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11月30日-03号

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  1. 京都市議会 2021-11-30
    11月30日-03号


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    令和 3年 11月 定例会     令和3年     定例会     京都市会会議録 第3号     11月市会                       令和3年11月30日(火曜日)出席議員(66名)   1番 久保田正紀議員   2番 神谷修平議員   3番 小島信太郎議員   4番 兵藤しんいち議員   5番 森川 央議員   6番 田中明秀議員   8番 やまね智史議員   9番 鈴木とよこ議員  10番 かまの敏徳議員  11番 菅谷浩平議員  12番 こうち大輔議員  13番 小山田春樹議員  14番 森 かれん議員  15番 片桐直哉議員  16番 松田けい子議員  17番 やまずまい子議員  18番 豊田恵美議員  19番 井上よしひろ議員  20番 平山たかお議員  21番 とがし 豊議員  22番 ほり信子議員  23番 山田こうじ議員  24番 森田ゆみ子議員  25番 山本陽子議員  26番 平井良人議員  27番 宇佐美賢一議員  28番 大津裕太議員  29番 江村理紗議員  30番 天方ひろゆき議員  31番 かわしま優子議員  32番 国本友利議員  33番 加藤昌洋議員  34番 森田 守議員  35番 田中たかのり議員  36番 みちはた弘之議員  37番 さくらい泰広議員  38番 くらた共子議員  39番 井上けんじ議員  40番 河合ようこ議員  41番 樋口英明議員  42番 赤阪 仁議員  43番 中野洋一議員  44番 山岸たかゆき議員  45番 安井つとむ議員  46番 青野仁志議員  47番 平山よしかず議員  48番 吉田孝雄議員  49番 しまもと京司議員  50番 椋田隆知議員  51番 下村あきら議員  52番 西村義直議員  53番 吉井あきら議員  54番 山本恵一議員  55番 井坂博文議員  56番 加藤あい議員  57番 西野さち子議員  58番 玉本なるみ議員  59番 湯浅光彦議員  60番 曽我 修議員  61番 大道義知議員  62番 寺田一博議員  63番 津田大三議員  64番 中村三之助議員  65番 橋村芳和議員  66番 繁 隆夫議員  67番 富 きくお議員欠席議員(なし)欠員(1名)   議事日程   開議日時 令和3年11月30日(火)午前10時第1 陳情の回付   一般質問 (1) 市政一般について  中村三之助議員 (2) 市政一般について  みちはた弘之議員 (3) 市政一般について  やまずまい子議員 (4) 市政一般について  加藤あい議員 (5) 市政一般について  山田こうじ議員 (6) 市政一般について  曽我 修議員 (7) 市政一般について  かわしま優子議員 (8) 市政一般について  安井つとむ議員 (9) 市政一般について  森 かれん議員~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(田中明秀) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。井上よしひろ議員鈴木とよこ議員とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 日程に入ります。 日程第1,陳情の回付を行います。 今回受理いたしました陳情295件は,お手元に配付してあります文書表のとおり所管の常任委員会に回付いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) これより一般質問を行います。 発言の通告がありますのでこれを許します。市政一般について,中村三之助議員。 〔中村三之助議員登壇(拍手)〕 ◆(中村三之助議員) 皆様おはようございます。私は上京区選出の中村三之助でございます。この後登壇いたしますみちはた弘之議員,やまずまい子議員と共に自民党市会議員団を代表して質問,また,提言をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 さて,先般の政権選択選挙である衆議院選挙において国民が最も重視した点は,景気・雇用対策でありました。コロナ禍で落ち込んだ経済の立直しへの期待でありました。自民党は単独で国会を安定的に運営できる絶対安定多数に当たる261議席を獲得でき,連立政権を組む公明党の32議席を合わせて与党で293議席となり,過半数を大きく上回りました。結果,有権者に選択していただいたのは自公連立政権の継続でありました。多くの方々に御支援いただき誠にありがとうございました。 全国の選挙結果を見ると,野党共闘は結局有権者の理解を得られなかったと言えます。党綱領に日米安保廃棄,自衛隊解消を掲げる共産党の閣外からの協力を含む政権を多くの国民は認めなかったわけであります。安定した政治の下で,この国の未来をつくり上げていってほしいという民意が示されたものと思っております。 岸田内閣は,まず第1の政策として,非正規,子育て世帯などへの給付金支援などの経済対策を含む新型コロナ対応を。第2の政策としては,新しい資本主義の実現であります。これは成長と分配の好循環を実現し,豊かに生活できる経済を構築することであります。掲げる分配政策は,子育て世帯の教育費,住居費への支援強化。看護師,介護福祉士,保育士らの所得増に向けた公的価格の見直し。金融所得課税の見直しなど1億円の壁の打破。大手企業が納入業者に負担増を強いる下請けいじめへの監督強化などなどであります。そして第3の政策は,国民を守り抜く外交・安全保障であります。これは我が国の領土,領海,領空,そして国民の生命と財産を断固として守り抜くことであります。岸田総理はこれら三つの政策を着実に実行することで,国民の皆さんと共に新しい時代を切りひらいていく新時代共創内閤を掲げております。京都市としても,これからの国の新たな経済対策に対応し京都市民に行き渡るようにしていかなければなりません。 そこで市長にお尋ねいたします。京都市は,現在新型コロナウイルス感染症対策社会経済活動の回復の両立に向けた要望及び令和4年度国の施策・予算に関する緊急提案・要望の要望行動をされているところでありますが,先程の新時代共創内閣に掲げる政策に期待するものは何かお聞かせください。 また,本市は極めて厳しい財政状況下でありますが,これから来年度の予算編成を仕上げなくてはなりません。国への要望や府市の協調など,国と府と市とが同じ方向を向き前進しなければとても現状を打破することはできないと考えますが,今後の行財政運営に道筋を付ける第一歩となる来年度予算の編成に当たり基本方針と門川市長の決意をお聞かせください。 次に,忘れた頃にやって来る大災害,特に大地震対応であります。私はこれまで防災に関する提言,提案を数多くしてまいりました。初めに取り上げたのは,今から約20年前の平成13年2月市会の代表質疑において,市民の防災意識を醸成するため,自助,共助の考え,また,全世帯に3日分の水や非常食などの備えの提案,また,現在も実行されている区役所・支所,小・中学校等における非常用防災用品の常設展示の提案等をしてまいりました。私が関わっておりますボーイスカウトのモットーは「そなえよ,つねに」であります。現在,平常時には各地域では防災訓練が定期的に行われ,また,ハザードマップや私の提案から作成していただきました地域の集合場所シールや我が家の防災行動シール等も活用され,日頃の備えを怠るなという啓発は発信され続けられており,十分とは申せませんが市民の防災意識は高まってきていると思っております。 しかし,先月7日深夜,首都園で発生した震度5強の地震は多くの帰宅困難者や出勤困難者が出る事態となり,都市機能のもろさを改めて浮き彫りにいたしました。首都圏では今後30年以内に70パーセント程度の確率でマグニチュード7級程度の直下地震。また近畿に関しては,関西広域連合によると今後30年以内に南海トラフ巨大地震が高確率で起きると予想されております。改めて危機意識を共有するとともに,行政として踏み込んだ対策を講じ,広報と共に該当する関係機関へ指導すべきと思っております。大規模災害の発生時に特に気を付けたいのが,帰宅困難者はむやみに移動を開始しないという基本原則であります。多くの人が街にあふれていると緊急車両の通行を妨げ救助活動に支障が出ることや,駅や道路に人が集中すれば集団転倒が起こったり,沿道の火災や倒壊に巻き込まれる二次災害が生じるおそれがあるためです。であるならば,鉄道事業者や集客施設,また企業はお客様や従業員の待機への備えを確認し,水や食料の備蓄など非常時の備えが必要となってきます。 帰宅困難者の対応は,災害の規模,発生場所,季節や天候,時間帯などにより異なります。また京都は府県境を越えて通勤,通学する人が多く,また,通年で外国人を含む観光客も多く,その対応を広域で考える必要があります。大規模災害では被害や混乱を最小限に食い止めるために広域的な連携が欠かせません。各自治体や経済団体は,帰宅困難者の受入れや避難ルートの確保などで協力体制を構築しておくことが求められます。また,企業,事業所などは災害に備えた帰宅や出勤のルールを決めておくことも求められます。ついては,改めてあらゆる場面や条件を想定した対策を講じる必要があることを御認識いただき,現在の対応で中規模地震,大地震などに対処できるのか,先程指摘いたしました課題も含め,現計画の課題を洗い出していただき,それらの対策を講じていただきたいと思っております。いかがでしょうか。 次に,幼少期における体験学習,特に自然体験学習の重要性についてであります。コロナの流行で学校生活は大きく様変わりいたしました。その中,全国的には学校を休みがちになる子供が増えたということであります。不登校,また,自殺した小・中学生も過去最多となりました。要因は無気力,不安が半数を占めました。楽しみにしていた行事が感染対策で相次いで中止となり,休校による学習の後れを取り戻すために授業が詰め込まれる。そんな学校生活に息苦しさを感じ,ストレスをため込む子供,また,家にこもる時間が長くなったことで一人で悩みを抱え込む子供が増えたとも考えられております。やはり,特に幼少期では対面授業も大切であり,リモートだけに頼るのではなく,体を動かし実物を見て触って感じるという体験は不可欠であると思っております。 私はこれまでから特に自然体験学習は環境教育につながるなど,教育的価値をはじめその重要性を申してまいりました。人とのつながりが強くなることで他者意識が研ぎ澄まされ,友達の思いを推し量ると同時にそれが肌で感じられるようになります。弱者への思いやりは,そういう人を手助けする経験で育まれます。お手伝いや他人のケアで集団生活に貢献した経験や崇高なものに触れた経験が,自尊心の基盤になるとも言われております。また,こうした力が身に着くことで,各教科等で育むべき思考力,判断力,表現力などにも相乗効果があると言われております。また,協調性,共感する力,思いやり,社交性,道徳性など測定できない非認知能力も育まれます。正に昔から言われております格言,体験が人を育てるであります。また,教師からすれば,子供と直接接する機会が多くあり,一人一人の子供と向き合いながら見えなかった個性を知り,理解する絶好の機会を得ることができ,今後の学級経営に必ずいかしていけるものと私の経験からも間違いなく言い切れます。 子供や保護者は一生涯の思い出となる長期自然体験学習を期待し,楽しみにしております。しかし,残念ながら長引くコロナ感染の影響で,令和4年度,5年度の2箇年だけの京都市集団宿泊学習スタンダードが示され,自然体験学習は縮減されました。コロナ禍での変更は仕方ないでしょう。しかし,令和6年度以降,コロナがほぼ収束していれば,先程のことから子供たちのためにこれまで以上に長期自然体験学習の実施は重要であると考えております。御見解をお伺いいたします。 また,日常の教員の多忙を減らすために,指導と関係のない業務や報告事務量の更なる削減などに取り組んでいただくとともに,学校の実情に配慮して更なる校務支援員などの配置を増やし,働き方改革につながる教員の負担軽減に努めていただきたいわけであります。いかがでしょうか。 次は,成年後見制度の周知と有効活用についてであります。超高齢化社会の中,認知症や知的障害,精神障害などを抱えている方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,また,遺産分割の協議をしたりする必要があっても,自分自身でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,悪徳商法の被害に遭うおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し,生活を支援するため成年後見制度があります。京都市では平成24年に京都市成年後見支援センターを京都市長寿すこやかセンター内に設置し,この制度の普及,啓発,相談等を行ってきておりますが,現状は,残念ながらなかなか市民の皆様に十分に正しく理解されてきているとは言えません。一般的に皆様がイメージする成年後見制度は,既に判断能力を喪失してしまった方を対象とする法定後見制度だと思われますが,判断能力を喪失する前に事前に備えることができる任意後見制度については余り知られておりません。私自身,義理の母の認知症が進行し,様々なことが判断できなくなった際には,この任意後見制度を利用していればよかったなという経験をいたしました。任意後見制度は本人に十分な判断能力があるうちに,あらかじめ判断能力が低下した際に支援していただく任意後見人を定めるとともに,任意後見人に委任する事務内容を公正証書により契約することで,認知症の進行等で本人の判断能力が低下した際には家庭裁判所の審判を経て,その任意後見人による支援を受けることができる制度であります。私はこの任意後見制度をもっと早く知っていれば,あのとき事前に備えることができたのにという方が多数おられると思っております。人生100年時代において市民の皆様一人一人が,いずれ訪れる自分の判断能力が低下することを見据え,自分自身に十分な判断能力があるうちに任意後見制度を活用するという選択肢を知っておく必要があると考えております。 そこでお伺いいたします。京都市として成年後見制度,特に任意後見制度について,より分かりやすいパンフレットを作成し,高齢者を支援する方々への周知はもとより,敬老会や地域の集会等を活用して,高齢者本人またその家族などへの更なる制度の周知が必要と考えます。また,今後認知症高齢者が増加するとともに,家族構成の在り方が変化し単身者の増加も予想されることから,これから成年後見制度が必要な方は増加していくものと考えられます。ついては,成年後見制度が適切に運用されるようこれまで以上の整備が必要と考えます。いかがでしょうか。 最後に,お忘れとは思ってはおりませんが,現在,京都市所管の体育館施設は市内に19箇所ある中,上京区にはございません。引き続きの上京区地域体育館の整備を最後に要望させていただきまして,私,中村三之助の代表質問を終わります。長らくの御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 中村三之助議員の御質問にお答えいたします。 新内閣への期待と本市の来年度予算編成についてでございます。コロナ禍の下,様々な課題が山積する中,国民と共に新しい時代を切りひらくためにコロナ対応,新しい資本主義の実現,気候変動等の地球規模の課題解決に向けた政策を着実に推進される新時代共創内閣を大変心強く感じております。本市といたしましては,感染拡大防止と社会経済活動を両立させ,命と健康,雇用,中小企業,市民生活を守り抜く,同時に孤立や貧困等の様々な課題を解決し,新たな価値の創造等により明るい未来を切りひらいてまいります。これらに向けましては,岸田内閣が掲げる成長と分配の好循環の成果を市民の皆様に広く行き渡らせる必要がございます。そのため私自身が大臣,副大臣等に直接説明するなど国への要望,提案を行ってまいりましたが,先般事業復活支援金の創設,困窮する学生や子育て世代への支援等を含めた補正予算案が閣議決定されたところでございます。こうした国の施策をしっかりと活用し,コロナ対策に万全を期すとともに,誰一人取り残さない持続可能な社会の実現に全力を尽くしてまいります。 次に,来年度予算では,市民の皆様と共に築き上げてきた魅力あふれる京都を将来にわたって発展させていくために,若い世代も含めた全ての世代の方々が安心して暮らしやすく,また人と企業に選ばれる活力あるまちづくりを進めるとともに,コロナ禍の下でセーフティネットをしっかりと機能させ,本市が独自に充実させてきた子育て支援,教育を持続可能なものとするための改革を進めてまいります。そのためには,施策推進の土台となる本市の財政構造を持続可能なものにするとともに,国,府,市の協調連携が不可欠でございます。政府のコロナ克服,新時代改革のための経済対策と歩調を合わせた成長戦略を推進することで,市民生活の豊かさの向上,税収の増加につなげていくとともに,地方交付税の必要額の確保などの要望もしっかりと行ってまいります。 また,京都府とはこれまでから取り組んできた全国トップ水準の府市協調,新たなステージへと発展させてまいります。こうした国,府との連携の下,行財政改革計画を着実に推進することにより,計画期間中に見込まれる社会福祉関連経費の増加にしっかりと対応するとともに,公共投資事業の面でも市債残高のコントロールや担税力の強化などにも着手してまいります。来年度予算編成は行財政改革計画策定後の最初の予算として持続可能な財政の確立に向けた道筋を確かなものになるように覚悟を持って編成してまいります。 次に,地震対策についてでございます。本市の地震対策は地震学の優れた専門家,鉄道事業者やライフライン事業者を含む49団体が参画する京都市防災会議を設置し,科学的根拠による総合的な地域防災計画に基づき対策を講じてきており,阪神・淡路大震災や東日本大震災などの知見や教訓も加えながら,最悪の事態を想定した大規模地震対策として強化してまいりました。危機管理センターの設置による本部機能の機能強化など直下型地震による被害を想定した体制や事前準備を整えてきたほか,建築物や橋りょう,水道施設などの耐震化などまちの強じん化を着実に推進してまいりました。 一方,中村議員御指摘のとおり,10月7日の夜間に首都圏で発生した震度5強程度の地震においても帰宅困難者が発生し,一時滞在施設の開設の後れ等の課題が生じております。本市におきましては,全国に先駆けまして帰宅困難者対策に取り組み,緊急避難広場を49箇所,一時滞在施設を126箇所を確保し,夜間も含め本市の要請を待たずとも管理者の自主判断で開設できる仕組みを整えており,訓練等も重ねてきたところでございます。先般の地震で明らかになった課題も念頭に,様々な状況での発生を想定し,対策を点検,進化させてまいります。 このほか,避難行動要支援者の方々を地域の皆様と共に災害から守る取組を推進する関係条例を本市会に提案させていただいてるほか,来月には豊富な災害活動経験を持つ退職自衛官を採用し,広域連携体制の強化も図ってまいります。引き続き,市民の皆様に危機管理を自分ごととして意識を高めていただけるよう地震対策の点検を行うとともに,自主防災組織や消防団,社会福祉協議会などの地域の皆様,社寺,事業者,また,京都府をはじめとする近隣自治体との連携により,レジリエント・シティ京都として地震に強いまちづくりを積極的に推進してまいります。 次に,成年後見制度についてでございます。認知症高齢者の増加に伴い,判断能力が不十分であっても人としての尊厳が守られ,その人らしく暮らし続けていただくことを支援する成年後見制度の役割は,今後ますます重要になってまいります。本市では弁護士会や司法書士会,行政書士会,社会福祉士会,民生児童委員連盟をはじめとする多くの関係団体等で構成する京都市高齢者・障害者権利擁護ネットワーク連絡会議を組織し,総合的に権利擁護に取り組む体制を構築するとともに,平成24年度には,成年後見制度の相談から利用まで一貫して支援する京都市成年後見支援センターを設置し,相談支援の充実や関係機関との連携強化に取り組んでまいりました。 中村議員御指摘のとおり,任意後見制度につきましては,自らが判断能力のあるうちに後見人を決めるというメリットがあるにもかかわらず全国的に利用が広がっておらず,現在国においても普及啓発の強化等について議論されているところであります。 今後,京都市といたしまして,成年後見制度,とりわけ任意後見制度の利用の広がりを関係団体等との協力を得る中で,体験をイラストで紹介するなど任意後見制度に重点を置いた啓発パンフレットを新たに作成し,ホームページ等でも発信するなどとともに,高齢者等を支援する方々への一層の周知はもとより,老人クラブ,すこやかクラブ京都の会員の皆様をはじめ,より本人や家族の身近なところで周知に取り組み,本人の状況に応じて適切に支援してまいります。 今後とも,社会福祉協議会,民生児童委員,老人福祉員等の地域の皆様の御協力も得ながら相談支援体制の強化に取り組み,一人一人の尊厳が保たれ,自分らしく生き続けられる京都のまちづくりに取り組んでまいります。私からは以上でございます。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) 自然体験学習の重要性についてでございます。体験的,協働的な学びを通じて子供たちの豊かな感性や情操を育むことは,コロナ禍においても大変重要な教育活動であり,とりわけ中村三之助議員御指摘のとおり,自然環境の中での長期の体験活動は子供たちの主体性や協調性等を高めるとともに,自然や生命を尊ぶ心など豊かな人間性等を育む上で極めて有意義な取組でございます。しかしながら,令和2年度以降,新型コロナウイルス感染対策徹底のため,宿泊を伴う自然体験学習は令和5年度までみさきの家での活動は中止し,花背山の家については宿泊日数を縮小して実施することとしております。令和6年度以降の長期自然体験学習等につきましては,施設の在り方や長期間の宿泊活動を実施する場合の教員体制確保の課題などにも配慮しつつ,自然体験学習を通して児童に育む力の大切さを踏まえ,今後校長会とも協議を重ねてまいります。 次に,教職員の働き方改革についてでございます。現在令和2年に策定した京都市立学校・幼稚園における働き方改革方針の下,保護者や地域の御理解,御協力も得ながら,電話対応終了時刻の設定やICTを活用した校務の効率化,新しい時代に向けた学校行事の精選や学校への文書発送量の削減等業務改善に努めております。とりわけ議員御提案を踏まえ,平成30年度から配置している校務支援員については,市会の御理解をいただき,今年度本市独自予算を活用して全校に配置し,目に見える形で教職員の負担軽減につながるなど学校現場から大変好評であり,今後とも学校の規模や実情に応じた追加配置ができるよう,国に対して財政措置を求めていくなど働き方改革の取組をより一層進めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,みちはた弘之議員に発言を許します。みちはた議員。 〔みちはた弘之議員登壇(拍手)〕 ◆(みちはた弘之議員) 私は伏見区選出のみちはた弘之です。自由民主党京都市会議員団を代表して,中村三之助議員,やまずまい子議員と共に市政一般について質問をさせていただきます。理事者におかれましては誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 さきの9月市会の代表質問において,市バス・地下鉄事業について我が会派の西村議員から交通局の経営について質問がありました。これに続き,私からも交通局に関してお伺いします。飲食店の時短営業が全面的に解除され1箇月が経過し,新型コロナの状況を踏まえつつ,感染拡大の防止と社会経済活動の回復との両立に向けた動きが活発化しています。また,紅葉シーズンを迎え,各所で観光客の姿も多く見られるようになり,にぎわいも感じられるようになりました。とはいえ,以前の京都の姿に比べれば,まだまだ程遠い状況であります。 市バス・地下鉄事業についても,新型コロナの影響で類例のない事態となっています。その中,持続可能な経営を目指し,中長期の経営計画を策定することとし,経営ビジョン検討委員会がこれまで3回にわたって開催されてきました。新たな経営健全化の取組として事業全体の見直しによる経費削減策や,お客様増による収入増加策,さらに,これらの取組だけでは安定経営を達成することが困難として,検討委員会の議論においては運賃改定の実施も盛り込まれています。あらゆる事業を点検し,徹底的な経費削減を行う必要があることは言うまでもありませんが,これだけの大幅な運賃収入の減少の中で安全への投資を怠ることはあってはならず,徹底した経営改善策が求められます。こうした経営改善策について,現在パブリックコメントを実施されており,市民意見を踏まえていよいよ具体的な計画を仕上げていく時期であると思います。 そこで計画策定に当たり,とりわけ市バスの路線,ダイヤについて確認いたします。この間,市長は市民の足はしっかり守ると答弁されてきました。今回示された新たな経営健全化策の柱の一つとして,市バスの路線,ダイヤの見直しが挙げられていますが,伏見区を含め市内周辺部では,生活の足として30分に1本程度のバスに頼る地域もあり,住民の中には,赤字の大きい周辺部の路線が真っ先に整理の対象になるのではないかという不安を抱かれる方もいらっしゃいます。非常に難しいかじ取りが求められる中,単なる減便等ではなく,市民の財産,生活の足である市バスをいかにして守り抜いていくのか今後の展望をお伺いいたします。 次に,河川の整備についてお伺いします。近年世界中で気候災害が頻発し,日本でも毎年のように台風や豪雨による災害が発生しています。本市においても平成25年の台風18号や平成26年8月豪雨,平成30年7月豪雨などにより各地で大きな被害を受けており,今年も8月の豪雨では,山科区の安祥寺川があふれ地下鉄東西線が運休するなどの被害が発生しました。一たび河川があふれ,浸水が発生すると,市民生活や経済活動に重大な影響を及ぼすことが改めて明らかになりました。今後もこうした自然災害が更に頻発し,その規模も甚大になることも十分に想定され,その備えを着実に進めていく必要があると思います。 私の地元伏見は,京都市の南に位置し,本市の地形が北から南へ緩やかに傾斜していることから,清らかな地下水が集まり,それを利用することで我が国を代表する酒蔵として栄えてきました。一方,市内を流れる河川の大半は,雨水を集めて伏見区内を通り,更に下流へと流れていきます。このため住民にとって,水はなりわいになくてはならないものであると同時に,命や暮らしを脅かす存在であり続けてきました。一例を挙げますと,西羽束師川の改修や七瀬川遊水地の工事などが進められていますが,異常気象の頻発が予想される中,河川の整備や維持管理といった浸水対策を計画的に進める必要があると考えます。 国ではこうした状況を踏まえ,令和3年度から防災・減災,国土強靱化のための5か年加速化対策を取りまとめ,特に水害に対しては,流域治水対策として河川改修を重点的に進めることとしており,桂川においては,嵐山で全国初の可動式止水壁を整備するなど緊急的な治水対策が進められてきました。また,市民の皆様の安心安全のためには,こうした河川の整備に加え,しゅんせつや補修といった身近な河川の維持管理の取組も極めて重要です。この維持管理に関しても,国が緊急浚渫推進事業を令和2年度に創設されたとのことであり,地方交付税措置がある地方債を活用できる有利な制度であると聞いています。財政面の制約が大きい中ではありますが,市民の命と暮らしを守るための取組は待ったなしであると思います。厳しい状況であるからこそ,このような国の新たな対策や制度を積極的に活用するとともに,京都府とも更なる連携を図ることで河川の浸水対策を着実に進める必要があると考えますが御所見をお伺いします。 次に,多様な学びについてお伺いします。京都市立芸術大学と共に京都駅東部地域へ移転合築する美術で学ぶをコンセプトとした銅駝美術工芸高校の新たなスタート,そして塔南高校を移転,再編し,公立高校ならではの多様な生徒に対して生徒が夢中になって学べる新しい普通科教育を目指す開建高校の創設が,共に令和5年度の開校に向け取組が進められており,開建高校の設置については今11月市会で条例案が提出されているところです。 銅駝美術工芸高校では,デジタル技術を活用した現代アートなど多様な美術領域に対応した教育の充実などを進めることとされ,開建高校では従来の教室四つ分のラーニングポッドと呼ぶ新しい学びの空間の多様な活用により,講義形式の授業だけでなく,対話,協働を通して探究的な学びを進めていくこととされています。財政状況が大変厳しい中でありますが,教育こそが未来をひらくという京都が大切にしてきた理念に魂を込めて,生徒一人一人の豊かな感性や人間性を育み社会に貢献する力を育成できるよう,新たに開校するこの2校において,施設整備・教育内容両面での準備を着実に進め,目指す教育実践にしっかりと取り組んでいただきたいと考えますがいかがでしょうか。 また,今年1月の中央教育審議会答申令和の日本型学校教育の構築を目指しての中で,特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する指導が記載されています。これは,いわゆるギフテッド教育のことであると思います。そして7月にはこの答申も受け,文科省が,特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議を設置されました。この有識者会議では,現在特定分野に特異な才能を有する児童生徒の対象やその才能の見いだし方,さらに,そうした児童生徒に対する教育課程や指導の在り方等について議論が深められていており,今後,具体的な方針等が示され,国としても取組が進むことを期待しているところであります。 本市ではこれまでから一人一人の子供を徹底的に大切にする教育理念の下,実践を進められていますが,特異な才能を伸ばすギフテッド教育など新たな提案も示されている中,銅駝美術工芸高校をはじめとする京都の教育において,個性を引き出し生徒一人一人の資質,能力を伸ばすことのできる先進的な教育に取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。御所見をお伺いします。 一旦,ここまでの質問に対しての答弁を求めます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) みちはた弘之議員の御質問にお答えいたします。 河川整備についてでございます。近年全国的に災害が激甚化し,本市においても一部の河川では大型台風や集中豪雨により浸水等の被害が発生しており,災害から市民の皆さんの命と暮らしを守るために河川の計画的な改修と適切な維持管理を着実に進めていく必要がございます。このため,まず河川の改修につきましては,一級河川のうち優先度が高い区間を都市基盤河川として国及び府からの補助を受けながら,おおむね10年に一度の大雨に耐えることを目標に20の河川の改修を行い,これまでに六つの河川で改修を完了しました。今年度は国の5か年加速化対策も活用し,9億円の予算により七瀬川など七つの河川で改修を進めております。 また,しゅんせつや補修などの維持管理は,河川の流化能力を確保することにより浸水被害の防止・軽減を図るものであり,御紹介のあった国の緊急浚渫推進事業の活用により,本市の財政負担を軽減しながら今年度は前年度の約1.2倍の6億2,000万円へと維持管理予算の拡充を図っております。 みちはた議員御指摘のとおり,厳しい財政状況の中にあっても,災害時における地下鉄など重要交通被害への被害防止はもとより市民の皆様の安心安全は一歩たりとも後退させることはできません。このため国の有利な制度の活用や補助金の確保に努めるとともに,京都府とも更に連携を図り,河川の改修や維持管理を着実に推進していけるよう西脇知事には私から都市河川事業の枠組みの改善などを含めまして改めて相談してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 市バスの路線,ダイヤについてでございます。本市ではこの間通勤,通学,さらには観光利用にも支えられ大きく経営改善を図り,全国的にバス路線が縮小する中,系統数や走行距離を伸ばし,路線,ダイヤを充実するなどの利便性の向上を図ってまいりました。しかし新型コロナの影響により,これまで全庁挙げて取り組んできた増客の成果が僅か1年で蒸発し,市バス全系統が赤字となるほか,いまだお客様の大幅な減少が続くなど事業の存続が危ぶまれる状況にございます。 こうした中,みちはた議員御指摘の市バスの路線,ダイヤにつきましては,現在実施をしております市バス・地下鉄経営ビジョンの改訂に向けたパブリックコメントにおいて経営効率化の一環として御利用状況に応じた見直しの実施をお示ししておりますが,これまで同様赤字であることのみをもって路線を廃止する考えはございません。令和4年春のダイヤ改正では,市バスの路線利便性を極力低下させることのないよう,朝の通勤・通学時間帯のダイヤや運行回数の少ない系統のダイヤはできる限り維持しつつ見直しを行いたいと考えております。 市バス事業の経営改善に向けましては,運行の安全を確保しつつ徹底した経費削減や収入の増加策など,あらゆる経営努力にも取り組んでまいりますが,新型コロナによる経営の影響は余りにも大きく運賃改定についても踏み込まざるを得ない状況にございます。市民の皆様には御不便,御負担をお掛けいたしますが,市民の皆様の暮らしと多様な都市活動を支える市バス事業を何としても守り抜いてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) 多様な学びについてでございます。市立高校については,平成11年度の堀川高校を皮切りに改革に取り組み,社会の変化と生徒のニーズの多様化を見据えた教育を受けた卒業生は,社会の多方面で活躍しております。令和5年度に開校予定の美術工芸高校と新普通科系高校は,その総仕上げとして,市民の期待に応える魅力あふれる高校となるよう現在全力で取り組んでおります。美術工芸高校においては,京都市立芸術大学をはじめ様々な機関との連携や最先端のデジタル機器を含めた環境整備等により,オンリーワンの教育を実践して文化芸術都市・京都の一翼を担うことを目指し,新普通科系高校では,新しい学びの空間であるラーニングポッドや地域協働スペースを整備し,探究的な学びを軸として京都のまちの魅力をいかした多様な教育活動を実践し,普通科の特色化,魅力化を目指す国の改革をけん引してまいります。 また,いわゆるギフテッド教育については,発展的な学習の充実や指導,支援の在り方等の検討が国で始まったところでありますが,みちはた弘之議員御指摘のとおり,多様な児童生徒の才能や能力を最大限伸ばすことは公教育の果たすべき大きな役割であると認識しております。 今後,国の議論を注視しつつ,新たに開校する両高校はもとより,他の市立高校や小・中学校,総合支援学校においても創意工夫を凝らし,一人一人の個性をいかした個別最適な学びと互いの個性を認め合う協働的な学びの両輪で児童生徒が生き生きと学び合い,それぞれの資質,能力を伸ばし,社会に貢献できる教育の充実に取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) みちはた議員。 〔みちはた弘之議員登壇〕 ◆(みちはた弘之議員) 次に,若年層・子育て世帯に対する取組についてお伺いします。これまでから少子化問題を従来の妊娠,子育て支援を中心とした視点から,より大きな京都市全体の視点で捉え,働く場,住宅の確保やまちの魅力,教育環境の向上など様々な政策と融合させた総合的な計画を策定していくべきだと思っており,9月市会の総括質疑において,子育て層・若年層のニーズに対応した住宅の政策について,市営住宅の活用や空き家対策も含めた総合的な取組について質問いたしました。若年層・子育て世帯にとって住宅の価格は重要なファクターです。京都市では住宅が高くて特に子育て・若年層が住めないと言う声もありますが,本当にそうかという疑問を抱くとともに,子育て・若年層の居住促進のためにこの課題を乗り越える必要があると考えています。行政が地価をコントロールすることは難しいと思いますが,財政が厳しい中で新たな支出を増やすのではなく,知恵を使い,あらゆる施策を融合させ,民間事業者等とも連携しながら子育て・若年層に手が届く価格の住宅の供給が必要だと思います。生産人口が減少している周辺区でも居住ニーズを喚起し,また中心区でも,多様な住宅の供給を進めるなど,京都市の将来を担う若年世代や子育て世帯等に住んでもらえる工夫が必要です。 今回の住宅マスタープランでは,既存住宅の活用,特に既存マンションの有効活用が挙げられています。地価の上昇傾向,また,特に中心区では大規模な開発は難しい中で,新築マンションの供給量には限界があり,子育て・若年層が購入しやすい価格帯のマンションが供給されることも難しい状況が続くと思われます。一方で,新築に比べると既存マンションは,まだ若年世帯にも手が届く価格帯のものが多いと思います。しかし,既存住宅を購入する際,一般的には築年数が長くなるとローンの期間が短くなると聞いています。子育て・若年層が住宅を購入される際には,まだ十分な貯蓄がないことも想定され,どれだけローンの負担が抑えられるかが重要になると考えます。既存マンションは市内中心区や周辺区どちらにも存在しており,子育て・若年層が住む地域を選ぶ際に,できるだけ幅広い選択肢を用意することも重要です。将来を担う若い世代に選ばれる千年都市を目指す中で,持続可能なまちづくりのため,既存マンションが子育て・若年層の受け皿となるよう行政と民間の知恵を結集しながらこの課題を克服していただきたいと考えますが,市長のお考えをお伺いします。 最後に,保育の質・教育力の向上についてお伺いします。先日公表された今年度の全国学力・学習状況調査で,京都市立の小学校は,政令指定都市1位と優秀な結果を出しています。この結果は,子供たち,保護者,教職員,地域の皆様等の取組が結実したものだと思いますが,就学期以前からの積重ねも非常に重要であると感じます。乳幼児期はその後の人格形成に大きな影響を及ぼす重要な時期だと言われています。これを踏まえると,就学前児童の半数以上が利用し,1日の大半を友達や先生と過ごす保育園等の役割は非常に重要であります。一方,今回の行財政改革におけるゼロベースでの見直しの中,民間保育園等職員給与等運用事業補助金や保育料等について見直し検証作業が進められています。その検証の中で給付費の一部が人件費以外にも充当されているとの指摘がありますが,本来,公定価格である国からの給付費は人件費,事業費,管理費で構成され,積算は積上げ方式です。給付費の支出に関して人件費以外の使途については,保育の充実,子供の処遇改善,例えば遊具・おもちゃの購入,体育,音楽,造形,絵画など保育内容の充実,園舎等の整備・改修,借入金返済,事務機器購入などあります。また,安心・安全な保育をしていくための園舎の建替えなどの積立てや少子化,定員割れに伴って将来赤字法人が増えることが予想されるので,財務基盤の強化のための積立てであります。 保育施設の実情として,給付費や本市の補助の対象とならない負担,見えない人件費が増加しています。障害認定を受けない,いわゆる気になる子供の増加,異文化の対応,経理,社会保険,労務管理,IT環境管理の専門知識や技術を要する高度な事務への対応,事務量の増加への対応,交通事情による送迎対応としての駐車場,誘導員の手配,送迎バスを運営している等の対応が必要となっています。借入金償還金,建替資金,昇給の資金,計画的に積み立てる必要のある資金,見えない人件費への対応,将来のリスクに対する備え,事業継続に必要な資金が必要です。 また,近年の京都市の少子化の進行が止まりません。令和2年の本市の合計特殊出生率は1.21で,前年から0.01ポイント減少し,出生数は9,251人,前年比244人減少しています。このような中,保護者の方から保育料について様々な御意見をいただいております。また,京都市保育園連盟加盟園で定員割れをしている園は,2021年度145箇園,加盟園の54パーセントを占めています。 このような状況の中,将来にわたって安定的な運営を危惧されている声も聞こえてきます。多くの保育関係者の皆様は,本市の財政が厳しい状況は理解されていて,民間保育園がこれまで培ってきた保育を継続できるように共に汗をかき最大限努力されると聞いています。私は少子化対策は最重要事項と捉え,子供を産みやすい都市環境として,保育料の軽減等,子育て世帯への支援と保育施設の安定運営は重要であると考えます。子供が1日の大半を過ごす保育施設が人件費の圧迫によって保育の質の低下,安全対策,防犯対策が施せない状況になってはならないことであり,また,待機児童対策として増設,新設してきた施設だけでなく京都の保育の歴史を支え続けてきた施設においても,入所児童が減少し閉所,縮小とならないために少子化が進行する中,持続可能な制度が必要であると思います。 現在,保育料の適正化の検討が進められていますが,来年度の募集が始まっている中,4月においては,現行の保育料を維持しつつ更に慎重に検討すべきと考えます。本市では,条例で国を上回る職員配置基準を実現し,保育園,認定子ども園等において質の高い幼児教育・保育を行い,人格形成の基礎を培い,そして小学校の学びに円滑につなげてきました。このように幼児期において質の高い幼児教育・保育が提供されることこそが,本市の教育力向上につながっていると思います。子供の最善の利益を考え,子育て世帯や保育現場の実態に応じて持続可能な保育制度の構築に向けて市長の御所見をお伺いします。 以上で私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕
    ◎市長(門川大作) 引き続き,みちはた弘之議員の御質問にお答えいたします。 子育て・若年層に対する既存のマンションの活用についてでございます。本市では新たな住宅マスタープランにおいて子育て・若年世帯の居住促進を第一に掲げ,空き家の活用,流通促進や地域の魅力発信等を総合的に進めることとしております。このうち分譲マンションは市内に約11万戸ある中,市場に流通しても契約に至らない物件が令和2年度で約4,000戸存在し,これらはみちはた議員御指摘のとおり,若年世帯の受け皿としてのポテンシャルを有する一方,築年数が経過すると購入時に組める住宅ローンの期間が短くなるという課題があります。 本市ではマンション管理適正化法の改正を踏まえまして,来年度早期に良好な管理状況のマンションを認定する管理計画認定制度を導入します。現在マンション管理を支援してこられたNPO等の御意見も聞き,国が定める認定基準に加えまして,長期ローンを組むために必要な本市独自の追加基準の検討を進めております。既に本市の認定に基づき長期ローンを組めるよう前向きに検討していただいてる金融機関もあり,良好に管理された既存マンションが,市場において適正に評価,供給され,若年世帯にも手が届くよう住宅ローンが組みやすくなる仕組みづくりを着実に進めてまいります。京都が将来を担う若年世帯に選ばれるよう,空き家対策をはじめ特例許可制度や地区計画制度等を活用したまちづくりに貢献する新築マンションの供給促進,さらには子育て支援,働く場の創造等あらゆる施策を融合し,スピード感を持って取り組んでまいります。 次に,持続可能な保育制度についてでございます。私は市長就任以来,保育施設を含む子育て支援の推進を市政の最重要施策の一つとして掲げ,幼児教育,保育の質の向上,待機児童ゼロの継続など,教育,子育て環境の充実に積極果敢に取り組んでまいりました。今般の行財政改革は,将来世代に負担を先送りせず,意欲あふれる京都を未来に引き継いでいくために,単に一律に予算を削減するのではなく,これまで京都市ならではの教育,子育て支援の施策の理念をしっかりと守りつつ,改革すべきは改革し,適切で持続可能な制度としていく必要があると考えております。 まず,保育園への人件費補助につきましては,令和元年度の実態調査を踏まえまして,保育士については条例で定める本市独自の基準と共に,障害児加配や1歳児加配の水準を維持したうえで現行の給与水準を全体として維持してまいります。また,保育士や調理師,事務員といった園運営に欠かせない職種を対象に,必要な人件費が確実に行き渡る制度へと再構築することを検討しております。具体的には,職種ごとに一定の上限を定めて本市から補助を行い,支出実績に応じて精算する仕組みを導入することにより,透明性を高め,検証可能な制度を構築してまいります。また,定員の適正化につきましては,少子化の中にあっても安定的に施設を運営していただけるようにこれまでから必要な対策を講じてまいりました。定員と利用児童数はかい離がないのが本来であり,定員を下回っている場合も上回っている場合も実態に見合った定員とするルールを検討してまいります。 最後に,保育料につきましては,約16億円の本市独自財源を投入し軽減を実施しており,この間国を上回る軽減策の点検の中で検討を重ねてきておりますが,行財政改革計画における保育料に係る方針を踏まえまして,厳しい経済状況など総合的に勘案し,令和4年4月の改定は見送ることとし,引き続き慎重に検討を進めてまいります。今後とも国の子育て世帯への新たな支援策の動向なども踏まえまして,未来の京都のために必要なものを見据えたうえで市政全般にわたって改革を推進してまいります。私からは以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,やまずまい子議員に発言を許します。やまず議員。 〔やまずまい子議員登壇(拍手)〕 ◆(やまずまい子議員) 下京区選出のやまずまい子です。自由民主党京都市会議員団を代表し,中村三之助議員,みちはた弘之議員と共に市政一般に関し質問を行います。初めての代表質問の場を頂いたことを市民の皆様,そして先輩・同僚議員の皆様に感謝し,質問に入ります。 まずは,ウィズコロナ,アフターコロナを見据えた京都経済の回復,活性化を確実なものにするための取組についてお尋ねいたします。新型コロナウイルスの感染例が本市で初めて確認されてから1年10箇月がたとうとしています。新型コロナウイルスは私たちの日常を大きく変容させました。人流の抑制やステイホーム,事業者側には再三にわたる営業自粛や時短営業が要請され,経済活動が脅かされる大変深刻な事態に陥りました。しかし,明けない夜はないと言い聞かせここまで来られたと思います。 我が会派では,厳しいコロナ禍でも京都の事業者を必ず守るとの強い決意で,国からの臨時交付金等の確保や各種経済対策の提言をはじめ,例えば中小企業等再起支援補助金や応援金の創設,また,商店街や伝統産業の支援事業も申請者全員の思いにお応えすべく増額補正を求め,それらの提言を踏まえた支援策の導入や予算の拡充に至られたことは高く評価しています。しかし,まだまだ京都経済の疲弊感は否めず,コロナ禍において過剰債務,自己破産の危機にある事業者がいらっしゃるのも事実であります。国において事業復活支援金などが示されたところでありますが,事業再生,継続に必死で取り組む事業者への支援も,国と連携しつつお願いいたします。 さて,京都経済の立て直しのためには様々な方策がありますが,私は新たな観光の在り方とスタートアップの成長に期待を掛けます。観光は本市の強みで京都経済を支える大きな柱です。既に,観光の再開を見据え,訪問先や環境に与える影響を自覚して行動する観光の周知・理解を促進することで,市民,観光客による京都観光行動基準,いわゆる京都観光モラルの実践につなげ,また,飲食店等の利用に当たって,ワクチン接種証明や検査陰性証明書を提示するキャンペーンを実施し,今後の実証実験ともなり得る仕組みを導入するなど,少しずつ新たな観光という切り口から取組が進められています。これらの一連の取組の中でウィズコロナ,アフターコロナの新たな観光の在り方をどう示していくのか。紅葉の季節となり,先日市内の一部では混雑する状況も再び見られるようになり,観光課題の解決にはこれまで以上に取り組むべきであります。新たな観光の在り方と市民生活との調和を図る観光をどのように進めていくのか。また,今後の修学旅行の在り方も含め,それらのお考えをお聞かせください。 もう一つは,スタートアップの成長支援です。これまで幾多のベンチャーが育ち,産学公の連携が図りやすい京都は,スタートアップの更なる展開を大いに期待できるものと考えます。現在,私の地元・下京区では,スタートアップの聖地・下京を掲げ,京都経済センターやリサーチパークをはじめ,廃校になった小学校をスタートアップ拠点として開放するなど,スタートアップの集積,交流が精力的に展開されています。コロナ禍を悲観するのでなく,乗り越えられる社会的課題と捉え,それを機に新たな産業を生み出すスタートアップ企業が京都から生まれ育つよう様々な支援を求めます。人材流出やオフィス,資金の確保,クリエーターのコミュニティの創出など様々な課題がある中で,それらの解決を図り,京都で生まれた企業が京都に居続けてもらえる環境づくりをするなど,京都流スタートアップの展開の促進も求めます。 こうした施策に当たっては,行財政改革計画の成長戦略であるデジタル創造都市の早期実現が強力な後押しとなると考えます。デジタル技術やデータの利活用は,観光面では観光課題解決や質の高い観光サービス向上につながり,また,新ビジネスや事業革新など新たな価値を創出するスタートアップ支援にもつながると期待を寄せています。是非ともデジタル創造都市に向けての体制強化も要望しておきます。さて,新しい観光の在り方とスタートアップの成長支援の提案をいたしましたが,それらに対する市長の御見解と,京都経済の回復,活性化に全力で取り組む市長の御決意をお聞かせください。 次に,京都駅周辺地域のまちづくりについてお伺いします。京都駅は京都における最大のターミナルであり,京都の玄関口です。その周辺は,大規模な商業施設や企業のオフィスビルが立ち並ぶとともに,多様な文化施設や歴史的建造物などに恵まれた京都らしい風情を感じることができるエリアです。この地域の活性化を更に進めることは,市民はもとより京都を訪れる人々,そして京都のまちの将来にとって非常に重要だと考えています。 現在,京都市においては,この京都駅の西部,東部,東南部の三つのエリアで,それぞれの将来ビジョンに基づいたまちづくりが進められています。具体的には京都駅西部エリアにおいては多彩な地域資源をつなげ,京都の新しいにぎわいを創出するまちを目標とした活性化将来構想を平成26年度に策定され,JR梅小路京都西駅や鉄道博物館,中央卸売市場の一部を活用したホテルの開業などが進んできました。整備が進んだ梅小路公園では,家族連れや多くの市民,観光客でにぎわい,ウィズコロナの昨今でも貴重な憩いの場となっています。 また,京都の強みである地域力・市民力をいかしたまちづくりの取組も熱心に進められており,例えば,京都・梅小路みんながつながるプロジェクトや梅小路京都西・七条通賑わいづくり協議会といった民間主体のエリアマネジメント組織が中心となったイベントや清掃活動も始まっています。 次に,京都駅東部エリアでは,文化芸術都市・京都の新たなシンボルゾーンを創生し,人と人,人と地域がつながるまちを目標とした活性化将来構想を平成30年度に策定されています。ここでは,令和5年度に市立京都芸大と銅駝美術工芸高校の崇仁地域への移転が予定されており,7月に開催された起工式には,私も参加し地元の熱意を実感いたしました。また,東本願寺前では,京都市で初となる市民緑地の整備が,東本願寺はもとより地域の方々の協働により進められるなど,新たな人の流れができるものと期待しています。さらに京都駅東南部エリアにおいても,活性化方針に基づき文化芸術と若者をキーワードにして新たなまちづくりが始まり,機運醸成の取組も展開されてきました。本年6月には,未利用の市有地を活用したアート複合施設の整備が提案され,チームラボを代表とした事業組合と基本協定を締結されました。そこでは,デジタルアートミュージアムや市民ギャラリーも計画されていると伺っており,新たな価値を生み出す創造,発信の拠点となることを目指し取り組むことが重要と考えます。 このように,各エリアにおいてそれぞれのビジョンに基づき,地域の特性や課題を踏まえながら取組が進められていますが,その現状をどのように評価していますか。また,京都市においては,これまでから文化を基軸としたまちづくりが進められ,行財政改革計画においても,都市の成長戦略の一つとして文化と経済の好循環を創出する都市の実現を掲げられています。その実現のためにも,これまで我が会派の先輩議員からも様々提言があったように,私も,京都駅周辺の活性化を更に進め,その効果を本市全体に広げていく必要があると思いますがいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。 次に,女性の活躍の推進についてお尋ねいたします。女性活躍推進法が平成27年8月に成立し,本市においても京都府,京都労働局,経済団体等が連携し,女性活躍推進組織,輝く女性応援京都会議を発足されました。オール京都で京都における女性の活躍を推進するため,京都女性活躍応援計画が平成28年3月に策定され,5年がたとうとしています。しかし,その計画がどこまで本市に根付き,浸透しているのか疑問に感じます。計画の進捗や結果が可視化しづらいところは大きな課題であると考えます。可視化の一つとして,女性活躍推進法に基づき行動計画の策定や策定した旨の届出を行った企業のうち,一定の基準を満たし,女性の活躍推進に関する状況などが最良な企業には,えるぼし,プラチナえるぼしといった認定を取得できる制度がありますが,果たしてこれらの認知度,さらに,本市で認定企業数が飛躍的に進んでいると言える現状でしょうか。 また,他都市と比べ,京都市は中小企業が圧倒的多数という都市特性がある中で,女性従業員が少ない,女性の管理職の登用が進まないといった企業が多いことは否めません。中小企業が多いといったこの京都の都市特性に女性活躍推進をどう落とし込んでいくのかを改めて考える必要があります。さらに,まだまだ職種によって男性が多い職種,女性が多い職種など性別によって固定化された職域もあり,そうした是正も必要です。 生理休暇や育児休暇,不妊治療の休暇など制度そのものの周知は浸透してきていますが,実際それらの取得がしづらい,希望を言い出しにくいと言った課題があるのも事実です。女性がそうした休暇制度をためらうことなく利用でき,安心して結婚や妊娠,出産,子育てなど様々なライフイベントを迎えられることは,働く女性にとって離職を避け,働く意欲やキャリア形成への意欲につながり,更に職域を拡大することにもつながります。また,企業にとっても,優秀な人材を確保し続けられる担い手不足解消にもつながります。女性登用に対する意識改革と休暇制度取得の更なる充実,女性活躍推進をすることで企業,事業者がメリットを感じてもらえるための新たな工夫を商工会議所等とも連携の下,進めていただきたいと思いますがいかがですか。 また,京都市役所においても,女性の管理職の数や審議会における女性委員の登用率は増加していますが,更なる推進が必要です。まずは,男女共同参画の推進,京都女性活躍応援計画を掲げている本市そのものが,しっかりとその推進に本腰を入れて取り組まなければ,民間事業者等の更なる推進は程遠く,結局それらが絵空事で終わってしまうのでないかと懸念します。男女共に生き生きと自らが望む多様な働き方を選択できる,そんな社会の実現のために企業にどのように働き掛けるのか,本市がどう取り組むのか,男女共同参画,真の女性活躍の飛躍的な推進への市長のお考えをお聞かせください。 最後に,再生可能エネルギーの普及に関する取組についてお尋ねいたします。地球温暖化による影響は,記録的な豪雨や猛暑など私たちの生活基盤さえ脅かすものとなっており,気候危機,気候非常事態と捉えるべき状況となっています。11月に開催された,気候変動枠組条約のCOP26の中で,岸田首相は,2050年CO2の目標の達成に向けてこの10年が勝負であり,我が国としても,2030年度には温室効果ガスを2013年度比で46パーセント以上削減することを目指し,さらに,50パーセントの高みに向け挑戦を続けていくと改めて世界に向けて約束されました。その中でも京都市は,全国の自治体に先駆け2050年CO2排出量正味ゼロを宣言し,その後全国に拡大,国の方針となるなど環境先進都市として先導的な取組を進めてきた都市です。46パーセント削減に向けても,全国のモデルとなる取組を進めていくべきと考えます。 そこで,そうした取組を進めていく中で,より一層強化すべきことは,市民の再生可能エネルギーや地球温暖化に対する意識向上です。私は平成29年に海外行政調査に参加し,再生可能エネルギーの先駆的な取組が進むデンマークを視察した中で,その取組が進む背景には,再生可能エネルギーや省エネ利用が地球温暖化対策につながるという意識が自然と市民の暮らしに根付いていることだと気付かされました。46パーセント削減の達成のためには,行政だけでかなうものでなく,市民との連携があってこそ成し遂げられます。まずは市民が再生可能エネルギーや省エネ利用と共に暮らすことが当然と思えるような,また,それこそが地球温暖化対策に大きく寄与することだと認識してもらえるような周知啓発の強化を求めておきます。 さて,温室効果ガス46パーセント削減の目標を必ずや達成させるには,再生可能エネルギーの飛躍的な拡大と省エネの強力な推進が不可欠と考えます。これまでの住宅用太陽光発電設備の導入補助等の支援により,市内の導入量は2010年度比で12.3倍に増加していますが,市内の再エネ比率は約15パーセント程度であり,目標の達成に向けてまだまだ十分ではありません。 また,企業活動においても,脱炭素経営に向けた取組が急速に広がり,原材料の調達から製造,販売等までサプライチェーンにおけるCO2削減が求められる中で,国のJ‐クレジットを活用するなどCO2排出量の少ない再生可能エネルギー由来電気へのニーズが高まっており,そのニーズに対応していくことも重要となっています。 行財政改革計画を進める中にあっては,より効果的,効率的な取組が求められる一方で,都市の成長戦略として掲げる環境・グローバル都市の実現に向けた取組も着実に行っていく必要があります。その実現のためにも必要不可欠である再生可能エネルギーの拡大においては,太陽光発電設備等の導入促進と共に,市内企業や市民が再エネ電気に切り替えていく必要があります。京都市地球温暖化対策計画では,太陽光発電設備等の導入促進に向けて,補助制度の見直しやグループ購入,ゼロ円ソーラーなど,費用負担の低減につながる仕組みの充実,強化を図ることとされていますが,環境・グローバル都市を目指し,今後どのように取り組んでいくのかお考えをお聞かせください。 以上で私やまずまい子からの代表質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) やまずまい子議員の御質問にお答えいたします。 京都経済の回復と活性化についてでございます。やまず議員から観光とスタートアップに関する貴重な御提言をいただきました。観光は京都の地域経済や雇用はもとより文化芸術も支える重要な基幹産業でございます。これからの京都観光は,市民生活との調和の下,市民の皆さんの暮らしの豊かさの向上,地域や社会課題の解決,SDGsの達成にも貢献する持続可能なものとしていく必要がございます。先般京都市観光協会や観光関連業界の皆様と共に,こうした新しい京都観光に取り組むことを宣言,発信したところでございます。観光の回復を進めるに当たりましては,時期,時間,場所,この三つの分散化やビッグデータを活用した混雑状況の予測,発信,京都観光モラルの普及,実践などに取り組むとともに,国等とも連携し,宿泊観光の充実,長期滞在化の促進などウィズコロナを前提とした需要喚起を図ってまいります。 また,大切な教育活動である修学旅行につきましては,引き続き安心安全を図りながら地域企業等と連携したSDGs学習プログラムを開発するなど,京都の強みをいかした修学旅行を創出してまいります。 次に,京都経済の起爆剤となるスタートアップへの支援につきましては,大学の研究成果と文化芸術をいかした京都特有のスタートアップが誕生するなど,この間,成果が挙がり始めております。これらの定着,集積に向けまして,閉校した小学校を活用した淳風bizQの設置,さらに,これに続く新たな拠点の設置,また,JR梅小路京都西駅の設置等を契機に民間主導で進んでおります梅小路を中心としたエリアのものづくり,先端技術,アート,食をコンセプトにしたクリエイティブなまちづくりが進むなど,市内各地で新たな動きが始まっております。こうした拠点と経済センター内のKOINをつなぐことによる企業コミュニティの形成,さらには国内外の投資家等の呼込みに力を入れるなど,京都知恵産業創造の森を核として,社会課題や地域課題の解決を目指す企業が続々と創発する京都らしいスタートアップ・エコシステムの構築を強力に推進してまいります。 あわせまして,AIやIOT,ビッグデータ等のデジタル技術の利活用により成長戦略の鍵となるデジタル創造都市の実現を進め,新しい社会における京都経済の回復と活性化に全力を傾注してまいります。 次に,企業や市役所における女性活躍の推進についてでございます。本市では,平成27年3月に,国,府,経済団体と連携し,輝く女性応援京都会議を発足させるとともに,女性の活躍を推進するための基本的な考え方を示した京都女性活躍応援計画を策定し,その後の働き方改革関連法の改正など社会情勢の変化を踏まえながら,オール京都体制で着実に施策を実施しているところでございます。 また,本市では,国の交付金を最大限活用し,女性活躍推進と真のワーク・ライフ・バランス推進や働き方改革を連動させ,積極的に取り組む企業の実例をホームページや民間情報誌等を活用して広く発信するほか,シンポジウム等で好事例の周知に努め,取組の見える化を進めております。 さらに,地域企業における働き方改革の主体的な取組を支援し,学生,求職者が女性活躍や休暇取得の促進などに取り組む地域企業を簡単に検索できるようホームページを充実させ,地域企業の魅力を発信しております。 あわせまして,本市における取組として,政策決定の場への男女の均等な参画の促進のため,本市の附属機関における女性委員の登用率や本市職員の女性管理職比率の向上にも率先して取り組み,成果を挙げてきております。このような状況を受け,女性活躍に積極的に取り組まれる中小企業の事例も出てきております。 一方,やまず議員御指摘のとおり,中小企業においての取組が進みづらいという課題がございます。そのため,とりわけ中小企業の後押しとなるように,国,府,経済団体とも連携のうえ,男女共同参画を推進する拠点であるウィングス京都の機能も最大限にいかしまして,SNSでの情報の発信やセミナーの開催など様々な機会を活用して女性活躍を推進するメリットや好事例の情報発信を更に強化してまいります。 今後とも,オール京都体制で社会全体で機運醸成に努めるとともに,本年9月に新たに策定しました第5次男女共同参画計画の下,女性の活躍,真のワーク・ライフ・バランスを引き続き推進し,京都市役所自らが率先して取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 京都駅周辺のまちづくりについてでございます。京都の玄関口である京都駅周辺地域は,オフィスや商業施設などが集積するとともに,社寺や京都ならではの歴史に裏付けられた暮らしや町並み,伝統産業などのものづくりが今も息づいており,京都芸大移転を控える本エリアの活性化は,京都経済のけん引はもとより文化芸術都市・京都の魅力やブランド力を国内外に発信するため極めて重要でございます。そのため,現在芸大が移転する京都駅東部,東九条にある東南部,梅小路を中心とした西部,それぞれの将来構想等に基づき,市民や事業者の皆様と一丸となって各エリアで更なる魅力と活力の創出に向けた様々な取組を展開しており,京都駅周辺の活性化が着実に前進をしております。今後,更に民間主体のエリアマネジメント組織などを核に地域の取組を促進してまいります。 くわえまして,各エリアのまちづくりの取組が相乗効果を発揮できるよう,各地域の魅力や資源を結び付けるとともに,芸大との連携はもとよりチームラボによるアート複合施設など,新たな創造発信拠点やスタートアップ拠点の創出など文化芸術都市・京都の新たなシンボルゾーンを創出してまいります。 さらに,やまず議員御指摘のとおり,こうした京都駅周辺のまちづくりを市域全体の持続性と成長戦略に結び付け,全ての市民の皆様に豊かさを実感していただくことが重要でございます。そこで,文化を基軸として市域に広がる多様な地域でのポテンシャルをいかしたまちづくりに,京都駅周辺の活性化により生み出される新たな価値を有機的に連携させるなど,文化庁の京都移転も視野にあらゆる政策の融合を図り,文化と経済の好循環を創出する都市の実現に民間事業者とも連携しながら全庁を挙げて取り組んでまいります。 次に,再生可能エネルギーの普及についてでございます。先日200以上の国と地域が参加して行われたCOP26で採択されたグラスゴー気候合意では,自治体の果たす役割が重要とされております。本市といたしましても,京都議定書IPCC京都ガイドライン誕生の地として2050年CO2排出量正味ゼロの実現に向けて,その責任と役割をしっかりと果たしていく必要があると認識をしております。そのため,省エネの更なる徹底,イノべーションの創出に加えて,再エネを需要と供給の両面で飛躍的に拡大していくことが重要でございます。本市では,これまでから住宅や建築物での再エネ導入を推進するため,京都府とも連携し太陽光発電設備等の設置補助や初期費用が不要なゼロ円ソーラーの拡大,太陽光発電設備や再エネ電力のグループ購入事業等様々な選択肢を市民の皆様に御提供し,再エネの拡大に取り組んでまいりました。今後は,京都市地球温暖化対策計画に掲げております2030年までに住宅用で新規に1万5,000件を設置するという目標の達成に向けて,太陽光発電設備のより一層の導入,活用につながる新たな仕組みの構築が必要と考えております。その構築に当たりましては,やまず議員御紹介のJ-クレジットの活用も一つの方策として,市民の皆様が再エネを導入することで経済的メリットが生まれ,かつ,市内企業の脱炭素化や地域経済の振興にもつながる持続可能な再エネの地産地消の仕組みとなるよう検討してまいります。市民の皆様が再エネを身近に感じ,共に暮らす社会の実現を目指し,全国に先駆けたモデルを構築することにより,都市の成長戦略に掲げる持続可能性を追求する環境グローバル都市を実現してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,加藤あい議員に発言を許します。加藤議員。 〔加藤あい議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤あい議員) 左京区選出の加藤あいです。山田議員と共に日本共産党市会議員団を代表して質問します。 質問に入る前に,先般行われました衆議院総選挙におきまして日本共産党にお寄せいただいた御支援に心から感謝を申し上げます。日本共産党は国民の声に応え,正面から野党共闘による政権交代を掲げて選挙を戦いました。共闘勢力の一本化で勝利した59の小選挙区のうち56選挙区で,共闘勢力の比例得票の合計を小選挙区候補の得票が上回る共闘効果が発揮されました。今後の京都府知事選挙,参議院選挙の勝利のために全力を挙げます。引き続きの御支援を心からお願いいたします。 では,質問に入ります。まず,保健所など公衆衛生について伺います。本市で初めてコロナ感染が確認されてからもうすぐ2年となります。振り返れば,保健所体制の弱さなどからPCR検査で大きく後れを招きました。そして,自宅療養中の方が必要な医療を受けられず亡くなられる事態も起きました。何人もの保健師が超過勤務により退職を余儀なくされました。市長就任以来の3,600人の職員削減で市民の命や暮らしを支える仕事に支障を来していること,14箇所の区役所・支所に設置していた保健所を引き上げたことに問題があったのは明らかです。オミクロン株も世界で広がっています。緊張感を持って第6波に備えると言うのであれば,執行機関の責任者として救える命を救えないような行政体制を執ってきたことについて真摯に反省し,教訓を市民の前に明らかにすべきと考えますが市長の御認識はいかがでしょうか。市長は9月市会で超過勤務等も非常に多かったことも教訓にしながら改善するべきところは改善すると述べられました。ならば第5波にとどまらず,この2年間について京都市として何を教訓にし,どう改善するのかをお示しください。 行政機能を弱める職員削減方針を見直し,保健所を行政区に戻し,医療とも連携し,公衆衛生を再生,強化すること,そして感染状況が落ち着いている今こそ,いつでも誰でも何度でも無料でPCR検査を受けられる体制を作ることを求めておきます。ここまでで一旦答弁を求めます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 加藤あい議員の御質問にお答えします。 新型コロナ対応についてでございます。令和2年1月30日,本市初の感染者が確認されて以後,市民の皆様の命を守るために対象を幅広く捉えた本市独自基準でのPCR検査の実施,保健師総数346人,人口1万人当たり2.38人と全国の指定都市平均1.6人を大きく上回り,指定都市の中で最も高い水準で配置している保健師による積極的疫学調査の実施など,京都府や医師会,薬剤師会等とも連携し,感染拡大防止等に全力で取り組んできました。とりわけ感染爆発と言われた第5波では,1日400人,1週間で2,400人を超える新規感染者が確認され,自宅療養者が3,000人を超える日が続きましたが,全庁挙げて324人規模の体制を組んで保健所機能を強化するとともに,京都府の入院医療コントロールセンターと緊密に連携し,医療機関や宿泊療養施設につなぎ,また,京都市電話診療所の開設や訪問看護ステーション等との連携など,自宅療養者の支援に全力で取り組んだ結果,京都市内での在宅で療養者が亡くなられた方はおられませんでした。 また,京都における人口10万人当たりの死亡者数は,大阪の3分の1,兵庫の2分の1以下となっております。第6波に備えまして感染拡大の予兆を的確に捉え,第5波の2倍の新規感染者が出ても迅速に対応できる保健所体制を臨機応変に評価,確立していくことや,京都府と連携した医療,宿泊療養施設の拡充,抗体カクテル療法の普及といった基本方針を既に定めております。今後とも,京都府医師会や私立病院協会,薬剤師会,看護協会をはじめオール京都で対策を進め,市民の皆様の命を徹底的に守り抜くとともに,ウィズコロナの下での社会経済活動を可能にしていく取組も併せて進めてまいります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 加藤あい議員の一般質問の途中ですが,暫時休憩いたします。 〔午前11時47分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(田中明秀) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 休憩前の一般質問を継続し,加藤あい議員に発言の継続を許します。加藤議員。 〔加藤あい議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤あい議員) 午前中にコロナ対応への答弁をいただきましたが,市長は第5波以前に自宅療養中の4人の方の命を失ったことをお忘れになったのでしょうか。全く反省が見られません。自助を強いるのでなく公的責任を果たすことが市長の使命であることを指摘しておきます。 次に,行財政改革計画について質問します。市長は5年間で774億円の大幅な歳出削減を進める行財政改革計画を発表しました。計画は,歳出削減の70パーセントを福祉・住民サービスや職員削減など経常的な経費に向けるもので,入口は過大な財源不足見込み,出口は福祉・住民サービスの削減であります。 そこで伺います。まず,財源不足見込みについてです。計画の前提は5年間,2,800億円の財源不足ですが,これは過去の経過を見れば過大であることは明らかです。2017年から今年度までの財源不足額の合計は約1,850億円とされていましたが,結果は830億円となりました。すなわち,市長が示した過去5年間の財源不足額は,1,000億円以上も過大であったということになります。その事実をお認めになりますか。私は,100億円でも500億円でも1,000億円でも,不足は不足というようなやり方は余りに乱暴な話だと思いますが,市長の御認識はいかがでしょうか。 そして,今回もその額を更に大きくしたうえで,過大見積りを繰り返そうとしているのですか。認識を伺います。こうしたやり方は,人口流出に拍車を掛けるなど決して良い結果を招きません。先日,テレビで市長はコメンテーターから財政破綻しかねないと責任を追及されて,財政は破綻していませんと述べられたではありませんか。過大見積りはやめるべきです。 次に,あるべき改革について申し上げます。第1は,税金の無駄遣いや不要不急の事業をやめることです。(パネルを示す)パネルを御覧ください。市長就任以来の投資的経費の推移です。就任が2008年,2010年の財政有識者会議の提言は,市が主体的に事業の在り方を決定できる余地の大きい公共投資の規模設定の重要性を指摘しましたから,しばらくは下降をたどり2012年には101億円となっていました。しかし,その後10年は,むしろ増やしてきました。コロナ禍の直近でも13億円の地下通路を含めた市役所本庁舎・西庁舎整備事業費159億円をはじめ,芸大再整備,学校統廃合,児童福祉センターなど3施設一体化整備も予定どおりに執行されてきました。この延長で今回の計画の170億円が定められ,ビッグプロジェクトも目白押しです。1,200億円の堀川・油小路地下バイパス,国道9号線・1号線バイパス,2兆1,000億円の北陸新幹線延伸計画などが推進されています。これだけの大型公共事業を進めているのに,本市は本当に財政危機なのでしょうか。こうした市長の姿勢は,行財政改革において大規模・新規投資事業を聖域扱いにするものではありませんか。認識を伺います。市長はかつての地下鉄が財政的に大きな影響を与えたことは事実と言われています。同じことを繰り返さないという点でどのようにお考えかお聞かせください。公共事業は耐震化や長寿命化,防災対策などにシフトするべきです。開発型・新規投資事業の中止宣言を行うこと,計画で170億円とされている投資的経費を100億円に引き下げること,総事業費70億円の鴨川東岸線第3工区について中止することを求めておきます。 やるべきことの第2は,取るべきところから税金を取り負担を求めることです。今,負担を増やすべきは,体力のある大企業や富裕層です。京都でも昨年度決算では府内大手10社の内部留保は9兆2,319億円となり,過去最大規模の増加となりました。上位4社のうち3社は京都市内ですが,合計5兆32億円です。法人市民税の法人税割は,14政令市が行っている法定上限8.4パーセントまで引き上げれば3億6,000万円の財源が得られます。均等割についても,長野市では資本金が1億円を超す法人に1.2倍を課していますが,本市でも資本金10億円以上の企業に適用した場合,約4億円の財源を得られます。超過課税に関して,本市独自の財政状況を賄うために必要がある場合には具体的に検討する必要があると答弁されていますが,まさに本市の財政状況を賄うために必要があるのが今ではありませんか。認識を伺います。コロナ禍でも利益を増やしている大企業や富裕層に負担を求め,格差是正を優先すべきであります。お考えをお聞かせください。また,個人市民税について,課税標準額700万円以上の税率を三位一体改革前の10パーセント税率に戻すよう国に要望し,45億円の財源を生み出すべきです。 あるべき改革の第3は,福祉・住民サービスの削減を中止し,公共的ケアを充実させることです。保育料の値上げは来年度の実施は見送られると答弁がありましたが,計画では各種補助金の削減も示されています。しかし,子育てと介護などへ公的支出を行えば,サービスの利用者や事業者,社会全体に長期にわたって利益がもたらされ,生産性の向上にも寄与します。ケア労働者の抜本的処遇向上が必要であり,それが時代のすう勢です。その点からも,いわゆる保育プール制補助金など,福祉・公共的な人件費補助を行革の項目に挙げ,カットすることは全くの時代後れではありませんか。認識を伺います。 次に,府市一体で進められている二つの開発計画について伺います。 まず,北陸新幹線延伸計画についてです。敦賀新大阪間,京都駅に接続するとされる計画について,党市会議員団は費用負担の問題,環境等への影響など課題は山積であるとして中止を求めてきました。 まず,環境への影響について述べます。(パネルを示す)パネルを御覧ください。大きな円がシールドマシーンのカッターフェイス。小さいのが人です。8割がトンネル区間,市街地は大深度が想定されていますが,地下40メートルにこのような巨大なトンネルを掘り進めようというのです。東京都調布市での陥没事故が示すとおり,既に大深度の安全神話は崩壊しています。発生する建設残土は880万立米と言われています。これは,鴨川に埋めればその延長全てを埋め尽くすだけの量になりますが,鉄道・運輸機構は残土処分計画はないと無責任な回答をしています。市長は環境への影響等についてしっかりと意見を述べるとおっしゃっていますが,ならばなぜ直ちにおっしゃらないのでしょうか。このような重大な環境課題についてものを言わないのは,行政として思考停止ではありませんか。いかがですか。災害時における東海道新幹線の代替路線とされていますが,大阪府の南海トラフ地震の被害想定では,JR新大阪駅がある淀川区も含めて液状化や地下空間水没の危険,全鉄道の運行停止も指摘されています。接続先の大阪市内が機能不全となるような状況で災害時の代替機能が確保できるとお考えですか。そもそも人しか運べない新幹線には限界があるのではありませんか。既存インフラの耐震化が必要であり,JR貨物などの機能充実こそ求められているのではありませんか。認識を伺います。新聞社の世論調査では延伸の必要はないが4割を超え,ルートを見直すべきと答えた人が2割弱で,合わせると6割の府民が現行の計画を認めていないことになります。大阪金沢間の時間短縮僅か25分のために市民負担を押し付ける計画はやめるべきです。 次に,もう一つの府市一体開発計画である北山エリア整備計画について質問します。本計画は植物園を公園化し,緑を削って1万人規模のアリーナや商業施設,ホテルなどを誘致する事業です。計画の見直しを求める署名は10万筆を超え,説明会では反対意見が相次いで出されました。計画地域の周辺は敷地面積最低基準が厳しく定められている閑静な住宅地域で,府の整備計画にある北山エリア内の宿泊施設やにぎわい施設の建設は,第二種中高層住居専用地域と定める建築基準法等の用途制限に反しています。市長,法を超える手続,規制の緩和がなければ進められない計画だとお認めになりますか。あわせて,府の言いなりに整備基本計画をそのまま盛り込む本市のまちづくり構想は見直すことを求めます。 次に,ジェンダー平等の視点でのコロナ禍のケアについて質問します。コロナ禍の下,各地で行われた食材提供プロジェクトの相談コーナーには多くの女性の姿があり,私も皆さんの御相談をお受けしてきました。大手飲食チェーン店でシフト労働者として働いていたものの,コロナで職を失った50代の女性,夫のDVから逃れ2人の子供をダブルワークで育てる40代の女性など,深刻な状況に置かれている方ばかりでした。コロナ危機は非正規労働やサービス業など女性が多い職業を直撃しています。そして,不安定雇用の増大は,政府が財界の要望に沿って進めてきた労働法制の規制緩和によるものです。女性の平均給与は男性の55パーセントであり,生涯賃金の格差は1億円にも上ります。非正規雇用への置き換えを進めた1990年代以来の労働法制の規制緩和を改め,非正規から正社員への流れを作るように国に対して求めるとともに,京都市男女共同参画計画の企業等へのポジティブアクション,積極的改善措置に男女別平均賃金の公表や格差是正計画の策定を位置付けることを求めます。また,内閣府のコロナ下の女性への影響と課題に関する報告書は,ジェンダー主流化の視点が重要として男女間の格差の根源的な要因に働き掛ける取組を求めています。本市においてもそのためにジェンダー平等推進局を作ることを求めておきます。 次に,女性の負担軽減に関わり,中学校給食について質問します。国連は提言,新型コロナウイルスの女性に対する影響で女性に偏る無償ケア労働の是正を求めるに至りました。教育委員会の調査によると食事準備の担い手を尋ねた項目では母親との回答が,平日の昼食は75.8パーセント,朝食は7割,夕食は8割強を占めました。教育委員会は食選力,すなわち食を選ぶ力を着けるための選択制などと言われますが,結局,そのことは多くの女性の無償のケア労働に頼ることになっているのではないでしょうか。本市の昨年度の中学校給食の喫食率,すなわち利用率は24パーセントとなり,過去最低を更新しました。小学校のような全員制の中学校給食をめざす連絡会に,就学援助を受けながら中学生を育てている方から,クラスで注文が少なく周りの目が気になるから,お母さん大変なのは分かっているけれどやめたいと言われて,子供の気持ちを思い注文をやめ,更に厳しくなったとの声が寄せられたそうです。阿部彩首都大学教授の資料によると,困窮層においては食料さえもままならない世帯が7割を占めました。給食を等しく保障するうえで家計が厳しいというスティグマ,すなわちらく印を生徒に与えるような制度,選択制がネックになっているのではありませんか。そのことを認めますか。等しく現物支給されるはずである学校給食が平等に保障されていないということ,喫食率が低下したことの総括を求めます。他都市は大きく全員制にかじを切っています。(パネルを示す)パネルを御覧ください。昨年2月に本市の喫食率・利用率が政令市ワースト3位と紹介しましたが,その後,ワースト1位だった横浜市は,市長が全員制に移行すると表明しました。堺市も広島市も同様です。本市は実質ワースト1位になろうとしています。全員制は予定も含めたら20政令市のうち15都市,政令市の75パーセントを占めています。市長,本市の後れは明らかではありませんか。認識を伺います。整備費は170億円ですが,6箇年計画,年28億円で整備が可能です。年次計画を策定するべきです。 地元問題に関わって2点質問します。 まず,養正など6団地の市営住宅団地再生計画についてです。基本設計に着手していますが,住民参加に大きな課題があります。これまで個別相談以外は実施されませんでした。団地の住民を核にして学区単位で説明会を開き,基本設計に反映し,全体計画についてもコロナを経てふさわしいものに見直すことを求めます。左京区は地価が高く若い世帯が住みにくい状況がありますが,住戸数を減らす計画になっており,養正では600戸を半減させる計画です。そもそも公営住宅法は,国及び地方公共団体が協力して健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備すると定めています。住まいは憲法第25条が保障する生存権の土台です。市営住宅団地再生計画に当たっては,市営住宅戸数を減らさず,若者や子育て世帯が住める市営住宅を建設して,住まいは人権という人権保障のモデルとしての公営住宅をより多くの住民に提供することを求めます。 次に,災害対策,森林保全について伺います。今年7月,8月と大雨が降り,左京区北白川や修学院第二学区などで河川のいっ水や護岸や斜面の崩れが起こり被害が発生しました。比叡山から大文字山に至る地域は,花崗岩という水はけの良いもろい地盤でできていますが,その砂が第二太田川や白川などに大量に流れ込みました。しかし,大雨や台風が繰り返し来るようなときに,1度目の後,次に備えて直ちにしゅんせつする予算もままなりません。気候危機の下,災害の様相が変化していることを踏まえて,河川の護岸の補強はもちろん,しゅんせつ等の管理予算を十分に確保するとともに,緊急事態の対策を講じられる枠組みを作り,住民の命を守り,安全を確保することを求めます。また,山の保水力を高める森づくりが重要です。ナラ枯れ,鹿による食害被害,気象状況の激しさと相まって倒木や土砂流出の急増となっています。災害に強い森づくりの考え方では,樹木の健全な成育の重要性を述べています。これまで四季・彩の森復活プロジェクト事業を行ってこられましたが,更に発展させて治山工事と合わせた災害に強い森づくりを進めることを要望しておきます。 以上で,第1質問を終わります。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,加藤あい議員の御質問にお答えいたします。 行財政改革計画であります。御指摘の令和3年度までの約1,850億円は,改革を実行する前の財源不足額であり,毎年の予算編成で人件費の抑制や事業見直しなど庁内改革を徹底し,1,000億円を捻出してきました。それでもなお830億円が不足し,特別の財源対策により予算を編成せざるを得ない状況であります。特別の財源対策を所与のものとせず,将来世代への負担の先送りの早期解決を目指す努力の結果であり,財源不足額の縮減をもって過大な試算との指摘は当たりません。また,今回の計画における中期の財政収支の試算では,一定の前提条件を基に歳入歳出を見込んでおり,コロナ禍の影響も踏まえて適切に算定しております。 公共投資についてであります。必要性の精査はもとより将来の返済に備えた収支バランスの改善を図ることが重要と考えており,計画では投資的経費の一般財源及び市債発行額の上限を設け,将来負担をコントロールしてまいります。そのうえで市民の皆さんの命と暮らしを守り,生活を豊かにする都市基盤整備は必要性を吟味のうえ厳選してまいります。 次に,超過課税についてであります。所得の再配分といった課題は,税制上の全体の中で国において検討がなされるものと認識しております。本市独自の超過課税については,本市がなすべき改革を進めたうえでどのような財政需要を賄おうとしているのか,受益と負担の関係に着目しつつ慎重に検討しております。 次に,人件費に対する補助金についてであります。本市では,保育士の処遇改善など国に先駆けた施策を実施しておりますが,単に人件費というだけで聖域化することなく一つ一つ内容を精査し,適切な在り方を検討してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 私から3点申し上げます。 まず,北陸新幹線の延伸計画についてでございます。現在,福井,京都,大阪の2府1県において,事業主体である鉄道・運輸機構が環境影響評価法に基づく調査を行っているところであり,今後,同機構が必要十分な調査結果を得たうえで,それぞれの府県の環境への影響の予測,評価及び環境保全措置の検討を行い,環境影響評価準備書により,それらの結果を示すものと認識しております。本市においては,これまでから法の規定に基づき,自然環境に加え生活環境等への影響も可能な限り回避,低減されるよう十分な調査と環境影響評価の適切な予測・評価を求める意見書を提出しております。今後も法の規定にのっとり準備書で示される内容に対し,京都市環境影響評価審査会で専門家の先生方の御意見もお聞きしながら,自然環境のみならず生活環境等の観点からもしっかりと必要な意見を提出してまいります。また,新幹線については,今年度から新たに荷物輸送サービスが開始されるなど,人の輸送だけではない物流の取組も進められております。そして何より東海道新幹線が災害等で不通となる場合にも備え,京都を含む関西圏と関東圏を別ルートで結ぶ国土軸を確保することは,物流機能の有無にかかわらず国土強じん化の観点から極めて重要であると認識をしております。 次に,京都府の北山エリア整備基本計画についてでございます。北山エリアは豊かな自然環境の中,京都市のコンサートホールと共に多くの府立施設が集積する府民,市民の憩いの空間であり,京都府では,令和2年12月に広く府民,市民の皆様の御意見を反映させたうえで,京都府総合計画の北山「文化と憩い」の交流構想の実現に向けたエリア整備の方向性を示す北山エリア整備基本計画を策定しました。本市としましては,このような京都府のまちづくりの取組が京都市都市計画マスタープランに掲げる都市計画の方針とも整合していることを確認のうえ,本年4月に北山文化・交流拠点地区の地域まちづくり構想を都市計画マスタープランに位置付けております。今後,京都府において植物園や大学等の関係者との意見交換や様々な分野の専門の方々から御意見をお聞きし,整備内容をより具体的に検討したうえで,幅広い方々の御理解を得て進めていくとお聞きしているため,本市としましては,その動向を踏まえ当該地区の地域まちづくり構想の在り方についても十分に考えてまいります。また,京都府が整備内容の具体化を検討しているところであるため,個別の都市計画規制上の対応が必要となるかどうかについて判断する段階ではございませんが,引き続き京都府との調整を密にし,当該地区のより良い姿に向けて柔軟に取組を進めてまいります。 続きまして,災害対策についてでございます。近年は大型台風や局地的な集中豪雨など記録的な大雨が全国的に発生しており,このような気象変動を踏まえた浸水対策が必要となっています。本市が管理する河川や水路につきましては,一定の期間ごとに河川への土砂の堆積の状況など点検しているほか,日常的なパトロールなどにより現状を把握し,その結果に基づき計画的に護岸の補修やしゅんせつ等を行うことにより,浸水被害の防止軽減を図っております。また,護岸の補修やしゅんせつ等の維持管理の予算につきましては,国の緊急浚渫推進事業の活用により,本市の財政負担を大きく軽減しながら今年度は前年度の約1.2倍の6億2,000万円へと充実を図っているところです。 一方,今年の7月や8月の大雨で発生した護岸の崩れや土砂の堆積等については,今年度当初予算で増額計上した16億円の災害復旧費を活用し,護岸の復旧工事を行うとともに,しゅんせつなどの必要な対策を迅速に実施しております。今後も引き続き,河川の日常的な維持管理はもとより迅速な災害対応を行うことで,市民の皆様の暮らしの安心安全を確保してまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 男女共同参画についてであります。本市では,コロナ禍で顕在化した女性不況や女性の貧困などを踏まえ,本年9月に第5次京都市男女共同参画計画を策定し,性別による格差がなく,誰もがあらゆる分野で活躍できる社会の実現に向け,オール京都体制で企業などにおける男女雇用機会均等対策の促進,非正規雇用労働者の処遇の改善,正社員を目指す方の正社員への転換の支援などの取組を推進しております。国に対しましては,非正規雇用労働者や派遣労働者,フリーランスなど不安定な立場にある方への支援措置など,セーフティネットを充実させることを京都府及び労働者団体並びに使用者団体と共に要望をしております。また,男女別平均賃金の公表については,国の諮問機関で様々な議論を経て法令での義務付けが見送られた経過があることから,京都市男女共同参画計画も同様の取扱いとしております。男女の格差是正については,各事業主における一般事業主行動計画の策定を支援する取組を従来から行っているところでございます。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 鈴木都市計画局長。 〔鈴木都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(鈴木知史) 市営住宅団地再生計画についてでございます。団地再生事業は,老朽化や耐震性の不足といった課題の解決を目指し,現在,養正,錦林,岡崎,三条,壬生及び壬生東の市営住宅で進めております。これらの団地再生計画では,入居者に対する事業説明会や個別相談会の開催,アンケートの実施,ニュースの全世帯配布など丁寧な事業周知に加え,地域や学区の自治会等にも情報提供や協議を行い,御意見を広く聴取したうえで策定しており,現在本計画に基づく住棟の集約,建替えに向け取組を進めております。 この事業によって生み出される用地につきましては,そのポテンシャルを最大限に発揮させるべき貴重な財産として民間活力も導入し,地域はもとより本市全体の活性化に資する活用を図り,魅力あふれるまちづくりを進めていくこととしており,今後も引き続き,事業の進捗に合わせ広く御意見をいただきながら検討を進めてまいります。 なお,団地再生事業における市営住宅の整備戸数は,現在の入居者が引き続き住み続けていただける住戸数を確実に確保することとしており,市営住宅全体の最適化を図るべきとの住宅審議会の答申も踏まえ,それ以上に市営住宅を増やすことは考えておりません。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) 中学校給食についてであります。本市では,給食か家庭からの弁当持参かを各家庭が自由に選べる完全自由選択制の学校給食を実施し,生活保護・就学援助世帯の給食費は無償とするなど,生徒一人一人の実情に応じた制度として学校現場で定着しております。 また,文科省からも学校給食法に合致した制度として認められていること,家計や保護者の就労状況によらず,栄養バランスの良さなどを理由として様々な家庭が積極的に給食を選択されていることから,選択制が家計が厳しいとのらく印を生徒に与えるや平等に保障されていないなどの指摘は誤ったものであると受け止めております。喫食率については,令和元年度に実施した実態調査で判明した生徒の好き嫌いの増加や,コロナ禍で保護者向けの喫食会を実施できなかったことなども低下の要因の一つと考えております。 こうした中,現在実態調査を踏まえ,生徒のし好や栄養摂取状況等に配慮した献立の多様化やごはんの量を選べる制度の実施,食の大切さや中学校給食の魅力を伝えるリーフレットの作成等に取り組んでおり,今後とも現在の選択制給食及び食育の一層の充実を図ってまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 加藤議員。 〔加藤あい議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤あい議員) 行財政改革計画に関わって市長から大型公共事業等の具体的見直しは示されませんでした。市長が守り充実すべきは住民の福祉であり,取るべきところに負担を求めず,精査するべきものに手を付けない,このような姿勢は重大であることを指摘しておきます。 中学校給食については,選択制の充実の枠組みでは問題は解決しない。全員制の中学校給食,温かい小学校のような中学校給食の実施計画・年次計画の策定を重ねて求めて私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,山田こうじ議員に発言を許します。山田議員。 〔山田こうじ議員登壇(拍手)〕 ◆(山田こうじ議員) 右京区選出の山田こうじです。日本共産党京都市会議員団を代表し質問します。 まず最初に,気候危機について質問します。COP26に呼応し,7日,京都市でも市民が呼び掛けた石炭火力全廃,脱原発,再エネ拡大で産業革命前から気温上昇を1.5度未満に抑える目標実現を求めるアピール行動が行われました。集会でスピーチした青年は,出身地の福岡県八女市で体験した豪雨災害の恐ろしさを,運が悪ければ命を落としていた,既に気候危機が進行し直面している,今すぐ行動しないと取返しが付かないと強調されました。 今年8月に公表したIPCCの第6次評価報告書は,気温上昇が既に産業革命前より1.1度上昇しているとしています。近年では豪雨災害が頻発し猛暑も頻繁に起こり,熱中症緊急搬送など命が脅かされています。産業革命前より1.5度未満に抑制するには,日本のCO2排出量を2030年に2013年より60パーセント以上削減する必要があると国際環境NGOは指摘しています。ところが,日本政府のCO2排出削減目標は2013年度比僅か46パーセントです。世界の先進国は50パーセントから68パーセントの目標を掲げています。多くの環境団体やシンクタンクが2030年までの目標と計画を示しています。エネルギー消費を20から40パーセント減らし,再生可能エネルギーで電力を40から50パーセント賄えばCO2を50から60パーセント程度削減できるとしています。 まず,石炭火力からの撤退が必要です。G7各国は2030年までを石炭火力発電の撤退期限としています。COP26では,石炭火力からの脱却を共通ビジョンに掲げ計46箇国が賛同しました。主要経済国は30年代,それ以外の国は40年代に段階的に廃止を目指しています。ところが,日本政府は新たに石炭火力を9箇所も新設し2030年度の依存度は19パーセントとする計画です。日本における再生可能エネルギーの可能性は,国内電力需要の5倍あり,導入が進むほど価格は下がり新設の発電コストを比較すると太陽光発電が最も安く,火力発電は太陽光の3倍,原発は4倍ものコストです。再エネへの転換は,コスト削減と新たな雇用を生む成長産業です。国のエネルギー政策を見直し再生可能エネルギーへの転換が必要です。COP26を受けて国に対し,一つ,CO2削減目標を引き上げること,二つ,一度事故を起こせば取返しの付かない環境破壊となる原発からは即時撤退すること,三つ,世界の流れに逆行する石炭火力の新増設は中止し,30年代までに全廃するよう求めるべきです。 京都市の取組について国際環境非営利団体CDPが最も高いAランクの評価をしました。この評価に応えるうえでも,京都市地球温暖化対策計画の2013年度比40パーセント以上の削減目標を60パーセント以上削減に引き上げることを求めます。京都市は2004年に京都市地球温暖化対策条例を制定し,大規模な排出事業者を特定事業者として136社から出された排出削減計画及び報告書を総合的に評価し,公表する事業者排出量削減計画書制度を運用し成果を挙げています。更なる削減のため特定事業者136社の対象拡大を求めます。 また,建築物への再生可能エネルギー設備導入の義務などの対象を2,000平方メートル以上の新築・増改築から300平方メートルまで拡大されました。新築,増改築についてはできる限り全てを対象に対策を行うべきです。今後,新築される住宅はCO2排出ゼロ住宅が求められます。断熱化,省エネ化のため,再エネ発電設備等補助金,断熱改修・遮熱改修補助金の拡充を求めます。市営住宅,公共建築物こそCO2排出ゼロを求めます。 次に,消費税についてお聞きします。2019年10月の消費税増税の結果,2019年10月から12月のGDPは年率換算でマイナス7.1パーセントと大きく落ち込み,くわえて新型コロナ感染拡大の結果,2020年度のGDPは実質マイナス4.4パーセントで過去最悪となりました。東京商工リサーチによると,2020年に全国で休廃業・解散した企業数は,調査開始以降最多の4万9,698件で前年比14.6パーセント増え,京都府の休廃業も過去最多の790件となっています。1989年に3パーセントで導入された消費税は10パーセントになる一方,消費税導入当時42パーセントだった法人税は約半分の23.2パーセントに引き下げられ,高額所得者の最高税率も消費税導入当時の60パーセントが45パーセントに引き下げられています。消費税収は1989年当時の3.3兆円から2021年には6倍の20.3兆円になる一方,法人税収は18兆円から半分の9兆円に,所得税収も21.4兆円から18.7兆円に減っています。大企業や高額所得者の減税の穴埋めに使われていたのが消費税の正体です。本来の税の役割である所得の再配分機能が失われ,消費税増税で格差が拡大しています。格差を是正し,コロナ禍で苦しむ国民,零細事業者支援に最も簡素で公平な消費喚起策は消費税の減税です。世界では62箇国が消費税,付加価値税の減税を実施しています。国に対し消費税を5パーセントに引き下げるよう求めるべきです。政府は,2023年10月からインボイス制度を実施する計画です。消費税の仕入税額控除の要件として税務署の登録番号が記載されたインボイスがなければ控除が認められなくなります。フリーランスや個人事業主などの免税業者は課税業者になるか,インボイスを発行できずに取引から排除されるかの選択が迫られます。小規模事業者,個人事業主やフリーランスを取引から排除しとう汰を推し進めるものです。財務省はインボイス制度を実施することで年間売上げ1,000万円以下の零細な免税業者161万社が新たに課税業者となり,2,480億円の増収との試算を示しました。1社当たり14万5,000円の負担増で零細な事業者は廃業に追い込まれかねません。日本商工会議所,全国中小企業団体中央会,日本税理士連合会,全国青年税理士連盟,全国青色申告会総連合など多くの団体が延期の要望の声を上げています。営業破壊のインボイスは中止するよう国に求めるべきです。 次に,中小企業支援についてお聞きします。岸田政権が示した新型コロナ対策給付金は,減収要件は30パーセントに緩和されましたがコロナの影響を受けている全ての事業者が支援の対象になっていません。支援額も事業主向けの給付金は持続化給付金の最大100万円から最大50万円になり,法人では最大200万円が最大半分の100万円。250万円給付されるのは売上げ5億円以上の限られた企業だけです。政府は対象期間を11月から来年3月までの5箇月分と説明していますが,最も苦しかった今年の1月から10月分が支給されません。コロナの影響を受けた全ての事業者に支援が届くようコロナ給付金の拡充を国に求めるべきです。月次支援金では事業実態を確認することなく不備ループが続いています。膨大な事務委託費を使いながら,支援すべき事業者に届かず廃業するようなことがあってはなりません。不備ループは民間事業者に事務委託していることが原因です。的確な審査で速やかに給付が届くよう国に体制強化を求めるべきです。日本で最初に中小企業振興基本条例を制定した墨田区では,区内中小企業等の現状を的確に把握し,地域経済の改善に向けた更なる支援策構築の基礎資料とするため,条例制定後に整備された企業台帳に登録されている8,149社から1,133社を抽出して,新型コロナウイルスによる区内中小企業等への影響調査を実施しています。調査結果に基づき分析し,個別企業へよりきめ細な支援を行っています。墨田区にはすみだビジネスサポートセンターがあり,製造業,卸売業,小売業,サービス業など幅広い業種の企業を支援しています。何度でも無料で相談ができ,豊富な知識と経験を持った産業コーディネーターが,技術・経営課題の解決から今後の戦略策定まで総合的にアドバイスをしています。相談を待つだけでなく積極的に訪問し支援しています。こうした体制の下,墨田区では,行政の支援を受けたと半数以上の企業が答え大きな成果を挙げていますが,区の担当部局はまだまだ不十分だとコロナ禍の下,更なる体制強化を進めようとしています。自治体の規模から考えても京都市ではこうした支援は区役所単位で行うことが有効です。コロナ禍の今こそ区役所単位で実態をつかむにふさわしい規模の調査を行い,相談を待つだけではなく積極的に訪問し,中小・零細事業者の支援を行うべきです。 次に,商店街支援についてお聞きします。昨年6月に実施した京都市商店街緊急支援補助金は,京都市内142商店街のうち57商店街が感染症予防のための事業及び収益向上のための独自の取組ができず,申請されませんでした。右京区の商店街では花園共栄会など4商店街が申請されませんでした。花園共栄会はJR花園駅に隣接した商店街ですが,都市計画道路葛野大路通計画があり,将来移転しなければなりません。20店舗あった店も昨年精肉店の御主人が御病気で廃業され5店舗になっています。会員店舗の減少,会員の高齢化,来街者の減少など商店街を取り巻く環境は厳しくなっていますが,お祭りや行事など商店街は地域のコミュニティであり,どの店舗も地域になくてはならない存在です。昨年末,三条太秦繁栄会が解散しました。解散しても個人商店として営業を続けておられます。そのお店を頼りにして暮らしておられる方もあり,こうした店がなくなれば町も寂れます。昨年実施した京都市商店街緊急支援補助金も,京都市商店街等消費喚起緊急支援事業補助金も,こうした個人商店は支援からこぼれています。一つ一つの商店街,個人商店の抱える問題は様々です。しっ皆調査のうえ,空き店舗対策や商店リフォーム助成など活用しやすい適切な支援を求めます。 次に,伝統産業への支援について伺います。高度な技術や優れた意匠は,京都の伝統文化を支える大きな役割を果たしてきましたが,長年にわたり深刻な事態が続いています。京友禅の生産量は最盛期の1971年は1,652万反ありましたが,2020年には何と37万反と僅か2.2パーセントです。10年前との比較でも半減しており,昨年はコロナ感染症拡大で前年度比26パーセントの大幅減です。50年以上彩色をされている職人さんは,友禅だけでは食べていけないために新聞配達のアルバイトをしながら続けておられます。かつては11人の職人さんを抱えておられましたが,今は夫婦二人で月に10万円ほどの売上げにしかならず,最低賃金以下の工賃です。板場友禅では,1反2,500円の単価で職人と二人で8面の板場をフル稼働すれば月160反できますが,それでも月の売上げは40万円にしかなりません。今の仕事量は半分以下で到底生活できる単価ではありません。多くの職人さんは工賃だけでは生計が維持できず,アルバイト若しくは年金を足しにせざるを得ない実態です。これでは技術の継承もできず伝統産業が途絶えかねません。多くの職人さんが,もうこの仕事はわしの時代で終わり,京の伝統産業は消えるとおっしゃっています。若い頃から鍛錬し優れた技術を絶やすことがあってはなりません。昨年実施された作り手支援事業補助金申請者アンケート調査の結果では,90パーセント以上の方が売上げの減少と答え,原材料や道具類の価格の高騰,入手困難などと答えておられます。ぎりぎりの状態で売上げが戻らなければ令和3年以降に廃業を検討すると答えた方が91パーセントという極めて深刻な状況が明らかとなりました。アンケート結果から伝統産業従事者支援事業を実施し1,620件の申請があり追加補正で支援が拡大されています。京都市が組合を通じて把握されている伝統産業従事者は1万5,000人ほどで,組合に入っておられない職人さんも少なからずおられます。支援から取り残されている実態があり広く行き渡る支援が必要です。昨年の伝統産業つくり手支援事業で,もう少し頑張ってみようと廃業を思いとどまられた方がいました。ところが,その後原油高が襲い,原材料不足や高騰は一層深刻となっており,今また廃業に追い込まれかねない事態となっています。伝統産業は京都市にとってなくてはならない産業です。廃業に追い込まれないための緊急の対策を求めます。後継者問題も深刻です。伝統産業技術後継者育成制度の2箇年の支給額は,上限40万円で道具や資料購入,研修費程度にしかならず,令和2年度の実績は21人,決算額は僅か367万円と現在の伝統産業の実態から見れば規模が小さすぎます。後継者育成制度の大幅拡大を求めます。 次に,国民健康保険について伺います。今から45年ほど前,私が民主商工会事務局員として働き始めたころ,鮮魚店を営む30代の男性が配偶者と二人の幼い子供を残してがんで亡くなりました。体調が優れない様子に病院での受診を勧めていましたが,店を閉めれば家族が暮らしていけないと受診されず,受診したときには既に手遅れでした。国保に傷病手当があればこんな悲劇は起こらなかったはずです。コロナ感染症関連で国保加入者の被用者に傷病手当が支給されることとなりましたが,自営業者には支給されません。同じ国保でも傷病手当は被用者のみなので加入者間の公平を図るためと,埼玉県深谷市では一律20万円の一時金制度を設けています。一律支給する制度や前年所得,若しくは営業収入に一定の率を掛けて算出する額を支給する制度を設けた自治体は,合計18自治体あります。国に傷病手当制度の創設を求めるとともに,京都市でもせめてコロナ関連の傷病手当を自営業者に支給する制度の実施を求めます。国保は加入者の大半が年金生活者や非正規労働者で低所得であるにもかかわらず,4人世帯の場合,同じ年収の協会けんぽの2倍の保険料となっています。全国知事会,全国市長会,全国町村長会など加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高くなる構造問題を解決するため公費投入を国に求め続けています。均等割,平等割という他の医療保険にはない人頭税制度が高額の要因です。公費1兆円を投入し,均等割,平等割をなくせば国保料を協会けんぽ並みにできます。均等割,平等割をなくせるよう国に対し公費負担を増やし,高すぎる国保料を引き下げるように求めるべきです。厚生労働省はコロナ感染が拡大する中,発熱など症状がある方について資格証明書を保険証とみなし取り扱うことを通知しています。これを受け,名古屋市は国民健康保険資格証明書については原則発行しないとしました。お金の心配なく受診できることが重要です。資格証明書の発行はやめるべきです。 最後に,仁和寺門前ホテル計画について伺います。事業者による意見照会の対象とされている周辺住民約200軒超ありますが,地元の皆さんは,昨年2度独自に訪問し,個別に意見を聴取されました。昨年11月の訪問で88件と対話ができ,そのうち約70パーセントが建設計画に反対であることが明らかになりました。ホテル建設の大前提である地元合意がありません。歌手の加藤登紀子さん,映画監督の土橋亨さん,広原盛明元京都府立大学学長をはじめ8名の方がアピールを出されました。仁和寺周辺は世界文化遺産の緩衝地帯であり,古都保存法の歴史的風土保存地区にも指定されています。こうした地域での特例による緩和など論外ではないでしょうかと指摘し,美しい景観は誰もが等しく得られるもので,住民の暮らしと共にある風景こそ京都の魅力ではないでしょうかと世界文化遺産仁和寺門前ホテル計画の見直しを求めています。また,京都弁護士会会長名で市長宛てに意見書も出されています。第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないとの要件を満たすとは言えないとして,特例許可は行うべきではないとされています。さらに,大阪,京都の弁護士51名が共立メンテナンスによる有価証券報告書の虚偽記載に関する調査要請を提出しています。要請書では共立メンテナンスが上質宿泊施設の事業者選定後,不当労働行為により命令を受け,京都市より入札停止措置を受けたことが明らかとなったことから,京都市が今回のホテル計画に選定したことに疑問の声が上がっています。この問題にとどまらず,共立メンテナンスが有価証券報告書に虚偽記載を行っているという問題を引き起こしていることが新たに判明したと厳しく指摘されています。京都市の対応は,弁護士有志からの要請は承知しているが要請の内容など詳細は承知していない。有価証券報告書は関係法令に基づいており監査法人の監査を経て国に提出したものと,全く不誠実な対応でありました。さらに,大阪府労働委員会は,共立メンテナンスを10月14日にも守口市の学童保育所の指導員を一年契約の雇用契約を結び,指導員10人を雇い止めにしたことは不当労働行為に当たると認め,職場復帰させるなど救済措置を採るよう命令し11月14日には確定しました。京都市自身が2度にわたり選定事業者を指名停止にしているではありませんか。大前提の住民合意もなく,世界文化遺産の緩衝地帯である仁和寺門前ホテル計画は中止すべきであり,上質宿泊施設誘致制度は廃止すべきです。少なくとも,上質なおもてなしを提供できるどころか不当労働行為を繰り返す業者の選定は撤回することを求め質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 山田こうじ議員の御質問にお答えいたします。 伝統産業の支援についてでございます。京都の伝統産業は,我が国の伝統と暮らしを支えるとともに,イノベーションの積重ねにより新たな価値を生み出してきた世界に誇る固有の文化でもあります。本市では,コロナ禍に苦しめられる伝統産業事業者を支援するため,昨年度には新商品開発を支援する伝統産業つくり手支援事業に総額3億円を計上し,さらに,切れ目なく支援を行うために今年度は条件や対象を拡大し,伝統産業従事者支援事業を実施しております。これにより中間工程の従事者を含む多くの方々に御活用いただき,想定を4割近く上回る1,620件の申請をいただいたことから,総額3億円を超える予算を確保するため今市会に補正予算をお願いしているところであります。 また,後継者の確保には,若手職人への支援はもとより売上げの拡大が重要でございます。本市では,若手職人を対象に技術研さんの資金を支給しており,これまでに受給された1,321人の方々は京の伝統産業わかば会として活躍され,伝統産業界の中核を担われてきておられます。さらに,現在のライフスタイルに合わせた商品開発を目的とした京ものユースコンペティションを開催し,販売促進の視点からの支援も行っております。今後ともこうした支援に加えまして,観光やコンテンツなど他分野等との融合,さらに,ジェトロと連携した海外販路の開拓支援など新たな事業拡大に取り組むことで後継者の確保や育成を図り,伝統産業の活性化につないでまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 私からは2点について御答弁申し上げます。 まず,地球温暖化対策についてでございます。脱原発依存,脱炭素社会の実現は京都市民の願いであり,今を生きる我々の責務であると認識をしております。本市では,原子力発電に依存しない持続可能なエネルギー社会の実現に向けて平成24年3月の市会決議を重く受け止め,国に対しできる限り早期の全廃に向けたエネルギー政策の抜本的な転換を一貫して求めております。本年3月には日本で初めて脱石炭連盟に加盟し,様々な機会を通じて脱石炭の必要性を積極的に働き掛けております。 また,事業者対策といたしましては,大規模事業者を対象とする事業者排出量削減計画書制度の強化に加えまして,今年度新たに中小事業者のうち一定規模の事業用建築物約1,800件の所有者に対してエネルギー消費量等を報告いただき,省エネ対策等に役立つ情報をフィードバックする制度を創設いたしました。 新築建築物の脱炭素化に向けましては再エネ設備設置義務を拡大強化したほか,省エネ,再エネの支援制度について見直し,再構築を検討しております。あわせまして本市の率先事項といたしまして,京都市公共建築物脱炭素仕様を策定し,より一層の環境配慮に努めエネルギー消費が少ない公共建築物の実現を目指すこととしております。COP26では自治体の果たす役割が重要とされました。本市といたしましても,京都議定書IPCC京都ガイドライン誕生の地としてあらゆる政策を総動員し,市民,事業者の皆様との共同により2030年度46パーセント削減を目指してまいります。 次に,商店街への支援についてでございます。商店街は,まちのにぎわい創出,安心安全な買物環境の提供,さらに,地域コミュニティの核として重要な役割を担っていただいておりますが,会員数の減少等課題があるものと認識をしております。このためこれまでからアーケードや街路灯の整備,改修,集客イベントや空き店舗を活用した事業などに費用補助をしております。くわえて,コロナ禍により厳しい環境にあることから,昨年度には感染症予防や収益向上を目的とした商店街緊急支援事業を実施し,今年の9月補正予算では,プレミアム付き商品券の発行など消費喚起に資する取組を支援する補助制度を創設いたしました。想定を超える多くの申請をいただいたため,本市会において予算の増額をお願いしており,御議決をいただけましたら2年間で合計2億4,500万円となる緊急支援を実施いたします。 また,個人商店に対しましても,中小企業等再起支援補助金により下支え支援を行っております。商店街の支援に当たりましては,昨年度,全商店街を対象とした現状や課題,コロナ禍による影響等のヒアリング調査を実施したところであり,今後も,引き続き商店街や商店等のニーズをしっかりと把握しながら必要に応じた支援を行ってまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(田中明秀) 北村産業・文化融合戦略監。 〔北村産業・文化融合戦略監登壇〕 ◎産業・文化融合戦略監(北村信幸) コロナ禍における中小企業支援についてでございます。厳しい経営環境による中小企業等を下支えするため,今市会に提案している補正予算も含めこれまでに総額1,600億円を超える補正予算を計上し,再起支援補助金や応援金など徹底した伴走支援に取り組むとともに,国等に対して必要な支援策の拡充等を要望してまいりました。これを受けて今般国が取りまとめた総額55.7兆円の経済対策において,売上げが減少した事業者に最大250万円を給付する事業復活支援金をはじめ支援策の更なる拡充が図られたところです。月次支援金等既に実施されているものも含め,必要な方に支援が迅速かつ確実に届くことが重要と考えており,引き続き国等に要望してまいります。 また,中小企業等の実態については,年4回実施している中小企業等経営動向実態調査や京都商工会議所における年間約3万件の経営相談,地域企業未来力会議等連携を通じてきめ細かく把握し,本市の施策や国等への要望にいかしてまいります。今後とも中小企業等の皆様に寄り添った支援を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 土橋観光政策監。 〔土橋観光政策監登壇〕 ◎観光政策監(土橋聡憲) 仁和寺門前ホテル計画についてでございます。上質宿泊施設誘致制度は,宿泊施設の立地が制限されている区域において施設の開業を望む事業者等からの相談を受け,地域との調和を前提に地域課題の解決や京都経済の活性化につながる地域と事業者双方にとって,より良い施設となるよう支援するものです。本計画の事業者は,地域の皆様からの様々な御意見を計画に反映させるなど丁寧な協議や意見調整に取り組み,その結果,周辺住民の皆様との合意形成が図られているところです。 また,御質問の事業者に係る事案については,事業者から解決に向けた取組の報告を受けるとともに,改めて本計画が安定した雇用の創出に貢献すること等も確認できているため,上質宿泊施設候補としての選定に問題はございません。 なお,計画地は,景観の保全について風致地区等による厳しい基準が設けられており,今後,美観風致審議会での審議など専門的な視点からしっかり検証してまいります。引き続き,地域の皆様の安心安全や地域文化の継承につながる宿泊施設が実現するよう本制度の運用に取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 功刀財政担当局長。 〔功刀財政担当局長登壇〕 ◎財政担当局長(功刀岳秀) 消費税についてでございます。消費税率の引上げは,社会保障制度を将来にわたり持続可能なものとするため,あらゆる世代が広く負担を分かち合い,国,地方を通じた社会保障に要する財源を安定的に確保していくために行われたものです。また,税率引上げ分の税収につきましては,社会保障給付並びに少子化対策に要する経費に充てることとされており,本市においてもこの貴重な財源を介護,年金,医療及び子育てなどの社会保障の予算の増額に充て,市民の命と暮らしを守る取組を推進しておりますので消費税の引下げを国に求めることは考えておりません。 次に,インボイス制度につきましては,軽減税率の実施に当たり適正な課税を確保するために導入されるものと認識しております。その導入に当たりましては,事業者に配慮をし,4年間の準備期間に加え導入後も6年間にわたって経過措置が講じられます。本市といたしましても,国への協力のほか商工会議所をはじめとする経済団体との連携を密にし,こうした制度の周知徹底を図るなど円滑な制度導入に向け取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 三宅保健福祉局長。 〔三宅保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(三宅英知) 国民健康保険についてでございます。本市において傷病手当金は,給与等の支払いを受けている被保険者が新型コロナウイルスに感染したことなどにより就労できない場合に給付をしています。自営業者の方に対しては,国における支援や本市独自の支援である中小企業等再起支援補助金や上乗せの応援金などを活用いただけるため,傷病手当金の対象者は国の基準どおりとしております。 次に,法令に基づく資格証明書の交付は,負担の公平性を確保する観点からもやむを得ないものと考えておりますが,医療を受ける必要性が生じ,医療費の支払いが困難である旨の申出があった場合には十分に事情をお聞きし,緊急的に短期被保険者証を交付しております。 また,低所得者の保険料につきましては,国において均等割と平等割の軽減措置が講じられ,本市では約8割の方が軽減対象となっております。しかしながら,国保は加入者の年齢構成が高く医療費が高いことや低所得者が多いといった構造的な問題を抱えており,非常に厳しい財政運営を余儀なくされているため,これまでから国に対して医療保険制度の一本化と,それが実現するまでの間の財政措置の拡充を求めてきており,引き続き他の政令指定都市とも連携を図り強く要望してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,曽我修議員に発言を許します。曽我議員。 〔曽我修議員登壇(拍手)〕 ◆(曽我修議員) 私は伏見区選出の曽我修です。公明党京都市会議員団を代表し,同僚のかわしま優子議員と共に質問をさせていただきます。市長をはじめ理事者の皆様には,誠意ある御答弁を何とぞよろしくお願いいたします。 質問に入らせていただく前に一言御礼を申し上げさせていただきます。過日に行われました第49回衆議院選挙におきまして,公明党は,初挑戦の広島3区をはじめ公認候補を擁立した9小選挙区で全員当選を果たし,比例区では23人が当選,合計で公示前から3議席増の32議席を獲得することができました。公明党に対し深い御理解と御支援をお寄せくださった国民,有権者の皆様,とりわけコロナ禍という未曽有の状況の中,公明党を大きく押し上げてくださった全国の皆様に心より御礼を申し上げます。 さて,我が国は今,少子高齢化や人口減少,防災・減災などコロナ禍前から続く諸課題への対応に加え,脱炭素化,デジタル化への対応も待ったなしの状況であります。選挙中に掲げた未来応援給付金や生活困窮者への支援,需要喚起策の新たなマイナポイントや新GoToキャンペーンなど民意をしっかり受け止め,スピード感ある政策実現に総力を挙げて取り組んでまいります。 それでは,まず初めにSDGs登録・認証等制度についてお伺いいたします。私たち公明党京都市会議員団は,3年前の平成30年2月にSDGsの推進に向けた提言を行い,内閣府がこの年から始めたSDGs未来都市への応募を勧めてまいりました。その後,本年2月市会の大道義知議員の代表質疑に対して,門川市長からSDGs未来都市に応募することを表明していただき,本年5月に自治体SDGsモデル事業を含めSDGs未来都市に選定され,10月にはSDGs未来都市計画が策定されたところであります。 〔田中議長退席,吉田副議長着席〕 ◆(曽我修議員) (続)これまでの間,精力的に進められたことに対しては高く評価いたします。既に,はばたけ未来へ!京プラン2025や分野別計画などにもSDGsの理念の取込みを行い,全庁挙げた取組の推進をされているところでありますが,今後はSDGs未来都市計画に基づく取組も本格的に実施していくことになり,これからが本番であると言えます。これを確実に,かつ,効果的に推進していくには,行政が旗振りをして市民の皆様がそこに付いて行くということではなく,自らが自分ごととして行動を起こしていただくための御理解も欠かせません。この点,事業者向けの取組の一つとして,全国の自治体でSDGs登録・認証等制度が始まってきております。この制度については昨年の10月に内閣府からガイドラインが公表されております。これには事業者によるSDGsの取組について見える化を行い,金融機関や様々なステークホルダーと連携して事業者を支援し,地域課題の解決に向けた取組を促進しようとする制度であることが伺えます。そして,SDGsに取り組む意思を宣言するSDGsの取組を自己評価し,登録する,第三者がSDGsの取組を評価し,認証するという三つの制度がモデルとして提示されております。私は,このガイドラインを踏まえながら京都市ならではの独自色を出し,事業者がSDGsへの理解を深め,何よりも持続可能な経営につながるような制度にしていただきたいと考えております。また,この制度を検討するに当たっては,既存の京都市の制度,具体的には地域企業の持続的発展の推進に関する条例の制定に伴い始まった輝く地域企業表彰や,売り手,買い手,世間,未来の四方良し社会に取り組む企業を認定するこれからの1000年を紡ぐ企業認定といった取組との整合性を図る必要があると考えます。これらとうまく連携し,あるいは融合することにより,事業者がSDGsの視点で自らの企業価値を再認識し,また見いだすことにつながる効果的な制度となれば,京都市ならではの制度となるのではないかと考えております。SDGs登録・認証等制度は,持続可能な社会のために取り組もうと考えている事業者の後押しとなるものであり,SDGs推進に当たって極めて重要な施策であります。そこで,この制度について京都市ならではの制度となるよう,どのような考え方に基づき具体的に取り組んでいこうとされるのか市長の考えをお聞かせください。 また,この制度とは別に,公共工事の入札における格付については,既にISO9000シリーズやKES,環境マネジメントシステム・スタンダードの認証等の加点が設定されておりますが,事業者にSDGsをより一層強く意識して取り組んでいただくために,これらがSDGsの取組に資するものであることを明確にしていただくことを求めておきます。 次に,行政のデジタル化の進展に伴う個人情報保護制度についてお伺いいたします。少子高齢化やそれに伴う人口減少は,日本の社会に大きな影響を与える深刻な課題であり,地域コミュニティの維持を困難にさせて人と人とのつながりを希薄化させる懸念があります。私はこの課題を解決するにはデジタル化が大きな役割を果たすものと考えております。現在スマートフォンの保有率は,国民の世帯の8割を超えています。新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに,社会全体としてデジタル化を進めていかなければなりません。全ての人にデジタルの恩恵を受けられる機会を与える誰一人取り残さない,人に優しいデジタル社会の形成が最も重要な取組となっているのです。京都市にとっても市民に一番身近な行政としてデジタル化は喫緊の課題であり,積極的かつ適正に対応していただかなければならないものであります。そのような状況で,本年9月のデジタル庁の創設と共に,多数の法令についてデジタル関連の改正が実施され,国を挙げてデジタル化の取組が急ピッチで進み始めております。その中の新たな個人情報保護法は個人情報の有用性に配慮しつつ,個人の権利利益を保護することを目的として整備されました。そこで,個人情報の保護だけではなく,データの利活用との両立を図るものとされております。データの利活用に関して,新たな個人情報保護法では名前や住所などが含まれる個人情報を誰の情報なのか完全に分からないようにして民間事業者等に活用させる制度が設けられております。本市をはじめ多くの自治体で初めて導入されるもので,実際の運用までに十分な準備を尽くしていただきたいと思います。活用事例として一例を挙げますと市民の医療情報を活用し,新薬を開発したり臨床分野を発展させることなども想定されており,市民の健康維持にこれらの情報が役立つことが期待できます。行政が保有する多様な情報についてこの制度の活用を進めれば,各種の統計調査などを基にしたオープンデータの活用と共に,新たなサービスや新事業の創出を促し,市民生活の一層の向上に寄与することが可能であると考えます。また,ICT技術を効果的に活用してデータの利活用を進めれば,地方自治体の業務の進め方を効率化しながら市民サービスを向上させることも可能になると考えます。特に様々な業務の間で情報を連携させることによって,市民の方が申請や届出をする際に必要な書類をもっと省略することができるようになります。今後,行政手続のオンライン化が更に進めば,直接窓口に来られなくてもいつでも申請や届出の手続を簡単に行うことができるようになり,高齢の方や子育て中の方をはじめ市民の皆さんにとって日々の暮らしがより便利で快適になり,豊かな生活につながるものと考えられます。しかし,このような行政のデジタル化を積極的に進めるに当たって,何といっても個人情報の保護を徹底し保有するデータを適正に管理することは,市民の信頼を得て行政運営を行うための大前提となるものであります。もとより職員の事務処理の誤りによる個人情報の漏えい,サイバー攻撃による情報の改ざんや流出などはあってはならないものであります。こういった不安がこれからデジタル化を進めるに当たっての妨げになってはいけません。そこで,今後のデジタル化の進展と合わせてサイバー攻撃等に対して更なる情報セキュリティ対策を強化し,個人情報の保護対策を更に徹底していただきたいと強く求めておきます。このように市民の信頼を確保し,便利で豊かな市民生活を実現するためには,個人情報の保護についてしっかりと対策を講じるとともに,個人情報の有用性をいかし,データの利活用を進めることが大切です。行政のデジタル化に伴う個人情報の保護とデータの利活用についてどのように進めていかれるのかお考えをお聞きかせください。 最後に,自転車政策についてお伺いいたします。本市は三山に囲まれた平坦な盆地の中に日常生活に必要な施設がコンパクトにまとまった自転車が非常に利用しやすい都市であり,また,多くの市民や学生が気軽に自転車を利用されており,全国でも有数の自転車利用都市となっております。こうしたことから,本市ではこれまでから自転車に関する様々な政策を強力に進めてこられました。昭和60年に京都市自転車等放置防止条例を制定し多くの駐輪場を整備するとともに,地元の方々とも協力し放置自転車防止の啓発や撤去などにも取り組んでこられました。また,平成22年には我が会派が議員提案し制定された自転車走行の安全教育や啓発に取り組むことを目的とした京都市自転車安心安全条例は,全国の自治体から注目され多くの議員や関係者が京都市に視察に来られました。これらを契機に平成29年には全国をリードし自転車保険の義務化を実施,さらには都市部を中心とした矢羽根の整備により,自転車や歩行者などが安心安全に利用できる環境が大きく前進いたしました。しかし,近年新たな課題も出てまいりました。コロナ禍の中,新たに自転車の利用を始めた人も増加したと伺っております。また,自転車を利用したフードデリバリーサービスが急増するなど自転車走行のルール・マナー対策を更に充実させる必要があります。こうした中,今月15日,京都市と日本フードデリバリーサービス協会,京都府警の3者が交通事故防止に向けた連携協定を結ばれたことは,正に時宜にかなった取組として評価をさせていただきます。さて,本市は先月,自転車施策を一層推進するため京都市自転車総合計画2025を策定されました。新たな計画では,シェアサイクルの推進や自転車を使った健康増進や観光の推進,災害時における自転車の活用など,単なる移動手段としてではなく多様な場面での活用策を展開し,持続可能な社会の実現を目指すこととされております。これまでの自転車を安心安全に利用できる環境を土台として日常生活のあらゆる場面において活用していくことは大変重要な観点だと思います。今後,京都市において自転車の活用をどのように推進していくのか,また,その土台となる自転車のルール,マナーなどの安心安全対策をどのように取り組もうとされているのかお答ください。 以上,私の質問とさせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 曽我修議員の御質問にお答えいたします。 企業のSDGs登録・認証等制度についてでございます。誰一人取り残さないという理念の下,SDGsの推進には企業,大学,行政,地域などの多様な主体が社会課題解決に向けてお互いの知恵を持ち寄り,それぞれの日々の活動を通じて目標達成に向けて行動していくとともに,人や投資を呼び込み京都経済の活性化,市民の皆さんの暮らしの豊かさ,ひいては都市の持続的成長,発展につなげていくことが何よりも重要でございます。 また,SDGsの重要なテーマの一つであります人類共通の喫緊の課題である気候変動については,2050年CO2ゼロの実現に向けて京都議定書誕生の地として,また,パリ協定実行を支えるIPCC京都ガイドライン採択の地として責任と役割を果たしていく必要があると認識しております。そのことは,先日COP26の会場での幾つかのイベントに私自身が日本の自治体の代表としてオンラインで参加した際にも改めて実感したところでございます。SDGs推進のためには,企業が地域における課題解決の取組によって得られた収益を地域に再投資するなど,社会経済の好循環の形成に向けた仕組みとして登録・認証等の制度の構築が求められています。 曽我議員御指摘のとおり,本制度の構築には本市が既に制度化しております輝く地域企業表彰制度や,これからの1000年を紡ぐ企業認定といった取組,さらにはソーシャルイノベーション研究所とも連携し,あるいは融合させる必要がございます。また,京都市内には,これら本市の取組に加えまして既に企業の社会的活動に対する価値を認証する制度や企業のSDGs推進を支援する金融機関の取組も活発化しており,京都市も協定も結んでおります。こうした民間の取組等と積極的に連携し,公と民が一体となって企業を効果的に支援できる制度が構築できるものと考えております。今後,経済界をはじめ地元金融機関の皆様と本制度の構築について精力的に検討を行い,企業の規模の大小を問わず制度に御参加をいただくことで,2050年カーボンゼロも見据えたSDGsの達成へと更に一歩踏み出していけるような仕組みになるように令和4年度の制度運用開始に向けて鋭意取り組んでまいります。 次に,デジタル化の進展に伴う個人情報保護とデータの利活用についてでございます。人口減少をはじめとした様々な社会課題に直面する中,全ての市民の皆様が安心・快適で豊かに暮らし,都市の持続的な成長を実現していくためには行政のデジタル化の加速化が喫緊の課題でございます。とりわけ本市が保有する多様なデータは,様々な行政サービスの基礎であることはもとより,新たな価値創出の源泉でもあり,日進月歩のICT技術も駆使しながら,適切かつ効果的に情報を結び付けて取り扱うなど戦略的に利活用することが重要でございます。例えばオンライン化やデータ連携による行政手続の利便性向上,ウィズコロナ社会における地域課題の解決,市内でのスタートアップの促進など,大学や事業者との連携を一層深め若手職員の新鮮なアイデアも採り入れながら積極的に推進してまいります。同時に曽我議員御指摘のとおり,多様なデータを適切に取り扱い,個人情報の保護に万全を期すことは市民の皆様と共々にこれからデジタル社会を形成していくうえでの大前提でございます。そこで,これまで個人情報保護のための取組をより一層徹底することに加えまして,例えば新たなクラウド技術を前提とした情報セキュリティ対策や各種業務のデジタル化に合わせた編集の拡充なども更に進めてまいります。 あわせまして,情報技術や法律の専門家等で構成する本市の個人情報保護審議会に設置された部会では,今般の個人情報保護法の改正を踏まえまして,本市における厳正なデータの取扱いを制度面から確保するため市民の皆様に公開の下で活発な議論を始めているところでございます。今後ともこのような取組を全庁一丸となり,また,民間とも連携しながら徹底して進めることで,個人情報の保護とデータの利活用を両立させ安心安全で市民,事業者の皆さんの豊かさ,快適さにつながる,そうしたことが実感していただける誰一人取り残さない,人に優しいデジタル社会の形成を目指して全力を注いでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 自転車政策についてでございます。本市では,これまでから市民や事業者,関係機関の皆様の御理解,御協力の下,総合的な自転車政策を強力に推進してまいりました。その結果,自転車事故はピーク時から76パーセントの減少,自転車保険の加入率は義務化により35パーセント台から86パーセントと51ポイントの増加,また,この10年間で駐輪場を倍増させ,放置自転車の台数はピーク時の200分の1以下に減少,矢羽根マーク等による走行環境の整備も180キロとなるなど本市の自転車利用の環境は大きく向上しております。こうした中,先月策定をいたしました京都市自転車総合計画2025では,これまでの取組の充実を図るとともに環境や健康意識の高まり,多発する災害,コロナ禍による生活スタイルの変化,SDGsやレジリエンスの推進など時代の変化に対応するため様々な場面で新たな取組も含む自転車の活用策を展開してまいります。具体的には,貸出し,返却の拠点に公有地等を活用したシェアサイクルの推進,健康づくりにつながる自転車教室の開催,密になりにくい自転車観光の魅力発信,災害時の移動連絡手段としての自転車の活用などを実施してまいります。 また,自転車のルール・マナー対策につきましては,サイクルセンターを活用し,子供から高齢者までのライフサイクルに応じた自転車教室等の充実・強化を図るとともに,曽我議員御指摘のフードデリバリーサービスに対しましても全国で初めて業界団体,京都府警との3者で交通安全協定を締結したところであり,配達員への安全講習等について連携して実施してまいります。今後も,自転車利用者や歩行者等が安心安全に行き交うことができ,自転車を通じて豊かな生活を送ることができる自転車共生都市・京都の実現を目指し市民や事業者,関係機関の皆様と共に自転車政策を力強く推進してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 次に,市政一般について,かわしま優子議員に発言を許します。かわしま議員。 〔かわしま優子議員登壇(拍手)〕 ◆(かわしま優子議員) 伏見区選出のかわしま優子でございます。曽我修議員に続いて公明党京都市会議員団を代表し,市政一般について質問をさせていただきます。門川市長並びに理事者におかれましては,誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 初めに,コロナ禍における健康増進の取組についてお伺いいたします。コロナ禍では,長い距離が歩けなくなった,立ち上がることが困難になった,言葉が出にくくなったなど身体能力の低下を訴えられる相談をお聞きするようになりました。また,不安やストレスを感じているといった心の不調を抱えておられるお話もお聞きします。スポーツ庁が行っている子供からお年寄りまでの体力や運動能力を調べる調査では,昨年度は20歳から64歳までのほとんどの年代で前年度を下回りました。子供たちにおいてもスポーツや外遊びの機会が減ったことから身体機能の低下や体脂肪率の増加,転倒リスクが倍増したことなどが他の調査結果として明らかになっています。コロナ禍において外出の自粛や身体活動の機会が減少したことや日常生活の変化,人との交流が減ったことなどから体力の低下や基礎疾患の悪化,認知機能の低下,心の不調などの体調の変化が起こっており,その影響は高齢者だけに限らず幅広い年代にコロナの二次的被害として及んでいることが危惧されています。健康状態を向上させるには,一つには正しい食事,二つ目に適度な運動,三つ目に人との関わり,これらに継続的に取り組むことが有効だと言われています。今後は,新しいライフスタイルを採り入れながら,食事や運動,人との関わりといったことを心掛け,コロナ禍によって低下した健康を向上させる重要性を市民の皆さんに知っていただき,取り組んでいただく必要があるのではないでしょうか。本市では,これまでから健康長寿・笑顔のまち・京都推進プランに基づき,関係機関や団体と連携し,地域全体で市民が主役の健康づくりを推進してこられました。健康ポイントの取組をはじめ健康づくりに関するボランティアの皆さんによって支えられている地域の健康増進の普及啓発。地域介護予防推進事業などの健康増進のための取組がたくさんあります。このような事業が,コロナ禍によって低下した健康を取り戻し,健康増進に取り組んでいただくきっかけとなるよう,更に多くの方に御参加いただけるよう周知や工夫をしていただき,あらゆる機会を捉えて健康増進や心のケアに努めていく機運を高めていただきたいと考えます。コロナ禍における健康リスクへの対応として健康の増進に今後どのように取り組んでいかれるかお聞かせください。 次に,つながり支え合う支援体制,いわゆる重層的支援体制の構築についてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症拡大により子供や若者,女性の自殺が増え,DV,虐待,鬱,ひきこもり,生活困窮などの問題は深刻化しています。また,既存の制度の狭間で新しい生活困難者が増えている現状もあります。私が長年関わってきたDVの問題についてもコロナ過で全国的に相談件数が増加しており,深刻化が懸念されています。DVに関わる課題については,暴力だけの問題でなく鬱病の発症,離婚に伴う生活困窮,住居確保,就労支援,子供の養育と抱える課題は複数にわたります。本市においては,DV相談支援センターにおいて幅広く相談支援に取り組んでいただいています。しかしながら,困りごとが複雑化していて,解決に当たっては庁内での縦割りが課題となっています。また,行政だけの力では限りがあるため,福祉団体やNPO法人等との連携も強化していく必要があります。8050問題やダブルケア,ごみ屋敷,虐待といった困りごとについても同じことが言えます。相談者が折角相談をしたものの,一つ目の窓口では解決には至らなかったために諦めてしまうということも少なくありません。このような制度,分野ごとでは対応するのが難しい困りごとについて,枠組みに当てはまらない人が置去りにならないように丸ごと受け止め,つながり,支え合う支援体制の構築は喫緊の課題です。体制の構築に当たって求められることは,包括的な相談支援体制です。相談窓口は高齢者,障害者,子供といった属性に分かれていますが,どのような相談も支援に係る事業を一体として受け止める包括的な相談支援体制の構築は不可欠です。また,相談すること自体が難しい,SOSが出せない,出し方が分からないといった方の存在も見過ごしてはなりません。アウトリーチ等による積極的支援の強化をすることと併せて,誰もがSOSを出しやすい環境づくりとして複雑化した困りごとは,個人の問題ではなく,社会全体で取り組むべき問題であるとの認識を広く共有し,誰もがSOSを出しやすい環境づくりに取り組むことが求められます。支援者の育成・確保も重要です。複雑化した問題解決に当たっては,相談だけではなく一緒に考え,伴走する支援者の存在が大変大きいと考えます。支援者同士の連携や地域資源の情報が行き渡り相談者のニーズとの間を取り持つような仕組みの強化も更に必要です。 本年4月から,改正社会福祉法において重層的支援体制整備事業が創設されました。本事業は制度や属性ではなく,課題を抱える本人を中心として断らない相談支援と参加支援,地域づくり支援を一体的に実施し,行政のみならず,地域住民や支援機関等多機関がチームとなって継続的に支援し,多岐にわたる困りごとを解決する取組となっています。既に試行実施をスタートされている熊本市では,市民が最初に福祉相談に立ち寄る場として福祉総合相談窓口を設置し,必要に応じて担当部署への誘導・案内をする福祉相談のワンストップ化を行われています。支援を進めるためには,庁内,各支援団体や地域の関係機関,地域の皆さんと議論を行い,考え方や進め方などを共有しながら丁寧に取組を進めていく必要があることは承知しています。しかしながら,これまでから課題となっていた個人や家族が抱える複雑化・多様化する困りごとの解決については,このように相談を丸ごと受け止めワンチームで解決していく,そして,社会全体でつながり支え合う支援体制の構築が必要です。また,このコロナ禍で改めて人とのつながりの重要性が再認識されました。正にこの事業は人と人とのつながりを再構築する事業であり,つながり支え合うこの取組が今求められているのではないでしょうか。京都市としてもつながり支え合う重層的支援体制を構築するべきと考えますがいかがでしょうか。御見解をお聞かせください。 最後に,ウィズコロナ,アフターコロナにおける子供たちの教育の在り方についてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症は,学校教育においても大きな影響を及ぼし,様々な課題を浮き彫りにしました。オンライン授業の実施や学校行事が相次いで中止や変更を余儀なくされ,子供たちは修学旅行や部活動といった体験を共有する機会が減りました。また,マスクの着用や身体的距離の確保,給食は黙食とするなど,コミュニケーションが取りづらい日々を送ることとなりました。異例の学校生活は,どの世代にも増して大きな変化を強いられたと言えるのではないでしょうか。今の子供たちはコロナ世代とも呼ばれ,その影響を心配する声も聞かれます。しかしながら,私は,コロナ禍で起こった変革はマイナス面ばかりではなかったと考えます。これまで課題とされながらも解決に至らなかったことが顕在化したことで,今後どうあるべきかといった問い直しが社会全体でされ始めるきっかけにもなりました。今後も感染症と共に過ごしていくことや,早いスピードで世の中がどんどん変化していく不確実で不透明な時代に対して教育は柔軟に対応し,子供たちへの学習の保障と生き抜く力を養う環境を整えていかなければなりません。そういった意味から,コロナ禍は今までの当たり前を問い直すチャンスとも言えるのではないでしょうか。 京都市のPTAは既に連絡協議会において京都市型PTAの構築に乗り出しておられると伺っています。保護者同士が連携して,地域の子供たちを育てるという目的の下,活動を続けていただいてきましたが,社会環境の急激な変化に対応するために強制感や負担感のない組織を目指して,より多くの皆さんにPTAに参加いただける組織に進化させようというすばらしい取組を始められています。このような進化は学校現場においても進めるべきと考えます。これまで行われてきた運動会や宿泊学習,部活動や大文字駅伝などの様々な取組について,今後全てのことを元に戻すのではなく,この機会に次の新しい時代のために再構築する議論を進める必要があるのではないでしょうか。しかし,どこまでも教育は子供たちの幸福のためのものということを忘れてはなりません。子供たちが将来予測不能な社会を幸せに生きられるように,教育はどうあるべきか,学校や地域はどうあるべきかを考え,子供たちを社会全体で支えていくという社会風土を醸成していくことが何よりも重要です。その観点に立ったうえで運営される学校や地域,保護者にとっての負担が過度なものとなっていないか。時代のニーズに合ったものとなっているかについても十分議論し,新しい時代における子供にとっての教育環境について再構築することが望まれるところです。現在,国において令和の日本型学校教育の構築を目指して議論がされているところですが,こういった提言や国の動向を見据え,本市においても,新しい時代における学校教育,行事や活動の在り方等,子供の教育環境について再構築すべきではないでしょうか。また,地域社会全体で子供の教育を支えていくという風土を醸成するためには,憲章や条例の役割は極めて重要だと考えます。本市においては子どもを共に育む京都市民憲章をより実効性あるものとして,平成23年度に制定された子どもを共に育む京都市民憲章の実践の推進に関する条例が存在しますが,制定後約10年が経過し,コロナ感染症という未曽有の困難にある今こそ,こうした主旨を踏まえて条例の見直しも視野に入れて,市民協働,庁内横断的に取り組まれるべきと考えますが市長の御所見を伺います。 私たち公明党京都市議団は,これからも子供の幸せや子育ての安心が確保される社会こそ,全ての人々にとって優しい社会であるとの考え方に立ち,子育てを社会の中心軸に位置付け,社会全体で支援する施策の充実に一層取り組むことをお誓いして私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) かわしま優子議員の御質問にお答えいたします。 コロナ禍における健康増進の取組でございます。かわしま議員御指摘のとおりコロナ禍において外出や運動の機会が減少し,市民の皆様の運動機能等の低下や心の健康への影響が懸念されております。このため本市では,各区・支所の保健福祉センター等による公園での体操やオンラインを活用した取組のほか,体育振興会連合会をはじめとする地域団体やプロスポーツチームなどの民間団体の御協力を得まして,在宅での簡単な体操などの情報を本市ホームページや市民しんぶん等で発信し,コロナ禍でも取り組める健康づくりを推進してきたところでございます。今後は,コロナ禍の影響を特に受けやすい高齢者を対象に既に効果が実証されている本市独自のフレイル対策のモデル事業が早期に市内全行政区で実施できるように取組を進めてまいります。 また,市内118の団体で構成する健康長寿のまち・京都市民会議等でコロナ禍における健康増進の在り方について御議論いただき,どのようなときでもあらゆる人が取り組める健康づくりをより一層推進してまいります。今後とも京都ならではの地域力,文化力の強みをいかした健康づくりを市民ぐるみで推進し,誰もが幾つになっても健やかに過ごせる健康長寿のまち・京都の実現を目指してまいります。 次に,子どもを共に育む市民憲章の実践の推進に関する条例についてでございます。この条例は,子供を地域や社会の宝として大切に育む文化が着実に地域に根付くよう取り組むとともに,子供を健やかに心豊かに育むため,市民共通の行動規範として市民の英知を結集して策定した子どもを共に育む市民憲章の理念をより一層推進するために制定したものでございます。かわしま議員御指摘のとおり,子供たちを取り巻く環境の変化への的確な対応が大変重要であること,このことから本市では,本条例に基づきその時々の課題に対応した行動指針を毎年策定しており,令和2年度からは新型コロナウイルスから子供たちを守ることを指針の第一と位置付けているところでございます。さらに,子供たちの今と未来のために社会のあらゆる場で人と人とのきずなを結ぶという憲章の理念の下に,地域においては,子供たちの健やかな育ちに関わる多くの団体等で構成する京都はぐくみネットワークの皆様と共に,子供たちや子育て家庭を対象とする様々な取組を実施いたしております。今後も引き続き社会情勢の変化に対応できるよう指針をはじめ必要な見直しを行うとともに,子供たちの今と未来のために地域の皆様と共に手を携えて,本市のあらゆる政策の中に憲章の理念をしっかりと踏まえた取組を展開してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 重層的支援体制の構築についてでございます。かわしま議員御指摘のとおり,社会構造の変化,人間関係の希薄化などにより,地域の課題は複雑化,多様化が進んでおり,特に複数の問題を抱えながら自ら声を上げられず適切な支援につながらないまま課題が深刻化することが危惧されます。本市では地域包括支援センターなど法令に基づく分野別の相談支援体制の充実はもとより,分野横断的な支援に取り組むため,各区役所・支所に平成29年度には統括保健師を配置し,さらに,令和2年8月には寄り添い支援係長を配置したところです。 また,制度の狭間や複合的な課題を抱える方々などに対しては,制度に人を当てはめるのではなく一人一人に丁寧に寄り添い,その方に最適な制度を活用する伴走型支援を行うという理念の下,地域あんしん支援員やよりそい支援員を先駆的に設置し,行政や関係機関,地域住民が一体となって支援していく体制を確保することで,8050問題,ごみ屋敷対策などの複合的な課題に対し着実に成果を挙げてまいりました。本市においては包括的に相談に応じ,関係機関が連携して課題解決に取り組む重層的支援体制整備事業が求める役割や機能を一定備えていると認識しておりますが,今後ともこれまでの蓄積をいかし,より切れ目のない相談支援体制の充実に向け引き続き検討を進めてまいります。以上でございます。 ○副議長(吉田孝雄) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) ウィズコロナ,アフターコロナにおける教育,とりわけ学校行事等の在り方についてでございます。本市では,学校行事は学校生活に潤いや変化等を与え,協働的な学びを培う大変重要な教育活動であるとの認識の下,コロナ禍においても修学旅行を全校で実施するなど,感染防止対策を徹底したうえで取組を進めているところでございます。 一方で,やむを得ず休止,縮小を行った行事等もありましたが,その中でもより集中的に取り組むことで児童生徒に主体性や連帯感が一層強まる例も見られ,こうしたコロナ禍での新たな気づき,発見を更なる精選や見直しにいかしていくことが大切であると考えております。こうした中,かわしま優子議員御指摘の令和の日本型学校教育の提言において重視される個別最適な学びや協働的な学びを進めるには,児童生徒の主体的な学習を更に促すことが必要であり,本市においても児童生徒自身が行事を企画運営するなど一人一人の良さをいかし,主体的に取り組む態度を育むプロセスを重視するよう,先日学校に通知したところでございます。今後とも,コロナ禍での経験をいかしつつ,将来予測不能な社会を幸せに生きるため子供の学びと育ちの視点から,過去や固定観念に捕らわれない不断の見直しを進めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 暫時休憩いたします。 〔午後3時2分休憩〕 〔午後3時18分再開〕 ○議長(田中明秀) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 休憩前の一般質問を継続いたします。市政一般について,安井つとむ議員に発言を許します。安井議員。 〔安井つとむ議員登壇(拍手)〕 ◆(安井つとむ議員) 伏見区選出の安井つとむです。私は民主・市民フォーラム京都市会議員団を代表し,市政一般について質問いたします。市長はじめ理事者におかれましては,質問内容につきましては,市民目線でとらまえたものであり真摯な答弁をお願いいたします。 まず,本市の新型コロナ感染症対策に関して質問いたします。一昨年の秋以降,世界的に拡大傾向にあった感染は,その後国内にまん延し,本市でもその波は衰えることなく拡大傾向が続き,日々の市民生活,また,経済活動にも大きな影響を与えました。政府は感染拡大防止策として昨年4月7日最初の緊急事態宣言を発出。5月25日に一旦宣言は解除されたものの,東西首都圏を中心に爆発的な感染再拡大により,その後も緊急事態宣言,まん延防止等重点措置の繰返しが続き,9月発出対象の都市間での時間差はありますが,全て解除され,11月22日には本市を含め京都府内での感染者が1年5箇月ぶりにゼロを記録するなど,国内の各都市でも感染者が小康状態にあります。しかし,国外では先週デルタ株に続き新たなオミクロン株が確認をされ,早速各国政府による水際対策が採られ,強い危機感が生じているなど第6波への懸念が示され,自粛要請で日々制約された市民生活の中,経済活動が回復しているとは言いがたい現状が続いています。本市では昨年1月30日に最初の感染者が確認,その後8箇月間で約1,200人,そして更にその半年で約5,500名が増加し,今年3月末では累計は6,700名,その後も感染は止まらず,その後5箇月間で1万4,000名増え,累計では2万人になりました。また,その後3箇月が経過し,11月時点で約4,000名増え,累計で2万4,000人を数えることになりました。これは京都府内感染者延べ3万6,000人の約7割を占めています。一昨年秋から感染拡大が始まって間もなく2年を迎えます。この感染症対策がそう簡単なものでなく,コロナ禍で地方自治体の機能が十分果たせたのかどうかが問われる事態であります。対策を進める本市においても,改めて検証するとともに,懸念される第6波が来たときの対応が課題とされておりますがいかがお考えですか。この感染拡大の約2年間を国民の立場から顧みますと,あらゆる政府の対策が後手に回った感が否めません。その影響を自治体が被ることになったとも言えます。感染拡大は本市を含め各地方自治体の虚弱な防疫体制を改めて露呈させたと言えます。また,感染拡大は緊急災害とも言われ,その対応が求められる危機管理体制が過重労働で閉塞したことは,90年代から続いた行政サービス体制の縮小が現場での対応力の虚弱化を浮き彫りにしたとも言えます。感染症法では,本来都道府県の保健所による陽性者の入院措置で,そのためには患者の的確な識別と入院先の確実な確保が必要とされています。本来は入院が必要か否かを識別するのは医師であります。しかし,保健所に多くの医師がいることはなく,保健師や行政職員がなし得ることは,電話による入院調整を図るほかありません。感染が拡大していく過程において,必要な入院措置や在宅での対応措置がスムーズに行われることも滞り,感染者のみならず同居家族の不安は行政への不信につながる事案となりました。この非常時に入院措置を可能とするならば,平時から人的,物的な医療支援を確保しておく必要があります。しかしながら,現在の医療保険財政から見ても公衆衛生への多額な公費投入もあり得なく,平常時の医療資源を今回のパンデミック状態への対応に振り向けられる状況にはありません。感染者の急増でやむなく他の医療サービスを停止し,一般医療受診を回避せざるを得ない状態が数多く生まれたのもその結果であります。当初,感染が拡大しつつあった頃は,疫学調査として感染者の行動調査から濃厚接触者を探し,その後の対処として自宅療養であれば健康観察,そして在宅治療をいかし感染拡大を限定的に止める方策が進められましたが,その後の感染拡大の速さに追い付けず,入院措置希望者と入院先の調整への対応に追われることになり,現場での混乱につながり市民からも多くの苦情が寄せられました。新たな課題として,感染拡大時での医療現場従事者にも自らの家庭保育や医療現場での対応に苦慮されたことも寄せられています。事例として,勤務する医療機関で患者の陽性者が確認され,その後,患者,濃厚接触職員はもちろんのこと,念のため他の職員にもPCR検査のスクリーニング検査を実施し,全員の陰性が確認されました。しかし,その間,濃厚接触者でない職員が利用している保育園で職員児童の登園が不可になり,御本人の生活様式と共に医療機関での勤務にも支障を来たし,勤務先での医療提供にも影響を与えました。本市からの指示に基づき保育園では,一つ目にはPCR検査前での報告。二つ目にはPCR検査を受けた時点で児童の登園は不可。三つ目には陰性結果と共に保健所から陰性認定者としての行政からの陰性証明書が必要とされました。しかし,PCR陰性証明書は原則医療機関では発行しません。また,行政検査の場合でも陰性証明書は出されておらず,PCR検査をスクリーニングで行う場合は本件に該当しないのではとの疑問が生じております。医療機関現場からは理解を求めますとともに,再拡大を控えているこの時期に,今一度保育関係部署での再検討を併せて求める声がありますがいかがですか。 陽性者が療養できる病床については,京都府からは当初720室確保と発表されておりましたが,昨年末には実際は330室しか稼働していないことが判明し,市民から驚きの声が上がったところであります。医師,看護師の確保ができていないのが原因とされ,医療関係団体との連携不足,医療ひっ迫が進んでいたのです。国においては最初の感染者が判明してからの半年が次の半年にいかされず,その後についてもいかされることなく,GoToトラベルの実施,東京オリンピック・パラリンピックの開催で感染拡大はピークを迎え,混乱に至りました。行政は本来,市民の安心安全を確保することは言うまでもなく大きな使命であります。やったふりの印象操作にたけて,住民の世論調査では高い評価を受けているかのようなポピュリスト的自治体もあるようでありますけれども,本市においては,これを機に危機管理体制の充実により,本当に安心安全な市民生活がより確保されたものにすることが求められています。具体的な方策をお示しください。 元来,保健所は保健所法の下で設置主体は都道府県,または政令指定都市とされ,一定人口の規模ごとに保健所管轄を定め,自治体の規模などに影響されず保健所長に医師が配置されてきたのは,都道府県や厚労省も同じであり,全国同水準の対策が全国展開可能な体制とされ,保健所での対人実務は保健師が担ってまいりました。保健所法が改正された地域保健法では,将来の保健課題を生活習慣病や高齢化社会に向けた健康づくり,介護予防とも位置付けられ,その業務は結核,母子保健,体力増強対策など,現在は精神衛生,成人病予防,特定疾患難病患者支援など業務は幅広いものになっています。今日では保健福祉問題は複雑かつ多様化し,保健と福祉を一体的に進めていくことが重要視されています。その後の地方自治法の改正など,地方制度改革により政令指定都市は各区での保健所設置体制から一つに統合され,その結果,保健所が管轄する人口は増加いたしました。本市では市役所の保健所を中心に各区役所・支所に保健福祉センターを設置し,公衆衛生に関わる必要な機能を維持・確保されているものの,公衆衛生対策を進める体制に懸念が生じています。 今回の新型コロナウイルス感染症拡大は,保健所を1箇所に統合した東京都や政令指定都市などの都市部に感染者が集中し対応が厳しくなりました。これは,保健所の対応のキャパシティを大きく超える感染者が生じたものによるものでありますが,今後,第5波を超える規模の感染者が発生することを考え,それに備えることが必要であります。平成29年に進められた保健所体制変更後の評価も併せ,第6波に備えた保健所体制の在り方についての考えをお示しください。 あわせて,未接種の方々と3回目のワクチン接種の着実な実施に向けた本市の取組についてお聞きいたします。新型コロナウイルス感染症再拡大予防については,市民の皆様には従来からお願いをしてきました3密の回避,うがい,手洗い,マスク着用の徹底を引き続きお願いするとともに,行政としては着実なワクチン接種の実施に向けた更なる体制強化が求められています。政府から感染再拡大防止のため3回目の接種実施計画が出されました。省みてもこの間,ワクチン接種が果たした役割は大きいものがあり,感染拡大のリスクを低下させました。更にスムーズな接種を進めるためにも,国,府,医療機関との連携を強化する中で,量的確保と接種業務での人的確保は医療機関との綿密な協力体制を得ることが必要であることは言うまでもありません。ワクチン接種の安全性,有効性,免疫への継続性など,これまで以上の市民への正確な情報提供も強く求められております。当初,本市では医療機関での接種実施との方針でありましたが,接種医療機関の広報発表の不徹底から,接種希望者の集中を招き,国のワクチン確保の不十分さもあり,混乱を来したことは否めません。このことから3回目接種に向けては,国や京都府等から発信された情報と本市が発信する情報にかい離が生じることがないこと,そして,本市としての事情や実施に向けての考え方を強く京都府に求め,本市事情に合った取組が実施されるよう強く求めますがいかがですか。 これで質問を一旦終わらせていただきます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 安井つとむ議員の御質問にお答えいたします。 新型コロナ対応の検証と今後の対策についてでございます。感染拡大防止対策に当たっては,昨年5月から全国に先駆けて少しでも感染の可能性のある方を幅広く捉える本市独自基準でのPCR検査の実施や,京都府医師会等との連携による医療,宿泊療養体制の確立と感染防止策に全力で取り組んでまいりました。感染爆発と言われた第5波では,324名の規模による全庁を挙げた体制を組んで保健所機能を強化し,一人一人の症状の観察を実施,必要な人に医療機関や宿泊療養施設につなぐとともに,医師会等との連携による京都市電話診療所の開設や訪問看護ステーションとの連携などの取組を進めてきた結果,在宅療養者で第5波では亡くなる方はおられませんでした。京都における人口10万人当たりの死亡者は全国の平均を下回り,大阪の3分の1,兵庫の2分の1以下となっております。第6波に備えましては,最新の検査技術を活用した下水による検査等も含めて感染拡大の予兆を的確に捉え,第5波の2倍の新規感染者が出ても迅速に対応できるよう事前に応援職員の名簿を用意し準備しておくこと等により,保健所体制を臨機応変に拡充してまいります。また,医療,宿泊療養施設の拡充,抗体カクテル療法の普及等についても京都府と連携して進めていくなど市民の皆様の命を徹底的に守り抜いてまいります。 次に,保育園等における対応は,これまでの事例の積重ねにより得られた知見をいかし,随時取扱いの見直しを図ってまいりました。直近では,感染可能期間内に陽性となった園児や職員の利用が確認された場合に限り臨時休園するとともに,早期に幅広く検査を行って全員の陰性が確認され次第,速やかに再開できるところから再開していくという取扱いを令和3年3月に示したところであります。また,保護者がPCR検査を受けた場合は,可能な範囲で家庭での保育をお願いする場合がありますが,検査結果の確認において陰性証明書の提出は求めておりません。安井議員御指摘の事例も踏まえまして,改めて各園に本市の取扱いを周知徹底し,感染拡大防止と安心安全な保育運営の継続を図ってまいります。 次に,保健衛生に係る体制の強化についてでございます。まず,本市における危機管理体制については,市内初の感染判明後直ちに全庁挙げた対策本部を立ち上げ,疫学調査・医療調整班等13の専門班を積極的疫学調査,人流の抑制,事業者への伴走型支援等,各班の専門性と庁内連携,さらには,京都府や医師会等と関係団体との緊密な協力体制の下に,市民の皆さんの命と健康,暮らしを守るため全力を尽くしてまいりました。引き続きこの対策本部を中心に,コロナ禍という前例のない危機を乗り越えるための取組を進めてまいります。 次に,平成29年度に行った保健所体制の変更は,今回の新型コロナウイルスのような大規模な健康危機事案に的確に対応していくとともに,複雑多様化する様々な課題に対して保健と福祉の視点を融合させ,地域に根差したきめ細かな対応を進めていくために,市内1箇所の保健所と各区役所・支所の保健福祉センターに再編したものであります。このことによりまして,各区役所・支所に保健と福祉の機能を融合した子どもはぐくみ室の設置やコロナ禍における課題であるひきこもり支援の取組など保健と福祉の垣根を超えて支援が必要な方に寄り添った支援を総合的に進めていくことができております。また,新型コロナウイルス感染症対策においては,組織を集約したことで複数の国にまたがる積極的疫学調査や濃厚接触者の追跡,全市的な調整が必要となる入院宿泊療養施設の入所に係る京都府入院医療コントロールセンターとの速やかな調整など,大きな威力を発揮したものと考えております。さらに,感染爆発と言われた第5波における大規模な全庁挙げた応援体制の構築に当たっても迅速に対応でき,市内での在宅療養者の命を守り切れました。第6波に備えましては,本市では感染拡大の予兆を的確に捉え,第5波の2倍の新規感染者が発生しても対応できるよう最大434名の全庁体制を迅速かつ臨機応変に確立していくこととしており,引き続き市民の皆様の命と健康を守り抜く取組を進めてまいります。 次に,新型コロナワクチン接種についてでございます。既に接種対象となる12歳以上の市民の皆様の80パーセント,102万人の方が2回の接種を完了されており,医療関係者の皆様,市民の皆様の御協力に改めて感謝申し上げます。ワクチン接種は感染拡大防止に大きな役割を果たしておりますが,時間の経過と共に免疫性が低下するとされており,本市におきましても,明日12月1日から接種から8箇月を経過された医療従事者の方を対象に3回目の追加接種を開始し,以後1月から高齢者施設の入所者や介護スタッフなど,2月から地域にお住まいの高齢者の皆様の接種を順次進めてまいります。 安井議員御指摘のとおり,3回目の接種に当たりましては,接種体制の確保が重要であり,引き続き医師会や私立病院協会,看護協会,薬剤師会,歯科医師会等と連携し,地域の医療体制が充実している京都の強みをいかした個別医療機関を中心とし,集団接種会場も併せて確保し,体勢を確立してまいります。さらに,これまでの教訓をいかし,希望者の予約や問合せが集中しないよう接種券を数日おきに分割してお届けすることや,確実に予約の御案内ができる希望登録制と御自身で接種日時や場所を選ぶことができるウェブ予約を組み合わせていくことなどにより円滑な接種を進めてまいります。 あわせまして,国,京都府と緊密に連携し必要なワクチン量を確保するとともに,3回目接種の効果や安全性を含めコロナワクチンに関する正確な情報を今後ともお伝えしてまいります。さらに,まだ接種されていない方や新たに12歳になられる方の1回目の接種機会も確保し,希望される全ての市民の皆様に安心安全に接種いただけるよう全力で取り組んでまいります。 ○議長(田中明秀) 安井議員。 〔安井つとむ議員登壇〕 ◆(安井つとむ議員) 本市は,本年5月に京都市都市計画のマスタープランと連携する特定土地利用方針を策定いたしました。市街化調整区域での建物用途の拡充や自然環境を保全しつつ,新たな魅力を創出するレクリエーション施設や大学施設等が核となった土地利用で地域振興を図るとされました。そして,京都市市街化調整区域における地区計画運用基準の改訂がなされ,そして今,伏見区向島地域の市街化調整区域内での工場立地のための産業用地確保の土地利用計画である市街化調整区域における産業用地創出に向けた許可制度の創設に向け進んでおります。あわせて,来年度の国への予算要望でも,市内における京都拘置所,京都刑務所,さらに,京都運輸支局など国有地の有効活用による産業用地確保が挙げられ,本市の意気込みが伝わってきます。 本市保有地である広大な淀水垂埋立地の有効活用について質問いたします。総面積51ヘクタールのうち河川排水処理施設に利用し実質36ヘクタール,桂川改修に伴う右岸住民移転代替用地の活用分を除いた旧水垂埋立処分地の残地活用についてお尋ねいたします。昭和40年代から用地の買収が始まり整備が終わり,市民生活ごみの焼却灰や不燃性廃棄物の埋立てが始まったのが昭和50年であります。当初の計画は38ヘクタールでありましたけれども,エコランド音羽の杜の用地買収の遅れから新たに18ヘクタールを買い増し,平成12年にはこの事業は完了いたし,今エコランド音羽の杜にその事業が引き継がれております。当事業は現状を含め半世紀にわたり地元に負担を掛けてまいりました。ゆえに跡地利用については,埋立事業の当初から本市や南部地域における大規模市有地で当地域を新しい拠点とした土地利用の基本計画を定めるとしたことに期待し今日に至っております。その後,地質管理など法的に必要なモニタリング調査が現在まで継続され,平成10年に続き今年3月をもって国の省令廃止基準に適合したことから,埋立処分地としては廃止され埋立地となりましたが,今後も周辺環境に対する環境モニタリング調査は,継続実施するということが表明されております。跡地利用策定に当たりましては,平成5年の新京都市基本計画,8年にはもっと元気に・京都アクションプラン等にも目標として掲載され,平成7年から9年にかけ,跡地利用に関する基礎調査が行われ,そしてその後平成12年にも水垂地域における基盤整備のための構想が策定されました。その後も平成13年,京都市基本計画,そして伏見区の基本計画にも新しいまちづくりとして位置付けられました。しかしながら,今後それからも平成19年,色々と基本計画が策定されましたが,今の段階でもまだ事業着手に向けての具体的な動きはありません。これまで財政危機,また,色々と財政の問題がありましたけれども,この間多くの新規の事業が着手をされておるわけであります。ですから,こういった中でありましても,しっかりとやっぱり地元の負担を思うならば,しっかりとしたやっぱり着手に向けた明確な計画を出していただく。これがまず与えられる任務だと思っております。土地利用につきましては,多少制約がありましても,現在の公園計画と併用した例えば京都経済に寄与する企業立地による産業パーツ的な事業とのコラボなど,新しいアイデアの検討も求めておきたいと思います。なお,平成24年には北側用地9ヘクタールを活用しまして,今一般家庭約1,000世帯の年間電力消費量に相当する約420万キロワットアワーの大規模太陽光,いわゆるメガソーラー発電所が設置されております。令和14年6月まで20年間,土地が民間企業に供用され稼働中であります。こういった色々なことも進めていただいておりますけれども,先ほど申しましたように,住民のこれまでの地元負担をしっかりと実現させていただける,これまでの計画をしっかり実現する,こういったことが京都市に与えられた私は役目だと思っておりますので,是非この機会に皆さん方にお願いして私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 水垂埋立処分地跡地の活用についてでございます。水垂埋立処分地跡地につきましては,官民連携により本市負担を抑えつつ運動公園として整備推進を図ることとしております。安井議員御指摘のとおり,平成29年度に実施したPFI等導入可能性調査では,民間活力の活用による本市負担額の削減効果が低いとの結果でありました。そのため,令和元年度に改めて導入するスポーツ施設や事業内容について民間事業者の意見を伺うサウンディング型市場調査を行い,令和2年度には,府下で初めてとなる人工芝のサッカー,ラグビー場3面の確保や民間提案による収益が見込める施設の導入など,更なる公益利用を見据えた新たな整備計画と事業の収益性を高め,本市の財政負担を可能な限り減らすためのPFIによる事業手法のモデルプランを作成したところであります。しかしながら,整備に当たっては,財源の確保と共に埋立地であった整備予定地の性状を事前に把握するための地質調査やそれを踏まえた対策,周辺道路への交通負荷の分析など整備に向けた課題があります。本市の危機的な財政状況の中ですが,今年度は今後の運動公園整備に向けて公園へのアクセス道路となる府道水垂上桂線の改修や整備予定地の雨水排水対策についての調査を実施し,課題の解消に向けてできることをしっかりと進めているところであります。引き続き全市的な財政状況を見極めつつ,これまでから多大な御協力をいただいている地元の皆様の思いに応え,多くの市民,利用者の皆様に親しまれ,地域に貢献できるにぎわいのある新たな運動公園の整備に向け取組を進めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,森かれん議員に発言を許します。森議員。 〔森かれん議員登壇(拍手)〕 ◆(森かれん議員) 上京区選出の森かれんです。地域政党京都党市会議員団を代表し,市政一般について質問いたします。 初めに,今後の行財政改革計画における具体策についてお尋ねします。行政サービスの根底にあるべき考え方は,行政の論理よりも市民の生活に寄り添うことであります。財政状況は現時点でも破綻寸前ですが,改革期間中に災害等が発生すれば直ちに財政再生団体へ転落する可能性が高まります。今はとにかく短期間で財政を立て直すことによって市民の命と暮らしを守っていく必要があります。今後も巨額な特別の財源対策を講じる計画であることからも,歳出削減を行ううえではどんな事業であっても全てを見直したうえで,市民生活の何を守るのかという優先順位を市民に対して明確に示す必要があります。今,その優先順位が市長から示されていないため,敬老乗車証,学童クラブの次はどのサービスが削られるのかという市民の不安は大きくなり様々な憶測が飛び交っています。改革の全貌をいつまでも先行き不透明なままにせず,行政業務のスリム化や効率化を含めた削減策を行ったうえで市民に御負担もお願いしても,その先には財政破綻を免れ,まちに活力が戻るという改革の出口を書き切ることが4期お務めになる市長の責任なのではないでしょうか。長年の収支不均衡の是正には,役所内部の慣例・慣習から脱却することが不可欠です。特に補助金,イベントについては一度始まると長期化・固定化しやすい,つまり予算を付けるとしがらみが生まれ,やめようにもやめられないという傾向にあります。そのため削減額自体は大きくないものの,京都市の行財政改革に対する本気度を占う試金石と言えます。先般,常任委員会で示された補助金等の見直しに関する検討状況を見る限り,補助金もイベントも,見直しに当たっての具体的な金額など数字による目標値は設定されておらず,定量的な基準はありません。物差しとなる基準がないまま進めれば感覚値での見直しとなってしまい,局あるいは担当者によって見直しに対する尺度にばらつきが生じかねません。各部局から上がってきた見直し案を取りまとめる行財政局においても,客観的な判断軸がなければ公平性の担保をどう取るのか非常に難しくなります。これでは従前の延長線上での改革に終わってしまいかねないと大変危惧しております。 他都市の事例で言えば,平成16年3月に財政非常事態宣言を発表し,財政健全化団体への転落が懸念された当時の大阪府泉佐野市では,補助金改革においてこれまでの補助事業評価に点数制を採り入れられました。点数の高い順にA,B,Cのランクを付け,原則全ての団体に対して補助金カットという方針で進められました。一定の補助をしなければならないとしたAランク事業でも20パーセントカット,Bランクについては5万円ないし10万円の定額補助,Cランクは休止といった相当厳しい基準で時限的に運用されていました。 イベントについても,役割や意義は理解するものの生命維持や生活に直結するものでないことから,財政危機を乗り越えるまでは休止,極限までの簡素化を時限的に行い,市税負担ゼロにしていくべきです。しかし,こちらの見直しについても先ほど申し上げた定量的な基準がないだけでなく,式典が対象に含まれていないことも問題です。直近でも事業費が100万円を超える京都市主催の式典が行われていますが,行政側から見れば式典とイベントは趣旨や目的が異なるものであっても,市民から見れば両者の見分けはつきません。今後,テレビやSNS等でそのような豪華な式典が行われている様子が発信されれば,それらを見た市民に財政破綻寸前と言いながら式典やイベントは従来どおり行うのかという印象を与えかねません。 そこで市長にお尋ねします。1点目は,泉佐野市で行われたような点検や見直しの視点に客観的数字に基づく評価と目標設定を行うということです。補助金,イベント共に具体的な数字を示すことによって,それらの事業や項目を精査し,改革を行わない限りは公平性に欠け,なし崩しになることが懸念されます。この点についての御見解をお聞かせください。 2点目は,聖域なき改革のためには例外を認めないということが前提であるということです。就任時から徹底的な現場主義を貫かれ,各組合や団体の皆様とも丁寧に関係を築かれている市長にとって,補助金もイベントも削減したくないという思いがあるのだと推察いたします。けれども,ここでしがらみを断ち切る英断をしない限り,今後も続いていく行財政改革が成功するとは到底思えません。市長の御所見をお聞かせください。 次に,保育料の改定についてお尋ねします。今日の保育所は日中,家庭内保育ができない事情を持つ保護者に代わって子供を預かるという役割だけにとどまりません。食育やアレルギー対応,配慮が必要な子供の受入れ,年々要求水準の上がるハード・ソフト面の保育環境整備など,多様化するニーズに応えるべく保育関係者の皆様が並々ならぬ努力を積み重ねていることを忘れてはなりません。保育に求められる水準が上がる一方で,必要な経費については国の制度も拡充してきたとはいえ,市独自の助成や保育事業者の経営努力だけでは補い切れなくなっています。行財政改革計画の中で保育料改定については,サービス水準との均衡や国基準保育料からのかい離状況を踏まえ受益者負担の適正化等を図るため,利用時間区分を維持しつつ,はぐくみ応援額を含めて国基準保育料を基本に改定を行いますと記載されています。仕事をしながら子育てをされる女性は,多かれ少なかれ大事な子供を預けてまで働くことにどこまで意味があるのだろうかという葛藤を乗り越えてこられたと思います。京都市の担税力強化のためには,子育て中の女性に対して,出産後退職したが再就職したい,就労日数や時間を増やしたい,もう一人子供をもうけるために所得を増やしたいという思いを後押しすることが重要です。しかし,夫婦合わせた手取りに対して,保育料が余りに高すぎるとなってしまえば,後押しどころか芽生えた就労意欲は一瞬で失われます。そのため保育料の一律値上げや兄弟同時利用時の軽減についての見直しはふさわしくないと感じます。現段階の保育料については,応能負担をベースにしつつ保育サービスとの均衡を図るという観点から検討すべきです。京都市内の保育所は市が保育料を徴収するいわゆる認可園が大半を占めていますが,近年新たな運営形態の園も増えており環境も変化しています。特に企業主導化型保育園では,利用者負担相当額の設定や早朝や延長保育での追加料金,年齢別の料金設定があるため,保育サービスに対する対価が明確です。そのため,同世代の市民の方から,保育園選びにとって立地・教育理念に加えてサービスに見合う保育料かどうかという点も重要だという声は,我が会派の下にも届いています。いずれにせよ安心・安全な環境での保育には,ばく大な経費が掛かっていることを御理解いただき,受益と負担のバランスについては見直しが必要であります。 そこで市長に2点お尋ねします。一つは,保育料については一律の引上げやはぐくみ応援額,第三子無償の負担軽減策に対する値上げは行うべきでないということです。先ほど申し上げた点を踏まえると,応能負担をベースにしつつ,利用実態に応じて一部応益負担の考え方を採り入れることを御検討いただきたいです。例えば,現在は0歳から2歳児が全て同じ料金となっていますが,0歳児と2歳児を比べると,0歳児を受け入れる方がはるかにコストが高いことからも,年齢ごとの料金や土曜日利用時の料金の見直し,早朝・延長保育での追加の保育サービスに対する料金設定を行うことに重きを置くべきと考えます。市長の御見解をお聞かせください。 2点目は,多くの家庭で年間の保育料が幾らになるかによって様々な調整を行っていることから,仮に改定を行うにしても令和5年度の一斉入所募集受付まで待つべきということです。午前中の御答弁の中で,来年春の改定は中止と明言されましたが,令和4年度途中の引上げも中止を求めます。市長の御見解をお示しください。一旦ここまでの答弁を求めます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 森かれん議員の御質問にお答えいたします。 補助金等の見直しについてでございます。本市では今年8月に行財政改革計画を取りまとめ,公債償還基金の計画外の取崩しからの脱却への道筋が財政運営の明確な数値目標,具体的な行財政改革の取組など明らかにしたところであります。現在この計画に基づき,まずは職員の給与カットをはじめとする人件費の削減のほか,事業見直し,使用料・手数料等の受益者負担の適正化など歳入歳出両面の改革を進めております。改革に当たっては既成概念に捕らわれず,大胆かつ柔軟な変化,発想の転換が必要であります。同時に守り続けるもの,見失ってはならない価値観も見極めなければなりません。何を守り,何を見直すのか,市民の皆様と思いを共有し,不退転の決意で改革に取り組んでまいります。 この改革の一環として,現在全庁挙げて補助金やイベント等の点検を行っております。補助金やイベントは安易な長期化,固定化につながることのないよう,社会経済情勢の変化,事業の実績,効果,民間による自主的な事業展開等の観点から,徹底した検証,見直しを進める必要がございます。ただし,今回の改革は単に財政収支の帳尻を合わせるためだけのものではなく,施策を時代の変化に対応したものに再構築するための改革であることから,画一的,機械的な削減を行うよりも各施策の意義,目的等を十分踏まえ,丁寧に内容を吟味することを基本とするべきであると考えております。一方で,行財政改革計画では,公債償還基金残高の必達目標を達成するため厳しい歳出条件を定め,補助金やイベントも含めて全ての経費をこの範囲内に収めるという明確な目標を設定しております。このため補助金やイベント等の個別の目標設定がないからといって,見直しがなし崩し的になるという御懸念は当たりません。式典の点検につきましても,今回のイベントの点検で設けた統一的な視点,すなわち催し以外の手法で政策目的を達成できないかといった視点での点検にはなじみにくいため,個別に事業を精査するものであり,必要な見直しは例外なく進めてまいります。 なお,御紹介いただいた泉佐野市の補助金の点数化や格付けは,17年も前に一時期行われたものであり,現在は行われていないと聞いております。 持続可能な行財政の改革に向けて道筋を確かなものにする。これが私に託された使命でございます。この使命を全うするため,今日まで魅力あふれる京都のまちを市民の皆様と共に,事業者の皆様と共に創り上げてきました。関係者に丁寧に説明し,御理解を得ながら聖域なき行財政改革にまい進してまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 保育料についてでございます。本市の保育料は,令和3年度では約16億円もの財源を投入し本市独自の軽減を実施しているところでございます。具体的には,国基準では所得階層が8階層のところ22階層に細分化し,低所得者層においては,国基準よりも大幅に減額するなど世帯の所得に応じたきめ細やかな料金設定としています。また,保育利用時間も国基準では2区分のところ30分刻みで7区分に設定し,利用者のニーズに応じたものとし,応能,応益の両方からの観点の料金体系としております。さらに,同時利用の2人目等に対しては,はぐくみ応援額を設定し,国基準の半額を超えて軽減するとともに3人目以降の保育料免除も国よりも対象を拡充しております。保育料については,この間こうした国を上回る軽減策の点検の中で検討を重ねていますが,行財政改革計画における保育料に係る方針を踏まえ,厳しい経済状況などを総合的に勘案し,令和4年4月の改定は見送り引き続き慎重に検討を進めていくこととしています。催事ごとの料金設定については,国の制度上,給付単価と国基準保育料の低い方を上限とする中,国基準保育料が0歳児から2歳児まで同一の料金体系とされ,0歳児の給付単価を大きく下回る額が設定されていることから,独自に0歳児の給付単価に着目した料金を設定することは困難です。また,土曜日の料金設定についても,国制度では土曜日も含めた6日間の開所を想定し,園への給付費や保育料が設定されているため,利用曜日に応じた料金設定は困難です。延長保育の利用料金については,本市が示す基準料金を参考に,各園が主体的に設定し徴収されているものであり,本市が画一的に見直しを検討するものではございません。保育料改定については,引き続き国を上回る軽減策の点検を進めていく中で慎重に検討を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 森議員。 〔森かれん議員登壇〕 ◆(森かれん議員) 焼却灰溶融施設建設頓挫後の東部山間埋立地の延命についてお尋ねします。建設の当初の目的は埋立地をあと20年延命させるということにありました。この間,市民や事業者によるごみ量削減の多大な御協力により,令和3年時点で埋立地はあと50年使えると言われていますが,最終処分場を新たに建設することは非現実的であることから,延命策を講じることは急務であります。現時点でごみ量削減以外に延命に寄与しているのは,南部クリーンセンターで導入済みのばいじん発生量削減と通称フェニックスと呼ばれる大阪湾の大規模処分場の活用ですが,いずれも延命効果は限定的であり,多くの課題が残されたままです。焼却灰溶融施設の和解から5年がたちますが,焼却灰のセメント原料化の試行実施についてこの間発表があったのみで,市長が公式の場で今後の延命策について説明されたことはありません。全国的に最終処分場の耐用年数は残り21.6年と言われていることからも,今後金銭的解決による確保合戦が起こることも想像にかたくなく,フェニックスの処分費用の引上げの要因になるおそれがあります。議会でも度々議論になってきましたが,家庭ごみ指定袋の有料化財源については,誰が見てもごみ処理費用に充てられているという事業に使うべきです。令和2年度は15億6,150万円がリサイクルの推進等で使われておりますが,この財源こそ焼却灰を削減する新技術やフェニックスに支払う処分費用など,埋立地延命に対する備えに積み立てておくべきと考えます。 市長に3点お尋ねします。1点目は,焼却灰溶融施設問題に対する説明責任です。本件に関しては,結果的に多額の和解金が支払われたため建設費や裁判費用の回収が済んでいますが,肝心の埋立地の延命については白紙に戻ったままであり,何も解決していません。埋立地の延命を単に市民のごみ量削減に頼るのか,あるいは新たな処理技術を導入して焼却灰を圧縮するのか,フェニックスの活用も踏まえ今後の方向性をお示しすべきです。お答えください。 2点目は,現在建設中のフェニックス第3期計画における京都市の対応についてです。近畿2府4県の最終処分場の状況を見ると,奈良県のように既に自前の処分場がない自治体もあることから,処分費用が現在の1トン当たり1万1,110円から大幅に値上げされる可能性も残されています。京都市において今後もフェニックスを活用するのなら,近年多発する災害で発生したごみ処理や処分費用の増額のリスクマネジメントを行ったうえで,焼却灰の処理費用について計画的な積立てを行う必要があると思いますが市長の御見解をお聞かせください。 3点目は,市民に対して最終処分場の現状を御理解いただき,なお一層のごみ量削減に御協力いただく必要があるということです。京都市循環型社会推進基本計画の中に掲げられている2030年にごみ量を37万トンまで削減するという目標が達成できれば,処分地はあともう6年延命できると言われています。2026年は北部クリーンセンターの大規模更新時期に当たり,このころには2工場体制でごみ処理を行うことからも,市受入れごみ量年間37万トンは必達目標であります。しかし,観光,経済の戻りや定住人口増加が歳入増加策の軸になっていることを加味すれば,削減ペースを加速させることは非常に難しいと思われます。市民に対して環境に良いことをしてくださいというメッセージと共に,個々人の生活習慣を変えなければ,そう遠くない未来にごみの焼却灰を処理する場所がなくなるという現状をしっかりと発信することが重要です。現在ごみの発生抑制,リサイクルの推進等に力を入れておられるのは承知のうえですが,それらの取組に対して消極的だった市民の皆様に対しても,行動に対する意識を持ってもらう必要があると考えます。市長の御見解をお聞かせください。 以上で代表質問を終えます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 山本環境政策局長。 〔山本環境政策局長登壇〕 ◎環境政策局長(山本和浩) 引き続き,森かれん議員の御質問にお答えいたします。 本市における最終処分場の現状についてでございます。東部山間埋立処分地は,平成12年4月に供用を開始し,当初埋立期間を15年と想定しておりましたが,この間市民,事業者の皆様の御理解,御尽力により令和2年度のごみ量はピーク時の半分以下となる38.5万トンと着実に減量が進んだことから,今後約50年間使用できると見込んでおります。しかしながら,東部山間埋立処分地は本市唯一の最終処分場であり,市民の皆様の貴重な財産であることから,できるだけ長く使用し次世代につなげていかなければなりません。このため埋立量の削減などを図るための延命策につきましては,審議会の答申に基づき,令和元年度に稼働した南部クリーンセンターにおいて,ばいじん発生量の削減に取り組むとともに,現在大規模改修工事中の東北部クリーンセンターにおいても焼却灰から鉄分を回収し,リサイクルする新たな仕組みを導入することとしております。 また,本市処分地に加えて活用しております大阪湾フェニックス処分場につきましては,平成30年3月に新たな処分枠を獲得し,当初の2倍以上となる46万立方メートルの処分枠を確保しております。令和2年度末で本市埋立量の約7年分に相当する約25万立方メートルの残容量を有しており,埋立終了期限である令和14年度まで最大限有効活用をしてまいります。 さらに,事業主体である大阪湾広域臨海環境整備センターにおいて次期処分場の計画が進められており,本市としても計画の推進を同センターに働き掛けるとともに,自治体の負担が軽減されるよう国に対して財政支援を求めているところでございます。とりわけ処分地の延命化には,市民,事業者の皆様の御理解と御協力が不可欠であり,ごみの出ない暮らしや事業活動への転換を図っていただけるよう,処分地の現状やごみ処理に掛かる経費を周知するなど見える化を図ることはもとより,環境問題を自分ごととして捉え,環境保全のために自ら考え行動する人材を育成するため,京エコロジーセンターや環境学習施設さすてな京都なども活用しながら環境学習を一層推進してまいります。 今後とも京・資源めぐるプランに掲げるごみ減量・資源循環の取組を着実に推進するとともに,技術の進展を踏まえた効果的な延命策を講じるなど,不断の努力を行うことにより東部山間埋立処分地の更なる延命を図ってまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) これをもちまして一般質問を終結いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 〔午後4時15分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    田中明秀          副議長   吉田孝雄          署名議員  井上よしひろ          同     鈴木とよこ △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1943から2233」「敬老乗車証条例の一部改正条例の実施延期等」・陳情文書表「受理番号2234」「行財政改革計画に掲げる保育制度の後退の中止等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号2235」「行財政改革計画に掲げる保育制度の後退の中止等」・陳情文書表「受理番号2236」「学童クラブ事業の利用料金における減免措置の拡充等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号2237」「行財政改革計画に掲げる保育制度の後退の中止等」...