(
消防局)
(1)
簡易宿所火災事故への対応について
(
病院局)
(2)
川崎市立病院中期経営計画2016-2020について
(3)
井田病院再編整備事業Ⅲ期工事のスケジュールの見直しについて
2 その他
午前10時00分開会
○
田村伸一郎 委員長 ただいまから
健康福祉委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付のとおりです。
初めに、
所管事務の調査として、
消防局から「
簡易宿所火災事故への対応について」の報告を受けます。
理事者の方、よろしくお願いいたします。
なお、
関係理事者として、
まちづくり局から
齋藤建築管理課長、
関口建築企画担当課長関山建築指導課長が、そして、
健康福祉局からは
宮脇生活保護・
自立支援室長、
吉岩生活衛生課長が出席しておりますので、御紹介をさせていただきたいと思います。
◎田中
消防局長 改めまして、委員の皆様、おはようございます。平成28年5月16日に第5回川崎市
簡易宿所火災事故対策会議を開催いたしましたので、その結果につきまして御報告させていただきます。
なお、詳細につきましては
査察課長から御説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
◎石渡
査察課長 それでは、
簡易宿所火災事故への対応につきまして御説明させていただきます。
資料の1ページをごらんください。資料1「
簡易宿所火災事故への対応について」でございます。
初めに、「(1)火災直後の
対応等」ですが、平成27年5月17日に川崎区日進町におきまして
火災事故が発生いたしましたが、翌日の18日から被災された方への
生活保護費再支給、見舞金の支給を行っております。また、5月19日から22日にかけまして
火災事故類似施設49棟へ、
まちづくり局、
健康福祉局、
消防局の3局合同で
特別立入検査を実施いたしました。
次に、「(2)川崎市
簡易宿所火災事故対策会議」でございますが、初めに、会議の設置でございますが、
火災事故への
対応方針、
関係部局の
情報共有のあり方の検討等を目的といたしまして平成27年5月26日に設置したものでございます。
会議の
開催経過でございますが、会議を設置した5月26日に第1回会議を開催いたしました。主な内容といたしましては、今後の対策の内容について確認を行ったものでございます。具体的には矢印の右側に囲ってございます4点でございまして、1点目としましては被災された方々に対する継続的な支援、2点目は法令等にとらわれない早急な対応、3点目は
違反建築物の早期の特定、4点目は
関係部署の連携でございます。以後、先日、平成28年5月16日に開催した第5回会議まで計5回の会議を開催し、それぞれ
対応状況等の確認を行ってきたものでございます。
次に、資料の右側「(3)
火災事故対策会議の検討結果等に基づく主な
対応状況」について御説明します。内容につきましては、先ほど御説明をいたしました第1回
対策会議で確認した市の
対応内容の各項目についての具体的な内容でございます。
初めに、「①被災された方々に対する継続的な支援」でございますが、火災直後に対応を始めた見舞金の支給や
生活保護費の再支給等でございまして、現在既に
対応済みとなっております。
次に、
「②法令等にとらわれない早急な対応」でございますが、平成27年6月2日から安全性の確認がとれない施設35棟に対して3層以上部分の
使用停止を要請いたしまして、現在も継続的に対応中でございます。現在の状況でございますが、
矢印右側の囲いの中をごらんください。3階以上の
宿泊者の状況でございます。いずれも口頭での聞き取り調査の結果でございますが、要請を行った6月2日の時点では278名であったものが、4月25日の最新の調査結果では67名へと減少しております。また、3階以上からの移動が完了した施設につきましては35棟中27棟を確認しております。なお、下の図は木造で3層を有する
簡易宿所の代表的なパターンをイメージ図にしたものでございます。
次に、図の下になりますが、平成27年9月1日からは
宿泊者への
転居支援といたしまして川崎市
居住安定化支援事業を開始し、現在も
継続対応中でございます。現在の
対応状況につきましては右側の囲いをごらんください。4月28日時点で
居住安定化支援事業による
生活保護受給者の
民間賃貸住宅等への
転居人数は206名となっております。なお、同日時点での
簡易宿所を利用している
生活保護受給者は899名となっております。
次に、
「③違反建築物の早期の特定」でございますが、平成27年7月9日に
建築基準法適合性の判定の結果、24件を違反と特定いたしました。また、7月13日からは、この判定結果に基づきまして
建築基準法、
消防法、
旅館業法の
違反者に対する通知、命令等を行い、これに基づく3局連携による
是正指導を行っておりまして、現在も継続して対応中でございます。
各法令の
違反件数及び現在の
是正件数につきましては右側の囲いをごらんください。平成28年4月30日時点での状況でございます。
まず、
建築基準法でございますが、
違反件数24件のうち
是正件数は11件、
消防法については違反23件で是正8件、
旅館業法は違反20件で是正6件となっております。なお、いずれかの法令に違反している施設は36棟でございますが、このうち全て
是正済みとなった施設は8棟となっております。
次に、
「④関係部署の連携」でございますが、平成27年6月10日に
機能不全となっていた
建築物及び
建築物の使用に関する
違反防止連絡協議会を廃止いたしまして、
庁内連携強化のため、新たな
建築物及び
建築物の使用に関する
違反防止対策協議会を設置いたしまして、現在も継続的に対応しております。
また、「⑤その他」でございますが、以上の4点のほかに平成27年10月1日施行で川崎市
建築基準法施行細則を一部改正いたしまして、
定期報告の
対象建築物に
簡易宿所を追加しております。これによりまして
一定規模以上の
簡易宿所についても年1回の報告が義務づけられます。
主な
対応状況については以上でございますが、このうち現在の
宿泊者等の状況、
是正指導の状況について若干補足して説明いたしますので、次のページの資料2をごらんください。
宿泊者等の状況でございます。
初めに、「1
聞取り調査結果」でございますが、これは6月に3層以上の
使用停止要請を行った施設35棟の状況について、4月25日に現地を回り、聞き取り調査を行った結果でございます。なお、この35棟には7月に
建築基準法の違反と判定し、3階以上の
使用制限の命令を行った施設24棟も含まれております。
(1)の
宿泊者数ですが、表をごらんください。35棟中1棟を除く34棟から回答があったものでございます。
宿泊者数は合計727名で、そのうち3層以上については太枠内になりますが、67名を確認しております。
なお、表は3段になっておりまして、最下段は6月2日、中段は11月4日の聞き取り結果となっております。3層以上の
宿泊者はそれぞれ278名、125名となっております。なお、各表中の下段に
括弧書きで示した人数につきましては、35棟中、
建築基準法の
耐火規定に違反の24棟の状況を示したものでございます。
次に、(2)3階(層)以上からの移動が完了した
簡易宿所でございますが、先ほど資料1でも御説明したとおり27棟を確認しております。
次の「2
簡易宿所からの
転居支援について」につきましても、先ほど御説明しました
簡易宿所を利用している
生活保護受給者の
民間賃貸住宅等への
転居支援の状況などを記載してございますので、後ほど御確認いただきたいと存じます。
次に、
是正指導の状況を御説明しますので、次のページの資料3をごらんください。
「1
指導状況」でございますが、現在、
所有者等に対して各法令の
違反内容に応じた是正や措置について指導を行っております。指導に当たりましては、各法令の是正・措置にそれぞれ影響することも考慮いたしまして、所有者からの相談があった際には
関係局で相談しながら進めている状況でございます。あわせまして、必要に応じて
所有者等の立ち会いのもと、各局連携して現場で是正・
措置内容についての打ち合わせを行うなどの対応も行っております。これらの各局での
進捗状況については
建築物及び
建築物の使用に関する
違反防止対策協議会において適宜確認を行っております。
なお、
違反件数及び
是正件数につきましては表のとおりでございます。また、下段の表につきましては平成27年11月9日時点での
是正状況でございます。
次に、「2 是正・措置の件数等について」でございますが、(1)は是正・措置の内容でございまして、
法令ごとにごらんのとおりの内訳となっております。内容といたしましては、階段や
吹き抜け部分の閉鎖や建物の解体、その他廃業によるものなどとなっております。
次のページの(2)につきましては、是正に至っていない施設についての今後の
是正計画の主な内容でございます。主な内容といたしましては、
宿泊者の移動が完了した後に対応する計画となっております。
恐れ入りますが、資料1にお戻り願います。
資料の一番下をごらんください。「(4)今後の
対応等」について御説明いたします。
初めに、
違反是正指導についてでございますが、
火災事故の
再発防止や
違反是正状況の確認などのため、火災直後に
立入調査を実施した
類似施設へ、
まちづくり局、
健康福祉局、
消防局の3局で連携して
合同立入調査を5月下旬から順次実施いたします。また、この結果も踏まえまして
是正計画における
履行期限を定めるなど、より具体的な指導や法的な対応についても検討してまいります。
次に、
宿泊者等の状況についてでございますが、
使用停止要請及び
使用制限命令を行った物件、合計35棟について各施設への聞き取り調査を定期的に行い、3階からの
移動状況を確認し、引き続き3階以上の
宿泊者の転居を指導してまいります。
生活保護受給者につきましては、
居住安定化支援事業により
民間住宅等への
転居希望者を優先し、特に3階以上からの
転居支援を重点的に進めてまいります。また、本年7月の
経過措置解除に伴う
住宅扶助費の変更につきまして、
簡易宿所及び
生活保護受給者への再度の
周知徹底を行ってまいります。
説明につきましては以上でございます。
○
田村伸一郎 委員長 説明は以上のとおりです。
ただいまの説明について質問等がございましたらお願いをいたします。
◆
春孝明 委員 (3)の具体的な主な
対応状況のところの
③、右側の枠内ですけれども、いずれかの法令に違反している施設が36棟ということなんですが、実際になかなかこれは進んでいないと思うんですけれども、原因とか進まない理由がわかれば教えていただきたいんです。
◎関山
まちづくり局建築指導課長 建築基準法違反で言いますと、まず、3階をふさぐという是正が主な
是正手段になると思うんですが、そのためには、まず、3階の
入居者を転居させなければならない中で
入居者の事情、
入居者のほうでそこに住みたいという方もいらっしゃるので、なかなかそこが、
入居者の意向もあったりとか、また、
是正工事をするには資金面が、
入居者も減る中、
事業者として収入が減っている中、資金面も難しいというふうな内容を伺っておりまして、その辺で進んでいないという状況がございます。
◆
春孝明 委員 わかりました。では、
あと2つの
消防法違反でありますとか
旅館業法違反も進んでいないと思うんですが、そちらのほうはいかがでしょうか。
◎石渡
査察課長 消防法令の関係でございますが、あわせて同様に3層部分の
入居者が転居することに伴いまして
違反是正につながるといったこともございますので、まずは3層部分の方々がいなくなる、あるいは、そこの
改修措置に伴いまして
消防法も連携して
違反是正につなげたいと考えております。
◎吉岩
生活衛生課長 旅館業法の関係ですけれども、こちらも、まずは3階以上の
宿泊者の方の移動を完了させるために、1階または2階の客室を利用させる必要があります。そのために、私
ども旅館業法のほうも、その移動の状況を鑑みて改善がちょっとおくれているという状況でございます。
◆
春孝明 委員 そうしますと、いろいろ状況はあると思うんですが、今後の見通しとか、そういったところで5回ほど
協議会も開催していただいているわけですけれども、今後の見通しについてはどうなんでしょうか。
◎石渡
査察課長 恐れ入ります。資料1の「今後の
対応等」の
違反是正指導についての2段目になりますが、「
是正計画における
履行期限を定めるなど」というふうにしておりまして、今回、5月下旬から順次実施します
合同立入調査をきっかけにしまして、明確な期日を相手方からもいただくような対応を図っていくことを考えております。
◆
春孝明 委員 わかりました。そうしますと、この
履行期限というのは一般的にはどれぐらいの単位でやっていらっしゃるんですか。
是正計画を立てて一般的な
履行期限を定めると書いてあるんですが、そういったところは期限はどういった形になるんでしょうか。
◎石渡
査察課長 まず、
消防法の関係でございますが、
消防法におきましては即時対応しなくてはいけない
火災予防上危険な場合があれば、その場で対応をお願いすることもありますけれども、
費用負担、あるいは工事の日数などを鑑み、違反の内容によりまして10日、1カ月、3カ月、6カ月、それぞれの事案に応じて一般的な
履行期限が定まっております。
◆
春孝明 委員 わかりました。
あと2つお願いしていいですか。
建築基準法と
旅館業法も何かあればお願いしたいんですが。
◎関山
まちづくり局建築指導課長 建築基準法関係でございますが、個々の
合同調査、
立入調査の結果等を踏まえて、個々の
入居者の事情であるとか
事業者の事情がございますので、そこを協議しながら、いつまでということで協議しながら
一定期間を定めて、目標値で何カ月ということではなくて、その協議の中でなるべく早く早急に是正が進むように協議をして進めたいと考えております。
◎吉岩
生活衛生課長 旅館業法の関係もですが、
建築基準法、
消防法の
進捗状況に合わせまして考えてまいりたいと思っております。ただ、
改善計画書につきましては速やかな提出をいただくよう求めてまいりたいと考えております。
◆
春孝明 委員 わかりました。あと、④の「
関係部署の連携」で、基本的なことになるんですが、
機能不全となっていた
違反防止連絡協議会の廃止と、今、設置をされて5回開催されている
違反防止対策協議会の何がどう違うのか、ちょっと教えていただけますか。
◎関山
まちづくり局建築指導課長 機能不全となっておりました
資料前段にございます
建築物の使用に関する
違反防止協議会、
機能不全と申しましたが、そこを余り開催されていないという実情もありましたので、しっかりこの違反、
簡易宿所のことに限らず、庁内の連携を強化するという形で一旦この
協議会を廃止しまして、新たに後段の
建築物の使用に関する
違反防止対策協議会という形を設立しまして、昨年度、6月から本日まで5回開催して、今後も先ほど言いました
合同立入調査等の手法などにつきましても、この
協議会の中で決めていきたいと考えております。
◆
春孝明 委員 ありがとうございました。この
簡易宿泊所の火災につきましては、
各種マスコミでも1年たったということで、この時期かなり報道もされていたと思うんですけれども、本当に引き続き早く、是正されていない建物への対応と、また、被災された方が安心・安全に生活できるように、しっかりとした取り組みをしていただきたいと要望いたしまして、私からは以上となります。
◆
岩隈千尋 委員
春委員の今の質問に関連してなんですけれども、ここの先ほどの
機能不全となっていた従前の組織と、そして、これからの新しい中で、ちょっと
春委員の質問にきちんと答えられていないのかなと思ったんですけれども、まず、先ほどお話しいただいた今後の
合同立入調査等々については理解しました。その後の、
機能不全となっていた場合というのは設置はされていたけれども、
情報共有なり開催されていなかったということで、では、新しいものを設置して、今後は
合同調査以外にきちんと継続して、各局が、いわゆる3局が連携して定期的に会議を行うという認識でよろしいですね。
◎関山
まちづくり局建築指導課長 そのとおりでございます。
◆
岩隈千尋 委員 市長とかのこれまでの
記者会見を伺っておりますと、常にお話をされるのが、やはり
情報共有がされていなかったということをよく言われるわけなんですよね。ただ、それにつきましては、やはり
情報共有がされているからこそ
行政組織であって、そして、市民の
皆さんはそういった
皆さんに守られているわけですから、ぜひ
情報共有のことについてはきちんとやっていただきたいと思います。
あと、これは、
皆さん方からのレポート等々については放火が原因だったと思うんですけれども、それは私の認識は間違っていませんか。
◎原
予防部長 消防としましては放火という結論で原因を出しております。ただ、
警察機関のほうは先日ちょっと確認させていただいたところ、引き続き失火と放火の両面で
継続調査中という回答をいただいております。
◆
岩隈千尋 委員
皆さん方のほうが専門家なのであれですけれども、放火であるならばなおさら、今まだこちらに残っていらっしゃる方々もいるわけで、そうしたときに、また次のあれがないとも本当に言えないわけでございますので、ぜひその辺は、なかなか難しい側面があるかもしれませんが、ぜひきちんと宿所に対しては指導はお願いをしたいと思います。
あと、これは、
まち局の
皆さん方に最後に聞きたいんですけれども、今こういった御報告をしていただいて、では、その中に具体的に、例えば廃業されるところもあったりとかというのは、いろいろあるわけなんですが、おのおのの各局の対応については法律の違反の是正等々でやっていただいていると思うんですね。その中で、では、例えば
簡易宿所の日進町のああいった地域について今後どういった
グランドデザインを描いていくつもりなんですか。
これは単に対応して、では、
法律違反をそのまま、はい、修正しますよと。ここの地域に入っている方々は、なぜここの地域に入っているのかというのは、きょう健福の方々がいらっしゃっていますからあれですけれども、もう言わずもがな、
皆さん知っているわけじゃないですか。そうしたときに、どういうふうな
グランドデザインを今後描いていくというのはちゃんと協議されているんですか。
◎齋藤
まちづくり局建築管理課長 まず、状況といたしましては、現在何か描いているかと聞かれれば、現在のところはまだそこまでは行っていない状況でございます。ただ、やはり先ほどからもありますように、まず、今、是正も進めているということで、
建物自体が違反の状況のものもあるということで、それを是正していただくというのが重要だと考えております。
その上でなんですけれども、例えば、是正を解消するために建物を建てかえたいですとか、建てかえを行う上で、これは理想になるんですけれども、例えば隣と共同化していきたいとか、そういったものにつながっていけばいいなという考えもございまして、今、
簡易宿所の組合にもちょっと投げかけはしているんですが、新聞等でも出ていましたけれども、
まちづくりの
コンサルタントの派遣という形で
勉強会をまず開いてみませんかということで投げかけをさせてはいただいておりまして、そちらの
対応等も見まして、何かそういう要望等が出てくれば、それに応じた対応が必要なのではないかなというふうには感じております。
◆
岩隈千尋 委員 やっぱりここはすごく歴史もあって、もう言わずもがななんですけれども、そして、
皆さん方も御承知のとおり、どういう状況の方々が入居されているのかというのも、
皆さん方、多分もう情報は御存じだとは思う中で、今、第1段階として
理事者の方からお話しいただいたように、では、まずきちんとそういった是正を修正していく。その後の第2、第3のステップとして、あの地域のきちんとした
グランドデザインを描いていくことについては、計画はあるということでよろしいですね。
◎齋藤
まちづくり局建築管理課長 計画があるかと聞かれれば、今の段階では持っていないというお答えになるかと思いますが、今後、いい方向にお互い行けるように、そういう方向になるように、まずは
勉強会を始めていただきたいということでの投げかけをさせていただいている状況でございます。
◆
岩隈千尋 委員 何度も繰り返しますけれども、歴史がある地域ですから、やはりなかなか一朝一夕に日々変化することは難しいかもしれませんが、そういったことをきちんとやっていかないことには、川崎のあそこの町の縮図というのはいつまでたってもよくなっていかないと思いますし、そして、また第二、第三の事件等々も起きてはあれなので、やっぱり地域の
都市計画ということで、ここの地域は見ていただきたいと思います。
◆
市古映美 委員 いろいろと進まない理由についても説明があったんですけれども、やはり1つには、
新聞報道によりましても、資金面での工面がなかなかつかないということでの
是正勧告が出されたにもかかわらず、できないということが報道されているんですけれども、それはそうなんだろうなと思うんです。
三浦副市長が調査の結果を踏まえて
是正期間を定めるなり、より厳しい姿勢で
スピード感を持って対応するというふうに言っているんですけれども、先ほど全体的な
まちづくりについては、
コンサルタントを導入して、そしてあそこの進め方を相談には乗りたいと言っているんですが、それと、
是正期間を定めてより厳しい姿勢でということが、どういうことが具体的に、より厳しい姿勢というふうになるのか。その辺ちょっと聞かせていただけますか。
◎関山
まちづくり局建築指導課長 是正期間、今、建物の是正でいきますと、明確ないつまでに直すという記述、
是正計画は上がっておりますが、その記載がないものもございます。そういったものを
事業者の人たちと協議を進める中で、
一定期間、いつまでにというような
移行期限を定めていくよう今後指導、要請をしていきたいと考えているのが、是正に向けてより強く指導していくということが、そういう部分であろうかというふうに考えております。
◆
市古映美 委員
皆さん御承知のとおりだと思うんですけれども、ただ、そういうふうに厳しくやったとしても、さっきの資金繰りの問題になると、やっぱり閉鎖せざるを得ない
簡易宿所も出てくるんだろうと思うんですけれども、そうやってやっていくことが本当にここに、どうしてもここに住みたいという人に対して、一生懸命に民間のアパートを含めて指導していただくのは、これは私たちも言ってきたことですから、そこのところはもっと寄り添いながら進めていただきたいというふうには引き続き思いますけれども、ただ、これを協力的に進めていくことによって、閉鎖に追い込まれた場合に、この人たちが一体どんなふうに行き場をつくっていくのかという点で、一番心配するのは、貧困ビジネスの対象になって取り込まれていってしまう危険性があるんじゃないかというのを感じるんですけれども、その辺については総合的に考えてどうなんでしょうね。どなたがお答えいただけるかですけれども。
◎宮脇 生活保護・
自立支援室長 現在住んでいる方たち899名のうち642名の方が65歳以上の方たちです。ただ、この間、昨年の9月からこの事業を始めて転居した206名の方について、半分は65歳以上の方なんですよ。それも民間住宅、普通のアパート等への転居ができている状態なので、まだまだいろいろ開拓する余地はあるのかなと思っていますので、まずは、今まだここに残っている方たちで、初めに御報告しましたのは、アンケートによって転居したいという方たちがいます。その方たちを動かしていくときには、当然私どものほうではこの事業を使いながら動かしていきますので、貧困ビジネス等に巻き込まれるようなことはないというふうに思っております。
◆
市古映美 委員 そうやって今、室長さんからお話があったのは大変心強いんですけれども、実態的に厳しい指導だけして、結果的にもう継続できないとなった場合に、これだけずっと長い歴史の中で育ってきた
簡易宿所ですから、やっぱり行き場を失う人が出てくるというようなことを私たちは心配するんですね。
一切、これは
消防局だとか
健康福祉局に聞くことは無理があると思うんですけれども、ただ、東京のほうの台東区の山谷のほうですか。あそこですとか大阪のほうでは、やっぱり資金繰りの相談も含めてこういうところの改善をしていくというような方向で具体的に進んでいると。特に東京の場合には2020年のオリンピックということで、それに合わせながらの対応もしているというお話も聞いているものですから、川崎もオリンピック、オリンピックということで、かなりいろんな角度から強調されている中で、やっぱりこういうところにも資金的なものも含めて相談に乗っていくというような対応の仕方が求められているんじゃないかな。厳しい指導ばかりで解決するふうに私は思えないんですね。
ちょっと市としても……。無理かな。東京のそういった
簡易宿所、山谷中心ですけれども、それについてどんなような対応をされているのかというのを、ちょっと無理だね。ここで政治のせいにするのはね。そうですね。それは無理ですかね。
◎宮脇 生活保護・
自立支援室長 私の知っている限りということでよろしければお答えいたします。
山谷については、確かにあそこの地区も老築化しているのと同時に、体の弱い方、御高齢の方たちがいるということで、
建物自体を障害者とか高齢の方たちが住めるような形に改築等をする支援を東京都は確かにしていたと思います。ただ、今、現状で言うと、やっぱりそこにそういう方たちが集まってきていますので、実は、そういう方たち、今回の川崎市の火災の件も含めて、そこにたくさんのそういう方たちが集まったときの、もし何かあったときということで対応はできないんじゃないかということで、台東区自身でも私どもがやっているような安定化支援事業ということで、安定した住居にということでの事業を始めているのが実態でございます。
あと、横浜の寿町については、もう既に近代化してしまっていますので、それなりにもう、
消防法に違反する、建築法に違反するというようなことはないですけれども、やはりあそこも高齢化をかなりしています。そういうことで言いますと、あそこに行けば高齢者のサービスとか、要するに介護保険ですよね。そういう形での展開とかを考えたということでの、逆に違った意味でのそういう形のビジネスが入ってきているという実態もございます。
川崎市の
簡易宿泊所のことだけで言わせていただければ、生活保護のほうとしましては安定化支援事業ということで、もともと平成25年の11月から非常勤の方たちを採用しまして、あそこから安定した住居への転居ということで、
簡易宿泊所は基本的には一時的な住まいだということで、もう事業を進めていました。今回のことを言ってしまえば、そちらの事業を先にやっていますので、基本的に火災があったから始めたとは、より強固にという形で言うと、それこそ危険な住居だということになってしまいましたので、さらに安全性を確保するということを考えてこの事業を始めていますので、私どもとしましては、やっぱり簡宿はあくまでも簡宿という形での対応、一時的に住まいとしてはお借りすることはできますけれども、今の状況では、ここから人を出していくことを考えていかなくてはいけないのかなと思っています。
と同時に、
簡易宿泊所につきましては、それこそ委員のほうも言われましたように、オリンピックの関係とかを考えましたときには、違う事業展開等も意見としては私どもからも入れています。あそこに住まざるを得ない方たちもいるのは確かですけれども、違う事業展開の中でそういうことを考えていけないのかという話も、折に触れ、組合等を通しまして話はさせていただいていますので、支援をするというのは、そういうアイデアの支援ということもあるのかなというふうには私は思っております。
◆
市古映美 委員 きょうは結構です。
◆添田勝 委員 今の市古先生の質問と室長のやりとりの中で、ちょっと気になったところなんですけれども、先ほどオリンピックというお話がありましたが、具体的にインバウンドとか、そういうことを想定している中での議論なのかなと思っていて、例えば、ちょっと古い言葉ですけれども、横浜だったらドヤから宿へとかというキーワードで、たしか近代化に向けて動いていったと思うんですよね。宿泊所不足ということも視野に入れながら、寿とかも活用していくとかという話も聞いたことがあって、そういう意味では、本市でいきなりそれをやるというのも、そんなに簡単ではないし、まずすべきことがここにもあるように存在をしている中で、現在住みかえを支援していくという中で、これらの施設の稼働率って大体どのぐらいになるんですか。
◎宮脇 生活保護・
自立支援室長 組合さんのほうでアンケートを3月の時点でとったというふうなお話は聞いています。その中で、全て私のほうに見せていただけるわけでもないし、向こうの理事長のお話を聞く限りでは、80%以上の稼働をしているところは3棟ぐらいしかございません。逆に、60%以下だと言っているところが15棟ぐらいはあったみたいでした。
◆添田勝 委員 では、割とあきがあるなという感じなので、そういう意味ではどんどん住みかえを推進していくと同時に、違法建築の是正もしつつ、違う顧客に売り込んでいくということも確かに考えられるのかなと思うんですが、多分その辺までまだ、現場の実際管理している人で発想が至っている人は多分そう多くはないと思うんですが、その辺ってどういうふうに、先々の事業展開とかを考えている人たちはいるんですかね。
◎宮脇 生活保護・
自立支援室長 私の立場は生活保護の立場なので、事業展開までという話になってくると、かなり広くなってしまうのかなとは思うんですけれども、ただ、向こうの理事長等とお話をしている中では、既に向こうの理事長が一回、インドからのお客さんを泊めたことがあるらしいんですよ。そういう人たちから見ると、あの
簡易宿泊所でもそれなりの環境は整っているということで、非常に喜ばれたという話が出ていました。
そういうことも含めて、ホームページの展開とか、そんなことも考えてはいるという話は出ています。ただ、私が聞いている中では、組合員さんはたしか、経営者は33名ぐらいいるらしいんですけれども、その方たちが1つの意見にはまとまっていないと。やっぱり展開を今後、
生活保護受給者等だけに頼らないで、本来の
簡易宿泊所としての位置づけでやっていきたいと考えるというふうに、今回の機会に考えている人たちもいるんですけれども、今までと同じような形でどうにかやっていけないかというふうに思っている。あとは、もう既に廃業することを決めたと思っているということで、今の時点では3つぐらいに考えが分かれてしまっているので、1つになれないということで、先ほど
まちづくりのほうから話のあった今後の展開、
勉強会等についてもなかなか進まないというのが、組合としての考えなのかなとは思います。
◆添田勝 委員 ありがとうございます。あとは経済労働局長に伺います。
◆
後藤晶一 委員 今、
皆さんのお話を聞いて理解はさせてもらったんですが、1点だけちょっと、
建築物及び
建築物の使用に関する
違反防止連絡協議会というものができた、今までそれが
機能不全に陥って対策
協議会に変更したというんですけれども、今後も設置をしたので、継続して対策をしていくという理解でいいんですか。
◎関山
まちづくり局建築指導課長 契機としまして今回の
簡易宿所の火事がございますけれども、
簡易宿所に限らず違反防止への各局の
情報共有も踏まえて、
情報共有などを行いながら今後とも進めていくという
協議会でございます。
◆
後藤晶一 委員 連絡
協議会が
機能不全に陥っていたということは、これまで過去に幾つかそういうことがあったわけだよね。歌舞伎町の飲食店の火災だとか、そのときも、消防も含めて全部
まちづくりと一緒になって、そういうことを立ち上げて、だからこれは立ち上げたと思うのよ。連絡
協議会は。それが
機能不全に陥ってしまったので、今回またそれを対策
協議会として5回やりましたよとなっているわけだけれども、名前をただ置きかえただけで本当にそういう対策ができるのかなと、ちょっと私は危惧をしているわけなんです。
一番問題なのが、やっぱり情報の共有と、消防は消防、まちはまち、今回の場合は健福が自立支援で入っているんだけれども、さまざまな形の縦割りの中で一旦そういうものを立ち上げて、また今回のような事故、事件が起きたらば、それをまた名前を変えてやっていくということの繰り返しのような気が、私も長い議員生活でそういうことが非常に多々感じられるのよ。
だから、余りこれ以上聞かないけれども、一旦こういう対策、
協議会というものをしっかりつくったならば、情報の共有と同時に、しっかりとそういうことを定期的に開催していって、例えば消防なら消防で火災の予防というものがあるわけだから、予防部だか予防課があるわけでしょう。だから、そういうところと連携をとって、しっかりとそういうことを未然に防ぐことの対策をやっていかなければ、なかなか意味がないのかなと。必ず起きてからそういうものをつくって、また置きかえて毎回やって、本当にそれが機能しているのかという危惧が非常にあるので、それはちょっと指摘をさせていただきます。意見としてで結構でございます。
◆末永直 委員 資料2の2ページ、
生活保護受給者以外の状況についてお伺いしたいと思います。
文言からすると、ここに「
生活保護受給者以外の
宿泊者数名が」とあるんですが、実際に何名ほど、数字の質問はあれなんですけれども、何名ほどいて、実際、全体で
生活保護受給者以外はトータルで何名いらっしゃるというふうに確認されているんでしょうか。
◎齋藤
まちづくり局建築管理課長 生活保護受給者以外の数ですけれども、まず、資料2の上のところに書いてあります
宿泊者数につきましても、冒頭言いましたように、まず、聞き取り調査を行っている結果でございまして、全ての数字がきちんと把握はできていない状況だという上でのお話なんですが、その中で、
生活保護受給者の方につきましても、聞き取りの中で合わせて何名ぐらいいらっしゃるのかということと、あわせて、その方たちが、例えばほかに住宅に困っていて移転したいみたいなお話があるのかどうかということも含めて聞き取りを行っているんですが、そういったお話が、聞き取りの中では出されてきていない状況でございます。
人数につきましても、こちらは旅館業をやっているというお立場の中で、そういう方たちの素性というんですかね。そういったことを本来話してはいけない部分もあるんだという話もある中で、その中でも御協力いただきながら数字のほうは聞き取りを行っているということで、あとは、生活保護以外の方ですと、お仕事を持った方で日々入れかえ等もございますので、正確な数というのは、申しわけございませんが、ここに書いてございますとおり、数としてはきちんと把握はできていない状況でございます。
◆末永直 委員 どうして対策をしようとしているのに正確な数すら把握できていないというのは、非常に理解に苦しむんですね。
そこでお伺いしたいんですが、聞き取りはどなたにしているんですか。旅館の経営者なんでしょうか。それとも3階以上に住んでいる方々に個別訪問で聞き取り調査をしているのか。どうなんでしょうか。
◎齋藤
まちづくり局建築管理課長 聞き取りを行っていますのは、各施設に行きまして、いわゆる帳場と言われている管理人さんたちに行っております。その方たちが直接オーナーであったり、管理人の方を別で雇っている場合もありますけれども、基本的には帳場のほうに聞き取りを行っている状況でございます。
各個別に
宿泊者直接に聞き取りを行うということは、帳場のほうからもそういったことはしないでほしいということで言われている中で、そういう対応をさせていただいてございます。
◆末永直 委員 帳場の方は管理人さんなんですけれども、経営者の方からそういう情報を出すなと言われたら出せないはずなんですよ。でも、今回こういった事故があって、3階以上は違反なんだから転居させないといけないというのに、実態がわからないでは、どうしようもないのではないかと思うんですよね。そこに対して今後どういうふうにしていくか。それこそ
宿泊者に対して個別訪問とか、そういうことはできないんでしょうか。
◎齋藤
まちづくり局建築管理課長 私ども
まちづくり局の職員で、今、聞き取り調査を行っているんですけれども、私どもの立場とすると、そこまでの権限は持ち合わせていないという状況でございますので、やはり帳場の方、管理者の方の協力を得ながらの調査をそれ以上するのが難しい状況なんですけれども、その中でも、これまでも3階の方に対しての指導をしていっていただいているという状況の中で、数はまだ六十数名残っておりますけれども、減ってきている状況でございますので、これから先も少し粘り強く管理者の方たちとお話をさせていただいて、協力いただきながら進めていきたいと考えております。
◆末永直 委員 今みたいな御答弁で果たして法令等にとらわれない早急な対応をできるのかと非常に不安を覚えます。むしろ法令等にがんじがらめになっているんじゃないかという気もしまして。
では、今後いかにしてこういう対策をしていくのか伺いたいんですが、実際に個々人と向き合って聞き取り調査とかができていけば、例えば就労支援センターに入っていただくとか、さまざまな対策がとれると思うんですよね。帳場さんだけに対する対応以外に、さらに具体的な聞き取り調査に、もう一歩踏み込んだ対策をしていただきたいと思うんですが、改めて今後どういうふうにやっていくか、お伺いします。
◎齋藤
まちづくり局建築管理課長 まず、生活保護の方たちについては、それぞれ個別のケースワーカーなり、先ほどからもお話がある
居住安定化支援事業等で個別にもお話は伺った上で、希望を聞きながらやっているという状況でございますので、それ以外の方につきましては、ここにも書いているとおり、そういうことでお困りのことがあるようでしたら、こちらに御相談くださいということで、直接御本人にはお話しできないんですけれども、帳場の方を通して投げかけは行っておりますので、繰り返しになってしまいますが、今後もそういった取り組みを粘り強く続けていきたいというふうには考えております。
◆末永直 委員 わかりました。非常に受け身的な聞き取り調査を行うということがわかりました。ありがとうございます。
○
田村伸一郎 委員長 ほかによろしいでしょうか。
( なし )
○
田村伸一郎 委員長 それでは、ほかにないようでしたら、以上で「
簡易宿所火災事故への対応について」の報告を終わります。
ここで
理事者の交代をお願いいたします。
(
理事者交代 )
─────────────────────────
○
田村伸一郎 委員長 では、次に、
所管事務の調査として、
病院局から「
川崎市立病院中期経営計画2016-2020について」の報告を受けます。
それでは、
理事者の方、よろしくお願いいたします。
◎今井
病院局長 それでは、
所管事務の報告といたしまして「
川崎市立病院中期経営計画2016-2020について」御報告させていただきます。
詳細につきましては
関経営企画室担当課長から御説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
なお、その前に1点情報提供させていただきます。本日、テレビ朝日の12時半から放送されます「ワイド!スクランブル」におきまして、川崎病院救命救急センターのゴールデンウイーク中の活動が救命救急24時間ということで取り上げられることになりました。参考までお知らせいたします。
◎関 経営企画室担当課長 それでは、「
川崎市立病院中期経営計画2016-2020について」御説明をさせていただきます。
なお、本計画は3月に策定し、4月の本委員会におきまして製本したものを配付させていただいたところでございますが、当日は事業概要の説明もありましたことから、今回改めて本年度の主な取り組みも含め御説明をさせていただくものでございます。
初めに、本計画の構成について御説明いたしますので、資料2の本編の冊子のほうをごらんください。
表紙を含めて2枚おめくりいただきますと目次がございます。全体は4章で構成されておりまして、「第1章 本計画について」では計画の位置づけや策定方針など本計画の基本的事項を、また、「第2章 医療を取り巻く状況と市立病院の経営状況」では、2025年に向けた医療・介護制度改革の動向や市立病院の現況を、右のページに移りまして、「第3章 中期経営計画」では、目標とともに具体的な取り組みや収支見込みなどを、最後の「第4章 目標の達成状況の点検・評価と公表」では、評価方法などについてそれぞれ取りまとめております。
次に、本計画の特徴と概要について御説明をいたしますので、恐れ入りますが、本計画の概要版となります資料1をごらんください。
1枚目の左側でございますが、本計画の特徴といたしまして3つのポイントに整理をいたしました。ポイントの1つ目は、総務省の「新公立病院改革プラン」として策定したことでございます。「新公立病院改革ガイドライン」の4つの視点を踏まえ、「新公立病院改革プラン」として策定し、その下の図にありますとおり経営の効率化など4つの視点で、その方向性や具体的な取り組みを明記いたしました。
具体的な内容につきましては、右側の第1章、本計画についての4、策定方針をごらんください。4つに整理しておりまして、(1)の経営の効率化につきましては、ガイドラインで示された財務的な目標が経常収支の黒字化となっておりますので、本市病院事業会計上の収支におきましても川崎病院と多摩病院は計画期間内の全ての年度における経常収支の黒字達成を、また、井田病院は再編整備に伴う施設整備や医療機器整備費用などの負担が見込まれることなどから、平成37年度の経常収支黒字化を目指し取り組むことといたしました。
(2)の経営形態の見直しにつきましては、現状の経営形態である地方公営企業法の全部適用と指定管理者制度により一定程度安定的な運営ができておりますので、現時点におきましては現在の経営形態を継続すること、(3)の再編・ネットワーク化につきましては、病院間の経営統合や再編統合等を検討しなければならないような大きな課題等はございませんので、計画期間内における市立病院の再編ネットワーク化を行わないこと、(4)の地域医療構想を踏まえた役割の明確化につきましては、神奈川県に係る地域医療構想は、現在、策定中でございますが、将来の必要病床数などの推計を踏まえ、今後の市内医療機関における病床機能の転換の方向性等を見きわめながら、将来不足する病床機能への対応について検討を進めるとともに、在宅医療につきましては急変時等の救急受け入れのほか、地域の医療従事者との連携や支援等により、市立病院としての役割を果たし、また、地域包括ケアシステムの構築に当たりましては、行政を初め、地域医療機関や訪問看護ステーションなどとの連携をより一層進めることで、退院患者が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう支援することといたしました。
改めまして左側の計画の特徴をごらんください。
ポイントの2つ目は、市立3病院の計画として策定したことでございます。直営2病院と同様、多摩病院も含めた中期経営計画として策定することといたしました。
最後に、ポイントの3つ目は、個々の取り組み項目ごとに成果指標を設定したことでございます。こちらにつきましては、後ほど本文をごらんいただきながら御説明させていただきます。
次に、1枚おめくりいただきまして、第2章、医療を取り巻く状況と市立病院の経営状況でございます。
1、2025年に向けた医療・介護制度改革の(1)の国の動向といたしましては、地域医療構想の策定等による病床機能の分化、連携や地域包括ケアの推進など、社会保障制度改革が進められている状況をお示ししております。
次に、(2)の本市の現状と将来推計でございます。本市の人口は平成42年まで増加を続けるとともに、老齢人口の急激な増加も見込まれているところでございまして、平成25年の本市の死因別死亡者の上位であります悪性新生物、心疾患及び脳血管疾患等による入院患者の増加が見込まれているところでございます。
次に、右側の2の市立病院の現況をごらんください。
下段(2)の患者数でございますが、下の左側のグラフ、入院患者数の推移では、多摩病院は300人前後の横ばいとなっておりますが、川崎病院と井田病院は減少傾向となっております。また、右側の外来患者数の推移では、川崎病院は減少傾向である一方、井田病院は増加傾向で、多摩病院はほぼ横ばいで推移しておりましたが、平成26年度は減少しております。
なお、井田病院の入院患者数は平成24年5月の一部開院に伴う病床縮小の影響から患者数が減少しておりましたが、昨年の4月に全部開院をいたしまして患者数は増加しているところであり、外来患者数も新棟開院の影響などから増加傾向となっております。また、川崎病院の外来患者数につきましては、地域医療支援病院の承認を目指し、患者の逆紹介を推進していたため減少しておりましたが、ことしの3月30日に、無事、承認基準を満たし、地域医療支援病院の承認をいただいたところでございます。
次に、1枚おめくりいただきまして、第3章、中期経営計画をごらんください。
1の目標は、「信頼される市立病院の運営」を掲げております。
2の基本的な施策の方向性といたしましては、誰もが安心して暮らせる医療提供体制づくり、地域医療連携の推進、災害に強い病院づくり、安定的かつ継続的な医療提供体制づくり、この4つの基本方針に基づきまして個々の取り組みを推進することとしております。
また、3の施策体系でございますが、取組課題1の医療機能の充実・強化、取組課題2の医療の質と患者サービスの向上、取組課題3の強い経営体質への転換の3つに区分するとともに、それぞれの取組課題ごとに3つから5つの取組項目を設けております。
次に、右側の4、具体的な取組でございますが、こちらは本編の冊子のほうで御説明をいたしますので、恐れ入りますが、再度資料2の25ページをお開き願いたいと思います。病院ごとに取組内容をお示ししておりまして、こちらからは(1)川崎病院における取組を記載しております。
初めに、先ほど特徴の3つ目で御説明をいたしました成果指標の設定について、①の救命救急医療の充実を例に御説明をいたします。
川崎病院では救命救急医療を担う救命救急センターとして、断らない救急を目指し、体制の整備を進めることとしておりますが、具体的にはその下、主な取組にございますとおり、救命救急センター医師の安定的な確保などを進めまして、その下、成果指標にございますとおり三次救急搬送患者応需率については平成26年度の97.4%から0.8%引き上げ、計画期間の最終年次である平成32年度には98.2%以上とする目標を掲げたということでございます。
続けて、病院ごとの主な取組について御説明をさせていただきます。
次のページ、26ページをお開きいただきまして、上段の、がん診療機能の強化でございますが、川崎病院では神奈川県がん診療連携指定病院の指定を目指し、主な取組にございますとおり、がん先進治療機器・検査機器の導入等を進めてまいります。具体的には今年度、内視鏡手術支援ロボット、ダヴィンチを導入いたしまして、前立腺がんへの対応を強化してまいります。
次に、28ページの下段、①の精神科救急医療の強化でございますが、精神科救急医療の基幹病院として本年度から精神保健福祉士を1名増員し、受け入れ体制の強化を進めてまいります。
次に、29ページ下段、④の医療機能再編整備の推進でございますが、今後増加が見込まれる救急搬送等の医療需要に対応するため医療機能再編整備に向けた検討を進めることとしておりまして、今年度は基本構想を策定してまいります。具体的な医療機能につきましては、1枚おめくりいただいて30ページの上段に整理してございますので、後ほどごらんいただければと思います。
次に、33ページをお開き願います。
こちらは大変申しわけございませんが、誤りがありましたので、1カ所修正をしていただければと存じます。上段の成果指標のうち、4番目にございます病床利用率の平成32年度の目標値が78.5%以上となっておりますが、こちらは76.5%以上の誤りでございます。なお、先日お配りをいたしました製本の冊子につきましても同様でございまして、後日正誤表をお配りいたしますので、あわせて修正をお願いできればと存じます。よろしくお願いいたします。
それでは、説明に戻らせていただきます。
次に、34ページに参りまして、(2)井田病院における取組でございます。
初めに、下段から35ページにかけまして記載しております①の地域がん診療連携拠点病院としての機能強化でございますが、がん診療機能の強化に加え、がんサロン等による患者、家族の支援に努めてまいります。なお、井田病院におきましても内視鏡手術支援ロボット、ダヴィンチを導入してまいります。
次に、37ページに参りまして、下段の③の地域包括ケア病床の整備と運用でございます。一般病床の一部を転換いたしまして地域包括ケア病床を整備してまいります。
次に、1枚おめくりいただき、38ページには
井田病院再編整備事業の推進がございますが、こちらにつきましては後ほど
所管事務の報告の中で御説明をさせていただきます。
次に、43ページに参りまして、(3)多摩病院における取組でございます。
初めに、上段①の救急医療(一次(初期)・二次)の安定的な提供でございますが、救急専門医や小児科医の安定的な確保等に取り組み、24時間365日救急患者を受け入れてまいります。特に小児救急につきましては小児科病院群輪番病院として、年間を通して夜間や休日における転院患者の受け入れを行います。
次に、45ページに参りまして、中段の①の地域医療支援病院の運営と強化でございますが、ファクス検査予約等による検査機器の共同利用を進めるほか、救急遠隔読影接続システム、地域連携システムを運用するなど、医療機関の機能分化の強化と連携をより一層進めてまいります。
次に、47ページに参りまして、下段の分かりやすい情報提供と利用しやすい施設の強化でございますが、他の病院に先駆け患者相談窓口を一元化して設置した医療相談センターを円滑に運営するなど、患者に優しい病院づくりに取り組んでまいります。
次に、50ページに参りまして、5の収支見込みでございます。こちらは、ただいま御説明をいたしました4の具体的な取組の結果として、本市病院事業会計における収支見込みと関連する財務指標についてお示ししたものでございますので、後ほどごらんください。
次に、56ページをお開き願います。第4章、目標の達成状況の点検・評価と公表でございます。
1の計画目標の達成状況の点検・評価にありますとおり、本計画の
進捗状況や達成状況につきましては、外部の委員で構成される川崎市立病院運営委員会において、第三者の立場から客観的な御意見をいただきながら毎年点検・評価を行うとともに、2の公表時期・方法にありますとおり、これら点検・評価の結果につきましては、毎年度、病院事業の収支とともにホームページなどで公表してまいります。
次に、3の計画の見直しでございますが、平成29年度には本計画の見直しについて検討することとしております。
以上で説明を終わらせていただきます。
○
田村伸一郎 委員長 説明は以上のとおりです。
ただいまの説明について質問等がございましたらお願いをいたします。
◆
岩隈千尋 委員 丁寧な御説明ありがとうございました。まず、最後のほうのページなんですが、PDCAサイクルによって経営管理をしていきますよというわけなんですが、従前もうこの中期経営計画については、従前のものから、では、新しく今年度からまた始まるものについて、従前のもので、では、どこが課題でポイントだったのか。いわゆるPDCAサイクルのドゥーとチェックの部分ですね。このどこを、どういうところとして捉え、そして、それをどういうふうにこの中に反映していただいたのか。それを教えてください。
◎関 経営企画室担当課長 計画の点検・評価に関する御質問でございますが、個々の取り組みごとに申し上げますと、さまざま課題がございますが、全体的なお話としてさせていただきますと、旧の計画、3次の経営健全化計画でございますが、こちらのほうで一遍、外部委員会のほうでも御指摘というか、御意見をいただいていたのは目標の設定の仕方でございました。
というのは、従前の計画では個々の成果指標、経営指標ごとに目標値を設定しておりました。例えばですが、入院患者で言いますと入院延べ患者数と平均在院日数、これは1人の患者さんがどれぐらい入院しているかという日数でございますが、こちらはよく考えますと相反している指標になります。医療の効率化を進めまして短期間で退院をしていただくということになりますと、必然的に入院延べ患者数が減ってまいります。外来患者につきましても、例えば延べ患者数を延ばそうという目標を立てたとしましても、例えば地域医療連携の推進ということで逆紹介を推進することによって外来患者数が減るというふうなことでの相反する指標がございましたことから、特徴のほうのポイント3で御説明しましたとおり、指標ごとではなくて取り組みごとの成果指標を設けたということ、これが一番大きな変更点でございます。
◆
岩隈千尋 委員 ありがとうございました。今、こういうふうに出されたように、今回の今年度から始まった総合計画と同じように、こういった成果指標等々を設けることに関しては全然よろしいと思うんですよ。ただ、例えば、25ページを見てください。私もこれは今いただいたばかりなので詳しくは読んでいないんですけれども、この25ページの、例えば三次救急搬送患者応需率、これは平成26年は97.4%で、32年は98.2%なので、これはちょっと確認なんですけれども、全体に対する、救急搬送の全体分の対応できた数ということで97.4%ですよね。ちょっと確認よろしいですか。
◎関 経営企画室担当課長 こちらは川崎病院の取り組みになりますので、川崎病院に三次救急患者の応需要請があった全体件数、そのうち応需をした件数が分子になってまいります。
◆
岩隈千尋 委員 そうすると、これは0.8%、いわゆる27、28、29、30、31、32、いわゆる6年間ぐらいで0.8%以上を目標としているよという話なんですけれども、これはパーセントで出されたら、件数がちょっとよくわからないので、では、件数的にはどれぐらいなんですか。
◎関 経営企画室担当課長 申しわけございません。ちょっと手元に数字がございませんので詳細なことが申し上げられないんですが、こちらは応需で書いてございますが、実際に応需できなかった件数につきましては1桁の件数というふうに認識しております。それを年間1人なり2人なり減らしていく形で、このパーセンテージが出ているという認識でございます。
◆
岩隈千尋 委員 これはあくまで一例として出させていただいたんですが、今年度から始まった総合計画の成果指標でもそうなんですけれども、あれはパーセンテージで示されているものを実際の件数にすると、例えば10年間で解決する件数がわずか6件ですよとか、もうむちゃくちゃな成果指標が結構ずっと載っていたケースは多々散見されたんですね。
ですから、こういったところを、例えば次の受入台数にしても、これは6年間でなぜ同じ数なのとか、例えば42ページの経営会議開催数にしても、平成26年は11回ですよ。平成32年は10回以上。10回以上というのは10回以上なんですけれども、これは20回だろうが、別に10回だろうが、逆に減少していてもオーケーですよともとられるし、いわゆるこの成果指標の根拠ですよね。これについてはどのように
皆さんつくられたんですか。
◎関 経営企画室担当課長 今、例示でありましたものをまず最初に答えさせていただきますと、42ページ、経営会議開催数ということで、26年度実績値を下回っている目標値でございます。こちらに関しましては毎月開催という基本方針でございますが、市議会開催時にはなかなか集まれないということがございまして、実は毎年10回開催しているものでございまして、たまたま26年度は緊急に1回開いたりというのがございまして、11回になっているところがございます。
こちらだけではないんですが、特に財務的な指標の部分のところで、一応見ていただければと思うんですが、こちらは28年度からの計画になっておりますので、比較として直近の決算年次、26年度を載せさせていただいておりますが、26年度は会計基準の見直しがありまして、実は収支的には非常に悪い数値になってございます。ですので、収支の経営指標の部分で見ると急に改善していたり、もしくは急に高い、低い目標値になっていたりという、そごが出ているところも実は多々ございますけれども、これにつきましては一つ一つ御指摘をいただければ御説明をしていきたいと考えてございます。
あと、1点、川崎病院につきましては、医療機能再編整備ということで進めることにしておりまして、こちらは施設整備後にさまざまな機能を担ってきたことから施設が狭隘になっている。今以上に患者さんをふやしたいけれどもスペースがないという状況がございまして、例えば救急の件数等も、そういった状況を勘案して低い数値になっていたりという部分もございますので、こちらもあわせて御指摘、御質問いただければ個々に御説明していきたいと思います。
◆
岩隈千尋 委員 わかりました。最後に意見をさせていただきますけれども、総合計画のところでも明らかになったように、例えば高いハードルを成果指標として設けているような部局もあれば、従前と現状維持のようなものもあったりということで、非常に濃淡があるわけなんですよね。先ほど個々の事例によって、これは聞けば答えていただけるということなので、それはまたおのおのでヒアリングさせていただきたいとは思いますけれども、いわゆるそういった余り濃淡があるような状況ではなく、しっかりと同じ局で同じ病院経営というところに基づいていますから、きちんとした統一性を持って進めていただければと思います。結構です。
○
田村伸一郎 委員長 ほかにいかがでしょうか。
( なし )
○
田村伸一郎 委員長 では、ほかにないようでしたら、以上で「
川崎市立病院中期経営計画2016-2020について」の報告を終わります。
ここで
理事者の一部交代をお願いいたします。
(
理事者一部交代 )
─────────────────────────
○
田村伸一郎 委員長 それでは、次に、
所管事務の調査として、
病院局から「
井田病院再編整備事業Ⅲ期工事のスケジュールの見直しについて」の報告を受けます。
それでは、
理事者の方、よろしくお願いいたします。
なお、
関係理事者として、
まちづくり局から
木村公共建築担当課長が出席しておりますので、御紹介をいたします。
◎今井
病院局長 引き続きまして、「
井田病院再編整備事業Ⅲ期工事のスケジュールの見直しについて」御報告させていただきます。
詳細につきましては
五十嵐経営企画室担当課長から御説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
◎五十嵐 経営企画室担当課長 それでは、お手元の資料3により御説明いたしますので、A3の「
井田病院再編整備事業Ⅲ期工事のスケジュールの見直しについて」をごらんください。
平成27年3月に着手いたしました井田病院Ⅲ期工事のうち建築工事について、このたび契約手続の遅延により、立体駐車場等の供用開始がおくれることになりましたので、お知らせいたします。
初めに、
井田病院再編整備事業の概要について御説明申し上げますので、資料3ページの
井田病院再編整備事業概要をお開き願います。
1の目的等でございますが、井田病院は昭和24年に設置し、市の中心部における地域住民の医療ニーズを満たす公立病院としてその機能を果たしておりまして、1号棟から3号棟につきましては耐震性能に問題があり、また、老朽化も進んでいたため、平成17年度に基本構想を策定し、医療機能の強化を基本に再編整備を推進しております。
2の工事経過と予定でございますが、(1)の経過といたしまして、平成17年度に基本構想を策定し、基本設計、実施設計を経て、右のページに参りまして、平成21年4月から準備工事、平成21年7月からⅠ・Ⅱ期工事に着手いたしまして、平成27年4月に全面開院しております。また、平成27年3月にはⅢ期工事のうち解体工事に着手し、本年4月に終了しております。