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12月13日-05号

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  1. 岡山市議会 1985-12-13
    12月13日-05号


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    昭和60年12月定例会    昭和60年12月定例岡山市議会    議 事 日 程  第5号       12月13日(金)午前10時開議第1 甲第217号議案~甲第252号議案第2 報第44号 昭和59年度岡山市一般会計継続費精算報告書について第3 決第4号 昭和59年度岡山市一般会計歳入歳出決算について 決第5号 昭和59年度岡山市下水道費特別会計歳入歳出決算について 決第6号 昭和59年度岡山市水洗便所普及費特別会計歳入歳出決算について 決第7号 昭和59年度岡山市中央卸売市場費特別会計歳入歳出決算について 決第8号 昭和59年度岡山市国民健康保険費特別会計歳入歳出決算について 決第9号 昭和59年度岡山市宅地造成分譲事業費特別会計歳入歳出決算について 決第10号 昭和59年度岡山市用品調達費特別会計歳入歳出決算について 決第11号 昭和59年度岡山市西部地区土地区画整理事業保留地処分特別会計歳入歳出決算について 決第12号 昭和59年度岡山市農業共済事業費特別会計歳入歳出決算について 決第13号 昭和59年度岡山市地域し尿処理費特別会計歳入歳出決算について 決第14号 昭和59年度岡山市住宅新築資金等貸付事業費特別会計歳入歳出決算について 決第15号 昭和59年度岡山市葬祭事業費特別会計歳入歳出決算について 決第16号 昭和59年度岡山市災害遺児教育年金事業費特別会計歳入歳出決算について 決第17号 昭和59年度岡山市公共用地取得事業費特別会計歳入歳出決算について 決第18号 昭和59年度岡山市財産区費特別会計歳入歳出決算について 決第19号 昭和59年度岡山市学童校外事故共済事業費特別会計歳入歳出決算について 決第20号 昭和59年度岡山市岡山都市計画事業新岡山国道周辺土地区画整理事業清算金特別会計歳入歳出決算について 決第21号 昭和59年度岡山市上道霊園費特別会計歳入歳出決算について 決第22号 昭和59年度岡山市休日急患診療所事業費特別会計歳入歳出決算について 決第23号 昭和59年度岡山市老人保健医療費特別会計歳入歳出決算について 決第24号 昭和59年度岡山市駐車場費特別会計歳入歳出決算について第4 一般質問    …………………………………会議に付した事件 日程第1 甲第217号議案~甲第252号議案(質疑・付託) 日程第2 報第44号(上程・報告) 日程第3 決第4号~決第24号(上程・説明・特委設置・付託) 日程第4一般質問     ──────〇──────出席議員(50人)        1番  矢 木   明君        2番  片 岡 五百樹君        3番  近 藤 紗智子君        4番   野 喬 雄君        5番  田 畑 賢 司君        6番  有 井 靖 和君        7番  亀 井   章君        8番  垣 下 文 正君        9番  道垣内 正 雅君        10番  大 橋 英 雄君        11番  宮 川 日 吉君        13番  小松原   操君        14番  寺 田 明 生君        15番  内 田 宏 哉君        16番  日 南   香君        17番  景 山 貢 明君        18番  山 田   勇君        19番  福 原 弘 子君        20番  堀 川   進君        21番  川 田 敏 幸君        22番  磯 村   博君        23番  山 田 録二郎君        24番  片 山   仁君        25番  伏 見 昇 男君        26番  丹 原 重 彦君        27番  脇 本 一 郎君        28番  松 山 茂 樹君        29番  小 林   勉君        30番  苦 水 重 徳君        31番  新 谷 盈 智君        32番  守 屋 彰 久君        33番  楠 木 忠 司君        34番  草 野 邦 輔君        35番  小 橋 留 男君        36番  田 中 昭 三君        38番  小 川 晴 雄君        40番  高 木 悦 夫君        41番  妹 尾 達 道君        42番  谷   慎一郎君        43番  串 田   務君        44番  定 政 猛 男君        45番  華 房 美 衛君        46番  磯 島 康 夫君        47番  渡 辺 慎 一君        48番  岡 本 俊 彦君        49番  浅 野 卓 志君        50番  鈴 木 邦 彦君        52番  花 岡   薫君        53番  藤 原   貢君        54番  藤 原 照 夫君    …………………………………欠席議員(1人-欠員3)        51番  板 野 和 昭君    ─────────────説明のため出席した者   市     長  松 本   一君   助     役  鹿子木   貢君   助     役  冨 岡   要君   収  入  役  久 山 忠 孝君   総 務 局 長  八 木   肇君   財 政 局 長  関 場 長 久君   民 生 局 長  三 宅   襄君   衛 生 局 長  竹 原 良 一君   経 済 局 長  藤   昭 博君   建 設 局 長  神 原 俊 彦君   下 水 道 局 長  中 山 茂 也君   西 大 寺支所長  森 末   京君   参     与  丸 尾 比呂志君   参     与  渡 辺 史 郎君   参     与  人 見 文 男君   参     与  谷   義 仁君   企 画 室 長  井 堀 晃 郎君  水  道  局   水道事業管理者  黒 田 智 昭君  消  防  局   消 防 局 長  千 田   稔君  教 育 委 員 会   委  員  長  横 田   勉君   委     員     吉之祐君   教  育  長  奥 山   桂君  選挙管理委員会   委     員  青 地   勇君   委     員  岡   八 夫君   事 務 局 長  南 石 元 久君  監 査 委 員   委     員  川 上 一 正君   事 務 局 長  小 合 昭 典君  農 業 委 員 会   委     員  坂 田   毅君    ─────────────出席した議会事務局職員   局     長  北 村   博君   次     長  原 田 知 義君   庶 務 課 長  石 原 重 樹君   議 事 課 長  中 川 和 彦君   調 査 室 長  二 宮 善 政君   記 録 係 長  岡 田 登志男君   主     任  最 相 初 音君   主     事  佐 藤   武君    午前10時38分開議 ○議長(藤原照夫君) 皆さん御苦労でございます。これより12月定例市議会第5日目の本会議を開きます。 ただいまの御出席は44名であります。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 会議録署名議員に宮川君,寺田君のお二人を指名いたします。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 本日の議事日程は,お配りをいたしておりますとおりでございます。    ──────〇────── △日程第1 甲第217号議案~甲第253号議案    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 日程に入ります。 日程第1は甲第217号議案昭和60年度岡山市一般会計補正予算(第4号)について以下36件の議案についてであります。 これを一括上程して,質疑を行います。 順序に従いまして寺田君。   〔14番寺田明生君登壇,拍手〕 ◆14番(寺田明生君) おはようございます。 代表質疑も私をもちまして終わりになり,午後からは多分一般質問が始まるんだと思いますが,きのうからなかなかちょっと議会内でも大変な混乱もあったようでございますが,私もその件に関してやっぱり言及はさしていただかなきゃいけないと思いますので,言いたいことを言わしていただきたいと思います。あえて平地に乱を起こすの愚を犯すつもりはありませんが,きちんと言うべきところは言っておきたいと思いますので。少数会派の悲哀から50分間しかありませんけれども,どうぞよろしくお聞き取りのほどをお願いいたします。 まず,通告に従いまして市長の政治姿勢についてお尋ねを申し上げます。 岡崎市政の末期より出始めた市庁舎内の不祥事は,綱紀粛正を一つの柱として登場した松本政権下においてもその病状の重さを露呈し続け,当局幹部の自浄能力を超えたところに実は病巣はあるのではないかと思われる節がございます。今回の住宅整備資金不正受給の事件は,行為そのもの松本政権下において起こったことであり,岡崎市政のたちの悪い置き土産と言いわけをするわけにはいかないんじゃないかと思います。 まず,住宅整備資金不正受給事件に見る同和行政という角度からお尋ねをいたします。 今回の事件に対する関係団体の見解は,次のような理論であると思われます。すなわち,未解放部落の劣悪な生活環境を改善するには,現行法制度では十分でない。この現状に適切に対応するために,市当局と団体は組織対組織として,公式の確認として,現行の法制度の弾力的運用ということで不十分なところに対応していくことに合意していると。それで今回のいわゆる不正受給事件住宅整備資金制度弾力的運用の結果,申請人個人には資金の一部は渡らなかったが,組織的に使われたわけだから,犯罪とは言いがたいと。この組織対組織の確認事項の中に第三組織である警察権力が介入してくるのはもってのほかである。こういう理屈立てになっておると思います。 で,もし本当にこのように合意事項があるのであれば,これはこの理屈も一つの理屈として成り立ち得るわけで,本当にこのような確認事項が今までの交渉の中であったのかどうか,ますこの1点をお尋ねしたいと思います。 で,もしあるとしたら,私はこれはおかしい。まず,同特法にしろ地対法にしろ,憲法を頂点とする一般法に対し,未解放部落の解放という制度の目的のために特別の予算と特別の手続が準備されているのが地対法であり,あるいは同特法であったわけですし,またそれが不十分であるために県や市が特別の諸制度を設けているわけです。この特別の手続のこの「特別」というところを,弾力的運用という言葉のもとにその特別制を外してしまったとしたら,一体そこには筋目はなくなってしまうんじゃないか。筋目のないところでは,結局,力対力のぶつかり合いしか残ってこないと,そういう結果になるわけ。地域的特別制であるとか,あるいは個人的特別制であるとか,組織的特別制の枠を緩めてしまえば,それはもう無秩序としか言えないわけです。もし,当局が団体との交渉の中で団体の要求に負けて,あるいは理解を示して,または同情して弾力的運用ということを約束していたとしたら,その行為自体が解放運動を後退せしめることになるわけです。解放運動の憲法とも言うべき全国水平社設立宣言を引用するまでもなく,このことは堕落へ一歩近づくことになると思います。 市長,昭和58年以来,本庁管轄で正常化されたこの制度について,西大寺では何ゆえにできなかったのか,この点についてもお尋ねを申し上げます。 現にこの制度の利用者は58年以降は100%近くが西大寺支所に集中しているということから見ても,この58年以降にきちんとこれが本庁管轄内で正されていたのに対して,西大寺でなされていなかったというふうなことに私は非常な疑問を抱くわけです。この点についても解明していただきたいと思います。 さて,一方が300年の差別をざんげし,他方が差別を糾弾するということのみに終始するという中からは真の部落解放は達成できません。差別はますます隠ぺいされた形で深刻化し,拡大再生産されるでしょう。当局と団体が基本的なところで信頼し合い,五分と五分の緊張関係の中から知恵を出し合う。未解放部落も部落の市民と一般の市民が一人一人の自立した個人として五分と五分で向かい合う中から友情を高め,心の中の差別意識を取り除いていくという,そういう環境づくりをやっていく。この関係が生まれてこそ人の世に熱も沸き,人間関係が光り輝いてくるわけで,糾弾と確認,れんびんと逃避の中からは何物をも生み出すことはできません。団体内の若い指導者たちもこのことは非常に最近強く述べているところでありまして,今このことに気づき始めたそういう若い指導者たちと本当に腹を割って,正しい関係,理想的な関係を市長との間につくり上げる中から,同和行政をあるべき姿に戻していくというリーダーシップを発揮していっていただきたいと,このように思うわけです。 あの偉大な詩人ダンテの作品の中に「神曲」という作品がありますが,その作品の中に,いいことをした魂は天国へ行くと,悪いことをした,悪をなした魂は地獄へ落ちると。天国は当然のことでありますが,地獄においてもやはりそれなりに落ちつき場所はあると。魂の落ちつき場所はあると,ところが地獄にも天国にも,地獄に落ちることもなく天国に登ることももちろんできなくさまよえる魂がある。そのさまよえる魂は非常に苦悩を強いられる。そういう場面があります。そして,一体,そういった魂の持ち主たちは一体どういった罪を犯したのかというと,それは何もしなかった。不作為の罪を犯したかどでその魂はさまよっていると。そういう部分がありますが,この同和行政を正していくという,このことがやはり今岡山市政の中に大きな問題として,体質的な大きな問題としてどうにもならないものがあるところを正していく一つの糸口だと思いますし,これについて思い切った諸施策を,リーダーシップを発揮して施策を遂行していっていただくということが試金石になるんじゃないかと私は考えております。どうぞ,この同和行政において強いリーダーシップを発揮なさって,願わくばさまよえる魂にならないようにということをぜひ市長にお願いしておきます。 もう一つ岡山市政の中においてやはり問題なのは,土建行政,土木建築行政の中にあると思われますけれども,指名制度を一つの糸口として市長にお尋ねしたいと思います。 まず,次にお尋ねしたいのが,土木建築業界と行政の間の相も変わらぬ不明朗なうわさであります。入札行政にあっても,敷値が事前に漏れたとしか考えられないような結果が幾つも見られますし,業者間で話し合いがつかなかった場合には,敷値と同一価格で数社がたたき合った例も最近幾つか見られます。また,業者間の事前の話し合いの段階では,右翼,暴力団の影がちらつく業者が優位に立つ結果が目立つわけですが,これを業界の秩序であるということで放置しておいていいのでしょうか。その結果は,市民の貴重な血税がこのような不明朗な形で横車を押す者の側に流れることにより,行政に対する市民の信頼に重大な影響を及ぼすことは必至であります。業界の中に入っていくということはなかなか非常に難しいことではありますが,ぜひ知恵を絞って行政全体が一体となって体質改善に取り組んでいっていただきたいと思います。 その一つとして,不誠実な行為のあった業者に対しては,指名制度の厳しい運用によりペナルティーの実効が上がるための方策を検討していただくように強く要望しておきたいと思います。 さて,3番目に市長の政治姿勢としてぜひお尋ねしておきたいのは,瀬戸内新時代をどう受けとめているのかということでございます。 市長は瀬戸内新時代と岡山市のかかわりを,中四国の雄県の県都として政治,経済,文化のあらゆる面で中核都市として発展さしていきたいというふうに再三述べられておりましたが,瀬戸大橋完成の63年まであと3年,目前にしながら具体的予算の中では特に見るべきものは,私の目からはありません。このことはさきの議会でも指摘したところでありますが,本年度,調査費として1,000万円計上されて,どのようなことがわかり,どのような展望を持たれたのかということについてぜひお知らせをいただきたいと思います。私は市長のこの変革の時期にどう対応しようとしているのか,志向性が具体的にいま一つはっきりしない。瀬戸大橋の騒ぎをよそにそのマイナスのインパクトをできるだけ避けつつ,静かに一過性のあらしが過ぎるのを身をかがめて待ちつつ,岡山市は岡山市の独自のづくりを瀬戸大橋とは関係なくするんだというふうに言うのであれば,それもまた一つの見識ですし,民間にもそのように瀬戸大橋に余りかかわるなというふうな有力な意見もないわけではありません。しかし,どうもその言葉の上からだけですと,いやそれはそうじゃないと,瀬戸内新時代を積極的に受けとめてマイナスのインパクトを排除しつつ,プラスのインパクトを利用し,生み出し,岡山市が新時代をリードしていくんだと。このように積極的姿勢をとるとおっしゃるのなら,いま一度その点を明らかにしていただきたいと思います。変革期には市長の指導性を市民はどうしても期待するわけです。 さて,このような岡山市が今抱えている大きな問題,倫理性の面からあるいは将来性の面から挙げました3点を踏まえて,恐らく私は来期も市長は政権を担当し続ける御意欲をお持ちでございましょうから,それを前提として積極性のある御回答をいただきたいと思います。 次に,一つの提案をさしていただきたいと思います。 岡山市は他の37都市と同様,64年には市制100周年を迎えるわけですけれども,この市制100周年の記念行事の一つとして,私は地名の保存事業をぜひやっていただきたいと,このように思っているわけです。 市制100周年記念行事の一つとして記念誌か何かをおつくりになる予定というふうにお聞きしておりますけれども,それでその中に土井先生という先生がスタッフの中に入っていらっしゃると思いますが,この土井先生は実はお墓民俗というて,風俗の俗と,にんべんに谷と書く方の民俗史の中のお墓の問題では日本の中で第一人者でいらっしゃるわけですけれども。この先生が風葬という言葉を学会で確立されております。風と葬式の葬と書きますけど。風葬という風習があったということ。で,この風葬というのがあったんだというふうなことを立証される一番最初のきっかけというのは何かといいますと,四国に胴がら捨て場という地名があった,胴がら捨て場という。この胴がら捨て場というのはただ単にむくろを捨ててたというだけではなくして,恐らくそういう習慣といいますか,祭り事があったんじゃなかろうかというふうなことを直感的にとらえられて,その胴がら捨て場という地名の周辺をずっと初め調査された。そしたらあったと。それが四国にあるのであれば全国にあるに違いないというふうなことで,それをきっかけにしてずっとそういう地名とのかかわりで調べていったら,実は日本にはその風葬という人間を葬るときの方法が,そういう習慣があったんだというふうなことを立証されて,学説として学会でも確立されたという,そういうお話を聞いておりますけれども。 そのように地名というのは非常に私たちの生活とか歴史とか,風俗とか,習慣とか,そういうふうなものと極めて密接な結びつきがある。それを一片の合理性だけで葬り去ってしまって,それで新しい行政地名をつけていくというふうなやり方では,貴重な歴史をどんどん葬り去っていってるというふうなことになりますので,岡山市にもそういう由緒ある地名というのがたくさんございましょうから,ぜひこの地名を保存していただきたい。市制100周年行事としてこれを保存していただきたいと,このように思うわけです。 幸いにして,本年の6月14日に住居表示に関する法律の一部が改正されまして,その第9条の2というところには,「市町村は,由緒あるまたは字の名称で住居表示の実施に伴い変更されたものについて,その継承を図るため,標識の設置,資料の収集その他必要な措置を講ずるように努めなければならない。」というふうに努力義務規定が入っておりますので,ぜひ予算を取ってやっていただきたいと。でこういうものは非常に地味なことでありますけれども,歴史的には非常に大きな価値のあることでございますので,よろしくぜひ実行していただきたいと思います。 ちなみに,福岡は100周年記念行事としてこれをやるということを聞いておりますし,もう既にやっておる市町村も相当ございます。所轄は教育委員会がやったり,あるいは総務課がやったりということでまちまちでございますけれども,教育委員会の方でやっているところが3分の2以上でございますので,教育長もひとつどうぞ念頭においてぜひ御協力のほどをよろしくお願いいたします。 次に,職員採用と国籍条項ということでお尋ねしたいと思います。 私は6月の定例議会以来,外国人の人権ということに強い関心を持っていることをこの場で表明し続けてまいっております。その結果,市営住宅の入居であるとか外国人子女への入学案内の送付等については既に10月以来,早速実行していただいておりまして,これに対しては当局の速やかな決定に対して,深く敬意の意を表するものでございます。どうもありがとうございました。 市職員に外国人も──の訴えはそのとき同時にさしていただいておったんですけれども,聞き入れてもらっておりません。大体一般論としては,行政権力機構に母国に忠誠義務のある外国人を入れることは理論的になじまないというようなことが,これに反対する人たちの間では一般的に有力な主張としてなされているわけですけれども,いろいろ理屈はありますけれども,特に我が国における在日朝鮮人,韓国人という外国人については,歴史的事情も,何度も申し上げましたから詳しいことは申し上げませんが,特殊事情にあり,本国への帰還の可能性もほとんどなく,帰属意識も日本の方が強いわけです。特別扱いをしても決して差し支えないと思われますし,また特別な扱いをすることを禁止する法律はどこにもありません。だから,ぜひやっていただきたい。尼崎市などではそういうことを実際に行っております。 で,これが公的な意思決定機関の中枢部に入る可能性のあるところにはどうもというふうな,さっきの本国への忠誠義務があるからという関係から,どうも意思決定機関の近辺にはということであれば,まずとりあえずこことは直接的なかかわり合いのない分野からでも始めてみてはいただけないものでしょうか。ぜひこれを実現することで,一方では国際的に開かれた岡山市というイメージアップにもなるし,外国人の人権を可能な限り尊重する岡山市なんだという岡山市の志の高さを示すことになるんではないかと。ぜひこれをやっていただきたいと思います。 それから次に,高齢化社会についてのアンケートが最近,皆さんにお渡りかどうかはわかりませんが,民生消防委員会の方の委員の方に配られたわけですけれども,これと独居老人とのことについて私が強く感じたことをちょっと民生局長にお尋ねさしていただきたいと思います。 実は11月の3日ぐらいでしたか,私の知り合いの老人が亡くなりまして,それでお世話する人も少なかったものですからお手伝いに行ったわけですね。それで,アパート住まいでございましたから,だから隣をお借りしようとして,それで隣を訪ねたところが全然あかないと。ところが電気はついてるし,これは電気をつけっ放しのままで出とられるんだったら電気がもったいないし,管理人さんに言って消してもらおうかということで,それで管理人さんに連絡にいってあけてみたら,そこの住人が死んでたという事件があったわけ。それで,その亡くなった方もやっぱり73歳ぐらいのおじいさんだったわけですけれども。それで死後1週間ぐらいたってたというんですが,1週間もの間,ひとり暮らしの老人がだれにも死んだことが知られずに放置されてたというので,非常に私はショックを受けました。 それはそれとして前に置いときまして,実は報告されたアンケートの結果の中に,ひとり暮らしの老人に尋ねた質問の中に,極めて回答率の低い部分がありました。それはどういうことかというと,ひとり暮らしの老人に対して,あなたのお子さんは岡山市に住んでいらっしゃいますかとか,それからどこに住んでいらっしゃいますかとかというふうな,そういう質問に対して90数%以上の人が答えてられないと。だから回答率が1割以下であると。それで,ほかの項目については9割近くの回答が出されているのに,そこだけが,そう難しい質問とも思えませんのに回答がされていない。で,片一方では55年当時に調査をされたやはりアンケート,これは特別委員会の方で,高齢者対策調査特別委員会の方で勉強さしていただいたんですけれども,そのアンケートの中でこれも注目すべきだなと感じてた回答がありました。それは高齢者に対して将来の理想的な生活像は一体どういうものかというふうなことの第1に挙げられてたのが,孫子とともに生活がしたいと,そういうものが理想的な形としてあらわれてたわけですね。それで,実際にじゃあ今あなたは幸福ですかという質問の中では,ひとり暮らしの老人,それから老夫婦だけの生活の人,それから孫子と一緒に住んでいらっしゃる老人の方と,その三つに分けて聞いてあったんですけれども,そこの中で満足感,幸福感が最も低かったのが,孫子とともに生活している老人の人々だったという結果があって,これが非常に理想と現実のギャップというのがあって,これも前の議会のときに私申し上げたと思いますけども,それと今回の調査の中で子供たちのことについての質問については,ほとんどの人がそれに回答すら拒否しているということの中に,どうも今後の高齢化社会を目前にしていろんな施策をつくっていく上の精神的なポイントがあるんじゃなかろうかというふうな感じがしてならないわけです。 今,福祉というのは地域福祉あるいは在宅福祉というふうな方向に目は向いていってるわけですけれども,どうもそういう方向がやむを得ない方向であるとしても,今の状態のままでそういう方向を探していっていたとしたならば,本当に高齢者の熟年の人たちの幸せの方向につながるんだろうかと。やがて我々も熟年になっていくわけですけれども,我々の幸せも本当にそういう方向に我々の幸せがあるんだろうかどうだろうかというふうなことを,何か示唆的な感じがしましたので,民生局長もそこら辺については非常に知識の深い方でいらっしゃるので,どのようにお感じになったか,そこら辺をぜひお聞かせいただければありがたいと思います。これはだから質問というよりも所感をぜひ述べていただければと思います。 次に,芸術音楽ホールについてお尋ねしたいと思います。 これも大分,瀬戸大橋時代の記念行事としてこれをやっていくんだということで,大分進捗しているようですけれども,もともと瀬戸大橋時代の記念行事として芸術音楽ホールをつくろうという発想と,それから表の再開発とを結びつけるというふうなことは少しこれは欲張り過ぎというか,邪道じゃないかなというふうな考え方は持っていたんですが,今回この原稿を事前に官僚の皆さんに見ていただいた中で,私はぜひこれに対して,私たちがシドニーを視察さしていただいたときのオペラハウスが,全世界に対して公募して,デザインを公募して,そして建てられたと。海際に非常に貝がらをイメージさせる立派なオペラハウスでしたから,もちろん今回は海際というわけではないんで,ああいうものができるかどうかは別にして,日本じゅうから衆知を集めて,公募したデザインでやってみたらどうかということを提案さしていただこうと,このように思ったんですけれども,そしたらいやあれはもう組合事業とかなんとかでいろんな条件がつくから,そういう自由な発想ではできないんだと。何ぼ質問してもらってもええ話にはならんというふうなことだったんで,これは残念なんですけれども,そういう諸条件がある中ででも,できるだけやっぱり建物についてもよそからなかなかいいものができたと,ぜひ参考にしたいと,他の垂誕の的になるような,そういうものをぜひつくっていただきたい。それからもう一つは,芸術性も最大限に生かしつつも,やっぱりいろんな,岡山市の場合には会合を開くに適当な会場というのが非常に少ないですから,公的な大規模の会場が少ないですから,そういう諸会議に,国際会議等にも使えるようなというふうなことで,やはり多目的という方向はやっぱり追求していただきたいなと。このようなことをお願いして,ぜひ基本的には衆知を集めていいものをということを積極的に最後まで推し進めていただきたいということを,これはお願いにしておきます。 それから,実は今,財団法人法律扶助協会というのがありまして,本当は裁判までやったらきちんとお金も取れるんだし,裁判にも勝つんだけれども,その裁判をやるお金すらないという貧乏な人たちがおって,そのためにせっかく持てる権利も放棄しなきゃならんと。そういう人たちのためにということで,そういう人たちにお金を貸し付ける法律扶助協会というのがございます。これに対して既に助成金も出てはいるんですけれども,県の方でも今度また30万円から50万円ほどにふやそうというふうな動きがありますので,ぜひ岡山市の方でも,これは要望ですけれども,これに対して助成金をふやしていただきたいと思うわけです。 これは非常に多く利用されておりまして,それである一定程度のお金がプールされてて,例えば損害陪償請求事件だったら,勝ったらまたそこの中からかかったお金を返してもらうというふうなことで,回収率もかなり高い率を,70%以上の回収がなされておりますし,どうしてももちろん払えない人に対しては差し上げているという,免除という規定もあるわけですけれども,弱い人たちの権利を法律的側面から,法律の争い上の側面から守っていこうとする制度ですので,ぜひこれに対しても力を入れていただきたいということを,これは要望ですが,お願いいたします。 さて次に,いじめの問題について入らせていただきたいと思いますが,6月定例市議会でも浦和地裁の裁判例を引用しながらいじめの問題についてただしてきましたけれども,あの段階では市教委も実態調査などはしていなかったようですが,その後,文部省などのこの問題に対する動きと相まって,当市でもかなり調査も進んでいると聞いておりますけれども,実態はどうなっているのか,またその原因の分析はどのようにしていらっしゃるかをまずお尋ねしたいと思います。 私は,ここで一つの仮説といいますか,を述べてみたいと思うんですけれども,いじめの構造という言葉がよく聞かれるわけですけれども,その構造というのは一体何なのか,何に起因すると思われるのかということについて教育委員会の方のお考えをぜひ聞かしていただきたいんですけれども,私の仮説は,いじめられる子供にはのろまな子供であるとか,気が弱いとか,肉体的に貧弱であるとか,意思がはっきりしないとか,あるいは逆に非常にまじめ過ぎるとかという,そういう性質の子が非常に多いということは,これはいろんなところで指摘されているわけですし,ほとんどそのこと自体は間違っていないと思うんですね。で,ここに挙げたような子供なら,本来だったら非常に人間性がすくすくと伸びているという状態であったとしたならば,みんなから同情されたり保護されたり,あるいはまた褒められたりうらやましがられたりと,まじめな子であれば,というふうになっていかなきゃいかんわけです。しかし,それがいじめられると。それも,そこに構造があるというふうなこと。そうするとそれは一体その構造というのは一体これが原因だというふうなことについてまだまだ解明されていないんですけれども,私が思うには,我々の少年時代には余りなかった現象なんですけれども,厳しい選別主義の体制の中で,目的をよりスムーズに,教育の目的がですよ,選別主義の体制の中でいい子だけを次から次にふるいにかけて,最後に残ったのがこれだというふうなやり方,そういう選別主義の体制の中でその選別主義という目的をよりスムーズに達成させるために,いき過ぎた管理主義というのがあって,この管理主義というのはまさに子供たちをいじめることじゃなかろうかというふうに思うわけです。それで,そのいじめられた,管理主義という名のもとにいじめられた子供たちが,いじめられた仕返しに今度は弱い部分にもう一回それをやっていくと。ちょうどしゅうとめにいじめられた嫁さんが,今度は嫁さんが来たらそのしゅうとめをいじめるみたいな感じで,いじめを次から次に伝えていくという,そういう側面があるんじゃないかと思うんです。 というのが,この管理主義で特に,例えば最近問題になってる,問題といいますか,いろんなテレビなんかでも報道されてるんですけど,何でここまでやらなきゃいかんだろうかというふうな校則がありますね。それから,校則になくてもそれ以上のことを次から次に先生の頭の中で想像されることはすべて調べるとか。例えば髪の毛の長さが何センチと決めておって,1ミリでも長かったら切りなさいとか,スカートがどっからどこまで,ひざまでなくちゃいかんとか,あるいは丈が何センチだから長過ぎたからやめなさいとか,ブラウスの丈もちょっと長過ぎるとか,靴下の線が1本だったらいいけど2本だったらいけないとか,それから下着の色がどうだとかというふうに,とにかく事細かに考えられるあらゆることを注意していくと。それはもう注意とか教育とかということじゃなくて,それはもう子供たちをいじめてるんじゃなかろうか。例えば服装一つにしたって,その服装というのは,いわば子供たちの自己表現という,自分をディスプレーしていく,そういう能力を表現する一つの方法ですし,そこにある種の自由性があったらそれ自体もう教育として教育的効果が非常にあるのに,そういうふうな側面は全然見ないで,とにかくそういう規則をつくり規則を守っていることを調べることが生きがいであるような,そういう教育のあり方がいろんなところに見られる。で,一体校則というのは,大体私たちは,校則も子供たちにとっては法律なんですけれども,できるだけみんなでつくるということが原則,一つは。法律でも何でも。それで,つくったことについては守らなきゃいけないけれども,逆に言えばつくられてないことについては実は自由なんですよと,決められてること以外については自由なんですよ,自由におやりなさいと。だから,そこで決められてること以外については自由にやることの保障もまたそこでその校則の中でなされるというふうな側面をやっぱり,世の中に出たら法律というのはそういうもんなんですから。だから,法律に書いてないことについては自由だから,そこで自由な発想をしていいんだということもその法律で保障されてるわけですから,校則というものもむしろそういうふうなものとして,実は私は自分の子供に対しても校則のことについて文句を言うときにはそういうふうに言ってるわけです。校則というのはおまえらを縛るばっかりのものじゃないぞと,この校則に書かれていること以外についてはどうぞ自由に自分たちの発想に従ってやっていいよということもこの校則が守ってくれとるんだから,おまえ校則をそう攻撃するばっかりのことはよくないんだよというふうなことも教えてるわけですけど,現に学校ではそういうふうになっていないというふうなことになると,一体学校にとって校則とは何なのかと。子供をいじめるための一つの根拠にしかなってないんじゃなかろうかと,そういうふうなことを感じているわけです。 それで,それがそういうところにそういう校則を初めとするそういういき過ぎた管理主義のためにストレスがたまった子供たちが,同じ仲間である子供たちをいじめていってるというところがあるんじゃなかろうかなあというふうに思って,まだこれは仮説なんですけども,これについてはだからぜひ教育長,そういう側面はないのかどうかというようなことについてぜひお尋ねしてみたいと思うんです。 実は私は,13日から私の学区の中学校の試験が始まりますんで,それが済んだら悪い子供,いわゆる悪いと言われてる子供たちを10何人か呼んで一緒に飯を食う予定にしているんですけれども,そういう約束を今とりつけてますから,そこでもそういう話もしてみようというふうに思ってますけれども,ぜひそこら辺のことについてもお考えをいただきたい。ちょっとやっぱり今の学校というのはいき過ぎた管理主義になっているんじゃなかろうかというふうに思われて仕方がありません。(「そんなことはねえよ」と呼ぶ者あり)そうですかねえ。まあ,僕はそんなふうに感じるんで,まあ……。 さて次に,行革と嘱託ということでお尋ねしたいと思います。 今ここに昭和58年,59年,60年と3年度にわたる職員とそれから嘱託の員数の表があるわけですけれども,これを見てみますと大体嘱託というのが正規の職員の1割強いるようになってるわけです。これは片一方では行革でどんどん人減らしというふうなものが行われているわけで,もちろん不必要な人間があれば,それはそういうふうにしていかなきゃいかんわけですけれども,必要な員数が行革という名のもとに削られてるという側面がひょっとしたらあるんじゃないかという心配もしてるわけですが,それでそれを嘱託という形でカバーしているとしたら,片一方ではそれは行革に対する嘱託が隠れみのになるわけですし,またもう片一方で実際に必要な者を嘱託というふうな不安定な形で雇っていくというのは非常によくないやり方ですから,ここら辺についてこの嘱託というのは一体どういう役割を担っているのかというふうなことについて,ぜひ聞かしていただきたいというふうに思います。 それで,それと同時に他都市と比べて,こういう1割強の嘱託で仕事をやっていってるというのは一般的なのか,特殊的なのかということについても教えていただきたいと思います。 それから,大体,実際の嘱託の人たちを聞いてみますと,定年前後になられた方々がということになると,大体部課長の人が多いかと思いますけど,きのうまで管理職であった人がきょうから嘱託ということで,同じ職場で今まで部下だった人に使われるというふうなことになると,その使われる方もそうですし,使う方もお互いに非常にそういう点ではやりにくいんじゃなかろうかというふうなことが想像されるわけですけど,そういう点については特にどういう御工夫をなさっていらっしゃるのかどうかというふうなこと。それから,そういう点で人事管理がスムーズにいくのかどうかというようなことについてもぜひお聞かせいただきたいと思います。 一応,1回目の質問はこれで終わりにさしていただきます。 あと6分残っておりますので,再質問をさしていただかなくてもいいように,ぜひいい御回答をいただきますようにお願いいたします。(拍手) ○議長(藤原照夫君) しばらく休憩します。    午前11時24分休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午前11時45分開議 ○議長(藤原照夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) この際申し上げます。 会議録署名議員宮川君が退場されましたので,会議録署名議員に丹原君を追加指名いたします。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) それでは休憩前に引き続き会議を開きます。 当局の答弁を求めます。   〔市長松本一君登壇〕〕 ◎市長(松本一君) 寺田議員の代表質疑に対しましてお答えをさしていただきます。 まず,同和問題についてでございますが,多数の会派の代表質問で御指摘をいただきまして,一昨日の景山議員の御質問にお答えを申し上げましたとおりでございますが,同和問題はこれを未解決に放置することは断じて許されないことでございまして,その早急な解決こそ行政の責務であることを深く認識をいたし,同和行政を推進してまいっておるところでございます。しかし,この同和施策を効果的に推進してまいりますためには,行政の責任と主体性を確立をいたしまして,民間の運動団体とも意思の疎通を図り,相互信頼を保つ中での推進が重要であると認識をいたしております。同時にまた,御指摘のように地対法その他同和行政のための法令及び制度の趣旨に沿った行政の推進が肝要であります。一日も早く差別のない人権をとうとび合う明るい社会づくりに努めてまいる所存でございますので,よろしく御理解をいただきたいと思います。 次に,指名制度についてでございますけれども,御指摘の指名制度につきましては,御提言の趣旨を十分踏まえまして,今後とも公正かつ厳正に対応してまいりたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 次に,瀬戸内新時代における予想されるインパクトをどう対応していくかということでございますが,さきに各会派の代表質疑の中で御答弁を申し上げましたように,瀬戸大橋あるいはまた新岡山空港の完成は産業の発展などはかり知れない大きな影響を本市に及ぼすことが期待されております。瀬戸内新時代を迎えるに当たって当面の短期的な対応といたしましては,昭和61年度を初年度とする新しい実施計画に基づきまして,都市基盤の整備を重点的に推進すべく,具体的には新年度予算に反映してまいりたいと考えております。 また,長期的な対応としては,岡山市の将来像を検討するために,御質問にございます岡山市長期展望基礎調査を現在行っており,その一端として,市民の5,000人の方を対象といたしまして,岡山市長期展望に関する市民意識調査,また有識者を対象といたしました岡山市長期展望に関する有識者意識調査を実施中でございます。 以上,申し上げましたように,瀬戸大橋架橋を岡山市の飛躍のチャンスとしてとらえまして,県内各都市や瀬戸内の沿岸の諸都市との有機的な機能分担を図りながら,中枢管理機能の集積した真に中四国地方の中核都市として発展させてまいりたいと考えております。 次に,職員の採用規程と国籍の問題でございますが,御指摘のように在日の朝鮮人,韓国人等につきまして,歴史的背景は十分理解できるものでございます。また,日本国籍を有しない者を地方公務員として任用することについて,法律上の禁止規定はございません。しかし,地方公務員の職のうちで公権力の行使,または地方公共団体の意思の形成への参加に携わるような職に,日本の国籍を有しない者を任用することはできないと解されております。また,将来そのような職につくことが予想される職員の採用試験におきましても,受験資格を認めることは適当でないという国の見解が示されております。本市におきましてもこの解釈に従いまして対応してまいっているところでございます。なお,他都市の実態,さらに国や県の動向を見きわめることが必要であると,このように考えて,おりますので,御理解をいただきたいと思います。 その他につきましては関係からお答えをいたします。 ◎総務局長(八木肇君) 市制100周年の記念として町名保存事業をということでございます。 で,地域の歴史的な,また文化的な遺産の保存につきましては重要な行政でございます。特に町名,地名等は地域の伝統,文化に密着しました非常にかかわりの深いものであるというふうに考えております。 御提案のように,市制100周年の記念事業ということでございますが,現在岡山市史の編さんにつきまして当たっておるところでございます。その中で,御提言の中にもございましたが,土井先生もお願いいたしておるということございます。特に土井先生につきましては,町名等についての記載というふうなことでも御予定をさしていただいて,いろいろとお願いもいたしておるところでございます。ただ,そう言いながらもページ数ということで,100年史の場合には非常に限定されてまいるということもございます。その中で量的な制約ということがございます。しかし,一方ではやはりこうした町名保存ということは,これは特に100年という中での一つの契機でもございます。そうした中で非常に大切な問題であるということで,これは岡山市史と関連させながら別途いろいろと編さんもしてみることも企画していったらどうだろうかということ。また,そのほかにもやはり編さんというだけではなくって,別な保存の方策ということも考えていくことが必要ではないかと思うわけでございます。 そうしたことの中で,いずれにいたしましても地域の文化的な遺産としての地名,町名,これは市民の財産ということの中で,単に住居表示事業により消えた町名ということだけではなくって,由緒あるものにつきまして次の世代に継承し,保存していくように関係者と協議しながら進めてまいりたいというふうに考えておるところでございますので,よろしくお願いいたします。 それから,行政改革と嘱託という問題でございます。 この中でまず,非常に1割ぐらい嘱託がおるんじゃないか,他都市と比べてはどうだろうかということでございます。 この非常勤職員としての嘱託の雇用ということでは,これは岡山の場合,例えて言いますと,ホームヘルパーや婦人交通指導員,こうしたところで,本市ではそうしたところにつきましては嘱託員ということで対応いたしておるということがございます。都市によってはこれは社会福祉協議会の職員を充てておったり,あるいは正規職員で充てておると,こうしたものにも充てておるということ。あるいはまた施設の管理方法の違い,あるいはまた正規職員の退職後の再雇用をほとんどしていないというところもあれば,これをほとんどやっているというようなところ,いろいろとそれぞれの都市において雇用形態も異なっておるということで,数の上だけの比較いうのが非常に難しいものがございます。単に数だけ見ますと,類似都市の中でも岡山よりはるかに多い都市もございますし,ほとんど嘱託が少ないというようなところ,いろいろと実態がございますので,それぞれの雇用実態ということによるかと思うわけでございます。 でまた,これが行革の隠れみのとかいうようなお話もございましたが,これにつきましては,これまでのいろいろとの懇談会,あるいは議会の方の特別委員会,そうしたところでも定数管理というものにつきましては,定数職員だけではなくって定数外職員についてもやはりいろいろと御指摘もいただいて,適切な配慮をする必要があると思っておるところでございます。そうしたことを踏まえまして,この嘱託員の雇用につきましても適正化を図っているというところでございます。 定数職員が減った分だけ嘱託員の雇用が増加しているのではないかということもお考えになるかとも思いますけれど,特に嘱託といいましてもいろいろとございますので,勤務頻度の高い嘱託員ということで,56年7月1日の時点と本年の11月1日の時点の数字を比較しますと,全部局の総数ではこれが544人から593人と,約50人ふえているという形にはなるわけでございますが,部局別に見ますと,逆に市長部局では34人減員になっております。減じております。嘱託員の数が減ってきております。これは教育委員会の方で逆にいろいろと,何といいますか必要性に基づくということで,正規職員の変動とは全く関係ないところで,非行防止の生徒指導の推進員の配置だとか,あるいは,学校あるいは図書館,公民館,そうしたところの施設増へ嘱託員の配置というふうなことの中での変更等によって教育委員会関係がふえたからということでございます。 それから,嘱託員とは一体どういうことなのかということでございますが,一つの身分というのはどうかということですが,非常勤嘱託の雇用ということで,本市では基本的には正規職員の希望退職,それから勧奨退職後の再雇用というものと,それからそれぞれの必要性に基づきます一般雇用としての嘱託と,この二つに分かれておるわけでございます。一般雇用につきましては,そうした職そのものは行政運営上必要であるということではございますが,その職員につきましては通常の,正規の勤務態様を要するかどうかというふうなこと,そうしたことの必要性等を考慮した中で非常勤嘱託員をもって充てることが可能なところにつきましては,その判断をした上で充てているというのが実態でございます。 それから,部課長がということで,きのうまで部課長であった者がという点でございます。 この辺についての何か工夫ということでございますが,希望退職あるいは勧奨退職におきます再雇用希望者につきまして,その再雇用に当たっては一般雇用の場合と同じように,その必要性と,(聴取不能)でございませんが,必要性について厳選しております。 それから,配属先につきましては,再雇用者の配属を要望する所属の意向いうものもお聞きしておりますし,それから同時に本人の経歴,それから本人の意向,こうしたものも考慮しながら決定しておるということでございます。特に課長級以上の場合,基本的には退職時と同一の所属への配属というものはなるべく避けていきたいということは配慮いたしておるところでございます。それからまた,部長あるいは次長級以上の場合につきましては,これも基本的にはやはり各課への配属ということでなくって,知識,経験を生かすことからもいろいろと,例えて言いますと市民相談室への配属と,そうしたようなこと。いろいろとそうした点を配慮しながら対応いたしておるということでございますので,よろしく御理解をお願いいたします。 以上でございます。 ◎民生局長(三宅襄君) 独居老人と申しますか,多世代同居についての民生局長の所感をという御質問でございます。 今回の調査につきましては,まだ粗集計の段階でございます。今後,内容の分析もやる必要があるかと思いますし,さらに一般老人とのかかわり,クロスの検討もする必要があるかと思いますので,詳しいコメントは避けさしていただきたいというふうにも思いますけれども,ぜひ所感をということでございますので,お話をさしていただきたいというに考えております。 ひとり暮らしの老人に対するアンケート調査の中で,全体として現在の生活や環境に満足をしていますかという問いに対しまして,十分満足をしていると,これが22.4%,やや満足しているというのが55.1%,合わせて77.5%となっております。また,今後の生活はどうされますかという問いに対しましては,今のままの生活を続けたいが70.4%,子供と同居したいというのが10.7%と相なっております。 こういうことから,今の段階で感じることを申し上げますと,一定の収入がありまして健康な間は住みなれた地域で親しい隣人と煩わしくない気楽な生活をしたいという意識のあらわれではないかというふうな推測をいたしております。 本来は生活や文化の伝承,高齢者の生きがい,精神的安定などによりまして多世代同居が自然な家族構成でありますし,望ましいと言われておるわけでございます。しかし一方,就職,転勤などの仕事上の問題,住居上の制約,食事嗜好の違い,子育てや教育など世代間の意識の違い,扶養意識の問題,高齢者自身の意識の問題,さらに高齢者が一人または夫婦で生活もできるような社会的条件が整ってきた,などなどの多面的な要因によりまして,ひとり暮らしや核家族が進んでいるのも現状でございます。 これをまず内容的に考えますと,国政レベルで対処すべきものもございますし,自治体レベルで対処すべきもの,さらに個人や家庭,さらに地域社会で対処すべきものもあろうかと思います。 いずれにいたしましても,今回の調査結果の分析を見まして,地域福祉,在宅福祉面からのアプローチもいたしながら,総合的に市が取り組める分野について検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(藤原照夫君) 答弁途中でございますが,1時5分まで休憩いたします。    午後0時2分休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午後1時12分開議 ○議長(藤原照夫君) それでは午前中に引き続いて会議を開きます。 当局の答弁を求めます。(「会議は始まっているよ」と呼ぶ者あり) ◎教育長(奥山桂君) 済みません。いじめの問題につきましてのお尋ねでございますが……,あっ,教育長です。 いじめの問題についてのお尋ねでございますが,いじめの核心に触れたお尋ねでございまして,御指摘にもありましたように,現在私どものところでは調査研究委員会で検討をしておる段階でございまして,十分なお答えにならないかとも思いますし,幾らか私見にわたる点もあるかと思いますので,それはお許しをいただきたいと思います。 御指摘の中にありました学校の校則というようなものの,非常に多い校則というようなものがいじめになっているのではないか,そのことがもとでまたいじめが起こっておるのではないか。それがすべてとおっしゃっておられるわけではないと思いますけれども,そういうふうな一つのからくりがあるのではないかというような御指摘でございます。 この御指摘を受けまして,校則を初めとしまして学校生活そのものがいじめになっているようなことがあっては困ると。鍛えというのはなければならないと,学校で鍛えというものはなければならないと思いますが,それがいじめになっていては,これは困るわけでありまして,これは反省をしなければならないと思ってお聞きをしておるわけでございます。 現段階までで我々がこのいじめの構造として感じておりますことは,今調査をしておる段階で申しますと,10月末までに50件でございますけれども,その全体の約半分に当たる23件が余り理由のない強い者の暴力やおどしというようなのが一番多いということになっておるわけであります。次いで,ばかにしてからかう,嫌がらせをするというのが8件,それから悪口を言われた仕返しというのが4件というようなことになっておるわけでございますが。こういうことから,我々が考えておりますことは,これは一般的にもそう言われておるのじゃないかと思いますが,このいじめの側,いじめられの側,それぞれに構造があるというふうに思いますが,それにやはり共通した構造がある。いじめる側にもいじめられる側にも共通しておる構造がある。それは,いずれもそういう子供が平生の生活の中に不満や不安を持っていると。それは成績のことに関連するならば劣等感というようなことにもつながっておるんじゃないかと思いますし,それから自分のこれからの将来についての不安と,そういうふうなもののまじった,不満とか不安というものがかなりそういう子供の中に渦巻いておると。 それから,それと非常に深い関係で,不安定な状態というものがある。これは家庭でも十分認められない,学校生活の中でも十分自分が認められない。今はやりの言葉で申しますと,存在感が薄いということになりますが,そういうふうな要素がいずれの側の,いじめの側もいじめられの側もそういうものを持っておる,が強いということでございます。で,しかもそういう不満や不安定な状態を抱えながら今のはやりのいい格好と,優越感というものを求める,自己顕示欲の強い風潮というものはあるわけでありまして,そういう不満や不安定なところから,これを一挙に解消する方向として校内暴力がありましたり,それからまたいじめがあったりというようなことにつながっておるように思います。そういう不満や不安定というものをみずからを高めてこれを解消するという方向はとらない。そういう努力の習慣も非常に乏しいと。そういうふうな状態で一挙に解消しようとしてそれが暴力になったり,いじめになったりするというような,そんな構造がいじめの側とすればあると。 それから,同じような状態を持ちながら,いじめられる側の方では耐える力がない,耐える力がない。それから,解決の方法を考えるというような,そういうふうな姿勢も乏しい。幾らか双方の側の構造の違いはありますけれども,基本的には今申しました不満やら不安定というようなものが渦巻いておる。それを安易に満足させる方法として校内暴力やいじめというようなものが起こってくる。 こういうふうな,大まかにいえばそういうふうな構造になっているのではないかというふうに思っておりますが,そういうふうなことで今の校訓の,多過ぎる校訓というようなものの考え方も,こういう不満をつくることにつながっていては困るというような気がいたします。 幾らか私見に走り過ぎたかと思いますが,今考えておりますことはそういうことでございますので,御理解をいただきたいと思います。   〔14番寺田明生君登壇〕 ◆14番(寺田明生君) 私が市政の一つのネックといいますか,非常に不明瞭な部分として克服しなきゃならないところとして,同和行政の点とそれから建築土木に関する点を挙げて申し上げたわけですけど,その同和行政についての今回の事件については具体的なお答えが,一般的,抽象的なお答えはあったんですけれども,具体的なお答えがなかったのは,そらあなかなか答えられないといういろんな事情もあるんではなかろうかと思って,そこんとこは察します。察して,それ以上求めはしませんけれどもですね。一言言っておきたいことは,やはり市長の,どなたかへの答弁の中にもスクラップ・アンド・ビルドという言葉を使われておりましたけれども,とにかく混乱を恐れて,混乱を恐れてそれでなあなあになっていくと,あるいは言いなりになっていくというようなことの中からは,何度も言いますように,真の人間解放というようなことはあり得ないと。だから,相互信頼というのは,こっちがこびて信頼をつくっていくというふうなことじゃなくして,場合によっては破壊の中から新しい信頼関係をつくり上げていくという,そのぐらいの不退転の覚悟で臨んでいただきたいと。そうしないと行政全体もよくなっていかん。それを改めて申し上げて,この点についてはそれで終わりにしたいと思います。 それから,今教育長,いろいろ私見を交えた,非常におもしろいといいますか,興味ある御回答をいただいたわけで,6月段階での私の質問に対しての内容とはもう質的にもうんとこう高いものになっているというんか,調査も大分進んでるなというふうな感じはしたんですけれども。本当に学校現場では,恐らく教育委員会はいろいろ管理なさってらっしゃらないんでしょうけども,もうまことにつまらないことにですね,こうくちばしを入れてるというふうなことがあるというのが一つと。それから起こった問題について担任の教師がそれを解決する方法を知らないというか,抱え切れないでですね,逃げていっているという現象というのはあるわけですよ。で,そこら辺について,実はもう私の息子のクラスでも登校拒否が2人おりまして,この前からも父兄懇談の中でそれがもう随分深刻に話し合われた,私も出席したんですが,話し合われていて,いまだにこう解決されていないというふうなこともありますんで,特に一生懸命今自分のこととして考えているんですけれども,やっぱり現場を見て,あんまり細かいこと,重箱の隅をほじくるようなことに時間と労力とを使って,子供と先生の間の信頼関係をなくしていくというようなことのないような御指導をぜひお願いしたいと,このように思います。 それで,あと要望の点については,芸術音楽ホールについては御回答をいただかなかったんですけれども,それから法律扶助協会への助成金の増額と,この2つについては改めてお願いしまして,私の質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(藤原照夫君) 芸術音楽ホールの点,要望でよろしい,もう答弁よろしいか。(「はい」と呼ぶ者あり)はい。 以上で会派代表の方の質疑を終わります。 これより個人質疑に入りますが,質疑の通告がありませんので,質疑を終わります。 つきましては,日程第1の案件はお配りいたしております付託案件表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) この際御報告を申し上げます。 本定例市議会において受理いたしました請願及び陳情につきましては,お配りいたしております文書表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたしましたので,御報告を申し上げます。    ──────〇──────
    △日程第2 報第44号    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 日程第2に入ります。 日程第2は報第44号昭和59年度岡山市一般会計継続費精算報告書についてであります。 これを上程して,市長の説明を求めます。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) ただいま御上程になりました報告について御説明申し上げます。 これは昭和59年度に継続費の継続年度が終了した一宮浄化センター改造事業外3事業の精算報告書で,いずれも予定総額内で完了いたしたものであります。何とぞよろしくお願い申し上げます。 ○議長(藤原照夫君) 以上で日程第2の報告を終わります。    ──────〇────── △日程第3 決第4号~決第24号    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 日程第3に入ります。 日程第3は決第4号昭和59年度岡山市一般会計歳入歳出決算について以下21件の決算についてであります。 これを一括上程して,市長の説明を求めます。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) ただいま御上程になりました昭和59年度一般会計及び20の特別会計歳入歳出決算につきまして,その大要を御説明申し上げます。 我が国経済の長期にわたる低迷と,これを反映した国の予算の影響を受けて,地方財政を取り巻く環境は年とともに厳しく,本市といたしましても極めて厳しい財政運営を余儀なくされたところであります。 こうした中で,私は「身近な生活環境の整備」,「心の触れ合う施策の推進」,「教育施設の整備」,「スポーツ・文化の振興」を重点に健全財政の基調を堅持しつつ全力を傾注してまいりました。 幸いにして,下水道施設の整備促進,都市公園の整備新設,生活道路の新設改良など生活環境施設の整備,福祉施設の整備,各種福祉施設への援護,助成など福祉対策の充実,学校施設,スポーツ施設の整備,文化的シンボルゾーンの整備等,各分野にわたり着実な前進を見ることができました。皆様方の御理解と御協力に対し,感謝申し上げますとともに,今後とも一層の御指導を賜りますようお願い申し上げます。 以下各会計にわたって決算の報告を行いつつ,あわせて事業の成果についてその概要を御説明申し上げます。 まず,一般会計の歳入総額は1,051億7,400万円余で,予算計上額の98.7%に当たる収入を見たのであります。一方,歳出総額は1,034億6,300万円余で,予算計上額の97.1%が執行済みとなっております。したがいまして,歳入歳出差し引き17億1,000万円余の残額となりますが,予算繰り越しに対する繰り越し財源として10億6,600万円余が含まれておりますので,これを差し引きますと実質収支額は6億4,400万円余の黒字となり,このうち3億3,000万円を財政調整基金へ積み立て,残額3億1,400万円余を翌年度へ繰り越しております。 次に,一般会計で実施いたしました施策の主なものについて,目的別に御説明申し上げます。 まず,議会費及び総務費では,市議会の運営費,総務管理費,徴税費,戸籍住民基本台帳費,選挙費などの一般行政経費137億6,800万円余を支出いたしております。 主なものといたしましては,複雑,多様化する市民ニーズにこたえるため,行政改革の推進,目標管理の実施等各種経費の節減を図るとともに,事務処理の効率化を目指す財務会計電算化事務費,コミュニティー施設整備事業費,テレトピア基本計画策定事務費,新岡山空港周辺地域整備費などであります。 民生費では,市民福祉増進のかなめとなる経費として,身体障害者及び精神薄弱者福祉費,老人福祉費,同和対策費,国民年金費,児童福祉費,生活保護費など総額250億円余を支出いたしております。 主なものといたしましては,新規事業の痴呆性老人対策事業費のほか,デイ・サービス事業費,寝たきり老人等に対する家庭奉仕事業費,低所得者援護事業費,障害者福祉事業費,精神薄弱者のための共同作業所を併設した母子寮の改築費,保育園整備事業費などであります。 衛生費では,市民の保健と環境衛生行政全般にわたる経費として81億7,800万円余を支出いたしております。 主なものといたしましては,じんかい,し尿処理費,老人保健事業費,離島振興のための犬島し尿処理施設関連整備費,一宮浄化センター改造事業費などであります。 労働費では,失業対策事業,勤労者対策に要する経費として13億300万円余を支出いたしております。 主なものといたしましては,失業対策事業として公共施設舗装補修工事,用排水路浚渫,公一共施設の除草,清掃などのほか,勤労者融資資金貸付金の限度額の引き上げを初めとする勤労者対策に要する経費を支出いたしております。 農林水産業費では,農林水産業の振興と育成,農業施設等の基盤整備,水田利用再編対策などに要する経費として59億1,600万円余を支出いたしております。 主なものといたしましては,地域農業対策事業費5億200万円,水田利用再編対策費1億1,400万円,身近な生活環境の整備に力点を置いた農業用施設改良事業費18億2,100万円,土地改良事業費19億1,900万円などを支出いたしております。 商工費では,商工業の育成振興及び近代化と魅力ある商店街対策,中小企業金融対策,観光基盤整備と観光誘致,宣伝普及などに要する経費として42億2,900万円余を支出いたしております。 主なものといたしましては,商業振興事業費4,300万円,中小企業融資制度資金貸付金25億2,800万円,観光施設整備費4,600万円などであります。 土木費では,市民生活に直結する都市基盤整備を図るための経費として道路橋梁及び街路事業に69億3,000万円,河川改良費1億8,200万円,土地区画整理事業費11億6,700万円,公園費13億8,800万円,住宅費11億1,600万円など総額156億4,000万円余を支出いたしております。 消防費では,市民の生命,財産の安全と救急業務に要する経費として27億1,400万円余を支出いたしております。 主なものといたしましては,常備・非常備の消防力強化のため,化学消防車等機動力の整備,消防団員の待遇改善などをいたしております。 教育費では,学校教育,社会教育,保健体育の整備,充実,振興を図るための経費として総額169億7,300万円余を支出いたしております。 主な内容といたしましては,小・中学校の校舎,幼稚園園舎の新増改築,屋内体操場の建設及び教育用地等の取得費等について61億7,600万円を支出しているほか,学校教育の面では,適正な学校運営のための経費,教育振興の教材,教具の充実費,就学就園援助費,障害児教育の推進費,頻発する非行防止対策費として生徒指導の充実費などを支出いたしております。 社会教育の振興では,地域市民の生涯教育と文化の拠点づくりの場となる公民館の各種教養講座,クラブ活動などの経費,文化財保護事業費,文化と教養の場としての図書館,オリエント美術館などの運営費などの経費を支出いたしております。 次に,保健体育の振興では,温水プールの補助プール整備事業費1億200万円のほか,各種スポーツ施設の整備,市民のスポーツ,レクリエーション活動の普及振興のための各種教室,体育大会の開催経費,地域住民の憩いの場として体育施設開放事業などの経費を支出いたしております。 災害復旧費では,6月下旬の梅雨前線等による農林水産業施設,土木施設などの復旧事業費として1億7,200万円余を支出いたしております。 公債費では,市債の元利償還金及び一時借入金利子など95億6,500万円余の支出となっております。 次に,特別会計について御説明申し上げます。 まず,下水道費会計につきましては,歳入決算額100億7,400万円余,歳出決算額100億6,800万円余で,差し引き500万円余を翌年度の財源として繰り越しております。 この会計では,管渠,ポンプ場及び浄化センターの管理費13億4,100万円のほか,生活環境の向上を図るため,笹ケ瀬左岸幹線築造工事費,築港幹線汚水管埋設工事費など管渠施設整備費に42億9,200万円,旭西,岡東浄化センターなど処理場施設整備費に12億7,200万円,児島湖流域下水道整備費として4億6,000万円のほか,都市下水路整備など施設整備費として総額62億2,600万円余を支出いたしております。 次に,水洗便所普及費会計につきましては,歳入決算額3,500万円余,歳出決算額2,500万円余で,差し引き900万円余を翌年度へ繰り越しております。 この会計では,公共下水道処理区域内の水洗化を促進するため水洗便所普及資金貸付金及び助成金などを支出いたしております。 次に,中央卸売市場費会計につきましては,歳入歳出決算額とも20億7,100万円余となっております。 この会計では,生鮮食料品の安定供給と流通の円滑化を図り,市民の食生活の安定を確保するため,市場運営費10億7,900万円のほか,施設の整備費として1億7,200万円などを支出いたしております。 次に,国民健康保険費会計につきましては,歳入決算額181億8,100万円余,歳出決算額190億1,100万円余で,差し引き8億2,900万円余の不足額を生じており,これと翌年度繰越額2億3,800万円とを合わせた10億6,800万円余の不足額は,翌年度の歳出(後刻「歳入」に訂正)を繰り上げ充用して補てんいたしております。 この会計では,運営費のほか,療養給付費,高額療養費,老人保健医療費拠出金等保険給付費178億700万円などを支出いたしております。 次に,住宅造成分譲事業費会計につきましては,歳入決算額8,000万円余,歳出決算額17億1,200万円余で,差し引き16億3,100万円余の不足額を生じており,これと翌年度繰越額2,000万円とを合わせた16億5,100万円余の不足額は,翌年度歳入を繰り上げ充用して補てんいたしております。 この会計では,東ケ丘団地第2期造成工事費,第3期分土地購入費,団地環境整備費及び運営費などを支出いたしております。 なお,第2期造成分については,昭和60年度から分譲を開始いたしております。 次に,用品調達費会計につきましては,歳入決算額6,200万円余,歳出決算額5,900万円余で,差し引き200万円余を翌年度へ繰り越しております。 この会計では,庁内事務用品,軽印刷などの調達経費を支出いたしております。 次に,西部地区土地区画整理事業保留地処分会計につきましては,歳入決算額3億6,200万円余,歳出決算額3億400万円余で,差し引き5,800万円余を翌年度へ繰り越しております。 この会計では,西部地区の秩序ある市街地造成を行うため,道路,側溝,水路等の築造工事費及び補償金などを支出いたしております。 次に,農業共済事業費会計につきましては,歳入決算額6億500万円余,歳出決算額4億3,200万円余で,差し引き1億7,300万円余を翌年度へ繰り越しております。 この会計では,水稲,麦の共済金2,400万円,家畜の死廃,病傷共済金4,400万円のほか,ブドウ減収共済金,大豆共済金,園芸施設共済金などを支出いたしております。 次に,地域し尿処理費会計につきましては,歳入歳出決算額とも2,200万円余となっております。 この会計では,中仙道浄化センターの処理施設維持管理費1,300万円などを支出いたしております。 次に,住宅新築資金等貸付事業費会計につきましては,歳入決算額6億1,300万円余,歳出決算額8億5,100万円余で,差し引き2億3,700万円余の不足額を生じており,これと翌年度繰越額200万円余とを合わせた2億4,000万円余の不足額は,翌年度歳入を繰り上げ充用して補てんいたしております。 この会計では,住宅新築資金貸付金1億4,600万円,住宅改修資金貸付金190万円,宅地取得資金貸付金5,800万円などを支出いたしております。 次に,葬祭事業費会計につきましては,歳入決算額900万円余,歳出決算額800万円余で,差し引き50万円余を翌年度へ繰り越しております。 この会計では,葬祭事業に要する運営費を支出いたしております。 次に,災害遺児教育年金事業費会計につきましては,歳入歳出決算額とも900万円余となっております。 この会計では,災害遺児54人に対して年金を支給いたしております。 次に,公共用地取得事業費会計につきましては,歳入決算額27億7,600万円余,歳出決算額13億300万円余で,差し引き14億7,300万円余を翌年度へ繰り越しております。 この会計では,公共用地取得費2億9,800万円,都市計画道路下中野・平井線,青江・津島線等の事業用地取得費5億6,300万円などを支出いたしております。 次に,財産区費会計につきましては,歳入歳出決算額とも1,500万円余となっております。 この会計では,畑組財産区外30財産区の財産管理費を支出いたしております。 次に,学童校外事故共済事業費会計につきましては,歳入決算額1,000万円余,歳出決算額900万円余で,差し引き100万円余を翌年度へ繰り越しております。 この会計では,学童校外事故388件に対して共済見舞い金を支給いたしております。 次に,岡山都市計画事業新岡山国道周辺土地区画整理事業清算金会計につきましては,歳入決算額100万円余,歳出決算額80万円余で,この会計の支払いがすべて完了いたしましたので,差し引き残額20万円余を翌年度の一般会計へ繰り越しております。 次に,上道霊園費会計につきましては,歳入決算額1億2,100万円余,歳出決算額2億4,400万円余で,差し引き1億2,200万円余の不足額を生じており,この不足額は翌年度の歳入を繰り上げ充用して補てんいたしております。 この会計では,霊園造成費9,800万円のほか,管理費を支出いたしております。 次に,休日急患診療所事業費会計につきましては,歳入歳出決算額とも2,100万円余となっております。 この会計では,休日における急病患者に対し,応急の医療を行うための診療所運営費を支出いたしております。 次に,老人保健医療費会計につきましては,歳入決算額204億1,300万円余,歳出決算額202億9,900万円余で,差し引き1億1,400万円余を翌年度へ繰り越しております。 この会計では,70歳以上の老人等に対する医療費を支出いたしております。 次に,駐車場会計につきましては,歳入歳出決算額とも2億8,900万円余となっております。 この会計では,市営3駐車場の運営費などを支出いたしております。 以上で昭和59年度一般会計及び特別会計決算の概要説明を終わらせていただきます。何とぞよろしく御審議をいただきまして,御承認賜りますようお願い申し上げます。 ただいまの説明の中で,国民健康保険会計につきまして,翌年度の「歳出」を繰り上げ充用してと申し上げましたが,「歳入」の誤りでございますので,謹んで訂正いたします。よろしくお願いします。 ○議長(藤原照夫君) 以上で決算についての説明は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤原照夫君) 別に質疑もないようですから,質疑を終わります。 お諮りいたします。これらの決算につきましては,一般会計決算審査特別委員会及び特別会計決算審査特別委員会の2つの特別委員会を設置し,委員数はそれぞれ16名とし,これに審査を付託いたしたいと思います。これに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤原照夫君) 御異議なしと認めます。よって,さように決定いたしました。 続いてお諮りいたします。ただいま設置されました特別委員会の付託事件及び委員の選任につきましては,お配りいたしております付託表のとおり決定いたしたいと思います。 念のため職員に朗読させます。 ◎議事課長(中川和彦君) 朗読いたします。 一般会計決算審査特別委員会 16人 付託事件 決第4号昭和59年度岡山市一般会計歳入歳出決算について 委員氏名          寺 田 明 生 君          岡 本 俊 彦 君          定 政 猛 男 君          小 林   勉 君          山 田   勇 君          景 山 貢 明 君          近 藤 紗智子 君          矢 木   明 君          浅 野 卓 志 君          大 橋 英 雄 君          小松原   操 君          磯 村   博 君          川 田 敏 幸 君          山 田 録二郎 君          堀 川   進 君          有 井 靖 和 君 次に, 特別会計決算審査特別委員会 16人 決第5号昭和59年度岡山市下水道費特別会計歳入歳出決算について以下20件の特別会計決算について 委員氏名          松 山 茂 樹 君          串 田   務 君          華 房 美 衛 君          苦 水 重 徳 君          新 谷 盈 智 君          片 岡 五百樹 君           野 喬 雄 君          板 野 和 昭 君          小 川 晴 雄 君          鈴 木 邦 彦 君          脇 本 一 郎 君          丹 原 重 彦 君          垣 下 文 正 君          藤 原   貢 君          田 中 昭 三 君          小 橋 留 男 君 以上でございます。 ○議長(藤原照夫君) ただいまの朗読のとおり決定いたしたいと思います。これに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤原照夫君) 御異議なしと認めます。よって,さように決定をいたしました。 しばらく休憩いたします。    午後1時52分休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午後2時15分開議 ○議長(藤原照夫君) それでは休憩前に引き続いて会議を開きます。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) この際御報告を申し上げます。 ただいまの休憩中に開かれました一般会計決算審査特別委員会及び特別会計決算審査特別委員会において,正副委員長互選の結果,一般会計決算審査特別委員会の委員長に浅野卓志君,副委員長に景山貢明君が,特別会計決算審査特別委員会の委員長に小橋留男君,副委員長に松山茂樹君が決定した旨委員長から報告がありましたので,御報告申し上げます。    ──────〇────── △日程第4 一般質問    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 日程第4に入ります。 日程第4は一般質問であります。 質問に入ります前に,一言議会運営についてお願いをいたしておきます。 御通知申し上げておりますとおり,議会運営委員会のお申し合わせにより質問はお一人30分以内にお願いいたしたいと思いますので,御協力をお願いいたします。 それでは順序に従いまして大橋君。   〔10番大橋英雄君登壇,拍手〕 ◆10番(大橋英雄君) 一般質問でトップで質問できますことを大変光栄に思っております。当局におかれましては,どうか明確なる答弁をよろしくお願いいたします。 私は,児島湾周辺地区国営かんがい排水事業計画について当局のお考え方についてお伺いいたしたいと思います。 児島湾周辺の新旧干拓地は,昭和37年に完成され,淡水湖の出現により従来のかんがい,塩害を一掃し,県下最大の穀倉地帯として我が国水田農業近代化のため先導的役割を果たしてきたところでございます。しかし,本来干拓によって造成されました低平地であるため,揚排水機並びに樋門等が設置されておりますが,それぞれの干拓に応じてつくられたもので,全体的には機能の重複するものや老朽化の進んでいるものが多く,維持管理費も年々増大しております。このため,全体的観点から用排水施設の再整備を行い,湛水の排水のみではなく,耕地の汎用化のための積極的な排水計画を樹立することによって,将来の農業用水合理化の基礎として用排水の完全分離を図るものであり,さらには淡水湖と用排水施設を一体的に管理する集中システムを確立し,水管理の省力化を図る等抜本的な農業生産基盤の整備を行うことにより,地域農業経営の合理化と安定化を図る目的でこの事業が計画されたと聞いておるのでございます。 そこで,まず市長にお伺いいたしますが,市長は児島湾周辺地区国営かんがい排水事業促進協議会会長であります。この計画において,必要性,妥当性,可能性等の基本構想と今後岡山市の農業及び農政の基本的方向について市長の所見をお伺いいたします。 第2点は,水田利用再編に考慮し,かつ干拓地の特質を生かした作物を導入し,地域主体の生産を高度化すると聞いておりますが,干拓地の特質を生かした作物とはどのようなものを言うのか具体的にお示し願いたいのでございます。 第3点は,地域農業の先導的役割を果たす中核的農家をつくっていくと聞いておりますが,先導的役割とはどのような農家を言うのか,また現在の農家はどのような立場になるのか,中核的農家ではないのかお伺いいたしたいのでございます。 第4点は,土地,労働力,機械,副産物を媒体とした地域総合システムの確立を進めるというが,具体的にお示し願いたいのでございます。 第5点は,水田利用再編対策で,昭和60年度の稲作転換は20.9%であります。この事業が完成されると,水田受益面積の25%を稲作転換を強制するというが,農家の理解と協力を得られると思うのかお伺いいたしたいのでございます。 次に,本事業計画の範囲についてお伺いいたします。 湛井十二ヶ郷,妹尾郷用水及び児島湾沿岸農業水利事業の受益地区5,240ヘクタールをもって計画範囲としておりますが,次の点についてお示し願いたいのでございます。 第1点は,この計画範囲5,240ヘクタールのうち,市街化区域も含まれていると思いますが,市街化区域は何ヘクタール含まれているのか,また排水改良のみ行う区域の面積もあわしてお伺いしたいのでございます。 第2点は,この計画範囲の中で特に用水受益地域,藤田,興除の過去10年間の農地転用実績を調査いたしましたところ,農地面積は2,696ヘクタールのうち80ヘクタールの転用があったと聞いており,転用率3%となっておりますが,当局は本事業の完成どきの農地転用をどの程度見込まれているのかお伺いいたしたいのでございます。 第3点は,この計画範囲の参加資格者は原則として所有権者であろうかと思いますが,農用地であって所有権者以外の権限に基づき耕作または養畜の業務を営む者は参加者とみなすのか,この点について今後の取り扱いについてお示し願いたいのでございます。 なお,吉備,福田,妹尾,浦安地区は排水地域であります。今後同意についての取り扱いはどのようにされるのかあわしてお示しいただきたいのでございます。 第4点は,この計画範囲の中で,興除用水は明治14年から,十二ヶ郷用水取水口より現在の総社市を経て足守川に流れ,庄村大字日畑の可動ぜきから同村の山地,上東から下庄に流れて,沢所に落ち,泉水樋から小鳥樋門を通り,興除用水となっております。したがって,この事業を行うためには避けて通れない,湛井十二ヶ郷用水,六ヶ郷用水,四ヶ郷用水,芝一樋用水,妹尾郷用水等の協力が第一であろうと思いますが,当局の今後の対応について具体的にお示しください。 第5点は,本事業完成後の用水は完全分離されます。したがいまして,高梁川用水土地改良区に藤田地区約357ヘクタール,東畦地区約248ヘクタールが加入しておりますが,今後は土地改良区の除外地区として取り扱いされてもいいのではないかとの声も出ておりますが,今後の行政指導についてお示し願いたいのでございます。 次に,本事業の計画について次の点についてお伺いいたします。 まず第1点は,本事業の計画は当初パイプライン誘導型で計画されたと聞いておりますが,今日の説明を聞きますと,排水主導型に大きく変更しております。特に,パイプライン方式は藤田地区,高崎地区のみであります。他地区は開水路になっておりますが,この計画は百年の大計を立てる上にも重要な事業であり,残念でなりません。したがって,その理由と事業効果について具体的にお示し願いたいのでございます。 第2点は,主幹用水路は揚水機によって加圧され,パイプまたは開水路により送水する計画でありますが,将来の末端水路の整備は藤田地区はパイプライン,興除地区は開水路にするのか,当局のお考えをお示し願いたいのでございます。 第3点は,現在地区内にある水路は大部分が用水路と排水路の兼用水路であります。かんがい期には圃場の地下水位が高く,農地の有効利用ができない状況であり,将来の農地の有効利用を図るべく圃場の地下水を低下させるため,排水路の水位を下げる必要があると思います。このことについてどのような地下対策を行うのか具体的にお示し願いたいのでございます。 第4点は,本事業の事業費は昭和59年度概算額329億円であります。国,県営の用水系,排水系,その他の内訳をお示し願いたいのでございます。 第5点は,現在の事業費は329億円です。これは昭和59年度単価で積算したものであります。将来物価の変動も事業計画の変更も出てくると思いますが,したがいまして計画の変更同意が必要となってくると思いますが,当局の御見解をお示しください。 なお,現在の地元説明に,昭和59年度積算で説明しておりますが,地元負担に影響はないのかあわしてお示し願いたいのでございます。 第6点は,芝一幹線用水路,興除幹線用水路,興除地区内県営用水路の事業費の農家負担は取らないと聞いておりますが,その理由をお示し願いたいのでございます。 この質問の最後に,本事業の完了後の施設の所属及び管理主体はどこになるのか。現在の水利土木監督員の立場についてもお示し願いたいのでございます。 次に,本事業費の地元負担額についてお伺いいたします。 本事業の事業費は329億円であります。したがって,国営事業では地元負担金は20%の34億円,県営事業では25%の39億円になります。合わして73億円ですが,当局はこの地元負担について,財政的な見通しについて財政局長はどのように考えられておられるのか,まずお伺いいたします。 第2点は,償還方法で,国営事業完了後2カ年据え置きの15年元利均等の償還となるが,その利息をお示しください。なお,県営事業の利息もあわしてお伺いいたします。 第3点は,事業着手時期の受益面積は10年後の償還時点では,先ほど申しましたとおり,約3%の農地の転用が生じてまいりますが,農家負担徴収において転用された農地の取り扱いはどのようにされるのかお示し願いたいのでございます。 第4点は,地元説明会では農家負担は10アール1万円程度と聞いておりますが,玉野市370ヘクタール,灘崎約1,000ヘクタールが含まれているのかお伺いいたします。 なお,国営,県営の用水系事業費は98億円であります。国営20%,県営25%の地元負担のうち2分の1が農家負担になると聞いております。したがいまして,農家負担額は11億円になり,前に申し上げましたとおり,農家負担10アール当たり1万円とするならば,負担受益面積は1万1,000ヘクタールとなりますが,この概算について当局の考え方についてお伺いいたします。 なお,施行規則第6条の2,費用の概算は,各土地改良事業に割り振る方法と,各土地改良事業に割り振られた額となっておりますが,いずれをとるかをあわしてお示し願いたいのでございます。 第5点は,施行規則第7条の,経費の分担を明確にしなければならないとなっておりますが,本事業の経費の負担区分と負担団体についてお示し願いたいのでございます。 次に,本事業の管理についてお伺いいたします。 第1点は,事業計画地区内にある揚水機場5機場と,排水機場8機場及び児島湖締切堤防の樋門,閘門等監視を中央管理所により一体的に管理し,労力の軽減,維持管理費の節減等を図り,水管理の合理化を図ると聞いておりますが,そのような施設が必要なのか大変疑問に思うところでありますので,具体的に必要性についてお示し願いたいのでございます。 第2点は,この事業の完成後の地区内の揚排水機場を再編整備して用水機能の近代化,排水機能の強化,維持管理費の節減に努めるため,老朽化した揚排水機場の統廃合を行うことでありますが,今後新たに県営管理機場ができるのかどうかお伺いいたしたいのでございます。 第3点は,揚排水機場のうち県管理事業の対象とならない揚水機場の維持管理費及び用排水路は市町村の実情によって異なるが,当市としての管理負担金をどのようにされるのか。説明によりますと,10アール当たり1,000円から1,500円程度と言っておりますが,この事実関係をお示し願いたいのでございます。 第4点は,維持管理費の負担金は国営事業については岡山市ブロックと七区ブロックに区分し,この受益面積割とするが,吉備地区は揚水機場の維持管理費は無関係として,関戸揚水機場の維持管理費は年間使用水量で率化するというが,妹尾郷用水との話し合いは難しいと思いますが,自信のほどをお示し願いたいのでございます。 第5点は,この事業費,維持管理とも畑,水田は同じ負担とするといいますが,おのずから普通畑作,輪畑作,水稲作は受益度が異なると思いますが,どのようにお考えになっておりますか具体的に御説明願いたいのでございます。 次に,最後の質問でございますが,市街化区域での補助事業の実施が困難であるために,単市基盤整備事業といたしまして,用排水路改良事業,用排水路障害事業,都市排水整備事業,農道整備事業により農村地域の生産と生活の両面にわたる総合的な整備を図る施策として,積極的に取り組んでおられますことに対しては非常に感謝いたすところでございますが,しかしながら事業を進めるに当たり,事業実施上個別の技術の体系化等については必ずしも十分な対応がなされていないのが現状であります。また,地域によって異なり,その特性に合った技術の開発は蓄積の上に立って行うことが必要ではないかとの意見も多く出ておるところでございます。 そこで,事業の取り組みに対する単市基盤整備の基本的理念から実施上の考え方についてお伺いいたします。 次に,単市基盤整備の思い切った予算づけについてお伺いいたします。 岡山市の用排水路延長は3,437キロでございます。そのうち市街化区域は500キロ,調整区域は2,937キロとなっており,水路の改良済みは市街化区域で45.7%,調整区域では16.5%と低い数値を示しております。松本市長は就任と同時に生活環境整備に力を入れておられ,昭和59年度予算で15億円と,前年度対比で15%増加予算化されましたが,本年度は前年度並みになっております。本年度は思い切った予算づけを要望するものでありますが,この点について具体的にお示し願いたいのでございます。 次に,農業振興地域の基盤整備事業で,地元負担金が幅員6メートル未満の農道改良費で20%,農道舗装費で10%になっておりますが,機能的に見て単に農業生産活動に使われるだけではなく,その地域に居住する人々の社会生活環境の改善に寄与するような機能を持つ道路でありますので,思い切った地元負担の緩和を図ってはどうかと思いますが,当局のお考えについてお示し願いたいのでございます。 次に,先般の議会で用排水路に伴う樋門付近の揚水機場の吐き出し口並びに取水口水路に安全さくの設置方を請願いたしましたが,採択でありました。年々環境整備が進むことにより民家もふえ,あわして交通量も多くなっております。特に用水時期には児童の通園,通学に大変な危険を伴うところが多くありますが,今後当局はこの対策をどのようにするのか,お考え方についてお示し願いたいのでございます。 終わりに,岡山市藤田2456番地岡本休正氏より,土地改良事業で行った水路工事で養殖ウナギが大量に死んだのはこの工事のセメントが原因であると,岡山市に対して損害賠償の訴訟を起こしておりますが,次の点についてお伺いいたします。 岡本休正氏はいつごろからこの養鰻──ウナギ養殖を行っていたのか。また,養殖面積は幾らぐらいしていたのか。1つ,養殖ウナギが大量に死んだと言いますが推定何キロほどの損害をこうむったというのか。1つ,水路工事は昭和何年何月ごろに行ったのか。被害が発見したのは何年の何月ごろであったのか。また,事前に対応策を講じたというが何をやったのか,その費用はだれが持ち,幾らかかったのか。過去そういった水質の影響で被害があった実例はなかったのか。また,事業主体ではない岡山市がなぜ訴訟されたのか。岡山県の水産試験場で調査したというが,県の見解はいかようであったのか。今後岡山市は和解して解決する考えはないのか。 以上をもちまして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 大橋議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 児島湾の周辺地区の国営かんがい排水事業計画について,この必要性,妥当性,可能性等につきましてのお尋ねでございますが,児島湾の周辺地区は干拓地であるために用水,排水の方法がすべて機械に頼らざるを得ないわけであります。その上,長い年代にわたりまして干拓造成がなされたことによりまして,それぞれの造成ごとにこの水利方式というのがとられておるわけでございまして,特別の事情があるわけでございます。用排水分離による水田の汎用化など,農地の高度利用が進んでいない状況にございます。したがいまして,今後も地域農業改善の合理化と安定化のためには,これら5,000ヘクタール余の地域におきまして用水・排水施設の全面的な再編整備が不可欠なことであると考えられます。 本地区は関係機関の御理解によりまして,昭和55年度から農林水産省の直轄調査地区と指定採択をしていただき,現在実施設計をしているところでございます。さらに,昭和61年度事業着工地区として採択されるよう受益農家の御理解を得ながら,関係の市町等と一丸となりまして事業促進に努めておるところでございます。 岡山市の農業,特に農政の基本方向でございますけれども,御承知のように岡山市は広大な農地を持っておりまして,全国でも有数の農業都市と言われるわけであります。水稲を中心としながらも地域の特産に応じまして果樹とか野菜,あるいはまた工芸作物とか酪農等,多様な生産活動が活発に行われております。しかしながら,農業生産基盤の整備の立ちおくれを初めといたしまして,農業就業者が高齢化してまいりますし,耕地利用率の低下,あるいはまた農産物の需要の不均衡等,農業を取り巻く環境というのは非常に厳しい状況に置かれておるわけでございます。そこで私は,農政の基本的方向といたしましては,岡本,小川両議員の御質問にもお答えをしたわけでございますが,地域農業の担い手の育成を大いにやらなきゃいけないということと,産地間の競争の激化に対応するための生産基盤の整備を大いにやって,そして産地の体質強化を図らなきゃならないんだと。また,地域の特色を生かした農業の生産の振興を基本としまして,農政の推進を図ってまいりたいと考えておる次第であります。 一方,それぞれの地域が生き生きとした活力ある村として育っていかなければならないのでございまして,農林行政に対する皆さん方の積極的な御支援をいただきますとともに,地域の農業者の皆さん自身が主体的に創意と意欲を持って地域の再構築をしようという心構えが必要であると考えますので,よろしくお願いをいたします。 その他につきましては関係者からお答えをいたします。 ◎財政局長(関場長久君) 児島湾周辺地区国営かんがい排水事業についての地元負担についての財政の考えはということでございますが,児島湾周辺地区国営かんがい排水事業につきましては,総事業費は概算で170億円で,これに対する岡山市負担は約26億円の見込みでございます。また,この事業に附帯する県営事業は総事業費で約159億円で,これの岡山市負担は約26億円となりまして,国営,県営事業合わせて約52億円という多額の岡山市の負担となる見込みと聞いております。したがいまして,来年度以降,事業の進捗状況によりまして負担が生じてくるわけでございますが,現在のところ各年度の負担が不明確ではありますが,厳しい財政状況の折ではございますが,市財政の圧迫は避けられないものと考えておりますが,重要な事業ではございますので,財政運営上支障の生じないよう配慮してまいりたいと,このように考えております。 ◎経済局長(藤昭博君) 児島湾国営かんがい排水事業の一連の質問に対して御答弁申し上げます。 まず第1点は,干拓地の特徴を生かした作物とはどのようなものをいうのかという御質問でございます。土地利用型の作物として麦類や大豆を,また粘土質でございますので,この特性を生かしましてレンコンや施設ナス,レタス,こういったものの栽培を奨励しておるところでございます。で,今後これらの作物に加えまして中央卸売市場にも近いという立地条件の有利性を発揮できる軟弱野菜の導入を関係機関とともに検討してまいりたいと考えておるところでございます。 それから,先導的役割を果たすとはどのような農家かと,またそのどのような立場となるのかと,こういう御質問でございました。 農業に意欲と能力を有して,集落における農業生産の活性化を目指そうとする青・壮年者は,農地の管理,生産物の栽培を通じまして農業生産所得の向上を図るほか,新しい作物の栽培技術を有するという点で先導的であると言えるわけでございます。で,このような青・壮年者を有する農家を先導的役割を果たす農家と考えており,中核的農家とも定義づけているところでございます。したがいまして,児島湾周辺の農家も2種兼業農家が多い,ということは,つまり中核的農家は少ないと言えるわけでございます。今後,これらの農家は中核的農家を核とした生産組織に積極的に参加していただきまして,地域農業の活性化に貢献していただきたいと考えておるところでございます。 それから,土地労働力,機械,副産物を媒体とした地域複合システムの確立を進めるというが,その具体的内容を示せと,こういうことでございます。 国営かんがい排水事業の導入によりまして農業生産基盤が整備され,土地の汎用化が進むということでございます。したがいまして,地域ぐるみの輪作体系が確立される,裏作利用による農地の高度利用が図られる,中核農家への農地の集積や農機具の共同利用,さらにまた耕種農家と有畜農家の有機的な結合が図られる,こういったことが可能になろうかと思います。これらの農業生産にかかる要素の補完,結合を図ることによりまして,従来の自己完結型の農業経営から脱皮して,地域ぐるみで低コスト生産のできる安定した農業経営へと誘導をし,魅力ある農業,活力ある農村社会の実現を図ろうとするものでございます。 事業の完了後は転作面積が25%となるが,この農家の理解と協力が得られると思うのかという御質問でございます。 御指摘のとおり本市の転作率は20.9%でございますが,かんがい排水事業を実施する場合,昭和56年度以降採択分につきましては事業完了後から事業実施予定水田のおおむね25%の転作を実施していただくことになっております。したがいまして,関係農家に対しましては御理解をお願い申し上げ,また御協力をちょうだいしなければならないと考えておるところでございます。 それから,市街化区域及び排水改良のみを行う区域の面積は幾らかという御質問でございます。 市街区域の面積は岡山ブロックが129.1ヘクタール,玉野,灘崎ブロックが24.6ヘクタール,合計で153.7ヘクタールでございます。排水改良のみを行う区域の面積は岡山ブロックが372.9ヘクタール,玉野,灘崎ブロックが207ヘクタール,合計で579.9ヘクタールでございます。 この事業の完成時の農地転用をどの程度見込んでいるのかという御質問でございます。 御指摘のとおり過去10年間で約80ヘクタールの農地が転用されておりますが,そのうち約40ヘクタールは高度成長時のもの,あるいは大規模転用のものでございます。最近では年平均2.5ないし3ヘクタール程度の転用が定着しておりまして,しかも既存の市街化区域内農地,およそ30ヘクタールも住宅と農地が混在しているという状態でございますので,現在の状況がしばらく続くのではなかろうかと予測しておるところでございます。したがいまして,完成時の昭和71年までに30ヘクタール程度の転用があるのではなかろうかと,このように考えているところでございます。 それから,事業参加資格者,それから排水地域の同意の取り扱いについての御質問でございます。 農用地であって所有権者以外の権限に基づき耕作または養畜の業務を営む者は,所有権者とその事業参加資格の交代を農業委員会に申し出をすれば資格者となるわけでございます。また,排水地域であっても受益地区となりますので,同意は必要でございます。 湛井十二ヶ郷等の協力についての当局の対応はどうかという御質問でございます。 興除用水は上郷の余水地域でございますが,現在もその水管理は歴史的経緯を踏まえて双方で協議し,運営されておるところでございます。本事業計画につきましては上郷の倉敷市,十二ヶ郷用水組合等にも説明いたしまして,理解を求めておるところでございます。今後とも上郷の関係水利組合とも協議を重ねまして御理解と御協力をちょうだいしてまいりたいと,このように考えておるところでございます。 高梁川用水土地改良区の除外地区としての取り扱いについての御質問でございます。 本事業の計画構想は従来どおり上郷の余水を有効に利用することを基本としておるところでございます。したがいまして,高梁川用水土地改良区と藤田地区,東畦地区との関係は従来どおりであると理解しておるわけでございます。 次に,パイプライン方式は藤田,高崎地区のみであるが,その理由と事業効果はどうかという御質問に御答弁申し上げます。 当初計画の全地域パイプライン方式,これは受益者負担が大きいことなどの理由がございまして十分な御賛同が得られすに,再度地元要望を調整いたしまして,現況水路を極力活用する計画に見直したわけでございます。事業の効果につきましては,当初計画ではパイプライン方式で用排水分離が明確にできる施設でございました。現在の計画も基本的には用排水を分離し,その施設も一体的集中管理することになっております。本事業はこの基幹事業でございます。したがいまして,今後末端の施設整備を団体営事業等で結びまして,地域全体のかんがい排水体系を整備していくこととしておるわけでございます。 なお,本事業では幹線水路の水位を下げることによりまして周辺整備を行い,支川は樋門,分岐等で管理,運営をいたします。水位調整を図ることによって農地の汎用化を進め,地域農業経営の合理化と安定化を図るものでございます。 末端水路の整備は,藤田地区はパイプライン,興除は開水路にするのかという御質問でございます。 幹線につきましては,興除用水は開水路,藤田水路は開水路のかわりにパイプで送水するように計画いたしております。末端水路はいずれも開水路を利用することと,このように考えております。 地下水位を下げるにはどのような対策を立てるのかという御質問でございます。 で,計画では幹線水路の河床を下げるほか,樋門等の適切な管理運営によりまして排水対策が円滑に行われるようになると,このように考えておるわけでございます。 国営,県営事業費の用水系,排水系,その他の内訳はどうかという御質問でございます。 昭和59年度の予算単価で農林水産省が取りまとめております計画によりますと,国営事業の総事業費は170億円,そのうち用水系74億,排水系76億,その他20億となっております。また,県営事業の事業費は159億円で,用水系54億,排水系102億,その他3億円となっております。 物価の変動,事業の計画変更等の場合,変更同意が必要か,また地元負担に影響はないかという御質問でございます。 物価変動による事業費の増減の場合は変更同意は不要でございます。しかし,事業費の10%,受益面積の5%等の計画変更がある場合には変更同意を必要といたします。また,現在の事業費は昭和59年度の予算単価で算定されておりますので,将来物価変動がございますれば地元負担につきましても影響があるものと考えております。 芝一幹線,興除幹線,興除地区内県営用水路の農家負担についての御質問です。 本市の場合,用排水兼用で受益者の特定が難しいものにつきましては市が負担することになろうかと思います。 次に,事業完了後の施設の所属,管理主体,水利土木監督員の立場についての御質問でございます。 この事業によりまして造成された土地改良施設は原則として国,県の所属になりますが,水路は市に帰属いたします。管理主体につきましては,今後関係機関との調整を終えて,県と本市を含む地元に区分されまして,それぞれ管理されることになります。なお,水利土木監督員の立場につきましては,今後も変わりはないと理解しておるところでございます。 国営,県営事業の償還利息についての御質問でございますが,国営事業につきましては年5%,県営事業は年6.5%となっております。 農家負担徴収において転用された農地の取り扱いはどうするのかと。 転用された農地にかかる地元負担金につきましては,土地改良区とも協議いたしまして,農地転用決済金として取り扱うよう検討してまいりたいと考えておるところでございます。 それから,農家負担で玉野,灘崎の面積が含まれているのかという御質問でございます。 これは岡山市以外の他市町の面積は含まれておりません。 それから,反当1万円で概算すると1万1,000ヘクタールになるが,その概算の考え方はどうかという御質問でございます。 受益負担面積は1万1,000ヘクタールとなるという御指摘でございますが,国の計画における用水系,排水系の区分は概括的でございまして,また本市の農家負担を要する用水事業とも明確に整合しない点もございますので,受益者負担面積は1万1,000ヘクタールとはならないと考えております。本市として用水にかかる事業費の農家負担につきましては,興除用水系と藤田用水系から昭和59年度の予算単価で10アール当たり1万円程度いただきたいと考えておるところでございます。 それから,施行規則第6条についてでございますが,この事業は国営かんがい排水事業だけでございます。該当はいたしません。 それから,負担区分と負担団体について。 経費の負担区分割合は,国営事業では国60%,県20%,地元20%でございます。県営事業では国が50%,県25,地元25となっております。負担団体につきましては,現在国営事業につきましては関係市町村とし,県営事業につきましては土地改良区と考えております。 揚水機場等の一体的な管理についての御質問でございます。 事業計画地区内にございます揚水機場及び児島湖締切堤防の樋門,閘門,除塩施設,さらに水路の各分水口等の制御,監視を中央管理所により一体的に管理する計画でございます。で,この管理センターの整備によりまして,水管理に伴う多大の労力が軽減され,また維持管理費の節減と水管理の合理化が図られるものと期待しておるところでございます。 施設の統廃合によって新たに県営管理機場ができるのかという御質問でございます。 現在,県管理事業も含めまして一体的な計画を行っておりますので,県管理と地元管理とに区分されることになっております。基本的には排水機場は県管理,揚水機場は地元管理となるものと考えております。 県管理の対象にならない揚水機場及び用水路の管理負担金について,県管理事業との関係で現在見直しを進めておりまして,今後調整を要しますけれども,現段階で受益者には電気代等の維持管理費として議員御理解のとおり10アール当たり1,000円から1,500円程度御負担いただきたいと考えておるところでございます。 関戸用水機場と妹尾郷用水との話し合いが難しいのではないかということでございますが,妹尾郷用水の余水の有効利用を図るという基本的な方向で関係者と協議を進めておるところでございます。具体的な点につきましては今後の実施計画におきまして,水管理等も含めて,地元の関係者と協議し,御協力をちようだいいたしたいと考えております。 畑地,水田の負担が同じであるが,受益度が違うのではないかという御質問でございます。 畑地はハウス利用等で周年的な水利用ができます。また一方,水田はかんがい期に集中的な水利用が行われます。年間を通じてみますと両者に負担の差を設ける必要性はないと,このように考えておるところでございます。 単市基盤整備事業の取り扱いについて,基本的理念から実施上の考え方はどうかという御質問でございますが,単市事業による水路整備あるいは農道整備につきましては,基本的には土地改良事業その他の補助事業の技術的基準に準じて事業を進めているわけでございます。しかしながら,事業件数も多く,しかも地域,場所等によって要望内容も異なっておりますので,これらの事情を考慮しながら基準を勘案しつつ施行しておるのが実情でございます。したがいまして,これらを体系化し,一定の方向づけをすることは必要であろうかと考えますが,地域の実情もございますので,それらを総合的に勘案の上,改善について検討してまいりたいと考えております。 単市基盤整備の予算づけについての御質問でございます。 市民生活に直結した身近な生活環境の充実という見地から,重点施策の一環といたしまして都市排水路,用排水路の整備に努力をしてきたわけでございます。身近な生活環境の整備につきましては,市民の御要望も非常に多うございますので,今後とも厳しい財政状況ではありますが一層の努力をしてまいりたいと,このように考えております。 農道改良事業の地元負担の緩和についての御質問でございます。 財政事情が非常に厳しい中で,土地基盤整備事業を積極的に推進しておるところでございますが,農道整備事業にかかる地元負担金の軽減につきましては,農道の性格上,受益地が限定されるという事情がございますので,慎重に検討してまいりたいと考えます。 それから,安全さくの設置の問題でございます。 これは用水管理上問題もございますし,また全市的対応を考えた場合,困難性もあるわけでございます。しかしながら,特に危険性のある箇所につきましては必要に応じて対応しておるところでございますし,今後とも必要性,緊急性の高いものについて整備を進めてまいりたいと,このように考えております。 それから,ウナギのへい死に関する御質問でございます。 いつごろからウナギの養殖をしておるのか,また養魚池の面積は幾らかという御質問でございますが,御本人は昭和39年から養鰻業を始めたとおっしゃっておられます。へい死した時期の養魚池の面積はおよそ9,500平方メートルでございます。 それから,このように大量へい死したケースがあるのかという御質問でございますが,こういった養殖業では大量へい死の事故の発生する危険性は絶えずつきまとっておるわけでございます。御本人の周辺の養鰻場におきましても,このようなへい死の事例は過去にもございました。 それから,縦3番川の工事をいつ施工したか御質問になりました。 この縦3番川の水路改良工事は,縦3番地区団体営土地改良事業として児島湾土地改良区が事業主体となりまして,総延長827メートル,これを昭和55,56,両年度で施工いたしております。このうち,へい死に関係があると,御本人が主張しておられる工事施工区間が511.4メートルでございます。この工事をしたのは昭和56年10月20日から57年2月28日の間,これが工事期間でございます。 それから,事前の対応策としてはどのような手を打ったのか,またそれはだれがしたのかと,経費は幾らかという御質問でございます。 御本人と協議をいたしまして,縦4番川から──従前は縦3番川から取水されておったわけですが,この工事によりまして縦4番川から取水をするために養鰻池までの95メートル間,150ミリパイプの送水施設を設置いたしました。これは昭和57年2月14日から3月20日までの間の工事期間でございました。これは市の方で実施いたしまして,経費が24万3,000円でございました。また,57年2月28日に縦3番川のその水路が完成したわけでございますが,水路部分の水かえ清掃を57年5月20日,完成したのが28日でございますが,その後の5月20日に土地改良区が9万9,000円の経費で水路清掃を行っております。 それから,事業主体でない岡山市がなぜその訴訟をされたのかという御質問でございます。 水路工事の事業主体は児島湾土地改良区でございますが,用水路を所有し,また維持管理をしておるのが岡山市であると,こういったことから水路の維持管理に瑕疵があったと。で,工事による汚染された水が養魚池に入ってきてへい死が発生したというように本人が主張されまして,土地改良区とともに岡山市に対しても訴訟を起こしておるわけでございます。 それから,県の調査した結果の県の見解はどうかという御質問でございますが,現在裁判中でございますので,見解につきましてはひとつ答弁は差し控えさしていただきたいと存じます。 それから,和解して解決する意思があるのかどうかという御質問でございます。 現在係争中でございますが,経済局長の私といたしましては現段階では和解するつもりはございません。 以上でございます。   〔10番大橋英雄君登壇〕 ◆10番(大橋英雄君) 再質問をいたします。 この国営事業の推進に当たりまして,当局は再三農林水産省に陳情されたと聞いておりますが,過去何回陳情されたのか。また,農林水産省の反応はどのような様子であったのか,お知らせ願いたいのでございます。 次に,既に本事業の同意書を既に集めておられますが,土地改良法第5条の2に同意を得る前に土地改良事業にかかる必要な事項を公告することになっておりますが,公告のないまま同意書を集めているのは違法にならないのか,その理由を明らかにお示し願いたいのでございます。なお,省令に定めるところにより同項の土地改良事業の概要につき市町村長の意見を聞かなければならないと思いますが,岡山市の意見についてお伺いいたしたいのでございます。 それから,藤田用水は開水路のかわりにパイプで送水し,末端水路はいずれも開水路を利用することになっていると答弁がありましたが,それも現在の用水形態に沿って送水することになっております。したがって,水系は何らひとつも変わっておりません。そのために管水路にする意味が薄いのではないかと思うのでございますが,興除地区のように開水路によって計画するのが妥当ではないかと思いますが,管水路と開水路の必要性について具体的にお示し願いたいのでございます。 なお,藤田地区の代かき日数は,このパイプによって送水する場合,将来の作付体系から見て重要でございますので,代かき日数についても区域ごとにお示し願いたいのでございます。次にお伺いいたしますが,興除用水系と藤田用水系から昭和59年度の予算単価で10アール当たり1万円程度いただきたいと御答弁がありましたが,これが農家の中で現在定着いたしております。物価上昇,または借入利息等,今後増加する要素が十分起きてくると思いますが,私が単純に計算いたしましても国営事業の地元負担,長期借入利息は5%,県営事業の地元負担借入利息は6.5%であります。したがいまして,国営事業の場合,償還期間15年で1万5,945円に,県営事業の場合,償還期間20年で1万5,360円となります。その上,物価上昇率3%程度加算いたしますと,10年間で3,300円となり,合わして国営事業の実質負担額は1万8,945円,約2倍となり,県営事業におきましても実質負担額も1万8,360円となり,農家負担は上昇すると思いますが,この点について今後農家にどのような説明をするのか,明らかにお示し願いたいのでございます。また,将来地域によって負担額の格差が生ずることはないのか,あわしてお伺いいたします。 次に,一部農家では前払い負担をさしてほしいとの意見もあると聞いておりますが,この取り扱いについてもどのように今後検討されるのかお伺いしたいのでございます。 次に,負担団体は基本的には国営事業につきましては市町村,県営事業については土地改良区となると答弁されておりますが,私は負担団体は土地改良区等に任すことがよいと思います。あくまでも市町村は助成団体として指導していただきたいと思います。今後負担団体となった場合,農地転用等の取り扱いに大変でありますし,経費も増加するおそれもあり,負担団体は土地改良区等に任せる方がよいと思いますが,当局のお考え方についてお示し願いたいのでございます。 次にお伺いしますが,維持管理負担金として1,000円から1,500円程度いただきたいと答弁されておりますが,地域ごとにその施設等の格差がございます。したがいまして,維持管理費の均等は図れないと思いますが,その算出方法についてお示し願いたいのでございます。 次に,排水施設のうちに県営管理河川妹尾川がございますが,省令に定めるところによりますと,その土地を管理する行政庁の承認が必要となっております。このことにつきまして既に事前協議等が終わっているのかどうかお伺いしたいのでございます。 最後に,岡山市が負担する県営地元負担金は省令により地方公共団体は公庫の借り入れはできないと思いますが,これらの岡山市の負担は今後どのようなことによって資金調達をされるのかお伺いをいたしまして,私の再質問を終わらしていただきます。 ◎経済局長(藤昭博君) まず,農水省に対して何回陳情したか,また本省の反応はどうかという御質問でございます。 児島湾周辺地区国営かんがい排水事業促進協議会から大蔵省,農水省に対しまして,ことしに入って5回陳情をいたしております。財政事情の厳しいもとで陳情を行ってまいりましたけれども,地元の事業の取り組みに対する熱意は本省におかれましても十分受けとめてちようだいしたというように考えております。 それから,公告のないのに同意書を求めておるのは違法にはならないか。また,この計画の概要に対する市長の意見はどうかという御質問でございます。 事業の同意並びに市長の意見につきましては,公告等省令に定める所定の手続を必要といたします。で,現在行っております同意の問題につきましては,いわゆる仮同意でございまして,昭和61年度事業着工の採択を要望する上で受益者の意向を十分把握する必要があるため行っておるものでございますので,御理解をいただきたいと存じます。 それから,管水路と開水路の必要性の問題と,それから藤田地区における代かき日数でございますが,さきに御答弁申し上げたとおりでございますが,藤田地区の幹線水路につきましては地形上からもパイプ送水が適当であると,このように判断しておるところでございます。 で,代かき日数は6月15日から24日までの10日間でございますが,ポンプ容量といたしましては,7日間で全域の代かきができる容量になっておるわけでございます。 物価変動による地元負担の問題,それからまた地域による負担格差の問題でございます。 地元負担につきましては,さきに御答弁申し上げたとおりでございます。で,基本的には地域によって負担額に大きな格差が生じないように考慮してまいりたいと,このように考えております。 地元負担金の前払いの問題でございますが,事業完了後精算いたしますので,前払いは現在のところ考えておりません。 それから,負担団体を土地改良区に任した方がよいのではないかという再質問でございますが,最初御答弁申し上げたとおりの考え方でございますので,御理解をちようだいいたしたいと存じます。 それから,維持管理の問題でございますが,この均等は図れないのではないかという御質問でございますが,1,000円から1,500円の範囲ということで前に御答弁したとおりでございますので,御理解いただきたいと存じます。 それから,妹尾川河川の管理者との事前協議の問題でございますが,管理者の岡山県と中四国農政局とで現在協議をしておるところでございます。 それから,地元負担金の資金計画でございますが,県営事業につきましては土地改良区などが農業基盤整備資金といたしまして農林漁業金融公庫から借り受け償還いたしますが,それの償還助成といたしまして本市分は債務負担行為を市議会で議決をしていただきまして,借り受け主体に助成していくことになるわけでございます。 以上でございます。 ○議長(藤原照夫君) 次は順序に従いまして華房君。   〔45番華房美衛君登壇〕 ◆45番(華房美衛君) 私は通告に従いまして7項目にわたって質問をいたしたいと思います。 まず最初に,障害者が安心して歩けるづくりについてお尋ねをいたします。この問題は何回かこの議場で取り上げてきましたが,今回もあえて取り上げさしていただきます。 市内の障害者,ボランティアで結成している,福祉のづくりを進めるみんなの集い実行委員会は,毎年実態調査を行い,改善箇所を関係方面に対し要望しておりますが,ことしも10月27日に点検を行い,その結果を集約し,241項目にわたる要望書を障害者の日である12月9日に関係方面に提出され,岡山市長あてにも提出されていると聞いております。岡山市としても障害者の自立と社会参加のために,その切実な要望に最大限こたえていただきますよう冒頭にお願いしておきます。 そこで,そのうち若干のものについて具体的に取り上げて質問いたします。 まず第1は,点字ブロック上の障害物の排除でありますが,12月1日,あの寒風の中を視覚障害者協会の人たちが駅前などの街頭に立ち,点字ブロックの上に障害となる自転車などを置かないよう呼びかけ,またブロックの上の自転車等には協力を求めるチラシを入れるなどの行動を行っている様子をテレビで拝見しましたが,一部の心ない人たちの行為に怒りさえ覚えたところであります。さて,この放置自転車対策は,駅周辺は駐輪場建設と整理員配置,放置自転車撤去など,不十分ながら一定の整理がなされておりますが,駅周辺以外の地域には整理員が配置されておりません。したがって,専任の巡回整理員を置き,点字ブロック上の自転車やバイクを整理するとともに注意を喚起するチラシを置くなど,根気強い啓蒙を行っていただきたい。また,商店や事務所の看板や商品なども理解を深めて協力していただく努力をしてほしいと思います。 第2は,歩道や建物入り口などの段差でありますが,関係者の御努力によってかなり改善されてきましたが,まだ身近なところに問題があります。例えば,駅前の電車乗り場のところの横断歩道は,真ん中の乗り場のところの南側に少し高めの段差があり,岡山会館側からは見えないので,渡れると思って真ん中まで行って引き返すことがあるとのことです。また,岡山市議会に来ようとしても,本庁と議会棟の通路には3段の階段があるため,介護者がいないと来れません。まして,2階の事務局は階段が長くて,介護者がいても大変な苦労であり,議会の傍聴も1人でできず,市民としての陳情,請願,あるいは傍聴という市民権が1人では行使できないということでありますから,多少経費がかかろうとも自由に出入りできるように工夫していただくようお願いします。 第3は,身障者用トイレであります。 最近は関係者の御協力によりかなり目につくようになりましたが,まだ少ないと言われております。例えば表は天満屋が閉まっているときは近くになくて困る。また,公園のトイレは管理が悪く,ドアが開きにくい。時々かぎがかかっていたり,汚れて使えないことがある。ビルなどの中にあるものでは物置になっていたり,掃除が行き届いていないものもあるとのことで,市役所1階の男子用トイレは狭くて,車いすがつかえてドアが閉まらないので使えない。福祉文化会館の地下のトイレは板敷きの和式だが,1人で行くと車いすがつかえて戸が閉まらないので,仕方なく隣の文化ホールのを使おうとすれば,事務所に連絡して2階の渡り廊下のかぎをあけてもらい,エレベーターで2階に行って渡り廊下を通って文化ホールに行き,用を済まして逆コースで帰る。したがって,トイレに行こうと思ってから10分ぐらいはかかるということであります。地下のトイレはスペースの関係で洋式に改造できないとのことですが,他のスペースを狭めても改造するか,ドアに工夫して1人で使用できるようにぜひしていただきたいと思います。 第4は,備えつけの車いすに不備なものがあるということです。空気が抜けているという管理上のものもありますが,例えば二日市の障害者体育館には会議室があり,障害者が利用していますが,ここにはスポーツ用の車いすしかなく,脳性麻痺の障害者には乗りにくいので,普通の車いすも置いてほしい。市役所の1階のもスポーツ用だと指摘されています。 第5は,温水プールに障害者用の自動ドアがありますが,事故防止のためかいつもかぎがかかっていて,利用するには事務所まで行ってかぎを借りて行かなければならないので困るとのことです。連絡用のベルかインターホンをつければ解決すると思います。 以上,要望の中から市に関係のあるもの数点について問題を提起しましたが,ぜひとも誠意を持って解決していただきますよう,強く要望するものであります。当局の御理解ある御答弁を期待し,この項の質問を終わります。 次は,難病対策の促進についてであります。 難病は原因が不明で,治療法も確立していない病気で,ベーチェット,パーキンソン,リューマチなど62の疾患がありますが,国はそのうち今年度までに27疾患を特定疾患に指定し,医療費を国が負担しております。しかし,残る35疾患については国の援助の手が伸ばされておりません。心身障害者には心身障害者対策基本法,身体障害者福祉法,精神薄弱者福祉法などの法律により国及び県,市における義務づけを行い,不十分ながら一定の保護がなされておりますが,難病は御案内のごとくその取り組みの歴史が浅く,援助の基本となる法律も施行されておらず,難病者は福祉の谷間に置かれております。そのため難病に苦しむ人たちがお互いに助け合っていこうということで,昭和55年に難病連絡協議会を結成し,家族を含めた勉強会,交流会などを行う一方,57年5月よりは会の手で難病相談事業を行い,組織も9団体1,400人を数えるまでに発展し,積極的に活動を行っております。 私は58年6月議会以来,何回かこの壇上から難病に苦しむ人たちの置かれている厳しい現状を訴え,市としての対処をお願いしてきたところであります。また,難病連絡協議会も毎年市長と議長に陳情を繰り返しており,そうした経過の中で当局や議会の皆様方の御理解をいただき,58年度より難病相談事業に助成をいただくことになり,59年度よりは岡崎基金からも援助していただき,感謝しております。しかし,難病相談事業は担当する会長も顧問費も──ボランティア精神で頑張り,経費の節減に努めておりますが,県,市福祉協議会からの助成金だけでは足らず,難病連絡協議会より今年度も8万6,000円の持ち出しを行っている実情であります。そして,新規事業として岡山市内に住む難病者の実態調査を計画しておりますが,こうした事業に対しまして来年度予算では一層の助成措置をお願いいたしますとともに,難病対策が一歩ずつでも前進しますよう御理解と御協力をお願いするものであります。市長の御所見をお聞かせください。 次は,生活雑排水対策についてであります。 児島湖を初めとする市内の河川,湖沼の汚染は年々進み,児島湖は既に死の湖と化そうとしており,先般湖沼法の適用を受け,これから本格的な対策が行われるものと期待しております。 さて,これら汚濁の最大の元凶は,今日では家庭から排出される生活雑排水であることが実証されており,その根本的対策は下水道の完備でありますが,現状では市中心部を除き普及しておらず,したがって発生源である各家庭の対策に頼らざるを得ません。 私は今年2月定例議会におきまして生活雑排水の浄化対策として石けん使用の推進,新築家庭への沈殿槽設置の指導強化などを取り上げて質問し,一定の御回答をいただいておりますが,それらを踏まえた上で質問をいたします。 質問の第1は,本年度において石けん使用の推進運動にどのように取り組まれたか。そして具体的な成果はあったか。また,問題点があるとすれば何か。 第2は,2月議会での御答弁の中にあった生活排水処理に関する意識調査の結果はどうなっているかお尋ねします。 第3は,建築確認が出された時点で沈殿槽の設置を指導することになっていますが,県が要綱で指導されている3段階升の設置状況を把握されておればお知らせください。 第4は,生活雑排水を浄化する決め手は各家庭に沈殿槽の設置を義務づけることだと考えますが,当局にその考えはあるのか。ちなみに長野市では,52年度より要綱をつくり,設置に補助を行い,60年10月からは要綱を全面的に改正して新築の家は義務づけ,汚泥の抜き取りも約半額の補助を行うなど,全市的取り組みを行い,本年8月末現在では2万1,600余基が設置,をされているという成果を上げております。 第5は,家庭から排出された雑排水の自然浄化の促進であります。 最近,用排水路の三方コンクリート化が進み,自然浄化能力が大幅に低下しております。したがって,この自然浄化能力を高めるため,最近試験的に行われている魚巣ブロックや蛍護岸などを積極的に使用すべきだと考えますが,当局の御見解をお聞かせください。 第6は,土壌浄化方式による浄化施設の普及であります。 これは県のメニュー事業として59年度より3年間に各地方振興局ごとに30基を設置しようとするもので,岡山市では一宮地区の19戸が協力して設置しておりますが,県に働きかけてこの事業をもっと継続して,条件に合致するところはどしどし設置すべきだと考えますが,当局はこの土壌浄化方式をどのように評価されているのかお聞かせください。 次は,乾電池の分別収集についてであります。 現代はかってない豊かさを謳歌する時代と見られるが,その実3つの大量死の危機を抱えていると言われている。1つは核による瞬間の死,2つは環境破壊による緩慢な死,3つは管理社会による精神,人格の死である。これは去る11月13日付山陽新聞の滴一滴欄に書かれていた文章の一部でありますが,今私たちはこの環境破壊による緩慢な死が不気味に近づいていることに大きな注意を払わなければ取り返しのつかない大事に至ると思います。 私はそうした立場から,過去何回か使用済み乾電池の分別収集を要求してきましたが,当局は水銀量を減らすという業者の自主的努力に期待し,また国の安全宣言をうのみにして,分別収集を拒否し続けてきました。 しかし,国が安全宣言を出した後の11月12日付山陽新聞によれば,岐阜薬科大学の研究グループによりごみの中に大量に含まれているシリコンが乾電池の水銀とまざると有毒なメチル水銀が生成されることが実証されたと報じております。乾電池問題は,東京都公害研究所の調査結果や,町田市のごみ埋め立て地から高濃度の水銀を検出したことや,さらに岐阜薬科大学の研売では,メーカー側が無害だと主張している水銀に焼却灰を混合すると有毒なメチル水銀が大量に発生することが明らかにされるなど,社会的に大きな問題となり,分別収集を始める自治体がふえ,国も一定の方向を出すところまできていたにもかかわらず,国は逆に安全宣言を行い,取り組みが大きく後退したのであります。しかし,今回の岐阜薬科大学の研究グループによる新たな実験結果により,国の安全宣言に大きな疑問が生じたのであります。 私は冒頭に,環境破壊による緩慢な死という言葉を引用しましたが,乾電池問題はその処理を誤ると環境破壊に大きく手をかすことになります。私たちの世代に地球を永遠に汚染さすという権利はありません。清らかな地球を後世に伝えることが私たちに課せられた義務だと考えます。私は直ちに分別収集を開始すべきだと思いますが,当局はこの実験結果をどのように受けとめておられるのかお尋ねをいたします。 次は,道路パトカーによる市道の維持補修についてであります。 道路管理上の瑕疵による事故が,本年度に入り4件を数えており,届け出のない事故も含めるとかなりの事故が発生していると思われます。私自身も2輪車で穴ぼこに入り,冷やりとした経験を持っております。 そこで,お尋ねしますが,舖装がはがれてできた小規模の穴とか路肩の崩れ,あるいは路上の障害物などを点検し補修する任務はどこが担当し,どのような手順で行われるのか。また,路上で建設省や県の道路パトロールカーを時々見かけます。岡山市も今年度から1台購入されたと聞きますが,どのように活用されているのかお聞かせください。 次に,道路法では道路管理者はその職員のうちから道路監理員を任命して,道路の損害予防や原状回復に必要な措置を求める権限を行わせることができるとなっていますが,岡山市には何名の道路監理員が任命されて,どこに配置されているのかお尋ねをいたします。 次に,津島公館対策についてであります。 津島公館の利用については,開館以来,予想外に利用者が少なく,市民のひろばなどで利用を呼びかけておられますが,本年11月18日現在の延べ利用数は開館以来4年7カ月で126件,4,778人と少なく,これに要した経費は安井家より譲り受けたときの大修理費3,000万円を含め59年度までに4,203万円で,本年度も約300万円の支出が見込まれております。このように利用が少ないのは,場所的な理由もあると思いますが,1番の理由は23の和室に分かれており,利用しにくいということだと思います。譲り受けたときの条件として,建築物の構造は変更しないということがあったように記憶していますが,このままでは宝の持ちぐされになります。そこで,条件があるとすれば,部屋の一部を改造して洋間や会議室をつくり,利用しやすくできるよう関係者と交渉すべきだと考えますが,当局は利用増進策として何を考えておられるのかお伺いをいたします。 次に,高島駅周辺整備と東岡山駅北口開放についてお尋ねをいたします。 山陽本線高島駅が関係各機関の御理解と御協力,そして地元期成会の熱心な運動が実り,本年3月14日に開業してはや9カ月が経過しました。心配された乗降客も日を追ってふえ,今日では1日2,300名が利用し,地域住民の足として次第に根をおろし,親しまれてまいりました。この駅は御承知のごとく,高島団地前の市道沿いに新幹線下を利用して建設したもので,駐輪場以外はこれといった関係施設がありません。そのため,駅周辺にふさわしい環境づくりを望む声が強く,12月7日,幡多,旭竜,高島の各団体の代表者が集まり,高島駅周辺整備促進協議会が発足し,高島駅周辺の整備と駅の利用促進を図ることになりました。そうした経過の上に立ち,次の事項につきお尋ねします。 第1は,市はこの高島駅を市の総合交通体系の中でどのように位置づけ,周辺の整備をどのように計画されているのか。 第2は,最近地元に提案された農住型土地利用転換計画と駅前開発の関連性をどう考えておられるのか。 第3は,駅前は駅舎側も反対側も照明がなく,暗くて危険なので早く照明をつけてほしいと思いますが,計画はあるのか。 第4は,駅南側からの利用者の自転車やバイクが南側の路上に約100台置かれていますが,駐輪場をつくる計画はないのか。 次に,東岡山駅西口開放についてでありますが,岡本議員の代表質問に対し,6月議会での私の質問を受けて,国鉄に申し入れたが,財政的に困難で,現状で理解してほしいとの回答があり,引き続き要求していくとの御答弁がありましたが,全面開放に至る段階として,朝夕のラッシュ時だけでも開放さす努力をしてほしいと思います。 私が調べたところでは,朝7時から9時までに発着する列車は山陽本線と赤穂線を合わせ15本,7時半から8時半までの間だけでも9本あり,夕方は4時半から6時半までに13本が発着します。乗車券の自動販売機を置き,時間を限って開放するということは,それほど経費を必要とせず,実現の可能性が大きいと考えますので,一層の御努力を要請するところであります。 以上をもちまして私の質問を終わらしていただきます。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 華房議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 障害者が安心して歩けるづくりにつきまして,昭和56年の国際障害者年を契機といたしまして,障害者の完全参加と平等の実現を目指しまして昭和58年3月,岡山市の行動計画を策定しております。そこで,これを実施するために,岡山市心身障害者対策協議会を設置をいたしまして,関係機関と連絡を密にしながら取り組んでまいっておるところでございます。 御指摘の事項は,一口で申しますと障害者の外出の保障でございまして,づくりにおける道路及び建築物の整備や,これに付随した管理の問題であろうかと思います。これらのことにつきましては,直接市が行うものにつきましては努力をいたし,一定の成果を上げておると考えておりますが,国,県,民間等の協力をいただき,そして達成しなきゃならないような面につきましては,今後も努力してまいらなきゃならないと思っておる次第でございます。障害者の方々の完全参加と平等が確保されるように,さらに大いに努力をいたしたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 難病対策の促進についてでございますが,市が難病連絡協議会の自主性というのを尊重しながら,国や県やそして市でそれぞれの行政分担の中で可能な限りの難病対策に努力を払ってきておるわけでございますが,今後も実現可能な事柄につきましては一層の努力をひとつ続けてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いします。 その他,各関係局長からお答えいたします。 ◎財政局長(関場長久君) 障害者が安心して歩けるづくりの中での一連の御質問の中で,財政局が担当する部分について私からお答えします。 まず,本庁舎と議会棟を結ぶ階段の改良についてでございますが,本庁舎と議会棟を結ぶ階段を改良して自由に出入りができるようにとの御指摘でございます。 この階段をスロープ化する等の検討を種々重ねてまいったわけでございますが,構造上,また危険防止上,非常に難しいものがございます。と申しますのは,防火扉等の防災上の問題もございまして,なかなか実施のいい方法がないということでございます。で,今後さらにまた何かいい方法があるかどうか検討さしていただきたい,このように考えております。 それから,1階会計課側男子トイレの改良についてでございますが,現在市役所内の障害者用トイレは福祉事務所,それから住民課側及び会計課側の3カ所に男女それぞれ設置しているわけでございますが,御指摘の会計課側男子トイレは狭隘でございまして,大変御迷惑をおかけしているわけでございます。 トイレ全体のスペース,構造上の問題もございまして,非常に難しいとは思いますが,この男子トイレが全面改装できるかどうか,また改造してもその便器等の絶対数が確保できるかどうか,この辺につきましても検討をしてまいりたいと,このように考えております。 ◎参与(丸尾比呂志君) 津島公館の利用の拡大につきましてはたびたび御指摘をいただいておるところでございますが,御案内のとおり当公館は建物の外観,内部のつくりともに伝統的な和風建築のよさを持っておりまして,庭園も含めまして静寂感とか優雅さにあふれておるところであります。そして,利用者からも大変好評を得ておるところでございます。建物自体は相当古うございますから,不特定多数の方々に開放することは困難な面がありますが,今後公的来賓の接待や市主催の諸行事の開催,あるいは外国からのお客様などの利用に,建物のよさを十分生かした利用に一層努めてまいりたいと考えているところでございます。どうか市議会の皆様におかれましても,目的にかなう会議,会合等に御利用いただくなど御理解,御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。 ◎民生局長(三宅襄君) 障害者の外出の確保の問題につきまして,市長答弁を補足しながら概括的な御答弁,さらに民生局に関する具体的な問題について御答弁をさしていただきます。 まず第1点,点字ブロック上の障害物の除去の問題でございます。 視覚障害者が地域社会で安心して生活できるように,岡山市では昭和49年度から約22キロメートルの市道に点字ブロックを敷設しております。国・県道を合わして現在市内で42.5キロメートルの点字ブロックが敷設されているわけでございます。この点字ブロックの上の障害物を置かないような啓蒙活動につきましては,従前から市民のひろば等を利用いたしまして,市民に協力をお願いをいたしております。特に,昨年度から交通量の多い岡山駅前,野田屋,天満屋周辺等の点字ブロックの上にはシールを張りつけまして,啓蒙に努力をしておるところでございます。今後とも関係機関,民間団体等の協力を得ながら,啓蒙活動にさらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。 それから第2点,歩道や建築物の出入り口の段差の解消のことでございますけれども,県におきまして昭和56年,高齢者等の社会参加を容易にするための配慮指針が示されまして,道路,公園,公共的建築物等の新設,増設,改修に際しまして配慮事項が作成され,順次実施されておるところでございます。 従前の施設につきましては,いまだ未整備のところもございまして,御指摘のような場所もあるかと存じます。今後とも段差解消のため市の施設においてはさらに努力を傾注いたし,その他の施設についても御協力をお願いしてまいりたいというふうに考えております。 それから,障害者トイレの整備の問題でございますけれども,障害者用トイレの設置につきましては,建築確認申請の段階で公共施設を初め民間施設に対しましても設置していただくよう強くお願いをしておりまして,年々増加をいたしております。今後も関係機関,民間団体等の協力を得ながら設置に努めてまいりたいというふうに考えております。 なお,御指摘の障害者用トイレの清掃,維持管理につきましては,よく調査をいたしまして,関係機関の協力を得て,障害者の使用に不便を来さないようしてまいりたいというふうに考えております。 それから,福祉文化会館の身障者用のトイレの問題でございますけれども,障害者センターの利用状況からしまして,改造するスペースはございませんが,御指摘のとおり,御提案をいただきましたように,1人で使用できるような既設ドアの改造を検討してまいりたいというふうに考えております。 それから,備えつけの車いすの問題でございますけれども,市役所及び勤労身体障害者体育センターに配備してございます車いすは,一般用いすに早急に配備をしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ◎衛生局長(竹原良一君) 難病対策の促進について市長答弁を補足し,難病相談コーナーの運営費を増額と難病者の調査事業に助成をという御質問にお答えしたいと思います。 市難病連絡協議会が福祉文化会館で自主的に実施されている難病相談事業に対しましては,市の方針としては団体補助金は整理の方向にはありますが,先ほどお話のありましたように昭和58年度から難病相談事業運営補助金を,さらにこの相談事業をより円滑に進め,効果を上げるため,59年度,60年度には岡崎基金の運用により難病相談事業備品購入費の助成をさせていただいておるところでございます。 また,難病連絡協議会が新たに計画しておられますところの実態調査につきましては,どのような調査が行われ,それが市の行政目的のためにどの程度かかわりがあるものかなど,今後よく検討さしていただきたいと思っております。よろしく御理解のほどをお願い申し上げます。 次に,生活雑排水対策について一連のお尋ねでございますが,まず60年度における石けん使用推進運動の取り組み,またその具体的成果はというお尋ねでございますが,本市は石けんの使用定着を図るため,県と一体となって石けん使用実践地区の指定拡大に努めると同時に,町内会,地区環境衛生協議会,愛育委員会等が開催する学習会の場においても,啓発活動を積極的に行っております。具体的成果につきましては,市消費生活課が実施した洗剤使用に関する実態調査結果によりますと,最近の石けん普及率は全体で33%という結果が得られており,58年度の調査結果では27%でありましたので,石けん使用実践地区の指定,各種啓発活動の成果があらわれつつあるものと考えております。 次に,生活排水対策に関する市民意識調査の結果はどうなのかというお尋ねでございますが,本市が60年3月に実施した生活排水対策に関する市民意識調査結果によりますと,生活排水に対する市民意識は高いものになっておりますが,市民みずから進んで実践するといった点ではまだ十分とは言いがたい状況であり,今後とも啓発活動を積極的に行っていく必要があるものと考えております。 具体的には,1,ほとんどの市民が身近な川の汚れの原因として生活排水を挙げております。2,行政への要望としては,公共下水道や地域環境浄化施設の充実を第1に挙げ,次に水質汚濁防止に対する市民意識の高揚を挙げています。3,市民みずからが実践すべきこととしては,家庭内での浄化実践及び河川等での清掃活動を挙げています。4,浄化施設の設置に関する市民の費用負担については,48%の人から一部負担してもよいとの回答を得ております。 次に,要綱を策定して沈殿槽の設置の義務づけや助成を行う考えはあるかどうかというお尋ねでございますが,御指摘の要綱を策定し沈殿槽の義務づけや設置等に対する助成を行っていくことにつきましては,その設置普及を円滑に促進していく上では有効な施策と考えていますが,長野市の歴史的な経過等から見ますと,さらに市民の理解と協力が得られるよう努力していくことが必要と考えています。また,沈殿槽は夏場における悪臭の発生,汚泥処理の方法等,なお検討すべき課題が残されております。 したがいまして,当面は各種の啓発活動等を通じ,設置促進を図るとともに,適切な地区を選定し,一定の助成のもとにモデル事業を実施していく方向で検討を進めていきたいと考えております。 次に,土壌浄化方式をどのように評価しているかというお尋ねでございますが,県の土壌浄化方式による水質浄化モデル事業は,59年度を初年度として,3カ年で県下9振興局単位で実施することにしており,昨年度は先ほどもお話ありましたように,一宮地区内の19戸の家庭に設置しております。60年と61年度においては県は他の地域を予定していると聞いておりますが,62年度以降も継続して実施するよう県に要請していきたいと考えております。 土壌浄化の評価につきましては,用地の確保,地下水位,土壌等,地理的条件を十分に考慮する必要がありますが,一宮地区での水質調査の結果では良好な水質が確認されており,河川等の水質浄化を図る上では,極めて有効な施設と考えております。 以上でございます。 ◎経済局長(藤昭博君) 用排水路に魚巣のブロックを採用すべきだと考えるが見解はどうかという御質問でございます。 現在まで,私どもは,用排水路の改良は通水の機能上,さらにまた構造的にも堅牢さを保っていく必要があるということ。さうにまた,維持管理上から三方コンクリートによる水路改良が最適であると。このように考えてやってきたわけでございます。 しかし近年,親水性の問題であるとか,あるいは自然を取り戻そうと,そういったことから,本年度におきまして,実は水質浄化と水中生物の生息を促していこうと,こういうことから祇園地内で試験的に一部魚巣ブロックを築造した水路改良を行ったところでございます。 これは,その築造経費が非常に割高になるという財政上の問題がございますので,全水路にわたりまして,これを連続的に築造するということは,これは不可能に近い問題でございます。しかしながら,ただ用水機能ばかりでなくって,付加価値的に自然を取り戻すということも非常に大切なことでございますので,機能面ばかりを考えすにもっとこう突っ込んで取り組んでいかなきゃならん問題であると,このように考えておるところでございます。したがいまして,水質の専門家,あるいは水中生物の専門家の御意見も聞かしていただきながら,今後も研究,取り組みをしてまいりたいと,このように考えておるところでございます。 ◎建設局長(神原俊彦君) まず,点字ブロック上の放置自転車対策についてということでございます。 岡山駅周辺の放置自転車対策といたしまして,本年度から自転車整理指導員制度を発足させ,放置自転車の整理整とん,あわせて利用者のモラルの向上を呼びかけているところでございます。今後もこの制度の充実に努め,広く市民に理解と協力を求めていきたいと思いますが,岡山駅周辺以外の地区につきましては,道路パトロールの強化,その他広報等を活用して理解と協力を呼びかけ,視覚障害者の交通安全に努めてまいりたいと,このように考えております。 次に,道路パトロールの問題でございます。舗装のはがれ,路肩の崩れ等の点検,補修をするのはどこの担当か,またどのような手順で行われるのかという御質問でございます。 市道の維持補修及び応急修理は,土木整備課で担当しております。補修箇所への対応は,地区住民からの通報によるもの,職員のパトロールによる発見によるもの等があります。これらの維持補修につきましては,緊急度を勘案して直営による補修工事,業者委託及び請負による修繕工事で実施いたしております。 次に,道路パトロールをどのように活用しているかという御質問でございます。 道路パトロール車の活用につきましては,危険箇所の発見に努めると同時に,即時対応できる補修の穴埋め,安全施設の補修,路上支障物件の取り除き,これらについてその場で緊急に措置を行っておるわけでございます。また,破損の程度によっては担当課と連絡の上,業者請負工事として復旧しております。 なお,土木部においては,全職員が平素から破損箇所の発見に努め,早期に対応するよう努力しておるところでございます。 次に,道路監理員の問題でございます。 道路法では,道路の損害予防や原形復旧に必要な処置を求める権限を行わせるために,道路管理者はその職員のうちから道路監理員を任命することができることになっております。本市におきましては,平素から日常業務の中で土木関係職員がそういった監理者としての任務に鋭意取り組んで,事故等の防止に努めているところでございます。 しかしながら,最近の実態としては,現行の身分証明書のみではその権限の所在が市民に十分理解されない場合もありますので,御指摘の制度に沿って明確化し,実施していきたいと,このように考えております。 次に,高島駅周辺の問題でございます。 農住型土地利用転換計画策定事業と駅前開発との関連はと,こういう御質問でございます。 農住型土地利用転換計画策定事業は,国土庁において昭和54年に出された未利用地の整備手法の一つでございます。岡山市におきましても当地区において昭和61年,62年度の2年間で調査ができるよう今年度要望しておるところでございます。採択されれば地権者,農協,市等が一体となって協議会を設け,づくりの計画を検討,策定するとともに,この計画が円滑に実施できるよう啓蒙もあわせて行います。なお,計画作成に際しては周辺との一体性の確保を図りながら行いたいと,このように考えております。 次に,高島駅の駅前の駅舎側とその反対側に照明灯をつけてほしいという御質問でございます。 地元の皆さんと設置場所等について協議しながら進めてまいりたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。 次に,高島駅の南側の駐輪場の設置の問題でございます。 現在の駐輪場のうち約200平方メートルが未整備でありますので,まずこの場所を整備し,道路上に放置された自転車の解消を図りたいと,このように考えておりますので,御理解のほどよろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◎参与(谷義仁君) 生活雑排水対策のうち,沈殿槽設置の指導についてでございますが,市内の建築団体,主だった建築業者,建築士事務所等に対しまして,沈殿槽の設置の協力を要請しております。今までに設置についての相談はございましたが,実際にどの程度設置されているかは現在のところ把握をよくしておりません。今後とも啓蒙,啓発に努めまして,設置協力の要請をしていきます。 ◎参与(人見文男君) 使用済み乾電池の分別収集についての御質問でございますが,お答えいたします。 かねがね非常にこの廃乾電池の問題については御心配いただいておるところでございますが,ただいま御指摘のように本年の7月に国の方から実質的な安全宣言がなされたといったところでございます。この間の経緯につきましては,厚生省や環境庁が全国のごみの処理過程,いわゆる焼却場の施設から出ますところの排ガスであるとか,そこの排出される焼却灰ですね,それから埋め立て処分地から出ますところの浸出汚水,さらには処理された放流水,こういったものを広範な調査を行いまして,それをもとに,厚生大臣の諮問機関でありますところの生活審議会の中に適正処理専門委員会というんがありますが,ここで慎重な審議,検討が重ねられたわけでございます。それを廃棄物処理部会の方へ報告され承認されたものが7月に厚生省の方から各自治体に示された内容であるというもんでございます。 この内容につきましては,非常に広範にわたっておりますが,特に直接のポイント的なものを申しますと,まず第1には,業者によるところの,ボタン型の水銀電池,これが販売の逆ルートによって回収できるシステムが組まれておる,これの強化をやっていくと。それからさらに,代替電池の開発をやっていこうと。それから,3番目といたしましては,一番問題の筒型のアルカリ乾電池でございますが,これについては62年の9月を目途に水銀量を6分の1にもっていこうということが確約されております。これは,この水銀電池の問題が社会問題として提起される時点,58年の10分の1にこれらが達成されるとなるということでございます。 これらの措置等によりまして,廃乾電池は他のごみと合わせて処理しても特に問題はなく,市町村が特段の措置を講じる必要はないということが言われたわけでございます。 そこで,当市の状況でございますが,廃棄物の処理施設の現状といたしましては,大気汚染防止法であるとか水質汚濁防止法,さらには廃掃法,これらに基づきますところのいろんな規制がございますが,その規制数値とか回数,それらに基づきまして,私どもでは義務回数以上の検査を現実にやっておりますし,数値につきましても現在のところトータル的な水銀の検出を見ていないのが現状でございます。 で,問題は10年先,50年先を考えるときが心配だということでございますが,御存じのように埋立地の汚水につきましては,水質が安定するまでは水処理をやっていきます。で,たとえ将来そういった水銀化合物が検出されるような事態があったといたしましても,現在の高度水処理施設におきまして十分除去できるというように考えております。 次に,御指摘の岐阜薬大の実験結果についてどう考えるかということでございますけれども,非常に御心配いただいておるとこですが,一定の条件が合致した場合にはメチル水銀,エチル水銀ができるというように言われておりますが,まだその詳細なメカニズムはわかってないというように私どもはお聞きしております。で,メチル水銀,エチル水銀等は特に毒性が強いということについては,これは異論のないところでありますが,これら有機化された水銀は水中や汚泥の中では不確かな状態で存在すると言われておりますので,さきに申しましたように水処理の工程におきまして除去できるものと考えておるわけでございます。当面はそういったことで浸出汚水等のモニタリングの徹底強化を図って,自然環境の汚染しないように努めたいと存じておりますので,よろしく御理解のほどを願います。 以上です。 ◎企画室長(井堀晃郎君) 高島駅の総合交通体系の中での位置づけと,それから東岡山駅北口開放についてお答えを申し上げます。 まず,鉄道は交通体系上,あるいは通勤・通学者の重要な交通機関の一つとして位置づけておりまして,駅間距離の長い山陽本線への中間駅設置が必要であると,こういう観点から,さらに,地元住民の非常な熱意と御協力によりまして,本年3月に高島駅が設置されたわけでございます。 それから,東岡山駅の北口開放についてでございますけれども,これまでたびたび華房議員からも御指摘をいただき,本年7月に文書を携えて要望したところでございまして,その状況につきましては先日の岡本議員の代表質疑にお答えを申し上げたとおりでございまして,非常に国鉄の壁は厳しいわけでございます。非常に厳しい状況でございますけれども,ただいま御指摘の点をいろいろ踏まえまして,さらに引き続いて根気よく国鉄に対して要望してまいりたいと,このように考えております。よろしくお願いします。 ◎教育長(奥山桂君) 温水プールの身障者用玄関ドアの付近へインターホンを設置してほしいという御要望でございますが,御指摘の趣旨を踏まえまして関係者と協議の上,早急に措置をいたしたいと思います。   〔45番華房美衛君登壇,拍手〕 ◆45番(華房美衛君) あとしばらく時間が残っておりますので,再質問さしていただきたいと思います。 まず,障害者が安心して歩けるづくりの問題でありますが,駅前につきましては私も申し上げましたし,先ほどの御答弁にもありましたように,一定の御努力をいただいておるわけでありまして,それに期待をしていきたいと思います。しかし,駅前とかそういう繁華街を外れたところになりますと,いまだにそういう自転車が不用意に置いてあるとか,あるいは看板が置いてあるとか。特にガソリンスタンドの前などはお客さんの車をこのブロックの上に,平然と何台も並べているというところがあるわけであります。巡回整理員が置けないということになれば,やはりいわゆる道路管理者として歩道を管理をするという立場で,ぜひまあ積極的な取り組みをやっていただきたいというふうに思います。大体置かれておるところは同じところのように私は把握しておるわけであります。積極的に話をしていけば理解をいただけるんじゃないかというふうに思うわけです。 それから,市役所の議会棟への関係でありますが,お話を聞けば技術的にどうしようもないんだなということになるわけでありますけれども,それだけでどうにも納得できないわけでありまして,やはりそういうことであればそれにかわる,何とかまあ検討するということでありますけれども,例えば障害者の車いすの方が議会の方へ来たいということでお見えになったときに,入り口の案内のところで申し出れば,自治振興課か秘書課か,あの近くの職員が直ちに対応をしていくとかいうふうな,そういう措置をぜひとっていただきたいというふうに思います。 それから,トイレの関係,努力するということでございますので,その努力に期待をしていきたいと思うわけであります。 こうした要求というのは,毎年関係団体から同じような指摘を受けておるわけでございまして,福祉都市宣言を行った岡山市の看板が泣くんじゃないかというふうに思うわけでございますので,ぜひひとつ真剣に対処をお願いをしておきたいというふうに思います。 それから,難病対策につきましてもいろいろ御理解をいただき,感謝をいたしております。来年度予算の中でのこの一定のものを期待をしておきたいと思うんでありますが,難病連に加盟をしております各組織の独自の行事につきましても,ぜひ御配慮いただきと。このことをお願いをしておきたいと思います。 それから,生活雑排水につきましても,これから市民の啓発を行いながらモデル地区をつくってということでございますので,ぜひ早急にモデル地区をつくって進めていただきたい。もう,下水事業が今日のような進捗状況でありますと,頼れるのは家庭から出される水をいかにきれいにして河川に流していくかということしかないと思いますので,ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 それから,土壌浄化方式でございますが,とりあえず県は3年間の事業ということであります。引き続き拡大の方向で要求していくという御返答でございますが,できれば単市事業としても取り上げてやっていただきたいというふうに思います。 乾電池の関係,これはすれ違いのようなことになっておるわけでございますが,やらなきゃならんという気持ちで物事を解釈するんと,なるべくやりたくないという気持ちで物事を解釈するんでは,答えがかなり違ってくるわけでありまして,疑わしきは使用せずと,この原則に沿ったひとつ行政というものをぜひやっていただきたいというふうに思うわけであります。 それから,道路パトカーでございますが,御答弁いただきましたように,いろいろな舗装のはがれの補修であるとか,あるいは道路の破損の補修とか,いろいろな任務を持っておるわけでございますが,1台ではどうしようもないんじゃないかというふうに思うわけでありまして,もう少し台数をふやして,もっと機能的にやれるように,ぜひひとつ御検討をいただきたいというふうに思うところでございます。 それから,東岡山駅の北口の関係でありますが,1日じゆう開放ということは非常に難しいというわけで,現在朝だけでありますが,出勤と言うよりも通学のために30分,特別の配慮であけていただいておるわけでありますから,1番のピーク時だけをとらえてあけていただくということは,それほど難しくないんではないかなというふうに,素人でありますからそう思うわけでございますけれども,ぜひまあひとつよろしくお願いを申し上げまして,再質問を終わりたいと思います。 ◎財政局長(関場長久君) 華房議員の再質問のうち,障害者が安心して歩けるづくりの中での本庁舎と議会棟を結ぶ階段の関係で,技術的に難しいのだろうということでございますが,確かに検討の結果,非常に難しい問題であると。しかし,御指摘のように何らかの形で対応できないものかどうかということについては,引き続き検討さしていただく。ただいま御提言がありました窓口等に申し出ればすぐ対応できるような体制をということにつきましては,早速関係所管とも相談して対応する方向で検討していきたいと思います。 ◎衛生局長(竹原良一君) 市の単独事業として土壌浄化方式を実施する考えはないかというお尋ねでございますけれども,この問題,市が単独で実施するということになりますと,金額的にはそう大した額ではないかもしれませんが,戸数をふやしていくということになりますとこれまた金額が大きくなりますし,補助率が現在で90%ということでございますから,かなり高率の補助ということで,継続的に実施することについては現在の状況ではちょっと無理だろうというふうに考えますので,県の動向を十分勘案しながら対応してまいりたいというふうに考えておりますのでよろしくお願いします。 ◎建設局長(神原俊彦君) 点字ブロック上の放置自転車の問題でございます。御意見を踏まえまして,道路パトロールの強化,その他広報等を活用して,理解と協力を求めていきたいと思いますので,御理解のほどをよろしくお願いいたします。 それから,パトロールの件でございますが,このパトロールにつきましては今年度厳しい財政情勢の中から発足したものでございます。当面その効果を見ながら対応していきたいと思います。今後はこの御意見を踏まえて効率的な体制を整えていきたいと,このように思っておりますので,よろしくお願いいたします。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) この際お諮りいたします。12月14日及び15日の2日間本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤原照夫君) 御異議なしと認めます。よって,さように決定いたしました。    ───────────── ○議長(藤原照夫君) 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は12月16日午前10時に開き一般質問を行います。 本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでした。    午後4時20分散会...