平成 9年 6月定例会 平成9年6月
定例岡山市議会 議 事 日 程 第6号 6月18日(水)午前10時開議第1
個人質問 甲第137
号議案~甲第201号議案 …………………………………会議に付した事件 日程第1
個人質問 甲第137
号議案~甲第201号議案 ──────〇──────
出席議員(47人) 1番 辻 野 喬 雄君 2番 田 畑 賢 司君 3番 崎 本 敏 子君 4番 藤 沢 和 弥君 6番 大 下 隆 章君 7番 太 田 正 孝君 8番 柴 田 健 二君 9番 向 井 英 雄君 10番 三 木 亮 治君 11番 伏 見 源十郎君 12番 服 部 勇君 13番 井 村 嘉 久君 14番 奥 野 三四志君 15番 楠 木 忠 司君 16番 若 井 達 子君 17番 浅 野 秀 孝君 18番 羽 場 頼三郎君 19番 近 藤 昭君 20番 吉 本 喜 一君 21番 貝 原 信三郎君 22番 梶 原 昌 一君 23番 垣 下 文 正君 24番 佐々木 清 巳君 26番 宮 武 博君 27番 高 津 利 明君 28番 有 井 靖 和君 29番 則 武 宣 弘君 30番 田 尻 祐 二君 32番 串 田 務君 33番 寺 田 和 子君 34番 横 田 悦 子君 35番 堀 川 進君 36番 磯 村 博君 38番 土 肥 啓 利君 39番 川 田 敏 幸君 40番 宮 川 日 吉君 41番 山 田 録二郎君 42番 太 田 稔君 43番 磯 野 昌 郎君 44番 吉 田 政 司君 45番 山 田 勇君 46番 福 原 弘 子君 47番 苦 水 重 徳君 48番 内 田 宏 哉君 50番 田 中 昭 三君 51番 大 橋 英 雄君 52番 藤 原 貢君 …………………………………
欠席議員(6人-欠員1) 5番 坪 井 貞 夫君 31番 華 房 美 衛君 37番 高 木 悦 夫君 49番 脇 本 一 郎君 53番 河 合 和 成君 54番 花 岡 薫君 ─────────────説明のため出席した者 市 長 安 宅 敬 祐君 助 役 森 末 京君 助 役 宮 崎 正 壽君 収 入 役 三 宅 襄君 参 与 山 本 俊 介君 総 務 局 長 菱 川 公 資君 参 与 岩 上 満 夫君 財 政 局 長 井 上 宜 也君 保 健
福祉局長 角 田 誠君 環 境
事業局長 大 橋 貢君 参 与 守 屋 紀 男君 経 済 局 長 松 本 輝 夫君 都 市
整備局長 小 塚 雅 史君 参 与 木 野 義 明君 参 与 武 本 勘 二君 下 水 道 局 長 大 森 信 慈君 西 大
寺支所長 河 本 明 治君
水道事業管理者 遠 藤 嘉 昭君 消 防 局 長 太 田 力 男君
選挙管理委員会 委 員 長 安 早智子君 委 員 三 村 俊 隆君 事 務 局 長 佐 藤 史 郎君 監 査 委 員 委 員 槌 田 邦 夫君 農 業 委 員 会 委 員 江 口 保君 教 育 委 員 会 委 員 藤 原 静 雄君 委 員 平 松 掟君 教 育 長 戸 村 彰 孝君 ─────────────出席した
議会事務局職員 局 長 橋 本 豪 介君 次 長 渡 邉 光 章君 次 長 斎 藤 泰 清君 議 事 課 長 岡 崎 彰 信君 調 査 課 長 岡 田 登志男君 午前10時0分開議
○副議長(
楠木忠司君) 皆さんおはようございます。 これより6月
定例市議会第6日目の本会議を開きます。 ただいまの御出席は45名であります。 ─────────────
○副議長(
楠木忠司君)
会議録署名議員に
浅野議員,
吉本議員のお二人を指名いたします。 ─────────────
○副議長(
楠木忠司君) 本日の
議事日程は,
個人質問並びに甲第137号議案から甲第201号議案までの65件の議案についてであります。 ──────〇──────
△日程第1
個人質問(甲第137
号議案~甲第201号議案) ─────────────
○副議長(
楠木忠司君) 日程に入ります。 日程第1は,
個人質問並びに甲第137
号議案平成9年度岡山市
一般会計補正予算(第1号)について,以下65件の議案についてであります。 これらを一括上程し,
個人質問を行います。 それでは,順序に従いまして
太田稔議員。 〔42番太田稔君登壇,拍手〕
◆42番(太田稔君) 皆さんおはようございます。 我が岡山市が,
岡山城築城400年,平成12年には
後楽園築庭300年,21世紀を前に,岡山市は大きな節目を迎えております。 そうした中で,これからの
歴史的節目を,新しい岡山を築く21世紀への道しるべと位置づけて,温故知新という観点から,豊富な歴史と
文化遺産等の
地域資源を活用して,岡山の
魅力アップを図る新しい
まちづくりを進めるため,「
岡山城築城400年・創ろう21世紀の岡山」をメーンテーマにさまざまな事業が展開され,岡山市の魅力を全国に向けて発信されていることに感謝と,市民としてお喜びいたします。 このことは,昨年の中核市,そして21世紀初頭には
政令指定都市を目指す岡山市として,新しい
まちづくりを歓迎いたします。 そうした中,平成9年6月
定例市議会も6日目を迎え,市長を初め執行部の皆さん,議員の皆様,御苦労さまでございます。 私は,岡山市
総合支所整備計画の1点について質問をさせていただきます。 昭和51年1月の岡山市
行財政対策懇談会の答申において,本庁と支所との縦割行政から生じる弊害,支所間の事務量に
アンバランス等があり,機構の簡素化を進めるため,支所等の統廃合を図るべきと指摘されており,昭和57年3月の岡山市
行財政対策懇談会でも市域全体に均等に行うため,旧
町村単位に支所を置くだけでは
行政格差の解消にならないということから,これらを統廃合すべきとし,加えて昭和58年1月,
市議会行財政調査特別委員会でも,
行政サービスの不均衡を解消し,
関係住民の利便,
効率的行政の確立という面から,支所の再編成を指摘され,さらには平成5年11月17日に,これからの市行政のあり方について,豊かでゆとりあるくらしをめざす
市政懇談会答申においても,
具体的方針にも
総合出先機関として,支所の
あり方等の提言がなされております。 そうした中で,平成8年3月29日に,岡山市
地域割審議会から,市域の6分割の
地域割り,
総合支所の大まかな
設置場所等を内容とする
総合支所の
所管区域等についての答申が提出されましたが,これに対して幾つかの地域から,
地域割りの線引きや
出先機関について請願,陳情等が出される等の中で,当局は市内33
中学校区で市民と語る会を開催し,市民の意見を聞き,
総合支所整備計画策定に向けて取り組み,
総合支所の
整備方針,
設置場所等の
整備計画が示されました。
地域行政調査特別委員会で,本年4月に出された報告書にも,これからさらに市民の声に耳を傾け,
住民サービスの低下を招かないよう,出張所,
連絡所等の配置にも配慮しながら,市域全体の均衡ある発展,
行政サービスの均等化,
住民福祉の向上につながるように,岡山市
総合支所整備計画に沿い,事業の具体化に向けて努力すべきであるとまとめられております。 そして,その
総合支所構想は,
現行支所の再編にとどまらず,現在本庁が所管する区域も含めた新たな
区域設定をし,
事務権限の
充実強化を図った
総合支所を配置した上で,
窓口業務を初め
地域振興,農林・
土木事業など,
市民生活に密着した
行政サービスを身近なところで提供し,市域全体の均衡ある発展とそれぞれの地域の活性化を図る
拠点づくりをするものであるとされております。 なお,
地域割りの答申に当たっての附帯意見として,
総合支所の
所管区域は各
中学校区の
通学区域とし,
通学区域の変更のある場合は,
通学区域の境界をもって
所管区域の境界とすることを基本とするとされております。
福祉事務所,
保健所等,市のほかの
行政機関の
所管区域との整合を図り,国,県の
行政機関も今後,
住民サービス等を勘案し,できる限り整合を図るとされております。 特に,
旭川以東の
地域割りについては,
東西分割,
南北分割の両案を推す意見が,それぞれ出されたが,既存の
行政機関等の
所管区域,
地域センター整備構想等との整合を図ること,中でも
西大寺地区と上道・
古都地区間の道路網の
整備充実,
公共交通機関の
整備促進,
上道地区について
サービス低下を来さないような方策を講ずることを条件として,
東西分割が採択されております。 なお,
地域割りの検討に当たっては,市内16カ所で,
地域割審議会主催の「地域割についてご意見を聴く会」を開催して,市民の御意見を聞きなされたが,この地域の意向を十分に満たすことは不可能でありました。 そうした中で,
地域割りに関して
審議会あて陳情,要望等が出されている御
南中学校区,
光南台中学校区,
岡北中学校区,
京山中学校区,
石井中学校区,
吉備中学校区,そして私の地区の浮田,平島,角山,御
休小学校区の
上道中学校区,
古都小学校区のある
旭東中学校区,
財田小学校区のある
竜操中学校区でありました。 このように見直しを求める要望が相次いだ中で,一部見直されて,本年3月31日に
整備計画が発表され,市長は6カ所の
総合支所整備について,平成22年度をめどに完了したいと,このように表明されております。
総合支所を設置する場合は,
所管区域内にある現行の支所,出張所,連絡所,
サービスコーナーは,廃止することにしているが,市長が特に必要であると認めたときは,出張所などを設置することができるとされております。 岡山市の
総合支所の区割りは,Ⅰ地区が
丸之内中学校区を初め6
中学校区,Ⅱ地区が
操山中学校区以下6
中学校区,Ⅲ地区が西大寺,山南,上南そして旭東,
上道中学校区の5
中学校区であります。Ⅳ地区が
芳田中学校区以下5
中学校区,Ⅴ地区が御
南中学校区を初めとする6
中学校区,そしてⅥ地区が
京山中学校区を初めとする5
中学校区となっております。 また,
総合支所の
設置場所について,
総合支所と管内の
主要地区を結ぶ道路については,今後の
整備計画の中で重点的な整備を図るとともに,
公共交通機関についても路線の再開,新設に関して,
関係方面に積極的に
働きかけるようにまとめておられます。 特に,上道・古都─西大寺間には,最短の
公共交通機関がないこと,吉備─妹尾間の
幹線道路の不備等については,地域の強い要望があったことも指摘されております。
総合支所設置に伴い,
現行支所を廃止される際には,
総合支所からの
交通条件,
地理的条件等を配慮して,
連絡所等の適正な配置に努める等,一層の
サービス向上が図られるよう配慮するよう指摘されております。 なお,その
総合支所構想の具体化を図るため,早期に
総合支所の
設置場所,規模,
事務分掌,権限,配置人員,
財政計画,
総合支所の機能を補完する
出先機関の
あり方等を盛り込んだ
総合支所整備計画を策定し,計画的な推進をすべきとされております。 また,
総合支所構想は,
市民生活にも密接にかかわるものであることから,今後あらゆる機会をとらえて市民への周知と理解を得るよう努めるべきであると指摘されております。 また,6月
定例市議会に提出された
市長提案理由説明の中でも,この
整備計画に基づいて,条件の整った地区から順次,
総合支所を整備していく考えでありますとされ,
地域割りが福祉,保健,水道,消防,教育等の各分野の
行政サービスとも密接に関連することから,
総合支所が設置されていない場所においても,
地域割りと整合を図りながら,これからの
事務事業を推進していく必要があるとし,このため
総合支所の
所管区域を市として確定することにより,
行政サービスの総合的かつ計画的な推進に資するための岡山市
総合支所の
所管区域を定める条例の制定に係る議案の提出がなされておりますが,市域の均衡ある発展と
行政サービスの均等化を図るためにも,将来の
政令指定都市を展望するためにも,
地方分権時代にふさわしい
まちづくりを推進していくためにも十分な審議が必要であります。 こうした
地域割りの中で,Ⅲ地区の
上道地区を含む旭東,上南,西大寺,山南の各
中学校区の分割案について,「新しい
総合計画と
総合支所について市民と語る会」の開催状況に見られるように,昨年7月2日の
岡南公民館を皮切りに,当会場においての出席者87人,発言者8人,
アンケート11人から始まり,
上道地区は7月21日,
上道公民館において開催され,関心が高く出席者99人,発言者13人,
アンケート11人でありました。この会場で,
上道地区民は,
旭川以東の東西案が圧倒的に多く,95%以上の地区民の要請であり,その理由は
上道地区と
西大寺地区間の
交通体系,なかんずく
公共交通機関がないということ,また行政上,
上道地区の
サービスの低下を招くことになりかねないということとされ,また一方
上道地区でも,各町内会,浮田,平島,角山,御休地区の各
連合町内会長の強い要望でもあり,また話し合いで回を重ねるごとに強い要請でもありました。老人会の老人の皆様,そして多くの婦人の皆様からの強い要望でもありました。 私も,東西案に対する
働きかけをあらゆる面から
働きかけ,努力いたしましたが,南北案が成立いたました。また,地元の
皆さん方に私の東西案に対する
働きかけの実情を話しましたが,理解が得られなかったのが実情でありました。 また一方では,東西案ができない場合は,いま少し時間をもらえとの要請があり,いま少し
地元住民は,この6分割案の決定に時間をいただきたいとの要望であります。 この見直しがどうしてもできないときは,
上道地区の
サービス低下を来さないため,出張所,連絡所の配置はぜひお願いしたいと思います。 また,
公共交通機関がないことは審議の要点の中でもあったように,
交通体系の利便性の中で,特に
上道地区は
総合支所を
西大寺支所とした場合,
交通体系が全くないことから,必ず配慮すべきであるとの審議がなされておりましたこともあり,この点はぜひ解消していただきたい。
公共交通機関を必ず実現していただきたい。 さらに,これもできない場合は,今の
メール便車の利用,併用等でもよいので,これは必ず絶対に実現していただきたい。 この岡山市の
総合支所構想は,岡山市百年の大計に立った
都市計画の中での結論でなくてはならないと思いますが,このように
上道地区民の南北案に対する周知と理解が得られていないことへの対応は,どのようにされるのですか,お考えをお示しいただきたい。 また,
上道地区と
西大寺地区の
交通体系について,行政上,
サービスの低下を招くことの対応は,どう解消されるのか。 一方,
上道支所なき後の出張所,連絡所の配置については,どのように対応されるのか,お考えをお尋ねいたします。 以上で第1回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(
楠木忠司君) 当局の答弁を求めます。 〔
市長安宅敬祐君登壇〕
◎市長(
安宅敬祐君)
太田稔議員の
個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 岡山市
総合支所整備計画につきまして,
上道地区民の周知と理解が得られていないことへの対応をどうするのか,また
上道地区と
西大寺地区の
交通体系について,行政上の
サービスの低下を招くことのないように,また出張所,
連絡所等の配置についてはぜひ実現をと,また
メール便車の利用をというお尋ねでございます。 今回の条例案の作成に当たりましては,岡山市
地域割審議会からいただいた答申をもとに,さまざまな御意見のある中で,この答申の考え方の根幹を崩さない範囲での
取りまとめをしたところでございます。 その過程の中では,上道・
古都地域からは交通の
利便性等から
旭川以東を
南北分割にという要望をいただいてきたところでございますが,他の官公署の
所管区域や
地域センター構想との整合性や
コミュニティー活動の推進の観点からは,
基礎的社会のまとまりである
中学校区の分断を避けるということなどから,現在の案になったところでございます。 市民への対応についてでございますが,昨日の
藤沢議員の
個人質問にもお答えしましたように,これまで
最大限市民の御意見をお聞きし,フィードバックもしてきたところでありまして,また
総合支所整備計画策定後は,
上道地区の代表者の方々へも
整備計画の
取りまとめの経緯を御説明するなど,御理解いただくための,できる限りの努力をしてきたと考えております。 また,
交通体系の利便性に関してでありますが,これまでにも,かつて上道─西大寺間に
路線バスを運行していた実績のある
バス会社へ,
路線再開について打診をしてきたところであります。 また,
総合支所の
設置場所の検討に当たりましては,想定される地区内の新たな需要も十分に御説明しながら,さらに再開の
働きかけを行ってまいりたいと考えております。 窓口の延長程度の簡単な事務を処理する出張所のほか,場合によっては連絡所,
サービスコーナー,あるいは公民館を利用した
自動交付機の設置など,住民の便宜を図るための方策についても,今後
総合支所の
設置場所の選定とあわせて検討してまいりたいと考えております。 御提案の
現行西大寺支所の
メール便の
拡大利用につきましては,まず先ほど申し上げました
バス路線の再開の
働きかけが基本的な課題であると考えておりますが,また
メールバスは
物品運搬用として現在使用していることから,
一般市民の方を輸送することの困難さを感じてはおりますが,その手法が可能であるかどうか,また効果的であるかどうか等につきまして,今後総合的な観点から研究してまいりたいと考えております。 〔42番太田稔君登壇〕
◆42番(太田稔君) 再質問をさせていただきます。 私の要望に対して,十分な御答弁が見られないという感触もしますので,再質問をさせていただきます。 今策定中の第四次
総合計画の
都市づくりの
基本理念の中でも,これからの都市のあり方は,人が人として尊重され,市民として尊重され,すべての面に理解と思いやりの心を持って触れ合う中で,ともに支え合う
地域社会づくりをすることが基本となっております。すべての市民がみずからの努力と責任に基づいて,生き生きと自立し,健康で心豊かに安心して暮らせる
人間性重視の機能と基盤を備えた人に優しい
都市づくりをすることが,
基本理念とされております。 また,施策の方向の中でも,市民の手による
まちづくりを推進するとされております。このように
上道地区の
連合町内会長を初めとする市民のいま一考の要望があります中で,いま一度市民の願いを聞いていただきたいことをお願い申し上げますとともに,一方で,魅力ある
都市空間づくりの中でも,
都市総合交通体系の確立を上げられていますが,21世紀に向けて都市の活力を創造するため,なかんずく岡山市東部の
交通体系は,ぜひ確立することを確約していただきたいと,このように思います。 特に,これにつけ加えて申し上げたいことは,さきもちょっと触れられましたけれども,私も西大寺─上道の
バス路線については,十七,八年前かと思いますが,継続を強く要望して
働きかけましたけれども,当時利用率が低いという面から,この解決はできず,この経過からして,この面での
バス路線回復は非常に困難であるということを認識しております。 その中で,公的面での解決をお願いするとともに,また,御承知のように京阪神とすべての面で連携のある
上道地区に,JRの在来線,国道2号線,来春開通する国道2
号バイパス,新幹線,そして近くの山陽自動車道でつながる,京阪神とのつながりの中で,岡山市の
東玄関地域として,連絡所,出張所はぜひ設置していただきたいことを申し上げて,2回目の質問を終わらせていただきます。明快な答弁をお願いいたします。
○副議長(
楠木忠司君) 当局の答弁を求めます。 〔
市長安宅敬祐君登壇〕
◎市長(
安宅敬祐君)
太田稔議員の再質問に対しまして御答弁申し上げます。 お尋ねのように,私も第四次
総合計画を今策定中でありますが,第三次の中でも,また第四次の中でも,やはり,人に優しい
都市づくり,これを基本に地域の活性化をやっていき,市民の
皆さん方とともに,市民の
皆さん方の手による
まちづくりも支援をしてまいりたいと考えております。 その点では,今度の
総合支所計画は,そういう地域に密着した行政を,できるだけ早く効率的にやるというために設置しようということでありますので,方向は同じでございます。 問題は
区域割りで,確かに
上道地区の
皆さん方との考えの違いがあるわけですが,それぞれの地域が本当に活性化をし,人に優しい
地域づくりをするという観点に立ってることについては,御理解いただきたいと存じます。 また,魅力ある都市をつくるための都市の
総合交通体系,なかんずく東部の
交通体系の整備,これはいかなる意味においても重要でございます。現在は,国の方では国道2
号バイパスが完成目前ということでありますし,いずれまた南北,また東西の
国道バイパスに続く道路の整備も計画されております。さらに,
生活道路についても,私どもはさらに充実をしてまいりたいというふうに考えております。 それから,西大寺と上道間のかつてありました
定期バス路線,これは先ほども申し上げましたように,この
路線バスは現在休止されておりまして,
バス会社へ今後とも新しい需要増が出てくるというようなことをもとに,
働きかけていきたいと考えております。 復活が困難な場合はどうするのかということでございますが,これはいろいろな観点から検討しなきゃなりませんが,ふれあい号のような
公共バスの運行を検討することも,一つの手法として考えられるというふうに思っております。 それから,出張所,連絡所についてはぜひと,こういうお尋ねでございますが,これは個々の
総合支所の
設置条例を,いずれまた一つずつ提案していくということになるわけですが,それぞれの
総合支所の
所管区域の交通不便地区等,また
交通体系等を考えまして,今,御要望のありました出張所,
連絡所等の
出先機関の設置については,それにあわせて十分検討してまいりたいと考えております。
○副議長(
楠木忠司君) 次は,順序に従いまして寺田議員。 〔33番寺田和子君登壇,拍手〕
◆33番(寺田和子君) おはようございます。 連日の御審議でお疲れのことと思いますが,いま少しお時間をいただきたいというふうに思います。 私は,今回2点の問題に絞って御質問をさせていただきます。 まず1点目は,おかやま都市マスタープラン全体構想についてでございます。 この都市マスタープラン全体構想ということで,以下都市マスと略させていただきます。 数年来,岡山の均衡ある発展について質疑をしてまいりましたが,そのたびに都市マスができたらと言われ続けてまいりましたので,この発表には大きな期待をいたしておりました。そして,やっと今回,全体構想案が示されております。 既に,何人もの方々が,この都市マスについて質問をされ,かなり論議がされたにもかかわらず,私にとっては靴の上から足をかくようなもどかしさをぬぐい去ることができませんでしたので,質問を続けさせていただきたいと考えました。 まず,この構想案への率直な第一印象は,「えっ,たったこれだけ」でございました。大変薄い,これは本格的なものではないということでございますが,これが案でございますから,これでいいのかなあという感じでございました。余りにも大まかな総論の列記,つまり抽象論であり過ぎるという感想です。 また,新しい言葉──知流軸であるとか,要約し過ぎた説明,そして何げないイラスト──例えばこの4ページ,右上のセンターコモン,ちょっと絵がかいてありますが,これが深い意味を持っているということでございまして,こんなふうによく説明を受け,何回も読み返さなければ理解ができない。このような構想,計画というものは,市民にとって一体どういう意味を持つんであろうか。市民の方を向いてる市政と,これで言えるんであろうか。今,国の方もたくさんの議案を提案し,そのことが混乱を招いておりまして,けさほどのNHKのニュースの中でも,やっぱり政治というものはもっとわかりやすい政治にすべきではないか,そのことが今一番求められているんではないかということを,どなたかがコメントされておりまして,私もやはりそのことを今感じております。 私たちは身近な,生活に直結した具体的な事柄には気持ちが動き,時には反発や共感,あるいは失望や期待が芽生え,そこで初めて行政との一体感を実感してまいりました。 つまり,このたびの都市マスタープランには,期待の大きさに比べ,明るい具体的な未来展望が明示されていないということが,心に直感的に響いてこないのであります。とはいえ,このマスタープランは,今後の重要な指針であるとのことですから,こうした印象を持ちながら,つぶさに検証を試み,質問をいたします。 まず第1点目は,当初の計画では7年度末には発表の予定でありました。ところが,今日までおくれたのはなぜか。また,当初の構想に比べ,転換したところ,あるいは上乗せしたところがあれば,お示しいただきたいというふうに思います。 2点目,この計画の目標年度はいつごろを想定しているのか。この中には21世紀中ごろというふうな,非常にあいまいな表現でございますが,そこのところをできるだけ具体的にお示しいただきたいと思います。 3点目,これはあくまで総論編であります。より具体的な地域編が重要と考えますが,地域編の計画はあるのでしょうか。もしあるとすれば,その発表時期,あるいは内容等についてもお示しいただければ幸いでございます。 4点目,この原案に対する市民の意見や提案を一番最後のところで求めています。提出期限8月31日までということで,御意見をお寄せくださいという形になっておりますが,これまでにもこのプラン策定のために,平成6年には市民意識調査,平成7年に地域企業
アンケート,さらに高校生への
アンケート,市民フォーラム等をいたしております。今回の市民の意見を求めた場合は,市民ですから多分具体的な,地域に密着した意見が多く出るのではないかと予測をされます。そうなると,むしろ後戻りの論議になるんではないでしょうか。せっかく都市ビジョン懇談会の提言を受けているにもかかわらず,あるいはそれを覆すような議論が出てくるんではないかと危惧をいたしており,市民の意見や提案を求めるのであれば,これからつくられるであろう,地域編,地区計画の中で生かすというふうに位置づけられた方がいいんではないかということを思いましたので,御意見をお聞かせ願いたいと思います。 以上はこの都市マスタープランに対しての総論でございまして,それを踏まえて,現在の具体的な関連施策について質問をいたします。 ガーデンシティ構想という形で出ておりまして,私はこれを質問の中で田園都市と書いておりますから,庭園都市と御訂正を願いたいと思いますが,このガーデンシティ構想についてお尋ねをいたします。 岡山は,昨日の質疑の中でも,全国に有数の田畑の多い田園都市というのが,これまでの一般的な印象でした。この構想のサブテーマにも,田園の個性をつくると明記されており,それをこのたび庭園都市とされました。また,市街地
整備方針の項の中に,市街化区域内の農地の有効利用という文言があり,田園から庭園へという明確な方針の転換があらわされているのであります。 個人的には,庭園都市というとヨーロッパ中世を,私は連想いたします。一方,田園は周辺に自然に広がっており,境界があいまいであるという印象であり,庭園となると壁や塀とか堀とか,囲いの中で限定された印象というのが,私の感想です。 この庭園の囲いをよく読みますと,ガーデンリングと位置づけられたのだとは思いますが,ではこのガーデンリングということについて,少し質問をさせていただきます。 緑のガーデンリングとうたっておりますから,緑のマスタープランにのっとって進められることだろうと思いますが,現在行われております花と緑の倍増作戦という計画を少し見直されてはいかがでしょうか。 例えば,花にはたくさんの種類があり,人の好みも多様でありますが,行政が進める花いっぱい運動は,基本的には投資効果を勘案して,手間がかからず,年々ふえ続ける多年生や花木が適正であると考え,幾度となく提案させていただきました。ところが,そうした姿勢が見えず,いまだに花の種を配り,手間のかかる花を街路のあちこちに植えているのであります。個人が手間暇かけて慈しむ家庭の花と,公共空間の花とは,おのずから区別して考えていいのだと思います。 また,朝来るときにいつも通ります市役所筋でございますが,これもパンジー等の立体花壇があり,この花壇は花がというよりは,むしろ立体装置ばかりが目につき,一体何のための施策かなと疑問を感じておりました。こうした事業に多額の予算をかけるよりは,花と緑の倍増作戦と言われるんであれば,むしろ民間ビルの緑化,あるいは花壇等に思い切った助成をして,総体的に緑化を進めるという方が有効ではないかと考えましたので,この点についての御所見をお聞かせください。 次は,都心の容積率アップでございます。 このことは,今さら申し上げるまでもなく,多くの要望が出されております。身近な一例を挙げてみますと,私の住んでおります駅西地区の済生会病院に隣接した近隣商業地域で,現在80分の200となっている地域がございます。ちょっと地図が見えにくいかもわかりませんが,この地域でございます。それで,周りはここが80分の500,ここが80分の600,ここが80分の400,ここだけが80分の200という,囲まれた地域となっております。こうした地域は,大変駅に近いということもございまして,今非常に小さな区画の整理統合が行われ,高層ビルの建築がなされ,ワンルームマンションがたくさん建ってまいりました。また,住んでいる住宅の改築意欲,あるいは新築意欲も高まっております。 そこで,こうしたワンルームマンションの建築計画に対し,地元との協議の中で,この当たりは大変緑が少ないところですから,緑の用地を確保してほしいという要望をいたしましたが,容積率が低いため,それでは採算ベースに合わないからと聞き入れられなかったという例もあり,こうしたふうな地域──囲まれた地域となってるところで容積率の低いところ,これからもたくさんあると思います。しかも,西署の跡地も同じように低い地域でして,この容積率アップも望まれているところでありますから,全市的に見直して,こうした容積率のアップということについて,市としてどのようなお考えなのか,お聞かせをいただきたいと思います。 7点目は,市街地の住宅促進についてであります。 御案内のように中心部は空洞化が進み,定住人口の減少を食いとめることが困難な状況であります。特定優良賃貸住宅事業も当初の予想と異なり,周辺での適用が目立っております。そして,農地転用により,周辺はミニ開発ばかりが進んでいるようであります。今後は,この周辺地域の農地転用を制限する方向と,この計画の中には明記されておりますし,市街地の農地の有効利用をするということですから,市街地の住宅促進に対して,特別な何か独自の施策を講じなければ,私は市街地の住宅促進は困難ではないかと考えております。 例えば,再開発事業には住宅の併設を要望するとか,新築住宅への利子補給や貸付等の特別支援,郊外への流出を防ぐために都心住宅の改築や改造のときの利子補給等,特別の支援策が必要だと思っておりますが,市街地の住宅促進について,どのようにお考えか,お聞かせをください。 8点目,この項最後はまちの色についてであります。 特定の地域を指定したまちの色指定の御所見,さらに今後,景観計画の中で,どのように検討されるかをお尋ねいたしたいと思います。 今回のマスタープランのキャッチフレーズでもあるきわだつまちというのは,特色づくりであり,経費や時間を余りかけず,短期間で一体感をもたらす最後の手法は,色彩へのこだわりであると思っております。 言うまでもなく,物にはすべての色彩があり,公共の物だけでも案内板,道路と歩道,街灯と支柱,歩道橋,ガードレール,電柱やトランス等,何げなく見過ごしてきた,あるいは目立たない工夫をしてきた,あるいは固定概念化してきたそれぞれの色彩について,原点に立ち戻って検討をしてみてはいかがでしょうか。全庁的に,調整するシステムも必要であると思っております。奈良市では,これまでにも大きな建築物について,色彩や形態について,都市景観審議会に諮っておられますが,このたびこの都市景観審議会の委員中から,個々の対応ではなく,地域全体についての方向性を設けるべきだとの提案があり,今検討作業を進めておられます。こうした方向は,全国各地で興っており,本市も検討すべきときが来ているのではないかと考え,お尋ねをいたします。 今回の都市マスタープランの全体編をもとに,地区編が早急に策定され,市民とともに質の高い快適なまちとして,私たちの郷土岡山が充実されますことを心から念じております。 次は,2点目の図書館のあり方についてであります。 これも長年の懸案であった図書館整備実施計画が発表され,具体的な建設計画がやっとスタートすることになりました。とはいえ,全国的に財政は厳しい状況であり,早急な建設がスムーズには進まないであろうという教育長の答弁は,率直な事実でありますし,引き続き格段の御努力をお願いいたしたいと思います。 申すまでもなく,図書館は高齢化,情報化という変革の時代の中で,この生涯学習社会を支える重要な場であり,既存の図書館の運用の充実が一層望まれるところであります。 図書館整備実施計画については,いろいろ論議がされましたので,私はこのたびは現状の図書館のあり方に絞って質問をさせていただきます。 まず1点目は,県立図書館を中心とした図書情報のネットワークについてであります。 現在本市では,市内に住民票がある人,または通勤・通学の場が市内にある人に限り,身分証明書の提示を受け,貸し出しを許可いたしております。ところが,貴重な資料や文献,特に美術関係のものなどは本市になくて,倉敷市にあるという場合,現状では倉敷市も貸し出しをしてくれませんので,その場でしか閲覧ができないのであります。しかし,東京都の場合などは,周辺の市との連携が整っており,一定の身分証明書があれば,貸し出しは可能であり,返却もわざわざそこに出かけなくても,近くの図書館でよいという弾力的な運用が開始されております。全国的には,県立を核として,県単位のネットワークが進んでいると仄聞いたしております。本県は,教育県とも文化県とも自負されておりますが,図書館の県内ネットワークすら整っていないというのは,大変嘆かわしい状況であります。 こうした現状を踏まえ,その対策をどのようにされるのか,また今後どのようになっていくのか,お聞かせを願いたいと思います。 私としては,本市が率先して,一定の条件が整えば,他市の住人にも今以上に門戸を開くということをしていただきたいと願っております。 2点目は,中央図書館は,築12年を経過いたしております。そこで,平成7年に建物全体の劣化診断調査が実施されておられますが,その結果と今後の修繕対策状況について,簡単で結構でございますから,お聞かせください。 3点目は,パソコンの導入により,家庭でも検索ができる情報提供システムを今年度から取りかかれるということでありますが,この事業の内容と現在の進捗状況を,これも簡単で結構ですから,お示しください。 4点目は,文部省の統計によりますと,平成5年の時点で,地方公共団体が設置している公立図書館は2,138館,法人等が設置するものが34館であり,利用者は1億人を超えたということであります。本市も,昨年は個人登録者7万7,174人,307万余の貸し出しをするという,大変順調な伸びを呈していることは喜ばしいと思っております。 ただ,利用の面で,まだ非常に利用しにくいという声もありますので,その点について御要望を申し上げたいと思います。場所的に便利なためか,市内で最も貸出人数の多い幸町図書館を,昨年から閉館時間を木曜日だけ繰り下げて午後7時までとされました。これは大変喜ばれておりますが,これを他の曜日にも拡大してほしいという要望が多いのであります。 また,中央と幸町図書館の開館日数が,昨年は272日,一昨年は274日であり,昨年で言いますと93日間閉館されているという状況であります。つまり,3分の1が閉まっているのであります。これは労働時間の短縮,週休2日制実施のためだとは推察いたしますが,生活水準の向上や自由時間の増大等の社会の成熟化に伴い,心の豊かさや生きがいのための生涯学習への需要の高まりという現状に逆行するのではないでしょうか。特に,ゴールデンウイーク等は,じっくりのんびりと図書館を利用したいと望む人が多く,開館を強く要望されて,返答に困ったこともあります。 さらに,公民館図書館には貸し出しも結構あるんですけれど,貸し出しが多いところに必ずしも多くの配本をされていないというのが資料から読みとれます。配本と,この貸出本との関連というのは,どのようなラインでもってされているのか,お聞きしておきたいと思います。 5点目は,除籍本──つまり紛失したりなくなったりした本について,お尋ねをいたします。 平成元年から見てみますと,平成元年3万8,786冊,平成2年2,951冊,3年8,644冊,4年5,421冊,5年2万913冊,6年8,014冊,7年1万8,748冊,8年4,434冊,8年間の合計で9万9,267冊,約10万近い本が消えております。これは古くなったためということもありますが,紛失本も大変多いと聞いております。それぞれ大変多くなくなった,平成元年ということは,コンピューター化を導入するということで,コンピューターの入力経費が新規で1,000円かかる。データがあれば100円で済むけど,新規導入で1,000円かかるから,1,000円の価値のないもの,あるいは重複した本というのは,この際整理をしようということで,3万8,000冊というふうな大変な多くの本を整理したというふうな形にはなっております。 今回,私は調査をしまして,では廃棄した本と実際になくなった紛失本の仕分けはどの程度なんですかとお聞きしましたら,実はそういうデータは一度もとったことがないということでございました。私は,廃棄本については,それはいたし方ないというふうに思いますけれど,この紛失本の対策というものを,一度本気で考えてほしいと願っております。今現在,岡山市の蔵書は87万4,228冊であり,1年間の購入が昨年度で6万9,000冊余,約7万冊近く蔵書として購入しているということでございますから,8年間の合計とは言いながら10万冊近い本が消えているということは,いかがなものかなと思っております。この問題を調べるきっかけは,東京の町田市が,大変蔵書の紛失がふえて,もう困り果てて,市としては,ちょうどスーパーなんかに買い物に行くと,万引きなどをした場合にブーとなるような,そういうふうな装置を図書館の中に今取りつけたんだという記事を読んだものですから,本市は一体どうなっているんであろうかということで,調べさせていただいたのであります。 それから6点目,図書館の重要任務である検索をもっとスムーズにできないのでしょうか。専門的な本,あるいは貴重な本を借りたい,資料を借りたいということで,検索を受けに行った場合,なかなかスムーズにできないという声をお聞きいたしました。端末機やファイルの増設等はもちろんのこと,検索手だてのできる職員の配置が必要と思いますが,お聞かせいただきたいと思います。 私が市立図書館を初めて利用したのは,小学生のときでした。当時は,しーんとひんやりした雰囲気で,足を踏み入れるのすら,子供心に怖いような感じでした。けれども,それと同時に,たくさんの本に囲まれて,ちょっぴり自分が賢く大人っぽくなっていくような高揚した気持ちになったことを,よく覚えております。そして,数十年がたち,国立婦人教育会館で資料の検索
サービスを受けたとき,新たな図書館の活用方法を知り,何だか自分の財産がふえたような充実感を味わいました。昨年,台湾の教育事情を視察する機会に恵まれ,台湾の国立図書館にパスポートを提示して,1日のみの臨時の利用カードを発行してもらって,活用したことがあります。大変大勢の学生が利用しており,まるでイベント会場のようなにぎわいにびっくりいたしました。びっくりすると同時に,その探求心や向上心に象徴される伸びようとする全体のエネルギーが,その国の発展を見るようで,うらやましく思ったのであります。 本市の平成7年の小学生は4万2,172人で,同じ年の中央と幸町だけの図書館での登録数は5,217人,つまり8分の1しか,こういう図書館の活用をしようとして登録してない,実際に登録して利用する人数はさらに低いわけですから,非常に少ない数の児童しか大きな図書館を利用していません。柔軟な子供時代に,図書館を身近に利用した体験を持つことは,私は一生の財産になると思っております。一度は図書館の利用体験を持つべく,教育のカリキュラムの中に位置づけられないでしょうかと思い,質問をさせていただきました。 8点目は,この本庁舎,市役所での図書館活用,つまり検索と貸し出し及び返還について,道がないのかということでございます。いろいろ問題はあると思いますが,この点についても検討をしていただきたいと思っております。 また,8階にある行政資料室との連携はできないのでしょうか。議員資料室も十分ではありません。それぞれ所管が違いますが,情報提供という役割は同じでございますから,有効活用という視点から,連携の方策を検討していただきたいと考えております。 9点目,図書館の利用者の中には,先ほどの紛失本のところでも触れましたけど,不心得な人もありまして,必ずしも本を大切に扱う人ばかりではありません。汚れたり破ったり落書きしたり,傷つけた本もたくさんあります。町田市の担当の方にお聞きしますと,表紙だけの本というものもたくさんあります。それから,破ってる,落書きをしてるという,つまり本を無断で持ち帰る人を禁止したがために,今度はそういうふうな方法がたくさんとられ出したということで,大変嘆いておられました。こうした本も,岡山市の場合もあるのではないかと思いまして,ちなみに町田市では「本は泣いている」という展示会を開催されております。岡山市でも,こうした啓発をされてみてはいかがでしょうかと思いました。 以上,9点,少し細々とした点もありましたが,今回図書館整備実施計画が策定されましたので,市民からの要望を踏まえて質問させていただきました。 現代は,感覚的な面が強調されがちな時代の雰囲気の中で,本をじっくり読み,確実な知識の集積を大切にしなければいけないという原点に立ち返り,自戒の意味を込めての質問でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 これで私の第1回目の質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(
楠木忠司君) 当局の答弁を求めます。 〔
市長安宅敬祐君登壇〕
◎市長(
安宅敬祐君) 寺田議員の
個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 都心の容積率のアップについてのお尋ねでございますが,容積率の指定は建設省通達に基づいて行っておりまして,現行容積を変更し,容積率をアップする場合には,主要な道路の沿道等で土地の高度利用を図る地域のうち,必要な公共施設が整備された地域において定めると,通達にあるわけであります。 その理由といたしましては,主に道路などの公共施設の整備を伴わないで,一律的に容積をアップいたしますと,土地の高度利用化に伴う自動車交通が非常に多くなる,その流入を必要以上に誘発すると。それから,
生活道路へかえって過大な負担をかける,ひいては生活環境の低下をもたらすというおそれがあるというのが,その理由でございます。 したがいまして,都心部における,先ほど御指摘のあったところも,いろいろ検討しなきゃならないと考えておりますが,都心部における土地の高度利用の促進につきましては,道路などの公共施設が整備された地区においては,容積率のアップの検討の可能性はあります。が,未整備地区においては,さらに基盤整備を進めなければなりません。とともに,総合設計制度や土地の共同化による再開発事業などの制度を活用して,土地の高度利用を図っていくことが考えられるところでございます。 次に,市街地の住宅促進策について,特別の上乗せの施策を講じなければ困難なのではないかというお尋ねでございますが,都市マスタープランの都心
まちづくり構想では,都心を人間優先の生活空間,交流の場として再生するために,生活環境を整備し,また都心住宅の積極的な誘導を図っていくことで,コミュニティーが生き生きとはぐくまれる居住空間の形成を目指しているところでございます。 国の制度としましては,3大都市圏においては都心共同住宅供給事業がありますが,3大都市圏以外の都市では,この補助制度がありません。 現在,本市が取り組んでいる住宅政策としましては,特定優良賃貸住宅,あるいは市街地再開発事業の制度を活用しているわけですが,今後,御指摘の点もありますが,都心居住につながるように,これらの制度の見直し等も含めて検討してまいりたいと考えております。 なお,その他の御質問につきましては,担当局長の方から御答弁させていただきます。
◎都市
整備局長(小塚雅史君) おかやま都市マスタープランの全体構想についての一連のお尋ねに,順次お答えをいたします。 まず,当初計画とのおくれ,あるいはそのおくれたことによる変更点があるのかというお尋ねでございます。 都市マスタープランは,総合的な土地政策の一環といたしまして,主に住居系用途の細分化を中心といたしました土地利用計画の詳細化,あるいは土地利用計画制度の充実を図り,また良好な市街地環境を整備し,都市の秩序ある発展を図ることの必要性から,平成4年6月に改正をされました
都市計画法の中で,その策定が義務づけられたものでございます。 当プランは,平成5年度から調査を進めておりますけれども,平成8年度から
総合計画の策定作業が開始されるということになったために,その理念,あるいは基本的な方向性について,その趣旨と大きくずれを生じないように整合化を図る必要から,当初予定よりおくれることとなりましたけれども,当プランの構想そのものについては,特段大きな変更はございません。 次に,この計画の目標年度についてのお尋ねでございます。 都市マスタープランは,長期の将来展望を示す
都市計画上のビジョンでございまして,また土地利用や,あるいは市街地整備のあるべき姿を提示し,今後進められる
都市計画上のさまざまな計画,あるいは事業についての方向性を示す体系的な指針であることから,目標をおおむね,お尋ねのとおり21世紀中ごろという言い方をしているところでございます。 次に,地域編の計画等に関するお尋ねでございます。 都市マスタープランには,全体構想に示す都市整備の方針を受けて,地域の特性に応じた地域別構想を示すことになっておりますが,今議会で上程されております条例により,
総合支所の
所管区域が定められた後に,新しい
地域割りに応じた新
総合計画の地域別計画の策定作業とも密接に連携を図りながら,作業を行っていく予定でございます。 次に,この原案に対します市民の意見,あるいは提案を求めておりますけども,総論,全体編よりもむしろ地域編に生かしたらどうかというお尋ねでございます。 本市は,全国有数の中核都市でありながら,都市の活力と田園の豊かさが共存する恵まれた都市でありまして,そのすぐれた資質を生かした都市のあり方につきまして,おかやま都市ビジョン懇談会からも御提言をいただき,都市と田園のそれぞれの個性が際立つ,メリハリのある
都市づくりを理念において,都市マスタープランの全体構想の策定を進めてきたところでございます。 今回は,その岡山の全体像につきまして
基本理念,あるいは将来
都市づくりの方向,計画的な土地利用,都心
まちづくり構想,あるいは市街地
整備方針等を提示をさせていただきまして,その内容につきまして市民の方々の御理解と御意見をいただきたく,全体構想の公表を予定しているところでございます。 次に,花と緑の倍増作戦の見直しについてのお尋ねについて,一括御答弁をさせていただきます。 草花によります修景緑化は,都市景観の中に華やかさと彩りを加味するため,近年積極的に取り組んでいるとこでございまして,本市の顔となる箇所で露地植え,あるいはフラワーポット,ハンギング鉢,立体花壇の手法により,草花を導入しているところでございます。 これらの緑化では,多年草,あるいは花木類も一部採用しておるところでございますけれども,今後ともこれらの場所あるいは公園,街路緑化に多年草,宿根草,あるいは花木等についても積極的に取り入れてまいりたいと考えております。 なお,御指摘の市役所筋の立体花壇は,平成5年度に16基設置をいたしまして,維持管理に努めてきたところでございますけれども,かん水の難しさもございますので,他の方法も含めて見直しを考えてまいりたいと考えております。 なお,民間緑化の推進につきましては,都市緑化推進の大きな柱の一つでございます。現時点では,これを担当いたします財団法人岡山市公園協会で,民有地緑化の推進を図っており,具体的には生垣設置奨励事業,壁面緑化奨励事業,それから町中の緑化奨励事業,それから生垣モデル街区設定事業に対しまして,一定の助成を行っておりますので,今後もこれらの事業拡大に向けまして,同協会とともに取り組んでまいりたいと考えております。 それから,まちの色についてのお尋ねでございます。 大規模な建築物,あるいは工作物は,その表面積の大きさから,どのような色彩を用いるかによって,周辺景観に大きな影響を与えるため,色彩は景観面では重要な要素になると考えているところでございます。 自然界の色彩について申し上げますと,彩度7以下の低彩度の色が基調となっていることから,これとの調和の観点から,現在屋外広告物につきましては,野立広告物等に関しまして,彩度8以上の色の使用を禁止しているところでございます。 したがいまして,今後景観基本計画の策定の中で,この色彩についての内容を含めるかどうか,検討を進めてまいりますとともに,あわせましてその具体化につきまして,景観形成モデル地区の形成という観点からも,調査研究を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
◎教育長(戸村彰孝君) 寺田議員の
個人質問にお答えいたします。 図書館のあり方についての一連の御質問に,順次お答えを申します。 まず,岡山県総合文化センターの県立図書館部門では,パソコン通信によります図書館情報の検索システムを昨年の4月から開始をいたしました。本市でも,昨年度から,これに対応したパソコンを導入いたしまして,県立図書館の資料の検索に利用し,迅速な相互貸借に役立てておるところでございます。 次は,中央図書館は昭和58年に建設をされておりますが,12年経過後の平成7年に建物の劣化診断調査を実施いたしまして,老朽化による漏水,破損などは78カ所の指摘がありました。その修理を緊急度によりましてABCのランクで区分し,平成8年度から5年計画で,順次修繕を行っております。8年度は,防水工事及び点字ブロックの修理を行い,9年度は外壁修理と洗浄等を予定しております。 3番目は,パソコンによります資料情報提供システムでございますが,生涯学習支援システムの一環としまして,図書館の資料情報のほか,行事・案内などをパソコン通信によりまして市民に対して提供する準備を進めておりまして,本年度中に稼働が開始できるという運びであります。 次は,利用者の拡大の手だてといたしまして,開館時間の延長等についての御質問にお答えいたします。 図書館の利用は,年々増加しておりまして,利用増加のためには,資料や
サービス内容の充実が何よりも重要と考えております。働く市民への
サービス拡大の一環としまして,1年間の試行をしました後,ことしの6月から開館時間と休館日の変更をいたしたところであります。中央図書館と幸町図書館のみ,木曜日を11時から19時までとし,休館日は全館で第3日曜日を第2日曜日に変更すると,これを本格的に始めたわけであります。幸町図書館の木曜日の6時以降の利用は,統計によりますと比較的少ないし,またゴールデンウイーク等の行楽季節は,かえって図書館利用が少ないという結果が出ておるわけでございます。なお,今までの結果でありまして,これからどうかということはわかりません。 なお,開館日の増加や開館時間の延長につきましては,需要が増加しておるという社会情勢は,私ども承知しておるわけでございますが,職員配置との関係もありますので,慎重に考えなくてはいけないと思っております。 それから,1館5,000冊程度を目標にしております公民館の図書コーナーにつきましては,中央図書館から毎月1回配本を行っております。いずれも十分ではないという指摘もございますので,今後,配本の方法とか開架のスペース等につきまして,工夫が要るんではないかと思っております。 次は,除籍本の問題でございますが,除籍本のうち,紛失本につきましては平成5年度に,それ以前の約10年間に紛失しました1万冊をまとめて除籍をしております。書籍の盗難防止につきましては,職員の注意によって,これを防止するように努めておるんでありますが,お話にありました有効な書籍盗難防止装置というものも開発されてるそうですが,これが有効であるかどうかとかということにつきましては,今後研究をしてまいります。 次は,検索の問題でありますが,図書館利用者の検索用コンピューターの端末機を本年度3台ふやしまして13台とし,充実を図っております。 職員の体制につきましては,何せ,今厳しい行革の渦中にありますので期待できません。 次は,学校教育での中央図書館等への見学などの関心を高める機会を設けることについての御質問でございますが,本市では御承知のように全国に誇る学校図書館の充実という実態がありまして,そういうこともあるのではないかと思いますが,平成8年度には7校251人の来館にとどまっておるわけでございます。学校自体が,中央図書館等から教材用の資料をまとめてお借りするということは,学校の司書職員を通じて,たびたび各学校が行っておるところでございます。 いずれにいたしましても,社会科の時間等で見学を実施している学校もありますが,それの活用につきましては学校に呼びかけて,機会をふやすということが必要であろうと思っております。 次は,市役所での図書館の利用の問題でございますが,生涯学習支援システムとして,パソコン通信によります図書館の情報提供を開始されますと,市役所においても検索が可能になります。 そこで,御提案の議会図書室とかですね,行政資料室ですか,そういったものもあわせて市民にそういう情報の提供
サービスをしたらどうかという御提案につきましては,スペースの問題もありますし,各関係課の問題もあるわけでございますので,各関係部局とも協議をして,研究をさせていただきたいと思っております。 最後に,破損本の問題でございますが,これは「本は泣いている」という,非常にショッキングな展示の例を挙げられましたが,破損や汚損ということ,その本を展示することが不正行為の防止に有効であるかどうかということについては,内部でも賛否両論ございまして,まだ踏み切れないわけでございます。現在は,館内掲示や利用案内等で図書館利用のマナーを啓発しておりますが,新聞等でも報道されておりますように,幸町の図書館が落書きがされておったり,好ましくない雑誌等が散乱しておるというような,マナーが乱れておることは事実でございまして,とても私も残念に思います。市民の
皆さん方に,こうした公共の場における行動のマナーについては,もう少し品位のある行動をとってもらうように呼びかけたいと思っております。 以上でございます。 〔33番寺田和子君登壇〕
◆33番(寺田和子君) 再質問をさせていただきます。 都市マスタープランにつきましては,お話にいろいろ出ておりましたように
総合計画,まず
総合支所の
所管区域が確定しなければ地域編ができないということでありますから,私は一日も早いこの確定を願い,そして地域編をつくり,市民とともに本当に住みいい岡山市をつくっていくということを願っております。 地域編ができない限り,この都市マスタープランも生きてこないというふうに考えておりますので,引き続きの御努力をお願いをいたしておきます。 それから,容積率のアップについても,市長にお答えをいただいたわけですが,けさの新聞にも97年度の土地白書が出ておりまして,この中でもいろいろ都心の虫食い状態であるとか,密集市街地の老朽木造建築物の除去,建てかえ促進による災害に強い
まちづくりであるとか,土地の保有から利用への意識変革を目指したいとかいうことを,いろいろ国,自治体に促している結果が出ておりました。この中には,定期借地権住宅であるとか,宅地の提供であるとかということをしていったらどうかというふうなことも書かれておりまして,やっぱり岡山市としても都心の活性化もさることながら,定住するということが大変大事でございますから,今のところまだある意味では声を上げているというだけで,実行に移すような手だてが実際には見えてきてないというふうに思えてなりません。どうぞ,この容積率アップも,それから道路整備もそうでございますが,どちらが先かということになろうかと思いますが,一体的にやはり市街地の住宅促進であるとか,容積率アップ,市街地の中の道路網の整備等を一体的に,総合的に,一刻も早くしていただきたいということを,重ねてお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 それから,まちの色彩については,おっしゃられたように,やはりモデル地域を設定してするということが,早急に望まれると思いますので,モデル地域の設定,これを急いでいただきたいと思いますし,方向性としてできればいつごろ,そういう形ができてくるんであろうか,具体的なものがあればお示しいただきたいと思います。 どちらにしろ,もう今は全体的にこの議会でも
都市計画中央審議会の答申が随分話題になりましたし,活性化という問題も含めて,これからこうした問題をまた積極的に進めていかなくてはいけないという大変重要な時期だと思います。これまでのバブルの時期でありましたら,こういうことも随分可能であったんだろうと思いますが,今は確かに非常な底冷えという感じがしておりまして,先ほど来の土地白書の中にも,この地価の下落はもう歓迎してないと,国民も好ましいとは答えてないという人がふえてきたという状況でございますから,そうなるとそろそろ地価も上がり出すとなると,さらに難しくなっていくんではないかという感じもいたしますので,よろしくお願いしたいというふうに思います。 それから,図書館のあり方ですが,検索がネットワークでできるということは,大変いいことですが,ネットワークで検索だけではなくて,しかも検索機は多分1台ずつしか置かれない。1人の人が利用すると,後は利用できないということになるわけでして,もっと多くの方が手軽に利用できる方法というものを急いでいただきたいと思います。 そして,紛失本,あるいは除籍本についてですが,これも私はその年の購入平均単価を比べてみました。例えば,平成8年の購入平均単価が1,338円でございます。しかも,購入している本が,年間で,先ほど申し上げたような数値にもなっておりますし,少しやはり真剣に取り組んでほしいと思いますので,これよろしくお願いしておきたいというふうに思います。 さらに,市役所での図書館活用,これは中央にばかり図書館が偏るんではないかと意見のあることも重々承知の上ですけれども,やはりもっと市民がよく利用する場でうまく活用したい,私も活用したいと願っておりますので,重ねてお願いをいたしておきます。 ありがとうございました。これで終わります。
○副議長(
楠木忠司君) 当局の答弁を求めます。 〔
市長安宅敬祐君登壇〕
◎市長(
安宅敬祐君) 寺田議員の再質問に対しまして御答弁申し上げます。 御指摘のように容積率のアップでございますが,今回の第四次
総合計画における一つの大きな重要課題は都心の活性化ということでありますし,またできるだけ定住するという方向に持っていく,都心にできるだけ人が多く住まうということが,一つの私どもの課題でございます。先ほど申し上げましたのが,一つの建設省の指導基準ではありますが,どうしたら一体本当に都心に人が定住するようなことになるのか,今までの制度で実効が上がらなかったのは,一体どこに問題があるか,真剣に,先ほどの97年度の土地白書等も参考にしながら,公共施設の整備もさることながら,どうしたら定住促進が図れるかということについて,もう一度見直す中で,都心の活性化策を考えていきたいというふうに考えております。
◎都市
整備局長(小塚雅史君) 寺田議員の景観形成モデル地区の指定の時期に対する再質問でございます。 現在,先ほども申し上げましたように,都市景観形成の方針に基づきます景観形成の計画をつくっている段階でございまして,この計画を具体化するための制度,施策につきましても,体系的な整理をしているところでございます。これを受けまして,先ほども御答弁した,その制度,施策を具体化するためのモデル地区の指定ということになろうと思いますので,いましばらくお時間をいただければというふうに考えております。 以上でございます。
◎教育長(戸村彰孝君) 再質問か,要望でございますが,検索機の問題は,これは公民館にも設置を今後しなくちゃいけませんし,それからこれ自宅でできると,パソコンを持っておられる方は,ということになりますんで,稼働し出しますと,もう飛躍的にこれが
サービス網は拡充すると,こういうことにもなると思うんです。 ただ,便利になりましても,図書はやっぱり借りに行ってもらわないといけないということはあるんですね。ですから,そういう点は
行政サービスの限度といいますかね,いうものもあることを御理解いただきたいと思います。 あと,市役所の図書の
サービスの問題につきましては,さっき,御要望はよくわかりましたが,何せほかの部局と相談をしておりませんのでね,全然。私はそう踏み込んでお話できないのが残念でございますが,協議をさせていただきたいと思います。 盗難とか汚損というのは,先ほど申しましたように,我々は非常に困っていることでもありますし,中央図書館だけの問題でなしに,いろんなところの問題に関係いたしますので,真剣に防止策を考えたいと思っております。 以上でございます。
○副議長(
楠木忠司君) 次は,順序に従いまして田尻議員。 〔30番田尻祐二君登壇,拍手〕
◆30番(田尻祐二君) 早いもので,初当選させていただいてより2年が経過しました。マラソンで言えば,折り返し地点の通過であります。多くの先輩,同僚に支えられながらもここまで何とか走ってまいりました。いよいよ後半戦,どこまでも初心のまま,市民の側に立って,市民の中から声を発していきたい。そして,あの有森選手にははるかに及びませんが,自分自身のレースに勝利したいと思っております。 この2年間の国内を振り返ってみますと,相変わらず政・財・官で話題に事欠きませんでした。言葉だけ並べてみますと,住専,消費税,沖縄,薬害エイズ,岡光,彩福祉グループ等々。さらに最近では動燃,野村,そして第一勧銀と続きます。これらを見ておりますと,我が国ではまだまだ経済が優先される社会であり,人間が中心ではないということを感じざるを得ません。社会の主役は人間であり,人間が幸せになるために経済の発展があるという,この当たり前過ぎる考えを,改めて認識する必要があるのではないでしょうか。 それでは,通告に従いまして,1,ノンステップバスについてお尋ねします。 さきの議会で,私は名古屋市が導入したノンステップバスについてお尋ねをしましたが,京都や大阪でも4月から同じノンステップバスが走っているということを聞きまして,4月に京都まで行ってまいりました。ただの視察ではだめだと思いまして,私は電動車いすの方と,それから手動の車いすの方に同行をしていただきました。バス乗車の率直な感想は,バスが生き物のようだ,であります。 バスは停留所に到着しますと,ドアが開くと同時に,ニーリング装置により車体が左に傾きます。まるで,バスがどうぞお乗りくださいと語りかけているようです。床の高さが30センチと,もともと低い車体ですが,ニーリングによりさらに7センチ乗車口が下がります。ステップがありませんから,高齢の方も1つの動作で,実に短時間に乗りおりができます。乗りおりが終わりますと,今度はドアが閉まると同時に,傾いた車体が瞬時にもとに戻ります。乗車を体験して初めてわかりましたが,どんな人にも優しいというコンセプトが,形となって実現しています。また,信号待ちなどで停車すると,自動的にエンジンが停止するアイドリングストップシステムを搭載した,環境にも優しいバスであります。 さて,車いすに対してはどうか。バスにはスロープ板がついていて,自動で出し入れされます。そして,このスロープ板を車道から約15センチ高くなっている歩道にかけますと,スロープ板はほぼ水平になり,車いすでも楽に乗車できます。また,歩道のない平地にスロープ板をおろした場合はどうか。京都市交通局の方が,電動車いすは一人では,このスロープは上がれませんと言っている目の前で,電動車いすの彼は,一人でさっと乗り込んでしまいました。これには,交通局の人も驚いた様子でした。さらに,通常の車いすの彼も乗車。 特筆すべきは,車いすの乗車時には,運転手の方がおりてきて,乗車の介助をしてくれます。交通局の規程で,乗務員は本来,運転席を離れることができないようになっておりますが,リフトつきバスとノンステップバスについては,運転席を離れて乗車の介助をしなければならないようにしているとのことでありました。 乗車後,電動車いすは定位置に固定され,通常の車いすの方は車いすを畳んで,人間が座席に移って乗車完了,出発です。都心の
幹線道路を走りますので,頻繁な乗りおりがありますが,乗りおりに要する時間が短く,驚くほどスムーズな運行でありました。 懸案のバス停の整備について交通局の方に尋ねましたら,一部バス停にある防護さくが,車いす乗車の際に邪魔になり,乗車口として適当な幅を確保するために,その防護さくの一部を取る必要があったという程度で,道路管理担当部署と協力する必要はありますが,特段の費用をかけてバス停を整備する必要はないというお話でした。 話は変わりますが,先日の日曜日,「第19回福祉の街づくりをすすめるみんなのつどい」に,磯野,則武両議員とともに参加しました。市当局からも,障害者福祉課,土木管理課,道路整備課,建築指導課及び駅南開発事務所からの参加があり,最後まで調査活動に同行くださいました。 市長の福祉の
まちづくりにかける情熱を感じたように思います。この場をおかりして,御礼申し上げます。 私たちが参加した点検のコースは,築城400年ということもあり,「うじょうくん号」への車いすの乗車と岡山城天守閣へ車いすで登るというコースでした。「うじょうくん号」の乗車口はとても狭く,重量100キロを超える電動車いすを両側で持ち上げることができなくて苦労しましたが,何とか乗ることができました。ちなみに,「うじょうくん号」のステップは3段ありますが,その1段目,すなわち一番下の高さより,ノンステップバスの床は低いわけです。「うじょうくん号」は,乗車口近くの座席を横に倒して,車いすのスペースを確保できるようにしてありますが,そこに乗車したその姿勢のままの状態でいなければならないという狭いフロアは,車いす2台で身動きがとれず,限界でした。 しかし,車いすの台数については,どのようなバスでも,車いすが何台も乗車できるわけではありませんので,仕方ないのかなと思います。 しかし,今回の体験から言えることは,やはり課題は乗りおりではないでしょうか。 京都市交通局が実施したノンステップバスの乗客に対する
アンケート調査の結果を見ると,1,乗りおりのしやすさでは,よいが89%,普通が11%,悪いは0%。2,走行中の乗り心地はよいが56%,普通が33%,悪いが11%となっております。高齢化時代の課題である,乗りおりと乗り心地をきわめたノンステップバスと言えないでしょうか。 バスのコスト面はどうか。東京,大阪,名古屋,京都という公営バスを持つ政令市が共同開発をし,低コストを実現しております。また,バス活性化の先駆的事業ということで,国の補助金もついております。 そこでお尋ねをします。 1,本市としても,積極的に対応し,バス事業者と協議するという,さきの議会答弁もありましたが,環状化路線の6ルート案も提示されている今,すべての人に優しいノンステップバスの導入について,さらに積極的に対応すべきであると考えますが,いかがでしょうか。 2,実際に乗ってみなければノンステップバスのよさはわかりません。体験乗車の必要性を強く実感しております。その御予定をぜひつくっていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 2,ホームヘルパー制度の充実について。 1点目は,登録ヘルパー制度についてお尋ねします。 1年くらい前に受けた相談でしたか,ふれあい公社にヘルパー登録をしたが,仕事がないという声を聞きました。逆に,ヘルパー派遣をふやしてもらいたいが,ヘルパーさんが足りないから難しいようだとの声も聞きました。このことについて,私には需要と供給の一時的なアンバランスという程度の認識しかありませんでした。 ところが,この5月の連休前のことでありますが,現在ヘルパー派遣を受けているある家庭が,当初はヘルパーさんの派遣が必要ないとしていた日に,急遽どうしても必要であるという事態となりました。派遣を希望する日の二,三日前だったと思います。ふれあい公社にお願いをしましたが,予定を組んでしまっていてどうにもならない,いろいろ探しているが見つからない,ボランティアで対応していただけないかと,調整ヘルパーさんから御返事がありました。 今度は先日,介護する側のヘルパーさんからお話を聞きました。きちんとした収入を得るため,ヘルパー資格の2級を取り,さらに1年かけて1級の資格を取った。そして,午前と午後,順調に仕事をしていたが,1年で担当が交替するため後輩と入れかわった。ところが,その後から自分の担当する件数が大きく減ってしまった。現在は,午前中のみ,しかも毎日ではないが担当している。収入が減ってしまい,大変困っている。ほかの仕事も探しているが,年齢的なこともありなかなか見つからない。パート感覚の人にはいいかもしれないが,収入を得なければならない人はヘルパーをやめているという内容でした。 これらの出来事を通して,問題が2つあるのではないかと思います。1つは,要介護者と登録ヘルパーのきめ細かな調整ができていないのではないかということ。需要量に対して,現在では供給量が大きくなっているにもかかわらず──私はそう理解しているんですけども,ちょっとした変化球には対応できない。調整ヘルパーさんが一人で必死に頑張っても限界があり,全体として何か工夫する必要があるのではないかと思えてなりません。 2つ目は,登録ヘルパーという職業を,きちんとした収入を得るための仕事としてやっていきたい。そのために,自費を出してヘルパー資格1級を取ったという,いわば質の高い登録ヘルパーが,結局はヘルパー制度からはじき出されてしまい,他の職業につかざるを得ないということであります。 昨年の11月議会で,公明を代表しての則武議員の質問に対して,保健
福祉局長は次のように答弁されております。 「今後の急速な高齢化に伴い,多様,多量のニーズに対応するヘルパーを確保していくためには,一定の常勤ヘルパーの確保のほかに家事・育児について余裕のできた人々や定年退職後の人々など市民を挙げて参加を促進していくことが必要であり,そのためには常勤という勤務体制にとらわれず,働く側の条件に合わせた短時間就業,隔日就業など多様な活動形態が必要であると考えており,ヘルパー養成研修の修了状況,登録ヘルパーの応募状況等を踏まえ,当面登録ヘルパーの増員で対応していくことを基本といたしております」という御答弁でありました。 短時間就業や隔日就業を希望する登録ヘルパーが,希望どおりの就業形態を確保できるということは,もちろんいいことだと思います。ですが,需要と供給の人数バランスだけにとらわれ過ぎると,それによって先ほど申し上げたように,1級の資格まで取って頑張ろうとしているような,いわばプロ意識のある人が,結局はやめていかざるを得ない。そういう人材が供給量の中で埋もれてしまい,見えなくなっているという問題があるのではないでしょうか。 ホームヘルパー制度の1点目は,以上の2つの問題に対する御所見をお聞かせください。 2点目は,今年度から全身性障害者に対する夜間の介護人派遣事業が始まったばかりで恐縮ですが,昼間のヘルパー事業にも自薦方式を認めるべきではないかということを申し上げたいと思います。 まず,自薦方式をとっている介護人派遣事業が,いかにすばらしいものかということを御紹介します。 例えば,私がこの場所で何度か取り上げたAさんの入浴介護について,ヘルパーさんに腰痛のおそれがあり,入浴介護ができないということがありました。その後,長くAさんが入浴をしていないということを聞き,再び私も入浴介護をさせていただいたりもしました。先日から,このAさんに念願の介護人派遣事業による介護人が来るようになりました。介護人はみずから見つけなければなりませんので,例えば川崎医療福祉大学へ行き,介護人募集のチラシを張ったようです。そうして見つけた貴重な男性の介護人をAさんが推薦し,介護人として登録されました。大学4年生,ヘルパー資格2級を持っています。入浴介護もできます。2週間も3週間も入浴できなかったAさんは,今,週3回のペースで自宅浴槽で入浴できるようになりました。先日,お話をお伺いしましたら,本当に人間らしい生活ができるようになったと喜んでいました。 同じように全身性障害者でひとり暮らしの男性Sさんにも,長い間要望していた男性の介護人が,先日より派遣されています。介護人は,やはり大学生ですが,ヘルパー資格2級を持っています。 このように介護人派遣事業は,今まで表に出てこなかった若い人材の発掘にも貢献をしております。 ここで,話題を先日の日曜日の「福祉の街づくりをすすめるみんなのつどい」に転じます。 私と同じ点検コースのメンバーの中に,全身性障害者の男性の方がいらっしゃいましたが,言語の障害も大きいため,平仮名と数字が書かれた文字盤を指さしながら対話をします。多くのボランティアの学生さんたちと交替で介助しながら,
まちづくりの点検でした。途中,トイレを希望するサインがありましたので,障害者用のトイレに入りましたが,細かい介助の方法がどうしてもわかりません。たくさんの介助者がいても,うまく理解できないのです。このとき,やはり重度の障害者には,その人のことをよく理解している介助者が必要であるということを,改めて強く感じました。 そこでお尋ねします。 東京都内の多くの市や区では,ホームヘルプ
サービス事業に,全身性障害者自身が介護人を選ぶことのできる自薦登録方式を認めています。本市においても,ホームヘルプ
サービス事業に,いわゆる自薦登録方式を認めるべきではないかと考えますが,いかがでしょうか。 3,ガイドヘルパー制度について。 今年度,全身性障害者も対象とするガイドヘルパー制度が予算化されておりますが,いまだにスタートしておりません。現在の状況と事業実施の見通しをお聞かせください。 4,市営住宅の整備について。 この問題につきましては,この4年間の本会議の質問を調べただけでも,実に多くの先輩議員の方が取り上げています。我が会派からは,内田,福原,吉田の各議員,共産党から田畑議員。それに対する当局の答弁は,この問題には余り触れられたくないように思える答弁も見受けられました。 しかし,新制度の公営住宅法の適用を来春に控えて,市民の住宅に対するニーズはますます多くなっております。私に寄せられる市民相談も市営住宅に関するものが,最近特に多くなってきました。中には,劣悪な住環境に悲鳴を上げている方もいらっしゃる。 例えば先日,6畳・4畳半の2間に母親と子供の5人家族で暮らしている方から,市営住宅の入居を希望する相談がありました。子供がまだ小さければ,現状を我慢できるのかもしれませんが,そういう状況でもない。結局,来春からの1種,2種の区分廃止に望みをかけるということにならざるを得ませんでした。そういう方が,たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。 私としても,この現状に対して看過することはできません。このことについて,過去から多くの先輩議員が詳しく触れていることもあり,どういう角度からお尋ねすればよいものかと考えましたが,やはり住宅問題は人間が生きていく上で欠かせない福祉の問題であるという観点からお尋ねをします。 我が国の憲法には,福祉の理念が明確に表明されています。それは,憲法の基本的理念として前文,原理として第13条の個人主義的自由主義の原理,第25条の生活権保障・社会的平等の原理,そして原則としての第14条の法の下の平等,第13条等の公共の福祉等々に明らかであり,すべての人間が人間らしく生きる権利を主張できる社会を目標として掲げております。このいわば,人間的福祉社会を築くためには,まず福祉の最低水準,いわゆるミニマムの保障の確保が必要であります。中でも特に必要とされることは,老後,病気,失業等による生活不安からの解放,そして住宅,住環境等の生活基盤の確立であります。 そして,住宅については全国に先駆けて多くの新しい施策を実現している東京都の事例は,大いに参考にすべきであろうと考えます。もちろん,東京と岡山では住宅事情が全く異なります。しかし,何を大切にしようとしているのか,何を守ろうとしているのか。東京都の取り組みを見たとき,そこには住民の幅広い要望にこたえんとする確かな理念があります。この点を本市としても,ぜひ学んでいただきたいと思います。 東京都も1960年代は,都営住宅への入居を求めて,都庁に1万人もの人が並ぶ,まさに住宅難の時代がありました。ところが,現在では都営住宅は30万戸を超え,さらに本年改定された都のマスタープランによると,公共住宅及び都が支援する住宅を2005年までに新たに33万戸を整備することが明らかになっております。 今日までのその施策を検証してみますと,中堅所得層に配慮した都民住宅,高齢者が安心して暮らせるシルバーピア──高齢者集合住宅とも呼びます,用地取得難を解消するため公共施設との合築,ファミリー世帯に良質な住宅を提供する優良民間賃貸住宅,最低居住水準確保のため,隣室の壁を取り除いて2Kを3DKに改築する住宅改善等を実施。さらには92年4月,住宅基本条例を施行しておりますが,条例の前文では,住宅は都民の生活の基盤であり,単なる私的財ではなく,社会的性格を有することを明記しております。 以上の政策は,実に柔軟な発想で,人間的福祉社会を目指していると言えるのではないでしょうか。 そこでお尋ねします。 本市の住宅行政においても,最低居住水準,ミニマムの完全達成のための施策を真剣かつ積極的に検討する必要があるのではないでしょうか。中でも急がれるのは,住宅に困窮する低額所得者に,居住水準ミニマムを保障することではないでしょうか。本市において,そのためにどういう施策を検討し実施されましたか。またその進捗度はどれくらいでしょうか。さらにこれからのビジョンはどのようにお考えでしょうか。いずれも詳しくお示しください。 通告の5番は,次の機会としまして割愛いたします。 以上,御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(
楠木忠司君) 当局の答弁を求めます。 〔
市長安宅敬祐君登壇〕
◎市長(
安宅敬祐君) 田尻議員の
個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 ホームヘルパー制度の充実の中で,現在の方法では緊急時への対応が不十分ではないかというお尋ねでございます。 岡山市ホームヘルプ
サービス事業につきましては,平成9年1月,ことしの1月から早朝・夜間,土日・祝日等の派遣を開始しまして,事業の充実を図ってまいりましたが,今後もこの
サービスを一層充実させていくために,需要と供給のバランスを勘案しながら,ホームヘルパーの計画的な増員を行うとともに,個々のケースに応じたきめ細かな対応をしてまいりたいと考えております。 御指摘のありました緊急時の派遣につきましても,登録ヘルパーの派遣が困難な場合は,直接調整ヘルパーが処遇を行うなどをしておりますけれども,さらに御指摘の点も踏まえて,緊急時に対応するにはどうしたらいいか,いろいろな角度から対応策を検討してまいりたいと考えております。 それから次に,全身性障害者に対する夜間派遣事業は始まったけれども,これを昼間のホームヘルパー事業にも自薦登録方式をしていただきたいと,こういうお尋ねでございますが,全身性障害者への介護人派遣事業につきましては,現在の登録ヘルパー制度でカバーできない夜間について派遣する新たな制度でありまして,現実には制度開始早々で,資格のある人の確保が十分でない状況でございます。一方,昼間については通常の登録ヘルパーで実施しているところでございます。 他方,ことしの10月から24時間巡回型ヘルプ
サービスもモデル事業として新たに実施するなど,制度の充実を図ってまいる考えでおります。このため,当面は制度の定着,充実に努めてまいりたいと考えていますが,自薦型の昼間のヘルパー制度についても,今後検討させていただきたいと考えております。 それから,本市の市営住宅の基本的な方向ということであります。居住水準ミニマムの完全達成のための考え,あるいはこれからのビジョンについてというお尋ねでございます。 近年の住宅対策は,大都市圏の勤労者が新たに良質な住宅を確保することは,極めて困難な厳しい住宅事情に対して,良質な住宅及び住環境整備等の要望が高まっているとともに,一方地方の都市におきましては,従来の公共住宅の供給のみの政策から,都市の空洞化対策,それから福祉施策と連携する高齢者対応の住宅対策,それから地域産業の推進のための人口定住化対策などの,さまざまな多様化している住宅ニーズに対する住宅対策が論議されているところでございます。 そのような論議にこたえて。建設省では,平成6年度に上位計画として都道府県住宅マスタープランの策定についての通達を出しておりまして,岡山県におかれては平成8年度に岡山県住宅マスタープランを策定されており,本市も県の,この住宅マスタープランの基本方針を受けながら,第四次岡山市
総合計画の住宅政策の部門として,都市マスタープラン等との整合を図りながら,現在調整を行っているところであります。 その中では,1つは公営住宅の居住水準の向上と公営住宅の役割分担,2つ目は良質な
民間住宅建設の誘導・促進,3つ目は居住水準の低い住宅ストックの改善の方策,4つ目は高齢者・障害者に配慮した住宅施策の形成,5つ目は都心居住の促進の誘導と住環境整備の方策などなどを課題に置いておりまして,先ほど申し上げました住宅ニーズの多様化に対応できるような,中長期的な目標の設定を急いでいるところでございます。 なお,その他の質問につきましては,担当局長から御答弁させていただきます。
○副議長(
楠木忠司君) 答弁の途中でありますが,午後1時まで休憩いたします。 午前11時55分休憩 ~~~~~~~~~~~~~ 午後1時1分開議
○副議長(
楠木忠司君) 午前中に引き続き会議を開きます。 当局の答弁を求めます。
◎保健
福祉局長(角田誠君) まず,ノンステップバスの導入と体験乗車についてでございます。
路線バスにノンステップバスを導入することにつきましては,本市は購入費に対する助成制度をつくり,従来からバス事業者に導入に向けての
働きかけを行っており,本年も4月に岡山県バス協会やバス事業者に要望しておりますが,現時点では実を結んでいないのが実情でございます。引き続き制度の趣旨を伝えるなど,人に優しいバスの実現を目指して積極的に要望してまいりたいと考えております。 また,御指摘の体験乗車につきましては,機会をとらえてぜひ乗車してみたいと考えております。 次は,ホームヘルパーに関しまして,安定した収入を得ることを目的としている登録ヘルパーに関してでございます。 登録ヘルパーの稼働可能な曜日・時間と利用者の希望する曜日・時間との兼ね合いや地域性などから,登録ヘルパーの担当ケース数にある程度のばらつきを生じていることは否めません。 本市といたしましては,ホームヘルプ
サービス事業に対する熱意とすぐれた技能を有する登録ヘルパーに対しましては,適切な派遣回数の確保に努めるとともに,その技能に応じた業務をお願いしてまいりたいと考えております。 次に,全身性障害者ガイドヘルパーの現況と見通しでございます。 全身性障害者に対するガイドヘルパー事業につきましては,現在委託先の社会福祉協議会と細部について調整中でございまして,今年10月実施の方向で努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。
◎都市
整備局長(小塚雅史君) 公営住宅の整備についてのお尋ねのうち,住宅に困窮する低所得者への居住水準ミニマムの保障並びにそのための施策についての検討,あるいはその実施の経緯についてのお尋ねでございます。 公営住宅法に基づき住宅に困窮する低所得者を対象といたします市営住宅の整備の基本は,国が第7期住宅建設5箇年計画──これは平成8年度から12年度でございます──において目標としているとおり,すべての世帯が確保すべき水準として,最低居住水準を位置づけております。例えば5人家族の世帯の場合,部屋構成は3DKで,住戸専用面積は56平方メートルとなっており,この最低居住水準に満たない本市の市営住宅は,平成4年度の調査では,ちなみに2,030戸ございました。 したがいまして,本市は平成4年度に岡山市営住宅建替10カ年戦略──これは平成4年度から平成13年度まででございますが──これを策定いたしまして,居住水準の向上を図る計画目標を1,565戸といたしまして,多様化するニーズにこたえる高齢者対応のシルバーハウジング,あるいは下肢障害者向け住宅,さらに特定公共賃貸住宅を含めまして,平成8年度末現在で511戸の建てかえを行っており,ちなみにその進捗率は33%となっているところでございます。 以上でございます。
○副議長(
楠木忠司君) 次は,順序に従いまして井村議員。 〔13番井村嘉久君登壇,拍手〕
◆13番(井村嘉久君) 本日,私が最後みたいでございます。連日の御審議でお疲れのことと思いますが,すぐ終わりますんでしばらくの間おつき合いをいただきたいと思います。 それでは,通告に従いまして質問をさせていただきます。 まず,岡山南署の移転後の跡地利用についてお伺いをしたいと思います。 その前に,現在南署が立地しております周辺の社会的環境について,お話をしておきたいと思います。 南署は,平福小学校区に立地しておりまして,福島学区,南輝学区と隣接をいたしております。この3学区には約1万世帯の住民が生活を営んでおりまして,高齢化率が高く,成熟した社会を構成している地域であります。商業施設は,人口に比例して大型店舗と外食店なども多く,郵便局や銀行も整備されております。 岡山市の公共施設といたしましては,南消防署,中央卸売市場,水道局南営業所等が整備されているくらいで,肝心の住民の生活に直接かかわる
サービス施設は,わずかに
岡南公民館とその一角に設けられた小規模の市民
サービスコーナーのみなのであります。周辺の人口と比較して余りにもお粗末で,歴代の市長の時代から,岡山市の中でも
行政サービスの薄い地域と言わざるを得ません。 加えて,
岡南公民館は岡山市で最初の公民館でありまして,したがって最も古く,老朽化が激しくて,最近改修していただきましたが,手狭で旧式の施設はいかんともしがたく,市民
サービスコーナーの利用者が多いときには,ただでさえ狭い公民館のロビーまで人があふれ,公民館機能に支障を来すこともしばしばであります。しかし,この周辺唯一のコミュニティー施設なので利用者は非常に多く,各種の学習活動も活発で,集会などの使用も多く,非常に予約しにくい状況と聞いております。 周辺の施設を利用するにも,平福・福島学区はコミュニティハウスも未整備でありまして,現在建設中の南ふれあいセンターはバスの便が悪くて,現在の路線のままでは,高齢者には簡単に利用できそうにもありません。 こうした八方ふさがりの状況の中で,市内各地のコミュニティー施設の整備状況を見るにつけ,聞くにつけ,住民の不満は募る一方なのであります。 そこでまず,市長にお尋ねいたしますが,この地域のこうした現状をどう認識しておられるのか,お聞かせいただきたいと思います。 さて,本題に入ります。 このほど,岡山南警察署が岡山市泉田に移転が決まりました。県は,新南署を平成9・10年で整備をいたしまして,11年に移転が完了するとお聞きしております。付近の住民は,長く親しんできた南署がなくなる寂しさと,治安が悪くなるんじゃないかという不安がある一方で,移転後の跡地を地域のために有効に利用するチャンスであると位置づけております。 現在の南署は岡山市三浜町7の6に位置しておりまして,面積は4,498.24平米であります。行政的条件といたしまして,
都市計画区域は市街化区域,用途区域は第1種住居区域であります。もちろん,県の行政財産でありますが,県にお聞きいたしましたところ,移転後の跡地利用は何も予定していないということであります。 そこで,岡山市がこの土地を購入して,地域活性化の核となる施設を整備していただきたいのであります。近く連合町内会が地域の要望をまとめて,市にお願いすることになろうかと思います。 生涯学習の必要性が叫ばれ,世代間の断絶が問題となっている現在,老若男女が気軽に集い,遊び,学べるコミュニティー施設を,市長の御英断でぜひとも整備をしていただきたいと考えております。 どうぞ御理解のある御答弁を期待して,この項の質問を終わります。 次に,外環状線の岡南線についてであります。 外環状線岡南線の早期実現に向けては,これまで多くの議員が本会議で取り上げてまいりましたが,いまだに実現に向けて動き出す気配すらありません。御承知のように,外環状線は本市の
総合交通体系上重要な路線でありますが,特に岡南線が計画されております地域は体育館やテニスコート,軟式野球場等を含む浦安総合公園,そして中央卸売市場,スカイパーク岡山等が立地いたしておりまして,岡南線は岡南地域の重要な
幹線道路であると同時に,これら公共施設へのアクセス道路でもあります。既に,
都市計画決定もされておりまして,当局におかれては早期事業化に向けて御努力をいただいていることと思いますが,現在の進捗状況について,具体的にお知らせいただきたいと思います。 また,平成17年の岡山国体では,浦安の総合文化体育館やテニスコート等が会場となる可能性があると考えます。現在の県道浦安・豊成線の混雑を考えると,岡南線の整備がぜひ必要と思いますが,当局の御所見をお聞かせください。 次に,
都市計画道路岡南線から国道30号線,さらに国道2号線までの区間についてでありますが,この区間はまだ路線が決定いたしておりません。交通量の増加に伴い,岡南地域の交通事情は悪化の一途をたどっております。 例えば,国道30号線方面から中央卸売市場へ向かうトラックが,昼夜を問わず団地などの
生活道路へ入り込み,騒音,振動,交通事故等で,付近の住民は大変な迷惑をこうむっております。こうした事態をなくすためにも外環状線の整備を急ぐべきであり,地域住民も早期事業化を強く求めております。 本市の外環状線については,平成6年12月に,国から地域高規格道路の指定を受けたと聞いております。これを生かしながら,未決定区間の路線を決定して,
都市計画決定に向けての早急な取り組みが必要と考えます。今後の計画を,具体的にお示しいただきたいと思います。 通告の3つ目,校舎の大規模改修についてお伺いいたします。 岡山市の小・中学校の校舎は,竣工して20年が経過しますと,大規模改修の対象となるのは御承知のとおりであります。なるほど,竣工して20年も経過いたしますと,壁のひび割れや汚れ,廊下や窓などの老朽化,外壁の崩れ等々の外観上の見苦しさばかりでなく,雨漏りやプールの漏水などの実害を伴うものや,時として子供たちに危険を及ぼすような不良箇所も出てくるようでございます。大規模改修の対象校の先生方は,自分たちの学校を少しでも早く安全できれいな学校にするために,常に要望をいたしておるようでございますが,対象校が多いためになかなか聞いてもらえず,どうしても不備な部分を細々と修理しながら,大規模改修の順番を待っているのが現状のようでございます。 そこでお尋ねいたしますが,現在,大規模改修の対象校は何校ぐらいあるのか。また近年,対象校はふえているのか,減っているのか。また大規模改修は年5校行っているようでございますが,このペースでいきますと将来的な見通しはどうなのか。あわせてお知らせいただきたいと思います。 次に,大規模改修校の順位づけについてお聞きいたします。 広い市域を持つ岡山市において,例えば地盤のやわらかい,かたい,それから風当たりの強い,弱い等,学校の立地条件によって校舎の傷みぐあいも変わってくることが考えられます。当局の御見解はいかがですか。 もしそうなら,早く対象校になった方が傷みが激しいということにはならないと考えます。順位づけに当たっては,ただ単に大規模改修校の対象になった順番に順位をつけているのか,それとも傷みぐあいを査定して順位をつけているのか。年5校の大規模改修校を決定するに当たっての基準をお示しいただきたいと思います。 また,大規模改修がまだ先なので,部分的な改修をする場合も多いようでございます。その際,中途半端な修理に終わっている場合が多々あるように聞いております。例えば,校舎の雨漏りがひどいので修理をお願いしたところ,予算の関係で,校舎の屋根半分しか修理できなかった例もあるようです。この場合,部分的には雨漏りはとまったでしょうが,雨漏りをなくすという観点から見れば,せっかく屋根半分を修理する予算を使いながら,目的は達成されていないということとになります。 こうした例は,外観上の修理の際にも見受けられるようですが,少ない予算の中で,できるだけ多くの学校の要望にこたえなければならない当局の立場も理解いたしますが,もう一工夫して,実効ある予算執行をお願いしたいと思います。 岡山市で学ぶ生徒たちの教育環境の格差が,できるだけ少なくなるように,これからも御努力を願いたいと,このように思います。御見解をお聞かせいただきたいと思います。 以上で私の質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(
楠木忠司君) 当局の答弁を求めます。 〔
市長安宅敬祐君登壇〕
◎市長(
安宅敬祐君) 井村議員の
個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 まず,平福,福島,南輝学区の公共施設の整備状況についての認識,また次に岡山南警察署移転後の跡地活用についてのお尋ねでございます。 平福,福島,南輝学区における市有施設の設置状況につきましては,議員御指摘のように南消防署,中央卸売市場,水道局南営業所,
岡南公民館等がありますが,コミュニティハウスについては平福,福島学区にはいまだ設置されておりません。 また,周辺には主な施設としましては,浦安総合公園がありまして,平成10年11月末には南ふれあいセンターが完成する予定でありますが,当学区が他学区に比べ,公共施設の整備が必ずしも十分に進んでいるとは考えておりません。 次に,岡山南警察署移転後の跡地につきましては,現在のところ岡山県から売却についての意思表示はありませんが,今後県の意向も踏まえながら,正式に意思表示がなされたときは,利用目的等も含め,議員御指摘の地元の要望も踏まえ,検討してまいりたいと考えております。 なお,もう一つの御質問につきましては,担当局長から御答弁させていただきます。
◎都市
整備局長(小塚雅史君) 外環状線岡南線についてのお尋ねにお答えいたします。 まず,外環状線(岡南線)でございますけれども,これの進捗状況あるいは整備の必要性についてのお尋ね,それから現在
都市計画決定されていない区間についての今後の計画について,一括して御答弁させていただきます。 外環状線につきましては,平成6年12月に総延長約40キロメートルが,御指摘がございましたように地域高規格道路の指定を受けまして,現在国,県,市で協議をいたしながら岡南線から国道2号線までの未決定区間も含めまして,外環状線全線の
都市計画決定に必要な予備設計並びに環境影響調査を,平成7年度から9年度で,今年度も含めまして実施しているところでございます。 今後,一般道路等の交差部等の道路構造の検討,あるいは全線地元への周知,これはちなみに24学区,90町内でございますけれども,さらに国,県,市の役割分担,あるいは事業分担等の調整を行いながら,できるだけ早く
都市計画決定に向け,所要の作業を進めてまいりたいと考えているところでございます。 また,岡南線につきましては,岡南地区の東西方向の
幹線道路であるとともに,御指摘のように中央卸売市場,あるいは浦安総合公園等,各種公共施設への大切なアクセス道路であるというふうに認識しておりますので,今後とも早期事業着手に向けまして,国,県及び
関係方面へ強く
働きかけてまいりたいと考えております。 以上でございます。
◎教育長(戸村彰孝君) 井村議員の
個人質問にお答えいたします。 校舎の大規模改修につきまして,3点御質問がございましたので,順次お答えいたします。 現在,大規模改造工事の有資格校──すなわち建築後20年を経過したものでございますが,これは幼・小・中を合わせまして82校園,113棟,面積にいたしまして16万2,000平方メートル余りであります。例えば,小学校では有資格建物に対します大規模改造の実施比率は,国の補助枠との関係もありまして,棟数では40.5%,面積では42.4%にとどまっております。 近年の状況につきましては,平成5年が7校園,平成6年が8校園,平成7年が7校園,平成8年が6校園,平成9年が6校園などのペースでありますが,この調子で施行いたしますと,残りにつきましてはいつ完了するか,現在では見通しが立ちにくい状況にあります。 これらの対象校園の校舎や園舎につきましては,児童・生徒の急増期に建設されたものが多いわけでありまして,岡山市だけの問題ではなくて,全国的に共通する大きな課題であります。今後,国,県等関係機関とも協議しながら,抜本的な対策を講じる必要があると認識いたしております。 次に,大規模改造事業は,基本的には国庫補助等の財源を確保しまして,建築後20年以上経過した校舎,屋内体操場等につきまして実施しております。 順位づけにつきましては,建設年度の古い順であることは条件の一つでありますけれども,御指摘のように老朽度から緊急性,安全性などを考えまして,総合的に判断しております。 また,昭和56年5月,すなわち新しい耐震設計法が施行される前の既設の建物につきましては,事前に耐震診断を行い,耐震補強工事の必要性の有無を確認し,大規模改造工事にあわせて設計,施工をしておるところでございます。 次は,部分改修につきましての実効ある予算執行が必要ではないかというお尋ねでございます。 近々,大規模改造工事を予定しております校舎などの改修につきましては,できるだけ二重投資にならないように工夫をしておるわけでありまして,原則として部分的な改修で対応してきております。 しかし,改修時期,施工方法,
利便性等を考慮し,ある程度集約して改修した方が,建物の維持管理上有効であると判断できるものにつきましては,実効性のある予算執行に努力しておるところでございまして,今後も屋根が半分残るとかいう不細工なことが,なるべく起こらないように,外観も内容も工夫をするように努めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○副議長(
楠木忠司君) 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開き,引き続き
個人質問を行います。 本日はこれをもって散会いたします。 御苦労さまでした。 午後1時26分散会...