議事調査部長 渡邉光俊
庶務課長 渡辺貴彦
議事課長 鈴木智晴
政策調査課長 宮本紀昭
議事係長 渡邉岳士
議事課課長補佐 原 貴美子
議事課担当係長 柴田貴経
外関係職員
午前10時0分開会
○春孝明 副委員長 ただいまから、
予算審査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付のとおりです。(資料編4ページ参照)
直ちに審査に入りたいと思いますが、質疑につきましては、昨日までの要領によりお願いをいたします。
それでは、発言を願います。
◆野田雅之 委員 おはようございます。私は、1問目にかわさき
スポーツパートナーについて、2問目に市バス事業について、3問目に入札制度についてを一問一答で伺ってまいります。
まず、かわさき
スポーツパートナーについてであります。2019年を迎え、
ラグビーワールドカップの日本での開催の年になり、来年には東京2020オリンピック・パラリンピックがいよいよ開催され、国内におけるスポーツに対する意識は増すばかりであります。本市もスポーツのまち・かわさきとしてスポーツを通じてまちの活性化に努め、さまざまな競技を応援していかなければなりません。そこでまず、本市を本拠地として活躍する
川崎フロンターレなどの6チームをかわさき
スポーツパートナーとして認定し、スポーツの推進のみならず、本市のイメージアップに御尽力をいただいております。そこでまず、かわさき
スポーツパートナーをサポートする来期の予算とその内容について伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 かわさき
スポーツパートナーについての御質問でございますが、
ホームタウンスポーツ推進事業費として339万円を計上しており、事業費の主な内容といたしましては、かわさき
スポーツパートナーを広くPRするための経費、各チームの選手やスタッフと触れ合うことができる小学生を対象とした
イベント開催経費、ホームゲームへの市民招待事業に係る経費等でございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 それでは次に、パートナーである
DeNA川崎ブレイブサンダースについて伺います。先月は
バスケットボール日本代表が
ワールドカップアジア最終予選の最終戦でカタールを撃破、自力での出場としては21年ぶりに出場を決め、そのメンバーにはサンダースの3選手が出場するなど、本市にとっては大変喜ばしいこととなりました。先週土曜日のとどろきアリーナの試合では、2018―2019シーズンで3試合目の満席となるなど、2016年9月の開幕から3シーズン目に突入し、右肩上がりの成長を見せていることを感じさせます。そこで、Bリーグ発足前から発足後の入場者数の推移と今後の展望を伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長
川崎ブレイブサンダースについての御質問でございますが、チームの平均入場者数につきましては、プロ化される前年のシーズンが1,004人、プロ化した初年度は2,449人、2年目のシーズンが3,056人、運営会社が変更となった今シーズンは12月末時点で約3,850人と増加傾向にございます。今後につきましては、運営会社によるさまざまな集客向上への取り組みや、21年ぶりに
ワールドカップ出場を決めた日本代表にチームの中心選手が選出されたことにより、入場者が増加していくものと考えております。以上でございます。
◆野田雅之 委員 では、昨年、チームオーナーが東芝から
スポーツエンターテインメントのノウハウを持ったDeNAにかわりました。観客動員のための取り組みなどが大きく変わり、本市の寄せる期待も大きいところでございます。では、ディスプレーをお願いします。例えば昨年、DeNA側により設置され、ことしの成人式でも利用されました、NBAなどで設置され、演出を盛り上げています
センターハングビジョンの設置や、
サンダーススクエアなど新たな取り組みがスタートしておりますが、新たな取り組み内容と見解を伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長
センターハングビジョンの設置等についての御質問でございますが、今シーズンを迎えるに当たり、
運営会社DeNAにより、試合開催日のとどろきアリーナにさまざまな仕掛けを用意し、日常では味わえない興奮と感動を共有できる空間をつくり出す「
川崎ブレイブサンダース“EXCITING BASKET PARK”計画」が発表されました。この計画の主な内容としては、アリーナ内への
センターハングビジョンによる演出効果の強化や、アリーナ場外に
バスケットコートを設置するとともに、充実した飲食環境を提供して試合観戦前も来場者が楽しめる空間、
サンダーススクエアを創出するなど、趣向を凝らした企画で会場を盛り上げているところでございます。このことにより、本市の見るスポーツ環境がさらに充実し、スポーツを通じた魅力あるまちづくりの推進に大きく貢献していただいているものと考えております。以上でございます。
◆野田雅之 委員 スポーツを通じた魅力あるまちづくりの推進に大きく貢献いただいているとのことでありました。そこで、本市としても知名度の向上や入場者数アップの取り組みに対して積極的に協力すべきと考えますが、現在の本市とチームが行う調整内容、また、今後の方向性について伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 認知度の向上等についての御質問でございますが、現在、隔週でチームスタッフと担当部署でホームゲームでのイベント実施に当たっての課題解決や、地域での
触れ合い活動実施における調整など、認知度の向上や入場者数の増加についてミーティングを実施しているところでございます。本市では、スポーツを通じた魅力あるまちづくりを推進しており、
プロスポーツチームである
川崎ブレイブサンダースの活躍は川崎の名を市内外に広めていただいている貴重な財産と考えておりますので、引き続き支援してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆野田雅之 委員 意見要望でございます。オーナーがDeNAにかわり、次なるステップに入った
川崎ブレイブサンダースを本市としてもしっかりと応援していただきたいと思います。新聞報道などでも明らかになっていますが、昨年、球団社長は近い将来の目標として
アジアクラブ選手権の優勝や、1万から1万5,000人収容の最先端の専用アリーナの建設、年間来場者数30万人を上げておられました。先日、元沢社長とも意見交換をさせていただきましたが、今後も知名度を高める取り組みを積極的に行っていきたいとのことでありました。
川崎フロンターレが大活躍し本市のイメージアップに大きく貢献する中、新オーナーとなった
ブレイブサンダースにも大きな期待がかかるところであります。知名度アップ、観客数アップ、アリーナ建設などの取り組みをしっかりとサポートしていただくよう要望して、次に移ります。
次に、市バス事業について交通局長に伺います。私も地域の皆様から市民の足である市内バス交通の要望を受ける機会が多くあり、快適で安全・安心なバス事業に期待するところであります。現在、川崎市
バス事業経営戦略プログラムの策定が進められていますが、その中で、
運行情報提供サービスの充実が上げられ、さきの定例会で、川崎駅に
バス総合案内表示板を今年度中に設置する答弁をいただきました。表示板は各乗り場の出発時刻の案内だけでなく、検索機能、英語での案内など、初めて川崎駅にお越しになる方にも乗り場がわかりやすくなるなどの効果が期待されます。幾つかの方向にバスが運行する駅からバスに乗車するときは、表示板やタブレット型の
運行情報表示器などの案内は有効ですが、それ以外の場所などで頼りになるのはやはり個人が所有する
スマートフォンなどの携帯端末での運行情報検索であります。各バス事業者は携帯端末を用いた案内サービスを提供しておりますが、市バスでは、到着時間や時刻表などを案内する市バスナビを運用しており、今年度機能強化を行うとありますが、その内容について伺います。
◎邉見洋之 交通局長 市バスナビについての御質問でございますが、市バスの運行情報をパソコンや
スマートフォンなどの携帯端末で提供する市バスナビにつきましては、本年3月下旬にシステムを更新することを予定しております。このシステム更新に伴う機能強化につきましては、携帯端末のGPS位置情報を用いて地図上で停留所を検索できる機能や、バスがどの停留所まで来ているのかがわかる表示を行う機能、目的地までの直通バスがない場合に乗りかえを案内する機能、さらに
インバウンド対応として、英語、韓国語及び中国語の多言語での案内に対応することなどでございます。引き続き、ICT技術の進展に合わせてわかりやすい案内サービスの充実に取り組み、お客様のさらなる利便性の向上に向け、検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 利便性のいいバスを目指し、次期計画でもわかりやすい案内サービスの充実に取り組むとのことで、引き続き利用者目線に立って進めていただきたいと思います。では次に、同様にバス運行に対して、計画では市域全体における輸送需要の変化に対応した路線見直しやダイヤ改正を行い、
市バスネットワークの維持充実を図ることや、お客様の利用動向の変化に対応した取り組みを進めるとしています。そこで、幸区内であれば、例えば多摩川の土手沿いのマンション建設が進み、その地域を市バスと東急バスが運行していますが、朝は戸手アパート前停留所など、タイミングによっては乗車できない状況にあると聞いています。今では新たなマンションもでき、さらに混雑が見込まれています。このほかにも、新川崎駅周辺でも大規模なマンションが建設されるなど、人口流入が進む本市において、このような輸送需要の変化に対応していくことが輸送サービスの充実につながりますが、対応策について見解を伺います。
◎邉見洋之 交通局長 市バス運行についての御質問でございますが、市バスでは、バス車両や運転手などの限られた経営資源を最大限活用して、輸送需要の変化へ的確に対応していくことが大切な取り組みであると考えております。御指摘のありました戸手アパート前停留所を通る川73系統につきましては、昨年10月のダイヤ改正において朝ラッシュ時間帯に1便増便したところですが、引き続き、多くのお客様の利用があることから、4月に予定しているダイヤ改正においては朝の時間帯にさらに増便することを検討しているところでございます。また、小倉・南加瀬地区から新川崎駅にアクセスする川83系統につきましても、始発を繰り上げることで早朝のJR線に間に合わせることを検討しているところでございます。今後におきましても、今年度策定を予定している川崎市
バス事業経営戦略プログラムに基づき、お客様の利用状況、収支状況の把握分析により、さらなる利便性向上や収益性の向上を図り、
市バスネットワークの維持充実に取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 案内サービスやバス運行の充実に取り組んでいただけるとのことでありました。では次に、最近はバスの運転手が不足していると耳にいたします。民間バス業者では運転手が集まらず人員が不足して減便するような話も、新聞やテレビなどのメディアで取り上げられています。交通局においても、運転手の安定的な確保はバス運行を維持するために必要なことであります。そこで、平成31年3月に行った
運転手採用選考の募集人員と応募者数について伺います。全国的に大型自動車第二種免許保有者が減少する中、どのようにして運転手を確保していくのか、また、市バスの募集に対して他の事業者の運転手から多くの応募があったと思いますが、単に運転手のとり合いにならないようにすることも重要と考えます。その対応と取り組みについて伺います。
◎邉見洋之 交通局長 バス運転手の確保についての御質問でございますが、運転手につきましては、全国的に大型自動車第二種免許保有者の減少や高齢化が進展していることから、人材の確保に向けて積極的に取り組む必要があるものと考えております。そのため、運転手の正規職員については、退職動向や経営状況を踏まえ、計画的な採用選考を実施して人材の確保を図ってまいりました。今年度の
運転手採用選考につきましては、3月3日に実施した第1次選考では、採用予定人数20名程度のところ129名の受験がございました。今後につきましては、全国的にバス運転手が不足している状況を踏まえ、市バスの安定的運行を行い市民の足を支えるため、従前の採用選考も継続するとともに、新たに大型自動車第二種免許を保有していない若年層の採用に向けて養成枠の採用選考を実施し、十分な研修期間を設けて運転技術やお客様サービスの教育指導を行うことでバス運転手の養成に取り組み、他事業者に影響が出ないよう対応してまいります。いずれにいたしましても、安定的な事業基盤を支える人材の確保に取り組むことで、経営基盤の充実強化を図り、市バスサービスを将来にわたって安定的に提供してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 答弁ありがとうございました。大型自動車第二種免許保有者が減少する中、新たに免許保有者をつくっていくことは重要な取り組みと考えます。また、いろいろと話を聞くと、新しい採用では、職員の任用面でも課題はあると思いますが、他の事業者と運転手のとり合いにならないように努めていただきたいと思います。本市でも少子高齢化が進み、市民の足であるバス事業の重要性は増すばかりであります。市民のニーズに合った、何より安全・安心なバス事業の発展に向けて取り組みを進めていただきたいと思います。
次に移ります。それでは、入札制度について伺ってまいります。平成28年第4回の定例会で、
上下水道局発注の予定価格5億円以上の市内事業者を入札参加資格としていない案件、いわゆる市外・準
市内向け入札案件の入札制度の改善を求めました。それから2年強が経過し、その後も同様の案件が出件されておりますので、検証、改善を求めさせていただきます。まず、前回の復習とその後の状況を御説明させていただきます。ディスプレーをお願いします。2年前に提示いたしました資料そのままであります。平成28年まで5億円以上の工事は1者応札が続出しておりますし、1者応札ですと99%近い落札率で落札をされているデータを示させていただきました。その個別の案件でありますけれども、赤く塗られているのが、応札者数が1者もしくは2者、応札者がA社、B社のJV、あと、落札率95%以上の案件であります。A社、B社が特に悪いわけでなく、一生懸命お仕事をされていますので制度に問題があるのではないかということで指摘をさせていただいております。こういう塗り方をすると、ちょっと偏っているのかもしれませんけれども、かなり真っ赤になりまして、非常に偏った入札制度であるのではないかということを指摘させていただきました。その定例会の質問以降の出件が上下水道局で6件ありました。引き続き、1者、2者の入札が4件、A・B社が落札する案件が3件、97%から100%の落札率が3件であります。ちなみに、この期間の横浜市並びに神奈川県の出件は、1者の応札が横浜市は6件のうちゼロ件、2者の応札が6件のうち1件であります。神奈川県は4件のうちお互いがゼロ件。川崎市はこういう制度に起因するものと考えておりますけれども、非常に狭き門になっているということがわかりやすく示されたと思っております。
前回の指摘では、入札制度のガイドラインの中の項目に問題があるということを指摘させていただきました。その内容がこちらになります。同種工事の施工実績と過去3年間の
企業配置予定技術者の工事成績があるかないかを評価の対象としております。そこで、前回の指摘の際に
上下水道事業管理者からは、近年の入札において1者入札など競争性が低下している状況があり、今後は工事案件ごとに、必要に応じて評価項目及び評価基準の設定について関係局と協議検討し、より適正な執行を図る旨の答弁がありましたが、その後どのような方向性が示されたのか伺います。
◎金子督
上下水道事業管理者 予定価格5億円以上の市外・準
市内向け入札案件についての御質問でございますが、平成28年第4回定例会での議論を踏まえ、同年12月以降に入札を行った予定価格5億円以上の
総合評価落札方式の案件につきましては、工事の施工条件や工事内容等を考慮し、関係局との協議を行った上で、川崎市
上下水道局総合評価一般競争入札実施要綱に基づき評価項目の設定を行っております。同要綱に示された、原則として必須項目とするが、数年に1度しか発注がない業種など、競争性を阻害するおそれがある場合には、評価項目としない場合もあるとの規定を適用いたしまして、条件つきの必須評価項目である、企業の過去3年間の
本市工事成績評定点の平均点、及び、
配置予定技術者の過去の本市発注の従事工事における成績評定点を除外し、入札を行ったところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 指摘以降、上下水道局では白色の部分の2項目を除外して入札をしたとのことであります。
それでは、前回、担当の副市長からの答弁では、一部の案件につきましては、応札者が減少している状況があり、入札の競争性を担保するため、原因の調査分析を行い、
総合評価落札方式における評価項目のあり方について、現在設置している入札契約制度・
発注等検討委員会で検討し、取り組みを進めていく旨の答弁がありましたが、どのような方向性が示されたのか、見解を伺います。
◎三富吉浩 財政局長
総合評価落札方式についての御質問でございますが、
総合評価落札方式は、価格だけで落札者を決定するのではなく、競争参加者の技術的能力など価格以外の要素も評価することにより、総合的に最もすぐれた者を落札者として決定する方式であり、評価項目につきましては、工事所管局と財政局で協議し、学識経験を有する者に意見聴取を行い、川崎市
総合評価審査委員会の審議を経て決定しております。しかしながら、設定される評価項目により、工事案件によっては入札参加者が少なくなり、適切な競争性の確保が難しい場合もございますことから、この設定に課題があると認識したところでございます。こうしたことから工事発注局と協議を行い、数年に1度しか発注がない工事など、評価項目を設定することにより競争性を阻害する懸念がある場合には、評価項目を見直すこととしたところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 それでは、現在入札業務が進行する新庁舎新築工事では、市内の施工実績を付加しておりません。付加するに至らなかった経緯を伺います。
◎三富吉浩 財政局長 施工実績についての御質問でございますが、川崎市
総合評価一般競争入札実施要綱において、品質確保の観点から、企業の施工実績のうち同種工事の施工実績を評価項目と定めており、本市発注の同種工事の元請としての施工実績につきましては本市の地理的条件に精通していることなどから評価基準を設定し、加点しているところでございます。しかしながら、新本庁舎超高層棟新築工事につきましては、長期にわたる工事で、階数や延べ床面積が大規模であるなど、近年、本市発注の同種工事の実績がないことから、総務企画局から依頼を受け、本市発注のいかんにかかわらず、同種工事の施工実績について加点することとし、発注したところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 新庁舎で市内実績を求めなかったということは、例えばそれよりはるかに小さい工事では、全国規模の会社では市内の実績がなくても履行できるのではないかということを改めて感じさせられます。では次に、初めの
上下水道事業管理者からの答弁でありましたが、企業の実績と
配置予定技術者の成績評定点の2項目については、ガイドラインで、原則、
市内中小企業者であることを入札参加条件としている場合に適用しますとして、市外・準市内向けの案件から項目を除外しましたが、その理由と除外をした際の手続について財政局長に伺います。
◎三富吉浩 財政局長 工事成績評定点についての御質問でございますが、入札における競争性の一層の確保を図るため、平成29年4月に川崎市
総合評価落札方式のガイドラインを改正し、企業の施工実績及び
配置予定技術者の能力における
本市工事成績評定点を評価項目から除外することとしたところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 それでは、
上下水道事業管理者、財政局長におのおの伺います。
総合評価の際に、落札方式の調書で施工計画を評価するポイントがあります。複数応札の際にはほぼ各社が5点満点を獲得しています。本市が各社の技術力を同程度有していると評価したあかしと考えますが、見解を伺います。また、全国での実績は評価の対象として必要と考えていますが、市内の実績と市外の実績で履行能力や品質に差が出るとお考えか、見解を伺います。
加えて、市内実績の条件を付加し続ける必要があるのか、見解を財政局長に伺います。
◎金子督
上下水道事業管理者 総合評価落札方式における施工計画の評価についての御質問でございますが、
上下水道局発注の予定価格5億円以上の市外・準市内向けの入札案件につきましては、ほとんどの案件が総合評価方式の簡易型で発注しております。この簡易型は、入札参加者の施工能力を確認するために施工上の課題や対策を施工計画書として提出することを求めており、そのほとんどが評価できるものであったことから、入札に参加した全ての企業が発注者の求める一定の技術力を有するものと考えております。次に、企業の施工実績についてでございますが、全国展開している企業につきましては、さまざまな課題を抱えた現場での施工経験が豊富であり、市内外の実績による違いが履行能力や品質に大きな影響を及ぼすものではないと考えております。以上でございます。
◎三富吉浩 財政局長 施工実績の評価についての御質問でございますが、企業の施工実績において、同種工事の施工実績を評価項目としている理由といたしましては、実績がある事業者は、同種の別の工事についても適切に施工することができるという考えに基づいており、さらに本市の地理的条件などについて考慮し、完工した本市実績については高く評価することとしておりますが、今後は競争性の一層の確保を図るため、工事案件ごとに必要に応じて評価項目及び評価基準の設定について関係局と協議検討し、より適切な執行を図ってまいります。以上でございます。
◆野田雅之 委員 財政局長から、適切な執行を図るとのことでした。
それでは最後に、技術系の御出身であります入札業務御担当の藤倉副市長に伺います。今までの議論でも御理解いただけたと思いますが、都内や横浜市、他県などで施工実績を有する企業が、本市での施工実績がないばかりに入札でハンディキャップを受けることは、応札者が少なくなりかねず、本市にとっても大いにマイナスであります。入札に対する公平性確保の見解、市内と市外の施工実績で本市発注工事の履行能力や品質に対する影響への見解を伺います。また、今後の方向性をお示しください。
◎藤倉茂起 副市長
総合評価落札方式についての御質問でございますが、発注者として、公共工事における品質の確保に努めながら事業者の入札参加機会の拡大と競争性の確保に取り組むことは大変重要なことと認識しているところでございます。また、本市発注と本市発注以外の施工実績による工事の品質への影響につきましては、工事の規模や内容によっては少ないものと考えております。今後につきましても、国や他都市の取り組みを参考にするとともに、担い手3法の趣旨を踏まえ、品質の確保や公正な競争を促進するための入札契約制度の改善に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 2年前のデータですけれども、他都市の状況であります。本市の実績にはこだわらないのが現状であります。加えて、現在では神奈川県、横浜市などは全てを総合評価落札工事とはせず、一般競争入札での発注が多い状況であります。一定以上の技術力を有した企業による入札であり、発注者側の審査においても過度な負担を軽減する意味合いもあるかと思います。とはいえ、まずは適正な価格で公平な競争をさせるのが行政の使命であり、明らかに公平な入札を妨げていた項目と私は考えております。今回は土木や上下水道施設を例にいたしましたが、出件数が少ない建築工事なども同様に扱われるべきでありますし、建設緑政局や環境局からの案件も同様と考えております。制度の不備を是正し、現在の落札率より低下が促されれば、おのずとその差額を市内の企業が担うインフラ整備に充填できるはずであります。今後しっかりとした制度構築に努め、公平公正な入札制度を取り戻すように要望いたします。
今任期において幾つか大きなテーマに取り組んでまいりましたが、その一つであります入札制度の改善については、改善の兆しが見えてまいりました。来年度以降は小中学校におけるフッ化物洗口の実施や不燃化重点対策地区における感震ブレーカーの面的整備の促進についても取り組んでいきたいと思いますので、市長にしっかりお伝えをしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。終わります。
◆山田晴彦 委員 おはようございます。私からは、通告どおり、一問一答で、1点目、交通計画関連経費について、2点目、宮前市民館・図書館整備事業について、3点目、余熱利用施設整備調査事業費について、4点目、分別収集事業と普及広報活動事業について、5点目、葬祭場施設整備費について、以上5点を伺ってまいります。
初めに、10款まちづくり費の中の交通計画関連経費についてであります。鷺沼駅周辺再編整備及び横浜市高速鉄道3号線の延伸計画を含む既存バス再編整備についてでございます。まず、昨年10月に運行が開始されました鷺沼駅―聖マリアンナ医科大学間の新規路線についてでございますが、本当に多くの方々から喜びの声をいただいております。一方で、病院の診療受け付け時間が午前11時半のため、利用者からはできるだけ早い時間に前倒しをしてほしいという声もいただいているところでございます。そこで、整備前ではありますが、現状、鷺沼駅のラッシュ時のピークをどのように捉えているのか、今後の対応を含め、交通局長に見解と取り組みを伺います。
また、さきの議会で提案した私鉄各線や横浜市営地下鉄3号線・4号線への既存路線の延伸と再編整備に向けた取り組みについて、見解と対応を伺います。加えて、バス利用者からは始発時間の前倒しやバスの増便、深夜バスの拡充などが上げられておりますが、見解と今後の取り組みにつきまして
まちづくり局長にお伺いをいたします。以上です。
◎邉見洋之 交通局長 鷺沼駅と聖マリアンナ医科大学病院を結ぶバス路線についての御質問でございますが、鷺沼駅はバスターミナルが狭隘で、4カ所のバス乗り場のうち3カ所を東急バスが単独で使用し、残り1カ所を東急バス及び市バスが共同で使用しており、また、バスの発着も過密状態にあったことから、当該路線につきましては調整の余地がある日中時間帯のみに運行を限定することで、東急バス、小田急バス及び市バスの3事業者共同で新設できたところでございます。また、運行時間帯の拡大につきましては、現状でもバスの発着が過密状態にあるため、バス停留所の確保や各バス事業者の既存路線に影響を及ぼすことなどの課題があるものと認識しておりますが、病院利用者等の利便性が向上するものと考えておりますので、引き続き関係事業者等と協議してまいりたいと存じます。以上でございます。
◎綿貫康治
まちづくり局長 路線バスネットワークについての御質問でございますが、平成31年度にバス利用者の詳細な利用実態調査、分析等を行い、現在進められている開発事業や公共事業の取り組みと整合を図り、今後のまちづくりを見据え、路線バスネットワーク再編に向け、さまざまな観点から検討を進めてまいります。具体的には、鷺沼駅周辺再編整備の機会を捉え、小田急沿線方面などへの路線新設、向丘地区方面等からの既存路線の再編によるアクセスの充実、さらに、横浜市高速鉄道3号線延伸の取り組みとあわせたバス路線の強化などについて、バス事業者と連携し、検討を進めてまいります。また、深夜バスの拡充等につきましては、需要に基づく事業採算性や運転手の確保などに課題があるとバス事業者から伺っております。今後、路線バスネットワークの再編に向けた検討において、バス事業者と要望等に関する情報共有、意見交換を行いながら、市民にとって利便性の高い地域交通の実現に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
そこで、本市は平成32年度を目途に路線バスネットワークの取り組みの方向性を示すとしておりますが、こうした中、超高齢社会の進展を踏まえ、住民の移動手段の確保として公共交通、とりわけバス交通と交通不便空白地区に対するコミュニティ交通のネットワーク化が重要な課題でございます。そこで伺いますが、例えば路線バスを利用しにくいエリアとして虎の門病院分院のある宮崎地区や馬絹地区、影向寺のある野川地区などが該当いたします。また、鷺沼・有馬地区などの交通のあり方や路線再編も重要な課題でございます。今後の路線バスとコミュニティ交通の役割分担が重要と考えますが、見解と対応を藤倉副市長にお伺いいたします。以上です。
◎藤倉茂起 副市長 地域交通についての御質問でございますが、高齢化の進展に伴い、きめ細やかな運行要請などが高まっており、地域交通の一層の取り組みが重要と考えているところでございます。こうしたことから、基幹的な役割を担う路線バスの一層の充実に向け、来年度、利用実態調査に加え、地域ニーズや地域特性を勘案し、さまざまな観点から検討を進め、平成32年度末を目途に市域全体の一体的かつ機能的な路線バスネットワークの再編に向けた取り組みの方向性をお示ししてまいりたいと考えております。路線再編の検討に当たっては、駅や公共施設へのアクセス強化や、路線バスが利用しにくい地域特性や地域需要などを踏まえ、バス事業者と連携し、路線バスが担う役割とコミュニティ交通との役割についても整理を行う予定でございます。これらの取り組みを通じて多様な主体と連携し、持続可能な地域交通の充実に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、次のテーマに移ります。次に、13款教育費の中の宮前市民館・図書館整備事業について伺います。このたび鷺沼駅周辺再編整備における基本方針案が決まり、宮前図書館の移転スケジュールが明らかになりました。そこで、宮前区の図書需要と利用実績について教育次長にお伺いいたします。以上です。
◎小椋信也 教育次長 宮前図書館の利用実績等についての御質問でございますが、宮前図書館の平成29年度末時点の蔵書数は約23万5,000冊でございまして、同年度の貸出冊数は約93万4,000冊、入館者数は約58万6,000人となっており、貸出冊数、入館者数ともに市立図書館の中では中原図書館に次いで2番目に多い図書館となっております。なお、宮前区内には地域図書室を有する有馬・野川生涯学習支援施設があり、宮前図書館と連携した予約資料の受け取りや返却資料の預け入れを行うなど、地域の読書活動を支援しているところでございます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 今回示されたスケジュールでは、平成37年か平成38年に供用開始する予定ですが、機能面では民間事業者等との連携や幅広い生涯学習の場としての活用、施設整備でも他都市の先進事例を参考に、施設、設備を活用した新たなサービスを検討するとのことでございます。そこで、今後の図書館サービスについて教育長の見解をお伺いいたします。以上です。
◎渡邊直美 教育長 図書館サービスについての御質問でございますが、市立図書館は、市民の皆様の多様な読書活動への対応に向けて、さまざまな資料や情報を収集し、読書ニーズに対応した提供等を行うなど、市民の学習活動を支援する大切な社会教育施設であるとともに、読書を通じた地域の交流の場でございます。あわせて、地域の文化や歴史に関する資料を将来に受け継いでいくという役割を担う貴重な情報拠点でもございます。図書館サービスに対する市民の皆様のニーズは多岐にわたりますことから、引き続き、少子高齢化のさらなる進展など、社会状況の変化に留意しつつ、また、ICTの活用などによるサービスの向上を図りながら、地域の社会基盤の一翼を担う公共図書館としての役割をしっかりと果たし、誰もが利用しやすい図書館サービスの提供に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 どうもありがとうございました。これからはますます図書ニーズがふえ続けると考えます。そこで、以前より提案してきた図書館カウンターが有効です。本市では、私の過去の質問に、宮前区のアリーノが図書館カウンターの第一号との認識を示されました。アリーノでは、利用者の声を受け、宮前図書館の本を貸し出しできるように提案してきた経緯があります。そこで、こうした図書環境の整備が特に重要と考えます。現宮前図書館のある地域では、これまでの図書館利用者に対する配慮も必要でございます。見解と取り組みを伺います。また、本市には明治大学や専修大学等の多くの大学等がありますが、地域資源としての活用も求められるところでございます。大学図書館の活用の実績と今後の拡充について見解と対応を伺います。以上です。
◎小椋信也 教育次長 読書環境の整備等についての御質問でございますが、初めに、宮前図書館利用者への配慮についてでございますが、移転後の現区役所等施設・用地につきましては、平成34年度を目途に仮称宮前区役所等施設・用地の活用に関する基本方針の策定に向けた検討を進めていくこととしておりますので、読書環境の整備の可能性などを含め、周辺地域の課題や行政需要、地域ニーズ等との調和を勘案しながら、市民参加で検討を進めてまいりたいと考えております。次に、大学図書館との連携についてでございますが、本市におきましては、市内及び近隣の大学と相互利用に関する協定等を締結し、大学図書館が有する蔵書の閲覧や貸し出しなど、市民の皆様に御利用いただいているところでございます。この大学図書館との連携は、平成19年3月から実施し、現在では専修大学、和光大学、明治大学、日本女子大学、日本映画大学の5つの大学との取り組みを進めているところでございまして、このほか、田園調布学園大学におきましては、市民への図書館開放が行われているところでございます。今後につきましても、これらの貴重な地域資源との円滑な連携を推進し、市民の皆様の多様な読書ニーズに対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 どうもありがとうございました。今後とも拡充をよろしくお願い申し上げます。
それでは、次のテーマに移らせていただきます。次に、6款環境費の中の処理センター余熱利用施設に対する新事業手法に関する調査費について環境局長にお伺いをいたします。当該事業は、堤根処理センターの余熱利用に対する調査費用ですが、事業目的とその概要についてお伺いをいたします。また、本市の余熱利用施設では、プールや会議室、トレーニングルーム等に利用されておりますが、当該施設を含め、利用実態と課題についてお伺いいたします。あわせて、処理センターの焼却による熱利用では、ほかにごみ発電等が注目を集めております。直近5年間の推移と効果を伺います。以上です。
◎大澤太郎 環境局長 余熱利用施設についての御質問でございますが、ヨネッティー堤根につきましては、平成35年度から予定している堤根処理センターの建てかえ工事に伴い余熱の供給が停止すること、施設の老朽化が進行していることなどを踏まえ、この間、今後のあり方について検討を進めてまいりました。検討に当たりましては、多くの市民の方々がプール等を利用されている実態等を考慮し、今後も引き続き余熱利用施設として温水プールを整備し継続していくこと、施設の休止期間を可能な限り短くするためにボイラーを設置し、整備後は速やかに再開できるようにするといった整備の方針を決定したところでございます。また、整備手法や具体的な施設の形態等については、民間事業者の知恵やノウハウ等も参考としながら、市民から親しまれる施設として整備計画を検討してまいりたいと考えております。次に、余熱利用市民施設の利用状況と課題についてでございますが、平成29年度の年間利用者数はヨネッティー堤根で約16万2,000人、ヨネッティー王禅寺では約37万8,000人となっておりまして、近年は増加傾向にあり、特に夏季の混雑への対策が課題となっております。次に、ごみ焼却による発電実績についてでございますが、市内の処理センターを合わせた最近5年間の発電量につきましてはおおむね年間約1億から1億1,000万キロワットアワーとなっておりまして、売電金額はおおむね年間約10億円から13億円で推移しているところでございます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 どうもありがとうございました。大変に大きな金額になっているということもわかりました。そこで、再度余熱利用施設についてお伺いいたします。川崎市余熱利用市民施設条例には、市民の健康の増進と文化の振興を図り、もってその福祉の向上に寄与するため、ごみ焼却に伴う余熱を有効利用し、川崎市余熱利用市民施設を設置するとあります。処理センターは、市民生活にとって大変に重要な施設である一方、迷惑施設との認識もあります。そこで、今後の整備計画に、市民がより親しめる場として、余熱を利用した温浴施設や温室栽培、例えばストロベリーハウスのようなものを提供したらどうかと提案していきたいと思っております。今後、3処理体制で稼働する以上、堤根の次は浮島、その次は王禅寺、橘のローテーションと考えます。現在、浮島処理センター内には、小学校の社会見学を初め多くの方々が環境教育に役立つかわさきエコ暮らし未来館に訪れております。例えばその隣接地につくるとか、また、王禅寺処理センターであれば、今後横浜市営地下鉄3号線の延伸計画もあり、より多くの市民の方々に利用していただけると考えます。見解と今後の対応について伺います。以上です。
◎大澤太郎 環境局長 余熱利用施設についての御質問でございますが、将来の処理センター整備における余熱利用のあり方につきましては、市民に親しまれるといった観点から、温浴施設や温室栽培など新たな機能を備えた施設について検討していくことは重要であると考えております。一方で、敷地の広さや土地利用計画等の制約条件がございまして、イチゴの温室栽培のような相応の敷地を必要とする施設を設置する場合には、整備計画策定の早い段階からの検討が必要となります。現時点で計画をしている整備事業は、平成35年度から着手を予定している堤根処理センターの整備事業のみでございますが、今後新たに処理センターの整備等を計画する段階においては、温室栽培を含めた新たな余熱利用方策について、市民ニーズ等も踏まえながら検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 どうもありがとうございました。このイチゴ栽培については、私もすごく思い入れがございまして、名前も既にもう決めているということで、ストロベリーキングなどはどうかなと思っているんです。キングスカイフロントのキング、そして王禅寺の王でキングということで、ぜひ今後そういったものをつくっていただけるとありがたいなと思っております。
続きまして、次のテーマに移らせていただきます。次に、6款環境費の中の分別収集事業と普及広報活動事業についてお伺いいたします。ミックスペーパーについてです。家庭系ごみの約1割がミックスペーパーと言われております。本市はミックスペーパーの分別を平成23年3月から全市で展開しておりますが、現在目指している目標の年間約1万8,000トンの収集量の見込みに対し、近年の資源化量の推移と分別率についてお伺いをいたします。また、それは目標からするとどのくらいの効果の違いになるのか、効果額とともに、市民にわかりやすくトイレットペーパーに換算してお示しください。
◎大澤太郎 環境局長 ミックスペーパーの分別についての御質問でございますが、初めに、ミックスペーパーの収集量につきましては、平成26年度は1万4,063トン、平成27年度は1万3,618トン、平成28年度は1万3,010トン、平成29年度は1万2,530トンであり、近年は減少傾向になっているものの、分別率につきましては、平成26年度は34.9%、平成27年度は35.6%、平成28年度は36.4%、平成29年度は34.9%であり、ほぼ横ばいで推移しております。次に、分別率の向上によるリサイクルの効果についてでございますが、本市ではミックスペーパーをトイレットペーパーに再資源化しており、現在目指しております分別率50%、1万8,000トンとなった場合、約9,000万個分に相当し、平成29年度と比較いたしますと約2,900個分増加するものと推計されるところでございます。なお、費用面での効果といたしましては、算定が難しい面もございますが、平成29年度の実績と分別率が50%まで向上した場合において、ごみ処理原価を用いて算定し、単純に比較いたしますと、費用効果額は約3,000万円と推計されるところでございます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございます。局長、先ほど2,900個と言われたんですけれども、2,900万個でございますので、よろしくお願いいたします。
近年の分別率を見ても、当初は伸びがあったものの数年前から低迷しております。原因をどのように分析されるか伺います。実感としては、プラスチック包装容器に比べ、出し方の不便さから、分ければ資源とはわかっていても、ついつい面倒くさくなり、普通ごみと一緒にまぜて出すということにつながっていると見受けられます。例えば、ああ、面倒くさい、ポイ捨てやめたら3,000万など、市民の啓発に役立つキャッチなど、大変に有効です。さきの議会に提案した生ごみについて、ぎゅっと絞って3億円はいまだに話題になっております。分別の効果をより市民にわかりやすく示すべきです。見解と取り組みをお伺いいたします。以上です。
◎大澤太郎 環境局長 ミックスペーパーの今後の取り組み等についての御質問でございますが、初めに、ミックスペーパーの分別率が近年横ばいで推移している主な要因でございますが、ミックスペーパーの分別収集につきましては、平成23年3月の全市実施から8年が経過していることや、ミックスペーパーの対象品目が空き缶やペットボトルのような単一品目とは異なり、対象物が多岐にわたる素材別の分別収集であることから、対象物のわかりにくさなどが考えられるところでございます。次に、ミックスペーパーの分別効果の市民への周知についてでございますが、市民がより具体的にイメージできる、いわゆる見える化等により、わかりやすく示すことは、分別排出意識の向上に向け重要であると考えているところでございます。これまでもイラストを用いて分別ルールを紹介するリーフレットや、収集した資源物が何にリサイクルされるかを写真で示したリーフレットを活用するなど、わかりやすい広報に取り組んでおりますが、ミックスペーパーから再生されるトイレットペーパーを個数に換算して示すことなども市民が実感できる有効な手段であると考えておりますので、こうした分別の効果につきまして、ごみ分別アプリや市ホームページ、かわさきチャレンジ・3Rニュース等の広報物等を活用しながら、広く市民の方々にお伝えしてまいります。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 どうもありがとうございました。よろしくお願い申し上げます。
それでは、最後のテーマに移ります。5款健康福祉費の中の葬祭場施設整備費について、健康福祉局長にお伺いをいたします。近年の少子高齢社会を反映してか、葬儀のあり方も多様化しており、これまでの通夜式や告別式という従来の形式ではなく、直葬等の形式もふえている実態があります。本市の現状をお伺いいたします。また、葬儀も小規模化や少人数化の傾向もあり、そうした対応としてかわさき北部斎苑に少人数対応の式場の整備を提案してきましたが、整備状況と効果についてお伺いいたします。以上です。
◎北篤彦 健康福祉局長 葬祭場についての御質問でございますが、初めに、近年の葬儀形態の多様化の状況といたしましては、平成29年3月の公正取引委員会の葬儀の取引に関する実態調査報告書においては、全国の葬祭事業者からのアンケート調査結果として、一般葬が63%程度、家族葬が28%程度、通夜、告別式を行わない直葬が5%程度となっており、家族葬、直葬は比較的増加傾向にあるとされております。また、本市の状況につきましては、葬祭事業者へのヒアリングにおいて、一般葬は多いものの、家族葬、直葬等の小規模な葬儀については近年比較的増加傾向にあるものと伺っているところでございます。次に、かわさき北部斎苑の大規模改修工事についてでございますが、施設や設備の老朽化、将来的な火葬需要の増加や多様な葬儀形態に的確に対応するため、平成24年度から大規模改修工事を実施しているところでございます。具体的には、斎場棟内の式場のリフォーム等の改修工事や火葬炉の入れかえ工事、小規模な葬儀需要にも対応できる式場や休憩室、収骨室等を増設した管理棟を新設したところでございます。昨年4月に開設した管理棟内の第3式場につきましては、50人規模の式場でございますが、25人用2室での分割利用をすることも可能であり、約99%の利用率となっていることから、小規模な葬儀に対しての効果があったものと考えているところでございます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございました。よくわかりました。新年度予算では葬祭場施設整備費のうち駐車場の整備に関するものとして1億8,450万円が計上されております。概要を伺います。また、現在かわさき北部斎苑において、日中の葬儀の駐車場問題が大きな課題となっております。葬儀に参列するため車で来られる方が利用できず、早急な対応が求められるところでございます。駐車場の使用については、運営上、葬儀を行う家族として6台分の確保を原則としておりますが、算出根拠を伺います。係員からは、駐車場利用ができない人々に対し、津田山駅の反対側にあるスーパーやスポーツ施設の駐車場を利用するように指示をされております。現在の火葬体制について、現状と最大利用を伺います。今後ますます施設の利用の増大が見込まれる中、公的施設としての役割から駐車場整備は本市の責務として取り組むべきです。以前より提案しております緑ヶ丘霊園内に駐車場施設を設置すべきですが、見解と対応を伺います。以上です。
◎北篤彦 健康福祉局長 かわさき北部斎苑の駐車場整備についての御質問でございますが、平成31年度実施の駐車場整備につきましては、将来の火葬需要等への対応を踏まえた検証に基づき、現在64台ある駐車台数を100台程度に拡大するための改修工事や歩道の整備、照明設備の更新などを予定しているところでございます。次に、かわさき北部斎苑の駐車場利用に当たりましては、現状の駐車場台数と1日当たりの火葬、式場の利用状況を勘案し、火葬のみで利用される場合、1葬家につきマイクロバス、業者、御遺族等を含め4台以内、通夜、告別式等で斎場を利用される場合は1葬家につき6台以内の御利用とさせていただいているところです。次に、1日当たりの火葬件数につきましては、現在、かわさき南部斎苑ではおおむね22件程度、かわさき北部斎苑では、大規模改修工事に伴いおおむね15件程度に制限しているところでございます。なお、火葬需要に対応するため、駐車場改修工事後にはおおむね22件程度の受け入れを実施するとともに、将来的にはおおむね26件程度の火葬の受け入れを目指してまいりたいと考えております。駐車場につきましては、改修工事後においても、火葬需要の増加等への対応から一定の利用制限を継続する必要があるものと考えておりますが、会葬者用駐車場の確保の検討も必要になると考えておりますので、今後につきましては、利用状況の調査を行い、これらの状況を踏まえながら、より効果的な駐車場利用のあり方について関係局等と対応について検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 どうぞよろしくお願いいたします。特に、今行っているのは葬祭場内の施設でどれだけできるのかという逆算方式だと思いますけれども、今回の答弁の中に会葬者用の駐車場を入れていただいたということは大きいと思っておりまして、不便している方が大変に多いわけですので、ぜひとも公的な施設を求めておきたいと思います。以上で終わります。
◆岩隈千尋 委員 おはようございます。まず、本日は、出資法人との契約について、行政監査結果報告書について、防災啓発広報物に関する事業費について、外国語活動に関する事業費について、特定不妊治療費助成事業について、一問一答で伺ってまいります。
まず、出資法人との契約について、伊藤副市長と教育次長に伺ってまいります。
昨年の秋以来、数回にわたり教育委員会と川崎市スポーツ協会で交わされたオリンピアン・パラリンピアン交流推進事業業務委託料の中で発覚した不正会計処理について取り上げてきました。本案件については、議会への決算報告において偽りがあったこと、議員からの調査が入るまで発覚していなかったこと、いわゆる不正会計の隠蔽、教育委員会のOBが天下りをしているスポーツ協会の市職員OBが安易に不正を受け入れたことや、協会から行政、議会への報告である出資法人経営改善及び連携・活用に関する方針のコンプライアンスに関する事案の発生件数をゼロと虚偽報告したことなど、教育委員会、スポーツ協会ともにガバナンス、コンプライアンスが欠如していることを指摘してまいりました。さきの12月議会において伊藤副市長は、本事案については、市民の信頼を大きく損なうことであり、大変深刻な事態と受けとめている、今後、本件と類似した事例がほかにないか調査確認する、注意喚起もすると答弁されております。この間、どのような調査を行ったのか、結果を含め、伊藤副市長に伺います。
◎伊藤弘 副市長 出資法人との契約に関する調査についての御質問でございますが、このたびの事案を受けまして、類似した事例の有無について本市と主要出資法人との平成29年度委託契約93件を対象に調査を実施いたしました。調査方法といたしましては、各出資法人におきまして、領収書や積算書類等を確認の上、契約案件ごとに決算の内訳書を作成し、当該案件と関係のない支出が行われていないかを各局区等において確認を行い、加えて、総務企画局から各出資法人へ本市職員からの不適切な支出の働きかけの有無について確認を行ったものでございます。この調査の結果、他事業に係る費用を支出している事例や、本市職員からの不適切な支出の働きかけはございませんでしたが、今後につきましても、業務の執行に当たっての法令遵守を徹底してまいります。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。調査結果についてはゼロ件ということです。教育委員会の不祥事が際立つわけなんですけれども、一方で、契約に疑義がありましたかと問うて、はい、ありましたと正直にお答えされるかどうかについては不明瞭なところもあるわけです。いずれにしてもゼロ件ということですから、今後は何も出てこないと思いますけれども、こういった調査については1回実施して終わりということでなく、契約案件でございますので、緊張感を持って適宜調査していただきたいと思います。
今回の不正会計処理を受け、今年度並びに平成31年度の契約はどのように行うのか、この間改善を求めてきましたが、取り扱いについて教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 オリンピアン・パラリンピアン交流推進事業についての御質問でございますが、本事案につきましては、昨年12月の文教委員会において事案の対応も含めて概要を報告した後、委託業者と協議を進めるとともに、事業の効果や手法を検証し、今年度の本事業につきましては、他局の類似事業と比較して高かった人件費の単価等を変更することで委託料の縮減に向けて契約の変更を検討しているところでございます。また、次年度以降につきましては、平成29年度から2年間本事業を実施してきたことにより、市側にもオリンピアン、パラリンピアンとのパイプや事業運営等のノウハウが蓄積されたため、平成31年度予算案におきましては、委託料から市の直接経費への見直しを行い、経費の縮減を図るとともに、実施校数をこれまでの10校から12校へと増加させ、所要額を計上したところでございます。なお、詳細につきましては、今後開催される文教委員会におきまして、教育委員会、スポーツ協会それぞれが作成した本事案の検証報告書の中で御報告してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。事業自体は児童生徒のためにも大事なものですので、しっかりと行っていただきたいと思います。あとは来週の文教委員会で議論させていただきます。
次のテーマに移ります。2月12日に公表されました平成30年度行政監査結果報告書について、市民文化局長、副市長、市長に伺ってまいります。
今回の監査のテーマは、庁舎及び公の施設におけるバリアフリーの対応についてが監査対象となっておりまして、その目的は東京2020オリンピック・パラリンピックを契機にかわさきパラムーブメントを掲げ、誰もが暮らしやすいまちづくりを推進していることを踏まえると、誰もが使いやすい施設整備や環境整備を市職員が共有し、実行しているのかといったソフト面、ハード面の両面から監査がなされております。ディスプレーをお願いします。これは結果についてなんですけれども、非常にひどい結果なんです。公共施設の中でも新築等建築物が基準に適合していることは当然のことですが、右側の青い部分ですけれども、既存建築物においては55施設中51施設、実に93%が不適合となっております。具体的には、これもあきれる内容なのですけれども、例えば階段に手すりが設置されていないから始まり、車椅子使用者用駐車区画に鉢植えが置いてあったり、傾斜路の手すりがない、点字ブロックが敷設されていない、点字ブロックが不適切に敷設されている。具体的には、これは画像でわかりにくいかもしれないですけれども、とまれを示す点状ブロックと線状ブロックの敷設が誤っているという内容なんです。自動ドアがありますよね。だから、進めになっているのをそのまま進んだら本当に危険なわけでございます。ほかにも多々あるのですけれども、時間がないのでこの程度にさせていただきます。我が会派は、これまで再三、現状のパラムーブメントに関しては、イベントの開催や動画等広報物の制作が主たる目的になっていることからも、障害者施策に特化して進めるべきであるということや、まずその理念、哲学を市職員を初め市民にも共有すべきであると、代表質問で再三繰り返し述べてまいりました。今回の監査結果については、パラムーブメントの市民への認知度以前に、市職員全体にパラムーブメントの理念や哲学、障害者差別解消法やバリアフリー法、本市の福祉のまちづくり条例の概念が共有されていない結果、このような事態を招いているのではないかと考えます。また、全部で1,000万円弱かけてつくったパラムーブメントの広報動画、プロモーション動画が市のホームページでも載っているわけなんですけれども、これで使われている公共施設がバリアフリーの不適合という、全くもう、本当に冗談ではない状況があるわけなんです。このような事態を招いた原因についてですが、これまでパラムーブメントの理念については市職員にどのように周知徹底を図ってきたのか、市民文化局長に伺います。また、これを教訓として今後どのように浸透を図っていくのか伺いたいと思います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 行政監査結果についての御質問でございますが、かわさきパラムーブメントの庁内への理念浸透につきましては、これまで階層別職員研修を初め、主に区役所職員を対象とするユニバーサルマナー研修の実施や、関係局においても障害者差別解消法に関するeラーニングを実施するなど、職員の心のバリアフリーに向けた取り組みを進めてきたところでございます。このたびの行政監査の指摘事項につきましては、特にバリアフリー法や障害者差別解消法、パラムーブメントの基本的な考え方である障害の社会モデルや合理的配慮の提供への理解不足により生じているものと認識しておりまして、パラムーブメントの取り組みが始まって3年近くが経過する中、理念が浸透していないことを改めて認識せざるを得ません。今後、監査結果を踏まえた対応を図ってまいりますが、これを契機として、職員一人一人が心のバリアフリーについて掘り下げ、自分のこととして考えるきっかけとなるよう、研修では新たに局区長を含む管理職を対象とするなど、全庁を上げて取り組む具体的な手法について速やかに検討してまいります。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 御答弁ありがとうございました。不適合の施設管理者でもある区長、各局のトップである局長から、直ちに研修するべきという私の指摘については明確な御答弁をいただきました。先ほどの市民文化局長の答弁では、区役所職員へはユニバーサルマナー研修を実施しているということだったのですけれども、監査結果報告書では、窓口職員に対しバリアフリー対応に関する研修の受講経験の有無が調査されておりまして、区役所と市税事務所では、実に88%、704名分の620名の職員が受講経験が「ない」と回答されております。市役所の全職員が、これは皆さんもそうなんですけれども、首にネックストラップをつけていらっしゃるのに、配付されたときにパラムーブメントの理念を理解された上で身につけているのか非常に疑問を感じます。
公共施設におけるハード面の整備につきましては、点字ブロックの不適切な敷設や誤った点字表記など最終的な確認は一体誰が行っているのか、ヒアリング調査を行ったところ、各公共施設の管理責任は当該施設にあるということでした。では、今回のように各公共施設において誤ったままの状態が放置されていた場合には、一体どこの部署が一元管理をするのかと問うたところ、これもゼロ回答だったわけです。今回の監査結果を踏まえ、安全性をしっかりと確保するためにも直ちに改善に着手することは当然のことなんですけれども、不適切な事例が改善されたのかチェック、確認する窓口、部署を速やかに設けるべきだと考えます。これは各局区室にかかわることからも、統括をしております藤倉副市長に対応を伺います。
◎藤倉茂起 副市長 行政監査結果についての御質問でございますが、既存施設のバリアフリー化につきましては、建てかえや大規模修繕の機会を捉え、バリアフリー法や福祉のまちづくり条例に基づき必要な整備等を行っているところでございます。このたびの行政監査の指摘事項である既存施設の誘導ブロック等につきましては、法や条例等に基づくルールへの認識不足などにより生じたものと考えており、施設管理者により適切に管理が行われるべきものと考えております。このため、パラムーブメントの理念の浸透を図る中で、施設管理者を初め、職員一人一人のバリアフリーに関する意識のさらなる醸成を図るとともに、これらのルール等について改めて全庁的な周知徹底を図ってまいります。さらに、施設や制度を所管する関係局が連携しながら、施設の適切な管理に係る具体的な手法を早急に検討するとともに、施設の適正な管理を進めるための体制についても検討し、利用者の安全確保に努めてまいります。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。ディスプレーは結構です。施設の適切な管理に係る具体的な手法を早急に検討するということや、体制を整えるという明確な御答弁をいただきました。御答弁では、早急に、速やかにの文言が飛び交っておるわけなんですけれども、ハード面の安全確保については学校ブロック塀のときと議論は全く同じです。地震はいつ来るかわからないけれども、目の前に危険があるわけです。先ほどの画像でもそうなんですが、手すりや点字ブロックの不適切な設置については、利用者がけがをしてからでは大ごとですので、速やかに対応するよう求めておきます。また、今後このような事例が発生しないよう、施設管理者だけでなく複数の目でチェックできる体制を求めておきたいと思います。
今回の報告書を踏まえ、パラムーブメントを推進してきた市長の認識を伺いたいと思います。また、公共施設のバリアフリーについては、監査対象局だけでなく対象局以外も全庁的に調査を行うべきと考えます。対応を伺います。さらに、2月に報告書が示されたことからも、指摘されている箇所については予算措置されていないものと考えます。しかしながら、点字ブロックなどの不適切な敷設等に関しては、直ちに改善しなければ安全性が確保されません。補正予算や予備費を含め、何らかの形で予算措置を行い、速やかに改善するよう強く求めます。対応を市長に伺います。
◎福田紀彦 市長 行政監査結果についての御質問でございますが、本市においてはかわさきパラムーブメントを掲げ、誰もが自分らしく暮らし、自己実現を目指せるまちづくりを目指しているところでございまして、今回の監査において本市施設に対して多くの指摘を受けたことに対しましては、これを真摯に受けとめ、速やかに対応する必要があると考えております。今回指摘を受けた点字ブロック上の障害物の除去など、直ちに対応可能なものについては既に改善を実施したところでございますが、今後、かわさきパラムーブメントやバリアフリー法、福祉のまちづくり条例等の趣旨、理念、市民の皆様の安全確保の観点から、重要な項目を中心に平成31年度上半期をめどに各施設の実態調査を実施した上で、必要に応じて予算を確保しながら計画的にハード面の対応を進めるとともに、さらなる職員の意識向上に取り組むことにより、ソフト面での対応の充実を図ってまいります。以上です。
◆岩隈千尋 委員 明確な御答弁ありがとうございました。今、市長から御答弁いただいた点字ブロック上の障害物の除去ですけれども、市長もパラムーブメントの動画をごらんになったことがあるかもしれませんけれども、市が作成した動画の中には、女子高校生が視覚障害者の方に気づいて、自分のバッグが点字ブロックの上に置いてあったので、かばんをすっとどけるというようなシーンがあるわけです。一方で、点字ブロック上の障害物については、川崎病院、多摩病院にもありましたから、病院にそういったことがあるということ自体ナンセンスなお話なんですけれども、多くの公共施設で確認をされております。理念が浸透していない証左であり、これは非常に残念な結果です。また、今回の質疑を行うに当たって認識したことは、監査の指摘は各局区室にまたがっているということもあって、私の質問をどこの局が引き受けるのかということも含めて、本当に市の職員さん自体が自分事で捉えていない姿でした。平易な言葉であらわせば、問題意識が本当に欠如していると言わざるを得ません。我々の会派は、繰り返しになりますけれども、3年以上前のかわさきパラムーブメント第1期推進計画の策定段階より、理念、哲学の浸透が一番時間を要して困難であることからも、障害者施策にはしっかりと特化して取り組むべきであるということを再三指摘してきたわけなんです。我々自身も、例えばパラムーブメントの先進事例である別府市などを訪問して、そこで学んだこと、情報や資料、こういったものを全て局にお渡ししているということはもう御存じのとおりだと思います。今回、仏つくって魂入れずが明らかになったわけですから、我々のこういった提案をしっかりと真摯に受けとめていただいて、いま一度全庁全職員上げて、我々議員もですが、足元からパラムーブメントの理念、哲学を共有できるよう、これは強く求めておきたいと思います。
次のテーマに移ります。防災啓発の広報物に関する事業費について危機管理監に伺います。現在、本市が発行している防災啓発の広報物については電子媒体と紙媒体のものがあり、紙媒体の広報物については種類も多く、ボリュームも多いのが実情です。ちょっと持ってきたんですけれども、大体これだけあるわけです。一つ一つ説明したら時間がかかりますけれども、結構あるという話なんですけれども。「号外!備える。かわさき」については100名ぐらいの方に聞き取り調査を行いました。98名が、廃棄した、もしくはどこに行ったかわからないという回答で、2名が一応保管しているということでした。でも、ちなみにこの2名は市の職員さんです。防災啓発のコンテンツについては、ハザードマップのように随時更新しなければいけないものもありますが、災害についての基本的な事項については変化しないものも存在します。何度も議会でも取り上げられていると思いますけれども、東京都が作成をしておりますハードカバーの「東京防災」のように単行本サイズにまとめるなど、まず廃棄されず、市民に対しより伝わる防災啓発の広報物を作成すべきではないでしょうか。年間の防災啓発の広報物の費用と発行部数を含め、危機管理監に見解を伺います。
◎高橋実 危機管理監 防災啓発の広報物についての御質問でございますが、本市では、市民の皆様方が自然災害等と向き合い、正しく備え、災害に直面した際、慌てず冷静に適切な行動をとっていただけるよう「備える。かわさき」をメーンに、大地震をイメージし、備えていただくための「川崎に大地震が起きた日」、テーマを絞り、市内全ての御家庭にお配りした「号外!備える。かわさき」、企業や事業所などターゲットを絞った「川崎市内企業・事業所のためのBCP作成のススメ」など、きめ細やかな防災啓発を行っているところでございまして、年間に約108万部の防災啓発広報物を約2,060万円の経費により作成、配布しているところでございます。今年度の「号外!備える。かわさき」で実施した読者アンケートでは、防災啓発広報物について、8ページぐらいの分量がちょうどよい、防災に興味を持つきっかけさえあればインターネットで調べることができるという御意見があった一方、さまざまな情報を1冊にまとめた冊子が欲しいという御意見もございました。加えて、紙媒体で定期的に全戸配布することについてもニーズがあることがわかったところでございます。防災啓発におきましては、ICTを活用することでより効果的に市民にお伝えすることができる一方で、一覧性が高く、保管ができ、情報が届きやすい紙媒体も引き続き重要なツールと考えております。今後につきましても、アンケート結果や出前講座などでいただきました市民の皆様の御意見を参考にしながら、区と連携し、できるものから整理を進め、より伝わると同時に廃棄されない防災啓発の広報物の作成に向けまして、さらなる改善と検討を続けてまいります。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。中原区では、情報をまとめた冊子を今年度作成しているということで、こちらなんですけれども、いろいろと結構書かれているんですけれども、中身を確認させていただきました。これは民間事業者の広告も含まれていることとか、文字についても、ページによって差異があったり、空白が占めているページがあったりということで、その試みは大変すばらしいと思うんですけれども、改善の余地がもう少しあるのかなと思います。いずれにしても、整理を進めるという御答弁でしたので、廃棄されない広報物の作成についても次年度は速やかに着手していただきたいと思います。伝わる防災ということに関しては、地域に目を向けると、町内会に加入されている方々は地域での防災訓練等には参加するなど比較的防災意識が高いわけですけれども、若い世代は、市のビッグデータ等の結果を見ても、地域イベントに参加したり、防災訓練の参加率も低いことがうかがえます。そこでなんですけれども、去年の8月に、こちらですけれども、こども防災絵本「ダイジシーンからのおねがい」という絵本が作成をされております。市内の保育園などに配付されたと仄聞しております。配付は結構なんですけれども、配付だけでなく、若い世代が集まる地域子育て支援センターで絵本等を活用した防災啓発を行うなど、次年度は新たな取り組みをこども未来局と連携し実施してもよいのではないでしょうか。見解を危機管理監に伺います。
◎高橋実 危機管理監 若い世代への防災啓発についての御質問でございますが、今年度、本市初の試みとして、子どもたちに幼少期から地震対策の大切さを伝えるための防災絵本「ダイジシーンからのおねがい」を現役の保育士や読み聞かせボランティアなど多くの関係者を集めて作成いたしました。この防災絵本は、子育てに忙しい若い世代において、親から子への読み聞かせを通じて防災について語り合う機会が生まれるツールとしてだけでなく、巻末には保護者向けに、子どもを守るためにできることとしてチェックリストも掲載しておりまして、市内にお住まいの約1万2,000人の5歳児に保育所及び幼稚園を通じてお届けしたところでございます。また、この絵本をもとに作成した防災紙芝居につきましても、現在、5歳児童を預かる各園に配付しているところでございます。こども防災絵本等の活用につきましては、ぼうさい出前講座に加え、区役所やこども未来局が開催する子育て世代を対象としたイベント、すくらむ21や市立図書館での読み聞かせなど、関係局区と連携した取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 前向きな御答弁をいただきましたので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次のテーマに移ります。英語学習等に関する事業費について、教育次長に伺います。13款1項7目、外国語指導助手配置事業についてですが、昨年の
予算審査特別委員会では、ALTの配置事業費については、民間事業者と委託契約を交わしているものの、委託の業務完了届等が予算規模の大きさ――次年度は4億2,398万円余となっておりますけれども――と比較すると非常に簡素なものになっていることを指摘し、業務が適切に執行されているか、より明確になるよう事業者に報告を求める制度設計を要望してきました。1年が経過しましたが、どのように改善されたのか、教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 ALTの配置事業費についての御質問でございますが、ALT配置事業の業者選定に当たりましては、業務の内容の詳細を仕様書に示し、公募型プロポーザル方式において適正に選定しております。受託事業者は、仕様書に基づき、毎月委託業務完了届を総合教育センターに提出しております。委託業務完了届には派遣先の学校長の検収印が押印された各学校のタイムシートが添付されており、総合教育センターがそれをもとに各学校での講師の業務遂行状況を確認しているところでございます。あわせて、業務内容がより適切に行われているかを把握するため、今年度から4名の業務責任者が各学校を訪問し、授業参観及びヒアリングを実施しているところでございます。業務責任者が得た情報につきましては、総合教育センター外国語教育担当者が月2回の受託事業者との打ち合わせの中で報告を受け、必要に応じて指導しております。今後もALTの業務が適切に行われているかを明確に把握できるよう努めてまいります。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 明確な御答弁ありがとうございました。今年度より新しく小学校中学年に外国語活動が先行実施されております。かねてより求めていた週1回ALTと授業を行うことについては、外国語活動が小学校3年生・4年生に拡大したために困難になることを数年前から指摘し、サポート人材の導入を求め、今年度は英語強化教員の配置も行われております。まず、今年度導入された英語強化教員の現場における効果について伺います。また、小学校3・4年生に新しく導入された外国語活動に対する児童の反応と、そこから見出した課題を、学習指導要領が本格実施されます2020年までに解決しなければいけません。対応策についても教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 小学校外国語教育についての御質問でございますが、英語強化教員による支援につきましては、各学校へのアンケート調査結果から、小学校外国語教育の拡充に対し大変有効であり、効果的な支援が行われていると判断しておりますので、引き続き、学級担任が自信を持って英語の授業に取り組めるよう支援することが重要だと考えております。中学年の外国語活動への取り組み状況につきましては、今年度は文部科学省が作成した教材を活用して授業を進めております。子どもたちの反応といたしましては、初めて耳にする英語の音やリズムに興味を示し、とても意欲的に授業に取り組んでいる、高学年の児童に比べて物おじせずにALTに話しかけたり、恥ずかしがらずに積極的に英語を話そうとするなどの報告を受けております。今後の取り組みにつきましては、ALT配置の拡充を進めるとともに、英語強化教員による支援も当面継続してまいります。あわせて、教員研修の充実や大学と連携したプログラムによる小学校教員の英語指導力の向上を図ってまいります。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。私の議員の任期中、毎回
予算審査特別委員会のときに英語学習については議論してきましたが、実は私、議論の中でこの指導方法がいいとか、教授方法がいいとか、指摘したことは一度もないんです。これは実は理由がありまして、英語のスキルがあるということと、児童生徒に対してうまく授業ができるということとは違うというのを、自分が現場にいたから実感したわけなんです。では、なぜ取り上げているのかということについては、今、教育次長から御答弁いただきましたように、日本人が英語ができない一番のポイントは、昨日も英語の議論がありましたけれども、恥ずかしい、シャイである、物おじする、ここがポイントだと私は思っております。公教育における英語学習については、私は、もう小学生のレベルであれば、まずは外国人と触れ合うこと、恥ずかしさを払拭できるような環境を整えることが主たる役割かなと思っております。教職員の英語のスキルは別議論ですけれども、小学生の早期英語教育への過度な期待をするのではなく、伸び伸びと自由闊達な英語を学習できる環境、あと、中学年ですから、国語教育と両輪で取り組んでいただかなければならないわけなんですけれども、そういった環境整備に今後も努めていただきたいと思います。
最後の特定不妊治療費助成事業についてなんですけれども、こちらは意見と要望だけにさせていただきたいと思います。若い御夫婦からの相談件数がふえております。内容については、自治体間での助成制度に差があるのはおかしいのではないかということについてです。これについては、東京都と川崎市との差だけでなく、神奈川県下でも一般市のほうが、県、市、両方から助成があるので充実をしております。そもそも論として、本事業に関しては、住んだ場所によって差があること自体おかしいわけなんですけれども、今回ほかの政令市の状況を調査したところ、既に9都市が、国の制度に加え独自助成を設けております。財源論は認識をしているわけなんですけれども、本市はどこよりも子育てしやすいまちを目指すということを、今回の予算の資料についても、また、市の戦略の中でも位置づけております。その本市が、本事業発足から約15年経過して、なお独自助成についての研究も検討も行わないことはちょっと理解に苦しみます。不妊治療に関しては、厚生労働省のデータによりますと、30歳で19.9%、40歳になると7.7%と、治療をしても妊娠するのは非常に困難なことがうかがえます。年齢が若いうちに集中的に治療することが求められるわけなんですけれども、若いうちは所得が厳しいわけです。今回何かメニューはないのかということで、国の来年度予算を、私、詳細を調査してまいりました。そうすると、そこには男性不妊治療に係る助成拡充が予算計上されておりました。ただ、具体的なことはまだ一切何も決まっておりません。これは年度途中に通知されるのかもしれませんが、国が制度を明らかにした段階で、例えば年度当初の4月にさかのぼって請求することを可能にするとか、本市もすぐに活用、そして対応できるよう制度設計を要望し、質問を終わります。
◆宗田裕之 委員 私は、臨港道路東扇島水江町線整備事業について、市営住宅修繕維持事業について、市民プラザの老朽化対策について、一問一答方式で質問いたします。
まず、臨港道路東扇島水江町線整備事業について港湾局長に伺います。代表質問では、事業評価監視委員会が出した再評価と総事業費を了承した経過について質問いたしました。今回は、国土交通省が再評価の資料として出している臨港道路整備事業の事業目的について質問いたします。まず、事業目的の物流機能の強化についてです。川崎市は2014年11月に川崎港港湾計画を改訂し、コンテナ貨物取扱量の見通しを平成30年代後半に年40万TEUとし、臨港道路の必要性の最大の理由にしています。今回の物流機能強化の最大の理由の一つにもしています。しかし、この間、川崎港は2009年から8年間で約9万TEU増加しましたが、平成30年代後半まであと8年、同じペースで増大しても21万TEUにしかなりません。また、コンテナ航路数は、これまでの実績は2017年までは5航路で12万TEUです。1航路当たり2万4,000TEUで、今後5航路ふえるとしていますが、このペースでふえたとしても24万TEUにしかなりません。8年間で40万TEUを達成するには、今のコンテナ貨物量の3.3倍、330%にする必要があります。しかし、隣の横浜港は、この10年間でコンテナ取扱量は55万TEU減らしているのです。東京港も日本全体の取扱量を見ても、この10年間ほとんど変わりはありません。どうして川崎港だけ今後8年間で3.3倍になるのでしょうか、非常に疑問です。コンテナ貨物取扱量が平成30年代後半に年40万TEUという目標について、あと8年で達成できる見込みがあるのか、具体的根拠について伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 コンテナ貨物取扱量についての御質問でございますが、川崎港港湾計画におけるコンテナ貨物取扱量の目標値といたしまして、平成30年代後半において40万TEUを設定しているところでございます。これまで川崎港では官民一体となった積極的なポートセールスを実施した結果、新規航路の開設が相次ぎ、コンテナ貨物取扱量は着実に増加し続けているところでございまして、平成29年の公共埠頭における取扱量は11万9,000TEUと過去最高を記録し、平成30年においてもさらなる増加が見込まれているところでございます。さらに、国の事業評価監視委員会の資料においても、川崎港のコンテナ貨物量は5年で約3倍に増加していることが、コンテナ貨物の動向等として記載されているところでございます。また、平成32年度までにコンテナ貨物取扱量を15万TEUとする目標を官民で構成する川崎港戦略港湾推進協議会において決定し、コンテナターミナルの蔵置能力の拡充に向けた施設整備を進めているところでございます。今後とも、積極的なポートセールス活動を展開し、さらなる川崎港の発展に向けた取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 コンテナ貨物量は5年で約3倍との答弁でしたが、9万TEUふえて現在12万TEU、このペースでふえても8年後には21万TEU、目標の半分です。40万TEUに達するという根拠は全くありません。横浜港は大幅に減らし、日本全体が横ばいという状況で、8年後に現在の3.3倍化というのは全く現実味がありません。事業目的、緊急物資輸送ルートの多重化についてです。緊急物資輸送ルートとして海上輸送物資を東扇島の基幹的広域防災拠点から被災地に輸送するとのことですが、わざわざ市内中心からは遠くて、橋やトンネルを必要とする東扇島から物資を輸送することが現実的なのでしょうか。橋やトンネルは災害時に通行できなくなる可能性も高いのです。東扇島よりももっと市内に近い岸壁、物資の輸送に適している箇所は幾らでもあるのではないでしょうか。災害時には、トンネルや橋は通行どめになる可能性はないのか伺います。また、なぜわざわざ市内から最も遠い東扇島に緊急物資を陸揚げして輸送するルートをとったのか伺います。基幹的広域防災拠点といっても、岸壁もない人工海浜に船から荷揚げするとのことです。しかも、説明では、海上自衛隊のLCACという特殊な船を使って輸送訓練をしていますが、なぜ岸壁もない人工海浜に陸揚げをする必要があるのか伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 緊急物資輸送ルートの多重化についての御質問ですが、初めに、災害時における緊急物資の輸送についてでございますが、現在、東扇島と内陸部を結ぶルートにつきましては川崎港海底トンネルのみでございまして、災害時におけるリスク分散を図るため、臨港道路東扇島水江町線の整備が橋梁構造にて進められているところでございます。こうした構造の異なる2つのルートが整備されることにより、緊急物資輸送ルートの多重化が図られるものでございます。さらに、今回、国において耐震設計の見直し等がなされたことにより、橋梁の耐震性はさらに向上されるものでございます。次に、東扇島への緊急物資の陸揚げについてでございますが、東扇島東公園は大規模災害が発生した際に緊急物資の輸送を図る首都圏における基幹的広域防災拠点に位置づけられているところでございます。次に、緊急物資の受け入れについてでございますが、基幹的広域防災拠点への緊急物資の輸送用岸壁として、東扇島9号岸壁及び31号岸壁を位置づけております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 内陸を結ぶルートはトンネルのみという答弁でしたが、わざわざトンネルを通らなくても、もっと内陸に近い埠頭がたくさんあります。千鳥町の市営埠頭は島周辺全体の半分以上を占めており、岸壁も1号から7号など10カ所以上あります。市内にも近く、ここを基幹的広域防災拠点として整備すれば何の問題もありません。市内から最も遠い東扇島に緊急物資を陸揚げして、そこから輸送するという構想自体に無理がありますし、このルートのために橋が必要というのは根拠になりません。
事業目的の交通渋滞の解消についてです。国土交通省の資料では、夜光交差点や塩浜交差点の渋滞がひどい、国道357号の出入り口周辺が混雑しているとして、交通渋滞の解消の必要性を強調しています。しかし、交通渋滞の箇所が夜光交差点や塩浜交差点、国道357号の出入り口周辺ということであれば交差点改善や物流ルートの改善で対応するのが普通ではないでしょうか、伺います。これら交差点や国道357号の先のトンネルが渋滞しているということならまだ話はわかりますが、トンネル内の渋滞はあるのでしょうか。トンネル内の混雑度について、混雑度の対策が必要な基準は混雑度1.25です。しかし、2015年2月、市民委員会の資料で、海底トンネルの計画交通量1日2万9,000台に対し、現状、ピーク時で1日3万5,000台の交通量に達するとありますが、ピーク時の3万5,000台を超えた日は年間で1日のみで、しかもその混雑度は1.21です。対策が必要な1.25を超えた日は1日もなかったということです。トンネルの混雑度は、週4日は混雑度1.04、週3日は混雑度0.63で、市の渋滞対策を担当する建設緑政局に聞くと、1.0に近くても、それだけでは混雑をしているとは言えず、1.25を超える場合であっても、新たな道路の整備の前に、まずは交差点の車線や信号の調整などソフト対策を優先するということでした。トンネル内の混雑度はピーク時であっても1.25を超えない程度で、とても新たな道路が必要な状況ではありません。新たな橋をかけるほどの渋滞はどこで起こっているのでしょうか、伺います。川崎駅から東扇島への通勤利便性のために新たな道路ができてもトンネルルートはわずか2分短縮、臨港道路経由でも10分短縮です。そのために980億円もかける必要があるのか伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 交通渋滞についての御質問でございますが、国道357号と市道東扇島1号線との交差点の混雑の緩和につきましては、川崎港運協会を初め立地企業から継続的に要望をいただいているところでございまして、交通混雑の緩和と安全性の向上は物流の円滑化などの観点からも重要な課題と認識しております。こうしたことから、本市といたしましては、当該地域の交通環境の改善などに向けて国や交通管理者等と連携を図り、現地調査や勉強会を開催するなど、協議を進めているところでございます。次に、交差点改良や物流ルートの改善についてでございますが、東扇島地区につきましては、総合物流拠点としての機能強化が図られていることから、交通渋滞の改善に向けて臨港道路東扇島水江町線など新たな物流ルートの構築とともに、交差点改良などに取り組むことが必要と認識しております。次に、臨港道路東扇島水江町線の費用対効果についてでございますが、本事業は、国の直轄事業として、本年1月に国の事業評価監視委員会において、走行時間短縮便益などの効果が費用を上回ることなどから事業の継続が了承されたところでございまして、本市といたしましても、川崎港の物流機能と防災機能の強化など整備効果の高い事業と認識しているところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 新たな橋が必要になるほどの渋滞が起こっているのかという質問に対して、何ら具体的な答弁がありませんでした。トンネル内は混雑というほどの状態ではなく、東扇島からかなり離れている夜光交差点、塩浜交差点の混雑ならば、交差点の改良で済むのです。国道357号出入り口付近の混雑は、我が党の議員が指摘したように、信号の設置や物流ルートの改良が優先で、橋が必要という理由にはなりません。東扇島労働者の避難路という理由について伺います。臨港道路東扇島水江町線について、市長は、災害時の緊急物資の輸送路と東扇島の就業者1万人の人命を守るための避難経路になると答弁しておりました。しかし、市の避難計画では島内における垂直避難を基本とし、車による避難は奨励しておりません。しかも、水江町はコンビナート災害の可能性が高く、津波浸水地域であり、そもそも災害時は橋やトンネルは通行どめになる可能性が高いのです。避難施設にしても、東扇島には5カ所の津波避難施設1,700人分がありますが、水江町には1カ所200人分しかありません。東扇島の労働者を、なぜ危険な橋を渡って津波浸水地域の水江町に誘導するのか伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 避難路についての御質問でございますが、本市地域防災計画において、津波から身を守るためにはまず津波が到達しない高台に避難することが大原則とされているところでございます。災害時においては、避難経路や避難手段を確保することが重要でございますが、災害の形態や発生場所は特定できず、避難すべき場所は状況によって異なることから、避難経路に選択の幅を持たせることが重要でございます。臨港道路東扇島水江町線の整備につきましては、防災上の観点からも重要と認識しております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 答弁のように、市の地域防災計画でも高台避難が大原則です。震災の際、危険な橋に誘導したり、火災や浸水の危険のあるコンビナートへの避難誘導は間違っているだけではなく危険であり、橋が必要な理由には全くなりません。事業目的の変更について伺います。これまで議会でこの橋の目的、必要性について論戦してきましたが、その根拠はことごとく崩れ、目的が次々と変わってきています。最初はコンテナ取扱量が平成30年代後半に年40万TEUになるという理由、次に、東扇島の労働者の避難路を持ち出してきて、さらに、海底トンネルの渋滞対策で交通の分散化を図るためという理由を出されました。今回は緊急物資輸送ルートの多重化のためとしていますが、東扇島から緊急物資を輸送すること自体、現実的ではありません。このように事業目的が毎回変わるごとにその理由は破綻していますが、なぜ毎回事業目的が変わるのか伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 事業目的についての御質問でございますが、臨港道路東扇島水江町線は平成21年度に国において事業採択をされているところでございまして、事業の目的は、東扇島地区と内陸部との円滑な接続により物流機能を強化すること、及び、東扇島地区と内陸部を結ぶ緊急物資輸送ルートの多重化を図り、防災機能を強化することとされており、現在まで同様でございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 答弁された物流の強化や緊急物資輸送ルートの根拠は、これまで述べてきたように、橋が必要という理由にはなりません。当初から最大の理由であるコンテナ取扱量が平成30年代後半に40万TEUになるという根拠が崩れて、他の理由を持ち出してもそのたびに根拠が崩れてきたというのが今の現状ではないでしょうか。それでは、事業費の増額について伺います。今回、事業変更について意見を求められた市長は、確実に予算を確保、執行し、事業期間内に完成させるよう整備を推進されたいと巨大事業に前のめりであり、今後も事業の進捗状況等については、本市と情報共有を図るとともに、事業内容に重大な変更等が生じる場合には、十分な時間的余裕を持って調整されたいと述べています。それでは、1本の橋に980億円も予算をかけながら、さらに事業費が膨れるとお考えなのでしょうか、伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 事業費の増額についての御質問でございますが、国の事業評価監視委員会の開催に当たりまして、本事業に係る原案に対して平成30年12月に国から意見照会があったところでございます。本市からは、徹底したコスト縮減により総事業費を圧縮されたい等の意見を国に対して提出したところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 2016年の事業評価監視委員会の報告のときにも、市長はコスト縮減を要望してきましたが、今回総事業費が約2倍に膨れ上がったんです。これはもう市長の要望を全く無視したものであり、異議を唱えるべきですし、簡単に受け入れるべきではありませんでした。また、総事業費がこれ以上膨れないという根拠もありません。それでは、市内の橋の老朽化について伺います。川崎市内には既存の道路橋が全部で619本あり、かけかえを含め、老朽化対策が必要な橋が多くあります。中でも橋の年齢が60年以上の主要な橋梁は10本あり、多くは緊急輸送道路に指定されています。ところが、7本はかけかえの計画はなく、川崎市橋梁長寿命化修繕計画では、予防保全型の修繕による延命策で長もちさせるということです。比較的規模の大きな165本の橋梁について、かけかえを含む従来の対症療法では、今後60年間で最低でも620億円が必要になると試算しています。市民生活にとって必要性も説明できないような不要不急の巨大な橋に980億円もつぎ込み、問答無用で強行するのではなく、市民生活に身近な橋梁のかけかえ、維持補修の取り組みに予算を振り向けるべきです。伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 事業の必要性についての御質問でございますが、臨港道路東扇島水江町線は、東扇島地区と内陸部を結ぶ臨海部交通ネットワークの一翼を担い、川崎港の物流機能を飛躍的に向上させるとともに、災害時におけるリダンダンシーの確保などが図られるものと認識しております。また、橋梁の維持補修につきましては、関係局において川崎市橋梁長寿命化修繕計画を策定し、可能な限り橋梁の延命化を図れるよう、効率的、計画的な維持管理に努めているところでございます。こうしたことを踏まえ、災害に強い交通環境の整備に向け、関係局と連携し、国の直轄事業である臨港道路東扇島水江町線の整備に取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 1本980億円かかる橋に対して、その必要性、根拠については全く説明できていません。その一方で、築60年以上の橋が市内に10本あり、7本がかけかえの計画もなく、そのほかに修繕が必要な橋が市内に165本あり、その総額は620億円です。臨港道路東扇島水江町線の整備事業は中止し、市民生活に必要な橋梁のかけかえ、維持補修こそ早急に実施すべきです。要望しておきます。
それでは、10款、市営住宅修繕維持事業について
まちづくり局長に伺います。高津区の市営久末住宅の建てかえで住民の方の引っ越しが行われていますが、住民の方から、部屋を引っ越す際に経年劣化した畳などの修繕費で10万円以上も請求されたなどの声が上がっています。一方、2017年の民法改正で、自然な劣化の修繕費は貸し主の負担と明文化され、これを受けて国土交通省は、昨年3月、賃貸住宅標準契約書を改定いたしました。現状では、市営住宅のふすまや畳などの修繕費は借り主負担としてきたものが、改定された賃貸住宅標準契約書により、経年劣化による修繕費については貸し主負担とするように変更されました。これに呼応してUR都市機構は、昨年末、住居者負担で修繕する項目の見直しを発表し、その結果、現行81項目の修理項目の約8割をUR都市機構負担としました。それでは、本市の市営住宅でもこれに関する改定は行われるのか伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 市営住宅の修繕費についての御質問でございますが、修繕費負担区分等の見直しにつきましては、改正民法が施行される平成32年4月1日に向け、現在、国や他都市の動向を踏まえながら検討を行っているところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 これから市営住宅の建てかえが各地で行われます。ぜひ一刻も早い修繕費の負担分担の見直し検討をお願いいたします。
それでは、市民プラザの老朽化について市民文化局長に伺います。川崎市民プラザは、現在市民のいろいろな活動の拠点として利用されていますが、最近多くの市民の方から施設の老朽化についての御意見を多く伺っています。まず、市民プラザの築年数と、昨年度の利用者数、指定管理料を伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 川崎市民プラザの築年数等についての御質問でございますが、川崎市民プラザは市民の健康の増進及び文化の振興を図るとともに、市民相互の交流の機会を提供することを目的として、昭和54年5月に開設され、築39年になります。なお、平成29年度の利用者数は45万8,873人、指定管理料は年間約2億7,485万円となっております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 年間約46万人の方が利用していますが、建ててから約40年近くたっています。それでは、プール、更衣室、シャワー室について伺います。ディスプレーをお願いいたします。写真のように、プールの内装の表面が剥がれてきています。また、管理している方から伺いましたけれども、至るところから雨漏りがしており、床の防水もきいていない状況だということです。屋根は、実は、開閉式になっていますが、開閉するとコンクリートの塊が落ちるかもしれないということで開閉は禁止されているということでした。それでは、プールの内装について、前回の内装改修から何年たっていますか伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 プールの内装についての御質問でございますが、全面的な内装改修は平成4年に実施し、それ以降につきましては、施設の安全確保や運営に支障を及ぼす箇所の整備修繕を優先的に実施しており、プールの内装は、必要に応じて部分的に改修しているところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 プールの全面内装は15年ぐらいやられていないということです。管理している方にお聞きしましたが、実はボイラーが古く、しょっちゅう故障しており、水温が上がり切らない日があるということでした。ここを管理している方は民間のスポーツ事業者ですが、通常、民間の場合は3年から5年で改装、補強するのは当たり前ということですから、これだけの期間、改装も補強もやられていないというのは、民間では考えられない状態だということです。それでは、シャワー室について伺います。市民の方からシャワー室や更衣室が汚くてなかなか利用する気にならないなどの声を聞いています。更衣室やシャワー室について、前回の改修から何年たっていますか伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 更衣室等の改修についての御質問でございますが、主な改修といたしましては、昭和63年にプールの男女更衣室の床改修、平成15年に足洗い場のシャワー改修、平成25年に更衣室のロッカー入れかえ、平成29年にすのこ張りかえなどを行ったところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 ディスプレーの写真を見ても、かなりいろいろな箇所の改修が必要な状態でした。それでは、トイレについて伺います。これがトイレですけれども、トイレもかなり古く、市民から洋式トイレを多くしてほしいという要望が出ています。さらに、冷暖房設備についてですけれども、冷暖房設備は相当古くて、会館の空間も広いため、昨年の夏などは冷房がきかず苦情が相次いだということでした。地下にある幼児用プレイルームも暑過ぎて使用を控えるような状況だったということです。冷暖房設備の更新も必要です。さらに、庭園についてですけれども、市民の方から庭園の管理がやられていないのでは、特に池は落ち葉などで水が濁っているなどの声が寄せられました。それでは、庭園の伐採や池の手入れなどはどのようになっているのでしょうか伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 庭園等の管理についての御質問でございますが、庭園を含めた施設全体の簡易剪定や、落ち葉の処理等を指定管理者が週3回実施しておりまして、昨年度は隣接地に枝が越境していた3本の高木を伐採したところでございます。また、池の管理につきましては、おおむね月1回程度、給水及び水を循環させる対応をしております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 庭園や池の状態を見てきましたけれども、そんなに頻繁に手入れされている状態ではありませんでした。宿泊事業についてです。多くの市民の方から、以前は宿泊施設があり、安く泊まれて助かったが、今はやっていない、ぜひ復活してほしいという声が寄せられています。宿泊事業を廃止した年とその理由について伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 宿泊事業を廃止した理由等についての御質問でございますが、川崎市指定都市記念事業公社の解散に伴って指定管理者制度を導入するに当たり、利用実態や費用対効果などを踏まえながら、施設のさらなる有効活用を検討した結果、宿泊事業につきましては平成24年4月に廃止したところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 それでは、最後に要望いたします。以上のように川崎市民プラザは、プール、更衣室、シャワー室などは早急に全面改装や修繕が必要です。ぜひお願いをいたします。冷暖房設備やボイラーの設備の更新、トイレの洋式化や庭園の定期的な整備などもお願いいたします。宿泊事業の復活も指定管理費を増額するなどして要望に応えるようお願いいたします。質問を終わります。
◆浅野文直 委員 私は、4款1項1目こども青少年総務費についてこども未来局長に、5款4項1目老人福祉総務費について健康福祉局長に、6款5項2目施設建設費について建設緑政局長に、それぞれ一問一答で伺わせていただきます。
初めに、4款1項1目こども青少年総務費のうち私立幼稚園園児保育料等補助事業費についてこども未来局長に伺います。この保育料等補助事業は国の幼児教育・保育の無償化決定前後にも多くの議論がされてきましたので、1点についてのみ伺いたいと思います。新制度導入による無償化に伴う川崎市の負担がこれまで程度で済むようになり、市財政への影響としては安堵したところであります。しかし、新制度による公費負担では、地方の保育園では保育料部分だけであれば確かに無償化されるかもしれませんが、川崎市内では、毎月1万円を超える保護者の持ち出しが想定されています。また、そもそもこの新制度における公費算入では入園費の考え方が乱暴に思えますし、送迎費や給食費も考慮されていません。これでは無償化という言葉とはほど遠い実態になりかねません。そこで伺いますが、10月から導入される新制度を川崎市内の幼児教育に当てはめた場合にどう捉えられているのか、今後は課題解決を国等へ働きかけるべきと考えますが、見解を伺います。
◎袖山洋一 こども未来局長 幼児教育の無償化についての御質問でございますが、本市を含め、都市部の私学助成の幼稚園の保育料は国の就園奨励費の補助基準より高い水準であるため、従来から市独自での上乗せ補助等を行い、保護者負担の軽減に努めてきたところでございますが、本年10月から無償化が実施されることにより、確実に保護者の負担軽減が図られるものと考えております。今後につきましては、無償化の取り組みの実施状況を確認しながら、国への要望等を初め対応を検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆浅野文直 委員 10月から新しい制度が始まるわけでございますけれども、私も政令市の幼稚園協会の皆さんがお集まりの研修会に、父母の会連合会の役員を務めているときに参加させていただいたことがございます。皆様の手元にもあるとおり、川崎市の私立幼稚園の保育料が政令市の中でもトップにあるというのは明らかな事実でございまして、お子さんを預ける保護者にとりましては、どうしても持ち出し額がかなりの金額になっている。もちろんこれまでに比べれば軽減されるわけでありますけれども、無償化、無償化という言葉が飛び交っている中で、実際は無償化ではないじゃないかということになるわけでありますから、ぜひ10月からの取り組み状況によっては、もうどうなるかは見えているわけでありますので、他の都市でも同様の問題が起きているわけですから、協力連携していただきながら、さらなる改善に向けて働きかけをお願いしたいと思います。場合によりましては、改選後、議会としても国に意見書等を出す必要があると考えるところでございます。
続きまして、5款4項1目老人福祉総務費について健康福祉局長に伺います。近年、これらの費用を補助金として建設される特別養護老人ホームであったり、また、特定施設入居者生活介護施設、グループホームなどに地域交流スペースの設置を進めてきました。選定要件として設置を進めたもの、また、入札における加点要件として設置を進めたものがありますが、これまでの設置と利用の状況について伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 地域交流スペースについての御質問でございますが、初めに、地域交流スペースは、地域住民が集い、地域福祉の活動を行うことや、施設内における交流などを目的としたスペースとして設置されるもので、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホーム等の法人公募に際して整備指針を定め、応募要件や加点要件などを設けることにより設置を推進しております。地域交流スペースの設置数は、特別養護老人ホーム41カ所、認知症高齢者グループホーム18カ所、介護つき有料老人ホーム4カ所、合計63カ所となっております。次に、利用状況につきましては、昨年実施した特別養護老人ホーム地域交流スペース利用実態調査によると、地域交流スペースを設置している41施設の貸出日数は1カ月平均約6.8日となっております。また、認知症高齢者グループホームへの利用頻度に対する調査では、回答のあった13施設では「週1回から2回程度」が2カ所、「週3回から4回程度」が2カ所、「週6回程度」が1カ所、「月1回から2回程度」が4カ所、「月3回から4回程度」が3カ所、「ほとんどない」が1カ所でございました。また、介護つき有料老人ホーム4カ所へのヒアリングでは、「月3回から4回程度」が2カ所、「ほとんどない」が2カ所でございました。以上でございます。
◆浅野文直 委員 今の御答弁ですと、市内63カ所ですから各区に10カ所近く地域交流スペースというものが設けられたというような単純計算になるわけです。町内会館の少ない本市では貴重なスペースだと思います。しかしながら、使用されている実態を見ると、全く使われていない施設もあるわけでして、私が各種団体との意見交換に基づいて、まさに私的な実感でありますけれども、非常に認知度も低くて余り利用されていない施設があるということを痛感しているわけであります。施設によっては、せっかくつくっちゃったけれども使わないから、そのままにしておくのももったいないしということで、それこそ荷物置き場になっているような非常にもったいない施設であると思うわけです。何でそういうことになるのかという点では、やはりその周知方法、せっかくそれぞれの地域にはこういった施設があるんですよということをさまざまな団体の皆さんや活動されている方々に知っていただいて、利用していただかなければならないと思うんですけれども、改めて周知方法、今後の活用拡大について伺いたいと思います。
◎北篤彦 健康福祉局長 地域交流スペースについての御質問でございますが、地域交流スペースにつきましては、ボランティア等による多様なサービスの提供や介護予防活動、子育て世代の交流会や各障害者の集いの場など、地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域住民の交流やコミュニティを形成する役割を果たす拠点の一つと考えております。今後につきましては、地域交流スペースの活用を進めていくため、本市のホームページでの掲載や老人福祉施設事業協会、地域包括支援センター等関係団体との調整等により周知を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆浅野文直 委員 せっかくの施設ですので多くの方に使っていただきたいと思いますが、選定要件から一部加点要件にまた変えたような形で第6期から始まってきたものが少しずつ変遷している部分もあるようですから、使わないのであれば、無理やりそういったものを建てさせること自体が無駄ですのでやめたほうがいいわけになってしまいます。営利目的でなければ利用できるわけでありますから、多くの方々に、ホームページに掲載されているだけではなかなか広まらないと思いますので、町内会の皆さんを初め、周知を徹底していただいて、せっかくつくったものが有意義に利用される。同時に、介護施設の皆さんと、場合によってはそのコンタクトの中で、地域ケアの一端を担っていただける話にもなるかと思いますので、積極的な周知活動、活用の拡充に努めていただきたいと思います。またこれは後日、利用状況等を確認させていただきたいと思います。
それでは、続きまして6款5項2目施設建設費における入江崎クリーンセンター整備事業費について、これは環境費であるのですけれども、当該事業費を使って工事をしている建設緑政局長に伺いたいと思います。この案件はもう一昨年の議場において、過去からの経緯を含め、その怒りのぶつけどころのない、憤りのおさまらない中で質疑をさせていただきました。外国籍者による長年にわたる不法占拠、違法操業、市の管理責任、継承人への対応等、問題は多々あるんですけれども、もはや現場をそのままにしておくことはできないということで、クリーンセンターの設置に向けた土地造成費を議会としてもやむなく承認しているわけであります。まず先んじて平成26年に、市道へあふれ出たごみの代執行に2,800万円をかけました。続いて、平成29年に当該地の造成工事費として8億8,000万円を計上されたわけです。それが土壌汚染ですとかアスベスト含有物が確認されたということで、昨年に7億5,000万円の増額をして、まさにここまででも十分腹立たしいことこの上ないわけでありますけれども、それにもかかわらず先日のまちづくり委員会に、この増額からわずか数カ月で処理費用を倍加して総額40億円を超える見込みであるというふうに報告がなされたわけであります。まずこの事由を簡潔に御説明ください。
◎奥澤豊 建設緑政局長 塩浜3丁目地区内土地造成工事についての御質問でございますが、当該工事につきましては、昨年10月に中間検査を実施した際に堆積物の重量が当初設計より重い傾向を確認しました。このため、同年12月に詳細に測量し、搬出した堆積物の体積を算出したところ、当初設計より堆積物の単位体積当たりの重量が重いことが判明し、事業費の大半を占める廃棄物運搬の処理に係る経費を重量により計上していることから、事業費の大幅な増額が見込まれるものでございます。以上でございます。
◆浅野文直 委員 当時の幹部の方でここに残っている方はいらっしゃらないでしょうから、本当にこれはどなたに責任をぶつけるのかという問題があるわけで、ただ、そうはいっても、行政、市の市有地の管理責任というのはもう免れないわけでありますから、ここまで来てしまっていること自体、大きな責任があるわけです。予定していたものよりも、いわゆる道路にあふれ出たごみを片づけたときの想定からいけば、20億円程度で処分できるだろうということで計算されたようでありますけれども、実際は、運び出してみ始めたら、非常に重いもの、ごみがたくさん入っていて、実際は3倍程度の重さがあったということで、今回、そういう報告がなされたわけであります。それが発覚してから、現場ではごみの搬出をとめております。そのとめている理由と、これはどっちにしてもやらなければいけないのであれば、一刻も早く、本年の12月に終了する予定で我々は議会に出しているわけですから、この定例会に補正予算を出すなりして工事を進めなければならないと思うんですけれども、変更してごみの搬出をとめていながら今回の議会に出していない理由について伺いたいと思います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 塩浜3丁目地区内土地造成工事についての御質問でございますが、当該工事につきましては、現場の正確な状況の把握と今後の対応について検討を行うため、工事の一時中断を指示したところでございます。次に、補正予算につきましては、昨年12月に当初設計との違いを確認した後、増額が見込まれる事業費の精査と工事の遅延を最小限に抑えることを前提に検討を行っているところでございますので、その結果を踏まえ、議会にお諮りする予定でございます。また、当該工事の契約工期は平成31年12月末までとなっており、現在行っている検討結果が影響するところではございますが、おおむね1年の遅延を見込んでいるところでございます。以上でございます。
◆浅野文直 委員 またこれで1年遅延するということなんですが、そもそもが違法にされていて、本来、市有地を何らかの理由で貸した場合であれば、賃貸借契約に基づく賃料が入ってしかるべきなのに、それも入らず、であれば出ていっていただいて市民に公園として利用していただけたものが、その間、何十年間も利用することができなかった。これを貨幣換算すれば、かなりの金額の損失があるわけであります。また、今回1年間、撤去を始めてから、さらにまたおくれてしまう。本当に幾ら市民が不利益をこうむったのかもわからないです。せっかくとめているわけですから、普通であれば最終処分場に持っていく前に収集運搬業者や中間処理施設に持ち込んでごみの減量化が図られたり、アスベストがあるので、その場で何らかの対策、封入作業等をされていると思うんですけれども、費用を削減するための策があるのか。また、ここまで問題を長引かせてしまったことに対する市民の怒りはあると思うんですけれども、それを何とかしようといっているものが、2回も3回も、言ったことと違いました、中身が違いましたということで、変更、変更というのでは、余計に市の能力が疑われます。
今回、来年1年延ばしてきれいにした後に、上のごみは片づきますが、その下の土壌――クリーンセンターを建設するわけですから当然土壌検査をやりますけれども、土壌汚染があるんじゃないかと思うんです。この土壌汚染の可能性はどのように考えられているのか。土壌汚染が出てしまったら、今度、下をまた掘り起こして土を捨てるのか、または、その場所で薬剤等をまぜてきれいにすることができるのかということで、どちらにしてもまた大分お金がかかる話で、さらなる追加工事について議会や市民に報告しなければならなくなると思うのですが、それを伺いたいと思います。唯一留飲を下げることができるのだとしたら、亡くなっている被告の相続人たちに対して、少しでも市税への取り戻しができるのかどうかということが大きな問題なんですけれども、現在の対応状況について伺いたいと思います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 塩浜3丁目地区内土地造成工事についての御質問でございますが、増額費用を最小限とするため、有識者等の専門家の意見を聴取しながら、施工方法、処理方法、工期の検討等を進め、事業費を精査してまいります。次に、堆積物撤去後の土壌汚染の可能性についてでございますが、元地盤より下の取り扱いについては、土壌汚染対策法も関係することから、今後、関係局と協議を行い、必要な調査等を実施してまいりたいと考えております。次に、相続人への対応状況でございますが、平成27年9月に完了した建物等撤去の強制執行に係る費用については、被告の妻に対し平成29年10月からこれまで請求を行っているところでございますが、電話や面談による督促にもかかわらず、現時点で納付を確認できておりません。また、昭和60年に確定した判決に基づく土地使用料相当損害金につきましては、被告の妻と3人の子に対し請求を行ったところでございます。今後、相続人の対応等を見きわめながら、訴訟手続を含め、適切に対応してまいります。以上でございます。
◆浅野文直 委員 市民の方が留飲を下げられる一つの根拠になる、相続人から、この間何十年もの間にこの方がどれだけの金額をその家庭に入れてきたのかわかりませんけれども、それに基づいて現在の生活の基盤をつくられているのでしょうから、そこをしっかりと請求してきちんと取り立てていただきたい。しかも、これは恐らく裁判にしろ、さまざまな請求を起こすにしろ、有償で弁護士を使ってやっているわけです。これまで行ってきた裁判でも、弁護士に何百万円だか1,000万円だか、お金を払ってきたにもかかわらず、結局は何も解決してこなかったという痛い思いがあるわけですから、今回の訴訟等におきましても有意義に弁護士を活用したりしながら、一日も早い、これだけのものが戻ってきましたという報告が聞けるように強くお願いしたいと思います。終わります。
○春孝明 副委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○春孝明 副委員長 御異議ないものと認めます。およそ1時間休憩いたします。
午後0時13分休憩
午後1時14分再開
○橋本勝 委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
発言を願います。
◆沼沢和明 委員 それでは、私は、市営住宅の維持管理について、違法掲示物について、カーブミラーについて、交通事業について、それから障害児者の一時預かりについて、順次質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
それでは、市営住宅の維持管理について伺います。入居時に市から入居者に渡される住まいのしおりに、維持管理に関して住民自身により行うことが記されておりますが、住民や自治会に掌握されていないところもあります。この維持管理についても、高齢化が進んでおり、自治会やボランティアでは敷地内の剪定や草刈りなどの参加者を募れないなど、対応できないケースが出てきております。また、付随する街区公園の管理等につきましても、本来ならば道路公園センターがやるべきにもかかわらず、自治会で業者に委託をして行っているケースもございました。このため、共益費として徴収している住民の負担が高額となり、少ない年金からの拠出が大変に難しい、このような声をいただいております。改めて集会所の修繕に関する自治会及び住民負担、樹木の剪定等の負担、さらに共益費の金額等も含めたアンケート調査を行い、実態を掌握すべきと考えますが、取り組みを伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 市営住宅の維持管理についての御質問でございますが、市営住宅において、集会所、廊下、階段、その他の共用部分の維持管理については、入居者みずからが実施することとしており、また、当該共用部分に係る電気料金、水道料金などについては共益費として入居者に負担していただくことを原則としております。しかしながら、入居者の高齢化により管理活動や共益費の集金作業などが困難となっているという御意見も伺っているところでございます。このため、住民による共用部分の維持管理活動や共益費の状況の実態把握のためのアンケート調査の実施について検討してまいります。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 ディスプレーをお願いします。こちらはちょっと趣旨が違うんですけれども、このしおりの中には排水とありますが、基本的にはその排水というのは台所とかお風呂の排水ということでよろしいのでしょうか。こちらは、段差があるところに水たまりができておりまして、ちょうど障害者の方が2階にお住まいで車椅子を利用されるということで、車椅子の車輪がびちゃびちゃになってしまうという、これは自治会管理ではないということでよろしいですか。
まちづくり局長、お願いします。意味がわからないですか。
○橋本勝 委員長 御質問をもう一度お願いします。
◆沼沢和明 委員 済みません。しおりに記されているという御答弁でありましたけれども、そのしおりの中に、排水に関しての維持管理は住民だよということが書かれているんですが、こういった外の側溝などの排水ということではないという、その確認です。
◎綿貫康治
まちづくり局長 おっしゃるとおりでございます。
◆沼沢和明 委員 わかりました。これについては対応をまた改めて求めさせていただきます。ディスプレーは結構です。
次に、違法掲示物について伺います。電柱だけでなく公園のフェンス等にも見かけますが、発見または通報を受けた場合の対応を伺います。常習者・団体等へは口頭注意をしているということですが、市長名で警告書を送付するべきですが、こちらについても見解と対応を伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 道路や公園内への掲出物についての御質問でございますが、道路や公園など公共性の高い施設等につきましては、川崎市屋外広告物条例の規定により、張り紙等の広告物の掲出が原則として禁止されております。こうした掲出物を発見または通報を受けた場合の対応といたしましては、各区役所道路公園センターにおいて速やかに現地を確認し、撤去や除却指導を行っているところでございます。今回御指摘をいただきました掲出物につきましては、幸区役所道路公園センターにおいて撤去し、あわせて掲出責任者に対し指導を行ったところでございます。今後、当該掲出責任者が同様の行為を繰り返す場合には、文書により除却指導も含めて適切に対応してまいります。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 ディスプレーをお願いします。このように、とある団体が電柱に旗をくくりつけているというところがございました。または、こちらは何か芝居だか劇場だかの宣伝なんですが、黄色い部分には、エポックなかはらですとか市民館ですとかの名前が掲げられていて、これは全部別々なところです。同じ団体が、以前には公園のフェンスとか樹木にも、こういった看板をくくりつけていた例がございました。こちらを撤去するのも、道路公園センターの方が行かれるのかどうかわかりませんけれども、撤去するのも税金が使われているわけで、こういった方々または団体等には今後厳しく注意を行っていただきたい。そういった意味で、たび重なった場合には市長名での警告書を発していただきたい、これは要望でございます。よろしくお願いしたいと思います。ディスプレーは結構です。
それでは次に、区役所道路公園センターにおけるカーブミラーの発注方法について伺います。まとめて年2回ほどの発注を行っているとのことですが、新規設置を除いて危険箇所にそもそも設置されているわけで、市民の安全を考えると速やかな補修が求められます。取り組みを伺います。また、運用等で各区役所において、ある程度の在庫を確保することが有効かと思います。取り組みを伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 カーブミラーについての御質問でございますが、カーブミラーは主に自動車等にかかわる交通事故の抑止を目的として、見通しの悪い交差点や視距の確保が困難なカーブなど市内約7,100カ所に設置しており、定期点検により状態を把握し、適正な維持管理に努めているところでございます。補修につきましては、経年劣化や事故などにより損傷したものを現場条件により直営作業または請負工事で対応しておりますが、請負工事におきましては、ある程度件数がまとまった段階で発注することから、時間を要する場合もございます。今後につきましては、迅速な対応に向けて直営作業に必要となるストック材料の適正な確保などについて各区役所道路公園センターと連携し、検討を進めてまいります。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 地域によっても違うと思うんですけれども、幸区内で私が昨年の10月ぐらいに要望したものがまだついておりません。毎日通る道なので大変気になっているところでございますので、しっかりと対応していただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、バス停の椅子と位置について伺います。さきの議会で、民間設置の椅子が撤去された、このような発言がありました。改めて、理由とこれが全市で行われたものなのかについて、答弁をお願いしたいと思います。
◎邉見洋之 交通局長 バス停留所における椅子の撤去についての御質問でございますが、道路管理者の許可を受けずに道路上に物件を設置することは法令上認められないことから、各区役所道路公園センターにおいて除却指導や撤去を行っており、御指摘の件につきましては、幸区役所道路公園センターにおいて損傷が著しい無許可の椅子を発見したため、同区内において撤去を実施したと伺っているところでございます。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 それでは、御利用されている高齢者の方々から早く設置をしてほしいとの御要望をいただいております。こちらについても、12月の議会では、バス事業者に要望するとの答弁でしたが、今年度のバス事業者による設置件数を伺います。
◎邉見洋之 交通局長 バス停留所におけるベンチの設置数についての御質問でございますが、平成30年度におけるベンチの設置数につきましては、市バスが設置したベンチについては代替73カ所、新規2カ所の75カ所でございます。また、民間バス事業者が設置したベンチにつきましては、各事業者に確認したところ、新規5カ所に設置したところでございます。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 市バスにおきましては73カ所と2カ所、民間バスでは、3業者で年間5カ所ということですから、ほとんどこの設置が進んでいないということでございます。そこで、進まないのであれば、交通局も含めて広告つきのバリカーのようなものの設置を提案いたしますが、見解と取り組みを伺います。
◎邉見洋之 交通局長 バス停留所における広告つきバリカーの設置についての御質問でございますが、御指摘のありましたバリカーにつきましては、車両の進入を防ぐための器具であり、いわゆる車どめとして利用されているものでございます。バス停留所におけるベンチ等の設置につきましては、道路占用許可基準においてベンチ以外の物件についての設置は認められていないことから、難しいものと考えております。しかしながら、高齢化社会等への対応の観点からも、お客様に安全で快適なバス待ち空間を提供することは重要なことと認識しておりますので、安全性、耐久性に配慮した新たな形状のベンチ設置の可能性について検討してまいります。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 道路占用許可基準において、ベンチ以外のものの設置は認められないということですが、快適なバス待ち空間を提供することは大変に重要なことかと考えております。新たな形状の広告つきベンチ設置の相談があった場合、一切認めることができないのか、見解を建設緑政局長に伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 バス停留所における広告つきベンチの設置についての御質問でございますが、本市の道路占用許可基準では、歩道上にベンチを設置する場合、歩行空間のバリアフリー化の観点から、設置後の歩道の有効幅員を2メートル以上確保する必要がございます。また、原則として広告物の掲出は認めておりませんが、バス事業者がみずから設置するバス停留所のベンチに、ベンチの整備促進と維持管理に要する費用への充当を目的として掲出する場合には可能となっております。バス事業者から新たな形状のベンチの設置の相談があった際には、広告物の掲出の可能性等も含めて協議してまいります。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 寄贈された占用物件に表示する寄贈者名等及び一般乗り合い旅客自動車運送事業者が、みずから設置するバス停留所のベンチに整備促進と維持管理に要する費用への充当を目的として表示する広告物についてはこの限りではないという一文がありますが、これは交通局長は認識されておりますでしょうか。
◎邉見洋之 交通局長 今御指摘の御質問でございますが、昨夜、その基準を見させていただいて理解したところでございます。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 そこで提案させていただきますけれども、要するに寄附されたバス停のベンチについては広告が可能であり、事業者が維持管理のために行う広告についても可能であるということでございます。したがいまして、市のバス事業においては75カ所設置済みということですが、民間バスのバス停で、高齢者がよく利用されていたベンチが撤去されたということでございますので、ロータリークラブとかライオンズクラブ、町内会や商店街もございますし、公営事業のほうからこういった広告を募りまして、例えば、年間5万円の広告料を取るだけでも少しの収入にはなると思います。厳しい交通局の財政に資するかと思います。まずは、公営のほうから始めていただいて、それを民間に波及させるという効果もあると思いますので、ぜひとも取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
それでは、ディスプレーをお願いします。こちらが東小倉バス停でありますけれども、大変に幅員の狭い歩道のところにバス停が乗っかっていて、さらに人がその脇に、塀にへばりついて待っているような状況でございます。車の往来、大型のトラックですとかバスが来るために、この歩道を自転車が通行するというようなケースも見かけられます。しかも坂道になっておりますから、大変に危険である。傘などを差すと本当にすれ違えないような状況の場所です。この東小倉バス停の移設について見解を伺いたいと思います。
◎邉見洋之 交通局長 停留所についての御質問でございますが、バス停留所につきましては、昨年8月に横浜市内で発生した死亡事故を受けまして、交通管理者から交差点や横断歩道との距離の確保などについて以前よりも厳しく求められているところでございます。御指摘の東小倉バス停留所をコンビニ店舗の近くに移設することにつきましては、現在の位置よりも横断歩道に近接してしまうことや、対向停留所に近くなり、両方向にバスが停車した場合にはほかの交通の妨げになること、また、店舗の駐車場への進入を塞ぐようにバスが停車することなどの交通保安上の課題があり、慎重な検討が必要であると考えております。そのため、今後、交通管理者や道路管理者と移設の可能性について協議してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 そもそも先ほどのベンチといいますか、椅子の設置につきましても、バス停の移設につきましても、やっぱり市民目線に立っていないと思うんです。あれができない、これができない理由を掲げて、どうしてもやろうとしない。どうにかやろうとする、しようとする、そういう思いが感じられません。これから新経営戦略等々がつくられるということでございますが、そもそも利用者あってのバス事業でありまして、新しいバスをつくるとか、中の環境改善とか、働き方とか言っておりますけれども、お客があってのバスの事業者でございますので、しっかりとその辺は次の経営戦略に反映をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
それでは次に、障害者の短期入所事業について伺います。冠婚葬祭等で急に預けが必要になった場合の事業はどのようなものがあるのか、利用状況も含めて伺います。また、今後の拡充に向けた取り組みについて伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 障害者の短期入所についての御質問でございますが、本市におきましては、独自の取り組みとして、障害のある方の御家族等の入院や葬儀など、緊急に短期入所を必要とする場合に備えて専用のベッドを確保する緊急短期入所ベッド確保事業を行っております。現在、桜の風5床、ライブリー2床、みずさわ1床の計8床を確保しており、平成29年度におきましては延べ653回の宿泊利用がございました。今後も利用ニーズの増加が見込まれることから、平成32年度末に福祉センター跡地活用施設に整備する障害者入所施設において緊急用ベッド5床程度を確保する予定でございます。以上でございます。
◆沼沢和明 委員 保護者の方の高齢化が進んで、ますますこういう需要がふえてくると思いますので、増床に向けた取り組みをくれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
質問はこれで終わりますが、この場をおかりして、公明党市議団を代表いたしまして一言御礼の御挨拶とさせていただきたいと思います。このたび引退される先輩並びに同僚議員の皆様、また、理事者の皆様には、長年川崎市政に多大なる貢献をしていただき、まことにありがとうございました。今後も大所高所からの助言、提言をいただき、本市のさらなる発展に寄与していただくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
◆織田勝久 委員 私は、医療的ケア支援事業について、廃棄物収集運搬業務委託について、鷺沼駅周辺再編整備事業に関連して、社会福祉法人同愛会の障害者施設運営について、それぞれ一問一答で質問させていただきます。
まず、医療的ケア支援事業について伺います。平成30年度に事業の拡大がなされ、訪問看護ステーションによる対応が困難な場合に、学校に非常勤看護介助員を配置するようになりました。児童生徒が登校してから下校するまで、看護介助員として非常勤看護師を常駐させ、医療的ケアを実施することができるようになったわけであります。平成30年度には2人の児童が対象でしたが、看護介助員のうちの1人は年度途中で交代し、もう1人は年度中で退任する意向を示していると仄聞するところです。現在求人を行っているとのことですが、1年間事業を行った上での運用上の課題の認識とその改善点について伺います。さらに、現在求人中の任用条件にどのような改善点が反映されたのか、教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 医療的ケア支援事業についての御質問でございますが、運用上の課題といたしましては、勤務を始めてから、当初想定していた任用条件と勤務時間や休憩時間などが勤務の実態と合わないということが明らかになってまいりましたので、学校の日課表に合わせた勤務の割り振り表を提示し、勤務条件を明確にしたところでございます。また、次年度から看護介助員の休憩時間を確保するために、訪問看護ステーションから看護師を派遣できるよう調整を図っております。今後、看護介助員の勤務条件や医療的ケアに関する疑問や不安に対しましては、主治医などから情報収集をするなどして、教育委員会事務局の医療的ケア看護支援員が適切に対応してまいります。以上でございます。
◆織田勝久 委員 次に、看護介助員が任用できなければ、また保護者が学校に常駐しなくてはならなくなるわけです。任用の見通しについて、さらに、万が一4月の新学期に任用が間に合わなかった場合を想定しての対応について教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 4月からの任用についての御質問でございますが、平成31年4月の任用の見通しにつきましては、ハローワーク等で募集を行っておりますが、現段階では応募がないところでございます。引き続き募集を行いつつ、このような状況が続く場合には、訪問看護ステーションと調整を図り、その看護師が可能な限り医療的ケアを必要とする時間帯に学校を訪問し、ケアを実施する体制を整えてまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
◆織田勝久 委員 いずれにしても、今答弁いただきましたように、ケアを実施する体制を整えていただきたいと。これはやはり訪問看護ステーションを活用されるのがいいのかな、そんな気もありますので、ぜひこれからまたしっかりと対応をお願いしたいと思います。
次に参ります。廃棄物収集運搬業務委託について、本市は資源物等収集運搬業務委託の参加資格に緑ナンバーを要件としていないわけであります。まず、緑ナンバーと白ナンバーの取得条件の違いについて伺っておきます。また、ナンバーの種類により、自動車事故、特に重大事故発生時の対応についてどのような要件が義務づけられているのか伺います。次に、近隣の自治体で緑ナンバーを要件としている例はあるのか伺います。さらに、収集運搬行為のみを行う事業者は、緑ナンバーを取得することが当然と思いますけれども、白ナンバーでもよいとする、その根拠について環境局長に伺います。
◎大澤太郎 環境局長 資源物等収集運搬業務委託についての御質問でございますが、初めに、緑ナンバーと白ナンバーの取得条件の違いについてでございますが、国土交通省の資料によりますと、緑ナンバーは、貨物自動車運送事業の許可を有している車両となっておりまして、許可に当たっては運行管理者資格や5台以上の保有車両台数、事務所及び休憩所の確保などの条件が必要となっております。一方、白ナンバーは、一般の自家用車両と同様、貨物自動車運送事業の許可は不要となっております。次に、ナンバーの種類による重大事故発生時の対応についてでございますが、緑ナンバーの車両については、関係法令で定める重大事故発生後30日以内に所管の運輸支局への報告が義務づけられておりますが、白ナンバーの車両については、定めはございません。次に、緑ナンバーを委託の要件としている自治体についてでございますが、近隣の自治体を調査いたしましたところ、稲城市では委託業務の要件としており、横浜市では平成30年5月31日まで、一部の委託業務において要件としておりましたが、現在は要件としておりません。また、世田谷区、大田区では、要件とはしておりませんが、実態として緑ナンバーの事業者が受託しております。なお、狛江市につきましては要件としておりません。次に、ナンバーの種類を要件としていない根拠についてでございますが、廃棄物処理法では市町村が一般廃棄物の収集運搬を委託する場合の基準を定めておりますが、ナンバーの種類について規定はないことから、必ずしも要件とされていないと解されるものでございます。以上でございます。
◆織田勝久 委員 ただいま御答弁いただきましたけれども、世田谷区、大田区、稲城市では、実質的には緑ナンバーを使っているということ、それから横浜市も、今は白ナンバーになりましたけれども、いろいろ仄聞すると、川崎が白でもいいから横浜も白にした、そんな話も聞こえてくるわけです。それで、物を運ぶのだから緑ナンバーを使うのが大前提だと私は思います。ただ、国土交通省のほうは、もちろん緑ナンバーの指導はしますけれども、今答弁いただいた廃棄物処理法で、厚生労働省のほうはどっちでもいいよということだから、白にしているというのが慣例と理解をしているわけであります。
それで、ディスプレーをお願いします。細かいですね。白ナンバーと緑ナンバーの比較をしたのですが、早い話が、右のほうが白ナンバーでありますが、結局、取得条件も罰則も何もないわけですね。緑ナンバーのほうになりますと、まずとにかく運輸局の法令試験の合格というものが必要になりますし、また、運行管理者の資格というものがあるわけです。その運行管理者が、今働き方で大きく問題になっております運転手の労働条件というものを確認したり、また事前点呼というものを行う。いわゆる酒気帯び運転がない等は、しっかりとそこでチェックができるわけですよね。あともう一つ、社会保険、労働保険の加入というものも当然義務づけられますし、さらに無許可営業の場合は罰則、そういうこともあるということです。当然、事故などを起こしたときにも、対人賠償額無制限の任意保険に入るということが義務づけられている、そのようなことがあるわけであります。
そのような状況があるわけでありますが、昨年の11月から本年1月にかけて、白ナンバーの事業者が、本市の収集運搬業の許可が切れたまま、無許可の状態で市の缶、ペットボトルの収集委託業務を行うという想定外の事案が発生したわけです。無許可の状態でなぜ業務委託を続行させたのか、また、当該事業者が惹起した事案について、企業コンプライアンスなどの課題はなかったのか、原因をどのように調査、認識したのか、まず本市の対応を伺います。さらに、無許可の状態で業務を可能とする現行の法令の運用に課題はないのか、改善方を含め見解を伺います。
◎大澤太郎 環境局長 資源物等収集運搬業務委託についての御質問でございますが、初めに、資源物等収集運搬業務委託の継続についてでございますが、廃棄物処理法の委託基準では、一般廃棄物の収集運搬業の許可について規定がないこと、また、本市の委託契約約款の解除権の行使事由にも当たらないことから、業務を継続させたものでございます。また、当該事業者のコンプライアンスについてでございますが、許可が失効した状態にあった昨年11月から12月までの間に一般廃棄物の収集運搬は行っていないことを確認しております。次に、許可失効の原因についてでございますが、当該事業者にヒアリングを実施し、申請手続を失念したことを確認しております。また、本市が許可失効を認識した状況でございますが、前月の許可失効事業者の確認作業を行っていた際に判明したものでございまして、当該事業者からの新たな許可申請を受理し、改めて許可を行ったものでございます。次に、現行法令の運用についてでございますが、一般廃棄物をなりわいとして収集運搬する場合には、一般廃棄物の収集運搬業の許可が必要となりますが、市町村が一般廃棄物の収集運搬を委託する場合には、一般廃棄物の収集運搬業の許可についての規定はございません。今後の対応についてでございますが、資源物等収集運搬業務委託の期間中に許可を失効するという事態は想定しておりませんでしたので、入札参加資格の厳格な見直しの検討を行ってまいります。また、委託契約約款については、契約が解除となった場合の市民への影響等を踏まえ、慎重に検討を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆織田勝久 委員 簡単に言いますと、ごみを運ぶときには、いわゆる収集運搬業の許可が必要になる。ただし、市の業務委託であれば、その許可がなくてもいいと解釈できるということなんですよね。これは、悪いけれども、法令の欠陥ではないですか。だって許可を持っていない事業者は普通にごみを運ぶことはできないのに、市の業務委託だったら運べるなんていう話はおかしいわけで、しかも、それについては、想定はなかったということを言っているわけでしょう。川崎市は政令市なのだから、そういう問題意識があれば、それこそ主管課長会議なんかでしっかり問題意識を上げて、政令をしっかり変えるように取り組まなければいけないと僕は思いますよ。廃棄物行政の根幹にかかわる問題だと思いますので、しっかり対応をお願いしたいと思います。今回、入札参加資格の厳格な見直しということの答弁をいただきましたので、その推移についてはしっかり見ていきたいと思います。それで、法令遵守や企業ガバナンスの視点、さらには従業員の労働環境の向上の視点などから、資源物等収集運搬業務委託の参加資格に緑ナンバーを義務づけるべきだと考えます。本来、直営で行う事業と同等のサービスが期待されるわけですので、特に従業員の労働環境の不断の改善は必要と考えます。また、必須だと考えます。早急に検討を開始する必要があると思いますが、環境局長に見解を伺います。
◎大澤太郎 環境局長 資源物等収集運搬業務委託の入札参加資格についての御質問でございますが、緑ナンバーを入札参加要件に加えることにつきましては、現在、資源物等収集運搬業務を受託している多くの事業者が白ナンバーで業務を適正に履行していること、また、入札参加要件を満たしている多くの事業者が緑ナンバーを取得していない状況にありますことから、現時点では課題があるものと考えております。しかしながら、緑ナンバーの事業者につきましては、国土交通省の許可である運行管理者による安全運行の管理や休憩所の確保などの労働環境の向上と無許可営業による罰則の規定など、企業ガバナンスの強化などに期待ができる面もございますので、他都市の取り組み状況等を注視しながら、今後、緑ナンバー導入のあり方も含め、資源物等収集運搬業の従業員の労働環境の向上と安全かつ確実な業務履行に向けて検討を行ってまいります。以上でございます。
◆織田勝久 委員 ただいま答弁いただきましたので、推移を見てまいりたいと思います。
次に参ります。鷺沼駅周辺再編整備事業に関連して幾つか伺いたいと思います。2月4日に区役所、市民館・図書館と公共機能の一体的な整備の方針が示されたわけです。これにつきましては、市長の先見性のあるリーダーシップと政策決定に改めて敬意を申したいと思います。さて、宮前区の医師会の有志から、現在の休日急患診療所を、交通の利便性が向上する鷺沼駅前に整備される公共機能に組み入れることはできないのかという御提案をいただきました。保健所との近接のメリットもあるということでありました。現在の宮前区の休日急患診療所は確かにアクセスが悪く、駐車スペースも十分とは言えません。ちょうど平成31年度は運営費補助金額について3年ごとの見直しの年となります。検討すべき重要な課題と思いますが、健康福祉局長に伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 宮前休日急患診療所についての御質問でございますが、休日急患診療所につきましては、休日昼間の初期救急医療を確保する目的から各区に1カ所設置し、平成29年度に市の委託事業から川崎市医師会の自主事業へと枠組みを変更したところでございます。運営費につきましては、休日急患診療事業の継続的かつ安定的な運営を確保するため、人件費や物品費等を対象として本市から補助金を交付しておりますが、患者動向等を踏まえ、3年ごとに見直すことができる仕組みとしております。宮前休日急患診療所につきましては、昭和59年に宮前区有馬地区に設置しておりますが、同診療所の鷺沼地区への移転に関しましては、現施設の利用実態、施設の状況、公共交通のアクセス性のほか、鷺沼駅前地区再開発事業のコンセプトや費用負担などに関する論点が存在するものと考えておりまして、今後につきましては、関係局と情報交換を行うとともに、現在運営を行っている川崎市医師会の御意見を伺ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆織田勝久 委員 ぜひドクター――先生方の御意見を聞いていただいて、確かに今の宮前区の休日急患診療所は場所が悪いですよね。ぜひ検討をお願いしたいと思います。
次に、次世代郊外まちづくりのモデル地区であります田園都市線のたまプラーザ駅北側地区を中心に、今、多様な移動選択肢の整備を目指す取り組みが始まりました。日本初の郊外型MaaS実証実験と称しています。MaaSというのは、モビリティ・アズ・ア・サービスの頭文字だそうでありますけれども、現在行われておりまして、1月下旬から3月下旬の2カ月の取り組みということであります。この実験は、地域住民と地域交通に関する意見交換をするなどのリビングラボという手法を取り入れながら、横浜市と東急電鉄が進めている次世代郊外まちづくりの取り組みの一環として、外出機会の創出や新しいコミュニティの形成を促進する目的として、今実施しているということでございます。同じ持続可能なまちづくりを志向して、これから行われる鷺沼駅周辺再編整備事業であります。主要な交通結節点となった鷺沼駅と宮前平駅周辺の地域生活拠点を意識した同様の郊外型MaaS実証実験を宮前区でも検討できないのか、特に、オンデマンドバス、パーソナルモビリティ実験は、山坂の多い宮前区の将来型地域交通として多くの示唆に富む実験になると考えます。また、今回の鷺沼駅周辺再編整備事業が宮前区民全体の日常生活の利便性の向上を図ることが目的であるということも広くアピールできると考えます。これもぜひ市長の先見性とリーダーシップをもって早急に検討ができないのか、これは市長に見解を伺います。
◎福田紀彦 市長 鷺沼駅周辺再編整備に伴う地域交通の取り組みについての御質問でございますが、今回の再開発事業の機会を捉え、路線バスネットワークの充実を図ってまいりますが、本市における持続可能な地域交通の実現に向けては、路線バスのほか、商業施設や病院などが所有する車両の活用など、さまざまな手法により地域に適した交通手段を導入することが重要であると考えております。現在、たまプラーザ駅周辺で行われている
スマートフォンなどICTを活用したオンデマンドバスにつきましても、有効な手法の一つと考えます。こうしたことから、路線バスネットワークの再編とあわせ、バス事業者のみならず、多様な主体との連携による検討を進め、地域交通の充実に向けた取り組みを進めてまいります。以上です。
◆織田勝久 委員 川崎市の担当の部局も、東急電鉄の情報収集等も含めて、実質的な中身をまたいろいろと詰めていただきたいと思うんですね。これは一つの大きな実証実験になろうと思いますので、ぜひお願いさせていただきたいと思います。
最後でありますが、社会福祉法人同愛会の障害者施設の運営についてお伺いをいたします。本部は横浜市にある法人でありますが、川崎市内において療育センターを2カ所、これは中央療育センターと北部地域療育センター、さらにグループホームを高津区で3カ所展開、また、市の委託の地域相談支援センターと相談支援事業所を中原区で、生活介護事業所を中原区でそれぞれ運営いたしております。特に療育センターにつきましては中核の役割が期待され、障害児童の入所については中央療育センターが一手に引き受ける体制となっているわけであります。ところが、この同愛会が指定管理などで運営する施設で、この1年半の間に幾つか重大な事件・事故が起こっているわけであります。まず、運営をしております同愛会川崎事業本部へ本市からのOBが再就職している現状について健康福祉局長に伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 社会福祉法人同愛会についての御質問でございますが、本市の元職員の再就職の状況につきましては、健康福祉局の元理事が川崎事業本部事務局長に、元部長が中央療育センターのセンター長に現在在籍しております。以上でございます。
◆織田勝久 委員 それぞれ重要なポジションにあるということが改めてわかったわけであります。そこで、2017年11月にグループホームの管理者が、知的障害のある入所者の預金を横領するという事件が発覚をしたわけです。事件の発覚後、川崎市は3カ月の指定を停止するとの行政処分を下したところ、市の処分には異論があると称し、法人の見解が示され、これは今も法人のホームページに掲載されております。そこには、横領の事実が解明された時点に遡及した不利益処分とすべきであり、未来に対する不利益処分は著しく現場に混乱を生じさせるものであるとか、全面効力停止期間に利用者への新たな権利侵害が生じかねないと考えるといった法人の主張でありますが、見方によっては全く反省のない、ある種開き直りとも受け取れる内容と見受けられます。市の行政処分後に示されたこの異見――異なる意見の内容について、市の受け取り方、印象について伺います。また、行政処分後の同法人への指導内容について伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 社会福祉法人同愛会についての御質問でございますが、当該法人がホームページ上に掲出した川崎市の不利益処分についての法人見解についてでございますが、本市は当該横領事件について、障害者が経済的虐待を受け、障害者総合支援法第42条による人格の尊重が遵守されていないという重大性から、指定の全部の効力を3カ月停止するという重い行政処分を行ったものでございます。本市の行政処分について、法人がその処分に対する異なる見解を掲出したことは遺憾であると考えております。また、当該法人への指導についてでございますが、平成30年2月に行政処分を行った以降、療育センターの所長会議の場等を通じて、適宜法人から運営状況の確認を行うとともに、当該事業所に対しては、平成31年2月に実地指導を行っておりまして、実地指導の講評では、軽微な事項の指摘がありましたが、おおむね適切な運営が行われていることを確認しております。以上でございます。
◆織田勝久 委員 処分停止となりますと、いわゆる運営費が入らなくなるわけでありますから、法人が持ち出しで運営するわけでありますが、そこの部分について納得できないということを言っているわけですよね。これは全く反省がない、開き直りというふうにもとれるわけですね。
次に、2016年12月26日に中央療育センターのショートステイを利用していた当時9歳の児童が入所中に死亡いたしました。警察の捜査が続いておりますので、事件なのか事故なのか、いまだ不明でありますが、児童の父親を初め法人職員、さらには別の法人が運営する放課後等デイサービスの職員など、死亡児童にかかわる多くの方たちから直接お話が寄せられたり、告発の手紙をいただいたりしております。同愛会からの調査報告書が2017年11月に提出されておりますが、それ以降の対応について制度所管局であります健康福祉局長に伺っておきます。
◎北篤彦 健康福祉局長 社会福祉法人同愛会についての御質問でございますが、平成29年11月に中央療育センターでの死亡事故に係る調査報告書が本市に提出された後、その内容を確認した上で、中央療育センターに対しては、児童福祉法に基づく施設に対する助言指導や、指定管理者制度におけるモニタリング等を通じて施設の運営状況の聞き取りを行うなど、適正な施設運営が行われるよう指導しているところでございます。この中で、施設職員にも施設運営の意見等の聞き取りを行っており、その意見につきましては、必要に応じて法人本部に伝えているところでございます。また、本件についての警察の捜査の動向等も注視しているところでございます。今後におきましても、施設利用者に適正なサービス提供が行われるよう、児童福祉法に基づく実地指導や指定管理者制度におけるモニタリング等を通じた適切な助言指導を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆織田勝久 委員 今、局長の御答弁をいただきましたけれども、私は、事態はもっと深刻だと考えています。加えて、警察の捜査中ということもあるし、また、個人情報が深くかかわる事案ということもありますので、なかなか深い言及はできないわけでありますけれども、法人運営を抜本的に見直さなければならないような課題が多く含まれているのではないかなと思うわけです。2017年11月にこの死亡事故についての事故調査委員会の調査報告書というものが出ておりますけれども、その中を見ると、死亡事故・事件を起こした中央療育センター自体の課題というよりも、むしろ死亡した児童への言及というものに重きが置かれている内容になっているのです。本児童の問題行動は重篤な状態であり、医療や関係機関と連携した強力で専門的な支援が必要とされていたと理解する必要があると、何か人ごとみたいなことを言っていまして、とにかくこの児童の強い行動面での障害についてというようなことが列記されておりまして、措置入所前の本児童の不適応行動として、自傷、乱暴など、延々とその子どものことが書かれているわけでありますけれども、さらにその子どもが短期入所のときの記録とあわせて、年齢とともに自傷、固執、偏向、多動、奇声、パニック、乱暴、粗暴、それに睡眠など問題行動の種類も多くなり、また強度も強まりながら続いてきていると認められると。この状態が仮に事実だとしても――私は事実ではないという気もするんですが、あたかも本人の障害の状態がとにかく悪い、そのような印象を与える記述が続くんですね。だけれども、そもそも中央療育センターは発達支援の専門療育機関であり、また、障害児童の入所を市内で受け入れる唯一の施設であるわけですから、そのような自覚があるのか、本当に強く疑問を感じるわけです。
それで、まず死亡した状況について、報告書の中でも、児童の死因は窒息死と判断していると書かれているのですが、その中で、担当していた職員――A職員となっておりますが、A職員が自室に一緒に入り、敷き詰めてあった布団の上に寝かせて、厚手のかけ布団をかぶせて、布団の上を背後から抱え込むようにして、A君に手足を絡ませて添い寝をしていた。自傷行為を伴う睡眠対応でない添い寝は、手足を絡ませる姿勢ではなく、横に寝てとんとんとしながら行うことが一般的であるが、この子どもの場合は自傷があったため、動かないでじっとしてもらうように手足を絡ませていたものであり、なお、厚手の布団をかけた上から足を絡ませることは不自然ではないかとの指摘もあるが、自傷行為を防ぐための対応としてはあり得ることであり、この点は担当職員の証言どおりに認識しているというような記述もありまして、法人はこの行為を容認しているのですが、これは見方によれば明らかに身体拘束であります。この点、何の問題認識も示されていないというところに法人の体質、また課題が集約されているのではないかと考えるわけであります。
次に、先ほど紹介いたしましたけれども、加齢とともに問題行動が強まってきたという部分もあるわけでありますけれども、児童が措置入所及び短期入所していた折の記述でとにかく気になるのは、そもそも問題行動を起こさせないための環境が、ハード面、ソフト面、それぞれに中央療育センターに用意されていたのかという課題であります。率直に言いますと、職員、人材の能力、専門性の問題であります。直接この死亡した児童にかかわったいろんな方からお話を聞きましたけれども、その方たちのお話と、この療育センターの報告書の中身に非常に乖離があるのです。例えば、2016年12月に亡くなりましたけれども、その月、直前まで利用していた、ある放課後等デイサービスの方の意見によりますと、この6月から12月にかけて、体力・情緒面での成長は著しく、情緒面での安定と関係して、今まで大変回数の多かったトイレの回数も減り、失敗も少なくなってきた、また、以前よく見た壁、ドア等をノックする行動もほとんどなくなってきたというようなことが言われておりますし、また、この子どもが在籍していた学校のほうからは、強くしかられると不安定になる部分があるので、丁寧に話しかけることが大切だということを現場で共有しているわけです。
さらに、お父さんのほうからいろいろお話を聞いたところ、子どもが入所中には自傷がひどかったということを言われたんだけれども、自分の家で子どもが自傷行為をするということはほとんどない、それから中央療育センターには本人が非常に行きたがらなかったこともあったということは言っています。とにかく本人に非常に課題があるように書かれているけれども、家や学校、放課後等デイサービスなどではそんなことはなく、どうも施設でよほど嫌なことがあるのではないか、そのようなことをお父さんはおっしゃっているわけです。それから、報告書の中の記述についても言及がされておりまして、自閉症という表現が報告書の中に出ているのですが、保護者の立場では、自分の子どもが自閉症という診断を受けたことなんか今までなかった、それからもう一つ、本児童の強い行動面の障害についてということが延々と書かれていると言いましたけれども、その中で、乱暴、粗暴、かんしゃくなど家ではないんだ、そういうことを盛んにお父さんはおっしゃっているわけですよね。だから、そういうことも含めまして、入所の中での対応に課題があったのではないかと思うんです。
最後に、今あそこの療育センターにいる方からも直接いろいろお話をいただいているのですが、大変深刻なお話をいただきました。まず、子どもたちへの適切な声かけや支援方法等については何も教えてもらえなかった、それから障害者支援に対する基本的な考え方や、未成年の子どもたちに対するかかわりについて、一から学ぶ機会というものがなかった、特に入所部では、子どもの問題行動ばかりを取り上げ、子どもたちをいじめるような場面ばかり目にしてきた、面倒を見てやっているという態度になっている、それから職員に関して言えば、子どもの発達について学んだ上で職務に当たるべきだと思う、無理に拘束をしたり、乱暴な言葉遣いでかかわることは不適切だ、とにかく入所部は子どもの発達について全く知識のない職員ばかりだと、そのような意見を内部からもらっているわけですよ。このような状況について、健康福祉局長、ぜひ御意見、御感想をお聞かせください。
◎北篤彦 健康福祉局長 社会福祉法人同愛会についての御質問でございますが、市の指定管理施設である中央療育センターにおいて今回の死亡事故が起きたことを市としても重く受けとめているものでございます。今後につきましても、引き続き利用者の安全に最大限の配慮をした組織運営体制やサービス提供の状況を再確認しながら再発防止を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆織田勝久 委員 終わります。
◆石川建二 委員 私は、最初に宮崎台駅周辺の駐輪場対策について、これは要望にしておきます。2番目に地域交通の再整備とコミュニティ交通への支援について、3番目に住宅リフォーム助成制度の創設について、4番目にわくわくプラザの防災対策と自主学童保育事業への国の補助金申請について、最後に鷺沼駅周辺再編整備事業における区役所、市民館・図書館の整備について、一問一答で伺ってまいります。
初めに、建設緑政局長に要望です。宮崎台駅周辺の駐輪場対策についてです。民間の土地を借りた駐輪場の廃止に伴って、歩道上での駐輪を行ってまいりました。歩行の妨げになっていることから早期の整備が求められていました。私も、我が党の行った市民生活実態調査に寄せられたアンケートにそのような声が載せられておりましたので、他の要望とともに、昨年11月、宮前区長に整備を求めてきましたが、現在、地元町会や地権者の方と整備について調整中とのことですので、地元の要望を取り入れた安全な駐輪施設として整備されるよう要請をしておきます。
それでは、地域交通の再整備とコミュニティ交通の支援について伺います。10款まちづくり費2項計画費2目計画調査費について伺います。地域交通支援事業費として1億9,268万5,000円が計上されています。調査の目的と具体的な内容について伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 路線バスネットワークについての御質問でございますが、高齢化の進展やライフスタイルの変化を背景に、輸送需要の変化やニーズの多様化などが進んでおり、地域交通の基幹的な役割を担う路線バスの一層の充実に向けた取り組みが重要と考えております。こうしたことから、路線バスネットワークの再編に向けた検討を進めていくため、平成31年度にバス利用者の詳細な利用実態調査等を実施してまいります。その内容といたしまして、車内に調査員を配置し、バス停ごとの乗降者の利用実態を把握し、路線別や運行時間帯ごとの利用頻度等の分析、検討を進めてまいります。また、バスが利用しづらい地域において、バスの乗り継ぎを前提とした新たな運行手法を検証する社会実験を実施してまいります。これらに加え、地域特性なども勘案し、さまざまな観点から検討を進め、路線バスの効率的かつ効果的な運行手法の導入などにより、持続可能なバスネットワークの構築を図ってまいります。以上でございます。
◆石川建二 委員 今の質問に対する御答弁ありがとうございます。宮前区野川地域では南台団地下というバス停がありますけれども、そこを通るバスは1時間に1本しかありません。周辺では新たな住宅が急速にふえていることから、バス需要も増加しているのではないかと思います。検討に当たってはバス便の増加になるように求めておきたいと思います。
引き続き
まちづくり局長に、地域交通の担い手としての充実が望まれているコミュニティ交通について伺います。かねてより運行経費への支援を求めてきましたけれども、地域交通全体の再編整備を行う中で、コミュニティ交通への運行経費補助など、支援強化も検討すべきと思いますが、伺います。また、現在はコミュニティ交通として位置づけられていませんが、宮前区野川南台住宅の自治会によるみらい号の運行もコミュニティ交通として位置づけ、財政的支援の対象とすべきですが、伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 コミュニティ交通についての御質問でございますが、コミュニティ交通につきましては、利用者の安全性の確保などの観点から、道路運送法の許可を受けている交通事業者に対し、本格運行を実施する際の初期投資の軽減を図るため、車両購入費等の補助制度を制定しており、その後、車両の更新時の買いかえ費も対象とする制度の拡充を図っております。これに加え、高齢者等が利用しやすい環境を確保するための割引補助を行っているところでございます。次に、みらい号につきましては、道路運送法の許可を要しない形態で運行されており、運賃を取ることはできない仕組みとなっております。こうした中、高齢化の進展等を踏まえますと、今後の継続的な運行に当たっては事業採算性などの確保が重要と考えております。こうしたことから、より柔軟で利用しやすい手法の一つとして、自治会等の運行が可能となる自家用有償旅客運送の導入の可能性について検討を進めているところでございます。以上でございます。
◆石川建二 委員 みらい号については、自治会等の運行が可能となる自家用有償旅客運送の導入の可能性も検討するということですが、いずれにせよ、地元の協議会の皆さんの御判断だと思いますが、可能性を広げるという意味で、ぜひ検討をよろしくお願いいたします。
少し角度を変えて、健康福祉局長に伺いたいと思います。コミュニティ交通への支援策についてです。宮前区有馬地域でコミュニティ交通の運行実験を行った際に、高齢者フリーパスの活用ができないのかと訴えていた利用者の方が何人もいらっしゃいました。現在のコミュニティ交通でも、70歳以上の方は、今もお話にあったように、1回乗車当たり100円の補助が出されています。これはまちづくり費の中から出されています。健康福祉局で実施する高齢者外出支援乗車事業は、満70歳以上の方に社会参加の支援を目的として市内を運行するバスに優待乗車を行っており、高齢者フリーパスの販売も行っています。コミュニティバスの利用者には高齢者も多く、高齢者フリーパスを使えるようになれば、自宅付近から既存のバス路線までの比較的短い距離をコミュニティバスで結び、主要駅までは既存のバス便を使うというような場合でも、新たな運賃負担をしなくて済みます。山坂の多い地域では、駅まではもちろんのこと、バス停までも歩くのが大変という地域がたくさんあります。まちづくり局と協力して、コミュニティバスにも高齢者フリーパスが使えるように対象を広げるべきと思いますが、伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 高齢者フリーパスについての御質問でございますが、高齢者外出支援乗車事業につきましては、市内を運行する路線バスを利用する70歳以上の方を対象に、高齢者特別乗車証明書の提示により、大人料金の半額でバスを御利用いただけるコイン方式と、1カ月当たり1,000円の自己負担で何回でもバスを御利用いただける高齢者フリーパスによる方式を併用する制度としているものでございまして、路線バスと運賃体系が異なるコミュニティ交通における高齢者フリーパスの利用は課題が多いものと認識しております。今後につきましても、引き続き本事業を継続させていくために、総合的な観点からバスを利用する高齢者への外出支援のあり方などについて、関係局と情報を共有しながら検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆石川建二 委員 ぜひ検討をよろしくお願いします。
次に、住宅リフォーム助成制度の創設についてです。7款2項2目工業振興費及び3項中小企業支援費について経済労働局長に伺います。住宅リフォーム助成制度についてです。現在、建設需要は、オリンピック需要や消費税値上げ前の駆け込み需要など、仕事そのものの件数はあると言われていますけれども、地域の工務店が潤っているわけではありません。あるパワービルダーの下請で建て売り住宅を建設している工務店の社長さんは、メーカーが1,500万円で売り出す住宅の請負価格は500万円で、これでは職人さんにまともに賃金を払うことはできないと言うと、45日の工期を短くすればいいではないかと言われたとのことです。工期を縮めて1日当たりの賃金の支払いをふやせばいいと言うのです。このような状況が建設技能者の正当な賃金の保障を拒んでいるのではないかと思います。とりわけ最近では、ユーザーから受注するのではなく、メーカーの系列で仕事を確保する工務店がふえているといいます。それに対し、住宅リフォームは地域の工務店が受注する可能性のある分野だと思います。そこで、経済労働局長に伺いますが、市内の住宅リフォーム需要をどのように捉えているのか伺います。また、住宅リフォームの担い手としての市内工務店の役割をどう評価しているのか伺います。
◎原田津一 経済労働局長 住宅リフォーム助成制度についての御質問でございますが、初めに、国土交通省によりますと、増築・改築工事、エアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた広義のリフォーム市場規模につきましては、平成28年は約6兆8,000億円でございまして、市内の住宅リフォーム需要はあるものと認識しております。次に、市内中小建設業事業者につきましては、地域のインフラ整備・維持の担い手であると同時に、地域社会の安全・安心の確保や地域の雇用を支えるなど、重要な役割を担っているものと考えております。今後とも、市内建設業関係団体との意見交換を十分に行いながら、営業力強化を目的とした研修会や、消費者等とのマッチングの場となる無料住宅相談会等を開催し、事業者の方々がみずから継続的に受注を確保できるよう支援することにより、市内中小建設業の振興と市内経済の活性化を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆石川建二 委員 市内の住宅リフォーム需要はある、その担い手としては地域の工務店がふさわしいということですので、ぜひ住宅リフォーム助成制度の実施のための検討に入っていただくよう、これは強く要望しておきたいと思います。
次に、わくわくプラザの防災対策と自主学童保育事業への国の補助金の申請についてです。4款こども未来費1項こども青少年費4目青少年事業費について、こども未来局長に伺います。東日本大震災から8年がたとうとしています。その災害の翌年の3月に、私はわくわくプラザの防災備蓄について質問を行いました。地震発生は午後2時46分、高学年は授業、低学年は下校したり、わくわくプラザを利用したりしている時間帯でした。災害当日、停電被害を受けた施設では、真っ暗な中、寒くて子どもたちが体を寄せ合って寒さをしのいだという話を紹介し、わくわくプラザにおける備蓄の必要性を訴えました。あれから8年、現在の備蓄の状況について伺います。
◎袖山洋一 こども未来局長 災害時の備蓄についての御質問でございますが、災害の発生時には学校とわくわくプラザにおいて、子どもの安全を第一に考え、臨機応変に協力することが必要であり、東日本大震災の経験から、大規模停電等で電車などの交通機関が停止した場合は保護者が帰宅困難となり、児童を保護者に引き渡すまで一時保護する必要がございます。災害の発生により一時保護が夜間に及ぶ場合の児童の水や食料の確保につきましては、教育委員会を初めとした関係局区と連携して対応するほか、各指定管理者等において飲料水や非常食などを常備しているところでございます。以上でございます。
◆石川建二 委員 施設によって多少ばらつきがあるということですが、利用児童の3割程度を保障しているということですので、引き続き整備のほうをよろしくお願いしたいと思います。
次に、川崎市では、わくわくプラザにおいて放課後児童健全育成事業、いわゆる学童保育事業を行っているとしています。そこで、こども未来局長に伺いますが、市は学童保育事業を実施しているとして国と県から補助金を受けていますが、2017年度交付のあった金額を国と県の合計でお答えください。
◎袖山洋一 こども未来局長 子ども・子育て支援交付金についての御質問でございますが、平成29年度の交付額につきましては、国庫補助金及び県補助金ともに4億4,891万円余でございまして、合わせて8億9,782万円余となっております。以上でございます。
◆石川建二 委員 113カ所あるわけですから、単純計算ですけれども、1カ所当たり794万5,000円ということになります。市内には保護者らが運営する、いわゆる自主学童保育が8カ所ありますが、そこに通う2018年度の児童数を伺います。この自主学童保育に対する市の補助金はありません。国や県の補助金も市が補助をつけなければ申請することができません。市の事業として認めることが必要ですが、それをしない理由について、今まで、第1に、既にわくわくプラザで学童保育事業を実施している、第2に、わくわくプラザで事業計画における量の見込みに対応しているというものでした。事業計画の量の見込みに対応しているというのはどういうことでしょうか伺います。
◎袖山洋一 こども未来局長 放課後児童健全育成事業についての御質問でございますが、初めに、保護者等が運営する民間の放課後児童健全育成事業所を利用している児童数は、平成30年5月1日現在で337人でございます。次に、量の見込みに対する対応についてでございますが、川崎市子ども・若者の未来応援プランにおいて定めた見込み量につきましては、毎日利用する児童の人数に週のうち数日を利用することを前提に申し込みをした児童の平均利用人数を加えた対象児童の数により算出しており、この量の見込みに対応するため、関係局及び学校、指定管理者等との協議調整を行いながら、必要な施設面積の確保に取り組んでいるところでございます。また、放課後児童支援員等の確保につきましても、国の放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業を活用し、指定管理者等とともに資質の向上や処遇の改善に取り組むことで対応しているところでございます。以上でございます。
◆石川建二 委員 見込みの量とは、放課後児童健全育成事業に登録している児童数ではなくて、毎日利用する児童に数日利用する児童の平均利用人数を加えた人数をいい、これを対象児童というそうです。つまり、週3日利用だと0.5人ということになります。宮前区の宮崎小学校わくわくプラザについて見ると、2018年度の対象児童は124人で、4クラスで対応したら、これは基準どおりということになるのですが、しかし、登録した児童の実数は161人で、4クラスでもオーバーです。わくわくプラザで十分足りているということにはならないと思います。現在、自主学童保育は337人の利用児童がいます。通う理由は人さまざまでも、個々の実情に合わせた支援を行うことが川崎市子どもの権利に関する条例にも明記されています。自主学童保育で放課後を過ごす子どもたちへ財政的な支援を改めて求めておきたいと思います。
最後に、鷺沼駅周辺再編整備と区役所、市民館・図書館の鷺沼への移転の問題について質問いたします。時間が途中で切れてしまうかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。10款まちづくり費3項3目再開発事業費及び11款区役所費1項1目区政総務費、13款教育費6項4目教育文化会館・市民館費、5目図書館費について、区役所、市民館・図書館の鷺沼駅前への移転について伺います。まず、市長に伺います。2月26日の我が党の代表質問の際、3施設の鷺沼駅前への移転の区民合意はあると判断したのかという質問に対して、多様な考え方、捉え方があるものと認識しているとのことでした。とりわけ区役所周辺や向丘方面の方々から移転すべきではないとの声が寄せられ、議会への陳情は審査時点でも2,600名もの署名が届けられ、今なお集まっている署名は3,000名を超えると伺っています。きょうも、市民団体がパブリックコメントに14,000件もの反対の意見書を提出したとの報道がありました。このことは移転すべきでないとの声が多く存在することを示していると思いますが、市長は移転すべきでないとの声が多く存在することをお認めになるのでしょうか、端的にお答えください。
◎福田紀彦 市長 鷺沼駅周辺再編整備に伴う公共機能についての御質問でございますが、区民意見といたしましては、お住まいの地域や年代、ライフスタイル等により、多様な考え方、捉え方があるものと認識しているところでございます。以上です。
◆石川建二 委員 地域によってさまざまな考え方があるとのことですが、区民合意が得られていない実態を認めざるを得ないということではないでしょうか。これだけ反対の声がある中で、移転を決定することは民主的な運営とは言えません。計画の再考を求めておきます。
移転の理由に上げられたのは、現区役所等の施設が駅から離れ、駅前から坂道であること、そして、現在の施設のバリアフリーにも問題があるということです。今後、移転するにしてもしないにしても、この問題、アクセスやバリアフリーは改善すべき問題だと思います。とりわけ、バリアフリーについては監査からも指摘があり、広場階段の踏み面の端の部分の色分けや点字ブロック、トイレにおけるオストメイト用洗浄器具の設置など、早急に改善すべきと思いますが、各施設あわせて宮前区長に伺います。
◎小田嶋満 宮前区長 バリアフリーについての御質問でございますが、今年度実施されました庁舎及び公の施設におけるバリアフリーに関する行政監査において、宮前区総合庁舎についても、既存建築物として幾つか基準に適合させる努力義務があると意見をいただいているところでございます。努力義務があるものにつきましては、外階段のステップの端の色分けなど、対応できるものから随時改善に努めてまいります。内容によりましては、利用者にとって使いやすいものとするため、計画的な対応が必要なものがございますので、関係各局と調整しながら改善してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆石川建二 委員 ぜひ改善をよろしくお願いいたします。
アクセスについてですが、現在の区役所等のアクセスは駅から離れていて、しかも坂道で大変というものです。2013年度に宮前平駅と区役所、そして鷺沼駅を結ぶシャトルバス路線の検討をした経過があります。そのとき出された宮前区地域交通環境整備事業業務委託報告書によると、宮前平駅、区役所、鷺沼駅を一つに結ぶバス路線を整備し、拠点間の回遊性を高めることで、区としての一体感の創出と拠点機能の補完を図ることが必要と指摘した上で、導入空間の確保や利用者推計の結果は、路線バスとして運行するには相当厳しい結果であるとして、採算性に問題があるとしています。採算性については市が財政的措置を講ずれば解決する問題と思います。現在の利用者のために、ワンコインバスなど市が財政的措置を講じても交通手段の改善を図るべきではないでしょうか、市長に伺います。
◎福田紀彦 市長 区役所へのアクセスについての御質問でございますが、区役所へのシャトルバス等の運行は、車両の転回スペースや待合スペース整備などの物理的な課題や、採算性を考慮した乗客数の確保などの運営面での課題があり、実現は難しいものと考えております。また、宮前平駅から区役所前へのバス路線は、区役所開業時間を中心に一定のバス運行本数が確保されているところです。こうした状況を踏まえつつ、基礎調査の結果や将来展望を総合的に整理、検討し、公共機能の方向性及び基本的考え方をお示ししたところでございまして、今回の取り組みにより、鷺沼駅前の交通広場の拡充や路線バスネットワークの充実を図ることで、宮前区全体の発展に資するアクセス性向上に向けた取り組みを推進してまいります。以上です。
◆石川建二 委員 区役所へのシャトルバスについて、転回スペースや待合スペースの確保など物理的課題や採算性があるとのことですけれども、小型バスの利用や転回所の安全対策など、その可能性について十分に検証されたのでしょうか。いずれにしても、現状のまま10年間我慢を強いるべきではありません。対応を求めておきます。
次に、市民館・図書館を移転する場合、その規模を同程度としていることについて伺います。図書館には閲覧室がありますが、閲覧室を利用するときに抽せんが行われています。9時半の開館ですが、抽せんは9時から行われています。なぜ抽せんとしているのか、その理由と、宮前図書館の閲覧の席数、その中に社会人席という区分がありますが、その席数についても教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 宮前図書館の閲覧席についての御質問でございますが、宮前図書館には現在、一般席54席、社会人席6席、パソコン席14席、合計74席の閲覧席を設置しております。このうち、利用者ごとに個別の仕切りが設けられている社会人席と、情報機器用のコンセントを備えたパソコン席につきましては、利用希望が多く、過去には先着順で御利用いただいておりましたが、限られた座席を公正かつ混乱なく御利用いただくために、現在は座席指定の抽せんを行っているところでございます。以上でございます。
◆石川建二 委員 抽せん対象でない席もいっぱいなのですが、何とかその中でも席を確保したいと朝早くからその抽せんに並ぶという利用者の方の声を聞きました。本当に手狭だというのが実感だと思います。
そこで、基本方針案では、市民館・図書館の整備について次のように述べています。現在、市内に新たな社会教育施設を整備する計画はありませんが、今後も各区に1館ずつ設置している市民館及び図書館並びに既存の分館等を軸としながら、学校施設の有効活用等のさまざまな手法を総合的に用いて、地域に身近な場所できめ細やかにサービスの提供を行う、こういうふうに書いてあるわけですね。そこで伺いますが、なぜ新たな社会教育施設をつくろうとしないのか、教育長に伺います。また、学校施設の有効利用と言いますが、それで図書館機能を代替できるとお考えなのか、これも教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 図書館についての御質問でございますが、本市におきましては、各区の地区館や分館を中心として、市民の皆様のニーズに対応した図書館サービスの提供を行っておりますほか、学校図書館の有効活用、県立川崎図書館や大学図書館との相互連携等も進めているところでございます。図書館におきましては、社会状況の変化に対応しながら事業の充実を図っていく必要があるとともに、社会教育施設を初めとする公共機能につきましては、将来的な人口減少への転換等を見据えた対応が求められております。今後も、ICTの活用など市立図書館におけるさらなるサービスの向上と、大学等の地域資源との連携による、それぞれの特徴や強みを生かした取り組みを推進しながら、市内のあらゆる地域において充実した図書館サービスを提供してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆石川建二 委員 なぜつくらないのかの問いに、将来的な人口減少への転換等を見据えた対応が求められているからということです。そもそも、川崎市は他都市との比較でも、もっと予算も施設もふやさなければならない現状だと思います。市民団体の皆さんが、さいたま市と2015年度における比較を行っておりますけれども、市民1人当たりの資料費は、政令市平均が110円なのに対して川崎市は67円です。川崎市の資料費の予算額も、当時、1億1,175万円余で、さいたま市の5割弱でした。新年度の予算は1億2,000万円余と横ばいの予算です。人口が20万人ほど少ないさいたま市の図書館、分館の数は25館、川崎市は12館と半分以下です。1施設当たりの人口は、さいたま市が5万人、川崎市は11万人です。私が注目したのは、市民1人当たりの年間の貸出数です。さいたま市では8冊なのに対し、川崎市は4.7冊と、さいたま市の6割にすぎません。これは施設が少ないことが市民の借りる機会に影響を与えているのではないでしょうか。現在の図書館を活用して、鷺沼駅再開発に当たっては新たに図書施設を整備すべきことを提案したいと思います。
次に、向丘出張所について、基本方針案では、地域包括ケアシステムにおいて、出張所での面接や相談など、場としての活用について連携が進むようにするとのことですが、地元で求められているのは福祉サービスの相談や手続、こういうことではないでしょうか。福祉サービスの相談や手続は、移動が困難な方も多いと思われます。向丘出張所で福祉サービスの相談や手続が行えるようにすべきですが、市長に伺います。
◎福田紀彦 市長 向丘出張所についての御質問でございますが、市民生活が多様化する中で、行政サービスも専門化、複雑化し、それぞれの窓口や相談体制が連携して取り組みを推進していることから、出張所において福祉サービスの手続業務を実施するということは困難であると考えておりますが、地域バランス等を考慮した出張所の機能のあり方について、地域の皆様とともに検討してまいりたいと存じます。以上です。
◆石川建二 委員 離れてしまうわけで、そこら辺の機能を充実する対案を持たないと住民の方は納得できないし、それゆえに、やはり移転をすべきではない、歩いて行けるところに住民サービスの拠点を設けるということが必要だと思います。私は、鷺沼駅や今の宮前平駅、向丘出張所、そして野川地域にもそういう拠点が必要だということを提案したいと思います。
最後に、鷺沼駅周辺の地質に関して質問をしたかったのですけれども、時間も余りありませんので、申しわけないですが、これは要望にとどめておきたいと思います。地質を調べましたところ、川崎鷺沼郵便局付近のボーリングデータがありますが、それによると、地盤の強度を示すN値が4から3、これは建築可能な強度ということらしいですが、これについては4メートルぐらいあるそうで、地表から8メートルから12メートルまではN値がゼロから1という地盤が続きます。まるで豆腐の上に道路が乗っている、こういうふうに表現した専門家もいらっしゃいます。このような地形では、地震時に沈下や水平変位が見られるとも指摘をされました。その際、道路舗装やライフラインの損傷のおそれも出てくる可能性もあるとのことです。もし水道管が破裂すれば、さらに被害は広がります。専門的な地震時の検証が必要と思います。建設事業者にもぜひ確認をしてほしいと事前にお話をしましたら、それは確認をしましょうということのようですので、関係局も含めて確認をしながら、安全性についての検証を怠らずに行ってもらいたいと思います。終わります。
◆嶋崎嘉夫 委員 それでは私のほうは、臨海部の津波対策並びに神奈川臨海鉄道と臨海部の交通体系について、それぞれ一問一答でお伺いいたします。担当の局長に質問いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
東日本大震災が発生した3月11日がまた近づいてまいりましたけれども、せんだって政府の地震調査委員会が、太平洋の日本海溝沿いで起きる地震活動の長期評価というものを公表しました。今後30年以内にマグニチュード7以上の地震が発生する確率は高い、宮城県沖でマグニチュード7から7.5の地震が起きる確率というものを今後90%程度と予測を発表したわけです。また、あわせてこの際には、茨城沖、そして房総沖でも今後大変大きな地震が発生する確率が極めて高いということも発表されてまいりました。さきの我が党の代表質問で、仮に東京湾で地震が発生し、津波が起きた場合、ごみ焼却場などがある浮島処理センターというのは本当に安全なのですかということを質問いたしましたけれども、その際、答弁として、予想される最大津波高を上回る標高約4.6メートルの位置に浮島処理センターは建設されているので、津波被害が起きた場合でも対応できるという答弁でした。しかし、御存じのように、そもそも浮島処理センターは現在も埋立地盤の沈下が進んでいるということ、また、港湾局長答弁でもありましたが、浮島1期地区というのは堤外地のために、施設の防災対策というのは事業者が必要な措置を講ずるべきだという位置づけにされているわけです。しかし、危機管理室が公表しております津波ハザードマップでは、横浜側の西護岸から浸水すると明記されておりまして、仮に予想値を超す津波が発生した場合には、浮島処理センターは稼働停止に陥る可能性もあるのではないのかな、このようなことも心配されます。市民生活の基盤である処理センターが稼働停止の状態になることだけは何としても避けなければならないと思います。そこでお伺いしたいと思うんですけれども、川崎の公共建築物建設残土等を、昔は入江崎総合スラッジセンターの横にある建設センターで預かって処理していましたが、今はお金を払って他の都市に引き取ってもらっている。例えば、こういう建設残土の活用を含めて、緊急の浮島地区における浸水対策というものも講ずるべきではないかなと思いますが、まず環境局長の見解を伺いたいと思います。
◎大澤太郎 環境局長 浮島処理センターにおける津波による浸水対策についての御質問でございますが、浮島処理センターにつきましては、立地場所が東京湾に近接していることから、浸水対策として、川崎港で予想される最大津波高を上回る標高約4.6メートルの位置に建設するとともに、施設本体につきましては、岩盤までくいにより支持するなど対策を講じているところでございます。こうした状況ではございますが、市民生活の基盤となる浮島処理センターの安定稼働を確保することは大変重要でありますことから、今後におきましても、津波による浸水への備えや対策等につきまして調査検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 今答弁をいただいて、標高約4.6メートルの位置に建設してあるということなのですけれども、国道409号を海に向かって真っすぐ進んで、浮島ジャンクションの手前の信号を右に曲がると、ちょうど浮島処理センターのほうに通ずる道です。御存じだと思うんですが、浮島の地盤はあの道路より下ですからね。つくったときよりも地盤がどんどん落ちているんですよ。浮島処理センターは地下2階の地上6階建てということですけれども、もし仮に焼却炉が浸水被害と考えた場合には、これは大変な影響が出るだろうと思うんです。
そこで、今度は浮島の土地を持っていらっしゃる港湾局長に今の津波対策についての見解を伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 津波による浸水対策についての御質問でございますが、浮島処理センターが立地している浮島1期地区につきましては、海岸保全区域より海側の堤外地となっており、一般的に堤外地における防災対策につきましては、事業者の資産を守るという観点から、事業者みずからが必要な対策を講ずるものとされております。本市に最大の津波被害をもたらす慶長型地震の津波浸水予測では、浮島1期地区につきましては、浮島西護岸周辺で一部に浸水が予測されているところでございます。今後の対策につきましては、川崎市地域防災計画や川崎市国土強靱化地域計画を踏まえ、関係局と連携を図りながら適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 今それぞれ御答弁をいただきました。そうすると、浮島地区における津波対策は一体現状ではどうなのかというと、わかりやすく言うと、標高約4.6メートルの位置に存在しているというだけなのですよ。堤外地だということですから、西護岸のところから浸水する危険がありますよとハザードマップで示されていても、要は事業者が津波対策を講じなさいと港湾局はおっしゃっているんです。ところが、浮島処理センターのほうにお金を用意して護岸整備、津波対策をやれるのかといったら、それだけの予算はどうやって捻出すればいいのかという問題もあります。また同時に、民間の事業者さんがパイプラインを通していらっしゃる。もし仮にそこに残土を使って土盛りをしようとしてもパイプラインに影響が出てしまう。また、そういう工事も民間事業者が負担しなければいけないという問題もある。ただ、パイプラインのところをよけて、例えば堤外地の内側のほうに津波対策の護岸整備というのは可能だと思いますけれども、いずれにいたしましても、堤外地ということで、いまだに造成も済んでいない状況だと。逆に言えば、では何でそんな堤外地に市民生活に欠かせない浮島処理センターをつくったのですかという話にそもそもなるんですが、当時、建設したときは、1,000年に1回のような巨大地震が私たちの生きている時代で起きるとは多分誰も想定していなかったんだろうと。しかし、もうこれが現実に起きる時代になってしまったとなれば、当然のようにそれに対してしっかりとした安全対策というものを講じていくのは当たり前のことなのだろうと私は思います。
そこで、次にお伺いしたいのは、臨海部には市民生活を支える重要施設が幾つもありますよね。今の浮島処理センターもそうですけれども、例えば入江崎水処理センター、それからかわさき南部斎苑、こうしたものも市民生活に欠かせないのですが、それぞれこうした津波対策としてどのような対策を講じているのか、お伺いしたいと思います。まずは
上下水道事業管理者、お願いします。
◎金子督
上下水道事業管理者 入江崎水処理センターにおける津波による浸水対策についての御質問でございますが、下水道施設の津波対策といたしましては、川崎市国土強靱化地域計画に基づき、慶長型地震による津波を想定し、汚水処理施設等の長期にわたる機能停止への対策を講じているところでございます。具体的には、既存施設の開口部に止水板や防水扉を設置するなど、施設内に水が浸入しない対策を実施するとともに、再構築した西系の水処理施設では、津波高を考慮した床高を設定するなど対策を進めておりまして、今年度、入江崎水処理センター全体の津波対策を完了したところでございます。今後につきましても、災害時の汚水処理機能を確保することは市民生活や経済活動を守るために重要でございますので、川崎市地域防災計画や川崎市国土強靱化地域計画を踏まえ、適切に対応してまいります。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 それでは引き続いて、かわさき南部斎苑について、健康福祉局長、見解を伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 南部斎苑における津波による浸水対策についての御質問でございますが、南部斎苑につきましては、施設の構造や高さの基準を満たす施設として津波避難施設に指定され、避難誘導に資する誘導看板等を設置し、不測の事態に備えているところでございます。また、建物内への浸水を抑制するため、地下駐車場入り口部分に止水板を設置するとともに、浸水時の停電を想定し、2階部分に非常用発電機などの電気関係設備を配置する対策を講じているところでございます。今後につきましては、施設管理者によるハード面の整備と、訓練や適切な避難行動の周知などソフト面の両面から、関係局区と連携しながら効果的な浸水対策を検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 今それぞれ答弁いただきました。まず南部斎苑ですけれども、浸水を抑制するために止水板を設置していると。事前のやりとりの段階で、止水板というのは、高さはどのぐらいになるのですかと聞いたら、50センチだと言うんですね。それで、2階部分に非常用発電機などの電気関係設備を配置されているということですが、焼却部分は1階ですね。そうすると、これはもう1回見直したほうがいいのではないのかなと思います。
それから、入江崎水処理センター並びにスラッジセンターのほうもありますけれども、率直に申し上げて、この間、津波対策が西系で完了したということですが、しかし、東側のほうの部分、それからスラッジセンター、特に麻生区から下水管を結んで汚泥を送ってきていますよね。最後は焼却処分ということになっているのですが、この施設のところで万が一津波等が発生したときにどのような対応がとれるのか。想定を超した津波被害があった場合、御存じのように、最悪の場合は下水管を汚泥が逆流して、まちじゅうのマンホールからあふれ出てしまう危険というのもあるわけですよね。そうやって考えていくと、最重要の施設が臨海部に集中している。確かに防災訓練とかも大事なのですけれども、行政側としては、市民生活の社会インフラは何があってもとめてはならない、そのために今何をなすべきかということも、まずもう一度足元からよく見直していただきながら、その対策に向けて、各部局の縦割りではなしに、各部局が知恵を出していただきながら、どのように急いで対策を進めていくべきなのかということをやらないといけないだろうと思いますので、こちらのほうをぜひお願いしたいと思います。
それでは続いて、神奈川臨海鉄道及び臨海部の交通体系について伺います。神奈川臨海鉄道株式会社は、昭和38年6月1日、京浜工業地帯の鉄道貨物輸送を行うために、昔の国鉄、県、川崎市及び関係会社の出資あるいは用地の提供等により第三セクター方式で設立され、昭和39年3月、塩浜操車場――現在の川崎貨物駅に接続する水江線、千鳥線及び浮島線の営業を開始しました。そこで、港湾局長にお伺いしますが、昭和38年、神奈川臨海鉄道株式会社の設立に交わされた覚書の内容について伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 覚書の内容についての御質問でございますが、昭和38年4月に神奈川臨海鉄道建設に関する覚書として、出資金、立体交差等分担金、線路用地、ヤード用地、既設通路線施設の使用料等について、神奈川県、本市、塩浜操車場建設促進協議会、日本国有鉄道の4者で確認する覚書を締結したものでございます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 ありがとうございます。そうすると、川崎市は神奈川臨海鉄道株式会社に対して用地を提供されているのですが、行政財産使用許可申請書に基づく提供用地の地積面積及び台帳価格は幾らになるのか、あわせて提供用地の貸付料は徴収しているのか伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 行政財産の目的外使用許可についての御質問でございますが、行政財産につきましては、地方自治法及び川崎市財産条例などの関係法規に基づき管理しておりますが、行政財産の用途または目的を妨げない限度において、使用許可ができることとされております。神奈川臨海鉄道株式会社には、千鳥線の運行に供する線路敷等として、川崎区千鳥町などの土地の一部について使用許可を行っているところでございます。千鳥線につきましては、船舶輸送と鉄道輸送を連携させ、川崎港の利便性向上と貨物輸送量の増大を図るため、昭和23年から本市が整備したものでございます。その後、昭和37年に日本国有鉄道、神奈川県、本市、塩浜操車場建設促進協議会の協議の結果、臨海鉄道方式での運営とすることを決定したことから、神奈川臨海鉄道株式会社に本市が整備した鉄道敷及び工作物の使用許可を行っているものでございます。平成30年度の許可につきましては、面積が合計約1万7,000平方メートル、当該面積に応じた台帳価格は約14億円となっております。使用料につきましては、港湾の利用振興及び公益性の観点から、川崎市財産条例に基づき免除としているものでございます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 今答弁いただきました。面積が合計約1万7,000平方メートル、使用料については、川崎市財産条例に基づき免除扱いとなっているということです。そこで、もう1回伺います。このたび神奈川臨海鉄道株式会社は水江線を運行廃止しましたが、廃止面積、平方メートル当たりの価格、廃止面積に対する本市の持ち分台帳価格は幾らになるのか伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 水江線の運行廃止面積などについての御質問でございますが、廃止した面積のうち、神奈川県と本市の共有地は約5,000平方メートルでございます。1平方メール当たりの本市の台帳価格は約12万8,000円、廃止面積に対する本市の台帳価格は約3億円でございます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 水江線を運行廃止したこの部分について、本市の台帳価格が1平方メートル当たり約12万8,000円、共有地が約5,000平方メートルですから約3億円になるということです。では、今後これをどうするのかという問題もあるのですが、その前に、過去の市議会の議事録を全部調べたところ、昭和56年、本市議会の第4回定例会において、神奈川臨海鉄道株式会社に関する質疑が行われていました。当時の質疑に対する港湾局長答弁では、無償貸し付けは神奈川臨海鉄道株式会社が黒字決算に転換するまでの間であると答弁されているのですが、事実か伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 昭和56年第4回定例会についての御質問でございますが、昭和56年第4回定例会で、神奈川臨海鉄道建設に関する覚書において、本市の所有する既設通路線施設については、当分の間、無償使用とするとの記載について、当分の間とはどのように理解したらよろしいのかとの質問があり、それに対し、当時の港湾局長が、臨海鉄道が第三セクターという性格上から判断して、当分の間とは黒字決算ができるまでの間というふうに考えている旨の答弁をいたしました。その後、同定例会において、同社に対する公的負担の基本的考え方として、地方鉄道事業に規定する認可企業に対する法令上の負担軽減規定、他の地方公共団体が軌道敷を無償としている状況、鉄道事業の赤字決算が続く会社の負担能力といった配慮すべき要点が多くあることや、従来の経過もあることから、それらを踏まえて県と共同で当たっていきたい旨の答弁がなされたところでございます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 公表されている神奈川臨海鉄道株式会社の収支を見ますと、本業である鉄道事業では2,082万円の赤字を計上していますが、附帯事業では2億4,000万円の黒字を計上し、全事業営業利益では2億1,997万円の黒字となっていました。さきに指摘した昭和56年第4回定例会での答弁にのっとれば、黒字転換している以上、用地使用料を徴収すべきと考えますが、何ゆえ市有地の使用料を徴収せずに現在に至っているのか、理由を再度伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 使用料についての御質問でございますが、初めに、神奈川臨海鉄道株式会社は、川崎区塩浜、夜光、小島町などの神奈川県と本市の共有地に鉄道による貨物輸送を可能とすることで、船舶輸送と貨物輸送を効果的かつ効率的に連携させることにより、川崎港の利便を高め、臨海部の振興、発展に資することを目的として設立されたものでございます。その後、設立目的に沿った運営がなされるよう、本市と神奈川県、横浜市、民間事業者等関係団体が協調した支援を行ってきた中で、トラックでは代替できない性質の貨物輸送の受け皿として、また、価格や定時性、環境面での優位性を有する輸送手段として、川崎港に立地する企業の事業活動を支えてきたところでございます。また、現在の経営状況を確認しますと、決算全体としては黒字となっておりますが、本来事業である鉄道事業につきましては、本市と神奈川県などの関係団体が協調した支援を行っているところでございますが、赤字決算が続いており、同社の附帯事業により鉄道事業が補填されている状況にございます。これらの状況や従来の経過を総合的に勘案し、行政財産の使用料を免除としているものでございます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 今答弁いただいたのですが、本市では、御存じのように、これまで市公有地のあり方について見直しをずっとやってきましたよね。いわゆる塩漬けの土地の整理については、約1,000億円を超す地方債を活用してきた経過もあります。今後とも本事業に対して使用料を徴収する考えはないのか、再度伺います。
◎髙橋哲也 港湾局長 今後の使用料についての御質問でございますが、神奈川臨海鉄道株式会社の鉄道事業につきましては、臨海部における企業活動に必要なインフラとして、また、内陸部の鉄道との連携による広域的な大量貨物輸送の手段として、臨海部の経済発展に寄与してきたところでございます。物流においては、海上輸送、陸上輸送を切れ目なく結ぶシームレスな物流や、ドライバー不足への対応、さらなるCO2削減を図るモーダルシフトなどが求められているところでございます。本市といたしましては、同社の鉄道事業が引き続きこうした社会環境の変化などに応じた公益性を発揮するとともに、川崎港の利用振興に資する事業が展開されるものと考えております。今後の使用料につきましては、神奈川臨海鉄道株式会社の設立以来の経緯や物流環境を踏まえた同社の果たす役割、経営状況などを総合的に勘案するとともに、神奈川県などの関係団体とも協調しながら検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 鉄道が必要だという理由ですけれども、神奈川臨海鉄道さんが配っている川崎港と貨物鉄道の連携による新たな物流サービスの提供というものがあるんですが、こちらの中で、川崎港の直近5年のコンテナ取扱量は飛躍的に伸びているというのも図で示されているんです。ところが、一方において、神奈川臨海鉄道株式会社さんの輸送量の推移というのを取り寄せて調べると、平成4年度がピークで209万6,000トンだったのが、平成29年度で138万6,000トンなのです。ということは、川崎港の取扱量がふえているにもかかわらず、神奈川臨海鉄道さんが扱っている輸送量はどんどん落ちているのが実態だということです。そうやって考えますと、昔のような高度経済成長下で鉄道を使って原料を運んだりしてきた時代と、川崎の臨海部は事業体の性質というのも大きく変わってきた。それに伴っての物流の取り扱いというのも本当にこのままでいいのか、そして、1万7,000平方メートルを超す市有地の活用として無償の状態で利用されているということに対して、このままずっと推移を見守っていくのかという大きな判断に立つ時期だと思うんですね。
そこで視点を変えてお伺いしたいんですけれども、今後の臨海部の交通体系のあり方ですが、御存じのように、平成35年度には建設中の臨港道路東扇島水江町線が完成して供用開始となるため、交通結節点整備を進め、川崎駅から臨海部方面への縦軸の交通体系を見直し、臨海部横軸への交通体系の再構築を進めるべきだと思うんですが、
臨海部国際戦略本部長の見解を伺います。
◎鈴木毅
臨海部国際戦略本部長 臨海部の交通体系についての御質問でございますが、川崎臨海部へのアクセスにつきましては、京急大師線、JR南武支線に加え、主要な地区に対しては川崎駅からのバス交通に依存しており、その利用環境の改善が課題となっているところでございます。さらに、臨海部の横方向の交通機能の強化につきましても課題であると認識しております。こうしたことから、臨海部ビジョンにおいて臨海部の持続的発展を支え価値を向上させる交通機能の強化に取り組むこととしておりまして、羽田連絡道路や産業道路駅駅前交通広場、臨港道路東扇島水江町線の整備などの機会を捉えながら、川崎駅や臨海部の各拠点間を結ぶ基幹的交通軸の整備や、これに合わせた交通結節機能の強化及びバスネットワークの最適化などに向けて取り組んでまいります。具体的な取り組みといたしましては、関係事業者等と連携を図りながら、川崎アプローチ線などの新たな基幹的交通軸の具体化に向けた取り組みや路線バスの再編に向けた調査分析及び再編案の検討などを進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 要は臨海部の横軸の交通体系の再構築を今やらなければいけないんだということなんですよね。そこでお伺いしたいんですけれども、運行を廃止した水江線の跡地活用については、例えば、平成29年5月に策定された塩浜3丁目周辺地区土地利用計画には含まれていないのですけれども、臨海部の交通体系の再構築のためには、水江線跡地を活用して塩浜3丁目地区の道路整備を当然進めるべきではないかなと思うんですが、
臨海部国際戦略本部長の見解を伺います。
◎鈴木毅
臨海部国際戦略本部長 塩浜3丁目地区の道路整備についての御質問でございますが、神奈川臨海鉄道水江線につきましては、廃線が決定し、神奈川臨海鉄道による土地の利用が終了したところでございます。今後の土地利用につきましては、当該跡地は県有地及び県市持ち分共有地でございますことから、主に臨港道路東扇島水江町線整備に伴う道路拡幅用地や池上町交差点改良のための活用を視野に入れて、県と持ち分の整理を行う必要があり、現在、関係局において協議調整を進めているところでございます。残りの廃線跡地につきましては、平成35年度まで臨港道路東扇島水江町線の事業用地として活用されるものと伺っておりますが、塩浜3丁目周辺地区土地利用計画において、臨海部のサポートエリアとして、交通の拠点機能を支えるために拡幅整備を計画している地区内道路に面しておりますので、当該地区の拠点機能をさらに高めていくために、その活用のあり方につきまして関係局と協議調整を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆嶋崎嘉夫 委員 それぞれ答弁ありがとうございました。御存じのように、羽田の国際化というのがどんどん進んできた。普通であれば、多摩川を挟んで最も羽田に近いのは浮島ですよね。そして、東扇島につながってくる。ところが、今、質問でもやりとりがありましたように、その東扇島の土地、約1万7,000平方メートルの市有地から賃借料も入ってこない。そこを活用してきた神奈川臨海鉄道株式会社、旧国鉄、そして神奈川県と、今後の兼ね合いの中で協調しながら方向性を探っていくんだと。ところが、交通体系も川崎駅からの縦軸では限界だから、今後は横軸の交通体系が必要なんだと。これは誰もがわかっている。しかし、それにもかかわらず、今までの経過があるので計画は動かないんですよ。せっかく目の前にチャンスがあって、これから臨海部で税収培養をさらに高めましょう、そのための地理的プライオリティは最大生かしましょうというのはどんどん言われているにもかかわらず、今までのそうした経過というものがどうしても計画を前に進めることにつながっていない。
それから、先ほどもありました浮島地区について、津波対策の問題もそうなのですが、堤外地という位置づけの中で、臨海部国際戦略本部には申しわけないんですが、浮島の再開発構想がいまだに確定してこない。これだけ羽田の国際化があるのに、何であの土地、そして東扇島とリンクして税収をもっと上げるようなことを積極的にやらないのかと言われても仕方がないと思うんですよね。例えば、暴論かもしれないのですが、SPC――特定目的会社をつくって、羽田からモノレール軌道をずうっと臨海部を横断させながらやるとかいうのも手かもしれません。それによって、例えば、神奈川臨海鉄道にも出資をしてもらって、約1万7,000平方メートル貸し付けている鉄道敷のところで、他の不動産賃料で収益を上げさせながら、しっかりと経営基盤も強化させる。それから、臨海部に進出している企業に呼びかけて出資に加わってもらいながらとか、川崎が今やろうとすること、それのための基盤というのは、もう経済界も含めてある程度できているはずなんですよ。それに向けて、これから戦略を持ってどうあるべきなのか、しっかりとこの点を進めていただかなければ、今後の高齢社会を含めた社会保障に回す財源を捻出することはできないと思います。ぜひとも今申し上げた点を踏まえて、それぞれの部局の立場というのはあるかもしれませんけれども、そうした中でお互い知恵を絞りながら、これからの川崎のかじ取りをどうするのかということを最優先に考えて、しっかりと政策を進めていただきたいと思います。以上で終わります。
◆雨笠裕治 委員 私は、1点目に港湾施設用地の拡張について、2点目は真福寺地区提案型の用途地域の変更について、3番目に横浜市高速鉄道3号線の新百合ヶ丘の延伸について、それぞれ一問一答で質問させていただきます。
それでは、まず最初に港湾局長さんですね。先日、25年ぶりに「予算議会を前に」というテレビに出させていただきまして、川崎の抱えている問題点等をしゃべらせていただきました。市長さんがおっしゃっている成長と成熟の調和の鍵は、ずばり成長だと私は思っています。それを一番簡単に考えやすいのが、臨海部というところが工業と港の機能を持った8番目の区だと考えて市政を見渡してみると、この8番目の区は市民に固定資産税と償却資産税を含めて莫大な貢献をしています。赤ちゃんからお年寄りまで、1人頭数万円にわたる税金の貢献をしているんですね。今現在はシンギュラリティといって、技術革新が曲線を上げて、ぐうんと加速をする時代に入りました。そうすると、本当に今ここで展開されている産業は構造転換を迫られる時代が来る。そのために我々は、キングスカイフロントにああいう研究開発、この地域が構造転換に対応できるような高付加価値のフラッグシップになるようなものをつくり上げてきました。そして、さらにここに魅力を持たせるためには、やはり機能向上しなければいけないですから、将来の産業構造転換に合わせて、きょう議論がありましたけれども、臨港道路東扇島水江町線みたいな機能を上げる。さらに、これから港湾局長に質問しますけれども、一体となって臨海部を支える港湾機能、経済波及効果は1兆円と言われていますよね。このところをやはり活性化しなければいけない。
ところが、この間、船に乗せていただいて視察させていただいたら、もうコンテナターミナルのところはいっぱいですよね。今、東京港なんかは積み荷の出し入れに、1台トラックが入って出てくるまで4時間かかるんですね。国際港湾の物流の今の趨勢というのは、1円でも安く、1秒でも早くというのが基本的な部分ですから、ここについては、やっぱりコンテナターミナルの用地確保というのは至上命題だと思うんです。伺いますけれども、このコンテナターミナル用地の適正化に向けた対応と、この取り組みによって生まれる敷地面積、さらに堀込部の埋立完成による新たな再配置によって、大きく港湾の機能が向上されることが期待されますけれども、使用可能な年次までどのように推移していくのか、取扱量に対して機能が不足することはないのかについても確認のために伺っておきます。以上です。
◎髙橋哲也 港湾局長 川崎港コンテナターミナルの用地などについての御質問でございますが、コンテナターミナルの取扱貨物量の増加に対応するため、荷役効率や蔵置能力の向上を目的としたターミナル内の整備を平成32年度まで段階的に進めているところでございます。また、さらなる貨物量の増加に対応するため、平成33年度以降につきましては、コンテナターミナルに隣接する埠頭用地をコンテナ関連用地として活用できるよう、現在調整を進めているところでございます。次に、コンテナ取扱貨物量の増加に対する機能面での対応についてでございますが、東扇島堀込部土地造成事業等では、土地利用計画の策定の上、平成40年度に約13ヘクタールの土地が供用開始予定となっておりますことから、それまでの間につきましては、当該埠頭用地を有効活用することにより対応してまいります。当該埠頭用地は、東扇島総合物流拠点地区形成計画において、コンテナターミナルの補完機能を果たす用地に位置づけられておりますことから、具体的にはバン・シャーシプールなどを整備し、ゲートオープン時間外の搬出入や、ドライバー不足が問題となっているコンテナドレージの課題解決など、効率的なコンテナ輸送に資する機能向上策を検討してまいりたいと存じます。今後とも、利用者ニーズを踏まえたターミナルの機能強化を着実に進めることにより、川崎港のさらなる発展に取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆雨笠裕治 委員 港湾局長さん、該当する利用者に対しての配慮はしっかりと対応していただきたいと思います。
それでは次に、
まちづくり局長に麻生区真福寺地区都市計画道路菅早野線拡幅工事に伴って行われております地域提案型用途地域の変更について伺いたいと思います。1点目、これまでの3年間の進捗状況について伺いたいと思います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 真福寺地区におけるまちづくりの取り組み状況についての御質問でございますが、平成27年度から地域住民の主体的なまちづくり活動に対して、初動期のまちづくり支援制度要綱に基づくコンサルタントの派遣を行いながら、都市計画制度の説明や地域の検討案に対する助言を行うなど、菅早野線白山工区まちづくり会への支援を行っているところでございます。当初は用途地域の緩和を目的とした活動をされておりましたが、地区内住民との意見交換を実施したところ、従前の第1種低層住居専用地域の住環境の保全や、土地活用に関してさまざまな意見があったことから、これらに配慮した案を作成し、現在、地区内権利者及び住民の合意形成に向けて活動を行っているところでございます。以上でございます。
◆雨笠裕治 委員 御答弁では行政からのコンサルタントの派遣がありましたけれども、要綱により次年度から派遣されないと仄聞しております。現在、事業は最終局面を迎えつつあり、用途変更や地区計画の成否に深く関係する設定区域内における住民との折衝や、進捗管理に対する不安がまちづくり会の皆さんから出ておりますけれども、コンサルタント派遣終了後の行政の積極的な対応についてお聞かせいただきたいと思います。以上です。
◎綿貫康治
まちづくり局長 真福寺地区における今後の対応についての御質問でございますが、初動期のまちづくり支援制度要綱に基づくコンサルタント等の派遣期間につきましては、最長の場合でも4年と規定されており、真福寺地区の菅早野線白山工区まちづくり会への派遣につきましては、今年度が4年目の最終年となります。しかしながら、まちづくり会による活動は今後も継続して行われるとのことでございますので、平成31年度以降につきましては、行政において専門的な助言等の支援を行い、地域主体の活動を支援してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆雨笠裕治 委員 それでは次に、横浜市高速鉄道3号線の延伸計画でございます。福田市長は決断をしてくれて、1月23日に共同記者会見、私も長く取り組ませていただいて、当日は本当にうれしかったなという率直な気持ちでございます。よく知られているのですけれども、地下鉄のシールドですが、単線部分のシールドを抜くと、ちょうどモニターからモニターの間、それで下から上まで、7メートルの直径のシールドが単線のシールドなんですね。複線のシールドだと12メートルの外径になるということで進んでいます。ちなみに、グリーンラインなんかは車両が小さいので、複線でも9メートル外径のシールドで掘って進んでいく事業でございます。このたび延伸計画が発表されまして、これまでも横浜市も川崎市も住民意見の聴取について丁寧に行いたいとしていましたが、このたびは3ルートを示しながら、市民に説明する機会を設ける前に優位性の判断を発表した。どうしてこれを発表したのかという声が実は率直に上がっているんですね。行政の取り組みの仕方なのかもしれませんが、ただ、こういうビッグプロジェクトは、路線が民間の土地の下を通過するという権利関係の調整が一方では避けられない事業ですので、地域住民の理解、協力が開業促進には最初から不可欠になってきます。ですから、今申し上げたようなシールドが、3ルートともに住宅地の下を通る部分が出てまいりますので、ルートによっては、新百合ヶ丘に近づけば近づくほど住民との交渉が避けられないという心配の声が上がっています。代表質問では、工事の簡易性に一番影響する民地の下を避ける具体的な検討はされていない、その中での優位性の発表であったということが明らかになりました。そこで伺いますけれども、今回の3案発表に際して、同様に地権者の同意や工事の簡易性に影響する騒音・振動対策は、地表から最低何メートルぐらい深くすれば影響を回避できるのか、また、そういうふうなことを考えてやってこられたのか、また、駅位置と駅位置の間の高低差における勾配の基本的な方向性――モニターを出してもらえますか――をどのように考えているのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 横浜市高速鉄道3号線の延伸についての御質問でございますが、ルートの縦断線形については、一般的に、起点、終点となる駅及び中間駅の位置や深さ、経路上に支障する地下埋設物との位置関係、地形などを踏まえるとともに、速達性や快適性なども考慮して設定するものであり、地表面とトンネル天端部までの離隔については、これらの縦断線形の検討に応じて定まってくるものでございます。また、騒音・振動対策については、環境アセスメント等を踏まえ、その深さ等の状況を考慮しながら、必要に応じて具体的な内容について検討していくこととなります。また、駅間の高低差における勾配の考え方につきましては、鉄道に関する技術上の基準を定める省令第18条及び同省令の解釈基準により、最急勾配1000分の35と定められており、その範囲内で検討するものと認識しております。以上でございます。
◆雨笠裕治 委員 モニターを見ていただきますと、まず、すすき野新駅の海抜が41メートル、ヨネッティー王禅寺の部分が89.5メートルで、距離が1.4キロありますので、1000分の35パーミルの関係で言うと、この差が49メートルまで可能なんですね。でも、それは最大勾配なので、相当きつい勾配だというのがわかります。この差が48.5メートルありますので、49メートルまではいいとされているんですけれども、その差0.5メートルというのは0.01%のタームしかないんですね。ぎりぎり。それは駅位置の深さ等で調整はするのでしょうけれども、こういうことについて担当の方にわかっていますかということをお聞きします。それから、担当の方は新百合ヶ丘の現地調査をよくされているということなので、さっき言ったシールドのようなものが入れそうなところはどこか想定して今回のことを考えたんですか。それから、グリーンラインなんかで言うと、駅に近づいて民地の下を通っているところがあるので、そういう考え方は重要なことだから横浜市からちゃんと確認をとっているんですね。私はルートについて口出しするつもりはないんです。ただ、早期開業するには、工事の簡易性とか、そういうのをわかっていて、この費用対便益を含めた発表をしなければいけなかった、そう思うんですよ。市は優位性があるとしたルートの選定理由として、ヨネッティー王禅寺付近は、利便性が高く広域拠点である新百合ヶ丘駅から一定程度離れている、それからバス路線によって宮前区や多摩区まで利便性が向上するという2点を強調されました。ところが、地域をよく知っている市民からは――今ちょっと意向調査しましたら、数日でこのぐらい返ってきましたので、関心は高いと思いますが、そういう方からは、周辺に意外と市街化調整区域がある、それから既存のバス路線が多くて交通結節点と言うが、あざみ野とか、たまプラーザ行きがある中で、宮前区、多摩区の方がバスでわざわざヨネッティー付近の新駅まで戻っていくのかと。この利用者の動向というのは、実態に即して考えられてこの判断に至ったのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。以上です。
◎綿貫康治
まちづくり局長 ルート選定についての御質問でございますが、事業化判断時の川崎市側の概略ルート・中間駅における比較検討、評価の視点として、既存のバス路線を中心とした地域交通との連携などによる相乗効果が期待できることをお示ししております。その前提として、輸送人員の予測においては、発生・集中量や目的、手段分担など現況交通の動向に基づく推計が行われているものでございまして、西側ルートでは1日当たり約7万8,000人、中央ルートでは約8万人、東側ルートでは約7万9,000人となっており、どのルートも大きな差異がないものと考えております。その上で、既存のバス路線の本数や行き先を考慮した評価を行い、東側ルートが既存バス路線と鉄道との連携を図ることによる公共交通ネットワークの充実において最も相乗効果が見込めることなどから、当該ルートを有力ルート案としたものでございます。以上でございます。
◆雨笠裕治 委員
まちづくり局長さん、そのほうがわかりやすいので、1問飛ばさせてもらいますが、今回こういうふうなことで意向調査をさせていただいていまして、ルート案や考え方を資料で示すには、理解しやすいこと、理解してもらえることが当然求められると思うんですけれども、このアンケートをとらせていただきますと、8割の方が優位性についてわかりにくくて理解できないということなんですよ。逆に言うと、2割の方はわかったということだから、いいのかもしれませんけれども、でも、やっぱりこういう事業というのは、冒頭申し上げましたように住民の理解が不可欠なので、まず丁寧に進めるべきだったと指摘をさせていただきますけれども、理解しやすいという点ではどういうふうに工夫したのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 市民への説明についての御質問でございますが、横浜市高速鉄道3号線の延伸は、市民の関心も高く、本市にとって大きなメリットとなるよう、横浜市と連携し、ルートや駅位置等について検討を行ってきたものでございまして、事業採算性等を考慮し、実現可能なルートとするとともに、川崎市側のまちづくりや地域交通に関する視点から比較検討を進め、東側ルートを有力案と考えたものでございます。こうした検討プロセスを含めた考え方について、市民の皆様への説明責任を果たす必要があることから、先般、これら事業の内容を公表したものでございます。これを踏まえ、麻生区町会連合会の役員への説明を開始し、今月下旬には麻生区役所においてオープンハウス型でのきめ細やかな情報提供を行い、今後、より詳しい内容をお示しし、御意見を伺いながら、平成31年度中を目途に1案を選定する予定でございます。以上でございます。
◆雨笠裕治 委員 御意向を伺っておりましたら、さまざまな御指摘がありまして、資料には客観性が求められますけれども、バス利用の実態について、中央ルートのバス停の見落としがあり、正確性に欠くとの指摘が市民から言われています。つまり、バス便が抜けているんですね。尻手黒川線が横切っています。それが王禅寺公園北停留所。それで、菅早野線が交差しています。このバス停からの距離は歩いてわずか3分、小田急の王禅寺公園というバス停で、この小田急のバス便の本数とカウントが抜けています。意図的に抜かしたのだったら、これはたちが悪いので、今、国会で論戦しているようなことになってしまうから、そうではないと思うんですね。そう信じたいし。私も、おかしいな、ここのバス便はもっと多かったなと思ったんだけれども、ここはどうしてこういうふうな考え方になったのか、お答えいただけませんか。
◎綿貫康治
まちづくり局長 中央ルートのバスの本数等についての御質問でございますが、事業化判断時の川崎市側の概略ルート・中間駅における比較検討、評価の視点として、既存のバス路線を中心とした地域交通との連携などによる相乗効果が期待できることをお示ししております。この考え方といたしましては、本市として、道路や土地利用などの周辺状況を考慮しながら、各駅予定エリアにおける主要な道路上の主なバス停留所から運行する本数等をもとに比較したものでございます。こうしたことから、中央ルートについては、バスの本数を1日当たり約100本、行き先が3方面としてお示ししたものでございます。なお、主なバス停留所の近隣にある他のバス停留所を含めた場合の運行本数については、1日当たり約400本、行き先は7方面となるものでございます。今後、市民に対し、より詳しい内容をお示しし、御意見を伺いながら、平成31年度中を目途に1案を選定する予定でございます。以上でございます。
◆雨笠裕治 委員 実際はこういうことですよね。本数が約100本と書いてあるところが約400本、そうすると、西側が約600本ですが、東側の約400本と数は同じ、それからバス停は百合ヶ丘駅、大谷、聖マリアンナ医科大学、溝の口駅行きがふえる。そうすると、評価は三角から少なくとも丸か、もしくは二重丸という判断も下せるのではないかと私は思っています。バスのこのことだけで評価しているわけではないということですが、BバイCを出すときの4段階の推計法でもう一度この計算をして、その上でも優位性が変わらないかどうかというのは証明をしていただきたいんですよ。そうしないと市民に説明できないし、これからオープンハウス型の説明をされるときに、少なくとも、実はここについては載せていませんでしたということはちゃんと言ってから説明をいただきたいと思っています。
このたびの事業化判断について、最後に藤倉副市長から、このバスのことも含めて今後の進め方をお答えいただきたいと思うんですけれども、どうも担当者が地元のメディアに発言を切り取られて、優位性を示したのだから、まさか変わるようなことはないのでしょうねというふうな質問の仕方を多分されたと思うんだけれども、それについてメディアに、よっぽどのことがない限り変えませんよと。今、答弁では
まちづくり局長が、皆さんの声を生かしながらルートを1案選定していきたいと思います、決してまだ決まったものではないんですと言うんですけれども、地元のメディアでは、よっぽどのことがない限り、市はもうこう決めたのだから、これで行くんだ、だったら1本を示せばよかったじゃないかという話も出てきてしまっているので、藤倉副市長、このあたりはしっかりとした説明、丁寧なやり方で進めていただきたいと思いますが、市の見解をいただきたいと思います。
◎藤倉茂起 副市長 今後の進め方についての御質問でございますが、このたびの事業化判断につきましては、市民の皆様へ説明責任を果たすために、検討を行った実現可能なルートとしての複数案と、これにあわせ、まちづくりや地域交通に関する視点について、現状を比較評価した結果に基づき有力ルート案をお示ししたものでございます。これらの考え方につきましては、今後、市民の方々に対し丁寧に説明していくとともに、より詳しい内容をお示しし、御意見を伺いながら、平成31年度中を目途に1案を選定してまいります。以上でございます。
◆雨笠裕治 委員 丁寧な説明をしていただいて、それで、私はこういう意向調査をしてよくわかったのは、やっぱり地域の皆さんは本当によく知っているなと。私もあそこに住んでまだ40年そこそこですけれども、新百合ヶ丘の近くになるとどうなっているとか、地下鉄は90度曲げるのには400メートルかけないと運行速度が遅くなってしまって急に曲げられない、そういうことも知っている人もいて、そういう中で言うと、開通の促進にはどうしたって工事の簡易性が不可欠ということがありますので、そういう地域の特性等をしっかりと聞いていただいて、市長はすばらしい決断をされましたから、ぜひ開通に向けて促進できるように、行政上げての努力をいただきたいと思います。以上です。
◆市古映美 委員 名実ともに最後の質問になりました。私は一問一答で、武蔵小杉駅横須賀線口駅前広場の喫煙場所について、日本医科大学武蔵小杉病院の移転に伴う事前説明会等について、就学援助事業について、学校図書館有効活用事業と図書館整備について、順次関係局長にお伺いをいたします。
それでは初めに、武蔵小杉駅横須賀線口駅前広場にある喫煙場所について市民文化局長に伺います。昨年も伺いましたけれども、依然としてつい立ての外側に人があふれて、たばこの煙とにおいがかなり広範囲にもくもくと漂って、周辺にお住まいの方々からの苦情が絶えません。担当する地域安全推進課にも苦情が寄せられていると思いますけれども、お伺いをいたします。
◎鈴木賢二 市民文化局長 指定喫煙場所についての御質問でございますが、武蔵小杉駅横須賀線口駅前広場の指定喫煙場所につきましては、市長への手紙やメールなどで平成28年度は3件、平成29年度は13件、平成30年度は2月末までに15件の御意見をいただいており、主な内容として、喫煙者が指定喫煙場所の外にはみ出していて煙に悩まされている、また、パーティションがはみ出しを防ぐ役割を果たしていないなどでございます。以上でございます。
◆市古映美 委員 前回の質問の答弁は、特に昼間の喫煙は近くの事業所に勤務している人と見当がつくので、事業所に定期的に申し入れに行って、路上喫煙防止指導員の配置をしてもらい注意を促したいというようなことでした。私のところにも頻繁に苦情が寄せられておりますけれども、担当課のほうにも今相当な苦情があるということがわかりました。その後の改善について、今後の取り組みを伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 指定喫煙場所の改善に向けた取り組みについての御質問でございますが、当該指定喫煙場所におきましては、路上喫煙防止指導員による巡回などをふやすとともに、利用者が多いとされる近隣事業者と合同で巡回するなど、利用者のマナーアップに向けて継続的に取り組んでおりますが、現在も朝夕の通勤時間帯を中心にはみ出している喫煙者がいる状況となっております。今後につきましては、引き続き、マナーを守らない喫煙者に対する注意、指導に取り組むとともに、健康増進法の改正に伴い、昨年11月に厚生労働省から発出された屋外分煙施設の技術的留意事項において、パーティション型の具体例として示された壁は2メートルから3メートル程度の高さがあることや、出入り口には方向転換のためのクランクがあることなどを参考に、他法令等との整合性を踏まえながら、当該指定喫煙場所の環境改善に向けた検討を進めてまいります。以上でございます。
◆市古映美 委員 さらに、特に昼間、喫煙場所に行く人の事業所は特定ができるということですから、事業所や関連事業所の従業員については、敷地を含む場所で喫煙は完結してもらうように厳しく申し入れをすることはできないのでしょうか、お伺いいたします。
◎鈴木賢二 市民文化局長 近隣事業者への対応についての御質問でございますが、本市が設置する指定喫煙場所につきましては、誰もが利用できる施設であり、特定の者に対して利用制限を設けることはできませんが、近隣事業者に対して、従業員や関係者への指定喫煙場所の適正利用、マナーの遵守についての周知徹底や、事業所敷地内の喫煙場所の利用促進について申し入れを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆市古映美 委員 よろしくお願いいたします。
次に、武蔵小杉の日本医科大学病院の移転に伴う事前説明会等について
まちづくり局長に伺います。グラウンド跡に3月から建設に着工するということで、2月20日に地元説明会が総合自治会館で開かれたと聞きました。1時間足らずの時間で、説明30分、質疑30分で進められたということです。この説明会のお知らせはどの範囲に知らされたのか、また、紙媒体で配られたのでしょうか、お伺いいたします。工事は約2年半に及ぶとのことでした。工事中の車両の通行経路と、車両の種類やその量などは紙面で説明がされたのでしょうか。現日本医科大学とグラウンドの間の通路というのは、小杉御殿町に住む方にとっても、商店街を利用するためも含めて住民の生活道路になっています。その道路は工事中も安全に今までどおり通行できるのか、お伺いをいたします。
◎綿貫康治
まちづくり局長 日本医科大学による病院新築工事の説明会についての御質問でございますが、初めに、説明会開催のお知らせにつきましては、都市計画手続の際の周知範囲を参考にして、新病院の敷地境界から建物の高さの2倍の範囲の約1,200戸にチラシが配付されております。次に、工事関係車両につきましては、説明会では通行経路はスライドと配付資料でお示しし、車両の種類や台数は口頭で御説明したと伺っております。次に、周辺道路につきましては、法規遵守の徹底や交通誘導員の適切な配置により、一般歩行者及び登下校中の児童の安全、交通事故の防止に努めると説明されております。本市といたしましても、児童を初め住民の方々の安全な通行の確保を徹底するよう指導してまいります。以上でございます。
◆市古映美 委員 4月に隣接する小杉小学校が開校します。学校側にはこの工事に伴う通学路の安全問題、工事中の振動や騒音などについて、きちんとした説明が教育委員会になされているのか、学校の子どもたちの勉強の妨げになるような振動や騒音は心配ないのか、お伺いをいたします。
◎綿貫康治
まちづくり局長 小杉小学校関係者への説明についての御質問でございますが、同小学校につきましては、まだ開校前でございますので、通学路の安全確保や工事騒音・振動の抑制などについて、現在、教育委員会の関係部署に適切に情報提供を行っているところでございます。以上でございます。
◆市古映美 委員 この工事は2年半にも及ぶ工事で、本来でしたらば、隣接して建っている既に開校している小学校だったらば、PTAにも工事中の説明をして了解と理解を得る努力をするのが当然だと思いますけれども、この辺の見解についてもお伺いいたしたいと思います。また、開校前でPTAはありません。だとしたら、学区になっている親御さんに工事中の説明をして了解を得ることはすべきではなかったでしょうか、お伺いいたします。
◎綿貫康治
まちづくり局長 小杉小学校のPTA等への説明についての御質問でございますが、説明会の開催につきましては、将来学区となる小杉町2・3丁目の児童が現在通学している西丸子小学校と今井小学校において、日本医科大学による工事説明会のチラシを配付していただいたところでございます。小学校の関係者に対しては、今後も適宜適切な説明など、丁寧な対応をするよう引き続き事業者を指導してまいります。以上でございます。
◆市古映美 委員 事前説明会が余りにもずさんなので、参加した住民は早速教育委員会とまちづくり局に、新学校入学生全ての保護者への工事説明会を行うようにと申し入れをしたそうです。その後、28日に教育委員会の担当者などが日本医科大学と施工業者などと協議を行った、今後、日本医科大学は学校の児童保護者への工事説明会は改めて行うことになったと聞きました。さらに、2月20日に行われた説明会は、設定された時間が余りにも短くて、住民の納得がいく質疑が保障されなかったということで、改めて周辺住民への説明会も求めております。それにしても、今回の工事説明会のやり方と内容から、2月20日にやって3月から工事着工と余りにも乱暴過ぎるのではないでしょうか。2年半にも及ぶ工事と、さらに予定ですと現日本医科大学の解体工事というふうに進んでいきます。解体工事がまた小学校に与える影響というのは大変大きなものがあると思うんですけれども、大規模事業がこういったずさんなやり方をされるようだったらば、本当に先が思いやられます。川崎市のしっかりとした対応と、今後について注視をしていきたいと思っております。
次に、就学援助事業について教育次長に伺います。初めに、就学援助の申請手続について、学校現場の負担軽減に向けた取り組みが進められていると思いますが、具体的に伺います。新しい手続が施行される時期についてもお伺いいたします。
◎小椋信也 教育次長 就学援助についての御質問でございますが、就学援助の申請手続等につきましては、事務の効率化を目的として、昨年4月から就学援助システムを開発し、本年2月から本稼働したところでございます。本年4月から教育委員会事務局におきましてシステムを活用し、これまで学校で作成していた帳票の一括打ち出しや、学校から配付していた申請書等の各家庭への直接送付等を行い、学校における事務負担の軽減につなげてまいります。以上でございます。
◆市古映美 委員 そのことはよかったと思っております。次に、新入学準備金の前倒し支給のことですけれども、これは全国的にですが、川崎市でも小中学校で3月支給が実現いたしました。その新入学準備金ですけれども、今年度、各1万円上がって、小学校で5万600円、中学校で5万7,400円となりました。ところが、横浜市では小学校で6万3,100円、中学校で7万9,500円となって、出発点は川崎市と同額だったのですけれども、横浜市は、新年度は1.5倍以上引き上げられて支給がされます。学事課として、横浜市と同額の引き上げを予算要求したということですけれども、結果的に文部科学省で示された国庫補助基準単価になったとお聞きいたしました。新入学準備金というのは、幅はありますけれども、小学校では10万円から15万円かかる、中学校では学校規定の制服や
体操着など、これらをそろえると小学校以上にかかるのは当然だと思います。そういう実態から見ても、決して横浜市の支給額が多いというわけではないと思いますけれども、隣の市とこれだけの差がつくということは、親が知れば何でということになります。一刻も早く横浜市並みにすべきと思いますが、伺います。
◎小椋信也 教育次長 新入学準備金についての御質問でございますが、本市の就学援助制度における新入学準備金の単価につきましては、毎年度、文部科学省が提示する要保護児童生徒援助費補助金における単価をもとに決定しているところでございます。平成31年度の支給単価につきましては、昨年12月27日付で平成31年度の要保護児童生徒援助費補助金の予算額案が通知されたことに伴い、予算計上したものでございます。支給単価の増額により各家庭の新入学に向けた準備に資するものと考えております。以上でございます。
◆市古映美 委員 就学援助というのは一般財源化されて、形は市単独事業となりました。ですから、横浜のように引き上げても何も問題ないわけですけれども、国のほうは新たに卒業アルバムなどを補助対象に加えました。川崎ですけれども、以前、卒業アルバムは補助対象となっておりましたけれども、行革の嵐の中で廃止をされてしまいました。国は子どもの学習費調査結果を踏まえて増額、新たに項目を加えたものと思います。国が項目として加えたのですから、川崎市も援助項目に加えるべきと思いますけれども、伺います。そしてまた、援助項目に入れた場合の費用総額についてもお伺いをいたします。
◎小椋信也 教育次長 卒業アルバム代の補助についての御質問でございますが、就学援助における卒業アルバム代の補助につきましては、平成17年度から生活保護世帯に対する卒業記念品援護費の廃止に伴い、支給を廃止したものでございます。卒業アルバム代を援助項目に加えた場合につきましては、昨年度末の就学援助認定者数をもとに試算したところでは、市の単独経費として約2,700万円を要することが見込まれます。卒業アルバム代につきましては、市単独事業における受益と負担の公平性の観点から個人負担を原則とする経費として取り扱っておりますので、現在のところ支給は難しいものと考えておりますが、今後につきましては、他の指定都市等の動向も踏まえながら、適切な援助のあり方について検討を進めてまいります。以上でございます。
◆市古映美 委員 こういうところに受益と負担の公平性の観点からというのを持ち出してくるのは、教育の場で私はふさわしくないと思っています。横浜では即、国の方針どおりに卒業アルバム代を支給項目として入れました。川崎の場合に、新入学準備金の増額については、国の補助基準を言って、そこから一歩も出ない。一方、卒業アルバム代については、国が新たに項目を追加しても支給は難しいとおっしゃる。何でもう少し、本当にボーダーラインにいらっしゃる保護者の負担軽減のために努力をしようとしないのか、もっと素直に受け入れればいいではないですか。経費として約2,700万円を要するという答弁がされました。生活保護ボーダーラインの家庭がこれだけの負担をしているということです。改めて補助項目に入れるべきと思いますが、お伺いをいたします。
◎小椋信也 教育次長 卒業アルバム代の補助についての御質問でございますが、就学援助における卒業アルバム代の補助につきましては、現在のところ支給は難しいものと考えておりますが、今後につきましては、他の指定都市等の動向も踏まえながら、適切な援助のあり方について検討を進めてまいります。以上でございます。
◆市古映美 委員 本当にかたくなですね。横浜市では就学奨励対策審議会として市民公開で会議が開かれて、昨年11月に開催された審議会では、2019年度の就学援助事業の実施計画案についても説明がされています。その中で、入学準備費の単価の増額、卒業アルバム代の追加の説明が教育委員会からされて、委員からとてもいいことですねという意見が交わされていました。川崎市の就学援助検討委員会は、小中学校の校長先生、学識経験者で構成され、年2回開催されているとお聞きいたしました。最近の議題は就学援助にかかわるシステム化ということでした。就学援助の次年度実施計画などの審議検討はされていますか、また公開はされていますか、お伺いをいたします。
◎小椋信也 教育次長 就学援助検討委員会についての御質問でございますが、本委員会につきましては、就学援助制度に関し情報の交換、周知等を行い、本市の就学援助を円滑に実施することを目的として設置しており、検討内容については公開を行っていないところでございます。委員会におきましては、就学援助の次年度の実施計画や当面の課題等について情報交換しており、平成29年度及び平成30年度は年2回開催したところでございます。以上でございます。
◆市古映美 委員 就学援助検討委員会ですけれども、何も秘密でやる理由はないと思います。こちらも市民に開かれた公開の委員会にすべきことを要望しておきます。今回、学校における事務負担が軽減されることになったということはよかったと思いますけれども、子どもの経済格差を解消する、これには本当にさまざまな取り組みが必要ですけれども、中でも就学援助制度を充実させることは、大きな効果があることは間違いありません。一度廃止をしたからとこだわることはないのではないでしょうか。さらに、新入学準備金についても、今の準備金にかかわるその実態から見ても、一日も早い増額を要望いたしておきたいと思います。
次に、学校図書館有効活用事業について、さらに図書館の整備について教育次長に伺います。学校の図書室を一般開放していますとして、土曜、日曜のお昼前後に市内10校で開放しているようですけれども、例えば中原区で開放している井田小学校、下河原小学校では、それぞれ開放日時は違いますが、取り組んでの評価を伺います。また、ここでの図書購入費は年間幾らでしょうか、お伺いをいたします。
◎小椋信也 教育次長 学校図書館有効活用事業についての御質問でございますが、学校図書館有効活用事業は、市立学校の図書室を学校教育活動に支障のない範囲で地域住民に広く開放し、読書活動の振興を図ることを目的とするものでございまして、図書館活動やボランティア活動に関心のある地域の方々で構成された運営組織に管理運営を委託し、現在、市内10校で実施しているところでございます。開館日時につきましては、土曜日または日曜日に1日4時間程度の開館を原則としながら、各校の実情に応じて個別に設定しており、図書の選書や貸出業務、広報活動などにつきましても、学校や地域の状況等を考慮しながら取り組んでいるところでございます。実施校の昨年度の年間来館者数は合計約7,100人、年間貸出数は合計約1万4,000冊となっており、より身近な図書館サービスとして市民の皆様に御利用いただいておりまして、市民の読書ニーズに対応した地域の情報拠点であると考えております。なお、本事業における今年度の図書購入費につきましては、1校当たり年額8万5,000円となっております。以上でございます。
◆市古映美 委員 再度お伺いをしたいと思います。学校図書館有効活用事業について、その趣旨ですとか取り組みの状況はある程度わかりました。1学校当たり平均で年間延べ700人前後の方が利用されている。図書購入費については、1校当たり月7,000円ほどですから、健康、美容、料理レシピ本、漫画本などが中心のようです。貸し出されるのは購入した本の範囲で、学校図書の閲覧はできると聞きましたけれども、これはあくまでも学校教育用ですから、貸し出しができないのは当然だと思っております。居場所としてのスペースの役割は評価できますけれども、やはり本来の図書館とはどう考えても違うと思います。石川委員からもお話がありましたけれども、川崎市の人口は既に152万人になろうとしています。この大都市で図書館が各区1館、計7館、図書館分館が5館、閲覧所1カ所だけということです。人口が26万人にもなろうとしている中原区には分館もなくて、中原図書館1館だけです。交通の利便性もいいということもありますけれども、いつ行っても満員で、混雑していて、閲覧室は常に座る余地はありません。図書を使いながら学習しようとしても、その願いはほとんどかなわないで、諦めて帰ってくるというのが多くの人の現状です。地区によっては、まちの書店も姿を消しているところもあります。多摩川を渡った東京都大田区では、16館の図書館があって、人口4万4,000人に1館の割合で整備がされています。およそ3キロ間隔で図書館が設置されており、そして休館日も水曜日、木曜日と時差があり、それぞれの図書館に特徴があって、ゆったりとした閲覧室で区民が利用しやすい工夫がされています。読書のまちを標榜している川崎ですけれども、図書館の整備について今後どう考えるのか、お伺いをいたします。
◎小椋信也 教育次長 図書館の整備についての御質問でございますが、本市におきましては、現在、新たな図書館分館等を整備する計画はございませんが、各区地区館や分館等を中心とした図書館サービスのほか、自動車文庫による市内巡回、図書館施設以外への返却ポストの設置、また、県立川崎図書館や大学図書館との相互連携などの取り組みを進めているところでございます。さらには、ICTの活用による図書館ホームページの充実や図書資料のデジタルアーカイブ化など、さまざまな手法によるサービスの向上に努めているところでございまして、引き続き、市内のあらゆる地域におきましても充実した図書館サービスを提供してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆市古映美 委員 再度伺いますけれども、先日のNHKの番組で、これはごらんになった方がいらっしゃるかもしれません。健康寿命と図書館の関係が報道されました。図書館の数が全国で一番多い山梨県は健康寿命も全国で一番高いというものでした。調査を進めると、図書館に通うという行為、その場所で本を閲覧するということを含めて、健康寿命の延伸に寄与しているということでした。川崎では健康寿命をいかに伸ばすかが大きな課題にもなっています。もちろん、さまざまな取り組みが必要であることは間違いありません。しかし、図書館の多さと健康寿命の延伸に効果があるということから見ても、高齢化が進むこの川崎で図書館を増設する意義は大いにあるのではないでしょうか、お伺いをいたします。
◎小椋信也 教育次長 図書館の整備についての御質問でございますが、本市における将来的な高齢化の進行を見据え、図書館におきましても、社会状況の変化に応じた取り組みが求められているものと認識しております。これまでも、区役所との連携による健康増進事業の実施や関連図書資料の紹介、また、認知症対策の取り組みの一つとした関連情報提供コーナーの設置などを進めているところでございます。今後も、市民の皆様の多様な読書活動に対応していくとともに、関係局区等とも連携を図りながら、市民ニーズに対応した図書館サービスの充実に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆市古映美 委員 図書館というのは、建物がなくても図書館サービスはできるということで、何回も答弁を披露していただきましたけれども、やはり建物があって手にとれる図書がある、専門職がいる、それから閲覧・学習室がある、こういう図書館は、ソフト面のサービスだけで代行できるものではないと私は思います。子ども図書館も整備している都市はたくさんあります。図書館の整備は、やはりその都市の文化のバロメーターをあらわすのではないかと思っております。さらに、先ほどお話をしましたように、健康寿命まで延ばす効果があるということでは、以前ありましたけれども、市民館・図書館分館構想は今考えても本当に必要不可欠なものだと私は思っております。人口26万人も有しようとしております中原区玉川地区への図書館分館の必要性を痛感いたします。今回私が質問させていただいた課題は、改選後の我が議員団が問題意識をさらに高めて取り組んでいってくれるものと思っております。私の市議会議員としての質問はこれをもちまして終了させていただくことになります。32年もの間、市民の皆様、市長を初め理事者の皆様、そして議会局の皆様、議員の皆様、本当にお世話になりましたことを感謝申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○橋本勝 委員長 お諮りいたします。この程度をもちまして各案件に対する質疑を終結いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋本勝 委員長 御異議ないものと認めます。よって、各案件に対する質疑を終結いたします。
お諮りいたします。質疑の中で御意見、御要望等もなされておりますので、本来ならばここで採決を行うわけでありますが、慣例によりまして、本委員会では採決を行わず、結論は本会議に譲りたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋本勝 委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
以上をもちまして
予算審査特別委員会を終了いたしたいと思いますが、委員各位及び理事者の皆様の御協力によりまして、無事大任を果たさせていただきましたことに対し、春副委員長とともに、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
それでは、これをもちまして
予算審査特別委員会を閉会いたします。
午後3時58分閉会...