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平成30年 「(仮称)静岡市がん克服条例」検討会 本文 2018-10-19
平成30年 「(仮称)静岡市がん克服条例」検討会 名簿 2018-10-19

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  1. 静岡市議会 2018-10-19
    平成30年 「(仮称)静岡市がん克服条例」検討会 本文 2018-10-19


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                 午後7時2分開議 ◯繁田会長 ただいまから、「(仮称)静岡市がん克服条例検討会意見交換会を開催させていただきます。  会議に先立ちまして、本日の会議の概要を後日まとめさせていただく関係で、この意見交換会につきましては、録音をさせていただきますので、御了承のほどよろしくお願いいたします。  それでは、お手元の会議次第に従いまして進めさせていただきます。  まず、私から御挨拶をさせていただきます。  本日は、先生方におかれましては、1日診療等で大変お疲れの中、この時間においでいただきましてありがとうございました。委員の皆さんも大渋滞の中、この時間にお集まりいただきましてありがとうございました。  ただいまから、意見交換会を始めさせていただきますが、もう世界中、このがんを克服することについては、きょう、お集まりいただいた先生方が日夜を問わず研究に励まれ、そして治療をされておりますけども、我々議員としてもその後押しをすべく静岡市民健康増進という意味において、あるいは治療という意味において何か手助けをすることができないかという中で、今回のがんの克服条例を制定しようという動きに至った次第であります。  きょう、委員側から先生方のほうへいろんな御質問をさせていただいて、来年2月の条例制定に向けて、いろんな御意見を賜りたいということでお集まりいただきました。短い時間でありますけども、どうぞよろしくお願い申し上げます。重ねて、きょう、お集まりいただきましたことに厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。  それでは、本日の御出席いただいている先生方につきましては、お手元に配布させていただきました意見交換会参加者一覧及び席次表で御紹介をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  今回は、がん対策を初め、当市の事業等に御協力をいただいております医療関係団体の皆様と静岡、清水の市立病院の先生をお招きして、今回の条例案に関してがん検診予防啓発、医療、患者支援などの分野について御意見を伺いたいと存じます。本日は、極めて短い時間ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。      ────────────────────────────── 2 ◯繁田会長 それでは、早速ですが条例案の素案の概要について、委員を代表して、提案会派であります公明党の山梨委員より説明をさせていただきます。  山梨委員、よろしくお願いします。 3 ◯山梨委員 皆さん、こんばんは。  ただいま、御紹介に預かりました公明党静岡市議会の山梨 渉と申します。本日は、よろしくお願いいたします。  本日は、診療を終えて、大変お疲れのところ、お忙しい中、御足労いただきまして、重ねてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。  座って、説明をさせていただきます。  委員を代表いたしまして、本日は私から条例の素案説明をさせていただきたいと思います。  がんは、2人に1人が生涯のうちに罹患すると言われております。つまり、ほとんどの市民ががん患者と身近なかかわりがあると言え、市民と生命と健康の重大な課題であります。  私の身の回りでも、多くのがん患者の方が大変な思いをしながら生活を送っております。がんに罹患をされた方は、病気としての痛みだけでなく、精神的なつらさも大きく、また経済的な負担、社会生活の変化などもあり、人生に大きな影響を与えます。
     一方、医療技術は日々進歩しており、がん予防早期発見、適切な医療を受けることにより、がんは克服できる疾病となってまいりました。  しかし、静岡市民がん検診受診率は、決して高いとは言えないのが現状です。市民のがん検診受診率向上がん患者への就労支援など、行政、市民、医療関係者、そして事業者が一丸となって課題に取り組まなければなりません。  静岡市議会の総意として、全ての市民ががんへの知識、理解を深め、がん患者が自分らしく生きることができる地域共生社会を構築するために、がんの総合的な施策の強化を推進する条例を制定してまいりたいと思っております。  条例の素案についてですが、年度当初より、自民党、志政会、公明党の3会派で勉強会を行い、条例素案を検討し、本検討会の第1回において提示させていただきました。  条例素案は、がんの対策について、各関係者の役割を示すとともに、庁内連携局間連携により横断的、総合的に施策が展開されていくよう内容を定めたものとなっております。条例素案につきましては、細かな説明は、事前にも資料をお配りさせていただいておりますのでいたしませんが、主な部分のみ説明させていただきます。  お手元の資料の条例素案の前文をごらんください。  最初に、発意の趣旨にも関係する部分となりますが、前文では、この条例で実現したい願いを述べております。  第1条(目的)をごらんください。この条例は、各関係者の役割等を明らかにし、市のがん対策基本的事項を定めることで、静岡市におけるがん克服に向けた総合的な施策を推進することを目的としております。  次に、第2条から第5条までは、さまざまな主体の責務や役割の規定となってございます。  なお、市の責務に関しましては、この規定のほかに各条文で実施すべき対策が規定されております。  次に、第6条(がんの予防の推進)からは、がんの予防にかかわる意識啓発等予防施策の実施を総括的に規定しております。  第10条(早期発見の推進)については、ここが特に市町村に求められる大きな役割の部分であり、啓発や受診しやすい環境の整備など、細かく第1号から第6号までの各号で市で実施する事項を規定しております。  次に、第11条(情報の提供)は、市民に対するがんに関する適切な情報の提供を規定するとしております。  次に、第12条(医療の推進)、第13条(在宅医療の充実)、第14条(緩和ケアの充実)では、市と医療機関、その他関係機関等が県と連携を図りつつ、必要な事業の推進や在宅医療体制の整備に努めるものとする規定であります。  次に、第16条(ライフステージに応じた支援の推進)ですが、こちらは国の新しい計画に記載された内容であり、他市でもまだ余り見られない規定であると認識しております。  次に、第18条(静岡市がん克服協議会の設置)は、今後、市当局にがん対策の施策を講じていただく際には、関係団体からの意見も考慮し、進めてもらいたいことから、市長の諮問機関として協議会を設置することを規定するとともに、最後の第19条、計画の策定においても、計画の策定を規定し、がん克服協議会に諮問するものとしております。  条例の施行日は未定ですが、来年2月の議会に提出し、可決を目指し、検討会で現在議論を進めているところでございます。 4 ◯繁田会長 山梨委員、ありがとうございました。      ────────────────────────────── 5 ◯繁田会長 それでは、次に、きょう、おいでいただきました医療関係皆さんからがん対策の現状、課題、要望や条例素案に対する御意見などについて御発言をお願いしたいと思います。  私のほうから御指名をさせていただきますので、それぞれ5分程度でおまとめをいただきたいと思います。  初めに、静岡医師会袴田会長からお願いいたします。 6 ◯袴田静岡静岡医師会長 静岡医師会の袴田でございます。着座で失礼いたします。  がんに関しましては、私個人的にも医者になってきてからずっとがんに携わってきております。また、がん対策基本法ができましたころから、静岡市は静岡医師会清水医師会S-NETといいまして、がんの協議会をつくっておりまして、その中に登録した患者さんももう5,000名を超えております。これ全国的に非常に珍しい、うまくいっているケースじゃないかと思っております。  がんに関しましては、本当にまずは予防ですよね。予防できるがんといたしましては、胃がんピロリ菌を駆除すると、ピロリのチェックですね。これをなるべく若い年代でやって、例えば静岡市から胃がんをなくそうぐらいスローガンもできるかもしれない。また、非常に問題になっております子宮頸がんワクチンですね。ただ、これも形は変わるかもしれないけども、やらなければならないのだろうと。そういうふうなワクチンとか、あとC型肝炎ですね。C型肝炎も今、治療で治りますので、肝がんを予防することができるだろうと。予防は、そこをしっかりこれから考えなければいけない。  その次には、検診ですね。検診に関しましては、静岡・清水医師会は、必ず年に4、5回、健康づくり推進課と一緒に話し合っております。なかなか受診率が上がらないんですけども、我々として一番知りたいのは、例えば、胃がん検診率が20%だとすると、では、本当に20%の人しか胃がんの検診をしていないのかということなんですね。本当は、個人的にいろいろな胃がんの検診をやったり、いろいろな人間ドックをやったりしていますので、本当にどのぐらいの人が胃がん、がんの検診を受けていないかとか、そこら辺をしっかり確認することが非常に大切だと思います。  また、住民健診ですので、これは市の責任でやる健診ですから、市は本当はもっと患者さんのことを知らなければいけないんです。例えば、精密検査が必要ですよと言われた患者さんを、患者さんというか市民を、本当は市がちゃんと把握して、この患者が、市民がちゃんと精密検査を受けたか、またどうなって、治療をしたのかということをしっかり把握して、初めて市が支える健診ではないのかなとずっと思っています。ただ、それがなかなか難しいことはわかっているんですけども、健診に関してもそういう意見がございます。  治療に関しましては、きょう、病院の先生方がいらっしゃっていますので、ここで私は言いません。  あと、がんに関しましては、本当にがんにかかった時点で緩和医療が始まると言われています。ですから、本人だけではなく家族へのサポートもこれから必要になってくるだろうし、再発した場合には非常にいろいろ問題がありますので、就労支援の問題もあると思います。  ただ、1つ今、静岡市でやっていることは、再発した時点でもやっぱり、今、静岡市では必ず1人の患者に対して病院と診療所が1人ずつ主治医を持とうというイーツーネットというものをやっております。どうしても、がんの患者さんが再発しますと、病院だけになってしまうんですけど、そうではなくて、がんの患者さんが再発しても、かかりつけの主治医が必ずいて、病院の先生とかかりつけ医が一緒になって治療していくと。そして、残念ながら亡くなられるときも、地域で、地元で亡くなられる、きちっとみとりができるような体制の第一歩ではないかと考えております。  がんに関しましては、本当にいろいろな思い入れがありまして、きょうは呼んでいただいてありがたく思います。また、静岡市静岡医師会清水医師会とも、いろいろがんに対する希望があります。また、その希望を今まで行政のどこにぶつけていいかがよくわからなかったんですけども、こういう会、条例ができることによって、ある程度、我々の意見もちゃんと行政に言えるようになるのではないかと期待しており、非常にありがたく思っています。我々でできることは頑張ってやりますので、よろしくお願いいたします。 7 ◯繁田会長 袴田会長、ありがとうございました。  会長からは、まずは予防から、そして検診の受診率を上げていただいて、そして適切な治療が必要であると。そこには、広範な分野において市の責務が大きいものがあるというような御意見をいただきました。  それでは、次に静岡市清水医師会村上会長、お願いいたします。 8 ◯村上静岡清水医師会長 清水医師会会長の村上でございます。  今回、議員の皆様からがん克服の条例が出ると聞いて、これはすごいことをやり出したなと思って感服しております。また次から次へと難題も出てくると思いますけど、ぜひ、我々も惜しみなく協力したいと思います。  今、袴田先生ががんに関するその治療以外のことをほとんど言いましたので、小児科医の立場として、数年前からB型肝炎を御理解の上で予防接種をさせていただいておりますけども、その上の世代、要するに4歳以上の方は対象になっていないんですね。ということは、そこから上はもうワクチンギャップが強くなって、もしB型肝炎が発症した場合は、やはり肝臓がんになる可能性がまた出てくるということですので、そのワクチンギャップの問題が1つございます。  それから、例の、今、物議を醸していますけど、HPVワクチン子宮頸がんワクチンですけども、やり始めのころは、割合に熱気があってやっていたのですが、例のマスコミに少女が苦しんでいる様子等を流されて、あの動画1つですっ飛んでしまいました。まだ非常に理解を得られていないワクチンなんですが、毎年3,000人の方が子宮頸がんで、しかも10代、20代の方も含まれております。10代、20代の方に婦人科で検診をしろと言ってもなかなかする機会がございませんので、ぜひ、予防をしていただきたいと。  それから、できることならばなんですが、男性もその子宮頸がんワクチン、パピローマワクチンですけども、それを受けることによって、女性への、いわゆるセクシャルな面でうつっていくことを防ぐことができるんです。ただ、全部をやろうとすると、それはもう膨大な費用になりますので、我々も頼むときにいろいろ危惧するんですが、予防接種は将来への投資だと思って、それをぜひ実現をしていただきたいと思っております。  静岡市は、割合に先生方、みんな理解がありまして、市長の理解もあってということで進んでおりますけれども、現在、がんに関しましては、もう少し予防の面では力を入れていきたいと、こちらも考えております。  それから、各病院で緩和ケアということでいろんなことに取り組んでいるんですけども、まだ地域で緩和ケアを完結していくというところまでは行っておりません。これは、多職種の人たちの協力がないとできないことですので、ぜひ多職種の方を含めて、医療というだけじゃなくて、議員の先生方もそうです、みんなで一緒になって考えていくことかなというふうに考えております。  大体、あとは重なってしまいますけど、小児で一番多い白血病や何かのことはあるんですが、あれはウイルス感染が1つありますけれども、ほかはほとんどわかりません。多発したりしている地域も場所によってはありますけれども、防げるがんと防げないがんがあるということで、防げるがんに関しましては、一生懸命予防接種をしていただくというふうにお願いしたいと思います。 9 ◯繁田会長 村上会長、ありがとうございます。  今、先生からは、各種ワクチンへの課題や、それから予防接種は将来への投資だというようなお話を賜りました。最近では、清水区出身の漫画家のさくらももこさんが53歳で乳がんによって命を落とされた。これは、まだ本当に新しい話でありますけども、切迫した現状が我々日本国民にもありますので、今、先生のお話のとおり、緩和ケア取り組みについても、やはりこれは積極的にこれから医療という分野と行政、それから我々の議会という立場で真剣に考えなければならないという問題提起だったと思います。  先生、ありがとうございました。  それでは、次に、静岡市静岡歯科医師会片山会長、お願いいたします。 10 ◯片山静岡静岡歯科医師会長 こんばんは。静岡市静岡歯科医師会の片山でございます。  きょうは、がん克服条例ということで、すばらしい取り組みに参加させていただき、ありがとうございます。  がんに関しましては、今、両医師会長がお話をされたように、ほとんどのがん治療医師会の医師の先生であったり、それから病院の医師の先生が主になっていると思います。  我々は歯科ですので、特に歯科医師会の会員というのは、ほとんどが診療所を営んでいる形ですから、どういうふうにがんの患者とかかわっているか、最近の取り組みをお知らせしたいと思います。  実は、がん支持療法といいまして、がんと診断された患者さん、これが今までそのまま全身的な検査をしながら入院、手術をし、あるいは化学療法放射線療法というような形の流れで入院をされ、それで治療を受けていたんですけれども、実は口腔衛生、口の中のケアをきちっとやると入院日数や、それから合併症、それから入院日数は20%削減されるということです。  実は、口腔内の衛生状態というのは、皆さんもやっていただいていると思いますけども、なかなかセルフクリーニングでは個人差がございます。がんにかかった後に、そのまま治療に向かいますと、例えば気管内挿管をされたりしたときに、その挿管のチューブから肺のほうに、その口腔衛生が悪い患者さんの口腔内の常在が肺のほうに入って、肺炎になることがあります。ということは、術後、ちょっと免疫力が落ちていたりとか、いろいろな治療を受けているときに、肺炎を合併してしまうことがあって、実はその発熱が問題になって、入院期間が長くなるというようなデータがございます。それを逆に、入院する前に、今、実は県立総合病院も、それから静岡市立病院も積極的にそのような取り組みを行っていて、我々の歯科診療所とタイアップし、患者さんが入院、手術をするちょっと前、1週間か2週間しかないのですが、その間にできるだけ早く歯科診療所で、口腔内の問題をクリアするようなことに取り組んでおります。  後で本間会長から直接な、口腔がんの希少性については御紹介がありますけれども、歯科ではそういう形で取り組ませていただいているということで、患者さんにとっては、非常にメリットが大きい取り組みをさせていただいております。どの場所にそのようなことが盛り込まれるのかは、私がざらっと見せてもらった中では何となく難しいかと思っているんですが、今、歯科保健推進条例もつくっている最中でございますので、そういうようなことを今、医師会、病院の先生と一緒になって取り組んでいるところを御紹介したかったものでございます。どうぞよろしくお願いします。 11 ◯繁田会長 ありがとうございました。  片山会長からは、患者とのかかわり、口腔衛生が広範にわたって大きな効果があるということを広い立場で意見をいただきました。ありがとうございました。また、歯科保健推進条例につきましても、よろしくお願いいたします。  次に、静岡市清水歯科医師会本間会長、よろしくお願いいたします。 12 ◯本間静岡清水歯科医師会長 清水歯科医師会の本間と申します。  皆様の机上に配布させていただいた口腔がんの実情と、口腔がん咽頭がんについてという2枚の資料を見ていただきながら、お話をしたいと思います。  口腔がんと言いますと、口の中にがんができるのと言って、結構びっくりする方もいらっしゃるぐらい、実は口腔がん、口の中のがんに関しての認知度が低いことが歯科医師として一番困っていることです。  ただ、全数的にいいますと、やはり口腔、咽頭がんと言いますと、国立がんセンターの統計においてでも、口腔がんは、咽頭のがんと一緒になって、口腔、咽頭がんという統計になっておりますので、口腔がんのみのデータがございません。統計的には口腔、咽頭がんの大体半分ぐらいが口腔がんであるということで、実数を見ますと数的には少なく、口腔がんは全がん数のうちの1%なんですが、この口腔がん咽頭がんについてというこのA4の資料を見ていただくとわかるのですが、死亡率は非常に高いがんなんですね。なおかつ、膵がんとかに比べれば低いですけれど、表在性の皮膚がんなんかに比べればはるかに高いと。ちょうど話題になっていたものですから、子宮頸がんも一緒に出させていただいたんですが、それに比べても死亡率が高いがんであるということです。  あと、口腔がんの多くは表在性のがんで、大体60%が舌べろにできる舌がんなんですけれども、意外と皆さんに認知されていなくて、実は当院の患者さんにも何名か舌がんの患者さんがいますが、やはり皆さん、舌べろに腫れ物ができて、何か変だよといって、かなり進んでから来るケースが多いです。現状としては少ないがんなんですが、やはり要望として市にお願いしたいのは、口腔がんの啓発と、それからかかりつけ歯科医を持つことの重要性をぜひお願いできればなと思います。特に、口腔がんは、当然、ある程度年齢的には高い年齢の方にふえてくるんですが、検診と歯科検診としては、幼少期、学童期、学生、そして青年期といいますと、やはり青年期以降の歯科検診率は非常に低いので、そういう検診を合わせることによって、早期発見にも取り組めるのかなと考えております。  それから、あと支援に関して言えば、先ほど片山会長からもお話があったとおり、口腔内の清掃状態によって入院期間が短くなる。そして、例えば、放射線治療などをしたときにおいても、口腔内の清掃状態が悪いことによって、口内炎がひどくなって、痛みが強く、とても放射線治療が行えなくなってしまうというような状況もあります。  ですから、口腔清掃状態をよくすることによって入院期間も短くなるし、また治療成績も上がってくる。当然、これは先ほど言った誤嚥性肺炎等も防ぐことができるということで、本当に今、県立総合病院静岡市立病院等によって、周術期というんですけど、手術の前に口の中をきれいにして、術後の経過をよくしようねという活動を行っているところです。  本当に、今、市議会の皆さんには、口腔がんというものがあって、そういうものを早目に見つけて、歯医者さんに見てもらおうねということの啓発を主眼にお願いできればなと思っております。  口腔がんの実情というA3のペーパーを見ていただくと、これに大体がんの実情が書いてあります。この出典は一般社団法人口腔がん撲滅委員会というのがありまして、その中のパンフレットの中の一節をコピーし、資料とさせていただきました。  とにかく、口腔がんというものの認知度が割と低いところなので、できるだけその辺を市民に対してアピールできればなというふうに考えております。 13 ◯繁田会長 本間会長、ありがとうございました。  本間会長からは、口腔がんの実情、特に患者本人が気がつかない、見落としがちだというお話と、それから啓発が大切だよという中で、かかりつけ歯科医も当然ながら大事なんだというお話を含めて、片山会長からの口腔衛生が広範にわたって大きな効果を示しているということのお話もあわせてちょうだいをしました。ありがとうございました。  それでは、次に、静岡市薬剤師会の河西副会長、よろしくお願いいたします。 14 ◯河西静岡市薬剤師会副会長 静岡市薬剤師会の副会長の河西といいます。  私も静岡市がん克服条例はとても大事な条例だと思います。  私は薬局で働いているんですけれども、先ほど来、先生方がおっしゃっているように、がん検診受診率が低いことは、ふだんの業務でも感じております。高齢の方とか、定期的に病院に受診して、かかりつけの先生がいらっしゃる方などは、やはり先生から受診しておいでとか、検診しようねというお話をいただいたりして受診する方も多いと思うんですが、やはり特に若い人ですとか、あと女性などは、検診率が低いと思います。やはり女性も、先ほど村上会長もおっしゃったように、女性の乳がんとか子宮がんという問題も、皆さんも感じてはいらっしゃるんだけれども、やはり検診するのは怖いよというので、なかなか検診まで行かないんだろうなということをふだんから感じております。  その中で啓発活動はすごく大事だと思うんですけども、特に女性ですと、例えば、少し補助みたいなものが出たりだとか、あと検診をしたことで何かサービスですね、ポイントとか、何か補助とか商品券とか、そんなプレゼントみたいなものがあるともっと受診しやすいのかななどと女性の立場で思いました。  啓発活動について、9月ぐらいだと思うんですけれども、県の対がん協会のほうでリレー・フォー・ライフという活動がありました。24時間、がん患者さんとか、それを支える方たちがみんなでウオークをするような活動で、薬剤師会も参加をさせていただいたんですけども、そういう啓発活動ができるようなイベントをもっとたくさんの皆さんに知っていただくのも大事なのではないかなと感じました。  あと、教育の部分です。喫煙とか飲酒とかという、受動喫煙もそうですし、若者の喫煙、飲酒の問題に関してなどは、静岡も清水もですけれども、私たち薬剤師会に学校薬剤師という者がいます。学校薬剤師のほうで、小学校、中学校、高校と年に1回必ずこのたばこの害ですとか、アルコールの害、また薬物の害などについての薬学講座というものを学校でやっております。小学生なんかですと、すごくたばこの害とか聞いてきてくださると、おうちに帰ってお父さんに、たばこを吸っちゃだめだよなんておっしゃったりして、お父さんも肩身が狭かったりするみたいなんですけど、そういう小中高生にも私たちは毎年やっていますので、そういうことを継続できていけたらいいなと感じております。  あと、在宅医療とか緩和ケアの充実というところですけれども、先ほど袴田会長もおっしゃったように、静岡はS-NET袴田会長を中心にとても病診連携をみんなでやろうねということがすごく充実していて、医療側も介護側も頑張っているなと感じておりますが、介護保険の問題ですね。がんと認定されたときに、静岡市はがんの場合の介護認定をすごく早くしてくださっているのは重々承知しているのですが、やはりがんの進行ぐあいと介護認定の認定ぐあいがマッチしないで、どうしても間に合わないというところが、私も在宅医療をやっていて感じているところです。そこら辺が充実してくると、もっといいなと思っています。  あと、どうしても緩和ケアというと医療用麻薬を扱うというところで、今、麻薬を扱える薬局も大分ふえてきておりまして、頑張っているところなんですが、やはり流通の問題ですとか、祝日とか休みの日にもう薬が入らないという現状があります。卸の会社のほうから私どものほうにお薬が入らないという現状がありまして、夜間ですとか休日などは、麻薬の供給ができないときがあるんですね。そういうところが、私たちがやっていて、緊急性があったときになかなか対応し切れないというのが、ふだん難しい課題だなと感じておりますので、そういうものも何らかの方法で克服できていけると、患者さんのためになるのではないかなと日々感じております。 15 ◯繁田会長 河西さん、ありがとうございました。  今の時間で、非常に幅広い意見をいただきました。検診率が低いということから、特に女性は検診が怖いという感覚が強いと。それから、健康の保持・増進という観点からがん教育の必要性、それから薬学講座というお話もいただきました。さらには、がんの進行と介護認定のスピードの誤差が大きいといった悩み、るるいただきました。ありがとうございました。  それでは、次に、清水薬剤師会の柴田会長、よろしくお願いいたします。 16 ◯柴田清水薬剤師会長 清水薬剤師会の柴田です。よろしくお願いします。  静岡市がん克服条例は非常に重要なことだと私も思います。  今、静岡の河西副会長から薬剤師会として思っていることはほとんど言われてしまったんですけれども、私のほうからは、やはりふだん店頭の窓口で患者さんと接する機会が多くございます。患者さんに、そのタイミングで、今の清水の薬剤師会の取り組みとして検診をしていただく。その検診の重要性というものに、会として取り組んでおります。それと、何か薬を飲んでもよくならないというときには、必ず受診勧告と、先生に診てもらうようにということもあわせて行っております。  やはり、検診の重要性というのは会としても非常に考えておりますので、そこは私も河西先生と全く同意見でございます。  要望といたしましては、薬局というのは、非常に特殊なところだと私は思っています。というのは、我々は医療の知識を少なからず持っておりまして、医師会の先生、医院ですね、とか歯科医院の先生のところに行くにはちょっと敷居が高いんだけれども、薬局へはちょっと話に行けるかなと。町の薬局ということですね。かかりつけ薬剤師、かかりつけ薬局というように我々は言っているんですけど、ぜひ議員さん、市のほうでは、何かちょっと調子が悪いなと思ったら、まちのかかりつけ薬局へ1度相談に行っていただくといいですよみたいなアナウンスをしていただければ、医院、クリニック、病院よりも敷居はずっと低いので、ちょっとドリンクでも買いに行ったついでに、いろんな相談をして帰ろうかなというようなイメージですね。ぜひ、そういったところで薬局を利用していただくようなアピールを、アナウンスというんですかね、それをしていただけたら、我々はもっと検診をしてくださいよ、受診してくださいよと言える立場ですので、ぜひ活用していただきたいということが、要望としてございます。  もう1つは、河西先生のからもちょっと話が出たと思うんですけども、在宅へ行った場合に、駐車場がなくて、僕も路駐をしたら、ばーっと走ってきて、僕がちょうど患者さんのお宅から出たところで、これは君の車かという話になりまして、ああ、私のですと言って、いろいろ根掘り葉掘り聞かれたんですけれども、そこでは捕まりはしなかったんですけども、これから在宅に行った場合、どうしても患者さんの様態とか、薬のあるなし、薬をどれだけ飲めているかという話をしていると時間がかかります。そういった場合に、薬局は今駐車カードをもらえていないので、駐車カードみたいなものがあって、ぜひ捕まらないようなことをしていただけると、非常に助かるなというのが私の意見でございます。 17 ◯繁田会長 柴田会長、ありがとうございました。  柴田会長からは、薬剤師会という立場でもって検診の必要性、重要性、さらには薬の投与で改善が進まない場合には、薬剤師さんの立場で医師への診察を勧めていただいているということ。それから、かかりつけの薬剤師、かかりつけの薬局をぜひPRをしていただきたいということと、それから、今、在宅の場合のサービスではありませんけども、何か駐車への配慮ができないかという。これはまた当局への貴重な御意見として承っておいてください。ありがとうございました。  それでは、次に、公的病院のお立場も含めて、静岡市立静岡病院の前田副病院長、お願いいたします。 18 ◯前田静岡市立静岡病院副病院長 静岡市立静岡病院の前田と申します。よろしくお願いいたします。  私のほうからは、当院が昨年度から中学生のがん教育というのをやり始めたんですが、そのことを中心にお話をさせていただきたいと思います。  皆様も御承知のように医学自体、非常に進歩をしまして、その治療成績がどんどんよくなっているんですね。ただ、今でもある程度病気が進んでしまってから受診をされた場合には、救命ができないことが多いのも事実でございます。そういう意味では、予防ができるのであれば、そういう予防に気をつけること。それと、がん検診をしっかり受けて、早期発見に努めることが必要になってくるわけですね。  そういった知識をつけていただくのに、年齢が若いにこしたことはないんですね。先ほどからお話がありましたような子宮頸がんなどは、ほかのがんなどは大体年齢が高い方が多いですけども、子宮頸がんなどはピークが20代後半から30代ですから、もう本当に早くそういう教育をしないと遅いということになります。  それで、昨年度から市の教育委員会と一緒に、中学校でのがん教育として、我々のほうから出向きまして、昨年度は3中学校で6回授業をいたしました。  やりました内容は、まずはがんというのは、先ほどからお話もありましたように2人に1人はなるんだよということですね。決して、まれな病気ではなくて、大体多くの生徒さんは、自分とは縁のない病気だと思っていることが多いんですが、そうではないんだということをまずお話をします。その中には、やはり御家族ががんになっておられる方とかもおられるものですから、どうしてうちの家族だけという思いを持っているお子さんもおられます。がんというのは、全然そうではない、本当に普通になる病気なんだよという意味を込めまして、お話をしております。  それから、もちろんがんというのはどんな病気かというお話ですね。それから、がんの原因が何か。では、それを予防するためにはどうしたらいいのか。それと、がん検診の重要性。残念ながら、日本は非常に検診受診率が低いんだというようなお話をして、最後には、とにかく皆さんの若い力というのは本当に大きいので、きょうの授業のことをしっかり覚えておいてもらったら、必ずやがんを死亡の原因1位から引きずりおろせる時代が来るんだから、そういうことは皆さんにかかっているんだからというようなメッセージをお伝えして、終わるようにしているんです。  最初、中学生にはちょっと早いのかなと思っていたんですが、後からその感想とかを聞きますと、2人に1人と知ってびっくりしたと。自分もなるかもしれない病気なので、しっかり予防などをしていきたいと思うとか、それからもうぜひ家に帰って家族にこの話をして、家族全体で予防なり、それから検診をしっかり受けるようにしようと思いますというようなこと。それから、もう1つは、がんというのはとにかく怖い病気で、なったら死ぬ病気だと思っていたんだけども、そういう対策がしっかりとあることがわかってよかったというような意見もいただきました。  ですから、こういう若い世代へのがん教育をこれからも続けていきたいと思っています。そのことを条例の第9条ですかね、そこに入れていただきまして、本当にありがとうございます。  ただ、この若い世代はそうやって学校という、そういうことを勉強する場があるからいいですけれども、問題は大人のほうですね。当然、大人の方にも知っていただかなければいけない知識なんですけれども、我々のほうでも静岡市民「からだ」の学校という一般市民向けの講座もやっているのですが、なかなかそれでは追いつかないので、そのあたりの予防のことだとか、それから検診の重要性を、条例を見させていただくと、第3条、第6条、第7条、第8条、第10条ですかね、このあたりに取り込んでいただいていて、市として取り組んでいただけるということは、非常に大きなことだと思っております。  それから、がん教育からは少し外れるのですが、実は就労支援のことなんですけれども、やはり我々が実際に治療をさせていただいて、結局、お仕事が続けられなくなった、会社をやめましたという方が結構多いんですね。
     この就労支援につきましては、我々の相談支援センターのほうで、例えばハローワークと連携してというようなことも考えてはいるのですが、ただ、一度やめた方がまた仕事につくというのは、なかなか無理なんですね。そうすると、要するに、がんの治療をしながらでも今の職場をやめないことが大事になってきます。そのことを実現するためには、事業者の協力がもう不可欠なものですから、そのことも条例に入れていただいているようなので、ここはぜひ、本当に実効性のあるものにしていただければと思っております。 19 ◯繁田会長 前田副病院長、ありがとうございました。  今、先生からは中学生のがん教育ということで、この条例でいうと第9条であります。ここではがん教育の推進という点で、今、先生からお話をいただきました。それから、就労支援、先生の御意見、本当に切迫な状況でありますので、これらについても我々がこの条例の中にしっかり盛り込んで、対応を考えていきたいと思っております。ありがとうございました。  それでは、次に、静岡市立清水病院の丸尾副病院長、よろしくお願いいたします。 20 ◯丸尾静岡市立清水病院副病院長 よろしくお願いします。  私は、専門は外科でして、主に消化器官の治療、大腸がん、肝、胆、膵のがんから胃がんといったものを扱っております。  清水病院の今のがんに対する取り組みについて御説明いたしますと、御存じのように、がん治療には3本柱と言われている手術と化学療法、それから放射線治療というのがあります。最近は、免疫治療というのが4本目とか言われていますけれども、現状としては3本の柱。それに対して、清水病院は非常に力を入れていまして、ほぼ全てのがんに対応できるような体制になっております。ただし、血液内科とか一部のがんにはちょっと対処できていない面はありますが、ほぼ対処できていて、地域がん診療連携拠点病院というのは静岡では静岡市立病院と、そして県立総合病院の2つがあるので、残念ながら我々はなってはいませんが、それに近い実力を持っているのではないかと自負しております。  そして、また院内でのがんの全てのデータは、院内がん登録といって、データを打ち込んで、そして見直したり、動向を調べたりということもしておりますし、そのデータはNCDといって中央のほうにちゃんと登録データを上げて、全国等との比較であるとかということもこれから行う予定です。  力を入れていることとしては、認定看護師というのがありまして、看護師の中でもより勉強して、その専門のナースというものを育てているんですが、がんに関しては化学療法の認定看護師、それから放射線治療の認定看護師、それから緩和ケアの認定看護師、全てを1人以上は有しているというのが現状で、これからもその分野では強くなりたいと考えているところであります。  あと、緩和ケアについても力を入れようと思っていて、がんに少しでも携わるような医師全員が、その緩和ケア研修会というものに出て、それを修了しております。院内には、緩和ケア委員会というのがあって、多職種が集まって、みんなで緩和ケアに知恵を出し合っているところです。  最近特に感じるのは、おうちで最期を迎えたいというがん患者が非常に多くいるということですね。しかし、実際には8割、9割以上の患者さんは、病院で亡くなっているというのが現状であります。それを、何とかおうちで最期を迎えられるように、病院としても努力していきたいと思っているんですが、なかなかハードルも高いものがあります。それには、病院とMSW、ケアマネジャー、それから地域の訪問看護師が一体となって協力し合わないとできない問題ですので、これからも推進していきたいと思いますが、そこに行政がどうかかわってくれるのかということを、期待を持って、見たいと思います。  それから、検診率が低いというお話も出ましたが、私もそれを感じていまして、私は地元が静岡なんですけれども、清水に来る前は15年ほど東京の中央に近いところの病院にいましたが、また清水に来て、すごく感じたことは、患者さんの質の違いであります。非常にギャップを感じたんですが、何かと言いますと、がんに関して言うと、清水は進行がんがやたらに多いんですね。それは、例えば東京の病院で回診して、何で胃がんが見つかったんですかと聞くと、半数ぐらいは会社の健診で見つかりましたというんですね。しかし、清水では、検診で見つかった方というのは、皆無とまでは言わないけれども、めちゃめちゃ少ないですね。それは、何なのかということですね。大腸がんに至っては、かなり進行がんで見つかる、腸閉塞で見つかる。もう下血で、大量下血で見つかるパターンが多いので、それも検診率を高めて、なるべく早期のうちに見つけて治すということが定着しないといけない問題だと思っています。清水は田舎だからということで済まされてはいけないということなので、そこを変えていかないと、いつまでたっても全国のレベルに追いつかないなというのは感じますので、そういうところで皆さんにはちょっと考えていただきたいなということがあります。  それから、私は病院で広報も担当しておりまして、いろんな病院で医療に関する情報を発信しているんですけれども、市民健康講座という公開講座を年3回ぐらいやっていて、その中でも今言った大腸がんと肺がんとかといったがんについても啓蒙してきたつもりです。  その中で、やはり広報ということもたしか条例にあったと思いますけれども、市がどうやって関与していけるのか、あるいは病院主体のそういった公開講座とか、広報活動に協力していただけるのかということも注目したいと思っています。  最後に、このネーミングについて、私の正直なところを申し上げますと、克服条例の克服という言葉に対しては、ちょっと違和感がございます。克服というと打ち克つという意味ですから、広くはいいと思いますけど、通常、がんを克服して、今、元気だといいますと、がんを治し切って、つまり完治して、フリーの状況というニュアンスがあると思うんです。でも実際はがんを抱えながら働いている、あるいは残念ながらがんは治せなかったけれども、緩和ケアを受けながら、何とか自分らしい生き方で頑張っているというような患者さんが多いと思うので、そこで克服という言葉は何かちょっと違うかなという気も一意見として言いましたので、ちょっと考えていただきたい。まだ、仮と書いてあるので、言ってしまいましたけれども、撲滅よりはいいと思うんですけれども、そのように感じたので言わせてもらいました。 21 ◯繁田会長 ありがとうございました。  丸尾先生からはたくさんの御意見ですけども、がんの治療の方法、手段というものからデータの活用に至りまして、それと各分野別の認定看護師の存在がありますよということですね。それから、緩和ケアの研修会に参加して、この研修会に重きを置くといった必要性、あるいはケアマネとの連携、さらには清水区の検診率が低いということについては、やっぱり市民が自分の体を守るという観念が、田舎という存在でもってあるのかというようなお話も含めて広範な意見をいただきました。  なお、克服条例の克服という文言については、違和感が存在するので一考を要しますよということも貴重な御意見として承っておきます。ありがとうございました。      ────────────────────────────── 22 ◯繁田会長 それでは、今、8人の先生方からいろんなお話をいただきました。  これからは、意見交換に移りたいと思います。  意見交換は、まず、皆さんの向かい側の委員からがん検診及び予防啓発の観点、それが1つの項目、もう1つは、医療及び患者支援という観点、この2つ分けまして、意見とか質問をさせていただきます。  きょうは、当局の職員も大勢見えていただきましたが、議会の委員と、それから8人の先生方を中心とした意見交換ということで、時間を費やさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、まず委員からがん検診及び予防啓発に関する意見・質問がある方はお願いいたします。 23 ◯牧田委員 どうも貴重な御意見、それぞれの皆さん、ありがとうございました。  私から丸尾先生に、私も清水の田舎で育った人間なんですが、実は一昨日、私の知人が他界したんですが、膵臓がんだったと。入院した途端、もう身体のほうに全部転移していて、そのまま閉じたというふうなことで、20日間の入院で他界してしまいました。性格的に、非常に頑固な女性だったわけですけども、お医者さんにかかりたくない。あるいは何でしょうかね、そういう思いのある、地域にとってはボランティア活動を非常に率先してやっていただきまして、活躍してくれた方なんですが、残念ながらそういうことになってしまって、あした、あさって、通夜というような形になっているわけです。そういう性格的に頑固な方、あるいは思いの強い方に受診をしてもらう、検診を受けてもらうということは、今までいろいろな先生方のお話の中で、ただ啓発するだけでなくて、それこそ勉強してきた中学生とか、子供さんたち、お孫さんたちと一緒に健康の話が家庭の中でもっと話題になって、だったらおばあちゃん、行ったほうがいいよとかと言われるような環境も必要なのではないかなと思うわけです。ですので、啓発の仕方等で何か御助言がありましたらお願いしたいなと。丸尾先生だけでなくて、ほかの先生でも結構なんですが、お願いしたいと思います。 24 ◯丸尾静岡市立清水病院副病院長 検診だけを推進すればというよりも、少しでも症状があったりとか、早目に受診するような雰囲気が大事だと思うんですよね。どうも何か症状があってもなかなか行かなかったりとか、本当に困ってから行くというパターンが多いような気がするので、そこら辺の啓蒙といいますか、あるいは家族で受診を勧めるとかといったことも含めて、そういった意識を高揚させていくことが大事かと思うので、それを病院だけの力じゃなくて、市全体の行政も含めた力で目指していけたらなと思います。 25 ◯繁田会長 ありがとうございます。  はい、山梨委員、どうぞ。 26 ◯山梨委員 御意見をちょうだいしましてありがとうございました。  1点だけ、今の牧田委員からの質問の関連なんですけれども、検診率が低いということで、もうこれはあらゆる手を尽くしてやっていくしか、地道な対策しか私はないのかなと思っています。以前、私が堺市に視察に行ったときに、検診率を上げるために直接電話とか通知とかを出して、まめにやっていらっしゃって、それですごく上げたという事例を伺って、そういうようなことをやっていくことがすごく大事なのかなと個人的には思っています。  もう1つ、関連なんですけれども、要は検診はしましたと。その人は、要再検査などで大きい病院に行ってくださいと言われたけれども、その人がしっかりとその後に受診をしているのか、治療をしているのかということも一方ではすごく大事なことなのかなと思っています。特に、きょうは先生方にお集まりいただいていますので、その辺について日ごろ感じられている感触であったり、具体的に治療を続けさせていくための何か御意見等がありましたら教えていただきたいと思います。 27 ◯繁田会長 牧田委員の意見も山梨委員の意見も条例でいうと、第10条に関係することから始まってということだと思うんですけど。どなたか今、山梨委員の質問に対してお答えいただける方。  では、袴田会長お願いします。 28 ◯袴田静岡静岡医師会長 実はがん検診、発見は医師会健康づくり推進課が常に抱えている問題なんですね。確かに、今、個人情報の関係で、がん検診を受けて、要精密検査になった人を市が把握できない状況なんですね。ですから、本来は市がちゃんと受けたか受けていないかを把握していれば、市もいろいろとその個人に言えるのではないかと思うんです。それが、何かいろいろな個人情報の関係でできないと。  もう1つは、やっぱり我々医師サイドもちゃんと検診を受けたか受けないかを返事をしていないケースもあるんですね。ですから、それをもう少しお互いに、きちっと。ただ、市のほうは、もしかすると何かの法律があってできないのかもしれないですけれども、少なくても我々、検診を受けた患者を診た側は、ちゃんと受けました、受けていませんときちっと返すシステムを今以上にしっかりさせることが大切だと思います。  委員が言われたとおり、本当にもう10年ぐらいずっと健康づくり推進課とこういう同じような話をしています。なかなか上がってこないのが事実なんですけれども、がん検診に関しましては、特定健診と違って通知が来ないんですね、それが一つ。静岡市民であればみんな受けられるんですけど、そこら辺の啓蒙が少し足りないのかなという気はいたします。  あと、先ほども言いましたけども、では、本当に静岡市民の人が1年に1回の胃の検査をしているのかしていないのか、健診ではなくて、そういうチェックがどこかでできれば一番いいだろう。最終的には、少なくとも市が市民の住民健診レベルの健康は把握できて、ものが言えるような体制になれば、これは一番いいのではないかと日ごろから思っております。  また、我々もきちっとした形で市に報告できるようなシステムをしなくてはいけないなとは思っております。 29 ◯繁田会長 よろしいですか。何らかのガードが存在をしたということで、健康長寿を推進する静岡市にとっては、やはり改善が必要かもしれませんね。  そのほか、ございますか。 30 ◯望月委員 皆さん、どうもありがとうございました。  口腔がんのことについて、清水歯科医師会の本間先生にお伺いしたいのですが、僕ら普通の人間からすると歯医者とがんというのは余り結びつかないように考えてしまうんです。例えば、一般の歯の治療で歯医者に行って口腔内に異常があるという場合に、その歯科医がそれを見つけて、指摘をするということは日常的に行われているのか。ある程度の研修みたいなことは、歯科医の方はやられているのかということをお伺いしたいです。 31 ◯本間静岡清水歯科医師会長 一般の歯医者であれば、大学教育で口腔がんの教育を受けておりますので、当然、知識はあります。  ただ、やはり日常の保険診療では、歯科医というのは、本当に15分診療とか短時間のうちにいろんな処置をこなしておりますので、口の中の全部をくまなく見ることにはなかなかなっていないと思います。  ですから、例えば、患者さんが初めから、口腔がんというのはこんなもんだなという知識があって、例えばちょっと舌べろにしこりがあるよとか、ほっぺたの口内炎が治らないよとかという異常なことをぱっと言ってくれると、我々は早く気がつくケースが出てきます。歯科医としては、ほとんど全てを見られればいいことはわかっておりますけれど、実際は本当にぱっと口をあけて、きょうは歯を削るんだなといったらもう削り出してしまう世界なので、口の中の全体を見ながら、例えば、咽頭を見たり舌べろを見たりということはなかなかできないケースが多いです。できたら初めからできるだけ患者さんに知識を持っていただいて、我々にきちっと話をしていただくことがベストかなと思います。  ただ、初診の患者さんなんかで、初めからそういうことをちょっと言ってくれれば、本当にくまなくきちっと見ることは、当然、これは歯科医として可能です。また、歯科医が発見した場合は、今度は2次病院、例えば口腔外科に送るなり、またほかの病院に送るなりということは当然にやっておりますので、我々としては言いわけになってしまいますけど、患者さんの知識があるとすごく助かるなというところがございます。 32 ◯安竹委員 安竹です。ありがとうございます。  地震で被災した人たちが、避難所に集まったときに、特に最近、口腔衛生ということが叫ばれておりまして、今のお話と何か結びつくような気がするんです。やはり子供のころからそのことについてやっていくことが、僕はすごく効果があると思うんです。やはりその辺のことを我々も注意しなければいけないなと思っていますが、その辺の子供に対する受診の関係で何か感じられていることがあったら教えていただきたいと思います。 33 ◯片山静岡静岡歯科医師会長 お答えをさせていただきます。  今、ちょっと地震の話が出たものですから、まさにその口腔ケアが災害時にきちっとできない状況に陥るということは、今までの東日本大震災であったり、もちろんその前の阪神・淡路大地震のときもそうだったんですけれども、結局ライフラインが途絶えて、水が供給されてもその水を飲み水などに利用しなければいけない。限られた資源ということになりますので、例えば、義歯を洗ったりとか、それから口の中の歯磨きをしたりすることを控えてしまうという状況があったそうです。  なおかつ、皆さんも御存じだと思いますけど、トイレも非常に劣悪な環境になることが多かったそうで、トイレにも余り行かないために水分も余りとらないということで、脱水症状になったりとか、あるいは口腔内はとにかく脱水になると細菌が異常に繁殖しやすくなってしまいますので、それが先ほどの誤嚥性の肺炎につながり、ピークが2週間後ぐらいにやってくるということで、発災後2週間で危険な方は命を落とすと。災害関連死というような言い方をするそうで、災害で直接亡くなった方ではない方が24%ぐらいいたと言われております。  それで、教育に関してなんですが、私が城内中学の校医をやっているときの校長先生がJプロジェクトという、学校の中で子供たちに避難所の模擬的な1日を非常に熱心にやりました。例えば、避難所の生活というのはこういうものだよとか、あるいは炊き出しをしなければいけないんだとかということをやった中で、口腔ケアの重要性について私がレクチャーをさせていただきました。1つのクラスがそれに関していろんな研究発表をし、1つのクラスで誤嚥性肺炎のこと、それからエコノミー症候群のこともあったんですけど、その2つをテーマに3年2組だったと思いますが、その子供たちがそういうようなことをしました。  非常にいい取り組みなんですが、やっぱり単発的なんですね。これを上手に教育の中に取り込むことができるのかどうか、健康教育ができるのかどうかということは、また教育委員会、それから現場の先生方との話し合いになるのかもしれませんが、こういうがん克服条例の学校教育の中でがんのこと、それから健康のことをきちっとやっていくんだというようなお話というのは非常に重要なことですし、それを広げていただければと感じているところでございます。 34 ◯安竹委員 今の私たちの生活が、すごく便利になったというか、衛生観念が高まったというか、トイレにいって、排便がもう流されてしまうんですよね。私も家内を亡くしているんですが、そのときはまだうちのおふくろは元気だったんです。昔はトイレで家族がどういう便をしているか、いわゆる血便なんかをすれば、すぐどうしたんだというようなことができたけど、今、そういうのではなかったから、私の嫁が大腸がんで死んだんですが、恐らくそういう状況だったんだろうと思う。残念だったねと、うちの90歳になるばあさん、おふくろが言ったんですよ。  そういったことで、何か環境の変化で発見できたことが、見失いがちになってしまっているということがあるので、そんなことについて何かお考えがあったらお聞かせいただきたいんです。家族でお互いに注意し合うというか、発見し合うというふうな環境です。 35 ◯繁田会長 そうですね、普通の生活環境上の問題で利便性が高まった余りにその弊害もあるという多分そういった御意見だろうと思うんですね。 36 ◯安竹委員(続) 委員長、聞かなくていい。 37 ◯繁田会長 多分、8人の先生、みんな共通の認識だと思うんですね。  御意見でいいですね。 38 ◯安竹委員 はい、結構です。 39 ◯松谷委員 松谷です。  先ほど、丸尾先生から名称の問題が出たんですけど、実は前回、関係者皆さん意見交換会をやらせてもらって、その後に提案された山梨委員と話をして、克服について同じ感覚なんですけど、克服というのも何かがんをなくすというようなイメージがあって、名称はどうなのかなと。いや、他市では撲滅というのがあるから、撲滅よりはいいよと山梨委員もおっしゃってくださったんです。そのときに、では、克服共生条例にしたらどうかみたいな、ともに生きていくというか、生きざるを得ないというような話もしていたので、これは私たち議員の中で、またその名称については話をしなければいけないなということを改めて今、感じたところです。  それで、先ほどの検診と啓発のところで、結局喫煙の問題で、薬剤師の方々がいろんな学校でもやっていただいているとかという話があったんですけど、オリンピックを目前にして、受動喫煙の問題への関心や意識が非常に高まっている状況にあると思うんです。静岡市には、路上喫煙については禁止区域があったりとか、それから保健所で加治先生が一生懸命に頑張って、いろんなことをやっていただいているんです。医師会でこの禁煙外来みたいな形で喫煙率を全体として下げていくような取り組みはどんなような状況にあるんだろうかなということで、お聞かせ願えればありがたいと思います。 40 ◯繁田会長 今の喫煙上の問題の質問について、どなたか先生でお受けいただくことはできますか。 41 ◯袴田静岡静岡医師会長 喫煙に関しましては、もう本当、日本全国がまだまだ甘い。本当に甘いですよね。国会でも議員がたばこを吸って、愛煙家の集団がいるぐらいですから。静岡市議会は大丈夫なんですか。             〔「大丈夫です」〕 42 ◯袴田静岡静岡医師会長(続) 今、実はその禁煙外来というのは、保険診療ができるようになりまして、個々でかなりいろいろなところがやっております。また、多分ホームページを見るとかなりわかるのではないかと思います。また、お問い合わせいただければ、御紹介もたくさんできると思います。  実は、浜松市のほうは非常に頑張って活動をしておりまして、加藤先生というのは、東京の医師会が非常に頑張っていますので、その先生方を呼んでやっているんですけど、静岡にもただいま言われた加治先生、あと日赤の病院長の磯部先生、それから日赤の精神神経科の臼井先生ですね。非常に熱心な先生方がいらっしゃいます。  我々医師会も、これからこれに関しましては本当に真剣にやっていこうと思っております。これは本当にもう市を挙げてやっていかなければならないんですけども、よくわからないんですけど、いろんなお金のことも絡んでくるんですか。なかなか大変なことで、本当にそんなことを言うよりも、やっぱりもうたばこそのものを静岡市からなくすような、もう分煙とか、たばこを吸う人の権利を守るとかそんなことを言っているうちは、当分だめなのかなと思いますので、静岡市からたばこをなくすぐらいのつもりで先生方にも頑張っていただきたいと思います。  答えになっているかどうかちょっとわからない。 43 ◯繁田会長 では、いいですね。  時間の配分もあるんですが、このほかに、このがん検診予防啓発といった分野でぜひこれは先生に伺ってみたいという人がおりますか。 44 ◯早川委員 早川です。  貴重な御意見、本当にありがとうございます。  先日、各団体の皆さん意見交換会をやりまして、この条例の中で第9条に学校教育をうたった場合に本当に推進できるのか。先ほどから伺っていますと、薬学講座だとか、あるいは学校に伺って、先生方がいろんな指導をされている。小中学校で129校、それでほかの高校を入れると約150校、これは小学校1年生から高校3年生までの6・3・3でいきますと、それだけのクラスとか学校があるわけですね。  市はというふうに最初にうたっていますので、当局のほうから各団体の先生方にお願いした場合に、それは可能なのかどうか。ここから、やっぱり小学校1年生などの低学年は別にしまして、中学、高校というのは、それがお母さん、家の人とかの受診率の向上につながると思うんですよ。それはお母さん、病院に行ったほうがいいんじゃない、お父さん、病院に行ったほうがいいんじゃない。やっぱりここのところが非常に大事なところとうたった場合に、先生方の御協力は得られるのかどうかを確認させてください。 45 ◯繁田会長 早川委員の質問は、物理的に先生方の協力が得られるかどうかということですね。静岡市一円の小中、それから高等教育等において、その点は前田先生、どうですか。 46 ◯前田静岡市立静岡病院副病院長 なかなか、そのあたりが難しいところで、昨年度は3中学校の6回の授業に全部私が行ったんですけれども、今、うちの病院でも同じように授業をする者の候補として私以外で3人、全体で4人ぐらいをつくって、何とかとは思っていますが、もちろん当院だけではとてもカバーができません。  それから、今の時点では全ての学年にやるのではなくて、中学2年か3年なんですけれども、なかなか今の生徒さんというのは、学校のほうも授業がぎっちり決まっていて、最初から1時間余分なものをとること自体もなかなか大変なんですね。  そんなこともありまして、そのあたりは大変難しいところがあるんですが、先ほどから言っていただきましたように、本当にこれから未来の静岡からがんで苦しむ人をできるだけ少なくするといったら、これはもう絶対に必要なことだと思っております。それから、先ほどもおっしゃっていただいたように、なかなか自分では気をつけなくても、子供からお父さん、たばこやめてと言われたら、その力というのは大分大きいものですから、我々もできる限り一生懸命協力してやりたいと思っております。  ただ、もう少し授業する側も広げていかないことには難しいかもしれません。 47 ◯河西静岡市薬剤師会副会長 先ほど、学校薬剤師の話をさせていただいたんですけども、静岡、清水は、全小中高の全てに学校薬剤師がいます。全ての学校で、小学校4年生から高校3年生まで薬学講座を毎年必ずやるようにしております。なので、どこかでそういう話を聞く。また、継続して聞くということで、1年に1回だけだと忘れちゃうけれども、毎年やっていることで気づく部分もあります。これは全国でも珍しいことで、全国の学校薬剤師会などでも静岡はすごいねと言っていただいているぐらい、全て網羅しています。  こども園にも薬剤師がいますし、ずっと継続して地域に薬剤師は必ずいて、お話を必ずさせていただいているので、そこで喫煙の話とかアルコールの話とかというのを継続してやっています。もちろん、学校医の先生、学校歯科医の先生も全校にいますので、どこかで啓発活動できる体制は、静岡は、私たちのほうは整っていると思いますので、大丈夫だと思います。 48 ◯繁田会長 ありがとうございます。  村上会長、どうぞ。 49 ◯村上静岡清水医師会長 ただいまの早川委員の御意見なんですが、私が清水区の学校教育保健委員会の会長のときに性教育をやったんです。そのときに性教育とセットで受動喫煙の問題とかを持っていったらいいのではないかということで、今は後任の方が進めていると思いますけれども、なかなか相談をするといっても場所がないので、清水区で我々が28年から取り組んでいる何でも相談会という無料相談会を、年4回土曜日にやっています。そこには本間先生にも参加していただいているんですけども、そういうような無料相談会ということで、先ほど薬剤師会の先生から出ました気軽に相談できる場所というのも1つつくっておかないと、やはり医療機関にかかるとお金の問題もありますし、時間をとるということもあります。気軽に相談できるようなところを何か市議会のほうで発案していただいて、もし何か協力できることがあれば、我々のその会を1度見学に来ていただければ、社会福祉協議会と一緒になって、弁護士の先生とか、我々、歯科医師、それから薬剤師の方ももちろんですけれども、ありとあらゆる多職種の方が無料で相談に乗っています。そうすると、意外と相談しやすいのではないかなと思いますので、ひとつ提案ということでよろしくお願いいたします。 50 ◯繁田会長 ありがとうございました。  それでは、今までは検診と、それから予防啓発の御質問をさせていただきました。  この先は、医療、それから患者支援ということに関しまして、この条例の制定に向けて必要と思われるような意見を8人の先生方にお伺いしたいと思いますので、御意見のある方は挙手をお願いいたします。  かなりの点はこの条例で網羅されているはずですけども、患者の立場になったときにどういったものが必要かという、それを心のよりどころにする点もこの条例の必要なところだと思います。委員の方、よろしいでしょうか。 51 ◯山梨委員 山梨です。  今回の条例の最後のほうですけれども、ライフステージに応じた支援の推進ということをうたわせていただきました。これは国の計画にもAYA世代等の課題に対して、支援をというふうに書いてはあるんですけど、実際、基礎自治体でどこまでのことができるのかなというのも正直課題としてあるのかなという認識があります。  ただ、やはりこのAYA世代や小児世代への支援は、今後、がん対策を進めていく上で必ず通っていかなければならないところだと私は思っています。  医療現場の中で、こうした若い世代への治療などに対応されたことが多々あるかと思います。何かこの行政に対して、できるできないは当然あるかもしれませんけれども、こういったことがあればより若者が未来に希望を持って生活、治療ができるのではないか、何かこの辺の御意見がありましたら教えていただきたいなと思います。前田先生がよろしいでしょうか。お願いします。 52 ◯前田静岡市立静岡病院副病院長 そうですね、なかなか難しいところなんですが、私は血液内科の者ですから、それこそ白血病とか悪性リンパ腫という比較的若い年齢の方がなるがんの領域ではあるんですね。今までにやっぱり10代の方とかでそういう白血病でとかとなると、そのお子さんたちが、一番気にされているのが学校のことなんですね。もう長期に休むことになってしまいますので、その後、戻ったときにどうなるのかとか、その出席日数のこととか、それ自体をどうこうというのはなかなか難しいのかもしれませんが、やはりそのあたりが先ほどの仕事のこともそうなんですけれども、がんの治療を続けながら、その中でも仕事であったり学校のことであったりというのが、何らかの形で継続をできるといいますか、そんなような形のことが何かができればいいのかなとは思うんですけれども。  ちょっと具体的な案になっていなくて申しわけないんですが。 53 ◯繁田会長 そのほかにございますか。委員からよろしいですか。 54 ◯石井委員 石井です。きょうは、いろいろとありがとうございました。  緩和ケアのことについてお伺いしたいのですが、この条例でも在宅医療の充実というところと緩和ケアの充実という、緩和ケアというと病院にいながら、いろいろな投薬などを受けて、痛みだとか精神的苦痛を取り除いていこうということも趣旨としてあるわけです。ただ、やはり在宅ということになるとそういった適切な医療がその場ですぐにとれるかどうかというハードルもあると思うんです。実際、緩和ケアを在宅でやられている方の現状というのは一体どういう感じになっているのかということと、あとまたそういった緩和ケア、在宅での緩和ケアのハードルに対して行政ができることがあれば、教えていただければと思います。
    55 ◯繁田会長 いいですか。  では、袴田会長、お願いします。 56 ◯袴田静岡静岡医師会長 静岡は、意外とそこら辺のことは非常に進んでおりまして、多分かなりの人数の医者が在宅での緩和ケアができます。それには、当然、きょう来ている先生方の病院のバックアップが絶対に必要ですし、多職種連携ですね。本当に、きょう来ている先生方たちとか、あとはケアマネ、それから丸尾先生が言われたとおり、訪問看護師さんが非常にキーなんですけれども、本当に多職種との連携でやっております。  また、もう10年以上前からずっとそういうことを考えてやっていましたので、麻薬の問題とか介護保険の問題にも他地域よりも早目にいろいろ対応して、そういう意味では非常によくやっております。  今、静岡医師会は、がん末期の患者の独居での最後のみとりができるかどうかを少しディスカッションしているところですので、そこら辺に関しましては、かなり頑張ってやっております。  ただ、まだまだ行政の力を本当にもっとおかりしてやらなければいけないことがあるのではないかと思うんですけども、今、ぱっと具体的には思いつかないんですけども、かなり他地域に比べては非常にやっているなという印象は受けております。 57 ◯繁田会長 ほかに何かありますか。             〔「委員長、松谷」〕 58 ◯繁田会長 少し待ってください。  この関連ですか。(「はい」)どうぞ。 59 ◯河西静岡市薬剤師会副会長 済みません、実は、私はきのうも独居の末期のがん患者さんを在宅で診てきたんですけれども、やはりお医者様と私ども薬剤師もそうですし、訪問看護師、ケアマネ、皆さんがかかわって、支え合って、見ております。看護師さんとも連携をしたりとか、ケアマネさんともお話をしながら、それをドクターにフィードバックをさせていただいて、それで先生が処方とか診療の指示をするという形でやっております。  なので、ある程度までは在宅でもやっていくことは可能だと思っています。今、無菌調剤をやれる薬局もふえておりまして、抗がん剤などの点滴の薬剤の調整も薬局でできたりするようになってきておりますので、訪問看護師さんが在宅で点滴をしていただくとかということも、静岡は結構やってきていると思います。  ただ、やはり最後の最後になって動けなくなってくると、独居の方というのはなかなか大変だなというのは感じていまして、そこら辺のどこまで見られるのかという問題は、やはりS-NETでもいつも袴田先生問題提起をしてくださっておりまして、そういう問題はあるかなと思っていますが、かなり静岡は頑張っているかなと私は思っております。 60 ◯繁田会長 ありがとうございます。  松谷委員ありますか。 61 ◯松谷委員 先ほど、就労支援の話が出たんですけど、この前の関係者皆さんとの意見交換会で、労働局の皆さんに質問したんだけど、担当ではなかったので詳しく答えられないということだったんです。この就労の状態というのが、個人情報とかかわっているから私たちも実態がなかなかわからないんですけれども、例えば、病院などの患者さんの中で、仕事をやめずに治療を続けているとか、やめたとかのデータ的なものとか、何かこういう問題は行政側が支援してくれたら解決するんだとか、そういうような事例があれば御紹介いただけるとありがたいなと思います。 62 ◯繁田会長 それは、両副病院長さん、どうでしょうか。お持ちでなければ…… 63 ◯前田静岡市立静岡病院副病院長 データとしては、相談支援センターに言えば多少はあるのかもしれませんが、済みません、具体的なのはないんですが、ただ、先ほどもお話をいたしましたように、一度やめてしまうとなかなか次にということが難しいものです。ですから、やっぱりやめずにいくことが大事で、事業者の方の理解と、我々病院のほうも、例えば、治療法に今は2通りあって、こっちだったら案外自宅で、ちょっと仕事も続けながらできるかもしれないよと、こっちのほうは効果としては若干いいんだけどと、そういうときは御本人ともお話をしながら、御本人にとっていいほうを選びながらということで、その治療法も仕事ができやすいほうを選んだりとかしながら、何とか仕事をやめずにというようなことはやっています。 64 ◯繁田会長 ありがとうございます。  今の松谷委員の御質問は、多分第5条の関係だと思います。ありがとうございました。  それでは、医療と、それから患者支援という項目についての御質問については、ここで閉めさせていただいていいですか。             〔「はい」〕 65 ◯繁田会長 ありがとうございました。      ────────────────────────────── 66 ◯繁田会長 それでは、次に、医療関係の8人の先生から改めて委員に対して何か御意見、あるいは御質問がございましたらお願いしたいと思います。条例制定に向けての御意見で結構でございますので、よろしくお願いいたします。 67 ◯丸尾静岡市立清水病院副病院長 私がこの条例そのものをちょっとわかっていないのかもしれませんが、条例というのは、方針をうたっているということで理解してよろしいんですか。つまり、ここに書いてあることは、至極当然なことが多いので、努めなければいけない、努める、対策を講じるというようなことの羅列なので、ちょっと肩透かしというか、これでいいのかと思ってしまったのが正直なところでございます。もっと具体的にどうするんだというようなことを含めなくていいのかと、私がとんちんかんなことを言っているのかもしれませんが、そういうところで、例えばこれに関しては、市でこういう課をつくって、ここが担当するんだとか、そういうことがあるのかなと思ったらそうではなくて、ほぼ努めるで終わっているのは、こういうものなんですか。 68 ◯繁田会長 ありがとうございます。  市の条例というのは、国で言う法律に匹敵するようなものであります。その中には目標、しかし、その目標は努力していくという目標で、理念を含めた努力目標の条例であるということであります。  これを制定させていただくこの先は、この条文に沿って、それぞれの機関あるいは権能を持つ職域で、この条例に向かって皆さんで一致団結して、市民のために貢献をしようということで、先生が言われるとおり、具体性に欠ける面については一考を要します。しかし、これをつくらない限りは、その先に進めないという、生産性を生むための条例というふうにお考えいただければ結構だと思います。 69 ◯丸尾静岡市立清水病院副病院長 わかりました。あくまで、目標がないといけませんからね。 70 ◯繁田会長 貴重な御意見です。ありがとうございました。 71 ◯丸尾静岡市立清水病院副病院長 もう1点いいですか。先ほど、教育のところで、今、前田先生がやってくれているような中学生への授業が物理的にどうなんだという話がありましたけども、1つのアイデアとして実際、出向かなくても何かできる方法があるのかなと思っています。例えば、当院でも研修会に出ろ出ろと言うんだけど、みんななかなか出ないんですよ。それで何をするかというと、それをビデオに撮って、ビデオ上映会を何度もやって、いずれかに出なさいと、そうやって受講率を高めているわけですね。  ですから、1人、2人の先生が頑張ってやっても知れていますから、例えば、そういう何かDVDなどを分けて、学校で1回は見るようにしなさいとか、そうやっていただけると効率的かなとも思うので、そんなことも含めて、できれば直接話したほうが響くとは思いますけども、もっと率を高める、啓蒙するという意味では別のモダリティを使ってもいいのかなと思いました。 72 ◯繁田会長 前田先生、どうぞ。 73 ◯前田静岡市立静岡病院副病院長 ありがとうございます。  実は、そういうことも検討しているのですが、このがん教育の授業をやっている中で、どうしても単に講義形式で学生さんが聞いているだけという一方向だと、どうしてもやっぱり伝わっていかないのかなということで、必ず中にグループワークだったり、ディスカッションのところを設けて両方向でしているんですね。そうすると、実際に出向いてという形になっちゃうものですから。  それでもう1つ、広くやる方法として、例えば、各学校の養護教諭の先生だとか、保健体育の先生方に一度我々がこういう形のがん教育の講義をして、それぞれの先生方にやっていただくとかというのも1つの方法とは考えているんです。ただ、なかなかおもしろい質問が飛んできたりするので、そういうやりとりというのは、実際に我々が行ってやるからできるところもあるので、かといって、先ほどからお話ししているように、行く者の人数の問題もあるものですから、そのあたりでどうすり合わせるかというところだと思っています。 74 ◯繁田会長 ありがとうございます。  先生方でほかにありますか。  袴田会長、どうぞ。 75 ◯袴田静岡静岡医師会長 この条例ができまして、協議会が設置されるということで、我々の声が届くというところができまして、非常にありがたく思っております。  これから、がんに関しましては、本当に在宅、緩和とか、非常に大切になってきますし、22年問題におきましても、やっぱりこれから在宅というのは非常に大切なんですね。御存じだと思うんですけれども。訪問看護師さんとかヘルパーさんとか、その介護の人が担うところがすごく多くて、特にがんに関して訪問看護師さんというのが、もう本当に一番のポイントなんですね。  ですから、ぜひその協議会のメンバーに訪問看護師さんとか、ケアマネとか介護の人をたくさん入れていただいて、本当に実際の生の声を聞いていただくことが非常にいいのではないかと思います。ぜひ、例えば、この15人に入らなくても、また違う分科会でも結構ですので、ぜひそこら辺もよろしくお願いします。 76 ◯繁田会長 はい、わかりました。貴重な御意見です。  そのほかにございますか。 77 ◯河西静岡市薬剤師会副会長 きょう、私はこちらの8人の中で女性が1人だけなので、第8条について少しお話しさせていただきたいなと思ったんです。女性のがんの問題なんですけれども、特に子育て世代の女性に関しては子供を抱えていると病院の受診すらもなかなか大変で、ましてや検診は1時間、2時間かかりますので、なかなか検診も受けるのが大変と私も感じました。  なので、例えば、検診の場に一時預かり、少し子供を預かってくれるような場所があるとか、それで検診で引っかかってしまって、要再診となったときに、もし私がこれでがんで入院してしまったら子供たちはどうなるんだろうという御心配があって、なかなかその再診が受けられないという、二の足を踏んでしまうという話もよく聞くんですよね。なので、子育て世代の女性が入院してしまったときに、子供を支援できるような環境があるとか、少しそういう女性に手厚くできているものがあるとまたいいなということをふだんから感じております。  特に、乳がんなんかは、よく産婦人科の先生なんかが自己検診の方法とかも教えてくださいますけど、自分で触ってある程度わかったりということも啓蒙していく必要があるかと思いますし、乳がんのがんの患者さんの協会ですか、あけぼの静岡さんとかがありますよね。そこで、やっていらっしゃるのは、触ってわかるようなデモキットみたいなものがあったりして、あんなものを女性なんかは見たり触ったりすると、自分でわかったりするのではないかなと思うので、その辺の何か少し女性に手厚いものも考えていただけたらありがたいなと思います。 78 ◯繁田会長 ありがとうございました。  そのほかの先生、よろしいでしょうか。  片山先生、どうぞ。 79 ◯片山静岡静岡歯科医師会長 済みません、1点だけ。がん克服協議会で計画を策定していくということがここに書いてあるんですが、国のほうでも、たしか、がん対策推進計画かな、静岡県にも多分ございますよね。それで、静岡市もつくるということで、それで3本ということになると思うんですが、その辺の整合性というか、関連性というのはどういうふうになるんでしょうか、どういうふうにお考えでしょうか。 80 ◯繁田会長 静岡県では、健康増進計画もありますし、それから我々静岡市は健康爛漫計画というもので、それぞれ網羅されております。  ですから、国のほうの方針から県、市の方針も多分、全てダブってくるところがあるんだろうという認識は、我々も持っています。その中で、この条例というのは、きめの細かさを訴えて、それぞれの立場、がん患者、さらには家族、それからその患者を取り巻く事業所、さらには教育機関、もちろん先生方医療機関、こういった方々にやはり静岡市の取り組みを理解していただいた上でがん患者をバックアップしていくのがこの条例であります。今、片山会長が言われたとおり、全ての自治体、あるいは国の計画と重複する部分があることはやむを得ないことで、要するに、推し進めていく上において誤差が生じないというふうなことを我々としては、認識をしていこうと思っています。  この辺については、委員の皆さん、そういった考え方でよろしいでしょうね。  そんなことで御理解いただければありがたい。どうしても、大体重複をしてくるということを御理解ください。  それでよろしいでしょうか。時間も大部遅くなって大変恐縮です。皆さんもお疲れでしょう。  この辺で意見交換会を閉めさせていただきます。      ────────────────────────────── 81 ◯繁田会長 本日、先生方におかれましては、大変お忙しい中、おいでいただきまして、また大変貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。お伺いをいたしました御意見等につきましては、この条例をよりよいものにするように、今後、この検討会でしっかり議論をさせていただいて、2月の上程に向けて我々も頑張っていきたいと思いますので、今後とも御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。  なお、検討会の委員の皆さんにお伝えいたしますけども、前回と今回の意見交換会を踏まえて、条例素案等に対する意見を会派ごとに取りまとめていただいて、提出していただきますので、あらかじめ御承知おきください。  次回、第5回の検討会は11月の開催を予定しております。お配りした日程調査票を、きょう、この会議の散会後に事務局へ提出してください。よろしくお願いいたします。  それでは、先生方も静岡市の行政当局の皆さんも大変遅くまでお疲れさまでございました。ありがとうございました。      ────────────────────────────── 82 ◯繁田会長 以上をもちまして、「(仮称)静岡市がん克服条例検討会意見交換会を散会とさせていただきます。                 午後8時48分散会      ────────────────────────────── 「(仮称)静岡市がん克服条例検討会長  繁田 和三 Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...