今回、私からは、
森林環境税と
森林文化都市構想について、そして、
広域消防体制と防災訓練の2つの項目について質問させていただきます。
最初に、本市における
森林環境譲与税の使途と
森林文化都市に向けての考え方について伺っていきます。
皆様御承知のとおり、本市は南北が83キロという広大な面積を抱える中で、森林が占める面積は4分の3以上もあります。そして、この森林の4割以上が杉やヒノキの人工林であります。さらに、その中で人工林の大部分の9割以上が木材としての利用可能な樹齢に生育しているところであります。
山がこのような状況のもとで、本市の総合計画には、山から海までの多彩な資源を生かして人や地域が潤う農林水産の盛んなまちを実現するとうたわれていますが、現実には、
農林水産物の価格低迷や従事者の減少、高齢化、また、条件の悪い生産基盤などの問題が生じ、特に林業の低調による放置され荒廃する森林が多くなってきています。
本来、森林は水源涵養や土砂の流出防止、
CO2吸収による
温暖化抑止や
生物多様性の維持など、
公益的機能を有しており、都市住民を含む市民全体がこの恩恵を享受しています。この山の恵みを今後も継続的に得られるようにするためには、行政による強力なバックアップが必要と考えます。
そこで、最初に、生産の現場でもある川上においての
森林整備に対する施策の現状はどうなっているのか、お聞かせください。
続いて、消費の現場について触れますが、公共施設や民間の店舗などへの地元産木材使用が広がることなどにより、地産材の需要は回復基調と言われますが、森林資源の累積には追いつかないのが現実であります。生産の現場である川上と利用の現場である川下の
需給マッチングは喫緊の課題であります。
こうした中で、本市では、
静岡地域材活用住宅推進協議会が
地域材需要拡大のために
静岡ひのき・杉の
家推進事業を15年前より行っております。現在は、年間200棟以上が事業を利用していて、その
経済効果分析の資料によると、林業や製材業を含む市内企業への
生産誘発効果は18億円余の増となり、本市の税収効果も約2倍という数値が示されています。
また、この事業利用の有無による市内産
木材使用率は通常の25%から、利用した場合は77%に跳ね上がるという利用材積の
呼び水効果を生んでいます。これらの分析から、事業促進の必要性はいうまでもありません。
そこで、次に、施設や住宅など消費の現場となる川下における
木材利用に対する施策の現状はどうなっているのか、お聞かせください。
次に、
森林環境譲与税の使途について伺います。
まずは、手入れが行き届いていない民有林の管理を市町村を介して林業家や企業に集約化する新たな
森林管理制度を創設する
森林経営管理法が先月の国会で可決成立しました。
これは森林現場や所有者に近い市町村の役割を強化し、所有者による自発的な施業が見込めない森林について、所有者から委託を受けた市町村が整備を行うこととする仕組みなどの新たな
森林管理システムであります。
この法案が成立したことにより、
森林整備等を行うための必要な費用について、国民が負担を分かち合って、皆で森林を支える仕組みとして新たに
森林環境税を創設することが必要とされています。
そこで、皆様のお手元の資料をごらんください。
今般、来年度の税制改正において、仮称でありますが、
森林環境税及び
森林環境譲与税が創設される予定です。
森林環境税は、1人年間1,000円を
個人住民税に上乗せして徴収し、税収は年約620億円と見込まれます。また、この
森林環境税の平成36年度創設に先行して、都道府県と市町村に
森林環境譲与税が既に来年度から配分される予定であります。
来年度の
森林環境譲与税は総額200億円で、本県と県内市町には計約6億円が配分されると概算されています。譲与基準による配分率は資料の裏面のようになっていまして、本市にも来年度は1億円を超える財源が配分される予定です。
ただ、本市の場合は、国の施策に先んじて、
森林環境基金を財源に積極的に
森林整備に取り組んでいるわけですが、新たに配分される税財源の使途をどのように考えているのでしょうか。
そこで、最初に、川上である木材生産の場において譲与税をどのような使い方を考えているのか、お聞かせください。
また、静岡県が2006年度に導入した
森林づくり県民税は、
森林環境の保全を目的とした超過課税でありますが、個人分は年間400円で、人工林の手入れや森林の災害復旧などに毎年10億円を充てています。県は、この財源で2025年までに2万6,000ヘクタールの森林を再生するとして、課税期間を5年間再延長しております。
この
森林づくり県民税が使途を生産の場である川上での産業にほぼ限定しているのに対し、来年度からの
森林環境譲与税は、人材育成や
木材利用促進も対象とされ、関連産業や消費者である川下を巻き込むことも可能であります。
そこで、次に、この譲与税について、川下である
木材利用の場における使い方をどのように考えているのか、お聞かせください。
1回目の質問の最後に、
森林文化都市構想についてお伺いします。
冒頭に述べましたとおり、本市には市域の4分の3以上の広さの山や森があります。ですから、市内どこにいても遠くに、または近くに山や森を見ることができます。この森や木を市民がもっと身近に感じることができないものかと私は常々考えております。
今月、上智大学で開催された森林と市民を結ぶ全国の集いに参加し、研修しました。森林率の高い日本では、今、さまざまなアプローチから森林の価値が見直され、人々の暮らしにおける森林の重要性が再認識されてきているところです。新たな価値観に基づき、森林や木を生かそうとする動きも各地で活発化しており、山とまちの関係は変化し始めているところです。森林の持つエネルギーははかり知れないものであります。そこは水の源として、市民に飲料水の恩恵をもたらし、美しい清流は豊富な海洋生物も育みます。
しかし、荒れた森林からは、土石流という災害も引き起こされます。自然に感謝の意を込めて、市民が森を知り森を訪れる、木のありがたさやぬくもりを感じる静岡市になってほしいと思います。
平成17年の定例会で私たち会派の
繁田和三議員が
森林文化都市建設法の提案をされています。私もこのときの繁田議員の思いに触れ、これからの静岡市の目指す方向に
森林文化都市構想があってもよいのではないかと考えました。
そこには、人工林と自然林を問わず、市民が週末に気軽に訪れることのできる森を整備したり、銘木につながる小道や
ハイキングコースの造成、森における
交流イベントの開催など、森の価値を分かち合う文化都市を創造していくことを提言したいです。
さきに述べたとおり、今回の税制改革により、国も
環境譲与税を創設することになるなど、
森林環境を維持、整備していくことが必須であるという考え方が国民全体のコンセンサスを得たものと言えます。森林都市である静岡市として、
森林文化都市構想を展開していくのに、まさに機は熟したと言えるのではないでしょうか。
また、旧安倍6村の合併から50年を迎えますが、農協の撤退など
危機的状況を迎えている中で、
地域住民が住み続けるために夢を持つことができる
オクシズ地域振興の策として、
森林文化都市静岡の構想を
次期総合計画に向けて掲げるべきであると考え、提言します。
そこで、静岡市らしい
森林文化都市を目指していく考えはあるのか、お聞かせください。
以上を1回目の質問とさせていただきます。
7
◯経済局長(池田文信君)
森林整備と
木材利用に対する施策の現状についてお答えいたします。
本市では、市民共有の財産として森林を健全な姿で保ち、次の世代に伝えていくため、平成11年度に特別競輪の収益金などを原資に、独自の財源として
森林環境基金を創設いたしました。この基金を活用し、静岡市
オクシズ地域おこし計画に基づいて、森林の整備、林業の振興、市産材の活用、促進などの事業に積極的に取り組んでおります。
まず、
森林整備の場、すなわち川上においては、いきいき
森づくり推進事業を実施しております。
具体的には、森林の
公益的機能の維持のために、
手入れ不足となっている人工林の間伐を行い、また、
施業コストの削減のため、林業家が行う作業道の開設や高性能な林業機械の購入に対する助成を実施しております。さらに、人材の育成、確保のため、
林業従事者の保険加入の促進や
新規参入者支度金の助成などを行っております。
次に、木材を利用する場、すなわち川下においては、
静岡地域材活用促進事業を実施しております。
具体的には、市産材を活用する
新築住宅等に柱材などを提供する柱百本
プレゼント事業や私立のこども園など公益性の高い施設に市産材を提供する
静岡ぬくもり空間推進事業を関連業界が一体となって実施しております。
また、
公共建築物についても、静岡市
公共建築物等における市産
材等木材利用促進に関する基本方針に基づき、市産材の利用を推進しており、市民の目に触れる機会が多い区役所の
総合案内所の
カウンター等を木質化するなど、木のぬくもりあふれる気持ちのいい
空間づくりを行いました。
さらに、官民一体で行う市産材をテーマにしたイベント、
オクシズ森林の市や
静岡伊勢丹と協働した市産
材活用キャンペーンのほか、本市の
ランドマークとなるような建築物の計画者に対し、個別の営業活動などを実施し、市産材のPRと
利用促進に努めています。
平成29年度には、官民一体でのPRが実り、
NHK静岡放送局の新たな社屋の1階ロビーや
受付カウンターなどに市産材をふんだんに使用していただきました。また、東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会の選手村に設置される選手の
交流施設ビレッジプラザの柱等にも利用されることが決まっております。
今後もこうした市産材の
利用促進、情報発信を引き続き行ってまいります。
続きまして、木材の生産の場と利用の場それぞれにおける
森林環境譲与税の使途についてお答えいたします。
森林環境税は、我が国の
温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図るため、
森林整備等に必要な財源を安定的に確保することを目的に創設されるものであり、市町村には
森林環境譲与税として配分されることになります。
その使途につきましては、
森林環境譲与税創設の目的に沿って、山林を実際に経営している林業家の皆さんなどの御意見なども伺い、本市独自の事業展開について検討しています。
まず、木材生産の場においては、国や県の既存の補助事業や市の基金事業との関係を調整しつつ、間伐や林道等の整備、林業家の人材育成、担い手の確保に効果的な事業などが考えられます。
一方、
木材利用の場においては、まちなかに暮らす市民の皆さんが木の持つぬくもりに触れ、そのよさを身近に感じられるよう、多くの人々が行き来する
公共的空間の木質化の拡大が考えられます。
また、現在、本市の木材は、在来工法における住宅建築の柱や土台等への利用が大半となっていることから、他の工法への部材提供など、新たな大
規模利用先の開拓についても、木材業界とともに検討してまいります。
さらに、子供のころから森林の持つ国土保全や環境保全、水源涵養といった多面的な公益性を理解してもらうために、林業家みずからが小学校等で行っている出前授業など、
森林環境教育の充実に向けた取り組みへの活用も考えております。
8 ◯政策官(赤堀文宣君) 私からは、
森林文化都市構想についてお答えさせていただきます。
議員がおっしゃる静岡市らしい
森林文化都市とは、森林が健全に保たれ、市民の皆さんが森林と触れ合うことで山や木に対する愛着や誇りを持つこと、それにより、山に住む人、まちに住む人双方が支え合うような好循環な都市が成立することと考えます。
これは、本市が静岡市
オクシズ地域おこし計画に掲げる将来像、山村と都市が共生・共育するまち静岡に合致するものであると言えます。
また、本市では、国連が掲げる持続可能な
開発目標SDGsを3次総の5大構想に組み込み、全国に先駆けて取り組んでおります。
このSDGsの17の目標の1つに、陸の豊かさも守ろうという目標があり、あらゆる種類の森林の持続可能な管理を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復するという
ターゲットがあります。
本市では、
森林環境基金を創設し、
オクシズ地域おこし計画に基づくさまざまな事業を展開しておりますが、それはまさにこの
ターゲットに沿ったものと言えます。
その上で、静岡市らしい
森林文化都市の実現には、2つの方向性を持って施策を展開していく必要があると考えております。
まず1つ目は、経済局長の答弁にありましたとおり、森林の整備とあわせ、木材の
利用促進に関する施策を積極的に進めていくことです。本市の木材産業の特徴として、生産の場である林業があり、利用の場である消費地があり、市域の中で源流から河口まで流れる安倍川のように、木材産業においても流域完結型の都市であると言えます。
この特徴を生かし、都市部で多くの木材を使用することによって、中山間地での木材生産が活発になり、経済の好循環を生むとともに、
森林環境が維持され、市民全体が森林の持つ
公益的機能の恩恵を享受できることにつながります。
そして、2つ目は議員がおっしゃるように、市民の皆さんが本市の森林に誇りや愛着を持つとともに、本市を訪れる人々にも、本市が広大な森林を有する恵み豊かな都市であると感じられるような施策を展開することです。
井川の市有林にあるミズナラなどの巨木の森の観察会や
若手林業家による
林業研究会が行う森林教室など、官民が一体となって、市民の皆さんが森林に触れる機会をふやすことにより、森林の持つ
公益的機能への理解を深め、誇りと愛着を感じていただくことにつなげていきます。多くの人々が中山間地を訪れ交流することは、地域経済の活性化にも結びつくと考えております。
今後は静岡市らしい
森林文化都市の実現に向けて、新たな財源として
森林環境譲与税を有効に活用し、
オクシズ地域おこし計画を着実に推進してまいります。
〔17番
尾崎行雄君登壇〕
9 ◯17番(
尾崎行雄君) ただいまの答弁で、静岡の
森林整備及び
森林文化都市に対する行政当局のお考えを伺いましたので、今後の本市における市民と森林を結ぶ活動につなげてほしいと思います。
それでは、2回目の質問に移ります。
次は、
広域消防体制と
総合防災訓練についてお伺いします。
まずは、広域化における消防力の効果検証ですが、
静岡地域消防は静岡市、島田市、牧之原市、吉田町、川根本町の地域を管轄し、県内でも最大の消防体制として平成28年4月に運用が開始されたもので、昨年度は開始から1年の効果を報告しています。
管轄人口約90万人に対する職員1,000人余の体制での広域連携を図り、
スケールメリットを生かした効果的、効率的な整備が進み、災害活動では、現場到着の短縮などを初め1年に900件以上の効果があらわれ、さらに、本部統合により現場要員の拡充ができ、組織の活性化が図られたことや、大
規模災害対応の訓練も従前の管轄区域を超えた多くの合同訓練を実施できたということであります。
また、何よりも、連携する2市2町においては、はしご車や
大型送風車や
消防ヘリカワセミなどを初めとする高度な装備や、通報対応には高
機能消防指令センターなどの共有化ができたことが大きなメリットであると思います。
このような効果は、他の2市2町が得られたものと考えられる中で、そこで、
消防広域化により本市が得られた効果はどのようなものがあるのか、お聞かせください。
常備消防がこのように広域化により大きな組織体制になり、管轄区域を広げ、連携した災害対応をするようになった反面、従前から地域でともに活動し連携してきている消防団や
自主防災会などは、これまでと変わらない体制で地域の災害防御に当たっています。
私も消防団の
静岡地区本部員でありますが、最近は島田消防の
川根北出張所の消防車や救急車をよく見かけるようになりました。しかし、静岡市消防団は、2市2町との消防団との訓練を行っておりません。本市の警防課にあるような消防団係も2市2町それぞれにあり、活動を調整しています。いざ災害となれば、広域化した
常備消防隊が2市2町へも出動する中で、その現場においては地元の消防団や自治会などとの連携が必要となってきます。
そこで、本市と広域2市2町及び
地元消防団、自治会との連携はどのようか、お聞かせください。
次に、海上での災害対応について伺います。
本市では、
富士川河口から大崩海岸まで、蒲原、由比、西倉澤、用宗の各漁港を抱え、中央には
国際拠点港湾である清水港があります。これらの港や海岸は、漁船を初め多くのプレジャーボートが係留されていて、清水港には年々数を増す大型客船が寄港しています。
海洋文化都市である静岡市は、海に密接に関係し、保安を確保するための整備が進められているところであります。その中で、海上災害も本市消防、県警、第三
管区海上保安本部の連携で最小限に抑えられ、近年は大きな災害発生を見ていません。
ただ、皆さん、記憶に新しいと思いますが、加山雄三さんの光進丸が焼失したことは社会に衝撃を与えました。このように不慮の海上事故に対応する備えは必要かと思われます。
そこで、最初に、本市では海上等での災害対応の訓練をどのように実施しているのか、お聞かせください。
次に、消防艇について伺います。
消防艇は、水上や海岸において発生した火災の消火や災害への対応を行う船舶であります。多くは強力なポンプを備え、取り込んだ水を船の高い位置の放水銃から放水することで消火を行います。また、
化学消火剤を放水に混ぜることで、石油火災に対処することもできます。
皆さん、お手元の資料をごらんください。これは、昨年就役した堺市の消防艇であります。このように放水機能に加え、小回りの効く救助艇も備えています。地震などにより道路が寸断され、消防車両が現場に近づけない場合や、沿岸部に道路がない場所での消火や救助活動は、海上からの対応が効果的であります。おかの消防力、空の消防力に加え、海の消防力も重要であることは言うまでもありません。
そこで、裏の資料をごらんください。
これは、全国の
消防装備情報でありますが、消防本部の消防艇の所有状況は、
東京消防庁に加え、12の
政令指定都市で装備されています。また、日本列島の沿岸には、このように保有されている状況です。そして、毎年、東京湾や大阪湾では、複数の消防艇が災害対応の連携訓練を行っております。
静岡地域広域消防は第三
管区海上保安本部の管轄で、一番西にありながら国際拠点の清水港を有し、駿河湾も御前崎まで沿岸部を有します。本市と同様に海に面する他都市では消防艇を配備していますが、そこで、本市では、清水港の発展に向けて消防艇の導入をどのように考えているのか、お聞かせください。
最後に、
総合防災訓練についてお伺いします。
ことし9月2日に静岡市・静岡県
総合防災訓練が行われますが、本市では10年ぶりの開催となります。市と県が一緒になり、大規模な訓練が展開されますが、広域連携による受援訓練、官民連携による共同訓練、地域特性に応じた訓練を3つの柱として、自衛隊などの国の機関や警察も参加し、先ほども
消防広域化に触れましたが、消防はもちろん医療関係や学校など、数多くの団体での参加により実施されるということで、期待しているところであります。
この訓練については、2月の代表質問で福地議員からの質問に答弁されておりますが、訓練企画の具体的な決定に至っておらず、このたびの質問で掘り下げて聞こうとするものであります。
3枚目の訓練図を参考にしてください。
私からは、訓練まで2カ月と迫る中で、市民にとっての
地域防災力の向上のためにはどのような訓練が行われるのか、聞きたいと思います。
まずは、消防団の活動についてであります。消防団は、地域防災のかなめとして地域に密着して活動していますが、火災の消火はもちろん救助や救命、予防活動も
地域住民のために行っています。団員は2,000人を超えるためその組織力は強く、いざ災害が発生した場合は、地域を守る最大の力であります。
今回の
総合防災訓練が10年ぶりに開催される中で、消防団には各種訓練にかかわり、団の
防災力アップにつなげていただくようにぜひ参加していただきたいと考えます。
そこで、
総合防災訓練における消防団の活動をどう計画しているのか、お聞かせください。
次に、
地域住民の参加について伺います。
総合防災訓練は県の規模で全国からの支援も入れて行う大規模なものですが、訓練の中には、地域ごとの防災に関与するものが必ずやあるはずです。そこには自治会や
自主防災会、さらには学校教育現場にも参画の意義が十分あると考えられます。いつ起こるかわからない災害に対し、不断の準備は欠かせません。
そこで、訓練はどのような想定で行い、小中学生、自主防災組織などの
地域住民が参加する訓練をどう計画しているのか、お聞かせください。
以上、2回目の質問とさせていただきます。
10 ◯消防局長(村田吉伸君) 私からは
広域消防体制と防災訓練について、5点の御質問にお答えいたします。
まず、
消防広域化により本市が得られた効果についてですが、主なものとして、消防署体制の強化、財政負担の抑制及び職員資質の向上の3つの効果があります。
1つ目の消防署体制の強化については、本部機能の統合により生み出された人員のうち、本市には清水消防署に4人、千代田消防署に1人の計5人を配置し、はしご車隊などの増員を図りました。
2つ目の財政負担の抑制については、119番通報を受け付ける消防指令センターなどの共同整備や庁舎の一元管理及び車両の一括購入によりコストの縮減を図りました。また、新消防局庁舎の建設などに当たっては、
消防広域化をすることで、国から有利な財政措置を受けられる起債を活用することができました。
3つ目の職員資質の向上については、4つの別組織であった消防本部が1つになり、職員が交流することにより相乗効果があらわれ、今まで各本部が独自に実施していた多種多様な研修、訓練を共有することでスキルアップが図られております。また、県下最大規模の消防本部となったことで、職員の士気向上につながっております。
次に、広域2市2町及び
地元消防団、自治会との連携についてですが、広域2市2町との連携については、広域消防の適正な運営に向けた認識を共有するため、各首長で構成する
静岡地域消防運営協議会や消防防災担当部課長による幹事会を定期的に開催するとともに、平常時から担当者レベルによる情報共有や意見交換をきめ細かく行っております。
地元消防団との連携については、災害現場において迅速、的確な消防活動を行うため、日ごろから合同訓練や火災防御などの講習会を実施しているほか、消防団の会議への出席などを通じて広域化前と同様の連携体制を確保しつつ、顔の見える関係の構築に努めております。
自治会との連携については、住民の皆さんの防火意識の維持向上のため、各地域で開催される防災訓練において消火器の取り扱いの指導などを行うとともに、住宅用火災警報器の設置促進や放火されないまちづくり事業を自治会の御協力をいただきながら推進しております。また、平成29年12月に開設をした静岡市消防局フェイスブックを活用し、地域に密着した消防となるよう身近な情報を発信しております。
議員の御指摘のとおり、広域消防を円滑に進めていく上で、2市2町及び
地元消防団、自治会との連携は最も重要なことと認識しておりますので、引き続き、関係強化に取り組んでまいります。
次に、海上等での災害に対応する訓練についてですが、海上等で発生する災害は船舶火災、釣り客や海水浴客の遭難、船舶での傷病者発生など多種多様であります。このうち船舶火災の対応については、本市と海上保安庁との協定に基づき、沖合に停泊または航行中の船舶は海上保安庁が、それ以外は消防局が担当し、お互いに協力することになっています。
訓練の実施状況は、船舶火災対応として、消防局単独の訓練のほか、海上保安庁などの関係機関と連携して清水港において大型クルーズ船を使用した火災対応訓練を実施しております。さらに、通常では乗船が難しい飛鳥IIの船内確認や船舶火災対応勉強会などにより、火災対応知識の向上を図っております。
火災以外の災害対応としては、海上保安庁と連携し、消防局の水難救助隊との水難救助訓練や
消防ヘリカワセミによる船舶からの救助訓練を毎年実施しております。
そのほか警察、港湾の関係機関と連携し、テロ災害対応訓練を実施するなど、多彩な訓練を通じて協力体制を強化し、海上等の災害に備えております。
次に、消防艇の導入についてですが、消防艇とは船舶火災や水難事故事案に対する救助活動、船舶からの救急搬送、さらには海沿いの建物火災に対する海側からの消火活動など、広く活用されるものです。港湾法では、全国18港湾が清水港と同等の
国際拠点港湾に指定されており、このうち11港湾で消防艇を配備しております。
現在の清水港の災害対応については、海上保安庁との協定や合同訓練等によって強固な協力関係が構築されておりますが、平成29年度の客船の入港実績は前年度比約3倍、乗客等の数にあっては約4倍に増加しており、海上等で発生する各種災害の増加に対応する消防力の確保が課題と考えております。
今後、清水港がさらに発展、整備されていく中で、本市における消防責任を果たすために、海上保安庁との協定を踏まえ清水港の防災体制について整理した上で、消防艇の導入についても検討してまいりたいと考えております。
次に、総合訓練における消防団の活動についてですが、消防団員の皆さんには、火災対応はもとより日ごろから地域防災のリーダーとして初期消火や救命講習などで指導していただいていることもあり、メーン会場である駿河区の中島浄化センター多目的グラウンドにおいて、訓練参加者に対する消火、応急救護などの指導をしていただくよう計画をしています。
また、メーンの訓練会場以外でも、地域に密着する消防団として地域の特色に応じた訓練を地域の住民の皆さんと連携して実施していただくよう計画しているところでございます。
11 ◯危機管理統括監(海野剛幹君)
総合防災訓練の想定と小中学生、自主防災組織など、
地域住民が参加する訓練の計画についてですが、本市では、総合的に開催される10年ぶりの訓練となり、県と市、関係機関も含め広域的な連携を確認する訓練と、議員御指摘のそれぞれの地域が防災力を向上させるために実施する訓練があります。
地域防災力の向上を目的とした訓練では、南海トラフ巨大地震が発生し、静岡県第4次地震被害想定で発表されている多くの人的・物的被害が発生する中、発災直後の救出救助を想定したものから、発災2~3週間後の避難生活まで、市内約30カ所でそれぞれの状況を想定した訓練を実施する予定でおります。
とりわけ、
自主防災会は地域の特色に応じた訓練を予定しており、避難所の運営、救出救助、資機材の取り扱いなど、自助・共助に欠かせない総合的な訓練に加え、山間地域の
自主防災会では孤立を想定したヘリポートの開設、受け入れのほか、患者の搬送などの訓練も実施します。
小中学生の訓練参加では、中島小学校、中島中学校の児童生徒約40名を初め連合
自主防災会約90名を含む200名規模での避難所運営訓練が前日の土曜日から実施されます。特に、この中で、40名の小中学生は、
自主防災会とともに避難所の設営を手伝い、女性や災害弱者の視点に立ったレイアウトの検討、炊き出し訓練のほかに自衛隊が設営する風呂や避難所での宿泊を体験し、翌日には救助者の搬送訓練なども行う予定です。
また、訓練当日は見学に来た市民への啓発も重要と考えて、各区に展示会場を用意いたします。ここでは防災用品、防災資機材の展示のほか、見学者にも衛星携帯電話、災害用伝言ダイヤルなど、非常時の通信手段の体験を通して、訓練参加意識の芽生えを期待しております。
今回の訓練をきっかけに市民の防災意識に働きかけ、災害に強く、安心・安全に暮らせるまちになるよう、さらなる
地域防災力の向上に努めてまいります。
〔17番
尾崎行雄君登壇〕
12 ◯17番(
尾崎行雄君) 次に、意見・要望を述べさせていただきます。
まずは、
森林環境譲与税の使途について、川上である林業事業者の現場では、この税を使って
森林整備に当たる林業者が持続的に地域で林業を行っていけるベースとなるような事業展開を望みたいです。しっかりした収入が得られる事業とすれば、機械購入や雇用安定・拡大、安全対策も図られるはずです。
また、担い手育成事業として新規就労者の初任研修を進め、条件を緩和した緑の雇用のような事業をつくってもらいたいです。さらに、林道をあけて路網の整備を行うとともに、獣害対策としてドローンを使用すれば、シカの個体調査や防御柵の確認などもできると思います。
また、一番問題である森林の所有者不明や境界不明などを地籍調査により明確化していくことも大切な事業であります。そして、これから森林の所有者が整備できない部分の委託事業や林業初心者の所有者に対しての教育事業として、地域林政アドバイザー制度を活用して、
若手林業家をアドバイザーに登用していただきたいと思います。
そして、川下である木材の利用現場では、とにかくオクシズ材の利用拡大を図っていただきたいと思います。保育・教育現場での椅子や机をオクシズ材でつくること、スチール製なら天板だけでも、さらにツー・バイ・フォー材をオクシズ材で、そして、最大の消費都市である東京との連携を深め、港区のみなとモデルのように協定を結び、再開発ビルにオクシズ材を送り込むこともできると思います。商品開発も進め、オクシズCLTというクロス・ラミネーテッド・ティンバーを材料にビル建設もできるはずです。
次は、
森林文化都市構想についてですが、
海洋文化都市の拠点が清水にとなれば、
森林文化都市の拠点をオクシズにと考えます。全国の政令市で10万ヘクタール以上の森林を有するのは静岡市と浜松市のみであります。しかし、国の補助事業を初め人工林の林業としての
森林整備は浜松市に先行されているのが現実です。認証林面積も大きく差をつけられています。
これを競うのではなく、静岡市においては、森と市民をつなぐまちづくりをして、静岡市民は森を大切にし木を大切にします、森林の恵に感謝し生かしますという森林憲章を制定して、
森林文化都市静岡のモニュメントを静岡駅の北口、南口につくろうではありませんか。
最後に、消防防災関係については、広域化した活動の中であっても、消防団や自治会、
自主防災会との連携を常に最重視していただくこと、10年ぶりの
総合防災訓練で学ぶ訓練を12月の地域防災訓練へも生かしていってほしいと思います。
そして、海上災害への対応では、答弁をいただいたとおり、消防艇の規模、配置管理、運用などを検討した上で導入していただき、静岡消防の海の防災力強化につなげていってください。
13 ◯議長(田形清信君) あと1分です。
14 ◯17番(
尾崎行雄君)(続) ______________________________________________________________________________________________________________
以上で終わります。(拍手)
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15 ◯議長(田形清信君) 次に、長島 強君。
〔3番長島 強君登壇〕
16 ◯3番(長島 強君) 皆様おはようございます。
公明党静岡市議会の長島 強でございます。本年初の質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、大項目、放課後等デイサービスについてと道路照明灯についての2点について質問してまいりたいと思いますが、まずは冒頭、SDGsについて触れておきたいと思います。
きょうは、SDGsのアピールのためにピンバッジをつけてまいりました。6月15日に本市がSDGsの達成に向けすぐれた取り組みを進めるSDGs未来都市に選定され、首相官邸で開催されたSDGs未来都市選定証授与式において、田辺市長が内閣総理大臣から選定証を授与されました。
今後、本市のSDGs推進の取り組みは、持続可能なまちづくりに寄与する優良事例として国を通じて国内外に発信されるということですので、今後の取り組みについて成功事例として多くの事例が発信できるよう、取り組んでいただけたらと思っております。
SDGsは、2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択された2016年から2030年までの世界共通の目標であり、日本としても、国や地方自治体を含め各関係機関が取り組んでいるところであります。
17の目標と169の
ターゲットから構成されており、地球上の誰ひとりとして取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指しています。
田辺市長は、市民一人一人の安心や幸せを実現することが世界に輝く静岡を実現することだとおっしゃっており、このSDGsを踏まえて各施策を実行しようとしているところであります。
今回質問をさせていただく項目については、項目としては細かい内容ではありますが、SDGsに掲げられている17の目標の中から3番目の目標、「全ての人に健康と福祉を」と7番目の目標、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」をそれぞれ実現する1つであり、その一つ一つを着実に実行していくことで大きな目標を実現できるものと私は考えております。
それでは、大項目1つ目、放課後等デイサービスについて伺ってまいります。
今回、私がこのことについて質問をしようと思ったきっかけは、放課後等デイサービスの利用を考えている方からの御相談からでした。
最近、放課後等デイサービスを利用する人がふえ、どこに連絡をとっても人手不足で受け入れてもらえないという内容でした。利用したくても利用できないという切実な状況が続いております。放課後等デイサービスは、平成24年4月に児童福祉法に位置づけられた新たな支援で、厚生労働省は平成27年4月に支援の提供や事業運営に当たっての基本的事項を定めた放課後等デイサービスガイドラインを作成しております。そこには放課後等デイサービスの基本的役割として、3つ掲げられています。
1つ目は、子供の最善の利益の保障であります。
支援を必要とする障害のある子供に対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて個々の子供の状況に応じた発達支援を行うことにより、子供の最善の利益の保障と健全な育成を図るというものです。
2つ目は、共生社会の実現に向けた後方支援であります。
放課後児童クラブや児童館等の一般的な子育て支援施策の後方支援としての位置づけを踏まえつつ、これらの施策を利用している障害のある子供に対して、地域の障害児支援の専門機関としての事業、保育所等訪問支援等を展開するというものであります。
3つ目は、保護者支援であります。
保護者が障害のある子供を育てることを社会的に支援するとともに、相談対応、ペアレント・トレーニング及びケアの代行により保護者自身を支援し、保護者が子供に向き合うゆとりと自信を回復し、子供の発達に好ましい影響を与えるというものです。
現在の放課後等デイサービスは、この基本的役割を果たされているのでしょうか。疑問符をつけざるを得ないのではないかと私は感じております。厚生労働省が平成27年9月に発表しているデータによると、平成26年度における放課後等デイサービスの総費用額は1,024億円で、障害児支援全体の59.7%を占めております。また、利用児童数は1カ月平均8万8,360人、請求事業所数は1カ月平均5,239カ所となっています。
新制度が始まった平成24年度から比較すると、平成26年度は総費用額で約2.14倍、利用児童数で約1.65倍、事業所数で約1.81倍となっており、大幅な増加になっています。この流れは現在も変わっておらず、平成29年度の事業所数は1万カ所を超え、5年間で4倍以上に、利用児童数は延べ約16万人となり、5年間で3倍に増加しております。
事業所増加が続く一方、保育分野の拡大などで福祉業界は慢性的な人手不足に陥っている現状があります。事業所の職員の確保について見通しが立っていないという自治体が多くあることも認識しております。このような状況が続くようであれば、サービスを利用したくてもなかなか利用することができないばかりか、利用できたとしても安心して利用することができないということにもなりかねません。
そこで質問ですが、最近、全国的にも話題となっている放課後等デイサービスですが、本市の現状をどう捉えているか、伺います。
また、さまざまな課題についても浮かび上がっていると思いますが、それについてどう考えているか、あわせて伺います。
続いて、大項目の2つ目、道路照明灯について伺ってまいります。
冒頭、SDGsについて触れさせていただきましたが、その7番目の目標である「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、環境対策を進める基本的な考え方であります。この目標を実現するための
ターゲットとして、2030年までに世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させるとうたっております。
私たちの環境に対する意識は、一昔と比べると関心が高くなっているのではないでしょうか。例えば、買い物のときにレジ袋を使わないとか、車の運転で無駄なアイドリングや急発進をしない、また、エアコンの設定温度を夏場は28度、冬場は20度に設定するとか、環境に配慮したいわゆるエコ商品を購入するなど、現在ではごく一般的になってきました。
環境に配慮した商品として目に見える形で登場してきたのがやはりLEDを使ったものではないでしょうか。環境対策といってもさまざまな方策があるわけですが、その中でLEDについては、最近の傾向として広く普及しているものであり、LED化を推進していくことは市民の皆様にとっても身近でわかりやすいものではないかと私は思います。
今回の質問では、市民の皆様がふだんから利用している道路に視点を置いて種々質問をしてまいりたいと思います。
道路における照明でLED化を推進していくものとしては、いわゆる道路照明灯やトンネル内の照明、自治会、町内会が設置する防犯灯があります。LED化された照明は明るく、寿命が長いので、交換の手間も軽減できるといったメリットがあり、私自身もLED照明についてよいイメージを持っております。
LED化を推進していく数ある照明のうち、さらに道路照明灯に特化して伺ってまいります。
第3次静岡市総合計画の基本計画においては、社会基盤の政策の中に、「持続可能な運営を図るため、維持管理・更新を計画的に推進」するとあります。その中で、ランニングコストの縮減や環境負荷の低減を図るため、道路照明灯のLED化を推進することを掲げております。
また、3次総を実現するため、道路の役割を明確にした上で、効率的かつ効果的な道路行政を推進することを目的とした道路計画である第2次静岡市のみちづくりにおいては、基本方針として、「持続可能な生活基盤を構築する道づくり」とあります。
その中で、環境を保全する道づくりという主要政策を掲げ、CO2排出量抑制を初めとした環境保全に向けた取り組みとして、道路照明灯のLED化を推進していくとされています。
他都市に目を向けると、大阪府、兵庫県、福岡市、浜松市、横浜市、千葉市などが計画的に道路照明灯のLED化を進めていると聞いております。
浜松市では、平成27年度から5カ年計画で全ての道路照明灯をLED化する計画を掲げ、ことしで3年目を迎え、今年度も引き続き、劣化した支柱や灯具の取りかえを継続していく方針ということで、既に報道されております。
また、横浜市では、国連環境計画が主導し平成25年に熊本市や水俣市で開かれた会議で採択され、日本を含む92カ国が署名した水銀に関する水俣条約が平成29年8月に発効したことを受け、3年後の平成33年、2021年1月以降、水銀ランプの製造や輸出入が禁止となり、入手が困難になることが予想されるため、道路照明灯の水銀灯をLED化することとしております。
そこで質問ですが、本市において道路照明灯は道路附属施設に位置づけされておりますが、まず、本市の維持管理計画における道路照明灯の点検や維持管理について伺います。
また、その点検結果により、実際にLED化している道路照明灯があるのかどうか。あるのであれば、全照明灯のうちどの程度がLED化しているのか、伺います。
以上、1回目の質問です。
17 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 放課後等デイサービスの現状についてですが、放課後等デイサービス事業は、児童福祉法の障害児通所支援の1つとして位置づけられており、障害のある児童の生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進等の支援を学校の授業の終了後、または学校の休業日に行う事業です。
放課後等デイサービスの事業所には、重症心身障害児、すなわち重度の肢体不自由と重度の知的障害を重複する障害児を主たる対象者とする事業所と、それ以外の事業所があります。
事業所の数については、平成28年4月には52カ所であったものが、平成29年4月には72カ所、現在では93カ所となっており、大幅に増加しております。また、重症心身障害児を主たる対象とする事業所についても、それぞれの時点で4カ所、6カ所、7カ所と徐々に増加しております。
次に、放課後等デイサービスの課題についてですが、放課後等デイサービスの利用申請に当たっては、障害児相談支援事業所の相談支援専門員が作成する障害児支援利用計画の提出が必要となります。
市はこの利用計画を参考として、申請者の行動や生活の状況を調査し、利用者に必要なサービス量を把握し、支給決定を行いますが、計画作成事業所がすぐには見つからず、事業所作成の計画を提出できない方がいるという課題があります。
要因としては、障害児相談支援の報酬単価が低いことや相談支援専門員として従事するための資格取得が難しいことにより、障害児相談支援事業所及び相談支援専門員の数が不足していることが挙げられます。
事業所作成の計画を提出できない場合には、御家族に配慮し、暫定的にサービスが利用できるよう、セルフプランにかえることができる取り扱いとしており、その上で、次年度更新までに事業所による計画を作成していただくようお願いしております。
18 ◯建設局長(伊東正高君) 道路照明灯の点検と維持管理についてですが、平成26年度に策定した道路附属施設維持管理計画に基づき、道路照明灯の約1万1,000基を対象に点検を実施しております。
点検は定期的に行うものとして、10年に1回の頻度で、全ての部材に人が近づいて点検する標準点検と、中間の5年をめどに遠望から見る簡易点検を組み合わせて行い、点検の結果、総合的に4段階で判定し、評価に応じて道路照明灯の建てかえや部材交換などの補修を順次実施しております。
また、一般的な維持管理では、比較的発生頻度が高い球切れなどの補修は、電気業者と維持修繕委託契約を結び、対応を行っております。
議員がおっしゃるとおり、本市では、総合計画や静岡市のみちづくりにおいてLED化の推進を掲げ、点検の結果による建てかえや新設時に積極的にLED化を行うことで、現在では、全体の10%に当たる約1,100基が完了しております。
〔3番長島 強君登壇〕
19 ◯3番(長島 強君) 御答弁ありがとうございました。
意見・要望につきましては、最後にまとめて述べさせていただきます。
それでは、2回目の質問を進めてまいります。
まず、放課後等デイサービスについてでございます。本市においても全国的な傾向と同じで、事業所増加が続く一方、慢性的な人手不足に陥っている現状がよくわかりました。
また、課題については、放課後等デイサービスを利用するに当たって、相談などを行う障害児相談支援事業所が不足していることもわかりました。
ここで一度、放課後等デイサービスの法的位置づけについて確認しておきたいと思います。
放課後等デイサービスの対象者は、幼稚園と大学を除いた学校に就学しており、授業の終了後または休業日に支援が必要と認められた障害児で、サービスは授業の終了後や休業日に児童発達支援センター等の施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進、その他必要な支援を行うとされております。
また、主な人員配置については、管理者、児童指導員、保育士または障害福祉サービス経験者、児童発達支援管理責任者を置くことになっています。
さらに、報酬単価についても調べたのですが、区分として、重症心身障害児と重症心身障害児以外の2区分にしか区分されていないことにはびっくりさせられました。実際にサービスを利用されている子供は、発達障害に限らず知的障害や身体障害、医療的ケアの必要な子供などいろいろです。また、一口に発達障害といっても、自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害など、症状もさまざまであります。
平成28年に厚生労働省が行った調査によると、放課後等デイサービスを利用している子供の障害種類別の割合は発達障害が53.5%と最も高く、次いで知的障害が28.1%、肢体不自由が6.1%とのことです。
このようにさまざまな障害のある子供が利用している放課後等デイサービスは発達支援を行う事業であり、それぞれの発達ニーズに応じた支援内容や活動をしていく必要があります。
しかし、残念ながら、既に報道されているとおり、テレビを見せたりタブレットやゲームをさせたりしているだけの施設が存在したり、障害の軽い子供ばかりを集めて十分な支援を提供しないなど、利益優先で質の低い事業者の参入が問題になり、放課後等デイサービスの意義や目的に対する事業者の意識の低さを指摘する声も出てきております。
そのような不適切な事例を解消すべく、厚生労働省が本年4月に放課後等デイサービスの報酬改定を行ったわけですが、これはこれで違う問題が噴出しました。
27 ◯9番(寺澤 潤君) 質問を続けます。
まず、草薙駅北口周辺地区についてでありますが、今、副市長の答弁で、市としても課題を認識しているということは、私は理解しました。しかし、地元や学校側は現状の交通環境に相当な危機感を持っており、もっとスピーディーに対処してほしいと要請しており、市もより一層の取り組みを行う必要があると私は感じます。
草薙エリアは5大構想でも静岡、清水に並ぶ副都心に位置づけられており、都市開発を進めれば駅周辺の土地利用に大きな変化をもたらすため、それにふさわしい道路整備や交通環境の対策をする必要があるのではと思います。今後、国道横断を安全かつ快適に歩きやすく通行するためには、国や警察との協議は必要ですが、国道1号の通行量を見れば安全という認識は持てず、早急に対策を講じるべきだと思います。
そういえば、常葉大学様では、草薙キャンパス建設の事例として、兵庫県西宮市にある武庫川女子大学を視察したとのことです。同大学は幹線沿いに立地しており、周辺に複数のキャンパスが点在しております。その複数のキャンパスを道路を横断して渡らなければいけないという立地でございますが、当初は、キャンパス内の移動には横断歩道を渡っていたということですが、あるときに学生の交通死亡事故が発生し、それを機に、行政当局で複数の歩道橋が大学キャンパスをつなげる形で設置をされたこの現状を見て、大変参考になったということであります。
これは誰もが思うことでありますが、事故や災害を未然に防ぐ危機管理意識を高めるべきであり、現状3カ月足らずで7件も接触事故の起きた事実を理解し、未来を担う若者たちが常に安全で通学する交通環境を整備するべきだと私は思います。
現在、国道横断あり方研究会が設置されており、そこでは周辺自治会長や学校関係者と当局が議論を重ね、開学前に歩道橋にかわる新たな横断歩道設置について、国や警察へ要望したとのことでした。私はこの研究会での意見・要望を踏まえ、今後、本市としてどのようなスケジュールで進めていくのか注目したいところであります。
そうした上で質問させていただきますが、当局としては課題解決に向け今後は国道横断の課題が一番重要と考えますが、本年度どのような取り組みを行っていくのか、お答えください。
次に、静岡市障がい者共生のまちづくり計画についてですが、先ほどの答弁で、本計画の趣旨、さらに前計画との比較を伺うことができました。
その中で、2つの前計画で実施した186事業の実績を評価したとありました。この点について適正な評価がされているのか、私は当事者団体の見解は分かれていると見ております。
私もこの件で市障害者協会など、当事者団体へヒアリングを行いました。その中で感じたのは、多くの当事者団体や障害者の方々が計画の中身自体を十分に理解できていないと思われます。本計画は、平成28年度から当事者団体などで構成された策定懇話会で5回にわたり議論されたとのことですが、当初は各団体からパブリックコメントが出なかったと聞くなど、十分に計画への理解が得られたのか、少し私は疑問に感じるわけです。
障害のある方々の世界は奥深いものであります。どんな計画を実施するにせよ、常に丁寧な説明を行うなど一定の配慮が必要であります。私は以前から活動の一環で授産所やそういう障害者団体の会合へ伺いますが、市当局に対するさまざまな意見を聞くたびに、それを感じることが多いわけです。
例えば、データの取り方や分析が独自になされているのか、数値目標なども国の指針に従うだけではなく、ある程度独自色を出す必要があるのではと思います。
本計画を見ると、例えば児童発達支援、特に早期に発達障害を察知し、それを克服する支援事業に取り組むことは高く評価したいと思います。また、地域生活支援拠点の面的整備を行うなど、一定の動きは見えております。
その反面、就労定着支援を実施、施設から地域生活へ移行など、課題も多くございます。特に最近感じることは、障害のあるお子様を持つ保護者の皆様から、特別支援学校を卒業後の進路先に困るなど、親亡き後の支援への取り組みが早急に求められております。
そのためにもグループホームの設置等が求められていますが、本計画でどの程度対処できるかがポイントとなります。
確かに本計画が100%成果を出すことは、難しいことであります。福祉政策というものは常に課題が残されます。何よりも障害のある苦しみを理解した上でこの計画が策定されているのか、一番大事なポイントであります。せっかく立派な冊子をつくられても、当事者が理解しにくい中身であれば、行政側の自己満足となってしまうことは残念であります。
そもそも策定懇話会が5回開催されたと聞きますが、そこでの議論が尽くされていたのか、どのように障害者団体の皆様の理解を得たのかが気になります。意見集約に人一倍の労力がかかるのは承知しておりますが、障害者と健常者が共生を図るために必要なのは、市長が常に言っております鳥の眼、虫の眼を持って丁寧に接していくことだと思います。
そこで、3つほど質問させていただきますが、まず、この3点目の質問として、本計画の制定に当たり、障害者や障害団体の意見をどのように聴取しているか、お答えください。
次に、福祉政策というものは常に国の指針に従うものが多いと思います。しかし、年々厳しい内容に変わりつつあります。先週末もある事業所の運営団体の総会に出席したとき、そこは就労継続支援B型事業所でしたが、代表者の方からは、就労の工賃について、今後は出来高制度が導入されるという方向を伺い、これが実現されれば、今後、関連する事業所の運営が厳しくなっていくとの見解でした。
成果というものは、我が国のような市場経済で大事な定義であります。一方で、成果や出来高が達成できなかったときのフォローについて、健常者は自助努力で克服できますが、障害者の皆様にとって通常成果を出すことは難しく、行政にはそのフォロー役を担う役割があると私は思います。
本計画で静岡市は何ができるのか、障害者の皆様はそこを注視していると思います。本計画が静岡市は障害者に優しいまちであるとの理解を得られることが大変重要であると思います。
そこで、4点目の質問として、本計画の中で、市の独自色はどんなものか、お答えください。
次に、本計画が3カ年の中でどのようなスケジュールで進められているのか非常に関心を持っております。以前、私も担当部局へお伺いしましたが、基本的に、今後、具体的な詳細を煮詰めていくとのことでございました。しかし、既に計画はスタートしております。しっかりと計画目標を立て、PDCAサイクル、これは計画、実行、評価、改善、この方式で着実に成果を打ち出すことが必要であると思いますので、ここでお伺いしたいと思います。
5点目の質問として、今後、具体的にどのように進めていくのか、お答えをください。
以上、2回目の質問とさせていただきます。
28 ◯都市局長(片山幸久君) 今後の国道横断の課題に対する本年度の取り組みについてお答えいたします。
まず、国道横断につきましては、常葉大学開学までに北口駅前広場アクセス道路と国道1号の草薙交差点の横断対策として、横断歩道の増設や信号機の設置など、交差点改良を行ったところでございます。
その効果を検証するため、大学開学時には、まず大学関係者や警察と朝のピーク時における混雑状況を確認するとともに、歩行者などの変動を定量的に把握するため、交通量調査を実施いたしました。
これまでの調査結果を踏まえ、平成30年度は歩道橋や横断歩道の国道横断施設の最適な位置、形式の選定やそれに伴う施設の基本的な構造の検討などに取り組んでまいります。
検討に当たりまして、国道横断あり方研究会で皆さんの御意見を伺うとともに、施設管理者である国や交通管理者である警察と協議・調整を図りながら、地域や地権者などの関係者と連携し、施設計画案を作成してまいります。
今後も引き続き、教育文化拠点として安全で快適な交通環境の実現を目指し、取り組んでまいります。
29 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 静岡市障がい者共生のまちづくり計画に関する3点の御質問にお答えいたします。
まず、障害者や障害者団体の意見聴取についてですが、計画の策定に当たっては、懇話会、協議会における意見交換やアンケート、ヒアリングの実施など、丁寧に意見聴取を行いました。
まず、平成28年度に障害者団体、福祉事業所、特別支援学校など、56団体から成る障がい者計画等策定懇話会を設置し、意見交換を行うとともに、市民アンケートの内容について検討していただきました。
このアンケートを障害のある人5,000人、ない人3,000人を対象として実施し、さらに障害者団体45団体に対しヒアリングを行いました。平成29年度は、引き続き懇話会で御意見をいただくとともに、障害者に係る施策の推進について調査、審議する施策推進協議会と障害者等への支援体制について協議する自立支援協議会をそれぞれ4回開催し、計画案を作成しました。
そして、この計画案について、平成29年12月から1カ月間パブリックコメントを実施し、障害のある人、その家族、障害者団体等から計69件の御意見をいただき、計画に反映させました。
次に、この計画における本市の独自色についてですが、1回目で答弁しましたとおり、計画構成において、従来個別に策定してきた障がい者計画と障がい福祉計画、さらに障がい児福祉計画を加え、3つの計画を1つにまとめたことが挙げられます。
障害福祉に係る法定サービスと市単独事業、さらに他分野にまたがる施策等の全体像を総合的に把握できるようになりました。これにより、法定サービスを充実させるための課題や法定サービスが対応していない障害者のニーズに対して重点的に市の事業を計画、実施できるようになりました。
具体的な施策のうち、独自色の強い取り組みとしましては、例えば、障害のある人の生活を地域全体で支える体制づくりに向け、相談支援、緊急時の受け入れなど、5つの機能を持つ地域生活支援拠点を整備し、調整機能の強化を図ってまいります。また、発達の気になる子の早期発見・早期支援体制の構築にも取り組んでまいります。
さらに、この計画には、今後検討が必要な個別課題として、計画相談支援の充実や障害者の親亡き後の支援などを明記し、継続的に取り組むことといたしましたが、これも他の行政計画にはない際立った特徴となっています。
最後に、今後の進め方についてですが、障がい者共生のまちづくり計画を市民全体に浸透させるため、障害者関係団体等への説明はもちろんのこと、民生委員・児童委員の研修会を初め、福祉関係の会議やイベントなど、機会を捉えて周知を図ってまいります。
また、計画の基本理念、基本目標に基づき、目標値である活動指標達成に向け、各事業に取り組みます。評価に当たっては、事業実績だけでなく、施策にかかわる市民からの意見や障害者施策推進協議会及び障害者自立支援協議会などによる評価、提言を参考にしながら、PDCAサイクルによる継続的見直しを行ってまいります。
この計画の基本理念である障害の有無にかかわらず相互に尊重し支え合い、地域で安心して自分らしく暮らすことのできる共生都市の実現は、SDGsの理念である誰ひとりとして取り残さない社会の実現と重なるものであり、国際的な目標であるSDGsへの貢献を追い風として、計画を着実に推進していきたいと考えております。
〔9番寺澤 潤君登壇〕
30 ◯9番(寺澤 潤君) 今、御答弁いただきました。
3回目は、意見・要望とさせていただきます。
草薙駅北口周辺地区の交通環境の件については、今いろいろ市から話がありましたけれども、私はもっと危機意識を持って対応すべきじゃないかと思います。地元の大学と相当意識の差があると私は感じております。どうか早急な対策をお願いしたいと思います。
新しい都市開発や整備は、駅前だけを手入れするだけで済む問題ではありません。草薙エリアは静岡市の副都心として、それにふさわしい開発整備が必要だと思います。せっかく草薙エリアは産学官民が一体となった魅力あるまちづくりを進めております。そのためにもこの対策が必要だと思います。
さらに、人口が非常に多い地域であります。昨日、我が会派の島議員の質問で、長田地区のことが取り上げられましたが、我が有度地区も世帯数で1万6,513世帯、人口3万7,194人、長田地区に匹敵するぐらいの規模であります。支所はなくても5大構想でこれから人口がふえていくところであります。
ぜひ、この問題がスピーディに解決し、安心・安全に通行できる交通環境になるよう、一層の対応を求めます。そのためにも、現在、国や警察へ要望している横断歩道設置について早急に進めるとともに、その結果や今後の展開などについて、国道横断あり方研究会を早期に開催し、関係者と現状の報告と今後の対策の協議に努めていただきたいと思います。
なお、駅から歩道橋に通じる市道中之郷9号線の整備については、現在、民間事業者の土地の対応など幾つか課題があると承知しておりますが、現状はグリーンベルトの設置や車両の通行制限など、大学から一定の対策を求める声を聞きましたので、ここで申し上げておきます。
ちなみに、秋ごろには駅北口周辺に大型商業店舗もオープンする予定であると聞いております。今後一層の交通量の増加が見込まれることは明白であり、近隣自治会や大学側も交通渋滞などの発生を危惧しております。
いずれにせよ、市として安全に対する認識を強く持って、よりすぐれた交通環境に変化することを求めます。
昨日、我が会派の早川議員の質問もありましたが、現在、本市では、高等教育のあり方検討会が実施されております。私はその議論よりも市内に点在する大学などの高等教育機関が抱える課題への対処を優先するべきだと思います。この交通課題を含めて、今後も草薙駅周辺地区の課題については引き続き注視していきたいと思います。
次に、静岡市障がい者共生のまちづくり計画についてであります。なぜ今回、私の質問に取り上げたのか。誰ひとり取り残さない共生都市静岡を実現させるためには、本計画がしっかりと障害者や障害者団体に理解された上で実効力のある中身にしていく必要があるからだと思います。
今回、本計画が策定されたことは理解し、先ほどの答弁で、市のお考えをお聞きすることもできました。その意気込みが行政当局内だけでなく、障害者、市民の皆さんへも広く伝わればよいと私は思っております。
先ほどの答弁では、独自色として法定サービスに対応していないニーズに対し、その充実を図るため重点的に事業を計画、実施するとあります。また、地域生活支援拠点の整備や発達早期支援体制の構築、さらに、今後検討が必要な個別課題が明記されたことは、一定の評価をいたします。障害者の幅広いニーズに柔軟性を持って対応すべきだと思います。
一方、重点的取り組みの中に、計画相談支援、障害者相談支援と短期入所事業所の充実がございます。計画相談については、対応する事業所が少なく、新規受け付けができないとも聞いております。短期入所事業所の充実については先ほども申し上げましたが、親亡き後の支援という切実な課題の解消につながりますので、しっかりとした対応を求めます。
なお、今後の進め方について、計画の中身を市民全体に浸透させていくと記載されましたが、私を初め議員や職員の皆さんの中にも、本計画はもとよりどれだけ障害者の皆様の現状を理解されているのか、まだまだ認識が薄い現状があると思います。
ぜひ担当部局だけでなく、全市を挙げて本計画の趣旨などを普及啓発すべきだと考えます。計画実施については、PDCAサイクル形式で進めることですので、適正に実施されることを望みます。
1回目の質問のときにも話しましたが、本市SDGsの取り組みを本格化させると聞いておりますが、私はぜひ本計画の確実な実行で成果を上げ、そのことが誰ひとり取り残さないというSDGsの理念の実現につながると確信しております。
しかし、現状では、本計画とSDGsがどのようにリンクするのかはいまだにはっきりしない点があります。SDGs自体も具体的な中身を理解されていない方も多いです。しっかりと丁寧な説明の実施をお願いします。中途半端に計画が実施され、本計画が、SDGsの趣旨が市民に十分に伝わらないことだけは避けていただきたいと思います。
最後に、今まで社会で取り残されていた障害者の皆様がようやく平等に扱われ、地域と共生できる絶好の機会だと思っております。そのためにも、全市を挙げての本計画の普及啓発、障害者に寄り添った実行をお願いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
31 ◯議長(田形清信君) この際暫時休憩いたします。
正午休憩
───────────────────
午後1時再開
32 ◯副議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
次に、石井孝治君。
〔5番石井孝治君登壇〕
33 ◯5番(石井孝治君) まず冒頭に、大阪府北部の地震で被災された皆様にお見舞いを申し上げるとともに、犠牲になった方々、また御遺族の方へお悔やみを申し上げます。
くしくも今回、質問の中では、学校プールの施設の状況についても取り上げておりますので、後ほど、大阪府北部の地震後の本市の対応も含めてお伺いをさせていただきます。
それでは、通告に従いまして質問させていただきます。
今回は大項目で1つ、学校プールのあり方についてです。
ほとんどの学校が6月からプールの授業を始めます。私の時代もそうでしたが、学校プールがある日は学校に行くのが待ち遠しく、授業というよりも遊びの時間といった感覚が大きかったように思います。
泳力の向上のため、もちろん練習はするのですが、それ以外にも先生が自由時間をつくってくれて、プールの中で自由に遊び回れる時間が楽しみで、今でも鮮明に思い出されます。私の子供も今、小学生ですが、同じようにプールを楽しみにしているみたいですので、時代は変わっても、プール授業の特別な時間は変わっていないのだと思います。
しかし、私の時代から大きく変わったことが幾つかあります。
1つは少子化です。本市の推計においては、4年後には児童生徒数が4万4,355人で、平成元年に比べ49%減と半減する推計が出されております。そのため本市では、市立小中学校の適正規模・適正配置方針を策定して検討を進めており、小中一貫教育を踏まえた静岡型の構築に取り組んでいるところであります。
もう1つは、学校施設の老朽化であります。多くの学校が高度成長時代に建設をされ、今は40年、50年たっている校舎も多くあります。プールも同時期に建設されたものが多く、全国的にも老朽化が課題とされております。
そのような経緯で、今回、学校プールのあり方について伺いますが、まずは、水泳授業について伺ってまいります。
本市も含めて、日本の小中学校にはほとんどプールが整備されています。これは世界的に見てもまれで、例えば、お隣の韓国では、セウォル号の事件を契機に、水難事故防止のため2015年にプール授業が義務化されましたが、その時点で校内にプールのある学校は、全国で76校しかなかったそうです。
日本においても水泳授業の義務化、プール整備の促進に関しては、昭和30年の紫雲丸水難事故が契機とされているといった話もあります。また、現在は多くのオリンピック選手が水泳で活躍するのも、小さなころから水に親しむ環境があるからこそであると考えます。
文部科学省の学習指導要領では、どこへ行っても一定の水泳授業が受けられるように、授業の義務化と内容が明記されております。
そこで伺いますが、学習指導要領において水泳授業がどのように位置づけられ、児童生徒にどのような力を身につけさせたいのか、お答えください。
次に、水泳授業について、安全面と衛生面について伺います。
プール授業を行う上で、安全を確保することが極めて重要であることは言うまでもありません。水難事故に遭わないような訓練をしているときに溺れてしまっては元も子もありません。また、健康な体づくりのために無理をして体を壊してしまうようなことがあってもいけません。
水泳の授業は、他の授業よりも危険性が高いといっても過言ではありませんし、肌を露出している部分も多いため、施設の安全性も担保されなければなりません。また、衛生面でも十分な配慮が必要となります。その安全性と衛生面を担保する役割の先生方には、しっかりとした知識と経験を積んでいただかなくてはなりません。
学校側においては、学校全体としてプール授業の安全性が守られるよう監視、監督をしていただかねばなりませんし、教育委員会としては、先生たちが知識を習得する場の提供など、安全確保に関して積極的に関与するべきだと考えます。
そこで伺いますが、水泳の授業をする上で学校は万全の体制をとるべきであると考えますが、安全と衛生面の確保はどのように行っているのでしょうか。また、安全管理と指導力向上のための研修としてどのような研修が行われているのでしょうか、お答えください。
続いて、学校プールの活用状況について伺います。
学校プールが実際に授業として活用される期間を皆さん、御存じでしょうか。一部授業が9月にずれ込むこともありますが、期間は6月中旬から夏休み前までの約1カ月が一般的であります。もちろんその前から先生方はプールの清掃や機器類の整備、水質の調整など、念入りに準備を重ねた上で、プール開きとなります。
実は、さきの学習指導要領では、体育全体の時間数こそ明示をされておりますが、水泳の授業では、例示として2年間で20時間程度とされているぐらいです。そのため、自治体によって授業の時間数が変わってまいります。
そこで伺いますが、本市の年間指導計画では、水泳の授業時間数は何時間になっているのでしょうか。
学校プールの活用は授業で使うことが大前提でありますが、使用していない期間の使われ方としては、防火水槽としてや災害時の水源として想定されております。
静岡市地域防災計画では、市民及び自主防災組織は飲料水を確保するため、応急給水資機材を活用し、地域内の飲用に適する井戸、湧き水、プール、ため池等を活用し飲料水の確保に努める、その場合には特に衛生上の注意を払うとしてあります。
公益財団法人日本プールアメニティ協会が平成24年に行った調査があります。東日本大震災の被害に遭った県の公立学校と公立プールに対する調査です。56.3%の施設がプールの水を活用していないと答え、活用した40%も風呂、洗濯、トイレ等の生活用水として活用したと回答しました。また、消防水利としての活用ですが、プールからの取水口に関してその設備の状況を尋ねると、設備がない、もしくはわからないとの答えが65%に上ったそうです。
そのような調査を踏まえると、プールの水を消防水利として、またいざというときの飲料水としての活用するのは現実的には難しいのではないかと思っています。
そのほかは、夏休みのプールの開放です。私の小学校時代も夏季開放を楽しみにしていましたし、毎日行っていたような記憶があります。本市においても開放するプールとしないプールがあると伺っておりますが、公共資産として条件が整い活用できるのであれば、私はしたほうがよいと考えます。
そこで伺いますが、平成30年度の夏季休業中に学校プールを開放する学校数と開放日数はどのようか。また、学校プール開放時の管理監督をどのように行っているか、お答えください。