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03月08日-05号

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  1. 名古屋市議会 2021-03-08
    03月08日-05号


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    最終取得日: 2021-09-27
    令和 3年  2月 定例会               議事日程        令和3年3月8日(月曜日)午前10時開議第1 令和3年第1号議案 令和3年度名古屋市一般会計予算第2 同 第2号議案 令和3年度名古屋市国民健康保険特別会計予算第3 同 第3号議案 令和3年度名古屋市後期高齢者医療特別会計予算第4 同 第4号議案 令和3年度名古屋市介護保険特別会計予算第5 同 第5号議案 令和3年度名古屋市母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算第6 同 第6号議案 令和3年度名古屋市市場及びと畜場特別会計予算第7 同 第7号議案 令和3年度名古屋市名古屋城天守閣特別会計予算第8 同 第8号議案 令和3年度名古屋市土地区画整理組合貸付金特別会計予算第9 同 第9号議案 令和3年度名古屋市市街地再開発事業特別会計予算第10 同 第10号議案 令和3年度名古屋市墓地公園整備事業特別会計予算第11 同 第11号議案 令和3年度名古屋市用地先行取得特別会計予算第12 同 第12号議案 令和3年度名古屋市公債特別会計予算第13 同 第13号議案 令和3年度名古屋市病院事業会計予算第14 同 第14号議案 令和3年度名古屋市水道事業会計予算第15 同 第15号議案 令和3年度名古屋市工業用水道事業会計予算第16 同 第16号議案 令和3年度名古屋市下水道事業会計予算第17 同 第17号議案 令和3年度名古屋市自動車運送事業会計予算第18 同 第18号議案 令和3年度名古屋市高速度鉄道事業会計予算第19 同 第19号議案 名古屋市指定管理者選定委員会条例の一部改正について第20 同 第20号議案 名古屋市職員定数条例の一部改正について第21 同 第21号議案 公立大学法人名古屋市立大学が徴収する料金の上限の変更について第22 同 第22号議案 包括外部監査契約の締結について第23 同 第23号議案 名古屋市コミュニティセンター条例の一部改正について第24 同 第24号議案 名古屋市瑞穂公園条例の一部改正について第25 同 第25号議案 指定管理者の指定について第26 同 第26号議案 予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例の一部改正について第27 同 第27号議案 名古屋市特別会計条例の一部改正について第28 同 第28号議案 名古屋市保健衛生関係手数料条例の一部改正について第29 同 第29号議案 名古屋市敬老パス条例の一部改正について第30 同 第30号議案 名古屋市介護保険条例の一部改正について第31 同 第31号議案 名古屋市国民健康保険条例の一部改正について第32 同 第32号議案 名古屋市後期高齢者医療に係る保険料の徴収に関する条例の一部改正について第33 同 第33号議案 名古屋市食の安全・安心条例の一部改正について第34 同 第34号議案 名古屋市立病院条例の一部改正について第35 同 第35号議案 名古屋市児童福祉施設条例の一部改正について第36 同 第36号議案 名古屋市子ども医療費助成条例の一部改正について第37 同 第37号議案 名古屋市有料自転車駐車場条例の一部改正について第38 同 第38号議案 名古屋市公設市場条例の一部改正について第39 同 第39号議案 指定管理者の指定について第40 同 第40号議案 名古屋市建築基準法施行条例の一部改正について第41 同 第41号議案 名古屋市営住宅条例の一部改正について第42 同 第42号議案 名古屋高速道路公社の基本財産の額の変更について第43 同 第43号議案 名古屋市非常勤の職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例等の一部改正について第44 同 第44号議案 名古屋市国際展示場条例の一部改正について第45 同 第79号議案 名古屋市職員定数条例の一部改正について第46 同 第80号議案 令和3年度名古屋市一般会計補正予算(第1号)    ---------------------------   出席議員    北野よしはる君   斉藤たかお君    浅井正仁君     松井よしのり君    成田たかゆき君   岩本たかひろ君    おくむら文悟君   久田邦博君    赤松てつじ君    久野美穂君    塚本つよし君    沢田ひとみ君    河本ゆうこ君    中川あつし君    豊田 薫君     手塚将之君    さかい大輔君    吉岡正修君    近藤和博君     さいとう愛子君    さはしあこ君    前田えみ子君    日比美咲君     森 ともお君    服部しんのすけ君  浅野 有君    西川ひさし君    中里高之君    丹羽ひろし君    ふじた和秀君    藤沢ただまさ君   中川貴元君    中田ちづこ君    岡本善博君    横井利明君     伊神邦彦君    渡辺義郎君     岡本やすひろ君    小川としゆき君   斎藤まこと君    服部将也君     加藤一登君    うかい春美君    田中里佳君    増田成美君     佐藤ゆうこ君    大村光子君     鈴木孝之君    浅井康正君     田辺雄一君    金庭宜雄君     中村 満君    小林祥子君     木下 優君    三輪芳裕君     岡田ゆき子君    田口一登君     長谷川由美子君    鹿島としあき君   うえぞの晋介君    江上博之君     さわだ晃一君    田山宏之君     橋本ひろき君    吉田 茂君     小出昭司君    山田昌弘君   欠席議員    余語さやか君    ---------------------------   出席説明員市長          河村たかし君  副市長         堀場和夫君副市長         伊東恵美子君  副市長         廣澤一郎君防災危機管理局長    渡邊正則君   市長室長        小林史郎君総務局長        中田英雄君   財政局長        鈴木峰生君スポーツ市民局長    寺澤雅代君   観光文化交流局長    松雄俊憲君環境局長        勝間 実君   健康福祉局長      山田俊彦君子ども青少年局長    杉野みどり君  緑政土木局長      酒井康宏君防災危機管理局総務課長 大澤政充君   市長室次長       野澤米子君総務局総務課長     舘 雄聡君   財政局総務課長     後藤仁美君スポーツ市民局総務課長 杉山和人君   観光文化交流局総務課長 伊藤 毅君環境局総務課長     小木原吏香君  健康福祉局総務課長   浅井令史君子ども青少年局総務課長 嶋 久美子君  緑政土木局総務課長   山口浩明君    ---------------------------教育長         鈴木誠二君   教育委員会事務局総務部総務課長                                櫻井瑞郎君    ---------------------------          令和3年3月8日 午前10時1分開議 ○議長(中里高之君) これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者には久田邦博君、吉岡正修君の御両君にお願いいたします。 これより日程に入ります。 日程第1より第46まで、すなわち第1号議案「令和3年度名古屋市一般会計予算」より第80号議案「令和3年度名古屋市一般会計補正予算」まで、以上46件を一括議題に供します。 3月5日に引き続き、質疑並びに質問を続行いたします。 最初に、森ともお君にお許しいたします。    〔森ともお君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◆(森ともお君) 皆さん、おはようございます。 議長にお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問させていただきます。 まず初めに、地下鉄駅の名称変更を契機とした、熱田神宮・宮の渡し周辺地域の魅力向上について質問をさせていただきます。 私は、本市名古屋市は、本当に魅力的な名所が数多くあるまちであると思っています。名古屋城、名古屋市科学館、東山動植物園、熱田神宮、名古屋水族館など、挙げれば切りがありません。しかしながら、一方で、本市、そして愛知県は、自動車をはじめとした物づくり産業のまちでもあります。 名古屋の貿易黒字額は、平成10年から継続して全国第1位であることは言うまでもありませんが、かつて経済発展に重きを置いてまちづくりが行われた結果、例えば、この熱田神宮の南側--ここが熱田神宮ですけれども--に位置する旧東海道--こちらが旧東海道になります--は、国道19号線で分断をされてしまいました。 皆さんにこんなことを尋ねたら叱られるかも分かりませんが、現在、熱田神宮には、名鉄神宮前駅からすぐの東門--ここが東門になります。そして、地下鉄神宮西駅から南下したところにある西門--神宮西駅から南下した、この場所が西門になります。さらに、地下鉄伝馬町駅からすぐのところにある南門。この三つ門がありますけれども、熱田神宮の正門とはどの門になるでしょうか。どの門が熱田神宮の正門なのか。(「南門」と呼ぶ者あり)はい、そうです。南門が熱田神宮の正門になります。ここが熱田神宮の正門です。 これは、かつて、旧東海道を旅する人々が旅の途中で熱田神宮に立ち寄り、この宮の渡しから東海道唯一の海路を命がけで桑名まで船で渡ったというロマンあふれる歴史があります。しかし、現在は、旧東海道から熱田神宮正門に至るここのルート--このルートも、国道1号線で分断されてしまっています。 名古屋といえば、名古屋城、そして名古屋の観光魅力軸に位置し、三種の神器の草薙剣を祭る熱田神宮です。この熱田神宮が本市で最も人が多く訪れる場所であることは、皆さんも御承知のとおりです。 さて、そろそろ本題に入ります。 市民の身近な足として愛される市営地下鉄においては、現在の駅名をより多くの方々に分かりやすい駅名にするため、令和元年8月から、地下鉄駅名称懇談会の下で駅名変更の議論が行われてきました。本年1月には、同懇談会で四つの駅名変更案がまとめられ、それを受け、交通局では、令和5年1月を目途に、名城線の市役所駅を名古屋城駅へ、伝馬町駅を熱田神宮伝馬町駅へ、神宮西駅を熱田神宮西駅へ、桜通線の中村区役所駅を太閤通駅へ変更することを決定いたしました。 その中でも、伝馬町駅から熱田神宮伝馬町駅へ変更されたことは、地元住民、とりわけ白鳥学区の皆さんやあつた宮宿会の熱い思いが地元の総意となり、懇談会においても有識者の皆さんの間で熱い議論が交わされ、行政を突き動かし、結実した結果であり、地元の皆さんと共に活動してきた私としても、大変感慨深い思いです。とりわけ、伝馬町という名称をなくしたくないと、そういう地域の皆さんの思いには私は感動すら覚えました。 今回の駅名変更は、従来の地名変更によるものと異なり、観光、おもてなしという視点が大きく取り入れられたものであり、それ自体、本市としては大変画期的なことであると思います。ただ、一方で、単に地下鉄駅の名称が変わったからといって、それだけで自動的にそのエリアの魅力が向上するわけでもないし、観光客が増えるわけでもありません。私は、この地下鉄駅の名称変更を契機に、あるいは一つの起爆剤として、より一層熱田神宮・宮の渡し周辺地域の魅力向上につなげていかなければ意味がないと思っています。そういう意味では、駅名変更はゴールではなく、むしろスタートラインとして捉えるべきであろうと考えます。 さて、繰り返しになりますが、当地域は、昨今は新型コロナ感染症の影響で落ち込みが見られるものの、年間700万人以上の方が訪れる熱田神宮、そして東海道随一の宿場町であった宮宿跡、東海道唯一の海路であった宮宿と桑名を結んだ七里の渡しなど、魅力的な名所・観光資源があまた広がっています。 そして、この地域は、学区連絡協議会熱田神宮駅前地区まちづくり協議会と宮の渡し・大瀬子地区まちづくり協議会の二つのまちづくり協議会--先ほどのボードで申し上げますと、ここ、上の部分が熱田神宮駅前地区まちづくり協議会になります。そして、もう一つ、宮の渡し・大瀬子地区のまちづくり協議会は、こちら、宮の渡しの近くのところになります。ここがそれぞれの協議会の対象地域となります。 そして、あつた宮宿会、NPOの堀川まちネットをはじめ、熱田をこよなく愛する地元の皆さんが、いま一度熱田を盛り上げたい、歴史文化のまち熱田の魅力を伝えたい、子供たちに継承したいなど様々な思いを胸に、毎月恒例となったあつた朔日市の開催をはじめ、区内全ての小学校等への出前紙芝居事業まちづくりビジョンの策定、定期的な学習会の開催、清掃活動等々、これまで地域が一丸となって活動を進めてきています。 こうしたこのエリアが持つ大きなポテンシャルに比して、観光という切り口で見たときのまちの雰囲気づくり、おもてなし感は、残念ながらゼロに等しいと言っても過言ではありません。例えば、熱田神宮の正門に当たる南門の最寄り駅であると同時に、東海道随一の宿場町跡であった宮の渡しの最寄り駅でもある、現地下鉄伝馬町駅。地下鉄改札口を出て、駅の出入口に降り立ち、周辺エリアを歩いたとしても、かつてにぎわった熱田神宮の門前町や熱田湊の面影を見いだすことは難しいというのが現状であります。 熱田神宮や宮の渡し公園など、当然、現地まで足を運べば実感は湧きますが、全国の名立たる観光地は、そもそも観光客が最寄り駅に降り立った瞬間から目的地に来たことを実感できる仕掛けづくり、空間演出を行っているものではないでしょうか。なかなか--なかなか一足飛びにはいかないとは思います。 先日、服部議員も熱く語っていました。事を成し遂げるには年月がかかることもあるでしょう。しかし、私たちは、未来を担う子供たちのために懸命に頑張る地域の熱を原動力に、夢や理想を掲げずにはいられないのです。私は、今回の駅名変更を、魅力向上や雰囲気づくりに官民一体で取り組んでいく、大いなる契機にすべきと考えています。 これは、現在の伝馬町駅の改札を出た付近、そして階段、あと、伝馬町駅の1番出入口の写真になります。地下鉄駅一つ取っても、熱田神宮の門前町や熱田湊の面影は全くありません。そして、一方で、これは現在の市役所駅の階段及び名古屋城に最も近い市役所駅の出入口の写真になります。このように、もしくはこれ以上に、熱田神宮西、そして熱田神宮伝馬町の地下鉄駅から雰囲気づくりをしていってはどうかと思うのです。 そこで、観光文化交流局長に質問させていただきます。熱田神宮・宮の渡し周辺地域における魅力向上や雰囲気づくりに向けた第一歩として、まずは駅名が変更される令和5年1月に合わせ、同地域の玄関口となる現地下鉄伝馬町駅において、熱田神宮や宮の渡しの歴史・文化の薫りを感じることができるよう、改札口付近から通路、階段、出入口に至るまで、同地域に関連した装飾、デザイン演出を行ってはどうかと考えます。御所見をお願いいたします。 続いて、地域日本語教育の体制づくりについて伺います。 平成30年12月の出入国管理及び難民認定法の改正による新たな在留資格創設や、昨今の少子高齢化、働き手不足の状況等を契機とした外国人市民の増加が見込まれる中、令和元年6月には、日本語教育を受けることを希望する外国人等に対し、その希望、置かれている状況及び能力に応じた日本語教育を受ける機会が最大限に確保されるよう行わなければならないことなどを基本理念とする、日本語教育の推進に関する法律が公布・施行されたところです。この法律の中で、日本語教育の推進に関し、地方公共団体が地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有すると規定されるなど、地方公共団体に対して大きな役割が求められていると言えます。 一方、生活者としての外国人に対する支援の観点から、昨年の2月定例会での我が会派の山田議員の本会議質問において、本市の地域日本語教育における様々な課題について指摘いたしました。市地域における日本語教室の絶対数の不足や、教室が存在しない空白区の問題、指導者であるボランティアの高齢化に伴う人材の不足、仕事等の時間的制約により教室に通うことがかなわない外国人市民への対応など多くの課題があり、所管である観光文化交流局からは、解決を目的とした取組の実施に当たり前向きな答弁がなされたところです。 あわせて、局長の答弁の中では、本市が令和元年度から文化庁の補助金を活用し、地域日本語教育体制づくり推進事業に取り組んでいることが触れられ、今年度は有識者等と調整し、今後実施する具体的な事業の検討を行うとのことでした。 今年度については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、3密回避の観点から日本語教室も休止等の措置を余儀なくされ、開催の継続が大きな課題になりました。対面での開催が困難なことから、オンラインを活用しての開催を模索された教室もあるものの、慣れないオンライン操作や対面と異なる学習方法等に、教室を運営されているボランティアの方たちも大変苦労されたそうです。 このように、多くの日本語教室が困難に直面する中、これまでどおりの活動ができない状況にあったと聞き及んでいます。昨年度の実態調査によって浮き彫りとなった課題への対応はもちろんのこと、コロナ禍により新たに生じた課題についても市としてしっかりと対応していく必要があります。 そこで、観光文化交流局長に伺います。新型コロナ感染症拡大という大きな社会情勢の変化を受け、新たな課題も生じてくる中、本市としてどのように地域日本語教育に取り組み、課題解決を図っていくおつもりなのか、お聞かせください。 これで、私の第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎観光文化交流局長(松雄俊憲君) 観光文化交流局に2点のお尋ねをいただきました。 最初に、熱田神宮・宮の渡し周辺地域の魅力向上についてでございます。 観光文化交流局では、平成30年度に策定いたしました名古屋市観光戦略において、熱田地区を重点エリアに位置づけており、熱田神宮や宮の渡しといった豊富な観光資源を生かし、関係機関や地域団体と連携しながら、エリア全体の魅力向上に取り組むこととしております。 今回、熱田神宮・宮の渡し周辺に立地する地下鉄伝馬町駅及び神宮西駅が、全国的に知名度の高い熱田神宮を冠する駅名へと変更されることは、本市が観光を推進する上で起爆剤になると考えております。 観光文化交流局といたしましても、今回の駅名変更をチャンスと捉え、地元の皆様とも連携しながら、より一層の魅力向上や雰囲気づくりに取り組んでいく必要があると認識しております。 議員御提案の地下鉄伝馬町駅における装飾につきましては、過去に名古屋城本丸御殿の完成公開に合わせ、地下鉄市役所駅において名古屋城に関する装飾を行った事例を参考としながら、駅名変更がされる令和5年1月完成に向けて、地元の皆様や関係局区と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、地域日本語教育の体制づくりについてお尋ねをいただきました。 本市では、外国人市民が生活に必要な日本語の学習環境や仕組みを整えていくための基本的な考え方等を取りまとめました「名古屋市地域日本語教育推進の考え方」を昨年度に策定いたしました。今年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により実施が困難な取組もあったものの、日本語教室のオンラインでの開催手法を学ぶ研修会等を実施し、所管省庁の文化庁からも一定の評価をいただいたところでございます。 また、本会議で御指摘いただいた課題につきまして、地域日本語教育に係る総合調整会議やコーディネーター会議の場におきまして、今後実施すべき取組を検討してまいりました。具体的な取組といたしましては、来年度、日本語教室と外国人学習者ボランティアをつなぐ、プラットホームとなる検索サイトの構築を予定しております。これは、学習者が自分の生活に合わせて学習できる日本語教室を探したり、日本語教室がボランティアの募集に活用したり、逆にボランティアの方が自分の活躍できる教室を探すときに活用していただき、ボランティア担い手不足解消や外国人市民のライフスタイルに合わせた教室探しに資することを目標にして実施するものでございます。 あわせまして、「考え方」の中では、課題解決に当たり、地域、大学や企業などの多様な主体との連携に重点を置いていることから、関係機関と連携した新教室の立ち上げ及び名古屋市立大学と連携した日本語教室へのインターンシップ派遣といった連携事業によりまして、日本語教室数の増加や担い手の確保に取り組んでまいりたいと考えております。 また、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本語教室を取り巻く環境の厳しさが増していることを受け、本市といたしましても、教室へのさらなるサポートが必要であると認識をいたしております。 来年度の取組の一つである、本市主催によるオンラインを活用した日本語教室の実施は、教室を運営するボランティアからオンラインでの開催が難しいとの声を受けたことから、本市が先導的な役割を果たして地域日本語教育を推進していくために実施するものでございます。 本市といたしましては、国籍や民族の異なる人々が互いの文化的な差異を認め合い、対等な関係を築きながら、地域社会の構成員として共に幸せに生きていくことができる多文化共生社会の実現を目指しております。そのため、外国人市民が地域の一員として様々な活動に参加し、日本人市民と共に名古屋で活躍できる生活基盤づくりが必要であることから、その柱とも言える地域日本語教育の着実な推進を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◆(森ともお君) 観光文化交流局長より、それぞれ御答弁をいただきました。 まず、熱田神宮・宮の渡し周辺地域の魅力向上について、伝馬町駅の装飾について、駅名が変更される令和5年1月の完成に向けて取り組むと、明快で力強い御答弁をいただきました。 この質問に先立ち、昨年12月、熱田区の白鳥学区連絡協議会、そして、先ほど触れさせていただいた二つのまちづくり協議会、あつた宮宿会の4団体から、熱田神宮・宮の渡し周辺地域の魅力向上についてとの要望書を観光文化交流局長、そして交通局長に提出させていただきました。その思いが両局長に届いたものと大変うれしく思います。 いまだ新型コロナ感染症の影響が先の見えない状況ではありますが、今後を見据え、観光文化交流局、交通局、熱田区役所、地域の皆さん、それぞれの連携、しっかりとした合意形成をもって、令和5年1月を目指し、まずは今回取り上げさせていただいた現地下鉄伝馬町駅における装飾、デザイン演出の実現を何とぞよろしくお願いいたします。 加えて、先ほど述べた要望書に記載をさせていただいておりますが、地下鉄神宮西駅の装飾及び地下鉄伝馬町駅から熱田神宮正門に至るルートの雰囲気づくりについても、本市として何をすべきかを現段階から御検討いただくことをお願いし、本件については終わります。 もう一点、地域日本語教育についても御答弁いただきました。今年度に新しく現れた課題への対応も含め、地域日本語教育の推進に関し、前向きな御答弁をいただけたものと考えております。本件について再質問させていただきます。 現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う移動制限等により外国人の来日がかなわないことなどから、一時的に外国人市民の人数は減少していると聞いています。しかしながら、長期的に見れば、冒頭に申し上げた関係法令の改正等を背景に、外国人の人数は新型コロナウイルス感染症の終息後には再び増加に転じるものと予測されており、長年地域日本語教育に取り組まれている日本語教室の役割も一層重要なものになることが予想されます。 一方、日本語教室は、ボランティアによって運営されていることなどから、将来的な継続性などに不安を抱えていることもあり、共に地域日本語教育を進める本市としては、サポートや推進体制の構築など、地域日本語教育に対してこれまで以上に積極的な姿勢が必要だと考えます。 そこで、観光文化交流局長に再度お尋ねをします。本市が日本語教室と共に地域日本語教育を推進していくに当たり、先頭に立ってこの事業を推進していく局長として、どのような決意で臨まれるのか、御答弁をお願いいたします。 ◎観光文化交流局長(松雄俊憲君) 地域日本語教育の体制づくりに関連いたしまして、局長の決意ということでお尋ねをいただきました。 議員御指摘のとおり、外国人市民の人数は、新型コロナウイルス感染症に伴う一時的な減少はあるものの、今後も増加していくことと予想され、それに伴い、将来的には日本語教育を必要とする外国人市民も増加するものと想定をいたしております。 増加する外国人市民に対応するためには、先ほど答弁いたしました生活基盤づくりを一層推進する必要がございます。そのためには、外国人市民と日本人市民がコミュニケーションを取ることができるようになることが必要であり、外国人市民に対し、生活に必要な日本語を学習する機会を提供する日本語教室は大変重要であることから、今後もその機会を着実に増やしていきたいと考えております。 また、日本語教室は、外国人が日本語を学ぶ場であるだけでなく、地域における外国人の居場所という役割も担っており、地域の日本語教室という大切な場所を提供していただいているボランティアの皆様の重要性は、今後も変わらないと認識をいたしております。 本市といたしましては、ボランティアによる日本語教室の活動に寄り添いながら、名古屋市として主体的に、公益財団法人名古屋国際センターや区役所はもちろん、地域、企業や大学等の多様な主体と連携し、地域日本語教育の体制づくりを着実に推進していくとともに、現在、名古屋大学と留学生及び本市が連携して行っている母国語での情報発信など、多様な施策を組み合わせることによって、多文化共生社会の実現を目指してまいる所存でございます。 以上でございます。 ◆(森ともお君) 観光文化交流局長より、本市として日本語教室に寄り添うとともに、関係機関との連携の下、主体となって地域日本語教育に取り組むというような前向きな決意を聞かせていただきました。 本事業の到達点としては、生活に必要な日本語を学びたいと希望する、生活者としての外国人市民が一人も取り残されず、かつ将来にわたって持続可能な地域日本語教育の体制を構築することであると考えます。その実現のためには、現在御尽力をいただいているボランティアのお力だけでは限界があり、本市としても地域日本語教育に一層踏み込んでいく必要があります。 局長の御答弁にあった前向きな決意をより具体的なものにしていくため、協働してくださる日本語教室へのさらなる支援拡充と、本市主導による関係機関と連携した日本語学習機会の増加について、今後速やかに検討を行っていただきますことを強く最後要望し、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山田昌弘君) 次に、浅井康正君にお許しいたします。    〔浅井康正君登壇〕 ◆(浅井康正君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問してまいります。先天性代謝異常等の検査について、2点、子ども青少年局にお尋ねしてまいります。 まず初めに、廃棄している検体の研究への活用についてお尋ねいたします。 先天性代謝異常等検査--以下、本検査と呼びます--とは、生後5日から7日目の全ての赤ちゃんを対象にした、先天性代謝異常等の病気を見つけるための大切な検査であります。赤ちゃんが生まれつきの病気を持っていることを知らずに放置すると、後に障害が出てくるような病気があります。このような病気を生まれてすぐに検査し、早期発見して治療することによって、知的障害や発達障害を予防したり、また、重い症状が出ないように注意して日常生活を送ることができます。 日本では、1977年から五つの疾患を対象として始まりましたが、近年、技術の進歩によって、さらに多くの疾患を対象とすることが可能となりました。現在、本検査は主に大きく分けまして、内分泌疾患--これはホルモンの異常ですが、これが2疾患、それと代謝異常症--栄養素の利用障害の18疾患の、合わせて20の疾患を対象としております。 本検査の実施主体は、都道府県及び政令指定都市です。検査を受けるには、まず保護者が産科の医療機関で申込みをします。その後、採血施設の医師による本検査の意義や必要性の説明を受け、御家族の希望と同意・申請書に記入した上で、赤ちゃんの足の裏からごく少量の血を採り、検査を実施するという流れになっております。検査費用は、医療機関での採血等の費用、それから検体の輸送料--送るんですけれども--は自己負担となりますが、検査機関での検査料は全額公費負担となっております。検査結果は、検査機関から採血を行った医療機関を経由して本人に通知されております。精密検査が必要となる場合には、最初に採血した医療機関から精密検査医療機関を紹介し、保護者から当該医療機関に連絡を行い、受診していただいております。 名古屋市においても、1977年10月より事業を開始し、年間約2万人の新生児が本検査を受けています。本検査に使用した検体は、検査後5年間保存されていますが、その後、個人情報が分からないように配慮した上で廃棄されております。しかしながら、この検体は、子供たちの病気の予防、発見、治療に資する、非常に重要な研究材料となり得るものであり、ぜひとも研究に活用し、将来の子供たちのために役立てていきたいといった現役の小児科の先生からの声を今回いただきましたので、この質問をすることにいたしました。 廃棄している検体の研究への活用については、個人情報保護等の課題もありますが、岐阜県、広島県では、既に実施されております。 そこで、子ども青少年局長にお尋ねします。本検査の検査申請書に、研究に利用することもある旨を記載する、あるいは同意を求める項目欄を追加するなど、検体を廃棄せずに--検体を廃棄せずに、将来の子供たちのために研究に活用することについて、局長のお考えをお聞かせください。 二つ目に、脊髄性筋萎縮症の検査項目への追加についてお尋ねします。 脊髄性筋萎縮症--以下、SMAと呼びます--は、発症する年齢等により四つのタイプに分類されますが、筋力の低下により運動機能が障害されることが共通しております。最も多いとされるⅠ型では、哺乳や食べ物を飲み込む力が弱かったり、自分で呼吸ができなかったりという症状などが見られます。これは、遺伝子の変化が原因の病気です。 最近、画期的な治療法が開発され、発症する前に原因となる遺伝子を発見し、治療を開始すれば、正常な運動発達が期待できるようになりました。この治療は、発症前から発症して1か月以内に開始するほうが効果が大きく、発症後や1歳以降に治療を開始すると、その効果が限定的となってしまう可能性が高いと言われています。出生後の可能な限り早い時期に遺伝子の診断をして、治療を開始することが極めて--極めて重要です。 早期発見するための手段としては、本検査の検体を利用したSMAの検査が挙げられます。新生児に対するSMAの検査について、世界的に見ますと、初めて台湾が取り入れ、その後、アメリカでは約半数の州で先行して実施しております。その有効性が確認されているところです。そのため、我が国においても、本検査の検査項目にSMAの検査を追加するべきであるとの意見をお持ちの専門家の方が多くいらっしゃいます。 それを受けて、千葉県が自治体--県単位で先陣を切り、本検査にSMA検査を追加する試験研究を開始しております。これは、一般社団法人日本小児先進治療協議会の研究助成を受けて、公益財団法人ちば県民保健予防財団、あるいは千葉県こども病院、公益財団法人かずさDNA研究所が、令和2年5月1日から令和3年3月31日までの期間、千葉県内で出生した新生児のうち、この研究への参加に同意された新生児を対象に、本検査で使用された--先ほどの採血しましたろ紙の血の残余の検体でSMAの原因となる遺伝子を解析し、診断するというものです。 今までの実施状況は、公益財団法人ちば県民保健予防財団調査研究センター長、羽田明小児科医からお伺いしました。まず、検査の実施に同意を得るための案内として、「赤ちゃんの 健やかな成長のために お母さんが いまできること」といった優しいキャッチコピーを用いて説明しております。 検査の内容について、少しばかり御紹介します。 一つ目、追加の採血はなく、本検査に使った残りの検体でSMAの原因となる遺伝子を分析し、診断すること。二つ、この方法でSMAの95%が診断できること。三つ目、異常が見つかった場合、最近開発された画期的な治療法を早く始めることが見込めること。四つ目、乳児期に発症するタイプの病気の発生率は、赤ちゃん一、二万人に約1人程度、千葉県では1年間に三、四人が見つかると予測されております。五つ目、検査で異常が見つからなかった場合、他の検査と同様に1か月健診までに結果をお返しすることなど、分かりやすく丁寧に案内しております。 2月7日の時点でございますが、県内の大学病院をはじめ、その他の病院も合わせて約115施設のうち、約92%に当たります106の病院が参加され、他のスクリーニング検査と同様に約90%、3万件の検査が実施されていますが、今のところ、SMAの患者さんの発見はゼロであるとお伺いしました。 この千葉県での試験研究で成果が得られることが示されれば、国や他の自治体に普及する大きな力となると思われますが、それを待つのではなく、本市においてもこの取組を早期に検討すべきではないでしょうか。本市は、中部地方の医療行政を引っ張っていく立場にもあり、子供たちの生命・身体を守るため、診断・治療可能な疾患を見逃さないためのあらゆる体制を整えることが必要だと考えます。 そこで、子ども青少年局長にお尋ねします。SMAの検査を先天性代謝異常等検査項目に追加することについて、局長の御見解をお示しください。 これで、第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局には、先天性代謝異常等検査について、2点のお尋ねをいただきました。 まず、廃棄している検体の研究への活用についてでございます。 先天性代謝異常等検査は、出生した全ての子供を対象に、厚生労働省通知に基づいて実施しております。この検査は愛知県と共同で実施しており、名古屋市内の医療機関で生まれたお子さんについては本市が、名古屋市外の医療機関で生まれたお子さんについては愛知県が検査費用を負担しております。 検査の実施に当たっては、お子さんが生まれた医療機関等において、保護者の同意を得た上で、お子さんの血液を採取しております。検査で異常が見つかった場合には、採血をした医療機関等から保護者に説明した上で、精密検査医療機関において詳細な検査を実施し、早期から治療ができる体制となっております。 この検査の同意は、先天性代謝異常等検査についてのものであり、例えば、この検査の結果、他の疾患が疑われ、新たな検査が必要となる場合には、改めて保護者の同意を得る必要があります。また、検体はろ紙にしみ込ませた血液であり、疾患に係る情報のみではなく遺伝情報等が含まれるため、重要かつ特別な配慮を要する情報であると考えております。 したがって、廃棄する検体を研究に活用するためには、個々の保護者から新たに同意を得る必要があることや、様々な疾患の治療・研究に取り組む複数の研究機関があることから、保護者から同意を得る方法や、どの研究機関にどういった目的で検体を提供するのか等、様々な課題があり、地方自治体のみで判断できるものではないと考えております。 また、この先天性代謝異常等検査は、愛知県と共に、愛知県健康づくり振興事業団に委託して実施しており、愛知県と足並みをそろえていく必要がございます。 こうしたことから、検体を研究等本来の検査以外の目的で使用する場合の手続等の取扱いにつきまして、愛知県と共に、国へ助言を求めているところでございまして、その動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、脊髄性筋萎縮症の検査項目への追加についてでございます。 先天性代謝異常等検査は、厚生労働省通知により定められた20疾患を対象として、愛知県と共同で実施しております。この検査に新たな疾患を追加するに当たっては、国において、検査技術の確立、治療における保険適用等費用面や診療体制の整備などの観点から、どの疾患を優先的に追加するのかを検討した上で決定し、各自治体に通知しているところでございます。 研究を目的として、研究機関が保護者の同意を得た上で、対象疾患以外の検査を独自に実施している例もございますが、先天性代謝異常等検査は厚生労働省通知に基づき実施していることから、検査への対象疾患の追加は国において検討されるものと認識しておりますので、国の動向を注視してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(浅井康正君) 子ども青少年局長さん、御答弁ありがとうございました。 検体の研究への活用は個人情報の保護という課題が、また、検査項目への新たな疾患の追加には優先順位などをどうつけていくかなどの課題があるということは承知しております。 そのことから、どちらの御答弁も国の判断を待つ、あるいは国の動向を見るといったものになったんだろうと思いますが、当然、国が動けば、自治体はそれに沿って実施することになりますので、自治体にとってはリスクを負わずに済むかもしれませんが、本市では、本検査の趣旨について、先天性代謝異常等の疾患は放置すると重症の精神や身体障害を来すので、新生児について血液によるマススクリーニング検査を行い、異常を早期に発見し治療することにより、障害の発現を防止し、もって心身ともに健全な児童育成を図ることを目的とすると定めております。 であるならば、子供たちのために、国の動きを待つのではなく、県と連携しながら、診断・治療可能な疾患を一つも見逃さないといった決意を持って、あらゆる体制を整えていただきたいと切に願います。 そこで、子ども青少年局長に再度お尋ねします。廃棄している検体の研究への活用、脊髄性筋萎縮症の検査項目への追加について、市が独自性を持って実施することを検討していただきたいところでありますが、せめて、その必要性を認めていただけるのであれば、市において議論していただいたり、県や国に強く働きかけを行うなど、積極的な姿勢で臨んでいただくことができませんでしょうか。再度御見解をお聞かせください。 ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局に、先天性代謝異常等検査につきまして、再度のお尋ねをいただきました。 繰り返しになり大変恐縮ですが、先天性代謝異常等検査は厚生労働省通知に基づき実施しているところでございます。廃棄検体の研究への活用につきましては、愛知県と共に、検体の帰属や取扱いに関する手続等につきまして、国に対して見解や技術的助言を求めているところでございます。 また、新たな疾患の先天性代謝異常等検査への追加につきましては、脊髄性筋萎縮症以外の疾患についても研究が進められている中で、専門家の議論も踏まえ、その治験から検査の精度や治療による効果、疾患の出現率等、それぞれの研究成果などを基に総合的に国が判断しているところでございまして、引き続き、こうした国の動きを注視してまいりたいと存じます。御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◆(浅井康正君) 要望して終わりますけれども、局長さん、再度の御答弁ありがとうございます。 既に実施している--先ほど述べましたけど、岐阜県、広島県ではもう既に実施されております。先ほどと同じく、国の動きを注視するといった答弁であり、ちょっと残念な思いです。 最近、スピンラザやゾルゲンスマといった新しい治療薬が開発されたことで、今まで手足の動かなかった患者さんにも症状の改善が見られています。治療薬の開発はすばらしい成果であることは間違いありませんが、発症後に治療を始めるよりも、生まれてすぐに検査し、早期発見・治療することで、より大きな効果が得られる可能性が高いのです。何とかそうできるようにしていただきたいと思いますが、たとえ該当者が一、二万人に1人程度であったとしても、将来生まれてくる子供たちにとっては本当に大事なことです。市としても、必要性を認めるための実態調査などを実施していただき、その結果を踏まえて、さらに積極的に対応していただくことを強く要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山田昌弘君) 次に、長谷川由美子君にお許しいたします。    〔長谷川由美子君登壇〕 ◆(長谷川由美子君) お許しをいただきましたので、通告に従って、順次質問いたします。 初めに、ひきこもり支援についてお尋ねいたします。健康福祉局長さんに3点お尋ねいたします。 ここ最近、社会的孤立という言葉を今まで以上によく見聞きするようになりました。コロナ禍で、人につながりたくてもつながれずに追い込まれている状況が続き、生活困窮や不安、ストレスの高まりから、様々な問題が引き起こされています。 以前から大きな社会問題でありましたひきこもりは、コロナ禍で一層深刻化しており、8050問題の対策にもつながるひきこもり支援の充実は本市の重要な課題と捉えて質問いたします。 ひきこもりとは、6か月以上続けて自宅に引き籠もっている状態をいいますが、国の推計によりますと、年齢構成は20代から40代が約85%を占めており、社会で活躍が期待される年齢層に多いのが分かります。また、総数は全国で100万人を超えると推計されており、名古屋市に当てはめると約2万2000人ということになります。 30年ほど前までは、ひきこもりは不登校の延長と認識されておりましたが、近年は、中高年のひきこもりは、不登校の延長ではなく、学校を出て一度は就職したものの、その後に仕事を辞めてひきこもりに至るケースも多いとのことです。また、多くの家庭では、引き籠もる子供の存在を家庭内で隠し、外部からの支援を受けないまま時が過ぎ、長期化してしまうケースも少なくないとのことです。 私も市民の皆さんからひきこもりの相談を受けることがありますが、最初はひきこもりに関する御相談ではなく、介護等の御相談をお聞きしていくうちに、実は子供が仕事を辞めて引き籠もっているとの話が出てきます。ひきこもり状態にある御家族を持つ方々は、御自身が健康問題や経済的に追い詰められ、その相談をする中で、やっと家族のひきこもりの相談をされるのです。 本市においては、平成24年に、ひきこもりの御本人や御家族が相談することができる、ひきこもり地域支援センターが開設されています。ひきこもりの相談件数はどれくらいあるのか気になり、確認をしてみました。全国のひきこもり地域支援センターにおける相談延べ件数を見ますと、多くの指定都市は2,000件から3,000件であるのに対し、本市は500件から1,000件程度と非常に少ない状態。ひきこもり地域支援センターはひきこもりに特化した第1次的な相談窓口と言われますが、それも果たされていないのではないかという印象を受けます。といいますのも、ひきこもり地域支援センターにおける相談件数は、本市のひきこもりとして推計される2万2000人の約3%にすぎず、実際どれくらいの方がひきこもりの支援を必要としているのかさえも分からない状況です。また、令和元年時点で、全国で321自治体においてひきこもりの実態調査を実施しており、政令市でも横浜市、川崎市など9市が行っておりますが、残念ながら本市では実施されておりません。 そこでお尋ねいたします。本市におけるひきこもりの実態を把握するため、まずは実態調査を進めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。 次に、本来、ひきこもりは多面的な支援が必要であります。そのためには、ひきこもり地域支援センターが核となり、保健センター、区役所、民間支援団体、医療機関など、様々な関係機関が連携し、一体となって包括的に支援しなければならないと思います。ところが、本市のひきこもり地域支援センターは、ひきこもりに関する相談をはじめ、家族への支援や啓発などを行っておりますが、他の関係機関からは、支援を個々に対応している実態があることもお聞きいたしております。また、民間団体からも、ひきこもり支援に当たっての連携ができないといった率直なお声も上がっております。 そもそも本市においては、ひきこもり支援に関する計画や方針が定められておりません。そのような状態でひきこもり支援が十分に行われていると言えるのか、甚だ疑問であります。支援に至る以前の入り口の段階で足踏みしているのではないかとさえ思います。 そうした中、南区で、地域共生社会実現のため、制度のはざまの問題、複合的な課題、支援拒否等によって支援につながらない、または解決が難しいケースの内容や件数を把握する包括的支援体制整備に向けた実態調査がここ2年にわたって行われました。調査結果を見てみますと、8050問題、ひきこもりに関わるケースが一番多くなっております。つまり、調査結果を見ても、ひきこもり、8050問題に関する課題は明確であります。 そこでお尋ねいたします。これまでのひきこもり地域支援センターにおける支援の検証、評価を行うとともに、南区の調査結果も含めて課題の洗い出しを進め、きちんとした方針・計画を持った上で支援体制を構築していくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。 次に、ひきこもりに係る実態調査の実施や方針、計画の策定には一定の時間がかかります。しかし、現在ひきこもりについて悩んでいる人やその御家族は、一刻も早い支援を必要としています。まずは、ひきこもり地域支援センターで一人でも多くひきこもりで悩む方や御家族の相談を受け、適切な支援に結びつけることが必要であります。 新型コロナウイルス感染症の影響で、新たにひきこもり状態となる方が想定されることからも、ひきこもりの方が相談しやすい仕組みをつくることが大切だと考えます。他都市においては、LINEやビデオ会議アプリ等を活用して、自宅から相談できるような取組を行っています。また、兵庫県では、対面でのコミュニケーションや外出することが苦手な方でも参加できるよう、NPOに委託して、ひきこもり電子居場所を全10コース実施しております。 そこでお尋ねいたします。少しでも多くの方の相談に対応するためにも、まずは早急にSNS等を活用して、より相談しやすい体制をつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 以上、3点、健康福祉局長にお尋ねいたします。 次に、妊婦や子育て家庭に対する新たな支援について、2点、子ども青少年局長にお尋ねいたします。 2020年の出生数が速報値で約87万人との発表があり、過去最少を更新し、21年はさらに減少し、80万人を割れるとの予測もされております。背景には、コロナ禍による様々な要因が影響したと考えられますが、結婚や出産、子育てに対する不安を取り除くことが最も重要なことであります。 本市においては、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を目指し、不安を抱える妊産婦や家庭がある中で、誰もがより安心・安全な子育て環境を整えるため、母子保健サービスに加え、多様なニーズに対応できるよう、各区の保健センターに子育て世代包括支援センターが設置され、母子健康手帳を受け取る瞬間からサポートが始まります。 昨年の6月定例会において、コロナ禍にあって里帰り出産のできない妊産婦に対し、家事や育児のサポートを行う産前・産後ヘルプ事業も充実されたところであります。しかし、新しい生活様式を取り入れた日常生活の中で、妊産婦さんが病院等へ外出する際に、密になりやすい公共交通機関の利用に不安を感じる方も多くおられました。 コロナ禍において、他都市などが実施している妊婦さんへのタクシークーポン券の配付は、移動による感染リスクを減らし、安心して出産できると考えられます。がしかし、妊婦さんはコロナ禍に限らず、そもそも妊娠中は移動が大変です。おなかが大きくなってくれば足元が見えにくくなりますし、つわりの時期は、たくさんの人に混じって公共交通機関に乗車するだけでも気分が悪くなることがあります。御家族は日中仕事などで常に支援してもらえるわけではなく、急な体調の変化がある場合には、公共交通機関で移動することは大きな負担になります。 そこでお尋ねいたします。本市において、タクシークーポン券などの配付を、これからの新たな支援策として、妊婦さんの移動を支援するために実現すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 次に、父親への支援についてお尋ねいたします。 政府は、この2月26日に、男性の育児休業取得促進策を盛り込んだ育児・介護休業法と雇用保険法の改正案を閣議決定いたしました。男性の育休促進は重要な課題であると同時に、妻の妊娠・出産や子供の誕生・成長によって生じる父親自身の生活環境の急激な変化に関する悩みや鬱状態に対応するため、父親への相談支援、また、講座や研修など、新たな手段で実施すべきだと考えます。 先日、ある男性から相談がありました。産後数か月後に妻の異変に気づいたものの、妻の症状が産後鬱かどうかも分からず、不安の中、生後間もない赤ちゃんの育児と家事と自身の仕事、そして妻へのサポート、何とか妻をいたわってあげたい気持ちと、何をどうサポートすればいいのか分からないといった、大変切実な内容でありました。こうした父親は決して少なくないのではないでしょうか。 母親は、母子健康手帳を受け取る瞬間から心の準備も始まります。一方で、出産・育児の知識や情報が不足しがちな父親は、母親との差が生じてきます。産後のホルモンバランスの崩れなどによるストレスで苦しむ母親を十分にサポートし切れずに悩んでしまうことも不思議ではありません。核家族化が当たり前になった時代です。母親への支援と同様に、父親への支援も重要だと考えます。 男性の育児参加の促進に伴って生じる出産・子育てに関して悩む父親支援として、育児、家事、自身の仕事、妻へのサポートと、なかなか交流、相談の場に直接出かけることが難しい父親を対象として、オンラインによる父親向けの講座の開催等を検討してはいかがでしょうか。 また、母親が母子健康手帳を受け取るタイミングに合わせて、父親に対しても、出産・育児の知識や、これからの母親の体調変化についての情報を伝えることが必要だと考えますが、いかがでしょうか。2点、子ども青少年局長にお尋ねいたします。 以上で、第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局には、ひきこもり支援についてお尋ねをいただきました。 本市では、ひきこもりの御本人や御家族等を対象とした専門の相談支援機関として、ひきこもり地域支援センターを平成24年度から開設しておりますが、令和元年度末までの相談実績は約650人でございまして、国の推計値に当てはめれば、支援の行き届いていない方がいまだに大勢いることが考えられます。 令和元年度から南区で実施をしております包括的な相談支援体制構築に向けた実態調査でも、複合的な課題を抱えた8050世帯など中高年のひきこもりの方が多く把握され、相談先や居場所など支援策が少ないことが課題として明らかになったところでございます。 今後、複合的な課題や既存の制度のはざまにある人や世帯を包括的に支援するために、令和3年度には、各相談支援機関を通じて全市の支援対象者の調査を実施する予定でございますので、こうした調査も活用しながら、ひきこもりの方の実態把握に努めてまいります。 ひきこもりの方への支援につきましては、ひきこもり地域支援センターが一定の役割を果たしているところではございますが、複合的な課題を抱えた方を支援するためには、関係相談機関との連携を深め、個別の支援につなげる体制づくりが課題であると考えております。 そこで、令和3年度から、ひきこもり地域支援センターと包括的な相談支援チームとで連携した支援を開始し、実際の支援を行う中で、ひきこもり地域支援センターの役割や在り方等を検討し、本市のひきこもり支援の方針・計画を策定してまいります。この方針・計画に基づきまして、保健医療、就労、高齢、生活困窮等を包括した、孤立を生まず、切れ目のない本市のひきこもり支援体制の構築を着実に進めてまいります。 いまだ支援の行き届いていない方がいることが想定される中、ひきこもりの方の相談先や居場所づくりは重要な課題であると認識をしております。ただいま御提案のございました、SNS等を活用した相談支援やオンライン上の居場所づくりにつきましては、他都市の方法等も参考にし、導入に向けて検討を進めてまいります。 コロナ禍で、より一層の強化が必要となるひきこもり支援につきましては、ひきこもり地域支援センターが中核となり、関係機関と連携し、一体となって、ひきこもりで悩む方や御家族に対して寄り添った支援を行うことができるよう、本市の支援体制をしっかりと構築してまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局には、妊婦や子育て家庭に対する新たな支援につきまして、2点のお尋ねをいただきました。 まず、妊婦に対する移動支援についてでございます。 妊娠期におきましては、つわりの症状等により体調に波があったり、おなかが大きくなることで足元が見えにくくなり、転倒しやすくなったりと、妊婦の方が外出される場合には、身体的にも精神的にも負担が大きいと考えております。特に、妊婦の周りに家族などの支援者がいない場合、陣痛や破水などの急な体調の変化により緊急に医療機関等を受診する必要があるときには、公共交通機関での移動は難しいことから、移動に係る支援があれば、妊婦にとって心強いものになると考えます。 妊婦の方が緊急時に安心して受診できるよう、タクシーによる移動支援につきまして検討してまいりたいと存じます。 次に、父親に対する支援についてでございます。 母親にとって最も身近な相談相手である父親が、産後の体調不良やストレスに苦しむ母親をサポートするために、出産・育児に関する知識や母親の体調変化につきまして学ぶことは重要であると考えております。 本市では、子ども・子育て支援センターにおきまして、子育ての楽しみ方を伝え、父親の育児参加をサポートするようなイベントや講座を実施したり、企業に出向いて男性社員向けに研修を行う企業出前講座を実施したりしているところでございます。 今後はさらに、オンラインを活用した父親向けの講座や相談を実施し、実際に子ども・子育て支援センターに足を運ばなくても、必要な情報を入手したり、相談することができるよう検討してまいりたいと存じます。 また、平成30年度から、父親の育児参加を促すために、父親に向けた「NAGOYA DADDY」を配布しておりますが、さらに、母子健康手帳交付時や3か月健康診査のときに配付しております広報啓発冊子「なごや妊娠・出産・子育て応援ブック with Happy」にも、父親向けの情報を新たに掲載するなどして、父親への情報提供の充実を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◆(長谷川由美子君) それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。 初めに、ひきこもり支援についてでありますが、これまであまり目が向けられていなかった本市のひきこもり対策の現状を、局長さん、しっかりと受け止めて、対策をしていただけるとの心強い答弁だと、そのように感じました。大変にありがとうございます。 ひきこもりが長期化すると8050になります--8050問題。どの地域にもある大変な現状であります。今では、8050問題もひきこもりも珍しいことではありません。最前線で住民の皆さんに関わっていらっしゃる方々、こうした問題が一番の課題だと、そのように認識をされておられます。くれぐれも--方針・計画はつくっていただけるということでありますが--このつくることが目的となってしまわないように、ひきこもり支援に関わっていらっしゃる方、また、ひきこもりの御本人、御家庭、御家族の方々、大変苦しんでいらっしゃいますので、そうした現状をよく把握して、そして体制づくりをしっかりと取り組んでいただきたい、そのようにお願いいたします。 そして、SNS、LINEなどを使っての相談対応、そして居場所づくり--電子居場所というのが兵庫県で行われておりますが、大変画期的なことだと思います。コースも10コースあるということなので、それぞれ引き籠もっていらっしゃる方々がネットを見ながら、ここにというところで、そして選択をして、そこに居場所を設けるといったものです。こうしたことも一刻も早く対応してくださいますよう強く要望いたします。どうかよろしくお願いいたします。 この件はこれで終わります。 次に、妊婦や子育て家庭に対する支援についてでありますが、妊婦さんに対するタクシーによる移動支援について、前向きな御答弁、局長さん、ありがとうございました。 昨年来、コロナ禍の中で、妊婦さんが移動に対する感染リスクということで、他都市ではこうしたタクシーの利用など、こうしたことが行われておりました。私も本市で実施するための方法などを調査してまいりましたが、今回の質問の時期になって、局長さんからは、コロナ禍のみの一過性のものではなく、今後の新たな支援策として検討していただけるとのことでありました。妊婦さんの安心と安全の確保は子育て家庭にとって大変うれしいことでありますので、感謝いたします。 そして、もう一点、父親への支援でありますが、オンラインを活用した講座や相談などを検討していただけるということであります。オンラインであれば、今までよりは参加しやすいし、また、たくさんのお父さんたちの参加を募ることもできます。従前も、子ども・子育て支援センターでは--ナディアパークにあります--そこでは行っておられましたが、定員があり、かなり好評ではありますが、参加できる方は一部の方でありました。オンラインになると、これも随分と拡大できますので、ありがたいことであります。 父親も母親も心身ともに元気で子育てできるのが理想ですが、多くの方々は、悩みながら、そして頑張って踏ん張って、こうしたコロナ禍だからこそ、より一層そうした思いでいらっしゃることも多いわけであります。そうしたお母さんやお父さんに寄り添える本市の子育て支援を推進していただくことを強く強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山田昌弘君) 次に、江上博之君にお許しいたします。    〔江上博之君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◆(江上博之君) 通告に従い、知事リコール署名に係る市長の政治責任について、河村市長に質問いたします。 リコール団体が提出した署名の8割以上が有効と認められないと明らかになった2月1日、リコール運動を熱心に進めてきた河村市長は--不正発覚に対して謝罪すると私は思っておりましたが--僕も被害者と記者に語って、謝罪どころか責任がなかったかのような発言をいたしました。その後、偽造署名の書き写しの経過も次第に明らかになってきた3月1日の記者会見で、正当に署名活動をされた方々には、早く気づけなかったことについては申し訳ないと発言しています。 そこで質問します。署名を熱心に推進した市長が、正当に署名活動をされた方のみならず、市民全体に謝罪をし、不正署名となった経過を徹底解明する責任があるのではありませんか、お答えください。 2月1日の記者会見で、署名がおかしいと感じたことは一度もなかったのですかという質問に、市長は、一度もありませんと発言しています。しかし、佐賀県での書き写しの報道が明らかになった後の2月22日の記者会見で、偽造署名していたのは分からなかったのですかという質問に、私が本当に分かったのは、11月3日の日に行って、何か同じような署名があるなというのを言っておったんですね、スタッフが、という話を聞いて、そのときだったと発言しています。立ち話とも言っています。それを受けて、田中事務局長とかに質問したかと聞かれて、市長は、していません、全然想像もできぬからとか発言しています。 そこで質問します。2月1日は、全く偽造を知らなかったと言いながら、2月22日には、昨年11月3日に分かったと言い出した。しかし、調査をしなかった。なぜ2月1日に全く偽造を知らなかったと言ったのですか。そして、なぜ11月3日以降、調査をしなかったのですか、お答えください。 次に、市長は、10年前の市議会解散を求めるリコール時の受任者名簿情報を今回のリコール団体に貸し出したと発言しています。10年前の2011年3月、名古屋市議会は、解散リコールが成立し、解散いたしました。その市議会解散リコールは、ネットワーク河村市長という団体が請求受任者を募集していました。 そこで質問します。ネットワーク河村市長が管理していたと思われる受任者名簿を今回のリコール団体に貸し出したのは、河村市長本人ですか、河村事務所ですか、それともネットワーク河村市長という団体ですか、お答えください。 次に、署名の調査結果は、有効署名は2万6981で、名古屋市内有権者189万791人に対して1.43%です。100人で1人余しか署名していません。中川区では、有効署名は1,567で、有権者18万1418人に対して0.86%です。100人のうち1人も署名していません。市長の主張は有権者に認められなかったのではありませんか。 そこで質問します。リコール署名の結果、市長の主張、行ってきたことは、市民に賛同が得られなかったとお認めになりますか、お答えください。 以上で、私の1回目の質問を終わりますが、質問に端的に答えていただくことを望んで、1回目の質問といたします。(拍手)
    ◎市長(河村たかし君) まず冒頭、短くですけど、先ほどの、ちょっと前の議会で僕のことをいわゆる中心人物であると、署名運動の……(「聞いていません」と呼ぶ者あり)いや、これは根幹に関わりますから。これについて何の弁明もなしに、これはいかぬと思います。私は署名運動の中心人物ではありません。管理責任などは持っておりません。取消し、ないし訂正していただきたいと思います。 それから、謝罪はどうかということでございますけど、何せ想像もできぬことが起こりまして、初めから謝ってばっかというのも、これもまず、とにかく事態の真相究明がどうしても重要だということで、そちらをまず徹底的にやろうということで、実際やっております。そういう意味で、本当に言いましたように、真面目に--僕の知っておるところでは真面目に署名運動をやっておった人ばっかですから、その皆さんに対しては申し訳ないと。ほかの--ほかのと言ってはいけませんけど、市民の皆さんにも、それは申し訳ないなと、こんなことが起こってと。この間も言いましたけど、自分で見つけれぬかったと、これは。先ほど言いましたように、私は中心人物じゃありませんので、管理責任もなかったから分からなかったですね、これ。河村にどうも分からぬようにやろうという話もあったようでございます。と思っております。 それから、本当に分かった話がどうかということだけど、これは確認はしてきたんですけど、11月3日にうちの秘書の、名前も言うておくと、大谷というんですけど、が来まして、エレベーターの前の辺だと言っていますけど、僕もちょっとよう分からぬのですけど、そこで、やっぱり同じような署名が多いんですわということを聞いた気がしますが、正直に僕が言ったんです、それは。だけど、俺はどうだったと言ったら、いや、何の返事もなしにそのままエレベーターか何かに乗っていかれましたよという話で、私は何遍も言いますけど、前回の--ここで言うと皆さん面白くないか分からぬけど--市議会リコールのときに25%無効になっておるわけですよ、これが。それはいろいろありますけど、署名が同一、それから、番地が、1-1-1が漢数字だとかなんとかで1字間違っておったとか。それで初め、そういうのをみんな没にされたり、大きかったのは、受任者名簿の受任者欄が、当時は街頭でやるやつと、それから一般に集めるのと一緒でやっていました。今回は分けてあったんです。街頭でやるやつは受任者欄なしという、それが大きかったんですけど、25%も無効にされまして、それに対して縦覧手続でそれがひっくり返ったということでリコールが認められたという経験をしておりますので、相当の数、ええことじゃないけど、お父さんかお母さんの名前を書いたと、家族の名前を書いたりというのは、やっぱりええことじゃないけどあるんです。会社の社長がみんな書いたりとか。またかなというぐらいの話の認識しかなかったですね、これ。実際そうです。経験しておりますから。ということで、そのときの状況はそうで、分かったという意味は、大量の不正署名が分かったという意味じゃないです、全く、これは。そんなことは考えも及ばなかったということです。 それから、リコール団体が使った案内ですけど、誰が貸し出したのかということですか--これはネットワーク河村市長です、主体といえば。だけど、その責任者はうちの事務所に一緒におりまして、長いこと、だから、しょっちゅう事務所の中で話なんかはしておるということでございます。 それから、リコール団体に貸し出した……。あ、これ、ちょっと答弁漏れになるか。あれは貸し出したというより、皆さんに案内していただいてもいいですよということで、皆さんいろいろ言われますけど、リコール運動も、選挙運動と同じ国民の、憲法第15条第1項に基づく基本的な権利なんですよ。だから、関係ある方に選挙運動で皆さん推薦はがきを出しますけど、同じように、いや、この人はこういうふうでリコールせないかぬというふうに案内を出すのは何の問題もありません。これは問題もないどころか、むしろやるべきことです。政治活動の自由というふうな国民の知る権利に奉仕するということでございます。 それから、署名している数が少ないけども、主張は市民に認められたのかと言いますけど、これは、名古屋市を訴えてまって、悪いですけど、愛知県知事、独断独裁で、それもコロナ中ですよ--コロナ中、訴えてまって、これは私、守らないかぬ、裁判になっています。これは当然のことながら、名古屋市として反論しております。3300万円払えというのが県の主張ですけど、冗談じゃないということを反論しておりまして、リコール運動については、そんな状況下においてはしようがないというのか、名古屋市民を守るために必要な活動だったというふうに私は思っております。 ◆(江上博之君) 市長に再質問いたします。 ネットワーク河村市長と回答されました。しかし、市長は、記者会見で、受任者の名簿について集めるときにもちゃんと明示してあって、これは政治活動に使いますということで書いてありますとか、それと、政治活動、書いてなくても、政治活動において個人情報保護法の適用はないと当事者のように発言しています。河村市長が貸し出したのではないですか。お答えください。 ◎市長(河村たかし君) 私はこういう仕事をやっておりますので、いろんなところに出ますので、ネットワーク河村市長のほうは平野さんという方でございまして、事務所におられますけど、その方ですから、一緒に相談しながらやっておるということで、僕が発言することが多かったと--多かったかどうか知りませんけど、そういうことでございます。 ◆(江上博之君) ネットワーク河村市長ということにしておきましょう。ここに10年前の署名の受任者を募集するはがきをブログから見たものを印刷いたしました。ここの中に、この下段に、ネットワーク河村市長が団体として配布したものですが、この下のところに、ご登録された個人情報は上記団体--つまりネットワーク河村市長--外の第三者に開示提供せず、と明記していました。また、2012年8月22日の総務環境委員会で、この受任者名簿の目的外使用が問題となったとき、参考人として出席したネットワーク河村市長名簿管理委員長の平野一夫さんが、第三者に開示しないということは、これは確かなことでございますと答えています。 そこで質問します。受任者名簿情報をネットワーク河村市長の第三者であるリコール団体に貸し出したのは、10年前の受任者に対して約束違反ではありませんか。個人情報を漏らしたことを受任者におわびすべきではありませんか。お答えください。 ◎市長(河村たかし君) そこにもうちょっと書いてあるのを読んでいってもらわないかぬですけど、名古屋市政改革--完全にてにをはは覚えておりませんけど--には使用いたしますと、そういうふうに書いてあります。 ◆(江上博之君) どこまでも第三者に見せないということについては認めないと、そういうことのように聞こえます。これは大きな問題だと指摘しておきます。 それから、昨年11月3日、気づいていたということは認めました。何か別のことを一生懸命言ってみえたけれども、気づいたのになぜ調査をしなかったのか、そのことはどうですか。 ◎市長(河村たかし君) 気づいていたと、もう一回そこの--それは記者会見ですからちょっと精査しますけど、気づいたといいますか、僕からすると、10年前、25%もペケだったから、またそんなことかなあというふうに思ったというだけであって、気づいていた中身が、今回のような犯罪があると--犯罪の事実があるということは到底全く知る由もなしという状況だったということです。 ◆(江上博之君) 最初の記者会見、2月1日のときには、偽造したことはありませんときっぱり言っておきながら、22日になって、佐賀の問題なんかが出てきたら、気づいていたのにいろいろあったからと。これはごまかしであります。ましてや、提出するときに大体有効署名の5倍以上提出しておるわけですよ。大体、署名運動をやってみえれば、毎日毎日、大体署名数がどのぐらいあるかとか聞いているはずです。それに比べて5倍もあったら、おかしいと思わないほうがおかしい。これを私は指摘しておきたいと思います。 それから……(「質問してちょう」と呼ぶ者あり)質問はしておりません。数字で賛同されていないことは明らかだけれども、コロナ禍の問題でいろいろ言ってきたけれども、事実として、やっぱり賛同者は少ないんだと、そのことは事実、認めないといけないんじゃないですか、どうですか。 ◎市長(河村たかし君) いや、コロナもありましたし、私は私で精いっぱい応援をしまして、あまり推測で言っちゃいけませんけど、有効な名簿はまた別個のところにあると--10万とか20万とかという説があるんです、有効な名簿が。これはちょっと長くなるでやめておきます。そういうようなことで、リコール運動というのは日本ではあまり--日本ではというと感じが悪いけど--あんまりありませんけど、これが駄目だと思ったら、堂々とリコール運動をやることが重要なのであって、コロナのことが大きかったと思いますけど、それは市民の皆さん、熱心にやっていただいて、大変貴重な活動だったと私は思いますけど。 ◆(江上博之君) そうしますと、市長は、名古屋市内で有効署名が2万6981とか、中川区では1,567、これ以外にもっとたくさん有効署名があるんだと、そういうことを思ってみえるわけですか、どうですか。 ◎市長(河村たかし君) それは今、何とか確認できぬかということで、いろいろこちらも調査しておりますけど、そういうことを言っている方が複数お見えになります。 ◆(江上博之君) そういうことを理由にして、署名が賛同されていないということは言えないと、そういうことを言ってみえるのか。事実にちゃんと基づいて、それがある限りは、まずきっぱり、これはいかぬなと、しかし、こういうこともあるんだよと、そういうのが論理的な話じゃないですか、どうですか。 ◎市長(河村たかし君) それは推測ですけど--推測といってもええかげんな推測じゃないですけど。しかし、数名であっても、名古屋市が現に訴えられていると。こんなこと--こんなことと言っちゃなんで、とんでもない話ですよ、こんなの。天皇陛下をバーナーで燃やして足で踏んづけるようなのを何の相談もなくやって、名古屋市に3300万円払えといって、それで、コロナ中に何の相談もなく訴えてくると、そういう人は辞めていただきたいという運動をするような、そんな数でどうのこうのよりも大変貴重な活動じゃないですか。 ◆(江上博之君) 表現の自由を自ら侵しておきながら、そんなことを質問もしていないのに答えること自体が問題だということを指摘しておきます。 私がリコール団体の代表の発言を踏まえて--いいですか、代表者の発言を踏まえて、リコール活動の中心人物であるとはっきりと申し上げました。この発言に侮辱、名誉毀損--私は根拠が全く分からない。でも、リコール運動を熱心にやって、中心人物と言われる、これだけで言えば褒め言葉じゃありませんか。今回、そのリコール団体が提出した署名に偽造が83%も含まれていたから、問題発言だと言い出したんじゃありませんか。 私が質問しているのは、リコールを熱心に推進してきた者としての責任をお聞きしているわけであります。答えないということは、逆に、偽造に加担したのではないか、こんな疑問を市民から持たれてしまいますよ。そんな話だと私は思っております。 今年1月、病院のベッドが不足して大問題となりました。ベッドの不足は、昨年の7月、8月、このときから分かっていました。第3波が来るんじゃないかという心配もありました。名古屋市として、愛知県と協力してベッドを準備することが求められていました。 ところが、市長は、知事リコール運動に熱中したことやその署名調査でコロナ対策に大きな支障を来しました。市長は、コロナ対策より知事リコール運動を優先しました。自ら行ったことに責任ある発言をしない方は、市長職にいる資格はありません。このことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(中里高之君) 次に、西川ひさし君にお許しいたします。    〔西川ひさし君登壇〕 ◆(西川ひさし君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、自由民主党名古屋市会議員団、河村市長12年間の負の遺産シリーズ第3弾として、陽子線がん治療施設訴訟問題における市長の責任について、順次質問をさせていただきたいと思います。 今回の名古屋市会2月定例会に、突如として陽子線がん治療施設整備事業に係る「訴訟上の和解について」が追加上程されることとなりました。この事案につきましては、これまでも様々な議論がなされ、多くの方々が早期解決に向けた努力をしてみえました。そんな中、真摯に対応していた岩城副市長が突然更迭されてしまうという、江戸川乱歩や小酒井不木ではありませんが、この件に干渉すると呪われてしまう、ミステリー小説のような出来事が起きました。これが名古屋市政の中でであります。まさに、先週3月4日の市長さんのお言葉をお借りすれば、スターリンもびっくりな名古屋市の闇、こうした重要問題が起きてしまったのであります。 今定例会において、この事業を所管する財政福祉委員会での議論が、自民党市議団の岡本先生、横井先生をはじめとする各党諸先輩方により始まりました。先日3月2日の委員会では、午後0時30分から午後4時20分頃まで、休憩を挟んだものの、4時間近く、お忙しい中、河村市長さんにも出席をしていただきました。私も、勉強になればと真摯な態度で傍聴に臨ませていただきました。 さすが我が党の先輩方の御意見は分かりやすく整理をされていたため、3本立てで分かりにくく提出されてしまった議案について、よく理解をさせていただくことができました。しかし、それに対する市長さんのお話には、私のレベルではついていくことができないのか、余計に分かりにくくなってしまって混乱をしてしまい、お使いになられるお言葉も分かりにくいために、どんどんずぶずぶと底なし沼にはまっていってしまったのであります。委員会ルール問答無用の市長さんのなりふり構わぬ言動に、我が党の浅井委員長の議事運営も大変な委員会でした。浅井委員長、お疲れさまでした。 自分の頭の中をいま一度整理して、このからくりについて理解をするためには相当な時間を要することとなってしまったのであります。やっと自分なりにこの問題の理解と整理ができたとき、まず感じたことは、市長さん、あのときの4時間を返してくださいだったのです。まあ、そんなことを申し上げても、市長さんはドラえもんではないので、時間を返してもらえるわけではありません。なので、私は粛々と話を進めさせてもらいます--よろしくね。 この問題は、いま一度基本に立ち返って分かりやすくしていく必要があります。振り返りながらお聞きをしてまいりますので、委員会や本会議と重複する点が出てきます。しかしながら、今後の委員会でのより有意義なる議論への中継ぎ役というものを、私は全集中で全うすることが責務であると考えておりますので、その点は御容赦くださいませ。 まず、今回の陽子線がん治療施設整備事業に係る訴訟上の和解の内容についてでありますが、一つ、名古屋市は増加費用として和解金3億8500万円を日立に支払うこと。二つ、一時凍結により短縮された管理業務に対する対価は発生しないこと。三つ、契約期間を8か月延長し、その対価は本市が支払うことという、3部構成となっております。 このがん治療施設の整備は、平成18年2月に、当時の松原武久市長が本会議で粒子線の治療機器の導入に対する意気込みを表明したところから始まります。その中で松原市長は、様々な課題はあるけれども、生活の質を重視した最先端の治療法の一つ、がん治療に苦しんでいる多くの市民の皆さんのことを考えると、その課題を克服しながら実現していきたいと述べられてみえます。まさに先見の明であります。将来の高齢化を見据え、切らずに治す、体に優しい最先端のがん治療施設として、働きながらがん治療をしたい、あるいは年齢的に体への負担が少ない治療がよいなどといった、多くのがん患者さんの夢と希望に満ちあふれた事業だったのであります。 平成20年12月には、日立製作所中部支社さんと20年間の事業契約の締結を迎え、整備に向けての準備が着々と進められることとなりました。そして、この問題は年度が替わるとともに、もぞもぞと湧き出てまいりました。契約締結の12月の翌年、平成21年4月に名古屋市長選挙が執行されました。2大公約の一つである地域委員会やタウンミーティング、先日、我が党の服部議員が問いただした多選問題をはじめとして、減税所属議員の多くの不祥事とともに忘れ去られてしまったようなマニフェストをひっ提げて、一大センセーショナルの中、圧倒的な勢いをもって河村市長さんが誕生したのであります。 その新市長さんが選挙マニフェストとして立ち止まりを掲げてみえた前市長時代の4大プロジェクト、すなわち一つ目は、名古屋城本丸御殿の復元、二つ目は、クオリティライフ21城北--これが陽子線がん治療施設のことであります。三つ目に、我が党の斉藤議員からも代表質問の中でも問題視されましたが、東山動植物園再生プラン、四つ目が、モノづくり文化交流拠点構想のことであります。これによって、陽子線がん治療施設の整備が突然一時凍結となってしまったのです。平成21年9月18日の出来事であります。 その際、市長は、一時凍結の理由を幾つか述べた上で、市長の判断により事業を凍結しました。その結果が、今回の和解金3億8500万円支払わなければならないという結果となった。誰の責任なのか、しっかりと検証されなければなりません。 またこの時点では、既に名古屋市が陽子線がん治療施設を設置するということを多くのがん患者さんが認知していまして、全国にも7か所しか存在しない、数少ないがん治療最先端の陽子線に望みをかけてみえたのであります。治療施設の完成を指折り数えて待っていた方々は少なくなかったようです。現に私のところにも、陽子線治療に期待して完成を待ち望んでいたが、遅れたことで間に合わなくなって、陽子線治療が受けられずに亡くなってしまったというお話も幾つかお聞きしております。御家族もそうでありますけれども、本人の思いはなおさら心残りであったことは想像に難しくありません。 私も、長年の恩人の一人から、西川君、どうも僕は間に合わぬみたいだなとしみじみ言われたことがあります。その中の一人であったのです。その方の最後の言葉を、私は決して忘れることはできません。 話を戻します。 その後、我が自民党では、陽子線治療について、他施設の視察や専門家の方々との意見交換など、改めて陽子線について勉強し、その上で、本会議並びに所管事務調査など、幾度となく整備事業の早期再開と陽子線がん治療の必要性について訴えてまいりました。 特に、平成21年11月定例会本会議での請願審査での討論では、我が党の守護神である渡辺義郎先生が、仮に目標が800人を下回り、さらなる一般財源の投入が必要となったとしても、人の命が救われることを考えればちゅうちょする必要はありません、陽子線治療に一縷の望みを持っておられる患者さんのためにも、一日も早い完成を願っていると強く訴えたくだりは、今も語り継がれているところであります。まさしく、人命はお金に代えられないものであります。私の好きなアニメ「ONE PIECE」に例えると、渡辺義郎先生は正義の白ひげ、河村市長さんは闇の黒ひげといったところでしょうか。 市民に寄り添う渡辺義郎先生の大所高所からの御意見が作用したのか、突如、翌年の正月、1月1日の新聞記事の中で、陽子線治療施設整備再開を知ることとなり、ええっと驚きました。こうした方々は結構たくさんお見えになったようであります。 果たして、この3か月半の凍結期間は何だったのかと怒れてくる自分と同時に、これでやっと陽子線がん治療施設がこの名古屋にできて、多くの患者さん方に勇気とともに希望を与えることができて、命を救っていくことができるのだと、ほっと一息つくことができたのであります。 こうして無事事業が再開されることになりましたが、当然のことながら、契約相手の日立製作所からは、一時凍結に伴う増加費用が請求されました。その後、横浜弁護士会紛争解決センターによる裁判外紛争解決手続、いわゆるADRに舞台を移して協議が行われます。しかし、そこで示された和解案に対して、本市はいつになっても受諾について判断せず、人から見ればほったらかしに近い状態で1年余りが過ぎ去り、関係者皆さんの業を煮やした状況でADRは打切りとなります。その後、結局再び訴えの提起がなされ、今日に至ったというところであります。 民間企業である日立製作所による増加費用の請求自体は、名古屋市側の一方的な都合によって被った損害なわけでありますから、十分に理解できます。しかしながら、日立から増加費用の請求があったとき、市長さん、何とおっしゃったか覚えてみえますか。長期にわたる大きな契約であることから、現在の契約の中で対応をお願いしたいと言っているんです。覚えていますか。(「覚えております」と呼ぶ者あり)はい。これは245億円という大きな買物をしているんだから、その代金の中に紛れ込ませろ、それぐらいまけておけよと言っているのと同じなんじゃないかなと私は感じました。コンプライアンスが重視されるこの時代に、時代錯誤も甚だしい、わがまま、身勝手過ぎる。相手は民間企業さんなんです。 その上--その上ですよ、日立製作所中部支社さんとの契約にもかかわらず、特別秘書と共に東京の日立製作所本社まで乗り込まれ、本社の社長さんに面会し、特別秘書と共に、この事業は前の市長が決めたことだでまけてくれというようなことを言ったそうではありませんか。中部支社さんのメンツ、どうなるんでしょうかね。人の気持ち考えてあるのかな。まあ、ないんでしょうね。日立さん、土足で踏み潰されたようなものじゃないんですかね。 その点、日立製作所さんはさすがに良識ある対応、勇気ある決断をされました。行政、それも大名古屋、人気絶頂の河村さんを相手にしても、社内規範にのっとって正々堂々とオープンな場での協議をすることを社運とプライドをかけて選択されたのです。私は、この点を鑑みれば、既に日立さんの完全勝利と言っても過言ではないと考えております。 ここで特に問題になるのは、ADRでの本市の対応であります。ADRでは、あっせん人から1億5341万円余の和解案が提示されたことが明らかとなっております。当時の財政福祉委員会に岩城副市長は出席をされた上で、早期に解決したいという当局の考え方に私も賛成である、ADRで解決することが最善であると述べられておりますし、このとき、当局も、専門家が第三者的な立場から判断されたものであり、一定の合理性はあると発言しております。その他にも関係者の皆さん、これは早期に解決するべきだという御意見がほとんど--河村市長を除いては、全ての御意見だったようとお聞きをしております。 にもかかわらず、和解の合意には至りませんでした。どうしてでしょうか。これはやっぱり市長さんの御判断だったということになります。 今回上程されている和解金3億8500万円、ADRでの和解金1億5341万円余。6年も前に、それも2億3000万円も少なく、まだ少しでも傷を浅く決断することができたのでした。ちなみに、昨年10月の決算委員会において、訴訟となっている増加費用、訴訟費用の責任の所在、委員間討議が行われました。その際、市長さんのところの減税日本ナゴヤ所属の中川議員からは、会派の代表として、市長の責任だと思っているとの答弁がありました。皆さん御承知のとおりだと思っております。 また、3月2日、市長さんが出席された委員会、私も傍聴させていただいたと先ほど述べさせていただきましたが、そのときにも、同じく減税所属の中川議員から、改めて河村市長の政治的責任であるとはっきり聞かせていただきました。さすがに市長さんにも聞こえていたことと思います。 そこで、こうした経過を踏まえて、まずは健康福祉局長に大きく2点についてお聞かせいただきたいと思います。 平成21年9月18日に事業を一時凍結しておりますが、凍結した理由は何だったのか。そして、それは誰が判断したのか。市長が判断したものではないのか、お伺いいたします。 もう一つ、改めての確認となりますが、ADRでは和解案が示され、本市は受諾しなかった。職員さんや当時の岩城副市長さんも含めて、ほぼほぼ皆さん合意すべきだと言っていた。では、それがなぜ受諾されなかったのか。その判断は誰なのか。また、ADRを受諾しなかったことで、結果的に和解金が2億3000万円も増額してしまった、この責任ある重い判断は誰がしたのか。 以上、2点について、健康福祉局長にまずはお伺いをさせていただきまして、私の1回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局に、河村市長12年間の負の遺産に関し、陽子線がん治療施設訴訟問題における市長の責任についてお尋ねをいただきました。 陽子線がん治療施設整備事業につきましては、平成21年4月の選挙で当選されました河村市長が選挙マニフェストで掲げた、一旦立ち止まって実施時期や規模を再検討するとされた4大プロジェクトの一つである、クオリティライフ21城北の中の事業でございます。 河村市長の当選後、陽子線がん治療施設整備事業につきましては、これまでの経過、必要性、患者数の見込み、事業全体の収支見通し、進捗状況などを説明しておりましたが、平成21年9月18日に市長が一時凍結の決断をされました。その当時の理由としましては、一旦立ち止まって考える、子供の予防医学や救急・周産期などに集中すべきとの意見もある、討論会を開催し結論を得る、患者数が800人だと言われているがそれは違うと思うというものでございます。 一時凍結の後は、公開討論会の開催などを経て、約3か月半後の平成22年1月4日に一時凍結を解除しておりますが、一時凍結に伴う増加費用につきまして、日立製作所から請求書が提出され、議員御指摘のとおり、平成25年3月8日に日立製作所が横浜弁護士会紛争解決センターへ裁判外紛争解決手続--ADRを申し立てるに至りました。 その後、平成27年4月28日にあっせん人から約1億5300万円の和解案が提示され、市長と相談する中で、当時の岩城副市長以下、我々職員もそれぞれ意見を述べておりました。最終的には、現段階ではこの和解案では市民の理解を得られない、3か月半の間一時凍結したことに対する金額の妥当性に疑問があるといった理由から、和解には至りませんでした。 以上でございます。 ◆(西川ひさし君) 今、健康福祉局長からは、一時凍結、市長の決断、はっきり答弁いただきました。そしてまた、ADRの和解についてもはっきりと--これははっきり答えてもらっていないのかなと思います。いま一度確認します。ADRの和解に至らなかったのは市長の判断かどうか、それだけ端的にお答えください。 ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局に、ADR和解案の受諾に関する判断について、再度のお尋ねをいただきました。 ADR和解案の受諾に至らなかったのは市長の判断であったと理解をしております。 以上でございます。 ◆(西川ひさし君) ありがとうございます。本当に健康福祉局長さん、誠意と勇気ある御答弁ありがとうございます。 名古屋市がADRを受諾しなかったことは市長の判断だ、公でお認めになったことかなと思います。この事案を所管する、これ、伊東副市長さんにもお聞きしたい、確認させてもらいたいと思います。今の2点につきまして、いかがですか。簡潔、端的にお答えをください。 ◎副市長(伊東恵美子君) 再度、私のほうに御質問をいただきました。 陽子線がん治療施設整備事業の一時凍結、これは市長の判断であったと理解をしております。 また、その後のADR和解案につきましても、先ほど局長申しましたように、現段階では、この和解案では市民の理解を得られない、3か月半の間、一時凍結したことに対する金額の妥当性に疑問があるとの理由から、市長の判断により和解に至らなかったと、私もそういうふうに理解をしております。 以上でございます。 ◆(西川ひさし君) 副市長さんもありがとうございます。 市長さん、そこでお伺いをさせてもらいたい。 今、ともに市長の判断ということでありましたけれども、しっかり答弁してもらいました。一時凍結も和解金の支払いも市長さんの責任ということであります。 そこで、政治家としての河村市長にお伺いをします。 その3か月半も凍結する必要があったのか。公開討論会は10月に実施されております。専門家の皆さんの意見も聞きました。この3か月半、もう少し短ければ、増加費用の請求そのものがなかったかもしれないし、もっと少なかったかもしれない。何といっても、一時凍結も政治家の河村さんの判断で行われた。そして、その結果として和解金が3億8500万円。これ、ほかにも弁護士費用とかいろいろかかっているんですよ、3000万円近くとか。いろいろその他もろもろかかっております。そして、もう一つ大きなこと、多くのがん患者さんがこの施設での治療を望んでいた、先ほど話させてもらいました。これを止めたことによって、治療開始が約8か月遅れました。そして、遅れたためにその治療を受けられない方が多くお見えになります。相当数お見えになります。そうした影響、市長はどう感じているのか、考えているのか。端的に、聞かれたことにしっかりと誠意を持って答えていただきたいと思います。 ◎市長(河村たかし君) 皆さん言われておるけど、残念なことに厚労省は認めていないんですよ、それだけの優位性を。リニアックとかIMRTといいますけど、いわゆるエックス線治療です。それの同等の効果しかないと言っているんですよ。だから、悪いですけど、毎年7億円ずつ……(「端的にお願いします」と呼ぶ者あり)7億円ずつ赤字を垂れ流しておるけど、どうなっておるの、これ。そのときの言っておったのは、42年度、3年ぐらい前に800人の治療で1億円の利益が出ると予想しておったんですよ、そのときに。じゃあ、今、何なんですか、これ。7億5000万円の赤字です--7億5000万円。それは厚労省、認めませんから。だから、私は、止めたことはよかったと思いますよ。下手すると……。(「議長」と呼ぶ者あり) ◆(西川ひさし君) 市長さん、座って。 今の、まず、厚労省の話がありましたけれども、3月4日の本会議場で発言されましたね。厚労省に聞いてちょう、言われましたよね。この本会議場で言いましたよね。覚えていないとは言わせませんよ。ほんで、私、ちゃんとしたルートで確認させてもらいました。一応、私、総理の秘書をやらせてもらっておったものですから、きちっとしたルートで問合せをかけました。そしたら、お問合せに関してですが、厚労省としてはそのような事実確認ができませんという回答のみで、非常に困惑して、迷惑でお困りになっているふうでしたね。また、4日木曜日に問合せをして、5日に正式に返答をもらいました、私のほうへ。 今日、また午後から浅井議員が第4弾で名古屋城問題、ありますね。ほんで、文科省だけならず、厚労省まで名古屋に対してそんなふうな思いを持っているって、河村市長に対してそういう思いということ、これ、名古屋にとっていいことでしょうかね。早くこの際、国に戻って名古屋のために関係修復をしてほしいと思うんですよ。 市長さんが一時凍結したときで、もう既に国立がん研究センターには、この施設、あと、筑波大学とか、陽子線治療センターとか、ほぼほぼ多くのがん患者さんを救っていたのは事実なんですよ。厚労省としては、市長自身が判断したくせに、人のせいにするな、巻き込むなということなんじゃないかなと思います。あのね、しっかりと答えてもらいたいと思うんですけど、人の質問をはぐらかしちゃいけない。あなたは市長さんなんですよ。 市長、ちょっとね、昔話を思い出した。させてもらっていいか。 30年ぐらい前だけど、あなたは、海部先生のところへ、お母さん、つや子さん、手を引かれて行きましたよね、お願いに。あの中継ぎしておったのは私なんですよ。お母さんと海部先生のお姉さんは、愛知県立第一高等女学校の同級生。お母さんから私、しょっちゅう、いろいろ連絡があって、海部先生に会わせてもらいたい。覚えていますか。稲沢事務所へ見えたとき、背の高いトッポか何かに乗って、そのときに、私、厳しい日程を取らせてもらって、海部先生、面会をする時間を僕が取った。お迎えしたお母さん、優しい人ですね、すばらしい方でね。その方が見えて、今日は忙しい中ごめんなさいねと言われながら、案内しましたよ。後ろからとぼとぼとついてみえて、私に言われた言葉、覚えていますか。今日は、海部先生の御機嫌はいかがでしょうかと言われたので、私は正直申し上げて、お母さんが連絡してきて、お母さん、優しいいいお母さんですよ。自分でそんなことは確認してよと俺は言いましたよ。そんなことは自分で聞いてくれよと。覚えていないですか、ここまで言っても。その後も横にちょこんと座られて、一言も発せなかった。お母さん、いい人ですよ、やっぱり。子供を思う親の気持ち、よう伝わってきましたけど、あのときの河村さんは変な名古屋弁も使わなかった。人の話もきちっと聞いたと思う。まともなことを答えていた。今、何ですか。時が人を変えたのか。何かがあったのか分からないけど、もうちょっと誠意を持った答弁をしてもらいたいと思いますよ。(「そっちが変わったんじゃないか」と呼ぶ者あり)私はそのままですけど。 本題に戻ります。時間がない--時間がないので。これ、結局、あと市長さん、1億円もうかったという発言がありましたよね。あれ、全く違う話--違う話なの。この訴訟は、例えば、居酒屋さんで例を出してみると、予約をしました、68人か何かで予約をしました、宴会。5,000円の鍋コースに1,500円の飲み放題コースをつけてお願いをしてあった。でも、自分が、幹事が気が変わったのでドタキャンをしました。本来はそれ、キャンセル料を払わないかぬかなと思うけれども、そのお店は理解があるところであった。ちょっと何週間かたってから、もう一回そこ、予約をお願いしたいと言った。そしたら、その居酒屋さんは、ほんじゃあ、分かったよと。ただ、前回の分のキャンセル料で、刺身とか生鮮食品だとか仕入れて捨てちゃった分についてはキャンセル料を払ってよと。あとの分はまあいいよと言って、同じくやってもらった。そのときについている飲み放題は別に最初から請求はされていない。そのままついてきた、そういうことだと私は理解しております--分かりやすく言うとね。 じゃないと、市長さんは、こことここの数字を足して引いて、本来なら3億8500万円と足して、維持管理費というものはやっていないんですよ、日立さんは。 もう一つ、日立さんは請求していませんからね。市長さんはこの前の委員会でも、実は請求されておったんですわって、それを聞くと--聞くと、いや、これは今裁判中でどうのこうのって言われる。でも、関係者に確認したら、日立は請求をしておりません--しておりません。この4億円何ぼね。維持管理費は請求していないの。だから、後で8か月つくわけだ。当たり前だ。それは確認せぬでも分かること。日立さんはそんな悪いところじゃない。それについて、数字をぐちゃぐちゃにして分からぬようにして、市民をミスリードというのは非常によろしくないですよ。 これ、時間もなくなってきたので、市長さんに聞いてももうしようがないもんで。 もう一つ、三顧の礼で迎え入れた岩城さんを、貧困の連鎖から子供たちを救うため、学習サポートを、岩城さん、しっかりやってもらいました。責任ある決断をして、健福、教育、子青、プロジェクトチームを立ち上げて、僕、念願だったやつ。それ、プロジェクトチームを立ち上げた途端に首切ったんだよ。このことで一生懸命名古屋市のためだということで申入れをしていたはず。そのことを、廊下の立ち話で首を切って、どうするんですか、あなた。そのプロジェクトは、年間1,000人を超える子供たちが今も喜んで活用している。それをあなた、御存じですか。知っていますか。廊下で立ち話、あなた、辞めてくれと言った。手続、あと総務局長。あのとき、岩城さんは、奥さん、病床で頑張っていて、激務の傍ら介護をしていたんですよ、岩城さん。あなた、知っていましたか。知っていたとするならば、あなたの仕打ちは本当にひどい。 3月15日に岩城さんが財政福祉委員会で参考人として来てもらいます。市長さんも同席される。そうすると、誰が正しく言っているか言っていないかは明らかになると思います。私は、この後に引き続く委員会審議で真実がしっかりと暴かれることに期待して、希望を託しております。 最後に河村市長さん、私の師、海部俊樹先生からのお言葉、政治とは日の当たらないところに光を当てること、誠実に、志を持って、信を持ち、誠に生きる、そのことを、まだまだ幾らでも言わなあかんことはいっぱいあるんですけど、時間の関係もありますので、その言葉を送らせていただきまして、今回の私の全ての質問を終わらせていただきたいと思います。 諸先輩方、どうぞよろしくお願いをいたします。(拍手) ◆(吉田茂君) この場合、暫時休憩されんことの動議を提出いたします。    〔「賛成」〕 ○議長(中里高之君) ただいまの吉田茂君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」〕 ○議長(中里高之君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。          午前11時59分休憩          ----------          午後1時2分再開 ○副議長(山田昌弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 第1号議案はじめ46件を一括議題とし、質疑並びに質問を続行いたします。 次に、久野美穂君にお許しいたします。    〔久野美穂君登壇〕 ◆(久野美穂君) お許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問させていただきます。 まず初めに、防災危機管理局と教育委員会に、小中学校における防災教育のさらなる充実についてお伺いいたします。 今年は、阪神・淡路大震災から26年、東海豪雨から20年が過ぎ、東日本大震災からちょうど10年がたつ年になりました。節目の年だからこそ、もう一度、予期しないときに起こる災害に対して常日頃からどう備えるべきかという原点に立ち返ることが、非常に大事なことになると思います。 名古屋市は、大震災以降、陸前高田市には、行政機能を丸ごと支援するという、非常にユニークな形での支援を行ってきました。そしてそれは、ただ被災地の復興に貢献できたというだけではなく、その支援を通して貴重な経験を名古屋市も得られたというメリットがあると思います。10年たった今、将来の災害に備えて、その経験を、名古屋市の防災教育とどのように関連させながら次世代に受け継いでいくかというのが、これからの大きな課題になると思います。せっかく貴重な知識を蓄積したのですから、もっと広く有効に使うべきだと考えるわけです。 たしか当時、テレビで子供が話していたのですが、大きな地震の後には必ず津波が来るから、とにかく高いところに逃げるんだよと、おばあちゃんが言っていたそうです。それを日頃から聞いていたその子は、避難のために集まったのに、なかなか移動しようとしなかった集団をその場に置いて、数人と裏山に登っていったとのことです。そして助かった、そう聞きました。おばあちゃんが、ああだこうだ難しい話をしたとは到底思えません。単純に高いところに逃げるんだよと言われていたことがその子の頭にしみついていた。そして、そのことが生死の境目になったということです。 周りの人があんなことを言っていた、こんなことを聞いたんだわという思い出話、生の声を聞かせてもらえることで、その話に込められた教訓がより身近なもの、近いものになると思います。かしこまって講義を聞くよりも、雑談的なことの中で得た知識のほうがはるかに人の記憶に残る一つの例ではないかと思います。 陸前高田市には、この10年間で名古屋市は延べ250人の職員を派遣いたしました。その方たちは、1年間、陸前高田市で現地の人と生活を共にされたわけです。その生活の中で、現地の皆さんとの交流、会話があったはずです。そこで、実体験として感じたこと、考えたことが大事なのではないかなと思います。 陸前高田市に派遣された職員の皆さんは、名古屋に帰ってからも、市民向けの講習や、あるいは職員向けの研修には参加されていると聞いております。しかし、この10年間で、小中学生を対象として被災地派遣職員が出向いたのはたったの10回です。あまりにも少ないと思います。 10年前に初めて名古屋市の職員を派遣したときの市の考え方は、この派遣事業は、将来想定される東海地震・東南海地震に必ず役に立ち、本市を救うことにもつながるとのことでした。だから、派遣する職員についても、この派遣を生かし、将来の本市の防災力を担っていく若手職員を積極的に登用し、経験を積ませたいとのことでした。派遣することの意義は、この考え方の中に読み取るべきだと思います。そして、この言葉の内容を真剣に取り上げて、施策という形で生かすことが、本当の防災力を高めるということになるし、陸前高田市に派遣したかいもあったことになるのではないでしょうか。 そこで、防災危機管理局、教育委員会にお伺いいたします。私の提案は、せっかく小学校、中学校で防災教育の時間を設けているのですから、少なくとも毎年1回は、各小学校、中学校で、陸前高田市に行った人の経験談を聞くだとか、あるいは陸前高田市から名古屋市を訪れた人たちの声を聞くとか、生の声を聞くという時間を防災教育のカリキュラムの一環として取り込むべきではないかということです。これこそが、10年間陸前高田市を支援したことが有効に生かされ、次につながる道になると思います。防災危機管理局、教育委員会の見解を伺います。 次に、子ども青少年局に、子育て支援策としてのトワイライトスクール事業の在り方について質問いたします。 平成9年度に放課後施策として二つの小学校でスタートしたトワイライトスクール事業は、その後16年かけて、平成25年度には、全小学校263校にまで拡大されました。 上の子のときには、まだトワイライトスクールができていなくて、下の子のときにそれができて本当によかった、助かるわ、いい制度ができたねとおっしゃった近所のお母さんの言葉を思い出します。それぐらい、保護者を喜ばせるいい制度であると思います。 それを16年間のうちに、全小学校に実施できるように拡大してきたということは、これは名古屋市が誇るべき実績だと思います。しかも、平成21年度には、夕方6時以降、さらに1時間、7時まで延長のできるトワイライトルームの制度までも加わって、トワイライトスクールという事業が順調に伸びてきて、保護者にとっても、子供たちにとっても、安心のできる施策として定着してきているということは、非常に喜ばしいことだし、評価すべき点だと思います。 しかし、一つ問題が残っています。もうすぐ新1年生が入学を迎える時期になります。ところが、その新1年生のトワイライトスクールへの受入れ開始時期にばらつきがあるというのが実情です。 4月1日から入学式までの間に、既に新1年生を受け入れているトワイライトスクールがあります。全261小学校のうちの244校、約94%の学校です。残り17校のうち12校が入学式以降には受入れを開始し始めます。しかし、残った5校は給食が開始されてからしか受入れをしておりません。 新1年生の給食の開始は、4月の中旬から下旬になります。それまで、1年生は早い時間、11時頃までには帰宅してくるわけですので、給食が始まるまでの二、三週間、どうすればいいんだろう、仕事に出ることができない、困った、トワイライトで預かってもらえればいいのに、そういう声があります。今度、新1年生になるお子さんを持つ、何人かのお母さんからそれを聞きました。 実際に当事者でなければ、2週間ぐらい何とか都合がつくでしょうという考え方もあるかもしれません。しかし、新年度が始まってからの2週間というのは、子供にとっても、仕事をしている保護者にとっても、非常に大事な時期に当たります。 この時期に仕事に出られないということは、これは働く保護者にとって、特に働くお母さん方にとって、非常に大きな問題なんです。しかも、トワイライトスクールが駄目ならば、せめて学童保育に預かってもらおうと頼んだところ、今年は受入れ人数がタイトで断られたという声もあります。 今のコロナのような、非常に仕事をする機会が失われつつあるときに、せっかく就いている今の仕事を大事にしたい、そういう気持ちは分かります。子供が帰ってくるからといって、そう再々休みをください、そんなふうに職場に言い出しにくい、そういう事情を私たちは十分に酌み取らなければいけないと思います。 そう考えれば、トワイライトスクールはもはや名古屋市の大事な子育て支援策の一つであると捉えて、早急に受入れ開始時期についても問題点を解決すべきだと思います。 そこで、子ども青少年局にお伺いいたします。子育て支援をするという観点から見ても、全てのトワイライトスクールで4月1日から新1年生を受け入れるべきだと私は思います。現在、4月1日から新1年生を受け入れていない学校はどういう理由で受入れをしていないのか、そして、その現状を子ども青少年局としてはどう受け止め、評価しているのか、局の考えをお伺いいたします。 以上で、1回目の質問を終わります。(拍手) ◎防災危機管理局長(渡邊正則君) 防災危機管理局に対しまして、小中学校における防災教育のさらなる充実について、被災地派遣職員等による伝承の取組のお尋ねをいただきました。 陸前高田市への行政丸ごと支援において派遣された職員による、東日本大震災の教訓等を伝える市民向け報告会につきましては、これまで、地域における防災訓練等の機会を通じて、毎年度実施してきたところでございます。 議員御提案の、小中学校の児童生徒を対象に拡充して実施することは、子供たちの防災意識の向上につながり、本市の地域強靱化計画で掲げる防災教育の充実に寄与するものであると考えます。 防災危機管理局といたしましては、今後、小中学校における実施に当たりまして、被災地への派遣職員のみならず防災危機管理局職員を講師として派遣することや、オンライン形式での実施についても検討するなど、より多くの学校において学んでいただけるよう、具体的な実施方法等について教育委員会と協議してまいりたいと存じます。 あわせて、陸前高田市において伝承活動に取り組む方々に講師を依頼するなど、有用な学習内容を教育現場のニーズも踏まえ提供してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◎教育長(鈴木誠二君) 教育委員会に対しまして、小中学校における防災教育のさらなる充実に関し、教育委員会の認識についてお尋ねをいただきました。 本市では、小中学校の児童生徒の防災に対する意識を高めるために、なごやっ子防災ノートを活用した防災教育の事業や、保護者への引渡し訓練、津波を想定した避難訓練などの実践的な防災訓練を実施しております。また、防災の専門性を有する地域の方や民間の人材などを講師とする事業も行っており、外部の人材を活用することは意味のあることだと認識しております。 議員御提案の、被災地支援に従事した本市職員が児童生徒に話をする取組につきましては、防災危機管理局提供の資料を配付するなどして、全ての小中学校の校長に周知してまいります。 以上でございます。 ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局には、子育て支援策としてのトワイライトスクール事業の在り方について、2点のお尋ねをいただきました。 まず、4月1日から受け入れていない理由についてでございます。 トワイライトスクールは、いわゆる学童保育とは性格が異なり、放課後等に学年の異なる友達と、遊び、学び、体験し、地域の大人と交流すること等を通して、子供たちの自主性、社会性、創造性等を育むことを目的とした社会教育事業でございます。しかしながら、保護者の方々からは、様々な理由により、4月1日から受け入れてほしいという御相談をいただくことがございます。 新1年生は、入学後しばらくの間は、生活環境の急激な変化に戸惑うことも多く、4月1日から受け入れる場合、安全な運営をするために、新1年生に対応するスタッフ体制が必要となります。 本市が委託する運営事業者には、保護者からの希望に応じて受け入れるようお願いし、運営事業者やボランティアスタッフの御協力により、令和2年4月には、議員御指摘のように、9割以上で4月1日から新1年生を受け入れているところでございます。4月1日からの受入れが困難であるというトワイライトスクールからは、ボランティアスタッフの人数が少なく、学校生活に慣れる前に新1年生を受け入れた場合、安全に運営するために必要なスタッフ体制を確保することが難しいこと等の理由を把握しております。 次に、現状に対する評価でございます。 トワイライトスクールは、ボランティアスタッフをはじめとする地域の皆様に御協力いただきながら運営しており、地域の実情を踏まえた運営をしていくことも必要であると考えております。 本市ではこれまで、各トワイライトスクールの新1年生の受入れ時期につきまして確認し、運営事業者と4月1日からの受入れ拡大について協議を重ね、調整することにより、運営に御協力いただいている地域関係者やボランティアスタッフの御理解、御協力を得ながら、順次拡大をしてきたところでございます。 今後とも引き続き、スタッフ体制の確保に努めつつ、4月1日から受け入れてほしいという保護者の方々からの希望にできる限り応えられるよう努めてまいりたいと存じております。 以上でございます。 ◆(久野美穂君) 防災危機管理局、教育委員会、それぞれ御答弁いただきました。 小さいときからの防災教育がいかに大事であるかということは、当局も私も認識は同じであると思います。従来どおりの決まり切った避難訓練、防災訓練のような形骸化した防災教育だけではなく、新たに生の声を聞く、体験談を聞く、現地からの子供たちの声を聞く、そういう生きた声を通した、生きた防災活動を進めてほしいと思います。 防災危機管理局は、派遣職員、陸前高田市からの講師に加え、防災危機管理局の職員も講師として小中学校に直接出向く、そのために、教育委員会と具体的に協議をするなど、積極的に関わっていくとの御答弁をいただきました。非常に評価したいと思います。 教育委員会からは、防災危機管理局から出された資料を全ての小中学校の校長に配付して周知徹底するとのことでした。それだけでは足りないと思います。単に文書を配付して、あとは学校現場に任せるという、そういった防災危機管理局と学校現場との単なる中継ぎ役ではなく、名古屋市の子供たちを守るためにいかにあるべきかという、もっと大きな視点で、市の教育をあずかる局として、主体的にこの問題に対処していただきたいと切に願います。 防災危機管理局には、防災の専門的な知識、手段がありますし、一方、教育委員会は、子供たちへのふさわしい伝え方を熟知しているわけです。ですから、それぞれの特性を生かしていただいて、両局がばらばらに取り扱うのではなく、名古屋市の問題なのですから、共同して一つの目的に向かって進んでいってもらうことを強く要望いたします。 次に、子ども青少年局からも御答弁いただきました。 トワイライトスクールは、学童保育のような預かりではなく、社会教育事業であるということをおっしゃいました。立ち上げた当時、学童保育との差別化を図るために、これは、預かり事業ではなくて、社会教育事業です、そう言わざるを得なかったのかもしれません。しかし、現在の実情は、そんな域は脱していると思います。 ともかく、子供をトワイライトスクールに入れている保護者からすれば、それが就労支援であろうが、社会教育事業だろうが、預かり機能があるとかないとか、そんな細かいことは誰も気にはしていないです。要するに、保護者は、子供が安全な場所で安全な体制の中で居場所があるということを喜んでいるのであって、これはもはや名古屋の大きな子育て支援策の一つとして認知されてきている段階に来ているんだと思います。 最近、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長の辞任劇、交代劇で世間がにぎわいました。その騒動の元にあるのは、結局、日本の社会の中における、依然として存在する女性蔑視、女性差別の風潮ではないでしょうか。なぜ、女性差別の風潮が存在するのか。それは歴史的・社会的背景と無関係ではありません。つまり、子供に関しては、出産から始まって、主な子育てはほとんど女性の役割、負担というふうに位置づけられてきました。これが、女性が社会に進出すること、そして十分に力を発揮する機会を奪ってしまうことになったのだと思います。 たまたま今日は、国際女性デーに当たります。女性蔑視、女性差別の風潮は、世界的・歴史的な流れの中にも存在したと思います。だからこそ、今、子供がいても、女性が外に出て働きやすい体制、そして、自分のキャリアを伸ばすことのできる体制を整えることが大事な女性支援であり、行政の仕事であります。 子育て支援策には、大きく分けて二つあると思います。一つは、お金をかければ支援ができるもので、先日、名古屋市が発表した、18歳まで子供の医療費無料化というのがそれに当たると思います。もう一つは、お金をかけるだけではできないもの、すなわち、人の善意、熱意に依存するところが大きい施策です。トワイライトスクール事業がまさに代表的なものだと私は思います。これは、みんなが自分のできる範囲で、子供たちを見守ろう、社会全体で子供を育てよう、そして母親を助けようという温かい気持ちがあって初めて成り立つ事業だと思うんです。 4月1日から受入れをできないところはそれぞれの事情があるとおっしゃいました。しかし、どこでも、いろんな事情を抱えながら、皆さんが努力をしてくださっているんです。その結果、現在、大多数の学校で、入学式前から子供たちを受け入れてもらっているのです。だから、まだ4月1日から受入れをできていない小学校に関しては、何とか受け入れてもらえるように、もっと積極的に働きかける必要があると思います。 今の答弁では、委託の運営事業者という言葉が出てきたり、また地域の事情があるからできないとおっしゃっているわけです。そこには、子育てのために、非常に大事な施策をあずかっている局である、そういう認識と積極性というのが、残念ながら私には見えません。あなた任せの姿勢と言わざるを得ないと思います。 もう大部分の学校では、4月1日から新1年生を受け入れているんだから、自分たちはよく頑張っているという気持ちが局の中であるのかもしれません。しかし、受入れをしてもらっていないところの保護者にとっては、それは受入れをしてもらっていないということなんです。全ての地域で公平に施策の恩恵にあずかれるよう、行政は努力をすべきだと思います。 例えば、医療費を例に取ってみれば、この地域の子供は無料だけれども隣の学区に行けば1割もらいますよ、そういったことがあるはずはありません。だから、地域の事情があるとかないとかではなく、どうすれば解決できるかが問題だと思うんです。 そこで再度、子ども青少年局長にお尋ねいたします。4月1日から新1年生を受け入れられないのは、スタッフの確保が難しいからとおっしゃったように思います。そうであるならば、今後、スタッフの確保のためにどう努力をされるのか、どうすればスタッフを確保できると考えるのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。 ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局に、子育て支援策としてのトワイライトスクール事業の在り方につきまして再度のお尋ねをいただきました。 本市ではこれまで、4月1日からの新1年生の受入れを順次拡大してまいりましたが、今後も、地域関係者等の御理解、御協力をいただけるよう、地域関係者等によるトワイライトスクールの運営連絡会に直接お伺いするなど、より積極的な調整を行ってまいりたいと存じます。 また、ボランティアスタッフの増員に向けて、例えば、回覧板等を活用し学区に根差した広報を行う等、必要なスタッフ体制を確保するための取組を行っていくことにより、4月1日からの受入れの拡大に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◆(久野美穂君) 子ども青少年局からお答えいただきました。 局が直接乗り出して、地元の意見なり考えを聞きたいという考えを示されました。評価をしたいと思います。今までに、それが当然そうされるべきことであったと思います。ですから、いい結果につながると信じていますし、期待をしています。 トワイライトスクール事業は、設立当初と違って、今や名古屋市の女性支援という大事な施策の大きな柱であるという認識を、私たちは共有しなければいけないと思います。 住みたくなるまち名古屋、子育てするなら名古屋という言葉をずっと行政は標榜してきました。それならば、言葉のうたい文句だけではなく、実体のある施策として示さなければいけないはずです。 新年度が始まるときに、名古屋で子供を育てる親にとっては、特に母親にとっては、仕事を休まなくてもいいんだ、子供の心配をせずに仕事に出れるんだと、全ての保護者に喜んでもらえるような、そして、名古屋に住んでよかったと思えるような名古屋市であってほしいと思います。 局長さんもお仕事をしながらお子さんを育てられたと聞いております。そして、今の立場におられるわけですから、それはさぞやいろいろと大変だっただろうなと思います。きっと周囲の助けや理解があればこそ可能であったと思いますけれども、同時に、こんな制度があればいいなとか、あんな手助けがあればよかったのにと思われたこともたくさんあったと思います。そのことを思い出してもらったら、今、子育て真っただ中の人たち、母親にとって、トワイライトスクールがいかにありがたい、大事な事業であるか分かっていただけると思います。 4月1日から受入れを実施している地域のお母さんたちは、まだ受入れをしていないところがあるなんて知らなかった、びっくりだわという声もありました。やっていない地域のところのお母さん方は、ほかは受け入れているの、それだったら、うちの学校でもやってほしいわという声があります。 行政にとって、常に大事なのは、広く市民の声、願いを聞き取ることだと思います。定められた場所での、限られた人たちのセットされた場だけではなく、生の声をしっかりと聞くべきだと思います。 そのことを再度強く申し上げまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山田昌弘君) 次に、増田成美君にお許しいたします。    〔増田成美君登壇〕 ◆(増田成美君) 議長にお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問いたします。 まず、保育所における乳児の睡眠中の事故防止対策についてお伺いいたします。 保育所では、保育活動において、子供の睡眠時間を確保するお昼寝、いわゆる午睡を行っております。午睡の目的は、平成30年4月1日から運用されている、厚生労働省が作成した保育所保育指針において、「保育の計画及び評価」という項目に、「午睡は生活のリズムを構成する重要な要素」と記されており、午睡は未就学児の生活のリズムを整え、健やかな成長に不可欠な要素とされております。 この保育所保育指針は、4度の改正を経て現在に至り、保育所を運営する上での基本規程とされ、各保育所は、この保育指針や解説を基にそれぞれ運営しており、午睡はその中の重要な要素の一つとされております。午睡については、それぞれの子供の成長や体力に差があり、保育所によって運営も異なるため、午睡の時間帯や時間数に特に規定は設けられておりません。それは、子供個人や年齢に応じて、午睡が適切に設定されることが求められるためであり、さきの指針の解説においても、一人一人の生活リズムに合わせて、安心して適度な休息や午睡が取れるようにするとの記述が見受けられます。 そのような子供の生活のリズムを構成する重要な午睡ですが、睡眠は乳幼児にとっては危険が伴う場合があります。近年、特に病気でもない赤ちゃんが突然、原因不明で亡くなってしまう事故が多く発生しております。その死亡原因は不明とされ、一般的に窒息死や不詳の死と判断される事例が多かったのですが、最近では、乳幼児突然死症候群と判断されることが増えてきております。乳幼児突然死症候群は、SIDSと略されることから、ここからはSIDSと言わせていただきます。 SIDSとは、何の予兆や既往歴もない赤ちゃんが睡眠中に突然死に至る、しかも死亡状況調査や解剖検査によっても、その原因が分からない病気です。日本でのSIDSの発生数は減少傾向にあるものの、令和元年は78人の乳幼児がSIDSで亡くなっており、1歳未満の赤ちゃんの死亡原因としては第4位となっております。 近郊での事例では、平成30年4月2日に愛知県内の認可外保育施設において、1歳ゼロか月の女児が午睡中に心肺停止となり、救急搬送後、病院で死亡が確認される事例が発生しました。死亡原因については、搬送先の病院では特定されませんでしたが、死亡原因の分析がなされた結果、所轄警察署の所見では、死亡原因は不明であるが、SIDSの可能性も考えられるとのことでした。このことからも、睡眠による事故はいつでも起こり得ると言えます。 内閣府では、午睡における事故防止に向けて、教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインを策定しております。このガイドラインでは、子供の人数や職員の人数に合わせて、定期的に子供の呼吸、体位、睡眠状態を点検し、早期発見、重大事故の予防のための工夫を行うことが重要であるとされており、多くの保育所では、時間ごとに呼吸状態、皮膚状態、寝ている体勢、汗や体温などの全身状態をチェックする午睡チェックを行っており、SIDSを予防するために様々な対策を実施しております。 このような中、保育士の負担軽減や子供の安全性向上のため、睡眠中の事故防止機器を導入する保育所が増えてきております。本市においては、平成30年度に、国における事故防止推進事業を利用し、睡眠中の事故防止機器の導入の補助を行いました。 補助の内容は、ゼロ歳児の利用定員数を上限に、児童1人当たり最大3万円。対象機器は、ベッドの下に敷く無呼吸アラームや、体の動きをチェックする午睡チェッカー、また、睡眠中のあおむけを確保できるバウンサーなどが対象となり、実績としましては、151か所の保育所に補助金が交付されました。さらに、このときに、市内全ての公立保育所においても、安全対策機器が導入されました。この実績からも、保育所において、睡眠中の安全対策機器の導入の必要性を感じます。 そこで、子ども青少年局長にお尋ねいたします。国における事故防止推進事業を実施した平成30年度以降に、本市で新規開設された民間保育所は実に79か所あります。この新設保育所においても、改めて補助をし、睡眠中の安全対策機器を全ての民間保育所に漏れがないように配備し、SIDSを含めた睡眠中の事故の予防を万全にすべきだと考えておりますが、子ども青少年局長の御所見をお伺いします。 次に、指定管理者が運営する有料自転車駐車場の定期利用についてお伺いいたします。 現在、様々な施設において、多様化する利用者ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設管理を民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上や経費の削減等を目的として、指定管理者制度の導入がなされております。 地下鉄駅における有料自転車駐車場においても、同様の理由で、平成28年10月から指定管理事業者により施設の管理運営がなされております。 現在のところ、地下鉄駅における有料自転車駐車場の利用方法については、1回の短期利用と定期利用があり、定期利用は1か月、3か月、6か月の期間区分があり、それぞれの利用者が自らのニーズに合わせて利用できる方法があります。料金体系については、1回の短期利用では、24時間を上限として100円、定期利用では、一般利用者の場合、1か月利用で2,000円、3か月で5,500円、6か月では1万750円を上限として設定されております。また、定期利用においては、大学生等、高校生以下と学生料金も設定されており、利用者区分ごとにおいて、その料金は異なります。 ここで有料自転車駐車場の定期利用について、以前、私のところに寄せられた相談事例を紹介いたします。 お子さんの進学先である高校が決まり、高校まで地下鉄を利用して通学する必要があり、自宅から地下鉄駅まで若干の距離があるため、自宅から地下鉄駅まで自転車で通うことがよいと思い、自転車駐車場の定期利用を申込みに行ったところ、定期利用枠は満員であり、順番待ちの状態であったとのことでした。そのため、1回の短期利用枠を使い、通学時に毎回利用料を支払って利用しているとのことでした。仕方なく順番が回ってくるまで、1回の短期利用枠を使っているものの、通学時に利用するだけでも、定期枠に比べて経済的な負担が当然重くなるのに加えて、相談者のお子さんは、学習塾に通う際の利用や24時間を超える利用など、通学以外にも自転車駐車場を頻繁に利用しているため、現状では、期間中何度でも利用可能な定期利用よりもかなり多くの利用料金を支払わなければならないと不満を抱えておられました。 そこで、有料自転車駐車場を管理運営する指定管理者に確認しましたところ、現在、順番待ちの人数が約300人おり、今から申し込むと、定期利用できるまで11か月程度待たなければならないとの驚きの回答をいただきました。11か月程度といえば、長期休暇を除いた高校生活のおよそ3分の1、大学生活においてもおよそ4分の1となります。それほど長期間において、利用者に経済的な負担を強いている状況です。確認したところによると、利用者の中には入学する1年前から順番待ちの申込みをしている方もいるとのことでしたが、入学する1年前には、まだ進学先などが決まっていない方がほとんどです。したがって、地下鉄駅有料自転車駐車場を利用するのかしないのか分からない方が大半です。そのような中での事前に申込みを求めるやの見解には、正直違和感がありました。 定期利用を希望しているのにもかかわらず利用ができない、さらに経済的な負担を強いてしまっているという現状は、このまま看過することができないと考えております。 そこで、緑政土木局長にお伺いします。現在、順番待ちの人数の多さが顕著な指定管理者が運営する有料自転車駐車場の対策において、どのような考えをお持ちでしょうか。緑政土木局長の御見解をお聞かせください。 これで、第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局には、保育所における乳児の睡眠中の事故防止対策についてお尋ねをいただきました。 保育所等における睡眠中の安全確認につきましては、保育者が定期的に子供の呼吸、体位、睡眠状態等を直接確認することが、何よりも重要とされております。睡眠中の子供の体動をセンサーで感知する午睡チェックなどの安全対策機器は、保育者による安全確認を補完するものであり、本市におきましては、平成30年度に国の事故防止推進事業を活用して、公立保育所と希望のあった民間保育所等に、これらの安全対策機器の配備を行ったところでございます。 乳児の睡眠中の事故防止につきましては、引き続き、保育者による安全確認を徹底するとともに、安全対策機器の各民間保育所等における配備状況等を把握するなどして、施設を運営されている方々の御意見も伺いながら、希望される施設への導入を検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◎緑政土木局長(酒井康宏君) 緑政土木局に対しまして、指定管理者が運営する有料自転車駐車場の定期利用についてお尋ねをいただきました。 議員御指摘の、特定の駅で発生している定期利用の長期間の順番待ちにつきましては、当局といたしましても課題であると認識しております。定期利用の順番待ちの人数が多い自転車駐車場につきましては、自転車駐車場の空きスペースに自転車ラックを可能な限り増設し、また、1回利用枠からの移行により、定期利用枠の台数を増やして対応しているところでございます。 自転車駐車場に関しましては、現在、新型コロナウイルス感染症を想定した新しい生活様式の実践により、定期利用から1回利用に切り替える事例など、利用状況に変化が見られます。このため、今後の利用状況の変化を見極め、定期利用の順番待ちがなくなるような適切な台数の確保に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◆(増田成美君) 前向きな御答弁、ありがとうございました。それぞれ要望のみ述べさせていただきます。 まず、緑政土木局長におかれましては、定期利用の順番待ちがなくなるような適切な台数の確保に努めるとの御答弁、ありがとうございます。定期利用したくてもできず、さらに経済的負担が長期に及ぶという状況は早期に解消するべきでありますので、早急の御対応をお願いいたします。 次に、子ども青少年局長におかれましては、保育所の安全対策機器の配備状況を把握し、希望される施設への導入を検討するとの御答弁、ありがとうございます。配備に漏れがないよう、全民間保育所に安全対策機器が配備され、市内の全保育所の睡眠時の安全性の向上がなされることを切に願いまして、私の全ての質問を終わります。(拍手) ○副議長(山田昌弘君) 次に、小林祥子君にお許しいたします。    〔小林祥子君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◆(小林祥子君) お許しをいただきましたので、順次質問いたします。 初めに、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について、健康福祉局長にお尋ねいたします。 医療・介護データ等を一体的に分析し、効果的な保健事業と介護予防事業の推進に活用することは、コロナ禍の今こそ、早期に取り組むべきと考えます。 昨年の夏頃から、高齢者の方を心配する御相談を数多くいただくようになりました。例えば、久しぶりに電話をしたら、応対がいつもと違う。会いに行ったら、目も見えづらくなり、髪も伸びたままで、お風呂にも入っていないらしいなどといったものです。一人暮らしの方、子供さんと同居の方、様々ですが、その都度、いきいき支援センターを紹介し、対応をしていただきました。民生委員さんも感染対策に気を遣いながら、見守り活動に取り組まれており、大変に御苦労があることと感謝しております。 御相談のあった方々は、昨年春の緊急事態宣言下、外出を自粛するのと同じように、介護認定申請も控えてしまわれたり、介護サービスのことすら気づかず、症状が進行してしまわれたのではないかと思います。 そこで1点目に、昨年春の緊急事態宣言下における要介護認定の新規申請の件数、また、年間を通しての件数の状況、さらに、高齢者人数の増加に伴い、認定申請も増えると思いますが、令和2年に見込んでおられた件数と実際の件数の状況についてお尋ねいたします。 認定の調査を受けることができれば、何らかのサービスにつながりますので、介護予防・重度化予防になり、健康寿命の延伸にもつながります。よって、支援の必要な方をいかに早期に把握し、適切な対応を行うかが求められます。しかし、役所は申請主義ですので、申し出てもらわないと把握できないという課題があります。 国は、2024年までに、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施を全ての市町村において展開するとしております。国保・介護などの情報を一括把握し、分析して、医療、介護の双方から、健康寿命を伸ばしていこうとするものです。このシステムが整えば、申請を待たずして、行政から積極的にサービスが必要な方にアプローチできるようになるのです。 いわき市では、既に2017年に、部署の垣根を越えて、市役所が持つ住民情報や介護認定情報、特定健診結果などを活用して、ハイリスクの人を見つけ出すシステムをつくりました。このシステムにより抽出された人にヒアリングしたところ、8割強の方に何らかの関わりが必要であることが把握できたのです。川崎市や品川区、福岡市も膨大なデータを活用しており、愛知県内でも八つの市町村で取組が進んでおります。 2点目に、本市もこのようなシステムを早急に構築すべきと考えますが、医療と介護の一体的実施に向け、どのようなスケジュールで進めていかれるのか、現在どのような状況にあるのかお尋ねいたします。 次に、コロナ禍で困難を抱える女性への支援について、スポーツ市民局長にお尋ねします。 昨年11月、内閣府の有識者会議、コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会は、コロナ禍で困難に直面する女性を支えるための緊急提言を男女共同参画担当大臣に提出しました。提言で注視すべきは、コロナ拡大は特に女性への影響が深刻と分析し、女性不況の様相と警鐘を鳴らしているところであります。 実際、コロナ禍は、飲食業や小売業など、女性の就労者が多い業種を直撃しています。昨年4月には、女性の就労者数が前年比で約70万人、実に男性の約2倍の減少となっています。さらに、外出制限が長引く中で、心身への家庭内暴力に苦しむ女性たちが急増し、内閣府の調査で、DVの相談件数が、特に5月、6月は前年の約1.6倍となっています。自殺者についても、2021年1月の警察庁の統計を見ると、対前年同月で8か月連続増加しており、女性の急増が報告されています。こうした困難を抱えた女性を今は何より孤立させないことが重要であり、寄り添った支援が求められます。 本市では、どんなことでも電話と面談で相談できる、女性のための総合相談窓口を設置しています。 そこで、お尋ねします。 1点目、この総合相談窓口には、コロナ禍において、どのような相談が増えたのか。さらに、本市の女性への影響をどのように把握しておられるのか、お尋ねいたします。 横浜市では、コロナの影響を受けた女性のために、1月22日から3月26日までの週2日、午後の4時間、通話料無料の電話相談を新規に開設しました。1月の3日間で29件の相談があったとのことです。悩みを相談するとなれば、長時間の通話となることも少なくありません。コロナ禍で、光熱費も払えないなど生活にせっぱ詰まった女性や母子家庭が多い中、無料通話での相談は、温かさを感じる、まさに命をつなぐ電話相談になったと思います。 一方、名古屋市のホームページの相談窓口の案内には、「通話料がかかります。」と書かれております。 2点目に、本市でも現在の女性総合相談窓口に加え、無料通話での相談やメールやSNS相談などを至急開設すべきと考えます。今後どのような対策を考えておられるのかお尋ねします。 最後に、SDGsの視点を踏まえた事業者の環境行動の促進についてお尋ねします。 SDGsは、環境・経済・社会の調和を図りながら、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現に向けた取組を進めていくものですが、その土台となるのが環境であり、その上に、社会・経済が成り立っています。 最近、SDGsに関するシンポジウムが開催される機会が増え、多くの名立たる企業の取組についても目に触れるようになりました。大企業を中心に、SDGsの理解が大きく進んでいることが感じられます。しかし、平成30年度に実施された関東経済産業局の中小企業を対象とした調査では、SDGsについて全く知らないと回答した企業は84%と、中小企業へはSDGsが浸透していないことがうかがえます。 SDGsとは何か難しい取組をすることではなく、ふだんから取り組んでいる節電や節水、社員の福利厚生など、企業が行う行動全てがSDGsにつながっています。特に中小の事業者に、SDGsとはどういったものであるかを認識していただき、それぞれの事業者のできる範囲で、環境行動の取組を促進していく必要があります。そしてこれは、事業者にとって大きなメリットになると思うのです。 そこで、環境局長にお尋ねします。中小事業者にSDGsの視点を踏まえた環境行動を促すために、本市としてどのように取り組まれていくのかお尋ねいたします。 以上で、第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局には、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について、2点のお尋ねをいただきました。 まず、コロナ禍における要介護認定の申請状況についてでございます。 要介護認定の新規申請件数は、毎月変動しておりますが、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言が発出された令和2年4月につきましては1,615件でございました。前年同月でございます平成31年4月の2,009件と比べますと、約400件、20%の減少でございました。5月についてもほぼ同様の状況でございまして、約20%減少したところでございます。その後、新規申請件数は増加をしたものの、令和2年における年間の新規申請件数につきましては、2万4789件でございました。令和元年の2万5931件と比べますと、約1,100件、4.4%の減少でございました。 また、令和2年の新規申請件数は、2万7400件程度と見込んでおりますので、令和2年の実際の件数でございます2万4789件と比べますと、約2,600件、10%の差となったところでございます。 次に、本市における実施スケジュールについてでございます。 高齢者の心身の多様な課題に対応し、きめ細やかな支援を実施するため、国は、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施のための法改正を行い、令和6年度までに全ての市町村で実施することとしております。 本市におきましては、平成30年度から局内の関係4課で、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施に向けた連携会議を開催し、検討を進めておりまして、今年度からは、新たな連携策として、75歳以上の後期高齢者のうち、健康診査長期未受診者の方に送付する受診勧奨はがきに、フレイル・介護予防の情報を掲載する取組を始めたところでございます。 保健事業と介護予防の一体的実施は、こうした連携をさらに深めるものでございまして、市町村が事業の基本的な方針を作成し、後期高齢者医療広域連合から委託を受けることで、広域連合が保有する医療・健診データの提供を受けられるようになります。そして、本市が保有する介護情報等のデータと合わせて分析することで、支援が必要な方を抽出し、アプローチすることが可能となりますので、例えば、健診でフレイルの可能性があると判定された方を介護予防事業につなげるなど、より効果的な介護予防の推進に活用できると考えております。 一体的実施のためには、事業の企画調整を行う医療専門職の配置が必須であるなど課題もございますが、今後、実施体制や医療・健診・介護データを活用した具体的な連携策につきまして、議員御指摘の先進事例等を参考にして、早期実施に向けて検討を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◎スポーツ市民局長(寺澤雅代君) スポーツ市民局に対しまして、コロナ禍で困難を抱える女性への支援について、2点のお尋ねをいただきました。 まず、コロナ禍における相談内容と本市の女性への影響についてでございます。 令和2年と令和元年を比較いたしますと、女性のための総合相談に寄せられた相談件数には大きな変化はないものの、収入減による将来への不安や、家族の在宅勤務など、生活環境の変化によるストレスといった様々な声が寄せられています。そのほかの影響といたしましては、女性の自殺者数は1.2倍に増加していると伺っております。また、配偶者暴力相談支援センター及び社会福祉事務所での女性福祉相談に寄せられているDVに関する相談件数は1.1倍と伺っております。 次に、今後の対策についてでございます。 議員からの御提案を受けまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で様々な不安を抱えている女性の方々が、電話料金や、ほかの方に会話を聞かれるといった心配をすることなく、より安心して利用していただくことができるよう、メールによる相談を速やかに臨時開設し、女性のための総合相談窓口の充実を図ってまいりたいと考えております。 また、私どものほうに直接届いていない潜在的なお声を把握していくためにも、令和3年度の夏頃には、女性を対象として、新型コロナウイルス感染症による就労への影響や、家族関係などの生活への影響、及び気持ちの変化などの調査を行ってまいります。 調査結果や相談に寄せられる声などから、ウイズコロナ時代に女性が抱える課題を把握し、とりわけ、困難を抱えた非正規雇用の女性に対する今後の施策の検討に生かしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎環境局長(勝間実君) 環境局には、SDGsの視点を踏まえた事業者の環境行動の促進についてお尋ねをいただきました。 環境局におきましては、主に中小事業者の自主的な環境に配慮した取組を支援するため、エコ事業所認定制度を平成14年から開始し、令和3年2月末までに累計2,470事業所を認定してまいりました。 議員御指摘のとおり、環境分野はSDGsの考え方の土台であることから、エコ事業所認定制度にSDGsの視点を取り入れ、なごやSDGsグリーンパートナーズとして発展させ、事業活動におけるSDGsの普及を図ってまいりたいと考えております。 新たな制度では、事業者の活動とSDGsとのつながりを知っていただくため、環境局においてSDGsに関する社内研修の資料を提供し、事業者において活用していただきます。また、環境局だけでなく各局においてもSDGsに関連する様々な認定制度があることから、なごやSDGsグリーンパートナーズ認定に当たっての評価項目に加え、より広範な取組を促してまいります。さらに、優れたSDGsの取組を行っている事業者には、なごや環境大学において講座を開講していただき、他の事業者に広げる取組を実施してまいります。 これらの取組により、中小事業者にSDGsに対する理解を深めていただくとともに、環境行動の促進につなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(小林祥子君) それぞれお答えをいただきました。ありがとうございました。 まず、SDGsですけれども、昨日の朝のテレビ番組で、ごみ拾いをスポーツとするスポGOMIという、そうしたものに取り組む高校や小学校が紹介をされておりました。 企業も、SDGsに積極的であれば評価につながっていくと思いますし、またそこから社会にSDGsのこうした理念が大きく広がっていくと思います。 環境局さんのSDGsの理解を中小企業へと浸透させていくための新たなグリーンパートナーズの認定や、環境大学での講座、大変に期待をしておりますので、しっかりお願いをしたいと思います。 次に、要介護認定のほうでございます。要介護認定の新規申請の件数については、コロナ禍で20%と大きく減少していたことが分かりました。自身の体の自立度が低下している、そうしたことに不安を感じながらも、ためらわれてしまって、症状が進行してしまわれていないかと、そんなふうに心配になってまいります。申請を待ち、受け付ける方法だけでは、必要なときに必要な人が必要なサービスを受けることができないという可能性があります。 こうしたことを解決するために、医療・介護をはじめとする、これまでは別々の事業として把握していたデータを一元的に解析して、適切なアプローチや支援を行っていく必要があります。これが実施できれば、適切にサービスにつながることができますし、何よりも高齢者御本人、家族の方の安心につながってまいります。これは高齢化社会に必須の事業であります。 局長さんは、早期実施に向けて進めると、心強い、そうした御答弁をいただきました。必要な専門職の人材をしっかり配置していただき、健康長寿都市名古屋を目指して、早期に実施していただくよう要望をいたします。 次に、スポーツ市民局さんですけれども、コロナの影響を受けた女性のために、まず、メール相談を速やかに開設されるとのことでございます。ありがとうございます。毎日の生活に追われる、そういった方々の目にもしっかり届くように、目立つところで周知をしていただきたいと思います。 一方、無料通話の電話相談は難しいということのようでございます。先ほど、総合相談の件数自体は大きくは変わらないと、そういったお答えでございました。しかしながら、名古屋のDVの数、自殺者の件数、そうしたことを見たり、報道内容を見ても、女性への影響は大きいということは明らかでございます。私のところにも、この1年は女性の複合的な問題を抱えての御相談が増えております。 そうした中で、件数が大きく変わらないということは、受け止める側に何か足りないところはないのかと、そういったことを考えていくことも必要ではないかと思います。こうしたことであればなおさらのこと、臨時の無料電話を開設して、困難にある人を探し出そうとされるべきかと思います。引き続き検討していただきたいことを要望しておきます。 そして、今年の夏には女性を対象として実態調査を行われると、そうしたことでございました。よろしくお願いいたします。 未曽有の困難に直面する中で、一人一人が置かれた環境も意見も多種多様でございます。お一人お一人の声を直接お聞きするのだとの思いで、調査をしていただきたいと思います。 本市の男女平等参画施策を担う男女平等参画推進室は、今年度から、より市民生活に身近なスポーツ市民局に移管されましたが、調査結果を踏まえて、自立に向けてサポートする場を設けるなど、女性がより安心して暮らせる対策を、各局も巻き込んで講じていただきたいと思います。 最後に、再質問をさせていただきます。 国は、女性の活躍を掲げてまいりました。まだまだ女性は不安定な状況であることが、今回、浮かび上がってまいりました。今後、どのような課題認識を持って取り組んでいかれるのか、スポーツ市民局を所管し、女性の活躍推進の特命副市長でもあります伊東副市長さんにお尋ねし、私の全ての質問を終了いたします。 ◎副市長(伊東恵美子君) コロナ禍で困難を抱える女性の支援につきまして、私の認識をお尋ねいただきました。 新型コロナウイルス感染症の拡大は、議員御指摘のとおり、就労や家庭生活などにおきまして、女性に様々な影響を及ぼしており、男女平等参画の視点の重要性が改めて浮き彫りになったものと認識をしております。また、これまでの取組によって醸成してまいりました女性活躍推進の機運が後退することのないよう、男女平等参画に向けたなお一層の努力が求められていると痛感しております。 本市ではこれまでも、全庁的な組織であります男女平等参画推進協議会において協議し、様々な施策を推進してまいりました。今後も、この協議会の会長であります私が旗振り役となりまして、市民一人一人が安心して暮らすことができるまち名古屋を目指し、その対応に尽力してまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(中里高之君) 次に、浅井正仁君にお許しいたします。    〔浅井正仁君登壇〕 ◆(浅井正仁君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問させていただきます。河村市長12年間の負の遺産について、3勝目を目指して頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、特別史跡名古屋城の文化財保護に対する姿勢と天守閣木造復元、教育委員会関係については、教育委員会、すばらしい動きをしたので、割愛させていただきたいと思います。 それでは、通告に従い、質問をさせていただきます。 名古屋城天守閣木造復元は、市長が市民に約束した公約一丁目1番地、私は木造復元に意見は言いますが、邪魔はいたしません。むしろ、正しい道に戻すことが、議会としての役割だと思っております。 さて、松雄局長になってから、毎回本会議で質問をさせていただいていますが、よくもこんなに質問が続くなと自分を褒めたくなります。思い返せば、当時、自由民主党名古屋市議団の重鎮、渡辺義郎、横井利明、そして、小物の私の前で、こんなに資料を作ったのになぜ通らないんですかと大きな声で言っていたのが昨日のようです。しかし、その直後の文化審議会で、木造復元は議題にすらならなかった。 松雄局長、あなたは既にこの時点で、市長の公約である木造復元はできない、そう思ったのではないでしょうか。しかし、市長の手前、本心を言えず、いかにも進んでいるかのように見せることだけに、この2年間、全てのエネルギーを使ってきた。そう考えれば、木造復元が順調に進んでいるように見えるだけで、実は1ミリも進んでいないことが理解できます。 そこで、観光文化交流局長にお尋ねします。あなたは、市長が公約した木造復元はできない、そう思っているのではないですか。そして、自分が局長でいる限り、完成時期にも史実にもこだわらず、市長の進め方に従うつもりはない、それが本心だと理解してよろしいですか、お答えください。 さて、昨年、前代未聞の毀損が起こって、松雄局長の下、完璧な再発防止策をつくった。しかし、その2か月後に2度目の毀損が起きた。しかも、毀損の事実を隠蔽し、さらに、文化財保護法にも違反した。 しかし、びっくり。3度目の毀損事故が起こっていました。3度目は、現状変更許可を取らずに工事をしていました。私が調査したところ、何とこの2年程度で10件もの無許可による違法な工事がされていました。しかし、観光文化交流局は、この違法な工事をしたことを一切公表していません。 では、なぜ私がこの違法な工事を知ったのか。それは、1月21日に、名古屋城がまた問題を起こしたと教えてくれた方がいます。 私は、再発防止策が徹底された名古屋城で、さすがに3度目はないだろう、デマかなあと思いましたが、毀損届の提出期限の10日を待って、1月29日に名古屋城の学芸員さんを呼びました。そこで、現状変更許可を受けないで掘ったら毀損だよねと尋ねました。最初は、豆鉄砲を食らったような顔をしていました。そして、言ったことは、街路灯の保守のためコンクリートの上の砂を払っただけです。じゃあ、掘っていないんだねと詰め寄ると、掘りましたと。何で掘った--スコップで、ほんの少し段差がついただけですと答えました。何で学芸員なのにうそを言う、と言わざるを得ませんでした。 すぐに詳細を送るよう頼んだのですが、2時間たっても連絡すらありません。 私はふと、先回、廣澤副市長に連絡がなかったことを思い出し、電話をいたしました。副市長は、はい、街路灯の件、聞いておりますと即答されたので、さすがに再発防止策が機能しているなと感心した途端、たった今、佐治所長が説明に来ましたと言われました。たった今--毀損をしてから10日以上が過ぎ、しかも、私が学芸員さんにゲロさせた直後に説明したなんて、すごい偶然。 そして、現地を見に行くと、携帯電話が縦にすっぽり入るぐらい深く掘られていました。学芸員の世界ではこれをほんの少しの段差と言うんでしょうか。 2回目の毀損は、法や条例に違反しているにもかかわらず、文化財を毀損していなかったらよいと言い張り、今回3回目は、最初認めようともしなかった。 それより、なぜ再発防止策が機能しなかったのか。よくよく聞いてみたら、再発防止策を全員に周知する全体会議はおろか、課としても一度も会議を実施していないことが分かりました。資料を配っただけで、これでよく市民説明会や有識者の方々、あるいは文化庁に胸を張って再発防止策をつくったから万全ですなんて言いましたね。 さらに腹立たしいのは、市民説明会で、徳川家康が毀損の話を説明されました。2回目のときに、市民の方から、またやったんでしょうという質問がありました。そして、3回目には、また、何もなかったように、再発防止策をつくったから大丈夫ですという説明だけです。一体何のための市民説明会でしょう。いいことばかり言って都合の悪いことは一切言わない。木造復元があたかも進んでいるように見せるための印象操作が目的なのでしょうか。 一方、今回、教育委員会、片岡文化財保護室長の動きはすばらしかった。中でも、名古屋城がてんまつ書を、期日を過ぎても、また提出しませんでした。そのときに、片岡文化財保護室長は、名古屋城に対して、ふざけるなと声を荒げて注意したと聞いております。 なお、文化庁からは、繰り返し起きたことは遺憾、しっかりと対処してほしいと求められ、教育長が観光文化交流局長に注意喚起するとも聞いております。教育長、観光文化交流局長にしっかりと注意していただきたいと思います。 そしてさらに、隠蔽。昨年11月の内堀調査の際、家康が築城当時に計画して、断念したとされる幻の小天守ではないかと思われる遺構が発見されましたが、すぐに公表しませんでした。 その後、石垣部会から指摘を受け、公表されましたが、既に発見から3か月もたっていました。名古屋城が大好きな市長なら、何をおいても、この400年前の時を超えた歴史的な大発見を、すごいものが見つかったと、すぐにでもマスコミに発表し、市民に自慢して話すはずなのに、なぜか沈黙。私が昨年12月にこの現場に行き、この世紀の発見をマスコミに発表すべきだと意見を言ったときにも、すぐに埋めるから公表はしないと、軽く無視をされました。 では、なぜ公表しなかったのか。それは、今回の発見が公になれば、木造復元が遅れることになるからです。石垣部会の指摘がなければ、歴史的発見につながる遺構は、公表もされないまま木造復元のためにこっそりと埋められ、貴重な文化財が破壊されていたかもしれません。 私は、歴代市長の中で、河村市長が最も文化財を大切にしていると思っていましたが、私の大きな誤算、実は最も文化財を毀損し、破壊している市長でした。 ここに、幻の小天守と言われたマスコミ発表がありました。実はこのところからその石垣が出てきました。角度60度、全て内側に向いております。そして、これが幻の小天守と言われる建物であります。この絵図を見ると、もう一つの小天守閣がこれ、さらにここを見ていただきたい。石垣にきれいな四角い切り込みが--ここに、この石垣がありますよね。ここをよく見ると、真四角にくりぬいて、そして、後づけになったようなことが分かるようになっております。 これはどういうことかというと、築城当初は、ここに穴が空いていた。そして、幻の小天守から造り、そして、家康は初代藩主、義直の嫁として迎える春姫のこし入れをここから見ようとしていたのかもしれない。家康が万感の思いをはせた幻の小天守閣、この断念の経緯が明らかになる。まさに、これこそが史跡名古屋城跡をひもとく極めて重要な発見と言えます。 そこで、観光文化交流局長にお尋ねいたします。今回発見された歴史的遺構の詳細調査について、名古屋城の学芸員に聞いたら、詳細調査は先送りして、木造復元のために軽量盛土で埋めますと、私に言われました。しかし、石垣部会では、軽量盛土で埋めることは了承もしていないし、先日の会議では、天守閣の木造復元のために内堀を使うことは駄目、しっかり詳細調査が必要との指摘も受けています。さて、このように、毀損事故を繰り返し、歴史的な遺構までも、こっそり埋めて木造復元を優先しようとする人や組織が、果たして国史跡、いわゆる重要文化財である名古屋城の管理者としてふさわしいんでしょうか。 そこで、廣澤副市長にお聞きしますが、先回の本会議の際、自ら毀損事故の実態調査をすると言われたので、繰り返される毀損の原因と反省を含めた史跡保護の在り方、そして、ここ2年間、木造復元の検討が空転し続けた原因と、今後に向けた改善のお考えをお答えください。 これで、私の1回目の質問を終わります。(拍手) ◎副市長(廣澤一郎君) 名古屋城天守閣木造復元の空転の原因と今後に向けた改善についてお尋ねをいただきました。 先回の本会議の後、私自ら、名古屋城調査研究センターの学芸員に聞き取りをするなどして、毀損届が遅れたことについて調査を行いました。その結果、文化財保護法に定める期間を遵守するという意識が甘かったことに加え、学芸員が若手とベテランに二分化して中堅が不足していることなど、組織としての課題があることを把握いたしました。 この2年間、毀損届の遅れや現状変更許可申請を怠ったことなど、文化財保護に関して様々な問題が生じましたが、職員の経験が浅く、特別史跡の保存に対する意識が十分ではなかったことが原因の一つであったと考えております。 今後、このようなことがないよう、文化財保護法を十分に理解した上で、特別史跡名古屋城跡保存活用計画を熟読し、再発防止対策を徹底するよう、名古屋城総合事務所を指導してまいります。 一方で、天守閣整備事業においては、文化庁や地元有識者との信頼関係を構築するなど、目前の課題に一つ一つ丁寧に対処することで、着実に成果を上げていると認識をしております。 現天守閣解体の現状変更許可申請に対する文化庁からの指摘事項につきましては、この4月に追加情報として回答したいと考えており、現在、観光文化交流局におきまして、全力を挙げて取り組んでいるところでございます。 2月の全体整備検討会議では、戦災により焼失した東北隅櫓や多聞櫓などを含めて、江戸期の名古屋城本丸全体を現代に再現する中で天守閣木造復元を実現していく基本構想について、有識者よりおおむね了承を得たと聞いております。 文化庁からも、特別史跡としての整備を今後どのように進めていくか、具体的になったので評価できるとの趣旨の御意見をいただいたと聞いておりますので、今後とも職員を信頼し、共に進めてまいりたいと存じます。 以上です。 ◎観光文化交流局長(松雄俊憲君) 特別史跡名古屋城の文化財保護に対する姿勢と天守閣木造復元について、2点お尋ねをいただきました。 最初に、木造復元に取り組む際の考え方及び方向性についてでございます。 平成31年4月に観光文化交流局長を拝命して以降、市長の進める天守閣木造復元につきましては、大きく三つのポイント、すなわち、1、2022年12月の竣工、2、史実に忠実な木造復元、3、税金を投入せず入場料収入で賄うことであると認識して取り組んでまいりました。 まず初めに、2022年12月の竣工につきましては、平成31年4月に提出した現天守閣解体の現状変更許可申請が継続審議となり、また、同年6月市会に上程した木材保管庫設置工事に係る補正予算の議案を取り下げるといった事態に至り、完成期限ありきの進め方ではうまくいかない、これを改める必要があると認識いたしました。こうしたことから、2022年12月の竣工時期の延期を市長に進言し、現在に至っているところでございます。 次に、2点目の史実に忠実な木造復元でございますが、これは文化庁の定める「史跡等における歴史的建造物の復元等に関する基準」のうちの「復元」に基づき整備を進めるものと認識し、そのためには、石垣等遺構の保存に十分配慮することはもとより、観覧者の防災上の安全確保やバリアフリー対策も併せて必要であり、史資料に基づく復元だけにとどまらない対応が必要だと考えております。 そのうち、石垣等遺構の適切な保存につきましては、一連のプロセスの中で最重要事項と認識し、文化庁からの指摘事項を受けて、地元有識者に御指導いただきながら、石垣等遺構の現況を把握し、安全性を確認するための調査を鋭意進めております。また、天守台石垣に影響を及ぼす可能性のある跳ね出し工法につきましても見直すこととし、そのために基礎構造検討の考え方を整理しつつ、具体的な検討を着実に進められるよう、できるだけ早期に専門家による調整会議を設置し、文化庁の御指導もいただきながらしっかり議論してまいります。 バリアフリーにつきましては、木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針に基づき、昇降技術の公募に向けて、障害者団体などにも理解が得られ、また、実現の可能性のある具体的な技術の調査検討を引き続き行ってまいります。 最後、3点目の、税金を投入せず入場料収入で賄うことにつきましては、名古屋城の入場者数は、平成29年度に約190万人、平成30年度は、天守閣を閉館したものの、本丸御殿の完成公開により約220万人、令和元年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるまでは前年度を上回るペースで入場者数を伸ばしておりました。残念ながら、令和2年度は、感染症の影響を大きく受け、前年度比約8割減と大きく数字を落としておりますが、それまで入場者数が堅調に伸びていたことを踏まえますと、今後の感染症終息後の社会状況の変化を見通すことは難しい面がございますが、天守閣木造復元を含め、名古屋城の魅力づくりにこれまで以上に取り組むことによって、さらなる入場者数・入場料収入の確保に最大限努めてまいりたいと考えております。 次に、本丸内堀の発掘調査についてでございます。 今回の本丸内堀の発掘調査は、文化庁からの指摘事項に対応するものであり、現天守閣解体工事に伴う仮設物等が地下遺構に影響を与えない計画とするために、堀底の地下遺構や堆積状況の確認、天守台側石垣、御深井丸側石垣の根石付近の現況を確認することを目的としており、調査はその目的の範囲内に限定して行っております。 その調査の中で、議員御指摘のとおり、貴重な発見がありましたが、その内容についてさらに詳細に調査することは、今回の調査目的の範囲を超えていると判断しており、文化庁からも、目的の範囲内の調査にするように御意見を頂戴しております。 したがいまして、今回の調査におきましては、調査目的がおおむね達成されましたので、遺構が保護されるよう、適切に埋め戻しを行った上で調査を終了し、その後、地元有識者の御意見を伺いながら、遺構の保護対策を図ってまいります。 その一方で、このたびの発見は、名古屋城の築城の歴史を考える上で大変重要なものであるため、今回の調査成果の整理を進め、歴史史料などを十分調査するとともに、改めて調査を行う場合には、多角的な視点から検討を行うことができるよう、学芸員の調査体制を整えることも必要となってまいります。 いずれにいたしましても、今後の調査の進め方につきましては、実施時期も含めて、まずは文化庁に相談してまいりたいと考えているところでございます。 以上です。 ◆(浅井正仁君) 答弁をいただきました。 副市長、松雄局長、お二人の答弁にはがっかりです。市長も分が悪いと壊れたテープレコーダーのように話しますが、お二人の答弁も2年前から何にも変わっていない。 局長、まずあなたがここの議会で言うことは、3回目の毀損に対しての僕はおわびだと、そこから本当は始めるべきじゃないのかと思います。 ここに1通のメールがあります。そこには、一昨年4月に観光文化交流局長を拝命し、その年の6月までは市長主導の名古屋城木造復元を実現しようと思っておりました、しかし、このやり方では決してうまくいかないことを認識し、市長の公約としての木造復元ではなく、行政ベースの木造復元に大きくかじを切っており、その進め方として従来に戻ることは、私がいる限りあり得ません。 松雄局長、これはあなたがある方に最近送ったメールです。ここにははっきりと、局長になって僅か2か月で、市長の公約による木造復元はしないと決めたと、明確に書いてあります。さらに再度、本当かと確認のメールを入れた際にも、松雄局長は、偽りはありません、市長のように竣工時期を先に決めて、天守が先、石垣は後の進め方では、何年かかっても木造復元などできないと、ばっさりと市長を切っています。 さらに、バリアフリーの対応についても、私たちの基本的考え方は、通常の11人乗りエレベーターではなく、木造天守の柱とはりを変更せずに階層ごとに貫通するエレベーター技術はできないかということですと、エレベーターを検討していると書いてあります。市長は絶対にエレベーターをつけないと明言されていたはずなのに。 さらに、それだけではありません。私は、文化庁の発言とは思えないという、一本の電話をいただきました。それを聞いてさらに驚愕の事実を知ることになります。 松雄局長は、今年1月8日の全体整備検討会議の挨拶で、鍋島文化財第二課長、山下主任文化財調査官、吉野課長補佐と意見交換をした際、名古屋市と密接に連携するために、木造復元に係る諸課題を調整するためのパイプ役として、来年度も名古屋城からの職員派遣を受ける内諾をしてもらったと発言されています。 しかし、この発言が思わぬ反響を呼び、文化庁は一体何を考えているのか、文化庁の公式見解を聞いてくれないかといった電話が来ました。文化庁の対応に不信感を抱く事態になってはいけないと思い、私は--そのときの資料がこれですけれども--まず一つ目、先ほどの全体会議で局長が挨拶した文書を入手し、そして、衆議院議員の工藤彰三衆議院議員から文化庁長官宛てに、この資料を作成し、そして、工藤彰三衆議院議員のほうから、丹羽秀樹文部科学副大臣のほうへ持っていってもらい、丹羽秀樹副大臣のほうから文化庁に届けられた。これによって正式な文書を頂いてまいりました。 しかしながら、返ってきたときには、その上に、名古屋市会議員浅井正仁、衆議院議員工藤彰三(代理)と書いてありますので、多分、私が質問したことは文化庁も知っていたと思います。 そこで、文化庁の回答はこうです。現在、文化庁では、全国の自治体から5名の実務経験者を受け入れています。名古屋市から受け入れている小村拓也氏が記念物・建造物などを担当しているからといって、名古屋市に対して忖度などはあり得ません。まして、木造復元の調整のためという趣旨は一切ありません。 松雄局長、これはあなたが内諾を得たと言った鍋島文化財第二課長と山下主任文化財調査官が、わざわざ工藤代議士のところまで出向かれて回答したものです。つまり、松雄局長の発言は真っ赤なうそ。そして、このうそが元で、自治体職員を文化庁に派遣すればパイプにできると多くの人に誤解を与え、文化庁にまで多大な迷惑をかけた。鍋島文化財第二課長と山下主任文化財調査官は、私たちの名前を出して松雄局長の発言を完全に否定していただいて結構ですとまで言われたそうです。この真っ赤なうそで多くの人が迷惑をした。これは信用失墜行為に当たるのではないでしょうか。 さらに松雄局長は、挨拶の中で、名古屋市から資料の提出があれば、なるべく早い時期に文化審議会で議題として審議するという文化庁の意向ですとも挨拶で言われています。この文化庁の発言の真意についても、文化庁長官宛て文書で正式に聞いており、鍋島文化財第二課長と山下主任文化財調査官により、回答をいただいております。 名古屋市から文化審議会に資料を出したいと言われれば拒めない。文化審議会は毎月開催なので、4月に提出があれば5月の文化審議会で議題にするということだけです。当然、提出された資料に問題があれば、再検討として返します。なお、解体と復元の申請をセットで提出することが条件だと言われております。 簡単に言えば、名古屋市が文化審議会に資料を提出したいと言えば、宿題が途中であっても、復元の資料が概要であっても、拒否はできません。文化審議会で審議をするけど、中途半端な資料では文化審議会を通るはずもなく、再検討として返すという意味です。 つまり、松雄局長は、再検討として返されることを百も承知で、あえて中途半端な資料を文化審議会に提出しようとしているということになります。本来ならば、資料が整ってから解体と復元をセットで提出するべきものを、なぜ文化庁の条件を無視して、追加提出という無駄なプロセスをあえてする必要があるのか。これは、名古屋市民や名古屋市議会に木造復元が進んでいるように思わせたいから、要は木造復元が前進していると錯覚させることが目的ではないでしょうか。つまり、資料が出されたら文化審議会の議題として受けざるを得ないという文化庁のルールを利用して、審議されたから前進したと言いたいだけということです。 本丸御殿の復元に携わった職員が、当時、文化庁との水面下の協議に10年かかった、今の天守閣木造復元はその協議段階のようだと言われました。松雄局長のやり方では、これから10年間、文化審議会から再検討、再検討と宿題が返し続けられるということになりかねません。市民は、そんなやり方望んでいませんよ。 文化庁からも、プロセスに問題があると、工藤代議士は言われたそうです。さらに、今回発見された歴史的な遺構についても、真実をお伝えします。 松雄局長の答弁は、あたかも文化庁が調査しなくてもいいと言ったかのように聞こえますが、文化庁は、今回の石垣の安定性の調査という目的では、歴史的発見の遺構の調査はできないと言っているだけです。調査をしないで埋めてもいいなんて言っていません。そういう誤解を与える印象操作のような答弁は今後やめていただきたい。 今行っている調査と、歴史的発見に係る遺構調査は別物です。調査体制や調査期間等を整理してから、現状変更許可申請を出し直す必要があるということなんです。文化庁の正式な見解では、今回発見された遺構の詳細調査より開発を優先する、つまり、木造復元を優先するのは一般常識ではない。なお、学芸員の能力不足で調査体制が不十分な場合には、名古屋市からの詳細調査の先送りの要望を考慮して、文化庁が決めると言っております。また、今回のような歴史的発見を公表しなかった事例は過去にはないと、鍋島文化財第二課長、山下主任文化財調査官も、当初、公表しなかったことに疑問があったようです。 要するに、第二課長と主任文化財調査官は、木造復元を優先するのは非常識、公表しなかったのも非常識、毀損を繰り返す今の名古屋城の学芸員の体制で詳細調査をするのは不安ということだと思います。 では、ここで市長に質問させていただきます。 市長は、今回、名古屋城が文化財保護法に定められる許可を受けずに工事をしたこと、また、そのことを公表すらしなかったこと、そして、違法行為が繰り返されても処分もしないで見て見ぬふりをしている理由は何か。また、木造復元が進んでいるようにさえ見せればいい、中途半端でもいいから文化審議会に資料を出せと指示したのか、明確にお答えください。 次に、市長が目指す木造天守閣は、復元か復元的整備か。先回の本会議でも市長に聞きましたが、市長は明確に復元だと答えました。再度お聞きしますが、市長が目指す天守閣の木造復元は、文化庁の基準でいう復元であって、史実になかった階段を増設したり、エレベーターの設置などが可能になる復元的整備ではないという考えに変わりはありませんか。明確にお答えください。 ◎市長(河村たかし君) とにかく変なことをやれと指示したことは一遍もありません。 文化庁は--僕も直接電話して確認しておりますけど--とにかく相談に乗るから、相談してくださいよと。破損、三つあるんだね。滅失、毀損、破損ですか。滅失、毀損というやつは、これは文化財保護法第33条で、ちゃんと届けなあかんと書いてありまして、これは当然やらないかぬ。そういうのを怠った分野があれば、これは誠にけしからぬということで、処分といいますか、しております。あと破損になるかどうかというのは、いろいろ考え方がある場合があるんだけど、とにかく文化庁、相談に乗るから、早く相談してくださいよと言っております。それに従ってやっておりまして、正規の国宝第1号の名古屋城ですので、いろいろ苦しみながらでも--今日たまたま、金のしゃちほこ、あれ、ヘリコプターで下ろしておりましたけど、近くで見るとやっぱり立派なものだなと思いますね。戦争で焼ける前のやつは、さらに立派だったんだと思いますけど。 それから、復元か、復元的整備かというのは、もうこれは復元に決まっておるので、これだけの資料を先人が残した国宝第1号というのは本当にないんですよ、これだけの。だからもう、これは当然復元と。 それから、史実に忠実にということは、今言いました階段とか、それらも全て、当然のことながら、江戸時代のやつをそのままにはならぬですよ、姫路城もそうですけど。だから、それは条文がありまして、防災と、一応書いてありますわね。当然、そういうものには配慮するという規定がありまして、その部分は、これは当然のように配慮するということですけど、それはやっていくということでございます。 ◆(浅井正仁君) 市長から復元という話がありましたが、もう時間もない……(「あるある、俺の時間、やる」と呼ぶ者あり)俺の時間、いただけるそうで。簡潔に。 市長の公約どおり、復元ということでありますが、これ、御存じのとおり、新しい復元のここに新しい階段が二つできます。これは3階の部分ですが、ここに史実になかった階段ができるわけです。そうすると、この階段を増設しなければ、観光客は最上階にはもちろん上れませんよね、消防法で。 市長、よく聞いてください。文化庁の鍋島文化財第二課長、山下主任文化財調査官が言われたこと、つまり、文化庁の正式見解です。階段増設、避難用通路--今言ったやつですよね--階段増設、避難用通路の確保は、復元的整備です。現代技術を活用した場合でも、耐震補強、防火設備、消防法施工などは、復元。当時の建築手法と異なる材料加工による組立ては、復元的整備が原則であるとのことです。つまり、今の検討内容は、エレベーターの設置をするしない関係なく、市長が言っているのは、名古屋市が考えているのは、復元ではなく、復元的整備になるということを、文化庁の方は言っています。何度名古屋城に、文化庁にこのことを確かめてくれと、一切答えがもらえなかったですから聞いておきました。でね、時間もないので、最後に、市長--本当は市長、こういうこと知っとったのか。(「何を」と呼ぶ者あり)こういう階段だとか、復元的整備になるということを、説明を、松雄局長から聞いていたのか。お答えください。 ◎市長(河村たかし君) いや、必要な防災上のものとか、それから、スプリンクラーだとか、それこそ電気だとかは当然つけますよ、それ。 ◆(浅井正仁君) いや、市長、人の話、聞いてくださいよ。だから、防災のスプリンクラーはいいんですよ、消防法でつけなきゃ駄目なんですよ。非常用階段は、復元的整備になると文化庁が正式に教えてくれたんですよ。だから……(「勝手に言ったらあかんよ」と呼ぶ者あり)勝手に言ったらあかんって、ずっと聞けないじゃないですか。じゃあ、もういいです。だから、2年間何にも動いていないんですよ。ここ、肝ですよ。復元的か復元的整備じゃないか。こんな肝のことが聞けずに何が信頼ですか。何が絶大なる文化庁に信頼ですか。 市長、あなたは何を言おうが、今回公約した復元はできない--できない。分かりますか。復元的整備なんですよ。私に電話で応援してほしいと言ったって、そんなうそつきのあなたたちに応援なんかできませんよ。しっかりと、ちゃんと局長から話聞いてくださいよ。それから、なお、来年度のこの名古屋城予算ですが……(発言する者あり)静かにさせてください、議長。 ○議長(中里高之君) 静粛にお願いをいたします。 ◆(浅井正仁君) (続)名古屋城関係予算ですが、できないと確定した復元のための予算が提出されていることになりますので、即刻取り下げていただきたい。市長はかねがね日本一安い給料というけど、市長の考えと違う局長がいたり、それから何にもしない特別秘書がおったり、それから、木材の金も出てくる、来年は竹中との協定の話も出てくる。そんなのを合わすと、市長、あなた、日本一、いや、世界一高い首長だ。 これ、名古屋城の闇をつくった中心人物は市長--河村市長、あなたですよ。それとも、市長に何も言わない側近なのか、それは分からない。まさしく今、日本中で話題になっているリコール問題と同じ構図だ。そんな誤解を招かないために、名古屋城の闇をつくった中心人物は、自ら退場していただきたい。しっかりと--木造、いいんですよ。みんな期待しておる……(「名誉毀損にならぬようにしてちょうよ」と呼ぶ者あり)別になりません。市長、しっかりとやってください。 以上で、終わらさせていただきます。(拍手) ◆(吉田茂君) 明3月9日午前10時より本会議を開き、第1号議案はじめ46議案に対する質疑並びに質問を続行することになっておりますので、本日はこの程度で散会されんことの動議を提出いたします。    〔「賛成」〕 ○議長(中里高之君) ただいまの吉田茂君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」〕 ○議長(中里高之君) 御異議なしと認めて、さよう決定し、本日はこれをもって散会いたします。          午後2時45分散会      市会議員  久田邦博      市会議員  吉岡正修      市会副議長 山田昌弘      市会議長  中里高之...