなく,民間保育園に公立保育園並みの運営費を保障することです。保育園に通っている子供たち一人一人にかかる経費が,公立も私立も同じであって当然だと思います。ぜひ,そういう立場に立っていただきたいと思います。お考えを伺います。
そもそもこの公立保育園の民営化は,財界が政府に対して公共事業である保育への営利企業の参入を求めるために規制緩和を求めて進められているものです。保育サービスの向上というのはあくまで表向きであり,実際には保育への民間営利企業の参入で保育予算抑制をねらったものであり,初めから保育の質については度外視されてきたものです。子供の発達を保障する保育に,こういったところまで市場原理と受益者負担を持ち込む,こういった保育改革が進められる中で,この公立保育園の民営化は進められてきました。保育の質まで低下させる,こういうことがはっきりした以上,この政策は8月の総選挙で構造改革路線にノーの審判が下った以上,子供の最善の利益を守る立場に立って,民間移管をこれ以上強引に進めることはもうやめるべきです。どのようにされるのか伺います。
次に,土砂災害対策について伺います。
ことし7月の豪雨で,山口県防府市の特養ホームが土石流に巻き込まれて死者を出してしまいました。広島市内で同様の被害を出さないために,改めて教訓として生かす必要があります。
防府で被害に遭った施設は,昨年3月に土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域に指定されたところに建てられていました。しかし,報道を見る限り,周辺住民はその危険性については知らされていませんでした。施設の責任者は以前から危険性を認識し,行政に対策を求めていたようです。災害当日,災害の危険を知らせる土砂災害警戒情報が県から防府市に伝えられたにもかかわらず,施設に対し情報が伝達されていませんでした。また,災害は職員体制が一番整っている昼間に起こりましたが,あっという間のことだったことや,施設管理者による避難計画も未作成であったことから,多数の犠牲者を出してしまいました。
広島県は以前,人的被害のおそれがある土砂災害危険箇所約3万2000カ所を公開していました。そのうち,広島市内にはおよそ6,040カ所の危険箇所があるとされています。そのうち,土砂災害防止法に基づく調査の結果,県が現在までに土砂災害警戒区域に指定したのは1,086カ所,そのうち特別警戒区域に指定したのは980カ所となっています。こうした中で6.29災害を教訓に,各地で土砂災害の危険が迫った際に,速やかに危険を知らせ,住民の避難を進めるための計画がつくられ,訓練なども進められてきました。
一方,そうした危険箇所に建てられた特養ホームを含めた介護施設などは,土地が安く広い敷地が確保しやすいなどの理由で,住民の住居から離れて立地している施設もあります。今後,こうした施設の立地は制限すべきだと思います。しかしながら,現実問題として現に存在している施設で,いざというときに迅速に適切な避難ができるような体制づくりが必要だと思います。例えば市内で集中豪雨があって各地で避難の必要が生じたとしても,行政の職員が迅速にそれぞれに駆けつけて支援するというのも現実には困難な場合が考えられます。どうしてもそれぞれの地域住民との協力ということが課題となるのではないでしょうか。以上の考えから,幾つか質問します。
1,県が指定した土砂災害警戒区域にある介護施設など,避難に援助が要る人たちの施設はどれだけあるのでしょうか。また,まだ指定されていないが土砂災害危険箇所とされているところに立地している施設はどれだけあるのでしょうか。
2,土砂災害警戒区域内にある施設への災害時における避難勧告などの連絡が必要だと思いますが,そうしたことはどのようになっているのでしょうか。
3,入所者のほとんどが避難の際に介助が必要な施設では,たとえ日中であっても施設の職員だけでは短時間での避難は不可能だと考えます。土砂災害などが発生したときに一人の命も失ってはならない,そうした立場で,介護施設などの入所者の安全確保に広島市行政として取り組んでいく必要があると考えます。このため個々の施設における災害時の避難体制はどのようになっており,どのように指導しているのでしょうか。また,災害時の迅速な避難には地域住民の協力が必要と考えるが,施設に対してどのように指導し,地域住民の協力体制をつくるためにどう援助していくのでしょうか。この点の広島市の認識と決意を伺っておきます。
最後になりますが,労働者派遣法の見直しについて。
昨年暮れからの派遣切り,雇いどめによる失業により,退職金もなく突然に解雇され,住まいまで奪われる非人道的な事態が起こり,首都東京のど真ん中に派遣村ができるなど,世界でも異常な事態となりました。
この雇用破壊をもたらしたのは,1999年に日本共産党を除く政党が賛成して成立させた労働者派遣法の改悪で,派遣労働を原則自由化し,2004年には製造業に拡大したことにあったことは明らかであり,まさに政治災害そのものです。このような働き方を続けることは,日本経済にとっても企業の将来にとってもマイナスです。
アメリカ発の経済危機は世界じゅうに影響を与えましたが,外国では日本のように大企業が労働者を解雇した国はありません。日本の異常がここにあります。低賃金で働かせ,不況になったら好き勝手に労働者を解雇する派遣という働き方を抜本的に見直すことは,新しい政権のもとで最初に行うべき仕事になっています。
同時に,大きな経済力と内部留保を持つ大企業は雇用の確保と安定を図るために力を発揮すべきだと考えます。しかし,マツダでは昨年から強行した2,800人の派遣切りが法違反だと国会で指摘され,その後に行われた労働局の是正指導を受けて,一部の派遣労働者を正規雇用とする,
自動車産業では初めての見直しを実施しながらも,盆連休前にはマツダ子会社のE&Tは派遣社員の約8割を派遣切りしています。さらに,9月末には設計部門で働く専門職の労働者の雇いどめ,派遣切りを計画しています。日本共産党中央委員会には,匿名希望の30歳の男性から次のようなメールが届きました。
このたびマツダで大規模な派遣切りが実施されようとしています,私もその中の一人で,来月から生活していくのに不安で仕方がありません,家族をどうやって養っていけばよいのでしょうか,職安に相談しても全然解決策が見つからない状況です,このようなことを許さない世の中に変えてほしいのです。
昨年暮れから派遣切りされた労働者の多くも,ハローワークに行っても正規雇用の仕事がないと苦労され,自殺を考えたという人もいます。雇用を奪うという大企業の横暴勝手を許さず,安定して人間らしく働くルールづくりは待ったなしの課題です。マツダの人材派遣活用ガイドブックによれば,人材派遣の利用方法の項目で次のようなときに人材派遣を利用することができるとしています。年度末の経理業務などの繁忙期だけ,産休などで社員が一時的な休みのとき,また大量データ入力などスポット的に必要になったとき,1日からでも派遣は可能と,必要なときだけ便利に使い,不要になったらやめさせるという,人を物扱いする派遣という働き方そのものをとめることが必要です。
そこで,お聞きします。まず,広島市はマツダに対して雇用の安定を求める申し入れを3月に市長名で出されましたが,専門職の派遣切りという新たな雇用破壊に対して,雇用を守るよう働きかけを行われたのか。また,派遣切りされ,職場を失った労働者への雇用確保は,市としてどうされているのでしょうか。最後に,国に対して早急に派遣法を見直すよう求めるべきだと思いますが,そのお考えはおありでしょうか。
以上,答弁を求めて質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○
藤田博之 議長 市長。
〔秋葉忠利市長登壇〕
◎秋葉忠利 市長 藤井議員の御質問にお答え申し上げます。
子供の貧困対策についての御質問がございました。
平成18年,2006年に経済協力開発機構,OECDにより,標準的な所得の半分以下の所得しかない世帯の割合を示す相対的貧困率が,OECD加盟諸国の中で日本が米国に次いで高い水準にあること,つまり日本が非常に貧困であるという報告がなされました。我が国においてこのことが社会問題として認識されるようになりました。
このような大人の社会の格差は,大人の所得に依存している子供に広がっており,同報告の中で,貧困の世帯で育った子供の割合を示す子供の貧困率は徐々に上昇し,平成20年,2008年には14%になり,この数値がOECD加盟諸国の平均に比べて高いこと,中でも母子世帯の貧困率が突出して高いことが指摘されています。
子供の貧困の問題は,貧困の家庭に育つ子供が医療や衣食住など生活の全般において不利な状況にあることで,我が国が平成6年,1994年に批准した子どもの権利条約に規定されている生活水準の確保の権利などを行使できないこと,そしてそういった不利な状況が学力,健康な子供の生活そのもののみならず,成長に悪影響を及ぼすということです。さらに,子供時代に貧困であることは,将来の職業や所得などに密接に関係し,児童虐待や犯罪につながるケースもあるとの報告がされており,緊急に取り組むべき課題であると認識しております。
また,我が国における子供の貧困の問題が最も深刻であるのは,OECD加盟諸国の中で唯一,社会保障制度や税制度を適用した後,つまり再分配後の所得の貧困率が再分配前より高くなっていることです。単純化して説明すると,子供を助けるためにつくられているはずの国の制度を使うより,使わない方が子供にとってはよい結果になっているということなんです。
こうした子供の貧困の問題の解決に当たっては,憲法25条が子供にとって特に重い意味を持つのみならず,医療,福祉,税制,教育,労働などの幅広い分野にわたる取り組みが必要であるという現実的な側面からも,国の責任において適切な施策を展開すべき分野だと考えております。現在,国において子ども手当制度の創設,生活保護制度の母子加算の復活,公立高校生の授業料の無償化などが検討されており,こうした子供の貧困を解消するための取り組みが実現されることを期待しています。
さて,こうした背景をもとに本市における状況を見ると,経済的理由により就学困難な児童生徒の保護者を対象として実施している就学援助の認定者数や,母子家庭に支給している児童扶養手当受給者数が年々増加しており,子育て家庭の置かれている経済状態が厳しくなっている現実は疑う余地もありません。子供の生活実態を子供の視点で見,感じる仕事をしている地方自治体として,本市においても子供の貧困の問題が深刻であることは,保護者はもとより職員や関係者のすべてが認識しています。
そのため,今回議案として提出している第5次広島市基本計画において,収入面に不安を抱える家庭の子供が安心して健やかに育つことができるよう,保育施策や教育施策の充実,社会保障制度や税制改正の国への働きかけなど,子供の貧困の問題に対する総合的な施策の推進を図っていくことを掲げています。
この基本計画を踏まえ,今年度末の策定に向けて取り組んでいる子どもに関する施策の総合的な計画において,子供の貧困への対応の視点を掲げ,現在,有識者や子育て支援関係者,
市民委員等で構成する広島市子育て支援委員会で意見を聞きながら,こども施策クロスセクションなどにおいて具体的な取り組みについて検討しています。
しかしながら,子供の貧困の問題を解決するために長い時間はかけられません。その間に,子供は苦しみ悩みつつ大人になり,貧困な環境で育った子供が次の世代の子供たちを同じように貧困な環境で育てるという悪循環に陥るからです。財政的に苦しくても,国の施策が不十分であっても,広島市として市民の皆さんの理解を得つつ,子供の貧困を解消するため全力を尽くす覚悟で努力したいと考えております。
その他の御質問につきましては担当局長から御答弁申し上げます。
○
藤田博之 議長
企画総務局長。
◎湯浅敏郎
企画総務局長 昨日,西田議員の御質問に市長が答弁いたしましたけども,新たに誕生した政権等の受けとめについてお答えをさせていただきます。
選挙の結果は民意のあらわれだと思っております。その結果として政権交代があったということですので,新政権には民意を十分に組んでいただき,国民の信託にこたえる政権運営を行っていただきたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 市民局長。
◎皆本也寸志
市民局長 新しい歴史の1ページのうち,平和に関連する質問についてでございます。
昨日,市長が若林議員の御質問に御答弁を申し上げたとおり,国連安全保障理事会が核なき世界決議を採択したことは,核兵器のない世界実現への強い決意を示し,核兵器廃絶に向けた積極的な取り組みを世界各国にもたらすものとして高く評価しています。特に,オバマ大統領はこのたびの安全保障理事会の首脳級会合を主宰するなどリーダーシップを発揮し,私たちオバマジョリティーの活動を力強く牽引してくれたものと受けとめています。また,この決議を全会一致で採択した安全保障理事会もオバマジョリティーであることが示されました。
さらに,決議に先立って行われた演説の中で,我が国の鳩山首相が被爆者の悲願を国際社会に訴えるとともに,唯一の被爆国として核軍縮・核兵器廃絶の先頭に立つ決意を表明してくださいました。このことは,私たち広島市民だけでなく国際的にも高く評価されています。
今後は,決議や演説の内容を一日も早く具現化することが何よりも大切であり,長崎市や日本国政府と連携し,オバマ大統領初め核保有国首脳の広島・長崎訪問を各国政府に直接働きかけるなど,取り組みを進めてまいります。あわせて,核兵器廃絶の実現に向け,ヒロシマ・ナガサキ議定書が2010年,NPT再検討会議で採択されるよう,引き続き全力を尽くしたいと考えております。
続いて,労働者派遣法の見直しに関しまして3点の質問に順次お答え申し上げます。
まず,マツダに対する雇用を守る働きかけについてでございますが,このたびの専門職の雇いどめについて,マツダからは,依然として厳しい経営環境にあり,全社的な業務の選択と集中,効率化を推進する中で,間接部門の派遣社員の契約更新をしない対応をとらざるを得なかったとの説明を受けました。マツダとは必要な都度情報交換を行っており,今回の件につきましても,雇用の安定に引き続き努力するなど適切に対応していただきたいとの申し入れを行いました。
次に,職場を失った労働者の雇用確保についてでございますが,職場を失った労働者の雇用確保につきましては,今回の9月補正予算を含め今年度緊急雇用創出事業として32事業,約4億8235万円を,ふるさと雇用再生特別交付金事業として12事業,約15億5653万円を計上しており,これにより522人の新規雇用が創出される予定です。今後とも厳しい雇用情勢が見込まれる中,これまで予算計上した事業を着実に執行するとともに,雇用創出のための事業等を引き続き検討し雇用確保に努めてまいりたいと考えています。
最後に,国に労働者派遣法の見直しを求めることについてでございます。
労働者派遣法の見直しについては,新政権を担う民主党がそのマニフェストにおいて,製造現場への派遣を原則禁止するなど派遣労働者の雇用の安定を図ることを掲げており,今後,労働者派遣法改正に向けた動きが予想されることから,本市としてはその動向を注視してまいりたいと考えています。
先ほどふるさと雇用再生特別交付金事業としての事業費を15億と読みましたが,約1億5653万円の誤りです。訂正させてください。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
健康福祉局長。
◎三村義雄
健康福祉局長 土砂災害対策につきましての御質問の中で,社会福祉施設への指導等についてお答えいたします。
特別養護老人ホーム等の社会福祉施設において,災害時の避難を円滑に行うためには,日ごろからの職員の防災意識の高揚や立地条件等の点検,情報収集体制や関係機関との連絡体制の整備,避難訓練の実施や生活関連物資の確保などが必要でございます。
社会福祉施設について,国の定める基準で,災害に関する具体的な計画を立て,災害時の関係機関への通報及び連絡体制を整備するよう義務づけられております。この点について,これまでも施設監査の際に指導してまいりました。
また,山口県防府市の事例等を踏まえ,今年度は災害対策を特別養護老人ホーム等の監査における重点事項の一つに挙げ,これまでの災害時の関係機関への通報及び連携体制のチェックに加えまして,災害時に活用できる物資の備蓄状況や,地域住民と連携する体制の整備状況を確認し,指導しております。災害時に地域の協力を得るためには,日ごろから地域と連携した施設運営を行うことが重要であります。そのことを常日ごろ,社会福祉施設に対し機会をとらえて助言をしております。
このほか,社会福祉施設が速やかに災害情報を得ることができるよう,広島市防災情報メール配信システムに登録することを勧奨するなど,今後もより一層の災害防止のための対策を講じてまいります。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
こども未来局長。
◎梶原伸之
こども未来局長 児童相談所と自立援助ホームについての5点の質問に順次お答えします。
まず,児童相談所の夜間,休日等の24時間体制についてでございます。
夜間や土曜日,日曜日,休日における児童虐待通告や,子供に関する電話相談につきましては,従来は児童相談所,一時保護所の職員が対応していましたが,本年度からは専任の電話相談員を配置し,いつでも相談に応じられる体制にしております。緊急を要する通告や相談につきましては,児童相談所の職員が電話相談員から連絡を受け,児童の安全確認や一時保護の対応を行っています。そのため児童相談所職員34名が2名ずつ交代で夜間には自宅で連絡を受け,休日等には出勤して対応する体制をとっています。
夜間において児童相談所職員が電話や出勤により対応を行った場合には,時間外勤務手当を支給するとともに,休日等に出勤する職員につきましては振りかえを行っております。なお,夜間において電話や出勤がなかった日の手当の支給は困難でありますが,夜間の当番はすべての職員に公平に割り振り,健康管理に配慮し,休暇がとりやすい環境整備に努めております。
次に,発達障害児への療育手帳の交付についてでございます。
本市は療育手帳判定基準の見直しを行い,本年4月から生活困難度の高い発達障害児を療育手帳の交付対象といたしております。これに伴いまして,本年4月から7月までの療育手帳の新規の申請件数は134件で,昨年同時期の申請件数94件に比べまして40件,3割の増加になっています。なお,増加しました業務につきましては,既存の業務の見直しなどにより適切に対応するよう努めています。
次が,児童相談所の職員数についてでございます。
基準財政需要額では,都道府県では人口5万8000人に1人の児童福祉司が交付税措置されておりまして,政令指定都市は個々の人口によって基準が異なりますが,仮に都道府県の基準を当てはめますと,本市の人口規模では児童福祉司は20人分が交付税措置されていることになります。これに対し,本市の配置人員は18人であります。2人少ない状況になっています。次に,仮に京都市のような人口基準で配置いたしますと,本市では32人の児童福祉司が配置されると,こういうことになります。
近年,本市では虐待通告・相談件数が毎年300件を超えており,虐待者が逮捕,拘留されたり,職権で子供の一時保護を行う事例が多くなっています。また,全国で深刻な虐待事例が多発したことから,平成20年,2008年4月に児童虐待の防止等に関する法律が改正され,児童相談所の職員による児童の安全確認や救出のため,立入調査や臨検,捜索など児童相談所の権限が強化されました。さらに,虐待を受けた児童が親子分離のため児童養護施設に入所した後,虐待を行った保護者に虐待の再発防止や,家族再統合のプログラムを実施する必要がございます。
このように児童相談所における児童虐待防止対策の遂行に当たりましては,権限が強化されるとともに事務量も増加しています。そのすべてを担う児童福祉司にとりましては,虐待を行った保護者への対応など精神的負担が大きく,解決までには多くの時間を費やすことから,職員体制の強化が課題であると認識いたしております。
次が,児童相談所の一時保護の施設についてでございます。
児童相談所は政令指定都市に設置が義務づけられていることから,本市の児童相談所は政令指定都市に昇格した昭和55年,1980年に開所をいたしました。一時保護所はその翌年,現在のこども療育センターの2階部分に増築いたしましたもので,築後28年経過いたしております。一時保護所の定員は現在20名でありまして,施設内容は児童の居室6室,デイルーム兼食堂1室,浴室1カ所,トイレ男女各1カ所,面接室1カ所,事務室1室で構成されています。
施設面の課題といたしまして,児童の居室は6室,先ほど申しましたが,そのため複数の子供たちが同室となることから子供のプライバシーが確保できにくいこと,二つ目として,専用の学習室がありませんので子供が学習に集中できにくいこと,3点目として,浴室が狭く男女共用であるため,入浴に数時間程度かかるといった事態がございます。また,体育室がないため,雨天の日など子供が運動することができないことといった点がございます。さらに,重大事件を起こし,警察から身柄を送致された触法少年につきまして,一定期間の観察が児童相談所に義務づけられております。これまではまだそういったケースは発生しておりませんが,そのための個室の確保ができないといった問題もございます。
こうした課題を踏まえまして,一時保護所で生活する子供たちが安心して健やかに過ごすことができるよう,今後,施設の機能や環境の改善について検討していきたいと考えております。
最後が,自立援助ホームについてでございます。
自立援助ホームは,義務教育終了後,児童養護施設等を退所し,さまざまな事情で家族と暮らすことができない20歳未満の児童等が共同生活を営む住居という位置づけでございます。その定員は5人から20人となっています。自立援助ホームでは入居児童等に対して日常生活上の援助,生活指導及び就業支援を行い,社会的自立の促進を図っています。児童福祉法の改正によりまして,都道府県及び政令指定都市におきましては,平成21年度,2009年度から自立援助ホームにおける日常生活上の援助及び就業支援などを直営または委託により行うことが義務づけられました。
全国には現在,24都道府県に56カ所の自立援助ホームが設置されていますが,広島県には設置されていません。自立援助ホームの多くは社会福祉法人が運営いたしておりますが,運営費に対する国及び地方公共団体の負担が少ないという事情がありまして,整備がなかなか進んでいない,そういった状況にございます。
本市といたしましては,児童養護施設を退所後の行き場がなく,対人関係の構築や就労後の職場への定着などの問題を抱える児童等の社会的自立を促進することは重要であると認識しておりまして,自立援助ホームの設置が検討課題であると考えています。
次に,公立保育園についての2点の質問にお答えいたします。
まず,民間保育園の運営費についてでございます。
保育園の果たすべき目的,役割は公立と私立とで違いはございません。最も重要なことは,公私にかかわらず市内のすべての保育園で質の高い保育を子供たちに提供する体制を整備することであり,そのために必要な予算は責任を持って確保していきたいと考えています。
本市では,これまでも私立保育園職員の給与水準を向上させ,処遇の改善を図るための給与改善費や,安定した保育園運営を確保するための運営改善費など,独自で助成を行っております。また今年度から,職員がより長い期間継続して勤務できる環境を整えるため,平均勤続年数が10年以上となる保育園を対象といたしました人件費加算制度や,職員が研修に参加する際の代替職員雇用経費助成制度を新設いたしております。
今後とも,私立保育園のさらなる質の向上に向けた支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
最後に,民間移管の進め方についての御質問でございます。
公立保育園の民間移管は,それにより生じた財源と民間活力の活用によりまして,保育園入園待機児童解消のための児童受け入れ枠の拡充,延長保育など多様な保育サービスの提供,保育の質の向上など保育サービスのより一層の充実を図ることを目的として行うものでございます。
この民間移管の実施に当たりましては,昨年12月に策定しました公立保育園の民間移管に関するガイドラインにおきまして,移管先事業者は市内で認可保育園を運営している社会福祉法人に限定すること,公募により質の高い事業者を選定することなどを定め,民間移管により保育の質が低下しないよう配慮いたしております。また,最低2年3カ月前までに移管園名を公表して準備を進めることなどを定めまして,十分な期間を設けて丁寧に対応していくことにいたしております。
現在,民間移管実施予定の5園につきまして,順次保護者の皆さんへの説明を行ってきております。特に最初の民間移管実施予定園であります原保育園につきましては,民間移管の必要性,原保育園の選定理由などの説明や,保護者の皆様からのさまざまな質問,要望等に対する回答を行うなど,これまで4回にわたり保護者の皆様と意見交換を行っております。
今後は引き続き原保育園保護者の皆様との協議を十分行い,できるだけ理解が得られるよう丁寧な対応を行うとともに,原保育園の取り組みを踏まえながら,他園の民間移管の円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
道路交通局長。
◎木時誠
道路交通局長 土砂災害対策についてのうち,土砂災害警戒区域にある介護施設などの避難に援助が必要となる人たちのいる施設の数,また,土砂災害危険箇所に立地している施設の数がどうかということについての御質問にお答えします。
土砂災害危険箇所は,国の通達に基づき平成14年,2002年に県が地形図上で土砂災害のおそれがあると考えられる範囲として6,040カ所を定めております。そのうち,6.29広島豪雨災害時に被害が大きかった安佐南区,安佐北区及び佐伯区から詳細な現地調査を行い,土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定を進めており,これまでに1,086カ所が指定されています。
その区域内には,災害時の避難に援助がいる人たちの施設が35施設あります。また,この1,086カ所以外の土砂災害危険箇所に立地している施設については,山口県防府市の土砂災害を踏まえ,本年8月下旬から厚生労働省及び国土交通省がそれぞれ全国的に調査を行っております。本市においても,国から依頼を受け,現在関係各局において調査中でございます。
以上です。
○
藤田博之 議長 消防局長。
◎高野哲司 消防局長 土砂災害対策のうち,介護施設等への情報伝達についての御質問にお答えいたします。
災害時における市民への防災情報の伝達は,防災行政無線による放送,防災情報メールの配信,広報車等による街頭広報,テレビ,ラジオ等のマスコミへの報道依頼などにより行っています。御質問の土砂災害警戒区域内にある介護施設等への避難勧告や土砂災害警戒情報などの重要な防災情報の伝達は,施設への防災情報メールの配信に加えて,電話やファクシミリにより行っています。特に避難勧告や避難指示を発令した場合には,現地に出向いて避難状況を確認するよう努めています。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 教育長。
◎濱本康男 教育長 教育の無償化と奨学金制度について数点のお尋ねがございました。
初めに,小中学校の給食費と補助教材費を全額無償化するのにどれぐらいかかるかという御質問です。
まず,給食費につきましては,小学校は1食220円,1人当たり年4万2900円,中学校は1食265円,1人当たり年5万1675円となり,小中学校の児童生徒合計では約43億7600万円となります。補助教材費につきましては,昨年度の実績で1人当たり小学校で年6,346円,中学校で年8,844円であり,小中学校の児童生徒合計では約6億8200万円となります。したがいまして,小中学校の給食費,補助教材費を無償化するためには,約50億6000万円が必要となる見込みです。
次に,政令指定都市の奨学金制度ですが,市独自の奨学金制度を設けていないのは本市と仙台市の2市でございます。
次に,給付型の奨学金制度を検討するべきだと思うがというお尋ねです。
奨学金制度につきましては,高校生を対象とする広島県高等学校等奨学金,高校生及び大学生を対象とする母子・寡婦福祉資金,国の教育ローンなどがございます。本市としては,これらの制度について学校を通じて保護者や生徒に周知を図るとともに,相談や指導を行い,経済的な理由で就学が困難とならないよう努めております。
こうした中,政府は,公立高校の授業料を実質無償化し,大学については奨学金を大幅に拡充するなど,家庭の状況にかかわらずすべての高校生,大学生が安心して勉学に打ち込める社会をつくるという方針を打ち出しました。また,文科省におきましても,高校等の生徒を持つ低所得者層の世帯に対する給付型奨学金制度の創設の方針を打ち出し,検討を進めております。本市としては,現段階では国の動向を注視したいと考えております。
最後に,国に対して国際人権規約の留保を撤回するよう求めるべきではないかというお尋ねがございました。
御指摘の国際人権規約の規定について,これまで国は適正な受益者負担の観点や私立学校への影響を理由に,私立学校を含めて中・高等教育の無償化は困難との方針を示してきました。こうした中,新内閣においては,公立高校の授業料の実質無償化など教育に係る国民の負担を軽減する政策について検討を進めております。本市としては,当面はこのような国の動きを注視したいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 藤井議員。
◆11番(藤井敏子議員) 答弁ありがとうございました。
非常に,子供の貧困については,財政が厳しくても最優先に取り組んでいかれるという決意を聞くことができたことは本当によかったと思うんですけれども,ぜひ子どもの権利条例制定も,こういった施策を進める力となると思いますので,早期に子どもの権利条例もできることを望んでおります。そして,まず子供の貧困対策も本当に総合的な保障が必要だと思うんですけれども,やっぱり貧困対策だけに終わらずに,子供が幸せに生きる権利をどう保障するかという,こういう立場でぜひ考えていただきたいと思います。
それと続いて,教育の無償化についてですが,高校の授業料無償化というのは本当に多くの国民の願いでもあったわけですので,新政権のもとで実現できる見通しができたことを私たちは喜んでおるんですけれども,ぜひ高校授業料にしても,今でも減免制度はあるわけですね。減免制度が月1万円あったとしても,ほかに払うものがたくさんあるわけです。そこら辺をしっかり見ていただいて,高校になれば通学費も大変かかります。そういった点でも,この支援というのは,高校の授業料無償になったからいいのではというのではなく,きっちりとしていただきたいということを要望しておきます。
そして,給食費また補助教材費をあわせて全額無償にするためには50億円という試算をされていると思いますけれども,市の財政,予算全体からいっても,わずか1%なんですよね。そういった点で,本当に子供たちを大事にする市政とすれば,こういった教育費にしっかりと割いていただきたいというのをぜひ要望しておきます。
それと,児童相談所についても,本当に話を聞けば聞くほど大変なお仕事だなというのを感じてきました。精神的な負担を含めて,児童相談所で働く皆さんの大変さはわかります。ぜひ,体制強化をしっかりしていただきたいと思いました。
それと,一時保護所についても,この改善,これは待ったなしだと思います。これもぜひお願いします。
あと,自立援助ホームですけれども,児童相談所が本当にかかわってきた子供たちを県外に出してしまうということは,その後のフォローができないということになります。子供たちも大変負担ですし,やはり近くにしっかりとその後もフォローできる,こういったホームを設置されることをぜひ要望しておきます。
それと,あとは保育園です,公立保育園。公立保育園のあり方については,この間いろいろ議論をされてますので,私たちは,公立保育園を民営化ではなく,待機児解消のためには新しい認可保育園をどんどんつくると,こういう基本でいってほしいと思います。予算が足りないから民営化して,その予算をほかのサービスにといっても,それはこっちからとってこっちに回す,そういう方法じゃなくて,やはり必要なものは国からしっかり出してもらう,自治体としても出す,こういう方針にしない限り,お母さんたちはとても不安です。自分の園だけが我慢すればよいのか。そういうんじゃなくて,お母さんたちは広島市の子供全体のことを考えて,この民営化はやめてほしいと言っておられます。
それで,まず第一に,私も先ほども言いましたけれども,まずこの民営化方針そのものが行革の中で出てきておるものです。行政改革の大もとはやはり構造改革ですよね。今回,総選挙でノーという審判を下した,その意味をしっかり考えていただきたい。こういった保育まで市場原理を導入して,安上がりの保育にして保育予算を浮かそうと,そういうのがはっきりした以上,私たちはこの民営化はいま一度ここで踏みとどまって,もう一回見直すべきだと,私はすごく要望しておきたいと思います。ぜひ,今から原保育園などにも何度も説明をされたと,4回されたと言われてますけれども,納得はされてません。そういう点でも,強引にこれ以上進めるべきじゃないし,いま一度これを踏みとどまっていただきたい。そこの点についてだけお聞きします。これを原保育園を含めて強引に進められるのかどうか,そのことをお聞きいたします。
それともう一つ,これは言いたいんですけれども,民営化についても,今国は新たな保育制度改革をやってきております。でも,それはもう経済財政諮問会議が進めてきたこういった方針いうものをやめようというのが,民主党の国会議員などでも言っておられます。この民主党の議員が参加されている保育制度等のあり方検討チームの座長,これを務められている方,林久美子参議院議員,この方が言っているのも経済財政諮問会議などが旗を振ってやってきた,旗を振って進めてきた市場経済,市場万能主義,こういった方法は現場を圧迫し,弱者にしわ寄せをしている,保育の質を最優先に考えるべきだという,こういったこともはっきりと言われておりますし,この改革自体今後どうなるかわからない,こういう状況になっているわけですので,国の動向をしっかり見ていただいて,しっかりとこの広島市においても,今までの政策がどうだったのかというのを民間移管を含めて検討すべきだと思います。そのことを含めて今後強引にまだ進めるというおつもりかどうか,これだけを聞いて終わります。
以上です。
○
藤田博之 議長
こども未来局長。
◎梶原伸之
こども未来局長 まず,国の規制緩和,構造改革の流れに沿って本市が民間移管をしてるのではという点につきましては,先ほど私が御答弁いたしましたように,国のそういった方向を受けてやっておるのではないということをこれまで何度も御説明させていただいたと思います。私どもの保育の充実のために,やはり内部で広島市の財政状況も踏まえて,その充実のために取り組みたいということでございます。それによって,待機児の解消を初めといたしました保育サービスの充実を図っていきたいと,こういうことでございます。
それで,原保育園の民間移管の進め方でございますが,これは繰り返しになりますが,原保育園の保護者の皆様との協議,これはまだ十分に行ってまいるという方向でございまして,できるだけ理解がいただけるよう,丁寧な対応を続けてまいりたいとこういうふうに考えております。
○
藤田博之 議長 藤井議員。
◆11番(藤井敏子議員) 保育園の民営化,サービス向上のため,保育の充実のためと言っていらっしゃるけども,保護者含めて納得ができないと,保育の充実といいながら公立保育園の人件費の削減,これがもうはっきりしていることなので,保育の質を下げないという条件でなければやっぱりこれは受けられないし,民間移管についてはすべきではないということを申し上げて終わりたいと思います。
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休 憩 宣 告
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○
藤田博之 議長 この際,暫時休憩をいたします。
午前11時53分休憩
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午後1時04分開議
出席議員 45名
欠席議員 10名
○
藤田博之 議長
出席議員45名であります。
───────────────────────────────────────
開 議 宣 告
───────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 休憩前に引き続き会議を開き,
一般質問を行います。
7番馬庭恭子議員。
〔7番馬庭恭子議員登壇〕(拍手)
◆7番(馬庭恭子議員) 皆さん,こんにちは。
ひろしま未来クラブの馬庭恭子です。会派を代表して
一般質問をいたします。
今回の衆議院選挙は政権選択選挙で,本格的な二大政党制の新時代の到来だと言われ,9月2日の日本経済新聞の記事には,有識者が,今回の国民の審判は明治維新,終戦に次ぐ第3の体制変革期であると書かれ,これは少なくとも10年は民主党政権が続くだろうと論じられていました。それほどの激震と激闘の時代の中で,地方議員として政治経済の動きにアンテナを張りながら,市民の皆さんのためにますます目を光らせ,耳を立てて仕事をしなければならないと思っています。
私は民主党の政策を吟味しながら,今はあれもこれもと言っている政策にどう優先順位をつけていくのか,今後,国家戦略局がどういう機能を果たしていくのか,人口減少,高齢社会における社会保障制度はどうなるのか,そして,この広島とどうかかわっていくのかに関心を抱いています。
アメリカでは新政権誕生の100日間は蜜月,ハネムーンと言われ,寛容に見守るという姿勢だと聞きます。9月16日に政権交代して,きょうで16日目です。歴史的な転換期に国民としてさまざまなことを経験できることを期待しています。
では,質問に入ります。
4月5日に,アメリカのオバマ大統領が核兵器の問題に言及したいわゆるプラハ演説,9月の国連での安保理での演説そして決議は,核廃絶の世論の高まりになることは間違いはないでしょう。しかし,彼がプラハ演説の中で,米国は核兵器のない世界に向けた具体的な措置をとる,ゴールにはすぐたどり着けない,恐らく私が生きている間ではないと述べ,核兵器の不要を言いつつも,自分が生きている間は核兵器はなくならない,核が抑止力である限り持ち続けるだろうという認識です。広島のいう核廃絶の願いと距離を感じます。むしろ市長が平和市長会議で世界を飛び回って核廃絶を訴えることこそが,広島発信の真の平和への行動と言えると思います。ここは忍耐強く辛抱して,広島市の被爆者の願いをさらに強く訴え続けることが大切と思います。市長が必死で訴えているその姿を見ている広島の子供たちは,しっかりとその平和の意味を感じ取っていると思います。
毎年,原爆の日の式典で,子供代表による「平和への誓い」があります。小学6年生の2人によって大きな声で読み上げられます。私は,市長の格調高い平和宣言に続いて読み上げられるこの「平和への誓い」は,子供の視点で平和とは何であるかが平易な言葉ですが素直に伝わり,そうだ,この子供たちを大人として守らなくてはいけない,戦争を再びしてはならないなど,さまざまな気持ちが熱く沸き上がってきます。「平和への誓い」を読み込むと,その内容は核兵器の存在や恐ろしさにとどまらず,ここ二,三年における内容は洗練され,核兵器を捨てよう,核兵器を捨てる強さを持とう,あきらめずに話し合いで解決しようといった,より一層前進したアピールとなっています。長崎市の平和祈念式典では,子供たちは献花や献水のみで,子供たちによるこういったアピールはありません。私は広島独自の取り組みとして継続していることは評価すべきと思っています。来年はどんなことをどんな子供たちが読み,そして訴えるのだろうと楽しみにしています。
そこで,この「平和への誓い」はいつから始めて,どういう経緯をとって始められたものなのか,まずお聞かせください。また,どのような経緯でこの小学生の作文が選ばれるのか教えてください。
また,教育委員会として,この「平和への誓い」は,子供たちにどう返してどう平和教育に生かしているのでしょうか,その成果はどうかお尋ねいたします。
また,提案をここでしておきたいと思います。子供代表の国連派遣です。英語教育も始まる中,「平和への誓い」を広島以外の土地で,子供たちがさまざまな場面で意見を述べることは貴重な体験となり得ます。「平和への誓い」は子供代表のアピールであることは,長年参列している人や広島市民は知っています。しかし,他県の方や初めて参加する人たちは,子供たちが「平和への誓い」に取り組んでいることは知りません。サブタイトルで「平和への誓い」に併記し,子供平和宣言としてもよいのではないのでしょうか。御検討ください。
さらに,ホームページ上では,子供のキーワードでは「平和への誓い」は検索できません。ホームページをリニューアルする際には,簡単にアクセスできるようにしていただきたいと思います。
さらに「平和への誓い」を他県からの修学旅行生に配布することも可能ではないでしょうか。これだけの文章で訴える力があり,書ける子供たちであれば,子どもの権利条例,仮称を作成する上でも,この「平和への誓い」を作成するプロセスは参考になる手法だと思います。同時に活用していただきたいと思います。特に提案したことはCS──クロスセクションになっているので,各関係部局で積極的に取り組んでいただくことを要望しておきます。
次に,寄附についてお伺いいたします。
今までの想像を超え,驚きの寄附行為として,アメリカの大統領選挙でオバマ氏の陣営がインターネット献金で,しかも小口献金の一大キャンペーンを行い,約735億を集めたことでした。国内では,この3月には大阪市の橋下知事のファンという80歳の女性が,財政難なので役立ててほしいと現金1億円をリュックサックに詰め,直接持参したという出来事がとてもインパクトがありました。大阪府は昨年5月からことし3月末までの寄附の総額は,延べ505人で約1億5700万円に達しています。現在,広島市に寄附しようとすると,まず自分の考えてる分野の所管課に申し出て,市の納付書を送付してもらって振り込む手続をすることになっています。市のホームページの寄附の案内にある分野ごとで,新球場の建設,平和の推進,原爆ドームの保存など,寄附の目的別で約10項目あります。
そこで,平成20年度の本市の寄附実績はどのようになってるのかお尋ねいたします。また,海外からの寄附実績は過去3年でどうなっているのかお尋ねいたします。
広島は世界のモデル都市を目指しています。海外での広島の知名度は抜群で,姉妹提携都市もあります。また,海外では寄附に対する価値観が日本と比較して気軽に協力的な姿勢であると思います。広島市のホームページの英語版から,世界遺産である原爆ドームの画面が出て,クリックすると寄附が簡単にできるというのはとても便利がいいと思います。積極的に海外から寄附を集めるために,今後どう取り組んでいくのかお答えください。
このように,海外を初め,寄附金やその他公金の収納の利便性の向上を図るために,インターネットを使った支払いシステムを財政課,情報政策課,会計室が情報交換しながら,知恵を出してスタートする準備をしたらよいのではないかと考えますが,いかがですか。現在,クレジットカードによる地方自治体の公金の,寄附の扱いが可能である自治体は,全国県市町で61自治体,中国地方では県レベルでは鳥取県,山口県,市町では安来市,山口市,長門市,周南市,南部町などが上がっています。政令指定都市では神戸市,横浜市は既に取り組んでいます。私たちの日常生活場面で自動販売機,電車の乗りおりを初め,電子操作が圧倒的に増加してきています。電子自治体と言われながら,ここで積極的な取り組みを実感できる答弁を期待しています。
次に,特定健診についてお伺いします。
いわゆるメタボ健診とも言われ,国の制度で40歳から74歳までの公的医療保険加入者全員が,腹囲測定初め,血圧,血糖値などから心筋梗塞などのリスクの高いメタボリック症候群を早期発見し,内臓の脂肪を減らすことで生活習慣病対策,ひいては医療費の削減につながるのではないかと旧政権が始めた制度です。当初から疑問の多い健診制度で,基準値の設定も国際基準とは異なっています。この健診実施率が目標達成度を下回った場合,ペナルティーとして後期高齢者医療制度への財政負担が自治体に対して最大10%内でふやされるという理不尽な制度ではあります。政権交代で後期高齢者医療制度は廃止するとなっていますが,先は今だ不透明です。
平成20年度の本市の特定健診の目標実施率は30%でしたが,残念ながら実施結果は11.6%でした。この数値は広島県内で最下位,18政令指定都市比較でも最高は仙台市の49.2%で,広島市は政令指定都市の中で最下位でした。目標が達成できないとなるとペナルティーがあります。試算すると10億円となりますが,まずこうなった原因をどう分析しているのかお答えください。
次に,健診のあり方についてお尋ねします。
健診活動を効率的に,かつ受診率を上げるためには工夫が必要です。単にはがきを出して受診勧奨しても率は上がりません。もともと母集団が数十万に及ぶ対象者なので,1%の受診率アップは大変な努力と綿密な事業計画が必要であるということは理解できます。健診実施体制は,施設型,契約型,集団型となっています。今まで広島市の行事などで,祭りなどいろいろな行事の場面で検診車が出動していますが,受診は低迷しています。つまり,健診の実施体制の見直しが要るのではありませんか。例えば常時がん検診と同時開催するとか,小集団でも対応するとか,市民団体と組んで行うことがこれからは必要だと思います。私は患者団体と連携すればもっと幅広く実施数が上がるのではないかと思います。なぜなら,一番健康の大切さを身にしみて知っているからこそ早期発見や健康増進への後押しが積極的にでき,住民に対して説得力もあると思います。
また,視点を変えて,広島には3大プロがあります。カープ,広島交響楽団,サンフレッチェですが,その3プロに応援をもらいながら,球場で野球を見て健診の必要性を認識する。コンサートを聞いて健診機会を設定する。来て楽しい,帰って安心という健診の楽しみ方ができるのではないのでしょうか。これからメタボ健診に限らず,市民の健康を守るために市としてどのような視点で取り組みを行う予定なのかお伺いたします。
次に,施設指導監査についてお伺いいたします。
施設指導監査の目的は,利用者にとって質の高い環境が提供できているかどうか,つまり事務処理が適切か,サービスの向上に向けての取り組みが十分かなどを実地調査,または書面によって監査するものです。施設はとかく密室化しやすく,しかも利用者自身がいろいろな課題に気がつかなかったり,課題の解決がおくれがちになることがあります。また,実際に自分の家族や身近な人が入所をするような状況にならないと関心は深まらず,施設オンブズマンの機能を果たす第三者機関も,いまだ一部の施設しか入っていないのが現状です。私はよく認知症の親を抱える方や障害のある子供さんを持つ親御さんからの御相談で,一体どこの施設がいいのかさっぱりわからない,本当にここでよいのだろうか,もっといいところがあるのではないかと施設をめぐってはためらいがあったり,悩みは深いものがあります。広島市は,高齢者施設,児童施設,障害者施設の監査結果報告を公表し,指摘内容によっては施設名や理事長名をホームページ上に公表できるようになっています。私は市民の皆さんにそれを参考資料にすることを勧め,価値が高い情報だと思っています。平成20年度社会福祉法人の施設の指導監査結果の概要について,平成19年度と比較すると,指摘指導件数が213件から395件とふえています。この結果をどのように分析しているのかお伺いいたします。
また,毎年指導監査の重点事項が数項目挙がっていますが,どのようにして重点項目を挙げているのかお答えください。例えば19年度と20年度を比較すると,障害者施設における人権擁護,虐待防止等のための必要な体制整備については2年連続して重点項目とされていますが,その理由はなぜかお伺いします。施設は利用者のために質の向上を図ること,そして適正な運営と経営の確保が求められます。そういった意味で,監査は重要な機能であると思います。市はどういう認識で取り組むのかお答えください。
次に,市立看護専門学校についてお尋ねいたします。
平成21年7月9日第171回通常国会において,60年ぶりに保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案が全会派一致で可決しました。この法改正は,看護の基礎教育を今後大学を中心とした教育体系への転換を図るという意義深いものです。しかし,残念なことに,この法律の一部改正に関しては,関係理事者の関心が払われた感はありませんでした。内容も知ってはおられませんでした。これは,看護師の教育は今後4年制の大学において看護師になるということが明記されたということです。すぐに3年制の養成所が廃止になるわけではありませんが,医療の人材確保と当時に,市立の看護専門学校をどうするのか,早期に決断しなければならない時期が来たと思います。私は7年前から,市立の看護専門学校の将来構想を明確に打ち出しておかなければ,将来の人材確保に出おくれるということを繰り返し言ってまいりました。市内にあった
広島大学医学部附属看護学校は,平成4年に
広島大学医学部保健学科に移行し大学化されました。そして,毎年確実に広島大学病院へ人材を送り出しています。また,日赤病院に隣接していた日赤看護専門学校は10年前,単科型の日赤広島看護大学になり,広島赤十字・原爆病院には着実に大学から人材を確保できるように体制を既に組んでいます。県立広島病院は隣接していた県立看護専門学校を平成7年に短期大学化し,12年には4年制大学とし,17年には県立広島大学に入りました。また,この19年には,この県立広島大学は公立大学法人化となっています。
広島市民病院,安佐市民病院,舟入病院,総合リハビリテーションセンターなど,4つの病院の看護師の人材確保をこれからどうしていけばいいのでしょうか。
幸いなことに本市には市立大学があります。まだ今からでも間に合うかもしれません。既存の大学に看護学部を新設する場合には国から補助金も出ます。公立大学法人を視野に入れ,今動いている中,さらなる学生確保のためにも,大学経営に必要な視点となり得ると思います。担当局が明確に姿勢を示されなければ,大学側も腹をくくることはできません。お考えをお聞かせください。
最後に,急傾斜地崩壊対策事業についてお伺いします。
台風の季節のみならず,ゲリラ豪雨など気候の変動に伴う影響や地震でのがけ崩れ,土砂災害などが市民の命も奪うことになります。広島市は山間部が市域面積の3分の2余りを占め,風化花崗岩であるという特徴があります。主に市,県で急傾斜地崩壊対策事業は行っていますが,市と県の役割分担がなされています。広島市はがけの高さ5メートル以上,保全家屋数5戸以上の小規模なものが対象となっています。対象箇所は本市の市域内に図面上は1,412カ所あり,事業によって保全する家屋の数は約2万1500戸,現在350カ所が完了及び整備中です。急傾斜地法の考え方は急傾斜地が個人の所有地であるため,所有者などの土地保全義務やネットやコンクリート設置の努力義務が期待されています。しかし,今まで所有者自身が保全をみずから行った例はありません。市民の生命を守るために,急傾斜地下にある家屋に住む住民の要望と急傾斜地を所有する地権者の協力や同意があれば,この事業は税金を使って整備可能となり,年間5億円ほどの予算が計上されています。
そこでお尋ねしますが,この急傾斜地崩壊対策事業が個人の資産形成を資することはないのでしょうか。また,それに対する市としての予防策として何かあるのかお尋ねいたします。安全の制度を悪用されないためにも,ぜひ積極的な答弁を求めます。
以上で私の質問は終わります。(拍手)
○
藤田博之 議長 市長。
〔秋葉忠利市長登壇〕
◎秋葉忠利 市長 馬庭議員の御質問にお答え申し上げます。
特定健診についての御質問がございました。私から基本的な考え方を答弁させていただきます。
先ほども沖宗議員への答弁の中で申し上げましたが,我が国の平均寿命は世界でも最高の水準にあり,5人に1人が65歳以上という高齢社会になりました。疾病構造が変化し,糖尿病,循環器病,がん,歯周病などの生活習慣病が増加しています。
こうした中,本市では,平成14年,2002年に市民の健康づくり計画である「元気じゃけんひろしま21」を策定しました。この計画では,糖尿病や循環器病を,栄養・食生活や身体活動・運動とともに取り組むべき9つの領域の一つとして掲げ,目標を設定し,積極的に対策を講じてきました。糖尿病や循環器病の発症には生活習慣が深く関与しているため,食生活や運動習慣の改善,定期的な健康診査の受診等によってそれを予防することが重要です。生活習慣病を予防するため,平成20年度,2008年度には,高齢者の医療の確保に関する法律に基づき,特定健康診査・特定保健指導事業の実施が各医療保険者に義務づけられました。この事業は糖尿病などの生活習慣病の発症リスクが高い内臓脂肪症候群──メタボリックシンドロームと呼ばれていますけれども,これを早期発見するための健康診査を実施し,その要因となっている食生活などを改善するための保健指導を行い,生活習慣病予備軍を減少させることなどを目的としています。生活習慣病予備軍を減少させることは,健康づくりに寄与するだけでなく,医療費の適正化に資する効果もあります。このため本市におきましても,平成20年,2008年3月に特定健康診査等実施計画を策定し,
国民健康保険の被保険者に係る特定健康診査等の受診率の向上に取り組んでいますが,平成20年度,2008年度の特定健診の受診率は,議員御指摘のように目標を大幅に下回りました。市民の健康づくりと医療費の適正化を図るためには,この受診率の向上が大変重要であると認識しております。そのため,未受診者への働きかけを強化する観点から,今年度から未受診者への受診勧奨通知の送付回数をふやしました。また,文書通知だけでなく,電話による受診勧奨についても検討を行っています。
次に,受診しやすい環境を整備する観点から,十分な受診期間を確保するため,受診券の送付時期を早めました。また,受診機会を拡大するため,他の医療保険者との健診の共同実施についても検討を行っています。こうした取り組みを通じて,受診率の向上に全力で取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。
○
藤田博之 議長
企画総務局長。
◎湯浅敏郎
企画総務局長 寄附に関する御質問にお答えいたします。
平成20年度,2008年度に本市に寄せられた寄附金の額は合計で6億1636万円です。分野別では,新球場の建設が5億8701万円,平和の推進が269万円,原爆ドームの保存が202万円,国際協力の推進が12万円,被爆者援護の充実が412万円,地域福祉の推進が95万円,公共花壇の維持管理が320万円,その他が1624万円となっております。
平成18年度,2006年度から平成20年度,2008年度までの3年間で,海外からの寄附金はありませんでした。なお,先月海外からの寄附の申し出が1件ございまして,現在,寄附に向けての手続を行っております。
海外からの寄附金をふやすためには,寄附募集のPRと寄附に当たっての利便性の向上を図ることが必要であると考えております。寄附募集のPRについては,寄附を募る英語版のホームページを近く開設し,本市への寄附を呼びかけます。また,利便性の向上については,クレジットカードによるオンライン決済の導入など,寄附をしていただきやすい環境の整備について検討したいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 財政局長。
◎佐伯克彦 財政局長 寄附に関する御質問のうち,クレジットカードによる公金の納付の導入について御答弁申し上げます。
平成18年の
地方自治法の改正で,指定代理納付者による公金の納付が認められ,クレジットカードによる手数料等の公金収納が可能となっております。クレジットカードの納付の導入につきましては,納付の方法の多様化の面で市民サービスの向上につながると考えております。しかしながら,一方でクレジットカード会社に支払う手数料は,カードの利用額に応じての定率性が基本となっております。現在,金融機関での窓口収納は無料,口座振替が1件当たり10円となってるのに対しまして,かなり高額なものとなります。このため,クレジットカード納付の導入につきましては,個別の公金ごとにその費用対効果を十分検証したいと考えております。
なお,今
企画総務局長が答弁申し上げましたが,寄附金につきましては,特に海外からの寄附も利便性の向上を図る観点ということから,導入についてともに検討してみたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
健康福祉局長。
◎三村義雄
健康福祉局長 まず,特定健診についての御質問にお答えいたします。
本市の受診率が低い原因でございます。先ほど議員からもありましたように,本市の平成20年度の特定健康診査受診率は暫定で11.6%というふうに,目標の30%を大幅に下回っております。こういった原因を探るために,本年2月に40歳から74歳までの被保険者の中から無作為に2,000人を抽出し,受診状況などについてアンケート調査を実施いたしました。それを分析した結果,本市としては,平成20年度,2008年度の特定健康診査の受診率が低かった原因として,一つは,受診券を毎月順次送付したため,年度後半に送付を受けた被保険者については受診できる期間が十分に確保されていなかったこと。それから2点目に,受診への動機づけなど啓発活動に工夫が足りなかったことがあると考えております。
このため,受診率を向上させるための取り組みでございますけども,これまで医療機関でのポスター掲示や,町内会へのチラシ配布による受診啓発活動など実施をしてまいりましたけども,今年度はこのポスターやチラシの内容を工夫するとともに,これらに加え,受診できる期間を十分に確保するため,受診券の送付時期を早め,未受診者に対する受診勧奨通知の送付回数も1回から2回にふやしました。
また,区民祭りでのチラシの配布や,アストラムライン車両内へのポスター掲示なども新たな取り組みとして実施をすることにしております。
今後とも未受診者への働きかけの強化や,受診しやすい環境整備に努めてまいりたいと考えてますけども,この対応だけでは不十分ということで,ただいまの議員の御提案なども受けとめまして,特定健康診査の受診率の向上に向けてさまざまな観点から取り組んでまいりたいと考えております。
次に,社会福祉施設の施設監査についての御質問でございます。
まず,20年度の指摘指導件数がふえた原因でございますけども,平成20年度,2008年度の指摘指導件数が,平成19年度,2007年度と比較して増加をしましたのは,児童福祉施設及び老人福祉施設についての指摘指導件数が増加したことによるものでございます。このうち児童福祉施設について増加した要因としましては,一つは,子供の安全の確保の観点から,避難,消火訓練の実施についてを監査の重点事項としたこと,それから2点目に,小口現金の保有金額について,これまでの年度末の状況確認から毎月の状況確認に範囲を広げたことなどがあると考えております。
また,老人福祉施設について増加した要因といたしましては,特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準等が改正されたことを受けまして,感染症の予防や事故発生の防止に係る事項を監査の重点事項としたことなどがあると考えております。
次に,重点事項の決め方でございます。指導監査の実施に当たりましては,年度ごとに実施計画を策定しており,その中で重点事項,対象法人・施設,実施時期などを定めております。このうち重点事項につきましては,前年度の指摘指導件数が多い事項,それから他都市で不祥事や事故等が発生したことを踏まえて,監査すべきと考えられる事項,それから法令等の改正により実施状況を確認する必要がある事項などについてを総合的に判断して重点事項を決定しております。
次に,障害福祉施設に係る重点事項の考え方でございます。
障害福祉施設の人権擁護,虐待防止のための必要な体制整備については,平成20年度,2008年度の重点事項の選定に当たりまして,依然として他都市での人権侵害,虐待事例の報道等があり,また国からも未然防止のために事業者への指導を強化するよう要請があったことから,前年度に引き続き重点事項としたものでございます。
それから次は,監査への取り組み姿勢についてでございます。
社会福祉法人の適正な運営と,社会福祉施設における利用者の適切な処遇を確保するために,指導監査を行っております。このことは,利用者本位の福祉サービスの向上を図る上で重要と認識をしております。
指導監査の実施に当たりましては,社会福祉法人や社会福祉施設について,国が定める運営等の基準,指導監査の主眼事項や着眼点,それから本市が定める重点事項に基づいて統一的に行っております。今後も職員研修を通じて,監査担当職員の監査能力の向上を図るとともに,監査担当職員間の情報の共有化と連携を図りながら,的確な指導監査に努めてまいります。
最後に,市立看護専門学校について大学化をどのように考えているかとの質問でございます。
議員御指摘の,今回の保健師助産師看護師法の改正によりまして,4年制の看護系大学を卒業した者が看護師国家試験の受験資格の一つとして個別に規定をされました。一方で,現在看護師を目指す者の約3分の2が4年制大学以外の養成所等で学んでいるという実態を踏まえて,その他の受験資格についての変更はございませんでした。また,国においては引き続き看護基礎教育のあり方についての検討が進められております。
こうした中で,市立看護専門学校では,毎年120名の卒業生を社会に送り出し,卒業生の約70%は市内に就職していることから,大きな役割を果たしてるものと考えております。広島県の看護職員の需給見通しを見ますと,平成22年度,2010年度には2,000人が不足すると推測されており,市立看護専門学校の存在意義は今後も薄れることはないものと考えております。
4年制大学化のメリットとして一般的に言われておりますのは,教育期間が延長されることで教育内容が充実し,より質の高い看護師養成が見込めるということでございまして,そのことの重要性はよく承知をしておりますけども,市立看護専門学校の大学化そのものについて見ますと,一つは,大学設置基準に基づく施設整備等が必要であり,施設設備費,人件費等に多額の運営費がかかること,それから授業料が高くなるため学生の負担がふえること,准看護師が働きながら看護師を目指している定時制課程を廃止することにつながり,これらの学生の修学場所が少なくなるといった課題がございます。
こうしたことから,国で検討されている看護基礎教育のあり方など引き続き注視をしながら,当面は現行の看護専門学校として運営をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
道路交通局長。
◎木時誠
道路交通局長 急傾斜地についてお答えいたします。
急傾斜地法の目的は,急傾斜地の崩壊による災害の危険から人命を保護することにあり,土地,家屋等の財産を保護することを目的としたものではありません。同法に基づいて行われる急傾斜地崩壊対策工事は,先ほど御質問にありましたように,急傾斜度が30度以上,がけの高さが5メーター以上,保全の対象となる人家が5戸以上という要件が定められており,これによって工事の範囲や規模が客観的に決まります。したがって,個人の恣意的な意図での事業の実施やその範囲が決まることはありません。また,このような人命保護のために対策が講じられた結果,土地,家屋等の財産が保護され,間接的な受益が生じることもありますが,そのことは付随的な効果であり,特に問題になるものではないと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 教育長。
◎濱本康男 教育長 「平和への誓い」についてお答えをいたします。
毎年8月6日の平和記念式典で,子供代表が世界に発信する「平和への誓い」は,平成7年,1995年に被爆50周年記念事業として開催されました「こども平和のつどい」を契機として始まり,本年度で15回目を迎えております。この子供代表の選考方法でございますが,市内の小学校6年生を対象として,平和の大切さについてというテーマで作文を募集し,平成21年,2009年は応募のあった8,980点の中から20点を選考いたしました。選考されました20名が,「こどもピースサミット 平和の歌声・意見発表会」でみずからの意見を発表し,その中から平和記念式典で「平和への誓い」を読む2人の子供代表を決定をいたしました。
学校教育における活用についてでございますが,教育委員会では,各学校が授業等で活用できるよう「平和への誓い」の原文をホームページに掲載をするとともに,「平和への誓い」や意見発表会に出場した20人の児童の作品を文集にまとめまして,毎年各学校に配付をしております。
今後とも各学校において「平和への誓い」が十分に活用されるよう,さまざまな工夫をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 馬庭議員。
◆7番(馬庭恭子議員) ちょっと2点ほど質問をしたいんですが,先ほど
健康福祉局長が市立の看護専門学校はまだ存在意義があって,毎年120名の卒業生を出していて,病院への人材確保に十分役立っていて,当分の間考えてないというようなことを言われたんですけど,もう私は信じられない答弁だなというふうに思っています。
ある研究論文で,3年制と4年制の教育期間を比べたときの離職率は,3年制の養成所の方がはるかに高いんですね。それと,事故の比率も3年制の養成機関を卒業した人たちと4年制の大学を卒業した人たちのミスといいますか,医療ミスとかそういう率がはるかに4年制大学の方が低いっていう研究結果が出ていて,それでもう国が60年ぶりにやっとの思いでこの医療崩壊の時代に看護師を確保しておかないと,医師はもうはるかに少なくなっているわけですから,その分野で看護師が役立つこともあるだろうからっていうので大学化をし,大学院化をするっていうような流れになっているわけですから,当分このままでいくっていうような,世の中の流れを読み間違えていると,広島市民の皆さんがナースコールを押したときに,看護師さんはやってきません。ぜひ,悠長なことを言うのではなく,定時制の人たちがいるっていうのはありますけども,それは社会人入学もできますし,単位を取ればできるっていう方策もいろいろ考えられますので,私は今やらなきゃいつやるんだっていうふうに思います。ほかの看護専門学校は全部大学化になっているっていうのは,今私が壇上で述べましたことは,もう既にほかは大学化になってるわけですから,そういう悠長なことを言っていては間に合わないというふうに思います。大変残念な答弁だっていうふうに思います。ぜひ答弁をやり直してほしいっていうふうに思います。
次に,寄附についてなんですが,大阪府もリュックサックを背負った高齢者のおばあちゃんが役立ててくれって1億円ぽんと置いて帰ったということがありましたけど,私も広島市役所の前を見て,リュックサックを背負ってる人を見ると寄附をしてもらえるんじゃないかなって思ったりして胸がわくわくするんですけど,しかし,広島は絶対的な知名度が海外にあります。もうそういったところで,寄附しやすい仕組みをやっぱりつくっておくっていうのはすごく大事なことだと思うので,先ほどの御答弁では,1件海外の寄附に対応をこれからしようしているということなので,そこでの問題点とか課題をクリアできるように,インターネットでもきちっとクリックすれば,折りヅルか何かをクリックすれば広島の状況がばっと出て,そしてそこにクレジットカードのナンバーを入れたら,ビル・ゲイツだって何億って来るかもしれないじゃないですか。そうするときに,とても私は広島としての知名度を使う意味ではとてもいいというふうに思うので,ぜひ検討を進めていただくということなので,大変うれしい答弁と大変残念な答弁を聞いて,今たたずんでるわけですけれども。看護専門学校については,ぜひこれは見直してほしいと。もう1回初めから,多額な予算がかかるって言われましたけれども,急傾斜地のあれにも5億かけてるんですから,あれも人命です。広島市の疾病率とかいろいろ考えたときに,2人に1人は病気になる時代なので,そういう人たちの安全確保のためにも看護師は少ないわけですから,少ない中で例えば大学への奨学金を出すとか,いろんな方策を考えて,広島にいていただいて広島の市立市民病院で働いていただかないといけないわけですから,そのためには多額のお金がかかろうがきちっとしないといけないというふうに思います。
健康福祉局長,もう一度答弁やり直し。
○
藤田博之 議長
健康福祉局長。
◎三村義雄
健康福祉局長 先ほども答弁しましたように,そういう大学化の動きがあるというのは承知をしてますし,直ちにやろうとすると,先ほど言いました課題を解決できるかどうかと,そういう点では課題を放置するんではなしに,先ほど述べましたように,本当にどの程度かかるのかとか,授業料についても,例えば奨学金との関係とか,そういった部分は十分整理をしていく必要があるしやっていきたいと。ただ,現時点で,じゃあ直ちに大学化をしないといけないかというと,今の制度の中ではそういった3年制の養成コースも認められてて一定の存在意義が今も果たされてると。そして,そういった直ちにやるに当たっては検討課題もあるということで,したがいまして,先ほど言いましたように,国で検討をされてる看護師教育のあり方などを引き続き注視しながら,当面は,現時点では看護専門学校としての運営をしていきながらそういった検討を進めていくということでございます。
○
藤田博之 議長 馬庭議員。
◆7番(馬庭恭子議員) 政権がかわってきてるので,国の法律もすぐ変わりますよ。政権がかわって,今までは60年ぶりにやっとできたけど,今度政権がかわったら,来年かわるかもしれないじゃないですか。そうしたときにどう対応するんですか。そういうふうになると,私はやっぱり今は難しい,きょうは難しいかもしれないけど,あすは可能性があるような答弁をしていただかないといけないなと思います。しっかり数字をにらみながら,広島市のこれからの市民の健康を守っていく大事な施設で働いていかないといけないですので,ぜひ,市立大学と相談して,そちらが決められればあちらがこたえると言っておりましたので,手ぐすね引いて待っていると思いますので,ぜひ積極的に取り組んでいただきたいということを要望して終わります。
○
藤田博之 議長 次に,25番永田雅紀議員。
〔25番永田雅紀議員登壇〕(拍手)
◆25番(永田雅紀議員) 皆さん,どうもお疲れさまです。
爽志会を代表いたしまして
一般質問をしたいと思います。きょう最後でございますので,いい質問をしたいと思うんですが,なかなか才能が伴わないんで皆さんに満足いただけるような質問になるかどうかわかりませんが,お聞きいただきたいと思います。
民主党政権になりまして,はや2週間を過ぎました。政権交代という冒険を伴っても,国の将来をゆだねてみようという国民の決断の集積がこのたびの衆議院選挙の結果でありました。鳩山政権には,国民の支持を得るに至った公約として掲げたことを民意を反映しつつ実行され,国益にかなう政治を進めていただきたいと思います。また,政権交代により政策が転換されることもあり,地方自治に及ぼすであろう影響が予測されておりますが,混乱,停滞なくおさめられることをお願いしたいと思います。
さて,オバマ大統領はプラハ演説にて核兵器の廃絶を叫ばれ,全世界の共感を得ましたが,このたびの国連安全保障理事会においては,鳩山首相も世界唯一の被爆国の代表として,各国首脳に広島,長崎を訪れ,核のもたらす悲惨な現実を心に刻んでほしいとスピーチされるなど,核廃絶に向けて世界は新たな一歩を踏み出したと認識されております。このたびの鳩山首相のスピーチが脚光を浴びたことによって,世界における広島市という都市の持つ役割の重さがより浮き彫りになったように感じたところでございます。秋葉市長は,ことしの平和宣言をイエス・ウィー・キャンで締めくくられました。そして,オバマ大統領の演説からオバマジョリティーという言葉をつくられました。その影響力をたたえ,歓迎されたことから生まれたのだと思いますが,広島市の市長としても,この好機を生かし,広島を生かす道をさらに広げていただきたいと願っております。
さらにもう1点,鳩山首相が国連演説で環境問題においてもCO2排出量を2020年までに1990年比で25%削減することを国際公約として掲げられ,産業界からは反発を招いていますが,この発言が脚光を浴びています。言い切るからには達成できる根拠を持っての発言と,個人的には裏読みしておりますが,日本の環境技術の高さは世界トップレベルと言われており,広島がリードする立場にという思惑が今も変わりなければ,これも広島にとって,広島の目標の高さをアピールする絶好のチャンスと思いますが,どうでしょうか。首長には将来を変えるであろう難しい選択を迫られることの連続であろうと思います。決断のリスクもさることながら,先延ばしにして決断の機を逃すのも怖いものです。広島市に山積する課題,広島市が進んでいくべき道,明快な応答,どうかよろしくお願い申し上げます。
このたびの議案には,旧広島市民球場の調査費を再度提出されております。質問が重なりますが,3月の旧広島市民球場の調査費の修正から今までどのような検討がなされましたか。そして,将来の投資として,商工会議所,護国神社,PL教団の土地の購入費が約20億円かかると私は考えております。また,劇場費と公園整備費などにも費用がかかるわけです。広島市の発展に重要な場所であるこの地に,別の形で先ほどの投資相当額をもって計画することも決して不可能ではないと私は考えます。
一方,折り鶴施設は,新聞紙上でのアンケートにしても一般市民の声からも反対が多いことは御承知と思いますが,どうしてもつくる必要があるとお考えなのでしょうか。お尋ねいたします。必要ということでしたら理由もお聞かせください。
次に,県の公共事業負担金についてお伺いします。
公共事業に対する負担金に関しましては,民主党のマニフェストの中で,国直轄事業に対する負担金の廃止の方針が示されました。一方,県の公共事業に対する市町の負担金についても,一部の府県で見直しが行われる旨の報道がなされています。
そこで,お尋ねします。
広島市が県の建設事業負担金条例に基づき負担している主な事業と,その負担金額は平成20年度分でどうなっておりますか。また,市として県の公共事業負担金の見直しについて,どのように対応していくつもりなのかお尋ねいたします。
次に,我が会派が再三質問させていただいております福利厚生事業についてですが,昨年の12月からどのような検討をされましたか。他の自治体の動向を見てとの回答は結構です。意味のない事業に市民の税金を使わないようにし,市民の理解が得られる範囲での福利厚生を図っていただきたいと思いますがどうでしょうか,お尋ねいたします。
続きまして,商工センター地区についてお伺いいたします。
西部開発事業は,広島市西部の庚午,草津,井口地区の地先水面を埋め立て,約328ヘクタールの土地を造成するとともに,埋め立て用の土砂を採取した埋立地背後の鈴が峰山ろくに約54ヘクタールの宅地を造成した海陸セットの開発事業であります。事業は昭和33年に大広島計画の基本構想の一つとして位置づけられ,昭和39年に基本調査を実施し,昭和41年から本格的に事業着手し,17年間の期間と約1056億円の経費をかけて,昭和57年に竣工したものです。この臨海部の埋立地については,この地区を瀬戸内圏における経済流通の拠点とする方針のもとに,一連の流通・加工機能を備えた総合的流通業務団地としての機能を中心に,それに関連する業務,住宅,公共,公益機能を整備する一大地域開発プロジェクトとしてまちづくりが進められました。埋立地の5割以上を占める流通業務地区については,国が定めた広島市についての流通業務施設の整備に関する基本方針に基づき,中央卸売市場,トラックターミナル,卸売団地等で構成される流通センターを配置しており,その周辺にはこれらと関連ある製造加工業が誘致されました。また,埋め立てとあわせて,草津漁港の移転,改修を行い,漁港機能の充実が図られています。しかしながら,近年の流通の合理化など,卸売業を取り巻く経済社会情勢の変化や消費者の多様なニーズに対応できるよう,業態を多様化していくことが課題となっており,流通業務団地の施設規模の見直しも行われました。今後とも,流通形態の変化に伴い,この地区の活性化についていち早く方針設定をしなければならないと言えるでしょう。
商工センター地区は,五日市駅周辺とともに,西の玄関として発展していくことが必要でございます。そのために,南道路との結節地としてもアクセシビリティーの向上を図ることが重要であり,廿日市インターチェンジから商工センターまでの自専道は非常に必要性が高く,早期の検討が望まれるところでもあります。
そこで数点お尋ねいたします。
商工センター地区は,きちんと整理された地区であり,将来にわたって重要な拠点地区であると思っておりますが,卸売業の現状は非常に厳しい状況にあると聞き及んでおります。卸売業だけの数値では把握できてないかもしれませんが,卸売業,小売業をあわせた事業所数,従業者数はピーク時に比べどのようになっているのかお尋ねいたします。
また,このような厳しい状況下にあっては,卸売業の事業活性化に向けた取り組みが重要だと考えますが,これまでどのような取り組みがなされたのかお尋ねいたします。
さらに,この地区は,時代の変化に対応することによる発展度合いの高い重要な地区であると認識しております。活性化に向けては協同組合広島総合卸センターとの協議の必要があると考えますが,どのような取り組みがなされているのかお尋ねいたします。
続いて,広島市の将来計画についてお尋ねします。
まず,広大本部跡地についてお尋ねいたします。広大本部跡地の有効活用ですが,ことしの7月31日に,平成22年3月末までに事業スキームを再構築し,改めて土地取得期限について協議することを財務・経営センターが了承したとのことです。さきの都市活力創造対策特別委員会での説明資料にもありましたが,余りにも日程が厳しい状況であることも認識しながら,広島大学とともに,財務・経営センター所有地,広島大学東千田キャンパス及び東千田公園を含めた区域全体の土地利用のあり方や,機能配置を見直すとともに,土地の整形化の可能性などについて検討していますとの報告がありました。今回の報告の中で,民間事業者等からのヒアリングにより明らかになった課題を踏まえといったことが述べられていましたが,まずその内容について明らかにしていただきたいと思います。また,その課題に対する市としての認識についてもお答えいただければと思います。特に,旧理学部1号館に関しては,ことしの2月定例会の総括質問のときに,全面的に保存・活用することは非常に厳しいという意見があったことから,建物調査結果などを参考に,建築の専門家などの意見を聞きながら,どういった保存・活用方法が考えられるかなどを検討し,適切に対応していきたいという答弁をされています。この保存・活用方法は,今後の跡地全体の活用策を検討する上では大変重要な要素でもあり,また既に半年も経過している現在では,その後の検討も随分進んでいるものと思いますので,その状況についてもお答えください。
また,事業スキームを再構築する予定であることも言及されていますが,知の拠点を見直すなどを含めて,スキームの再構築も視野に入れておられるのでしょうかお尋ねいたします。
さらに,その検討期限に関してですが,来年3月までには事業スキームの再構築を行い,事業実施のめどをつけるという認識でいいのでしょうか,お尋ねいたします。
続いて,広島駅周辺地区の整備についてお尋ねいたします。
広島駅南口Bブロック市街地再開発事業や,広島駅南口Cブロックの再開発,若草町地区市街地再開発事業,二葉の里地区の開発の推進についての説明はお聞きしました。これらの事業は,広島駅の整備には重要な事業ではありますが,核となる広島駅の整備状況が,市民には見えていないように思います。
先般,自由通路のイメージとして,岡山駅の自由通路を当てはめて例示されましたが,一般には理解がしがたい状況です。広島駅は1日7万人を少し超える乗降客がいる有数の駅ですが,比較すると札幌駅は8万8000人を超える乗降客,駅の橋上化により多くの人が行き交っています。また,仙台駅は7万9000人ほどで,4つの自由通路などで利便性が高められております。博多駅は11万5000人ほどで,3代目となる現博多駅が40年余りになるため,地下3階,地上10階建てのビルに建てかえ,駅の動線の整備などにより,利用者の安全性,利便性の向上が図られています。数字の上ではそれぞれの駅の乗降客数には大差はないように感じますが,実際にその駅に行くと広島駅で行き交う人たちよりも,他の駅で行き交う人の数は数倍以上あるように感じます。自由通路を含めた駅そのものの整備が周辺に大きな影響を与えていると思われます。現在,駅周辺の整備計画について,広く市民に都市計画法に基づいた案の縦覧が行われているようです。駅周辺のにぎわいの核となる広島駅の自由通路は,本市にとっても重要な施設であり,地域住民はもちろんのこと,市民や広島市を訪ねる人々にとっても関心の高いものと言えます。そこで,このたびの縦覧だけでなく,今後さらに詳細な計画内容や整備時期などについて,市民にわかりやすく情報提供していただきたいと思いますが,お考えをお尋ねいたします。
一昨日の新聞記事にもありましたが,広島市民球場周辺整備についてお尋ねいたします。
この事業は,ヤード跡地に21世紀の広島の新たなシンボルであるマツダスタジアムを核として民間活力の導入により,年間を通じてにぎわいを創出する集客施設や,マツダスタジアムに必要な駐車場機能を整備し,新都心成長点にふさわしい都心空間を創出しようとするもので,昨年4月には三井不動産を代表会社とする事業者を決定しています。しかし,ことし2月,事業者から基本計画書提出等の期限延長の申し入れがあり,市としてもやむを得ないものとしてそれを認められていますが,以後,半年経過している現在,その状況はどのようになっているのかお答えください。建設委員会における所管の主要事項の報告では,早期の事業に向けて引き続き事業者と協議を進めるということでしたが,具体的にどのような協議をされているのでしょうか。事業実施のめどはついているのでしょうか。また,事業者としてはどのような認識を持っているのでしょうか,あわせてお答えいただければと思います。
続きまして,認知症対策についてお伺いいたします。
認知症は脳の病気であると言われています。その原因は,頭蓋内の病気によるもの,身体の病気によるものなどたくさんあります。しかし,多くはアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症です。中には,原因となる病気を適切に治療することで認知症症状が軽くなるものもあるようで,それらは認知症全体の約1割を占めていると言われています。
また,認知症の症状がある高齢者は65歳以上人口の10人に1人と言われています。認知症高齢者の生活場所は,在宅が7割程度と多く,また高齢者虐待の被害者の,虐待されている疑いがあるものも含めて約7割に認知症が見られると報告されています。認知症高齢者を取り巻く状況は大変厳しく,今後高齢者人口の増加に伴い,認知症高齢者も一層の増加が見込まれる中,家族や介護保険制度だけで認知症高齢者を支えていくことは困難な状況であります。これからは認知症予防対策だけでなく,認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らせるよう,地域のだれもが認知症を正しく理解し,早期発見,早期治療,適切な対応で重症化を防ぐケア対策や,認知症高齢者の家族,介護を支援する住民,関係機関,行政のネットワークによる総合的な支援体制の確立が求められております。
そこで数点お尋ねいたします。
まず,認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを進めることに関して,市としてどのような認識をお持ちかお尋ねいたします。
また,ことしの6月定例会では,認知症の人とその家族が安心して生き生きとした生活を送るためには,公的なサービスだけでなく地域で高齢者が孤立しないよう,さまざまな住民参加型のサービスの充実も重要であるという認識が市から示されましたが,今後どのような施策展開を図っていこうとしておられるのかお答えください。
また,身体合併症を有する認知症の人が,地域で適切な医療を受けることができるように,どのような対策をとられていますか,あわせてお尋ねいたします。
最後に,電子自治体についてお伺いいたします。
社会の変化のスピードは,情報通信技術の飛躍的な進歩やインターネットの急速な普及によりさらに加速し,ネットワーク化の拡大は,市民生活にさまざまな影響を与えています。こうした技術を活用して21世紀を希望に満ちたものにすることが,まさに私たちに託されている重要な課題であると思います。
広島市においては,新たな広島を創造するため,情報通信技術を活用し,地域の情報化をどのように推進するか,その指針となる広島市情報化基本計画を平成12年に策定されました。そして,平成13年度には,行政情報化を推進する共通基盤として庁内LANの運用を開始し,現在は電子メールの利用,ホームページによる市政情報の提供,電子申請や電子入札,電子申告の導入など,ユビキタスネット社会にふさわしい行政サービスの充実とともに,地域ポータルサイトこむねっとひろしまの開設など,地域情報化の推進に努めておられます。
しかしながら,広島市の情報システムは,大型汎用機により運用するものと,サーバにより運用する庁内LAN及び個別のシステムが混在していることにより,情報システム間のデータ連携が十分に図れない,情報システム単位でコンピューターやネットワーク機器が整備されており,非効率であること,大型汎用機で運用する情報システムは,特定の技術,製品に依存していることといった問題が生じており,これらのことは行政の高度化,効率化の推進を妨げる要因となるとともに,大型汎用機で運用する情報システムの運用保守に係る経費を押し上げる要因にもなっているようです。
こうしたことから,全庁挙げて取り組むための指針,広島市情報システムの高度化基本方針を策定されました。そしてその中で,目指すべき行政サービスとして,高度な行政手続等のオンライン化やワンストップサービスを掲げ,大型汎用機の次の更新予定時期である平成25年度までに,基幹系システムの再構築を完了させることを目指しておられます。
このような取り組みは行政事務や行政サービスに大きな影響を与える取り組みと考えますので,この事項について数点お伺いいたします。
広島市への申請や届け出等の手続は全部で何件で,そのうち現在電子化されている手続は何件ありますか。また,携帯電話からの申請については可能ですか。
広島市ホームページにおいて,現在,事前に登録することで知りたい情報をパソコンで自動的に入手できるRSS機能を使える情報は,新着情報や緊急情報,区役所からのお知らせ情報などに限られていますが,市民サービスの向上のために,例えば子育てや高齢者向けの情報にも拡大するお考えはありませんか。
ハードウエアやソフトウエアを導入することなく,インターネットを通じてサービスの提供を受けるASP,SaaSの利用についてはどのようにお考えでしょうか。
総務省においては,自治体クラウドの開発に関する実証実験を実施することとされていますが,自治体クラウドについて広島市はどのようにお考えですか。以上,5点をお伺いします。
以上で,
一般質問終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○
藤田博之 議長 市長。
〔秋葉忠利市長登壇〕
◎秋葉忠利 市長 永田議員の御質問にお答え申し上げます。
商工センター地区についての御質問がございました。
商工センター地区は,昭和57年,1982年に,当時,全国一の規模の流通業務団地として竣工し,その後,27年が経過しており,この間,商工センター地区を取り巻く社会経済状況は大きく変化しています。
特に,近年の課題としては,次の4点があるというふうに考えております。
第一に,御指摘のように,卸売業と製造業と小売業の境界がなくなりつつあり,卸売業としては,製造や小売分野への進出の必要性も出てきたわけですけれども,流通業務団地としての規制が足かせとなっていたこと。
二つ目には,ICTの進展に伴い,卸売業もICTを積極的に活用した事業展開が求められていること。
三つ目としては,物流のより一層の効率化が求められているため,地区へのアクセシビリティーの向上が必要であること。
四つ目には,商工センター地区は,地盤沈下等の影響により,台風のときなどの高潮や,あるいは降雨による浸水被害への対応が必要であったこと。
こうした課題に対応するため,まず,規制緩和については,総合卸センターの要望を踏まえ,平成13年,2001年に流通業務団地の区域を見直すとともに,平成18年,2006年には流通業務地区内における立地可能な施設規模を拡大するための許可基準の変更などを行いました。これらにより卸売業者が小売業を行うことが可能になり,コンビニエンスストアなど小売店も立地し,施設拡充も行われています。
次に,ICTを活用した事業展開については,卸売業の販路拡大を図るため,本市と広島商工会議所が連携して,卸売業者のビジネスブログの作成,共同ポータルサイトの立ち上げ,さらには新商品企画開発等に関する支援を行っています。
次は,地区の環境整備についてですが,市中心部や西風新都地区,五日市インターチェンジなどとのアクセシビリティーの向上を図る上で,根幹となる道路整備については,まず,草津沼田有料道路の通行料を来年3月から無料化します。また,商工センター地域のシンボルとなるであろう広島南道路太田川放水路橋梁整備は順調に進捗しており,平成25年度,2013年度末の完成を予定しています。
環境整備のもう一つの目的であった高潮等による浸水被害対策については,平成13年度,2001年度から平成18年度,2006年度にかけて護岸強化を行うとともに,平成20年度,2008年度には,西部臨海ポンプ場等を整備したことにより,以前のような浸水被害はなくなりました。
以上のように,本市としても商工センター地区の活性化のための支援を行ってまいりましたが,地元においても,例えばオタフクソースが整備したウッドエッグお好み焼き館は,体験型観光施設としてビジターズの増加につながっていますし,参加型のまちづくりイベントである,これAGTとローマ字で書いて,「あじと」と読むらしいんですけれども,A・G・T祭が開催されるなど,地元でもにぎわいづくりの機運が高まっています。
広島駅周辺地区は,マツダスタジアムのオープンや再開発事業により,新都心成長点として新たなにぎわい拠点となりました。商工センター地区については,協同組合はもとより,大型商業施設や地元住民も一体となって,広島駅周辺地区に負けないよう,市西部の新たなにぎわい拠点にしたいという熱い思いを具体化するため,現実的かつ21世紀を見据えた将来ビジョンの策定に取り組んでいます。
本市としても,この将来ビジョンの策定やその後のにぎわいづくりについて,今後とも全面的に協力していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。
○
藤田博之 議長
企画総務局長。
◎湯浅敏郎
企画総務局長 まず,福利厚生事業についての御質問にお答えいたします。
地方公務員の福利厚生事業については,社会通念上,公費支出が是認される福利厚生事業の範囲に関する司法判断が,最近幾つか示されておりまして,なお係争中の事案もございます。現在,こうした司法判断等も踏まえ,職員の福利厚生事業の点検・見直しを行っており,今後その結果をもとに適切な福利厚生事業の実施を図ってまいります。
次に,電子自治体についての御質問に順次お答えいたします。
まず,本市への申請や届け出等の手続数等に関する御質問でございます。
本市の申請や届け出等に関する手続は約2,500件ありまして,そのうち電子化されているものは518件でございます。
次に,携帯電話からの申請等についての御質問でございます。
本市において,携帯電話からインターネットを通じて申請等が可能なものは,図書の貸し出し予約やチャイルドシート取りつけ講習受講申し込み,分譲マンション管理運営講座申し込み,公共施設予約の4つの手続でございます。添付書類が必要なものや入力項目が多いものなど,携帯電話からの申請等になじまないものもありますが,できる限り携帯電話からの申請等が可能となるよう取り組みたいと考えております。
次に,広島市ホームページにおけるRSS機能,これは先ほど議員もおっしゃいましたが,事前に登録することで知りたい情報を自動的に入手できる機能でございますが,これについての御質問でございます。現在,本市では,主要な広報媒体であるホームページのリニューアルに取り組んでおります。その中で,議員御指摘の子育てや高齢者など,市民ニーズの高い情報についてRSS機能が使えるようシステムの改良を行うことにしております。
次に,ASP,SaaSの利用についての御質問でございます。
ASP,SaaSのサービスを利用すると,ハードウエアやソフトウエアをみずから所有する必要がなく,導入経費の抑制や導入期間の短縮を図ることができますが,これらのサービスは用意されているソフトウエアを利用するものであり,自治体固有のサービスの組み込みや既存のシステムとの連携が困難となる場合がございます。ASP,SaaSのサービス利用については,こうしたメリット,デメリットを踏まえ,現在取り組んでおります本市情報システムの再構築の中で検討してまいります。
最後に,総務省が進める自治体クラウドについてお答えいたします。総務省が進める自治体クラウドとは,国の総合行政ネットワークとASP,SaaSのサービスを組み合わせ,住民情報関連業務や税務などにおいて,市町村が共同利用できるシステムを構築しようとする取り組みでございます。今回,総務省が行っている自治体クラウドの実証事業は,主として財政や人材の基盤が弱い小規模市町村の参加を想定した取り組みであり,本市はこれに参加しておりません。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 財政局長。
◎佐伯克彦 財政局長 県の公共事業負担金について御答弁申し上げます。
本市が広島県建設事業負担金条例に基づき,県に対し負担金を支出している主な事業及びその金額でございますが,平成20年度,2008年度決算見込みで申し上げますと,県施行港湾整備事業負担金が10億782万円,流域下水道整備事業負担金が1億4127万1000円などとなっております。こうした都道府県が市町村に求める負担金につきましては,議員御指摘のとおり一部の府県において見直しの動きがございます。
また,本年4月に国の地方分権改革推進委員会が公表いたしました国直轄事業負担金に関する意見の中では,「都道府県と市町村の間において,負担金のあり方等について緊密な協議が行われることを通じ,適切に対応されることを求めたい」と述べられております。
本市におきましても,広島県市長会などを通じ,負担金のあり方を見直すなど適切に対応するよう県に働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
健康福祉局長。
◎三村義雄
健康福祉局長 認知症対策についての御質問にお答えいたします。
まず,認知症の人を地域で支えることについてでございます。
本市における認知症の高齢者の数は,平成20年,2008年3月末現在で約2万2000人であり,高齢者の約10人に1人が認知症となっております。徘回などがある認知症の人を家族だけで支えていくことは困難であるため,介護保険制度を初めとする公的サービスの充実に加え,周囲の人が認知症について正しく理解し,認知症の人とその家族を地域で支援することが重要でございます。
また,少子化・高齢化や核家族化が進行し,ひとり暮らし高齢者や高齢者だけの世帯が増加しております。こうした世帯に対しても,住みなれた地域で安心して生活できるよう地域における多様な支援が必要でございます。
このため,平成21年,2009年2月に策定いたしました広島市高齢者施策推進プランでは,地域団体,関係機関等が連携し,住民同士が互いに支え合う地域支援体制の構築に積極的に取り組むことにしております。
次に,住民参加型のサービスについてでございます。
地域で高齢者の話し相手や家事援助などを行う住民参加型のサービスといたしまして,社会福祉協議会が設置する地区ボランティアバンクの活動や,広島市シルバー人材センター等が行う生活援助などがございます。認知症の人とその家族を地域で支えるためには,こうした住民参加型サービスを行う人が認知症の症状等について正しい知識を有していることが重要でございます。このため,広島市シルバー人材センター等の登録者を対象として,認知症について理解を深めてもらうための研修を実施する予定でございます。
また,地域住民一人一人が認知症について正しく理解し,日常生活の中で認知症の人に適切に接することができるよう,平成18年度,2006年度から認知症サポーターを養成しております。平成20年度,2008年度までに5,223人の市民がこの認知症サポーター養成講座を受講しており,本年度は市職員を対象とした講座も開催をいたしました。今後もこうした取り組みにより,認知症の人とその家族を地域で支える体制の充実を図ってまいります。
最後に,医療面での取り組みについてでございます。
認知症の人は認識機能の低下により,自覚症状を医師に的確に伝えることができないこと,それから,多くの場合,妄想や攻撃的言動などの周辺症状が見られることから認知症以外の疾患,いわゆる身体合併症で医療機関を受診することが困難な場合がございます。このため,平成18年度,2006年度から医師会の協力を得て,地域のかかりつけの医師を対象に,認知症の診断,治療や周辺症状等に関する研修を実施するとともに,かかりつけの医師に対する専門的な助言等を行う認知症サポート医を養成しております。これまでに研修を受講終了いたしましたかかりつけ医師は451人,それから認知症サポート医は12人ございますが,こうした方の名簿を市ホームページに掲載するとともに,区役所健康長寿課及び地域包括支援センターに備えつけて,認知症の人が受診しやすいよう情報提供をしております。
今後とも認知症の人が地域で適切な医療を受けることができるよう,認知症に関する地域医療体制の充実に努めてまいります。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 経済局長。
◎藤本誠 経済局長 商工センター地区の御質問のうち,広島総合卸センター地区内のピーク時の事業所数等の状況についてお答えします。
本市の商業統計調査では,協同組合広島総合卸センターの区域──商工センターの1丁目から6丁目までですが,卸売業,小売業を合わせた事業所数,従業者数はそれぞれ平成3年,1991年がピークで276事業所,8,583人となっていました。その後,事業所数,従業者数ともに減少傾向にあり,地区別の数値が出ている直近の調査であります平成16年,2004年における事業所数は240事業所で,ピーク時に比べ13%の減,従業者数では6,278人で同じく26.9%の減となっています。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
都市活性化局長。
◎片平靖
都市活性化局長 まず最初に,旧市民球場跡地利用についての御質問にお答えいたします。
昨日の碓井議員の御質問にも御答弁いたしましたが,旧市民球場跡地利用については,都心のにぎわいを創出するためにも速やかに本年1月に策定,公表した利用計画の具体化を進めていく必要があります。このため,4月以降,商工会議所と商工会議所ビルの移転に向けた具体的な方策や,今後の進め方などについて協議を進めてきています。
こうした中,本年7月に,国において球場跡地を含む広島都心部をモデル地区の一つとして,低炭素型都市モデルを構築するための調査が決定され,この秋以降実施される予定です。
また,先月2日に広島商工会議所及び広島県菓子工業組合から本市に対し,全国菓子大博覧会の平成25年,2013年の広島誘致,開催に関する要望書が提出されました。この要望書の中に,同博覧会を球場跡地に計画中の広場を中心に開催し,広場のオープニングイベントにすることが盛り込まれ,利用計画を進めてほしい旨の意向が表明されました。
このような事情を踏まえ,速やかに事業を推進する必要があることから,9月議会に利用計画の具体化検討のための費用を補正予算として計上することにしたものです。
次に,折り鶴ホールについて,これまでの検討経緯を含め御説明いたします。
旧市民球場跡地利用については,平成17年度,2005年度から検討を開始し,これまで4年にわたり民間事業者からの提案を検討会議や選考委員会における審議などを経て,段階的に絞り込むなど,手順を踏んで検討を進めてきました。検討会議や選考委員会においては,市民等からいただいた意見もすべて提示し,これを踏まえた上での選考が行われました。その結果,平成19年,2007年8月に選考委員会から折り鶴ホールを含む2件を優秀案とする選考結果の報告がありました。選考委員会における選考結果は尊重する必要があり,本市では,選考された2件の優秀案をベースに検討を進め,それまでに寄せられた市民等からの意見や商工会議所からの提案を踏まえ,本年1月に利用計画を作成,公表したものです。
この利用計画において,球場跡地は緑豊かなオープンスペースを中心に全体を環境に優しい緑地空間として整備することにしています。跡地の中央部分には,市民広場を設け,この広場でさまざまなイベントを実施することによりにぎわいを創出したいと考えています。
広場の周囲には,劇場や休憩施設,折り鶴ホール等を整備する予定です。折り鶴ホールは,平成17年度,2005年度に実施した民間事業者提案において,事業者みずからが整備運営するとして提案した施設であり,選考委員会においてヒロシマの心を世界に発信するテーマ性を持つものであり,その芸術性の高いデザインを含め高く評価されたものです。この施設は,約200平方メートルの床面積であり,音楽などのアートを中心としたさまざまなイベントの実施や折りヅルの展示を通して,平和への思いや明るい未来を実感してもらう施設です。平和記念公園から連続した空間である球場跡地にこの施設が整備されれば,新たな人の流れが生まれ,都心部の回遊性の向上や,都市としての魅力の向上に大きく貢献するものと考えています。
こうしたことから,利用計画に折り鶴ホールの整備を盛り込んだものです。この施設については,今後イベントの支障とならないよう,位置や規模の見直しについて柔軟に検討していきます。
なお,先ほど議員から新聞紙上でのアンケートについての紹介がありましたが,民間団体が本年5月に行ったアンケート調査では,これについても新聞等で報道されましたが,折り鶴ホールについて全体の約6割の方が必要である,または,規模が小さければあってもよいという結果も出ております。
今後,球場跡地全体がより利用しやすく,魅力あるものとなるよう利用計画の具体化に取り組んでまいります。
次に,広島大学本部跡地について3点の質問がございました。
まず,民間事業者等からのヒアリングで明らかになった課題と市の認識についてです。
広島大学本部跡地は,都心部に残された貴重な大規模未利用地であり,本市としては引き続き「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」の実現に向けて取り組むことが重要であると考えています。現下の厳しい経済情勢の中,民間の資金とノウハウを活用してプロジェクトを実現するためには,民間事業者が参画しやすい条件を整えることが必要です。このため,学識経験者や金融機関,民間事業者等からヒアリングを行った結果,当跡地が不整形であり,また一括での開発には敷地規模が大き過ぎること,さらに旧理学部1号館について,民間事業者が保存・整備の上,運用していくことなどが大きなリスクになるという課題が明らかになりました。本市としては,これらの課題を整理することが必要であると考え,プロジェクトの実現に向け広島大学とともに,財務・経営センター所有地,広島大学東千田キャンパス及び東千田公園を含めた区域全体の土地利用のあり方や機能配置を見直すとともに,土地の整形化の可能性などについて検討しております。
次に,旧理学部1号館の保存・活用の検討状況についてです。
旧理学部1号館の保存・活用については,広島大学の建築やコンクリート構造物の専門家に依頼し,前事業予定者が実施していた建物調査結果の検証や現地調査を行っていただいております。引き続き,専門家の意見を聞きながら,他の建築物の事例などを参考に耐震補強や改修の方法,経費の検討などを行った上で保存範囲や活用方法などについて詳細に検討してまいります。
次に,知の拠点の見直しはするのかということと検討期限についてです。
「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」の提案には,かつて広島の教育の中心として栄えた当跡地の歴史的経緯なども踏まえ,国際人材育成センターなど知の拠点にふさわしい機能が盛り込まれています。このプロジェクトが実現できれば,地域の人材育成能力を高め,優秀な人材の輩出と地域への定着を促進するなど,その立地を生かし,本市の都市としての魅力の向上や都心活性化に大きく貢献できるものであると考えており,事業スキームの再構築に当たっては,引き続き「知の拠点」再生プロジェクトを実現する方向で取り組む考えです。本市としては,来年3月末までにより詳細な検討を行い,事業スキームを再構築し,プロジェクトの実現を図ってまいります。
最後に,広島市民球場周辺整備についての御質問にお答えいたします。
球場周辺の集客施設整備事業については,本年2月に三井不動産を代表とする事業者から本市に対し,世界的な経済危機を背景とした社会経済情勢の激変を理由に,基本計画提出期限の延期の要請があり,本市としてもやむを得ないと判断して2月19日にこの申し入れを承認しました。期限の延期以降,事業者は基本計画の提出に向けてテナントの出店意向の把握や,にぎわいの創出等の効果を高める施設計画の検討など,事業計画の見直しを進めています。事業者からは,この広島ボールパークタウン構想を全国でも例のない重要なプロジェクトと位置づけ,事業実現に向けての変わらない意思を示されており,事業計画がまとまり次第,本市へ基本計画が提出されるものと考えています。また,事業者と本市の間では,集客施設と球場やプロムナードを結ぶ動線計画や,集客施設に係る交通処理計画など,事業実施に伴う課題の解決に向けた協議を行っており,本市としてもできるだけ早期に事業が着手されるよう引き続き協議を進めます。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
道路交通局長。
◎木時誠
道路交通局長 広島駅周辺地区の整備についての御質問にお答えします。
広島駅自由通路は,新幹線口ペデストリアンデッキと一体となって,鉄道により分断された南口と新幹線口の間に新たな人の流れを創出し,広島駅周辺地区全体の回遊性を高めるため整備するものであり,本年5月におおむねの位置や構造,費用負担の考え方などの基本的事項についてJR西日本と合意したところです。
市民の皆様への情報提供については,この合意事項の概要を本市のホームページや広報紙「ひろしま市民と市政」に掲載しました。また,9月15日から行っている都市計画の案の縦覧に先立ち,広島駅週辺の7町内会の方々を対象とした地元説明会を開催しました。
現在は,JR西日本と協議を重ねながら,事業実施に向けた調査,設計を進めているところであり,来年度の早い時期には,自由通路や橋上駅舎などの施設配置計画や,それに伴う歩行者動線計画などのより詳細な情報について,市民の皆様にお知らせできると考えております。
今後もこうした事業の節目節目において,計画内容について議会へ報告するとともに,ホームページへの掲載など,さまざまな広報媒体を利用して市民の皆様への情報提供に努めてまいります。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 永田議員。
◆25番(永田雅紀議員) 御答弁ありがとうございました。
答弁なかなかかみ合ってないんで,これ以上の答弁を変えてくれというわけにはなかなかいかないんでしょうが,1点要望だけさせていただきたいと思います。
広大跡地整形化ということで,検討されてるということでございますが,旧理学部1号館,これは民間企業等々の開発にゆだねるのはなかなか難しいんじゃないかと思うんですね。ですから,整形化とともに理学部1号館を公園用地にして,公共で責任持ってそれを考えるというような方法をとっていただきたいなというふうに思っておりますし,その保存等々についても,この事業かなり延びてますから,できるだけ早い時期に結果を出していただきたいというふうに要望しておきます。
あと,福利厚生事業,これ何もやってないということでございますが,裁判事例いろいろあるんでしょう。ありますが,すべてが裁判起こされてるわけじゃないんで,やはり庁内としていろんな事業を見直しをしていただきたいと思います。市民の方からもかなり当局に苦情入ってると思いますから,それに対してきっちり説明ができてない。それはなぜかというと,やっぱり方針がはっきりしてないからです。これが理由をちゃんと説明できないんであれば,これが正当性があるということで広島市の方で考えておられるんであれば,きちんと説明していただかなければならないというふうに私は思いますし,それはやっぱり市長さんが定例会見でその話をされても僕はいいと思いますんで,その辺の要望しておきます。
あと,情報部門でRSS,これ大変便利な機能ですから,その便利な機能をフルに活用するためには,やはりあるいいタイミングで悩んでる方々が情報を入手できるということになりますと,その悩んでる方々がいいタイミングで解決できる可能性があるんですね。そういった意味でも,このRSS,先ほど御答弁いただいたように,子育ての問題とか,高齢者向けのものをつくっていただいて,それを早くつくっていただいて,役立たせていただくようお願い申し上げまして,終わります。
ありがとうございました。
○
藤田博之 議長 本日はこの程度にとどめ,明日引き続き
一般質問を行います。
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次 会 の 開 議 通 知
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○
藤田博之 議長 この際御通知申し上げます。明日は午前10時より議会の会議を開きます。
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散 会 宣 告
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○
藤田博之 議長 本日はこれをもって散会いたします。御苦労さんでした。
午後2時43分散会
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議 長 藤 田 博 之
署名者 今 田 良 治
署名者 若 林 新 三...