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平成20年第 2回 6月定例会−06月20日-03号

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  1. 広島市議会 2008-06-20
    平成20年第 2回 6月定例会−06月20日-03号


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    平成20年第 2回 6月定例会−06月20日-03号平成20年第 2回 6月定例会         平成20年    広島市議会定例会会議録(第3号)         第 2 回                  広島市議会議事日程                                    平成20年6月20日                                      午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                  会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)
     一般質問(続行し,23日も続行)  次会の開議通知(23日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                 出 席 議 員 氏 名    1番  八 軒 幹 夫            2番  大 野 耕 平    3番  三 宅 正 明            4番  碓 氷 芳 雄    5番  西 田   浩            6番  渡 辺 好 造    7番  馬 庭 恭 子            8番  豊 島 岩 白    9番  清 水 良 三            10番  森 本 真 治    11番  藤 井 敏 子            12番  今 田 良 治    13番  桑 田 恭 子            14番  原   裕 治    15番  米 津 欣 子            16番  星 谷 鉄 正    17番  安 達 千代美            18番  八 條 範 彦    19番  竹 田 康 律            20番  元 田 賢 治    21番  沖   洋 司            22番  松 坂 知 恒    23番  村 上 厚 子            24番  中 原 洋 美    25番  永 田 雅 紀            26番  増 井 克 志    27番  山 田 春 男            28番  橋 本 昭 彦    29番  平 木 典 道            30番  母 谷 龍 典    31番  谷 口   修            32番  宮 本 健 司    33番  沖 宗 正 明            34番  酒 入 忠 昭    35番  田 尾 健 一            36番  太 田 憲 二    37番  若 林 新 三            38番  中 森 辰 一    39番  熊 本 憲 三            40番  佐々木 壽 吉    41番  種 清 和 夫            42番  木 山 徳 和    43番  金 子 和 彦            44番  児 玉 光 禎    45番  碓 井 法 明            46番  平 野 博 昭    47番  月 村 俊 雄            48番  土 井 哲 男    49番  都志見 信 夫            50番  皆 川 恵 史    51番  中 本   弘            52番  木 島   丘    53番  柳 坪   進            54番  藤 田 博 之    55番  海 徳   貢 ───────────────────────────────────────                 欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────            職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    浜 中 典 明       事務局次長   松 村   司  議事課長    重 元 昭 則       議事課主任   立 原   満  議事課主査   浜 井 紀 行       議事課主査   宮 田 武 雄  議事課主査   垣 井 英 孝       外関係職員 ───────────────────────────────────────               説明のため出席した者の職氏名  市長      秋 葉 忠 利       副市長     三 宅 吉 彦  副市長     米 神   健       企画総務局長  南 部 盛 一  企画総務局   湯 浅 敏 郎       財政局長    佐 伯 克 彦  計画担当局長  市民局長    島 本 登 夫       健康福祉局長  三 村 義 雄  こども未来局長 梶 原 伸 之       環境局長    喜多川   寛  環境局エネルギー・             経済局長    重 藤 吉 久  温暖化対策担当局長          亀 井 且 博  都市活性化局長 濱 本 康 男       都市整備局長  片 平   靖  都市整備局指導担当局長           道路交通局長  高 山   茂          山 本 哲 生  下水道局長   田 中 義 則       市立大学事務局長志 賀 賢 治  会計管理者   紙 本 義 則       消防局長    田 村 義 典  水道局長    江 郷 道 生       病院事業局事務局長                                橋 本 恵 次  監査事務局長  藤 岡 賢 司       教育長     岡 本 茂 信  選挙管理委員会 三 浦 泰 明       人事委員会   山 本 正 己  事務局長                  事務局長  代表監査委員  松 井 正 治 ───────────────────────────────────────                  午前10時00分開議                  出席議員  46名                  欠席議員  9名 ○藤田博之 議長       おはようございます。出席議員46名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              会 議 録 署 名 者 の 指 名 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       本日の会議録署名者として               17番 安 達 千代美 議員               18番 八 條 範 彦 議員  を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────              日 程 に 入 る 旨 の 宣 告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       日程第1,昨日に引き続き一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  20番元田賢治議員。                〔20番元田賢治議員登壇〕(拍手) ◆20番(元田賢治議員) おはようございます。  市民市政クラブの元田賢治でございます。会派を代表しまして一般質問をさせていただきます。  その前に,岩手・宮城内陸地震により亡くなられた方々に御冥福をお祈り申し上げますとともに,被災者の皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。  まず,最初に,現球場跡地について質問いたします。  現球場跡地の問題に係る経緯等に関しましては,皆様,もちろんよく承知のことと思いますが,まず,少し振り返ってみたいと思います。  御案内のとおり,広島市民球場は1957年に建設され,広島東洋カープの本拠地として,広島市民,県民に親しまれるとともに,小学生,中学生や高校球児にとりましてもあこがれの球場であります。  しかし,この市民球場も,建設後50年以上が経過して,施設の機能の老朽化が進み,使用しづらい面が出てきておりました。そうした中,プロ野球界再編論議があり,それを契機として,市民,県民等から新球場の機運が盛り上がったのでありました。  その後,建設場所等についてはさまざまな議論がありましたが,最終的には,貨物ヤード跡地への新球場の建設が決定され,そして,現在,その建設に取りかかっているという状況にあります。  これまで,本当に紆余曲折はありましたが,今は,来春の完成を待つばかりということになっているところであります。それに対して,新球場に伴う広島市民球場の跡地利用に関しては,ますます混沌とした様相を呈しているのではないでしょうか。いまだに明確な方針が示されていません。
     広島市は,現球場跡地利用の検討に当たって,1,年間150万人以上を集客目標とした都市機能の導入,2,集客機能となる中心施設が,既存施設の活用も含め,本通りやシャレオ等の回遊性の創出,3,民間の活力とノウハウを十分活用するという基本的な考えのもとに,市民,地域団体,市民団体,民間事業者等から意見や提案を募集し,跡地利用検討会議において,跡地利用の方向性を取りまとめ,26件の民間事業者の提案の中から,11件を選定し,その選定された11件の提案者を対象に,広島市民球場跡地事業計画案及び事業予定者応募要項に基づき事業計画案を募集されています。  そして,広島市民球場跡地事業計画案及び事業予定者選考委員会において,応募のあった6件の中から,最終選考の対象として3件を選考した上で,最終的に,優秀案として,「平和祈念堂」,「水な都Mother's Stage」の2案を選んでいます。しかし,実際に現球場のある場所は,公園区域内であることから,都市公園法により,設置できる施設は制限されています。このため,応募要項においても,施設計画に関する条件として,施設を建設する場合には,都市公園法上の公園施設に限るとしているのであります。  これでは,年間150万以上集客でありますとか,地元商店街やシャレオの活性化の面から考えますと,不安を持たれ,元気のある都心部になるのかと危惧されるのはもっともであると言えます。また,広島商工会議所は,商工会議所ビルの移転を視野に入れた計画案を提示するとされておりますが,都市公園法の規制があるままでは,目新しい提案も期待できないのではないかと懸念しているところであります。  もし,市長が本気でこの跡地利用を考えられているのであれば,都市公園法の規制を撤廃するような方策を考えるべきではないかと思います。  例えば,中央公園の現球場周辺部分は,約11.2ヘクタールで,平和記念公園が約12.2ヘクタールと,ほぼ同規模の面積でありますことから,これを交換し,平和記念公園は国有地の公園として,また,現球場周辺部分は都市公園から外して,単なる市有地とすれば,自由な発想による提案ができるのではないかと思います。  そういった思い切った取り組みをしなければ,市民,経済界等の期待に沿った有効活用はできないと考えますが,いかがでしょうか,市長の考えをお伺いいたします。  また,先ほど申し上げましたように,広島商工会議所は,商工会議所ビルの移転を視野に入れた提案を考えられているようですが,その場合,隣のPL教団に関して,市としてどのように対応されるのでしょうか,あわせて考えをお聞かせください。  次に,平和行政について質問いたします。  広島市の平和行政として,まず,私たちの頭に浮かんでくるのが,平素,広島平和記念式典と呼んでいます,広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式ではないかと思います。その始まりは,昭和22年にさかのぼり,広島市,広島商工会議所広島観光協会が発起人となり,広島平和協会の主催で開催された広島平和祭で,当時の濱井信三広島市長が平和宣言を行っています。その後,昭和27年以降は,広島市が単独で主催し,とり行われ,昭和29年には,旧中島地区に開設された平和記念公園で行われ,現在に至っております。  また,式典では,原爆を投下したアメリカに対する反米感情よりも,むしろ恩讐を越えた,世界の恒久平和への希求であり,破壊のための核兵器使用の危険性がある以上,核兵器の存在を認めず,廃絶を求めることは,世界最初の被爆地としての責務であると歴代の広島市長は平和宣言の中で訴えられており,平和祭時代から,また,広島市単独開催となった昭和27年からも,総理大臣を初めとして衆参両院議長,厚生大臣──現在の厚生労働大臣を,さらに,昭和52年から国連関係者,昭和62年から姉妹都市,平成10年から核保有国,平成15年には北朝鮮,平成17年には核軍縮推進国,平成18年には各国大使館も招聘されるなど,今や,広島市だけの平和記念式典ではなく,日本の,また,全世界の式典になってきていると思います。  こうした状況を踏まえますと,広島市として,国と連携した平和記念式典の開催も考えられるのではないかと思うのですが,どのようにお考えでしょうか。  さらに,先ほど提案しましたように,国有地としての平和記念公園になりますと,国との連携もより強固なものになるのではないかと考えますが,いかがでしょうか。  また,市長が平和行政として熱心に取り組んでおられる中に,平和市長会議への加盟要請というものがあります。これは,皆様も御承知のとおり,昭和57年に,広島,長崎両市長の呼びかけで発足した,世界平和連帯都市市長会議が前身で,平成13年8月に,今の平和市長会議に名称変更されたものであります。また,その会長は広島市長が務めており,核兵器廃絶を求める国際世論を喚起し,世界平和実現を目指すもので,その総会は4年に一回,広島市,長崎市で開催されているとのことであります。  さらに,加盟都市数としては,秋葉市長が初当選された平成11年には,海外の国,地域の参加で471都市でありましたものが,市長が海外出張をされるたびに,平和市長会議の会長を務めているということで,加盟要請と活動強化を訴えなどをされてこられた結果,現在では2,277都市まで増加していることについては,市長の海外出張の実績と評価できます。  しかし,一方で,国内に目を向けますと,現在,県外については,長崎市も含めて123都市,県内では,広島市を含めて16都市の計139の都市が加盟されているようでありますが,国内の都市の平和市長会議への加盟要請については,これまでの経緯もあり,まだ緒についたばかりであると認識しております。  今後,強力に平和市長会議への取り組みを推進していく上でも,更なる加盟促進を図る取り組みが必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか。  また,平和市長会議の価値は,加盟都市数の多寡ではなく,実効性ある活動をどれだけしていくかにあると考えます。さらに,今後,市長の海外出張等により,その加盟都市数は増加することが予想されますが,それに伴って,会議自体の運営は,経費面も含めて難しくなってきているのではないか。また,4年に一回の総会の開催で,都市間の意思疎通と連携を十分図ることができるかといったことが危惧されているところであります。  このことについてどのように対応されていく考えか聞かせていただければと思います。  また,市長は,2020ビジョン──核兵器の廃絶のための緊急行動を展開するなど,世界平和の実現に向け努力されております。その姿勢自体,否定するものではありません。しかし,核兵器廃絶を実現するためには,平和市長会議を通しても,また,広島市長として訴えても限界があるのではないかと考えますし,国との連携も視野に入れなければならないのではないかと思っておりますが,いかがでしょうか,市当局のお考えを聞かせてください。  次に,広島都市圏について質問いたします。  以前,中国新聞社が,広島都市圏の進路と題して,中枢都市広島の将来像を探る特集記事を連載されていました。その中では,経済界や市民団体のトップの方々がさまざまな角度から提言され,意見を述べておられました。  我が国を取り巻く社会経済状況は,今後ますます厳しくなっていくことが予想される中で,まちづくりを確実に進めていくためには,将来を見据えた施策を推進していかなければなりません。そうした今後の広島市のまちづくりの方向性を考えていく上で,今回の中国新聞の企画は時期を得たものであると考えますし,掲載されておりました意見等は,それぞれ大変参考になるものであったと思われます。  そうした意見等も踏まえながら,私なりに,今後の広島市のまちづくりについて考えてみますと,まず,現状の認識としましては,団塊世代の大量退職が始まり,本格的な少子高齢化が進む中で,広島市は医療機関が充実しているとともに,車要らずの利便性等もあり,また,都市回帰の動きに加え,国が推進しているコンパクトシティと連動して,広島駅新幹線口地区や広島駅南口地区,現球場跡地利用,さらに,宇品港内港地区等,市中心部の再開発が相次いで動き始めているといった状況であります。さらに,官公庁,企業の本店・支店や百貨店,美術館等,主な機能,施設が集積したコンパクトシティで,日常生活に必要なものが身近でそろい,また,市中心部へのアクセスが確保され,安全・安心な暮らしができる,住みやすいまちだと思っておりますが,今後の地方分権の推進を踏まえますと,都市づくりの枠組みとして,さらなる取り組みが必要ではないかと考えております。  せんだって,国の地方分権改革推進委員会が,地方への権限移譲を求める第一次勧告をまとめておられます。この動きは,国から都道府県,そして,市町村へ権限を移し,さらに道州制をというゴールを想定されたものだと思いますし,さらに,道州制の導入を検討しています政府の道州制ビジョン懇談会も,3月には制度改革の方向を盛り込んだ中間報告を提出されていることを考えますと,今後,この道州制の導入を踏まえたまちづくりを進めていくことが必要であると考えております。  そのためには,これまで以上に,高度医療や文化,娯楽,高等教育,研究,産業支援など高度な機能を整備し,中枢性を高めることはもちろんのこと,さらに,都市圏づくりの観点からも施策を充実していかなければならないと思っています。  そこで,まず,都市圏というものを考えてみますと,通常,中心都市への集中型から,周辺部への人口分散発展型,その後,中心都市の人口減少ドーナツ型,そして,中心都市周辺部とも人口減少衰退型,さらに,中心都市への人口再増加集中型という過程を繰り返していることになっており,中心都市が経済的・社会的な結びつきが強い地域である周辺部から,通勤・通学,買い物,通院など,日常生活の範囲による人の流れをどの程度呼び込んでいるかが,都市圏の実力を示す目安の一つであると言われております。  このことを安芸郡4町で考えてみますと,まず,府中町は人口5万732人で,広島市への流入人口は1万3824人,広島市からの流入人口は1万3254人となっております。また,海田町では,人口2万9137人で,広島市への流入は6,760人で,広島市からの流入は6,821人,熊野町は人口2万5103人で,広島市への流入が3,624人,広島市からの流入は839人。そして,坂町は人口1万2399人で,広島市への流入が2,550人,広島市からの流入が3,333人となっております。  このように見ますと,安芸郡4町は,広島市と大変結びつきが強い地域になっていると考えるわけでありますが,この現状を,市当局としてどのように考えているのかお伺いします。  私は,今後の広島市のまちづくりを考えますと,この安芸郡4町との合併は不可欠であると考えます。広島市も,合併に関しては,近年の地方分権の進展に伴い,住民に身近な総合的行政サービスを提供する市町村の役割は,ますます重要になっていることや,住民の日常生活の拡大に伴う行政サービスの広域化など,単独の市町村では解決できない,高度多様化する新たな行政課題に的確に対応していくためには,市町村の体制整備を図ることが急務であることから,一体的な都市づくりのため,合併に向けた取り組みが必要であると考えていますが,今後,安芸郡4町との合併をどのように進められていく考えでしょうか。あわせて考えを聞かせてください。  私は,こうした日常生活圏における都市の枠組みの構築とともに,より重要であると考えているのは,より広範囲な都市との連携であります。  広島市の東隣には東広島市があります。この東広島市は,人口18万4430人でありますが,周辺人口3万657人を含めた都市圏総人口は21万5087人になっております。1984年には,広島中央テクノポリスとして指定された後,NEC,シャープ,エルピーダメモリなど,ハイテク企業が進出したほか,広島大学は,医学部,歯学部を除く全学部,近畿大学も,工学部を同市に移転したり,企業や大学,研究機関の集積が着実に進んでいるほか,国内最大のバイオマス,生物資源エネルギー研究機関である産業技術総合研究所中国センター広島サイエンスパークに移転し,広島大学や国際協力機構── JICAなどと連携し,循環バイオテクノロジー分野でアジアの拠点を目指すなど,急速に発展している地域であります。  また,西には,廿日市市が,平成17年11月3日に,大野町及び宮島町と合併をし,人口12万人の市としてスタートしております。  この廿日市市は,合併後の新たなまちづくりとして,世界遺産宮島を核とした観光振興を重要施策と位置づけ,平成20年は,宮島に300万人の観光客を,平成21年には,市域全体で560万人の観光客を目標に,宮島及び市全域の観光振興に取り組んでおられます。  さらに,南には,江田島市が,平成16年11月1日に,江田島町,能美町,沖美町,そして,大柿町の4町の合併により誕生しております。  江田島市では,自然との共生,都市との交流により,海生交流都市を目指しておりますし,また,北には,安芸高田市が,平成16年3月1日に,旧高田郡6町の新設合併により誕生し,約3万人の市としてスタートしており,広島市に隣接した,交通条件もよいという立地条件を有効に活用し,連携や交流で地域振興を発揮されようとしているところであります。  こうした都市との連携を図ることが,広島市の中枢性の向上につながるのではないかと考えておりますが,いかがでしょうか。市当局の考えを聞かせてください。  いずれにしましても,冒頭申し上げましたように,時代は道州制導入へと進んでいるように思われます。その際には,自他ともに州都と認めるまちづくりを今から進めていくことが必要であると思います。ぜひとも,そうした観点で,これからのまちづくりを進めていく必要があると思いますが,考えを聞かせてください。  最後に,マツダ本社誘致について質問いたします。  広島市には,本社所在地を市内にしている企業として,中国電力,広島銀行,広島電鉄,広島ガス,中国新聞社,中国放送,イズミ,福屋といった企業等があります。しかし,広島経済に大変大きな影響を持っているマツダ株式会社については,本社は安芸郡府中町になっているのであります。もともと,マツダ株式会社は,大正9年1月に,東洋コルク工業株式会社として広島市に創設されました。それが,昭和2年9月に,東洋工業に社名変更をされ,昭和25年から26年に,本社を現在の府中町に移転し,現在に至っているのであります。また,マツダ株式会社の所有している土地の面積は,広島市域が213万平方メートルで,府中町域はわずか19万平方メートルにすぎません。さらに,購買取引社数は,平成20年3月31日現在で,1,046社のうち,広島市内の企業が100社で,府中町内の企業が11社,その他の地域が935社となっております。  また,派遣等を除く直接雇用社員は,平成20年4月1日現在で2万2732人となっておりますが,そのうち,広島市内に在住されている方が9,865人,府中町に在住されている方が1,625人で,その他が1万1243人となっております。つまり,経済面だけでなく,民生部門も含めて,府中町より広島市の方が関係は深いと言えるのではないでしょうか。  広島市では,さまざまな企業の立地誘導策に取り組まれています。例えば,企業立地促進補助事業制度の創設や,西風新都プロモーションセミナーの開催といったことを大変熱心に行われていますが,そうした施策を打ち出す背景として,税の増収はもちろんのこと,本社機能の流出や産業空洞化の防止,新規雇用の創出,関連企業への波及効果等を目的としていると認識しています。  このように,広島市では,さまざまな工夫を凝らして,また,知恵を絞って,企業の誘致,立地誘導に努められています。そこは大変評価していますが,そうした施策だけでなく,まず,広島のマツダとして,海外,国内においても,企業イメージが定着しているマツダ株式会社の本社を広島市へ誘致することを考えるべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。  また,そうした取り組みを,今後,実施しようとされる考えはあるのでしょうか,お答えください。  さらに,マツダだけでなく,広島市と関係の深い企業に対して,広島市への本社誘致を検討されたことがあるのでしょうか,あわせて市当局の考えをお聞かせください。  以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       元田議員の御質問にお答え申し上げます。  平和行政について何点か御質問がございました。その一部について御答弁申し上げます。  核兵器をめぐる現在の国際情勢を見ると,核軍縮のための唯一の国際的枠組みであるNPT体制が崩壊の危機に瀕するなど,危機的状況にあります。一たび核兵器が使用されれば,最も被害を受けるのは都市です。核兵器廃絶に向けた国レベルの交渉が行き詰まりを見せている中,都市は最低限の義務として,また,最も崇高な仕事として,市民の生命,財産を守る努力をしなければなりません。それを自覚した世界の都市が連帯して取り組むことが,核保有国を初めとする各国政府の政策を変え,世界の方向を変えていくことにつながると考えています。  こうした考え方は,世界の都市に浸透しており,本市と長崎市が連帯を呼びかけ組織した平和市長会議は,先ほど,議員にもおっしゃっていただきましたように,現在では2,277都市に拡大するとともに,同市長会議が提唱している2020ビジョン──核兵器廃絶のための緊急行動に基づくさまざまな活動が世界各地で展開されています。今や,都市が平和や環境その他の分野で国際的な取り組みを行うことは世界的な潮流です。さらに,被爆地ヒロシマが先頭に立って行動していくことは,核兵器廃絶に向けた都市のネットワークを拡大していく上で大変重要であると考えております。  本市では,こうした都市連帯の取り組みとともに,日本国政府とも連携して核兵器廃絶に取り組んでいます。  具体的には,本市は,あらゆる機会をとらえて核兵器廃絶に向けた積極的な外交を展開することや,国による原爆展の拡充などを要請しており,こうしたことを受けて,政府においても,毎年継続して,国連総会に核軍縮決議案を提出されるなど,核兵器廃絶に向けた国際世論の喚起に取り組んでいただいております。また,NPT再検討会議準備委員会において,平和市長会議等のNGOがプレゼンテーションを行いますが,この点についてもさまざまな御配慮をいただくなど,海外で活動する際にも政府の協力を得ています。  このように,政府とは緊密な連携を図っており,良好な関係にあると考えています。  今後とも,日本国政府や世界の都市等の連携を一層強化しながら,被爆地ヒロシマの責務として,核兵器廃絶に向けた国際世論の醸成に努めていきます。  次に,平和記念式典についてですが,この式典は,広島で被爆され,亡くなられた多くの犠牲者を追悼するとともに,市民の平和への意志を示そうとする機運が高まり始まったものでございます。また,平和記念式典は,平和を希求するヒロシマの心を世界に発信する大切な機会であり,ヒロシマの心を本市が都市としての立場から発信することに意義があります。  したがって,原爆死没者を慰霊し,将来に向かって恒久平和の実現を誓い,後世に伝えることは,広島市の責務であると考えております。  なお,こうした点を国においても十分理解され,本市の式典開催経費の一部を補助していただいております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○藤田博之 議長       企画総務局計画担当局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局計画担当局長    広島都市圏についての御質問にお答えいたします。  まず,安芸郡4町は広島市と結びつきが強い地域である,この現状をどのように考えているかという御質問でございます。  議員御指摘のとおり,本市に隣接する海田町,府中町,熊野町及び坂町の安芸郡4町は,通勤・通学など日常生活面で本市とつながりが強い地域であると考えております。  行政面でも,広島市,海田町,府中町,熊野町及び坂町で構成する,安芸地区衛生施設管理組合において,し尿の収集,処理等を行っており,また,海田町,熊野町,坂町における消防事務を広島市が受託するなど,行政区域を越えた広域的な行政運営が行われております。また,現在,総務省では,地域情報通信振興施策の一環として,近隣の複数の自治体の業務を標準化し,その運用について,共同でアウトソーシングする取り組みを積極的に進めております。  本市としては,今後,ITの面でも,安芸郡4町との連携を強化していきたいと考えております。  こうしたことから,これらの地域は,本市と一体的発展を図るべき地域であると認識をしております。  次に,安芸郡4町との合併に関する御質問でございます。  本市は,日常生活面で特につながりの強い地域は,一つの行政体として一元的な都市経営と行政サービスを提供することが,地域の発展と住民福祉の向上に寄与するとの観点から,昭和46年,1971年以降,15の町村と合併しましたが,安芸郡4町との合併は実現しておりません。合併は,将来の地域づくりにかかわる重要な問題であり,住民の意向が何よりも大切であると認識しております。それと同時に,さまざまな面で,自治体同士の一体感を醸成することが重要であると考えております。  安芸郡4町との合併については,今後とも,4町の動向を見きわめながら,前向きに対応していきたいと考えております。  それから,周辺の広範囲な都市との連携,また,自他ともに州都と認めるまちづくりについての御質問にお答えいたします。  住民の日常生活や経済活動は,行政単位の枠を超えて大きな広がりを見せており,地域に共通する課題を解決していくためには,既存の行政単位を超えた広域的な取り組みが必要となっております。このため,本市が中心的な役割を果たしている広島・山口両県の13の自治体で構成する広島広域都市圏形成懇談会において,職員の相互派遣や共同研修,また,圏域内のイベント情報誌の発行やホームページの運用,あるいは地産地消推進事業などの各種事業に取り組み,都市圏内の市や町との連携と交流を深めております。  また,広島県や本市を初めとする広島湾域の市や町,経済団体で構成する広島湾ベイエリア・海生都市圏研究協議会において,体験型修学旅行の誘致などを進めるとともに,廿日市市,岩国市などと連携した観光振興の取り組み,また,太田川流域の関係自治体と連携した,水質保全や自然環境保全に向けた取り組みなどを行っております。  今後とも,本市がリーダーシップを発揮し,こうした広域的な取り組みをさらに推進したいと考えております。  また,道州制に関し,本市は,他の指定都市とも共同し,国と都市が直結する都市州を目指すべきであると考えておりますが,都市州が実現する,しないにかかわらず,本市は当然州都になるべき都市でございます。  今後とも,広島広域都市圏の一体的発展と本市の中枢性の向上に向けた諸施策の一層の推進を図るなど,中国地方の中心都市にふさわしい都市づくりを進めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       市民局長。 ◎島本登夫 市民局長     平和行政についての御質問にお答えを申し上げます。  まず,平和市長会議への国内都市の加盟促進についてでございます。  国内自治体の平和市長会議への加盟につきましては,本年2月に,各自治体に対して加盟要請文を発送するとともに,広島県内の自治体には,広島県市長会の場でも加盟要請を行ったほか,平和市長会議や全国市長会のホームページでも広く加盟を呼びかけております。その結果,現時点で,広島,長崎を含む139都市が加盟都市となっております。  今後は,次のような方法で加盟促進を図ってまいりたいと考えております。  まず,全国市長会,指定都市市長会,非核宣言自治体協議会等を通して加盟を要請する。また,複数の市長が集まる会合に対し働きかけを行う。  それから,洞爺湖サミットに向け,平和アピール活動をしている北海道の市町村や明日の神話の設置が決まった渋谷区など,平和活動に熱心な自治体の情報を得て,個別に加盟を要請する。  それから,市長初め職員の出張時には,必ず加盟要請を行う。また,平和クロスセクションが,タクシー運転手や市職員等に配布を計画しておりますポケット版平和データ集を平和市長会議の加盟促進につながる内容とする。  それから,広島を訪れた修学旅行生や引率教員などに,地元に帰って,地元の市長さんに加盟の働きかけを行ってもらうよう,広島での案内者,例えば,ピースボランティアあるいはバスガイド等から働きかける仕組みをつくる。  また,都市を攻撃目標にするなプロジェクト──いわゆるCANTの署名活動の趣意書に,平和市長会議への加盟の働きかけを要請する文言を追加し,署名活動の協力者に加盟の働きかけをお願いするなど,こういったさまざまな方策を講じ,積極的に加盟を要請してまいりたいと考えております。  続いて,平和市長会議の経費面の問題,それから,各都市間の意思疎通の問題についての御質問にお答えします。  近年の加盟都市の急速な増加に伴い,平和市長会議では,組織体制の強化と2020ビジョン──核兵器廃絶のための緊急行動活動展開のさらなる充実のため,加盟都市が多く,活動の活発なヨーロッパ内の理事都市でございますベルギーのイーペル市に,昨年11月,2020ビジョンキャンペーン協会を設立いたしました。あわせて,国別に中心的な役割を果たす都市やNGOとの連携強化を図り,各国での活動強化に努めています。  運営経費の面では,この2020ビジョンキャンペーン協会を中心に,各国の加盟都市や市民,NGO,企業等に幅広く寄附を募っています。既に,ベルギー,オーストリア,カナダ,オランダ,イギリス等の多くの都市から約550万円の寄附が寄せられております。海外の多くの都市では,人口に基準単価,例えば,0.025ユーロを乗じた額を寄附することを議会において議決していただいており,今後とも,こうした手法を加盟都市に周知するなどして寄附金の拠出を呼びかけ,財政基盤の強化に努めてまいります。  加盟都市間の意思疎通につきましては,4年に1回の総会に加え,必要に応じて,随時,役員都市による理事会を開催しています。また,各国,地域で,自主的に国,地域別の平和市長会議加盟都市会議が開催されております。  一方,日常的な情報の交換は主にインターネットを活用して行っています。例えば,平和市長会議事務局は,世界各地での平和に関する会議や活動等についてリアルタイムで情報の提供を受けているほか,加盟都市に対しては,理事会等の開催結果や新たに実施するキャンペーンへの協力要請など,随時生じる重要な情報を加盟都市に一斉に提供するなど,迅速で効率的な意思疎通を図っております。  さらに,日本語及び英語版のホームページや,年2回発行のニューズレターを通じ,同会議の活動内容について,加盟都市に対しきめ細やかな情報提供に努めています。  今後とも,財政基盤の強化と加盟都市間の意思疎通の円滑化に努め,2020ビジョンキャンペーンのさらなる展開を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       経済局長。 ◎重藤吉久 経済局長     マツダ本社誘致についての御質問にお答えさせていただきます。  マツダ株式会社は我が国を代表する自動車メーカーであり,広島の地域経済の発展に中心的な役割を果たしています。  こうした企業が,国際的に知名度の高い広島市に本社を構えることは,物づくりの高い技術力が蓄積した広島市のイメージをより向上させるとともに,マツダ株式会社にとっても,平和都市広島のイメージを通じて,世界じゅうの人々に自社製品をPRすることができるなど大きなメリットがあるものと考えています。  こうした認識のもと,これまでは,府中町との合併により,マツダ株式会社の所在が広島市になることを考えていましたが,合併が実現していない状況の中,今後は,企業誘致の視点からも,同社の本社誘致に取り組んでいきたいと考えています。  次に,広島市と関係が深い企業の本社誘致についてですが,本市としては,本社を含めた新たな事業所の誘致を促進しており,企業立地補助制度において,市外に本社を有する企業が本市に初めて事業所を設置する場合は,税相当額に対する補助金を優遇するなど,市外企業の立地に対してより高いインセンティブを提供し,積極的に誘致活動に取り組んでいます。
     今後とも,企業の集積と雇用の場の創出を通じて,本市の経済の活性化を図るため,積極的に企業誘致活動を行ってまいりたいと考えています。  以上です。 ○藤田博之 議長       都市活性化局長。 ◎濱本康男 都市活性化局長  現球場跡地についての御質問にお答えをいたします。  初めに,平和記念公園と国有地である現球場跡地とを交換し,現球場跡地部分は都市公園から外してはどうかという御提案がございましたが,現球場のある中央公園は,戦後の復興のシンボルとして,都市公園として整備されてきたものでありまして,都心部における貴重な公共空間として,本市の個性と魅力ある都市空間の形成に大きな役割を果たしております。また,平和記念公園は,慰霊と平和希求の象徴的な場として,これも戦後のヒロシマの歴史を刻んできた貴重な空間でございます。こうした公共空間の果たす役割は今後ますます重要になると考えられますことから,現球場跡地の利用計画の策定に当たっては,引き続き,都市公園を前提に検討を進めております。  議員御指摘のように,市民の皆さんや経済界等の要望を踏まえ,跡地利用を検討していく必要があることは十分認識いたしております。都市公園の現行の法制度の枠組みの中でも,公園利用者の利便性に資する飲食や物販などの施設を初め,集客性を持った休養施設や教養施設などの設置は認められておりまして,現在,新たなにぎわいとなる機能を含め,跡地に導入する機能について検討を行っております。  今後,利用計画についての方向性がある程度まとまった段階で,議会や経済界,市民の皆さんから幅広く御意見をお聞きするとともに,2件の優秀案の応募者に対しまして,計画案の修正が可能かどうかについて検討を依頼する予定でございます。  その後,お聞きした御意見や応募者による検討結果を踏まえまして,中国財務局との協議を経て,年内を目途に,市としての跡地利用計画を策定したいと考えております。  次に,PL教団の移転についてでございますが,PL教団の移転につきましては,今後,商工会議所ビルの移転の方向性がまとまった段階で,その結果などを踏まえ,どのように対応するか検討したいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       元田議員。 ◆20番(元田賢治議員) 時間が過ぎておるんですが,まず,平和行政と広島都市圏というのは,やはり主役は市長さんであろうかと思うんです,こういったことを進めていくには。ぜひとも市長さんも,広島県内の都市の市長さんとか町長さんらと,やはりしっかりと意思疎通を図っていただいて,やはり最終的には,道州制が入った場合,どうしても広島が州都ということにまたなろうかと思います。そのためには,そういった動きをまずなってからなるんじゃなくて,なる前からやっぱり動いていくということが一番大事だろうと思いますので,ぜひともそのことを要望しておきます。  それと,マツダ本社の誘致なんですが,実質的には,いろんなことを考えますと,広島のマツダというイメージが一番強いんですよね。ましてや,府中町のマツダとは皆思いません。日本全国行ってから,府中町のマツダ言う人は,府中町の方だけかなと思いますけれども,皆,広島のマツダというイメージが強いと思うんですよね。やはりしっかりとそういったことも考えながら,いろんなとこの,東京から大阪とかですね,企業誘致をしてくるよりは,まず,広島と深い関係の企業の本社をやっぱり移転するという方が一番早いんじゃないかと思います。そこも踏まえて,やはりそうすれば,広島市の活性化にもなろうかと思いますので,ぜひともしっかりとやっていただきたいと思います。  それと,現球場なんですが,やはり公園の規制を撤廃せんと,150万人も集まるようなことはないと思います。それと,地元の商店街とシャレオが,回遊性ができるかということを考えれば,やはり広島市の土地として,自由な発想できる建物ができた方が私はいいと思います。まして,きのうですかね,国際平和機関を広島市に誘致するとかいう話がございます。これは,本当に広島市には国際平和機関というのが少ないと思います。それも一つの方法かもわかりませんけど,最初の目的は150万人を集客する施設ということが前提ですから,それを,こういったような施設も大事かもわかりませんけど,やはり最初の目的から考えれば,公園法というのを撤廃した方が,自由な発想でいろんな方々が提案されるんではなかろうかと思っております。  また,これについて,いろんな委員会で質問させていただきますので,これで終わります。 ○藤田博之 議長       次に,50番皆川恵史議員。                〔50番皆川恵史議員登壇〕(拍手) ◆50番(皆川恵史議員) 日本共産党市会議員団を代表して質問いたします。  まず最初に,ミャンマーの台風被害,中国の大地震,東北地方での大地震で被災された方々に,心からお見舞い申し上げるとともに,一日も早い復旧を願うものであります。  それでは質問に入ります。  まず最初に,公立保育園の民営化についてお尋ねします。  広島市が,この5月に,多くの保護者の反対の声を押し切って,公立保育園を民間移管する方針を決めたことに対して保護者の間で新たな怒りが広がっています。  なぜ今民間移管なのか,改めて,幾つかの点で市長の御見解をお尋ねいたします。  まず第一は,公立保育園に子供を預けている保護者の理解を得ないまま,なぜ民間移管の方針を決めたのかということであります。  市が初めて民間移管の考え方を明らかにしたのは3年前,公の施設への指定管理者制度導入が問題になったときであります。4年ごとに運営主体がかわる指定管理者制度は保育園になじまないという理由で,民間移管の方向が示されました。このとき,移管に当たって三つの条件が示されました。  一つは,広島市の保育園のあり方を取りまとめる,二つは,職員の処遇,そして,三つ目が,保護者の理解を得ること。そして,この三つの条件の整ったところから,順次,移管していくとなっていました。この三つの条件の中で,とりわけ,保護者の理解を得ることということについては,その後の議会答弁でも,市は繰り返し,保護者の理解を得ることは大切だと述べています。ところが,この3年間,市が保護者のところに出向いて,市の考えを説明し,保護者の意見を聞いたことがただの一度でもあったでしょうか。保護者の方からは,きちんとした説明を求める要望書を各園保護者会が提出をいたしましたが,今日に至るまで,それにこたえて,各保育園に出向いて説明をするということは行われておりません。この間の経過について,ある保護者会の役員はこう述べられております。  私たちは,これまで何度も担当課に足を運ぶなどして,方針が示された経過や具体的な中身の説明を求めてきました。初め,広島市は,素案ができたら,皆さんにまずお知らせしますと答えていましたが,あり方検討委員会が設置されたあたりから,民営化該当園の保護者に説明するというように変わりました。あり方検討委員会の設置も事前に説明や相談されることもなく,保護者委員をたった2名,その他の委員も含め,市が選ぶという一方的な内容の手紙が配られました。  このあり方検討委員会は,保育園のあり方について検討するというものではなく,市の方針に対して意見を言うだけという全く権限のない委員会でした。その後も,中間とりまとめ案,意見集約を配布しただけで,あり方検討委員会で何が議論されたのか,保護者はほとんど知らされていません。保護者の意見,声を聴く会の日程は園に掲示されただけ。中間とりまとめ案の手紙を配るのなら,同時に,日程も個々の保護者に配ってほしいと求めて,やっと個別に配布が行われるなど,保護者を当事者と考えているとは思えません。聴く会では,説明を求める意見や民営化しないでほしいという意見ばかりが出され,市民意見に寄せられた意見もほとんどが広島市の案を否定していました。  あり方検討委員会の最終回は,9名中7名が出席,うち2名の委員が民間移管に同意できない態度を表明するなど,検討委員会の合意を得たとはとても言えないものでした。  それに加えて,15万以上の署名や86の保育園の保護者会から,撤回を求める要望書が出されています。こういう状態なのだから,方針は再検討されていいはずと市に尋ねると,担当課は,市民意見の数自体が大半と言えるものではないので,ほとんどの人が反対しているとはとらえていないと言いました。保護者や市民が意見をたくさん出せるような場を設けてほしいとずっと言ってきたのに,それをしなかったのは市です。民営化された他の自治体のことを調べて知らせてほしいと言ったときも,調べてはいるが,自治体間の情報のやりとりに当たるから明らかにできないと言われました。  こんな状態で,どうして保護者が安心して民営化してくださいと言えるでしょうか。長くなりましたが,こういうことをおっしゃっております。  こうした経過を見ると,この問題をめぐって市がとってきた態度には幾つかの重大な問題点が浮かび上がってきています。  その第一は,公立保育園に子供を預けている保護者を,市は利害関係に当たる当事者として認めていないのではないかという問題であります。  1997年に改正された児童福祉法では,保護者は入所申込書を提出して,特定の保育園を利用する契約の申し込みをし,これに対して,市町村は,保育に欠ける乳幼児であるかどうかの事実確認をした上で,その保育園で受け入れる能力がある限りは,市町村は,この利用契約の申し込みに応じなければならないという,保育園利用契約制度となりました。この契約の内容として,保護者には保育園の選択権が認められると,このように厚生省の解説でも述べられております。  とするならば,広島市の保育園のあり方をどうするかという問題は,市民や保護者一般の問題ではありません。公立1万2000人,私立9,000人,合わせて約2万1000人の保護者一人一人と市との契約関係,一人一人の子供の保護者の保育園の選択権にかかわる問題と言わなければなりません。  とりわけ,今回のように,公立保育園89の保育園のどこもが民営化の対象となっているわけですから,保育園における保育環境に大きな変化を生じる可能性がどこでもあるわけです。契約の当事者である市は,民営化の方針を決定する前に,最低限,保育園の選択権を持つすべての保護者に対して十分な説明及び納得を得て行わなければならなかったはずです。  広島市がこれまでとってきた態度は,こうした法の趣旨に照らしても,契約関係の当事者である保護者に対して最低限の義務を果たしてこなかったと言わなければなりません。その上,市の方針に反対する親や会議には,保育園を使わせないと市の担当者が言ったと言いますが,もしこれが事実とすれば本末転倒であります。市長もこのような傲慢な態度をよしと考えておられるのか,市長の見解をお伺いしたいと思います。  これまで市が保護者にとってきた態度は,このように,まさに児童福祉法に違反した行為だと言わなくてはなりません。  そこでお尋ねしますが,まず第一,市内89の保育園のうち,86の保育園の保護者会から方針撤回と説明を求める要望書が提出されています。このことを市はどう受けとめておられるのか,現時点で保護者の理解は得られていると思っておられるのか,お答えください。  2,法の精神に照らしても,保育園の選択権を持っているすべての公立保育園の保護者に,市が直接出向いて説明会を開き,理解を得る努力をするのが最低限の義務であります。その義務を怠り,一方的に市の方針を決定するのは,余りに乱暴で正常なやり方とは思えません。市の方針決定を一たん白紙に戻し,全園での保護者説明会を開くべきではないでしょうか。その意思があるのかどうかお答えください。  3,3年前に,保護者の理解を含む三つの条件が整った園から順次移管するという方針を出されましたが,これは,当時,一つ一つの園の保護者に説明し,理解を得た園からやっていく,このようにだれもが思っておりました。それが,いつの間にか,まず対象園を決めて,そこの保護者の理解を得るというようにすりかえられております。これは多くの保護者をペテンにかけるやり方ではありませんか,答えていただきたい。  百歩譲って,公立保育園の廃止,民間移管について,対象園の保護者の合意が得られなければ,その園の民間移管は強行するべきではない,やめざるを得ないと考えますが,いかがでしょうか。  大きい第2に,私立保育園についてお伺いします。  公立保育園の保護者がなぜ一方的な民間移管に反対するのか。それは,保護者もさまざまな労を経た上で公立の保育園を選んだからであります。その選択を一方的に,乱暴に変えさせることに反発があるのは当然です。市は,公立も私立も同じ法律に基づいて設置され,市が責任を持って同じ保育を行っているから全く心配ない,このように繰り返すばかりであります。しかし,それだけで納得できる保護者は恐らくいないでしょう。はっきり言って,これまで市は,移管する私立保育園の実態について,情報を提供し,理解をしてもらう努力は全くしてこなかったと言わねばなりません。  お尋ねしますが,私立保育園にも広島市として監査を行っておりますが,私立の保育内容,運営などについて,市民に対して公表できておりますか。例えば,保護者の不安で一番大きいのは,若い保育士が多くて,経験不足を補う体制がないのではないかという,私立保育園の保育士の勤続年数の短さについてであります。こうした親の不安に市はどれだけこたえてきましたか。経験も大事だが,若さと情熱も大切だというばかりであります。こんなことで親が納得できるわけがありません。  よく保育の質とは何かということが言われます。子供たちは一人一人全部違います,同じ子供はいません。その一人一人違う子供たちの特性をよく見きわめ,人間としての感情が育つゼロ歳から就学前までのそれぞれの成長・発達の度合いに応じて,一番適切な保育が行われているかどうか。そのために,保育士が安心して保育にかかわれる労働条件がちゃんと保障されているのかどうか。そして,一つの園に,若い保育士,中堅・ベテランの保育士がバランスよく配置されている等の環境がちゃんと保障されているかどうかということではないでしょうか。保護者はこの点をまず考えて保育園を選ぶのであります。  5月の厚生委員会で,公立と私立で,保育士の勤続年数が,一方は20年2カ月,もう一方は4年10カ月と4倍以上も差があるのは異常だと。私立では長く働き続けられる条件がないということではないかという指摘に対して,担当課長はこう答えておられます。公立は公務員なので長く勤める,その結果として長くなっている,保育の質の最大の要素は,保育士が子供との信頼関係をいかに構築するかということ,それには,若くて,むしろ保育への情熱や取り組みが大きな要素であると答えています。しかし,勤続年数4年10カ月と言えば,5年たったら半分の保育士が入れかわっているということです。学校を出て,保育に若い情熱を燃やして入ってきた保育士が5年ともたずに次々とやめている。早い方で2年から3年,長くても7,8年と担当課長も答弁しているほどです。  立派な保育士に育ってもらわなければならないそういう若い保育士がなぜそんなにたくさんやめていくのか。情熱が大切と言いますが,情熱を燃やそうにも,10年以上働いても,年収わずか200万円そこそこの低賃金で,長く働き続けられる条件がない。これが私立保育園が抱えている共通の悩みではないでしょうか。保育の質を言う前に,まず,私立でも保育士が安心して働き続けられ,情熱が燃やせるような労働条件と職場環境をつくることが市のやるべきことではないでしょうか。  なぜ私立の保育士が,平均勤続年数4年10カ月と短いのか。そして,市は,その実態をどう改善していこうと考えておられるのか答えてください。  私立保育園の実態について,これまで必要な情報を開示しようとしてこなかった市の姿勢はまことに問題ありと言わなくてはなりません。  例えば,我が党市議団が,公立,私立の運営費を比較する上で,どうしても必要な保育士の年齢分布ごとの平均勤続年数,正規,非正規の職員数の資料請求をしたことに対して,民間保育園の協力を得ることが難しい,こういう理由でいまだに情報開示をしようとしてはおりません。しかし,児童福祉法及び関係通達ではすべての保育園に情報提供義務を課しています。公私を問わず,保育園は情報を開示することが義務とされ,保護者はこれらの情報を見ながら保育園を選択するわけです。  今,公立の保護者が一番不安に思っているのは,自分たちの子供を預けなくてはならなくなるかもしれない私立の保育現場の環境や運営が,いまだかつて明らかにされたことがないことに対してであります。民営化された関東のある保育園では,企業秘密だと言って,保育現場や園内に,保護者はもちろん自治体職員も立ち入らせないと言います。もしこういうことなら,このような閉鎖的な社会に我が子を安心して託せるでしょうか。ぜひ,私立保育園についての必要な情報を保護者に開示していただきたいが,そのお考えはありませんか,お答えください。  最後に,公立であろうと私立であろうと同じ市民の子供です。その子供を預かる保育園として,同じ水準の保育が保障されなければならないのは言うまでもありません。ところが,今触れましたように,保育の質にとって重要な要素である保育士の待遇という点で,これまで述べたように厳然たる格差があるのは事実です。  我が党市議団は,広島の保育水準をどう高めるかという点で,幾つかの私立保育園と胸襟を開いて懇談をいたしました。そこで共通して出された思いは,私立保育園の運営費に対して,国や市はもっと支援をしてほしいということでした。国の基準費だけでは,幾ら頑張っても,保育士に安定した賃金を保障してあげられない。以前は,保育士一人当たり,月3万3000円の職務奨励費が市から出ておりました,本当に助かりましたと。これも今では削られ,保育士の人件費に充てられる財源は本当に苦しい。それにもかかわらず,市からは無理ばかり言ってくると。こうした私立の経営の厳しさは市はよく知っているはずです。どうしてもっと財政的な支援をしてあげないのでしょうか。私立は少ない予算でもちゃんとやっているから,公立を民営化した方が安くつくと,もしそういうお考えなら,私立で頑張っている人たちの善意と努力の上にあぐらをかくに等しい行政と言わなくてはなりません。  広島のすべての子供たちの保育に,広島市として責任を負うために,私立への手厚い援助を行うべきであります。この点についての市長の見解をお聞きいたします。  公立と私立の違いとして,法律にも書いていない役割分担論まで持ち出して,殊さらに違いを強調するようなことでなく,公立,私立のいいところをともに伸ばしていく,そのための必要な予算はしっかりと確保していくことこそ市長のやるべきことではないでしょうか。  大きい第3として,保育にかかわる財源を,今後どこから確保していくかという問題であります。  これから保育にますますお金がかかることはよくわかります。待機児も解消しなければなりません。老朽化した園舎も建てかえなくてはなりません。問題は,その財源を確保するために,保育の質にかかわる人件費を削っていいのかということであります。効率化と言えば聞こえはいいですが,要は,安い人件費で子育てすることに市が大きく一歩踏み出すことになります。そういう方向に対して,それで本当にいいのかが今問われています。削ってはならないところを削る前に,もっと削るべきところがあるのではないでしょうか。  我が党市議団の調査では,広島市の民生費は,17政令市中,下から4番目と少ないのです。逆に,投資的経費である土木費は上から4番目と多いのです。同じく,公立,私立の保育園に通う子供一人当たりの市の負担額を比べてみましても,広島市は,政令市の中で下から4番目という低さです。市民の税金の配分はどうあるべきかを考えた場合,市民の暮らしや福祉に欠かせない民生費などの義務的経費の確保を最優先し,その上で投資的経費を考えるべきではないでしょうか。財政が厳しいのであれば,まず,この投資的経費を削るのが経費削減の順序というものであります。空港までの所要時間たった7分間短縮する高速道路に何百億円という莫大な税金を投入し,将来世代に大きな負担となりかねない,このような無謀な投資をする一方で,子供たちの保育にかける予算は削減するというのは,市民から見てとても納得できるやり方ではありません。  以上,市長の見解を求めるものであります。  次に,高速道路についてお尋ねします。  これまで,我が党市議団は,高速1号線及び4号線の地盤沈下被害とそれに対する補償問題,災害の危険性がある高速5号線計画の無謀性等について指摘してきましたが,今度は高速3号線でも新たな問題が発生しました。  去る4月28日,高速3号線,出島・吉島間の橋脚工事現場で,T字型橋脚の上部で,型枠にコンクリートを注入する作業中に,型枠を支える支保工が崩落する事故が発生しました。幸い,上に十数人いた作業員は,崩落直前に避難して無事でした。支保工も海に落下したため,けが人も出さずに済みましたが,なぜこのような事故が起こったのか,いまだに原因は解明されておりません。事故を報じたマスコミで,ある大学の工学博士は,設計計算が正しかったのか,また,設計どおりに工事がされていたのか,検証する必要があるとして,建設鋼材の高騰で,請負業者は,単価が上がらなければどこかで穴埋めしなくてはならず,それが設計計算の改ざんにつながるのではないかとも指摘されていました。  質問ですが,事故発生から2カ月たちますが,原因解明の調査はどうなっているのでしょうか。これまで施工してる橋脚の強度等の再調査もこの際すべきだと考えますが,いかがでしょうか。  次に,高速1号線では,これまで,トンネルから,傾斜角45度の影響範囲外とされていた馬木七丁目の民家周辺でも,新たな地盤沈下や異常出水が起こっています。市は,これら新たな異変をつかんでおられるのか,早急に調査・分析し,住民へ説明をするべきだと思いますが,いかがですか。  次に,高速5号線トンネル工事に伴う地下水位の低下によって,二葉山全体で土石流の危険性が高まるということはさきの予算議会で指摘したところですが,その後の調査で,隣接した尾長山でも大量の土砂が砂防堰堤付近に堆積していることが判明し,その北側にある牛田東四丁目松風園団地も建設反対運動に立ち上がりました。これはきょうの中国新聞にも紹介されておりました。  これだけ多くの団地住民が次々反対の声を上げているのですから,高速5号線は一刻も早く中止の決断をすべきであります。  質問ですが,トンネル工事を前提としない調査検討委員会の設置について,県,市,公社のその後の協議はどうなっていますか。地元住民との調整はどうなっているのかお答えください。  最後に,高速道路公社の姿勢についてお尋ねします。  馬木地域の地盤沈下被害対策協議会の申し入れ書の受け取り拒否や補償交渉での対応など,公社の傲慢な態度に地元の不信感はぬぐえず,溝は深まるばかりであります。1号線であれだけ大きな被害を出し,住民に苦痛を与えているにもかかわらず,公社の最高責任者がいまだに被害住民に対して謝罪をしようとしないのは,社会的にも道義上も許せないことです。誠意を持って対応するというのであれば,まず理事長が被害住民に謝罪すべきです。迷惑かけた相手に謝罪することを知らないような理事長には直ちに退陣していただく以外にないと思いますが,市の対応をお聞きします。  後期高齢者医療制度と国保についてお尋ねします。  去る6月4日,厚生労働省が発表した,7割程度の世帯で保険料が減少したとの調査結果に対して,全く実態を反映していないとの批判の声が全国で上がりました。与党が保険料負担の見直しを今検討せざるを得なくなっているのも,厚労省の調査が実態を反映していないことをみずから認めているからにほかなりません。広島県民主医療機関連合会が5月1日から31日まで行った窓口患者への影響調査によると,保険料が高くなった人は52%,年金天引きについては,58%の方が困るのでやめてほしいと答えています。後期高齢者医療制度は,医療費を抑制することを目的に国民を年齢で区別し,家族を分断し,負担増もさることながら,予防,治療,リハビリ,終末期すべてにおいて,75歳以上を差別するものであり,人間の尊厳を奪うものです。だからこそ多くの国民は怒りを爆発させているのです。  参議院本会議で廃止法案が可決されたことは,まさにこの国民の声を反映したものであります。与党が考えているような小手先の見直しではなく,75歳以上を差別するこの制度は一たん廃止をし,改めて,国民的な議論で,真に長寿を喜べる医療制度をつくり上げる以外にありません。  この後期高齢者医療制度との関連で,2点お伺いします。  一つは,この10月から,65歳から74歳の国保料まで,年金からまたまた天引きしようとしています。来年10月からは,住民税も天引きされますが,人の年金から本人の了解も得ずに,何でもかんでも勝手に天引きするやり方は,まさに財産権の侵害であり,許されるものではありません。広島市で天引きの対象となるのは何人くらいおりますか。市としては,このような国保料の天引きは行うべきではないと思いますが,いかがですか。  二つ目は,国保会計から後期高齢者医療への支援金が減ったために,国保料を減額する自治体がふえています。札幌市は,1世帯当たり7,000円の引き下げ,京都市は,低所得世帯,多人数世帯などの国保料を引き下げました。ところが,広島市では,逆に引き上げています。なぜそうなるんでしょうか。また,被爆者の多くが後期医療に移動したことによる,被爆者にかかわる国の支援費の減額分は幾らでしょうか。  これまで,広島市では,この原爆分にかかわる国の支援金があったため,国保への一般会計からの繰入金が他都市よりも少なくて済んできたことを考えると,今回の国の減額分は加入者に負担転嫁するのではなくて,市の一般会計からの繰入金で賄うのが筋ではないでしょうか。そのお考えはありませんか。  最後に,食糧・農業問題と広島市農業の再生についてお伺いします。  地球温暖化問題,エネルギー問題に加え,今度は食糧問題が人類の生存にかかわる喫緊の課題となろうとしています。6月にローマで開かれた食糧安全保障サミットでは,投機マネーの横行,石油価格の高騰などによる世界的な穀物価格の高騰,地球温暖化による食物への深刻な影響などによって,世界的な食糧危機が進行していることが大きな議題となりました。穀物の高騰によって,食事を一日一回に減らしたり,暴動が起こる国も出てきています。米や小麦の主要輸出国が,自国民の食糧確保を最優先して,相次いで輸出禁止に踏み出しています。こうした世界的な食糧危機が叫ばれる中,先進主要国の中で,自給率がわずか39%と異常に低い日本の食糧・農業政策が大きな問題となっています。これまで,自国農業を徹底して痛めつけ,食べ物を外国から買いあさっている日本政府の姿勢に国際的な批判が集まっています。  日本共産党は,日本の農業が深刻な危機に直面している,これを何とかしなければならないという立場から,ことし3月,日本農業再生プランを発表し,農協,農業委員会を初め多くの関係者の方々と懇談を進めております。この農業再生プランは,食料自給率の向上を真剣に目指し,安心して農業に励める農政への転換を呼びかけるもので,農業関係者だけでなく,幅広い国民から,立場の違いを超えて賛同の声をいただいています。  さて,広島市でも,この10年間に耕作放棄地が1.6倍にふえ,販売農家数は約2分の1の2,451戸に激減しています。農業従事者数も43%減少し,カロリーベースの自給率はわずか3%と深刻です。  こうした中で,広島市では,115万人の地産地消プランを作成し,農業振興センターを中心に,担い手の育成や研修,耕作放棄地対策,環境にやさしい農業,ひろしまそだちの普及,直売所の拡大など,地産地消推進事業を進めて地道な成果を上げています。  我が党市議団は,先月,農業振興センターを訪ねて,広島市の農業への取り組みを聞かせていただきましたが,職員の皆さん方の熱意に改めて敬服をいたしました。また,115万人の地産地消の実現という市の農業ビジョンはすべて職員が手づくりで練り上げたということを聞き,本当に感心しました。  そこで,消費者が生産者の身近にいる都市農業の特性を,今後さらに生かした取り組みを期待するものですが,その点で幾つかの提案をさせていただきたい。  一つは,市が率先して,学校給食を初め公の施設での給食に,ひろしまそだちや近郊の農産物をもっと積極的に使用することを市の重点施策の一つとして取り組んでいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  また,これからの日本を担う子供たちが,日本の主食である米の大切さを学ぶとともに,本来の御飯のおいしさを知るためにも,学校での米飯給食をもっと充実していただきたい。例えば,同じ米を使っても,炊き方によって味は全く変わってきます。炊きたてのほかほかの御飯は最高のぜいたくだと言われています。給食には地元の米や野菜を使い,食育として,給食の場を本当に大切にしていただきたい。また,保育園の幼児の完全給食も行うべきだと思いますが,いかがでしょうか。また,パン給食の日も,大竹市などが行っている,米粉パン──お米の粉でつくったパンですが,ぜひ広島市でも取り入れたらいかがでしょうか。  二つは,化学肥料に頼らない有機農業の推進に一層力を入れていただきたい。  有機農業推進法も制定されましたが,有機農業に取り組む農家に対する支援をもっと強めるなど,市としてさらに力を入れてください。いかがでしょうか。  以上で,質問とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○藤田博之 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       皆川議員の御質問にお答え申し上げます。  最初に,保育園の民間移管について,私の方から基本的な考え方を述べさせていただきます。  保育園は,保育を必要とする乳幼児期の子供が一日の大半を過ごす場であり,保護者にかわり,子供の健やかな成長をはぐくむ施設であるとともに,仕事と子育ての両立を支える子育て支援施設です。  この保育園の果たすべき役割,目的は,公立と私立で違いはありません。保育の実施は,児童福祉法に基づき,自治体に課せられた責務です。最も重要なことは,公私にかかわらず,市内のすべての保育園で,質の高い保育を子供たちに提供する体制を整備することであり,そのために必要な予算は責任を持って確保しなければなりません。しかし,国の三位一体改革等により,地方交付税や補助金の削減が行われる一方で,社会保障費など義務的経費が増加することにより,本市の財政は依然として厳しい状況にあります。そのため,今後とも,国に対し必要な財源措置を要望していくとともに,本市としても財源確保に努めるほか,できる限り事務事業の効率化を図る必要があります。このような行政運営効率化の取り組みは,本市のすべての分野において実施していく必要があり,保育園についても例外ではありません。  そのため,行政運営効率化の一つの方法として,公立保育園を民間に移管し,すぐれた運営をしている社会福祉法人に保育園の運営をゆだねるという方針を立てたものでございます。これは,決して削減のための削減ではなく,民間移管により確保した財源を活用し,保育サービスをより一層充実することを目的としています。  具体的には,保育園入園待機児童の解消のための保育園整備や延長保育,休日保育など,多様な保育サービスの提供,すべての子育て家庭を対象とした支援の充実などを行っていきたいと考えております。  最後に移管のプロセスにおいて,保護者の皆様を初め,オープンなコミュニケーション,そして,情報公開に,それを強力に推進していく,大きな力を入れていくことを申し添えておきたいと思います。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。
    ○藤田博之 議長       財政局長。 ◎佐伯克彦 財政局長     公立保育園の民間移管の中で,予算の質問がございました。  議員御指摘のとおり,市民の暮らしや福祉に直接かかわる予算の確保は極めて重要であると認識しております。同時に,本市にとりましては,都市の活力と魅力の向上を図ることや,都市として地球環境問題に取り組むことなども重要であると考えております。  厳しい財政状況の中にはありますが,これらのバランスを見ながら,限られた財源を効率的に配分していきたいと考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       健康福祉局長。 ◎三村義雄 健康福祉局長   国民健康保険制度についての御質問にお答えいたします。  まず,年金天引きに関してでございますが,このたびの医療制度改革に伴い,国民健康保険法が改正され,国民健康保険料の徴収方法として,新たに年金天引き──特別徴収の方法が導入され,その実施が市町村に義務づけられております。  年金天引きの対象者は,原則として,世帯内の加入者全員が65歳から74歳である世帯の世帯主で,年額18万円以上の年金を受給し,介護保険料と国民健康保険料の合計が,年金受給額の2分の1以下の者とされております。  この保険料の年金天引きは,被保険者の保険料納付に係る利便性を図ることとあわせ,保険料収納の確保を図ることを目的として導入されたもので,本市においても,平成20年,2008年10月から実施するよう準備を進めております。  次に,年金天引きの対象世帯数についてでございます。  これにつきましては,世帯内の加入者全員が65歳から74歳の約3万5000世帯のうち,世帯主が今年度中に75歳となる世帯,それから,滞納がなく,今後も確実な納付が見込まれる口座振替世帯,その他災害など特別な事情により,年金天引きすることが著しく困難であると認められる世帯は,保険者の判断により,天引き対象から除きますので,平成20年,2008年5月末時点における対象世帯数は,約1万7000世帯と見込んでおります。  次に,後期高齢者医療への支援金についての質問でございます。  国民健康保険制度においては,医療給付費等の事業運営に必要な経費から,国・県支出金等を除いた額を保険料として負担していただく仕組みになっております。国保会計における後期高齢者医療への支援金の額は,昨年度までの老人保健拠出金の額に比べ少なくなっており,これに伴い,保険料の総額も減少していますが,一方で,75歳以上の加入者が後期高齢者医療制度へ移行し,保険料を負担する国保の被保険者数も減少しております。  本市の試算では,平成19年度,2007年度から,平成20年度,2008年度にかけてのこの制度改正による保険料への影響額は,被保険者一人当たり数百円の増加でございます。他の政令市の保険料を見ますと,本市を含めた9都市が増加し,8都市が減少しております。  御質問のありました札幌市は,一般会計からの繰入金をふやして保険料を引き下げております。京都市については,賦課割合の見直しを行って,被保険者均等割の賦課割合を引き下げたことで,低所得者世帯等の保険料が下がっております。いずれも,制度改正による保険料の引き下げではございません。  以上が制度改正に係るものでございます。  なお,本市としては,これ以上の一般会計からの繰り入れを行う財政的余裕はなく,賦課割合の見直しを行う予定もございません。  次に,本市の保険料算定の考え方は,被保険者の負担が急激に増加しないよう,一般会計からの必要な繰り入れを行い,一人当たりの医療費の伸びの範囲内で保険料を引き上げることとしており,平成20年度,2008年度の保険料は,前年度に比べ,一人当たり医療費の伸びに相当する約3,000円,3.75%の増加となっております。  次に,被爆者に係る国の支援費についての御質問でございます。  本市の国保事業は,原爆被爆者に係る療養給付費等が多額であることを特別事情として,特別調整交付金が交付されております。平成20年度,2008年度当初予算の,被爆者に係る特別調整交付金の額は約38億3203万円で,平成19年度,2007年度に比べ,29億5100万円,率にして43.5%の減となっております。  この特別調整交付金が減額となったのは,75歳以上の被爆者が,今年度から後期高齢者医療制度に移行し,交付金算定の基礎となる療養給付費等が,それに伴い減少するためであり,保険料の額には影響を与えておりません。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  公立保育園の民間移管などの質問に順次お答えいたします。  まず,民間移管の中で,保護者会の要望に対する受けとめについてでございます。  公立保育園89園中86園の保護者会等から提出された要望につきましては,重く受けとめております。そのため,現在取りまとめております保育園のあり方についてを策定するに当たりまして,幅広く,有識者や保護者,市民の意見を聞くため,広島市社会福祉審議会児童福祉専門分科会に学識経験者や保育関係者,保育園保護者などで構成する保育園のあり方検討委員会を設置いたしまして,保育園の現状と課題や公立保育園の運営のあり方などにつきまして,平成19年,2007年11月から5回にわたり議論をいただきました。  また,保育園のあり方についての中間とりまとめを公表いたしまして,幅広く保護者や市民の御意見をお聞きするとともに,中間とりまとめの概要版と保護者の意見を聴く会のお知らせを,公・私立保育園の全保護者に保育園を通じて個別配布した上で,6回の保護者の意見を聴く会,これを開催いたしております。  これらの市民の皆さんや保護者の皆さんの意見の多くは,民間移管に反対する趣旨のものでございます。中でも,保育の質の低下や,子供への影響に対する不安や懸念を示す意見が多く寄せられておりますが,いただいた意見の数や,保護者の意見を聴く会の参加者数を考慮いたしますと,大多数の保護者や市民の方が反対しているということにはならないものと受けとめております。  今後とも,保護者の皆様に十分な情報提供を行いながら,保育園の民間移管に対する不安や懸念の解消に努めていきたいと考えております。  次に,民間移管の方針を白紙に戻してはということでございます。そして,全園で保護者説明会を開く意思はないのかということでございます。  先ほど,市長が答弁いたしましたように,今後,よりよい保育サービスを提供していくためには,公立保育園の民間移管を実施することが必要であると考えておりまして,民間移管の方針を白紙撤回するということは考えておりません。また,民間移管について,より多くの保護者の方に御理解をいただくために,引き続き,十分な情報提供を行うことが必要であると考えておりまして,今後,保護者の皆さんに向けまして,民間移管についてのQ&Aでありますとか,保育園のあり方についてのわかりやすい概要版,これを個別配布するなど,より一層の情報提供に努めたいと考えております。  これによりまして,民間移管の必要性などについて,保護者の皆さんに理解していただくことが可能ではないかというふうに考えておりますので,全保育園で保護者説明会を開催するということは考えておりません。  次の──3番目に,保育園の保護者の合意がなければ,民間移管はやめてはどうかということでございます。  民間移管の条件でございます,保護者の理解についてでございますが,保護者の皆さんの理解を得るためには,まず,保育園のあり方を策定いたしまして,本市としてどのような保育を実施していくのかといった将来像を示すことが先決であります。その上で,民間移管を実施する保育園の保護者の皆様に個別に説明を行うのが順序であると考えております。  民間移管実施園の決定後は,当該保育園の保護者の皆さんに十分な説明を行いまして,民間移管の実施に御理解をいただけるよう努めてまいりたいというふうに考えております。  次は,私立保育園の正規と非正規の保育士の割合及びそれぞれの平均賃金などについての情報の開示でございます。  児童福祉法では,市町村は,保護者の保育園の選択及び保育園の適正な運営の確保のため,その区域内の保育園についての情報の提供を行わなければならないとされております。その提供すべき情報は,この法律及び同法施行規則に定められています。このため,本市のホームページや財団法人こども未来財団のホームページ「i−子育てネット」を利用いたしまして,市内の公立,私立保育園の定員でありますとか入園状況,開園時間,保育方針など,情報の提供を行っております。  御指摘の,私立保育園の正規と非正規の保育士の割合及びそれぞれの平均賃金については,法令に定める情報には含まれていないため,これまで提供を行っていません。今後,これらの情報の収集,提供につきまして,各私立保育園と協議していきたいというふうに考えております。  次は,保育園の監査結果の公表でございます。  保育園などの児童福祉施設につきましては,児童福祉法等の規定に基づきまして,厚生労働大臣が定める,設備及び運営に関する最低基準を遵守しているかどうかを毎年一回,実地に検査しています。この検査の結果につきましては,市民の皆様が安心して福祉サービスを選択することができ,また,社会福祉法人などの経営の透明性を確保する趣旨から,市のホームページにおきまして,平成15年度,2003年度から結果の概要を公表しております。さらに,平成18年度,2006年度からは,個別の施設の運営者や名称,施設ごとの指摘事項とその具体的な内容及び改善状況について公表いたしております。  保育園の最後ですが,私立保育園の保育士が長く続けられない状況にあることをどう認識しておるのかということと,財政的支援が必要ではないかということでございます。  私立保育園におきまして,人材を安定的に確保していくことが課題となっていることは認識しておりまして,職員の処遇向上は必要であると考えております。これまでも,民間社会福祉施設職員給与改善費補助金の支給など,市独自の助成を実施していますが,より一層の支援が必要であるため,現在,取りまとめを行っております保育園のあり方,この中で,今後の保育施策の方向の一つとして,私立保育園の運営体制の充実,強化を掲げております。  その具体的な内容につきましては,私立保育園の運営実態を把握し,今後,検討していきたいと考えております。  最後に,食糧・農業問題の質問の中で,保育園の幼児の完全給食の実施についての御質問がございました。  私立保育園におきましては,園の特色の一つとして,一部の園で,3歳以上児に主食を提供する完全給食を実施しています。ただ,公立保育園でこの完全給食を実施するためには,調理,配ぜん等に係る人的配置や,炊飯に必要な設備を設置する必要がありますが,大半の保育園の調理室は手狭でございまして,スペースの確保のための調理室拡充に多額の経費を要すること,保育室の調理室への転用が必要となる場合には,入園定員が減少することなどの課題があることから,慎重に対応する必要があるものと考えています。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       経済局長。 ◎重藤吉久 経済局長     食糧・農業問題と広島市農業の今後についての御質問にお答えさせていただきます。  最初に,学校や公の施設での給食に,ひろしまそだちや近郊の農産物を積極的に使用してはどうかについてでございます。  地産地消を推進していくことは,市民の健康で安心な食の推進だけでなく,フードマイレージの減少による環境負荷の低減につながることから,本市では,市内農家と財団法人広島市農林水産振興センターが一体となって,ひろしま朝市を初めとする直売の推進やひろしまそだちのPRを行うなど,地場農産物の使用拡大に積極的に取り組んでいます。  現在,本市における公の施設の給食は,病院及び保育園では,仕様書で原則として国産の農産物を指定し,栄養士等が,できるだけ地場産を使用するよう指導しています。今後,さらに,学校以外の公の施設においても地場農産物の利用が拡大するよう,関係部局へ地場農産物の品目ごとの生産量やしゅんの出荷時期などのきめの細かい情報を提供し,より一層の利用促進に向けた働きかけを行います。  次に,広島市としての有機農業の推進にさらに力を入れてはどうかの御質問でございます。  平成18年,2006年12月に施行されました有機農業推進法では,有機農業とは,化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないことなどを基本として,農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業と定義されています。  本市では,平成18年,2006年3月に策定した,115万人の地産地消,広島市民の食を支える元気な農の実現を基本理念とする広島市食料・農業・農村ビジョンの中で,環境にやさしい農業の推進を掲げて,施策展開をしています。例えば,持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づき,堆肥の利用促進と農薬等を低減する農家として認定されたエコファーマーは,平成18年度,2006年度末には2戸であったものが,現在,21戸に増加しています。また,平成19年度,2007年度,本市独自に,環境にやさしい生産方法を,ひろしまそだち栽培指針として作成し,平成27年度,2015年度には,この指針に基づき生産を行う農家を,エコファーマーと合わせて500戸以上にするよう努めてまいります。さらに,有機物資源の利活用の一つとして,街路樹の剪定枝堆肥を農家へ供給する事業を行っており,平成18年度,2006年度に978トン供給していたものが,平成19年度,2007年度には1,079トンに増加し,その品質も向上したことから,野菜栽培農家から好評を得ています。今後とも,こうした取り組みを積極的に推進していきます。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       道路交通局長。 ◎高山茂 道路交通局長    高速道路について,数点の御質問に順次お答えをいたします。  まず初めに,高速3号線の支保工崩落事故についてでございます。  今回の事故は,橋脚本体をつくるための型枠と,それを支える支保工が,コンクリート注入時に落下し,まだ固まっていないコンクリートも同時に落下したものでございます。  広島高速道路公社では,事故発生後,速やかに事故調査委員会を立ち上げ,学識者の意見を聞きながら事故原因の究明を行っています。現在,設計計算や施工が適切であったかどうかなどについて調査を行っていますが,原因の特定には至っていません。  公社からは,今後,学識者の意見を踏まえた上で,できるだけ早い時期に原因を究明し,その結果を公表したいと聞いています。また,これまでに施工した橋脚の強度も再調査すべきとの御指摘ですが,橋脚などの鉄筋コンクリート構造物は,鉄筋の本数や配置が設計図どおり適切に施工されているか,必ずコンクリート打設前に確認することになっています。公社がこれまでに施工した橋脚については,鉄筋の本数や配置などの確認を行っており,完成後の橋脚の強度については問題はないと考えています。  次に,高速1号線の地盤沈下についてでございます。  去る6月5日に,馬木七丁目の住民の方々から,水田の石垣から水が噴出していたが,地盤の沈下はまだ続いているのではないかという話が公社に対してあったと聞いています。  公社においては,昨年7月から,馬木七丁目を含む22カ所の測点で,継続して地表面の高さを測定しており,すべての測点において新たな沈下は生じていないことを確認しています。公社では,今後も引き続き高さの測定を継続し,住民の方々にその結果を説明することにしています。  次に,高速5号線トンネルの調査検討委員会についてでございます。  本年2月の本会議において,公社では,高速5号トンネル工事について,学識経験者で構成する技術検討委員会の設置を検討している旨の答弁をいたしました。その後,地元住民から,検討委員会は県・市の責任で設置し,住民代表や住民が推薦する学者・専門家を参加させることを趣旨とした申入書が県,市,公社にそれぞれ提出されました。本市としましては,住民が推薦する専門家なども参画し,公平・中立な委員会として公開の場で検討・審査を行うことが必要であると考えています。  現在,こうした点について,県や公社と協議・調整を行っています。これらのことがある程度具体的になった段階で,住民代表の方々との調整の場を持ちたいと考えています。  最後に,公社の理事長についてでございます。  公社においては,昨年8月に開催した地元説明会の席で担当部長がおわびをしており,公社としての謝罪の意思は既に表明したと考えています。しかし,議員御指摘のように,公社の理事長が謝罪していないことに対し,不信感を持っている住民の方々もおられます。このような住民の方々の気持ちを真摯に受けとめ,より一層,誠心誠意対応するよう,公社に対して申し入れたいと考えています。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       教育長。 ◎岡本茂信 教育長      食糧・農業問題につきまして,まず,学校給食にかかわる御質問にお答えいたします。  米飯給食は,現在,週3回実施しておりますが,その回数増につきましては,昨年度末に策定されました広島市食育推進計画に盛り込まれております,和食の推進や地場産物の使用促進という観点から,価格の問題や業者の炊飯能力などの課題を整理しながら検討してまいりたいというふうに考えております。  続いて,給食に地場産物の使用をということでございますが,地場産物を学校給食にさらに取り入れるためには,使用量に見合った地場食材の確保が必要でありまして,そのためには,使用可能な地場産物の種類,収穫時期,生産量等の情報収集を行うことが必要であります。このため,経済局農林水産部,広島市農林水産振興センター,広島市学校給食会などの関係機関で構成をしております,学校における地場産物の活用推進連絡会議を設置し,情報交換等を行っております。  今年度は,毎月1回から2回,地場産物の日を実施するとともに,自校調理校単独での独自献立の拡充実施や,新たに複数校を単位として実施するグループ献立が実施できるよう,生産団体等と協議しながら,地場産物の調達体制を検討することにしております。  最後に,米粉パンについてでございますが,御紹介のありました大竹市では,米の消費拡大の観点からの,広島農政事務所の働きかけと地場産物の活用促進の観点から,広島県学校給食会や広島県パン工業協同組合と連携を図りながら,本年1月から,月一回程度,大竹市内産の米を用いた米粉パンを導入していると聞いております。  米粉パンは水分を多く含んでおり,風味がよく,もちもちとした食感が特徴と言われておりますが,反面,米粉と小麦粉の配分割合,製造工程及び設備の改善,価格等の課題もあるため,本市教育委員会としては,今後,パンの調達契約をしております広島県学校給食会とも協議をしながら研究をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       皆川議員。 ◆50番(皆川恵史議員) たくさん答弁をいただきましたが,保育園の民営化について,市長さんがおっしゃるように,その背景には,国の三位一体による自治体への財政的な締めつけ,それと,もう一つは,国自身がこういう流れを促進して,いろんなレールを今まで敷いてきているんですね。それに,その中で自治体としてどうあるべきかということで,この3年間,いろいろと検討されてきたんじゃないかと思うんですが,私が言いたいのは,財政が大変だというのはわかる。これは同じ認識だと思うんです。しかし,削っていいところと悪いところがあると。子育てにかかわる人件費をやっぱり削っていいのかというのが,やっぱり今問われとるというふうに私言ったつもりなんですが,市長さんの答弁では,それも含めて保育の分野も効率化が必要と。効率化という名前で,結局,1園あたり4000万円差があると。それは大半が人件費だということですから,人件費をやっぱり削減するということになるわけですが,これが,これでもいいんだというお考えのように聞こえたんですが,そうしましたら,今の私立保育園の保育士の実態を,市長は余りにも知ってないんじゃないかというふうに思います。  ぜひこれは,1回,2回,私立保育園に行ってざっと見ただけではわかりません。私立保育園の保育士がどういう気持ちで,どういう労働条件のもとで頑張っているかと,ここのところをぜひリアルにつかんでいただきたいというのを市長さんにはぜひお願いしたいというふうに思います。  この場でいろいろ言うような材料を私は持っていますけれど,それは各園の問題で,言うべきことではないと思いますが,たくさんいろんな実態があるということをぜひ知っていただきたいというふうに思います。それが,ひいては,子供たちにいろんな影響を与えてると。これも目に見えない部分が多いんですよ,子育てというのは。保育の質というのは大半目に見えない,視察しただけじゃわからないんです。だけど,親の立場からしたらよくわかる。ここのところをぜひ認識をやっぱり改めていただきたいというふうに言いたい。  それと,局長にお伺いするんですが,まず,市の将来像を示すことが先決だと,それから保護者に理解を得ると,これは当然だと思うんです,それでもいい。しかし,将来像を示すいうことイコール今もう決定されたんでしょ,市の方針として。今やっと市の方針を固めて,その案を持って保護者に説明するというのならわかりますよ。そうじゃなくて,市の方針はもうこれで変える,白紙に戻す考えはないと言うんでしょ。それで,今から保護者に理解をと,これは逆じゃないですか。保護者を当事者扱いするのは初歩じゃないかと,それこそ,いうふうに思います。  それまでに5回ほど委員会で意見を聞いてきたとおっしゃいましたが,これは意見を聞くいうても86の保護者会があれだけ,自分たちの保育園のお母さん方が集まって意見を述べた,それぞれの園が。そこに対してまず説明に行くべきじゃないですか。わずか9人,うち保護者の代表二人と,これに5回も10回も意見を聞いたところで,やっぱりこれは全保護者の意見は集約できないと思うんですよ。  そういう点で,まず,案として,今からやっぱり出かけていって説明するというぐらいの気持ちでいいんじゃないんですか,何もそうかたくなにならないで。私はそう思いますよ。  それで,これはいろんなところで裁判になってる,ここの,保護者の選択権が侵害されたかどうかという分かれ目のところですから,今からの市の対応が非常に微妙だというふうに私は思うんですが。  それと,全園での説明会を考えていないということなんですが,いろんなパンフレットなど宣伝物を出していくということで,それはまあいいことですが。全園での説明会やってもいいんじゃないですか。手が足りんけやれん言うんじゃったら,そう言うてください。やる意思がないからやらんのですか,どっちなんですか。  それで,百歩譲って,市からそういう計画が立てないと言うんだったら,それぞれの園の保護者会から,ぜひ説明を求めた場合は,ちゃんと出前じゃないですが,出向いて行かれる,そういうおつもりがあるかどうかと。  最後に,私立保育園について,やはり人件費の低さというのが課題だという,これはもう認識されておりますね。それを今後どうするかと,これは,財政的な問題も含めて今後検討するということですが,今後じゃだめだと思うんですよ,これは。そのために,市としてどうするかというのも今出さんとやね,これは論議かみ合いません。そこのところをはっきりしてください。そうしないと,安心してゆだねようということにやっぱりならないと思うんです。幾らここでいろいろ言っても,市長が,市が責任を持ちますとおっしゃいましたけれども,そのたびに,例えば,かつてあった職務奨励費的な人件費補助を,市として今後考えるつもりがあるのかどうか,これをはっきり答弁していただきたいと。考えがあるかどうかですよ。  そのほかの問題で,国保の問題ですが,広島市は,一般会計繰り入れする余裕ありませんいうてさらっとおっしゃいましたが,一方で,国からおりてくるお金が29億円ですか,減ったわけですね。それは保険料には影響しないかもしれませんが,国保会計全体には影響しとると。これに相当するお金というのは,本来,広島市が一般会計から手当するというようにするのが当然ではないんですか。そして,やっと他都市とやっぱり横並びになれるわけです。  そういう点で,保険料の軽減というのは,やっぱり何らかの形でできんことはないんじゃないかと思うんですが,その点での今後の検討をお願いしておきたいというふうに思います。  高速道路は,もういろいろとおっしゃいましたが,部長が頭下げたけええということにはならんでしょうが。最高責任者がやっぱりちゃんと皆さんのところに出向いて謝罪するなり,何らかのやっぱり責任ある発言が,この間一回もないわけですから。これはやっぱりきちっと申し入れしていただきたい。  3号線の落下の問題は,落ちたところは問題だが,落ちんかったとこは問題ないいうふうに聞こえたんですね。落ちたところは,もう落ちんところも同じやり方で工事はやったわけでしょ。それで,そのうちの1個が落ちたと。そしたら,ほかのところは大丈夫かというので点検するのが当然だというふうに思うんですが,この点はいかがでしょうか。  以上です。  お願いします。 ○藤田博之 議長       順次,簡潔にお願いします。  こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  4点の再質問にお答えします。  まずは,保育園のあり方,これは,もう決めたもので説明するのかということでございますが,中間まとめの段階で市民意見もいただき,6回,保護者の皆さんに御説明しまして,そのときにいただいた意見につきましては,概要版というのをまとめさせていただきまして,意見に沿って,こういう考えですという我々の考えをまとめたものを,改めまして保護者の皆さんにお配りいたしております。
     そして,中間まとめと最終まとめの間で,やはりこれはすべての公立保育園が移管されるんではないかという懸念をお持ちかということで,取り組み期間を2020年までとするということと,1年に2園程度を考えておるということで,総量としては20園程度というふうにわかっていただけるような修正もいたしております。これは,さらに,その反対の大きな理由に,保育の質が低下する,これが一番大きな理由でいただいておりますが,それは,社会福祉法人で低下しません,保育の質は一緒ですというふうに,私どもが責任を持ってやりますというふうに申し上げておりまして,ここのところは御理解をいただきたいということでございます。  ですから,今後,保護者の皆さん,さらには該当園の保護者の皆さんには,必ず全保護者の皆さんに御説明をいたします。  また,施設の方で保護者の方から質問がありましたことにつきましては,しかるべき方法でお答えできるようにしてまいりたいというふうに考えております。  最後に,人件費──職務奨励費,かつて私立保育園に実施してたんですが,あのようなものをやる気があるのかということですが,いずれにしましても,私立保育園で人材が今後とも確保できるような手だては必要だということで,そのあり方の中でも,その旨をしたためております。前向きに支援ができるような内容については,早急に検討したいというふうに考えております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       道路交通局長。 ◎高山茂 道路交通局長    3号線の,落ちた中での,でき上がった構造物のこれが確かかどうかということでございますけれども,先ほど御説明しました,3号線の橋脚の落ちたものは,本体工事ではなくて,本体工事を支える型枠とか支保工とか,そういう仮設構造物でございます。この仮設構造物は,工事契約約款によりますと,請負業者が責任を持って施工を行うということになっておりますから,公社としての責任として,それを検査したりということはしておりません。ただ,その仮設工事の中にある鉄筋コンクリート構造物,これは本体工事でございますから,コンクリートを打つ前の本当に鉄筋が,設計図どおり,その大きさが,何本,幾ら入っているかというようなことを必ず確認をしておりますから,それでもってコンクリートを打ってますから,それらは大丈夫というふうになっております。  以上でございます。 ○藤田博之 議長       皆川議員,再質問は10分までで2回となっておりますけど,もう8分使っておりますので,念のために申し上げます。 ◆50番(皆川恵史議員) もう質問はしません。また委員会もありますので,やらせてもらいますが,いずれにしても,裁量権の逸脱・乱用の範囲を超えてるんじゃないかというふうに私どもは思われて仕方がないんです。そうでないと,あれだけ保護者の皆さんがいまだにやっぱり納得できないということでいろんな運動をされるはずはないんで,そこのところは,今後問題になるというふうに思います。  それと,ごめんなさい,一つだけ,局長,答えてください。  各園から,百歩譲って,要請があれば,市として説明に行かれるつもりはありますか。  これだけお答えください。 ○藤田博之 議長       こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  できるだけ,そういった御質問にはお答えできるようにしたいと思っております。出向いて行けるかどうかは別といたしまして,前向きに。 ───────────────────────────────────────                休   憩   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○藤田博之 議長       この際,暫時休憩をいたします。  午後の会議は1時15分からにさせていただきます。  お願いします。                  午後0時07分休憩 ───────────────────────────────────────                  午後1時14分開議                  出席議員  45名                  欠席議員  10名 ○児玉光禎 副議長      出席議員45名であります。 ───────────────────────────────────────                開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○児玉光禎 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。   12番今田良治議員。                〔12番今田良治議員登壇〕(拍手) ◆12番(今田良治議員) 爽志会の今田良治です。  本日は,会派を代表して,市政の課題等について質問させていただきます。  秋葉市長を初め理事者の皆さんの真摯な御答弁をお願いいたします。  私は,さきの議会において,現代の日本の社会は,グローバリゼーションの名のもとに,余りに行き過ぎた能率主義,市場原理主義の世界になっているのではないかと申し述べました。また,社会全体を過剰な競争と成果主義がばっこし,その結果として格差が広がり,大多数の負け組と称される一般の市民にとっては,何とも冷たい,住みにくい国になりつつあるのではないかと,日本の行く末を大変憂いていると申し上げました。また,市民の方に内在する不安感や閉塞感に対するその解決の方向性として,心豊かな社会の復帰ということを私なりの考えとして申し述べさせていただきました。  残念なことに,先日,秋葉原で無差別殺傷事件が起こりました。7名の方が犠牲になられ,多くの方が心と体に傷を負われました。余りに無責任であり,怒りを隠せません。ニュースなどで連日のように報道されておりますが,その特徴として,土浦駅無差別殺傷事件の加害者と同世代であること,また,そこから見い出される彼らが育った時代背景にありました。  彼らが生まれて間もなく,ファミコンと呼ばれるゲーム機が発売され,その後のIT技術の進化とともに,ゲーム機の性能も格段と向上し,バーチャルと呼ばれる仮想の世界がアニメと合体し,限りなくリアルな表現に近くなりました。仮想の世界では,殺りくや格闘の場面が簡単に疑似体験できるようになり,現実と錯覚を起こすほどです。また,彼らが10代になると携帯電話が普及し始め,メールやインターネットによる,いわゆるネットコミュニケーションが彼らの意思伝達の主流になってきているのです。  この世相の申し子のように,アニメやゲームなどのバーチャルの世界に夢中となり,おたく文化を趣味とし,メールやブログの中で自己表現を求める秋葉系と言われる人たちが出現してきました。  また,彼らのもう一つの傾向として,コミュニケーション能力の低下が指摘されています。幼いころから,直接に会話する機会を持たず,メールなどの,いわゆるネットコミュニケーションなどの媒体で変換して意思伝達の多くを行ってきたことに起因するのではないかと言われております。  IT技術の発展は目覚しく,人類に便利で効率的な生活を提供してくれていますが,便利さゆえに直接的なコミュニケーションを排除してしまう傾向にあります。効率的であるがゆえに,直接コンタクトを回避する傾向にあります。その気になれば,だれとでも会話することなく,1週間ぐらいはいとも簡単に生活できるのではないでしょうか。そんな社会の風潮は,町内会や自治会などへの参画を拒み,ますますコミュニケーション機能を消滅させているような気がいたします。  広島市においても,数年前よりIT環境の整備がなされておりますが,顔も合わさずに,メールによる上司からの命令や部下からの報告が横行してはおりませんか。メールでは何度もやりとりをしたが,考えてみると1年間会うことはなかったとか,すぐ近くにいながらメールで連絡しているとかいったことが見受けられるようでしたら,イエローシグナルであります。  ここ数年,広島市では,メンタルヘルスでダウンする職員がふえているような話も聞こえておりますが,こんなところに遠因があるのかもしれません。職場から心がなくならないようにみんなで気をつけていきましょう。  ITの推進は時代の趨勢ではありますが,合理性,効率性の追求や経済至上主義のための道具としての導入には,少し間を置いて,状況をよく確認して進めるべきではないかと思います。IT機器を扱うのは人間であって,IT環境に束縛される人間社会であってはならないのです。ITの速度や機能に人間の生活機能を合わせていく社会は欲しくはありません。  チャップリンが制作した映画「モダンタイムス」が,この時代においても心に響くのは私だけではないと思います。  それでは,初めに,防災体制に関して質問をいたします。  先日,中国地方も梅雨入りしましたが,これから10月までのおよそ5カ月の間,集中豪雨や台風などの自然の猛威に対して,人的被害はもとより,物的資産においても被害が生じないよう,我々市民も行政も,物心両面の備えをする必要があります。近年,温暖化による地球的規模の気候変動が問題視されており,日本においても,全国で竜巻が発生したり,局所的な豪雨があったり,台風が勢力を維持したまま上陸する機会が大変ふえております。特徴として,局所的に,突然に激しく天候の変化が襲ってくるわけであります。  忘れることができない,平成11年の6.29豪雨災害は,何も予期することができないまま,突然に局所的に非常に激しく襲いかかってきたものでありました。残念ながら,今の私たちには,自然の猛威をとめる手段を持ち合わせてはおらず,事前に予見できる限りにおいて,できるだけの手だてを講じるか,あるいは安全な場所に避難するしかありません。しかしながら,災害を事前に予見することはなかなかに困難であります。また,地震はその最たるもので,食事中,就寝中を問わず,日常生活の営みの中で突然に発生します。そのため,常日ごろからの市民の防災意識の向上や自主防災会の設立,避難所の確保などが消防局や各区役所を中心に行われ,防災訓練や水防訓練,公共施設の安全点検も定期的に行われているようであります。  そこで,次に考えないといけないことは,やってきた自然災害に対してどう対処するかでありますが,そのためには,的確な状況の把握が最も重要なポイントであると思います。  先日,14日午前9時前に,岩手・宮城両県で震度6強を観測する地震が発生いたしました。各テレビ局は,長時間にわたり地震の規模や被害状況を報道しておりましたが,被災地の災害対策本部も,初めの3時間ぐらいは的確な情報が入手できていないようでありました。また,被災地との通信が途絶え,山間地域の被害状況や孤立集落の把握が非常におくれたようであります。  このことは,今の広島市においても同様なことが起きると思います。特に,山間地域の通信や道路などのライフラインは脆弱であり,孤立する地域が出現しても,その状況の把握に時間を要することになりかねない思います。状況の把握がおくれれば,当然に災害対策もおくれることになるわけですから,災害予防と同様に,情報収集手法の構築に早期に取り組むべきと考えます。  このような観点から,私は,18年の12月議会において,災害時等の情報伝達に携帯電話が有効であることから,通話不能地域の解消に取り組んでもらいたいとの要望をいたしました。その際の答弁は,市としては,国や事業者に対して早急な対応を要望するとともに,複数の事業者が共同で施設整備する方法などを研究するということでありましたので,その後の国等への要望の成果や研究の結果についてお聞かせ願いたいと思います。  次に,一つの提案をしたいと思います。  先ほどより,災害時等において,被災情報の迅速な取得がその後の対策に大きく影響を及ぼすと申し上げております。そこで,私が考えておりますのは,情報を得るための方法として,地域住民からの通報制度を設立してみてはどうかということであります。  端的に申しますと,自主防災会ごとに,場合によっては集落ごとに通報してもらう人を配置して,天候の異変や災害時の地域の被災状況を,適宜,行政に通報していただくようなシステムを構築できれば,短時間で各地域の状況把握が可能となるのではないでしょうか。  また,一たん災害が発生すると,普通の電話は使えなくなることも見込まれます。現在の防災行政無線は行政からの一方通行で,現地からの連絡はできません。情報伝達は双方向通信が重要ですから,多少の初期投資は必要となるものの,でき得れば,トランシーバーであるとか,衛星電話であるとかを地域情報を通報していただく方に貸与し,専用の通信回線を確保することが必要条件と考えます。このことによって,迅速で効率のよい災害対策が展開できるのではないかと思います。また,道路が寸断して,孤立地域が発生した場合においても,双方向の通信手段が有効であると思います。  ぜひ地域住民からの通報制度の設立を検討していただきたいと思いますが,いかがなものでしょうか。  地元の高齢者が,ことしはハチの巣の位置が低いから大きな台風が来ると言っておられました。対策を急いでいただきたいと思います。  次に,市有地の処分の問題について触れたいと思います。  バブルの崩壊以降,特には,国の三位一体改革が進められて以降,全国の多くの地方自治体では,財政再建がその自治体の最重要課題となっております。  広島市も同様に,財政健全化の真っ最中であり,秋葉市長を初め財政当局の職員が頭を悩ます日々が長く続いているようであります。本来,財政再建は非常に難しいものですが,特に,日本のように,中央政府が税の大半を管理するような国家の地方自治体は,国の方針に影響されがちで,非常に困難をきわめるものであります。しかしながら,本市は,少しずつ健全化の道をたどっており,市長を初めとする全職員の日ごろからの努力が功を奏していると思われます。ここに,改めて感謝と敬意を表する次第であります。  財政再建と言えば,米沢藩の財政を立て直した上杉鷹山の名前が挙がってまいります。御存じの方も多いかと思いますが,ジョン・F・ケネディ米国元大統領が,日本で最も尊敬する政治家は上杉鷹山であると記者会見で述べたことで,その名前は一躍有名になりました。  上杉鷹山は,財政再建の方法として,質素・倹約による歳出削減と,徹底した産業振興による歳入増加を同時に進めていきました。遊んでいる土地がないように,あらゆる産業振興を試みており,時には,家臣の家の庭にまで作物を植えさせるほどの徹底ぶりでありました。  話を戻しますが,広島市の財政健全化の方向性として,秋葉市長は,昨年来からの市長講演の中で,歳出の削減の成果を強く打ち出しておられますが,一方で,ネーミングライツであるとか,本庁舎の広告事業であるとか,地道な歳入増加策も苦心して展開されておられます。このように,歳入増加の苦労をされておられますが,資産の処分,市有地の処分については少し積極性に欠けるように思うのは私だけでしょうか。  行政目的のない普通財産を積極的に売却し,その売却費を少しでも借金の返済に充てるとか,基金を積み立てておくとかする必要があるのではないかと思います。また,売却した土地は固定資産税という果実をもたらしてくれますが,持っておれば,草刈りなどの維持管理費が発生するだけです。  広島市のホームページを開いてみると,財政局管財課が,「広島市有地売却・貸付のご案内」というタイトルで,売却予定物件が45件,一覧で掲載されております。そこに示されている案内文を読んでみると,問い合わせがあれば公募で売却することができるであるとか,8月に公募する予定であるとか,あるいは臨時で公募するかもしれないとか,わかりづらい案内になっております。このホームページの内容では,土地を購入する人の目線での広告とは決して思えません。また,価格表示も,前回の価格がそのまま掲載されていますが,もっと積極的に市有地の売却に取り組んでいただきたいと思います。  例えば,売却の困難な物件については,数年分の維持管理費や固定資産税を考慮して価格を変動させるとか,あるいは専門業者と連携して,売却可能価格を検討していくとか,とにかく財政再建の一助となるわけですから,あらゆる努力をすべきだと思います。  次に,事業課が所有している市有地について質問をいたします。  さきに述べました,処分を予定している市有地以外に,各局各区の事業課において所管している広島市有地が数多くあろうかと思います。そのほとんどは,道路や公園,あるいは施設用地として,行政目的を持って,現に使用されていると思われます。しかしながら,中には,どう見ても行政目的の乏しい遊休地化している市有地が存在していることは確かであります。その数量,面積がどれだけあるか,恐らく膨大にあると思われます。  最近,霞ヶ関では,埋蔵金があるとの話が持ち上がっておりますが,この埋もれる資産は,ひょっとすると,広島市の埋蔵金になるのではないかと思います。先ほど,防災施設の充実のため,歳出をお願いいたしましたので,ここでは必死になって埋蔵金探しをせねばなりません。  それでは,なぞをひもときながら考えてみることにします。  現在,各事業課が所管する用地は,財産台帳上には普通財産となっているものと行政財産で記載されているものとそれぞれあるのが実態だそうです。  そこで,まず初めの疑問であります。  普通財産は,本来,行政目的を有しない用地でありますから,事業課が所管して管理すること自体が間違いで,財政局で所管するべきではないかと思います。速やかに財政局の所管とし,積極的に処分すべき対象の資産とする必要があると思います。  次に,台帳には,行政財産で記載されてはいるものの,実態は,夏には草が生い茂るような遊休地と化しているにもかかわらず,普通財産化していないものがあるように見受けられます。実際には,以前は町営住宅であった土地が,その後廃止となり,行政財産のまま,現在は遊休地という事例もあります。早々に普通財産化して,財政局の所管とし,積極的に処分されるべきであり,そうすれば,何度も申しますが,財政再建の大きな助けとなると思います。うわさでは,財政局に普通財産の所管が集中すると,事務が停止してしまうから,何かと理由を持って,普通財産化や財政局への所管の移行になかなか応じてくれないのだとの声も耳に入っております。  私の考えを申しますと,行政目的のなくなった土地はとにかく早く処分をしていく。そのためにプロジェクト担当を設けるなど,積極的に進めていくべきと思います。  それでは,この件に関して改めて質問いたします。  一つは,各事業課が所管する普通財産で,未利用地の件数,面積,時価総額を概数でお示しください。  二つ目は,遊休地化している行政財産の普通財産化や,普通財産の財政局への移行を促進し,売却処分を積極的に行うべきと思うが,今後どのように取り組まれるのかお答えください。  続いて,市有地の有効活用の観点から,京橋会館についてお尋ねいたします。  私は,都市整備局で進められておりました今回の京橋会館の建てかえ計画は,すべての企業が辞退され,事実上,白紙に戻ったものと考えております。さきの議会において,この計画は市営住宅の建てかえを前提に,事業手法,事業主体を市街地再開発事業の個人施行に限定して進められており,開発者側の自由度も少なく,日程的にも異例の速さで進められていることから,計画内容や応募条件の設定に無理があるのではないかと指摘をいたしました。その際の御答弁は,応募条件の設定は妥当であり,1者応募があったので,問題なく進めるとの強気の発言であったと記憶しております。しかしながら,実際にはその1者も辞退をされ,その辞退の理由は,先に辞退された7者と同様,建設費が高騰して,採算性確保の先行きが読めないということでした。  ここでよく考えていただきたいのは,建設費の高騰だけが辞退の理由であったと軽く考えてはいけないということです。確かにそのことも理由の一つではあるでしょうが,マンション需要の落ち込みであったり,応募条件の設定であったりと複合的な理由が存在することに目を向けていただきたいと思います。そして,真に計画立案の原点に立ち返っていただき,京橋会館という市有財産の有効活用の観点から,計画の再構築を行っていただきたいと思います。  これまでの計画案は,市営住宅の現地建てかえを前提とし,市街地再開発事業の個人施行に限定して進めていくという,非常に偏った計画であったと思いますが,その判断経緯において反省すべき点はなかったのかと問いたくなります。  私は,特に,市営住宅の現地建てかえを条件に盛り込むべきではないと思っております。立地条件だけで判断しても,ここに市営住宅を設置する必要性が見当たらないと思うのですが,皆さんはどのようにお考えでしょうか。恐らく,多くの議員の方々が私と同様の考えであると確信しております。  以前,担当部局からの説明では,市営住宅は現地での建てかえが原則であって,住民の同意が得られないと移転はできないとのことだったと思いますが,その原則に縛られるのであれば,市民共有の財産である用地の有効活用が,一部の住民によって制限を受けることにもなりかねないのですが,本当にそういうことでいいのでしょうか。それとも,担当部局の住民への説明,交渉が不十分なのでしょうか。広島駅の北口にあった若草市営住宅の方はすべて移転されたので,現在,その跡地で市街地再開発事業による開発が進んでおります。若草市営住宅の方が圧倒的に住人の数が多いと思われるのですが,なぜに京橋会館では移転が難しいのでしょうか,理解ができません。  そこで質問をいたします。  若草市営住宅では,住人の移転ができたのに,住人の数が少ないにもかかわらず,なぜに京橋会館では移転ができないと考えられておるのか,明確な理由を教えてください。  さらに,一つ申し上げておきたいのですが,これまでの計画の進め方に少し問題があったのではないかと感じているということです。これまでの財産の有効活用を図る計画でありながら,公募の審査委員会の開催費用を補正で計上する段階で,初めてその事業計画の説明をされました。計画条件等その内容について,再考の余地は残されていないというような進め方であったと思います。今後は,計画の進行状況も含め,適宜説明をしていただけるようお約束願いたいと思いますが,いかがでしょうか。  続いて,市営住宅に関して質問いたします。  私は,建てかえも含め,新たに公営住宅の建設を行うことはやめて,今後は,民間住宅の借り上げや家賃補助制度などの民間の住宅ストックを最大限利用するような住宅政策へと転換をすべきではないかと一貫して申し述べております。恐らく,担当部局の方の耳にたこができているのではないかと思いますが,継続は力なりでありまして,私は,この件に関してはあきらめることなく,引き続き提唱していくつもりでおります。  ところで,さきの議会において,この提案に対する都市整備局長の答弁をいただきました。実のところを申し上げますと,私は,その答弁内容に唖然とすると同時に,情けない思いがして,再質問を申し上げる元気もうせてしまいました。  その答弁内容は,借り上げ公営住宅は,初期投資額は軽減できるが,家賃差額の負担が長期間にわたり,多額の財政負担を伴うので,現時点では困難であるとのことであり,つまりは,住宅政策の転換は困難だといった感じでありました。同じ秋葉市政のもとで,こんなにも後ろ向きに転換した内容の答弁が行われるとは,私にとっては驚き以外の何物でもありませんでした。  平成17年2月の本会議に,私は,住宅の供給ではなく,家賃補助や借り上げなどに切りかえ,財政支出を抑え,収入をふやす可能性のある多様な方策の展開による住宅政策を提案いたしました。また,引き続く予算特別委員会においては,建設費や維持管理費などの細かな数字を提示していただきながら,財政支出削減の可能性を申し上げました。それに対して,当時の担当局長でした都市計画局長は,住宅政策は転換期を迎えており,国においては,民間の市場機能やストックの活用が検討されている。広島市においても,多様な住宅供給のあり方をどのように施策展開できるか,十分に検討したいとの答弁でありました。その都市計画局長は,住宅政策について大変よく勉強しておられるようで,原稿もなくお答えされていたことを記憶しております。秋葉市長も御臨席でしたので,御記憶のことと思います。  私は,その後の2年間に,担当部局において十分な検討がなされているだろうと期待して,さきの議会において再度の提案をいたしましたが,結果は,先ほど述べたような答弁でありました。  何が原因でこのように内容の違う答弁となったのでしょうか。初めから十分な検討などするつもりもなく,適当にお答えになられたのでしょうか。それとも,かわられた担当局長が方針転換をされたのでしょうか。いずれにしても,秋葉市政の継続性は著しく損なわれ,その答弁の信憑性も傷つけられたものに思います。  秋葉市長,日々,財政再建に向け大変御苦労されておられるようでありますが,まだまだ市長の思いを十分に理解されていない局があるのではないでしょうか。  道路建設費は大胆に削減され,人件費にも手をつけられておりますが,埋蔵金の話もそうであるように,住宅行政においても,財政健全化をもっと意識する必要があるのではないかと思います。  幸か不幸か,また都市整備局長はかわられました。ここで期待を込めて,改めて質問をいたします。  直接建設方式による市営住宅の供給ではなく,家賃補助制度や民間住宅借り上げ制度などを導入して,財政支出を抑え,収入をふやす可能性のある多様な方策の展開による住宅政策へと方向転換すべきと思われますが,この点についていかがお考えでしょうか。
     もう1点,市営住宅の入居基準について質問いたします。  皆さん共通の認識だと思いますが,市営住宅は,住宅に困窮する低所得者のために用意された施設であります。近年,経済情勢の変化,社会情勢の変化から,市営住宅への入居希望者が多く,順番待ちの状態だと聞いております。一方,入居者の中には,高級な自動車を所有されていたり,一見しますと,羽ぶりのよさそうな雰囲気の方も多々見受けられると聞いております。だからといって,市営住宅入居者は質素にしておかなければいけないと言っているのではありません。公営住宅法の原点は,真に住宅に困窮している低所得者の方への提供でありますから,真に困窮されているかどうかの判断が大事になると思うのです。  現在の入居資格は,入居者の収入が基本的な判断材料となっていると思います。しかし,入居者の方の中には,有価証券を保有しているとか,数年前に遺産を取得しているとか,収入はないが,高額の資産を所有されている方が結構たくさんおられるのではないでしょうか。その方々は市営住宅を提供すべき方々と考えるべきなのでしょうか。私はノーだと思います。やはり入居者の資格基準の中に,収入基準だけでなく,所有資産基準を新たに設けるべきだと思います。  そこで質問いたします。  既入居者,新たな入居者を問わず,市営住宅の入居基準の中に保有資産に関する基準を導入すべきと思うが,どのように考えているのかお答えいただきたいと思います。  ちなみに,生活保護世帯の判断基準には資産の保有を確認されておられます。  以上,質問が多岐にわたりましたが,市長初め理事者の皆さんの真摯な御答弁をお願いし,質問を終わります。  御清聴を感謝いたします。(拍手) ○児玉光禎 副議長      市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       今田議員の御質問にお答え申し上げます。  最初に,防災体制の充実についての御質問がございました。  近年,地球の温暖化に伴う気候変動によって災害エネルギーが増大しており,災害の頻発,激甚化が懸念されております。また,このところ,予測されない大きな地震が相次いで発生しており,改めて防災対策への不断の努力が必要であると強く感じております。  広域にわたる大規模災害が発生した初期の段階では,限られた人員や資機材を効率的に活用するため,被害の全容を早期に把握することが重要であります。そのため,本市では,市内各地の雨量計や地震計など観測機器による被害予測のほか,高所監視カメラやヘリコプターによる上空調査及びバイク等を活用した現地調査によって,積極的に情報収集し,早期に被害の全容を把握するよう計画しております。  議員御提案のように,自主防災会から,災害時の地域の情報を逐次通報してもらうことによって,道路の寸断や土砂災害の影響等を把握することは,地域のニーズに応じたきめ細かな対策を実施する上で大変有効であると考えております。  このため,情報伝達手段が途絶する可能性のある山間地域においては,自主防災会から行政への通報内容を具体的に取り決めるなど,情報連絡体制の充実強化を図るとともに,地元消防団も含めた情報収集網の確立に努めます。  また,双方向の情報伝達手段については,区役所職員等が避難場所に持参する移動系の防災行政無線を活用することとしていますが,このたびの岩手・宮城内陸地震や新潟県中越地震などの孤立地域の状況を参考に,本市の地形に照らして,孤立する可能性がある地区を選定し,現在取り組んでいる防災行政無線の更新にあわせて整備してまいります。  今後とも,いつ,どこで発生するかわからない大規模災害に備えるため,防災体制の充実強化を図るとともに,市民と行政が一体となって,災害に強いまちづくりに取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○児玉光禎 副議長      企画総務局長。 ◎南部盛一 企画総務局長   携帯電話の通話不能地域の解消についてお答えいたします。  本市は,携帯電話の通話不能地域の解消について,これまで,国や事業者に対し,あらゆる機会をとらえて要望を行うとともに,複数の通信事業者による共同事業についても協議を行ってきました。また,通信事業者における通話不能地域の解消に向けた取り組みや,地域住民の皆さんの要望活動により,安佐北区可部町今井田などの一部については昨年7月に,安佐北区安佐町小河内の一部については昨年9月に,それぞれ通話可能な地域となっています。しかしながら,安佐北区白木町や佐伯区湯来町の一部などに残る通話不能地域については,共同での施設整備によっても採算が見込めないことから,現時点で整備の見通しが立っていないのが実情でございます。  本市といたしましては,IT化の進展に伴い,携帯電話やブロードバンドの利用は,今や市民の日常生活において必要不可欠なものであり,防災上の観点からも有用な通信手段であると認識しています。  なお,国のデジタル・ディバイド解消戦略会議において,ブロードバンドの使えない地域の解消のための有効な手段とされている,衛星通信を利用した新しいブロードバンドサービスの実証実験がこの夏に開始される予定です。  今後は,携帯電話やブロードバンドの使えない地域の解消には,こうした新しい取り組みの活用を含め,これまで以上に国等との協議・調整を進めるため,ITと行政の両分野の能力を有し,強いリーダーシップを有するCIO──最高情報責任者を設置し,積極的に取り組んでまいりたいと考えています。  そして,今年度内に,これらの地域を,平成22年度,2010年度末までに解消するための具体的な整備計画を策定したいというように考えております。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      財政局長。 ◎佐伯克彦 財政局長     財産処分に関します2件の質問についてお答え申し上げます。  まず,土地の件数等でございます。  議員御質問の件に関しましては,未利用地の状況といたしまして,毎年度,決算特別委員会に資料を提出させていただいております。  昨年度提出いたしました資料では,平成19年,2007年3月末現在で,32件,6万5098平米になっております。所管別に見ますと,財政局が所管するものが,24件で5万7007平米,財政局以外の局・区等が所管するものが,8件で8,091平米になっております。  価格についてでございますが,市有地につきましては,本来,売却を前提としておりませんために,取得または処分をする場合以外には,原則,評価を行っておりませんで,その価格のすべては把握できません。しかし,平成20年度,2008年度決算分からは,新公会計制度の導入によりまして,すべての市有地について評価を行い,貸借対照表上に資産計上することにしておりますので,この作業の中で,こうした未利用の土地の価格についても把握をしてまいります。  次に,普通財産の引き継ぎあるいは売却処分についてでございます。  将来的にも利用が見込めない用地につきましては,議員御指摘のとおり,保有しておりますと維持管理経費がかかる一方で,売却できますれば,固定資産税等の税収が確保できます。  このため,従前より,将来的にも利用が見込めない用地の売却に積極的に取り組んでおりまして,第2次財政健全化計画期間の平成16年度,2004年度から昨年度までの4年間では,目標額40億円に対して54億2500万円の売却収入を得ております。  また,本年2月に策定いたしました,今後の財政運営方針におきましても,本年度から平成23年度,2011年度までの4年間で,目標額60億円を掲げて,積極的に売却に取り組むことにいたしております。  普通財産につきましては,大きく分けまして,現在は利用しておりませんが,将来利用する予定の用地と,現在も将来的にも利用が見込めず,売却対象とする用地がございます。普通財産につきましては,原則,財政局管財課が引き継ぐことになっておりますが,地理的条件などから,売却のめどの立ちにくい土地については,管理上の問題などから,所管課において管理をいたしております。  今後とも,所管課の管理いたします普通財産で売却の見込みのある土地や行政財産であっても,実質的に使われておらず,普通財産への転換が可能と思われる土地の情報収集に努めて,市のホームページなどで速やかに市民に情報提供を行うとともに,条件の整ったものから財政局管財課に引き継ぎ,積極的に売却に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      都市整備局長。 ◎片平靖 都市整備局長    2項目の御質問にお答えいたします。  まず,京橋会館についてです。  若草市営住宅では入居者の移転ができたのに,京橋会館ではなぜ移転ができないと考えているのかについてでございます。  市営若草住宅建てかえ事業の場合は,当該団地の一つのブロックに新たな市営住宅203戸を建設し,既存入居者に集約的に移転していただき,平成16年度,2004年度に事業完了したものです。  京橋会館の入居者については,平成9年度,1997年度から,他の市営住宅への移転をあっせんしており,これまでに17世帯が移転されていますが,現在地への居住の継続を希望している26世帯の方々が現在も住んでおられます。仮に,これらの世帯に移転していただこうとすれば,現在地の近傍に市営住宅を建設し,入居者の同意を得ることが必要となりますが,このための用地を確保することは困難です。  こうしたことから,このたび,老朽化した京橋会館の更新に当たっては,居住の継続を希望している入居者に対して,現在地に市営住宅を確保することが必要となっています。  次に,京橋会館の更新について,今後は,計画の進行状況も含め,適宜説明してもらいたいが,どうかということでございます。  京橋会館は老朽化が進んでおり,更新するという方針に変わりはなく,現在,具体的な対応策を再検討しております。今後,検討の進捗に応じて,適宜,議会に説明してまいります。  次に,市営住宅についてです。  民間住宅借り上げ制度や家賃補助制度など多様な方策の展開についてです。  議員御提案の,民間住宅を借り上げる借り上げ公営住宅については,新たに住宅を建設する場合に比べて,初期投資額が軽減できるという面があります。しかしながら,借り上げ料と入居者が負担する家賃との差額を長期間にわたり本市が負担し続けることになり,多額の財政負担を伴うことから,本市の財政状況を勘案すると,現時点では困難と考えています。また,民間住宅への入居に対する家賃補助制度の導入についても,本市の財政負担が大幅に増加するなどの課題があることから,今後の検討課題と考えています。  住宅の確保に特に配慮を要する人の居住の安定確保のため,本市としては,市営住宅の既存ストックの有効活用を図るとともに,民間賃貸住宅への円滑な入居の促進など,公的賃貸住宅に限らず,民間賃貸住宅も含めた住宅セーフティーネットの機能向上に取り組んでまいります。  次に,市営住宅の入居基準の中に,保有資産に関する基準を導入してはどうかという御質問でございます。  市営住宅は,住宅に困窮する,経済的・社会的弱者の居住の安定を図るため,収入に応じた低廉な家賃で住宅を供給するという重要な役割を担っております。保有資産に関する基準を導入することについては,その調査方法や資産の種類,資産の額による住宅困窮度合いの判断が難しいことから,保有資産の把握は,現在,行われていないというのが実態でございます。  このため,これまでも政令指定都市が共同して要望しておりますが,入居者選考時における困窮度判定方法や,保有資産の調査権などを法制化し,公営住宅法に盛り込むよう,今後とも国へ働きかけてまいります。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      今田議員。 ◆12番(今田良治議員) 答弁,どうもありがとうございました。  質問ではありません。要望をさせてもらって終わりたいと思いますけれども。  防災体制につきましては,これから台風シーズンにも入ります。そして,私どもの地域は,山間地域あるいは谷筋,川筋がありますので,何か起きたというときに,その地域の状況が素早くわかるような連絡網の整備というのをできるだけ急いでいただきたいと思いますので,どうか,これよろしくお願いいたします。  それと,住宅の問題につきまして,どう言うんかね,長期間,あれすると難しいんだということではありますけれども,これ,一度入ると,既得権のように,ずっと入られるというふうなことも見直して,入居期間の設定とか,子供が小学校からせめて高校ぐらいまでの期間だったら入ってもろて,それからは,頑張ってくださいねというような期間設定をつくるとか,それから,先ほど,質問したのが,保有資産の問題を中に入れて検討するとか,それから,お金がどんどんかかるじゃないか,民間借りたらかかるじゃないかということなんですけれども,それは,総戸数を限定しておけば,僕はかからんのじゃないかと思うので,そういうものをセットで一緒に検討していただければと思うわけでございます。これは質問じゃありません。どうか,いろんな角度から研究してみて,納得できるような,また答弁がいただけるのを楽しみに,これからも引き続いて質問していきたいと思っております。  ありがとうございました。 ○児玉光禎 副議長      次に,8番豊島岩白議員。                〔8番豊島岩白議員登壇〕(拍手) ◆8番(豊島岩白議員) ひろしま未来クラブの豊島岩白でございます。  さきに,5月に起こりましたミャンマーの大型サイクロン,そして,中国四川省の大地震,そして,先日の,岩手・宮城内陸地震によりお亡くなりになられた方々に対しましてお悔やみを申し上げるとともに,被災された多くの方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  それでは,会派を代表いたしまして,自身では二度目となります一般質問をさせていただきたいと思います。  まず,議員とならせていただいて,この1年間,政治,行政とは,過去に整合性がとれて,現在に実現可能で,そして,未来に責任を持てる政策をどれだけ展開していくのかでその評価が決まっていくのだということを実感してまいりました。  多様化する市民のニーズのもとで,そのニーズに対して,どこまで最大公約数を実現できるのか。また,単年度予算の中で,未来を見据えた責任ある政策をどこまで勇気と夢を持って挑戦していくことができるのか。未成年,もしくは,これからこの町で生まれてくる子供たちは,今を変えたくても,投票権を持っておりませんから,現制度のもとでは変えることができません。投票権を持った私たち大人,特に,この議会という聖域で仕事をさせていただいている私たちの責任は限りなく大きいものであると確信しますし,当然に,皆様とその責任感を共有したいと望むものです。  常に,緊張感と使命感を持って,市民の皆様から信じていただくことのできる広島市政の実現,そして,誇りと権威ある広島市議会の実現に向けて,利他と感謝の思いを持って,与えられた責務を誠実に,愚直に果たしていきたいと思っております。  それでは,通告に従いまして質問に入らせていただきたいと思います。  最初に,我が広島市の国際政策において,一部支援を継続しております国連機関ユニタール広島事務所への支援事業について御見解を求めたいと思います。  ユニタールとは国連機関で,国連訓練調査研究所のことで,1965年,国際社会での国連の有効性を強化する目的で国連総会が設立を決定し,現在,本部はジュネーブに,支部をこの広島市とニューヨーク市に設置しております。  ユニタールは,国連の中でも特殊な位置づけにありまして,国連の一機関でありながら,各国からの拠出金によって運営される機関ではなく,自主独立した財政,自治権を持ち,あらゆる国連機関,国際機関との共同事業が可能なユニークな組織となっております。  先月28日,私は,ニューヨーク市の国連本部を視察させていただきましたが,その際,ユニタールが,地方自治体で求めるものとしてグローカリズム,つまり,地域地球主義に即した情報の支援を掲げていたことが印象に残りました。  本市には,秋葉市長が会長を務める平和市長会議という,加盟都市2,000を超えるNGO組織を持っており,それは,世界平和に寄与する世界各国の情報や動向を広島市民として獲得していることと同義でございます。  ヒロシマシティの平和都市としてのアイデンティティーは国際的にも確立されておりますが,そのさらなる発信は,もはや地球規模での責務となっております。ユニタールの計画では,ニューヨークは外交をテーマに,全世界を対象とし,我が広島市の事務所は,平和・安全保障を機軸に,191の国連加盟国を対象とする事業の展開が予定されておりますが,我が国においても,グローバル化が進む社会のさまざまな問題解決のためには,地方自治体の役割が高まっており,グローカリズムという視点に立った本市の都市経営において,世界が認知する国連機関と連携を持つことが非常に大きな意味を持つと私は考えております。  また,ユニタール広島事務所がカバーするアジア太平洋地域は,全世界人口の60%以上からなる,約53カ国で構成されております。この地域の,特に,政治,経済,文化,社会分野における重要性と活力及び世界への影響力を本市は十分に認識しているはずです。人材能力開発はこの地域の今後の発展のかぎです。したがって,研修・調査を専門とするユニタールの地域事務所の存在意義は自明のものです。  皆さんは御存じでしょうか,広島商工会議所ビルの屋上には国連旗がたなびいていることを。私は,この支援は,グローバリズムへの警鐘のみにとどまらず,グローカリズム──地域地球主義の源流とも言える真の地方の国際化にもつながり,そのことこそが,世界史の記憶から消え去ることのない,広島市の役割を果たすことになると確信する議員の一人でございます。  そして,ここで重要なことは,国連機関が我が広島市に存在するという事実です。国際平和都市として,このまちで生まれ育った若者として,国連機関が我が都市に存在することを誇りに思いますし,そして,もっとそのことを広島市民が知り,活用する必要があります。であるからこそ,広島市として,もっと積極的なかかわりを求めることが,国際平和都市で生活する広島市民にも資することとなり,ユニタールと本市がビジョンを共有し,また,同時に,プロジェクトのみへの支援ではなく,ユニタールが広島市に存続できる基盤への支援を,あわせて行うことが期待されます。  広島市にとって,広島市民にとって,この機関の位置づけをより明確にしていただき,今後,新たなプロジェクトの創生,そして,それに付随する予算面での積極的な支援を強く要請するものですが,本市のお考えをお聞かせください。  次に,観光行政についてお伺いいたします。  観光戦略として,本市は,魅力ある都市,地域づくり,中心市街地の活性化という観点から,観光都市広島に向けたVI戦略を平成16年度からスタートしております。  VI戦略では,地域資源を掘り起こし,地域の魅力を総合的に体験できるプログラムの企画も実施されておりますし,旅行客を受け入れる市民のもてなしの心の醸成,景観整備,まちづくり等に取り組むべき施策も展開され,また,地域の総合的なプロデューサー的人材の育成に関しても,秋葉市長は,所信表明に掲げられておりますように,広島市は本格的に観光立市へと前進しております。  しかし,ここで提起すべきは,観光施策における統計整備面について,まだまだ不十分であるということです。宿泊数については一応把握できるようになっておりますが,本市の観光は,数から見れば日帰り客が圧倒的に多いはずです。  まず,ここでお伺いいたしますけれども,平成19年の日帰り客と宿泊客の人数はどうなっているのか教えてください。  さらに,旅行期間中に支出した金額の持続的調査も必要です。こうした計数を正確・迅速に把握できるようになって,初めて政策効果を検証し,実効性の高い観光施策を立案できるようになると思いますが,宿泊に係るデータの収集,公表方法,また,これに関連する観光関連民間企業や経済団体など民間部門の協力体制はどうなっているのかお答えください。  観光の経済的波及効果は極めて大きいものです。その数値を算出する上で重要な役割を果たし,観光産業の重要性を知らしめることにもつながると期待されるのが観光統計であることは間違いありません。地域の活性化という観点からも,広島市は,早急に観光統計を明確化し,観光産業の生産額,就業者数,来客数等の比較によって,みずからの地域の強みと弱みを把握することが重要であります。  国は,現在,観光統計の統一基準に向けての動きを見せておりますけれども,本市はどのようにその国の動きに対して対応されようとしているのか,御見解をお伺いいたします。  また,観光都市とは,魅力的な生活空間を創造することで国内外からの集客を確保し,これが地域の経済社会の活性化につながるという好循環をつくり出すことです。さらに,観光は,単に旅行業や宿泊業のみならず,広範な分野の産業と密接な関連があり,その経済効果は,地域社会に対して極めて大きいものです。  ここで私が考えるものは,そうした観点からも,観光課は都市活性化局ではなく,明らかに経済局所管であると考えますが,現在の組織編成の根拠をお尋ねいたします。  また,観光事業のあり方は,広島市にはかり知れないほどの恩恵をもたらす事業であることを内外に広く知らしめるためにも,私は,新たに,観光局もしくは経済観光局の設置が必要であると考えるものですけれども,市担当局の御見解をお聞かせください。  続いて,広島市における経済活性化についてお伺いいたします。  本市は政令指定都市ということもあり,経済の水準が相当水準にまで高まってきた現在,本市の一層の発展,市民の福祉のさらなる向上のためには,地方分権,小さな政府の推進などを背景に,市民の主体的な発想や多様な考え方を生かしていくことが必要となってきております。  そうした中で,本市は,2005年2月にひろしま都心ビジョンを策定し,2010年までを一つの区切りとして,魅力ある都市づくりに向けて,市民,企業等と行政が目標を共有し,それぞれが主体性を持ち,各種,取り組みの効果的な連携と展開を図られております。  そこで,市民,企業あるいは商工会議所や商店街組合などの各種団体との具体的な協働の進捗状況等についてお答えください。  先月,ニューヨークへ視察に行かせていただいた際,その中で特に印象に残った中心市街地活性化策が,ビジネスインプルーブメントディストリクト,日本名で言うビジネス改善地区,これは,通称BIDと言いますけれども,これは,アメリカにおける代表的な官民パートナーシップによるまちづくり手法でございます。  ニューヨーク市内では,観光客が多く集まるタイムズスクエア周辺やワールドトレードセンターがあったローワーマンハッタン地区を初め46のBIDが存在しており,それぞれの地域がみずからの手法で地区の活性化を行っておりました。これらの地区では,地区内から集められた負担金を資金として,地区内の清掃,ごみ収集,警備員の配置,地区内の飾りつけ,イベントの開催など,通常の行政サービス以上のサービスをBIDが独自に提供しております。また,規模の大きなBIDでは,地区独自のマーケティングや地区内無料循環バスの運行なども行っていたりと,このBIDの活躍範囲はとても広いものがあります。  ニューヨーク市でのこうした取り組みは,まさに自治の原点である住民主導,民間・地域主導を実現しておりましたし,行政は完全にそのフォローに徹していることから,住民自治が叫ばれながらも,まだまだ行政への依存度が高い我が国の自治のあり方を改めて考えさせられました。
     このBIDを見本として,本市として,こうした取り組みを展開・啓発できないものなのか,また,具体的に取り組んでいらっしゃる事例があるのであれば,その説明と,そして,まちづくり3法の一つで,平成10年に制定され,平成18年に改正されました中心市街地活性化法に基づく本市の中心市街地活性化基本計画策定の進捗状況とあわせてお答えください。  また,本市の財政が依然厳しい中で,特に公共事業に依存してきた企業は,従来型の発展モデルの大きな転換が迫られております。また,同時に,日本全体で人口減少と高齢化が急速に進んでおりますが,広島経済における生産人口の減少,高齢化の進展,これは,需要面から見た経済活動の停滞や地域の文化・伝統,教育の担い手の不足という懸念をもたらしております。本市の地域経済は,それぞれに多様な課題を抱えておりまして,その打開策も一様ではありませんが,地方分権が本格化する中で,本市は中四国地方の中枢都市としての役割を発揮し,他都市との連携を密にしながら,経済活性化策の新たな展開によって,都市の魅力をさらに高めていくことが求められると思いますけれども,本市としての見解,そして,具体的な例がございましたらお答えください。  上述したような環境変化が進む中で,広島経済の担い手たちは,地元の将来に対して強い危機感を持っていることは間違いございません。しかしながら,多くの人々は,現状を改善しなければいけないという意識は高くても,具体的に何をすべきかわからないと悩み,どうすれば成功するかを模索しているというのが現状です。  大事なことは,本市が地元の経済の状況をシビアに見詰め,危機感を共有し,自主自立へのすべを考え,必要な施策を実行していくことです。企業の役割は,付加価値──これはイコール富の創造ですが,地方自治体の役割は,地域内外の資源を取り込んで,それを効果的に再分配していくことです。地域経済の活性化を図るためには,それぞれの関係者がそれぞれの役割を明確に意識し,それを実行していかなければなりません。本市は,地元の企業,経営者との協力関係,ネットワークを築きつつ,地域全体で発展していくという姿を描くことが必要なんだと思います。  特に,付加価値,雇用を創造する立場にある地元の経営者自身にもこのことに気づいていただき,連携して行動していくことが不可欠ですし,そのために,協力体制の必要性を理解してもらうための経営者教育や,それを実践するさまざまな機会を,地元の経済団体はもとより,広島市が提供することが求められると思いますが,本市の御見解をお伺いいたします。  最後に,特別支援教育についてお伺いいたします。  実際に特別支援教育を機能させるためには,特別支援コーディネーターの能力向上はもとより,教師全員が,LD,ADHD,高機能自閉症など,いわゆる発達障害について偏見なく理解する必要がございます。なぜなら,保護者にとっては,みずからの子の発達障害が明らかになったときに,学校側と相互理解のもと,本当に学校生活が送れるんだろうかという不安から,保護者と担任が対立関係になってしまうこともあります。それは,ひいては,不登校などの二次障害を招いてしまう危険性をも意味します。このような場合,特別支援教育コーディネーターが第三者として参加することが重要ですが,コーディネーターが理解していても,あくまでも子供の担任である教師の理解がなければ,コーディネーターの力だけで信頼関係を築いていくのは難しい状況と言えます。  そして,保護者側からすれば,コーディネーターの教師も学校側の人という先入観を持ちやすく,かたく構えてしまう可能性もあります。特別支援教育の理念は,どの子がどんな困り感を持ち,どんな支援を必要としているのかという認識を持つということで,頭を抱える困った子ではなく,障害を一つの個性としてとらえ,学級づくりと学習を保障していく体制づくり,そして,気づいて支援してくれる人がいるという環境をつくることだと言えます。  特別支援教育が法的に整備され1年余り,実際,教師全体の理解はどのレベルまで浸透していると教育委員会はとらえていらっしゃるのか,御見解をお伺いいたします。  昨今,学校教育へのニーズが高まる中で,特別支援教育と同時期に,本市では2学期制が本格実施されました。そして,平成22年度からはひろしま型カリキュラムが一斉導入され,さらに,国においては,道徳教育や伝統文化に関する教育の充実をうたった,新学習指導要領が平成23年度に小学校,平成24年度に中学校で全面実施されるなど,教育改革が進められております。  現場の教師の負担はとても大きい状況にあると言えますが,学校での会議や委員会などの整理・合理化を行い,学校の先生が研修に集中して取り組める環境をつくる必要があると思います。  そうした中で,全教師が集まって研修を行っている自治体もありますが,広島市はどのような形で研修体制を図っているのでしょうか。教育委員会主催の研修会の参加者や校内研修会など,数は増加傾向にあるようですが,個別の取り組みではなく,全体としてのレベルアップを図る必要があると思いますが,これまでの研修及び今後の計画についてお伺いいたします。  また,教員の意識の向上とともに,まだまだ特別支援教育に関する浸透度の薄い保護者や市民への啓発活動などのPRも必要不可欠となりますが,今後どのように行っていく予定でしょうか。  広島市には療育センターがありますけれども,子供を連れてきてくださいという待ちの姿勢的な対応が多いと聞きます。さらにニーズが高まる一方で,診断のための初回来訪には2カ月近い先の予約という現実もあります。こうした背景をかんがみれば,相談には積極的に出向くという市全体の体制づくりも必要だと言えますけれども,この点についてどのようにお考えか,あわせてお伺いいたします。  LD,ADHD,高機能自閉症などの症状の状態の把握は難しく,担任だけでなく,学校,保護者,教育委員会全体で児童生徒の障害に気づき適切な対応ができるよう,必要な支援体制を整備していくことが大切であると私は考えますが,教育委員会の御見解をお伺いいたします。  質問は以上ですけれども,最後に,私なりの意見を述べさせていただきたい事項がございます。  それは,6月19日に中国新聞の一面に大きく取り上げられておりました,国際平和機関,広島誘致という報道がされていたことについてでございます。  その内容は,超党派の国会議員が,市民球場跡地に国連の平和機関本部の誘致を検討するというものでした。きょうの午前中,現行の枠組みの中で検討との答弁もありましたが,今,新しい動きが起きようとしております。市民球場の跡地利用については,この動きを新たに加えて議論を深める必要があると申し上げ,私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴,ありがとうございました。(拍手) ○児玉光禎 副議長      市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       豊島議員の御質問にお答え申し上げます。  経済活性化について,特に,中心市街地活性化に向けた,市民,企業,経済界,そして,市,各種団体等との協働の取り組みについての御質問がございました。  中心市街地は,都市機能が集積する都市の顔であり,安全・安心やにぎわい,楽しさに加え,歩きやすい,住みよい,行きよい都心づくりが求められております。  このため,本市では,商工会議所や商店街,市民,企業等と協働して,さまざまな事業に取り組んでおります。  以下,幾つかの例を申し上げたいと思います。  一つ目の,安全・安心では,息の長い取り組みを続け,成果を上げている暴走族追放運動を初め,流川・薬研堀地区の健全なまちづくりや防犯カメラの設置などに力を入れております。  二つ目の,にぎわい,楽しさでは,これは,フラワーフェスティバルあるいはドリミネーションとはもう申し上げるまでもないと思いますけれども,神楽や菊花展など,多彩なプログラムを組み合わせ,二日間で80万人を集客し,大盛況だったフードフェスティバル。この成功の理由の一つは,冬から秋に時期をかえたということにありますけれども,その他,ゆかたできん祭,アリスガーデンパフォーマンス事業など,四季折々のイベントのほか,京橋川水辺のオープンカフェ並びにカフェ周辺での定期的なコンサートの開催,ひろしま街づくりデザイン賞,これは,まち全体をにぎやかにしようとするものですけれども,その中で,特に,夜景づくり部門の表彰なども設置をして,積極的に取り組んでおります。  三つ目の,歩きやすいについては,大手町通りの歩道の新設,これはデオデオのそばの道ですけれども,この歩道の新設,あるいは流川・薬研堀地区における歩道と車道の分離の実証実験が大変に評価されているとともに,胡町のアーケード改修や,城南通りにおける真砂土,これは中国地方に特有の土ですけれども,こういったものを使った歩道づくりなど,ハード面での整備も実施しております。  また,四つ目の,住みよいでは,広大本部跡地やBブロック再開発事業における町中居住の推進。  五つ目の,行きよいでは,公共交通機関の充実や食と工芸の「ザ・広島ブランド」認定制度などが挙げられます。  さらに,特筆すべき取り組みとして,平成17年度,2005年度から,本市と広島商工会議所で設置した都心活性化推進委員会において,三つの柱,すなわち,都心回遊性の創出,裏通りの活性化,公共空間の活用,この3本柱を中心としたモデル事業の実施がございます。特に,裏通りの活性化については,広島アキハバラ塾とのコラボレーションのもと,袋町「裏通り」活性化委員会が,きれいなまちづくりを目指したお掃除プロジェクト,落書き消しクリーンプロジェクト,販売促進を目指したクーポン付エリアマッププロジェクト等を実施するなど,活発な活動が行われております。  また,官民,これはもう経済界も一体になって協力した案件でございますが,壁画明日の神話の誘致に取り組んだことは,この壁画の誘致という私たちの願いは実現いたしませんでしたけれども,芸術──アートを通して平和のメッセージを未来に贈ろうと考える市民や経済界の中から,新しいエネルギーが生まれてまいりました。その結果として,ハノーバー庭園の活性化に向けての新たな提案を生むなどの活動につながっております。  今後とも,広島商工会議所や商店街など各種の経済団体,市民等と連携しながら,中心市街地活性化に向け,ハード・ソフト両面の取り組みを積極的に推進していきたいと考えております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○児玉光禎 副議長      企画総務局長。 ◎南部盛一 企画総務局長   観光局の設置についての御質問にお答えいたします。  都市活性化局につきましては,平成18年度,2006年度の組織改正におきまして,新球場の建設や広島駅周辺地区の整備など,都心部のプロジェクトが本格化することにあわせて,新しい局として設置をいたしました。  その趣旨は,都市の魅力や快適性を高め,来訪者──ビジターズをふやし,都市の活性化を図ろうというものでございまして,そのためには,集客施設などハード面の整備にあわせて,観光などソフト面の施策も一体的に推進していく必要があることから,これらの業務も所管することにしたものでございます。  今年度は,都市活性化局の分掌事務のうち,都心の活性化に関することを,都市の活性化に関することに改めるとともに,都心活性化推進課を都市活性推進課に改称の上,過疎対策に関する事務を所掌することとし,都心部だけではなく,都市全体の活性化を一層推進することにいたしました。  一方で,議員御指摘のように,観光は広範な分野の産業と密接な関連があり,その経済効果は,地域社会に対して極めて大きいことから,経済局の所管にすべきという考え方もございます。このため,今後,本市にふさわしい観光施策の推進体制のあり方について,議員御提案の,観光局もしくは経済観光局の設置やクロスセクションによる対応など,種々検討を進めてまいります。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      市民局長。 ◎島本登夫 市民局長     国連機関ユニタールについての御質問にお答えを申し上げます。  国連訓練調査研究所──ユニタールの広島事務所は,平成15年,2003年3月に,広島県が策定をいたしましたひろしま平和貢献構想の一環として,県が主導的に誘致したもので,同事務所の支援は,県がみずから取り組んでいる事業であると認識をしております。  一方,同事務所は,中四国地方で唯一設置されている国際連合の機関であり,広島都市圏の中枢性の向上や国際的ネットワークの拡大にもつながると評価しております。  また,同事務所が実施する研修プロジェクトは,アジア太平洋地域の国々にとって関心の高い課題が設定され,研修プログラムを通じて,各国の経済発展や社会開発に必要な人材育成に多大な貢献をすることができると考えております。  本市といたしましても,こうした同事務所の活動を支援することは意義深いことと考え,今年度,同事務所が実施するプロジェクトのうち,本市が推進する平和施策の効果を高める,アフガニスタン奨学プロジェクトに対して支援することとしております。  新たなプロジェクトに対する予算面の支援につきましては,厳しい財政状況の中,同事務所が実施する個々の研修プロジェクトごとに,本市の平和推進施策や国際交流・協力施策との整合性,効果等を検討の上,意義があると思われるプロジェクトについて,可能な範囲で支援していきたいと考えております。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      こども未来局長。 ◎梶原伸之 こども未来局長  特別支援教育についての質問の中の,発達障害に関する相談の部分についてお答えいたします。  本市では,平成17年,2005年10月に,発達障害者支援のための中核機関として,こども療育センター内に発達障害者支援センターを開設し,発達障害者やその家族に対して専門的な相談支援を行うとともに,学校や保育園などの関係機関に対する専門研修や指導・助言などを行っています。  また,発達障害児の早期発見と的確な支援を行うため,乳幼児健診問診項目の見直し,乳幼児健診従事者への研修などを行うとともに,保育園における発達障害児支援のリーダーとして,発達支援コーディネーターを養成しております。  さらに,今年度,保健センターと保育園が連携して,発達障害が疑われ,支援が必要な親子を対象とした親子教室をモデル実施する予定であります。  今後は,相談,診断体制の充実を図るとともに,乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応した,一貫した支援体制の整備が必要であると考えております。  そのため,広島市発達障害者支援体制整備検討委員会から,本年3月に受けました,広島市の発達障害者支援体制整備に関する提言の具体化に向けまして,学識経験者や家族の代表などで構成いたします広島市発達障害者支援連絡協議会で検討を行っておりまして,平成21年,2009年3月をめどに,今後の取り組み方針を作成し,実施可能なものから順次取り組んでまいります。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      経済局長。 ◎重藤吉久 経済局長     経済活性化についての御質問に順次お答えします。  まず最初に,アメリカのBID制度に関連する御質問でございます。  御提案のBID制度は,アメリカにおけるそれぞれの州の法律に規定されている制度で,地域の発展のため,地区内の資産所有者,商業者等の事業者,住民等が街区の運営組織をつくり,受益者負担の考え方に基づいて,地区内の資産所有者から,市が強制的に徴収する負担金を主財源として,防犯対策や街路等の公共空間の維持管理をするものです。  日本ではこのような法制度がないため,汐留シオサイトにおいて,BIDを参考にした取り組みが行われていますが,負担金の強制的賦課ができないなどの課題があると聞いています。  本市では,こうした例を参考にしながら,中心市街地活性化の取り組みに当たって,受益者負担の考え方など,当該制度を研究してみたいと考えています。  次に,中心市街地活性化基本計画についてですが,本市では,胡町商店街のアーケード改修に対する国の補助の拡充などを目的として,平成18年,2006年8月に,改正施行されました中心市街地の活性化に関する法律に基づく基本計画を策定することにしていましたが,予定していた国の補助やまちづくり交付金の拡充が計画策定に連動した国の助成の対象ではなくなったため,平成18年度,2006年度中の基本計画の策定及び認定申請を見合わせることにしました。  基本計画の策定に当たりましては,国の支援制度を活用するための多様な事業を計画に盛り込むことが必要であるため,引き続き,関係部局と連携して,こうした事業の掘り起こしに取り組んでいきたいと考えています。  次に,他都市との連携を密にした経済活性化策の新たな展開についての御質問でございます。  本市が都市の魅力をさらに高め,中四国地方における中枢性を高めていくためには,都市としてのリーダーシップを発揮し,さらなる経済活性化に取り組んでいく必要があります。経済活性化に向けた他都市との連携につきましては,本市では,中四国地域連携軸上に位置する都市及び商工会議所と協力して,消費財見本市・商談会であるビジネスフェア中四国を,平成14年度,2002年度から毎年開催しています。出展者数,商談件数とも年々増加しており,バイヤーも中四国地域のみならず,首都圏,関西,九州圏,海外からも参加するなど,広域での経済交流が図られています。このほか,経営アドバイスや貿易に関する相談サービスなど,経営全般に係る支援も行っており,こうしたことにより,参加企業の販路拡大を支援するとともに,地域間の経済交流の促進を図っていきます。  さらに,広島,山口両県の13の自治体で構成する広島広域都市圏形成懇談会において,圏域内のイベント情報紙の発行やホームページの運用,地産地消推進事業などの各種事業に取り組み,都市圏内の自治体との連携を深めるとともに,広島湾域の自治体等で構成する広島湾ベイエリア・海生都市圏研究協議会において,体験型修学旅行の誘致などを進めています。  また,世界的に見ると,GDPの大きな部分を占める観光事業は,今後の広島都市圏においても高い成長が見込まれることから,広島,宮島,岩国地方の自治体と連携し,広域的なガイドブックの作成や首都圏等での観光宣伝等に取り組んでいます。  このほか,ひろしまフードフェスティバルやフラワーフェスティバルなどのイベントにおいて,近隣の自治体と連携し,それぞれの物産のPRや販売を行うとともに,島根ふるさとフェアなど,他の自治体が行うイベントへの協力も行っています。  今後とも,中四国地方の中枢都市として,リーダーシップを発揮し,他都市との連携による経済活性化策に努めてまいります。  次に,地元の企業,経営者の協力体制についての御質問でございます。  地域経済の活性化を図るため,地域の企業同士が連携を図っていくことは重要なことであると認識しております。このため,自動車メーカーの系列化の崩壊などに対応し,グローバルな市場から新たな受注を獲得することを目的に,地元企業に自動車デザイン開発会社を共同で設立することを呼びかけ支援しました。地元16社が出資した同社の技術力は,海外企業からも高く評価され,中国大手自動車メーカーから,車体デザインを一括受注するなど,国内外からの受注を急拡大しております。  また,従来から広島の企業・起業家等の製品及び技術力などの情報を発信し,企業間取引や企業連携等を促進するため,ビジネスマッチングサイト「ひろしまフェニックスサイト」を設けるとともに,投資家やコンサルタント等も集めた交流会を開催するなどの支援を行ってまいりましたが,昨年度から,この事業を広島市の産業のホームページに統合し,引き続き,販路開拓や技術交流などビジネスマッチングを支援しています。さらに,事業者同士の連携による新規受注開拓を図るため,新たに産業支援サービス業拠点施設の設置・運営を支援することにしています。  このほか,本市の中小企業支援センターでは,新連携事業の取り組みにより成果を上げている企業の事例発表などを内容とするセミナーを開催しており,産業振興センター技術振興部においては,複数の企業や大学が共同で新製品開発を行うための研究会等を開催しています。  今後とも,機会をとらえて,企業間,企業同士の連携が促進されるよう支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      都市活性化局長。 ◎濱本康男 都市活性化局長  観光統計について,3点,お答えをいたします。  初めに,平成19年の日帰り客数と宿泊者数という点です。  本市の平成19年,2007年の入り込み観光客数は1062万4000人で,そのうち,日帰り客数が707万7000人,宿泊者数は354万7000人となっております。  次に,宿泊に係るデータの収集等の件でございますが,本市における,宿泊に係るデータの収集につきましては,市内のホテル70施設,旅館66施設,共済施設14施設の,合計で150施設に御協力をいただきまして,月別及び年間の宿泊者数や外国人宿泊者数を報告していただいておりまして,その数値を積み上げて宿泊統計としております。  また,公表につきましては,入り込み観光客数,宿泊者数のデータの取りまとめ後,毎年5月に,市のホームページへの掲載とあわせて,報道各社へも情報提供しております。  次に,国の観光統計の統一基準づくりの動きについてでございますが,観光統計につきましては,官民のさまざまな主体が,それぞれの手法や目的で統計を作成し,全国統一基準の包括的な統計が存在をしていないのが実情でございます。このため,現在,国において,平成22年,2010年からの実施に向け,観光入り込み客統計,観光消費額統計の統一基準の作成作業が進められております。  本市としては,この統一基準づくりの進捗状況などを見きわめながら,これまでの統計データとの連続性の問題などの課題の整理を行っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      教育長。 ◎岡本茂信 教育長      特別支援教育につきましての御質問にお答えをいたします。  まず,教師全体の理解についてでございますが,特別支援教育は,昨年,平成19年,2007年4月の学校教育法の一部の改正によりまして,これまでの障害児教育の対象の障害だけでなく,知的なおくれのない発達障害も含めて,特別な支援を必要という児童生徒等が在籍するすべての学校において実施されることになりました。  本市におきましては,既に,平成15年度,2003年度から,特別支援教育の充実に向け,大学教授や医師,臨床心理士等による学校への巡回相談指導を行うとともに,管理職を対象とする講演会の開催,指導資料の作成などの取り組みを進めてきております。  また,学校におきましては,特別支援教育コーディネーターを中心に,校長,教頭や学年主任,担任等で構成する校内委員会を組織しまして,教職員一人一人が,児童生徒等への適切な支援が行えるよう,校内の支援体制の確立に努めています。  こうした取り組みによりまして,教職員の特別支援教育に対する理解は深まりつつあるものと認識をいたしております。  続きまして,研修,今後の計画でございますが,研修につきましては,毎年,管理職及び特別支援教育コーディネーターを対象とした研修会や,教育センターにおける全教職員を対象とした課題別の講座などを実施しております。また,今年度は,教育委員会事務局のすべての指導主事等を対象に研修会を実施いたしました。  今後も,引き続き,児童生徒等一人一人の教育的ニーズに応じた,より適切な指導及び必要な支援を行うため,専門的知識を有する人材の育成を計画的に行っていきたいと考えております。  続きまして,保護者への啓発でございます。  保護者を初め市民に学習障害,注意欠陥多動性障害,高機能自閉症等の児童生徒等に対する理解を深めるための啓発活動を行うことは重要であると考えておりまして,これまでにも,年3回発行しております教育委員会の広報紙「教育ひろしま」に,毎回,特別支援教育の内容をわかりやすく掲載するとともに,昨年度からは,市民,保護者を対象とした講演会を開催しており,今年度も,来月,7月17日(木)に実施する予定としております。さらに,本年度からは,家庭用パンフレットを作成しまして,全保護者に配布するなど,より一層の理解,啓発を図っていきたいと考えています。  最後に,支援体制についてでございますが,本市教育委員会としては,今後とも,教員の指導力や専門性のさらなる向上を目指し,研修の充実を図るとともに,校内体制の充実強化や保護者の理解,啓発に努め,児童生徒等に対する適切な指導や必要な支援を行うための態勢の充実に向けて,より一層努力していきたいと考えております。  以上でございます。 ○児玉光禎 副議長      豊島議員。
    ◆8番(豊島岩白議員) 熱心な御答弁,ありがとうございます。  きょうは,最後の番であり,なかなか雰囲気的に,背中に怖いものを感じながら再質問させていただきますけれども,まず,これは質問じゃないんですけれども,ユニタールなんですが,今,御答弁いただきながら,県がみずから取り組んでいる事業として認識をされておるということですけれども,やはりこれまでの流れを見て,私,今回,初めて,ユニタールについては質問させていただいたわけじゃないと思うんです。過去,2名されてると思うんですけれども,やはりどうしても,県が,県がということで,県がしとるから市はしとうないんじゃというようなふうにもとらえようにはとらえられるんですけれども,そうでないとは信じますけれども,やはり今回,御答弁いただいて,意義があると思われるプロジェクトについては支援をしていこうと。これは,やはりもちろん意義がなければ支援する必要はないんですが,やはりこれから,例えば,ユニタールで,今,広島事務所が持っておりますあの金融プロジェクトだとか,これは,確かに,以前,秋葉市長も記者会見で述べられておりますけれども,これ,ユニタールだけじゃなくて,確かに世銀やさまざまな国際機関が同様にやっぱり研修やってらっしゃる。でも,やっぱりその中でも,やはり私も先ほど述べさせていただきましたけれども,広島市に国連機関があるということ,これはやっぱり一番大きな要因ではなかろうかと思います。  そういったこともあわせまして,既存のプロジェクトのみならず,新しいプロジェクトをこれからともにつくり,また,広島市民に資する結果と実績を残していくことを,これはお願いして,要望とさせていただきます。  次は,まず,特別支援教育なんですけれども,これも要望でとどめておきますが,結局,特別支援コーディネーターというのは,これ,実際,現場を見ると,やっぱり人数不足,人手不足はもうこれ否めないというのが現状だと思うんです。やはりプロパーでもちろん人材形成,人材を育てていくということももちろん必要ではありますけれども,やはりこういう,昨年から始まったんで,今は産みの苦しみということもあるんでしょうけれども,今,やっぱり二度と戻らない時間を過ごしている子供たちがいるということ,このことに,現実にやっぱり目を向けて,やはり専門家などの外部委託,そういったやっぱり外部の専門家等のNPOとか,そういったところの提携によって,現状に対応していただくようなアイデアも今後ちょっと図っていただきたい。これは,決して今私が初めて言うことではないと思いますが,あわせて,また今年度の課題として協議していただきたいと思っております。  そして,最後に観光なんですけれども,この観光はもう毎回これ質問させていただこうとは思っている事項でありますけれども。  まず,観光とは何ぞやという,観光事業とは広島市にとっては何ぞやということをまず明確に線引きをしていくことが必要だと私は思っております。  例えば,今,VI戦略にしても,中心市街地の活性化,にぎわいづくりというのももちろん大事なこれは項目であって,これは決して否定するつもりも何にもありません。でも,同時に,にぎわいだけで,じゃあそれはほんとに観光事業と呼べるのかと言ったら,そこは非常にあいまいな部分があると思うんです。例えば,きょう言っていただきました,日帰り客数が707万7000人,宿泊者数が354万7000人ということなんですけれども,結局,入り込み観光客数ということでマスコミでも公表されて,ニュースで報道されるのを見ましたけれども,多くの市民は,多分,1000万人もおるんかと,観光客が。これ,間違いなく,ほとんどの市民の方は,県外からお金を,わざわざ広島市に観光しに,純粋に来られた方の人数を多分意識されてると思うんです。でも,この人数,内訳を見てみると,日帰り客数が707万人,これ通勤客じゃないのかという,通勤者,廿日市とか呉とか,その入り込みのやっぱり統計がその中に加味されてると思うんです。これ,やはり入り込み客数1062万4000人のこの詳細な内訳を,いま一度,ちょっとここで教えていただきたいと思うんですけれども。 ○児玉光禎 副議長      都市活性化局長。 ◎濱本康男 都市活性化局長  入り込み観光客の内訳でございますけれども,これ,出し方が,本市の市内にありますJRの主要な駅でありますとか,広島空港,それから,西飛行場,それから,宇品──広島港ですね,それから,バスセンター,それから,高速道路のインターチェンジ,こういった,いわゆる交通結節点におきます市内への流入交通量,これに,一定の観光客率というのがございまして,これを乗じて推計をするという手法でございます。  したがって,通勤者は観光客率には入っておりませんので,統計的には,今御指摘のあったような通勤者は日帰りに入ってはおりません。  ちなみに,JR利用者は,先ほど,1062万4000人の中で582万4000人,航空機利用が35万6000人,船舶が24万5000人,バス利用が128万7000人,自動車利用が291万2000人,合計で1062万4000人と,こういう内訳でございます。  以上です。 ○児玉光禎 副議長      豊島議員。 ◆8番(豊島岩白議員) ほんと,通勤客はいないということでありましたけれども,通勤客じゃないですね,通勤者か,客じゃないですね。  これは,今後,委員会等でまたやっていきたいと思います。  以上です。 ○児玉光禎 副議長      本日の一般質問はこの程度にとどめたいと思います。 ───────────────────────────────────────                   次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○児玉光禎 副議長      この際,御通知申し上げます。   23日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                散   会   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○児玉光禎 副議長      本日は,これをもって散会いたします。  御苦労さまでした。                  午後2時51分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   藤  田  博  之   副議長   児  玉  光  禎   署名者   安  達  千 代 美   署名者   八  條  範  彦...