名古屋市議会 > 2020-06-25 >
06月25日-14号

  • LINE(/)
ツイート シェア
  1. 名古屋市議会 2020-06-25
    06月25日-14号


    取得元: 名古屋市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-27
    令和 2年  6月 定例会               議事日程        令和2年6月25日(木曜日)午前10時開議第1 令和2年第89号議案 名古屋市瑞穂公園条例の一部改正について第2 同 第90号議案 名古屋市市税条例等の一部改正について第3 同 第91号議案 名古屋市保健衛生関係手数料条例の一部改正について第4 同 第92号議案 名古屋市入学準備金条例の一部改正について第5 同 第93号議案 名古屋市地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について第6 同 第94号議案 令和2年度名古屋市一般会計補正予算(第4号)第7 同 第95号議案 令和2年度名古屋市基金特別会計補正予算(第3号)第8 同 第96号議案 令和2年度名古屋市公債特別会計補正予算(第1号)第9 同 第97号議案 指定管理者の指定の変更について第10 同 第98号議案 指定管理者の指定の変更について第11 同 第99号議案 指定管理者の指定の変更について第12 同 第100号議案 指定管理者の指定の変更について第13 同 第101号議案 指定管理者の指定の変更について第14 同 第102号議案 指定管理者の指定の変更について第15 同 第103号議案 指定管理者の指定の変更について第16 同 第104号議案 指定管理者の指定の変更について第17 同 第105号議案 指定管理者の指定の変更について第18 同 第106号議案 指定管理者の指定の変更について第19 同 第107号議案 指定管理者の指定の変更について第20 同 第108号議案 指定管理者の指定の変更について第21 同 第109号議案 指定管理者の指定の変更について第22 同 第110号議案 指定管理者の指定の変更について第23 同 第111号議案 損害賠償の額の決定について第24 同 第112号議案 整備計画の変更に対する同意について第25 令和2年承認第6号 名古屋市介護保険条例の一部を改正する条例の制定に関する専決処分について    ---------------------------   出席議員    北野よしはる君   斉藤たかお君    浅井正仁君     松井よしのり君    成田たかゆき君   岩本たかひろ君    おくむら文悟君   久田邦博君    赤松てつじ君    久野美穂君    塚本つよし君    沢田ひとみ君    河本ゆうこ君    豊田 薫君    手塚将之君     さかい大輔君    吉岡正修君     近藤和博君    田辺雄一君     さいとう愛子君    さはしあこ君    前田えみ子君    日比美咲君     森 ともお君    服部しんのすけ君  浅野 有君    西川ひさし君    中里高之君    丹羽ひろし君    ふじた和秀君    藤沢ただまさ君   中川貴元君    中田ちづこ君    岡本善博君    横井利明君     伊神邦彦君    渡辺義郎君     岡本やすひろ君    小川としゆき君   斎藤まこと君    服部将也君     加藤一登君    うかい春美君    田中里佳君    増田成美君     佐藤ゆうこ君    鈴木孝之君     田山宏之君    浅井康正君     金庭宜雄君    中村 満君     小林祥子君    木下 優君     三輪芳裕君    岡田ゆき子君    田口一登君    余語さやか君    長谷川由美子君    中川あつし君    うえぞの晋介君    江上博之君     さわだ晃一君    大村光子君     橋本ひろき君    吉田 茂君     小出昭司君    山田昌弘君   欠席議員    鹿島としあき君    ---------------------------   出席説明員市長          河村たかし君  副市長         堀場和夫君副市長         伊東恵美子君  副市長         廣澤一郎君防災危機管理局長    渡邊正則君   市長室長        小林史郎君総務局長        中田英雄君   財政局長        鈴木峰生君スポーツ市民局長    寺澤雅代君   経済局長        難波伸治君観光文化交流局長    松雄俊憲君   環境局環境都市推進監  須網正人君健康福祉局長      山田俊彦君   子ども青少年局長    杉野みどり君住宅都市局長      光安達也君   緑政土木局長      酒井康宏君防災危機管理局総務課長 大澤政充君   市長室次長       野澤米子君総務局総務課長     舘 雄聡君   財政局総務課長     後藤仁美君スポーツ市民局総務課長 杉山和人君   経済局総務課長     杉山拓也君観光文化交流局総務課長 伊藤 毅君   環境局総務課長     小木原吏香君健康福祉局総務課長   浅井令史君   子ども青少年局総務課長 嶋 久美子君住宅都市局総務課長   加藤高弘君   緑政土木局総務課長   山口浩明君    ---------------------------交通局長        河野和彦君   交通局営業本部総務部総務課長                                高木秀知君    ---------------------------病院局長        大原弘隆君   病院局総務課長     杉原忠司君    ---------------------------消防長         小出豊明君   消防局総務部総務課長  加藤哲也君    ---------------------------教育長         鈴木誠二君   教育委員会事務局総務部総務課長                                櫻井瑞郎君    ---------------------------人事委員会委員長    細井土夫君   人事委員会事務局次長  福田 豊君    ---------------------------          令和2年6月25日 午前10時1分開議 ○議長(中里高之君) これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者には久野美穂君、田辺雄一君の御両君にお願いいたします。 これより日程に入ります。 日程第1より第25まで、すなわち第89号議案「名古屋市瑞穂公園条例の一部改正について」より承認第6号「名古屋市介護保険条例の一部を改正する条例の制定に関する専決処分について」まで、以上25件を一括議題に供します。 昨日に引き続き、質疑並びに質問を続行いたします。 最初に、浅井康正君にお許しいたします。    〔浅井康正君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◆(浅井康正君) おはようございます。 中里議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問してまいります。 新型コロナウイルス感染拡大防止のために、政府が一部の地域に緊急事態宣言を4月7日に発表しました。さらに、4月16日には全国に拡大されました。総理大臣官邸及び厚生労働省から、密閉、密集、密接、いわゆる3密を避けるよう様々な要請が出されました。 国は、5月25日には、緊急事態宣言の全面的な解除を発表しました。また、5月14日に愛知県の緊急事態宣言を国が解除してから、1か月余りが経過しました。この間、本日までの直近1か月余りで、3密を避けるため、国民、県民、市民の皆さんがステイホームされて、感染拡大防止に御努力いただいた結果、感染者数の減少につながったと思います。 厚生労働省から、高齢者に対して、3密を避けて軽度の運動、散歩をして、自らの健康管理に努めていただくようお願いされました。新型コロナウイルスの感染拡大当初は、高齢者の感染による死亡率が高く、高齢者にとっては大変脅威だったと思います。この約6週間に高齢者の不安に対して見守りはどうだったのか気になり、本市の高齢者の見守り施策について調べました。 高齢者の見守り施策の状況は、訪問系としては、民生委員の方々がしっかりと、それから見守り支援員、あるいは高齢者福祉相談員、老人クラブの友愛活動、高齢者の見守り協力事業者登録事業などがあり、さらに高齢者の見守り施策の電話系では、見守り電話、高齢者福祉電話の貸与、それから緊急通報事業として、あんしん電話などが施策として盛り込まれています。名古屋市は、多くの方々が高齢者の見守りに関わって、高齢者が安心して生活できることに御尽力されていることは承知しております。皆様には感謝申し上げます。 ところが、あんしん電話の御案内によると、心臓発作や火災などが生じた場合、あんしん電話の非常ボタン、あるいは無線ペンダントなどを押すと、登録された緊急通報先へ通報され、必要に応じて救急車・消防車が、あるいは近隣協力者が御自宅へ駆けつけます。また、看護師などが常駐するコールセンターへ24時間いつでも御相談いただけるとの御案内がされております。また、注意事項として、あんしん電話の通報方式は、消防直報方式とコールセンター方式のいずれかを選択するようになっております。 30年度4月より制度変更があり、コールセンター方式に限り、安否センサーが利用可能となりました。安否センサーとは、居間などにセンサーを設置し、赤外線で1日の活動量を検知するもので、検知した活動量が一定量に満たない場合、異常と判断して、特定の時間にあんしん電話を経由して自動でコールセンターへ通報すると。これは、利用者に事故等が発生した場合の人命救助を目的としたものではありません。また、あくまで動いた回数を検知するものであり、個人がどのように動いたかなどは見ることができません。 どの方式も自力でボタン操作が必要となるケースが多く見られます。しかしながら、消防直報方式のようにボタン操作が必要な場合、健康の急変によりボタン操作すらできないことも起き得ると思います。 そのような状況下でも通報できるシステムはないかと調べてみました。調べたところ、緊急時でも新技術を活用して対応している神戸市と熊本市の取組を御紹介申し上げます。 神戸市にお尋ねしたところ、企画調整局のつなぐラボでは、高齢者の見守りをするために、新技術を取り入れた取組がなされておりました。その内容は、神戸市とNTTドコモが高齢者などの見守りモデルの創出のため、プライバシー配慮型生体センサーを活用した高齢者向け見守りサービスの実証実験を、昨年の7月29日から8月31日まで、神戸市中央区の特別養護老人ホームで実験されました。今回の実証実験は、その中のICT・データを活用して地域課題の解決や市民サービス向上を推進するための取組の一つです。 実験では、小型のワイヤレスセンサーを介護施設の個室に設置する、そして、高性能小型レーダーが対象者の位置や姿勢、身体の微小な運動などを検知し、新技術--AIを用いたデータ処理によって、心拍数や呼吸数の変化、身体の動きを総合的に判断し、睡眠状態をモニタリング可能となります。 これらの技術によって、カメラでの監視や機器装置の煩わしさを解消し、入居者のプライバシーに配慮しつつ、負担やストレスをかけずに、介護施設の職員が入居者の睡眠状態や、あるいは起床状態をリアルタイムで把握することが可能となりました。介護職員は、夜間の巡視、あるいは起床介助を適時的確にできるようになったと言われています。職員の稼働削減にも、あるいは負担軽減にもつながります。 従来の医療機器では実現できなかった継続的な観察で入居者の体調の変化を把握し、より高度な見守りの実現を目指すとともに、体調の変化として、先ほど申しました心拍数や呼吸数、あるいは睡眠や歩行などの行動を感知して、クラウドでデータを管理し、人工知能--AIによって判断し、異常を察知した場合は関係者に通報するということも可能だと聞いております。これは人命救助にもつながると私は思っております。 担当者からお聞きしました。今後の予定はまだ具体的には決まってはいないが、今回の結果を見て、独り暮らしの老人宅や、あるいは高齢者のお宅などで実証実験を今後も重ねていきたいというふうにお聞きしました。 先ほど言った、さらに他都市の例としては、熊本も同様に、NTTドコモと連携をして、同様の実証実験が5月から予定されていましたが、しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大予防等の影響で実施が見送られています。 そこで、健康福祉局にお尋ねします。高齢者の見守り施策の新技術を取り入れて、さらに1人でも多くの高齢者の健康を守るために、あるいは人件費の削減のためにも、あんしん電話の事業において、神戸市や熊本市のような実証実験が有効だと思われますが、局長の御所見をお聞かせください。 次に、市バス運転士の求人枠について、交通局長にお尋ねします。4月7日以降、国の非常事態宣言下、中小企業をはじめ多くの事業者が要請を受けて、自粛や休業をされました。その中の一つとして、観光業も同様に要請を受けて、自粛、休業されました。中でも、3密を避けることから、観光バス業界は当然運営することが困難となり、休業されました。長期化する中には、小規模の観光バス会社で、経営の見直しによって運転士さんの解雇も行われたと聞き及んでいます。 今回、私は、新型コロナウイルス感染症対策によって職を失った方々の再雇用などの支援はないかと、国も全力を挙げて進めようとしている状況から、小規模の観光バス会社の経営見直しによって解雇された運転士さんの再雇用の道はないかと模索してみました。端的に、観光バス等の運転士さんの運転技術を生かせる先には、本市の市営バスの運転士さんへの再就職の道があるのではないかと思います。 現状では、全国的に大型二種免許取得者が減少傾向にあり、バス運転士さんの確保がますます厳しくなっていると聞き及んでおります。しかし、今年度の市営バス運転士さんの募集は、もう既に4月に終了しておりました。今後、新型コロナウイルス感染症対策関連の専門家の予想によれば、第2波、第3波の新型コロナウイルス感染拡大の可能性が想定されております。その時期は、今年の秋から、あるいは冬からとも聞き及んでいます。この予想が外れてほしいと私は思っていますが、予想どおりとなってしまえば、観光バス業界の景気回復にさらなるダメージとなることと思います。そうなれば、小規模の観光バス会社の経営の見直しによって解雇された運転士さんの再雇用も困難になると思います。 そこで、交通局長にお尋ね申し上げます。観光バス会社の再雇用も困難となる運転士さんを1人でも多く救済する、職を失った方々の再雇用などの支援を、先ほど申しました国も全力を挙げて進めようとしている状況から、その趣旨を踏まえて、本市としても、来年度の市営バス運転士さんの採用募集の際には、採用予定人数の1割でも2割でもいいですから、観光バス会社の経営見直しにより解雇された運転士さんに光を当てる求人枠をぜひとも設けてほしいと思いますが、御所見をお聞かせください。 これで、第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局には、新技術を活用した高齢者の見守りについてお尋ねをいただきました。 神戸市での実証実験は、民間通信事業者と連携し、当初は、自宅に取り付けられたセンサーから収集したデータについて異常と判断された場合、近隣協力者などへ通報が入り、その近隣協力者が駆けつける仕組みで、在宅で生活する高齢者を対象に行われる予定とされておりました。しかしながら、緊急時に駆けつける人員の確保に課題があったため、特別養護老人ホームにおいて施設職員が入所者の居室での状況を見守る形式での実証実験になったとお聞きしております。 また、熊本市における民間通信事業者と連携した実証実験は、神戸市とは異なり、高齢者の自宅において実施することが予定されておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で民間通信事業者による機器の調達が遅れ、実施には至らなかったとお聞きしております。 現在、本市では、在宅で生活する高齢者の見守り施策として、利用者が二つのサービス内容から選択できるあんしん電話事業を実施しております。あんしん電話では、従来からの事業であります、自宅で体調に異変があったときにペンダント型の緊急通報ボタン等を押せば、消防などに緊急通報でき、近隣協力者や救急車が駆けつける仕組みに加え、平成30年度からは、赤外線センサーによる自宅内での活動状況を送信するシステムも選択できますが、どちらもすぐに人が駆けつけられるよう体制が取られているところに特徴がございます。 議員御指摘の民間通信事業者によるシステムは、神戸市、熊本市のどちらにおいても、緊急時に駆けつけるというこの事業の根幹部分の検証がいまだなされておりません。こうしたことから、在宅で生活する高齢者についての見守りとしての有効性、機器設置の環境は一般に普及し得るものかどうか、他の事業者による同種のシステムの有無などとともに注視してまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◎交通局長(河野和彦君) 交通局に対しまして、市バス運転士の求人枠についてお尋ねをいただきました。 交通局では、お客様に安全で安心、快適なサービスを提供できるよう、優秀な人材を確保する必要があると考えており、市バス運転士の採用選考に当たっては、一般常識等の筆記試験や適性検査、面接試験等のほか、実際にバスを運転する実技試験により実施をしております。具体的には、面接試験では、高齢者や障害のあるお客様、観光客などとの接客に必要なコミュニケーション能力などを確認し、また、実技試験では、交差点や横断歩道での確実な停止や緩やかな発進、スムーズな車線変更、バス停留所での正確な着停などの運転技術を評価するものでございます。 現在、交通局が実施しております選考は、いずれも市バス運転士として求められる適性や技能を兼ね備えているかを確認する上で必要な評価事項であり、優秀な人材を確保するためには、一定の要件に当てはまる人材を分け隔てなく広く募集し、同一の基準で選考することが適当であると考えております。 しかしながら、全国的に大型二種免許取得者が減少傾向にあり、バス運転士の確保がますます厳しくなっている状況において、より多くの方に応募していただくことは重要なことと考えております。 新型コロナウイルス感染症による社会情勢の変化にも留意しながら、働く場を失ったバス運転士を対象とした枠の設定を含め、市バス運転士の募集方法について幅広く検討し、今後とも優れた人材を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(浅井康正君) それぞれ御答弁ありがとうございます。要望して終わりたいと思います。 まず、健康福祉局には、神戸市の実証実験の結果だけではまだまだ不十分と思います。本市では、高齢者の見守りには多くの方々が一生懸命に取り組まれている。大変ありがたいと思っております。その方々の御苦労の一助にもなる新技術のAIを活用した見守りが、今後さらに展開していくと思います。ぜひ本市も見守りの一歩として、あんしん電話の事業の重要性を踏まえ、新技術のAIを活用した実証実験をされるよう強く要望します。この件は終わります。 次に、交通局には、市バスの運転士さんの採用に関して、採用の公平さや様々な課題があることは承知しましたが、交通局も先ほど申されたように、バスの運転士さんの確保に苦慮されている中、観光バス会社の経営見直しによって解雇された経験豊富な--経験豊富な運転士さんに希望を与える、求人枠を含めて検討をいただけると前向きな御答弁、本当にありがとうございます。 市長の提案理由説明の中においても、働く従業員の雇用、すなわち生活そのものを全力で守っていくことが最も重要であるとの認識を改めて強く持ったところと市長も発言されました。このことを踏まえて、ぜひとも求人枠を設けていただきますよう強く強く要望して、これで私の全ての質問を終わります。(拍手) ○副議長(山田昌弘君) 次に、中村満君にお許しいたします。    〔中村満君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◆(中村満君) おはようございます。通告に従い、質問をさせていただきます。 まず1点目、市民の生命を守る民間木造住宅の耐震化について。 昭和56年以前に建てられた民間木造住宅は、その倒壊の危険性から、行政として何とかしなくてはいけないと、いろんな策を講じてまいりましたけれども、多種多様な住宅所有者に十分に応えることのできる政策はいまだ道半ばであります。 平成30年度からこれまでの啓発手法を見直したことにより、木造住宅の耐震診断そのもの自身は前年の507件から1,296件に大幅増加いたしましたけれども、しかしながら、肝腎な木造住宅の耐震改修については、助成の補助率を工事費の8割まで、上限額を100万円まで拡充したにもかかわらず、直近5年間で100件から150件の横ばい状態。件数の増加につながっていない状況であります。 この状況にはいろいろな原因があると思いますけれども、本市の行った耐震診断を受けた住宅所有者、耐震診断員に対するアンケートの結果から、また、関係者からの聞き取りの結果から、それでも耐震改修に進んでいかない理由に、耐震診断の結果を説明するときなどに住宅所有者と直接話をする耐震診断員が、耐震改修の必要性や改修工事につながるような説明がうまくできていないのではないかと思いました。それぐらい重要な役割を担っています。具体的には、改修の5割の断念理由に、費用負担が大きいとあります。また、改修実施者の5割が改修に診断員を関わらさせているとしています。 今後、診断員において、専門的低コスト工法の習得、耐震シェルターや防災ベッドの周知が不可欠であると考えます。このほかにも総合的なスキルアップが必要で、関係団体による講習会、勉強会を開催してはどうかと考えますが、住宅都市局長にお伺いいたします。 続きまして、市営住宅を活用した住宅困窮者への住まいの確保について。 市民の中には、様々な希望条件を言われる方もおられますけれども、中にはせっぱ詰まって、雨風をしのぐことができたらどこでも結構ですと言われる方もおられます。多種多様であります。特に、単身の高齢者、障害者、生活保護受給者の方からの要望としてよく聞きます。市内には、立ち退きを迫られた古いアパート、長屋の数が相当数あり、当然そこに入居されておられる方も相当数ございます。 本市では、一般募集で応募がなかった住宅を対象に、先着順で常時募集を受け付けておりますが、常時受付が行われているといっても、単身者が応募できる住宅はほとんどございません。その一方で、この先着順募集の対象住宅の中には、世帯向けの住宅で、何年も応募がなく空室のままになっている住宅も数多くあるということに気づきます。住宅に困窮する単身の高齢者や障害者の方がたくさんいらっしゃるにもかかわらず、長期間応募がなく空室のままになっている市営住宅が数多く残っている状況は大きな問題です。これらの住宅に高齢者や障害者などの単身者が応募できるようにしたら、どんなに喜ばれるでしょうか。 そこで、住宅都市局長にお伺いします。長期間応募のない住宅を対象に、これまで世帯向けに募集していた55平米を超える住宅を単身者向けの住宅として活用してはいかがでしょうか。 続いて、これに併せて考えていかなければいけないのは、単身者が入居して空室が解消すればそれでよいというのではなく、お住まいになった住宅に安心して元気に住み続けていただくということでございます。 単身者向けの住宅に応募された方の大半は高齢者である。入居後の新たな生活環境になじむのは、そう簡単なことではありません。次第に外出する機会も減って、地域や団地で孤立し、安心して元気に暮らし続けることができなくなってしまうことも懸念されます。単身者が応募できる住宅が多い団地は、特に今後ますます入居世帯の高齢化が進むと思われます。さらに踏み込んで、空室を活用した取組ができないでしょうか。例えば、NPOや介護事業者などの民間事業者に空室を使ってもらい、安否確認や生活相談などの福祉サービスを展開してもらったり、高齢者が気軽に立ち寄ることができる喫茶や食堂など、入居者や地域住民の方々の暮らしに役立つ使い方ができたら、これほどすばらしいことはございません。 そこで、住宅都市局長にお伺いいたします。市営住宅がセーフティーネットの中心的役割を担う以上、お住まいになられた方々に、できるだけ長く住み続けていただけるような配慮が必要です。空室を活用した入居者支援の取組について、どのようにお考えでしょうか。 続きまして、相談の中には、例えば、市営住宅に入るにはいろいろと条件があると聞いていたけれども自分は大丈夫か、いろんな種類の募集があるみたいだけれども自分はどれに申し込んだらいいのか分からない、こういった声も多く寄せられます。市営住宅を希望する方々には高齢者の方も多く、市営住宅の入居に関する情報を分かりやすく提供し、理解の手助けをすることが重要であると思います。様々な情報媒体、Q&Aとして、よくある質問とその回答が掲載されているのを目にします。Q&Aの質問は、自分の立場に置き換えて考えることができるため、情報の理解を促すのに効果的でございます。 そこで、住宅都市局長にお伺いします。栄地下街にある住まいの窓口などで受ける特に多い質問について、Q&Aにまとめ、市営住宅の入居に関する情報をリーフレットなどで分かりやすく提供してはいかがでしょうか。 最後、3点目でございます。避難所における感染防止対策の強化について。 国民の皆様の努力と協力によって、新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向に転じ、全国で緊急事態宣言が解除され、事態は着実に収束に向かっています。 しかしながら、治療薬の開発や検査体制の拡充も含め、医療供給体制の整備が不十分なままでの宣言解除に不安の声も大きく、あらゆる手だてを講じた迅速な感染拡大防止対策が求められています。特に、梅雨、台風シーズンを控え、大規模災害が発生した場合に、避難所における感染症対策に万全を期することが重要であります。私の元にも、コロナ禍における避難所が3密状態となることを危惧する多くの市民の声が寄せられています。 そこで、避難所の過密防止に向けた避難所の確保について、お伺いいたします。 コロナ禍における指定避難所への避難について、過密状態が発生することによる新型コロナウイルスの感染拡大が危惧されています。先日、国の防災基本計画の修正においても、「新型コロナウイルス感染症の発生を踏まえ、避難所における避難者の過密抑制など感染症対策の観点を取り入れた防災対策を推進する必要がある。」との文言が追加されたところであります。指定避難所の過密状態を防ぐためには、指定避難所の指定を推進し、より多くの避難スペースを確保することが必要です。 名古屋市内において、指定避難所は、この6月1日時点で801か所指定されております。そのうち、市有施設は702か所、残り99か所が国、県、民間の施設となっております。市有施設に関していえば、小規模な倉庫などを除くと1,700施設あると聞いております。指定されていない市有施設の中には、庁舎や市営住宅など、避難所として活用が見込めない施設も多く含まれているとは思いますけれども、それでも1,700か所のうち702施設、40%しか指定避難所として指定されていないことになります。 今回、避難所における感染防止策は、新型コロナウイルスと大規模災害が同時に発生したと想定した複合災害対策であります。不測の事態に備え、市有施設及び国、県の所有する施設についてさらなる指定に取り組んでいくとともに、また、民間の所有する旅館、ホテル等については、他の施設と同じ方法では課題も多いと聞いております。こういった施設においては、指定ではなく、例えば協定締結の推進といった形で取り組む必要があると思います。同時に、指定避難所の過密防止策として、自宅が安全であれば自宅にとどまることや安全な親戚宅や友人宅へ避難することも啓発するなど、市民一人一人の行動が変化していくような取組が必要となることが考えられますが、併せて防災危機管理局長にお尋ねして、1回目の質問を終了します。(拍手) ◎住宅都市局長(光安達也君) 住宅都市局には、市民の生命を守る民間木造住宅の耐震化及び市営住宅を活用した住宅困窮者への住まいの確保につきまして、お尋ねをいただきました。 まず、市民の生命を守る民間木造住宅の耐震化についてでございます。 本市では、今年度末までに住宅などの耐震化率95%を達成するという目標を掲げ、住宅や建築物の耐震化を促進しており、これまでに啓発手法の見直しや耐震改修助成制度等の拡充を行ってまいりました。 しかしながら、民間木造住宅につきましては、耐震診断件数の増加が耐震改修につながっていない状況であり、そのことが大きな課題であると認識しております。こうしたことから、耐震診断や耐震改修を行われた方や耐震診断員に対してアンケートを実施させていただき、分析を行ってまいりました。 診断を行われた方からは、診断結果の報告の際に、費用や工事に関する多くの御質問や御相談があったと聞いており、その結果、費用負担が大きいなどの理由により、5割以上の方が診断後に対策を行う予定がないと判断されています。一方で、改修を行われた方の5割以上が施工方法の検討に診断員を関わらせていることから、議員御指摘のとおり、改修を増やしていくためには診断員の対応が大きな鍵になると考えております。このような分析結果から、診断員の総合的なスキルアップが必要であると考えており、説明力の向上や改修につなげるための手法を新たに作成するマニュアルに積極的に取り入れ、関係団体による勉強会において周知してまいります。 また、専門的な知識のスキルアップとして、比較的低価格で改修を行うことができる低コスト工法の設計方法や工事方法の理解を深めるための講習会を開催し、専門的な知識の向上に努めてまいります。 さらに、診断員には本市の耐震化支援制度への理解を深めていただき、改修が費用的に困難な方などには生命を守るための耐震シェルターや防災ベッドを臨機応変にお勧めするなど、より分かりやすく効果的な周知を行うことで、耐震化の促進と命を守るための取組を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。 次に、市営住宅を活用した住宅困窮者への住まいの確保についてでございます。 まず初めに、単身者向けの住まいの確保につきまして、現在、本市では、単身者向けの市営住宅の面積要件を55平方メートル以下としておりますが、単身者向け募集の応募者の多くは高齢者であり、応募がない住宅を対象に55平方メートルの面積要件を緩和した場合、団地の高齢化を進展させることにつながることから、慎重な対応が必要であると考えております。その一方で、単身者からの市営住宅へのニーズは高く、議員御指摘のように、長期間応募がなく空室になっている住宅を単身者向けの住宅として有効に活用することも考えなければならないと認識しております。 今後につきましては、団地ごとの高齢化の状況を十分に踏まえつつ、長期間応募がない住宅を対象に55平方メートルの面積要件を緩和し、単身者向けの住宅として活用することについて、速やかに検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、空室を活用した入居者支援の取組についてでございます。 市営住宅の単身者向け募集には、多数の高齢者の方から応募いただいており、高齢化の進展を踏まえると、議員御指摘のように、単身者向けの住宅の確保に併せて、入居世帯の高齢化に対応した住環境を整えていく必要があると考えております。 NPOや介護事業者などによる空室の活用は、団地の特性やニーズを把握した上で、これに対応できる事業者をどのように選定するのか、また、選定された事業者の採算性が確保され、事業の継続的な実施が図られるためにどのような手法があるのかなど、整理すべき課題があると認識しており、今後、これらの課題の整理を進めるとともに、空室を活用した高齢者への支援策について検討を進めてまいりたいと考えております。 最後に、分かりやすいQ&Aによる情報提供についてでございます。 市営住宅の入居に関する情報につきましては、入居者募集ごとに作成する募集案内や本市ウェブサイトを通じた案内のほか、一人一人の御要望や御事情に合わせたお答えができるよう、名古屋市住宅供給公社や栄地下街にある住まいの窓口において、直接または電話による御相談をお受けしているところです。 市営住宅に入居するには、住所地や収入などの条件があり、また、入居者募集の方法も多岐にわたっております。このため、御自身の御希望や御事情に合わせた情報は、直接お問合せをいただくことで、誤解なく適切なものを提供できると考えておりますが、同じような内容で頻繁にお問合せのある情報は、案内書等の掲載内容を工夫することで理解を促すことができると考えられます。 市営住宅への入居を御希望になる方々には高齢者や障害者も多く、市営住宅の入居に関する情報を分かりやすい形で提供することは重要であり、議員御指摘のQ&Aを掲載したリーフレットによる情報提供について、検討を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ◎防災危機管理局長(渡邊正則君) 防災危機管理局に対しまして、避難所における感染防止対策の強化についてお尋ねをいただきました。 指定避難所における避難スペースにつきましては、この地域で発生が予測されている自然災害のうち、被害が最大となると想定されている南海トラフ巨大地震の想定避難者数を受け入れることが可能なスペースは確保してきたところでございます。 しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症への対策として、避難者同士のソーシャルディスタンスを確保し、避難所の過密状態を解消するため、避難スペースのさらなる確保が必要であると考えているところでございます。 今後の不測の事態に備えるためにも、新たな避難スペースの確保については、一般の避難所や要配慮者向けの福祉避難所など、感染症対策上の様々な活用方法が想定されることから、市有施設等につきましては、運営をしていただく地域の皆様にその必要性を十分説明しながら指定避難所のさらなる指定を進めるとともに、民間の旅館、ホテル等につきましては、その具体的な活用方法を関係局と調整した上、協定を締結するなどして、災害時に御協力いただけるよう取組を強化してまいりたいと存じます。 また、議員御指摘のとおり、避難所が過密状態になることを避けるためにも、自宅が安全であれば自宅にとどまるなどの避難行動や、平時から親戚や友人宅への避難を想定し、話合いをしておくなどの備えの必要性について啓発していくことは重要であるため、広報なごや、ホームページなどによる呼びかけとともに、訓練をはじめとした地域での様々な取組において啓発を行い、市民の皆様に浸透するよう努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◆(中村満君) 2点ほど意見をつけさせていただきます。 市営住宅を活用した住宅困窮者への住まいの確保についてでございますけれども、どんな理由があっても、空室が慢性的に発生した現実に対して、あまりにも対応の遅れ、策のなさを指摘しておきます。 もう一点は、避難所における感染防止対策でございますけれども、不測の事態、これに対応することが一番大切だと思います。不測の事態と思うのは、コロナ第2波、第3波とともに、南海トラフ大地震が同時に起きたと想定することが大事であると思います。不測の事態は大抵来るだろうと、こんな思いではなくて、南海トラフ大地震、絶対来ると、こういった構えから全ての政策をつくっていただきたいと思います。 以上でございます。(拍手) ○議長(中里高之君) 次に、斉藤たかお君にお許しいたします。    〔斉藤たかお君登壇〕 ◆(斉藤たかお君) 中里議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。 今回は、自民党の先輩方、また同僚議員の御配慮によりまして、40分の質問時間をいただきましたが、時間に余裕がございませんので、早速質問に移りたいと存じます。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症の第2波に向けた今後の対応についてお尋ねをいたします。 本市では、2月に新型コロナウイルスの感染症が発生して以降、スポーツ施設や福祉施設で発生したクラスターなどにより、感染者が著しく増加し、大変厳しい状況にありましたが、医療関係者をはじめとした皆様の懸命な努力により、何とか医療崩壊を起こすことなく現在に至っております。 国の緊急事態宣言に続き、愛知県独自の緊急事態宣言も解除されたものの、第2波がいつやってくるか分からない状況の中、今取り組むべきなのは、これまでの本市の対応に係る課題を整理し、検証を進めていくことであると考えます。 新型コロナウイルスの対応は初めてのことであり、防災危機管理局、健康福祉局が中心となって、適宜必要な対策を講じられてこられたと思いますが、感染拡大防止、医療体制の確保、市民・事業者への支援、市対策本部の運営体制など、様々な課題が浮き彫りになったと思います。 飛沫感染防止、三つの密を回避するといった対策が叫ばれる中、市職員が感染することにより、市政運営が停滞し、市民生活へ影響が出ないように配慮、回避する手段として、職場における接触感染防止策としてのテレワークや時差出勤といった働き方改革にも取り組まれたと伺っております。 しかしながら、対策の度合い、例えば、どれだけの職員の出勤を抑制するべきか局によってばらつきがあり、平成22年に策定されました新型インフルエンザに係る業務継続計画がありながら、コロナ禍における業務執行体制について、全庁的な対応に係る統制がうまく図られていたのか疑問であります。あわせて、不要不急の業務を洗い出し、必要なコロナ業務に柔軟に振り分けることができたのか否か、その点についても早急な課題整理、見直しが重要なのではないでしょうか。 次の大きな波が来た場合、疫学的な観点を考慮した上で、より厳格な業務の縮小、人的資源の必要な業務へのシフトが必要とされ、統括局である防災危機管理局、疫学的な観点からの健康福祉局、そして職員の業務執行体制、動員に関わる総務局との連携も重要な課題であると考えます。 感染拡大防止対策や医療体制の確保といった課題検証は当然のこととして、市民生活に大きな影響を与える市職員のコロナ禍における業務執行体制についても課題を整理し、検証を早急に進め、感染防止対策や医療体制の確保とともに、職員の業務継続等に係る対応方針やそれに基づく必要な対策を即座に打ち出していくべきと考えますが、堀場副市長にお尋ねをいたします。 次に、新型コロナウイルス対策に係る財源確保の考え方についてお尋ねをいたします。 私が議員になって10年、我が党の諸先輩方より御指導をいただきまして、財政といえば斉藤たかおと言われるようになりました。このコロナ禍においても、医療従事者への支援など、新型コロナウイルス感染症対策事業に幅広く活用できる基金--ナゴヤ新型コロナ対策でらハートフル基金の設置にも尽力をいたしました。 さて、本市においては、2月に初めて感染者が確認されてから、この間、対策に係る補正予算を数度にわたり編成してきております。今年度に入ってからも、4月臨時会で142億円、5月は全額が国庫支出金を財源としているものの、2325億円の補正予算の専決処分を行ったほか、臨時会で130億円、この6月定例会においても79億円余の一般会計補正予算案が提案されております。財政局が、その都度、対策に係る財源の確保に苦心されてきたことは想像に難くないところであります。 地方公共団体の取組を後押しするため、国において創設された地方創生臨時交付金は、5月に示された本市の交付限度額が約34億円と、この間の補正額に比べれば僅かな金額にとどまっており、名古屋市会としても先般の臨時会で、異例ではありましたが、国へ意見書を提出するとともに、私ども自民党名古屋市会議員団としても国における政権与党として各方面に強く働きかけを行うなど、対策に必要な額が措置されるよう強く求めてきたところであります。 そのかいもあって、地方創生臨時交付金、国において総額2兆円の積み増しが行われ--これ、市長、昨日示されたわけでありますが--本市に示された今回の交付限度額は約124億円--124億円と、5月に示されました額の実に3倍以上となっております。 一方で、本市の貯金とも言える財政調整基金は、この間、幾度も編成された補正予算ごとにその残高は減少を続け、間もなく上程予定の6月補正予算の追加分による取崩しまで含めれば、財政規律で定めた100億円の1%未満、僅か5000万円まで減少する見込みであります。 今後も様々な新型コロナ対策を進めていかなければならない中で、不要不急の事業の見直しなども想定されると思いますが、財政局としてどのような財源を見込んでおられるのでしょうか。 また、財政調整基金以外にも様々な基金があると思いますが、6月補正予算において予定されている財政調整基金の取崩しを含め、残高は総額で幾らあるのか、併せて財政局長にお尋ねいたします。 次に、金山における新たなバスターミナル「バスタ金山」の整備についてお尋ねをいたします。 まずは、平成28年4月のバスタ新宿が誕生した経緯について少し説明をさせていただきたいと思います。 新宿駅南口と新宿跨線橋の駅前は駅前広場を介さずに直結しているため、新宿跨線橋の上でタクシーの客待ちや一般車の乗降が行われており、渋滞や接触事故が起きやすい状態になっていた上に、新宿駅の東西を結ぶ数少ない道路であるにもかかわらず、歩道幅員が十分でなかったため、歩行者であふれて擦れ違うことが困難な状況になっておりました。さらには、新宿跨線橋そのものも架設されてから80年以上が経過し老朽化が進み、首都直下型地震が発生した場合に、道路として機能しなくなるおそれや跨線橋の下を通過する列車に多大な影響を与えるおそれが懸念されておりました。さらに、新宿駅を発着する高速バスは、運行会社の違いなどから、バス停留所が19か所に分散し、利用者には大変分かりづらいなどの課題がありました。 これらを踏まえ、国土交通省が主体となり、新宿跨線橋の拡幅を伴う改築、地下鉄の新宿三丁目駅とJR新宿駅間の地下歩道建設を含めた一連の事業である新宿駅南口地区基盤整備事業を実施し、その一環として新宿跨線橋の南側に新宿交通結節点を整備し、鉄道駅や高速バス・タクシー乗降場などといったものを一つの建物に集約することとなりました。 施工手順としては、先に新宿跨線橋の拡幅改築に伴う必要な作業スペースを確保するため、線路上に約1.47ヘクタールの人工地盤の建設を行い、その上にバスターミナルを含めた新宿交通結節点を整備するというものでありました。 完成してから利用者が好調に推移しているバスタ新宿を参考に、バスタを全国へ展開させるべく、国は道路法を改正し、一般車を排除するとともに、コンセッションの活用を可能とし、商業施設などの設置手続についても簡素化を図ることが打ち出されました。 私の地元である名古屋駅の開発では、ここぞとばかりに機能を詰め込み過ぎて、バスターミナルの機能強化の余地があまり残されておりません。一方、金山は、JR、名鉄、地下鉄、市バスが交わり、名古屋駅に次ぐ一大交通結節点でありながら、そのポテンシャルを十分に生かし切れていないようにも感じます。 現在、名古屋駅の西側では、朝夕のラッシュ時には観光バスの待機列が亀島駅周辺まで伸びており、まるでバスの品評会のような光景が見受けられます。そこで、名古屋駅のバスターミナル機能を金山に分散すれば、高速バスや観光バスへの乗換え利便性が向上するとともに、名古屋駅に集中するバスを金山に分散させることにより、渋滞も解消することが可能となるのではないでしょうか。 その手法として、こちらのパネル及び机上に配付した資料を御覧いただきたいと思います。 この赤色で塗り潰してある部分、こちらでございますね、この部分におきまして、この「バスタ金山」、金山駅のJRと名鉄の線路上空に行政または民間が設置をし、バスタのバス利用料や商業施設によって運営費を捻出することも考えられますし、運営についても、バスタとしては日本初のコンセッションを検討することもできるのではないでしょうか。 また、線路上空に生み出される空間は、平常時には、まちににぎわいを生み出す広場空間として、そして南海トラフ巨大地震等が発生した際には、帰宅困難者が一時退避するための空間としてもこちらは活用できるのではないでしょうか。 「バスタ金山」を整備することができれば、セントレアからのインバウンドを名古屋に集中させて、みすみす東京へ直通させることなく、金山で一旦吸収し、名古屋に滞在してもらうことができるのではないでしょうか。 バスの乗換えはもちろん、商業施設で買物をしたり、市民会館で伝統やカルチャーを楽しむなど、インバウンドを金山に取り込む起爆剤とすることができると考えます。さらには、中部圏の観光地への観光バスの新たな発着点として、中部の各観光地との交流拠点とすることで、中部全体の要として金山がより重視されるようになり、金山の魅力PR、知名度アップ、そして金山のポテンシャルの底上げを図ることが可能となってまいります。 金山のまちづくりについては、我が党の大先輩であります中田ちづこ議員や、本日は服部しんのすけ議員が金山周辺の質問をされると聞いておりますが、アスナル金山や市民会館などの一体開発がこちらの上部で、この上のほうで行われていようとしているこの時期こそ、金山の拠点性を大幅に強化することを考えていく絶好のチャンスと言えるのではないでしょうか。 今後、インバウンドのさらなる受入れを想定し、セントレアの2本目滑走路建設を目指していこうとするときに、その全てを名古屋駅に集中させるという前提では、インバウンドを取り込むどころか、名古屋駅の負荷を一層増加させ、混乱や機能不全を招くおそれさえあります。 「バスタ金山」、これこそが、名古屋駅開発を側面で支えつつ、名古屋のインバウンドを確実に取り込む大きな秘策の一つとなるものと考えます。 光安住宅都市局長におかれましては、国土交通省より本市に就任され、もう間もなく3年となります。今回の質問を含めると、本会議で7回目の質問と、私とのやり取りが7回目となります。光安局長は12回本会議場にお越しになられ、そして私の質問に半分以上お答えいただいたことになります。国土交通省との交渉も当然ありますし、鉄道事業者との交渉など非常に課題も多いと思いますが、住宅都市局長の前向きな答弁をお願いしたいと思います。 次に、マイクロプラスチック削減に向けた取組についてお尋ねをいたします。 市会議員になりまして10年近くになりました。私が熱心に取り組んできたのは環境問題であります。環境といえば斉藤たかおと言われるようにまでなりました。ありがとうございます。 今回も、国際的な環境問題となっておりますマイクロプラスチックの削減について、私見を交えながら質問をさせていただきます。 ただ、この問題に関しては、本市の経営アドバイザーである武田邦彦氏によると、プラスチックの原料である重油は古代の生き物に由来するため自然に返っていくものであるとか、また、現在行われている環境対策はうそであるなどといった懐疑的な御意見もあり、分かっていないこともまだまだ多い状況となっております。 しかしながら、タイの海岸に打ち上げられた鯨のおなかから8キロを超えるポリ袋が出てきたり、先般もジュゴンの赤ちゃんから20センチのプラごみが出てきたというショッキングなニュースをはじめ、イルカやウミガメ、そして鳥類なども死亡しているケースなど、多数の報告が上がってきております。 さらに、マイクロプラスチックと呼ばれる5ミリ以下のプラスチックが、世界中の海や海底からだけでなく、魚や貝など多くの魚介類からも見つかっていること、そして、名古屋のごみを大きく減らした画期的転換の契機であり、ラムサール条約湿地でもある藤前干潟に多くのプラスチック系のごみが漂着しているのが実情であります。 そんな中、本市のノベルティーの中で最も多く使われておりますのが、まさしくノベルティーの代表とも言えるポケットティッシュ、その外袋は当然プラスチック製でありまして、市役所で作成し配布した数は、平成27年から29年の3年間で165万個となっておりまして、ポケットティッシュを1センチの厚さで例えて縦に積み上げていきますと、何と1年間で5,000メートル以上になりまして、富士山1.5個分の高さに相当するものを、1年間、ポケットティッシュを市役所が配っているということになっておりました。 このポケットティッシュの削減については一つの例でありますが、ノベルティー作成時に、まずは市役所がマイクロプラスチック削減に向け努力をするべきだと考えて、平成30年9月定例会で、各局それぞれに作成しているプラスチックを使用したノベルティーを削減できないかと質問させていただきました。 環境局長からは、ノベルティーを調達する際に考慮すべき事項を方針として取りまとめ、各局で取り組んでいただけるようしっかりと働きかけてまいりますとの答弁をいただきました。その答弁を受け、環境局においては、啓発物品の調達に係るプラスチックごみの削減に関する方針を策定されたと聞き及んでおります。 令和元年度の啓発物品の調達に係る使い捨てプラスチックの削減実績は、市全体で約8割が適合であったとのことであります。質問する前は、1年間で55万個、積み上げると高さ5,000メートル以上作られていたポケットティッシュが、この1年間でずずずずずずずっと下がりまして10万個、高さ1,000メートルと、5分の1程度になりました。 しかしながら、本当にこの5分の1程度でいいのか。そして、この5分の1に減らしたというのは、当然、各局の皆さんの努力していただいた結果であると私は思いますが、今後もさらにより一層、もうゼロに近い、そういった取組を進めていただきたいというふうに考えますが、環境都市推進監、この見解をお尋ねいたしまして、私の第1回目の質問とさせていただきます。(拍手) ◎副市長(堀場和夫君) 新型コロナウイルス感染症の第2波に向けた今後の対応についてお尋ねをいただきました。 新型コロナウイルス感染症対策におけます本市のこれまでの対応について、浮き彫りとなった様々な課題の整理、検証を通して、今後発生が懸念される第2波に適切に対応するための備えは、喫緊の最優先事項であると認識しております。 議員御指摘のとおり、業務執行体制等の進め方について、今回は在宅勤務や時差出勤等を推進するなど、弾力的な運用で対応してまいりましたが、計画上のBCPの発動の必要はなかったか、また、全庁統一的な共通認識の下、対策が進められていたかなど、関係局において検証を進めるべきであると考えております。 現在、防災危機管理局の統括の下、まずは各局室区がそれぞれの責任において、個別の課題整理に着手し、第2波に向けた今後の対応について鋭意検討を進めており、今後、例えば、感染防止対策、医療体制の確保、業務継続計画の見直し及び職員の応援体制といったテーマごとに、防災危機管理局、健康福祉局、総務局等を中心とする検証の場を設けてまいりたいと考えております。 今後、第2波に向けて、防災危機管理局を統括局として、健康福祉局の疫学的な知見等を踏まえ、職員の出勤抑制等による感染防止対策や必要とされる職場への人員配置、BCPの発動時期の内容も含めた即時的な対応方針を打ち出せるよう、防災危機管理担当副市長としてリーダーシップを発揮しながら取り組んでまいります。 以上でございます。 ◎財政局長(鈴木峰生君) 財政局には、新型コロナウイルス感染症対策に係る財源確保の考え方につきまして、お尋ねをいただきました。 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、これまでも4月及び5月の補正予算におきまして、緊急経済対策に伴う国や県の交付金、補助金などをできる限り活用するとともに、財政調整基金の取崩しで対応してきたところでございます。 今後の新型コロナウイルス感染症対策につきましても、国や県の交付金、補助金などを積極的に活用してまいりたいと考えておりまして、議員御指摘のとおり、国の第2次補正予算におきまして、地方創生臨時交付金が国費で2兆円増額されましたことから、引き続きこれを活用してまいりたいと考えているところでございます。 このほか、現在、令和元年度決算について取りまとめを行っている最中でございますが、平成30年度決算におきまして50億円程度の決算剰余金が発生したことを踏まえますと、令和元年度においても一定程度の剰余金が見込まれるものと考えておるところでございます。 議員お尋ねの基金につきましては、現在、23の基金を設置しておりまして、令和2年度6月補正予算後の現在高は、国の地方財政状況調査に計上される基金といたしまして、リニア関連名古屋駅周辺地区まちづくり基金100億円余、災害対策事業基金28億円余、国際交流事業積立基金22億円余など、合わせて310億円余となっております。このほか、満期一括償還に係る公債償還基金2298億円余、保険料を積み立てました介護給付費準備基金34億円余などがございまして、総額では2644億円余となっているところでございます。 以上でございます。 ◎住宅都市局長(光安達也君) 住宅都市局には、金山における新たなバスターミナル「バスタ金山」の整備につきましてお尋ねをいただきました。 議員御提案の「バスタ金山」につきましては、名駅の交通負荷を軽減するとともに、交通結節点である金山の拠点性向上につながる方策の一つであると考えております。線路上空に人工地盤を設けることで、バスタ新宿のような各種の利便機能を創出することが可能となるだけでなく、議員御提案のとおり、オープンスペースとしてまちづくりに活用していくことも可能となります。 しかしながら、その実現に向けましては、バスの発着を名駅から金山に移した場合のバス利用者の利便性や需要、高速道路からのアクセス性、国道との交差点処理、必要となる費用の確保など、様々な課題が想定されます。また、線路上空に人工地盤を設けることになるため、鉄道事業者など関係者と十分に調整し、時間をかけて実現の可能性を探っていく必要がございます。 一方で、本市では、金山駅北側に位置する古沢公園エリア、市民会館エリア、アスナル金山エリアの市有地を中心とした、今後の整備の方向性を示す地区整備計画の策定、公表に向けて調整を進めているところでございます。 地区整備計画による駅北側の開発の進捗を図りながら、まずは、「バスタ金山」のターミナルとしての需要を把握してまいります。また、「バスタ金山」の整備は、地区整備計画に基づいて進めていく駅北側の開発の効果をより高め、金山地区のまちづくりをさらに進展させる可能性を持っているものと考えられることから、まちづくりとしての空間活用についても併せて検討していきたいと考えております。 以上でございます。 ◎環境局環境都市推進監(須網正人君) 環境局には、マイクロプラスチック削減に向けた本市の取組についてお尋ねをいただきました。 議員からの御提案を受け、環境局におきましては、平成31年4月に、啓発物品の調達に係るプラスチックごみの削減に関する方針を策定いたしました。 その方針に基づき、令和元年度に各局の啓発物品調達におきましてプラスチック削減に取り組んでいただいたところ、約8割が方針に適合した調達となりましたが、まだ2割程度、使い捨てプラスチック製品等を調達しているという結果でございました。詳細を確認したところ、方針の趣旨については御理解していただいているものの、プラスチックの代替品を使用した啓発物品は単価が上がるため、幅広い広報を行うためには、ポケットティッシュなどの安価なものを選ばざるを得ない等の回答を得ました。 より一層取組を進めるため、例えば、各局の必要数を取りまとめて一括購入するなど、各局がプラスチックを使用しない啓発物品を安価に調達できるような仕組みを検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(斉藤たかお君) それぞれ前向きな答弁をありがとうございました。まずは、要望させていただきたいと思います。 住宅都市局長から、「バスタ金山」について、バスターミナルの需要を早速、調査をしていただくとともに、まちづくりとしての空間利用についても検討をしていくとの答弁、ありがとうございました。 リニア開通を控える本市にとって、名古屋駅の開発を側面で支える「バスタ金山」の整備には、多額の事業費が予想され、課題もあるとは存じますが、金山のまちづくりに資するのはもちろんのこと、災害時の帰宅困難者対策にも活用できるなど、自画自賛ではありますが、大変夢がある計画であり、局長の得意分野であられます民間活用など取り入れていただきながら、しっかり進めていただくよう要望をさせていただきます。 堀場副市長より、業務継続の観点も含めた方針、対策の打ち出しについても前向きな答弁をいただきました。 ただ、新型コロナウイルスの第2波は突如としてやってくるかもしれません。早ければ秋にも、第1波を大幅に上回るとされる第2波が襲来するとも言われており、市民生活への影響を最小限に抑えるために、今できることを直ちに実施すべきであると考えます。 コロナ禍における本市の業務執行レベルを、ウイルスの蔓延状況のフェーズに応じて即時に実施すべき対策が判断できるよう、現行の業務継続計画を踏まえた上で、医療体制、市民・事業者支援、業務執行体制など、全庁的な対応方針等を策定し、市民、職員に周知していくことは大変重要なことでありますが、河村市長の決意をお聞かせ願いたいと思います。 ◎市長(河村たかし君) 言われておりますように、僕はよく考えておるのは、今回の10万円の皆さんにお届けする問題でも、本当にもっと早うというか、福祉といいますか、学校もそうですけど、10万円も一刻でも--皆さんそうなんだけど--一刻も早く届けてほしいという人は、やっぱりどっちかというと福祉系のほうのデータがようけあるもんで、それも縦割りになっちゃっておるもんで、だで、やっぱりこういう災害に備えては、そういうもんのやっていく羅針盤みたいなものをやっぱりつくらなあかんと。一応、堀場さんがしっかりやると言って、横でわあわあ、ごちゃごちゃ言っておりますので、とにかく堀場氏をリーダーとして、窓口は、防災危機管理局が窓口として、縦割りに陥らぬように、ちゃんときちっとした方針--羅針盤をつくるように早速指示をしたいと思います。やると言っておりますけど、お願いします。 ◆(斉藤たかお君) コロナの第2波に向けまして、河村市長よりフェーズに応じました羅針盤的なものを、早速、堀場副市長を担当の副市長として、防災危機管理局がその統括局、そして担当されるということでありました。 ただ、本市におきまして、現在、通常業務に加え、コロナの課題や、またその検証など、全局は目が回るほどの忙しさというふうに聞き及んでおります。 このような状況下においても、毎年のように、当たり前に行われている事務事業、例えばですが行政評価、そういったものも含めまして、第2波に備えて、先ほど答弁いただきましたが羅針盤や対処方針を優先させるべきではないかと私は考えるんですが、河村市長に再質問をさせていただきたいと思います。
    ◎市長(河村たかし君) 具体的な提案でございますけど、行政評価ですか、あれは大変、最後はこのぐらいの冊子になって、まとめて出てきますけど、そこへ至るまでに、相当いろいろ、きちっとやらないかぬ事務量が相当あるということでございますので、それは、第2波は来ぬほうがええですけど、そういう場合には、そちらの緊急のほうを優先して、当然、そちらの行政評価はちょっと待つというのは一つの考え方だと思いますけど、これは何か決算委員会で、資料で出てくるやつらしいんだわ、議会の皆さん。だで、中里議長におかれまして、それでええぞと、おみゃあと、ここで言っていただければ、そういうふうにさせていただきますけど、どうですか。 ◆(斉藤たかお君) 河村市長、行政評価を止めるに当たり、当然、議長というか、議会に理解をいただいていくということで、そういった前提ではあるけれども、行政評価を実施する、またそういったことについては考えていくとの、検討していくとの答弁でありました。 今、河村市長に求めるのは、新型コロナウイルス感染症対策本部会議の本部長である河村市長のリーダーシップが、各局の局員さん--局長はじめ各局の職員さんがそう思われているところだと私は思っております。 各局の状況を見ますと、やはりコロナに係る課題と検証に相当な時間を割かれており、事務事業が大幅にオーバーフローしているのではないかということであります。 本市が優先すべきは、堀場副市長も答弁にございましたが、このコロナウイルスの第2波--河村市長とそこは一緒です、なるべく第2波が来ないように私も願っているわけですが--その第2波に向けて万全の体制を整えていくということが大変大事であり、それには市長のリーダーシップが大変重要となってまいりますので、議会に丁寧に諮っていただきながら、事務事業の見直しについて、斬新にコロナ対策を優先させていただくように強く要望させていただきたいと思います。 次に、財源確保について、伊東副市長さんに質問させていただきたいと思います。 新型コロナへの対応が長期に及ぶものだと見込まれる中、目先の対策だけではなくて、来年度予算も視野に入れ、必要な財源の確保に一定のめどをつけていくことは重要なことであると考えます。 6月13日の地元紙、中日新聞におきまして、「名古屋市「貯金」激減」との見出しが社会面1面を飾っておりまして、記事の中では、そのあまりの激減ぶりから余裕がないと危ぶむ声があると報道されたのは記憶に新しいところであると思いますが、つい昨日においても、財調をさらに取り崩し、名古屋市貯金5200万円との記事が紙面をにぎわせ、報道を目にした市民の皆様から、本市の財政状況を危惧する声が届いております。 一方で、財政局長から答弁をいただいたとおり、この6月補正における財政調整基金の取崩しを含めても、なお基金の残高は、全て合わせておよそ2644億円であるとのことであります。 基金にはそれぞれ条例に定められた設置目的があることから、その全てをコロナ対策に振り向けることが難しいことは承知しておりますが、このような状況を踏まえれば、財源不足を理由に新型コロナ対策が進まないということは決してあってはならないと考えますが、本市の財政をつかさどる伊東副市長に御見解を求めます。 ◎副市長(伊東恵美子君) 新型コロナウイルス感染症対策に係る財源確保の考え方につきまして、私に再度のお尋ねをいただきました。 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、国や県の交付金、補助金など、できる限り活用するものと考えておりまして、市会の意見書の提出や指定都市市長会による緊急要請などの結果、国の地方創生臨時交付金も増額をされました。加えて、令和元年度の決算剰余金につきましても一定程度見込まれるということもありまして、これらにより当面の対応は可能であるのではないかと考えております。 議員お尋ねの基金につきましては、それぞれに条例で定められました特定の目的がございますが、資産として保有していることに変わりはなく、これは本市にとっての最終的な備えであると認識をしております。 今後の新型コロナウイルス感染症対策に当たり、その財源確保につきましては、国に対し適宜要請を行ってまいりますとともに、必要な対策にしっかり取り組んでいけるよう的確に対応してまいりますので、御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◆(斉藤たかお君) 伊東副市長さん、ありがとうございました。 今回の質問は、決してばらまきをしてほしい、そのためにむやみに基金を取り崩す、とりわけ公債償還基金を取り崩していただきたいという旨の趣旨で質問したわけではありません。今後の対策に当たっての財源確保のめど、そして最後の最後のよりどころとなる基金の状況について確認をさせていただきました。 性質は異なりますが、地方創生臨時交付金が、先ほど言いましたように124億円、決算剰余金が50億円余、様々な基金が310億円、公債償還基金2298億円、介護給付費準備基金34億円など、先ほど局長が述べられました、このトータルで合わせていきますと、2800億円以上の財源確保ができるというふうにということでありました。この財源をもって必要な対策に取り組んでいくとの見解、伊東副市長さんよりお聞きしまして、大変安心をした次第であります。 市民のために必要な新型コロナ対策につきましては、我が会派からも今後も様々な提案を行ってまいりますが、必要な対策にちゅうちょなく取り組んでいただくように要望をさせていただきます。 次に、マイクロプラスチック削減に向けた本市の取組について質問をさせていただきます。 先ほど環境都市推進監の答弁で、本市におけるノベルティーの削減には一定のめどが立ったと私は思います。しかし、このマイクロプラスチック問題を理解していない市民が多く、市民への周知とその課題解決を目指すには、まず、市が問題提起すべきであると考えます。 本市のプラスチック対策は、これまで全国に先駆けて、プラスチック製容器包装の分別・リサイクルやレジ袋の有料化に取り組まれ、令和2年7月からようやく全国一律でレジ袋有料化の義務づけが実現いたします。 要するに、名古屋市が先行し、国が環境問題について追いついてくるという状態で、環境の先進都市だと私は思っておりますが、しかし、このプラスチックの問題は、海洋生物の被害や地球温暖化まで幅広い影響があり、ごみ減量、資源化を中心とした既存施策だけでは不十分であります。根本的な解決のためには、市民の消費行動を変えながら、社会全体の仕組みを変えていくことが求められてまいります。そのためには、よりどころとなるビジョン、そうしたプログラム、そういったものが必要となってまいります。 昨年度、国がプラスチック資源循環戦略を策定し、東京都は、経済界を巻き込んだプラスチック削減プログラムを策定しているところであります。 本市としても、学識経験者、生物多様性保全に取り組むNPO、そして将来を担う若者などの意見を幅広く聞くとともに、必要な調査を行い、環境首都なごやにふさわしい、環境先進都市なごやにふさわしいプラスチック対策のビジョンを策定すべきだと考えますが、環境都市推進監にその御見解をお尋ねいたします。 ◎環境局環境都市推進監(須網正人君) マイクロプラスチック削減に向けた本市の取組について、再度のお尋ねをいただきました。 本市では、ごみ非常事態宣言以降、全国に先駆けてプラスチック製容器包装の分別収集を実施し、協定方式によるレジ袋有料化の取組で年間2億枚以上削減するなど、プラスチック製廃棄物を含めたごみの減量を推進してまいりました。 プラスチックは、その利便性により豊かな生活を支えてきたことは否定できませんが、安易に使い捨て用途で使用されるなどにより、近年では、ごみの問題だけではなく、海洋生物への被害、地球温暖化など、様々な環境問題につながっており、総合的な視点の下に対策を進める必要があると考えております。 本年7月から国により義務化されるレジ袋の有料化につきましても、単にプラスチックをやめればよいということではなく、使い捨てのライフスタイルそのものを変えていくことにその意義があるものと認識しております。 使い捨てや大量消費が当たり前となっている市民や事業者の意識を変えていくためには、議員御指摘のとおり、そのよりどころとなるものが必要と考えます。プラスチックの削減に向けた総合的な対策について、来年度、市民意識調査等を行い、先進技術や幅広い意見を取り入れながら、本市のビジョンを早期に取りまとめてまいります。 以上でございます。 ◆(斉藤たかお君) 環境都市推進監より、プラスチック削減に向けた総合的な対策について、来年度にもその意識調査を行っていただき、そして早期にビジョン、プログラムを取りまとめていただけるとの答弁でありました。ありがとうございます。 ぜひとも、先ほど申し上げましたように、環境分野においては、本市はかなり先進的な取組をされ、また、それが国にも評価されている状況ではありますので、ぜひ河村市長、本市にふさわしい立派なビジョン、プログラムを策定していただくように要望させていただきまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(中里高之君) 次に、久田邦博君にお許しいたします。    〔久田邦博君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◆(久田邦博君) 議長にお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。 まずは、複合災害への対応について、防災危機管理局長にお尋ねします。 世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症について、現在でも感染者が発生し、予断を許さない状況となっています。本市においても感染拡大の第2波が襲来するのではないかと多くの市民が懸念をしているところです。 一方で、近年増加傾向にある豪雨災害や発生が高い確率で予想されている南海トラフ巨大地震などの大規模災害への危機感も高まっており、新型コロナウイルス感染症が終息していない状況下で、自然災害などが起きる複合災害のリスクも出てまいりました。 現在の避難所では、密閉、密集、密接の3密が避けられず、万が一、大規模災害が発生した場合、これまでの感染者数を超えるような感染の増大が起きるなどの事態が予想され、感染拡大防止と被災者の安全を同時に確保しなければならず、大変厳しい状況になると危機感を感じております。 複合災害に備えるためには、例えば、3密のおそれが指摘される学校やコミュニティセンターなどの避難所運営の見直しが必要になってきます。また、指定避難所以外の場所に逃げる分散避難を検討することも考えられますが、場所の確保や支援体制の構築など、実現までには多くの課題があります。 本市では、豪雨災害や大規模災害、新型コロナウイルス感染症への対策は、おのおの対応していることは承知をしております。しかし、新型コロナウイルス感染のリスクが高く、出水期に向かっている今、複合災害に備えた防災・減災対策を可能なものから早急に進める必要があるのではないでしょうか。その先頭に立って取り組むことになるのは、本市において防災危機管理局であると認識しています。 そこで、複合災害への対応に向けて、防災危機管理局に求められる役割をどのようにお考えなのか、防災危機管理局長にお尋ねします。また、去る6月18日に危機対策班への体制強化を実施したとのことですが、その強化で十分に役割を果たせると考えているかもお尋ねいたします。 次に、複合災害への対応に関連して、本市のこれからの職員定員の在り方について、総務局長にお尋ねします。 複合災害に迅速かつ的確に対応していくためには、より一層職員の力が必要であると認識しています。しかしながら、本市の市長部局等の予算定員が、10年前の平成21年度の1万7801人に対して、令和2年度では1万6616人と、マイナス1,185人となっており、本市の総定員が継続的に減少をしております。このように、本市が総定員を継続的に減員している中で、大規模な災害が発生したときに、市民の命と暮らしを守る職員体制を確保できなくなってしまうのではないかと懸念をしております。 現在、総定員を増員することが難しい状況の中で、地震災害が発生し職員が不足した場合に、職員OBの協力を求める本市のOBの登録制度があります。しかし、本市のOBの登録数は合計104人であり、当該制度が十分であるとは言い難い状況です。このOBの登録制度の活用が、大規模災害時における職員体制の確保を図ることの一つの方策となると思います。 また、これからの社会を考えていくと、少子高齢化が一層進み、人口構造が大きく変化していくことが考えられます。令和元年の名古屋市の推計によると、令和元年の高齢化率が25%に対して、令和7年になると25.7%に増加し、高齢化がますます進展していくと推計されています。また、認知症高齢者数は、平成24年に比べて、令和7年では51.4%増加すると予測されており、福祉分野においても行政の役割は一層重要となってくるのではないでしょうか。 さらに、AIやロボット、空飛ぶ車などの最先端技術の社会への浸透--デジタルトランスフォーメーションの実現により、私たちの生活や仕事の在り方そのものが大きく変化することも予想されている中で、職員に求められる能力や役割も変化していくと考えられます。 そこで、今後の社会の変化に対応した長期的な職員定員の在り方をこの機会に検討していくべきであると考えますが、総務局長はどのようにお考えか、お尋ねします。 次に、生活困窮者に寄り添う支援について、健康福祉局長にお尋ねします。 新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮している方々の負担軽減のため、住居確保給付金の支給対象が4月20日以降拡充されました。そのため、住居確保給付金の対応をいただいている名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンターでの相談及び申請件数が急激に増加をしています。平成31年4月から5月の相談件数は50件、申請件数は35件であったのに対して、令和2年4月から5月の相談件数3,480件、申請件数826件と、昨年に比べて急増しています。こうした事態に対応するため、本市においては、オンラインでの申請希望の受付や郵送での申請を本格実施するなどの整備をされてきていることは確認しております。さらに、本定例会においても、住居確保給付金の支給に関する事務を円滑に進めるための体制強化について、補正予算案として計上されており、迅速な支給に向けて整備を進めているものと認識しております。 しかし、新型コロナウイルス感染症が社会に与える影響は広く長く続くことが予想され、今後は、家賃の支払いに困る方のみならず、家計、仕事、家族のことなど、様々な困り事を抱える方々がさらに増加していくのではないかと懸念しております。 また、今回の住居確保給付金の支給対象の拡大を契機として、仕事・暮らし自立サポートセンターに新たにつながった方も多くいるかと思いますが、これらの方の中には、住居確保給付金のみではなく、様々な課題を抱え、さらなる支援を必要としている方も多くいるのではないでしょうか。このような方を適切な支援につなげていくことが、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、特に行政に求められているものの一つであると考えます。しかし、これを進めていくためには、現状の体制のみでは限界であり、人員体制を強化していくことが必要であります。 先日可決された国の第2次補正予算においても、新型コロナウイルス感染症の影響により、生活に困窮される方への支援の強化が課題であると認識をし、自立相談支援機関等の人員体制強化が計上されていたと思います。 そこで、健康福祉局長にお尋ねします。新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンターの人員体制を強化してはどうかと考えますが、お考えをお聞かせください。 最後に、旧衛生研究所の跡地利用について、健康福祉局長にお尋ねします。 新たな衛生研究所を設け、移転が完了し、瑞穂区にある旧衛生研究所は役割を終え、本年3月末をもって閉所となりました。現在、旧衛生研究所では、職員の出入りがない、ベランダに柵がない、所内の樹木、街路樹の剪定がされていないなど、防犯やまちづくりの観点から非常に問題のある状態となっております。町内会や近隣住民の方からも、使われていない建物であるにもかかわらず人の出入りを見かけることがあり不審者ではないかと不安を感じる、早く更地にしてほしい、樹木などの剪定がなされず山崎川の景観を損なわせている、土地が民間に売り渡され閑静な住宅街である地域の特徴に合わないような利用をされてしまうのではないかとの意見を聞きます。 旧衛生研究所が建てられてから54年となり、老朽化も目立ってきております。地域住民の不安を取り除くことを考慮し、旧衛生研究所を更地にした上で、跡地利用を考えていくべきではないでしょうか。当該地域は、住宅街の中に山崎川の桜や遊歩道などを有する、本市が自然と共生するまちづくりを進めてきた地域であると同時に、住民の方々が長い年月をかけてつくり上げてきた地域であると認識しています。旧衛生研究所の跡地利用についても、地域住民との対話を重ねながら、当該地域の魅力が上がるような利用方法を検討することが必要だと考えます。 そのためには、まず、いつまでに更地にするのか、旧衛生研究所のこれからの在り方をいつ策定するのか、地域住民との対話をいつ行うのか、いつまでに跡地利用できるようにしたいのかなど、跡地利用に向けたスケジュールをお示しする必要があるのではないでしょうか。 そこで、健康福祉局長にお尋ねします。旧衛生研究所の跡地利用に向けたスケジュールをどのようにお考えなのか、お聞かせください。 以上で、1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手) ◎防災危機管理局長(渡邊正則君) 防災危機管理局に対しまして、複合災害への対応について、当局に求められる役割をお尋ねいただきました。 このコロナ禍におきましては、当初、自然災害等への備えと並行して新型コロナウイルス感染症対策も実施してきたところでございますが、出水期を迎えるに当たりまして、組織を強化し、第1波の課題の検証等を専属的に取り組む体制を整備したところでございます。例えば、南海トラフの巨大地震、豪雨災害、その他の危機事象などは同時に発生する可能性があり、いわゆる複合災害等の発生時には、個々の危機事象に応じて調整先が増えるほか、対応するために必要な人的資源の配分や対応時期の調整など、複数事象に同時対応するための特有の総合調整を行うことが防災危機管理局の役割であると認識しております。様々な危機事象が同時に発生したような場合には、その都度、危機管理対策本部等において関係局と協議し、必要な体制を速やかに整理することといたしております。 今後は、新型コロナウイルス感染症対応に限らず、いわゆる複合災害等に対応するためのさらなる体制強化について、関係局と協議してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◎総務局長(中田英雄君) 総務局には、これからの職員定員の在り方についてお尋ねをいただきました。 地方公共団体は、常に最少の経費で最大の効果を上げ、組織及び運営の合理化に努めなければならないこととされておりまして、本市におきましても、その時々の社会情勢に応じまして、業務の集約化・効率化、施設の在り方の見直し、委託化の推進などによりまして、定員の見直しを進める一方で、必要度、重要度の高い事業に重点的に定員を配置してまいりました。 今後の本市の取り巻く状況を見通しますと、議員御指摘のとおり、南海トラフ巨大地震や新型コロナウイルスのような未知の感染症への対応、また、少子化・高齢化のさらなる進行に伴う人口構造の変化やAIをはじめとしたICTの進展など、今後の行政サービスの在り方に影響を与える様々な課題がございます。こうした課題に対しまして、持続可能な行政運営を行っていくためには、限られた行政資源を有効かつ効率的に活用していく必要があると考えておりまして、長期的な視点を持ちながら、職員定員の在り方を検討することが重要であると認識しているところでございます。 したがいまして、本市の高齢者人口がピークを迎えると見込まれております2050年を見据えまして、各種統計データを基に、本市の将来の状況を推計した上で、社会情勢の変化により本市において生ずると考えられる課題と対応策を想定することによりまして、将来に向けた職員定員の在り方を検討してまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局には、2点のお尋ねをいただきました。 最初に、生活困窮者に寄り添う支援についてでございます。 4月20日の住居確保給付金の対象拡大以降、非常に多くの相談、申請を仕事・暮らし自立サポートセンターにおいて受け付けておりますが、この中には、30代、40代のひきこもりの方が含まれる世帯や、以前は毎月40万円、50万円の収入を得ていたものの全く貯蓄等がなく、家計管理面に課題を抱える方など、単に住居確保給付金の支給による家賃補助のみではなく、今後も継続的に支援をしていくことが必要な方々も一定数いらっしゃると認識しております。 また、新型コロナウイルス感染症の影響による今後の社会情勢の動向によっては、さらなる相談の増加も予想され、このような中で、支援を必要としている方をいかに見過ごすことなく、必要な支援につなげていくかが重要であると認識をしております。 議員御指摘のとおり、国の第2次補正予算においては、自立相談支援員の加配等による自立相談支援体制の強化をはじめ、自立相談支援等の強化に関する予算が計上されております。 本市といたしましても、こうした状況及び課題認識を踏まえるとともに、今後の社会情勢等も注視しながら、サポートセンターへの人員体制の強化など、必要な体制について検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。 次に、旧衛生研究所の跡地利用についてでございます。 名古屋市衛生研究所につきましては、昭和41年12月から令和2年3月末まで、瑞穂区萩山町で業務を行ってまいりましたが、この令和2年4月1日に守山区に移転したところでございます。この間、地元の皆様方には、名古屋市衛生研究所の運営に当たりまして御理解と御協力を賜り、大変感謝をしております。 御質問の移転後の跡地につきましては、現在、これまで業務をしていた建物が現地に残っておりますが、老朽化が著しく、再利用の見込みはございません。したがいまして、まずは建物の取壊しに向け、現在、その前段階である土壌汚染調査を実施しております。その後のスケジュールにつきましては、現在、土壌汚染調査を実施しており、調査結果が出ていない現時点では申し上げるのは困難でございますが、もとより土壌汚染調査の後、建物の取壊し工事、場合によっては土壌改良工事へと進めていく計画としております。 なお、跡地の活用方法につきましては、これまでいただいた本会議質問や地元からの御要望を踏まえながら、今後、庁内での公有財産運用協議会での利用調整、審議を経て決めていくものと認識しておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◆(久田邦博君) それぞれ御回答いただきました。要望を述べたいと思います。 複合災害への対応ですが、複合災害に対応していこうとした場合、分散避難の検討だけでなく、他都市との広域連携も必要になってくると思います。そういうことを考えますと、複合災害に対応していくためには、膨大な見直し作業が発生すると考えられます。自然災害は、いつ起こるか分からないし、待ってもくれません。今朝も千葉県で震度5弱の地震が発生をしているところでありますので、早急に防災危機管理局の体制を強化してもらいたいと思います。 総務局においては、これからの職員定員の在り方を検討していくとのことでありました。これからの社会は、自然災害とどう向き合っていくかということも大切なことであります。そのためには、やはり本市の職員の力が一層必要です。そのことを考慮して、これからの職員定員の在り方を検討してもらいたいと思います。 旧衛生研究所の跡地利用ですが、地域住民に幅広く理解される形となるように早急に進めていただきたいと思います。そして、これからの在り方についても、地域住民と対話を重ねた形での取組ができるよう検討してもらいたいと思います。 最後に、生活困窮者に寄り添う支援について、サポートセンターの人員体制の強化を検討いただけるとのことでした。新型コロナウイルス感染拡大のような緊急事態のときこそ、弱い立場に置かれている方々が真っ先に厳しい状況になってしまいます。そういう方々に寄り添い、支援していくことが行政としての大切な役割だと考えます。加えて、仕事と住まいを同時に失う、例えば、会社の社員寮を出ていかなければならない方に対しても、住まいが失われないよう様々な支援策の運用見直しをしていただきたいと思います。 様々なセーフティーネットを張っていただき、誰も置き去りにしない、そういう思いで取組を進めていただくよう要望し、全ての質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(山田昌弘君) 次に、余語さやか君にお許しいたします。    〔余語さやか君登壇〕 ◆(余語さやか君) 通告に従い、順次質問いたします。 初めに、なごや妊娠SOSの充実についてお尋ねします。 世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされている中、10代の予期せぬ妊娠相談が増えているという報道を目にする機会が多くありました。予期せぬ妊娠をした女性らを支援するNPO団体等への10代の新規相談件数が、コロナによる長期休校前に比べ急増している、10代からの相談割合は、今まで二、三割程度だったが、今は7割くらいになっているといったものです。 今回推測される原因としては、社会全体に広がる不安、ストレスにより、満たされたいという思いが強まり、心のぬくもりを求め合っているのではないか、また、コロナの影響でアルバイトができず、援助交際をするといったケースなども指摘されています。ひきこもりのような状態の中で会う場所が個室化した、親との関係が悪く、学校が逃げ場になっていた子供たちの居場所がパートナーの家しかなくなるなど、性行為に至りやすい環境がそろう機会が増えた可能性が考えられています。 厚労省の子ども・子育て支援推進調査研究事業として平成31年3月にまとめられた「予期せぬ妊娠に対する相談体制の現状と課題に関する調査研究」報告書によれば、熊本県慈恵病院さんのこうのとりのゆりかごに預けられた子供のうち、新生児期に預けられた子供が80%以上であり、その子たちは、我が国の99.9%を占める医療機関等の施設での分娩ではなく、他者に知られたくない予期しない妊娠であったと考えられること、誰にも知られない手助けのない出産は、母体の危険と出生児の子供の傷害等の危険があることなどが指摘されています。そういった危険を予防するためには、秘密厳守で利用しやすく、支援が可能な機関に確実につなげる、予期しない妊娠に特化した相談窓口が必要であり、真に困難にある予期しない妊娠をした女性が、産むか産まないかを十分な情報を基に自己決定すること、出産を選択した場合には母児ともに安心・安全な出産ができること、自分で育てる場合には育児支援等の支援につながること、自分で育てない場合には特別養子縁組等があることなどの情報を得ることが重要であると考察しています。 また、厚労省の「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」の第14次、15次報告において、子供虐待死事例等を防ぐためのリスクとして留意すべきポイントの一つに、予期しない妊娠、計画していない妊娠が挙げられ、妊娠に関する相談や子育て相談など、予期しない妊娠をした者も含め相談しやすいよう、SNS等を活用した相談体制の整備の検討、相談窓口を若年層にも周知することが重要といった提言がなされているところです。 その点、本市においては、平成26年6月よりなごや妊娠SOSが開設され、ベテランの助産師さんが電話、メールで相談に応じています。電話相談は、月水金の午前10時から午後1時、メールはいつでも送信できますが、返信は電話相談の時間内のみです。相談件数は月に約25件から30件あり、そのうち10代、20代が約7割を占めています。 一方、他の政令市を見てみると、横浜市、大阪市は時間限定ですが毎日、熊本市は24時間年中無休で対応されています。 また、さきに挙げた厚労省の調査研究報告書によれば、回答のあったNPO団体等のうち、約36%がLINEによる相談も行っており、全体的に行政に比べ、NPO団体等の相談件数が多い傾向にあることが示されています。 多くの自治体、NPO等で課題として挙げられているのが、相談しやすい体制の整備、すなわち、相談時間の拡充、相談方法の工夫などです。特に、若年層は電話相談だけでは不十分、以前は長文が多かったが現在は短文のやり取りを好む傾向が強い、SNS等を活用した相談体制が必要といった声が上がっています。また、若年層を対象とした周知、広報の工夫についても課題とされています。 そこで、子ども青少年局長にお尋ねします。なごや妊娠SOSについて、相談体制の拡充として、より相談しやすいよう相談対応日時を拡大する、また、電話、メールでの相談に加え、特に需要が高いと思われる10代、20代がなれ親しんでいるSNS等を活用した相談方法を新設する、さらに、相談窓口の周知、広報について、現在でも行政機関や医療機関、高校などに御協力をいただき、周知をしていますが、今までの取組に加え、大学、各種学校、ドラッグストア、大型ショッピングセンターなど、若年層が多く集まる場所への周知カードの通年設置、SNSを活用した広告等に力を入れるべきと考えますが、局長さんの御見解をお聞かせください。 次に、名古屋市職員採用試験への適性検査の導入について質問いたします。 職員の皆様におかれましては、コロナ禍の中、市民の皆様のために、日々業務に励んでいただいておりますこと、深く感謝いたしております。加えて、昨今では、地方分権化の流れを受け、業務が増加、多様化しており、職員の皆様は苦慮されていることと思います。そのような状況の中、職員さんの採用の手法を見直すことにより、これまでの皆さん同様、多様で有望な方を仲間に迎えることで、より一層市民の皆様に寄り添う名古屋市となれるよう、今回、この質問をすることにいたしました。 従来、地方公務員の採用手法としては、1次試験に択一式の教養試験と専門試験という、いわゆる公務員試験が採用されており、現在でも多くの自治体がこの手法により採用を行っています。今週末に行われる名古屋市職員採用試験においても同様の手法が取られています。しかし、一般的に、公務員試験は知識を問う問題が多く、準備に時間がかかると言われており、就職希望の学生は、公務員と民間企業とを併願して就職活動を行うことは困難であると思われます。 また、安定職種とされる公務員の志望数は景気の浮き沈みに大きく左右される側面があると言われており、ここ数年は、公務員志望の学生は減少しているのが実情です。本市においても、大学卒業程度の職員採用試験の受験者数は減少傾向にあり、10年前の平成21年度の受験者数が3,844人であったのに対し、昨年度は1,826人と半減しています。 地方分権の推進に伴い、事務・権限が地方自治体に移譲されるとともに、市町村合併や住民ニーズの多様化などにより、市町村は住民に最も身近な行政主体として、これまで以上に高い自立性が求められており、その職員には、事務処理能力だけでなく、創造力、行動力の高い人材が求められるようになっています。 そこで、近年では、多様で有望な人材を積極的に採用することを目的として、従来の試験を廃止し、代わりに、民間企業の採用において実施されている適性検査を導入する自治体や、従来の試験と適性検査による試験とを選択できる自治体が増加しています。 適性検査は、能力検査と性格検査に分類され、能力検査は、従来の教養試験でいう知能分野の内容に類似し、知識の有無ではなく、言葉の意味や話の要旨を的確に捉え理解できるかどうか、数的な処理ができるか、論理的思考力があるかが測られます。従来の公務員試験を廃止し、代わりに適性検査を導入することにより、公務員試験用の特別な試験対策を行う必要がなくなることから、民間企業との併願者も受験しやすくなるため、客観的な能力審査を維持しつつ、より多くの学生に受験してもらうことが期待できます。 また、公務員試験対策に時間を費やす必要がなくなった分、専攻科目に関する学術研究、部活、サークル活動、ボランティア活動等に励むことができ、そういった多様な人材を採用できる可能性も高まります。 他の政令市を見てみますと、大阪市は、平成24年度にいち早く従来の試験を廃止し、1次試験の筆記試験に適性検査を導入しており、公務員向けに勉強している学生以外の受験生を増やすことに寄与していると思われるとのことです。その他、神戸市、浜松市では、従来の試験と適性検査による採用試験を選択できるようになっています。 愛知県内では、平成25年度より日進市が従来の教養試験と適性検査を選択できる採用試験制度を導入、また、豊田市も平成30年度に適性検査を試行導入し、昨年度より本格導入、筆記試験は適性検査のみとし、教養試験と専門試験を廃止したことをガイドブック等で積極的にPRするなどした結果、平成30年度の受験申込者数が416人であったのに対し、昨年度は767人と約85%も増加しています。 このように、多様で有望な人材を採用することを目的として、適性検査を導入し、民間企業と同様の採用手法を実施している自治体が増えてきています。 そこで、人事委員会にお尋ねします。本市の職員採用試験に、民間企業の採用試験にも取り入れられている適性検査を導入することについて、すぐに全面的に移行することは困難な面もあろうかと思いますので、まずは、従来の試験と適性検査による試験とを選択できる採用試験制度を導入してみてはいかがでしょうか、御見解をお聞かせください。 以上で、第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局には、なごや妊娠SOSの充実につきまして、2点のお尋ねをいただきました。 まず、相談体制の拡充についてでございます。 なごや妊娠SOSは、思いがけない妊娠等で悩む人が孤立することなく、正しい知識を得て必要な支援を受けることができ、不安解消の一助となるように、助産師が電話やメールで相談を受けております。 相談者からは、迷っていたが産みたいという気持ちになった、誰にも相談できずにいたので話せてよかったという声をいただいており、専門家に相談することにより、気持ちの整理ができたり、安心感が得られたりするというようになっていると認識しております。 相談対応日時の拡大につきましては、相談実績の推移や開設日以外における電話相談の着信状況等の分析を踏まえ、検討してまいりたいと存じます。 SNS等の活用につきましては、若年層にとって、電話やメールよりもなれ親しんでいると考えられていることから、より相談しやすい窓口になるよう、電話やメールでの相談に加え、SNS等を活用した相談方法につきましても前向きに検討を進めてまいりたいと存じます。 次に、相談窓口の周知、広報についてでございます。 なごや妊娠SOSの広報、周知につきましては、保健センターはじめ、行政機関、医療機関での周知カードの配布に加え、特にハイリスク層である若年者への周知として、名古屋市立の高校はもちろんのこと、市内の県立、私立、全ての高校に周知ポスターやカードを配布するとともに、高校生向けフリーペーパーに広告を掲載しております。また、児童虐待防止推進月間のオレンジリボンキャンペーンにおきまして、市内ドラッグストアや百貨店等に周知カードの配布を依頼しているところでございます。 一方、SNSを活用した広報につきましては、若年層のSNSの利用状況を鑑み、夏休み期間中などに10歳代から20歳代の方がツイッターを利用した場合に、その画面になごや妊娠SOSの広告が表示されるという取組を行っているところでございます。 今後につきましては、さらにインスタグラムでも同様の取組を進めるなど、なごや妊娠SOSの認知度を高めるための広報の充実に努めてまいります。 以上でございます。 ◎人事委員会委員長(細井土夫君) 人事委員会に対しまして、名古屋市職員採用試験への適性検査の導入につきましてお尋ねをいただきました。 地方自治体の業務は、揺り籠から墓場までと言われますように、非常に広範囲に及ぶものであることから、本市職員には幅広い知識や社会情勢への理解力などが求められます。 そのため、本市の採用試験におきましては、全ての試験区分において、時事問題をはじめとした知識分野や知能分野に関する問題などから構成される教養試験を実施するとともに、個々の施策を推進するに当たり、法律や土木、建築などの専門的な知識も必要であることから、これらの試験区分においては、併せて専門試験を実施しております。 近年、複雑化・多様化する市民ニーズに加え、情報技術等の発達に伴い、社会情勢や生活環境がすさまじいスピードで変化しているところです。こうした社会情勢等の変化に的確かつ柔軟に対応できる多様な人材を確保するため、人事委員会といたしましても、従来の試験方法にとらわれることなく、不断に試験制度を改善していくことが必要であると認識しており、近年では平成29年度に試験の見直しを行ったところです。 したがいまして、現在、他の地方自治体で行われております様々な採用試験における効果や課題などを十分に検証し、適性検査の導入を含め、どのような手法が適切であるかを検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(余語さやか君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 まず、なごや妊娠SOSについて要望いたします。 局長さんからは、相談対応日時の拡大、SNS等を活用した相談方法を検討する、新たにインスタグラムでの広告表示の取組を進めると、前向きな御答弁をいただきました。 周知カードについては、ドラッグストアの御協力により、妊娠検査薬の棚の付近に設置しているという自治体もありました。妊娠したかどうか迷ったとき、まずは妊娠検査薬を購入するという方は多いと思いますので、ここへの設置は非常に有効であると思います。また、大学や専門学校、大型ショッピングセンターなど、若年層が集まる場所の女子トイレなども設置場所としてよいのではないでしょうか。それには民間さんの御協力が不可欠ですが、ぜひとも検討していただきたいと思います。 今月、愛知県西尾市の公園で、ポリ袋に入った赤ちゃんの遺体が見つかるという事件があり、死体遺棄の疑いで逮捕されたのは、20歳の専門学校生でした。赤ちゃんが亡くなった経緯や動機等は公表されていないと思いますが、誰かに相談することができ、支援の手を差し伸べられていれば、また違った展開となったのではないかと考えずにはいられません。こういった悲しい事件を起こさせないためにも、今後も引き続き、なお一層の御尽力をお願いしたいと思います。 次に、職員採用試験について要望いたします。 近年では、平成29年度に教養試験の見直しを行い、試験制度の改善をされたとのことですが、3年経過しており、見直しの時期としてはよいタイミングに来ていると思います。 今現在も、本市の職員を目指し、従来の試験を念頭に置いた勉強に励んでいる方々に配慮し、まずは、従来の試験と適性検査の能力検査による試験とを選択できる採用試験制度の導入に向けて、早急に検討を進めていただきたいと思います。 あわせて、適性検査のうちの性格検査についてですが、こちらは、日頃の行動や考え方などに関する多角的な質問から、その人がどんな人なのか、どのような仕事や組織に向いていそうかなどを把握する検査であり、これにより面接試験でより深く人物を見極めることが可能となったり、さらには採用後の職員の配置管理及びマネジメントの参考資料とすることもできます。 そのため、能力的な審査については従来の採用試験を維持している自治体の中にも、性格検査を導入することで人物重視の採用を試みている自治体もありますので、こちらも今後検討していただくことを要望し、全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) ◆(吉田茂君) この場合、暫時休憩されんことの動議を提出いたします。    〔「賛成」〕 ○副議長(山田昌弘君) ただいまの吉田茂君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」〕 ○副議長(山田昌弘君) 御異議なしと認めて、暫時休憩いたします。          午後0時1分休憩          ----------          午後1時1分再開 ○議長(中里高之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 第89号議案はじめ25件を一括議題とし、質疑並びに質問を続行いたします。 次に、さかい大輔君にお許しいたします。    〔さかい大輔君登壇〕 ◆(さかい大輔君) 議長にお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をしてまいります。 まず初めに、介護事業所のICT環境促進についてお伺いをいたします。 このたびのコロナウイルス感染拡大において、最も多くの御相談をいただいているのが、介護に関するものであります。緑区と南区において、通所介護施設に休業要請が発出されたことから、訪問介護をされている方からは、感染者や濃厚接触者に接触してしまうのではないかという不安、一方、デイサービス利用者の御家族からは、在宅での介護が増え、御自身の仕事を休まざるを得なくなり、生活はどうなるのかという不安の声もありました。さらに、施設の休業で外出する機会がなくなり、生活リズムの変化から体調を崩され、命の危険にまで及んだ方もおられるなど、コロナの感染拡大の影響で、介護分野一つを見ても、大変多くの方が苦労されているということを思い知らされました。改めて、介護事業の重要性を認識するとともに、生活に密着したサービスであることを実感いたしました。 介護業界においては、少子高齢社会を背景に、需要が拡大する一方で、サービスの担い手が不足することが明らかになっており、2025年には介護職員が全国で約34万人不足するというデータもあります。まさに介護業界における人材不足の対策は喫緊の課題であり、ICTやAI等の新しい技術をいかに活用するかが、問題を解決する一つの鍵になるのではないでしょうか。 コロナの感染爆発を受けて、人との接触の考え方など、今ほど新たな生活の在り方が求められているときはありません。そこで、これまでの生活スタイルから大きな転換を余儀なくされるこのときを逆にチャンスと捉え、ウイズコロナ時代を見据えて、大変な状況の介護分野から、一歩一歩変革の取組を進めるべきと考えます。 さて、現在、本市のコロナウイルス感染者は減少傾向にあるものの、入所介護事業所の多くで、感染経路遮断の観点から、家族等に対して面会制限がかけられております。制限解除のめどが立たない中、面会できないことで、利用者と家族双方の精神的なストレスの高まりなどが問題となっております。 厚生労働省は5月15日に「高齢者施設等におけるオンラインでの面会の実施について」との通達を出し、これを促進するため、県の地域医療介護総合確保基金を活用した導入支援の拡充策を打ち出しました。 また、本市では、市内介護事業者に対して、新型コロナウイルスに関するアンケート調査を実施しております。入所事業所、いわゆる特養老人ホームや老健などを対象に行ったアンケートでは、全510事業所の64.7%に当たる330事業所から回答を得ることができ、その中で、5月下旬の時点において、オンライン面会を実施しているという事業所が91事業所ございました。率として27.6%であります。 また、新型コロナに関してお困りのこととの設問に、「面会制限等にともなう利用者・家族からの相談・苦情」と回答した所が168事業所、50.9%と約半数に上ることが分かりました。さらに、利用者やその家族から聞き取ったお困りのこととの設問では、「家族の面会制限」との回答が272事業所あり、実に82.4%となっております。面会制限によって、多くの方が大切な家族の姿すら見ることがかなわず、また、事業所も対応に苦慮している現状が明らかになっております。 介護事業所のICT環境の整備を見据えながら、このアンケート結果を生かしていく方向で考えると、接触リスクを回避しながら面会ができるオンライン面会を推進することで、利用者と家族の不安を取り除くとともに、事業所では、利用者と介護職員の双方において、ICT環境になれ親しんでいただくことが有効であると考えられます。 その中で、事業所にとっては、ICTといっても、何をどうやって活用すればよいのか分からないといったこともあるかと思いますので、介護現場に即した具体的なイメージを示しながら、ICT活用、ICT環境促進を図っていくべきと考えます。 そこで、健康福祉局長にお尋ねをいたします。 国や県により、介護事業所のオンライン面会をはじめ、ICT環境の整備を促進する動きが加速している中、本市としても、事業者を後押しできるような周知啓発を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 また、本市は現在、介護事業者に向けたキャリアアップ研修を計画的に行っていますが、ICT活用について特化したプログラムは実施されていないようであります。将来を見据えたICT環境促進の観点から、カリキュラムに加えることが大変有効だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 続きまして、市立病院--東部医療センター・西部医療センター両病院におけるオンライン面会についてお尋ねをいたします。 今月19日には、ようやく全国で移動制限が解除されたことにより、人の往来が再開されていることなどを考えますと、決して油断できる状況ではなく、第2波、第3波への対策をあらゆる場面で検討していかなければならない局面にあると思います。 そのような状況下において、本市では、介護施設同様、多くの病院施設で、感染経路遮断という観点から、面会禁止の措置がなされており、いまだ全面措置解除の兆しが見えず、入院患者の御家族からは、いつになれば会いに行けるのかとの不安の声をたくさん頂戴いたします。 私は、コロナウイルス感染症になり入院されたある御家族から話を伺うことができました。この方は、御主人がコロナに感染し入院をされました。自身も濃厚接触者となるため外出が制限され、自宅で孤独な中、自分が感染しているかもしれないという恐怖を感じながら、それでも御主人の容体が心配で仕方がなかったとのことで、自分が感染しているかより、主人に面会できないことのほうが不安でしようがない、本当にどうすればいいのか分からなかったと言われておりました。 また、コロナ感染者や高齢患者に限らず、小児病院でも面会制限で親子が分断されることによる心身への影響について、6月22日付の日経新聞に掲載されており、問題が指摘されているところです。この記事では、治療薬やワクチンが開発されるまで、面会制限が続くことも想定すべき、安心感を与え、家族とのつながりを保つ取組を病院が工夫する必要との専門家の意見も紹介されており、早急な対策が医療機関に望まれていると考えられます。 病院施設においては、高齢者の利用が比較的多く、また、待合室などでは密になる可能性が高いことから、通院などによる感染リスクを回避するため、タブレットやスマホを活用したオンライン診療を初診から解禁する方針を打ち出し、処方薬についても郵送で受け取れるなど、接触をなるべくなくす対策を国は講じてきました。オンライン診療が可能な病院も拡大をしており、この対策は特例措置ではあるものの、継続に向けての有効性などを検証しているとのことであります。 一方、同じオンラインでも、オンライン面会のほうはあまり積極的な展開が見られないようであります。 テレワークが推進されるようになり、スマホのアプリを活用してのオンライン会議などが日常的になっている中で、病院施設においても、面会禁止の状況下で、そのようなアプリを活用しての面会を既に行われている方もいらっしゃると伺います。 しかし、いまだ大勢の方々、特に高齢者の方は、病院は面会禁止のためお見舞いにも行けず、不安な生活を送られているのが現実です。オンライン面会のほか、アクリル板を挟んで面会をするなど、工夫しながら対策を行っている病院施設もあるようで、知恵を絞って、ウイズコロナの暮らしの在り方を考え、これまでの生活スタイルを一新し、新たに創造していく時期が来ているのではないでしょうか。 東部医療センター、西部医療センターとも例に漏れず、面会禁止の措置が継続して現状なされております。特に東部医療センターは、新型コロナ感染症患者の受入れもあり、より高いレベルでの感染防止の対応と、感染リスクとの背中合わせの緊張感を保ちながらの運営が続いております。 また、両病院とも急性期病院ということで、療養型病院に比べると入院期間も10日間程度と短いことなどから、御家族の面会については医師の許可を得て行うなど、柔軟な対応をしているとお伺いをいたしました。 しかし、不要不急に当たると判断され、面会ができずに会いたい人と話をすることができない方や、一番問題なのは、御家族の面会も一切許されないコロナ感染症入院患者への対応をどのようにしていくかではないでしょうか。今日までのコロナ関連の報道においても、面会ができない感染症患者とその御家族の苦悩や悲しみは、多くの方が胸を痛められたことと思います。 そこで、病院局長にお尋ねをいたします。今後、第2波、第3波の感染拡大、さらには、ウイズコロナ時代を見据えた上で、東部・西部医療センターでのオンライン面会を開始することで、入院患者や御家族等の不安を少しでも解消していく必要があると思いますが、御所見をお聞かせください。 以上で、私の第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局には、介護事業所のICT環境促進について、2点のお尋ねをいただきました。 最初に、オンライン面会の啓発についてでございます。 新型コロナウイルス感染症の発症により、介護現場では、感染予防のための取組が求められているところでございます。 社会福祉施設においては、現在も原則として面会が制限されており、入所者の方やその御家族の皆様には御心配や御不自由をおかけしていることと存じます。また、面会制限に伴う苦情が事業者のほうに多く寄せられていると伺っております。 こうした状況を改善するため、議員御指摘のとおり、介護現場にICT機器を導入することは、業務の効率化を通じた負担軽減につながる一方、今般のように面会が制限された際には、オンライン面会にも活用できるなど、利用者や御家族にとってもメリットがあると考えております。 そうした中、愛知県では、地域医療介護総合確保基金を活用して、介護ソフトやタブレット機器などの導入費用について助成するICT導入支援事業を令和元年度から実施しております。令和2年度においては、事業所規模に応じた補助上限額の引上げと、Wi-Fi環境の整備など、補助対象の拡充が予定されていると伺っております。 ICTの導入の推進は、これからの介護事業において必要なものと考えておりますが、こうした愛知県の事業について、市内の事業者への周知が進んでいないと思われます。この事業がより一層活用されるよう、NAGOYAかいごネットへの掲載や事業者団体への紹介を行うなどして、積極的な周知啓発を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 次に、ICT分野のキャリアアップ研修の実施についてでございます。 本市では、介護人材の確保及び職場への定着に資することを目的に、階層別・職種別の研修として、名古屋市介護職員等キャリアアップ研修を実施しているところでございます。 この研修において、施設の管理者向けには、採用・面接研修や外国人就労受入研修を実施するほか、新規職員向けには、介護保険制度に関する基礎的な研修、そして指導的立場にある中堅職員向けには、職員の教育力向上を目指す研修等を設けております。こうした多様なプログラムを御用意しているところでございますが、議員御提案のICTの導入やその活用方法に関するプログラムは、現在のところ実施しておりません。 一方、議員御指摘のとおり、介護分野においてICT導入が進んでいないのは、様々な理由が考えられますが、ICT導入に向けての手法や活用方法が分からないためとも考えられます。 ICT導入の推進につきましては、これからの介護事業にとって必要と考えていることから、施設の管理者の皆様にICTの導入やその活用に関する知識を深めていただき、導入がより一層進むよう、研修プログラムの充実を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◎病院局長(大原弘隆君) 病院局に、市立病院におけるオンライン面会についてお尋ねをいただきました。 新型コロナウイルス感染症対策として、入院患者さんへの面会につきましては、原則として禁止させていただいておりますが、感染リスクを踏まえた上で、医師の許可に基づき、病棟以外の場所におきまして家族に限定した形で面会していただくなどの対応を行っております。 議員御提案のオンライン面会につきましては、特に隔離が必要な新型コロナウイルス感染症入院患者さんについて、早期の導入を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(さかい大輔君) それぞれ御答弁いただきました。要望を述べさせていただきます。 まずは、健康福祉局長、オンライン面会の啓発について前向きな答弁ありがとうございました。 愛知県のICT導入支援事業について、市内の事業者への周知が進んでいないと思われるとのことですが、昨年度、この支援事業に対する市内事業者の申請は8件と伺いました。本市には、4,000を超える介護事業所がある中で8件です。支援を利用するしないはもちろん事業者の自由ではございますけれども、それでも8件は少な過ぎるという印象を持ちます。本当に周知が進んでいるのかどうか疑わしいところではないかと思います。 その支援事業について、今年度は、コロナ感染拡大防止対策として大幅に拡充をされ、補助上限額だけを見ても昨年度の30万円から最高260万円と桁違いになっております。ぜひこの機を捉えて、多くの事業所で支援を活用していただき、オンライン面会をはじめ、ICTによる業務の改善が着実に進むよう、積極的に周知啓発に努めていただきたいと思います。 具体的には、ネットへの掲載や事業者団体への紹介を行うとのことですが、できればモデルケースとして、ある事業所で市の全面的なサポートの下、一からオンライン面会の仕組みをつくり上げ、この手順でやればできますといった、分かりやすく、イメージが描きやすい方法で、ぜひとも紹介をして、強力に啓発をしていただきたいと強く要望をいたします。ICTが必要であるものなら、ぜひ意気込みを見せてください。 次に、ICT分野のキャリアアップ研修の実施について、前向きな答弁ありがとうございました。 ICT導入がより一層進むよう、研修プログラムの充実を検討してまいりたいとのことですが、現在、コロナ禍において、早急にとは申し上げづらいのですが、できれば来年度のプログラムに組み込んでいただければと思っております。 介護人材の危機的な不足が叫ばれる2025年は、もうそこまで来ており、待ったなしでございます。介護業界の人手不足に対して、現在ICTをはじめ、介護ロボットなど様々な新しい技術が開発をされています。しかし、それを使いこなすのはあくまで人です。幾ら技術が進んでも、人が育たないと本末転倒です。宝の持ち腐れになってしまいます。決して、将来、そのようなことにならないように、責任を持って取組を進めていただきたい。それを見据えたキャリアアップ研修の充実を要望いたします。 続きまして、市立病院におけるオンライン面会について、病院局長、積極的な答弁ありがとうございました。 私自身も、市立病院ではないですが、過去に入院経験がございます。また、娘を小さい頃入院させた経験もあります。たとえ、1日、2日であっても、自分が入院すると寂しい思いをするし、家族の入院は不安な気持ちになるのです。これは決して入院日数の長い短いに関係ないと思います。 さて、オンライン面会について、新型コロナウイルス感染症入院患者について、早期の導入を検討とのことでありますが、ぜひともお願いいたします。 さらに、コロナ以外の入院患者さんにも早期展開していただき、全ての患者さんがオンライン面会を利用できるよう、積極的に検討していただくことを強く要望いたします。なぜなら、現在、患者さんの家族に限定した形で面会していただいているとのことでしたが、患者さんを心配しているのは家族だけではないはずです。オンライン面会によって、患者さんを心配する全ての方々が、急な入院で心細い思いをしている患者さんに励ましが送れるような仕組みを市立病院からつくっていただきたいのであります。 ウイズコロナの時代、感染拡大の第2波、第3波に備えるオンライン面会ではありますが、それだけでなく、距離的にお見舞いが困難な人、例えば、遠くに住む親戚の方などがそれによってお見舞いが可能になり、より多くの人から励ましがもらえるようになれば、患者さんが病気に立ち向かう勇気もより一層湧いてくるのではないでしょうか。 整備に当たっては、ルールづくりやシステムの課題など様々な障壁があるとは思いますが、ぜひ患者さんのためを思って、強い決意で進めていただくことを重ねて要望し、全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(中里高之君) 次に、浅野有君にお許しいたします。    〔浅野有君登壇〕 ◆(浅野有君) ただいま中里議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 まずは、社会情勢の変化に合わせた公園の利活用の推進について、緑政土木局長にお伺いさせていただきます。 世界的に猛威を振るっております新型コロナウイルスについてですが、日本はもとより世界各国で様々な感染予防対策が取られております。我が国でも、感染予防対策の一つとして、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議より、新しい生活様式が提言され、緊急事態宣言後も、この新しい生活様式の定着が呼びかけられているところであります。 この新しい生活様式では、ソーシャルディスタンスの確保やマスク着用、手洗いといった一人一人の基本的感染対策をはじめ、日常生活を営む上での基本的生活様式や買物、食事、公共交通機関の利用や娯楽、スポーツ等、日常生活の各場面別の生活様式の実践例が示されたガイドラインが作成されております。 その中で、テレワークやオンライン会議、在宅勤務等を推奨する働き方の新しいスタイルも示されましたが、それにより、我が国の経済を牽引し、本市を足元から大きく支えていただいている地元企業や働く方々にも大きな変化を余儀なくされていることは、皆さんも御存じのとおりかと思います。 私自身も、今までのありふれた日常のありがたさを痛感しているところでありますが、そのありふれた日常をいち早く取り戻すため、また、何よりも、自分の生活はもちろんのこと、お客様のため、地域のため、それが、ひいては我が国のため、子供たちの明るい未来のために、この不自由な中、並大抵ならぬ創意工夫を凝らして経済活動を行っている地元企業や働く方々には頭が下がる思いであります。 この市民生活の様式や行動様式がコロナ前後で大きく変わっている未曽有の事態を変革のチャンスと捉え、たくましく働く方々、企業を応援するため、本市も様々な施策を行っているところでありますが、その一つとして、公園の利用の仕方や在り方についても、それに合わせていく必要があると感じております。 公園は、緊急事態宣言発令中も運動を楽しむ場、子供を遊ばせる場など市民の憩いの場として、子供、お年寄り、家族連れの方などに幅広く御利用いただいており、その重要性が再認識されたところでありますが、今後は、新しい行動様式の一つとして、子供を遊ばせながら会社に連絡をするとか、公園のカフェなどで仕事をする人が増えてくる、このように考えられます。 また、このように、公園利用者の行動様式が変化してくるのであれば、例えば、無料公衆無線LANの設置やワーキングスペースの確保など、社会情勢の変化に合わせた施設の整備が今後必要とされてくるのではないでしょうか。特に、無料公衆無線LANの設置については、今後も新たな技術の発達により、子供たちをはじめとした市民の遊びや運動、憩いに対して、また、まだまだ時間はかかると思いますが、市外、海外も含めたインバウンドにも有効ではないかと思います。 そこで、緑政土木局長にお伺いいたします。今後、市内の大規模公園で民間活力の導入を進めていくに当たり、Park-PFI制度などの制度を活用し、社会情勢の変化に合わせた、新たな市民ニーズを取り入れた利活用を推進するため、公園施設へ無料公衆無線LANを導入すべきと考えますが、その見解をお伺いいたします。 次に、防犯カメラ設置助成について、スポーツ市民局長にお伺いいたします。 平成24年6月市会におきまして、我が自民党の松井議員から、防犯カメラ設置助成制度の創設を提案し、それを受け、名古屋市では、政令指定都市ワースト1位罪種返上を目指し、平成25年度から補助制度が開始されました。 名古屋市におきましては、令和3年度までに2,200台の設置助成を目標にしてきましたが、令和元年度末時点で1,920台の防犯カメラの設置補助がなされ、今年度中にも目標台数の2,200台に達する見込みであるとお聞きしております。 この間、街頭犯罪等の認知件数は年々減少し、補助開始前の平成24年と比べて65.5%減少しており、街頭犯罪等における政令指定都市ワースト1位は全て返上しているところでありますが、このことからも、防犯カメラ設置の街頭犯罪抑止効果は本当に絶大であると思います。近々では、平成30年度に302台、令和元年度には347台に助成をしており、このことからも地域の防犯カメラ設置のニーズは依然として高く、街頭犯罪抑止効果があることも市民に浸透しているところであるということから、このような効果の高い防犯カメラの設置を、目標台数に達したからといってすぐにやめる状況ではないと感じております。 また一方で、補助制度開始から7年が経過したことから、法定耐用年数の6年を超過した更新が必要なカメラも今後増えてくるという現状から、防犯カメラの点検費用などの維持管理費が地域にとって負担となっているといった実情もあるとお聞きしております。防犯カメラの維持管理費は、学区連絡協議会に対する安心・安全・快適まちづくり活動補助金の補助対象になったところですが、多くの団体は補助上限額を上回る様々な活動を行っており、なかなか維持管理の費用に補助金を回せないというのが現状であります。 記憶に新しいところで、平成30年に大阪の繁華街、ミナミにあるアメリカ村で、地元自治会がひったくりなどの犯罪を防ごうと、約10年間街頭に設置した防犯カメラ81台分、年間260万円の維持費を町会が払えず、撤去が決まったという事例がありました。この件につきましては、結果、約5か月後に低コストで運用できるカメラを導入することで、撤去から比較的間を置かずに新たなカメラを設置することとなりましたが、そのときにも、防犯カメラは、地域社会の安全・安心を確保する上で、極めて重要なインフラであると認識されたところであります。 現に、本市内の自治会でも、本市助成以外に設置した防犯カメラの更新費用等をめぐって、意見が割れたという事例もお聞きしておりまして、本市におきましても、アメリカ村のようなケースは十分に考えられ、このまま放置しておくと、防犯カメラの再設置費や維持管理費用の負担が原因で、せっかく設置した防犯カメラが廃止され、再び政令指定都市ワースト1位になるのではないかと危惧しております。 そこで、スポーツ市民局長にお伺いいたします。防犯カメラ設置に対する助成を引き続き実施することはもとより、街頭犯罪等における政令指定都市ワースト1位返上を維持するために必要不可欠な、地域における防犯活動が持続可能なものとなるよう、防犯カメラの更新や維持管理に対する助成も今後必要だと考えますが、局長の御答弁をお願いいたします。 以上で、私の1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手) ◎緑政土木局長(酒井康宏君) 緑政土木局に対しまして、社会情勢の変化に合わせた公園の利活用の推進についてお尋ねをいただきました。 公園につきましては、都市公園を一層柔軟に使いこなすという観点で、都市公園法改正により、公園施設を設置または管理する民間事業者を公募する制度、いわゆるPark-PFI制度が設けられ、全国で運用が始まっております。 本市におきましても、これからの緑のまちづくりの基本的な考え方として、名古屋市緑の審議会より、公園の多面的な効果が十分に発揮されるためには、多様な立場の人たちによるパートナーシップによって進めていくことが重要との答申をいただいており、公園の特性や地域のニーズを踏まえ、民間活力を生かした公園施設の整備や運営に取り組んでおります。 御質問いただきました公園における無料公衆無線LANの導入につきましては、公園利用者の利便性が高まるとともに、公園施設を運営する民間事業者にとりましても、施設利用者を増やす効果があるものと考えております。しかしながら、本市の公園では、徳川園や白鳥庭園といった一部の有料公園施設や、限られた便益施設などへの導入にとどまっております。 今後、議員御指摘の社会情勢の変化に合わせた公園の利活用を推進するため、民間事業者が設置し管理運営する公園施設につきまして、公募の方針等に無料公衆無線LANに係る内容を掲載して提案を促すなど、導入に向けた検討を進め、公園利用者のニーズに応じた公園施設の整備、管理運営に取り組んでまいります。 以上でございます。 ◎スポーツ市民局長(寺澤雅代君) スポーツ市民局には、防犯カメラの設置助成についてお尋ねをいただきました。 防犯カメラは、地域において実施される防犯パトロール等のソフト事業との相乗効果により、市民の防犯意識の高揚及び地域の防犯力の向上につながるものであり、政令指定都市ワースト1位罪種返上にも大きく寄与したものと考えております。また、防犯カメラを設置した地域の方からは、住民の体感治安が向上した、地域の防犯活動が活性化したと伺っており、非常に効果の高い施策であると認識いたしております。 議員御指摘のとおり、防犯カメラの設置助成については、今年度中に目標台数に達する予定でございますが、地域の方々からのニーズは依然として高く、目標達成後、すぐに助成制度を廃止でき得る状況にはないと認識いたしております。 また、制度開始から一定の年数もたっており、機器の更新が必要であるとか、安心・安全・快適なまちづくり活動の補助制度では、防犯カメラの維持管理費に補助金を充てることが難しいとのお声もお伺いいたしております。 昨年度、街頭犯罪等の認知件数については、全ての罪種において政令指定都市ワースト1位を返上したものの、依然として他の政令指定都市に比べて多発しており、犯罪抑止対策にしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。 今後も引き続き地域における防犯活動を支援するためにも、防犯カメラの更新や維持管理費に係る経費などについて、地域の方々が、より活用しやすい助成制度となるように検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◆(浅野有君) それぞれ御答弁ありがとうございました。要望のほうをさせていただければと思います。 まずは、無料公衆無線LANの導入、公園における導入についてでございますけれども、民間事業者に対し導入の提案を促す、しっかりとそういったことを書いていただくというような御答弁をいただきました。 今後の公募などで、仕様に記載するとか、あるいは公募の中の条件の中の採点の項目に入れていくとか、様々な方策はあるというふうに思いますけれども、名古屋市として、公園の整備の際には必須な、重要なインフラ整備だと位置づけていくようにお願い申し上げます。 全国に目を向けますと、まだまだ、公園の無料公衆無線LANの導入はほとんどされておられないというふうに聞いておりますけれども、名古屋が先駆けて導入することで、公園で仕事もできるまち、そんな実にクールな名古屋ブランディングにもつながるというふうに思っております。 また、見方を変えれば、公園というのは緊急避難所でもあります。直接的ではないにしろ、市民の命を守る一助となるというふうに考えられますので、整備を積極的に行うよう要望いたします。 話は変わるんですけれども、昨年度のアメリカ、シリコンバレーへの海外出張のこの報告書、これにもあるんですけれども、公衆無線LANの導入の重要性が報告されておりましたので、御紹介させていただければと思います。 シリコンバレーのあるサンノゼ市役所の担当局によりますと、ブロードバンドのWi-Fiを市域全てで実現させ、貧困層が居住するコミュニティーでも導入していくことで、経済的格差を解消していくことにつながる、このように考えている。その理由として考えておるのが、例えば、警察、消防、交通が別々のシステムを使うのではなく、全てつなげていって、垣根を取り払うことが重要である。また、人々が誰でも同じように成功することができるようにしておかないと格差が生まれる。これは、アメリカと日本の差はあるとはいえ--時間がありませんので、大分はしょった説明になりましたけれども--コミュニティー間に差が生じると、この研究では平均寿命で15年、生涯年収でも大きな差が出る、このように締められています。それぐらい、このWi-Fiというのは重要なインフラだと位置づけているそうでございます。 このことからも、今回は公園の利活用としての無料公衆無線LANの導入を質問させていただきましたが、名古屋市内の管理監督する全ての施設について、必須な、重要なインフラとして整備していただくよう要望して、この件は終了させていただきます。 次に、防犯カメラ設置助成についてでございますが、防犯カメラの維持・更新費等に助成を実施していただくという、大変力強い御答弁をいただきましてありがとうございました。 防犯カメラも、無料公衆無線LAN同様、いや、直接的に考えれば、それ以上に必須の重要なインフラで、先ほども申し上げましたが、地域社会の安全・安心を確保する上で、極めて重要なインフラであるということは間違いありません。 補助開始前の平成24年と比べて65.5%減少ということからも、非常に効果の高い防犯カメラ設置に対する助成は継続していただくのはもちろんのこと、助成金だけでなく、さらなる--さらなる本市のサポートをお願いいたします。 地元からの要望も高い機器更新や維持管理に関しまして、地元の負担を少しでも軽減するような助成制度の実現に、担当局としてしっかり取り組んでいただくことを要望いたしまして、全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(中里高之君) 次に、赤松てつじ君にお許しいたします。    〔赤松てつじ君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◆(赤松てつじ君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をいたします。 まず初めに、保健センターにおける乳幼児健康診査の再開後の運用について、子ども青少年局長に伺います。 乳幼児健康診査は、親御さんが、各対象月における子供の発育状況を総合的に確認できることに加え、育児の相談やサポートを保健センター1か所で受けることができる、市民の皆さんから非常に信頼される行政サービスの一つであるだけではなく、虐待の早期発見の役割を担っており、子供、親御さん、そして本市にとっても非常に重要な健診であります。 しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、保健センターに親子合わせて1日100人近い方が来所されるという集団健診の特性を考慮し、感染症拡大防止の観点から、本年3月4日より3月31日、また4月16日から5月31日までの両期間、本市は乳幼児健診を休止いたしました。その後、いまだ終息には至っていないものの、本市の新規感染者数も大幅に減少したこと、また、その他社会情勢から、今月1日より、まずは3か月児の健康診査を再開、1歳6か月児、3歳児についても7月から再開を予定されているというのが、これまでの経緯、また現状であります。 市民の皆さんの御協力の下、この重要な健診が再開に至った、このことに関してはありがたく思うと同時に、現在、現場で感染症防止策を講じながら健診に携わっていただいている医師、歯科医師、また、職員の皆様には心から感謝を申し上げたいと思います。 ただし、今回の再開に当たって、懸念事項がないわけではありません。それは、再開に当たっての感染症対策の中に、分散来所を促す対策、つまり多くの方が一度に来所されることを避ける対策が一切ないことです。 さきにも申し上げましたとおり、1日の対象人数は少なくない、これは事実でございます。ですから、全く対策を講じなければ、そもそも運営上の理由から、来所のタイミングが重なる傾向にある乳幼児健診ですから、再開後も多数の方が一度に来所する可能性があるわけです。当該健診は、事前に予約をすることができません。来所して受付をした順に健診を受けることになるわけですが、健診自体もある程度時間がかかるため、受付時間が遅くなればなるほど待ち時間も長くなります。ですから、少しでも待ち時間を少なくするために、皆さん、受付開始時間を目指して来所されます。そして、その結果、どうしても多数の方が一度に集まってしまう、そのような状況が生まれてしまいます。 保健センターの待合スペースには限りがあります。そして、ソーシャルディスタンスを保たなければならない今、果たして、この状況を放置したまま、健診を再開、継続していくことが正しいのでしょうか。 もちろん、消毒、換気の徹底を含めた現場での感染リスクを減らす対策も必要です。それについてもぜひしっかり行っていただきたい。しかしながら、それと並行して、保健センターに一度に人が集まるという根本的な問題についても対策を講じていかなければ、本当の意味での感染症対策とはならないと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。 次に、コロナ禍における聴覚障害者の方への支援について伺います。 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、私たちの生活は一変をいたしました。職場、学校、社会生活を送る中で、どこにいても感染リスクにさらされることになり、それぞれが手洗い、うがい、アルコール消毒など、感染症予防策を行いながら日々の生活を送っています。その感染予防策の最たるものがマスクの着用ではないでしょうか。マスクの着用は一番身近な感染予防策の一つであり、今や私たちの生活にとってマスクはなくてはならないものとなっております。しかし、そのような状況となったことで不便な思いをされていらっしゃる方がいます。それは、聴覚障害者の方です。 一般的なマスクは、顔の半分を覆ってしまい、表情の大部分と口の動きが分からなくなってしまいます。聴覚障害者の方は、表情、口の動き、前後の文脈など、様々な情報を合わせて相手の言葉を御理解されるため、その情報の大半がマスクによって隠されてしまうことが、コミュニケーションに大きな支障を来します。 このことは、手話が使える方も同様です。手話は、確かに聴覚障害者の方にとってのコミュニケーションツールではありますが、同じ動作でも様々な意味で使用されること、また、同じ言葉でも人によって異なる動作で表現をされることなどの理由もあり、やはり手話を使用する場合においても、表情や口の動き、これは非常に重要な情報となってまいります。 一日でも早くマスクをしなくてもよい毎日が戻ってくることを願っておりますが、まだまだ状況が不透明である以上、このコロナ禍によってもたらされた聴覚障害者の方にとっての社会的障壁を取り払うことと同時に、情報のバリアフリー化を推し進め、誰もが住みよいまち名古屋をつくっていくことが私たちの責任であると考えております。 そこで、健康福祉局長に伺います。これまでコロナ禍以前も、本市は聴覚障害者の方に対して様々なコミュニケーション支援を行ってきたことは理解をしておりますが、今後、コロナ禍でお困りの聴覚障害者の方への支援について、どのような見解をお持ちであるのか、御答弁をお願いします。 次に、行政からの情報発信という観点から、市長定例記者会見を所管する市長室長に伺います。 市長定例記者会見は、毎週月曜日に開催されている市長の定例会見で、インターネットで動画も配信されており、河村市長が市民の皆さんに対し、直接市の施策や事業を説明する非常に重要な機会であると理解しています。 ただ、現行では、河村市長は記者会見に感染防止のためマスクを着用して臨んでおられるため、先ほど申し上げたとおり、聴覚障害者の方は市長の発言を読み取ることができません。 現行でも、会見録は文字情報として、後日、市のウェブサイトに掲載をされますが、そこには当然タイムラグが生じるため、聴覚障害者の方はリアルタイムでその情報を入手することができません。コロナに関わる情報は、市民の皆さんの生活や命に関わる重要な情報です。聴覚障害者の方にもリアルタイムで発信情報が伝わるような対策を講じるべきではないでしょうか。 現在、コロナ禍における聴覚障害者の方への対応として、全国的に記者会見への手話通訳の導入が進んでいます。報道によれば、都道府県知事の記者会見については、先月までに全ての都道府県で導入が完了し、また、政令指定都市においても、札幌市や横浜市などが、今年度に入り市長の記者会見に手話通訳を導入しています。本市も市長定例記者会見に手話通訳を導入すべきだと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。 以上で、私の第1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手) ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局には、保健センターにおける乳幼児健康診査の再開後の運用につきましてお尋ねをいただきました。 新型コロナウイルス感染症の影響により、延期していた乳幼児健康診査につきましては、6月1日から3か月児健康診査を再開しており、1歳6か月児、3歳児につきましても7月から再開する予定としております。 6月の3か月児健康診査の再開に当たりましては、三つの密を避けるよう、区の状況に応じて、待合場所に広い部屋を確保する、健診会場の部屋を複数確保するなどの工夫をし、感染防止に努めております。また、来所される方にも、来所前の体調確認と健診会場での非接触型温度計による検温のほか、付添いは原則保護者1人とするなどの協力を求めているところでございます。 7月以降の乳幼児健康診査におきまして、さらに、乳幼児健康診査の会場に一度に多くの人が集まるのを避けるための工夫の一つとして、受付時間を二つのグループに分ける取組も取り入れてまいりたいと存じますので、御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局には、コロナ禍における聴覚障害者の方への支援について、これまでの取組と本市の認識に関するお尋ねをいただきました。 聴覚障害者の方々が安心して日常生活を送ることができるよう、手話などの意思疎通支援を推進することは重要であると考えており、これまで、手話通訳者の養成及び派遣事業を進めてきたほか、区役所窓口においてタブレット端末を活用した遠隔手話通訳を実施する環境を整備するなど、聴覚障害者の意思疎通支援の向上に努めてきたところでございます。 しかしながら、議員御指摘のように、手話を利用する聴覚障害者にとっては、表情や口元の動きも読み取りながら意思疎通を行う場面も多く、このコロナ禍において、マスクの着用によって意思疎通が困難になっているとの声も直接伺っており、聴覚障害者の方々が苦労されていることを健康福祉局としても十分に認識しております。 こうした状況を踏まえまして、手話のさらなる普及啓発を進めていくに当たっては、聴覚障害者の方々が表情や口元の動きも読み取りながら意思疎通を行っているということも、併せて周知していきたいと考えております。 今後も、コロナ禍においてどのような困り事があるのか、聴覚障害者の方々の声をしっかりとお聞きしながら、安心して日常生活を送っていただけるよう対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◎市長室長(小林史郎君) 市長室には、市長定例記者会見への手話通訳の導入についてお尋ねをいただきました。 市の広報において、様々な特性のある市民の方々に正確かつ迅速に情報を伝えることは、極めて重要なものと認識いたしております。 市長定例記者会見は、市長自らが市政の重要な施策、事業について発表、報告を行う場であり、本市の広報の中でも大きな柱の一つと位置づけておりますことから、本市といたしましても、動画配信に加えて、後日、会見録を市公式ウェブサイトに掲載することにより、聴覚障害者の方々に向けた情報発信に努めてきたところでございます。 しかしながら、現在、議員御指摘のとおり、記者会見には市長もマスクを着用して臨んでおりますことから、聴覚障害者の方々が動画配信で記者会見の内容を把握することが難しい状況となっており、聴覚障害者の方々への情報提供手段のさらなる充実が必要と考えているところでございます。 したがいまして、議員御提案の市長定例記者会見への手話通訳の導入につきましては、記者会見を主催する市政記者クラブとも協議の上、来月には実現できるよう目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(赤松てつじ君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 まず、乳幼児健診の再開について要望を述べさせていただきます。 子ども青少年局長からは、7月から受付時間を二つに分け、御対応いただけるとのこと、御答弁をいただきました。迅速な対応に感謝を申し上げます。 まずは第一歩、再開後の健診の環境が改善されたと思っております。ただ、あくまで第一歩、これで乳幼児健診を取り巻く様々な問題が劇的に解決されたわけではありません。引き続き、健診環境の改善に向けて取り組んでいただきたい。 今や、総合病院だけではなく、地域のクリニックでも診察のインターネット予約ができるようになっています。私の地元のクリニックでも、予約、受付がインターネットでできますし、連絡先を登録しておけば、順番が近づけばLINE、またメールで連絡がもらえます。連絡が来るまでずっと家にいればいいわけです。これは何も特別なことではありません、医療現場では当たり前になりつつあることです。事実、本市でもPCR検査センターの予約システムをつくった実績があります。決して高過ぎるハードルではないと私は考えています。 このような予約システムを乳幼児健診で活用できれば、順番取りに親御さんが並ぶ必要がなくなります。長時間待合室で待たされることもなくなります。3密を避けながら、親御さん、子供の負担を確実に、そして劇的に減らすことができるわけです。 ぜひ感染症対策と併せて、根本的な問題解決につながる予約システムの構築を強く要望いたしまして、この件に関しての質問は終わらせていただきます。 次に、聴覚障害者の方への支援について、要望を述べさせていただきます。 健康福祉局長の答弁には、聴覚障害者の方がマスクの着用によって苦慮されていることを十分に認識しているとございました。また、声を聞きながらしっかり対応するともございました。であれば、手話の普及、その他周知を行うということではなく、まずはすぐに、マスクの着用によって意思疎通に苦慮されている現状に対して、直接的な対策を立てるべきではないでしょうか。そして、その具体策こそ聴覚障害者の方の生の声をしっかりと聞いていただき、効果的な対策を講じていただくことを強く要望いたします。 続いて、市長室長からは、手話通訳の導入について、来月の実現を目指すとの非常に前向きな御答弁をいただきました。ぜひ一日でも早く導入をお願いしたいと思いますが、実施に向けては、通訳士の方の口元、また、表情がしっかりと分かる形で運用をお願いしたいと思います。 既に導入を進めている他都市も、フェースシールドが反射する、また、画面内の通訳士さんが小さく、手元、口元が見えづらいといったような、市民の皆さんからの様々な声を聞きながら改善していったと伺っています。市民の皆さんの声を聞くことはもちろんのこと、他都市の導入事例についても参考にしていただきながら、聴覚障害者の方がしっかりと情報を入手できる運用を最後にお願い申し上げ、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山田昌弘君) 次に、河本ゆうこ君にお許しいたします。    〔河本ゆうこ君登壇〕 ◆(河本ゆうこ君) 議長にお許しをいただきましたので、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 まず初めに、生活困窮世帯に対する学習支援の効果的な広報について質問をいたします。 1月に始まった新型コロナウイルス感染症の蔓延は誰もが御承知のとおりで、本市においても、2月14日に市内在住者で初めて感染者が確認されてから今日まで、延べ288名の方が感染され、最前線で対応に当たってこられた関係者の方々の御尽力には感謝の念が絶えません。 初めの1人目が発症してから、解決をしなければならない問題は刻々と変わり、国からの外出自粛要請、全国での緊急事態宣言等の影響により、生活面において影響を受けた人は少なくありません。また、このような家庭の状況の変化は、大人だけではなく子供たちの心理面にも影響を与え、その結果、学習面においても不安な状況に置かれた子供もいるという話は、私の周りでも伺っております。 さて、本市においては、平成25年度に生活保護世帯の子供の学習サポートモデル事業として始まり、その後、各会派の議員の皆様によって議論を重ねてこられて、徐々に内容を拡充していき、現在では、市内の独り親家庭、生活保護世帯、生活困窮世帯の中学生を対象に、市内150か所で中学生の学習支援事業が展開されております。 様々な事情を抱える子供が、その家庭環境によらず、学習機会を得られる場としてだけではなく、子供たちが安心して通える第2、第3の居場所としての役割も果たしている、非常に有意義な事業であると言えます。新型コロナウイルス感染症の影響による家庭の状況の変化などに左右されずに、安心して学習に取り組むための居場所となるのが、まさにこの学習支援事業ではないでしょうか。 通常、学習支援事業は、5月に対象となる世帯に個別に案内をした上で一斉募集を行い、会場の調整の結果、その後も空きのある会場については、夏以降に随時募集を行っていくと伺っております。 この際に、独り親世帯や生活保護世帯であれば、対象者としては明確ではあるかと思いますが、生活困窮世帯は対象としてはっきりと区分けされているものではないため、仕事・暮らし自立サポートセンターが、相談に来られた方々に対し、必要に応じて利用の案内をされているところだとお聞きしています。生活に困り事を抱える方は、仕事・暮らし自立サポートセンターに相談をすれば、学習支援事業についても知ることができます。しかし、市の公式ウェブサイト上の仕事・暮らし自立サポートセンターのページを見ても、学習支援については触れられていません。そのため、仕事・暮らし自立サポートセンターに相談をしていない方は、その存在を知り得ることができません。 新型コロナウイルス感染症の影響により、経済面、生活面に不安があり、さらに、子供の学習面、心理面にも不安を抱える方が、生活面の困り事というキーワードから、仕事・暮らし自立サポートセンターのページまではたどり着いても、学習支援については触れられていないため、場合によっては相談につながらない、ひいては、学習支援事業の利用につながらないのではないかという懸念があります。 これだけ充実した事業があるにもかかわらず、まさに、今年に入ってから新型コロナウイルス感染症の影響により対象となり得る状況になった方が、その情報を得られず、そのために利用につながらないということになると、必要な方に必要な支援が届いていないことになります。 そこで、健康福祉局長にお尋ねいたします。子供の居場所確保など福祉的要素も兼ね備えており、家庭の状況が変化してしまったことに左右されず、安心して学習に取り組む子供たちの心のサポートも期待できる居場所となるのが、まさに中学生の学習支援事業ではないかと思います。この誰も経験したことのない状況において、生活に困っている、不安を抱えている、生活が困窮してしまった世帯の子供たちが中学生の学習支援事業の利用につながりやすくするためにも、市の公式ウェブサイト等を通じた効果的な広報が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 続きまして、市立中学校の校則の公開と内容の見直しについて質問をいたします。 2019年秋に「ブラック校則」という映画が公開をされました。そのブラック校則という言葉は、私にとっては衝撃的なものでした。これまで、自分が通ってきた学校の校則に疑問を持ったことは一度もありませんでしたが、この言葉を聞いてから思い返すと、制服を着なくてもいい学校と着る学校の違い、入学後に友人が、生まれつき茶髪、天然パーマ、癖毛の証明を提出していたことなど、自分が抱えていた校則に関する疑問を思い出しました。この映画の公開以前にも、大阪で、生まれつき頭髪が茶色い生徒に対して黒く染めるように指導するということが、人権侵害のおそれがあるのではないかと話題になりました。 このように、昨今では、SNSの発達もあり、中学校などの校則の内容に注目が集まり、時代の流れに合っていない校則などを指すブラック校則という新しい言葉も生まれたように、これまで生徒手帳の中にしかなかった校則の在り方を見直していく動きが始まっていると感じます。 名古屋市立の中学校の校則は、学校の実情、また地域の歴史などに合わせて定めていると聞いております。校則には、社会人になったときルールを守れる人となるようにするため、集団の中で秩序と平等を守るようにできる子供を育てるといった側面があるかと思います。一方で、そのような側面下においても、親も知らないような理解し難い校則、例えば、下着の色の指定など、社会情勢の変化の中で不要になっている校則もいまだに存在しております。 ここで、他都市の事例を紹介します。東京・世田谷区の区立中学校では、校則について、学校の取組を生徒、保護者、地域の方などに広く理解してもらうため、各学校のホームページにおいて公開を開始しています。また、公開に合わせて、各中学校においては、校則の内容を社会情勢の変化、生徒・地域の実情などを踏まえて見直しを行ったということです。例えば、男女別の規定や細かな内容を定める規定の必要性・妥当性、誤解を受ける表記となっていないかどうか、生徒の自主性や自律的な判断力・態度の育成につながるものかどうかなどです。このように、各校のホームページで、子供や親だけでなく、地域の人もいつでも誰でも見られる状態としている自治体もあります。 校則を公開することは、学校が地域に対して指導方針の説明責任を果たすことにもなります。社会で校則の実態を把握して、子供や親、地域の方々が議論しやすくなるというメリットもあります。中学校がそこにあるという環境そのものが、地域の方々の生活の一部となっています。中学生が地域にいる環境において、地域の方々は学校と共に子供たちを見守る存在です。地域ぐるみで、中学校の校則を共に知り、また、時代のニーズに合わせて共に考えていくきっかけになるとも考えます。 以前、新聞社の校則の外部への公開は望ましいかというアンケートに、名古屋市教育委員会はどちらでもないと回答し、その理由を、校則の公開は学校を比較することにつながり、学校の実情に合った校則を定めることの妨げになると回答していますが、私は、公開することで地域性や実情を踏まえた校則であることが分かれば、学校の比較の対象にはならないと考えます。校則を公開することが、その改善の取組を進めるきっかけにもなると考えます。 そこで、教育長にお尋ねいたします。このように、校則について学校や地域で考えるきっかけもでき、社会のニーズや変化に合わせた改善、見直しが必要な時代となりました。地域の方々と共に中学生を見守るという観点からも、校則を公開することは有効であると考えます。中学校の校則を、各中学校のホームページ上も含めて積極的に公開を進めることに対して、どのようにお考えでしょうか、お答えください。また、時代にそぐわない校則の見直しについて、どのようにお考えでしょうか、併せてお答えください。 以上で、私の1回目の質問を終わります。(拍手) ◎健康福祉局長(山田俊彦君) 健康福祉局には、生活困窮世帯に対する学習支援事業の効果的な広報についてお尋ねをいただきました。 本市におきましては、市内3か所に設置する名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンターにおいて、生活上の様々な困り事を抱える方、いわゆる生活困窮者の方からの相談を幅広く受け付けるとともに、関係機関とも連携しながら、一人一人、さらには、世帯に応じた支援を一体的に実施しております。 こうした中で、中学生の子供がいる世帯につきましては、必要に応じて、学習支援事業の利用にもつなげてきたところでございます。 一方で、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、生活に困り事を抱える方の増加も予想される中で、不安を抱え、家庭や学校以外での居場所を求める中学生が、学習支援事業の利用につながりやすくなるような広報は重要であると考えております。 こうした認識の下、例えば、本市公式ウェブサイト上の仕事・暮らし自立サポートセンターのページにおいて、中学生の学習支援事業の案内も行うなど、より利用につながりやすい工夫を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◎教育長(鈴木誠二君) 教育委員会に対しまして、市立中学校の校則の公開と内容の見直しについてお尋ねをいただきました。 文部科学省は、校則に関し、生徒が心身の発達の段階にあることや学校が集団生活の場であることなどから、学校には一定の決まりが必要である、また、学校教育において社会規範の遵守について適切な指導を行うことは極めて重要なことであり、校則は教育的意義を有しているとしています。 本市におきましては、生徒に対して、生徒手帳に校則を掲載し、周知をしております。また、保護者に対しては、入学説明会で、服装や頭髪など、校則の一部をお知らせしているところでございます。 校則につきましては、生徒、保護者と学校との共通理解を深めることが重要であり、ホームページ上に掲載するなど公開することは、そのための有効な方法の一つであると考えております。 また、校則の見直しは、校則に対する理解を深め、校則を自分たちのものとして守っていこうとする態度を養うことにつながり、生徒の主体性を培う機会になると捉えております。 校則が時代の進展や生徒の人権に配慮したものになっているかなど、幅広い視点で積極的に見直すよう、引き続き全校に促してまいりますので、御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◆(河本ゆうこ君) それぞれ御答弁くださいまして、ありがとうございます。 まず、健康福祉局におかれましては、本市ウェブサイトでの対応をしてくださるとの答弁、ありがとうございます。 今回のコロナウイルスで、生活が、様式だけでなく、経済的にこんなに影響を受けるとは、去年の今頃には誰も想像できませんでした。しかし、どんなに家庭や社会の環境に変化があっても、子供たちが学ぶ場所、居場所を見つけたいと思ったときに、行政としてはサポートしていかなければならないと思います。 過去の学習支援事業に関する議事録の中で、私が特に印象に残った言葉があります。平成27年2月定例会にて、自民党の西川ひさし議員がおっしゃられた、子供たちの助けてと言うSOSの小さな声を少しでも多くキャッチして導いてあげることが大事だという言葉です。本当にそうだと思います。 この学習支援事業は、そのような思いで始められ、今までにたくさんの子供たちが夢を諦めずに頑張ることの後押しになってきたかと思います。今回のような誰も経験したことのない状況で、生活環境が変わってしまった子供たちにも温かく寄り添っていただけるよう、小さなSOSを見逃さないように、市民の立場に立った温かい対応をよろしくお願いいたします。 次に、教育委員会におかれましては、時代に即した校則の見直しについては、これからも幅広い視点で積極的に見直すように、引き続き全校に促してくださるということで理解をいたしました。また、校則の公開に関しても、ホームページ上での公開についても、生徒、保護者と学校との共通理解を深めるためにも有効であると御判断くださり、ありがとうございます。 校則公開に関しまして、確かに、入学説明会等でお知らせをしていることは、私も本市の中学生の保護者でありますので存じております。しかしながら、それは決定事項を周知することを目的とした公開かと思います。入学説明会においても、全ての校則を伝えていただいているという認識はありません。そして、この公開の対象は、その学校に通っている生徒の保護者に限られています。 校則を公開することで、地域の方や子供、親が校則に注目し、さらに活発に見直すきっかけになることを期待できると考えます。校則は、地域の実情に合わせて決めていると聞いておりますが、地域の実情もまた時代の流れとともに変わっていっております。 現時点では、入学説明会の資料等で校則の一部が紹介されているということですが、例えば、ホームページ上に、常時、校則というリンクがあり、いつでも校則の全てを見られる状況というわけではありません。地域の方にも広く公開していくことが、その校則の必要性や妥当性を、地域の方々を巻き込んで、子供、学校、保護者が考えていくきっかけとなると思います。 たとえ地域性や学校の特性を反映していたとしても、校則は見られて困る内容ではないと思います。もし見られて困る校則があれば、それこそが改善の余地のある校則であり、校則を公開することで議論を呼ぶべき内容かと思います。 さきに述べた世田谷区の中学校以外でも、校則の公開の議論は進んでいます。名古屋市教育委員会としても、紙面にて周知という方法だけではなく、各中学校のホームページに校則というリンクをつくり、それをクリックすれば、いつでも誰でも校則の内容を見る、確認することができるような環境に今すぐにでもするべきです。 各中学校の校長先生が公開しようと考えたときに、ちゅうちょすることなく公開ができるように、教育委員会として直ちに後押しをしていくことを強く要望して、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ◆(吉田茂君) 明6月26日午前10時より本会議を開き、第89号議案はじめ25件に対する質疑並びに質問を続行することになっておりますので、本日はこの程度で散会されんことの動議を提出いたします。    〔「賛成」〕 ○副議長(山田昌弘君) ただいまの吉田茂君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」〕 ○副議長(山田昌弘君) 御異議なしと認めて、さよう決定し、本日はこれをもって散会いたします。          午後2時24分散会      市会議員  久野美穂      市会議員  田辺雄一      市会副議長 山田昌弘      市会議長  中里高之...