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  1. 静岡市議会 2019-06-04
    令和元年6月定例会(第4日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(遠藤裕孝君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(遠藤裕孝君) 本日の議事日程は、お手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第179号 令和元年度静岡市一    般会計補正予算(第2号) 外28件(総括    質問) 3 ◯議長(遠藤裕孝君) 日程第1、議案第179号令和元年度静岡市一般会計補正予算(第2号)から日程第30、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、池谷大輔君。   〔19番池谷大輔君登壇〕 4 ◯19番(池谷大輔君) 自由民主党池谷大輔でございます。  通告に従いまして質問いたします。  今回の質問ですが、まずは、これで通算5回目になります、ふるさと納税について。制度が始まって10年がたち、この6月に法改正がなされまして、新制度となりました。これからの市の取り組み方を質問いたします。次に、WeWorkについて、最後に、ソーシャルインパクトボンドについて聞きたいと思います。  ふるさと納税は、2008年、地方税法の改正により制度の運用が始まりました。以降、この10年の間に制度の改定と自治体が提供する魅力的な返礼品により、初年度81億円だった寄附金は、2017年度で3,653億円にまで市場は拡大しました。制度利用者の急増と制度の普及に成功した一方で、当初から懸念されていた大都市における住民税の減収や豪華な返礼品、はたまた現金化しやすい金券などによる住民税の争奪戦など、各種の問題が議論されております。  ふるさと納税の趣旨を考えれば、おのずと不適切な運用はされないと考え、運用については自治体の良識に任せていた総務省は、一部の行き過ぎた自治体を律するため、2019年に法律を改正し、ことしの6月から新たなルールを取り入れております。  ふるさと納税制度はまだ始まって10年と歴史は浅く、今までも、これからも必要に応じて制度自体が変化していくものであると考えております。特定の自治体では、総務省による制度改正によって、返礼品に頼っていた地元の企業が倒産したという話も聞きますが、ふるさと納税制度がなぜ始まったのかという制度の趣旨を自治体側がよく考えなければなりません。あるべきふるさと納税を模索し、制度を運用することで、税を奪い合うだけの競争ではない、ふるさとの発展に寄与できる真のふるさと納税に昇華されるだろうと考えております。  ふるさと納税の発案者は、前福井県知事の西川元知事であります。西川元知事がふるさと納税を提唱した理由は3つありますが、その中でも特にライフサイクルバランス論についての記述をよく見かけます。ふるさと納税のそもそもの趣旨とは、地方と都市の間にある人のライフサイクル・バランスの悪さから来る税制の緩和措置という考え方であります。人は生まれてから高校卒業まで、保育や教育などの行政サービスを出身地で受け、その後、おおよそ半数は大学に進学し、就職し、税を払う立場になります。生まれ故郷にとどまり就職するのであれば、受けた行政サービスを納税として返すため、出身地の自治体の中で受益と負担のバランスはとれます。
     しかしながら、多くの若者は大人になるとふるさとから都会へ転出してしまいます。ふるさとの自治体は税金で子供を育て、都会へ送り出すという形になり、若者を受け入れる都会の大都市は納税のメリットだけを受け取ることになります。福井県では、毎年3,000人が進学や就職で県外へ転出し、そのうち戻ってくるのは1,000人だそうです。生まれてから高校卒業までの18年間に受ける行政サービスの総額は1人1,800万円であり、このゆがみを是正しようという考え方であります。  2006年の日経新聞のコラム「地方を見直すふるさと税制案」を政治家が取り上げ、議論が始まりました。2007年に当時の菅総務大臣が制度の創出を表明し、同年6月にふるさと納税研究会が立ち上がり、西川前知事は委員となりました。同年10月にふるさと納税研究会としての報告書がまとめられております。そして、翌年の2008年の国会で地方税法等の一部を改正する法律が可決、公布され、ふるさと納税制度が始まることとなりました。  それから10年、2019年の現在、ふるさと納税は大まかに3つのタイプに分類されます。魅力的な返礼品を用意する返礼品型、返礼品ではなく、使い道で寄附を呼び込むクラウドファンディング型、災害復興に対する援助を求める義援金型の3種類であります。総合的には返礼品型が主流でありますが、クラウドファンディング型に取り組む自治体がふえつつあります。被災地への寄附となる義援金型は、大きな災害が起こるたびに多額の寄附が集まっております。ふるさと納税をきっかけに復興支援の輪が広がりつつあり、クラウドファンディング型や義援金型を見る限り、寄附という習慣がない日本においても、ふるさと納税を通じての寄附が少しずつでありますが、定着していると言えます。  ふるさと納税制度の理念とは、前述した西川前知事の思いのとおりでありますが、現実を見ると競争原理を持ち込んだため、返礼品ありきの制度となってしまいました。多くの返礼品を取りそろえ、民間企業のふるさと納税ポータルサイトに登録し、テレビCMや広告展開を行う自治体に多くの寄附が集まっております。  この商業主義的運用に違和感を覚える自治体も、住民がほかの自治体へふるさと納税をすれば税収が減ってしまうため、半強制的に返礼品競争に巻き込まれる形となっております。  ふるさと納税による寄附金集めについて、その年最も多額の寄附を集めた自治体とはどんなところであるか少し紹介したいと思います。  2015年度、2016年度の全国1位は宮崎県の都城市でありました。都城市は市のPRとして返礼品を地酒と肉だけに限定しております。あえて商品のカテゴリーを限定化することにより、酒と肉なら都城市というプロモーションに打って出ました。それに加え、寄附金に対する返礼品の返礼率の平均を60%と高い数字に設定し、この2つが成功の主要因として挙げられております。特産品の売り込みとPRが目的で、市役所にはお金は残らなくてよいというのが市長の考えでありました。  2017年度の全国1位は大阪府の泉佐野市であります。泉佐野市は135億円を集めました。泉佐野市がこれほど集めた理由は、1,000種類を超える豊富な返礼品のラインナップであります。返礼品は地場産品に限らず、他県の産品や航空会社のチケットに交換できるポイントなど、幅広く取りそろえておりました。2018年度も泉佐野市が1位になるだろうと言われております。  多額の寄附を集める自治体がいる一方で、総務省は制度開始後、自治体へふるさと納税制度について変更点があった際や、行き過ぎた自治体の施策を是正するよう複数回にわたり通知を行っておりましたが、通知に法的拘束力がないことから、意図的に自治体に無視されることもありました。総務省による要請は地方自治法第245条に基づく技術的な助言であり、強制力を持ちません。総務省の助言による指導が強まる中、表向きは従順なふりをしながら、規制の網をすり抜けようとする自治体も存在しました。  とある自治体では、金券の返礼品について電話で問い合わせがあった場合のみ特別なふるさと納税サイトを紹介し、お礼品不要を選び、10万円以上寄附すると寄附額の5割の旅行ギフト券が後日届くといった手口で規制を逃れようとしておりました。総務省の監視の目が緩む土日に限定し、クオカードやアマゾンギフト券を返礼していた自治体もありました。こういった自治体に関してはネット上で闇ふるさと納税として情報が拡散しておりました。  上記のようなマナー違反が散見され、2017年から自治体に対し、良識ある対応を要請していた総務省は、返礼品競争を抜本的に鎮静化すべく、制度の見直しと法改正に動き出しました。総務省が2018年7月6日に発表したふるさと納税に関する現況調査結果において、返礼品の返礼割合が3割を超え、見直すつもりがなく、10億円以上の寄附を集めている12の自治体について、自治体の名前の公表に踏み切りました。寄附者側からすれば、このリストの自治体はよそと比べてお得な自治体でありますが、名指しで公表された自治体の幾つかは反発し、その後、その手法をさらに先鋭化する事態となりました。  2018年9月11日に発表したふるさと納税に係る返礼品の見直し状況についての調査結果において、総務省案である返礼割合の3割を超える返礼品を送付している246団体を公表しました。それに加え、7月6日の調査結果で公表した、12の自治体が9月までに指摘された部分を見直したかどうかも公表されております。さらに、地場産品以外を送っている235団体の品目まで公表し、今後見直すかどうかの意向まで掲載されております。  この一連の総務省側のたび重なるお願いにより、返礼品を見直す自治体がふえることとなります。2カ月後の2018年11月1日時点では、返礼割合3割を超えている自治体は246団体から25団体に、地場産品以外の返礼品を送付している自治体は190団体から73団体にまで減少しております。そして最後に、2018年12月27日に調査結果が発表され、返礼割合3割以上の返礼品を送付している団体は52団体にまで減りました。  2018年12月、ふるさと納税制度の見直し案について、与党税調において議論がなされ、与党大綱がまとめられておりますが、その1カ月前には地方財政審議会の意見として、これまでの総務大臣通知の内容を踏まえ、制度の趣旨をゆがめているような地方自治体に対して支出した寄附金については、個人住民税の特例控除を行わないこととすることなどが考えられるという発言があり、法改正後の自治体に対する扱いがこの時点で示されております。  そして、2019年3月に地方税法改正法案が成立し、6月から新制度になることが確定しました。6月から始まった新しい制度で特筆すべき点は、ふるさと納税の対象となる自治体を総務大臣が指定することであり、指定されない場合、寄附者は寄附控除を受けられなくなる点であります。そのため、自治体は総務省の意向に沿ったふるさと納税制度の運用に努めなければなりません。  ふるさと納税の対象団体に指定されるポイントは3つあります。1つ目は、ふるさと納税の募集を適正に実施すること、2つ目は、返礼品の返礼割合を3割以下とすること、3つ目は、返礼品を地場産品とすることの3つであります。この3つが改正後の地方税法に盛り込まれました。何が地場産品であるかは資料の2ページ目に添付しましたので、お目通しいただければと思います。  この改正法の施行に先立ち、5月14日には今までの経緯を踏まえ、4つの自治体が指定から外されることを総務省が発表しました。東京都はみずから制度利用の申請を出さなかったため指定されませんでした。ほぼ全ての自治体は指定されましたが、43の自治体はことしの9月末までの4カ月だけの期間限定の指定にとどまりました。これは、多額の寄附金を集めなかったものの、返礼品の割合が3割強もしくは地場産品以外のものを返礼していたため、4カ月だけの指定となったわけであります。これはふるさと納税の全体の7割は年末に行われるため、その前に是正しなければ、年末はふるさと納税をさせないという措置だと考えられます。  法改正後のふるさと納税において、地方振興のためという名目で、過度に返礼品に頼った制度運用は難しくなっております。近隣自治体と返礼品を同一にしてもよいとなったことから、自治体による返礼品の画一化が予想されるからであります。そのため、返礼品には頼らない、物ではない人や事に寄附をしてもらうふるさと納税が活性化すると考えられております。  実際、クラウドファンディング型で資金を集める自治体はふえてきております。資料の後半のほうに入れさせていただきましたが、1つの事例として紹介するのは北海道の東川町の取り組みであります。この東川町ではふるさと納税をしてくれた人を株主と呼びます。株主は寄附したお金の使い道を写真文化首都「写真の町」整備事業であったり、日本初デザインミュージアム建設事業であったり、オリンピック選手育成事業などの8つの事業から選びます。どの事業も使い道が明確であり、かつ町の特色を生かしたものであります。さらに、株主は東川町を訪問し、株主の森に植樹を行うことができ、訪問した際は指定の宿泊施設に無料で宿泊もできます。交流人口の増加に確実に寄与している事例でございます。観光地ではない東川町でありますが、東川町を起点に北海道旅行者をふやすことにも成功しており、東川町による株主に対するアンケートでは、本州在住の8割の方が訪れたいと考えており、投資資金の提供だけでなく、実際の交流を求める人たちは思いのほか多く存在していることがわかります。経済的メリットではない別の目的でふるさと納税をする人のために、意義や理念を説明し、寄附を集めることは非常に重要であります。年に1回株主総会も開かれ、都会に住んでいる株主は東川町を訪れて、東川町を知り、東川町を育んでいるそうであります。  それとは別に、別の民間サイトふるさとチョイスを利用したガバメントクラウドファンディングでは、自治体が主体となるクラウドファンディングふるさとチョイスの中でプロジェクトとして登録し、寄附金を集めることができます。自治体側が予算をつけづらい社会問題に寄附を募ることで、多くの寄附者に課題を認識してもらい、寄附による問題解決を図ることができます。  ふるさとチョイスガバメントクラウドファンディングでは、プロジェクトに寄附された応募寄附総額47億3,200万円が過去の実績として掲載されております。ふるさと納税の総額からすればわずか数%かもしれませんが、返礼品ではなく、使い道で選んでもらう総務省が普及を期待している手法であります。  過去460件のプロジェクトの実績の中で紹介するのは、北海道の根室市が行った「日本最東端の鉄路「根室本線花咲線」を守ろう!~美しい大自然が織りなす絶景、海と大地のグルメ路線~」プロジェクトであります。これも資料に入れておりますので、ぜひごらんいただきたいと思います。JR北海道の根室本線花咲線は不採算路線であり、維持が困難な路線であります。しかしながら、鉄道ファンに人気の高い路線であり、2021年に100周年を迎えるなど、花咲線が何とか継続できるよう願っている人は多く存在しました。  今回のプロジェクトでは、集まった寄附金を人気写真家による絶景ポイントの掘り起こし、PRムービーの制作、ウエブサイトの構築、普及促進活動などの花咲線の乗降客数が増加する取り組みに使いたいとガバメントクラウドファンディングをした結果、目標金額3,331万円を大きく上回る3億43万円、目標金額の9倍の寄附金が集まりました。ローカル路線の廃線を惜しむ鉄道ファンの後押しが寄附につながったのではないかと言われております。  2014年度に寄附額が1位となった長崎県の平戸市では、寄附をしてくれた寄附者とのつながりを重要視しております。人口はわずか3万人でありますが、ふるさと納税をして平戸を応援してくれた方をバーチャル市民と呼び、その方々は4万人を超えております。返礼品を送って終わりにしてしまうと、ふるさと納税で生まれた関係人口はすぐ無関係人口に戻ってしまいます。これからは返礼品を送って終わるのではなく、継続して地域の応援団になってもらう努力、リピートしてもらう努力、関係人口を増加させる努力が必要であります。入り口は返礼品目当てだとしても、足を運んでもらうことで最終的に定住につながる可能性があります。人が移動する交流、移住といったキーワードが重要であります。  総務省はふるさと納税への興味、関心が物ではなく、人や事へ変わるよう各自治体に促しております。しばらくの間はまだまだ返礼品の提供が続くことが予想されますが、もし総務省がさらに返礼品ありきの状況を是正する方針をとるのであれば、現在設定されております返礼率30%という数字がさらに引き下げられることもあるのではないでしょうか。返礼品に頼ったふるさと納税制度の活用は改めなければならない時期になっております。  それでは、そろそろ質問に入ります。  先日、佐賀県庁を訪れ、佐賀県方式のふるさと納税について学んでまいりました。資料の3枚目が佐賀県方式の概要でありますが、佐賀県方式の一番の特徴は、公共性の高い活動をしている地元のNPOや地域の団体あるいは事業者に対し、ふるさと納税で集めたお金を交付するところにあります。地域のため、社会のため、公共的な活動をする団体はやる気はある、人もいる。しかしながら、利益のためにやっているわけではないので、活動資金が心もとない。そういった状況になりやすいと言われております。佐賀県ではそういった団体が取り組んでいる公共的な活動に着目し、公募制度をもってその活動を県のふるさと納税の使い道として登録し、寄附者に寄附をしてもらうという政策をとっております。佐賀県がふるさと納税の使い道を一方的に決めるのではなく、公募で使い道を募集しているというイメージであります。  資料にあるとおり、寄附実績は平成27年度1億5,000万円ほどだったのが、平成30年度には5億3,000万円とふえております。この政策を使って資金調達をする団体もふえており、資料の下段にあるとおり、当初の参加団体は14団体であったものが、現在は61団体にまでふえております。この61団体の中には佐賀県外に事業所や活動母体があったものの、この取り組みを知り、佐賀県内に活動拠点を移転させたところも8団体あるとのことで、移住定住や企業誘致にもつながり、成功しているとのことでありました。自治体にとって地域活動の活性化だけでなく、さまざまなよい効果が出る施策であると考えております。  視察から戻り、自由民主党主催でこの佐賀県方式のふるさと納税について視察報告会を開き、財政局、市民局の多くの職員の皆様にもこの取り組みを紹介させていただいております。  そこで、質問ですが、本市におけるガバメントクラウドファンディングの実績は現在どうなっているか。また、佐賀県方式のような公募型のガバメントクラウドファンディングについてどのように考えるか、お答えください。あわせて、佐賀県のような取り組みを現段階の静岡市でできるかもお聞きしたいと思います。さらに、現在、自治会・町内会の活動に対する補助制度についてどのようなものがあるか。NPOに対する支援にはどのようなものがあるか。そして、各区において地域活動を支援する事業はどのようなものがあるか、合計5点をお聞きしたいと思います。  次に、WeWorkについて質問します。  WeWorkに関しては、以前加藤議員からも議会で質問がありました。我々自由民主党市議団は、政策グループの視察で一度WeWorkを訪問しましたが、非常に活気のあふれる、勢いのあるビジネスの場であると認識させていただきました。このビジネスの空間の中で、自治体として初めて登録した静岡市が何をするのか強い関心を抱いております。  以前の加藤議員の質問の中に、なぜ静岡市がWeWorkにブースを構えるのか、その意図は何なのかという質問がありました。それに対し、当局は、静岡市のシティプロモーションと市内企業のビジネスマッチングプロモーションの支援、そういう答弁をしたと記憶しております。私は、それを聞いて、それだけではだめだろうと、感じたわけであります。市内企業のビジネスの拡大のため、東京での活動の手助けがともすると東京一極集中に拍車をかけ、市内の企業が首都圏に出ていってしまうリスクもあるのではないかと危惧したわけであります。  WeWorkの魅力は企業同士の連携によってイノベーションや新しいビジネスが生まれる仕組みにあると思っておりまして、WeWorkを拠点とする起業家たちとつながりをつくり、新たに生まれるビジネスや事業拡大していく企業を何とかして静岡に誘致していくべきではないかと考えております。この点に関しては、まだまだWeWorkを活用し切れてないのではないかという問題意識を持っており、今議会においてなぜもっと企業誘致に取り組まないのかと質問しようと考えておりましたが、補正予算を見たところ、何とWeWorkを活用した企業誘致のための予算が計上されておりました。ようやく当局と同じ方向を向いてきた感がございます。  そこで、確認のために質問いたしますが、WeWorkを活用して企業誘致に取り組む狙いはどんなところにあるか、お答えください。  最後に、ソーシャルインパクトボンドについてお聞きします。  昨年もこのソーシャルインパクトボンドについて質問いたしましたが、導入の検討を求める質問に対し、日本においてはまだ始まったばかりであるため、今後の国や地方自治体取り組み事例を調査研究するとの御答弁でありました。  少しだけソーシャルインパクトボンドの解説をしますが、ソーシャルインパクトボンドとは、社会が抱える問題に対し、民間の投資家が事業資金を提供し、設定した指標に結果が達成した場合、行政が成功報酬を与える官民連携の手法となります。主にハード事業ではなく、ソフト事業に対して使われております。国内の最近の事例としては、山口県宇部市、岩手県遠野市、京都府八幡市、鹿児島県指宿市、埼玉県美里町の5つの市町が連携したヘルスケアプロジェクトで、来月スタートいたします。このプロジェクトゴール指標は5年後の医療費、介護給付費を5市町合計で12億円抑制することをKGIとしておりまして、それを達成するため、健康プログラムへの参加者数、運動不十分層の割合、継続率、歩数の変化の4つをKPIの指標とし、年間の目標とするそうであります。ヘルスケアサービスを提供する民間企業も参加し、より成果を高める質の高いサービスを行政とともに住民に提供していくと報道されております。さまざまな自治体でさまざまな形のソーシャルインパクトボンドがスタートしておりますが、現在の静岡市の取り組みはどうなっているか、お答えください。  あわせて、一部報道に出ておりました静岡市が取り組もうとしているアップサイド型のソーシャルインパクトボンドとはどのようなものであるかお答えください。  以上で1回目の質問とさせていただきます。 5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、ふるさと納税についていただいた数々の質問から2つの質問にお答えしたいと思います。  まず1つ目は、本市におけるガバメントクラウドファンディングの実績はどうなっているかについてであります。  議員御指摘のとおり、これまでのふるさと納税制度返礼品競争ばかりに注目が集まりがちでありました。しかし、本市はそれと一線を画し、寄附金の使い道を明確にし、市の今後の施策や本市ならではの特産品などの本市の魅力を広く内外に発信するためのシティプロモーションに主眼を置き、ふるさと納税施策に取り組んでまいりました。  この考え方を活用できる手法として、既にクラウドファンディングを一部採用してきました。例えば、平成29年10月から日本平動物園の猛獣館などに新たな動物の仲間を迎え入れるためにという呼びかけをして、子供たちに人気のジャガーとかピューマを新たに動物園に導入することを寄附金の使い道として提示し、目標金額を1,000万円と設定して募集を行ったところであります。その結果、御存じのとおり、目標を大きく上回る1,800万円を超える寄附金が集まりました。そして、翌年、平成30年7月には、若々しいピューマの雄雌のペアを、そして、ことしの3月には雌のジャガーを新たな仲間として日本平動物園に迎え入れることができました。  このようにクラウドファンディング手法を活用することで、本市が取り組もうとしている施策に対して共感し、寄附金を役立ててほしいという思いを持つ寄附者、静岡に思いを寄せる、このごろ関係人口なんていう言い方をしておりますけれども、そういう方々は現にいるということを私どもも実感し、そういう寄附者の皆様に感謝するとともに、大変心強く思っているところであります。  次に、佐賀県方式のような公募型のガバメントクラウドファンディングについてはどのように考えるかについてお答えいたします。  御紹介いただいた佐賀県の事例は、私どものクラウドファンディング手法をさらに一歩進めた取り組みだと理解しております。ただ、その理念は私どもと同じで、ふるさとや地方公共団体の取り組みを応援する気持ちを形にするという本来のふるさと納税制度の趣旨に合った、寄附者にとっては使い道がわかりやすく、共感を得られる取り組みの先行事例だと捉えております。  静岡市の取り組みは、これまで寄附金の使い道は先ほどの日本平動物園のように、市の施策のみを対象にしてきました。しかし、佐賀県は行政のみならず、行政の支援がむしろ届きにくい、しかしながら、公益性の高い活動に取り組んでいるNPOや地域活動の担い手に対する支援のあり方として、また、彼らは大変資金不足に悩んでいるということを私もよく聞きますので、このような活動の情報発信の機会として、ここにも範囲を広げるというのは有効なふるさと納税制度の活用事例と受けとめております。  もとより官民連携で静岡市を経営していくというのは、私が目指す新しい公共経営のあり方の重要な要素であります。それらの公益的な活動に対して寄附金の使い道を広げていくということは、大変意義のあることだと考えております。  継続は力であります。議員はふるさと納税を取り上げたのは5回目だと先ほどおっしゃっておりましたけれども、1つのイシューを深く研究し、そしてさまざまな方々に理解を求め、先見性を持って市行政に提言していただく姿勢に私は大変敬意を表したいと思います。  そこで、今後、御紹介いただいた佐賀県の事例を初め、全国のほかの自治体における取り組み状況などを調査研究し、議員が提言された公募型ガバメントクラウドファンディング方式の新年度からの実施に向けて、具体的な検討を財政局中心に行ってまいりたいと考えております。  以下は局長から答弁させます。 6 ◯市民局長(深澤俊昭君) 自治会・町内会の活動に対する補助制度とNPOに対する支援の現状についてですが、まず、自治会・町内会の活動に対する補助制度については、自治会・町内会の活動の拠点となる集会所の新築や改築、修繕等に係る経費への補助を初め、地域住民の安心・安全を守るための防犯活動や防災活動、地域住民の交流を深めるためのコミュニティ活動など、さまざまな分野における自治会・町内会の活動を支援するための補助制度を設けています。  次に、NPOに対する支援の現状についてですが、団体運営の支援として、市内2カ所に市民活動センターを設置し、広報活動の支援として市民活動ポータルサイト「ここからネット」を開設しています。また、地域の課題解決に向けて市との協働を促進するため、公募により協働パイロット事業を実施しております。  なお、公益性を有する一定の活動に対しては、他の団体と同様に、NPOに対しても補助等を行うことはありますが、NPO活動そのものの支援を目的とする補助等は行っておりません。 7 ◯葵区長(石野弘康君) 各区における地域活動を支援する事業についてですが、区役所では区の個性を生かしたまちづくりを推進するため、各区における地域の特性、地域の課題、区民のニーズなどを踏まえ、各区独自で地域活動の支援を実施しています。葵区では、地域活動への参加を促進する葵トラベラー、地域の課題解決に向けた取り組みを支援する葵チャレンジャーの2本柱で活動を支援しています。両事業とも地域コミュニティの核となる自治会連合会を対象に支援しているのが葵区の特徴です。  まず、葵トラベラーは、自然や歴史、文化を生かした地域のお祭りやイベント等へバスを出し、集客支援を実施しています。事業を実施する地域では、参加者により満足いただける企画を検討するため、新たに若い世代や女性も運営に携わるなど、地域活動の活発化とともに、将来の担い手づくりにもつながっています。  また、地域の魅力を発信し、再び訪れていただくなど、交流人口の拡大にも結びついています。  次に、葵チャレンジャーですが、地域が抱える課題はさまざまで、単独の地域では解決が難しい課題もあることから、複数の地域が連携して解決を図る地域連動の手法を提案するなど、地域と区役所が協働で課題解決に取り組むものです。  一例を挙げますと、平成30年度には安倍川花火大会会場の草刈りに中山間地域の学区が協力しましたが、令和元年度は葵区全体に協力の輪を広げるなど、地域の垣根を越えてオール葵区で課題解決に結びつける取り組みに広がりつつあります。  そのほかに葵区では、全自治会連合会の会長と地域課題を共有するふるさと未来づくり会議や、葵区内の7つのブロックごとに配置した地域担当職員が地域の課題やニーズを把握し、葵トラベラーと葵チャレンジャーを活用することで地域活動を支援しております。 8 ◯駿河区長(高津祐志君) 駿河区では、直接的な支援である地域提案支援事業と間接的な支援である地域の人材育成事業の2本柱で地域活動を支えています。  地域提案支援事業では、3つのプロジェクトに取り組んでおり、1つ目は、区民(わたしたち)の提案プロジェクトで、これは区長とまちみがきセッションにおいて、区民の皆様から地域課題を初め、駿河区の魅力を磨き上げる提案や意見を聴取し、その企画を翌年度に事業化するものでございます。令和元年度には登呂エリアにおいて、スルガフェスin登呂を予定しており、新たな取り組みとして大学生との協働により、企画・運営することに挑戦します。  2つ目のエコライフプロジェクトは、駿河区自治会連合会との協働により、「駿河区みんなでお掃除の日」による一斉清掃や4Rの啓発など、区民の環境美化意識を高める事業です。  3つ目の元気アップ応援プロジェクトは、地域活性化を目的として活動する団体が新たに取り組む活動を支援する事業です。  もう一つの柱である地域の人材育成事業では、地域コミュニティで活躍する人を育てる駿援隊を実施しています。平成30年度には女性、令和元年度には子育て世代を対象に、防災をテーマにした講座などを実施することで人材の裾野を広げ、地域コミュニティへの参画や防災ネットワークづくりにつながるよう支援してまいります。 9 ◯清水区長(大川寿之君) 清水区では、区民提案事業、意見聴取事業、情報交換事業の3事業を実施しております。  1つ目の区民提案事業ですが、これは清水区にある地域資源をさらに磨き上げるため、公募による市民の皆さんからの意見や提案に基づき、翌年度に事業化するものです。平成30年度は清水の発展に寄与した清水次郎長について認知度を向上させるための意見や提案を受け、令和元年度はその人物像や清水港とのかかわりについてPRするためのコンテンツを作成する予定です。  2つ目の意見聴取事業ですが、自治会が抱えている地域課題について、専門家、NPO、大学生等が協働して解決に取り組む清水区まちづくり協働会議を実施しています。平成30年度は清水地区と浜田地区連合自治会が交流、活動人口の増加を目的に、外国人乗船客をターゲットとして、まち歩きのための方策を検討しました。  また、両河内地区連合自治会では、希少な在来種の大豆から豆腐や豆乳を試作し、地域の特産品にするため、静岡市交流会in東京や清水港マグロまつりにおいてモニタリングを実施しました。  3つ目の情報交換事業ですが、平成29年度から実施している事業で、各地区連合自治会だけでは対応できない懸案事項を行政と情報共有し、意見交換することで解決を目指す清水区民情報交換会を実施しています。清水区でもこのように各事業を通じて支援しておりますが、今後も葵区、駿河区、清水区がそれぞれ地域に寄り添った事業を実施し、地域活動の支援に努めてまいります。 10 ◯経済局長(池田文信君) WeWorkを活用して企業誘致に取り組む狙いについてですが、WeWorkには国内の大手企業や国際的に知名度の高いグローバル企業を初め、新たな事業の立ち上げや事業拡大を目指す成長志向の強い企業が数多く参画しています。このように、WeWorkは設備投資や地方展開などの意向を持つ企業に出会える可能性が極めて高い場所であると考えています。  また、WeWorkの都内の拠点や会員企業はふえ続けており、WeWorkのビジネスコミュニティはさらに成長していくことが見込まれています。  本市としては、平成30年10月の入居以降築いてきた会員企業とのネットワークやWeWork自体の成長力を活用し、首都圏における誘致活動のプレゼンスを高め、本市への企業誘致につなげていきたいと考えています。 11 ◯企画局長(前田誠彦君) ソーシャルインパクトボンド取り組み状況とアップサイドソーシャルインパクトボンドについて一括してお答えいたします。  お手元に資料をお配りしておりますので、ごらんになりながら聞いていただければと思います。  ソーシャルインパクトボンドは、資料の上面左にありまして、先ほど議員からの御説明もありましたが、民間資金を活用して社会的課題の解消と行政コストの縮減を目指す枠組みであります。これまでに全国では約10件の導入事例や実証事業が行われており、新たな制度の1つとして注目されております。  本市におきましては、本年3月、この制度の調査研究を進めていくため、一般財団法人社会的投資推進財団及び株式会社デジサーチアンドアドバタイジングと事例研究や実証事業などを行う協定を締結し、現在、シングルマザーに対する創業支援をテーマとしたモデル事業を行っているところでございます。  続いて、モデル事業で行うアップサイドソーシャルインパクトボンドについてですが、資料の右上になりますけれども、これまで他都市で行われてきた取り組みは、事業により削減が見込まれる将来的な社会保障費などの一部を成果報酬として支払う仕組みとなっています。  一方、モデル事業におけるアップサイド型とは、事業によって増加が見込まれる税収などの一部を成果報酬としますが、これまで導入事例はなく、今回全国に先駆けて試行的に行うものでございます。これがうまく実現できれば、直接的に税収増につながる事業を財政的なリスクを抑えながら展開できることになると考えられるため、モデル事業を官民連携のもと進めてまいります。   〔19番池谷大輔君登壇〕 12 ◯19番(池谷大輔君) それぞれ御答弁いただきました。ふるさと納税については3回目の意見・要望にして、WeWorkに関して引き続き質問したいと思います。  WeWorkを活用した企業誘致に取り組む狙いをお答えいただきました。WeWorkには設備投資や地方展開を考えている企業に出会える可能性があり、これまでのネットワークを生かして誘致活動をしたいという旨の答弁でありました。現在のWeWorkにはスタートアップ期のベンチャー企業だけでなく、成熟した大企業も多数入居しております。積極的なお声がけを期待します。  WeWorkは東京で現在16カ所展開しており、それぞれのWeWorkで、それぞれのコミュニティを形成しております。当局におかれましては、昨年からGINZA SIXや丸の内北口、東京スクエアガーデンなど、各地のWeWorkでイベントを行っておりますが、まだまだほかのところにもPRできる余地はあると思います。  先日の6月19日には、テレワーク事業者の誘致イベントを参加者80人規模で開いたと聞いております。引き続きさまざまな箇所でイベントを開き、入居者同士の横のつながりをつくっていただきたいと思います。  そこで、次の質問です。  さきの質問で企業誘致に取り組む狙いをお尋ねしましたが、次は企業誘致を具体的にどのように進めていくのか、お答えください。  次は、ソーシャルインパクトボンドについてであります。  静岡市の現状とアップサイド型について解説いただきました。静岡市が検討しているアップサイド型のソーシャルインパクトボンドとは、従来とは異なり、直接的に静岡市の税収がふえた際、その中から成果報酬を支払うものであり、シングルマザーの創業支援をするとのことでした。社会的課題に挑戦し、シングルマザーの手助けになるよい施策になるだろうと考えております。  提携先のIRをよく読んだところ、シングルマザーに対して、起業に対する包括的な支援に加え、生活の支援や就労能力の開発、起業に係る費用の支援に2年間の生活費も保証するとありました。我が静岡市は昨年10月に日本シングルマザー支援協会と地方創生の推進に向けた連携に関する協定も結んでおります。引き続き協会と密接な連携をとりながら、アップサイド型のソーシャルインパクトボンドが始められるよう研究を進めていただきたいと思います。  さて、このソーシャルインパクトボンドでありますが、行政が行う施策の中でさまざまな分野にも応用がきくのではないでしょうか。必要経費の削減と社会問題の解決が同時に図れるソーシャルインパクトボンドに対し、静岡市は今後どのように進めていくのかお尋ねして、2回目の質問とさせていただきます。 13 ◯経済局長(池田文信君) 企業誘致の具体的な取り組みについてですが、平成30年10月の入居以降、会員企業との情報交換や交流を進めてきた中で、お試しテレワークで本市を訪れる企業や拠点開設の相談をしてくる企業も出てきています。  そこで、多くの会員企業から誘致対象を掘り起こし、効率よく企業誘致を進めるため、アンケートによる意向調査や本市の立地環境と支援制度などについての説明会を実施していきます。  また、WeWorkにおいて本市が独自に構築した事業連携を創出するネットワークを活用した企業誘致に取り組んでいきます。具体的には、最先端のITやAIの分野の企業に本市への進出を働きかけるため、WeWorkで交流の生まれたAI関連企業の技術者や研究者を市内に招聘するツアーを企画しています。本市の住環境や首都圏からのアクセスのよさをアピールし、開発拠点やサテライトオフィスの開設を提案するとともに、市内企業との交流機会を設け、開発や実証実験の可能性を探っていきます。  このようなWeWorkを活用した取り組みを実施することにより、首都圏から優秀な人材や投資を呼び込み、本市への企業の進出や市内企業のビジネスの拡大につなげていきたいと考えています。 14 ◯企画局長(前田誠彦君) ソーシャルインパクトボンドを今後どのように進めていくかについてですが、まずは今回のモデル事業を実施する中で、ソーシャルインパクトボンドのノウハウや知見を得るとともに、費用対効果について検証を行っていきたいと考えております。  また、本市施策のどのような分野にこの枠組みの活用が可能かについても、あわせて研究を進めてまいりたいと思います。   〔19番池谷大輔君登壇〕 15 ◯19番(池谷大輔君) 3回目は意見・要望です。  まずはWeWorkから申し上げます。
     具体的な企業誘致の方法をお答えいただきました。答弁にもありましたが、一足飛びに企業誘致を直接お願いするのではなく、まずは静岡市との事業連携を進めていただくよう要望いたします。静岡市あるいは市内の事業者と連携を深めることで、静岡市とかかわる企業をふやしていただきたいと思います。そして、WeWork自体の静岡市への誘致にも力を入れていただきたいと考えております。以前からWeWorkは日本国内において多くの拠点を持ちたいと表明しており、ぜひとも本市においてもWeWorkに来ていただき、それに呼応する形で静岡市にもベンチャー起業がしやすいまち、若者が社会に活力を与えるまちといった構想を打ち出していただきたいと思っております。  先月、同じ政令指定都市の神戸市においてWeWork進出が決定しました。静岡市にもWeWorkを活用した企業誘致のみならず、WeWorkの誘致も検討していただきたいと思っております。  次に、ソーシャルインパクトボンドについてであります。  他都市の10件の事例だけでなく、海外の事例の研究も進めていただきたいと思います。当局が必死な思いで行財政改革を進めているのは重々承知しておりますが、ソーシャルインパクトボンドを活用することで新たな経費削減と社会問題の解決、その両方に取り組める可能性があります。さまざまな分野に転用することができると考えておりますので、引き続き調査研究を進めていただきたいと思います。  それと同時に、現在進めているシングルマザー向けの起業支援が一日でも早く形となり、1人でも多くのシングルマザーに取り組みを提案できるよう取り組んでいただきたいと思います。  最後に、ふるさと納税についてであります。  NPOや地域活動の担い手への支援を行う佐賀県方式のふるさと納税について、市長から、新年度からの実施に向けて検討を行うとの力強い御答弁をいただきました。  現在、静岡市においては、自治会に対して、公民館の修繕や防犯灯の補助など、決められた補助メニューはあるものの、特有の地域課題や社会問題に対応すべく独自の活動を行っている団体に対しての特別な補助金というものはありません。また、NPOに関しては、市民活動センターを設置しての支援や協働パイロット事業などを実施しているとのことでしたが、活動そのものの支援を目的とする補助金などはないのが現状であります。  この佐賀県方式であれば、地域のため、社会のために新しいことをやろうという人たちの資金調達がしやすくなります。民間のクラウドファンディングサイトもありますが、よりマーケットが大きいふるさと納税を活用したクラウドファンディングのほうが資金調達がしやすいと考えております。政策が実現した暁には、出前講座や静岡シチズンカレッジ「こ・こ・に」のプログラムメニューにも追加していただき、市民活動をより推進していただけるよう要望いたします。  ふるさと納税制度は、制度開始から10年がたち、新しい制度となりました。総務省の本気度を見る限り、今後返礼品のみに頼ったふるさと納税は下火になっていく可能性があります。新たな制度の中で地域と寄附者が結びつき、地域の発展と交流人口の増加が期待できるプロジェクトをどんどん民間からも、そして役所からも出していただくことを期待して、全ての質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 16 ◯議長(遠藤裕孝君) 次に、宮城展代さん。   〔18番宮城展代君登壇〕 17 ◯18番(宮城展代君) 自由民主党の宮城展代です。  通告に従い質問します。  新しい令和の時代が始まりました。しかし、元号がかわったからといって、日々の私たちの暮らしが大きく変わるわけもなく、現在、日本が、そして静岡市が抱えている問題は何も変わりません。それは人口減少社会を迎えることです。人口減少社会とは、毎年の死亡人口が出生人口を上回る社会のことで、日本では平成17年から人口減に転じており、経済構造や社会保障などの問題について再検討が必要であり、喫緊の課題でもあります。  本市でも総人口は平成22年の71万6,000人から、令和12年には推定値で62万3,000人となり、9万3,000人の減少が予測されています。人口減少社会にあっては、いろいろな方面に変化が生じますが、特に、ことし4月1日に施行された改正入管法は、この静岡市においても大きな影響を与えるのではないかと推察されます。今後、外国人労働者の増加は必須であります。  先日、さきのゴールデンウイークの県内の人出について発表があり、例年に比べ、その人出は20数%アップしたそうです。これは静岡県や静岡市がほかの自治体と組んで、JR東海が中心になり、集中的な広告宣伝やプロモーション活動で全国からの観光誘客を図り、地域を活性化させることを目的として実施した静岡デスティネーションキャンペーンによるところが大きいと思われます。それについてはありがたく、まだまだ多くの方たちにお越しいただきたいと思います。  しかし、その一方で、問題点として挙げられたことは、飲食業、旅館、ホテルでの人手不足だそうです。今まで深夜営業や年中無休が売り物だったコンビニやファミリーレストランも既に人手不足が深刻で、24時間営業や365日の無休営業が困難になりつつあると言われています。  静岡市の外国人市民は約1万人です。コンビニだけでなく、ドラッグストアやスーパーマーケット、牛丼屋では多くの留学生がアルバイトをしていますし、農家や工場の現場では技能実習生が働いています。気づかないうちに私たち日本人の生活は外国人によって支えられているのです。特に建設、農業、介護の分野での労働力不足の悩みは深刻です。そこで、国は出入国管理法を改正し、ことし4月に技能実習生の在留資格とは別の新資格、特定技能を導入しました。これは介護、宿泊、外食、造船など14業種に従事する、一定の日本語能力と技能を持っている外国人が対象で、最長5年間の就労が認められ、政府は今後5年間で最大34万人の来日を見込んでいます。  さて、質問は大項目1の市長の公約について伺います。  田辺市長におかれましては、さきの市長選で見事に戦い抜き、3期目に就任されました。市長は1期目には、静岡を「希望の岡」にのもとに、ハコモノ整備を最小限に抑え、財政の健全化を進めました。2期目には、第3次静岡市総合計画を策定し、「世界に輝く静岡」の実現のための重点政策として5大構想、歴史文化、海洋文化、教育文化、健康長寿、まちは劇場を打ち出されました。そして、3期目は、市長がずっと言い続けてきた鳥の目で、地球規模で静岡を見つめ、虫の目で地域課題を解決するため、その5大構想を最優先させ、そこに国連が取り組む誰ひとり置き去りにしない社会を実現するためのSDGsを掛け合わせ、市民一人一人がそれぞれ輝き、自分らしい人生を謳歌できる社会を実現させたいとおっしゃっています。私もその社会を実現するためなら、微力ながら全力を尽くすつもりです。  そこでお伺いします。私は、一人一人が自分らしく輝いて生きるためには、まず、それぞれの人が同じ社会に生きているということを認識し、国籍の違いや考え方、立場の違いを認め合う多文化共生の社会を築くことが不可欠だと思いますが、田辺市長の多文化共生への思いをお聞かせください。  次に、市長選のときに策定したマニフェスト集の公約についてお伺いします。  市長は、マニフェスト2019「このまちを、ずっと、みんなで」の中で、20番目の公約として、国籍や民族などの異なる人々が互いに文化的な違いを尊重し、ともにこの静岡市で暮らすことができるよう、(仮称)静岡市多文化共生のまち推進条例をこの4年間でつくりますとうたっています。  そこで、多文化共生のまちづくりに当たり、現在およそ1万人が住民登録している外国人労働者、留学生の問題点や暮らしの課題はどのようなものがあるか、お尋ねします。  外国人が静岡で暮らすためにまず初めに訪れるところは、各区役所の戸籍住民課です。そこで住民登録をした後、次は保険年金課へと手続は進みます。そのとき外国人は戸惑っていないでしょうか。言葉がわからず困っていないのでしょうか。そして、その後のそれぞれの地域での暮らし方やごみ出しのルールなどはしっかり伝えているのでしょうか。現在、また未来に向かっての課題をお答えください。  また、この条例づくりに当たり、今後どのように進め、どのように取り組んでいくのか、お伺いします。  次は、先月ホビーショーが行われ、多くの人が集まった駿河区のランドマーク、ツインメッセ静岡についてです。  ツインメッセは静岡市が所有者ではなく、管理団体として公益財団法人静岡産業振興協会を設立し、昭和57年4月、静岡産業館として開館しました。これが今の南館です。そして、平成8年に北館を増設し、新たな産業文化の交流拠点、ツインメッセ静岡としてリニューアルオープンしました。1万平米を超す日本で10番目、県内最大規模の展示場は、経済を活性化させる展示場としてだけではなく、人々の出会い、語らい、そして夢が行き交う場所を提供しています。異業種や関連業種の同時開催による相乗効果も期待できる施設です。そして、静岡市にとって大切な、また文化でもある地場産業の振興、ものづくりの継承を行う支援事業の拠点としても大切な役割を果たしています。  現在では、静岡を代表する展示会になった静岡家具メッセ、ホビーショーなどが毎年行われ、昨年は国連のSDGsの観点から、若い女性に人気のファッションイベント、東京ガールズコレクションも地方創生の取り組みとして行われ、ファッションショーには7,200人が来場し、無料通信アプリを通して70万人が視聴しました。さらに、当日は多くの若者たちが列をなして訪れ、会場のツインメッセは、駿河区のランドマークとしての大きな役目を果たしています。  そこで、このツインメッセ静岡の効果についてどう考えているのか、お聞きします。  次に、ツインメッセの利用者の方の声によると、タクシー乗り場に屋根がないことや、もう少しわかりやすい案内板、多言語対応の表示、より一層のバリアフリー対応、利用者の過ごしやすい空間づくり、そして、タクシーやシャトルバスの停留空間の安全性などの声をよく聞きます。  そこで、お伺いしますが、ツインメッセ静岡の安全、快適な利用についてどう考えていくのか、お答えください。  以上、1回目の質問です。 18 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の公約についてのうち、(仮称)静岡市多文化共生のまち推進条例について、多文化共生への市長の思いはどうかという大変大きな質問をいただきましたので、お答えいたします。  宮城議員御指摘のとおり、ことしの4月で静岡市における外国人住民の人口は1万人を超えました。70人に1人が外国人という状況であります。日本全体の問題でもあります。入管法が改正されて、日本全体が人口減少時代を迎える中、労働者不足を補うために外国人の受け入れ施策が始まりました。来年の東京オリンピック・パラリンピックを一つの契機にして、ますます日本にいらっしゃる外国の方々は増加していくことが見込まれます。  この外国人を上手に地域に取り込んでいけるかどうかは成熟した地域社会の試金石でもあります。本市では、3次総において、多種多様な人々の価値観を包摂する共生のまちづくりを重点プロジェクトの中に既に位置づけ、多文化共生施策に取り組み始めておりますが、このいわば我が国にとっての歴史的な大転換期とも言うべき時代を迎え、令和の時代においてさらなる多文化共生の推進は避けることができない行政課題でもあります。そのときに多文化共生社会づくりに試行錯誤してきたヨーロッパ諸国の取り組みや歴史は大変教訓になると考えております。  ヨーロッパ諸国はもとより、日本よりも早く少子高齢化や労働者不足を経験しましたので、それを解決する手段として、かつての植民地を初めとした開発途上国から外国人労働者を移民として受け入れてきた歴史があります。そこで難しいのは、そのヨーロッパそれぞれの国、イギリスならイギリス、フランスならフランス国民としてのアイデンティティー、愛国心というものを保ちながら、その国にいる民族の多様性も尊重していくという開かれた社会を目指し、ある意味経済的にはヨーロッパ諸国は拡大と繁栄を続けてきましたが、近年のEU、欧州連合諸国の選挙の結果を見ると、移民排斥の一因であるナショナリズムの台頭による社会の分断現象も見られているのは御承知のとおりであります。  フランスは移民の子孫であったジダンを率いて、サッカーのワールドカップで優勝して、フランス国民は熱狂しました。我が国でも先ごろの話題といえばNBAドラフトに一巡目指名された八村 塁選手、あるいはきょう、あすの陸上100メートルの選手権でサニブラウン選手が桐生選手とどういう戦いをするか、これはとてもわくわくする大変楽しみなスポーツ界における日本の進展であります。  一方、ヨーロッパの経験を見ると、そういう光の部分もあるけれども、影の部分もあります。積極的に地域社会の中で上手に外国人を受け入れていくソーシャルインクルージョンという言い方をいたしますが、社会的な包摂に成功しなければ、外国人はその都市の中の特定の場所、ある国籍の人がそこにしか住まないという特定の場所に集まり、地域社会の分断を助長するという可能性も否定できません。  ですから、私たち日本人が上手にどこの地域でも、駿河区でも葵区でも清水区でも、外国の方々と共存共生できる体制をとっていかなければいけません。きょうはたくさんの市民の皆さんが傍聴していますけれども、例えば、自分の隣に日本語が通じない外国人の方が引っ越してきたときに、肌の色が違うといったときに、上手に彼らとやっていけるかということは、これから私たち日本人が考えなければいけない難しい問題であります。  そのため、在住外国人が地域社会で日本人とともに豊かに暮らしていけるよう、福祉や労働などさまざまな観点からの生活支援を目的に、地域の日本人と外国人の双方の声に耳を傾け、地道に多文化共生施策を推進していく必要があります。  一方、交流人口の拡大、MICEの推進という観点では、静岡市にはたくさんの外国人が観光客として、ビジネス客として来てくださっております。外国客船の誘致なども積極的に行っておりますし、姉妹都市の1つであるフランス、カンヌ市との共催イベント「シズオカ×カンヌウィーク」、いわゆるシズカンはことし10回目を迎え、大変盛況のうちに終わりました。このような国際交流事業を下支えしていくことによって、地域経済の活性化とか国際理解を進めるということも大事であります。  このように、定住人口にせよ、交流人口にせよ、新たな外国人受け入れ政策を国が取り組み始める中、静岡市においても、今後多様な個性を持つ市民が互いに尊重し、共生することができる社会、ソーシャルインクルージョンの理念のもと、私自身が強い問題意識とリーダーシップを発揮して、例えば外国人に対する日本語教育を充実させるなど、静岡市におけるさまざまな分野にわたる国際化施策を総合的に力強く推進していかなければなりません。  その中で、今の静岡市の行政体制では、いわゆる国際業務に携わっているのは観光交流文化局と市民局にまたがっております。そのため、将来そういう行政課題に対応する人材の育成も含めた組織体制の構築を令和元年度のうちに検討するとともに、これから多文化共生の総合的な推進を担保するための条例を検討してまいりたいと思います。議員の御提言、今後ともどうぞ御協力をよろしくお願い申し上げます。  以下は局長から答弁させます。 19 ◯市民局長(深澤俊昭君) (仮称)多文化共生のまち推進条例に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、在住外国人が暮らす上での取り巻く課題についてですが、本市では平成27年3月に静岡市多文化共生推進計画を策定し、多文化共生のまちの実現を目指して取り組んでいるところであります。  その上で課題としては3点あります。1つ目の課題は、生活の安定につなげる総合的な生活支援です。近年、外国人の急増に伴い、多国籍化が進む中で、言葉が通じないことにより、雇用、教育、医療など日常生活のさまざまな場面において支障が生じたり、行政サービスを十分に利用できないケースがあることから、多言語でのわかりやすい情報伝達と生活相談の対応が求められております。  2つ目の課題は、多文化共生意識の醸成です。外国人と日本人が互いに偏見や差別、無関心をなくし、異なる価値観や考え方を認め合い、尊重できるまちづくりを進めるため、相互に異文化に触れ、学ぶ機会を創出することが必要です。  3つ目は、外国人と日本人双方の協働による地域づくりです。外国人にも地域の担い手として地域を支える力になることが期待されており、外国人の地域活動への参加を促進するため、地域で気軽に交流できる機会の提供が必要であると考えております。  次に、在住外国人が暮らす上での取り巻く課題を踏まえ、条例制定に向けてどのように取り組んでいくのかについてですが、近年の外国人の増加傾向や多国籍化している実態と入管法における外国人受け入れ政策の転換を見据え、多文化共生をさらに総合的に推進していくためには、本市の実態を踏まえた実効性のある条例を制定する必要があります。そのためにまずは、多文化共生推進計画の各取り組みについて、PDCAサイクルを回し、現状の3つの課題の解決につながっているか、しっかり検証してまいります。  加えて、多文化共生の課題は、多分野におけるさまざまな事柄がかかわっていることから、9月に開設を予定している静岡市多文化共生総合相談センターの業務を通じて、相談者の課題やニーズなど生の声の把握に努めるとともに、全庁関係課の連携のもとに、さらにその詳細な実態の把握に努めてまいります。  このような取り組みを着実に積み上げた上で、本市が総合的に進めるべき多文化共生の理念と方針を定め、国籍を問わず、全ての住民が対等なパートナーとしてともに暮らせる多文化共生のまちづくりを推進することができるような条例の制定に取り組んでまいります。 20 ◯経済局長(池田文信君) ツインメッセ静岡についての2つの質問にお答えします。  まず、ツインメッセ静岡の効果についてですが、ツインメッセ静岡は、公益財団法人静岡産業振興協会が所有する大規模な展示施設であり、平成30年度の来場者は約73万人に上ります。静岡産業振興協会が平成28年度に実施した調査によると、ツインメッセ静岡で開催したイベントによる静岡市内への年間経済波及効果は163億4,000万円となっています。  また、国内最大規模の模型の展示、商談会である静岡ホビーショーを初め、本市の工芸品や農林水産物の展示販売などを行う産業フェアしずおかが開催されるほか、議員におっしゃっていただいたとおり、本年1月には若い女性に人気の東京ガールズコレクションを通じてSDGsの普及啓発を図るSDGs推進TGCしずおか2019の会場となりました。  このように、ツインメッセ静岡は地域産業の振興に大きく貢献しているばかりでなく、市内外から多くの集客が期待される大規模イベントの受け皿として、本市の交流人口の拡大、MICEの推進にも欠かすことのできない施設であると考えています。  次に、ツインメッセ静岡の安全、快適な利用についてですが、ツインメッセ静岡は展示会やイベントなどで市内外を初め、海外からも多くの方が訪れる施設であり、施設の適切な維持管理や運営など、利用者の安全確保は最優先されるべきものと考えています。  また、より多くの方に施設を利用していただき、満足度を高めるためには、バリアフリー化や多言語化への対応など、利便性の向上につながる取り組みも必要であると考えています。そのため、本市と静岡産業振興協会は、これまでも計画的な修繕や公衆無線LANの整備、多目的トイレや西館へのエスカレーターの設置など、施設の安全性や快適性の向上に努めてきたところです。  ツインメッセ静岡は本市の産業振興や交流人口拡大にとって重要な施設です。本市と同協会は本市の政策をともに推進するパートナーであり、今後も連携してツインメッセ静岡の利用者の安全・安心の確保や快適性の向上に努めていきたいと考えています。   〔18番宮城展代君登壇〕 21 ◯18番(宮城展代君) 御答弁ありがとうございます。  2回目の質問です。  1回目の質問に続き、市長の公約について、100日プログラムの中からおもてなしの市役所を目指す、職員コンシェルジュ事業についてお伺いします。  私は昨年の総務委員会の視察で、会津若松市の窓口業務改善の注目事例として、親切窓口事業を見てまいりました。これは、職員が何か御用はありませんかというボードを手に、タブレット端末を持ち、印鑑証明や戸籍謄本などの用件の聞き取りをしながら、各種申請の受け付けを行うことで、利用者の待ち時間が4分から1分に短縮され、特に高齢者や障害者、子供連れの市民の方へのサービス向上が図られていました。  また、藤枝市役所では、ロビーにAI機能を搭載した人型ロボット、ペッパー君がいて、訪れた市民との会話を通して窓口へとつないでいました。これはICTを推進している藤枝市の戦略でもあるようです。  このように幾つかの事例を見ると、AIやICTを活用していますが、静岡市のコンシェルジュ事業はどういう事業で、また、今年度の事業展開はどのように考えているのか、お尋ねします。  そして、今後少子高齢化が進む中で、労働力不足を補っていくため、外国人労働者の増加が見込まれます。そのほか高齢者や障害者、赤ちゃん連れの方など、あらゆる人が来庁する中で、コンシェルジュはどのような対応をすべきと考えているのか、お聞かせください。  次は、大項目2、本市のパスポート申請窓口の対応についてお聞きします。  静岡県に住民登録がある人は、静岡市の各区役所の窓口で必要な書類をそろえて、月曜日から金曜日の午前8時30分から夕方5時15分までに本人または代理の方が申請することができます。問題はそのパスポートを受け取るときのことです。静岡市の各区役所の受け取り窓口は、月曜日から金曜日の午前8時30分から夕方5時15分までで、必ず本人が行かなければなりません。しかし、現代の多くの人の働き方の形態では、この時間帯に受け取ることが難しい人は少なくないと思われます。  私の知り合いの方も、子供さんが新入社員として張り切っていて休みもとれなかったので、急にパスポートが必要になったとき、代理人として申請を行ったそうです。しかし、受け取りは必ず本人のみと言われ、そのお子さんも土日、祝日しか休めず、入社したばかりで言い出すこともできず、大変苦労したと伺っています。  他の自治体はどのようになっているのか調べてみますと、相模原市も熊本市も新潟市も、政令市のほとんどの市では日曜日に受け取り窓口が開かれていました。浜松市ではもう既に3つの区ともに日曜日の朝9時から12時までは受け取りの窓口対応をしています。同じ県内の市民サービスの観点からも、本市のパスポート受け取り窓口の休日対応はどのように考えているのか、お聞きします。  最後の質問です。  先ほどはツインメッセについて質問しましたが、ツインメッセといえばホビーショーが思い浮かびます。そこで、「ホビーのまち静岡」について伺っていきます。  静岡市は平成17年に策定した産業振興プランにおいて、地方創生や少子高齢化、人口減少社会を迎えて、都市間競争が激化することを受け、市のイメージを確立し、内外に向けて積極的に市のPRを行うシティプロモーションが必要であると認識しました。  そこで、その後、お茶、ホビー、マグロ、サクラエビの4つを戦略資源として位置づけました。中でも全国一のプラモデル産地である本市は、これを中心として、ホビーのまちとしてさまざまな取り組みを行ってきました。  少し振り返りますと、ホビーに関する静岡のメーカーは、昭和30年に静岡模型教材協同組合を結成し、昭和34年から組合主催による見本市を開催するなどしたため、それ以来、プラモデルといえば静岡と言われるようになり、業界最大の見本市は首都圏ではなく、ここ静岡市で行われるようになりました。その後も日本一の生産量を誇り、世界的にも有名になり、特に平成22年には実物大ガンダムの誘致により、ホビーのまちとしての本市の認知度の向上や都市ブランドの向上を図り、産業の振興と交流人口の拡大を図ってきました。今ではツインメッセでのホビーショーはアジア一の見本市に成長しています。  そこで、ことしのホビーショーの様子はどうであったか、お伺いします。  また、全国からプラモデルファンが静岡駅南口におり立つと、すぐそこには静岡ホビースクエアがあります。これは平成22年に市内模型メーカー各社で組織したホビー推進協議会静岡の運営により、新たな情報発信基地として開設されました。模型メーカー数社の協力により開設されたミュージアムは、全国的にも珍しいものです。国内の大手模型メーカーが集積している静岡市の「ホビーのまち静岡」の取り組みの現状と今後はどうかお答えください。  以上、2回目です。 22 ◯総務局長(豊後知里君) 職員コンシェルジュ事業に関する2件の御質問にお答えします。  まず、職員コンシェルジュ事業は、来庁者へのサービス及び職員の市民応対力の向上を目的として、1階フロアに職員を配置し、来庁者への積極的な声かけや手続の相談案内、必要に応じて窓口までの付き添いを行う取り組みです。  今年度の事業展開は、昨年度の静岡庁舎での試行を経て、本格実施するため、清水庁舎、駿河区役所へも取り組みを拡大してまいります。現在、各局の公募職員26名に対し、コンシェルジュの心構えや接遇マナーだけでなく、みずからの持つ強みを引き出す特別カリキュラムの研修を行い、3庁舎での一斉スタートに向けて準備をしております。本年7月1日から年度末まで来庁者が多い月曜日を中心に、それぞれの庁舎に配置し、取り組みを実施してまいります。そして、実践を重ね、おもてなしマインドを育むとともに、その成長過程を伝えるコンシェルジュ通信を全職員に発行し、おもてなしマインドを波及させ、職員総コンシェルジュの実現を目指してまいります。  次に、あらゆる来庁者への対応についてですが、職員コンシェルジュは来庁者を最初にお迎えする市役所の顔であり、本市のイメージにも直結する重要な役割を担っています。積極的に声をかけ、寄り添いながら、来庁者の皆さんそれぞれのニーズに合った人間味のあるおもてなしを行うことが大切だと考えています。  そこで、寄り添いファーストを合言葉に、26人のコンシェルジュが研修で培った基礎のもと、状況に応じながらみずから考え、それぞれの職員の強みである個性を生かしたおもてなしを行います。来庁した全ての方々が気持ちのいい対応だった、スムーズに用事が済んだと満足していただけるよう、心温まるおもてなしを実践してまいります。 23 ◯市民局長(深澤俊昭君) パスポート受け取り窓口の休日対応についてですが、利用者の利便性の向上につなげるため、現在、各区や委託業者と調整を行いながら、令和元年度中に月1回程度の休日の窓口対応を開始できるよう検討を行っております。 24 ◯経済局長(池田文信君) ホビーに関連した2つの質問にお答えいたします。  まず、本年のホビーショーについてですが、新作模型の展示や商談、模型ファンによる作品展などが行われ、一般公開日には国内はもとより、欧米や中国、東南アジアなどから7万人以上が訪れ、会場は大いににぎわいました。  また、新たな試みとして、開催期間を1日延長して小中高生招待日が設けられ、本市は市立小学校27校の児童の移動に必要なバスの借り上げ料の支援などを行いました。当日は小中高生約5,200人がホビーショーを見学し、プラモデルの制作やラジコンの操縦などを体験しました。参加した小学生へのアンケートでは、ほぼ全員が「来年もホビーショーに行きたくなった」、「ものづくりに興味を持った」と回答し、また、出展メーカーからは、「子供たちが目を輝かせて体験に取り組む姿や真剣な表情で説明に耳を傾ける姿を目の当たりにし、大変有意義な取り組みとなった」との声を聞いています。  今後もこのように子供世代のファンの拡大やものづくりへの関心を高める取り組みを実施していきたいと考えています。  次に、「ホビーのまち静岡」の取り組みについてですが、模型産業の一大集積地であり、海外からも多くの模型ファンが訪れる本市が模型の世界首都として、またホビーのまちとしての存在感を一層高めていくためには、認知度の向上と新たなホビーファンの獲得が重要であると考えています。  まず、認知度向上に向けた取り組みとして、首都圏でのイベントの開催、小田急電鉄や東海道新幹線の主要駅への広告の掲出、プラモデルの歴史やホビーショーの熱気などを伝える動画配信などにより、「ホビーのまち静岡」をPRしています。  また、議員に御紹介いただきました静岡駅南口の静岡ホビースクエアでは、市民の皆さんや本市を訪れる人々にいつでもホビーの魅力に触れられる機会を提供しています。  次に、新たなホビーファン獲得の取り組みとしては、アクセサリーや手芸などの手づくりホビーのイベント、クリスマスフェスタを開催し、女性やファミリー層のホビーファン拡大に取り組んでいます。  こうした取り組みに加えて、本年7月には清水港開港120周年記念事業の1つとして、清水港を舞台にホビーフェアin清水を開催します。  今後もさまざまな機会を捉え、「ホビーのまち静岡」の魅力を広く発信していきたいと考えています。   〔18番宮城展代君登壇〕
    25 ◯18番(宮城展代君) 3回目は意見・要望です。  大項目1の(仮称)静岡市多文化共生のまち推進条例についてです。  我々は労働力を呼んだ。だが、やって来たのは人間だった。これは移民国家スイスの作家、マックス・フリッシュの言葉です。先ほど市長にも移民国家、移民政策の難しさをいろいろ教えていただきましたけれども、この当然のことを忘れると、労働者側、受け入れ側の双方に不幸な結果をもたらします。喜怒哀楽があり、大切な家族がいて、病気もするお互い同じ人間だという認識を持てば、どんな法律や制度にすべきか、逆にしてはいけないかの答えもおのずと見えてくるのではないでしょうか。  異なる文化や価値観はしばしば摩擦を引き起こしますが、一方で気づかなかったことを気づかせ、社会をより豊かで多彩なものに変えていくと信じています。新しくつくっていく条例はそれぞれの国、それぞれの人の文化や思いに寄り添ったものにしていただきたいと思います。  職員コンシェルジュについては、職員みずからの市民サービスへの崇高な思いや自己啓発には敬意を表します。しかし、もう少し大所高所から見ると、それぞれが多くの専門性がある仕事を抱えている中で、業務がふえ、働き方改革の観点からはどうでしょうか。  本市では先日、主に高齢者の就労支援を行う「NEXTワークしずおか」を他の政令市に先駆けて立ち上げました。これは人生100年時代に向けて、まだまだ元気でやりがい、生きがいを求め、働きたい人の就労支援をするところです。開所後のマネージャーの話では、何か仕事をしたいという方がこれほど多いことを改めて認識しました。今後は求職の掘り起しが求められますとおっしゃっていました。ここにつなげることも可能ではないでしょうか。  次は、パスポート窓口についてです。  パスポートの休日窓口業務は、各区役所にも市民からの声が寄せられていて、今年度中の実施が見込まれるとのお答えをいただきました。一日も早く開設され、市民の区役所に対する満足度を上げていただきたいと思います。  そして、ツインメッセについて、この建物の前を通る丸子池田線の拡幅工事の設計が今年度から着手されます。今後8年間で800メートル進めるとのことです。今利用しているシャトルバスやタクシーの乗り場のところが道路になっていくと思われますので、早い段階で敷地内にロータリーを計画するなど、利用者の利便性と安全性のための対策をお願いします。  最後は、「ホビーのまち静岡」についてです。  プラモデルの世界では、この静岡市がアジアに、そして世界に輝く資源を有しています。私は今回、ツインメッセもホビースクエアも駿河区にあることから、駿河区をホビーのまちにとの思いから質問しました。  まず、静岡駅南口におり立つと、ホビースクエアがあるので、そこを起点に南口から丸子池田線を左折して、ツインメッセまでの間に観光の観点からも道しるべとしてのプラモデルオブジェを20体程度設置してみるのはどうでしょうか。鳥取県の境港市にある水木しげるロードも多くの観光客でにぎわいを創出していますが、初めは22体の妖怪オブジェの設置からスタートして、現在は177体で観光客をお迎えしているそうです。  また、重ねて静岡の子供たちにプラモデルを通じて静岡のものづくりの歴史をもう一度身近に感じてもらいたいとの思いもあります。ぜひ観光と歴史、教育の観点から検討していただくよう要望し、私の今回の全ての質問を終わります。  御清聴ありがとうございます。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 26 ◯議長(遠藤裕孝君) 次に、寺澤 潤君。   〔9番寺澤 潤君登壇〕 27 ◯9番(寺澤 潤君) やっと午前中最後の質問になりました。おなかすいていると思いますけれども、もうしばらくおつき合いください。  通告に従い質問いたします。  大項目として、市長の政治姿勢であります。  まず、田辺市長におかれましては、4月に実施された静岡市長選挙において3期目の当選をされたことに対し、改めてお祝い申し上げます。  私も責任政党の自由民主党市議団所属の一員としていろいろな意見を耳にしながらも応援させていただきました。だからこそ市長が掲げた公約の実現に向けて微力ながら汗を流していく所存ですし、公約がしっかり実現できるか議会で取り上げていきたいと思います。  その市長選でありますが、今回いろんな方からも質問が出ましたが、今までで一番厳しい結果があらわれたのではなかったでしょうか。市長自身も強く感じられたと思います。  特に私が住む清水区では、区民の判断は厳しいものだったと感じます。清水都心におけるさまざまな課題、さらに静岡・清水が合併した成果が市民にとって見えにくいと言われるなど、確かに清水区の課題解決は難しい一面ではあります。  しかし、批判ばかり目立つ市政でよいのでしょうか。清水区初め、市政では一定の実績や成果が出ている点もあり、何よりも静岡市を停滞させることはできません。まちづくりは常に進んでいく。そして、それを我々が進めていく義務があると思います。  令和時代となり、今までとは違う都市像が求められております。その主役となる若者や子供たちに対し、このまちへ住んでよかったと思ってもらえるように、政治の世界にいる我々は古い概念を捨て、発想を切りかえて、新たな政治を進めることが求められています。  では、政治は何をすべきか。私の考えでは、時代の流れを捉えた都市空間の創造を進めるべきであり、若者や子供たちに対する政策にいかに力を入れていくかであります。私は、今回の市長選において、今回のテーマは静岡市の未来が前へ進むのか、それとも昭和へ逆行するのかの大事な選択の選挙だと何度も訴えました。少子高齢化や東京へ一極集中が進む中、時代の流れに敏感な若者たちを静岡市へ食いとめるためには、失敗を恐れず、リスクを背負ってでも未来志向のまちづくりを進めていくべきではないでしょうか。昔はこうだったから今もこうすべきだと昭和的な言い回しは最近では受け入れられない傾向にあります。斬新なアイデアを打ち出し、令和時代の先端を行くつもりで市政に取り組むべきだと考えます。  私も議員として初めて経験した市長選は、みずからのことのようにかかわり、全力で市長を応援しました。そうした中、市民の皆さんから寄せられるさまざまな意見を聞き、たとえ賛否両論ある中でも、時代の流れとともに、流れをとめてはいけないと強く責任を感じました。  では、本市をボトムアップさせるためにはどうしたらよいのか。田辺市長が第3次総合計画で掲げている5大構想の中で、私は教育文化の拠点づくりこそが地方自治体に活力を戻す有効な政策だと考え、今回これ1点のみ取り上げて質問いたします。  静岡市のほぼ中心地にある東静岡、草薙エリアでの拠点づくりでは、ここ数年で若者がふえるなどの大きな成果が出ていると思われます。草薙エリアでは常葉大学草薙キャンパスの開校、東静岡では「アート&スポーツ/ヒロバ」の開設など、教育文化の薫りが漂う都市区間の創造が実現しており、魅力あるまちへ変貌しつつあります。  私も議員になり、さまざまな地方自治体へ伺う機会をいただきますが、先進的な事例で出てくるのは、次世代の人間がそのまちへ残ってもらうために、教育文化に力を入れた都市計画や事業が多く、先行している自治体では若者や子育て世代が集まる現象であり、教育文化の拠点づくりの成功の可否は人口減少対策にも効果的と言える状況であります。  現に草薙エリアでは、教育文化の拠点づくりが進む中で、草薙駅周辺の開発に合わせて、新築住宅やマンション、アパートの建設もふえており、多くの子育て世代が草薙へ移住されている傾向であります。地元の小学校でも本年度の新1年生は例年よりふえており、さらに民間保育園の新設もあるなど、教育文化拠点は子育てしやすいまちとしても子育て世代の関心を多く集めていると言えます。  清水区の人口動態を見ても、本年4月の転入転出がプラス62名となり、一昨年度、平成29年度の転入転出はマイナス84名と、マイナスからプラスへ転じております。人口減に悩む清水区と言われますが、これも有度地区の現状があらわれているのではないかと思われます。この数字などの統計を見て、草薙を含めた有度地区全体が教育文化拠点として一定の成果が出ている証拠であり、今後も飛躍的な成長が期待できます。  市長もいろいろと批判の矢面に立たされますが、このような成功例や結果が出ていることに対し、もっと市民へ戦略的に広報し、幅広く浸透させるべき、要するに伝えるべきだと思います。その上でさらなる投資を行い、成果を出していけば、批判的な意見も薄まっていくと感じます。明確な対案を出さず、だめだめの指摘が続く市政では、せっかく成果が出ていることにも影響が出てしまうと感じます。  令和時代の主役となる若者や子供たちでにぎわうまち、そして将来住んでよかったと思えるまち、それが草薙、東静岡では実現できる予兆があると思いますが、市長はどのようにお考えになるか、この構想にかける思いや期待を含めてお答えください。  まず1点目として、教育文化の拠点づくりで目指す姿はどのようなものか市長より前向きな御答弁をお願いいたします。  次に、東静岡・草薙副都心グランドデザイン策定事業についてであります。  先ほども話したように、令和時代の主役である若者がおもしろいと思えるまち、それには大胆な発想で斬新なイメージを創出する必要があります。東静岡や草薙ではその潜在要素は多くあり、地元住民の期待していることだと思います。  特に草薙エリアでは、草薙地区まちづくり検討会議で産学官民の代表が集まり、何年もかけて活発な議論が展開されてきました。そうした中で、まちづくりの中核を担う草薙カルテッドを正式に立ち上げ、行政にかわり地域でリーダーシップをとれる精鋭の皆さんが集まり、さまざまな仕掛け、事業を行い、地域を活性化させております。同カルテッドの質問は2回目に詳しくしますが、今月19日に東京で開催された都市計画法・建築基準法制定100周年記念式典において、国土交通大臣から感謝状を授与されました。発足2年の同カルテッドの功績が早くも認められたことは大変光栄なことだと思いますし、これは市長初め担当職員の御尽力があったと思います。私も地元市議として感謝を申し上げます。  現在、草薙駅周辺では、昨年の駅北口広場の完成により、路線バスの乗り入れが始まるなどの利便性が高まり、さらに地元との協議を経て、駐輪場建設などの事業も進められております。駅南口では、現在進めている広場の整備工事が間もなく完成する予定で、7月からは駅前の一角がイベント広場となり、毎週のように人が集まる空間の創出、まさにまちは劇場とも言えるような演出が展開されていく期待、見込みがあり、いよいよ新しい草薙のまちにふさわしい光景を見ることができます。  そうした中、本年度より東静岡・草薙副都心グランドデザイン策定事業が実施されます。東静岡では新都市拠点事業が完了し、大型商業施設や民間フィットネスクラブ、温浴施設などが建設され、グランシップと駅しかなかった殺風景な場所から大きく様相を変え、また、マンションや住宅もふえ、週末には子供を連れたファミリーで公園があふれ返るなど、一定の効果を見せております。  そうした中、特に先行しているのは草薙駅周辺まちづくりであり、何よりも地域の住民が主体で考案したグランドデザインを基軸に進む草薙のまちについて、市が描くビジョンとの整合性をどう保っていくのかが一番大事な点であると思います。地元の意向をしっかり反映した上で、すぐれたグランドデザインを実現させたいので、ここで質問します。  2点目として、草薙・東静岡副都心グランドデザインの策定において、先行する草薙駅周辺まちづくりをどのように整合されるのか、お答えください。  以上、1回目とします。 28 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢、教育文化の拠点づくりについて、2ついただいた質問の中で市長の教育文化の拠点づくりの目指す姿がどのようなものかについてお答えします。  これまた大変大きな御質問をいただきましたので、なるべく長くならないようにお答えしたいと思います。  議員御承知のとおり、私のまちづくりのポリシーはないものねだりではなくて、あるもの探しだと。地域にある資源を見つけ、それを磨いてまちづくりをしていく。いわゆるまちみがきをしていくという考え方であります。ですから、この静岡都心は城下町をさらに磨き上げて、歴史文化の拠点にしようということですし、旧清水市は港町として発展してきた歴史を磨き上げて、国際海洋文化都市にしていこう、海洋文化の拠点にしていこうということであります。  そして、ちょうどその2つの地区の中間に位置する草薙・東静岡地区、ここはかねてから、例えば静岡県立大学、県立美術館、草薙総合運動公園やグランシップ、県立のいわゆる文教施設が立地しているところでありますので、そういう教育文化の力をさらに磨き上げていき、例えば東静岡駅の北口に若者に人気のローラースポーツパークを整備したり、例えば静岡市が下支えをして、草薙駅の北口に常葉大学草薙キャンパスを誘致したりという磨き上げをしている真っ最中であります。  さらに草薙地区には時代に先駆けて、地域のにぎわいづくりを地元自治会や商店会が主体となって進めていこうという気概を持った議員御指摘の全国に誇れる団体の草薙カルテッドの皆さんがおります。東静岡駅にはさらなる活用の可能性を秘めた北口の市有地が残っておりますし、文化力の拠点として検討が進められている静岡駅南側の県有地など、今後ますます発展が期待できる地域資源があります。  このようなことから、私はまさにこの草薙・東静岡地区こそが静岡の文教地区、教育文化の拠点として市域全体の教育文化の向上につながっていく先駆者にふさわしい地区であると考えております。  ただ、当初のイメージからさらに私はその拠点の意味合いを膨らませています。当初の私のこの地区のイメージは、若者が闊歩する、そんなまち。例えば東京の神田、御茶ノ水、駿河台地区であるとか、あるいはパリで言うとカルチエ・ラタン地区であるとか、そういう学生街というか、若者のまちというイメージでありましたが、それだけではなくて、若者というのはやっぱり目が輝いている、きらきらしている、夢や希望を持って、そして、社会にこうしたい、ああしたいという前向きに生きる活力にあふれておりますね。年をとるにしたがって夢も希望もないやというふうに人間なりがちでありますけども、そうではない。年をとっても人生100年時代の中で、まさに草薙カルテッドの皆さんがそういうことでありますけども、とにかく夢や希望を持って前向きに何かをしよう、社会貢献をしよう、目標を持って生きていると、そういう方々が集まって、そして出会いと出会えるような、そして、君も頑張れ、僕も頑張ると、そんなふうに活力のある、そういう大きな意味での教育文化の拠点にしていきたいというふうに思っております。  静岡市では、昨年度高等教育のあり方検討会を開催しましたが、その中で繰り広げられた議論でも教育文化とは若者のものだけではないのではないかという問題提起をいただきました。先ほど宮城議員から御指摘いただきましたシニア向けの就労サポート窓口、「NEXTワークしずおか」、オープンしたばかりですが、大変にぎわっております。初日には100人以上の相談者が就労で何かもう一頑張りしたいというような相談をぶつけたそうであります。私が子供のころに持っていた還暦であるとか、高齢者のイメージとは異なり、現在は高齢者とくくられる中にも非常に前向きに元気で、もっともっと社会で活躍していきたいという市民の方々もたくさんいらっしゃいます。  さらに高齢化社会が進む今後、ますます高齢者の活躍する場が拡大するし、静岡市ではとりわけこの教育文化の拠点づくりの草薙・東静岡が、そういう方々にとってやりがいのある地域になってほしいというふうに思っております。  「ライフ・シフト」というリンダ・グラットン教授の著作が二、三年前にベストセラーになりましたが、子供のころは教育を受け、そして社会に出て働いて、そして定年したら余生を楽しく暮らすという、いわゆるシングルステージではなくて、マルチステージ、学びながら働くとか、定年になってから学び直すとか、いわゆるリカレント教育、将来を通じて学び続け、自分の可能性を伸ばし、深め、出会いを求め、それを社会に還元していくという多様化した時代に沿ったライフスタイルにふさわしい都市環境を提供していく、これも成熟した都市の大切な条件だというふうに思っています。就職後に学び直して転職し、そこを1回退職した後に、また学び直して別の企業に就職する。あるいは定年退職後に改めて学び直して、新たな仕事に挑戦するという人生100年時代の生き方というのは大変私たちにとって活力を持っていく社会だと思います。  市議会だって65歳以上の議員の方々がいらっしゃらなければ成り立ちません。そういう皆さんがおもしになって、豊かな人生経験をもとに議論というものが活発になっていくというようなことだろうと思っています。終身雇用制が前提の時代には考えられなかったこのような生き方は、シングルステージ型に対比するなら、マルチステージ型と呼べるもので、今後ますます拡大していくことと思います。  このような時代の趨勢を見据え、私は草薙・東静岡地区を単なる若者のまちにとどめるのではなく、リカレント教育も含めた幅広い教育という視点に立った生涯にわたる教育文化拠点として考えております。それが私の目指す姿であります。  そして、市域内のほかの地区によい活力を提供できる、他の都市の見本になるようなモデル地区として発展することを考え、それを市行政は支えていきたいというふうに思っておりますので、寺澤議員はそこにお住まいになっている議員になりますので、ぜひ啓発をしていただけますよう、今後ともよろしくお願いいたします。  以下は局長から答弁させます。 29 ◯企画局長(前田誠彦君) 草薙・東静岡副都心グランドデザインの策定における草薙駅周辺まちづくりとの整合についてでありますが、草薙駅周辺地区は、議員からも御案内のとおり、昨年常葉大学草薙キャンパスがオープンし、本年7月には駅前広場の完成が見込まれ、大きくまちの姿が変わっていくものと考えます。  そして、この地区では早い段階から自治会や商店会などの方々がどのようなまちづくりを進めたらよいかを議論する場として、草薙駅周辺まちづくり検討会議を立ち上げ、草薙駅周辺まちづくりビジョンを策定したと承知しております。このビジョンに掲げられている大学を中心とした教育文化が身近に感じる環境をつくる、人が集い、楽しめる交流の機会をつくるなどの4つの方針は、本市のこの地区を教育文化拠点としていきたいという考えに相通じるものであります。  したがいまして、草薙・東静岡副都心グランドデザインの策定に当たりましては、このビジョンを策定し、実際にまちづくりの担い手となっている一般社団法人草薙カルテッドの皆さんとも意見交換をさせていただきながら、整合を図る形で検討を進めてまいります。   〔9番寺澤 潤君登壇〕 30 ◯9番(寺澤 潤君) 市長から長々答弁をありがとうございました。また意見・要望は3回目とさせていただきます。  次に、教育文化の拠点づくりについて、もう少し質問いたします。  先ほどの質問でも話したように、草薙駅周辺のまちづくりは、地域住民が主体的に進めております。その母体となる一般社団法人草薙カルテッドについて取り上げます。  草薙カルテッドとは、まちづくりの担い手として持続的、効果的にエリアをマネジメントし、住民、商業者、来街者などに価値あるサービスを提供する目的で、平成29年に設立されました。また、昨年6月には都市再生推進法人として県内初の認定を受けるなど、まちづくりの先行事例として多くの注目を集めてます。同カルテッドが行う事業として、夜間でも安心して住民が歩くために、草薙川沿いのライトアップ事業の展開、そして未来のまちをどのように創造するか討議するための草薙まちづくりフォーラムの開催、さらに最近は大手飲料会社と提携し、地域住民の安心・安全を守るべく防犯カメラ設置事業をスタートするなど、草薙初め、有度地区の住民が住みやすさと魅力を感じられるまちへ向けて、その中核を担っていると言えます。前段で述べた7月に駅南口にできるイベント広場の運営も同カルテッドが担うなど、静岡気分7月号にもJR草薙駅前が変わりますと掲載されたように、草薙駅周辺まちづくりビジョンに掲げられている次代につながる選ばれるまちの実現を目指し、新しい価値をつくり出すための実働部隊であります。  このように、まちづくり事業を展開していく同カルテッドや関連団体に対し、行政が積極的な支援を行い、さらに草薙エリアにある大学、企業、自治会などと連携し、副都心の名にふさわしい都市空間を創造すべきであります。草薙駅周辺のグランドデザインを形としていくためには、同カルテッドが担う役割は大変重要だと考えますが、市としては何を求めていくのか、お伺いします。  3点目として、一般社団法人草薙カルテッドに期待する役割は何か、お答えください。  次に、大学間連携についてであります。  私は、一昨年の質問で、若者による地域活性化を図るため、主体的に動く大学生が地域に参画できるよう、市としての取り組みをどうするかを伺うなど、大学生の積極的な活用を行うためには、市内にある大学や学生の連携の必要性があると認識しております。教育文化の拠点づくりには、今ある地域資源の活用を考える必要があり、市内にある静岡大学、静岡県立大学、東海大学、常葉大学及び静岡英和学院大学の5大学間の連携を強化し、大学が持つ知識、経験を地域の財産として取り込むことで、地域の発展に生かしていくことが大切だと感じます。  各大学には多くの学生、教員が在籍しております。私の地元の常葉大学草薙キャンパスだけでも4,000人というちょっとした町の規模に匹敵し、それがこの草薙のエリアを活性化し、地域を元気にしていると言えます。  こうした財産を積極的に活用しなければ、教育文化の拠点づくりは成功しないと思います。そのためには、市内大学との連携が欠かせないと思います。  一昨年の質問で、当時の企画局長より、平成29年10月に大学間連携の協議会を立ち上げ、そこで大学間や学生間の交流を促進する旨の答弁があり、市も積極的な姿勢で連携強化を進めるとの認識でしたが、その後の現状や具体的成果は出ているか、伺います。  4点目として、市内大学との連携の現状と今後の方向性についてお答えください。  最後に、教育文化の拠点づくりの中にある、静岡シチズンカレッジ「こ・こ・に」についてです。  最近のまちづくりでは、行政の力だけでなく、市民の中で見聞の高いプレーヤーを育て、その方に主体性を持ってもらうことが成功の鍵となっています。先ほど質問で取り上げた草薙カルテッドがいい例であり、構成されている皆様は地域内で主体的に活躍できる人材がそろい、代表の方は今でも受講生として学んでおります。「こ・こ・に」では、今まで多くの受講生が巣立ち、それぞれの知識と特徴を生かし、地域おこしや住民福祉の向上などに貢献されていると聞いてます。  特に地域デザインカレッジでは、自分の住むまちを何とかしたいと情熱ある市民の方々が多く受講されてます。その修了生の中には、地域で主体的に活動できるプレーヤーとして第一線で活躍されている方も多く、その象徴として私の同期である尾崎行雄議員もおられます。先日の同カレッジ基礎編では講師も務められたと聞いてますが、このような個性的かつ優秀な人材が育つことで、地域主体のまちづくりが一層具体化していくと思います。  先日、私も同カレッジを聴講に伺いましたが、市内から世代を超えた多くの方々が真剣なまなざしで受講されてました。連合自治会長から大学生と職種や身分はさまざまですが、地域づくりの専門家である川北先生の講義を熱心に受けられている姿を見て、地域づくりは人づくりが大切だと私は改めて実感しました。  私の清水区では、従来からまちづくりや生涯学習が大変盛んであります。各連合自治会でも防災、環境、福祉などの面で多種多様な事業が展開されていますが、昨今は担い手不足や役員の高齢化などが原因で、主体性をとれるプレーヤーが不足している現状であり、この「こ・こ・に」が果たす役割は一段とふえております。  先日、私は島根県松江市へ行き、人口減少問題の取り組みを伺いましたが、人口減少で松江市も悩む中、行政だけでは解決は困難とのことで、市民団体や経済界などと連携し、実に360の事業を立ち上げて、急速な人口減少時代を乗り切る計画があると聞きました。その成功の鍵は、やはり総合的に市民運動を成熟させ、市民が主体となって事業を進め、それを行政がしっかりサポートし、あらゆるテーマの課題へ立ち向かうとのことでした。  本市も5大構想など多くの市民に魅力を感じられる事業を展開しておりますが、私自身感じることは、市民にこの静岡市のよさをもっと浸透させるためには、主体的にまちづくりへ取り組む土壌を形成する必要があります。それには「こ・こ・に」のような人材育成の場をもっと拡大していく必要があると考えます。  今までもいろんな方からこの質問をされていると思いますが、教育文化の拠点づくりにも重点課題として盛り込まれている以上、改めて「こ・こ・に」の成果と今後の展開を伺います。  5点目として、静岡シチズンカレッジ「こ・こ・に」の成果と課題についてお答えください。  以上、2回目です。 31 ◯都市局長(宮原晃樹君) 一般社団法人草薙カルテッドに期待する役割についてでございますが、一般社団法人草薙カルテッドは、議員御案内のとおり、平成29年2月に設立され、30年6月には本市が地域のまちづくりの新たな担い手として、県内初の都市再生推進法人に指定し、学生や地域の皆さんと連携した明かりの社会実験などさまざまな活動に取り組んできております。  こうした実績を踏まえ、本年7月中旬には地域の憩いの場となる広場や緑地、ベンチなどを都市再生推進法人みずからが整備、管理することができる都市利便増進協定を県内で初めて草薙カルテッドと本市との間で締結する予定です。これによりまして、広場などの公共空間を活用したマルシェやオープンカフェなどの収益事業の開催も可能となり、さらなる活動の幅が広がることが見込まれております。  草薙カルテッドにはこのようなまちづくりの制度を有効に活用し、新しいまちづくりのモデルとなるよう主体的な立場で日常的なにぎわいの創出や質の高いまちづくりを推進するリーダーとしての役割を期待しております。  今後も草薙カルテッドと連携し、魅力と活気にあふれた教育文化拠点としての草薙ブランドを高めるよう取り組んでまいります。 32 ◯企画局長(前田誠彦君) 市内大学との連携の現状及び今後の方向性についてですが、本市は大学が有する専門的な知識や経験を活用するため、市内各大学と包括連携協定を締結し、市民向け公開講座の共催や産官学による共同研究などを行っております。  一方、学生の力を地域活性化に生かす取り組みとして、学生自身が地域に足を運び、地域住民と協働して課題解決に当たる地域課題解決事業にも取り組んでいるところでございます。  さらに、異なる大学の学生同士が同じ課題解決に当たるという取り組みも進めておりまして、例えば平成30年度は食品栄養科学を専攻する学生との共同編集による若者向けの栄養ガイドブックである「健康貯金スタートブック」の作成や、市内の高校生、大学生とともに東名新インターチェンジ周辺の未来の姿を考える宮川・水上地区まちづくりワークショップなどを開催したところでございます。  今後もこのような取り組みを継続し、各大学との連携強化に努めていくとともに、地域課題解決事業における複数の大学の教員、学生による共同研究の検討など、大学の垣根を超えた学生相互の連携がさらに深まるよう取り組んでまいります。 33 ◯市民局長(深澤俊昭君) 静岡シチズンカレッジ「こ・こ・に」の成果と課題についてですが、「こ・こ・に」はシチズンシップに富んだ人材を養成することを目的とし、平成28年度に庁内各課の人材養成事業、10講座を1つに束ねてスタートしました。  その後、喫緊の行政課題に対応するため、さまざまな分野の講座が開講され、令和元年度は21講座まで拡大するとともに、これまでの3年間で約1,000人の修了生を輩出しました。修了生の皆さんはひきこもりサポーターや観光ボランティアガイドなどとして活躍するほか、自治会役員への就任や附属機関の市民委員として市政へ参画するなど、講座の拡大に伴い、活躍の場も各方面に広がっています。  一方で、より多くの修了生を地域活動や市民活動に結びつけていくという課題があります。これまでには修了生同士のネットワークづくりを行う交流会や市民活動情報の提供により活動を働きかけてきました。今後もそれらを継続するとともに、修了生に寄り添い、相談内容に応じて関係者につなぐなど、支援を行ってまいります。  加えて、令和元年度は複数の講座を受講し、地域や社会で活動されている修了生である静岡まちづくりマスターの活動をさらに支援するための研修会を開催するなど、修了生の活動支援を充実させてまいります。   〔9番寺澤 潤君登壇〕 34 ◯9番(寺澤 潤君) 御答弁ありがとうございました。  それでは、意見・要望を述べさせていただきます。  教育文化の拠点づくりでは、市長から本当に力強く熱い答弁がありましたが、本当にいろんなテーマ、またそれが広がったようなテーマがあると思いますけど、ぜひこの東静岡・草薙エリアもますます発展できる見通しが立つように、実現に向けていろいろ進めていただければと思いますし、私も頑張っていきたいと思っています。
     今回私が質問しようとした意図は、市長選でいろんな批判が出た中でも、すぐれた部分には光を当て、その光を輝かせて、花を開かせることが我々の責任であり、教育文化拠点づくりこそが光ではないかと私は取り上げさせていただきました。市長選でも厳しく指摘された多くの市政の課題については、市長も真摯に捉えて、これから進めていくとのことでありますので、ぜひそこら辺についてはしっかりと進めていただきたいと思います。  そうした中、教育文化拠点として先行する草薙や東静岡を静岡市の未来のモデル地区として指定し、地域や市民の声が反映されたグランドデザインを早期に策定し、本市の未来のあるべき姿を体現してほしいと願います。  一方で課題もあるわけであります。ここで述べておきます。例えば、草薙駅北口周辺において、私が昨年6月議会で質問した、いわゆる国道横断対策について、いまだに解決ができていない状態であります。警察や国との協議が簡単でないことは承知ですが、4,000人規模の常葉大学の学生の安全対策は私は急務であると思います。ぜひ市の責任において歩道橋の改良及び市道中之郷9号線など、周辺の道路拡張の早期実現を望みますし、駅北口の駐輪場の早期完成、さらには昨年度末で閉鎖した駅南口の立体駐車場の跡地活用について、地元の意向を最大限尊重した地域資源として転用を望みます。  さらに、草薙エリアは県立大学や県立図書館、美術館など、県が所管する施設も多く、県との連携も重要な鍵となります。県・市連携は多くの方が質問されたように、課題がある中で、市長もじくじたる思いで、我慢強く取り組んでいると思いますが、ぜひ実務レベルまで影響が及ばないようにしてほしいと思います。県も東静岡・草薙への捉え方は本市と同じ方向性でありますので、ぜひそこら辺の点はしっかりと進めていただきたいと思います。  シチズンカレッジ「こ・こ・に」についてであります。  先日、私、聴講したとき感じましたが、地域デザインカレッジ基礎編では、定員は達しているものの、地域の核を担う自治会関係者やまちづくり組織の受講生はまだまだ少ないとのことでした。もっと多くの市民に市民参画や地域づくりの大切さに対し、関心を持ってもらうように、市当局のさらなる御尽力と地域団体との連携を求めます。  教育文化の拠点づくりは、決して東静岡・草薙の問題だけではありません。市全体へ波及できる要素があると思います。ぜひこの事業の成果が顕著にあらわれ、「世界に輝く静岡」の実現に結びつけてほしいと思います。  以上、いろいろ述べさせていただきましたが、最後に、草薙のことで1点宣伝がございます。若者でにぎわうまちの中にも古くから伝わる歴史文化があります。草薙の大龍勢という花火であります。これは全国に4つしかない伝統の花火でございます。私は本年度からこの龍勢保存会の副会長、花火部長を拝命しました。令和最初の打ち上げ大成功を目指して、関係者の皆さんとともに準備をしております。天高く上る大龍勢のようにばあんと静岡市政も田辺流の龍勢が一層打ち上がるように、間違ってもひゅーう、ばんとならないように、大成功を目指して頑張ります。本市からも大きな力をいただいておりますので、当日は市長を初め、議員の皆さんもぜひ御来場を、保存会員の観光交流文化局長ともどもお待ちしておりますので、どうぞお越しください。  ということで質問を終わります。ありがとうございました。 35 ◯議長(遠藤裕孝君) この際、暫時休憩いたします。         午後0時10分休憩    ───────────────────         午後1時10分再開 36 ◯議長(遠藤裕孝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、稲葉寛之君。   〔5番稲葉寛之君登壇〕 37 ◯5番(稲葉寛之君) 皆さん、こんにちは。志政会新人の稲葉寛之です。改めてどうぞよろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして質問に移らせていただきます。  まず、初めに、大項目1、新清水庁舎を核としたまちづくりについて、中項目、新たな清水のまちづくりの展開と安心・安全の両立について質問を始めさせていただきます。  私は、4月に統一地方選挙と同時に施行されました清水区での補欠選挙で当選をさせていただきました。市長選挙と同じタイミングの選挙でありましたが、この選挙を通じて清水区の有権者の多くの方にいただいていた御意見が、新清水庁舎を初めとした清水区の港周辺のまちづくりの取り組みに対しての不安な思いでございました。  清水のまちづくりの中でも特に新清水庁舎につきましては、津波浸水域への建設あるいは災害時の対応や費用面、さらには新清水庁舎へとつながるペデストリアンデッキや清水駅の耐震性能に至るまで不安に思っている方が実に多くいらっしゃるということを改めて思い知るところでございましたので、新清水庁舎を核としたまちづくりについて質問をさせていただきます。  新清水庁舎建設に関するこれまでの経緯といたしましては、もはや釈迦に説法ではございますが、現清水庁舎の耐震性の不足による災害時の防災拠点としての業務継続ができないこと、潮風等の影響による建設設備の劣化が顕著であることなどを背景に、平成29年に有識者や公募市民で組織する検討委員会で議論を重ね、清水駅東口公園に移転、建てかえすることを盛り込んだ新清水庁舎建設基本構想がまとめられ、その後、平成30年度にはこの基本構想をベースにパブリックコメントなども取り入れて、新清水庁舎建設基本計画が策定されているところであります。  この新清水庁舎が果たす役割としては、1に清水区の行政サービスの拠点、2に清水区の防災拠点、そして、3に清水区のまちづくりの拠点、この3つの方針が示されております。つまり新清水庁舎は行政サービスにとどまらず、まちづくり・にぎわい創出としての拠点として、また災害が起きたときの命を守る防災の拠点としての機能の発揮が期待されているものであり、清水区発展の呼び水となるための一大プロジェクトという側面を持っています。  しかしながら、さきの選挙において、私が実際に聞いた市民の皆様の声の多くは。先ほど述べたように、新庁舎に対する不安の声でございました。そういった不安な声の一方で、この新清水庁舎が行政サービス以外にまちづくりの拠点として、まちのにぎわい創出などに対して、果たしてどのように寄与していく構想なのか、あるいは具体的に災害時にどのように市民の命を守るように計画に盛り込まれているのかといったまちづくりと安心・安全の両立の構想については多くの方が知らない、あるいはその思いが届いていないように感じたことも事実であります。  これからのまちづくりの中で、新清水庁舎をどのように位置づけて、まちの発展に寄与させつつ、市民の命を守るという、この命題にどのように応えようとしているのか改めて今後多くの方に知っていただき、理解を得ていくことが非常に重要であるのは間違いありません。そういう意味で市民の皆様に知っていただく活動が必要であると考えますが、その一端として、そもそも現在、この新清水庁舎を核として清水のまちづくりをどのように安心・安全と両立させようとしているのか、ここについて私は伺いたいと考えます。  そこで質問です。まず、新清水庁舎について、清水区のまちづくりの拠点としての機能を持たせていくということでありますが、新庁舎がどのように新たににぎわいを創出していくのか、その具体的な取り組みはあるか、伺います。  さらに安心・安全との両立についてですが、新清水庁舎には地震や津波などの災害時に市民の命を守る緊急避難機能があると言います。防災拠点として果たして本当にその機能が発揮できるのかという市民の不安もある中で、実際には想定される地震や津波にもしっかりと耐えられるように、最高水準の設計基準が既に基本計画に落とし込まれているところでありますが、緊急時の避難機能については余り知られていない状況ではないでしょうか。  そこで質問です。新清水庁舎に備わる緊急避難機能とは具体的にどのようなものを想定しているか、伺います。  続いて、大項目2、産業振興について、中項目、中小企業支援について質問をいたします。  私は、当選する前は企業内労働組合に15年間従事しておりました。これはいわば市民の代表という部分に加えて、労働者、働く仲間の一員であるといった側面を持っているということであります。この働くということは、ただ労働の対価としての給与を得るだけでなく、自身の生きがいや家族の幸せにつながり、やがては本市の人口減少あるいは経済の維持という、本市の発展にも非常に密接につながっているのは言うまでもありません。そういう意味でより長く働いていける環境をつくっていくということは、本市の将来にとっても非常に重要な施策となります。特に99%を超える中小企業については、その企業活動を支援し、さらにそこで働く方々の暮らし、生活を守っていくことが行政としても非常に重要な取り組みの1つになると考えます。その思いで質問をさせていただきます。  中小企業支援については、平成27年3月に制定されている第2次静岡市産業振興プランなどを通じて行ってきており、非常に重要な位置づけで取り組んでこられたことと思いますが、そういった背景の中で本年2月議会において中小企業・小規模企業振興条例が制定され、この4月より施行されております。この条例の基本理念としては、1に中小企業・小規模企業の創意工夫及び自主的な努力の促進、2に中小企業・小規模企業が地域の経済、雇用、まちづくり等の担い手として重要な役割を果たしているという認識の共有、そして3に市、中小企業、小規模企業、産業支援機関、大企業、金融機関、それから教育機関に至るまでそれぞれが連携し、市民の協力を得て一体となって行っていくという3つの理念がうたわれています。この条例によって中小企業が本市の中で重要な位置づけであることが明確化されており、企業の経営者だけでなく、そこで働く労働者の皆様にとっても私は非常にすばらしい条例であると考えます。  また、条例の中では市や企業などそれぞれの役割を明確にする中で、企業の人材確保や労働環境の向上などといった市が講じる基本的施策なども規定されております。条例を着実に推進して、これからの基本的施策への取り組みがより実効的に行われることを期待しておりますし、中小企業の皆さん、またそこで働く皆さんが本市の将来に希望が持てるように、しっかりと支援のサイクルを回していただいて、中小企業の自主性を伸ばすことで本市の経済や雇用を支えていただいている中小企業を永続的に支援していかなければならないとも考えます。  しかしながら、中小企業は現在、経済のグローバル化やAI、IoTに代表される第4次産業革命等による技術革新、また生産年齢人口の減少等に伴う人手不足や後継者不足といった人材に関する問題の深刻化、さらには産業構造や市場環境の変化など、中小企業自身の努力だけでは解決できない多くの課題に直面しています。  そこで質問です。中小企業・小規模企業振興条例を通じてどのように中小企業を支援しようとしているのか、伺います。  以上、1回目の質問といたします。 38 ◯市長(田辺信宏君) まずもって稲葉寛之議員、このたびの御当選おめでとうございます。これから始まる長い議員活動の御成功を心よりお祈り申し上げます。  もとより同じ時期の選挙戦でしたので、議員御指摘のとおり、私も清水の皆さんが感じている不安ということは十分承知をしております。しかしながら、私は信念を持って清水のビジョンを打ち立てました。その中に庁舎の問題も入っております。今回は田辺と書いてもらえなかった有権者の方々にも、いつの日かあのときは反対だったけれども、これで清水はよかったんだなと思ってもらえる日が来ることを夢見て、一生懸命伝える努力をしていきたいというふうに思っておりますので、ともに頑張りましょう。  防災も大事でありますけども、日々の暮らし、経済も大事であります。私からは、大項目、産業振興についてのうち中小企業支援について、中小企業・小規模企業振興条例を通じてどのように中小企業を支援しようとしているのかとの御質問にお答えいたします。  言うまでもなく、都市の発展の原動力は経済であります。なかんずく静岡市はその経済を中小企業の皆さんに担ってもらっていると言っても過言ではないと思います。ですから、私たち市行政は中小企業で働く皆さんが活躍できる場を提供し、そして、組織としての企業を支えていくということが求められていると強く感じております。そのため、皆様との議論の末、中小企業・小規模企業振興条例を策定させていただきました。ですから、この条例は単なる理念条例で終わらない、スローガンで終わらない、中小企業に寄り添い、役に立つその課題解決を図る、また可能性を伸ばすなど、真に中小企業の支えになる実効性に重きを置いた条例とすることに注力いたしました。  その中でこの本条例のつくりとして、市の責務というものを明記しております。これは企業を担う人のライフステージという切り口と組織としての企業の成長ステージという切り口の両面から下支えするということを高らかにうたった条例であります。ここでは人材、人のライフステージから1つ、企業の成長ステージから2つ、3つの重点的な施策について答弁いたします。  1つ目は、人材の確保・育成であります。人にしても企業にしても切れ目なくというのがキーワードであります。まず、企業にとって最大の財産である人材が静岡の企業に対して関心を持ってもらうということが必要であります。三つ子の魂百までであります。そこで、平成30年度から静岡市内の小学校で子供たちがプラモデルの歴史を学び、地元メーカーの指導のもと、実際にプラモデルづくりを体験する事業を行い始め、このことを通じてものづくりへの興味や関心を高めていくという取り組みを始めております。教育委員会との共同作業であります。  一方、午前中の議論の中にもありましたが、今月シニア世代の就労の窓口として、ワンストップで対応する「NEXTワークしずおか」を開設しました。これは全国的にも政令指定都市の中でも大変ユニークな窓口であります。相談に乗ってやるという姿勢ではなくて、今までさまざまな経験をしてきたシニアの皆様方に寄り添って、敬意を表し、同じ目線でサロンのような雰囲気で、これからの人生100年時代の過ごし方をどう充実したものにするかというアドバイスを行っていきたい。そして、そういう優秀な人材が静岡の中小企業にとっても大変即戦力として役に立つというウイン・ウインの関係をつくる窓口、ゲートウエイとしても使命を果たしていきたいというふうに思っています。  このような子供のときから、また一旦現役を退いた方まで、ライフステージに沿った産業振興の下支えをしていきたいと思っております。  次は、企業の成長ステージに沿った取り組みであります。  2つ目になりますが、創業・新規事業の創出という面のアシストであります。これも午前中の議論になりましたが、自治体としては全国初めての参画となったWeWorkの持つ連携と交流機能を生かし、今職員が東京事務所を中心にして経済局の職員ともどもWeWorkに参入している企業の方々とのネットワークをつくり上げておりますので、静岡市の中小企業に関する情報発信や会員企業同士のビジネスマッチング、創業して間もない本市の中小企業をWeWorkの中に入れる手助けをして、そこでさらなるビジネスチャンスを見つけてもらうというビジネスマッチングを革新することで販路の開拓や売り上げの向上などの拡大、また新たな事業の創出などの加速化につなげていくという下支えをしていきたいと思っています。  3つ目は、軌道に乗った後の企業の生産性の向上という側面であります。景気がよくなれば設備投資という必要性も出てくるでしょう。ぜひ中小企業が積極的にデフレマインドを払拭して、設備投資をしていくという局面にしていきたいわけでありますが、そのハードルを下げていくために、設備導入をする際には固定資産税をゼロにするという特例の導入を経済産業省と連携いたしまして、静岡県内でいち早く表明し、立案をし、平成30年度からこれに取り組んでおります。これまでの実績として、これを活用した企業は245件、約55億円の中小企業の設備投資が行われており、今後も引き続きこれを支え、企業の設備投資を促進してまいりたいと思っています。  このように本条例を通じて中小企業の重要性を市民の皆さんと共有し、その持続的な成長につながる施策を展開することにより、本市経済全体の活性化に向け、力強く市行政オール静岡で取り組んでいきたいと考えております。  以下は統括監から答弁させます。 39 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) 新清水庁舎における新たなにぎわいを創出する具体的な取り組みについてですが、新清水庁舎には現在の静岡庁舎、駿河区役所にはない新たな強みがあります。その1つ目として、JR清水駅やバスターミナルと近接する良好な交通アクセス、そして2つ目に、清水文化会館マリナートや駅前商店街などの周辺施設との連携が容易となること、3つ目に、庁舎レイアウトの工夫により、セキュリティを維持しながら庁舎を土日、夜間に一般開放可能とすることなどが挙げられます。こうした強みを生かし、庁舎を単に事務所として使用するのではなく、にぎわいの創出につなげていきます。  本日は、お手元に資料として新清水庁舎建設基本計画の抜粋をお配りしておりますので、こちらのほうをごらんください。  資料の左下になります。まず、庁舎の屋外ですが、ピロティ構造により生み出された1階広場と2階外周部の屋外テラスは多目的に利用が可能なスペースとなり、イベントの活用の幅を広げます。  また、1階広場は清水駅東口広場と一体となった活用や、天候に影響されないイベントの開催を可能とするなど、にぎわい機能の充実にもつなげていきます。  一方、庁舎内部、待合コーナーは、土曜日、日曜日、夜間等にミニコンサートや講演会、絵画の企画展示など、市民活動の場として利用できる空間としていきます。  このように新清水庁舎は清水区のまちづくりの拠点として、人と人、人とまち、まちとまちがつながる庁舎となることを目指してまいります。  次に、新清水庁舎の具体的な緊急避難機能についてですが、同じく資料の上段をごらんください。  新清水庁舎建設基本計画で定める基本方針、清水区の防災拠点の機能の1つには、ウオーターフロントにおける命を守る緊急避難機能を掲げております。新設する新清水庁舎や立体駐車場と既設のJR清水駅や清水文化会館マリナートをペデストリアンデッキで結び、最高水準の耐震性能を備えた庁舎等を整備することにより、浸水しない空中レベルに約1万2,800人が緊急避難できるスペースを確保します。このスペースには周辺に居住している方はもちろん、河岸の市や清水駅東口広場などに来訪している観光客の方が迅速かつ安全に避難できるように、階段の数やその設置位置に配慮いたします。  また、庁舎の屋上にはヘリコプターによる重傷者の緊急搬送や救援物資の搬入が可能となるRポイントと呼ばれる救助避難スペースを確保します。このように津波避難機能を備えた庁舎を整備することで、周辺エリア全体の防災力を向上させることができると考えております。   〔5番稲葉寛之君登壇〕 40 ◯5番(稲葉寛之君) それでは、2回目の質問をさせていただきます。  大項目1については3回目の中で意見・要望として触れさせていただきます。  大項目2の産業振興についてさらに質問をさせていただきます。  1回目の中で、中小企業・小規模企業振興条例を通じてどのように中小企業を支援しようとしているのか質問させていただき、市長みずから御答弁いただきましたが、より実効的な支援を実現していくためには、何よりどれだけ的確に中小企業が抱える課題を捉えていけるか、これが非常に重要になると考えます。そのためには私自身の企業内労働組合の執行委員だった経験から、やはりどれだけ働く現場の声を聞くことができるかということに尽きると考えます。  そこで質問です。施策の効果的な実施に当たり、中小企業の意見をどのように取り入れていくのか、伺います。  さらに中小企業の抱える課題解決に向けては、意見を吸い上げるだけではなく、それに対応する支援を講じることが重要です。例えばものづくりの現場の技術支援のためには、その分野の高いスキルを持った人材が必要でありますし、販路開拓にはそのノウハウや人脈を持った人材が必要です。しかしながら、中小企業においては、こういった人材を自力で確保することが難しい状況にあります。したがって、多様な課題を抱える中小企業とその課題に応え得る人材とのマッチングを支援していくことが必要になっていくと考えます。  そこで質問です。企業が求める人材確保に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。  また、昨今、女性活躍や働き方改革が叫ばれています。そういう中で、将来にわたる人材確保、企業発展などにもつながるのは選ばれる企業になること、そのための重要な取り組みの1つとして、働きやすい環境づくりが挙げられると考えます。これに対して本市としては、振興条例の基本理念にもうたわれているとおり、自発的な企業努力を促していく必要があると考えます。そのためには、すぐにでも取り組めるような働きやすい環境づくりの実践事例を発信し、多くの中小企業に知ってもらうことが効果的ではないでしょうか。  そこで質問です。働きやすい環境づくりの促進に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。  続いて、大項目3、労働者の処遇の改善について、中項目、船員の処遇について伺います。  大項目2の質問で、将来にわたる企業発展には働く仲間がより働きやすい環境づくりというのが非常に重要であると述べさせていただきましたが、同じ働く仲間の中でも特にこの清水という港町を有する本市にとって、非常に大切な船員の方々の処遇について改善が必要なのではないかと考え、質問させていただきます。  海上輸送などの重要性から、船員の確保、育成は海洋基本法で国が講ずべき措置として明確に位置づけられている中で、現在船員はことし3月の全国の有効求人倍率で2.6倍と、陸上産業の1.63倍に比べて全国的にさらに人手不足の状況となっており、労働人口の減少などを鑑みると、将来にわたる船員の確保、育成は大きな課題であります。開港120周年を迎えようとしている港町・清水を有する本市にとっても、後継者不足が課題となっている船員を確保することは、将来の日本にとっても私は大きな課題の1つであると考えます。  そういった中で、水産業、海運業を担う船員の方々は、家族と離れ、社会ともある種隔離された労働・生活を余儀なくされるという厳しさがあります。また、港町周辺に船員の定住促進を図ることは、船員後継者の確保のみならず、船舶入港誘致にも一定の効果が見込まれ、港湾荷役、水産加工、船舶修繕、船員の上陸等による消費活動など、経済波及効果は大きく、港町の発展に寄与するのではないかと考えます。  その一助として、1年以上海の上で生活されるという特殊性から、日ごろ行政サービスの恩恵を受けられない外航船員、遠洋漁船員の皆さん、これは現在本市に登録している外航船員さんは15名、遠洋漁船員さんは30名の計45名いらっしゃいますが、この方々の個人市民税の減免について伺います。  この個人市民税の減免に関しては、既に実施している自治体が2市ございます。平成26年に減免要綱を制定した四日市市と平成28年に同じく減免要綱を制定した鳥羽市であります。  減免といいますと、例えば生活保護を受けている、受けてないといった担税力というのが1つのキーワードになりますが、2市のうち四日市市議会における船員住民税減免に関する市長答弁の中で、長期出漁や航海をする船員はどの国からの住民サービスも享受できないことから、ほかの納税者と比べ、不利益な状況であることを踏まえ、応益負担の性格の強い均等割部分についてのみ減免するといった整理が行われております。  また、公平性におきましては、海外出張するサラリーマン等が1月1日をまたいで1年以上出国、転出されていた場合は、日本国内に住所を有しない者として取り扱われ、その年の住民税の課税対象から外れる一方で、船員の場合は、たとえ1年以上海外に出漁、出航していた場合であっても、留守家族の住所等100%課税対象となり、海外勤務者に比べて船員は不利な状況に置かれているのも事実であります。  この減免の判断につきましては、平成23年の第19回税制調査会において、当時の総務大臣政務官が船員にかかわる個人住民税の減免は各自治体判断で可能であるとの考えを各自治体にお知らせしていくこととしたいといった発言があったことなどからも、まちづくりの議論等を通じて海上労働の特殊性について、市民理解のもとで自治体の判断で減免が可能な状況であります。  そこで質問です。行政サービスの恩恵を受けにくい外航船員、遠洋漁船員の方々への個人市民税減免に対する本市の見解について伺います。  以上、2回目の質問といたします。 41 ◯経済局長(池田文信君) 中小企業支援についての3つの質問にお答えします。  まず、中小企業の意見聴取についてですが、これまでも中小企業の要望や課題等につきましては、職員による年間1,000件を超える企業訪問や経済団体、産業支援機関と日ごろからさまざまな事業の実施を通じ、情報共有を図ることで把握に努めています。  さらに中小企業・小規模企業振興条例では、中小企業の自主性や主体性を生かし、振興施策を効果的に推進するため、市が主導して設置・運営する審議会等ではなく、中小企業及び産業支援機関等が運営する会議を活用して意見を聴取する規定を設けました。現在、この会議の立ち上げに向け、産業支援機関等の関係機関同士で協議が進められており、本市としてもそれら機関に対し条例の趣旨等の説明を行い、理解を深めていただき、その円滑な立ち上げに対するサポートをしているところです。  次に、企業が求める人材の確保についてですが、本市では中小企業のさまざまな経営課題の解決を図るため、課題を抱える企業と豊富な知識や経験等を有する企業OB等をマッチングする取り組みを行っています。これまでも企業の経営課題をヒアリングするとともに、スキルを持った人材の掘り起しを行ってきましたが、「NEXTワークしずおか」の開設により、企業と人材のマッチングを随時行うことができる体制が整ったことから、これまで以上に企業と人材とのマッチングを進めてまいります。  また、平成30年度には企業と企業OBが一堂に会し、直接面談を行う新現役交流会を全国で初めて自治体主催で開催しました。当日は市内企業21社と首都圏等からの企業OB53人が参加し、13の企業がマッチングを成立させていることから、この取り組みが市内企業の課題解決の一助となるものと考えています。  今後は地元の企業OBにこの取り組みを知っていただくセミナーを開催することで、地元人材の活用にもつなげていきます。  こうした取り組みを通じ、企業の課題解決と企業OB等の活躍の場の創出を図ることで、市内企業の人材確保を促進してまいります。  最後に、働きやすい環境づくりの促進の取り組みについてですが、企業が持続的に発展していくためには、働く人一人一人が活躍でき、働きやすい環境をつくり出すことが非常に重要です。そのため、本市では、働きやすい環境づくりに取り組む企業の活動を広めていくことを目的に、その取り組みのプロセスや効果等を発信しています。具体的には、平成21年度から女性を初め、多様な人材が働きやすい環境づくりに積極的に取り組む企業をこれまでに延べ48社表彰しています。この事例としては、建設業の女性現場作業員のためにトイレカーを導入した企業や、男性の育児休業取得率100%の企業などが受賞しており、その取り組みを市のホームページや情報誌等で紹介しています。  また、働き方改革に取り組む企業の課題を解決するため、社会保険労務士等の専門家を派遣し、課題解決のロールモデルを構築するとともに、その事例を成果報告会を通じて周知していきます。  今後も市内企業の好事例の見える化をさらに進めるため、情報発信のツールをふやすなど、働きやすい環境づくりの促進により一層努めてまいります。 42 ◯財政局長(川崎 豊君) 外航船員、遠洋漁業船員の方々への個人市民税の減免についてですが、個人市民税は静岡市内に住所を有し、一定以上の所得のある市民の皆さんに所得に応じて納税していただいております。  また、本市では、個人市民税の減免は納税者が貧困により生活のための公私の扶助を受けたり、災害で被害に遭われるなど、特別な事情により納税が困難な場合に限り適用しております。このため、個人市民税の外航船員などの職業や勤務形態に応じた減免については、課税の公平性を十分に考慮する必要があることから困難なものと考えております。   〔5番稲葉寛之君登壇〕 43 ◯5番(稲葉寛之君) 3回目は意見・要望を述べさせていただきます。  まず、大項目1の新清水庁舎を核としたまちづくりにつきましては、さきの選挙の際に私が肌で感じた市民の皆様がいまだ持っている不安を少しでも払拭していかなければならないという思いから質問いたしました。市長公室を新設するなど、新清水庁舎について丁寧に説明するとの方針を打ち出しておりますが、広報活動などを通じて構想、計画あるいは進捗の状況などをつぶさに伝え、市民の皆様の理解を得ていくことが、計画を遂行していく上でやらなければならないことの1つであると考えます。  そして、災害時に命を守るという機能をしっかりと発揮できるように、さらには新庁舎とつながる駅周辺の建物も含めたエリア全体での耐震性能、防災機能についてもしっかりと対応していただけるよう、より一層の取り組みをお願いいたします。  また、私は、これに加えて災害が発生し、避難をした後、つまり生き延びた後に今度はどのように行動するのか。例えばペデストリアンデッキ等に人が押し寄せてパニックになって、将棋倒しになってしまわないか。そうならないように人をどう誘導していくのか、こういったソフト面の取り組みが必要になってくると考えます。真に災害に強い体制を構築するために、ハード面の取り組みに終わらず、ソフト面についてもぜひとも検討していただきたいと考えます。  続いて、大項目2の産業振興についてですが、働く仲間の中でも経済や産業を支えていただいている99%以上の中小企業への支援をより一層強化していくことが、将来の本市の発展に必要であるとの思いで質問をさせていただきました。多様な課題の解決につなげるため、企業が求める人材の確保を支援することは重要であり、そのためのマッチング支援については、今年度から新しい取り組みとしてNEXTライフワークプロジェクトも始めたとのことですので、力を入れて取り組んでいただきたいと思います。  また、表彰制度で表彰された企業や実際の取り組みなどは、より広く知らしめることで、取り組まれた企業の名誉にもPRにもなりますし、また、それがやがてはUIJターンなども含めた就職希望者の増加にもつながる。つまりは人口減少対策にもつながる非常に有用なものであると期待いたします。今後も積極的な活動を推進して、本市全体のイメージアップにもつながるように取り組んでいただきたいと考えます。  振興条例の施行も始まり、本市の中でも中小企業支援の重要性が再認識されていることと思いますが、中小企業の課題解決に向けてより実効的な支援につなげていくためには、繰り返しになりますが、まずしっかりと意見聴取を行い、的確な振興プランを策定し、そのプランの進捗を定期的にチェックしていくことが必要であると考えます。この取り組みに関しては、既に富士宮市など身近に取り組みが進んでいる自治体がございます。  先月5月に富士宮市の状況をお聞きする機会がございまして、その際に直接関係者の方々にお聞きできたのですが、取り組みの中で大事なものの1つとして挙げられていたのは、実際のアクションプランを検討していくための懇話会と呼ばれる産業振興会議の組織づくりと、そこでの議論を踏まえて策定される実際のアクションプラン、そして、このプランの進捗や実績を懇話会において定期的にチェックすることということで、つまりは懇話会の存在がかなり重要なものになっているということでありました。
     お聞きした話の中では、例えばこの懇話会に大学教授の方々は自分なりのお考えを持っていらっしゃって、それに向かって話をまとめようとされることから、メンバーには入れてない、などといったより具体的な例もお聞きできましたけれども、そういった先駆的な取り組みをモデルとして、本市の実情に合わせた取り組みにぜひとも昇華していっていただくことを期待いたします。とりわけこの意見聴取のための懇話会の組織づくりに、ぜひとも一層の御尽力をいただきたいと考えます。  最後に、大項目3の労働者の処遇の改善についてですが、中小企業への支援のほかに、港町を有する本市として船員の方々についても積極的に守るべきではないかと考え、船員の方々の処遇について質問いたしました。答弁の内容については非常に残念なものでありますが、船員の方々の処遇改善は国にとっても大切な将来の船員の確保につながるばかりか、本市の人口減少や経済発展に加えて、120周年を迎える港町・清水を大切にするんだ、ということをより印象づけることにもつながると考えています。そのためにも引き続き検討を行う必要が大いにあると私は考えます。そういった意味では、今後は本市にとっての船員の確保の位置づけや重要性なども議論しながら、他市の動向など情報共有を密にさせていただく中で、他市に先んじて対応していく、こういった戦略性という観点も含めて、今後とも引き続き議論をさせていただきたいと考えますので、よろしくお願いいたします。  今後もぜひとも市長の強力なリーダーシップのもとで当局の皆様に一層御尽力いただくことをお願いして、私の全ての質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 44 ◯議長(遠藤裕孝君) 次に、佐藤成子さん。   〔27番佐藤成子君登壇〕 45 ◯27番(佐藤成子君) 総括質問が最後は初めての経験です。何事も初めてというのはいささか緊張するものです。あと少しの時間おつき合いください。  さて、午前中の若手議員の発言の中に、もう昭和的感覚は要らない、古い概念を捨てていくことが大事だという言葉が飛んできました。もちろん私どもも自覚していることではありますが、人生100年時代の到来が来ていますと市長の答弁にいささか救われたという感じでございました。  それでは、通告に従いまして質問したいと思います。  今議会では、市長選挙については何人かの議員が触れておりますし、それぞれさまざまな思いがあったことも承知していることです。感想を述べさせていただいてから本題に入りたいと思います。  いつになく一人一人の議員が力を入れて、それぞれの主張をしていました。まさに言論の府・議会の姿です。賛成と反対があり、その意見を堂々と戦わせる土壌がある議会こそ大事だと思っています。傍聴者もたくさんいました。市長はもう少しその思いを伝えていく姿勢を示してもいいのではないかと感じました。  そして、大事なのは、この総括質問で何人かの議員がそのこと、市長選挙の結果を取り上げたいという思いを持ったということです。例えが異なりますが、総括質問3日目ともなりますと、ヒアリングの際、ああ、そのことはあの議員が質問しますとか、そのことは以前お答えしています。答えは同じですなどなど、それぞれの議員が課題と捉えたことですが、質問の形にならなくなってしまうことを経験したことはありませんか。たとえ同じような課題、質問であっても、人が変われば、その認識の仕方や質問する意図が異なります。ありのままでいいので、お答えいただければと私は思って、私なりの質問をさせていただきます。前置きが長くなりました。  まさに重なっていますが、初めに、3期目の田辺市長誕生についてお伺いいたします。  振り返れば2011年4月、投票率52.58%の中、田辺候補は45.1%の得票率で、対抗馬の海野 徹氏、41.8%を9,805票の差で乗り切りました。思えばあの東日本大震災、3.11直後の選挙で、安心・安全なまちづくりが第一の公約でした。続いての2015年4月、48.42%の投票率で田辺候補は67%の得票率、対抗馬の高田都子氏、25%、約11万5,000票差の圧倒的な勝利でした。そして、今回2019年4月、余り聞きたくないことかもしれませんが、昨日も示された数字です。48.76%の投票率で、田辺候補は49.6%の得票率、対抗馬の天野進吾候補は38.4%、3万1,047票差でした。  また、田辺候補の得票数と他の候補の得票数の合計値の比較が2名の他候補が2,275票上回っているということ、そして、皆さん承知のとおり、その起因が区ごとの得票数にありました。清水区のみ2名の候補者の合計が5万4,062票で、4万5,019票の田辺候補より9,043票上回っていました。ほかの議員からも同様の質問がありましたが、このことは清水のまちづくりに関する取り組みについて、田辺市長の考えを、背景や目指すまちの姿などを含め、何度でも丁寧に説明すべきとの示唆ととるべきではないでしょうか。  余談ですが、私どもの会派は、選挙に当たり、政策協定を提示し、田辺市長3期目誕生に応援してきたつもりです。当選後の記者会見や内田議員、白鳥議員への答弁でも伺っておりますが、厳しい結果と表現されたことも含め、どのように受けとめ、新たなスタートを切られたのか。これまでとこれから、3期目へのつなぎ方を伺わせていただきます。  田辺市長は、2011年の選挙の際は静岡を「希望の岡」にのマニフェストを掲げ当選されました。そして、静岡市の最上位計画、第2次総合計画に呼応させたまちみがき戦略推進プランの行政プランを作成し、静岡市の政策を遂行されてきました。「ないものねだりよりあるもの探しと、それらを磨き上げる」の合言葉でした。この間、このことばに合致していると思える主なものは何だったと捉えているのでしょう。  そして、2015年、「飛躍の第2章」のマニフェストを掲げて当選、その後、第3次総合計画、「みんなの力で創る、静岡。」を策定されました。飛躍の言葉が使われた2期目、総合計画の期間を市長就任期間と同じく4年間とし、実施計画を前半4年、後半4年とされたことも市長としてかかわっていく意欲とでも言えばいいのでしょうか。飛躍と意欲、スピード感のある市政遂行が行われると期待できる言葉のもとで4年間が経過しました。  9月議会でも伺いましたが、重点政策5大構想の遂行です。これは後ほど伺います。そして、「このまちを、ずっと、みんなで」の今回のマニフェスト、第3次総合計画、5大構想そのものと言ってもいいものでした。  一人の百歩より百人の一歩、耳なれた言葉です。ヒアリングの際、毎回聞く言葉は、市長の考え方は一貫しているという職員の説明です。政策の一貫性については昨年の9月議会で質問し、答弁いただいているところですが、投資の部分についてはどうでしょうか。市長は、選挙戦を通じて1期目、2期目では、財政の健全化をしてきた実績と、3期目の投資にかける思いを訴えていました。再選され、継続することになったわけですから、これまで掲げてきた政策を事業として遂行することを変えることはないと判断しております。  しかしながら、きのうも事業実施に至るまでの理解が得られていないとの声もありました。私はしつこいと思われるかもしれませんが、立ちどまり、まずは説明すべきところは説明されたほうがいいと思っています。市長自身伝わっていないと判断されたのですから、伝えるべきではないでしょうか。つまり投資する田辺市長の考えを時代背景や静岡市の将来を見据えた持続可能なまちの姿などを含めて示していくべきだと考えます。それこそ中学生でも理解できる市政の見える化が必要です。  改めて伺います。市長は2回の選挙という大きな波を乗り越えました。これまでをどう評価し、3期目につなげていかれるのか、伺います。  以上、1回目の質問です。 46 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢について、8年間の評価について、これまでの8年間をどう評価し、3期目につなげていくのかとの質問にお答えいたします。  佐藤議員からもう少し市長の思いを伝えてもいいのではないかと御指摘いただきましたが、それではもう少し長い答弁をしてもよろしいということでありましょうか。  これまでの8年間、これも答弁をしてきたとおりでありますけれども、要は蓄えをつくった、計画もつくった、よし、準備を整えることができたという8年間だろうと思います。1期目、2期目の市政運営では、財政の健全化を通して行財政改革を断行し、また、3次総の中でも5大構想を打ち出すことで政策の選択と集中を行ってまいりました。3期目の4年間は未来の静岡のための投資を着実に実行していく時期だというふうに考えております。  SDGsという静岡市を1つにする大きな目標も掲げました。その中の目標の1つが住み続けられるまちづくりをであります。それは静岡市のどこに住んでいても、中山間地域に住んでいても、暮らしやすさを担保するということも、とてもこれから大事な投資であります。そのようなまちをつくっていく中で、中心市街地などの拠点エリアに必要な都市機能を集約し、地域の公共交通などによって、そこにアクセスしやすいコンパクトなまちをつくるということも大事な課題であります。  きのうもMaaS(Mobility as a Service/以下前記の例による)の議論の中で申し上げましたが、最近、高齢者ドライバーによる悲惨な事故が相次いでおります。私は静岡市でそんな事故を減らしていきたい。車に頼らなくても暮らしやすい静岡市をつくりたい。そういう点では、例えば清水駅の周辺にさえアクセスできれば、生活に関する暮らしにかかわる用事は全て済むんだというようなコンパクトシティをつくる中で、清水中心市街地の求心力を強めていきたい、かつての勢いを取り戻していきたいというふうに強く考えております。  その中で、コンパクトなまちを目指す中で取り組みを始めているのが、先ほど来議論になっている清水庁舎の移転であります。清水駅東口公園に庁舎を移転し、駅とペデストリアンデッキで直結、結ぶことによって鉄道でつながる由比地区、蒲原地区はもとより、バスなどの公共交通機関でつながる両河内や小島地区など、中山間地の皆さんからのアクセスも向上していく、住み続けられるまちづくりということのまちをつくって、中心市街地とウイン・ウインの関係をつくっていきたいというふうに思っています。  また、そのような公共投資が呼び水になって、民間投資も喚起されるでしょう。清水テルサやマリナートなどの公共投資により商店街が集まるこのエリアに移転することの契機によって、周辺に新たな民間投資を促す誘導をしていきたいし、また、新しい庁舎にいらっしゃる方々が駅の西側の商店街を回遊して、そこで消費活動をしてくださる。そういう中で少し勢いをなくしている商店街の再活性化の景気になろうかと思います。  ハード、ソフト両面からの取り組みが必要であります。おととい答弁しましたように、今回まちは劇場の推進の5大構想の中で、ささやかな取り組みですが、「まちかどピアノ」、これ1台目が大事でありますので、1台目の設置に清水の商店街を選んだということも話題性を高めるという意味での私の思いの1つのあらわれであります。こんなハード、ソフト両面からの政策誘導によって清水の中心市街地の勢いを取り戻し、そして中山間地域にお住まいの方々にも便利なコンパクトシティをつくっていくというのが私のビジョンであります。  折しもことしは清水港開港120周年の節目の年であります。来月から七夕祭り、巴川灯ろうまつり、そして海フェスタを挟んで、清水みなと祭り、さまざまなイベントが目白押しであります。多くの来外者が清水を訪れるというふうに思います。その新たなにぎわいに着目する清水、広報しずおか7月号もこの海フェスタを中心とする開港祭、これのPRというものを一面を使って情報発信していくつもりであります。  清水を例にとり説明いたしましたが、要は2022年を目指して取り組む3次総、その中の最優先施策5大構想、そして国連が2030年を見据えるSDGsと関連づけたまちづくり、その中で立ちどまるということよりも、むしろスピード感を持ってこの4年間、これで清水はよかったんだというふうに思ってもらえるまちづくりに向けて実行していかなければいけない時期だと私は強く感じております。  その中で、昭和の時代は確かに成長拡大の時代でしたが、令和の時代は成熟、持続可能な時代にしなければなりません。人口減少に挑戦していかなければいけない。__________________________________________________成熟、持続可能な清水のまちづくりをつくっていくためには、どのような産業をこれから下支えしていくのか、そういう観点からまちづくりを進めてまいりたいと思います。  以下は局長に答弁させます。   〔27番佐藤成子君登壇〕 47 ◯27番(佐藤成子君) 2回目の質問です。  お答えいただきました。それぞれさまざまな受け取り方があったようですが、8年間の総括として次に向けての思いを語っていただいたと思います。まだまだ議論が必要な部分もあるなという感じがいたしました。  1つ単純なことですけれども、9月議会で私は、片仮名文字が多過ぎてよくわからないことが多いですよねということをお伝えしたつもりでしたが、また今MaaSという言葉が出てきたんですが、それは今私たちもこれからの交通体系としてこういうものができていきますよというのは伺ってはいるんですけれど、それをもうちょっとかみ砕いて伝えていく必要はないのかなと同じく感じてしまったのですが、それは私の理解度が足りないのかなということかもしれません。  それでは、次に続けていきたいと思います。  言うまでもなく、選挙があろうとなかろうと市政はとまることなく続いていきます。今後どのように展開されていくのか伺っていきます。  大項目2、市政の継続性について伺います。  第3次総の取り組みについてお聞きいたします。  初めに、多目的アリーナの整備についてお伺いいたします。  市民文化会館との関係はどう捉えればいいのでしょうか。同じような施設がふえるのではないかの声も聞こえます。私自身、え、アリーナはもうやめたんじゃなかったのと思っておりましたが、市民文化会館をアリーナにしていくとか、両方をあの場所に建設するとか、あるいは市民文化会館を長寿命化していくとか、いろいろ検討されていると伺いました。私の早とちりだったと思いますが、アリーナはアリーナ、文化会館は文化会館で、アリーナ整備がなくなったわけではないという現状で、場所を探しているとのことでした。予算もついています。やはり少し説明不足ではないかと思いませんか。お聞かせください。アリーナと市民文化会館のすみ分けはされているのでしょうか、お伺いいたします。  また新たな施設ができるとすると、公共施設の総資産量との関係はどのように考えているのでしょうか。あちらこちらでアセット、アセットと言いつつ、一方では面積が増加しているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。  そして、アリーナ整備をすることによるメリット、効果をお聞かせいただきたいと思います。  次に、旧青葉小学校跡地利活用の進捗状況についてお伺いいたします。  静岡市の財政事情から5大構想を遂行するのに民間の力を取り入れてと言われ続けています。前回の質問でも質問いたしましたが、さまざまな社会事情などを鑑み、手を挙げる企業、民間はそんなに存在するのか、大丈夫なのかなと思って質問させていただいたのが前回です。でも、午前中のソーシャルインパクトボンドWeWorkなどの話がありましたが、今後これらがうまく回っていけば、積極的な企業誘致などが期待できるのかなとも思いながら伺いました。  それでは、次の質問です。今の状況がどうこの事業、つまりは旧青葉小学校跡地の利活用の進捗状況についてお伺いいたします。  それでは、次に、まちは劇場についてお伺いいたします。  一昨日は街角に設置するピアノについての答弁をいただきましたが、ただいまも市長はこういう意味で清水区に置くんだよと伺いました。まちは劇場パフォーマンススポットの事業が進んでいると承知しております。我が会派では、静岡イコール大道芸の全国的認知度を高めるためには、静岡市内、いつでもどこでもパフォーマンスができるようにして大道芸人を育てる都市、静岡にしていくべきではないかと提言してきました。その結果、パフォーマンススポットやライセンスの授与などの事業に展開されていきました。私どもが提言したよりも広義に音楽やダンスも含めてこの事業が進んでいる様子です。今後まちは劇場をどのように発展させ、最終的にはどんな姿を目指しているのかお聞かせください。  1つの疑問を抱いておりました。まちは劇場のロゴマークについてです。あのぱっくり口をあけたマークはそんなに古くなく、私はもっと定着させていくべきではないかと思っておりましたら、つい先日、新しいロゴが披露されました。そのことも含めてお聞かせください。  次の質問です。首都圏アンテナショップ事業についてお伺いいたします。  昨年9月議会のヒアリングで、平成30年度中には何とか形になりそうとのことでしたので、質問を取りやめました。が、3月まで進展がないまま30年度に繰り越された予算が白紙化、再度今年度2億5,000万円を超える予算が計上され、検討事業となりました。帯に短したすきに長しの状況のようですが、決めかねている事情は何でしょうか。これまでの物件探しの状況と今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  次に、市政の継続性についての大項目、SDGs推進についてお伺いいたします。  これも山本議員が質問されています。市民や企業に対する啓発についてのことが中心だったようですので、私は、9月議会の質問に続けた内容でお伺いいたします。  唐突とも言えるSDGs政策の議会への提示の仕方もさることながら、政策を動かす組織、職員への周知の仕方を疑問に思って質問させていただきましたが、その後の市職員に対するSDGsの普及啓発についてお伺いいたします。  何よりも職員が理解してこそ政策は遂行できるはずなのに、「What's your SDGs?」の情報紙の出し方は遅いのではないかと指摘させていただきました。が、今現在、回を重ねて13号ぐらいまで出されています。このほかにも職員への啓発は進んでいるということなのでしょうか。職員の理解は向上しているのでしょうか。職員に何か変化は見られているのでしょうか、お伺いいたします。  以上、2回目の質問です。 48 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) アリーナの整備に関する3つの質問についてお答えいたします。  まず、アリーナと市民文化会館とのすみ分けについてですが、現在ある市民文化会館は、演劇や音楽といった芸術文化の鑑賞の場や市民の皆さんの文化活動の発表の場として活用されてきました。  一方、今回検討しておりますアリーナは、市民文化会館では開催できなかった大規模な集客を見込める有名なアーティストのコンサートやバスケットボール、バレーボールなどのトップレベルのプレーに触れていただくことができる施設を目指しております。  次に、アリーナ整備と公共施設の総資産量との関係についてですが、本市が目指すアリーナは、公共施設の総資産量に影響しないよう、民間の資金とノウハウを活用した民設民営アリーナの可能性を検討しているところであります。  最後に、アリーナ整備による効果についてですが、平成29年度に実施した調査によれば、7,000席規模のアリーナと仮定した場合、音楽やスポーツ興行などにより年間にして約50万人の来場者、約100億円の経済波及効果が見込めるものと試算しております。さらに本市では見ることができなかったコンサートやプロスポーツなど、市民の皆さんに新たな文化、スポーツの魅力を身近に感じていただく機会を提供することにつながるものと考えております。  次に、旧青葉小学校跡地利活用の進捗状況についてですが、現在、整備を進めております歴史文化施設に隣接する敷地の利活用については、平成30年度に有識者等から成る静岡市旧青葉小学校跡地利活用検討懇話会において、民間事業者へのヒアリング結果や利活用の目的、施設の整備手法、管理運営の考え方を整理し、利活用方針の素案を作成しました。本年度は若者の柔軟な考えを伺うため、常葉大学2年生を対象として行ったワークショップを皮切りに、地域住民や子育て支援団体、観光ボランティアとの意見交換など、市民の皆さんの意見を幅広く聴取しているところです。  今後は民間事業者の公募、選定を行い、静岡都心のにぎわい創出に貢献できるよう、歴史文化エリアの玄関口となる旧青葉小学校跡地の利活用を図ってまいります。 49 ◯観光交流文化局長(大石貴生君) まちは劇場についての2点の質問にお答えします。  まずはまちは劇場パフォーマンススポット事業の現在の状況についてですが、この事業は、まちのさまざまな空間をパフォーマンスの場として開放することで、アーティストの自主的活動を促し、365日わくわくドキドキするまちの実現を目指して、平成30年度から取り組み始めた事業です。  現在、パフォーマンススポットは静岡・清水両地区の中心市街地の人通りの多い公共空間のうち、JR静岡駅北口地下広場や清水駅前銀座商店街など8カ所を選定しています。スポットを利用できるライセンス取得者は、これまで2回の審査会を行い、現在56名の方が登録されています。スポットの利用は事前予約制となっており、開始から6月16日までの約半年間の利用回数は90回で、主なものはジャグリングなどの大道芸やギター、三味線などの音楽になっております。  今後は、議員からお話のありました新しいジャンルのスポットとして「まちかどピアノ」を導入していきます。また、スポット数やライセンス取得者数をふやし、さらに多彩なコンテンツが楽しめる空間としていくことで、中心市街地のにぎわいを創出していきたいと考えております。  次に、まちは劇場の最終的に目指す姿についてですが、本市が目指す姿は、大道芸や演劇、音楽などの文化の力を生かしたにぎわいのあるまちづくりを進めることで、地域経済の活性化が図られ、ここに暮らす誇りと喜びを感じることのできるまちです。これはSDGsの目標である住み続けられるまちにもつながるものと考えており、言いかえれば市民の皆さんが日常的に文化芸術活動に触れ、まちに居心地のよい場所があふれることで、人々が元気になり、ひいてはまちも元気にしていくものです。  先ほどのまちは劇場パフォーマンススポット事業や「まちかどピアノ」事業は、この実現に向けた具体的な取り組みの一例です。そして、これらのまちは劇場の取り組みを世界に向けて発信していくため、平成31年2月に世界に通じるわかりやすい新たなシンボルマーク「ON STAGE SHIZUOKA」を作成しました。  今後は、このシンボルマークを活用して世界の人から選ばれるまち、訪れたくなるまちとして認知してもらうよう努めてまいります。 50 ◯経済局長(池田文信君) 首都圏アンテナショップについてですが、県中部5市2町の事業として圏域全体の認知度の向上や首都圏での販路拡大等を目的に、商材を手に取って購入できる、また、この地域でしか味わえない体験ができる店舗を開設しようとするものです。  平成29年度から5市2町の間で店舗の機能やレイアウト等についての協議を行うとともに、銀座を初め、日本橋、新宿、渋谷、表参道等の情報発信力が高く、集客が見込めるエリアの物件情報を収集し、検討を行ってまいりました。  また、平成30年度は5市2町で候補エリアの視察を行うとともに、商材の差別化に向けた取り組み等の検討も続けてきたところです。  しかしながら、本市が出店を希望するエリアでは物件が少ないことにより、立地場所や物件の面積、価格等の条件が合わないことから契約に至っておりません。  まずは令和2年度の東京オリンピック・パラリンピック開催の好機を生かせるよう、5市2町で連携しながら物件探索を継続し、アンテナショップの開設に向け、取り組んでまいります。 51 ◯企画局長(前田誠彦君) 市職員に対するSDGsの普及啓発の取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、SDGsの考え方をまずは市職員みずからが理解を深めることが重要だと考えております。  そこで、市長を初め、幹部職員で構成される静岡市創生・SDGs推進本部会議で6回にわたる議論を重ね、平成31年3月に市職員のSDGsへの取り組み姿勢を定めた静岡市SDGs実施指針を策定しました。そして、この指針に基づき、本年度から人事課が行う階層別職員研修にSDGsの科目を取り入れたほか、昨年度に引き続き、議員からも御案内がありました職員向け情報紙「What's your SDGs?」を作成し、これまでに13回発行いたしました。さらに当初予算編成や3次総実施計画の見直し作業において、SDGsの観点に立った事業立案を求めるなど、日常業務を通して理解を深めるための取り組みを進めております。  また、今年度はニューヨークの国連の会議に政策官が出張いたしましたので、その出張と成果を職員に知らしめるなど、一層の理解を深めるように努めているところでございます。  今後も、まずは市職員のSDGsへの理解度を深めていき、市民の皆さんにより質の高い行政サービスを提供できるように努めてまいります。   〔27番佐藤成子君登壇〕 52 ◯27番(佐藤成子君) 3回目は意見・要望です。  首長選挙のハードルを乗り越えるには、今や定番の有権者との約束・マニフェストは標準装備と言われています。ちなみに私はローカルマニフェスト推進連盟に加盟し、各地の首長のマニフェストを眺めてきました。  今回の「このまちを、ずっと、みんなで」マニフェスト2019は中学生にも理解できるイラストもふんだんに入れて、よくできていると見ました。  が、100日プロジェクトの市長ミーティング室とサッカースタジアムについてはいささか物を申したいと思いました。  堀議員も取り上げていた市長ミーティング室、市長が市長室を飛び出して、たくさんの人とコミュミケーションを深める。市長を身近に感じてもらうものとして開設されたとコミュニケーションの言葉から理解しています。もちろん職員も含めてです。まずはさまざまな課題があると認識して、清水区に出かけられたと思っておりましたが、マスコミでの市長の姿は職員と話す姿でした。私にとっては、え、市長、どっち向いているのかなという感じでした。市民とのコミュニケーションが足りないとの認識、市民ファーストにすべきではないの、どこを向いて仕事しようとしているのと思いました。もちろんこれからだ、これから市民との対話を入れていくという担当部署の説明も受けましたが、初めが大事だったのではないかと私は思いました。  清水区民は担当部署との対話ではなく、市長との議論を望んでいます。市長は、これ以上やっても対峙するばかりとお思いでしょうが、堂々と出て行って政策遂行を話すべきではないでしょうか。清水区民の不安や不満を払拭できるのは田辺市長自身だと思います。これからの市長ミーティング室の効果的な使用の仕方を期待しています。  次に、サッカースタジアムについてです。多くの議員も期待している様子ですが、この提示の仕方も唐突であったのではないかと私には映りました。マニフェストは期限と財源を、そしてできれば工程も提示した政策です。まだ全くと言っていいほど見えていないもの、これから練っていくものを掲げたのはどうなんでしょうか。行政プランとしていくにはかなり時間が必要なのではないかと受けとめました。市民に夢を与える政策はとても大事だと思いますが、より具体的な説明が必要です。ぜひともその具体的な説明をしていただけたらと思いました。  さて、選挙での結果については、たくさんの人たちの共通認識があります。しっかりと受けとめ、次につなげていただきたいです。何度もおっしゃっていましたが、伝えると伝わるの違いは大きなものがあります。とかく人は思い込みで判断したり、自己中で判断したりもします。だからしつこいほどの説明を行い、意思疎通が必要なのです。だからといって全ての人が理解してくれるとは限らないし、理解できない人もいるはずです。どこかで線引きをしなければなりません。100%はあり得ません。ここまでは政策の伝達遂行についてお伝えしました。  さて、私が気にしていたのは首都圏のアンテナショップの開設についてです。そろそろ5市2町をリードする首長として判断しなければならいときが来ていると思います。広域連携での田辺市長のリーダーシップが求められているのだと思います。決められないのはリーダーと言えるのでしょうか。変えられないのも同じことだと思います。決めたらやるしかないではなく、やる必要があるからやるんだと明言すべきだと思います。  失礼ですが、マスコミはおもしろおかしく表現します。重箱の隅的な感覚で記事を書いたりもします。日本語の使い方は難しいと思います。言葉一つで言った、言わないで疎遠になったりもします。気を付けなければなりません。知事とのかみ合わない会話、市民、県民にとって何もいいことはもたらしません。ほかの議員も言っておりましたが、現場の職員間のコミュニケーションのみならず、トップのそのコミュニケーションがいかに大事なことか再認識しています。  3期目の船出、さまざまな課題もありますが、これらを解決しつつ、ともあれ「世界に輝く静岡」の実現に向けて新たな一歩です。私ども議員も新たな気持ちで二元制の一翼を担っていかなければならないと思っています。  以上で全ての質問を終わります。 53 ◯議長(遠藤裕孝君) 以上で総括質問を終了いたします。  ただいま議題となっております議案第179号外28件は、既に配布した議案付託表のとおり、それぞれの所管の常任委員会に付託いたします。    ───────────────────
      日程第31 議員の派遣について 54 ◯議長(遠藤裕孝君) 日程第31、議員派遣の件を議題といたします。  お諮りいたします。  お手元に配布した資料のとおり、それぞれの議員を派遣することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」〕 55 ◯議長(遠藤裕孝君) 御異議なしと認め、資料のとおり、それぞれ議員を派遣することに決定いたしました。    ─────────────────── 56 ◯議長(遠藤裕孝君) 以上で本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。         午後2時36分散会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...