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  1. 神戸市議会 2015-02-26
    開催日:2015-02-26 平成27年予算特別委員会第3分科会〔27年度予算〕(みなと総局) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時1分開会) ◯主査(梅田幸広) おはようございます。ただいまから予算特別委員会第3分科会を開会いたします。  最初に,私から御挨拶申し上げます。  このたび,副委員長に就任し,本分科会の主査として分科会運営を担当することになりました。理事並びに委員各位におかれましては,本分科会の運営が円滑に進められますよう格段の御協力をお願いいたしまして,甚だ簡単ですが,御挨拶とさせていただきます。  それでは,まず分科会の運営につきまして,去る24日の委員会で決定されましたところにより行ってまいりたいと存じますので,皆様の御協力をお願いいたします。  次に,同24日の理事会において決定されました事項について御報告いたします。  まず,委員各位の席の配置につきましては,お手元の定席表のとおりに,また質疑に当たっては,発言席を設けて,その席で行っていただくことになりましたので,御了承願います。  次に,質疑順位につきましては,局別審査においてはお手元の質疑順位表のとおりとし,総括質疑においては大会派順といたします。  なお,公務等により予定の質疑順位で不都合が生じる場合は,交渉会派については交渉会派の最後5番目に質疑順位を繰り下げることを,非交渉会派については非交渉会派の最後に質疑順位を入れかえることを原則といたしますので,お含み願います。  次に,質疑時間につきましては,答弁を含めて,局別審査・総括質疑ともに,民主こうべさん,公明党さん,自民党神戸さん及び自由民主党さんはそれぞれ45分,日本共産党さんは40分,新世代こうべさんは20分,住民投票☆市民力さん,新社会党さん及び神戸志民党さんはそれぞれ15分に,また質疑者の数については,民主こうべさん,公明党さん,自民党神戸さん,自由民主党さん及び日本共産党さんはそれぞれ2名以内,その他の会派はそれぞれ1名となっておりますので,よろしくお願いいたします。  次に,産業振興局所管の緊急雇用創出事業の質疑につきましては,全般的・基本的なものについては所管局の産業振興局の審査の中で,個別の事業についてはそれぞれの事業実施局の審査の中で行っていただくことになりましたが,当第3分科会においては,産業振興局のみとなりますので,お含みおき願います。  以上,報告を終わります。  なお,本日午後3時30分から阪神水道企業団神戸市側分科会が開かれるため,関係委員が中途退席されますので,御了承願います。また,私自身も当該分科会に出席いたしますので,その間の本分科会の運営につきましては高瀬理事に行っていただくことにいたしたいと存じますので,御了承願います。 (みなと総局) 2 ◯主査(梅田幸広) それでは,日程によりまして,みなと総局関係の審査を行います。  当局におかれては,簡明な説明をお願いします。  それでは,当局の説明を求めます。  局長,着席されたままで結構です。 3 ◯吉井みなと総局長 ありがとうございます。それでは,着席したままで失礼いたします。
     おはようございます。  みなと総局関連の予算議案4件,予算関連議案1件,以上5件につきまして,一括して御説明申し上げます。  なお,説明に際しましては,100万円未満の数字は省略させていただきますので,よろしくお願いいたします。  お手元の予算説明書の1ページをお開きください。  平成27年度みなと総局予算編成方針でございます。  みなと総局では,国際コンテナ戦略港湾の推進などによる神戸港の港勢拡大や安全・安心の確保,ポートセールスやエアポートセールス,企業誘致の促進,神戸空港の一層の利用促進・利便向上を積極的に推進し,世界に誇れる夢のあるまち,安心して暮らせるまちの実現に向けて全力で取り組んでまいります。  3ページをお開きください。  平成27年度神戸市港湾事業会計予算につきまして,御説明申し上げます。  主要施策の概要でございます。  まず,国際コンテナ戦略港湾の機能強化では,集貨・創貨・競争力強化に資する施策として,我が国の経済・産業の国際競争力強化の一翼を担い,国際競争力のある港湾サービスを確保・実現するため,昨年設立されました国策会社である阪神国際港湾株式会社と連携しながら,ハード・ソフトおのおのの事業が一体となった取り組みを強力に進めてまいります。  次に,神戸港への集貨促進でございますが,釜山港を初めとする東アジア主要港に流れている西日本の貨物を奪還すべく,引き続き国際フィーダー網の拡充,海外フィーダー貨物の神戸港利用への転換や新規航路の誘致等に取り組んでまいります。  加えて,中国・東南アジア地域からの貨物誘致として,海外ポートセールス強化事業に取り組んでまいります。  次に,大型コンテナ船に対応する高規格コンテナターミナル整備では,コンテナ船のさらなる大型化やメガキャリアのアライアンスの再編等,海運・港湾を取り巻く状況が大きく変化する中,西日本産業と国際物流を支えるゲートポートとして基幹航路の維持・拡大を図り,国際競争力を強化するため,RC-6・7等の高規格コンテナターミナル整備を実施してまいります。  また,阪神国際港湾株式会社に対して,大型コンテナ船に対応した高規格ガントリークレーンの整備に必要な財政支援を行います。  4ページに参りまして,開港150年記念事業では,平成29年に開港150年を迎えるに当たり,先日立ち上がりました開港150年記念事業実行委員会におきまして,ソフト面・ハード面から記念事業の検討を進めるとともに,残日計の設置等による広報やプレイベントの実施など,さまざまな取り組みを通じて開港150年の機運を高めてまいります。  次に,客船誘致の強化では,日本を代表するクルーズポートとして,充実した施設,アクセスのよさ,観光の魅力など,神戸港の優位性を国内外の客船運航会社に発信するとともに,新たな客船誘致のインセンティブを活用し,積極的な客船誘致を進めてまいります。平成27年度につきましても,クァンタム・オブ・ザ・シーズ,ダイヤモンド・プリンセスなど外国客船の入港が多数予定されており,神戸ならではの充実したおもてなしを行うとともに,出入国に係る手続の円滑化を図るなど,受け入れ体制の強化・充実に取り組んでまいります。  次に,市民と港を結ぶ事業では,神戸港への愛着・誇りを持ってもらえるよう,港に触れ,港の取り組みを知る機会の創出を図ってまいります。  新港突堤西地区では,第1突堤での施設開業に合わせた周辺整備や,次期事業化に向けた取り組みを進めてまいります。また,みなとこうべ海上花火大会の実施,メリケンパークの魅力ある夜間景観づくり等を通じて,ウオーターフロントのにぎわいを促進してまいります。  地震・津波に強い港づくりでは,神戸港の港湾施設の機能を適正に維持し,港の安全・安心を確保するため,港湾施設の耐震補強・改良・補修等を行ってまいります。  右のページに参りまして,港湾労働者などの福祉の増進では,港湾厚生施設の補修などの事業を行ってまいります。  7ページをお開きください。  予算第17号議案平成27年度神戸市港湾事業会計予算でございます。  第2条業務の予定量では,岸壁・物揚げ場・上屋などの業務の予定量を掲げております。  第3条収益的収入及び支出,8ページに参りまして,第4条資本的収入及び支出につきましては,後ほど予算実施計画のところで御説明申し上げます。  右のページに参りまして,第5条債務負担行為では,苅藻橋かけかえ工事を定めております。  第6条では,企業債の限度額を港湾整備事業では104億7,400万円,第7条では,一時借入金の限度額を200億円,第8条では,他会計からの補助金を63億600万円,第9条では,棚卸資産購入限度額を2億5,000万円といたしております。  第10条では,重要な資産の処分を掲げております。  10ページには,建設改良事業概要を掲げておりますので,御参照ください。  右のページをごらんください。予算実施計画でございます。  まず,収益的収入及び支出の収入でございますが,港湾管理事業収益は227億9,200万円で,営業収益は,岸壁使用料,埠頭用地使用料などで126億4,100万円,営業外収益は,受取利息及配当金,他会計補助金,長期前受金戻入などで86億8,400万円をそれぞれ計上しております。また,特別利益といたしまして,14億6,500万円を計上しております。  12ページに参りまして,港湾施設運営事業収益は28億1,400万円で,営業収益は,上屋使用料などで23億1,000万円,営業外収益は,長期前受金戻入などで3億9,400万円をそれぞれ計上しております。また,特別利益といたしまして1億800万円を計上しております。以上により,収入の合計は256億600万円となっております。  次に,支出でございますが,港湾管理事業費は208億5,300万円で,営業費用は,業務費,減価償却費などで167億1,800万円,営業外費用は,支払利息及企業債取扱諸費などで39億7,600万円をそれぞれ計上いたしております。また,特別損失といたしまして1億5,800万円を計上しております。  13ページに参りまして,港湾施設運営事業費は33億8,000万円で,営業費用は,業務費,減価償却費などで27億500万円,営業外費用は,支払利息及企業債取扱諸費などで1億8,300万円をそれぞれ計上しております。また,特別損失といたしまして4億9,000万円を計上しており,予備費2,000万円と合わせまして,支出の合計は242億5,300万円となっております。  なお,当年度純利益は税込みで13億5,300万円となる見込みでございます。  14ページに参りまして,資本的収入及び支出でございます。  収入は597億6,000万円で,企業債を104億7,400万円,他会計繰入金を281億4,000万円,他会計補助金を45億8,400万円,国庫支出金を7億2,500万円それぞれ計上しております。また,財産売却代などで財産収入を37億5,400万円,組入金を36億6,300万円,返還金などの雑収入を84億1,700万円それぞれ計上しております。  次に,支出は671億4,900万円で,建設改良費が129億7,300万円で,港湾建設費のほか,港湾環境整備費,港湾直轄事業費負担金,埋立費,其他建設改良費,土地等購入費,関連建設改良費をそれぞれ計上しております。  15ページに参りまして,基金造成費などの投資を165億4,500万円,企業債等償還金を376億2,900万円それぞれ計上しております。  16ページから27ページには,予定キャッシュ・フロー計算書,予定貸借対照表,予定損益計算書,債務負担行為に関する調書を掲げておりますので,御参照ください。  29ページをお開きください。  平成27年度神戸市一般会計予算のうち,みなと総局所管分につきまして,御説明申し上げます。  主要施策の概要でございます。  まず,高潮対策事業では,平成27年度に神戸港全体の高潮対策の整備完了が達成できるよう,苅藻島・吉田町地区などの防潮胸壁整備を行ってまいります。  次に,津波対策事業では,南海トラフ巨大地震に伴う津波対策として,避難を中心としたソフト対策に加え,減災を目標としたハード対策を,被害想定や背後の土地利用を考慮しながら,平成27年度より順次着手してまいります。  次に,津波・高潮危機管理対策緊急事業では,津波や高潮発生時における市民の安全を確保するため,引き続き防潮扉の改良を行ってまいります。  次に,須磨海岸再整備事業では,休止していた養浜事業を再開し,子供連れが安全・安心に遊べるよう,遠浅海岸整備等に取り組んでまいります。  須磨海岸の健全化・管理事業では,須磨海岸を守り育てる条例や神戸市ぽい捨て及び路上喫煙の防止に関する条例の一層の周知徹底を進めるとともに,須磨海岸ドルフィン・コーストへの協力などを通じて,健全性の上に立った活性化を推進してまいります。  31ページをお開きください。  予算第1号議案平成27年度神戸市一般会計予算のうち,みなと総局所管分でございます。  歳入合計は13億7,000万円で,歳出合計は19億5,700万円でございます。  32ページに参りまして,歳入予算の内訳でございますが,使用料及手数料1,000万円,国庫支出金5億5,700万円を初め,財産収入,寄附金,諸収入を計上しているほか,市債を8億円計上しております。  右のページに参りまして,歳出予算の内訳でございます。土木費で,職員費を1億4,200万円,事業費を18億1,400万円,合計19億5,700万円を計上しております。  35ページをお開きください。  平成27年度神戸市空港整備事業費予算につきまして,御説明申し上げます。  主要施策の概要でございます。  現在,関西国際空港及び大阪国際空港のコンセッション手続が進められているところでございますが,両空港を運営することに決まった運営権者が関西の国際拠点空港としての再生・強化及び関西全体の航空輸送需要の拡大を図る目的から,神戸空港も含めた一体運営に進む際に速やかに対応できるよう,神戸空港のコンセッションの準備を進めてまいります。  また,喫緊の課題であります運用時間の延長及び発着枠の拡大,国際チャーター便の運航規制の緩和,ビジネスジェットなどの国際便の利用促進のためのCIQ体制の充実につきまして,今まで以上に全力を挙げて国に働きかけてまいります。  引き続き,空港管理では,空港施設の維持管理,バードストライクやハイジャックなどの防止対策,航空機の騒音監視を行うなど,安全・安心でかつ適正な管理運用に努めるとともに,兵庫県,神戸商工会議所,航空会社,旅行会社とともに,全力を挙げて利用促進に取り組んでまいります。  36ページをお開きください。  歳入予算でございます。  空港整備事業収入は28億8,300万円を計上しております。  その内訳でございますが,使用料及手数料は,着陸料及び停留料で7億2,200万円,県支出金は,空港管理事業に対する兵庫県からの補助金で4億1,000万円,財産収入は,国等からの地代収入で8,300万円,繰入金は,一般会計から航空機燃料譲与税及び地方交付税相当額として8億7,300万円を,また新都市整備事業会計から7億9,300万円をそれぞれ繰り入れるもので,合わせて16億6,600万円でございます。また,繰越金及び諸収入は,合わせて200万円でございます。  次に,空港関連事業収入は5億400万円を計上しております。財産収入は,神戸空港ターミナル株式会社からの地代収入で3億5,700万円を,繰入金は,新都市整備事業会計から1億4,700万円を繰り入れるものでございます。  以上により,歳入合計は,33億8,700万円を計上しております。  37ページに参りまして,歳出予算でございます。  空港整備事業費は28億8,300万円を計上しております。  その内訳でございますが,空港管理事業費が28億7,300万円で,職員の給料,管理運営費及び市債の元利償還予定額などを公債費会計に繰り出すものでございます。また,予備費は1,000万円を計上しております。  次に,空港関連事業費は5億400万円を計上しておりますが,これはターミナル用地等の取得に伴う新都市整備事業会計からの繰入金の元利償還金でございます。  以上により,歳出合計は,33億8,700万円を計上しております。  39ページをお開きください。  予算第13号議案平成27年度神戸市空港整備事業費予算でございます。歳入・歳出予算の総額は,先ほど御説明申し上げましたとおり,それぞれ33億8,700万円でございます。  なお,40ページから42ページには,歳入歳出予算,債務負担行為に関する調書,平成25年度末の市債の現在高,26年度末及び27年度末の市債の現在高の見込みに関する調書を掲げておりますので,あわせて御参照ください。  43ページをお開きください。  平成27年度神戸市新都市整備事業会計予算につきまして,御説明申し上げます。  主要施策の概要でございます。  まず,計画的開発団地のリノベーション事業では,名谷南センターにおきまして,新たに若年世帯を呼び込めるような住機能を導入し,リニューアル事業に着手するほか,高倉台を初め,他のニュータウンにおいても各地域の課題に対応した取り組みを行ってまいります。  鶴甲会館及び渦森会館の再整備については,地域のニーズに応じた機能を持った施設となるよう地元協議を進めてまいります。  次の六甲アイランドの活性化では,まちの活力の基礎となる人口増加への取り組みとして,市が保有する用地を活用し,住宅等の立地を促進してまいります。  また,魅力を高める先行的な取り組みといたしまして,六甲アイランドのシンボルであるリバーモールを活用し,良質な夜間景観を形成するとともに,平成29年度に迎えるまち開き30年に向け,活性化の仕掛けづくりを検討してまいります。  次に,安定した宅地供給に向けた事業の推進では,引き続き西神南ニュータウンなどにおきまして,安全・安心で快適な住宅地の供給を進めるため,必要な造成工事,道路・下水道等の基盤整備などを行ってまいります。  44ページをお開きください。  経済基盤の確立を目指した産業用地の供給でございます。  ポートアイランド第2期地区では,神戸医療産業都市スーパーコンピューター京などの各種プロジェクトを核としたまちづくりを進め,ポートアイランド沖地区では,神戸の都市基盤としての空港及び空港関連施設用地の造成を行ってまいります。  また,内陸部では,神戸西インターチェンジと一体となった神戸複合産業団地を,流通系・工業系・研究開発機能をあわせ持つ産業団地として整備を進めるため,必要な造成工事,道路・下水道等の基盤整備などを行ってまいります。  企業誘致の推進では,神戸の投資環境の優位性を発信するとともに,平成26年度から拡充した市税等の優遇制度,さらに平成27年度から新たに創設される国の地方拠点化税制や神戸市独自の企業拠点移転補助などを活用し,民間事業者との連携を図りながら,あらゆる機会を通じまして企業情報を収集し,進出可能性のある成長分野の企業を中心に積極的に企業誘致を進めてまいります。  45ページをお開きください。  予算第18号議案平成27年度神戸市新都市整備事業会計予算でございます。  第2条業務の予定量では,ポートアイランド第2期などの全体で約24万平方メートルの土地処分を予定しております。  第3条収益的収入及び支出,第4条資本的収入及び支出につきましては,後ほど予算実施計画のところで御説明いたします。  46ページに参りまして,第5条企業債の限度額を土地造成事業で16億5,000万円といたしております。  第6条では,一時借入金の限度額を200億円といたしております。  第7条では,重要な資産の取得及び処分を掲げております。  右のページには,建設改良事業概要を掲げておりますので,御参照ください。  48ページをお開きください。  予算実施計画でございます。  収益的収入及び支出でございます。  収入でございますが,新都市整備事業収益は250億9,600万円で,営業収益は,土地売却収益,其他営業収益で236億6,000万円,営業外収益は,受取利息及配当金,雑収益などで14億1,600万円,特別利益はその他特別利益で2,000万円をそれぞれ計上いたしております。  支出でございますが,新都市整備事業費は238億6,400万円で,営業費用は,土地売却原価,管理業務費,一般管理費,総係費などで221億1,900万円,営業外費用は,支払利息及企業債取扱諸費などで16億4,500円でございます。  49ページに参りまして,予備費は1億円を計上しております。  なお,当年度純利益は,税込みで12億3,200万円となる見込みでございます。
     50ページをお開きください。  資本的収入及び支出でございます。  収入は64億1,800万円で,企業債を16億5,000万円,受託工事収入は4億1,500万円,国庫支出金は9,300万円,雑収入は,貸付金返還金,雑入で42億6,000万円それぞれ計上いたしております。  支出は452億400万円で,建設改良費が93億5,900万円で,土地造成事業費のほか,関連事業費や完成土地整備費をそれぞれ計上しております。  投資は,空港整備事業費への他会計貸付金などで9億9,300万円,企業債償還金は347億5,200万円,予備費は1億円それぞれ計上いたしております。  51ページから61ページには,予定キャッシュ・フロー計算書,予定貸借対照表,予定損益計算書,債務負担行為に関する調書を掲げておりますので,御参照ください。  63ページをお開きください。  第31号議案神戸市港湾施設条例の一部を改正する条例の件につきまして,御説明申し上げます。  これは,廃棄物埋立護岸の使用料を改定するため,神戸市港湾施設条例の一部を改正しようとするものであります。  以上で,当局の説明を終わらせていただきます。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 4 ◯主査(梅田幸広) 当局の説明は終わりました。  引き続いて,順位により質疑を行います。  なお,委員会運営の効率化のため,当局におかれては,簡明な答弁に努めるとともに,適当なものについては,担当部課長からも答弁されるよう,この際,特に申し上げておきます。  また,質疑者が要望にとどめた項目については,コメントを要しませんので,念のため申し添えておきます。  また,委員各位におかれては,質疑の要点をおまとめの上,簡明にお願いいたします。  それでは,坊委員,発言席へどうぞ。 5 ◯分科員(坊 やすなが) おはようございます。自由民主党の坊 やすながでございます。よろしくお願いします。  一昨年も質問させていただきまして,それからどのようになっているのかなというのが一番興味があるんですけれども,港のことを中心に質問をさせていただきたいと思います。  まず,2月の18日に,市長のブログの中に,行政に携わる者には根拠のない楽観論を戒め,状況を冷静に──求められる。しかし,このことは,あちこちで厳しいを連発することで果たされるものではない。それぞれの分野において,生起している事象を客観的に観察し,その事象の背後にある要因を冷静に分析することが大事である。また,市役所の皆さんは,行政のプロの目で冷徹に現実を見詰め,その背後にある課題を摘出し,実効性のある政策の選択枠を提示していただくことを期待していると,このように書いておられます。ですので,これを踏まえて質問をさせていただきますので,お答えもこれも踏まえてしていただければというふうに思っております。  まずは,国際コンテナ戦略港湾についてお伺いします。  昨年10月1日に神戸・大阪両埠頭株式会社が経営統合し,阪神国際港湾株式会社が設立されました。さらに,昨年12月26日には,同社は,国及び金融機関からの出資を受け入れて1つの完成形に至ったというふうに思っておりますが,国際戦略港湾政策を本格的に推進する母体ができたことによって,国策としての取り組みの形ができ上がったことになり,神戸港は大きな転換点を迎えたと認識をいたしております。  さて,平成27年度は,年度当初からこの新たな形で取り組みを進める初年度となるわけでございますけれども,それを迎えるに当たって,まずは平成26年の貨物量についてお伺いをしたいと思います。速報値で261万TEUということであり,前年度よりも約6万TEUの伸びを示したわけですけれども,これについてどのような評価をされているのか,局長の見解をお伺いしたいと思います。  そして,次に,国際競争力の強化についてであります。  国際海上コンテナ輸送においては,4大アライアンスの時代を迎えたと言われておりますけれども,特に昨年7月にコンテナ船腹量の世界一のマースクと世界2位のMSC社がアジア・欧州間,大西洋及び太平洋の主要東西航路における10年間の本船スペース相互利用協定となる2の締結により合意したことは象徴的な出来事だったというふうに思っております。各社とも協調配船を行うことで余剰船舶が生じるリスクを軽減するとともに,コスト削減,輸送の効率化を実現するため,各社とも大型船の投入を進めておるわけでございますけれども,かつてと大きく急激に変化をしている状況の中で,平成27年度予算においても引き続き,高規格コンテナターミナル,16メートル岸壁や22列ガントリークレーンなどの整備に係る予算が計上されておりますけれども,国際競争力の強化という観点から,これらの整備によりどのような成果があったと考えておられるのか,お伺いをいたしたいと思います。  3つ目は,創貨についてであります。  我が国に立地している産業にとって,国際物流にかかわるコストとリードタイムの最小化は大きな命題であり,基幹航路の維持・拡大は,国内の生産拠点を有し,製品を海外に輸出する製造業を支えるために極めて重要であります。とともに,我が国,産業全体の国際競争力強化の観点から不可欠であるとも思っておりますが,その基幹航路を維持・拡大していくためには,大型コンテナ船に積載する貨物がなければならないわけですけれども,それがなければ,船社も神戸港を寄港地として選定しなくなり,神戸港の競争力が衰退していくことが懸念をされております。  このことから,貨物を生み出す創貨につながる企業誘致は,臨海部はもちろんのこと,背後地の交通ネットワークを生かした内陸部への企業誘致も重要であると考えます。創貨につながる企業誘致には相当時間がかかるのはわかっておりますけれども,一度誘致すれば長期的に神戸港を利用する貨物が生み出され,神戸経済の競争力強化につながるものと考えております。創貨という観点からはどのような取り組みを行ってきたのか,お伺いをしたいと思います。  そして,27年度の取り組みについてお伺いをいたします。  ここまでは,冒頭で紹介した市長のコメントというところのそれぞれの分野において生起している事象を客観的に観察し,その事象の背後にある要因を冷静に分析するという部分について御説明を伺いたいというふうに思っておりますけれども,ここからは,行政のプロの目で冷徹に現実を見詰め,その背後にある課題を摘出し,実効性のある政策の部分についてお伺いをしたいというふうに思います。  これまで伺った状況というものは,全て27年度につながってきているわけでございますから,この27年度というのはどのようにするのかという部分を聞きたいというふうに思っておりますので,この26年度どうしたかという部分と,それからそれがつながってきた27年度どうするのかという部分を具体的にお聞きできたらというふうに思っておりますので,よろしくお願いいたします。  とりあえずここまでで。 6 ◯吉井みなと総局長 少し私のほうから,まず平成26年の貨物量の取り扱いの評価,これと創貨の部分と,それから平成27年度の取り組みについて答弁させていただきます。  まず,委員からも言っていただきました,昨年の10月1日に阪神国際港湾株式会社を設立し,業務を開始したわけでありますが,私ども,戦略港湾の実施計画からいきましたら1年半前倒しをしてやっと形が整ったというところであります。また,委員の御指摘もありましたように,年末には国からの出資を得て,国策会社として現在,年明けから機能していると,そういう状況でございます。  神戸港の平成26年のコンテナ取扱個数につきましては,速報値でございますが,外貿で対前年比,大体0.1%増の205万TEU,内貿につきましては11.8%増の56万TEU,トータルでは2.4%増の261万TEUとなっております。  これ,特に,今年度から行っております新規事業であります海外フィーダー等貨物事業ということで,これは実際に釜山等の東アジア諸港から神戸港への転換を実際に図るというインセンティブ事業でございますので,この結果,瀬戸内・九州方面の内航フィーダーから内貿貨物が6万TEUふえているということで,一定の成果が出始めたというふうに考えています。特に戦略港湾は,私ども,西日本のハブ港ということで機能しておりますので,瀬戸内・九州方面の釜山に流れている貨物を奪還すると,そういうことで内航フィーダーをもともとメーンの事業として据えておりました。  ただ,外貿コンテナについては,もう横ばいということです。ただ,これ,私ども,中身をしっかりと一応見に入りまして,外貿は,昨年からは,前年からは2,000TEUしか伸びていないと。ところが,実は,実入りコンテナの輸出,これにつきましては,大体3万5,000TEUほどということで,前年比で大体5%ほど伸びております。これ,実は11月までのちょっと速報値しかまだ統計が出ておりませんので,この状態で判断しておりますけれども。  これについて,実入りが伸びているのになぜトータルで伸びないかということですね。ちょっとあと,私ども,いろいろと専門家にも聞いて,私の大先輩であります元日本郵船の副社長からも,これはどう見るんだというのも確認しました。やはり神戸港は輸出港であるということでして,輸出の貨物がふえても,すぐそれが伸びないと。なぜかといいますと,船社のほうでコスト低減のために輸出している空コンに実入りをしてくるということで,貨物がふえても1対1の増につながってこないと。逆に,輸入港でありましたら,輸入後,実入りの輸入を受けて,すぐそれは次の輸入が要るので,空コンをすぐ返しますので,これは速やかに効果が出てくると。そういうことで,実際には成果はあるんだけれども,少しおくれて出てくるんじゃないかというふうに話を伺いまして,どうもそういうふうな感じかなというふうに思っております。  ちょっとそういう意味で繰り返しになるんですけれども,内航フィーダーのほうもちょっと実入りを見ますと,やはり3万大体4,000TEUの増加となっておりますので,これはやっぱり西日本の諸港からきちっと貨物が集貨でき始めたということで,戦略港湾をやって丸4年目が過ぎますけど,やっと成果が出てきたと,こういう実感は持っているという状況でございます。  ただ,トータルの貨物量につきましては,やっぱり外的な要因もございますので,実は,私ども,メーンになっています欧州航路につきましては,これはやっぱり欧州経済が戻ってきましたので,伸びております。それから,やはり東南アジア航路,これについても少し伸びております。ただ,やはり中国経済,若干減速を昨年いたしましたので,少し減少しておるのと,特にことし響きましたのは,北米西岸の港湾労使交渉の長期化ということで,これ,なかなか船が行っても帰ってこないとか,トータルのスケジュールが大分おくれておりますので,この北米航路が実は5%減ということで,かなりの前年割れになっています。  もう1つ,実は,西日本諸港から釜山フィーダーに対抗して奪還し始めているということなんですが,釜山フィーダーの状況を見ますと,実は,昨年の12月時点で一昨年よりさらにまた6.5便,これは週当たりですけれども,釜山フィーダーはさらに伸びております。また,釜山港の釜山港湾公社,釜山フィーダーに対するインセンティブ,これも実は25%拡充されておりまして,これもなかなか厳しい競争がまだ続いておると,このような状況でございます。  ただ,東アジア諸港との競争はさらにこういうふうに激化しておるわけでございますけれども,円安傾向もありまして,特に内航フィーダーの実入り,これの増,それから実際のコンテナ輸出の実入りの増,これを見ますと,やはり一定の成果が出てきたんじゃないかと考えております。そういうことで,政策の方向は大きく間違っていないというふうに確信しているような状況でございます。  それから,創貨につきましてですけども,委員御指摘いただきましたように,やっぱり創貨企業を誘致すれば,これは,神戸港の背後に誘致すれば,長期的に貨物ふやすということで,港のベースカーゴをきちっと確保できるということで,私ども,これも重要な政策だと思っております。特に国際コンテナ戦略港湾の政策は,昨年から集貨競争力強化に加えて創貨というのを加えまして,3本の柱として現在進めておるというところでございます。  特に,港湾背後において貨物の創出,これがやっぱり一番強力に推し進めなければ,先ほど申しましたような港のベースカーゴ,これをキープできないということになりますので,これについては,私ども企業誘致班が特に力を入れて取り組んでおるというところでございます。特に,内陸部につきましても,神戸港の後背圏,もちろんありますので,特にテクノ・ロジスティックパークについては,創貨企業について全力で現在取り組んでおるというような状況でございます。国のほうも,今年度から国際戦略港湾の埠頭近傍に流通加工を伴う民間事業者が倉庫を立地するとき,無利子貸し付けの制度とか,老朽化した物流倉庫の再編・高度化するときに一定の補助制度を持たすということですね。また,私どものほうも,委員も御指摘ありましたように,固都税,これの低減をかなりやっておりまして,これが創貨につながる企業誘致の取り組みをできているとなっております。  実は,ポートアイランドで,家具や日常雑貨の西日本の搬送拠点の大型物流施設,これが拡張しております。また,六甲アイランドにおきましても,これ,旧のコンテナバースの跡地なんですが,食品・食材の流通加工を含む多機能の物流倉庫の進出があります。また,テク・ロジですけれども,内陸部では,医療品や機械部品を取り扱う大規模物流施設,これが既に進出しております。また,現在,大型案件等,複数企業とも推し進めて最終交渉を行っているところでございまして,神戸港の創貨について企業誘致はしっかりと取り組んでおるというような状況でございます。 7 ◯田中(誠)みなと総局担当部長 27年度の取り組みに入ります前に,私のほうから,国際競争力の強化について,先,御答弁を申し上げます。  現在,世界のメガキャリアは,一層の輸送の効率化に取り組んでおります。また,基幹航路におけるアライアンスの再編,あるいは船舶の大型化ということで,海運を取り巻く状況というのが我々の想像以上に急速に変化しているという状況でございます。  神戸港におきましても,国際コンテナ戦略港湾に選定されて以降,この競争力強化に資する世界標準となります16メートルの大水深の高規格コンテナターミナル,それから22列型の免震ガントリークレーンの整備,こういったことに取り組んでまいってきたところでございます。現在,ポートアイランド第2期のPC-15番から17番は完成をいたしましたが,引き続きまして六甲アイランドのRC-6番・7番の整備というものに着手しておるところでございます。  このコンテナ船の大型化と施設整備の関係でございますけれども,先ほど申しましたように,整備が完了いたしましたポートアイランド第2期におきましては,昨年の夏から1万TEU型の大型船が入港を開始しております。何とか施設整備が間に合ったということで,このターミナルを利用していただいております船会社からもそういった施設整備に対して高い評価をいただいておるというところでございます。  ただ,現在,六甲アイランドのほうでは,依然,水深が不足しているということでございまして,ガントリークレーンのリーチも不足しているということで,そういった積み荷調整,あるいは積みつけ調整というものを余儀なくされておりまして,一刻も早い施設整備というものが求められておるということでございます。六甲アイランドの6・7番については,こういう状況もございまして,平成25年度から高規格化に着手をしておるところでございます。  委員,先ほど御指摘のように,昨年度,アライアンスで大きな動きがございまして,一応,世界のメガキャリアと言われるところが10数社あるわけでございますが,昨年度,4大アライアンスに集約がされております。今後,この4大グループにおいて,世界の海運市場においていろんな動きが出てくるということでございます。また,一方,パナマ運河の拡張も1年後ぐらいに予定がされております。超大型船の建造も進んでいるという状況でございまして,今後,欧州航路だけでなく,北米航路においても一層の船舶の大型化が進んでいくものというふうに考えております。  現在,神戸港に寄港しております船会社からも,こういった状況を踏まえまして,より一層の施設整備,あるいは現実に昨年12月からは1万3,000TEU型の船の入港も開始しております。そういった船会社からもこれまで以上に施設整備に対する要望を受けておるところでございますが,なかなかまだ追いついていないという状況でございます。高規格コンテナターミナルの整備には一定の時間を要するということもございますので,今後もこういう海運の状況というものをよく予測をいたしまして,ユーザーからの要望に的確に応えることによって,この基幹航路の維持・拡大に向けて取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 8 ◯吉井みなと総局長 以上を踏まえまして,27年度の取り組みでございますけれども,先ほどもお話しいたしましたけども,現状の分析から,国際コンテナ戦略港湾の政策そのものを,私どもが行っております集貨・創貨の取り組みは間違っていないと考えております。この方向性は間違っていないと。  27年度が,ちょっとまだ国の予算の作業が少しおくれている状況なんですが,集貨につきまして,今年度と同規模の予算の獲得を目指しておりまして,釜山フィーダーからの転換,これ,西日本から集貨するために,海外フィーダー等の貨物誘致事業を引き続き中心になって実施していくということになってまいります。  そして,創貨につきましても,昨今の円安の加速等を見ますと,また海外等,人件費もかなり高騰しておりますので,国内消費分を国内生産に切りかえるという企業の動きが大分出てきております。これらの為替レートの動向とか,やはり国内のグローバル企業の動きをきちっと見定めまして,創貨につながる企業誘致に全力で取り組んでいくと,それで27年度も行っていきたいと思っています。  特に,国のほうは,昨年の後半から国際コンテナ戦略港湾の政策推進委員会のもとに,創貨に関する取り組みをさらに加速するために,実務的なワーキングを立ち上げております。この中で,国土交通省だけでなく,経済産業省,荷主,業界が入っておりまして,当然,私ども,これに参画いたしておりまして,今後のベースカーゴになる創貨に対する実務的な議論を始めたというふうにしております。そういう国の動きとも合わせまして,創貨については,また27年度は1つの柱に据えてきっちりやっていきたいと思っております。  こういうことで,27年度もできましたら国際コンテナ戦略港湾,これを推進させていただきまして,平成6年に神戸港で過去最高の293万だったと思いますけども──上ってましたが,まずはこれを目指して,290万,これを目標に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。  以上です。 9 ◯分科員(坊 やすなが) いろいろとお話をいただきました。  ちょっと教えてほしいんですけれども,今のお話からいけば,全体の貨物が6万TEU伸びているということですけど,その中身を見ると,これは,空コンの中にもっと荷物がふえてきたということで,それプラス6万TEUふえたということで,全体の荷物がふえたということのイメージでいいんですよね。 10 ◯吉井みなと総局長 そうです。コンテナ取扱量は,どうしても貨物の入っている実入りのコンテナと,これを1個取り扱っても1つと。その空のコンテナを返却するために,これを取り扱っても1個ということで数えますので,どうしても実際の貨物が入っても,船社はやはり空コンを出すならば,それに荷物を入れるんだという動きをすぐ行いますので,これはちょっと輸出港の弱みですけども,そういう意味では,貨物がふえても一律でコンテナ取扱量がふえてこないというのが少し今回きっちり読めたということになります。 11 ◯分科員(坊 やすなが) となると,先ほどおっしゃった内航フィーダー,これがふえたと。これ,西日本が主ですか,今おっしゃっていましたけど。 12 ◯吉井みなと総局長 委員がおっしゃるとおり,実は,地方港は,コンテナが行ったら,そのままそれが入って帰ってきますので,要は1・1でふえていくわけですね。ですから,内航フィーダーの実入りがそれだけふえて,外部の実入りがふえているということは,西日本の貨物,空コンじゃなくて貨物をしっかりと集貨できたということで思っております。 13 ◯分科員(坊 やすなが) ということは,うれしいんですが,一方で,韓国へ行く荷物もふえたとおっしゃっていたんですね。素人が考えますと,じゃあ西日本の貨物が急にふえたのかというふうに錯覚をするんですが,その辺,どう解説されるんですか。 14 ◯吉井みなと総局長 実は,韓国フィーダーが神戸港と同規模の3万TEUほどふえております。これ,実入りか空かはちょっとつかめてはおりませんけれども,ただ,西日本の企業の状況を見ますと,昨年の円安傾向から生産量がかなりふえてきていると。これは,実は,業界の方にも確認しましたら,実感として経済は上向いて貨物がふえているというふうには聞いておりますので,やはり西日本トータルではかなりふえてきていると。ただ,やはり先ほどの数字からいきますと,ふえた分の半分は,神戸港はきちっととれたけども,残りはやはり釜山にとられているというのが実態だと思います。 15 ◯分科員(坊 やすなが) ターミナルコストが韓国と同等に勝負ができるようになったということと,それから,その中で地方港に対して国のほうからインセンティブをやめろと,海外へ持っていく荷物に対してですね──という通達が出て,それが実効性のあるものにはなっているんですか。実際,そのインセンティブは皆廃止をしていっているわけですかね。 16 ◯吉井みなと総局長 地方港のほうは,実は,一昨年ですけども,本省の港湾局長みずから西日本の地方整備局を回っていただきまして,そういう意味では,かなり実効性は出てきております。例えば,内航フィーダー航路の助成を私どもの内航フィーダーに対しても,釜山フィーダーと同じように助成の対象を含めた動きも,例えば,大きな下関港とか,近辺の高松港等々で動きが出てきております。また,ストレートに助成の対象を釜山航路は除外するというような動きも,これ,実は近隣の徳島・小松島港で既に出始めております。  そういう意味で,やっぱり国がきちっと動いていただければ,そういう動きも出てくるんですけれども,ただ,まだ完全に全て実効性があるのかというと少しクエスチョンのところもありますので,この辺は国のほうにさらに求めていきたいと思っています。 17 ◯分科員(坊 やすなが) きょうだけじゃなしにこれまでの説明を聞いていますと,これは私の勝手な誤解なのかもしれませんが,やはりもっと一気に荷物がふえるというふうに受け取っている部分があったわけです。そんな中で,競争するための条件というものも大体釜山と同等になってきたという中で,新たにふえた荷物の取り合いが引き分けというぐらいになったということですね,現実的に。その辺がよくわからへんのですね。国交省も地方港に対してしっかり言っていただいている,神戸市も一生懸命やっている中で,ふえたといってもまだ韓国へ持っていかれているという部分について非常に気になるんですが,ここはどのようにお考えですか。 18 ◯吉井みなと総局長 確かにコストの面はかなり追いついてきておりますけども,実は,やっぱり九州のほうはやはりまだ釜山に近いということで,まだ少し厳しい状況はあります。  それと,一旦取り返した貨物につきましても少し調べてみますと,再度釜山フィーダーに載っているというのもございます。これは,釜山港と私どもでやっぱり競争関係が続いているということですね。私ども,釜山のデータを実は震災後ぐらいからしかつかめていませんでして,実は,釜山港は,今で言えば,もう20年かけてここまで来ておりまして,現在,西日本の諸港から大体65万個のコンテナが流れていっていると。私ども,やっと何とか対抗できるという状態でも,釜山港は昨年伸びておる,釜山港の西日本からのフィーダーは伸びておるということで,やっと逆に競争のテーブルに着けたと思っておりますので,ただ,やっている方向は間違っていないんだと思っておりますので,これは強力に推進していきたいと思っております。 19 ◯分科員(坊 やすなが) やっている方向が間違っていないということについて,そこに異論を挟むことはないんですが,実際,まだまだそんなに競争になっていないということです。テーブルに着いたということなので,余り言っても仕方がないのかもしれませんが,何かもうちょっと期待ができるのかなという,現実に数字としてもっと動くのかなと。少なくとも釜山に行く貨物がふえるなんていう発想では聞いていなかったわけですね。そんな中でふえているということは,コスト以外にいろんな状況があるんだろうと思うんですが,そこは冷静に分析をされて,今年度から立てた作戦は今年度からこなしていけるという状況にあるのかないのかというのを教えてほしいんです。 20 ◯吉井みなと総局長 こうして新たに中国・東南アジアの貨物も少し取り込むような新しいインセンティブも設けております。実は,これは,昨年,私どもが中国の港のほうに行きましたら,実は,中国の1,000万TEUを取り扱っている港でさえ,やはり釜山港に流れていると。それほど釜山フィーダーは強いという。ということで,中国の港湾のほうも,釜山フィーダーに対するインセンティブを出すような,そんな状況になってきております。  私ども,国の予算はちょっとまだなかなか確定していないんで,あれなんですけども,昨年と同等規模の集貨予算,これを確保するつもりでございますので,中身については,業界に対してこれでいけるかというのを確認しながらやっていきますので,そういう意味では,同じ内容とほぼ変わらずやっていくんですけども,中身については業界と話をして微修正をしながら確実に奪還できるような作業をやっていくということになっております。 21 ◯分科員(坊 やすなが) 済みません,あとまだ質問があるんで次に行きたいんですが,どうしてもちょっと気になるんで聞きたいんですが,なぜじゃあそんなに韓国船社が強いのかというのをちょっと説明をいただきたい。普通,コストが合ってくると,そんなに負ける話じゃないと思うんです。中国でもそういうことが言われている。イメージからいくと,中国のほうがコストが安いんちゃうかと思うんですが,韓国が強いという。これは一体何なんでしょう。 22 ◯吉井みなと総局長 実は,内航船につきましては,ちょっとかなり規制緩和になりましたけども,例えば,乗組員の数,それからその資格,これが当然,釜山フィーダーに対して日本は大体1.34倍ぐらいコストがかかります。それから,燃料船につきましても,当然,国内の内航船については消費税もかかりますし,海外の釜山フィーダーについてはかかりません。  もう1つ大きいのは,これ,多少やられているんですけども,改正省エネ法で,当然,内航フィーダーの貨物が載りますと,これ,CO2カウントが必ずメーカーにはつきまとってくるんですね。ただ,釜山フィーダーはすぐ外航航路となりますので,いわゆるCO2カウントが全くありません。そういう意味で,まだまだ内航船が釜山フィーダーに対抗するには,コストの面だけでは,トータルの施策がないとなかなか厳しいということで,これは現在,国にもお願いしているところです。  もう1つ,やっぱり一番厳しいのは,韓国は,いわゆる外に開いている港,これについては釜山と仁川と,それから光陽の3港に絞っております。ほかは全て海外には物が出せないんだということで,内貿で全部集中していると。そういうきちっとした国策のもとに動いておりますので,これも私ども,国のほうには日本のハブ機能を確保するためにはさらに強力に推進していただきたいというふうに要望してまいりたいと思っております。 23 ◯分科員(坊 やすなが) まだ始まったところですから,競争のテーブルに着いたということなんで,期待をとりあえずしておきます。いろいろ聞きたいんですが,ちょっと次に行きたいんで,この辺にしておきたいと思っています。  次に,在来貨物について,これ,コンテナとまた別ですけれども,これは神戸が一番強みを持っているところですね。技術的にも技術者が集まっておりますし,これまでの伝統というものもあります。これについてちょっと質問したいと思います。  国際競争力強化に資するものとして,国際コンテナ戦略港湾に重点的に取り組まれているが,神戸港の機能強化という点では,コンテナ以外のさまざまな貨物の取り扱いも非常に重要な要素であります。開港150年を2年後に向かえる神戸港は,重量物の扱いに関して,その歴史に裏打ちされた高い技術力や施設を有しております。例えば,鉄道車両の輸出時の神戸港利用は余りにも有名でありますし,巨大な天体望遠鏡など特殊な重量物も扱っていると聞きます。これは,専用船への積み込み技術だけではなく,組み立てや保管に際しての高い技術とノウハウを有し,さらには設備も整っているということから,神戸港を選択していただいていると思います。  また,在来貨物は,機械化されたコンテナ荷役と異なり,取り扱いには多くの熟練した技術者が必要となります。つまり同じ量を取り扱うにしても,在来貨物のほうが雇用創出効果は高いというふうに思うわけでございます。  港湾管理者として,そういった神戸港の強みを伸ばせるようにこれまでも取り組んでいくということは聞いておりますので,それは理解しておるんですが,少し結果が出ていないような気もしておりまして,もう1歩踏み込んでやるべきかなというふうに思うんですが,どういうふうにお考えでしょうか。 24 ◯吉井みなと総局長 委員御指摘のとおり,神戸港のもう1つの強みは,こういう特殊な貨物,特に重量物を取り扱うのが大きな強みでございます。コンテナ以外の在来貨物取扱量は,25年は,26年も対前年比で大体4~5%の伸びを示しておりまして,やはりこれは神戸港の強みでございます。特に,神戸港は,重厚長大産業とともに発展しておりますので,委員御指摘のとおり,特に重量物に対する保管・こん包・積み込み,他者より高い技術を持っております。  ということで,委員からも事例をいただきましたけども,例えば,ことしの1月に英国向けの高速鉄道の新型車両,これが山口県の工場で製造されたものですけども,積み出しは神戸港となっております。それから,これについては,平成31年ごろまで約870両出ていくということで,これは全て神戸港から出ていくことになっております。もう1つは,委員も言っていただきましたけども,例えば,電波望遠鏡のアンテナ,これは1個30トンするものでございますけども,これもやはり神戸港でなければ取り扱えないということで,これも神戸港から南米のほうに出て行っております。実は,こういう神戸港の一番強いところなんですけども,これは引き続き対外的にPRしてやってまいります。  こういう私ども,在来貨物の輸送させる技術とか,企業に対しましてさらに立地しやすい環境を少し整えなければならないんだと思っておりまして,これについては,業界の──私ども,スペースがなかなか厳しくなってきておりますので,業界と一緒にしっかりと調整など取り組んでいきたいと考えております。  以上です。 25 ◯分科員(坊 やすなが) いろいろ動いていただいているのはわかっていますが,神戸にしかないんですよね,屋内ででかいものを入れられるというのは。あとは1,000坪ぐらい程度の倉庫しか日本の中にないということで,ここを集中的に投資するということであったり,また企業を,1社ではだめなんであれば,別の企業ができるような誘導もするべきやと思います。何社かで日本の全体のこういった特殊なものについてはきっちり神戸で押さえるということが,これ,やりやすい案件やと思うんですけれども,いろいろ今までのしきたりとか,港の雰囲気とかというのもあるんでしょうが,でも,これもできないんやったら,それはほか何もできんような気がするんですが,ちょっともう少し踏み込んで結果を出すというところまでちょっとおっしゃっていただきたいんですが。 26 ◯吉井みなと総局長 ちょっともごもご言いますけども,神戸港もなかなかいろんなしきたりっぽいのもございますけども,ただ,業界調整で私ども,サボるわけじゃなくて,しっかり取り組んで,特にこの重量貨物につきましては,ましてや神戸港の一番の強みでもございますので,これについてはきちっと結果を出していくように取り組んでまいります。 27 ◯分科員(坊 やすなが) ということなので,大いに期待しますけど,これ,できひんかったら,ほか多分何もできひんような気がしますんで,しっかり早急に結果が出るようにやっていただけたらと思います。  じゃあ,最後に,空港について質問させていただきます。  まず,けさ,仙台-神戸便が廃止になるんじゃないかというような記事を見たんですけれども,これは多くの人が心配していると思うんですが,これはどのようなことなんでしょうか。ちょっとまず最初に聞かせていただきたいと思います。 28 ◯吉井みなと総局長 けさの神戸新聞に,スカイマークの仙台-神戸線の廃止検討と,大きな見出しで載っておりました。私も新聞を確認した瞬間に,隣にいる岡田部長がスカイマークのネットワーク担当部長にすぐ確認をいたしました。そういう事実は全くございませんというお話でございましたので,御安心してください。 29 ◯分科員(坊 やすなが) ちょっと安心はできひんかもしれませんが,一応そういう見解でしたら,今のところ,そういうことということですね。わかりました。  じゃあ,空港の質問に移ります。  3空港の一体運営によって運用時間の延長や発着枠の拡大といった機能充実につながっていくことを非常に期待しておりますけれども,そのためには,今後,関空・伊丹の運営権者に対して神戸空港をしっかりと有効活用するような働きかけをしていただきたいと思います。例えば,市内には既に海外の航空機メーカーに機体やエンジン,部品などを納入している企業があることを1つの強みと考えることができますし,あわせて産業振興局の新年度予算でも市内中小企業に対して今後市場拡大が見込まれる航空・宇宙分野への参入を促す制度を打ち出しております。今後15年ほどで世界の旅客機数は倍増すると見られておりまして,拡大する航空機産業に関する企業が神戸空港の周辺に集積していることや滑走路に面した貴重な用地があることを強みと捉えて,オール神戸で神戸空港の付加価値を高めていく発想が必要と考えておりますけれども,具体的にどのようにお考えなのか,お聞かせいただきたいと思います。 30 ◯吉井みなと総局長 委員御指摘のとおり,市内及び周辺には特に航空・宇宙分野の企業がたくさん立地しておりまして,例えば,海外の航空エンジンメーカーにジェットエンジンの主要部材を入れています川重さんとか,国内初のジェット旅客機のMRJの主翼関連部品を生産されている三菱重工業さん,水陸両用の救難飛行艇,それからボーイング787の民間旅客機の主翼下・胴体の主要部材を製造されております新明和工業さん,それから私どもの神戸空港島におられます世界最大のヘリコプターメーカーのエアバスさん,それから,例えば,少し離れて高砂のほう,航空機のチタン合金を製造されています神戸製鋼所さん,尼崎には航空機の車輪やプロペラシステムを製造されているような住友精密工業さんと,さまざまな分野で航空関連企業が実は結構集積をしております。これは,神戸空港にとっては大きな強みになっていると考えております。  あわせて,昨年6月に神戸市の機械金属工業会,これは西神工業団地を中心に活動されていますけども,航空機産業クラスター研究会を発足されております。同研究会で,やっぱり人材育成のための研修会とか,あとは航空機部材を取り扱うためには,実は,国際的な品質規格の認証取得,これが必要でございますので,これに取り組まれているというような状況でございます。  そういうことで,神戸の中小企業の航空分野の新規参入について大いに機運が高まっており,将来,こういう主力メーカーとあわせまして,神戸で,オール神戸で航空機の素材を生産していけるんじゃないかと思っております。そういうことで,27年度の予算で産業振興局は,成長分野の中小製造業の投資促進等の助成制度,これを拡充していただいたり,サプライチェーンの構築支援を提案しておりますので,神戸市側も環境を整え始めているということです。  やはりこういうふうな取り組みを順次重ねていく中で,実は,私ども,神戸空港の土地も滑走路に隣接しているということで,複数の企業からやはり何とか神戸空港島にいわゆる立地したいという航空機関連の企業も現在ございます。ただ,なかなか最終進出にはちょっと至っておらないんですけども,現在,交渉を引き続きやっているところでございます。こういうことがやはり神戸空港の付加価値をきちっと上げるものだと思っておりますので,こういう企業誘致についてもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
     以上です。 31 ◯分科員(坊 やすなが) やっぱりそのコンセッションの準備に入るということですけど,今言いましたように,極力高くいくのが神戸にとっては重要だと思いますから,魅力をしっかり伝えていただきたいということです。  特に,港の部分というのは,私もそんなに全然わかっていませんけれども,基本的には一般の人は何もわからないということやと思うんですね,港について。港がどういうかかわり方をして,どのような利用ができて,どうなっているかという部分は,やっぱりちょっとしっかり説明したほうがいいんじゃないかなと思っていまして,航空機の部品とか宇宙産業の部品なんていうのは,トラックでも動かすんでしょうけど,海を通っているのも多いんじゃないですかね。MRJにしても,小牧で組み立てていますけれども,土地がなくなってきたということも聞いておりますし,海と両方の強みを持っているというのも,しかも空港がそこにあるというのも非常に強みだと思いますし,ここを極端には,私みたいな素人にでもこれはすごい魅力やなとわかるぐらいの説明力というんですか,そういう部分が,プレゼンのやり方というんですか,そういうのにしっかり特化というんですか,真剣に考えていっていただくことこそが価値の高さを認めてもらうということになると思うんですけど,何か具体的に今お考えがあるんですか,港のことについても。 32 ◯吉井みなと総局長 実は,神戸空港そのものは,現状でいきましたら,30便の枠と運用時間の制限があるということで,なかなか貨物は取り扱いづらい状態にあります。  ただ,実は,神戸空港島でも,今,3社ほど物流企業と,それから航空機関連の製造業メーカーが進出していただいておりますけども,彼らはやはり将来的な神戸空港の価値というのを少し見定めておりまして,特に荷主さんなんかにいたしましたら,大きいものは通常コストの安い港で運ぶんだけれども,新しい選択肢ですと,急いで運ぶときに空港があるというのは,実はこれ,荷主さんにとっては物すごいメリットなんです。  ただ,残念ながら,現状はなかなか私ども,縛りがあるので,なかなかそこまで踏み出せないという状況もございますけども,そういう意味では,神戸空港はかなりのポテンシャルは高いというふうに思っております。そういうことを1つ1つ,コンセッションに向かっては御説明申し上げて,委員が言われるように,価値を高めていきたいとは思っております。 33 ◯分科員(坊 やすなが) 時間が来ましたので終わりますが,要するに,民間企業が運営するということになりましたら,ぺこぺこして国に頼みに行くような立場でもなくなるわけですから,もっと使い勝手をようしてくれというのは当たり前のように意見を言うわけで,基本的には規制なんていうのはもっともっと緩くなるんだろうと,それはよくお考えのとおりやと思いますので,そうなった以降のことまでしっかりアピールしていただいて,より価値を高め──高いということをよく御理解をしてもらうように努力をしていただきたいというふうに思いますので,よろしくお願いいたします。  以上です。 34 ◯主査(梅田幸広) どうも御苦労さまでした。  味口委員,発言席へどうぞ。 35 ◯分科員(味口としゆき) 日本共産党の味口としゆきです。一問一答式でやりますので,よろしくお願いします。  みなと総局の神戸市新都市整備事業会計予算では,計画的開発団地のリノベーション事業について,名谷南センター・高倉台の課題について述べるとともに,鶴甲会館及び渦森会館の再整備については,地域のニーズに応じた機能を持った施設となるよう,地元協議を進めるとしています。そこで,鶴甲会館の問題について伺いますが,まず鶴甲会館の問題,地元協議は現段階でどうなっているのか,示してください。 36 ◯小椋みなと総局担当部長 それでは,私のほうから御答弁申し上げます。  鶴甲会館に関しましては,一昨年の末より地元の連合自治会と協議を進めてきてまいってございます。神戸市のほうからは,地元管理というのを前提に,規模の適正化を図りながら再整備をしてはいかがかというようなことを御提案申し上げまして,それに基づいて連合自治会も今検討していただいているということで,昨年の4月から実際に連合自治会の総会において一応検討しようということで合意をいただいて,昨年の4月から役員の方と検討しておるというような状況でございまして,昨年の12月23日には地元住民全員を対象とするような地元説明会も開催をさせていただいたというところでございます。  以上でございます。 37 ◯分科員(味口としゆき) 12月23日の地元説明会の問題,言われました。そこでどんな意見が出されましたか。 38 ◯小椋みなと総局担当部長 当日の地元説明会では,当面,耐震改修を先にすべきであるというような意見とか,あるいは市が責任を持って引き続き運営すべきであると。あと,今後もこの説明会等を開催してほしいといったような意見が出されました。我々の思いとはちょっと違うような意見も出されたというところでございます。 39 ◯分科員(味口としゆき) 大変厳しい意見が出されたということは私も聞いてます。少し紹介しておきたいと思います。鶴甲会館は子供たちにとって学習する場である。プールもテニスコートも大切。もっと子供のことに神戸市はお金を使うべき,重視すべきだと。神戸市は本当に子供の教育を考えているのかと,こういう意見が出されたと聞いています。  それから,もう1点は,会館は閉鎖,新しい集会所ができるまで長期間,コミュニティーセンターはなしということになる。これでは私たち住民は納得できない。耐震工事をしながら考えるべきだ。小学校でもほかにも耐震工事をしながら利用している事例は幾らでもあるではないかと,このような意見が出されたと聞いています。  それで,今,部長が言われましたように,自分たちの思いとは違うことが出てくる。それは当たり前なんですね。だから,地元協議はやるわけで,私,こうした意見に対して局としてどう答えようとしているのか,お聞きしたいと思います。 40 ◯小椋みなと総局担当部長 今おっしゃられたようないろんな意見が出てきたというのは事実でございまして,ただ,みなと総局の考え方というのは,今申し上げましたとおり,地元の管理を前提とした規模の適正化を図りながら──ただ,これはあくまでもその思いを持って,今,地元協議をしておるというところでございますので,そのいろんな意見も参考にしながら,また引き続き地元協議を続けていきたいというふうに思ってございます。 41 ◯分科員(味口としゆき) 余りこれ,先走りしませんけども,今の部長の答弁で言いますと,みなと総局の考え方はこうなんだということが物すごく前に出るんですね。でも,やっぱりここの事業会計の予算のところに書かれているように,地域のニーズに応じた施設となるように地元協議を進めるという,この点にやっぱりきちっと立って,私は,先にみなと総局はこういう考え方なんでというのはちょっと引っ込めてやっぱりやる必要があると思うんですが,いかがですか。 42 ◯小椋みなと総局担当部長 この会館・集会所につきましては,この鶴甲だけではなくて,委員も御承知かと思いますけども,みなと総局が団地開発者として,開発団地のコミュニティー施設として,住民の福祉の増進と文化の向上を図るために,昭和40年代以降,こちら,設置してきたものでございます。  設置以降,多くの地域住民の集会とか,あるいは文化教室等に御利用されて,その役割を果たしてきたところでございますけれども,時代の流れとともに利用形態も変わってきておると。同種の施設の整備とか,住民の方々の高齢化等の問題から利用率も低下してきているといった現状もございます。  その中で,これまで事務事業の外部評価等におきましても,住民自治組織による管理,あるいは民間事業者による管理への切りかえを検討すべきだといったような指摘や,またみなと総局の外郭団体あり方検討委員会におきましても,これらの施設は地域住民による自主管理が望ましいといったような意見をいただいてございます。原則,そのような方向で進めようということでしておりますので,その方向性をお示ししているというところでございます。 43 ◯分科員(味口としゆき) 時代の流れだと,同種の施設があるんだと。鶴甲の地域にこういう会館は,ほかに同種の施設,できているんですか。 44 ◯小椋みなと総局担当部長 同種の施設と申しましたのが,例えば,地域福祉センター等を想定して申し上げました。 45 ◯分科員(味口としゆき) 地域福祉センターにテニスコートやプールはあるんですか。 46 ◯小椋みなと総局担当部長 それはございません。 47 ◯分科員(味口としゆき) 全然同種の施設と違うんですよ。だから,あれはあれとしてきちっと要るということをまず認めていただきたいと思うんですね。  それで,いろいろ言われているんですけども,まず私,この問題を考える際に大事だと思っているのは,第1は,やっぱり株式会社Oこうべ,それからやっぱり市の責任をしっかり踏まえて対応していただきたいと思っているんです。それで,そもそも,今おっしゃられたように,鶴甲の団地というのは,43年だったと思いますが,神戸市が開発をした団地です。鶴甲の管理だから鶴甲会館の運営や管理は市が責任を持つと。だから,市の外郭団体である株式会社Oこうべがやっていると,こうなっていると思うんですね。  それで,これらの経緯から見るならば,当面,その耐震工事をするのか,それか適地を見つけて移転するのか,これはいろんな考え方が今からあると思うんです,振り幅は。しかし,やっぱり株式会社Oこうべの管理運営ということはきちっと継続すべきだと私は思っていますが,いかがでしょうか。 48 ◯小椋みなと総局担当部長 株式会社Oこうべでございますけれども,これは開発管理事業団とニュータウン開発センターと海上アクセスが合併した会社でございます。その経営統合前から駅前のショッピングセンターとか近隣センターにおいて生活利便施設を設置・運営し,神戸市と連携しながら開発団地のまちづくり及び住民の福祉の増進に大きな役割を果たしてきたところでございます。  その経営統合をいたしまして,旧の開発管理事業団が株式会社ということになったわけでございますけれども,そういいましても市の外郭団体ということでございまして,市の施策と連携して事業展開を図るということは当然のことでございますので,統合後の経営理念としても,地域社会に貢献し続ける企業を目指すということを掲げておりまして,これからもその役割,責任は持って行われるものというふうに考えてございます。  ただ,この会館・集会所の運営につきましては,先ほども申しましたけども,事務事業の見直しなり,外郭団体のあり方検討委員会等において,地域による自主管理が望ましいというような意見を受けて,市としてその方向で今進めておりますので,OMこうべも市の方針に合わせて検討しておるというところでございます。 49 ◯分科員(味口としゆき) 物すごく答弁が矛盾しているなと思うんですね。  これは,2013年の5月22日に株式会社Oこうべに対する外郭団体に関する特別委員会での質疑です。示したいと思うんですが,当時の田上株式会社Oこうべ代表取締役専務は,私に対してこう言っているんですね。先ほど言われたことなんです。開発管理事業団あるいはニュータウン開発センターで目標としておりました地域貢献であるとか,あるいはお客様サービスなり福祉の観点についてはいささかも後退するものではございませんと。株式会社として統合いたしましたけども,営利事業だけに特化した団体になるということは決してございません。こういうふうに語っているんですね。  それで,今,部長が言われたように,そもそもOこうべができたのはそういう経緯なんだということは認めておられるわけです。ただ,いや,それはそうなんだけども,鶴甲会館については地元管理なんだと,OMこうべは手を引きますよということになれば,これは当然,福祉の後退というか,地域貢献の後退になることは,これは明白なんですね。ですから,やっぱりここで掲げられているように,地域貢献の後退や福祉,お客様サービスの後退にならないようにやっぱり私はやるべきだと思うんですが,いかがでしょうか。 50 ◯小椋みなと総局担当部長 今の御質問でございますけども,鶴甲会館の地元管理につきまして,地元管理になればOこうべが地域貢献から後退するというようなお話でございましたけども,そういうものではなくて,先ほどの神戸市の方針等に基づいて,会館の再整備に当たりましては,地元の方々の声を十分に伺った上で,地元ニーズに沿った機能を持った施設となるように協議を進めていきたいと思っておりまして,それがひいては地域の活性化とかオールドタウン化対策につながるものというふうに考えてございますので,そのような整備になるように今後,地元と協議をしていきたいというふうに考えてございます。 51 ◯分科員(味口としゆき) もちろん地元の協議を進めていただきたいんですが,しかし,その地元の管理運営ということを余り金科玉条にする必要は私は全然ないと思うんです。  それで,ちょっとOこうべのことをもう少し言いたいんですけど,OMこうべの今いろんな宣伝広告を見ますと,大体出てくるのは,まず海上アクセスですよ。それから,プレンティとかパティオ,ここは大いに出てきますわね。ただ,近隣センターとか,そんなことは何も書いていません。それは営業活動なんだというふうに言われるかもしれないけども,地元の方がどう言っているか,私,ちゃんと聞いてほしいと思うんです。こういうふうに言われている方がいらっしゃるんですよ。海上アクセスには158億円もつぎ込みながら,何で会館の改修2,000万円は高いとなるんやろうと。私は,OMこうべが海上アクセス社を統合したことでこういうゆがみが出ているんなら,これはやっぱり正すべきだと思いますが,いかがでしょうか。 52 ◯吉井みなと総局長 海上アクセスのOMへの統合と会館問題,全く別物でございます。そもそも,開発管理事業団とニュータウン開発センターが統合しておりますけれども,もともと開発管理事業団は──私ども,当時,神戸市の開発局でございますけども,昭和30年代の後半から,当時の社会情勢からいけば,住宅需要に逼迫していると,なおかつ神戸市から人口が流出していると,これを食いとめるということで,神戸市の住宅の環境改善も含めまして住宅団地の整備に入っていったわけでございますけれども,当時の状況でいきましたら,民間のいろんな施設もない状況で住民サービスをする神戸市そのものの施策もないと,そういう状況の中,団地開発のときにこういう会館を地域サービスということで始めたということでございます。  ただ,それは,当然,時代とともに民間事業者もいろんなことをするのが出てこられまして,もし今同じことをするとなると,ああいう大規模な会館は当然整備いたしませんし,また現在の民間開発団地の流れから見ましても,当然,地域の方のほうがなかなか活発に動かれておりますので,最終的には地域の方がその地域の使いやすいようにしていただくのが私どもは最良と思っていますので,その方向で進めております。  それと,そういう私どもの政策と,それから海上アクセスの統合の話につきまして,これは全く別物と考えておりますので,ちょっと一緒に議論するようなことではないと思っています。  以上です。 53 ◯分科員(味口としゆき) 今の局長の答弁,僕,2つぐらいおかしいなと思う点があるんですけどね。1つは,鶴甲,来たことあります,局長。民間の施設でそんな利便施設ありますか。知っているんですか。 54 ◯吉井みなと総局長 鶴甲団地のことではなくて,当時の社会情勢でつくった団地と,今もし再度つくるならばということを申しただけです。現在の鶴甲団地の話ではございません。 55 ◯分科員(味口としゆき) じゃあ,当時のことをちょっと私も調べてきました。神戸市の開発局の須磨ニュータウン誌,こういうのを出していますよね。ここでどう書いていますかといいますと,まちづくりの基本方針,コミュニティーの育成として,こう書かれているんです。コミュニティーは,本来,そこに住みつく人々が時間をかけて創造していくものであり,ディベロッパーの役割はその活動を可能にするよう条件整備をすることにあると。個々の住民のコミュニティー形成への参加を促進するため,各種施設の配置計画を行うこととしていると。  つまり時間がかかるんだということをずっと言っているわけですね。時代の流れとともにそんなんは変わったらあかんのです。ここでは,ディベロッパー,つまり神戸市の役割をちゃんと書いているんですよ。こういう思いでまちづくりをしたと書いてあるんです。それを時代の流れがこうだからということで私は簡単に変えるべきではないというか,リノベーション事業に対して,こういう当初,神戸市の開発局が掲げていた理念を消し去って地元の管理運営にするということはもう絶対に認められないと思っているんですが,いかがでしょうか。 56 ◯吉井みなと総局長 理念は,私ども,一切変えてございません。時代の流れと申しますのは,他団地におきましては,逆に住民のほうから私どもにさせていただきたいと,役所のことなんか要らないと言っているような地域もございます。そういう意味で,私どもは,繰り返しになりますけども,地元協議をさせていただいて,よりよい方向でまとめていきたいということを繰り返し申し上げておりますけども,私たちが一番ベストと思っている方法は,地元の方に管理していただくということだということです。 57 ◯分科員(味口としゆき) 局長,説明会の意見,読んでるんですか。ほかの団地のことはいいんですよ。鶴甲で役所は置いといてくださいなんていう意見,1つでも出てますか。 58 ◯吉井みなと総局長 ちょっと詳細はまた部長のほうから。  説明会の意見は,私ども,ちゃんと読んでおります。その上ででも,私どもは,鶴甲団地については住民に管理していただくほうが住民の方にとっていいと考えておるところでございます。 59 ◯分科員(味口としゆき) その結論ありきのやり方はほんまやめるべきというか。そもそもに戻りますと,この予算説明書に書かれたとおりにやっぱりやるべきだと思いますよ。地域のニーズに応じた機能となるよう地元協議を進める,ここしか書いていないじゃないですか。せやけど,これはこう書いてありますけども,私はこうなっているんですよなんていう説明,ありますか,そんなん。おかしいでしょう。 60 ◯吉井みなと総局長 私はおかしいとは思っておりません。地元協議をすると,その上で私どもの方針はこうだと申し上げているということでございます。 61 ◯分科員(味口としゆき) それは,本当に結論先にありきのやり方やと思うんですね。だから,やっぱりそれは僕はやめるべきだ。ここは平行線になりますからやめますけど,それは指摘しておきたいと思います。  それで,もう1個は,局長も部長も頭の中にあるというか,背景にあるのは,事務事業の見直しの問題だと思うんですね。それで,私もそれを見ました。平成23年の12月27日,出されているみなと総局外郭団体の改革に関する意見書です。ここで,公益的施設及び体育・レクリエーション施設の運営のあり方が示されているんですが,開発団地における会館・集会所についてはどういうふうに書かれていますか。 62 ◯小椋みなと総局担当部長 一番下のほうで申し上げますと,そもそも開発団地における会館・集会所は,神戸市が団地開発者として建設したものであり,地元に移管することを検討すべきであると書かれているかと思います。 63 ◯分科員(味口としゆき) 変な文章だと思いませんか。 64 ◯小椋みなと総局担当部長 特段,そういう意見は持っておりません。 65 ◯分科員(味口としゆき) 僕,これ,本当に読んで変な文章だなと思ったんですよ。開発団地における会館・集会所は,神戸市が団地開発者として,ディベロッパーとして建設したものであり,地元に移管することを検討するべきであると。これ,つながっていないでしょう。普通,私が考えるんなら,神戸市が団地開発者,ディベロッパーとして建設したものだから,神戸市が管理運営するというのが当たり前じゃないですか。違いますか。 66 ◯小椋みなと総局担当部長 ここで,神戸市というところで,団地開発者としての神戸市と,いわゆる一般施策,行政としての神戸市とあろうかと思いますけども,通常,民間の開発団地なり旧市街地における地域の集会所等につきましては,そのまま地元のほうで管理をするという形になっておりますので,団地開発者としての神戸市が開発した団地ということであれば,最終的にはそういう地元管理というようなことになるべきであろうという意見だと考えてございます。 67 ◯分科員(味口としゆき) きょう,鶴甲からお越しの方も傍聴されていますけど,こんなことで全然多分納得しないと思いますよ。  もう1点,この点で聞きたいのは,民間のディベロッパーだったら,そういうケース,私,あると思うんですが,だからというふうに思っているということですか。 68 ◯小椋みなと総局担当部長 だからといいますか,団地開発,先ほど申しましたように,当時,行政のニーズがあって開発したところでございますけども,それで会館・集会所等もそういう利用をしてきたということですけども,時代の変化とともに利用形態も変わってきておると。周辺の施設もできてきておるような状態になってきておりますので,将来にわたって市が施設を維持していくというものではないというふうに考えてございます。 69 ◯分科員(味口としゆき) 細かくなりますけど,周辺の施設というのは,さっき言いましたように,別にないんです,鶴甲の地域は。同じようなものはないんですよ。それで,ニーズは変わったと言うんですが,どういうふうに変わったと考えておるんですか。 70 ◯小椋みなと総局担当部長 地域課題に関するニーズにつきましては,そこの会館よりも今は地域福祉センターのほうでいろいろ利用されているということでございますので,自治会の集会等,当然まだ必要な利用というのはございますし,文化教室等の利用はございますけども,一般的な地域福祉センターができてから,地域のさまざまな団体の活動については地域福祉センターのほうで利用されているんではないかなというふうに考えてございます。 71 ◯分科員(味口としゆき) だから,もうその点で大体語っているんです。だから,文化教室とかテニスとか,やっぱりそこの固有の鶴甲会館が果たしている役割ということを地域の皆さんは物すごい大事にされているんですよ。だから,それは,今おっしゃったような周辺の施設ができたとか,ニーズが変わったからというようなことで,全然これ,合理化できるものではないというのは認めてくださいよ。 72 ◯小椋みなと総局担当部長 ですから,これを廃止しようというふうに私どもは申しているわけではございませんので,その地域のニーズに合ったような利用形態・機能を導入することを,協議をした上で再整備をしようと。ただ,地元管理ということで考えていただきたいということで御提案を申し上げておるというところでございます。 73 ◯分科員(味口としゆき) もう1点,ちょっと聞きたいのは,やっぱり民間のディベロッパーと,私は,自治体である神戸市が開発したことについては,やっぱり大きい違いがあるというふうに思っているんですが,その点はどう考えておられますか。 74 ◯小椋みなと総局担当部長 先ほど,昭和40年代当初の行政ニーズというのでは,行政というのがありましたけども,現在,もうまちが成熟してきておるという現時点であれば,ほかの公平性等の観点から見れば問題ないと,違いはないというふうに考えてございます。 75 ◯分科員(味口としゆき) もうちょっとわかりやすうしゃべってほしいんですけど。  成熟したと,だから自治体は管理運営しなくていいということにつながっとうという理解でよろしいか。 76 ◯小椋みなと総局担当部長 当初は,そういう行政ニーズに基づいて行政として建ててきて運営をしてきておったんですけども,ただ,時代の変化とともに,やはりいつまでも将来的に行政がそれを持ち続けるというような施設ではないであろうというような形で考えておるというところでございます。 77 ◯分科員(味口としゆき) あとで,それはちょっと大間違いやということはもうちょっと言いたいんですけどね。まず,ここでちょっと整理しておきたいのは,みなと総局の予算編成方針でも,新都市整備事業については,市民生活の向上や雇用の確保というような公的責任の問題,ちゃんと明記されているでしょう。それで,こういうふうに書いているんですね,予算編成方針では。安心して暮らせるまちの実現に向けて全力で取り組んでいく,こういうことも明記されているんです。  だから,開発したのは神戸市だけども,あとは地元に任せるというのは,市民生活の向上とか,安心して暮らせるまちという課題が地元任せになるということでしょう。これは,やっぱり開発者としての公的責任はしっかりと今後も果たし続ける必要があると思うんですが,いかがでしょうか。 78 ◯吉井みなと総局長 私ども,新都市整備事業は,委員御指摘のように,公共ディベロッパーとして,当然のことながら,市民の福祉の向上,それから雇用の確保,これは神戸経済の下支えをやっていくという事業もやっております。  私ども,この会館につきましては,こちらの鶴甲会館に限っておりませんけれども,私ども,住民の皆様の底力というのを感じておりますので,当然のことながら,私どもディベロッパーがいつまでも余計な口を出すんじゃなくて,私ども,施設は用意しますので,きちっと運営していただければというふうに私どもの方針をお伝えしているわけです。  そのことが,私どものやっていることが公共の責任を逃れていると,そういうことにいささかも後退していないとは思っておりますので,その辺は御理解いただきたいと思っています。 79 ◯分科員(味口としゆき) 全く理解できないです。住民の皆さんの底力という新しいキーワードが出てきましたので,そこのあたりを聞きたいと思うんですけどね。局長に聞きたいのは,計画的開発団地のリノベーション事業というのは,何でそもそも進める必要があると思っているんですか。 80 ◯吉井みなと総局長 私どもは,新都市整備事業は長期にわたる事業ですので,当然のことながら,時代の流れにいろいろ対応するために,まちの整備する当初から一定のリザーブ用地なんかをつくりながら,社会変化の対応をずっとやってきたんですけれども,なかなか私どもの持っている用地もなくなってきましたので,これは少し,例えば,近隣センターなり会館には私どもは用地を保有しておりますので,少し手が入れられるということで取り組みを始めたということでございます。 81 ◯分科員(味口としゆき) 例えば,名谷の南センターに今度,若年者を入れるようにしていると。何でそういうふうにするんですか。 82 ◯吉井みなと総局長 委員は,それは公共ディベロッパーの役割だということだと思うんですけども,私どもは,まちをつくり込んだような当時のあの社会情勢の個々の団地に対して,おのおのちょっと社会情勢の状況が違いますので,団地一律ではないんですけれども,やはり私どもがまだ用地を持っているところについては一定の政策がとれるということで,例えば,名谷南センターにつきましたら,もともと早い段階からつくった団地でございますので,一定の用地も確保しているということで,私どもは手が出せるということで取り組もうというふうに決まったということでございます。  ただ,これは,本来は新都市整備事業も開発して全て公共施設を移管してしまえば,私ども財産を持っているような状況ではございませんので,なかなか手が出せない状況ですけども,私どもはそういう意味を含めて一定の土地をあちこちでリザーブしておりますので,それを有効活用していくということでございます。名谷南センターについては,たまたま私ども開発管理事業団が持っておりますので,これは速やかに手が出せるということで取り組んだということでございます。 83 ◯分科員(味口としゆき) この開発団地のリノベーション事業は,やっぱり大きい背景としては,ニュータウンがオールドタウン化してきた問題というのが当然含まれているんでしょう。そこはいかがですか。 84 ◯吉井みなと総局長 もちろんです。 85 ◯分科員(味口としゆき) 鶴甲も同じなんです。本当に高齢化が進んでいるんです。先ほど,住民の皆さんの底力というのがあるんですけど,確かに底力は僕もあると思いますよ。ただ,地元の皆さんがどうおっしゃっているかはよく聞いていただきたいと思うんです。地元管理の問題で,誰が管理するんだと。結局,こういうふうに言われた方があるんですね。地元管理の一番の問題は,担い手だと。高齢者が多い地域で地元管理を進めようと思えば,やはり何年か先を想定して担い手づくりをやってからではないと管理運営は無理でしょうと,こう言われた方がいらっしゃるんです。なるほどなと私は思ったんですね。  ですから,そもそもこのオールドタウン化した地域に,失礼ながら,いわゆるですが,オールドタウン化している地域に住民の皆さんの底力があるから地元で管理運営するというのは,ちょっと私,無理があると思っているんですが,いかがですか。 86 ◯吉井みなと総局長 ちょっと私どもニュータウン開発者としては,なかなかオールドタウンとは言いにくくて,私どもはビンテージタウンだと呼んでおりまして,これが本来の成熟したまちと。少子・高齢化などは,これは日本全国の課題でございますので,ただ,私どもはその中で何がとれるんかということでいろいろ政策に着手しているわけでございます。  その中で,住民の底力ということで,私ども,住んでいる方々の力はなかなかすばらしいものと考えておりますので,私どもの方針として,施設整備はリニューアルいたしますし,その管理については地元でされたらいかがですかという提案をさせていただいているということでございます。 87 ◯分科員(味口としゆき) もうその用語についてはいいですけども,しかし,やっぱり高齢化していることは,これはもう間違いないわけです。昭和40年代でみんな入居して,30代,40代で入った人も70代,80代になっているということは,これは間違いないわけで,やっぱりそこには当初の開発局の,私,きょう──ニュータウン誌の内容を書いてましたけど,なかなか深いことを書いていますよ。やっぱりコミュニティーというのは時間がかかるんです。それで,今の高齢化問題に対応しようと思えば,やっぱり一定の時間を要するわけですから,そのときにきちっと神戸市が公的な責任を果たすという態度を示さないと,なかなかやっぱり進まないということは指摘をしておきたいというふうに思います。  それで,もう1点は,この鶴甲会館の問題で,これ,ちょっと提案というか,鶴甲会館の今,代替地として1つ例として挙げられているのは,県警宿舎の跡地なんですよ。この前には物すごい擁壁というか,ありまして,それで階段の数は104段あるんです。これ,東から回りますと10分くらいかかって,西から回ると8分ぐらいかかるんですね。高齢者の方とか,ベビーカーを押している子育て世代なんかでいいますと,もっと時間がかかるんちゃうかなと僕は思っているんです。  やっぱりこのリノベーション事業を進めようと思ったら,この擁壁を多分管理しているのは建設局ですから,やっぱり他局との連携,みなと総局だけではなくて他局との連携ということを僕は欠かせないと思っているんですが,その点は今どういうふうに進捗しているか,それから今後どうしようとしているか,お答えいただきたいと思います。 88 ◯小椋みなと総局担当部長 他局との連携でございますけれども,まだ今,まさに会館をこれからどうしようかということで地元の方とお話をしているところでございます。その中で,委員御発言ございましたように,立地場所について,再整備場所につきまして,地元自治会のほうから県警宿舎跡のほうがよいのではないかというような意見も出されているというのは,確かにそれが出されているというのは,私ども,聞いてございます。  この取り組みでございますけども,今現在,鶴甲会館再整備,地元管理,全体でするかどうかということを協議しておりますけども,ある程度その方向性が連合自治会のほうでまとまってまいりますと,ことしの4月ぐらいからはワークショップみたいなんを開催をしていきたいと,その中でいろんな,今の委員御指摘の代替場所,まず立地場所をどこにするかという検討が必要ですけども,その中で県警宿舎跡というような話になれば,そこでの課題というようなところでまた協議をしていかなければいけないと思ってございますし,そのほかにも地元ニーズに合わせた施設が欲しいというような話があれば,必要な関連部局との協議はしていかなければいけないというふうに考えてございます。  以上でございます。 89 ◯分科員(味口としゆき) もうこの問題は終わりますけども,やっぱりこのリノベーション事業,特に僕は灘区なんで,鶴甲会館の問題,きょうは取り上げてやりましたけども,問題は,やっぱりいろいろ複合的というか,総合的にやっぱり見なあかん点がいろいろあります。特に今指摘したのは,やっぱりバリアフリーの考え方が昭和40年代にはほとんどなかったので,それにかかわる問題が地域には山積しているわけです。ですから,そういう問題についても他局とも連携しながら,よく地元のニーズに合致したような改善をやっていただきたいというふうに思います。  それで,きょうは平行線になった問題ですが,やっぱりここの最初のところに戻りますけども,みなと総局の外郭団体の改革に対する意見書を,これはもう絶対すべきでないと思います。それで,地域のニーズに応じた機能を持った施設となるよう,地元協議を進めるという,この見地で最初から最後まで頑張っていただきたいと,これは要望して,この問題は終わります。  それから,もう時間がないですけども,1つ,神戸空港の問題をお聞きしておきたいと思います。  本会議でもこの問題,代表質問,うちやりました。副市長は,3空港の一体運営や民間売却の可能性については議会でも答弁してきた,そういう答弁でした。それで,コンセッションの準備として2億円予算が計上されているんですが,空港島の埋め立てに1,982億円,滑走路の借金が大体230億円,さらに特別会計から200億円借りていると。私,普通に思って,これだけの借金抱えているものを誰が買うんかなというふうに思いまして,民間の運営会社が3,000億円で買ってくれるのかと。運営権だけ買いたたかれて売却して,借金だけは市民負担となるというようなことはないのかどうか,お聞きしたいと思います。
    90 ◯吉井みなと総局長 3,000億と委員はおっしゃられましたけども,それは多分,空港島の整備費,いわゆる新都市事業会計の分も入っているんじゃないんかと思います。私ども,今度,コンセッションの対象になりますのは神戸空港そのものですので,ちょっと3,000億円というのはちょっとわからないというのが感想でございます。 91 ◯分科員(味口としゆき) じゃあ,ほんなら滑走路の借金の230億はどうなるんですか。 92 ◯吉井みなと総局長 私どもは,一般公共債,大体26年度末で230億円ぐらいになると見込んでおります。これにつきましては,当然,平成10年10月の市会決議もいただいておりますように,神戸市債は一切投入しないという方針のもと,コンセッションに臨んでいくということでございます。 93 ◯分科員(味口としゆき) 市営で今やっていて,毎年大体20億円ぐらい入れないと赤字になるのが実態でしょう。何千億かどうかは,これ,新都市なんだということで意見が違うかもしれんけども,相当額のお金がまだ残っているというか,借金があると。  それで,不良資産のものを買う民間の会社の社長がおるとすれば,僕,株主総会で首が飛ぶんじゃないかなというふうに思うんですが,それはともかくとして,この2億円の調査費がまた海の藻くずになるようなことになったら,これ,一体誰が責任をとるんですか。 94 ◯吉井みなと総局長 海の藻くずは想定しておりませんので,責任はないと思います。 95 ◯分科員(味口としゆき) 海の藻くずになった例はあるでしょう,海上アクセスの問題。局長,頭に浮かんでいるんじゃないですか。借金160億で,結局,みなと総局は158億の特別損失を出して,さっき出ていたOMこうべに売ったと。それで,いまだに駐車場事業の利益という隠れ補助金を入れて赤字を隠していると。こんなことを今度のコンセッションの問題で私は繰り返してはいけないと思っているんですが,そんなことを想定しないと言うけども,身近な例,海上アクセスでやっているじゃないですか,みなと総局。そんな反省はないんですか。 96 ◯吉井みなと総局長 海上アクセスの件は委員がおっしゃったとおりでございますけども,神戸空港ではそういう想定は全くしていないということでございます。 97 ◯分科員(味口としゆき) 想定したほうがいいですよ。開港から9年で,本当に空港の決算が求められている時期なんです。やっぱりもう少し市民の意見を聞いて,必要な決算もせずにこのまま売却の方向へ流れるということは許されないということは申し上げておきたいと思います。  それで,きょうは幾つかの角度から質問して,もう1点,戦略港湾の問題もお聞きをしたかったんですが,もう時間がございません。それで,これはまた別の機会で私はやりたいというふうに思っていますが,やはり新都市だ,会計が違うんだ,いろいろきょうも局長はおっしゃりました。しかし,一方では,地域の皆さんにとって身近な会館,しかもそれは神戸市が開発して,そこでコミュニティーの形成のために必要だという会館に対しては,一言で言って,きょうの答弁をずっと繰り返しても,積極的な関与を神戸市がするというふうにはやっぱり住民は見ないと思うんですね。その一方で,空港だ,海上アクセスだ,きょうは戦略港湾をやりませんでしたけども,今度,戦略港湾には111億かける。やっぱりその予算の使い方ということに対して住民の皆さんは怒らざるを得ないだろうと。やっぱりその改善は求めて,指摘して,終わりたいと思います。ありがとうございました。 98 ◯主査(梅田幸広) どうも御苦労さまでした。  委員の皆様に申し上げます。午前中の審査はこの程度にとどめ,この際暫時休憩いたします。  午後0時50分より再開いたしますので,よろしくお願いします。   (午前11時50分休憩)   (午後0時51分再開) 99 ◯主査(梅田幸広) ただいまから予算特別委員会第3分科会を再開いたします。  午前中に引き続き,みなと総局に対する質疑を続行いたします。  それでは,人見委員,どうぞ。 100 ◯分科員(人見 誠) それでは,民主こうべの人見です。よろしくお願いいたします。  それでは,まずスカイマークの運航見通しについてお伺いをいたします。  スカイマークは,民事再生法による経営再生に取り組んでいるところですが,1月から2月にかけて欠航が多く発生し,今後,不採算路線からの撤退も検討するとの報道も出ておりました。先ほど,けさの新聞報道の仙台線の言及もありましたけども,そういった観点で,利用者の利便性の観点から,路線の維持と安定した運航の確保が求められておりますけども,スカイマークの経営再生に向けた取り組みの現状についてまずお伺いをいたします。  また,あわせて神戸市として今後のスカイマークの運航についてどのような見通しを持っておられるのか,局長の御見解をお伺いいたします。  2番目は,埠頭会社統合の効果についてお伺いをいたします。  神戸港に貨物を集めるに当たっては,荷主はもちろんのこと,船社にも神戸港を選んでもらう必要があると思いますけども,私が話を聞いたある船社は,阪神港の経営統合に当たってコスト面でのメリットにも期待を寄せておりました。阪神国際港湾株式会社が設立されて半年近くが経過しておりますけども,船社に対してどのようなメリットを示すことができているでしょうか。まず,現状についてお伺いをいたします。  また,課題があるということでしたら,その課題について,今後,国に対して働きかけをしていく必要があると考えますけれども,その点についても局長の御見解をお伺いをいたします。  3点目は,企業誘致についてお伺いをいたします。  27年度予算においては,企業の競争力強化のため,戦略産業の育成や企業拠点・事業所の移転・拡充の促進に向けた諸施策が新たに打ち出されております。新都市整備事業会計においても,全市施策を推進するため,加えて産業用地のさらなる売却に向けて,これらの諸施策と歩を一にした誘致活動を行う必要があると考えますが,27年度の誘致方針について,局長の御見解をお伺いをいたします。  また,みなと総局は,開発団地の土地売却を担う一方,神戸港の活性化も担う局でありますけども,海貨をふやすという観点からも,それらの企業をピックアップし,開発団地にそういった企業を集中的に誘致をするといった姿勢も重要と考えますけども,あわせて局長の御見解をお伺いをいたします。  4点目は,客船誘致についてです。  国のほうでは,2020年に向けて,訪日外国人旅行者数2,000万人の高みを目指し,取り組みを進めており,クルーズで日本を訪れる外国人についても,2013年に約17万人だったものを2020年には100万人にふやしたいと考えております。神戸港においては,平成26年には,記録が残る1989年以降で過去最多となる32隻が入港したとのことでありますけども,観光や飲食など地域経済の活性化につながることから,国内外の港を相手にした港間競争が今後ますます熾烈になると思われます。神戸港として,この競争に勝ち抜くため,どのような取り組みを行っていくのか,局長の御見解をお伺いをします。  5点目は,ウオーターフロント地区の魅力向上についてお伺いをしたいと思います。  新港突堤西地区の再開発が進んでおりまして,27年度中には第1突堤にラ・スイートが開業し,それに向けてみなと総局も周辺整備を行うとお聞きをしておりまして,ウオーターフロントのさらなる魅力向上に期待をいたしているところであります。  さらなる取り組みとして,神戸港は,開港150年を目前に控えるほど,その歴史がある,伝統がある港であります。くし型突堤や近代建築物など,港町ならではの歴史的資源も数多く残されております。そこで,例えば,函館の赤レンガ倉庫群や北九州の門司港レトロのように,これら歴史的資源を生かして神戸港の歴史を伝えるレトロ空間も創出してはどうかと考えますけども,局長の御見解をお伺いをします。  6点目,最後に,安全で環境に優しい港を目指した取り組みについてお伺いをしたいと思います。  近年,クオリティーシッピングと言われる質の高い船舶運航を促進し,海運業界全体のレベルアップを目指す動きがございますけども,昨年,北九州港では,グリーンアウォード・プログラムに参加するとの発表がありました。これは,安全で環境に優しい船舶をグリーンアウォード財団が認証し,この認証船に対してインセンティブを行うことで,安全面・環境面における船舶・船員の質の向上と海洋環境の保護を目指すことを目的とした制度であります。神戸市も,例えば,このグリーンアウォード・プログラムに参加するなどして,クオリティーシッピング,安全で環境に優しい港を目指した取り組みを進めるべきと考えますけども,局長の御見解をお伺いをいたします。  以上です。よろしくお願いいたします。 101 ◯吉井みなと総局長 私のほうから,スカイマークの運航の見通しと埠頭会社の統合効果,そして企業誘致,そして客船誘致について,私のほうから答弁させていただきます。それ以外は,担当部長から答弁させていただきます。  まず,スカイマークの運航見通しなんですけども,現在,スカイマークは,委員御指摘のように,民事再生法の適用を申請しておりまして,実は,その申請した翌日の1月29日から,大型機である330,これの運航停止を行っておりまして,それに伴いまして,同社の全体の機材便の関係で,現在,一部の路線で運休を発表されていました。神戸空港におきましては,2月1日から3月28日の間,札幌・米子・那覇線の各1便,合計3便が現在運休となっております。  今後の便数,ダイヤにつきましては,3月29日から始まる夏ダイヤ,これ,現在,8月末まで発表されておりますけども,神戸空港では21便体制を維持すると発表されておりまして,また9月以降のダイヤについては未発表ですが,実はこの民事再生の適用の発表の日,私と隣におります岡田が直接,有森社長にお会いいたしまして,神戸空港のことを一応いろいろ聞いてきまして,当然のことながら,社長からは,自社の格納庫を持つ神戸空港,これについては運営は重視すると伺っております。  また,24日には,民事再生法の適用後,初めて運賃の改定も実施しておりまして,特に私ども,羽田-神戸便,これについては普通運賃の引き下げを発表されております。力を注ぎ始めたということでございます。今後は,民事再生に向けて,再生計画については,私ども,注視する必要がありますけども,スカイマークにつきましては,引き続きネットワークを支える西の拠点として活躍いただけるものと信じております。  それから,民事再生の手続なんですけども,今月の4日に債権者説明会を開催して,これ,私どもも参加しております。民事再生手続が決定をしておるんですけども,再生計画案を策定,現在されておりますけども,提出期限である5月29日までに東京地裁に提出される予定になっております。その後,債権者集会を経て,認可されれば再生計画案が決定されるという状況でございます。  現在は,資金面において,今月の5日には支援の意向を表明した民間企業である──これ,インテグラル社ですね。これは,エクイティーファイナンスを得意とされている会社ですが,ここと再生支援基本契約がもう既に締結されておりまして,安定的な資金供給をもう現在受けております。  また,再生計画案の策定も支援を受けておりまして,さらに事業価値の維持とか増進を図るためからも,ファイナンシャルアドバイザー──これは,GCサヴィアン株式会社というところでございますけれども,ここが共同スポンサーを現在広く募集しております。報道にもありますように,一般企業や航空会社から支援意向表明がありましたし,私どもと関係が深いANAホールディンクスさんやオリックスさんには,私どものほうもこの支援意向表明を確認しているというところでございます。  機材についても,330の大型機を現在運航停止しておりまして,実は,ボーイング737型機,実はこれを統一して低価格でネットワークを張るという,これは極めて評価の高いビジネスモデルに原点回帰されて現在運航されているということで,早期再生に向けて全社員一丸となって現在取り組まれると,そういう状況でございます。  運航状況なんですけども,実は,1月以降,常任委員会でもお話がありましたが,神戸空港発着便におきましてスカイマークの欠航が多数発生しておりました。ただ,私ども,スカイマークの欠航状況とか整備体制について国土交通省には随時確認しておりまして,国土交通省から,現時点で運航を停止しなきゃならないという安全上の問題は特に見当たっていないという報告も受けております。  ただ,少し欠航が多かったものですから,これは空港運営にかかわるということもありまして,私どもも空港管理担当の執行役員に対して,欠航の内容,機材の整備状況をきちんと確認しておりまして,また欠航の改善を即要望してきております。その結果ということでもないんですけども,実は,直近の1週間で運休は1便ということで激減しておりまして,どたばたもあったんでしょうけども,何とかもとに戻ってきたということで,神戸空港も安心して利用していただけるんじゃないかと考えているような次第でございます。  それから,埠頭会社の経営統合につきましてですけども,午前中もお話ししましたが,私ども,大阪港と神戸港の両埠頭会社の経営統合,実施計画から1年半前倒しして昨年の10月1日に新しく阪神国際港湾会社を設立して業務を開始しております。実は,この設立を機に,これは国際コンテナ戦略港湾として私どもが計画しておりましたターミナルリース料の50%低減,これも1年半前倒しで実現しておりまして,ターミナルリース料に関しましては,船社のほうが釜山等の東アジア諸港と対峙できるコスト面での戦える基礎ができたというふうに考えております。  それと,今年度から,26年度から,国は,統合したこの運営会社,実は,これは阪神国際港湾株式会社でございますけども,これに対して補助事業を実施しておりまして,これは国際戦略港湾競争力強化対策事業ということが創設されております。これを活用して,私ども,現在,西日本からの集貨をこれまでの1.5倍以上の規模の予算で現在実施しておるというような状況でございます。  午前中も申しましたが,この集貨インセンティブの取り組みによって,釜山フィーダーからの転換等によって,26年の内貿コンテナは6万TEU伸びておりまして,私ども,肝にしております内航フィーダーによる集貨策,これがやっと実を結び始めたというふうな状況でございます。  それと,何か課題はということであるんですけども,実は,現在は,先ほども申しましたように,国際コンテナ戦略港湾政策を国策として実施するための阪神国際港湾株式会社,これに国の出資ができて,やっと形が整ったところです。しかしながら,なかなか地方港は,午前中も申しましたけども,戦略港湾への集貨を進めるということまで至っておりませんで,まだまだ釜山フィーダーの利用促進を進めている港もありますので,この辺は国策として今後もしっかり指導していただくように国に求めていくようになっていきます。  それから,もう1つは,もう午前中にお話ししましたけども,船社のコンテナ船の大型化が少し私どもの予想以上にちょっと早いところもございまして,現在,高規格コンテナターミナルの整備,これ,RC-6番・7番を中心にやっておりますけども,少しおくれをとっているということもありまして,所要の予算確保を強力に国にお願いしていると,そんな状況でございます。  それと,企業誘致のほうなんですけども,全市施策との整合性ということになりますけども,私ども,平成17年4月に,神戸エンタープライズプロモーションビューロー,これを設立いたしまして,当時は産業振興局という神戸の経済政策を立てるところと私どもの企業誘致が一緒になって,誘致する企業に対してワンストップサービスができるような体制を取り組んでやっているところでございます。成果的には,昨年発表させていただきましたけども,もともと26年度末までに150ヘクタールの土地売却を目標に掲げておりまして,これは3カ月一応前倒しで達成できて,今度は28年度末までにさらに50ヘクタールの産業用地を売却をして企業誘致に取り組んでいきたいというような状況でございます。  委員御指摘の全市施策という観点からは,これ,従来からなんですけども,例えば,医療産業都市に関して,これはポーアイ2期で展開をしております。これは,私どもも土地を保有しておりますので,これで一緒になって積極的な誘致活動を進めてきております。現在は,医療関連企業も,企画調整に聞きますと286社が進出しており,国内最大のバイオメディカルクラスターとして一定の成果を上げているふうに思います。  また,かねてより航空分野にも誘致を当然取り組んでおりまして,午前中もお話ししましたが,ヘリコプターの重整備,機体の改造とかメンテナンスまで行っていただいているエアバス・ヘリコプターズ・ジャパンについては,空港島に進出をしていただけて現在操業されていると。少し古い団地になりますけども,川崎重工業さんは西神のインダストリアルパークに進出いただいて,これはジェットエンジンの部材を製作されていると。また,新しいものでは,テクノ・ロジスティックパークにおきまして,これは,川重さんからジェットエンジンの部材を受注して製造されている上村航機さんも,これも私どもは誘致に成功しております。複数の航空関連企業も,私どもも一生懸命取り組んで御認識いただいているような状況でございます。  特に,27年度予算では,成長産業の育成ということで,航空・宇宙,医療・健康,農業・食糧,環境・エネルギー,この4分野について特に力を入れるということと,企業拠点・事業所の移転・拡充の促進と,具体的な施策も御提案させていただいておりますので,みなと総局としてもこれらの諸施策と十分連携しながら誘致活動に取り組んでいきたいと思っております。  特に,現在も航空・宇宙関係では,やっぱり空港島とか神戸複合産業団地におきまして,複数の企業から進出の打診を少し受けているようなところでございます。また,環境・エネルギー分野につきましても,これは新エネルギーや蓄電池関係などの業績が拡大されている企業さんにつきまして結構投資意欲が上がってきておりまして,積極的にアプローチしているというような状況でございまして,この4分野については重点的に企業誘致を進めていきたいと思っております。医療につきましても,大手の製薬会社の研究所の拡張・移転,この辺の交渉も少し企画調整局で現在進めている状況もございまして,大幅に拡充させていただきました税制優遇に加えて,27年度の企業拠点移転補助のこの制度を最大限活用しながら,この誘致交渉に頑張っていきたいと思っております。これらがひいてはやっぱり神戸空港の最終的なコンセッションにつながる,付加価値の向上につながると思っておりまして,特に重点的にやっていきたいと考えております。  その上で,海貨の獲得に向けては,創貨企業の誘致のことなんですが,これも少し午前中にお話しさせていただきましたけども,やはり貨物を創出する創貨企業は神戸港の活性化に直結しておりまして,これ,私ども,従来から非常に重要と考えております。これまでも原材料の輸入とか製品の輸出,これを,神戸港を利用する製造業を初めとして国内外の輸入港で輸入製品の保管拠点が結構進出が現在続いておりまして,例えば,東京とか大阪──外資系の大規模な物流倉庫が10年ほど前から進出しているんですけども,最近,戦略港湾を行っている神戸港が見直されまして,神戸港の周辺にこういう大きな外資系の企業の立地もやっとでき始めたような状況でございます。  特に,例えば,製造系の企業でございましたら,内陸のテクノ・ロジスティックパークにおきまして,原材料の輸入を実は神戸港を利用する大型の食品工場,これの誘致に成功いたしまして,現在,工場の建設工事が進められております。また,同様に,同団地内でさらに規模の大きい食品工場の誘致も一応最終段階に迎えておりますので,これも何とか成約にこぎつけたいと考えております。  輸出型企業につきまして,これも例えばになりますけども,四国の地方港を利用しておりましたアクリルパネルを製造・輸出している企業と言ったらわかりやすいですけども,美ら海水族館の水槽をつくっているような会社ですけども,実はこれが原材料の搬入とか製品輸出に地方港ではなかなか難しく,多様な物流ニーズに対応できる神戸港のネットワーク,これに魅力を感じていただきまして,実はポーアイ2期に進出していただいております。実は,進出後も順調に事業を拡大され,今年度は隣接地に用地を拡張していただいているような状況でございます。  さらには,現在,私どもがやっている戦略港湾政策を踏まえて,同じように四国方面の会社になるんですけども,内航フィーダーを活用した神戸港の貨物集約が企業の競争力につながるということで,私どもの神戸港内に輸出拠点の進出を検討しておるような企業があると,そんな状況でございます。  物流系の企業なんですけれども,これも神戸港内で実は外資系の物流倉庫である──これはシンガポールのファンドですけども,GLPというところが既に立地しておりましたけども,私ども,これに対して精力的な誘致活動を行った結果,内陸部のテクノ・ロジスティックパークにおきまして,大型物流倉庫を手がけるプロロジスや先ほど言いましたGLPに新規進出をいただいているような,こういう状況でございます。また,メーカーのほうも,神戸港を利用する企業として,衣料品を取り扱う倉庫とか機械製品を取り扱う倉庫,この辺が現在,複合でも操業しております。ポーアイでも,午前中もお話ししましたけども,家具・インテリア用品を取り扱う大型の倉庫の拡張が決定したほか,ほかの団地におきましても,やはり日用雑貨とか,最近は医薬品が多いんですけども,この辺の輸入商材を西日本の搬送拠点として大型物流施設を立地したいということで,その辺の企業誘致も図ってきてございます。そういうことで,物流倉庫につきましては,やっぱり神戸港を補完する機能を同時に持ち合わせてきますので,これも私たちは重要だと考えております。  27年度は,先ほど言いましたように,成長産業の4分野,これの企業誘致は当然力点を置いて最重要課題でやっておきますけども,神戸港の活性化を図るために,従来から進めております創貨につながる企業誘致,これもあわせて同じようなレベルで取り組んでいきたいと考えております。  それと,客船誘致のほうなんですけども,委員の御指摘のとおり,国のほうは,観光立国実現に向けてアクションプログラム2014,これ,実は昨年の6月に観光立国推進閣僚会議,これで策定して,2013年には17万人だったクルーズ客船,これを2020年には100万人にしようということで,クルーズ100万人時代の実現を目指すと発表されております。国土交通省の発表でございますけども,2014年の実績は約41.6万人というところまで伸びてきております。また,2014年の日本への外国籍客船の寄港回数は過去最高の654隻と,これは現在まだ伸びておるような状況でございます。  私どもも,外国からのクルーズ船の寄港,これ,国際港都神戸の観光や食事,文化を世界の皆さんに楽しんでいただく絶好の機会であると考えておりますので,また地元経済の直接的な波及も,これもございますので,1隻でも多くのクルーズ客船を神戸港に誘致をするということで,これは市長,副市長によるトップセールスも行っておりまして,私ども担当部長も海外の相手側のトップに直接誘致を行っているような状況でございます。  一方,こういう状況を見て,全国の港湾では,やはり地元経済に直接的な波及効果がかなり高いということで,クルーズ船の誘致競争がかなり活発になってきております。私どもはこの競争にやっぱり勝ち抜くためにハード・ソフト両面の施策展開が同時に必要だと考えておりまして,ハード面ですが,神戸ポートターミナル──これ,第4突堤ですけれども,エレベーターの大型化なり,バリアフリー対応のボーディングブリッジを新設──これは,もうすぐ稼働します。トイレ・エントランスの改修ですね。それから,ポートターミナル駅のエレベーターの新設ということで,乗船客等の利便性,アメニティー,これを高めて,旅客ターミナルの魅力向上につながるリニューアル工事を現在鋭意実施しているところでございます。  ただ,中突堤では,昨年はサン・プリンセスも結構入っていただきましたけども,7万トン以上の船がなかなか着岸できませんでしたけども,新たにドルフィンを設けて,7万相当クラスの船を着けるように,現在,改造を進めておると。ことしの6月28日には中突堤ターミナルには7万相当規模のコスタ・ビクトリア──7万5,000トンですけども,これを初めて接岸させる予定でございます。  ソフト面につきまして,やはり中国発着のアジアクルーズが,これが急速に拡大しておりますので,これを何とか取り込んでいきたいということで,従来から実施しております入港料とか岸壁使用料とか渡橋の使用料,これらの減免制度に加えまして,来年度から新たにアジアクルーズ等の誘致インセンティブ制度を導入していきたいと思っております。具体的には,さらにコストのバックアップをするということで,初入港する場合とか,一定の回数を入っていただく場合とか,瀬戸内クルーズを行っていただく場合に対して,神戸港の入出港にかかる経費相当分,これはパイロットとかタグとか綱とりも──これで一応50万円を支給することとしておりまして,各方面にヒアリングした結果,高い評価を現在得ているような状況でございます。  そういうことで,ハード・ソフト両面において,今後とも客船誘致についてしっかりと取り組んでいきたいと思っておりますので,よろしくお願いしたいと思います。 102 ◯田中(誠)みなと総局担当部長 それでは,私のほうから,ウオーターフロントの魅力向上について,御答弁申し上げます。  神戸港のウオーターフロントの再開発に当たりましては,23年3月に策定されました港都神戸グランドデザインに沿った再開発を進めてまいっておるところでございます。同デザインにおきまして,新港突堤西地区といいますのは,さまざまな都市機能を複合的に導入し,都心との相乗効果を図ることに加え,歴史的資産の活用という点については,くし型突堤や歴史的建築物などの地域資源をまちづくり生かすこととしております。  歴史的建築物を活用したまちづくりを行っているエリアとしては,神戸では有名な旧居留地というのがございますけれども,この新港突堤西地区につきましても,委員御指摘のように,くし型突堤というのが神戸港で唯一残る地域になっております。このくし型突堤というのは,単に古いというだけではなく,現在の神戸港の礎をつくりました明治時代の第1期修築工事において,当時の最新の技術を用いてつくられたものでございます。そういったところから,埋め立ても行わず,この形を残すことがこの地区全体の資産として残しておるということでございます。  また,突堤基部の建築物につきましては,以前から評価の高い旧神戸生糸検査所,これをデザイン・クリエイティブセンターとして改修しまして保存・活用しておるところでございます。現在,同建物は,この地区のシンボル的な役割を担っておるものというふうに考えております。  歴史的建築物を保存するに至りましては,耐震補強とか消防法によるいろんなものをクリアせないかんという,若干のそういうハードルがあることは事実ではございますが,この新港3突堤基部には,この生糸検査所のほかにも新港の貿易会館といいまして,これも一部,現在,一般利用がされておるわけでございますけれども,それですとか,あと神戸税関──この神戸税関は改築がされたわけですが,入り口のところの建物の雰囲気を当時の雰囲気を残して再建がされております。  こういった歴史的価値のある建築物が立地しておりまして,一定のまとまった空間を有しておるというふうに考えております。したがいまして,今後,この新港3突堤基部の周辺の施設整備を我々が行うに当たりましては,神戸港の歴史を感じることができるようなエリアとしまして,歴史的景観に配慮したデザインをするなどして,そういうレトロ空間的な創出を検討することとしたいというふうに考えております。  今後,保存・活用すべき,そういう歴史的資源と再開発によって新しくできるものというものが出てまいりますが,景観面においてもうまく融合できるようにしながら,引き続きウオーターフロントの魅力向上には取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 103 ◯片山みなと総局みなと振興部長 私のほうから,安全で環境に優しい港の取り組みについて,答弁を申し上げます。  委員御指摘のグリーンアウォード・プログラムにつきましては,1990年前半にロッテルダム港で起きた原油流出事故を契機にしまして,オランダ政府,オランダのロッテルダム港の出資で設立されましたグリーンアウォード財団が安全で環境に優しい船舶を有償で認証して,その認証された船に対して参加をする港湾がインセンティブを与えるということで承知をしてございます。  御指摘の安全で環境に優しい港を目指した取り組みということにつきましては,今後の持続可能な港湾としての発展に非常に重要な視点と考えておりまして,世界的にもそのような動きがございます。今申し上げましたロッテルダム港におきましては,独自の環境プログラムを策定されておりまして,例えば,CO2削減への取り組みとしまして,再生可能エネルギーの利用促進,港湾物流のモーダルシフト,環境負荷の少ない船舶へのインセンティブ,風力発電などの再生可能エネルギーの活用などに取り組んでいます。  また,日本におきましては,横浜市が平成22年度より脱温暖化のプロジェクトでございますブルーカーボン事業という事業を実施してございまして,海洋生物を用いた実証実験,停泊中船舶のアイドリングストップに必要な陸上の電力供給などに取り組まれております。神戸港におきましても,人と環境に優しい港づくりを目指すということで,環境負荷を低減する取り組みとしまして,ポートアイランドにありますタグボートの停泊場所に陸上電源の供給施設を設けておりますほか,ポートアイランド第2期のPC-16・17には,ハイブリッド式の荷役機械,トランステナーが導入されるなどの取り組みも始めてございます。  みなと総局としましても,環境に優しい港を目指した取り組みということは非常に重要であると,今後とも進めていきたいと考えてございます。委員の御指摘ありましたグリーンアウォード・プログラムにつきましては,北九州港で昨年参加されたということでございますが,今のところ,インセンティブの使用実績はないというふうに聞いてございますが,今後,国あるいは他の港の動向も見ながらじっくりと研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 104 ◯分科員(人見 誠) ありがとうございます。  最後の安全で環境に優しい港ですけども,このクオリティーシッピングの考え方は,もともと発祥からいえば,サブスタンダード船による事故ということが原因でこういう動きが始まったというふうに思うんですが,神戸港ではそんなことは余りないのかもしれませんけど,初めの質問と矛盾するかもしれませんけども,何でも船や荷物が来たらいいということではなくて,やっぱりその中で質の高い,レベルの高い港も目指してもらいたいということで,しっかり取り組みを進めていただきたいと思います。  まず,スカイマークの件,御答弁をいただきましたけども,いろいろニュース報道も見させていただきまして,いろいろ支援の会社も名乗りを上げておられるということで,スカイマーク社自体は事業の再生の見通しがあるからこそ,また採算をとってまた再生できる可能性があるからこそ,支援企業も名乗り出てきているんだろうというふうに思っておりまして,私個人的には楽観をしているところもあるわけなんですけれども,そうとはいえ,やっぱり経営再生に当たっては,またもう1度利益を出して再生をしていかないとと思うわけですから,きょうのニュースにあった仙台線がどうかは別にして,不採算路線をどうするかということの検討はあるということはやむを得ないのかなというふうには思っておりますけども,そういった意味でも,できるだけスカイマークに路線や便数を維持してもらうために,また万が一減便になったとしても,他の航空会社に新規の就航や増便など就航意欲を高めてもらうということが必要だと思いますけども,そのためにもまず既存の搭乗率や旅客数をふやしていくということが大変重要だというふうに思っておりますけども,そのための今後より一層の利用の促進に向けた,この利用促進に力をまず取り組んでいくべきだというふうに考えますけども,そのあたりの取り組みの方針について,当局の御見解をお伺いしたいと思います。 105 ◯岡田みなと総局担当部長 今いただきました御質問でございますけれども,私どもも今回のスカイマークの民事再生手続が始まっておりますので,気を緩めることなく,きちっと情報を得ながら,我々といたしましては神戸空港のさらなる利用促進に向けた取り組みに邁進していくというスタンスはいささかも変わりがないということでございます。  ただ,御指摘いただいておりますとおり,やはり利用促進に力を入れていくというのは,これは,今回のスカイマークの件に限らず,神戸空港開港以来の私どもの重要な仕事だというふうに感じてございます。そういった意味では,おっしゃっていただきましたとおり,スカイマークだけではなくて,既存の他の例えば全日空──ANA,ソラシドエアさん,エア・ドゥさん,こういった航空会社にも御就航いただいております。また,特に最近,いろんな形で神戸空港が注目をされておるんですけれども,神戸空港に就航されておられない新規といいますか,未就航の航空会社からもいろんな形で神戸空港が使えないかといったお問い合わせもいただいているといったところもございます。  さはさりながら,ここ最近,非常に利用状況が数字として苦戦しておるのも事実でございますけれども,これは,特にスカイマークさん,神戸空港の約7割のシェアを占めておられるスカイマークの──ここ特に最近,10月末からの冬ダイヤでちょっと運賃を上げられたりとか,今,新聞報道でも出ました仙台便でございますけれども,これを昨年2月,2便でスタートしたところを減便された,ダイヤもちょっと利用しづらいんかなと思われるような形にちょっと改正された,そういった状況もございました。  ただ,私ども,利用促進のほうを進めるために,やはり運賃のことを,それとダイヤといったところもさらに改善してほしいといったお願いも日ごろからしてございまして,例えば,仙台便につきましては,この3月末からまたダイヤ改正されますけれども,2便に戻していただけると。また,ほかの便につきましても,より利用しやすいダイヤに戻していただけると。運賃もちょっと値下げという方向で動かれると。そういったよりよい方向に向かっていっているといった状況もございます。  そういったところも我々は背景にしまして,日ごろから利用促進,どのように進めておるのかということでございますけれども,やはり神戸空港につきましては,都心に非常に近い,アクセスが非常に便利だというところを最大の武器にいたしまして,また駐車場の搭乗旅客のお客様は24時間無料であるといった他空港にないメリットを最大限にセールスポイントといたしまして,あらゆる機会を通じてPRに努めておるというところでございます。  具体に申し上げますと,私ども,神戸空港利用推進協議会という推進母体がございます。これは,神戸市と兵庫県,商工会議所,3者一体となってプロモーション活動をしてございますけれども,例えば,市内の主要な企業への個別訪問,こういった形でビジネス利用の積極的な呼びかけをお願いしたりとか,また鹿児島便は神戸周辺に鹿児島御出身の方,ゆかりの深い方がたくさんいらっしゃいますので,そういった県人会組織を通じての利用促進のお願いをしたりすると。そういったところもやってございますし,例えば,地元の経済界,また近隣の自治体を訪問してでの神戸空港のPRもやらせていただいておるところでございます。  また,最近の取り組みといたしましては,神戸空港と神戸港のこの近接しているという地理的な利便性を生かしまして,フライ・アンド・クルーズといった新たな商品,そういったものができないかといったプロモーションをしたりとか,昨年やりましたけれども,走る広告塔としてのラッピングバス,広報につきましても絶えず最新の情報を刷り込みまして配布をさせていただく,そういった地道の取り組みを積み重ねながらやらせていただいているところでございます。  いずれにしましても,こういった取り組みを重ねることによりまして利用者増につなげていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 106 ◯分科員(人見 誠) ありがとうございます。  いずれにいたしましても,今回のスカイマークをめぐる一連の意見といいますか,報道ですね。市民の方は,かなり──報道の仕方にもあるのかもしれませんけども,不安に思っていらっしゃる方が多いと思うんですよね。民事再生と欠航の部分がリンクをしているんじゃないかということと,また民事再生と神戸空港,これで本当に大丈夫なのかといった声もたくさん多く聞きますので,先ほど答弁あった内容,市としてもやっぱりきちっと周知といいますか,広報していくということは必要だと思いますので,そういった点も含めてしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。  次の埠頭会社の統合の効果についてもいろいろ御答弁もいただきました。本当にこの埠頭会社,いろいろ先ほど私が質問で言いましたけども,やっぱりこの統合というのは1つの大きなビジネスチャンスだというふうに思いますので,いろいろ効果もあって,まだ課題もあるということでありましたけども,このチャンスをまず1つ,船社も,私がかなり聞きに行って,非常に期待をされておりましたので,このたびのこのチャンスを非常に生かして十分な効果が出せるように市としてはまた取り組んでいただきたいというふうに思います。  そうとは言いながら,次の企業誘致のところにいきますけども,そういった港としての環境の整備のほかに,神戸経済の発展をさせていくと,活性化をさせていくということが1つの神戸港の貨物等をふやしていく,ひいてはまた神戸空港の利用者もふやしていくということになっていくんだろうというふうに思いますので,そういったところでもまたこの企業誘致をしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  この企業誘致のところで関連して,いろいろ産業用地の売却の点もお話をいただきました中で,複合産業団地についてちょっと御質問させていただきたいと思いますけども,いろいろ売却等も進んでいるというお話もありましたけども,この産業団地へのアクセスの向上,利便性の向上,我が会派もずっと求めてまいりましたけれども,その点について,民間バス会社との話をしているというお話もありましたけども,その後の進展状況はどのようになっておりますでしょうか。
     また,団地開発者の取り組みとして,駅前にレンタサイクルを導入するなどの検討もしてはどうかと思いますけども,その点についての御見解をお伺いをしたいと思います。 107 ◯大藪みなと総局担当部長 今,理事から御指摘いただきました神戸複合産業団地のアクセスの向上でございますけれども,アクセスの向上につきましては,理事御指摘いただきましたように,民間バス会社,現在走っております神姫バスさんなんですけれども──と協議をさせていただいておりまして,今後の従業員数の増加に合わせて,団地内のバス路線,具体的に申し上げますと,ことしの7月,夏ごろをめどに,7月ごろをめどに企業進出が進み始めた団地内,現在,東側にはまだ団地,走っていないんですけれども,そちら側の東側の製造用地に接道する主要幹線を運行するルートに拡大していくということで話をさせていただいております。その拡大に合わせまして,停留所も2カ所増設という見込みでございます。  また,増便,早朝便につきましても,一定の乗客数が見込まれるかどうかというところがポイントになってまいりますが,今後も継続的にニーズを把握して,バス会社様へ要請をしていきたいと考えているところでございます。  理事御指摘の駅前のレンタサイクルにつきましては,進出企業様からは具体的に要望というのは特に聞いていないんですけれども,利便性の向上は大事なことだと考えておりますので,テクノ・ロジスティックパーク協議会というのが,進出企業様で結成された団体がございますけれども,そちらのほうと連携して,できる限り対応していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 108 ◯分科員(人見 誠) ありがとうございます。引き続き,利便性の向上に取り組んでいただくようにお願いをいたします。  あと,客船の誘致ですけども,ハード・ソフト面を含めての取り組みが必要になってまいります。国全体としてふやしていくには,羽田や成田が受け入れになるんではなくて,地方がその受け入れの中心になってくると思いますので,しっかりと神戸として負けないように取り組んでいただきたいと思いますし,またそのためにも,来てもらいたいという空間をつくるという意味で,このウオーターフロントの地区の魅力の向上というのは1つまた大きく欠かせないことだと思いますので,この答弁もありましたとおり,レトロ空間の充実も含めてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますけども,残り時間が余り少ないんですけども,このウオーターフロントあたりは,アクセスの問題があると思うんですけど,その構造についてはどうでしょうか。どう取り組んではりますか。 109 ◯田中(誠)みなと総局担当部長 時間がございませんので,簡単に申し上げますけれども,御指摘のとおり,非常に重要と認識しております。まず,私どもができることとしましては,ことし,1突にホテルが開業いたしますので,この市街地からホテルに至るまでの歩行者空間の改善ということで歩道の改良等を行ってまいりたいと思います。  あともう1つは,住宅都市局のほうで,三宮の周辺の再開発に絡めて,公共交通機関の導入の検討がされております。この中で,ウオーターフロントエリアも含めて検討いただくということで,我々も積極的に参画していきたいと考えております。  以上でございます。 110 ◯主査(梅田幸広) どうも御苦労さまでした。  次に,高瀬理事,発言席へどうぞ。 111 ◯副主査(高瀬勝也) 公明党の高瀬でございます。  それでは,早速質問させていただきたいと思います。  まず,ベイ・シャトルにつきましてお伺いしたいと思います。  現在,ベイ・シャトルは,神戸-関空間を1日18往復運航をされております。三宮駅前から発着する空港リムジンバス,また鉄道などと競合する中で,乗船客数増加の取り組みとしまして,往復割引,また駐車場の無料化,さらには早朝・深夜便の運航など,さまざまな取り組みを行った結果,平成24年には37万2,000人,平成25年は38万3,000人,さらに平成26年は昨年を若干上回るペースで推移をしている,このことに関しては評価をいたしております。  しかしながら,収支状況については必ずしも評価できるものではありません。2013年10月にOMこうべと統合し,その際の収支見込みは700万の赤字でございましたが,決算では1億2,800万の赤字でございました。その主な原因として,燃料費の高騰に加え,往復割引に伴う収入減が影響したと伺っております。再生計画においては,航路事業は,平成33年の黒字化を目指すとしていますが,現在の取り組み状況から勘案しますと,簡単な状況ではないということが言えるのではないでしょうか。そこで,経営改善の取り組みと収支状況の見通しについて御見解を伺います。 112 ◯吉井みなと総局長 ベイ・シャトルの件ですが,平成25年度の決算は年間を通じて約1億2,800万円の赤字になってございます。この主たる原因は,委員の御指摘にありましたように,往復割引の導入ですね。これに伴う収入の減と燃料費の高騰,こういった燃料経費が増加したということでございます。  往復割引の導入の経緯につきましては,実は,関空さんの駐車場料金がかなり割引をされて,それから阪神・南海電車の格安アクセス切符の導入,これらに対抗するために導入したものでございますけれども,なかなか24年度までに堅調に推移しておりまして,関空さんの日本人旅行客──これはアウトバウンドのほうですけれども,これは,なかなか25年度から入った若干の円安傾向の影響で減少し始めたということで,これをなかなかカバーできる乗客増を獲得できなかったものでございます。  燃料費につきましては,予算段階では,過去一番高い平成24年度の決算単価を上回るものを設定しておったのですが,これ,ちょっと予測を上回りまして,さらに10%以上燃料が高騰いたしましたので,ちょっとこのイベントリスクは結局は吸収できなかったというものでございます。  26年度は,それに対して乗客数をふやすべく,確実に送客が見込める旅行会社の販売網も活用して,各店舗の職員に向けたセールス活動,仕入れ担当との連携強化による日本人旅客の誘致推進,それから現在急増しております関空の外国人旅客,これをターゲットに,団体旅行客やインターネットを活用した個人旅行客の一層の誘致推進,それから観光施設,これ,実は神戸どうぶつ王国ですけども,これと提携した日帰り観光客の誘致推進,これを行ってきているところです。しかしながら,現状では,前年度に引き続き関空の日本人旅客,これは減少傾向がちょっと続いております。したがって,アウトバウンドの乗客数は減少傾向が若干続いていると。  一方,中国を中心とした外国人の旅客,これについては,利用促進の取り組みをとった結果,このインバウンド側についてはかなりふえておりまして,ことしの1月末現在では乗客数は32万3,000人となっておりますので,何とか年間では対前年比3,000人ぐらい増の38万6,000人を現在見込んでおるような状況でございます。  収支につきましては,この利用促進による乗客増と個々スポンサー等の発掘により収入確保しました。また,業務の見直し等による経費削減もさらに取り組みました結果,25年度の赤字幅,これ,約半分程度には圧縮できるという現在見込みを持っております。27年度におきましては,もちろん乗客数の増加を図るべく,実は,早朝・深夜便の運航継続,これを決定しました。また,往復割引のキャンペーンも半年間,一応期間延長を決めたところでございますけども,これで現在の私どもの予測では,さらに26年度を上回る38万9,000人ぐらい,39万人弱の達成を目指していきたいと考えております。  その結果,何とか27年度には,大変申しわけなかったんですけども,運航量の再度の削減とか,経費削減を進めまして,何とか経営統合時に示した収支見込みからは2年ほどおくれましたけども,やっと収支均衡を達成するという見込みでございます。今後とも,やはり乗客数の増が一番経営に効きますので,それにしっかりと努めまして,33年度には航路事業単体の黒字は,これは達成したいと考えております。  以上です。 113 ◯副主査(高瀬勝也) ありがとうございました。  ちょっとなかなか思うように進まない,外的な要因もあるんですけれども,これは燃料費の高騰,一方で,政策的な要因として往復割引,それを吸収できるほど乗客がふえなかったというようなお話だったと思うんですが,一方で,新年度で減便というふうなことも伺っておりますけれども,収支改善のためには稼働率を上げるというのが1つの方法だと思いますけれども,減便はそのための一環というふうに理解をしております。一方で,乗客をふやす努力も当然ながら不可欠でございまして,往復割引とか早朝・深夜便のキャンペーン等については,そのための継続実施であるというふうに考えております。  加えまして,乗客増の取り組みですが,インバウンド増に伴って関空の利用者が過去最高というふうになっていること,今こそ海外からの観光客の取り込み,また為替の影響もあって減少傾向にございますが,先ほどもありましたが,アウトバウンドの囲い込みのための積極的なPR,これが必要じゃないかと思います。また,それに当たっては,OMこうべと統合したメリットを最大限に生かしまして,今こそ徹底した取り組みを実施するべきというふうに考えますけれども,いかがでしょうか。 114 ◯吉井みなと総局長 委員御指摘のとおり,早朝・深夜便の運航を継続されるのは,実はこれ,お客様からかなり要望がありまして,実際,関空さんが24時間空港ということもありまして,なかなかお客さんに乗っていただいているということです。ただ,昼間については,さすがに間引いても大丈夫かなということで,そういうことで経費削減のためにお昼のほうは少し減便をさせていただいているというような状況でございます。往復割引についてもかなり好評を得ておりますので,これは半年間期間延長を考えております。  やはり委員御指摘のように,海外からの観光客,これの囲い込みをしなければならないということですね。具体的には,「GOOD LUCK TRIP」と言いまして,「地球の歩き方」を出版しているダイヤモンド社,これの関連会社が出しております外国人向けのフリーマガジン,ここでもPRを行っております。それから,OMこうべ社とコンベンション協会に,海外プロモーションを実はやっておりますので,これにもあわせてやっていただいておると。それから,あとOこうべ社がじかに東京とか大阪のランドオペレーター──これ,実は海外の旅行者の受け入れ代理店,ここで積極的に現在,PR活動を行ってもらっています。さらに,昨年の12月からは,関空のホームページのトップページで,これ,英語,韓国語,簡体語・繁体語──中国の南北の2カ国語も入れて4カ国語でベイ・シャトルのPRを始めたところでございまして,さらにこれらも強化していきたいと。あと,サービス向上につきましては,この都度,海上アクセスのターミナル内において,全ての携帯会社に対してWi-Fiが利用できるように行っております。  加えて,ベイ・シャトルの状況を見ますと,神戸市の居住利用者のうち,中央区及び西・須磨・垂水・北,どうもベイ・シャトルの利用者の大体8割ぐらいが中央区以西・以北にちょっと偏っておりまして,たまたまOMが事業展開する場所とマッチしますので,1つは,ショッピングセンターのハウスカードであります神戸ウェストメンバーズカード──これは現在会員数が約17万人ありますけども,これによる乗船料の割引,それからあとショッピングセンター内にデジタルサイネージを最近導入しておりますので,これに対する告知,ショッピングセンターのメルマガを活用した告知など,ショッピングセンターをフルに活用したPRを努めております。  あと,OMこうべ社のテナントビルの入居企業に対して法人向けの乗船券の販売も始めましたので,ここでも何とか企業の取り込みを行いたいと考えております。あと,ポーアイ2期とかテク・ロジパークにおきましては,団地内の交流会もございますので,これにも積極的に参加させていただいて状況の取り込みを行っております。  また,これ,例えばということなんですけども,兵庫県内のイオンなんかで,兵庫県の広報のラックがありますので,これは県に協力いただいて,兵庫県内イオンの各店舗でPRチラシを置いたり,あとは高速道路のサービスエリアにPRチラシを置くなど,さらに広範囲なPRも行っておりますので,広報等にしっかりと取り組みまして,最大限乗客数の確保に努めてまいりたいと考えております。 115 ◯副主査(高瀬勝也) ありがとうございます。  深夜便につきましては,私も助けられたというか,これがあってよかったなと思っている1人でございまして,娘が以前,関空へ遅くに到着をして,神戸からのこの深夜便で神戸へ戻ってきてということがございましたので,引き続きあればうれしいなと思っております。  また,先ほど,航路事業については,33年までの航路事業の単体黒字ということでございますが,時間があるようでないのではないかなと思っておりますし,競合する先ほど申し上げたリムジンバスであるとか鉄道なんかもさまざまな手法を用いて乗客を確保しようというふうに考えていくのが必須でございますので,負けないように頑張ってさまざまな取り組みを行っていただきたいなと思っております。これは要望とさせていただきます。  では,続きまして,OMの関係で,午前中もあったんですが,鶴甲会館について少しお伺いをしたいと思います。  鶴甲会館は,集会所などのほか,プールやテニスコートを備えたすばらしい施設でございます。しかしながら,現在,鶴甲のこの地域には,鶴甲小学校にプールが新設をされました。そのほか,当初なかった地域福祉センターが開設をされるなど,会館の開設当初と比べますと,会館だけで担ってきた役割というのが若干変化をしているのではないかと思います。このような中で,耐震化の必要性に伴って,現地で建てかえるのか,あるいは現在の建物を耐震化して使用するのか,はたまた移転をするのかなどの選択肢がある中で,当局がお示しの案と住民の皆さんの意見が異なっていると私は伺っております。  当該地域に限らず,高齢化の進展に伴って,各地域では住民自治を行うに当たって担い手不足という側面がございます。それだけに,地域にとっても,また住民にとってもいい選択肢になるような配慮が必要であると考えますけれども,いかがでしょうか。 116 ◯吉井みなと総局長 鶴甲会館に当たりましては,委員御指摘のとおり,耐震化にもう迫られておりますので,この機にということで建てかえなりを検討しに入ったということでございます。  また,御指摘のように,私ども,開発した団地の中で,その時代の変化に応じて地域の集会所も,ベースになっている利用形態は変わらないんですけども,やっぱり詳細まで見ると利用形態はさまざま変わってきているというのも実態でございます。  そういう現実を踏まえて,地元の皆さんと私ども,何ら対峙するわけじゃなくて,地元の皆さんとしっかり話をしながら,やっぱり地元の皆さんにとって一番受け入れていただけるような形を何とか模索したいと考えておるので,ただ,現在の私どもの方針としてなかなか地元移管が一番ベストではないかと思っておりますけれども,その辺は地元と協議する中でゆっくりと協議を進めさせていただきたいと思っております。その辺,私どもは公共ディベロッパーとして今後とも考えなあかん役割やと思っておりますので,その辺はしっかりと取り組ませていただきたいと思っております。  以上です。 117 ◯副主査(高瀬勝也) わかりました。  それと,先ほども,午前もあったと思うんで,鶴甲会館だけでなくて,もう1つ,東灘区の渦森もそうだと思うんですけれども,鶴甲会館はその協議が地元の方と進捗しているということなんですけれども,渦森のほうの進捗状況などはいかがでしょうか。 118 ◯小椋みなと総局担当部長 渦森会館の状況でございますけども,鶴甲会館と同様に耐震改修が必要な施設ということでございますから,地元と協議をしていくという必要がございますけども,鶴甲地区のようなまとまった組織が今ないというような状況でございまして,現在,地域に対しまして検討先となるような組織の設置というのをお願いをしておるというところでございます。今後,協議先となる地元の受け皿というのができましたら,その地元意見を十分に伺いながら協議を進めていきたいというふうに考えてございます。  以上です。 119 ◯副主査(高瀬勝也) そうしますと,その受け皿がもし──仮の話になってしまうんですが,見つからないと,逆にいつごろまでに見つけなければならないのかというのがあると思うんですが,そのあたりはいかがでしょうか。 120 ◯小椋みなと総局担当部長 昨年来よりちょっとお話はさせていただいておりますけども,平成27年度末,来年度末が一応耐震改修の期限ということでございますので,来年度には具体的な協議に入っていきたいなというふうに考えてございますので,それをめどに地元のほうとお話をさせていただきたいというふうに考えてございます。 121 ◯副主査(高瀬勝也) わかりました。早期に見つかることが,そういう窓口が見つかるのが一番でございますけれども,いずれにしても地域の会館でございますので,しっかりとその住民の方の意見を聞いて,向かい合っているばかりじゃなくて,その課題解決に向けてしっかりと向き合って,互いが向き合って取り組んでいけるようにやっていただきたいなと思っております。これは要望です。  続きまして,客船誘致の強化について伺います。  平成27年度予算で新たなインセンティブ制度が打ち出されましたが,限られた予算と人員の中でいかに効率よく客船の誘致に取り組むのか,またそのためには客船誘致の目的と,それに合った戦略が必要であると考えております。例えば,経済効果に目を向けた場合,つい先日でございましたが,テレビを見ていますと,春節を日本で過ごす中国人観光客の買い物について取り上げた番組がございました。その購買意欲には見ていますと圧倒されましたけれども,日本にもたらす経済効果は1,000億とも2,000億とも言われております。このようにターゲットは中国を拠点にしたアジアクルーズの取り込みということになるのではないかと考えます。  先日には,新聞報道で,平成27年には中国人客中心の船としては過去10年で最多の6隻が入港する見通しであり,中でも4,000人以上の中国人客の乗船が見込まれるクァンタム・オブ・ザ・シーズが夏に神戸港に初寄港を予定しているという報道がございました。非常に喜ばしいことでございまして,今後とも中国人観光客を乗せた大型客船にターゲットを絞って誘致をすることは,本市にとっても大きなメリットをもたらす可能性が高いと考えております。また,世界の人々,それもさまざまな客層の方々に神戸を知ってもらいたい,あるいは神戸市民の方々にさまざまな客船を楽しんでいただきたいという観点からしますと,やはり多方面にアンテナを張った誘致活動が必要ではないかと。  さらに,目的を客船数の増加に置いた場合には,新たな誘致ルートを開拓するよりも,既に入港している船,船社に複数働きかけたほうが効率的とも言えるんではないかと考えております。もちろん目的は1つだけで他の目的を切り捨てていいというわけではございませんが,その目的自体も社会情勢など外的要因によっても変化をするものだと思っております。やはりその時々に優先順位を定め,効率的な誘致活動を行う必要があると考えております。そこで,今後の客船誘致について,どのような目的意識を持って,またどのような方針で臨もうとされているのか,お伺いをいたします。 122 ◯吉井みなと総局長 理事御指摘の客船誘致について,戦略的にやることがかなり重要なことだと思っております。私ども,神戸港の優位性はきちっとあると考えておりますので,一応3つの分野に重点を置いて現在は誘致活動を行っているというような状況です。  1つ目は,これは神戸空港なんですけど,空港と港,それから新幹線,鉄道への神戸を起点にアクセスがすぐれておりますので,日本籍船と外国籍船によるいわゆる神戸発着クルーズ,神戸で乗りおりしていただくという,1つは,クルーズの誘致に取り組んでおります。昨年は,プリンセス・クルーズ社が神戸をマザーポートしていただいて,サン・プリンセスが10回の第4突堤でターンアラウンドを行っていただいています。ことしも同社は,今度はダイヤモンド・プリンセス,もう少し一回り大きい船を持ってきて,神戸港を発着港として6回のターンアラウンドをやっていただくということで,こういうアクセスのよさをまず売りにして,神戸発着クルーズ,これに対するいろんな商品造成を働きかけていきたいと,このように思っております。  もう1つが,理事お話にありました大型客船の中国発着のアジアクルーズ,これを神戸に寄港させるということで,2つ目は,私どもは,CIQ──税関・入国管理・検疫を初め,充実した施設を持っておりますので,この大型客船による中国発着のアジアクルーズ,これの誘致にも取り組んでいきます。ことし,理事からもお話ありましたクァンタム・オブ・ザ・シーズ,これが8月に入ってきますし,その後もマリナー・オブ・ザ・シーズ,サファイア・プリンセスなど,初入港になるアジアクルーズを実施する客船,これの誘致が何とか今現在実現しておりまして,引き続き成長著しい中国クルーズ需要,これに応えるための中国発着のアジアクルーズ,これを重点に置いて誘致を進めたいと考えております。  3つ目は,やはり神戸港は,瀬戸内海の玄関口という地理的優位性がありますので,これに対して,いわゆる瀬戸内海の美しい風景を見ながらクルーズしていただくように,ことしはカレドニアン・スカイ,シルバー・ディスカバラーという,小型ですけども,外航客船の入港が予定されておりまして,これは瀬戸内クルーズでも大人気でございますので,できたら神戸港を定期,定点的に発着する瀬戸内クルーズ,これの誘致に力を入れていきたいと。こういう3つの分野に分けて現在誘致を進めておるんですね。  午前中もお話ししましたが,アジアクルーズ等の誘致インセンティブ制度,これも24年度から対応させていただいておりますけども,これを,例えば,初入港の船,5回以上入港する船,瀬戸内クルーズを行っていただく船,これに対して入出港にかかる経費を一部として補助するという形にさせていただきます。  また,実は,2014年3月にクイーン・エリザベス,これが久しぶりに入港していただきますけども,やはりラグジュアリークラスの客船,このような豪華客船についてもやはり捨てがたく,できましたら神戸開港150年に向けて誘致に力を入れていきたいと思います。こういう3つの分野を積極的に取り組んでいるのが現在の状況でございます。 123 ◯副主査(高瀬勝也) ありがとうございます。神戸発着のクルーズ,また中国発着のアジアクルーズ,また瀬戸内と,3つを大事にして積極的にやっていきたいというお話でございました。  先ほども触れましたけれども,経済効果というか,市内消費という点に限りますと,やっぱりその滞在時間,これが大きく影響するんじゃないかなというふうに思っております。神戸港から市街地へのアクセスとして運航しているシャトルバスの停留所が現在1カ所ということでございますけれども,この1カ所から複数の選択肢を用意してもいいんじゃないかというふうに考えております。神戸の魅力を広く発信するために,停留所の拡充によって乗船客の行動できる範囲を広げてはどうかと考えていますけれども,いかがでしょうか。 124 ◯片山みなと総局みなと振興部長 シャトルバスの件についてお答えさせていただきます。  外国客船,神戸港に入港した場合に,おもてなしの一環として,ターミナルと市街地を結ぶ無料シャトルバスを運行させていただいております。停留所としまして,現在は駅・商業地へのアクセスが容易で,かつ初めて神戸に来られた方でも迷わずに利用できるということで,今,大丸の西側のバス停を停留所として使用しております。  委員御指摘の停留所の拡充につきましては,おっしゃるように,乗船客の方の行動範囲が広がるというようなこともありますし,神戸の観光・ショッピング等にもつながっていくということでございますので,非常に有意義であると考えておりますので,現在使用している元町以外に,例えば,神戸駅であるとか,あるいはハーバーランドなども検討していきたいと考えております。  一方で,停留所を複数設置するということになれば,コスト面の問題,あるいは今,現状では停留所には観光ガイドの方を配置しておりますので,そういった問題であるとか,わかりやすい場所を選ぶというような問題もございますので,船会社あるいは代理店,交通事業者など関係機関と協議・調整をしていきたいと考えております。  今後,やはり多くの外国人の乗船客の方が滞在を楽しんでいただくというのと同時に,魅力発信あるいは地域経済の波及ということで,無料バスの運行方法につきましてはきめ細かく検討しまして,来年度早々にも取り組んでいきたいと考えてございます。  以上です。 125 ◯副主査(高瀬勝也) ありがとうございます。  神戸に来てよかったなというふうに,神戸は便利だなというふうに思っていただけるような取り組みにしていただきたいなと思っております。  もう1つは,27年度予算案で新規事業としまして,神戸ならではのおもてなし環境整備事業,これを行おうとされておりますけれども,この内容につきまして,どのようなものなのか,またそれによってどのような効果というか結果を期待されるのか,伺いたいと思います。 126 ◯片山みなと総局みなと振興部長 やはり外国客船が入港されたときに,乗船客の方々あるいはクルーの方々もそうですけども,快適に買い物あるいは飲食をしていただくという環境を整えるという意味では,商業者の方と連携して神戸ならではのおもてなしをするということで,これは27年度から都心商業地でのおもてなし環境整備事業を行いたいと思っております。  具体的な事業の内容でございますが,都心商業地の方々と協議をさせていただくということになりますけども,客船の入港の際に合わせまして,商業エリアを中心に,例えば,横断幕あるいはバナーで歓迎ムードを盛り上げたり,あるいはショッピングのための通訳を配置をするであるとか,あるいは外国語の案内マップ,これを作成して配布するなど,乗船客・クルーの方が楽しんでいただけるようなおもてなしを考えたいと思っております。  このような取り組みによりまして,港町神戸の魅力を十二分に発信をして,再度,神戸に来ていただくリピーターをふやすという将来のインバウンドの増加につながる効果もございますし,また商店街の消費拡大という地域経済への波及効果も期待されますので,これについては積極的に取り組んでいきたいと考えております。  以上です。 127 ◯副主査(高瀬勝也) ありがとうございます。ぜひとも神戸の魅力発信と活性化に資するような取り組みを行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  では,続きまして,市内雇用を行う進出企業へのインセンティブの拡充について伺いたいと思います。  現在,神戸空港や充実した高速道路網など,神戸の投資環境の優位性を発信し,かつエンタープライズゾーン条例によってインセンティブ策を活用するなどして企業誘致を進めております。インセンティブ策としては,具体には投資額や雇用者数,さらには神戸港の貨物利用数などによって割引率に差を設けておりますけれども,御提案ですが,これに加えて,市内居住者の雇用,また今後,神戸に居住予定を含めた神戸市民を雇用した企業について支援をする要件がないので,これをもう1段踏み込んだ策として設定をして,市民の雇用拡大につなげる配慮も必要ではないでしょうか。  一方で,新都市整備会計において,六甲アイランドの活性化策として,まちの活力の基礎となる人口増への取り組みを挙げておられるように,このようにみなと総局内の事業として連携しながら行ってはどうかという点について伺いたいと思います。 128 ◯吉井みなと総局長 企業進出を支援するためのインセンティブ策,これは平成20年に進出支援制度として設けまして,新事業所における事業の中身とか,設備投資の中身,内容・額,社会的取り組みの寄与度・貢献度に応じて土地価格の引き下げをやって進出していただくとしております。  実は,理事から指摘を受けるまで,ちょっとこれ,私ども,完全に抜けておりましたが,具体的に進出制度の割引項目で投資額とか雇用者数があるんですけど,実は,市内居住者数の雇用については言及しておりません。これは,ちょっと私ども,神戸市の定住人口をふやすために,これはちょっと改めて,当該項目を新たに追加したいと考えております。  また,新都市整備事業のほうですけども,私ども,市民の住宅需要に応えるためと,それから神戸の経済の強化を図るための産業用地の供給をセットに行っている事業ですので,実際,企業誘致を進めるに当たりまして,当然のことながら,就労環境だけではなくて従業員の方の住環境,これが大事なポイントとなることが多いです。  ちょっと時代を少しさかのぼるんですけども,例えば,西神工業団地なんかでしたら,いわゆる当時は社宅というのを企業が要望されておりましたので,西神工業団地に進出していただく企業には逆に社宅用地を提供して,神戸市のほうは逆に率先して住んでいただくということで結構取り組んでおりまして,例えば,神戸製鋼所なり敷島製パンなり山崎製パンさんなどは,社宅を一緒に建てていただいたということを取り組んでおりました。  ただ,最近は,企業のほうは社宅まではもう用意いたしませんので,例えば,最近,神戸に立地していただいて,大阪から本社・工場ごと移転していただきました企業は,やはり私どもの持っているありとあらゆるネットワークを駆使して,いわゆる神戸市内のマンション・戸建住宅,これを実はあっせんいたしまして,逆に従業員の皆様に神戸に住んでいただくという取り込みを行ってきております。  私ども,27年度もそうですけども,今後とも住宅宅地の供給は引き続きやっていきますので,理事が御提案いただきましたいわゆる企業誘致と,それから定住人口を絡めた住宅宅地をどのように供給していくのかと,これは具体策を早急に検討して,何らかの形で27年度からの住宅の公募については少し取り組んでまいりたいと思っております。今後とも理事から御指摘いただいた住宅宅地と産業供給はセットでやっていると,この強みを生かして,神戸市の定住人口,それから雇用人口の増加に取り組んでまいりたいと思っております。  以上です。 129 ◯副主査(高瀬勝也) ありがとうございます。  やっぱり1つの単体の事業というか,ことだけではなくて,連携しながら,いろんな策を組み合わせながら,神戸市トータルとして収入増というか,市民の雇用もそうですけれども,図れるような取り組みを行っていただきたいなと思いますので,ぜひとも早急に御検討いただいて改善をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは,続きまして,ちょっとずっとお話が出ていますけれども,空港につきまして私のほうからもお伺いをしたいと思います。重なっている分は簡略化していただいて結構でございます。  神戸空港は,平成18年の開港以来,2,200万人以上が利用されており,旅客数においては地方管理空港でトップを続けておられます。都心から近いという魅力は,企業進出だけでなく,宿泊施設や観光施設,地元経済への波及効果が一定見込める重要な都市装置であり,今後も必要であるとの認識から,以下お伺いをしたいと思います。  西の拠点と位置づけ,便数で7割を占めるスカイマークの民事再生手続の開始によって,神戸空港への影響が懸念されております。しかしながら,スポンサー契約を結んだ投資ファンドが90億円まで必要額を融資する予定であることから,当面の資金繰りに影響はない,あるいは共同スポンサーを募集したところ,大手旅行会社を含め,およそ20社前後が支援の意向を示している報道があったほか,複数の航空会社も支援の手を挙げたという報道がございましたので,直ちに神戸空港にとって多大な影響を及ぼすとは考えにくい状況に,破綻報道のときと比べますと変化をしてきているのではないかと考えております。今後は,5月に再生計画案を裁判所に提出して,6月に開く債権者集会で計画案の可否を問う予定であるとのことでございます。  また,スカイマークの社長が路線について一層の再編はあり得ると話をされていることから,搭乗率の低い路線が再編の対象になれば,神戸空港の路線が減便になるのではないかという懸念もございますが,仮に減便になった場合,スカイマークが減便になった場合でも,何としても現状の発着枠30というのを確保していただきたいと考えておりますけれども,今後の見通しについてまずお伺いしたいと思います。 130 ◯吉井みなと総局長 スカイマークさんは,現在,民事再生の手続に入っておりますので,うちも,スカイマークさんからは夏ダイヤにおいては20便体制を維持すると発表しているので,当面は安心しておりますけども,とはいいながら,やっぱり民事再生計画はいろんな方々が絡んで立てられるものでございますから,私どもはこれを大変注視しております。万が一ですけども,30便を下回るようなことがありましたら,当然のことながら,30便に戻るように全力を挙げて私どもは取り組む覚悟を持って取り組んでおるところです。  現状では,スカイマークの件があったということではなくて,機材・人員等の確保ができれば,やはり神戸空港に就航したいという航空会社もおられまして,実は,なかなか枠がございませんので,なかなかすぐ段取りはしていただけないというジレンマがありますけども,そういう状況もございまして,また夏期チャーター便を夏の間飛ばしたいと言うて,実は私どもに就航していない航空会社からも打診をいただいております。  そういうことで少しは安心しておるんですけども,エアラインにはやはり市場の動向にも結構左右されるものですから,私どももこれらの動きは全て注視しながら,万が一30便を切ることになれば,速やかに動いて,タイムラグはありますけども,すぐ体勢を立て直すという覚悟でこのことも取り組んでいきたいと思っております。  以上です。 131 ◯副主査(高瀬勝也) わかりました。ありがとうございます。これについては市民も不安に思っている部分もございますので,ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  また,何度も出ておりますけれども,運営権の売却につきましてちょっと少し触れたいと思いますが,国に対して発着枠の拡大と運用時間の延長をこれまで幾度となく要望を続けてきましたけれども,なかなか進捗しないことを踏まえますと,今回の運営権の売却の検討でございますが,3空港一体運営が実現すれば本市にとっても非常に大きなチャンスになるのではないかと思います。今後,この3空港一体運営によって神戸空港のさらなる活用が期待されますが,なぜこのようなタイミングでこの選択に至ったのか,改めてお伺いしたいと思います。  一方で,運営権が市から民間に移ることによって,空港を設置した本市のかかわり方が薄まるのではないかという懸念もございまして,運営権の売却を,本市のかかわり方につきまして,どのように変化をするのか,伺いたいと思います。 132 ◯吉井みなと総局長 私どもは,かねてより3空港一体運営が望ましいと申し上げる中,また関西の経済界からも一体運営を望む声がかなり大きくなってきております。これは,やはり関西経済の全体の発展のために3空港一体運営がやっぱり一番望ましいと,皆さんがお考えになり始めたということですね。
     そういう中,昨年の7月に,国が100%出資している新関空株式会社──ここがポイントだと思いますけど──がコンセッションを進める実施方針を発表されて,その中で,新しい運営権者のもとで3空港を一元的に運営することによって,関空の国際拠点空港の再生とか強化,関西全体の航空輸送需要の拡大を図る目的から,神戸空港の管理者と交渉を行うことができると,ただし書きの小さい字でありますけど,これ,明記されました。これは,私ども,十分意義深いことと考えております。  なおかつ,そのコンセッションのスケジュールなんですけども,これも同時に発表されて,多少,一時提案書類の提出期限が少し延ばされましたけども,最終的な実施契約はことしの9月ごろ,それから事業開始時期は来年の1月ごろということで,これについても7月に公表された実施方針とスケジュールは何ら変わっておりません。  このタイミングでありまして,私ども,平成27年度中にも運営権者さんといろんな協議がスタートできるんではないかということで,この機を逃さず,ただ,大きな契約になりますので,慎重かつ着実に進めていきたいと思っておりますので,このたびのコンセッション手続の準備の予算を提案させていただいたという次第になります。  ただ,これ,コンセッションには,実は所有権はずっと神戸市が保有するとなっておりますので,運営権の売却後も,これはPFI法に規定がございますけども,運営権者は私どもの空港の設置管理者に業務報告をしたり,私どもの実地調査があったり,必要な指示も行うことができますし,実施計画に定められた事項について重大な違反があった場合は,当然,この施設の運営権を取り消すことができると,これはPFI法で定まっております。また,国が作成しておりますPFIに関するガイドラインで,当然のことながら,運営時に管理に関する要求水準,これの充足をちゃんとできているかを確認するために,契約の中でモニタリングをしたり,口を出すことはできますので,十分監視することができるとなっています。そういうことで,運営権を売却しても神戸市が一切かかわれないということではなくて,私たちのコントロール下で民間の新しい運営権者がマーケットの中で空港を運営するということになっていくと思います。 133 ◯副主査(高瀬勝也) ありがとうございます。  そうしますと,運営権を仮に売却した場合でも,引き続き運営に関しては責任を担うということでよろしいですね。はい。わかりました。  いずれにしましても,先ほども申し上げましたが,ほんまに大丈夫かいなというような御不安がございますので,その不安を打ち消すような努力,また情報発信をしていただきたいということを要望させていただきます。  それでは,最後,少し集貨促進について触れたいと思いますが,今回の27年度予算案の中で,市単費の事業としまして,3,000万を投じて海外ポートセールス強化事業を行おうとしておりますけれども,これによってどの程度の貨物の獲得を目指しているのか,また昨年は7月の上海・香港を皮切りに,11月に青島,また12月には台湾などを訪問されております。27年度は,当然そのような取り組みも強化されることと思いますけれども,どのような取り組みを行うのか,お伺いをいたします。 134 ◯田中(恵)みなと総局担当部長 私から,海外ポートセールス強化事業についてお答えをいたします。  平成26年1月から11月までの統計でございますが,神戸港の外貿コンテナ取扱高187万TEUのうち,中国貨物は73万TEUで約4割,東南アジア貨物は39万TEUで約2割を占めており,中国・東南アジアは神戸港にとって非常に重要な地域でございます。  みなと総局では,これまで中国の上海・青島,ベトナムのハノイにおいてセミナーを開催いたしまして,神戸港のPRを実施してまいりました。また,神戸市の上海事務所と連携いたしまして,上海・香港,また台湾などを訪問いたしまして,現地の船社や物流企業,荷主企業に対して,神戸港への航路・貨物誘致を行ってまいりました。  平成27年度の取り組みといたしまして,26年度から実施しております国の国際戦略港湾競争力強化対策事業による集貨施策に加えまして,新たに海外ポートセールス強化事業を実施したいと考えております。この事業でございますが,これまで神戸港が行ってまいりました中国・東南アジア方面でのセミナーや企業訪問などの海外ポートセールスの効果を一層高め,神戸港への集貨をより強化するものでございます。  事業内容でございますが,荷主やフォワーダーに対して,当該港湾と神戸港の間で輸出入されます新規の貨物に対して,1TEU当たり1万円程度を補助する予定でございます。これにより,3,000TEU程度の新たな貨物の獲得を目指したいと思っております。来年度も引き続きまして,中国・東南アジアにおきまして,セミナーの開催,荷主企業を訪問する予定でございます。場所等は現在検討中でございますが,従来の事業とともにこの強化事業を活用し,新たな貨物や航路誘致に結びつけたいと考えております。  以上でございます。 135 ◯副主査(高瀬勝也) ありがとうございます。  ちょっともう時間もないので,この事業に関してもせっかく3,000万を投じるわけでございますので,費用対効果というか,しっかりと神戸に集貨できるような取り組みをぜひとも効率的に行っていただきたいことを申し上げまして,質問を終わります。ありがとうございました。 136 ◯主査(梅田幸広) どうも御苦労さまでした。  次に,岡島委員,発言席へどうぞ。 137 ◯分科員(岡島亮介) ざあっと質問しようかと思ったんだけど,1問ずつお願いできますか。  ずうっと午前中から話題になっている神戸港の将来像について,一遍局長の見解を伺いたいんですが,今ずうっと思い起こせば,昭和30年代か,元町のメリケン通りのあたりは港湾労働者の方がいっぱいいて非常に活気づいていた。50年代になっても世界で4位ぐらいやったかな。今は,30位から40位,50位──50位から60番や。日本の国内でも第4の市に凋落していると,こういうことですね。  それは,経済情勢も産業構造の変化もあるだろうし,阪神・淡路大震災ももちろんそうなんでしょうけど,近隣アジア諸国も台頭してきているということなんですが,今,京浜港と神戸・大阪──阪神港が日本の戦略港湾だということで取り組まれておるんですけれども,一体,神戸港の将来に輝きはあるのかね。それをまず一遍お伺いしたいと思います。 138 ◯吉井みなと総局長 神戸港の輝きということで,実は,コンテナ取扱量が最近は港のランキングとなっておりますので,私どもは,昭和52年にはコンテナ取扱量,実はこれ,136万TEUですけども,このときは世界2位と。震災直前は292万TEUで,これが世界6位。最近は,255~256万で大体56位と。  実は,ここ50年ぐらいを振り返ることになるんですけれども,少しさかのぼって,神戸港が2位であった52年から世界のトップ10の港湾のコンテナ取扱貨物量を見ますと約22倍ぐらいになっておるということで,世界の国際海上物流は大体20倍から25倍ぐらいに膨れ上がっております。これ,もちろん中国・韓国の港湾整備が進んだこともありまして,中国が世界の工場になったということでこういうことが進んできたと。ただ,私ども,震災後20年間分,港湾への投資が余りできませんでしたので,こういう面も少しおくれた要因かなと思っています。  こんな状況の中なんですけども,再び神戸港が輝けるんかということですが,実は,私は十分輝きを取り戻せると思っておりまして,港の仕事を担当させていただきましてから,仕事を通じて多くの海外の港湾関係者,船会社の方々といろいろお会いできまして,いろいろ話をさせていただきました。やはり外から見ますと,ポート・オブ・神戸,このブランド力が強く,日本の港といえばやはり海外から見れば神戸港なんですね。そういう意味で,先輩たちが築いていただいた実績というのが,これがかなりすごくて,今でもそのブランド力はほかに引けをとらないという状況であります。  ただ,とはいいながら,世界の状況もかなり変わってきております。私は,開港150年目の節目が2年後に来ますけども,そのときに,実はやっぱり神戸港の20年,30年先を見た神戸の輝ける将来像,これをお示ししたいと考えております。実は,さかのぼって開港100年目のときに何があったかと申しますと,これ,最近あちこちで言っているんですけども,昭和42年になるんですけども,ポートアイランドの着工が行われているんですね。なおかつ,現在の阪神国際港湾株式会社,これのもともとの前身になります阪神外貿埠頭公団が設立,それと神戸港はフルコンテナ船が初入港した,実はこれが50年前です。実は,その50年前に,大体現在の神戸港の形をほぼ神戸市は予見してつくっておったと,そういう状況でございます。  ただ,これから20~30年先には,当然,国内でも人口減,少子・高齢化,都市間競争の激化,いろんな食糧問題も言われていますけども,そういうことが予想される中で,世界的にはこれから世界の工場が中国からさらに東へシフトして,タイ・ベトナム,さらに東へシフトしてインド,アフリカと,経済の中心地がどんどん動いていくというふうになっていきます。当然,それは消費地も大きく変化していくことになります。  このような状況を見ますと,世界に冠たる取扱量を持つ港ということにはなかなか難しいということになりますけども,ただ,西日本のハブ港としての機能,これはやはり従来とも変わらず私どもが確保しなきゃならない機能だと考えております。それは,当然のことながら,神戸市のみならず,西日本の経済を支える港として,それが神戸港の果たしていく役割だというふうに考えます。将来的にもこれは全く変わらないものと考えます。これは,海外からの方と話をしても,神戸港,応援もありますけども,神戸港はそういう港なんだというふうに認識されています。  そういう意味では,長期的な視点に立って,実は,現在,各分野の専門家へ少しヒアリングも始めております。できましたら,年度がかわりましたら,神戸港の港湾審議会のメンバーにはいろんな方が入っていただいておりますので,本格的な検討に取り組むように,業界関係者で,やはり専門家の御意見,これが大事ですので,これを聞きながら,少し神戸港の将来にわたって輝くことができるような将来構想の検討に着手したいと考えております。  以上です。 139 ◯分科員(岡島亮介) 世界から見たら,神戸港はそれほど名前がポート・オブ・神戸で売れているんだろうと,それはありがたいことなんですけど,局長も今おっしゃったように,もともと神戸港のおかげで,これ,神戸市の市民の8割が生活しておったわけなんですよ。それから,その当時は,恐らく領事館も50~60はあったはずですわ。空港が,関空ができて向こうへ行ってから領事館が1つも,アメリカも全部向こうへ行っちゃったしということで,だんだん寂れた感じを,悲しい感じを──寂れたというのか,心もとない感じがするんだけれども,今,開港100年の話も聞かせていただいて,150年のときには,2年先には皆さんに輝ける神戸の将来像というのをお示ししようというふうな決意でおられますし,少しは私も安心をしました。  だけど,やっぱり問題は集貨ですよ。国内のいわゆる西日本からでも集貨,滋賀県からも集貨,今までは全部神戸へ来よった業者がなぜか舞鶴へ行ってしまったり,金沢のほうへ行ったり,地方港に行ってしまっている。だから,集貨ということについて,業界でやっぱり一生懸命対応していただく,あるいは皆さんも対応していただく,この集貨1点に絞ってやらないと,微増でもいいから,少しずつ毎年,毎年,集貨でとにかく努力をしていくということしかないんじゃないかなと,私はそう思うんですね。  確かに地方港がインセンティブをつけて,国策もあって,港湾を改良して,釜山へ逃げていく。釜山の逃げておるやつを取り戻すんやということなんだけど,結局は荷主さんなんですよね。荷主さんが理解をしていただける,国がそういうふうに働きかけてくれる,そういったことでやっぱり神戸に集貨ができるような,これ1点に絞ってやらないとしょうがないと思うんですね,今の時点。  矢田市長が肝いりでつくった,滋賀県につくったインバウンドデポ,これも僕は大いに期待しておったんですが,今のところ,まだそこまで成果を上げていない。あれも結局,舞鶴のほうへ行く荷主,荷物を神戸へ持ってこいよということで,あれ,取り組んだはずなんですね。だから,そういうことを考えると,とにかく集貨をするということ1点に絞って,やっぱり業界を挙げて皆さんに協力していただいて頑張っていただきたいと,これだけを申し上げておきたいと思います。  先ほど,150年の話がありました。これ,ちょっとまた話題がかわりますが,せっかく実行委員会が立ち上がって,行政関係,港湾業界団体,経済団体,文化・観光関係団体,マスコミ・市民団体で,多彩な顔ぶれが名前を連ねておるんですね。この多彩な顔ぶれの団体が150年のイベントだけを考えるのに議論されるということは,私,非常にもったいないんではないかなと。せっかくこれだけの団体が集まるんですから,この皆さん方に今の現状をよく知っていただいて,せっかく集まった機会にどういう方法で神戸港に貨物をもちろん集めてもらうかとか,神戸港をもう1度浮上させるような,浮揚させるような,そういった議題というのか,話題というのか,そういうふうな展開にもつなげていけないのかなと思うんですが,局長はどないお考えですか。 140 ◯吉井みなと総局長 委員にいただいた意見はもっともだと思います。  実は,開港150年の記念事業の実行委員会,これは多種多様な方々に入っていただいていろんな御意見を聞くという場でスタートしたのですが,片方で,開港150年に向けて神戸港の将来像も考えていくことになりますので。ただ,やはりそれについては結構な専門的な話が出てきますので,まずはそこから取り組んでいきたいと考えております。ただ,そのいろんな検討の進捗状況を,逆に,実行委員会は年に3回ほどの開催予定をしておりますので,節目,節目で発表させていただいて,いろんな御意見をいただくということで進めさせていただきたいと思います。  特に,あれだけのメンバーが集まっていただきますので,委員御提案ありましたように,できたら将来の神戸港のあり方なり,発展を推進していく場ということで,記念事業以降も何かの形で進めればという思いは持っております。  以上です。 141 ◯分科員(岡島亮介) ぜひともそうしてほしいですね。せっかくこれだけのメンバーが集まるんですから,非常に──イベントだけでは今ないというお話もありましたから,それでいいんですが,やっぱり神戸港の将来のこともこの中で一遍取り組めたら取り組めるようにお願いしたいと思います。  ちょっと空港の話にかわりますが,午前中からも3空港一体運営についての話があります。もう2年ほど前になりますが,コンセッションという言葉が,聞きなれない言葉が出てきて,私も毎年,もう2年連続で総括で,空港について,コンセッションについて,3空港一体運営についてお伺いをしてきました。いよいよ来たかと,時期がというふうに内心非常にこれは喜んでおるんですが,一体この2億でどのような検討がなされようとしているのか,ちょっと今答えられる範囲でお答え願えますか。 142 ◯吉井みなと総局長 予算で提案させていただいておる2億円の具体的な作業内容になるんですけども,これは,実は,相手方と交渉するため,財務諸表を全て握るということになります。例えば,空港施設の更新計画,たまたま新関空さんは45年の運営期間を予定しておりますので,そういうものと,それら空港の再投資計画に当たるようなものです。それから,空港事業,ターミナル事業の現在の事業とか財務・法務のデューデリジェンス,これは現在の資産価値の評価ですね。それがどういう形に資産がふえていくのかというのは,こういうのも算定していきます。それから,実際の運営していただく事業範囲,それから事業スキームの検討ですね。それから,個々の財務シミュレーション,これは私ども神戸市もそうですし,ターミナルのほうもそうですし,相手方もそうです。さらには,運営権者に提供する,これだけはきちっと守ってくださいという要求水準書,こういうのを作成していって,最終的には契約書を上げなければなりません。その中で,当然,かなり厳しいタフな交渉が始まりますので,そういうアドバイザーもこの中で契約して雇うようになってきます。  特に,神戸空港の運営権の売却というものは,やっぱり神戸経済の活性化を大きく左右するものでございますので,私どもはこれは慎重に,まず万全の体制を整えて望んでいきたいと思っていますので,どうしても,特に専門的な話として,例えば,とか,それから会計・法務のほうに事業価値,これに,また事業価値の向上のための経営コンサルティング,こういう方もお雇いしなければなりません。なおかつ,契約交渉で,当然,外資も入ってくることも想定されますので,当然,日本語の契約だけじゃなくて英語がベースとなる契約書の作成とか,そういうことも全てを含めて準備をするということで,今回の2億円の予算を提案させていただいたと,そういう内容でございます。 143 ◯分科員(岡島亮介) 一番期待をするのは,優先交渉権がこの7月ぐらいに選定されるとして,その時点で優先交渉権を持っている方に,企業にどう対応していくのかや。そのときに,神戸市がというよりも,神戸市グループにしないとだめやね。民間も入れてね。民間のノウハウを持っているところも,要するにコンセッションに実は国のほうで一文入れてもらったからできるんですけども,これ,交渉権を持っている方が嫌やと言ったらどないにもなりませんよね。嫌やと言わせんように,商売人だったら,むしろ大阪の商売人だったら食らいついていくん違うかなと。それくらいの根性を持たないかんのんと,それくらいの人材を使って民間の企業か,その交渉権を持っているところに強い企業の力を借りるとか,いろんな方がおるでしょうけども,そういったところにいろんな,一緒になって神戸を売り込みに行くということは考えておられるのかどうか,ちょっと。 144 ◯吉井みなと総局長 コンセッションの準備作業は,これは粛々とする面もありますので,それはそれでやっていきます。ただ,委員がおっしゃっていただきました,高く売るという趣旨はないんですけども,市場の中で神戸空港の価値は一定量決まります。それには,応援団がきちっとついていただかなければ,当然,それなりの評価をしてもらえないのも事実です。そういう意味では,私ども,当然,私どもだけじゃなくて,経済界の皆様,促進協もありますので,それの皆様も含めて,当然のことながら,委員のほうにもお願いを,議員の皆様にもお願いをすることになりますけども,そういう応援団がなければこういう契約は成立しませんので,その辺はまた私どもが動くときにはよろしくお願いしたいと思っております。  以上です。 145 ◯分科員(岡島亮介) コンセッションがあるとして,神戸空港も3空港一体運営でいこうというふうに判断をされて,私は,これがあるから神戸空港のいわゆる価値を高めておく必要があるんではないかということで,一昨年来ずうっと神戸空港のにぎわいづくりについてお話をしてきました。昨年の総括で,副市長がにぎわいづくりをやるために民間の一遍知恵を借りてやろうやないかということで,新聞の記事にも大きく取り上げられました。それは,遅きに失したかもわからないけれども,やっぱりコンセッションをにらんでの僕は発言だったんです。だから,コンセッションがもしうまくいって3空港が一体運用になれば,それは医療産業都市も──だって,あそこへ海外から直接エアラインが着くんですから。着く可能性があるんですよ。しかもうちは24時間空港になり得る空港なんですよ。大阪空港は24時間にならないんですよ。そういった意味で,大阪と伊丹が今,コンセッションが始まっていますけども,神戸がそこに加わったら24時間空港が2つ,滑走路は1つですけども,できるんですね。そういった強みがある。  そこに,それはもちろん国の国交省の了解も要るんでしょうけども,動きがしやすい,今よりも。そうなると,神戸のポテンシャルというのがあるから,やっぱり神戸に海外のエアラインがおりてくれる可能性もあるわけですね。24時間空港になる可能性もあるわけなんですよね,神戸は。そこらもコンセッションする相手側にやっぱりポイントとしてお話をするぐらいの気構え,あるいは後ろ盾を持ってかかってほしいと思うんだけど,この点はどうでしょうか。 146 ◯吉井みなと総局長 ちょっとなかなか言えない範囲も入ってきましたけども,そもそも神戸空港は,コンセッションに参加するということになるんですけども,実は,日本の公共インフラがいわゆる運営権の売却にストレートに入ったというのがこの空港が初めてでございますので,ある意味では,公共インフラがマーケットに委ねるということを国が空港から始めるということで判断している。これは,自民党の成長戦略にもしっかりと位置づけられているという代物です。そういう意味では,私ども,土木技術屋なので,公共の施設はよくスクリーニングしましたけど,ちょっと時代も大分変わったということで,逆にこれが今後の公共インフラのあり方だというふうに思っています。  委員がおっしゃっていただきましたように,神戸空港を高く売るという意味じゃないんですけども,それは適正な費用をいただいたらいいと思いますけども,やはり1つは,市のにぎわいづくりもそうなんですけども,周辺に開発用地を持っていると。これ,実は神戸空港の大きな特徴であります。伊丹空港でしたら,空港施設内の用地はありますけども,関連する用地は保有していないと。その辺がこれからコンセッションにどういうふうに取り組むんかというのは,相手さんもおりますので,私どもはしっかりと準備する中では準備していきたいと思っています。  空港機能の拡充につきましては,まずはひとえに3空港一体運営,これに入っていくところがまず第一義と思っておりますので,まずこれのためのコンセッションを十分こなすということが大事と思っております。私ども期待すべき機能拡充については次のステップだと思っておりますので,それはそれで私どもの服務としてしっかり準備をすると,そういう取り組み方を今現在考えております。  以上です。 147 ◯分科員(岡島亮介) 3空港一体運営ができて,コンセッションがうまくいって,それは夢のある話になりますし,神戸の経済がもっと浮揚するだろうと,要は想像にかたくないと思いますね。ですから,3空港一体運営ができるように,あらゆる知恵を使って,あらゆる民間のノウハウも使ってやっぱりやり遂げないかんと。これだけ期待を持って取りかかっていただいているのが期待外れにならんように頑張ってください。お願いしますわ。  それから,次,ちょっと津波対策,1点だけいきましょうか。  今後27年か28年の間に80%の確率でやってくるだろうと言われる南海トラフ地震,これを見据えてハード対策に着手をするとのことでありまして,全長59.8キロに及ぶ防潮堤に強化対策を施すということで,浸水被害面積は約4割減るんではないかというふうなことが,この間,記事に載っておりました。記事には,5カ年計画ということだったんですが,これ,もっと早く事業化を進めて,5年と言わずにもっと短い時間で何とかならんもんでしょうかね,どうですか。 148 ◯桜井みなと総局技術部長 もう少し短い期間でということでございますが,地震対策,津波対策ですが,ソフト対策とあわせまして,まずは人命を守るということを最優先といたしまして,今年度,みなと総局におきまして詳細な検討を実施してまいりました。対策の方針といたしましては,昨年の2月に兵庫県が公表いたしました南海トラフ巨大地震に伴う浸水予想を踏まえたものでございまして,まず1,000年に1回というレベルの地震ですから,一部は越流を認めると,完全に防ぐことはできないということで,防潮堤等の補強によりまして,まずは既成市街地の住宅エリア,それから交流人口が多い都心部で,そういったところにおきまして,人命に影響を与えない30センチ未満の浸水深としたいというのがまず第1点でございます。  それから,2点目といたしましては,これは学識経験者等の御指導も踏まえまして,地震後におきましても,高潮,従来進めてまいりました高潮対策,この必要高を確保をしたいということが2点目でございます。  それから,東部の埋立地につきましては,周囲の全域からの浸水が予想されますので,別途これは詳細に検討を行いまして,まずは既成市街地,その次に続く対策として取り組んでいきたいというふうに考えてございます。  対策は,兵庫県と歩調を合わせながら,委員もおっしゃいました27年度から実施することとしておりますが,まずは居住エリアでの浸水被害が大きい兵庫区あるいは東灘区と,そういったところの防潮堤の補強から着手したいというふうに考えております。  既成市街地の対策にかかる全体事業費はおおむね70億円程度を見込んでおりまして,委員御指摘のこれに要する期間は5年程度と見込んでございます。これにつきましては,国の予算等の配分にもよりますが,従来から行ってまいりました高潮対策事業,これが平成27年度に完了いたしますので,28年度以降につきましては,津波対策事業を拡充するなどいたしまして,できるだけ早期の完了を目指したいというふうに考えております。これまでも国に対しまして津波予算の要望活動を行ってまいりましたが,今後も引き続きまして,あらゆる機会を捉えて強力な要望活動を行ってまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 149 ◯分科員(岡島亮介) 新聞には,急を要するところ,要するに,浸水被害が大きいと想定される地域でそういう計画をというふうな書き方をされておったんですが,その他の地域はどうなるんですか。想定される以外の地域。 150 ◯桜井みなと総局技術部長 高潮対策の延長約60キロ,それで特に昨年の2月に公表された兵庫県の浸水予想でも,やはり先ほど申し上げました東灘,それから兵庫,そういったところがかなり浸水が大きいということで,限られた予算の中でなるべく早期にということで,まずはそういった一番被害が大きく出ると予想されるエリアから順次着手をしていきたいということで,それ以外のところにつきましては,今現在考えております5カ年のいわゆる工期と申しますか,まずは一番浸水の被害の大きいところから着手をしたいということでございます。  以上でございます。 151 ◯分科員(岡島亮介) わかりました。しっかりと津波対策を頑張ってやってほしいと思いますね。  それでは,先ほどもちょっと御質問があった件ですが,新港突堤の再開発,先ほど来お話がありました,27年度予算において新港突堤基部の国有地を購入する予算が上がっておって,今後,同地区も含めて港都神戸グランドデザインで示された土地利用を目指していくということが書いてありました。この計画は,この周辺は,文化・創造産業複合エリアとなっておって,少し具体的に言いますと,広範な意味合いでのさまざまな文化活動や大学等の研究活動が行われ,それが創造産業の振興に寄与するなど,新たな都市機能の創出を図る。また,創造産業を支える,あるいはリゾートを有する特色ある居住機能で,商業業務機能を導入するとあるが,一体どんなふうなことが計画されておるんか,わかりやすく説明ください。 152 ◯田中(誠)みなと総局担当部長 新港突堤西地区の再開発に当たりましては,今,委員御指摘のように,港都神戸グランドデザインに基づきまして再開発を進めてまいります。当地域は,文化・創造産業複合エリアということになっておりまして,この内容に沿って進めていきたいと考えております。  まず,現在稼働しております施設が休止したものとか,あるいは老朽化が進んだ施設の撤去,それから利用率が低くなった施設の集約・撤去を行って,現在,土地のクリアランス化を進めておるところでございます。  来年度予算で計上させていただいております国有地の購入予定の場所は,かつて民間の冷蔵倉庫があった場所でございまして,しばらく更地になっておったわけですが,昨年7月に近畿財務局より神戸市や兵庫県向けの当該国有地の取得意思の確認がなされたことから,港都神戸グランドデザインに掲げるまちづくりを実現するために,神戸市が国有地を一旦取得を図ろうということでございます。  冒頭申しましたように,この突堤基部では,文化・創造産業複合エリアということになっておりまして,デザイン都市神戸の拠点でありますデザイン・クリエイティブセンター神戸が既に創造産業としてオープンしておるところでございます。  また,平成25年の7月,一昨年の夏でございますが,土地開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべく地域として,都市再生緊急整備地域というものに指定がされております。今回購入する土地を含みます新港第1突堤基部には,先ほど委員から御指摘もございました居住機能,それから業務商業施設となる複合施設の導入を図りたいというふうに考えております。このエリアは,都心に近い貴重なウオーターフロントエリアといたしまして,民間のディベロッパーからも高い評価を得ているところでございます。  したがいまして,商業施設を兼ね備え,ウオーターフロントを満喫できるグレードの高い居住機能や集客施設など,具体的な提案を示す民間事業者もあらわれてきているところでございます。今後,この公募に当たりましては,民間事業者の資金やアイデアを最大限生かすために,先ほど申しました都市再生緊急整備地域の制度を活用した事業提案を募りたいと考えております。今後,国有地取得を含む関係機関との調整など,速やかに民間事業者に公募ができる環境を整えまして,事業化に向けた手続に入っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 153 ◯分科員(岡島亮介) もうひとつ,ようイメージができないんです。あなた,イメージできている。ちょっとおっしゃってくれる。 154 ◯田中(誠)みなと総局担当部長 少しグランドデザインの言葉が,最初,委員が御指摘いただきましたように,少し長い,広い意味合いでのさまざまな文化活動,大学等研究活動とか,いろいろ書いておるところでございますが,今,実際,この土地,それはもう少し広いエリアを言っておりますけれども,今,実際,このあいておる土地に限って,先ほど申しましたように,民間事業者から,民間のディベロッパーといろいろ話を聞いておるところでございます。  その中で,具体的な提案として今いただいておりますのは,ウオーターフロントを満喫できるグレードの高い居住機能や集客施設ということで,商業施設を兼ね備えたいわゆる居住マンション的なもの,こういったものを提案をいただいております。それが1つの提案ではございますので,それで決めるということではございませんけれども,そういったものをイメージしながら,引き続きほかのディベロッパーからもいろんな意見を聞きまして,公募につなげていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 155 ◯分科員(岡島亮介) もっと簡単にわかりやすいのは,モザイクハウスのあのあたりね。モザイクがありますでしょう,煉瓦倉庫とか。ああいうふうなにぎわいのあるものをあそこにずっと。そこに住居が来るのがちょっとわからん,私は。それは民間の方の提案なんでしょうけど。そこらがちょっと,そのエリアに合うのかなというのがちょっとひっかかるなと思うだけで,また皆さんで一遍検討ください。  1点,コンセッションに絡めてだけど,これも夢のある話なんだけど,ちょっと頭に入れておいてほしいのは,3空港が一体運営をするということに決まった,コンセッションもうまくいったというたら,次は,局長は何を目指されますか。 156 ◯吉井みなと総局長 ちょっと言いづらいんですけども,神戸空港が本来持っているポテンシャルを最大限使っていただくということだと思います。 157 ◯分科員(岡島亮介) 私は,沈埋トンネルを関空まで,神戸からね。神戸空港から沈埋トンネルで関空まで走れるというのが,これ,知事がもう言っていますけども,これは神戸市だけでやろうとしたってなかなかやれるものではない。国もいろいろあるでしょうし,やっぱりそれぐらいの夢を持ってほしいなと思っていますので,とにかく何をさておいても空港の3空港一体,これで運営をできるようにひとつ特段の御努力をお願いして,時間も来ましたから終わります。 158 ◯主査(梅田幸広) どうも御苦労さまでした。  委員の皆様に申し上げます。この際,約20分間休憩いたします。  次回は,午後3時20分より再開いたします。  なお,この後,私は阪神水道企業団議会の神戸市側分科会に出席するため,再開後よりの進行を高瀬理事と交代しますので,よろしくお願いいたします。  それでは,どうも御苦労さまでした。   (午後3時1分休憩)   (午後3時21分再開) 159 ◯副主査(高瀬勝也) ただいまから予算特別委員会第3分科会を再開いたします。  休憩中に引き続き,みなと総局に対する質疑を続行いたします。  それでは,小林委員,どうぞ。 160 ◯分科員(小林るみ子) 15分ですが,よろしくお願いいたします。  午前中から鶴甲会館の問題がたびたび出てきていたんですけれども,1つ,鶴甲会館だけの問題ではなくて,1つの鶴甲団地というまちづくりの観点で,住民の声を聞きながら進めていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  まず最初に,非核神戸方式についてです。  非核神戸方式は,1975年,神戸市会で決議され,40年を迎えます。決議文の中に,利用する者にとっては使いやすい港,働く人にとっては働きやすい港として発展しつつある神戸港は,同時に市民に親しまれる平和な港でなければならないとうたわれ,入港を希望する艦船に神戸港管理者の神戸市長に非核証明書の提出を義務づけるようになりました。神戸市は,2年後に神戸港開港150年を迎えます。それに向けてさまざまな記念行事に取り組むとお聞きしていますが,同時に,全国に,全世界に誇ることのできる非核神戸方式を発信するべきではないですか。その点についてお伺いいたします。 161 ◯吉井みなと総局長 非核神戸方式ですが,昭和50年3月市会で全議員一致で核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議というのをいただいております。私ども,これに基づきまして事務を粛々と進めておる状況です。  非核神戸方式については,従来からもいろんなところで私どもは,例えば,8月の中央図書館で開催されている戦災関連資料展とかもホームページに出しておりますので,今後,特に改めて広くアピールすることは現在のところは考えておらないというような状況でございます。 162 ◯分科員(小林るみ子) それは本当に残念なお答えなんですけども,ホームページにしか載っていないという,それだけのものであって,子供たちが使っている学校,「私たちの神戸」という学校の副読本があるんですけども,それにも載っていないという。後世にどういうふうに伝えていくのか非常に私は心配なんですけれども,やはりこれを機に,こういう立派なものがあるんだということを全国に,全世界に発信する,そういう意味で神戸は評価されていくんではないかというふうに思っていますので,ぜひこれは考えていただきたい,取り組んでいただきたい,このこともあわせて強く要望したいというふうに思います。  次に,これも先ほどから質問が出ていることなんですけども,港湾の津波避難対策についてお伺いしたいというふうに思います。  国のほうは,東日本大震災を経て,1年半前,港湾の津波避難対策に関するガイドラインを策定しました。港湾は,海上交通の拠点であり,たくさんの港湾労働者が働いています。しかし,これらの多くが防潮堤などの防護ラインより海側の沿岸部にあるため,もし津波が押し寄せた場合,浸水のおそれが十分にあります。安全で素早い避難が必要となってきます。国のガイドラインをもとに,神戸市としても具体的な避難対策を立てているのか,訓練等に取り組んでいるのか,その点についてお伺いしたいというふうに思います。
    163 ◯金谷みなと総局経営企画部長 神戸市では,これまでも広報で,くらしの防災ガイドというのを全区全号配布しておりまして,神戸市地震減災ガイド,ホームページ等を活用いたしまして,津波ハザードマップや津波時の避難方法の状況提供に努めてございます。津波等の避難情報を携帯電話で素早く入手できるように,ひょうご防災ネットの登録を広く呼びかけてきたところでもございます。  臨海部に事業所がある港湾関連企業に対しても,兵庫県港運協会と通じて,津波に関する情報や防災無線の整備状況など最新の情報に努めるとともに,企業からの個別の問い合わせに対しましてはきめ細かい説明を行いながら,津波時の避難誘導の体制をできるだけ速やかに確立していただくよう要請を行ってきたところでございます。また,神戸港メールマガジンでも,津波ハザードマップや神戸市地震減災ガイド等のお知らせ記事を掲載するなど,情報提供を行っております。  南海トラフ巨大地震発生時に予想される津波については,平成26年2月に浸水想定,6月に被害想定が兵庫県より公表されており,神戸市の臨海部では多くの地域で津波が来るおそれがあり,臨海部の事業所で働く方々は,津波から身を守るため,少しでも早く高い場所に避難していただく必要があると考えております。まずは高台に避難することが先決でございますが,時間がなく,高台に避難できない場合は,近くの高い建物,3階相当以上の場所に避難していただくことになると考えております。  このため,みなと総局では,従来からの取り組みに加えまして,港湾の津波避難対策に関するガイドラインも踏まえまして,今年度,津波避難ビルマップの作成を進めております。具体的には,兵庫県港運協会と共同で臨海部の事業者の皆様に緊急避難所選定に関するアンケート調査を実施しておりまして,危機管理室,関係部局と業界団体等と連携を図りながら,緊急避難場所となり得る場所を提供していただけるよう協力を要請いたしまして,現在約40社,60カ所と具体的に協議を進めております。年度内に津波避難ビルマップを作成いたしまして,兵庫県港運協会を通じて各事業所へ配布する予定でございます。この避難ビルマップを事業所等で掲示していただきまして,港湾,港で働く人々に広く周知していただくことで,津波避難計画にかわるものとして活用いただけるものと考えております。あわせて,さらに周知を図るため,神戸市ホームページでも掲載する予定でございます。  今後ともあらゆる機会を捉えて,ひょうご防災ネット,防災行政無線,神戸市津波防災ウエブサービス「ココクル?」などの情報提供に努めますとともに,危機管理室を中心に関係局・室が連携いたしまして,住民・事業者・行政が一体となって津波に対する迅速な避難行動が図れるよう,一層の意識啓発に努めてまいりたいと考えております。  以上です。 164 ◯分科員(小林るみ子) いろんな情報を流しているというお話だったというふうに思いますが,私が頭に描いているのは,いわゆる人工島──ポートアイランド・六甲アイランド,ああいう島の場合は,防潮堤というものがありません。防護ラインという,ここまで浸水するだろうという防護ラインはあると思いますけども,防潮堤はありません。そのないところにたくさんの事業所が今あります。そこで働いている方々のことが非常に心配というのがありましてこのような質問をさせていただいたわけなんですけども,そういういわゆる防護ラインの外側,海側にある事業所の数とか,そこで働いている人たちの数というのは把握されていますか。 165 ◯金谷みなと総局経営企画部長 港湾労働者の数ということにつきましては,約5,500名ということで把握しております。事業所につきましては,今ちょっとデータを持ち合わせておりませんので,ここでは申し述べられませんが,港運協会を通じまして,これからそういう数も把握していきたいと考えております。 166 ◯分科員(小林るみ子) 何度も言いますけれども,人工島のいわゆる防護ラインの外側にある事業所のそこで働いているような数というのはきちんとやっぱり把握していただきたいというふうに思うんです。というのは,ある意味では避難困難地域になる可能性が十分にありますし,孤立する可能性も十分にある地域だというふうに思っています。そういう意味では,きちんと把握した上での対策,具体的な対策をとっていただきたいというふうに強く思っております。  それで,先ほどのお話の中では,多分それは陸地の話だと思うんですけども,近くに高台があったり,そこの避難ビルができているので,避難ビルに避難してほしいというお話だったと思うんですが,いわゆる人工島には高台がないんですよね。避難ビルというのも,もう居住のビルしかないという,そんなところですから,どこに避難していいのかわからないというのがそこで働いている港湾労働者の思いです。  毎月17日の17時にサイレンが鳴るというふうには聞いていたみたいなんですけども,それもさっぱり聞こえないし,そういう意味では,情報が行っているようで行っていないんだということが改めてわかったわけなんですね。そういう意味では,この人数を把握した上で具体的な対策をとっていただきたいというふうに思います。  先ほど,何度も言いますが,その防護ラインの外側,いわゆる避難困難地域,孤立する地域,そういう可能性が十分にある地域なんですけども,そこには避難ビルもなければ,避難タワーというものももちろん建てられていませんし,避難経路も明らかにされていない。しかも,例えば,ポーアイにしても六甲アイランドにしても,避難しようと思えば橋1本ですから,そこに集中して渋滞を起こすという,そういう特殊な状況の中にいるというふうに思っていますので,本当に具体的な対策をとっていかないと,神戸市民の命を守ることにはつながっていかないというふうに思います。  そういう意味で,そういう地域の避難ビル,避難タワーの設置,それから避難経路の設定,そしてまた居住者と,それから港湾労働者を合わせた状態の備蓄の倉庫,そういうものが今あるのかどうか,これからつくるのかどうか,そこら辺をもうちょっと詳しくお聞きしたいというふうに思います。 167 ◯金谷みなと総局経営企画部長 先ほど御説明いたしました避難ビルマップでございますけど,それにつきましては,いわゆる防潮堤の外側にある事業所で,津波にも耐え得る建物で避難できる場所をあらわしたものでございまして,労働者が一番近くの避難所に避難できる,対応できる地図となっております。  先ほど,その後で御質問されました避難物資等のことにつきましては,現状では我々では把握しておりません。ただ,そういうことにつきましては,各事業者の負担にはなるところでございますけれど,兵庫県港運協会と関係事業者と協力をいただいて,そういう呼びかけもしてまいりたいと思います。  以上です。 168 ◯分科員(小林るみ子) 5,000人という労働者が本当にどこにどういうふうに逃げるのか,そこまで具体的な提案というのをやはり神戸市の責任としてしなければいけないというふうに思っていますので,こういう声は,そこで働いている港湾労働者の労働組合のほうからもその要求が出ております。そういう意味では,その声を聞きながら神戸市としても対応していただきたいというふうに思います。  あわせて,避難訓練の問題もあります。以前の話だと,ある意味では地域にお任せという感じ,地域で考えたらいいという,そういうお答えだったというふうに思うんですけれども,やはり地域といわゆる企業,会社,その港湾で働いている方々と合同の訓練というのがする必要があると思いますので,そういう意味では,神戸市が主導権を握るというか,神戸市の主導でそういう取り組みに力を入れていただきたいと思うんですが,その点,どのようにお考えでしょうか。 169 ◯金谷みなと総局経営企画部長 ポートアイランド・六甲アイランドにつきましては,その住宅地が津波のこういう想定が起こりましても,高台になっておりますので,その住民の方と港湾労働者とあわせて避難すると──避難というか,その場所に行くということは労働者のほうも考えると思うんですけれど,その一体となってというのは,非常に隣接している場所であればそういうことも可能かと思うんですが,今現在,居住部分と港湾の働いている部分が離れておりますので,その辺の効果につきましても関係団体とは相談させていただきたいと思います。  以上です。 170 ◯分科員(小林るみ子) 私は余り離れているというふうには思わないんですけどね。やはり居住地といわゆる企業,会社のところは本当にまざり合ってあるというふうに思っています。  やはり居住者はそこに住むわけですから,そこで避難するわけですから,港湾労働者がどこに行くのかというとこら辺ですね。そこら辺をやはり具体的に考えていただきたい。それは本当に強く思います。恐らく労働組合の方々もそういう申し入れのようなものを多分神戸市・みなと総局に対してなされるというふうに思いますので,やはりこれを機会にきちんと具体的な対応策,どこに逃げるのか,どこの道を通っていくのか,その備蓄はどこにあるのか,そこら辺をやはりきちんと伝えていただくということをしていただかないと,ただ情報を流しています,マップを送っていますとかというそれでは,恐らく皆さん,不安が拭い切れないというふうに思いますので,ぜひその辺のところ,力を入れていただきたいというふうに思います。  以上です。 171 ◯副主査(高瀬勝也) 御苦労さまでした。  次に,大石委員,発言席へどうぞ。 172 ◯分科員(大石よしのり) 神戸志民党,大石でございます。よろしくお願いいたします。  先ほど来から出ています神戸空港の問題と空港島の件で,2点お伺いをさせていただきます。  ただ我々,議会内では非常にちょっと野党っぽいんですけど,神戸空港については,私も1998年ぐらいから商工会議所の都心商業青年協議会というところで神戸に翼を運動をやってきて,やっぱりあるべき姿を描いてきましたという立場から,既にあるべき姿とはかけ離れていますけども,非常に悪い情報ばっかりある中で,哀れな末路を見て見ぬふりというより,前向きに進めていきたいなと思っています。  先日の産業港湾委員会で吉井局長が,神戸空港はすごいポテンシャルがあるんやというようなことを自信を持って言っていただいたので,非常に私もうれしく思っています。その中で,先ほどからその2億円のコンセッション,準備経費として計上されるということで,もろもろ内訳を,項目をおっしゃっていただいたと思うんですね。7つほどあったと思うんですが,空港施設の更新計画の作成,市で実施している空港事業及び神戸空港ターミナル株式会社の事業にかかわる情報の整理,事業・財務・法務に関するデューデリジェンス──これ,注意義務関連の業務ですね。本事業にかかわる事業範囲・事業スキームの検討,運営権者及び市の財務シミュレーション,要求水準書,インフォメーションパッケージなど運営権者に提供する資料の作成・助言,PFI法に基づく実施方針の作成等に必要な資料の作成,その他調査・検討業務に必要な事項と,7項目列挙していただいて,事前のちょっと資料でもいただいているんですけども,そもそもやっぱり積み上げたものがあるべきだと思うんですが,項目ごとの予算内訳,計上はされているんですか。 173 ◯吉井みなと総局長 詳細な内訳というのはちょっとあれなんですけども,積み上げではなくて──積み上げではないと言うとちょっと語弊があるんですけども,実は,公共施設のコンセッション手続というのは,これは,先ほども申しましたけども,日本で初めてということで,先行事例が仙台空港,それから後追いで新関空株式会社の関空・伊丹のコンセッションが始まったということです。実は,この事例が2つしかございませんので,私どもはとりあえずやる規模がほぼ同じ仙台空港の契約内容を国に確認いたしまして,なおかつ契約相手方にもヒアリングをさせていただいて,所要額が2億円だというふうに判断しております。  PFI以外の資料で大体1億5,000万ぐらい,PFIの作業そのもので大体5,000万ぐらいで,多分若干高いんじゃないかというイメージがあろうかと思いますけれども,実は,仙台空港につきましては,25年度に準備費用だけで2億円と。実は,契約交渉に当たってさらに1億5,000万の国の予算を持って動いております。私どもは,少し入り口の──普通は公募しますので,今回は相手が固定されるんじゃないかということで多少ははしょれるということで,2億円でいけるんじゃないかということで準備予算をいただいていると,そういうことです。 174 ◯分科員(大石よしのり) 先日の常任委員会でもあわはら委員が御質問されて,やはり同じ答弁だったんですけど,じゃあ選定に当たる基準,いわゆる監査法人なのかコンサルタントなのかと,応募されてきて,じゃあ2億円というのが頭にあって,2億円で提示されるものなのか,逆に積み上げてきて1億5,000で出しましたと,金額ありきでそこが通るのかというのが全く見えないんですけど,教えてください。 175 ◯吉井みなと総局長 どの相手に委託するんかということになるんですけども,私ども,現在,公募型のプロポーザルをいただいてするという公募を考えておりまして,実はこれ,かなりの多岐にわたって専門家の集団を組成しなければ,私ども,貴重な神戸空港の運営権を売却するのになかなか臨めないというふうに考えております。それで,ちょっと先ほど申しました業務内容がきちっとできる専門家集団が組成できるようなことがまず第1条件になってきます。当然のことながら,公募しますので──その中で提案内容とお金を比較させていただいて相手方を選定していきたいというふうに考えております。 176 ◯分科員(大石よしのり) 既に2月16日に参加意思表明でプレ競争的対話,1次審査書類提出等々でスケジュールが進んでいると思うんですが,その辺の状況はいかがですか。 177 ◯吉井みなと総局長 新関空株式会社のコンセッションかと思いますけども,実は,2月16日はもともとのスケジュールから少しおくれて,いわゆる再度意思表明の場となっております。私ども,新関空会社がコンセッション手続に入っておりますので,情報はいただけません。これは,もうコンセッションに入れば仕方がございません。ただ,新聞報道にありますように,新聞報道から逆に聞けば,どうも正しいかなというのが私どもの今の考えでございます。 178 ◯分科員(大石よしのり) 要は,選定基準,まだ明確ではないものの,岡島委員が言われたように,できるだけ高く評価,買っていただきたいという部分と適正な価格で評価いただければいいという,何となく気持ちのずれは感じています。  というのは,次の質問で,空港島の土地売却と,それと魅力の創出にもかかわってくるんですよね。やっぱりにぎわいづくりとともに,神戸空港の周りがずっと活性化をされているようなイメージをつくっていく,それとまだまだ未処分の土地があることに対して,どういうふうな動きで売却をされているのかをお聞きしたいんです。例えば,一番西の南の結婚式場が,経営がうまくいって,今,西日本で一番組数が多い,また拡充拡充をされていてどんどん魅力を,新たな空港島の魅力を発信していっていると思います。ただ,その道中がやっぱり工事だらけで,非常にどこに連れて行かれんねやというような雰囲気がありますので,そういった意味も含めて,付加価値を上げていく投資というのも必要──されていると思いますが,来年度の予算,今後の見通しなども含めてちょっと教えてください。 179 ◯岡田みなと総局担当部長 空港島の土地処分でございますけれども,おっしゃっていただきましたとおり,西緑地,あのあたりにつきましては,結婚式場のほうを,施設を建てていただきまして,このたび拡張もしていただいたという状況ではございますけれども,まだその周辺,更地といいますか,空き地といいますか,そういったものが広がっているというのが事実でございます。  そういう状況ではございますけれども,例えば,滑走路に隣接したところにつきましては,これは既に進出はしていただいてございますけれども,ヒラタ学園さん,それと世界最大のヘリコプターメーカーさんでいらっしゃいますエアバス・ジャパンの──エアバス・ヘリコプターズの日本法人──ジャパンさんも格納庫を建設をしていただいているというような状況でございます。  私ども,土地処分につきましては,これはそういった情報,神戸空港のアクセスでありますとか,後背地に大きなマーケットを控えておる,また港湾・鉄道などとの航空ネットワークも充実している,すぐ近くに空港があることによって移動が非常に,特にビジネス面においてメリットがある,そういったことをアピールしながら企業誘致促進に努めておるところでございます。  寂しい状況ということでおっしゃってはいただいておりますけれども,例えば,空港ターミナルビルの東側のほうを見ていただきましたら,カツヤマキカイさん,操業していただいておりますけれども,神戸空港に立地をしていただいたその時点に合わせまして本社も大阪から神戸のほうに移していただいたというような状況もございます。また,流通施設の用地につきましては,上組様のほうでも拡張していただきまして,26年度内に着工予定と,そういった新たな動きも出てきておるというようなことも事実でございます。  それと,午前中御審議もいただきましたけれども,神戸並びにその周辺にはたくさんの複数のさまざまな分野にわたります航空関連企業産業の集積といったところも神戸の強みというふうに考えてございますので,私どもといたしましては,そういった航空機の製造・整備を行う企業でありますとか,部品・装置の組み立て,加工を行う企業,そういったところも精力的に訪問いたしまして,一定の打診,感触も得るといった状況もございます。  いずれにしましても,空港島ににぎわいを創出していただくためにも,まずは企業に関心を持っていただきまして,神戸空港への進出,そういったところの関心を高めていただくために必要な情報,的確にキャッチしながら,情報提供をしながら,用地拡張,そういったところも出させていただきたいと考えてございます。  それと,周辺整備につきましては,幾つか緑地がございますけれども,先ほど申し上げました西緑地の整備とあわせまして,中央部分には中央緑地もございます。また,空港島の東側に既に整備のほうはしてございますけれども,東緑地,これにつきましては,治安上の理由で供用を見合わせておったわけでございますけれども,周辺の企業進出が進んできたといったこともございまして,前面道路等の整備とあわせまして,来年度中,27年度中の供用開始に向けて取り組みを進めていくと,そういった動きもしてございますので,我々は引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。  以上です。 180 ◯分科員(大石よしのり) 精いっぱい努力をしていただいていて,多くの関連企業が来られているものの,まだまだ神戸におり立ったぞというような機運を感じるような植栽なりパームツリーなりがあればいいなというのが,実際のお声を聞くに当たってはそういう意見がございます。  それと,期間限定とはいえ,空港島を半額でキャンペーン,セールをされていて,平米で27万を13万5,000円で売り続けているというような状況で,全部売れたとしてももう既に採算ベースはとれていないんですが,遊ばしておるよりはましやろというような状況で,要はエンタープライズプロモーションビューローさんが現状,どんな売り方をされているのか。例えば,ちらっとそのヒアリングのときにお聞きしたのは,具体の話があれば,土地利用計画の変更も視野に入れるというようなことで,非常に守りの姿勢なんですね。先日,本会議で平野団長が申し上げたように,やっぱり逆に打ち出していくというのが非常に大事やと。用途変更も構わず,まずは神戸空港,空港島を買ってくださいというようなメッセージを出していただきたいんですが,いかがですか。 181 ◯吉井みなと総局長 空港島の用地処分ですけども,実は,私,ワールドブライダル神戸,結婚式場を誘致してきたのは私でございまして,私が契約させていただきました。実は,神戸空港島,結構魅力をいろいろ持っていまして,実は,売るほうのポテンシャルも結構高いんですが,ちょっと私が最近指示しておりますのは,売り急ぐなということを指示しております。当然のことで,造成費の回収はもちろんなんですけども,神戸空港は今,大きな正念場に入ってきました。神戸市でこれだけの広大な土地を持っている産業用地はほかにございませんので,少しじっくり構えようじゃないかというふうに考えています。  とはいいながら,企業の進出意欲が当然ありますのは,それはきちっと受けとめて進出していただくということは考えていまして,余り急いで,言うたら神戸の将来の活性化に資さないようなものであれば少し見送ってはどうだというふうなことも考えております。これは,全てコンセッション事務の中で一定整理したいと思っております。よろしくお願いします。 182 ◯分科員(大石よしのり) 売る機運を見逃さずにしっかり売っていただきたいと思います。  最後に,これも他の空港での事例はないと思うんですが,1つ売っていただける部分があるんじゃないかと。ネーミングライツ,神戸空港にネーミングライツの導入の予定はないですか。 183 ◯吉井みなと総局長 それも含めてコンセッションの事務の中で,企業価値を高める観点で取り組んでいきます。 184 ◯分科員(大石よしのり) 例えば,ノエビアスタジアムが年間で6,500万,ほっともっとフィールドが3,500万と,やはりかなりの金額でネーミングライツを獲得できていますので,ぜひその中で神戸空港が幾らなのかというネーミングライツも検討していただきたいと思います。 185 ◯副主査(高瀬勝也) 御苦労さまでした。  次に,高山委員,発言席へどうぞ。 186 ◯分科員(高山晃一) 持ち時間が20分となっております。3点準備しましたけれども,できるところまで進めたいと思います。  まず1点目,開港150年に向けた取り組みについてお伺いをいたします。  第1回神戸開港150年記念事業実行委員会が1月23日に開催をされました。私は,横浜港の取り組みを教訓として,一過性のイベントに軸足を置くのではなく,30年,50年先の神戸港のあるべき姿を見据えた恒久的な施設整備など,実りある事業に軸足を据えて取り組むべきと考えております。まず,当局の基本的な方針をお伺いいたします。 187 ◯片山みなと総局みなと振興部長 神戸開港150年に向けては,記念事業の実行委員会,1月に立ち上げをさせていただきました。横浜港の事例ということでございますが,それについては報道でも聞いてございますが,我々の開港150年の記念事業の実施に当たりましては,既存事業,あるいは港湾業界の方々,民間の方々のお力もおかりして,実行委員会の委員の皆様方の御意見を十分にお聞きしながら,今後,いろいろと具体的な検討をしていただいて実りある事業としていきたいと考えてございます。  以上です。 188 ◯分科員(高山晃一) そういう中で,みなと総局は,来年の予算として,新港第1突堤つけ根付近の国有地,元川西倉庫跡地を10億円程度で取得をする予定となっております。私は,この土地も開港150年記念事業の中で有効に活用され,一過性ではないにぎわいの創出を具現化すべきだと考えております。  港都神戸グランドデザインでこの土地を見ますと,イメージパースで西側にオープンスペース,緑化されたせせらぎが描かれ,東側ににぎわいを創出する円柱状の商業施設,丸いビルが描かれており,これらを土地取得するみなと総局が主体的に整備することになると思われます。  建物を建てるということであれば,もともと旧川西倉庫がここにはございました。郵船三井ビルや旧乾邸を設計した渡辺 節氏が設計し,大正14年7月に完成,旧臨港線に沿った丸みを帯びた外観が特徴的で,石積み護岸のくし型突堤と一体となる歴史的な建造物であった旧川西倉庫を保存して転活用したほうが新たな建物を建てるよりもはるかにリスクが小さく,有益であったのではないかと考えます。旧川西倉庫は既に解体されておりますが,神戸市会で一度もこれに関し説明がなされておりませんので,保存に至らなかった経緯をこの場で御説明いただければと思います。 189 ◯田中(誠)みなと総局担当部長 旧川西倉庫の建物でございますけれども,平成22年に川西倉庫より,施設の老朽化が激しく,改修に非常に費用がかさむということで,神戸港内のほかのところに倉庫機能を集約したいという打診がございまして,川西倉庫のほうでいろいろ検討なされた結果,建物改修をして引き続き運営を行うのは難しいという判断に至ったというふうに伺っております。そういう会社の経営判断によりまして,平成22年の11月に正式な建物解体の申し入れがございまして,23年4月に建物撤去を完了いたしたと,そういう経緯でございます。  先ほどのときも少し答弁を申し上げましたが,既存建物を転活用するには,耐震補強ですとか,消防法上のいろんな規定ございまして,一定の改修費用が必要になるということもございまして,転活用する場合のその施設のあり方,あるいは費用対効果,いろんな面から検討する必要があるのかなというふうに思っております。  そんな中で,神戸港都グランドデザインの事業化においては,私どもは民間のノウハウとか資金を最大限に活用するということで事業化を図っていきたいと考えておりまして,この川西倉庫の建物についても,当時の民間側の判断により存続させることは難しいという判断に至ったというふうに理解しております。今後,まだその周辺にも民間の倉庫というものが残っておりますけれども,この倉庫のあり方につきましても,民間事業者の転活用の意向等を踏まえて検討する必要があるものと考えております。  なお,現在更地になっておるところにつきましては,先ほども申し上げましたように,都心に近い貴重なウオーターフロントエリアといたしまして,民間ディベロッパーからも非常に高い評価をいただいております。港都神戸グランドデザインに沿った具体的な提案を示す民間事業者もあらわれてきておりますから,国有地取得を含む関係機関との調整を行いまして,速やかに公募できる環境を整えて事業化を図ってまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 190 ◯分科員(高山晃一) 御説明いただきましたけど,やはり一言で言うと残念の一言に尽きます。ドイツのデュッセルドルフとか,やっぱり倉庫群を改造したり,外壁に芸術家が彩色したり,オブジェをつけたりすることで,そこがまた新たな観光資源となっている状況もあります。私は,矢田前市長がくし型突堤のことを,石積み護岸のことを繰り返しおっしゃっておられていたことを覚えているんですけれども,やっぱりそれと一体化した倉庫ですから,臨港線の軌道に沿ったユニークな丸い形をしている,そういう港としての資源というのを本当に大事にしていく必要が私はあると思いますので,これは残念ですが,もうなくなっちゃっていますので,今後の当局の取り組みに注視をして期待をしてまいりたいと思います。  次,須磨海岸再整備についてお伺いをいたします。  当局は,阪神・淡路大震災による財政難で中断していた須磨海岸の砂浜の拡張工事を16年ぶりに再開する方針を固めました。そこでお伺いしますが,せっかく整備を再開するのであれば,人工のひれをつけたウミガメやアカミミガメの生態研究など,亀で注目を集める須磨水族館と連携し,須磨海岸の一部地域で明石海岸のようにウミガメが産卵する環境を取り戻すべく取り組んではいかがでしょうか。お伺いをいたします。 191 ◯田中(誠)みなと総局担当部長 須磨海岸でウミガメをという御提案でございますけれども,一般論といたしまして,ウミガメは,通常,夏の時期に産卵のために砂浜に上陸をいたしまして産卵をするという生態系になっております。ただ,このときにそういう砂浜は非常に暗くて静粛な場所であるということが当然必要でございますし,砂浜に至る沖合に障害物のようなものがないというのが大前提かなというふうに思っております。  ただ,現在の須磨海岸は,既に養浜事業としてずっとやってきた経緯もございまして,砂浜の北側にはもともと人家もございますし,JRの駅もある,そしてホテルもあるということで,かなりの夜でも明るい場所になっておりますし,それに伴う音というのもかなりある場所かなというふうに理解をしております。さらに,肝心の上陸してきます夏の時期は,海水浴シーズンとかぶっておりますので,沖合の離岸堤がある上に,さらにそのサメ除けのネットも離岸堤の間に張っておったりするもんですから,なかなか亀がこちらに来るという環境にはちょっと難しいのかなと思っております。須磨水族園の方とか,ちょっと専門家の意見も聞いてはみましたけれども,ちょっと今の環境では難しいんではないかという意見をいただいているということでございます。  須磨海岸は,これまでも海水浴場として整備を行ってまいりましたので,今回はこの遠浅海岸にして子供とか家族連れが安心して遊べる海岸の整備ということを行ってまいりたいと思っておりますので,よろしく御理解をお願いいたします。 192 ◯分科員(高山晃一) 難しいからこそやって,やると意義深いものがあると思いますね。  当然,今のにぎわい創出の方向性とはまるで真逆のような取り組みのように思います。私も思いますけれども,やっぱりウミガメが産卵する海岸ということになると,また別な脚光を集めて,須磨海岸のまた魅力が1つふえていくということになります,集客にもつながるでしょうから。非常に難しいとは思いますけれども,例えば,須磨水の前あたりの海岸に限ってやってみるとか,何か私はそういうことをやっていく時代になっているんじゃないかなとも思いますので,検討を進めていただければと思います。  再度お伺いしますけれども,須磨海岸再整備ですけれども,現状,健全化という観点から進められておりますが,健全化という観点だけで果たして十分と言えるのかという質疑です。  先ほども話しましたけれども,須磨海岸は,かつてはウミガメが産卵をしていた阪神間で貴重な自然海岸です。須磨海岸は,夏になると仮設の海の家がずらりと据えられ,私は実際に見たことはありませんが,戦後の闇市のような独自の雰囲気を醸し出しております。これも魅力の1つと言えるのかもしれませんが,世界のリゾートにこのような仮設店舗が建ち並び,仮設のシャワー施設を利用するようなごちゃごちゃした海岸はないと思われます。そこでお伺いしますが,健全化という観点のみならず,30年,50年先の須磨海岸のあるべき姿を見据える,将来ビジョン,長期ビジョンのもとで再整備に取り組んではどうかと考えますが,いかがでしょうか。見解をお伺いします。 193 ◯吉井みなと総局長 まず,健全化の話ですけども,実は,過去,騒音・花火問題,特に薬物乱用事件がございましたので,私ども──私,そのときは須磨海岸を担当しておりませんでしたけども,私どもの当時の局長は,須磨海岸を閉鎖かという苦渋の決断まで考えているような状況にございました。その中で,私ども,22年に須磨海岸の健全に関する専門チームをつくって,きちんと須磨海岸を安全・安心に使っていただくと,健全化に取り組むと,まずこういうことに邁進してきたということで,法律の専門家の方々も地域の方々も一緒になって健全化を推進したところです。こういう事件がなければまた別の道もあったかと思いますけども,やはりこれは繰り返してはならないということで,まずこれを最重要点に掲げておるということですね。  その中で,少し震災後,私どもも財政的にも体力が戻ってきましたので,須磨海岸のあり方ということで現状の須磨海岸を考えますと,波打ち際から20メートルも入れば,すぐ3メートルあるということで,かなり危険な状態の砂浜ということもありまして,地域からも漁業組合の要望もありましたので,何とかこれを安全・安心に利用できる海水浴場に再整備するということで養浜事業の再開を決断したというような状況でございます。  全体の今後ともユニバーサルデザインも配慮せなあきませんので,全体の計画については,背後は建設局が所管する公園,それからすぐ人家がございますので,その辺も含めましてトータルでどうしていったらいいのかというのは今後検討していきたいと思っております。  ただ,海の家につきましては,神戸では戦前からいわゆる浜茶屋として機能して,市民のレクリエーションの場をしっかりと醸し出し,風物詩となっておりまして,これはこれで私はいいんじゃないかと思っております。また,砂浜は,できるだけ自然の海岸として形を残すのがいいと思っておりますので,砂浜の中では,私,かたい物はそぐわないというふうに考えております。もし,かたい物を建てるんであれば,それのさらに背後地ということで御理解いただきたいと思っております。 194 ◯分科員(高山晃一) ぜひ前向きに長期的な視野で御検討いただければということを要望しておきたいと思います。  最後,客船誘致についてお伺いをいたします。  神戸市では,客船誘致に注力をし,成果を上げています。関係者の御努力に敬意を表します。  来年度,神戸港に入港予定のクァンタム・オブ・ザ・シーズは,東京港と横浜港には寄港しないと聞きます。その理由は,東京では東京ゲートブリッジの航路制限高,橋の高さ制限が54.6メートル,横浜ではベイブリッジが55メートル,レインボーブリッジが52メートルで,大型化する客船が橋の下を通過できないためであります。現状,世界最大の客船アリュール・オブ・ザ・シーズは,海面からの高さは72メートルとなっております。  神戸港でも,阪神高速道路湾岸線延伸計画がございます。現状において,六甲アイランドからポートアイランドポートアイランドから和田岬に橋がかかる計画となっております。私は,東京港や横浜港の状況を,表現は悪いですが,他山の石として,神戸港が同じ轍を踏むことなく,今後も伸び伸びと客船誘致に取り組める環境を確保する必要があると考えております。当局は,東京港や横浜港の現状をどのように認識し,神戸港での客船誘致に生かそうとお考えなのか,見解をお伺いいたします。 195 ◯吉井みなと総局長 現在,大阪湾道路の西伸部は,実は,国土交通省の近畿地方整備局,阪神高速道路株式会社,兵庫県県土整備部,私ども神戸市建設局,ここで大阪湾道路西伸部9期の整備手法の意見交換会というのを設けて,現在,事業費の精査や事業効果,どういう事業主体になるのかというのを検討されているというふうに聞いております。  私どもは,現在,ボイジャー・オブ・ザ・シーズなり,今度,クァンタム・オブ・ザ・シーズが入ってきますので,少なくともこのクラスの船については問題なく入港できるように,湾岸線が来ても桁下高を確保するように,この意見交換会の場を通じまして国土交通省の道路局並びに港湾局へ伝えておるような状況です。  まだ実際に事業化されておりませんので,事業化主体が決定しましたら,当然,港湾管理者の私どもには正式に協議がありますので,当然のことながら,現在入っている大型客船については,きちんとそのエアドラフトをカバーする桁下空間を確保してくださいというふうに協議してまいります。 196 ◯分科員(高山晃一) 確認したいんですけど,このクラスの船というと,60メートルでしょうかね。 197 ◯吉井みなと総局長 ボイジャー・オブ・ザ・シーズなんかでありましたら,エアドラフトが大体63.6ですので,大体65.6とか66メートルぐらいの桁下空間を確保していただくようにお願いすることになります。 198 ◯分科員(高山晃一) 船の大型化が着実に進んでいるようで,先ほども申しましたけれども,72メートルというような船もあると。展望台が船の上に設置されているというような船もございますし,こういう動きについてぜひ注視していただければと思います。  最後にお願いなんですけど,最近,入港予定の船を一覧にしてお配りいただいているんですけど,ああいうところにもぜひその船の長さとかトン数とか,そういうところの中に,できたら水面からの高さについてもぜひ記入いただきましたら大変参考になりますので,よろしくお願いいたします。  以上で終わります。 199 ◯副主査(高瀬勝也) 御苦労さまでした。  次に,林委員,発言席へどうぞ。 200 ◯分科員(林 英夫) どうも長時間お疲れさまでございます。いよいよラストバッターでございますので,15分間でございますけれども,何とぞよろしくお願い申し上げます。  さて,私,今回,予算市会のテーマというのは,個人的には震災20年,その間の行政としていろんな対策を,あるいは政策を打ってこられた中で積み残された課題ということで審査をしております。きょう,朝からも出ておりますけど,港の復興というのもやっぱり大きな課題だったんだろうと。今後,やはり開港150年に向けて,すばらしい港にしていくと。局長も輝く港にしていきたいということをおっしゃっていらっしゃいまして,大いに期待していきたいと思います。  空港の問題も,やはり震災の後,生活再建のほうを優先してほしいという市民の反対の声が上がった中で建設が進められ,多額の借金を抱えたわけですけれども,スタートしました。まだ空港の特別委員会があったころ,私は当時の小柴局長にいろいろお話をしておりましたときに,小さく産んで大きく育てるんだというふうにおっしゃっておりまして,非常に心強い発言だなと思っていたんですけれども,関西の空港3兄弟の中の末っ子としまして,まだちょっとはみご扱いにされてきているというふうな現状があると思いますし,そういった意味では,今後の新たな飛躍へ向けて大きな残された行政課題であろうと。
     空港といいますと,やはり私も時々利用しますけれども,やっぱりちょっと寂しい感じがしまして,そこの部分でやはりもっともっと活性化していく,そういうことによって市民に理解を得ていくということも大切なんだろうというふうに考えます。  今回の予算の説明書を見ますと,1ページのところにも早速,神戸港の港勢拡大,ポートセールス,エアポートセールスを積極的に推進していくんだというふうに書いています。私から見ますと,ポートセールスはポートセールス,エアポートセールスエアポートセールスというふうな受けとめ方をしておりまして,世界的にもよく言われますけれども,シー・アンド・エアといいますか,もう少し,やっぱり海と空港が隣接しているわけですから,一体的な取り組みというのか,そういうことはできないのかどうかということと,今回,戦略的広報ということが言われていまして,従来の広報からは一歩進んで,もう少し目的をしっかりと持って,それを到達させるための戦略的な広報をしていこうと。港と空港についてもやっぱりそれが言えるんじゃなかろうかなと思います。例えば,神戸港におりてきて,そこからリゾート地に行くような船に乗っていくというふうな,そういうリンクの仕方もあるでしょうし,映像化もあるんだろうと思いますので,そういった戦略的広報のあり方についてどういうふうにお考えかということをお伺いしたいと思います。  それから,もう1つは,私が住んでいる東灘区の六甲アイランド,これも震災で大きな被害を受けました。六甲ライナーも長い間ストップしましたし,六アイのほうから船で通勤なさった方もいらっしゃった。私も取材したことがございます。その後,やはり六アイも何とか元気が出たかなと思っていたんですけれども,なかなかそうもいかない部分があって,私の知り合いなんか,3,000万ぐらいで買ったマンションがもう2~3年で2,000万台になったと非常に怒りを覚えるというようなことを言っていたことを思い出しますけれども,そういった点では,去年の決算特別委員会でも,もう少し島のコンセプトをはっきりしていくということが必要ではなかろうか。例えば,スポーツはどうなんだろうということで,局長は,1つだけ突出するとなかなかそれは難しい面があるということをおっしゃっていたんですけども,やはり今回,六アイのあり方を見ていますと,今後の検討課題になっていくんでしょうけども,1つは,リバーモールを中心に夜間の景観をつくっていくというふうな形で予算書に書かれているんですが,そういったことも含めて,もう少し六アイの住民にもわかりやすい形で,あり方といいますか,そういうものを提起すべきではなかろうかと思っております。  以上,3問の質問とさせていただきます。 201 ◯吉井みなと総局長 そしたら,私のほうから,神戸空港に関して御回答させていただきます。残りは,担当部長のほうから答弁させていただきます。  神戸空港も,特にカーゴの関係です。残念ながら,当時,小柴局長が小さく産んで大きくというのを,私,後ろに座っておりましたけども,神戸空港の現状では,やはり貨物で何か大きな動きがとれるというのは現在のネットワーク状況ではなかなか厳しい状況にあります。  ただ,ちょっと午前中も言いましたように,実は,荷主さんのほうが神戸港の大量輸送,低コストで運べるものと,やはり目の前に空港があるんだから,短時間で運びたいやつは,すぐ選択肢があるのにできないと,ちょっとじだんだを踏んでいるということで,実はかなりカーゴにも期待されている方がたくさんおられます。現在は空港に物流倉庫を進出されている上組さんも,やはり少し将来のエアカーゴもにらんで出てこられたような経緯もございます。  これにつきましても,やはり現在,新関空会社のコンセッションが進んでおりますので,何とか速やかに,私ども,これで一体運営の方向に速やかに入っていって,その次のステップできっちりと神戸空港が大きくなれるということを望んでおりますので,当面は,やはり神戸空港という貴重な神戸市の財産を,運営権を売却というふうに向かっていきますので,ここはやっぱり慎重に,なおかつ事前の準備をしっかりとして,その貴重な財産の運営権の本当に売却ですので,ここはしっかり取り組んでいきたいと思います。そういう意味で,夢のある話も言いたいところなんですが,まずはそこをしっかりと取り組ませていただくことで御理解いただきたいと思っております。 202 ◯金谷みなと総局経営企画部長 私のほうから,総合的な広報戦略について御回答いたします。  委員御指摘のとおり,みなと総局は非常に幅広い分野の事業を所管しておりまして,それぞれの事業の目的・性質に応じまして,広報紙やホームページの掲載,または報道機関への資料提供などを組み合わせて効果的な広報に日々取り組んでおるところでございます。  例えば,みなとこうべ海上花火大会では,市のホームページや広報紙,報道機関への資料提供,またポスター・チラシの配布,さらには神戸港振興協会のフェイスブックや出版社が発行する各雑誌への掲載,新聞広告など多様な媒体を用いて,できるだけ多くの人に知ってもらえるよう広報に努めているところでございます。  さらに,子供たちに港をよく知ってもらい,身近に感じてもらうために,コンテナ船の荷役風景のコンテナターミナルでの見学や神戸空港の駐機場での見学などを行うなど,神戸・みなと体験事業という形で実施いたしまして,神戸港の魅力の発信を行っておるところでございます。  以上のようなさまざまな事業における広報に加えまして,港神戸の魅力を総合的に発信するため,PORT OF KOBEというホームページを開設しておりまして,まずこのページでは,先ほど言いましたみなとこうべ海上花火大会を初めとしますウオーターフロントで行うイベントはもちろんのこと,クルーズ船の入港予定,須磨海岸海水浴場のこと,それから神戸空港の情報についても発信しておりまして,空港を含めた港についての多種多様な情報を入手できるようにしております。  ほかにも,神戸港メールマガジンを月1回発行しておりまして,こちらでもみなと総局の事業を発信しております。ゴールデンウイークや夏休みの前には,みなと総局関連で期間中に行われる集客イベントの情報を集めた特別号を発行もしておりますし,単発でのイベント広報ではなくて,複数の関連イベントをあわせました広報も行っているところでございます。  また,ウオーターフロントで実施する各イベントの1つでありますメリケンフェスタでは,神戸空港のブース,ベイ・シャトルのブースも出しまして,みなと総局の事業について総合的に広報を行っているところでございます。  とりわけ神戸港が平成29年1月に開港150年を迎えることから,みなと総局を挙げて神戸開港150年記念事業に取り組んでいる所存でありまして,開港150年を広報戦略として港神戸のさまざまな魅力発信をしてまいりたいと考えております。その中で,SNSなども活用して広報を展開していきたいと考えております。  以上でございます。 203 ◯桜井みなと総局技術部長 私のほうから,六甲アイランドについて,御答弁を申し上げます。  昭和63年のまち開き以来,四半世紀以上が経過いたしまして,この間,随分時代とともに島の姿も成熟期を迎えてまいりました。前回の決算特別委員会でも,委員のほうからコンセプトということで御指摘をいただきました。六甲アイランドは,確かに現在,いろんなスポーツ施設,それから周囲のシティーヒル,そういったところで市民の健康づくりから,あるいは地域団体,CITY自治会であるとか,あるいは地域振興会がされているようなイベント等も実施されております。一方,六甲アイランドには,外国人の方々も約1,000人住んでいらっしゃると。非常に国際性豊かであるというのも事実でございます。また,美術館が3カ所ございます。  それから,先ほど委員も御指摘のあった新年度予算で,夜間景観,ライトアップの予算も計上させていただきまして,そういった文化とかアートとかといったような切り口もございますが,1つのものだけでなくて,やはりまちが成熟しておりますので,さまざまな分野で横断的に捉えていく必要があろうかというふうに考えてございます。  以上でございます。 204 ◯分科員(林 英夫) どうもありがとうございます。  広報の問題にしかり,六甲アイランドの問題しかり,るる説明をいただきまして,私から言いますと,それ,1つ1つの戦術のレベルなんですよね。やはりきちっと局長,戦略をつくった上で,それを,目的を達成するための戦術をつくっていかないとだめだと思いますので,そこは十分に考えていただきたいと。  それで,先ほど,貨物の話が出ました,空港のエアカーゴ。以前,北九州空港を見に行ったことがあって,神戸と同じようにやはり埋立空港なんですけども,結局,向こうもシー・アンド・エアは言っているんですよ。アメリカでつくった人工衛星を運んできて,種子島へ運んだというふうな実績があって,現実的にまだまだ進んでいないんですけども,そういったうたい方をしていますので,このところ,旅客というのは余りふえていないんです。年間138万人なんですけど,貨物の取扱量が当初の5,300トンが今1万5,000トンまで,3倍強になっているんですよね。これは,仁川から北九州へ飛んで,北九州から成田へ行くというふうなエアカーゴ便が出ている,週に1回なんですけども,またチャーター便も出ていると。そういったイメージづくりによって港と空港を売り込んでいく,その辺について改めて局長のお考えを伺います。 205 ◯吉井みなと総局長 委員がおっしゃるとおり,戦略的にそういうことを進めていきたいとは思っております。実は,関西の財界と私どもでつくっております関西国際物流戦略チームというのがございまして,これで港と空港の一応物流の議論をいろいろしておりまして,関空でもシー・アンド・エアを実はトライをしております。神戸空港でちょっとトライしたいんですけども,残念ながら,うちもネットワークがないのが,これがネックでして,私ども,立地環境からいけば,沖縄ハブみたいなことも西日本ではできると私は確信しておるんですけども,まだそれをちょっと言うのは早いと思っておりますので,神戸空港のPRについては,もう少し私どものしっかりした取り組みを見据えていただいて,その後とさせていただきたいと思っております。  以上です。 206 ◯分科員(林 英夫) なかなか奥ゆかしい答弁をいただいたわけなんですけども,やっぱり諸事情がありますから,一気に表に打って出るというのは難しい面があると思いますけれども,やっぱり庁内の中では,そういったコンセプトをきちっと持ってシー・アンド・エアというふうな位置づけをしていくべきだと思うんですね。  ちょっとこれ,ごらんになったことはあります。イチゴをチョコレートで巻いたものですけれども,神戸苺トリュフというんで,今回,神戸のイチゴも市長は何とか頑張っていこうとおっしゃっていまして,お店の人と話していると,楽天市場で3年間ずっとトップセールスを続けているんですよ。そういった点でいいますと,農産物というのも非常に神戸の強みでしょうし,国内の市場はもとより,やはりアジアを中心にした市場というのは待っていると思うんです。  こういう生鮮的なものというのは,やっぱりエアカーゴでどんと運んでいくということで,もうその日のうちに着くんだろうと思うんですね。そういうことをやっぱりもう少しPRしていくという,夢を語るといいますか,そういった点で,やはり私は非常に今の広報も含めたあり方を見ていて港とエアポートという感じに受けてしょうがないので,もう少しやっぱり庁内の中でそれをまとめていって,どんと出せるときは大いにどんと出していただきたいと思うんで,最後に決意をお伺いしたいと思います。 207 ◯吉井みなと総局長 イチゴの件でいきましたら,今現在,私ども,コンテナで運ぶ実証実験をやっておりまして,ただ,実証実験をやって低コストで運ぶのもいいんですけども,同時にエアカーゴのバックアップがないとやっぱりこういうのは成り立たないんですね。それは,委員がおっしゃるとおりでございます。  ただ,私ども,出るときにはきちっと出ていきますので,そのときは期待して待っていただくということで,現在ではもうしばらくじっくりした取り組みのほうにシフトさせていただきたいと思っております。  以上です。 208 ◯分科員(林 英夫) るる伺いましたけども,基本的に広報についても戦略的という言葉を行政としてお使いになっているわけでございまして,戦略というのは何なのかということを,もう言わずもがなだと思いますけども,お考えいただいて,トータルに考えていっていただきたい。もうこれまでいろいろとお話を聞いてくると,やっぱり戦術的な話はたくさん聞きます。これはセクションとしてやっていらっしゃることは当然だと思うんですけども,そこをいかに目的達成のための戦略化をしているのかということが大切だと思いますので,これはもうみなと総局だけに限らないんですけども,そういった姿勢で取り組んでいただきたいということをお願いして,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 209 ◯副主査(高瀬勝也) 御苦労さまでした。  以上で,みなと総局関係の質疑は終了いたします。当局,どうも御苦労さまでした。 210 ◯副主査(高瀬勝也) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。長時間の審査,お疲れさまでございました。  次回は,あす27日午前10時より,ここ27階第2委員会室において,危機管理室関係の審査を行いますので,よろしくお願いいたします。  本日は,これをもって閉会いたします。   (午後4時27分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. 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