渡 辺 有 子 平 あや子 加 藤 大 弥 小 山 進
志 田 常 佳 青 木 学 中 山 均
〇
出席説明員
ICT政策課長 落 田 章 人
以上のてんまつは会議録のとおりであるので署名する。
大都市制度・
行財政改革調査特別委員長 小 野 清一郎
○
小野清一郎 委員長 ただいまから
大都市制度・
行財政改革調査特別委員会を開会します。(午前9:59)
本日の欠席はありません。
ここで,
市政記者会,新
市政記者会及び
議会事務局から,今定例会中の当委員会を撮影及び録音したい旨の申し出がありますが,これを許可することに御異議ありませんか。
(異 議 な し)
○
小野清一郎 委員長 許可することに決定しました。
本日は,付議事項の調査,研究の参考とするため,
ICT政策課から「AI・
RPA等の活用について」説明を受けたいと思いますが,いかがでしょうか。
(異 議 な し)
○
小野清一郎 委員長 そのように行います。
なお,11月12日,13日で行った当
特別委員会の
行政視察の
調査事項に関連した内容となります。執行部へお聞きする際,また,その後の
委員間討議においては,先般の
行政視察に対する成果や所見,あるいは今後の本市の施策に関する意見等も含めて,委員の皆さんから御発言をいただきたいと思います。
本日使用する資料については,お手元に配付しておりますので御確認願います。
それでは,
ICT政策課からAI,
RPA等の活用について説明を受けます。
ICT政策課長から説明をお願いします。
◎
落田章人 ICT政策課長 AI,
RPA等の活用について資料に基づき説明します。
最初に,1,我が国の動きについて,パソコンや
スマートフォンの普及に加えて,自動車や家電,腕時計など
身の回り品やインフラ,生産現場の
センサー等,多くが
インターネットにつながり,それとともに,大量でさまざまな情報が頻繁に更新されて流されており,これらを素早く,かつ人間のように高度に分析できる技術も高まってきました。いわゆるIOT,
ビッグデータ,AIと言われるものです。こうした
情報通信技術ICTを活用して
インターネットなどの
サイバー空間と現実社会を高度に融合させて,経済発展と社会課題の解決を両立させる人間中心の
社会Society5.0の実現に向けて,政府は(1)のとおり
ICT戦略を策定しています。この
ICT戦略では,
Society5.0時代にふさわしい
デジタル化の条件として,国民の利便性を向上させる
デジタル化や,効率化の追求を目指した
デジタル化などが示されています。具体的には,
スマートフォン等で
行政サービス,子育て,介護,死亡,相続,引っ越しや,そういった
ライフイベントに関する手続を手のひらで完結させる
デジタル化や,
デジタル化による行政運営の効率化,労働時間の短縮,
事業活動の合理化に資するBPR(Business Process Re─engineering─
業務改革)と言われているものや,
システム改革等がこの中で挙げられています。
また,(2)のとおり,平成30年には
地方自治体に向け,総務省の
自治体戦略2040
構想研究会による報告書が出されていて,
少子高齢化による
生産年齢人口の減少から経営資源が大きく制約されることが予想されるため,
地方自治体の労働力の確保が危惧されていること。そうした中,AI・
RPA等の
ICTを活用して
労働生産性を向上させ,持続可能な
行政サービスを提供し続けること,AI・RPAによって処理できる
事務作業は全てAI・RPAに任せ,職員は職員でなければならない,より価値のある業務に注力するなどして,地域課題を解決する
スマート自治体への変換を目指すよう示されたところです。
次に,2,新潟市の
取り組みについて,(1),最近の経緯として,
総務部行政経営課並びに
ICT政策課では,事業者の協力を得ながらRPAを活用した
事例紹介を行ってきました。加えて,
AIチャットボットを活用したよくある質問と回答,
FAQサービスや,窓口での
音声翻訳アプリの
実証実験のほか,働き方改革に向けた職場の課題分析を行いました。
AIチャットボットについては,
ネットワーク環境の課題や
想定事例の不足もあり,思うような成果に至りませんでした。
音声翻訳アプリについては,継続して実施しています。
フィールドイノベーションについては,11月に先進的な
取り組みを視察いただいた際,
協力事業者より皆様に説明したものです。RPAの導入を念頭に分析を開始しましたが,根本的な原因がほかにあることが判明し,その解消に向けた
取り組みを進めています。
(2),ア,今年度の上期には,情報収集と周知にウエートを置きつつ,
AI議事録作成ツールやその他のAI,RPAの
活用事例の説明会を開催したほか,働き方改革に資する試みとして,
モバイル端末の活用について総務部内で試みを始めました。この
モバイル端末については,指定都市の
情報管理事務主管者会議で資料の閲覧が定着するなど,
ペーパーレス会議のツールとしても期待しており,上期と下期で異なる環境で検証しています。
また,
事例紹介を契機に
庁内ヒアリングを行い,下期の
実証実験に向けた準備を開始しています。イ,下期は,年明けから新たな
実証実験に取り組むこととしており,具体的には税,子供,子育てに関する事務において,AIを活用したOCRいわゆる
光学式文字読み取り装置とRPAの連携なども含めて行う予定です。
また,市内出張時や降雪時の
交通事情等で最寄りの区役所にて時間を効率的に使えるよう,予備のパソコン,予備端末の活用について準備ができた区役所から試行的に開始する予定です。
今後もAI・
RPA等を活用して
労働生産性の向上が図れるよう,引き続き
ヒアリングを行うこととしており,
実証実験の結果を踏まえ,
保育施設入所の
マッチングなども含めて,
本格導入を目指して検討を進めています。
○
小野清一郎 委員長 ただいまの説明にお聞きすることはありませんか。
◆小山進 委員 2,新潟市の
取り組みについて,平成29年度,30年度の経緯とのことですが,
総務部ICT政策課でこれまでも取り組んできていますか。
また,
行政経営課と絡んでとの説明もありましたが,その辺の経緯,
事例紹介や
啓発活動はどこに対して行ったか,具体的に教えてください。
◎
落田章人 ICT政策課長 所管部署はさまざまです。事業者から情報提供をいただき,それがどこで活用できるかを踏まえて,
行政経営課もしくは
ICT政策課が間に入って,庁内のそれぞれの所属に対して,こういった
テクノロジーがあるので,業務に使えないかを紹介しています。
◆小山進 委員 そうすると,事業者からの提案があって,どこかが中心になって全体に対して紹介するよりは,業者を個別に課に紹介して,こういった事例があるとの
啓発活動を行っているのですか。
◎
落田章人 ICT政策課長 紹介の際は,個別の所属だけではなく,関係のありそうなところに幅広く声かけをして,こういった
取り組みができることを紹介しています。
◆中山均 委員 新潟市の
取り組み,(1)について,根本的な問題が発覚して中断したような説明でしたが,
議事録作成ツールのことでしょうか,補足説明をお願いします。
◎
落田章人 ICT政策課長 フィールドイノベーションかと思います。例年,超過勤務が多い所属でしたので,何が問題かというあたりも含めて,
協力事業者から一緒に入ってもらって,業務の進め方の各ステップに踏み込んで,工程を分析しました。ここは,
ICT関連の部分もあって,
システムの
情報連携の部分について,外部との
やりとりがスムーズにいっていない,もしくはタイムリーな情報がもらえていないこともあり,作業が二度手間になっていて,確認作業や訂正作業で時間を要していました。それであれば,スムーズに
情報連携ができるようにする
取り組みで課題を解決ができるのではという状況で,解消に向けて取り組んでいると聞いています。
◆中山均 委員 具体的なところがよくわからないので,イメージがしにくいです。
次に,保育所の入所希望の
マッチングについて検討されているとのことです。
行政視察に行ったときも,人間が作業するよりはるかに時間短縮になるとの説明は理解できましたが,素人考えで現場がどのような作業をしているかよくわかりませんので,見当違いな質問になるかもしれません。
マッチングは一定のルールに従って行うのだと思いますが,そうすると,AI,ディープラーニングのように自分で学習していく
システムを使うのは,やり過ぎのような気がしていて,定型的で,非常に複雑だが,それが一定のルールや論理,ロジックで動くのであれば,むしろAIを使わないRPAのような
システムのほうが安上がりではないかと思います。
行政視察に行ったときには十分な時間がなくて深く質問できなかったのですが,こういった保育所の
マッチングにAIを使うと画期的に事態が進む理由として,どんなことが考えられますか。
◎
落田章人 ICT政策課長 正直,私も具体的な
テクノロジーの話は承知していません。委員の懸念のAIとRPAのすみ分けについて,私自身の理解は,RPAというのは
システム化する直前のもの,専門家が
プログラミングをして,
システム化するのであれば,むしろそちらのほうがより複雑で高度な使い方ができると思います。RPAのいいところは,安価で,
プログラミングをシナリオと言ったりしますが,シナリオをつくるのが職員でも比較的ハードルが低く導入できるところであって,余り複雑な仕事をさせると,つくった人間にしかわからないという弊害もよくあると伺っています。ちょっとした制度改正があっても,それに対応するスキルを持った職員がいなければ対応し切れないとのデメリットもあると伺っていますので,定型的でシンプルな業務については,RPAを使ったほうが,効果が出るだろうと考えています。
保育所入所の
マッチングについては,個別の業務,どういった要因があって,何を考えて,どういう優先順位でというのは私も承知していませんが,かなり複雑な場合分けがあって,同一家族の上の子と下の子をなるべく同じ施設に入所できるような配慮や,さまざまな要因があると伺っています。そういう複雑なものについては,AIを使ったほうが,そのときの体調もあるでしょうから人間のミスや,また,その検証をする際にも機械にさせたほうが,効果が出るのではないかと伺っています。
◆中山均 委員 今の説明で何とか理解はできましたが,AIで自身が学習していく,いろいろなパターンに応じていくという機能が売りだと思います。それでいうと
保育所入所の
マッチングは,確かに自前で作成するRPAの手順等は複雑過ぎるかもしれませんが,AIのような超高度なラーニングまでは必要ないのではとの思いが依然します。そこはどう考えますか。
◎
落田章人 ICT政策課長 保育所入所マッチングに関して,どんなところにどこまでAIを使っているか,学習機能まであるかを承知していませんが,ただ実績として先進的な都市で非常に効果が出ていて,さいたま市などは優良事例として全国にも紹介されています。そこで効果が出ている,その経験があれば,取り入れることも可能ですし,選択肢の一つかと考えています。
◆
平あや子 委員 2点お聞きします。初めに,資料,1,我が国の動き,(2)にAI,RPAによって処理できる
事務作業は全てAI,RPAに任せ,職員は職員でなければできないより価値のある業務に注力するとのくだりがありますが,職員でなければできないより価値のある業務とは,具体的にどういうことを指していますか。
◎
落田章人 ICT政策課長 研究会の報告書を読むと,例えば企画部門の企画立案や,福祉部門の住民と相対で
サービスを提供するといったことが例示されています。
◆
平あや子 委員 非常に漠然としていますが,これまでもかなり長い期間にわたって,
行政改革の名のもとにかなりの数の正規職員を各自治体が減らしてきています。その中で業務は
相当数整理,淘汰されてきているのではないでしょうか。この現状からすると,これ以上何を削るのか,整理するのでしょうか。この報告書を少し読んだだけでも,国の言っていることと
地方自治体との実態に
相当ギャップがあるのではないかと考えますが,どうお考えでしょうか。
◎
落田章人 ICT政策課長 時代は刻々と変わっていて,機械でできることの範囲が広がってきているのが1つの要因かと思います。事例としたAIやRPAであれば,今までできなかったこともできるようになりました。今まで
パーソナルコンピューターシステムの導入を我々は一生懸命行ってきましたが,単に文書を作成したり,数値を集計したりするだけであれば,これまでも
パーソナルコンピューターの中で処理できていました。しかし,業務用の
システムと頻繁に連動させようとすると,ここはRPAの出番かと思います。一旦
デジタル化したものについて,人間が
システムに手で入力する必要は余りないと思っていて,そういった作業分野についてはRPAが貢献できる,活用してまだ効率化させる余地はあるかと考えています。
◆
平あや子 委員 次に,2,(1),イ,思うような成果が得られずとの説明でしたが,どんな課題が浮かび上がったのでしょうか。
◎
落田章人 ICT政策課長 先ほど
ネットワーク環境の課題と
想定事例の不足という2点をあげましたが,具体的には,今回は
実証実験のため,
インターネット回線を使って
AIチャットボットでの
やりとりをしました。
地方公共団体においては,3層の構えとして
セキュリティ対策を非常に厳しくしていて,
インターネットと分離して
業務システムを分けた別の
ネットワーク,物理的につながらない仕掛けをしています。仮に
インターネットを使うにしても,仮想環境を見に行っていて,端末が
インターネットに物理的に,直接つながるのではなくて,一旦サーバーの中で
インターネットとつながっている,この映像を近くにある
ノートパソコンで見ているという仕掛けです。そうすると情報の
やりとり,直前のデータがうまくキープできなくて,
やりとりがスムーズにできませんでした。もし
AIチャットボットを
庁内システムに置くのであれば,こういったことは起きないと思いますが,
セキュリティー上の面で今回の
実証実験でのやり方と相性がよくなかったということです。あと,先ほど話が出たとおり,AIは学習が大切で,学習していくものですが,事前に学習するための材料,その事例数が我々の想定を超えた相当量必要だったと聞いています。
◆
平あや子 委員
ネットワーク環境と
想定事例の不足との話ですが,
想定事例が足りなかったということは,結局,
想定事例については,あんなこと,こんなことがあると職員が自分の頭で考えなければならないのですよね。
◎
落田章人 ICT政策課長 AIの学習では
教師データが大切だという一般的な話,知識しか持ち得ていませんが,余りかけ離れた事例を入れるとかけ離れた答えが出てしまうなど,適切な情報を適切な量入れなければいけないとのことです。漠としたお答えにしかなりませんが,そこの
さじかげんが我々の中ではわかっていなかったと,準備した量と質では足りなかったと,結果としてわかりました。
◆豊島真 委員 新潟市の
取り組みの(2),(イ),
モバイル端末の試行(継続中)とあります。この上のものとあわせて
ペーパーレス化の話をされましたが,私たちがもらう資料などもそういう
ペーパーレス化の対象になるのか。また,それはAI,RPAと関係があるのでしょうか
◎
落田章人 ICT政策課長 直接的にAIやRPAとは関係ないと思います。実際に今どういうことを行っているかを紹介すると,最近はやりのタブレットとキーボードがついている
カバーつきのものを総務部内で10台用意して,部内の会議や
打ち合わせに持ち寄っていて,どれだけ紙資源や時間が省略化できるかを検証しています。AI,RPAを何のために入れるかというと,業務の効率化,
労働生産性の向上ですので,そういった点では同じ方向性を向いて
実証実験できていると思い,紹介しました。
皆様にお渡しする資料の
ペーパーレス化について,会議,
打ち合わせで使っている程度で,台数も限られているので,今のところ総務部内での閉ざされた活用をしています。
◆小山進 委員 1,我が国の動きとしてIT新戦略が紹介されています。国の
基本方針の中にも
Society5.0が記載されていて,12月中には国でも閣議決定をしていくことになると思います。この
ICT戦略に出ているものとして
行政サービスを手のひらで完結したりするなどが,あくまでも1つの
システム改革として挙げられているとの表現になっていますが,課長の肌感覚として,総合戦略なり
基本方針の中でうたわれているものを,
地方自治体として具体的に行っていこうと打ち出されそうな雰囲気でしょうか。そういったものを今感じられるかお聞かせください。
◎
落田章人 ICT政策課長 Society5.0は,基本的に情報が
デジタル化されて,
ネットワークでつながった世界で,今までの
情報化社会は,人間が情報をとりに行っていましたが,AIやいろいろな機能の高まりの中で,今度は必要な人に必要な情報を向こう側からプッシュしていこうと,もしくは
サービスを提供していこうというところが今までの
情報化社会と違うところです。
その
取り組みとして,手のひらで完結する手続では,子育てであれば例えば国主導で
デジタル化したぴったり
サービスというもので,この窓口,ホームページのこのサイトから入れば子育てに関するさまざまな手続ができますというものです。今,国で実際に動きがあるのは引っ越しに関する手続や,介護に関する手続なども同じようなサイトでできるように検討を進めています。今の
スマートフォンは
パーソナルコンピューターとほとんど同じように,もしくはもっと高性能で通信機能を持っているので,そういった環境を活用して手続ができるように進められている中で,地方に関係する事務も当然に出てくるだろうと予測しています。
◆
渡辺有子 委員 先日,
富士通株式会社へ視察に行ってきました。こういう
システム開発をしている会社,富士通のような
システムを同じように開発している会社は何社かあるものですか。
◎
落田章人 ICT政策課長 個別,具体の名称は控えますが,テレビのコマーシャルによく出るような
家電メーカーは大体そういったものをお持ちのようです。
◆
渡辺有子 委員 富士通の
システムを使って今,検証されていると思いますが,そこで検証して,ほかのところのものを使ってみる選択は容易にできますか。
◎
落田章人 ICT政策課長 富士通の製品を使って検証しているということは把握できていませんが,例えば先ほど紹介した
モバイル端末の環境は,
セキュリティーの高いレベルで移動無線を通じて庁内の
ネットワークにアクセスできる環境を提供しているのは何社かあって,先ほど上期と下期で違う環境で
実証実験をしているというのは違うメーカー,製品で見比べをしています。ほかの製品と選択肢があるのか,きちんと見比べができているかとの質問であれば,先ほどの
モバイル端末とつながった,使った環境については,そういう見比べを
ICT政策課で行っています。
◆
渡辺有子 委員 例えば1社を選定して,
システムを導入して一定の期間使った後で,ほかのところにかえたいときに,一定の会社の
システムを使うということでは,簡単にほかのところにかえることはできなそうに思います。そういう点はどうでしょうか。
◎
落田章人 ICT政策課長 1月から改めてRPAの
実証実験を開始すると申しましたが,複数の
RPAソフトを使って
実証実験をしようと思っています。ソフトの特性,使い方,場面,環境によって,いいところと悪いところがいろいろと出てくると思うので,それを踏まえてどういったものを入れていくか,
本格導入に向けて何をしようかというふうに,
本格導入のときに悪いリスクを持ち越さないために
実証実験を行うものです。
◆
渡辺有子 委員 実験のときはそうだと思いますが,一旦導入したと仮定した場合,何年か経過後にほかのところにかえようとしたときはどうかということです。
◎
落田章人 ICT政策課長 RPAを前提としてですが,
サービスの提供はおおむね年間契約で,よりいい製品が出たり,同じ性能でも格安なものが出たり,より扱いやすいものが出たら,その契約の単位内で切りかえは可能だと思います。職員としても細かな操作や習熟のために多少の時間は必要かもしれませんが,扱い方や基本的な考え方はそう大きく変わらないと伺っていますので,やろうと思えば先ほど申した単位での切りかえは可能だと思います。
◆
渡辺有子 委員 次に,職場の働き方改革に向けたことについて,そういう課題に対応していくことも大事だとは思いますが,それはあくまでも
市民サービスを向上させる前提があってだと思います。個人的に機械は極めて苦手で,何を言っているかわからないところは正直ありますので,
市民サービスを受ける側がこの
システムによって,より自分たちが
サービスを受けやすくなるとの意味では,中で変えていくことは必要ですが,それが市民とつながったときに効果があることも非常に重要ではないかと思います。その点について,どう考えていますか。
◎
落田章人 ICT政策課長 これは,AI,RPAに限った話ではないと思っていて,指摘の内容もそのとおりだと認識しています。そういったものが
Society5.0の中でも,例えば市役所の窓口に足を運ばないと手続ができないものについては,わざわざお越しにならなくても手続ができるような仕組みの環境が整えば,そういった
サービスを提供するのも一つの
ICTの利活用だと思っていますので,まずそういった方向のアプローチをしていきたい。
デジタル化によってそれが可能になってくると思っています。あとはAI,RPAや業務の効率化,
労働生産性を上げることによって,先ほど申し上げたように,職員でなければできない
サービス,介護や相対で
サービスを提供しなければならないところに,行政職員をよりウエートをつけて振り分けることにつながっていくと理解しています。
◆
伊藤健太郎 委員 初めに,AIとRPAではないですが,喫緊の課題としてお願いします。富士通内の
ミーティングの
システムを見せていただきました。これから本庁と古町庁舎と西堀の庁舎と新潟駅
周辺整備事務所,区役所など遠隔で連携しながら業務を行わなければならない機会がふえています。民間では一々集まらないで,テレビ電話的なアプリで
ミーティングをするのが一般的ですが,その辺の準備はどうですか。
次に,
セキュリティーについて,昨今いまだに
情報漏えいのような事件があって,今,個人認証は基本的に指紋や顔で,一般市民も触れている状況になっていますが,庁内の
ネットワークに入るときの認証はどうなっていますか。
次に,富士通で見せてもらいましたが,基本的に端末にはデータを残さずにクラウドで管理しています。そこは本市ではどうなっているかを教えてください。
◎
落田章人 ICT政策課長 3点あったと思います。1点目,物理的に離れた場所でのコミュニケーションを
ICTでどうとっていくかについて,
ICTのいいところは,時間と距離といった制約を薄めていくことです。物理的に離れたところのコミュニケーションについては,まさにICT技術が活用できたらと考えていて,現段階ではウエブ会議
システムを導入できないか検討中です。
2点目,認証について,
セキュリティーは利便性とのトレードオフの関係にあり,
セキュリティーを高めるほど利便性が損なわれる傾向にあることから,データの質によって,2つに分けています。バックオフィスで使うような個人情報を取り扱わない一般の
システムについては,IDとパスワードで認証しています。また,個人番号利用事務のようにコアな個人情報を扱う
ネットワークは,物理的に
ネットワークを分けていますし,端末も分けています。そこでは静脈認証を使って,IDとパスワードプラス静脈認証という多要素認証を使っています。
3点目,データの保管について,御指摘のようにそういった傾向が強く,本市においても,なるべくふだん使っている端末には情報を置かないように,サーバーや共有フォルダに置いて,そこの更新をかけていくということを推奨しています。
◆
伊藤健太郎 委員 きょうの本題とずれて原始的なことを聞きますが,部署内の共有サーバーが外に出たとの報道が最近ありましたが,そういうことは
ICT政策課で一元的に管理しているのでしょうか。
◎
落田章人 ICT政策課長 システムの導入は,全て
ICT政策課で行っているものではなく,例えば福祉,税,保険料などはそれぞれの部署で調達して契約を結んでいる状況ですが,全庁にかかわるような
システムは,
ICT政策課が調達しています。その中で,今回の他の自治体の事案を契機に,それぞれどんな契約しているかを確認しています。私どもでは,こういう
ICT関連の調達に関しては,標準の仕様書を庁内に示して,その示したものを個々の事案,適切な方法で状況に応じて契約を結んでいます。今回,念頭に置いている事件は,そこから先の事業者がコントロールできなかったあたりが反省点だと思っていて,今,急いでどういう対策をとることができるか
ICT政策課の中で検討をしている状況です。
◆加藤大弥 委員 富士通との名前も出ていますし,他事業者との対応も必要になってくるだろうと思いますが,そういう民間の
システムを専門につくる事業者の
システムエンジニアと
ICT政策課職員でもその他職員でもいいですが,対等に知識があって,やり方を議論できる職員がいるか,素朴に疑問というか,心配もあるので,謙遜なく教えてください。
◎
落田章人 ICT政策課長 率直に申し上げると,当課は玉石混交の状態です。経験が浅い者と,そうでない者もいますし,幸いにして民間の
ICT関連で勤めた職員も数名いるので,そういった業務も経験しています。提出された仕様書等を点検する能力を持つ職員は間違いなくいます。
◆加藤大弥 委員 要は事業者側の言いなりにならないような体制をということです。私も詳しくあちこち調べたわけではありませんが,札幌市にはかなり優秀な職員を置いて,そういう体制をつくっているようですので,ぜひ参考にしてもらいたいと思います。
◆中山均 委員 1,(1)に関連しますが,手のひらで完結,
ライフイベントに関する手続等を
デジタル化するところで,視察のときに
伊藤健太郎委員も富士通に質問されていましたが,自分の
スマートフォンなどから入力して申請できるのが一番いいです。先ほどの保育所などは住民票と直接かかわらなくてもとりあえず申請して完結すると思いますが,いろいろな補助金などになると住民基本台帳のデータ等とのかかわりが出てくると思います。そこが手のひらで完結することの大きな障壁になると思います。特に住民基本台帳などのデリケートな情報は,一般的な
インターネットとは恐らく結合されていないので,いいか悪いかは別にして,そういったところを解決するための課題は,国の戦略で,法整備も含めて検討をされているか,どういう方向が示されているかを教えてもらえますか。
◎
落田章人 ICT政策課長 法整備の点について,とんちんかんな,方向違いのことを申し上げるかもしれません。
地方自治体がそういった手続を受けようとするときは,基本的にはLGWAN−ASPにて
サービスを提供する事業者がいます。何かというと,LGWAN,
地方公共団体を結ぶ
ネットワークに入ってもいいと,厳密な審査を受けて,的確な資格を得て
サービスを提供するところです。そこを活用していけば,ある程度
セキュリティーについては確保できると思っています。また,通信環境の
テクノロジーの面からいえば,この例が適切かどうかわかりませんが,マイナンバーカードを
スマートフォンで読み取って,読み取った個人認証の情報をもとに本人確認ができて,それで適切な手続に入っていけるというのも国で主導してアプリケーションを開発した状況です。そういった環境が広がっていけば,より住民にとっては身近な手続が
スマートフォンでされると思っています。まだまだ先なことは確かですが,少しずつそういった環境は整いつつあるとの認識です。
◆中山均 委員 それに関連して,今ごろこんなことを聞くのもあれですが,コンビニにてマイナンバーカードでできる
システムは,データの
やりとりは
インターネット回線ですか,それとも専用回線を使っていますか。
◎
落田章人 ICT政策課長 それ専用のものです。
○
小野清一郎 委員長 ほかにありませんか。
(な し)
○
小野清一郎 委員長 以上で
ICT政策課の説明を終わります。
次に,ただいまの説明及び先般の
行政視察に対する成果や所見,あるいは今後の本市の施策に関する意見等について
委員間討議を行いたいと思います。
委員の皆さんから意見をお願いします。
◆中山均 委員 先ほども質問しましたが,AIが間違いなく新たな局面を切り開くことになるとは思います。しかしながら,自治体におけるAIが得意な分野はどういう業務なのか,先ほどの保育所
マッチングシステムの説明を聞いても本当のところはどうか,得意なのはなぜかがまだ十分に整理できていません。そのあたりはもう少し議論を進めていく必要があると思いました。
◆加藤大弥 委員
モバイル端末の試行が話題になって,
ペーパーレス化に向けて有効だろうとのことですが,これはこの
特別委員会だけではなくて,議会改革推進会議でも議論の俎上にのっていると聞いています。議員一人ひとりに
モバイル端末を支給して,
ペーパーレス化に向けた活用をすることに関しては,佐賀市が多分一番進んでいると思っていますが,すごく便利です。導入当初は,年配の方を中心にこんなものは使えないと言っていたのが,こんなことができるのであればもっと早く行えばよかったというぐらいの状況もあると聞いています。それも進むように,みんなでいろいろ勉強したらいいのではないかと思います。感想で恐縮ですが。
◆小山進 委員 今のはもっともだと思いますし,私もそう思っていますが,
委員間討議ですので,きょうのAI,RPAとどう結びつくのか,もし整理されているようでしたらお願いします。
◆加藤大弥 委員 また別の機会に。
◆小山進 委員 わかりました。
◆
渡辺有子 委員 先ほどのいろいろな説明の中で,職員は職員でなければできない価値のある業務に注力するとの話の中で,導入することによって,マンパワーが必要な業務のほうに職員を当てることができるとの話がありましたが,この
システムを本市が導入していく過程で,そういうところまでの話が今の段階でできているか疑問だと思います。そうあるべきというか,その方向性を否定するものではありませんが,最近,介護ロボットも出ている時代ですので,マンパワーがそちらにいくとの意味がいろいろと課題があると思いました。また,中山委員がおっしゃるように,保育所
マッチングシステムも,機械が選定して,あなたはここですとなっても,当事者がどう受けとめるかがあるわけで,それでは困るとの場面も出てくると思うので,総合的に相当幅広い検討が必要だと,全体の議論の中で思いました。感想です。
◆
伊藤健太郎 委員 私は,積極的に推進してほしい立場です。例えば生活困窮者との面談や,本市において初めての事例の対応などはAIではできないので,そういう業務が非常にふえているのではとの推測のもと,こういった最新技術の導入をぜひ進めてもらいたいと思います。
また,税や保育園の利用調整業務は,私も実際に行ったことがありますが,税はほぼAI,RPAで対応できると思います。保育園の利用調整も,昔は保育園に行って夜の時間帯で父母と面接し,そこから帰ってから会議をして,この人はどうだというきめ細かい審査をしていましたが,それも今,物理的にできなくなっていると聞いています。そうすると,必然的に与えられた情報で職員が優先順位をつけていきますが,先ほど
渡辺有子委員がおっしゃられたとおり,現実として見たときに違和感があるものを恐らく学習していくと思います。最初は人の目が必要で,この人のほうが優先順位は高い,おかしいというのはどんどん人の目を介入させなければと思いますが,これも職員の数が限られているので,社会ニーズの多様性とともに,人がやるべきこと,最新技術を導入する方向で積極的に進めていただきたい。そのときに先ほど言った
セキュリティーや,遠隔でも業務ができるような環境も整えてもらいたいと思っています。