広島市議会 > 2008-06-23 >
平成20年第 2回 6月定例会−06月23日-04号

  • 豊中市(/)
ツイート シェア
  1. 広島市議会 2008-06-23
    平成20年第 2回 6月定例会−06月23日-04号


    取得元: 広島市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-05
    平成20年第 2回 6月定例会−06月23日-04号平成20年第 2回 6月定例会         平成20年    広島市議会定例会会議録(第4号)         第 2 回                  広島市議会議事日程                                    平成20年6月23日                                      午前10時開議                   日    程  第1 一般質問  第2┌自第68号議案 平成20年度広島一般会計補正予算(第1号)    ┤    └至第79号議案 公の施設の指定管理者の指定について            (新広島市民球場)    ┌自第81号議案 公の施設の指定管理者の指定について    ┤       (戸坂百田アパート附設駐車場)    └至第86号議案 専決処分の承認について            (広島市市税条例の一部を改正する条例)
     第3 第80号議案 公の施設の指定管理者の指定について           (広島安佐南区地域福祉センター) ───────────────────────────────────────                  会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行し,終了)  日程第2┌自第68号議案 平成20年度広島一般会計補正予算(第1号)      ┤      └至第79号議案 公の施設の指定管理者の指定について              (新広島市民球場)      ┌自第81号議案 公の施設の指定管理者の指定について      ┤       (戸坂百田アパート附設駐車場)      └至第86号議案 専決処分の承認について              (広島市市税条例の一部を改正する条例)       (質疑)       (各常任委員会付託)  日程第3 第80号議案 公の施設の指定管理者の指定について             (広島安佐南区地域福祉センター)       (質疑)       (厚生委員会付託)  休会について(明日及び明後日を休会と決定)  次会の開議通知(6月26日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                 出 席 議 員 氏 名    1番  八 軒 幹 夫            2番  大 野 耕 平    3番  三 宅 正 明            4番  碓 氷 芳 雄    5番  西 田   浩            6番  渡 辺 好 造    7番  馬 庭 恭 子            8番  豊 島 岩 白    9番  清 水 良 三            10番  森 本 真 治    11番  藤 井 敏 子            12番  今 田 良 治    13番  桑 田 恭 子            14番  原   裕 治    15番  米 津 欣 子            16番  星 谷 鉄 正    17番  安 達 千代美            18番  八 條 範 彦    19番  竹 田 康 律            20番  元 田 賢 治    21番  沖   洋 司            22番  松 坂 知 恒    23番  村 上 厚 子            24番  中 原 洋 美    25番  永 田 雅 紀            26番  増 井 克 志    27番  山 田 春 男            28番  橋 本 昭 彦    29番  平 木 典 道            30番  母 谷 龍 典    31番  谷 口   修            32番  宮 本 健 司    33番  沖 宗 正 明            34番  酒 入 忠 昭    35番  田 尾 健 一            36番  太 田 憲 二    37番  若 林 新 三            38番  中 森 辰 一    39番  熊 本 憲 三            40番  佐々木 壽 吉    41番  種 清 和 夫            42番  木 山 徳 和    43番  金 子 和 彦            44番  児 玉 光 禎    45番  碓 井 法 明            46番  平 野 博 昭    47番  月 村 俊 雄            48番  土 井 哲 男    49番  都志見 信 夫            50番  皆 川 恵 史    51番  中 本   弘            52番  木 島   丘    53番  柳 坪   進            54番  藤 田 博 之    55番  海 徳   貢 ───────────────────────────────────────                 欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────            職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    浜 中 典 明       事務局次長   松 村   司  議事課長    重 元 昭 則       議事課主任   立 原   満  議事課主査   浜 井 紀 行       議事課主査   宮 田 武 雄  議事課主査   垣 井 英 孝       外関係職員 ───────────────────────────────────────               説明のため出席した者の職氏名  市長      秋 葉 忠 利       副市長     三 宅 吉 彦  副市長     米 神   健       企画総務局長  南 部 盛 一  企画総務局   湯 浅 敏 郎       財政局長    佐 伯 克 彦  計画担当局長市民局長            健康福祉局長  三 村 義 雄          島 本 登 夫  こども未来局長 梶 原 伸 之       環境局長    喜多川   寛  環境局エネルギー・             経済局長    重 藤 吉 久  温暖化対策担当局長          亀 井 且 博  都市活性化局長 濱 本 康 男       都市整備局長  片 平   靖  都市整備局指導担当局長           道路交通局長  高 山   茂          山 本 哲 生  下水道局長   田 中 義 則       市立大学事務局長志 賀 賢 治  会計管理者   紙 本 義 則       消防局長    田 村 義 典  水道局長    江 郷 道 生       病院事業局事務局長                                橋 本 恵 次  監査事務局長  藤 岡 賢 司       教育長     岡 本 茂 信  選挙管理委員会 三 浦 泰 明       人事委員会   山 本 正 己  事務局長                  事務局長  代表監査委員  松 井 正 治 ───────────────────────────────────────                  午前10時00分開議                  出席議員  48名                  欠席議員  7名 ○藤田博之 議長       おはようございます。出席議員48名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              会 議 録 署 名 者 の 指 名
    ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       本日の会議録署名者として               40番 佐々木 壽 吉 議員               49番 都志見 信 夫 議員  を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────              日 程 に 入 る 旨 の 宣 告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       日程第1,前回に引き続き一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  3番三宅正明議員。                〔3番三宅正明議員登壇〕(拍手) ◆3番(三宅正明議員) 皆さん,おはようございます。ひろしま政和クラブの三宅正明です。早速質問をさせていただきます。  今回は,保育行政,特に,公立保育園の民営化に絞って一般質問をしたいと思います。  まず,保護者の意見を聴く会における手続及び対応についてです。  去る平成20年3月15日から4月14日まで,広島は,「保育園のあり方について(中間とりまとめ)」に対して市民意見の募集を行われました。意見募集の公表方法として,3月15日付の「ひろしま市民と市政」に掲載及び3月15日更新のホームページに掲載し,行われました。内容は,保護者の意見を聴く会と称して,本年3月24日から4月14日まで,計5回にわたって開催することは記載されず,メール及び郵送において募集をする旨を記載したものでした。  当時の児童福祉課,現在のこども未来局ですが,公立,私立保育園を問わず,3月6日に保育園の掲示板に,保護者の意見を聴く会の開催の案内を掲示され,その後,3月14日に,「「保育園のあり方について」の中間とりまとめ(概要版)」とともに,保護者の意見を聴く会の案内を保護者へ個別配付するよう指示されたと聞いております。ただし,担当課からの連絡が至急とはされてなかったことなどから,保育園によっては,配付日が若干異なっていたり,全く配付されなかった保育園もあるそうです。また,当初,担当課は,保護者への個別配付は考えておらず,保護者からの要望で,急遽,個別配付を行い,個別配付を決めた際も,すんなりと個別配付しますとは回答せず,園長より先に保護者に配付方法を知らせることはできないとかたくなであったと聞き及んでいます。  保護者の意見を聴く会は,保護者より,平日の夜は出席しにくいとの要望から追加され,合計6回開催されたようですが,6回目については配付を行われていない園もあるようです。また,3月に個別配付を行ったため,4月に開催された区でも,新入園の保護者へは配付されなかったようです。  私は,今回の,保育園のあり方についての市民意見募集は,今後の広島の保育行政の将来を考える上で,公立の保育園の民営化方針を打ち出されているわけですから,大変重要な位置づけにあったように思います。  しかしながら,の対応について疑問を感じますので御質問します。  まず,なぜ市民意見の募集の時期を3月15日から4月14日に決定されたのかをお伺いします。  3月中旬から4月中旬は,年度末,年度初めであり,保護者の立場に立てば,卒業式や入学式など大変忙しい時期です。そんな中,平日の夜お集まりくださいというのはいかにも不親切です。一方,行政サイドにおいても組織改編の時期であり,意見を聴く会の途中で人事異動があっても不思議ではありません。たとえ引き継ぎがあったとしても十分であるとは思えません。仮に,公立保育園民営化スケジュールにおいて,その時期が組み込まれていたとしたら大変問題です。御答弁をお願いします。  次に,市民意見募集には,合計で410件の御意見が寄せられ,そして,その御意見の大半が,公立保育園民営化反対であったと聞き及んでいます。それらの御意見に対して広島はどのように対応されるのですか,お聞かせください。  私は,2006年5月22日の横浜地裁判決の判決事由の一つである,民営化について大方の保護者の承諾が得られているとは言いがたい状況にあり,保護者と横浜との関係は建設的な話し合いが期待できない状況で,早急に信頼関係の回復が見込める状況にもなかったという解釈を踏まえ,保護者と行政は,信頼関係こそ最も重要な点であると考えています。仮に,公立保育園の民営化のための手続上,事実として保護者の意見を聴く会を開催しただけなのであれば大変問題です。御答弁をお願いします。  次に,「保育園のあり方について(中間とりまとめ)」についてお伺いします。  本年3月に公表された,「保育園のあり方について(中間とりまとめ)」においては,広島は,今後の保育施策の方向と公立保育園のあり方を述べられていますが,主として,今後の保育施策の方向について質問したいと思います。  今後の保育施策の方向として,広島は八つの項目を挙げられております。  一つ,保育需要に応じた児童受入枠の確保,二つ,多様な保育サービスの充実,三つ,障害児・発達障害児への支援,四つ,子育て家庭への支援,五つ,保育サービスの質の向上,六つ,保育環境の改善,七つ,私立保育園の運営体制の充実・強化,八つ,効率的な保育園運営の推進です。  その中の4項目,保育需要に応じた児童受け入れ枠の確保,障害児・発達障害児への支援,私立保育園の運営体制の充実・強化,効率的な保育園運営の推進についてお伺いします。  広島は,保育園入園待機児童の解消と,定員超過入園や,兄弟姉妹が同じ保育園に入園できない状況の改善を図るため,地域の保育需要に応じ保育園整備や定員増を図り,児童受け入れ枠の拡充を図りますと述べられています。2007年4月1日時点での広島待機児童数は,自己都合200人を含めて合計で247人いらっしゃいますが,そもそも待機児童は,児童福祉法第24条第1項の,保育に欠ける児童の保護者から申し込みがあった場合,それらの児童を保育所において保育しなければならないに違反するものであると考えられます。また,定員超過入園についても,児童福祉施設最低基準には違反しないとはいえ,考えなければならない問題です。  したがって,法律的に言えば,広島が早急に保育園整備や定員増を図り,児童受け入れ枠の拡充を図る必要があると思います。  それに対して広島は,厳しい財政状況の中で,こうした児童受け入れ枠の拡充に当たっては,限られた財源を有効に活用する必要があることから,公立保育園と比較し,効率的な運営が可能である私立保育園を主体として進めていきますと述べられています。  このたび示された公立保育園民営化方針の,10年間で20園程度の民営化で,現在の保育園数,公立保育園90園,私立保育園71園,合計161園は,多少の私立保育園の新設は考えられますが,おおむね,公立保育園70園,私立保育園91園,合計161園となり,保育園の合計数は余り変わらないように思います。保育園の合計数が余り変わらないにもかかわらず,どうして待機児童の解消が図られるのですか。もし,効率的な運営が可能な私立保育園は,定員超過しても構わないと考えておられるなら問題です。  仮に,民営化された公立保育園を建てかえて,施設の面積を広げて,定員増を図ろうとお考えなのでしょうか。それも国からの私立保育園に対する交付金が決定されればの話で,民営化直ちに待機児童の解消,定員超過の解消にはならないと思います。お答えください。  次に,障害児・発達障害児への支援についてお伺いします。  2006年実績値において,障害児保育受け入れ数は,公立保育園196人,うち重度障害児12人,私立保育園80人,うち重度障害児一人となっています。元来,障害児保育については,公立保育園が先導的にやってきた広島が誇るべき保育の実績です。障害児保育は,個々の児童の状況に応じた適切な支援を行う必要があり,高い専門性が必要と広島も考えていると思います。現在,障害を持つ児童の保護者は,公立保育園が民営化された場合,経験のある保育士の異動や環境の変化に対応できなくなるのではないかととても心配されております。仮に,民営化決定される公立保育園の条件に,障害児が含まれないように考えておられるならば,広島の想定する民営化とは思えませんし,また,障害児が含まれることが条件にならないのであれば,障害児及び保護者の影響を考え,それらの方は別の公立保育園に転園するしかなくなると考えられます。  公立,私立を問わず,障害児保育を,保育士の力量や経験だけに頼らず,組織全体として行っていくだけのビジョンをお聞かせください。  三つ目として,私立保育園の運営体制の充実・強化についてお伺いします。  私立保育園では,保育士の平均勤続年数が短いという実態があることから,人材を安定的に確保していくことが必要となっており,私立保育園の運営基盤を強化するとともに,私立保育園運営サポート体制の充実を図ると述べられています。  まずお伺いしますが,なぜ私立保育園の保育士が平均勤続年数が短いのですか,お答えください。  保育所事業に関する財務事務の執行についての,平成17年度包括外部監査によれば,広島は,私立保育園に対して,年一回,実地に監査が行われており,監査対象事項として,法人の運営手続,理事会議事録,諸規定の整備運用状況,運営費の適正運用,経理事務処理,調理施設等の衛生管理等を監査され,運営費については,営利目的ではないため,経常収入の5%以内に当期資金収支差額を抑えるように指導され,平成16年度は100%の私立保育園で実施されたようです。また,包括外部監査によれば,私立保育園は,園児の入園,保育料,運営費等は,市町村がすべて管理しており,経営の自由度はかなり制限される,一般企業では利益に相当する資金収支差額は,経常収入の5%以内と制限されており,利益追求は不可能と述べられております。一般企業の場合,売り上げから経費を引いたものが利益であり,売り上げも経費も年度ごとに変動するのが通常です。しかしながら,私立保育園の場合,受け入れ児童数の大幅な増減がない限り,一般企業の売り上げに当たる運営費はほぼ変動がありません。人件費以外の経費もほぼ変動がないと考えられますので,私立保育園における人件費はほぼ固定化する傾向にあるのではないでしょうか。  そうした状況において,私立保育園経営者の立場であれば,保育士の入れかえによる人件費固定化策を講ずるしか園の継続的な運営を維持していくことは難しいと考えられます。たとえ,私立保育園経営者が優秀な保育士を確保しても,制度として保育士の入れかえを行わざるを得ないのではないでしょうか。公立保育園が民営化された場合も同様の状況は起こり得ると考えられます。そうした状況の中で,年一回の監査で,私立保育園の優位性を論ずるのはいかがなものでしょう。  私立保育園に対して,今後,広島は,具体的に,今の制度の状況下でどのような運営サポート体制を図られるのでしょうか,お答えください。  四つ目として,効率的な保育園運営の推進についてお伺いします。  広島は,本市の厳しい財政状況の中で,より一層の保育サービスの充実を図るため,効率的な保育園運営を進めるとともに,その推進に当たっては,限られた財源を最大限有効に活用するため,民間活力の積極的な活用を図ります,また,少子化の進行に伴う保育需要の減少により,地域の公立,私立保育園児童受け入れ枠が過剰になる地域については,当該地域の保育園定数を削減しますが,その場合は,公立保育園の定数削減を基本として対応としますと述べられています。まさに,公立保育園民営化方針の骨格と言えます。  効率的な行財政運営は,税金を財源として運営される行政にあっては当然のことです。しかしながら,地方自治法第244条第1項の普通地方公共団体は,住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設を設けるものとする,さらに,児童福祉法第24条第1項の保育に欠ける児童を保育所において保育しなければならないと規定されているように,この義務をまじめに広島が果たそうとすれば,保育所をつくらざるを得ないと思います。確かに,私立保育園にお願いすることもできますが,まず,みずからが責任を果たすことが求められていると思います。  そして,それはまた,戦後,多くの先人たちが大変まじめに保育園を設置し,全国的にも公立保育園の大変多い広島をつくっていったのだと思います。これは,広島の戦後復興を語る上で誇るべきものであると私は思います。  そこでお伺いします。  広島は,公立保育園民営化方針に対して,先ほど上げました,地方自治法第244条第1項及び児童福祉法第24条第1項の適法性及び過去の整合性をどのようにお考えですか,お答えください。  次に,1997年に改正された児童福祉法第24条における保育所選択権の保障と民営化方針との整合性についてお伺いします。  1997年の法改正において,保育所入所制度が措置から契約と改正された際,当時の厚生省は,市町村が保育所の情報を公開し,それに基づき親が希望する保育所を選んで利用する仕組みに改められることになったと説明しています。  これは,一つ,選択した保育園に入所する権利,二つ,選択した保育所に入所した後に,市町村の一方的な決定により,他の保育園に転園させられない権利,3,定められた保育の実施期間が終了するまで,選択した保育園で保育を受ける権利の三つの権利が保障されたと考えられます。具体的には,ある公立保育園を選択し,保育を受けている児童がいた場合,定められた保育の実施期間が満了するまでに,その公立保育園で民営化が行われると,その保護者及び児童の権利が侵害されるおそれがあると思いますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  さらに,保育園の効率的運営についてお伺いします。  広島においては,効率的運営イコール民営化とされておりますが,今ある90園の公立保育園をそのままで効率的な運営を行おうと考えられたことはありますか。今回の中間取りまとめではそのような検討は全く行われておりません。殊さらに民営化以外に道がないと思われているようですが,いかがですか,お答えください。  項目の最後に,今後の公立保育園のあり方についてお伺いします。  広島が現在説明されている民営化以外の公立保育園の中でも,各区ごとに拠点となる保育園を定めて,その機能を強化し,保育士の配置を含め,地域全体の保育サービスや子育て支援の充実を図るための体制を整備しますと述べられています。私は,現在の公立保育園に保育拠点を行わせるのは,現場にとって大変酷であると考えます。現在の公立保育園で行われている保育事業の上で,さらに多くの要求を公立保育園に求めた場合,拠点園になる公立保育園に人事的な手当てをしなければ,通常の保育に支障を来すことになりかねませんし,また,仮に,専門性の高い経験豊かな保育士を配置した場合,現在の公立保育園よりも人件費において拠点園は高くなると予想されます。また,それは,公立保育園の一定の水準の保育サービスの公平性から見た場合,大変疑問です。  そこで質問します。  拠点園の基本的な考え方と,拠点園以外の公立保育園と拠点園においての,保護者から見た場合の公平性について,いかに考えているかお答えください。  三つ目の大きな項目です。  現在の広島財政から見た保育園のあり方について。  2003年の財政非常事態宣言以降,広島財政は大変厳しい状況にあると私も認識しております。昨年9月に広島が公表した平成20年度以降の中期財政収支見通しでは,名目経済成長率0.0%の場合で,4年間の累積赤字が695億円の見込みになると報告されています。それを受け,本年2月に今後の財政運営方針を公表されました。広島は,市民サービスの維持向上に努めながら,将来世代への過度の負担を残さない持続可能な財政運営の実現を目指すことを基本姿勢として,歳入確保として,税収入等の確保,受益者負担の適正化など,一方,歳出削減として,人件費の削減,事務事業の見直し,投資的経費の縮減,公債費負担の軽減などを盛り込まれています。そのような状況下において,保育園の運営費は確かに年々増加傾向にあり,平成18年度で206億円となっています。内訳は,公立保育園の人件費が104億円,物件費が15億6000万円,合計119億6000万円。私立保育園の人件費が60億円,物件費が13億8000万円,合計73億8000万円となっています。  広島は,公立保育園の民営化の最も大きな理由として運営コストの比較をされています。保育園の平均的な定員である130人規模の園について,公立保育園私立保育園を約4000万円上回っており,要因として,公立保育園の方が職員の勤続年数が長く,平均年齢が高いことによる人件費の差であると説明されています。そして,広島の説明では,コストばかりではないが,効率的な保育園運営を図るためには民営化であると述べられています。確かにコスト面については重要ですので,質問をしてみたいと思います。  まず,保育料の徴収事務についてです。  平成16年度においての収納率は,現年分で97.8%,滞納分で12.5%,合計で89.4%となっています。外部監査によれば,収納率の向上は年々改善しているが,滞納保育料の残高は4億8000万円に達しており,毎年4000万程度不納欠損が発生していると報告されています。また,収納の整理係職員の一人当たりの税等を含む滞納者数は,各区1,000人を超えていると報告されています。  今後の財政運営方針で税収入等の確保を上げておられますが,特に保育料は,保育園の運営コストが年々増加していることから考えても,より細やかに粘り強く行うことが必要と考えます。滞納分の保育料の収納率向上のために具体的に行っていることをお教えください。  次に,受益者負担の適正化についてです。  保育料については,保護者からの切実な要望もあり,長期間にわたり据え置いていらっしゃると思います。保育料の据え置きは,現保護者の立場から見れば切実な問題であります。しかしながら,広島の言う,将来世代への過度の負担を残さない持続可能な財政運営の実現を目指すのであれば,保育料の引き上げは,当然議論されていてもおかしくないと思います。  せんだって,ある保護者から,保育料を上げてもらってもいいから公立保育園を今の形で残してくださいと言われました。私はこれを聞いて,広島公立保育園が何と市民の皆様に信頼され,愛されているのだろうと,議員でありながら誇りに思いました。保育園の今後を考える上で一番大切なことは行政と市民の信頼関係であると思います。公立保育園の民営化議論は,財政的に厳しいのであるから,まず,行政みずからのコスト削減を実行し,公立保育園の効率化を図り,さらに,受益者負担の適正を市民の皆様に提示し,市民の皆様に理解していただくことを努力した結果,やはり民営化であるとの結論であれば,現在の広島と保護者の関係にはならなかったのではないでしょうか。  そこでお伺いします。  今申し上げたような受益者負担の適正化について検討されたことはありますでしょうか。また,今後検討する予定はありますでしょうか,お答えください。  さらに,保育園運営費の今後の見通しについてお伺いします。  保育園のあり方において,広島は,取り組み期間を,平成22年から平成32年までの10年間とし,毎年2園程度,最終的には20園程度,公立保育園の民営化を考えておられますが,20園程度民営化すれば,民営化しなかった場合と比較して,幾らぐらいの財政削減効果を想定されていますか。  一方,広島は,削減した予算について,保護者のニーズに応じたさらなる保育サービスの向上に努めるとも言われておりますが,それらのサービスに削減した予算のどのくらい利用すると想定されていますか,あわせてお答えください。  次の項目です。  現在の社会状況を考えますと,日本は少子高齢化がますます進行し,人口減少社会となっております。労働力の低下とともに,社会保障負担の増加が今後も見込まれています。今や,女性の社会進出なしには成立しない社会になりつつあると思います。  そんな中,せんだって,男女共同参画社会の形成を促進することを目的として設立されたNPO法人エガリテ大手前が,次世代育成支援対策推進法により各自治体が策定した行動計画について,その数値目標の難易度と達成度を分析・評価し,次世代育成支援行動計画進捗ランキングを公表され,見事,広島が,政令指定都市,中核49の中で,総合ランキング及び難易度ランキングで1位に評価されました。達成度ランキングにおいても4位との高評価でした。一市民として大変うれしい結果でした。男女共同参画社会の実現に向けて,広島が今現在取り組まれている一定の評価であると思います。  それは,また一方で,市民の皆さんにとって子育てのしやすい環境であり,住みやすいまちづくりへの環境整備でもあります。本年から始まった妊婦健康診査の2回から5回への助成の拡充,こんにちは赤ちゃん事業,全国的に小児医療の崩壊が叫ばれる中,舟入病院における24時間救急小児医療体制の確立,小学校,中学校における少人数教育の実施,ひろしま型カリキュラムなど,ざっと上げただけでも,他都市と比較して,子育て,子供たちへの教育と誇れる事業を多く行っています。公立保育園にしても,戦後復興の中で,広島の先人たちの子供に対する思いを具現化した結果,現在の90園を数えるまでになり,利用する市民の皆さんの生活の中にしっかりと根づき,行政と保護者との信頼関係の上で誇れる保育を行ってきたと思います。ところが,今,この行政と保護者の信頼関係が公立保育園民営化方針によって崩壊しようとしています。  市長は,去る5月23日の定例記者会見において,民間移管に反対意見がどのくらいあるのか,あるいは民間移管に反対している意見の根拠がどういうところにあるのかという点についてかなり誤解があると思いますと述べられ,まず誤解を解くこと,十分に現状について,あるいはの方針,それから,法律の基本的な考え方,私立保育園の現状についても十分に理解をまずしていただくことが大事なのではないかと考えていますと言われております。私は,保護者との信頼関係を取り戻すことこそ最重要の問題なのではないかと思います。  平成16年に国の三位一体改革が始まって以降,多くの地方自治体で公立保育園民営化方針が出され,それまで懸命に行ってきた公立の保育事業を,コストがかかり過ぎるという理由で地方自治体自身があえて否定的な見方をし,保護者との間で誤解を生じる結果となり,訴訟に発展するケースが多発しています。私は,このような状況を大変憂慮します。なぜなら,裁判をして,たとえ行政側の勝訴であれ,保護者側の勝訴であれ,失われた信頼関係の修復は大変難しいと考えるからです。広島と保護者の間でそのような結果にしたくありません。そのためには,いま一度,子育ての受益者,つまり子供のことですが,の立場を考えて,保護者の誤解を解く必要があると思います。  そこで質問します。  今後,保護者との信頼回復に向けて,誤解を解く努力をする準備はありますか。具体的にあればお教えください。  最後になりましたが,ここでは質問というより要望をしたいと思います。  保育行政の将来を考えるとき,先ほどから申し上げているとおり,私は,まず,行政と保護者の信頼関係が一番重要であると言ってまいりました。しかしながら,現在の状況は,広島側は,10年間で20園程度の公立保育園を民営化する方針であり,保護者の理解をそれで得ようとされております。一方で保護者は,公立保育園の民営化は白紙撤回をしてくださいという立場です。これでは,幾ら議論してもかみ合いません。  そこで,私は,激変緩和措置として,2005年3月に,当初,広島が示された指定管理者制度を再度提案します。  指定管理者制度については,広島が発表後,指定管理者の委託期間が4年程度に定められるため,継続した保育の実現が難しいとの理由から,完全民営化にかわった経緯がありますが,次に上げる3点にメリットがあると考えます。  1,指定管理者制度の場合,委託となるため,広島への委託先への関与は公立保育園と同様に行われ,現在の私立保育園への年一回の監査だけでなく,定期的な指導が制度として担保されること。  二つ,指定管理者の選定に当たっては,現在,広島の言う,実績のある社会福祉法人というあいまいなものではなく,公募,非公募にかかわらず,行政,市議会,市民の透明性あるチェックのもと行われるので,保護者にも理解しやすいこと。  三つ,一般に指定管理者制度であれば,広島の言う保育サービスの向上とコストの削減は可能であること。  以上の点から,指定管理者制度の適用が,今,現時点では妥当であると考えます。しかしながら,指定管理者制度では,老朽化した施設の整備については,完全民営化よりもコスト高になることは否めません。また,当初,広島が示したように,仮に10年程度の指定管理者期間を設けたとしても,公立保育園と同様な継続した保育が可能かは疑問符です。つまり,広島の保育行政の将来を考えるとき,いま一度,公立保育園の民営化の結論をもった保育園のあり方ではなく,行政と保護者の信頼関係に基づき,市民主体の市政運営の原則にのっとって議論する必要があるのではないかと思います。  行政当局の誠実な対応をお願いいたしまして,私の一般質問を終わります。  長時間の御清聴,ありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       三宅議員の御質問にお答え申し上げます。  保育行政の中で,行政と保護者との信頼関係についての御質問がございました。  保育園の民間移管に関し,市民と行政との信頼回復にどのように取り組んでいるか,具体的にはそういったことについてですが,私から答弁させていただきます。
     先日の皆川議員の質問に答弁させていただいたとおり,本市の財政は依然として厳しい状況にあり,今後とも,国に対し必要な財源措置を要望していくとともに,本としても,できる限り事務事業の効率化を図る必要があります。そのため,行政運営効率化の一つの方法として,公立保育園をすぐれた運営をしている社会福祉法人に移管することを考えています。しかしながら,その目的は,削減のための削減ではなく,民間移管により確保した財源を活用し,保育サービスをより一層充実することにあります。  保育園の民間移管については,本年3月に,「保育園のあり方について」の中間とりまとめを公表し,その概要版を保護者に個別配付した上で,6回の保護者の意見を聴く会を開催いたしました。その中で,本市の考え方についても説明してまいりましたが,残念なことに,保護者の皆様に十分理解していただいてとは言えないと考えております。  その反省の上に立って,保護者の皆様が不安をお持ちの点について,民間保育園でどのような保育が行われているのか,どんな問題を抱えているのかなども含めて,改めて丁寧に説明させていただきたいと考えています。  こうした形で,保護者と行政との共通理解と信頼関係の修復を図ることを出発点にし,現在,中間報告ですけれども,最終的な報告にしていきたいと考えております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○藤田博之 議長       こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  保育行政に関する10数点の質問に順次お答えいたします。  まず,保護者の意見を聴く会における手続及び対応についての御質問の中で,保育園のあり方についての市民意見募集と保護者の意見を聴く会の開催の時期についてお答えいたします。  保育園のあり方の検討に当たりましては,まず,保護者委員の公募・選任の手続を経た上で,平成19年,2007年11月に,保育園のあり方検討委員会を設置いたしまして,4回にわたり議論していただいた上で,本年3月に,保育園のあり方についての中間取りまとめを作成・公表する運びになりましたことから,結果として,市民意見募集が3月15日から4月14日までの期間となりまして,保護者の意見を聴く会も同時期に開催することとなったものであります。  保護者の意見を聴く会の開催に当たりましては,この中間取りまとめの概要版と,開催についてのお知らせを公私立保育園の全保護者に保育園を通じて個別配付したほか,保護者の要望を受けまして,日曜日に追加開催するなど,可能な限り,多くの保護者の方に参加をいただけるよう努めてまいりました。また,この会に参加できない方のために,保護者の意見を聴く会の開催のお知らせの中で,郵送やファクス,電子メールでも意見を募集している旨を周知し,できるだけ幅広く意見をいただくことができるよう努めてまいりました。  次に,寄せられた意見への対応についてでございます。  いただいた意見の多くは,民間移管に反対する趣旨のものでありまして,中でも,保育の質の低下や子供への影響に対する不安や懸念を反対理由とする御意見が多く寄せられました。  これまで,保護者の意見を聴く会などの場で本市の考え方を説明してまいりましたが,先ほど市長が答弁しましたとおり,保護者の皆様に十分理解していただいたとは言えないと考えております。  今後は,保護者の皆様が不安をお持ちの点につきまして,民間保育園ではどのような保育が行われているのか,どんな問題を抱えているのかなども含めて,改めて丁寧に御説明させていただき,こうした形で,保護者と行政の共通理解を図っていくことを出発点にしたいというふうに考えております。  次に,保育園のあり方について,中間取りまとめの法的根拠に関する質問の中で,まず,公立保育園を民間移管しても保育園の合計数に変わりがないのであれば,待機解消ができるのかということですが,保育園入園待機児童の解消を図るためには,保育園の新設整備や増築整備を行っていく必要がありますが,そのためには多額の財源が必要となります。このため,公立保育園の民間移管により生じた財源を活用し,こうした保育園整備を進めていくことで,保育園入園待機児童の解消のためにさらなる努力を行っていきたいというふうに考えております。  次に,公私立を問わず,障害児保育を組織全体で行っていくためのビジョンについてでございます。  本市では,現在,公私立のすべての保育園で障害児を受け入れる体制としておりますが,発達障害児など障害が多様化しているということなどを踏まえ,これまで以上に障害の早期発見と適切な支援のための体制整備が求められています。このため,本市では,昨年度から,公私立保育園における発達障害児支援のリーダーを養成するため,保育士を対象にした発達支援コーディネーター養成講座を実施しています。この発達支援コーディネーターを通じて,保育園内でのケース会議の主催や,障害児担当保育士への助言,個別指導計画の作成など,保育園における障害児支援の体制整備を図ることにしております。  今後は,障害の早期発見と,重度障害児や発達障害児など,個々の児童の状況に応じた支援を行うため,公立保育園の一部の園を拠点園として,障害児保育に豊かな経験を有し,専門性を持った保育士を配置し,公私立保育園に指導・助言を行う体制を整備するなど,本市の障害児保育の水準の向上を図りたいと考えています。  なお,公立保育園移管先の運営主体の選定に当たっては,障害児保育に豊かな経験のある法人を高く評価したいと考えています。  次に,私立保育園の保育士の勤続年数が短いということについてであります。  私立保育園の職員の雇用につきましては,本が関与しておりませんので推測になりますが,国が定める基準に基づいて支払われる運営費の範囲内で職員の雇用を行っている結果として,公立保育園と比べ平均勤続年数が短くなっているものと考えています。  次に,私立保育園に対する運営サポート体制についてでございます。  私立保育園におきまして,人材を安定的に確保していくことが課題となっていることは認識しておりまして,職員の処遇向上が必要であると考えております。これまでも,民間社会福祉施設職員給与改善費補助金の支給など,独自の助成を実施していますが,より一層の支援が必要であるため,現在取りまとめております保育園のあり方についての中で,今後の保育施策の方法の一つとして,私立保育園の運営体制の充実・強化を掲げています。その具体的内容については,私立保育園の運営実態を把握し,早期に検討していきたいと考えております。  次に,民間移管の地方自治法児童福祉法との適法性についてでございます。  児童福祉法に基づき本に課せられた保育の実施責任は,すべての児童を公立保育園で保育することを求めるものではなく,私立保育園への保育の委託を認めております。したがって,地方自治法第244条第1項に基づき,本が公の施設として保育園を設置しなければならないというものではございません。  また,本が,公立保育園を中心に保育を行ってきた過去との整合性についての御質問ですが,本市におきましては,公私立保育園ともに,戦後の保育を担ってきております。保育園の数につきましては,昭和30年ごろまでは,むしろ私立保育園の方が多かったという状況がございまして,その後,周辺町村との合併により,多くの町村立の保育園を引き継いだため,他の政令指定都市と比べ,公立保育園の割合が高くなっているものでございます。  次に,保育の実施期間満了までに民間移管することは,保育園の選択に関する保護者や児童の権利の侵害になるのではないかとの御質問ですが,これまでの裁判所の判決では,民間移管の目的に合理性があること,移管後も,同じ場所,同じ施設で保育を受けられるよう代替措置が講じられている,十分な引き継ぎの実施などにより,児童への影響を最小限にとどめることなどの条件が満たされていれば,必ずしも権利の侵害には当たらないとされています。  本市におきましても,これらの裁判所の判決や他都市の民間移管の実施状況を参考にしながら,円滑に民間移管を実施してまいりたいと考えています。  次に,公立保育園を維持しながら,その効率化を進める検討をしたのかということでございます。  保育園の児童受け入れ枠の拡充や多様な保育サービスの提供など,保育サービスを充実していく上で,効率的な保育園運営が必要であることから,これまでも,児童の処遇に影響を与えないことを前提にしながら,可能な限りの効率化を進めてまいりました。具体的には,産休代替の保育士や,加配をいたしております保育士,調理員についての嘱託化ですとか,臨時職員への切りかえによる人件費の削減,保育園ごとに購入していた備品,消耗品の一括購入による物件費の削減などでございます。  したがいまして,これ以上の効率化を進めた場合,児童の処遇に影響を与える可能性もあることから,これ以上の効率化は困難であるものと考えています。  次に,拠点園の基本的考え方と,拠点園以外の公立保育園との公平性についてというところでございます。  現在取りまとめを行っております保育園のあり方についての中で,今後の公立保育園の役割として,一つは,保育内容に関する調査研究,二つ目に,障害児保育等の推進,三つ目に,認可外保育施設の支援,四つ目に,人材の育成,5点として,保育サービス供給のセーフティ・ネットの五つを掲げております。  このうちの,1点目の,保育内容に関する調査研究,2点目の,障害児保育等の推進,3点目の,認可外保育施設の支援の三つを拠点園の役割といたしまして,その役割を果たすため,保育士の配置を含め,その機能を強化したいと考えております。  なお,保育園の入園児童に対する保育につきましては,人的配置を含めまして,拠点園も,それ以外の保育園も全く変わりはございません。  次に,現在の広島財政から見た保育園のあり方という質問の中で,1点目に,滞納保育料の収納率向上の質問でございます。  保育料滞納者に対する収納率向上対策としまして,公立保育園長による,新規滞納者への催告書の手渡しや,納付相談を実施するとともに,納付する能力があるにもかかわらず納付しない滞納者に対しましては,不動産や給与等の差し押さえによる滞納処分を実施しております。また,新規収納対策として,平成20年度,2008年度の入園申し込みから,保育料滞納者が,引き続き児童の入園を希望する場合には,入園受け付け時に完納していること,あるいは,区収納課での納付相談を受けたことを確認することにより,滞納金の徴収に努めるとともに,納付相談を受けていない方につきましては,納付勧奨の強化を図っております。  今後とも,収納対策本部を中心に,引き続き,各種の対策を講じて,収納率の向上に努めてまいります。  次が,受益者負担の適正化についての検討でございます。  この適正化につきましては,保育料は,保護者の負担能力に応じまして,保育園運営費の一部を負担していただくものでありまして,国においてその徴収金基準額が示されています。  本市の保育料は,これまで,国の徴収金基準額の改定にあわせて見直しを行ってきたところですが,平成11年度,1999年度以降,国の徴収金基準額の改定が行われていないことなどから,本市の保育料は据え置いております。  なお,今後の保育料の見直しにつきましては,国の徴収金基準額の改定の動向を見ながら,保育料が家計に与える影響や,その時点での経済状況等を総合的に勘案し,適切に対応していきたいというふうに考えております。  最後に,民間移管した場合の財政削減効果と保育サービス向上への活用についてでございます。  保育園の平均的な定員であります児童数130人規模の保育園について,公立保育園私立保育園の運営コストを試算いたしますと,年間約4000万円のコスト差がございます。移管園については,現在未定ですので,仮に,定員130人の園を20園程度民間移管したとして試算いたしますと,移管実施後,10年目で,年間約8億円の財源が確保できます。この財源につきましては,保育園の入園待機児童の解消や多様な保育サービスの充実,老朽化した施設の建てかえなど,さまざまな課題の解消に活用したいと考えています。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       三宅議員。 ◆3番(三宅正明議員) まず,せんだっての,皆川議員からの質問との話と少し変わっている点があるので,お聞きしますけれども,保護者の意見を聴く会で寄せられた意見は,大半が民営化反対の意見だったけれども,それが,大半,すべての保護者の意見とは考えておりませんとせんだっては御答弁されたと思います。それが,本日になりましたら,それは大変誤解があるので,もう一回よく話をしますと言われましたけれども,何がどういうふうに変わってそういうふうになられたのかということを,まず一個お聞きします。  次に,私立保育園についての運営サポート体制のことについて御答弁されましたけれども,私立保育園の保育士の勤続年数が短いのは,把握してないので,想像にしかすぎないということを今おっしゃられましたし,保育園運営実態の把握にこれから努めていきますともおっしゃられましたが,私立保育園のことを今から調べるのに,何で私立保育園の方がいいんでしょうか,教えてください。 ○藤田博之 議長       こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  2点の再質問にお答えいたします。  最初の,意見を聴く会でお聞きした意見,数として大半の意見ではないという答弁を私がいたしましたことと,本日の答弁との関係でございますが,先日の皆川議員の御質問の再質問の最後のところで,各保育園の保護者の方々に説明をしていくつもりはないかという御質問をいただきまして,そのときに,すべて出向いてできるかどうかはわかりませんがとは申しましたが,それにつきましては説明させていただきたいというふうに御答弁いたしまして,その後,そういった答弁を踏まえまして,本日の三宅議員の答弁とさせていただいたということでございます。  2点目の,私立保育園平均勤続年数につきましては,平均で出しますと,確かにこういった結果になっております。しかし,御指摘にもありましたように,長い歴史を経て,豊かな保育を実施しておられる私立保育園が現実に存在しておりますことは,監査でありますとか,日ごろの指導のかかわりの中でつかんでおりますので,そういったしっかりと移管を受けていただける私立の保育園はあるということについては認識をしておるということでございます。 ○藤田博之 議長       三宅議員。 ◆3番(三宅正明議員) 2回の再質問しかできませんから,最後の質問ですけれども,最後に私が提案しました指定管理者制度,これは,事前に打ち合わせをさせていただいたときに,答弁は要りませんというふうに言いましたけれども,今の保護者と広島行政の関係を改善するには,いい方法を探さなきゃいけないと私は思います。お話し合いをしても,基本的には,こども未来局としては民営化するという方針が変わるわけではないと思います。保護者の方も,基本的にそれは白紙撤回しかないという立場なんです。この状態を長く続けますと,非常に広島と保護者の関係は険悪化する懸念が非常に高いと思うんですよ。そのためには,どちらかが,何かしらの別のことを考える必要が私はあると思うんです。指定管理の議論も,平成16年度以降,市議会の多くの場で語られております。  その中では,指定管理者は4年程度になるので,非常に継続した保育は難しいというお話でしたけれども,このたび議案で提出されておりますように,広島東洋カープに新球場を10年間委託する方針を決められております。ということは,指定管理者制度とすりゃ,別に4年に限ったことじゃなくて,10年でも100年でも委託しときゃええんじゃないですか。  ということを考えると,そういう観点から見れば,コストの削減を図られりゃ保育サービスも向上する可能性がある制度を,殊さらに否定し続けることは余り建設的ではないと思いますけれども,この質問にお答えいただいて,私の質問を終わります。 ○藤田博之 議長       こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  指定管理者制度が,果たして本の保育園の効率化でいいのかどうかについて,ちょっと今,判断をできるものを持っていないんですが,いずれにいたしましても,市長が答弁いたしましたように,改めて丁寧に説明させていただきまして,共通理解をいただけるように努力してまいりたいということでございます。 ○藤田博之 議長       次に,37番若林新三議員。                〔37番若林新三議員登壇〕(拍手) ◆37番(若林新三議員) 皆さん,おはようございます。市民連合の若林でございます。  二人目ではありますが,会派を代表して質問をさせていただきたいと思います。  まずもって,ミャンマー,中国,岩手・宮城内陸地震,被災された皆様にお見舞いを申し上げます。できるだけ早く復興・復旧なりますことを祈念申し上げたいと思います。  先日,ある会を開いていただきまして,その場でチャリティー募金をお願い申し上げましたところ,3万円強の浄財の寄附をしていただきました。このお金につきましては,復興・復旧のためには,額とすればそんなに多くはないわけでありますが,その気持ちをぜひ現地に届けさせていただきたいと思います。  ということで,質問に入らせていただきます。  まず最初に,新たな環境マネジメントシステムについてお伺いをいたします。  先日,環境自治体会議の総会が山形県遊佐町で開かれました。今回で16回目になり,環境政策の推進に力を注がれています。私も,議員になる以前にも,第1回か2回だったと思いますが,総会に出席をさせていただき,環境政策の重要性を改めて認識をさせていただきました。  61自治体が加入しておられますが,それほど全国的に広がっているというわけでもありません。しかし,その取り組み内容を見てみますと,環境政策をリードしようという意気込みが伝わってまいります。大阪府豊中市は,広島より少し早く,昨年11月に2050年の温室効果ガスの排出量を70%削減する計画を策定したほか,東京都福生は,2030年には,2003年度に比べて,CO2の50%削減を目標に具体的なシナリオを描かれています。  この環境自治体会議では,環境マネジメントシステムのLAS−Eを実践されておられます。ISO14001より文書類の作成が少なく,共通実施項目が実施されているかなどが基準となり,市民が監査をする仕組みと言われています。自治体の全施設で取り組み,市民や事業者のニーズを取り入れることもできるとともに,その運用を市民の目で検証するというものです。市民との協働で運用するという側面を持っておることから大変参考になると思います。  広島は,現在,ISO14001の取り組みを進めていますが,今後の環境マネジメントは行政内部だけの取り組みにとどめるのではなく,市民と一体となってシステムを運用していくというステップアップが必要となってくるのではないでしょうか。キーワードは市民との協働です。カーボンマイナス70を実現しようとする広島としては,他の自治体と横並びではなく,もう一歩進んだ取り組みが必要ではないでしょうか。  そこでお聞きしますが,秋葉市長は,環境マネジメントについて,基本的にどのように考えておられるのでしょうか,お答えいただきたいと思います。  また,一気にISO14001から切りかえることは難しいかもしれませんが,LAS−Eか,それに準拠したもの,あるいは広島独自のシステムの開発が必要と思いますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  続いて,限界集落対策の強化についてお伺いします。  限界集落とは,長野大学の大野晃教授が提唱した概念で,中山間地や離島を中心に,過疎化,高齢化が進むことによって,生活道路の管理,冠婚葬祭など,共同体としての機能が衰えた集落を表現しています。具体的には,65歳以上の高齢者が集落人口の50%を超し,共同体の機能維持が困難な状態と言われています。県内でも高齢化が進行し,過疎に一層の拍車がかかってきました。そのため,過疎自治体では,過疎債を発行するなどして対策を進めるとともに,広島県も本格的な過疎対策に乗り出してきています。  一方,116万都市の広島は,わずかながらも人口はふえており,現在,広島駅前を中心に,再開発もメジロ押しになるなど,一層の都市化が進展しています。したがって,過疎とは無縁と思われがちです。しかし,周辺部に目を転じてみると,高齢化は急速に進み,夫婦二人だけ,あるいはおばあさんだけ,おじいさんだけという家庭も多く,さらには,住む人がいなくなって,空き家だけが残されているという光景も珍しくなくなってきました。いわば,広島は,都市化と過疎化の両極端が進行している状態にあり,行政課題も複雑になっているということは疑う余地はありません。そのため,これまで余り議論がされてこなかった過疎対策についても力を入れていく必要があると思います。  そこで,数点お伺いをいたします。  第1点は,当面する取り組みです。  先ほど述べたように,の周辺部の過疎化については,区役所以外ではほとんど知られていないのが実情ではないかと思います。これに関連して,今年度から,初めて過疎化対策について,担当窓口が都市活性推進課にできました。これまで何もなかったことから考えると一歩前進ではありますが,決して素早い対応であったと胸を張ることもできません。当面の取り組みとしては,実態を的確に把握することが求められています。端的に言えば,まず,本庁の職員が現状を確認し,過疎化対策が重要な課題であると認識することが必要です。現状把握がどの程度できているのか,まずお伺いします。  あわせて,今後の取り組み方針はどのように考えておられるのかお答えください。  第2点は,過疎対策推進体制の強化についてです。  これまでは,地域のコミュニティー促進という観点から,区役所の区政振興課が,また,農林業振興という観点から農林課が,生活基盤の整備という観点では,区役所土木課や農業集落排水事業を担当してきた農林水産振興センターが,公共交通関係では道路交通局の担当課が,さらに,保育所,小学校などについてもそれぞれの担当課が,それぞれの課題に沿って個別に対応してきました。残念ながら,横断的な連携は不十分ではなかったかと思います。これまで,長年にわたり,世代を超えて受け継がれてきた生活の基本となる集落が崩壊の危機に直面しているという現状では,過疎対策は極めて重要な行政課題であり,本格的な対応が必要と思われます。担当の窓口が都市活性推進課にできはしましたが,職員もふえず,中心部の再開発も差し迫った状況にあることから考えると,緊急かつ重要な課題の割には推進体制が不十分と言わざるを得ません。  今年度から,平和や地球温暖化対策などの課題にクロスセクションが設置され,各局が連携した施策を展開できることになりましたが,今後,過疎対策もクロスセクションを設置し,効果的な施策を進める必要があると思いますが,どのようにお考えでしょうか,お答えください。  3点目は,次期総合計画への明確な位置づけです。  これまで述べてきたように,代々にわたって人々の生活があった集落がなくなりつつあるとともに,緑のダムとも言われる田んぼが本来の機能を失ってしまうと,災害や環境破壊に拍車がかかってしまうことにもなりかねません。  そうした観点からも,次期総合計画で,今後取り組むべき重要な課題として過疎対策を位置づける必要があると思いますが,いかがでしょうか,お答えください。  続いて,安佐市民病院の充実についてお伺いします。  私は,これまで,安佐市民病院の充実の必要性について,機会をとらえて発言してきました。重要な課題であるからこそ,改めて質問をさせていただきます。  まず第1点は,南館の建てかえについてです。  南館は,建てられて28年になります。一般的に,病院の耐用年数が39年ということから考えると,まだ時間があるように思いますが,広島市民病院の東棟が建てかえを決めてから完成までに12年かかったことを考え合わせると,本格的な検討を急ぐ必要があるのではないかと思います。  もう一つの急がなければならない大きな根拠は,耐震診断の結果によるものです。  1997年,98年に行った耐震診断では,強度が不十分であることが指摘をされました。人の命を預かる病院が,地震のときに真っ先に崩れてしまったのでは,本末転倒と言わざるを得ません。特に,災害時における病院の機能という重要性から考えても早急に対応しなければならない課題です。  これまでの私の質問に対して,建てかえを検討する旨の答弁があったわけでありますが,その後の検討状況はどうなっていますか。また,建てかえに向けて今後どのように取り組もうとしているのか,お答えください。  2点目は,救急体制の充実と医師の確保です。  これまで,再三にわたって,三次救急病院に位置づけるよう求めてまいりました。しかし,既に広島市内で3カ所が指定されている現状では,前向きな議論が難しいところではありますが,安佐市民病院の果たしている役割あるいは病院運営,職員の士気などを考えると,改めて救命救急センターの指定を受けるべきと思いますが,いかがでしょうか。  また,指定が難しい場合は,それに準じる機能を持たせる必要があると思いますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  救急体制に関連して,この6月から,土曜日と祝日の準夜帯での小児科の診療ができなくなりました。医師が確保できなくなったことによるものです。大変残念に思っていますが,今後の早急な対応が求められています。現時点での再開の見通しはどのようになっておるのでしょうか,お答えください。  また,先日のテレビ報道で,堺市立病院が取り上げられました。それによると,8人の研修医の募集に対して68人も応募があったことが報告されるとともに,実際,3人が市立病院に就職しているということでした。安佐市民病院でも,夜間診療,救急医療など,研修医の位置づけは極めて大きくなっています。堺市立病院の人気の秘密は,指導体制がしっかりしているというものでした。研修医については,国の方針が変わり,大学病院だけではなく,どこで研修してもいいことになったため,医局に医師がいなくなって,公立病院に回せなくなってまいりました。そのため,研修医を確保するための指導体制が十分に整っているかどうかということも大きな要素になってまいります。  安佐市民病院では,研修医を確保するためにどのような方策を考えておられるのでしょうか,お答えください。  3点目は,看護体制の充実です。  これについても,何回か議会で取り上げたところですが,7対1看護体制の実現を求めるものです。これは,一人の看護師が7人の患者に対応するというもので,現在,安佐市民病院は,一人の看護師に対して患者は10人の体制です。前回の私の質問に対して,国が基準の見直しを行っているとの答弁でしたが,その後の国の見直しの状況はどのようになっているのでしょうか。また,7対1看護体制はぜひとも必要と思いますが,今後どのように進められようとしておられるのかお答えください。
     4点目は,がん診療拠点病院の指定についてです。  安佐市民病院は,がん診療についても,北部で重要な役割を担っています。残念ながら,前回の拠点病院の指定には至りませんでしたが,他の病院にもまさるとも劣らない高度な医療を提供しています。地域がん診療連携拠点病院の指定要件が緩和されたということですが,その内容はどうなっているのでしょうか。また,指定を受けるために,どのように取り組もうとされているのでしょうか,お答えください。  続いて,教員のサポート体制の整備・充実についてお伺いします。  近年,モンスターペアレンツという造語に象徴されるように,学校,家庭,地域間でのトラブルは,以前より多くなってきています。保護者から学校への苦情等も多くなっているとも言われています。  そうした中で,児童に真正面から向き合い,情熱を持って教育するというのが本来の教員の姿ですが,残念ながら,保護者とのトラブルによって,その対応に追われるような状況もあります。教員が子供たちに対して全力で対応できないということは,教員にとっても子供たちにとっても不幸な状態と言わざるを得ません。トラブルを苦にして病気になったり,休職せざるを得ないような教員も年々多くなってきているように感じています。そうした不幸な状態は早急に解消し,教員が安心して子供たちに教えることができるようにするために,教員のサポート体制の整備・充実が強く求められています。  この観点から,3点についてお伺いします。  まず,中途退職者あるいは精神性疾患で病休をとっている教員,さらには,それに起因して,休職している教員は何人ぐらいおられるのでしょうか,お答えください。  また,こうした状況から,教員の精神疾患の要因について,教育委員会としてはどのようにとらえておられるのでしょうか。  最後に,現場の教員をサポートするために,気軽に,素早く,専門的に対応する特別の支援体制がぜひとも必要だと思います。現在,学校経営アドバイザーを配置するとともに,弁護士費を予算化するなど,その努力は見られますが,教員が気軽に弁護士と相談できるような状況には至っていません。  今後,トラブルに起因する精神性疾患のために休職あるいは学校をやめざるを得ないような教員を出さないためにも,早急に支援体制を整備・充実する必要があると思いますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  続いて,市立大学の運営についてお伺いします。  私は,これまで再三にわたって,市立大学での広島・長崎講座の必修化を求めてきました。改めて指摘するまでもなく,広島は,世界の大学に広島・長崎講座の開設を求めています。秋葉市長も,昨年,ニューヨーク大学での開設を直接要請されました。現在は,日本国内で18大学,海外では,アメリカを中心に12大学が開設しています。こうして,世界の大学に向けて広島・長崎講座の開設を呼びかけているわけですから,本家本元の広島市立大学では,必修科目にすべきではないかというのが私の提案です。  これまでの私の質問に対して,趣旨は理解するが,技術的に課題があるという旨の答弁でした。  学問の自由は憲法が保障しており,大学の自治は尊重されるべきではありますけれども,世界に対して平和のメッセージを送り続けている広島が設立した大学ということを改めて自覚していただき,さらに議論を深めていただきたいと思います。  市立大学で学んだ学生は,全員もれなく平和のとうとさと核兵器廃絶の必要性をぜひ理解していただくとともに,卒業後は,各方面で活躍されることを願っています。  そこでお伺いします。  広島・長崎講座として,「ひろしま論」,「平和と人権A」,「HIROSHIMA and PEACE」が位置づけられていますが,必修に向けてどのように検討がされているのでしょうか。学内での検討状況をお聞かせください。  また,平和のとうとさを理解するだけではなく,いわゆるヒロシマの心を語り継ぐことのできる人材を育成することも重要です。そのためには,内容や科目をさらに充実させていくことも必要ですが,どのようにお考えでしょうか,あわせてお答えください。  続いて,土地開発公社が保有している市立大学の事業用地の再取得についてお伺いします。  土地開発公社が保有する事業用地については,再取得に特例地方債を活用する場合には,特例措置の期限である2009年度までに再取得するかどうかを決定しなければなりません。私は,これまで,短期宿泊ができるセミナーハウス機能を持った施設をつくっていただきたいと求めてきました。特に,「HIROSHIMA and PEACE」を拡充しようとしても,受け入れ施設がないということもネックになっていました。ことしも,7月28日から8月7日にかけて開かれる予定で,国外から25カ国,80人の応募がありましたが,実際に参加できるのは,そのうちの13カ国,32名にとどまっています。国際的な人材の育成は,広島にとっても一つの知的財産であり,今後は,受講者による国際的なネットワークをさらに広げていただきたいと思います。  そのためにも,土地開発公社が保有する事業用地をぜひとも再取得し,セミナーハウス機能を持った施設を整備していただきたいと思いますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  最後に,広島西飛行場の利用促進についてお伺いします。  広島西飛行場は,広島空港の開港に伴って,コミューター空港として利用され,最も路線が多いときには9路線を運航し,年間12万人が利用していました。しかし,今日では,ジェイ・エアの撤退により路線数は激減し,鹿児島線と宮崎線を残すのみとなっています。利用者数も6万人にとどまるなど,その視界は広がっているとは言えません。また,2011年の九州新幹線の全線開通に伴って鹿児島線に大きな影響が出るのではないかとの危惧もあります。  一方,東京羽田空港が,新たなD滑走路の整備によって発着枠が1.4倍に膨れ上がるものの,まだ東京便の復活の見通しは立っていません。しかし,広島西飛行場は都心に近いことから利便性も高く,立地条件はすぐれています。せっかく便利な施設があるわけですから,さらなる利用促進策は重要課題です。特に,中枢都市として今後発展していくためには,いわゆる都市の装置ともなっている西飛行場の利活用の促進は欠かすことができません。小回りのきく,地方都市間とのアクセスの向上によってビジネスチャンスの拡大を図っていくことも大切です。  そこで,3点についてお伺いします。  まず,現在就航している鹿児島・宮崎線の利用促進策についてどのような活動を行っておられるのでしょうか,お答えください。  次に,広島西飛行場の利用促進については,現在の2路線以外に新規路線も必要と考えられますが,として,これまで新規路線の開設について,航空会社にどのように要望活動を行ってこられたのでしょうか。また,コミューター便の大半は,その利用者はビジネス客ではないかと思われます。そのため,経済界と一緒になって新規路線の開設に努めるべきだと思いますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  以上で,私の一般質問を終わります。  ぜひ前向きな御答弁をいただきますようにお願いをいたします。  答弁によりましては再質問させていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       若林議員の御質問にお答え申し上げます。  最初に,環境マネジメントシステムについての御質問がございました。  年々進行する地球温暖化の影響を許容範囲内にとどめるため,本は,今年度を温暖化対策行動元年と位置づけ,2050年までに温室効果ガスを70%削減する計画,カーボンマイナス70を掲げました。地球温暖化は,人類が化石燃料を過大に利用してきた結果であり,人間社会の活動にかかわるすべての存在がステークホルダー,利害関係を持っている存在ですけれども,ステークホルダーとして解決のために努力しなくてはなりません。こうした努力は,本が掲げる目標を達成するためにも必要であり,市民,事業者,行政がそれぞれの役割を果たしつつ,社会経済システムや市民のライフスタイルを抜本的に変革しなくてはなりません。広義の環境マネジメントシステムとは,こうしたすべてのステークホルダーの役割を調整し,効率的に最終目的を達成するための総合的なシステムを意味します。  このようなシステムを構築する上でかぎとなるのは市民です。本市の温室効果ガス排出量に占める家庭部門の割合は大幅に増加しています。また,市民の消費行動が産業界全般に影響を与えるなど,市民は大変重要なステークホルダーであり,温暖化対策の推進には市民の主体的参画が不可欠です。  環境マネジメントシステムには狭義の意味もあります。それは,主に,事業所や家庭という私たちの身近な単位におけるシステムを指しています。本市では,事業活動における環境負荷の低減を図るため,平成13年,2001年に県内自治体では初めてISO14001の認証を取得し,また,民間事業者に対しても環境マネジメントシステムの導入を促進してきました。  本における7年間のISO14001運用経験を通して,私たちは,環境マネジメントに関するノウハウを蓄積し,電気使用量の削減など一定の成果を上げてきました。また,運用の過程で,経費や事務的な負担などの課題も明らかになってきました。今まで以上に効果的かつ効率的な取り組みにするために,新たな仕組みの導入を検討する時期がきたのだとも言えると思います。そして,その新しいシステムには,議員御指摘のとおり,市民の知恵を取り入れることのできる市民参画の仕組みにしたいと考えております。  環境マネジメントシステムには,ISO14001のほか,エコアクション21や,議員御紹介のLAS−E,また,地方自治体が独自に実施しているシステムもあります。  本としては,こうした事例を参考に,ITの活用など,本の有するノウハウや技術を生かし,先進的な独自のシステムを構築し,民間事業者への普及も促進しながら,事業活動からの温室効果ガスの低減を図っていきたいと考えています。  同時に,その一歩先を考えることも必要です。広義の環境マネジメントシステムをつくり実行することです。その中には,農業や林業の振興を取り入れることも必要になりますし,真夏の暑い日に全国至るところで室内にこもり,冷房をがんがんつけ,大型テレビで高校野球を見る国民的風習,ライフスタイルですけれども,こういったことを環境の視点から見直すといったこと等も必要になるかもしれません。広義の環境マネジメントシステムにも市民参加の仕組みを構築することが大切です。  ごみ排出量の削減では,昭和51年,1976年のごみ5種類分別の導入以来,全国の模範となるなど,環境意識の高い広島市民の知恵と行動力を都市全体の環境マネジメントに生かしていきたいと考えています。  本市では,既にこうした考え方のもと,幾つかの先導的な取り組みを進めています。  本がことし2月に公表し,導入準備を進めている市民参画の排出量取引制度は,企業の排出量削減に市民が参画する全く新しい試みです。また,生ごみ処理機の普及促進と市民菜園の拡大を結びつけることなどにより,市民の力を地産地消に生かすことも進めています。これらは,参画する側にもメリットがあり,自律的な取り組みが持続的に展開される良循環システムのモデルとなるものです。今後さらに取り組みを広げ,広義の環境マネジメントシステムの構築を都市から始めることで世界を動かし,豊かな未来をつくる力になると信じております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○藤田博之 議長       企画総務局計画担当局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局計画担当局長    限界集落対策の強化について,次期総合計画への過疎対策の位置づけに関する御質問にお答えいたします。  議員御指摘のように過疎対策は,次期総合計画における重要な課題の一つであると考えております。このため,本年4月に取りまとめた総合計画の主要改定課題の一つとして過疎対策の推進を掲げました。その課題認識では,過疎対策は,農林業の振興,農地や森林の保全,保健,福祉,まちづくりなど多様な分野にかかわる問題であり,地域住民との連携のもと,関係部署が一体となって総合的な過疎対策を推進する必要があると述べております。  今後,総合計画審議会や各区まちづくり懇談会の議論等を通じ,過疎化が進む地域において取り組むべき諸施策を検討し,計画に盛り込みたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       都市活性化局長。 ◎濱本康男 都市活性化局長  続いて,限界集落対策の御質問のうち,現状把握と今後の取り組み方針という点にお答えいたします。  限界集落とは,先ほど,議員の御説明にもございましたが,一般的には,65歳以上の高齢者の割合が50%を超えた集落を言います。この集落の規模についての明確な規定はございませんが,市域内にこうした高齢化の進んだ集落があるかどうかについては,現在,町丁目単位で調査を行っております。また,過疎地域自立支援特別措置法,いわゆる過疎法でございますが,この法律では,人口減少率や財政力指数をもとに,市町村単位で過疎地域として指定することになっておりまして,本はこれには該当しておりません。しかしながら,本市の山間地域等におきましては,著しい高齢化や人口の減少により,農地等の持つ公益機能の低下や交通機能,医療・教育機能,さらには,地域活力の低下などの課題が生じておりまして,こうした課題に総合的に対応する取り組みが必要となっております。  取り組みを進めるに当たりまして,まずは,御指摘のように現状把握が必要であることから,過疎化が懸念される地域を抽出するため,人口の減少率や高齢化率などのデータを集計,分析するとともに,こうした地域に職員が出向き,地域の現状の確認や地域住民の方々との意見交換などを行っております。  今後,こうした現状を踏まえまして,地域の課題を整理した上で,関係部局が密接に連携しながら,活性化のための実効性のある総合的な対策を検討したいと考えております。  また,対策の実施に当たりましては,地域住民の方々の理解を得ながら,協働して取り組む必要があることから,地元の方々の意向を十分把握しながら検討を進めたいと考えております。  次に,クロスセクションの設置について御提案がございました。  過疎対策は,農林業の振興,農地や森林の保全,保健,福祉,まちづくりなど,多くの分野に関係しており,効果的な対策を実施するためには,関係部局間の密接な連携が不可欠でございます。  このため,6月初めに,庁内の関係課による連絡会議を設置をし,過疎化地域の現状の把握などを行っております。こうした検討の状況を踏まえ,過疎対策を対象としたクロスセクションを設置することの必要性等について十分検討してまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       道路交通局長。 ◎高山茂 道路交通局長    広島西飛行場について,3点の御質問にお答えをいたします。  まず初めに,鹿児島・宮崎線の利用促進策についてでございます。  広島西飛行場は都心に近く,利便性の高いすぐれた立地条件にあり,コミューター機能は,本市の交通利便性や中枢拠点性の向上を図る上で重要な都市機能であると考えています。  このため,現在就航している鹿児島・宮崎線の維持・拡充が図られるよう,本市や広島県,広島商工会議所等の経済団体などで構成された,広島県空港振興協議会において,官民一体となって利用促進策を積極的に展開をしております。  その具体的な利用促進策としては,鹿児島・宮崎から広島へのコミューター便の利用を促進するため,鹿児島から広島を訪れる旅行商品の新聞掲載を行うとともに,鹿児島市内,そして,宮崎市内にコミューターの利用と広島観光をPRするラッピングバスを走らせています。また,広島から鹿児島・宮崎へのコミューター便の利用を促進するため,鹿児島・宮崎の観光スポットのケーブルテレビによる放映や,街頭での大型ビジョンによる放映,鹿児島・宮崎の観光スポットをPRするパンフレットの作成,配布などを行っています。  今後も,利用実態を踏まえまして,広島県や経済界,航空会社等と協議しながら,より実効性の高い利用促進策が実施できるよう努めてまいります。  次に,新規路線の開設についてでございます。  広島西飛行場の利用促進を図るため,現在運航している日本エアコミューターを初め,各航空会社に対して,路線の維持・拡充や新設について,エアポートセールスを行ってきましたが,新規路線の開設については,昨今の燃料高騰など,航空業界を取り巻く環境は厳しくなっており,とりわけ,コミューターを運航している航空会社は影響が大きく,採算性の高い路線を運航する傾向が強いことから,厳しい見解を示されております。  しかしながら,コミューター機能は,本が発展していく上で重要な都市機能であることから,路線の維持・拡充に努めるとともに,路線の新設に向け,引き続き,航空会社に対してエアポートセールスを行っていきたいと考えています。  最後に,経済界と一緒になっての新規路線の開設についてでございます。  広島商工会議所は,平成19年,2007年6月に,道州制導入後に本が州都の役割を担うために必要となる交通体系を,広島地域における総合交通体系のあり方として取りまとめられており,この中で,広島西飛行場については,鳥取,出雲,徳島,高知を結ぶ州営の州都便の就航の必要性が示されているなど,経済界としても,コミューター機能の存続は必要と考えられています。  こうした広島商工会議所の考えを踏まえ,本としても,引き続き,経済界と連携しながら,コミューター路線の維持・拡充や新設に向けて努力していきたいと考えています。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       市立大学事務局長。 ◎志賀賢治 市立大学事務局長  市立大学での広島・長崎講座の必修化についての2点の御質問にお答え申し上げます。  まず,必修化に向けての学内での検討状況についてでございます。  広島市立大学では,広島・長崎講座として,「平和と人権A」,「ひろしま論」,「HIROSHIMA and PEACE」の3科目を開講しております。  広島・長崎講座は,本学の特色ある科目として位置づけており,新入生の履修ガイダンスで受講を勧めるとともに,多くの学生が履修できるよう,受講しやすい曜日,時間を選定するなどの工夫を行っております。その結果,昨年度は,1年次生428人のうち,約7割の298人が広島・長崎講座を受講しております。  広島・長崎講座を必修科目にすることについてでございますが,学内の教務委員会等で検討しておりますが,卒業必要単位数や全体の履修基準の見直し,それから,選択科目,必修科目とのバランスなど,教育課程全般にわたって調整する必要がございます。今後,カリキュラムを再編していく中で引き続き検討していきたいと,こう考えております。  講座の内容あるいは科目数の拡充についてでございますが,今年度より,「HIROSHIMA and PEACE」をフォローアップいたします「Advanced HIROSHIMA and PEACE」を新たに開講しております。また,広島・長崎講座に関連する課外活動といたしまして,広島平和文化センターと連携いたしまして平和インターンシップを実施しております。  今後とも,広島が設置いたしました大学として,平和について学び,考え,行動できる人材を育成していけるよう,平和に関連する科目や課外活動等の充実を図っていきたいと考えております。  次に,「HIROSHIMA and PEACE」の拡充に必要な宿泊施設用地についての御質問でございます。  大学用地につきましては,広島土地開発公社が30万2432平方メートルを先行取得し,そのうち22万6037平方メートルについては,本が再取得済みでございますが,残り7万6395平方メートルが未取得となっております。この未取得用地は,本学の教育研究機能のより一層の充実・向上を図るために必要な事業用地と考えております。現在,活用の可能性について検討を行っているところでございます。  議員御指摘のとおり,「HIROSHIMA and PEACE」の受講者や海外の大学から受け入れる教員あるいは学生の宿舎の確保に大変苦慮している実態がございます。このため,未取得用地の活用に当たりましては,セミナーハウス機能を持ちました宿泊施設の整備,あるいは市民や海外からの教員,学生との共同作業空間ともなります創作・展示施設の整備など,大学の将来の充実発展を見据えた施設の整備を検討しております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       病院事業局事務局長。 ◎橋本恵次 病院事業局事務局長    安佐市民病院についての数点の御質問にお答えいたします。  まず,病院の建てかえについてです。  安佐市民病院は開院後28年が経過し,施設の老朽化や狭隘化が進んでおり,また,南館及びエネルギーセンター棟の耐震性の問題もあることから,建てかえを検討すべき時期にきているというふうに考えております。  このため,本年1月に,建てかえについて検討するための院内組織を立ち上げ,安佐市民病院に求められる医療機能等についての検討に着手したところです。  今後,そうした検討をさらに進めるとともに,現在行われている次期総合計画改定作業の中で,実現に向けて議論を深めていきたいというふうに考えております。  次に,救命救急センター等の指定についてでございます。  安佐市民病院は,重症救急患者を数多く受け入れていることから,三次救急医療を担う救命救急センターの指定を受けることが望ましいと考えています。しかしながら,県内の救命救急センター5施設のうち,広島市内には既に3施設が設置されていることから,県は指定に難色を示しています。さらに,指定を受けるためには,施設の耐震性の確保,ヘリポートの整備,専任医師の確保等の課題に対応していく必要があります。  このため,救命救急センターの指定について,引き続き,県と粘り強く協議を重ね,理解を求めていくとともに,施設の耐震性の確保やヘリポートの整備などについて,病院の建てかえの議論の中で検討していきたいと考えています。  また,重症の救急患者が年々増加しており,こうした実態に対応するため,重篤な患者の集中治療室の拡充について検討してまいります。  次に,小児科の夜間救急診療についてでございます。  安佐市民病院の小児科夜間救急診療については,小児科医の退職等により,今月の7日から,土曜日及び祝日の診療を休止し,日曜日のみの実施としています。市民の皆様に御不便をおかけしておりますことを大変申しわけなく思っております。  今後,小児科医師を早期に確保し,一日も早く再開したいと考えていますが,残念ながら,今までのところ,医師確保の見通しが立っていません。引き続き,大学の医局等と協議するなど,医師の確保に努めてまいります。
     続きまして,研修医の確保についてでございます。  安佐市民病院などの市立病院で臨床研修を行い,研修後も勤務をすることを希望する優秀な医師をふやしていくためには,広範な症例が勉強でき,また,高度で専門的な医療を修得できるなど,医師にとって魅力のある病院であることが大切です。このため,市立病院では,これまでも,臨床研修医の研修プログラムの充実に努めるとともに,先進医療機器の導入,各種学会認定の専門医資格の取得促進,職員の研修奨励制度の導入など,さまざまな取り組みを行ってきています。  医師にとって,市立病院がさらに魅力のあるものとなるよう,こうした取り組みをより一層強化し,医師の確保につなげていきたいと考えています。  次に,7対1看護についての御質問がございました。  7対1看護は,平成18年,2006年4月に導入されましたが,当時,大病院がこの制度の適用を受けるため,看護師を大量採用し,他の病院が看護師を確保できない状況が全国的に発生いたしました。このため,国は,制度導入直後に,次期診療報酬改定,これは,平成20年,2008年4月の改定のことでございますが,この改定では,対象となる病院を限定する方針を打ち出し,本年2月,看護必要度が高い入院患者が全体の1割以上いることなどの要件を満たす場合に限り,7対1看護を適用する新たな基準を示しました。  これを受けまして,安佐市民病院に入院する患者の看護必要度を調査しましたところ,新たな基準に適合することが確認できたため,現在,看護師の必要数の精査,病院収支への影響の分析を行っておりまして,今年度行う看護師採用試験の実施時期までに7対1看護導入についての結論を出したいと考えています。  最後でございます。  がん診療連携拠点病院についてです。  地域がん診療連携拠点病院にかかる国の指針は,これまでは,おおむね,二次医療圏に1カ所指定することになっていましたが,本年3月に改正され,がん診療の質の向上及び連携協力体制がより一層整備されることが明確である場合には,複数の医療機関を指定することができるようになりました。今後,平成22年度,2010年度に行われる,指定がえに向け,既に指定を受けている病院も含めて,平成21年度,2009年度に指定申請の受け付けがあると聞いています。  現在,地域がん診療連携拠点病院は,広島県の七つの二次医療圏で9カ所指定されていますが,安佐市民病院は,医療圏ごとのバランスなどから指定されていません。しかし,安佐市民病院は,北部及び県北西部の中核病院としての機能を有しており,がん医療についても相当の水準にありますことから,指定がえの際には,ぜひとも指定を受けることができるよう,引き続き,県に働きかけるとともに,がん医療機能のさらなる強化を図ってまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      教員のサポート体制の充実についてでございますが,平成19年度,2007年度末に,定年前に退職しました小中学校の教員数は69人,本年5月1日現在の,精神性疾患に起因する病気休暇取得者数は12人,休職者数は30人となっております。この精神疾患につきましては,さまざまな要因が複雑に絡んでおりますので,その要因を特定するということは困難な状況でございます。  次に,学校へのサポート体制についてでございますが,御指摘のように,教員が安心して教育活動にかかわれることができるように,支援体制を整備することは重要なことと考えております。本市教育委員会としましては,平成19年度,2007年度より,すぐれた実践と豊かな経験を積んだ退職校長を,学校経営アドバイザーとして教育委員会に配置し,教育課程や学校の管理運営等について指導,助言をするとともに,保護者対応等の相談に応じるなど,校長の学校経営を支援する体制を整備しました。本年度は,新たに,学校だけでは解決が困難な生徒指導上の問題について,学校が速やかに相談できるよう,弁護士や精神科医等の専門家からなるチームを設け,支援体制の強化を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       若林議員。 ◆37番(若林新三議員) 少し,環境マネジメントシステムについては,ぜひとも再質問して,もう一遍伺おうと思っておりましたが,独自のマネジメントを考えるということもありますし,広島が率先をして世界を動かすということでありますので,もう再質問の余地がありませんので,これは終わります。  安佐市民病院について,一つ再質問というか,ちょっと聞き取れなかったんでもう一遍お願いしたいんですが。  7対1看護の分について,最後のところ,採用するというような感じの御答弁でありましたが,改めてもう一遍,ちょっと聞き逃したのでお願いします。  それと,建てかえにつきましては,次期総合計画の中で実現を目指すというような答弁だったと思います。ほぼアウトラインが,大体この時期ぐらいにはどうなるのかなということが大体わかったような気がしますが,ぜひ御努力をいただきたいと思いますし,ICUについても,重篤な患者の治療についても,やっぱり重要な病院でありますので,ふやしていただけるということで,お答えがありまして,ぜひ御努力をお願いしたいと思います。  それと,最後に,クロスセクション,十分検討するということで,来年度は十分検討して,いい結果が出ることを願っております。  あと,教員のサポート体制については,しっかりアドバイザーも昨年度つくっていただきまして,いろいろ御助言等もいただいておるわけですが,まだまだ弁護士のところまですぐ到達するというようなところにはなっておりません。今回,精神科医,弁護士を含めた支援チームをつくるということで御答弁いただきましたので,ぜひ早急にそういう体制をつくっていただいて,素早く,気軽に相談ができるような形にしていただければありがたいと思います。  7対1の採用について,申しわけない,もう一遍だけ。 ○藤田博之 議長       病院事業局事務局長。 ◎橋本恵次 病院事業局事務局長    今,看護師の数の精査,こういったような作業を行っておりまして,今年度に行います看護師の採用試験,来年度,何人採用するかということでございますが,この試験の実施時期までに導入についての結論を出したいというふうに御答弁を申し上げました。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       若林議員。 ◆37番(若林新三議員) 私はいいように解釈をいたしまして,それまでに,今年度の採用に間に合うように,来年度は採用していただけるんだというふうに理解をさせていただきまして,質問を終わります。 ───────────────────────────────────────              休   憩   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       この際,暫時休憩をいたします。                 午前11時45分休憩 ───────────────────────────────────────                  午後1時05分開議                  出席議員  49名                  欠席議員  6名 ○藤田博之 議長       出席議員49名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  17番安達千代美議員。                〔17番安達千代美議員登壇〕(拍手) ◆17番(安達千代美議員) 皆さん,こんにちは。お元気ですか。大変お疲れさまでございます。公明党の安達千代美でございます。会派を代表いたしまして,二人目の一般質問をさせていただきます。  質問に入る前に,このたびのミャンマーのサイクロン,中国四川省の大地震,また,岩手・宮城内陸地震で被災をされた方々に対し,お見舞いとお悔やみを申し上げます。  それとともに,また,一刻も早い復興をお祈り申し上げます。  まず初めに,現球場跡地問題についてお伺いをいたします。  広島市民の夢の実現と本市のまちづくりや活性化を目指し,来年春のオープンに向けて新球場の建設が着々と進められております。建設現場に行ってみると,既に1階スタンドができ上がり,もはや完成間近と思えるような迫力が迫って,感慨深い思いがいたします。  さて,現球場の跡地利用についてですが,去る6月9日,秋葉市長は,6月定例会提出の議案説明の席上,記者からの質問に対し,8月をめどに示される商工会議所ビルの移転の検討結果を踏まえて,関係機関と意見交換をし,年内を目標に跡地利用の方針を決めたいと述べられました。つまり,これまでの選考委員会で選考された優秀案2件をベースに,ビル移転,さらに,地元意見や経済界の三つを融合し,取りまとめるという最終的な考えを述べられたものと思います。  その意味では,今後の議論の展開が大いに注目されるところです。ただ,率直に言わせていただければ,過去の議論の経緯から見て,市長初めのお考えにはかなりの無理があったのではないでしょうか。例えば,がベースとして考えている2案そのものが,果たして最適に値するものなのかどうかの問題があります。本来,紙屋町,八丁堀周辺地区は,広島城築城以来,本市の発展をリードしてきた歴史と文化を背景に,今後は,州都や中枢性を考えるべきで,そのことをさらに高めていく重要性が課せられています。  このような,五十年,百年の大計とも言われる重要なプロジェクトに対し,の選考委員会の結論は,最優秀案の決定打に至らず,優秀案2件に終わるというお粗末さ,また,その上,2案に対し委員からはさんざん注文がつけられる結末でした。この結論に対し,地元が即座に反応し,集客力,にぎわいの面で,2案のままではだめだ,白紙に戻して検討すべきとの要望書が提出されました。しかし,不適切な2案になったのも,もとをただせば,のつくった跡地利用事業計画案応募要項に問題があったのではないでしょうか。  つまり,の財政逼迫を理由に,民間の活力とノウハウにこだわる余り,応募要件で,非営利に限ってのみは支援するが,他は支援しないとの厳しい条件を課したのが要因ではないでしょうか。その結果,水族館については,すべて民設民営とし,からの補助金はゼロ,また,収容施設についても同じく民設とし,からの補助はゼロとしました。これでは,たとえ大手の優良企業といっても,デザインや機能の面で思い切った提案が出しづらかったのではないでしょうか。そのことが,結果的には最優秀案が出ない結果につながったのではないかと思います。  本来,公共の用地に公共性の高い施設や機能をつくるのは行政の責任であって,民間は企業利益を優先に,採算性の有無が問われるべきものであります。  東貨物ヤード跡地の新球場の場合は,が施設をつくって,民間運営となっております。なぜ同じ面積の現球場跡地だけ民設民営になるのでしょうか。商工ビルを含め,約3ヘクタールもの大規模な面積を相手に,施設も運営も民間でやれというのはいかがなものでしょうか。もっとの立場から政策判断があってしかるべきであったのではないかと思います。  以上,私の私見を述べつつ,疑問点について何点かお伺いをいたします。  まず初めに,商工会議所ビルの移転の検討結果を踏まえ,年内に方針を出すと発表されたことについてですが,まず,平成18年3月からほぼ2年にわたり,の策定した跡地利用事業計画応募要項に基づき選考された優秀案2案の取り扱いはどうなるのでしょうか。つまり,2案は,商工ビル移転により跡地面積が大幅に変更されれば,当然,条件が変わってくると思いますが,いかがでしょうか。  その場合,再度仕切り直しとなるのでしょうか。あるいは事業者への修正はどうなさるのでしょうか。今後は,2案をベースに商工ビルの移転,さらに,地元や経済界の意見の三つを融合し,取りまとめることになると考えますが,どのように段取りを考えていらっしゃるのでしょうか,お伺いいたします。  2点目は,商工ビル移転についてであります。  跡地利用会議でも,当初から議論された点でもありました。また,世界遺産の原爆ドームの後ろにビルが映る背景を考えても,高さ基準を超えていることを考えても,多くの市民が移転を望んでいることでもあります。しかし,商工会議所にとっては,移転先や取りまとめのスケジュール等々困難が予想されますが,めどはいかがでしょうか。  と商工会議所との協議の経過はどのようになっているのでしょうか,可能な範囲で御説明ください。  3点目は,市長は,今後は,地元や商工会議所を初め,関係機関と多くの意見を聞き,最後のまとめをすると発表されましたが,今後の段取りやスケジュールはいかがお考えでしょうか。  最後に,第3の事業案についてですが,計画書では,優秀案の2案とも,概算事業費で球場解体費に全体の2分の1の5億円を使い,残りは公園整備に使うとなっております。  そこで,解体費に5億円も使うのであれば,今の球場設備のまま,たとえ半分だけでも残して,野外コンサート等ができるよう補修をして,活用できるようにし,また,歴史的な施設として,市民にも自由に使えるよう開放したらいかがでしょうか。  さらに,計画書では,平和祈念堂は,被爆少女禎子の折り鶴をイメージしているとなっています。これについて,選考委員会では,平和記念公園との機能の重複を懸念する意見があったとのことですが,なぜ折り鶴にこだわる祈念堂が要るのでしょうか。この点はどう説明されるのかお答えください。  次に,学校図書の充実についてお伺いをいたします。  文科省は,新学校図書館図書整備5か年計画を策定し,図書整備費として,2007年度から5年間,毎年200億円ずつ,総額1000億円を地方交付税として自治体に配分することになっています。本年4月,文科省が,2007年度の公立小中学校の図書購入状況調査をまとめたものが発表されておりました。これによると,国が図書整備費として,地方交付税で各自治体に配分した200億円に対し,実際に予算が計上されたのは78.0%に当たる約156億円にとどまり,地方交付税の8割しか購入されず,2割は流用されているということでした。その理由のほとんどは,地方交付税は何に使うかは自治体の裁量に任されるという性質のものなので,学校図書費として受け取っても,財政難のため,図書購入費が後回しになっているということです。  文科省は,交付税の使い道を強要することはできないが,できる限り5か年計画どおりに予算を計上してほしいとしています。  そこで,広島の学校図書の整備状況についてお伺いをいたします。  本市では,広島子どもの読書活動推進計画の達成目標の重点施策として,平成19年度には,学校図書整備5か年計画に基づき,すべての小中学校で,標準冊数を達成するとあります。昨年の9月に同じ質問をさせていただいたときには,平成19年度末までに,小学校は全校で75.2%,中学校は76.2%となる見込みです,平成20年度中には100%達成できるよう計画的に整備していくとともに,学校図書については意を用いて充実に努めたいと考えていますとの御答弁をいただきました。が,その後の購入実績と整備状況はどのようになっているのでしょうか,お伺いいたします。  学校図書館の図書標準達成のためには,増加冊数分だけではなく,更新冊数分も含めた,図書整備のための継続的な財源確保が必要だと思います。  子供たちにとって,よい本は心の栄養にもなるのであり,一冊の本を通して多くのことを学び,考え,感じ,成長していくものだと思います。子供たちの豊かな心を育てるため,学校図書の充実にさらに取り組んでいただきますよう,強く要望いたします。  続きまして,AEDの普及についてお伺いをいたします。  AEDは心肺蘇生の救急治療に役立ち,心室細動による突然死を防ぐ有効な手段として,全国で,公共施設,学校施設,スポーツ施設などへの設置が急速に進んでいます。本市でも,・区庁舎,出張所,スポーツセンター等に既に配置されています。昨年12月には,広島が管理する公的施設等におけるAEDガイドラインが策定され,今後,優先順位を定めて,計画的に整備される予定であるとお聞きしています。しかし,地域に密着している,一番身近な施設である学校への設置が進んでおりません。このことについては,私は,2年前から,子供たち,また,市民の皆さんの大切な命を守るため,日ごろの教育活動はもとより,地域のスポーツ活動,さらには,非常時の避難場所として,多くの市民が利用する市立の小中高等学校,また,特別支援学校等に早期にAEDを設置すべきであると要望してまいりました。  現在,県内の主要都市では,呉,福山,三次,大竹,東広島で,小中高等学校へのAED整備率が100%となっているほか,県立学校で99%,また,三原で47%,廿日市で34%となっております。なお,竹原,三原,安芸高田は,本年度中に全校へ配備する予定となっています。  広島の状況はといえば,小学校2校,中学校27校,高等学校8校,特別支援学校1校の,合計38校へは設置されていますが,整備率は17.8%であり,まだまだこれからという状態です。  心肺停止した場合,脳障害などの後遺症を残さずに救える確率は,処置が1分おくれるごとに,7から10%下がると言われております。心肺停止状態に対するAEDの有効性は,だれもが認めるところであり,今年,本市や福山で実際に発生した心肺停止の事例を考えると,早急に小中学校にAEDを配置すべきだと思いますが,今後どのように対応されようとしておられるのか,お伺いをいたします。  次に,ひとり親家庭への支援についてお伺いいたします。  去る4月18日の地元新聞に,気になる記事が掲載されておりました。それは,病気や自殺,不慮の事故により父親を失った母子家庭に対して,あしなが育英会などが行った緊急アンケートの結果を伝えたものでした。  きょうは,そのことに関して,本市のお考えをお伺いしたいと思います。  皆様もごらんになったかとは思いますが,少し前のことなので,そのアンケート結果の概要を簡単に申し上げます。  まず,今回のこのアンケートは,奨学金を支給中の高校1年生と支給予定の中学3年生がいる母子家庭1,417世帯に対し実施したもので,そのうち1,064世帯から回答を得たものです。  それによると,父親を失った原因については,約7割が病気,約2割が自殺によるものであり,母親の平均年齢は46.7歳ということでした。  また,アンケートでは,仕事を持っている母親の56%がパートか臨時雇いで,その中には,内職が主な仕事という人もいるということです。また,9.5%の方が職につくことができず,求職中ということになっていたそうです。やっと職につくことができたとしても,その生活は大変厳しい状況であり,中には,二つ以上の仕事をかけ持ちしている人が17%もいるということですが,その収入はというと,給料は平均12万円で,身内からの援助や奨学金を入れても,世帯の月収は約16万5000円にとどまっているとのことでした。  一方,支出の方は,月平均20万円を超えるということですから,恒常的な赤字が生じているということです。  私も,最近,このような内容の相談を受けることが多くなってきております。新聞でも伝えられていましたが,母子家庭の苦難がはっきりとあらわれており,こうした家計の逼迫した状況に,さらに物価高が追い打ちをかけ,進学を断念するなど,進路の変更を余儀なくされたケースが約4割に達しているということです。また,実際,経済的な理由で,平成19年度中に私立高校を中退した生徒が,全国私立学校教職員組合連合会の調査によると,調査開始以来,最悪の数字になったことが判明したと先日伝えられておりました。経済格差が進行していることを示しているのではないでしょうか。  また,こうした社会的弱者に対して,真っ先に手を差し伸べ,安心して子供たちが等しく教育を受けられる環境をつくるのが行政の役割ではないかと思いますが,いかがでしょうか。  子供たちは,未来の広島を担ってもらう大切な社会の宝です。たとえ,不慮の事故で親が亡くなったとしても,そのことによって,教育環境への影響を極力抑えることができるような施策を自治体としても取り組む必要があるのではないかと思います。  広島は,「子どもの自立をはぐくみ,子どもの笑顔の見えるまち“ひろしま”の実現」を基本理念とする,新児童育成計画を策定し,子供と子育て家庭への支援に取り組んでおります。その計画の中に,ひとり親家庭への支援という項目があり,そこでは,ひとり親家庭の現状と課題について次のような分析がなされています。  離婚は増加傾向にあり,ひとり親家庭,特に母子家庭が依然として増加しています。就労状況は,全体としては9割が就労しているが,母子家庭となった当時の就労状況は5割である,また,母子家庭の平均所得は,一般家庭の約3割であり,経済面をサポートする施策の充実の要望が高くなっている,母子家庭は,生活費などの悩みも多いことから,経済的支援などが必要であるとされています。  そこでお尋ねいたします。  市長は,ひとり親家庭,とりわけ母子家庭の現状について,どのように考えておられますか。また,どのような取り組みを行っておられるのでしょうか。本市におきましても,秋葉市長が就任されてから,特に,教育施策の充実が進められてきています。広島として,責任を持って将来の広島市民を育てているという面から大変評価しております。経済的理由で子供たちの進路を変更しなくてはいけなくなったり,また,将来の希望をあきらめるというようなことがあってはいけないと思います。  国においては,日本学生支援機構の実施する奨学金事業がありますが,国の奨学金制度については,公明党がその拡充に努めてまいりました。広島においても,新児童育成計画の理念である「子どもの自立をはぐくみ,子どもの笑顔の見えるまち“ひろしま”の実現」を,本当に目指すのであれば,本市で独自の奨学金制度を創設するなど,子供たちの未来のためにさらなる支援が必要ではないかと思います。子供たちの希望をかなえられる施策の充実をお願いいたします。  最後に,過疎化対策についてお伺いいたします。  午前中に若林議員の方からも質問がありましたが,私もこの件について質問させていただきます。  広島は,政令指定都市でありながら,新市街地域には,高齢化,限界集落の学校の廃校など,過疎化が急激に進んでいる地域があります。昨年の12月議会や3月の予算特別委員会でも議論されてまいりましたが,対策のための手だてがなかなか見出せないのが現状ではないでしょうか。  そうした中で,私たちは,先月,先進的な取り組みをしている,徳島県勝浦郡上勝町へ視察に行ってまいりました。上勝町の取り組みは,テレビ等で紹介されたことがありますので御存じの方もいらっしゃるかと思います。  ここは葉っぱ産業で一躍有名になったまちでございます。第三セクターによって新しい産業を立ち上げ,おばあちゃんたちが葉っぱを売って,年商2億5000万円以上という成果を上げて,元気に頑張っておられます。上勝町は県庁から40キロ離れていて,標高1,439メートルの山を最高峰とする山脈が連なる中山間地域です。  平成20年4月1日現在,世帯数838戸,人口2,014人,高齢化率49.26%,65歳以上の人口が占める割合は992人,寝たきりの高齢者数は在宅のみの方が二人といった状況で,過疎と高齢化が同時進行している四国で一番小さなまちです。  このまちで取り組んでいる「いろどり」産業とは,料理を彩るつまものとして,四季の木の葉や花などを商品化した事業です。商品は軽いものなので,女性や高齢者の方でも簡単に扱うことができます。そのため,参加者のほとんどが60歳以上の高齢者で,最高齢は95歳,平均年齢は68歳ということでした。
     現在,838世帯のうち197世帯の農家が参加しています。まちのJAから防災無線を利用して,注文情報が各農家に一斉送信され,それを受け取った農家は,電話を片手に出荷可能な品目を選び,取りまとめ先のJAに連絡をし,先着順で出荷の権利を得るのです。常時出荷するものもあります。それぞれの農家には,パソコンとファクスが置かれており,高齢者がパソコンを操作したり,ファクスで送られてくる一覧表から,自分の売り上げ状況や今後の動向などを確認できるようになっております。高齢者が,仕事に対する競争意識や目標など生きがいを持ちながら生き生きとして仕事に取り組んでおられました。  今,上勝町では,多くのお年寄りが,自分で働いた収入で自立をした生活を送っており,家族に対する経済的な負担をかけないというだけでなく,収入があるので,当然のことながら,税金を納めております。税金を納めることが,高齢になっても,自分は国民の一人として,確かにだれかの役に立っているという自信につながり,自分の存在価値を再認識し,そのことが新たなるやる気につながっているということです。  四方を山に囲まれ,高齢化率も高いといった,通常であれば寂れていく要素の多い地域が,地域資源を生かした経済活動によって見事に活性化し,まち全体に活気が生まれています。高齢者が元気になったため,老人福祉施設も必要がなくなり,閉鎖をされたとの話には驚きました。  また,このまちは,Uターンで帰ってくる人も多く,その上,このとき私たちに事業の説明をしてくれた女性は東京都の出身で,Iターンでこの事業に参加した方でした。このように,ほかの地域からも人を呼ぶことができるすばらしいまちでした。  高齢になって体力が落ちても,知識や経験は一流の人材なのだから,その土地の者として持つ知識や経験も一つの地域資源だと考え,これを生かして,個々のスキルアップを図っていくという考えが重要なポイントになっています。  本市においても,特にの周辺部の地域では,人口減少,高齢化,過疎化が急速に進行しつつあり,こうした地域の活性化を図る上で,上勝町の事例は大いに参考になると思います。過疎化対策を実施するに当たっては,こうした高齢者が,これまでの経験を生かし,自立した生活をしながら生きがいを持って暮らしたいという,その思いを実現させる環境をつくるといった視点が大切ではないでしょうか。  本は,過疎化対策についてはどのように取り組まれるようにされていますか,本市のお考えをお伺いいたしまして,私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       安達議員の御質問にお答え申し上げます。  ひとり親家庭,特に,母子家庭についての御質問がございました。  ひとり親世帯の約9割を占める母子世帯数は,本年3月末現在で1万3037世帯となっており,5年間で1,462世帯,12.6%増加しています。  収入状況については,平成18年度,2006年度,全国母子世帯等調査によれば,母子世帯の平均収入は213万円で,一般世帯の平均収入の4割程度となっています。  また,就労状況については,約8割が就労しているものの,そのうち,正規雇用は約4割にとどまっています。このように,母子家庭の生活や就労状況は大変厳しく,一人で子育てと生計の維持を担わなければならない母子家庭の自立支援と,その子供の健全な育成は重要な課題であると考えております。  そのため,本市では,平成17年,2005年に作成した新児童育成計画の中にひとり親家庭への支援を掲げ,一つには子育て・生活支援,二つ目に経済的支援,三つ目に就業支援の三つを基本的な柱として支援施策を推進しています。  一つ目の,子育て・生活支援としては,ひとり親が安心して子育てと仕事の両立ができるよう,各区の母子自立支援員による生活相談,母親の病気などの場合に,家事や育児などを支援する家庭生活支援員の派遣,母子家庭の生活,就労等を支援する母子生活支援施設の運営などを行っています。母子生活支援施設さくら苑については,昨年度から,老朽化に伴う全面建てかえを行っており,来年2月末には完成予定となっております。これにより,市内の民間母子生活支援施設3施設のすべてが建てかえられます。  二つ目の,経済的支援としては,児童扶養手当の支給やひとり親家庭の医療費の補助,生活や修学資金などの母子福祉資金の貸し付けなどを行っています。この中で,児童扶養手当については,児童扶養手当法の改正により,本年4月から減額される予定でしたが,指定都市市長会などを通じ要望を行った結果,母子家庭の生活実態を踏まえ,減額対象を,就業意欲が見られない者に限定するという実質的な凍結となっています。また,ひとり親家庭の医療費の補助については,今年度は,広島県の本に対する補助率が10分の4から3分の1に引き下げられておりますが,引き下げられた補助分を本が負担し,従来どおりの内容としております。  平成21年度,2009年度以降分については,今年度,再協議することになっており,本としては,従来どおりの補助率となるよう,粘り強く協議を進めていきます。  三つ目の,就業支援としては,母子家庭等就業支援センターにおける就業相談や職業紹介,就業に必要な知識や技能を習得するためのセミナー等の開催,あるいは就職に有利となる資格・技能を習得するための給付金の支給などを行っています。この給付金の支給については,今年度から,養成機関を修了した後に一時金を支給する,入学支援修了一時金の創設や給付金の対象資格の拡大を行っています。  母子家庭に対する職業紹介や資格・技能習得のための事業については,その実効性を高めるよう,さらに取り組んでいきたいと考えております。  今後とも,新児童育成計画の基本理念である,先ほど引用されました「子どもの自立をはぐくみ,子どもの笑顔の見えるまち“ひろしま”の実現」に向けて,ひとり親家庭への支援施策の充実を図っていきたいと考えております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○藤田博之 議長       都市活性化局長。 ◎濱本康男 都市活性化局長  現球場跡地利用について順次お答えをいたします。  初めに,商工会議所との協議経緯や今後のスケジュールなどについてでございます。  商工会議所からは,8月を目途に商工会議所ビルの移転についての方向性を出したいとの意向を聞いておりまして,そのスケジュールを念頭に置きながら,現在,商工会議所と協議を進めております。  具体的には,本年3月に,商工会議所都市機能強化委員会の委員長等に対しまして,現球場跡地利用に関する検討経緯などを説明するとともに,4月以降,商工会議所事務局と,商工会議所ビルが移転する場合の移転先や移転後の規模といったさまざまな課題について協議を行っております。また,あわせて,球場跡地利用計画選考委員会において選考されました2件の優秀案をベースに,新たな機能を含め,跡地に導入する機能についても協議を進めております。  今後,利用計画についての方向性がある程度まとまった段階で,議会や経済界,市民の皆さんから幅広く御意見をお聞きするとともに,2件の優秀案の応募者に対して,計画案の修正が可能かどうかについて検討を依頼する予定でございます。  その後,お聞きした御意見や応募者による検討結果を踏まえまして,2件の優秀案の取り扱いについて検討し,国有地の管理者である中国財務局との協議を経て,年内を目途に,としての跡地利用計画を策定したいと考えております。  次に,現球場を残して活用することについてでございますが,ただいま御答弁申し上げましたとおり,現在,選考委員会で選考されました2件の優秀案をベースに,新たな機能を含め,跡地に導入する機能について検討をしております。  現球場は,施設自体も非常に老朽化しており,残して利用する場合には,耐震補強や施設の維持管理に相当の費用が必要になるなど,多くの課題がございます。こうしたことから,現時点では,現球場を残して利用することは考えておりません。  次に,平和祈念堂に対するの考え方でございますが,優秀案に選考されました平和祈念堂は,選考委員会において,平和という広島の歴史性や独自性を意識した提案であるとともに,広場や緑地などのオープンスペース機能を備えているなど,すぐれた提案であるとの評価がなされております。その一方で,現球場跡地の真ん中にこの祈念堂を設置をした場合,都市公園としての多様な利用を妨げるおそれがあることから,設置位置を工夫する必要があるとの課題などが指摘されております。  今後,平和祈念堂を含む2件の優秀案の選考結果を踏まえ,議会や経済界,市民の皆さんから御意見を十分にお聞きした上で,としての方針を決定したいと考えております。  次は,過疎対策についてでございますが,取り組みの視点についてのお尋ねがございました。  地域における過疎化の進行により,本市においても,農地等の持つ公益機能の低下,交通機能,医療・教育機能,さらには,地域活力の低下などの課題が生じることが懸念されております。過疎対策は,我々の生命をはぐくむ重要な役割を担う産業である農林業の振興を初め,農地や森林の保全,保健,福祉,まちづくりなど多様な分野にかかわる事柄であり,地域住民との連携のもと,関係部署が一体となって総合的な過疎対策を推進する必要がございます。具体的な対策の検討に当たりましては,議員御指摘のように,地域の方々が生きがいを持って暮らせる環境づくりという視点が大切であると考えております。  現在,本市でも,過疎化の進みつつある地域において,高齢者などが生きがいを持って活動されているさまざまな事例がございます。例えば,佐伯区湯来町では,田植えやこんにゃくづくり体験などの「湯来っ子ふれあい悠遊体験」という名前の,都市と農村の交流を行っております。  また,安佐北区安佐町の小河内地区では,景観整備としての「芝桜の里づくり」や芝桜祭りの開催,さらには,公募により申し込んだ市民が,集落のカキを地元の方と収穫する「柿もぎ隊」の実施など,都市住民との交流活動が行われております。  今後,こうした事例や他都市での成功例を参考にしながら,地域の方々との協働による,実効性のある過疎対策を進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      学校図書の充実についてでございますが,平成19年度,2007年度におけます本の図書の購入実績は,小中学校の合計で1億9000万円となっており,学校図書に係る地方交付税算定額を上回っています。  また,学校図書の整備状況につきましては,平成19年度,2007年度末で,小学校では141校すべてが,文部科学省の定めた基準を達成しています。中学校におきましては,63校中49校が達成しており,77.8%の達成率となっています。  今後,中学校においても,本年度じゅうの達成に向けて計画的に整備し,生徒の学習活動や読書活動の充実に努めてまいります。  続きまして,AEDの普及でございますが,このAEDの小中学校への設置につきましては,昨年12月に策定されました,広島が管理する公的施設等におけるAED整備ガイドラインに基づき,計画的な整備に向けた検討を進めております。現時点での市立学校の整備状況についてでございますが,議員御指摘のように,高等学校についてはすべての学校に整備し,小中学校については29校に整備済みで,14.2%の整備率となっております。本市教育委員会としましては,財政状況の厳しい中ではありますが,今後も,児童生徒の大切な命を守るため,民間からの寄附も含め,AEDの小中学校への整備に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       安達議員。 ◆17番(安達千代美議員) 御答弁ありがとうございました。  次,答弁は求めませんけれども,このAEDについては,私もしつこいかなと思うぐらい質問を今までさせていただいておりますけれども,昨年の12月にが管理する公的施設等におけるAEDの整備のガイドラインによると,優先順位,今の学校施設等,高等学校,中学校,特別支援学校は1位に位置づけられているんですが,小学校は優先順位が一番下,3番目にあるんです。当局は,本年度は,中学校63校プラス今1校ふえてますけれども,導入経費として計1500万円を見積もったけれども,財政難から予算化は見送ったというふうに伺っております。これは,子供たちではなくて,市民の安全・安心を守るためのものなので,もうとにかく最優先されるものだと思います。AEDの設置については費用対効果を求める性質のものではありませんので,いわば消防法で義務づけられておる消火器のようなものではないかと思います。何もなければいいんですけれども,要らないものかもわかりませんけれども,いざというときにはやはり市民の生命を守る大事なものだと思います。  そういうことで,次の年次計画はことしの9月中旬に案を策定するということになってるそうなので,ぜひこういう視点を踏まえて,積極的に取り組みをしていただきたいというふうに思います。  今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。  以上です。 ○藤田博之 議長       以上で,一般質問を終わります。 ─────────────────────────────────────── △日程第2┌自第68号議案 平成20年度広島一般会計補正予算(第1号)      ┤      └至第79号議案 公の施設の指定管理者の指定について              (新広島市民球場)      ┌自第81号議案 公の施設の指定管理者の指定について      ┤       (戸坂百田アパート附設駐車場)      └至第86号議案 専決処分の承認について              (広島市市税条例の一部を改正する条例) ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       日程第2,第68号議案から第79号議案及び第81号議案から第86号議案を一括議題といたします。  これより質疑に入ります。  発言通告者に順次発言を許します。  30番母谷龍典議員。                〔30番母谷龍典議員登壇〕(拍手) ◆30番(母谷龍典議員) 自由民主党新政クラブの母谷龍典でございます。  今議会に上程されました議案のうち,第72号議案について質疑を行わせていただきますが,平素は,秋葉市長さんの近くに,半径3メートル以内に近寄ることはなかなか許されませんけれども,きょうは,議長さんのお許しを得て,こうした機会を与えていただきましたことに心から感謝を申し上げます。  さて,本題に入るわけでありますけれども,この第72号議案,広島市市税条例の一部改正についてということでありますけれども,この内容は,いわゆる年金受給者の皆さんから市民税を天引きをする,こういう内容のものであります。これは,さきの通常国会で可決をされたわけでありますけれども,しかし,だからといって,1,800の市町村のうち,もちろん広島もそうでありますけれども,直ちにこれを,税条例を改正して進めるのが正しいかどうか,私は少し素朴な疑問を持っておりますので,質問させていただきたいと思います。  まず最初に,年金受給者が,その対象となる方が市内にどのぐらいいらっしゃるのか,まずお尋ねをいたしたいというふうに思います。  また,そのシステムの開発に係る経費はどのようになるんでしょうか。これは,実施をされるのは来年の10月からということでありますから,かなり,まだ1年と半年近く時間があるわけでありますけれども,そうした中で,進めていく前に,私は,十分な市民の皆さんへの周知徹底あるいは広報というものが必要であろうと思いますけれども,この点についてどのようにお考えになっておられますでしょうか。  この4月から,老人保健医療が,保険がかわって後期高齢者医療制度が開始されました。このときに,全国的な大きな問題となったのは,保険料も含めてでありますが,その保険料の金額を年金から天引きをする,こうしたことが大問題になったわけでありますけれども,その記憶の新しいうちに,今度は,住民税,市民税を年金から天引きをする,こういう趣旨のものでありますけれども,これは,市民の皆さんにすんなりと理解をいただけるものなのかどうなのか,私は大変に心配をしておりますし,十分な,そして,丁寧な説明をして,理解を求める必要があろうかと思います。  いわんづく,去年の秋からことしの春までにかけて,事業所税の問題では,そうした広報や周知という点において,不十分であったがために不幸なことが起こりましたけれども,そうしたことも含めて,は,市民の皆さんに対する真摯な姿勢が必要なのではないかというふうに思います。  この天引きという問題について,後期高齢者医療制度では,大幅な見直しをされておるわけでありますけれども,この住民税の問題について,どれほどの皆さんが知っておられるか私は甚だ疑問でありますし,これが来年の10月からいきなり始まると,私は,判も押してないのに,名前も書いてないのに,何でこういうことになったんかいのうと言って,高齢者のおじいちゃんやおばあちゃんが区役所の窓口に来られたり,電話がかかったりで大変な混乱を起こすという危険性を感じているわけであります。  そうしたことから,この点について,当局の円滑な実施に向けた考え方をお尋ねいたします。  時間的には,来年の10月ということでありますから,それまでの間,そうした周知徹底に努めて,そして,1,800余りの全国の市町村がどのような形で進めるのかを見きわめてからでも遅くはないと思いますし,先ほど申しましたように,国も,この住民税の天引きという問題について,考え方を,後期高齢者医療制度の天引きのように,同じような形で見直すことも考えられるわけでありますけれども,そうした中で,今これを可決し,システムの開発にお金をかけると,すぐにかけるということになったら,見直しされたときには二重の経費がかかってしまう,こういうこともあって,どのように進められるのかを,重ねてお伺いをしたいと思います。  以上,当局の,市民の皆様にわかりやすい,きちんと説明をしていただくようお願い申し上げて,質疑を終わります。(拍手) ○藤田博之 議長       財政局長。 ◎佐伯克彦 財政局長     税条例の一部改正についての御質問に御答弁申し上げます。  まず,対象者の数でございますけれども,現時点では,明確な数はちょっと不明でございますが,平成19年度分の課税実績で申し上げますと,約6万6000人が特別徴収の対象者になろうかと思います。  それと,なぜ今行うかということでございますが,先ほど御紹介ありましたように,地方税法が,今年4月30日に改正されまして,平成21年,2009年10月から公的年金からの住民税の特別徴収が開始されることになりました。  この制度改正に伴いまして,税システムを改修する必要がございます。来年1月には,全国一斉に社会保険庁などから,年金支払い額に係る電子データが市町村へ送信されますが,このデータを受信するためには,ことしの12月までにシステムの改修を終えておく必要がございます。このシステム改修には5カ月が必要と見込まれることから,ことしの7月には委託契約をする必要がございます。この委託契約を行うためには,条例改正をしておくことが必要であることから,今回,この6月議会に提案をしたものでございます。  なお,早い時期に条例改正をすることによりまして,市民の,特に,年金受給者の方に対する十分な周知期間を確保ができるものと考えております。  それと,システム改修経費でございますが,システム改修に係る委託料として,約1億5800万円ほど見込んでおります。  それと,周知でございますけれども,議員の御指摘のとおり,後期高齢者医療制度の導入で生じたような混乱を防ぐためには,市民への広報,周知は大事であると考えております。このため,条例改正の議決を経た後には,制度改正の内容を速やかに本のホームページなどへ掲載いたします。  また,特別徴収対象者の範囲,徴収方法,実施時期,相談窓口等について,わかりやすいチラシ,ポスターなどを作成いたしまして,それを本庁あるいは各区役所の税窓口などに設置するなどして,制度の周知を図ってまいりたいと考えております。  さらに,来年2月には,個々の年金所得者に対して,住民税申告書を送付する際に,チラシを同封するとともに,所得税の申告相談会場において,チラシの配布やポスターの掲示をするなど,わかりやすい,丁寧な広報,周知に努めていきたいと考えております。  それと,リスクがあるのではないかというお話でございましたが,公的年金からの住民税の特別徴収制度につきましては,地方税法において規定されておりまして,国からは,その実施に向けた適切な対応を行うよう通知がなされております。また,さきの5月23日に開かれました,今回の住民税の特別徴収制度についての国の説明会におきましても,制度の見直し等についての言及は全くございませんでした。  一方,制度の導入に当たりましては,システム改修作業に早急に着手する必要があることから,今回の特別徴収制度の円滑開始に支障がないよう準備を進めていきたいと考えております。  それと,最後でございますが,混乱等を防ぐべきだということでございますが,市民の皆様に対しましては,先ほども申し述べましたように,十分理解していただけるよう,できるだけ早い時期から,わかりやすい広報,周知に努めていきたいと考えております。  また,担当職員につきましても,十分研修を実施し,制度をしっかりと理解させ,市民からの問い合わせや特別徴収事務の運用に支障がないように努めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       母谷議員。 ◆30番(母谷龍典議員) わかりやすいチラシやポスターをということをおっしゃいましたけれども,それは,もちろん,「市民と市政」のような広報紙だったり,ホームページだというようなこともおっしゃるんでしょうけれども,しかし,年金を受給されている皆さんは高齢者ですよね。こう言っちゃ失礼ですけれども,なかなかそうしたことがわかりにくくなっている皆さんなんですけれども,一元的に,画一的にそういうもので周知をしたら,じゃあ皆さん理解していただけたかと。僕はそうではないと思うので当局の考え方をお尋ねしたわけですけれども,そのことが,もしやられるんであれば,やはりね,ほんとにやられたなということが確認できてからでも遅くはないと思うんです。システムを5カ月かかると言われましたけれども,来年の当初予算に出されても間に合いますよね,まだ,ねえ,時期的にですよ,来年の2月末出されてもまだ間に合いますよ。  こういう特殊なシステムを一般競争入札をしてどうこうというようなものではないと私は思いますけれども,どうですか。特殊なノウハウを持った,あるいはプログラムを組むときに,そういうシステムは,私は,随契的なものになるんじゃないかなと思いますが,そうしたことは,もう法律が決まっている以上,日本全国で,どこの会社が開発するかはそれぞれあるかもわかりませんけれども,広島においても,そうしたところへの情報提供であり,進めてもらってることは十分私は可能なことだろうと思います。  しっかりと周知徹底をしていただかないと,先ほど申し上げましたけれども,実際にそれが行われたときに,10月からとは言いますけれども,じゃあ,前年の1月から12月までの収入,所得に対して,翌年の6月から新しく住民税が決まります。6月,7月,8月,9月の4カ月分はどうされるんですか。10月から,今度は,普通徴収から特別徴収,天引きに切りかえるということがそんなにスムーズにいくんですか。混乱をすると思いますけれども,私は。市民の皆さんに対して,そのことがきちんと徹底されないと,これは大変なことになると。ひいては,窓口で職員の皆さんが対応に追われて大変なことになる。僕が言うことじゃないかもわかりませんけれども,そうなったら,理事者の皆さん,市長さんを初め,職員労働組合の皆さんに大変責められるんじゃないですか,きちんと説明をしてないと。  そうしたことも含めて徹底をしてやっていく。その後にこの条例を改正する。十分私は間に合うと思います。
     そして,経費の問題も,仮に見直しが行われた場合には,今やろうとしていることがそのまますんなりいくかどうかわからない状況で着手するのはいかがなものかというふうに思うわけでありますけれども。  加えて,年金を受給しながら働いている方もいらっしゃいます。働いてない方もいらっしゃいます。また,年度の中途で働き始めたり,やめたりということが起こりますけれども,それが天引きということを10月からやりますと言われますが,その後に,出たり入ったりといいますか,そういう退職や就職というようなことが繰り返されますけれども,いろんな皆さんが,スムーズにいきますか,これは。  私は,とてもすんなりいくような,スムーズにいくようには思えないのですけれども,そこらをしっかりとシミュレーションをして,検証をして,それから一部改正をして,市民の皆さんにも混乱をさせないようにするのが当局のとる必要な行動であり,仕事だと思いますけれども,その点についてもう一度お伺いいたします。 ○藤田博之 議長       財政局長。 ◎佐伯克彦 財政局長     先ほど御答弁申し上げましたけれども,この事務を行うためのシステム改修を,契約を発注するには,この7月ぐらいには発注しないと,そのシステムが間に合わないということが一つございますので,そういう意味で言いますと,今回6月に議案を出させていただきまして,その議決をいただいて,事務の根拠を明確にした方がいいということで,今回6月に出させていただいてますし,それと,先ほど言いましたように,一応,議員が何度もおっしゃいますように,市民に周知をしっかりするためにも,早目,早目にそういうのは打ち出した方がいいのかなというふうに思っております。  それと,先ほどからおっしゃっておりますように,とにかく,市民に混乱を招かないということが大切でございますので,これからもしっかりいろんなことを検証しながら,準備に最大の注意を払ってやっていきたいと思っております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       母谷議員。 ◆30番(母谷龍典議員) 手短に終わりますけれども,この国で決められた地方税法の一部改正は,聞くところによると,地方六団体あるいは政令市長会がお願いをしてこういう法律ができた,改正になったというふうに思いますけれども,そういう意味では,国がやったからもじゃあやるんですというような説明ではなくて,お願いをして法律を改正してもらったんだったら,なおさら,市民の皆さんにきちんとした説明をしなければならないと思いますよ,私は。  そこで,何度も言いますけれども,先ほどの,プログラムを,システムをつくり直すのに,社会保険庁と地方自治体の間に入って,そのプログラムを開発してくれる,作業してくれる天引き会社のような社団法人があるようですけれども,そうしたところへ二重投資になったりする危険性もあるし,第一,その社会保険庁は,これまでの年金がどこにいったかわからないような仕事をしてた省庁ですよ。今度,それを天引きをして,住民税を,ほんとにちゃんと広島にくれるんですか,ちゃんと。今,日本じゅうで一番信用のない省庁ですよ。そういうことは,もう少し時間があるんだから,丁寧に説明をしたり,慎重にシミュレーションをしてみたりいうようなことをされてからでいいんじゃないんですか,本当に,私はそう思いますけれども。  これを見切り発車的にやるような問題でもないと思います,まだまだ時間はありますから。  そういう意味で,しっかりと,まだ委員会もありますから,議論される方もいらっしゃるでしょうけれども,議会の皆さんの意見をもっとたくさん聞いてもらって,それから,よくよく判断をしてもらいたいというふうに思いますし,どういう結論が出るかわかりませんが,私はそういった点について指摘をさせていただきます。  以上で終わります。 ○藤田博之 議長       今の,答弁はいいですか。 ◆30番(母谷龍典議員) はい。 ○藤田博之 議長       次に,33番沖宗正明議員。                〔33番沖宗正明議員登壇〕(拍手) ◆33番(沖宗正明議員) 第68号議案,平成20年度広島一般会計補正予算のうち,裁判員制度の対応,547万円について質問いたします。  平成21年度から実施される裁判員制度に伴い,毎年度の裁判員候補者予定者名簿の調製に必要な住民基本台帳電算処理システムの改修を行うとされています。  もとより,裁判員制度は国の制度です。本はその事務を粛々とこなすしかありません。しかし,この制度が広島市民に多大のダメージを及ぼすことを私は黙って見逃すことができません。また,裁判員法の成立に当たって,地方議員として異を唱えなかった不明を恥じ,ざんげの意味を込めて,あえてこの問題を取り上げました。  私が裁判員制度に興味を持ったのは,自分が被告人席に座ることになったら,果たして公平に裁いてもらえるのかという疑問がわいたからです。おまえならありそうなことだという声が飛んできそうですけれども,この議場内の皆さんにとっても,冤罪の疑いをかけられる可能性が絶対にないとは言い切れないと思います。私は,裁判員制度に関する本を取り寄せて,文字どおり読みあさりました。あわせて日本国憲法も読み直しましたが,読み進むうちに,裁判員制度に対する恐怖と怒りが込み上げてきました。  それを詳しく述べます。もちろんのこと私は法律の素人です。法的な解釈には誤った点があろうかとも思いますが,大意を酌み取っていただければ幸いです。  裁判員制度は,日米構造協議の中で,アメリカからの弁護士増加要求に対して,政府が急いで動き出し,平成11年,小渕内閣で司法制度改革審議会が設置され,国民の司法参加が検討課題となったことに始まります。  国民の司法参加には,基本的に二種類の形があります。よく知られているのが,アメリカに代表される陪審員制度です。陪審員制度は,伝統的に12名の陪審員が,裁判官から独立して裁判に関与し,法廷に提出された証拠に基づいて評決するものです。陪審員は,訴訟事件ごとに無作為に選ばれ,有罪か無罪かだけを判定します。全員一致が原則で,全員の結論が一致するまで協議が行われます。有罪または無罪となった理由を述べることは要求されておりません。アメリカでは,無罪になれば,検察による控訴はできないため,被告人はその場で釈放となります。有罪の場合は,量刑は裁判官にゆだねられることになります。  もう一つの形は,ヨーロッパでよく行われている参審制度です。これは審理に参加すると書きます。陪審員制度と異なって,参審員は,事実認定,法の適用,量刑の判断のすべてに裁判官とともに関与します。有罪か無罪か,判断した理由は述べなければなりません。多くの場合,任期が定められており,その間,幾つかの事件を担当することになります。我が国で行われようとしている裁判員制度は,事件ごとに選ばれる点では陪審員制に似ていますが,裁判官とともに関与する点でより参審員制に近いものと言えます。  裁判員制度では,評決は多数決で,裁判員にも裁判官にも平等に1票が与えられます。ただし,有罪意見が多数を占めていても,有罪とするためには,少なくとも裁判官1名が入っていなければなりません。例えば,裁判員6名全員が有罪であっても,裁判官3名全員が無罪を主張すれば無罪となります。  司法制度改革審議会では,当初,日本弁護士連合会,通称,日弁連は,国民の司法参加の方法として,陪審員制度が望ましいと主張し,これに対して,最高裁と法務省は,陪審員制度は憲法違反の可能性があると反対していました。紛糾した審議会をまとめるために,また,日弁連が主張する陪審員制度を牽制する形で出てきたのがこの裁判員制度です。日弁連と最高裁,法務省との妥協の産物と言えるものです。  そして,平成16年,今から4年前ですが,5月21日,国会で,自民党,民主党,公明党,共産党,社民党,すべての政党が賛成して,裁判員の参加する刑事事件に関する法律,いわゆる裁判員法が成立しました。これほど重要な法律であるにもかかわらず,国民にはほとんど知らされることなく,国会での審議は,衆参合わせても3カ月に満たないものでした。附則には5年以内に施行するとなっておりますので,それが来年5月ということになります。  裁判員が扱う事件は,死刑または無期の懲役か禁錮刑に相当するような重大な刑事事件です。殺人,現住建造物等放火,傷害致死,覚せい剤取締法違反,通貨偽造,危険運転致死傷などで,当然,マスコミを騒がせるような事件ということになりますが,扱うのは地裁の第一審だけです。平成17年の裁判員制度対象事件は全国で3,633件,これは地裁の通常の刑事事件の約3.2%に当たります。  裁判員の選任資格は,衆議院議員の選挙権を有する者とされています。欠格事由,つまり,裁判員になることができない者として,義務教育を終了していない者,禁錮以上の刑に処せられた者,心身障害のために裁判員の職務の遂行に著しい支障のある者などがあります。また,就職禁止事由,つまり,裁判員になっていけない者としては,国会議員,検察官,弁護士,警察官,自衛官,司法書士,自治体の首長などが含まれます。  理由なく裁判員を辞退できないことになっていますが,例外として,70歳以上の者,学校の学生生徒,重い病気や障害,介護や育児で出頭できない者,従事する事業に著しい損害が生じるおそれのある者,5年以内に裁判員または補充員となった者などは,裁判官の許可を得て辞退できるとなっています。私ども地方自治体の議員は,議会開会中だけは辞退することができます。  裁判員の選任方法は,全国に50ある地方裁判所が,毎年,翌年に必要な裁判員候補者の員数を,その管轄区域内の市町村に割り当て,これを,市町村の選挙管理委員会に通知します。通知を受けた選管は,選挙人名簿の中から,くじで裁判員候補者予定者名簿を作成し,地裁へ送付します。  今回の補正予算は,これに関連した費用と考えられます。  先ほど,対象事件は年間約3,600件と述べました。対象事件それぞれに,候補者予定者は100名と言われておりますので,全国で,毎年,約36万人,有権者の実に280人に1人が裁判員候補者予定者として名簿に登載されることになります。地裁は,送付を受けた名簿から,規定に従い,裁判員候補者名簿を作成します。この候補者名簿に記載された者は,翌年1年間,裁判員に選ばれる可能性があるので,その旨が本人に通知され,同時に調査票が送付されることになります。調査票については後で述べます。  具体的な対象事件の第1回公判期日が決まった後,裁判所は,候補者名簿の中から,これもくじで,1件ごとに,50ないし100名を選び,裁判所に出頭する日時などを知らせる呼び出し状を発送します。出頭するのは初公判の日の朝です。裁判所では,検察官,弁護人立ち合いのもとで,裁判長から一人ずつ面接され,欠格事由のある者や不適格な者,辞退する者が除外され,最後に,もう一度,くじで6名の裁判員と1名の裁判員補充員が選ばれます。そして,何とその日の午後から裁判官とともに公判に参加します。今のところ,裁判員,裁判員補充員に選ばれるのは,有権者約4,000人に1人と言われていますが,この確率は年々高くなっていきます。  こうした背景を踏まえて,私なりに問題点を指摘したいと思います。  最初の問題点は,実施しなければならない必然性がないということです。  平成18年12月の読売新聞の調査によると,裁判員をやりたくない人は75%にも上っており,その2年前の前回調査より6ポイントふえています。逆に,やりたいと答えた人は,前回より6ポイント減って20.4%となっています。他の調査も同様であり,知れば知るほどやりたくない結果となっています。やりたくない理由で多いのは,有罪,無罪を的確に判断する自信がない,刑の重さを決める量刑を的確に判断する自信がない,人を裁きたくない,人を裁く自信がないなどで,至極真っ当な感覚だと思われます。  裁判員制度推進論者には,裁判官の判断は非常識だが,国民の判断は常識的で信用できる,国民を裁判に参加させれば,判決に健全な社会常識が反映できるという,根拠のない信念が根底にあります。健全な社会常識とは何でしょうか。義務教育終了だけを資格要件にして,くじで無作為に選ばれた,その場一回限りの素人の判断が,専門的な資格を持ち,何年も訓練と経験を重ねてきた裁判官より常識的であるし,信頼できると言えるのでしょうか。  裁判官の任命コースは,司法試験に合格し,司法修習を終了し,判事補任命後,10年を経て初めて裁判官となれます。そして,裁判官に任命されても,5年未満の者は単独で判決を出すことができません。裁判官に対してさえこれほどの責務を課しています。なぜ素人である裁判員の資格要件は,義務教育卒業程度だけなのでしょうか。これでは,裁判官と対等な議論などできるはずもなく,模擬裁判で見られたように,裁判官の思うところへリードされることになるでしょう。  国民が嫌がっているにもかかわらず,無理やり運用するために,裁判員法には膨大な罰則規定が盛り込まれています。裁判員が,評議の秘密,その他職務上知り得た秘密を漏らしたときは,6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金,この守秘義務は一生続きます。裁判員候補者が調査票に虚偽のことを書いて裁判所に提出したり,裁判員選任手続中の質問に虚偽の陳述をすると50万円以下の罰金です。以下の場合には10万円以下の過料となります。すなわち,呼び出しを受けた裁判員候補者が,裁判員等選任手続期日に正当な理由なく出頭しないとき,裁判員が正当な理由なく宣誓を拒んだとき,裁判員が正当な理由なく,出頭すべき公判期日等に出頭しないときなどです。  過料は罰金と異なり,裁判所だけで判断される一種の制裁であり,刑罰ではないため,前科にはなりません。しかし,落ち度もないのに,勝手に呼び出され,出頭しなければ10万円とは,余りに国民を愚弄した話です。ほかにもさまざまな罰則が設けられています。  職場の宴会でも,自分が裁判員として担当した事件のことはうかつにしゃべられません。ライバルの密告によって罪人となる可能性があるからです。裁判員として経験したことを一生胸に秘めておかねばならず,相当のストレスになります。落ちついて酒も飲めません。裁判員制度は密告社会となる可能性すら秘めています。それに引きかえ,裁判官には守秘義務に関しての罰則がありません。裁判官はもともとプロなので,秘密を暴露することはないとの前提なのでしょう。  昨年2月,テレビ朝日の報道ステーションで,元裁判官が秘密を漏らしました。昭和41年,静岡県清水で起きた4人殺害事件,いわゆる袴田事件で,第一審を担当した当時の静岡地裁の裁判官が,番組の中で次のように語りました。  自分は無罪の心証を持っていたが,裁判官による評決で負けたため,心ならずも死刑判決を書いたと。この告白は社会に衝撃を与えました。こんな法律を国民が望むわけがありません。国民が要望したわけでもないこの制度に必然性があるとは思えません。  2点目の問題は,裁判員制度が日本国憲法に違反する可能性が高いということです。  憲法第18条には,「何人も,いかなる奴隷的拘束も受けない。又,犯罪に因る処罰の場合を除いては,その意に反する苦役に服させられない」とあります。苦役とは苦しい役目と書きます。  ある日突然に裁判所から呼び出され,本来の仕事もできず,長期間拘束され,退屈で理解できない証拠調べをやらされ,悲惨な殺人現場や吐き気を催すような死体の写真を見せられ,見ず知らずの人と議論させられ,評議では自分の意見を述べなければならない。そして,経験したことは,どんなに苦しくても,一生,だれにも話してはならない。話せば,懲役か罰金が待っています。  私の医学部時代の同級生の女性は,解剖実習に耐えられないとして文学部へ移りました。医師を目指した人間ですらこんな実態があります。気の弱い人なら,死体の写真を見せられただけで精神的トラウマになるでしょう。これが苦役でなくて何と言えばいいのでしょうか。  憲法第19条には,「思想及び良心の自由は,これを侵してはならない」と書かれていますが,裁判員法では,被告人を裁きたくない,裁く自信がないという良心に従って,裁判員になることを拒否することは許されておりません。また,憲法第37条第1項には,「すべて刑事事件においては,被告人は,公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する」とうたわれております。刑法には,被告人を守るという面もあります。裁判は,被告人が裁かれると同時に,国家権力である警察,検察が裁かれる場でもあります。裁判員という,裁判官でない者が加わった裁判所は,公平な裁判所と言えるのでしょうか。  被告人の立場から考えると,自分の目の前に9人が壇上に座っている。そのうち3人は,憲法上,正規の裁判官であり,判決に当たって署名もし,その責任を明らかにしている。しかし,残りの6人は裁判官でも何でもなく,ただ,くじで選ばれたおじさんやおばさんであり,判決に当たっても署名することなく,責任も持たない。その6人は一体いかなる理由を持って裁判官と同じ権限を持ち,自分の運命を決めるのか,疑問に感じるのが当然でしょう。  中には法廷に酒を飲んで来る者もあるでしょう。この議場にはいませんが,退屈の余り居眠りする者も出るでしょう。もはや公正な裁判とは言えません。  さらに,憲法第38条には,「何人も,自己に不利益な供述を強要されない」とあります。裁判員法は,ここでも憲法違反の疑いがあります。  ここで,先ほど述べました裁判所からの調査票について言及します。  このままいけば来年5月から実施となるため,年内には候補者予定者となった者にその旨の通知と調査票が郵送されますが,地裁から送られてくる調査票の内容は,今に至るも明らかにされていません。しかし,通り一遍の簡単なものでないことは予想ができます。  私は,アメリカの陪審員候補者に送られる調査票の内容を読みました。氏名,年齢,住所などの基本情報のほかに,職歴,離婚歴,政治活動歴,身内の知的障害者の有無,学歴,宗教,支持政党,障害や病気,死刑に関する考え方などの項目が並んでいます。そして,その項目の中にありとあらゆる質問が並んでいます。プライバシーなどないに等しい内容です。文字どおり素っ裸にされます。国民の司法参加という大義名分のもとに,国民の個人情報を国と裁判所が強制的に手に入れ,毎年,候補者だけで36万人,配偶者の分を含めると,60万人程度の個人情報が蓄積されていきます。  裁判員法は,まさに憲法違反のオンパレードと言えます。  3点目の問題は,手抜き審理が横行し,真理が究明されない可能性があるということです。裁判員をくじで選ぶ以上,こんな人に裁判をやらせて大丈夫だろうかというような人も出てくるでしょう。著しく能力に劣る人やマナーの悪い人もまじるでしょう。先ごろ起こった秋葉原無差別殺人事件の犯人のような人物でさえも選ばれる可能性も否定できません。審理が長引くと,帰宅したいために早く切り上げることもあるでしょう。カープの試合を見に行きたい人もいるでしょう。こうした不満を抑えるために,裁判官は,これまで10回かかっていた審理を数回以内に抑えようとするでしょう。したがって,重大事件の裁判は手抜き裁判になる可能性が大です。  今月17日に死刑に処せられた宮崎勤についての精神鑑定は三者三様でした。このような高度な判断を要する事件を素人が裁けるはずがありません。テレビのワイドショーなどの報道によって思い込みも起こるでしょう。松本サリン事件では,第一通報者の男性がマスコミから犯人扱いされました。昨年,高松で起こった,女児二人とその祖母の殺人事件では,余り見ばえのよくなかった女児たちの父親を犯人と断定した人が私の周りにも大勢いました。こいつには前科があるからだとか,目つきが悪いからとかで有罪にしたり,涙ながらに無罪を訴える被告人の演技や弁護人のさわやかな弁舌によって無罪にしたり,直感による判断が優先され,冤罪や誤審が多発するでしょう。  裁きたくない,裁くことができないと思っても辞退できず,評議では必ず意見を述べなければなりません。そんな嫌々ながら参加する裁判員が真剣に審理するとはとても思えません。自信がないという医者に手術をしてもらう気になるでしょうか。  さらに,裁判員に動員される国民の負担が大き過ぎることも指摘をしておきます。  被告人が自白し,証拠もそろっているような事件なら三日程度の審理で終わるでしょうが,冤罪も含めて否認しているような事件や高度な判断を要する事件では十日以上要するでしょう。そうなると,土日を除いて2週間拘束されます。小規模な事業主なら,納期がおくれたり,発注元からの信用を失ったり,多大な損害をこうむります。とても1日1万円程度の日当では間尺に合いません。また,金にならない刑事事件に,弁護士が他の案件をほうり出して十日間もスケジュールをあけるなど非現実的な話です。そうなるとさらに裁判が長引くことになります。  推進派の本の中には,忙しいという会社員や経営者でも,365日働いているわけではなかろう,自分や家族が裁判員に選ばれたので,それを機会に店を3,4日閉めることも,働き過ぎの日本人にとってはいいことではないだろうかとか,開業医にしても,1年じゅう診療しているわけではあるまい,あらかじめ代診を頼むとか休診にすればよい,そのとき,裁判員任務のため休診しますと張り出しておけば,ゴルフや海外旅行に行ったと思われなくてよいなどと書いてありました。この不景気の中に懸命に働いている方に対して侮辱するような内容でありました。  なぜ,このような大切な法律をつくる前に国民の意見を聞かないのか。なぜ,憲法違反の疑いありと法曹関係者からも指摘されているのに,強引に国民に押しつけるのか。なぜ刑事事件,その中でも,死刑や無期懲役などの重罪に該当する事件だけに絞るのか,裁判員に対するおどしや身の危険はないのか,私にはこうした疑問と不満が募るばかりです。  そこで質問です。  裁判員候補者予定者名簿の提出スケジュール及び提供内容はどのようになっているでしょうか。候補者予定者の選考方法,つまり,くじ引きはどのようになされるのでしょうか。また,本市全体では,候補者予定者の割り当て員数はどれくらいと予想されていますか。さらに,この予算案が否決された場合,その後の手順はどのようになるのでしょうか。  現在,最高裁を初め下級裁判所までがこの裁判員制度の施行に向けて,なりふり構わず広報活動をしています。公表されている平成18年度の裁判員制度に関する広報活動費は,日弁連が2400万円,法務省が3億円,そして,最高裁が,何と13億円を使っています。本来は,行政側である法務省が率先して行うべき広報活動を,なぜ司法側の裁判所が行う必要があるのでしょうか。司法の役割の一つに,国民の基本的人権を守ることがあります。薬害エイズ,薬害肝炎,原爆症認定などの住民訴訟では国が敗訴しました。今なら,司法は,行政からの独立を保っています。司法は,政党が支配する国会や内閣という政治の世界とは一線を画し,独自の観点から国民の人権を守ることに存在意義があります。だからこそ,司法が民主化し過ぎることの危険があるのです。  今回のように,裁判所が行政の先棒を担いで制度推進の広報活動を行うことに,私は司法権の独立の危機を感じています。  この制度が導入されると,時を経ずして,各地で裁判員法が憲法違反であるとの住民訴訟が起こるでしょう。そのとき,この制度を先頭に立って推進してきた最高裁に,みずからの行動を否定することになる違憲判決が出せるでしょうか。私には,憲法の番人であるべき最高裁が,みずからその役割を放棄しているようとしか思えません。  裁判員法の附則には,施行後3年,つまり,今から4年後に制度を見直すと書かれています。私は,見直しを前にして国民の不満の声が爆発し,廃止を求める意見が続出すると予想しています。  以上,述べたように,裁判員制度は,日本国民,そして,我が広島市民に多大な精神的・肉体的・経済的ダメージを与えます。私は,言論の府に身を置く者として,今,この制度の不備を指摘し,唯々諾々としてこの制度を認めるのではないことを議事録に残したいがためにこの場に登壇しました。  御清聴ありがとうございます。(拍手) ○藤田博之 議長       選挙管理委員会事務局長。 ◎三浦泰明 選挙管理委員会事務局長  裁判員制度についての御質問に順次お答えいたします。  裁判員は,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の規定によりまして,衆議院議員の選挙権を有する者の中から選任することとされておりまして,市町村の選挙管理委員会が地方裁判所に,裁判員候補者予定者名簿を送付し,これに基づき,地方裁判所が裁判員を選任することになっております。  名簿送付までのスケジュールといたしましては,毎年9月1日までに,地方裁判所が,次の年に必要な裁判員候補者の割り当て員数を,管轄区域内の市町村の選挙管理委員会,広島の場合は区の選挙管理委員会でございますけれども,この委員会に通知してまいります。  これに基づき,市町村の選挙管理委員会は,選挙人名簿に登録されている者の中から,割り当てられた員数の者を,裁判員候補者予定者としてくじで選定し,氏名,住所及び生年月日を記載した名簿に,本籍地の情報を加えたものを,毎年10月15日までに地方裁判所に送付することとなっております。  次に,裁判員候補者予定者のくじによる選定方法といたしましては,本市におきましては,各区の選挙管理委員会が選挙人名簿の中から割り当て員数の者を,コンピューターを使って無作為抽出することにしております。  次に,広島地方裁判所が最近試算した,広島分の裁判員候補者予定者の割り当て員数は,8区全体で約2,500人とされております。ちなみに,この人数は,全市約92万人の選挙人名簿登録者数の約0.27%,人数にいたしますと約370人に1人の割合でございます。  最後に,補正予算案が否決された場合の対応でございますけれども,裁判員候補者予定者名簿の調製は,法律の規定に基づき,市町村の選挙管理委員会に義務づけられております。このため,仮に補正予算案が否決され,電算処理システムの改修ができなくなった場合,裁判所に送付する割り当て員数分の名簿の調製を,毎年,手作業で行う必要が生じてまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       沖宗議員。 ◆33番(沖宗正明議員) 質問の割に簡潔な答弁ありがとうございました。  これは国の制度ですので,当局としてはそれ以上踏み込んだ答弁はできないと思います。  私,先ほど申し上げなかったんですが,これほど重大な問題でありながら,また,憲法違反とか,いろいろダメージを与えるとかありますが,これだけの問題でありながら,最近,マスコミがほとんど報道しない,これがちょっと心配なんです。どうも見えない力が上から働いているのかなという嫌な予感がしています。  昨日,たまたま読んだ本の中に,2006年度に国境なき記者団が発表した,世界168カ国における報道の自由度ランキングというのがあるそうです。日本は第51位になっております。168カ国のうち,報道の自由度は第51位。その前の2005年には37位だったそうです。14位転落して51位。イスラエルでさえ50位に位置しています。イスラエルより報道の自由が低いという評価しか受けていないということです。  どうもこれ,今,嫌な方向に行ってるのではないかという気がしてならないんです。これが杞憂であればいいんですけれども,そういうことで,来年5月,恐らくというより,まず,裁判員制度,導入されるでしょうけど,私は,地方議会の議員として,果たせるだけの責務を果たしていきたいと思っております。  以上です。 ○藤田博之 議長       次に,11番藤井敏子議員。                〔11番藤井敏子議員登壇〕(拍手) ◆11番(藤井敏子議員) お疲れさまです。日本共産党の藤井敏子です。会派を代表して議案の質疑を行います。  初めに,第68号議案,平成20年度広島一般会計補正予算案について伺います。  最初に,特別支援学校建てかえ整備についてですが,特別支援学校の建てかえ計画は,建設用地が決まらず,2回も予算を流した経緯があります。今回,出島埋立地を建設用地とし,開校は平成24年度とするということですが,平成17年10月の基本構想での開校予定は平成22年となっており,2年もおくれています。保護者も議会も一刻も早い開校を希望しています。  平成24年,一斉開校というのではなく,小学部,中学部だけの部分開校で,1年でも半年でも早く開校することはできないのか伺います。  また,現特別支援学校は,雨漏りや壁のひび割れなど至るところに老朽化が進んでいます。今後4年間,どう対応されるのか。生徒数が増加し,現施設は限界状態も続き,年々深刻になっています。必要な修繕費はきちんと確保されるのかどうか伺います。  また,特別支援学校の建てかえに当たっては,保護者からは,分離新設の強い要望が出ていますが,このことについてはどのように受けとめておられるのか伺います。  今後も高等部入学の希望がふえていくと思われます。義務教育をできるだけ近くで受けたいという保護者や子供たちの願いにこたえ,通学の負担を少しでも減らすためにも1校集中はできるだけ避けるべきです。将来にわたって大規模校で対応し続けるつもりかお答えください。  そして,次に,新しい教育の推進の一つである,文部科学省からの委託事業,全国学力・学習状況調査を活用した学校改善推進事業について伺います。  これまで,我が党は,全国一斉学力テストは選別と競争教育に一層拍車をかけるなど,人格の形成を目的とした教育に反すると問題点を指摘し,国に中止を求めてきました。今回の事業は,全国学力・学習状況調査の結果から得られた課題を踏まえ,その改善に向けた具体的な取り組みに関する実践的な研究を行うということですが,この委託事業に,広島から率先して手を挙げられたのか。また,指定になった学校では,具体的にどのような取り組みがされるのか伺います。  また,公募によって学校10校を決め,実施するということですが,2学期制導入時の教訓からも,現場の教職員や保護者の合意抜きでこの事業を押しつけられることがあってはならないと考えます。どのようにお考えかお答えください。
     そして,最後になりますが,第72号議案,広島市市税条例の一部改正のうち,公的年金等に係る特別徴収制度を導入する条例について質問します。  内容は,65歳以上の公的年金等受給者について,公的年金から個人住民税額を年金から天引き徴収する条例の改正です。今回の条例改正は,4月30日,国会でガソリン税の暫定税率の復活を決めたとき,同時に成立した地方税法改正に伴うものです。  小泉,安倍内閣の6年間,高齢者は,所得税,住民税の相次ぐ増税に悲鳴を上げています。既に65歳以上の年金から介護保険料が天引きされ,4月から,後期高齢者医療制度の保険料の天引きが始まり,この10月からは,国保料が天引きされます。高齢者世帯の6割が年金収入のみ,しかも,わずか月1万5000円の年金からも強制的に天引きすることが本当に許されるのでしょうか。市民の生活実態を見ないで,税金を年金から先取りするやり方は,納付相談などする余地もなくなり,健康で文化的な最低限度の生活を保障する憲法第25条に違反しかねないものであり,市民の暮らしを守るべき行政のすることではありません。  伺いますが,来年から住民税が年金から天引きされる人は何人か。また,年金収入200万円,単身で,介護保険料,国保料,住民税,合わせて幾ら天引きされるのか。住民税など払いたくても払えない世帯に対して,現在,納付相談を受けていると思うけれども,天引きが始まったら,納付相談や減免申請権を奪うことにならないか伺います。  また,社会保険庁は2年後に解体,民間法人に移管されます。となると,民間に徴税を任せることになるわけですが,このことについてはどう思われるのか伺います。  以上で質問を終わります。(拍手) ○藤田博之 議長       財政局長。 ◎佐伯克彦 財政局長     税条例の一部改正に伴います4点の質問にお答え申し上げます。  まず,天引きされる人数ですが,来年度,年金からの・県民税の特別徴収を行うこととなる者についての数は,現時点では不明でございますが,平成19年度,2007年度分の課税実績で申し上げますと約6万6000人となります。  次に,試算でございますが,65歳以上の単身者で,公的年金収入が200万円の場合,基礎控除及び社会保険料控除のほかに所得控除がないとして試算しまして,平成20年度,2008年度の額につきましては,介護保険料では約6万6000円,国民健康保険料が約7万6500円,・県民税は約3万5800円となり,合計額で約17万8300円となります。  次に,納付相談等についてでございますが,年度の中途において生活保護等の扶助を受けるようになった方や,災害により被害を受けた方々につきましては,税条例等の規定に基づきまして・県民税の減免を受けられる制度がございます。そうした場合には,年金から特別徴収されている方でも,区役所課税課あるいは本庁市民税課等に御相談いただき,減免の適用が受けられる場合は申請書を提出していただいて,減免の処理を行います。これは普通徴収の方と同様でございます。  最後に,社会保険庁の解体の関係ですが,公的年金等に係る住民税の特別徴収に当たっては,地方税法において,公的年金等の支払いを行う者,すなわち,社会保険庁,地方公務員共済組合等を特別徴収義務者とすることとされております。このうち,社会保険庁につきましては,平成22年,2010年1月に廃止されることになっておりますが,日本年金機構法などにおきまして,公的年金の保険料の徴収,年金の支払い等につきましては,国が財政責任,管理運営責任を担うこととする一方,国の監督のもとで,事務の委託により,日本年金機構が行うことになっております。  こうしたことから,住民税の特別徴収の業務が,社会保険庁から日本年金機構に移行されたとしても,この業務は,これまでと同様,国の責任において行われるものであり,その点では変わりがないと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      第68号議案の,まず,特別支援学校についてでございますが,この建てかえ規模は,国の整備基準により試算しますと,通常の小中学校の約2倍を超える規模となりますことから,この建設工事は,造成工事も含めて約2カ年を要すると考えております。  また,これに先立ちます設計においても,規模の点に加え,障害がある児童生徒の学習,生活の場として,一人一人のニーズに応じた支援が行き届くよう,十分配慮する必要があるため,基本設計を策定した上で実施設計を行う必要があり,これらに事務手続を含めて,約2年を要することから,開校までに少なくとも4年間は必要と考えております。  こうしたことから,できるだけ早く事業に着手したいと考え,このたび,基本・実施設計等に必要となる予算を提案したものでございます。  続きまして,開校までの対応ですが,現校舎の維持補修につきましては,これまでも,児童生徒等の安全を第一に適切に対応してきており,今後もこれに必要な予算の確保に努めてまいります。  また,学級増の対応として,教室不足には,前年度策定の児童生徒数推計により,学校と協議の上,特別教室の転用等により対応したいと考えております。  分離新設でございますが,平成24年度,2012年度,移転開校を目指している特別支援学校について,平成17年,2005年10月に策定しました広島養護学校の建てかえに係る基本構想等を踏まえ,小学部,中学部,高等部の12年間を見通した教育課程を編成し,児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた指導や支援を継続して行うことにしています。  また,小・中学部の児童生徒数は100人前後で推移するものと推計しており,仮に,平成20年度,2008年度の小学部の児童数を半分にした場合,1学級の児童数は3人程度となり,集団として望ましい教育活動を展開することが難しくなることから,分離新設ではなく,1校の整備が適切であると考えています。  なお,高等部の生徒数につきましては,開校までは増加傾向にありますが,その後は緩やかに減少に転じるものと推計しており,移転後の施設で対応が可能であると考えております。  続きまして,全国学力・学習状況調査の学校改善推進事業でございますが,この事業は,平成19年度,2007年度,すべての都道府県,政令指定都市は,文部科学省の委託を受けて,検証改善委員会を設置し,全国学力・学習状況調査の結果を活用して必要な分析等を行い,学力向上や学校改善に向けた具体的方策を提言として取りまとめました。  本事業は,この提言に基づいて実践研究を進め,その成果を普及し,授業改善を中心に,学校教育の一層の充実を図ることを目的として,すべての都道府県,政令指定都市を対象に実施するものであります。  本市では,すべての小中学校において,全国学力・学習状況調査をもとに策定した自校の改善計画や検証改善委員会の提言を踏まえて取り組みを進めていますが,今後より一層の授業改善を図るため,本事業を活用していきたいと考えています。  指定校におきましては,各学校の児童生徒の実態を踏まえ,思考力,判断力,表現力を育成する指導方法や,教師の指導力の向上を図るための効果的な校内研修のあり方などを研究テーマとし,大学教授による継続的な指導,助言を受けながら実践研究を行います。この事業は,公募により実施することにしておりまして,本事業への応募につきましては,児童生徒の実態や教職員の意見を踏まえて,校長が総合的に判断するものと考えています。  また,保護者や地域に対しましては,各学校が実践研究の目的や取り組み状況等について,学年・学級懇談会や学校協力者会議等で説明するとともに,学校だよりやホームページなどを活用して広く情報提供を行ってまいります。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       藤井議員。 ◆11番(藤井敏子議員) 早く言われましたので,なかなかちょっと聞き取れなかったんですけれども,御答弁ありがとうございます。  特別支援学校については,保護者も,関係者の皆さん,一日でもまた早くという思いが大変強いと思いますので,この点,これまで,小中だけでも先に建てていくという方向など本気で検討されたのか,その1点だけお聞きいたします。  そして,二つ目は,特に,住民税の天引きについてですけれども,これは,先ほど母谷議員も言われましたけれども,本当に全国市長会議の要望で出されたというのも聞いていますが,そういう意味では,取る側の都合で天引きされるわけです。そういう意味で,本当にやりくり,本当に日々のやりくりで,もうほんとに低所得な高齢者の方にとっては,国保料も引かれて,もう融通がきかないというのはほんと深刻な影響を与えると思うんです。  そういう意味でも,区役所などの窓口の対応が本当に大変重要になってくると思うんですけれども,今こういうことをして,本当に,今まで以上に,より親切な納付相談対応が本当にできると言えるのかどうか,この1点だけ伺います。 ○藤田博之 議長       財政局長。 ◎佐伯克彦 財政局長     御指摘の点を踏まえまして,きっちりと対応していきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      部分開校についてでございますが,議員も御存じのように,普通教室は各学部専用となっておりますけれども,いわゆる水治訓練室や機能訓練室,生活指導室,音楽室,コンピューター等もろもろ,特別教室というのは共用になっておりますので,いわゆる小学部や中学部,高等部,部分開校というのは困難であるというふうに考えております。 ○藤田博之 議長       以上で質疑を終結いたします。  ただいま上程中の諸議案は,お手元に配付しております議案付託表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託をいたします。 ─────────────────────────────────────── △日程第3 第80号議案 公の施設の指定管理者の指定について             (広島安佐南区地域福祉センター) ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       次は,日程第3,第80号議案,公の施設の指定管理者の指定について,広島安佐南区地域福祉センターを議題といたします。  これより質疑に入ります。  本件については質疑の通告がありませんので,これをもって質疑を終結いたします。  ただいま上程中の議案は,お手元に配付してあります議案付託表のとおり,厚生委員会に付託をいたします。 ───────────────────────────────────────              休  会  に  つ  い  て ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       この際,休会についてお諮りいたします。  明日及び明後日は,常任委員会審査のため,休会にいたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○藤田博之 議長       異議なしと認め,さよう決定いたしました。 ───────────────────────────────────────              次 会 の 開 議 通 知 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       この際,御通知申し上げます。  26日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              散   会   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       本日は,これをもって散会いたします。  御苦労さんでした。                 午後2時51分散会 ─────────────────────────────────────── △(参照1)  各常任委員会議案付託表 ┌───────────────────────────────────────┐ │          審     査     日     程          │ ├────────────┬────────┬────────┬────────┤ │          場所│ 第     1 │ 第     3 │ 全     員 │ │ 月 日        │        │        │        │ │ (曜日)   時間   │ 委 員 会 室 │ 委 員 会 室 │ 協 議 会 室 │ ├──────┬─────┼────────┼────────┼────────┤ │6月24日(火)│午前10時│ 文     教 │ 経 済 環 境 │ 建     設 │ ├──────┼─────┼────────┼────────┼────────┤ │6月25日(水)│午前10時│ 消     防 │ 厚     生 │ 総     務 │ │      │     │ 上 下 水 道 │        │        │ └──────┴─────┴────────┴────────┴────────┘              平成20年第2回              広島市議会定例会                   総 務 委 員 会  1 第68号議案 平成20年度広島一般会計補正予算(第1号)中     第1条第1項     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳入全部      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐
            │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  2  総  務  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘     第2条 第2表 債務負担行為補正のうち      追加中         ┌──────────────────────────┐         │       事           項       │         ├──────────────────────────┤         │広島南区スポーツセンター出島屋内プール管理    │         └──────────────────────────┘  2 第71号議案 広島吏員退隠料,退職給与金,遺族扶助料及び死亡給与金条例の一部改正について  3 第72号議案 広島市市税条例の一部改正について  4 第76号議案 町及び字の区域の変更について  5 第78号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島南区スポーツセンター出島屋内プール)  6 第86号議案 専決処分の承認について(広島市市税条例の一部を改正する条例)                消 防 上 下 水 道 委 員 会  1 第75号議案 広島消防団員等公務災害補償条例の一部改正について                   文 教 委 員 会  1 第68号議案 平成20年度広島一般会計補正予算(第1号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  9  教  育  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘     第2条 第2表 債務負担行為補正のうち      追加中         ┌──────────────────────────┐         │       事           項       │         ├──────────────────────────┤         │特別支援学校整備                  │         └──────────────────────────┘                 経 済 環 境 委 員 会  1 第84号議案 財産の取得について                   厚 生 委 員 会  1 第68号議案 平成20年度広島一般会計補正予算(第1号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  3  民  生  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘     第2条 第2表 債務負担行為補正のうち      追加中         ┌──────────────────────────┐         │       事           項       │         ├──────────────────────────┤         │広島安佐南区地域福祉センター管理         │         └──────────────────────────┘  2 第69号議案 平成20年度広島老人保健特別会計補正予算(第1号)  3 第70号議案 平成20年度広島国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)  4 第80号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島安佐南区地域福祉センター)                   建 設 委 員 会  1 第68号議案 平成20年度広島一般会計補正予算(第1号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中         ┌─────────────┬─────────────┐         │      款      │      項      │         ├─────────────┼─────────────┤         │  7  土  木  費  │             │         └─────────────┴─────────────┘  2 第73号議案 広島国民宿舎湯来ロッジ条例の一部改正について  3 第74号議案 広島湯の山温泉館条例の一部改正について  4 第77号議案 公有水面の埋立てに係る埋立地の用途変更に関する意見について  5 第79号議案 公の施設の指定管理者の指定について(新広島市民球場)  6 第81号議案 公の施設の指定管理者の指定について(戸坂百田アパート附設駐車場)  7 第82号議案 市道の路線の廃止について  8 第83号議案 市道の路線の認定について  9 第85号議案 変更契約の締結について △(参照2)  平成20年6月23日 議 員 各 位                             広島市議会議長                              藤 田 博 之
                 請願・陳情の受理について(報告)  下記のとおり請願・陳情を受理し,請願は関係常任委員会に付託したので報告します。                      記 請願 ┌─────┬───────────────┬────┬────┬─────┐ │ 受 理 │  件         名  │受  理│付  託│付託委員会│ │ 番 号 │               │年 月 日│年 月 日│     │ ├─────┼───────────────┼────┼────┼─────┤ │  19  │患者・住民の負担増,高齢者への│20. 6.18│20. 6.18│ 厚  生 │ │     │差別医療につながる「後期高齢者│    │    │     │ │     │医療制度」の廃止等を求めること│    │    │     │ │     │について           │    │    │     │ ├─────┼───────────────┼────┼────┼─────┤ │  20  │中山間地域における中小企業等の│20. 6.19│20. 6.19│ 経済環境 │ │     │振興策を求めることについて  │    │    │     │ └─────┴───────────────┴────┴────┴─────┘ 陳情 ┌─────┬───────────────────────────┬────┐ │ 受 理 │       件         名         │受  理│ │ 番 号 │                           │年 月 日│ ├─────┼───────────────────────────┼────┤ │  35  │義務教育費国庫負担制度を堅持するための意見書提出を求め│20. 6.16│ │     │ることについて                    │    │ ├─────┼───────────────────────────┼────┤ │  36  │教育予算増額と義務教育費国庫負担制の堅持を求める意見書│20. 6.16│ │     │提出を求めることについて               │    │ ├─────┼───────────────────────────┼────┤ │  37  │広島高速5号線二葉山トンネル建設計画に反対することにつ│20. 6.19│ │     │いて                         │    │ └─────┴───────────────────────────┴────┘ ───────────────────────────────────────   議 長   藤  田  博  之   署名者   佐 々 木  壽  吉   署名者   都 志 見  信  夫...