静岡市議会 > 2021-09-03 >
令和3年9月定例会(第3日目) 本文
令和3年9月定例会(第3日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2021-09-03
    令和3年9月定例会(第3日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(鈴木和彦君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(鈴木和彦君) 本日の議事日程は、既にお手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 認定第1号 令和2年度静岡市一    般会計歳入歳出決算の認定について 外40   件(総括質問) 3 ◯議長(鈴木和彦君) 日程第1、認定第1号令和2年度静岡市一般会計歳入歳出決算の認定についてから日程第41、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、大石直樹君。   〔大石直樹君登壇〕 4 ◯大石直樹君 おはようございます。  去る7月3日の熱海市伊豆山で発生した土砂災害では、懸命な捜索活動が続く中、あと1名の行方が分かりませんが、多くの方が犠牲になられました。間もなく3か月がたとうとしておりますが、改めて追悼の意を表します。  さて、世界的な苦境としてコロナウイルスと闘う中、開催されたオリンピックとパラリンピックに、連日連夜テレビにくぎづけになっていたのは、私だけではなかったと思います。多くの感動を起こしてくれた選手や関係者の方々に敬意を表したいと思います。  そして、世間の注目を浴びた悲惨な交通事故や判決もあり、今回は交通安全対策、災害対策、さらに教育行政についてお聞きしていきます。  それでは、通告に従いまして質問いたします。  1回目は、交通安全対策について2点。2回目は、災害対策について2点と、教育行政について2点お聞きいたします。  まず、記憶に新しい交通事故は、2019年4月、東京池袋で乗用車を運転していた90歳の老人暴走事故による死傷事故で、今月2日、禁錮5年の実刑判決があり、被告の老人は控訴せず、確定いたしましたが、最後まで自身の運転ペダル操作ミスは認めず、後味の悪い結審でありました。
     その裁判前の6月28日、千葉県八街市で下校途中の児童の列に飲酒運転のトラックが衝突した死傷事故が発生。就業中の車内で酒を飲み、運転という前代未聞の事件。ワイドショーが騒ぎ立てているように、幅員がない中でガードパイプなどの安全対策がなされていない道路行政。なかんずく、道路管理者に責任があるかのように思われますが、原因は運転者と管理監督の勤め先にあるに決まっています。特に酒好きらしく、勤務先の安全運転管理者が体調管理や規範のチェックをするべきなのに、不在らしく、ずさんな会社です。  マイカー同様、普通自動車や社内品の運送に使うトラックなどは白ナンバーで、特に乗車前の体調管理などはなく運行できてしまいますが、堅い会社は、朝礼で同僚同士や上司がアルコールチェッカーなども用いて、乗車前の体調管理をしています。  起きてしまった事故は、警察の事故処理を経て、特に人身事故になると、罰金や運転免許証の減点など、刑事処分が発生して、悪質なら取消しや数年免許の受験もできません。  そして、民事賠償になるわけで、任意保険か実費で弁償しなければならず、負傷なら120万円、重度後遺症や死亡なら3,000万円しか下りず、車両などの物損も含め実費賠償になり、社会的地位や信用の喪失、家族や家庭の崩壊にもつながります。  さて、ここで質問です。  道路の構造には、市町村道から高速自動車国道まで規格に沿って車道や歩道が整備されていますが、本市の近年行っている歩行者の安全確保については、特に取組状況はどのようになっているのか、お聞きします。  次に、こども園等の所管をされている子ども未来局長にお聞きします。  昨年の1月、滋賀県大津市へお伺いし、2019年5月に市内交差点で発生した右折車原因の死傷事故を受けて、園周辺やお散歩コースなどの安全対策について、昨年の2月議会で、我が会派の長島議員がお聞きしました。  当時の局長は、令和2年度中に在り方や方向性を検討すると答弁されました。確かに市内のこども園などの施設周辺には、ラバーポールガードパイプなどの安全施設整備は進んでいますが、視察してきたキッズ・ゾーン、路面標示など視覚にインパクトがある動きはまだ進んでいないように思います。園児が1人で登園することはありませんが、保育園教諭の引率での野外活動などの安全確保や向上が重要です。  滋賀県内では、園児たちの散歩のルートなどの緊急点検が行われ、今年3月までに、車の進入を防ぐ防護柵を整備するなど、対象の1,300か所ほどで対策工事が終わり、事故が発生した大津市では、市内の幼稚園や保育園などの周辺に500か所、キッズ・ゾーン路面標示が整備されました。  さて、本市のこども園などの施設周辺での安全確保として、改めてキッズ・ゾーンの概要と、現在の進捗状況をお聞きします。  引き続き、児童生徒の安全対策について、教育局長にお聞きします。  私も2人の息子がおり、父も私も通った地元の小学校へ通学させました。10歳離れての兄弟なので、自治会の保護者で実施している通学路、横断歩道の旗振り当番をそれぞれフル6年、計12年やらせていただきました。  小学校に入学した途端、1人で通学するわけで、本人はもちろん、保護者も心配の中、学校生活がスタートします。より安全なコースを通学路として選定し、まずは安全施設の学校を目指すのですが、その通学路で故意や不注意からの交通事故に巻き込まれるのは想定外です。そもそも学校は、学校保健、学校給食、学校保健教育の3領域の安全な場所なので、登校から下校までも管理下として安全確保の観点から、交通安全指導や通学路の点検なども行う必要があると思います。  そこで質問です。  児童生徒の通学路の交通安全対策として、どのような取組を行っていますか。  以上が1回目の質問です。 5 ◯副市長(本田武志君) 歩行者の安全対策における取組状況についてお答えいたします。  これまで、歩行者の安全対策につきましては、歩道整備など様々な手法により継続して取り組んでまいりました。特に、小学校から半径500メートル以内の通学路におきまして、グリーンベルトなども併せた歩行空間整備を3次総に位置づけ、進めておるところでございます。  また、令和元年、滋賀県大津市で発生した交差点事故を受け、緊急的な事業として、交通量の多い主要な交差点や、未就学児のお散歩コースにおける安全対策を実施しております。  主要な交差点における対策については、歩行者を車両から守る防護柵などを設置し、未就学児の対策につきましては、保育施設、警察、道路管理者による緊急点検を踏まえ、区画線、路面標示及びラバーポールなどの設置を進めております。これら約350か所の緊急対策は、令和3年度中に完了する予定でございます。  さらに、本年、千葉県八街市において通学路の事故が発生したことによる文部科学省国土交通省、警察庁の3省庁からの通知を受け、関係機関と連携し、総合的な安全対策を進めてまいります。  今後も歩行者の安全確保のため、より一層、交通安全対策を推進する所存でございます。 6 ◯子ども未来局長青野志能生君) キッズ・ゾーンの概要と現在の整備進捗状況についてですが、キッズ・ゾーンは、こども園の散歩などの園外活動時における安全確保を図るため、園児が利用する道路面に、キッズ・ゾーンと標示するなどして、近くにこども園があること、また散歩などで利用する道路であることを自動車の運転手に周知し、安全運転を呼びかけようとするものです。  本市では、各園が園外活動時における安全対策には努めておりますが、キッズ・ゾーンを設定し、自動車の運転手に注意喚起を行うことで、さらに園児の安全を確保することができると考え、キッズ・ゾーンを導入することといたしました。  導入に当たっては、市立・私立の各園の周辺道路状況を踏まえ、必要な箇所にキッズ・ゾーンを設定してまいりますが、まずは、市立園をモデル園として、効果の検証をしながら、今後の展開を検討していくこととし、本年度は、瀬名川こども園東新田こども園の2園をモデル園といたしました。  モデル園での整備の進捗は、警察、道路部局との協議や地域住民への説明を経て、道路の路面標示、路側帯と交差点のカラー化等を順次行ったところで、来月10月からキッズ・ゾーンの運用を開始いたします。 7 ◯教育局長(青嶋浩義君) 児童生徒の通学路における交通安全対策についてですが、児童生徒が安全に、かつ安心して通学できるためには、教育委員会、学校、道路管理者、警察などが連携して、通学路における交通安全を確保することが重要です。  そのため、本市では、平成26年度から、通学路交通安全対策協議会を設置し、安全対策の方針や実施計画などについて協議しております。この協議会の下、3区ごとに設置された作業部会では、各学校の通学路の危険箇所について安全対策を検討し、現地での合同点検などを通して、ハード・ソフトの両面から、通学路における交通安全対策を積み重ねてまいりました。  具体的には、ハード面の対策として、安全な歩行空間を確保するため、グリーンベルトラバーポールを設置したり、ドライバーに速度を落とすことを促す路面標示を設置したりするなどの対策を行っております。また、ソフト面での対策では、通学路の変更や、交通安全協会による交通安全教室を通して、交通ルールやマナーの指導などを行っております。  本年度は、千葉県八街市の交通事故を受け、大型車の進入が多い箇所など、文部科学省から示された視点を踏まえた通学路の点検を、例年より時期を早めて実施し、130か所の危険箇所を把握しました。さらに、その把握した危険箇所に具体的な対策を講ずるため、既に合同点検を始めており、グリーンベルトの設置や路面標示、児童生徒への交通安全指導など、具体的な安全対策に取り組んでおります。  今後も、児童生徒が安心して通学できるよう、関係機関と連携し、通学路における交通安全の確保に努めてまいります。   〔大石直樹君登壇〕 8 ◯大石直樹君 御答弁ありがとうございました。  意見・要望は、3回目で述べさせていただきます。  次に、災害対策ですが、熱海の土石流災害後、本市も盛土総点検をされ、15メートル以上の盛土は存在しないと説明を受けました。一安心ですが、オクシズにある葵区の有東木や清水区の吉原なども急勾配地に住宅がありますが、造成地ではないため、観光地の日本平を有する有度山周辺の開発住宅がどうかというのをお聞きします。  久能海岸に面する地域以外は、駒越地域から草薙を経て、小鹿や大谷まで閑静な住宅地が造成されています。  ここで、都市局長にお聞きしますが、大規模盛土造成地の点検結果と今後の取組はどのようになっていますか。  次に、熱海の盛土や浜松市で完成した津波防潮堤、中にはタイヤなどの産業廃棄物が過去の遺物で混ざっていたと報道されていましたが、このような不法投棄の事例が後を絶ちません。  そこで、環境局長にお聞きしますが、このような造成工事で搬入された土砂等に産業廃棄物が混入していたという報道がありましたが、造成工事に限らず、そもそも廃棄物の不法投棄に対する監視体制はどのようになっていますか。  令和3年度も自然災害の脅威にさらされている昨今で、本市の組織改定として危機管理総室が市長部局に編入されたことは、「防災・減災が政治の主流に」を掲げる公明党としては、歓迎する体制です。政治も安定、日々の生活も安穏を市民は望んでいます。  7月3日の熱海市伊豆山の土砂災害で、熱海市と県は、5日には行方不明者64人を公表しました。これはスピード感ある勇気ある決断と評価します。結果、翌日には正確な25名に激減し、捜索の効率化につながりました。緊急時では、家族等の同意を得る時間はなく、救出活動のため必要と決断したときは有効だと思います。  ただし、ストーカーやドメスティック・バイオレンスなどの被害者で、加害者から逃れるなどの住民基本台帳閲覧制限措置対象者は公表しないと、熱海市の対応を受けた自治体も、災害不明者氏名原則公表基準を見直しているそうです。  行方不明者の氏名公表については、国の防災基本計画にも規定がなく、これまでも自治体の判断に委ねられてきていて、トップの英断が求められます。  ただし、死者については、公表に家族の同意が得られなかった場合などは公表しないなど、配慮と判断を議論していく必要があると思います。  さて、危機管理統括監にお聞きします。  災害発生時における行方不明者の氏名公表について、本市はどのように考えていますか。  次に、教育行政について2点お聞きします。  春先に保護者の方々と懇談する機会がありました。ICTツールのタブレットや普通教室のエアコン整備完了など話題はいろいろありましたが、2人の母親から小さな声を聞きました。それは、御自身の児童が食物アレルギーだということ。  1人の子は、鶏卵、牛乳、小麦、そばなど、主要な栄養素や主食になるものがアレルギー対象で、学校は自校式の給食室調理のため対応できず、毎日弁当を作り、持参させているのですが、これが大変で、給食のメニューを熟読し、見た目も似たような色合いや配列のように工夫し、極力他の児童との差がないように頑張っているそうです。  もう1人の方も、ゴマや調味料の成分アレルギーのため、例えばおいしい大学芋などの副食は、ゴマを除去した大学芋を持参させたり、調味料に注意したりと工夫しているそうです。仕事もしており、早朝に起床し、我が子の弁当作りや家事をこなし、共働きで出勤されていく毎日だそうです。  それをお聞きし、学校給食課給食センターの視察を申入れしました。保護者2名も同伴され、駿河区の西島学校給食センターを訪問しました。  清潔感ある建物に入り、2階で簡単に座学を受け、PFI手法による施設の設計、建設、管理、運営説明を受けました。2階の見学エリアより、1階の作業風景とアレルゲン除去食特食調理室を説明いただきましたが、調理エリアは空調管理が行き届いた中、完全防備な白ユニフォーム姿で、ドライフロアをてきぱきとした作業と連携の取れた集団動作で調理をされ、ダイナミックな感動すら覚えました。  1階に下り、食材の搬入口や配送室の徹底した衛生管理を見学し、すばらしい施設だと理解しました。本来の目的である食物アレルギー対応給食について質疑応答の時間も取っていただき、有意義な時間でした。  自校式の給食室では対応できない理由も理解でき、同伴の保護者も、市内全校が対応するセンター方式の整備を望み、給食センターを後にしました。  さて、ここで質問です。  食物アレルギーを抱える児童生徒の現状と対応はどのようになっていますか。  私は一昨年春、地元の清水第四中学校の新装された給食配膳室を視察させていただき、さらに秋には、清水入江小学校の自校式給食室と残菜の視察を行い、栄養士や調理員の方々と懇談させていただき、食育にすごく情熱を傾けておられる担任のクラスは、残菜がほぼないことを確認しました。そして、今回の給食センターの視察になりますが、おいしい給食を提供するために、教員のみならず、栄養士、調理員、食材の納品業者、配送員の皆さんの努力の一端をかいま見ました。  そこで、清水区における学校給食センターの整備に向けた検討状況はどのようになっておりますか。  これが最後の質問です。  5月28日に教員による児童生徒への性暴力対策を強化する教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律、通称わいせつ教員対策法が議員立法で成立しました。これは、わいせつ行為などで懲戒免職になった教員が免許の再取得申請をした場合、都道府県教育委員会に交付拒絶の裁量を認め、学校現場で子供たちの安全安心を最優先に守る意義として、この新法制定の意義は大きく、教員の優先的な立場を悪用し、心身に生涯消えない深い傷を負わせる行為は断じて許せません。  現行では、免職後3年たてば再取得できた点で、処分歴を隠し、他の自治体で教職復帰してわいせつ行為を繰り返す悪質ケースが問題になっていました。  さらに、わいせつ行為には、同意の有無にかかわらず、刑事罰の対象にならずとも、児童生徒性暴力と定義し禁じ、わいせつ行為で免許失効した者の情報を国がデータベース化することも規定。これは教育委員会が再交付を拒むことを柱に、自公でワーキングチームが取りまとめ、与野党の合意形成を図りました。  ただ、各地の教育委員会により判断のばらつきが生じるおそれがあるため、文部科学省が具体的な運用基本指針を策定していくそうです。  ここで、本市における教職員に対する性暴力根絶に向けてどのような対策をしておりますか。  以上が2回目の質問です。 9 ◯都市局長(宮原晃樹君) 大規模盛土造成地の点検結果と今後の取組についてですが、大規模盛土造成地とは、崩壊により大きな被害が生じるおそれがある盛土造成地として、変動予測調査や防止対策を推進する国土交通省宅地耐震化推進事業の対象となる造成地で、盛土面積が3,000平方メートル以上の谷を埋めた造成地や傾斜地に高さ5メートル以上盛土した造成地が該当します。  本市では、主に有土山山麓などで宅地造成された42か所の大規模盛土造成地が存在することを把握しています。  7月に実施した緊急点検では、宅地地盤や擁壁・のり面の変状、水抜きパイプの状況、濁水や湧水の流出などについて、職員の目視による現場確認を行い、該当する全てで、大雨による異常がないことを確認いたしました。  引き続き、毎年、梅雨前に定期点検を行うほか、市民の皆さんからの情報提供などにより、異常箇所が発見された場合は、速やかに管理者へ情報提供などを行ってまいります。  大規模盛土造成地に係る取組については、国土交通省が示す事業手順に従って順次進めており、今後は、安全性を把握するために、地下水位や地質等の詳細調査を進めていきたいと考えています。 10 ◯環境局長(藪崎 徹君) 廃棄物の不法投棄に対する監視体制についてでございますが、まず、産業廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律におきまして、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェスト制度の運用によりまして不法投棄を防止し、適正処理を担保する仕組みがございます。  加えて、本市におきましては、不法投棄防止のため、幾つかの対策を実施しております。  まず、山間地等廃棄物不法投棄監視員制度では、人目の届きにくい山間部や海岸部におきまして、35地区135名の方に監視活動をお願いし、不法投棄の防止につなげております。  また、市職員による廃棄物監視機動班では、過去に不法投棄や不適正処理のあった箇所のパトロールを毎週2回実施するとともに、廃棄物減量等推進員をはじめ、市民の皆さんからの通報や苦情にも随時対応するなど、不法投棄の未然防止と早期発見に努めております。  さらに、年2回の消防ヘリコプターカワセミを活用した高所監視により、陸路からでは確認困難な山間地等での不法投棄を監視しております。  今後も、監視員をはじめとした市民の皆さんと市の幅広い監視の目及び不法投棄情報が寄せられた際の迅速な調査により、廃棄物の不法投棄の抑止につなげてまいります。 11 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 災害発生時における行方不明者の氏名公表についてですが、今回の熱海の土石流災害では、人的被害の実態把握が困難であったことから、熱海市と静岡県が協議を行い、災害発生3日目の夜、県から不明者の氏名が公表されました。  氏名の公表は、本人や知人などからさらなる安否の情報を得ることが期待できるため、行方不明者を絞り込み、対象者を明確にした効果的な捜索活動を進める上で、大きな意義があったと認識しています。  一方、ストーカーや配偶者からの暴力、児童虐待の被害者など、情報を公表することで、逆に生命に危険が及ぶ可能性がある方々もいるため、災害時であっても、公表には十分な配慮が必要となります。  こうした状況を踏まえ、本年9月16日には、内閣府及び消防庁からも、災害時における安否不明者の氏名等の公表についてとの通知が都道府県宛てに発出され、公表に当たっての留意事項等が周知されたところです。  今後、災害の状況等に応じた氏名公表の方針について、個人情報に関する法令とも照らし合わせた上で、県と認識を共有し議論を進めていきたいと考えております。 12 ◯教育局長(青嶋浩義君) 最初に、学校給食に関する2つの質問についてお答えします。  まず、食物アレルギーを抱える児童生徒の現状と対応についてですが、食物アレルギーを持つ児童生徒数は年々増加しており、市内では約1,000人の児童生徒が食物アレルギーを抱えています。  症状は様々で、少量なら食べられるといった軽度な子供が多数を占めていますが、調味料に含まれているごく微量の原因食物を口にしただけでも、アナフィラキシーを起こすような重い症状の子供もいます。  そのため、学校長や給食主任、栄養士などが保護者と面談し、安全を第一に考え、子供たちに寄り添いながら個別に対応しています。  食物アレルギーの対応としては、基本的に2通りあります。  1つ目は、学校もしくは学校給食センターが、給食で使われる食材を詳細に記した献立表を事前に各家庭に配布し、子供たちが原因食物を食べないようにしてもらうことです。  2つ目は、学校給食センターが、調理段階で原因食物を除いた食物アレルギー対応食を提供することです。  この食物アレルギー対応食については、現在、一部の学校給食センターから約150人の児童生徒に提供しておりますが、他の食材と混ざらないように隔離された専用の調理室で専任の調理員が作る必要があるため、清水地区の給食を校内で調理している単独調理方式の学校では、スペースや設備の関係上、提供できない状況にあります。  なお、いずれの対応もできない場合のみ、家庭からお弁当を持ってきていただいております。  次に、清水区の学校給食センターの整備に向けた検討状況についてですが、本市の学校給食は、葵区及び駿河区ではセンター方式を、清水区では単独調理方式などを採用し、市内で異なる方式となっていましたが、平成27年度の行財政改革推進審議会からの清水区の学校給食については、センター方式への統一を検討するようにとの答申を受け、これまで、中学校においては、センターからの配食に変更するなど対応を進めてきたところです。  しかしながら、いまだ清水区の多くの小学校では、単独調理方式を継続しているため、食物アレルギー対応食の提供ができず、さらには、施設や設備の著しい老朽化も課題となっている状況であり、より安心・安全な給食の提供のため、早急にセンター方式へ移行する必要があると認識しています。  現在、将来的な児童生徒数の変動を見越した施設規模の検討や、敷地条件の整理、配送に適した建設地の選定などを進めており、早期に学校給食センターの整備が実現するよう努めてまいります。  続いて、教職員の児童生徒に対する性暴力根絶に向けての対策についてですが、教職員の性暴力は、児童生徒の権利を著しく侵害し、心身に重大な影響を与えることであり、決して許されることではありません。  本年6月の教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律の公布を踏まえ、採用時の対策、職員研修、厳正な対処など、一層の強い思いを持って取り組んでおります。  採用時の対策としては、不祥事により教員免許を失効した候補者は採用しないことを徹底するため、教員採用試験の願書に懲戒歴の記載枠を設けるとともに、合否判定において文部科学省の官報検索ツールを利用し、教員免許を過去に失効していないことを確認しております。  また、職員研修としては、平成24年度から全ての学校に、学校職員、地域代表、保護者代表などから構成する校内コンプライアンス委員会を設置し、教職員の倫理観や法令遵守の意識の高揚を図ることを目的に、SNSの私的利用に関するガイドラインの遵守など、各校の実態に応じた研修を進めております。  厳正な対処については、静岡市教育公務員の懲戒処分等に関する指針において、性暴力、児童生徒へのわいせつな行為に対する処分は免職と定め、万一事案が発生した場合にも、不祥事を起こした教員を二度と教壇に立たせないよう徹底しております。  性暴力は、被害者に生涯にわたって回復し難い重大な影響を与えるものであることに鑑み、児童生徒の尊厳を保持するため、今後も性暴力を許さない学校づくりを進めてまいります。
      〔大石直樹君登壇〕 13 ◯大石直樹君 御答弁ありがとうございました。  3回目は意見・要望です。  交通安全対策について、歩行者全般の対策は、建設局によるハード整備や教育委員会及び子ども未来局による園児・児童生徒への対策は、御答弁により理解しました。  交通事故は、交通ルールを各自が守り、ハンドルを握る者は、安全運転を常に心がけることが重要だと思います。  飲酒運転など論外ですが、全国では、昨年まで過去5年間の死亡事故が950件、重傷事故が2,049件に上ります。飲酒後の運転理由が、食事、訪問、買い物、通勤の順で、八街市の事故同様、業務も100件以上あり、悪質極まりないと思います。  今回、質問には至りませんでしたが、2日に報道された白ナンバー事業者を対象とした飲酒検知器の来春義務化の道路交通法改正案など、個人だけではなく、事業所単位の安全意識向上が図れるよう、警察や関係機関との啓発活動を強めるよう要望します。  次に、災害対策について、災害と一口に言っても、いろいろな種類があります。地震や洪水、火災や土砂災害などは自然災害に属し、自然災害以外の災害を人為的災害と言います。  飛行機事故や多重交通事故、違法建築物の倒壊、大気汚染などの公害も含め、さらに特殊災害では、放射能の漏えい、生物剤によるテロや化学工場の爆発などが社会の脅威として大きな被害を災害と呼びます。  発災時の初動判断がその後の復旧・復興に大きく影響します。一部の自然災害は、人の生活の上で起こされていることが警告されているわけで、グリーンやカーボンへ、環境やエネルギー転換に具体的な道に進化することを切に望みます。  行政監視だけでは限界があります。所管局はさらなる周知や告知活動をされ、違法行為の影響や取締りの強化を要望します。  危機管理総室は、市災害対策本部の一丁目1番地です。発災時の各局をコントロールし、情報を一元化し、決断、実行していく、さらなる準備をお願いします。  最後に、教育行政について、さきに述べましたが、学校は安全な施設と誰もが思っています。登下校の通学路まで学校の管理下であると述べている私も、友人と寄り道ばかりの通学が楽しい思い出に残り、少し違和感がありますが、それは昔のよき思い出として、現在は習い事などのために直行下校が原則で、重交通量の交差点なども抜けて帰宅になりますが、つじつじに、蛍光ベストを着用し、見守り活動をされるスクールガードの皆様がいるだけで安心感が増します。アクティブシニアの活用など、地域づくりの再編も含め、局を横断して、未来の児童生徒を育ててほしいと思います。  学校給食は、文部科学省の学校給食における食物アレルギー対応指針に沿って、食物アレルギーを有する児童生徒にも給食を提供すると明記されており、本市の早急なる清水区への給食センター整備を要望します。  場所の選定で進まない要因もあるとお聞きしましたが、桜ヶ丘病院移転地で揺れました大内新田の土地が、四方の交通が至便によい適任地だと思いますので、ぜひ御検討をしてください。  次に、わいせつ教員対策法について、信頼する教員からの性暴力は、子供たちに回復し難い一生の傷を負わせてしまいます。特に低学年や障害のある児童生徒は理解できなかったり、訴えることが難しかったりする場合があり、卑怯な行為です。  交通違反を何度も起こし、累積点数で免停になる運転免許以上に教員免許は貴重なものですが、性癖異常の教職員は一発取消ししかありません。子供の健やかな成長と人権を守るため、教育局の引き続きの対応に期待をします。  余談ではありますが、現在、公明党女性国会議員からの強い進言もあり、上川陽子法務大臣が性犯罪規定の厳罰化をめぐり、省内の検討会から法制審議会へ諮問し、特に10項目において議論を求める指示をされております。  1項目めに教師と生徒というのも含まれており、こそくな性犯罪者に対し、実態に即した対処を望まれる大臣の強い決意と、ジェンダーバランス後進国の国内法の前進を大いに期待します。  以上で全ての質問を終了します。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 14 ◯議長(鈴木和彦君) 次に、児嶋喜彦君。   〔児嶋喜彦君登壇〕 15 ◯児嶋喜彦君 志政会の児嶋喜彦です。  通告書に従って質問させていただきます。  最初に、生活困窮者支援について質問させていただきます。  昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大により、静岡県では、8月20日から9月30日まで緊急事態宣言下となっており、飲食店や大規模集客施設に対しては、休業や時短営業を要請しており、それらに関わる従業員の収入減、場合によっては収入がなくなるケースもあり、特に非正規社員や独り親世帯の生活が苦しくなっております。  コロナ以前から生活が苦しい人たちにとっては、さらに苦しい状態となり、仕事を失ったり、住むところまで失う方もおられます。  行政としては、雇用保険と生活保護の間の層への支援として、平成27年に生活困窮者自立支援制度が始まり、全国に相談窓口が設置されました。静岡市には、葵区、駿河区、清水区に暮らし・しごと相談支援センターが設置され、各センターには専門の相談員が配置されています。  暮らし・しごと相談支援センターでは、仕事を失った方や、家賃や電気代、ガス代などが払えない方、ひきこもりの子供の心配など、様々な相談に対応してもらえますが、本当に困っている人に対して、このセンターが周知されているでしょうか。本当に困っている人への支援につながっているでしょうか。  そこで質問ですが、生活困窮者をサポートする暮らし・しごと相談支援センターをどのように市民に周知し、支援につなげているか、教えていただきたいと思います。  また、そのような周知活動をしていても、生活が困窮しているにもかかわらず、何とか自力で頑張り続けている方もおられます。  生活が困っている方から連絡をもらうだけでなく、行政から手を差し伸べる活動も必要かと思います。例えば市税を滞納している方、国民健康保険料を滞納している方など、市で把握している生活が困窮しているであろう人に市のほうから声をかける対応もできるかと思います。  個人情報の問題から、滞納状況を把握している部門から別の部門に情報を流すことはできませんが、滞納状況を把握している部門から、暮らし・しごと相談支援センターを紹介するような対応はできているのでしょうか。  そこで質問ですが、市税や国民健康保険料の収納を担当する部門と連携した生活困窮者を暮らし・しごと相談支援センターにつなげる取組についてどう考えているか、教えていただきたいと思います。  次に、発達早期支援事業について質問させていただきます。  先ほど生活困窮者の話をさせてもらいましたが、生活困窮者の中には、社会になじめず、就職も長続きせず、ひきこもり的になり、生活が困窮するケースがあります。社会になじめない1つの原因に発達障害があると言われ、未就学段階や小学校でも各種対応を実施していますが、乳幼児から発達障害の傾向を見ることができ、年齢的に早ければ早いほど、社会性やコミュニケーションの改善に効果的だと言われています。  日本では、母子保健法に基づき、市町村が中心となって1歳半健診を実施しており、子供の発育と健康状態から、身体的、精神的発達の経過を把握し、子供の発達や子育てをする養育者への必要な支援を実施しています。  1歳半健診で発達障害の可能性や経過観察の必要がある割合は15%と言われていたり、多めに見ると25%あると言われています。  養育者の中には、お子様への支援が必要と伝えても、自分の子供が発達障害の可能性があることを受け入れられず、もう少し様子を見るなど、必要な支援を受けないケースもあると聞いています。  そこで質問ですが、本市としては、発達早期支援事業をどのように進めているか、教えていただきたいと思います。  次に、公園の活用推進について質問させていただきます。  コロナ禍で特に緊急事態宣言中は、外出を控えている方が多いですが、密状態を避けた公園は、外の空気を吸えてリラックスできる場所かと思います。特に子育て世代にとっては必要不可欠な場所です。  かつての公園は、各地域に広さは様々で、特徴のある公園があり、散歩がてら徒歩で行くイメージがありましたが、近年は車を保有している家庭が多く、ベビーカーを車に積んで、いろいろな公園に足を運ぶケースが増えています。しかしながら、ある程度大きな公園でも、駐車場を備えている公園は少なく、少し離れた有料駐車場に駐車するか、路上駐車をせざるを得ないのが実情です。  そこで質問ですが、市民が公園にアクセスしやすくなるよう駐車場を整備していく考えがあるか、教えていただきたいと思います。  1回目の質問は以上となります。 16 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 生活困窮者自立支援に関する2点の御質問にお答えします。  まず、生活困窮者をサポートする暮らし・しごと相談支援センターをどのように市民に周知し、支援につなげているかについてですが、本市の暮らし・しごと相談支援センターは、生活困窮者自立支援法の施行を受け、平成27年4月から3区内に設置し、静岡市社会福祉協議会に運営委託しているもので、生活保護に至る前の段階から早期に支援を受けることを目的として、暮らしや仕事でお困りの方、不安のある方からの相談を受け、生活の立て直しの支援を行っています。  本市では、区役所の市民相談室や福祉事務所の職員、また地域福祉の担い手である民生委員などが相談を受ける中で、必要に応じて当センターを紹介し、生活にお困りの方が必要な支援を受けられるよう取り組んでいます。  また、このほか、ホームページや冊子等の配布などの広報による周知活動も行っています。  次に、市税や国民健康保険料等の収納を担当する部門と連携した暮らし・しごと相談支援センターにつなげる取組についてですが、市税等の収納を担当する職員は、経済的に困窮する方の声に接する機会が多いことから、これらの職員が納付相談などの際に、福祉事務所と連携して、暮らし・しごと相談支援センターを案内することは、生活にお困りの方を必要な支援につなげる上で大変効果があると考えます。  現在、市民相談室や福祉事務所等から暮らし・しごと相談支援センターへつなげる取組を行っていますが、今後は、市税等の収納担当部門とも連携して、生活にお困りの方が必要な支援を受けられるよう進めてまいります。 17 ◯子ども未来局長青野志能生君) 発達早期支援事業をどのように進めているかについてですが、子供の発達において、1歳半から2歳頃までは、脳の発達が柔軟で変化が起こりやすく、特に重要な時期と言われております。  そのため、本事業では、この時期にコミュニケーションや社会性などの子供の発達を促すことを目的とし、個々の成長に合わせた声かけや自由遊びを通した支援を行っております。  まず、本事業では、1歳半健診時に言葉の遅れや行動面で気になる子供については、保護者に対して、臨床心理士や保育士などの専門職が保護者の不安に寄り添いながら、子供の特性に応じた支援を行う、あそびのひろばへの参加を促しております。  あそびのひろばの終了後にも、関わりが必要と判断した場合は、二次支援の場である、ぱすてるひろばにつなぎ、続けて支援を行っております。  令和3年度は、それぞれ各区2か所ずつの市内6か所で開催し、年間最大各240人の子供の受入れを想定し、事業を実施しております。 18 ◯都市局長(宮原晃樹君) 公園に駐車場を整備する考えについてですが、6月議会における松谷議員への答弁のとおり、旧静岡市における公園整備は、主に、公園数が不足している地区に、徒歩圏内の住民の方の利用を想定した住区基幹公園の配置を目的として事業を進めていたため、多くの公園には駐車場がない状況にあります。  しかしながら、近年では、自家用車による遠方からの来園やお子様連れでの来園ニーズが高まっており、これら市民の皆さんの御要望に応えるためには、住区基幹公園であっても、規模が大きい公園や大型遊具が整備されているなど特徴のある公園には、駐車場の整備を検討すべきであると考えております。  今後は、公園利用者の利便性向上に向け、駐車場整備の御要望のある公園に関しては、来園者のアクセス手段や敷地の利用状況などを勘案し、駐車場の整備について検討していきたいと考えています。   〔児嶋喜彦君登壇〕 19 ◯児嶋喜彦君 それぞれに対する御答弁ありがとうございました。  質問はもう1つございますが、先に答弁いただいた項目についての意見・要望を述べさせていただきたいと思います。  最初に、生活困窮者自立支援についてです。  まずは、暮らし・しごと相談支援センターについて、さらなる周知活動をお願いしたいと思います。  市のホームページや広報紙への掲載、市の施設などでの周知はもちろん必要ですが、なかなか周知されにくいと思います。生活困窮者が立ち寄りそうな様々な場所での掲示も必要ではないでしょうか。  市民相談室や民生委員の方々を通しての周知活動もされているとのことですが、実際に困窮している人が相談してみようと思えるような周知活動をぜひお願いします。  また、市税や国民健康保険料の収納を担当する部門との連携をされていくようですが、そのほかに、給食費の収納を担当する学校職員であったり、各種福祉団体など、市だけでなく、民間も含めた周知の方法はほかにもいろいろあるかと思います。  生活が困窮し滞納されている方々が、ぜひ相談してみようと思えるような声かけができる体制づくりをお願いいたします。  次に、発達早期支援事業についてです。  静岡市の発達早期支援事業として、1歳半健診後のあそびのひろば、二次支援としてのぱすてるひろばが各区2か所の計6か所あるということで、定員は全体で240名程度、定員に合わせて声をかけているんじゃないかなと思われます。  静岡市の出生数を2020年の4,323人とした場合、支援が必要な子供が15%いるとすると648人になり、現行の定員では足りないように思います。  支援を実施する事業者の問題など、すぐに事業を拡大することは難しいですが、支援が必要である子供たちに広く声をかけられるよう、予算を確保した上で事業拡大を検討していただきたいと思います。  また、養育者の皆さんに早期発見・早期介入のメリットをしっかり伝えて理解してもらうために、子育て世代だけでなく、世間一般に広く理解してもらう必要があると思います。  あそびのひろばの言葉どおり、乳幼児の頃から集団の中に入り、今後のコミュニケーションスキルや社会性、言語発達の成長に生かせ、有用であることを広く理解してもらえればと思います。  早期発見・早期介入により、その後の人間関係や勉強でのつまずきなどの予防につながり、本人の今後の生活が改善され、養育者の負担も軽減されます。  ひきこもりなどから生活困窮者自立支援者が増えたり、生活保護となる人が増えることにより、後々の行政の負担も大きくなることから、発達早期支援事業の拡充をぜひお願いしたいと思います。  次に、公園の活用推進についてです。  市は、住区基幹公園であっても、規模が大きな公園や特徴のある公園など、駐車場整備の要望のある公園については、駐車場の整備を検討していく方向とのことですが、新たな駐車場用に土地を確保するのか、公園の敷地を削って駐車場とするのか、地域近隣の方の理解も含め課題はあるかと思います。  また、駿府城公園であれば、法務局の駐車場など、土日、祝日使っていない駐車場の利用も可能かと思いますし、そのほかに、土日、祝日に使用していない駐車場も多々あるかと思います。  国や県の施設もあり、駐車場料金であったり、管理の問題であったり、課題は幾つかありますが、使えるものは有効に使えるよう関係各所に打診してもらえればと思います。  公園ごとに対応方法や難易度が違うかと思いますので、優先順位をつけての早期対応をお願いいたします。  特に私のいる駿河区には、駐車場が整備された公園が少ないので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  また、車でのアクセスだけでなく、電動機付自転車の普及から、自転車で公園に来る家族連れも多くなっていますので、駐輪場についても整備されているところが少ないかと思いますので、盗難防止等も含めた駐輪場の整備も検討いただきたいと思います。  質問に戻りまして、最後に新型コロナ対策について質問させていただきます。  新型コロナについては、既に代表質問で多くの質問がなされましたが、私からは、今後のワクチン接種率向上に向けての対応をお聞きしたいと思います。  静岡市では、9月27日からの第4クール用ワクチンが確保でき、11月7日までに12歳以上の85%の方がワクチンを接種できる見込みとなっています。  しかしながら、ワクチン接種が先行している欧米の国では、接種率7割の壁があると聞いております。  日本では、65歳以上の接種率が既に9割近くあり、欧米よりは接種率が高くなるかと思われますが、若い人の間では、感染しても無症状や軽症であるので、ワクチン接種は不要だと思っていたり、ワクチン接種による副反応の懸念により接種したくない人がいると聞いております。  体質的に接種できない人を除き、できるだけ多くの方に接種してもらえるよう、市民の皆さん、特に若い人に感染やワクチン接種についての正しい情報を発信する必要があるかと考えます。  そこで質問ですが、ワクチン接種後の副反応情報や接種有無のリスク比較など、市民に十分な情報発信がされているか、教えていただきたいと思います。  2回目の質問は以上となります。 20 ◯保健所統括監(松田仁之君) ワクチン接種についての市民への情報発信についてですが、副反応に関する情報や接種の有無に関するリスクをはじめとするエビデンスを要する情報については、市のホームページを通じて、厚生労働省のホームページを御案内しております。  さらに、副反応に関しては、県が設置する専用相談窓口を御案内し、接種に関する市民の皆さんの不安軽減に努めてきました。  ワクチン接種に関しては、専門家の方が発信する見解など数多くの情報が様々な媒体で随時発信されております。  本市としましても、これらの情報を積極的に収集し発信することで、まだ接種されていない方の接種につながるように、若者の利用が見込まれるLINEの活用やホームページを介したタイムリーな情報発信に努めてまいります。   〔児嶋喜彦君登壇〕 21 ◯児嶋喜彦君 ワクチン接種についての御答弁、ありがとうございました。  ワクチン接種後の副反応に関する情報や、ワクチン接種有無のリスクなどの情報については、市のホームページを通じて、厚労省のホームページを案内されているとのことですが、本市としてもさらに広く市民に周知してもらえるような情報発信の促進をお願いいたします。  特に若い人については、SNSを中心としたスマホを通しての情報発信が有効だと考えます。
     静岡市のLINE公式アカウントは、私も登録しておりますが、静岡市からの情報を素早く知ることができる効果的なものだと思います。市民に広く登録してもらえるよう、例えばワクチン接種会場でLINE公式アカウントの登録をあっせんするなど、登録者を増やす活動の推進をお願いしたいと思います。  また、ワクチン接種は重症化を防ぐ効果が見られ、感染もしにくくなりますが、ワクチンを2回接種しても、自身が感染したり、ほかの人を感染させたりする可能性はあります。   〔発言する者あり〕 22 ◯議長(鈴木和彦君) 続けてください。 23 ◯児嶋喜彦君(続) 未接種の人については、感染しやすく、重症化もしやすいことから、医療の負担を軽減するためにも、少しでも接種率を上げる必要があります。  接種率を上げるために、海外では、食事や買い物のクーポンを配布したり、群馬県では抽せんで車が当たるなどのキャンペーンを実施しているようです。民間レベルでも、各種割引きを実施していますが、地域でも使えるクーポンなど、ワクチン接種率向上と地域の活性化を絡めたキャンペーン等も効果的だと考えます。  また、政府は、ワクチン接種済みなどを条件に、行動制限を緩和していく方針で、10月にも実証実験を始めるとの報道がありました。  静岡市では、9月に入り、感染者や病床使用率が改善していますが、行動が緩和されるとリバウンドが起こり、第6波が懸念されます。  7月中旬時点で第5波がこのような大きな波になると予測した人は少なく、ワクチン接種率が向上されたとはいえ、第6波がどのような規模になるものか予測できません。  今回の第5波での課題を参考に、感染が拡大したときの医療体制の確保と自宅療養者を減らすための宿泊療養施設や、酸素供給やカクテル療法などを実施できる設備の準備も整えてもらえればと思います。  また、市民の皆さんが安心して生活できるよう、検査体制の強化も重要です。お盆の頃は、民間のPCRセンターが予約でいっぱいになり、郵送でのPCR検査を実施する人も多くいましたが、簡便に実施できるPCRセンターの拡充もお願いしたいと思います。  簡易抗原検査キットは安価であり、国から自治体へ配布される分もございますが、PCR検査の事前確認など、学校や各種施設で有効に活用してもらいたいと思います。  また、学校では、人との接触機会を減らすことを目的にオンライン授業を実施している自治体もありますが、黒板の見えやすさだったり、双方向対応など課題もあるようなので、より効果的なオンライン授業を検討していただきたいと思います。  子供でも濃厚接触者となって2週間の自宅待機が必要になったり、今後、インフルエンザの流行も含めて学級閉鎖や学年閉鎖のときに、オンライン授業を活用できる可能性もあるので、パソコン貸出しや通信状態の整備もお願いします。  自宅にWi-Fi環境がない御家庭でも、Wi-Fiルーターを貸出しすることによって対応することができますので、Wi-Fiルーターの確保や通信機器対応など予算も必要となりますので、まずは検討から進めてもらえればと思います。  さらに、政府が考えているワクチン・検査パッケージには、ワクチン2回接種の証明があれば、1度の発行でよいですが、PCR検査については、何回も実施する必要があるんじゃないかと思います。体質的にPCR検査ができない人については、医療機関による証明を発行できるよう検討いただければと思います。  コロナ対策は、様々なことを考慮した事前準備と、必要なときの素早い対応が肝心ですので、広く検討と準備を進めていただくようよろしくお願いいたします。  以上で私の総括質問を終了させていただきます。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 24 ◯議長(鈴木和彦君) 次に、安竹信男君。   〔安竹信男君登壇〕 25 ◯安竹信男君 それでは、私からは2点質問させていただきます。  静岡市が暮らしやすいまち、人口は減るんじゃなくて、増えるまちになるようにという、そういうことを期待して質問するわけでありますが、昨日の代表質問の中で、市長が70万人という人口を維持するのは難しいと、こういう旨の発言がありました。もうこの目標を下げたというふうに理解したわけでありますが、創生静岡で昨日この議会の反省会をやったわけでありますが、その中で話題になったのが、70万人という目標は、これからがですね……。コロナ禍の中で社会が大きく変わろうとしていると。  さきの県知事選挙でも、川勝氏は、東京時代から静岡時代をつくるんだと言っています。静岡の人口は増やすんだと。また、全国的にも地方創生はこれからだと。大都市に集中した人口が、このコロナ禍をいかに歩ませたかということを反省の中で、地方に分散する時代、こう言っているわけであります。  市長は幾つかの答弁の中で、例えばリニア中央新幹線、共産党の質問は、環境問題に触れたわけでありますが、市長はわざわざ在来線の新幹線がひかりやその他、停車する数が増えるだろうと。いわゆる人口が、あるいは経済が静岡市に有利に働いてくるだろうと、こういう意味の答弁をしたと思うわけであります。  危機管理の問題にも幾つか矛盾がありましたけれども、市長の答弁で、人口70万人の目標を下ろしたということについては、重大な責任があるということを私は指摘しておきたいと思います。  さて、今日の私の質問は2点、これから盛土の災害の対策の問題と、ナラ菌が発生して、今、森林が危ぶまれているという、このことについて触れるわけでありますが、これも言わんことは、静岡市の都市の住民が暮らしやすい、生活しやすい、そしてよそから魅力のあるまちであるための森林地域であることを念じて質問するわけであります。  ぜひ、この人口70万人を諦めたということについては、大きな反省を促して、質問に入ります。  さて、盛土と災害についてであります。  この夏、7月3日の梅雨前線に伴う豪雨によって、熱海市の伊豆山地域を流れる逢初川で想定外の土石流が発生しました。死者26人、損壊家屋131軒という多大な災害が発生したわけであります。被災された皆様方にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く日常生活を取り戻し、安全が約束される新しいまちの復興を心より祈念申し上げる次第であります。  我が国には、1年を通して日本特有の四季があります。春夏秋冬のこの季節の移り変わりは、本当に世界に自慢すべきものであります。  近年は、台風シーズンだけでなく、積乱雲群の線状降水帯の居座りによって、貴い人命や家屋を失うといった大変な洪水が頻繁に発生しております。  一方で、地球規模で申し上げるならば、温暖化現象によって、世界では大きな山火事が発生したり、干ばつがあったり、モンスーンなど大きな災害が発生しております。  さて、このたびの熱海市伊豆山地域で発生した土石流災害は、都市部の開発行為で発生した土砂の搬入による盛土の量が規制を超えていたことが判明し、静岡県と熱海市の監督責任が問われる事態に発展しております。  この重大な災害の原因究明が急がれる中で重要視すべきは、川勝知事が土採取等規制条例の規制に甘さがあったことに言及し、熱海市の齊藤 栄市長は、盛土した事業者が条例に基づく届出をしないなど、再三にわたる市の指導に応じてくれなかったということを明らかにしております。また、条例に基づく命令を出すべきだった、あるいは法に基づく命令を出すべきだったかもしれないが、残念ながら強制力がなかったと、こう指摘しているのであります。  私もさきの議会で質問いたしましたけれども、藁科川上流域の現場を何回か視察してまいりました。ダンプカーによる搬入と重機による盛土作業の様子は、人と自然、森や渓谷との向き合いに違和感を覚えたのであります。納得いかない現状を目の当たりにしたわけであります。  この時点で、県条例による届出の受理と市の立入調査の内容に、私個人としては若干の甘さがあるんじゃないかと直感したのであります。  ここで伺いますが、静岡県土採取等規制条例において対象となる盛土の定義と届出内容はどのようなものか、お伺いいたします。  次に、大項目の2点目であります。  ナラ枯れ被害と防除対策についてお伺いしてまいります。  近年、地球温暖化の影響と思われる異常気象が各地で起きており、本市も昨年7月の記録的な長雨や8月の猛暑は、記憶に新しいわけであります。このような気象状況の影響ではないかと思うのでありますが、一昨年頃から市内中山間地の森林を中心にナラ枯れという症状が目立つようになりました。  そもそもナラ枯れ症状は、全国的な広がりを見せておりました。平成22年頃がピークだったと言われますが、それから減少傾向にもあった時期があります。静岡県内でも、令和に入って増加傾向にあるわけです。  ナラ枯れというのは、カシノナガキクイムシというのが、小っちゃな虫ですが、媒介するナラ菌により、ミズナラなどナラ、カシ、シイ類など、成木が発症する樹木の病気であります。本市においては、昨年あたりからナラ枯れ病が玉川地区や藁科川流域の林地に広がり、さらには、最近、井川高原地内にも、このドングリの実のなるナラやカシ、クヌギの木の被害が目立つわけであります。  オクシズ地域の県道、市道をマイカーで走りますと、濃い緑の森林の中に枯れ木が目立つわけであります。これがナラやカシ、クヌギの木であります。場所によっては、集団的に枯れている林が目立つわけであります。この数年で倍増していると地元では騒いでおります。  ここで伺いますが、市内における被害状況はどのようなものか、お伺いいたします。  以上、一問一答ですので、自席に戻らせていただきます。   〔安竹信男君質問席へ移動〕 26 ◯都市局長(宮原晃樹君) 静岡県土採取等規制条例において対象となる盛土の定義と届出内容についてですが、条例の対象は、施工面積が1,000平方メートル以上かつ土の量が2,000立方メートル以上を造成する盛土行為となっています。  届出者は、規則で定める採取の目的、採取場所、施工期間、土採取計画図、運搬方法及び跡地の整備計画図などが記載された土採取等計画届出書を着手する30日前までに静岡市長宛てに届け出ることになっております。  市は、提出された書類について、盛土や切土の形状、排水計画などを規則で定められた技術基準に照らし合わせた上で受理書を交付しております。 27 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 市内におけるナラ枯れ被害の状況についてですが、議員御案内のとおり、ナラ枯れは、コナラなどブナ科の樹木がカシノナガキクイムシによって媒介されたナラ菌に感染して枯れる病気で、静岡県の情報によりますと、平成27年度に市内で初めて確認されております。  本年8月に実施した市内3森林組合への聞き取りでは、本市中山間地域において、昨年夏には局所的なナラ枯れが複数見られるなど被害が顕著であったものの、本年は昨年ほどの被害は認められず、また面的な広がりも見られていないと聞いております。 28 ◯安竹信男君 御答弁をいただきました。  政府は31日の閣議で、熱海市伊豆山で発生した土石流など、5月から7月にかけての梅雨前線による大雨被害を激甚災害に指定することを決定いたしております。  報道によりますと、国の全国一斉盛土調査において、静岡県は1,857か所を調査対象に挙げ、土砂流出のおそれがある箇所343か所を点検し、行政指導を進めていくようであります。  いよいよ全国の地方自治体が盛土現場の恒久的な安全対策に本腰を入れて取り組むことになったと言えましょう。  これまで国の経済活性化政策に乗じた都市開発事業などで発生する大量の産業廃棄物の処分先が、林業が低迷の途にある特に山間部の人目につきにくい場所が選ばれ、その盛土事業を県が許認可するといったこの制度、私は長い間、疑問を抱いてまいりました。  本市も7月5日から30日にかけて緊急点検を実施し、その結果が8月5日に報告されました。点検は林地の開発や廃棄物最終処分場、太陽光発電設備の設置に伴う盛土造成地にも及び、合計203か所の点検をしたと報告の内容は、全て問題はなかったと報告されております。  ここで改めて伺いますが、土採取等規制条例における現在施工中の場所と状況についてどうなっているか、お答えください。 29 ◯都市局長(宮原晃樹君) 現在、土採取等規制条例に伴う土採取行為が行われている場所は、葵区において井川、田代、足久保、楢尾など9か所と駿河区大谷、清水区宍原、広瀬の合計12か所であり、市は、届出者が行っている施工状況を把握し、届出に基づいて事業が実施されているか指導しています。  土採取の目的は、建設工事等の発生土置き場が11か所、農地造成として1か所の届出となっています。  7月の大雨後には提出書類を再度確認した上で、職員の目視による緊急点検を実施し、地盤の変状、沈砂池の管理状況、濁水の流出など異常がないことを全ての箇所で確認しました。 30 ◯安竹信男君 大体の場所は私も把握しておりますが、確認のために、井川、また田代、私の地元が出ているわけでありますが、これはリニア関連の盛土の関係だと思います。  質問ということではありませんので、もしそうでなかったら、そうでないと、一言、都市局長、お願いします。よろしいですね。  本市が実施した緊急点検の実施計画の報告によりますと、許可、届出内容との整合、盛土部の崩壊や湧水等の異常の有無を確認したこと、大規模崩壊などのおそれがある地盤の変状は確認されなかったというようなことを報告しているわけであります。  熱海市の盛土崩壊と土石流を教訓として、本市における盛土現場の安全対策というのは、これから重点的でなければならないと思います。つまり現地調査と改善命令などは、僕は見直すところがあるんじゃないか、こう思うわけであります。  齊藤市長が、盛土した事業者が条例に基づく届出をしないだとか、再三にわたる市の指導に応じなかったと。このことは、私はどこの自治体にもないわけでない、あり得ることだということを心配しているわけであります。  行政として厳しい指導ができなかったということのないようにしっかり取り組んでいただきたいと思うのであります。  9月8日の報道では、県が343か所の盛土、現地を緊急点検し、その結果、82か所でのり面の崩壊や排水施設の詰まりなどの異常を発見したと言っているわけでありますので、この本市、静岡市においてもないというのが私はむしろ不思議なんですが、なければ幸いだと、こう思っているわけであります。  ここで伺いますが、土採取等規制条例に基づく完了後の手続と管理はどのようなものか、お伺いいたします。 31 ◯都市局長(宮原晃樹君) 届出者は、土採取行為完了後、完了届や写真帳などの関係書類を静岡市長宛てに速やかに提出することとなっています。  市は、提出された書類を精査し、また、写真等で確認が困難な場合は届出者と現地立会いを行った上で、事業が計画のとおり完了していることを確認しています。  完了後の跡地は、その土地の所有者の責任において管理することとなりますが、大雨といった異常気象や市民の皆さんからの情報提供があった際には、市も現場確認を行い、異常が発見された場合には、所有者への情報提供及び指導を行っています。 32 ◯安竹信男君 皆さんのお手元に、このような資料を配布させていただいております。  これは藁科川上流の現場です。これを施工している事業所社長とは、私は駿府城を再建する問題等、まちづくりの勉強会で共にするよき仲であります。  どうあっても、現場は現場、安全対策はしっかりしなきゃいけないということで、あるときは厳しく、あるときは優しく対応しているわけでありますが、ここで私は何を言わんかということであります。  この命の道と言われるこの奥には、町内があるんですが、この舗装がこうやって傷むわけであります。これ1点。  ここに看板が出ています。これが届出です。これは認められているわけであります。ここで言いますと、平成28年10月から令和5年あたりまで、丸々5年間、このところに土砂が運ばれるという、こういうことであります。  地元の人たちは、ここを見て、一体、将来、ここはどうなるんだと、こういう心配をしていたわけであります。  ところが、届出書を見ますと、この盛土が終わるときには、ちゃんと盛土の部分には安全対策を施し、そして木を植えたり、草を生やしたり、ヨモギとか、書いてありますけれども、そういうことをするんだよと、こういうことを約束しているわけですね。  だから、私は、社長に話したんです。社長、せっかくそういう最終的な計画があるんだったら、それを看板に出して、このほかの看板と一緒に出すべきだと、こう言ったんですね。そうしたら、最初、その必要性があるのかどうかと悩んでおりましたけれども、結果、2週間ほどしましたら、私のところに電話がありました。安竹さんの言うとおり、こんな看板を出しましたということです。これは私が言って、事業者が納得して出した看板です。これを見て、地元の人たちは、ああ、そうか、こういう形で、私たちの地域に新しい山を造ってくれるんだ、自然を再生してくれるんだと、こういうことで安堵したわけですよ。これは皆さん、だてに提示したんじゃないです。安竹の功績を紹介してほしいと思って出したんです。  それから、現場にはこういったものをしっかり出す。ここが一番大事だということを出さなきゃ駄目。太陽光発電の問題もまだ途中でしょう。あれも悪いことをやっているわけじゃないんですよ。そういったことをきちっと地元には、こういうふうにしますというものを出さないからおかしいんです。ちょっと時間がありませんので。  さて、中山間地域では、農林業の作業の効率化を図るために、作業道や林道を開設しております。市長が会長で林道推進協議会もあるわけでありますが、本当に全体的には、静岡市の林道の長さは、分かりやすく言うと、静岡駅から姫路駅まで約480キロ、この総延長、静岡市が造った林道は480キロあるんだと、こういうことを一度申し上げましたけれども、そういう状況です。  この林道を開設するには、この発生残土をどこに処理するか、これは非常に問題です。なるだけ安価にやりたい。安い金額で、予算で、なるだけ1メートルでも長い林道を造りたい、これが当局の努力です。  ここで伺いますけれども、この林道開設で出る残土について、どのようなことをしているか、お伺いしたいと思います。 33 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 農道及び林道の開設工事の発生残土については、本市が工事を発注する段階で場所を指定して処分しています。  農道の場合は、工事箇所の沿線が耕作地であり、処分場所を確保することが困難であるため、民間の処理場で処分しています。  一方、林道の場合は、林道沿線の地権者の協力を得て、比較的勾配の緩やかな場所を確保し、雨水排水等の対策を考慮した上で処分しています。  なお、林道沿線に残土を処分する適地が確保できない場合は、農道の場合と同様、民間の処理場で処分しています。 34 ◯安竹信男君 本当に私も、林道といえば、しょっちゅう出入りするわけでありますので、地元の皆さんのことをよく理解して、処分がなされているんだということを確認しておりますが、これからもそのことを十分留意して頑張っていただきたいと要望しておきます。  本市においては、盛土の現地調査を頻繁に実施することが必要です。頻繁にです。届出内容に準じて的確に作業がなされているか、これも定期的に審査する必要があると思います。  今ここに提示しましたけれども、今の状態は、ここにただただ残土を捨てているような環境ですが、これを将来、こういう形で盛土して整地し、いわゆる植林ができる、あるいは草場にできるような、この形にするというのは、やはり年次があるわけです。この年次ごとにしっかり審査する、このことを言いたいわけであります。  県の下請的な盛土政策にならないように、いやしくも政令指定都市です。盛土現場とその周辺住民に最も近い立場にある、最も頼りにされるのが、この静岡市政でありますので、関係する当局の皆さんは、30年、50年先を見通して、安全点検、あるいは改善命令など、優しくも厳しく実行されることを要望しておきます。  さて、次にナラ枯れの対策について質問してまいります。  オクシズ地域では、コナラはシイタケ生産に必要な樹木で、杉やヒノキとは別格の存在でありました。原木シイタケ生産者は、猿や鹿の食害を受けて、いわゆる野生鳥獣の被害で、ほとんど今やらなくなってしまいました。  このシイタケというのは、高い値で売れて、経済を支えていたんですよ。それができなくなった。林地内のほだ場におけるシイタケ生産ができなくなったということは致命的です。  コナラが直系20センチぐらいですね。これが一番シイタケ生産に使いやすい、これが活用されなくなったということです。ですから、コナラの木は山の中でどんどん大きくなるばっか、これがこのコナラのいわゆるナラ枯れ被害の標的になっていると、こういうことであります。  コナラ枯れの被害が一度収まったと、収束していると、こういうふうにお聞きしておりますけれども、まだまだこれは拡大する心配があります。  ここで伺いますが、今後の被害拡大についてどのように考えているか、お答えください。 35 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 静岡県森林・林業研究センターにおいて、ナラ枯れに関する幾つかの知見が示されております。
     1つ目は、年数を経た太い木が被害を受けやすいこと。  2つ目は、カシノナガキクイムシに入り込まれた木のうち、ナラ枯れが発生する割合は、主に被害を受けるコナラで2割から3割程度であること。  3つ目は、終息するまでの期間が3年から5年であることなどです。  これらの知見や森林組合からの聞き取り内容などから、本市としましても、今後は市内におけるナラ枯れ被害は大きく広がる傾向にないと考えておりますが、改めて現地調査を行い、現状を確認してまいります。 36 ◯安竹信男君 ナラ枯れの被害というのは、先ほどもちょっと触れましたが、太い木が多いわけであります。民家や道路に近い場所で成長したものは、台風などの強風で倒れたり、枝が折れて落ちたり、人的被害を心配する地域住民の声が届いております。  ナラ枯れの伝染予防を踏まえて、伐採処理など早急な対策が必要なこともあります。樹齢数十年と言われるこの被害木、この所有者が負担するということは、あまりにもその負担が大き過ぎじゃないかと、こう悩んでいる地主の方もおられます。  ここで行政の支援が求められるわけでありますが、熱海市、御殿場市や小山町では、ナラ枯れ被害が町内全域に及んでいることから、ナラ枯れ対策事業の内容に鑑みた補助金を交付しております。 37 ◯議長(鈴木和彦君) 時間があまりありません。急いでください。 38 ◯安竹信男君(続) そこで伺いますが、倒れるおそれのある被害木への対応についてどう考えているか、お答えください。 39 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 民家周辺や道路沿いなどでは、被害木が倒れることにより、市民生活への危険が及ぶ可能性が高いため、伐採等の対策が必要であると考えております。  そのため、現地調査等により早急に状況を把握した上で、対策について、静岡県や他市町の状況も踏まえ検討してまいります。 40 ◯安竹信男君 車や歩行者が危険だというような要望も出ております。また、隣接する人家など人に危険を及ぼしたら困るといって悩んでいる地主もおられます。どうかこの補助事業を積極的につくっていただきたい、こう思うわけであります。  この3つの例はありましたけれども、この補助対象は、ナラ枯れの伐倒、破砕、運搬、これに必要な経費を対象として、その2分の1を見ようとしているわけであります。上限が20万円ということで、大した金ではないわけでありますが、ぜひこのことを留意して、一日も早く森林組合を通して、この補助対策を…… 41 ◯議長(鈴木和彦君) あと1分です。 42 ◯安竹信男君(続) するようにお願いしたいと思います。  最後、貴重な50秒であります。  最後になりましたけれども、リニア中央新幹線建設の事業が進行する中で、JR東海が360万立米の残土処理を大井川の上流部に指定しているわけでありますが、これは有識者会議でその危険性が危ぶまれております。これについて、ぜひユネスコエコパークの自然環境を守るという意味で、市長も熱心に考えておると思いますけれども、JR東海に対して、この安全対策をしっかり要望していただくことを心からお願いを申し上げます。  御清聴ありがとうございました。 43 ◯議長(鈴木和彦君) この際、暫時休憩いたします。         午前11時40分休憩    ───────────────────         午後1時再開 44 ◯副議長(山根田鶴子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、島 直也君。   〔島 直也君登壇〕 45 ◯島 直也君 皆さん、こんにちは。自由民主党静岡市議団の島 直也でございます。  去る8月8日から静岡市において、まん延防止等重点措置が適用され、8月20日からは、静岡県内において緊急事態宣言が続いております。新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向にあるものの、いまだ収束の見通しが見えない中、医療の最前線で対応に当たってくださっている医療従事者の皆様には、心から敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げます。  また、感染症によりお亡くなりになられた方々には、謹んでお悔やみを申し上げるとともに、罹患された皆様に対し、一日も早い回復をお祈り申し上げます。  私ごとではありますが、緊急事態宣言の発出に伴い、8月に予定していた結婚式が昨年に続き2度目の延期となってしまいました。大変残念ではありますが、コロナワクチンの接種率の向上が市民の生活の安心・安全とコロナの収束につながると思っておりますので、接種を希望される方々全員が一日も早く接種できるように、行政一丸となって進めていただきたいと思います。  それでは、通告に従いまして、静岡市のデジタル化の取組について、アフターコロナを見据えたシティプロモーションについて、以上の2項目について順次質問させていただきます。  今回の質問のテーマは、アフターコロナです。新型コロナ感染症の感染拡大に伴い、緊急事態宣言等で経済活動が停滞し、市民の不安が募る中、万全なコロナ対策を実施することはもちろんですが、アフターコロナの社会を見据え、新たな未来像を提案し、明るい話題を市民に提供していくことも、行政が担う重要な役割だと思っています。  まず初めにお聞きするのは、静岡市のデジタル化への取組における静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクトについてであります。  昨日の自民党代表質問でも、望月俊明議員がデジタル化、デジタルトランスフォーメーションについて質問されましたが、私からも、静岡市のデジタル化への取組について何点か質問させていただきます。  この事業は、皆様も御存じのとおり、人口減少や高齢化社会が進行する中、ICTやAI等の最新技術を取り入れ、誰もが利用しやすい新たな移動サービスの提供と、これを生かした持続可能なまちづくりを目指し、地域密着型の官民連携コンソーシアムとしてスタートいたしました。  2019年、2020年で計2回、AI配車によるリアルタイム型オンデマンド相乗りタクシーの実証実験を行い、議員の皆様も委員会等で体験乗車をされた方は多いと思います。  海外の先進事例を視察にヘルシンキへ行かれた議員もいらっしゃるかと思いますが、お手元に配布させていただいた資料のとおり、2019年から2022年までの3次総の期間中に、本格実装を想定した循環システムの構築、その他、他業種とモビリティーサービス連携の実証実験を行うと当局から御説明いただいております。  本格実装に向けた実証実験期間が残り1年半ということで、着々と準備が進められていると思いますが、昨年11月の実証実験以降、静岡型MaaSの話題を聞く機会があまりないように感じています。これまでの実証実験を踏まえて、今後どのような計画で進めていくのか大変気になるところであります。  コロナ禍ということで、民間事業者との連携など、なかなか進めにくい状況にあるかもしれませんが、デジタル技術を活用した全国的に見ても先進的な取組であります。  コロナ禍で社会全体が急速なデジタル化を進めている今だからこそ、ウェブ会議などデジタル技術を活用しながら、着実に準備を進めていく必要があると思っています。  そこで質問です。  静岡市のデジタル化の取組について、静岡型MaaSの取組状況について、スマートフォンを使った利用しやすいサービスの提供に向けてどう取り組んでいるのか、お伺いします。  次に、デジタル技術を活用し、昨年6月からスタートしたシェアサイクルパルクルについてであります。  皆様も、まちなかで利用されている方をよく見かけるようになったのではないでしょうか。シェアサイクルパルクルの事業は、TOKAIケーブルネットワークを運営主体として、現在、市内に約140か所あまりにポートが設置されております。地域から強い要望をいただき、長田地区にも今年8月にポートが設置され、大変多くの方に利用されており、今後ますます利用者が増加するだろうと大きく期待しております。  スマートフォンのアプリを活用し、中心市街地や郊外でいつでも簡単に利用できるシェアサイクルは、大変便利だと感じており、私も外出先の移動手段として利用させていただいております。  現状は、中心市街地を中心にポートの拡充が進められていますが、郊外の市民の日常の足として、また交通結節点となる駅やバス停から職場やランドマークにアクセスしたり、地域や観光地を周遊する市民だけでなくツーリストの足としても、今後、大変重要な移動手段になると考えております。  そこで質問です。  デジタル技術を活用したシェアサイクルパルクルについて、スマートフォンを利用したシェアサイクルの利用状況などはどうか、お伺いします。  シェアサイクルについては、さきに質問させていただいた静岡型MaaSと連携して、郊外のラストワンマイルをカバーする移動サービスとしても大変期待しているところであります。  当局から、静岡型MaaSの計画やヘルシンキの視察報告を踏まえ、これからの静岡市の移動サービスの方向性について御説明いただいた際、私が思い描いたのは、グーグルマップや経路検索アプリなどに出発地点と目的地を入力すれば、電車やバス、タクシーなどと併せて、シェアサイクルも移動手段の1つとして案内され、行く行くはAIの自動運転などとも連携し、大変便利になるだろうと夢が広がりました。  既に首都圏では、シェアサイクルと「NAVITIME」などの経路検索アプリが連携し、案内がされていると聞いておりますので、将来、静岡型MaaSが本格実装された際には、デジタル技術をフル活用して、市民の移動が大変便利になると期待しております。  そこで質問です。  デジタル技術を活用したシェアサイクルパルクルについて、静岡型MaaSとの連携はどのように考えているか、お伺いします。  続いて、アフターコロナを見据えたシティプロモーションについてであります。  本年3月に静岡庁舎西口の青葉公園前に、プラモデル型郵便ポストがお目見えしました。静岡市プラモデル化計画第1弾として、静岡庁舎、静岡駅南口ロータリー、ツインメッセと合わせて計4か所にこのプラモニュメントが設置され、メディアやSNS等で大きな話題を呼んだのは、皆様御存じのとおりです。  400年以上前の江戸時代に、徳川家康公が全国から腕利きの宮大工や彫刻師らをこの地に集め、職人が定住したことが、後に模型製造が盛んになった由来と言われております。  戦前は木製模型が中心でありましたが、戦後、金型で作るプラモデルに変わり、静岡県はプラモデル出荷額が全国1位、全国シェアは9割以上となっており、その中心地である静岡市は、プラモの世界首都として、我が市も力を入れて産業振興、PRに取り組んでいるところであります。  皆様のお手元にお配りさせていただきました資料を御覧ください。  他都市の事例では、私が学生時代に住んでいた東京都調布市は、「ゲゲゲの鬼太郎」のモニュメントを商店街に設置し、その他の観光スポットと併せて、聖地巡礼のパンフレットを市が定期的に発行、配布して、観光誘客に取り組んでおります。また、福井県敦賀市では、「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」のモニュメントを設置し、敦賀シンボルロードとしてPRを行っております。  静岡県内でも、沼津市のさんさんあげつち通りでは、商店街の歩道に彫刻を設置し、文化振興、産業振興にもつなげています。  静岡市には、タミヤ模型をはじめバンダイ、青島といったプラモデルメーカーが数多く存在し、この唯一無二の優位性を生かし、情報発信をし、全国から、ひいては全世界から、プラモファンが集まるまちにしていくことが大変重要だと思っています。  そこで質問です。  アフターコロナを見据えたシティプロモーションについて、世界に誇るプラモデルを活用したシティプロモーションについて、本年3月に設置したプラモニュメントへの反応をどのように受け止めているのか、お伺いします。  今年度からプラモニュメント、いわゆる組み立て前のプラモデルを連想させるプラモデルデザインを活用し、静岡市のシティプロモーションに寄与する工作物等の制作、設置に対して、その経費の一部を補助する事業が進められております。助成の内容は、補助対象経費の2分の1以内、一般開放されている場所や公衆の見えやすい場所に設置する工作物の場合は、補助限度額が100万円、上記以外のものについては50万円の補助額で、1社の申請者につき、年度内において1回のみという仕組みとなっております。しかし、現時点では、静岡市が設置した4基のプラモニュメント以降、新たに設置されたプラモニュメントはないのが現状です。なぜ補助制度が整備されているにもかかわらず、プラモニュメントの設置が一向に進まないのか不思議に思っています。  そこで、プラモニュメント1基の制作にどれくらいの費用がかかるのか調査したところ、郵便ポスト形や看板形など形状にもよりますが、約280万円から550万円ほどの制作費がかかるとのことでした。民間企業がプラモニュメントを制作して設置した場合、上限100万円の補助金を利用しても、計180万円から450万円、物によっては、それ以上の費用負担が発生することになり、要綱では2分の1補助とうたってはいるものの、制作費用から考えると、実質3分の1、4分の1の補助になってしまい、コロナ禍で売上げが低迷している企業の経済状況から考えると、大変参入しにくい事業になってしまっているのではないでしょうか。  民間に参入してもらうつもりで補助金の制度を整備したにもかかわらず、この制度を活用して設置しようとする民間企業が現れないのには、公平性を重視するあまり、現場との意識のずれや制度の仕組みに問題があるのではないかと考えております。  民間企業に自社の商品ではないプラモデルを使い、多額の費用負担をしていただき、静岡市と一緒になってプラモニュメントを制作していただくためには、もっと大きなメリットを感じていただけるようにすることが重要だと思います。  一方で、資本力のある企業は、プラモニュメントを設置するだけでメディアやSNSでも拡散され、企業の認知向上や売上げの増加、さらには静岡市の魅力創出、発信にもつながり、アフターコロナの静岡市の観光誘客にもつながる地域貢献になるのであれば、2基、3基と積極的に設置を進めてもらえるのではないかと思っています。  また、設置場所についても、先ほどの調布市のように市が管理する施設や商店街の歩道、公園などに設置できるように、行政が一緒になって候補地の提案をしていくことが必要ではないかと思っています。  これまで設置を検討していた民間企業も、補助率の少なさによる多額の費用負担や設置場所の選定に対して、行政からの協力がいただけないなどの理由で、設置を見送るといった事例も出ていると聞いております。  正直、このままでは、今年3月までに静岡市が設置したプラモニュメント以外に設置が進むとは考えにくい状況で、年度予算も執行されず、来年度以降の目標も全く見えてこないのではないかと思っています。  そこで質問です。  アフターコロナに向けたプラモニュメントの設置や活用に関しどのように考えているのか、お伺いします。  以上の5点をお聞きし、1回目の質問を終わります。 46 ◯都市局長(宮原晃樹君) デジタル技術を活用した静岡型MaaSとシェアサイクルパルクルの取組についてお答えします。  まず、静岡型MaaSにおけるスマートフォンを使った新たなサービスの提供に向けた取組についてですが、デジタル技術を活用した新たなサービスの導入に当たっては、実証実験を通じてサービスを提供する側と利用する側のそれぞれが体験し、課題を克服しながら社会浸透させていくことが有効であると考えています。  このようなことからAI配車乗合交通の実証実験に当たり、令和元年度は、スマートフォンによる予約とキャッシュレス決済のみが利用できる仕組みで実施し、2年度は、さらに電話予約や現金決済も可能にして実施しました。その結果、元年度より多くの方に利用していただき、デジタルサービスにおける初動操作への抵抗も確認することができました。  このため、3年度は、多くの方にスマートフォンからの配車予約を体験していただくために、スマートフォン操作の体験教室や、配車サービスを必要とする場面での操作支援、高齢者を含む誰もが操作しやすい画面の導入などを行いながら、利用者側の視点に立ち新たなサービスの利用環境構築に向けて取り組んでまいります。  次に、スマートフォンを活用したシェアサイクルパルクルに関する2つの質問のうち、パルクルの利用状況などについてですが、利用状況は、昨年6月のスタート時の月当たり3,200回に対し、本年8月には月当たり約1万4,000回と順調に増加しています。  利用形態としては、朝の通勤、夕方の帰宅の時間帯の利用が多く、その移動距離は2キロメートル程度、時間にして15分以内の利用が多くなっています。  また、昨年6月の事業開始から1年が経過し、さらなる利用促進を図るため、パルクルを利用したことがある会員約1万名を対象に、スマートフォンを利用してアンケートを実施しました。  いただいた約1,000名の方の回答では、利用者の年齢で最も多い年代は40代で31.4%、次いで30代、20代の順となり、60代以上は3.3%となりました。  また、満足度については、満足、やや満足を合わせ87.4%、さらに99.5%の方が、引き続き利用したいと高い評価を得るとともに、自身の行動変化については、行動範囲が広がると思うが57%、外出の機会が増えるが27.7%との結果でした。  次に、静岡型MaaSとの連携についてですが、パルクルの利用者がどの程度他の交通機関へ乗換えしているかを確認するため、移動履歴をデジタルデータとして蓄積できる特徴を生かし、昨年6月から本年3月までの期間における市内88か所のサイクルポートの利用データを分析しました。  全利用約13万5,000回のうち、JR静岡駅をはじめ、JR4駅周辺のポート7か所での貸出・返却は、約3万8,000回、割合にして約28%で、日常的にパルクルと鉄道やバスの乗換えが行われていると推測できます。  本年8月には、交通結節機能強化を図るため、パルクルの要望が強かった駿河区長田地区のJR安倍川駅、用宗駅へポートを設置しました。引き続き、静岡鉄道の駅周辺などへのポート設置を進め、利便性を高めてまいります。  パルクルは、既に移動手段の1つとして機能していることから、他の交通機関とシステム連携を図りながら、静岡型MaaSの一部として進めていきたいと考えています。 47 ◯経済局長(加納弘敏君) プラモデルを活用したシティプロモーションについての2点の質問にお答えします。  まず、プラモニュメントへの反応に対する受け止めについてですが、本市では、本年3月にプラモデルを活用したまちづくりに向けた先導的な位置づけとして、模型業界と連携し、JR静岡駅南口ほか2か所に4基のプラモニュメントを設置いたしました。  プラモニュメントは、組み立て前のプラモデルをイメージしたモニュメントであり、等身大の工作物であることから、設置当初からSNSで話題となり、いわゆるバズると言われる状態になりました。  その後、全国放送のテレビ番組4件をはじめ、新聞、雑誌、ウェブ等の多くのマスメディアにも取り上げられ、本市のシティプロモーションを推進する上で、訴求力が非常に高い資源であることを改めて認識したところです。  また、これらに寄せられた意見には、見に行きたい、写真を撮りたい、さすがホビーのまちといった内容が多く、プラモニュメントに対し、市内外の皆様の好印象を得られたものと受け止めています。  こうした反応からも、本市が世界に誇るプラモデルを活用したプロモーションの効果は非常に高いものと考えております。  次に、アフターコロナに向けたプラモニュメントの設置や活用についてですが、市による設置を契機に、静岡市といえばプラモデルと誰もが思えるまちを目標に、官民がパートナーシップの下、取組を始めています。  プラモニュメントの設置においては、民間企業にも参画していただき、市と一緒になってまちの賑わい創出に取り組んでいただきたいと考えております。  その実現のため、プラモニュメント等の制作・設置に取り組む際の費用の一部を補助するとともに、市ホームページでの情報発信や職員の企業訪問を通じ、賛同企業の発掘に努めております。  現在、コロナ禍の長期化によりまして、多くの民間企業からの協力は得られにくい状況ではございますが、プラモニュメントが持つプロモーション効果を生かし、市内の観光施設等との回遊性を高められるよう、さらなるプラモニュメントの設置促進を図る必要があると考えております。  このことから、アフターコロナを見据え、設置効果を検証しつつ、民間企業等が活用しやすい制度の在り方を検討していくとともに、模型業界と一体となり、プラモデルを活用したシティプロモーションの推進に取り組んでまいります。   〔島 直也君登壇〕 48 ◯島 直也君 御答弁をいただきました。
     意見・要望は、3回目にさせていただきます。  デジタル社会を実現するためには、様々な課題や問題があります。総務省が実施した調査においても、デジタル化が進まない理由としては、情報セキュリティー、リテラシー、利活用が不十分、通信インフラが不十分及び端末が十分に行き渡っていないといった点が挙げられています。  これらの課題を解決しなければ、コロナ禍で経験したデジタル化に対して、否定的な意見を持つ人が増え、デジタル化が定着しないなどのおそれがあることから、これらの課題解決は大変重要になってきます。  静岡型MaaS、シェアサイクルパルクル、どちらの事業にも言えることですが、現在、静岡市が推進しているデジタル化の多くの事業は、スマートフォンやデジタル技術を利用できる市民にとっては、多くの便利なサービスが享受できるようになってきていると思います。  昨日の望月議員の代表質問に対して、デジタル統括監からは、誰もが豊かさを享受できる社会と答弁がございましたが、パルクルや昨年度に実施したPayPayを使ったキャッシュバックキャンペーン、マイナンバーカードと連動したマイナポイント事業にしても、スマートフォンを使えないデジタルが苦手な層にとっては、豊かさを全く享受できていなのではないかと感じています。  先日、地元の公民館で実施されているS型デイサービスのスタッフ会議にお伺いした際、ボランティアをされている60代、70代のスタッフさん30名ほどに、PayPayやマイナポイント、パルクルなどのお話を聞いてみましたが、残念ながら、アプリをダウンロードして使われていた方は1人もおりませんでした。地域差などもあるかもしれませんが、行政が行う事業において、年代でこれだけ差が出る事業は、これまであまりなかったのではないでしょうか。  昨年度に実施されたPayPayのキャッシュバックキャンペーンは、当初6億2,000万円の予算が計上されていましたが、結果的に2億3,000万円しか執行されませんでした。コロナ禍で実施期間が変更になるなどの理由があったのかもしれませんが、GoToしずおかキャンペーン事業など、紙ベースのクーポンを使った事業は、目標値を大幅に上回る実績であったと聞いております。  静岡市が進めるデジタル化は、ITリテラシー、いわゆる情報技術を利用し、使いこなすスキルの向上を老若男女問わず、全世代の市民に浸透させていくことが何より重要であると思っています。  もちろんITリテラシーの向上には、相当な時間もかかると思います。紙ベースのクーポンや地域振興券などの発行も並行して行い、キャッシュバックキャンペーンやパルクルなどの事業は、クレジットカードやトイカやルルカなどのICカードとも併用して、1人でも多くの市民がサービスを享受できるように利用促進を図っていく必要もあるのではないかと考えております。  そこで質問です。  ITリテラシーの向上について、市民のITリテラシーの向上について、どのように進めていくのか、お伺いします。  続いて、観光資源を活用した取組についてであります。  先ほど御答弁いただいたプラモニュメントの補助事業の仕組みの早期改善も含め、各局が連携して市有地への設置場所の提案を行うなど、官民が協力して進めていただくのはもちろんですが、市ならではの魅力をシティプロモーションにつなげ、観光PRに役立てていく必要があると思っています。  令和2年11月定例会で私が質問した観光需要喚起策の取組に対して、田辺市長から夜の観光資源の充実に向け、日本平からの夜景の磨き上げに取り組むと御答弁いただきました。  令和2年度については、世界的照明デザイナー、石井幹子氏に現状調査を依頼し、デザインコンセプトの作成に着手しているとのことでした。  2023年には、NHKの大河ドラマ「どうする家康」の放送も始まり、春には歴史文化施設もオープン予定となっており、コロナの状況次第ではありますが、多くの観光客が我が市に訪れてくれるのではないかと期待しております。  このタイミングで日本平からの夜景のブラッシュアップや積極的なPRによって、市内の滞在時間を増加させ、コロナで疲弊してしまった静岡市の経済をV字回復させるためにも、これからの1年の取組が大変重要になってくると思います。  そこで質問です。  観光資源を活用した取組について、日本平の夜景を活用した観光振興について、令和3年度の取組状況はどのようになっているのか、お伺いします。  以上の2点をお聞きし、2回目の質問を終わります。 49 ◯デジタル統括監(猪鼻信雄君) 市民のITリテラシー向上についてどのように進めていくのかについてですが、今後のデジタルが中心となる社会に向け、ふだんからデジタル機器に接する機会の少ない、主に高齢の方などに対し、デジタルの便利さと楽しさを実感し、使い始めのきっかけとなる取組として、本年度よりITリテラシー向上事業を進めてまいります。  具体的には、まず市民の皆さんが気軽に参加し、スマホ等端末の使用方法を学べる講座を本年11月から市内の生涯学習施設及び高齢者福祉施設にて、計61回開催する予定としております。  講座内容については、実際の端末を使って、まず基礎的な電話のかけ方、受け方から電子メールの使い方を学ぶ体験講座と、希望される方向けに、人気の高いLINEなどのSNSの使い方や、Zoomなどビデオ会議の体験などの講座を計画しております。  これらの講座を通じて、デジタル機器を使うことへの不安を払拭し、興味を持って使い始めていただくことで、今後のデジタル技術を利用した利便性の高いサービスに対し、多くの市民の皆さんが御利用いただけるきっかけづくりとなるよう取組を進めてまいります。 50 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 日本平の夜景を活用した観光振興についてですが、この取組は、日本夜景遺産に認定されている日本平の夜景を核とし、夜の観光資源の充実を図ることで、観光客の滞在時間を延ばし、宿泊につなげるもので、現在、3つの柱に基づく取組を進めております。  1つ目の柱は、本市の夜景のブランディングです。令和2年度の調査業務において石井幹子氏より、日本平を中心とした市内の夜間景観の魅力向上に向けた御提案をいただきました。3年度は、引き続き石井氏による夜間景観整備のための計画策定を進めており、市民の皆さんが誇りを持て、観光客にも魅力を感じてもらえる夜間景観の創出を目指します。  また、本年10月には、日本平を中心に本市の多彩な夜景スポットや夜間イベントの情報を発信する特設ホームページの開設を予定しております。  2つ目の柱は、夜の日本平を楽しむ環境づくりです。日本平観光協会や日本平夜市をはじめとする民間事業者と連携し、山頂での集客イベントの実施や受入れ環境の整備等を進め、集客力の向上につなげてまいります。  3つ目の柱は、日本平で夜景を楽しむための観光商品の充実です。民間事業者と連携し、食事と夜景観賞がセットになったツアーなどの商品化を図ります。本年7月には、商業施設での食事やショッピングと日本平での夜景観賞を楽しむタクシーツアーを実験的に実施しました。  これらの取組を通じ、日本平の夜景の認知度を高め、夜景を楽しむ環境づくりを進めることで、函館市や神戸市のように夜景を楽しみに訪れる観光客でにぎわう都市を目指してまいります。   〔島 直也君登壇〕 51 ◯島 直也君 それでは、最後は意見・要望です。  まずは、静岡型MaaSについてであります。  正直なところ、2年前に静岡型MaaSの事業説明を受けた際に感じたドラえもんに出てくるような夢のような未来を具現化するまでには、まだまだ時間がかかるんだろうなというのが率直な感想です。  本格実装に間に合わせることが目的になってしまってはいけませんが、配車予約だけができても、当初の計画の静岡型MaaSの目標とは程遠いと感じています。  この事業は、民間との連携が何より重要です。スマートフォンやクレジットカード、トイカやルルカなどのICカードで交通サービスの支払いを一括して行うわけですから、月の交通費の支払い総額に応じて助成を行うなど、誰もがメリットを感じられるような、すぐに取り組める仕組みから始めたほうが、提供する側も参入がしやすく、利用する側もメリットを感じていただけるのではないかと思っています。  実験期間がまだ1年半の時間があるのではなく、もう1年半しかありません。今年度からデジタル化推進課も設置されたわけですから、他局とも連携しながら、スピード感を持って進めていただきたいと強く要望いたします。  次に、パルクルについてであります。  私個人といたしましては、大変便利な移動サービスだと思っています。ポートの拡充や自転車の設置台数をさらに増やすなど、インフラ整備に力を入れていただきたいと思います。  現状は、市の施設や民間の土地に無償でポートを設置させていただいておりますが、札幌市などの他都市では、バス停の近くや公道の歩道などにも設置されており、大変利用しやすくなっています。利用者の目線に立って、ここにポートがあったら使いやすいなという場所に、他局とも連携しながら設置を進めていただきたいと思います。  また、スマートフォンが苦手な方も利用できるようにICカードでの利用も促進し、通勤や通学でも使っていただけるように月額制の導入など利用者の裾野を広げていただけるように力を入れていただきたいと思います。  次に、ITリテラシーの向上についてであります。  デジタル統括監から、誰も取り残さない、誰もが豊かさを享受できる社会と御答弁がありました。デジタル技術を活用して便利さを追求することは大変重要です。しかし、静岡型MaaSとパルクルについてでも意見を述べさせていただきましたが、デジタル技術やスマートフォンが苦手な層も大変多くいらっしゃいます。  渋谷区では、高齢者1,700人にスマートフォンを無料配布し、2年間無償で貸与し、通信料も区が負担するといった取組も行われております。  市民のITリテラシーをどのように向上させていくのかが今後の静岡市のデジタル化を進める上で大変重要となります。  コロナ禍でITセミナーを開催しにくい状況もあると思います。広報紙静岡気分などに誰でも分かるIT講座を漫画で連載するなど、情報発信の方法を工夫して、市民のデジタル技術の向上を図り、静岡市のデジタル化につなげていただきたいと強く要望いたします。  次に、プラモニュメントについてであります。  質問でも述べさせていただいたように、補助制度の改善が必要なのは言うまでもありません。新しい取組だからこそ、スタートダッシュが重要です。  見に行きたい、写真を撮りたい、さすがホビーのまちと言われていても、期待して来てみたら、4基しかなかったではお話になりません。  制度の仕組みを改善するのに1年も2年も様子を見ていたら、旬は過ぎ去り、誰も見に来てはくれません。模型業界とも連携し、民間企業に1基でも多くのプラモニュメントを設置してもらえるように力を入れて進めていただきたいと思います。  また、ここにいらっしゃる多くの議員が思っているのではないかと私が勝手に思っているのですが、プラモデルの世界首都であるならば、等身大のガンダムや実物大のミニ四駆などを設置して、産業振興を図るのが一番効果的ではないかと思っています。  過去に東静岡駅の北口に等身大のガンダムを設置したこともございました。横浜市や福岡市などの他都市に設置されたという話は聞くものの、なぜプラモデルの世界首都の我が市に設置できないのかと不思議に思います。  目玉となるプラモデルのランドマークを行政と業界が連携して設置し、それを補完するプラモニュメントを民間企業に協力して設置してもらうというのが本来あるべき姿だと思います。  市長と経済局が先頭に立ち、他局とも連携しながら、プラモデルの世界首都静岡の夢のある事業としてぜひ実現していただきたいと強く要望しておきます。  最後に、日本平の夜景を活用した観光振興についてであります。  日本平の夜景は、世界に誇る我が市の財産だと思っております。石井氏の力もお借りし、さらなる観光誘致につながるように取り組んでいただきたいと思います。  また、日本平の夜景を通じて、市民のまちへの誇り、愛着、共感、いわゆるシビックプライドの醸成を図り、このまちに住み続けたいと思うシンボル的な存在となるよう進めていただきたいと思います。  先ほど質問の中でも述べましたが、2023年には、NHK大河ドラマ「どうする家康」の放送や歴史文化施設のオープンが待っています。日本平からの夜景とともに、駿府城公園を訪れる観光客がつい立ち止まって見入ってしまうようなライトアップもぜひ実施していただき、新たに完成した観光施設や市内の観光名所を回遊し、2度、3度と訪れてもらえるような事業にしていただきたいと強く要望し、私の全ての質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 52 ◯副議長(山根田鶴子君) 次に、石井孝治君。   〔石井孝治君登壇〕 53 ◯石井孝治君 よろしくお願いします。  それでは、通告に従いまして質問いたします。  今回は大項目で2点、マンション管理についてと地域共生社会の実現についてです。  まず、マンション管理について。  今回の質問の趣旨は、マンション管理が適正に行われるために、行政がどのように関与していくかについてです。ここでいうマンションとは、2人以上の区分所有者が存在する建物で、人の住居の用に供する専有部分のあるもの、いわゆる分譲マンションを対象といたします。  マンション管理については、おおむね2つの課題に集約されます。1つは老朽化、もう1つは管理の難しさについてです。  国交省が公表している資料によれば、令和2年末時点で、全国のマンションストック数は約675.3万戸あり、国民の1割超が居住している推計です。その中で建設から築40年を超えるマンションは、全体の15%に及び、10年後には約2.2倍、20年後には3.9倍となる見込みであります。  もちろん本市においても、高度経済成長期に建設されたマンションが一定数あり、老朽化対策を進めていくことが必要とされます。特に高経年マンションでは、区分所有者である住民の高齢化や空き家化が進んでいると思われ、管理組合の担い手不足や機能低下が懸念され、その結果、必要な修繕などが行われなくなるおそれがあります。必要な修繕がされずに放置されると、そこに住んでいる住民だけでなく、周辺の安全性や住環境にも深刻な問題が起こる可能性があります。そうなってしまってからでは、対応は非常に困難です。  最近の事例では、築48年のマンションがバルコニー、壁、共用部分が崩落し、アスベストも使われていたことから、近隣住民にも危険が及び、一部所有者と連絡が取れなかったため、行政代執行が行われたというニュースも注目されたところであります。  もう1つの問題としては、管理の難しさがあります。一般的にマンション管理は、区分所有者から成る理事会を中心に管理組合を設置し、管理会社へ委託しているところが多く、管理について積極的に住民が関わる機会も限られます。そのため、区分所有者の管理計画や修繕積立費についての知識不足、所有者としての当事者意識の不足、区分所有者間の合意形成の難しさなどで、適切な維持修繕が難しくなる問題も表面化しています。  また、管理会社との金銭をめぐるトラブルも多く報告されており、これはほとんどの所有者は、マンション管理については素人であって、修繕などに過大な請求をされるなど、悪意を持って食い物にされている場合というのもあります。  そういった課題を払拭するため、マンションの管理の適正化の推進に関する法律が平成13年8月に施行されています。この法律は、マンションにおける良好な住環境の確保を図り、生活の安定向上に寄与することを目的として、マンション管理適正化指針を規定していますが、あくまで管理の主体は管理組合及び区分所有者であるとして、当事者意識を持つべきことを努力規定として明確に定めています。簡単に言えば、自分たちの財産なので、自分たちでしっかりと管理しなさいということです。  しかしながら、マンション管理は、あまりにも専門的な部分も多いので、マンション管理士などの第三者の支援を受けることも推奨されております。  一方で、行政の責務としては、地方公共団体は、マンション管理の適正化に資するため、管理組合、またはマンションの区分所有者等の求めに応じ、必要な情報及び資料の提供、その他の措置を講ずるよう努めなくてはならないと、あくまで必要に応じての対応としか記載されておりません。  しかし、令和2年6月に、このマンションの管理の適正化の推進に関する法律が改正されたところであります。改正の内容は、後ほど詳しく説明しますが、行政はマンション管理が適正に行われているかチェックして、必要な助言、指導を行うなど、積極的に関与する内容に変更され、令和4年4月に施行予定と聞いております。  そこで、まず現状について伺いますが、マンション管理に関する本市の取組はどのようでしょうか。  現行法制の中で、マンション管理に関して行政が積極的に関わっている内容の1つに、マンション設備の設置や点検義務などがあります。マンションに設置されている設備は、適正な状態で維持していくために様々な法令によって規制されており、日常的な設備は日頃から点検する必要があります。そういった設備がしっかりと維持されているかどうかを見るのも、そのマンションが適正に管理されているかを知るバロメーターとなり得ます。  その1つですが、マンションにおける消防設備は、火災発生時に使用する設備で、市民の安心・安全を守る要であることから、特に点検を行い、維持管理するとともに、点検状況を行政がしっかりと把握することが重要であります。  そこで、マンションに設置されている消防設備の点検報告制度と点検報告がされていない場合の指導はどのようか教えてください。  続いて、大項目の2番目、地域共生社会の実現について伺います。  本市の第3次総合計画の柱の1つ、健康長寿のまちづくりでは、今後の高齢化を見据え、生涯活躍のまち静岡(CCRC)構想に基づいて、誰もが生涯にわたって活躍できるまちづくりを進めています。  また、今や本市のバイブルと言ってもよいSDGsにおいては、誰ひとり取り残さないをモットーとして取り組まれております。  その事業の一環として、駿河区役所周辺の駿河共生地区は、交流・共生をテーマとしたモデル地区の1つとしてまちづくりを進め、地区内に今年の8月、地域・多世代交流型住宅ココファン静岡南八幡が完成しました。この建物に期待されることは多岐にわたっており、単身者や子育て世代、高齢者などの多世代の交流促進や、地域住民との共同活動により、社会参加を通じて良好なコミュニティの醸成を進めるなど、安心して住み続けられる地域の核となるべく期待されております。  既に入居に関して多くの引き合いがあり、人気の物件であるとともに、地域住民にとっても福祉活動の拠点として活用できることに期待を寄せているところであります。  このように年代や生活様式の違いなどを超えて、地域において共生社会をつくっていくことが、今後、本市が目指す姿であるとする考えには共感するところであります。  そもそも日本の福祉制度は、高齢、障害、子供など、属性別、対象者別に制度が整備されてきました。しかし、現在は、人口減少などの社会構造の変化に加え、個人の価値観の変化、これまでの地縁や血縁、会社などの社縁の希薄化などにより、例えば同居する高齢の親とひきこもりの子供が介護や生活困窮により社会孤立を招いている状況である8050問題や、介護と子育てを同時に担うダブルケア、18歳未満が家族の介護やケアを担うヤングケアラーなど、制度、分野を超えた複合的な問題を抱えた人たちが増えています。この方々が役所に相談に行ったとしても、これまでの法制度、支援の枠組みにぴったりと当てはまらないために、例えばたらい回しに遭ったり、適切な支援につながらないケースが全国的に多いと推定されております。  これらを改善し、共生社会の実現に向け、市区町村の相談支援体制を強化する社会福祉法などの一括改正法が国会で成立して、今年4月に施行されたところであります。  資料の1枚目を御覧ください。  その改正法では、市町村が主体となって、高齢、障害者福祉、子育て、生活困窮の支援に関する事業を関係機関や地域住民と連携し一体となり実施して、誰の相談も受け止める包括的な相談支援体制を構築することとしています。  さらに、地域の資源を生かした就労、居住支援を行い、社会参加を促す参加支援、そして、地域社会からの孤立を防ぎ、多世代との交流や様々な活躍の場を確保することを目指す地域づくり支援など、属性・世代を問わない相談・地域づくりの実施体制として、重層的支援体制整備事業を創設いたしました。  地方自治体が取り組むかどうかは、あくまでもこれは任意であります。国は、行政が重層的支援体制への移行を順次進めていくため交付金などを設置して、後押しする方針であると聞いていますし、本市も重層的支援体制へ移行していくと伺っております。  そこで伺いますが、現在の高齢、障害、子供、生活困窮に関する相談支援事業の現状と課題はどのようなものか。また、重層的支援体制への移行に向けて、本市はどのように取り組んでいるか、お答えください。  以上で1回目です。 54 ◯都市局長(宮原晃樹君) 本市におけるマンション管理に関する現状の取組についてですが、市内のマンションが将来にわたり良好な住環境を維持するよう、管理組合による適正な管理に向けた自主的な取組を促すため、県及び一般社団法人静岡県マンション管理士会と共催して、セミナー及び相談会を毎年開催しております。  セミナーでは、適正な管理を行っている管理組合の取組事例を紹介するなど管理に役立つ情報の提供を行うほか、管理組合相互の情報交換の場となる交流会も行っています。  また、相談会では、管理組合の方々の悩みや不安をお聞きし、解決に向けた助言を行うなどの支援を行っています。  このほか、住宅政策課内に窓口を設け、管理組合からの相談に随時応じております。 55 ◯消防局長(小長井善文君) マンションに設置されている消防設備の点検報告制度と点検報告がされていない場合の指導についてですが、まず、マンションに設置されている消火器、自動火災報知設備、避難器具などの消防設備は、建物の面積や階数、使用状況に応じて、消防法令により設置基準が定められております。
     これらの消防設備の点検報告制度は、いついかなる時に火災が発生しても、消防設備の機能を有効に発揮できるよう適正に維持管理するため、マンションの管理組合などが6か月ごとに点検を行い、その結果を3年ごと、管轄の消防署長へ報告することを義務づけている制度であります。  次に、点検報告がされていない場合の指導は、消防署が立入検査を行い、管理組合などに対して点検報告制度の重要性を説明するとともに、立入検査結果通知書や勧告書などの文書を交付し、是正を図っております。 56 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 重層的支援体制整備事業に関する2点の御質問にお答えします。  まず、現在の高齢、障害、子供、生活困窮に関する相談支援事業の現状と課題についてですが、各分野の相談支援事業は、現状、それぞれの法律に基づいて行われ、対象者が適切な支援に円滑に結びつくよう、必要に応じて相談支援機関が互いに連携して対応しています。  しかし、80代の親が50代の引き籠もる子を養う8050問題や、育児や介護を同時期に行うダブルケアのように、制度のはざまにあるケースや、対象や課題が複合的に絡み合ったケースなど、対応の難しいものが増えてきていることが課題であり、その解決に向けた支援体制づくりが必要だと考えております。  次に、重層的支援体制への移行に向けた取組についてですが、本市では、令和3年度から国の補助を受けて重層的支援体制の整備のための準備事業に取り組んでいます。  具体的には、本年4月から月に1回程度、関係課による担当者会議を開催し、本市の重層的支援体制の整備に向けた現状と課題について意見交換を行うとともに、各分野の相談支援機関同士の連携状況等を調査しました。  今後は、行政と民間の支援団体や有識者などで構成する協議体を設置し、相談支援機関同士の連携状況等の調査結果を踏まえ、実効性の高い体制づくりを進めてまいります。   〔石井孝治君登壇〕 57 ◯石井孝治君 御答弁いただきました。  意見・要望は、3回目に述べさせていただきます。  それでは、2回目、質問していきます。  マンションの管理の適正化の推進に関する法律について、本市の対応についてさらに伺ってまいります。  来年4月に施行される予定の法改正の概要ですが、資料の2枚目を参考にしてください。  国によるマンション管理の適正化を図るための基本指針がまず策定されます。その基本指針に基づいて、行政がマンション管理状況の実態把握や、管理適正化の推進施策などを盛り込んだマンション管理適正化推進計画を策定することができるようになります。  マンション管理適正化推進計画を作成した行政は、管理組合の運営状況や資金計画、修繕計画など、適切な管理計画を有するマンションを認定することができる管理計画認定制度を導入することができるようになります。  行政は、管理組合に対し、管理の適正化を図るため、必要に応じて助言、指導を行います。また、管理組合の実態がない、規約がない、総会が開かれていないなどの管理運営が著しく不適切な場合は、勧告することができるようになります。  こういった取組によって管理水準を底上げし、適切な管理を維持していくことが目的であり、良好な住環境を維持していくことに対しての行政の積極的な関与が求められるようになります。  そこで伺いますが、本市においては、これらの規定を運用していくため、まずは市内の各マンションの管理の実態を把握する必要があると考えます。今年度、管理実態調査を実施する予定であると聞いておりますが、その実施状況はいかがでしょうか。  2019年に改定された静岡市住生活基本計画によると、本市のマンションに関する取組は、マンション管理士制度の普及促進や、先ほど答弁にもあったような管理セミナーの開催など、マンションの維持管理の適正化の支援、管理組合の活動支援など、適正に管理された良好なマンションの普及を目的としています。  今回の法改正を適用したとしても、目的は大きく変わることはありませんが、行政が積極的に関わることができるようになるというのが重要な変更点であります。そこをしっかりと捉えた上で、マンション管理適正化推進計画の策定と管理計画認定制度の導入について、当局はどのように考えているのか、伺います。  続いて、地域共生社会の実現について。  生活支援コーディネーター事業について伺います。  生活支援コーディネーターとは、別名、地域支え合い推進員と言われており、高齢者の生活支援、介護予防の基盤整備を推進していくことを目的として、地域住民のボランティアによる見守りや生活支援といった地域での支え合い体制づくりのため、ネットワークづくりや支援ニーズ、サービスのマッチングなどの役割を担います。お手元の資料の3ページに、その資料がございます。  平成27年の介護保険法改正によって地域支援事業に位置づけられた事業で、市町村が中心となって生活支援サービスを担うような様々な事業主体、例えば自治会やボランティア団体、NPO、民間企業などと連携しながら、多様な日常生活上の支援体制の充実強化と、高齢者の社会参加の推進を一体的に図っていくために、生活支援コーディネーターを配置して、協議体を設置するとしております。本市においても、法改正後から既に取組を進めているとのことです。  これまでは、社会福祉協議会が事業委託されて取り組んでおり、地域社協の事業の一環として取り組まれ、自治会など関係機関との連携はスムーズであったと聞いております。  しかし、今年度から民間委託へ変更されたとのことですが、民間事業者に委託された経緯と、どのような効果が期待されるのか、お答えください。  高齢者など今後支援が必要になる人口が増加していく中で、ケアをしていく人材の不足をどのように補っていくかが、現在、行政の抱えている大きな課題であります。  介護に関わる専門職の人材不足はもちろんですが、地域の支え合いの活動として、移動やごみ出しなどの支援、居場所づくりなど、生活支援に関わる人を増やしていくことも喫緊の課題です。  生活支援コーディネーターの役割を極力、簡単に言ってしまえば、そういった人材の不足を地域で埋める仕組みをつくっていくことが仕事です。そのためには、その地域に入り込んでいく、また、受け入れられる活動を進めていく必要があり、地域の方々が協力しようとする環境をつくり出すコーディネートをしていかなくてはなりません。生活支援コーディネーターは、そういった意味で、誰でもできるわけではなく、なかなか難しい役割だと思いますし、行政の支援も必要ではないかと思います。  そういった点で、今年度から民間へ委託されたこの事業が、現在まで期待どおりに進められているかは、確認していくべきだと考えます。  そこで伺いますが、事業を円滑に進めるために、市はどのような支援を行っているのか。また、生活支援コーディネーターは、現在どのような活動をしているのか伺って、2回目とします。 58 ◯都市局長(宮原晃樹君) マンション管理に関する2つの質問にお答えします。  初めに、マンションの管理実態調査についてですが、市内の約500棟のマンションが適正に管理されているのか把握するとともに、静岡市マンション管理適正化推進計画を策定する上での基礎資料とするため、管理実態調査を本年6月から実施しており、12月末までに調査結果を取りまとめる予定です。  主な調査内容としては、管理規約の有無、修繕や将来の建て替え等に備えた積立金の収納状況、修繕の実施状況、長期的な修繕計画の作成状況などです。  次に、マンション管理適正化推進計画と管理計画認定制度の導入についてですが、管理実態調査の結果に基づき、管理に関する具体的な目標や管理組合の運営や経理などについて求める水準のほか、適正な管理の推進を図るために本市が取り組む内容を示した静岡市マンション管理適正化推進計画を令和4年度から施行する予定です。  管理計画認定制度についてですが、この制度は、管理組合が作成した管理に関する計画について、申請に基づき本市が適切と認められるものを認定する制度で、適正化推進計画の施行に合わせて開始する予定です。  この制度が広く浸透することで、管理組合の管理に関する意識が高まり、適切な修繕がなされないマンションの発生を抑制し、安全で良質な住環境の形成が推進されるものと考えております。 59 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 生活支援コーディネーター配置業務に関する3点の御質問にお答えします。  まず、生活支援コーディネーター配置業務が民間事業者に委託された経緯についてですが、平成27年度の事業開始から令和2年度まで、高齢者福祉や地域の支え合い活動等のノウハウを持ち、関係者との連携協力関係や人材等を有する事業者が静岡市社会福祉協議会だけであるため、単独随意契約により委託してきました。  しかし、当該事業を受託できる民間事業者も現れてきたことから、令和3年度の受託者選定については、プロポーザル方式による業者選定を実施し、その結果、民間事業者と契約したものです。  そして、民間事業者への委託に伴い期待される効果についてですが、本市としては、民間事業者の有するネットワークの活用により、企業やNPO等の新たな支え合い活動の担い手が生まれ、活動の裾野が広がることを期待しています。  次に、事業を円滑に進めるための市の支援についてですが、受託者の変更に伴い、新たな生活支援コーディネーターとともに、自治会連合会や民生委員・児童委員協議会等の会議に出席し、これまでも地域で活動している市社協の地域福祉コーディネーターと連携して事業を推進していく旨の説明を行い、改めて安心して地域活動に取り組んでいただくよう協力を依頼しました。  また、本市と受託事業者、市社協による協議の場を設けたことで、定期的に両コーディネーターによる地域課題の共有が密に行われるようになり、地域課題の解決に向けた情報共有や意見交換が行われています。  今後も、市と受託事業者、市社協の3者の連携協力を進めるとともに、生活支援コーディネーターの活動内容を随時把握し、必要に応じて現場に出向き指導するなど、地域の支え合い活動がさらに発展するよう継続的な支援を行ってまいります。  最後に、生活支援コーディネーターの現在の活動状況についてですが、これまで生活支援コーディネーターは、単位自治会や民生委員・児童委員協議会、地域包括支援センター等の関係者を訪問し、地域の困りごとや地域課題に関するヒアリングを行ってきました。  そして、そのヒアリングの内容を基に、地域の関係者から成る地域支え合いネットワーク会議を各区で開催し、地域課題の共有及び解決に向けた意見交換を行い、具体的な対応策の確認を受け、活動を開始しています。  また、地域の各種機関・団体がいつでも生活支援コーディネーターに相談できるようウェブサイトに専用フォームを開設し、相談があった場合には、タブレット端末の活用により、生活支援コーディネーターがリアルタイムで確認し、迅速な対応を行っています。  加えて、受託事業者の有するネットワークを活用し、ドラッグストアや障害者施設等の協力を得た地域の高齢者等の集いの場の創設に向けた取組など、新たな地域資源の掘り起こしも進んでおり、地域での支え合い活動のさらなる広がりが期待されます。   〔石井孝治君登壇〕 60 ◯石井孝治君 3回目は、意見・要望です。  まずは、マンションの管理適正化について。  静岡市住生活基本計画によると、2013年時点での本市のマンションストックの16.6%が旧耐震で建築されたマンションであるとされております。今後、新耐震であっても、築40年を超えるマンションも増加します。耐震性能の検証や老朽化に対する本市の取組も、今後考えていく必要があると思います。  また、同じように所有者も高齢化していきます。国交省のデータによると、昭和54年以前のマンションにおける70歳代以上の所有者の割合は47.2%で、ほぼ半数となっています。  いずれにしましても、まずは本市の実態調査を通して、現状を把握、分析し、必要な対策を取っていくことを要望いたします。  マンション管理適正化推進計画の策定と認証制度の導入も予定しているとのことでした。  冒頭に指摘したマンション管理の問題点の2つ目、管理の難しさについては、住民が区分所有者として管理に対しての責任を再認識することが大前提ですが、良好な管理体制をつくっていくことに関して、この計画は大いに役立つものと考えます。  特に、認定制度を導入することによって、マンションの資産価値の向上につながる可能性もあり、販売や再販にも有利になります。  住み替え需要や移住にもつながる可能性も秘めています。認定制度の有効活用、制度の周知、また、他市で既に取り組んでいるところもありますが、認定マンションの本市による公表も視野に入れて取り組んでいただきたいと思います。  管理については、制度を活用して、個別のマンション管理実態を把握して、必要に応じてマンション管理士などの専門家の派遣、直接的な指導、助言ができるように対応していただきたいと思います。  また、マンションにおいての福祉の在り方、防災の在り方も総合的に検討していただくことも必要だと考えますので、要望いたします。  地域共生社会の実現について、本市においても重層化支援に取り組んでいくことが示されましたが、高齢、障害者福祉、子育て、生活困窮など、様々に入り組んだ課題に適切に対応するためには、各部局の連携が重要なのは指摘するまでもありません。その上で行政内外の関係機関と適切に連携を取って、課題を抱えている方々に伴走支援する体制構築に取り組んでいただきたい。  生活支援コーディネーターに関しては、今後の福祉、介護制度に大きく関わる事業だと思っています。行政ができる公助の範囲は限られ、自助も限度があります。これからは、共助の部分をどう広げていくかが高齢者福祉、共生社会の実現につながっていきます。 61 ◯副議長(山根田鶴子君) あと1分です。 62 ◯石井孝治君(続) 今回、東海道シグマが受託した事業は、まだ手探りの状況だと聞いております。行政にとっての目的は、事業が滞らないよう、また必要な支援が必要な人にタイムリーに届くことが最優先であると考えます。このことを認識して、ぜひ事業者と協力して取り組んでいただくことを要望して、全ての質問を終了します。  ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 63 ◯副議長(山根田鶴子君) 次に、寺澤 潤君。   〔寺澤 潤君登壇〕 64 ◯寺澤 潤君 まず、私からも、新型コロナウイルス感染症で犠牲になられた皆様への御冥福と、さらに感染された皆様に一日も早い回復を心からお祈り申し上げます。  また、最前線で闘うエッセンシャルワーカーの皆様、また本市の担当部局の職員の皆様に対しても、日夜の奮闘に心から感謝と敬意を表します。  それでは、通告に従い、2期目、任期最初の質問を行います。  まずは、大項目1番目の静岡市の財政運営についてであります。  皆様も御承知のとおり、地方自治体の財政は厳しさを増してきております。長引く経済不況により、90年代から始まった大幅な歳出削減や構造改革、さらにはリーマンショックや東日本大震災などの未曽有の災害で起きた巨額な経済損失により、自治体財政には多くの打撃を与えてきました。特にリーマン級の経済打撃は、回復に10年かかると言われ、ようやく改善の兆しが見えた令和時代、デジタル社会など新産業による経済成長が期待された矢先、世界的な新型コロナウイルス感染症の蔓延により、再び経済損失を招く結果となりました。これはリーマン以上の打撃が今後予想されており、立て直しも容易ではありません。それを除いても、少子高齢化による税収減などで大変厳しい財政状況であります。  類似団体を見ても、今年度、当初予算の税収見込みが大阪市では前年比388億円減、名古屋市では前年比496億円減という大都市でも大きな数字が出るなど、自主財源の要である地方税の減少は避けられず、いかに財政運営を健全化し、さらに自主財源の確保が問われていきます。  現在、地方創生や東京一極集中の是正が言われている時代、地方自治体はまちの存亡をかけて常に時代の先を見越した未来へのまちづくりが進められています。  本市でも、5大構想がまさにそれであり、常に先を見据えた種まきをすることで、持続的な成長が見込めます。もちろんその種まきには、相応の財源が伴うため、自治体財政は常に健全かつ安定的な運営が求められます。まさに地方自治体が経営する観点、民営化の観点を持って財政運営を行うことだと思います。  もちろん、それにはリスクを背負いますが、現状維持であれば先細りするのは目に見えており、本市の未来設計は不確実なものとなります。現状のままでは悪化し、最悪、財政破綻となることもゼロとは言えません。  では、本市の財政状況はどうか調べたところ、今後は昨今の社会情勢などにより、財源が80億円程度不足する想定と聞き、決算カードや財政状況資料集などを基に調査研究してきました。  本市の令和元年度決算で類似団体と比較したところ、将来負担率は、平均91.3%に対して、本市は48.9%。また、自治体財政を把握する一番大切な経常収支比率は、平均97.3%に対して、本市は94.7%と平均を下回っており、類似団体との比較や統計を一見すれば、財政状況は中の上と言ってもいいでしょう。  今回上程された令和2年度決算を見ると、コロナ対策など国からの交付金が増額したことにより、歳入歳出ともに4,000億円以上と過去最高となりましたが、実質収支は52億9,000万円余の黒字。経常収支比率や将来負担率も対前年比並み。さらに、使い果たした感があった財政調整基金も、86億円余まで戻すなど、数字上は大変優れた財政運営を行っていると理解はできます。  しかし、人口減少による税収減と高齢化社会による扶助費の負担増は顕著となっており、それを表しているかのように単年度収支や財政調整基金の繰入額などを除いた実質単年度収支は、昨年度こそ2億3,000万円余の黒字でしたが、令和元年度は2億4,000万円余の赤字。過去10年を見ても、何度か赤字を出しております。これが連続して赤字の場合は、財政が悪化との評価になるため、今のところ改善とまではいきませんが、今後の社会情勢の変化を踏まえたあらゆる想定は必要だと思います。  また、自治体財政の基本である経常収支比率は94.6%と平均点以上でありますが、経常収支比率は、本来なら80%台が健全の目安と言われております。  財政のバロメーターである経常収支比率や実質単年度収支額黒字を持続させることが、安定的な財政運営の理想であります。  本市は、5大構想を実現させるため、今後は3次総の成果を踏まえた第4次総合計画の策定を進められます。  計画策定には、財源との整合性も問われていくと思います。特にコロナ禍で不透明な状況の中、いかに未来へ投資のための資金を捻出できるのか、財政運営に不可欠な行財政改革やアセットマネジメント推進での財源確保も大切でありますが、本市の、いわゆる金庫番でもある財政局は、今後、厳しい見通しの中で、いかに経営意識を持って自主財源確保などをどのように考えているのか、令和2年度決算を踏まえながら、当局の見解と今後の財政運営に関する課題や財源の見通しを質問します。  1点目として、令和2年度決算をどう評価しているか。  2点目として、令和2年度決算では、どういった課題があると考えているのか。  3点目として、今後の財政運営の見通しはどうか、お聞かせください。  次に、大項目2番目、静岡型小中一貫教育についてであります。  昨日、共産党さんの代表質問でも取り上げられましたが、私は小中一貫教育は必要との立場で質問いたします。  私、1期目に、委員会でこの問題を何度か質問させていただきました。いよいよ来年度から一律実施ということで、半年前になりましたが、小中一貫教育の必要性は確かに感じているものの、議員各位、また市民の方々、そして特に保護者や学校運営に携わる方々から、小中一貫教育とは一体何だという漠然としたイメージしか湧かないというのが現状だと思いますので、再度、確認の意味で伺います。  まずは、私なりに小中一貫教育の基本的な意義や目的を調べましたが、国や学校が要請する教育内容に伴う段差解消、学習指導や生活面での教員の指導に伴う段差解消、さらに中1ギャップと言われる新しい学校生活への不安解消など、義務教育9年間を連続かつ断続的に行いながら、多くの課題を解消できるとのことであります。  既に実施されている自治体では、教育の質の向上や教員の意識改革が出ているとして、多くの成果が出ているとの声も聞きます。  さて、本市の静岡型小中一貫教育とは、国が奨励するスタンダードな基本方針に加え、どのような特色があるのでしょうか。  過去の資料を見ますと、本市ではつながる力を児童生徒へしっかりと植えつけるために、小中学校で共通の教育目標による教育実施、地域活動への参加を通して、地域と連携した教育で、学校と地域が目指す子供像を共有し、静岡愛を持った健全な人間へ成長させるために、9年間を見通した教育を展開する計画とされております。  これが計画どおりの成果が出れば、静岡愛を育んだ子供たちが大人に成長することによって、静岡市へ今後も定着していくことが期待できます。  ただ、現実はそう簡単にはいかないとは思います。各学校や地域には、それぞれの特徴や事情があるため、実情に合わせた教育目標、また方向性や具体的な中身をしっかり煮詰めていく必要があります。  文部科学省が平成26年10月に出した小中一貫教育に関する検討すべき事項を見ますと、基本的に方向性を検討していく中で、施設一体型・分離型の扱いをどう考えるかや、9年間の教育課程の区分の在り方、教育課程や特例の在り方、学校指導要領との関係をどう考えるか。さらに、教員組織や指導体制、教職員人事の在り方を検討する必要があるとされております。  本市では、平成28年度より準備が進められ、現在、中山間地の一部学校では、既に施設一体型の一貫教育がスタートしており、さらに各中学校区グループでも準備委員会が進んでいると伺っております。
     静岡型小中一貫教育ではどのような教育が進められ、また効果が生まれていくのか。スタートまで半年となる中、現状の取組や課題を含めて、静岡型小中一貫教育の方向性を教えていただきたく、ここで質問します。  1点目として、静岡型小中一貫教育とは何か、分かりやすく教えてください。  以上、1回目です。 65 ◯財政局長(大石貴生君) 財政運営に関する3点の御質問にお答えします。  初めに、令和2年度決算の評価についてですが、2年度の市政運営は、新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受け、これに対応するため、10回にわたる補正予算を編成し、状況の変化に合わせて必要な取組を行ってきました。  その結果、歳入は令和元年度に比べ880億円、27.2%増の4,114億円、歳出は878億円、27.8%増の4,032億円となり、いずれも大幅な増加となりました。  歳入決算では、納税が困難となった個人、法人に対する徴収猶予の影響などにより、市税が28億円の減収となる中、感染症対策の財源として、臨時交付金をはじめとする国・県支出金803億円を活用しました。  歳出決算では、2つのライフを守るため、特別定額給付金や感染拡大防止協力金を支給したほか、飲食、小売、観光需要の消費喚起策など、感染症対策として合わせて814億円を執行しました。  あわせて、事務事業の見直しや経費の削減を行い、感染症対策の財源確保にも努めたところであります。  その結果、一般会計の実質収支は53億円の黒字となるとともに、一時1億円まで減少した財政調整基金残高は86億円まで回復し、いずれも令和元年度末と同程度の額を確保しました。  これらのことから、感染症により悪化した厳しい社会経済情勢の中、市民の安全・安心の確保と社会経済活動の両立を図りつつ、財政の健全性を一定程度保つことができたものと評価しております。  次に、令和2年度決算の課題についてですが、2年度決算では、悪化傾向にあった財政の硬直化を示す経常収支比率は94.6%となり、元年度と比べ0.1ポイント改善したものの、依然として高い数値となっています。  この主な要因は、障害者の自立支援やこども園・保育所に対する給付費などの扶助費、病院事業会計や介護保険事業会計などへの繰出金といった社会保障関係経費の増加によるもので、今後も増加傾向が続くと想定しております。  また、臨時財政対策債を除いた一般会計の市債残高は、平成21年度末をピークに抑制傾向で推移してきましたが、令和2年度末は元年度末に比べ15億円の増加に転じ、今後も投資的経費に連動して増加すると見込んでおり、公債費への影響が懸念されます。  現在の財政運営の最大の課題は、財政の柔軟性が失われ、時代に即した新たな施策に対応できなくなることであり、この改善に努める必要があると認識しております。  最後に、今後の財政運営の見通しについてですが、本年2月に公表した令和6年度までの財政の中期見通しでは、市税や地方交付税などの一般財源総額がほぼ横ばいで推移する中、社会保障関係経費が増加し、最大で84億円の財源不足額が生じ、経常収支比率も96%を超える高い水準で推移すると想定しています。  また、直近では、令和4年度の国の概算要求の中で、税収は増加するものの、地方の一般財源総額は3年度と同水準とされ、社会保障関係経費も引き続き増加する見込みで、大幅な収支改善は見込めないと考えられます。  現時点において、感染症の影響が中長期的な社会経済に与える影響は不透明でありますが、これらのことから、今後も厳しい財政運営が続くものと見込んでおります。 66 ◯教育長(赤堀文宣君) 静岡型小中一貫教育の特色についてお答えいたします。  本市では、変化の激しい時代にあっても、常に夢と希望を持ち、自らの未来を切り開く、たくましくしなやかな子供たちを育成することを目指しています。  子供たちには、人や社会と相互に作用し、他者と協働、交流するための資質・能力が重要であり、これを静岡型小中一貫教育ではつながる力と捉え、その育成に向けて取り組んでいます。  静岡型小中一貫教育では、子供たちの主体的に地域社会づくりに参画していこうとする態度を育成することや、郷土に対する誇りを持ちつつ、広く世界で活躍する人材の育成を目的としています。そのために、縦のつながりと横のつながりを手段として、子供を育成するという点が静岡型小中一貫教育の特色です。  縦のつながりとは、中学卒業時のゴールの姿を小中学校で共有し、その姿の実現に向けて各学年の指導を充実させる、9年間を貫く系統的な指導です。  常にゴールの姿を描きながら、教員が他学年の指導内容を共有して指導に当たることにより、見通しとつながりのある指導を通して、子供たちの確かな資質能力の育成が可能になります。  縦のつながりにおいては、進級時の学習内容を意識することで、より理解しやすい授業実践が可能になったり、行事等で系統的な異学年交流を行うことで、進学時の意欲が増したりするなどの成果が上がっています。  また、横のつながりとは、学校の指導と地域の願いを連携させ、学校と地域が願う子供の姿を共有し、子供を育てるという考え方です。これにより、子供と地域の方々とのつながりも広がるため、学校の枠を超え、多様な人々とつながることが可能になります。  横のつながりの一例としては、地域防災における自助と共助の自覚を育むため、小中学校9年間を通した防災学習カリキュラムを作成した上で、中学生が自治会の方々と一緒になって、地域防災訓練の内容を考え、小中学生が共に活動に参加するなど、グループ校で地域参画の意識の向上や、地域への愛着が深まる姿が見られました。  縦と横のつながりを特色とする静岡型小中一貫教育は、たくましくしなやかな子供たちの育成のために効果的な教育であるため、令和4年度から全市一斉スタートいたします。   〔寺澤 潤君登壇〕 67 ◯寺澤 潤君 2回目の質問に入ります。  まず、財政運営について、1回目の質問では、決算に対する評価と見えてくる課題、さらに見通しについて御答弁がありました。一定の評価はしておりますが、今後は厳しい財政運営が続くと理解できました。  では、厳しい財政運営を乗り切るためには、財源をどのように確保していくのか。さらに、財政運営と連動して取り組むべきテーマである行財政改革、アセットマネジメント推進について質問していきます。  自治体収入の骨幹である地方税の減少は避けられない見通しであります。これは家計で言えば、給料が減ることであり、親である国からの仕送り金、交付税への依存が高まると見えます。しかし、国の財政状況も厳しくなる一方であります。  本年5月に国が示した財政健全化に向けた建議では、国と地方を合わせた全体の歳出と歳入の巨額のアンバランスを直視し、折半対象財源不足を縮減・解消すべく、経済再生と財政健全化へ向けて、国と地方が歩調を合わせて歳出改革に取り組んでいくとなっております。  さらに、標準的な行政サービス・歳出水準を不断にしつつ、見える化を進め、自律的な地方財政運営を拡大・深化していくとのことであります。  要は、国として地方への仕送りは、今後見直すと。地方自治体に自立を求めていくことであります。  今後は、自主財源の確保に努力しつつ、効果的な財政運営を行っていかないといけないということであります。  もちろん、行財政改革やアセットマネジメントの一層の推進も必要ではありますが、絞るだけでは、財政運営は持続せず、先細りしてしまうおそれもあります。  そこで、自治体が独自で稼ぐ意欲を持って、今後、減少が予想される国からの依存財源に頼るだけでなく、安定的な財源を自治体自身が確保することであります。  現在、多くの地方自治体で取り組むふるさと納税について、本市でも少しずつ力を入れ始めております。  我が会派の池谷議員から2月議会の代表質問において、企業版ふるさと納税の質問が出されるなど、自主財源に効果を与えるため、積極的な取組が期待されます。  現に隣接の焼津市では、年間の寄附額が52億円、全国トップの宮崎県都城市では、135億円と効果が出ております。本市は、昨年度5億円余の収入とのことですが、もっと積極的な推進を図れば、財政に大きな効果を与えるとともに、地元経済界にも多くのビジネスチャンスを与えます。  もちろん、地方自治体が独自で財源確保する方法は難しい要素があります。理想的なのは、人口や雇用を増やして税収をアップすることだと思います。  しかし、現状の3次総の計画実施や移住政策を行っていても、目に見えた効果が出ない。昨日の人口70万人の計画のこともありますが、今後はいかに人口減で減収になっても、それを補填するぐらいの財政力を持つことが必要であります。  何より、先ほどの答弁で財源が84億円程度不足するとの見込みで、これを解消するには、当局が積極的な姿勢で財源確保することが求められているため、ここで質問します。  今後、健全な財政運営を図るため、どのような取組を行うのか、お答えください。  次に、行財政改革についてであります。  現在、第3次行財政改革後期実施計画が進められております。この計画は、単なるコスト削減ではなく、住民の生活の豊かさを目指した自治を希求する活動だと策定目的が示されております。  要は、コスト削減だけを求めれば、行財政の効果は出ても、市民サービスなどに影響が出ることは必至であり、いかに地域社会や市民生活を向上させるため、質の高い行財政運営を保ちながら、そのために必要な改革を断行するかであります。  前期実施計画の総括では、事業見直しやコスト減、さらに官民連携推進や小中学校校務支援システムの業務効率化などに取り組んだ結果、計画を上回る210億円の効果が出たとされております。  令和2年度から始まった後期実施計画では、5大構想を本格化させるため、さらなる計画の実行で持続可能な行財政運営を推進となっております。  しかし、昨年から猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の蔓延により、行財政改革も実態を踏まえた見直しが必要だと感じております。  先日、議員各位へも、本計画の令和2年度実績報告が示され、44億7,000万円余の効果額との成果を出しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、イベントや研修の開催が制限されたことにより、数値目標達成の評価が前年度を下回る結果となり、コロナ禍の影響が大きいと見えます。  何より、5大構想の中でも、海洋文化等事業の一旦停止など、本市の将来を左右する大型事業の進捗の見通しが定まらない中、行財政改革への影響と見直しも避けられないと思いますが、本市がどのように考えているか、ここで質問します。  1点目として、第3次行財政改革後期実施計画の令和2年度の実績について、コロナによりどのような影響が出ているか、お答えください。  また、コロナ禍で多くの事業進捗に影響が出る中、デジタル化社会の中で、いかに本市が率先してICT推進による効率的な行政運営を図れるかが問われております。現状は、行政内のデジタル化は道半ばと認識しており、一層の推進が求められます。  また、コロナ禍による行政サービスの業務量について、コロナ対策を抱える担当部局では大幅に増えていると思われ、職員の負担増が心配されます。そうなると、職員の適正配置や業務の効率化について、計画との整合性を図る必要があると考えます。  行財政改革は、数字を出せばよいとはなりません。その中身がしっかりと本市行政にどのような効果をもたらし、また今後、本当に持続的かつ効率的な行財政運営の推進が問われていきます。  一番気になったのは、市民参画や官民連携の取組の多くは、数値目標が計画より下回ったことであります。コロナ禍で制限はありますが、自治体の行財政運営を効率化するため、もっと市民参画や市民自治を官民連携で効果的に進めるべきだと考えます。  私が以前、視察で伺った島根県松江市では、松江市総合戦略推進会議を立ち上げ、人口減少などの課題に行政だけでは限界として、市内の経済界や各種団体、市民団体と連携しながら、民間主導で360に及ぶ事業を策定し、行政が裏方でサポートしながら戦略的に進める事例を聞き、本市でも一層の官民連携を進めるべく、もっと市民を巻き込むべきじゃないかと感じたところであります。  コロナ禍が長期化する中で、コロナで計画延期とは理由にはならないと思います。いかに影響を最小限に抑え、デジタル化を駆使するなどして、市民自治や官民連携を強力に進めるかであり、当局としてコロナ禍でどのように計画を実施し、成果を出していけるか、ここで質問します。  2点目として、コロナ禍の変化に対し、今後、後期実施計画をどのように対応させていくのか、お答えください。  次に、アセットマネジメントの推進についてであります。  財政健全化や行財政改革の中には、常にアセットマネジメント推進の言葉が出ております。平成26年度にスタートしたアセットは、健全で持続可能な都市経営の実現を目的に、3つの基本方針が定められております。  1つ目は、30年間で総延べ床面積20%縮減を図る総資産量の適正化。  2つ目は、定期的な保守点検かつ計画的な維持修繕により、財政負担の軽減と平準化を図る長寿命化の推進。  そして、3つ目は、PPP/PFIを用いた官民連携推進で、施設管理や整備に効果を出す民間活力の導入であります。  しかし、そのうち1、2の総資産量の適正化と長寿命化について、現状、必ずしも成果が出たとは言えません。現に公共資産の中で教育施設が39%、市営住宅が20%と、全体の6割は市民生活に直結する施設として、そう簡単に縮減など手を入れることができにくく、また維持運営にかかるライフサイクルコストは増える一方であります。  現状を見ても、最新の数値で総延べ床面積の縮減率は2%と低く、このペースでは、令和25年度までの目標達成が程遠い状況であり、適正化は見直しが急務だと思います。  では、アセットの確実な着手には、何に力を入れていけばよいのか。私は、3つ目の民間活力の導入だと思います。  他市の先進事例を見ても、民間活力導入の成功は、財政を下支えする役割となり、現在、多くの自治体がPPP/PFI方式による民間活力導入で、大型事業に取り組んでおります。  本市では、民活導入推進を目的に、令和元年度から静岡市PPP/PFI地域プラットフォームを定期的に開催し、多くの民間事業者が市内外から出席されたと聞いております。では、その成果がどの程度現れているのか。また、今後、本市としてアセットマネジメントの推進に民間活力導入をどのように強化されていくのか、現状を踏まえた取組状況を伺います。  ここで質問します。  民間活力導入の現況はどうか。また、今後どのように取り組んでいくのか、お答えください。  次に、小中一貫教育について2回目の質問であります。  特色や現状について先ほど答弁がありました。特色の中で横のつながりが強調されております。要は、学校と地域がいかに連携し、子供たちが静岡愛を育むかであります。  今までも地域の方々との交流、連携は取り組まれていたと思いますが、静岡型小中一貫教育導入により、一層地域との連携が強化され、地元愛が形成された大人へ成長が期待されます。  しかし、地域にはそれぞれの実情や特徴もあり、また中心部や中山間地とそれぞれの事情や違いを学校がどう把握し、連携を進めていくかであります。  文科省の検討すべき事項の中でも、地域の事情を踏まえた柔軟な取組を可能とするために、どのような制度設計が考えられるかとなっており、地域の事情によっては、教育課程の制度設計も柔軟に変える必要があります。  特に大規模校と言われる児童生徒数の多い地域ではどうでしょうか。私の地元の清水第七中学校グループでは、幸いにも地域の皆様が熱心に取り組んでいる様子を伺い、これは教育委員会でも大変熱心に取り組まれていると高い評価をいただいております。  この七中グループでは、小学校が2校で1,550人、中学校を合わせて2,200人の児童生徒を有する大規模なエリアであり、一部は隣接の中学校へも進学します。  文教エリアとして、市も力を入れている有度地区では、児童生徒を地域でしっかりと育み、地域愛を持った健全な人間に形成していく取組が行われております。そんな地元では、この小中一貫教育に期待する声がある一方、一貫教育の実現性が大規模校でどの程度あるのか、また何が変わるのか、地域はどのように連携していくのかとの声も聞きます。  地元の皆様は、せっかくなら地元の歴史やよさをしっかり認識してもらい、大人になっても地元に定着してほしいとの願いがあります。どうかこの静岡型小中一貫教育は、小中一貫の縦のつながりも大切ですが、私は、地元地域の意向に沿った教育を進めることにより、本当の意味で静岡が大好きと言える子供が一人でも多く育ってほしいと感じます。  そこで、本市が横のつながりについて、地域に何を求め、どのような教育を求めているのか。その点をいま一度確認する必要がありますので、ここで伺います。  2点目として、地域とのつながりについてどのような取組を行っているか、お答えください。  以上、2回目です。 68 ◯財政局長(大石貴生君) 健全な財政運営を図るための今後の取組についてお答えします。  健全な財政運営には、行財政改革や、アセットマネジメントに位置づけた取組などを各局が総力を上げて実施していく必要があります。  具体的には、歳入面において、自主財源を確保し、安定した財政基盤を確立するため、市税等の収納率の向上、未利用地の売却などに取り組むとともに、人口活力の維持、企業立地の促進により税収の確保を進めていきます。  歳出面においては、新たな潮流であるデジタル化による行政の効率化や予算編成を通じた事業の重点化、アセットマネジメントによる施設の統廃合、清水病院をはじめとする公営企業の経営改善などに取り組んでいきます。  また、増加する社会保障関係経費の抑制のため、高齢者の就労促進や、生活保護受給者への健康管理の支援などを進めていきます。  さらに、こうした取組に加え、地方創生への効果が期待できる企業版ふるさと納税など、民間活力を積極的に取り入れ、新たな施策に必要な財源を生み出すことにより、健全な財政運営に努めてまいります。 69 ◯総務局長(渡辺裕一君) 行財政改革についての2点の質問にお答えいたします。  まず、第3次行財政改革後期実施計画の令和2年度実績について、コロナによりどのような影響が出ているのかについてですが、令和2年度実績の効果額は、御案内のとおり44億7,000万円余で、計画額に対する達成率は96.5%となりました。  新型コロナウイルス感染症の効果額への影響としては、緊急経済対策として実施した市税の徴収猶予により収入の減少がありましたが、ふるさと寄附金制度の推進による収入確保や事務事業の見直し、予算編成を通じた事業の重点化による歳出削減の取組などで、全体では目標に近い実績となりました。  効果額以外への影響としては、令和2年4月から約1か月間に及んだ緊急事態宣言やその後の催物等の制限により、イベントや講座、研修などが計画どおりに実施できなかったことから、主に官民連携、民間活力の活用の取組に大きな影響を受けました。  次に、コロナ禍の変化に対し、今後、後期実施計画をどのように対応させていくのかについてですが、実施計画は、毎年度、取組の新規追加や修正を行っております。直近の本年3月の改定では、市民の来庁が不要になる行政手続のオンライン化などのデジタル化や、地域で活動するNPOの資金調達を支援するふるさと応援寄附金の活用などの取組を追加いたしました。  しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会環境や市民ニーズが大きく変化しております。そのため、行革の取組もこれに速やかかつ柔軟に対応していく必要があると認識しています。  そうした中、令和2年度においては、対面で行う予定だった地域の人材育成事業にオンライン会議をいち早く導入したところ、事業の参加者が地元自治会にこのやり方を持ち帰り、オンラインの取扱い練習会を開催したことで、自治会でもオンライン会議が導入されるという計画の想定を上回る成果もありました。  新型コロナウイルス感染症の影響の先行きは、まだまだ不透明ですが、今後も社会変化に対し柔軟に対応したスピード感を持った後期実施計画としてまいります。また、次期行財政改革推進大綱の策定においても、同様に進めていきたいと考えております。
    70 ◯企画局長(松浦高之君) アセットマネジメントにおける民間活力導入の現況と今後の取組についてです。  民間活力の導入は、本市の財政運営を下支えする重要な取組であると認識しており、事業費の総額が10億円以上の大型事業については、静岡市PPP/PFI導入優先的検討指針に基づき、まず民間活力の導入を検討することとしております。  さらに、この民間活力導入の検討をより効果的に進めるため、地域の企業・金融機関・地方公共団体等が一堂に会する静岡市PPP/PFI地域プラットフォームを開催し、民間企業から資金調達方法や事業スキームなどに関する意見を直接聞くことで、事業の課題整理や熟度を向上させることに役立てております。  具体的には、これまで計11回、延べ27の事業について、本プラットフォームを活用し、これまで城北公園パークPFI活用事業や大浜公園再整備事業、トライアルパーク蒲原プロジェクトについて、民間活力を導入した事業として進めることができました。  今後も、行政から様々な事業の提示を続けるとともに、ウェブ環境下でも実施するなど、より多くの事業者の参加を募り、プラットフォームを継続して開催していくことで、本市事業への民間活力の導入が進むよう取り組んでまいります。 71 ◯教育局長(青嶋浩義君) 静岡型小中一貫教育における地域とのつながりについてですが、静岡型小中一貫教育では、学校と地域との連携による横のつながりを生かした教育活動を行うことにより、主体的に地域社会に参画し、郷土に誇りと愛着を持つ子供たちの育成を目指しています。  地域連携による取組としては、例えば、地域人材による講話や地域の地場産業を題材とした探究学習への協力、地域と合同で行う防災訓練など、学校と地域が連携して子供たちの指導に当たっています。  また、小中一貫教育の具体的な取組について、地域の理解を進めるための広報にも力を入れております。各グループ校では、学校だよりや学校ホームページ等を活用し、地域への発信を強化しており、教育委員会においても、市の広報紙やホームページへのグループ校の取組例の掲載や、実践研究校の発表会を計画しています。  今後も、地域の皆さんとの交流や連携を大切にしながら、令和4年4月の静岡型小中一貫教育の一斉スタートに向けて取り組んでまいります。   〔寺澤 潤君登壇〕 72 ◯寺澤 潤君 3回目は、意見・要望といたします。  まず、財政運営であります。  財源確保の中で行財政改革とアセットマネジメントに総力を挙げると財政局長から御答弁がありました。そうであれば、本市役所の基軸と言える財政局、総務局、企画局が連携を密にして、3次総の仕上げと4次総の策定を含めたあらゆる課題に取り組んでいただきたいと思います。  財政局は、要は金勘定だけじゃなくて、しっかりと本市のいろんな企画に取り組んでいただきたい、そう願うわけであります。  明確な財源がなければ、3次総、4次総も企画倒れ、成果がないことになってしまいます。どうかひとつ財政局が積極的に本市の未来計画への参画をお願いいたします。  企業版ふるさと納税について、民間活力を積極的に取り入れる旨の答弁がありました。先日、市より、個人向けに返礼品を拡充して、財源確保の強化を行うとの発表もあり、これからの展開に期待したいと思います。  ただ、ふるさと応援寄附金以外にも、自主財源確保のツールを増やしていくべきだと思います。  例えば横浜市のように、広告事業を強化する方法、また目的税の導入を検討することも必要であります。目的税は、賛否両論もありますが、宿泊税など、今後、交流人口を増やしていく本市において検討する余地はあると思います。  また、行財政改革について、後期実施計画の現状やコロナ禍での見通しを聞くことができました。今後の行財政改革で必要な点として、基本方針にある市民協働、官民連携の推進を一段と強化していただきたいと思います。  要は、大きな自治を形成することで、市民と行政が一体感を持って地域社会や自治体を運営、推進していくことがベストだと感じます。  現状を打破するためには、積極的に民間へPRすることも必要であります。ぜひ官民連携の着実な推進により、効果的な行財政改革が進むことを求めます。  なお、最適な職員規模による行政経営の推進について、会計年度任用職員の採用が見込みより増えたため、前年度より成果を下回ったとなっています。しかし、コロナ禍の中、行政サービスやコロナ対応の業務量が増えていくことが予想されます。  現状でも、コロナ関連の部署では、職員の負担が本当に多くなっております。どうか一概に職員削減に走ることなく、実情に見合った職員の適正配置をお願いします。  アセットについてであります。  民間活力の推進状況は分かりました。スピード感ある推進をお願いするとともに、民活導入での海洋文化施設などの大型事業の着実な実行を求めます。  なお、教育施設に関して、現在、一部の中山間地の学校で施設一体型小中一貫教育による学校の統廃合が進んでおります。それに伴う廃校舎の利活用について、ぜひ民間活力導入で、地域の財産として生まれ変わる仕組みができたらと思います。  ただ、PFI手法について、必ずしもメリットだけではなく、財政的負担が生じるデメリットも見受けられます。本市のPFIガイドラインには、リスクの分担を基本とする旨が書かれております。官民双方が損害を受けないためにも、監視を強化するとともに、決してPFI方式にこだわることなく、リスク回避を優先した事業方法の選定をお願いします。  小中一貫教育についてであります。  来年度の実施に向けて、いろいろな意気込みを感じましたが、それぞれの地域事情や学校事情は様々であります。  先日、中島中学校では、地域と一体で防災活動に取り組んだ結果、時事通信社から教育奨励賞を受賞するなど、ある意味、小中一貫の成果も出ております。  ただ、実質スタートまで半年となりました。ぜひ先進的に取り組むグループ校を参考にしつつ、メリット・デメリットをしっかり現場、あるいは地域へ、また、児童生徒へも周知して、不安や懸念の声が解消されるような取組をぜひ行っていただき、形式的な一貫教育じゃなくて、やる以上は、静岡愛を育んだ子供が育てばと思います。 73 ◯副議長(山根田鶴子君) あと1分です。 74 ◯寺澤 潤君(続) ぜひ作戦本部である教育委員会には、学校現場や地域とのコーディネートをしっかりと行っていただく。要は学校任せじゃなくて、しっかりとこの課題に取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    ─────────────────── 75 ◯副議長(山根田鶴子君) 本日は、これにて延会いたします。         午後2時58分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...