川崎市議会 2019-03-05
平成31年 予算審査特別委員会-03月05日-02号
(13)議案第48号 平成31年度川崎市
公共用地先行取得等事業特別会計予算
(14)議案第49号 平成31年度川崎市
公債管理特別会計予算
(15)議案第50号 平成31年度川崎市
病院事業会計予算
(16)議案第51号 平成31年度川崎市
下水道事業会計予算
(17)議案第52号 平成31年度川崎市
水道事業会計予算
(18)議案第53号 平成31年度川崎市
工業用水道事業会計予算
(19)議案第54号 平成31年度川崎市
自動車運送事業会計予算
(20)議案第67号 平成31年度川崎市
一般会計補正予算
出席委員 (58人)
重冨達也
月本琢也
添田 勝
小田理恵子
渡辺あつ子
三宅隆介
春 孝明
川島雅裕
河野ゆかり
本間賢次郎
矢沢孝雄
末永 直
老沼 純
片柳 進
宗田裕之
渡辺 学
林 敏夫
松井孝至
押本吉司
田村伸一郎
浜田昌利
かわの忠正
斎藤伸志
野田雅之
原 典之
青木功雄
橋本 勝
大庭裕子
勝又光江
井口真美
佐野仁昭
木庭理香子
露木明美
堀添 健
岩隈千尋
山田晴彦
沼沢和明
山崎直史
松原成文
廣田健一
石田康博
浅野文直
石川建二
斉藤隆司
石田和子
市古映美
山田益男
織田勝久
飯塚正良
雨笠裕治
花輪孝一
菅原 進
後藤晶一
岩崎善幸
大島 明
嶋崎嘉夫
鏑木茂哉
坂本 茂
出席説明員
市長 福田紀彦
副市長 伊藤 弘
副市長 加藤順一
副市長 藤倉茂起
上下水道事業管理者 金子 督
病院事業管理者 増田純一
教育長 渡邊直美
総務企画局長 唐仁原 晃
危機管理監 高橋 実
財政局長 三富吉浩
市民文化局長 鈴木賢二
経済労働局長 原田津一
環境局長 大澤太郎
健康福祉局長 北 篤彦
こども未来局長 袖山洋一
まちづくり局長 綿貫康治
建設緑政局長 奥澤 豊
港湾局長 髙橋哲也
臨海部国際戦略本部長
鈴木 毅
交通局長 邉見洋之
病院局長 今井宏晴
消防局長 原 悟志
教育次長 小椋信也
選挙管理委員会事務局長
浜野孝夫
監査事務局長 野村正人
外関係理事者
出席議会局職員
局長 平野 誠
総務部長 宮村俊秀
議事調査部長 渡邉光俊
庶務課長 渡辺貴彦
議事課長 鈴木智晴
政策調査課長 宮本紀昭
議事係長 渡邉岳士
議事課課長補佐 原 貴美子
議事課担当係長 柴田貴経
外関係職員
午前10時0分開会
○春孝明 副委員長 ただいまから
予算審査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付のとおりです。(資料編2ページ参照)
直ちに審査に入ります。質疑につきましては、昨日の要領によりお願いをいたします。
それでは、発言を願います。
◆末永直 委員 おはようございます。きょうは晴天に恵まれました。うれしい限りです。
私からは一問一答方式で、1点目に皇室への祝意奉表について、2点目に
都市計画道路苅宿小田中線について、3点目に市立図書館と学校図書館との連携について、4点目に
シェアサイクル事業について、5点目に3D改革等、行財政改革について、市長初め関係各局に平成最後の私の
予算審査特別委員会、質問を行わせていただきます。
まず2款総務費、皇室への祝意奉表について伺います。今上陛下におかせられましては、本年で御在位30年の佳節をお迎えあそばされますこと、心よりお祝い申し上げます。本年5月1日からは、御譲位によりまして新帝陛下が御即位されます。改めて川崎市民こぞって奉祝と感謝の意を奉るにふさわしいときであろうかと存じます。去る2月24日には政府主催の天皇陛下御在位三十年記念式典が国立劇場で行われました。国やその他自治体においてもさまざまな取り組みが行われております。本市においては、総務省からの通達に基づき、2月24日の天皇陛下御在位三十年記念式典当日、本市施設において国旗を掲揚したとのことです。同日、日本民家園やかわさき宙と緑の科学館、岡本太郎美術館を無料公開したとも伺っております。しかしながら、これら取り組みは国からの通達を踏まえての
受け身的取り組みであり、本市としての積極的な能動的取り組みではないと感じます。独自に記帳所を設置する取り組みもあります。同じ政令市の仙台市では、実際に本年、仙台市役所と各区役所に記帳所を設置するなど、市民の方が直接祝意をあらわすことのできる機会を設けたとのことです。記帳所には東日本大震災の直後、天皇皇后両陛下が仙台市内の避難所や仮設住宅を訪問された写真も展示されていたとのことです。本市においても仙台市同様、こうした御皇室の祝賀行事に際して、市民の方が祝意をあらわす機会として記帳所等を設けるべきであると考えますが、市長の見解を伺います。
◎福田紀彦 市長 皇室への祝意奉表についての御質問でございますが、このたびの天皇陛下の御在位30年に当たりまして、私も国民の一人として大変喜ばしいことであり、2月24日の記念式典に参列をさせていただき、市民の皆様を代表して祝意をあらわすとともに、皇室の御繁栄をお祈り申し上げてまいりました。また、本市におきましても、国からの要請に基づき、式典当日に庁舎等に国旗を掲揚するとともに、市内博物館等を無料にするなどの取り組みを行ったところでございます。今後につきましては、5月1日に皇太子殿下が御即位されますので、国からの要請に基づく取り組みを行うとともに、記帳所の設置など、市民の皆様が直接祝意をあらわすことのできる機会を設けることについても検討してまいりたいと考えております。以上です。
◆末永直 委員 ありがとうございます。ただいま市長から検討してまいりたい旨御答弁いただきました。来月、新元号が公表されますし、ぜひとも記帳所等、御皇室への祝意をあらわす本市独自の取り組みを行っていただくよう要望して、次の質問に移ります。
次に、
都市計画道路苅宿小田中線についてですが、事前のやりとりで理解できましたので、要望のみさせていただきます。現在3期工事のアンダーパス化に向けて取り組みを進めておりますが、執行見込み額23億6,564万円、来年度からおおむね4年間かけて行う予定とのことですが、一刻も早い完成を求めます。また、既に完了している1期区間と3期区間をつなぐ2期区間ですが、平成23年度から平成26年度の
道路整備プログラム後期4カ年、いわゆる旧プログラムでは着手というふうに位置づけされていましたが、平成28年度から平成37年度の第2次川崎市
道路整備プログラムには調整路線と位置づけが格下げされていまして、地域からの要望の声も多数ある2期区間を再び着手へと格上げを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、13款6項5目図書館費について教育次長に伺います。本市の市立学校が市立図書館にある書籍を借りたりして利用したいといった場合、どのようにして学校の先生は本を入手されますか。市立図書館と学校図書館との連携の仕組みについて教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 市立図書館と学校図書館との連携についての御質問でございますが、具体的な連携の内容といたしましては、市立図書館と学校図書館との連携会議の開催や、
学校図書担当者連絡会等への
市立図書館職員の講師派遣などのほか、学校における調べ学習や読書指導を支援するため、
市立図書館資料の学校への貸し出しを実施しているところでございます。また、市立図書館では、学校からの要請に応じて、一般の図書資料のほか、学校の授業で活用できるよう、教科書で紹介されている図書や環境問題、国際理解等のテーマごとに図書を取りまとめた
授業支援図書セットの貸し出しを行っております。貸し出しに際しましては、学校から最寄りの市立図書館に申し込みを行った上で、教職員が市立図書館に出向き、受け取りをしているところでございます。以上でございます。
◆末永直 委員 今、教育次長に御答弁いただきましたように、教職員が市立図書館にわざわざ出向いていって、受け取りをしているということがわかりました。
次に、本市において自動車文庫と言われる、運営は市立図書館で、民間委託をして、公用車で曜日ごとに各地域の公園を巡回し、書籍を貸し出す仕組みがありますが、委託業者名、平成29年度決算額、平成31年度予算額について伺います。また、本車両は、雨天の場合、本がぬれるとの理由で運休になるとのことですが、昨年度は何日間運休したのか伺います。
◎小椋信也 教育次長 自動車文庫についての御質問でございますが、自動車文庫につきましては、図書館から遠い地域にお住まいの方々への図書サービスといたしまして、専用の車両に約3,000冊の図書資料を搭載し、市内21ポイントを巡回して図書資料の貸し出しや返却を行うものでございます。今年度の契約状況につきましては、委託業者は株式会社セノン神奈川支社、運営に要する経費につきましては、平成29年度決算額は280万894円でございます。平成31年度につきましては、これまでの運転手の人件費に加え、燃料費や保険料などの諸経費を含めた契約に変更いたしますことから、予算額は427万7,000円を計上しているところでございます。なお、平成29年度の運行状況につきましては、年間運行予定169日のうち、21日を雨天等により運休しております。以上でございます。
◆末永直 委員 今、教育次長から御答弁あったように、自動車文庫は図書館から遠い地域にお住まいの方々への図書サービスとのことでありますが、学校の近くの公園も巡回するわけでありますが、教職員には遠い市立図書館までとりに来いというような仕組みでありまして、そこには疑問を覚えます。本車両に各学校が要請する書籍を積んで、本車が最寄りの公園に来る機会に合わせて、各学校の先生、職員がとりに来ることができれば、今、教職員の働き方改革、負担をより一層軽減するということが議論されておりますし、職員さんの負担軽減につながるのではないかと考えますが、教育次長に見解を伺います。
◎小椋信也 教育次長 学校への図書資料の貸し出しについての御質問でございますが、
市立図書館資料の効率的な運用により、学校での活用をより一層促進するためにも、各区に設置している学校と図書館の連携会議等の機会を捉え、教職員からのニーズも把握しながら、市立図書館と学校間とのより効果的な図書資料の
受け渡し方法等について検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆末永直 委員 今検討を進める旨おっしゃっていただきましたけれども、ぜひより効率的に、教職員の先生が少しでも、教材研究だったり授業に集中できるような取り組みを進めていただきたいと思いまして、次の質問に移ります。
次に、8款2項6目
自転車対策費、
シェアサイクル事業について伺います。
自転車活用推進事業費として1,291万9,000円が計上されており、来月中旬から実施予定の川崎市
シェアサイクル実証実験の効果検証を行うとのことでございます。具体的な取り組み内容は、昨日、他会派委員の質問、答弁が既にありましたが、本実証実験は地域の活性化や放置
自転車の抑制など行政課題を解決することを目的として、民間事業者等の技術や資金など民間活力を活用した実験と伺っております。本市が関係する対象地域は、まずは、登戸・向ヶ丘遊園駅周辺エリアと殿町・大師河原エリアのみですが、その他中原区丸子橋付近など全7カ所に
サイクルポートを設置して、
多摩川シェアサイクル社会実験が民間事業者のみで行われるとのことです。果たしてこの違いというのは何なのか、どう違うのか、民間事業者と本市の役割をどのように考えているのか、見解を建設緑政局長に伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長
シェアサイクル実証実験についての御質問でございますが、
シェアサイクルの実証実験は本市と事業者で締結する協定に基づき実施するものでございまして、本市の役割といたしましては、区役所、公園等の公共用地や包括連携協定に基づき借地した小田急用地を
サイクルポート用地として無償で提供するものでございます。また、事業者の役割といたしましては、
シェアサイクルの運営やそれに係る費用を負担するとともに、利用者の移動データなど
シェアサイクルの利用状況に関する、いわゆるビッグデータを本市に提供するものでございます。以上でございます。
◆末永直 委員 ありがとうございます。要するに本市の公共用地を
サイクルポート用地として無償提供し、あとは民間事業者に任せると。聞くところによると、本市としての持ち出しはないとのことでありますが、未使用地の有効利用という点で意義深い取り組みであろうかと考えます。さて、御答弁では、本市は利用者の移動データなど、いわゆるビッグデータの提供を受けるとのことですが、このビッグデータを今後どのように活用していくのか、建設緑政局長に伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 ビッグデータの活用についての御質問でございますが、
シェアサイクルの利用状況に関するデータにつきましては、
シェアサイクルに取りつけられたGPSにより、走行位置や利用日時などのデータが短い時間間隔で得られるものでございます。これらの情報につきましては、データを解析することにより、観光施設等への利用促進や
自転車の通行環境整備など、さまざまな活用が考えられるものでございまして、今後、有用な活用方法について他の事例等も踏まえ検討してまいります。以上でございます。
◆末永直 委員 ありがとうございました。それでは要望させていただきます。これまで議場で何度も申し上げておりますが、私の住む中原区の井田地域、川崎市
国際交流センターを中心とする地域では道路が狭く、バス運行の難しさなど、地域住民の多様な交通手段の確保が課題となっています。今回の実証実験は、観光や地域振興といった目的のほかに、地域交通の補完という目的もあるとのことであります。
シェアサイクルの実証実験によって、地域の人々の通行ルートや利用時間帯など有用なデータが多く取得できるものと考えております。これらのデータを解析することによって、
シェアサイクルの有効性が実証できるとともに、適切な
シェアサイクルポートの配置や
シェアサイクルの台数など多くの知見が得られ、地域の実情に合わせた効果的な導入手法についても検証することができるものと期待しています。ちなみに、川崎市
国際交流センター、外国人の総合的な窓口ができるとのことでありますが、川崎市を訪れる外国人の方、お住まいの方でも、
国際交流センターまで行くのは今は徒歩でしか手段がなくて、
国際交流センターにも多少あいている場所がありまして、そこにうまいこと
サイクルポートとかを設置できれば外国の方、また、それ以外の市民の方の足として有効利用できるのではないかなと個人的には思っておりまして、その点、他都市の状況等を研究していただいて実施していただきたいなと思う次第でございます。今後これらの実証実験のビッグデータを活用し、よりよい市民の足として
シェアサイクルを全市的に展開することを要望して、全市的に行く行くは広げていただくことを要望して、次の質問に移ります。
次に、行財政改革における3D改革について伺います。平成30年度から平成33年度までの4カ年を計画期間とする川崎市行財政改革第2期プログラムにおける改革の実現に向けた基本的な姿勢を総務企画局長に伺います。
◎唐仁原晃 総務企画局長 行財政改革についての御質問でございますが、行財政改革の着実な推進のためには、職員一人一人が社会経済環境の変化を的確に捉え、市民目線を持ちながら、各職場を起点とした日々の業務改革・改善に取り組むことが重要であると考えております。このことから、
行財政改革プログラムにおきましては、全ては市民のためにをスローガンとした、だれもが、どこでも、できることからの3D改革の推進を基本姿勢として位置づけ、取り組みを進めているところでございます。以上でございます。
◆末永直 委員 御答弁ありがとうございます。だれもが、どこでも、できることから、これは私たち議員にとっても非常に重要なことだと考えておりまして、この3D改革における仕組みの一つとして進めた平成30年度における
コスト削減効果について財政局長に伺います。また、金額の内訳についてもあわせて伺います。
◎三富吉浩 財政局長
コスト削減効果等についての御質問でございますが、予算における3D改革の取り組みといたしましては、毎年度の予算編成において、予算執行の際の工夫や新たな財源確保により節減できた一般財源の同額を、その翌年度に節減の取り組みを実践した担当組織の判断で使える
コスト削減奨励制度など財務的なインセンティブを付与しているところでございます。平成30年度におきましても、全庁を上げて歳入確保や歳出削減に努めた結果、8億5,000万円余の財政効果を平成31年度予算案に反映したところでございまして、その内訳につきましては、
コスト削減奨励制度によるものが2,000万円余、
市有財産有効活用のうち、貸付事業によるものが6億2,000万円余、広告事業によるものが2億1,000万円余でございます。以上でございます。
◆末永直 委員 財政局長、ありがとうございます。私は川崎市は稼ぐ川崎市にもっともっとなっていかないといけないと考えておりまして、本取り組みは非常に重要で、有効であると思います。削減等をした、また、広告事業等で稼いだお金8億5,000万円余りを新たなこととして使っていく、これは職員さんのモチベーションにもつながる非常にいい取り組みだと考えております。では、本取り組みの事例についてどのようなものがあるのか、財政局長に伺いたいと思います。
◎三富吉浩 財政局長 財政効果の具体的な内容についての御質問でございますが、初めに、
コスト削減奨励制度におきましては、
自動車保険管理システムを独自に構築、運営することで、更新や保守の委託料を削減し、この削減分を外国人来庁者向けの音声自動翻訳機や窓口用備品の購入に使うなど、来庁者サービスの向上を図ることとしたものなどがございます。次に、
市有財産有効活用の取り組みのうち、貸付事業におきましては、
道路事業予定地の入札による占用許可を導入し、道路整備までの暫定的な利活用を図ることで年間1,912万円の道路占用料を、また、広告事業におきましては、中原区役所において平成30年8月から広告つきの庁舎案内表示板を設置することで年間226万8,000円の収入を見込んでいるところでございまして、庁舎トイレにベビーチェアを設置するなど、市民の利便性向上を図る取り組みに活用したところでございます。以上でございます。
◆末永直 委員 ありがとうございます。中原区役所でも収入アップしたお金でベビーチェアを設置するなど、非常に有効な、有用な取り組みをされているということがわかりまして、本当にいい取り組みだと思います。
次に、
コスト削減奨励制度や
市有財産有効活用について、職員さんの創意工夫によってさまざまな取り組みがあることがわかりました。コスト削減などに限らず、業務改善の取り組みは、一つ一つは地道な取り組みであったとしても、こうした取り組みを積み重ねていくことで、市全体として大きな効果を生み出すことにつながっていきます。そのためには、職員にとっても取り組むきっかけとなるように、改善に向けた意識や意欲を喚起するように取り組むことが大事ではないかと思います。このような職員の意識や意欲の向上に向け、どのような仕組みがあるのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、総務企画局長に見解を伺います。
◎唐仁原晃 総務企画局長 職員の意識、意欲の向上に向けた取り組みについての御質問でございますが、本市では職員の改善意欲の向上や改善事例の横展開を図るため、職員提案制度や
業務改善事例発表会などの取り組みを実施しているところでございます。職員提案制度は、
市民サービス向上や経費の節減などに向けて職員がみずから改善に取り組んだ事例を募集し、庁内での審査と職員投票を経て優秀と認められた事例につきましては、
業務改善事例発表会において市長からの表彰を行うとともに、人事評価制度においても加点を受けることができるものでございます。前例や固定観念にとらわれず、全ての職場を起点として日常的に業務改革・改善を実施していくためには、職員一人一人の気づきやアイデアを生かしていくことが重要であることから、今後につきましても、このような取り組みを通じ、職員の改善意欲の向上を図ることで、行財政改革の基本的な姿勢としての3D改革を推進してまいります。以上でございます。
◆末永直 委員 ありがとうございます。私、
業務改善事例発表会の資料全てに目を通させていただきまして、非常におもしろい取り組みがたくさんございました。本発表会で表彰された市長の所感と今後の意気込みについて最後に伺いたいと思います。
◎福田紀彦 市長 業務改善の取り組みについての御質問でございますが、
業務改善事例発表会につきましては、毎年各職場・職員がそれぞれに工夫しながら改善に取り組んだ事例の発表等が行われており、今年度についてはテーマを「見つけよう!新しい働き方・仕事の進め方」といたしまして、各職場で取り組んでいるさまざまな改善事例の発表がございました。具体的な取り組み事例といたしましては、
消防局中原消防署において、地域の行政機関や
本市スポーツパートナーなどと連携して効果的な広報活動を実施した事例や、建設緑政局において、庶務課内に
サテライトオフィスを設置し、
区役所道路公園センター等の職員の出張時における移動時間を削減した事例などがございました。この発表会は、市民目線に立った前例にとらわれない新たな発想や、日々の業務において職員が地道に取り組んできた事例等が庁内に広く共有される貴重な機会であると考えております。今後につきましても、こうした機会を活用しながら、職員の意欲の向上や改善事例の横展開を図り、全ての職場において職員一人一人が気づきやアイデアを生かしながら、改革改善に取り組んでいく組織風土の醸成に努めてまいります。以上です。
◆末永直 委員 市長、ありがとうございます。中原消防署においてもスポーツパートナーと連携した取り組みであったり、区役所道路公園センターの
サテライトオフィスは、月々7,000円ぐらいで机を設置して、行き帰りの時間を短縮されて、非常に効果があったということでございまして、今後、若い方々を初め知恵のある方、意識のある方々、職員さんの意見を取り入れつつ、新しい取り組みとして生かすことは非常に重要なのではないかなと思います。以前、堺市さんにも視察させていただきまして、堺市さんでは財政局の若手の職員さんが意見交換をして、市民にどうやったら財政のことを伝えられるんだろうかということで、若い人が集まって簡単なわかりやすいペーパーをつくって広報したという、これは非常にいい取り組みとして勉強させていただきましたが、本当に意識ある職員さんのイノベーション革命を今後とも果たしていきつつ、コスト削減等々に取り組んでいただけたらと思います。私自身もコスト削減に取り組んでまいります。終わります。
◆かわの忠正 委員 私からは、川崎駅西口バス出発時刻の表示器とダイヤ改正について、川崎駅周辺の交通環境整備について、横断歩道橋の長寿命化と維持管理について、一問一答にて順次伺ってまいります。
初めに、1款1項4目運輸管理費35億8,710万8,000円について交通局長に伺います。この費目では2点ございます。まず1点目は、川崎駅西口のラゾーナ広場発着のバスの出発時刻の表示器についてです。市バス利便性向上策として、平成29年6月第2回定例会で川崎駅西口北ターミナル付近――今はラゾーナ広場という愛称がついておりますけれども、この付近へのバス出発表示器の設置について取り上げました。このターミナル発のバス路線は、市営と東急と競合している部分が多くありまして、どちらのバスに乗るか、駅をおりてから悩まれる利用者の方が多くいらっしゃり、利用者の方から、バスの出発表示器の設置を望む声が届いていることを指摘させていただき、利用者のサービス向上策として、また東急バスから市バス利用者への増加策として、川崎駅東西自由通路の下りエスカレーター付近に、出発表示器の設置について、見解と対応を伺いました。交通局長は、運行情報表示器について、市バスでは、わかりやすい案内サービスの充実を図るために、バス停留所へタブレット型運行情報表示器等を設置している、市バスでは、バスの運行情報の提供は大切な取り組みと考えていることから、利用者サービスの向上を図るため、引き続きタブレット型運行情報表示器の設置など、運行情報の提供の充実に取り組むとのことでした。そして、その半年後の平成29年12月第4回定例会でも再度取り上げ、川崎駅西口周辺のバス乗り場の運行情報表示器設置に向けた取り組み状況を伺いました。このときの御答弁では、お客様の御利用が多い主要バス停留所などへタブレット型運行情報表示器等の設置に取り組んでいる、また、平成29年度は13カ所にタブレット型運行情報表示器の設置を計画し、川崎駅西口周辺については、川崎駅西口54番及び55番乗り場への設置を予定している、そして、今後、利用者サービスの向上を図るため、引き続き運行情報の提供の充実に取り組んでいくとのことでございました。この平成29年12月議会答弁以降、平成30年度中に大きく進展したようでございます。そこでまず、これまでどのように検討されたのか、具体的に伺います。
◎邉見洋之 交通局長 運行情報の提供についての御質問でございますが、市バスでは、お客様の御利用が多い主要バス停留所などにバスの到着時間等の運行情報を表示するタブレット型運行情報表示器等の設置を行い、川崎駅西口につきましては、平成30年3月に54番及び55番乗り場へタブレット型運行情報表示器を設置したところでございます。しかしながら、バス利用者のさらなる利便性の向上に向けて、複数のバスターミナルがある鉄道駅においてはバス総合案内表示板の設置が有効なことから、その設置について検討してきたところでございます。川崎駅はバスターミナルが3つのゾーンに分かれ、40カ所の停留所があり、目的地に向かうバスの乗り場や発車時刻などが初めて御利用になる方にはわかりにくい状況でございます。そのため、全てのバスターミナルにつながり、改札口を出た方が見やすい中央改札口周辺への表示板設置について、このたび関係事業者等との調整を進め、当該駅中央通路に設置することが可能となったものでございます。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 タブレット型運行情報表示器を設置していただき、さらに、バス総合案内表示板の設置も、先ほどの御答弁のとおり継続をして検討してくださったとのことでした。バス総合案内表示板によるバス利用者の利便性向上に期待をするところであります。平成29年12月議会答弁以降、翌月には予算案へ盛り込まれたかと思います。迅速な取り組みに感謝をするところでございます。
では、設置される機器について具体的に伺ってまいります。まず、平成29年6月議会での御答弁では、川崎駅東西自由通路への運行情報表示器の設置については、視認性を高めるための大型画面で耐熱・防じん・耐水性など、長期使用を考慮した機器が必要となることや、複数の乗り場が案内できるようにするシステム改修が必要となることなど、課題があるとのことでした。まず、このバス総合案内表示板について、目的、機能、仕様、操作方法、そして選定に当たってはいろいろな機種があったかと思いますが、今回設置する機器を選定した理由、入札は何社あったのか、また、費用を具体的に伺います。そして、課題解決はどのように図られたのかも伺います。あわせて、運用開始時期についても明らかにしてください。
◎邉見洋之 交通局長 バス総合案内表示板についての御質問でございますが、この表示板でバスの案内を行う画面につきましては、川崎駅中央改札の北口または南口の両方から見えるように、両面に、縦1.4メートル、横2.4メートルの大型の液晶ディスプレーを配置いたします。表示する内容につきましては、駅舎を挟んで東西に分かれた多くのバス乗り場の案内をする必要があることから、片面を東口側、もう一方の面を西口側として、表と裏に分けることで、川崎駅に乗り入れる全ての路線バス事業者の路線図、案内図に加えて、乗り場別に先発、次発の系統番号、運行事業者名、行き先及び発車時刻を御案内いたします。さらに、表示板の側面に目的地へ向かうバスを検索できるタッチパネル式の端末も設置し、利用者の利便性向上を図ります。また、多言語対応につきましては、日本語及び英語での表記を行ってまいります。次に、導入に際しての業者選定におきましては3社の応募があり、設置費用については2,100万円余となっております。次に、表示板の設置に関する課題への対応につきましては、耐熱・防じん・耐水性などについては、直射日光や雨などが直接当たらない川崎駅中央改札口付近の屋内に設置することや、長期使用を考慮した機器の確保のめどが立ったこと、また、システム構築については、川崎駅に乗り入れる川崎鶴見臨港バス、東急バスなど全9事業者との調整を積極的に図り、発車時刻などのデータを受けられるようになったことなどから、設置が可能となったところでございます。なお、運用開始につきましては3月下旬を予定しております。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 発車時刻とともに、案内図と路線図も表示するとのことでした。一番多いニーズは、歩きながらでも一目で見られる出発時刻であると思います。案内図や路線図を見たい方は川崎駅周辺の地理や路線を知らない方でしょうから、じっくり探したい状況かと推測いたします。先ほどの御答弁のとおり、川崎駅はバスターミナルが東西に3つのゾーンに分かれ、その中でバス停留所は40カ所もあります。その中で自分が行きたい路線を探すので、バス総合案内表示板の側面に検索できる機能があるのは大変喜ばれるかと思います。ニーズの多い出発時刻の表示部分についてですが、画面が縦1.4メートル、横2.4メートルの大画面とはいえ、数十本の路線を表示するので、レイアウトには工夫が必要であると思います。あそこの位置は、私も月曜日は駅頭で市政報告をやっているんですけれども、今かなり通行される方が多いんですね。そこら辺で見やすさについてが気になるところですけれども、そこで質問です。視認性向上への取り組みについてですが、空港にあるような機器やJR川崎駅の改札内に設置してある機器は同一方向の路線の発着時刻が一目で判別できる機器、東海道線に乗るか、京浜東北線に乗るか、また、京急では、急行に乗るか、1本待って、その後の快速などに乗るか、一目で判別できるような仕様となっております。このように一目で判断できる機器の導入、視認性向上の検討はどのようにされたのか、内容を伺います。
◎邉見洋之 交通局長 バス総合案内表示板についての御質問でございますが、出発時刻等の案内方法につきましては、他の鉄道駅や空港などで行っている乗り場別や方面別、発車時刻順などの手法を参考に検討したところ、方面別では、同一方向でも経路が異なるために複数の乗り場を案内する場合があること、発車時刻順では、運行本数が多い乗り場の案内に偏ってしまうことなどから、多くの乗り場を有する川崎駅においても有効な方法である乗り場別の案内にしたところでございます。このほかにも、表示板の視認性を高める取り組みとしては、片側を川崎駅の東口側と西口側に分けることで文字を大きく表示することが可能となり、離れた場所からでも見やすくなったところでございます。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 視認性向上へ御検討いただいたようでございます。いずれにしても、出発時刻のスペースを大きくとる配置を要望いたします。論点を変えまして、私は平成29年の質問の際にも要望しましたが、昨年、川崎駅北口自由通路が開通をいたしました。こちらの通路についても今後設置の要望が出てくることは目に見えております。バス総合案内表示板の北口自由通路への設置に向けた見解と対応を伺います。
◎邉見洋之 交通局長 バス総合案内表示板の設置についての御質問でございますが、川崎駅北口自由通路への表示板の設置につきましては、設置場所や電源等の確保などの問題があり、現状では難しい状況でございます。そのため、北口自由通路の供用開始に合わせて開設した「かわさき きたテラス」の川崎乗車券発売所において、バスの乗り場や行き先などを御案内しているところでございます。なお、今年度策定を予定している川崎市バス事業経営戦略プログラムにおいて、運行情報サービスの提供について、主要鉄道駅への整備に向けた検討を進めるとしていることから、引き続き設置場所や電源等の確保について調査してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 設置場所と電源確保の課題の克服に、また御尽力をお願いしたいと思います。では、2点目ですけれども、同じ費目の中なので、続けましてバスダイヤの改善についてでございます。バス事業の収益改善に向け、利用者のニーズに沿ったダイヤ改正の取り組みは重要であります。新年度はどのように取り組まれるのか伺います。
◎邉見洋之 交通局長 ダイヤ改正についての御質問でございますが、市バスでは、運転手やバス車両など限られた経営資源の有効活用を前提に、利用実態や走行環境の変化などに対応した路線の見直しやダイヤ改正を行ってきたところでございます。今後におきましても、今年度策定を予定している川崎市バス事業経営戦略プログラムに基づき、市域全体における輸送需要の変化などに対応したダイヤ改正や都市基盤整備など、本市のまちづくり施策への対応を踏まえた路線の新設、延伸の検討を行い、市バスネットワークの維持充実に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 幸区側から川崎駅東口方面に行くバスがあるんですけれども、この利用者の方から便数が少ないとの声が絶えません。以前、1時間に1本へと増便をしていただきました。現在のダイヤを精査しますと、9時台が1本行った後は、次のバスまで約1時間半間隔があいております。増便していただきたいと思いますけれども、見解と対応を伺います。
◎邉見洋之 交通局長 川崎駅東口方面へのバス運行についての御質問でございますが、御指摘のありました幸区側から神明町を経由して川崎駅東口を結ぶ川74系統につきましては、本年4月1日に予定している営業所間の管轄路線の移管により、上平間営業所から出庫するバスを活用して川崎駅東口へ接続させることで検討しているところでございます。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 きょうの朝の日差しのように温かな前向きの御答弁ありがとうございました。よろしくお願いいたしまして、このテーマは終わります。
次に、10款3項2目、川崎駅西口地区公共施設等整備事業費1億1,079万6,000円の中で川崎駅周辺の交通環境整備について
まちづくり局長に伺います。川崎駅ラゾーナ広場のバス乗り場のバス出入り口の恒久化についてです。ディスプレーをお願いします。平成21年12月議会で私は、バスターミナルへのバス進入位置について渋滞対策と利用者の利便性向上のため、当初の出入り口の信号を2つ手前から進入する位置へ移設するよう取り上げ、平成28年12月議会からは毎議会のように、現在工事により移設された暫定位置を恒久化するよう質問してまいりました。これまでさまざまな調査、関係機関との調整、地元住民の方々への説明会など丁寧に取り組んでくださいました。そして、前議会の昨年12月議会での御答弁では、暫定バス出入り口の恒久化について、来年度は、カラー舗装、周辺道路勾配の見直し等の歩行者安全対策工事を行うとともに、従前バス出入り口の信号機及び横断歩道の撤去や歩道整備などを行う予定とのことでした。出入り口の位置の恒久化に向けた新年度の工事内容とスケジュールを具体的に伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 川崎駅ラゾーナ広場についての御質問でございますが、平成31年度に予定しております工事の具体的な整備内容といたしましては、現在のバス出入り口の位置において、既存の横断歩道の恒久化のため、利用者等に注意喚起を促すための看板等の設置、バス出入り口部分のカラー舗装や周辺歩道部における道路勾配の見直し等の歩行者安全対策工事を行います。また、従前バス出入り口は車両及び歩行者用の既設信号機及び横断歩道を全て撤去し、さらに横断防止柵を設置し、歩道として整備を行うこととしております。これらについて交通管理者等との協議が調ったことから、現在工事に向けた設計を進めているところでございまして、平成31年夏ごろに工事に着手し、年内を目途に工事を完了する予定でございます。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 出入り口の位置の恒久化が決まり、出入り口の安全性向上への具体的な整備内容もお示しいただきました。ラゾーナ広場のバスターミナルがよりよく整備されることを期待し、見守っていきたいと思います。ディスプレーは結構です。では、工事発注においては市内業者優先の配慮が求められます。どのように取り組まれるのか伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 工事発注における市内業者優先についての御質問でございますが、本市では、本市契約条例及び中小企業活性化条例の趣旨を踏まえ、市内中小企業者への受注機会の増大を図っているところであり、ラゾーナ広場バスターミナルの出入り口に関する工事につきましても、市内事業者に限定した一般競争入札による発注方式を予定しております。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 ありがとうございました。よろしくお願いしたいと思います。
それでは次に、8款2項3目安全施設整備費12億7,737万2,000円の中で、横断歩道橋の長寿命化への取り組み、維持管理について建設緑政局長に伺います。平成25年決算審査特別委員会におきまして、横断歩道橋の安全対策について橋梁長寿命化修繕計画に横断歩道橋も含めて計画的に長寿命化を図ることを求めたところ、横断歩道橋修繕計画を策定され、取り組んでいただきました。横断歩道橋を長期間維持するために重要な桁や橋脚等の主要部材について、おおむね5年以内に補修の必要があることを確認したのは39橋とのことでした。この39橋について5年近く経過をいたしました。昨年の決算審査特別委員会で進捗状況を質問したところ、計画的に補修の必要がある歩道橋はおおむね終了したとのことでした。今後は主要部材の補修以外の軽易工事――階段がでこぼこしているとか、穴があいている等の軽易工事がふえてくると思います。また、点検の周期も5年であります。戦略的な資産マネジメントの戦略1、施設の長寿命化の取り組みの中で道路維持修繕計画に基づく施設の特性に応じた維持管理の実施が掲げられております。そこで、これまでの点検状況と今後の横断歩道橋の長寿命化について、新年度予算では維持補修はどのように取り組まれるのか伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 横断歩道橋の維持補修についての御質問でございますが、横断歩道橋につきましては、新たな法定点検を平成29年度及び平成30年度の2カ年で実施しているところでございまして、その結果を今年度改定する川崎市道路維持修繕計画に基づく実施プログラムに反映する予定でございます。来年度につきましては、改定する実施プログラムに基づき、川崎区では、上並木歩道橋、京町歩道橋の2橋、中原区では宮内歩道橋の1橋、高津区では久地歩道橋の1橋、合計4橋について、塗装の塗りかえ、穴の補修、照明の更新などの補修工事を予定しているところでございます。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 その計画どおりの予定でお願いしたいと思います。関連して、修繕とともに、横断歩道の設置などにより、撤去についての計画もあると思います。そこで、新年度予算ではこの撤去についてはどのように取り組まれるのか、場所、時期等、具体的に伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 横断歩道橋撤去についての御質問でございますが、横断歩道橋は、歩行者の安全確保と車両交通の円滑化を目的として昭和40年代から設置し、現在本市では114橋を管理しており、地元からの撤去の要望や近くに横断歩道がある歩道橋については撤去の可否について検討を行っているところでございます。来年度におきましては、地元町内会及び交通管理者など関係者との協議が調っている幸区にある河原町歩道橋の撤去を予定しております。施工時期につきましては、交通規制や信号機の移設などについて交通管理者と、また、添架線について東京電力やNTTなどの占用企業者との協議が必要となることから、関係者との協議調整が完了次第、速やかに工事を実施してまいります。また、中原区のガス橋平間歩道橋につきましては、交通管理者との協議を進めており、協議が調った後、地元町内会や学校などの関係者から合意を得て、歩道橋の撤去を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆かわの忠正 委員 ありがとうございます。では、要望ですけれども、この河原町歩道橋の撤去につきましては速やかに工事をするとの御答弁をいただきました。この横断歩道橋の橋脚は、狭い歩道の通行部分をさらに結構狭くしている状況なんですね。マンションがふえまして、通行する人と
自転車がふえてきて大変危険なので、地域の方からは早期の撤去を望む声が多く届いておりますので、先ほど関係機関との協議調整が調った後、速やかに工事を実施してくださるということですけれども、この協議調整もできるだけ早く取り組んでいただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆押本吉司 委員 私は、プレミアムつき商品券事業について経済労働局長に、等々力緑地再編整備及び施設整備について建設緑政局長、市民文化局長に、中原区丸子地区の浸水対策について
上下水道事業管理者に、それぞれ一問一答で伺います。
まず、7款2項1目、プレミアム付商品券事業費について伺います。2014年の増税の際に実施をされたこの事業では、およそ2,500億円の国費を投じたのに対し、消費喚起の効果額は最大で1,000億円程度にとどまり、限定的であったことから、実効性のある仕組みをいかに構築するか、課題の一つとなっています。また、大型小売店など利用場所も特定をされ、企業や商店の受ける恩恵が一部に限定されるなど、実施自治体の工夫によって効果に差が生じる結果となっていることから、我が会派は全国自治体の取り組みを調査の上、京都市の事例を示し、本市の取り組みをこれまでもただしてまいりました。この京都市の事例では、プレミアム相当額に占める消費喚起総額の割合が政令市の中で高水準であるにもかかわらず、その品目別内訳で生鮮食品等が家電製品等と同様の構成比となっておりまして、その要因は中小店舗で使える利用店舗限定券の構成比を3分の2と高く設定した上、額面を500円券へと細分化し、工夫を惜しまなかったことであります。結果として、本市と中小店舗の定義が違うものの、大型店舗以外での利用割合がおよそ86%にも上っただけでなく、利用店舗の限定による申込者数の減少というデメリットも克服をしました。特に今回は、販売対象者を住民税非課税世帯とゼロ歳から2歳の子どもを持つ世帯に限定されるため、前回のような消費喚起の側面より、生活者支援に重きが置かれている点からも、前述のような券種や額面などの検討が必要であり、それらは中小店舗の多い商店街振興、そして、地域経済発展へとつながるものでございます。今回指摘をしてまいりましたこれら券種、額面についてどのような手法を選択されるのか、見解と対応を経済労働局長に伺います。
◎原田津一 経済労働局長 プレミアムつき商品券についての御質問でございますが、このたびのプレミアム付商品券事業につきましては、消費税、地方消費税率の10%への引き上げが低所得者や子育て世帯の消費に与える影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起、下支えすることを目的といたしまして、国の補助事業として市区町村が商品券の発行を行うものでございます。国からは、本事業を実施する上での市区町村に向けた留意事項として、商品券1枚当たりの額面は地域の実情に応じ利用しやすい金額として、例示として500円が示されております。本市といたしましては、国からの通知を踏まえ、他都市の状況を参考に今後決めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆押本吉司 委員 額面については、国から留意事項として、地域の実情に応じた利用しやすい500円券の例示がなされ、この通知を踏まえて対応するとのことです。ただし、券種については、他都市の状況を参考にするとの答弁でしたので、指摘をしたこの京都市の事例についても検証いただくよう要望しておきます。また、中小店舗での利用促進について、京都市ではこの券種の限定のみならず、懸賞つきの商店街利用促進キャンペーンも効果的な取り組みとなっており、本市においても前回サンクスフェアという同様の趣旨の取り組みも行われたところであります。しかし、今回示されました国からの事業費については、残念ながらこの利用促進に対する関連経費の支出が予定をされるメニューとなっておりません。同様な取り組みの実施について見解を伺います。あわせて、前回の実施時には実行委員会方式を採用しまして、利用促進に向けたこのような取り組みの実施組織としての受け皿の役割、さらに、商業関係者への意見聴取の機会創出という役割も担ってまいりましたが、今回の実施スキームについて見解と対応を伺います。
◎原田津一 経済労働局長 プレミアムつき商品券についての御質問でございますが、初めに、商品券発行と合わせたイベント等につきましては、国の説明会におきまして、商品券発行事業の対象者以外の者を対象とする独自の商品券事業を行うことなどについては補助対象外となっているところでございまして、今後の国の動向を注視しつつ、他の自治体や本市商業関係者等とも情報共有を図りながら、消費者が利用しやすい制度となるよう準備を進めてまいりたいと存じます。次に、商品券の発行主体でございますが、このたびの商品券発行事業につきましては、国が定めたルールに基づいた対応を国から求められており、効率的な作業を行うためにも、前回実施した実行委員会方式ではなく、本市の事業としての実施を考えております。今後、さまざまな場面で商店街連合会や商工会議所などとも情報共有を図り、連携して進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆押本吉司 委員 消費者が利用者しやすい制度となるよう準備を進めてまいりたいとの答弁でしたけれども、その制度概要について続けて伺ってまいります。まず、購入対象者が商品券を手にするまでの流れについて伺います。また、購入対象者が限定されることから、購入場所に配慮した販売窓口の設定も必要と考えますが、見解と対応を伺います。さらに、国から低所得者に配慮した分割販売を実施するよう促されていますが、その窓口業務の煩雑化や人員体制の確保も必要です。こちらについても見解と対応を伺います。
◎原田津一 経済労働局長 プレミアムつき商品券についての御質問でございますが、国の説明会におきましては、商品券購入の流れとしまして、住民税非課税者につきましては、6月から7月ごろ、想定対象者に対しまして個別に御案内を行い、その後、購入希望の申請を受け付け、所要の要件確認の上、購入引きかえ券を送付することとされております。また、子育て世帯に対しましては、6月から7月ごろ、住民基本台帳に基づき対象者を抽出し、9月ごろに購入引きかえ券を送付することとされております。次に、販売窓口につきましては、前回のプレミアムつき商品券発行事業の例を参考に検討してまいりたいと存じます。また、分割販売につきましては、購入対象者に配慮した形で分割販売を実施することとされております。なお、来月1日付で商業振興課内にプレミアムつき商品券に係る担当を時限的に設置し、体制の強化を図る予定でございます。以上でございます。
◆押本吉司 委員 ただいまの人員体制の答弁において、来月1日付で商業振興課内にプレミアムつき商品券に係る担当を設置し、人員の増員、体制強化を図るとしていますが、本年1月末に総務企画局から示されました平成31年度の主な組織改正についてではこの措置が盛り込まれておりません。この発表に盛り込まれなかった理由について伺います。また、販売窓口については前回の例を参考に検討するとのことですが、前回取り組まれた商店街事務所での販売等については、対象者が限定されることへの配慮や分割販売を行うことから、短期的ではなく、窓口の常設化の必要性も指摘をされております。これらは商業団体への過度の負担も想定されることに加えて、先ほどの答弁において、実行委員会方式によらず本市事業として実施するとの見通しであることから、これら課題への対応も踏まえて、区役所や各出張所等での取り扱いも想定をされるところでございます。前述の課題点への対応について見解を伺っておきます。
◎原田津一 経済労働局長 組織等についての御質問でございますが、初めに、平成31年度の主な組織改正に盛り込まれなかった理由につきましては、プレミアム付商品券事業を含む政府の平成30年度2次補正予算案及び平成31年度予算案が昨年12月21日に閣議決定され、事業に係る実施要領案等が本年1月21日に国から示されたため、その後、関係局と調整の上、設置することとなったものでございます。次に、販売窓口につきましては、購入対象者の利便性を考慮し、前回の例を参考に、金融機関のほか、各区役所や出張所での取り扱いも含めて検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆押本吉司 委員 次に、低所得者への配慮として要請をされている分割販売の課題についてさらに伺いますが、購入引きかえ券における1人当たりの購入冊数、限度は5冊ということでございますけれども、どのように把握をするのか伺います。例えば購入冊分の受領印を引きかえ券に押印することなどにより把握することも想定されますけれども、仮にこのような方式の場合、本市事業として実施するに当たり、購入引きかえ券の偽造防止なども踏まえて、本市公印規程への明文化等の課題も顕在化してまいります。国から示されている見解と本市の対応について伺います。
◎原田津一 経済労働局長 プレミアムつき商品券についての御質問でございますが、商品券購入冊数の把握につきましては、商品券購入ごとに購入引きかえ券に購入済みの確認印を押印し、確認するとの説明が国からございました。また、確認印の印影につきましては自治体ごとの任意となっておりますので、今後、必要に応じて関係局と調整してまいります。以上でございます。
◆押本吉司 委員 取り組みをお願いします。次に、業者の寡占化への対応について伺います。前回の取り組みに比べて使用可能期間の定めが限定的となっていることや、偽造防止等への技術的な対応が求められておりまして、商品券の印刷を担う業者の寡占化、それに伴う費用高騰が懸念をされております。これら課題についての見解と対応も伺っておきます。
◎原田津一 経済労働局長 プレミアムつき商品券の発行等についての御質問でございますが、商品券につきましては、全国一律同時期での事業として、また、商品券1枚当たりの額面少額化に伴う発行枚数の増加が見込まれることから、商品券印刷経費等が割高になると見込まれております。今後とも、他都市とも情報共有を行い、適正な契約手続を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆押本吉司 委員 取り組みをお願いいたしたいと思います。次に、前回の実施時においてもプレミアムつき商品券発行事業を教訓に、本市商業の発展につなげるよう求めてまいりました。特に前回は、国への報告書の提出を踏まえまして、経済効果の測定、消費喚起額の算出、品目別内訳等の検証が行われてまいりました。当然今回の実施に当たっても、これらと同様の取り組み、効果検証が必要と考えますが、見解と対応を伺います。あわせて、国から示された報告書のあり方について内容を伺います。
◎原田津一 経済労働局長 プレミアムつき商品券についての御質問でございますが、国の説明会におきましては、今回のプレミアム付商品券事業について、個々の自治体でのアンケートを含めた効果検証を行うことは現時点で想定していないとのことでございます。本市といたしましては、事業終了後の検証は必要と考えておりますので、商店街連合会、川崎商工会議所等とも連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◆押本吉司 委員 ありがとうございました。意見要望ですけれども、今回の質疑やヒアリングを通して感じたことですけれども、人員体制の急造や公印規程の必要性の有無など、国から示されておりますQ&Aや考え方が日々刻々と変わる状況を目の当たりにしまして、実施目的の達成、実施スキームの構築が本当に大丈夫なのかも心配になるところでございます。低所得者に配慮して分割販売を実施するよう促されておりますが、区役所等を想定するその窓口業務の煩雑化、人員体制やスペースの確保をどのように行っていくのか。また、特に目的の達成の部分については、前回、商店街等での利用促進に大きく寄与しましたイベント費用が国の補助対象になっていないことや、事業対象者が限定されることにより、生活必需品等に主要品目が集中をして、大手安売りチェーン等での利用頻度が高いようでは、対象者の生活の下支えになったとしても、落ち込みが懸念をされている地域での消費喚起の効用は薄れてきます。さらに、発行経費として業者の寡占化、それに伴う費用高騰が懸念をされ、もうかるのは一部大手の印刷業者という構図もなり得ます。そして最後に、効果検証について、国の説明会において今回は求めていないとの発言があったと仄聞をしております。国民の税金が投入される事業です。費用対効果の検証なくして、その支出の妥当性をどのように判断するのか。こちらはぜひ国に対して意見を申し上げていただきたいなと思っております。本市においては、その必要性を認識していただきました。取り組む旨の答弁もいただきました。次の任期をいただきましたら、平成31年度決算を審議する際にはその成果についてただしてまいりたいと思いますので、今申し上げました心配事が気苦労で終わることを期待しまして、次のテーマに移りたいと思います。
次に、8款8項1目、等々力緑地再編整備推進事業費及び施設整備事業費に関連して、等々力緑地のマーケットサウンディングの実施結果について伺いたいと思います。等々力緑地のパークマネジメントの推進に向けて、本市の都市公園で初めて公募によるマーケットサウンディングが実施をされ、19団体から事業提案がありました。特に市民の間でも関心の高い等々力陸上競技場第2期整備については、日常からにぎわいを創出するスポーツ関連施設や行政負担の軽減に寄与する収益施設の複合化の提案、これも我が会派が求めてきた観客席の可動スタンド化などの提案があり、これらは全面改築案を主眼に置いた内容となっております。しかしながら、現在、市が整備の基本方針とする増改築案では、大規模施設の複合化、地域利用などについて制約があると整備手法の評価の中で指摘をされているため、提案内容とのそごが見受けられ、今後行われる仮称再編整備検討委員会における検討が注目をされるところでございます。また、今後の取り組みとスケジュールについては、これら事業提案や、この再編整備検討委員会での検討を踏まえて、2020年7月ごろまでに民間活力導入方針案を策定、公表するとしています。その後も2021年度中の事業者公募選定、さらに、入札契約手続を予定していますが、検討委員会の早期立ち上げ、再編整備計画等の改定作業の簡略化、方針案公表から事業者公募選定の庁内手続の迅速化などによりまして前倒しも可能と考えております。今季開幕2試合のホームゲームのチケットも完売ということで、昨年に引き続き、J1リーグ川崎フロンターレのチケットも入手困難である旨指摘をしてまいりました。2020年の硬式野球場完成後の第2期整備の速やかな事業着手に向けて、一日でも早い作業が求められております。このスケジュールの前倒しについて見解と対応を伺います。あわせて事業着手のスケジュール感について記載がありませんけれども、おおむねの着手及び完成時期も伺っておきます。よろしくお願いします。
◎奥澤豊 建設緑政局長 等々力陸上競技場第2期整備についての御質問でございますが、等々力緑地の再編整備につきましては、現在進めております公園のさらなる魅力向上に向けた民間事業者との効果的な連携を図る仕組みづくりの検討の中で、民間活力導入を含めた早期の事業化に向けて取り組んでまいります。等々力陸上競技場第2期整備につきましては公設による増改築案を基本としておりますが、今後の民間活力導入の検討において整備方式が変更となった場合につきましても、現在お示ししている整備計画のとおり、平成33年度の着工、平成36年度の完成を目指して取り組んでまいります。以上でございます。
◆押本吉司 委員 ありがとうございました。前段では早期事業化に言及をいただきましたけれども、民設の場合の完成時期については、検討過程も踏まえて、おくれが生じかねない懸念もありましたので、公設同様に平成33年度着工、平成36年度完成を目指すと答弁いただきました。しかしながら、サポーターを初めとした施設利用者からは、早期実現を望む声が多数寄せられております。先ほど示した前倒しの検討要素も踏まえて、次回の議論の際には、先ほど述べられた時期の前文として、遅くともというような議事録が残せるように取り組み内容について期待をしておきたいなと思います。次に、今取り上げました陸上競技場の日本陸連第1種公認の再取得に必要とされております補助競技場の第3種公認に必要な施設整備について伺います。ディスプレーをお願いします。これは現在、補助競技場の中央グラウンドの状況です。誰が見ても明らかに土のグラウンドでありますけれども、仕様は天然芝とされております。また、天然芝がゆえに、レーキなどのグラウンド整備の用具が準備されておらず、でこぼこに波打つ様子が見てとれます。このような環境の中、少年サッカーの各学年の上位大会がこのグラウンドを会場として行われております。この補助競技場の整備についてはこれまで、平成27年の決算審査特別委員会、平成30年の
予算審査特別委員会及び第4回定例会において質疑を行い、トラックの8レーン化及びその改修にあわせた中央グラウンドの人工芝化によるコンディションの改善を要望してまいりました。今回予算計上されました補助競技場の整備概要について伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 等々力補助競技場についての御質問でございますが、補助競技場の工事概要につきましては、第3種公認の取得に向けて、公益財団法人日本陸上競技連盟の指導に基づき、主にトラックのウレタン舗装の全面改修や直走路を6レーンから8レーンへ改修する予定としております。また、インフィールドにつきましても利用頻度が高いことなどから全体的に損傷しているため、これまでの天然芝から、耐久性が高く、ランニングコストが抑えられる人工芝に改修する予定としております。以上でございます。
◆押本吉司 委員 ようやく改善が図られることになりましたが、予定工期及び施設閉鎖期間について伺います。ディスプレーは結構でございます。
◎奥澤豊 建設緑政局長 等々力補助競技場の工事スケジュールについての御質問でございますが、工期につきましては平成31年7月から平成32年3月末までを予定しております。また、工事に伴う施設の閉鎖期間につきましては平成31年10月中旬から平成32年3月末までを予定しております。以上でございます。
◆押本吉司 委員 工事に伴う施設の閉鎖期間が10月中旬から来年3月末までということですが、これも以前の質疑において要望を行いました。
工事中における各種競技の代替施設の確保について伺います。特に利用頻度の高いサッカー協会等からは、河川敷の施設について代替施設とする内容の要望書が提出されていると仄聞をしております。各種競技の代替施設への見解と対応について、これは市民文化局長に伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 補助競技場の代替施設の確保についての御質問でございますが、サッカー協会等から要望のありました丸子橋多目的広場などにつきましては市民の利用率が高く、一般利用への影響が大きいことから、屋外スポーツ施設利用日程調整会議で事前確保できる施設の活用により、大会日程の確保を行ったところでございます。以上でございます。
◆押本吉司 委員 ありがとうございました。少年サッカーに関しては、今回別の代替施設にて対応を図ったとの答弁でございました。今後も等々力緑地においては、民間活力の導入等により各施設の更新や改修が行われ、環境改善が図られることも想定をされます。また、現在、ホームタウンスポーツの活躍や健康志向などをきっかけとして、スポーツ人口の増加だけでなく、各種スポーツの指導方法の発展や大会のレギュレーションの変更等により、選手の活躍機会の創出・増加が図られております。限られた市域の中で引き続きスポーツ環境の整備推進と、この代替施設の確保についてさらなる取り組みをお願いして、次の質問に移りたいと思います。
次に、
下水道事業会計予算、丸子地区の浸水対策について伺います。おととし10月に起きました浸水被害につきましては、昨年の予算議会及び12月定例会においても被害状況等を写真等でお示しし、当局が原因とする雨水の排水困難に加えまして、新設された丸子雨水幹線が満水となった事実や、河川からの影響という新たな課題点を指摘し、さらに、これらを踏まえた幾つかの対策案を提案させていただきまして、そして、その認識について当局と共有を図ってきたところであります。12月定例会の答弁では、当該地区の地域特性をより正確に再現できるよう、シミュレーションモデルの精度向上を図るとともに、さまざまな浸水対策手法についてシミュレーションによる検討を深め、多摩川の水位も考慮した最適な浸水被害軽減対策案を年度内をめどに取りまとめてまいりたいと答えております。そこで、その後の進捗及び平成31年度予算の対応状況について伺います。また、求めに応じて当該の町会関係者への説明会や面会にも対応いただいてまいりましたが、先日行われました丸子6町会による合同防災訓練の中でも、これまでの対応について説明が行われておりまして、住民の関心の高さがうかがえるところでございます。引き続き取りまとめられております対策案について、その後の速やかな町会関係者への周知、広報の必要性があります。見解と今後の対応、さらに、取り組みのスケジュールについて
上下水道事業管理者に伺います。
◎金子督
上下水道事業管理者 丸子地区での浸水対策のスケジュールについての御質問でございますが、当該地区は地盤が低く、多摩川の水位が氾濫危険水位近くまで上昇いたしますと排水が困難となりやすい地域特性を有しておりますことから、浸水シミュレーションを活用し、平成29年10月の台風21号の浸水被害発生状況を正確に再現したところでございます。これまでに、このシミュレーションをもとに、排水区をバイパスする案や、樋管ゲートへポンプ機能を追加する案など、さまざまな浸水被害軽減対策案について検討を進めてきており、年度内を目途に有効な対策案を絞り込んでまいりたいと考えております。平成31年度につきましては、この絞り込んだ対策案の具体化に向け、効果検証を含めた基本設計に取り組んでまいりますが、当該地区の対策は非常に複雑となることや、多くの時間を要することから、地元町内会関係者への周知も重要と考えておりますので、浸水対策の進捗状況に合わせて情報を提供してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆押本吉司 委員 今答弁をいただきました取り組みをお願いいたしまして、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
◆勝又光江 委員 私は一問一答で、学校の給食調理室の改善について、町田調布線の整備計画について、ヒアリングループ設置と補聴器購入補助について、視覚障害者の歩行の安全について、車椅子使用者向け市営住宅について、それぞれ伺ってまいります。
初めに、学校の給食調理室の改善について教育次長に伺います。私は2015年6月議会において岡上小学校を例に挙げ、学校の給食調理室の改善について質問をしました。まず、調理員さんのトイレの改修についてですが、学校給食調理員は専用のトイレに入らなくてはならないよう定められていますが、そのトイレが和式のままです。仕事柄、重い物を持ち上げたりすることから腰痛になり、和式のトイレでは使いづらいので洋式にしてほしいとの声があり、洋式に改善するよう要望いたしました。教育長からは、調理員用トイレについて改善を行っていくとの答弁がありました。これまでの改善状況と未改善校数、今後の改善計画について伺います。
◎小椋信也 教育次長 調理員用トイレについての御質問でございますが、小学校の調理員用トイレの洋式化を含む改修につきましては、平成27年度から本年度までに26校で実施しておりまして、現在洋式化されている学校が109校、和式トイレを使用している学校は4校でございます。調理員用トイレの洋式化につきましては、取り組みを進めている学校トイレ快適化事業等により、引き続き対応を図ってまいります。以上でございます。
◆勝又光江 委員 和式トイレを使用しているのは残り4校とのことです。早期の改善を要望しておきます。次に、給食室のシンクについてですが、学校給食に使用される野菜などは二次汚染を防ぐ上からも丁寧な洗浄が必要です。2009年、学校給食衛生管理基準において、シンクは3槽式構造とすることとなっています。私は、2槽式のままで、学校から申請があるにもかかわらず、改善されないままの状況であることを示し、急ぎ各学校を調査し、3槽式への改善を要望しました。教育長は、給食室のシンクについては、学校給食衛生管理基準において3槽式構造とすることと規定されていることから、全ての学校の実態を把握し、給食室の環境改善を図っていくとの答弁がありました。私はそのとき、8年もたっているのに全学校の実態調査、把握さえしていないことに驚き、急ぎ調査し改善するよう要望しておきました。実態調査の進捗状況とシンクの改善状況について伺います。また、今後の改善計画についても伺います。
◎小椋信也 教育次長 3槽式シンクについての御質問でございますが、3槽式シンク等への改修につきましては、平成27年度から本年度まで33カ所で改修を行っており、下処理スペースにおいて84校で3槽式以上のシンクを使用しております。3槽式シンクがない29校につきましては、1槽式シンクと2槽式シンクを活用して3槽式構造とするなど、各学校の状況に応じて調理業務を行っているところでございます。今後も給食室改修の時期等を捉え、環境改善を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆勝又光江 委員 3槽式シンクについては29校がまだ未改修とのことです。衛生基準が示されて既に10年がたっています。早期に改善することを要望しておきます。
次に、町田調布線の整備計画について建設緑政局長に伺います。麻生区の黒川とはるひ野を走っている都市計画道路町田調布線についてですが、第2次川崎市
道路整備プログラムにおいて、町田調布線黒川工区については2021年までに完成予定となっています。残すところ、あと2年ということですが、進捗状況と見通しについて伺います。また、整備プログラムでは、黒川工区終了後、残りの町田調布線市境工区についても整備を進めていく計画とのことですが、整備内容について伺います。また、完成時期についても伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 主要地方道町田調布についての御質問でございますが、本路線は、麻生区黒川地内の町田市境から稲城市境までを結ぶ延長約1,600メートルの幹線道路でございまして、現在約988メートルの区間が完成しております。黒川工区につきましては、黒川駅北側交差点付近から若葉台駅南交差点付近までの延長約152メートルの区間を計画幅員20メートルに拡幅整備するものでございまして、黒川東土地改良事業共同施行による換地手続の終了後に先行して三沢川改修工事を完了させ、その後に道路整備工事に着手する予定でございます。次に、市境工区につきましては、町田市境からセレサモス前の交差点までの延長約460メートルの区間を計画幅員20メートルに整備するものでございまして、第2次川崎市
道路整備プログラムにおいて、平成34年度から平成37年度までの後期に着手する路線として位置づけているところでございます。事業期間につきましては、事業着手後おおむね10年間を想定しており、本プログラムにおける幹線道路整備の進捗状況等を踏まえながら、具体的な着手時期をお示ししてまいります。以上でございます。
◆勝又光江 委員 事業着手後、おおむね10年かかるということです。市民アンケートの中に、鶴川街道についてはセレサモスあたりまでは道路整備ができており、つながる町田市側の道路も整備ができているのですが、真光寺から黒川は曲がりくねった山道のままです、計画は以前からあるようですが、実現できない理由を教えてくださいという声がありました。町田調布線、いわゆる鶴川街道については都市計画決定から既に50年がたっています。さらに、完成までは15年から16年もかかるとのことです。市境工区ではセレサモスができたことで、町田市からの車の流入もふえ、渋滞も起きています。山道を利用している方からは、雪の日は車が滑って、乗り捨てられるので通行どめになります、車が動けなくなる前に警察によるチェーン規制など誘導することはできないでしょうか、また、歩道がないため、歩くのに危険ですが、歩道設置はできないでしょうかとの声もあります。対応について伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 主要地方道町田調布についての御質問でございますが、チェーン規制につきましては、所管している交通管理者に要望をお伝えするとともに、融雪剤の散布などを実施することで対応してまいりたいと考えております。また、現道の歩道設置につきましては、新たな用地の取得などが必要なことから、大変難しいと考えております。以上でございます。
◆勝又光江 委員 チェーン規制については伝えて、融雪剤の散布などを実施することで対応ということですので、ぜひよろしくお願いします。実はこの道路の両端には白線が引かれていますが、場所によっては道路脇の土砂が道路にはみ出し、白線が消えているところもあり、車が通行するには非常に危険です。整備を要望しておきたいと思います。
次に、ヒアリングループ設置と補聴器購入補助について健康福祉局長に伺います。難聴は先天性だけではなく、年齢とともに聞こえが衰える老人性難聴もあり、70歳以上で約半数、高齢者難聴は10人に1人という状況です。聞こえないためにコミュニケーションがとれなくなり、人の集まるところに行くのを控え、自宅にこもってしまうことにもなります。聞こえが悪くなっても社会参加を控えることなく、生き生きと暮らせるようサポートするために、ヒアリングループの施設への設置は欠かせません。以前は磁気ループと呼んでいましたが、障害者団体の意向を受け、今ではヒアリングループと呼んでいます。私はこれまで、難聴者の聴力を補うため、福祉施設、公共施設へのヒアリングループの設置をたびたび求めてきました。2009年に改正された福祉のまちづくり条例の規定には、公共施設で客席を設置する場合には、難聴者の聴力を補う設備を設けるよう努めるとされていましたが、2013年当時までは、川崎市聴覚障害者情報文化センター、市立聾学校、多摩川の里身体障害者福祉会館の3カ所のみでした。この間、質問の中で徐々に設置場所がふえてきています。現在把握しているヒアリングループの設置状況について伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 ヒアリングループの設置状況についての御質問でございますが、ヒアリングループにつきましては、補聴器や人工内耳を使用している難聴者の方の情報保障の重要な手段の一つとして認識しているところでございます。設置状況につきましては、川崎市聴覚障害者情報文化センター、南部、中部、北部、多摩川の里身体障害者福祉会館、市社会福祉協議会及び各区社会福祉協議会の13カ所、その他の公共施設6カ所、計19カ所で設置されていることを把握しているところでございます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 難聴者の中には、どの施設にヒアリングループが設置されているのか、よく知らされていないということもあり、電話をして聞くこともできないことから、目に見える周知や、難聴者だけにかかわらず多くの方にループの周知が必要との要望に、設置状況とあわせ周知についても検討していくとのことでしたが、検討状況について伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 ヒアリングループの周知についての御質問でございますが、ヒアリングループの周知につきましては、聞こえに悩んでいる方やその家族を対象に、情報提供、情報伝達の支援を行うことにより、自立と社会参加を促進している聴覚障害者情報文化センターが中心となり、相談、講座、研修等において、聴覚障害に関する基本的な知識や配慮等に加え、ヒアリングループの設置箇所、使い方の周知を図っているところでございます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 ヒアリングループを設置している施設においては、ここには設置をしていますよというお知らせが目に見えるようなマークの設置について要望しておきましたが、検討状況について伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 ヒアリングループマークについての御質問でございますが、ヒアリングループを設置している施設や対応機器であることを表示するヒアリングループマークにつきましては一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が定めたものでございますが、現在、障害者に関するマークは各種団体により多数定められている状況がございますので、本市としましては対応の整理が必要であると考えているところでございます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 整理が必要ということですので、ぜひよろしくお願いします。次に、補聴器の購入補助についてお聞きします。会話がしやすくなった、安心感があるなど、難聴者が補聴器を使うことで生活向上に役立っていることが日本補聴器工業会などの調査で浮き彫りになっています。ですが、日本の補聴器の公的補助は70デシベル以下は対象にならないなど限定され、多くの難聴者が対象外となっています。しかも、補聴器は高額で平均1台15万円もすることから、補聴器の普及が低くなっていると工業会は分析しています。昨年12月、兵庫県議会では、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書が全会一致で可決されました。意見書では、日本の補聴器使用率が欧米に比べて低くなっている要因に、高い補聴器購入に保険適用も公的補助もなく、全額自己負担であることを上げ、特に低所得者の高齢者への配慮の必要性を指摘し、欧米では公的補助があり、日本でも一部自治体で補助を行っていること、補聴器の普及により、生活の質を落とさず、心身の健康と認知症予防となり、健康寿命の延伸にもつながることを示し、公的補助の創設を求めています。静岡県長泉町では、聴力機能の低下がある高齢者に対し、高齢者の生きがいづくりと生活支援及び社会参加の促進を図ることを目的として、長泉町に住民登録がある65歳以上の方、両耳の聴力が50デシベル以上70デシベル未満の方、障害者総合支援法による補聴器支給の対象にならない方という3つの条件を満たせば補助の対象としています。東京都でも既に23区中8区で補助制度を実施しています。本市でも補聴器購入の補助を行うべきと思いますが、伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 高齢者に対する補聴器購入の助成についての御質問でございますが、一部の自治体において、非課税世帯で医師が補聴器の使用を必要と認めた場合などに限って一定の助成を行っているものと伺っております。本市におきましては、高齢者への日用生活用具給付事業としまして、寝たきりやひとり暮らしの方のための自動消火器や心身機能の低下に伴う防火の配慮が必要な方のための電磁調理器など、日常生活における安心・安全の観点から、必要性の高い日常生活用具の給付を実施しており、補聴器につきましては対象としていないところでございます。今後につきましては、他の政令指定都市の状況等を注視してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 市長は高齢者福祉のしおりの挨拶で、市民が主役、シニア世代が輝いていること、高齢者が健康で安心して暮らせることが大切ですと述べています。そうであるなら、高齢者の暮らしをサポートし、地域で生き生きと生活するために、川崎市が率先して支援し、実現していくべきと思います。補聴器補助はその一つです。検討を要望しておきます。
次に、視覚障害者の歩行の安全について市民文化局長に伺います。交差点の信号機などでは、青信号に変わると、ピヨッピヨッピヨッとかカッコーカッコーなどの鳥の鳴き声が流れます。これは目の不自由な方にとって信号機の役割を果たします。この音響信号機、いわゆる視覚障害者用付加装置について設置基準があるのかどうかについて伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 視覚障害者用付加装置の設置基準についての御質問でございますが、信号機の維持管理を所管する神奈川県警察に確認したところ、明文化された設置基準はなく、要望のあった場所ごとに設置の可否を判断しており、盲学校、病院、ターミナル駅付近など、目の不自由な方の通行が多いと考えられる場所に設置されているとのことでございます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 設置基準はないけれども、要望のあった場所ごとに設置の可否を判断しているとのことですので、目の不自由な方の要望には柔軟な対応を求めておきます。先日、朝早くに駅前の信号機を渡ろうとした目の不自由な方が、いつもは青になると鳴るはずのメロディーが鳴らないので渡るに渡れなくて、信号機の前で大変困っていました、信号機が鳴らない時間帯があるようですが、そのような時間帯でもタッチ式の音響信号機をつけることはできないでしょうかとの声がありました。相談された信号機は百合ヶ丘駅前の信号機で、朝7時から夜21時までメロディーが鳴ると聞いていますが、なぜこの時間帯に設定されているのかについて伺います。また、市内の信号機は皆この時間帯なのかについても伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 視覚障害者用付加装置の作動時間についての御質問でございますが、管轄する麻生警察署に確認したところ、当該信号機の時間設定の経緯については記録が残っていないため、確認することができないとのことでございます。また、作動時間につきましては、設置場所ごとに検討を行い決定しているとのことでございます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 設置場所ごとに検討するとのことです。タッチ式の音響信号機についてはこれまでも要望があったかと思いますが、タッチ式の音響信号機の種類と、市内の音響信号機のうち、ボタンなどのタッチ装置がある信号機の設置状況について伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 押しボタン式信号機についての御質問でございますが、神奈川県警察に確認したところ、押しボタン式信号機には2種類あり、ボタンを押すことにより歩行者用信号機が青になる黄色ボックス信号機と、高齢者などが横断歩道を安全に渡れるよう青色点灯時間を延長する白色ボックス信号機があり、そのうち、ボタンを押すことにより視覚障害者用付加装置の作動時間内であれば音響が流れる機能を付加した白色ボックス信号機も一部存在するとのことでございます。なお、市内に設置されている視覚障害者用付加装置つきの信号機のうち、30基は白色ボックス信号機として設置されていると伺っております。以上でございます。
◆勝又光江 委員 百合ヶ丘駅の信号機に、信号音が鳴らない時間帯にもボタンを押すことによって信号音が鳴るようにしてほしいという要望に応えていただきたいと思いますが、伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 音響作動時間外の対応についての御質問でございますが、信号機の維持管理は神奈川県警察の所管事務であることから、管轄警察署である麻生警察署に御要望をお伝えします。本市といたしましても、今後も警察署や関係機関と連携し、安全な道路交通環境の充実に努めてまいります。以上でございます。
◆勝又光江 委員 最後に、車椅子使用者向け市営住宅についてまちづくり局長に伺います。車椅子を必要とするお子さんを抱えた方が、市営住宅高石団地には障害者枠があるとのことで申し込みをされました。当選通知が届いてから団地を見に行きましたが、駐車場は居住者以外の人も既に駐車しており、満杯で、17人待ちでした、当選の通知が来てから入居までに1回しか現場を見ることができず、スロープもなく、部屋の中も段差があり、バリアフリーではないため、使いづらいとは思ったものの、せっかく当選したのに、不便でもこれを逃すと、今度はいつ入居できるかわからないと思い、入りましたが、内装が狭くて車椅子が使いづらい、風呂のドアも閉めることができず、カーテンを引き使用しているけれども、すき間風が入ってきて、なかなか温まることができません、息子は現在16歳です、医療的ケアも必要としています、これから体も大きくなり、車椅子も大きなものに変えなくてはならなくなります、今でも車椅子のままでの部屋の移動にとても不便をしているとのことでした。障害者枠で申し込みをしているのにバリアフリーになっていないところへの入居となったのはなぜなのか伺います。入居時に既に居住者以外の人が入り、駐車場が満杯になっている、その原因について伺います。
◎綿貫康治 まちづくり局長 市営住宅の車椅子使用者向け住宅についての御質問でございますが、初めに、市営住宅においては、新たに整備する住宅について、高齢者が加齢に伴って身体機能の低下が生じた場合にも住み続けられるよう、一定のバリアフリー仕様を標準としております。また、一部の住宅については、車椅子での生活を前提とした仕様の車椅子使用者向け住宅としているところでございます。この車椅子使用者向け住宅については、入居を希望される方に登録していただき、あき次第、随時御案内する方法をとっております。当該入居者につきましては、標準的なバリアフリー仕様の住宅に申し込まれ入居されているものですが、車椅子使用者向け住宅に係る登録の申請はなされておりません。このため、当該住宅は車椅子向けの仕様とはなっておりませんが、今後、要請に応じ、車椅子使用者向け住宅の登録の御案内をしてまいります。また、高石住宅は、従前は駐車場がなく、1号棟の建てかえに合わせ、駐車場を整備したところでございますが、団地の居住者全体を利用対象としており、現時点では全ての区画について利用されているところでございます。今後、建てかえ事業に合わせ、順次増設してまいります。以上でございます。
◆勝又光江 委員 車椅子を利用している方の申し込みについては、障害者枠での申し込みではなく、別途登録しておく必要があるとのことです。申込方法と対象者への周知について伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 車椅子使用者向け住宅への申し込みについての御質問でございますが、川崎市住宅供給公社において登録の受け付けを行っておりまして、空き住戸が生じた際には、登録した順番に従い入居のあっせんをしているところでございます。また、対象者への周知につきましては、定期募集の際にお配りしている入居者募集のしおりにおいて、車椅子使用者向け住宅については、一般の公募ではなく、登録制度であることを御案内しているところでございます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 現在の市営住宅の中で、車椅子を利用している人が入居できる車椅子使用者向け住宅の世帯数について、各行政区ごとに伺います。また、車椅子使用者向け住宅の待機状況について伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 車椅子使用者向け住宅の戸数などについての御質問でございますが、初めに、区別の戸数についてでございますが、平成31年3月1日現在で、川崎区が24戸、幸区が28戸、中原区が2戸、高津区が49戸、宮前区が5戸、多摩区が15戸、麻生区が2戸でございまして、市全体で125戸となっているところでございます。次に、待機状況についてでございますが、平成31年3月1日現在54世帯が待機しているところでございます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 高石団地については建てかえが順次計画されており、2017年1月から入居が始まった1号棟にこの方は入居しています。今後、新しくできる住宅で車椅子対応ができれば転居したいと言われます。今後、建てかえが行われる高石住宅A棟、B棟について車椅子対応の住居は予定されているのかどうか伺います。平成31年2月26日現在での車椅子使用者向け住宅の待機者は全市で54人とのことです。あきを待っているだけではなく、今後、住宅の新築、建てかえを行う住宅への車椅子住戸設置が必要と思います。現在、建設中または建設予定の市営住宅において車椅子使用者向け住宅を予定している団地名と戸数について伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 車椅子使用者向け住宅の整備についての御質問でございますが、初めに、高石住宅の建てかえにおいては、今後、A棟及びB棟を含めた団地全体の建てかえ計画の具体化の中で、建てかえ後の戸数への影響などを踏まえながら検討してまいります。次に、今後の整備予定についてでございますが、本年3月完成予定の久末住宅9号棟で4戸、平成32年度に着工を予定している中野島住宅1号棟で5戸を予定しているところでございます。以上でございます。
◆勝又光江 委員 今後さらに車椅子利用者がふえることも予想されます。今回の相談者のように車椅子使用者向け住宅の存在を知らない方もいらっしゃるかと思います。余りにも今ある車椅子使用者向け住宅の戸数が少な過ぎると思います。入居を希望される方が安心して入居できるよう、さらなる取り組みの強化と周知を要望しておきます。終わります。
◆老沼純 委員 自民党、老沼でございます。すばらしい天気となりました。多分地元では、また野菜の定植に向けてトラクターがフル稼働しているのではないかなと思います。まさにこの議場も、地元も、春が目の前という感じかと思っております。質問をつくるに当たりましては、いろいろ職員の皆さん、本当に感謝申し上げます。私は一問一答にて、道路整備費、街路事業費、危機管理対策費、コミュニティ推進費に関し伺ってまいりたいと思います。
まず、平成31年度予算におけます麻生区の道路整備費、街路事業費に関しまして、工事費、委託費、用地費、補償費の額について建設緑政局長に伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 麻生区内の幹線道路整備についての御質問でございますが、平成31年度予算のうち麻生区内の幹線道路整備につきましては、工事費が約3億4,000万円、委託料が約1億1,000万円、用地費が約1億1,000万円、補償費が約2億8,000万円、合わせて約8億4,000万円を見込んでいるところでございます。以上でございます。
◆老沼純 委員 ありがとうございます。平成30年決算審査特別委員会においては、整備効果が高いと判断される箇所について、平成29年度の麻生区の工事費が見込み額に対して141%にて執行されたと伺いました。その効果について見解を伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 平成29年度の整備についての御質問でございますが、本市の幹線道路の整備につきましては、第2次川崎市
道路整備プログラムに基づき、渋滞や交通
事故の状況、緊急輸送道路の整備、災害時防災拠点施設アクセス支援などの客観的な指標と隣接自治体との連携などの事業性による評価等により、整備効果の高い工区を選定し、効率的・効果的な道路整備の推進に取り組んでいるところでございます。麻生区内の平成29年度の整備につきましては、地域の防災機能強化や安全性の向上などを目的とした緊急輸送道路に指定されている都市計画道路世田谷町田線片平工区の電線共同溝整備工事及び主要地方道横浜上麻生下麻生工区の道路拡幅整備工事などの実施により、一部の歩道が拡幅されたことで歩行者の安全性などが向上しているものでございまして、引き続き両路線の早期完成に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
◆老沼純 委員 ただいま麻生区における整備効果について伺いました。平成31年度予算においても、これまでと同様に全市的に整備効果が高いと判断される箇所について整備を進めていくのか、伺いたいと思います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 平成31年度の整備についての御質問でございますが、緊急輸送道路に指定されている路線のほか、交通渋滞の緩和や歩行者の安全確保などが図られる箇所を重点的に整備してまいります。その中で、特に早期の事業効果が見込まれる麻生区内の主要地方道横浜上麻生下麻生工区の下麻生交差点及び中原区内の一般国道409号小杉工区の小杉御殿町交差点において、右折帯などの付加車線や歩道を設置する交差点改良を進める予定としております。今後も事業効果の早期発現に向け、効率的・効果的な道路整備の推進に取り組んでまいります。以上でございます。
◆老沼純 委員 御答弁ありがとうございます。関連して、少し視点を変えたいと思います。改正災害救助法の施行に伴い、本市は災害救助市の指定に向け準備をしているとのことでありますが、神奈川県からの物資配分の分配率が提示をされました。この物資はどのように運送されていくと検討されているのか、この点は危機管理監にお伺いします。
◎高橋実 危機管理監 物資分配ルートについての御質問でございますが、国の首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画に基づくプッシュ型支援に係る救援物資につきましては、国が道路の被害情報等に基づき物資分配ルートを決定し、神奈川県が指定する広域物資拠点に向けて輸送されることとなっております。また、県は国からのプッシュ型支援に対応するため、震度情報などから類似の地震を推定し、あらかじめ設定した資源配分割合の目安を確認した上で、市町村からの被害情報などから推定される避難者数などをもとに資源供給計画を策定することとしております。本市につきましては、救助実施主体として、県統制部被災者支援班に設置される資源配分連絡調整チームに職員を派遣し、資源供給計画の策定や物資配送拠点の指定、物資分配ルートなどに係る調整のオペレーションに参画し、市集積場所までのルートを決定いたします。なお、市集積場所から避難所への物資輸送につきましては、災害時協定に基づき、運送事業者の協力を得ながら輸送することとしておりますが、実際の輸送ルートにつきましては、緊急輸送道路を基本として、被災状況等を勘案しながら決定するものと考えておりますことから、防災関係機関と連携しながら、防災訓練等を通じてさまざまなルートを想定し、災害時に迅速かつ確実に避難所への物資輸送を実施できるよう取り組んでまいります。以上でございます。
◆老沼純 委員 大事な御答弁ありがとうございます。この指定への方針を受けて、第2次川崎市
道路整備プログラムへの影響、反映するべき点などはありますでしょうか、建設緑政局長に伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長
道路整備プログラムについての御質問でございますが、本市の道路整備につきましては、第2次川崎市
道路整備プログラムに基づき、整備路線の重点化を図りながら取り組みを進めているところでございます。
道路整備プログラムにおきましては、これまで、災害への備えや安全意識の高まりなどを踏まえ、整備路線の選定指標では、緊急輸送道路の整備などの防災機能に関するものを設定し、また、成果指標では、災害時の対応力の強化や都市の防災性の強化を掲げるなど、安全・安心という視点を重要な要素の一つと捉え、取り組んでいるところでございます。道路は日常生活や都市の社会経済活動を支えるとともに、災害時の物資輸送や救命救急活動などの緊急活動道路としても大変重要な都市基盤でございますので、今後も計画的な道路整備に努めるとともに、災害救助市の指定後も関係局と連携した取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◆老沼純 委員 それぞれ御答弁ありがとうございます。御答弁いただいたように今は横浜上麻生下麻生工区とありましたけれども、菅早野線下麻生工区もあわせてぜひお願いをしたいと思います。それというのも、尻手黒川線と横浜上麻生道路をつなぐものが菅早野線でありまして、菅早野線は第2次緊急輸送道路になっていますので、これが最後のところで、あと少しというところで途切れている状況ですので、また、そういった状況を、今回の組織改正において神奈川県へと職員を派遣していただいて、実情を話しに行っていただけるということですので、その点についても対応をさまざまお願いしたいと思っております。
次のテーマに移ります。いつも予算審議のときにちょうど発表になるんですけれども、全国の食味ランキング、日本のお米の話なんですが、神奈川県の「はるみ」という銘柄がここ2年連続で特Aランク、全国1位をとっていたのですが、残念ながら今回Aランクということです。1つ落ちたというよりも、新潟の魚沼産コシヒカリ、今まで特Aランクをずっと守ってきたんですけれども、昨年落ちたということで、それが頑張ったので少し落ちたのかなという評価をしています。その中で気になる銘柄が北海道にあるのですが、北海道厚真町のお米で、ずっと特Aランクをとり続けていたんですけれども、今までの質問を聞かせていただいておりますと、東日本大震災、阪神・淡路大震災、その他の自然災害ということでまとめられがちなんですけれども、北海道胆振東部地震についてはまだ停電が続いたり、実際厚真町は土砂がまだ入ったままで、米づくりも再開できない。地震が起きたときには私たちも募金活動等で支援をさせていただいたんですけれども、予算だけではなくて、まだまだ手がかかる状態だといったことをまずここで御報告はさせていただきたいと思います。また、この事例というのは大規模停電など都市型災害として、しっかりとこの教訓は本市も十分検討していかなければならないと感じております。
一部団体にて当該地震の実情、考察のまとめが出ておりますのでちょっと御紹介させてください。まず、ごみについて。ブラックアウトの影響で処理センターが停止して、埋め立てを実施しました。また、ごみ回収しながら道路の状況を確認して報告し、ごみが出されていない家に対して安否確認を行ったといったこともあります。あとはしっかり事業系ごみと避難所ごみを分別しなければいけないという実情ですね。お昼前で大変恐縮なんですが、トイレについては携帯トイレが主流であり、屋外に設置した仮設トイレは利用がほとんどなかったということです。携帯トイレは延べ約1,000名が使ったということで、行政のほうに追加発注がありましたという報告です。あとは、使用済みの携帯トイレはパッカー車で回収すると破裂する。そうすると、し尿が飛び散って感染症の影響もあるというので、できれば軽トラックのほうがいいという判断で、パッカー車を使わずに、軽トラックで回収したということです。小学校の避難所は、教職員の方中心で避難所運営がされたということです。ごみの分別、トイレ掃除、あとは近所の公園からの水の運搬まで教職員の方が行ったといったことがありました。また、これは自主的になんですけれども、昨日の委員の質問でも二次避難所という言葉がありましたが、自主的に、体育館以外の場所に、避難されてきたグループホームの方々のために福祉スペースを自分たちでつくったといったこともございます。一つの経験というのは本当に知識よりも大切なものだという言葉もありますので、今年度、本市はどのような取り組みを実施していくのか、ぜひ危機管理監に伺いたいと思います。
◎高橋実 危機管理監 災害時のトイレ対策についての御質問でございますが、本市におきましては、昨年の広島県坂町への災害派遣を通じて、改めてトイレ対策は大変重要であると認識したところでございまして、本年1月には避難所における環境衛生をテーマとした防災シンポジウムを開催し、自助の取り組みの一環として家庭内備蓄に携帯トイレを用意していただくよう呼びかけたところでございます。また、庁内の関係者で構成される災害時のトイレ対策検討会議の場におきまして、改めて災害時におけるし尿処理対策や使用済み携帯トイレの回収方法、下水道重要管渠の緊急点検など、今後の災害時トイレ対策の方向性について情報共有を図ったところでございます。今後につきましても、災害規模に応じたトイレの使い方やごみの分別を含めたし尿処理など、総合的なトイレ対策の実効性を上げていくとともに、市民の皆様に対するさらなる啓発を関係局区と連携して取り組んでまいります。以上でございます。
◆老沼純 委員 御答弁ありがとうございます。市民の方々へ啓発だけではなくて、実際に見える形にしていくという取り組みをぜひお願いしたいと思います。そしてまた、今の事例では、本市で言えば、環境局の皆様、教育委員会の皆様、そして道路公園センターといったところにもかかわってくるところでございますので、今後も想定外で済ますのではなくて、ぜひそれを想定内に、形にしていくというところを求めてまいりたいと思っております。
では、次のテーマに移ります。コミュニティ推進費について伺ってまいります。次年度当初予算案には約1,250万円の自治推進事業費が計上されていますが、取り組み、内訳を市民文化局長に伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 コミュニティ推進事業費についての御質問でございますが、自治推進事業費の取り組みと内訳につきましては、予算額1,251万6,000円のうち、自治推進事業費として、若者が地域課題解決のアイデアを提案し活動するワークショップイベントの開催に係る経費等に288万1,000円、協働・連携推進事業費として協働・連携ポータルサイトの運営や人材マッチング事業の実施に係る経費、仮称まちのひろばモデル実施に向けた調査検討、町内会・自治会の支援のあり方検討などに係る経費等に963万5,000円を計上しているところでございます。以上でございます。
◆老沼純 委員 ありがとうございます。きのう田村委員からもいろいろ御質問があったかと思いますが、改めて、町内会・自治会の加入率、世帯数、高齢化率等は大きなばらつきがあると思いますけれども、どのように捉えられているか伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 町内会・自治会の加入率等についての御質問でございますが、町内会・自治会は、結成された年代や住宅地の造成、公営団地や大規模マンションの建設など、それぞれの町内会・自治会がつくられた背景や地理的要因などにより、加入率や構成員の年齢等が異なるものと認識しております。また、平成30年4月1日現在の住民組織調査票によりますと、町内会・自治会の規模も約10世帯から約8,500世帯と大きく異なっており、平均加入世帯数は680世帯でございます。以上でございます。
◆老沼純 委員 この質問は、実は私が議員にならせていただいたときに一番最初に、決算審査特別委員会でした質問でございます。ほぼほぼ同じ答弁をいただきまして、一つは最新のもので10世帯から8,500世帯という御答弁をいただきました。それぞれオーダーメードで支援をしていくことが必要だと思うんです。自主防災組織にしても10世帯でやるのと8,500世帯では全然違いますし、いろいろ事務作業をお願いするにしても、10世帯と8,500世帯では力のかけ方が全く違うというところで、人的に、また、金銭的に的確な支援を実現していかなければならないと思いますけれども、この点についても市民文化局長に伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 町内会・自治会への支援についての御質問でございますが、町内会・自治会が抱える課題につきましては、価値観やライフスタイルの多様化などさまざまな要因により大きく異なることから、それぞれの町内会・自治会の実情を踏まえるとともに、課題解決に向けては、町内会・自治会の個性と自主性を尊重した支援が必要になるものと考えております。このため、現在策定中のこれからのコミュニティ施策の基本的考え方における個別支援の強化として、個々の町内会・自治会と向き合うことで、そのニーズなどを適切に把握し、川崎市全町内会連合会の御意見等も踏まえながら、必要となる支援のあり方について引き続き検討してまいります。以上でございます。
◆老沼純 委員 今、御答弁ありましたこれからのコミュニティ施策の基本的考え方を策定されるに当たり、各団体の代表等によってワークショップ、私も端のほうで見せていただいたんですけれども、話している内容を見ますと、やっぱり代表の方は発信力がありますよね。言葉があったり、強さがあります。町内会の方がちょっと端っこで意見を聞いているという雰囲気が見てとれた、言葉が置き去りと言ったら大変失礼なところもあるんですけれども、そういった感もございました。こういった点について見解を伺いたいと思います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 ワークショップについての御質問でございますが、これからのコミュニティ施策の基本的考え方の策定に当たっては、さまざまな参加の手法を取り入れるため、各区において、これからの地域づくりを考える市民検討会議ワークショップを開催したほか、全市シンポジウムを初め、30回を超える出前説明会等を開催し、広く市民の皆様の御意見等を伺ってきたところでございます。加えて、町内会・自治会につきましては、アンケート調査を実施するとともに、ワークショップ等への参加の呼びかけや、川崎市全町内会連合会の正副会長会議及び役員等への説明を初め、各区の町内会連合会等の理事会や学習会の場において説明や意見交換をさせていただくなど、町内会・自治会の皆様の御意見を踏まえながら、基本的考え方の策定を進めてきたところでございます。以上でございます。
◆老沼純 委員 ありがとうございます。町内会・自治会の方、さらにはこのワークショップに参加される方、あとは町内会・自治会に入らなくても自分たちで大丈夫なんだ、やっていけるんだといった方たちのさまざまな意見をもっと広く聞いて、そしてまた、市政に反映できるようにぜひお願いをしたいと思います。そしてまた、2028年目標として希望のシナリオの実現があります。人口増加は2020年に約154万人に達するという推計があります。そしてまた、人口減少が始まって2045年に154万人。これは上っていくとき、増加のときの154万人と下がっていくときの154万人では異なる状況かなと私は思っておりまして、いろいろ対策が必要だと思いますけれども、この変化をどのように定義されたのか、伺いたいと思います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 本市の将来の状況についての御質問でございますが、2045年の本市の状況ですが、人口構成につきましては、2020年と比べると、年少人口と生産年齢人口が減少、老年人口が増加し、高齢化率は21%から31.3%となることが見込まれております。また、高齢者の認知症有病率につきましては、2020年の17.9%から2030年には22.8%と約5ポイント増加することが見込まれるなど、予測される人口規模は同じであっても、その状況は大きく異なるものと認識しております。こうした状況の変化を見据え、市民創発により新たな価値を生み出しながら、多様なつながりや居場所を創出しつつ、幸福度が高く、誰もが認められる社会的包摂の進んだ持続可能な都市型コミュニティを目指すという将来像を希望のシナリオとして掲げ、その実現に向けて総合的に施策を展開してまいります。以上でございます。
◆老沼純 委員 ありがとうございます。今、御答弁いただきましたけれども、後段の部分、幸福度が高く、社会的包摂の進んだコミュニティ――済みません、具体的にどのようなものか。実例、また、期待する具体的行動でもう一度御答弁いただけますでしょうか。
◎鈴木賢二 市民文化局長 希望のシナリオの実現に向けた具体的な展開等についての御質問でございますが、仮称まちのひろばは、参加のきっかけとなる地域の居場所や誰もが集える出会いの場などの機能を持つものとして、小学校区などの市民にとって身近な小さな単位において、市民が主体となって創出するための環境整備を進めてまいります。こうした取り組みにより、地域における防災活動や子ども食堂、コミュニティカフェ等の活動や場などが広く展開されることで、身近な地域でのつながりが生まれ、誰もがその存在を認められ、地域の一員として感じられるような幸福度が高い社会を目指してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆老沼純 委員 それぞれ御答弁ありがとうございました。市長の施政方針からも、防災から始まるまちづくりということで、またこういった議論が多々ふえてくるのかと思います。実は広島の土砂災害、大きい被害が2回あったわけでございますけれども、1回目、2回目とも、私の前の職場の同僚が消防団員として出動しております。1回目、行政からの連絡がおくれたという判断もありましたけれども、真っ暗で何もすることができなかった、2回目、天気予報を見て、これは来るぞとわかっている状態で準備はしたけれども、何もできなかった、さらには亡くなった方の御遺体を発見してしまった、こういうことは絶対にしたくないんだという気持ちがあるという話を伺っています。先ほどもありましたけれども、経験は知識にまさるというところですけれども、その方の言葉をもらいますと、天気予報を見た時点でまず逃げてくれ、警報が鳴ったり避難勧告が出たから逃げるのではなく、天気予報を見て、もう3日前には逃げられる仲間、逃げられる町内会の場所といったものを探しておきなさいという言葉が私の胸にぐさっと刺さったところでございます。またそういったところも含め、将来の人のつながり、防災から始まるまちづくり、それが町内会・自治会につながり、そしてまた、安心・安全な川崎市政につながってくるものだと思いますので、またさらなる検討または行動をお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○春孝明 副委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○春孝明 副委員長 御異議ないものと認めます。暫時休憩いたします。再開は午後1時といたします。
午前11時59分休憩
午後0時59分再開
○橋本勝 委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
直ちに審査に入りたいと思いますが、その前に申し上げます。危機管理監から、本日、午後の委員会は、公務出張のため、欠席させていただきたい旨の届け出がありましたので、御了承願います。
それでは、審査に入ります。発言を願います。
◆浜田昌利 委員 私は一問一答方式で、1番目に川崎観光の振興について経済労働局長に、2番目に密集市街地の改善についてまちづくり局長に、3番目に女性の再就職支援について経済労働局長に、それぞれ質問してまいります。(私語する者あり)まんぷくラーメンではないかということを言っていただいたのですけれども、観光なので、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」のほうで。1月から始まりまして、1912年の第5回ストックホルムオリンピックに日本人として初めて参加された金栗四三さんの激動の物語と、後半はその52年後の1964年に東京で開かれました第18回大会、東京オリンピックに向けてのドラマが描かれるということでございます。オリンピックへの参加も、オリンピックの開催も、多くの人の熱い思いと情熱の行動があって実現するんだなということを感動しながら見ていますが、東京オリンピックのときには、これに合わせまして東海道新幹線を初めとする鉄道網の整備と、また、幹線道路の整備が進みまして、まちの整備も進みました。結果として、市民生活が大きく変わりまして、便利になったと思いますが、こういうことがやっぱり観光施策を通してのまちづくりなんだなということを実感しながら、ドラマも見ている次第でございます。
いよいよ1年4カ月後に東京オリンピック・パラリンピックを迎えますが、昨年は海外からの訪日観光客が初めて3,000万人を超えました。政府は来年2020年の訪日外国人観光客の目標を4,000万人としておりまして、川崎には羽田空港から最短12分で来られるという地の利がありますから、さらに多くの外国人観光客が川崎に来る可能性があると期待していますし、多くの観光客を迎えられるよう、さらに好感の持てるまちづくりに努めていただきたいと思いますし、そのことがもともと住んでいる市民にとってさらに暮らしやすいまちづくりにつながるものと期待しているものでございます。うちの話ですけれども、うちもお客さんが来るぞというと、もう右を左に、左を右に、じゃ、この部屋をきれいにしよう、玄関からそこまで行くところはきれいにしようと。ほかの皆さんは違うと思うんですけれども、我が家はそのような感じで、誰かが来るというときれいにしようという。やっぱりまちづくりもそういうことが働くのではないかなと思いますので、そういう意味で期待しているところでございます。平成31年度の予算案についての中には、川崎の特性を活かした観光の振興として、外国人観光客の動態分析の結果を踏まえまして、訪日外国人観光客の誘客に向けた効果的な取り組みを推進しますとありますが、具体的にどのようなことを行うのか、経済労働局長に伺います。
◎原田津一 経済労働局長 訪日外国人観光客の誘客についての御質問でございますが、本市では、外国人観光客の誘客に向け、多言語によるホームページやSNS、ガイドブックの活用に加え、職員が海外の旅行博やイベント等においてプロモーションや現地旅行会社との商談を行うほか、海外からメディアを初め、ブロガー等の情報発信力のあるインフルエンサーを招き、市内の観光スポット等を周遊した後、フォロワー等に向けて情報発信を行っているところでございます。こうした中、昨年度実施いたしました市内における外国人観光客の動態分析調査の結果では、市内に来訪された外国人観光客の多くが都心から来訪し、短い滞在で市外へ移動されるといった傾向が明らかとなっております。来年度につきましては、動態分析調査の結果を踏まえ、外国人観光客に市内で長く滞在いただけるよう、インフルエンサーに外国人観光客が興味を持つような場所を周遊してもらうほか、招請の回数や人数をふやすなど、より効果的な情報発信を行うことにより、多くの外国の方々に対して本市の魅力を拡散し、観光客として来訪していただけるよう取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 新聞報道によりますと、訪日外国人観光客の増加の牽引役はアジア諸国・地域、特に中国、韓国、台湾、香港の4カ国・地域で全体のおよそ7割を占めるということでございます。川崎においては特にどの地域をターゲットとするというお考えがあるのかどうか伺います。また、観光の課題としては、訪日外国人観光客による消費が伸び悩んでいることに対するてこ入れが大事だという指摘があります。訪日客1人当たりの消費額は15万円から16万円程度で、ここ数年ほとんどふえていないのが実態だということです。川崎での消費をふやすための施策について考えがありましたら伺います。また、日本が地震大国であることから、災害時のわかりやすい迅速な情報提供があるということも、外国人観光客を引きつけるために重要と言われています。何らかの対応があるようでしたら経済労働局長に伺います。
◎原田津一 経済労働局長 訪日外国人観光客の誘客についての御質問でございますが、初めに、外国人観光客の誘客に向けたターゲットにつきましては、羽田空港の利用状況や訪日旅行のリピート率などを踏まえ、タイや台湾のほか、東南アジアを中心にプロモーション等を行っているところでございます。昨年度の外国人観光客の動態分析調査の結果では、タイや台湾からの本市への来訪者がプロモーション後に増加していることから、プロモーションの効果があらわれているものと認識しておりますので、引き続き重点的に取り組んでまいりたいと存じます。次に、市内消費の増加策についてでございますが、工場夜景を初めとする体験型のコンテンツの提供により、市内での宿泊や飲食等へつながるものと考えておりますので、さまざまな地域資源の活用を促進してまいりたいと存じます。また、本市の特性であります羽田空港に近接する立地を生かし、外国人観光客が帰国する際に川崎駅周辺にお立ち寄りいただき、買い物などを楽しんでいただけるよう取り組んでまいりたいと存じます。次に、災害時の情報提供に関する取り組みにつきましては、日本政府観光局において、災害発生時における外国人旅行者への安全情報の提供を行う多言語のウエブサイトやSNSが整備されているところでございます。今後は停電時にも対応できるよう、日本政府観光局のウエブサイト等へリンクするQRコードを観光案内所へ整備し、外国人観光客へ提供するとともに、その他の施設等につきましても整備に向けて検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 東南アジアからの観光客の中には、日本のトイレが清潔だ、それがお気に入りということで、リピーターになっている方もいるようでございます。TOTO株式会社が2018年7月に京都市で実施した訪日外国人の皆さんにとったアンケートでは、リピーターになりたくなる条件は何ですかと聞いたところ、1位が公衆無線LAN、Wi-Fiの整備だったんですけれども、2位にトイレが明るく、臭くないということが入ったということなんですね。千葉県では観光地トイレ整備スピードアップ事業というのを行っておりまして、2015年から民間観光施設に最大で整備費の4分の3以内、500万円まで補助して、清潔で安心して使えるトイレをふやしているということですね。また、東京都千代田区も以前から公衆トイレの整備に力を入れてきていまして、2019年には区内の商業施設、コンビニなどと一般にもトイレを開放してもらうという協定を結びまして、きれいなトイレを観光客に使ってもらう取り組みをしているということでございます。ぜひ公共空間のトイレの清潔感を向上させていただけますよう要望いたします。新聞では、イスタンブールなどヨーロッパの観光地では、中国人が旅先でもなじみのある食事を求める傾向があるということから、中国料理店などを集めたミニ中華街を建設して観光客の増加を図りまして、地元での消費をふやそうという構想もあるようでございます。また、神奈川県では、宿泊客をふやすためには早朝と夜の観光資源の発掘を強化したい、このようなことを計画しているということでございます。本市では工場夜景観光という夜の観光資源もありますけれども、宿泊客をふやすために、今後さらに早朝と夜間の観光資源の開発を進めていただきたい。また、国内外の観光都市の先進的な取り組みを参考にしていただきまして、ますます川崎観光の振興を図っていただけますよう、これも要望いたします。
続きまして、密集市街地の改善について
まちづくり局長に伺います。近年、全国各地で災害の発生が報道されておりますことから、災害に強いまちづくりへの市民の関心が高まっています。平成31年度の予算案についての中には、密集市街地の改善に向けた重点対策の推進として、小田周辺地区では、建てかえや住みかえ促進に向けた新たな促進策に取り組みますとあります。具体的には4つの促進策が示されておりまして、どれも数年にわたる取り組みになろうかと思われますが、新年度、平成31年度で行っていく内容について
まちづくり局長に伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 密集市街地の改善についての御質問でございますが、本年1月に策定した小田周辺戦略エリア整備プログラムにおいて、地域住民の防災意識の醸成、権利者への積極的な働きかけ、建てかえ困難敷地の解消、効果的な住みかえ先の確保の4つの促進策を位置づけたところでございます。これに基づく平成31年度の具体的な取り組みといたしまして、まずは地域の防災活動を支援するとともに、まちのルールづくりなどを実践する地元協議会の設立に向け、地区の町内会長を中心とした懇談会を開催してまいります。また、地区の分析調査を進めるとともに、優先的に整備が必要な地区から権利者へのヒアリング調査を行い、地域住民の意向を把握し、基礎的な情報を収集してまいります。さらに、建てかえや住みかえ促進に向け、権利者等への積極的な働きかけを実施してまいります。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 中長期にわたる取り組みになるとは思うんですけれども、かといって、目に見える進展がないと倦怠感とか徒労感を招くのではないかと心配でございます。あくまでも強制的にはならないように、住民の皆さんの自主性を尊重していただきたいと思いますけれども、ことしとか、来年とか、再来年とか、ぜひ、小さな前進でもいいので、目に見える成果を見ながら着実な進展を図っていただけますよう要望いたします。よろしくお願いいたします。
続きまして、次の質問です。女性の再就職支援について経済労働局長に伺います。結婚や育児を機に退職される女性は以前よりも少なくなっているようですが、実際におられます。また、介護を理由として退職や転職を余儀なくされる人は、全国でですけれども、年間に約10万人おられるということでございます。再就職への支援は大事な課題であると言えます。平成31年度の予算案についての中には、総合的な就業支援の実施として育児や介護などで離職した女性の再就職支援とありますけれども、具体的にどのようなことを考えているのか、経済労働局長に伺います。
◎原田津一 経済労働局長 女性の再就職支援に関する御質問でございますが、女性の再就職支援につきましては、今年度から、育児、介護等で離職した女性を対象として再就職に向けた心構えに関するセミナーや、自己の強みを知るためのグループワーク、女性求職者と企業採用担当者が気軽に語り合う企業交流会等を組み合わせた再就職応援プログラムを実施し、多くの方に御参加いただき、評価をいただいているところでございます。来年度はこれらの取り組みを踏まえ、女性の活躍を推進する「かわさき☆えるぼし」認証企業との交流の場の設定など、効果的なプログラムを実施し、女性がこれまで培ってきた知識や経験、キャリアの有効活用が図られるよう、女性の再就職を支援してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 厚生労働省が1月15日、中長期的な労働政策を検討する雇用政策研究会の労働力需給推計を公表しました。2040年まで経済が仮にゼロ成長で推移し、女性や高齢者の労働参加が進まない場合には、2040年の就業者数は2017年に比べて1,285万人減少し5,245万人に落ち込むと試算、減少幅は働き盛りの30歳から59歳で大きく、成長に向けた大きな阻害要因と結論づけられています。産業別の減少幅は、人手不足が深刻な卸・小売業が287万人に上り最大、鉱業、建設業は221万人の減少、製造業も206万人の減少としています。一方、高齢化の加速に伴いまして介護人材の需要が伸びまして、医療・福祉分野においては103万人の就業者数の増加と見込んでいます。これに対して、経済が成長し、女性や高齢者の就労が進む場合は就業者は6,024万人となりまして、2017年に比べ506万人の減少にとどまるとしておりまして、女性と高齢者の就業が大事であるということが示されているものでございます。年明けには日本経済新聞では70歳雇用の条件という連載がありましたし、読売新聞でも安心の設計、働く輝くシニアという連載がありまして、70歳雇用の重要性ということが指摘されていたところでございます。人生100年時代を提唱し、ベストセラーとなったライフシフトという本の著者、イギリス・ロンドンビジネススクールの教授、リンダ・グラットンさんは、年末に都内で開かれた企業向けセミナーで講演しまして、私も80歳まで働きたい、長寿社会の日本で高齢者がどう活躍するか、世界が注目していると述べたということでございます。本市におかれましても、育児、介護で離職された女性への就業支援を通して支援のノウハウを蓄積していただきまして、60歳以上の女性への就業支援にも力を入れていただきたいと思いますが、経済労働局長の見解を伺います。
◎原田津一 経済労働局長 女性の就業支援についての御質問でございますが、生産年齢人口が減少し、経済活動を初め、さまざまな分野で多様な人材や柔軟な働き方が求められる中、女性やシニア人材の労働参加を促すことは大変重要であると考えております。本市の就職に関する総合相談窓口「キャリアサポートかわさき」におきましては、若者、女性、高齢者など求職者全般を対象に、求職者のニーズに沿った就業支援を行っており、シニア層の女性の皆様にも数多く御利用いただいているところでございます。また、今月13日にはおおむね60歳以上の求職者を対象に生涯現役セミナーを開催し、シニア人材を積極的に採用している企業やシニア社員の活躍事例等の紹介を予定しているところでございます。今後とも、キャリアサポートかわさきや再就職応援プログラム等を通じて、シニア層の方々一人一人がみずからに適したライフスタイルで働いていただけるよう就業支援に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆浜田昌利 委員 ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。年金とか葬儀費用など老後のお金をテーマにした小説「老後の資金がありません」という本があるんですけれども、2015年に刊行されまして、現在24万部のロングセラーだそうです。作者は、いつまで生きるのか、お金が幾らあれば足りるのか、今や誰もが不安を抱えている、このように話しているということでございます。また、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会専務理事で千葉商科大学教授の伊藤宏一さんという方も、平成の最初のころの中高年からの相談では、資金への危機感が薄くて、生きがいとか健康などへの関心が高かったけれども、今ではさま変わりしているということですね。そのようなことを述べてございます。90歳まで生きる人の割合も、平成元年には男性が12%で、女性が26%だったんですが、平成29年にはそれぞれ、男性が26%で、女性の場合は50%の方が90歳まで生きる、女性は7%の人が100歳まで生きると言うんですね。そのようになりまして、平成30年間で大きく長寿化も進んだし、変わっているわけですよね。
ある生命保険会社の創業者の方が、働き続ければ病気になりにくいし、老後資金不足もなくなるということで、この生命保険会社では定年制を廃止したという、そのような会社もあるということでございます。また、トヨタ自動車は、60歳の定年退職後に再雇用した技術系従業員の待遇を一段と充実しまして、生産ラインで働く人の年収を現行から100万円から150万円ふやした雇用形態を新しくつくるということで、熟練のわざをつなぎとめ、若手に技能を伝承してもらう、このようなことを図っているということでございます。また、外食大手のすかいらーくホールディングスでは、ことし1月からパートやアルバイトの雇用年齢の上限を従来の70歳から75歳に引き上げまして、長年接客や調理に携わっていた優秀な高齢者を確保する狙いだということです。元気な高齢者が多く、長く働きたいという要望があったということで、企業のほうも努力をされているということでございます。ぜひ女性の就業支援、特に60歳以上の皆さんに対しましての就業支援も、市としても積極的に力を入れていただきたいということを要望しまして、質問を終わります。
◆堀添健 委員 私は、一問一答方式で4問お伺いをさせていただきます。まず、太陽光発電事業について環境局長に、続いて、特別養護老人ホームのワンストップサービスについて健康福祉局長、障害者の雇用・任用状況について総務企画局長、人口動態における外国人市民の推移について同じく総務企画局長に、おのおの一問一答でお伺いをさせていただきます。
まず、太陽光発電事業についてです。本市では、2018年3月に川崎市地球温暖化対策推進基本計画を改定し、さらに一層の再生エネルギー等の導入とエネルギーの最適利用の取り組みを推進しています。こうした視点から、太陽光発電モデル事業の一環として、市有施設の屋根貸し事業に取り組んでいます。昨年10月には浮島埋立事業所を対象としたモデル事業の契約を行っていますが、事業の目的と概要について、確認を含め、環境局長に伺います。
◎大澤太郎 環境局長 市有施設の屋根貸しによる太陽光発電モデル事業についての御質問でございますが、本市では、低炭素社会の構築に向け、マルチベネフィットの地球温暖化対策を推進しており、災害時におけるエネルギーの確保を通じた市民の安全・安心などにつながる再生可能エネルギーの導入に取り組んでいるところでございます。屋根貸し事業は、太陽光発電設備の導入手法の一つでございまして、発電事業者等に屋根を貸して、太陽光発電設備を整備するものでございます。通常時は発電事業者等が固定価格買い取り制度を活用して売電を行っておりますが、災害等により停電が発生した際には、発電した電力を施設で活用できる事業でございます。今年度につきましては、昨年10月末に事業候補者を決定し、国の申請手続などを経て、3月中旬より稼働する予定でございます。以上でございます。
◆堀添健 委員 市有施設の屋根貸しによる太陽光発電モデル事業は、今年度の取り組みとして3月中旬より稼働を予定しているとのことです。この事業は、本市が直接電気事業者と契約せず、屋根貸しにより事業者が発電事業を行い、事業者から使用料を徴収するビジネスモデルとなっています。こうしたモデルとしての取り組みとした理由について、環境局長に伺います。
◎大澤太郎 環境局長 屋根貸し事業の実施理由についての御質問でございますが、屋根貸し事業につきましては、民間活用の一環として、発電事業者等の資金で太陽光発電設備を整備するため、本市の財政的負担がなく、市域内の再生可能エネルギーの導入が進められること、また、市有財産の有効活用として、目的外使用料とともに固定資産税が見込め、本市としても財政的にメリットがあることなどから、取り組んでいるものでございます。以上でございます。
◆堀添健 委員 屋根貸しモデルでの取り組みは、財政的負担や使用料、固定資産税等のメリットがあるとのことです。今回のモデル事業を踏まえ、今後の展開について環境局長に伺います。
◎大澤太郎 環境局長 今後の展開についての御質問でございますが、固定価格買い取り制度におきましては、太陽光発電の買い取り価格が年々低下しているところでございますが、事業者等へのアンケートの結果から、引き続き屋根貸し事業が可能との回答を得たところでございまして、このたびのモデル事業も踏まえながら、関係部局に対し設置可能施設の調査を行っているところでございます。今後におきましても、屋根貸し事業なども活用しながら、災害時にも活用できる再生可能エネルギーの導入に取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆堀添健 委員 ありがとうございました。あらゆる機会を利用して再生可能エネルギーの導入を進めることは、本市にとっても重要な取り組みと思います。こうしたモデルの展開はもちろんのこと、さまざまな試行を進めていただくことを要望いたします。
次に、特別養護老人ホームのワンストップサービスについて伺います。身体的・精神的理由により、日常生活を送るのに常時介護を必要とする高齢者にとって、特別養護老人ホームは極めて重要な役割を担っています。昨年3月に策定した第7期計画――かわさきいきいき長寿プランでは、2017年度時点の整備数4,541床を2020年までに5,131床まで整備する目標となっています。この計画は達成できるのか、現時点での進捗状況と見通しについて健康福祉局長に伺います。また、現在、特別養護老人ホームの要介護度3から5の高齢者1,000人当たりの定員数について、また、その値は20指定都市の中でどのあたりに位置するのかについてもお答えください。以上です。
◎北篤彦 健康福祉局長 特別養護老人ホームについての御質問でございますが、初めに、特別養護老人ホームの整備状況につきましては、平成30年度から平成32年度を計画期間とする第7期計画――かわさきいきいき長寿プランにおいて、5カ所590床の整備を計画しているところです。平成30年5月には、既に高津区に1カ所122床を開所しておりまして、平成31年度には、高津区久末地区及び中原区井田地区の2カ所238床、平成32年度には川崎区日進町地区及び麻生区百合丘地区の2カ所230床、いずれも計画期間内の開所を目指し、順調に進捗しているところでございます。次に、要介護度3から5の高齢者1,000人当たりの特別養護老人ホームの定員でございますが、平成30年4月現在、政令指定都市平均では約255人、本市におきましては約241人でございまして、本市はおおむね標準的な数値となっております。以上でございます。
◆堀添健 委員 特別養護老人ホームの定員数ですが、要介護度3から5の高齢者1,000人当たり241名、指定都市の中では、おおむね標準的な数値とのことです。ちなみに8年前、2011年に同様な質疑がこの議場でされておりますが、その時点では1,000人当たり96名で、当時ですと、指定都市19都市のうちで17位ということでしたので、必要な需要を十分満たしているわけではないものの、着実に整備は進んできていることを感じるところでございます。施設の整備に当たっては必要なサービス量の推計が前提になりますが、それとともに、どの程度の待機人数があるのかも重要な要素です。本市においては、これまでは直接施設に申し込みがされていたために、実態を正確に把握する上での課題が指摘されてきたところです。本年2月から、特別養護老人ホームヘの入居申込手続の一元化、いわゆるワンストップサービスが開始されましたが、現状と課題について健康福祉局長に伺います。以上です。
◎北篤彦 健康福祉局長 特別養護老人ホームヘの入居申込窓口の一元化についての御質問でございますが、特別養護老人ホームヘの入居申し込みには、複数施設を希望する場合、希望する施設数分の申込書を作成し、直接施設へ申し込む必要があったことから、過大となっていた市民負担の軽減や、家庭環境の変化に伴うダブルケアなど、高齢者を取り巻く状況変化への対応のため、申込窓口を川崎市老人福祉施設事業協会へ一元化することや、入居判定時の配点を見直すなどの改善を図ることとし、平成30年8月に川崎市特別養護老人ホーム入退居指針の改正を行い、指針の改正に沿った運用ができるよう、本年2月から特別養護老人ホーム入居申込者管理システムを稼働させたところでございます。今後につきましては、要介護の認定更新期間を入居申し込みの有効期間として設定していることから、認定更新期間満了者に対する勧奨や、医療的なケアが必要な入居申込者の円滑な入居に向け、川崎市老人福祉施設事業協会や施設を運営する社会福祉法人、ケアマネジャーとの連携を密にするとともに、申込者の実態を把握するための個人情報の管理を含めた運営管理を徹底するなど、システムの安定稼働を図ることが重要であると認識しているところでございます。以上でございます。
◆堀添健 委員 昨年8月の指針の改正を踏まえ、申込窓口の一元化や入居判定時の配点見直しなどを行ったとのことです。特別養護老人ホーム入居申込者管理システムの稼働により、本市で把握している待機者数はどのように変わったのか、現時点での状況について健康福祉局長に伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 特別養護老人ホームヘの入居申込者についての御質問でございますが、特別養護老人ホームの入居申し込み状況につきましては、平成30年8月1日までに申し込みをされていた3,663人の方について新たな様式における再申請を依頼したところ、継続して申し込みを希望される方が1,804人、他の施設へ入所済み等の理由で辞退をされた方が1,565人、現在も引き続き意思確認を行っている方が294人となっております。また、昨年8月以降、新規の申し込みを継続されている方が862人でございまして、本年2月末現在、確認ができている入居申込者数は2,666人となっております。以上でございます。
◆堀添健 委員 それでは、意見要望を申し上げます。今回、有効期間、期限が設定されたことで、昨年8月時点での入居申込者数3,663名のうちの1,565名が既に他施設に入居しているなどの理由で辞退をされたとのことです。このことは申込手続の一元化によって、当然、市民負担の軽減がされたわけですが、実態の把握の上でも有効であったと考えるところでございます。その後の新規を含め、現時点では2,666人とのことであります。まだ必要なサービス量が十分賄えていないことも改めて示されていると思いますが、こうしたデータをもとに今後の取り組みの強化を要望させていただきます。
次に、障害者の雇用・任用状況について伺います。2016年4月に施行された障害者差別解消法及び改正障害者雇用促進法では、事業者に対し、障害を理由として、障害者でない者と不当な差別的取り扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならないこと、また、障害者が職場で働くに当たっての合理的配慮の提供を義務づけています。本市において障害のある職員の職位別人数について、総務企画局長に伺います。また、職員全体の職位別人数についてもお示しください。以上です。
◎唐仁原晃 総務企画局長 障害のある職員の職位別人数についての御質問でございますが、平成30年6月1日時点で各職位の相当職を含む人数で、局長級が1名、部長級が4名、課長級が5名、課長補佐が8名、係長級が15名、主任が55名、職員が151名でございます。また、平成30年4月1日時点における職員全体の職位別人数につきましては、各職位の相当職を含む人数で、局長級が42名、部長級が460名、課長級が975名、課長補佐が593名、係長級が2,493名、主任が3,020名、職員が1万1,371名でございます。以上でございます。
◆堀添健 委員 御答弁ありがとうございました。正規職員1万8,954名のうち、障害のある職員が239名、おのおのの職位別の人数についてお答えをいただきました。正規職員のうち、課長以上の職員の割合は、全職員と障害者とでどのようになっているのか、総務企画局長に伺います。同様に、係長から課長補佐までではどうかについても伺います。以上です。
◎唐仁原晃 総務企画局長 正規職員における職員の割合についての御質問でございますが、全職員に占める課長級以上の職員の割合は7.8%となっており、障害のある職員に占める課長級以上の職員の割合は4.2%となっております。また、全職員に占める係長級及び課長補佐の職員の割合は16.3%となっており、障害のある職員に占める係長級及び課長補佐の職員の割合は9.6%となっております。以上でございます。
◆堀添健 委員 ありがとうございました。ディスプレーをお願いいたします。これが先ほどの答弁で、正規職員の中での職位別割合ということで、青いのが障害のある職員で、赤が全職員ということで、左側の局長級から、一番右が職員ということで書かせていただいています。このうちの課長級以上が、いわゆる管理職になりますので、課長級以上と係長、課長補佐ということで整理をした割合が、今御答弁いただきましたが、こちらになります。左側が障害者、右側が全職員ということで、赤いところが課長級以上の管理職で、青が係長職、課長補佐職で、緑が一般職ということでございます。障害者については、母数が二百数十名ということですから、単純には比較はできないわけですが、それでも、管理職に占める割合で見ますと、障害の有無によって有意の差があるようにも見えるところでございます。現状の認識と今後の取り組みについて総務企画局長に伺います。以上です。
◎唐仁原晃 総務企画局長 昇任、昇格についての御質問でございますが、障害のある職員につきましては、採用や異動後の状況等を確認しながら、人的及び物的な環境整備や適正な配置に努めるとともに、昇任、昇格につきましては、障害の有無にかかわらず、個々の能力、実績、意欲等に基づいて行っているところでございます。今後につきましても、障害のある職員一人一人の状況を的確に把握しながら、能力が有効に発揮できる環境整備に引き続き努めてまいります。以上でございます。
◆堀添健 委員 それでは、意見要望をさせていただきます。障害の有無にかかわらず昇任昇格を行っているということです。このことは以前の答弁でも、当然そのとおりいただいているわけです。しかし、結果的に差があるということは、合理的な配慮という観点でまだまだ課題が残されているのではないか、そのようにも感じるところでございます。この4月で障害者差別解消法が施行されて丸3年となります。法律では、特に事業者に対する義務規定に対して、3年を経過した時点で検討、見直しの条項も規定されているところでございます。本市としても、この3年間の取り組みを踏まえ、特に当事者の声を丁寧に尊重して、合理的な配慮のあり方について取り組みの強化をお願いいたします。
それでは最後に、人口動態における外国人市民の推移について伺います。全国的に大都市圏を中心として外国人が増加をしています。本市における外国人の増減状況について、直近5年間の増加状況について総務企画局長に伺います。また、本市では市民の数がふえていますが、ふえている市民のうち外国人市民の割合についてもあわせて伺います。以上です。
◎唐仁原晃 総務企画局長 外国人市民についての御質問でございますが、外国人市民につきましては、管区別年齢別外国人住民人口によりますと、本市における外国人の方は、平成30年12月現在、4万1,664人でございまして、5年前の平成25年12月の2万9,323人から1万2,341人増加しているところでございます。また、この間に増加した6万6,606人のうち外国人の方の割合は18.5%となっております。以上でございます。
◆堀添健 委員 この5年間でふえた市民6万6,606人のうち、1万2,341人、約18.5%が外国人市民であったとのことです。ディスプレーをお願いいたします。このことは市長も以前話をされていたと思うのですけれども、急速に外国人の方が、市民全体の中でのふえる割合が高まっているということが示されているわけです。これは左側が2014年で、右側が2018年ですけれども、棒グラフのふえている市民のうち、赤いところが日本国籍、青いところが日本国籍以外ということで言うと、昨年1年ですと、23%の方が外国籍を持っているということでございます。こうした傾向については、やはりこれからさらに強まっていくと言われているわけです。本市では、計画行政のための基礎数値として将来人口推計を行い、最近では2014年と2017年に公表しているところです。2017年の将来人口推計では、2015年の国勢調査の結果を踏まえて推計が行われており、2030年に約158万人と、人口増のピークを迎えることとなっています。近年は、2015年時点と比べても、外国人の増加傾向が強まっており、さきの入管法の改正によっても、さらにその傾向が強まっていくものと思われます。本市における外国人市民の増加傾向をどのように推計しているのか、また、2017年の将来人口推計の推計値にどのような影響を今後与えると見ているのか、総務企画局長の見解を伺います。以上です。
◎唐仁原晃 総務企画局長 将来人口推計についての御質問でございますが、現在の本市将来人口推計につきましては、川崎市総合計画第2期実施計画の策定等に当たっての基礎資料とするため、平成29年5月に公表したものでございます。人口推計につきましては、平成27年の国勢調査結果に基づく社会移動状況を踏まえ推計しておりますので、外国人市民の状況も包含されているものでございます。このたびの国の出入国管理及び難民認定法等の改正により、今後、外国人市民の増加が見込まれるところでございますが、将来の人口は、その他にも自然増減や社会増減、大規模開発の動向などさまざまな要因が影響するものでございますので、今後の推移を注視してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆堀添健 委員 それでは、意見要望をさせていただきます。先ほど申し上げましたが、ここ数年で外国人市民のふえるペースが急速に上がってきているわけです。さらに、入管法の改正でこうした傾向は大きくなっていくと思われるところでございます。当面推移を見守るということは理解をいたしますが、本市としての持続的な発展や、それを支える計画づくりという点でも、しっかりとした目配りが必要であると思われます。とりわけ重要なのは、こうした流れは、やはりもう大きな流れとしてあるわけです。そうした中で、本市として、多文化共生ですとか、あるいは多様な市民が安心して暮らせるような川崎市をどう実現していくのかということが、まさにこれから問われるわけでございます。そうした観点で、計画のもととなる数値の詳細な検討ですとか、あるいは制度のあり方ということを引き続き検討していただき、具体化していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。以上です。
◆石田和子 委員 私は、一問一答方式で、教職員の働き方問題、保育事業について、女性保護事業について、平瀬川の護岸安全対策についての順番で質問をいたします。
初めに、教職員の働き方・仕事の進め方改革について教育次長に伺います。教職員の勤務実態調査の最終報告では、約93%の教員が、休憩をとれない、あるいはほとんどとれない状態で、中学校で1日11時間23分、小学校が10時間40分、校内で平均して働いています。その上、約7割の教員が休日出勤しており、中学校に至っては月3日以上出勤が約8割、月7日以上出勤が何と25%、4人に1人に上ります。総括教諭及び教諭の始業前及び終業後の業務内容は、小学校、中学校とも授業準備となっており、その割合は、始業前については、小学校87.8%、中学校83.2%、終業後については、小学校80.4%、中学校41.6%です。また、中学校教員の休日出勤の業務内容は、部活動69%に次いで、授業準備50.4%であることが示されました。実態調査で浮き彫りになったのは、授業の準備を朝早く来て、あるいは夜遅くまで、または休日出勤をして行っているということです。そして、83%の教員が、授業の準備時間をしっかりとりたいと考えていることです。教育委員会としてこのような現状をどう考察しているか伺います。勤務実態と学校を取り巻く環境についての現状の課題を伺います。
◎小椋信也 教育次長 勤務時間等についての現状や課題についての御質問でございますが、学級担任制である小学校、教科担任制である中学校で、それぞれ事情は異なりますが、一般的に小学校の教諭は毎時間授業をしており、休み時間も児童と一緒に活動することで子ども同士のかかわりを把握したり、児童の安全配慮等を行っていることから、児童の在校中は空き時間がない状況でございます。また、中学校の教諭は、担当教科により授業時数は異なりますが、授業のない時間には、校内巡回等を含めた生徒指導や進路に関連した業務等のウエートが大きくなり、これらの指導に加え、部活動指導にかかわる業務の時間が長くなっている状況でございます。そのため、児童生徒の在校中は、教職員間での会議、打ち合わせ、学校運営上必要となる校務分掌に位置づけられた事務、授業準備、教材研究などの時間を十分にとることができず、これらの業務は勤務時間外の対応とならざるを得ない現状となっているところでございます。次に、課題につきましては、授業準備や教材研究に充てる時間が勤務時間外となっている状況を踏まえますと、現在行っている業務の改善や整理を行うとともに、学校が担うべき業務、教員が担うべき業務について、教員の専門性を踏まえた役割分担の見直し、適正化を図っていくことが課題であると捉えているところでございます。以上でございます。
◆石田和子 委員 新年度、留守番電話の設置や事務支援員を28名配置するとしていますが、全教員の8割以上の教員が、始業前や終業後に授業準備や教材研究を行っている実態、行わざるを得ない実態、こうした対策などでこうした実態を克服できると考えるのか、伺います。
◎小椋信也 教育次長 長時間勤務の解消についての御質問でございますが、教職員の業務は多岐にわたっており、授業や児童生徒指導といった児童生徒の指導にかかわる業務に従事している時間だけで正規の勤務時間を超えている状況であり、授業準備や学級経営などの業務は始業前や終業後に行っていることが調査結果でわかったところでございます。教職員は、これらの業務のほかに、学校運営上必要となる学校徴収金・就学援助事務、調査報告書作成といった事務的な業務も校務分掌により担っているところであり、また、児童生徒の下校後にも、問題行動等が生じた場合には、その指導等の対応が求められ、さらに、突発的な保護者等からの相談や問い合わせにも対応しているところでございます。このたび、教職員の働き方・仕事の進め方改革の基本的な考え方、当面の目標、取り組みの視点及び具体的な取り組み等を教職員の働き方・仕事の進め方改革の方針としてまとめましたので、校種別の課題を踏まえながら総合的に方策を進めていくことで、教職員の長時間勤務の解消に向けて取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◆石田和子 委員 今回、教育委員会が示したのは、当面の目標として、勤務時間を超える在校時間が1カ月当たり80時間を超える教職員をゼロにするということです。これは80時間ぎりぎりまでの働き方を容認するということです。当面というのはいつまでと考えているのか、伺います。次の対策をいつ、どのように出すつもりか、伺います。厚生労働省の脳・心臓疾患の認定基準では、1カ月当たり80時間を超える時間外労働を過労死ラインとし、おおむね45時間を超えて長くなるほど、業務と心臓疾患などの発症との関連性が徐々に強まると述べています。だからこそ厚生労働大臣の大臣告示は、残業は月45時間までと告示をされているのです。本市の当面の目標を、月45時間を超えないように改めるべきですが、伺います。今後、この時間を目標に設定する考えはあるのか、伺います。
◎小椋信也 教育次長 教職員の働き方・仕事の進め方改革の方針についての御質問でございますが、このたびの方針は、かわさき教育プラン第2期実施計画期間である平成33年度までの取り組みとして策定したものでございますので、方針に基づく業務改善や人員体制の確保、教職員の意識改革などの取り組みを総合的に行うことにより、働き方・仕事の進め方改革を推進してまいります。また、方針では、当面の目標として、正規の勤務時間を超える在校時間が1カ月当たり80時間を超える教職員をゼロにするとしたところでございます。文部科学省では、学校における働き方改革に関する総合的な方策の一環として、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを策定し、他の長時間勤務の削減方策とあわせて取り組むべきとしておりますので、今後、改革の取り組みを進める中で、在校時間の動向などを検証するとともに、ガイドラインを踏まえた目標値についても、多くの教職員が有している意欲ややりがいを大切にしながら、必要に応じて見直しを図ってまいります。以上でございます。
◆石田和子 委員 文部科学省のガイドラインを踏まえた目標値についても、必要に応じて見直しを図ってまいりますという答弁です。このガイドラインの目標値は、1カ月の時間外は何時間を超えないようにすることと定めているか伺います。また、1年間の時間外の合計時間も、何時間を超えないようにすることと定めているのか、伺います。
◎小椋信也 教育次長 ガイドラインにおける勤務時間の上限の目安時間についての御質問でございますが、ガイドラインでは、1カ月の在校等時間の総時間から条例等で定められた勤務時間の総時間を減じた時間が45時間を超えないようにすることとされ、また、1年間の在校等時間の総時間から条例等で定められた勤務時間の総時間を減じた時間が360時間を超えないようにすることとされているところでございます。以上でございます。
◆石田和子 委員 文部科学省のガイドラインに沿って、月時間外45時間を超えないこと、年360時間を超えないこと、この目標値をしっかりと本市の働き方改革の方針に定めることを強く求めておきます。この目標値にする方策についてです。私たちは、教師の長時間労働の一番の原因は、教員増なしで授業時間をふやしてきたからと考えています。学習指導要領で決められている小学校6年間と中学校3年間で、学ぶ総授業時数の推移について、1980年時と現在について伺います。
◎小椋信也 教育次長 総授業時数の推移についての御質問でございますが、昭和55年当時の総授業時数につきましては、小学校6年間では5,785時間、中学校3年間では3,535時間でございました。現在の総授業時数につきましては、小学校では、新学習指導要領の移行期間となっており、学校ごとに異なりますが、5,645時間から5,785時間となっております。また、中学校では3,045時間となっております。以上でございます。
◆石田和子 委員 この間、学習指導要領は幾たびかの変遷を経ています。週6日制で行われた授業が2002年に5日制になりましたが、2008年から2009年度の改訂では、授業時間数の増、指導内容の充実、小学校外国語活動の導入などが盛り込まれ、現在の総授業数は、答弁であったように1980年時とさほど変わりません。次期改訂の2020年には、週6日制時代の授業時間に戻ると言われています。週5日制のもと、今述べた総授業数を教職員定数をふやさないで行えば、1日の勤務時間内に授業準備はとれないと考えますが、伺います。
◎小椋信也 教育次長 総授業時数と教職員定数についての御質問でございますが、本市では、これまで、全小学校への児童支援コーディネーターの専任化や、通級指導教室及び特別支援学校のセンター的機能の拡充など、かわさき教育プランに基づく教育施策の推進や学校現場のニーズ等を踏まえ、効果的な教職員配置を行ってきたところでございます。さらなる教職員定数の改善につきましては、義務標準法の改正を含む定数改善計画の策定・実施が重要であると考えておりますので、引き続き指定都市教育委員会協議会、指定都市市長会等さまざまな機会を通じて国に対し強く要望してまいります。また、昨年度実施した勤務実態調査におきまして、教員の長時間勤務の実態を改めて確認したところでございますので、教職員の働き方・仕事の進め方改革の方針に基づく数々の取り組みを総合的に実施することで、教職員の長時間勤務の解消を図ってまいります。以上でございます。
◆石田和子 委員 意見要望を申し上げます。勤務実態調査は、答弁であったように、授業準備や校務分担、会議などは時間外に行わざるを得ない実態を示しました。長時間労働は限界に来ていると思います。平成29年度の教職員の長期病休者は76人、うち精神疾患が原因の方は57人にも上るとのことです。83%の先生が、授業準備にもっと時間をしっかりとりたいと答えています。授業準備や教材研究をしっかりやって、どの子にも行き届いた授業をやりたい、先生たちには、専門職としての誇りや、やりがいがあります。この声に応えるには、抜本的な対策が必要です。教員の勤務時間内における授業のこま数を減らさなければ、現在、始業前、終業後、休日にやっている授業準備を時間内に行うことは到底困難なことは明確ではないでしょうか。日本教育新聞のアンケートでは、教育委員会の実に97.2%が、国に定数改善を望んでいます。本市も、先ほど教育次長が、国に対し強く要望してまいりますと答弁をいたしました。しかし、実態調査でこれだけ現状が明らかになったのですから、国に要望していくだけではなく、本市独自に教職員定数をふやすことを強く求めます。そして、過労死ラインの80時間を超える教員をゼロにするという目標ではなく、一日も早く文部科学省のガイドラインで言う、時間外勤務が月45時間を超えないようにすることを強く求めておきます。
次に、保育事業について、
こども未来局長に伺います。保育士の人材確保と処遇改善についてです。私たちはこの間、保育士が確保できないと待機児を解消できないこと、保育の質の確保には専門職にふさわしい賃金と抜本的な処遇改善が必要であると主張し、対策を強く求めてきました。私たちが行った市民アンケートに、ある保育士の方から切実な投稿がありました。保育士がどんどんやめて、新しい保育士も入らないため、定員いっぱい預かれません、保育園をふやすことも大事ですが、働き手が働きやすい環境や待遇をもっと豊かにすることが必要だと感じます、人の命を預かる仕事で責任が大きいのに、安い給料と大事にされない扱いでは、当然やめていってしまいます、私も子どもが大好きですが、働きやすい環境と待遇の改善を心から願うばかりですという内容です。2019年4月開設に必要な保育士の人数と確保状況について、
こども未来局長に伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 保育士確保についての御質問でございますが、本年4月に新たに開設する認可保育所における必要な保育士数は、24施設でおおむね350人でございまして、条例により保育士としてみなすことができる幼稚園教諭や小学校教諭、保健師、看護師等も含め、現在9割以上の人員を確保している状況でございます。以上でございます。
◆石田和子 委員 現在9割以上とのことですけれども、100%になるように指導、点検を求めておきます。次に、保育士の確保対策のうち、2016年度から実施されている保育士宿舎借り上げ支援事業についてです。この間の利用法人数と全法人に対する割合及び利用人数の推移を伺います。また、保育士確保の効果についても伺います。新年度、約3億円増額されて8億5,257万円を計上されていますが、内容について伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 保育士宿舎借り上げ支援事業についての御質問でございますが、利用人数等の推移につきましては、平成28年度の利用法人は62法人で、全法人に対する割合は約63%、利用人員は374人であり、平成29年度の利用法人は119法人、割合は約76%、利用人員は831人となっております。なお、平成30年度につきましては、現在、認定作業を進めており、これまでを上回る利用が見込まれる状況でございます。事業開始から3年が経過し、これまで本市が開催する事業者向けの説明会や就職相談会等において、制度について幅広く周知を行っており、利用者も年々増加傾向にあることから、着実な保育士確保に結びついているものと考えております。また、新年度予算につきましては、認可保育所及び川崎認定保育園の新規開設による利用者の増加分を見込んでいるところでございます。以上でございます。
◆石田和子 委員 利用法人と利用者が徐々にふえているとのことです。ぜひしっかりと取り組むことを要望しておきます。処遇改善についてです。2018年度、国が7年以上経験の民間保育園の保育士に月4万円の賃金アップをしましたが、対象者が多い保育園では、月1万円のみのところがありました。2018年度、横浜市は、対象者全員が月4万円のアップになるよう市単独で10億円の予算を組みましたが、本市は月2万円となる5,544万円の予算でした。今年度2万円アップが確実に処遇改善されているか伺います。新年度予算案では、市処遇改善等加算費が1億3,074万円計上されています。この内容を伺います。かねて要望してきましたが、横浜市のように、7年以上経験の対象者が全員4万円になるよう検討すべきです。伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 市処遇改善等加算についての御質問でございますが、国の制度を補完するため、今年度から開始した本市の技能や経験に基づく処遇改善等加算は、経験7年以上の保育士等に最低でも月額2万円の処遇改善を保障しておりますが、このほか、経験3年以上の保育士等に対しても月額5,000円の処遇改善を図る本市独自の加算制度でございます。今年度は、加算対象者を約230人と見込み、現在、認定作業を進めているところでございますので、今後、処遇改善額が適切に給与に反映されていることを確認するための手法について検討を進めてまいります。また、新年度予算につきましては、新規開設及び経験年数の増加に伴う加算対象者を見込んだ内容となっておりますが、今後につきましても処遇改善が着実に行われるよう、各運営法人及び施設に向けた各種説明会の場を通じて周知するとともに、近隣他都市の動向を注視しながら取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◆石田和子 委員 基本的には、国が専門職種に見合う賃金を公定価格にしっかり組み入れるべきと考えます。本市は、3年以上の保育士等にも月額5,000円独自加算しているとのことですが、東京都と横浜市に挟まれている本市です。7年以上の対象者にも横浜市並みの処遇改善を求めておきます。
次に、公立保育所における午睡時のコットの導入についてです。コットとは、ポリエステルメッシュ加工の午睡用ベッドのことです。この間、公立保育所の保護者の方々から、多くの民間保育園で、また、新設園でほぼ全園で導入されているコットを公立保育所でも導入してほしいとの強い要望をいただきました。公立は布団を使っていますが、敷布団の重さと厚さで押し入れがぎゅうぎゅうで、保護者が行う週末か月曜日の敷布団、毛布、かけ布団のシーツカバーの交換のときは、交換作業と布団の出し入れがとっても大変、妊娠中や赤ちゃん連れのママには、危険も感じると。布団カバーとほかの荷物を2人分、3人分となると大荷物になり、子どもを連れながらの登園は危ないし、実際、
自転車走行中に荷物が柵にひっかかり、倒れてけがをされた方もいるそうです。保育士さんの腰の負担も、コットになれば、かなり軽くなるなどの理由で、コットの導入をお願いしたいという切実な訴えでした。私は、公立保育所で布団を、その後、民間保育園でコットを使用している保育士から話を聞きましたが、コットのほうがよいとの意見でありました。コットは床に直接触れないので、ほこりを吸い上げない、あるいはおねしょなどで汚れても水洗いですぐに乾くので衛生的、子どもが横になると体を包み込むようにくぼみ、母親のおなかの中にいるような安心感と心地よさが感じられるので、睡眠が安定するのだそうです。また、夏は涼しく、冬は暖かい、ベッドに薄いマットを敷いて、冬もバスタオルと園用の毛布だけで大丈夫なので、保護者の負担も軽い、重ねて収納できるので、お昼寝の準備や片づけの保育士の負担が軽減されるということでした。公立保育所でも導入している自治体があるとのことです。埼玉県上尾市は平成28年度、保育所衛生管理事業という事業を新設して、全ての公立保育所で午睡用ベッドを導入したということです。保護者からの要望が届いていると思いますが、いつごろから届いているのか伺います。また、本市も早期導入を検討できないか伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 公立保育所へのコットの導入についての御質問でございますが、コットの導入につきましては、現在、保護者から御要望をいただいているところでございます。コットは衛生的であり、軽量ゆえ運搬も容易で、スペースが確保できれば収納も簡単ではございますが、一定の高さや硬質であることから、導入については、ゆとりを持った設置スペースや、つまずき防止への配慮なども必要と伺っております。一方、布団につきましては、省スペースで、子どもが眠りたいときに簡単に用意ができ、入眠や覚醒の際に子どもが不安を感じるときなど、保育者が寄り添いやすい等利点がある反面、衛生面や利便性ではコットに劣るとも認識しております。いずれにいたしましても、コットの導入につきましては特性や課題等を検証しながら研究してまいります。以上でございます。
◆石田和子 委員 意見要望を申し上げます。特性や課題を検証しながら研究するとのことです。新たな公立保育園では、老朽化と機能強化に対応する施設整備が行われますが、この機を逃さず、保護者の皆さんや保育士の意見をしっかり聞いていただき、負担軽減のためにも導入を検討していただくことを要望しておきます。
次に、女性保護事業について、
こども未来局長に質問します。DV被害の相談対応延べ件数は年々増加し、2017年度1,536件、2018年度は4月から1月まで10カ月間でも前年度より多い1,586件です。これとはリンクしない形で、児童相談所や保健福祉センターに寄せられる児童虐待相談・通告の中で、子どもの面前での配偶者暴力を含む心理的虐待も2017年度、児童相談所と区役所合わせると、過去最多の1,666件にも上ります。相談に当たる女性相談員は、現在非常勤ですが、女性相談員の法的根拠である売春防止法が改定され、常勤化が可能となりましたので、常勤化を強く求めておきます。DV被害にかかわる相談総合窓口が2016年度に設置されました。受け付けは月曜日から金曜日の9時半から16時半までです。先行実施していた横浜市は同じ曜日で9時半から20時まで開設しています。夜間休日の緊急なDV被害の相談体制を検討すべきと考えますが、伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 夜間休日の緊急相談についての御質問でございますが、DV被害に係る相談に対しては、夜間休日の対応につきましては、男女共同参画センター、人権オンブズパーソン担当及び神奈川県等の窓口を、緊急時には、警察へ連絡するよう周知しているところでございます。今後につきましては、適時の対応が重要であることから、開設時間のあり方等について検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆石田和子 委員 ぜひ夜間休日にも対応できるよう検討を求めておきます。DV被害者救済の女性等緊急一時保護施設、いわゆるシェルターについてです。市として緊急一時保護施設の果たす役割について見解を伺います。被害者が増加する中で、緊急一時保護施設の確保は必要不可欠と考えますが、伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 緊急一時保護施設についての御質問でございますが、緊急一時保護施設は、DV加害者の危険から被害者を確実に避難させ、安全を確保する上で欠かせない施設と認識しており、本市としましても市内施設の運営を支援するとともに、神奈川県及び他の自治体と連携しながらDV被害者の支援を行っているところでございます。DV被害者が増加する中で、緊急一時保護施設では外部との通信等の制限があるため、入所を望まないDV被害者も増加していることから、入所件数が減少している実態を踏まえ、今後、施設のあり方等について研究してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆石田和子 委員 緊急一時保護施設は、被害者を確実に避難させ、安全を確保する上で欠かせない施設と認識し、支援しているとの答弁でした。どのような支援をしているのか、予算額も含めて伺います。また、新年度、緊急一時保護施設が1カ所閉鎖されると聞きました。何度も行政へ相談していたけれども、閉鎖せざるを得なかったと伺いました。運営するのがかなり大変で、バザーなども行いながら運営していると聞きました。通信等の制限などがあることで入所件数が減少しているとのことですが、たとえ減少していても、緊急性のある方の避難の場として確保しておくべきです。施設のあり方などについて研究してまいりたいとのことです。施設のあり方としてどういうことが想定されるのか、施設のあり方とともに、支援のあり方も検討をすべきです。研究と言われますけれども、川崎市に緊急一時保護施設が1カ所もなくなるということがないよう急いで検討すべきです。伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 緊急一時保護施設についての御質問でございますが、初めに、緊急一時保護施設への財政的支援といたしましては、施設賃借料、施設管理運営費及び人件費の合計額の2分の1を、1カ所当たり500万円を上限に補助金を交付しております。次に、DV被害者への支援は、対象者の状況により、加害者から避難し身の安全を守ることを最優先とする場合や、追及のおそれがなくなり自立に向けた支援を必要とする場合など、態様はさまざまであり、ニーズに沿った環境が求められております。こうした課題について、国では、困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会を設け、支援実態等に関する調査研究を進めているところでございますので、この調査研究を踏まえ、DV被害者が置かれた状況に合わせた施設や支援のあり方について研究してまいります。以上でございます。
◆石田和子 委員 さまざまなつらい過程を経て、緊急避難される方々に寄り添って心身のケアを行うには専門性が求められます。支援スタッフも、若い方につないでいくことを含め、担い手確保が求められると聞きました。女性相談員や児童相談所等と連携した研修などを含めて、ぜひ行政として、DV被害者支援としての施設のあり方と同時に、運営支援の充実と体制強化を求めておきます。
それでは最後に、平瀬川の護岸の安全対策と河川管理用通路の補修について建設緑政局長に伺います。平瀬川は今大規模な護岸工事を行っています。この下流に近接する久地2丁目地内に住み続けている高齢者の方から、管理用通路が川のほうに引っ張られているのではないかとの不安の声が寄せられています。また、パラペットのずれも各所で見られます。護岸の安全対策をどう考えるか、点検調査を求めますが、伺います。また、車の通行量が多い河川管理用通路の傷みがひどい区間の補修の要望について、住民とともに2015年に道路公園センターと現地立ち会いをして要望、2017年6月議会でも、2018年にも道路公園センターに要望をしてきましたが、予算化が見送られてきました。早急な対応をこれは強く求めますが、伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 平瀬川の護岸の安全対策等についての御質問でございますが、本市が維持管理する河川につきましては、計画的、効率的な河川の維持管理を目的として、平成30年1月に川崎市河川維持管理計画を策定し、河川点検士など有資格者による施設の詳細点検を5年サイクルで行うなど、適切な対策を実施しているところでございます。高津区久地2丁目付近の平瀬川護岸につきましては、平成30年7月に実施した神奈川県との合同パトロールにおける目視点検において、パラペット部などの一部に継ぎ目の開きを確認しておりますが、大きな異常が見られず、経過観察を行っているところでございます。当該区間につきましては、維持管理計画に基づき、平成32年度に詳細点検を実施する予定でございますので、必要に応じて対策工事を行うなど、適切な河川管理に努めてまいります。次に、河川管理用通路の補修につきましては、当該区間で水道管の更新工事などが予定されており、施工時期などについて、関係部局と調整を行っているところでございますが、当該通路は市民生活路としての機能も兼用しておりますので、区役所と連携し、特に損傷等の著しい箇所について補修工事の検討を行ってまいります。以上でございます。
◆石田和子 委員 意見要望を申し上げます。当該区間で水道管の更新工事などの施工時期について調整をしているとのことですが、ぜひ早期対応を求めておきます。また、特に損傷がひどいところは補修工事を検討するとのことですので、今度こそ新年度に補修していただくことを強く求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
◆矢沢孝雄 委員 自民党の矢沢孝雄です。私は、一問一答にて、歳出6款4項1目し尿処理費について環境局長に、歳出10款1項1目、住宅施策の推進について財政局長、まちづくり局長に、歳出5款4項1目、特別養護老人ホーム入居申込者管理システムについて健康福祉局長に、歳出8款2項4目道路整備費について建設緑政局長に、それぞれ伺いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、し尿処理費について伺ってまいります。宮前区のある生産緑地において、生活排水が畑の中心を横断する形で直接垂れ流しになっている事案が発生しておりました。ディスプレーをお願いします。この生活排水なのですけれども、斜面地となっている生産緑地の上に位置しておりますアパートから直接流れてきているものでございまして、こちらは生産緑地の絵なのですけれども、赤枠で囲っているところが、そのままさっきの生活排水が垂れ流しになって、横断する形で道路に出てきている、そういったところでございまして、本来アパートの持ち主がすぐに対応すべき事案ではあるのですが、長いこと対応が進まず放置状態となっておりました。本件に対して宮前生活環境事業所が管理者に対して行った対応及び、結果、是正されたのかについて伺います。
◎大澤太郎 環境局長 浄化槽管理者への対応等についての御質問でございますが、浄化槽につきましては、し尿のみを処理するための単独処理浄化槽と、し尿に加え、台所や洗濯、風呂等からの生活排水をあわせて処理する合併処理浄化槽の2種類がございます。当該アパートには単独処理浄化槽が設置されておりまして、宮前生活環境事業所において現地を調査したところ、この浄化槽からの処理水は道路側溝に排水されていることを確認いたしましたが、生活排水の排水経路については確認できていないところでございます。宮前生活環境事業所におきましては、浄化槽の適正な管理のため、当該アパートの管理者に対しまして電話連絡、訪問及びお知らせの投函を行っておりますが、連絡がとれていない状況でございますので、引き続き訪問等を行いながら、浄化槽に係る指導に努めてまいります。また、本件において生活排水全体の適正処理を進めるためには、公共下水道に接続することが効果的であることから、管理者に対して生活排水を公共下水道に接続するよう、関係局と連携しながら働きかけてまいります。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございました。本件に関しては、環境局、まちづくり局、上下水道局、あと宮前区道路公園センター、本当に複数の施設が連携して対応していただいているのですけれども、いまいちリーダーシップをとって生活排水の問題を解決するために各所と連携をしていただくという取り組みが、私は非常に甘いのかなと思っております。ここの個別の案件に関しては要望にさせていただきますが、今、局長が御答弁をいただきました本件は、し尿のみを処理する単独浄化槽が原因となった問題でございまして、し尿と生活排水をあわせて処理する合併処理浄化槽、もしくは今スタンダードでございます下水道に直接つなげられていれば発生し得なかった問題でございます。単独浄化槽の設備については、現在、新設が禁止されておりまして、浄化槽は合併処理浄化槽のみが新設可能となっております。本市は、公害防止等生活環境の保全に関する条例の第120条に基づきまして、生活排水対策に関する指針において、単独浄化槽から合併処理浄化槽への転換に努めるということが記載されております。単独浄化槽がどんな意味合いで悪いのか、この環境に及ぼす影響に対する見解を環境局長に伺います。また、単独浄化槽から合併処理浄化槽に転換する、それを促すための具体的な取り組みを伺います。
◎大澤太郎 環境局長 単独浄化槽が環境に及ぼす影響等についての御質問でございますが、国によりますと、水質汚濁の指標である生物化学的酸素要求量、いわゆるBODの排出量は、単独処理浄化槽の場合、合併処理浄化槽の8倍と言われており、単独処理浄化槽は水質汚濁の負荷があるものと認識しております。次に、単独処理浄化槽からの転換を促すための取り組みについてでございますが、川崎市生活排水対策に関する指針におきまして、下水道処理区域では下水道への接続を、下水道処理区域外では、単独処理浄化槽の合併処理浄化槽への転換等に努めることを規定しているところでございまして、市ホームページ等を活用して周知を図っているところでございます。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 ディスプレーは結構です。先ほどの絵にもありましたとおり、生産緑地ですので、ああいった生活排水は、においもしますし、実際にそこで畑を耕して作物を育てる気にならないと伺ってまいりました。今、環境省は単独浄化槽について、公共用水域の保全に対して大きな弊害となっており、単独浄化槽が設置されれば、水環境の汚染が長期間固定することにつながるとして、平成13年に新設の禁止のための浄化槽法の改正を行って現在に至っております。平成31年現在の本市内の単独浄化槽の設置状況を環境局長に伺います。また、条例に基づく指針でも、転換に努めていくとありますけれども、具体的には積極的に転換を促す取り組みが、事前の調整の中では確認できませんでした。単独浄化槽については、将来的には設置数ゼロに向けた取り組みが必要だと考えています。目標設定も含めた計画の策定も視野に検討を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
◎大澤太郎 環境局長 市内の単独浄化槽設置状況等についての御質問でございますが、平成31年1月末現在における市内の浄化槽設置基数につきましては4,226基でございまして、そのうち単独処理浄化槽は3,204基でございます。単独処理浄化槽につきましては、近年毎年150から200基程度が減少しておりまして、今後もこの傾向が続くことが推測されるところでございますが、さらなる削減に向けて、国や他都市の取り組み状況を調査するなど、本市における効果的な取り組み等について検討を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございました。まだ市内に3,200カ所単独浄化槽がある、し尿だけは処理されているけれども、生活排水に関しては、もうそのまま川に流れてしまっている状態が3,200カ所も市内にはまだあるということでございますので、ぜひこれは計画的なゼロに向けた取り組みを進めていただきたいと思います。
次のテーマに移ります。住宅施策の推進についてでございます。今年度予算案では、個人市民税が大きく増収しておりまして、県費負担教職員の市費移管分による影響を除くと、プラス要素として、納税者数の増で38億円、1人当たりの所得の増で29億円となっております。さらに、納税者数の増を分解すると、人口増で13億円、新たに納税者となった市民が増加したことによる増収が25億円となっております。まさにこれらの個人市民税の増が、本市の厳しい財政状況にとって、よい意味で影響を及ぼしていると考えています。そういった中で、一昨年と昨年の第4回定例会にて、子育て世帯の定住促進施策の重要性について議論をしてまいりました。ディスプレーをお願いいたします。まず、課題認識といたしまして、本市の長子の年齢が18歳未満である子育て世帯というものは、もうこれは答弁もいただいておりますけれども、市内計で992という数字が出ていますけれども、年間約1,000世帯が転入よりも転出が多い、転出超過状況となっているのが少なくとも5年以上は続いている。そして今後も続くことが予想されている状況にあると考えています。そこで財政局長に伺いますが、年間約1,000世帯の子育て世帯が流出していることによる市税収入への影響について伺います。
◎三富吉浩 財政局長 子育て世帯の転出超過による影響額についての御質問でございますが、算定には、転出者及び転入者それぞれの課税額の抽出や集計が必要となり、正確に見込むことは困難なところでございますが、仮に個人市民税額を世帯数で除して得た額、約23万円を用いて機械的に試算いたしますと、約2億3,000万円程度の影響となるところでございます。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 機械的に算出しても約2億3,000万円の影響額が出ているという答弁がいただけました。こういった子育て世帯の定住がなぜ進まないのか、その理由については、以前の議会でも、まちづくり局長が御答弁いただいておりますとおり、親との近居、同居だけでなく、広い住宅や費用負担の少ない住宅の選択が最も多い理由として上げられていました。転出超過に伴う流出額もさることながら、将来引っ越すことを念頭に生活しているのと、定住するという意識で生活している子育て世帯では、あらゆる地域に対する目線というものが異なってくるのかな、そのように私は考えています。具体的な施策が求められる中、予算案では子育て世帯の定住促進に向けた住宅施策の推進が盛り込まれておりますが、その狙いと内容、次年度の取り組みについて、まちづくり局長に伺います。ディスプレーは結構です。
◎綿貫康治 まちづくり局長 子育て世帯の定住促進に向けた住宅施策の推進についての御質問でございますが、平成29年度に実施したアンケートでは、転出理由として、「転居前の住宅より広い・部屋数が多い」という回答が最も多かったことから、子育て世帯の負担を軽減しつつ、ゆとりある住宅に居住できる環境づくりに取り組むことが重要と考えております。このためには、高齢者等の所有する既存の戸建て住宅の空き家等を子育て世帯向けに活用するなど、住宅ストックの世代間循環を促進することが有効と考えております。平成31年度の具体的な取り組みといたしましては、不動産事業者の団体等と連携して、賃貸住宅としての利用や売買など、住宅を所有する高齢者等向けに住宅資産活用のためのノウハウや留意事項、成功事例などをまとめたパンフレット等の作成、モデル地区での普及啓発、子育て世帯とのマッチングの試行等に取り組むこととしております。また、鉄道事業者との連携による沿線地域でのモデル的な住みかえ促進や、金融機関と連携した既存戸建て住宅の取得支援などにも取り組んでまいります。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 御答弁では、住宅ストックの世代間循環という言葉をキーワードに答弁をいただきました。重要になってくるのかなと私が思っていることが、そもそも子育て世帯の需要をどのように分析して捉えているのか、また、住宅ストック供給側の市場規模をどのように考えているのか、まちづくり局長に伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 既存戸建て住宅に対する子育て世帯の需要等についての御質問でございますが、初めに、子育て世帯の需要についてでございますが、現在、既存戸建て住宅の流通市場が未成熟であるため、正確な需要を把握することは困難ですが、新築の戸建て住宅に関しては、市内で年間約3,000戸から4,000戸程度着工しており、戸建て住宅には根強いニーズがあると考えております。新築に対し、既存の戸建て住宅は、より安価に取得できること、また、リフォームにより自分のライフスタイルに合わせられるなどのメリットがあること、近年は新築にこだわらない方もふえていることなどから、子育て世帯のニーズは十分にあると考えております。次に、供給可能な既存戸建て住宅の戸数についてでございますが、平成25年住宅・土地統計調査をもとに推計いたしますと、空き家が約3,600戸、高齢者のみ世帯が居住する比較的広い住宅が約2万1,000戸あると推計され、住みかえ等の動向にもよりますが、これらのうちの一定程度は供給の可能性があるものと考えております。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございました。今、需要と供給のお話を御答弁いただきました。ディスプレーをお願いします。戸建て住宅ストックの世代間循環の促進というものを、次の予算の取り組みとしていただいておりました。ちょっとまとめさせていただくと、子育て世帯というのが今、転出超過の状況にあるということを取り上げさせていただきまして、その転出してしまった子育て世帯に対して、追跡のアンケート調査を、平成29年度、やっていただきました。その中で、住みかえ先を選んだ理由の1位に「転居前の住宅よりも広い・部屋数が多い」住宅を求めているというものが51.1%、2位が「交通利便性が良い」23.7%、3位「豊かな自然環境が身近にある」19%、4位は「親と同居または近居するため」18.6%。そして、別のアンケート項目では、川崎市に不足していた点・充実すべき取り組みというアンケート項目の中の住まいの観点においては、1位に「世帯人数に見合った広さの住宅の供給」というものを子育て世帯が求めていることが明らかになりました。つまり、広い住宅を比較的安い値段で取得、また、賃借したいというニーズがあるということを今、御答弁いただきました。そして供給側なのですが、高齢者世帯のほうに関しましては、平成25年の住宅・土地統計調査によりますと、持ち家に居住している高齢者の単身もしくは夫婦世帯の約54%、3万7,000世帯が30畳以上の比較的広い住宅に居住しております。それが市内で約2万1,400戸存在しています。借家居住の3人以上の世帯の約80%、5万1,000世帯が約30畳未満の住宅に居住している。この全てが子育て世帯に該当するかどうかはちょっとわからないのですけれども、3人以上世帯の80%が30畳未満にいる。さらに、戸建て住宅のいわゆる特定空き家には行かないのですけれども、その他空き家に分類されるような物件が市内で約3,600戸存在する。合計で2万1,400戸と3,600戸を足して、2万5,000戸の市場規模がある。広い住宅を安く欲しいといった子育て世帯と、比較的広い家に少ない人数で住んでいる御高齢の方々の部分を、ミスマッチが生まれている部分をうまくマッチングしていく取り組みを、これからまちづくり局として進めていただくということでございます。
子育て世帯が高齢者が住んでいた自宅を取得する際に、私はこのアイデアは物すごくよいアイデアだなと思ってはいるのですが、やはり高齢者の方々が住んでいたところを、そのまま子育て世帯が、はい、提供しましたので住んでくださいと言っても、なかなかそこには、リフォームが必要であったり、改築が必要であったり、そういったものが必要になってくるのかな、そのように感じています。例えば、以前も御紹介しましたけれども、茨城県つくばみらい市では、これは子育て世帯が同居とか近居の多世代同居をする場合ですけれども、増改築とかリフォームのときに助成金を出している。そのときの特徴として、まずその助成を地元の事業者を利用すると、その補助金額もまた増額していく。こういったつくばみらい市の取り組みもありますし、先日、ことしに入って1月には、兵庫県の神戸市においても、やはり子育て世帯の定住促進の施策が打たれました。ぜひこういった施策を研究していただいて、リフォームの助成も今後検討していっていただきたいと思っているのですが、
まちづくり局長に見解を伺います。
◎綿貫康治
まちづくり局長 子育て世帯向けのリフォーム助成についての御質問でございますが、まずは、既存戸建て住宅が市場に円滑に提供され、子育て世帯がそうした住宅に入居しやすい環境を整備することが重要と考えており、平成31年度については、民間事業者等と連携した取り組みを進めることとしているところでございます。その後、これらの実績や効果などの検証を踏まえ、促進に向けた適切な支援策について検討してまいります。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございました。ディスプレーは結構です。ぜひこのテーマは研究して進めていただきたいと思います。
次のテーマに移らせていただきます。特別養護老人ホーム入居申込者管理システムについてでございます。こちらについては、先ほど他会派、堀添委員のほうからの質疑で、ある程度理解しましたので、2つ目の質問のほうに移らせていただきます。こちらの特別養護老人ホームに関しては、第7期計画――かわさきいきいき長寿プランでは、2020年度に5,131床、さらには2025年度には5,700床を目指すとされています。ディスプレーをお願いします。先ほどの他会派への答弁にもありましたとおり、今回、平成31年の申請者数、4月、まだ今は2月までの数字でございますが、2,666という数字が出てきました。このグラフを見ても、やはりその申請者数は右肩下がりで下がってきている。これには平成27年の介護保険法の改正や民間施設の充実、さらには在宅への移行が進む中、今回の窓口の一元化も相まって、こういった数字になってきているのかなと思っています。この正確な申請者数の把握が進む中、今後の特別養護老人ホーム整備数が非常に重要になってくると思っています。第8期のいきいき長寿プランも含めて、こういった特別養護老人ホームの整備数をどう計画していくのか、見直す可能性も含めて、考え方を健康福祉局長に伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 特別養護老人ホームの整備についての御質問でございますが、本市では、高齢者の方々が住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくり、介護が必要になっても「かわさき」で暮らし続けられる支えあいのまちづくりを基本目標に掲げ、高齢者の多様な居住環境の実現に向けた取り組みを進めています。平成28年度に実施した高齢者実態調査におきましては、多くの高齢者の方々が、介護が必要になった場合でも自宅で暮らしたいと望まれていらっしゃる状況がございます。そのため、在宅生活を支えるための定期巡回・随時対応型訪問介護看護や、小規模多機能型居宅介護、介護者の負担軽減のためのショートステイなどの整備を進め、できるだけ在宅での生活を目指すとともに、真に特別養護老人ホームヘの入居の必要性が高いと認められる方には、入居が可能となるよう、必要な整備を進めていくことが重要であると考えております。また、現在のところ、本市における高齢者のうち、65歳から74歳までの前期高齢者と、75歳以上の後期高齢者の人数が拮抗しておりますが、今後は、いわゆる団塊の世代が後期高齢者へと移行していくことから、後期高齢者の増加に伴い、要介護認定率も急速に増加するものと考えられ、平成32年度には高齢化率が21%に達し、本市においても超高齢社会の到来を迎え、高齢者数が急速に増加するものと推計しております。このような状況のもと、特別養護老人ホームや在宅生活を支えるサービスの整備、介護予防への一層の取り組みとあわせて、第7期計画――かわさきいきいき長寿プランにおける整備計画を着実に推進するとともに、将来の社会的状況の変化への対応について、中長期的な視点に立ち、次期計画策定の中で検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 御答弁ありがとうございました。特別養護老人ホームの整備は、もちろん言うまでもなく重要な施策なのですけれども、入居側の申請者数という数字を見ていくことも大切なのですが、施設の運営側も非常に多くの課題を持っています。もちろん働いていただく方々の雇用の問題であったり、老朽化の更新の問題であったり、本当に今の55施設の受け皿がそもそも回らなくなってしまったら本末転倒だと思いますので、こういったバランスをよく考えていただいて、次期の策定も進めていただきたいと思っています。
最後のテーマをやらせていただきます。道路整備費について、建設緑政局長に伺います。道路整備費の中の市道改良事業費において、約7億6,000万円計上されております。そのうち横浜生田線について、その取り組み内容について建設緑政局長に伺います。また、第2次
道路整備プログラムどおり2021年――平成33年開通に向けた取り組みが必要だと考えますが、これまで横浜市側とどういった折衝を続けてきたのか、その内容と課題を伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 横浜生田線水沢工区の平成31年度の取り組み内容についての御質問でございますが、現在、事業に必要な残り1件の地権者と用地取得に向けた交渉を進めているところでございまして、来年度につきましても地権者の合意が得られるよう進めてまいります。次に、横浜市との協議状況につきましては、事業着手に向けた設計及び測量委託の実施内容に関することや、横浜市側住民からの要望に対し、整備効果の説明を実施するための協議などを行っておりまして、平成20年度以降、年3回程度協議しており、直近3年間においては合計16回実施しております。次に、課題といたしましては、本路線は、本市のみの整備では事業効果の発現が見込めないため、両市周辺住民に対して、事業の重要性や路線の整備効果等を説明し、理解を得て進めていくことであると認識しております。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 最後の用地取得に向けた交渉が進んでいる点は非常に評価できますけれども、横浜市側との折衝については、行政同士の協議は定期的に行われているものの、横浜市側の住民に対し理解を促すための直接的な取り組みにはつながっておらず、答弁が以前から変わっていない状況でございます。第2次
道路整備プログラムの期間も迫っている中で、これまで担当係長、課長を中心に行っていた協議について、部長、局長レベルでの折衝を行っていくべきかと考えておりますが、見解と対応を伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 横浜生田線水沢工区の今後の取り組みについての御質問でございますが、本路線は、整備により、向ヶ丘遊園駅菅生線や稗原線など、横浜市と連絡する道路の選択肢が広がり、交通の分散化が図られることや、災害など緊急時における道路のリダンダンシーの確保に寄与することなど、多くの整備効果が得られる重要な路線であると考えております。工事着手に向けては、両市周辺住民の理解を得ることが重要であると考えておりますことから、十分な情報提供と丁寧な説明を実施してまいります。引き続き、局部長も含め、共通の認識のもとに取り組むことが必要と考えており、横浜市とより一層の連携を図り、早期の道路開通に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
◆矢沢孝雄 委員 終わります。ありがとうございました。
◆花輪孝一 委員 私は、一問一答方式で、1点目、保育の質の確保について、2点目は、メンタルヘルスについて、3点目、認知症対策について、以上、伺ってまいりたいと思います。
まず、質問に先立ち、要望事項を申し上げます。歩道橋のメンテナンス、更新についてであります。同僚のかわの委員も取り上げましたけれども、市内の歩道橋につきましては、定期点検によりまして、躯体については耐震性等安全であるということでございますけれども、メンテナンスについては課題があると指摘せざるを得ません。麻生区内にあります虹ヶ丘歩道橋ですが、ここは橋の欄干が全面的に腐食して危険性すらあります。また、岡上歩道橋については、金属の一部に穴があき、さらに勾配が急で、地域から、かけかえの要望等も従前から強くあります。ぜひ補修やかけかえなど、これを強く求めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、質問に移ります。初めに、こども未来費に関連して、保育の質の確保について、
こども未来局長に伺います。保育需要の高まりと、それに対応する待機児童対策で、保育の受入枠が拡大し、保育人材の確保が大きな課題となっておりますけれども、また一方で、保護者や地域からは、保育の質の低下を懸念する声が多数届いております。さきの我が党の代表質問で、各区保育総合支援担当や公立保育所による民間保育所の運営支援、人材育成により保育の質の向上を図ってまいりますとの御答弁でございましたけれども、現状と今後の具体的な取り組みを伺いたいと思います。
◎袖山洋一
こども未来局長 保育の質の確保についての御質問でございますが、本市におきましては、全ての保育施設において質の高い保育が受けられることを目指し、公立保育所の保育士等や各区保育総合支援担当の持つ、長年培ってきたノウハウを生かして、連携会議、各種研修を初め、施設を活用した公開保育、交流、実習及び専門職の派遣などさまざまな取り組みを実施し、民間保育所等への連携、支援、人材育成の取り組みの強化を図っているところでございます。特に、経験の浅い保育者が多い施設では、保育者が身につけるべき、支援を必要とする子どもへの適切なかかわり方や保護者対応、年齢に応じた保育環境の工夫、危機管理への意識など、日常の保育に必要な実践スキルの習得が急務であると認識しており、その習得に資するものとして、公立保育所では、保育場面を見て、体験して、学ぶ保育現場を活用した取り組みを実施しております。また、保育者が研修等に足を運ぶことが難しい施設については、公立保育所でキャリアを積んだ経験豊かな専門職が施設に出向き、個々の施設の課題解決や人材育成の支援を行っているところでございます。今後につきましては、平成31年8月開設予定の大島保育園の建てかえを第一歩として、公立保育所、区保育総合支援担当、地域子育て支援センターが一体となった保育・子育て拠点を整備し、地域の保育施設間で連携を深め、保育者同士が実践を通して学び合える場としての充実に努め、保育の質の向上に資する取り組みをさらに推進してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 引き続き保育の質の確保について、
こども未来局長に伺いたいと思います。お答えいただきましたけれども、保育現場では、やはりどうしても経験の浅い保育者がふえていますね。また、職場への定着率が低い。これは問題だと思います。安定した保育運営が厳しい保育園も少なからずあると聞いております。現行の指導監査体制は一生懸命やっていただいているのですけれども、それを充実強化し、保育内容の質を高めるような対応が必要ではないかと思いますけれども、見解と対応を伺いたいと思います。
◎袖山洋一
こども未来局長 監査指導の見直しについての御質問でございますが、民間保育所の指導監査におきましては、安定した運営が確保できるよう、実地の指導監査を原則として、運営状況や保育内容、給食提供にかかわる保育の質の向上に向け、きめ細やかに対応してまいりました。その中で、具体的な助言指導を行うとともに、継続的な支援が必要と判断される場合には、区保育総合支援担当等と連携を図り、保育の質を高める働きかけを行っているところでございます。今後につきましても、こうした取り組みの必要性は高まっていくものと考えられますので、指導監査体制の強化を図るとともに、保育・子育て拠点とのより一層の連携のあり方を検討してまいります。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 お答えいただきましてありがとうございます。本当に川崎の保育は、かつては質がすごくよくて、全国から学びに来るようなところでございました。ぜひ川崎の保育の質を落とさないように、向上に向けて対応をよろしくお願いしたいと思います。
次に、メンタルヘルスについて伺ってまいります。初めに、教育費、教職員のメンタルヘルスについて教育次長に伺います。教職員の勤務実態と学校を取り巻く環境等の調査結果が発表され、その忙しさの中で、心理的ストレスの蓄積が懸念されるような実態が明らかになりました。また、あらかじめいただいた資料によりますと、これは驚いたのですけれども、市立学校教員の病気休職者のうち、直近3年間で何と74.3%がメンタル面の不調によるものだと。ある程度あるとは思っていましたが、7割を超えるような方がメンタル面の不調ということでございました。子どもたちの心身の健やかな成長のため、教職員のメンタル面のケアの強化が求められていると思います。現状と課題、今後の具体的な取り組みを伺いたいと思います。
◎小椋信也 教育次長 教職員のメンタルヘルスについての御質問でございますが、教育委員会事務局におきましては、職員部給与厚生課に、健康管理部門といたしまして健康推進室を設置しており、メンタルヘルス不調で休職している教職員の復職支援を主に実施しているところでございます。これに加えて、不調を未然に防ぐ取り組みの充実が求められていたことから、今年度、川崎市教職員メンタルヘルス対策第5次推進計画に基づいて、1次予防の対策を強化しているところでございます。また、教職員一人一人が自身の健康増進の意義を十分認識し、自分の健康は自分で守ることができる、ヘルスリテラシー向上の取り組みについても推進しているところでございます。具体的には、学校現場で出前健康セミナーを実施するとともに、初任者にはセルフケアの普及啓発、校長や教頭には管理監督者の役割等を普及啓発してまいりました。平成31年度につきましては、保健師1名、相談員2名の増員により体制強化を図り、新たにメンタルヘルス不調に陥りやすい異動者を対象とした研修を実施するとともに、職場での支え合いの力を醸成するため、若手教員を支援する立場である中堅教員を対象とした研修を実施する予定でございます。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 お答えいただきましたけれども、教職員のメンタルヘルスについて、総合的に教育長に伺いたいと思います。今お答えいただきましたように、現在、教職員の働き方・仕事の進め方改革が進められておりますけれども、その中でメンタルヘルスということが極めて重要な取り組みの一つではないかと思います。教育現場の経験が豊富な教育長の率直な見解を伺いたいと思います。
◎渡邊直美 教育長 教職員のメンタルヘルスについての御質問でございますが、学校教育は、教職員と児童生徒の人格的な触れ合いを通じて行われるものであることから、教職員が心身ともに健康を維持して教育に携わることができるようにすることは極めて重要であると認識しております。心の健康につきましては、川崎市教職員メンタルヘルス対策推進計画に基づき、相談体制や復職支援体制などの強化に取り組んできたところでございますが、依然としてメンタルヘルス不調により休職する教職員が少なからず存在することには胸を痛めているところでございます。教職員が健康な状態で児童生徒に接することは、学校教育の充実や子どもたちの豊かな学びにもつながるものと考えておりますので、これまでの取り組みを継続するとともに、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことが大変重要でございますので、特に1次予防の取り組みについて重点的に強化し、ヘルスリテラシーの向上を支えてまいります。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 御答弁ありがとうございました。
続きまして総務費、本市職員のメンタルヘルスについて総務企画局長に伺います。あらかじめいただいている資料によりますと、メンタルヘルス不調による長期療養者数と全職員に対する割合は、平成27年度は141人、1.09%、平成28年度は165人、1.28%、平成29年度は158人、1.20%とのことでありました。数字にあらわれない潜在的なメンタル不調の職員の方を加えると、これは相当数に上るのではないかと推定されます。川崎市働き方・仕事の進め方改革推進プログラムでメンタルヘルス対策を進めるとしておりますけれども、予防的な対策を含めて、現状と課題、今後の具体的な取り組みを伺いたいと思います。
◎唐仁原晃 総務企画局長 本市職員のメンタルヘルス対策についての御質問でございますが、本市では、川崎市職員メンタルヘルス対策基本方針に基づき、職員自身や管理監督者、産業医を初めとする産業保健スタッフ、主治医等と連携したメンタルヘルス対策を進めており、長期療養者の割合は1.2%前後で推移しているところでございます。こうしたことから、メンタルヘルス不調者を増加させない取り組みの強化や、不調者が出た場合にも早期に回復して職場復帰ができる支援の充実が重要であると考えております。今後につきましても、職員自身がストレス耐性を高め、みずからの不調に早期に気づき対応できるよう、ストレスチェック制度の活用やセルフケア研修、階層別研修等の充実を図るとともに、メンタルヘルス不調者に早期に気づき、迅速かつ適切な対応が図れるよう、管理監督者研修等の充実を図るなど、ラインケアの強化の取り組みも推進してまいります。あわせて、復職支援や再発予防の取り組みを推進するなど、健康で働きやすい職場環境づくりに努めてまいります。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 お答えありがとうございました。
続いて、健康福祉費、市民全般に対するメンタルヘルスについて健康福祉局長に伺いたいと思います。市民の心の健康については、各区役所の保健福祉センターを初め、精神保健福祉センターで対応していただいておりますけれども、一般市民にとって、いわゆる敷居が高いという形になりまして、どうしても重症化してから初めて御相談に訪れるというケースも少なくないと聞いております。本市には、こころの電話相談など、プライバシーを守り、匿名でも御相談に対応できる事業が展開されておりますけれども、市民への普及啓発がどうも不十分ではないかと思われます。電話相談を初め、初期対応の充実強化が必要であると思いますけれども、見解と対応を伺いたいと思います。
◎北篤彦 健康福祉局長 メンタルヘルスについての御質問でございますが、心の健康につきましては、不調になったときの早期治療や重篤化の予防のため、初期対応が重要であると認識しており、市民の方への普及啓発として、例年こころの健康セミナーを開催しているところでございまして、今年度は睡眠と健康をテーマに開催し、211名の市民の方々に参加をいただきました。また、電話相談窓口といたしましては、精神保健福祉センターに、こころの電話相談を開設しており、平成26年度からは、受け付け時間を午前9時から午後9時までに拡充し、平成29年度の相談件数は4,609件となっております。一方で、心の不調については、身近な内科等のかかりつけ医に受診することが多いことから、かかりつけ医が軽度な鬱病等の対応や精神科専門医へ紹介できるよう、かかりつけ医うつ病対応力向上研修を開催し、精神医学的な知識の習得や専門医療機関との連携に取り組んでいるところでございます。今後につきましては、こころの電話相談の広報を初め、心の健康のための早期対応や支援体制の充実に引き続き努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 それぞれ御答弁いただきましたけれども、やはり心の健康を維持するためには早期対応が極めて重要であると思いますので、引き続き取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
次に、健康福祉費のうち認知症対策について、引き続き健康福祉局長に伺います。認知症の早期発見・早期対応についてであります。本市では、誰もが気軽に相談できる窓口として認知症コールセンター「サポートほっと」があり、利用した方々からは、相談して本当によかったとの声が上がっております。認知症の初期対応として重要な取り組みですが、市民への広報が十分でないように感じております。今後この相談窓口を周知徹底し、その機能を充実強化する必要があると考えますけれども、見解と対応を伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 認知症コールセンターについての御質問でございますが、本市の認知症コールセンター「サポートほっと」につきましては、相談員がみずからの介護経験を踏まえつつ、相談者と同じ目線に立って相手の心に寄り添うピアカウンセリングなどを行っているところでございます。また、その相談内容に応じて、区役所や地域包括支援センター、医療機関への受診や介護サービス、成年後見制度の利用といった御案内を行っているところでございます。本市の高齢化率は、平成32年度中に21%に達すると推計しており、このような超高齢社会に対応するため、認知症コールセンターの役割はますます重要となっていくと認識しているところでございます。昨年11月には介護いきいきフェアで認知症コールセンターの広報を行うとともに、12月1日号の市政だよりでは、認知症特集を組み、当該センターについても周知を行ったところでございまして、引き続きホームページやチラシ、市政だより、さまざまなイベント等で積極的に周知を行ってまいります。また、介護者のさまざまな悩みや相談に寄り添う認知症コールセンターの相談員の育成は重要であると認識しておりますので、関係機関の意見を伺うなど、当該コールセンターの機能の充実に向けた検討を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 引き続き、認知症対策について健康福祉局長に伺いたいと思います。若年性認知症対策についてであります。65歳未満の現役世代が発症するものでございますけれども、私のところにも御相談があり、御家族の扶養、お子さんの学費、住宅ローンなどさまざまな課題に直面されておりました。加齢等による身体的なものとは異なりまして、介護度も低いのですね。また、施設介護やデイサービス等も、御家族の御意向では、どうもそぐわないというような事例もございました。医療、介護、生活支援など総合的な支援の必要性を痛感いたしました。現状と今後の取り組みを伺いたいと思います。
◎北篤彦 健康福祉局長 若年性認知症についての御質問でございますが、厚生労働省の資料では、人口10万人当たりの若年性認知症の方は47.6人であり、全国の推定患者数は約3万8,000人と推計されております。この推計に基づきますと、本市では約400人の若年性認知症の方がいるものと推定されるところでございます。若年性認知症の方には、医療のみならず経済的な問題などさまざまな問題があり、市内2カ所の認知症疾患医療センターや若年性認知症コーディネーター、家族会等が連携し、本人や御家族の相談に応じております。また、コーディネーターが産業医や雇用主等との面談を行うなど、雇用の継続に向けた支援や、就労等を希望する方に対して、障害福祉サービスである就労継続支援事業の利用を御案内しているところでございます。また、若年性認知症の方が発症初期の段階から適切な支援が受けられるよう、制度を御案内する若年性認知症ガイドブックを発行するとともに、今年度の指定介護保険事業者集団指導講習会において、市内全ての介護保険事業者に若年性認知症への適切な支援方法や相談機関、活動団体等を紹介し、その理解を広げたところでございまして、引き続き関係機関等と連携しながら、若年性認知症の方が社会参加し、理解し合える地域の仕組みづくりに取り組んでまいります。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 引き続き認知症対策について、総合的に伊藤副市長に伺います。本市では、市内2カ所の認知症疾患医療センターにおいて専門医療相談などが行われ、今後、連携型の医療センターの設置も検討されているとのことであります。また、認知症訪問支援事業によりアウトリーチ型の支援が行われ、さらに地域で認知症サポーター養成などの事業が行われております。地域包括ケアシステムの構築に向けて、個人の尊厳を守り、認知症になっても生涯安心して地域の中で暮らしていける連携の輪の仕組みづくりが最も必要ではないかと思いますけれども、見解と対応を伺いたいと思います。
◎伊藤弘 副市長 認知症対策についての御質問でございますが、本市では、地域包括ケアシステム推進ビジョンに基づき、全市民を対象とした地域包括ケアシステムの構築に向けて、意識づくり、仕組みづくり、地域づくりの取り組みを推進しているところでございます。また、第7期計画――かわさきいきいき長寿プランの中では、認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症の人が認知症とともに、よりよく生きていくことができるような環境整備が必要とする理念に基づきまして認知症施策を位置づけているところでございます。これにより、地域包括支援センター、認知症コールセンター、家族会等関係機関と連携し支援を行うとともに、認知症サポーター養成講座や、認知症カフェ、見守りネットワーク等を通じて認知症に関する普及啓発や地域での見守り、支える地域づくりを進めているところでございます。引き続き、認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりに向けた取り組みを進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆花輪孝一 委員 それぞれ御答弁ありがとうございました。終わります。
○橋本勝 委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋本勝 委員長 御異議ないものと認めます。およそ30分休憩いたします。
午後3時0分休憩
午後3時29分再開
○春孝明 副委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
発言を願います。
◆露木明美 委員 私は、1問目に生田浄水場用地の有効活用について
上下水道事業管理者に、2問目に防災訓練について伊藤副市長に、3問目に向ヶ丘遊園跡地利用計画について建設緑政局長に、最後に動物愛護センターについては健康福祉局長と教育次長に、順次一問一答にて質問してまいります。
初めに、生田浄水場用地の有効活用について伺います。生田浄水場については、浄水場の集約により生じた用地を有効活用するという整備計画が平成27年11月にまとめられましたが、平成28年6月に行った整備計画を担う民間事業者の公募が不調となり、現在に至って、当初の予定より2年以上整備がおくれてしまいました。現在は、工業用水部分を残して上水道にかかわる施設の取り壊しも終了し、広大な用地が広がっています。近隣地域からは、この用地を整備してもらって早く利用したいという声が上がっています。ディスプレーをお願いします。これは配水池の上から撮った写真で、ちょっと樹木で覆われて、わからないのですけれども、普通の建築物に対して広い土地が広がっているということはおわかりになるかと思います。ちょっと拡大すると、これが東側の部分で、正門に近いところです。もう完全に更地になっております。これは西側の部分なのですけれども、こんなに広い土地がぽっかりとあいたような形になっております。そこで、この公募が不調となった理由と、今後どのように見直していくのか、見直しの内容について伺います。
◎金子督
上下水道事業管理者 生田浄水場用地の有効利用についての御質問でございますが、生田浄水場用地の有効利用につきましては、ふれあい広場と多目的広場を上下水道局が整備し、スポーツ広場を民間事業者が整備するものとしております。スポーツ広場の整備を行う民間事業者につきましては、平成28年度にプロポーザル方式による公募を実施したところ、不調となったため、再公募に向けて民間事業者へのヒアリングを行うなどの取り組みを進めてまいりました。民間事業者へのヒアリングでは、公募期間が短く、意思決定までの時間を十分に確保できなかったこと、整備内容が多岐にわたるため、単独ではなく共同企業体での対応が必要であること、貸付料に見合う十分な収益性の確保は困難であることなどが課題として上げられたところでございます。こうしたことから、再公募に当たりましては、十分な公募期間を設けること、複数の企業による共同提案を可能とすること、民間事業者において収益性の確保が図られるスキームとすることなどの見直しを行うこととしております。以上でございます。
◆露木明美 委員 ディスプレーはいいです。これから公募方法などを工夫していくようですので、整備が進むものということで期待しております。今後は、民間事業者が公募に沿って事業計画を立ててエントリーするということになりますが、見直し案では、これまで示されていた照明施設を備えたグラウンド、テニスコート、クラブハウス、駐車場、ジョギングコース、多目的広場、ふれあい広場のほかに、収益性の確保が図れる施設の整備が可能となるとのことです。こうした整備の具体的な内容については、民間事業者の自由な提案を受けることになります。そこで、民間事業者の提案してきた内容については、今後、どこでどのように判断し決定していくのか、また、選定に当たっての観点、決定までの流れについて伺います。
◎金子督
上下水道事業管理者 民間事業者の選定についての御質問でございますが、生田浄水場用地の有効利用に関する基本計画で整理いたしました環境への配慮と、地域のまちづくりに貢献という基本的な考え方に基づきまして、プロポーザル審査委員会において審議をした上で評価基準等を決定し、今年度中に公募を行う予定でございます。その後、公募期間を経て、プロポーザル評価委員会において、評価基準に基づき企画提案内容を審査いたしまして、平成31年度の上半期を目途に民間事業者を決定してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
◆露木明美 委員 ことし、平成31年度の上半期を目途にということで計画が決まってくるようでございますけれども、地域としては大変期待しております。当初より、この予定はもう既に2年以上おくれておりますので、周囲から見ると、この土地が更地となっているということがよく見えまして、もったいないとか、早く使いたい、計画はどうなっているのかなどと、私もいろいろな意見をいただくわけでございます。そして、今月中に公募も始まるようでございますね。市民にとって有効なスポーツ施設や、ふれあい広場ができることは大変待ち遠しい限りです。できる限り早く整備を進めて、一日も早く利用できるよう要望しておきます。
次の質問に移ります。次に、防災訓練に関して伊藤副市長に伺います。まず、平成30年度に各区で複数回行うとしていた総合防災訓練の実施状況と課題について、各区それぞれについて伺います。
◎伊藤弘 副市長 各区総合防災訓練についての御質問でございますが、今年度につきましても、天候による中止を除き、原則各区2回実施しているところでございまして、参加者の概数といたしましては、川崎区は、九都県市合同防災訓練を含め8,600名、幸区は、雨天中止があり1回の開催で450名、中原区は1,600名、高津区は、雨天中止があり1回の開催で800名、宮前区は1,350名、多摩区は1,800名、麻生区は1,000名、計1万5,600名でございました。内容等につきましては、初期消火訓練や救出救助訓練などに加え、避難所開設運営訓練や二次避難所の開設訓練、ハザードマップの説明会を取り入れるなど、地域特性や実情に合わせた訓練を実施したところでございます。課題といたしましては、いずれの区におきましても、若い世代を中心に、より多くの市民参加を得る工夫が必要であると考えているところでございます。以上でございます。
◆露木明美 委員 今お答えいただいたように、多くの方の参加を得なければならないという認識、課題があるということを御答弁いただきました。私も多摩区で行われた2回に参加させていただきました。そこで、大がかりな準備の割には参加者が少ないと感じるところでございます。自由参加であることから、参加者をふやすための意欲づけや興味を引くような内容の工夫が必要だと考えます。平成31年度はどのように実施する予定なのか、伺います。
◎伊藤弘 副市長 各区総合防災訓練についての御質問でございますが、より多くの方々に参加していただくことは大変重要と考えておりまして、若い世代の参加を促進するため、スタンプラリーや防災アトラクションを企画するなど、より多くの区民に参加していただけるよう区ごとに工夫して実施しているところでございます。また、昨年度から各区において年2回の総合防災訓練を実施している中で、訓練内容や参加者への呼びかけ方法など、各区で効果的だった点、課題があった点につきまして庁内で情報共有を図るとともに、自主防災組織連絡協議会役員会におきましても情報共有を行うなど、全市的に取り組みを推進しているところでございます。今後につきましても、より多くの区民が参加する実践的な訓練を実施することにより、さらなる地域防災力向上に向け、継続して取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆露木明美 委員 ただいま総合防災訓練の各区2回の部分についてお答えいただきましたけれども、私が参加しました1回目の菅中学校で行われたときは、雨天のため、地域から参集することと、それから開会式は行い、その後、解散してしまいました。参集することだけでも意味はあると思いますけれども、雨天時には、体育館でも何かできるのではないかと思います。雨天時の内容も考えておくことが必要と考えます。担当職員や消防団など、準備に手数や費用がかかっているので、雨天コースを準備して、本当に簡素でもよいので、実施するように要望しておきます。また、もう一回、三田小学校で行われたものについては、20以上のブースの出展もあり、自衛隊からの炊き出しの提供もありまして、校庭いっぱいに準備がなされていました。しかし、一般参加者がスタッフより少ないぐらいの数の参加でありまして、大変もったいないなと思いました。平成31年度は多くの方に参加していただけるような工夫をしていただくように要望しておきます。では、次に、自主防災組織が行う防災訓練について伺います。平成30年決算審査特別委員会での質疑で、本市の人口に対する参加率は約3%との答弁があったところです。最も身近で、いざというときに有効な、そして効果があると思われる自主防災組織の行う防災訓練は重要です。東日本大震災から8年が経過し、住民の防災に対する意識が保ちにくくなってきていることから、新たな手法を用いながら、今後も引き続き多数の参加者を得て実施することが大切です。そこで、平成30年度の自主防災組織の行う防災訓練の実施状況について伺います。また、危機管理室としては各区の危機管理担当と連携して、自主防災組織の防災訓練を支援するとしていますが、平成31年度はどのように支援するのか、伺います。
◎伊藤弘 副市長 自主防災組織が行う防災訓練についての御質問でございますが、今年度につきましては、各区に新たに配置した消防職の係長を中心に、訓練実施の働きかけや訓練内容の事前相談など、企画段階での支援も強化いたしまして、より充実した訓練が各地域で実施されているところでございます。平成31年度につきましても、今年度作成いたしました防災訓練を企画実施するための訓練事例集「みんなで訓練48」の活用や、若い世代の参加促進を目的とした企画の提案等を通じて、引き続き自主防災組織が行う防災訓練に対しまして、より細やかに支援してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆露木明美 委員 いろいろ御答弁いただきまして、ありがとうございます。今年度に訓練事例集ができたということで、まだ使われていないということですけれども、平成31年度は、その活用を大いにアピールしていただくなどして、自主防災組織が行う防災訓練で新たな展開が見られるのではないかと期待して、次の質問に移ります。
次に、向ヶ丘遊園跡地利用計画について建設緑政局長に伺います。昨年11月に小田急電鉄から向ヶ丘遊園跡地利用計画の概要が示されました。これまで住宅の建設などの計画がありましたが、それが変更され、今回の計画案となりました。豊かな自然環境を生かして、人が集い楽しむ場として再整備されることになり、市民からは歓迎の声が上がっています。本市としては、2004年に小田急電鉄と交わした向ヶ丘遊園跡地に関する基本合意書を踏まえ、両者が一致協力して推進していくことになります。本市は、これまでも生田緑地整備の考え方の中に向ヶ丘遊園を含めていましたが、今後、遊園跡地利用計画の進捗にあわせて、生田緑地ビジョンに基づき、具体的にどのようなことに取り組むのか、伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 向ヶ丘遊園跡地利用計画についての御質問でございますが、生田緑地ビジョンでは、多摩丘陵の緑豊かな自然を次世代に残すため、小田急電鉄と本市が締結した基本合意に基づき、跡地に隣接する緑豊かな区域を都市計画緑地に編入し、緑の少ない遊戯施設が設置されていた区域を都市計画緑地の区域から除外するなど都市計画変更に向けた調整を進めるとしております。今後につきましては、生田緑地ビジョンに基づき、小田急電鉄や関係部署と調整を図りながら、緑地保全や都市計画緑地の区域変更などの取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◆露木明美 委員 向ヶ丘遊園跡地の緑地部分は都市計画緑地に編入するということで、緑地保全が進むということを答弁いただきました。さて、向ヶ丘遊園跡地利用計画では、商業施設、温浴施設、自然体験エリアなどが示されています。新たな交流や、つながりを生む憩いやにぎわいの拠点として、地域や沿線の価値向上を目指すとされていますが、周辺一帯の活性化が期待されます。また、既存の商業施設や周辺住民との調整などを図りながら、まち全体の活性化や価値の向上につながることも期待されます。今後の本市のかかわりや支援について伺います。
◎奥澤豊 建設緑政局長 向ヶ丘遊園跡地利用計画についての御質問でございますが、向ヶ丘遊園跡地につきましては、昨年11月に公表した生田緑地整備の考え方案の中で、小田急電鉄による整備の具体化の動きを好機と捉え、憩いやにぎわいの創出、さまざまな交流、周辺地域の活性化を促進するエリアとして位置づけたところでございます。今後、関係局区と連携を図りながら、小田急電鉄と地域との情報交換の促進や、協働に向けた関係づくりを行うことにより、生田緑地全体の価値、魅力の向上や周辺地域活性化の取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆露木明美 委員 いろいろ御答弁いただきました。小田急電鉄と本市が協力して、ともによい結果になっていくように、調整役としての本市のお取り組みを引き続きよろしくお願いしておきます。
次の質問に移ります。次に、2月12日にオープンした新動物愛護センターにおける命の教育の取り組みについて健康福祉局長と教育次長に伺います。新しい動物愛護センター「ANIMAMALLかわさき」は、動物を通じて、誰もが集い、憩い、学べる交流施設を基本コンセプトに、命を学ぶ場、命をつなぐ場、命を守る場という3つの役割があるとされています。敷地面積がこれまでに比べて約2倍、延べ床面積が約4倍、日曜日も開館日とされ、来所者数の見込みが約3倍になるとされています。また、100名入室できる研修室、大型バスの駐車場もあり、これまでは難しかった遠くの学校からの来所も可能となりました。センターでは、命を学ぶ場として、小学生等を対象に来所型いのち・MIRAI教室と命名し、動物愛護啓発の取り組みを強化するとしています。子どもたちの豊かな感性の育成等に有効な取り組みと期待しております。学校教育の中では、生活科や総合的な学習、道徳などの学習ができる施設として多くの学校に活用してほしいものと思っております。そこで伺いますが、来所型いのち・MIRAI教室のプログラムはどのように作成するのか伺います。また、センターで対応する職員のスキルが求められていますが、どのようにしていくのか伺います。また、対応する職員の拡充も必要となるのではないかと思います。今後の方向性について伺います。
◎北篤彦 健康福祉局長 動物愛護センターについての御質問でございますが、初めに、来所型いのち・MIRAI教室についてでございますが、来年度からは、従来行っていた訪問型の教室に加え、新しい動物愛護センターに来所いただき、施設見学による実際の動物の観察や、壁面を利用したボディーランゲージの展示サイン、研修室などを活用した来所型の教室も実施していく予定としております。現在は、その準備として、小中学校の学年に応じたプログラムの検討を行い、外部有識者で構成されるいのちの教育に係る意見交換会で御意見を伺いながら作成を進めているところでございます。また、いのち・MIRAI教室に携わる職員につきましては、教員向け研修への参加や授業の見学、関係機関の助言を受けるなど、人材の育成に努めているところでございます。今後につきましても、これらの取り組みを進めることにより、動物を通じて誰もが集い、憩い、学べる交流施設としてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆露木明美 委員 教育委員会としては、その外部有識者のうちに入ると思いますけれども、来所型いのち・MIRAI教室のプログラムの作成にかかわっていくと仄聞します。どのようにかかわるのか伺います。また、新動物愛護センター「ANIMAMALLかわさき」の活用についての広報を十分に行っていただきたいと思いますが、どのように取り組んでいくのか、教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 動物愛護センターについての御質問でございますが、教育委員会では、これまで動物愛護センター職員が学校を訪れて授業を行う訪問型プログラムの作成時から、生活科や道徳科等の目標や学習内容に沿った教材になるよう適宜助言等を行ってまいりました。来年度から動物愛護センター所内で行われる来所型プログラムの作成におきましては、発達の段階に応じた内容や教材の提示方法、ワークシートの作成等について助言をしてきたところでございます。今後、校長会議等の場において、健康福祉局から動物愛護センターの施設の活用やプログラムの内容につきまして説明を受ける予定でございます。以上でございます。
◆露木明美 委員 いろいろ御答弁いただきました。最後に意見を述べさせていただきます。教育委員会としては、校長会等での紹介の機会をつくるということでありますけれども、まずは各学校でこの施設のことをよく知っていただくことが大切ですから、各研究会議等の場でも広報していただくなど、積極的に学校へ紹介していただくように要望しておきます。これで質問を終わります。
◆渡辺あつ子 委員 私は、平和教育について、平和館事業について、人権施策について、廃棄物の焼却処理施設について、子育て家庭への支援について、シティプロモーションについて、健康増進策について、順次、一問一答にて質問をしてまいります。
まず、平和教育について、教育次長に伺います。世田谷区での中学校における平和資料の展示を受けて提案し、2017年と2018年に実現できました中学校での平和館の資料展示は、学校側からの希望もあり、広島への修学旅行前の事前学習になったとも聞いております。このように広島への修学旅行を実施する中学校もふえてきているでしょうか、教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 広島への修学旅行についての御質問でございますが、平成28年度は5校、平成29年度は6校、平成30年度は5校が広島への修学旅行を実施しております。実施している学校におきましては、総合的な学習の時間等で戦争の実態や平和への取り組みについて調べるなどの事前学習を行っております。今年度、宮前平中学校におきましては、校内で平和館の平和推進事業の巡回展示を活用し、事前学習を行い、修学旅行を実施したところでございます。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 ありがとうございます。この展示は東橘中学校でも行いまして、一緒に合築している小学校の生徒も見ていたということで、大変よかったなと思っております。そして修学旅行ですけれども、修学旅行の行き先は、生徒や学校が学習や調査をした上で決定していくものですが、その参考資料として平和館の展示資料は、今申し上げましたように、すぐれたものがありますので活用をしていただきたいと思います。また、平和館では、昨年、この平和ノートをつくり直して、サイズもこれまでの大きいA4判からA5判としました。大変使いやすくなったと思います。中学校での平和教育の際の副教材としての活用についても、教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 中学校での平和ノートの活用についての御質問でございますが、平和教育につきましては、各教科等での学習や、平和に関する施設等の見学学習、地域在住の戦争体験者の話を聞く活動等、各学校が地域の実態や生徒の発達の段階に応じて取り組んでおります。教育委員会といたしましては、これまでも教員の各種研修会や授業研究会等におきまして、施設の見学や活用について周知を行ってまいりましたので、今後、平和ノートを資料として活用することについても周知してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 川崎市は平和首長会議に加入し、非核宣言都市でもあります。未来を担う子どもたちとともに平和への啓発活動に取り組んでいただき、平和教育を受け継いでいただきたいものです。そこで、教育長のお考えを伺います。
◎渡邊直美 教育長 平和教育についての御質問でございますが、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を養う上で、未来を担う子どもたちが戦争の悲惨さや平和のとうとさ等を学ぶことは大変重要であると考えております。先日、東橘中学校の50周年記念式典を訪れ、平和学習への取り組みの成果である「東中 平和宣言2018」のパネル展示を見る機会がございました。この平和宣言には、当たり前の生活ができていることに感謝すること、命の重みを忘れないことが私たちにできることであり、大切なことです、そして、今後の平和を願い、先人たちの声を永久に語り継ぐことを宣言しますとの言葉がございまして、これまでの歩みを未来へ伝え、平和な世界を目指していくという思いに触れることができました。大変貴重な学習をされている生徒の皆さんを頼もしく思い、誰もがこのような思いを大切にしてほしいと強く感じ、平和教育の重要性を改めて認識したところでございます。各学校におきましては、地域の実態や児童生徒の発達の段階に応じて平和教育に取り組んでおりますので、今後も各学校の取り組みを支援してまいります。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 ありがとうございました。地域で開催される平和展などでも、小中学生や高校生の参加もありまして、次世代を担う子どもたちの平和への思いは大切にしていきたいなと考えております。先ほどの中学校での平和館の資料展示は、平和館からも働きかけていただいたようですが、2018年の中学校の取り組みの状況と今後の方向性を市民文化局長に伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 中学校での平和館の資料展示についての御質問でございますが、中学校での平和館資料展示につきましては、広島、長崎の原爆資料パネルを中心に展示を行っており、平成29年度に2校、平成30年度に4校で開催したところでございます。生徒の皆さんからは、戦争の恐ろしさを改めて感じた、二度と同じことを繰り返してはいけないなどの感想をいただいており、一定の効果があったものと考えております。今後も学校での平和教育実践の際の助言を初め、パネルや資料等の貸し出しを行うとともに、例年各区で実施しております巡回平和展につきまして、学校への周知を強化していくなど、中学校での平和教育への支援を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 また、先ほどの平和ノートについても、具体的な活用事例がありましたら、お示しください。
◎鈴木賢二 市民文化局長 平和ノートについての御質問でございますが、平和ノートにつきましては、核兵器や軍縮等さまざまな平和問題に係る概況等をまとめており、平和への理解を促し、そのとうとさを次の世代に継承する一助とすることを目的としております。昨年5月には、区役所・支所・出張所、市民館・図書館、小中学校等に第6版を配付するとともに、市民館での平和学習や、市民による平和イベント等で活用しているところでございます。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 学校教育との連携ということで、平和館を訪問する児童生徒、学校数はふえてきましたでしょうか。中学校での展示を受けて、平和館に行ってみたいという生徒の声や教職員からの反応はいかがでしょうか。これからも学校教育との連携を深めていただきたいと思いますが、今後に向けて、お考えを伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 学校教育との連携についての御質問でございますが、学校教育との連携につきましては、平和教育出前授業を初め、空襲、原爆、沖縄戦のパネルの貸し出しや、夏休みにおける平和学習をテーマとした自由研究への支援などを行うことにより、平和館を訪れていただく機会にもつながったものと考えております。今後もこれまでの取り組みを進めるとともに、新たに作成した空襲体験紙芝居の貸し出しを行うなど、学校教育との連携を深めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 伝え方などにも工夫されているようです。引き続きよろしくお願いいたします。
次に、総務費の人権関連経費について伺います。2019年は統一地方選挙や参議院議員選挙も予定されており、選挙イヤーとも言われています。その中で気がかりは、かつて東京都議会選挙などの際に選挙運動と称して行われたヘイトスピーチです。政治活動や選挙運動に乗じて行われる差別的言動について、人権を尊重するという視点で、許されるものではないと考えます。選挙運動の中で予想される差別的発言などの言動について、人権施策推進協議会の中では議論はなかったと聞いております。骨子案を準備中の市として、選挙運動に乗じた発言で人権や日常生活が脅かされることがないよう、人権に配慮するという視点での対応を市民文化局長に伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 選挙運動についての御質問でございますが、本市では、あらゆる差別を許さず、平等と多様性を尊重し、ともに生きる社会を目指して人権施策に取り組んでおりますが、選挙運動につきましては、関係法令に基づき、関係機関とも連携しながら、適切に対応してまいります。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 実効性のある対応が求められるわけですけれども、次に、選挙執行費用を拠出する中、選挙運動に乗じて行われる差別的言動への対応について、同様の視点で、公職選挙法上の対応を
選挙管理委員会事務局長に伺います。
◎浜野孝夫
選挙管理委員会事務局長 選挙運動についての御質問でございますが、選挙管理委員会事務局といたしましては、公職選挙法や関係法令に基づき、選挙が適正に執行できるよう、関係機関等とも連携しながら事務を進めてまいります。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 繰り返しになりますけれども、人権に配慮した取り組みが求められることを伝えまして、次の質問に移ります。
廃棄物の焼却処理体制について、環境局長に伺います。市の廃棄物処理は、現在3処理体制で来ています。橘処理センターが工事中のため3処理センターで処理していますが、今回、堤根処理センターなどの建設に伴う環境影響評価が行われております。市はこの間、3処理体制としてきており、市民の皆さんは王禅寺、そして建設中の橘、それまでは堤根、浮島の3処理体制で進むと考えていたと思いますが、堤根が建設されるということは、つまり4処理体制という表現でよいでしょうか。人口がふえているとはいえ、2030年には減少に転じます。その前から高齢者人口がふえてくるわけで、生活スタイルにも変化が見られると予想されます。一方で分別が進み、市民の皆さんにも浸透して、資源化率の向上、いわゆる燃えるごみは減少していますし、食生括の変化もあります。事業系の廃棄物もふえてはおりません。2017年度1人当たりのごみ排出量933グラム、それから資源化率が29.9%、人口はふえても、ごみは減っていきます。第2期行動計画では、家庭系資源化率の目標は32%、1人当たりの普通ごみ排出量の目標は407グラムですから、焼却するごみの量は年々減少していきます。そこで、焼却処理体制の今後について、環境局長のお考えを伺います。
◎大澤太郎 環境局長 廃棄物処理体制についての御質問でございますが、本市におきましては、一般廃棄物処理基本計画に基づき、市民、事業者の協力のもと、ごみの減量化・資源化に取り組むとともに、適正な廃棄物処理を進めているところでございます。ごみ焼却処理施設につきましては、安定的かつ効率的な廃棄物処理と円滑な建てかえ工事を両立するため、4つの敷地を有効活用しながら、3つの処理センターを稼働させる体制を目指すこととし、平成27年4月からは橘処理センターを休止し、3処理センター体制へ移行したところでございます。廃棄物処理につきましては、市民生活を支える重要なライフラインの一つでありますことから、引き続き、老朽化した施設などの整備を計画的かつ円滑に実施していくとともに、人口やごみ量の推移、ライフスタイルの変化、高齢化の進展など社会状況の変化を見据え、施設規模の見直しなども行いながら、安定的かつ効率的な処理体制を構築してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 御答弁いただきましたように、今後も、さまざまな要因もありますが、今の処理体制がこれからも必要とは思えませんので、先を見て計画を進めていただきたいと思います。
次に、子育て家庭への支援について、
こども未来局長に伺います。深刻な児童虐待の事例を受けとめ、川崎市でも児童虐待の防止に向けてさまざまな対策が立てられました。乳幼児を含めた児童虐待を未然に防ぐということでは、ソーシャルワークの機能が重要だと考えます。児童虐待対応ハンドブックにも、各施設における対応がありますが、未然に防ぐという視点から、保育園や一時保育施設、地域子育て支援センターでの対応について伺っていきます。認可保育所や一時保育施設の現場では、親子の様子を見る機会が多く、家庭支援、保護者への支援という視点で親子関係の課題を見出すことが可能です。日々の保育の合間に、つかの間見える課題に気づき対応することで、深刻な事例になる前に、親にも子にも支援の手を差し伸べる体制が望まれます。また、多くの親子が訪れ、中には気になる親子の存在もあり、親からの相談にも応じている地域子育て支援センターでの対応について、また、ソーシャルワーク的機能を持ってということは改定保育指針にもあると思いますが、専門家との連携も必要です。今後の対応を
こども未来局長に伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 保育所等における児童家庭支援についての御質問でございますが、初めに、保育所では、送迎時における保護者とのコミュニケーションや面談などのさまざまな機会を捉えて子どもの健康状態や様子の把握に努めており、子育て相談にも対応しながら、必要な助言、支援を行っているところでございます。また、地域子育て支援センターでは、親子の触れ合いと遊びの場の提供、子育てに関する悩みの相談や情報提供をする中で、親子の様子の把握に努めているところでございます。さらに、保育所と地域子育て支援センターが相互に連携しながら、子育て相談や支援を行うとともに、より専門的な相談については、児童相談所等の専門機関を案内しているところでございます。今後につきましても、本市が実施する保護者・子育て支援等の研修により、子育て支援に必要なソーシャルワーク機能等の技術の向上に取り組んでまいります。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 ありがとうございます。子育てに不安があるとき、社会全体で親子を支えられる、また、支えられているということを実感できる、そんな制度を求めまして、次の質問に移ります。
次は、ちょっとがらっと視点を変えまして、シティプロモーションについて総務企画局長に伺います。まずディスプレーをお願いします。これは缶バッジのほうは、子どもたちがつくったものと、その後ろにあるものは、市内某書店で、ブックカバーをおつけになりますかと聞かれたときに、はいと答えると、このブックカバーがついてくるものです。そこで、シティプロモーションの推進について、3,181万2,000円の予算計上がされていまして、民間事業者との連携により地域資源の掘り起こしや魅力づくりに取り組むとありますが、民間事業者とはどのような事業者なのか、また、ブランドメッセージの活用、また情報発信の具体について、総務企画局長に伺います。
◎唐仁原晃 総務企画局長 民間事業者等との連携によるブランドメッセージを活用した取り組みについての御質問でございますが、本市の魅力と将来への方向性を発信するため策定したブランドメッセージは、これまで、市内で開催される民間主催のイベントや川崎フロンターレ、川崎ブレイブサンダースなどのスポーツチームとの連携、ブランドメッセージがあらわす多様性をテーマに、市内書店と連携したブックフェアのほか、各種団体や民間事業者等において、名刺やリーフレット、ステッカーなど40を超える活用事例がございます。今後もシビックプライドの醸成や都市イメージの向上を目指し、ブランドメッセージがあらわす多様性というメッセージを市内外に発信するため、引き続き積極的に取り組みを推進してまいります。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 いろいろな企画に参加していることはわかります。市民参加もあわせて求めておきます。
最後に、健康増進に向けた施策について、健康福祉局長に伺います。1月に、ある市民の方から、こんな質問票が届いたけれども結構分量が多くてと相談をいただきました。高齢者の健康増進に関する内容でして、伺いましたところ、2018年度の予算のうち、介護予防、後期高齢者医療、国民健康保険を活用して、厚生労働省のガイドラインに沿って行ったこともわかりました。この調査の狙いについて伺います。また、今後に向けて、調査結果の活用など、あわせてお示しください。
◎北篤彦 健康福祉局長 高齢者の健康増進に関する調査についての御質問でございますが、高齢者の方々が地域の中で、健康で生きがいを持って暮らし続けていくためには、主体的な健康づくりや介護予防の取り組みが重要であると考えております。厚生労働省のガイドラインでは、高齢者の特性を踏まえた保健事業の実施が求められており、壮年期の生活習慣病対策から、徐々にフレイルに着目した対策に転換していくことが必要であるとされております。本市では、高齢者が健康づくりや介護予防の取り組みを行うきっかけとして、またフレイル予防などの知識を知っていただくことを目的として、70歳及び75歳の介護給付等を受けていない約3万人の方に、健康に関する質問票をお送りしたものでございます。質問票では、心身の状態や生活状況などについてお尋ねし、御回答いただいた方には、今後、現在の健康状態と、健康に関するアドバイスを記載した個人結果アドバイス票をお送りするとともに、市として高齢者の心身の状態などについて把握するものでございます。今後につきましては、回答いただいた結果を参考に、効果的な介護予防等の取り組みに向け検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆渡辺あつ子 委員 いわゆる団塊の世代と言われる皆さんが、この調査票を埋めていくうちに、これから何に気をつけたらよいのか、そういう思い当たることが出てきましたという声が上がってくると、一定の効果が出たのかなと思います。今後の施策にも生かしていただくことを求めまして、質問を終わります。
◆月本琢也 委員 私は、補助・助成金について、給食室のグリストラップ清掃について、保育無償化に伴う質について、それぞれ一問一答方式で伺ってまいります。
まずは、補助・助成金について伺います。平成31年度当初予算案の補助・助成金の件数は342件、252億4,617万9,000円で、前年度の335件、226億9,256万7,000円から17件、25億5,361万2,000円と、件数、予算額ともに増加しています。補助金や助成金は、地域社会の振興発展を初めとしたさまざまな目的に基づき交付されています。それぞれの補助・助成金がどのような目的で設置されているかを明記し、その交付に係る詳細を示す基準が設定され、目的達成に向けた支援が行われています。これらは川崎市補助金等の交付に関する規則に基づき、別途要綱等の詳細な基準を定めていると考えます。要綱等の詳細なルールを定めることで、事業の目的を明確にし、曖昧さを回避することが可能になります。そこで、342件の補助・助成のうち要綱等が定められていないもの、また、その内容について、財政局長に伺います。
◎三富吉浩 財政局長 補助・助成金についての御質問でございますが、本市における補助金等の支出におきましては、個別の条例や規則で定めるものを除き、交付申請や決定等に関する基本的事項を定めた川崎市補助金等の交付に関する規則と、補助の目的、補助対象となる事業の範囲、補助率等の詳細について定めた要綱等で運用しているところでございます。要綱等のない補助事業は、文化・スポーツを通じて被災者の生活や心の支援のために応援に行く市民文化大使の交通費や宿泊費等を補助する市民文化大使震災支援活動経費補助金の1件、予算は60万円でございまして、これにつきましても、予算執行の都度、補助事業の目的及び内容、事業計画、補助金の額及びその算出の基礎等が確認され、適正に執行がなされているところでございます。以上でございます。
◆月本琢也 委員 ありがとうございます。それでは、ただいま御答弁いただきました市民文化大使大規模災害被災者等支援事業補助金について伺います。この補助金は、ただいま御答弁いただきましたけれども、市民文化大使のボランティア活動の補助という目的はしっかりしておりますが、そして、適正に執行されていると御答弁ではいただいているのですけれども、そもそも上限額や補助率、補助内容も明確な基準を定めているわけではありません。そこで、これまで慣例的に決められていたものを明文化し、要綱等を設置すべきと考えますが、市民文化局長の見解を伺います。
◎鈴木賢二 市民文化局長 大規模災害被災者等支援事業補助金についての御質問でございますが、本補助金につきましては、東日本大震災などの大規模災害の被災者支援を目的として、川崎市市民文化大使が開催する文化イベント等の活動に対し、旅費や会場使用料などの補助対象経費の2分の1について、10万円を上限として助成する制度でございます。本制度は、平成25年度に当時の東日本大震災被災者等支援基金を財源として創設いたしましたが、補助金交付対象者が特定されているとともに、財源である基金が時限的な要素が強いものであるため、本制度も同様に時限的なものとして要綱等は定めず、執行に当たっては、対象の事業や経費、補助の上限金額等を明記した文書を添付し、案件ごとに決裁を受ける形で運用してまいりました。しかしながら、平成28年の熊本地震を受け、基金が大規模災害被災者等支援基金に拡充され、当面は本制度も継続して実施できる見込みであることから、現在、決裁時に使用している文書を要綱等として条文化するなど、より明確化した形で本制度を運用してまいります。以上でございます。
◆月本琢也 委員 ありがとうございます。ただいま市民文化局長の御答弁をいただきまして、342件あります本市の補助・助成金全てに要綱等の支出基準が設置されるということになりまして、本当にありがとうございます。市から個人や団体への支出金については、謝礼金や報償金という制度もありまして、単純に講師謝礼というものから労働の対価に当たるようなもの、そして事実上の活動支援に当たるものなど、さまざまな形式があります。この点についても、誤解を招かないような一定の基準整備が必要で、行政の基準設置の不備の影響で、真面目に活動している人が誤解を招くことのないようなルールづくりを、これから議会としても提案をしてまいりたいと思います。
次の質問に移ります。次には、給食室のグリストラップの清掃について伺います。グリストラップの清掃方法には、バキュームくみ取り、バクテリア方式、オゾン方式、石けん化工法の、現在4つの工法があると言われています。現状は、全ての小学校の給食室において、バキュームくみ取り工法が採用されております。4つの工法がある中で、この方法を採用している理由を教育次長に伺います。
◎小椋信也 教育次長 小学校におけるグリストラップ設備の清掃方法についての御質問でございますが、小学校におけるグリストラップ設備の清掃につきましては、給食室雑排水槽等清掃及び汚泥等運搬業務として委託しているものでございます。本委託業務は、給食室内部の排水管から学校敷地内の最終排水管までの排水導入管内部に付着した汚泥やグリス等を、高圧洗浄により除去した後、最終ます及びグリストラップ等を清掃し、汚泥やグリス等をバキュームによりくみ出し、排出された産業廃棄物を処理施設へ運搬するものでございます。給食調理場から排出された汚泥につきましては産業廃棄物と認識していることから、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等にのっとり、教育委員会の責任において、あらかじめ運搬の最終目的地及び処分方法等を示した上で、必要な許可を得ている業者に清掃及び汚泥等運搬業務を委託しているところでございます。以上でございます。
◆月本琢也 委員 バキュームくみ取り工法を今御説明いただいたのですけれども、バキュームくみ取り工法の場合は産業廃棄物が発生するということで、これらの産業廃棄物処理業の許可のある事業者に限定されるため、産業廃棄物処理を必要としない他の工法を用いる事業者においても、産業廃棄物処理の許可が必要になります。また、市が処理場を先に用意しなければいけないという法律の定めがあり、現状の入札方法では、他の工法を検討することは非常に難しい状況にあると言えます。しかしながら、産業廃棄物処理を要しない他の工法は、コスト面や効果の面で違いがあるものの、検討できない状況にあること自体が課題であると考えます。バキュームくみ取りでは、油脂がグリストラップにこびりついて残ってしまう衛生面の課題、産業廃棄物になってしまう環境面での課題があります。工法によっては、グリストラップの清掃で産業廃棄物を出さないものもあり、処分場も不要になれば、環境衛生面のみならず、コスト削減にもつながります。厳しい財政状況の中、新しい工法や技術を取り入れていく、そして環境に優しいという面で、環境教育を進めていくということが望まれます。東京都足立区を初め、他の自治体の給食室でも他の工法を取り入れていると伺っておりますが、教育次長の見解を伺います。
◎小椋信也 教育次長 他の手法についての御質問でございますが、給食調理場のグリストラップ設備の清掃の手法といたしましては、現在のところ、排出された汚泥を産業廃棄物として処理することが最も適正であると考えており、近隣の政令指定都市等への聞き取り調査におきましても、同様の手法を用いていると確認したところでございます。グリストラップ設備の清掃手法につきましては、産業廃棄物として処理する手法を続けながら、他の手法については、他都市の導入状況とともに、技術の進歩や、それに対する社会的評価の動向を注視し、費用対効果などについて研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆月本琢也 委員 非常に消極的な答弁をいただきまして、ありがとうございます。本市は環境のまちということでうたっておりまして、環境先進都市であって、環境の先進技術ということをいつもうたっていて、そういった民間企業の支援をしていたりとか、ともにそういった環境に優しいまちを目指してきています。そういった中で、他都市の動向ばかり見て、川崎市が一番初めにチャレンジをするようなことはしないということは、環境のまちの方針ということから少しずれてくるのかなというところもあります。今回、ちょっと法律上のいろいろな課題はあるということはわかるのですけれども、改めて幅広く新技術の採用とかも御検討いただきますことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
最後に、3つ目の質問は保育無償化に伴う質について伺います。10月より幼児教育・保育の無償化が進められることで、平成31年度予算案が示されております。当初は幼児教育のみの無償化と言われており、幼児教育の推進を図ることで親子の接する時間をふやし、地域教育や家庭教育の機会の増加が期待されました。また、幼稚園に入園させたいけれども、家計上の問題で、保育所に預けて働かなければいけないという御家庭が、保育所ではなく幼稚園を選択できるということで、子どもを育てる環境の所得による制限が解除されるということに期待をした一人でもございます。しかしながら、今回、政府は幼児教育と保育を同時に無償化にします。幼児教育と保育を同時に無償化する上で、効果予測を示しているわけでもなく、少子化対策や貧困対策、待機児童対策としての効果や、子どもの育ちに関する予測などを示しているわけでもありません。そこで、幼保同時ということで、幼稚園と保育所において幼児教育の指導方針や保育内容等においてどのような違いがあるか、改めて確認を踏まえて、
こども未来局長に伺います。
また、卒園後、小学校入学後の成長にどのような違いがあるか、教育次長に伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 幼稚園と保育所の違いについての御質問でございますが、幼稚園につきましては、幼稚園教育要領に基づき、幼稚園における1日の標準的な教育時間を4時間として、各幼稚園の創意工夫により、幼児の心身の発達と幼稚園及び地域の実態に即応した適切な教育課程を編成し、3歳以上の幼児に対し、幼児教育・保育を行うこととされております。また、保育所につきましては、保育所保育指針に基づき、基本的生活習慣の確立などが定められ、保育を必要とする子どもが1日の大半の時間を過ごす中で、養護と教育が一体となって豊かな人間性を持った子どもを育成することとされております。いずれにおいても、子どもと保育者との信頼関係を基盤とすること、子どもの主体的な活動を大切にして、適切な環境の構成を行うことや、子ども一人一人の特性と発達の課題に即した指導を行うことなどを基本としており、幼児教育の指針として整合性が図られ、特に3歳以上の教育的機能に関しては、指針は要領との整合性を図りながら規定されているところでございます。以上でございます。
◎小椋信也 教育次長 小学校入学後の成長についての御質問でございますが、入学前の在籍が幼稚園か保育所かという点におきまして、小学校入学後の成長に違いがあるとは認識しておりません。以上でございます。
◆月本琢也 委員 それぞれありがとうございます。今、教育次長のほうからも、成長の差というのは特に認められないということですし、幼稚園と保育所では、保育所のほうは預かっている時間が長いということで、生活の部分についても面倒を見ているというところで、少しの違いがあるものの、内容として大きく差異があるわけではないということで御答弁をいただきました。
次に、これまで保育所では、公立、私立を問わず、川崎市が保育料を決定し、一部の運営費を保育料として保護者が負担してきました。このたび3歳から5歳で保育料の無償化になるということで、税金100%ということになると公教育に当たることになり、いわば公立保育所と保育内容やさまざまな基準について同等にしていくべきと考えられます。先ほどの答弁で、幼稚園と保育所において、それぞれの園での特色はあるものの、基本的に子どもの育ちにおいて、幼稚園だから、保育園だからということで差異はないということです。その点において、幼児教育をしっかり進めていくという点では同じ方向を向いて、本来は、無償化になると公的な関与が深くなっていくと考えられるわけです。まず、今回影響のある認可外について伺います。上限額設定の中での無償化に伴い、認可外の指導監督基準が変わるということです。そこで、本市の指導監督体制は、公立保育所の退職者9名に1名加え、10名体制になるということです。専門家が配置されるということになると、人材も限られてきますし、公立保育所の数も減少し、適齢の公立保育所退職者の数も減少します。そこで、今後の指導監査体制についてどのように考えるか、
こども未来局長に伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 認可外保育施設に関する指導監督についての御質問でございますが、本市においては、現在、経験を生かした具体的な支援・指導が保育の現場においてできるよう、公立保育所の園長経験者等により指導監督を実施しているところでございます。今後につきましても、公立保育所を定年退職した保育士等を中心に指導員を確保し、経験に基づく適切な指導等を実施してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆月本琢也 委員 ありがとうございます。これも国のほうからの部分も含めてということになりますが、川崎市では既にやってきているということで確認をさせていただきました。続いて、認可保育所について伺います。本市では、新たな公立保育所として、各区にセンター園1園とブランチ園2園を設置し、区の保育担当とともに地域の子ども・子育て支援の機能や民間保育所等への支援、公民保育所人材育成の機能を果たしています。そこで、無償化という機会を捉え、今後の認可保育所の保育の質の確保だけでなく、質の向上を進めていくべきと考えます。その点において、区や公立保育所とのかかわりを深めていく必要があると考えますけれども、
こども未来局長に伺います。
◎袖山洋一
こども未来局長 保育の質についての御質問でございますが、本市の公立保育所におきましては、平成24年に策定の「新たな公立保育所」のあり方基本方針の中で、既存の保育所から21園を新たな公立保育所と位置づけ、これまでの役割・機能に加え、地域の子ども・子育て、民間保育所等への支援、公・民保育所人材育成の3つの機能を強化し、その取り組みを進めてきたところでございます。また、本年10月から予定されております幼児教育・保育の無償化に伴い、さらなる保育の質の維持向上の充実が必要とされることを踏まえ、その対策が喫緊の課題と捉えております。今後につきましても、本年8月から開設される保育・子育て拠点を第一歩として、区とのさらなる連携を図り、これまで培ってきたノウハウを生かして、連携会議、各種研修を初め、施設を活用した公開保育、交流、実習、専門職の派遣などさまざまな取り組みを実施するなど、認可保育所等への支援策の充実と連携の強化に向けた取り組みを進めてまいります。以上でございます。
◆月本琢也 委員 ありがとうございます。最後に意見要望を申し上げるのですけれども、就学前の時期というのは重要な時期であるにもかかわらず、今回の無償化の議論については、国と地方の費用負担の割合の議論に終始して、政策目標というものが全く見えてこなかったということで、これは恐らく本市の行政の皆さんも非常にお困りになられているのかなとも、私も、事前のやりとりの中でも印象は受けました。そういった中で、基礎自治体としてやっていかなければいけないことはたくさんあるとも思います。公立の学校は教育委員会が所管しまして、学習指導要領にのっとって教育が行われています。無償化になるということは、ただ保護者の費用負担がなくなるということよりも、公教育の要素が高まり、幼児教育・保育の内容の質の向上を図っていくということで、今、認可保育所についても考えていただいているということで御答弁はいただいております。しかしながら、今の費用負担の関係とマンパワーの関係で、本市が独自に行うことが難しい部分があると思いますが、預ける親のことではなくて、子どもの将来をしっかりと考えていくべきだと思います。
今、地域包括ケアシステムとか、終活という言葉が出ている中で、自分がどのように生きていくか、老いていくかということを考えていくことが重要だと言われています。また、こういうことを家族で考えるアドバンス・ケア・プランニングという考え方も進められています。しかしながら、それまで年老いていくまでの間に家族間での信頼関係を構築していなければ、こういったアドバンス・ケア・プランニングを初め、家族間で生き方、老い方を考える、あるいは我々30代から50代の間が、支える側の立場として親のことを考えるということにもなかなかつながりません。そう考えてくると、やはり幼少期の親子関係というものは非常に重要になってくるわけでございますし、それは親が自分のことを考えるのではなくて、親が子どもたちの未来のために考えるということで、子どもたちの未来のために幼児教育や保育をしっかりと考えて、親自身と子どものライフプランを考えるという意味での親教育の機会にもつなげて、今度は小中学校のキャリア教育につなげていけるベースをつくっていくべきだと思います。そこで、幼稚園、保育所がともに無償化になるわけですから、市の所管が保育所だからということではなく、県が私立の幼稚園の所管ということもありますので、県や幼稚園関係団体とも連携を図って、川崎市の就学前の教育・保育の質の向上を図れるよう、神奈川県の中の川崎市として、公教育の観点から独自の体制づくりを検討していただきますことを要望申し上げまして、質問を終わります。
○春孝明 副委員長 お諮りいたします。本日はこの程度をもちまして終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○春孝明 副委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
それでは、これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後4時31分閉会...