令和6年第1回定例会(令和6年2・3月)◯大阪市会(定例会)会議録(令和6年2月29日)
◯議事日程 令和6年2月29日午後1時開議第1 議案第95号
東部こども相談センター建設工事請負契約締結について第2 議案第51号 令和6年度大阪市一般会計予算第3 議案第52号 令和6年度大阪市
食肉市場事業会計予算第4 議案第53号 令和6年度大阪市
駐車場事業会計予算第5 議案第54号 令和6年度大阪市
母子父子寡婦福祉貸付資金会計予算第6 議案第55号 令和6年度大阪市
国民健康保険事業会計予算第7 議案第56号 令和6年度大阪市
心身障害者扶養共済事業会計予算第8 議案第57号 令和6年度大阪市
介護保険事業会計予算第9 議案第58号 令和6年度大阪市
後期高齢者医療事業会計予算第10 議案第59号 令和6年度大阪市
中央卸売市場事業会計予算第11 議案第60号 令和6年度大阪市
港営事業会計予算第12 議案第61号 令和6年度大阪市
下水道事業会計予算第13 議案第62号 令和6年度大阪市
水道事業会計予算第14 議案第63号 令和6年度大阪市
工業用水道事業会計予算第15 議案第64号 令和6年度大阪市
公債費会計予算第16 議案第65号 令和6年度大阪市西町外13財産区予算第17 議案第66号 大阪市職員定数条例の一部を改正する条例案第18 議案第67号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案第19 議案第68号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案第20 議案第69号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案第21 議案第70号 単純な労務に雇用される職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案第22 議案第71号 一般職の非常勤の職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案第23 議案第72号 特別職の非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案第24 議案第73号
包括外部監査契約の締結について第25 議案第74号 大阪市
教育振興基本計画の変更について第26 議案第75号
大阪市立児童福祉施設条例の一部を改正する条例案第27 議案第76号 大阪市介護保険条例の一部を改正する条例案第28 議案第77号 大阪市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案第29 議案第78号
地方独立行政法人大阪市民病院機構に係る第3期中期計画の認可について第30 議案第79号 大阪市
国際戦略総合特別区域における産業集積の促進及び産業の国際競争力の強化に係る事業計画の認定並びに法人の市民税、固定資産税、事業所税及び都市計画税の課税の特例に関する条例の一部を改正する条例案第31 議案第80号
大阪城天守閣条例の一部を改正する条例案第32 議案第81号
地方独立行政法人大阪市博物館機構が徴収する料金の上限の変更の認可について第33 議案第82号 大阪市
中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例案第34 議案第83号 大阪府
道高速大阪池田線等に関する事業の変更の同意について第35 議案第84号 大阪市路上喫煙の防止に関する条例の一部を改正する条例案第36 議案第85号
小林斎場整備運営事業契約締結について第37 議案第86号 大阪市
道路占用料条例の一部を改正する条例案第38 議案第87号 大阪市自転車等の駐車の適正化に関する条例の一部を改正する条例案第39 議案第88号 大阪市下水道条例の一部を改正する条例案第40 議案第89号 大阪市公園条例の一部を改正する条例案第41 議案第90号 大阪市港湾施設条例の一部を改正する条例案第42 議案第91号 大阪市海浜施設条例の一部を改正する条例案第43 議案第92号
天保山客船ターミナル整備等PFI事業契約の一部変更について第44 議案第93号 企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案第45 議案第94号 大阪市水道事業及び
工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
---------------------------------◯出席議員81人 1番 太田勝己君 2番 山口悟朗君 3番 小山光明君 4番 森 慶吾君 5番 司 隆史君 6番 近藤みわ君 7番 谷井正佳君 8番 たけち博幸君 9番 今村直人君 10番
ますもとさおり君 11番 佐竹りほ君 12番 くぼた 亮君 13番 近藤 大君 14番 南 隆文君 15番 須藤奨太君 16番 井上 浩君 17番 山中智子君 18番 渕上浩美君 19番 鈴木理恵君 20番 石川博紀君 21番 馬場のりゆき君 22番 岩池きよ君 23番 山田かな君 24番 松田まさとし君 25番 わしみ慎一君 26番 橋本まさと君 27番 塩中一成君 28番 西 拓郎君 29番 山田はじめ君 30番 原口悠介君 31番 伊藤亜実君 32番 今田信行君 33番 中田光一郎君 34番 岸本 栄君 35番 永田典子君 36番 永井広幸君 37番 武 直樹君 38番 田中ひろき君 39番 松崎 孔君 40番 明石直樹君 41番 辻 義隆君 42番 土岐恭生君 43番 西崎照明君 44番 西 徳人君 45番 山田正和君 46番 佐々木哲夫君 47番 山本智子君 48番 上田智隆君 49番 金子恵美君 50番 高見 亮君 51番 佐々木りえ君 52番 藤岡寛和君 53番 宮脇 希君 54番 岡田妥知君 55番 高山美佳君 56番 吉見みさこ君 57番
大西しょういち君 58番 坂井はじめ君 59番 黒田まりこ君 60番 野上らん君 61番 木下吉信君 62番 森山よしひさ君 63番 永井啓介君 64番 福田武洋君 65番 前田和彦君 66番 荒木 肇君 67番 竹下 隆君 68番 藤田あきら君 69番 梅園 周君 70番 杉村幸太郎君 71番 大橋一隆君 72番 ホンダリエ君 73番 出雲輝英君 74番 岡崎 太君 75番 田辺信広君 76番 片山一歩君 77番 広田和美君 78番 木下 誠君 79番 東 貴之君 80番 辻 淳子君 81番 杉田忠裕君
---------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 市会事務局長 巽 功一 次長 吉田令子 議事担当課長 中村忠雄
議事担当課長代理 左海義和 議事担当係長 藤原弘美
---------------------------------◯議場に出席した執行機関及び説明員 市長 横山英幸 副市長 高橋 徹 副市長 山本剛史 副市長 西山忠邦 北区長 前田昌則 淀川区長 岡本多加志 西淀川区長 中島政人 副首都推進局長 西島 亨 市政改革室長 大東辰起
デジタル統括室長 鶴見一裕 総務局長 吉村公秀 都市交通局長 西川 匡 政策企画室長 丸尾利恵 危機管理監 長沢伸幸 経済戦略局長 岡本圭司 万博推進局長 彌園友則 IR推進局長 坂本篤則 市民局長 西原 昇 財政局長 阿形公基 契約管財局長 宮本浩之
大阪都市計画局長 尾花英次郎 計画調整局長 寺本 譲 福祉局長 坂田洋一 健康局長 新谷憲一
こども青少年局長 佐藤充子 環境局長 堀井久司 都市整備局長 上村 洋 建設局長 寺川 孝 大阪港湾局長 丸山順也 会計管理者兼会計室長 中小路和司 消防局長 橋口博之 水道局長 谷川友彦
教育委員会教育長 多田勝哉
行政委員会事務局長 高橋由佳 ---------------------------------
△開議 令和6年2月29日午後1時開議
○議長(片山一歩君) これより
市会定例会会議を開きます。 本日の会議録署名者を南隆文君、井上浩君の御両君にお願いいたします。
○議長(片山一歩君) これより議事に入ります。
○議長(片山一歩君) 日程第1、議案第95号、
東部こども相談センター建設工事請負契約締結についてを議題といたします。
○議長(片山一歩君)
教育こども委員長より審査の報告を求めます。 58番
教育こども委員長坂井はじめ君。 (58番
教育こども委員長坂井はじめ君登壇)
◆58番(坂井はじめ君)
教育こども委員会に付託されました議案第95号、
東部こども相談センター建設工事請負契約締結についてに対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、22日の委員会において審査を行いました結果、報告書に記載のとおり、原案を可決すべきものと決した次第であります。 本件に関して、開設までのスケジュールや4か所目の整備による機能強化について質疑がありました。 これに対して理事者から、議決の後、3月初旬に
建設工事請負契約を締結し、3月中旬に
機械設備工事等の請負契約を予定しており、契約締結後は速やかに工事に着手し、令和8年9月頃の開設を予定している。また、市内4か所体制が整い、
こども相談センターの管轄区域が小さくなることで、より迅速かつ効果的に安全確認ができ、区役所等の関係機関との連携が強化され、市民が利用しやすい環境が整うことになる旨の答弁がありました。 以上、簡単ではありますが、
教育こども委員会の審査の報告といたします。
○議長(片山一歩君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(片山一歩君) これより採決に入ります。 議案第95号について、委員長の報告は可決であります。委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(片山一歩君) 御異議なしと認めます。よって議案第95号は委員長報告のとおり可決されました。
○議長(片山一歩君) 日程第2、議案第51号、令和6年度大阪市一般会計予算ないし日程第45、議案第94号、大阪市水道事業及び
工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。
○議長(片山一歩君) これより質疑に入ります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君の質疑を許します。 60番野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 私は、大阪維新の会大阪市会議員団を代表いたしまして、令和6年度予算案並びに関連諸案件について質問をいたします。 初めに、令和6年度当初予算及び今後の財政運営についてお伺いいたします。 横山市長は、就任以来、将来世代への投資として子育て・教育の無償化に最優先で取り組むとともに、府市一体となって万博の成功に向けて取り組んでこられました。 初めての予算編成となる令和6年度当初予算でも、ゼロから2歳児の保育無償化をはじめ重点施策を着実に進めるための必要な予算をしっかりと確保されたものと考えております。 しかしながら、令和6年度当初予算は3年ぶりに収支不足となり、また今後の財政収支概算(粗い試算)でも、試算期間を通じて収支不足が生じる見通しとなっております。 人口減少、少子高齢化が進行し、生産年齢人口の減少による経済成長の制約などが懸念される中、子育て・教育の無償化や万博の成功に向けた取組など、未来への投資を続けるためには規律ある財政運営が必要であり、そのためには、引き続き市政改革を進め、収支均衡を目指していくべきだと考えます。 令和6年度当初予算をどのような考えの下、編成したのか、また現在の財政状況を踏まえ、今後の財政運営をどのように行っていくのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 理事者の答弁を許します。 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 昨年4月に市長に就任して以来、誰もが安心していつまでも住み続けたいと思う「にぎやかで活気あふれるまち大阪」の実現を目指しまして市政運営を進めてまいりました。 就任後、初めての通年予算となる令和6年度当初予算は、市民サービスの充実、大阪の成長という方向性を基本に、最優先で取り組む子育て・教育の無償化の実現に向けまして、ゼロから2歳児の保育無償化に向けた取組など、子育て・教育環境の充実や万博などの経済成長に向けた戦略の実行などに必要な予算を計上しております。 その結果、万博関連事業がピークを迎えることや、
障害者自立支援給付費など扶助費の増により225億円の収支不足となっており、また今後の財政収支概算(粗い試算)では、試算期間を通じて収支不足が見込まれております。 しかしながら、年度間の財源調整を図る財政調整基金は、この間の市政改革の取組などにより、しっかりと確保できている状況でございます。 財政健全化が進んでおりますが、今後も扶助費が高水準で推移することが見込まれることに加えまして、物価高騰や金利上昇への備えなど、急激な環境変化にも対応できるよう、持続可能な財政構造を構築していくため、引き続き施策・事業の選択と集中を進め、たゆみなく市政改革に取り組む必要があると認識しております。 財政規律を保ちつつ、将来の大阪にとって必要な投資を行っていくためにも、引き続き緊張感を持って財政運営を行ってまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 試算期間を通じた収支不足については、引き続き施策・事業の選択と集中を進め、たゆみなく市政改革に取り組む必要があるとの御答弁は、我が会派も共通の認識を持っており、新・
市政改革プランにより財政の改善に取り組まれるよう要望いたします。 次に、新・
市政改革プランの素案にも記載されている未利用地の有効活用についてお伺いいたします。 未利用地については、平成19年に大阪市未
利用地活用方針を策定し、本市の危機的な財政難に対応するための税外収入の確保策として積極的な売却に取り組んできました。 この間、我が会派から、不用な未利用地の売却促進に向け、商品化作業についての民間ノウハウの積極的な活用など様々な取組の提案を行い、それらの取組もあって着実に売却を進め、ここ数年は売却収入実績が目標を上回るなど、本市財政の健全化に大きく貢献してまいりました。 一方で、市内中心部においては一定の規模を有する土地が減少してきているという現実もあり、こうした状況に対応すべく、未利用地活用の在り方についても次のステージを見据えていくべきではないかと考えます。 不用な未利用地については、収支不足を補填するためにも、引き続き売却を原則とする方針を堅持していくことは当然でありますが、今後の土地活用に当たっては、一時的なキャッシュの確保のみならず、庁舎の建て替え等の将来的な行政需要といった中長期的視点が求められます。 少子高齢化の急速な進展や、その先の人口減少、地球温暖化に伴い頻発する自然災害の発生、また、コロナの収束に伴う
インバウンド需要の回復など、本市を取り巻く社会情勢は急速に変化しており、本市の各行政分野で新たな課題が発生することが想定されます。 先日公表された新・
市政改革プランの素案においても、取組項目として未利用地の有効活用が挙げられ、有用性が高く、希少な未利用地については、将来のために継続保有することとされております。財政健全化のためにも、計画的な未利用地の売却を進めることを基本に、将来の状況を見据えて継続保有とする土地については選定基準を明確にすべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 未利用地につきましては、大阪の発展に向けた様々な施策や事業を支える重要な財源になり得るとともに、その活用を通じて地域課題の解消に向けたまちづくりにも大きく貢献しております。 この間、不用な未利用地につきましては、計画的な売却に重点を置きつつ、周辺のまちづくりに寄与する観点にも留意し、必要に応じて長期的あるいは暫定的な有償貸付けにも取り組んでまいりました。 今後、社会環境が急速に変化していく中でも、本市がさらなる大阪の成長や市民サービスの拡充に向けて政策を推進し、将来にわたり豊かな大阪を実現するためには、新たに生じてくる課題や変化に柔軟に対応できるよう環境を整え、改革をより一層進めていくことが不可欠であると認識しております。 そこで、未利用地に係る今後の取組としましては、不用な未利用地については引き続き計画的に売却を進めていく一方、有用性が高く、希少な未利用地については、将来世代がまちづくりや行政運営に活用できるよう継続保有していくこととし、定期借地等により有効活用することで長期的な財政貢献にもつなげてまいります。今年度末をめどに、継続保有する土地の選定基準や選定手続などの制度設計を進めているところでございますが、選定過程の透明性を確保するためにも、選定基準や継続保有することとした土地について公表してまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 未利用地については、我が会派から繰り返し意見してきたところでありますが、売却により約3,538億円という非常に大きな実績を上げ、財政上、大きく貢献してまいりました。 このような取組により、用地の活用については次のステージに移行できるものと認識しており、新たな方向性として、新・
市政改革プランにおける「未来へつなぐ市政改革」という理念も踏まえ、今後は将来も見据え、より長期的視点に立った活用がなされることとなります。 現在、具体の制度設計を行っており、来年度から運用が開始されることになりますが、基本は売却の姿勢は変えることなく、新たな基準によって、継続的に保有する土地についても速やかに貸付けを行うなどの有効活用を図り、本市歳入の確保やまちの活性化に努めていただきたいと思います。 次に、新たな総合戦略の策定についてお伺いいたします。 大阪市では、これまで、国の地方創生に向けた取組に合わせ、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略を策定し、持続可能な都市として成長・発展を目指しており、市政全般にわたり様々な施策に取り組んできたところです。 今般、国において、デジタルの力を活用してこれまでの地方創生の取組をさらに推し進めるために、
デジタル田園都市国家構想総合戦略が策定されました。 大阪市でも、この総合戦略を踏まえて、これまでの第2期まち・ひと・し
ごと創生総合戦略を1年前倒しで改訂し、新たな総合戦略を策定するとのことであります。 コロナ禍を経て、市民ニーズも複雑化、多様化する中、横山市長が就任以来、力を入れて取り組んでおられる子育て・教育サービスの充実に加えて、健康で安心して暮らし続けられるための地域づくりや大阪経済の活性化などにも、デジタルの力を活用しながら総合的に取り組んでいくことが求められていると思います。新たな総合戦略の策定により、何を目指し、その実現に向けてどのように取り組まれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) ポストコロナにおいて社会情勢が大きく変化する中、市民のQOLの向上や都市力の向上を図るためにはDXの推進が必要不可欠であることから、現行の戦略期間の満了を待つことなく、総合戦略に大阪市DX戦略の理念を取り込んだ改訂を1年前倒しで行うことといたしました。 新たな総合戦略では、踏まえるべき基本的な視点として、人口動向のほか、SDGsやDXの推進、さらには副首都・大阪の実現を挙げた上で、4つの基本目標を掲げて取組を進めてまいります。 第1に、未来を担う人材を育成するとともに誰もが活躍できる社会づくりに向け、どのような家庭状況であっても、ひとしく子育てができる環境の整備や、全ての子供が健やかで心豊かに成長できる教育環境の実現などに取り組み、日本一の子育て・教育サービスを目指すほか、若者、女性の活躍促進や多文化共生のまちづくりに取り組んでまいります。 第2に、健康で安心して暮らし続けられる地域づくりとして、市民の健康増進と暮らしを守る福祉等の向上に取り組むほか、ソフト、ハードの両面から防災・減災対策や地域における防犯力の向上を推進してまいります。 第3に、魅力と活力あふれる大阪の実現に向け、万博を契機として、スタートアップやイノベーションの創出などによる経済活性化や都市インフラの充実に取り組むとともに、環境面では、ゼロ
カーボンおおさかの実現などに向けた取組を推進してまいります。 最後に、これらの取組をDXの推進により加速化、深化させることで、一人一人が幸せを実感でき、誰もがいつまでも住み続けたいと思う、にぎやかで活気あふれるまち大阪の実現を目指してまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、ゼロから2歳児の保育無償化の実現についてお伺いいたします。 先日の会見で、市長の公約であるゼロから2歳児保育無償化を任期中に実現するためのロードマップが公表されました。 ロードマップでは、令和8年度中にゼロから2歳児の保育無償化の実現を目指すと明記されており、待機児童対策や財源の確保など乗り越えていかなければならない様々な課題があるが、最優先で取り組む重要施策として着実に進めていくとありました。さらに、子育て家庭へのレスパイトケアの視点や電子クーポン配付の検討など、我が会派より提言や要望してきたものも反映していただいております。 我が会派としても、大阪の未来を担う子供はもちろん、子育て世帯に重点投資することにより、将来にわたり大阪が発展する土台づくりのためにも、子育て・教育の無償化を全力で取り組むべきだと考えております。 一方で、市長の任期である令和8年度までに保育無償化の実現を目指すのであれば、様々な課題に対して、具体的にどのような対策を取っていくのかを整理する必要があります。 そこで、ゼロから2歳児の保育無償化の実現に向けては、どのように進めていこうとされているのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) ゼロから2歳の子育ては、国のこども未来戦略でも指摘されておりますように、支援が比較的手薄で保護者の負担も大きいことから、私はここを全力で応援していきたいと考えております。そのために、全ての世帯への経済的な負担軽減策としまして、保育所等利用世帯には保育料の無償化を、在宅等子育て世帯には電子クーポンの配付を検討するとともに、精神的、身体的な負担軽減策として在宅等育児への支援を進めてまいります。 しかし、現時点では受皿確保が十分でないことから、まずは制度を利用できる環境整備を令和6年度、7年度に集中的に実施いたします。具体的には、保育の受皿確保として待機児童対策の集中取組期間に設定し、保育施設の整備と、さらなる保育人材の確保にも取り組んでまいります。 また、在宅等育児への支援は、子育て中の保護者がレスパイトできるよう、こども誰でも通園制度など、新たな支援策や支援メニューの受皿拡大を段階的に実施するとともに、電子クーポン活用の準備を進めます。 この2年間で環境整備に全力で取り組み、令和8年度中の保育無償化の実現に挑戦したいと考えております。そのためには、保育を必要とする人が入所できる環境の確保、在宅児等が必要なときに利用できるサービスの確保、財源の見通しが立つことなどの課題を乗り越えていかなければなりません。 これらの状況を踏まえ、総合的に判断し、令和8年度予算編成過程において条件が整えば、実施の決断をしてまいります。このような進め方で、日本一の子育て・教育サービスの実現を目指してまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、「生きることの包括的な支援」としての本市の自殺対策についてお伺いいたします。 健康局によると、本市における自殺死亡率は、平成30年から令和4年までの過去5年間で、15歳から19歳までの男女と30代女性が、ともに約2倍にも上昇している厳しい状況とのことです。 こうした現在の状況を踏まえ、健康局も含めた各局の取組を進めるに当たっては、大阪市自殺対策基本指針(第2次)に示されたそれぞれの施策が自殺対策につながるという意識を高めながら、関係局が連携して取組を進めていく必要があります。さらには、相談しやすい体制を強化するとともに、広報をしっかりと行うことが必要です。 先日の市長会見でも発表されたように、3月は自殺対策強化月間として全国的にも関心が高まる時期でもありますので、今後の自殺対策についての市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 市民が健やかで心豊かに生活していく上で、心の健康は非常に重要であり、自らを死に追い込むことのないよう、本市の関係局が連携して、しっかりと自殺対策を推し進める必要があると認識しております。 本市では、平成30年に大阪市自殺対策基本指針を策定し、およそ10年間の自殺対策の方針や施策について定めるとともに、おおむね5年をめどに中間評価を行い、施策の進捗状況や国の動向などを踏まえて見直しを行うこととしております。 現在、行っている中間評価の中で、本市の若者や女性における過去5年間の自殺死亡率が増加傾向にあることや、自殺を考えたことのある若者の割合が高いことなどの課題が明らかとなりました。 こうした課題に対し、指針の見直しにおきましては、子供、若者と女性に対する取組を新たな重点施策として打ち出すとともに、学校での取組やLINEによる相談、支援の取組を反映する予定です。 また、議員御案内のとおり、3月は自殺対策強化月間でありまして、大阪府、堺市と協力し、自殺や心の健康に関する相談を行う、こころの健康相談統一ダイヤルの受付時間を24時間に拡充するとともに、駅周辺におきまして自殺予防街頭啓発キャンペーンを実施することとしております。 自殺に至る背景には、複雑に絡み合った要因があることから、各局の施策が生きることの包括的な支援として自殺対策につながっていることを改めて職員が認識し、今後、関係局がより一層連携して、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 「自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題である」とWHOが明言しているように、自殺は社会の努力で避けることのできる死であるというのが世界の共通認識となっております。関係局が自殺対策の取組に対する意識を高めるとともに、施策の周知・広報にも力を入れ、大阪市が一丸となって、誰も自殺に追い込まれない社会の実現に向けて取組を進めていただくよう強く要望いたします。 次に、能登半島地震を受けた災害対策についてお伺いいたします。 1月1日、元日に能登半島でこれまでの被害想定を上回る地震が発生しました。お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、御遺族の皆様には心よりお悔やみを申し上げます。あわせて、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げますとともに、現地の一日も早い復興を願っております。 今回の地震により、今なお避難生活を余儀なくされている方が約1万1,000人余りに上り、約1万9,000戸で断水も続くなど、その被害は甚大なものと聞いております。 本市では、災害等支援対策本部会議を設置し、市長を先頭に被災地の支援に精力的に取り組んでおられ、現地で御活躍いただいている職員の皆様に敬意を表しますとともに、一日も早い復旧・復興に向け、支援に取り組んでいただきたいと考えております。 一方で、今回の震災では、大規模な断水、至るところで発生した道路の損傷、物資が被災者に行き届かないことや避難所におけるトイレや感染症の衛生問題など、多岐にわたる課題が報道されております。 もし、大阪で同様の被害が発生したらどうなるのでしょうか。今後、発生が危惧されている南海トラフ巨大地震への危機感を募らせている市民も多いのではないでしょうか。今回の災害による課題をしっかりと把握、分析するとともに、被災地での支援に従事した職員の貴重な経験も併せて、今後の災害に備え、市民の生命、財産を守り、被害を最小限にとどめられるよう早急に取り組んでいただきたいと考えておりますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) まず、私からも、今回の能登半島地震によりまして亡くなられた方とその御遺族の方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。 本市では、被災地への支援のため、災害発生当日に緊急消防援助隊を派遣したのをはじめ、応急給水、応急復旧支援活動、下水道の被害調査、避難所運営や保健衛生など、様々な分野で被災地支援のため職員を派遣するとともに、本市に避難されている方への支援にも取り組んでいるところでございます。被災地の一日でも早い復旧・復興のため、引き続き本市としても支援に取り組んでまいります。 また、今回の能登半島地震の被災地の課題を踏まえ、本市でも想定される課題について、早急に対応していく必要があると認識しております。そのため、発災当初から避難生活の長期化が見込まれる状況を鑑み、災害時避難所ともなる全ての小学校の体育館へ空調機の設置を行うこととしました。 あわせて、今回の地震から得た教訓、派遣した職員から聞き取った課題等を基に、避難所環境の改善や復旧活動における上下水道の連携、区の被害想定に応じた対応などについて検証し、本市の地域防災計画等の改訂などにも取り組み、災害時に全ての方の安全を確保するため、防災対策のさらなる向上に全力で取り組んでまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、小学校体育館への空調機整備についてお伺いいたします。 先ほども触れました能登半島地震では、避難所の環境整備が課題となっております。南海トラフ巨大地震の発生が予測される中、このたびの能登半島での地震は、決して人ごとではありません。 この対策のためとして、去る1月30日に我が会派から横山市長に対し、避難所となる学校施設の防災機能に関する緊急要望を行いました。その項目は、小学校の体育館への空調機設置やトイレの洋式化など、避難所となる学校施設の防災機能を向上するものです。 それを受ける形で、先日、横山市長は、小学校体育館への空調機を整備する方針を出されました。市民の安心・安全を考えて、これまでの方針から大きく方向転換されたことに市民の皆様からも高い評価をいただいております。 今後、空調機整備をどのように進めていくのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 本年1月1日に発災した令和6年能登半島地震では、石川県内で最大震度7、新潟県や富山県、福井県でも震度5以上が観測され、甚大な被害が広範囲で発生しました。 本市においては、1月9日に私を本部長とする大阪市災害等支援対策本部を設置し、応急・復旧対策に係る人的・物的支援に取り組んでいるところでございます。 今後、発生が予測されております南海トラフ巨大地震では、地震の規模がマグニチュード9.0から9.1となり、避難所避難者数は約53万人になると想定されております。 今回、被災地の状況を目の当たりにし、また貴会派より会派要望もありました。本市におきまして、大規模地震が発生した場合に備え、避難所となる小学校体育館の環境整備について、急ぎ取り組む必要があると考えました。加えて、昨夏の猛暑を踏まえると、子供たちへの教育活動にも有用であることから、小学校体育館への空調機整備を決断し、関係局に整備を指示したところでございます。 現在、特別教室の空調機整備に向け、PFI手法により進めている中であり、課題も多く、具体的な検討はこれからとなりますが、令和6年度予算に調査費を計上し、可能な限り早期に整備したいと考えております。 災害による被害を最小限に抑え、市民の生命、身体及び財産を守ることは私の重要な役割であり、今後とも防災力のさらなる強化に取り組んでまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 災害の被害を最小限に抑え、市民の生命、財産を守るためにも大阪市の防災対策の充実を図るとともに、市民の防災に対する意識も高めていけるように取り組んでいただくことをお願いいたします。 次に、うめきた2期を中心とした歩行者の回遊性向上についてお伺いいたします。 いよいよ、今年9月6日に、大阪・関西の発展を牽引する重要なプロジェクトである、うめきた2期の先行まちびらきを迎えます。 ここでは、みどりとイノベーションの融合拠点の形成に向けたまちづくりを進めており、大規模ターミナル駅直結の世界最大級の都市公園が実現するとともに、災害時には周辺地域を支える避難場所等を備えた防災拠点が実現いたします。 さらに、回遊性の向上に向けたまちづくりが進んでおり、昨年3月に開業したJRの地下新駅とメインの大阪駅、そしてグランフロント大阪をつなぐ地下通路が既に実現しております。まちびらきまでには、うめきた2期の民間開発ビルと公園とをつなぐ歩行者デッキが整備され、より回遊性の向上が図られる予定であります。 大阪駅周辺地域は、乗降客が1日約250万人に上る西日本最大の交通ターミナルであるため、こうした取組は周辺地域全体の活性化につながることが期待されます。うめきた2期のみならず、大阪駅周辺地域全体の回遊性向上と活性化を目指し、民間施設と連携した歩行者ネットワークのさらなる充実を図っていくことが重要だと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 都心に残された最後の一等地として、構想段階から府、市、国、経済界、有識者など産官学が一丸となってまちづくりを進めてきたうめきた2期が、いよいよ9月6日に先行まちびらきを迎えることとなります。かつて北ヤードと呼ばれた貨物ヤードは、国内外から多くの人々が集い、活気とにぎわいがあふれる新しいまちに生まれ変わることになります。 このインパクトを最大限発揮していくためには、歩行者が自由に楽しみながら移動でき、回遊性を高める歩行者ネットワークの形成を通じて大阪駅周辺地域全体に広げていくことが重要であると認識しております。 これまで、うめきたでは、地区全体で歩行者中心のまちづくりを進めてきており、9月の先行まちびらき時にはJRの新駅を中心とした歩行者空間が概成するとともに、JR大阪駅などを介して大阪駅南側で整備が進む歩行者空間とつながることで、地下、地上、デッキレベルでの重層的な歩行者ネットワークが実現します。 今後も、周辺の民間開発に合わせた歩行者空間の整備、誘導により歩行者ネットワークの充実を図り、うめきた2期で生み出される活気とにぎわいを周辺に波及させることで、大阪駅周辺地域全体の活性化、さらには大阪・関西の成長につながるよう取り組んでまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) いよいよ、今年9月の先行まちびらきまで半年となり、市民の期待も高まっております。大阪駅周辺地域全体の活性化につながるプロジェクトとして、これからもうめきたから大阪・関西、そして世界をリードするまちづくりに取り組んでいただきますよう要望いたします。 次に、経済活性化に向けた観光振興の取組についてお伺いいたします。 大阪観光局によると、2019年、来阪外国人観光客による1人当たりの消費単価は約12万7,000円であり、同年の来阪外国人者数1,153万人に当てはめると約1兆4,600億円にも及ぶことから、大阪経済の発展に向けては観光の振興を図っていくことが大変重要です。 この間、新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国各地の観光地は大きな影響を受けましたが、昨今では、大阪においても、ミナミエリアなどの人気の観光スポットではにぎわいを取り戻し、活気あふれる大阪に戻りつつあります。この勢いを大阪・関西万博につなげ、さらなる大阪経済の発展、大阪の成長に向け進めていくためには、大阪の魅力をさらに発信することが必要です。 新たな来阪者を増やし、さらに、来訪された方に、万博が終了した後でも再び大阪に訪れたいと思い、リピーターとなっていただけるような、にぎわいあふれる持続可能な観光先進都市を目指す必要があります。快適に大阪の観光を楽しんでいただくため、受入れ環境整備をしっかりと進めていくことが重要であるとともに、関西の周辺地域とも相乗効果を発揮できるよう、しっかりと連携を図っていく必要があります。 今後、どのような観光施策を行っていくのか、現在のインバウンドの状況と併せて、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 大阪の成長に向けて観光振興を図っていくことは大変重要であり、本市では一昨年前から「大阪来てな!キャンペーン」を展開し、大阪への集客、周遊にいち早く取り組んでまいりました。 現在、全国では、訪日外国人旅行者が昨年12月は約270万人と、2019年の同月比で108%となっております。また、大阪・関西エリアにおいても、関西国際空港の外国人入国者数が昨年12月は約72万人と、2019年の同月比で112%となるなど、にぎわいを取り戻してきております。 この勢いを加速すべく、来年度も「大阪来てな!キャンペーン」を継続し、より話題性のあるコンテンツづくりや新たな大阪の魅力発掘・発信に取り組み、さらなる集客やリピーター確保を図ってまいります。 また、万博開催に向け、受入れ環境を充実すべく、観光スポットごとに多言語対応の観光案内板を整備していくことに加え、新たに大阪の多様な食の魅力を存分に楽しめる食のおもてなし事業の準備や、飲食店混雑解消に向けたシステム導入支援などの取組を進めてまいります。 さらに、関西観光本部による関西一円に周遊を促す取組と連携し、関西全体のポテンシャルを生かした集客、周遊を図っていくとともに、大阪が観光地として一層飛躍できるよう、今後もしっかりと観光振興に取り組み、大阪の成長、経済活性化につなげてまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、ライドシェアについてお伺いいたします。 1年後に迫ってきた大阪・関西万博では、約2,800万人の来場が見込まれており、開催中は、来場者に加え、観光やビジネス目的で大阪市内及び周辺を訪れる方々も大幅に増加いたします。 現在、万博会場への円滑な輸送と都市活動の両立に向け、大阪府市及び博覧会協会、経済界等が参画する交通円滑化推進会議により、交通需要マネジメント、いわゆるTDMに取り組んでいるとお聞きしております。 さらに、本市では、万博開催に向け、安全、円滑な万博会場へのアクセスルートの整備に加えて、ターミナル駅や観光スポットなどの主要集客エリアにおいて環境整備などが進められているところです。 一方、万博の成功には、来阪者の大阪全域に点在する観光スポット等へのスムーズな周遊と市民、府民の皆さんの日常生活での自由な移動との両立も必要であります。タクシーは、そのための有効な交通手段でありますが、近年、大阪でもタクシードライバーの減少と高齢化が問題となっており、需要と供給のバランスが崩れ、市民の生活にも影響が出ているとお聞きいたしております。 国では、4月から、道路運送法第78条第3号に基づき、タクシー事業者が自家用自動車を用いた有償運送を可能とする予定としており、現在、パブリックコメントが実施されております。 あわせて、タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことを位置づける法律制度について、本年6月をめどに議論することが示されております。既に、石川県小松市において、2月29日、本日から自治体ライドシェアを開始するとのことであり、他都市でも開始を目指して取り組まれております。 そこで、本市においても、新たな交通手段の選択肢としてライドシェアの必要性は高いと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) タクシー業界におけるドライバー不足と高齢化は深刻となっております。 こうした中、大阪・関西万博の来場者や急速に回復しつつあるインバウンドによる交通需要の増大、また、これらにより影響を受ける市民、府民の移動に対応するため、ライドシェアは必要と認識しております。 国が本年4月から導入予定の、いわゆるタクシー事業者によるライドシェアにつきましては、タクシー事業の規制緩和という意味では少し前進したものと考えており、タクシー事業者にはできる限り参画いただきたいと考えております。 しかしながら、万博時の需要増への対応として、この国の案では不十分であり、国で実施中のパブリックコメントに府市から具体的に提案を行ってまいります。 あわせて、6月に向けて議論される法律制度について、昨年12月に府市で取りまとめた「大阪がめざすべきライドシェア」の実現に向け、引き続き国に働きかけてまいります。 タクシーとライドシェアの両輪で、徹底した安全管理の下、来阪者へのおもてなしの実現とともに、市民、府民の移動の自由を確保してまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、大阪城のさらなる魅力創出についてお伺いいたします。 2013年にスタートした大阪城豊臣石垣公開プロジェクトが、いよいよ大詰めを迎え、来年、令和7年春にようやくオープン予定であり、豊臣期の石垣を直接見ることができる施設として大阪城に併設されます。 大阪城は、民間の調査会社によるインバウンド人気観光地ランキングの城部門において日本一となるなど、非常に人気が高く、現在はコロナ以前のようにインバウンドを含めた多くの観光客が訪れており、新たな施設が開館した際には、さらなるにぎわいの創出が期待されます。このように、大阪城は、大阪の魅力を世界へ発信する重要な観光施設であると同時に、これまで大切に受け継がれてきた市民の財産であります。 そこで、国内外を問わず、多くの観光客に繰り返し訪れてもらえる場所を目指すとともに、地元の大阪市民にさらに愛され、もっと気軽に訪れてもらえるように、市民特典などの取組を実施していただきたいと考えております。 また、我が会派は、これまで、天守閣の開館時間について、延長を要望してきたところであります。新施設のオープンと同時に開館時間が延長されれば、見どころが増えた大阪城をゆっくりと御覧いただけるようになるため、非常に意義のあることだと思います。 新施設の開館が予定される令和7年春は、2025年大阪・関西万博が開催されるという絶好のタイミングでもあり、大阪城のさらなる魅力創出を図るべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 大阪城エリアは、大阪都市魅力創造戦略に基づき、世界的観光拠点化に向けて取り組んでおりまして、大阪城天守閣については、全国の城郭の中でもトップクラスの入館者数を記録しているところでございます。今年度の入館者数は、既に200万人を突破しており、昨年10月には、これまで記録が残る限りにおいて、10月単月での最多の入館者数となる24万3,000人を記録するなど、大阪での観光における存在感はますます高まっていると認識しています。 大阪城は、昭和6年に市民の寄附により復興され、長く親しまれているお城であり、その魅力を市民の方々に再認識していただけるよう、今後、市民の方向けの取組も検討してまいりたいと考えております。 万博が開催される令和7年春には、豊臣期石垣公開施設がオープンするとともに、天守閣の開館時間を常時18時まで延長することにより、徳川期と豊臣期の石垣を同時に御覧いただく機会を増やし、歴史の転換点の舞台となった大阪城の魅力を存分に体感していただきたいと考えております。 今後とも、市民の方々をはじめ、国内外から訪れる多くの観光客にも満足していただけるよう、大阪城のより一層の魅力創出を図ってまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、美術館・博物館のコレクションの活用と集客力の向上についてお伺いいたします。 大阪市立美術館は、日本で3番目に古い美術館の歴史と充実した東洋美術のコレクションで知られ、令和7年3月のリニューアルオープンに向けて、現在は大規模改修工事が行われており、鑑賞環境が一新される予定であります。 リニューアルを機にコレクション展示の充実をするとともに、隣接する慶沢園との一体的な活用などが期待されるところでありますが、どのような魅力向上が図られるのでしょうか。 また、大阪市立東洋陶磁美術館もエントランスエリアを増築し、この4月にリニューアルオープンするところであり、2年前に開館した大阪中之島美術館とともに、大阪・関西万博に向けて、美術の鑑賞環境が整うことになります。 本市には、これらの美術館に加えて3つの博物館もあり、それらが所有するすばらしい作品の数々をより多くの方に鑑賞いただくためにも、各館における収蔵品の常設展示などの充実をするとともに、現在、17時までを基本としている開館時間の延長が必要だと考えます。ぜひ、展示内容の充実などにより、国内外から多くの来館者を呼び込み、大阪の活性化につなげていただきたく、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 市立美術館は、今回の大規模改修によって鑑賞環境を大幅に改善し、国内外で人気の高い漆工芸品も通年で展示できるようにするほか、様々なテーマを設けた展示などによって貴重なコレクションの数々を堪能いただけるようになります。さらに、新たに館内の無料エリアや隣接する慶沢園と往来できる通路の設置、慶沢園との共通入場券の導入によって、天王寺エリアの魅力や集客力の向上に寄与するものとなります。 本市の美術館、博物館のコレクションとしては、東洋陶磁美術館の国宝油滴天目茶碗をはじめとする中国、韓国陶磁の至宝、大阪中之島美術館の佐伯祐三作品やモディリアーニの裸婦像に代表される世界に誇る近・現代美術などがあり、各館ともに貴重なコレクションを有しております。 大阪・関西万博を控え、インバウンドが増加する中で、これらのコレクションを市民や国内外から来られる多くの方々に御覧いただけるよう、所蔵コレクションの常設展示とともに開館時間の延長に取り組む必要があると考えており、
地方独立行政法人大阪市博物館機構に指示しております。 こうした取組により、今後とも美術館、博物館の魅力を一層高め、多くの方に訪れていただき、大阪の活性化につなげてまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 世界の美術館に目を向けると、年間の来館者数は700万人を超えるところもあり、大阪市も万博を好機と捉え、各館のポテンシャルを最大限に発揮し、今まで以上に来館者数の目標値を高く持っていただきますようお願いいたします。 今後も、各館の魅力向上だけではなく、複数館の連携した取組により、周遊性の向上や来館者数の増によるにぎわいの創出など、様々な相乗効果を用いて大阪の活性化につなげていただくことを要望いたします。 次に、新大阪駅周辺地域のまちづくりについてお伺いいたします。 十三、淡路を含む新大阪駅周辺地域については、リニア中央新幹線や北陸新幹線の全線開業を見据えて、まちづくりの検討が進められております。 令和4年10月には、民間都市開発の機運の高まりを踏まえ、新大阪駅からおおむね500メートルのエリアが都市再生緊急整備地域に指定されており、今後、都市再生制度を活用した質の高い都市開発が進むことを期待しております。 また、昨年12月には、国、大阪府、大阪市、民間事業者等で構成する新大阪駅周辺地域まちづくり検討部会が開催されました。そこで、民間都市開発の機運醸成に向けたプロモーションの今後の進め方や、十三駅・淡路駅エリアについては、新たにエリア計画の策定に向け取り組むことが確認されたとお聞きいたしております。 今後、新大阪駅周辺地域のまちづくりにおいては、民間が主体となった検討が進むよう、その機運を高めるとともに、誘導を図る必要があります。さらに、各エリアのまちづくりの進捗に応じたプロモーションを関係者が連携して進めることが重要だと考えます。 そこで、今後の新大阪駅周辺地域のまちづくりをどのように進めていくのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 新大阪駅周辺地域については、リニア中央新幹線や北陸新幹線などの国土軸に直結する広域交通の利便性が高いポテンシャルを生かし、国内外から多様な人と情報を集め、新たな価値を生み出すグローバルな拠点となることが重要と認識しております。 このため、質の高い都市機能の集積と、居心地がよく、歩きたくなる町なかの形成を目指し、地権者やディベロッパーなどを対象にまちづくりシンポジウムを開催し、広く新大阪を周知するなど、民間都市開発の機運醸成に取り組んでいるところでございます。 今後、新幹線新駅の位置の確定に伴い、広域交通結節機能の強化に向け、関係者と連携し、駅前広場空間や駅とまちをつなぐ歩行者動線の具体化など、新大阪駅のエリア計画を充実してまいります。 また、新大阪連絡線・なにわ筋連絡線の十三新駅の構想や、柴島浄水場の一部機能の移転、集約などの動きを踏まえながら、十三駅・淡路駅のエリア計画を新たに作成してまいります。 このようなまちづくりの段階に応じて戦略的なプロモーションを進め、駅とまちが一体となった世界有数の広域交通ターミナルのまちづくりの実現に向けて着実に取り組んでまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、大阪城東部地区のまちづくりについてお伺いいたします。 本地区では、現在、大阪公立大学の1期キャンパス整備工事が2025年秋の開設を目指して進められております。 それに続く新駅や、その周辺開発を行う1.5期開発については、Osaka Metroと大阪公立大学に併せて、JR西日本並びにUR都市機構などの民間企業も参画している大阪城東部地区まちづくり検討会において議論が進められており、2月13日開催の検討会では、知事、市長の出席の下、アリーナ建設等の開発方針案の確認がされたところです。 当地区のまちづくりは、大阪の東西軸を強化するものとしてのヒガシの拠点であり、2025年大阪・関西万博以降のまちづくりとして非常に重要であると考えます。今後、大阪を牽引するまちとなるよう、まずは大阪城東部地区の1.5期開発をしっかりと進めていただきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 大阪城東部地区では、大阪公立大学を先導役にイノベーション・コアゾーンの形成を図り、多世代、多様な人が集い、交流する国際色あるまちの実現を目指しております。 先日のまちづくり検討会では、この1.5期開発の土地利用や基盤整備の方針とともに、区域全体で施設の最適な配置となるよう一体的な開発を推進することを関係者で確認したところでございます。 具体的には、イノベーション・コアの実現に向け、大学の1.5期キャンパスの整備などの知の拠点の形成とともに、大規模なアリーナ、ホール等を中心とした集客・交流空間、さらにはメトロ新駅と一体となった次世代のモビリティーにも対応する交通広場や、人中心の広場を備えた新駅・駅前空間の形成を図ってまいります。 また、こうした開発区域内はもとより、大阪城公園方面との回遊性の向上を目指し、大学キャンパスから新駅を結ぶデッキや第二寝屋川沿いの親水性のある歩行者空間、さらにはJR大阪城公園駅に至るデッキなど、まちのシンボルとなる歩行者ネットワークの形成を図ってまいります。 この開発方針に基づき、2028年春のまちびらきを目指し、関係者が協調して2024年度には開発事業者の公募を実施するとともに、大阪城公園駅につながるデッキ整備などに向けた検討や設計に着手してまいります。 引き続き、大阪城東部地区のまちづくりを着実に進め、周辺の大阪ビジネスパークや京橋と併せて相乗効果を発揮することで、大阪の新たな成長・発展を牽引する東西軸のヒガシの一大拠点となるよう取り組んでまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、将来の下水処理場の目指す姿についてお伺いいたします。 先ほど、質疑に取り上げた大阪城東部地区にある中浜下水処理場において、来年度からカーボンニュートラルを見据えた再構築の検討を始めるとのことであります。 大阪城東部地区のまちづくりの方向性においても、2期以降の「親水空間+立体活用ゾーン」として、スマートエネルギーや処理場の立体的な土地利用の検討をするとされており、中浜下水処理場の将来的な活用は様々な観点から期待されるところです。 市域の下水処理場は、市民生活を支えるために、24時間休むことなく動き続けており、そのために多くのエネルギーが必要とされております。このような処理場の再構築に当たっては、エネルギーを効率的に利活用するとともに、臭気や景観への配慮など、市街地における周辺環境との調和といったまちづくりの視点も含めて進めていくことが必要だと考えます。そして、今回の中浜下水処理場における先進的な取組をほかの下水処理場にも発展的につなげていっていただきたいと考えます。 本市における将来の下水処理場の目指す姿について、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 下水処理場では、これまでも処理水の有効利用や処理の過程で発生するガスを利用した発電によるエネルギーの創出など、持続可能な社会の構築に向けた取組を行っております。こうした分野の技術開発は、まだまだ発展途上であることから、下水処理場は、地域の資源を活用して地域に還元する地産地消のエネルギー拠点として、まちづくりの視点からも高いポテンシャルを有しております。 大阪城東部地区内に位置する中浜下水処理場におきましては、これからの下水処理場の再構築のモデルとなるよう、今後も周辺施設との連携を図るとともに、カーボンニュートラルの達成に向けた先進的な省エネ・創エネ技術の開発や、処理場の上部空間の活用検討などを進めてまいります。 中浜をはじめとした市内の下水処理場が、まちづくりの中でエネルギーの循環拠点となるとともに、市民生活により身近な存在として地域と共存できるよう取り組んでまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、市内全域での路上喫煙禁止に向けた取組の推進についてお伺いいたします。 大阪・関西万博を契機として、本市は2025年1月の市内全域での路上喫煙禁止に向けて取組を進めてきました。喫煙者の方には、これまで以上に制限をかけることから、これまでのパブリックコメントや市会での様々な議論の中で、マナーを守って喫煙できる喫煙所の確保が必要であることを共通の課題と認識いたしております。 現在、大阪市内でも、民間ビルから出てきた方による路上喫煙が問題となっている場所も多く発生しています。東京都の一部の特別区では、全域路上喫煙を禁止しており、その対策として大規模建築物に喫煙所の附置を定めている事例もあり、分煙環境の整備には民間事業者の協力が欠かせないのは明らかであります。 本市では、今年度創設した喫煙所補助制度に対して様々な意見が複数寄せられているため、民間事業者の喫煙所整備への意欲が進むような取組が必要です。特に、万博開催期間中は喫煙者も含めた来阪者が増えることから、不足に備えての暫定的な喫煙場所の確保も必要だと考えます。 また、条例が改正されても、周知・徹底が行き届かないと実効性は確保されないため、2025年1月の市内全域での路上喫煙禁止に向けて、いかに市民及び外国人も含む来阪者へ周知・啓発を行うことができるかが重要であると考えます。 既に1年を切っておりますが、喫煙所整備をはじめ周知や広報など、どのように路上喫煙対策を進めていくのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 議員御指摘のとおり、2025年大阪・関西万博の開催を控えまして、大阪への来訪者の増加を見据えて、国際観光都市大阪にふさわしい環境美化を推進するため、路上喫煙対策は非常に重要な課題でございます。 路上喫煙対策には様々な要因が絡み合っていることを踏まえまして、局横断的なプロジェクトチームを立ち上げており、その体制下で、新設120か所、既存施設を活用して一般に開放していただくための改修整備20か所の計140か所の喫煙所を確実に整備してまいります。 また、路上喫煙のないまちづくりに向けて、来阪者の大幅な増加が見込まれる万博開催期間中の暫定的な喫煙場所の確保や民間事業者が喫煙所を整備しやすい方策を検討し、市内全域の路上喫煙禁止の実効性を確保するための取組を進めてまいります。 あわせまして、道路、公園、広場などの路上喫煙を禁止する場所への表示物、外国人も含めた来阪者への周知など、市内全域での路上喫煙禁止に向けた環境整備を、条例改正後、速やかに実施いたします。 様々な分野の担当局・区が検討に加わることで、多様な観点を取り入れた効果的な取組を進め、市民、事業者の理解を得ながら、国際観光都市大阪にふさわしい路上喫煙のないまちづくりを進めてまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、樹木の管理についてお伺いいたします。 さきの5・6月市会において、市長より、「誰もが住み続けたいと思える、親しみを感じる緑のまちへと大阪を変えていく」との御答弁がございました。 現在の大阪市では、樹齢が過ぎて大きく育った樹木や衰えた樹木により倒木などが発生し、市民生活に影響を与えるようになったことから、公園樹・街路樹の安全対策事業が取り組まれてきております。 その取組とは別に、万博開催に向けては、ホストシティーとしてふさわしい町並みとなるよう、万博会場の主要なアクセスルートにおいて、景観に配慮した街路樹の剪定などの取組が進められております。 こうした取組は、市民の安心・安全を確保するために重要な事業であると認識しているものの、今後、公園樹や街路樹がどのように管理されていくのか、また、いつどのように植え替えられるのか、不安に思っておられる市民への対応も必要だと考えます。 万博終了後も、市長が目指す、親しみを感じる緑のまちの実現に向けて、今後、市民生活に身近な公園樹や街路樹をどのように育て、管理していくのか、情報発信の充実も必要だと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 本市では、早くから都市の景観や快適性の向上を目指し、都市緑化に努めてまいりましたが、年月の経過とともに多くの樹木が大木化・老木化した結果、市民生活に支障が生じるおそれのある状況となったことから、これらの樹木を短期集中的に撤去、植え替えしているところでございます。 今後は、定期的な点検により蓄積したデータに基づき、生育環境に応じた樹木の保全育成に努めますとともに、中長期的な視点で計画的に樹木の撤去・植え替えを行うことにより、適切な維持管理に取り組んでまいります。 また、昨年、視察いたしましたメルボルン市での事例を参考に、データやデジタル技術を活用して樹木1本ごとの情報を見える化するとともに、季節ごとの開花情報や樹木管理に関することなど、市民が知りたい情報をスマホなどで簡単、気軽に知ることができるよう、情報発信の充実に取り組んでまいります。そうした樹木の取組を行うことで、公園樹や街路樹などの身近な緑に多くの市民が愛着を持っていただき、市民一人一人の暮らしが豊かになるまちを実現してまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 次に、道路の区画線についてお伺いいたします。 我が会派からは、道路の営繕管理に関しても、効率的な維持管理が進み、市民サービスの向上につなげるよう、道路の劣化状況等の把握は民間企業のデジタル技術に任せて、職員は人が対応すべき業務を重点的に行うべきと要望してまいりました。 秋の決算市会では、市長から、新技術の実証を進めながら調査手法を確立し、管理基準を設定した上で計画的な維持管理に取り組むとの御答弁をいただきました。 区画線の維持管理における具体な計画や工程について、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 区画線の維持管理につきまして、まずは計画的な維持管理に移行するまでに短期集中的な補修を行うこととし、幹線道路は万博開催までの令和6年度末までに実施、そのほか市内全域の生活道路で消えている区画線の補修を令和8年度末までに実施いたします。 並行して、来年度から、環境局のドライブレコーダーの映像データを活用したデジタルデータの蓄積や、その検証に着手しますとともに、日々進歩するデジタル技術を活用し、蓄積されたデータを用いたAI解析の損傷度判定や経年劣化把握の精度向上と調査手法の確立を図り、令和9年度からの新たな維持管理手法への移行を目指します。 引き続き、先端技術を活用したDXを推進することにより業務の効率化、高度化を図り、計画的な維持管理に取り組むことで安全・安心な道路通行環境を実現してまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 最後に、DXの推進についてお伺いいたします。 本市では、昨年3月に大阪市DX戦略を策定し、本戦略に基づき、市民のQOLと都市力の向上を目指して、1つ目にサービス、2つ目に都市・まち、3つ目に行政の視点からDXを推進していくこととしております。 また、DX戦略に基づく具体的な取組計画として大阪市DX戦略アクションプランを策定し、多くの部局がDXで実現したい未来の大阪市を見据えながら取組を進めているところであると認識いたしております。 先日の令和6年度予算案の市長会見でも、市長からは、市民サービスの充実などの取組の柱を掲げ、あらゆる分野で大阪市DX戦略に基づき、DXを強力に推進していくと発言されておりました。 我が会派としても、質の高い行政サービスの提供をはじめ、便利・安心・安全に暮らせるまちの実現や効率的で質の高い業務運営の実現に向け、大阪・関西万博の開催も好機と捉え、本市の全ての部局でDXに取り組むとともに、それぞれの部局が個別に進めるだけでなく、その効果を最大化するためにも、市長のリーダーシップの下、部局横断的なデジタルの活用やDXを積極的に推進していく必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(片山一歩君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 本市では、大阪市DX戦略に基づきまして取組を推進いたしますとともに、市政運営の基本方針や未来都市創生総合戦略(案)などでも、本市の市政の方向性としてDXの推進を明確に示したところでございます。 私が市長に就任して以降、昨年6月に開催しました第1回DX推進本部会議では、行政手続のオンライン化について、市民の利便性向上に向け、当初計画を前倒しするなど、適宜各所属長に対応を指示しております。 議員御指摘の部局横断的なデジタルの活用やDXの積極的な推進に関しましては、昨年4月に設置したバックオフィスDXプロジェクトチームなど、部局横断的なプロジェクト体制で取組を進めております。 さらに、この3月より、都市・インフラ分野のDXを加速させるため、計画・設計から維持管理まで一連の建設生産プロセスに関するプロジェクトチームを副市長をリーダーとする関係部局で新たに構成し、取組を進めてまいります。 今後とも、あらゆる行政分野、施策を対象に、DXによる効果が最大限得られるよう、私が先頭に立ち、スピード感を持ってDXを強力に推進し、市民や事業者がデジタル化やDXの恩恵を実感できるよう取り組んでまいります。
○議長(片山一歩君) 野上らん君。 (60番野上らん君登壇)
◆60番(野上らん君) 市長自ら先頭に立ち、スピード感を持ってDXを強力に進めると御答弁をいただきました。 現在の行政や社会、産業の基本的な構造を形づくる法制度やルールは、その多くが書面、対面といったアナログ的な手法が前提となっており、国においては、アナログ規制の点検、見直しを掲げ、地方自治体においても、目視規制や実地監査規制など7つの規制に対し、デジタル原則の趣旨を踏まえ、自律的にデジタル実装や規制の見直しを推進するよう促しているところであります。 今後、少子高齢化が進み、あらゆる産業、現場において人手不足が進むことが予想されております。社会全体のデジタル化を推進し、デジタル技術の活用による生産性の向上や人手の代替を実現させることが不可欠であると考えております。 本市においても、条例や規則等による規制の見直しはもとより、将来に向けて、不相応な制度や慣習、行政サービスの在り方なども見直し、DXを強力に推進していただくよう再度要望いたします。 以上、多岐にわたり質問をさせていただきました。今回の質問では、万博開催都市としてのにぎわい創出や、万博開催後に向けた魅力ある都市づくりについてなど、まちづくりに重点を置かせていただきました。 冒頭にお伝えしたように、大阪市の財政状況においては収支不足が続く見通しとなっておりますので、今後の大阪の発展は非常に重要であると考えます。その上で、最優先で子育て・教育の無償化といった将来世代への投資もしっかりと行っていかなければなりません。子供たちが質の高い教育を受けられる環境づくり、保護者の方々が安心して笑顔で子育てができる環境づくり、それは大阪を強くする、まさに未来への投資だと考えております。 私自身も、大阪市内の公立中学校に通っておりましたが、当時はもちろん給食がありませんでした。私は、家庭環境により、お弁当を持っていくことができず、お昼休みに何も食べずに過ごす日も多くあり、とても苦痛な時間だったと記憶しております。もし、私の時代から給食があれば、中学校生活やその後の人生さえも大きく変わったのではないかと思うことが何度もありました。 大阪市では、2012年から給食が始まり、内容も充実されて、今では無償化も行われました。私の3人の子供たちも、毎日、給食を頂いております。こうした、どんな家庭環境の子供たちにも平等に施策が実現されていくことを大変うれしく感じております。 議会での一つ一つの提案や議決により実行されていく施策や事業が大阪市民の人生をも変え得ることにつながると感じながら、今回の代表質問をさせていただきました。 今後も、日本一子育てしやすいまち・大阪を目指すことで、現役世代の活力がさらに生み出されていきます。ますます多様化する社会ニーズや、進んでいく高齢化社会の福祉を支えるためにも、我が会派は、市長と同じ、誰一人取り残さない思いで、大阪のさらなる成長の実現に向けて取り組んでまいります。 明日も代表質問は続きますが、以上で私からの質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(片山一歩君) 以上で、野上らん君の質疑は終了いたしました。
○議長(片山一歩君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(片山一歩君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午後2時23分休憩 午後2時59分再開
○副議長(土岐恭生君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君の質疑を許します。 47番山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 私は、公明党大阪市会議員団を代表いたしまして、今回上程されております令和6年度の本市予算案並びに関連諸案件に関して、市長に対して質問させていただきます。 これから、私たちにはどんな未来が待ち受けているのでしょうか。世界中で深刻な自然災害の頻発、ウクライナ情勢に伴う核兵器使用のリスク、世界規模で進行する物価高騰、日本でも新型コロナ感染症の影響、少子高齢化による社会構造の変化、物価高騰による暮らしの逼迫など、社会課題は深刻化しています。 こうした課題から、社会に対して希望を失いかけている声を私自身、数多く伺ってきました。一体どこに希望はあるのでしょうか。どうすれば、前を向いて進むことができるのでしょうか。この小さな声と真摯に向き合い、市民の命、暮らしを守り、未来に向かって希望を生み出していくことが基礎自治体、大阪市として重要であります。 2030年の達成を目指す国連の持続可能な開発目標、いわゆるSDGsが折り返し地点を迎え、2024年9月には史上初となる国連未来サミットが予定されています。国連の意思決定プロセスに青年の代表が主体的に参画し、青年の声が国際社会を動かすことになります。 日本でも、次代を託す青年たちが、希望の未来に向けて若者の声を集結するため、行動を今、巻き起こしています。 同じく青年世代である横山市長におかれましては、持続可能な未来の大阪に向けて様々な課題と向き合い、思い切った施策を実行していただきたい。そして、青年、子育て世代から高齢者まで、誰一人取り残さない大阪のために真剣に取り組んでいただきたい。 本日の質疑で、一人でも多くの大阪市民が希望を持って未来へ前進できるよう、以下、具体的に質問をさせていただきます。 初めに、ゼロから2歳児の保育無償化についてお伺いします。 これまで、我が党は、子供の幸せを最優先する社会を目指し、様々な子育て支援施策を実現してきました。2022年11月には、結婚、妊娠、出産から子供が社会に巣立つまで、ライフステージに応じた切れ目のない政策を子育て応援トータルプランとして取りまとめました。トータルプランでは、常に子供の視点に立ち、その最善の利益を第一に考え、子供政策を中心に据えた「こどもまんなか社会」の実現を目指すとしており、ゼロから2歳児の保育料無償化も掲げています。 市長は、先日、ゼロから2歳児保育無償化の実現に向けたロードマップを公表されました。 ゼロから2歳児の保育料無償化については、我が会派からも、この間、市会において、公的な支援が手薄となっており、子育て・教育における保護者負担軽減をさらに進めるべきと再三要望してきました。 我々としては、無償化により、未来を担う人材である子供たちを社会全体で育み、社会経済の持続可能性が高まることが重要であります。 そこで、市長にお伺いしますが、ゼロから2歳児の保育無償化については、どのような思いを持って、いつまでに実現を目指そうとされているのか、御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 理事者の答弁を許します。 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 本市では、これまでも、妊娠から出産、子育てまで切れ目のない支援を進めてまいりました。また、こども医療助成は今年の4月から、習い事・塾代助成は今年の10月に、所得制限の撤廃にも取り組んでまいります。 次に、私自身の経験からも、ゼロから2歳児の子育ては、特に保護者の負担が大きいと感じており、ゼロから2歳児の保育の無償化の実現に挑戦したいと考えております。 ゼロから2歳の子育ての特徴は、保育所などの利用もあれば、在宅で子育てをされている場合など千差万別であり、また経済的な負担だけではなく、育児の負担も大きくなっております。そこで、保育所等を利用されている方には保育料の無償化を、在宅等で子育てされている方には在宅等育児への支援が必要であると考えました。 これを実現することにより、どのような家庭環境、経済状況であっても、大阪の未来を担う子供たちが分け隔てなく大切にされ、夢を追い求めることができる社会、そして子育て世帯の経済状況によって子供への支援の有無が判断されず、全ての子育て世帯がひとしく支えられる社会を築いていきたいと考えております。子供が何人いても、経済的負担が小さく、子供は将来に明るい希望を持ち、保護者が安心して子育てができるまちを目指してまいります。 一方で、実現のために乗り越えていかなければならない様々な課題があるため、段階的に進めた上で、令和8年度予算編成過程におきまして総合的に判断し、条件が整えば実施の決断をしてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) ゼロから2歳児の保育料無償化に伴い、待機児童の解消、高まる保育ニーズへの対応が非常に重要になります。今後、無償化の実現に向けて、保育施設の整備や保育人材の確保に着実に取り組んでいただきたいと要望しておきます。 次に、小学校体育館への空調機設置についてお伺いします。 令和6年能登半島地震災害では、広範囲に大きな被害が発生し、今なお1万人以上の方が学校の体育館等で避難生活を送っておられます。 平成28年熊本地震では、災害関連死が直接死の約4倍にも上ったと言われており、体育館等での避難生活が長期化すると、心身ともに危機が及びます。 体育館空調は、災害時だけでなく、平時の教育活動における子供たちの熱中症対策の観点からも必要性は高いと考えております。我が会派は、平成30年から何度も議会で、避難所としての学校施設の防災機能の拡充、とりわけ小中学校体育館への空調機整備を訴えてきました。そして、今月1日には、市長に対し、小学校体育館への空調機の設置をはじめとした避難所の環境改善に関する緊急要望も行い、整備を決断されたことは高く評価しております。 一方で、教育委員会によると、現在、特別教室への空調機整備を進めている最中であり、同時に小学校体育館への設置は難しいとの見解を示されましたが、南海トラフ巨大地震の発生が想定されている本市が可能な限り早期に小学校体育館に整備することは非常に重要であります。 これまでの普通教室の空調機の整備については、平成24年から5年間もかかったことを鑑み、早急に整備スケジュールを提示すべきと考えますが、市長の決意をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 能登半島では、広範囲に大きな被害が発生し、地震から約2か月が経過したものの、多くの被災者は、余震や寒さが続く中、体育館等での避難生活を送っておられます。 本市におきましても、南海トラフ巨大地震の発生が予測されており、一たび発災すれば、非常に多くの方が避難所で長期間生活されることが想定されております。厳しい気候時に発災する可能性も考えますと、避難所の環境整備は極めて重要であり、また猛暑時の教育活動にも有用であることから、小学校体育館への空調機の整備を決断したところでございます。 空調機整備につきましては、現在、特別教室への空調機整備を進めており、検討すべき課題も多く、現時点ではスケジュールをお示しすることはかないませんが、いつ起こるか分からない災害に備えまして、可能な限り早期に整備したいと考えております。今後とも、防災力のさらなる強化に取り組んでまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 可能な限り早期に整備したいとの御答弁でした。あらゆる方法を用いて、スピード感を持った整備を進めていただきたいと思います。 次に、不登校対策についてお伺いします。 本市の令和4年度の不登校の子供の数は、小学校で1,866人、中学校で4,430人であり、合計すると6,296人にもなり、年々数百人単位で増加しています。これは、本市の教育課題の中でも特に重要な課題であると考えられ、悩みや不安を抱える子供たちが、将来、心豊かに社会でしっかりと生き抜けるよう、個々に寄り添ったきめ細やかな支援が必要であると考えます。 教育委員会においても、教育支援センターの設置や、学びの多様化学校として心和中学校の令和6年度の開設など、多様な教育機会の確保に取り組んでいることは認識しています。しかし、心和中学校の受入れは、たった70人であり、それだけでは6,000人を超える不登校の子供の多様な学びを支援することは困難であります。 また、不登校の子供の保護者も、どこに相談すればよいか、どういった支援があるのか分からず、不安を抱えており、子供だけでなく、保護者への支援も必要となると考えます。 この間、我が会派から、学校内の居場所づくりや、それに伴う人的支援、不登校に悩む子供や保護者への相談機能の充実、オンライン授業の実施など、より多くの不登校の子供たちを支援する具体的な方策を求めてきました。 様々な背景を抱える不登校の子供たちが将来の自立を目指せるよう、多様な教育機会の確保に向けた取組が必要と考えますが、今後、どのように取り組んでいくのか、教育長の御見解を伺います。
○副議長(土岐恭生君) 多田
教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長多田勝哉君登壇)
◎
教育委員会教育長(多田勝哉君) 本市の不登校児童・生徒数は、全国と同様に年々高くなっている状況でございます。 不登校支援におきましては、様々な課題に直面している子供たちが、自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立していけるよう、学校内外における様々な支援につなげていくことが重要でございます。 この間、ICTを活用しての学びの保障はもとより、教育支援センターや、4月に開校する本市初の学びの多様化学校としての心和中学校など、不登校児童・生徒の多様な教育機会の確保に関する取組を進めているところでございます。 また、本市の不登校対策の中核的役割といたしまして、登校支援室「なごみ」を心和中学校に併設し、児童・生徒や保護者等からの不登校支援に関する相談対応や、学校や関係機関との連携調整等を実施する予定でございます。 またさらに、来年度より、校内教育支援センター、いわゆるスペシャルサポートルームをモデル校24校に設置し、支援員を配置するとともに、空き教室等に必要な備品を整備し、一番身近な在籍校において、社会的自立へ向けた支援を行ってまいりたいと考えております。 加えて、児童・生徒の学習理解のさらなる定着を図ることを目的に、学習動画コンテンツ配信モデル事業を学びの多様化学校を含む49校でモデル実施する予定でございます。また、登校支援室「なごみ」で相談を受けた児童・生徒もモデル実施の対象といたしまして、不登校児童・生徒の学びの保障を充実していくことを考えております。 これらの取組によりまして、引き続き学校内外における一人一人の状況に応じた支援の充実を図ることにより、児童・生徒が自らの将来を主体的に捉え、社会的に自立できるように努めてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、外国につながる児童・生徒への支援についてお伺いします。 昨年度より、外国から大阪市の小中学校に編入学する子供たちが急増しています。令和4年度の外国からの編入生に対する初期面談は800件を超え、今年度はさらに増える勢いです。 編入してくるほとんどの子供たちが、日本語が全く分からない状態ですから、学校の教職員も児童・生徒たちも言葉の壁があって、お互いに戸惑いながら学校生活を続けています。数か月たって、たとえ日常会話ができるようになってきても、学校の授業やテストに対応するための学習言語の獲得には5年程度かかると聞きますので、体系的、計画的な日本語指導ができる環境を整備していかなければなりません。 また、編入する子供たちを預かる学校の教職員も、子供たちや保護者に対して、どのような支援をどこまですべきか、判断に迷われています。 国も、外国人材の受入れと外国の人々との共存、つまり多文化共生社会を目指す方向性を示しています。 保護者も含めた様々な支援策を講じるためには、教育委員会をはじめとする行政の力だけでは限界があります。外国につながる子供たちに向けての支援やサービスを行う力を持っている企業やNPO法人など、民間との連携を進める中で、より豊かな支援が行えるのではないでしょうか。 こうした状況を踏まえ、教育委員会としてどのように取り組むのか、教育長の御見解を伺います。
○副議長(土岐恭生君) 多田
教育委員会教育長。 (
教育委員会教育長多田勝哉君登壇)
◎
教育委員会教育長(多田勝哉君) 御指摘のとおり、昨年度来、外国から本市の小中学校に編入学する児童・生徒数が急増しております。 教育委員会といたしましては、令和2年12月策定の大阪市多文化共生指針の中で示されておりますとおり、学校における多文化共生教育を推進し、未来の大阪市の担い手となる子供たちが、互いの違いを尊重し、多様性を認めることのできる資質や態度を育成するとともに、外国から編入した子供たちが、自身の母語や母文化を大切にしながら、本市において自分らしく生活を送れるよう支援していくことが大切だと考えております。 また、市内4か所の共生支援拠点や16校の日本語指導センター校等を中心に日本語指導支援にも取り組んでおりまして、スキルとしての言語の獲得に向けて、子供たちのニーズに合わせた支援を行う体制を強化しております。 来年度は、日本語指導センター校の拡充や、日本語指導に携わる教員及びコーディネーターや有償ボランティアの増員などを図ってまいります。 民間との連携につきましては、現時点では、大学院生がインターンシップとして共生支援拠点の日本語指導の支援業務に携わるほかに、ICTの活用について、企業との情報交換を行うなどの連携を進めているところでございます。 今後も、引き続き民間外部機関との連携の充実に努めてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、健康寿命の延伸についてお伺いします。 我が党として、子供も高齢者も元気な大阪を目指したいと考えていますが、厚生労働省の研究によると、大阪市の健康寿命は、男性69.48年、女性73.01年であり、政令指定都市の中で男性は最下位、女性は下から2番目であります。また、厚生労働省の調査によると、大阪市の平均寿命は、男性79.3年、女性86.8年であり、政令指定都市の中で男女とも最下位であります。 健康寿命の延伸につながるがん検診の受診率についても、昨年度の市民アンケートによると、いずれのがん検診も男女問わず30から40%の受診率にとどまっており、大阪市健康増進計画「すこやか大阪21(第2次後期)」の目標である50%には、いまだに届いていません。 大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマであり、「いのちを救う」がサブテーマであるにもかかわらず、開催場所となる大阪市の現状は厳しい状況にありますが、市長はどのように受け止めているのでしょうか。 この間、我が会派より、市民の健康寿命の延伸に向けて、がん検診の受診率を向上させる取組を推進する必要性を指摘し、これまでも様々な対策を講じられてきたと思いますが、例えば民間活用をしながら直接市民に受診を働きかける新たな手法を取り入れるなど、がん検診の受診率向上、ひいては健康寿命の延伸に向けて、さらに本腰を入れて取り組んでいかなければなりません。 大阪・関西万博の開催が400日前に迫る中、今後、どのような目標を持って市民の健康意識を高め、がん検診の受診率を向上させるのか、市長の御決意をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 市民が生涯を通じて生活の質を保ちながら心豊かに暮らすためには、健康寿命の延伸を図ることが非常に重要であると認識しております。 本市では、これまで、健康増進計画「すこやか大阪21」を策定し、健康寿命の延伸を全体目標に掲げ、がんなどの分野ごとに目標を設定して、ライフステージに応じた様々な施策を推進してまいりました。しかし、いまだ本市の健康寿命及び平均寿命は他都市と比べて低く、今後一層、市民の健康意識の向上や生活習慣の改善を図らなければならないと認識しております。 そのため、今年度は、新たな取組として、民間事業者からの提案を受け、がん検診受診率向上等に向けた啓発事業に取り組んでいるところでございます。 さらに、来年度は、大阪・関西万博の開催を好機と捉え、本市のがん検診を受診した方へのアスマイルポイントの付与や、国民健康保険に加入している女性のうち、特定年齢の方への乳がん検診無料クーポン券の送付など、取組を強化する予定でございます。 今後、健康寿命の延伸に向けまして、次期計画で新たな目標を設定し、健康に無関心な市民に対しても、行動変容につながる様々な施策によって健康意識を高め、がん検診の受診を促すよう全力で取り組んでまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、男性のHPVワクチン接種への助成についてお伺いします。 子宮頸がんは、HPVワクチン接種と検診によって予防ができるがんであります。 オーストラリアなどの先進国では、HPVワクチンの接種率が女性は80%以上、男性でも70%以上と非常に高い接種率であり、オーストラリアでは2035年までに子宮頸がんを撲滅できると予測されています。 しかしながら、日本では、子宮頸がんの罹患率、死亡率ともに増加しています。さらに、定期接種となっている女性へのHPVワクチン接種については、積極的勧奨を差し控えていた期間があったことから、諸外国に比べ、その接種率は非常に低い状況であります。 HPVは、主に性的接触によって皮膚や粘膜に感染するウイルスであり、男性も女性も大半が生涯一度は感染するものであります。ウイルスの遺伝子型は200種類以上あり、一部が子宮頸がんのほか、肛門がん、中咽頭がんなどの疾患の原因になることが分かっています。 男性がワクチン接種することで、肛門がん、中咽頭がんなどの予防効果が期待されることに加え、性的接触によるHPV感染から女性を守り、子宮頸がんの予防にもつながります。 日本においては、男性は任意接種でありますが、幾つかの自治体では、既に接種に対し助成を実施しており、東京都においても小池知事が、男性のがん予防や男女ともに接種することによる集団免疫の効果が期待できるとして、男性への接種費用の補助を令和6年度予算に計上しています。 男性のHPVワクチン接種に対し助成を行い、接種する方が増えれば、女性への感染リスクの低減につながるとともに、肛門がん等の予防にもつながります。ここは、思い切って東京都のように男性のHPVワクチン接種の助成を実施し、大阪市が政令市で先頭を切るべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 現在、女性のHPVワクチン接種につきましては、蔓延を防止し、社会全体を疾病から守ることを目的として国が公費対象としている予防接種法上の定期接種に位置づけられており、本市としても、接種率向上に向けまして、健康づくりの支援活動を行う、すこやかパートナーなど民間団体の協力も得ながら、より効果的な周知・啓発に努めております。 一方で、男性のHPVワクチン接種につきましては、予防接種法上の定期接種には位置づけられておらず、国の審議会におきまして、有効性や安全性などに関して検討が必要とされているところでございます。 このため、本市が男性へのワクチン接種の助成を行うことにつきましては、国における審議状況等を注視しながら、慎重に検討を進めていく必要があると考えております。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、帯状疱疹ワクチン接種への助成についてお伺いします。 帯状疱疹ワクチンへの助成については、これまでも代表質問などで何度も質問させていただいておりますが、改めてお聞きします。 帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人が発症し、50歳を境に発症率が上昇すると言われており、症状に関する相談や助成を求める多くの声を伺います。 帯状疱疹ワクチンについては、全国で300を超える自治体が国の動きを待たず判断をし、何らかの助成を実施している中で、市長として、市民のため、リーダーシップを発揮し、決断をいただく必要があるのではないでしょうか。改めて、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 帯状疱疹ワクチンの定期接種化につきましては、国の審議会におきまして、疾病負荷、ワクチンの有効性、安全性及び費用対効果、対象年齢等について議論されているところでございます。 本市が当該ワクチン接種への助成を行った場合、対象者や標準的接種期間、接種回数、健康被害補償などについて、国が規定していないワクチンの助成につながることから、国における審議状況を踏まえる必要があると考えております。 昨年11月に国の審議会も再開されたところであり、国の議論の進捗について、引き続き注視してまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) どちらのワクチン接種についても、国の審議状況を見ながら検討するという御答弁でありました。 繰り返しになりますが、いのち輝く未来社会のデザインがテーマとなる万博の開催都市であるにもかかわらず、健康寿命、平均寿命ともに政令指定都市の中でワーストでは、あまりにも厳しい状況だと考えます。先進的なワクチン接種への助成等についても、市民に対して健康意識を持ってもらい、救える命を全て救うという思いで前向きに取り組んでいただきたいと考えます。 次に、介護予防ポイント事業の拡充についてお伺いします。 令和6年度からの第9期介護保険料基準月額については9,249円となっており、第8期と比較して1,155円、率にして14.3%と大幅に増加しています。保険制度であり、受益と負担の関係から、多くの方がサービスを利用されれば保険料が上がることは理解できますが、このまま上昇し続けると、制度そのものが破綻してしまうのではないかと危惧されます。 この状況を踏まえると、高齢者の健康維持に対する関心を高め、健康な方を増加させることにより介護給付費の上昇を抑制し、保険料の負担軽減を行うことが極めて重要であると考え、我が会派から介護予防ポイント事業を提案し、平成27年度から実施されました。 この事業は、高齢者が介護保険施設や保育所などで活動をするとポイントがたまり、換金できるというインセンティブにより活動を続ける意欲が高まるとともに、施設利用者や職員との交流を通じて達成感ややりがいを感じていただけるものであります。 先日、視察に行った広島市では、高齢者いきいき活動ポイント事業を実施しており、幅広い介護予防活動やボランティア活動、健診の受診などがポイント付与の対象となり、65歳以上の高齢者の約3割が参加されているとのことであります。 本市でも、ポイント付与の対象となる活動を広げれば、より多くの高齢者に参加していただけるのではないでしょうか。また、昨年の予算市会で、我が会派は、ポイントの年間の換金上限額が事業開始から据え置かれたままであること等の課題を指摘し、事業の充実に向けた検討を求めました。 この機会に、高齢者が楽しみながら継続的に活動していただけるよう、事業の魅力を高め、積極的に展開していただきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 高齢者が、できる限り介護や支援の必要な状態にならずに、いつまでも元気に地域で暮らし続けるためには、身近な場所で継続して介護予防活動に取り組んでいただくことが大変重要であると認識しております。このため、従前から、外出を支援するための敬老優待乗車証の交付や、最近では国保の特定健診受診者に対するアスマイルポイントの付与など、高齢者の介護予防に資する事業を実施してまいりました。 介護予防ポイント事業につきましても、高齢者が身近な介護保険施設や保育所などで活動することを後押しする事業であり、介護予防につながることはもとより、誰かの役に立ちたいという気持ちから社会参加、地域貢献を行っていただくもので、大変有意義な事業でございます。また、そのような活動は健康寿命の延伸につながり、結果として介護保険料の負担軽減につながるものであると考えております。 こういったことから、事業の魅力を高め、お一人でも多くの高齢者に参加いただくことは極めて重要であると考えております。令和6年度から、ポイントの年間の換金上限額8,000円を政令指定都市最高額に並ぶ1万円に引き上げ、介護予防効果の高い週1回程度の定期的な活動につなげてまいります。 これを契機に、高齢者や地域の施設へ幅広く周知を行い、さらに活動の場を充実させ、介護予防を推進してまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、多死社会に向けた取組についてお伺いします。 我が国では、かつて経験したことがない多死社会が近づいており、2040年には死亡者数がピークを迎えるとされています。 昨年11月7日の決算特別委員会において、本市の多死社会に対する備えについて市長に質問し、国がプロジェクトチームを立ち上げ、終活を含む身元保証等について検討を進めており、国の検討状況を注視するとともに、引き続き高齢者に適切な支援を進めていくと御答弁がありました。 私が確認したところ、この国の検討においては、今年度内を目途に、まずは身元保証事業者等に関するガイドラインを策定するとともに、必要な論点整理等も継続して行われるとのことであります。 しかし、年々増加する引取り者のない死亡人の発生による遺留金品の管理、相続人の調査、住居の解約、片づけなど、行政の負担と費用は今以上に増えることが見込まれています。 さらに、本市は、令和2年の国勢調査の結果によると、65歳以上の高齢者の単身世帯数が全国の市町村でランキング1位の21万3,260世帯であります。 このことから、ガイドラインの策定や論点整理等の全てが終わるまで待っているのでは遅いと思います。本市として、ガイドラインの策定を待つことなく、すぐにでも取組を進めていくべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 多死社会につきましては、本市では、高齢者の単身世帯が全国平均と比較して多いことから、遺品や空き家問題など様々な課題に対して、万一の場合の不安解消に向けて寄り添った支援を行っていくことが重要であると考えております。 このような中で、国の検討におきましては、御指摘のとおり、今年度内に高齢者の身元保証事業者につきまして、サービスの質を確保し、利用者が安心して利用できるよう、契約手続や事業者が開示すべき事項等を定めたガイドラインを策定することとされております。加えまして、必要な論点の整理を進め、いわゆる骨太の方針にその内容を盛り込むこととされております。 本市としては、まず年度末に出されるガイドラインを基に何を行うべきか検討するとともに、国の動向を注視し、時機を逸することなく、高齢者に寄り添った対応を進めてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 時機を逸することなく、高齢者に寄り添った対応を進めるという御答弁でありました。 課題が分かっているのに、なぜ今すぐにでも動かさないのでしょうか。今後、必ず到来する多死社会に向けて、単身の高齢者数全国1位の本市が国を牽引し、他の自治体の模範となるような取組をぜひとも進めていただきたいと思います。 次に、障害のある方に配慮した施策の推進についてお伺いします。 2025年に開催される大阪・関西万博は、いのち輝く未来社会のデザインをテーマに、命の共通性と相違性の認識や他者への共感、尊重を通じて、共に生きる未来の構築がうたわれています。 万博の開催を契機として、障害のある人に対する理解の促進や、障害特性に応じた合理的配慮の提供を一層推進する必要があります。視覚障害のある人の情報取得に係る施策の推進についても、その一つであります。 大阪市においては、市民生活に関わる多くの情報を発信していますが、個人宛ての郵便物や広報紙、事業説明のパンフレットなど紙媒体によるものが多く、視覚障害のある方に適切に情報が伝わるよう配慮する必要があります。 このような紙媒体の資料については、点字版などによる対応もされていますが、近年では文字情報を2次元コードに変換し、音声で再生する技術なども広く利用されています。この音声コードは、印刷物の隅に半円の切り欠きを入れて場所を分かるよう配置し、スマートフォンなどをかざせば、文字情報を音声で聞くことができるものであります。 大阪市においても、障害のある人への配慮の一つとして音声コードの活用などを促進し、より円滑に情報を取得できるよう取り組む必要があると考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか。また、こういった障害のある人への配慮が全ての部局において推進されることが重要であると考えますが、併せて市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 障害のある人への合理的配慮を行い、日常生活における活動の制限を取り除くことは、障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共に暮らすことのできる社会の実現につながる非常に重要な取組であると認識しております。 視覚障害をはじめとする障害のある人の情報取得に係る施策につきましては、令和4年施行の障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法においても地方公共団体の責務として規定され、一層の推進が求められているところでございます。 このことから、御紹介いただいた音声コードなどの技術を効果的に活用することは非常に重要であると考えており、障害のある人の利便性の向上につながる情報アクセシビリティーの確保に努めてまいります。 また、障害特性に応じた配慮につきましては、市民生活を支える基礎自治体として当然行うべきことであると認識しております。このため、職員一人一人が障害や障害のある人への理解を深められるよう、正しい知識の習得に努めるとともに、最新の情報や取組事例の共有などを行い、それぞれの施策において、障害理解に基づいた適切な配慮を行うことができるよう取り組んでまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、大阪のポテンシャルを生かした中小企業・スタートアップ支援についてお伺いします。 大阪には、新しいものを取り入れ、独自の優れた発想で新たなビジネスチャンスに挑戦しようとする中小企業や、新しい技術を活用した有望なスタートアップが数多く存在し、高いポテンシャルを持っています。 今後、さらに進んでいく少子高齢化や世界的な環境変化の中で、大阪の経済が持続的に発展するためには、大阪が持つこの高いポテンシャルを生かし、優れた技術や独自のアイデアを持つ中小企業の新事業への挑戦を支援するとともに、次世代の産業の発展につながるスタートアップの成長支援を進めることが必要と考えます。 万博を控え、今後も世界中から多くの人が大阪を訪れることとなります。こうしたことを大阪の経済の発展につなげ、大阪の中小企業やスタートアップが飛躍を遂げることができるよう、様々な機会で発信するとともに、大阪から世界へ通じるビジネスを生み出すための支援を行うべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 少子高齢化による国内市場の縮小や大きく変化する世界的な環境の中で、大阪の経済が持続的に発展を続けるためには、大阪経済の主要な担い手である中小企業が新たな時代に応じて成長を続けることが重要と考えております。そのため、本市では、新規性があり、成長が期待できる新事業に挑戦する中小企業の伴走支援や魅力ある商品のさらなる磨き上げなどに取り組んでおります。 また、次世代の産業の発展につながるスタートアップの成長のため、本市を含む大阪の産学官が連携して大学の技術などを活用するスタートアップを対象に、社会課題の解決に資する事業の構築や資金調達などの支援を進めているところでございます。 大阪・関西万博を契機として、世界中から大阪が注目される中、万博会場内外において、大阪の優れた中小企業やスタートアップを世界に向けて発信するとともに、展示商談会やビジネスイベントなど、新たな国際的なビジネス交流の場を創出し、万博後の大阪経済の成長・発展につながるよう取り組んでまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、文化・芸術施策についてお伺いします。 大阪を世界に誇る魅力あふれる都市にするためには、文化施策を充実させることにより、都市格の向上を図ることが大変重要です。 本市も、これまで、一定の予算の下、様々な文化施策に取り組んでいますが、大阪の文化・芸術活動を活性化させ、将来にわたり発展させていくためには、行政がしっかりと継続した支援を行うとともに、市民の鑑賞機会の充実や国内外からの誘客促進に取り組むべきであります。とりわけ、若い世代や、これまで文化・芸術に親しむ機会が少なかった層にも鑑賞できる環境づくりは重要な課題であります。 大阪には、歌舞伎、能楽、文楽などの伝統芸能のほか、クラシックや演劇、アートなど多彩な文化・芸術活動が行われています。今後、より一層の文化振興に努め、大阪の都市魅力の向上につなげていくためにも、こうした文化・芸術活動の活性化や人材育成にもつながるよう、行政としてしっかりと文化施策に取り組む必要があると考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 文化・芸術は、大阪の都市格を向上させる上で重要なものでございまして、本市におきましても、文化・芸術による大阪の魅力向上や文化・芸術に関わる人材の育成・支援、鑑賞機会の充実などに取り組んでおります。 鑑賞機会の充実としては、特に若い世代や、これまで文化・芸術に親しむ機会が少なかった方々を引きつける企画として、今年度は能楽と現代音楽を楽しめる公演やフルオーケストラによる映画音楽のコンサート、文楽と講談を組み合わせた公演などを実施したところでございます。 また、今年度から3か年事業といたしまして、上方歌舞伎、上方落語などの伝統芸能のほか、音楽、アートなど大阪が誇る多彩な文化・芸術の魅力を来阪される多くの方に楽しんでいただけるプログラムを実施しております。 これらのプログラムをさらに充実させて、2025年には大規模な国際文化芸術祭を開催することとしており、若手からベテランまで、多くの担い手とも連携して、しっかりと取り組んでまいります。 今後とも、こうした文化施策に継続して取り組むことによりまして、市民等の鑑賞機会の拡大や多彩な文化・芸術活動の活性化、人材育成に努め、大阪の文化力や都市魅力のさらなる向上につなげてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、環境面からのSDGsの推進についてお伺いします。 福岡市は、福岡市総合計画において、生活の質の向上と都市の成長の好循環を都市経営の基本戦略として掲げ、SDGsの達成に真剣に取り組まれています。具体的には、計画に定める各施策の進捗状況と関連するSDGsの目標を分かるように明確に見える化しており、それに比べると、大阪市のSDGsの取組は、まだまだ不十分であると言わざるを得ません。 こうした観点から、特に喫緊の課題となっている気候変動に関してお伺いします。 気候変動の影響により、世界各地で台風や集中豪雨などの自然災害が相次ぐ中、令和2年3月には、我が会派の提案により、大阪市会で気候非常事態を宣言し、本市においても様々な取組が進められています。 しかしながら、世界の平均気温は上昇傾向にあり、世界気象機関からは、昨年夏の世界の平均気温は観測史上最も高くなったことが報告されています。日本でも、夏の平均気温が統計開始以降最も高くなっており、大阪においても連日猛暑日が続き、熱中症警戒アラートが何度も発表されるなど、まさに国連のグテーレス事務総長が表明されたように、地球沸騰の時代が到来したと実感せざるを得ない状況にあります。 このような気候危機とも言われる状況においても、なお持続可能な社会を実現し、次代を担う将来世代に引き継いでいく必要があります。そのためには、温暖化をはじめとする地球環境問題について、さらに取組を加速し、SDGsの達成を目指していく必要があります。 大阪市として、今後、地球環境問題にどのように取り組み、ひいては持続可能な社会、大阪市を実現していくのか、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 地球環境問題を解決していくためには、全ての主体の参加と協働の下、取り組んでいくことが重要であり、本市においては、これまでも市民、事業者などと連携し、脱炭素社会の実現、循環型社会の形成、快適な都市環境の確保に向けた取組を進めてきたところでございます。具体的には、再生可能エネルギーの普及拡大、省エネルギーの推進、食品ロスの削減やプラスチックの資源循環並びに環境に配慮したライフスタイルや事業活動の促進などに取り組んできているところでございます。 また、令和6年度からは新たに、国の選定を受けた御堂筋エリアでの脱炭素先行地域づくりを進め、将来的には市域全体へ展開していくとともに、デジタルツインを活用した業務ビルの脱炭素化に取り組んでまいります。 引き続き、市民、事業者などの環境意識の向上、環境配慮行動の促進を図り、地球環境問題の解決に向けた取組を加速させるとともに、現在改訂中の総合戦略の下、全庁挙げてSDGsの達成に貢献できるよう取組を推進していくことで、本市において持続可能な社会の実現を目指してまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、万博における環境に配慮した取組についてお伺いします。 先日、参加国が建設を行う海外パビリオンの空調について、博覧会協会が個別に設けることを例外的に認めたとの報道がありました。報道によると、協会は、空調によるエネルギー消費を効率化するため、冷水を使用した会場全体の集中管理を想定していたが、専用の送風機や熱交換器の設置は参加国が行う必要があり、新型コロナウイルス感染が落ち着いた後の建設ラッシュのため、専用設備を扱う業者の確保が難しくなっており、個別空調が増えれば、省エネルギーを掲げる万博の理念と矛盾しかねないとのことであります。 先ほども質疑いたしましたが、SDGsの達成への貢献を目指し、万博において省エネルギー等の脱炭素に配慮した取組を進めていかなければならない中、こうしたことが事実であれば、その考え方に矛盾が生じると考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 博覧会協会は、EXPO2025グリーンビジョン(2023年版)におきまして、SDGs達成を実現するため、環境や社会への影響を適切に管理し、持続可能な万博の運営を目指すとともに、地球環境問題への新たな挑戦の形を世界に示していくこととしております。 このグリーンビジョンにおきましては、会期中の会場等における温室効果ガスの排出量を約3万1,000トンと推計しており、地域冷房システムの導入など省エネルギーの取組のほか、排出係数がゼロの電気の導入、EVバスの導入など、カーボンニュートラルに向けた様々な取組を行うとされております。 万博の空調システムにつきましては、博覧会協会からは、熱供給施設からの冷水供給により行う計画であるが、この設備事業者を確保できないパビリオンについては、電気による個別空調で対応いただくことにしたものと聞いております。 また、それに要する電気はCO2排出量がゼロとなるものを調達する予定とされておりまして、EXPO2025グリーンビジョンで掲げる会期中の会場等におけるカーボンニュートラルの目標は達成できる見込みであり、引き続き環境に配慮した取組が進められるものであると考えております。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) EXPO2025グリーンビジョンにおいて、SDGs達成を実現するため、持続可能な万博にするということです。 万博において、SDGsの達成というのであれば、グリーンビジョンに掲げるScope3相当の排出量411万トンの削減を目指すEXPOグリーンチャレンジに本市として真剣に取り組むべきであると思います。 次に、万博関連費用の抑制策についてお伺いします。 我が会派は、市民が期待できるような大阪・関西万博の開催が推進できるよう、昨年12月に市長に対し要望を行いました。万博関連費用についても、全体像を精査の上、費用の縮減を図り、無用の負担を生じさせないよう不断の見直しに努めるとともに、会場建設の進捗状況の可視化や増額についての説明責任、会場運営費の適切な管理監督などを要望しました。 2月15日に令和6年度予算が公表されましたが、万博関連費用の増加等により本市の収支も悪化しており、今後も費用が増大していくのではないかと不安視する市民も多くいらっしゃいます。博覧会協会の副会長を務める市長として、万博関連費用について、しっかりと執行管理を行うとともに、適切に情報発信をして市民の不安を払拭していかなければ大阪・関西万博への市民の期待は高まらず、機運も盛り上がりません。 そこで、万博関連費用について、どのように執行を管理していくのか、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 万博関連費用のうち、大阪・関西万博に要する府市の費用につきましては、今月15日に令和6年度当初予算案等を反映させ、現時点で見通せる費用総額として最大約1,325億円という形で公表したところでございます。 こうした費用につきましては、予算編成過程におきまして、限られた財源の下で一層の選択と集中を進めるという方針によりその精査を行ってきており、また執行段階においても最少の経費で最大の効果が挙げられるよう取り組んでいるところでございます。 次に、会場建設費につきましては、さきの増額を受け、博覧会協会から理事会ごとに執行状況の報告と公表が行われることとなり、府市としてもその内容を確認、検証するとともに、工事内容の変更や追加等について、新たに事前協議で個々の内容等を精査するなど、より厳格に執行状況を管理してまいります。 運営費につきましても、博覧会協会の理事及び監事で構成される運営費執行管理会議におきまして、チケットの販売状況や支出金額と内容、支出抑制策等について協議することとなっており、私自身もメンバーとして必要に応じて改善策を求めてまいります。さらに、こうした費用の執行管理につきましては、その定期的、継続的な点検のため、経済産業省の下に外部専門家から成る2025年大阪・関西万博予算執行監視委員会が設置されており、府市もオブザーバーとして関与しているところでございます。 引き続き、これらの機会を活用しながら、大阪市長、そして博覧会協会副会長の双方の立場から、万博関連費用の適切な執行管理に取り組んでまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、万博開催期間中のIR工事について2点お伺いします。 まず、昨年9月に事業者との間で締結した実施協定においては、事業前提条件に基づく事業者の解除権が設定されています。昨年12月から液状化対策工事が進められているものの、現時点ではこの解除権は残っている状況となっており、この解除権は本当に放棄されるのか、確認いたします。 また、つい先日公表された夢洲万博関連事業等推進連絡会議の資料では、我が会派からも指摘をしてきた万博工事期間中の交通シミュレーションの見直しが示され、また新たに検討された万博開催期間中の交通シミュレーションにおいては、阪神高速道路の湾岸舞洲出口での通行車両台数が最大で交通容量の約109%となり、開催期間中の約3割の日数で渋滞が発生する結果となっています。その他の地点でも90%を超えているところがあります。 そういう状況であれば、一旦IR工事を中止させ、1日当たり最大約2,000台程度のIR工事車両を止めて、万博を最優先させるべきだと考えます。この点についても、併せて明確に市長の御見解をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) IRにつきましては、国土交通大臣に認定をいただいた区域整備計画に基づき、その後、認可をいただいた実施協定に盛り込んだ工程に沿って着実に進めていくものと認識しております。 事業者の解除権は、実施協定におきまして、事業前提条件として付しているものの、事業者はこれまでも継続的に相当な資金を投下し、準備作業を進めてきたところでありまして、昨年9月の実施協定等の締結に続いて、12月からは現地において液状化対策工事を進めるなど、基本的にIR事業が進められていくものと認識しており、事業前提条件に基づく実施協定の解除となる蓋然性は低いものと考えております。 万博開催期間中についても、IR工事を同時並行して行う際の条件については、IR事業者公募時から取り決めており、それを前提にこれまで調整を進めてまいりました。 また、御指摘の国、博覧会協会、府市の参画する夢洲万博関連事業等推進連絡会議において示された万博開催期間中の交通シミュレーションの結果に関しては、阪神高速道路湾岸舞洲出口におきまして、万博の繁忙期や通常期の朝の特定の時間帯に容量を超過する見込みとなっておりますが、IR工事車両の通行の時間帯や他の出口の利用等による調整並びに万博来場者車両の時間帯ごとの予約枠のコントロールによる調整により、交通容量内に収めていくこととしております。 今後も、万博、IRともに重要事業であることに鑑み、府市、事業者、博覧会協会等と連携を図り、おのおのが成り立つよう最大限調整してまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 万博来場者車両の時間帯ごとに予約枠のコントロールを行うということは、万博会場の滞在時間が短くなるのではないでしょうか。1日券を購入し、万博を楽しみに来場された方が自由に見て回る時間は制限されてしまうのではないでしょうか。その点を再度市長に確認いたします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 万博への来場に当たっては、博覧会協会、学識経験者、国、府市などで構成される来場者輸送対策協議会で策定された来場者輸送具体方針において、原則公共交通機関の利用を呼びかけることとしており、自家用車の利用については、できるだけ抑制を図ることとしております。 万博開催期間中におけます阪神高速湾岸舞洲出口の容量超過への対策として、舞洲駐車場利用の時間帯ごとの予約枠をコントロールすることは、円滑な来場者輸送と一般交通に過度な影響を及ぼさないための必要な取組であると理解しております。 万博への来場は、自家用車だけではなく、鉄道やシャトルバスなども用意されておりますので、希望する時間帯に舞洲駐車場が利用できない場合は、これらの公共交通利用の検討もお願いしたいと考えております。 多くの方にスムーズに来場いただき、ストレスなく万博を楽しんでいただけるよう、引き続き博覧会協会など関係者と取り組んでまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、道路の区画線の維持管理についてお伺いします。 これまで、我が会派では、継続して区画線の維持管理の課題を指摘しており、昨年秋の決算委員会や一般質問においても新たな維持管理手法へ転換する必要性を強く訴えたところでありますが、改めて今後の進め方について確認します。 現在、市内の主要な道路から生活道路に至るまで、区画線が薄くなった状態が目につくようになってきており、2025年大阪・関西万博の開催を控えた大阪市において、良好な都市景観や高質な道路空間の形成に向けて、区画線の維持管理にもしっかりと取り組んでいただくよう求めてきました。 具体的には、そもそも維持管理の基準がなく、職員の巡視や市民通報などにより、悪いところが見つかれば補修するという今の維持管理の手法に問題があり、まずは現在消えかけている区画線について予算を確保し、期限を決めて集中的に補修すること、また管理基準を定め、デジタル技術やAI技術を活用し、計画的な維持管理の手法に転換していくことを求めてきたところです。 こういった区画線の維持管理に関する今後の取組について、改めて市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 区画線の維持管理の進め方につきましては、まずは当面の集中的な取組としまして、幹線道路における区画線の補修を万博開催までの令和6年度末までに行い、その他の生活道路における消えている区画線の補修を令和8年度末までに行うこととしております。 並行して、市内に設置された区画線全ての劣化状況を把握するとともに、補修対象を選定するための管理基準を定め、AI解析により、劣化状態の判定の効率化、高度化を進めながら、計画的な維持管理手法を確立してまいります。 DXを推進し、計画的な維持管理への転換に向けて取り組むことで、安全・安心な道路通行環境の確保に努めてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、街路樹による都市魅力の向上についてお伺いします。 我が会派として、杜の都と言われる仙台市に視察に行き、ケヤキ、イチョウ、メタセコイアなど様々な種類の立派な街路樹、たくさんの花々といった美しい景観に圧倒されました。 街路樹は、美しい都市景観の形成や都市環境の改善など様々な機能や効用を有しており、それらを十分に発揮させることで町並みに統一感を与え、都市景観に彩りや季節感をもたらすなど、都市魅力の向上につながると考えています。 本市においても、今年度から、万博会場までのアクセスルートを対象に樹形を整える取組を進めていますが、本来、大阪市全域で中長期的な視点で樹木の撤去、植え替えを行うよう計画を策定して街路樹を維持管理することが重要であります。 この間、市民から、木を切らないでほしいなど懸念の声が数多く届けられました。これは、大阪に緑が少ないことを示しており、日頃の適正な維持管理が不十分であると言わざるを得ません。 これから、国内外の方が本市に来訪された際、緑あふれる憩えるまちとして感動していただけるよう、さらに緑を増やし、美しい都市景観を生み、大阪のさらなる都市魅力の向上につなげるべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 街路樹は、都市に季節感や潤いをもたらし、美しい都市景観の形成や都市環境の改善といった機能を有するなど、安全・安心、快適な市民生活に欠くことのできない都市インフラでございます。そのため、本市では早くから都市緑化に努めてまいりましたが、年月の経過とともに多くの樹木が大木化、老木化した結果、市民生活に支障が生じるおそれのある状況となったことから、これらの樹木を短期集中的に撤去、植え替えをしているところでございます。 そのような中、今年度から、万博開催に向けまして、会場までのアクセスルートを対象に、道路の景観向上に資する街路樹の樹形を整える丁寧な剪定に取り組んでおります。 さらに、万博後においても、生育環境に応じた樹木の保全育成に努め、中長期的な視点で計画的に樹木の維持管理を行うことで、樹木が本来持つ機能や効用を最大限に発揮させ、大阪のさらなる都市魅力の向上につなげてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) この間、区画線や街路樹の議論でも指摘してきましたが、物価高騰や人件費が上がっている状況にもかかわらず、これまでどおり予算が据え置かれたままでは最低限の維持管理ができなくなるのも当然です。これまで以上の維持管理を実施した上で、緑を増やしていくためにも、さらなる予算を確保して対応していただきたいと考えます。 次に、行政におけるAIの活用についてお伺いします。 民間企業においては、既にAIが幅広い分野で様々な商品やサービスに組み込まれ、実用化が進められていますが、AIの活用を行政分野においても進めることによって事務の効率化が図られるとともに、人的資源を行政サービスのさらなる向上につなげていくことを期待しています。 昨年6月の一般質問において、我が会派より、自治体DXの推進についての質問を行い、ChatGPTに代表される生成AIの市役所業務やサービスでの活用といった最先端の技術の活用検討も進めるなど、10年、20年先も見据えながら、さらなる市民の利便性向上につながるDXの取組をこの4年間で精力的に進めてまいりたいとの答弁をいただき、その後、生成AIの市役所業務での活用を検討していると聞いています。 生成AIには、誤った回答をする等のリスクがあると言われているものの、生産年齢人口の減少に伴う労働力の絶対量の不足が想定される2040年に備え、AIを効果的かつ安全・安心に活用していくことが重要だと考えますが、行政におけるAI活用について、住民サービスの向上につながるよう、どのように進めていくのか、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 本市では、2040年頃に向けて実現したい未来の大阪市の絵姿を示した大阪市DX戦略の下、全市を挙げてDXを推進しており、その各施策方針においてAIの活用を掲げ、取り組んでいるところでございます。具体的には、3月より開始される画像認識技術による粗大ごみ処理手数料確認や任意のキーワードを含む文書ファイルの高速検索、AIを活用した特殊車両の取締り業務など、様々な行政分野で取り組んでいるところでございます。 また、生成AIの活用については、知見を有する企業との共同検証を経て、今年1月から安全な環境において試行利用に着手しており、来年度には全庁展開を予定しております。 全庁展開に当たっては、ガイドラインを策定し、職員による生成AIの回答内容の確認の徹底を図ることにより、業務やサービスに影響を及ぼすことがないよう進めてまいります。 生成AIは、市役所の幅広い業務において活用の可能性があることから、現場の利用実態をしっかり把握し、好事例の蓄積、共有を図りながら効果的な活用を進め、生み出された時間によって、さらなる住民サービスの向上に資するよう取り組んでまいります。 引き続き、最新の技術動向を注視し、市民の利便性向上と本市施策の充実につながるAI活用を推進してまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、災害時のターミナルにおける情報発信についてお伺いします。 大阪駅前など巨大ターミナルにおいては、多くの人が集まるため、土地勘のない方々にどのように災害の発生を伝え、避難誘導するのかは重要な課題と考えています。特に、外国から来られた方には、異国の地で携帯会社が異なることや言語の問題もあり、防災スピーカーや緊急速報メールなど、一般的な方法では災害情報が伝わりません。 このため、視覚に訴え、多言語で伝える方法として、大阪駅前などで急激に増えている電子広告物であるデジタルサイネージの活用が有効であると思います。 危機管理室によると、大阪市における防災に関連する民間が所有するデジタルサイネージの活用については、平時の啓発的な活用にとどまっているとのことであります。 しかし、災害時において、リアルタイムにデジタルサイネージで大阪市からの情報を表示するなど有効に活用すべきであり、いつ発生するか分からない災害に備えるためにも、スピード感を持って進めていただきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) 本市では、市民をはじめ市内に滞在する方に、災害時に迅速、的確に身を守る行動を取っていただけるよう、防災スピーカーや緊急速報メール、本市の防災アプリへのプッシュ通知など、様々な媒体を利用し、避難情報などを発信することとしております。 外国からの旅行者などにも情報発信できる方法の一つとして、デジタルサイネージの活用は有効であると認識しており、本市が道頓堀等に設置を進めているデジタルサイネージ型の観光案内板で災害時に情報発信を行うこととしております。 一方で、民間が所有するデジタルサイネージの活用については、ターミナル駅周辺の民間が主体となったまちづくり団体が実施する災害時の情報発信に関する実証実験に本市も参画し、多言語対応を含め、実用化に向け、連携を図っているところでございます。 また、災害発生時に本市から発信する情報を民間事業者が管理するデジタルサイネージに表示するためには、本市システムに配信機能を新たに追加する必要があり、当該改修費を令和6年度に予算計上しております。 今後、御協力いただける事業者と具体に協議を進めることとし、外国からの来阪者も含め多くの方々が安心して大阪市にお越しいただけるよう、情報発信の多様化に努めてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 次に、うめきた2期のまちづくりについてお伺いします。 かつて梅田貨物駅であったうめきたは、2002年より本格的なまちづくりの検討を開始し、2013年には先行開発区域のグランフロント大阪が開業、その後、2期のまちづくりの実現に向け、関係者が一丸となって取り組み、我が会派からも緑をできるだけ多く確保するよう要望してきたところです。 このように、長きにわたってまちづくりを進めてきた待望のうめきた2期が、ようやく本年9月6日に先行まちびらきをすることとなります。先行まちびらきでは、地区中央のうめきた公園のサウスパーク全面とノースパークの一部が開園し、大阪の玄関口に広大な公園が誕生することとなり、地域だけでなく、大阪全体が大きく期待していることと思います。 また、開発事業者により昨年6月に設立された一般社団法人うめきたMMOが、この都市公園の指定管理者として決定しました。 この都市公園をはじめとするうめきた2期の緑は、大阪の都市の格、まちの魅力を高め、大阪を世界水準の都市空間を持つ国際都市に引き上げるものであります。今後、この都市公園などの都市空間を積極的に活用し、うめきた2期全体の魅力向上を図っていくことが重要となると考えます。 そこで、うめきた2期全体のまちの魅力の向上に向けて、公園などの都市空間をどのように活用していくのか、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(土岐恭生君) 横山市長。 (市長横山英幸君登壇)
◎市長(横山英幸君) みどりとイノベーションの融合拠点を目指し、府、市、国、経済界、有識者など産官学が一丸となってまちづくりを進めてきたうめきた2期が、本年9月6日に先行まちびらきを迎えます。 うめきた2期では、世界の人々を引きつける比類なき魅力を備えた約8ヘクタールの緑を確保するとともに、災害時には避難場所等を備えた防災拠点としての役割も果たす質の高い公園が実現いたします。 この公園などの都市空間をイノベーションの創出や国際集客、交流に資するよう活用することが、まちの魅力向上、ひいては大阪の発展にとって極めて重要であると認識しております。このため、公園などの利用者に、先端技術を取り入れた新製品などを体験いただく場として活用を図ってまいります。 また、この公園などの都市空間の管理運営は、一般社団法人うめきたMMOが一体的に行うこととしており、国際的な都市型MICEなどの大規模イベントの開催などに併せ、まち全体の魅力を広く国内外に発信していくこととしております。 引き続き、開発事業者をはじめとした関係者と連携しながらこのような取組を進め、うめきた2期を大阪の玄関口にふさわしい魅力ある都市空間とすることで、大阪の都市格の向上につなげてまいります。
○副議長(土岐恭生君) 山本智子君。 (47番山本智子君登壇)
◆47番(山本智子君) 実に22年にわたってまちづくりを進めてきたうめきた2期が、ようやく先行まちびらきとなります。うめきた2期が、世界を代表するみどりとイノベーションの融合のエリアとなるよう、官民連携した取組を着実に進めていってください。 以上、市政全般にわたり質問させていただきました。市民が希望を持ち、未来へ前進できる大阪、誰一人取り残さない大阪を築くため、予算市会においても、市民目線に立ち、より具体的な提案も含めて議論をさせていただくことを申し上げまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) (副議長退席、議長着席)
○議長(片山一歩君) 以上で、山本智子君の質疑は終了いたしました。
◆67番(竹下隆君) 動議を提出いたします。本日の質疑はこの程度で打ち切り、明3月1日午後1時より会議を開かれることを望みます。
○議長(片山一歩君) 67番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(片山一歩君) 御異議なしと認めます。よって動議のとおり決しました。
△閉議
○議長(片山一歩君) 本日の日程は以上で終了いたします。
△散会
○議長(片山一歩君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時20分散会 --------------------------------- 大阪市会議長 片山一歩 大阪市会副議長 土岐恭生 大阪市会議員 南 隆文 大阪市会議員 井上 浩◯大阪市会(定例会)会議録(令和6年2月29日)(終)...