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平成29年  1月健康福祉委員会-01月27日-01号
平成29年  1月まちづくり委員会-01月27日-01号

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  1. 川崎市議会 2017-01-27
    平成29年  1月健康福祉委員会-01月27日-01号


    取得元: 川崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-06
    平成29年  1月健康福祉委員会-01月27日-01号平成29年 1月健康福祉委員会 健康福祉委員会記録 平成29年1月27日(金)  午前10時00分開会                午後 0時53分閉会 場所:605会議室 出席委員田村伸一郎委員長、渡辺 学副委員長、坂本 茂、大島 明、石田康博、末永 直、      後藤晶一、春 孝明、岩隈千尋、松井孝至、市古映美、添田 勝各委員 欠席委員:なし 出席説明員:(健康福祉局成田健康福祉局長西野担当理事総務部長事務取扱、        吉川地域福祉部長関川長寿社会部長宮脇障害保健福祉部長、        馬場庶務課長高岸企画課長堺企画課担当課長山内施設課長、        紺野保険年金課長手塚高齢者事業推進課長井本高齢者事業推進課担当課長、        武田高齢者在宅サービス課長柳原障害計画課長下浦障害福祉課長、        西川障害者雇用就労推進課長 日 程 1 陳情の審査      (健康福祉局)     (1)陳情第66号 介護従事者勤務環境改善及び処遇改善の実現について国への意見書提出を求める陳情     (2)陳情第68号 「若者も高齢者も安心できる年金制度の実現を求める意見書」の提出を求める陳情
        2 所管事務の調査(報告)      (健康福祉局)     (1)「高齢者・障害児者福祉施設再編整備基本方針(案)」の策定について     3 その他                午前10時00分開会 ○田村伸一郎 委員長 ただいまから健康福祉委員会を開会いたします。  本日の日程は、お手元に配付のとおりです。  なお、議事の都合上、審査の順番を入れかえさせていただきますので、御了承をお願いいたします。  傍聴の申し出がございますので、許可することに御異議はございませんでしょうか。                 ( 異議なし ) ○田村伸一郎 委員長 それでは、傍聴を許可いたします。                 ( 傍聴者入室 ) ○田村伸一郎 委員長 初めに、健康福祉局関係の陳情の審査として、「陳情第68号 『若者も高齢者も安心できる年金制度の実現を求める意見書』の提出を求める陳情」を議題といたします。  それではまず、事務局から陳情文について朗読をお願いいたします。 ◎綾部 書記 (陳情第68号朗読) ○田村伸一郎 委員長 次に、理事者の方の説明をお願いいたします。 ◎成田 健康福祉局長 陳情第68号につきまして、お手元の資料に基づき、紺野保険年金課長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◎紺野 保険年金課長 それでは、お手元の資料に基づき、説明をさせていただきます。  初めに、年金の支給月についての御説明をいたしますので、資料1をごらんください。年金の支給月についての根拠法令を示したものでございます。現在、年6回、偶数月に支給されている年金は、資料下段下線部分にございますとおり、平成2年2月から施行されました国民年金法等の一部を改正する法律に基づき、それまでの年4期に分けて支給されていたものから、6期に分けて支給されることになったものでございます。  次に、1ページおめくりいただいて、マクロ経済スライドの概要について御説明いたしますので、資料2-1をごらんください。マクロ経済スライドの概要を簡単にまとめたものでございます。マクロ経済スライドは、平成16年の国民年金法改正により規定されたものでございまして、上段の枠内に記載しておりますとおり、賃金や物価の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みとされております。具体的には、被保険者の減少率を基本とした調整率を設定して、その分を賃金や物価の改定率から控除するものでございます。また、マクロ経済スライドの自動調整は、特例水準が解消された平成27年度から実施されました。マクロ経済スライドの調整率は、直近3カ年の公的年金被保険者の減少率の平均値と平均寿命の延びを勘案した一定率、0.3%の合計値を従来の改定率から差し引くものでございまして、平成27年度の調整率は、下線部分にありますように、公的年金被保険者の減少率が0.6%と算出されたため、一定率の0.3%を加え、0.9%でございました。  次に、資料中段の図でございますが、マクロ経済スライドの3つの事例をお示ししております。まず、左側は、賃金や物価による従来の改定率がプラスである場合に調整率を差し引き、増額の幅を調整して改定を行うことをお示ししております。中央は、賃金、物価の伸びが小さく、改定率よりも調整率の方が大きい場合には、マクロ経済スライドによってマイナス改定となるような調整は行わず、いわゆる名目下限措置の適用により、年金額は据え置きとなることをお示ししております。右側は、賃金や物価が下落し、改定率そのものマイナスとなる場合には、マクロ経済スライドによるさらなる減額は行わないことをお示ししたものでございます。この中央と右側の図表の事例のとおり、マクロ経済スライドは、物価や賃金の伸びが小さい場合はマイナスとなる調整は行わず、賃金、物価が下落した場合も調整を行わないとする名目下限措置が設けられているほか、資料の下段にお示ししたとおり、賃金、物価、それぞれの変動に応じたルールが定められております。  次に、1枚おめくりいただきまして、年金額改定の推移について御説明させていただきますので、資料2-2をごらんください。この図表は、平成11年度以降の年金額の改定の経過を時系列にまとめたものでございまして、上段の太い実線が実際に支給されていた特例水準の推移で、下段の点線が法の定めによる本来水準の推移となっております。まず、平成12年度から平成14年度までの間、当時の経済情勢等への配慮から、当時の年金額改定ルールであった物価スライドを行わない特例措置が実施され、この特例措置による特例水準物価スライドを適用した場合の本来水準との間に①1.7%の差が生じております。平成16年の法改正により、マクロ経済スライドの導入が定められるとともに、年金額の改定方法の見直し等が行われましたが、引き続き特例措置が設けられ、その結果、平成25年度には、その差が②2.5%に拡大しております。この差を解消するため、平成25年10月から段階的に引き下げを行っておりますが、平成27年度に特例水準と本来水準の差額がなくなると同時に、マクロ経済スライドによる調整が行われ、本来水準からは1.4%の引き上げ、特例水準であった前年の額からは0.9%の引き上げとなっております。  この部分をもう少し御説明させていただきますので、もう1枚おめくりいただいて、資料2-3をごらんください。特例水準は、①平成25年10月に1%、②平成26年4月に1%、最後に③平成27年4月に0.5%引き下げられました。この位置から見て、改定に使われる④物価・賃金スライドが2.3%、これに⑤マクロ経済スライドで調整率0.9%を差し引き、平成26年度の特例水準から0.5%下がっておりますことから、平成26年度の水準から見ますと、0.9%の引き上げということになります。平成28年度の改定では、賃金水準がマイナスで、物価水準がプラスとなったことから、⑥のとおり、物価・賃金改定ルールに従って、スライドさせないことになります。マクロ経済スライドは、この物価・賃金スライドを調整するものでございますので、発動はさせず、結果、年金額は据え置きということになったわけでございます。しかしながら、デフレ経済が長期化すると、年金額の改定がなされる機会が減り、結果的にマクロ経済スライドが長期間続くことが懸念されることから、昨年12月、第192回国会で新たなルールが定められ、名目下限措置で調整できなかった分を翌年度以降にキャリーオーバーさせて調整できる仕組みに改められました。また、賃金・物価スライドにつきましても、未調整分が先送りにならないように、できる限り早期に調整できる仕組みとなったところでございます。  次に、1枚おめくりいただきまして、実施予定の低所得高齢者等に対する施策について御説明いたしますので、資料3をごらんください。消費税率10%への増税が平成31年10月に延期されましたが、この増税と同時に実施される予定となっております低所得高齢者等に対する措置について概要をお示ししております。  1、年金生活者支援給付金でございますが、住民税が非課税であり、所得が老齢基礎年金の満額以下である受給者の方などに対しまして、月額5,000円を基準として、通常の年金額に加算されて支給されるものでございます。  次に、2、受給資格期間の短縮でございますが、無年金者対策として、現行の年金保険料納付済み期間等受給資格期間を25年以上から10年に短縮するものでございますが、消費税の増税を待たずに、平成29年8月施行とされたところでございます。  次に、1枚おめくりいただきまして、年金の支給開始年齢について御説明いたしますので、資料4をごらんください。国民年金支給開始年齢は、制度が発足した昭和36年当初より65歳であり、変更になったことはございませんが、本日は参考までに厚生年金における支給開始年齢の推移を示したものでございます。厚生年金におきましては、制度発足当初は55歳であったものが、累次の改正により65歳に向けて徐々に引き上げられているところでございます。  次に、年金積立金運用状況について御説明いたしますので、1枚おめくりいただきまして、資料5をごらんください。年金積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIF運用状況の抜粋でございます。中段左に平成27年度の単年度収益額マイナス5兆3,098億円となってございます。この年金積立金の運用は、今後も大変長期間にわたって続けられるものでございますが、これまで平成13年の市場運用開始以降の累積収益額が45兆4,239億円となっております。年金積立金を運用するGPIFにつきましては、平成29年10月からその組織の見直しを行い、独任制から合議制への転換を図る経営委員会の新設等のガバナンスの改革とともに、安定した運用を行うべく、株式も含めた運用方法の多様化等が進められるということでございます。  最後に、本市といたしましては、陳情項目1の年金支給月を毎月支給に改めること、陳情項目3における最低保障年金制度に相当する年金支給額の改善について、政令指定都市国保年金主管部課長会議を通じ、例年、国に対し要望を行っているところでございます。  説明は以上でございます。 ○田村伸一郎 委員長 説明は以上のとおりです。  これより質疑に入ります。意見・要望もあわせて御発言をお願いしたいと思います。 ◆春孝明 委員 基本的なことをちょっと教えていただきたいんですけれども、まず、陳情の裏のところに、「高齢人口が増加する中、年金は地域経済にとっても重要な位置を占めています」と。ここからなんですけれども、「年金額が下がることは地域の消費力低下を招き、市の財政にも大きく影響を及ぼすことになるでしょう」とあるんです。この陳情者の方が「大きく影響」とおっしゃられているんですけれども、市として、どの程度財政に影響があるとお考えでしょうか。 ◎紺野 保険年金課長 これにつきましては、具体的な試算を行っているものはございません。ただ、年金につきましては、年金保険料の財源等は国費等から賄われているものでございまして、例えば一般的に賃金の低下に与える影響等も鑑みると、確かに年金額が下がることによる消費力の低下というのは言える部分もあるのかとは思います。ただし、具体的な数字を出しているものではございません。 ◆春孝明 委員 ありがとうございます。  あと、下のほうで「積立金運用は、海外ではリスクのある株式投資を避け、安定した債券運用が図られています」ということなんですが、今、国で行っているGPIFと、安定した債券運用の利点と欠点みたいなところをちょっと教えていただけますでしょうか。 ◎紺野 保険年金課長 まず、日本の運用状況については、今般の改正により、株式投資比率については約5割となったところでございます。参考までに、海外での積み立て運用状況、もしくは投資の状況をお話しさせていただきますと、これは日本のような大きな積立金を有しているところということで、カナダでは株式投資が72%、ノルウェーでは株式投資比率が60%、また、アメリカにおける州政府職員年金制度においては、株式投資として61%の運用が行われておりますので、海外で一律に株式投資が避けられているというものではないと考えてございます。また、GPIFにおける株式運用については、国内の比率の見直しを行いまして、海外への株式運用ということも含めて、その安定的な収益について、現在、改革が行われているところでございます。 ◆春孝明 委員 そうしますと、資料5を見ますと、我が国における年金制度というのは破綻をしているのか、していないのかと言われれば、破綻はしていないという形でよろしいでしょうか。 ◎紺野 保険年金課長 今、委員の御説明にありましたように、資料5のところにもございますとおり、平成27年度収益額は確かにマイナス5兆3,098億円という収益額でございましたが、一方で、運用資産額として、下の表にございますとおり、134兆7,475億円を担保しているものでございますので、破綻という状況ではないと考えております。 ◆添田勝 委員 今の運用状況に関してなんですが、27年度の単年度の損失でマイナス5兆3,000億円ということと同時に、陳情文の2ページ、下から2番目のパラグラフに「10兆円を超す大損害」と書いているんですけれども、これは累積のことをおっしゃっているとは思うんですが、なぜ10兆円という表記をしたのかという根拠がもしおわかりであれば、書いた方ではないのであれですけれども、恐らくこういう根拠に基づいて書いたんじゃないかという見解があれば、まず教えてもらいたいんですが。 ◎紺野 保険年金課長 報道等によりますと、確かに一部の報道の中で、今期の損益額として10兆円を超す大損害というような発表はございました。ただし、本日お示しをしているものは、27年度の運用状況になります。 ◆添田勝 委員 確かに報道で10兆円を超すという話は僕も聞いたことがあるんですけれども、それは27年度の単年度赤字プラス、それ以前のものも5兆円ぐらい運用損が累積でたまっているということなんですか。何かわかるような数字はお持ちでしょうか。 ◎紺野 保険年金課長 GPIFにおける株式・金融運用等の状況についてでございますが、決算の年金積立金としては114兆5,473億円。これには、厚生年金保険料の収入増や一般会計からの繰り入れ、実施機関の拠出金収入等が含まれており、GPIFの納入金が収益の減で減少した部分を合わせてもプラスとなっている状況でございます。内訳といたしましては、厚生年金は26年度から2兆2,235億円増の107兆2,240億円、国民年金は26年度から1,157億円増の約7兆円となってございます。ただし、時価ベースでは、それぞれ2兆7,448億円と、国民年金のほうで5,009億円のマイナスとなっておりますことから、これらのことも勘案して、マイナスという表現が出ているものかと存じます。 ◆添田勝 委員 わかりました。ありがとうございます。  済みません、一般論が続いてしまうんですが、運用のパーセントで、確かに株が50%ぐらい、残り50%が債券だと思うんですけれども、債券はたしか外債の比率というのが年々上がっているんでしたよね。それも確認します。 ◎紺野 保険年金課長 株式投資に関する考え方につきましては、法律上、長期的な観点から、安全かつ効率的に運用を行うことが要請されているものでございまして、国内債券のみならず、国内株式外国債券外国株式を組み合わせることによる分散投資効果によって、必要なリターンを最低限のリスクで確保することが期待できるというところから、拡充が図られているところでございます。 ◆添田勝 委員 わかりました。そうしたら、もともと分散投資みたいな理念だとは思うんですけれども、株式については先ほど御説明もありましたが、やっぱり外債についても、他国と比較すると、日本においては比率が低かったということなんですか。 ◎紺野 保険年金課長 今回の見直しにおきましては、新しい運用比率の特徴として、先ほど申し上げましたとおり、株式と債券を半分ずつにしております。一方で、国内資産は6割、海外資産は4割にしたということでございます。今まで6割を占めていた国内債券の割合は35%まで下げているものでございます。ちなみに、海外のポートフォリオの状況からいたしますと、カナダでは、債券で28%、株式で72%、ノルウェーでは、債券で35%、株式で60%、以上のような運用がなされているところでございます。 ◆添田勝 委員 わかりました。極めて一般論を聞いてしまったんですけれども、多分、そういう運用の割合、ポートフォリオとかは、何となく報道等で知っているようで、詳しくは知らないというのが、市民の多くの方の見解というか、思いだと思うので、もし問い合わせとかがあったら、丁寧に説明して、決して危険運用をしているわけではないということを市民の方にも御理解いただくということがやっぱり重要になってくると思うので、その辺はしっかり丁寧にやってもらえればと思います。 ◆市古映美 委員 まず、マクロ経済スライドについて、知る限りで伺いたいんですけれども、キャリーオーバーという話で簡単な説明がありましたけれども、これをもう一回、説明していただきたいと思います。それから、マクロ経済スライド調整期間は何年までになっているのか、これによって、10年とか25年後の基礎年金の支給額がどのように変動するのか、そこをお聞かせください。 ◎紺野 保険年金課長 それでは初めに、キャリーオーバーについての御説明でございます。マクロ経済スライドにつきましては、デフレのもとで調整が発動できない結果、調整期間の長期化と将来の年金水準の低下をもたらしている状況がございます。今回の見直しの中で、この問題に対応するために、年金額の実額は下げない、いわゆる名目下限措置を維持した上で、マクロ経済スライドで調整し残した分を全くなしにするのではなく、景気のよいときに持ち越して調整する、いわゆるキャリーオーバーの形をとらせていただくというものでございます。先ほど皆様に見ていただきました資料で申し上げますと、資料2-1をごらんください。中段にある真ん中と右側の図に、実線から下に向いている破線の矢印、調整率というのがございますが、この調整率に対して、実際の年金額というものは、真ん中の図で言えば、実線でとどめるということになります。また、右側の図でいくと、賃金・物価スライドの底辺、破線のところまでで実際の年金額の改定が行われるというところでございます。賃金・物価スライドの底辺を飛び出した破線の矢印の部分を持ち越して、キャリーオーバーをしていくことによって、賃金、物価が上昇した際に、上げ幅を控除することによって解決していこうとするものでございます。  また、2点目の御質問にございましたマクロ経済スライド調整期間はどれぐらいになるのかということにつきましては、平成21年度の財政検証におきまして、今後約30年の調整期間という発表がなされたところでございます。なお、平成26年度の財政検証の際には、具体的な期間の明示というものはなかったものでございます。 ◆市古映美 委員 そういうことですよね。今、非常に言葉を上手にお使いになったんですけれども、物価上昇時に調整率の点線の下の部分をまとめて、支給額を減らすというのがキャリーオーバーのやり方ですよね。そういうことでよろしいわけですね。 ◎紺野 保険年金課長 今、委員がおっしゃられたように、破線から飛び出ている分についてキャリーオーバーさせていき、賃金、物価が上昇した局面において、その分を控除するという考え方は、そのとおりでございます。一方で、資料2-1の中段の表にありますとおり、物価が上昇し、賃金が下落する場合は、年金額改定はなし、ゼロスライドとする、もしくは、この表中にございますとおり、名目下限措置によって、年金額の実質的な額を下げないという作用も働かせていくということですので、無尽蔵に下げ続けるというものではないものでございます。 ◆市古映美 委員 去年の年金カット法では、この辺にも手をつけたということだと思うんですけれども、マクロ経済スライド調整期間が約30年だと。私が聞く限りでは、2040年ごろまで続けるということで、現在、月6.4万円の基礎年金を受給している人たちにとっては、10年後は5.7万円、25年後は5.1万円まで減らすということですから、25年後、約1.3万円も減らすということになると思うんです。これについての数字は明らかにしなかったんですけれども、これだけ年金額が下がるという方向で調整額を進めていくということになると、先ほど春委員のほうから話がありましたけれども、やっぱり地域経済に与える影響というのは――今だって、私たちがいろんな本とか、いろんな方にお聞きする中でも、やっぱり年金に対する不安というのは物すごく大きいです。これが毎年毎年下げられていくというところでは、本当にどこを削減していいかわからないし、介護保険料だって3年に1回上がる、後期高齢者は2年に1回上がっていくわけですから、まさに受け取る分が本当に先細りになってしまって、今後、こういう状態が続くということは、地域経済だけじゃなくて、社会に対する影響というのはかなり大きなものがある、そういう状況なんだろうと思います。  それから、GPIFのこともやりとりがあったんですけれども、2013年度のときには、先ほどおっしゃったように、国内の債券は55.3%ぐらいで、5割以上になっていましたよね。国内株と外国株が約半分ぐらい、15、15ぐらいの形でやっていて、そのほかの外国債券とその他ということで占めていたと思うんです。だから、これまでは約6割が安全性の高い投資商品として運用されていたと私は認識をしているんです。それが2015年度から、先ほどお話がありましたように、国内債券が35%ということで、随分減りましたよね。それで、国内株と外国株が50%に上がったということなんです。このホームページからの引用で見ますと、2016年度には収益率がマイナス3.81%で、5兆3,098億円と書いてあるんですけれども、私がちょっと調査しましたら、2015年4月と2016年6月までについては、明確に運用損失が10兆円を超すとなっているんです。新聞報道でそのように報道がされていますということなんですが、これは国会でのやりとりでもそうなっているんですけれども、その辺の認識はどんなふうに……。もう一度、お聞かせ願いたいと思います。 ◎紺野 保険年金課長 確かに実質の損益額というところでの10兆円というのは、今委員がおっしゃるとおりかと考えております。 ◆市古映美 委員 ですから、ここにある45兆4,239億円の収益額というのは、2013年度末までの安定的な運用を含めて、こういう数字が出てきたんだろうと、この表から私は思うんですけれども、ただ、2015年からやり方をがらっと変えちゃったわけです。ハイリスクハイリターンということで、これはいろんなところから指摘されています。それで、去年の国会での論戦の中でも、こういうふうに運用した株式でこれだけの損失が出てしまったということと、国内の債券は今まで55%ぐらいあったんですけれども、それが35%になっても、ここの部分は黒字ということなんですよね。だから、このままこういう状態を続けていったらば、そんな安定的に収益が上がるなんていうことは考えられないと私は思うんですけれども、それはどんなふうに認識されていますか。 ◎紺野 保険年金課長 今委員の御指摘がありましたように、GPIFの改革の必要性というのは今議論されているところでございます。具体的には、独任制から合議制への転換を図るための経営委員会の新設や、意思決定と執行の分離で責任と権限を明確化するなどのガバナンス改革や、リスク管理方法の多様化、株式投資も含めた運用方法の改善を今後行っていくとうたわれておりますので、国の動向を注視してまいりたいと考えてございます。 ◆市古映美 委員 国の制度の問題ですから、それ以上のことはお答えできないだろうと思うんですけれども、国会でも、短期的に見るんじゃなくて、長期的に見るのが当然だと、こういうふうに見てほしいというやりとりがありました。今回のGPIFの仕方という点では、やっぱりリスク運用に大きくかじを取ったということに非常に大きな問題があって、このまま続けていったら、国民が納めた保険料ですから、やっぱり安全性を第一に考えていかなければ、ますます年金に対する不安というのは広がっていくわけです。そういう点で、この問題については、リスク運用に大きくかじを取ったということが大きな問題だと私は思っているところです。  それから、外国の例が出たんですけれども、かなり高い割合で株式投資を行っているという話だったんですが、国内と外国の株式の割合についてはどんなふうになっているかというのはわかりますか。 ◎紺野 保険年金課長 先ほどの繰り返しになってしまいますが、新しい運用比率の特徴としては、株式と債券を半分ずつ、国内資産は6割、海外資産は4割に変わったと認識してございます。 ◆市古映美 委員 わかりました。それは私どももまだ調査しているので、とりあえず結構です。 ◆岩隈千尋 委員 それでは、確認作業から質問させていただきます。  まず、本市の現在の国保の対象者の人数、そして、年額の支給額、それから、40年支払った人がもらえる年金額と、最低25年支払った人がもらえる年金額、こういったところの数字を確認させてください。 ◎紺野 保険年金課長 まず、本市の国民年金の受給者数ですが、平成27年度末で25万7,249人になってございます。被保険者数でございますが、第1号被保険者といたしまして、平成27年度末で19万9,609人になってございます。あわせまして、障害年金、遺族年金を合計しますと27万3,999人になってございます。また、年金額につきましては、基礎年金、老齢年金分といたしまして、78万100円になっております。 ◆岩隈千尋 委員 25年の年金額は。 ◎紺野 保険年金課長 加入期間が25年だと年金額が幾らになるかということでよろしいでしょうか。78万100円掛ける40分の25という計算になります。具体的には、おおむね48万7,500円程度になるかと存じます。 ◆岩隈千尋 委員 間違いないですよね。78万100円が40年で、掛ける40分の25ですよね。それが48万7,500円ですね。だから、そうすると、数字を出していただいて、この範囲で生活をしていっていただくというのは、48万円ですから、12カ月で割れば、非常に厳しい数字というのはおのずとわかるわけであります。  そういった中で、今現在のそういった状況はある程度数字を確認させていただきましたけれども、今回、資料3で、平成29年8月1日からは受給資格期間が25年から10年に短縮されているわけなんですけれども、これの対象者数はどういうふうに見込んでいるのか、それから、本市に対する財政的な影響であったり、支給額も含めて、どういうふうにシミュレーションしているのか教えてください。 ◎紺野 保険年金課長 まず、受給期間短縮の対象者数についてですが、全国で64万人と発表されてございます。これの内訳について、川崎市内におきましては、10年以上25年未満の納付期間を有している方は8,761人を見込んでございます。 ◆岩隈千尋 委員 金額は。 ◎紺野 保険年金課長 実際に10年間納付があったとしますと、先ほどの計算のとおり、78万100円掛ける――10年間という試算でいきますと19万5,000円となります。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。では、ざっくりとした計算では、19万5,000円掛ける8,761人をすると、本市がプラスアルファで出さなきゃいけない金額ということになるんですか。 ◎紺野 保険年金課長 年金運営自体は国の制度でございますので、いわゆる日本年金機構が受けながら、年金保険料と国費で賄われているものですので、市からの拠出はないものでございます。 ◆岩隈千尋 委員 ごめんなさい、私が勘違いしていました。そうですよね。わかりました。  いずれにいたしましても、これも釈迦に説法ですけれども、年金は積み立て方式ではなくて、賦課方式ですから、これは願意も含めてなんですけれども、我々の共通認識として、将来世代のことも含めて提起している非常に重要な課題であると思うんです。マクロ経済スライドのお話もいただきましたけれども、そもそも導入されたのはたしか1回だけですよね。それは間違いないですよね。具体的に……。 ◎紺野 保険年金課長 マクロ経済スライド自体は、平成16年の法改正で導入されているものでございますが、実態といたしましては、特例水準の解消後に発動ということで、平成27年度からになります。 ◆岩隈千尋 委員 額面をさっきお話ししていただいたんですけれども、額面が減ることに対する痛みというのは、恐らく市民の皆さんはすごくあると思うんです。そうしたときに、導入されて、年金額の中で具体的にどれぐらいの金額が減ったとか、額面的に出た影響等々というのは分析できるんですか。 ◎紺野 保険年金課長 私どものほうでは、先ほど委員がお話しされたような国民に対する影響額というものの資料は手元にございません。申しわけございません。 ◆岩隈千尋 委員 今お話しいただいたのは、仮に40年支払って、78万100円ですよね。そこから例えばいろいろ発動したことによる影響であったりとか、先ほど春委員もお話しいただきましたけれども、地域消費力の低下を招いたりとか、この願意に書かれております「市の財政にも大きく影響を及ぼす」とか、そういったことに関して、具体的に何か明らかにわかっているよというのは、まだ不明瞭ですよということなんですね。 ◎紺野 保険年金課長 今委員がおっしゃられたように、いわゆる影響度ですとか、経済動向に与える影響ですとか、市に与える影響というところについては、具体的な数字として把握しているものはございません。 ◆岩隈千尋 委員 わかりました。私どもも、去年の類似した――若干違いますけれども――審議の議事録を見て、いろいろ議論させていただいておりますし、昨年12月中旬には法もちょっと変わったわけであって、その後、厚生労働省のホームページ等々でも、マクロ経済スライドが長引けば長引くほど、世代間対立であったりとか、公平性の問題等々が出てくるというお話もされているわけで、この取り扱いというのは、今から審議するんでしょうけれども、なかなか難しいところがありますが、重要なテーマだという認識はございますので、また逐次追っていきたいとは思います。今現状では大丈夫です。結構です。 ○田村伸一郎 委員長 ほかに質疑、意見・要望等がなければ、取り扱いに入りたいと思いますけれども、本件は国に対して意見書の提出を願うものでございますので、この点も含めて御発言をお願いしたいと思います。 ◆坂本茂 委員 各委員からいろいろ議論がありまして、それから、一応、過去の議論等、取り扱いも参考にさせていただきました。そういう中で、意見書については難しいのではないかと思います。陳情項目1から5までのこの項目については、私たちとしても、例えば5とかは、全部が全部そのとおりというわけではなくて、一部、川崎市でも、また、我が党でも考えを一にしますけれども、ただ、全体的な部分から、年金制度のあり方というのは、しっかりと国に対して要望活動をしていかなければいけないだろうなという思いがあります。したがって、今回は継続ということで、このことについては引き続き注視していきたい、そういう思いがあります。 ○田村伸一郎 委員長 それでは、意見書は提出なしで、継続ということで。 ◆後藤晶一 委員 我が会派なんですが、原則的に年金制度というのは、将来にわたって安定して継続をしていかなきゃいけない制度で、昨年、国のほうで見直しが行われて、そういう中で、今回、陳情を出されたという認識をしております。昨年も同趣旨の陳情が出されて、それが不採択になっているということを考えますと、これは国の制度で、今、国のほうで議論をやっているわけで、国のほうでしっかりやっていますので、意見書を出す必要はないと思います。自民党さんが継続だということで、本来は趣旨の取り扱いはどうかなと思うんですが、継続だということで皆さんがまとまれば、継続で仕方がないのかなと思いますけれども、本来的には不採択にすべきじゃないかなと私は思います。 ○田村伸一郎 委員長 では、意見書の提出はなしということで、取り扱いについては不採択で。 ◆後藤晶一 委員 我が会派としては、不採択にしたいと思います。 ◆岩隈千尋 委員 先ほど後藤委員からもお話しいただきましたけれども、昨年は不採択なんです。それを踏まえた上でなんですけれども、やっぱりここに書かれている項目自体は、おのおのが必要なものであったりとか、願意も全く100%否定されるべきものではないと思ってはいるんです。その中で、意見書については、皆さんのコンセンサスをとれなければだめですので、意見書については出さないという方向で結構なんですけれども、内容については、大変重要な課題提起でもあることから、これはできれば継続にしていただければありがたいなと思います。 ○田村伸一郎 委員長 意見書は提出しないで、取り扱いについては継続ということで。 ◆市古映美 委員 川崎市のほうの先ほどの説明の中で、政令指定都市として、国に対して幾つかの項目については要望を行っているんだというお話があったので、意見書はかなり難しいだろうと思ったんですけれども、まとまればいいなという一抹の希望もあったんですが、これは全会一致ですから、それはそれとして、しようがないと思っています。取り扱いについてなんですけれども、自民党さんも継続ということで、本当にこの年金の問題というのはかなり重要な問題ですから、ぜひ引き続き議論していくということで、継続という扱いにすべきじゃないかと思います。 ○田村伸一郎 委員長 それでは、意見書は提出しない、継続ということで。 ◆添田勝 委員 僕のほうも同じ意見でして、やはりまだ国のほうの議論は、こちらが何かアクションを起こすというよりも、注視をしていったほうがいいのかなと思いますから、意見書は出さないと。取り扱いについても、継続ということでまとまりそうだなと思っていますし、また、ここに出されている陳情の内容というのは決して無視はできないし、市民の方の切実な声なのかなとも思いますので、引き続き議論をしていく必要があるんじゃないかと思いますから、継続でお願いします。 ○田村伸一郎 委員長 では、意見書の提出はなし、継続ということでよろしいですね。  まず、意見書を提出することにつきましては、全会一致となることが条件となります。今回の場合は全会一致とならないということでございますので、意見書の提出には至らないということで御了承いただきたいと思います。 ◆後藤晶一 委員 本来だったら不採択でいいんじゃないかなと思うんですが、今、皆さんの意見は一応継続ということで、うちも継続という形でやらせてもらいたいなと思うんですが、意見書はあくまでも出すということに対する陳情なので、それに対して、意見書は出しませんよ、だけれども、中身については必要なこともあるから継続にしましょうという、極めて消極的な継続になるのかなと私は思います。その辺はちょっとこの委員会の中でもしっかりしておかないと、委員会としての意見の集約が無責任だと問われちゃうと思いますが、今、坂本委員のほうから継続という御意見が出ましたので、まとめるという立場で、私のほうも継続で。 ◆大島明 委員 この陳情は、意見書の提出を求めるという陳情で、意見書については提出しないということになりました。これの扱いについては、あくまで不採択となるんじゃないかなと。ただ、この内容については、皆さんにかかわる重要な問題なので、本市としても注視をしていっていただきたいというのが我が党の見解なんですけれども、あくまでこの陳情については不採択という扱いにしないと、委員会としておかしくなっちゃいますが……。 ○田村伸一郎 委員長 そういたしましたら、意見書につきましては提出をしないということでございますけれども、今、大島委員からもありましたとおり、陳情の取り扱いについて改めて御意見を伺いたいと思います。
    ◆坂本茂 委員 意見書の部分が陳情の審査の一番重要な部分であると考えます。したがって、私どものほうでは、当初、意見書については出さないと言わせていただきました。ただし、今、うちの同僚委員から出ましたように、今ちょっと協議したんですけれども、意見書を出さないということになると、この陳情そのものが、この項目だけで審査をしてくれということじゃなくて、意見書ということが一番大きな部分から言うと、不採択にせざるを得なくなってしまうということであります。各会派の皆さんの意見もちょっと聞きたかったものですから、そういう言い方をしました。 ○田村伸一郎 委員長 では、この陳情の取り扱いについては、自民党さんは不採択ということで。 ◆後藤晶一 委員 私も不採択で。 ○田村伸一郎 委員長 不採択で。 ◆添田勝 委員 先ほど継続という話をさせていただいたんですけれども、答えたときの流れで、意見書に対して出さないという結論だったから、そうすると、事務手続的に不採択とならざるを得ないのであれば、それはやむを得ないと思います。 ○田村伸一郎 委員長 では、不採択ということで。 ◆市古映美 委員 もう一つ、次の議論もあるんですけれども、これは去年の審査状況を見ますと、意見書については出さないけれども、中身については大変重要な問題だということで、多分継続にしてあるんですよね。だから、そういう形で、その辺の項目の重要さということを鑑みて、継続にしておいて、あと、ここに陳情者がいますので、そういう点でどういうふうに判断してもらうのかということで、取り扱いができないかなと。皆さんの共通の問題は、年金問題は大変重要だから、この項目については、市のほうも要望していますので、これからもきちんと議論していかなくちゃいけないと思うんです。 ○田村伸一郎 委員長 では、継続ということで。 ◆大島明 委員 今、市古委員のほうからお話がありましたけれども、内容的には本当に重要な問題というのはわかるんですけれども、この陳情のタイトルが意見書の提出を求めるというんだから、陳情の扱いですから、これはあくまで意見書は出さないということだから、不採択という明確な答えを出さないといけないと思います。 ◆坂本茂 委員 扱いなんですけれども、一応そういうところで、中身についてはみんな理解した上で、意見書のところがネックになっていますから、ここはもう採決をしていただいていいんじゃないかと思います。 ◆岩隈千尋 委員 大先輩方がいらっしゃいますので、あれですけれども、正直言って、私どもは、結構、委員会の継続とか趣旨とか採択に当たっては、内容のいかんによって、いろいろ幅を持たせているところもあるとは思うんです。ですから、ここで全部ばっさりと切ってしまうことというのはどうなのかという懸念もあるんですが、先ほど大島委員から、内容については大事ですという御説明がございましたし、また、これは毎年出ている案件ですから、年金のことに関して、いろいろと国のほうもずっと変わっていっているわけですから、そういった時流の流れ、タイムリーなことも含めて、また審議する機会というのもあるということで、今回の意見書の提出を求める陳情という1点で見ますと、先ほどお話しいただいたように、ここは不採択ということで結構であると思います。 ○田村伸一郎 委員長 継続審査と不採択との御意見、それぞれございましたが、継続審査が先議となりますので、まず、継続審査についてお諮りをしたいと思います。  それでは、継続審査とすることに賛成の委員の挙手をお願いいたします。                 ( 賛成少数 ) ○田村伸一郎 委員長 挙手少数でございます。よって、本件につきまして採択をすることについてお諮りをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、「陳情第68号 『若者も高齢者も安心できる年金制度の実現を求める意見書』の提出を求める陳情」につきまして、採択することに賛成の委員の挙手をお願いいたします。                 ( 賛成少数 ) ○田村伸一郎 委員長 挙手少数でございます。よって、本件は賛成少数により不採択とすべきものと決しました。  傍聴者の方、審査は以上でございますので、御退席をしていただきたいと思います。お疲れさまでございます。                 ( 傍聴者退席 ) ○田村伸一郎 委員長 ここで理事者の一部交代をお願いいたします。                ( 理事者一部交代 )         ───────────────────────── ○田村伸一郎 委員長 それでは次に、健康福祉局関係の陳情の審査として、「陳情第66号 介護従事者勤務環境改善及び処遇改善の実現について国への意見書提出を求める陳情」を議題といたします。  それではまず、事務局から陳情文について朗読をお願いします。 ◎綾部 書記 (陳情第66号朗読) ○田村伸一郎 委員長 それでは次に、理事者の方、説明をお願いいたします。 ◎成田 健康福祉局長 陳情第66号につきまして、お手元の資料に基づき、井本高齢者事業推進課担当課長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 それでは、介護職員の処遇改善について御説明申し上げます。  最初に、資料1の介護職員を取り巻く状況をごらんください。上段の介護人材の不足でございますが、左側枠内をごらんいただきますと、平成28年11月の全国の有効求人倍率は、職業全体が1.31倍であるのに対し、介護サービスの職業は3.46倍と高く、また、右側枠内にございます平成27年度の介護労働実態調査でも、事業所における介護職員の不足感が高いという調査結果が出ていることからも、全国的に介護人材は不足しているものと考えられます。その理由としましては、その下の高齢化による介護ニーズの増大のとおり、介護保険制度が始まった平成12年の高齢化率が17.4%であったものが、平成28年では27.3%と急速に高齢化が進んでおり、それに伴い、介護サービスに対するニーズが増加していることが考えられます。  次に、不足する介護人材の数の見込みにつきましては、神奈川県の介護人材に係る需給推計によると、10年後の2025年までに約2万5,000人の不足が見込まれており、1年間当たりで換算すると約2,500人の介護人材の不足が生じると計算されます。本市では、これを高齢者人口比率で換算したところ、介護人材の需給に対し、年間約360人の不足が生じると計算されます。  次に、賃金水準につきましては、介護職員の平均勤続年数が短いことも影響するため、一概に比較することは困難と思われますが、介護職員は全職種平均と比較すると低い賃金水準にあります。また、離職率は全産業平均に比べてやや高い傾向にあり、次に、介護職員の労働環境への意識をごらんいただきますと、仕事の満足度に関する調査においても、仕事にやりがいを感じる職員が多いものの、賃金や人事評価、処遇のあり方など、労働環境への不満を感じる職員が多いという結果が出ております。  次に、資料2をごらんください。介護職員処遇改善加算の概要を説明させていただきます。平成23年度まで実施されていた介護職員処遇改善交付金による賃金改善の効果を継続する観点から、平成24年度に介護サービスに従事する介護職員の賃金改善に充てることを目的に介護職員処遇改善加算が創設され、さらに、平成27年度に拡充が図られております。  次に、2の賃金改善対象者についてですが、賃金改善の対象は、介護職員指定基準上の直接処遇職員となっております。  次に、3の加算の算定要件としましては、介護職員処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善の実施とあわせて、さらなる資質向上の取り組みや、雇用管理の改善などの取り組みを進める事業所を対象とし、算定されております。  次に、4の賃金改善方法につきましては、基本給、手当、賞与等、介護職員の賃金の改善によって行うこととなっております。  次に、5の国の介護報酬改定についてですが、平成27年度の介護報酬改定において、介護職員の処遇改善、物価の動向、介護事業者の経営状況、地域包括ケアの推進等を踏まえ、改定率はマイナス2.27%で、そのうち、処遇改善としましてはプラス1.65%となっております。また、来年度に臨時の報酬改定を行い、事業者による昇給と結びついた形でのキャリアアップの仕組みの構築について、手厚く評価を行うための区分を新設し、月額平均1万円相当の処遇改善が行われる予定でございます。  次に、資料3、主なサービス別人員配置基準をごらんください。こちらの資料は、特別養護老人ホームなどの配置すべき各職種の人員基準の一覧となっております。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などは、入所者3名に対して、配置基準は1名になります。これらは、国の従うべき基準として、条例の内容を直接的に拘束し、必ず適合しなければならないものとなります。なお、ユニットに関しましては、1ユニットごとに常時1名以上の看護・介護職員の配置が必要となります。  次に、夜勤配置基準についてですが、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの入所施設の夜勤配置におきましては、資料のとおり、利用者数によって基準を定めております。また、これらの介護施設のユニットにおきましては、2つのユニットごとに夜勤を行う介護職員または看護職員の数が1名以上となります。一方、介護つき有料老人ホームなどの特定施設入所者介護施設におきましては、常に1名以上の配置が必要とされ、夜勤時間帯を含めて、適切な介護を提供できるようにとされており、入所者数による夜勤職員の配置人数の規定はございません。  陳情に対する考え方でございますが、国においては、介護職員の処遇を含む労働条件については、本来、労使間において自律的に決定すべきであるとしており、介護人材の安定的確保及び資質の向上を図るためには、給与水準の向上を含めた処遇改善が確実かつ継続的に講じられることが必要であるとしております。また、介護職員処遇改善加算は、今後の利用者負担や介護保険料にも影響を与えるものでございますので、今後の国の動向を注視してまいりたいと思います。  説明は以上となります。 ○田村伸一郎 委員長 説明は以上のとおりです。  これより質疑に入ります。意見・要望もあわせて御発言をお願いいたします。 ◆添田勝 委員 陳情項目の2なんですけれども、人員配置基準を厳格化せよみたいな話だと思うんですが、3対1の現況を2対1にしてほしいという文言がある一方で、1ページの陳情の趣旨の3行目、よく言われますけれども、2025年に38万人のヘルパーが不足するというところで、この2つを単純に考えると、余計ヘルパーの不足に拍車がかかるという気もしてしまうんです。多分、陳情の願意としては、陳情項目の2については、人員配置基準を厳格化するから、加配するに当たっての報酬も上げてほしいみたいなことも入っているのかなという気がするんですが、その辺はどのように受けとめられましたでしょうか。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 あくまで人員配置については、介護制度については国のほうの責務ということで考えております。この人員配置については、人員のほうがふえれば、その分、保険料も上がり、また、国民の税金の負担も上がるということもありますので、介護保険をめぐる給付と負担の両面を合わせて、バランスよく見ていく必要があると考えております。 ◆添田勝 委員 極めて普通なお答えで、そのとおりなんですけれども、確かに処遇改善とかはもちろん目指すべきとは思ってはいるんですが、現状はなかなか簡単ではないという中において、陳情項目の1に「介護現場で働く全ての労働者の処遇改善」と書いてあるんですけれども、全てと言われると、実際、厳しいのかなと正直思っています。現場にいたからわかるんですけれども、例えば、すごく重労働で、身体介護で責任重大なポジションの人もいれば、一方で――仕事の重要、重要でないという言い方にはちょっと語弊がありましたけれども、職責の重い、重くないという差は当然ある中において、全ての労働者の処遇改善というと、正直厳しいのかなと思っているし、逆に今の職責の軽いポジションにいる方においては、労働環境が割とフリーに動けるからいい、要は非正規のほうが都合がいいと思っている方とかもいらっしゃるから、全ての労働者の処遇改善というふうにひっくるめてしまうのはどうなのかなと。一部、職責の重い人は改善していくという方向に流れていくべきかなとは思うんですが、やっぱり全てと言われると難しいかなと思うんですけれども、その点についてはどうお考えですか。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 介護職員処遇改善加算につきましては、直接介護に携わる職種というのが対象になっておりますので、ケアマネジャーや施設長、また、サービス管理責任者、事務職等は対象としていないということでございます。今現在、月2万7,000円がこの加算に相当するんですが、その金額をどの職員に配分するかというのは、各事業者の責務ということになっております。それが職務、職責に合わせて、各職員のほうに配当されているということで考えております。 ◆添田勝 委員 わかりました。賃金を上げるべき職責の高い方、あるいは一生懸命頑張っている方が現場にいるとするならば――というか、そういう方がいらっしゃるんですけれども、やっぱりその加算に対して、現場の運営というか、現場のオペレーションがちゃんと機能をするということが一番重要だと思うので、今後、そこら辺への監査体制であったりとか、ちゃんと良質な運営が保たれるかというところも、逆にこの機会により注力してもらえればなと思うので、そこはお約束してもらえればなと思います。 ◆松井孝至 委員 ちょっと数字でいろいろ教えてほしいんですけれども、資料1のところで、全国のことと、一部、川崎市の状況が書かれているところもありますけれども、有効求人倍率とか給与水準、また、一番下の介護職員の労働環境への意識というところで、川崎市の実態というか、そういった数字があれば教えていただきたいと思います。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 川崎市におきましても、高齢者の施策の中で、労働関係の調査をさせていただいております。介護職員の労働環境への意識にもあるんですけれども、仕事の満足度のベスト3ということで、これは国の数字が出ていますが、川崎市の25年度の調査によりますと、「仕事の内容・やりがい」は、49.3%の方がやりがいを感じている。「職場の人間関係、コミュニケーション」は、国が30.8%ですが、川崎市の場合には32%の方が人間関係がよいと考えている。それと、「雇用の安定性」は、国が19.9%ですが、川崎市の実態だと18.4%と少し低い数字になっております。また、ワースト3のところで見ますと、「賃金」は、国は22.5%の方が賃金が低いというお答えがありましたが、川崎市の場合ですと30.7%ということで、ここは川崎市のほうが賃金がもっと低いと考えている方がいらっしゃる。そのほか、「教育訓練・能力開発のあり方」は、川崎市で14.5%、「人事評価・処遇のあり方」では、15.7%。川崎市では、こういった労働環境の意識に置かれていると考えております。 ◆松井孝至 委員 ありがとうございます。いいほうは数字が高いところもありますけれども、ワーストは全国と比べるとみんな低いということで、何らかの課題があるのかなと思います。  それも影響しているのかもしれませんが、離職率は、全国平均が16.5%のところ、川崎市は、平成25年になりますけれども、32.7%とほぼ倍の数字なんですが、この要因が何かおわかりならば教えていただきたいと思います。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 川崎が特別ということではなくて、恐らく大都市特有の問題だとは考えております。離職率が高い理由につきましては、やはり一番として、ほかの産業に比べて賃金が低い傾向にあるということや、仕事の中身として、肉体的、精神的な負担が多い、あるいは、人手が少なくて、職員1人にかかる負担が大きい等が原因だとは考えております。また、介護の仕事から介護の仕事へ転職した方のやめた理由をお聞きしますと、事業所の理念や運営のあり方に対する不満があったりとか、あるいは職場の人間関係、こういったことを主な理由として挙げられています。こういったこともありまして、賃金の引き上げに加えまして、職務の専門性とか、キャリアへの評価とか、あるいは対人関係に関するストレスを解決する仕組み、こういったところが今後課題となってくると考えております。 ◆松井孝至 委員 ありがとうございます。  では、離職率について、川崎が出ているんですけれども、横浜とか東京とか、その辺の数字はありますか。先ほど大都市特有という話だったので、その辺をちょっとお聞かせ願います。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 詳しい数字は持っておりませんが、東京と横浜は、川崎よりも、介護に限定ということではなくて、全体として比較的賃金水準が高いと伺っております。 ◆松井孝至 委員 そうすると、離職率は川崎より低いという認識なんですか。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 離職率の数字まではこちらでも押さえておりません。ただ、やはり大都市はどこも介護人材の不足を挙げておりますので、離職率につきましては、ほぼ同様な傾向にあるかと考えております。 ◆松井孝至 委員 不足する介護人材の数では、川崎市で年間360人ふやしていかなきゃいけないと言いますけれども、実際、この数字を見ますと、約3分の1が離職されているということで、360人以上、約500人とか、そんな人を毎年毎年ふやしていかなきゃいけないと思いますけれども、その辺の施策はどう考えているか教えてください。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 介護人材の確保につきましては、やはり介護保険の根幹にかかわることと川崎市も考えておりますので、4つの視点を持ちまして、介護人材の確保を進めております。1つ目が人材の呼び込みということで、福祉、介護に関する普及啓発を行ったり、イメージアップを図ったりしております。2つ目が就労支援でございまして、この中では、就職相談会とか無料職業紹介、あるいは資格取得者への就労支援等を中心に人材の確保に努めています。3つ目の視点といたしましては、定着支援ということで、職場環境の改善、職場のメンタルヘルスケア等にも取り組んでいるところでございます。最後、4つ目の柱がキャリアアップ支援ということで、各種研修講座を開いておりまして、たんの吸引研修とか、訪問看護師の養成講習等も含めまして、幅広い形で人材の確保に努めているところでございます。 ◆市古映美 委員 資料1のところでいろいろと説明していただいたんですけれども、有効求人倍率が3.46倍と非常に高いんだけれども、実際にはなかなか人材が確保できないということと、それから、従業員の不足感というのは、川崎がこれだけ全国平均よりも高い。これは都市特有の状況だとおっしゃったんですけれども、先ほど課長から話がありました川崎で行っている人材確保の4つの方針というのは、もう以前から、たしか去年審議したときにも、こういう形で、うちのほうは人材確保に努力しているんだというお話だったと思うんですけれども、これは実際に効果はどのくらい上がっているんですか。これは新しい資料ですから、前回の附属資料は今見てはいないですけれども、今回はどのくらい上がっているのかということと、もろもろの条件があるとしても、こういうふうにして離職率も全国平均の倍ですよね。こういうことをどのくらい深刻に考えて、どういう手を打っているのか、この4つのところが本当に機能しているのかどうか、その辺についてはどうなんでしょうか。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 確かに4つの視点で介護人材の確保に努めておりますが、なかなか効果が如実には出てきていないという事実はございます。そういったこともございまして、①から④の人材の呼び込みからキャリアアップ支援を一元的に実施する事業として、介護人材育成雇用事業というのを28年度に実施しております。これは求職者に介護職員初任者研修を受講していただいて、その方を市内事業所へ派遣する。さらに、介護事業所においては、インストラクター養成研修ということで、受け入れ側も研修をしていただく。そういった形で、①から④までを総合的に実施するような事業も開始しておりますので、こういったところの中身を検証しながら、さらに介護人材の確保に努めていきたいと考えています。 ◆市古映美 委員 東京だとか、そういった大都市でも、人材不足というのはかなり深刻に受けとめていて、自治体ごとに、こういった研修だとか相談だけじゃなくて、いろんな取り組みをしながら確保していかないと、どんどん人が流れていってしまうと。川崎だって、今、子どもの人口がふえていますけれども、高齢化というのはこれから確実に進んでいくわけですから、きちんとフォローしていかないと、本当に大変な事態になってしまって、これはボランティアとかで賄い切れる問題じゃないと思うんです。やっぱりそれだけ本当に専門職種の介護が必要な人が出てくると思うんです。そういうことに関して、ほかの自治体では、もっと直接的な支援を積極的にやっているんですけれども、そういうことについては――ごめんなさい、川崎のことを聞いたんですけれども、そういう施策の展開というのは、これ以上のことは全く考えていないんですか。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 他都市の状況も踏まえまして、いろんな情報を収集はしております。その中で、例えばバスのツアーを行って、施設の見学をしてもらったりとか、他都市でうまくやっているような事業を川崎市でも取り入れて実施させていただいております。大都市会議等でも、こういった課題は出されておりますので、情報を共有しながら、よいところは川崎市も踏襲できるような方法を考えていきたいと考えております。 ◆市古映美 委員 市の直接的な財政的な支援も含めて、やっぱりもう少し検討していかないと、本当に他都市のところで進んでいる自治体もありますから、これはどんどん差が開いていって、実際、ワースト3の中で、先ほどのやりとりのように、確かに賃金だけではないといっても、ワースト1の賃金が30.7%と全国平均よりも高いじゃないですか。こういうことが起きているんだというところで、やっぱり積極的に手だてをとらないと……。だって、ここに出ているように、ホームヘルパー、それから、福祉施設の介護員は、全職種平均に比べて110万円下がりますよね。これは川崎だけじゃなく、全国平均ですけれども、これだけ下がって、今後、1万円相当の処遇改善が行われる予定となっていますが、これだけでやったとしたって、まだ100万円近い差が出ているわけです。これをどうやって引き上げていって――最後はこうやって低い水準にあって、離職率が高くて、なかなか人材が集まらないということは、結局、介護を受けている側のところにいろんな影響が出てくるんだろうと思うんです。  ですから、この問題について、国に対しても要望しているんだろうと思うんですけれども、これだけ長く全国平均よりもかなり下がるという点では、川崎市としても積極的に独自策を検討していくという段階が必要なんじゃないかと思うんですけれども、部長はどんなふうにお考えですか。 ◎関川 長寿社会部長 確かにここで全国平均と比べますと、年収ベースでかなりの差が出ているという現実がございます。それから、離職率が高いということにつきましても、都市部の悩みということではありますけれども、こういうような状況が出ている。ただ、市独自の支援を賃金の部分にということになってまいりますと、やはり介護保険事業は介護保険の報酬と利用者さんの一部負担金で賄うということで、持続可能な制度として継続していかなければならないということを考えますと、ほかの例えば保育なり障害なり、さまざまな産業もありますので、介護保険のところのみに市による助成というのはなかなか難しいかなとは思っております。  平成12年度に介護保険法が施行されましたが、それ以前、例えば特別養護老人ホームは、措置施設という形で運営をされておりました。措置施設は、当然、措置費で運営されますので、介護保険になって以降は、介護保険制度ということで、新設の場合は少なくとも100ベッド以上、いわゆるある程度スケールメリットがある中で介護報酬で運営をしていくということなんですが、それ以前に開設されているところにつきましては、定員50とか60とか、事業者さんが施設のほうで頑張っても、なかなか収益的には厳しいという小規模な特養などもあります。そういうところにつきましては、50ベッドのところには人件費2人分、51人から60人のところについては人件費1人分、概算で1人当たり300万円程度なんですけれども、本市で支援を行っているところでございます。 ◆市古映美 委員 それは川崎市の独自の施策としておやりになっているんだと思うんですけれども、ただ、実際的には、こういう介護職員を取り巻く状況は、ここ何年か審査をする中で資料を提出していただいても、同じような状況で、全然縮まっていないわけです。だから、抜本的な国に対する要望と同時に、川崎市の独自施策もやっぱり展開していかなくちゃいけないんじゃないかと思うんです。  それと、さっき、職員の配置基準で、3対1については国が決めているんだというお話だったんですけれども、3対1基準はいつから決まったんでしたっけ。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 介護保険制度ができてからということで、私は認識しております。 ◆市古映美 委員 そうすると、2000年ということですね。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 そのとおりでございます。 ◆市古映美 委員 それ以前は――特養ホームなんかはそれ以前にあったわけですけれども、そういうところについては、この基準じゃなくて、もっといろいろと千差万別だったんですか。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 平成12年に介護保険制度ができ、それ以前は、特別養護老人ホームは措置制度ということになっておりますけれども、今把握をしておりません。済みません。 ◆市古映美 委員 やっぱり介護を取り巻く状況もかなり深刻化しているんじゃないかと思うんです。特養ホームだって、今、要介護3以上というのが一応基準になっていて、川崎はそれ以前から要介護3という形で基準を設けたわけですよね。そういう中で、重症化というのでは、要介護4とか5の人たちが介護現場に入ってきているということと、ここのところでは、利用者の重症化とか、要介護3と5の関係では、ずっと徘回する方と寝たきりの方を見れば、寝たきりの方を介護したほうが介護職員にとっては少し負担は軽いんだとか、いろいろと議論はあります。それからあと、介護のみとり、最期まで見るということも介護施設では今かなりやっていますから、そういう点から見て、現場の今の現実的な状況から見て、この3対1の基準というのが本当に大丈夫なのかというところは、費用がかかるという問題がありますけれども、考え方としてはどうなんでしょうか。3対1のままでいくというのは、本当に大丈夫なのかどうかということです。 ◎関川 長寿社会部長 3対1というのは、まず少し機械的なことを申し上げますと、これは国のほうで定められた基準であって、我々のほうでは、それを受けて、条例化をして、最低基準を定めている。これは従うべき基準ということで、これ以外の考え方はできないということになっています。ただ、現実の問題を言いますと、市古委員から御指摘いただいたとおりでございまして、3対1というのはあくまで最低ということであって、実際の運営をしていく中で、徘回される方もいらっしゃる、その他にもそれぞれ問題を抱えている方が大勢いらっしゃるということで、3対1では、現実、なかなか運営ができなくて、具体的な数字は施設によって若干違いますけれども、例えば2.5対1とか、そういうような人の配置で運営をしているのがむしろ一般的ということでございます。その中で、人件費、介護報酬については、国のほうで定めた基準以上のものは出てこない形になりますので、その中で各施設のほうで運営、やりくりをしていただいているという現実がございます。  介護保険法の改正は、本来、30年度だったんですけれども、資料でも少し御説明しましたように、1年前倒しをして、29年度、ことしの4月から処遇改善加算の第3弾ということで加算を増額させるということで、一定、対応させていくというようなことでございます。 ◆市古映美 委員 そういうふうにして、最低基準が国の基準としてあるということだけれども、現実的には、今部長がお話ししてくださったように、現場ではとてもこれでは対応できないということで、人の配置を少し加味して、配置をふやして対応しているというところがある。ですから、やっぱりこの問題については、国に対して、現実から見て、この辺の見直しというのをきちんと迫っていくというか、要求していくことが必要なんじゃないかなと、今のやりとりの中でも改めて私は感じたところなんです。それをまた川崎市が補填するということになると、現実的には国の足りない分を川崎市に補填してほしいということはありますけれども、やっぱり国が基本になりますから、こういう点については、きちんと要望していくことが必要なんじゃないかと思います。  それから、最後ですけれども、今回、月額平均で1万円相当の処遇改善が行われる予定だということですけれども、これでもまだ100万円の差があります。ただ、先ほどの課長の答弁ですと、もしこれを上げるとなると、介護保険料にはね返るとか、税の負担も上がるんじゃないかというお話だったんですが、これでもいいとは思わないじゃないですか。こんなに介護の現場で働いている人の賃金が一般の全職種の平均に比べて低いということに関して、じゃ、どうしたらいいですかというところは、どういうふうに考えるんですか。 ◎成田 健康福祉局長 資料1の賃金水準のところなんですが、実は勤続平均年数は、全職種の平均は12.1年、介護の現場は5.7年ということで、ここを一概に比較するという部分は、逆に介護現場の方が12年いたときにはどういう給料になるかと言えば、金額的に言うと、かなり上がってくると思うんです。ただ、平均勤続年数が5.7年というぐらい定着ができていないという現状はあると思います。ですから、介護の職員の方がそれぞれの事情があって職場への定着ができていないという形になりますが、自分のキャリアの中で、平均勤続年数がもっと上がっていくような形にしていく必要性は、あらゆる角度からしっかりとやっていかないといけないんだろうなと考えます。  それと、介護人材の考え方なんですけれども、各介護現場では、さまざまな工夫をやっていらっしゃいます。例えば介護ロボットの導入といった、介護の負担を軽減していくような取り組み、それから、社会福祉法人によっては、いわゆる高齢者のヘルパーさん、要するにシルバーパートを使うといったことで、労働負担が大きいところは若手の方がやって、違うところの役割をしっかり担ってやっていくといった工夫を積極的にやっていらっしゃるところ、あるいは、昨今は、EPAの議論から、外国人労働者といいますか、外国人ヘルパーといったことで、国は就労パスのところの考え方を変えてきて、そういったことも今後やっていくということで、法人さんも、今言ったようなところの観点で、さまざまに工夫をしてやっていらっしゃるところもございます。  私どもとしましては、いい取り組みはもっと各事業者さんにもお伝えしながら、既存の介護人材の確保は、若い方たちに対して、介護の現場の魅力をもっとお伝えし、小学生や中学生の方にも発信して、皆さんがそういうことを目指していっていただくというような環境をつくっていくことは当然ですけれども、違うところの観点にも今後はしっかり取り組んでいかなければならないだろうなと考えております。 ◆市古映美 委員 ありがとうございました。勤続年数が違うから単純に比較できないというのは当然だと思うんですけれども、ただ、これは保育士にしても、介護で働く人たちにしても、結構年数を働いても、今の賃金体系では余り上がらないんです。そうなると、やっぱり食べていけないですから、少しでも食べていけるものということでは、また別の職種を探すということで、本当に定着した介護職員が得られないと。そういうことで、保育のほうはかなり大胆に賃金を引き上げるということを打ち出さざるを得ないんだと思うんですけれども、それは介護にしても、障害者のところにしても、共通の問題だと思うんです。  これ以上やりとりしませんけれども、やっぱり上げると介護保険料が上がるとか、税の負担が重くなるということは、私の考え方からしてみれば、介護保険料を上げないでやる方法だって、国の段階で考えられることはあると思うんです。それはまた別の財源の出し方があるし、それから、かえって国民に税の負担がかかるんだというのも、税の使い方の問題ですから、こういう点では、ボトルネックみたいにして、先が全く見えないようなことではなくて、もっと違った方法もあるんだと私は思いますので、長くなりましたけれども、とりあえず……。 ◆岩隈千尋 委員 では、1点、ちょっと確認させていただきたいんですけれども、市長の肝いりでやっておりますかわさき健幸福寿プロジェクトに関連してなんですけれども、先ほど市古委員のほうからも、市の独自の施策ということで、これまで皆さん方から御説明がいろいろあったと思うんですけれども、利用者さんに改善が見られたりとか、一定の成果を上げた場合にはインセンティブをつけるというのが健幸福寿プロジェクトの趣旨だと思うんです。こういったものが今後報奨とか表彰をされるという話なんですが、そういったものが例えば働く介護職員の労働環境の意識のところにも――本市の場合は非常に悪い数字が並んでいるわけなんですけれども、利用者さんが改善されましたよ、職員さんたちのモチベーションが上がりましたよ、ひいては、こういった数字に改善が見られたとか、そういったところにつながるのかどうなのか。本市の健幸福寿プロジェクトがこういった問題に対してどのように寄与しているのか、効果があるのか、それを皆さんはどういうふうに分析をされているのか、ちょっと教えてください。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 健幸福寿プロジェクトにつきましては、昨年7月から本実施ということで、ことしの6月末まで実施する予定でいます。今委員からお話しいただきましたとおり、目的といたしましては、利用者の要介護度の維持を目指して実施していく中で、確かに働く方のモチベーションを上げること等も含めてこういった事業を進めているところでして、一番は、やはり利用している方ができなかったことができるようになる、それを見て、職場の介護をしている方々のモチベーションが上がって定着につながる、こういったところを目指しているというのが現実でございます。 ◆岩隈千尋 委員 では、先ほどお話をしましたように、例えば労働環境というか、具体的に言ったら、事業者さんが表彰されることによって、何らかのプラスアルファじゃないですけれども、最終的に個人個人の報酬が改善されたり、少しでも上がるとか、そういったことは、この健幸福寿プロジェクトの中ではなかなか難しいですよという感じなんですか。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 報奨金の関係も含めまして、インセンティブを考えてはいるところですが、報奨金につきましては、今のところ、各事業所5万円程度と考えておりますので、それが直接従業員の方の収入アップにつながるとは認識しておりません。ただ、それが励みになって、例えば事業所にとっては、そういった認証を受けたということが対外的に言われますと、それが事業所のイメージアップにつながるといったことも含めて、インセンティブを今後考えていきたいと考えております。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。「仕事の内容・やりがい」がベスト3の中のトップに来ていますから、こういったものが何らかの寄与をしてもらわないことには、旗だけ振って、それがどうなったのか、効果的なものが今後どういうふうになるのかというのもありますので、またこういったものも含めて、いろいろ我々も議論させていただきたいと思います。結構です。 ◆末永直 委員 これは私ごとではあるんですが、私の友人が介護施設で働いていまして、ちょっと前までは夜勤を2人体制でやっていたんですが、経営が悪くなったのか、急に1人になって、1人夜勤の場合、いろんなところでコールが鳴ったりとか、徘回とかで、非常に過労というか、負担が大きくなってしまって、その方は仕事をやめることを余儀なくされて、この施設からはやめてしまうということで、悲痛な叫びのようなものを最近聞いたので、介護職員の処遇改善問題だったり、人員配置基準の問題だったり、個人的には非常に重要な問題であると考えております。しかしながら、国のほうも財源は限られておりますし、社会保障費もどんどん伸びておりますので、大変難しい問題だと思っております。  そこで、3点、私としては質問させていただきたいんですが、まず初めに、資料2の5、国の介護報酬改定のところなんですが、ここには「地域包括ケアの推進等を踏まえ、改定率△2.27%とされた」と書いてあるんです。ここでちょっと教えていただきたいんですが、本市として地域包括ケアを進めていくんですが、今後、地域包括ケアが推進されていったら、今後の報酬の改定としては、どういうふうに変わって、考慮されていくのか、教えていただきたいんですが。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 平成27年度の介護報酬の改定の件でございますが、この地域包括ケアは、例えばグループホームなどの認知症の重度加算などが変更ということで、改正で多くなっております。地域で認知症のような重度の方でも支え合うということで、中重度の加算を算定するということで、今回、介護サービスの充実でプラス0.56%がついているということでございます。 ◆末永直 委員 可能性の話で結構なんですが、今後、どんどん推し進めていったら、それが国の介護報酬改定において、どういうぐあいに考慮されるんでしょうか。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 地域包括ケアシステムは、各施設よりも自宅でより長くお元気で過ごしてもらうということになります。この報酬については、施設に対する居宅部分の給付金に比べると、やはり居宅部分のほうが低いということもありますので、将来的なことを考えれば、この地域包括ケアを進めるということは大変重要であると考えております。 ◎成田 健康福祉局長 補足をさせていただきます。本市におきましては、地域包括ケアシステムは、子どもから高齢者、障害者を含めて、全ての方を対象としています。ただ、国のもともとの地域包括ケアシステムの考え方は高齢者という形にしておりますので、介護保険の立場から言いますと、例えば従来ですと、介護保険でヘルパーさんが行ったときに、掃除から、食事、見守りまで、全部をフルスペックで見ていた方が、この間のヘルパーさんとか、いろんな方の意見交換の中で、いや、全てでなくて、この方は見守りだけやれば十分頑張っていける方なんですとか、掃除だけは必要ですねとか、さまざまな状態像の方がいると。そのときに、その1人の方に対して、今までであれば、介護保険で全部を見ていたことを、ある意味見直しをして、仕組みを変えていくというような、軽度な方は違う形もあるんじゃないでしょうかといったような発想から、今般の介護予防・日常生活支援総合事業は、ある程度のそういった見直しもあったものと思っております。つまり、担い手をいろんな形でつくっていくということが進んでいくことで、軽度な方に対する支援がやりやすくなる。そのことが、介護保険全体の中で言えば、国の目指す介護報酬がどんどん上がっていくというところのある意味での抑制効果にもなっていくのかなというのは、片側ではあるのかなと思っております。 ◆末永直 委員 局長から御答弁いただき、ありがたかったんですが、私がお聞きしたいのは、本市が包括ケアを推進して頑張れば頑張るほど、国のほうで介護報酬が上がるのか、もしくは下がっていくのか、その可能性についてお伺いしたいんですが。頑張れば報われるのかという。「包括ケアの推進等を踏まえ」とあるんですが、どういうふうに踏まえられていくのかをお伺いしたいんですけれども。 ◎成田 健康福祉局長 全体的なところの話で申し上げますと、高齢にしても障害にしてもそうですけれども、基本的には在宅という流れがあると思います。その中では、やはり医療依存度の高い方に対する支援といったことも非常に重要でございます。そのときに、今、担い手が全体的にいない。つまり、介護だけではなくて、看護もそうですし、医療といったところに関しても、全体的にどうしていくのかという今の大きな流れの中で、例えば在宅医療に関しては、今後、地域の中で医療関係と介護関係が一緒になって、どうやって1人に対するケアを考えていくんでしょうかというような全体的な議論があります。つまり、一人一人の方に対して、今までだったら、どちらかというと、一つ一つが分断されているといいますか、なかなか連携できなかったものが、みんながしっかり連携をして、ケアを進めていくということが重要だと思うんです。そのことが例えば介護保険全体に対して下げていくというよりも、要するに扶助費とか社会保障全体の中で、これから社会全体を支えていかなければいけない。その全体の右肩にぐっと伸びていくものをある程度抑えていくという効果があるのではないかと考えています。 ◆末永直 委員 わかりました。私としては、地域包括ケアを進めていけば、国の介護報酬改定によって、いい結果が出るということが、介護職員等の希望になるんじゃないかと思って、質問させていただいたんですが、なかなか具体的にお答えできないということで、理解させていただきました。  2点目なんですが、先ほど松井委員がおっしゃった質問に対する答弁で、4つの介護人材確保に向けた本市の方針を提示していただいて、1点目が人材の呼び込み、2点目が就労支援、3点目が定着支援、そして、4点目は研修と受けとめさせていただきました。これは私の意見なんですが、先ほど局長が介護ロボットの導入等をおっしゃっていて、非常にいいなと。昨年11月に我が党で名古屋市のティンクルなごやという重症心身障害児施設に視察でお伺いしました。その施設に、何という機械かは忘れましたけれども、全部の部屋にレールみたいなのがあって、体にがちっとつけて、それで持ち上げたり、移動させたり、スムーズになるような介護機械が導入されてあって、これらが導入されたら、介護職員にとっての負担軽減にもなるんじゃないかなと思いました。先ほど局長がおっしゃったような介護ロボット等の導入は非常に大事だと思いました。これは要望なんですが、ぜひ補助金等、何らかの補助をつけて、本市でも導入していただきたいなと思います。
     続いて、3点目なんですが、資料2の賃金改善方法の「介護職員の賃金(基本給、手当、賞与等)の改善によって行う」というところなんですが、介護職員処遇改善加算が創設され、これは各事業所の判断にもよると思うんですが、基本給が上がった場合、ボーナスの額がふえていくと思うんです。この処遇加算によって、ボーナスの額を上げざるを得なくなって、非常に事業所の負担になったみたいな声はございますでしょうか。 ◎井本 高齢者事業推進課担当課長 負担のほうの声は聞いておりませんが、ここにあります処遇改善がプラス1.65%――これは全体になりますが、この部分を事業所のほうに配当というか、加算になっていますので、そこでのやりくりになります。このものを基本給なのか、また、手当なのか、賞与なのかということは、事業所の判断であり、その中でやりくりをしてもらうということになっておりますので、負担ということはないのかなとは考えております。 ◆末永直 委員 わかりました。理解できました。ぜひ介護職員の確保、処遇改善、そして、うまくバランスをとりながら、介護事業者にとってもいいような仕組みにしていただきますよう要望いたします。終わります。 ◆後藤晶一 委員 ちょっと1点だけ、確認なんですが、これは事務局に聞きたいんですけれども、「『介護従事者勤務環境改善及び処遇改善の実現』を求める意見書」の右側に「【地方議会 意見書モデル】」とあるんですが、これは何なんですか。陳情書とともに、合わせてつけてきたんですか。あえて中身まで書いちゃっているんだけれども、どこからどういうふうに出てきたのかは確認できますか。 ◎綾部 書記 こちらは陳情者の方から参考資料ということで一緒に提出されたものでございます。ほかの委員会の事例ですと、例えば地図をつけてきたりですとか、そういったもので、あくまで出されたものを受け取って、一応陳情書につけているという形でございます。 ◆後藤晶一 委員 事務局にこれ以上言ってもしようがないんですが、要は、万が一、意見書を出すにしても、中身、文章、文案も含めて、委員会で諮って、しっかりと意見書としてまとめ上げるべきものを、こういうことを出しなさいといって、委員会に対して出してくることに私は納得できないというか、理解できないです。だから、こういうモデルでやれということは、そういうことを極めて意図してやっていると感じざるを得ないので、今ちょっと確認をさせてもらったんだけれども、ちょっと中身の議論とは違うので申しわけなかったんだけれども、わかりました。だけれども、これはちょっといかがなものかなと。今まで、私が知り得る限りでは、意見書の文案まで全部考えて、これで出せというところまで陳情とか請願で出されてきたという記憶は余りないんです。それはあるかどうかを確認できれば、もう一回、ちょっと聞きたいです。 ◎綾部 書記 こちらは比較的毎年同じ陳情が出されているんですけれども、昨年も同様に、意見書モデルということでつけていただいているものをそのままあわせております。意見書を出す場合は、もちろんこちらで正式な案はつくるんですけれども、あくまで参考ということで、一緒につけさせていただいているという形でございます。 ◆後藤晶一 委員 わかりました。私は去年は健福じゃないんですが、昨年も同様の趣旨で出されていますよ、意見書の参考モデルと一緒に出ていますよということなんですけれども、毎回毎回、こういう形でやると、委員会に対する軽視というんじゃないんだけれども、委員会が決めるべき意見書なのに、そこの中身まで踏み込んでやれという、それを我々としてどこまでいいというふうに判断するのかなと。市民から出されてくるわけだから、それはそれですごく大事なものなんだけれども、中身も介護のことで重要なことなんだけれども、そういうことに私は違和感を感じたので、今ちょっと確認させてもらっただけです。結構です。 ◆岩隈千尋 委員 先ほどの後藤委員の御発言なんですけれども、実は我々も同じことを考えておりました。これはさすがに団体さんまたは個人の方が認められる請願・陳情権を阻害するものではありませんけれども、いわゆるロビー活動を全国的にやっているよと見られても仕方がないようなペーパーです。そういったことに関しましては、これは議会局のほうにもお願いしたいんですが、昨年も添付していたから、これを同様に添付するではなくて、出されたときに、こういったものを本来であればつける、つけないということのアドバイス程度のものはその方々に――どうしてもその請願・陳情者の方が添付したいというのだったら、それは別に抑制されるものではないですけれども、こういったものの取り扱いについては、きちんと前段で考慮していただきたいなというのは、意見として述べさせていただきます。結構です。 ○田村伸一郎 委員長 ほかに質疑、意見・要望等がなければ、取り扱いに入りたいと思います。本件は国に対して意見書の提出を願うものでございますので、この点も含めて御発言をお願いしたいと思います。 ◆坂本茂 委員 先に審査しました68号と非常に扱いが似通ってくるので、むしろ一旦は提案しますから、皆さんの考え方がうまくまとまっていけばと思います。  まず最初に、意見書については、特に出す必要はないのではないかということであります。それから、陳情項目の1、2、3、全体の文章については、川崎市もこれについては、これでもか、これでもかといろいろ講ずるんですけれども、非常に喫緊の課題でありながらも、なかなか効果的な施策というのは上がってこない。それは、比較的全国展開をしている介護施設があったり、本当に地域の中で小規模で事業展開する業者もいたり、とにかく大中小というんでしょうか、そういう中での介護従事者の処遇改善ということですから、本当は一律にすぱっとできればいいんでしょうけれども、なかなかそこが思うようにいかないという、じくじたる思いもあります。したがって、ここで言われている陳情項目1、2、3については、川崎市においても、国においても、地域包括ケアであるとか、いろんな施策を講じていますから、今後もしっかりと私たちが見守っていく大事なテーマだと思っております。  そのことを踏まえた上で、先ほどの68号は、意見書については出す必要がないということから、扱いについては不採択という流れがありました。前のことを考えると、前はこれを分けて、意見書を出さないんだけれども、本文については継続という話を伺いました。ただし、きょうの段階で、68号があのような扱いになれば、必然的にここもそうせざるを得ないのかなと思いますので、本文についての状況は十分承知しますけれども、扱いは不採択ということにならざるを得ないのではないかと思います。 ◆後藤晶一 委員 今、坂本委員のほうからお話がありまして、国のほうも介護加算の待遇改善も含めてずっと取り組んでいる、それをしっかり見守っていきたいということで、我々もそういう趣旨に同感をいたします。  たまたまきょうは68号と66号を一緒にやって、68号のほうの意見書案は出さないということで不採択という形になったので、今回はやむを得ないのかなと。中身としては、非常に重要な介護のことですので、これは前向きに見守っていかなければいけないんだけれども、意見書案を出すという視点から、不採択という形でという意見です。 ◆松井孝至 委員 今、自民党さんも公明党さんも、意見書については出さない、取り扱いについては、中身は本当に喫緊の課題というか、本当にこれからしっかりと検討していかなきゃいけない課題であるということですけれども、先ほどの68号の取り扱いを見ると、やはりこの陳情自体は不採択という形で言われております。私どもも意見書については出さないというふうに思います。陳情の取り扱いということでは、先ほどの68号は意見書を出す陳情で、意見書は出さないということで不採択となりました。66号も同じ意見書を出すという陳情で、同じ日にやっていますから、出さないという方針が決まれば、やはりそれは不採択にならざるを得ないと思います。ただ、この陳情されている項目については、国もいろいろ見直しとかそういうのはやっておりますし、やはり今後もしっかりと見守らなきゃいけないと思いますし、川崎市としても解決して対応していかなきゃいけない課題だと思いますので、そういったところはまた別の議論ということでとっておいていただいて、またしっかりと調べていただいて、市として、一定の方向を出していただきたいという要望も伝えまして、陳情自体は不採択ということでお願いします。 ◆市古映美 委員 皆さんが明確にそういう態度を示されたという点では、私たちはずっと今までも議論をさせていただきましたけれども、やっぱり川崎は、介護人材の問題では、全国平均に比べてもかなり改善しなければいけない問題があって、これは実際には事業所内の努力ではにっちもさっちもいかないような問題というのはたくさんあるんだろうと思うんです。市には努力していただきたいと思いますけれども、ずっとこの間、介護職員の処遇改善で出てきているというところでは、私も明確に言いますけれども、これについては意見書を出すべきだし、この陳情については採択すべきだと考えます。 ◆添田勝 委員 陳情項目について、冒頭の質問のときに少し触れましたけれども、やはり1の「介護現場で働く全ての労働者の処遇改善」というのは、本当に上げるべき職責の重い人とそうではない人というのがいますので、本当に上げるべき、命を預かっているような職責の人の分がかえって上がりにくいみたいな現象になってしまったりもするので、「全ての」というのは非現実的だなと思うから、そこはちょっとどうかなと考えています。2についても、人員配置を今段階でいきなり2対1にする。理想的ではあるんですけれども、そんなことをやったら、かえって本当に現場の人手不足に拍車がかかってしまう話なので、やはりもっとなり手がふえるような政策を打った上でこういうことを考えていかないと、現実的ではないなと思っています。それらを踏まえて、意見書は出すべきではないと。書いてあることの気持ちはすごく理解するし、皆さんがおっしゃるように、重要な問題ではあるんですが、手続的な流れで不採択にせざるを得ないということです。 ○田村伸一郎 委員長 御意見、ありがとうございました。  それでは、意見書を提出することにつきましては、全会一致となることが条件となります。今回の場合は全会一致となりませんので、意見書の提出には至らないということで御了承をお願いしたいと思います。  この陳情の取り扱いにつきましては、自民党、公明党、民進みらい、添田委員が不採択、共産党が採択ということで、それぞれでございますので、採決に入りたいと思いますが、いかがでしょうか。                 ( 異議なし ) ○田村伸一郎 委員長 それでは、「陳情第66号 介護従事者勤務環境改善及び処遇改善の実現について国への意見書提出を求める陳情」につきまして、採択することに賛成の委員の挙手を願います。                 ( 賛成少数 ) ○田村伸一郎 委員長 挙手少数です。よって、本件は賛成少数により不採択とすべきものと決しました。  ここで理事者の一部交代をお願いしたいと思います。                ( 理事者一部交代 )         ───────────────────────── ○田村伸一郎 委員長 お手洗いの休憩をさせていただきます。                午後 0時15分休憩                午後 0時20分再開 ○田村伸一郎 委員長 それでは、再開したいと思います。  次に、所管事務の調査として、健康福祉局から「『高齢者・障害児者福祉施設再編整備基本方針(案)』の策定について」の報告を受けます。  理事者の方、よろしくお願いいたします。 ◎成田 健康福祉局長 「高齢者・障害児者福祉施設再編整備基本方針(案)」の策定につきまして、お手元の資料に基づき、高岸企画課長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◎高岸 企画課長 それでは、「高齢者・障害児者福祉施設再編整備基本方針(案)」につきまして御説明させていただきますので、お手元の資料1をごらんください。  当案件につきましては、昨年11月4日の健康福祉委員会で、検討状況の中間報告をさせていただいたところでございますが、その後、施設運営者・運営法人への説明を行うとともに、御意見を伺い、その結果を踏まえ、再編整備に向けた基本方針(案)として整理したものでございます。本日は、中間報告からの主な変更点に触れながら、改めて全体を御説明させていただきたいと存じます。  初めに、左上、1、検討の視点でございますが、1つ目といたしまして、公設、民設とも、多くの高齢者・障害児者福祉施設で老朽化が進んできておりますが、その多くが敷地内や近隣地に建てかえ用地を確保できない状況にあることや、市有地に設置されていることを踏まえ、サービス提供を継続しながら施設を更新するための方策について検討、調整を行っていく必要があると考えているところでございます。  2つ目に、福祉ニーズが増大するとともに、多様化、複雑化してきていることから、施設機能を効率的、効果的に活用するため、施設の更新と合わせた利用定員の増員や、機能の集約、再編等について検討してまいります。  3つ目に、民間によるサービス提供が可能となっているサービスを供給する公設施設について、今後のあり方を検討してまいります。  4つ目に、民間によって質の高いサービスが安定的に供給されるよう、施設整備に係る行政支援のあり方を再構築するとともに、施設の経営改善に向けた支援のあり方について検討してまいります。こちらの経営改善に向けた支援のあり方の部分につきましては、事業者からいただいた御意見を反映し、中間報告から加筆したものでございます。  5つ目に、再編整備を円滑に進めるためには、民間と協調した取り組みが必要となることから、国が進める社会福祉法人制度改革の動向を踏まえながら、再編整備を計画的に進められるよう、施設運営者・運営法人と協議を行っていく必要があると認識しているところでございます。  最後に、この基本方針(案)は、昨年11月の中間報告以降、施設運営法人等から聴取した御意見も踏まえて策定したものでございますが、平成29年度末の基本計画の策定に向けまして、引き続き施設運営法人等との協議を行ってまいります。  次に、資料左下段の2、再編整備の基本的な考え方でございますが、まず、(1)施設の老朽化への対応といたしまして、入所施設はおおむね築35年以上、通所施設はおおむね築40年以上、軽量鉄骨造はおおむね築20年以上の施設について、老朽化の進行度合いに応じながら、計画的に建てかえ等を実施することとし、その際には、用地の調整や整備費補助の仕組み、施設の長寿命化への対応策等につきましても、あわせて検討していく必要があるものと考えております。こちらの施設の長寿命化への対応策の検討の部分は、今回、新たに加えた部分でございます。  次に、(2)施設機能の再編・統合等といたしまして、老朽化対策とあわせて、利用定員の拡充や、他の施設機能への転換、新たな施設機能の追加に向けて、基盤整備の促進策を検討してまいります。  次に、(3)公設施設の見直しといたしましては、民間によって質の高いサービスが十分に提供されている分野につきましては、設置主体を民間に転換することによって、長期的な視点に立った施設運営を可能とするなど、効果的なサービスが提供できるよう、公設施設のあり方について検討してまいります。具体的には、民間によるサービス提供が可能となっている公設施設につきましては、老朽化対策と合わせた民設化を図るとともに、老朽化対策の対象とならない施設については、譲渡や貸し付けによる民設化を行ってまいります。また、既に民間により十分なサービスが提供されるようになった公設施設は、民設施設によるサービス提供への移行を図ってまいります。  次に、(4)社会福祉法人の計画的な事業運営の確立といたしまして、社会福祉法人の中長期的な事業計画の策定と社会福祉法人制度改革への的確な対応を促進するため、再編整備の手法等を検討、調整してまいります。  続きまして、資料右上の3、再編整備の方向性でございますが、この部分につきましては、中間報告の際の記述内容をもとに対象施設を列記させていただくとともに、民設施設によるサービス提供に移行させる公設施設につきましては、その詳細を加筆いたしました。  (1)市有地を貸与する施設類型といたしまして、民間が独自にサービス基盤を整備することが困難な場合には、引き続き市有地を貸与することにより基盤整備を推進していくこととし、その対象施設につきましては、記載のとおりでございます。  次に、(2)公設施設の再編整備といたしまして、①市有地を貸与する施設類型であって、老朽化が進行している施設は建てかえ民設化、②市有地を貸与する施設類型であって、老朽化が進行していない施設は譲渡または貸し付け、③民間で十分にサービスが提供される状況になっている施設類型につきましては、現行の利用者が他の事業所において継続してサービスを利用できるよう対策を講じることを条件として、民設施設によるサービス提供に移行してまいりたいと考えており、対象施設として、老人デイサービスセンター、就労継続支援事業等のみを実施する障害者通所施設、障害者グループホーム・福祉ホームとしております。  次に、(3)指定管理者制度を引き続き適用する施設といたしまして、公設施設として設置する必要がある施設や、給付費だけでは運営が困難な施設等につきましては、引き続き指定管理者制度を適用していく必要があるものと考えております。具体的には、井田重度障害者等生活施設、地域リハビリテーションセンター内に設置されている日中活動センターや地域生活支援センター等が対象施設でございます。また、中央療育センターや地域療育センターにつきましては、公設、民設の運営状況を比較した上で、あり方を協議、検討してまいります。  次に、(4)民設施設の再編整備といたしまして、①市有地を貸与する施設類型であって、老朽化が進行している施設につきましては、民有地に設置されている施設も含めまして、建てかえ支援を行ってまいりますが、②民間で十分にサービスが提供される状況になっている施設類型につきましては、事業者による対応とし、対象施設は、老人デイサービス事業所、就労継続支援事業等のみを実施する障害者通所施設、障害者グループホームとしております。  続きまして、資料の2ページをお開きください。(5)民設施設によるサービス提供に移行させる公設施設についてでございますが、①老人デイサービスセンターにつきましては、現指定管理期間の満了をもちまして廃止する方向で検討、調整してまいります。その際には、現行利用者が円滑に他の事業所に移行できるよう、ケアマネジャーや地域の通所介護事業所等に対しまして協力要請を行ってまいります。  次に、②就労継続支援事業等のみを実施する障害者通所施設であるわーくすにつきましては、直営の中原は平成30年度、大島は平成31年度から平成32年度までに、利用者の通所利便性に配慮した上で、民間による後継事業所を確保するとともに、民間事業所によるサービス提供に移行させてまいります。また、指定管理施設のわーくすにつきましては、当面の間は現行の施設設備を活用することが可能であることから、現指定管理期間の満了をもって民設化することにより、民間事業所によるサービス提供に移行させてまいります。  次に、③障害者グループホーム・福祉ホームにつきましては、民設の障害者グループホームによるサービス提供に移行させる等により廃止する方向でございますが、居住施設であることに鑑み、廃止時期等につきましては、施設の老朽化の進行度合いや利用者の状況等を踏まえながら、今後さらに検討、調整してまいります。  次に、左下の表につきましては、今回、検討対象とした施設類型別の施設数等を整理したものでございます。  次に、右上の4、再編整備の手法等についてでございますが、(1)現・公設施設の民設化と合わせた建て替えにつきましては、現行利用者の引き受けを条件として、現地以外も含めた場所において、民設民営によって事業者を公募し、新設と同様の整備費補助を行ってまいります。  (2)現・公設施設の譲渡・貸付につきましては、現行利用者の引き受けを条件として事業者を公募し、譲渡の場合には、土地は無償貸与、建物は有償譲渡、備品は無償譲渡とし、また、貸し付けの場合には、土地と建物は無償貸与、備品は無償譲渡としてまいります。  (3)民設施設の建て替え支援につきましては、介護保険制度及び支援費制度が開始される前は、制度上、積み立てが認められていなかったことを考慮し、現行定員分につきましては、建てかえにかかる費用から介護保険制度や支援費制度の開始以降に積み立てられていると想定される減価償却費に相当する金額を差し引いた金額の補助、また、建てかえ時に増員する場合には、増員する定員分につきましては、新設と同様の補助を行ってまいります。  次に、5、今後の検討・調整事項についてでございますが、こちらは、この間の施設運営者・運営法人との協議を踏まえ、新たに加筆した部分でございます。  (1)再編整備の実施時期につきましては、この取り組みは長期間にわたって段階的に実施することとなるため、公設施設の建てかえ民設化や譲渡、貸付、あるいは民設施設の建てかえのいずれにいたしましても、具体的な実施時期等につきましては、実施計画の策定過程を通じて調整を図ってまいります。  (2)整備費補助等のあり方につきましては、関係制度の改正や施設建設コストの増減など、施設運営や施設整備環境が変化していくことが想定されることから、各施設の長寿命化の取り組み状況も踏まえながら、整備費補助等のあり方につきまして、継続的に検討、調整してまいります。  (3)社会福祉法人の経営改善に向けた支援につきましては、社会福祉法人の公益性、非営利性を確保した安定的な経営の確立に向けて、各法人において経営改善の取り組みが進められるよう、社会福祉法人制度改革への対応も踏まえながら、支援のあり方について検討、調整してまいります。  最後に、6、今後のスケジュールについてでございますが、この基本方針(案)に基づきまして、1月30日から2月28日までパブリックコメントを実施した上で、基本方針を策定いたします。その後も、引き続き、施設運営者・運営法人との協議や利用者への説明を行うとともに、12月を目途として、基本計画の策定状況について中間報告をさせていただきながら、平成30年3月に、再編整備の基本的なあり方や対象施設ごとの方向性を定める基本計画と、以降10年間に着手する施設や実施年度、移転先や再編方法等を定める第1次実施計画を策定し、平成30年4月からの計画推進を目指してまいります。  説明は以上でございます。 ○田村伸一郎 委員長 説明は以上のとおりです。  ただいまの説明について、質問等がございましたら、お願いしたいと思います。 ◆末永直 委員 1点だけ、簡潔に質問させていただきます。資料1の1、検討の視点の最後、6つ目の丸の「施設運営者・運営法人から聴取した意見」とありますが、今現在でどのような意見が出ていますでしょうか。 ◎高岸 企画課長 各法人さんからの意見についてでございますけれども、まず、協議の状況といたしまして、昨年11月4日、こちらの委員会で御報告させていただいた後、障害者施設、高齢者施設、対象の法人全てに対して、中間報告の説明をさせていただいて、協議をさせていただいている状況でございます。いただいた主な意見といたしましては、まず、自己資金の積み立てが困難な法人もあるという御意見、建築費が高騰しているという状況に対する対応が必要ではないかという御意見、また、経営改善に向けた支援が必要ではないかといった御意見をいただきました。今申し上げた3つの意見を踏まえまして、資料1の2枚目の5、今後の検討・調整事項の(1)、(2)、(3)という形で、新たに検討事項として書かせていただきました。  また、指定管理者制度を見直す理由を明確にしてほしいという御意見もいただいておりまして、その御意見も踏まえまして、資料1の1枚目の左下段、2、再編整備の基本的な考え方の(3)公設施設の見直しで、民設化のメリットについて書かせていただいております。  さらに、個別の話といたしまして、療育センターの民設化につきまして、困難ではないかという御意見もいただいておりまして、資料1の1枚目の右下段の(3)指定管理者制度を引き続き適用する施設に、「対象施設」と「検討中」と分けて書いているんですけれども、療育センターについては検討中という形で、今回反映させております。  状況は以上でございます。 ◆末永直 委員 わかりました。ありがとうございます。  もう一つお聞きしたいんですが、これらの運営者、運営法人から聴取した意見を踏まえて、どうここに反映されていくつもりでしょうか。昨年11月4日の委員会のときに、例えば20億円の建てかえ費用がかかったら、市としては4.5億円補助をしていくみたいなことを局長がおっしゃっていましたけれども、それで施設の方は納得されているのでしょうか。 ◎成田 健康福祉局長 私のそのときの発言がすごく浮かび上がったような形になってしまいまして、事業者さんから見ると、そこのところだけのメリットを行政は考えていると受けとめられた方もいらっしゃったと思うんですが、この間、法人さんには、そのことだけが趣旨ではないと、決してそういうことではありませんということで、丁寧に説明をさせていただきました。  一番大きいのは、一般的な、大体100床規模の特養なんですが、以前、建設費の平米単価が25万円ぐらいのときがございまして、そうすると、大体5,000平米の特養ですと12億5,000万円ぐらいの建設費、その中で、川崎市が4億5,000万円の整備補助ということで、大体3分の1ぐらいの比重になるんです。ところが、今、どんどん建設の単価が上がっておりまして、直近ですと50万円とかそのぐらいの金額ではないかということが言われております。そうしますと、5,000平米ですと25億円というような形になってきます。25億円の中の4億5,000万円というのは、5分の1とか6分の1ぐらいの割合になりますので、そうすると、残りを法人さんが積み立てて出すことと、借金をして返すという部分のシミュレーションが果たして本当に可能なのかということが議論になってくると思います。ですので、この建設単価の高騰というのが、東京オリンピックを見据えた一時的なものなのか、それとも、長期にわたっていくのかということも分析が必要だと思いますし、それと、事前にやったコンサルの調査の中でも、法人さんはそれぞれ事情が違いますので、そこは今後、個々にまた協議をしながら、来年度末の基本計画の中にしっかりと反映をさせていきたいと考えております。 ◆末永直 委員 局長、ありがとうございます。ぜひ施設運営者・運営法人の方々の御意見をしっかりと受けとめていただいて、非常に困難だという声も出ておりますので、補助を検討していただきながら、うまいこと移行していただきますよう要望して、終わります。 ◆市古映美 委員 役割のことで、この再編整備との関係で伺いたいんですけれども、私、以前、特養ホームで公設施設のところについては、介護保険だけではなかなか対応できない措置的な入院だとか、いろんな大変な困難を抱えている人たちをこういうところが受け入れてくれるんです、だから、民設民営だけではなかなか対応できないところでやっているという特別な役割があるという話を聞いたことがあるんですけれども、この再編整備の中では、ここにある公設施設、特養ホーム――私の地元だとひらまの里があるんですが、そういう点での役割的にはどんなふうに変わるんですか。それとも、それは変わらないんですか。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 公設施設としての役割というのは当然ございました。ただ、この中で、特別養護老人ホームにつきましては53施設とふえてきまして、また、やむを得ない措置等につきましても、各施設で受け入れることが可能となってきましたので、民設に移行されたとしても、同様のサービスが受けられると考えております。 ◆市古映美 委員 確認しますけれども、1つ、その辺については変わらないということでよろしいですか。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 そのとおりでございます。 ◆市古映美 委員 そうですか。  それからもう一つ、老人デイサービスセンターのことなんですけれども、これについては廃止するというお話なんですけれども、公設民営のデイサービスセンターは社協でやっているところも結構多いと思うんです。そんな特定じゃないです。ただ、こういうところで、今回、介護保険が改定されて、要支援1、2の人たちの受け皿として、やっぱり社協なんかがやっている公設民営のデイサービスセンターが今比較的受け入れをしてくれると。民設民営のところは、いろんな議論がありましたけれども、経営的になかなか大変なので、要支援1、2の総合事業については受けるのが厳しいというお話を伺いました。このデイサービスセンターを廃止して、民間の事業者がまた入ってやるというんじゃなくて、今回、ここは廃止しちゃうわけですよね。この施設は何か別の用途で使う予定でもあるんですか。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 デイサービスセンター廃止後の跡地利用につきましては、さまざまな地元の御意見等もございますので、現在のところ、こういった目的に使うというのは決定されていないということで、今後、さまざまな意見をいただきながら、用途については検討していきたいと考えています。 ◆市古映美 委員 もう一点、私はお聞きしたんですけれども、社協でやっている公設民営のデイサービスセンターが結構あるんじゃないかというところで、やっぱり総合事業なんかは介護報酬との関係で受けるのが厳しいというところがある。だけれども、ここは受けてくれているんだという話もちまたで聞いているものですから、こういうところがなくなってしまうと、ますます総合事業を受けるところが経営的に本当に厳しくなって、受け皿がなくなってしまうんじゃないかという単純な思いもあるんですが、どうですか。 ◎手塚 高齢者事業推進課長 デイサービスセンターにつきましては、川崎市内に300近くの事業所がございまして、その中で、社協が受けているデイサービスもございます。ただ、総合事業が28年4月から始まりましたので、各事業所にぜひ総合事業につきましても手を挙げていただくような取り組みを今後進めていきたいと考えています。 ◆市古映美 委員 社協でやるから、特別にそういう役割を果たさなくちゃいけないという部分があるんだろうと思うんですけれども、これはちょっと別の議論になると思いますが、やっぱり総合事業というのは、受け入れ体制を広く、幾つもの事業所があるんだからといっても、現実的にはもう受けられないというところが圧倒的に多くなってきているわけです。これは別の議論でまた指摘したいと思いますが、そういう危惧については――何か話があれになったので、もういいです。でも、本当に現実的に社協が総合事業の人たちを受けてくれているんです。やっぱり特別な役割を持っているんです。そういうところがなくなってしまうということは、今の現状のままでいけば、本当に締め出される人が――これは川崎市の独自事業ですから、本当に受け入れ体制を真剣に考えていただきたいんですけれども、とりあえずそういう意見だけにしておきます。 ◆岩隈千尋 委員 これはどうしてもボリュームが多いですから、また改めて本会議等々でも議論させていただく内容だと思うんですけれども、例えば資料1の検討の視点の上から3つ目の丸、「民間によるサービス提供が可能となっているサービスを供給する公設施設について、今後のあり方を検討する」と。今後のあり方というのは、いつまでに、どういうあり方という理解をすればいいんですか。いわゆる公設施設については民間のサービスを全部入れていきますよというのがあり方で、それはいつまでに行うのかというのをちょっと教えてください。 ◎高岸 企画課長 少し誤解を生じるような表現かとも思うんですけれども、こちらでは、既に民間によるサービス提供が可能となっていると判断される公設施設につきましては今後のあり方を検討すると書いてありますが、2枚目の左上に書いてございますとおり、基本的に民間によるサービス提供に移管をしていきたいと考えております。そちらにつきましては、具体的にいつまでにという御質問ですが、基本的には、来年度中に策定いたします再編整備基本方針の中で考え方の整理をしていく形になろうかと思います。一方で、利用者の方、事業者の方がいらっしゃって、その方たちとの協議の中で、問題を先送りすることが不適切な場合、むしろ結論を早く出したほうが利用者の方にとってもメリットが生じるような場合もあると思いますので、そうしたものにつきましては、この実施計画に定める前に具体の動きをする必要があると考えておりまして、そうした意味合いも込めまして、2枚目の老人デイサービスセンター、わーくすにつきまして、廃止の時期等について明記させていただきました。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。  次の丸なんですけれども、「民間によって質の高いサービスが安定的に供給されるよう、施設整備にかかる行政支援のあり方を再構築するとともに」なんですけれども、この「再構築」というのは何を意味しているのか教えてください。 ◎高岸 企画課長 再構築という言葉もよく行革などで使われる言葉で、誤解をお招きする部分かと思いますが、こちらで書かせていただいているものにつきましては、いわゆる施設の建てかえであるとか新設のスキームについて、改めて現状を踏まえて検討、調整する、補助のあり方についての検討を行う、さらに、どうしても施設の再編となりますと、土地をどうするかという話がありますので、市有地の貸与のあり方について、1度調整、検討した上で結論を出す、そういった意味合いを込めております。 ◆岩隈千尋 委員 では、これは確認になりますけれども、先ほども課長さんは私の意図するところを読んでいただいていると思うんですけれども、行革等々では、再構築と言いながら、結果としてばんばん切っていくよというような流れもある中で、この再構築については、行革の流れの中で、何か切っていくとか、補助金を削減していくとか、そういったことではないという理解でいいですね。 ◎高岸 企画課長 おっしゃるとおりでございまして、あくまで再編整備をスムーズに、利用者のためになるような形できちっと進めるためのもろもろの課題につきまして検討していく、そういう意味でございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。  では、次の丸なんですけれども、「国が進める社会福祉法人制度改革の動向」とあるんですけれども、我々が例えば厚生労働省のホームページ等々を見ますと、いろいろ審議会が進められていて、その中で、運営であったり、透明性の確保であったりとか、抱える課題等々についての明記があるわけなんですけれども、高齢者・障害児者福祉施設再編整備基本方針(案)と、今国が進めている社会福祉法人制度改革の動向との関連性というのをちょっと教えてもらっていいですか。 ◎堺 企画課担当課長 ただいま、国が進める社会福祉法人制度改革との関連性ということですが、この制度改革の中で、今回、財務規律の強化という形で打ち出しがありまして、例えば内部留保が福祉サービスに再投下可能な財産かどうかというところをまず明確化しまして、再投下可能な財産がもし法人の中にあるようでしたら、そういったものを社会福祉事業でありましたり、公益事業の実施または拡充などに充てていくといった計画を立てるようにというような形になっております。今後、法人が計画を立てていくに際して、施設の建てかえだったり、増設とか、そういったことについても、市のほうから今後の再編整備計画はこういう形でというビジョンを明らかにすることによりまして、それらの法人が社会福祉充実計画を立てる際に、そういったものに充てることができるような考え方としてできるようなものをつくっていこうといった形で考えているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 では、財務的な問題等々がここで主眼に置かれているよという認識だとは思うんですけれども、よくマスコミ等々では、財務規律のこととか、先ほど御指摘いただいた内部留保のこととかについては、ずさんだよとか、ちょっとどうなのというような感じで、昨年なんかはネガティブな表現がすごく多かったと思うんです。ところが、一方で、我々が現場で社会福祉法人さんとかといろいろ意見交換する中では、やはり皆さん、一生懸命されたりとか、やりくりしながらやっているよという。いろいろマスコミ等々と乖離がある中で、我々も専門家じゃないですから、どっちがああ言っている、こっちがああ言っているということを吟味することはなかなか難しいんですけれども、いずれにしても、こういったところの社福さんとの関連性は、やっぱり持ちつ持たれつというところがあると思うんです。だから、ここら辺の透明性というのはしっかりと図っていただきたいと思うのと、社福さんに関しては、余り言いたくはないですけれども、皆さん方のOBで行っている方もよくいらっしゃいますよね。そうした中で、専門性があって、しかも現職のときにこういったところでかかわっているからということで行っていただいている側面もあると思うので、私は必要な人材が再就職することについては別に否定しませんけれども、その辺の透明性等々も含めて、しっかりと確保していただければと思います。結構です。 ○田村伸一郎 委員長 それでは、ほかにないようでしたら、以上で「『高齢者・障害児者福祉施設再編整備基本方針(案)』の策定について」の報告を終わります。  ここで理事者の退室をお願いいたします。
                    ( 理事者退室 )         ───────────────────────── ○田村伸一郎 委員長 その他、委員の皆様から何かございますでしょうか。                  ( なし ) ○田村伸一郎 委員長 それでは、以上で本日の健康福祉委員会を閉会いたします。                午後 0時53分閉会...