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平成31年2月定例会(第6日目) 本文
平成31年2月定例会(第6日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2019-02-06
    平成31年2月定例会(第6日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(田形清信君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(田形清信君) 本日の議事日程は、先日配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第23号 平成31年度静岡市一    般会計予算 外124件(総括質問) 3 ◯議長(田形清信君) 日程第1、議案第23号平成31年度静岡市一般会計予算から日程第125、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、安竹信男君。   〔36番安竹信男君登壇〕 4 ◯36番(安竹信男君) 皆様、おはようございます。  創生静岡の安竹です。  質問を通告する時点では、私は「山と町」安全の会の一人会派でございました。そういうこともございまして、今回の創生静岡に属する一人として、白鳥会長、また、風間、石井両議員が今回のこの質問に憂慮したわけでありますが、ぜひ、地域のため、市民のためにおまえの思いをしっかり質問するようにという御命令もいただきましたので、質問をさせていただきます。  さて、初めに、本市における地域活性化の支援策について。  特化してクラウドファンディングについて質問してまいります。地域再生プランナー久繁哲之介氏は、論説「働き方と、意識を改革せよ」の中で次のことを指摘しております。ふるさと納税クラウドファンディングは寄附制度であるが、寄附制度の大国であるアメリカと比較しますと、崇高な寄附行為について、日本における意識の低さに欠陥があると指摘しているのであります。アメリカでは崇高な寄附行為にリワード、いわゆる見返りとか返礼品を余り求めていないと言われるのであります。日本では今現在、ふるさと納税者に対して返礼品を豪華にするという愚かな競争が指摘されているのは事実であります。  例えば、手数料20%、返礼品率を30%、送料など事務費を10%だとしますと、実質資金調達額は半分以下の40%になるわけであります。何のための寄附行為かということが指摘されるのであります。とはいえ、民間事業者の間でクラウドファンディングがこれだけ広がっているということは、その効果が認められていることのあらわれでもあります。  ここで伺いますが、クラウドファンディングはどのような取り組みに対し有効であると考えているのか、お伺いいたします。  次に、大項目の大震災発災後における長期化する避難生活についてであります。
     体育館などに設営される避難所の環境について触れてまいります。  地震や台風などの自然災害対策として、建築物の強靱化事業が進む中で、おくれてはならないのが災害時における避難所対策であります。申すまでもなく、小中高の学校施設や公園等が大規模避難所に指定されているわけでありますから、被災した多くの市民が数百人、数千人規模で避難所に殺到することが想定されるのであります。余震が終息する数日後には、避難所から自宅や仮の住宅に移動が始まり、避難所生活にも落ち着きを取り戻す状態になりますが、これまでの東日本大震災熊本大震災などを振り返りますと、短期、長期を問わず避難所の環境になじめない避難者たちがマイカーやテント生活をするなど、避難所生活における厳しい現状を真摯に受けとめなければなりません。  私たちは、あすは我が身であります。防災先進地静岡市らしい詳細な対策を講ずる必要があると思うのであります。西日本各地が豪雨に見舞われ甚大な被害が発生し、広範囲に及ぶ避難指示や避難勧告が出される事態が、テレビ報道等で赤裸々に知らされたわけであります。避難指示と避難勧告によって、全国で約360万世帯、3,779カ所の避難所に約2万8,000人が避難をしたと言われております。体育館に毛布を敷いて大勢がひしめき合うこの情景は、議員各位、皆さん、脳裏にあることと思います。  避難所の環境対策には課題山積でありますが、ここでは、私は一点に絞って伺ってまいります。不特定多数の人が集団生活する場合には、特に衛生面への配慮が必要だと思うのであります。とりわけ、食べ物やトイレの対策についてはどのような取り組みをしているか、お伺いいたします。  次に、学校給食センターの活用についてであります。  静岡市地域防災計画では、食料供給計画の中で食料の供給について、学校給食センター小中学校給食室の活用のほか、民間給食施設食品製造業者等に協力を要請するなど、被災状況に応じて実施すると記載されているのであります。本市のおのおのの給食センター食料供給能力は、一日当たり一万食以上を賄える施設であります。このような施設が整備されていることから、多くの市民がこういう被災をした場合には、この食料の供給を給食センターに大きな期待を寄せると思うのであります。  ここで伺いますが、学校給食センターの施設は災害時の炊き出しなどに活用できるのか、大規模災害時の学校給食センターの役割はどうなっているのか、お伺いいたします。   〔36番安竹信男君質問席へ移動〕 5 ◯経済局長(池田文信君) クラウドファンディングについてですが、クラウドファンディング民間事業者などが行う事業に対し、インターネットなどを利用して不特定多数の人から資金を集める仕組みであり、この手法を活用することにより、事業実施者の思いや理念を広く伝えることができ、事業に対する理解を得ることにもつながります。このことから、自己資金の少ない民間事業者などが新しい事業の立ち上げや商品の開発に取り組む際に、必要な資金を調達するための有効な手法の1つであると考えています。 6 ◯危機管理統括監海野剛幹君) 避難所生活の食べ物やトイレの対策について、どのような取り組みをしているかについてですが、避難所における衛生環境の保持は重要と考えております。まず、本市が備蓄している食料についてですが、アルファ化米など、1食分が個別に袋分けされた包装食となっており、食器を使わないで食べることができるなど、衛生面に配慮したものとなっております。  次に、トイレ対策についてでございます。  本市においては、平成29年度より仮設トイレから順次携帯トイレへの移行を進めております。携帯トイレは男女別に区切られた既存のトイレにおいて使用するため、仮設トイレでは気兼ねする女性も抵抗なく使用でき、また、使い切りであるため、衛生面においてもすぐれております。これら以外にも、施設内の小まめな清掃や手指などのアルコール消毒を徹底することで、避難所における良好な衛生環境を整えてまいります。 7 ◯教育局長(遠藤正方君) 大規模災害時の学校給食センターの役割についてですが、学校給食センターには食材なども備蓄されておらず、人員や調理器具なども学校の子供に昼食を提供するためのものしかないため、発災後速やかに避難者に食料を供給することは困難であると考えています。このため、災害時には、まずは学校再開時の給食を提供できるように施設を維持することが第一の役割だと考えていますが、調理や配送などの条件が整えば、可能な範囲で避難者などの食料供給に協力する計画となっています。 8 ◯36番(安竹信男君) 経済局長の答弁があったわけでありますが、既にこのクラウドファンディングというこの事業は、もう大分世間に広まっているわけであります。特に私のような、田舎にいて、山間地振興という非常に厳しい中で、この制度というのは非常に大切だと。特に、事業を起こそうとする者の思いや理念ということを言われましたけれども、全くそのとおりだと思っています。ただ、本当にやる気があるんですが、なかなか取り組むまでの形が整わない、こういうことで悩んでいるわけであります。  特に、自己資金が少ないという民間事業者を支援する有効な資金調達だということはもう間違いありませんので、これからまた少し、質問を展開したいと思います。  給食センターの関係で、今、その内容がここで述べられたわけでありますが、特に子供を対象とした施設であるということ、もちろん我々は常識的に知っているわけであります。それを、いざ多くの避難者が出たときの食料を供給、提供する場所として期待しているんだということを、今回はしっかりと訴えたい。こういう質問態勢であります。ちょっと心もとない感を強めたわけでありますけれども、この食料供給に協力できるという考えは、今ここで示されたわけでありますので、それについてもう少し深掘りしていきたいと思います。  教育の立場でお願いしたいのは、思い出していただきたい、タイの洞窟で少年12人と教師1人があの長い期間、暗闇の洞窟の中で命をつないだ。少しばかりの食料を分け合ってという、分け合いの精神、これがないような行政ではだめですよ。そのこともこれから指摘したいと思います。  まずクラウドファンディングについてであります。  本市の特性の1つに林業、農業、水産業で経済が成り立ってきたという長い歴史を振り返りたいと思うのであります。あまたの神社、お寺、あるいは薬師堂、観音堂など、この祭りが多いわけでありますが、これは地域住民の心のよりどころとして伝承されてきたわけであります。数百年の歴史の重みは建屋や薬師如来像、観音像のお姿にもお見受けするわけでありますが、崇敬者たちの寄附行為によって修繕、修復された形跡が数多く見受けられるのであります。まさしく崇高な寄附行為、クラウドファンディングの原点ではないでしょうか。  私は少子高齢化が進む中山間地域における諸問題の1つとして、地域住民による共同作業や勤労奉仕、あるいは祭り、今で言う各種イベントでありますが、こういった諸活動が持続可能でなくなってきたということを憂いているのであります。何をしようにも先立つものは人と金。資金調達の手段としてこのクラウドファンディングが急速に普及していくことを、中山間地域住民は今、期待しているのであります。  第11回まち・ひと・しごと創生会議が平成28年12月に行われておりますが、その資料から一例を参考にいたしますと、奈良県明日香村では明日香ニューツーリズム協議会を設立して、クラウドファンディングで1,500万円を調達し、古民家を活用した宿泊施設整備と、その地域のファンづくりに成功しております。  ここで伺いますが、中山間地域におけるクラウドファンディングの活用については、どのように考えるか、お伺いいたします。 9 ◯経済局長(池田文信君) 中山間地域では地域資源を活用した新商品の開発を初め、加工所や民宿等の整備、体験ツアーの開催など、多くの地域活性化の取り組みが行われています。これらの取り組みにおいて、クラウドファンディングによる新たな資金調達の手法を取り入れることは、より多くの人の事業参入が可能となるものと考えています。  さらに、オクシズ地域以外の人々がクラウドファンディングに参加することによって、オクシズへのかかわりが強まり、地域イベントへの参画や新たな起業につながるなど、外部の活力がオクシズで展開されることが期待されます。 10 ◯36番(安竹信男君) ただいまの答弁で、今までも当局には地域振興のためにいろいろな手で協力をしていただいているということは十分承知しています。地域の人たちが展開しようとするこれからの事業、特に開発行為について、今示したとおり、多くの市民、あるいは地域外の人々が関心を深めるきっかけにもなるわけでありますので、期待をしています。  もう一点注目するのは、地域再生プランナーの久繁氏が一例を挙げて、クラウドファンディングを仲介するプラットホーム自体がビジネスとして高い手数料をとっているということを指摘しております。特にアメリカでは、手数料はゼロから5%、ところが、日本では8%から20%強だと言われているのであります。私は、地域に根差している歴史文化の保存、伝承活動や食品開発などの1次産業の6次化事業等にはクラウドファンディング活用促進を行政がむしろ手数料抜きで積極的に指導していく、その部分もあっていいのではないか、こう批判してきたわけであります。  焼き畑農法の伝承活動や在来作物の種の保存活動等は潤沢な利益が伴うものではありません。特に、中山間地域における商品開発など物づくりでは、行政がプラットホームの担い手を果たしてほしいと期待するものであります。  現在、静岡市は中山間地域における取り組みについて、幾つかの補助制度により支援を講じておりますけれども、地域住民クラウドファンディング活用のノウハウをしっかり会得するならば、より効果的な事業展開が可能になると思うのであります。  ここで伺いますが、クラウドファンディングの活用に向けどのような支援策が考えられるか、お伺いいたします。 11 ◯経済局長(池田文信君) クラウドファンディングを成功させるためには、実施者の熱い思いやプロジェクトに係る理念に共感する人をいかに多く集めることができるかが重要であり、支援したいと思ってもらえるよう、プロジェクトをより充実させ、魅力的に見せるノウハウが求められます。  新たな資金調達の手法としてクラウドファンディングの活用を考えている人たちに対して、ノウハウを持った専門家の派遣など、プロジェクトの魅力を高める支援を今後検討していきたいと考えています。 12 ◯36番(安竹信男君) ぜひ、今のようなお考えを一日も早くしっかりと庁内で御検討いただいて、地域の皆さんとの接点の中で、このクラウドファンディングを広めていただければありがたいと思います。  鳥取県の大山町ではクラウドファンディングを活用して創業する事業者を支援する制度を創設しております。どういうことかと言いますと、町内に住所があること、町内で創業すること、町内に事業所を設置し、5年以上事業継続をすることを条件として、目標想定額を達成すれば50万円を上限として目標達成金額の2分の1を補助するというものであります。こういう事例もたくさんあるわけでありますが、ぜひとも中山間地域で多くの開発事例がこれからどんどん発掘されるよう、行政支援をお願いしておきたいと思います。  次に、避難所生活の問題です。  静岡市地域防災計画の発災後の災害応急対策第13節には、食料供給計画があります。災害のため物資の流通機能が麻痺し、食料を確保することが困難で、また、住宅の被害などにより自宅での炊飯が不可能になることを想定し、日常の食事に支障がある者に対して、災害時における炊き出し、その他必要な食品を確保し支給するため、市の実施事項を定め、食料供給に支障のないよう措置することを目的とするものであります。  ここで伺いますが、避難者の快適な環境は関連死の減少につながることは申すまでもありません。また、心身ともに傷ついている避難者に、自論でありますが、温かい手づくりの食事が提供されれば、それは癒やしにもつながると思っているのであります。本市にはどのような取り組みがあるのか、現状をお示しいただきたいと思います。 13 ◯危機管理統括監海野剛幹君) 季節や時期にもよりますが、避難者の心情に配慮した温かい食事の提供は必要なものと考えております。本市においては、発災後3日間程度はアルファ化米やビスケットなど、備蓄してある食料で対応することになります。発災後4日目以降になれば、国のプッシュ型支援によるパン、インスタント麺、米や缶詰などを拠点となる物資集積所で受け入れ、各避難所へ配分します。この時点から温かい食事の提供が可能となります。  本市においては、炊き出し用の釜を522基備えており、地域防災訓練などで炊き出し訓練も実施しております。災害時にこれらを実践することで温かい食事が提供できるものと考えております。また、複数の協定業者から食料品の提供を受けるなど、偏ったメニューにならないよう、避難所における食のストレス軽減に努めてまいります。 14 ◯36番(安竹信男君) 温かい食事提供が大事だということは、今お示しいただいたわけであります。国のプッシュ型支援、これもまた期待されるところであります。とても心強いわけであります。ところが、被災地は我がまちだけではないわけであります。この東南海トラフ地震は高知県のほうに至るまで、瀬戸内海も含めて広域になるわけでありますので、私たちはむしろ、自前で大丈夫だからほかへ行ってくれと言うぐらいのことをするのが、政令市の役目だと私は思っています。私たちのところに早く物が来い、そんな態勢じゃなくて、私たちのほうは十分だ。ほかにも協力するという、この態勢を進めるぐらいの政策能力が欲しいと思うのであります。  今、脳裏をよぎるのが、昨年7月に熊本大地震の復興状況を視察した際に、社会福祉法人千寿会悠優かしまの職員さんの体験談であります。実は、この視察の目的は幾つかありました。その1つが、静岡市が今進めている新清水庁舎、あるいは桜ヶ丘病院津波浸水区域に移転するという考え方が本当に正しいのか、問題はないのかということを確かめるため意識をしての視察でございました。  震災直後の状況について、施設の管理者がこういう話をされました。夜勤者のみとなり、停電や断水でパニック状態に陥った中で電話は通じず、LINEで一部、連絡がとれたのみだったと。余震が続いて道路や橋が寸断し、全ての職員が被災者となり、職員が施設に集まらないという人的な問題が生じて、消防団や地域住民の応援で入所者69名をやっと屋外へ避難させることができたということであります。社会福祉法人千寿会悠優かしまは、市役所や給食センターは全く別かもしれませんけれども、人の命を預かる公設の施設でありますので、私はこれは無視できない事例だと思っているのであります。  ここで伺いますが、発災直後での給食センターの職員配置はどのようになっているか、お伺いいたします。 15 ◯教育局長(遠藤正方君) 発災直後は所長など一部の職員が参集し、施設の被害状況を確認し、給食提供再開に必要な対策を講じることになっています。  また、学校給食センターの調理員は、災害時職員配置基準に基づき、各区の地区支部に参集し、避難所活動などの支援を行う業務に従事します。 16 ◯36番(安竹信男君) 発災直後は、先ほどの事例もありましたが、なかなか人が集まらない、こういう環境であることも含めて、調理員が学校給食センターに集まるという時限的な問題、いろいろ課題はあろうかと思いますけれども、やはり私はそれぞれの部署、病院に勤められている方は病院にまず行くことを考えなければいけないだろうし、それぞれの学校の先生たちは、子供たちはどうだろう、学校はどうだろうということで学校に行くべきだろうし、給食センターも全く同じだと私は思うのであります。ですから、できるだけ給食センターが復興するために、一日も早く職員を給食センターに集めるのが私は順当ではないかと思うのであります。  ここで、災害時における関連死についてちょっと注目していただきたいと思います。  2月9日の静岡新聞の朝刊に、災害関連死4,958人という新聞報道がありました。この数は阪神・淡路大震災で921人、新潟中越地震で52人、東日本大震災で3,701人、熊本地震で218人、西日本豪雨災害で28人、この間には幾つかの地震、豪雨災害があったわけでありますが、必ずそこに数名の災害関連死があったわけであります。その記事の内容は、阪神・淡路大震災から20年以上もたっているのに、避難所環境の改善といった対応策が不十分だということが記されているのであります。危機管理体制下における指揮命令系統こそ、私はしっかり強靱化すべきではないかと思うのでありますが、ここで伺っておきます。  大規模災害時に給食センターを活用する場合、どのような流れで指揮命令が動くのか、教えていただきたいと思います。 17 ◯危機管理統括監海野剛幹君) 市災害対策本部では、各部各班や区本部からの被害に関する情報に基づき、災害対応の対策方針や優先順位等を定めることとしております。学校給食センターを活用する場合には、食料供給計画に基づき、炊き出しに必要となる職員の招集及び食材・運搬手段の確保などの処置を災害対策本部で決定した上で、所管の各部各班に指示し、対応することとなります。 18 ◯36番(安竹信男君) やはり、災害にこそしっかりとした統制がとられなければ大変な混乱を生ずるわけでありまして、本市の災害対策本部の指揮命令、これはトップに市長がいるわけでありますが、この優先順位の中で食料供給対策、ぜひ順位を高く上げていただきたいと思うのであります。避難生活が3~4日続いたころ、やっといろいろなものを食べたいという気持ちに駆られるわけであります。炊き出し釜が今522基ですか、これも大変心強いことではありますけれども、やはり1日1万食を提供できる給食センターの能力をいかに活用するかということを、ぜひ御検討いただきたいと思います。  ここで1点申し添えますが、これまでも何回か、市長を初め多くの人たちにお願いしてきた件であります。一般社団法人全国プロパンガス協会は、災害時にも強いプロパンガスということで、学校や病院、公民館、消防署、防災センター、介護施設、福祉施設、給食センター等へのLPガス導入事例集を発行しております。分散型エネルギーとして国が進める国土強靱化の取り組みの中で、LPガス導入経費については国の補助制度もありますので、避難所対策事業として関係部局で前向きに検討されたく強く要望させていただきます。  最後に、本市行政の発展に尽くされて、今年度退職される方が多いわけでありますけれども、その長年の労に対し、心から感謝を申し上げたいと思います。私も議員生活27年。40年ここで勤務された方、30数年勤務された方、その半分を時として激論を交わし、時として握手もしてやってきた、そういう仲間の形も私は整えてきたつもりであります。そういう皆さんが退職なさるわけでありますが、ぜひ、一般市民にまた戻られた中で、本市発展のために御尽力を賜りますよう、心からお願い申し上げ、労をねぎらって御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 19 ◯議長(田形清信君) 次に、望月賢一郎君。   〔1番望月賢一郎君登壇〕 20 ◯1番(望月賢一郎君) 日本共産党の望月賢一郎です。  ことしは花粉症がひどくて、多少お聞き苦しいかもしれませんが、おつき合いください。  私は、本年度駿河湾フェリーと生涯学習施設という2つの問題で質問を行ってまいりました。  駿河湾フェリーについては、県と本市を含む関連市町による一般財団法人が運航を継続するということが決まり、発着場の江尻への移転も県が計画を持って進めていくことが明らかとなりました。  今回は生涯学習施設に絞って質問したいと思います。  去る2月1日、田辺市長は定例記者会見の席上、記者の質問に答える形で、2月議会に予定していた生涯学習施設の利用方法の見直しに関する条例改正案の提出を延期すると表明いたしました。私は、この本会議において何度も、この条例改正案の提出時期について質問してきましたが、当局は年度内と言っておりました。当初の予定からなぜ2月議会での条例改正を見送ったのか、その理由について最初に質問いたします。  次に、生涯学習施設の利用目的について質問します。  生涯学習施設というからには、本来は生涯学習のための施設だというのが普通の考えだと思います。生涯学習交流館の本来の設置目的は何か、伺います。  続いて、生涯学習交流館の指定管理者である清水生涯学習交流館運営協議会について質問します。  この団体の平成29年度貸借対照表によりますと、利益剰余金が5,800万円あります。市長は2月1日の記者会見で、利用者に使用料負担を求める考えは変わらないとしています。利用者に新たな負担として、年間3,400万円ということですが、こうした負担をお願いしようとするときに、当該施設の指定管理者にこれだけの剰余金があるということについて、どのように説明するのか、当局の考えを伺います。  次に、大項目の2、指定管理料の債務負担行為について伺います。  契約が複数年に及び、確実に支出が予定されている清水区の生涯学習交流館の指定管理料について、債務負担行為が設定されるべきだと思いますが、これが設定されているかどうかを伺います。  以上、第1回目の質問です。   〔1番望月賢一郎君質問席へ移動〕 21 ◯市民局長(豊後知里君) 生涯学習施設に関する4点の質問について、一括してお答えします。  まず、2月議会での条例改正をなぜ見送ったのかについてですが、施設利用方法の見直しに当たり、昨年8月から11月にかけて実施した利用者の皆さんへの説明会や、12月中旬からのパブリックコメントなどを通じ、さまざまな御意見をいただきました。これらの意見を受け、生涯学習の推進のために、より利用しやすい仕組みを考える必要があると判断し、その検討を行うためには時間が必要であることから、2月議会での条例改正を見送りました。  次に、生涯学習交流館の本来の設置目的についてですが、静岡市生涯学習施設条例第1条において、生涯学習施設は、市民の自発的な学習活動を支援することにより、学習活動を通じて地域の交流及び連携を図り、もって市民主体のまちづくりを推進するものと規定しており、この学習活動には、地域の課題解決に向けた活動やまちづくり活動も含まれております。  本市の生涯学習の方向性を示した静岡市生涯学習推進大綱においても、まちづくりと人づくりが繰り返され、発展していくことで豊かな生涯学習社会が実現するものとしております。こうした考えを踏まえ、平成29年度に策定した生涯学習施設の配置適正化方針では、生涯学習施設の将来像を「学びの場+地域コミュニティによるまちづくり活動の場」と位置づけております。  次に、清水区生涯学習交流館運営協議会の剰余金についてですが、この剰余金は指定管理者が指定管理業務の運営を適正に行い、経営努力の結果、毎年度発生したもので、平成24年度からの1期目5年間と平成29年度からの2期目初年度の1年間、計6年間で積み上がったものと捉えております。  また、この金額は指定管理を行う21施設の6年間の指定管理料総額の2%程度、1施設当たりにすると1年で46万円程度であり、不当に高い利益を得ているとは考えておりません。  最後になりますが、清水区の生涯学習交流館の指定管理料について、債務負担行為は設定しておりません。 22 ◯1番(望月賢一郎君) まず、なぜ2月議会での生涯学習施設の利用方法の見直しを見送ったのかについてですが、今の答弁によりますと、昨年の説明会やパブリックコメントなどを通じてとのことでした。私は、この見送りについては、利用者の皆さんの運動が非常に大きかったのではないかと思います。特に有料化反対の市議会に向けた請願署名、昨年10月の後半、実質的には11月から署名がスタートしたわけですが、12月の初旬、私がこの議会の席上で紹介しましたが、1カ月余りで7,000の署名が集まりました。その後、年末に1万を超えて、1月末には1万2,000に達したということであります。1万を超えた時点での記者発表は地元紙にも写真入りで取り上げられました。  しかも、この署名の集め方が従来の方法とは全く違っています。今回の見直し案、特に利用料の有料化に反対するために立ち上がった利用者団体連絡会が、集めた署名はここに郵送で送ることになっている。つまり、郵送料は署名を集めた人が自腹で出すということになっております。こうした条件のもとで1万2,000の署名が集まったということは、いかに利用者の皆さんの思いが強いかがよくわかります。  実は、私の住む草薙のアパートのポストにも15名ほどの名前が記載された署名が投げ込まれておりました。近所に住む、今まで全く知らなかった方が、私が議会で有料化反対の質問をしているということを知って、投函をしてくれたんだと思います。私は、昨年の3月に清水のLNG火力発電所の問題が終わって、この問題に取り組むことになりました。この中で清水で活動するさまざまな生涯学習交流館の利用団体の皆さんの話を聞き、実際に活動現場を見せていただきました。こうした中で、清水の生涯学習運動がいかに地域にとってかけがえがないものかを実感いたしました。  田辺市長は記者会見で、利用者に負担を求める考えは変わらないとしたわけですが、今後、有料化を含んだ条例改正案が提出されるならば、利用者団体連絡会としてもさらに署名の上積みを目指すということであります。現在、利用料有料化の対象になっている静岡市生涯学習施設条例第9条による施設利用の許可を受けた団体が約850団体あります。このうち、これまでにこの署名に協力していただいている団体はまだ150団体程度だということであります。まだまだこの署名の伸びしろはあるということをここで御報告させていただきます。  そこで、次の質問に移ります。  利用者団体の皆さんは有料化反対とともに、予約制度の見直しにも反対をしておりました。清水区の生涯学習交流館で行われてきた、これは正式名称ではありませんが、優先予約制度というものがあります。これは前年の12月に使用希望日を出しますと、翌年4月から決まった曜日、例えば毎月第2、第4木曜日の午後6時からといったように、年間を通じて使用日を固定することができる。ほかの団体と重なった場合には抽せんになる場合もありますが、たとえ希望日でなくても年間を通じて同じ日程がとれるというのが清水の場合は団体を運営する上で非常に大事なわけです。  昨年、市の利用者団体への説明会で出された見直し案では、この優先予約を旧静岡の生涯学習センターにあわせて3カ月ごとに抽せんにするということが出されました。年間を通じて使用日が固定されないというのは、清水の利用団体にとって非常に利用しづらいわけです。昨年12月には清水区の最大利用団体である清見潟大学からも、この点を改善してもらいたいという意見書が出たと承知しております。  質問ですが、市長が記者会見で言った、より利用しやすい仕組みとはこうした利用方法の見直しも含まれるのか、お答えください。 23 ◯市民局長(豊後知里君) 昨年の説明会や12月中旬から行ったパブリックコメントなどを通じて、市の見直し案における利用申し込み時期では、計画的な学習活動に支障があるとの意見を初め、利用者からさまざまな御意見をいただいていることから、より利用しやすい仕組みを考える必要があると考えております。 24 ◯1番(望月賢一郎君) より利用しやすい仕組みというのは、清水の交流館の場合は、現在の予約方法の継続がどうしても必要になってくると思います。今後の検討に際しては、清水の交流館における従来の予約方法の継続が盛り込まれるよう強く要望いたします。  さて次に、見直し案を見直す検討期間についてですが、一体どれぐらいの期間を設けるつもりなのか、お伺いします。 25 ◯市民局長(豊後知里君) さまざまな御意見をいただいていることから、現在の見直し案をもとにより利用しやすい仕組みについて、現在検討しております。したがいまして、検討期間については現時点では未定です。 26 ◯1番(望月賢一郎君) 現時点では未定ということでした。先ほど述べましたが、予約方法については静岡と清水で今まで全く違ってきたわけです。それぞれの地域が今の方法でなれ親しんでいる。ですから、予約制度に関する利用者の意識も全く違うと言えます。先ほども言いましたように、清水の利用者は年間予約が当たり前だと思っています。しかし、例えばこれを静岡に無理やり導入しようとすれば、特定の団体が年間を通して同じ時間に同じ会場を使用するのは会場の占有だという声が出る可能性もあります。こうした点を十分に配慮して、じっくりと時間をかけて、双方が納得できるような検討を当局にはお願いしたいと思います。  次に、生涯学習施設の利用目的についてです。  前回の見直し案にあった仮称地区公益団体。自治会や関連する団体ですが、仮に利用方法の見直し案を上程した場合、自治会等の無料化の方針は変えないのか、この点についてお伺いします。 27 ◯市民局長(豊後知里君) 少子高齢化の進展に伴う世帯の高齢化、地域コミュニティの希薄化が進む中、地域における支え合い、住民みずから地域課題の解決のための活動を行うことが、今後一層必要になっております。そこで、地域における住民主体のまちづくり活動を積極的に進めていただくため、各地区の自治会、防犯協会、社会福祉協議会などの地域コミュニティによるまちづくり活動を行う団体の活動を、全市的に支援することの考え方には変更はありません。  なお、ここで言う団体は、具体的には地区を基盤として設立され、地区住民を構成員とし、地区の住民自治、社会福祉の推進について必要性の高い公益的な活動を行うことを目的とする団体を要件として考えております。 28 ◯1番(望月賢一郎君) 地域コミュニティによるまちづくりを行う団体の活動を全市的に支援する、この考えに変更はないということでした。生涯学習団体の有料化の方針は変えないということであります。ここで1つ疑問が湧くわけです。生涯学習交流館と言いながら、生涯学習団体は有料、一方で生涯学習団体ではない自治会等は無料ということは、この施設の名称自体がおかしいのではないかということです。いっそのこと生涯学習交流館ではなく、連合自治会館と名称を変更したほうがいいということになるのではないでしょうか。そんなことはできないということであるならば、今回上程予定であった生涯学習団体は有料で自治会が無料という施設の利用の仕方、これは施設の利用目的の変更になるんじゃないですか、どうですか。 29 ◯市民局長(豊後知里君) 市民主体のまちづくりを推進するという設置目的を実現するため、生涯学習施設を「学びの場+地域コミュニティによるまちづくり活動の場」と位置づけておりますので、設置目的の変更には当たらないと考えております。 30 ◯1番(望月賢一郎君) 私はこの本会議で、清水区のある現役の連合自治会長さんの静岡市が行った、この見直し案の説明会での発言を一度紹介したことがあります。この自治会長さんがおっしゃったのは、自治会活動というのは自治会活動単独で成り立つものではない。地域の人たちが集う幅広い生涯学習活動があってこそ成り立つものだと、地域の生涯学習活動が裾野になって、その上に自治会活動があるんだということをおっしゃっていました。  実はこの話を、今は引退をされておりますが、長くある地域の別の連合自治会長を務められた方に話したところ、全くそのとおりだと言っておられました。生涯学習活動と自治会活動というのは切っても切り離せない関係にあると、有機的に関連したものとして捉える必要があるのだと思います。担当の職員の皆さんには、ぜひともこうした現場の声を丁寧に検討していただいて、新しい見直し案を出していただきたいと思います。  続いて、次に清水区生涯学習交流館運営協議会についてです。  この団体の問題は剰余金だけではないわけです。この5,800万円の利益に対して3,000万円を超える法人税を払っています。さらに、前回私が指摘した1,100万円余りの特別損失、合計すると6年間で1億円を超える税引き前利益を上げていることになります。こうした指定管理者の剰余金があるならば、生涯学習施設の利用者に使用料を負担させるより、指定管理料の見直しを先にすべきではないでしょうか、いかがですか。 31 ◯市民局長(豊後知里君) 指定管理料の積算は全庁共通のルールに基づき適切に行っております。指定管理業務の適正な執行が確保された上で、経営努力の結果、指定管理者に利益が生じるとしても、それはいわゆる企業努力の結果として評価すべきものであり、指定管理料の見直しにはつながらないと考えております。
    32 ◯1番(望月賢一郎君) 前回と全く同じ答えです。積算は全庁共通のルールでやっている。利益が出たのは事業者の企業努力だということです。しかし、この運営協議会の場合、指定管理の初年度から多額の利益が出ています。指定管理を受けて、当初はとんとんで、やっていくうちにだんだん利益を上げられるようになったというならわかります。初年度から利益が出て、それが5年とか6年とか、同じように出ているというのがおかしいんじゃないですか。こうした説明で利用者の理解は得られないと思います。  実は、この問題についてはほかの指定管理者の決算状況について、時間的な問題もあって調べることができませんでした。いずれにしても、この問題は引き続き調査をして追及してまいります。  次に、冒頭質問した指定管理料の債務負担行為の設定の問題です。  清水区生涯学習交流館運営協議会の指定管理の債務負担はやっていないとのことでした。そのほか、静岡市の指定管理者制度導入施設における債務負担行為の設定状況はどうなっているか、お伺いします。 33 ◯総務局長(大長義之君) 平成31年3月1日現在、本市において指定管理者制度を導入している施設は219施設ありますが、債務負担行為を設定しているのはPFI事業者を指定管理者として指定している、静岡市清水文化会館の1施設のみとなっております。 34 ◯1番(望月賢一郎君) 静岡市の場合、債務負担行為をとっているのはPFI事業者の清水文化会館だけで、残りの218施設は債務負担行為を設定していないということです。皆さんのお手元に資料を配布してあります。総務省からの通知であります。前文を読みますと、平成15年から始まった指定管理制度をやってみて、平成22年にこの通知が出ているわけですけれども、およそ7年やって、地方公共団体が指定管理制度に取り組む中でいろいろと留意する点が明らかになったと、これを適正にするために、地方自治法に基づいてこの通知を出したと書かれています。  続いて裏面の3のところをごらんいただきたいと思いますが、指定管理が適切に行われているかどうかを定期的に見直す機会を設けるために、指定管理者の指定は期間を定めて行うこととされています。これは指定管理の期間を定めて、その都度見直し、検討しなさいよということです。そして8のところでは、指定期間が複数年にわたり、かつ、地方公共団体から指定管理者に対して委託料を支出することが確実な場合には、債務負担行為を設定することと書かれています。  そして、資料の表に戻っていただいて、この宛先を見ますと、各政令市長とともに各政令市議会議長ということになっております。これは議会としても行政当局に対して、債務負担が行われていなかったらやるように促すべきだという指示ではないでしょうか。静岡市の場合これがやられていないということになります。  また、静岡市の指定管理料の年間総額ですが、2月議会の資料から概算してみますと、年間約68億円ということになります。かなり大きな金額です。債務負担をとるということは、将来確実に出費が予想されるお金をあらかじめ使える予算から分けておくことだと思います。今後、静岡市がさまざまな大型事業、歴史文化施設、海洋文化施設、また、我が党は反対しておりますが、新清水庁舎など、こういった事業に着手しようとする中で、財政規律の面からも指定管理料の債務負担行為の設定は必要だと思います。  最後の質問ですが、平成22年12月28日付総行経第38号において、総務省自治行政局より、指定期間が複数年にわたり、かつ、地方公共団体から指定管理者に対して委託料を支出することが確実に見込まれる場合には、債務負担行為を設定することと通知がされている。この通知に従えば、指定管理料に債務負担行為を設定する必要があるのではないでしょうか。お答えください。 35 ◯総務局長(大長義之君) 本市の指定管理者制度導入施設においては、施設の利用実態、業務の内容、物価変動等を考慮し、年度ごとに市と指定管理者との間で十分な協議を行い、適切に指定管理料を算定しております。そのため、市と指定管理者との間で施設の管理に関して定める協定については、年度ごとに締結することとしており、指定期間全体に係る協定を締結していないことから、債務負担行為は設定しておりません。 36 ◯1番(望月賢一郎君) 質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 37 ◯議長(田形清信君) 次に、山梨 渉君。   〔13番山梨 渉君登壇〕 38 ◯13番(山梨 渉君) 通告に従いまして質問いたします。  初めに、LGBTについてです。  一人一人の多様な生き方が尊重され、性別にかかわりなく自分らしく生きることができる社会の実現を多くの市民が願っております。しかし、いわゆるLGBT、性の多様性について、我々はもっと真剣に考えていかなければならないと思います。これまで2回、このテーマについて質問をさせていただきましたが、未来に向けて重要なタイミングであるという認識から質問させていただきたいと思います。  1月30日、市内を中心に活動しているLGBT団体が市長に対し要望書を提出しました。主な要望内容は、理解を広げるための啓発、広報、そして、当事者やその家族に対する相談事業、居場所づくり。また、学校教育における徹底や市窓口対応に加え、パートナーシップ制度についても要望が盛り込まれました。私も同席させていただきましたが、市長には当事者の生の声を懇談的に聞いていただき、改めて感謝を申し上げたいと思います。  LGBT団体が今回要望書を提出したのは、オリンピック前年に当たり、世界水準の都市を目指す静岡市には、政令指定都市として県内におけるパートナーシップ制度導入の先駆けになってほしいとの思いがありました。オリンピック憲章には、性的指向による差別禁止が盛り込まれており、これまで以上にクローズアップされ、関心も高まっていくものと考えているからです。  さて、本年は第3次静岡市男女共同参画行動計画において中間見直しの年となっており、静岡市男女共同参画審議会において活発な議論がなされ、昨年10月に答申が市長へ提出されました。答申の中で注目すべき内容として、性的少数者を対象とした支援と市民の理解促進が新規事項として初めて盛り込まれました。学校、会社、生活などさまざまな場面において、性の多様性に対する理解を深めることが重要と指摘するとともに、性的少数者への尊厳を確保するための制度的支援が求められるとし、パートナーシップ制度についても言及されております。  改めて、パートナーシップ制度とは、同性カップルをパートナーとして認め、公的書類を交付するもので、平成27年に東京都渋谷区と世田谷区が先駆けて実施しました。当事者におけるメリットとして公営住宅への入居や生命保険金の受け取り、病院での面会、手術同意などが挙げられますが、何より当事者の安心感につながります。ここ1~2年で全国の自治体でパートナーシップ制度の導入が進んでおります。  特に、政令指定都市での導入が目立ち、平成29年6月の札幌市を皮切りに、平成30年4月福岡市、7月大阪市が導入、ことしに入り1月に千葉市が導入、また、来月4月には堺市、熊本市が導入予定、7月には北九州市が導入予定、現在検討中の名古屋市、さいたま市も含めれば、わかっているだけで政令市9市を数えます。東京オリンピックを前にして、各自治体の施策が加速していると考えられます。  本市においても本格的に導入の検討が必要と考えます。施政方針でLGBTに優しい共生のまちづくりを市長が言及されましたが、具体的内容は何か、また、今後の進め方が重要となります。  質問の1点目として、パートナーシップ制度を含むLGBT施策をどのように進めていくのか、伺います。  学校教育における性の多様性の理解促進は特に重要です。当事者が自分の性的指向や性自認に気がつくのは小学生から中学生のころが多く、みずからの性のあり方について不安定な時期であるからです。また、中には精神的に不安定となり、自殺まで考えてしまうケースも少なくありません。岡山大学のジェンダークリニックの調査によると、性同一性障害で受診した患者の6割近くが自殺を考えたことがあるとの結果が出ています。ゆえに、市内全ての教員が必要な知識と意識が求められます。  平成29年11月定例会で、教員の理解促進について質問させていただいたところ、平成30年度から検討していくとの御答弁でしたが、どうであったのか。  質問の2点目ですが、平成30年度の教員研修での取り組みはどのようなものだったか、また、平成31年度の教員研修はどのように取り組むのか、伺います。  次に、ユニバーサル就労についてです。  私がこの質問で投げかけたいテーマは、就労を求める全ての市民が十分に働くことができているのかということであります。病気や障害、ひきこもりや就労ブランクが長い方、発達障害など困難を抱えながら生活している方が経済的な問題に直面し、就職しようとするものの、なかなか仕事につけない。または、仕事が長続きしないという大変切実な市民の声を聞きます。一方、企業など雇用主側からすれば、即戦力となる人材を求め、こうした困難を抱える方を雇用しにくいことも現実です。中にはこうした課題を抱えた方に寄り添った働き方を提供している企業もございます。しかし、マッチングが思うように進まない状況にあると思われます。  市行政の課題点として、困難を抱える方に対する支援策がそれぞれの所管課にわたり、支援を求める人にとって相談しづらい状況にあること、また、障害等級や条件など行政が設ける基準に合わない、いわゆる狭間にある方に支援が行き届かないこと、窓口案内が中心で、寄り添った伴走的な支援の不足などが考えられます。そして、自立支援の本来の目的である継続した就労にまで効果的な対応ができていないのではないかという疑問があります。  今、こうした課題に対し新たな取り組みの動きがあります。日本財団は昨年11月、多様な人々が働ける社会の実現を目指す新プロジェクト、日本財団WORK!DIVERSITYをスタートすると発表しました。専門家の調査を実施し、障害者や高齢者、難病患者、ひきこもり、各種依存症など、さまざまな理由で働きづらさを抱える人々は全国で約1,500万人おり、そのうち約600万人を潜在労働力として推計。一方で、2025年には日本の労働力不足が600万人に達すると言われ、社会保障費の増大による財政圧迫の進行が予想される中、労働力の確保という喫緊の課題への解決策として提案しております。  対象別に縦割りで考えず、就労という横串で捉え、支援を展開することを検討。具体的には現在既に行われている支援や障害者就労支援のインフラを活用し、拡張、進化させ、多様な働きづらさを抱える人々への支援を実施。プロジェクトは5年かけて行われ、プラットホームの構築、全国20地域におけるモデル事業の実施、これは5つの政令市も検討されているようです。そして、社会制度化への提言を進めるとのことです。自分の能力を生かし、職場、社会で認められ、自分らしく働き続けられる方がふえるよう、注目をしていきたいプロジェクトであります。  同じような取り組みを既に実施している自治体がお隣の富士市です。富士市では働きたくても働きづらさを抱える全ての市民が働けるまちを目指し、ユニバーサル就労に取り組んでおり、全国の自治体から注目されています。平成26年、ユニバーサル就労を拡げる親の会が1万9,000余人の署名を添え市に要望、その後市議会に議連が発足し、平成29年4月に議員発議でユニバーサル就労の条例が制定され、時を同じくして支援拠点となるユニバーサル就労支援センターが開設されました。市民、行政、議会が一体となってつくり上げた仕組みです。  お手元の資料にあります。富士市では就労ブランクや父子・母子家庭、高齢者や触法歴のある方、障害や病気など縦割りの支援に分けず、就労を求める全ての方を対象に、仕事に定着するまで一人一人に合わせた伴走型の支援が行われております。  主な特徴の1点目として、相談窓口がワンストップになっており、相談者に対しわかりやすくなっている点です。相談者の状況により、既存機関への案内やユニバーサル支援センターでの支援につなげています。  2点目として、一人一人に合わせたオーダーメード支援の実施です。生活リズムの改善、社会人マナー、履歴書指導などの就労準備から始まり、企業マッチングを経て就労体験を行い、相談者の働きづらさ、特性を確認。特に困難を抱える方には、事業所で働く何人かの業務内容から、本人が取り組むことができる業務だけを切り出し仕事をしてもらう、業務分解を実施しております。その後、期間を定め無償や有償の継続就労体験を経た後、就労につなげます。きめ細やかな支援の実施で、本人にとって大きな力となり、業務分解は企業にも寄り添う支援となっております。  3点目として、受け入れを理解してくれる企業を積極的に開拓するとともに、事業所に対する相談支援、優良企業の顕彰事業も行っていることです。企業側の感じる不安、対応方法や社内理解の構築にも対応し、企業からも、業務改善につながった。見逃していたような人材に出会うことができたなどの声も寄せられ、企業の社会貢献、人材不足解消、社員の意識改革にもつながっているそうです。実際、ユニバーサル就労認定協力企業も増加。利用申し込み者数、就労決定者数も着実に増加しております。  さて、本市も当初予算案に高齢者の就労について新しい試みを盛り込んでおり、大変前向きな姿勢を強く感じます。ユニバーサル就労の方式は本市においても大きなニーズがあると考えますが、本市の現状と今後の考えについて伺います。  1点目に、本市は現在、就労に困難を抱えている方への支援をどのように実施しているのか、伺います。  2点目に、ユニバーサル就労の導入について、どのように考えているのか、伺います。  以上、1回目の質問です。 39 ◯市民局長(豊後知里君) パートナーシップ制度を含むLGBT施策についてですが、平成30年度に実施した市民意識調査では、7割以上の市民の皆さんが「LGBTなど性的少数者の方々にとって、偏見や差別などの人権侵害により、生活しづらい社会だ」と考えており、自分の性別をどのように認識するか、どのような性別を恋愛対象とするかなど、性の多様性への理解を促進することが本市の重要な課題であると認識したところです。  そこで、平成31年度はまず、市役所全職員へのeラーニング研修、窓口対応マニュアルの整備などを進め、職員の理解を深めていきます。また、市民の皆さんには、基礎知識や当事者の声を紹介するパンフレットの配布、有識者による講演会により普及啓発を行っていきます。一方、困難を抱える当事者への支援として、県内自治体では初めて、性のあり方や性別違和に悩む当事者や家族の話を聞くLGBT相談と、気持ちを共有する交流会、居場所づくりを定期的に開催していきます。  また、パートナーシップ制度については全国統一の制度が望ましいと考え、本市としては、昨年7月に指定都市市長会より国に対し方針を示すよう要請を行ったところですが、今後も国の動向や先進事例を調査・研究してまいります。  引き続き、市民・企業・学校などにおける性の多様性の理解が一層進み、LGBTなど性的少数者の皆さんの困難がいち早く解消されるよう、効果的な施策を着実に実行してまいります。 40 ◯教育統括監(望月敬剛君) LGBTについての平成30年度教員研修の取り組みですが、本市では、性の多様性の理解促進に向けた教員用教育プログラムの開発に取り組むため、男女参画・多文化共生課と連携し、静岡大学、当事者団体とともに、しずおか中部連携中枢都市圏地域課題解決事業として進めています。  まず初めに、昨年10月から12月までの間で、教員とスクールカウンセラーを対象に意識調査を行いました。意識調査の結果、多くの教員が性的マイノリティーについて正確な知識を持っていないために、児童生徒の相談に適切に対応できる自信がないことがわかりました。この意識調査をもとに、全教職員対象のeラーニング教材を作成し、研修を実施しました。あわせて、各学校における保健指導の中核的役割を果たす養護教諭を対象に、LGBTに関する講演、グループワークを実施しています。  平成31年度は、引き続き全教職員向けのeラーニングを実施するとともに、男女参画・多文化共生課の制作したパンフレットの活用や希望する教職員対象の講座型の研修を実施し、学校現場の理解を深めていきたいと考えております。 41 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 就労に困難を抱えている方への支援についてですが、本市では各制度に応じ、生活困窮者、障害者、ひとり親家庭、ひきこもり、若年者の方などを対象に、相談者の状況に応じた支援を実施しており、来年度からは高齢者への支援も実施してまいります。  就労支援の一例としては、障害者への法定サービスとして、一般就労に向けた必要な訓練や職場体験の提供などを行う就労移行支援を実施しております。また、児童扶養手当を受給している方については、個々の事情等に応じた支援計画を策定し、就労支援専門員やハローワークと連携して支援する、母子自立支援プログラム策定事業等を実施しております。  このほか、ハローワークを初め、厚生労働省の委託事業である静岡地域若者サポートステーションや障害者就業・生活支援センターさつき等においても、さまざまな支援が実施されているところです。  次に、ユニバーサル就労の導入についてですが、本市では、申し上げましたように各制度に応じた支援を実施しておりますが、中でも生活困窮者への支援として、各区に設置している「静岡市暮らし・しごと相談支援センター」では、対象者を生活困窮者に限定することなく相談を受け、継続的な支援が必要な方につきましては、個々の状況に応じて作成した自立支援プランに基づき、ハローワークへの同行訪問など、対象者に寄り添った支援を実施しております。  特に、長期離職等により就労に課題がある方につきましては、生活保護受給者等就労体験・就労訓練事業につなげることで、個別の課題への対応を図りながら支援を実施しております。今後も就労支援に携わるそれぞれの支援機関が相互に情報共有や連携を図りながら、支援を求める全ての方に必要な支援が行き届くよう実施してまいりたいと考えております。  なお、議員御紹介のとおり、ユニバーサル就労について、富士市では平成29年度から条例を施行し、実施しているとのことですので、その事業効果等に注視してまいりたいと考えております。   〔13番山梨 渉君登壇〕 42 ◯13番(山梨 渉君) 御答弁ありがとうございました。  質問を続けます。  次に、イエローチョーク作戦についてです。  犬を飼っている方にとっては、犬と一緒にいるとき幸せを感じているのではないでしょうか。家に帰ってきたときに尻尾を振って迎えてくれる姿、体を寄せてきたときの温かい体温、寝ているときの無邪気な顔など、自分を信頼し甘えてくるペットの存在はストレスを解消するだけでなく、高血圧を正常にしたり、心拍を落ち着かせたりする効用もあると言われております。  静岡県立こども病院では動物介在療法を通じて、患者の生活の質を改善し治療に役立てるため、平成22年に全国で初めてファシリティドッグを導入しました。入院中の子供たちの不安やストレスを軽減し、勇気を与えています。このようにペットはまさに家族の一員として、私たちの生活の中で大きなウエートを占めており、これからも人とペットが快く共生できる社会の構築が求められます。  少し古いのですが、平成22年に行われた動物愛護に関する世論調査によると、ペットを飼うのが好きと答えた方は72.5%、嫌いと答えた方25.1%に比べ圧倒的に多く、ペット飼育がよい理由として、生活に潤いや安らぎが生まれる61.4%を初め、家庭が和やかになる、子供たちが心豊かに育つなどが上位の回答となっております。一方、他人がペットを飼うことについて、どのようなことに迷惑を感じるか聞いたところ、散歩している犬のふんの放置など、飼い主のマナーが悪いを挙げた方が55.9%と、最も多い回答になっております。  またこれは、住宅の多い地区のほうが農林漁村地区に比べ多い傾向が明らかになっております。静岡市の犬の飼い主は散歩の際、必ずふんを持ち帰っていかれる方がほとんどであると感じています。しかし、一部ではありますが、マナーが悪い飼い主の苦情を耳にします。  先般、清水区在住の愛犬家グループの方から御要望を頂戴しました。自宅付近にふんを放置する飼い主がおり、これまで地域の取り組みとして注意を促す張り紙をしてみたが、余り効果がなかったそうです。そこで、もう一歩踏み込んだ対策として、静岡市にイエローチョーク作戦をぜひ導入してほしいという要望でした。  イエローチョーク作戦とは、チョークを使って放置されたふんを強調することで飼い主に警告し、マナー向上を促すというユニークな取り組みです。お手元の資料をごらんください。手順としては、路上に放置されたふんを黄色いチョークを使って丸で囲み、発見日時を書き込みます。そして、時間を変えて再度確認し、ふんがまだあるときには確認した時間、ふんがないときには確認時間とともに、なしと書いていくといったぐあいです。取り組みを始めた京都府宇治市では、平成28年からイエローチョーク作戦を開始。約半年間、週2~3回、特にふんの被害が多い地区で早朝、夜間に実験したところ、ふんを放置する飼い主が激減する効果が確認され、希望する市民にチョークの配布を開始。市広報やマスコミ報道でこの運動が広がり、多くの町内会で実施され、市内全域で効果が広がったそうです。  イエローチョーク作戦のすぐれたところは、市民が主体的に地域の環境美化に取り組むことができ、誰にでもできるという点。必要なものは黄色いチョークだけなのでコストもほとんどかからない点。また、その後チョークならば雨などで簡単に消える点です。本市でもぜひ導入を検討していただきたいと思います。  2点質問です。  まず、現状の確認として1点目、犬の登録数と犬に関する苦情件数、また、そのうち犬のふんに関する苦情の件数及びその対策はどうなっているのか、伺います。  2点目として、本市はイエローチョーク作戦の導入についてどのように考えるのか、伺います。  以上、2回目の質問です。 43 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) イエローチョーク作戦に関し、まず、本市の犬の登録数ですが、平成27年度は3万5,757頭、28年度は3万5,437頭、29年度は3万4,437頭で、ここ数年は減少傾向にあります。  犬に関する苦情の件数は、平成29年度474件で、そのうち犬のふんに対する苦情の件数は89件となっています。放置される犬のふんへの対策に悩む個人や自治会・町内会からの相談を受け、市では対策に関する情報提供や警告に用いるプレートやチラシの配布、市ホームページによる注意喚起等を行っています。  次に、イエローチョーク作戦の導入についてですが、発祥の地である宇治市においては、地域住民が主体的に取り組む活動を市が支援し、少ない経費で大きな効果を上げているという実績があります。また、小平市や久留米市、県内では富士市などでも活動事例があると聞いております。イエローチョーク作戦は、放置される犬のふんへの対策として効果が期待される新しい取り組みであり、本市としても先行事例の手法等について調査に努め、積極的に情報提供を行うことで、対策に取り組む皆さんを支援していきたいと考えております。   〔13番山梨 渉君登壇〕 44 ◯13番(山梨 渉君) 御答弁ありがとうございました。  3回目は意見・要望です。  まず、新年度からLGBTフレンドリー推進事業がスタートいたします。相談事業、居場所づくりなど、県内でも初めての具体的なLGBT施策が盛り込まれたこと、また、教育委員会での具体的な取り組みが進んでいることは大変大きな前進であると感じております。ただ、パートナーシップ制度については、国の動向、調査・研究との御答弁で、余り前進が見られませんでした。平成28年9月の議会で、市長は前向きに捉えていただきましたが、当面は先行事例の動向を見守っていくという姿勢にとどめました。見守っている間、調査・研究をしている間に他都市の動向は大きく変化しつつあるという感じがいたします。  市長は施政方針で所信を語られました。市民それぞれが輝き、自分らしい人生を謳歌できる、世界に輝く静岡にする。この言葉はLGBT当事者にはどのように聞こえたのでしょうか。オリンピックを見据えた導入に向け、新年度における検討の開始に期待をしたいと思います。  ユニバーサル就労についてです。  就労に困難を抱える方への支援がさまざま行われていることを改めて確認させていただきました。御答弁で成果や課題まで言及はありませんでしたが、果たして現状の支援で十分なのでしょうか。先ほど質問の前段でも述べましたが、縦割り行政の支援など、まだまだ多くの課題を残していると感じます。大切なことは、就労を軸に各事業がどこまで踏み込めているのかという点であろうと思います。ユニバーサル就労はその解決策として大変有効な支援体制であると思います。生活困窮者自立支援などの事業枠にとらわれず、支援を必要とする方に合わせた静岡市らしい支援のあり方を検討いただきたいと思います。  そして、最後にイエローチョーク作戦について、本市での導入に向け、大変前向きな御答弁をいただいたと思います。まことにありがとうございます。御提案いただいた愛犬家の皆さんも大変喜んでいると思いますし、きっとチョークを片手に、やる気に満ちていると思います。動物指導センターを初め関係所管課におかれましては、広報、周知徹底を図っていただきたい。そして、イエローチョーク作戦を実施する市民任せにならないよう、進めていただきたいと思います。  今回の3つの質問のテーマは、市民や団体からの御相談、御要望から取り上げさせていただきました。最後に市長を初め市当局におかれましては、今後も謙虚に市民の声に耳を傾け、誠実にスピーディーに対応していただきたいと申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 45 ◯議長(田形清信君) 次に、加藤博男君。   〔2番加藤博男君登壇〕 46 ◯2番(加藤博男君) それでは、通告に従い質問を進めてまいります。  大項目1はWeWorkについてであります。  既にこのWeWorkについては市長の施政方針や代表質問の中で取り上げられておりますが、少し掘り下げて確認していきたいと思います。  このWeWorkには、昨年11月に同じ会派の井上智仁議員と視察させていただきました。東京駅から歩いて5分程度で、ドラマ「スーツ」の舞台にもなった東京スクエアガーデンのWeWorkに本市が入居しているとのことで、訪問させていただきました。  まず、このWeWorkとは何なのかということでありますが、一言で言いますと多機能のシェアオフィスということであります。大企業から個人事業主、スタートアップしたばかりの企業など、参加した企業であれば、このWeWork全体のネットワークとつながることができるコミュニティ型ワークスペースで、世界各国の主要都市に展開されております。日本国内でも東京、大阪、名古屋、福岡などに進出しており、名古屋でも近くオープンの予定です。  このWeWorkのメリットは、入居企業が全世界のWeWorkオフィスでイベントを開催することができるところ。マッチング支援をWeWorkスタッフが仲介し、コミュニケーションを促してくれるメリットもあります。また、そのオフィスも斬新なつくりで、我々が訪問した東京スクエアガーデンでも居心地がよい共用エリアや個性的な会議室、プライベートオフィスやアメニティが充実しておりました。ミーティングの合間に一息しながら、コーヒーを片手に入居企業同士でちょっとした会話ができたり、通常の仕事をしながら入居企業同士でビジネスの話が行える環境です。  また、ビル内には飲食店や店舗が豊富にあり、接待やチームの集まりなどにも効果的とのことです。1,000人以上の従業員を抱えるグローバル企業から個人経営者まで、規模を問わず充実したオフィス環境を提供し、生産性を高め、企業同士のマッチングに最適な環境を提供するというのがWeWorkのうたい文句です。  一方で、そこに入居している企業の社員は、さまざまな出会いが築けますが、ある程度のコミュニケーションスキルが求められると感じました。また、グローバルな展開をするワーキングスペースであるため、外国人も多く見かけました。そういった意味でも、外国人とも気さくに会話ができるような、物おじしない積極性も求められると感じたところです。  そして、視察をする中で、本市の職員からお聞きしたことで時代が変わったなと思ったことがありました。最近の企業は情報を隠さないということです。いわゆるオープンイノベーションです。現在でも企業秘密は数多く存在していると思いますが、ここでは企業のプライベートオフィスはガラス張りで、廊下から仕事をしているところが見えてしまい、情報を隠すような配慮はありません。一方で、これまでの企業の商品開発は全て自社の中のみで積み上げて開発し、ライバルに気づかれないよう、水面下でひたすら知恵を絞り、技術を磨くのが普通です。  また、こういうものをつくれないかと取引先を呼んで商談したりというのが一般的ではありますが、ここでは違うようです。最近では商品開発のスピードが早く、どんどん新しいものが生まれる世の中であるため、情報を隠すどころか、さまざまな情報を企業同士がお互い出し合って、その場でアイデアを交換したり、自社にはない視点を得られたり、取引先との面倒な商談の手間がなくなる可能性があります。何よりスピードが問われる昨今、技術やアイデアを抱え込んでいては競争に勝てなくなってきているのが現実となってきております。  企業や個人がつながって、日本のシェアオフィス発で世界を変える新ビジネスが生まれることに期待されるところではありますが、こうしたWeWorkになぜ自治体である本市が参画するのかが、まず1つ目の質問です。  静岡市が自治体としてWeWorkに参加する目的は何か、市長にお伺いします。  2つ目に、世界各国に展開しているWeWorkでは、入居企業は全世界のWeWorkでイベントをすることができますが、国内や首都圏だけでもそのスペースの活用を効果的に行えば、本市のシティプロモーションにも有益ではないかと考えます。  そこで2つ目の質問です。  シティプロモーションではどのような取り組みをしていくのか、伺います。
     また、代表質問の中でも取り上げられておりましたが、本市の中小企業支援の1つとしてWeWorkの活用も実施されていくとお聞きしておりますが、企業支援ではどのような取り組みをしていくのか、あわせて伺います。  続いて、大項目の2つ目ですが、ここからは住民福祉の向上にかかわる質問をしてまいります。  まず、育児を家庭で共有するための取り組みについてです。  本市の女性の有業率は上昇傾向にあり、母親だけではなく育児を家族で共有していく必要があると考えます。本市市民局の調査によりますと、25歳から44歳の女性の有業率は、平成24年では69.4%であったのに対し、平成29年は77.3%と高くなっている傾向にあります。母親だけに育児の負担がかかってしまえば、母親自身も子育てと仕事に追われ、もう一人子供を産みたいという思いもどんどん減っていくことになってしまうのではないでしょうか。  県が行った意識調査では、結婚生活が幸福だと考える女性が多ければ出生率が向上するという結果が得られております。この結婚生活が幸福であるという結婚幸福度の尺度は、医療の充実、ワークライフバランス、仕事をしながら子育てしやすい環境などの満足度が挙げられております。こうした結婚幸福度を数値化して出生率と比較すると、女性の結婚幸福度が高い市町ほど出生率が高い傾向があるとのことです。  また、海外では男性もしっかり育児に参加する風土が根付いています。特に、北欧の国々ではフレキシブルな育休制度や雇用の流動性が背景にあることで、育児休暇率が80%に近い数字となっております。本市でも女性活躍を推進し、男性の育児や家事参加を後押ししていただいておりますが、根本的にパートナーである男性や職場の上司、同僚である男性の協力がなければ成立しないのではないでしょうか。もちろん生産性を向上させ、定時でしっかり帰れるように、働き方改革などの支援が必要であると考えますが、イクボスやイクメンが叫ばれている昨今、私自身も含めてどのようにして理解ある男性をふやしていくか、また、子育てを応援するような職場の雰囲気をどうやって醸成していくかが課題であるとも考えております。  そこで伺います。  本市では、父親の育児参加に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。  さて、私の家庭でも祖父母の存在は非常に大きいと感じております。サラリーマン時代には、家族4人で転勤し西宮市に住んでおりましたが、いざというとき、困ったときに頼れる存在がいるかいないかでは、精神的、肉体的な負担は母親にとって大きな差があると感じておりました。その意味で、祖父母が近くにいる場合に孫育てを安心して行っていただくことは、父母、特に母親の安心感につながります。また、祖父母の皆さんにとっても、安心して孫育てをしていきたいのは当然の思いであると感じています。  しかしながら、祖父母と父母では覚えた子育ての方法が異なり、世代間のギャップから摩擦が生じる場合もあると聞いております。ある情報サイトの昨年9月の調査によりますと、子育て世代の8割以上が祖父母の育児参加に賛成している一方で、4割が祖父母の育児に対する考え方にギャップを感じているとのことです。例えば、自分が使ったスプーンや箸で直接子供にあげようとしたり、食物アレルギーを全く気にしていないとか、離乳食で熱いものや固いものを大人がかみ砕いて与えるなどの事例がある中、さいたま市ではこのようなギャップを埋めるために、両者間に入る客観的なツールとして祖父母手帳を配布しているとお聞きしております。そこで伺います。  祖父母に役立つ情報の発信について、どのように取り組んでいくのかお聞きします。  以上、1回目です。 47 ◯市長(田辺信宏君) 私からは大項目、WeWorkについて、静岡市が自治体としてWeWorkに参画する目的は何かとの御質問にお答えいたします。  総務局と経済局の若手職員たちが鳴り物入りで局間連携のもと、目下推進的に取り組んでいる、このWeWork活用について、同じ若手議員の加藤議員が着目していただき、そして、本会議定例会の論点に取り上げていただいたこと、大変心強く、またうれしく存じます。御指摘のとおり、本市は昨年10月からの試行期間を経て、4月から、全国の地方自治体としては初めてWeWorkに参画することを決断いたしました。  本市がWeWorkに参画する目的は2つあります。  1つ目は、本市の首都圏におけるシティプロモーションの新たな拠点として活用していこうという目的。2つ目は、首都圏に進出したいと考えている本市の中小企業を支援していく拠点として活用していこうという目的であります。  まず、シティプロモーションの拠点としてでありますが、私は世界に輝く静岡を意識した市政運営の2つの視点のうちの1つとして情報発信力の強化を打ち出しました。そのためには東京事務所の機能をさらに強化して、シティプロモーションを強力に推進していく必要があると考えています。そこで、本市が着目したのが、このWeWorkであります。WeWorkは既に世界27カ国、400カ所以上に拠点を持ち、約5万社の業種や分野の垣根を超えた多種多様な企業から約40万人のビジネスパーソンが会員として利用しています。そして、その拠点が国内では首都圏を中心に急速に拡大し、多くの国内の企業も注目し始めているというのが現況であります。  そこで、私ども静岡市もそんなWeWorkに集まる企業家精神に富んださまざまな人材、人々との出会いが情報発信の拠点として大変魅力的で、国内のみならず世界に向けて本市をアピールする可能性が高まっていく、そんな場ではないかと感じたからであります。実際、私が職員に伴われ、現地に赴いて自分の目で確かめてきましたが、そこで行われている企業や会員同士の活発な議論をする姿、エネルギーに、私は大変魅力を感じました。  まずは、静岡市役所が一プレーヤーとして、行政組織としてここに入っていって、ネットワークをつくるということがシティプロモーションのさらなる強化につながっていくのではないかと期待しています。  2つ目は、そうしてベースをつくったもとで、本市の中小企業のビジネスチャンスを広げるための企業支援の拠点として活用していくと。WeWorkの特徴は、ここに集まる企業は新しいアイデアの創出や販路の拡大などについてさまざまなノウハウを持っていると仄聞しています。そこに本市の職員が水先案内人となって、首都圏に進出したいと考えている中小企業の拠点としてバックアップしていき、会員企業とのビジネスマッチングの場を提供していく、これが逡巡している企業の背中を押すことになる、ビジネスチャンスの拡大につながるのではないかと期待しております。  東京事務所が行うシティプロモーションの拠点として、既に有楽町に移住支援センターがありますが、WeWorkをもう1つの拠点として、また市内企業を支援する拠点として、総務局、経済局の連携のもと、効果的に活用し、交流人口の拡大のみならず、本市経済の活性化、そして、「世界に輝く静岡」の実現に向けての新しい挑戦をしていきたいと考えております。  以下、詳しい取り組み内容については、さらに各局長から責任を持ってお答えいたします。 48 ◯総務局長(大長義之君) シティプロモーションではどのような取り組みをしていくのかについてお答えいたします。  平成30年10月以降、WeWorkの共有スペースを活用し、試行的に本市のPRイベントを開催してきました。会員の利点として、全てのWeWorkを自由に利用することができるため、都内に10カ所あるWeWorkの拠点のうち、銀座や丸の内、京橋の3カ所で3カ月の間に4回のイベントを実施してきました。お手元にWeWorkに関する資料を配布させていただきましたので、ごらんください。  議員の御案内でガラス張りの各企業のブースとありましたが、右上の写真が本市のブースになります。左上の共有スペースが各種イベントを行うことができるコミュニティスペースと呼ばれる空間になります。こちらではアルコールも含めて飲食可能となっております。中段、下段の4枚の写真が今回のイベントの開催風景となります。  イベントの内容でございますが、静岡の「食」、「ものづくり」、「歴史」の3つのテーマを掲げ、「食」では市の代表的なイメージである静岡茶を取り上げ、気軽に緑茶に親しんでいただけるよう、お茶の新しい楽しみ方を紹介しました。  次に、「ものづくり」では、本市のものづくりの伝統から生まれたユニークな商品を紹介し、「歴史」では駿府城跡の天守台発掘調査による豊臣時代の幻の城の発見などで注目される中、市の歴史文化の魅力について紹介いたしました。  イベントによっては立ち見の方も出るほど多くの参加をいただき、終了後も継続して交流を深めるとともに、参加者によるSNSなどを利用した本市情報の拡散が図られ、実際に本市を訪れた方もいるなど、徐々にその成果が出始めているところでございます。  平成31年度の本格実施に向けて、本年度のイベントに参加した方々の声を参考に、開催場所、開催時期、テーマ、手法などを検討し、年間を通じた、いつでもシティプロモーションの実施を目指していきます。実施に当たっては、総務局と経済局にとどまらず、局間連携のもと、本市のシティプロモーションに努めてまいります。  さらに、WeWorkでは日々会員同士が頻繁に情報交換を行っており、その中に職員が積極的に入り込んでいくことで、ビジネス界における国内外の潮流をつぶさにつかみ取るとともに、コミュニケーション能力の高い人材の育成にもつなげていきたいと考えております。 49 ◯経済局長(池田文信君) 企業支援ではどのような取り組みをしていくのかについてですが、WeWorkには国内の大手企業を初め、国際的に知名度の高いグローバル企業、ベンチャー企業、起業家など、さまざまな企業や人材との接点を効率よくつくっていくことができる魅力的な環境が整っています。一方で、市内の中小企業からは、首都圏を初めとする国内外の企業と新たなネットワークを構築したいが、単独での取り組みは難しいといった声が多く寄せられています。  そこで、WeWorkを効果的に活用し、市内企業の課題を解決する取り組みとして、新規顧客開拓などを目的とした市内企業と会員企業とのビジネス・マッチング。また、会員専用SNSやイベントを活用したテストマーケティングやプロモーションなどの支援を行っていきます。平成30年10月以降に実施した本市のものづくり技術や地域資源を活用した新商品のプロモーションなどをきっかけに、会員企業への営業活動を開始した企業や、新商品の試食が商談につながった企業もあり、ビジネスの芽も着実に出始めています。  また、本市職員もSNSや個別訪問などで、既に200社を超える会員企業と接点を持ち、積極的な情報交換を行っており、市内企業との縁結びに役立てています。本市が他の自治体に先駆けて参画したことは、WeWorkの会員企業にとって大きなインパクトであり、連携を希望するアプローチが数多く来ています。  これをチャンスと捉え、WeWorkでの取り組みを本格化させ、市内企業のビジネス展開を支援するとともに、例えば、市内企業と会員企業の連携を促し、AIなどの分野における研究・開発や実証実験を本市で行うなど、新たな展開も模索していきたいと考えています。  WeWorkでの取り組みは、本議会に提案させていただいた中小企業・小規模企業振興条例の理念である中小企業等の持続的な発展に通じるものであり、この取り組みによって中小企業を下支えし、本市経済の活性化につなげてまいります。 50 ◯子ども未来局長(石野弘康君) 育児を家族で共有するための取り組みに関する2点の質問にお答えします。  まず、父親の育児参加に向けてどのように取り組んでいくのかについてですが、家族で子育てをするためには、父親の子育てへの積極的な参加が大切であり、これまでに、親子で遊びながら父親同士が交流する「子育てパパトーク」に対する助成のほか、父親の子育てへのかかわり方や役割を掲載した冊子の作成など、啓発に努めてまいりました。平成30年度はこの啓発冊子に加え、夫婦間で子育てについての役割を話し合うきっかけづくりの取り組みとして、男性目線で子育ての思いや経験談などを共有する子育てあるある漫画を作成し、市内のこども園などを通して、各家庭に配布しました。  また、現在、次期静岡市子ども・子育て支援プラン策定のためのニーズ調査を実施しており、その中で、父親が日ごろどの程度子育てにかかわっているのか、父親が子育てにかかわりづらい理由は何かなどの調査項目を設定し、父親の育児参加を取り巻く現状と課題の把握に努めております。平成31年度には、このニーズ調査の結果を分析し、父親を含め家族全体で育児に参加するための施策について次期プランに位置づけ、子育てにおいて母親が孤立しないような取り組みを推進してまいります。  次に、祖父母に役立つ情報発信についてどのように取り組んでいくのかについてですが、共働き世帯が増加する中、親にかわり祖父母が育児にかかわる孫育てが全国的に広がっています。しかし、昔と今では子育ての常識が変化しており、祖父母世代と親世代とでは子育ての方法に違いが見られます。このため、本市では、保健師等が生後間もない乳児のいる家庭を訪問する際配布する冊子に、育児や予防接種に関する内容に加えて、子育ての昔と今という子育ての違いに関する情報も掲載しております。保健師等はこの冊子を用いて、昔と今の子育ての違いを含め、各家庭の状況に応じた子育てなどに関する説明や相談を行っております。  平成31年度は、この冊子の子育ての違いに関する情報について、内容をさらに充実させていくとともに、リーフレットを別に作成し、生涯学習施設等さまざまな年代が集まる施設に配架するなど、祖父母世代に対する情報発信に努めてまいります。  これらの取り組みにより、祖父母世代、親世代それぞれが子育てに関する常識の違いを理解し合うことで、世代間のギャップから生じる摩擦を解消し、家族全体で子育てしやすい環境づくりを進めてまいります。 51 ◯議長(田形清信君) この際、暫時休憩いたします。         午前11時53分休憩    ───────────────────         午後1時再開 52 ◯副議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行します。  引き続き、加藤博男君の発言を許します。   〔2番加藤博男君登壇〕 53 ◯2番(加藤博男君) 午前中に引き続き、しばしおつき合いください。  先ほど市長から、WeWorkについては御答弁いただきました。自治体として初めて、ここに入居することを決めた積極的な姿勢は、しっかりとした局間連携、それから、中堅、若手職員の現場でつかんだ鋭い感覚、意見を取り入れていただいたのではないかと今感じています。今後もこうした積極的かつ先見性のある取り組みの推進と、今後の実のある展開に期待しております。意見・要望は3回目に述べさせていただきまして、2回目の質問とさせていただきます。  2回目は、まず、在宅医療について伺います。  既に、公明党代表質問でも大石直樹議員から質問をさせていただき、在宅医療に関する本市の取り組みの考え方についてお聞きしました。私からは、さらにこの在宅医療について、関連する2つの質問をさせていただきます。  超高齢社会を迎えた我が国では、終末期を迎えた方の生活の質を確保するという観点及び医療ケア、福祉施設ケアなどの社会的負担を軽減すべく、在宅で重介護期、終末期を過ごしていただく方向に政策方針が展開されております。それが、地域包括ケアシステムであるわけですが、本市でも、言うまでもなく静岡型地域包括ケアシステム「自宅でずっと」プロジェクトを推進しております。このプロジェクトは、本人や家族の希望に応じて、住みなれた場所、特に自宅でずっと安心して暮らせるまちを実現するため、医療や介護の専門職や地域の市民による連携により、切れ目のない支援体制を身近に小圏域で構築するものであります。この本市の取り組みは、その担い手となる在宅医、訪問看護師、介護専門職の方々との連携が欠かせません。  また、昨今では、病院ではなく、自宅や自宅に近い環境でみとられたいという高齢者がふえる一方で、みとりを行える病院、福祉施設も数に限りがあり、2040年ごろには年間死亡者数が最多となることが予想されており、みとりの場所が大量に不足するのではないかとの報道もされております。このような状況の中で、本市では、安心して自宅で過ごせる環境づくりを在宅医、訪問看護師、介護専門職がチームで連携し、在宅医療、介護連携を推進していると認識しておりますが、そこで伺います。  訪問看護事業所における在宅医療・介護連携の現状と課題について、どのように認識しているか、お聞きします。  あわせて、がん終末期の方々に対し、住みなれた生活の場で安心して生活を送っていただくためには、さきに述べた在宅医療・介護連携のほか、こうしたサービスを受けられない方が発生することは避けなければなりません。例えば、介護保険の対象外となる20代、30代の若い世代のがん患者や難病の患者の皆さんにも、安心して在宅医療、介護の支援を受けられる環境づくりも必要だと感じています。既に政令市の中で、横浜市、神戸市、名古屋市などが20代、30代のがん患者の方に対する在宅ターミナルケア支援助成制度を設けております。本市でもこのようなきめ細かな支援策が求められると捉えておりますが、ここでは一点、がん終末期の在宅支援に対して、本市では現在どのように取り組んでいるか、伺います。  続いて最後の質問となりますが、窓口手続の負担軽減についてであります。  市民の皆さんにとって、申請に必要な添付書類をそろえるため、役所の窓口を幾つも回らなければならない。窓口は混雑しており、開庁時間にあわせて何度も足を運ぶのは困難。このような不便だという声を耳にすることは決して少なくはないのでしょう。こうした状況を打開するために、特に御葬儀の後の窓口手続の煩雑さを改善するため、全国ではおくやみコーナーという窓口が設置されるようになり、テレビでの報道や我が党の機関紙でもその内容が掲載されております。まず、大分県別府市でこの取り組みが開始され、2016年5月におくやみコーナーをスタートしました。昨年、2017年には三重県松阪市、愛媛県松山市、兵庫県三田市、神奈川県大和市の各市が同様の窓口を開設しているとのことです。  別府市のコーナーでは、最初にお客様シートに死亡者の氏名や生年月日などを書き込んでもらいます。職員がデータを入力すると、必要な手続が導き出され、関係書類が一括して作成されます。遺族は、どの課でどんな手続をするのかを示した一覧表をもとに説明を受け、窓口へ行きます。死亡者の情報を伝えられた各窓口では、事前に準備をし、窓口では、お待ちしておりましたと迎えられるとのことです。体が不自由な場合は職員がコーナーに出向くこともあり、これによって必要な時間は3割から5割は短くなったのではと担当者は語っております。  人口12万人の都市で、これを3人の専任者が担当しており、大がかりなシステム改修もなく、自前での書式作成と関係部署への徹底によって運用しているとのことです。市民の負担軽減への熱意と知恵を感じる取り組みであると思います。こうした記事を読んだ市民から、本市でもこうした住民サービスの向上は、ぜひ取り入れるべきではないかとの市民の声も届いております。私自身も他市の事例を確認させていただきましたが、死亡届のほか、転出入届、出生届、介護関係などにも展開できそうな取り組みであり、現在、市で取り組んでいるRPAやAIなどの改善とあわせて、行っていくべき取り組みであると感じております。  その中でもまずは、悲しみの中で対応を迫られている御遺族に対する御負担を軽減していくことが行政に求められているのではないかと考えます。そこで伺います。  全国ではおくやみ窓口の設置など、遺族が窓口で行う手続の負担軽減への取り組みが少しずつ始まっているが、本市の現状と今後の取り組みについて伺いたいと思います。  以上、2回目です。 54 ◯健康長寿統括監(羽根田信人君) 在宅医療に関する2点の御質問についてお答えします。  まず、訪問看護事業所における在宅医療・介護連携の現状と課題についてですが、平成29年12月に本市が行った在宅医療の提供と連携に関する実態調査によりますと、まず、在宅医療・介護連携の現状については、訪問看護事業所の約9割が、うまくいっている、まあまあうまくいっていると回答しています。また、半数の事業所が、過去3年間で職種間での情報交換や在宅医療・介護連携の知識習得などの取り組みが進んだと回答しています。  次に、課題については、半数の事業所が、一般市民への周知、啓発、多職種が情報共有するためのツールの作成などに取り組む必要があると回答しています。これらへの具体的な対応として、本市では、市民への出前講座や講演会の開催、パンフレット作成などの取り組みの充実を図るとともに、平成26年度に作成した多職種間で使用する様式集について随時見直しを図り、専門職の新人研修に活用するなど、その利用を促進しています。さらに、平成31年度は新たに、医師と訪問看護師との連携を充実させる研修に取り組むなど、訪問看護事業所における在宅医療・介護連携が一層進むよう支援してまいります。  次に、がん終末期の在宅支援の取り組みについてですが、がん末期は介護保険制度において特定疾病の1つとして認められていることから、40歳以上の方は要介護認定を経て、福祉用具の貸与、訪問介護、訪問看護等の在宅支援を受けることができます。また、要介護認定で非該当となり、介護保険サービスを利用できない場合であっても、在宅での支援が受けられるよう、平成30年度から新たに市独自で、がん末期在宅介護支援事業を実施しております。  この事業では、医療保険にない特殊寝台の貸与、訪問介護、訪問入浴介護の在宅サービスについて、居宅介護支援事業者がケアマネジメントプランを作成することで、介護保険と同様に9割の費用助成を受けることが可能となります。  なお、がん末期は急性期の疾病であることから、医療保険の訪問看護を利用する場合もありますが、これについては年齢制限なく利用することができます。 55 ◯葵区長(望月 久君) 御遺族が窓口で行う手続の負担軽減についてですが、現在、各区役所の窓口では、御家族の方が亡くなられた際に必要となる手続の種類、窓口場所、方法などをまとめた一覧表を御遺族の方にお配りし、御案内しています。しかしながら、一度に多くの手続を行わなければならない御遺族の負担は大きく、昨年8月に試行したおもてなしコンシェルジュなどをきっかけに、窓口を担当する職員からも見直しの必要性の声が上がっておりました。その後、9月には、別府市などの先進的な取り組みが報道され、全国で同様の課題を抱えていることがわかり、本市でも市民の皆さんに寄り添ったサービスへの具体的な対応が必要と考え、11月から若手職員を中心とした検討を開始いたしました。  検討の中で、おくやみ窓口などを設置している5カ所の先進都市へ、3区が分担して視察調査を行ったところ、おくやみ窓口は大きく2つの方式で行われていることがわかりました。1つ目は申請や手続をお客様が1カ所の窓口で完了できるワンストップ方式で、三田市や松阪市などが採用しております。お客様は窓口を移動する手間がかからない反面、職員が手続の種類によって入れかわるため、処理に時間を要し、1日に対応できる件数が限られています。  2つ目は、必要となる手続の案内と申請書等の作成を一括して1カ所で行った後、お客様自身が各窓口を回るセルフ方式です。対応件数はワンストップ方式と比べふえますが、窓口への移動が必要となるため、大和市では職員がコンシェルジュとなって各窓口まで御案内しています。また、別府市ではワンストップ方式とセルフ方式をお客様が選択できる体制をとっております。  いずれの取り組みも市民の皆さんから高い評価を得ていることから、これら先進都市の事例を参考に、3区と手続に関係する各局で早急に具体的な方法を整理し、おもてなしコンシェルジュと連携した、市民の皆さんに寄り添ったサービスが提供できるよう取り組んでまいります。   〔2番加藤博男君登壇〕 56 ◯2番(加藤博男君) 新しい取り組みの内容ばかりでしたけれども、前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  3回目は意見・要望です。  まず、WeWorkに関してですが、WeWorkのシティプロモーションに関連して、首都圏で緑茶の楽しみ方や本市の地場産品の紹介、歴史文化の魅力をイベントで紹介するなど、新しい取り組みをされているということで、大いに歓迎したいところです。また、実際に海外でのプロモーションを行う際には、清水港のポートセールスとかけ合わせ、お茶の新しい販路拡大に伴う輸出やクルーズ船社への新たな寄港につなげていくことも不可能ではないものと考えます。今後も、これまでのやり方にとらわれない取り組みに期待するとともに、市内立地企業のビジネスチャンスを広げ、かつ企業誘致などを通して定住人口の増加に資する取り組みを期待しております。  続いて、育児を家族で共有するための取り組みの意見・要望でありますが、男性の育児参加については、働き方改革も同時に進めなければ進まないと考えますので、今後も経済局、子ども未来局が連携しながら取り組んでいただきますようお願いいたします。  続いて、在宅医療についてですが、介護保険の対象とならない世代が取り残されないように支援を行っていく必要があると考えます。がん患者や難病の患者の皆さんが安心して在宅医療、介護の支援を受けられる環境づくりが必要であり、質問の中でも触れましたけれども、他市で既に創設しています在宅ターミナルケア制度を本市も導入し、静岡市型在宅ターミナルケア新制度の創設の検討を要望いたします。  また、在宅で人口呼吸器を使用する患者にとって、災害時の長期停電は命の危険に直結します。そこで、先月成立した国の補正予算で厚生労働省は、停電時に医療機関が在宅患者に貸し出すための非常用電源について、購入費用を補助する事業を創設しております。厚生労働省によると、これまで難病患者を対象とした支援策はあったが、今回は対象を限定しておらず、医療機関、在宅患者ともに幅広く利用できるというのが特徴とのことでありますので、本市でもこうした制度の周知を図っていただければと思います。  また、訪問看護などの担い手である方々からの声として駐車場の問題があります。在宅患者のお宅に行くまでの道が狭かったり、駐車スペースがない場合には自転車やバイクでの訪問となり、雨の日などの訪問はしづらくなります。現在では公共施設、銀行、スーパーなどに車をとめて訪問するケースがあるようですが、近隣企業や公民館などにも駐車スペースを提供していただける企業や、自治会・町内会に協力を求めていくことも必要かと感じております。こうした細かな困り事を解消することも、「自宅でずっと」プロジェクトを推進する1つにつながるのではないかと考えます。  最後に、窓口手続の負担軽減についてでありますが、現在政府でも国と自治体の行政手続をインターネット上で行えるようにする、デジタル・ガバメント実行計画が発表されております。この計画では、今回の質問で取り上げた死亡届のほか、相続手続、介護認定の手続のオンライン化による負担軽減なども想定しております。こうした国の動きも敏感に察知していただきながら、市民目線で窓口手続の負担軽減に努めていただき、同時に職員の皆さんの働き方改革、そして、男性の育児、家事参加にもつなげていただくことを要望し、全ての質問を終わらせていただきます。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 57 ◯副議長(望月俊明君) 次に、鈴木節子さん。   〔24番鈴木節子君登壇〕 58 ◯24番(鈴木節子君) 通告に従いまして2つのテーマで質問いたします。  まず、行政サービス向上と職員のあり方についてです。  全国の地方公務員は1994年の328万人から、2017年には274万人へと54万人も削減されています。中でも、集中改革プランによって、国が地方自治体に数値目標まで掲げさせ、職員を削減させてきました。全国で23万人の職員が削減されています。職場では異常な長時間労働、休日出勤による職員の健康破壊も深刻となり、業務に見合った人員の確保、労働時間の規制も必要です。正規職員が削減される一方で、非正規職員が増加し、低い労働条件のもとで働いています。住民サービスは指定管理者導入、公共施設の統廃合、民営化が進み、民間でできるものは民間でと、公の立場で住民サービスを担保、保証するという精神が弱まり、住民福祉の公的責任が縮小、後退するというおそれがあります。  本市が進めてきた行財政改革による職員削減で、住民福祉の増進を進めるべき行政の役割が果たせるのかという問題意識で質問します。  まず、これまでの2005年から2014年までの2度の定員管理計画と2015年からの職員適正配置計画により、正規職員の増員数、減員数の推移はどういう状況かを伺います。  また、正規職員と非常勤職員の数と非常勤職員がそれに占める割合を、小中学校の職員を除いた数で伺います。  次に、教育行政についてです。  まず、正規の教職員増員について質問します。  今、教職員の長時間過密労働が社会問題になっています。文部科学省が行った教諭の勤務実態調査によると、月曜日から金曜日まで毎日12時間近く働き、休みのはずの土日も働いている実態が浮かび上がりました。朝6時に学校に来て、夜は9時まで仕事が当たり前という実態もあります。教職員の時間外勤務は日常的にどの学校にもあり、現在の教職員定数のままでは働き方改革では解消されず、教職員の命と健康が絶えず脅かされていることをあらわしています。  長時間労働と並んで見過ごせないのが教職員の非正規化です。2001年の規制緩和などにより、教員の非正規雇用が進み、同じ担任の仕事をしても非正規教員は給与が余りに違うとか、病気でも休めないなど、理不尽な実態が進んでいます。異常な働き方、忙しさは子供の教育に深刻な影響を与えており、教職員の定員増は待ったなしの課題です。  質問の1点目に、小中学校の正規教職員数、非正規教職員数の近年の推移はどういう状況か、伺います。  2点目に、長時間労働の実態について。厚生労働省が過労死ラインとしているのは月80時間です。それをはるかに超える月100時間以上の時間外勤務が本市では300人を超えていましたが、ここ数年さらにふえ続けているのではないか、傾向をお聞きします。  これまで、公立教員は学校の業務のために長時間働いても、法律で時間外勤務はないことにされているため、残業時間が把握されず、残業代も払われない状況が続いてきました。このたび、労働安全衛生法の改正により、新年度から事業者は労働者の労働時間の状況把握が義務づけられることになりました。把握方法はタイムカードによる記録、パソコン等の使用時間の記録など、客観的な方法となりました。  質問です。
     労働時間把握はどのように行うのか、また、教職員の健康管理、安全管理をどのように行うのか、伺います。  続いて、2項目めの小中一貫教育についてです。  本市は2022年度から全小中学校が小中一貫教育に取り組むことを目指しています。目的は教育の質をさらに高める、子供たちの社会参画意識をさらに高める、教職員意識の変化と指導力の向上、学校と地域社会の互恵関係の強化を挙げています。これらは小中一貫教育でなければ達成できないのか。なぜ現制度のままではいけないのか。根拠も因果関係も不透明なまま突き進もうとしています。2017年の文部科学省による調査では、小中一貫教育設置数は全国で37都道府県、84市区町村、246件です。一気に移行はしていません。  教職員の負担について課題が認められると回答した割合は、小中の教職員の打ち合わせ時間の確保64%、教職員の負担感・多忙感の解消64%、小中合同の研修時間の確保53%、教職員間の負担の不均衡49%など、多くの課題が浮き彫りになっています。本市の実践研究校でも合同研修会、学校行事、教職員の交流などにより、教職員はその準備の打ち合わせ、資料づくりなど、多忙化がさらに深刻になっているのではないか、現状と対策を伺います。  続いて、3項目めの学校図書館についてです。  学校図書館へ専任、専門、正規の司書をという市民の要望のもと、司書の配置が進んできました。現在は6学級以上の小学校86校中68校に、中学校43校中37校に、計103名が配置されています。そのうち司書の資格がある有資格者は38名です。学校図書館は子供にとって本との出会いの場、読書習慣が身につく場であると同時に、憩いの場にもなっています。専門的知識に裏づけされた司書が配置されていることで、図書の配架も抜群に変化し、工夫された図書館は居心地のいい空間にもなっています。  このたび、学校図書館プロジェクトチームが本市でも発足し、組織体制が構築されたことは、学校図書館の役割、位置づけが強化されたことのあかしです。しかし、まだ課題もあります。5学級以下の学校は司書未配置校で、山間地に多く、しかも図書館がない地域です。この地域の児童生徒は二重の意味で図書に接する機会に恵まれていません。また、学校司書の有資格者の割合を引き上げるためにも、採用時の資格要件として司書資格者とすることや、学校司書の待遇改善、研修の充実、各校への配本システムの構築、学校間のネットワークづくりなど、まだ解決すべき課題があります。  学校図書館事業について、成果と到達、課題と今後の方針を伺います。  以上、1回目の質問です。 59 ◯総務局長(大長義之君) 第1次定員管理計画以降の正規職員の増減員の推移についてでございますが、平成17年度から21年度までを計画期間とする第1次計画では、正規職員420人を減員し、平成22年度から26年度までを計画期間とする第2次計画では、正規職員165人の減員を行いました。現在は平成27年度から30年度末までを計画期間として、職員適正配置計画に取り組んでおり、平成30年4月1日時点での減員数は27人です。この結果、合計で612人の正規職員を減員いたしました。  次に、小中学校を除く正規職員と非常勤職員の数と、その割合についてでございますが、平成30年4月1日時点での職員数は、正規職員が6,021人、非常勤職員が1,821人であり、非常勤職員が職員数に占める割合は23.2%となっております。 60 ◯教育局長(遠藤正方君) 正規教職員の増員について2点の質問にお答えします。  まず、本市の小中学校における総教職員と正規教職員の人数と割合についてですが、平成28年度総教職員数2,967人に対して、正規教職員数は2,770人、93.4%、29年度は2,956人に対して2,737人、92.6%、30年度は2,964人に対して2,728人、92.0%となっています。現在、正規教職員の採用を拡大していますが、教職員の大量退職により補充ができていない状況にあります。教育委員会といたしましては、今後も新規採用者の増員や再任用者の活用など、正規教職員の割合を高めるよう取り組んでまいります。  次に、本市の小中学校における長時間労働の実態等についてですが、本市としては1カ月で100時間、2カ月連続で80時間、または3カ月連続で45時間を超える時間外勤務を行った教職員を長時間勤務者と捉えています。毎年6月における長時間勤務者の人数と割合は、平成28年度1,260人、42.6%、29年度1,321人、44.8%、30年度1,340人、45.3%となっています。この問題に対応するため働き方改革プランを策定し、平成30年4月より長時間労働削減に取り組んでいます。プラン実施前後の12月のデータを比較した場合、平成29年度830人が30年度696人と減少しており、校務支援システムや部活動ガイドラインなどの成果があらわれつつあると考えています。  次に、教職員の健康管理についてですが、現在、学校から報告を受けた長時間勤務者に対して勤務時間の適正化を促すとともに、産業医の面談等を実施しています。今後は、さらに労働安全衛生法の改正を踏まえ、正確な勤務時間を把握することで、時間外勤務削減につなげていきたいと考えています。このため、4月より校務支援端末を利用した出退勤管理を行い、月の半ばに教職員の勤務状況を把握し、長時間労働につながらないような教職員の健康管理体制を整えてまいります。 61 ◯教育統括監(望月敬剛君) 実践研究校における業務の現状と対策についてですが、第I期実践研究校については、小中一貫教育に関する先駆的な研究を進めるため、新たな取り組みがふえています。そのため、各実践研究校にはコーディネーター役の教員を配置したり、会議の調整や学校行事の工夫、見直しを進めたりして、既存の業務とのバランスを整えています。例えば、体力テストなどを実践研究校の複数の小学校が合同で行うことで、準備を効率的にしています。また、学習や生活のルールについて小中で統一することで、中学校まで何度も教える必要がなくなります。  このように、実践研究校では小中一貫教育を生かした業務の効率化を図っています。今後、実践研究校による指導法の研究と、それを普及することにより、全市一斉のスタート時には円滑に取り組めるよう、準備を進めてまいります。 62 ◯教育局長(遠藤正方君) 学校図書館推進事業のこれまでの成果と今後の取り組みについてですが、本事業は平成10年、旧静岡市に15人の学校司書を配置したことから始まり、30年度現在、103人の学校司書を105校に配置、拡大しています。その成果としては、学校司書が図書館としての環境整備を進め、適切な本を子供に紹介することで、子供の読書量や来館者数が増加しました。  平成30年度の総合教育会議においては、各学校の図書館機能の平準化・高度化を目指すための方策が協議され、本年4月から教育センターに学校図書館支援室を設けたり、学校司書未配置校に兼務の学校司書を配置したりすることになりました。これにより、今後は校長のリーダーシップのもと、学校全体として授業における学校図書館の活用の幅を広げ、豊かな読書経験を通じて子供の想像力などを高める取り組みを進めてまいります。   〔24番鈴木節子君登壇〕 63 ◯24番(鈴木節子君) それでは、2回目の質問をいたします。  まず、行政サービスと職員のあり方についてです。  これまでの職員配置計画により、正規職員は削減される一方で、非正規職員が増員され、4人に1人が非正規という状況です。人口10万人当たりの職員数を政令市で比較すると、本市は政令市平均より下回っています。2006年は図書館への指定管理者制度の導入を検討し、直営を維持するかわりに、図書館司書は全員非常勤化されました。本市の図書館は貸し出し冊数、レファレンス数が政令市中トップクラスにあり、正規の司書が果たしてきた役割が大きかっただけに、司書の非常勤化は市の定員管理計画の犠牲になったとも言えます。  また、認定こども園を統廃合、民営化で半減させ、小規模保育への企業参入を許し、保育士を減らすことが職員配置計画の数合わせになっていないでしょうか。子育て支援は公的責任を果たすべき分野です。職員配置適正化計画では、増員すべきは増員し、減員すべきは減員するといったシェイプアップの視点で、定員の適正化を図っていくとしています。増員、減員それぞれの判断基準は何か。何を根拠にどのような将来図を見越して増員、減員とするのか、その判断基準をお示しください。  続いて、正規の教職員増員についてです。  文部科学省が2016年に実施した実態調査では、小学校では担任児童数が多いほど、平日の学内勤務時間や成績処理にかかわる業務時間が長い傾向にあります。学級規模を小さくすることが、子供一人一人の状況を把握し、子供に寄り添ったきめ細かな対応が可能になります。県が一クラス25人の下限を撤廃しましたが、本市も同様に下限撤廃した場合、小中学校で21人の教員が必要となる試算が出ています。少人数学級のよさは、教師が子供に対しゆとりを持って接することができることです。本市も教職員をふやし、少人数学級を推進することを基本にするべきです。  現在、少人数学級、少人数指導、両方の効果を検証していますが、どういう状況か、方針はどうかを伺います。  続いて、小中一貫教育についてです。  実践研究校では、小学校同士の連携、小学校、中学校の交流などが行われています。連携、交流は児童生徒にとっては同じエリア内の友達との交流が刺激となり、よい面もあります。しかし、社会科見学、合同音楽交流会、合同集会など頻繁に開催されると、学校間の移動で時間が費やされ、遠距離の場合、小学生には負担ではないでしょうか。教師にとっても安全対策にはかなりの労力と注意力が必要となります。  また、授業時間数がタイトになる中、教科の必要な授業時間の確保は基本です。しっかり確保されているのか、これらの課題と対応はどのようにクリアできているのか、伺います。  以上、2回目の質問です。 64 ◯総務局長(大長義之君) 職員適正配置計画における増員、減員それぞれの考え方についてでございますが、5大構想を初めとする3次総を着実に推進するとともに、行政需要の増加に対応していくためには、貴重な経営資源である職員を最大限活用できるよう、適正に配置していく必要があります。そこで、削るべきところは削り、ふやすべきところはふやすといったシェイプアップの考え方に基づく職員配置を行っております。職員の減員については、各課における事務事業の委託化や業務の終了などを見込んだ減員計画を作成しており、この計画に基づき、各課における事業の進捗等を踏まえて進めております。  一方、職員の増員については、社会情勢の変化に伴い、今後見込まれる新たな行政需要を把握し、これに必要となる人員について検討を行うほか、重要政策の進捗状況や育児休業取得者等の状況など、さまざまな要素を総合的に判断し決定しております。 65 ◯教育局長(遠藤正方君) 少人数指導の効果検証についてですが、本市が考える静岡市型35人以下学級編制は、各学校に35人学級を編制できる教員を配置した上で、配置された教員を担任として少人数学級を編制するか、学級数はふやさずに、ティーム・ティーチングに当たる教員として少人数指導をできる体制とするかを、学校長の判断でできることとするものです。  昨年からの2年間で実施した検証事業では、少人数学級は、一人一人の子供が活躍できる場がふえ、自己肯定感の向上につながることなどが成果として確認されました。一方少人数指導は、複数の教員で指導を行うことで、個に応じた指導ができることなどが成果として確認されています。  いずれの方法も、学校の実情に合わせて行うことで効果があるものだと考えており、今後も効果的な活用について、さらに検討してまいります。 66 ◯教育統括監(望月敬剛君) 小中一貫教育における児童生徒の交流の負担と授業時間の確保についてですが、静岡型小中一貫教育では、小学校と中学校、地域社会が目指す子供像を共有し、9年間の一貫した教育を展開することを重視しています。これを実現するためには、各学校で一緒に教育目標をつくり上げることや、小学校と中学校の授業を連続性のあるものにしていくことが重要ですが、お尋ねの交流授業も有効なものと考えています。児童と生徒の交流活動には、小学生が中学生に憧れを抱いたり、中学生が小学生に優しくしたりするなど、小中一貫教育ならではの効果が期待できます。  現在、実践研究校においては年間指導計画を作成し、教科等で必要な授業時間を確保した上で、児童生徒の過度な負担とならないよう交流活動を実施しています。今後も引き続き、実験研究校の取り組みを通して、有効な児童生徒の交流のあり方について研究してまいります。   〔24番鈴木節子君登壇〕 67 ◯24番(鈴木節子君) それでは、3回目の質問をいたします。  総務省が発表した今後の地方自治体のあり方を示す自治体戦略2040構想研究会報告、これは2040年を見越した自治体職員の数を予測した報告です。将来的には従来の半数の職員でも、自治体が本来担うべき機能を発揮できる仕組みが必要だと、AIを使いこなすスマート自治体へ転換し、職員の半減化を打ち出しました。また、住民福祉への公的責任を縮小、放棄させ、住民に自己責任を押しつけるプラットフォーム・ビルダーに転換しようとしています。住民のさまざまな要求、暮らしに寄り添うためには、きめ細かな対応が必要です。AIやロボティクスにそれが可能でしょうか。  住民の安心・安全な暮らし、基本的人権を守ることができるのはマンパワーです。住民の暮らし、福祉を守る仕事は最終的には人の力です。職員はまさに宝です。正規の職員が必要数確保されてこそ、住民福祉の増進が図られるのではないでしょうか。職員削減ありきではなく、必要数の正規職員を確保してこそ、公的責任が果たせるのではないか、見解を伺います。  次に、教職員増員についてです。  子供の置かれた背景はさまざまです。家庭で虐待されている子、親子の会話がない家庭、常に親が忙しく働き1人で御飯を食べている子、いじめを受けている子など、深刻な状態の子供たちのSOSを受けとめ、迅速で的確な判断、対応が求められています。また、学習面でもつまずきを見つけ、対応するには、正規の教職員の増員こそ必要です。市教育委員会の働き方改革は、業務改善や学校の組織運営体制の改変、教職員の自己責任論で一層の管理強化を迫っています。教職員の多忙化解消に向け、根本的な原因を探り、実効ある対策が求められています。本市は教職員の権限移譲後どのような取り組みを行ったのか。  また、教職員の多忙化、長時間過密労働を解消させるためにどのように対策をとるべきか、その問題意識をお聞きします。  続いて、小中一貫教育についてですが、導入の動きは全国では緩やかです。本市は一気に市内の全小中学校に導入を目指していますが、そんなに急ぐ必要があるのでしょうか。それも全校一斉にという状況です。正規の教職員をふやさないまま、学校運営の管理を強化し、教師に自己責任を押しつけ、このまま突き進むことが子供の教育にどのような影響になるのか、しっかりとした検証が必要です。本市は小中学校の適正規模、適正配置方針で、将来的には施設一体型の小中一貫校の設置を見据えています。究極的には学校統廃合を視野に入れた小中一貫教育です。  当局は、それは将来のことだと表面化させてはいませんが、結局は学校統廃合が目的で、その手段が小中一貫教育ではないでしょうか。現在グループ校で小中一貫教育準備会が組織されていますが、地域住民、保護者、教職員を交えて率直に協議し、問題点や課題を正面から討議し合うことが重要です。まず、成果、課題を明確にし、導入ありきではなく、子供たちを中心に据えた慎重な対応をするべきです。その見解を伺います。  最後に、私が今回質問したテーマは、市の職員そして教職員の正規の増員です。私が最後に申し上げたいのは、市の職員の皆さん、市民の立場で市民のきめ細かな要求に真摯に寄り添うためには、職員削減では、やはり実現できないと思います。マンパワーこそが住民の心に寄り添った行政を推進できます。行政の役割は住民福祉の増進です。その立場でこれまで活動されてきた職員の皆様にも私は敬意を表しております。  _________________________________________________________________________やはり、正規の教職員を増員することなしに、子供たちの今の虐待や子供の貧困、家庭、そして、ひとり親家庭に育つ子供さんたちのいろいろな状況に、しっかりと真正面から向き合う正規の教職員の増員こそが必要だと考え、今回はこのテーマで質問させていただきました。  私は、この本会議のこの質問で市議会議員生活最後の質問となりますけれども、多くの皆さん、職員の皆さんにも支えていただきました。これをもちまして、私の市議会議員活動最後の質問とさせていただきます。ありがとうございました。 68 ◯総務局長(大長義之君) 行政サービスに必要な正規の職員数を確保することについてでございますが、5大構想を初めとする3次総などの重要政策や、社会情勢の変化に伴う新たな行政需要に応じて必要な職員の増員を行っており、住民サービスに必要な正規職員は確保できているものと考えております。 69 ◯教育局長(遠藤正方君) 正規教職員の増員についてですが、本市は教職員の欠員が生じにくい環境となるよう、新規採用者の増員や再任用者の活用などに取り組んでいるところです。  また、教職員の給与負担の権限が移譲されたことにより、次年度の加配教員の数などを直接文部科学省に要求できるようになり、平成29年度は9人、30年度は5人の増員が認められるなど、教職員全体の数の増加も図られています。さらに、国に対して教職員の増員につながる教職員定数のさらなる拡充や特別支援学級コーディネーター加配の新設などを求めており、引き続き教職員の働きやすい環境を整備していきたいと考えています。 70 ◯教育統括監(望月敬剛君) 小中一貫教育における成果と課題を解明し、慎重な対応をするべきではないかということについてですが、静岡型小中一貫教育を実施する際の成果と課題を解明するために、現在、第I期実践研究校による研究を進めています。この研究によって明らかになってきた成果と課題については、昨年12月に開催した市民フォーラムにおいて中間報告を行いました。さらに、3月末に静岡型小中一貫教育カリキュラム実践編として冊子にまとめ、全教職員に配布し、各学校での準備を進めてまいります。  今後は、2019年度に第I期実践研究校による研究のまとめを公開するとともに、研究で把握した課題の解決策が有効かどうか、第II期実践研究校において検証します。  このように準備を重ねていくことで、静岡型小中一貫教育の成果と課題を整理し、課題についての解決策を示すことにより、全ての学校においても2022年度に小中一貫教育が始められるものと考えています。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 71 ◯副議長(望月俊明君) 次に、寺尾 昭君。   〔12番寺尾 昭君登壇〕 72 ◯12番(寺尾 昭君) 私は、2つのテーマで質問をいたします。  まず上下水道事業経営戦略についてであります。  本市はこのほど、2019年度から2030年度までの12年間を見通した静岡市上下水道事業経営戦略を水道編と下水道編に分けて策定いたしました。高度経済成長期以降に整備された我が国の上下水道施設が、大量に更新時期を迎えつつある一方で、人口減少や節水型生活様式の定着などに伴う収入減が見込まれ、経営環境が厳しさを増しているとの現状認識のもと、将来にわたって住民サービスを安定的に継続することが可能となるように、10年以上を計画期間とする中長期的な経営戦略の策定により経営基盤を強化すべきとする国の要請に基づいて、今回この経営戦略が策定されたと、その趣旨で述べております。  経営戦略はアセットマネジメントを活用し、投資計画と財政計画を均衡させて策定することが求められているとしております。当局はこれまでの議会答弁でコンセッション方式は導入しない、いわゆる民営化はしないことを明言しております。その理由として、企業の経済性の発揮と本来の目的である公共の福祉を増進するように運営しなければならないとの地方公営企業法で規定している公営企業経営の基本原則を挙げております。また、あわせて、公共の福祉の増進が民間事業者の中でどの程度重視され、担保されるのか、現時点では市民の中で不安が払拭されていないということも、その理由としております。  また、上下水道職員の技術継承の継続性への懸念、巨大災害の被災時における行政機関や自治会組織等と連携した対応等の課題を挙げ、安心・安全な市民生活を第一優先に考え、今後も公営企業による直営方式を守っていく、コンセッション方式は導入しないということで答弁をしております。  ライフラインの最も基本をなすものが水だということを考えれば、今後とも直営方式を守ると言明したこと、そのために挙げた理由についても、私たちの考えとほぼ一致すると考えております。これは高く評価いたします。  上下水道事業経営戦略では、2020年度に15%程度の水道料金の値上げを見込み、積算しています。今後の取り組み、進捗管理として、その後毎年度達成状況の行政評価を行い、4年ごとに中期的な経営分析・検証を行い、対策の見直しを実施すると言っております。  まず、第1の質問は、今後の水道料金を検討するに当たって、人口減少などの問題を言っているわけですけれども、この人口減少が与える影響をどのように捉えているのか、まず質問いたします。  経営戦略の下水道編では、上水道と異なり計画期間である12年間は現行の使用料体系で、収益的収支の黒字を維持できる見込みだということで、使用料の値上げは必要ないと言っております。上水道料金は2020年度に値上げを見込んでいるのに、今後12年間の下水道料金は現行料金でいけるんだということであります。人口減少や節水傾向など客観的な条件において相違点はないのではないかと思うのですが、この両者の違いはどうしてできるのでしょうか。それでは上水道料金も値上げしないで済むのではないかという理屈が成り立つのではないかということであります。これが自然な考え方ではないかと思いますが、改めてお聞きします。下水道の使用料は現行の体系を継続して、単価等も維持していくことでよいかということであります。  2つ目のテーマでありますが、幼児教育・保育の無償化について質問いたします。  幼児教育・保育無償化については、少子高齢化対策と人口減少を克服する策として、子育て支援策を強力に進めていくことが求められております。その一環として、幼児教育・保育無償化が進められることになったと認識しておりますけれども、その対象としては、幼児に加え乳児、つまりゼロ歳から2歳を含めることが必要ではないかと、私は考えます。とりわけ、今言いましたように、3歳未満児を無償化から除外したことについては、保護者の方の理解を得られていないと思います。  子育てには大きな苦労が伴います。3歳児未満が、この苦労が大きいということは誰もが経験するところであります。この年代の子供たちにより手厚い支援をすることが必要ではないでしょうか。そういう意味で、国がこのゼロ歳から2歳児を対象から外した理由をどのように受けとめているのか、お伺いいたします。  保育所等への入所、待機児問題は依然として解決しておりません。静岡市は昨年4月、本年4月もそうだということですが、待機児ゼロで公表されておりますが、きのうも代表質問でありましたように、いわゆる瞬間値ということで、年度途中になりますと、だんだん待機児がふえていくという状況にあります。可能ならば入所したいという、いわゆる隠れ待機児とよく言われますけれども、少なくないわけです。利用料の負担が大きいため、入所をためらっていた方も多数いるということも、これも否定できません。  無償化により保育所等への入所希望者が増加することは容易に推測できます。待機児解消のためには、現状においても施設の不足が指摘されておりますが、入所希望者が急増した場合の対応に苦労することは、これは目に見えております。無償化により保育所等の利用申し込み数がふえると私は考えるわけですけれども、これにはどのように対応していこうとしているのか、お伺いいたします。  もう1つの課題は保育士等の確保策です。現状においても保育所は保育士等の確保に困難をきわめております。募集しても応募者が来ません。なかなか来ません。かといって子供の数に対する保育士等の配置基準が決まっておりますので、これを欠かすわけにはいかない。違反はできません。仮に施設が整備されても、保育士が確保できなければ入所希望に応じられないということになるわけです。保育士等の確保策をどう進めていくのか、大きな問題です。  保育士等の確保が困難になっている大きな原因の1つが処遇の問題です。これは何回か議論されてきたところであります。ここ数年、処遇改善が進んではきております。これは一定の評価をいたしますけれども、抜本的な改善にはまだほど遠いと言わざるを得ません。処遇改善の方法についても、いわゆる役付加算やキャリアの評価というような方法で、保育士全体を一律的に底上げするといいましょうか、改善するというような方法がとられておりません。それぞれの園で工夫しながら全体に及ぼす方法を苦労してとっているようでありますけれども、実際は今言ったような状況であります。  私立園における賃金の公私格差も、依然として埋まっておりません。このような課題があることを基本において、保育士等のこの処遇改善を進めていくことが必要だと私は考えるところであります。  特にことし10月からの幼児教育・保育の無償化で財源不足が生じることも心配されます。その影響が保育士等の処遇改善に及ばないか、心配の声も寄せられているわけです。国における保育士等の処遇改善はどうなるのか、お伺いいたします。  続いて、幼児教育・保育無償化については、一昨年の総選挙において、安倍内閣が選挙公約で国民に約束したわけです。しかし、これが消費税の10%増税とセットになっている、抱き合わせになっているところが、実は問題だと言わざるを得ません。多くの国民や地方自治体は、その費用は全額国が賄うこと、また、全ての乳幼児が対象になると思っておりました。しかし、ふたをあけてみると、結局国が50%、残り50%は都道府県と市町村が負担する割合になっております。  さらに、3歳児未満は先ほど言いましたように対象から除外されるいう問題も残されました。負担割合をめぐっては、地方六団体などとさまざまな議論があったわけですが、先ほど申しましたような負担割合にどのような経緯で決まったのか、改めてお伺いしておきます。  以上、1回目です。 73 ◯上下水道局長(森下 靖君) 上下水道料金について2点の質問にお答えいたします。  まず、人口減少が今後の水道料金に与える影響についてですが、水道料金収入の増減は人口の増減だけではなく、生活様式の変化や立地している企業の業種や数、さらには、気候などさまざまな要因によって左右されると考えております。本市ではそうした要因も参考にしますが、主にはこれまでの収益実績の傾向を読み、収支計画を立て、適正な料金のあり方を検討しております。  次に、下水道使用料の体系についてですが、現在の下水道使用料は、基本使用料と排水量に応じて掛かる従量使用料で構成されております。今年度策定する経営戦略の計画期間である平成31年度からの12年間においては、現行の使用料体系により、現在の単価を維持できる見込みですが、4年ごとの見直し検討につきましては、これまで同様に実施してまいります。 74 ◯子ども未来局長(石野弘康君) 幼児教育の無償化に関する4点の質問にお答えします。  まず、国がゼロ歳から2歳を対象外とした理由についてですが、幼児教育の無償化は、子育て世代の経済的負担を軽減し、少子化対策に資するものとして、本年10月から実施します。その対象は、幼稚園、保育所、こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子供及びゼロ歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供の利用料です。全てのゼロ歳から2歳が対象とならなかった理由は、待機児童の約9割をゼロ歳から2歳が占めており、その解消を最優先としたためでございます。  次に、無償化により保育所等の利用申し込みがふえると考えるが、どのように対応するのかについてです。現時点では無償化による保育所等の利用申し込みへの影響を正確に把握することは困難でございます。しかし、現在実施している、次期静岡市子ども・子育て支援プラン策定のためのニーズ調査では、無償化の影響をはかる項目を設けているため、今後、その結果を分析し、適切なニーズ量を見込んだ上で、必要な定員を確保していきたいと考えております。  次に、国における保育士等の処遇改善についてですが、国は、平成25年度から保育士等の処遇改善を継続的に実施しており、無償化の実施年度である平成31年度においても、今までの取り組みを継続して実施するとともに、新たに月額3,000円相当の処遇改善が実施される予定となっております。したがいまして、幼児教育の無償化による保育士等の処遇改善への影響はないものと考えております。  なお、本市におきましては、国の処遇改善の取り組みに加え、保育士等の給与改善を推進するため市独自の補助を行っており、平成31年度も引き続き実施し、保育士等の処遇改善に努めてまいります。  最後に、国との負担割合はどのような経緯で決まったのかについてですが、現在、私立保育所の運営費などの教育・保育に係る経費は、国が2分の1、県と市が4分の1などの割合で、国と地方で負担しております。当初、幼児教育の無償化に必要な財源の負担については、消費税率の引き上げに伴う地方の増収分があることから、国は、これまでと同様の国と地方の負担割合で行うことを示していました。また、あわせて、新たに公費負担が生じる認可外保育施設等については、国、県、市それぞれが3分の1を負担することが提示されました。  しかし、この負担割合では地方の財政負担が増大することから、全国市長会を含む地方六団体は、無償化に必要な経費は全額国が負担すべきと強く要望し、協議を続けてきました。その結果、新たに公費負担が生じる認可外保育施設等については、国の負担割合を2分の1に引き上げ、県と市の負担割合を4分の1に引き下げることで合意に至りました。  なお、平成31年度については、地方消費税の増収分がわずかなことから、無償化に必要な経費は全額国が負担することになりました。   〔12番寺尾 昭君登壇〕 75 ◯12番(寺尾 昭君) 2回目です。  まず、上下水道料金について伺います。  経営戦略では、2030年度の水道事業のあるべき姿を目標に、老朽化している水道管約200キロの更新、水道管の平均寿命を約83年間とし、水道管の総延長2,600キロメートルを83年で更新するために、毎年度、管路更新率を1.2%、31キロメートルとし、さらに重要な14施設の耐震化を優先的に進めていくと言っております。  これらの財源を確保するために、来年度15%程度の料金値上げを見込み、その後、2024年、2028年と4年ごとの見直しを進めるとしております。2020年度から15%ずつ3回の値上げを繰り返せば、その8年後には計算上現行料金の5割増し以上ということになります。不足する財源の一部は企業債で補填することになっていますが、結局借金ですから、その償還は利用者が負うことになるわけです。いずれにしても利用者にとっては限りない負担増につながっていくことが心配されます。  質問ですが、これらの更新費用は結局全て受益者負担ということになるのかどうか、改めて伺います。  次に、幼児教育・保育の無償化の点です。無償化にかかわり安倍政権は、子供たちの給食費を有料化すると言っております。給食費に係る厚生労働省の基準などでは、主食費が3,000円、副食費が4,500円、合計すると7,500円になります。これまでの給食費は利用料に含まれているという考え方であり、基本的には徴収していないわけです。せっかく無償化を進めるというのに、新たに負担を課すということでは、何のための無償化か、そういう批判の声が出るのも、これまた当然だということになるわけです。  全国で給食費の有料化はやめてほしいとの声が上がっております。とりわけ、低所得者においては有料化される給食費が無償化される利用料を上回るという現象が生まれます。例えば、静岡市の保育料を見てみますと、市民税所得割非課税世帯では、一番高い3号世帯で7,000円、市民税均等割非課税世帯では、3号世帯で2,000円と設定されております。  先ほど言いました7,500円、あるいは副食費だけでも、もし徴収されるということになりますと、無償化される金額よりも、新たに給食費のほうが高くなるという現象が生まれてきて、これまた何のための無償化か、本末転倒ではないかという声が出るのも当然だと言えます。無償化による給食費の取り扱いはどのように考えているのか、その点についてお伺いいたします。
     また、もう1つ、給食費の取り扱いが変わることにより、保護者の負担増にならないのかどうか、これについても確認しておきたいと思います。  あとわずかになりましたので、意見・要望をあわせて申し上げます。  先ほど言いましたようにコンセッション方式は導入しないことをこの議会の中でも明言しておりますので、これは今後も引き続き確認していきたいと思っております。本市の方針を評価すると同時に、今後も公営企業による直営方式堅持を続けていくように、改めて要望したいと思います。  それから、経営戦略、水道編に掲載の財政シミュレーションでは、先ほど言いましたように2020年、2024年、2028年と3回にわたる料金値上げを示唆するかのような表現がされております。2020年の15%程度の値上げを3回にわたって行えば、先ほど言いましたように5割以上になります。これは、やはり慎重にやっていただきたいということと、あわせて当市財政計画についてやはりきちんと再検討する必要があるのではないかということを改めて申し上げます。  幼保無償化の財源については、これは先ほども説明がありましたけれども、今後、国が全額負担で行うべきだということも改めて申し上げたいと思います。  それから、大事なことはゼロ歳から2歳のところが無償化になっていないという問題です。無償化の対象が…… 76 ◯副議長(望月俊明君) あと1分です。 77 ◯12番(寺尾 昭君)(続) ゼロ歳から2歳を置き去りにしているということは、先ほど言いましたようにまだまだ到底理解されていないということです。ぜひ、このゼロ歳から2歳までの無償化も早急に進めていくべきであるということを改めて申し上げます。  保育所で働く保育士等の処遇改善について、来年度も行われることが先ほど答弁されましたけれども、引き続き、ぜひ進めていってほしいと思います。  最後に、歴史文化のまちづくりということで、ちょっとテーマが変わりますけれども、私、駿府城公園を散歩しておりましたら、まだトイレの多くが和式なんです。外国人もたくさん来ると思います。駿府城公園のトイレリフレッシュをあわせてこの場でお願いします。 78 ◯副議長(望月俊明君) 時間になりましたので、発言を終了してください。 79 ◯上下水道局長(森下 靖君) 施設の更新に係る経費負担についてですが、地方公営企業法では、施設更新費用など事業に要する経費については、国庫補助金などの特定財源を除き、原則として、その事業収入である水道料金、下水道使用料で賄うこととされております。ただし、法に定める例外が2点あります。  1つ目は、経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費。2つ目は、能率的な経営を行ってもなお、経営収入のみで賄うことは困難な経費です。これらの具体例としては、水道事業では公共消防に係る消火栓の設置及び維持管理経費、下水道事業では雨水処理経費や一部の汚水処理経費がこれに当たります。  以上のことから、これら例外とされる経費以外の経費については、水道、下水道ともに、受益者である皆様からいただく収入によって賄うこととなります。 80 ◯子ども未来局長(石野弘康君) 幼児教育の無償化に関する2点の質問にお答えします。  まず、無償化による給食費の取り扱いはどのように変わるのかについてですが、無償化に伴い保育所等の全ての施設において、3歳から5歳の給食費が全額実費負担になります。現在、3歳から5歳の給食費は、幼稚園やこども園で教育を受けている子供については、全額実費負担となっています。一方、保育所やこども園で保育を受けている子供たちについては、給食費のうち、御飯などの主食分が実費負担で、おかずなどの副食分は利用料に含まれております。このため、無償化以降はこども園や保育所で保育を受けている3歳から5歳の給食費のうち、副食分の取り扱いが、利用料から実費へと変更になります。  なお、ゼロ歳から2歳の給食費の取り扱いについては変更がございません。  次に、給食費の取り扱いが変わることにより、保護者の負担増となることはないのかについてですが、給食費が全額実費負担になることにより、生活保護世帯やひとり親世帯等の低所得者世帯については、これまでの保育所等の利用料より負担がふえてしまうため、国の制度により給食費の実費負担が免除されます。  また、本市が独自で行っている保育所等の利用料の減額により、給食費の負担額が従来の利用料を上回る世帯に対しましては、保護者の負担増とならないよう、市独自の補助で対応してまいります。したがいまして、給食費の取り扱いが変わることにより、保護者の負担がふえることはございません。今後も、保護者の負担軽減に引き続き取り組み、子育て世帯を支援してまいります。    ─────────────────── 81 ◯副議長(望月俊明君) 本日はこれにて延会いたします。         午後2時16分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...