○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、介護現場への対応についてお伺いします。
新型コロナの感染拡大によりエッセンシャルワーカーへの影響も懸念されますが、例えば福祉的支援が必要な方に適切なサービスが提供されているのか、あるいは、今後も患者数が増えたときにサービスが提供されるのか、不安に思っている方も多いと思います。特に在宅介護を必要とする高齢者も多く、その高齢者にサービスを提供する
訪問介護事業所で
新型コロナが発生すると、感染した職員だけでなく、濃厚接触と認定された介護員が従事できなくなり必要な介護が受けられない、言わば介護難民の発生を危惧しております。 この間、市内の
訪問介護事業所では、43か所も
新型コロナの患者が発生していると聞いています。このような
訪問介護事業所で
新型コロナが発生した際、どのように対応しているのでしょうか。また、今後も介護難民が発生しないよう、事業所に対してどのような取組を行っていくんでしょうか。市長の御所見をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君)
新型コロナウイルス感染症の拡大により、マスク等が入手できない状況が続く中、国、府と連携し、衛生用品の確保や提供に努めるほか、
ホームページにおいて動画や
チェックリストを配信し、
感染拡大防止に向け周知を行ってまいりました。 さらに、
訪問介護事業所等で感染者が発生した際には、事業所内の状況を把握し、必要に応じた衛生用品の緊急的な提供や
感染拡大防止の助言など、継続してサービス提供できるように支援に努めてまいりました。 また、
訪問介護職員の感染により他の事業所からの人的応援を受ける場合は、かかり増し経費として必要経費を補助するなど支援にも努めております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化する中、現場第一線で介護に当たられている皆さんには大変御苦労いただいているものと認識しており、引き続き衛生用品の確保や情報提供、必要な物資の補助などに努め、介護が必要な方に支援が途切れないよう、しっかり取り組んでまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、
新型コロナからの地域経済の回復支援策についてお伺いします。
新型コロナの感染拡大により大阪の経済活動は大きく停滞し、事業者の皆様は、過去に例のない大変厳しい苦しい経営環境にあります。最近発表された東京商工リサーチの2020年1~10月飲食店の
倒産動向調査によりますと、大阪府下の飲食店の廃業は132件で、東京都の116件を上回って全国最多とのことです。飲食店に限らず、事業者の皆様からは、このままでは年を越すことができないという切実な声もお聞きし、先の見通せない環境の中で将来に非常に大きな不安を抱えています。さらに追い打ちをかけるように、第3波とも言うべき状況の中で、事業者の皆さんは苦境に立たされています。 国においても、
感染防止対策と同時に、様々な消費喚起、需要喚起策が実施されていますが、今後も感染の拡大と収束を繰り返す長期戦が想定されます。このようなときにこそ、市内企業の事業継続に向けて力強く支援し、不安を払拭する必要があると考えますが、市長はどのような考え方と方針で事業者を支えられていかれるのか、御決意をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君)
新型コロナによる厳しい経営環境の中で、前向きに事業活動を営む中小企業を下支えしていくことは、本市の責務であると強く認識しております。
コロナ対策は、一朝一夕に解決できるものではなく、事業者の声に耳を傾け、1年、2年といった長いスパンで取り組んでいく必要があります。 具体的な方向性といたしましては、中小企業等の事業継続の支援、コロナと共存する新しい経済社会への対応促進、需要喚起による経済活動の段階的な引上げの3つの施策が必要であります。
事業継続支援としては、この間、
休業要請支援金や
信用保証制度を活用した資金繰りの支援などに取り組んでまいりました。さらに、飲食業をはじめとする幅広い産業において、非接触社会やリモート化など新しい価値観が生まれております。このため、中小企業がコロナと共存する社会に対応していけるように、
大阪産業局などを中心に
ウィズコロナに対応した支援強化に取り組んでまいります。 今後とも、3つの柱立てに沿って施策を進め、
感染拡大防止と
社会経済活動を両立させながら地域経済の回復を目指してまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、大阪の再生・成長に向けた新戦略についてお伺いします。 先日、
コロナ危機を克服し、大阪を再生・成長させていくための新たな戦略案が公表されました。我が会派は、まずは
コロナ対策を最優先に、感染拡大の防止と市民生活、経済へのダメージを最小限に抑える取組を進めることが重要と考えます。 また、市民生活においては、コロナ禍でテレワークやリモートワークなどのオンラインが普及し、ビジネスや教育分野などでも新たな潮流が生じています。ポストコロナにおいても、経済成長に向けた戦略だけではなく、こうした潮流を踏まえ、さらに市民生活を充実させ、ポストコロナへ希望を抱けるような戦略とすべきと考えますが、市長の考えをお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 現在、府市で検討を進めている新戦略案では、これまでの成長戦略とは違い、
ウィズコロナにおける緊急対策を盛り込み、検査、医療供給体制の充実など、
感染防止対策を講じつつ、経済を支え雇用を守り、市民の暮らしと子供たちの学びを支える取組を進めることとしております。 また、ポストコロナに向けては、経済面の取組だけではなく、暮らしや安全・安心の観点から、取組についても大きな柱としております。 具体的には、安全・安心の基盤整備を推し進め、ICTを活用した質の高い教育の提供や、環境に配慮した持続可能な暮らしの充実、行政オンライン化の促進などに取り組むことにより、市民が働きやすく、住みやすい健康で快適な質の高い暮らしの実現を目指してまいります。 さらに、スタートアップやイノベーションの創出、国際金融都市の実現に向けた挑戦を掲げるなど、5つの重点分野を中心とした経済面の取組を行い、大阪の再生と成長を加速させてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、ただいま御答弁ありました新戦略における経済成長面から2点、取組についてお伺いします。 まず、スタートアップ、イノベーションの創出についてですが、我が国は先端技術を使い、新しいビジネスを生み出すスタートアップが成長する都市をつくり、経済成長につなぐこととしています。 本年7月、京阪神地域はこうしたスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略のグローバル拠点都市に選ばれました。大阪では、スタートアップの連携先として、大企業だけでなく中小企業をもっと活用すべきと考えます。大阪は、中小企業が集積し、世界に誇る優れた技術を持つところもあります。スタートアップの製品や中小企業の技術等を互いに活用し、新しいビジネスを生み出すような支援を行えば、大阪の特徴を生かした取組が推進できると思いますが、いかがでしょうか。 次に、国際金融都市についてでありますが、大阪は、先物取引発祥の地としての歴史的背景や充実した都市インフラという強み、また新たなイノベーションの創出拠点などのポテンシャルもあることから、ビジネスチャンスにあふれ、国内外の企業家、投資家にとって魅力的な都市です。国内外から投資等を呼び込み、東京とは異なる個性と機能を持った大阪らしい国際金融都市を実現することで、大阪経済の活性化につながるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 以上、2点について、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) スタートアップ支援では、大阪の特徴を生かして中小企業との連携を進めるべきと考えております。コロナ禍で判明した中小企業のデジタル化の遅れを、例えばスタートアップのビジネスで解決できれば大阪全体のメリットにもなります。 本市では、大手民間通信会社と連携し、本年10月に次世代通信規格5Gの検証施設を開設しており、スタートアップ等が利用し、中小企業のデジタル化が進む新ビジネスを生み出すようにしてまいります。スタートアップと優れた技術を持つ中小企業の連携は、両者にとって新ビジネスへの挑戦などが期待でき、取組を進めてまいります。 また、国際金融都市の実現により、世界中から優秀な人材や資金、情報が集まり、大企業や中小企業、スタートアップ企業などへの積極的な資金供給や投資の意欲の喚起などにもつながるとともに、雇用創出などの波及効果も期待できることから、大阪経済の再生・成長にとって大きなインパクトになると考えております。早急に官民一体の推進組織を設置するなど取組を進め、日本の成長を牽引する副首都・大阪を実現してまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、大阪・関西万博に向けた取組についてお伺いします。 2025年大阪・関西万博は、コロナ脱却からの大きな希望になると考えています。まず、夢洲周辺のインフラ整備について、開催する2025年までに確実に進めなければなりません。現状の認識と今後どのように取り組んでいくのか、市長のお考えをお聞かせください。 次に、未来社会の実験場をコンセプトとする万博には、世界中の最先端の技術や英知が結集する予定です。ぜひ、高い技術を誇る大阪の中小企業が万博に参画し、ビジネスチャンスをつかむ機会にすべきと考えます。世界的イベントである万博に参画することが、大阪の中小企業の一つの目標となり、経済の元気回復にもつながると考えますが、いかがでしょうか。 また、万博成功へは市民へのアプローチが何より大事です。先日の委員会でも、我が会派の質疑において、万博への子供の招待について、市長から前向きな答弁をいただきました。子供も含めてあらゆる世代の市民が参画し万博を盛り上げることで、期待感も醸成され、大阪市民が希望を持てるのではないでしょうか。ぜひとも、市民の参画に向けて積極的に情報を発信すべきと考えますが、市長の考えをお聞かせください。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 夢洲のインフラ整備は、現在、埋立工事などを順調に進めており、その他工事についても鋭意、設計などに取り組んでおります。今後、速やかに工事を発注する予定であり、関係機関と連携し着実に整備を進めてまいります。 アフターコロナの経済を急回復させるには、万博に大阪の企業や市民が多面的に関わり、万博を起爆剤に元気を取り戻すことが重要であります。企業の参画の形態には、開催準備での参画や出展等様々な手法があり、企業ニーズを把握しつつ取り組む可能性があると考えます。 大阪は、中小企業のまちであり、優れた技術などを生かしてチャンスをつかめるように、万博に期待する声をお聞きしながら、幅広い機会の提供を国や博覧会協会に対して求めてまいります。当面は、大阪経済の緊急支援策を講じつつ、万博が多くの中小企業の飛躍の場となるように準備を進めてまいります。 また、市民参画についても、SDGsへの貢献やボランティアの参加等様々であります。万博に向け機運を盛り上げ大阪の元気回復につながるように、市民参加機会の提供や、国や博覧会協会にこれらを求めるとともに、私も先頭に立ち情報発信をしてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、教育委員会事務局の4ブロック化についてお伺いします。 教育委員会事務局では、今年度、指導主事等を増員して小中学校の支援を担う4つのラインを設置し、4ブロック化を進めています。 我が会派はこれまで、指導主事の役割の重要性を主張し、増員や育成を求めてきました。指導主事が学校を訪問する回数が増え、学校と顔の見える関係をつくり丁寧な支援を行うことで、様々な教育課題の改善が進むことを期待しています。 また、学力向上等の支援策を決定する区担当教育次長の教育ブロック会議も構築されました。現場に、より近い意見を反映し、ブロックの特性や地域のニーズに応じた取組を推進できると考えます。 一方、全体の学力の底上げを図るため、全市的に優れた実践例や取組を研究し、取りまとめる部門を残すことも重要であります。とりわけ、今年度中に整備される1人1台のICT端末により学習状況の把握が可能となりますが、全市的な部門がデータ等を分析し、ブロック部門が学校現場に合わせて実践するなど、相互に連携、機能することで、スケールメリットを生かし、きめ細かく支援する効果的、効率的な体制を構築することができます。 我が会派は4ブロック化を一定評価しており、さらに取組を進めるため、人員や予算の強化をすべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 今年度から4つのブロックで小中学校の支援を担う体制を構築し、ブロック内の区担当教育次長で構成する教育ブロック会議を設け、現場に近い立場から学力向上支援策を協議、決定し、特色ある取組を始めております。体制の強化により、課題のある学校には、指導主事が複数回出向いて相談対応や指導、助言を行うなど、今まで以上にきめ細かく手厚い支援が行えるようになりつつあり、引き続き教育委員会と連携しながら学校の支援を進めてまいります。 4ブロック化を進めていくには、本市の資源を最大限活用する必要があり、ブロックで実施したほうが効果的な業務と全市で一元的に実施したほうがスケールメリットを生かせる業務とを精査し、互いの部門が連携しながら進めることが効果的であり、体制整備と併せて役割分担も検討してまいります。 また、今年度中に整備予定の1人1台のICT端末を活用して得られたデータを分析し、学力向上や子供の安全・安心などの教育政策につなげるシンクタンク機能を強化する方向で検討を進めており、4ブロック化の体制と相まって、さらに効果的な施策の立案、学校支援が可能となり、子供たちの教育環境の改善につながるように進めてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、給食費の完全無償化についてお伺いします。 現在、
新型コロナ対策として、保護者の経済的負担軽減等の観点から、令和2年度に限り、大阪市の公立小中学校における児童・生徒の給食費は全員全額無償とされています。 給食費の無償化は、我が会派が最重点政策として市長に要望し、令和2年2月の代表質問においても、令和3年度以降の給食費無償化の本格実施に向けて、所得制限を設けることなく全ての子供の給食費を無償にすべきと、完全無償化を求めました。所得制限を設けると、無償化につながる世帯とつながらない世帯があるなど、分かりづらい制度になり、保護者にとっても手続の負担が生じます。給食費無償化の本格実施に当たっては、現在実施している全員の全額無償を継続する制度とすべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 令和2年度について、
新型コロナウイルス感染症拡大が社会経済に及ぼす影響を考慮して、緊急的な措置として、全ての児童・生徒の給食費を無償とすることにいたしました。
新型コロナウイルスは、いまだに収束の見通しが立っておらず、また影響を受けて経済は落ち込んでおり、昨日、現行の無償化措置の期間については、コロナ禍による社会情勢を注視しながら慎重に判断をしていきたいと申し上げました。現在、所得や世帯の子供の数に応じて無償化する案や、一律に無償化する案など、様々な観点から鋭意検討を進めているところであります。 私としては、社会保障としては所得の再分配という考え方が基本であると、こう考えておりますが、来年度の給食費無償化制度については、議員の御提案も踏まえ、今後、議論をしてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、こども相談センターの機能強化についてお伺いします。 本市では、児童相談所を4か所体制で運営するため、北部こども相談センターを令和3年4月に開設し、中央こども相談センターの建て替え、4か所目のこども相談センターの新設を順次進めています。4か所体制の構築は、我が会派も重要施策の一つとしており、先日も南部こども相談センターを視察しました。2か所目の児童相談所として開設された南部こども相談センターは、現在、職員の増員による事務所の狭隘化、一時保護所の定員超過の常態化など、課題が山積しています。先日の委員会において我が会派から、南部こども相談センターについて再整備が必要と指摘しました。 また、11月18日の厚生労働省発表によりますと、全国の児童虐待相談件数は19万3,780件と過去最多でした。このような中、児童虐待をはじめ、子供たちを取り巻く課題に真摯に向き合い奮闘する児童相談所で勤務する児童福祉司等の職員に対して、厚生労働省は処遇改善を掲げています。 4か所体制に向けて、さらなる増員が必要であり、職員がやりがいを感じて仕事に挑める環境を整えることが、体制づくりを促進するものと考えます。その効果的な方策として、処遇改善が必要と考えますが、市長としての御見解をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 児童虐待によって、大切な子供の命が失われることはあってはなりません。重大な児童虐待ゼロの実現を最重要施策として掲げ、児童相談所の4か所体制を決定し、順次、整備を進めております。 指摘のあった南部こども相談センターの再整備については、事務所の増床は喫緊の課題でありまして、一時保護所についても、一人一人の子供が安心して過ごせる環境改善が必要であると認識しています。現在、検討を指示しており、早急に方針を決定してまいります。 また、児童福祉司などへの処遇改善でありますが、児童相談所は子供の権利擁護の最後のとりでであり、判断や対応のミスが子供の命に関わります。児童相談所の4か所体制に向け、精神的、肉体的負担が大きい業務の性質や専門性を有する人材の確保の観点を踏まえると、児童福祉司等に係る処遇改善は必要であると考えます。そのため、現在、関係局に指示しているところであり、早急に実施をしてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、不妊に悩む方への支援策についてお伺いします。 我が党では、長年、不妊治療の負担軽減を訴え続け、先日も党のプロジェクトチームが、政府に支援拡大に関する提言を行いました。多額な費用のかかる不妊治療に対して、国としても保険適用を打ち出し、実現するまでの措置として所得制限の撤廃や助成額の上乗せなどの拡充策の動きがあり、国の動きに遅れることのないよう対応をすべきと考えます。 一方、妊娠はするものの流産・死産を繰り返す不育症について、11月11日に開催された国のプロジェクトチームによると、不育症患者は妊娠経験者の4.2%と決して珍しいものではないと言えます。また、不育症の精神的、身体的な苦しみの相談はもちろん、検査や治療についての適切な情報提供も求められています。ただ、不育症治療は、不妊治療と違い国の治療費助成制度がなく、現在、政令指定都市では10か所、大阪府内では14か所の市町村が独自で助成を行っており、その数は年々増加しています。東京都では、令和2年1月から不育症検査助成事業が開始され、検査によりリスク因子を特定し、適切な治療及び出産につなげるよう検査費用の一部を助成しています。 国においても、不育症支援の動きがありますが、国の議論を待つことなく、大阪市として独自の支援をすべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 不妊に悩む方への支援は、国に先んじて治療費助成の所得制限の撤廃を今年度の補正予算で本市独自に行ったところであり、今後とも国の動向を注視し、遅れないように対応してまいります。 また、不育症検査や治療は保険適用になっているものがある一方、有効性、安全性が確認されていないものもあります。支援をするためには、しっかりとしたエビデンスが必要であり、不育症への本市の独自助成については、これまで慎重に議論してきたところであります。不妊や不育症で悩んでおられる方に対しまして、大阪府と共同で設置している不妊専門相談センターにおいて相談事業を実施しており、さらなる周知に努めてまいります。 不育症の方への支援については、国において、検討プロジェクトチームを立ち上げて議論が進められていることもあり、国の動向を注視し、東京都など他都市での実施状況を参考にし、本市としての支援を来年度からでも実施できるように検討いたします。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) ただいま御答弁があったとおり、来年度から不育症への支援が実施できるよう、しっかり議論させていただきます。 次に、認知症施策についてお伺いします。 大阪市の認知症施策は、認知症の人の社会活動の推進など、先駆的に取り組んでいますが、今後さらに増加していく認知症高齢者を支えるためには、子供から大人まで、社会全体で認知症の人への理解を深めることが重要です。 認知症の人を支える基盤として養成している認知症サポーターを増やすのは大事なことではありますが、約90分もの講座を受ける必要があり、認知症に関心のない人にはハードルが高いものです。まずは、多くの人に認知症に関心を持ってもらえるような啓発方法、例えば10分程度の短いPR動画を作成して、いろいろな階層の人に見ていただくなど、裾野を広げる周知、啓発に努めるべきと考えます。 今後、5年後、10年後を見据えて認知症の人に優しいまちづくりを目指し、より多くの人に自分ごととして関心を持っていただくために、さらなる周知、啓発にどのように取り組んでいこうと考えているのか、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 本市においては、認知症への理解を促進するための啓発として、認知症アプリ・ナビによる情報発信や、約22万人の認知症サポーターの養成などに取り組んできたところです。 今後、さらに社会全体で認知症に対する理解を深めるためには、できるだけ多くの人に広く関心を持っていただくことが重要であり、認知症高齢者の子供世代である中高年や若い世代などへの啓発も進める必要があります。そのためには、例えば議員の御指摘のように、もっと入り口段階で啓発を進める活動として、短時間動画による周知用媒体を活用するなど、さらに身近なところで目に触れることができるような周知、啓発の取組を強化してまいりたいと考えています。 今後も、あらゆる世代の立場の人が協力して、認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる社会の実現、認知症の人に優しいまちづくりを目指し、一層の施策の推進に取り組んでまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、大規模公園の魅力向上についてお伺いします。 先週末、鶴見緑地で花博30周年記念イベントが開催され、私も見に行ってきました。イベントには、井上万博担当大臣や知事、市長も来られてまして、大阪・関西万博にもつながるよいイベントでありました。その鶴見緑地や大阪城公園に次ぐ大公園として長居公園がありますが、長居公園には長居陸上競技場、長居運動場、そして我が会派が建て替えを主張している長居障がい者スポーツセンターなどがあり、スポーツの拠点としてにぎわい、親しまれています。現在、長居公園は、来年4月からの
指定管理者の選定の最中ですが、今後、民間活力を生かした管理運営により、スポーツの拠点だけでなく、市南部の拠点公園として健康増進やリフレッシュの場として、さらなる魅力向上を期待しています。 また、
新型コロナによる自粛期間以降、3密を避けた休息や屋外での運動の場として身近な公園の価値が一層高まっていますが、さらなる魅力向上に努める必要があり、今後は公園をもっと活用する視点が重要になってきます。 こうした状況も踏まえ、鶴見緑地で開催された花博30周年記念イベントを契機に、より多くの市民が楽しみながら様々な公園を多様に活用できる取組を進めると聞いています。しっかりアピールすべきと考えますが、長居公園の活性化や公園の一層の利活用について、市長の考えをお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 長居公園では、スポーツなどを通じて生活の質の向上と健康長寿への取組を実践するというコンセプトの実現により、市民、地域に活力を与え、さらには大阪市の都市魅力向上につながるようにしっかりと取り組んでまいります。 また、大公園のみならず、公園のさらなる魅力向上には、多様化する市民ニーズに応え、市民が公園を舞台に様々な活動をしていただけるように、今後、柔軟な発想で公園をこれまで以上に使いこなしていく視点が必要と考えています。さきの花博30周年記念イベントでは、事前に公園でやってみたいことを募集し、新しい公園の使い方を体験するプログラムを試行実施いたしました。 今後、検証を進め、
ウィズコロナの時代において、市民がそれぞれの新しい生活様式の中で多様な活動を公園でしていただけるような仕組みについて検討してまいります。今後も、民間活力の積極的な活用や公園の多様な利活用を進めることで、企業や市民の活力を生かしたさらなる公園の魅力向上につなげてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、西成特区構想についてお伺いします。 西成特区構想は、西成区が抱える諸課題の解決に向け、平成25年度からスタートしました。現在、第2期西成特区構想として、最終目標であるまちの活性化や若者や子育て世帯の流入促進に向けて様々な取組が進められています。 このうち、まちの活性化では、空き店舗を活用した新たなにぎわいの創出や新今宮エリアのブランド向上に向けて取組を進め、JR新今宮駅北側における星野リゾートの開業、なにわ筋線の開通などを通してエリア全体が大きく変わろうとしています。また、あいりん地域でも施設の建て替えが進み、12月には新しい大阪社会医療センター付属病院が開院するなど、着実にまちの姿が変わり始めています。 一方、若者や子育て世帯の流入促進では、学校、地域、家庭が連携して、遅刻や欠席の児童数を減少させるなど独自の事業を実施し、教育現場からも高く評価されています。しかし、子供や子育て世帯層の人口増加にはまだ至っておらず、成果が出ているとは言い難い状況です。 このような状況を踏まえ、今後、さらなるてこ入れを行い、西成特区構想の目標を達成させることで大阪市全体の活性化につなげていくべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 西成特区構想では、様々な取組を進めてまいりました。特に、あいりん地域の不法投棄やごみや迷惑駐輪の大幅な減少など、大きな成果を上げ、西成のイメージは着実によくなってきていると、こう思っております。 これは、当時の橋下市長と僕が知事の時代に、知事、市長が2人で、西成のあいりん地区にそろって参りました。地元の皆さん、そして労働者の皆さんとも膝を交えていろんな話をして、様々な反対の御意見もありましたし、厳しい御意見もありましたけど、今のあの状況を見てると、僕は今感慨深いものが本当にあります。犯罪も減りました。これは、知事時代にも5年間で5億円という予算をつけて、徹底的に西成の治安回復にも努めてまいりました。 議員御紹介の医療センター付属病院ほか市営住宅建て替えも着実に進んでおります。また、子育ての環境に関しても、プレーパークをはじめ小中学生の遅刻、不登校の解消や基礎学力の向上に取り組むなど、その充実に努めてまいりました。その成果があり、本年9月萩之茶屋北住宅において新婚・子育て世帯を対象に入居者を募集したところ、募集戸数を上回る応募があり、子育て世帯の流入の動きが徐々にではありますが見え始めています。 しかしながら、残された課題も多く、今後とも、従来からのボトムアップ方式による議論を重ねながら、大阪府などの関係機関とも緊密に連携し、西成特区構想のさらなる進捗に向けて全力で取り組んでまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、私の地元である生野区西部地域の学校再編についてお伺いします。 学校は、子供の教育の場だけではなく、地域活動の拠点としての役割もあります。大規模な学校再編は、地域や保護者の期待と不安の両面があり、子供の教育環境を第一に考えた再編が進みにくい状況もあります。 一方、大阪市全体の課題として、少子化による学校の小規模化は着実に進行しており、子供の教育環境を整えるため、学校再編に関する規定が条例化されました。今後、条例にのっとり、子供たちの教育環境の改善を進めていくと思いますが、保護者や地域の方々の期待や不安にしっかりと応える必要があります。 生野区西部地域では、これまでの総合教育会議での議論を踏まえ、学校の跡地を特例として売却せず、災害時の避難所として活用する計画が進められ、また、学校再編前後の教育の継続性を図るため、これまでにない教員の加配を行うとしています。再編に伴う子供への配慮はもちろん、現場のニーズなどをしっかり受け止め、新たな学校への期待に具体的に応えるため、学校配置の適正化に対して理解と協力が得られるよう十分な財源措置も含め施策の支援が必要と考えますが、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 学校配置の適正化については、昨年来、教育委員会、また総合教育会議で議論し、子供たちの教育環境を第一に、速やかに取組を進めるため条例化を図りましたが、学校再編を機会に教育環境や教育内容の充実を図る必要もあります。 生野区西部地域は、非常に規模の大きな再編となっており、特例として学校の跡地を売却せず活用を検討すること、また、再編により生じる削減効果額については、生野区西部地域に還元する方針を示し、取組を進めております。 地域からは様々な声がありますが、今後は将来を担う子供ファーストの視点で進めていくこととし、また子供たちの教育環境を整えることにより、若い世代がまちに流入してくることになれば地域の活性化につながると認識いたします。 この学校再編により、教育環境がどのようによくなるのか、また生野区では学校跡地を中心としてまちがどのように変わるのか、再編により生じる財源を最大限有効に活用し、具体的な形で学校の環境改善、整備内容をお示ししながら、保護者や地域の皆さんに安心していただけるように取り組んでまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 子供ファーストの観点で、保護者、地域の期待に応える学校再編となるよう、しっかりと取組をお願いいたします。 次に、生野区のまちづくりについてお伺いします。 生野区は、学校再編だけでなく、人口減少等による地域活動、経済活動の停滞や、少子高齢化に伴う地域福祉課題、そして密集市街地や空き家問題、さらには多文化共生など様々な課題が複合している地域であります。 平成30年11月には我が会派から、生野区の様々な地域課題を総合的に解決するため、西成区に次いで特区の導入を提案し、日本の新たなまちづくりのモデルケースとなるよう求めました。現在、生野区では学校跡地を核としたまちづくりによって、地域課題を総合的に解決するよう取組を進めています。これからの大阪のまちの再生モデルになるこのスキームを成功させたいと考えています。 来年3月に閉校する小学校では、学校跡地の活用事業者の公募が始まるなど、今まさに本格的に動き出そうとしています。今後も、大規模な学校再編を契機にしたまちづくりを進め実現させるため、相応の体制や財源を集中的に投入し、規制緩和も含めた各種制度を弾力的に運用するなど実効性を高めるべきと考えます。今こそ、新たに生野特区制度を導入し、大阪のまちの再生モデルとするため、本市が一体となって取り組んでいくべきではないでしょうか。市長の御所見をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 生野区の課題については、この間、私も強く認識をしておりまして、昨年6月に策定いたしました生野区西部地域の学校跡地を核としたまちづくり構想を基に、新たな公民連携の仕組みとして周辺のまちづくりに波及するような取組を進めております。 生野区では、区域の特性上、大規模な開発ではなくて、教育環境の改善、整備等、学校跡地の活用によるまち全体の活性化により、多くの世代が集まり、雇用の創出、経済が循環することで職、住一体となったまちの活性化が図られるものと期待しており、さらには、今後のポストコロナの時代を見据えた新しいまちづくりのモデルに成り得ると考えています。 私としても、学校跡地を特例として売却せずに残すと判断し、予算の重点的配分をするとともに、局横断的な推進体制により取り組んできたところでありますが、引き続き必要な財源や体制を確保した上で、義務教育学校の開設やAIオンデマンド交通の社会実験を契機としたまちづくりの取組など、24区横並びではない幅広い観点から組織一体となって検討し、対応してまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) ただいま、24区横並びではなく組織一体で対応するという御答弁でした。日本社会が抱える複合的な課題解決のモデルケースとして、着実な推進をお願いしたいと思います。 次に、芸術文化の振興についてお伺いします。
新型コロナの影響により世界が困難に直面している今こそ、人々に安らぎと明日への希望や活力を与える芸術文化が重要であります。近世に天下の台所として名をはせ、その中心であったこの中之島の地には、公立、民間の様々な文化施設が集積し、大阪が文化のまちだと体感できるエリアでもあり、光の饗宴や大阪クラシックにも多くの市民が集まっています。本年7月には、こども本の森中之島が、そして2021年度には大阪中之島美術館が開館します。2025大阪・関西万博に向け、中之島エリアに存在する文化関連施設が連携し、文化都市大阪の核として広くアピールすることが重要です。 一方、
新型コロナにより多くの芸術家が深刻な影響を受け、発表の場はもとより日々の練習すらままならず、活動の継続が危ぶまれています。そうした中、大阪市では、芸術文化活動への助成の拡充などを実施し、活動再開に向けた大きな力にもなっています。大阪が芸術文化の活動的なまちとして発展するため、活動するアーティストたちを育成、支援することが重要であると考えますが、今後の芸術文化活動への支援について、市長のお考えをお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 芸術文化は、人々の都市生活や活動において、潤いや明日への活力などをもたらす重要な要素であると考えております。中之島には、中央公会堂など歴史的な建造物や文化関連施設が数多く立地しており、人々に日々新たな感動を与えるポテンシャルを有しています。こども本の森中之島や大阪中之島美術館の開館などにより、さらに魅力的なエリアになるものと期待をしています。 既に中之島エリアでは、域内の企業や美術館などが都市魅力を高め、大阪の発展に寄与することを目指して活動を始めてくれています。本市といたしましても、大阪・関西万博の開催を見据え、地域の活動とも連携し、中之島エリアから文化都市大阪を積極的に内外にアピールしてまいります。 また、芸術文化活動への支援については、これまでも団体、個人に対する活動助成などを実施してきていますが、今年度は
新型コロナの影響により停滞している活動の再開を支援するために、助成制度を拡充して実施しております。 今後とも、時宜に応じた施策を継続的に実施することにより、将来の大阪の芸術文化の担い手の育成、支援に努めるなどの取組を通じて、大阪の都市魅力や都市核の向上に寄与し、今後の大阪の発展につなげてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、24区の防災体制の強化についてお伺いします。 本年8月、大阪府は、大阪湾沿岸で最大規模の高潮による氾濫が発生した場合の浸水想定の図面を公表しました。それによると、大阪市域の約半分、深いところでは8メーターから8.5メーターも浸水するという非常にショッキングな内容でした。台風等は事前に進路や規模が予想できるため、早め早めの避難が可能ではありますが、被害の最小化のため、やはり平時から市民の皆さんへ避難先や避難経路、避難方法の確認や避難時の持ち物等の準備を欠かさないようしっかり啓発することが重要であります。 また、高齢者や障害者など、避難時に何らかの配慮が必要な避難行動要支援者に対する避難支援プラン、いわゆる個別計画の策定も着実に進めていかなければいけません。その役割は、地域住民と身近に接する区役所にあり、区役所の防災力の向上、体制の強化は急務であります。 地域の防災力向上のため、思い切って防災担当職員を増員し、例えば24区に、防災業務に専任的に取り組む防災担当課長を設置するなど、平時から危機管理室をはじめ本庁部局と連携を深めながら、本市の危機管理行政に係る方針や情報の共有化を行う必要があります。 今後、一体的かつきめ細やかな防災・減災対策に取り組むべきと考えますが、区役所の防災力向上について、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 大阪府が公表した高潮浸水想定区域図は、非常にまれな現象による浸水区域を示したものであり、この被害想定に対して、ハードの再整備ではなくて、危機管理、避難警戒体制の充実を図ることを目的としたものであります。 また、昨今の大雨などの被害は甚大化、頻発化してきており、市民一人一人に防災・減災の取組を意識してもらい、早め早めの避難など、命を守る行動を取っていただくように地道に周知し続けることが、被害軽減に最も有効な取組ではないかと考えます。 しかしながら、少子高齢化の進展やICTの発展に伴う価値観の変容などにより、地域コミュニティーの維持が困難な現状にあっては、これまでと同じような啓発、周知だけでは、災害避難時に関する正しい情報などが行き届かない方々が増えてくるために、地域住民とじかに接する区役所の果たすべき役割と責任はこれまで以上に大きくなり、そのための体制強化についても一定必要になってくるものと認識をいたしております。今後、望ましい体制について検討を進めてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 次に、女性の幹部登用についてお伺いします。 我が会派はこれまで、女性の幹部登用について主張し、昨年から積極的に女性職員を管理職へ登用したと聞いています。計画的かつ積極的に女性職員を育成し、責任ある立場で大いに活躍していただくべきと考えます。 現在、特定事業主行動計画で掲げる数値目標として、今年度中に女性職員の割合を課長級以上20%、係長級以上30%にすることを掲げていますが、本年10月時点では、課長級以上15.9%、係長級以上26.6%と目標達成には至っていません。 今年度は
新型コロナによる新しい生活様式の観点もあり、テレワークや時差勤務等の制度拡充を行っていると聞いています。今後もこれらの制度を恒久的に運用、積極的な活用促進により女性の働きやすい職場環境づくりに努め、次の計画ではもう一度原点に立ち返り、女性管理職に関しての取り組むべき目標を明確に定め、優秀な女性職員の管理職登用を進めていくべきと考えますが、市長のお考えをお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 女性の幹部登用については、昨年度から昇任者数の一定割合を女性に充てるなど、積極的に取り組んできております。特定事業主行動計画で掲げる数値目標については、女性職員の早期退職割合が高いこともあり、今年度中の達成は厳しい状況でありますが、係長級の女性割合は、いわゆる5大市の中でもトップ、また国よりも高く、これまでの取組により、女性活躍の裾野が着実に広がっていると認識しております。 今後も女性職員の育成、幹部への登用に向けて、テレワークや時差勤務制度などを恒久的に運用、活用していき、出産や育児、介護などを理由とした離職や昇任意欲の低下を来すことなく、女性職員が積極的に活躍できるワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでまいります。より多くの優秀な女性職員が幹部となって、政策の形成過程に参加することで政策の質と行政サービスの向上につなげることが重要であり、引き続き女性管理職の割合に関する目標を掲げ、目標達成に向けて全力で女性職員の登用に取り組み、本市が国や他都市、民間をリードするような役割を果たしてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 本市が、国や他都市、民間をリードするような役割を果たすとの答弁でした。女性活躍のリーディング都市と言われるような先進的な取組の推進を期待します。 次に、行政のデジタル化についてお伺いします。 国においては、行政のデジタル化を強力に推進していくため、デジタル庁の創設に向けた準備やデジタル化の障壁となる書面、押印、対面の見直しなど、かなりのスピード感を持って進められています。 本市においても、本年8月に新しい行政オンラインシステムの運用がスタートし、現在、約140種類の手続がオンラインで行えるようになり、今年度末までに200手続、令和7年度末までには1,500手続に拡充すると聞いています。 一方で、コロナ禍により、例えばテレワークやウェブ会議といったICTを活用した新たな生活様式が急速に浸透しつつあります。さらなる感染拡大を受けて、行政手続のオンライン化をさらにスピード感を持って進めるべきと考えます。加えて、全ての市民が行政サービスを的確に受けられるようオンラインシステムを活用し、各種行政情報をタイムリーで効果的に市民に通知するような仕組みづくりも進め、業務の効率化、さらなる市民サービスの向上に取り組むべきと考えます。 今後、行政のオンライン化を強力に推進するため、市長の強いリーダーシップの下、各所属に強く働きかけ牽引していくことが不可欠であると考えますが、市長のお考えをお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 行政手続のオンライン化は、市民の皆さんが手続に要している時間や交通費などの軽減、業務効率化の促進などに大きなメリットがあることはもちろん、今般のコロナ禍における3密回避の有効な手段の一つと考えています。 本年8月に実施した営業時間短縮協力金では、原則オンラインでの申請とし、申請件数の9割以上、約2,800件をオンラインで受け付けました。これにより接触を避けた受付業務の実現、申請者の利便性の向上などが図られ、スムーズな協力金交付につながったと考えており、このたびの協力金申請受付についても、オンラインで行っていくこととしたところであります。 今般の社会情勢や国の取組などを見据えながら、市民の皆さんへの情報提供が的確になされるように、行政オンラインシステムの機能を拡充するなど精力的に取り組むことにより、目標である1,500を上回る行政手続のオンライン化をできるだけ早期に実現するように、各所属長に指示をしてまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) 行政の手続にとどまることなく、全庁を挙げて行政のデジタル化に取り組んでいただきたいと思います。 最後に、脱炭素社会の実現についてお伺いします。 地球温暖化は気温を上昇させるだけでなく、地球全体の気候を大きく変える気候変動を引き起こします。既に世界各地で想定を超える大災害が相次ぎ、人々の世界を脅かすだけでなく、多くの人命や財産が失われています。大阪市でも記録的な台風や局地的な短時間豪雨に度々見舞われるなど、気候変動による影響は危機的な状況にあります。 こうした状況も踏まえ、我が会派の提案により、大阪市会では本年3月、気候非常事態を宣言し、本市が2050年CO2ゼロ達成のための取組を進め、気候変動問題の共有のため情報提供、啓発することを求める決議を行いました。 10月には菅内閣総理大臣が所信表明演説において、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指すと宣言されたところであり、市長がゼロカーボンの実現を目指すことを表明し、市民や事業者の方々とともに積極的に取り組んでいくべきと考えます。市長の御決意をお伺いします。
○副議長(八尾進君) 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 気候変動の影響により自然災害の頻発や激甚化が懸念される中で、持続可能な社会を実現し、市民の暮らしを守っていくために、脱炭素化に向けた取組は大変重要であると認識をいたしております。 大阪府、大阪市では、SDGs未来都市に選定されたところであり、SDGsが達成された社会の実現を目指す2025年大阪・関西万博の開催都市として、SDGsの目標の一つである地球温暖化対策を着実に進めていくことが必要です。 これまで温室効果ガス削減のために国の目標を上回る中期目標を設定し、私をトップとする全庁的な推進体制の枠組みとして大阪市地球温暖化対策推進本部を設置し、地球温暖化対策の取組を総合的に推進してきたところです。現在、新たな地球温暖化対策実行計画の策定を進めているところであり、私としては、国の方針に沿って、基礎自治体として2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボンおおさか」の取組を市民、事業者などに広く呼びかけ推進してまいります。
○副議長(八尾進君) 山田正和君。 (43番山田正和君登壇)
◆43番(山田正和君) これまで多岐にわたり質問いたしました。本日の質疑を踏まえ、後日、改めて来年度の予算要望を行うとともに、
コロナ危機を脱し、市民が安心して暮らし、未来へ希望あふれる大阪市を築くためしっかりと議論をさせていただくことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(八尾進君) 以上で、質問は終了いたしました。
○副議長(八尾進君) お諮りいたします。この際、暫時休憩することに決して御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(八尾進君) 御異議なしと認めます。よって暫時休憩いたします。 午後3時6分休憩 午後3時29分再開
○議長(
ホンダリエ君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。
○議長(
ホンダリエ君) 日程第2、報告第41号、令和元年度大阪市
歳入歳出決算報告について及び日程第3、報告第42号、令和元年度大阪市西町外15財産区
歳入歳出決算報告についてを一括して議題といたします。
○議長(
ホンダリエ君) 決算特別委員長より審査の報告を求めます。 52番決算特別委員長出雲輝英君。 (52番決算特別委員長出雲輝英君登壇)
◆52番(出雲輝英君) 決算特別委員会に付託されました報告第41号、令和元年度大阪市
歳入歳出決算報告について外1件に関する審査の結果と経過の概要を御報告申し上げます。 本委員会は、去る6日の本会議において審査の付託を受けて以来、昨日まで7日間にわたり慎重かつ熱心なる審査を行いました結果、お手元に配付の報告書に記載のとおり、決算報告2件はいずれも認定すべきものと決した次第であります。 以下、委員会における質疑応答の概要につきまして重点的に御報告いたします。 まず、本市の財政状況や市債残高について質疑がありました。 これに対して理事者から、令和元年度については
新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり、実質収支は黒字基調、市債残高も縮減基調を維持しているが、今後、企業収益の悪化や個人所得の減等に伴い、市税収入の減少とともに社会保障関係経費の増大も懸念され、当面の間は厳しい財政状況になることが想定される。 また、令和元年度の一般会計の市債発行額については、臨時財政対策債を除くと、前年度に比べプラス79億8,900万円増の475億1,200万円となっている。全会計の市債残高については、前年度に比べマイナス1,963億700万円減の3兆3,631億6,500万円となっている旨、答弁がありました。 次に、
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた本市の対応や財政に与える影響などについて、多くの委員から質疑がありました。 これに対して理事者から、現在、陽性者数が増加しており、今後のインフルエンザとの同時流行に備え、より一層の感染拡大を抑える必要がある。保健所では
新型コロナ受診相談センターの運営、PCR検査の受入れ調整や入院、宿泊への支援、
クラスター対策など、大阪府や各区の
保健福祉センター等と連携し、人員や体制を強化しながら取り組んできた。感染不安を持っている市民の重要なセーフティーネットである
新型コロナ受診相談センターには看護師や医師を配置し、24時間体制で市民からの電話相談に応じており、二段階の受付方式やコールバック方式を採用するなど、ICTの早期活用も視野に入れながら電話相談対応の円滑化を図っていく。 また、令和元年度の一般会計への影響額は、受診相談センター整備経費、PCR検査費など把握可能な直接的な対策費については、所要税等ベースで約5億5,500万円であり、2年度の影響については国の緊急経済対策として設けられた徴収の猶予制度の特例により、市税収入等において少なくとも200億円の減収が生じると見込んでいる。今後は、急激な景気悪化に伴う市税収入等への悪影響が予想され、減収補てん債や財政調整基金の活用により収支を整える必要があるものと認識している旨、答弁がありました。 次に、教育施策について、オンライン学習環境の整備、授業日数の確保についてなど、様々な質疑がありました。 これに対して理事者から、ICT教育を進めるに当たって、
新型コロナウイルス感染症拡大による休校措置などにより、家庭でのオンライン学習環境を国のGIGAスクール構想の補助事業を活用して、本市でも令和2年度中に前倒しして1人1台の学習用端末を整備するとともに、インターネット環境のない家庭に対するモバイルルーターも整備している。 また、通算50日程度の休校措置により、不足した授業日数を確保するため、長期休業期間の短縮や土曜授業の実施回数の増加などを行うとともに、学校でしか実施できない学習活動などを重点的に取り扱う学習活動の重点化に取り組んでいる旨、答弁がありました。 そのほか、
LGBT等、性への多様性に関する教育についてただされたのに対して理事者から、令和元年度は約51%、とりわけ中学校では65%近くの学校が授業に取り組んでいる。性に悩む児童・生徒に対しては、SNSでの相談や当事者を招いての取組などを進めており、きめ細やかなサポートを行っている旨、答弁がありました。 次に、淀川左岸線2期事業の工事費の増額について質疑がありました。 これに対して理事者から、2期事業の全体事業費1,162億円に対して令和元年度末までに270億円を執行しており、事業費ベースの進捗率は約2割となっている。大阪・関西万博の会場となる夢洲までのシャトルバスのアクセスルートとして暫定利用するため事業の前倒しが必要となり、改めて詳細な現地調査や設計を行ったところ、工事方法の変更や地中障害物の撤去などの増額リスクが判明した。そのため、全体事業費が当初の6割を超える程度の増額となる見込みであり、計画段階において詳細な調査を実施し、それを基に事業費を算定しておく必要があったと認識している。大規模事業においては、事業費が大きく変わるリスクの洗い出しやその把握など、リスク管理が非常に重要であったにもかかわらず、今回はそれが十分ではなかったと真摯に反省している。今後は、リスクの早期把握や未然防止、発生した場合の適切な対応策の策定などを行う体制を整え、局内横断的なリスク管理に努める旨、答弁がありました。 次に、大阪・関西万博の準備状況について質疑がありました。 これに対して理事者から、博覧会協会によると、次回BIE総会は12月1日のオンラインによる開催が決定したと聞いている。総会での登録申請承認後に、速やかに必要な作業に着手することが可能となるよう万全の準備を進めているところである。招請活動の準備として、博覧会協会ではこの間、駐日外国公館等を個別に訪問する活動を実施しており、既に100か国以上と非公式での情報交換を行っている旨、答弁がありました。 また、万博への子供の参加についてただされたのに対して、市長は、大阪・関西万博はSDGsの達成に貢献することはもちろん、様々な国の文化や人々とも交流できる貴重な場でもあるので、未来社会を担う子供たちには会場に行って実際の万博の熱気を直接体験してほしいと思っている。その手法や財源などの課題もあるが、大阪の子供たちの無料招待の実現に向けた協議を関係者と進めていく旨、答弁されました。 以上のほか、本委員会におきましては、行政手続のオンライン化と押印の見直し、副首都ビジョン、財政局の報道機関への資料提供、
指定管理者制度の検証、生野区西部地域の学校再編、児童虐待防止、不登校対策、産後ケア事業、結核対策、受動喫煙防止対策、生活困窮者自立支援、ひきこもり支援、要介護認定調査、ギャンブル等依存症対策、IRの誘致状況、観光行政、避難行動要支援者への対応、市民への災害情報の伝達、空家等対策、未利用地の活用、キッズプラザ大阪、大阪公立大学森之宮キャンパス、新今宮駅北側のまちづくり、AIオンデマンド交通、自転車通行環境の整備、御堂筋の道路空間再編事業、無責任な餌やりへの対応など、市政の各般にわたり真摯かつ活発な質疑が交わされた次第であります。 以上、簡単ではありますが、決算特別委員会の審査の報告といたします。
○議長(
ホンダリエ君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(
ホンダリエ君) これより討論に入ります。 報告第41号に反対者の発言を許します。 1番長岡ゆりこ君。 (1番長岡ゆりこ君登壇)
◆1番(長岡ゆりこ君) 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、2019年度大阪市一般会計等決算の認定に反対の討論を行います。 反対の理由は、
コロナ対策と市民の命が最優先にされるべき今、大阪市の廃止・分割の市政運営を前提とするとともに、斜陽産業のカジノ・IRにしがみつくなど、大型開発優先の姿が本決算に表れているからです。 カジノの斜陽産業ぶりはコロナ禍が訪れる前から始まっていました。経済評論家の大前研一氏が、2018年のIR推進法策定の時点で、カジノを売り物にした日本のIRは今や世界では時代遅れなのだ。それも、1周ではなく2周以上遅れていると指摘しておられ、今年の
新型コロナ感染症の影響で業界最大手のラスベガス・サンズは、今年度の第3四半期の決算報告で前年比73.3%の減、大阪に唯一名のりを上げているMGMリゾーツ・インターナショナルは、同じく今年度第3四半期は、純収益が前年比66%減となる中で5億ドルの純損失を計上しています。266億ドル、約3兆円の負債もあると聞いています。 このような危うい経営状況の事業者を誘致するにもかかわらず、大阪府市が事業の中止を行おうにも、35年の長期にわたって賠償責任が負わされる。そのような不公平な契約を結ぶのは、自治体の自己決定権をないがしろにしていると言わなければなりません。 10月中旬の世論調査では、カジノ・IRについては賛成37%に対し、反対が52%でした。6月の前回調査と比べて反対が3ポイント増え、賛成が3ポイント減っています。市民の声もカジノ・IRは要らないということです。 そんな賭博場のインフラ整備に巨額の税金をつぎ込む一方で、地元の小中学校に目をやれば、床がささくれ立っていても、どこもこんなもんだと改修してもらえず、雨漏り、汚いトイレ、転落防止のない窓などの不便や危険を我慢しながら、ソーシャルディスタンスの守れない教室で学ぶ学校環境は改善されていません。今こそ、ポストコロナの時代も見据え、文部科学省も進める少人数学級に先駆的に取り組むときではないでしょうか。 また、万博開催に向けて工事を急がせている淀川左岸線では700億円を超える追加工事費が明らかとなり、
コロナ対策そっちのけで大型開発最優先の市政運営が見えています。二重行政の無駄の解消と言いながら、二重じゃなければ大型開発に湯水のように税金をつぎ込んでいいのかということに大きな批判が出されているところです。 淀川左岸線沿線の地元住民の皆さんから、汚染土壌が当初予定より広範囲だったという今回の工事規模を見誤った点について、2003年以降4回にわたって実施されてきた土壌調査は何だったのか、予測できることではなかったのかという怒りとともに、作業員や住民への健康被害について懸念の声が出されています。 そんな成長戦略の高速道路建設に多額の税金を使う一方で、生活道路、幹線道路は白線が消え、停止線やセンターライン、横断歩道まで消えている。SNSでも「大阪白線カスカス」と話題になるほどです。道路管理者としての大阪市の怠慢ではないかと、かなり厳しい御意見もいただいているところです。 また、大阪万博については、できるだけ簡素なものにと求めてまいりましたが、開催地を夢洲でということには反対の意を申し上げます。夢洲は、廃棄物の最終処分場としての重要な役割があるとともに、集客には最も向かない場所であること、絶滅危惧種のコアジサシやシロチドリの繁殖地にもなっている場所として、大阪府の生物多様性ホットスポットに指定されている夢洲は、SDGsの観点から、自然保護、地球環境の保全が重要課題となる場所でもあります。夢洲での万博開催を見直すべきです。 カジノ・IRの推進や万博アクセスのためのむちゃな開発に多額の税金をつぎ込む一方で、市民の命と健康を守るための施策がないがしろにされていることが問題です。特に保健所体制ですが、このコロナ禍を今回限りのことと捉えるのではなく、いつでもこういった事態に備えられる保健所体制を整備しておく必要があります。とりわけ保健師の実質増員が必要だということは、コロナ禍を経験した私たちにとっては当たり前の事実です。
新型コロナウイルスの第3波が猛威を振るっています。昨日の大阪府の感染者は326人、過去最多の12人の方が亡くなっておられます。重症者も過去最多の108人です。国の基準で感染急増のステージ3から感染爆発のステージ4に移りつつあるという状況です。重症患者病床の実質使用率が8割を超える中、府が
新型コロナウイルス感染症対策協議会で示した1か月のシミュレーションによると、感染者が毎週1.5倍のペースで増え続けると、12月19日時点で軽症・中等症の病床が3,578床、重症者用も405床必要となります。重症に分類されないまま亡くなるケースも少なくないため、手後れの対応は許されないと新聞報道もされています。大阪府の陽性者数のうち、約半数を占める大阪市にとっても重大な問題です。 また、看護師の確保も難航しています。
新型コロナ患者では患者2人に看護師1人が対応し、ECMO装着者などの重症者では患者1人に医師は4人から5人、看護師10人、臨床工学技士2人から3人など、合わせて20人程度の医療スタッフが必要になるとのことです。しかし、現状での看護師の確保は非常に困難で、大阪コロナ重症センターでも必要な人数の半数も確保できていないと報道されています。 医療体制の充実については、もちろん病床の確保が急務であることは自明のことであり、遅いくらいだという感はありますが、ハード面の整備を幾ら行っても、医師や看護師などの医療スタッフの確保がなければ病床を稼働することはできません。コロナ禍を乗り越えたその先に、安心して暮らせる大阪市をつくるためにも医師、看護師、保健師などの育成についても政令指定都市大阪市として責任を持って行っていくべきです。 我が会派は、2009年の新型インフルエンザの経験以降、新型感染症などへの対策を強めるために、保健師、検査技師、衛生監視員などの増員を要望してまいりましたが、着手してこなかった大阪市の責任は重大です。2019年度の保健所の保健師は前年度から1人増やしただけの27人、大阪市と比べ人口比僅か14%弱の吹田市でも保健所の保健師は17人おられ、吹田市と同程度であれば、大阪市保健所には124人の保健師が必要となります。新設した
コロナ対策専門グループで体制強化をし、この間16人の保健師を増やしたと言いますが、そのほとんどが兼務職員か臨時任用職員という実態で、コロナが収束した後には保健所での職務から外れると聞いています。270万市民の命と健康に責任を持つ大阪市としては、あまりにも体制が脆弱であり到底認められません。 大阪市存続をかけた住民投票では、政令指定都市大阪市のまま市民の声が届く市政を望む声が多数を占め、大阪市存続が決まりました。これは大阪市の権限、財源は市民のためにしっかり使っていくことを市民が選び取ったという結果です。制度いじりはもう要らない。大阪市廃止より
コロナ対策に集中してほしいとの市民の声を真摯に受け止めて、今後の市政運営に当たらなければならないことを申し上げて、反対討論といたします。ありがとうございました。
○議長(
ホンダリエ君) これをもって討論を終結いたします。
○議長(
ホンダリエ君) これより採決に入ります。 まず、報告第41号について起立により採決いたします。委員長の報告は認定であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(
ホンダリエ君) 多数であります。よって報告第41号は委員長報告のとおり認定されました。
○議長(
ホンダリエ君) 次に、報告第42号について採決いたします。委員長の報告は認定であります。委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
ホンダリエ君) 御異議なしと認めます。よって報告第42号は委員長報告のとおり認定されました。
○議長(
ホンダリエ君) 日程第4、議案第179号、令和2年度大阪市
一般会計補正予算(第8回)ないし日程第55号、議案第230号、
指定管理者の指定について(
大阪市立長居ユースホステルほか9施設)を一括して議題といたします。
○議長(
ホンダリエ君) 理事者の説明を求めます。 松井市長。 (
市長松井一郎君登壇)
◎市長(松井一郎君) 本市会定例会に追加提出いたしました議案第179号ないし議案第230号の52件のうち、まず、議案第179号の補正予算案について、その概要の説明をいたします。 議案第179号、補正予算案については、災害時の避難所設備整備工事及び防災情報システム事業に係る債務負担行為として、総じて20億5,200万円を追加するものでございます。 続きまして、一般案件でございますが、議案第180号は、大都市制度(特別区設置)協議会を廃止するため、地方自治法の規定に基づき議会の議決を求めるものでございます。 議案第181号は、令和3年度において販売することができる
当せん金付証票、いわゆる宝くじの金額の範囲を令和2年度と同様600億円以内と定めるため、議会の議決を求めるものであります。 議案第182号は、本市が設置する高等学校及び高等学校における教育と一貫した教育を施す中学校を大阪府に移管することに伴い、咲くやこの花中学校ほか23校を廃止するため、議会の議決を求めるものであります。 議案第183号ないし議案第186号の4件は、三国中学校ほか3小中学校について、いずれも建設工事請負契約の締結を行うため、議会の議決を求めるものであります。 議案第187号は、急速充電設備に含まれる充電設備の範囲、急速充電設備の位置、構造及び管理に関する基準並びに設置の届出をしなければならない火を使用する設備等の範囲を改めるため、議会の議決を求めるものであります。 議案第188号は、環境局関係で、債務者に対する給与の過払いによる返還金に係る債権を放棄するため、議会の議決を求めるものであります。 議案第189号は、
地方独立行政法人天王寺動物園へ引き継ぐ職員の範囲を定めるため、条例を制定するもの。次の議案第190号は、同法人に係る中期目標を定めるため、また、議案第191号は、同法人に承継させる財産を定めるため、それぞれ議会の議決を求めるもの。 そして議案第192号は、同法人の保有に係る重要な財産であって、将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がなくなったと認められる場合に、地方独立行政法人法の規定により処分しなければならないもの及び同法人が譲渡し、または担保に供しようとする場合に、市長の認可を必要とする重要な財産を定めるため、条例を制定するものであります。 議案第193号ないし議案第230号の38件については、クラフトパーク、障がい者スポーツセンター、作業指導所、リハビリテーションセンター、敷津浦学園、
老人福祉センター、芸術創造館、公園、中央体育館、大阪プール、弓道場、修道館、区役所附設会館、長居ユースホステルなど53施設と市営住宅及び共同施設について、それぞれ
指定管理者を指定するものであります。 以上、案件の概略を説明申し上げました。何とぞ御審議賜りますようお願いをいたします。
○議長(
ホンダリエ君) ただいま議題となっております諸案件は、お手元に配付いたしております審査付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。
○議長(
ホンダリエ君) 日程第56、議案第177号、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案及び日程第57、議案第178号、職員の期末手当及び勤勉手当に関する条例の一部を改正する条例案を一括して議題といたします。 なお、議案第177号及び178号に対する人事委員会の意見は、お手元に配付の印刷物に記載のとおりであります。
○議長(
ホンダリエ君) 財政総務委員長より審査の報告を求めます。 28番財政総務委員長高見亮君。 (28番財政総務委員長高見亮君登壇)
◆28番(高見亮君) 財政総務委員会に昨日付託されました議案第177号、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案外1件に対する審査の結果と経過について御報告申し上げます。 本委員会は、本日審査を行いました結果、お手元に配付の報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。 議案第177号は特定任期付職員の、議案第178号は一般職員の期末手当の年間支給月数を改定するもので、本年10月の人事委員会からの勧告を踏まえて、それぞれ0.05月分引き下げ、本年度は12月期分を引き下げるものであります。なお、これらの案件に対する質疑等はありませんでした。 以上、簡単ではありますが、財政総務委員会の審査の報告といたします。