静岡市議会 > 2019-06-02 >
令和元年6月定例会(第2日目) 本文
令和元年6月定例会(第2日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2019-06-02
    令和元年6月定例会(第2日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(遠藤裕孝君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(遠藤裕孝君) この際、諸般の報告をいたします。  初めに、既に配布したとおり、公益財団法人静岡まちづくり公社ほか10件の出資団体に係る経営状況説明書が市長より提出されました。  以上で諸般の報告を終わります。    ─────────────────── 3 ◯議長(遠藤裕孝君) 本日の議事日程は、お手元に配布したとおりです。    ───────────────────   日程第1 議案第179号 令和元年度静岡市一    般会計補正予算(第2号) 外29件 4 ◯議長(遠藤裕孝君) 日程第1、議案第179号令和元年度静岡市一般会計補正予算(第2号)から日程第30、一般質問までを一括議題といたします。  これより総括質問に入ります。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  初めに、内田隆典君。   〔37番内田隆典君登壇〕 5 ◯37番(内田隆典君) 皆様おはようございます。通告に従いまして、質問させていただきます。  大項目が、田辺市長の政治姿勢についてということであります。  4月7日投開票で行われました市長選挙で、田辺市長は3回目の当選を果たしました。結果は、誰が見ても市長にとって厳しい内容だと思います。選挙では2期8年の田辺市政に対する評価が問われました。中でも、清水庁舎移転計画、それに伴う桜ヶ丘病院建設計画が清水地域で大きな争点となっていました。市長が、市民が指摘してきた3.11東日本大震災の教訓を生かした行政運営に徹するべきとの指摘に対し、耳を貸そうとしない傲慢な市政運営を続けてきました。その結果、三つ巴の選挙戦の中で、市長は過半数の得票を得ることができなかったわけであります。厳しい選挙戦を振り返って、市長は結果をどのように受けとめているのか、まず伺っておきたいと思います。  2点目は、若年層への対応について伺いたいと思います。
     今回の一斉地方選挙から、18歳の若者も選挙にかかわることになりました。これまで言われてきた若い人たちの政治離れ、関心をあまり示さないと言われてきましたが、今回の選挙では、年代別の投票率がどうであったのか、お聞きしたいと思います。あわせて、若年層への投票率向上に向けた取り組みについて、選管としてどう取り組みをしてきたのか、伺っておきたいと思います。  清水庁舎移転計画についてであります。  私は、この間、毎回本会議で清水庁舎移転計画について質問をしてきました。なかなか議論がかみ合わないわけでありますけれども、先ほど選挙結果について少し触れましたが、中でも清水区の選挙結果は、市長と市長の行政運営に問題があると指摘して選挙を戦った候補の得票のほうが多かったという結果です。市長は、丁寧な説明を行うと言うだけで、何も具体的な対応をしてこなかったと私は思います。建設ありきで問題があります。2月議会でも関連予算を成立させ、粛々と事業が進められております。  そこで伺いますが、事業選定委員会の進捗状況と今後のスケジュールについて伺いたいと思います。  2点目は、静岡新聞における出口調査の結果が、この間報道されました。清水庁舎の移転建てかえについて聞いたところ、清水区では、移転建てかえに賛成27.8%だったのに対して、反対意見は50.7%。静岡市全体でも建てかえに賛成が27.9%だったのに対し、反対意見は42%に上ったと報じられました。この結果を見ても、現時点でも市民の皆さんは、建設計画に対し理解をしていないということがはっきりしています。市長は、丁寧な説明をしてきたと言っておりますけれども、こうした結果を受け、今後具体的にどのように説明責任を果たそうとしているのか、伺いたいと思います。  サッカー場建設について伺います。  選挙戦の中で、サッカー場建設ということが出てきました。私には、選挙戦が厳しさを増す中での、サッカー場建設提案かと映りました。マニフェスト2019において、新スタジアムの建設を目指し、構想づくりに着手するとありますが、いつどのような判断で建設計画を打ち出したのか、伺います。  2点目は、建設候補地についてであります。  市民の皆さんの中には、清水駅東口にあります、以前建設計画が話題になりましたLNG建設予定地という話も出ております。市長はサッカー場建設を想定したときに、候補地をどこに想定しているのか、伺いたいと思います。 6 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢についてのうち、市長選の結果についてどのように受けとめているかについてお答えします。  私は、今回の選挙期間中、市内各所で行った街頭演説会などにおいて、これまでの2期8年間の実績や、今後進めていく取り組みなどを訴えるとともに、遊説中には、市民の皆さん一人一人の市政に対する御意見をみずから伺っていく、「聴く遊説」を行ってきました。選挙結果としては、3期目を任せていただくこととなりましたが、この「聴く遊説」を通して大きな課題にも気づきました。それは、これまで自分では市民目線に立ち現地現場主義の方針のもと、目指すまちづくりについて伝えてきたつもりでありましたが、それが市民の皆さんには十分に伝わってなかったという気づきであります。  したがって、この課題を真摯に受けとめ、これからの市政運営においては、特に情報発信力の強化を念頭に、市民の皆さんに対してより一層わかりやすく伝えることを意識して取り組んでまいりたいと思います。  以下は、局長及び統括官に答弁させます。 7 ◯選挙管理委員会事務局長(天野浩明君) 選挙についての2点の御質問にお答えします。  本年4月7日に執行された市長選挙の若年層の投票率についてですが、まず、市全体の投票率は48.76%でした。これに対し10代の投票率は29.1%、20代の投票率は25.1%でした。これは市内185投票所のうち、122カ所の比較的大規模な投票所に導入している当日投票システムのデータを集計した結果です。  なお、この集計によりますと、投票率は20代が最も低く、年代が上がるにつれて上昇し、70代の67.1%が最も高くなっております。  次に、若年層への投票率向上の取り組みについてですが、まず今回の選挙では、若者を中心に親近感のある広瀬アリスさんをメインキャラクターに起用し、テレビやラジオCMなど、メディアを活用した選挙時啓発を実施いたしました。また、若者の利用率が高いインスタグラムやツイッター等へのウェブ広告、ユーチューブへの動画広告の掲載、コンビニのレジ広告及び自動車学校でのPRを実施いたしました。さらに、一票の大切さを身をもって実感してもらう高校生の選挙事務従事を実施し、市内7校、156人の生徒が投票所で従事いたしました。  このほかに、高校での主権者教育の副教材として活用してもらうために、選挙啓発用パンフレットを作成しております。平成30年度は、静岡市立高校の生徒とタイアップし、高校生目線で編集したパンフレットを1万4,000部作成して、市内全ての高校に配布いたしました。今後も若年層への積極的な呼びかけを行ってまいります。 8 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) 事業者選定委員会の進捗状況についてですが、PFI事業者を選定するために組織する事業者選定委員会は、建築、まちづくり、防災、財務に関するそれぞれの専門分野に精通する有識者と市職員からなる5名で構成する予定です。当該委員会は、事業者の選定方式や選定基準、最優秀提案者の選定等に関し審議していただく市の附属機関であり、現在設置に向けて準備を進めているところです。  今後のスケジュールについては、7月末に第1回目の委員会を開催し、3月までに全5回の委員会を予定しております。  次に、今後はどのように説明していくのかについてですが、当該出口調査の結果、清水庁舎移転に反対する方が一定数いたことは、新清水庁舎に関するさまざまな情報について、市民の皆さんへの発信が十分ではなかったことが1つの要因ではないかと考えております。  そこで、今後は清水区のまちづくりや防災の拠点として、新清水庁舎が機能を一層充実させることについて、広報紙の7月号から9月号までの連続掲載、新設するホームページでの詳細な情報紹介、SNSを用い双方向でコミュニケーションを図るなど、広報媒体を積極的に活用し、幅広い市民の皆さんに届くよう、丁寧でわかりやすい説明と、きめ細かな情報発信を繰り返し行ってまいります。 9 ◯企画局長前田誠彦君) 新スタジアム建設の計画判断と建設候補地の考え方についてですが、新たなスタジアムの建設について、市民の皆さんからの期待の声があることは承知しております。また、スタジアムのような大規模集客施設の整備は、にぎわいの創出や地域経済の活性化につながるものと考えます。  しかしながら、現時点では3次総にスタジアム整備の位置づけはありませんので、まずはさまざまな観点からの検討、協議を重ね、市の大きなまちづくりの方向性と整合を図って構想づくりを進めてまいります。   〔37番内田隆典君登壇〕 10 ◯37番(内田隆典君) 市長の政治姿勢ということで、市長からも答弁をいただきましたけれども、2期8年の実績、課題について、情報が十分に発信されていなかったということで、1つはそういうことだと思います。同時に出口調査の結果、広報等での発信等が十分ではなかったと言われましたけれども、市長も含めて認識が甘い。出口調査の結果が一定数意見があったという認識なんですが、一定数じゃない。清水区でいえば、過半数の人たちが問題があるっていう指摘なんです。一定数なんていう認識だから、今まで説明責任を果たしていると言いながら、何ら市民には理解されていないと私は思っているんです。そこの認識が甘い。  清水庁舎の問題で質問しますけれども、1点目は、私、指摘を繰り返ししてきましたけれども、自治基本条例の観点に立って市政を運営すべきじゃないかということを、去年の11月議会とことしの2月議会でも質問をいたしました。  この点について、11月議会では企画局長は、「静岡市の自治基本条例は市民主体のまちづくりを基本理念に、市民の市政への参画権や市民意見の聴取、市民からの提案等について規定している。この自治基本条例は、本市における法体系の最上位に位置される条例であり、まちづくりに対する基本的な考え方を規定したものであることから、重要な政策の決定や計画策定の際には市民の皆さんから意見を聴取し、その施策に反映するよう努めております」と言っておられますが、私はそうなのかなと疑問を持っています。これが11月議会の答弁であります。  2月議会では、公共資産統括監は、「新清水庁舎の建設に係る基本構想基本計画の際には、パブリックコメントのほか、市民を対象としたアンケートワークショップ、市民委員を含めた検討委員会などを実施し、いただいた御意見については十分検討を行った。検討を行った結果、例えば、パブリックコメントに寄せられた障害のある方の働く場所の提供に関することや、来庁者用駐車場の土日開放に関することなど、施策をよりよくする御意見については、積極的に計画に反映する」と答えています。  確かに、静岡市の憲法と位置づけているわけですから、私はこれに沿った行政運営をしなければならないと言っています。「やったやった」と言っているが、私にしてみれば、そうではないと考えております。確かに土日の駐車場の開放問題や障害者の皆さんへの対応は重要な問題です。問題は、施策をよりよくする意見については、積極的に取り入れると言いながら、今回の庁舎の移転計画について、市民が問題意識を持っているという意見について、取り入れようとしないところに問題があるのではないかと思っております。  庁舎の問題や桜ヶ丘病院移転計画の2つの問題について、基本構想基本計画の段階で、確かに検討委員会を5回、6回とやりました。この中で多かった意見は、やはり津波浸水想定区域に建てていいのかどうかが一番多かったわけです。そういう点で、いろんな形で意見を積極的に受け入れると言いながら、一番多かった意見は何ら反映をしないという、ここが問題だと私は思っています。だから、静岡市が憲法と位置づける基本条例に沿った形での行政運営をすべきじゃないか。「やったやった」と言うけれども、私はやっていないと思っているんです。改めて見解を伺いたいと思います。  2点目は、出口調査の結果を受けてでありますけれども、市民説明会を開くべきだと、改めて求めるわけであります。この間当局は、パブリックコメントで出た不安や懸念に対して十分に検討を行い、それぞれに対して市の方針や考え方を広くホームページ市政情報コーナーで公開している。だから十分だと説明を繰り返しています。今の答弁でも、広報紙の7月号から9月号に連続掲載、ホームページやSNSで情報をこれから発信していきますよということを示されました。  しかし、直近の市長選挙の結果は、清水区で見てみると、移転建てかえ反対という意見が50.7%。市長も選挙後の記者会見の中で、丁寧に説明する必要性を感じていると発言しております。だとすると、広報やSNSやホームページだけでなく、きちんと市民説明会を開催すべきだと考えますけれども、改めて考え方を伺いたいと思います。  それから、3点目ですけれども、出口調査の結果を受けて、改めて庁舎の移転計画を見直すべきではないかと聞きたいわけでありますけれども、先ほど、今後のスケジュールの説明がありました。これから5回の選定委員会を開いてやっていく。庁舎の完成から逆算しますと、9月議会か、11月議会に、この建設のための予算を上程せざるを得ない。年が明けた2月議会には、建設業者を決定し6月から施工とならなければ今のスケジュールから間に合わないと思います。改めてここで私は聞きたいわけです。今日の段階でも、まだまだこの計画に市民の皆さんは、十分な理解を示されていない。一定程度という理解では困ると思います。仮に建設するとなれば、50年、60年、70年と長きに渡って利用する施設になるわけですから、慎重に対応しなければならない。確かに、行政が提案する事業に対し、80%、90%、100%賛成を得るのはなかなか難しい。それはもう無理に近い数値かもしれませんけれども、半分の人たちが直近の選挙でうまくないんじゃないかと言っているわけですから、私は慎重に対応すべきだと思っているわけです。そういう点で、改めて当局の考え方、見直しを含めて検討すべきではないかと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。  サッカー場建設についてです。  漠然とした答弁だったんですけども、スタジアムをつくるとなると、エコパを見ても、292億円とか、仮に300億円近いお金がかかるわけです。そういう点ではなかなか、行政がやると言っても、一手に引き受けられないと思いますけれども、スタジアムの建設に市はこれからどのような形でかかわっていくのか。  2点目は、今後のスケジュールを含めてどのように考えているのか、伺いたいと思います。 11 ◯企画局長前田誠彦君) まず、自治基本条例に沿った市政運営をするべきでないかについてですが、平成30年11月定例会にて答弁したとおり、重要な政策や計画策定の際には、市民意見を聴取し、施策への意見の反映に努めており、条例に基づいた市政運営を行っていると考えております。  次に、新スタジアムの建設にどのようにかかわっていくのかと、今後のスケジュールについてでございますが、1回目の答弁で申し上げましたスタジアム構想を検討していく中で、本市のかかわり方やスケジュールなども考えていく必要があると認識しております。  また、事業の実施主体や運営手法、建設費の財源確保、候補地の選定条件の設定などの課題についても整理していく必要があるものと考えております。 12 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) 新清水庁舎の建設に関し、市民説明会を開催すべきではないかと、庁舎移転計画を見直すべきではないかの、2点について一括して答弁させていただきます。  新清水庁舎の建設に関しましては、有識者や市民委員で組織する新清水庁舎建設検討委員会において議論を重ね、平成29年度に新清水庁舎建設基本構想、30年度に新清水庁舎建設基本計画を策定し、公表しております。  また、これまでタウンミーティングを開催してきたほか、基本構想基本計画策定時には、合計2,533件の意見が寄せられたパブリックコメントの実施や、さらに市民2,000人を対象に行った市民アンケートや、幅広い世代の方が参加したワークショップ、障害者、高齢者、子育て支援などの多様な団体からのヒアリングを計4回開催するなど、多くの市民の意見を聴取した上で、その結果を反映しながら進めてまいりました。  そのため、出口調査の結果を受け、改めて市民説明会の開催や、庁舎移転の計画の見直しの予定はございません。   〔37番内田隆典君登壇〕 13 ◯37番(内田隆典君) あなた方は、「説明会をやった」、「広報で知らせるから」と言っているけれども、市長、今までやっているようなことをやろうとしているんですよ、そう思いませんか。だから、今は何百回、何千回やったというけれども、4月7日の有権者の意向は、それでもやっぱり半数の方々が問題があると指摘しているんです。基本条例に基づいてやっていますなんて平気で言っているけれども、冗談じゃないって。2月のときに、静岡市自治基本条例の解説書を読み上げましたけれども、第21条では市民意見の聴取、いわゆるパブリックコメントをやりなさいと。市民生活に重大な影響を与えると思われるときには、市民の意見を聴取するだけでなく、市の実施機関だけで決めるなと言っているわけです。そうしますと、今は無視を続けて、実施機関が決めたことは一歩も譲らないというように私には映るわけです。解説書では、実施機関が聴きっぱなしにしたのでは何の意味もないと、ここまで言っているわけです。  こんな行政運営をしているから、市長、4月7日の段階でも、清水区でいえば50.7%の方々が理解を示さないと私は思いますよ。田辺市長が説明会をやって、この数字がだんだんだんだん50%から40%、30%と縮まっていったら、市民の皆さんは少しずつ理解していると私も思いますが、半数の人がいまだ理解していない。「やっている、やっている」と言うけれども、自治基本条例の立場に立ってやっていないからこういうことになるんです。  それから、出口調査の問題で、私は市民説明会を開催すべきだと質問しましたが、基本構想基本計画タウンミーティング等やってきたと。しかしいまだに理解を得られていないんじゃないかというのが私の見解です。  市長は、5月28日の定例記者会見の中で、記者さんの質問に対して、予算も議会で認めていただいているので前に進むしかない。前に進むために丁寧な説明をしていきたいと。確かに議会で関連予算が2月議会に出され、これからどうなるかわかりませんけれども、議決されたっていうのはわかります。議会で議決されたけれども、そこに生活する地域の人たちは、いまだに5割近い人たちが「いいんですか」と…… 14 ◯議長(遠藤裕孝君) あと1分です。 15 ◯37番(内田隆典君)(続) 津波浸水想定区域にこういう重要施設を建てていいのかという疑問を持っているわけです。議会が議決したからもう前に進むしかないなんていうそんな言い方をされたら困る。私はいろいろありますけれども、市長は、議会で議決され、もう前に進むしかない、スケジュール通りにやっていくと。なぜ説明会をやるか。やっぱり市長が提案して、この場所で最終的には決めたんですから。だとすると、市民の皆さんから説明会を開いてくださいと、会ってくださいという要望があれば、胸を張って説明すべきなんです。私に言わせると、市長は逃げ回っていて、自信がないとしか見えません。市長はどう思っているかわからないけれども。情けない。市民の前に出て行って、こうだと説明してください。説明してもらいたい。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 16 ◯議長(遠藤裕孝君) 次に、山本彰彦君。   〔39番山本彰彦君登壇〕 17 ◯39番(山本彰彦君) おはようございます。通告に従いまして、2点、市政運営と安心・安全について質問させていただきます。  本年4月、平成の時代が幕を閉じ、5月から令和の新しい時代が始まりました。平成の時代は、金融不安、巨大災害、隣国の核、人口減少、少子高齢化など、さまざまな危機が押し寄せた30年でありました。  国は政治改革、行政改革、地方分権改革と統治機構改革を進め、自治体の合併や地方への権限・税財源の移譲、新たな制度として介護保険制度や後期高齢者医療制度など、社会保障制度を見直す対応が図られてきました。また2度の経済危機は、国のみならず地方財政へも大きな影響を与え、地方財政に対する市民の視線も一段と厳しくなってまいりました。そして幾多の自然災害から災害の脅威を思い知らされ、防災・減災への対応を再認識することになりました。さらにグローバル化や急速なデジタル化の進展によるインターネット、携帯電話、スマートフォンの普及を背景に社会が大きく変化し、価値観の多様化が進んだ時代でもありました。  このような社会環境の変化の中で、自治体は改革と自立による都市の再構築が求められてまいりました。平成を引き継ぐ令和の時代が始まり、直面する最大の課題は、人口減少、少子高齢化であります。この課題と向き合い、乗り越えるためには、偏見や差別のない寛容な開かれた社会と、誰も孤立させない住民同士が支え合う地域社会、すなわち一人一人が個性を輝かせ社会で活躍できる共生社会の実現が時代の要請であると考えます。  初めに、市政運営についてであります。  田辺市長は、4月7日の市長選におきまして、市民の信任を受け、再選を果たされました。4月臨時議会での所信表明では、市政運営に当たり、3次総後期計画の着実な推進と世界水準の静岡市づくりとして、「世界に輝く静岡」の実現に向けた決意と市民に寄り添う姿勢を述べられました。また市民への公約として、「このまちを、ずっと、みんなで」とのマニュフェスト2019を掲げ、このマニュフェストは3次総を基本としながら、5大構想と持続可能な開発目標SDGsを組み込み、最優先に取り組む5大構想の具体的な事業5項目の100日プログラム、4年間で実行する20項目の政策内容が示されました。  まず、目指すまちづくりです。国立社会保障・人口問題研究所による人口推計から日本の人口を展望した場合、2つの重要な時期があります。1つ目は団塊世代が75歳に到達する2025年、2つ目は団塊ジュニア世代が65歳に到達し始め、労働人口が大幅な減少に向かう2040年であります。  2025年問題は、日本の人口の年齢別比率が劇的に変化し、約800万人いる団塊の世代が後期高齢者となり、国民の4人に1人が後期高齢者という、今までに経験したことのない超高齢化社会を迎えます。一方で、社会保障の担い手である労働人口は減少していくため、社会構造や体制が大きな分岐点を迎えることになります。このため、医療や介護などの負担と給付の割合が大きく変わり、国や自治体の社会保障財政の運営に対する懸念や雇用・福祉など、さまざまな分野に影響を与えることが予想されています。  また、2040年問題は、65歳以上の人口がピークを迎え、世代間の不均衡が著しい水準に達し、1.5人の現役世代が1人の高齢者世代を支えることになります。85歳以上の人口は高齢者人口の3割近くになり、高齢世代がさらに高齢化し、就職氷河期に安定した雇用を得ることができなかった世代がそのまま高齢者となり、高齢世代の困窮化が進み、さらに高齢世帯の中で単独世帯が4割を超えるとされています。日本の総人口が減少していくにもかかわらず、高齢者が増加し、現役世代への負担が重くのしかかる、つまり長期的な先行きが非常に不安な時代に突入するということであります。  この課題解決に向けて、全世代型社会保障の本格的な展開やその財源を確保する消費税率の引き上げ、働き方改革といった重要な取り組みが、くしくも令和スタートの年に始まることになります。このような時代が確実に迫ってきている中にあって、将来、静岡市が元気でいるために、経済の活性化は重要なテーマの1つであります。  市長は、選挙戦でも経済の活性化や交流人口の増加を訴えておりました。市政運営を進めていくには、中長期的な視点、10年、20年先を見据え、将来の静岡市の姿を思い、その目指す姿に向けて、今できることを着実に進めていかなければならないと考えます。  そこで、市長は3期目の市政運営にどのように取り組んでいくのか、お伺いをします。  次に、SDGsの推進です。  本年1月、日経グローカルから「全国市区・サステナブル度・SDGs先進度調査」の結果が公表されました。この調査は、平成30年の10月から11月にかけて、国連が採択した持続可能な開発目標SDGsの観点から、全国815の市区を対象に行われたものです。急速に人口減少や高齢化が進み、より効率的で水準の高い施策・事業を迫られている中、各市区がどれだけ経済、社会、環境のバランスがとれた発展につなげているか評価したものであります。  総合順位の結果、京都市が第1位でありました。この評価のポイントは、環境においては、京都議定書誕生の地として、市民、事業者とともに推進してきた総エネルギー消費量の削減などの地球温暖化対策や、ごみ量の大幅な削減、社会においては、歩くまち京都の公共交通最優先社会を目指した取り組みが高く評価されました。  本市は、昨年6月、日本政府からSDGs未来都市に、また7月には、国連から「Local 2030 hub」、いわゆるハブ都市に選ばれました。まさに本市はSDGsの先進都市としてのあかしが得られたわけであります。日本に限らず、アジアのSDGsを牽引する役割を担い、各地域から今後の展開に期待が寄せられています。調査時期が昨年ということもありましたので、次回の調査結果を楽しみに待ちたいと思っております。  さて、平和の大切さを伝える冊子「しずおか奇跡のくすのき」、静岡赤十字病院前に生える1本のクスノキ、静岡大火、静岡空襲を耐え抜いた、現存するクスノキを題材にした物語であります。このクスノキは、1945年の静岡大空襲で焼け焦げましたが、3年後、幹から新芽が出てよみがえりました。物語ではクスノキの復活とともに、戦争からの復興を果たした静岡人の不屈の精神を紹介しています。この冊子は、「日野原重明記念富士山静岡倶楽部」から、世代を超えて語り継がれますようにとの平和の願いが込められ、市内全小学6年生を対象として静岡市に寄贈されました。この冊子をもとに平和学習に取り組む小学生は、戦争の悲惨さや平和の尊さを学び、SDGs目標16「平和と公正を全ての人に」とのSDGs実現に向けた行動であると言えます。  SDGsは世界の目標というと、どこか遠いことのように感じてしまいますが、SDGsは私たちの日常生活や身近な場所、ほんのささいな何げない小さなことが世界の課題につながっていることに気づくことから始まります。SDGsを推進していく上で、まずはSDGsを正しく知って理解すること、その上で行動に移すことが大切になってきます。  そこで、SDGsを推進する中で、認知度向上に向けてどのような取り組みを行ってきたのか。またSDGs推進に向けて、市民、団体、企業と連携した取り組みと成果はどのようなことかお伺いし、1回目の質問とします。 18 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市政運営についてのうち、目指すまちづくりについて、3期目の市政運営にどのように取り組んでいくのかについてお答えします。  これまでの市政運営において、私は、議員御指摘のとおり、中長期的な視点に立って、それに向けた土台づくりに全力を尽くしてまいりました。1期目の4年間では、財政の健全化、すなわち持続可能、かつ堅実な財政運営に向け、市債残高の大幅な削減とか、新たな歳入確保などの行財政改革に取り組み、安定した財政基盤の確立に努めてまいりました。2期目の4年間では、3次総の立案化、すなわち本市の将来の姿として、「世界に輝く静岡」の実現を掲げ、公共投資を行う対象を選択と集中の考え方に基づき、その中の最優先政策を5大構想という形で絞り込んだ上で、議員からも御提言をいただきましたSDGsを3次総全体を加速させるツールとして、大いに積極的に活用してまいりました。  その土台の上に立って、3期目の市政運営では、経済の活性化、すなわちタイミングを捉えた積極的な公共投資を呼び水にして、民間企業の投資を促して、そして雇用の確保やまちのにぎわいにつなげていくという地域経済の活性化のプログラムを実行段階に移していきたいと考えております。  例えば、山本議員は葵区選出の議員でいらっしゃるので、5大構想のうちの「歴史文化の拠点づくり」に照らし合わせて申し上げれば、これまでは家康公顕彰四百年祭を起爆剤に、駿府城天守台の発掘調査し、その過程を「見える化」により一般公開をし集客いたしました。同時に、駿府城公園周辺を求心力の高いエリアに磨き上げる核と考える歴史文化施設の計画づくりにも着手しました。一方、駿府城のお堀周辺をにぎわい空間とする検討をスタートし、中堀に葵舟を浮かべる実験を行ったり、中堀沿いをジョギングするランナーに対するラン・アンド・リフレッシュステーションを整備し、さらなる機運の醸成に努めてまいりました。  いよいよ3期目を迎えます。歴史文化施設を計画段階から実施段階に進めるとともに、その相乗効果を狙って、発掘調査の成果である豊臣時代の天守の遺構と、これまで整備をしてきた東御門、巽櫓などを組み合わせた野外展示、いわゆるフィールドミュージアムについても積極的に進めてまいります。このような歴史を感じられるような空間づくりに向けた複数の公共投資によって、民間事業者の投資欲を刺激していき、例えば、歴史文化施設の隣接地である青葉小学校跡地の開発であるとか、葵舟の運行への民間活力の導入を図ってまいりたいと考えています。  一方、駿府城公園周辺の来静者を呉服町などの中心商業エリアなどの回遊に促していき、より長い時間で本市中心街を楽しんでいただく、過ごしてもらう、そんな下支えをするべく、市内の宿泊や飲食などの消費額が増すような「おまちバル」の開催とか「まちは劇場」プロジェクトの推進とか、多くの仕掛けづくりの計画を実行に移してまいりたいと考えております。より一層の御提言を大所高所から賜りますことをお願い申し上げます。  以下は局長から答弁させます。 19 ◯企画局長前田誠彦君) SDGsの認知度向上に向けた取り組み及びSDGs推進に向けて市民・団体・企業と連携した取り組みとその成果に関する御質問について、一括してお答えいたします。  認知度向上に向けた普及啓発に当たっては、より効果を高めるため、既に熱心に取り組んでいる民間企業や市民の皆さんと連携して進めていくということを基本に取り組んでいます。例えば、「静岡あさひテレビ祭り」における常葉大学の学生及びリコージャパン静岡支社と協力したブース出展、あるいは東京ビッグサイトで行われた環境の総合展示会エコプロに、静岡朝日テレビや静岡サレジオ高校とともに参加するなど、常に連携を意識して、普及啓発を進めてまいりました。さらに昨年度のSDGsウイークの仕上げとして開催したSDGsコレクションでは、シャンソン化粧品などの市内企業を初め、70を超えるブース出展者等と連携し、1万人を超える来場者に対して伝えることができました。  このような取り組みを通じて、平成31年2月議会で答弁したとおり、SDGsの市民認知度が2%から36%に向上したことに加え、民間企業の関心を高めることができたこと、先進自治体としての評価を受けるようになったことも成果であったと考えます。  民間企業においては、静清信用金庫がSDGs定期を発売し、静鉄ストアがSDGsを踏まえた株主向けのレポートを発表するなど、ビジネスチャンスにつなげようとする新たな動きが始まっております。  また、倉敷市や福井市、明石市の議会から、SDGsをテーマとした視察依頼を受けたほか、東京や千葉といった県外からも数多くの講演依頼を受けるなど、先進自治体としての本市への注目が集まってきているところです。  このような中、今後の取り組みとして、昨年度のSDGsコレクションを前回以上に充実したものにして、普及啓発を進めていく検討に着手しており、先進自治体としての評価をさらに高めていきたいと考えております。   〔39番山本彰彦君登壇〕 20 ◯39番(山本彰彦君) 市長、局長。御答弁ありがとうございました。  市政運営につきまして、市長への意見・要望であります。  人口70万人の維持、市民意見の集約、県との連携など、2期目に積み残された課題、また2025年問題、2040年問題への対応など、着実に進めていただいて、市民との対話を積み重ねながら、力強いリーダーシップを発揮されることを期待しております。  それでは、2回目は安心・安全についてであります。  まず、第2次静岡市犯罪等に強いまちづくり基本計画であります。この基本計画は、昨年度、8年間の計画期間の中間年を迎えたことから、審議会において前期計画である平成27年度から29年度の進捗状況を検証し、計画の見直しが行われました。見直し内容は、子供の安全確保について非常に関心が高まっていること、振り込め詐欺の件数・被害額とも増加傾向にあることなどから、子供、女性、高齢者等といった、いわゆる犯罪弱者を守るための被害防止対策を推進することとされました。  また、第4次ふじのくに防犯まちづくり行動計画において、新たに地震や豪雨等の災害時を見据えた防犯対策の視点を取り入れたことを踏まえ、このような視点をもとに施策の充実を図ることになりました。そして計画の推進では、条例の目的、安心して活動することができる安全な地域社会の実現に向け、SDGsを踏まえた対応が明記されました。この計画を踏まえ、確認を含め、2点質問します。  1点目は、登下校防犯プランです。  子供の安全確保では、その一つの施策として登下校防犯プランがあります。このプランは、昨年5月、新潟市で下校途中の児童が連れ去られ殺害されるという許しがたい事件が発生し、このことを受け、文部科学省では登下校時の子供の安全確保のための対策を協議し、登下校防犯プランを同年6月に取りまとめました。内容は、登下校時における児童生徒等の安全を確保するため、登下校時の総合的な防犯対策として5項目を掲げています。地域における連携の強化、通学路の合同点検の徹底及び環境の整備・改善、不審者情報等の共有及び迅速な対応、多様な担い手による見守りの活性化、子供の危険回避に関する対策の推進であります。  このように、登下校における安全対策の強化が進められてまいりましたが、先月5月、川崎市でスクールバスを待っていた児童と保護者が襲撃された川崎市殺傷事件、極めて残忍で強い憤りを禁じ得ない事件が発生しました。希望に満ちた子供やその保護者の将来が、無残に断ち切られたことへの家族や学校関係者の無念ははかり知れないものがあります。再び起きた子供への犯罪を社会がどう受けとめるのか、改めて突きつけられています。  このプランから1年が経過する中で、これまでの安全対策への取り組み状況や、今回の事件を受けて、今後の安全対策の強化について、小中学校及び放課後子ども教室では、どのように取り組んでいるのか。またこども園、保育園等の登園時及び降園時、放課後児童クラブからの帰宅時に、どのような防犯対策をとっているのか、お伺いします。  そして、この事件が起こる以前の5月8日、大津市の県道交差点で車2台が衝突し、軽乗用車が保育園児らの列に突っ込む大津市園児死傷事故がありました。いつもと変わらない楽しい散歩の時間が一転し、悲劇が襲った保育の現場では、衝撃と不安が広がっています。園外活動は子供にとって、感受性豊かで吸収力のあるこの時期に必要なことで、道路を歩くためのルールを覚えるなど、さまざまなことを学ぶ機会となります。大津市における重大事故を受けて、市はこども園等に対してどのような対応を行ったのか、お伺いします。  2点目に、犯罪被害者等への支援です。  平成27年度から開始した第2次静岡市犯罪等に強いまちづくり基本計画では、防犯意識の高い人づくり、防犯力の高い地域づくり、犯罪の起きにくい環境づくり、犯罪被害者等への支援体制づくりという4つの基本方針と11の基本施策のもと、事業が推進されてきました。見直しに当たり、課題が整理される中で、平成30年度に実施した市政アンケートモニター調査結果では、犯罪被害者等への支援体制づくりとして実施している取り組み・支援が、余り知られていないことが明らかになりました。本市における犯罪被害者等に対する支援を充実させていくためには、犯罪被害者等について理解を深めることや、犯罪を起こしてはいけない、起こさせてはいけないという規範意識、防犯意識の向上にもつながります。
     そこで、犯罪被害者等支援に対する理解不足について、今後どのように周知・啓発するのか、お伺いします。  次に、再犯防止推進法です。  平成28年12月、再犯の防止等の推進に関する法律、いわゆる再犯防止推進法が公布、施行されました。この法律では、安全で安心して暮らせる社会を実現するため、国及び地方公共団体の責務を明示するとともに、対策の基本的事項を掲げ、再犯防止対策を総合的・計画的に推進することを定め、政府に対し再犯防止推進計画の策定が義務づけられました。国では、翌年12月、就労や住居の確保、刑務所などでの教育や職業訓練の充実、薬物依存症の人への適切な保健医療や福祉サービスの支援、保護観察体制の整備などの施策を盛り込んだ再犯防止推進計画が策定されました。安心・安全に暮らすことができる社会の実現には、犯罪や非行を繰り返さないようにする再犯防止対策が欠かせません。そのためには、この対策を総合的な視点から計画的に行うことが必要であります。それは、罪を犯してしまった人の特性・状況はそれぞれ違い、医療等と連携した福祉的アプローチが必要なケースもあれば、心理的アプローチが必要なケースなど、それぞれ異なるからであります。立ち直ろうとする本人の意思と努力が一番であることは言うまでもありませんが、これらのことを理解した上で、適切な指導や支援が犯罪を繰り返さないことにつながります。  また、6月19日の静岡新聞に掲載された「この人」の欄では、静岡刑務所所長が紹介され、出所後の出口支援、福祉サービスにつなげる支援など、刑務所の力だけでは限界があるとして、地域における支援の重要性を強調されておりました。  この法律の第4条では、地方公共団体は再犯の防止等に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有すること。また第8条には、都道府県及び市町村は、国の再犯防止推進計画を勘案して、当該地域における再犯の防止等に関する施策の推進に関する計画を定めるよう努めることと、地方公共団体の責務が示されています。  本市でも、地方再犯防止推進計画を策定し、罪を犯してしまった人が社会で孤立することなく、市民の理解と協力を得て社会復帰を進めるため、支援策の充実が必要と考えます。  そこで、再犯防止推進法の制定を受け、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いし、2回目の質問とします。 21 ◯教育局長(遠藤正方君) 登下校防犯プランの小中学校での取り組みについてですが、議員からも御指摘いただきましたとおり、このプランでは、地域における連携の強化や通学路の合同点検の徹底が主要な対策として示されています。そこで本市では、第2次静岡市犯罪等に強いまちづくり基本計画を踏まえて、平成30年9月に全学校が通学路の緊急点検を行いました。その点検において、防犯灯が少ないなど、危険があると報告された箇所については、学校、自治会、警察、教育委員会が合同で再点検を実施し、対策が必要な45カ所について、関係機関へ依頼して改善しました。  また、各小中学校では、不審者情報などを警察との連携により共有するとともに、登下校を見守りボランティアなどの協力により、児童生徒の安全確保に努めています。特に本年度は、通学路の重点的な見回りなどを警察の協力により実施しています。  さらに、放課後子ども教室の実施に当たっては、活動を小学校の下校時刻前までに終了し、安全に下校するために集団で帰るよう注意を促しています。  今後も引き続き、地域や警察と連携し、児童生徒が安心・安全に登下校できるよう努めてまいります。 22 ◯子ども未来局長(安本一憲君) こども園等の防犯対策等に関する2点の御質問にお答えします。  まず、こども園等における防犯対策についてですが、こども園、保育園等の登園及び降園は、従前から保護者による園児の送迎を基本としております。園の職員は、保護者との園児の引き受け・引き渡しにおいて、周囲に不審者がいないか、また迎えに来た方が保護者であるか確認するなど、細心の注意を払って対応しております。  次に、放課後児童クラブについてですが、こども園等と同様に、保護者に迎えに来ていただき、職員が保護者を確認した上で児童を引き渡し、児童の安全確保に努めております。  次に、大津市における重大事故発生後の対応についてですが、5月8日の事故発生の翌日、園外保育の経路の安全確認を行うとともに、事故防止マニュアルを再確認するよう各園に通知し、注意喚起を図りました。また5月20日には、静岡南警察署の協力を得て、道路部局とともに、富士見台こども園のお散歩コースや周辺道路の安全点検を行いました。その後も中央署、南署、清水署と連携し、他のこども園等においても順次お散歩コースなどの安全点検を行っております。この点検の結果、特定された危険箇所については、警察署と対応について協議し、園児の安全確保に努めてまいります。 23 ◯市民局長(深澤俊昭君) 犯罪被害者等支援に関する今後の周知啓発の取り組みについてですが、現状は、第2次静岡市犯罪等に強いまちづくり基本計画の中間見直しに当たり実施した市民アンケートモニター調査において、約45%の人が支援のための相談窓口を全く知らないと答えるなど、御指摘のとおり、支援への理解度が低いことが課題となっています。  そこで、現在本市では、犯罪被害者等支援の周知啓発を図るために、認定NPO法人静岡犯罪被害者支援センター、静岡県、静岡県警察との共催での講演会の開催や、相談窓口をまとめたリーフレットの作成、各区役所でのパネル展示などを行っているところです。  さらに、本年12月には、第16回静岡市暴力・飲酒運転追放犯罪等に強いまちづくり市民大会において、飲酒運転による死亡事故の被害者の御遺族をお迎えして講演会を開催し、より多くの市民の皆さんに支援の重要性を知っていただきたいと考えております。  今後も関係団体や県、警察と連携し、11月の犯罪被害者集会に合わせた街頭広報や、SNS等を通じた情報発信など、さまざまな機会や媒体を通じて犯罪被害者等支援の効果的な周知啓発に努めてまいります。 24 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 再犯防止推進法の制定を受けての今後の本市の取り組みについてですが、SDGsの理念である誰一人取り残さない社会とともに安全で安心して暮らせる社会を実現するためには、再犯防止の推進は重要な取り組みだと考えています。  本年6月12日には、刑務所等の矯正施設が所在する市町村間のネットワークづくりのために設立された矯正施設所在自治体会議設立総会が開催され、市長が出席しました。この会議では、参加自治体が率先して地域ぐるみの再犯防止施策や矯正施設の人的・物的資源を活用した地域創生策等を推進するためには、矯正施設との連携が非常に重要であることが示されました。  そこで、連携の第一歩として、矯正施設に収容された人たちの社会復帰に向けての支援策等の現状を把握するため、市長が市内矯正施設を訪問する予定です。  再犯防止の推進に当たっては、犯罪や非行をした人が再び早期に社会復帰できるようにするため、就労や住居の問題、保健医療・福祉サービスの提供、修学支援など、さまざまな対策が必要です。  このように、再犯防止にかかわる施策は幅広い分野にまたがっているため、それぞれの関係部局が主体的に再犯防止の観点で施策を整理した上で、市内矯正施設等の外部の関係機関とも連携を図りながら、検討を進めてまいりたいと考えています。   〔39番山本彰彦君登壇〕 25 ◯39番(山本彰彦君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  3回目は、意見・要望です。  子供たちの安全対策、犯罪被害者の方への支援、罪を犯した人の立ち直りを支える取り組み、これらはどれも地域社会に委ねられます。人口減少・少子高齢化への対応も同様であります。冒頭に申し上げました共生社会の実現に向け、本市が先進的なモデルケースをつくり、取り組みを進めていただくことを要望し、全ての質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 26 ◯議長(遠藤裕孝君) 次に、堀  努君。   〔7番堀  努君登壇〕 27 ◯7番(堀  努君) 通告に従いまして、今回は市長の政治姿勢と市長マニュフェスト2019「100日プログラム」をテーマに質問を進めてまいります。  自民党市議団は、さきの静岡市長選挙において、いち早く田辺市長の推薦を決定し、団結して選挙戦を戦い抜いた経緯があります。ですから、我々は田辺市長の3期目に対し、送り出したという自負と市民への説明責任があるわけです。本定例会は、田辺市長の再選後、初の総括質問日となりますので、この場を借りて、3期目に対する意気込みを再確認する機会とさせていただきます。  それでは、1回目は市長の政治姿勢をテーマとする中項目、市長選挙を受けてに関連した3点の質問をいたします。  1点目は、選挙戦を通じて田辺市長が受け取った市民の声について伺います。  田辺市長は、選挙期間14日間のうち、多くの時間を清水区での遊説に費やしました。日中は街宣車の助手席でマイクを握り、清水区全域をくまなく回りました。そして通行人を見かけると、急いで車をおりて駆け寄り、市政に対する要望はありますかと声をかけることを繰り返し行いました。選挙戦中終盤には、顔面が真っ黒に日焼けして、いかに田辺市長がその運動に時間を費やしたのかうかがい知ることができました。  私は、遊説に立ち会う機会がたびたびありましたが、市民からは実にさまざまな反応がありました。突然あらわれた市長に対する驚きや戸惑い、喜んで一緒に写真を撮る人、中には無視する人もいましたが、いずれにせよ、田辺市長にとって市民の生の声を聞くことができた貴重な経験だったはずです。  田辺市長に対する声の一例として、子育て支援に力を入れてほしい、清水を何とかして、知事と仲良くしてほしいという意見が寄せられました。ほかにも、市内全域でさまざまな声を田辺市長は聞いてきたことでしょう。そして、市長選の争点の一つであった病院や庁舎の移転新築に関する声については、賛否両論ありましたが、津波浸水想定区域内であるがゆえの不安視する声は少なくありませんでした。一方で桜ヶ丘病院の事業主体が静岡市であるという誤解も多く、そこが今後の課題であることをつけ加えさせていただきます。  田辺市長は、1期目の就任当初から、市政運営方針として現地現場主義を掲げてきました。ですから、今回の厳しい現地の声をしっかりと受けとめて、現場に即した市政運営を重視するべきだと私は考えます。  そこで、質問します。市民の声をどのように受けとめ、今後どのように応えていくのか、お答えください。  2点目は、マニュフェスト2019について伺います。  告示日に先立つ3月20日、田辺市長は1冊のマニュフェスト集を発表しました。皆さんのお手元にその一部をコピーした資料をお配りしてあります。  さて、その内容を確認すると、今までにない新しい政策や、3次総と比較して具体的な記述が盛り込まれていることに気がつきます。例えば、新しい政策として新サッカースタジアム構想づくりが挙げられます。今後4年間でサッカーのまち清水にふさわしい新スタジアムの建設の構想づくりに着手することが明記されています。実際に田辺市長は、選挙期間中にサッカースタジアム構想を幾度となく語っており、投票先の判断材料の1つになったと考えられます。私は、現在のIAIスタジアム日本平について、名勝日本平の麓に位置するすばらしいスタジアムであるという誇りを抱いております。しかし実際問題、交通アクセスや屋根のカバー率に関するJリーグ基準の課題がある影響からか、清水区民の新スタジアム待望論は想像以上に大きいことが、選挙戦を通じて理解できました。  さて、清水駅周辺にスタジアム建設を目指す場合に、想定される候補地は民有地であることから、今後基本構想の策定が足踏みしてしまうのではないかという懸念を私は抱いております。しかし、清水駅周辺のサッカースタジアム建設は、まちづくりの方向性が、現在進行中の新清水庁舎や海洋文化拠点施設建設と同じであり、この基本構想を早期着手することこそが、田辺市政が目指している都市ビジョンに対する清水区民の理解につながるものであると私は考えます。  次に、3次総より具体的な記述がある政策として、遺構展示が挙げられます。歴史文化の拠点づくりの項目で、駿府城公園内に、豊臣時代の天守台や大量の金箔瓦などを間近に見学ができる遺構展示を2021年度までに完成させると明記されています。私のイメージとして、遺構展示とは、先日視察に行き、実際に確認してきましたが、奈良県の平城宮遺構展示館のような、発掘された遺構を建物で覆い、露出展示をする手法が頭に浮かびます。  また、先進的な取り組みとして、全国初となる認知症予防センターの開設や、聞きなれない単語ですが、MaaSという次世代交通システムの導入検討といった魅力的な政策が盛り込まれているのもこのマニュフェストの特徴です。  3次総があるにもかかわらず、マニュフェストを作成した理由とは何か。本冊子によると、有権者との約束、曖昧な公約や思いつきの発想ではなく、権限と財源の裏づけのある明確な宣言文、そして3次総の後期実施計画に裏づけされているなどと明記されています。  以上のことから、田辺市長には本マニュフェストを有権者に対する約束として必ず実現させるという強い決意と、職員に対して確実に実行するんだという強固な意志を示すことが求められています。  以上を踏まえて質問します。マニュフェスト2019をどのようにスピード感を持って進めていくのか、お答えください。  3点目は、今後の清水区のまちづくりについて伺います。  田辺市長は、再選直後のインタビューで、選挙を通じて課題が見えた。丁寧な説明を重ね、もっと清水に愛される市長になりたいとコメントしました。今回の市長選挙で、田辺市長の得票率は49.6%でした。その特徴として、清水区の得票率は45.4%で、旧静岡市と比較して6.5ポイントも低く、その結果全体の得票率が5割を下回る原因となりました。  その主な要因として、静岡新聞が行った清水庁舎移転に関する出口調査で、反対が42%に上ったことからもわかるとおり、市民の世論を二分するかのような争点があったからだと推測しています。桜ヶ丘病院清水庁舎に関しては、あくまで私の肌感覚ですが、清水区民の関心度や考え方、賛否は、地区ごとに違いがあると感じております。  具体的には、中心市街地在住の区民からは否定的な意見が多く、一方で、郊外在住や中山間地域の区民からは、交通アクセス向上のメリットがあるためか、反対意見は少なかったということです。また個別に言うと、例えば、高部地区では、長年の悲願であった桜ヶ丘病院の移転をあきらめざるを得なかったわけですが、JCHOの決断に一定の理解を示したことで、現在はかつての候補地に、交流館新設と多目的公園の整備実現に向けて懸命に取り組んでおられます。  マニュフェスト2019の表紙には「このまちを、ずっと、みんなで」と大きく書かれています。これはSDGsの主要テーマ、持続可能な開発目標と誰一人取り残さないを言いかえたものです。田辺市長は多数決によって、再び信任を得たわけですから、今後の清水区のまちづくりで重要なことは、持続可能な清水区の実現に向けて、強い信念とスピード感を持って市政運営に臨んでいただくこと。それと同時に、誰一人取り残さないという思いのもと、田辺市長に投票しなかった市民に対して耳を傾けることこそ大切な姿勢であると私は思います。  もう一つ、市長選挙を通しての気づきですが、清水区の活性化には、海に加えて山の視点も不可欠です。中部横断自動車道を起爆剤として、オクシズや清水港の後背地をどのように掘り起こしていくのか、田辺市長の手腕が試されています。  そこで、質問します。今後、清水区のまちづくりをどのように進めていくのでしょうか。お答えください。  以上、1回目の質問を終わります。 28 ◯市長(田辺信宏君) 大項目、市長の政治姿勢のうち、市長選挙を受けてについて、3つの質問にお答えいたします。  まず1つ目は、市民の声をどのように受けとめ応えていくのかについてですが、議員御指摘のとおり、今回の選挙戦において、私は有権者との1対1の対話を心がけた遊説を行いました。その中で感じたことは、3次総や5大構想、静岡市が今進めている取り組みが必ずしも正しく伝わっていないという事実であり、それを無念の思いを持って受けとめています。したがって、3期目は「伝える」のではなく「伝わる」という視点に重点を置き、市民目線のわかりやすい情報発信を心がけて、市民の皆さんの声に応えていきたいと考えています。  2つ目は、マニュフェスト2019をどのようにスピード感を持って進めていくのかについてであります。今回のマニュフェストには、もちろん最優先政策としての5大構想も公約として掲げておりますが、3次総には記載されていない新しい政策も取り入れております。  その中で、この4年間、私がスピード感を持って取り組んでいきたいと考えているものは、幾つかありますが、その2つを紹介したいと思います。それは、公共交通政策の切り札としてのMaaSの推進と、健康長寿のまちづくりの目玉としての認知症の予防という2点であります。  まず、MaaSの推進であります。これはまだ、人口に膾炙していない聞きなれない言葉でありますが、モビリティ・アズ・ア・サービス──公共サービスとしての移動手段と直訳されますが、最新のICT、情報通信技術を活用し、交通手段を一体的に提供する仕組みのことであります。これが実現すれば、現在の静岡市が抱える交通弱者への対応という行政課題を解決する可能性が高まります。私の思いとすると、このごろ全国で頻発する高齢者ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み違いによる悲惨な事故を静岡市においてなくしていきたいという思いであります。  そのマニュフェストで掲げた新しい政策を受けて、都市局を中心にスピード感を持って対応してくれました。国土交通省と経済産業省がそれぞれ実施するモデル事業に挑戦をし、エントリーをし、その結果、先日朗報が入ったばかりでありますが、全国28地域の応募に対して、私たちはダブルでの選定を受けることができました。国交省と経済産業省、両方とも選定を受けたのは、全国75地域からの申請があったうちの4つの地域のみであります。これによって、今後国と強力に連携をして、MaaSの事業を進める環境が整ったということを申し上げたいと思います。先月設置されたコンソーシアムを中心にして、今後この夏には、官民合同で先進地視察を行いますので、議員の皆様にもぜひ御参加を呼びかけたいと思いますし、また秋には、人工知能──AIを活用した相乗りタクシーの実証実験まで進めてまいりたいと考えています。  もう一つが、認知症の予防であります。これも今、全国的な課題になっていますが、本市の場合、推計によると2025年には約3万人の潜在的認知症患者があらわれるというふうに言われています。その認知症患者を少しでも減らしたいという思いで、このことに注力をしていきたい。幸い本市のこの取り組みに国が後追いをするように、先日、認知症についての推進大綱が決定されました。国の制度や国が進める施策と上手に連携して取り組むことによって、スピード感を持った施策の推進ができますので、政令指定都市の立場を大いに生かして、全国初の仮称認知症予防センターの設置につなげてまいりたいと考えています。  3つ目は、今後の清水区のまちづくりをどのように進めていくかについてであります。一言で言えば、清水区が持つ海と山のそれぞれの地域資源を、バランスよく両立させてまちづくりを進めていきたいということであります。清水港や駿河湾といった海を生かしたまちづくりとは、クルーズ船の増加や、開港120周年を迎える清水港、新たなシンボルとして考える海洋文化拠点施設などを含め、昨年度、官民連携のもとで描いたグランドデザインを着実に進めていくことに尽きます。そして将来的には、このグランドデザインに描かれている三保地区や興津地区などへエリアを拡大していくことによって、清水港沿岸部全体の魅力づくりを具現化していきたいと考えています。  一方、山、中山間地域を生かしたまちづくりとは、甲信越地方との交流や物流を大きく変え、議員も先日、そのことで山梨県にプロモーションに出かけてくださったと伺っておりますが、中部横断自動車道の活用を図るとともに、両河内地区への新しいスマートインターチェンジの設置や、既に先月、JAしみずや静岡県などの関係者による組織を立ち上げた畑地総合整備事業、いわゆる畑総などの検討を進め、中山間地ならではのまちづくりを図ってまいります。  一方、多くの市民の皆さんから期待を寄せられている新しいサッカースタジアムにつきましては、まずはサッカーのまちにふさわしいスタジアム構想づくりに着手していきたいと考えています。  以上、申し上げた沿岸部と中山間地域を両立したまちづくりを推し進めることによって、清水区が魅力を増し、活力あふれる地域となり、世界中から人が集まり、そして雇用が確保され、にぎやかさを増す、そのことが静岡市全体が元気なまちとなる。堀議員とともに今後も取り組んでまいりたいと考えております。   〔7番堀  努君登壇〕 29 ◯7番(堀  努君) 2回目は、市長マニュフェスト2019「100日プログラム」をテーマとします。  これは、田辺市長がスピード感を持って就任100日以内に成果を出す身近な取り組みであると明記されています。3期目の任期は4月13日からですので、7月21日までに成果を出さなければならない政策となります。  100日プログラムは、5項目あります。その1つ、「しずおか魅力掘り起こしツアー」は、市内の隠れた観光資源を市長と一緒に巡り、静岡市の魅力を掘り起こすことを目的として、一昨日に第1回目が開催されました。成果として、田辺市長が参加者の生の声を聞くことで、新たな気づきを得たこと。そして参加者のシビックプライド醸成に寄与する取り組みであったと聞いております。  もう一つ、職員コンシェルジュについては、昨年の実証実験を踏まえて、7月1日より各庁舎にてスタートします。他都市の事例として、青森県弘前市では、昨年10月からコンシェルジュ制度を導入しました。その目的は、来庁者が気軽に安心して手続等ができるように、きょうも笑顔で常にお客様目線で親切・丁寧に、お客様に最高のサービスを提供するためということです。ぜひ静岡市でも参考にしていただきたいと存じます。  それでは、中項目に沿って、3点の質問をいたします。  1点目は、わくわく給食について伺います。  これは、魅力的な給食を月に1度提供することで、子供たちが学校に行くことが楽しみになること、そして食育や地産地消に役立つ取り組みであることが明記されています。また、その費用は静岡市が負担することとされています。今回と同様の取り組みは、静岡県内においては、吉田町、牧之原市で実施されました。9小中学校でことし1月、特別給食メニューが提供されて、その献立は吉田漁港で水揚げされたシラスを使用した特製コロッケと、牧之原市の大根を使用した炒め物でした。また長泉町では、ユニークな取り組みとして、ことし2月、5小中学校で、受験生への験担ぎとして、町内産の野菜を使用した「長泉あしたかつ」という特別メニューが提供されました。そのほか、横浜市では市内9小学校で、昨年11月、未利用魚を活用した特別メニューが提供されました。一般には流通しない子イワシをカレー風味の揚げ物にして、水産資源の有効活用と食育を兼ねた取り組みでした。  さて、今回のわくわく給食は、3次総後期実施計画における事業名、日本一おいしい学校給食の提供に関するソフト面での政策であると認識しております。静岡市は、平成28年度より日本一おいしい学校給食を目指して、静岡ならではの献立の研究を進めてきました。そしてその成果を生かす場として、昨年12月、全国学校給食甲子園に応募して、シラス御飯やオクシズの煎茶入りクリーム大福といった、静岡らしい地場産品を使ったメニューが考案されたということです。ぜひこれまでのノウハウを生かして、わくわく給食が静岡市の食育や地産地消に貢献した上で、子供たちが学校に行くのが楽しみになることを期待しています。  そこで、質問します。わくわく給食の目的と概要についてお聞かせください。  2点目は、市長ミーティング室について伺います。  これは、静岡庁舎内の市長室を中心に行われている公務を、駿河区役所と清水区役所にもシンプルな市長ミーティング室を設置することで、地域の方々との面談や職員との協議などを行うためであると明記されています。  参考例として、平成17年に合併した牧之原市では、榛原庁舎に市長室を置き、車で15分程度離れた相良庁舎には、市長と副市長共用の執務室が整備されています。執務室の利用頻度は、議会が相良庁舎にあるため、定例会中は使うことが多いこと、そして相良地区で公務がある場合に利用しているとのことです。  さて、先日清水区で開催された第1回目の市長ミーティング室に関する報道では、田辺市長が清水庁舎の各課へ足を運ぶ姿が映し出されており、ふだんはなかなか顔を合わすことができないという職員が、市長から直接激励の言葉を受ける姿が印象的でした。恐らく、田辺市長自身もこの取り組みを通じて、新たな発見があったであろうと推測されます。初回ということもあり、まずは職員との連携強化ということで、清水庁舎内の巡回を行ったと思われますが、もう一歩踏み込んで、田辺市長みずから現地現場へ足を運び、しっかりと耳を傾ける取り組みは、職員に対してだけでなく、清水区民の皆様に対して積極的に行うべきものと私は考えます。  そこで、質問します。行政の取り組みとして、市長ミーティング室の実施に至る背景とその取り組み状況、今後の展開をどのように考えているのか、お答えください。  3点目は、まちかどピアノについて伺います。  これは、「まちは劇場」プロジェクトの取り組みとして、街角に自由に弾けるピアノを設置することで、いつもあちらこちらからメロディーやリズムが聞こえるまちを目指すと明記されています。5大構想の1つ、「まちは劇場」とは、文化芸術の力を活用して、365日いつでもわくわくどきどきする楽しい仕掛けをつくることで、交流人口の増加と地域活性化を実現する政策であると理解しています。  田辺市長は、昨年11月定例会における福地議員に対する答弁で、「まちは劇場」のメリットを文化的・社会的・経済的という3つの価値があるということで説明しました。内容を要約すると、文化的価値とは、生活の質を高めてシビックプライドの醸成に寄与すること。社会的価値とは、ソーシャルインクルージョンの視点に立ち、共生社会の位置づけに寄与すること。経済的価値とは、交流人口が増加することで、地域経済の活性化に寄与すること。以上のメリットがあるということです。そこから分類すると、今回のまちかどピアノは、文化的価値に着目した政策であることがわかります。  さて、公共空間に置かれたピアノを誰でも自由に弾ける、いわゆるストリートピアノが最近各地で注目を集めています。昨日も放映されましたが、NHKのBS1チャンネルで、昨年1月よりスタートした「空港ピアノ」、「駅ピアノ」という番組は、主にヨーロッパを中心とした世界各地のストリートピアノに固定カメラを設置して、通りすがりの一般人が演奏する様子を簡単なエピソードをあわせて紹介するという番組内容が、現在SNS等で話題となっています。余談ですが、世界最初のストリートピアノは、2008年のイギリス、バーミンガムが発祥とされており、国内においては、2011年の鹿児島市一番街商店街とされています。  静岡県内に目を向けると、JR浜松駅の新幹線構内において、ピアノをPRする目的で誰でも弾ける高級ピアノが楽器メーカーにより設置されました。1,900万円のグランドピアノを自由に演奏できるということで話題となり、動画サイトユーチューブに投稿された演奏シーンは、視聴回数400万回以上を数えるものもありました。静岡市では、まちは劇場コンサート事業として、学校訪問コンサート、親子クラシックコンサート、まちかどコンサートが定期的に開催されております。これらは、多くの市民に「まちは劇場」を実感していただくことのできる大変すばらしい取り組みです。そのうち、まちかどコンサートについては、オープンスペースで誰でも身近に生演奏の音楽に触れることができるコンサートということで、今回のまちかどピアノと調和しやすい取り組みです。設置場所の選定に当たり、考慮されていると思いますが、いかがでしょうか。今回のまちかどピアノについては、ほかにもピアノの調達方法や管理方法など、検討を重ねてこられたと思いますが、ぜひ他都市の事例を参考にしていただき、多くの市民に親しまれるまちかどピアノにしていただくようお願いします。  そこで、質問します。まちかどピアノの目的と概要を教えてください。  以上で2回目の質問を終わります。 30 ◯教育局長(遠藤正方君) わくわく給食の目的と概要についてですが、わくわく給食の目的は、静岡自慢のブランド食材を使った特別の給食を提供し、子供たちが地域の地場産物や食文化について学ぶことを通して、郷土静岡への愛着と誇りを育むことです。このために、7月から年6回、通常の給食費に公費で1人1回300円程度の食材料費を加え、ふだん給食で取り扱いにくい釜揚げシラスや安倍川餅などを給食で提供します。友達とともに給食を食べた思い出と郷土の歴史や文化を結びつけ、生涯にわたって静岡への愛着や誇りを持つ静岡市民を育てていきたいと考えています。 31 ◯総務局長(豊後知里君) 市長ミーティング室の実施に至る背景、取り組み状況等についてですが、市長ミーティング室は、市政運営の原点である現地現場主義を標榜する田辺市長の強い思いから実施するもので、市長室のある静岡庁舎のみならず、駿河区と清水区にも市長の活動拠点を構え、現地現場により近い場所で執務を行う取り組みです。令和元年度は全15回を予定しており、市長ミーティング室において、現場で市政を支える職員との政策協議を重ねるとともに、あらゆる分野で活躍する企業や団体の皆さんのもとに直接赴き、先進事例の視察や意見交換などを行うこととしています。  今月7日に開催した清水区では、清水庁舎の4階会議室を拠点として、区のプロジェクトに係る職員との協議などを行うとともに、三保へと足を延ばし、最先端の海洋研究活動の成果を有する東海大学海洋学部や、三保真崎地区の新たなリゾート開発に取り組む民間企業とも意見交換を行いました。  今後4年間、静岡を1つにを合言葉とし、市長ミーティング室を継続的に開催していくことで、市民の皆さんが抱く希望や期待の声を受けとめ、魅力ある市政運営に取り組んでまいります。 32 ◯観光交流文化局長(大石貴生君) まちかどピアノの目的と概要についてですが、本市では「まちは劇場」の推進の一環として、平成30年度から、まちなかに本市の資産である大道芸などのパフォーマンスを行うことができるまちは劇場パフォーマンススポットを8カ所設け、まちを歩く楽しみとアーティストの活動の場を提供する取り組みを行っております。  こうした中、まちかどピアノは、まちなかに誰でも自由に弾けるピアノを設置することで、音楽に親しむ場が生まれ、多くの人に表現の場を提供するという新たなまちは劇場パフォーマンススポットとして進めてまいります。ここでは、ピアノを弾く人と聞く人の交流も期待でき、またふだん足早に歩いていた人がピアノの音に足をとめることで、まちに対する新たな気づきも生まれるなど、まちに活気を生み出すことを目指していきます。  本市第1号のまちかどピアノは、玉川小学校で使用していたピアノを再利用し、清水駅前銀座商店街に、地元の皆さんの協力を得て常設する予定です。お披露目は、清水港開港120周年記念事業・開港祭と、銀ぶらマルシェの開催日に合わせ、7月14日日曜日を予定しています。市民の皆さん、もちろん議員の皆さんにも、ぜひピアノを弾いていただき、日常の中で気軽に芸術文化に触れること、本市のまち歩きには音楽もあるという風景、まさに「まちは劇場」空間を楽しんでいただきたいと思います。   〔7番堀  努君登壇〕 33 ◯7番(堀  努君) 3回目は、意見・要望を2点申し上げます。  1点目は、県市連携についてです。
     田辺市長に対する市民の声として、知事と仲良くしてほしいという意見が少なからず寄せられましたが、これも市長選の争点の1つとなったと言えます。その声を受けて、田辺市長は当選直後のインタビューで、県との関係も構築していかなくてはいけないと語り、4月8日、早速県庁へ赴き、川勝知事に面会を求めました。田辺市長は川勝知事に対して、これまでのことをノーサイドにして、未来志向で県といい関係をつくりたいと、関係改善の申し入れを行いました。余談ですが、ノーサイドとはラグビー用語で試合終了を意味しますが、現在は日本以外で使われることはありません。そして、日本においては、試合や争いが終わった瞬間に、敵味方の区別がなくなり、互いの健闘をたたえ合うという意味で、政治の場でも使われることがあります。田辺市長のノーサイド発言には、川勝知事が自身のノーサイド発言をみずからほごにしたことに対する許しの言葉であったと私は感じています。  一方で、川勝知事は、市民が立ち上がれば、極端な場合リコールもあり得るとの発言でもわかるとおり、極めて冷淡な反応を示されました。その後、川勝知事は、4月10日の定例記者会見で、県市連携の手段として、知事特命を設置するので、静岡市にもカウンターパートナーとしての交渉窓口を設けるように求めましたが、トップ会談以外の場で田辺市長と会う機会をふやす機会はあくまでないということでした。それに対して田辺市長は、副市長、副知事の連絡会議が既にある。必要とあれば知事に会うとして、窓口設置を拒否しました。  私は、田辺市長の秘書時代に幾度か仕事の愚痴や人間関係の悩みを相談したことがありましたが、いつも決まってする田辺市長のアドバイスは、「それも人生の修行だと思え」でした。田辺市長御自身はいかがお考えでしょうか。  川勝知事が望む県市連携と、静岡市が目指すべき県市連携は、違っていいと私は考えています。知事のたび重なる市政批判こそ、静岡市との二重行政の最たるものであると言えるからです。田辺市長には、川勝知事の言動を真正面から受けとめず、市民にとって本当に必要な県市連携、例えば、静岡県が実施主体とされる防潮堤の早期建設実現に向けて取り組んでいただくよう要望いたします。  2点目は、清水区の一体感醸成についてです。  田辺市長は、選挙戦で聞いた市民の声を受けて、当選後、合併した成果を出したいとコメントし、清水区を念頭に静岡市の一体感醸成に取り組む決意を固めました。実際、現在の清水区民は、合併して16年経過したにもかかわらず、いまだにその恩恵を実感できておりません。私は議員の説明責任として、例えば、清水区民の飲用水を安定供給するために、旧静岡市側からの水道ルートを引き込んだこと、清水区から排出されたごみの受け入れを旧静岡市の清掃工場が行っていること、公立小中学校の耐震化、合併特例債を活用した清水文化会館の移転新築のことなどを例に挙げて、市民に理解を求めますが、それで納得される方はほとんどいません。それは、合併前から漂う停滞感を政令市に移行してからも払拭できていないことに起因しています。  田辺市長は、選挙期間中、公共投資を呼び水にして民間投資を促し、経済の好循環を実現していくとの訴えを繰り返しました。今後、清水活性化の起爆剤として、政令市のスケールメリットを生かした海洋文化拠点施設建設が控えていますが、完成までには、少なくともあと4年かかるわけで、それまで合併の恩恵は待ってくださいということであれば、清水区民は到底納得できないわけです。  そこで、具体的な要望ですが、清水区の一体感醸成に向けて、市民に合併した成果を感じてもらう経過措置として、海洋文化拠点施設の建設予定地に、完成図を描いた大型看板を設置していただくようお願いします。また、周辺の都市ビジョンを含めたリアルな完成予想図を映像化していただき、広く市民に提示していただけますようお願いします。広報紙やSNS、田辺市長の定例記者会見だけでは伝わり切れません。  最後に、今回は田辺市長の背中を後押しすることを念頭に質問した結果、厳しい内容となってしまいました。田辺市長の3期目に対して、嵐の中の船出との意見もありますが、必ずや荒波を乗り越えて、令和の初代静岡市長にふさわしいかじ取り役を担っていただくことを期待して、総括質問を終了します。ありがとうございました。 34 ◯議長(遠藤裕孝君) この際、暫時休憩いたします。         午前11時43分休憩    ───────────────────         午後1時再開 35 ◯副議長(亀澤敏之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、井上智仁君。   〔26番井上智仁君登壇〕 36 ◯26番(井上智仁君) それでは、通告に従いまして、今回は都市経営と財政運営について、大項目1点で質問をさせていただきます。  これまで、市長の政治姿勢を中心に、今後の市政運営についての質問がなされてまいりました。公明党、山本代表の「市長は3期目の市政運営にどのように取り組んでいくのか」との質問に対し、「歴史文化施設の建設を初めとした、タイミングを捉えた積極的な公共投資を呼び水にして、民間企業の投資を促し、地域経済を活性化していく」との答弁をされております。今後、地域活性化のための投資がふえていくことを示唆していると考えられます。そこで、私の質問は、財政面を意識した経営という観点から、これからの本市のあり方についてお聞きしていきたいと思っております。  平成11年、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律、いわゆる地方分権一括法が成立し、機関委任事務が廃止され、これを契機に国と地方との関係が、主従関係から対等な協力関係へと移行されました。これにより、地方のことは地方での考えのもと、地方の担う行政サービスもその範囲の広がりを見せてきました。しかしながら、経済の成熟化、少子高齢化、人口減少など、大きな課題が年々顕著になり始め、地方行政における責任も大きなものになってきております。  このような背景から、持続可能な都市経営という言葉が使われるようになり、行政にも経営という概念が必要とされるようになりました。民間企業では、顧客を満足させるため、サービスや商品を提供することにより、継続的に利潤を追求していきます。そのために、さまざまな投資を行い、より売り上げを伸ばし、成長していきます。これを行政に当てはめれば、さまざまな市民サービスを提供することで市民生活が潤い、税収という形で返ってくることとなります。  しかしながら、現状は、幾ら税収がふえ、自主財源が確保できたとしても、その分交付税が減るということとなり、予算規模としては効果があらわれてこないのが現実です。どんなに投資をしても、顧客が満足しても、売り上げが伸びず、利潤も出ないことになってしまいます。かといって、何もしなければ、生活の不安や不便さが増して、人口流出につながり、さらに財源が不足してしまうことになります。また人口が減少すれば消費にも影響を及ぼし、これに連動して産業が衰退します。産業が衰退すれば、必然的に地域内での雇用が少なくなり、これが住民の収入に影響し、生活防衛心理が働いて、消費がさらに落ち込むという状況にもなります。  したがって、財政基盤を確かなものにしながら、市民生活の向上のための投資をし続けることが都市経営であることは何となくわかりますが、投資とその効果、そして財政規律が一体化して動いていないような感覚を持っておりますので、今回の質問をいたします。  平成29年度決算時の本市の主要財政指標を見ますと、自主財源の状況を示す財政力指数は0.91、財政の弾力性を示す経常収支比率は94.0、そして実質公債費比率は7.3、将来負担比率は56.9であり、政令市平均からすると、いずれも若干よい傾向にあります。  しかしながら、経常収支比率は年々悪化し、投資へ投入できる資金が減っており、2月議会で示された中期財政見通しでは、約50から70億円の財源不足が示されており、厳しい財政状況であることがうかがえます。  そのような状況の中でも、3次総後半から多くの大型投資が予定されています。歴史文化施設、海洋文化施設、アリーナの建設など、特に交流人口の拡大を意識した投資となっていると思われます。これらは、まちの魅力の増大や地域経済の活性化などに大きく寄与するものであると思います。  しかし、交流人口がふえても、財政面では余りメリットが出てきません。交流人口は基準財政需要額には反映されません。不交付団体であれば大きなメリットがありますが、交付税をもらっている以上、歳入総額がふえるわけでもなく、人口減の分だけ予算規模が縮小していきます。人口の自然減は全国的な現象であり、幾ら合計特殊出生率を上げても簡単には自然増にはならず、転出抑制策が有効に働いても、今後の財政事情は厳しいことは間違いありません。  だからこそ、必要な投資は何なのか、どのような手法で公共空間を建設していくのか、重要であり、そのためには期待される効果をどう判断するのかも重要であると考えます。各種制度の関係や国庫補助のあり方などの違いもありますので、単純な比較はできませんが、私の感覚では、介護・子育てなど、生活に密着したものは地域社会への負担を求めた上、交流人口増大を目指した経済政策に、投資が少し偏っているのではないかといった感じも持てます。  地方自治法第2条では、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」とされています。本市に必要とされる住民福祉とは何か、最大の効果とは何かを見据えた上で、本市の経営のかじを取っていく必要があると考えます。  そこで、初めに、3次総では都市経営、この言葉をどのように捉え、推進しているのかお伺いし、2回目以降は、それに伴う各種視点である財政運営や公共施設に関し、一問一答でお伺いしてまいります。   〔26番井上智仁君質問席へ移動〕 37 ◯企画局長前田誠彦君) 3次総では都市経営をどのように捉え、推進しているのかについてですが、3次総では、全ての取り組みに共通して必要となる基本的な考え方として、都市経営と市民自治の2つを掲げています。  そのうち、都市経営については、次の4つの方針を立てています。第1は、最適な行政組織を構築し、持続可能な財政運営を行う質の高い行財政運営。第2は、公共施設の効果的、かつ効率的な管理・運営を行う効果的なアセットマネジメント。第3は、情報や通信の技術を活用した行政サービスの拡充に取り込むICTの高度利用。第4は、国・県・周辺市町と一層の連携を図る多面的な広域行政です。  今後も、都市経営という視点のもと、3次総を推進していきます。 38 ◯26番(井上智仁君) 今、質の高い行政運営、効果的なアセットマネジメント、ICTの高度利用、多面的な広域行政の都市経営の4本柱の御答弁をいただきました。  3次総では、この都市経営と市民自治が基本的な考え方として、2つの視点として示されております。冊子の後半に、附属的な位置づけで示されているようにも見えます。  私が思うには、この都市経営の理念のもとで全ての施策・政策が実施されるのが必要であると考えております。都市経営の考え方が、単なる行革のような位置づけになっているところが気になっているところです。  景気が低迷した時期、企業に負け組・勝ち組といった言い回しが使われました。経営が厳しい中でも、その時代を見据えた確かな投資ができたところが勝ち、現状を何とか維持するために、極端なコスト削減だけにとらわれてしまったところが負けていった傾向がありました。財政の切り詰めばかりを見てしまうと、最悪、本来成長させるべき市民生活が置き去りになってしまうこともあり得ます。  だからこそ、投資と財政運営は同じ中で見ていかなければならないと考え、そのためには、財政における指標から政策・施策の効果を見ていく必要があるのではないかと考えます。税収を見れば、企業や個人の所得がどうか判断できます。また、個別の税額のばらつきを見れば、貧富の差が見えてきます。消費の動向を見れば、低所得者の推移も見えてきます。このような指標は、実質的に各種事業が市民生活の向上につながったかの判断材料になるはずです。  そこで、成果指標について、3次総では成果を明らかにするため、どのような指標を設けているのか、お聞かせください。 39 ◯企画局長前田誠彦君) 本市では、3次総策定に際し、計画策定後の成果や進捗状況の把握、いわゆる行政評価を行うために、初めて政策・施策レベルで成果指標を定め、数値目標を掲げる取り組みを行いました。そして、平成28年度からは施策評価、30年度には、全国的にも例が少ない政策評価を実施してきましたが、その中で、より政策・施策の成果を適切に評価できる指標の設定が必要であるとの指摘を外部評価委員から受けました。  そこで、3次総後期実施計画の策定を契機に、有識者の監修のもと、成果指標の見直しを行ったところです。  見直しに当たっては、2つの点を重視しました。1つは、見直しを行う前提として、政策・施策が目指す姿をひも解き、できるだけ具体的に表現して共有するということです。もう一つは、指標の設定に当たり、その姿を最も端的にあらわすことができ、成果や進捗状況を客観的に把握できる項目を選定するということです。その結果を反映させ、交流人口や市民満足度など、それぞれの政策・施策に適した指標を設定し、3次総後期をスタートしたところです。 40 ◯26番(井上智仁君) この評価指標に関して、平成24年6月議会におきまして、「幸福度について」という項目の中で、行政評価について触れさせていただいたことがあります。幸福度という抽象的にも思われる指標も、保育所待機児童数、不登校児童生徒数、進学率、犯罪や火災数、離婚率、出生率、事故・自殺者数などといった定評的な数字の積み重ねで、市民生活の向上の指標として示せる旨の発言をさせていただいたことがあります。  また、この質問の答弁で検討が述べられた政策・施策の評価は、3次総からスタートいたしました。評価指標に関しては、アウトカム評価の導入など、見直しが繰り返されておりますが、まだまだ十分であるとは言えません。評価指標は事業目的を示したものであるはずですから、市民生活がどう向上したのかがはかれるものへとしていく必要があると思います。そして、その上で本市の財政状況を判断していく必要があると考えます。  1回目の質問で、少し財政指標について触れましたが、本市の財政状況は厳しいところにあると考えられます。他の政令市との比較では、極端に悪いところもなく、中の上ぐらいに位置しているのではないかと思われますが、他都市との比較ではなく、本市の都市経営を進めていく上でどうかが問題であると考えます。  そこで、財政運営について、財政指標から見た本市の現状をどう捉えているのか、お伺いいたします。 41 ◯財政局長(川崎 豊君) 本市では、財政運営を判断する指標として、経常収支比率、実質公債費比率及び将来負担比率を用いており、数値が低いほど、財政の健全性が高いと言えます。これらの指標の本市の平成29年度の数値は、議員御説明のとおり、いずれも政令市の平均を下回っております。  まず、収入に対し支払った公債費などの割合を示す実質公債費比率は、平成20年度から23年度まで12%台で推移してきましたが、その後は年々減少し、29年度は7.3%にまで改善しています。  次に、将来にわたって支払わなければならない公債費などの割合を示す将来負担比率は、平成19年度から23年度まで、100%から120%台で推移してきましたが、その後は大きく減少し、29年度は56.9%まで改善しています。これら指標の改善は、将来にわたり持続可能な都市経営を実現するため、建設事業に充てる通常債の市債残高を減少させるよう、積極的に取り組んできたことによるものです。  また、財政の硬直度を示す経常収支比率は、平成23年度から27年度まで91%台で推移していきましたが、29年度は94%に上昇し、令和4年度までの財政の中期見通しにおいても、93%から94%台で推移すると見込まれています。  このため、今後は財政の健全性の維持を念頭に、効率的、かつ効果的で、バランスのとれた財政運営を行う必要があると考えています。 42 ◯26番(井上智仁君) 御答弁いただきました。  特に気になるのが経常収支比率です。平成27年度から29年度までの3年間、悪化の傾向を示しています。平成28年度、93.8という数字。しかしこれは、全国的に悪化する傾向にありました。しかし29年度、わずかではありますが、94.0と上昇しておりますが、政令市の半数では、この間、経常収支比率がいい方向に動いている。本市だけがというわけではありませんが、悪化しているのが気になります。  そして、この経常収支比率の悪化の要因として、物件費の上昇というものが挙げられています。これは、新たに必要となった施設等を整備することにより、それらの運営のための経費が増大したことだと考えられます。今後、多くの新たな建設事業が計画されている中、不安を残す数字だと思います。経常収支比率の悪化は、今後の投資を抑制せざるを得ないことをあらわし、市民生活向上に向けた施設建設の取り組みが、逆に首を絞めてしまうことになることも考えられます。  そこで、この経常収支比率の改善に向けて、対応策をどのように考えているのか、お聞かせください。 43 ◯財政局長(川崎 豊君) 第3次行財政改革後期実施計画を確実に実施するなど、歳入・歳出の両面から、不断の改善に取り組むことが重要であると考えています。  歳入面では、毎年度着実に効果を上げている市税等の収納率のさらなる向上など、歳出面では、事務事業の見直し、アセットマネジメントの着実な実施、業務の効率化による経費節減に努めていきます。  また、扶助費や介護保険事業会計等への繰出金など、社会保障関係経費が著しく増加しているため、高齢者等の雇用拡大や就労促進、健康寿命の増進を目指した施策を推進するなど、将来負担の抑制に努めていきます。 44 ◯26番(井上智仁君) しばらく、この経常収支比率というところに注目していきたいと思います。  公共施設の維持管理等に伴うこの経常経費を見きわめるには、資産がどうなのかというのを把握していく必要があります。平成27年、総務省は、新たな全国的基準として、固定資産台帳の整備と仕訳を導入した全国統一基準を提示し、平成30年3月までに、統一基準に基づく財政書類を作成することを示しました。本市もこの新しい公会計制度の導入を始めたところです。  そこで、この新公会計制度の特徴と、期待される効果は何なのか、お伺いいたします。 45 ◯財政局長(川崎 豊君) まず、新公会計制度の特徴は、主に2点あります。  1点目は、発生主義・複式簿記が導入されたため、固定資産台帳を整備した上で、貸借対照表や行政コスト計算書を作成することになったことです。  2点目は、従来は基準モデルや総務省方式改訂モデルなど、財務書類の作成方式が複数混在しておりましたが、統一的な基準ができたことで、自治体間の比較が可能になったことです。  次に、新公会計制度の導入により期待される効果は、主に2点あります。  1点目は、事業別・施設別の行政コスト計算書を作成し、利用者1人当たりの行政コストを算出することで、行政サービスに要する経費の見直しや、受益者負担の適正化につなげるなど、行財政改革や行政評価への活用が期待できます。  2点目は、貸借対照表や固定資産台帳を作成することで、詳細なデータに基づく資産の維持管理や施設の更新・統廃合・長寿命化の検討に活用するなど、効果的なアセットマネジメントにつなげられると考えております。 46 ◯26番(井上智仁君) 28年度の決算から、この新公会計制度での財務書類が公表されております。新公会計制度により固定資産台帳が整備されたため、27年度の示された資産1兆3,676億円から、28年度は1兆7,637億円と、約4,000億円ふえてきております。また、新しい指標である有形固定資産減価償却率が提示され、この数字は66%。これは施設が耐用年数の3分2を過ぎ、大規模改修を必要とするだけの老朽化が進んでいると見ることもできます。  したがって、今後施設の維持管理をさらにしっかりと見きわめていかなければならないと考えます。簡易的な修繕を積み重ねるだけでは、長期的にはよりコストがかかってしまう可能性もあります。いま一度、公共施設の維持管理のあり方を真剣に見直していく必要があるのではないかと考えております。  このため、これまでPFI事業や指定管理制度を用い、民間の力を借りる形で公共施設の維持管理に係る経費を抑制してきました。しかしながら、条例や契約に縛られ余り自由度がなく、自治体は直営で運営するより人件費が安くなる程度のメリットにすぎないと感じております。今後、ますます厳しくなる財政状況の中、既存の制度の中からの選択では、維持管理も困難になっていくのではないかと考えております。しかし、民間の力を借りるのではなく、ともに運営していく、協働を進めていく必要もあると考えております。  そこで、公共施設の維持・管理について、公共施設において民間活力をどのように活用しているのか、お聞かせください。 47 ◯総務局長(豊後知里君) 本市では、公共施設における民間活力の活用の手法として、指定管理者制度及びPFI事業を取り入れています。  まず、指定管理者制度については、市民サービスの向上や施設管理運営の効率化を目的とし、民間のさまざまな工夫が生かされる制度として、219の公共施設に導入しています。そのうち60施設については、より効果的な施設運営がなされるよう、施設の利用料金が指定管理者の収入となり、経営努力が収益に反映される制度を導入し、民間企業の参入を促しています。  また、PFI事業については、財政負担の軽減とサービス水準の向上を目的に、清水文化会館マリナート、西島学校給食センター及び門屋学校給食センターの3施設に導入し、民間の持つノウハウや資金を活用しています。  今後も、本年4月から実施している第3次行財政改革後期実施計画に定めた施策として、これらの取り組みを推進していきます。 48 ◯26番(井上智仁君) 先ほど申し上げましたとおり、民間活力の導入といっても、現在の手法では、今後行き詰まりが見えてくるような気がしています。新しい手法の検討をしていく必要があるのではないかと考えています。  現在、本市もパークPFIの導入を検討していると伺っています。大阪城公園で実施されているパークマネジメントでは、民間に天守閣も含めた公園の維持管理を任せ、公園内で飲食等の営業を行うことで、指定管理料を市が払うのではなく、事業者が行政へその利益を還元するといった事業になってきております。大阪城という巨大な集客施設があるからできる、そういった部分もありますが、こういった収益事業と公共事業をうまくマッチングさせることで、維持管理による経費支出を必要としなくなるような手法も、今後必要になってくるのではないかと思います。  このような考えを、ほかの施設にも展開し、できる限り維持管理費を削減するような方法がまだまだあるのではないかと考えます。  また、維持管理費を抑制するためには、新設の設計段階から考えていく必要もあります。管理がより簡単にできるようなレイアウトを組んだり、簡易的な修繕が可能な設計を行ったり、光熱費を削減できるような設備を導入したり、バブル時代の建物は、見た目はきれいでしたが、改修や修繕に手間がかかる設計が多かったと思っております。  そこで、新規施設における維持管理費の抑制は、どのようなことをしているのか、お伺いをいたします。 49 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) 新規施設の維持管理費については、設計段階において設計を担当する公共建築課と設備課のみならず、建築総務課、建築指導課、アセットマネジメント推進課、施設所管課といった課の枠組みを超えたメンバーで検討会議を行っております。  この会議では、維持管理費だけではなく、建設から改修、解体に係る費用までを含めた、いわゆるライフサイクルコストの比較や、維持管理しやすい材料や工法の検討など、多角的な視点からチェックを行い、その結果を設計に反映して事業を実施しております。  施設整備を行う上で、このような維持管理費も含めたライフサイクルコストの縮減を目指した取り組みを関係課と連携を図りながら、引き続き進めてまいります。 50 ◯26番(井上智仁君) これまで行ってきたことを着実に継続していくという旨の答弁だったと理解いたします。  個々の施設の維持管理の見直しだけでは、今後の人口減少社会への対応は困難であり、施設のあり方そのものを検討していかなければなりません。公共施設の老朽化による施設の大量更新時代の到来と、義務的経費の増大などによる財政状況の悪化見通しなど、公共施設を取り巻く環境について抜本的な見直しが必要であることから、本市では、平成26年4月に静岡市アセットマネジメント基本方針を策定し、総資産量の適正化、長寿命化の推進、民間活力の導入の三本柱を掲げ、健全で持続可能な都市経営を目指して、アセットマネジメントに取り組んでおります。さらに、平成28年2月には公共建築物施設群別マネジメント方針を定め、利用分野ごとに、継続、複合化、統廃合、民営化の方針を示しています。また平成28年度は、小中学校、市営住宅、市立こども園の3分野において配置適正化方針を定め、平成29年度は生涯学習施設、市営駐車場、スポーツ施設の3分野における配置適正化方針を定めております。そして、3次総期間内のアセットマネジメントの取り組みを示す静岡市アセットマネジメントアクションプランが平成29年3月に策定され、事業が進められております。  アセットマネジメントの基本方針が策定されてから5年がたちました。そろそろその効果もあらわれてきてもよいのではないかと思います。しかしながら、先ほどから述べているように、経常収支比率は悪化をたどっています。  そこで、アセットマネジメントについて、これまでのアセットマネジメントの効果をどう評価しているのか、お伺いをいたします。 51 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) 議員の質問にもございましたとおり、本市では、平成26年4月にアセットマネジメント基本方針を策定して以来、施設のグループごとの方向性を示す施設群別方針や、施設数が多い分野を対象に施設のあり方などをまとめた配置適正化方針の策定など、着々とアセットマネジメントの取り組みを進めてまいりました。  平成28年度には、29年度から3次総終期である令和4年度までを計画期間とする施設ごとの改修や建てかえ等の具体的な実施内容をまとめた第1次アクションプランを作成し、総合計画、予算編成と連動した実効性の高い取り組みを進めているところです。  このような取り組みの中、アセットマネジメント基本方針に掲げた令和25年度までに公共建築物の総延べ床面積2割縮減の目標に向けた進捗状況についてですが、平成29年度末までに2万420平方メートル、率にして約0.9%の縮減を実施いたしました。この縮減実績は、当初想定したものよりもややおくれぎみであることから、基本方針の目標達成のために、今後さらなる床面積の縮減が必要と考えております。 52 ◯26番(井上智仁君) この基本方針では、30年間で延べ床面積の2割減を目標としています。実質的な維持管理費の削減を目標としなければ、本来の目的にそぐわないのではないかと考えます。  これまで、何度もアセットマネジメントに関する質問をさせていただきました。常に、市民にとって施設の利便性を向上した複合化施設の必要性を申し上げてきたつもりです。施設の統廃合は、いつも使っている施設が目の前からなくなっていくことにもつながりますから、当然、反対意見が発生します。  しかし、そのために、「みんなで考える静岡の未来」といったパンフレットを作成し、アセットマネジメントの必要性を市民に理解してもらおうと努力してきました。しかし、まだまだ理解が十分ではないのか、市民の反発を怖がり、一歩踏み込めない状況にもあります。必要な場所に必要な施設が高い利便性で配置されていくためには、都市マスとも連動した公共施設のあり方をしっかり示していただきたいと考えております。  実際、現状のアセットマネジメントの進捗を見てみますと、多くの施設が長寿命化というだけで済まされている気がしております。長寿命化は一時的出費を抑えることができますが、将来的な維持管理費の増大は避けて通れません。長寿命化、これそのものが悪いことではないとは思いますが、それだけでは、ただ問題を先送りしているだけにすぎないというふうに感じております。  そこで、最後の質問となります。長寿命化の取り組みだけでは維持管理費の抑制は困難と考えられますが、統廃合等の取り組みのため、今後、アセットマネジメントの方向性はどのように考えているのか、お聞かせください。 53 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) アセットマネジメント基本方針が掲げる健全で持続可能な都市経営の実現を図るため、長寿命化の取り組みのみならず、施設の統合や複合化、民営化を進めるとともに、役割を終えたと判断できる施設については廃止とするなど、総資産量の適正化の取り組みをさらに推進していく必要があると考えております。  そこで、3次総実施計画の見直しや予算編成作業のタイミングで、施設運営の実態や市民ニーズの変化を組織横断的に把握し共有することとしており、施設所管課を初めとする関係各課が、施設を取り巻く課題を多角的な観点から検討しながら、今後の統廃合等に向けた議論を進めてまいります。  また、統廃合等を進めるには、庁内連携はもとより、市民の皆さんの理解と協力が不可欠となります。このため、施設の利用者や地域住民の皆さんの視点に立ち、公共施設が持つ地域コミュニティの拠点としての機能を尊重しつつ、取り組みの必要性について丁寧に説明して進めてまいります。 54 ◯26番(井上智仁君) これから、本格的なアセットマネジメントが始まるものだと理解をいたします。
     先ほど、民間活力を用いた施設の維持管理に関して、これまでにない新たな手法を検討していくべきといった旨の意見を述べさせていただきました。このアセットマネジメントにおいても、特に、施設の複合化や統廃合を考えていく上でも、これまでにない新しい考え方を導入していく必要があると考えます。そのためには、各所管課ではなく、アセットマネジメント推進課が強力に旗を振っていく必要があるのではないでしょうか。  少し現実的ではありませんが、極端な考え方を1つ。学校施設を市長部局が所管し、教育委員会は施設を借りて教育を行う形にする。学校施設には、教室、体育館、グラウンド、プールなど、見方を変えれば生涯学習施設、スポーツ施設、集会所などあらゆる公共施設が複合化されている建築物というふうに捉えることもできます。平日日中でも利用されていない空間があり、各施設を少し増強したり、住民票や戸籍の交付サービスなど、市民サービスを設置すれば、地域住民が歩いて利用できる、かなり高度な複合施設になり得ます。これは意見・要望といったわけではなく、これくらい思い切ったことをしていかないと、人口減少が続く将来も持続的に利用できる公共施設が提供できないものだという事例だと考えていただければと思います。  今後、ますます地域住民の力を発揮していかなければならない時代となってまいります。しかし、地域、特に自治会、町内会の運営に陰りが見えてきています。つき合いの希薄化や人材不足がますます増している状況を打開するため、公共施設のほうからも何かしら考えていかなければならないと思います。  経済成長を狙った交流人口拡大のための施設整備、これも重要ですが、市民が日常利用する施設の配置やあり方などを見つめ直していく必要があるといった意見を述べさせていただき、全ての質問を終わりにいたします。御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 55 ◯副議長(亀澤敏之君) 次に、加藤博男君。   〔3番加藤博男君登壇〕 56 ◯3番(加藤博男君) それでは、通告に従い質問をさせていただきます。  まず、大項目1つ目は、多文化共生総合相談センターについてであります。  この多文化共生総合相談センター整備・運営事業については、本年度6月補正予算に計上されている事業であり、増加傾向にある在留外国人への情報提供や生活相談などに対応する総合相談センターでありますが、まず、その設置の背景となっている現状を確認させていただきたいと思います。  まず、現状認識でありますが、私が住む長田学区においても、最近では日本語を学ぶ専門学校もあることから、多くの外国人を見かけるようになり、特にミャンマー人やネパール人など、東南アジア、南アジア系の外国人がふえてきております。そのために、自治会・町内会組織で管理をしているごみ捨てにかかわる問題もふえてきており、対策に関する御相談を受けることもふえてきております。そのほか、市民からの御相談でも、団地での騒音や、ルールがわかっていない事例が出てきているとの声もお聞きしています。  こうした外国人と間近にいる市民が、どのように向き合っていくべきか、また、どのように地域社会がかかわり、受け入れていくかが今後の課題であると考えます。  本年4月に、改正入管法が施行され、今後さらに外国人労働者がふえていく傾向は強く、単なる人手不足の解消ではなく、働く環境とともに忘れてならないのは、生活環境の整備が必要であります。外国人がより住みやすい環境づくりと、それを受け入れる地域社会の環境整備、多文化共生意識の向上、その両方の側面からの支援が必要になってきていると感じています。  本市は、多文化共生社会を目指す政令市として、外国から来る側と受け入れる側が共生できる社会づくりを進めております。また温暖な気候で地域資源が豊かな本市は、外国人材に選ばれる都市としての魅力があるのではないかと考えておりますが、まずそこで2点伺います。  本市における外国人住民数の推移と、5年後の見込み数はどうか。また外国人における相談の現状と課題は何か伺います。  続いて、大項目の2つ目は、就職支援について伺います。  私は、昭和49年生まれで、まさしく団塊ジュニア世代であります。この世代は就職氷河期世代とも言われており、バブル崩壊後の1990年代半ばからほぼ10年間に高校や大学を卒業。就職が決まらずに卒業した人は、氷河期ピークの2000年だけで約12万人に上り、売り手市場であった本年2019年の約2万人に比べると、その差は著しいものであります。  厚生労働省の推計では、35歳から44歳で、不本意ながら非正規で働く人は約50万人に達するとのことであります。また、非正規であるがゆえに結婚ができない、また結婚しないこの世代のジュニア、すなわち団塊ジュニア世代のジュニアが少ないため、今後の社会保障の安定的な持続が危惧されているところであります。  私と同じ年代で、なかなか思ったような就職ができなかった同期や、就職せずに大学に残った先輩を見てきました。大学院生や研究生では食べてはいけず、アルバイトをしながら博士課程を目指すしかなく、相当優秀な方を除いては、30歳を過ぎても大学講師くらいしかできない方もおられました。統計によれば、現在でも1万人以上、こうした方がおられるようでございます。新卒で就職できずに非正規採用で働き始め、レールに乗れなかった人は、自分で何らかの資格をとって再スタートできなければ、人並みの生活を送ることは困難な社会であり、その傾向は現在も続いているのではないでしょうか。  一方で、私が二十数年前に中国に留学をしていた際に、スウェーデンやドイツなど、欧米諸国から来ていた留学生は20代後半で、同じ大学で学んでいました。彼らは一度社会に出てから再度学び直し、リカレント教育をみずから志願して学び直すために中国に来ていたとのことでありました。私自身も彼らを目の当たりにしたときに、彼らは学びたいときに学べる機会があり、学び直しができる環境と、そうした人材を社会の側が受け入れる環境が整っており、うらやましく感じたことを記憶しています。  ストックホルム研究連絡センターの中兼優介氏によれば、「スウェーデンでは日本と状況が異なる。教育に係る費用の個人負担がないことや成人教育機関、制度が発達し、生涯学習を可能にするシステムが日本に比べ整っている。例えばフルタイムの職を離れて数年を学生として生活することも可能な仕組みが整っている」とのことであります。日本の社会は、何か失敗が許されない、再チャレンジがなかなかできない息苦しさが、いまだ根強いのではないでしょうか。  生涯学習率は、先進国では最低レベルとされ、その一例として、日本での社会人学生数を挙げると、平成26年度は約1.8万人でありました。同年の大学生数が約280万人であったことを考えると、その割合は1%にも満たないとのことであります。  これから、政府も就職氷河期世代について集中支援を始め、司令塔組織を首相直轄で置くとのことでありますが、この世代に光を当てていくことと、さらなる予備軍を出さないような社会、学び直しができる、そして学び直しが許される社会がこの日本に必要ではないかと思います。  一方、本市においては、こうした世代より若い若年層が、前を向いて社会に出られるような事業を行っております。15歳から39歳までの、働きたいがどうしていいかわからない、ブランクがあって社会参加に自信がない、なかなか仕事が長続きしないなど、就業について悩みを持つ若者、若年無業者とその保護者・家族の方が対象となっている若者自立支援ネットワーク「地域若者サポートステーション」があります。私自身も、この地域若者サポートステーション、略してサポステのサポーターとして登録をし、実際に就職につなげたことがございます。  ただし、自分がこうあってほしいと願っても、人はそんなに変わることはできず、ゆっくりと彼らのペースに合わせて成長を促していくこと。一方的に「べき論」を並べるのではなく、彼らの個性に応じた支援が必要であることを学びました。また、彼らの考え方や職種の希望を丁寧に聞きながらサポートしていくことの大切さを学びました。  このように、個別相談をもとに、利用者のニーズや状態に合わせて支援プランを考え、必要に応じてサポステのネットワークを活用し、就労支援、保健福祉、教育関係、地域活動団体など、他機関と連携し、情報提供を行いながら、一緒に就労支援、仕事探しをするのが、地域若者サポートステーションでありますが、この地域若者サポートステーションの取り組みはどのような状況であるか伺います。  続いて、大項目3つ目。安倍川花火大会について1点伺います。  私は、静岡市駒形通生まれで、祖父母、両親もこの地域で人生を歩んでまいりました。そのため、安倍川花火大会は、子供のころから夏の風物詩として、大変楽しみなイベントとして、心に残る大会であり、駿河区に引っ越してからもその思いは生き続けています。静岡市民にとって、安倍川花火大会を見なければ夏は越せないという市民の声もお聞きしたことがあり、静岡市民にとって大切なイベントとなっていることは言うまでもございません。  安倍川花火大会は、ことしで66回を数え、全国的にもまれに見る組織で運営がされており、市内の一部地域が企画運営する、まさに民間主導の大会で、夏の一大観光行事として、盛大に行われるようになっております。その運営をされている安倍川花火大会本部の実行委員会の皆様は、諸先輩方が第1回花火大会より積み重ねた努力の遺産を私たちは受け継ぎながら、市民の心の安らぎの場として、また花火を愛する人たちの期待に沿える安倍川花火大会へ発展させていきたいという思いであり、この思いを大切にしないといけないと思っています。  一方で、他の自治体では、運営難で大会の縮小や開催を断念するような事例も見受けられています。こうした状況がある中、安倍川花火大会は、戦没者への慰霊から始まった行事でありますが、私自身も一市民として、これからも市民に愛される大会として、末永く続けられることを願っております。  そこで、伺います。第66回を数える安倍川花火大会であるが、本市として、この大会への歴史認識と今後の安定的な実施について、どう考えるか伺います。  以上、1回目です。 57 ◯市民局長(深澤俊昭君) 多文化共生に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、外国人住民数の推移と5年後の見込み数についてですが、本市の外国人住民数は、平成25年度以降増加傾向にあり、本年4月末時点で1万242人となり、5年前と比べ、約2,200人も増加しています。国籍別の上位5カ国は、1位中国、2位フィリピン、3位韓国、4位ベトナム、5位ネパールとなっており、東南アジアからの増加が著しく、在留資格別では、留学や技能実習の増加が目立っています。  5年後の見込み数ですが、過去5年間の平均増加率及び本年4月に施行された出入国管理法及び難民認定法の改正に伴い新設された特定技能労働者の影響を加味して推計しますと、おおよそ1万5,000人になると見込んでおります。  次に、外国人における相談の現状と課題についてですが、外国人相談は、本市の各課の窓口のほか、静岡市国際交流協会において対応しており、同協会における平成30年度の相談実績は674件でした。  主な相談内容は、税金、国保年金の滞納や、分割払いに関する相談で115件と最も多く、日本語学習に関するものが74件、結婚や離婚など、戸籍関係が47件、教育問題40件のほか、住居の問題や生活困窮に関する相談など、多岐に渡ります。  課題としましては、多国籍化に対応する多言語対応と、個人情報に配慮した相談体制の整備です。東南アジアからの外国人が増加したことで、ベトナム語やインドネシア語などの相談に対応できない場合や、外国人の高齢化に伴う介護や病気に加え、生活困窮や虐待などの、個人情報に特に配慮すべき相談も寄せられるようになってきたため、知人や親族を介さず、直接本人と母国語で相談対応できる体制整備が急務となっております。 58 ◯経済局長(池田文信君) 地域若者サポートステーションの取り組み状況についてですが、議員がおっしゃった取り組みに加え、同じ地域若者サポートステーションにおいて、本市独自の取り組みとして、平成19年度から、就労支援セミナーや出張相談会、臨床心理士によるカウンセリングを行い、相談から就労に至るまで、相談者一人一人の事情に応じた伴走型の支援を実施しています。  平成30年度は、就労支援セミナーを2回、出張相談会を10回開催したほか、心理カウンセリング事業80件を実施し、延べ2,416件の相談に対応しました。その結果、115人の方が、就職や進学など、進路を決定するに至っています。  利用者の方からは「自分に自信を持つことができるようになった」、「将来への不安が軽減され就職に前向きになれた」、などの声をいただいております。  働きたくても働けない事情を持った若者を就労につなげていくことは、本人はもとより、地域経済を支える上でも大変重要なことであり、今後も国等と連携しながら取り組んでまいります。 59 ◯副市長(小長谷重之君) 私からは、安倍川花火大会の歴史認識と、今後の安定的な実施についての御質問にお答えさせていただきます。  安倍川花火大会は、昭和28年に市民団体により、戦没者の慰霊と戦後の復興への祈りを込めて、東海花火大会として実施したのが始まりです。第4回大会からは、現在の新通学区の自治会が協力し、安倍川花火大会の名称となり、第5回からは田町、駒形、長田北、長田東の自治会が加わり、観光行事としての発展を遂げてまいりました。以来今日まで、5学区の地域住民からなる安倍川花火大会本部が実施し、多くの観客に感動を与える催しとして定着していることは、住民主体のまちづくりにおいて、大変意義深いことと認識しております。  一方、全国のさまざまな人が集まるイベントでは、近年、事件・事故が発生する事案があり、雑踏・交通整理などのさらなる安全対策が求められ、花火大会が廃止となる例も出てきております。このような中、市といたしましては、観客の皆様の安全を確保することが大会の安定的な実施につながると考え、必要とされる警備体制を構築できるよう、平成29年度より、財政的支援を強化してまいりました。また大会本部は、今大会から市内の大学や他の学区へのボランティアの募集に取り組んでおります。安倍川花火大会の原点である平和への願いという歴史認識を次世代に伝えるとともに、多くの方が大会にかかわることで、さらに安全な実施体制が構築できるものと期待しております。  今後も、大会本部を初めとする関係機関と連携・協力し、安倍川花火大会が安定的に実施できるよう努めてまいります。   〔3番加藤博男君登壇〕 60 ◯3番(加藤博男君) 積極的な御答弁ありがとうございました。  まず、副市長より安倍川花火大会について、今大会から市内の大学生、そしてほかの学区にもボランティアを募集していくという方針を打ち出していただき、ありがとうございます。さらに安全で持続可能な花火大会になっていくことを期待しております。  続いて、2回目の質問に移らせていただきます。  まず、多文化共生総合相談センターの2回目です。  先ほどの市民局長の御答弁では、5年後の外国人の見込み数は1万5,000人に見込まれると。生活困窮や虐待などの憂慮すべき外国人からの相談もふえているということでありました。働く環境とともに、彼らの受け入れをしていくために必要なことは、生活環境の整備や最低限度の生活を保障していく必要があります。他の先進国でも、外国人材に対するニーズが高まる中、暮らしの安心を確保することは大前提であります。市長が施政方針で述べられているとおり、多文化共生社会を実現し、外国人材に選ばれるような都市になることが必要だと感じております。  外国人労働者が多く住む地域では、外国人を消防団に加えたり、わかりやすい言葉とひらがなを多用する「やさしい日本語」を広げるといった取り組みが進んでいる自治体もございます。  先日、滋賀県湖南市での事例を湖南市長から聞く機会がございました。湖南市では、今から16年前の平成15年、2003年当時から、人口の5%を外国人が占めており、さまざまな課題が顕在化し、都度、対応策を講じてきたとのことであります。いまだ対応に苦慮している場面もありますが、多言語により、生活オリエンテーションの実施、外国人のための就職サポート、多文化共生条例の制定、母語教室の開講など、さまざまな施策を講じてこられたとのことでありました。  先週、21日金曜日には、参議院本会議において、日本語教育推進法が成立いたしました。この法律は、さまざまな立場の外国人に対し、本人の希望や状況に応じて、日本語教育を受ける機会を確保するのが基本理念とのことであります。  長く日本に住んでいる外国人の児童生徒の中には、日常会話には問題ないが、日本の学校教育についていけない子供たちもふえているとのことで、彼らは、学習言語、すなわちテストに出てくるような難解な日本語の理解に苦しんでいるようであります。このような学習言語も、「やさしい日本語」に変換して、理解を促すような努力も求められているのだと思います。このような事例も、本市としても共有しながら事業を進めていただきたいと思います。  また、政府は、新たな在留資格を設けて、日本で働く外国人を拡大する制度の基本方針や、受け入れ見込み数を掲げた分野別運用方針、相談窓口の整備など、外国人や自治体への支援策を盛り込んだ126の施策からなる総合的対応策を決定しました。いずれも改正入管法に基づくものであります。この総合的対応策の中で柱となるのが、全国100カ所で生活相談に応じる一元的な窓口の設置であります。自治体が主体となって、医療、福祉、子育てを初め、外国人からの多様な相談に応じるもののようであります。多言語に対応できること、また日本人からの外国人にかかわる相談にも対応することも求められると考えますが、そこで伺います。  本市では、多文化共生総合相談センター事業の運営を開始する予定であるとお聞きしておりますが、多文化共生総合相談センターの役割とはどのようなものか伺います。  続いて、就職支援についての2回目です。  先ほどの経済局長の御答弁では、地域若者サポートステーションにより、おおむね40歳までの若者に対して、寄り添った前向きな支援が実施されていることは理解をいたしました。私の問題意識としては、就職氷河期世代及び50代のサポートをどうしていくかというところが、より深刻であると捉えております。  日本学術会議の辻上席学術調査員によれば、就職氷河期世代への支援をこのまま何もしなければ、生活保護費は、現在の3倍強となる10兆円超になると試算をしています。  こうした状況が叫ばれる中、東京都では既に就職氷河期世代に焦点を当て、東京しごと塾という事業を4年前にスタートさせており、このサポートを受けた人は、日額5,000円の支給があり、7割の方が正規雇用に結びついており、効果を上げているとのことでありました。  また、昨今では、社員のほぼ全員がひきこもり当事者や経験者のIT企業株式会社ウチらめっちゃ細かいんで、略してめちゃコマによる人材育成支援事業が注目を集めております。この企業は、特にひきこもりの人に向けて、プログラミングなど、社会で実践的に使えるIT技能習得の機会を提供したり、ホームページの作成を受託しているとのことです。この会社の代表の佐藤氏には、20代から20年ほどひきこもっている双子の身内がいるそうで、彼らの存在がこうした事業を始めるきっかけになったとのことであります。彼らは決して変わり者ではなく、むしろ頭もよいし、気立てもよいほうであるそうです。少し引っ込み思案ではありますが、優秀でパソコンに強いとのことでありました。一概には言えませんが、ひきこもりの方は、こうした傾向が強いのではないかと私も感じております。  IT関連の仕事は、パソコンさえあれば、基本的にどこでも仕事ができます。この企業ではそこに目をつけて、ひきこもり当事者でも在宅で勉強して、技能を身につけられるような受講機会を有料提供した上で、最終的に就労機会が得られるような仕組みも設けています。佐藤代表によれば、既に同社で活躍している方や、インターンで働いてくれている方もおり、結果が出てきているとのことでありました。また、こうした人たちが安全で安心に働ける環境、そして十分な精神的なケアや配慮、無理やり社会に引っ張り出すことなく、本人への意思の尊重やさまざまな選択肢があれば、彼らの力を社会全体として十分に引き出せるのではないかと語っております。  こうした民間のノウハウも活用しながら、現在の取り組みに加え、現在国が検討している就職氷河期世代に対する支援についても、今後どのように取り組んでいく予定かを考えなければならないと考えています。  そこで伺います。さまざまな世代に対応した就職支援の現在の取り組み内容と、今後について伺いたいと思います。  以上、2回目です。 61 ◯市民局長(深澤俊昭君) 多文化共生総合相談センターの役割についてですが、外国人相談については、これまで、静岡市国際交流協会が主体的役割を担ってきましたが、近年の外国人増加傾向に加え、入管法改正による外国人受け入れ拡大策が始まっていることから、さらに多文化共生を推進するため、行政みずからの責任で同センターを設置し、相談体制を拡充してまいります。  センターでは、外国人にまつわる諸問題について、外国人に加えて、日本人からの相談にも対応し、外国語相談員が十分に聞き取った内容をコーディネーターが関係機関等と調整の上、該当機関へ取り次ぎます。相談窓口は、各区庁舎内に設置し、これまでの外国語相談員対応に加え、タブレット端末を使ったテレビ電話の3者間通訳システムを導入することで、常時14言語の対応が可能となります。また簡易な相談などは、スカイプなどの汎用ビデオ通話アプリを利用することで、自宅からの相談にも対応できるようになります。  なお、センターの設置により、相談を通じて浮き彫りとなる外国人の課題や、地域における状況を的確に把握、整理し、関係各課と連携して課題の解決に取り組むことで、外国人に寄り添った環境整備の向上につなげてまいります。 62 ◯経済局長(池田文信君) さまざまな世代の就職支援に関する取り組みについてですが、本市では、先ほどの地域若者サポートステーションの取り組みに加え、ハローワークとの共催による再就職準備セミナーの開催や、ポリテクセンターの職業訓練に関する情報を積極的に周知するなど、国等の関連機関と連携を図ることで、幅広い世代に対応した支援を実施しています。  また、高校生や大学生、高齢者など、各世代に対応した支援にも取り組んでいます。例えば、高校生については、将来の就職を具体的にイメージし、職業に関する視野を広げることを目的に、社会人へのインタビューや就業体験などを実施するキャリア形成支援事業に取り組んでいます。  また、高齢者については、就労意欲のある高齢者が活躍できる環境づくりを目的に、この6月18日に「NEXTワークしずおか」を開所し、個々の高齢者が持つスキルと市内の各企業のニーズをマッチングさせる取り組みを開始したところです。  今後は、国が検討している就職氷河期世代への支援について、国や関係機関の動向を注視しつつ、本市としても、既存事業のさらなる磨き上げなどに取り組みながら、支援策を検討していきたいと考えています。   〔3番加藤博男君登壇〕 63 ◯3番(加藤博男君) 御答弁ありがとうございました。  3回目は、意見・要望です。  まず、多文化共生総合相談センターですが、3者間通訳システムで、常時14言語対応が可能となるということでありました。さまざまな言語の外国人に対応できる体制が構築されて、大変喜ばしいことであります。  今後は、この相談窓口がどこにあるかがわかりやすく、外国人が使いやすい、また市民も使いやすく、利用頻度を高めていくかが課題になると考えますので、効果的なPRや、庁内での周知を図っていただきますようお願いいたします。受け入れ側である地域からの相談も対応されるということで、こちらも頼もしいところでありますが、さらなる市民や自治会・町内会の多文化共生意識の醸成も必要だと考えています。なかなか、一般市民や町内会の皆さんが日本語以外で対応するというのは難しいわけでありますけれども、中高生が地域にいる外国人にかかわれるような仕組みや、ごみ捨てのルールを教えてあげられるような仕組みがあれば、中高生も外国人との接し方を学べて、また地域の方々への多文化共生意識の向上につながっていくのではないかと思います。  国連では、国連英検というものを1981年から国連普及活動の一環として実施されており、国連の理念である国際協力、国際理解をコンセプトに、真に役立つグローバル・コミュニケーション能力の育成を目標としている英語検定がございます。残念ながら、私は英検2級レベルであり、国連英検に挑戦するほどの英語力はございませんが、例えば、静岡市独自の国連SDGs英検を創設していただき、ごみ出しに関するルールや、自治会・町内会の仕組みを英語で説明したり、しずおか学の中から設問するなど、こうした身近な地域社会の課題を題材にした英語検定を小中高生、そして大人、そして在住外国人の誰もが受験できるような仕組みがあれば、多文化共生意識がより高まるのではないかと思います。  現在、本市で取り組んでいる事業とかけ合わせて、グローカル人材の育成と、若い世代が外国人に対してサポートしてあげられるという自信と機会を持ち、地域社会の中で活躍の場が期待されるのではないかと考えます。  続いて、就職支援についてです。  先ほどの御答弁では、今月からスタートした「NEXTワークしずおか」など、各世代に対する就職支援について触れていただきました。高齢者就労とともに、就職氷河期世代や50代の方々にも支援が行き渡るよう、国の動向を見ながら、各世代で切れ目のない支援がなされることを要望いたします。  最後に、安倍川花火大会についてです。今回の質問に関連して要望です。  警備に当たる地元消防団員の中には、二十数年間、警備に当たっているため、まともに花火大会を見たことがない方もおられます。近隣分団でも待機をしていただいていますが、もう少し警備担当範囲を広げていただき、地元消防団の負担軽減がなされることを御配慮いただきますと幸いです。  総じて、当局として機を逃さず、今でもでき得る施策を講じていただいていると思います。今後も市民に親しまれ、長く静岡市の代名詞となる安倍川花火大会の運営がなされるよう一層の御尽力をお願いし、私からの質問を終わります。  以上です。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 64 ◯副議長(亀澤敏之君) 次に、杉本 護君。   〔12番杉本 護君登壇〕 65 ◯12番(杉本 護君) 日本共産党、杉本 護です。通告に従って質問をします。  本市は、2015年4月、子ども・子育て支援新制度の発足と同時に、静岡市子ども・子育て支援プランを策定し、その基本理念は、「静岡市は子供を大切にします」となっています。  本市は、公立保育園を全園一斉に認定こども園に移行し、静岡市立こども園の配置適正化方針で、民間活力の最大限の活用と少子化、人口減少対策として、市立こども園の民営化、統廃合を進め、将来14区域ごとに1から2園程度の配置を目指しています。そして認定こども園への移行を促進し、今年度末までに、117施設程度の設置を目標としました。そうした状況のもとで質問をしていきます。  まず、中項目1の新制度における現状と対策についてです。  改正された児童福祉法第24条第1項では、市町村は保育を必要とする場合は、保育所において保育しなければならないと、自治体の責任を明確にしている一方、第2項は、必要な保育を確保するための措置を講じなければならないとしています。この第2項によって、自治体が直接保育する責任がなくなりました。そのため、認定こども園など保育所以外は、基本的には保護者と施設の直接契約になり、この問題は新制度移行時に、議会でもかなり議論されています。当局の見解も示されていますが、改めて確認します。今回の児童福祉法改正で、市の保育の実施義務は後退したと考えていますが、市の考えを伺います。  次に、保育施設の設置状況は、お手元にある資料1のとおり、新制度発足後、認定こども園は101施設となり、小規模保育事業所などが始まっています。また資料にはありませんが、認可外施設は新制度発足時27施設あり、ことしの4月はほぼ同じの28施設あります。4年間で17施設が廃止されているため、18施設が新設されていることになります。廃止理由は、認可施設への移行が7施設ありますが、10施設は経営上の問題となっています。  ここで2点お聞きします。  1点目は、私立園の認定こども園への移行が支援プランどおりに進んでいない現状について、どのように評価をするのか、伺います。  2点目として、認可外施設は廃止と新設が頻繁で、地域に根差しているとは言いがたい状況です。さらに認可外施設指導監督基準を満たしていない施設が17と、半数以上あります。私は指導監督基準は、子供の命と安全を守る最低限の基準だと考えていますが、認可外施設について、その必要性を市はどのように考えているのか伺います。  次に、待機児童についてですが、お手元の資料2のとおり、本市は2年連続待機児童ゼロ人となりました。しかし、資料にもあるとおり、実際には施設の利用ができなかった児童が153人います。
     そこで、2点質問します。  1つは、保育所などを利用できなかった児童153人の年齢構成はどのようになっているのか。そのうち、特定の保育所などを希望した児童が120人いますが、希望のあった特定の保育所などは何カ所あり、それらの申し込みには、どういった傾向があったのか伺います。  2つ目に、保育所などを利用できなかった児童は昨年よりも増加しています。今後どのような対策を考えているのか伺います。  次に、中項目2の幼児教育の無償化についてです。  この10月から、ゼロ歳から2歳の住民税非課税世帯と、3歳から5歳の世帯の保育料が原則無料となります。現在、本市の保育料は、子育て世代の経済的負担軽減のため、国の基準よりも約38%軽減しています。そのために、一般会計から独自に支出していますが、今回の無償化により、その分も基準財政需要額に含まれ、地方交付税措置がされることになりました。結果として、これまでの独自財源分が新たな活用可能額としてあらわれる理屈になります。  そこで質問です。無償化によって生まれる財源はどのくらいあるのか。また、その財源をどのように活用するのか伺います。  もう一点、無償化に伴い、利用者や施設はどのような手続が必要となるのか。また、それらをどのように周知していくのか伺います。  次に、中項目3の保育士等処遇改善についてです。  保育ニーズに応え、施設をふやしても、そこで働く保育士を確保できなければ、安定的な待機児童解消にはつながりません。まず賃金についてです。私立園の保育士などの賃金は、一般的に全業種平均と比べ、月額で10万円程度低いと言われています。そうした低賃金が、資格を取っても就職しない、夢を持って保育士になっても数年でやめてしまうという、保育士不足の大きな要因となっています。低賃金を是正するには、根本的には国の基準を見直す必要がありますが、本市も保育士確保のため、民間保育所などへの補助金を拡充する必要があります。  そこで、3点質問です。  まず、本市の私立の保育所などで働く保育士の平均賃金は、全業種平均と比べ、どれくらい差があるか把握しているのかお伺いします。  2点目は、私立保育所などに対する国の給付費は、どのような基準で算定され、幾ら支払われているのか。また給付費に含まれる処遇改善はどのように行われ、幾ら支払われているか。  3点目は、処遇改善のための本市の補助はどのように行われ、幾ら払っているか。  以上、3点伺います。  次に、保育士の労働実態について幾つか伺います。  まず、お聞きするのは、市の職員についてです。2015年度と本年度の市立こども園における保育教諭の人数はどうなっているのか。また正規と非常勤で、職務や職責はどのように違うのか伺います。  次に、保育士の配置基準です。国の基準は、現在、ゼロ歳児は3人に対し保育士1人、1歳から2歳児は6対1、3歳児は20対1、4歳児以上は30人に対して1人となっています。これでは子供たちを安全に、そして行き届いた保育はできません。私が調べた限りでは、このような基準でクラスをつくっている保育所は一つもありませんでした。  イギリスでは3歳から5歳児は8対1、スウェーデンでは15人から20人の年齢を混合したグループに、保育士が3人配置されています。少なくともこれくらいの配置が必要ではないでしょうか。  貧弱な国の基準がある中で、本市は1歳児に限り、4対1の独自の基準で加配しています。国の基準は不十分との考えがあるからだと思います。  そこで質問です。国の配置基準はどのような根拠で決められているのか。また、市独自の配置基準の考え方はどうなのか伺います。  次に、調理員の配置ですが、公定価格上の基準として、41人から150人分で2人となっています。しかし、アレルギーなどを持つ子供への特別食や離乳食をつくるには厳しい基準であって、どこもパートなどで調理員を加配しているのが現状です。当然その分の賃金などの経費もかかります。  質問です。アレルギー児等の特別食や離乳食への対応に係る職員配置については、どうなっているのか伺います。  以上、1回目です。 66 ◯子ども未来局長(安本一憲君) 初めに、新制度における現状と対策に関する5点の御質問にお答えします。  まず、子ども・子育て支援新制度における市の保育の実施義務についてですが、新制度の施行に合わせ改正された児童福祉法では、市は児童が保育を必要とする場合、保育所において保育する義務を負うこと、また認定こども園やその他の保育施設等により、保育を確保するための措置を講じなければならないことを規定しております。これらの規定により、市は地域の実情に応じて、保育所やその他の保育施設等を組み合わせ、地域の保育需要に対応する義務を負っております。このため、新制度の施行後も、市にはこれまでと同様、保育に関する責任があるものと考えております。  次に、認定こども園への移行がプランどおりに進んでいないことについてですが、本年4月時点で、市内の認定こども園は101施設であり、計画で目標としている117施設には達しておりません。これは計画策定時から、引き続き他園の動向や、地域の保育需要の状況などを見ながら、移行を検討している私立園が複数あるためでございます。  一方、幼保連携型認定こども園の数は、平成30年5月時点で、公私立の合計で、政令指定都市の中で3番目に多い数となっております。これは新制度の施行に合わせ、いち早く全ての市立園をこども園へ移行させるなど、認定こども園の普及に力を入れてきた結果だと考えております。  今後も、移行を希望する園に対し、周辺の保育需要に関して情報提供するなど、丁寧な支援を行い、認定こども園の普及に努めてまいります。  次に、認可外保育施設の必要性についてですが、認可外保育施設は、休日や夜間における保育のほか、英語の教育など特色あるサービスを提供しており、多様な保護者のニーズの受け皿としての役割を果たしているものと考えております。  なお、認可外保育施設に対しては、今後も年1回実施する立ち入り調査において、保育内容や職員の配置状況などを指導監督基準に基づき確認、指導し、引き続き子供の安全及び保育の質の確保を図ってまいります。  次に、保育所等を利用できなかった児童についてですが、待機児童の問題は、首都圏を中心に依然として解決していない中、本市では、認定こども園の普及促進や施設整備による定員拡大、保護者に寄り添った丁寧な利用調整などにより、本年4月時点で、2年連続待機児童ゼロを達成いたしました。  一方、待機児童には含まれないものの、保育所等を利用できなかった児童は153人で、その年齢構成は、1歳児が82人と最も多く、以下、2歳児が39人、ゼロ歳児が20人、3歳児が10人、4歳児が2人でした。また、特定の保育所等を申し込みされた児童120人が第1希望とした施設は64施設あり、自宅から最も近い園や、保護者の希望する教育・保育を受けられる園を申し込み先とするなどの傾向が見られました。  次に、保育所等を利用できなかった児童に対する今後の対策についてですが、令和元年度も、引き続き施設整備により105人分の保育定員の拡大を進めるとともに、これまで確保してきた定員を有効に活用し、丁寧な利用調整を行っていくことで利用につなげていきたいと考えております。  また、令和2年度から始まる子ども・子育ての次期プランの策定に向け、保育の量を適切に見込み、必要な保育定員の確保等の対策を進めてまいります。  続きまして、幼児教育の無償化に関する2点の御質問にお答えします。  初めに、無償化によって生まれる財源とその活用についてですが、まず財源は、保育料の独自軽減に係る市の負担がなくなること、幼稚園に係る市の負担割合が引き下げられること、さらには本年度に限り、地方が負担する経費を全額国費で賄われることから、その額を約11億2,400万円と見込んでおります。  次に、その活用についてですが、国の方針を踏まえ、地域における子育て支援のさらなる充実や、次世代へのつけ回しの軽減などを念頭に、有益に活用してまいりたいと考えております。  次に、無償化に伴い、必要となる手続とその周知方法についてですが、まず手続については、幼稚園及び認可外保育施設の無償化の対象となる利用者は給付の認定を、また、その利用施設は給付対象施設としての確認を受けていただく必要がございます。  次に、その周知方法についてですが、小学校就学前の子供がいる全ての世帯に対して、制度や認定等に必要な手続についてのお知らせを7月に送付いたします。あわせて、市ホームページや広報紙に掲載し、広く市民の皆様に周知してまいります。また施設に対しては、既に6月より説明会を開催し、順次制度の周知を図っているところでございます。  このように、幼児教育・保育の無償化は、多くの子育て中の市民が対象となりますので、制度や認定等の手続について、丁寧な周知に努めてまいります。  続きまして、保育士等処遇改善に関する6点の御質問にお答えします。  まず、私立保育所などで働く保育士と全業種との平均賃金の差についてですが、市内の私立保育所などの保育士等の給与については、市で独自に調査を行っておりますが、全業種の平均賃金は国の調査であり、算定に含める給与の項目や対象としている職員の勤務時間等が異なるため、比較はできません。  次に、国の給付費及びそれに含まれる処遇改善についてですが、まず給付費については、子供1人当たりの教育・保育に通常要する費用の額として、国が定める公定価格をもとに、利用する子供の数に応じて算定し、平成30年度は、市内の私立園139園に対して約121億4,200万円を給付いたしました。  次に、この給付費に含まれる処遇改善費は、職員の技能や経験年数に応じて算定し、30年度のその額は約8億9,200万円で、加算の算定対象となっている職員数は2,423人です。  次に、処遇改善のための本市の補助金とその額についてですが、本市では私立保育所等に対して、国の処遇改善費に加え、保育士等の給与改善を推進するための市独自の補助を行っております。この補助は、職員の経験年数に応じて算定し、平成30年度は約7億6,300万円を交付いたしました。  次に、市立こども園の保育教諭の人数と、正規職員と非常勤職員の職務・職責の違いについてですが、まず保育教諭の人数は、平成27年4月1日時点の正規職員が604人、非常勤職員が332人、臨時及びパートタイム職員が412人、合計1,348人です。また本年4月1日時点の正規職員は628人、非常勤職員は181人、臨時及びパートタイム職員は432人、合計1,241人です。  次に、職務、職責の違いについてですが、正規職員は、主たるクラス担任として、指導計画の作成、運動会や園内保育といった行事の企画立案、保護者の対応など、重要な判断を要する業務を担っています。一方、非常勤職員は、クラス担任として早番や遅番、土曜勤務などの勤務シフトに入ることはありますが、基本的には正規職員のサポート的な業務を担っております。  次に、国の配置基準と市独自の配置基準の考え方についてですが、国の配置基準は、昭和23年に制定され、保育所における子供の発達検査や行動観察、保育者の疲労度調査などの研究や、中央児童福祉審議会からの意見具申をもとに、直近では平成10年の改正により、現在の配置基準となっております。  次に、本市の配置基準については、国と同じ基準としておりますが、運用として満1歳の子供に対し、市立こども園の保育教諭については、行き届いた保育や職員の負担軽減を考慮し、基準の6対1を4対1にして、職員を手厚く配置しております。また私立園についても、同様の職員配置ができるよう補助を行い、市全体における保育の質の向上に努めております。  最後に、アレルギー児等の特別食や離乳食への対応に係る職員配置についてですが、市立こども園においては、在園する各年齢の子供の人数に応じて調理員の配置を決めており、特に離乳食の対応が必要となるゼロ歳の子供の人数によって、手厚い配置となるようにしております。さらにアレルギーを持つ子供についても、アレルギーの状況と人数に応じて調理員を増員しております。また私立園の職員配置についても、アレルギー児の特別食や離乳食に対し、市立園と同様に調理員の増員ができるよう、必要な経費を補助しております。   〔12番杉本 護君登壇〕 67 ◯12番(杉本 護君) 2回目です。質問を続けます。  児童福祉法改正の考え方ですが、先ほど「地域の保育需要に対応する義務を負っています」と答弁されました。それは、第24条第3項で、「保育の需要を満たすだけの定員が確保できない場合に自治体が利用調整をする」となっています。この条文があるからではないかと思うのですが、将来保育の需要を満たす定員が確保された場合、それでも市は利用調整を続けていくのかを伺います。  次に、公立園の役割についてです。1回目の質問で、保育所などを利用できなかった児童のほとんどが、ゼロ歳から2歳児で、自宅から最も近い園を希望したという傾向がありました。また、幼稚園が認定こども園になっても、ゼロ歳から2歳の3号認定の定員は、別の資料ですけれども、余りふえていません。公立園も同じような傾向で、そうしたもとで、ゼロ歳から2歳までしか預かれないような小規模保育施設が急増しています。認可外保育施設の問題も先ほど指摘しましたが、静岡市が本気で子供を大切にするなら、市立の認定こども園を保育ニーズに応えた施設として充実させるべきだと思います。さらに、年度の途中でも保育ニーズに応えるならば、常にあきをつくっておく必要があり、採算を考えれば、公立園でなければできないのではないでしょうか。  改めてお聞きします。静岡市立こども園の配置適正化方針に基づく取り組みは、地域における公立園の役割を後退させるものであり、民営化、統廃合の計画は中止すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。  次に、無償化に伴う新たな財源の存在がはっきりしました。先ほどの答弁で明らかなように、国や市は、保育士の賃金引き上げにさまざまな補助を行っていますが、それでも現在、平均10万円ぐらい低いという状況が実態です。保育士が経験と研修を積んで保育の質を高めていくことが、子供たちを大切にすることであります。そのためにも、仕事に見合った賃金へ引き上げていくことが必要です。  そこで質問しますが、無償化によって生まれる財源を活用して、賃金改善の取り組みに充てるべきだと私は考えますが、市はどのように考えているのか伺います。  次に、保育士等の配置基準についてです。この実態を顧みないような配置基準が、保育士の低賃金と長時間労働につながり、無報酬の持ち帰り仕事も常態化させ、保育士不足の大きな要因となっています。そして、行き届いた幼児教育・保育の妨げにもなるばかりか、災害時などに子供たちの命を守ることも危うくしています。  そこで質問です。国に対して、配置基準の見直しの要望をする考えはないのか、また、1歳児を静岡市は4対1にしていますが、このような市独自の配置基準の見直しの考えはないのか伺います。  以上、2回目です。 68 ◯子ども未来局長(安本一憲君) 初めに、新制度における現状と対策に関する2点の御質問にお答えします。  まず、保育の需要を満たす定員が確保された場合の利用調整についてですが、児童福祉法では、保育の需要に対し定員が不足すると見込まれる場合には、市町村が利用調整を行うこととされております。ただし附則で、この規定にかかわらず、当分の間、市町村が利用調整を行うこととされていることから、定員が確保された場合でも、市が利用調整を行うことになります。  次に、市立こども園の配置適正化方針に基づく、民営化や統廃合についてですが、幼児期の教育・保育の分野では、これまでも民間の園において、市との協力のもと、質の高い教育・保育の提供がなされています。一方、市立園は、民間だけでは対応が難しいニーズに積極的に対応し、民間の取り組みを支援、推進してまいりました。こうした市立園が果たしてきた役割を踏まえ、配置適正化方針に基づく民営化や統廃合は、一定数の市立園をバランスよく残しつつ、民間活力を活用し、老朽化した市立こども園の解消や多様化する子ども・子育て支援のニーズに対応していこうとするものであり、必要な取り組みであると認識しております。  続きまして、保育士等処遇改善に関する2点の御質問にお答えします。  まず、無償化によって生まれる財源を活用した賃金改善についてですが、先ほど答弁したとおり、無償化によって生まれる財源については、国の方針を踏まえ、地域における子育て支援のさらなる充実など、有益に活用してまいりたいと考えております。  なお、保育士等の処遇改善については、本来、国が責任を持って行うべきものと考えておりますが、本市においては、国の処遇改善の上乗せとして、市独自の処遇改善を継続的に実施しており、本年度も処遇改善に努めてまいります。  最後に、国への配置基準の見直し要望や、市独自の配置基準の見直しについてですが、まず、国への配置基準の見直し要望については、これまでも、21大都市児童福祉主管課長会として、国に対し、全ての子供の健やかな育ちの支援ができるよう、職員配置の充実に向けた基準の改善及び必要な財政措置が図られるよう要望を行っております。  次に、市独自の配置基準の見直しについてですが、今後も現状の国基準より手厚い市独自の配置基準の運用を維持し、職員の負担軽減に配慮しつつ、子供一人一人に目が行き届いた質の高い教育・保育の提供に努めてまいります。   〔12番杉本 護君登壇〕 69 ◯12番(杉本 護君) 3回目は意見・要望です。  最初に、先ほど「利用調整は当分の間はやります」とおっしゃいました。だとすると、その当分の間はいつまでかということがすぐに心配になるわけですが、静岡市はこの法律の中でも、市の責任をきちっと果たしてやっていっていただきたいと思います。  それで、きょうは幼児教育の無償化の問題についてちょっと話をしました。ことし10月から無償化になるわけですが、この無償化については、例えば給食費の有料化、ゼロ歳児から2歳児は住民税非課税世帯が対象となる、そして財源は10月からの消費税10%増税分としている、こういう大きな問題を抱えています。  我が日本共産党は、全ての幼児を対象にした無償化を行い、保育士の賃金は国の責任で1人月5万円の賃上げ、必要な財源は、大企業や富裕層がその能力に見合った税負担をする、そのことで生み出すことができると提案しています。そうしてこそ、無償化による低所得者への真の子育て支援になります。本市もぜひそういった立場に立っていただきたいと思います。  次に、静岡市の支援プランの理念は「静岡市は子供を大切にします」となっています。これは支援プランの冒頭で、田辺市長もお子さんの「100センチの目線から物事を考える」と書いてありました。そうした中で、「認定こども園は親の就労状況に関係なく園を変えなくても済みますということが最大の利点だ」と言っています。ところが実態は、保育園から認定こども園は、やはり保育園のまま。 70 ◯副議長(亀澤敏之君) あと1分です。 71 ◯12番(杉本 護君)(続) 幼稚園から認定こども園は、やはり幼稚園のままの体制になっているのが現実だと思うんです、現状の1号、2号、3号を見ますと。そういう意味では、これは言葉だけではなくて、本当にそういうふうにするならば、きちっとその中身の運用をやっていく必要があると思います。  保育士さんの話を聞くと、4時間見る1号と11時間見る2号、どうやって1つの園の中で統一した教育をするのか、非常に困っているという話があり、きょうのテーマは保育士の処遇改善もありました。ぜひ市の財源なども使って、今の保育士の処遇改善と賃金アップをやっていただきたい。まちづくりの観点から考えれば、私は小学校区単位に保育園があると、そして近所の保育園に入れる、これが地域で子育てをすることだと思っていますから、ぜひそういった観点で、統廃合はやめていただきたい、以上です。 72 ◯副議長(亀澤敏之君) この際、暫時休憩といたします。         午後2時35分休憩    ───────────────────         午後2時55分再開 73 ◯議長(遠藤裕孝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、望月賢一郎君。   〔1番望月賢一郎君登壇〕 74 ◯1番(望月賢一郎君) 日本共産党の望月賢一郎です。  まず最初に、生涯学習施設について伺います。  田辺市長は、ことし2月1日の定例記者会見において、2月議会に提出予定であった利用方法の一元化に関する条例改正案の提出を当分の間延期し、よりよい利用方法について再検討するよう担当課に指示をしたとのことです。この利用方法の再検討に際しては、予約方法の一元化のための再検討ということが当然含まれてくると思います。ところが現在、旧清水を中心にした生涯学習交流館と、旧静岡の生涯学習センターの予約制度は、大きく異なっております。  そこで、最初の質問ですが、現在の生涯学習交流館と生涯学習センターにおける、8条認定団体、9条認定団体の予約方法は、それぞれどうなっているのかをお伺いいたします。  これに関連してもう一つ伺います。  清水区生涯学習交流館の指定管理者である清水区生涯学習交流館運営協議会についてです。この運営協議会が8条認定団体、9条認定団体の団体認定時に提出させている書類で、市の要綱で定められたもの以外のものを利用団体に提出させているのではないでしょうか。この点について答弁を求めます。  次に、中央卸売市場について伺います。  昭和51年に中央卸売市場が開設してから43年になります。この間、市場を取り巻く経済情勢は大きく変化を遂げたと思いますが、今日において、静岡市が市場を開設している意義をどう捉えているのか、改めてお答えください。  続いて、サクラエビの不漁対策について伺います。  近年のサクラエビ漁が大変な不漁であることは御承知のとおりです。昨年の秋漁は休漁となり、ことしの春漁も漁期の途中で操業を切り上げるという事態に至っております。今回、静岡市として補正予算で対策を取りまとめたわけですが、近年のサクラエビ漁の状況がどうなっているのか伺っておきたいと思います。  これに関連して、しずまえ鮮魚普及事業についても伺っておきます。静岡市の沿岸海域では、シラスやサクラエビ以外にも、多種多様な魚が水揚げされていると思います。サクラエビの絶対量が不足している以上、こうした魚を利用していかなければならないということになると思います。  そこで質問ですが、シラスやサクラエビ以外の静岡市の沿岸漁業における漁獲量と主な魚種は何かを伺います。  以上、1回目の質問です。   〔1番望月賢一郎君質問席へ移動〕 75 ◯市民局長(深澤俊昭君) 生涯学習施設についての2点の御質問にお答えします。
     最初に、現在の生涯学習交流館と生涯学習センターにおける8条認定団体、9条認定団体の予約方法がどのようになっているのかについてですが、まず、8条認定団体、9条認定団体について御説明します。  静岡市生涯学習施設条例に基づき、生涯学習交流館と生涯学習センターを利用し、生涯学習を行う団体を8条認定団体として認定するとともに、8条認定団体のうち、生涯学習交流館で継続的に活動する団体を9条認定団体として認定しております。  予約方法につきましては、同条例の施行規則において、施設種類ごとに利用団体区分により申請開始時期が定められていますが、利用希望の多い部屋への申請の集中による申請開始日の混乱が想定されるため、その想定される利用団体区分ごとに、いずれの施設でも利用許可申請の受け付け開始日前に申請の調整を行っております。  調整の方法は、清水区生涯学習交流館では、前年度の1月から2月ごろに、次年度の各団体の活動計画表をもとに、各施設において申請の調整を行い、生涯学習センターでは、生涯学習施設予約システムによる抽せんを行っております。  次に、8条認定団体及び9条認定団体の認定の申請時に提出させている書類についてですが、指定管理者からは、要綱で定められている書類とあわせて、任意で会員名簿を提出していただいていると説明を受けています。 76 ◯経済局長(池田文信君) 静岡市が中央卸売市場を開設している意義についてですが、市場があることで、生産者は販売や代金回収の心配をすることがなく生産に専念でき、小売業者は市場から全国各地の商品を必要なだけ仕入れ、販売ができます。そして消費者は、品質管理された安全・安心な商品を地元の小売店などで、いつでも安定的に購入できます。このように市場は、生産者や小売業者はもとより、消費者にとっても、大切な生鮮食料品の流通拠点であり、市民生活を支える重要な施設と考えています。 77 ◯農林水産統括監(草分與志君) 初めに、近年のサクラエビ漁の状況についてですが、サクラエビ漁の漁獲量は、この10年間では、平成24年の1,358トンをピークに減少傾向にあり、30年の春漁は312トン、秋漁は全面禁漁となりました。  この状況を受け、本年の春漁は、漁業者が禁漁区を設けるなど厳しい自主規制の中で行われましたが、産卵間近の親エビの割合が増加したことから、操業予定期間を前倒しし、5月31日を最後に打ち切り、漁獲量は85.3トンでした。  次に、シラスやサクラエビ以外の沿岸漁業における漁獲量と主な魚種についてですが、平成30年の漁獲量は372.4トンでした。主な魚種は、イワシ、ブリ、カマス、アジ、タチウオ、マダイ、サバ、ヒラメなどで、多様な魚種が漁獲されています。 78 ◯1番(望月賢一郎君) これより、一問一答に入ります。  まず、生涯学習施設の利用方法の見直しについてです。  今回、予約方法に限って聞いたわけですが、失礼ですが、市民局長の説明が余りよくわからない説明でした。要約すると、清水の交流館のほうは、前年の12月に各利用団体の年間活動計画が出されて、これに基づいて、翌年1月から2月の間に交流館が調整して、各利用団体に翌年度4月からの1年間の決まった時間と会場が割り振られると。一方、旧静岡の交流センターの場合は、使用3カ月前に機械抽せんを行って、使用時間と会場が決まると。したがいまして、センターの場合は毎月抽せんが行われるということになります。  清水の利用者にとっては、現在の方法は、年間決まった時間と場所が確保でき、申し込みも年末に活動計画を1回出せばよいということで、非常に使いやすいわけです。ほかの利用団体と、会場や時間の希望がバッティングすることはありますが、これは館のほうで、ある程度、団体の活動内容がわかっているわけですから、不満が出ないように調整することになっているそうです。  一方、交流センターのほうですが、こちらは3カ月先の予約を毎月申し込んで、毎月抽せんになります。ですから、毎月、日程、会場などが変わるということになります。ですが、センター利用者の皆さん、抽せんに当たった場合はいいわけですが、外れることもあるということで、この方法が一番公平でいいと考えているわけです。  こうした全く違う予約制度になっている。そして利用者の意識も全く違うわけです。この予約制度も一元化の方向で検討しているのかお答えください。 79 ◯市民局長(深澤俊昭君) 予約方法の見直しにつきましては、現在検討しているところでありまして、その内容については、現時点では未定です。それぞれの施設の利用の実情を踏まえて、利用しやすい方法を検討してまいります。 80 ◯1番(望月賢一郎君) 現時点では未定ということです。  今回の交流館と交流センターの利用方法の一元化、3つの目的があったということだったと思います。1つは利用方法の一元化。2つ目は施設を維持するための利用者の負担。そして3つ目がまちづくりの拠点としての機能、こういうことでした。  この利用方法の中でも、最も重要と言ってもいい予約制度、これにセンターと交流館では大きな違いがあるわけです。逆の立場で言うと、これをやらなければ一元化とは言えないということにもなるわけです。  一方で、どちらかに合わせる、あるいは両方の折衷案をつくるにせよ、現状からは大きくかけ離れた制度にならざるを得ないということが言えると思います。これを無理に進めれば、それぞれの利用者から不満の声が出る、それぞれの生涯学習活動に大きな支障となるものになるのではないか、いかがですか。 81 ◯市民局長(深澤俊昭君) 予約方法につきましては、平成30年度に実施しました利用者の皆さんへの説明会やパブリックコメントなどを通じ、さまざまな御意見をいただきました。令和元年度につきましても、生涯学習センターと交流館の利用者の皆さんに御意見をいただきながら、より利用しやすい仕組みについて検討してまいります。 82 ◯1番(望月賢一郎君) 引き続き検討をしていくということであります。  私は、昨年6月の本会議でこの問題を初めて取り上げてから、ちょうど1年になります。特に清水の利用団体の皆さんの活動を幾つも見させていただきました。利用者の皆さん、本当に熱心に活動をされています。地域の役に立ちたいという意欲もあります。こうした皆さんの活動を支え、意欲を酌み取っていくことが行政の役割ではないでしょうか。一元化の必要性が全く見えない中で、これを無理やり推し進めるのではなく、1市2制度のもとで、利用者や利用団体が使いやすい施設運営を行っていく、このことを行政に強く求めたいと思います。  ちなみに、清水の利用者団体連絡会の皆さんが集めていた有料化反対の署名。市長の記者会見以降、集めるのはとまっておりますが、ことしの1月末時点で1万2,000筆以上が集まっているということであります。この場で御紹介しておきます。  続いて、清水区生涯学習交流館運営協議会について伺います。  市の要綱に記載されていない会員名簿を提出させているということを市民局長、お認めになりました。任意ということですが、館のほうから提出しろと言われれば、利用団体の皆さん、出さざるを得ないのではないでしょうか。しかし、これだけ個人情報の扱いが厳しくなっている中、会員名簿を出させる意味があるのかは甚だ疑問です。どのような理由で要綱に定められたもの以外の書類を出させているのか伺います。 83 ◯市民局長(深澤俊昭君) 団体の会員名簿は、同一のグループが異なる団体名称を使って重複して認定申請する場合などもあることから、これを確認するために提出していただき、その後は各館の実情に応じて、指定管理者、または団体みずからが、事故等の緊急時の連絡用として管理していると指定管理者から説明を受けています。この取り扱いにつきましては、今後、指定管理者と協議する予定です。 84 ◯1番(望月賢一郎君) 同一グループが異なる団体名を名乗って重複して申請する場合と言いますが、先ほど言いましたように、清水の交流館の場合、利用団体の希望どおりの予約がほぼとれております。重複して出す意味がありません。また、緊急時の連絡用ということですが、各団体の役員名簿は交流館が持っているわけです。台風などのときに、役員に連絡して、あとはサークル内の連絡網で回してもらうというのが最も合理的な方法ではないでしょうか。そもそも、指定管理者である運営協議会にそんな権限はないはずです。この会員名簿の提出をやめさせるよう指導することを要望いたします。  次に、中央卸売市場についてです。  市場を開設している意義は、生産者、小売業者、消費者を支える重要な施設だということであります。  そこで伺いますが、この重要施設である中央卸売市場の取り扱い数量、青果部、水産物部のそれぞれ10年間の推移はどのようになっているのかお答えください。 85 ◯経済局長(池田文信君) 静岡市中央卸売市場の年間取り扱い数量は、昭和51年の開設以降、少しずつ増加していたものの、平成4年をピークに減少に転じました。この10年で見ても減少傾向は続いており、青果部においては、平成20年の13万5,171トンと比較して、30年は5万6,709トンと、約42%にまで減少しています。水産物部も平成20年の3万5,507トンと比較して、30年は2万4,945トンと、こちらも約70%に減少しています。 86 ◯1番(望月賢一郎君) ただいま、経済局長に答弁いただいた内容、これは皆さんのお手元に配布してあるグラフのとおりです。ごらんください。  このグラフを見ますと、青果部門の落ち込みが激しいことがわかります。経済局長にはこの10年間で答弁いただいたわけですが、特にこの直近の5年間で見ると、平成26年の12万トンが30年には5万6,000トンにまで、わずか5年間で半分に落ち込んでいます。この間、水産部門も減少していますが、減り方は青果に比べると緩やかです。  このように、青果部門の取り扱い数量の減少が著しいわけですが、この原因をどのように捉えているか、見解をお聞かせください。 87 ◯経済局長(池田文信君) 主に3つの要因が考えられます。  1つ目は、生産者である農業従事者が、高齢化などにより減少したことによる国内生産量そのものの減少が挙げられます。  2つ目は、市場外流通の増加です。昭和50年代は、市場を経由した流通が中心でしたが、現在は産直取引や契約栽培、直売所やネット通販など、市場を経由しない多様な流通が行われています。  3つ目は、単身世帯や高齢者世帯、共働き世帯の増加に伴い、外食や中食、加工食品等のニーズが高まったことによる最終消費の形態の多様化に、市場が対応しきれていないことと考えております。 88 ◯1番(望月賢一郎君) 今、3つの要因ということで御答弁いただきました。  しかし今、経済局長がおっしゃった3つの要因というのは、水産部門にも当てはまることです。漁業者の高齢化、流通の多様化など、これは水産部門にも当てはまることで、青果部の特徴とは言えないと思います。  この間、青果部門と水産部門の大きな違い、これは何かといいますと、平成25年に青果の卸会社2社が合併して1つになっていることが挙げられます。先ほどのグラフを見ますと、卸会社合併翌年の平成26年には、取り扱い数量は若干上がっております。しかし、その翌年の27年からは一気に落ち込んでいる。この卸会社の合併が、取り扱い数量の急激な減少要因の1つとは考えられないでしょうか。見解を伺います。 89 ◯経済局長(池田文信君) 当市場の青果部の卸売業者は、市場を取り巻く環境の変化に対応し、経営力の強化を図るために合併したと伺っています。  取り扱い数量の減少の理由については、先ほど3つの要因を申し上げたところですが、卸売業者には、今後も経営力を一層高め、消費者に安全・安心な生鮮食料品を安定的に提供する役割を果たしてくれることを期待しています。 90 ◯1番(望月賢一郎君) ただいま、経済局長が御答弁されましたけれども、私は卸会社が合併した理由を聞いているわけじゃないんです。この合併が市場の取り扱い数量が減少している要因の1つになったのではないかと、こういう聞き方をしているわけです。因果関係がわからないならわからないと、そういうふうにお答えいただきたいと思います。この合併した卸会社に期待を寄せているのは結構ですが、卸が1社しかないことに対するデメリットというものを、静岡市は開設者としてよく認識する必要があると思います。  実は、私は昭和60年代、当時は静清中央卸売市場と言っていましたが、その水産の仲卸におりました。仲卸にとっては、卸会社と言いますけれども、これは市場の中では仲卸と区別するために、荷受けと言っております。この荷受けが2社あるということによって、商品の選択の幅というものが非常に広がるわけです。商品の品質、価格、それに付随するサービスなど、荷受けが複数あれば、1社が気に入らなくてももう一社ある。よく言われる競争原理が働くということです。  一方で、荷受けが1社しかない場合を考えると、非常に商売がやりづらいということになります。5月4日に静岡いちばSDGsプロジェクトという会合がありました。卸会社を除く静岡市場青果部の関係者26人が参加されたということです。ここでは、卸会社が1社しかないことに対する不満の声が多数の参加者から上がっております。一方で、現状は卸は1社しかないわけですから、この中で取り扱い数量の減少への対策を行っていくことにならざるを得ないわけです。  今後、卸1社体制のもとで、この対策にどのように取り組もうとしているのかをお聞かせください。 91 ◯経済局長(池田文信君) 平成30年度に卸や仲卸などの市場関係事業者のほか、出荷者や消費者団体などとともに、静岡市中央卸売市場経営展望を策定いたしました。この展望に基づき、市は開設者として、出荷者が利用しやすい市場となるよう、市場内の荷物の動線の見直しなどを図り、卸と仲卸は新たな出荷者の開拓に取り組むなど、取り扱い数量の増加に努めてまいります。 92 ◯1番(望月賢一郎君) 卸、仲卸が協力して、新たな出荷者の開拓に取り組むということで、ぜひとも頑張っていただきたいという思いです。  一方、卸は1社しかないわけですから、市場の公平性を維持していくということも重要だと思います。今回は聞きませんけれども、市場における公正性というのは、非常に重要です。先ほども述べましたが、卸会社が複数あれば競争があって、公平性はある程度システム上は担保されるわけです。しかし、卸が1社になると話は違ってきます。1社が気に入らないからといって、ほかの選択肢がないわけです。この点では、卸会社の自覚と開設者である静岡市の姿勢が大事になってくると思います。この点については、今後もこの議会で取り上げてまいりたいと思います。  いずれにしても、5年間で取り扱い数量が半分以下と、異常とも言える事態で最も困っているのは、市内の八百屋さんを初めとした小売業者です。先ほどのいちばSDGsプロジェクトの会合でも、荷物が少ないという意見が圧倒的でした。これは、ひいては市民の食にかかわる問題でもあります。市当局にはこの点を十分認識していただいて、今後の対策に当たっていただきたいと思います。  次に、サクラエビの不漁対策ですが、先ほど農林水産統括監の答弁にもありましたけれども、サクラエビの現状については、以前同じ業界にいた者としても、どうしてこうなってしまったのかという思いです。  そこで質問ですが、今回提案されております由比蒲原沿岸漁場環境調査、この目的・内容はどのようなものか、また調査結果はいつわかるのか、お伺いしたいと思います。 93 ◯農林水産統括監(草分與志君) サクラエビの不漁により、漁業者は厳しい経営状態が続いております。そこで本市としては、操業の多様化や漁場回復の取り組みを漁業者と検討していくための基礎的情報を集め、沿岸漁場の持続性を確保することを目的に調査を行います。調査内容は、海底地形、水質や海底堆積物の状況、魚種の分布状況です。結果については、令和2年2月末までにまとめる予定です。 94 ◯1番(望月賢一郎君) 私は水産業界にいたときから、余りにサクラエビとシラスに偏った市内漁業の現状は、非常に問題があるという認識を持っておりました。その点で、今回の調査が操業の多様化が目的の1つとして行われることは、市内の漁業、水産業にとっても、大変重要だと思います。  そして、もう一点、行政ができることとして、「しずまえ鮮魚」の普及ということがあると思います。先ほどの答弁で、シラス、サクラエビ以外の沿岸漁業の水揚げ量は372トンということでしたが、これは魚種が多いことなどから統計漏れがかなりあるのではないかと思います。  いずれにしても、こうした「しずまえ」の活用の動きは、既に民間では一部始まっています。清水駅前銀座商店街のある居酒屋さんですが、最近店をリニューアルすると同時に、「しずまえ」を中心にしたすし店に営業形態を変えたということです。先日訪問して、店主さんに話を伺いました。「平日もほぼ満席で週末は本当に忙しい。以前の居酒屋のときよりも食材の回転もよい」とのことです。こうした民間の動きに、行政もぜひとも呼応していく必要があると思います。  そこで、最後に伺いますが、しずまえ鮮魚普及事業の取り組み及び今後の方策についてお答えいただきたいと思います。 95 ◯農林水産統括監(草分與志君) 「しずまえ」を地域ブランドとして確立するため、市内の全ての小中学生向けにしずまえ新聞を発行したり、しずまえ・オクシズまつり等のイベントを開催するなど、年間50回を超えるPR事業を実施しています。  また、市内の飲食店、小売店など、約450店舗に協力いただき、店頭にしずまえ鮮魚取扱店の木札を掲げてPRをしています。  さらに、焼津市、牧之原市、御前崎市、吉田町との連携事業により、山梨県や首都圏でのイベント出展など、PR活動に取り組んできました。  今後は、これまでの活動に加え、山梨県や首都圏の皆様に、実際に「しずまえ」に来てもらい、「しずまえ」を満喫していただく体験ツアーなども検討してまいります。 96 ◯1番(望月賢一郎君) 質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 97 ◯議長(遠藤裕孝君) 次に、寺尾 昭君。   〔24番寺尾 昭君登壇〕 98 ◯24番(寺尾 昭君) ことしも梅雨の時期を迎えております。地震が来たり、ゆうべは大変な雨も降ったわけでありますけれども、近年の異常とも言える集中豪雨は、各地に予測できない大きな被害を与えております。私は、この大きな災害を未然に防止する観点から、集中豪雨・雨期対策について、まず第1点、お伺いいたします。  まず、河川にかかわる対策ということであります。  河川法は、河川を一級、二級、準用、普通とそれぞれ区分けをいたしまして、河川の上流部分、支流部分、または権限移譲により管理権限が弾力的になっている部分はありますけれども、河川の管理者を国、都道府県、市町村と定めております。それぞれの河川には、降雨確率というものがありまして、5年とか10年とか50年とかに1回降る大雨というようなことで、そういう確率です。その基準に基づいて管理が行われているわけです。近年の大雨やゲリラ豪雨と言われる現象に、従来の基準が適応できていないこともあるのではないかと思われます。  そこで、質問です、各河川における降雨確率に対する対策をどのような基準で定めているのか、まず第1に伺います。  第2に、出水期を前にして、今どのような取り組みをしているのかあわせてお伺いいたします。  河川は、起点と終点が幾つかの自治体を経由している場合も少なくありません。国、県、市はもちろんのこと、1つの自治体内でさまざまな部門が連携して対策を進めることも必要であります。  そこで、河川管理をしていく中で、どのような部署と連携して進めているか、この点についてお伺いいたします。  次に、道路に係る対策についてお伺いいたします。  集中豪雨の際は、多くの道路冠水箇所が発生してくるわけですが、当然交通上の支障が出てきます。車がその箇所に巻き込まれることもよくあるわけです。近年における道路の冠水により、市が通行どめを行った回数と主な場所はどういうところがあるのか、それについてお示しください。  次に、急傾斜地崩壊対策事業というものがあります。急傾斜地崩壊対策施設そのものは、大変堅固な構造になっているのは御承知のとおりです。これが破壊されるということは、めったにないわけでありますが、最近の豪雨被害のニュースでは、土石流が砂防堰堤を乗り越えていってしまうと、下り落ちてくるということや、大きな石がフェンスを乗り越えて、突き破って落ちてくることもあるわけです。施設そのものは健全であっても、その擁壁の裏側の土が流れてしまうこともあるわけです。日ごろの点検と維持管理が重要だということは言うまでもないわけですが、そこで、雨期前という時期の中で、急傾斜地崩壊対策施設の点検を行っているわけです。その点検の結果はどうであったのかということについてお伺いいたします。  急傾斜地崩壊対策の対象箇所、実は600カ所を超えているということであります。施設の整備は県の役割でありますが、問題は、対象箇所数に比べて、年度ごとの設置箇所が極めて少ないということであります。該当箇所の付近住民にとって、そういう意味では、あるところもないところも切実感は同じということになるわけですが、どうしてこれがはかばかしく進んでいないのか、この点についても、急傾斜地崩壊対策施設の現状についてお伺いしておきます。  次に、国民健康保険についてもお伺いしたいと思います。  社会保障としての国保制度をどう進めるかという立場から伺いますが、国保の運営主体が昨年度、御承知のように、これまでの市町村から都道府県に移ったということであります。その主な理由は、財布を大きくする、スケールメリットだということになっているわけですが、国保の財政難であえいでいる個々の市町村を寄せ集めたら財政難が解消されるのか、そういううまい話はないわけであります。  また、地方自治体からの強い要望もありまして、都道府県単位化に際し、国は国保加入者の負担軽減のために3,400億円を投入した。これは一定評価をされるわけですが、昨年度の決算状況がそのことによってどうなったのか。実はまだ決算は出ておりませんが、果たして加入者の負担軽減につながったのかどうなのか、ここが問題になるわけです。激変緩和の措置も導入されたわけでありますが、この保険料の急上昇を避けるのに、まずは精一杯というような状況だったのではないでしょうか。  一方で、医療費の給付削減、保険料納付率の向上、特定健診の受診率の向上などで市町村を競争させると、そういうところで成績のいいところには、今度は御褒美をあげるというような、そういう制度も今できているわけです。  しかし、市町村の判断で独自に行っていた法定外の繰り入れ、これはやめろということで、国も県も今言ってきているわけです。本市も残念ながら、今年度の予算に法定外繰り入れがついにゼロになってしまったということでありますが、これはやっぱり社会保障、健康で文化的な生活を保障することになるのか、疑問と言わざるを得ないわけであります。  そこで、国民健康保険法の第1条を改めて読んでみます。この法律は国民健康保険の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする、このようにうたわれております。これは旧国民健康保険法の第1条とは全く違うということになっております。改めて読みませんけれども。  そこで、現在の国民健康保険、この社会保障制度としての認識、これをお伺いいたします。  以上、1回目です。 99 ◯副市長(美濃部雄人君) 私からは、集中豪雨・雨期対策についての質問のうち、各河川における降雨確率に対する対策をどのような基準で定めているかについてお答えします。  河川は、議員指摘のとおり、その規模や重要度により、国、県、市管理に分けられています。本市において最も重要な河川である安倍川は、河口から中流域まで、国管理の一級河川に指定されています。国が管理する河川は、流域に対する影響が極めて大きいため、河川整備の基準となる安全に流すことのできる洪水は十分に検討され、計画を超える洪水の確率が極めて小さくなるように決定されています。  また、整備には多大な予算と時間を要することから、長期的な目標である河川整備基本方針と、おおむね30年間に行われる具体的な整備内容を定める河川整備計画の2つの目標が定められています。  安倍川の河川整備基本方針は、150年に1回発生すると想定される降雨で、12時間雨量を383ミリとし、駿河区手越地先で毎秒6,000立方メートルを安全に流すことを目標としています。河川整備計画では、50年に1回発生すると想定される降雨で、12時間雨量を268ミリとし、同地点で毎秒4,900立方メートルを流すことを目標としています。この流量は、昭和54年10月に観測された観測史上最大流量と同じです。  もう一点、安倍川で特筆すべきことは、源流部に日本三大崩れの1つである大谷崩れなど、大小の崩壊地を多く抱え、日本有数の急流河川でもあり、土砂流出が多く、河床の変動が激しいため、安倍川総合土砂管理計画を全国に先駆けて策定し、河床にたまった砂を計画的に除去するとともに、その砂を海岸浸食を防止する工事に活用しています。  一方、国管理区間の本線上流側及び支流の一級河川や、国直轄区間を流れず直接海に注ぐ二級河川は県が管理しており、国と同様に、河川整備基本方針と河川整備計画の2つの目標を定めております。  ここでは、巴川について説明します。河川整備基本方針は、50年に1回発生すると想定される降雨を対象にし、24時間雨量で326ミリを目標としています。河川整備計画では、10年に1回発生すると想定される降雨を対象にし、24時間雨量で271ミリを安全に流すことを目標としています。巴川は勾配が緩やかで、川を広げる対策のみでは、計画対象流量の毎秒1,070立方メートル全てを流すことが難しいため、麻機や大内の遊水池で232万立方メートルを貯留したり、流域から川に流れだす量を抑える雨水流出抑制対策で、86万立方メートルを貯留することにより、流量を2割削減し、毎秒850立方メートルとしております。さらに、大谷川放水路へ毎秒340立方メートルを分流することで、清水港橋における整備目標を毎秒510立方メートルとする河道改修が進められております。  最後に、市が管理する準用河川や普通河川においては、流域が小さく、5年から10年に1回発生すると想定される短時間の降雨を基準としております。治水上重要な点は、水系内の上下流でバランスを図りながら、各河川の重要度に見合った目標を定め、過度に特定の地域に被害が集中することのないよう配慮して事業を進めています。 100 ◯建設局長(松本 隆君) 私からは、集中豪雨・雨期対策についての5点の御質問にお答えします。  まず、出水期前の取り組みについてですが、護岸の亀裂による漏水、土砂の堆積、草木の繁茂、ごみの投棄による河道の閉塞などが、河川の氾濫原因となるため、これらを現地で確認する河川パトロールを実施し、異常を発見した箇所については、早急に対処しております。また排水ポンプなどの機械設備などは、その機能が良好に保たれるよう、定期点検にも取り組んでおります。  次に、どのような部署と連携し、進めているかについてですが、効果的な内水対策を図るため、静岡市浸水対策推進プランに基づく河川改修や、雨水貯留施設、排水ポンプなどの施設整備に加え、ハザードマップなどを活用した啓蒙活動を実施し、住民の防災意識の向上を目的とした対策を他部局と連携し、進めております。  また、国、県、市で組織する静岡地域大規模氾濫減災協議会では、安倍川の決壊を想定し、緊急時に閉鎖する陸閘の操作訓練など、国土交通省や建設業協会との連携を図っております。  次に、近年における道路の冠水により、市が通行どめを行った回数と主な場所についてですが、平成25年度には2回、1カ所、26年度は1回、52カ所、27年度は1回、3カ所、28年度は2回、2カ所、29年度は1回、39カ所、30年度は2回、3カ所の、冠水による通行規制を行っております。静岡県内を大型の台風が通過した平成26年度及び29年度で多くの冠水が発生し、特に、鉄道や道路の下を通過するアンダーパスにおいて通行規制を行っております。  次に、雨期前の急傾斜地崩壊対策施設点検における結果についてですが、急傾斜地崩壊対策施設の点検については、毎年梅雨に入る前から、静岡県急傾斜地パトロール実施要領に基づき、県と市による合同パトロール及び県の単独パトロールにおいて点検を実施しております。結果については、これまでに措置が必要となる異常が発見された事例はありませんでした。なお令和元年度については、現在点検を実施中であります。
     最後に、急傾斜地崩壊対策施設の現状についてですが、急傾斜地崩壊対策事業は、県が事業主体となって実施しております。県内全市町の平均整備率は35.3%、それに対し本市は46.3%となっております。これは県内の数値を11.0ポイント上回っている状況であります。なお令和元年度は、市内24カ所で急傾斜地崩壊対策工事を実施しており、これらが整備されますと、整備率は50.0%となる見込みであります。本事業を推進するためには、関係する地権者全ての同意を得る必要があり、交渉に時間を要することから、引き続き、県と連携して交渉に当たるなどの対応をしてまいります。 101 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 国民健康保険が社会保障制度との認識はあるかについてですが、我が国の社会保障制度は、公的扶助、社会福祉、社会保険、公衆衛生などで構成されており、その中の社会保険に当たる医療保険の1つとして、国民健康保険が位置づけられております。  国民健康保険は、相互扶助の観点から、加入者の保険料を基本としておりますが、国庫支出金や会社員等が加入する健康保険の保険者からの支援金などにより、保険料の負担軽減が図られております。   〔24番寺尾 昭君登壇〕 102 ◯24番(寺尾 昭君) 美濃部副市長と建設局長の説明はよくわかったのですが、保健福祉長寿局長の説明はよくわからないと受けとめております。もう少しはっきり言ってもらったほうがいいんじゃないかと思います。時間がないので余り言えないわけですけれども、この国民健康保険法の第1条をもう一度しっかり見ていただきたいと思います。  保険制度は、もちろんそういう手法で行っておりますけれども、これを明確に社会保障制度として成り立っているということでありますから、そこはもうちょっとはっきり、ひとつおっしゃっていただきたいと改めて思います。  これは、今の国民健康保険法の制定時、そのときにはあの有名な岸首相、今の安倍さんのおじいさんのようですけれども、岸首相が言っているんです、当時。社会保障制度をしっかり進めていくために、健康保険法を今度制定すると、こんなことも言っております。  次に、集中豪雨・雨期対策について伺ってきましたけれども、日常の対応も含めて、河川対策、道路対策、急傾斜地対策と、順を追ってお聞きしていきます。  集中的な豪雨があっても、できるだけ災害を出さないためには、堤防の整備、流路の確保など、ハード面での対策と、浸水プランの策定、あるいは普及啓発、避難指示など、ソフト対策も欠かせないわけであります。河川は延長が非常に長いものもあって、なかなか目が届かないという箇所もある。危険な箇所の点検にも、大変な側面もあるということです。  質問ですが、河川対策について、今後どのようなところに着目して対策を進めていくのか、あわせて伺っておきます。  道路対策について、道路の冠水の箇所、冠水による通行どめの箇所について答弁がありました。年によって、多少の違いがあるわけでありますが、しかし、冠水で通行どめにまでは至らなかったというところもかなりあるんじゃないかと思います。アンダーパスでは、ポンプの故障で、池になっているようなところもあったわけであります。  そこで、道路上の集水ますや側溝の維持管理上の問題点、その対応策はどのようになっているのか。アンダーパスの点検や維持管理状況はどのようになっているのか。この点についても伺っておきます。  急傾斜地崩壊対策施設の建設促進について、先ほど答弁がありました。50%に達するということでありますが、逆に言うと、まだ半分残っているということになるわけです。対象施設が300カ所以上あるということですから、今後あと5割の分を整備することになりますと、結構長い期間がかかってしまうことになります。ハード対策に加えてソフト対策も必要になってくる。  そこで質問ですが、急傾斜地崩壊対策施設の建設促進に向けて、どう今後進めていくのか伺います。  国民健康保険の関係です。基金が61億円まだあるということです。まずこの基金の活用方針について伺っていきます。そして社会保障制度として、残念ながら現在機能していない側面がある。国保料の軽減、抜本的な改善が必要です。全国知事会が国保財政への1兆円の投入を国に要望しておりますし、田辺市長もその一員であります政令市長会でも同様の要望をしております。この負担軽減策について、全国知事会や政令市長会がさらなる公費の投入を国に要望しておりますが、どのような現状認識のもとで要望したのか、この点についても見解を伺っておきます。  国保料を算出する方法には、所得割、平等割、均等割という計算方法があります。これがなかなか、国保料を引き上げる要因になっているということです。この保険料算出方法の1つである均等割、これが低所得者への重い負担になっていないだろうか。この点についてもお伺いしておきます。  昨年の第3回国保運営協議会の資料によりますと、最短で平成36年というから、令和でいうと6年度ですか、県内統一の保険料率になる可能性をこの中で示唆しております。平成35年度に1人当たりの実際の保険料額が、必要保険料額となるように保険料を段階的に引き上げる、このようにも言っております。 103 ◯議長(遠藤裕孝君) あと1分です。 104 ◯24番(寺尾 昭君) そこで、現在の国保制度のもとでは、国保料の値上げが避けられないのか。いや、避けられると私は思っているのですが、今後の見通しを伺っておきます。  時間がなくなりましたけれども、国費の投入について、市としてもぜひ要望していってほしい。そしてまた、市としても国保料引き下げのために、国の指導に唯々諾々と従っておりますが、国も市も対等であります。独自の法定外繰り入れ、しっかり独自に判断してやっていただきたい。そして重い負担の要因となっている均等割、平等割を廃止するよう要望するとともに、当面、これら応益割、応能割比率を改善していってほしいと要望して終わります。 105 ◯建設局長(松本 隆君) 集中豪雨・雨期対策についての3点の御質問にお答えします。  今後、河川の対策について、どのようなことに着目するかについてですが、今後も静岡市浸水対策推進プランによる施設整備を着実に推進するとともに、地元要望に対してもきめ細やかに対応してまいります。  また、河川パトロールなどによる日常的な点検とあわせ、施設長寿命化に関する国の補助制度などを活用し、河川維持管理計画に基づく整備も積極的に推進し、予防保全に努めていきたいと考えております。  次に、道路上の集水ますや側溝の維持管理上の問題点とその対応策についてですが、集水ますや道路側溝などの排水施設は、内部に土砂やごみなどが堆積することで発生する排水不良が問題となっております。日常的な維持管理として、道路の状況を確認するパトロールや、台風などの大雨が予想される前に、排水不良が発生しやすい箇所の点検を行い、堆積物などを除去する対策を実施しております。  また、梅雨前に市民の皆さんにより側溝清掃を実施していただいている地区もあります。  次に、アンダーパスの点検や維持管理の状況についてですが、建設局が管理する16カ所のアンダーパスでは、急な豪雨時にも確実に機能するよう、排水ポンプの点検を定期的に実施しております。また全てのアンダーパスにおいて、冠水監視システムの設置が完了し、令和元年度からは冠水の発生や排水ポンプなど、設備の状態が確認できるようになり、迅速な対応が可能となりました。さらに、道路利用者が目で見て冠水状況を判断できるように、路面や壁面に冠水状況がわかる塗装も施しております。今後も安心・安全な交通を確保するため、道路施設の適正な維持管理に努めてまいります。  最後に、今後、急傾斜地崩壊対策施設の建設促進に向けてどう進めるかについてですが、平成30年11月定例会にて答弁しましたとおり、急傾斜地崩壊危険区域指定のための測量や地元説明会に同席するなど、円滑な事業促進のために、県と連携した取り組みを行ってまいります。  さらに、本市では、土砂災害警戒区域に指定された区域における避難体制の整備及び建築物の新築時等における構造制限や、住民へのハザードマップの配布による危険箇所の周知及び防災メールによる避難情報の配信などのソフト対策も実施しております。 106 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) まず、今後の基金の活用方針についてですが、平成30年度静岡市国民健康保険運営協議会の中で御説明させていただきましたが、今後、県と市町の協議の中で決定される保険料水準統一前までは、保険料負担の激変緩和財源とすることのほか、特定健診などの保健事業費へ活用したいと考えています。  次に、どのような現状認識のもとで国に要望をしたのかについてですが、市町村国保は、他の医療保険制度と比較して、高齢者や低所得者の加入割合が高いという構造的な問題を抱え、また高齢化の進展や医療の高度化に伴う医療費の増加により、非常に厳しい財政状況にあると認識しています。先般の医療保険制度改革における公費拡充や、都道府県単位化により一定の効果はあったものの、根本的な解決に至らず、その対策が急務であると考えています。このため、これら国民健康保険制度が抱える問題の解決に必要な財政措置の実施を国に要望しているところです。  次に、均等割が低所得者の負担の要因となっていないかについてですが、国民健康保険は、全ての被保険者が等しく保険給付を受け、被保険者全体の相互扶助で支えるという理念のもと、応分の保険料を負担していただくことを基本としています。  したがって、保険料の賦課に際しては、被保険者全体で制度を支えるという観点から、負担能力に応じた所得割と、受益に応じた均等割及び平等割のバランスをとることが重要と考えています。  最後に、国保料の値上げに関する今後の見通しについてですが、都道府県単位化により、将来的に県内市町の保険料水準統一が見込まれる中、現在本市の国保料は、活用可能額により、本来必要とされる国保料額より軽減されております。こうした中、被保険者の高齢化や新薬を初めとする高額薬剤の新たな保険適用、医療技術の高度化などにより、医療費のさらなる増加が見込まれております。  したがって、今後国保料の段階的な引き上げは必要となると考えています。    ─────────────────── 107 ◯議長(遠藤裕孝君) 本日は、これにて延会します。         午後3時55分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...