川崎市議会 2016-03-09
平成28年 予算審査特別委員会−03月09日-03号
(13)議案第56号 平成28年度川崎市
公共用地先行取得等事業特別会計予算
(14)議案第57号 平成28年度川崎市
公債管理特別会計予算
(15)議案第58号 平成28年度川崎市病院事業会計予算
(16)議案第59号 平成28年度川崎市下水道事業会計予算
(17)議案第60号 平成28年度川崎市水道事業会計予算
(18)議案第61号 平成28年度川崎市
工業用水道事業会計予算
(19)議案第62号 平成28年度川崎市
自動車運送事業会計予算
(20)議案第85号 平成28年度川崎市一般会計補正予算
出席委員 (58人)
重冨達也
月本琢也
小田理恵子
渡辺あつ子
三宅隆介
春 孝明
川島雅裕
河野ゆかり
矢沢孝雄
末永 直
老沼 純
斎藤伸志
野田雅之
片柳 進
宗田裕之
渡辺 学
林 敏夫
松井孝至
押本吉司
田村伸一郎
浜田昌利
かわの忠正
原 典之
青木功雄
橋本 勝
山崎直史
吉沢章子
大庭裕子
勝又光江
井口真美
佐野仁昭
木庭理香子
露木明美
堀添 健
岩隈千尋
吉岡俊祐
山田晴彦
沼沢和明
林 浩美
松原成文
廣田健一
石田康博
浅野文直
石川建二
斉藤隆司
石田和子
市古映美
山田益男
飯塚正良
雨笠裕治
花輪孝一
菅原 進
後藤晶一
岩崎善幸
大島 明
嶋崎嘉夫
鏑木茂哉
坂本 茂
欠席委員 (2人)
添田 勝
織田勝久
出席説明員
市長 福田紀彦
副市長 砂田慎治
副市長 三浦 淳
副市長 菊地義雄
病院事業管理者 堀内行雄
上下水道事業管理者 飛彈良一
総務局長 伊藤 弘
総合企画局長 瀧峠雅介
財政局長 大村研一
市民・こども局長 加藤順一
こども本部長 小池義教
経済労働局長 伊藤和良
環境局長 小林哲喜
健康福祉局長 成田哲夫
まちづくり局長 金子 督
建設緑政局長 金子正典
港湾局長 奥谷 丈
川崎区長 大谷雄二
幸区長 上野葉子
会計管理者 豊本欽也
交通局長 飯塚 哲
病院局長 今井宏晴
消防局長 南部浩一
市民オンブズマン事務局長
安藤 勲
教育長 渡邊直美
選挙管理委員会事務局長
星 雅之
監査事務局長 川鍋雅裕
人事委員会事務局長 石澤桂司
外関係理事者
出席議会局職員
局長 古知屋 清
総務部長 吉田孝司
議事調査部長 関 敏秀
庶務課長 石塚秀和
議事課長 小泉幸弘
政策調査課長 渡邉 充
議事係長 鈴木智晴
議事課担当係長 柴田貴経
議事課担当係長 渡邉岳士
外関係職員
午前10時0分開会
○松原成文 委員長 ただいまから
予算審査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付のとおりです。(資料編3ページ参照)
直ちに審査に入ります。質疑につきましては、昨日までの要領によりお願いをいたします。
それでは、発言を願います。
◆吉沢章子 委員 おはようございます。私は、一問一答で無戸籍者について、
マンション管理組合の自治会化について、生田緑地について、地下埋設物について伺ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、無戸籍者について伺います。無戸籍というのは戸籍がないということでございます。歳出の11款区役所費2項戸籍住民基本台帳費に関連して無戸籍者について伺います。先般、自民党本部の女性議員の勉強会におきまして上川陽子前法務大臣より、各地の無戸籍者の実態を把握して一人でも救済できるよう協力してほしいとの要請がございました。本市の実態について伺います。法務局から実態調査のあった平成26年度から把握している人数について市民・こども局長に伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 無戸籍者の実態についての御質問でございますが、平成26年8月の横浜地方法務局長からの依頼に基づく、1歳児以上で出生の届け出がないために戸籍に記載がない、いわゆる無戸籍者の把握人数につきましては、各区役所からの報告によりますと、平成26年8月から本年2月までに法務局へ連絡したものが15人でございました。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 法務局へ連絡したものが15人、これはまた別の数字が出てくるので後から伺いますけれども、なぜ無戸籍状態になるのか、原因と解決策についての見解を伺います。また、事実把握をした時点での本市の対応と現状の課題について伺います。平成19年から懐胎時期に関する証明書――これは妊娠をしたときの時期に関する証明書ですね――の添付により戸籍を取得できることになっておりますけれども、その周知は徹底されているのか、あわせて伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 無戸籍者の原因と解決策についての御質問でございますが、無戸籍者となる原因といたしましては、離婚後300日以内に子を出産した場合には民法第772条の規定により元夫の子として取り扱われるため、届け出義務者である母が子の血縁上の父が存在することを理由として出生の届け出をしないことによる事例などがございます。こうした事例に対応するため、平成19年5月の法務省通達により、離婚後300日以内に生まれた子であっても、医師が作成した懐胎時期に関する証明書により、婚姻の解消後であると認められる場合には元夫を父としない出生の届け出を受理することができるものとされております。また、平成20年7月及び平成24年7月の総務省通知により、戸籍の手続を進めていることを要件として、本人または母などからの申し出により戸籍記載前でも住民票を作成することができるものとされておりまして、本市において住民票を作成したゼロ歳児を含む人数といたしましては平成24年4月から本年2月までに43人となっております。一方で、本取り扱いにつきましては、いまだ周知が十分でないと考えておりますので、本市ホームページ等を活用し、さらなる周知徹底を図ってまいりたいと存じます。また、各種手続や相談などにおいて無戸籍者を把握した場合には戸籍担当部署へ連絡等を行うよう、関係部署に対し改めて周知を図ってまいります。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 先ほど法務局への届け出が15人で、総務省管轄になると43人ということで、また数字がいろいろ変わってくる。これが無戸籍者を把握できない、実態を把握できない、一つのまた大きな要因でもあると考えておりますけれども、実際、今、ゼロ歳児以上で平成26年からということでは、本市には43名の方がいる可能性があるということでございます。
この数字は今、皆様御存じかもしれませんが、この「無戸籍の日本人」という本が出版されておりまして、非常にこれがブームになっております。この井戸まさえさんというのは私の友人でございまして、多分民主党の方で知っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、元民主党の衆議院議員の方でいらっしゃいますけれども、非常にこれは深い内容になっておりまして、彼女自身が期せずして無戸籍人の母になってしまったということで、14年間そのことで日本全国のさまざまな無戸籍人の方を対象に救済活動を行ってきたということで、これを読みますと、抜本的には民法772条の改正が必要だと思っているんですけれども、では、私たち市町では何ができるかと考えますと、先ほどありました懐胎時期に関する証明書というものがございまして、これも彼女の活動によってできたようなものなんですけれども、この証明書を医療機関が発行することによって救済措置が図れるということもございます。
離婚後300日というのは明治時代の120年前のルールでございまして、そのころの法律から考えれば、あえて子どもたちを救済するための措置だったというふうにも考えられるところです。そのころはまだ女性の人権が余り認められていなかったので、男性から三くだり半を突きつけられたら離婚するしかないですとか、さまざまなことで、しかしながら、前夫の子ではない子どもを守るために300日ということが、そのころは合理的な理由だったかもしれませんが、今はDNA鑑定もありますし、さまざまなことがあって、これは国会でも非常に議論になっておりまして、自民党でもかつてPTがあったということも伺っておりますけれども、私たちの市町は、まずこの情報をきちんと各部署が共有して救済できるように通知することだと思っております。通知書によりますと戸籍の担当だけでは全く把握できません。これは
横浜地方法務局長宛てに出ているものなんですけれども、把握する手だては児童手当、児童扶養手当の申請に来庁したとき、国民健康保険や国民年金への加入の相談に来庁したとき、生活保護のケースワーカー、民生委員児童委員等、職員等が戸籍に記載がない者を発見したとき、保育所に入所したとき、幼稚園や小中学校の入園または入園手続のために来庁したとき、就職支援の相談のために来庁したときなどが想定されますということで、非常に担当部署が多岐にわたっております。
そしてまた、無戸籍者の情報は戸籍担当部署だけで全て把握することは困難であり、住民基本台帳、児童福祉、学校教育等の戸籍以外の業務を行う過程でも、これに関する情報に接することがあったものと思われますので、これは神奈川県の教育委員会に出しているんですが、教育委員長及び県内の児童相談所に対しても無戸籍に関する情報をきちんと担当部署へ通達するようにということが平成26年8月に出たところでございます。先ほど伺って、あと、事前のやりとりでは、私どもの市ではきちんと数を把握しているんですけれども、なかなかこの情報の周知が徹底されていないことと、各担当者がスキルをきちんと持って寄り添ってあげられるようにしなければいけないと考えているところでございます。
この著書によりますと、現在日本には1万人以上の無戸籍者がいると想定されておりまして、本市の実数も実は氷山の一角かもしれないということでございます。存在しないという根源的な否定は本当に筆舌に尽くしがたいと、私はこの本を読んで感じました。義務教育や一切の行政サービスも受けられないで、無戸籍の成人になった方も実はいらっしゃるということでございます。その子がこうむる悲劇ははかり知れないと考えています。本市としてさらなる実態把握と救済が必要と考えますけれども、市長の御見解を伺います。
◎福田紀彦 市長 無戸籍者についての御質問でございますけれども、戸籍は社会生活を営む上で一番の基本となるものであることから、無戸籍者につきましては大変深刻な問題であると認識しているところでございますが、正確な実態把握が難しい状況でございます。今後、関係機関と連携し、無戸籍者を発見、確認できた場合には適切な情報提供を行い、速やかに救済が図られるよう取り組んでまいりたいと存じます。以上です。
◆吉沢章子 委員 御答弁ありがとうございました。今、市長の速やかに救済が図られるよう取り組んでまいりたいという言葉でございましたけれども、これはもし無戸籍の方が聞いていたら多分物すごくうれしい言葉だと思っております。この本を読んで感じたんですけれども、自治体によってはなかなか情報も上がっていないところもありますし、周知が徹底されていないところもありますけれども、市長をトップに各関係部署、機関がしっかりと寄り添うようにしていただければ、本当に救われていくのではないかなと思います。
ちなみに、この証明書をとるのにお金は幾らかかるんだというのを調べました。市立川崎病院の場合は1通2,050円、
聖マリアンナ医科大学病院の場合は1,080円、なぜ差異があるのかちょっとわかりませんけれども、今、43人、15人という方たちが、もし非常に貧困に窮していた場合はこのような補助もちょっと考えていただければなと思いましたので、どうぞ御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
次に、
マンション管理組合の自治会化について伺います。歳出の3款1項3目コミュニティ推進費に関連して
マンション管理組合の自治会化について伺います。先日、NPO法人かわ
さきマンション管理組合ネットワークさん、これは市民活動センターで活動していらっしゃる非常に本市ともかかわりの深いNPO法人さんですけれども、そちらにお招きをいただきまして、私は講演をさせていただきました。その際さまざまな御意見や御質問をいただきまして、その中で千葉市のように
マンション管理組合を自治会とみなしてはどうかという御意見がございました。そこで伺いますけれども、まず、本市の住宅の現況についてまちづくり局長に伺います。
◎金子督 まちづくり局長 本市の住宅の現況についての御質問でございますが、平成25年に行われました総務省の住宅・土地統計調査によりますと、市内の住宅総数は67万1,390戸となっており、内訳として持ち家が32万5,880戸で、そのうち共同住宅が16万9,220戸、借家が34万5,510戸で、そのうち共同住宅が28万3,150戸となっておりまして、ともに共同住宅が全住宅の半数以上を占めているところでございます。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 御答弁ですと本市の総数が67万戸、持ち家が32万戸で、そのうち共同住宅は16万戸、これは半分、50%近くでございます。借家が34万戸で、うち共同住宅が28万戸、これは80%を超えているということで、いずれにしても、本市の住宅事情を見ますと半分以上が共同住宅だということがわかる数字でございます。
そして、市民・こども局長に伺ってまいりますけれども、本市における共同住宅の自治会化への取り組みについて千葉市との差異を含めて伺います。あわせて現状と課題について伺います。また、
マンション管理会社へは、せっかく条例ができましたよね。川崎市町内会・自治会の活動の活性化に関する条例、これを示して協力を求めるべきだと考えますけれども、見解を伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長
マンション管理組合についての御質問でございますが、
マンション管理組合は建物の区分所有等に関する法律により、共有財産管理のため区分所有者全員で構成された団体でございますが、千葉市では管理規約に地域活動を行うことについて明記されているなど、一定の要件を満たす場合には
マンション管理組合を町内会・自治会と同様に取り扱うことができることとしております。本市におきましては千葉市のような取り扱いは行っておりませんが、地域内の良好なコミュニケーションを育み、災害に強く子どもから高齢者までが住みやすい地域にしていくため、マンション等におきましても地元町内会への加入や自治組織の設立を呼びかけているところでございます。しかしながら、任意団体という位置づけからマンション等の大型集合住宅におきましては、地元町内会・自治会への加入が進まない、あるいは独自の自治会の設立に至らないケースがあることが課題となっております。また、
マンション管理会社への協力依頼についてでございますが、条例で町内会・自治会への地域住民の自発的な加入に向けた市の支援や町内会・自治会活動に対する事業者の協力に関することなどが規定されており、管理会社等に対して関係局区と連携し、今後とも機会を捉えて地元町内会への加入や自治会設立の必要性を説明するなど、協力を求めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 ありがとうございます。千葉市のようではないけれどもということですけれども、内容的には本市も同じようなことをやっているんだというふうにも伺っております。ただ、広報の仕方が違うのかなと思っていまして、打ち出し方が違うとこうもリアクションが違うのかと感じましたので、広報活動と支援活動をきちっと連携してやっていただきたいと思います。
先日の御質問や御相談の中では、やはり理事長さんたちはすごく苦労されていまして、町会長さんもやっていらっしゃる方もいるんですけれども、組織的に、もともとはプライバシーを重視してマンションをお買いになる方もいらっしゃると思うんですが、結局のところ防災ですとか、これから
地域包括ケアシステムですとかがとても不安だということのお声も聞いておりまして、コミュニティとして拡充していかないと、なかなかこれから難しいだろうというようなお声も、実はそちら側から出てきていると。ですから、本市からのアプローチをもっとしっかりしていただいて、結局メリットの話になってくると思うので、そのメリットのところでまたちょっと工夫があるかと思っております。
そこで、砂田副市長に伺ってまいりますけれども、自主防災組織における資器材の補助は新規に自治会を形成するのには大きなメリットでございます。器材があっても、ふだんから顔を合わせて協力し合えるコミュニティがなければ災害時には全く機能しないのではないかと考えます。自主防災組織は総務局の危機管理室で、町内会・自治会に関しては市民・こども局ということで、そういう縦割りではなくて相互に協力して自治会形成に寄与すべきと考えますけれども、担当副市長の砂田副市長の御見解を伺います。お願いします。
◎砂田慎治 副市長
マンション管理組合についての御質問でございますが、
マンション管理組合は建物等の維持管理を行うことを目的として、法律で設置が義務づけられた組織であるわけでございますが、一方で、町内会・自治会は暮らしやすい地域づくりを進めるためにつくられた任意団体であることから、その法的な性格は異なっておりますが、マンション入居者の方々が快適な生活を送るために、サークル活動やボランティア活動などを通じて地域で顔の見える関係をつくり、良好なコミュニケーションを育むことは大変重要なことと考えております。地域の防災対策のみならず、高齢者の見守りや子育て支援などにおきましても、今後ますますお住まいのマンションだけではなくて、周辺町内会・自治会など地域との連携や支え合いが重要となりますので、そのためには日ごろから良好な関係を築いておくということが大切であると考えております。本市といたしましては、こうした観点から、地域での支え合いの必要性、町内会・自治会の役割について十分理解を深めていただけますよう、関係の局区がより一層連携いたしまして取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 御答弁ありがとうございました。先ほども申し上げましたけれども、半分以上がもう共同住宅だというのが都市部の実態でございますので、しっかりと連携を図っていただいて、しっかり町内会を担っていただくことも手だてかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、生田緑地について伺います。GDPアップには観光施策が必要不可欠でございます。まさに成長戦略ということだと思っております。新・かわさき観光振興プラン案が示されて、戦略2として昨年度入場者数112万人の生田緑地の観光強化がうたわれておりますけれども、具体的な展開について伺います。また、広報戦略は必須ですけれども、取り組みを経済労働局長に伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 生田緑地の観光強化についての御質問でございますが、本市では本年2月に策定いたしました新・かわさき観光振興プランの中で12の戦略を掲げておりまして、藤子・F・不二雄ミュージアム、岡本太郎美術館、日本民家園、かわさき宙と緑の科学館といった個性的な施設が豊かな自然と調和して立地している生田緑地の観光強化を戦略の一つに位置づけしております。初めに、具体的な展開についてでございますが、これまでも近隣の商業施設や商店街など、近隣地域と連携した魅力の向上や、岡本太郎美術館、日本民家園、かわさき宙と緑の科学館との連携によるイベントの開催、外国人をターゲットとした伝統芸能の公演や日本文化の体験などによる新規顧客の開拓に努めてまいりました。今後さらに新たな顧客開拓に向けた魅力強化といたしまして、暫定的なバス待機スペースの確保等による観光ツアーバス対応の充実や、羽田空港に近い南部との連携を強化する必要から、本市の玄関口である川崎駅周辺における
生田緑地キャンペーンの開催などの取り組みについて検討しているところでございます。また、ばら苑、紅葉や花見など四季折々の限定感のある魅力的な情報のタイムリーな発信などによる集客拡大のための売り込み強化、アイデアを募集し生田緑地の豊かな自然や各施設を活用した斬新なイベントの開催などによる首都圏住民等のリピーター化の促進など、観光客の誘致に向けた効果的な取り組みを検討してまいります。次に、広報戦略についてでございますが、これまでアメリカ、スウェーデン、オーストラリア、台湾など11カ国の駐日大使館などへのセールス活動を行ってまいりましたが、今後は外国人観光客の誘致に向け、こうした取り組みを強化するとともに、豊かな自然と美術館、博物館が調和・連携して新たな魅力を発信していく象徴となるようなブランドロゴやブランドメッセージなどを策定するほか、多言語による
プロモーションツールの充実等により、国内外に向けた生田緑地のプロモーション強化を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 ありがとうございます。きのうの老沼委員の質問で観光事業費の内訳は明らかになっていますけれども、1億3,000万円でしたっけね。それが、生田緑地に関しては観光プランはうたわれていますけれども、予算はほぼゼロということでございまして、残念な状況だなと思っておりますが、結局、現場の工夫よりほかはないのかなと考え方を変えまして、生田緑地の目玉といえば一般的には藤子・F・不二雄ミュージアムということになっておりますけれども、ことし開館5年を迎えたミュージアムの費用対効果について伺います。周辺にキャラクターのモニュメントがありますけれども、市が支出した金額についてもお示しください。また、藤子・F・不二雄ミュージアムは昨年度実績で47万人の集客ですけれども、ドラえもんを初めとするキャラクター使用のハードルが高くて生田緑地のポスターにさえ使用できません。きょうちょっと議場に持ってこようと思ったんですが、今、自民党の控室に張ってあるんですけれども、大使館向けのポスターですね。あれは生田緑地の風景が写真としてあるんですが、そこにすら藤子・F・不二雄ミュージアムのドラえもんは使えないという状況でございまして、現在の状況では生田緑地の互換性が期待できずに、本市との共存共栄の姿勢を感じることができないとの地域の声もあります。今後連携は期待できるのか、市民・こども局長に見解を伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 藤子・F・不二雄ミュージアムについての御質問でございますが、初めに、費用対効果についてでございますが、平成26年度の事業費の主な支出につきましては、指定管理料が約6,500万円で、敷地の賃借料が4,500万円などとなっており、合計で約1億3,000万円となっております。こうした中、ミュージアムには毎年約50万人が訪れ、昨年10月には開館からの入場者の累計が200万人を超えたところでございます。また、昨年度は5万人を超える外国人の来場があり、これから東京オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たり、ますます川崎の魅力が国内外に発信されるとともに、周辺地域の活性化につながるものと考えております。また、最寄り駅からミュージアムのアクセス路に設置した9体のモニュメントに係る費用につきましては約2,100万円となりますが、周辺地域の店舗等とあわせて藤子・F・不二雄ミュージアム周遊マップで紹介しており、昨年秋にはJRにおきまして登戸駅や宿河原駅のほか、南武線の主要駅に大きなポスターで周遊マップとモニュメントの紹介をしていただいたところでございます。このほかにも多摩区での地域の魅力発信事業で活用されるなど、本市や周辺地域の認知度向上につながっているものと考えております。
次に、キャラクターの使用につきましては、著作権管理者であります藤子プロの許諾が必要になりますが、ミュージアムを広報するための画像やロゴマークにつきましては、これまでにも生田緑地ニュースを初め、本市が発行する広報紙やパンフレット、商店街に掲出するバナーフラッグなどへ積極的に活用しているところでございます。また、昨年7月下旬から9月末までに実施いたしました生田緑地内の文化施設との連携による4館をめぐるスタンプラリーには約8,000人の方々に御参加いただき、周辺地域のにぎわいの一つになっているものと考えております。今後につきましては、ことし9月にミュージアムが開館5周年を迎えることから、4館をめぐるスタンプラリーのエリアを町なかにも広げるなど、さらに指定管理者や関係局区などと連携を図りながらミュージアム事業に取り組むことにより、本市の魅力発信や周辺地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 ありがとうございます。あのモニュメントは9個で2,100万円、高いなと思うんですけれども、等々力緑地のモニュメントが4,500万円だということなので非常に高いんだなということを思っているんですけれども、結局これを有効活用できるかどうかということが費用対効果だと思っておりまして、このモニュメントの周辺で何か市町の中に、例えば宿河原だったら、コロ助がいるんだったら、コロ助も含めて何かイベントが打てるとか、そういうふうなこともいろいろ考えるアイデアがあると思うんですけれども、そこら辺も市民・こども局なのか経済労働局なのかわかりませんが、そういう御意見があったときの受け皿にきちんとなっていただいて、つなげていただければと思います。パテントが厳しいのはよくわかっているので、また違った方向でのアプローチもあるのかなと思っています。
そのようなお声がさまざま地元からも聞こえてくるところなんですけれども、生田緑地の来館者数は昨年度実績で112万人ということで、藤子・F・不二雄ミュージアムが47万人、それ以外が65万人ということで、ばら苑が2万人くらいアップしているんですよね。民家園も1万人アップしていると。これは非常に努力されているなと思いまして、指定管理者と地元がコラボレートして、さまざまな取り組みが功を奏しているんだというふうにも考えております。一方、さらなる多様な主体の参加も求められるところでございます。生田緑地のパークマネジメントにおける現状と課題について伺います。また、地域には意識とアイデアのある方たちが多数存在しますが、その受け皿となり得るのか、あわせて建設緑政局長に見解を伺います。
◎金子正典 建設緑政局長 生田緑地のパークマネジメントについての御質問でございますが、平成26年度に実施した利用者満足度調査では前年度より3ポイント上昇し、約93%の皆様から満足したとの評価をいただいているところでございます。指定管理者の自主事業といたしましては、JAセレサ川崎や地元商店などと連携した森のマルシェや生田緑地園芸まつりなど新しい取り組みを展開しております。また、生田緑地マネジメント会議につきましては、地域の方々や関係機関と連携し、ばら苑への御案内やホタルの里の運営など、生田緑地の魅力向上に向けた取り組みを進めているところでございます。一方で、商店街の若い世代の視点を取り入れるなど、地域のより幅広い世代との連携の強化が課題となっております。引き続き生田緑地におけるパークマネジメントを充実させ、多様な御意見が反映できるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 ありがとうございます。多様な意見を反映できるよう取り組みを進めるということで、期待させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に移ります。次は、地下埋設物についてまちづくり局長に伺います。今議会においても地下埋設物により変更契約となった事案が示されております。予測できなかった事態による工事金額の増額に対し、またかというのが率直な感想であり、入札の意味すら疑いたくなるときもあります。今まで何らかの手だてはないのかという議論は各委員会等でも交わされてきた経緯から、一度整理したいと考えて伺います。いただいた資料では、平成27年3月1日現在で今年度、地下埋設物等により変更契約となった工事は10件、変更金額の総額は5億5,000万円でありました。そのうち金額が最も大きな環境局の4億5,000万円余ですけれども、件数はまちづくり局の8件が最も多いので、まちづくり局長に伺いますけれども、8件の変更契約による増額費と埋設物の撤去処分に要した費用をお示しください。
◎金子督 まちづくり局長 地下埋設物等に係る契約変更についての御質問でございますが、まちづくり局関連の発注工事で地下埋設物の支障が原因に含まれる変更契約の金額の合計は約7,700万円でございます。このうち地下埋設物の撤去処分に要した費用は約1,500万円でございます。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 これはいろいろ伺ってみたんですけれども、まち局ぐらいしか精査できないということでございまして、これは時間がかかるということなので、各局は御精査をお願いしたいと思います。
産業廃棄物の法整備が昭和46年なんですね。これ以前の廃棄物は地中に埋まっていても不思議はないということで、実はスクラップ・アンド・ビルドですから、川崎市の中で建てかえを行うときには、もう地中埋設物があって当然だというのが妥当な考え方と思っておりまして、過去の変更契約におけるデータを分析すれば、地下埋設物の頻度や費用はおおむね予測できるというふうには考えているんですけれども、それはそれとして置いておきまして、2年前に河野ゆかり議員がこの議場で事前調査をするべきではないかという御質問に対して、しますよという御答弁があったんですが、まだ実施されていないんですね。事前調査の現状と課題について及び今後の取り組みについてまちづくり局長に伺います。
◎金子督 まちづくり局長 地下埋設物の事前調査についての御質問でございますが、建築工事におきましては、既存建築物を解体した上で新築工事をすることが多く、設計の段階では既存建築物が存置しておりますことから、過去の土地利用の情報だけでは地下埋設物の存在を予見することは困難でございますが、建物や敷地の現状により可能な場合には、地中探査レーダー等の事前調査を実施する方向で関係局と調整を行うこととしております。以上でございます。
◆吉沢章子 委員 伺っておりましても、新川崎の場所が該当するだろうということですけれども、まだなかなか決まっていないということで、工期も決まっていないので、いつになるかわからないということですけれども、このレーダーで地中探査を行うにも更地でなければいけないということでありまして、なかなかこれをやる場所がなかったということも、なぜここまで延びたかということで内容としては伺っているんですけれども、逆に、そういう場所が川崎市内の中にどれくらいあるのかなと思っていまして、地中探査を行うことも一つの案ではあると思うんですが、これはレアケースなんだろうと思っています。
ですから、先ほど申し上げたみたいに、これが後から出てきて、また追加かという話になるのは、毎回議員からも意見が出るところでございますので、できればデータを分析していただいて、どういうような頻度でこれが発生するのかと。どれくらいかかったのかということを、特に今回は環境局も4億5,000万円というのもありますから、そこもお調べいただいて、そこをデータとして分析していただいて、内容を精査していただいて、財政局に御提出をいただきまして、財政局としてはどのようなことができるかということを研究していただければと思います。他都市の事例もあるかもしれませんので、その辺は研究をしていただければと思います。以上で質問を終わります。ありがとうございました。
◆山田晴彦 委員 私は、一問一答で公営住宅整備事業について、木造住宅耐震対策推進事業について、鷺沼駅前地区の事業計画について、予防接種事業について、河川整備事業について、危機管理対策事業について、警防活動事業について、以上7点について伺ってまいります。
初めに、公営住宅整備事業の中の市営住宅等長寿命化計画についてまちづくり局長にお伺いいたします。本市は2030年に市営住宅の耐用年限がピークになることから、計画的に建てかえや長寿命化対策を推進し、平準化を図る基本方針を定めております。そこで、本市の年代別ストックの選定方法についてお伺いいたします。以上です。
◎金子督 まちづくり局長 市営住宅の長寿命化についての御質問でございますが、第3次川崎市市営住宅等ストック総合活用計画における長寿命化住宅の選定に当たりましては、次の3つの視点により建物ごとに判定することとしております。1点目は、間取りなど建物固有の特性に基づく実効性として、改善工事を実施する際の困難度合いにより判定いたします。2点目は、経過年数による効率性として、耐用年限70年まで活用することを踏まえ、おおむね建設から50年を超過しているかどうかにより判定いたします。3点目は、入居者移転を踏まえた実現性として、居ながら工事や移転計画策定の困難度合いにより判定しているところでございます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 そこで伺います。現在、高齢化の進む団地では長寿命化対策としてエレベーター設置と配管設備の更新は喫緊の課題であります。昨年の予算議会にバリアフリー及び維持管理コストの観点から、片廊下設置型エレベーターの有効性を提案させていただきました。高山団地等で検証することになりましたが、その後、入札不調により事業が延期となっております。主な要因と今後の取り組みについてお伺いいたします。以上です。
◎金子督 まちづくり局長 高山住宅改善第1号工事の入札不調についての御質問でございますが、本工事は本市で初めて行う内容のモデル工事でございまして、具体的には、ベランダの外側に廊下を増築してエレベーターを設置することによりバリアフリー化を図るとともに、外壁、屋上防水、住戸内の台所、浴室、トイレなどの水回りの改修等、総合的な改善を行うものでございます。契約手続におきまして、昨年9月に入札を行ったところ不調となりました。入札不調の主な原因でございますが、入札金額におきましては原則として仮移転を伴わず、入居者の方がお住まいのままで工事を行う計画としたことから、新築工事のように一連の工事を連続的に行うことができないことにより、想定以上の手間がかかることを見込んだことなどが考えられます。その点を踏まえまして再度設計内容を精査いたしまして、年度内契約を目指して現在契約手続を進めているところでございます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございました。予算議会での提案をさまざまに検討していただいている様子がわかりました。入札不調については想定以上に手間がかかるということで、今後、年度内に再契約をするということで、またその手続をぜひともお願いしたいと思います。他の自治体でもこうした手法については関心を持っているということでございますので、しっかりと応援させていただきたいと思います。
そこで伺います。市営団地建てかえ計画では年間250戸のペースで建てかえを推進することになっております。そのためか団地内には政策空き家が目立っており、入居希望者や住みかえを希望される方々からは空き家活用について厳しい意見をいただいているところでございます。計画策定から5年が過ぎます。効率的な活用が必要です。見解と取り組みを伺います。以上です。
◎金子督 まちづくり局長 政策空き家についての御質問でございますが、第3次川崎市市営住宅等ストック総合活用計画におきましては、長寿命化改善工事に際し、工事期間中は入居者の方に移転していただくことを原則としておりましたことから、改善工事のため必要となる住戸につきましては募集を停止していたところでございます。このたび長寿命化改善事業を行うに当たりまして工事内容を検討した結果、入居者の方が住みながらの工事を行うことが可能となるモデル事業を実施することといたしましたため、募集を停止していた住戸につきましては今後順次募集を再開する予定でございます。また、来年度末に改定を予定しております第4次川崎市市営住宅等ストック総合活用計画には、これらのモデル事業の内容を検証し、住みながらの工事も考慮した政策空き家の考え方を反映してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございます。今後はモデル事業を展開する中で、しっかりと第4次計画にも反映させていただくということと、さらには、今まで長寿命化のため、あるいは建てかえのために仮移転が必要だったわけですけれども、今後、そのモデル事業で検証しております、いながらにして改修ができるという工事になれば、そうした空き家がより効率的に使われるようになるのではないか、このように大きく期待しておきたいと思います。
次のテーマに移らせていただきます。次は木造住宅耐震対策推進事業について、こちらもまちづくり局長にお伺いいたします。このたびの木造住宅耐震改修助成の拡充は、新耐震基準の目的の一つである命を守る観点から部分改修助成を提案させていただいたものでございます。初めに、新年度より事業化したことを高く評価したいと思います。そこで、新たな助成制度の概要について伺います。また、これまでに耐震診断を行った方のうち、耐震改修助成制度を利用された方は約1割にとどまっております。対象家屋への周知とともに、一部屋耐震や耐震ベッド等、より丁寧な改修促進のための働きかけが重要です。今後の取り組みを伺います。以上です。
◎金子督 まちづくり局長 木造住宅耐震対策推進事業についての御質問でございますが、初めに、新たな木造住宅耐震改修助成制度の概要についてでございますが、一般世帯において現行の補助率を2分の1から3分の2に引き上げるとともに、限度額を時限措置前の75万円から100万円としており、全国的に見ても高い水準となっております。また、市民の命を守るという観点から、新たに部分改修、耐震シェルター等への助成も創設してまいります。次に、今後の取り組みについてでございますが、新たな制度による耐震対策を着実に推進するため、これまで約3,900件実施してまいりました無料の耐震診断士派遣制度の利用者の情報を活用いたしまして、制度の御案内や新たに作成するパンフレットを個別に送付する予定でございます。また、町内会組織や高齢者施策を推進する庁内の部署と連携を図り、高齢者世帯にも十分制度が伝わるよう、きめ細かい御案内をしてまいりたいと考えております。なお、パンフレットにつきましては、実例写真などを用いて標準的な工事内容や参考費用をお示ししたものとし、あわせて本市の登録講習を受講した施工業者等の情報も提供するなど、市民の方が安心して耐震対策に取り組んでいただけるよう周知等に努めてまいります。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございます。まずは丁寧な啓発をお願いしたいと思います。3,900件に上る無料での耐震診断士派遣制度のデータを活用していく、あるいは、提案させていただきましたけれども、きめ細かいわかりやすいパンフレットを、個別勧奨という言葉はあるかどうかわかりませんけれども、個別に丁寧に対応する。さらには、これから他の局でも議論になっておりますけれども、
地域包括ケアシステム、現場に入る機会が多くなりますので、そうした状況がよくわかると思いますので、連携を深めていただく、このようになるかと思います。あるいは、そのパンフレットの中に具体的にどの業者に頼めばいいかということを、一つの市の基準を設けていただいて、登録していただいた方を案内ができるようにする。登録業者は145人いらっしゃると聞いておりますので、ぜひ有効に活用していただきたい、このように思います。
次のテーマに移らせていただきます。次に、鷺沼駅前地区の事業計画の調整等に係る調査について、まちづくり局長に再びお伺いいたします。新年度予算に486万円が調査費として計上されました。これは平成29年度から始まる東急電鉄との包括協定による事業のための準備予算であります。具体的に調査項目を伺います。また、そのためのスケジュールについても伺います。以上です。
◎金子督 まちづくり局長 鷺沼駅周辺まちづくり推進事業についての御質問でございますが、初めに、来年度の予算の内容につきましては、駅を中心とした多様なライフスタイルに対応する機能の充実や駅アクセスの向上など、まちづくりの実現に向けて事業手法等についての検討とあわせ、交通管理者等との協議など事業計画の検討を進めるために必要な調査費を計上しております。次に、今後のスケジュールにつきましては、引き続き東急電鉄を初め関係者との事業計画調整を進め、平成29年度に予定する都市計画等の手続につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 そこで伺いますが、さきの議会で、この包括協定の意味するものとして、私は千載一遇の好機到来と言わせていただきました。コンパクトシティを推進する本市として東急電鉄との包括協定の中で当該まちづくり事業スキームに駅前機能の強化として、現在求められております投票所機能や図書サービス機能など行政機能、あるいは区役所のサテライト機能を入れることについて検討すべきと考えます。改めて市長の見解を伺います。以上です。
◎福田紀彦 市長 鷺沼駅周辺再整備についての御質問でございますが、鷺沼駅周辺につきましては、新たな総合計画におきましても地域生活拠点として位置づけていることから、これにふさわしい多様な都市機能集積及び交通結節機能の強化に向けた取り組みを進めてまいります。こうした中で、公共的な機能の導入につきましては、さまざまな課題や御意見があると思いますので、今後、多面的な角度から検討してまいりたいと存じます。以上です。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございます。ぜひとも前向きな検討をされるよう強く求めておきたいと思います。今後とも注視をしていきたいと思います。
次に、予防接種事業の中のB型肝炎ワクチンについて健康福祉局長にお伺いいたします。我が党はこれまでワクチンギャップの改善について、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチン等の定期接種化を推進してまいりました。このたび国は本年10月よりB型肝炎ワクチンの定期接種化方針を公表しましたが、事業概要と本市の取り組みをお伺いいたします。以上です。
◎成田哲夫 健康福祉局長 B型肝炎予防接種についての御質問でございますが、初めに、制度の概要についてでございますが、対象者は本年4月以降に出生した者とし、1歳に至るまでに規定の間隔で3回接種を受けるというものでございます。今後、国においてパブリックコメントの実施の後、政省令の改正がなされる予定でございますので、本市におきましては国の動向を踏まえ、必要な対応を図り、対象の方々への周知と円滑な実施に向けた準備を進めてまいります。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございました。このワクチン接種につきましては本年10月からの実施ですが、対象は4月以降に生まれたお子さんであれば3回の接種は可能ということでございますので、その辺の周知のあり方についてしっかりとお願いしたいと思います。
そこで、お伺いいたしますけれども、B型肝炎ウイルスの場合、3歳までの小児が感染すると高い確率で持続感染者となると言われております。既に渋谷区や品川区など全国85の自治体では先行的に公費助成を実施しております。また、相模原市や大和市でも対象児童の拡充について検討していると仄聞します。改めてワクチンギャップに対する市長の見解と取り組みを伺います。以上です。
◎福田紀彦 市長 ワクチンギャップについての御質問でございますが、国におきましては他の先進諸国と比べて公的に接種するワクチンの種類が少ない等の状況であったため、専門家の会議において必要なワクチンについては定期接種に位置づけるとの提言がなされたことを受け、これまでにB型肝炎ワクチンを含め6種類のワクチンが定期接種に追加されたところでございます。予防接種の実施につきましては、極めてまれではありますが、副反応による健康被害が発生するという特殊性に鑑み、国により有効性及び安全性について科学的に十分に検討した上で、救済措置も講じられた予防接種法に基づく定期接種として実施することが重要であると考えております。今後におきましても、定期接種化されていないおたふく風邪等のワクチンについて、十分な検討がなされた上で早期に定期接種化すること等について引き続き国に要望してまいります。あわせて医療機関との連携のもとに、予防接種の効果及び副反応のリスクについて市民の方々の理解が得られるよう適切な情報提供に努め、安心・安全に受けられる環境を整備しながら円滑適正に予防接種を実施してまいります。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 市長、ありがとうございました。市長のおっしゃるとおり、やはり副反応というリスクもありますので、定期接種については安全性をきちんと確保した上で早期に対応していただきたいと思いますし、ここでB型肝炎ワクチンができたことによって、あと、おたふくという問題、これはなるべく早く、やはり子育ての方々に対して費用負担が大変に大きな問題になっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次のテーマに移らせていただきます。次に、河川整備事業の中の矢上川流域の洪水対策について建設緑政局長にお伺いいたします。矢上川の洪水対策については、これまでたびたび取り上げて改善を求めてまいりました。平成19年度に始まった県の洪水調節施設調査では、同年12月議会で施設建設を浸水被害の大きい野川地区の上流部にすることで浸水被害の軽減を図ること、また、取水口としてJR貨物梶ヶ谷ターミナル駅付近が適地であることを提案、県に要請するよう求めてまいりました。結果、提案どおり県は管理区域を見直して、当初の上野川橋より約1キロメートル上流部にあるJR貨物梶ヶ谷ターミナル駅付近まで管理区域を延伸して事業を行っております。そこで、県の矢上川地下調節池の進捗状況と、今後見込まれる事業効果について伺います。加えて、同年12月に改善を求めた宮前平駅付近の尻手黒川線の道路冠水対策についても工事改修後のゲリラ豪雨への効果についても伺っておきます。以上です。
◎金子正典 建設緑政局長 矢上川流域の洪水対策についての御質問でございますが、矢上川地下調整池の事業でございますが、平成19年度より神奈川県が進めておりまして、時間雨量60ミリの降雨を安全に流下させることを目的に、台風や集中豪雨時に矢上川の水を取水し、地下トンネルへ貯留するものでございます。現在の進捗状況でございますが、地下トンネルの掘進に向け、JR貨物梶ヶ谷ターミナル駅付近において発進立て坑の築造準備工事、また、有馬川の野川東住宅付近において中間立て坑の築造工事が進められております。本事業の効果といたしましては、野川地区を含め、JR貨物梶ヶ谷ターミナル駅付近から東急東横線までの矢上川沿いの浸水想定面積約160ヘクタール、家屋約1万戸の浸水を防ぐことが見込まれると伺っております。次に、宮前平駅周辺の尻手黒川線の道路冠水につきましては、平成22年度から平成26年度までに道路排水施設の改良や、矢上川の河川改修を行ったことにより、交通に支障を来す冠水等は発生しておりません。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 どうもありがとうございました。矢上川の地下調節池の進捗につきましては、効果として、梶ヶ谷ターミナルから東急東横線沿線のところまで、約160ヘクタールに及ぶ浸水想定地域の軽減につながっていく、あるいは、家屋として1万戸の浸水を防ぐことができるということでございますので、大いに期待をしていきたいと思いますし、宮前平駅周辺の冠水対策についても交通に支障を来す冠水にはなっておらない、大変に喜ばしいことだなと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
そこでお伺いいたしますけれども、新年度予算に河川計画調査事業費として475万円が計上されております。矢上川流域については護岸改修等も進んでいると考えますが、ゲリラ豪雨等の記録的な短時間雨量での冠水地域は逆に増加傾向にあります。対策強化について取り組みをお伺いいたします。以上です。
◎金子正典 建設緑政局長 今後の豪雨対策についての御質問でございますが、全国各地において近年の気候変動により雨の降り方に変化が生じている状況がございますので、本市におきましては引き続き現在の河川整備を着実に進めるとともに、新たに雨水流出抑制施設などを活用した流域対策による治水安全度の向上や、洪水ハザードマップを活用した市民意識の向上による減災対策など、ハード、ソフト両面からの対応につきまして現在検討を進めているところでございます。これらを踏まえ、来年度、今後の河川整備などに関する基本方針を策定してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、次のテーマに移らせていただきます。危機管理対策事業の中から防災設備事業について総務局長にお伺いいたします。間もなく3・11東日本大震災から5年がたちます。改めて防災対策について点検する必要があります。本年2月に公表された防災に関する平成27年度包括外部監査報告では、備蓄物資に対し紙おむつや生理用品など20年近く経過するものがあり、使用の可否を検討する必要があると指摘をされております。私も平成16年12月議会では期限切れのアルファ化米が大量に廃棄処分されていることを指摘し、有効活用を提案いたしました。さらに、食品ロスを軽減するためにローリングストックの提案もさせていただいてきたところでございます。そこで、消費期限に対する備蓄物資の点検調査と管理基準、今後の取り組みについてお伺いいたします。また、避難所等機能強化として学校マンホールトイレや公園マンホールトイレの整備についても指摘がありました。これまでに15校のうち、マンホールトイレ用機器が5カ所しかないことや、公園マンホールトイレについては3カ所で整備されていないことが明らかになりました。いずれも提案者として早期の対応を求めておきたいと思います。取り組みについてお伺いいたします。以上です。
◎伊藤弘 総務局長 備蓄物資など防災設備事業についての御質問でございますが、災害発生初期の混乱した状況の中で、避難所に避難してきた方々に必要とする物資を速やかに配付できるよう、全ての避難所に備蓄物資の配置を進めております。これらの備蓄物資につきましては、災害時に確実に使用できるよう、区危機管理担当と連携して年間を通じた点検を行い、その数量や状態を確認し、備蓄リストの更新や物資の維持管理等の対応を図っているところでございます。備蓄物資の基準は備蓄計画に定めておりまして、アルファ化米、飲料水につきましては保存期間が残り1年となったものから順次、自主防災組織の訓練や学校教育の場などで活用していただいているところでございます。このほか毛布につきましては長期間の保管のために真空包装としておりますが、10年以上経過したものにつきましては順次クリーニング及び真空包装のリパックを実施することとしております。なお、紙おむつやトイレットペーパーなどにつきましては使用期限は設けられておりませんが、購入後、長期間が経過したものもございますことから、今後はサンプル調査の実施を点検項目に追加し、品質の状態確認を行ってまいりたいと存じます。
次に、マンホールトイレの機器の備蓄についてでございますが、まず、学校に設置いたしましたマンホールトイレにつきましては、平成26年度から今年度にかけまして設置工事を実施した中学校15校のうち14校に対しまして、昨年7月から12月にかけて所管局により機器を搬入いたしました。また、現在、防災備蓄倉庫設置工事を行っている1校につきましても今月中旬には搬入を完了する予定となっております。次に、公園に設置したマンホールトイレにつきましては、公園内に備蓄場所を確保することが難しいことから、実際に使用する際に機器を搬入することとしております。円滑にマンホールトイレの使用を開始するため、できる限り使用場所の近隣において機器を備蓄するよう努めており、中原平和公園で使用する機器は住吉中学校に、富士見公園で使用する機器は川崎区道路公園センターに、それぞれ備蓄をしております。小田公園につきましては、現在、近隣における適切な備蓄場所の検討を行っているところでございます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 よろしくお願いいたします。
それでは、次のテーマに移らせていただきます。次は警防活動事業費(消火用具整備分)について消防局長にお伺いいたします。こちらも平成27年度包括外部監査における指摘事項として消火ホースキットが挙げられております。その中で、いざというときに有効に使用されるためにはいまだ課題が多い、平成28年度は全避難所に整備が完了するので、今後いかに運用面で課題を解決し、事業の有効性を高めていくかが重要であるとされております。そこで、有効に使用されるための課題について伺います。また、市内消火ホースキットの配備状況についても伺います。配備については実態に応じた整備水準の目標が重要です。特にリスクコミュニケーションとして消火活動優先地域の中でも緊急車両が入れない地区への優先配備を早期に検討すべきです。現状と今後の取り組みを伺います。以上です。
◎南部浩一 消防局長 消火ホースキットについての御質問でございますが、初めに、有効に使用するための課題についてでございますが、大規模災害時に地域住民が容易に使用できる環境を整備すること、また、多くの方々に取り扱いを習熟していただけることなどが課題であると認識しております。次に、配備状況についてでございますが、平成28年度に59カ所に配備しますと全175カ所の避難所に配備が完了することとなります。また、川崎市自主防災組織防災資器材購入補助金制度を活用し、購入した自主防災組織は、平成28年2月末現在、18団体18基と伺っております。次に、現状と今後の取り組みについてでございますが、現在52カ所ある消火活動優先地域の見直しを図っており、また、包括外部監査の結果を踏まえ、事業の検証を行い、消火活動優先地域の中でも特に消防車両の進入が困難な道路狭隘地域等への配備を含め、関係局、関係機関と対応を検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆山田晴彦 委員 ありがとうございました。答弁の中に、今後、消火活動優先地域の中で、特に道路の狭隘な消防車両が入れないところを優先して検討していくということでございますので、ぜひお願いしたいと思います。
私は、昨年の6月議会に不燃化の問題を取り上げさせていただきまして、本市としても条例化に向けた形で進んでいくことになったわけでございますけれども、それは川崎区の小田地域と幸区の幸地域、2カ所なんですね。ですけれども、川崎市内にはほかにも多くの消防困難地域といいますか、今は消火活動優先地域と言われておりますけれども、なかなか消火活動が困難な地域がございますので、そうしたところをこの52カ所の中から抽出していただいて、そうしたところにこそ実戦配備をしていただくことを要望しておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上で終わります。ありがとうございました。
◆押本吉司 委員 私は、まず、平成28年度予算、主に市税収入について市長、財政局長に、次に、歳出3款1項1目、公共施設利用予約システム事業費について市民・こども局長に、そして建設緑政局長に、次に、歳出8款8項1目公園緑地施設費に関連して続けて建設緑政局長に、最後に、歳出12款1項1目常備消防費のうち消防活動事業費について消防局長に一問一答で伺います。
市政運営の財源、主に市税収入について平成28年度当初予算における課題も明らかになりました。まず、自治体間の返礼品競争が過熱をしているふるさと納税制度について伺います。本市において当初予算では控除額が受納額を上回り、流出額はおよそ13億円に上ります。この制度は地方と都市部の税収格差を是正するための制度とはいえ、財政への影響も大きく、毎年度継続する課題として顕在化してまいりました。また、来年度においては企業版ふるさと納税も始まると聞き及んでおります。対象自治体や要件等、今後の施策展開を注視すべきです。これらふるさと納税制度について市長の見解を伺います。
◎福田紀彦 市長 ふるさと納税についての御質問でございますが、個人からの寄附を対象としたふるさと納税制度につきましては、ふるさとへの思いや応援したい自治体への気持ちを形にするものであり、豊かな地域社会の形成及び住民の福祉の増進に寄与する取り組みとして創設されたものと認識しております。しかしながら、昨今においては返礼品の贈呈による過当競争ともとれるような状況も見受けられ、本市におきましても歳入の根幹となる市税収入の減収額が14億円にまで拡大する見込みであり、これを大変憂慮しているところでございます。ふるさと納税制度の本来の趣旨からいたしますと、心からふるさとを応援したいという気持ちから寄附が行われるべきものと考えております。したがいまして、本市といたしましては、川崎の魅力をさらに高めるとともに、その発信をしっかりと行うことで、より多くの方々に愛着と誇りを持っていただき、ふるさと川崎を応援していただきたいと考えているところでございます。次に、いわゆる企業版ふるさと納税についてでございますが、この制度は地方創生に積極的に取り組む地方公共団体を応援する観点から創設されたものでございます。現在、関連法案が国会において審議されておりまして、普通交付税の不交付団体を対象にしないなどの要件がございますが、制度創設の趣旨が全うされるよう運用されるべきと考えております。以上です。
◆押本吉司 委員 およそ14億円という大幅な控除額増加の要因は、全国的に制度の認知度が向上したことに加えまして、寄附控除の簡素化を図るワンストップ特例制度の創設や控除限度額割合の引き上げによるものです。このような制度活用の環境整備は、こうしたデメリットだけでなく、本市にとっても受納額を増加させるチャンスと捉えていかなくてはなりません。この議場でこれまで、吹田市を例にした等々力陸上競技場へのネームプレートの掲出や、全国の動物公園で展開をされている動物サポーター制度などの政策を提言してまいりました。返礼品の過当競争に乗らずとも、本市施策と市民意識の醸成に資するふるさと納税制度の構築と周知ができるものと考えております。
神奈川県においては過剰な返礼品競争と一線を画しながら、観光客の誘致を促進し、地域経済の活性化を図るため体験ツアーを通じた県の魅力発信を行うそうです。先進事例として、愛知県碧南市では世界最大級の石炭火力発電所の見学を一部に盛り込んだツアー等も返礼品として企画をされています。本市はこれまでもスタディーツーリズムとして産業観光や工場夜景などの産業遺産並びに最先端技術を体験、体感できる研究開発都市を標榜してきました。日本発や、世界でも有数の高度な生産技術を体験できる施設が数多く存在し、さまざまなツアーも開催をされています。これらの取り組みは、その培ってきたノウハウを生かした本市の魅力発信と市内経済発展へ寄与することも考えられます。県の取り組み及び本市独自の施策展開について見解を伺います。また、周知について、民間企業では各市がこれまでみずから発信していた情報を集約し、それらの施策と企業サービスを組み合わせた取り組みも見受けられます。一例を例示すれば、これが現物なんですけれども、ほとんどの主要新聞広告欄に掲載をされた大手旅行会社が運営するふるさと納税に関するサイトのお知らせです。都道府県別に掲載された自治体サイトの一覧や、ふるさと納税の制度概要、他都市との比較や返礼品の種類別などでの検索ができるようになっており、制度を利用したい納税者にとって大変便利なサイトです。このようなサイトの活用もこれまで以上に積極的に行うべきと考えます。見解と対応を財政局長に伺います。
◎大村研一 財政局長 ふるさと納税についての御質問でございますが、本市では川崎に愛着や誇りを感じる市民の皆様を初め、川崎の魅力を高めるためのさまざまな取り組みを応援し、魅力あるまちづくりに貢献したいという全国の方々から寄附を募っており、本市に10万円以上を御寄附いただいた方に対し、感謝状に加え生田緑地の文化施設の入場券などの記念品をお礼の気持ちとして贈呈しているところでございます。ふるさと納税の寄附者への返礼につきましては、過当競争ともとれるような状況がございますが、ふるさと納税の寄附金につきましては、経済的利益の無償の供与であるという制度の趣旨からいたしますと、寄附額の一定割合を還元するとの報道もございます返礼品の提供は、制度の趣旨に沿うものではないと考えております。次に、ふるさと納税の広報につきましては、川崎市のホームページに掲載するとともに、区役所などの公共施設においてパンフレットを配布しているところでございます。民間のホームページを活用した広報につきましても、現在、ふるさとチョイスなど一部のホームページに掲載しているところでございまして、その他のホームページにつきましても発信の効果が期待できるものについて機会を捉え活用してまいりたいと考えております。今後につきましても、本市を応援したいという気持ちを持っていただくため、魅力ある施策をより多くの皆様に知っていただけるよう、他都市の事例を踏まえながら効果的な手法を調査研究してまいります。以上でございます。
◆押本吉司 委員 ありがとうございました。県の取り組み及び本市独自の施策展開については、これまでの見解を繰り返して答弁をいただきました。県の取り組みを念頭に、寄附額の一定割合を還元するとの報道もある返礼品の提供は制度の趣旨に沿うものでないとしていますが、スタディーツーリズムの中には予算をかけずに取り組めるものもございます。私もこれまで、この議場でスタディーツーリズムを活用した修学旅行誘致なども提案をしてきました。これらさまざまな取り組みについては経済労働局で把握をしているでしょうから、まず財政局において連携して情報把握に努めていただきますようによろしくお願いいたします。さらなるサイトの活用も取り組むとのことですので、よろしくお願いをいたします。
次に、地方創生のもと、交付税の原資として、その一部が国税化された法人市民税について伺う予定でしたけれども、昨日、織田委員の答弁で影響額や市長の見解、今後の取り組みについて理解できましたので、要望のみとさせていただきます。市長は昨年10月、県内の大学で開催された人口減少社会と自治体について問うシンポジウムに参加されています。登壇したパネルディスカッションの際、この国税化を念頭に税金を吸収してばらまくというのは持続可能な取り組みではありませんとの趣旨の発言をされています。大都市の責務として地方創生の趣旨は理解するものの、本来使えるはずの法人市民税が国税化され、他都市へ分配されることは、さきのふるさと納税同様に我々大都市にとって大変憂慮すべき事態です。法人市民税の歳入額に影響を及ぼす市内経済の活性化については、これまでも予算をつけ、種をまき、さらに水を注ぎ、ようやく育ってきた果実の一部が収穫をされてしまう。近年、個人市民税同様に順調に推移してきただけに非常にもどかしく、頑張っている自治体が報われない状況と言っても過言ではありません。
答弁で市長は、国税化により本市の取り組み成果が一部とはいえ奪われることになり、さらにこうした制度は地域ごとの取り組みや活性化への意欲をそぐことにつながりかねず、地方創生の趣旨にも反するとしています。私もその考えには是であります。4月からは中小企業活性化のための成長戦略に関する条例も施行を控えており、昨日もこの国の経済政策を例示した上で、それに伴う予算措置の議論が行われていました。最後には今後の予算増額の要望もされていましたけれども、種や水をまくため、それらを買うお金はどうするのか、果実がなければその資金が調達できないわけであります。これまでの本市独自の取り組み及び指定都市市長会、九都県市首脳会議等の機運を捉えて、さらなる国への要望等の働きかけを図るとともに、不断の発信をお願いしたいと思います。
また、今回は質疑しませんが、県との関係における大都市の事務配分に伴う税制上の措置不足額がおよそ150億円超も生じています。課題解決となる事務配分の特例に対応した大都市特例税制の創設に向け、さらなる国、県への働きかけもあわせて要望をしておきます。
次に、日銀主導で導入されたマイナス金利施策について本市の影響を伺っておきます。これまでの金融緩和策は銀行が保有する国債を日銀に売り、手にした現金を市場に回すのではなく日銀に預金し、その利子収入によって潤ってきた構図です。今回導入されたマイナス金利政策は、そのふやした預金を吐き出させるのが目的で、それにより銀行の収益が悪化することが容易に想像できます。結果、銀行は利ざや確保のために顧客の預金利回りも下げるに至るわけです。
先日も中小企業への貸し渋りの議論がありました。銀行には現金がある状態なので、貸し出せる企業があればいいのですが、問題なのは企業が設備投資などに打って出ることのできないほど実体経済の見通しが不安定であるということです。一方、この政策が長引けば債券や預金を多く持つ自治体に及ぼす影響は必至です。基金残高の状況は減災基金を主に全29基金、平成28年度末現在高見込み額で2,375億円超となると想定をされています。この中身は一括して合同運用されておりますが、債券と預金での運用、預金金利、利回りへの影響と運用実績への影響を財政局長に伺います。
◎大村研一 財政局長 マイナス金利の影響についての御質問でございますが、基金につきましては、29の基金を一括して合同運用しておりまして、平成26年度決算における運用益は預金運用が約1億1,000万円、債券運用が約15億4,000万円、繰りかえ運用が約600万円となっております。平成27年度の預金等による運用益につきましては、マイナス金利導入前に開始したものがほとんどであることから、今年度に限っては影響はほぼないものと考えております。また、運用益の大部分を構成する債券運用につきましては、毎年同額の債券を取得するラダー型ポートフォリオを採用しておりまして、これによる運用益は過去の中長期間にわたって取得した債券の利子によるものであることから、今般のマイナス金利政策等による一時的な金利の動向に左右されにくいものとなっております。したがいまして、今般のマイナス金利につきましては、中長期的には運用益の減少に作用する可能性がございますが、その影響の範囲はマイナス金利が長期に及ぶものでなければ限定的であるものと考えております。今後につきましても、金融政策や市場の動向を注視しながら的確かつ有利な運用に取り組んでまいります。以上でございます。
◆押本吉司 委員 答弁では債券での運用比率が高いため、短期的にはマイナス金利の影響はないが、この金利水準が続いた場合には運用益の減少に作用する可能性があるとしています。一方の預金での運用比率は低いものの、運用利回りの低下は直接的にかかわります。顕著なのは定期預金の金利引き下げにおいて各銀行が追随をしています。さらに、中央銀行がマイナス金利政策を採用する欧州では、口座維持手数料の名目で事実上の金利を取っている銀行もあります。もっとも新たに手数料を取るためには、規定の改定や顧客離れの懸念から個人の預金に大手行で導入する動きは現在見られません。ただし、一部の大口顧客を対象にする案も浮上しており、その動向が注視をされます。答弁において的確かつ有利な運用に取り組むとしておりますので、金融政策、マーケット動向をこれまで以上に注視、予見し、対応をお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。次に、3款1項1目、公共施設利用予約システム事業費、いわゆるふれあいネットについて伺います。このふれあいネットについては、この議場でも我が会派も含め、各会派から市民優先利用やカードを複数枚持つといった不正利用対策など質疑されてきました。特段野球場に係る質疑が主でありましたが、平成24年のシステム更新や団体登録の構成員名簿の提出による資格の厳格化などにより、抽せん倍率等に対して一定の効果はあったものの、残念ながらいまだ根本的な改善には至っておりません。平成28年度予算に計上されております次期システム更新に向けては、これまでの川崎市公共施設利用予約システム検討委員会での議論に加え、平成26年度より関係課を交えた次期システム検討部会を設置し、検討を行ってきたと仄聞しています。そこで、前回のシステム更新以降に顕在化してきた諸課題についてどのような課題認識を持っているのか、市民・こども局長の見解を伺います。また、平成28年度予算に計上されている次期システム更新費の内訳と更新に向けての取り組み、スケジュールについても確認をしておきます。
◎加藤順一 市民・こども局長 公共施設利用予約システムについての御質問でございますが、初めに、公共施設利用予約システムにつきましては、利用者などの声を受け、平成24年度にカードの有期限化や登録条件の厳格化、市内登録を優先した抽せんを実施するなどの取り組みを行ってきたところでございます。その結果、当該システムを利用する施設全体の抽せん倍率は実施前の平成23年度における7.01倍から、実施後の平成26年度は5.70倍へと下がるなど、一定の効果を得ることができたものと考えておりますが、他方で、登録要件の厳格化による手続の煩雑化や、システムのみによる対応の限界といった声もいただいております。このような状況を踏まえ、平成28年度での契約満了に伴う次期システムへの更新に向けて、平成26年度より施設所管課、条例所管課、システム関係課を交えた次期システム検討部会を設置し、さまざまな角度から検討を進めてまいりました。その中で施設予約管理業務におきましては不適正利用への対応のほか、利用者登録などの各種手続の複雑化や事務増大、これに伴うシステム運営費用の増加、近年のICT環境への対応の必要性などの課題を確認したところでございます。次に、平成28年度予算における公共施設利用予約システム事業費の主な内訳につきましては、システム開発委託料に約2億2,000万円、全体管理としてのシステム調査等業務委託料に約3,000万円を計上しております。スケジュールにつきましては、現在、開発事業者の選定を実施しており、新年度早々より開発プロジェクトを発足させ、関係局との緊密な連携のもとに要件定義や設計、運用テストなどを行いながら平成29年4月の運用開始に向け、開発を進める予定でございます。以上でございます。
◆押本吉司 委員 答弁をいただきました施設予約管理業務におけるそれら課題への対策をどのように講じていくのか、伺います。その中でも不正利用については厳格に対応すべきです。特に不正利用者の一つの手法として、複数枚のカードを利用し、使用したい施設の抽せんに当せんした後、口座振替及び振替用紙の送付先や団体名表示の変更を目的に不正利用者の都合のよいカードへと変える、いわゆるつけかえ行為が頻繁に行われています。これは施設利用をキャンセルしたと同時に、ほかのカードで利用の申し込みを行う行為です。その対策としてキャンセルされた後のあいた枠への申し込みはランダムに設定された一定時間をあけて申し込めるような仕様にするなど、改善が必要です。さらに、つけかえ行為ができなければ、名前貸しなどにより作成された実体のない団体や、実際に当せんした団体とは別の団体がその施設を利用することになりますから、抜き打ちで現地に赴き、カードの提示とカード所有者の確認、参加者と団体名簿等を突き合わせた実態調査を行うなど、運用面での取り組みもセットで行うことが必然と考えます。見解と対応を市民・こども局長に伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 公共施設利用予約システムの課題への対応についての御質問でございますが、次期システムにつきましては、最新のICT技術を取り入れながら、不適正利用抑制に向けた取り組みのほか、利用者ユーザビリティの向上や施設管理者などの業務軽減、システム運営に関する費用の低減などの実現を目指し、開発する方針でございます。特に利用者から御指摘の多い不適正利用につきましては、現在ふれあいネットが対象とする施設の多様性も踏まえ、各施設の運用面やシステムの技術面における影響などを考慮しながら、利便性と公正性のバランスのとれたシステムを構築するとともに、システムのみによる対応には限界があることから、制度面や運用面の対策につきましても御指摘の点も含め、引き続き施設所管課等と協議を進めてまいります。以上でございます。
◆押本吉司 委員 答弁では指摘を踏まえ協議を進めるとのことですので、どうぞよろしくお願いいたします。特に、運用面に関しては一定の期間、人を張りつけるなど厳しい対応を要望いたします。これまで取り組まれてきた野球場専用団体カード発行の見直しに加え、これらシステム面、運用面での対応が行われれば、名前貸しのようなカードの不正取得もより減少すると推測されますが、一方で、つけかえ行為に対応できなければ平成23年に行われた包括外部監査での指摘のように、375団体分の振替口座が同一という以前のような事態も起きかねません。団体登録における振替口座のあり方についても検討するよう要望しておきます。
次に、本システム更新時に導入されたカードの有期限化について伺います。この有期限化の効果について当時の局長はこう述べています。3年間の有効期間を設定し、更新時期ごとに名簿の再提出及び本人確認書類の再提示を求めることといたしました、今回の対策の導入により、施設の登録申請窓口においてチームの実態を定期的に把握できるようになり、申請者に対面で確認できる機会も増加しますので、その際にはチームへのヒアリングを実施することなどにより運用面での対策が可能となるため、一定の改善が図れるとしていました。しかし、昨年の12月初め、この野球場専用団体カードの有効期限が次期システム更新時の平成29年3月末まで延長されると発表され、既に申請窓口での更新に応じた一部の方々や、この対策に期待を持たれていた方々から、この有効期限の延長措置に疑問視をする向きもあります。期限の延長に至った経過を所管する建設緑政局長に伺います。次期システム更新以降の更新手続についてはどのように対応していくのか、見解も伺っておきます。
◎金子正典 建設緑政局長 野球場専用団体カードについての御質問でございますが、野球場専用団体カードは平成24年度に3カ年の有期限化や登録条件の厳格化を行い、登録方法の変更を行ったものでございます。現在、平成29年4月から導入を予定しております次期システムの検討部会等におきまして不適正利用の対応などについて関係局区と協議を行い、登録制度のあり方などの課題を認識したところでございます。こうした状況を踏まえまして、次期システムの運用開始に合わせて登録制度の見直しを予定しておりまして、そのため更新に伴う利用者の負担も考慮し、平成27年12月から平成29年3月までに更新が必要となるカードの有効期限を平成29年3月31日までに延長したところでございます。次に、次期システム運用開始以降のカードの更新手続につきましては、施設の適正利用に向けまして現行制度の課題や効果を検証し、関係局区と連携しながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆押本吉司 委員 答弁ありがとうございました。理事者とのこれまでのヒアリングの中で、この次期のカード更新については対策効果をかいくぐる不正利用を行う方々に、その対応策が講じられないようにとの趣旨での答弁をいただいたと理解をしております。このシステム更新時に導入されたカードの有期限化のその効果を最大限発揮するには、申請窓口でのさらなる対応の強化、対応職員のスキルアップが肝要、肝心であります。この点も踏まえた上で検証を行い、次期システム更新時での対応を検討いただきますよう、よろしくお願いを申し上げまして、次の質問に移ります。
次に、8款8項1目公園緑地施設費のうち等々力緑地施設整備事業費に関連し、平成28年度に行われる等々力陸上競技場サイド・バックスタンドの事業評価について、改めて建設緑政局長に確認をしておきます。まず、事業評価に当たり顕在化する課題認識について伺います。また、この事業評価を行うに際し計上している予算とその内容を伺います。事業評価の概要ですが、どのようなスキームで行っていくのか伺います。事業の評価手法、評価項目についても見解を確認します。その際、検討委員会等を立ち上げることが想定されますが、これまでスポーツ団体、川崎フロンターレ、サポーター代表などの外部委員の登用について議論をしてまいりました。想定される構成メンバーへの見解もあわせて伺います。
◎金子正典 建設緑政局長 等々力陸上競技場サイド・バックスタンドの事業評価についての御質問でございますが、第2期整備の事業評価における課題についてでございますが、工事期間中のJリーグの試合や陸上競技大会などの開催における運営方法のほか、建設資材の高騰や労務単価の上昇などによる総事業費への影響があるものと認識しております。次に、平成28年度予算についてでございますが、整備方式や施工範囲、工期、概算費用などの技術的な検討を行うための委託料といたしまして約1,000万円を計上しております。次に、事業評価の進め方についてでございますが、仮称等々力陸上競技場整備事業評価委員会を設置し、事業評価を行ってまいります。なお、評価手法や委員会の構成メンバー、運営方法につきましては庁内関係課による準備会を開催し、検討を行ってまいります。次に、事業評価の項目についてでございますが、陸上競技場を使用しながらの整備となりますことから、その手法や事業費、工事期間、施設の複合化、周辺に与える影響などについて検討を行う必要があると考えております。以上でございます。
◆押本吉司 委員 答弁ありがとうございました。
次に、事業評価の意見聴取と報告についてです。これまでも再編整備やメインスタンド改築工事の内容についてJリーグ開催日に合わせた報告会の開催などの取り組みも行われてきました。こういった市民の意見聴取及び報告会の方策について、特に関心を持っている競技場利用者や川崎フロンターレサポーターへの取り組みを伺います。さらに、今後想定されているこれら施策についてスケジュールを伺っておきます。
◎金子正典 建設緑政局長 事業評価の進め方についての御質問でございますが、市民の皆様への周知につきましては、メインスタンド整備におけるこれまでの取り組み経過を踏まえまして、サッカーや陸上競技関係者、サポーターを初めとする施設利用者、地域の方々へ丁寧な説明を行ってまいりたいと存じます。次に、今後のスケジュールについてでございますが、評価委員会を平成28年4月に設置し、適宜経過報告を行いながら平成28年度末までに整備方針を取りまとめる予定でございます。以上でございます。
◆押本吉司 委員 答弁ありがとうございました。要望をしたいと思います。昨年、第1期整備となるメインスタンドが完成し、サッカーJ1、川崎フロンターレの年間平均入場者数も1試合当たり2万人を超えるなど評価を得ています。市民の方々からも、この第2期整備であるサイド・バックスタンドがどのように整備をされていくのか、改築なのか、改修なのか、関心が非常に高い施策です。今後は庁内関係課による準備会を開催し、評価委員会が来月に立ち上がります。委員会の構成メンバーや運営方法については、その準備会で検討をされるとのことですが、先ほど例示しました関係団体等のかかわりを担保できるような仕組みづくりをお願いしたいと思います。事業評価の意見聴取と報告についても同様に、関係者及び市民に対してこれまでの取り組み経過を踏まえて丁寧に行うようにお願いをしたいと思います。
次に、12款1項1目常備消防費のうち消防活動事業費について伺うつもりでしたけれども、ちょっと時間がございませんので、次期の質問に回させていただきたいと思いますので、済みません、どうぞよろしくお願いいたします。以上で質問を終わります。
◆宗田裕之 委員 私は、経常収支比率について、投資的経費について、橘公園の防災設備について、市営住宅について一問一答方式で質問いたします。
経常収支比率について財政局長に伺います。今後の財政運営の基本的な考え方で、社会保障関連費が増加して大きな割合を占めているため経常収支比率が高い状況が続いているとして、社会保障関連費の増加の低減に努めるとしています。しかし、経常収支比率が現在の値になったのは社会保障関連費の上昇が最大の原因なのでしょうか、伺います。
ディスプレーをお願いいたします。1990年度から2009年度までの経常収支比率を見てみますと、2度の急激な上昇の時期があります。最近では2006年から2009年度、12月議会でやったように、この時期の経常収支比率の上昇の最大の原因は公債費だと指摘いたしました。今回は1990年度から1998年度の時期を見てみます。この8年間で経常収支比率は72.6%から90.3%と、70%台から90%台まで急激に上昇しています。この時期の経常収支比率の中身、公債費と扶助費を見てみます。
次のディスプレーを見てみます。まず、1990年度、1998年度の公債費と扶助費の経常収支比率の構成比と増減を伺います。
◎大村研一 財政局長 経常収支比率についての御質問でございますが、公債費の経常収支比率につきましては、平成2年度が11.3%、平成10年度が17.6%で6.3ポイントの増加、扶助費につきましては平成2年度が5.1%、平成10年度が8.8%で3.7ポイントの増加となっております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 この時期の経常収支比率の各要素を見てみますと、一番増加しているのは緑の公債費で――扶助費は赤でありますが――扶助費ではありません。公債費は6.3%増加、扶助費は3.7%の増加、構成比でも公債費は扶助費の2倍以上の比率です。グラフにあるように同じ時期、上の青いグラフの普通建設事業費が急激に増加しています。普通会計歳出では1989年度が23.4%だったのが1991年度以降は32.3%まで増加して、1996年度まで高い状態が続いています。では、1990年度から1998年度、普通建設事業費は1989年度を基準にした場合、総額でどれだけ上積みされたのか、伺います。
◎大村研一 財政局長 普通建設事業費についての御質問でございますが、平成元年度の事業費を基準とした場合の平成2年度から平成10年度の事業費の増加額の合計は3,606億円余となっております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 1990年度から1998年度の9年間で約3,606億円ということで、年平均にしますと約400億円も上積みされておりまして、臨海部を中心に大規模事業がどんどん推進されました。例えば浮島廃棄物埋立地整備事業など浮島に1,400億円、また、東扇島のコンテナターミナル、ファズ物流センターなどに市費だけで300億円投じられました。これらの大規模事業の市債の返済が1990年代前半から始まり、このグラフにあるように緑の公債費が上昇しています。返済期間が10年から30年ですから、この公債費の上昇が現在まで続き、現在、公債費は21%から22%と高どまりしています。このように川崎市の経常収支比率を高くしている最大の原因は公債費の増大であり、その要因は1990年代の大規模事業の推進によるところが大きいんです。このことから大規模事業の選択をよほど慎重にしないと経常収支比率の増大にもつながり、さらに何十年もの借金返済の重荷になることは明らかです。
では、社会保障関連費である扶助費について財政局長に伺います。予算案では一般会計での扶助費の構成比は26.3%ですが、このうち川崎市が負担している部分は一部です。他都市と比べられる最新の2013年度の決算について伺います。2013年度決算での扶助費の普通会計での額と構成比、市の負担分である経常経費一般財源での額と構成比を伺います。
◎大村研一 財政局長 扶助費についての御質問でございますが、平成25年度の普通会計ベースの決算額は1,455億円余で、決算額に占める割合は25.1%となっております。また、経常経費充当一般財源等の額は557億円余で、経常収支比率は17.9%となっております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 2013年度の普通会計での扶助費は1,455億円、25.1%ですが、経常経費では557億円で17.9%との答弁でした。扶助費が他の歳出項目と大きく違う点は、扶助費の約3分の2近くは国と県が支出するためです。では、2013年度の経常収支比率の中の構成比はどうなっていますか、多い順にお願いいたします。
◎大村研一 財政局長 経常収支比率についての御質問でございますが、平成25年度普通会計ベースの各性質別の経常収支比率につきましては、高い順に人件費の25.4%、公債費の21.1%、扶助費の17.9%、物件費の15.4%、補助費等の9.4%となっております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 経常収支比率の中でも扶助費は人件費、公債費に次いで3番目です。では、2013年度の決算で人口1人当たりの扶助費の額は、また、政令市で扶助費の平均額は幾らになっていますか、お願いいたします。
◎大村研一 財政局長 扶助費についての御質問でございますが、平成25年度普通会計ベースの本市における人口1人当たりの扶助費の額は10万1,000円でございます。また、全政令指定都市の平均は11万4,000円となっております。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 2013年度で見れば、川崎市の人口1人当たりの扶助費の額は10万1,000円で、政令市平均では11万4,000円と1万4,000円も下回っています。このように財政の硬直化の指標と言われる経常収支比率を高くしている最大の原因は公債費であり、扶助費ではありません。また、川崎市の扶助費は他の政令市と比べても平均以下で、必ずしも高いとは言えず、経常収支比率の中でも3番目です。地方自治の本旨である福祉の増進の見地から見れば、まだ不十分だと思います。一方、公債費という借金返済が川崎市の財政構造の中心となっています。
では、投資的経費について伺います。現在の市の財政状況は、今紹介したように1990年代の市債の償還も数年後には大体終息しますし、3年後には財政も好転する中で地方自治の本旨である住民の福祉の増進を進めるチャンスです。しかし、大規模事業などの取捨選択は相当慎重にする必要があります。そこで、大規模事業などの投資的経費の中身について伺います。特に市民から切実な要望が出ている認可保育所と特養ホームについて伺います。
認可保育所について、こども本部長に伺います。ことし4月入所に際して、2月1日時点で入所できなかった不承諾数は3,007人と過去最高になりました。認可保育所の増設は急務ですが、新年度の予算では1,390人分の計画で、とても足りません。我が党は待機児解消のために5年間で5,000人分の認可保育所の増設を掲げています。そこで伺います。120人定員の認可保育所の事業費、市負担分とその内訳、そこでの雇用者数を伺います。
◎小池義教 こども本部長 認可保育所の整備についての御質問でございますが、設置運営法人が定員120人の認可保育所を整備する場合、本市の整備基準では整備費用を2億4,200万円程度と定めておりまして、そのうち本市の整備費補助金は1億8,100万円程度でございます。その場合の財源の内訳といたしましては、一般財源が1,700万円、市債が1,400万円、国庫支出金が1億5,000万円でございます。次に、職員の雇用者数につきましては、年齢別の定員により増減いたしますが、おおむね22人程度の職員が必要となるところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 1カ所120人定員の本市の整備事業費は1億8,000万円、そのうち国が1億5,000万円支出し、市負担分は3,100万円、生み出される雇用は22人です。待機児解消のためには42カ所、5,000人分が必要で、その財源、市負担分は約13億円、生み出される雇用は924人です。
特養ホームについて健康福祉局長に伺います。現在、特養ホームの待機者は約5,000人、この増設も急務です。我が党は5年間で6,000人分の特養ホームの増設を掲げています。そこで伺います。120人定員の特養ホームの事業費、市負担分とその内訳、また、そこでの雇用者数を伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 特別養護老人ホームについての御質問でございますが、初めに、特別養護老人ホーム定員120人規模の総建設費につきましては、直近の整備施設を参考にしますと約22億1,500万円でございまして、そのうち本市の整備費補助金といたしまして約7億2,800万円となっており、その内訳は一般財源が1億400万円、市債が6億2,400万円でございます。次に、職員の雇用者数につきましては、同規模の施設の雇用状況によりますと、介護職員、看護師、栄養士、事務職など正規、非正規を問わず、延べ実人員は85人程度でございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 1カ所120人定員の総建設費は22億円、市負担分は7億3,000万円、生み出される雇用は85人です。待機者解消のために50カ所、6,000人分が必要で、その市の負担分は約365億円、生み出される雇用は4,250人です。両方の施設を毎年10カ所ずつ増設するには一般財源は16億円必要です。しかし、今後の財政運営の基本的考え方の投資的経費の新規分と未定枠は、資料によれば平成31年度は25億円、平成32年度は38億円、平成35年度以降は50億円を超えており、16億円の支出は十分可能です。今後の大規模事業の総額は6,200億円のうち、その一部378億円を組み替えれば、5年間で保育所と特養の待機者解消は可能なんです。
川崎市のコンテナターミナルについて港湾局長に伺います。この間の我が党の代表質問でも東扇島のコンテナターミナルと堀込部埋め立てについて質疑をしまして、最後までその必要性については明確な答えがありませんでした。そこで伺います。新たに建設するコンテナターミナル第2・第3バースと堀込部埋め立ての総額は幾らでしょうか、また、その雇用者数の推計を伺います。
◎奥谷丈 港湾局長 川崎港コンテナターミナルについての御質問でございますが、初めに、事業費についてでございますが、港湾計画では川崎港コンテナターミナルの施設としてコンテナ2号岸壁、3号岸壁を位置づけており、これに要する事業費は133億円、また、ガントリークレーンにつきましては荷役状況により整備内容が定まりますが、現在の想定内容では18億円、さらにコンテナの利用も計画している堀込部の埋め立ては240億円と合計で約391億円でございます。次に、堀込部などにより想定される雇用者数についてでございますが、東扇島総合物流拠点地区内に立地している冷凍冷蔵倉庫の面積当たり雇用者数の実績をもとに、物流施設用地の増加により約380人の雇用が生まれると試算されます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 新たに建設する第2・第3バースの堀込部埋め立てには総額は391億円、雇用者数は約380人、一方で5年間で認可保育所5,000人分、特養ホーム6,000人分の市負担分の総額は378億円、生み出される雇用は5,000人を超えます。このように同じような事業費の投資的経費でも雇用者数はコンテナターミナルでは380人、福祉施設では5,000人以上と、こんなに違います。福祉型投資の雇用効果は13倍以上です。しかも、コンテナターミナルのコンテナ目標値は40万TEUであるのに、平成14年度の実績は6万8,000TEU、この間の中国経済の伸び悩み、また、日本の輸出入数量は前年度比で輸出はプラス1.4%、輸入はマイナス2.1%です。川崎港だけが数年で6万8,000TEUから40万TEUに6倍になるというのは考えられません。
また、臨海部の大規模事業は、このほかに羽田連絡道路、臨港道路東扇島水江町線など総額1,230億円です。これらの事業は市民が使用するわけでもなく、市民にとって恩恵も必要性も全く感じられません。一方、認可保育所、特養ホームは市民の切実な要望です。しかも、こういう福祉型投資は臨海部の公共事業と違って地域経済を活性化します。建設費は地元建設業の仕事になり、運営すれば地元商店から食料や物品購入、そして雇用が増大し、しかもその雇用がふえることによって税収が増加し、経済効果は臨海部の公共事業と比べると桁違いに多い。結論として、投資的経費の使い方を改め、臨海部の無駄な大規模事業は削り、福祉型投資へ切りかえることを提案して、次の質問に移ります。
それでは、高津区の橘公園のマンホールトイレについて総務局長に伺います。東日本大震災から5年たちまして、市民の防災に対する関心は非常に高く、高津区区民のニーズ調査によると、地震や風水害への対策という要望が50.7%と最も高くなっています。私も2011年当時、石巻市や南相馬市にボランティアで組織をして23回訪れましたが、震災当時の最大の不満の一つがトイレでした。避難所となっている学校では水洗トイレは使えず、仮設トイレは不足して、精神的にも健康上も大きな問題になっていました。そうした状況の中で一番役立ったのはマンホールトイレです。国交省のマンホールトイレのガイドラインでは、災害時は水洗トイレが使用できなくなることが多く、東日本大震災では仮設トイレが行き渡るまでに4日以上要したという自治体が66%もありました。その点、マンホールトイレは被災地外から調達することなく迅速に組み立てが可能であり、日常使用している水洗トイレに近い環境が確保できるとして、マンホールトイレの設置は非常に高く位置づけられています。2014年の6月、我が党の石田議員が橘公園のマンホールトイレ設置について質問し、総務局長の答弁は、今後の取り組みについては、災害時利用想定図の作成や具体的な施設整備を含む身近な公園の整備実施計画を順次策定していくと答弁しています。そこで伺います。整備計画を順次策定するということですが、その進捗状況を伺います。
◎伊藤弘 総務局長 身近な公園の防災機能に関する整備実施計画についての御質問でございますが、災害時に利用が想定される身近な公園につきまして、具体的な施設整備を行うための整備実施計画を検討するため、建設緑政局を中心として各区とともに身近な公園の防災機能のあり方検討委員会を開催しております。現在、同会議におきまして身近な公園において想定される利用形態を踏まえ、整備の方向性の検討を進めているところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 現在検討委員会で検討しているということですが、では、1ヘクタール以上の公園のマンホールトイレの設置状況を伺います。
◎伊藤弘 総務局長 1ヘクタール以上の面積を持つ公園におけるマンホールトイレの設置についての御質問でございますが、公園におけるマンホールトイレの設置状況につきましては、これまで幹線道路沿いの広域避難場所である大師公園、小田公園、富士見公園及び中原平和公園に整備したところでございます。マンホールトイレに関する特段の設置基準は設けてございませんが、公園のトイレにつきましては災害時のトイレ対策検討会議におきまして、災害時におけるトイレ対策の中で総合的に検討してまいります。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 マンホールトイレの設置は、幹線道路沿いの広域避難場所に設置しているということです。橘公園が接している道路尻手黒川線は、川崎区から麻生区まで川崎を縦断する幹線道路となっており、多くの帰宅困難者の立ち寄りが想定されています。では、橘公園と隣接する東橘中と子母口小を避難場所とする範囲、世帯数、人口と、この間の人口の変動は幾らでしょうか、伺います。
◎伊藤弘 総務局長 避難所の対象地域等についての御質問でございますが、東橘中学校及び子母口小学校に設置される避難所が対象とする町丁は、蟹ケ谷、久末の一部、子母口、子母口富士見台及び明津でございます。当該地域の世帯数及び人口につきましては、久末の一部を除きますと、平成27年12月末現在で9,329世帯、2万1,284人の方がお住まいでございます。平成22年12月末からの5年間で比較いたしますと、世帯数及び人口はそれぞれ579世帯、945人が増加している状況でございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 避難所の範囲は人口2万人以上、5年間で1,000人近く人口がふえている。そういう住宅地のど真ん中にこの橘公園がございます。ぜひ橘公園のマンホールトイレの設置と、1ヘクタール以上の大きな公園のマンホールトイレの設置を要望いたします。
それでは、市営住宅の空き状況についてまちづくり局長に伺います。私が住む高津区も高齢化が進みまして、市営住宅への入居を希望する方がふえてきました。多い相談は、子どもが自立して、夫婦のどちらかが亡くなりまして、年金も少なくなって今の賃貸住宅の家賃では賄えなくなるケースが非常にふえてまいりました。しかし、いざ市営住宅に応募しても、なかなか当たらず、私が相談を受けた障害1級の78歳の方は5回応募しているんですが、まだ入れておりません。一方で、市営住宅を見ると結構あいているのに、なぜ入れないのという不満も聞かれます。そこで伺います。平成27年度の10月の応募者総数と入居者数、倍率、そして上作延、新作、明石穂住宅の募集戸数と倍率を伺います。
◎金子督 まちづくり局長 市営住宅の募集についての御質問でございますが、初めに、平成27年10月募集の応募状況についてでございますが、募集戸数389戸に対しまして応募者数が4,519人となっておりまして、平均の応募倍率は11.6倍でございました。次に、上作延住宅の平成27年10月募集の応募状況についてでございますが、募集戸数4戸に対して応募者数が44人、応募倍率は11倍でございました。明石穂住宅につきましては募集戸数9戸に対して応募者数が19人、平均の応募倍率は2.1倍でございました。また、新作住宅につきましては募集はございませんでした。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 全市で4,519人という大変な人数の方が応募しましたが、その9割以上が入居できなかったという実態は、非常に市営住宅への要望の高さと切実さを示していると思います。私も上作延や新作、明石穂団地によく行くんですが、上作団地では20戸以上の空き家がありましたが、募集した戸数は4戸でした。新作団地も空き家は20戸以上あったと思いますが、募集はゼロでした。そこで伺います。高津区の空き戸数と、この3住宅の空き戸数は幾らでしょうか、また、この住宅の空き家の主な理由を伺います。
◎金子督 まちづくり局長 高津区内の市営住宅の空き住戸についての御質問でございますが、初めに、高津区内の市営住宅の空き住戸数とその理由についてでございますが、平成28年3月1日現在の管理戸数4,440戸のうち、空き家となっている住戸は297戸でございます。主な理由といたしましては、今年度実施した公募に伴う入居予定の住戸が108戸、また、平成28年5月募集を予定している住戸が101戸となっているところでございます。また、入居や公募予定以外で募集を停止している空き住戸でございますが、建てかえ予定が63戸、長寿命化改善予定が21戸となっているほか、高層階から低層階への住みかえの移転先としているものがございます。このうち長寿命化改善予定により公募を停止していた住戸につきましては、平成28年5月の募集から順次公募を再開する予定でございます。次に、上作延住宅につきましては、管理戸数377戸のうち、空き住戸は29戸ございます。その理由といたしましては、今年度実施した公募に伴う入居予定が5戸、平成28年5月の募集予定が6戸、また、長寿命化改善予定が18戸となっているところでございます。次に、新作住宅につきましては、管理戸数242戸のうち、空き家となっている住戸は21戸ございまして、その理由といたしましては、いずれも建てかえ予定となっているものでございます。次に、明石穂住宅につきましては、管理戸数318戸のうち空き家となっている住戸は18戸ございまして、その理由といたしましては、今年度実施した公募に伴う入居予定が8戸、平成28年5月の公募予定が10戸となっているところでございます。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 新作住宅については空き家は21戸ありますが、建てかえ予定のため募集がゼロということです。新作住宅は築49年ということで、大変古い住宅です。では、新作住宅の建てかえはいつごろになるのか、伺います。また、上作団地については長寿命化改善予定の空き家が18戸あります。水回りなどの修繕が必要ということですが、上作団地の空き家の修繕はいつごろになるのか、伺います。
◎金子督 まちづくり局長 市営住宅の建てかえ及び修繕の時期についての御質問でございますが、初めに、新作住宅の建てかえ時期についてでございますが、第3次川崎市市営住宅等ストック総合活用計画の計画期間におきまして後期と位置づけられる平成28年度以降に建てかえ計画の策定に着手をする予定と位置づけておりますので、現時点では具体的な時期は未定でございます。次に、上作延住宅の空き家の修繕の時期についてでございますが、平成28年5月募集から空き住戸の修繕ができ次第、順次募集を再開してまいります。以上でございます。
◆宗田裕之 委員 新作住宅についてはできるだけ早い建てかえをお願いいたします。上作団地については、他党からの質疑もありましたように、住みながら工事が可能だということもあって、そういう方法も使ってできるだけ早期に入居できるよう要望いたします。
最後に、水回りなどの修繕のおくれによる空き家はぜひ早急に解消すると同時に、建てかえ時の戸数の増設、そして、借上住宅などの制度を使って、ぜひ待機者の解消をすることを要望いたしまして質問を終わります。
◆野田雅之 委員 私は、一問一答で、初めに11款1項3目幸区区づくり推進費における安全・安心まちづくり事業費について、2問目として、2款3項1目危機管理対策費における防災拠点整備事業費について、3問目として、同じく2款3項1目の総合防災情報システム整備事業費について伺います。
あさって3月11日で東日本大震災の発災から丸5年が経過をいたします。多くの犠牲者と甚大な被害が出た未曽有の大災害の記憶は今後も風化をさせてはなりません。被災地の復興は国民一丸となってサポートし、今後さらに加速させ、一日も早い被災地の復興を強く願います。以下、防災・減災の取り組みについて進めてまいります。
まず初めに、11款1項3目幸区区づくり推進費における安全・安心まちづくり事業費について幸区長に伺います。本年2月20日、幸区春の防災訓練が塚越中学校で開催されました。多くの区民が参加し、災害発生に備え真剣な訓練が進められ、私も地元町内会から避難所への移動、そして会場での訓練に参加をさせていただきました。そこで、区内合同の防災訓練の現在までの経緯、加えて、訓練についてこれまで寄せられた区民からの御意見、要望を伺います。
◎上野葉子 幸区長 安全・安心まちづくり事業費についての御質問でございますが、初めに、幸区の総合防災訓練についてでございますが、幸区ではこれまで長年にわたり自主防災組織、関係機関及び行政が緊密な連携を図り、発災後の迅速な初動体制を確認するとともに、地域の防災意識の高揚を図ることを目的として、毎年秋と春の年2回、区内5地区の自主防災組織が主催し、持ち回りで総合防災訓練を実施しているところでございます。次に、防災訓練に関する区民からの御意見や御要望についてでございますが、発災時の適切な避難方法や自主防災組織の役割について理解が深まったとの御意見や、東日本大震災以後、自助の大切さや地域のきずなを深めるためにも、関係機関と連携した実践的な訓練を継続して実施するべきなどの御要望をいただいているところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 では、次に、平成26年度から防災専門コンサルタントを活用して開催されている避難所開設運営訓練について伺います。できれば起きてほしくない大規模災害ではありますが、発災後、まず市民、区民の集まる避難所の果たす役割は大きなものになります。避難所開設運営訓練は平成26年度から取り組んできた区内22カ所の避難所における初動と運営を訓練する有意義な訓練で、幸区が予算計上し、独自に取り組んできた事業とのことです。そこでまず、平成28年度予算における事業費の中で本訓練の予算額を伺います。また、コンサルタントに依頼し訓練を行うことに至った経緯、そして、コンサルタントを活用した訓練について参加者からの御意見などがありましたら伺います。また、幸区の各避難所に対して行った平成26年度、平成27年度の訓練実績と、平成28年度に予定する訓練について伺います。
◎上野葉子 幸区長 避難所開設運営訓練についての御質問でございますが、初めに、避難所開設運営訓練の平成28年度の予算額につきましては、事業実施委託料といたしまして252万8,000円を計上しております。次に、防災専門コンサルタントを活用した経緯につきましては、東日本大震災の経験を踏まえ、避難所運営会議の活性化及び自主運営が喫緊の課題と捉え、災害時における地域住民主体の避難所運営体制づくりの推進を図るために採用したものでございます。次に、防災専門コンサルタントを活用した訓練への御意見につきましては、プロの方から詳細な情報を得ることができた、説明がよりわかりやすく理解できたなどの御意見がございました。次に、避難所開設運営訓練の実施状況につきましては、平成26年度は7カ所、平成27年度は8カ所の避難所で訓練を実施したところでございます。また、平成28年度につきましては7カ所の避難所で訓練を予定しており、これにより3カ年で区内22カ所の全ての避難所において訓練を実施する予定となっております。今後につきましては、地域の状況に合わせた訓練マニュアルを作成し、避難所運営会議が自主的に継続して訓練を実施することができるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆野田雅之 委員 そんな中、2月に行われました幸区春の防災訓練において避難所開設訓練が行われておりました。その訓練においてコンサルタントの方が、関係部署の連絡先や避難所の開設運営状況やライフラインの備蓄品などの状況を記載する情報収集用の掲示板を使用しておりました。写真はないんですけれども、この掲示板は1メートル80センチぐらいのシート状のもので、いわゆる決められた情報、収集すべき情報の項目が既に印刷をされておりまして、それにホワイトボード用のペンで最新の情報を現地で書き込むようなものでありました。何度も書きかえられて最新の情報が書き込める掲示板で、持ち運びが容易で張りつけが簡単にできるものでありました。その掲示物に対して熱心に参加をされている方から、避難所開設のための備品にその掲示物はあるのかという質問がありまして、そこのコンサルタントの方からは各避難所にはないのではないでしょうかという回答が出ておりました。訓練とはいえ、避難所に完備されていない備品での訓練は誤解を招きかねないと感じたところであります。今までは各避難所で一から全ての項目をホワイトボードに書いて整理する必要があったかと思いますが、今回使用されたような掲示物は誰もが見やすく扱いやすいもので、価格も比較的安価に配備できる、何より初動の情報把握に大変役立つものであったと思われます。発災時の混乱を解消するツールとして避難所に標準化して完備をしていくものと考えますが、見解を伺います。
◎上野葉子 幸区長 避難所開設運営訓練についての御質問でございますが、この訓練で使用いたしました情報収集用の掲示物につきましては、避難所での活動や開設準備の状況、ライフライン及び備蓄品の状況等を記載するものでございまして、情報を書きかえることができるよう透明なフィルムで覆ったものでございます。この掲示物は防災専門のコンサルタントが訓練を円滑に進めるために使用したものでございまして、現在のところ避難所に配備しておりませんが、今後、素材や使用方法等について自主防災組織などからも御意見を伺いながら避難所への配備について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆野田雅之 委員 答弁ではコンサルタントが訓練を円滑に進めるために使用したものとのことでありました。であればなおさらのこと、避難所運営で重宝するものと考えております。全ての避難所で情報収集をしなければならない共通の事項は多くあると思います。また、行政としても早急に把握したい情報なども当然決まっていると思われます。素材、使用方法などを考慮し、配備を検討いただけるとのことで、各方面から情報収集をして、幸区はもとより総務局もしっかりと関与をしながら、全市的な避難所への完備を目指していただくよう要望いたします。
幸区独自の取り組みによりまして幸区内の防災意識などは着実に向上しているものと思われます。自主防災組織や避難所運営会議等に積極的に参加をされている皆様には敬意を表する次第であります。予算をかけ、専門の外注コンサルタントに依頼をしている現在、区役所として区民や参加者の意見をしっかりと酌み取り、今後も区内全域や避難所単位での充実した訓練プログラムに取り組んでいただくことをお願いし、次の質問に移ります。
2問目として、2款3項1目危機管理対策費における防災拠点整備事業費について総務局長に伺います。大規模災害発生時に最も重要となる避難所が市内に175カ所指定されています。その避難所が発災直後から機能し始め、それに伴い、重要な役割を果たすのが分散型と言われる避難所に併設された備蓄倉庫となります。そこでまず、平成28年度予算における防災備蓄倉庫にかかわる予算額について伺います。また、防災備蓄倉庫の整備にかかわる予算の近年の推移、また、平成27年度から平成28年度予算における危機管理対策費はマイナス10億8,400万円余でありますが、そのうち平成27年度と平成28年度の防災備蓄倉庫整備に相当する差額、加えてその差異について伺います。
◎伊藤弘 総務局長 備蓄倉庫の整備に関する御質問でございますが、初めに、平成28年度予算についてでございますが、備蓄倉庫のリース料が1,177万2,000円、狭小倉庫への対応に係る設計委託費が626万6,000円、災害用備蓄物資の移転業務委託費が426万3,000円などでございまして、合わせて2,780万1,000円となってございます。次に、備蓄倉庫の整備に関する当初予算の推移につきましては、平成25年度からの3年間で集中的に避難所への倉庫の整備を進めておりまして、平成25年度は3億2,068万6,000円、平成26年度は5億394万6,000円、平成27年度は11億2,057万4,000円となってございます。次に、平成28年度予算と平成27年度予算の備蓄倉庫に係る予算の差についてでございますが、平成28年度は前年度に比べまして10億9,277万3,000円減少しておりまして、これのほとんどは平成27年度に集中整備が完了する予定となってございます備蓄倉庫69カ所分の委託料並びに工事費の減によるものでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 答弁では平成27年度をもって集中整備が完了し、来年度予算が大幅に減になっているとのことでありました。では、175カ所全体で平成27年度末までに避難所に整備される防災備蓄倉庫の状況を伺います。また、未整備箇所の今後の整備計画、そして、防災備蓄倉庫の中には平成25年度からの集中整備前の老朽化などの課題を持った倉庫が存在すると思いますが、状況を伺います。
◎伊藤弘 総務局長 備蓄倉庫の整備状況についての御質問でございますが、東日本大震災の教訓等を踏まえまして、発災直後から必要な備蓄物資を速やかに避難者へ配付できるよう、全ての避難所に備蓄倉庫を設けることとし、平成25年度から集中的に整備を進めているところでございます。整備数といたしましては、教育委員会が行う学校の増改築に伴うものを合わせ、平成25年度は22カ所、平成26年度は29カ所となっておりまして、平成27年度は71カ所の予定でございます。これにより、今年度末には全避難所175カ所のうち172カ所の整備が完了することとなっておりまして、残りの3カ所につきましては、学校の増改築による複合整備により、平成30年度までには全ての避難所で備蓄倉庫の整備が完了する予定でございます。また、集中整備前からの備蓄倉庫は50カ所ございまして、この中には設置から相当の期間が経過しているものや、収納スペースの確保に影響が生じているものがございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 このたび2月20日に開催された幸区の防災訓練で使用された、塚越中学校に設置されました防災備蓄倉庫を確認させていただきました。ディスプレーをお願いします。この建物は、以前に体育用品か何かを入れていた倉庫だと思われますが、1階部分が備蓄倉庫として活用されております。その中で、2階の階段部分のところから、ちょっと汚れなんかが見えるんですけれども、アップで撮りますと、恐らくここから雨が防災備蓄倉庫のほうに浸入をいたしまして、入り口付近などを腐食させております。また、その下に置いてある、いわゆる備蓄品の部分に雨が相当入り込んでいるのか、写真ではわかりにくいんですけれども、段ボールがふやけて水でぬれていたような形跡、相当ぬれていたのではないかなと。すのこの部分も腐食をしているような現場が見受けられました。
この中学校の倉庫は市内に50カ所ある集中整備前の倉庫の一つであります。既存の施設を利用した倉庫でありますから、施設の老朽化による傷みで、発災時には施設自体の損傷で備蓄品の運び出し等の妨げが発生するのではないかと地域の方は危惧をしておられました。また、雨水等により備蓄品の品質にも影響を及ぼすおそれも感じられました。
塚越中学校と限らず、倉庫自体の老朽化や手狭であるなど、良好な保管に支障があり、倉庫全体としての機能を妨げるなどの課題を持った倉庫が存在すると思われますが、どのように把握をされているのか。また、例年の修繕等の予算計上はあるようですが、このような課題を抱えた倉庫は早期に点検、改修、修繕を行う必要があると考えますが、見解を伺います。
◎伊藤弘 総務局長 備蓄倉庫等の管理についての御質問でございますが、食料や資器材を保管するため避難所に設置している備蓄倉庫につきましては、平成25年度以降に整備した比較的新しいものが多い一方、10年以上が経過し、一部老朽化しているものや、スペースが十分に確保されていないものが見受けられるところでございます。倉庫の状況につきましては、区危機管理担当と連携して行っている備蓄物資の点検、搬出入の際や避難所運営訓練等の機会を捉えまして、物資を適切に保管できる十分な機能が確保されているかにつきまして確認を行っているほか、学校からも破損などがあった場合には随時報告をいただいております。このような点検や報告の中で、備蓄物資の保管に影響を受ける状態であることを確認した際には、配置上の工夫や補修などを実施することにより、適切な保管環境を維持することとしているところでございますが、状況によりましては対応に時間を要する場合もございます。災害時に確実に備蓄物資を使用するようにするためには、備蓄倉庫の良好な保管状態を保つことが重要となりますことから、今後につきましても関係局区と連携いたしまして備蓄倉庫の状態の把握に努めますとともに、老朽やふぐあいなどにより物資の適正な備蓄に問題が生じている場合には計画的に必要な修繕を施すなど、適切な維持管理を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 平成28年度の予算では、今後行う複合整備によるものを除く全ての避難所への備蓄倉庫整備が完了したことによる大幅な減額がなされています。しかしながら、平成25年度以降に行った集中整備前の課題を持った備蓄倉庫の中には改善を要する施設も見受けられます。いつ起こるかわからない大規模災害の発災時に防災備蓄倉庫としての機能に支障がないよう、各区に点在する集中整備前の全ての倉庫の状況を早期に把握し、今後しっかりと予算計上し、改修や改善に取り組んでいただくことを強く要望いたします。
関連して、川崎市備蓄計画には集中備蓄倉庫の整備は分散備蓄倉庫の整備状況を踏まえて行っていくとの記述があります。集中備蓄倉庫の整備状況や今後の計画を伺います。
◎伊藤弘 総務局長 集中備蓄倉庫についての御質問でございますが、小中学校などの地域の避難所には、食料、飲料水のほか、生活必需品や防災資器材などを備蓄し、発災時における円滑な避難所運営に活用することとしておりますが、災害の状況によりましては避難所に配置しております備蓄物資のみでは避難者への対応に支障を来すことも想定されます。そのため現在市内17カ所に集中備蓄倉庫を設け、災害用物資の備蓄を行っているところでございます。この集中備蓄倉庫は、避難者の多い避難所への物資の補充や、国や他都市などからの救援物資の一時保管場所としての機能を有するものでございます。最近の整備状況につきましては、明治大学との間で締結した覚書により、平成24年度に同大学生田キャンパスの地域産学連携研究センター内に設置いたしましたほか、平成25年度には川崎国際生田緑地ゴルフ場のクラブハウス改築に合わせた整備を行ったところでございます。今後につきましては、平成29年度に業務の開始を予定しております南部、中部、北部それぞれの学校給食センターにおきまして災害用の備蓄スペースを設置する計画としておりまして、引き続き都市基盤整備や公共施設の再整備などに合わせた取り組みを進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 では、ディスプレーは結構です。
それでは、3問目として、2款3項1目危機管理対策費における総合防災情報システム整備事業費について総務局長に改めて伺います。まず、平成28年度に計上された予算における内訳を伺います。
◎伊藤弘 総務局長 総合防災情報システム整備事業についての御質問でございますが、平成28年度予算における総合防災情報システム整備事業の内容につきましては、市施設における緊急地震速報館内放送設備連動機能の整備、計測震度計の更新を含む震度情報ネットワークシステムの再整備を初め、災害に関するさまざまな情報の収集、配信を行う総合防災情報システムの運用、保守、機能強化や予報業務許可事業者からの気象情報及び浸水被害予測情報の提供のほか、災害対策本部室や区災害対策本部等の大型映像装置、市役所第3庁舎屋上等に設置している災害情報カメラなどの情報機器の賃借を行うものでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 では次に、緊急地震速報館内放送設備連動機能の整備について内容を、また、今日までどのような施設への整備が行われたのか、実績を伺います。
◎伊藤弘 総務局長 緊急地震速報の館内放送設備連動機能の整備についての御質問でございますが、整備内容につきましては、気象庁から川崎市域を対象として緊急地震速報が発表された際に、市施設の放送設備におきまして自動で緊急地震速報が放送できるように機器を改修するものでございます。これまでの実績といたしましては、平成23年度に市役所及び区役所の8カ所、平成24年度に支所・出張所、市民館・図書館、教育文化会館など23カ所、平成25年度に市立学校など171カ所、平成26年度に市保育園など60カ所において整備しており、平成27年度には子育て支援センター等の児童施設やスポーツセンターなど、95カ所の整備を行ってきたところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 それでは次に、平成28年度に予定している新規整備箇所についてお聞かせください。
◎伊藤弘 総務局長 平成28年度における緊急地震速報館内放送連動機能の整備についての御質問でございますが、平成28年度につきましては、市が設置いたしました老人福祉施設及び障害者福祉施設、約70カ所の整備を予定しているところでございます。今後につきましても、緊急地震速報は強い揺れの地震が到達する前に、施設の利用者が身の安全を確保するために有用な情報でございますので、順次放送を行う市施設を拡充してまいります。以上でございます。
◆野田雅之 委員 それでは、もう1点、計測震度計の更新についてその内容、加えて更新箇所数と前回の更新からの経緯をお聞かせください。
◎伊藤弘 総務局長 計測震度計の更新についての御質問でございますが、計測震度計は、地震の震度を正確に測定し、市民の皆様に迅速にお伝えするために市が設置した機器でございまして、区役所や消防署などの敷地内に川崎区、宮前区及び麻生区では各2カ所、他の区では各1カ所の合計10カ所に整備しているものでございます。測定した震度につきましては、震度情報の収集、配信を行うためのシステムでございます震度情報ネットワークで集計し、神奈川県を経由して気象庁に伝達するとともに、防災情報ポータルサイト内の川崎市震度情報のページにおきまして、市内における震度の速報値を公表しているところでございます。計測震度計及び震度情報ネットワークにつきましては、平成18年度に現在の形に整備したものでございますが、高い精度による震度の測定と、正確で安定した情報の収集、伝達とが求められますことから、メーカー推奨の更新期間を考慮し、平成28年度におきましては設置後10年が経過する計測震度計と、平成23年度に更新し5年が経過する震度情報ネットワークシステムの再整備を計上しているところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 それぞれ答弁をいただきました。命を守る防災情報システムであり、定期的な更新や整備の増設が今後も計画されていることと思いますが、債務負担行為により平成30年度まで大きな予算を計上した防災行政無線設備整備事業費とともに、市民に正確な情報を伝える手段のさらなる充実をお願いいたします。国により首都直下地震が30年以内に発生する確率が約70%と発表され、あっという間に2年が経過をいたしました。首都直下地震からの減災対策は本市においても着実に進めていかなければならず、発災時の市役所職員の対応には限界があることを念頭に、さらなるシステムの充実、自助や共助で事態を打開していくように市民に働きかける啓発活動も継続的に行うよう要望し、質問を終わります。
○松原成文 委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松原成文 委員長 御異議ないものと認めます。およそ1時間休憩いたします。
午後0時19分休憩
午後1時19分再開
○堀添健 副委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
発言を願います。後藤晶一委員。
◆後藤晶一 委員 では、食事をしてきましたので、午後は元気いっぱいにやらせていただきます。
それでは、私は、防災対策、応急給水拠点の整備について上下水道事業管理者、病院局長に、それから、資産マネジメントについて財政局長、健康福祉局長、総務局長に、児童虐待防止対策について市長、こども本部長に一問一答で伺ってまいります。
それでは、初めに、応急給水拠点の整備についてということで、上下水道事業管理者に伺います。これは昨年の予算議会でも質問をいたしましたけれども、大規模災害時など緊急時に市民の水道水確保のため、これまで応急給水拠点の整備を進め、さらに避難場所となる市内の小中学校の水飲み場を活用した開設不要型の応急給水拠点整備が始まりました。そこで、これまでの整備状況と新年度予算での取り組みについて上下水道事業管理者に伺います。
◎飛彈良一 上下水道事業管理者 応急給水拠点についての御質問でございますが、初めに、応急給水拠点の整備状況についてでございますが、市内の全ての地域で市民の皆様がおおむね半径750メートルの範囲内で給水が受けられるよう、平成25年度に市内139カ所の整備が完了しております。平成26年度からは小中学校における開設不要型応急給水拠点の整備を進めており、昨年度及び今年度はそれぞれ10校の整備を実施しております。次に、来年度の当該事業の予算についてでございますが、11校の整備を予定しており、約2,000万円の予算を計上したところでございます。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 答弁で、応急給水拠点の整備については市域内で139カ所、全てが終了をしたということで、平成26年度、平成27年度で避難場所であります小中学校へそれぞれ10カ所ずつ整備をされたということで、一昨年、高津区の橘中学校、これはテープカットを市長さんと御一緒させていただきました。新年度は11校の整備を予定しているということでございますけれども、いつまで全校に整備をするのか、改めてお伺いいたします。
◎飛彈良一
上下水道事業管理者 応急給水拠点の今後の整備見通しについての御質問でございますが、小中学校の水飲み場を利用した開設不要型応急給水拠点につきましては、現在は毎年10校程度の整備を進めておりますが、配水管の耐震化の進捗状況に合わせてペースアップを図り、平成35年度までに全ての市立小中学校の整備を完了させる計画でございます。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 ありがとうございます。平成35年度までに全校の整備を完了ということです。これは直結型の耐震管の給水管ということですので、市内でも初めて一昨年、橘中学校で整備して、災害時の給水の確保としては非常に有効な手段だと考えますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
関連しまして、これも昨年の予算議会でお聞きをしましたけれども、川崎病院の給水管の耐震工事について、昨年の答弁では中長期保全計画の中で調査を行って給水管の整備を進めるという答弁でございましたけれども、取り組みを病院局長に。
◎今井宏晴 病院局長 川崎病院における給水管の耐震化についての御質問でございますが、川崎病院は災害拠点病院として、災害時における重症、重篤な傷病者の受け入れなどにより、地域の医療機関を支援し、災害医療救護活動の中心的な役割を担うことが求められていることから、水回り等のインフラ確保は大変重要なことと認識しているところでございます。病院敷地内の給水管の耐震化につきましては、平成28年度に水道メーターから受水槽までの地中に埋設されております既存の給水管を、約30メートルにわたって耐震性の高い給水管に更新するための工事を計画しているところでございます。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 ありがとうございます。平成28年度――新年度でこの工事をしていただけるということでございますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、次の質問に移ります。行財政改革の中で資産マネジメントについて、2款総務費、資産マネジメント事業について財政局長、健康福祉局長、総務局長に伺います。昨年6月議会で取り上げさせていただきましたけれども、新年度予算案で353億6,000万円余の金額が計上されておりますけれども、この中身は学校施設整備費が22億円から106億円と大幅に拡充をされました。これは高く評価をさせていただきますけれども、学校施設や市営住宅、橋梁など個別計画以外の庁舎や指定管理施設など、その他の施設の長寿命化の取り組みについて、これは財政局長にお伺いいたします。
◎大村研一 財政局長 資産マネジメントについての御質問でございますが、本市では公共施設の老朽化に伴う財政負担の増大や市民ニーズの変化等に的確に対応するため、平成26年3月に資産マネジメントの第2期取組期間の実施方針であるかわさき資産マネジメントカルテを策定し、全ての公共施設について長寿命化に配慮した取り組みを重点的に進めているところでございます。学校施設や市営住宅など個別計画に基づき長寿命化を進めている施設以外につきましては、施設の状況を財政局において一元管理するとともに、一定の要件を満たす大規模な施設におきましては全庁横断的な視点による優先度判定を行い、長寿命化を推進しているところでございます。指定管理者制度の導入施設を含む庁舎等建築物の長寿命化の統一的な考え方といたしましては、劣化が構造躯体に与える影響の度合いを考慮し、屋根、外壁といった建築部位を優先的に対応すべきものとしております。また、受変電設備などの電気設備、空調設備などの機械設備については、点検等を介し、ふぐあいが見つかれば故障や停止する前に対応すべきものとし、それ以外については事後保全でも支障がない部位と位置づけております。また、施設管理者等において施設点検に基づく施設の状況を把握する際には、点検マニュアルを活用するなど、施設全体の長寿命化を推進しているところでございます。今後におきましても、所管部局と連携し、施設の長寿命化の必要性の周知徹底を行い、さらに効果的・効率的に取り組んでまいります。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 ありがとうございました。答弁では財政局で施設の劣化状況を一元管理し、その上で関係局と連携をし、優先判定を行った上で長寿命化の推進をする、指定管理施設についても点検マニュアル等を活用して長寿命化に取り組んでいるということの御答弁がございました。そこで、関係局と連携をしているということでございますので、健康福祉局長に伺いますが、社会福祉施設の老朽化対策、昨年の私への答弁では民設民営施設についても対応が必要であることから、高齢者施設については平成25年度に調査を行い、障害者施設は平成26年度に調査を委託し、支援のあり方を検討していくということでございましたけれども、もう取りまとめが終わっていると思いますので、調査内容とその結果について明らかにしてください。
◎成田哲夫 健康福祉局長 施設の老朽化対策に関する調査についての御質問でございますが、特別養護老人ホーム及び障害者施設には公設公営、公設民営、民設民営とさまざまな運営形態がございますが、施設の老朽化への対策につきましては、どの施設形態においても課題として受けとめているところでございます。公設施設につきましては、これまでにもかわさき資産マネジメントカルテに基づき大規模修繕などを行ってきており、今後におきましても計画的に取り組んでまいります。民設民営の特別養護老人ホームにつきましては、平成25年度にコンサルティング事業者を活用し、施設の現地調査、施設運営法人の経営分析、長寿命化のための予防保全の観点を含め、効果的な建てかえ等の手法など老朽化に対する支援のあり方について調査を行い、調査結果につきましては、老朽化の度合い、施設運営法人の経営基盤、老朽化予防のための各施設における長寿命化への取り組み等に相当の相違がある実態を把握したところでございます。次に、民設民営の障害者施設につきましては、平成26年度にコンサルティング事業者を活用し、老朽化への支援策の検討を行うための基礎資料として、各施設に対して施設の構造や規模、築年数、老朽化の度合いなどについて実態調査を行ったところでございまして、調査結果につきましては民設民営施設の劣化状況等について現状を把握したところでございます。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 ありがとうございます。特養については各施設の老朽化の度合いや運営法人の経営基盤、長寿命化の実態を把握し、障害者施設についても調査が終了されたということでございます。今後の具体的な支援のあり方について再度伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 施設の老朽化に対する取り組みについての御質問でございますが、民設民営の特別養護老人ホームにつきましては、平成25年度に実施した調査結果を踏まえ、市民ニーズが高く、また、築年数が経過している施設における老朽化への支援策の創設に向け、施設運営法人との協議を重ねながら現在検討を進めているところでございます。支援に当たっては、大規模修繕や建てかえは介護報酬によって賄われる制度構造にあることを考慮し、介護保険制度施行以前に開所した施設の建てかえを支援対象とするなど、建てかえの基準、建てかえ手法、補助のあり方等について新たな総合計画に位置づけ、できる限り早期に具体化してまいりたいと存じます。次に、民設民営の障害者施設につきましては、平成26年度に実施した調査結果を受けて、各施設の劣化状況や躯体構造ごとの耐用年数の相違等を勘案しながら、老朽化施設への支援策について現在検討しているところでございまして、今後につきましても新たな総合計画に位置づけ、支援対象施設の範囲や支援の仕組み等について運営法人と協議しながら検討を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 それぞれ御答弁ありがとうございました。市長さんに要望いたしますけれども、障害者の施設の長寿命化ですけれども、施政方針の中の平間配水所跡地の短期入所機能を備えた通所事業所整備や福祉センターの跡地活用について、これは非常に前向きな障害者の施策として評価をしたいなと思うんですけれども、通常障害者が利用している既存施設の老朽化対策もしっかりやっていただきたいと思います。これまでも何度か指摘をしてきましたけれども、かなりプレハブ等で劣化状況が激しい施設がありますので、そういうところにも市長さんとしては目を向けていただければありがたいなと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、関連して、総務局長に指定管理者の修繕費の分担について伺います。今までは大規模修繕ですとか設備関連の長寿命化だったんですが、今度は細かい部分の修繕費の分担ということで、本市の事業者選定等に関する手引きではリスク分担の考え方の中で、施設の維持管理リスクは指定管理者のリスク、大規模修繕や改修等は本市のリスクの範囲内で行うこととなっていますが、手引の内容はリスク分担が大変曖昧でわかりにくい表現となっています。基準もはっきりしていなくて、厚い分担の冊子があるんですけれども、私も何度も読んで理事者とやりとりしたんですが、なかなか理解ができなかったんです。これでは施設の修繕を指定管理者へ押しつける事態も想定されますし、今般こども本部関連指定管理施設で、このケースによる修繕費の課題、問題が明らかとなってまいりました。指定管理者の修繕費リスク分担の考え方について、これは総務局長に見解と見直しを含めた取り組みについて伺います。
◎伊藤弘 総務局長 修繕費の分担についての御質問でございますが、指定管理施設の維持管理に必要な修繕は、原則として施設の設置主体でございます本市が負担すべきものとしておりますが、利用者へのサービス提供における安全性や緊急性の観点から、小破修繕に類するものにつきましては1件当たりの限度額及び指定管理期間内または年度内の負担限度額を定めて、指定管理者がその範囲内で必要な修繕を行うことができるものとしております。しかしながら、実際の現場の運用では市と指定管理者との協議により、負担限度額を超えて指定管理者が修繕を行っている施設もあると伺っておりますので、早急に現場の運用状況の把握を行い、改めて適正な修繕費等の分担の考え方を整理し、関係局に周知してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 ありがとうございました。早急に現場の運用状況の把握を行って、適正な修繕費等の分担の考え方を整理し、関係局に周知をしてまいりたいと。基準とか、そういうものをしっかりと設けて、わかりやすく。それぞれの指定管理者の施設によって修繕費の金額も大分大小ありますので、一定のルールをつくっておかないと、受けた側でもどこまで申請したらいいのかという部分で非常にやっぱり混乱をしているのが実態ではないかと思いますので、総務局長、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、次の質問に移ります。次に、4款こども未来費2項こども支援費、児童虐待防止対策について伺います。本年1月の埼玉県での3歳女児死亡事件や東京大田区の男児死亡事件、直近では広島で8カ月の乳幼児のネグレクトによる死亡事件など、虐待により命を奪われる深刻な事件が続いています。家庭や地域における養育力の低下や孤立化、育児に対する不安、負担感の増加など、相談件数は増加をし続けており、複雑困難なケースも増加をしております。国は昨年の12月に児童虐待防止対策強化プロジェクトを策定し、対策を強化していますけれども、本市の組織体制や職員配置など、新年度の取り組みについてこども本部長にお伺いいたします。
◎小池義教 こども本部長 児童虐待防止対策に向けた職員配置等についての御質問でございますが、児童虐待防止及び児童家庭支援に向けました新年度の組織体制につきましては、各区役所の保健福祉センターに設置する地域みまもり支援センターの地域支援担当に、これまで児童家庭課で担ってきた要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協の業務を移管することといたします。また、保育所や学校などとの連携強化のため、保育所等・地域連携担当と学校・地域連携担当を地域みまもり支援センターに兼務配置し、情報の共有に取り組んでまいります。次に、職員の配置につきましては、地区担当保健師や社会福祉職、栄養士、歯科衛生士、医師などの専門職及び一般事務職を配置し、多様な地域課題や住民の生活課題に対応していくことが重要であるものと考えております。必要な職員数の確保に向けましては、引き続き関係部署と調整を進めてまいります。また、児童相談所につきましても、児童虐待相談・通告件数が大幅な増加傾向にありますことから、関係機関と連携して適切な相談援助を実施するため、特に川崎区、幸区における相談支援体制の充実を初め、業務執行体制の強化に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 ありがとうございます。取り組みですけれども、職員の配置は現在、関係局と調整中ということです。新年度、新たな組織の編成、人事異動もありますので、児童相談所の職員配置にも期待をさせていただきたいと思います。
そこで、新年度、こども未来局の児童家庭支援・虐待対策室と区役所を拠点とした
地域包括ケアシステムの中で新たに設置される地域みまもり支援センターと児童相談所、そして保育園との連携、そしてそれぞれの情報の共有について再度伺います。
◎小池義教 こども本部長 情報の共有や連携についての御質問でございますが、児童虐待防止及び児童家庭支援におきましては、行政や地域の関係機関が連携し、それぞれの情報を重ね合わせ、共有することが大変重要であるものと考えているところでございます。新年度に設置する地域みまもり支援センターでは、保健師を中心に地域支援担当が把握した情報をケース検討会議等で迅速に共有し、多職種連携による多面的なアセスメントを踏まえ、要対協を活用するなどして組織的判断のもと個別ニーズに即した支援を推進してまいりたいと考えております。また、各区の要対協につきましては、平成27年度から連携調整部会に学校・地域連携担当が毎回参加するなど、連携の充実を図っているところでございます。新たに設置されるこども未来局におきましては、児童家庭支援・虐待対策室を中心として、各区要対協における支援の実施状況の把握や連絡調整を踏まえて、関係機関との適切な連携を進めるとともに、児童相談所と地域みまもり支援センターとの情報共有や連携に取り組んでまいります。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 ありがとうございます。答弁では連絡調整を踏まえて関係機関と連携を進め、児童相談所と地域みまもり支援センターとの情報共有に取り組むということでございますけれども、地域ということで学校や地域の医療機関、警察等と地域の連携はどうされるのか、これについてもお伺いをいたします。
◎小池義教 こども本部長 地域の関係機関との連携についての御質問でございますが、児童虐待の発生予防や重篤事例の防止には特定妊婦や保育園、幼稚園、学校等に在籍する支援を必要とする児童等の早期発見、早期対応が大変重要と認識しているところでございます。このため現在医療機関や学校など、子どもにかかわる地域の関係機関や職員などが持つ情報を共有し、重ね合わせるなど、相互の連携強化に努めております。また、事件性や緊急対応を必要とする事例など、児童相談所と警察との迅速かつ適切な連携体制の確保が重要でありますことから、日常的なケース支援に伴う連携に加え、市内の警察署との連絡会を開催するなど、連携の充実を図っているところでございます。今後につきましては、新たに
地域包括ケアシステムの中で区に設置する地域みまもり支援センターの職員が積極的に地域に出向き、多職種が連携して個別課題への対応を行う仕組みを活用し、警察、医療機関を含め、地域のさまざまな関係機関との連携強化に取り組みながら、児童虐待事例の発生や重症化を防止するなど、児童虐待防止対策を推進してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 ありがとうございます。地域との連携ですけれども、埼玉県の事件では、警察が知り得た情報を児相にフィードバックしていなかったということで、連携が不十分であったという報道がされております。本市は昨年2月の中1児童殺害という痛ましい事件から、教育委員会と警察との協定を結び、二度とこのような事件が起こらないような取り組みを現在進めているわけでございます。新たに
地域包括ケアシステム推進ビジョンの中で、高齢者に限らず地域で何らかのケアを必要とする全ての人々を対象とするという形で取り組みが進められると思いますけれども、児童虐待防止対策の新たな
地域包括ケアシステムによりまして、関係機関の連携や情報共有がこれまで以上に拡充をされると。私は非常に前向きに理解をさせていただきますけれども、市長さんも地域課題が全てだと、私の12月の議会の質問でもそういうふうに御答弁されていましたので、児童虐待防止対策に対する市長の見解をお答えいただきたいと思います。
◎福田紀彦 市長 児童虐待防止対策についての御質問でございますけれども、児童虐待の相談・通告件数は増加傾向にあり、児童虐待の発生予防と重症事例の再発防止など、児童虐待対策を推進していく上では安心して子育てができる地域づくりや専門的な支援の充実が不可欠であると認識しております。平成28年度に向けましては、新たに区役所に設置する地域みまもり支援センターの専門職員が積極的に地域に出向き、地域づくりや個別課題に取り組む仕組みを活用するとともに、児童相談所の専門的な支援体制を強化してまいります。児童虐待はさまざまな要因によって発生することから、地域みまもり支援センターと児童相談所を中心として、子どもにかかわる職員一人一人の資質向上に努めるとともに、医療機関や警察など関係機関との連携強化を図りながら、総合的な児童虐待防止対策を着実に推進してまいります。以上でございます。
◆後藤晶一 委員 御答弁ありがとうございます。情報の共有ですけれども、これまで本市も4例の死亡事例があって、その検証報告が出されていて、その中の大きな課題として挙がっているのが情報の共有、各保育園や区役所や児相との連携ができていなかったという点が毎回の検証報告に挙げられております。新年度から母子保健情報管理システムということでICT化が導入をされ、児童相談所へも我が党としてもICT化の検討を早期にすべきと指摘をさせていただいていますけれども、新たな
地域包括ケアシステムの中で、このICT化も含めてしっかりと取り組んでいくように要望をして質問を終わりたいと思います。
◆岩隈千尋 委員 それでは、まず最初に、信用保証制度について、そして、その次が中学校給食推進事業費について、その次が生活保護総務費について、その後が教育相談事業費について、おのおの一問一答で伺ってまいりたいと思います。
まず、信用保証制度について経済労働局長に伺います。予算書では歳入において238億9,600万円、そして、歳出においても7款3項2目の中小企業融資事業費として同額が来年度予算案において計上されております。本市が4月1日に金融機関に預けて、そして3月31日に戻ってくる性質のもので、いわゆる預託金という扱いですが、現在金融機関への預託金をどのように行っているのか、伺います。また、本市はどのように金融機関に預託を予定しているのか、伺います。さらに、今回日銀によるマイナス金利の影響等はないのか、伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 中小企業融資事業費についての御質問でございますが、間接融資制度における預託は預金保険法に基づきペイオフの対象にならずに、金融機関が破綻しても全額保証される無利息の決済性普通預金で預託をすることにより、制度取扱金融機関が中小企業の方々に融資を実行する際に、各資金の金利を固定で低利に取り扱っていただいているところでございます。預託の方法といたしましては、銀行や信用金庫などの取扱金融機関ごとに前年度の融資実績に基づいて積算し、預け入れを行っており、実際の預託額の約3倍程度の融資枠を確保しております。平成28年度につきましては、約239億円を前年度に融資実績のございました22の取扱金融機関に預託し、約661億円の融資枠を予定しているところでございます。金融機関の預託金の運用に関する影響等につきましては、現時点では取扱金融機関からマイナス金利の影響があるとは伺っておりません。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。図表をお願いします。ちょっと字が小さくて申しわけないんですけれども、本市が信用保証制度に基づき金融機関に預託している金額は、図表からもわかるように毎年極めて大きいわけでございます。預託額は一番左にありますね。これは数字が大きいんですけれども、174億円、322億円とか、こんな感じなんですけれども、他都市ではこの預託金のあり方について非常に議論されておりまして、一般会計全体における財政コスト、いわゆる預託額の適正化という視点を考える必要があると思います。今年度預託を予定している額は271億5,200万円で、来年度は238億9,600万円、前年度より32億5,600万円の減となっております。
図表の赤枠で囲っていただいたところを見ていただきますと、融資枠に対しての融資実績を見ると、単純に融資枠分の融資実績、過去に使われているのは平成25年度で大体43.9%、平成26年度で45%程度です。この預託額の規模や融資実績を勘案すると、これはリーマンショック以前のレベルに戻してもよいのではないかと考えます。見解と将来の方向性を伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 預託額の適正化についての御質問でございますが、平成20年に発生したリーマンショック以降、緊急的な措置として預託額の大幅な増額を行い、それまでの約3倍の融資枠を確保して中小企業者の資金繰り支援を行ってまいりました。融資実績につきましては、平成20年度の約812億円をピークに平成21年度以降減少し、平成26年度は約423億円と推移し、リーマンショック発生前の融資に近づいているところでございます。資金ごとの融資実績におきましても、設備投資や通常の営業活動を行うための振興資金の利用が順調に伸び、反対に売り上げ減少等による経営安定を目的とした経営安定資金の融資実績が減少傾向にあることや、融資枠に対する融資実績が平成24年度以降50%を下回っていることから、リーマンショックが発生した平成20年以前の預託額の水準への見直しを段階的に図ってまいりたいと考えているところでございます。なお、今後も引き続き経済状況を注視し、経済状況が急変した場合には中小企業の円滑な資金繰りに向けて速やかに対応してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。第一義的には先ほど経済労働局長がお話しいただいたように、中小企業の円滑な資金繰りというわけなんですけれども、我々は公会計の前提のもとで議論をしておりますので、無利息の預金を預けるということは違和感が余りないわけなんですけれども、これは企業会計、一般の会社の観点では機会損失ということになってまいります。だからこそ預託金の財政コストという観点、そして、これは金額、一般会計に占める割合は非常に大きいですから、この辺の財政コストという観点、そして適正化について常に注意を払っていただきたいと思います。
経済労働局長は今年度で退職されるということなんですけれども、長年本市の中小企業支援や国からも注視されております先導的な取り組み、川崎モデルの推進等に携わってこられました。これまでの経済労働行政に対する総括と、そして将来に向けての御助言をいただきたいと思います。
◎伊藤和良 経済労働局長 川崎モデルの総括と今後の展開についての御質問でございますが、経済労働行政の根幹をなすものは個々の企業との顔の見える密接な信頼関係でございます。これまで企業の現場に軸足を置きながら、市内企業の皆様とともに中小企業支援のスキームをつくってまいりました。やがてこうした取り組み自体が川崎モデルと称されるようになったわけでございますが、これからも現場主義に根差す組織風土を大切にし、市内中小企業から信頼される施策展開を期待しているところでございます。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 今後もさまざまな角度から本市へのアドバイス等をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
次のテーマに移りたいと思います。次に、13款7項2目学校給食費、中学校給食推進事業費に関連して食育について教育長に伺ってまいります。これまで中学校完全給食については、昨年9月議会、12月議会においてかなり詳細にわたり議論させていただきました。今回、北部・中部・南部学校給食センター整備等事業の要求水準書には、特定目的会社――SPCに対し食育支援業務が明記されております。もう電話帳のように厚い要求水準書なので、これは読むのも大変だったんですけれども、大体全部書いているわけです。要求水準書に明記されております企業連携献立の提供等のところでは、市内企業等と連携し、企業独自の献立の提供や出張授業等、企業の専門的なノウハウを生かした食育を実施し、食育への関心を高めるとございます。私は、この中学校給食推進事業におよそ450億円、そして、年間のランニングコストおよそ23億円もかけるのであれば、単にこれは中学生だけに資するのではなく、多くの川崎市民の皆さんに理解を伴うものでなければならないということで、昨年12月の議会では試食会の対応など代表質問で取り上げるとともに、議案審査の際には企業連携献立の提供等ということで、JAさんとか、また、健康に特化した企業のタニタさんとか、連携してはどうかという提案をさせていただいたところです。
また、これは中学校完全給食の実施に伴い、学校における食に関する指導プラン中学校版を改定すべきではないかということも委員会で指摘させていただきました。以上の点について企業等との連携による食育の充実と、指導プラン中学校版の改定をいつまでに策定するのか、教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 中学校における食育についての御質問でございますが、初めに、民間企業等との連携による食育についてでございますが、昨年度より御提案の企業も含め、民間企業等との地産地消や食を通じた健康づくり等の連携について関係局とともに検討しているところでございます。次に、学校における食に関する指導プランの中学校版についてでございますが、本年秋を目途に中学校完全給食の実施に伴う改定を予定しているところでございます。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。ここでちょっと参考となる他都市の事例を紹介したいと思います。ディスプレーをお願いいたします。これは見えますね。これは昨年の総務委員会で私が取り上げさせていただいたニュースなんですけれども、ちょうど議案審査のとき、いろいろ情報収集しておりますと、新聞紙面やインターネットニュースにも出ておりましたので、もう皆さん御存じかもしれませんが、これは新潟県の長岡市の事例でございます。全国初とのことですが、健康総合企業の株式会社タニタさん――体重計とかタニタ食堂で最近有名ですけれども――と長岡市がコラボして、小中学校の給食メニューを監修したというニュースなんですね。具体的には、タニタ社員食堂担当の栄養士さんと各校所属の栄養教職員が学校給食の規定を踏まえつつ、地元の野菜を使ったり、最近の子は歯が弱いということでかみ応えのある調理法で満足感を高めたりするタニタ食堂のメソッドを使って、そして給食向けにアレンジしているそうです。
実は、今はもういらっしゃらないんですけれども、引退された潮田議員が平成24年の委員会においても、子どもたちの将来の食育ということでタニタ食堂との連携も実は提案をされているわけなんですね。あくまでこれは参考事例として取り上げましたけれども、先ほど冒頭にお話をしましたように、私が川崎市の学校給食に求めたいことは、いわゆる多くの市民にしっかりと理解される、川崎モデルとしての学校給食です。単に政令市で一番高い建設費になるであろう給食センターに巨額の予算を投じて終わるのではなく、そこに川崎の地産地消や、タニタであれば健康など付加価値をつけることによって、これは代表質問で言いましたけれども、最終的には学校給食試食会等で市民に還元されることを期待したいと思います。市長さんは結構民間企業との連携を積極的に活用されているようなので、こういった事例もぜひ参考にして今後の中学校給食に対応していただきたいと思います。
次に、試行実施されております東橘中学校で評判はおおむね良好のようなんですけれども、一方、保護者の皆さんから御要望として、とりわけ部活動、運動部に所属している生徒さんたちは、お弁当のときには運動に備えてボリュームの多いお弁当を持参していましたが、給食ではある程度の量は決まっているので足りないために、おにぎり等ちょっとした食べ物を持たせてほしいという御意見が寄せられたところです。今後、本格実施されれば、今言ったことは当然増加してくることが予測されるわけなんですけれども、これについて見解を教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 中学校給食における補食の持参についての御質問でございますが、中学校給食の献立につきましては、文部科学省が示す学校給食摂取基準や学校給食の標準食品構成表等に基づき作成しているところでございますが、おにぎり等の補食の持参につきましては集団生活の場である学校における補食の必要性やあり方、衛生管理上の課題等もございますので、他都市の状況も参考にしながら慎重に検討する必要があるものと考えております。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。この辺はなかなか難しいところがあると思うんですね。例えば衛生管理上で問題が起きたかとか、いろいろあると思うので、その辺はまた柔軟に実施の段階で検討していただきたいと思います。
次に、5款健康福祉費3項1目生活保護総務費に含まれる生活保護受給世帯の生徒への学習支援・居場所づくり事業について伺います。これは昨日の小田委員の質疑でも触れられておりましたけれども、予算については来年度は市費が2,500万円、国費が2,500万円の計5,000万円が計上されております。本事業は平成24年の秋から始まった事業なんですが、これはキックオフの段階から私もこれまで何度か現場に行ってきました。2週間ほど前も対象となっている生徒さん、あと、委託事業者さんからも直接御意見を伺ってきたところでございます。そこで、今議会でも子どもの貧困対策ということで、各会派からさまざまな議論がなされていたわけなんですけれども、事業開始から3年以上経過し、本事業の先にある、いわゆる高校等への進学の状況や、せっかく高校に入学したにもかかわらず退学していないのかなど、まだ追跡調査は行っていないとのことでしたので、その調査を依頼しておきました。この数字と結果を確認させてください。また、事業開始前の中学3年生の高校等進学についても伺っておきます。健康福祉局長に伺っておきます。
◎成田哲夫 健康福祉局長 学習支援・居場所づくり事業などについての御質問でございますが、初めに、学習支援・居場所づくり事業開始前の平成23年度生活保護受給世帯の中学3年生の高校等進学率は93.9%でございます。次に、本事業を開始した平成24年度以降、事業を利用した生徒につきましては、ほぼ全員が高校等に進学しております。そのうち高校進学後も継続して生活保護を受給している世帯の現在の状況につきましては、平成24年度の当事業の登録人数は31人で全員が高校等に進学し、そのうち高校を退学した生徒が1人、平成25年度の登録人数は77人で76人が進学し、そのうち高校を退学した生徒が3人、平成26年度の登録人数は117人で116人が進学し、そのうち高校を退学した生徒が1人となっております。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。明らかに数字の上でも本事業に参加していただいたほうが高校等への進学についてはプラスに働いているということです。高校進学後については、できれば全ての生徒さんが退学することなく卒業してほしいと期待したところですけれども、若干退学者も見受けられました。要因についてはさまざまあると思うんですけれども、本事業から対象外になったとしても、もと自分が通っていた委託先の事業者さんのところに気軽に相談に行けるなど、居場所としての学習支援室があるという観点で関係各局と連携してフォローしていただきたいと思います。
これはこども本部長に1点、こども本部長、いらっしゃいますかね。こども本部長に1点お願いしたいんですけれども、確認だけさせていただきたいんですが、ひとり親家庭の児童について、これはあくまで国のメニューなんですが、学習支援ボランティア事業という補助金のメニューが実はあるんですね。こども家庭課さんが所管になると思うんですが、この事業はまだ本市は活用されていないわけで、こういったところの活用を今後検討してもらいたいんですけれども、これはいかがでしょうか。ちょっと確認させてください。
◎小池義教 こども本部長 学習支援などについての御質問でございますが、子どもの貧困対策といたしまして、ひとり親家庭を含めた子どもの学習の場や居場所のあり方につきましては、今後、関係部局と連携しながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。学習支援ボランティア事業のほうが国の予算の割合としては充実しております。健康福祉局がやっている補助金のメニューと今、私がお話しした学習支援ボランティア事業、これは一緒に重複して受け取ることはできませんけれども、同じところで同じようにできることで可能でございますので、ぜひ活用していただきたいと思います。
さて、今後、中学2年生、1年生に対象者が拡大されるわけなんですけれども、調査させていただいた資料によると、例年対象者の人数は中1、中2ともに300名強で推移をしております。健康福祉局はケースワーカーの皆さんが家庭訪問される際に、案内のチラシ等を活用して働きかけを行っているとのことですが、基本、日中中学生の生徒さんたちと接しているのは教育現場、学校ということになってまいります。各学校において校長先生なり教員が生徒のプライバシー等に十分に配慮した上で、本事業の紹介や働きかけなど、きめ細やかな対応を行い、一人でも多くの生徒さんに学習支援・居場所づくり事業に参加を促すことで学習の機会の選択肢を広げていただきたいと考えます。教育委員会の協力とか連携を求めたいと思いますが、教育長に対応を伺います。
◎渡邊直美 教育長 学習支援・居場所づくり事業についての御質問でございますが、学校における本事業の紹介や働きかけにつきましては、生徒や御家庭のプライバシーに十分配慮する必要があると考えておりますが、この事業の重要性は十分認識しているところでございます。教育委員会といたしましては、今後、本事業への学校の理解を深めるための働きかけを行う機会を設けたり、学校が保護者との面談を通して事業の紹介を行うなど、本事業の円滑な運営に資する具体的な協力のあり方について所管局とともに検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。これは事業が始まった当初も健康福祉局は非常に前向きだったと思うんですね。今議会でもそうなんですが、今はもう子どもの貧困ということで関係各局との連携をやっていくようにということを、各会派の議員さん、予特でもいろいろ言われている中で御答弁いただいているわけなんですけれども、子ども・若者ビジョンにも策定されたわけですから、教育長もいらっしゃるわけなので、これはぜひ今後多面的なアプローチで生徒の学習支援をしっかりと行っていただきたいと思います。
次に、13款1項7目、教育相談事業費について、不登校対策等について教育長に伺ってまいりたいと思います。これは先ほどの後藤委員のお話ではございませんけれども、中学生の殺害事件とも関連することなんですが、私は従前より本事件について報告書をまとめられた学識経験者の皆さんや、また、メディア等で継続してヒアリング調査を続けてまいりました。その中において、教育委員会、そして庁内対策会議の報告書については、その精度はまだまだ不十分であること、そして、貧困対策などの記述はありませんし、ミスが生じた組織内部の部署や箇所、いわゆる問題が生じた箇所を具体的に検証、明らかにまだなっていないことには、その後の改善や運用が半端なものになる懸念があると一貫して主張してきたところです。
そのような中、2月20日の新聞報道に、昨年5月に教育委員会が取りまとめた中学生殺害事件報告書についての記事がありました。これは画像をお願いします。これによると情報公開請求で新たに開示された中には非公表の指導課作成の中間報告書原案がある。これが一番上に書いているやつですね。そこには当該校における不登校対策委員会が機能していないことなど具体的な記述が見られたものの、それが昨年5月に公表された最終報告書には削除されて明記されていない事実が明らかになっております。一番上のこの赤いところが、これは案文で我々は見ていないんですよね。今回メディアの皆さんの情報公開で明らかにされた不登校対策委員会等が機能していなかったと言えると。そして、2番目の中間報告については我々も見ているんですけれども、その中では、この不登校対策委員会の文字が消えて主任会等ではということに変わっております。主任会等の等というのは学年会が含まれるとのことです。そして、最後の最終報告書は見ているんですけれども、校内体制としてということで、問題のあった箇所がぼやっと最終報告書になるに従ってふやけてきたというか、ぼやけてきた経過があるわけなんです。この案文から最終報告書に至る経過の中で、当初は問題が生じた部署を明確としていたにもかかわらず、どのような判断のもとこれは削除されたのか、教育長、明らかにしてください。
◎渡邊直美 教育長 教育委員会事務局検証委員会の報告書の記述についての御質問でございますが、教育委員会事務局検証委員会では事件の背景を探り、本事案からどのような教訓が得られるのか、また、再発防止に向けて何が必要なのかを明らかにするため、調査、検証に基づき収集した情報を精査し、一面的な評価にならないよう留意しながら慎重に検討していく過程で加筆、修正を重ねた上で報告書を作成いたしました。報告書におきましては、委員から御指摘いただいております問題の生じた箇所が明らかになっていないという点については十分お伝えできていないところもあろうかと考えております。本事案におきましては、その背景の把握や状況に合わせて指導方針を振り返り、修正を図るためのサイクルが十分に機能していなかったこともございましたので、このことを大きな反省材料として受けとめており、今後の取り組みに反映させてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。中学生殺害事件の最終報告書からは、当該校における不登校対策委員会が機能していなかったこと、そして主任会や学年会が不登校対策委員会を兼ねており、それが情報共有中心で対策が十分行われていなかったことなどは、まだこの状況では明らかにされておりませんでした。これまで教育委員会は議会に対して、不登校対策については登校支援チームの整備などで早期発見、対応を図ると答弁されておりますが、それが当該校では形骸化していたことになります。今回の事件を経て当該校においては当然改善されているものと認識しておりますが、市内の公立校においては今回の教訓を経てどのように改善を図られたのか、伺います。教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 不登校対策についての御質問でございますが、各学校ではこれまでも児童生徒の状況に応じて登校支援チームを編成し、さまざまな支援に努めてきたところでございます。しかしながら、教育委員会といたしましては、突然理由もなく欠席が続いた場合や、長期欠席の兆候が見られる場合などについて学校が危機感を高め、何よりも本人に会うこと、ちゅうちょせず関係機関と連携することなど、速やかに支援体制を構築することの重要性を改めて認識したところでございます。そのため今年度より校務支援システムを活用し、長期欠席傾向やその兆候の見られる児童生徒の状況を区教育担当が学校と共有し、状況に応じてスクールソーシャルワーカーの派遣を働きかけるなど、各学校の取り組みに対する支援を強化したところでございます。また、今年度より毎年2月を学校体制振り返り月間として位置づけることとし、各学校が主体的に指導体制の改善や強化につなげられるよう、点検と評価の強化を図ったところでございます。今後も引き続き各学校の不登校対策のさらなる充実に向けて努めてまいります。以上でございます。
◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。今回の質疑を行うに当たって、これは新聞記事をもとにさせていただいたので、やはりバイアスがかかっていないかなど、記事を書いた記者さんに私は逆に取材をさせていただきました。それで慎重に取り上げさせていただきました。この記者さんは、例えば亡くなられた児童のところの島に行ったり、加害者、被害者双方の御両親にインタビューしたり、また、複数の学識経験者に確認をとった上でこの記事を、しかも前もって教育委員会さんにはきちんと、あした載せますということで事前報告があって、それで載せたとも伺っております。
その中で外部有識者からの意見としては、当該校に専門チームがあっても十分に機能していなかったことはきちんと検証し、教訓として公表すべきだった、問題を開示、明示しないまま専門チームの強化だけを再発防止策として打ち出しても説得力を持たないと指摘をされております。今回は教育委員会に質問させていただいたわけなんですけれども、貧困や地域特性など現場が抱える問題の深刻さを本庁が正しく認識できなくては、組織の病根は完治されず、第2、第3の事件が起きる可能性は否定はできません。
事件から1年が経過して、この件については来年度、教育委員会とともにこども未来局も重要な役割を担うことになります。先ほど後藤委員からの質問でもそうでしたけれども、地域みまもり支援センター、これはしかりでございます。先ほどの後藤委員の質問ともかぶるんですけれども、情報共有、情報共有という言葉は庁内対策会議の報告書、そして教育委員会の報告書にも物すごくたくさん載っているんです。しかし、実際には情報共有はやっていたけれども、その先ができなかったということが明記されているわけです。
4月1日から、地域みまもり支援センターの中には区の教育担当さんも入るということを私は伺っております。その中で、情報共有されるのは結構なんですけれども、では、どこで情報共有するんですか、同じテーブルの前で集めてきた情報をどのようにしっかりとシェアしていくんですかということについては、4月1日から始まるにもかかわらず、まだこの中ではしっかりと動いていないんですね。ですから、ぜひそういったことはこの4月1日からの中で明らかにしていただきたいと思いますし、また、今後はこういったところ、関係各局はぜひ総点検のほどをよろしくお願いしたいと思います。以上で質問を終わります。
◆大庭裕子 委員 私は、初めに、井田病院患者送迎用シャトルバスについて、高次脳機能障害について、中原区内の子育て支援団体について、中原区の認可保育所への入所状況と整備について、順に一問一答で伺います。
まず、井田病院患者送迎用シャトルバスについて病院局長に伺います。井田病院患者送迎用のシャトルバスが、2016年、この3月31日運行終了という方向が出されました。シャトルバスの運行終了については、納得のいくものではありません。運行終了の理由には、路線バスの充実により、シャトルバスが路線バスの妨げの要因となるとしています。路線バスが増便することは歓迎するところですが、そもそも、シャトルバスと路線バスの始発駅は同じでも、運行ルートは違います。シャトルバスは交通不便地域と言われる住宅街を通りますが、路線バスは幹線道路を走ります。先日も下小田中3丁目の住宅地に住む高齢者の方が、井田病院に行くのにタクシー代が往復5,000円もかかったという話を伺ったばかりでした。また、井田病院は近くにあっても遠い病院なので、ほかの病院に行っていますという方の声は多く、当該地の町内会からも運行を継続してほしいという声が上がっています。アンケート調査では、来院方法として「タクシー」が18%です。タクシーで来られる方がどういうところから乗車してきているのか、実態調査が必要です。無料のシャトルバスを利用してきた宮内に住む方は、市営バスで小杉駅まで出て、小杉駅からシャトルバスを利用しています。今度は小杉駅東口まで回り、バス乗り場が遠くなった上に2回もバス代を支払うようになって困ると訴えられました。高齢者や低所得者の方に新たな負担を強いることになります。行き先が井田病院であるこうした方について、井田営業所での乗り継ぎ同様に料金が発生しないなどの改善策について伺います。今後の運行の方向では、引き続き、患者等へのアンケート調査等により、交通アクセスの状況把握に努めるとしておりますが、アンケート調査の目的を伺います。
◎今井宏晴 病院局長 井田病院患者送迎用シャトルバスについての御質問でございますが、初めに、公共交通機関を乗り継いで来院される方への費用負担軽減の対策についてでございますが、井田病院は、その立地や地域がん診療連携拠点病院としての役割などから、近隣の中原区、高津区以外にも、市の内外から多くの方々に御来院をいただいているところでございますので、公共交通機関の料金の一部を病院が負担して、患者さんの費用負担の軽減を図ることは難しいものと考えております。なお、患者さんなどから御相談がありました場合には、高齢者の通院等の外出を支援する制度や、井田営業所での乗り継ぎ、また、お得な路線バス乗車券などの御案内をしてまいりたいと存じます。次に、アンケート調査の目的についてでございますが、井田病院では、患者さんへのサービス向上を目的に毎年アンケート調査を実施しているところでございまして、病院職員の対応や療養環境、交通の利便性等の項目について、満足度や御意見等をいただくとともに、それらの御意見を参考に改善に向けて取り組んでいるところでございます。今後、路線バス増便後の交通アクセスの状況等につきましてもアンケート調査を行い、井田病院へのアクセス改善の手法等について研究を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 アンケート調査では、井田病院への交通アクセスの状況等については、改善の手法等について研究を進めていくということですが、バスが運行していたこの地域が交通不便地域であることは変わりないので、運行の継続を求めるものです。シャトルバスを利用してきた人たち、特に高齢者の方など、経済的、身体的にも困難な方々の足を奪うことになるということをしっかり認識して対策を図るべきです。提案の一つとして、始発は武蔵中原駅から運行すれば、住宅街を通り、最短距離で井田病院へ行くことができます。ぜひ検討研究をしていただきたいと思います。この地域の交通不便の解消については、都市計画道路の整備でバスの運行の可能性まで待っていたら10年、20年と先になってしまいます。駅や主要施設へのアクセスという観点で、交通局、まちづくり局にも研究検討していただくことを要望し、引き続き取り上げていきたいと思います。
続いて、高次脳機能障害の地域活動支援センターについて健康福祉局長に伺います。高次脳機能障害は、交通事故などによる外傷や脳卒中などによる脳の損傷で、記憶力など注意力、社会的行動などに障害が起き、日常生活などに制約がある状態になる障害です。誰にでも起こり得る障害であるのに周囲に理解されにくい障害です。昨年11月、東京で15回目となる日本脳外傷友の会全国大会が開催されました。支援拠点を恒久化、発展させる必要があることから、専門的、広域的な相談支援を担う支援センターの設置をという大会アピールもありました。川崎市では、専門的な相談窓口として北部リハビリテーションセンターとれいんぼう川崎があり、2012年7月から高津区に地域活動支援センターが開設をされました。相談窓口の各件数と、地域活動支援センターの利用状況と今後の課題について伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 高次脳機能障害に関する相談等についての御質問でございますが、初めに、各相談機関における相談件数につきましては、北部リハビリテーションセンターでは、平成26年度152件、平成27年度上半期61件、れいんぼう川崎では、平成26年度89件、平成27年度上半期35件、地域活動支援センターでは、平成26年度66件、平成27年度上半期46件となっております。次に、地域活動支援センターへの通所利用者数は、平成24年度17人、平成25年度22人、平成26年度17人、平成27年度上半期19人となっております。課題といたしましては、医療機関や居宅介護支援事業所等から退院後の基本的な日常生活能力の向上に関する相談が多くなっておりまして、個々の状況に合わせた生活訓練等の必要性が求められているところでございます。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 今の御答弁で、高次脳機能障害に特化している高津区の地域活動支援センターでの相談がふえてきているということがわかりました。相談機能や地域活動支援センターが北部に集中していることから、相談者や利用者も北部にお住まいの方が多くなります。2016年度から中部リハビリテーションセンター、また、2020年度に南部リハビリテーションセンターが開設予定となります。高次脳機能障害の相談機能についての位置づけと、南部リハビリテーションセンターは開設まで4年間あります。開設までの期間の対応と今後の取り組みについて伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 地域リハビリテーションセンターの相談機能についての御質問でございますが、本年4月に北部リハビリテーションセンターと同様の機能を持つ中部リハビリテーションセンターを開設し、中原区、高津区、宮前区内の方の高次脳機能障害に関する専門相談を実施してまいります。また、南部地域につきましても、障害者更生相談所と精神保健福祉センター分室機能を持つ南部地域支援室を設置し、南部リハビリテーションセンターが整備されるまでの対応として、れいんぼう川崎と連携を図りながら、高次脳機能障害のある方へアウトリーチを主体とする支援を実施してまいります。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 南部リハビリテーションセンターが整備されるまで南部地域支援室を設置し、れいんぼう川崎と連携して、高次脳機能障害のある方へのアウトリーチを主体とする支援を実施するとのことでした。しかし、日常生活をどう過ごすか、南部での支援強化が求められます。高津の地域活動支援センターは、南部の方が通うには遠く、狭隘であるため、なかなか行くことができません。先ほど課題として基本的な日常生活能力の向上に関する相談が多くある、個々の状況に合わせた生活訓練等の必要性が求められるとの答弁がありました。生活訓練など居場所としての機能を持つ施設が近くに必要です。地域活動支援センターについては、障害の特殊性から、これまでも行政区ごとに整備を求めてきましたが、少なくともリハビリテーションセンターが整備される南部、中部に必要と思います。見解を伺います。特に、南部リハビリテーションセンターはこれからの整備となることから、センター内に設置できるよう検討すべきですが、伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 地域活動支援センターについての御質問でございますが、現在、高津区にございます地域活動支援センターにおきましては、さまざまな専門職がプログラム活動を通して御本人の特性を評価した後、より身近な地域の活動の場へ移行していくことを目指して支援を行っており、相談、訓練、居場所の3つの機能を持ち合わせた施設となっております。今後におきましては、中部及び南部地域リハビリテーションセンターでは、北部リハと同様に、施設内に設置される障害者センターでの相談機能と日中活動センターでの訓練機能を組み合わせて、相談及び訓練について身近な地域での支援を行ってまいります。また、現在、高齢者施設や障害者施設に対し、高次脳機能障害についての研修を実施するなど、受け入れの拡充に向け取り組んでいるところでございます。今後におきましても、取り組みをより一層進めるとともに、高次脳機能障害についての知識の普及啓発や理解の輪を広げるなど、高次脳機能障害を含め、障害のある方の居場所づくりに向けて取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 3つのリハビリテーションセンターでは、施設内に設置される障害者センターでの相談機能と日中活動センターでの訓練機能を組み合わせて支援をするとのことです。高次脳機能障害は特殊性があることから、障害者と一くくりできないのがこの障害です。日中活動センターでほかの人と一緒に活動できないという方もいます。高次脳機能障害の息子さんを持つ親御さんは、息子さんの居場所がないと困っていました。住んでいる身近な地域に高次脳機能障害に特化した施設が必要です。ぜひ南部と中部に高次脳機能障害者の生活訓練、居場所となる地域活動支援センターの整備を進めるよう要望させていただきます。
続いて、中原区の子育て団体への支援について市長にまず伺います。中原区の車座集会が2月17日に行われました。行政区ごとに車座集会の形式やテーマを変えているようですが、中原区では地域の子育てをテーマで実施されました。このテーマで行った目的について伺います。車座集会では、市長と子育て支援をする中原区子育てサロン、ママカフェ、パパママパーク、おいでおいでルーム、レインボーリングの5団体と傍聴者を合わせて22名が参加とのことでした。意見交換内容を読ませていただきましたが、それぞれの団体の皆さんが献身的な活動をされていることに本当に頭が下がりました。各団体の取り組みからさまざまな課題が見えてきます。市長の感想と今後のこうした団体への支援策について見解を伺います。
◎福田紀彦 市長 子育て支援団体への支援についての御質問でございますが、初めに、区民車座集会についての御質問でございますけれども、区民車座集会のテーマにつきましては、市政運営の基本姿勢であります対話と現場主義に基づき、市長就任以来、月1回程度、各区で順番に開催してまいりました。昨年8月からスタートした3巡目につきましては、参加者から寄せられた意見や区の特性等も踏まえながら、さまざまな手法で開催してきたところでございます。2月に開催いたしました中原区は、若い世代の転入が多く、子育て世帯の孤立化など、地域で支え合う活動が大変重要となっていることから、地域の子育てをテーマに、区内で活動されている子育て支援団体の皆様と意見交換をさせていただいたところでございます。次に、御参加いただいた子育て支援団体の皆様の取り組みについての感想でございますが、本市の課題として、核家族世帯の増加、地域とのかかわり合いの希薄化など、子ども・子育て家庭を取り巻く環境が変化している状況の中、子育て支援団体の皆様は、それぞれのネットワークを生かしていただきながら、安心して子どもを産み育てることができ、子どもが健やかに成長できる環境づくりの一翼を担っていただいているものと大変心強く感じたところでございます。現在、本市では、
地域包括ケアシステム推進ビジョンを掲げ、子どもから高齢者まで安心して暮らし続けることができるまちの実現を目指しているところでございますので、地域の皆様と手を携えて切れ目のない支援を進めるとともに、子どもや子育て家庭に寄り添った支援を推進してまいりたいと考えております。以上です。
◆大庭裕子 委員 こうした地域で子育てを側面から支援するボランティアの皆さんを行政として支えていく必要があると思います。課題として、継続する上でも場所や運営経費の問題、保健師さんなどの専門スタッフが課題であることが出されておりました。こうした団体への行政としての支援、助成金はどのようになっているのか、こども本部長に伺います。
◎小池義教 こども本部長 子育て団体への支援についての御質問でございますが、地域で子どもが安心して育まれるとともに、子ども同士が集団の中で育ち合うことができるよう、また、保護者が子どもと向き合い、喜びを感じながら子育てができるよう、子ども・子育てを地域社会全体で支援していくことが必要であると考えております。地域が主体となった子育て支援活動の充実に向けましては、市民にとって身近な区役所と連携しながら行っておりまして、地域で活躍するさまざまなグループや団体相互の連携、情報交換や交流会の開催を行っているところでございます。さらに、子ども・子育て支援に関心のある市民を対象とした講座や研修を行い、地域の子育て支援を担う支援者を養成し、人材の育成支援を推進しております。また、こども本部におきましては、保護者みずからが地域で保育を行っているグループに対し、教材費や会場費等を助成する事業を実施しているところでございます。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 御答弁で教材費や会場費等を助成する事業を実施しているとのことですが、これは子育て自主グループ支援事業補助金に当たりますが、この5団体には適用されていないようです。おいでおいでルームの代表の方は、以前は川崎市の空き店舗活用創業支援事業、活動センターの補助金を受けていたけれども、今、赤字で運営しているとのことでした。子育て支援に大きな役割を担っている団体などに助成金制度を広げていき、例えば家賃の補助など運営に支障がないよう支援すべきです。新しく立ち上げた地域子ども・子育て活動支援助成モデル事業は、選定数は10団体、補助交付予定額約259万円です。新年度からでも団体数をふやし、こうした団体が活用できるようにすべきです。伺います。
◎小池義教 こども本部長 地域子ども・子育て活動支援助成モデル事業についての御質問でございますが、今年度の実施結果を踏まえまして、事業の周知方法や応募要件を含めたモデル事業としての検証を行い、新年度に反映してまいりたいと存じます。いずれにいたしましても、実施団体が事業目的であります18歳までの子どもの居場所づくりを促進し、地域社会全体で子どもを見守り、安全・安心な環境の中で子どもの健全な育成が図られますよう、本モデル事業を実施してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 新年度から反映するということなので、周知をして活用できるように、よろしくお願いをいたします。
続いて、中原区の認可保育所の入所状況と整備についてこども本部長に伺います。川崎市の2016年4月1日の新規保育所利用申請者数9,118人に対して、いわゆる不承諾数は過去最高の3,007人で、申請者の33%が入所できませんでした。中原区の申請者は前年比181人増の2,035人、内定数は58人増の1,172人、不承諾数は113人増の863人と、不承諾率は42.4%と半数近く入所できず、7行政区中でも不承諾数、率とも最も高い状況です。定員数5,127人と388人ふやしても全く追いつくものではありません。保留者、いわゆる不承諾者がこの年度内に施設に入所できる見通しと対応について伺います。
◎小池義教 こども本部長 保育所の申請状況等についての御質問でございますが、入所が保留となった方につきましては、現在、区役所においてきめ細やかなアフターフォローを実施しているところでございます。中原区の特徴といたしましては、転勤に伴う市外転出等により保育所の内定を辞退する方も多いことから、受入枠にあきが生じた場合には保留者の方への御案内を順次行っているところでございます。また、区内には、保育所のほかにも市の保育施策として、川崎認定保育園が27施設、おなかま保育室が2施設、一時保育を実施する認可保育所が11施設あり、そのほかにも預かり保育を実施する幼稚園などを含めまして、多種多様な保育施策やサービスの提供がございますので、引き続き、お子様の預け先を必要とされている保護者の保育ニーズを個々にお伺いしながら、丁寧なマッチングに努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 川崎市の子どもの未来応援プランの児童人口推計では、就学前児童数は、2015年度から5年間は減少傾向の人数が示され、2016年度は7万8,578人です。ところが、実際は8万人を超えて、前年より増加したとのことです。今後5年間の中原区の就学前の児童人口の推計を伺います。2016年度の整備計画は今年度の計画を当然上回るようになるかと思われますが、計画と見通しについて伺います。
◎小池義教 こども本部長 保育所の整備計画についての御質問でございますが、本市の就学前児童数は、昨年4月実績の8万1,418人から増加を続け、本年1月には640人増の8万2,058人に上っておりまして、子どもの未来応援プランにおけます平成28年4月の推計値を上回っている状況でございます。中原区につきましても、昨年4月の1万4,738人から、1月には217人増の1万4,955人となっており、今後も武蔵小杉駅周辺を中心として人口増加が見込まれますことから、本市といたしましても、当初予算案に計上した整備を着実に進め、さらに受入枠の確保が必要な場合には、川崎認定保育園や幼稚園の活用なども含めた多様な手法により対応してまいります。また、今後の整備計画につきましても、就学前児童数や入所申請者の推移、大規模集合住宅の入居予定等も勘案し、関係局と連携しながら的確に対応してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 中原区のこの先の5年間の就学前の児童の人口は示されませんでした。保育所整備を実施していくために、県有地の跡地活用について県に強力に働きかけて、用地の取得ができるようにと繰り返し取り上げました。上小田中6丁目にある県警官舎独身寮跡地については、2014年3月議会で、市長は、この地域が保育需要の高い地域であるとし、県に働きかけるとの見解が示されていました。昨年の6月議会でも取り上げ、やっと昨年秋に平成28年度――2016年度の県への予算編成に対する要望書にまとめられました。しかし、県へ要請を行ったところ、県側から再び活用する方針であることが知らされ、要望書からこの上小田中の跡地は削除されたという経過があったと、申し入れた総合企画局の担当者から伺いました。その後、我が党の県会議員を通じて、この県有地は売却の方針を変えて、老朽化した官舎を県警が仮庁舎として最低でも5年使用するということがわかりました。であるならば、これから仮庁舎の終了の時期を見通して保育所を整備するとして、この用地を確保するように今から県に要請し、働きかけをしておくべきです。こども本部長に伺います。
◎小池義教 こども本部長 上小田中の県有地の活用についての御質問でございますが、当該地につきましては、武蔵中原駅から徒歩圏内で保育需要が見込まれるため、県有地貸付制度に基づく具体的な協議を進めておりましたが、昨年秋ごろに神奈川県が再度活用するとの連絡を受けたところでございます。当該地の将来的な利活用につきましては、現在、神奈川県から情報提供はございませんが、中原区上小田中周辺につきましては、今後も保育需要が見込まれる地域と考えておりますので、県の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 さらに、中原区内にはもう1カ所、県有地の中丸子宿舎跡地があります。向河原駅と平間駅の中間に位置し、現在更地となっており、60名定員の保育所整備ができる広さです。1カ所でも保育所をふやしていけるよう県に要請をしていくべきです。伺います。
◎小池義教 こども本部長 中丸子の県有地についての御質問でございますが、当該地につきましては、神奈川県のホームページにより、昨年9月に民間企業が落札したことを確認しているところでございます。なお、当該地を含む県有地の貸し付けにつきましては、平成25年11月に神奈川県から情報提供を受けておりますが、県有地貸付制度は、本来1市町村につき1カ所の活用が原則であるところ、当時の全市的な整備状況から、川崎区境町と幸区塚越にある2カ所の県有地を借り受けて保育所を整備し、本年4月の開設に至っている経過がございます。以上でございます。
◆大庭裕子 委員 中丸子は調査をすることなく民間が落札をしたとのことで、対応の遅さを感じるとともに、率直に言うと危機感も感じられません。県は、県有地を自治体に譲渡する際は、公共的利活用であれば不動産鑑定評価額の25%を減額するとしています。中原区内は保育ニーズの需要が高く、用地の確保が難しい地域なだけに、貴重な公有地を確保して市民に活用すべきです。市長の見解を伺います。
◎福田紀彦 市長 公有地の活用についての御質問でございますけれども、本市はこれまでも、本年4月に開設いたします川崎区の特別養護老人ホームと保育所の合築施設を初め、低未利用な市有地のほか、国有地、県有地を有効に活用し、効率的・効果的な施設整備を実施してまいりました。より多くの地域課題を解決するため、限られた資産を最大限に活用することは本市の重要な使命でもございますので、公有地の有効活用につきましては、今後とも積極的に推進してまいります。以上です。
◆大庭裕子 委員 中原区は今後も武蔵小杉駅周辺を中心に人口増加が見込まれると先ほども答弁がされました。予算案に計上しただけの整備計画や、受入枠を確保と言って認可保育所以外で定数をふやしても、全く追いつかないことはもう明確です。就学前児童の推計から計画を抜本的に見直しして、認可保育所を大幅にふやしていくことがなければ、これから毎年同じような事態が起こります。県有地については、危機感を持って県と交渉を行うべきです。必要な用地は購入していくべきです。県民である市民の貴重な公共用地が民間にどんどん売却されて、不自由な暮らしを強いられることになるのは市民です。上小田中の県有地は、今から話し合いを進めて確保できるように強く要望して、私の質問を終わります。
◆青木功雄 委員 それでは、3点、一問一答で質問させていただきたいと思います。
1点目は、まちづくり費、教育費について、まちづくり局長、教育長にそれぞれお伺いをさせていただきますが、子母口小学校・東橘中学校が合築をされ、新しい校舎となり、地域の方々が非常に喜んで(「項目を3つ言うのでしょう」と呼ぶ者あり)はい、失礼しました。市営住宅の蟹ヶ谷四方嶺住宅の跡地利用についてとバス路線について、最後が川崎北部2次保健医療圏のことについて、それぞれ質問をさせていただきたいと思います。よろしいですか。済みません。失礼しました。
簡潔に申しますが、子母口小学校・東橘中学校の合築工事に当たり、子母口小学校の子どもたちが四方嶺の跡地に設置した仮設校舎を利用しておりました。跡地利用について地域の方からどのような要望が出ているのか、まちづくり局長にお伺いします。
◎金子督 まちづくり局長 市営四方嶺住宅跡地利用に関する地域要望についての御質問でございますが、現在、当該跡地につきましては、子母口小学校・東橘中学校の合築工事に伴い、学校の仮設グラウンドとして、ことしの夏ごろまで利用が予定されております。こうした中、休日等には地元の少年野球やサッカー等の練習で利用されており、活動団体からは利用継続の要望がございます。また、これまでの間、周辺町内会等から、近くに避難場所としても利用できる広場の設置などの要望もいただいているところでございます。以上でございます。
◆青木功雄 委員 ありがとうございます。合築整備によって、小学校、中学校が1つの校庭で整備する計画となっています。もともとは別々の計画もあったようですが、結果として1つの校庭になるということで、小学校1年生から中学校3年生まで、実に6歳から15歳までが1つの校庭を利用することになります。この地域は多摩川まで遠く、学校の工事前も休日は学校の校庭で野球、ソフトボール、サッカーなどさまざまな活動を行っていましたが、1つの校庭になるということで活動が半減してしまう上、運動会などの学校行事の実施を含め、校庭が使用できなくなることが懸念されておりますが、新しい校庭の利用について教育長にお伺いします。
◎渡邊直美 教育長 子母口小学校・東橘中学校の校庭利用についての御質問でございますが、現在、新しい校庭整備工事を進めているところでございますが、校庭完成後の利用につきましては、小中学校それぞれの学校運営の中で調整を進めているところでございます。施設開放への利用につきましても、中学校の部活動との調整を図りながら検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆青木功雄 委員 ありがとうございます。今お話しさせていただいた、この地域の団体活動が非常に積極的でありまして、お祭りや美化活動、子どもの登下校の見守りなど、本当に地域のつながりも強く、暮らしやすい地域をつくっていくために、たくさんボランティア活動をしていただいておりますが、こうした地域の実情を踏まえて、活動ができる広場を確保できる跡地利用を再度考えるべきだと思いますが、三浦副市長に見解をお伺いしたいと思います。
◎三浦淳 副市長 市営四方嶺住宅の跡地利用についての御質問でございますが、跡地につきましては、今年の夏ごろまで学校のグラウンドとしての利用を予定しているところでございます。その後の跡地利用に向けましては、周辺地域の特性や課題、ニーズ等を踏まえた計画づくりが重要と考えているところでございます。これまでも地域活動ができる広場の設置などの御要望をいただいておりますので、来年度、跡地利用の基本的な考え方を整理いたし、その後、地域からの御意見も踏まえまして、周辺住環境や景観等にも配慮した良好な跡地利用の計画づくりを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆青木功雄 委員 御答弁ありがとうございます。跡地の隣には国有地もありまして、そこの話もいろいろ出ていると思いますので、お考えいただければと思います。また、子母口小学校・東橘中学校の合築で非常にたくさんの方が喜んでいるというお話をさせていただきましたが、御存じのとおり、強風によって工事中の足場が倒壊して近隣住宅が停電したり、作業中に誤って水道管を傷つけて断水したりと非常にトラブルが多発しておりまして、子どもたちの安全性についてもいろいろな話が出ておりますので、このあたりは十分に気をつけていただくことを要望しておきます。また、校舎の形状が変わりまして、そのまま尻手黒川線に山からの風が吹き抜けるということで、校庭の砂が非常に舞っているという話もございますので、飛散しない砂を採用するとか、ネットをかけたりとか、いろいろなことが出ていると思いますので、そのあたりをお考えいただければありがたいなと思います。
続きまして、バス路線について交通局長にお伺いをいたしますが、現在、高津区蟹ケ谷地区、橘地区からは井田病院まで直接アクセスすることができません。井田営業所で井田病院行きのバスに乗りかえて通院している現状があります。その都度バス料金を支払うことで通院に伴う費用負担がかかるとの声がありますが、そもそも井田営業所で井田病院行きに乗りかえる際は乗り継ぎ制度があるため、その制度が十分に理解されていない現状もあるのかと思います。そこで、井田営業所、井田病院の乗り継ぎ制度とはどのような仕組みになっているのかお伺いしますのと、4月1日からダイヤ改正があります。小杉駅東口を中心とした市バス路線が充実をされるわけですが、その際、乗りかえによる井田病院へのアクセス向上など、蟹ケ谷地区などにおける利便性の向上はどのように図られているのかお伺いします。
◎飯塚哲 交通局長 市バス路線についての御質問でございますが、現在、市バスでは、井田営業所で井田病院行きに乗り継ぐ場合は、バス料金を乗り継ぎ前と合わせて一乗車として扱う乗り継ぎ制度を導入しています。井田営業所前1番乗り場で川66系統井田病院行きに御乗車の場合及び井田病院もしくは井田病院正門前から川63系統井田営業所行きに御乗車の場合、乗り継ぎ乗車であることを申告していただくことでバス料金は支払い不要となるものでございます。さらに、4月1日のダイヤ改正におきましては、井田営業所前1番乗り場の井田病院行きに加え、井田営業所前3番乗り場から新城駅及び宮前平駅を起点とする井田病院行きに乗車する場合においても、乗り継ぎ制度によりバス料金の支払いが不要となるように進めているところでございます。次に、利便性の向上につきましては、杉01系統の経路変更や杉02系統の7便増回及び急行系統2便の新設による小杉駅東口から労災病院や井田病院へのアクセス向上、井田営業所から井田病院間の乗り継ぎ便の充実による千年地区や蟹ケ谷地区などからの井田病院へのアクセス向上、さらに蟹ケ谷から小杉駅東口方面への系統新設により、明津地区や井田地区からの利便性の向上が考えられます。これらにつきましては、市政だよりや市バスホームページ及びバス車内の自動音声案内などにより周知し、お客様の利便性向上を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆青木功雄 委員 御答弁ありがとうございます。
次に、平成26年第2回定例会で武蔵小杉駅―道中坂下のバスの便のセンター北駅、東山田駅までの延伸についてお伺いしました。武蔵小杉駅―センター北駅、また東山田駅間のバスの延伸について、市はどのように東急バスと検討、要望してきたのか伺います。また、打越交差点の交通規制の状況についても再度お伺いします。
◎金子督 まちづくり局長 バス路線の延伸についての御質問でございますが、初めに、武蔵小杉駅から横浜市の道中坂下までのバス路線のセンター北駅並びに東山田駅までの延伸につきましては、本市といたしましても従来からバス事業者に対し要望を伝えてきたところでございます。バス事業者からは、需要を踏まえた事業性等を総合的に勘案した上で路線延伸を検討すると伺っておりますので、横浜市とも情報共有しながら、引き続きバス事業者に対して路線延伸の要望を伝えてまいります。次に、交通規制の状況についてでございますが、宮前区野川の打越交差点の大型車通行については、現在も規制がかけられておりますので、路線バスが運行される場合には、川崎市、横浜市それぞれの交通管理者との協議が必要になるものと考えております。以上でございます。
◆青木功雄 委員 御答弁ありがとうございます。意見要望でございますが、バスの乗り継ぎに関しては、東京都では、乗車して90分以内に乗りかえをした場合は乗り継ぎ料金が半額になるという仕組みを採用されていると聞きます。また、諸外国でも乗り継ぎは無料というケースも多々ございます。高津区橘地区の交差点はバス停が6つありまして、乗り継ぎされる方が大勢います。また、市内でも乗り継ぎでバスを利用される方がいる箇所が幾つかあると思います。市も交通不便の解消策として、ICカードを利用した乗りかえ利便性向上の研究がされているということは聞いておりますので、ぜひ早期の実現を要望いたします。また、実証実験が始まるたまプラーザ駅―向丘遊園駅南口のように、生活圏を考えると、市域を越えたバス便の延伸に本市は前向きに取り組んでいただいていることは大切だと思います。道中坂下のバスの延伸も、生活圏に即した取り組みが行われる可能性があると非常に生活しやすくなるということと、この地域は、もし路線が延びると、駅までバス5分の地域と生まれ変わり、地域の意識も変わると思います。今後も横浜市、東急バスとの協議を継続していただければと思います。
次の質問に入らせていただきます。最後に、健康福祉費についてお伺いしますが、川崎北部2次保健医療圏における病床整備についてお伺いしたいと思います。この北部2次保健医療圏については、平成25年度に病床の整備について事前協議を実施し、病床を配分したものの、配分先の医療法人から病床の取り下げがあり、昨年度の事前協議では病床が配分されませんでした。今年度も11月30日を締め切りに、1月20日に審議会が開催され審議をされていますが、状況と今後のスケジュールについて健康福祉局長にお伺いします。
◎成田哲夫 健康福祉局長 川崎北部2次保健医療圏における病床整備についての御質問でございますが、本市北部医療圏においては、平成25年度に配分が決定いたしました2つの医療法人から、建築費の高騰などの理由から病床の取り下げがあったことなどにより、整備が進まなかったものでございます。その後、平成27年7月に県知事から、3月末現在で基準病床数に対して不足している186床について、県への事前協議の実施の有無について照会がございました。本市におきましては、8月26日に開催した地域医療審議会での審議をもとに、事前協議の実施を県知事宛て回答したものでございます。さらに、神奈川県におきまして、本市の回答を受け、県保健医療計画推進会議等で聴取された意見をもとに事前協議の実施が決定され、本市において、10月9日より11月30日を期限として、186床の病床の配分について医療機関等からの申し出を受け付けたところでございます。その後、申し出があった医療機関等について、平成28年1月20日に開催した地域医療審議会での答申を受け、川崎市長から県知事宛てに186床の配分先について報告したところでございます。今後につきましては、2月29日に開催された県保健医療計画推進会議での意見をもとに、3月18日の県医療審議会を経て病床の配分先が決定してまいります。以上でございます。
◆青木功雄 委員 ありがとうございます。答弁では、平成28年1月20日に開催した地域医療審議会での答申を受けて、川崎市長から県知事に186床の配分先について報告をされたとのことです。答弁では、残念ながら、病院名、また審議内容、病院数等、詳細についてはまだお答えできないということでございましたが、3月18日の県の審議会の後、速やかに市議会に報告をしていただければと存じます。また、平成25年から長期にわたり病床が整備されていないことから、今回は辞退がないように調整されていると存じますが、重ねてそのようなことがないように御指摘をさせていただいて、質問を終わります。
◆岩崎善幸 委員 私は一問一答で、かわさきアプリについて、小中学校のホームページの改善、保護司会との協定締結とサポートセンター設置について、JR川崎駅北口自由通路と京急川崎駅前整備、緊急渋滞対策、自転車対策、地域映像アーカイブ事業について順次伺います。
まず、かわさきアプリについてであります。新たな情報発信ツールとして、当初は防災アプリと子育てアプリなどを本年4月から開始するとしております。このアプリは、行政が発信する情報だけでなく、市民や団体、企業など多様な主体からの情報発信も可能としていますが、今後どのように拡大していくのか、総務局長に伺います。
◎伊藤弘 総務局長 かわさきアプリについての御質問でございますが、かわさきアプリは、市民が必要とするさまざまな情報を的確に届けることを目的とするものでございまして、スマートフォン等のモバイル端末を活用し、行政だけではなく民間の団体や事業者が保有する情報など、多様な主体からの情報発信が可能となる情報集積基盤として構築しているものでございます。本年4月の稼働の際には、かわさきアプリのメニューといたしまして、現在開発している防災アプリと子育てアプリに加えまして、川崎市
地域包括ケアシステムポータルサイトなど、市民ニーズの高いウエブサイトへのリンクの掲載に向けて準備を進めているところでございます。今後につきましては、市民のニーズや地域の課題を踏まえ、市民、団体、企業など多様な主体と連携した体制を整備するとともに、今年度構築いたしました基盤を活用してさまざまな分野に展開してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 さまざまな分野に展開していくというお答えでした。例えば、千葉市では市民レポーター約3,600人が登録をされて、先駆的にスマートフォンを活用して、道路の破損とか、あるいは公園遊具のふぐあいなど、現場写真を撮って、GPS機能を利用して場所を知らせて、まちの課題解決に尽くしております。市民参加を促し、行政コストを少なくするこのような仕組みづくりを構築すべきと考えますけれども、市長に見解と取り組みを伺います。
◎福田紀彦 市長 ICTを活用した市民参加の取り組みについての御質問でございますけれども、近年の社会経済環境の変化に伴い、地域における課題も多様化、複雑化しており、地域のさまざまな主体と行政が協働連携して地域づくりを担っていくことは大変重要なことであると考えております。また、スマートフォンを初めとしたモバイル端末が急速に普及している状況を踏まえ、ICTを効果的に活用した地域との協働に関する情報や、行政や地域の取り組みを見える化して情報の共有化を図り、他都市の事例も参考にしながら、誰もが気軽に地域課題の解決に参加していただけるような川崎らしい協働・連携ポータルサイト構築などの取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上です。
◆岩崎善幸 委員 スマートフォンの活用というのはこれからですけれども、市民を行政に巻き込んでいく力というのがあると思うんですね。スマートフォンは今や高齢者の方も広く使われておりますので、ぜひ一層の取り組みをお願いしたいと思います。
それでは次に、小中学校のホームページについて教育長に伺います。本市の公立学校のホームページは、全体としてサイト制作技術が古くて、頻繁に更新がされていない学校が多く見受けられます。また、スマートフォンが携帯電話の半数以上に使用されているにもかかわらず、ホームページがスマートフォン等に対応しておりません。現状と更新の実態をお伺いしたいと思います。
◎渡邊直美 教育長 市立小中学校のホームページについての御質問でございますが、今年度の小中学校のホームページ更新状況につきましては、3分の1以上の学校が月1回以上の更新をしており、中には200回以上更新をしている学校もございますが、定期的な更新が十分されていない学校もございます。教育委員会といたしましては、情報教育学校担当者会を年3回開催し、その中でホームページの作成や更新に関する情報を提供し、定期的な更新を促しております。また、見る人にとってわかりやすいデザインのテンプレートを作成し、学校の担当者に活用を促すなどの取り組みもしておりますが、今後、さらに担当者への支援が充実するよう努めてまいります。これまでPC版でのホームページの作成を進めてまいりましたので、モバイル端末の急速な普及に対応し切れていない状況でございまして、モバイル端末でもホームページを閲覧することは可能ですが、スマートフォン等の画面サイズに合った表示は難しいものとなっている現状でございます。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 大変おくれていると思うんですよ。今、情報化の時代ですので、現在のやり方を抜本的に見直ししまして、保護者のニーズに応える情報発信をして、スマートフォンにも対応したホームページづくりが今必要ではないかと思いますけれども、予算計上も含め、今後の取り組みを再度伺います。
◎渡邊直美 教育長 今後のホームページ作成についての御質問でございますが、今年度中に市立中学校のコンピューター室等の機器更新が完了いたしますので、これに伴い、全ての市立小中学校のホームページ作成用ソフトウエアがバージョンアップされ、スマートフォン等のモバイル端末の画面にも対応できるホームページの作成更新が可能となる状況でございます。今後、モバイル端末に対応したホームページ作成に向けて、総合教育センターでテンプレートを用意するとともに、担当の教職員が更新できる技術を習得できるよう、マニュアルの作成や定期的な研修機会の設定などを行ってまいりたいと考えております。次年度、新たに第2期川崎市教育の情報化推進計画を策定していく中で、情報収集を行いながら、時代やニーズに合ったホームページのあり方や運営方法等についても検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 ぜひ改善を強く要望しておきます。よろしくお願いします。
それでは次に、本市では先月、保護司会協議会と就労支援に関する協定を締結いたしました。犯罪や非行を行った方の就労は極めて困難な実態があり、再犯防止のため、就労機会の拡大は急務であります。協定の概要と今後の取り組みについて市長に伺います。
◎福田紀彦 市長 就労支援に関する協定についての御質問でございますが、このたびの協定は、就労の有無が保護観察対象者の再犯に影響を与えている状況を踏まえ、本市が率先して経済的自立に向けた支援を行うことが大変重要であるとの認識のもと、締結したものでございまして、川崎市保護司会協議会を初めとする関係団体等と協議を重ね、神奈川県内の自治体として初めて保護観察対象者の雇用に取り組むものでございます。協定の概要といたしましては、同協議会から推薦のあった保護観察対象者を臨時的任用職員として任用するものでございまして、文書作成や資料整理等の業務についていただくことを予定しております。今後、こうした取り組みを通じて、対象者の再犯防止と民間企業等での就労機会の拡大につなげてまいりたいと存じます。以上です。
◆岩崎善幸 委員 市長、ぜひ実績を着実につくっていただいて、今後、例えば人数をふやすとか、あるいは外郭の団体のほうに広げるなど、就労機会の拡大をよろしくお願いしたいと思います。
それでは、サポートセンターでありますけれども、保護司や保護司会が地域で活動を行う拠点として更生保護サポートセンターがございます。本市も新年度開設を予定していますが、取り組みをまず健康福祉局長に伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 更生保護サポートセンターについての御質問でございますが、更生保護サポートセンターは、法務大臣から委嘱された保護司や保護司会が地域で更生保護活動を行うための拠点として、保護司会が設置、運営するものでございまして、保護観察対象者の面接場所の提供や保護司会関係会議等の開催のほか、経験豊富な保護司が常駐し、保護司の処遇活動等に対する支援や関係機関、地域団体等との連絡調整を行うなど、地域における犯罪・非行防止活動の推進を図るものとされております。昨今の社会状況の変化から、近年、保護司活動がさまざまな困難や課題に直面し、その活動や適任者の確保が難しくなっており、特に夜間や休日における保護観察対象者との面接場所や保護司に対する研修場所の確保に苦慮していたことから、平成28年度に予定されている更生保護施設「川崎自立会」の建てかえに伴い、川崎市保護司会協議会と運営法人の協議により、新施設内に更生保護サポートセンターを設置するものと伺っております。本市といたしましても、更生保護サポートセンターの設置により、保護司活動の活性化や地域社会の安全・安心の向上が十分見込まれることから、整備に係る費用の一部を補助することとしたところでございます。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 サポートセンターですけれども、本市は長いわけですね。地形的特徴がありますから、ぜひ南中北の最低3カ所は必要だと私は思いますが、市長の見解を伺います。
◎福田紀彦 市長 更生保護サポートセンターについての御質問でございますけれども、保護司や保護司会による更生保護の諸活動は、犯罪や非行のない明るい地域社会の実現につながる大変重要な活動であると認識しておりまして、今回新たに設置されます更生保護サポートセンターにつきましても、安全・安心のまちづくりに寄与するものと期待しているところでございます。市内における今後の整備につきましては、その運営状況や効果等を見定めるとともに、地域性を勘案し、保護司会及び関係機関と意見交換しながら、設置の必要性について検討してまいりたいと存じます。以上です。
◆岩崎善幸 委員 検討していただけるということでありますので、市長、よろしくお願いいたします。
それでは次に、JR川崎駅北口自由通路と京急川崎駅の整備についてであります。まず、北口自由通路について三浦副市長に伺います。混雑緩和や駅東西の利便性、回遊性を図るため、整備が着々と進められております。いろいろありましたけれども、改めて今現在の最新の整備スケジュールを伺います。そしてまた、以前より私は、お子さんが電車を見られるようなチャイルドビューの設置を提案してまいりました。今、北口自由通路西側デッキ付近にこういうことができればいいなと求めてまいりましたけれども、進展状況を伺います。また、駅ナカの保育園設置についても動向を伺います。
◎三浦淳 副市長 JR川崎駅北口自由通路についての御質問でございますが、初めに、北口自由通路の整備スケジュールにつきましては、施工中のくい等基礎構造物の設置工事における地中障害物の影響を踏まえ、先行的に開業いたします中央北改札につきましては平成29年7月ごろの開業を、北改札及び北口自由通路につきましては平成30年3月ごろの供用開始を目指し整備を進めているところでございます。次に、子どもに配慮した、いわゆるチャイルドビューの設置につきましては、北口自由通路西側デッキの両側へ設置されるガラス製高欄上部の透明化による対応が考えられますので、子どもの目線での見え方、のぞかれ防止対策、通行者の安全性等の検証を行いながら検討してまいりたいと考えております。次に、保育園の設置動向についてでございますが、北口自由通路等の整備にあわせて設置されるJR店舗施設の一部に子育て支援施設の設置を予定しており、具体的設置場所や運営主体等につきましては、現在検討中であるとJR東日本より伺っているところでございます。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
一方で、京急川崎駅周辺の動きといたしまして、本年4月27日に京急川崎駅前ビルがオープンするとの報道がありました。駅ビル内の保育園の設置や、あるいは工事前は駐輪場が駅裏や高架下にあったことから、駐輪場の確保を以前より議会で取り上げ、実現を求めてまいりました。これまでの本市の取り組みと駅前ビルの施設概要をまちづくり局長に伺います。
◎金子督 まちづくり局長 京急川崎駅前ビルについての御質問でございますが、初めに、これまでの本市の取り組みといたしましては、平成25年5月に事業主体の京浜急行電鉄と本市との間でまちづくり協定を締結し、この中で商業、業務、宿泊機能などによる複合的な土地利用の方向性を定めるとともに、駅周辺の利便性向上にも寄与する保育所や駐輪場の設置を誘導してきたところでございます。次に、駅前ビルの施設概要につきましては、駅直結の地上12階建ての複合型ビルでございまして、低層階は物販や飲食の25店舗から成る商業施設のウィング川崎や、屋上庭園を備え、ゼロ歳から未就学児童までの60名を定員とする認可保育所の京急キッズランド京急川崎保育園のほか、自転車297台とバイク8台が収容可能で、最初の2時間までは無料の駐輪場を備えており、また、上層階は客室数175室から成る宿泊施設の京急EXインとなっております。なお、保育所の開所日につきましては、本年6月1日の予定であると伺っております。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 ありがとうございました。
それでは、次の質問ですが、新たな緊急渋滞対策について建設緑政局長に伺います。第2次対策では、川崎区内は元木交差点と京急川崎大師線第2踏切が対策箇所となっております。以前より渋滞対策として取り上げてまいりましたが、現在までの実施状況と、3年目になる新年度の取り組みを伺います。
◎金子正典 建設緑政局長 川崎区内の緊急渋滞対策についての御質問でございますが、県道川崎町田と国道15号が交差する元木交差点につきましては、川崎駅方面から東京方面へ向かう左折の車両が自転車横断帯を通行する自転車と交錯することにより渋滞が発生しておりますことから、これを解消し、交通の円滑化を図るため、国土交通省や交通管理者と協議を行い、国道15号の東京方面から川崎方面への右折時に、川崎駅方面からの左折を可能とする信号機の改良を本年2月に実施したところでございます。さらに、同交差点の路面のカラー化につきましても、車両に注意喚起を促す安全対策を今年度完了する予定でございます。次に、国道409号と京急大師線が交差する通称本町踏切につきましては、現在、京浜急行電鉄と車道幅員を広げるなど、踏切内の安全対策も含め協議を行っているところでございまして、構造改良や踏切内のカラー化を平成28年度に実施する予定でございます。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 元木交差点につきましては、大変効果が出ていると思います。実現できてよろしいなと思います。それから、本町踏切、新年度ということではありますので、ぜひ全力的な取り組みをよろしくお願いいたします。
それでは次に、川崎区長に伺います。川崎区では、自転車に関する事故が県下ワーストワンであることから、区民会議などを通じて自転車通行帯や駐輪場の整備、走行マナーの向上など、自転車の総合対策を区長にリーダーシップをとって進めていただきました。特に、東門前小学校横の歩道に児童の絵画のシートを張り、違法駐輪を劇的に減らしましたが、近隣の皆さんの反応と区長の感想を伺います。また、自転車に関する川崎区の取り組みと見解を伺います。
◎大谷雄二 川崎区長 川崎区における自転車の総合対策についての御質問でございますが、初めに、川崎区放置自転車等対策事業についてでございますが、昨年9月、東門前小学校の6年生126名の絵画をシートに加工し、学校前の歩道に児童たちとともに張りつけ作業を行い、その効果といたしまして、以前は40台から50台程度見られた放置自転車をほぼ一掃することができたところでございます。近隣住民や商店、小学校の皆様からは、自転車の駐車違反や放置自転車がなくなり、まちが明るくなった、小学生が安全に通学できるようになったなどのお声をいただいております。区といたしましても、地域の方々の全面的な御協力をいただきながら、大きな効果を上げることができましたことは大変喜ばしく、今後とも地域で温かく見守っていただければと考えております。次に、自転車に関する取り組みなどについてでございますが、放置自転車対策につきましては、今月の1日に国道15号の宮本町交差点から川崎消防署までの間を放置自転車等禁止区域に追加指定し、放置自転車の撤去活動を開始したところでございます。この数日間を見ますと、放置自転車がほとんど見られなくなり、大きな成果があったものと考えております。また、自転車の安全対策につきましては、幼稚園、保育園の園児、小中学生や高校生などを対象とした交通安全教室を初め、高齢者の皆様を対象とした自転車教室など、さまざまな世代に向けた各種の取り組みを実施してきたところでございます。川崎区は交通事故に占める自転車事故の割合が県内でも高い地域であることを踏まえまして、継続的な取り組みが重要であると考えております。今後におきましても、引き続き交通ルールの遵守及びマナーの実践につきまして、地域の皆様の御協力をいただきながら広く啓発活動を行うとともに、放置自転車に対する啓発、指導、撤去活動など、総合的な自転車対策を推進してまいります。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 大谷川崎区長におかれましては、この3月で定年退職ということでお聞きをいたしました。長い間川崎市のために御努力をいただきまして本当にありがとうございます。今後も川崎市の発展のために御尽力をよろしくお願いいたします。市長の言う言葉ですかね。済みません。
さて、最後に、川崎市制100周年を見据えた地域映像アーカイブ事業について市民・こども局長に伺います。この事業の目的と映像の収集方法、アーカイブ化などの事業内容を伺います。また、映像のまち・かわさきとの整合性についても伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 地域映像アーカイブ事業の目的と収集方法などについての御質問でございますが、まちの姿を記録した映像は、これからのまちづくりを進めていく上でも大切な資料となるものでございますが、過去に撮影されたフィルムは、経年劣化や記録媒体の目まぐるしい変化により急速に失われつつあります。そのため、市民や企業などが保有する映像を広く募り、保存、公開することを目的として進めてまいります。次に、収集方法につきましては、市政だよりなどを通じ、御家庭にも眠っている古い映像の提供を呼びかけるとともに、企業などにつきましても、貴重な映像を多数保有されていると思われますので、関係団体等の御協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。また、映像のまち・かわさき推進事業は、人材育成、地域連携・活性化などを活動の柱としておりますが、市制100周年を見据え、新たに地域映像アーカイブ事業に取り組むことにより、市民のまちづくり意識の高揚、シビックプライドの醸成などを目指してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 この事業は平成26年度から進めてきたという経緯があります。これまでの取り組みと新年度の内容、それから100周年までのスケジュールを伺います。また、市民に周知する必要があると思いますけれども、例えば鑑賞会など広報の取り組みについて伺います。特に、大切な映像は予算を計上して4Kでアーカイブ化すべきと考えますが、見解を伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 これまでの取り組み内容と今後のスケジュールについての御質問でございますが、平成26年度には、市制100周年の年に20歳を迎える小学校4年生を対象とした映像タイムカプセル募集事業を実施し、また、本庁舎の建てかえを前に、2年にわたり本庁舎内の記録映像の撮影を行ったところでございます。平成27年度は、庁内保有映像の調査、古い映像を活用したミニ上映会を実施いたしました。平成28年度は、市が保有する昭和27年からの古い川崎の街並みも映っている川崎市政ニュース映画の映像が700本ほどございますので、まずはこちらを多くの方にごらんいただけるよう、市ホームページで配信してまいります。また、引き続き関係団体とも連携しながら、アーカイブ映像の鑑賞機会もふやし、市民の皆様に昔の映像に親しんでいただきながら、広く映像の提供も呼びかけてまいりたいと考えております。平成29年度以降は、市制100周年を見据え、庁内で保有している映像や市民の皆様から提供された映像のデジタル化を進めていく予定でございます。また、4Kデジタルでの保存方法につきましても、専門家等にも相談しながら、記録媒体の種類や状態に応じて検討してまいります。以上でございます。
◆岩崎善幸 委員 御家庭にも、あるいは会社関係にも相当な映像が眠っていらっしゃると思うんですね。この映像はフィルムでありますので、当然劣化して、いつの間にかなくなってしまう、見えなくなってしまうという危険があります。ぜひ、その点も十分に工夫されて、そして川崎がいつまでも残るような形がとれるように、しっかりとデジタル化を図っていただきたいと思います。このことを要望いたしまして、質問を終わります。
○堀添健 副委員長 お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀添健 副委員長 御異議ないものと認めます。およそ30分休憩いたします。
午後3時19分休憩
午後3時49分再開
○松原成文 委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
発言を願います。
◆飯塚正良 委員 それでは、一問一答方式で、動物愛護センターについて健康福祉局長、少年の野球肘について市民・こども局長、ふれあいショップ廃止について健康福祉局長、市民・こども局長、扇町跨線橋の撤去について建設緑政局長、市民・こども局長にそれぞれお願いいたします。
それでは、健康福祉費施設整備費に関連して伺います。本年1月26日から3日間、子母口小学校で命の教育が2学年の児童を対象に行われました。本市の動物愛護センター職員が中心となって取り組んだこの授業は、今後の新しい動物愛護センター建設後の方向性を示すものとして注目されますが、命の教育を取り組んできた経過及び位置づけについて伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 動物愛護センターにおける命の教育についての御質問でございますが、本市におきましては、動物愛護の普及啓発を図るため、平成4年度から動物愛護センター職員が市内の小学校等を訪問し、生活科等の授業の一環として、動物との正しい接し方や生態を学ぶ動物愛護教室を開催してきたところでございます。平成25年度からは、さらに動物を大切に思う心の教育を通じて友達を気遣う気持ちや他者への思いやり、豊かな心を育むことも目的とした命の教育を開始いたしました。動物愛護センターは、人と動物の共生する社会の実現を図るための中核施設として、命を学ぶ場、命をつなぐ場、命を守る場といった役割を担っておりまして、未来を担う子どもたちへの教育を行う命の教育は、特に命を学ぶ場として推進すべき事業の一つと位置づけております。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 平成28年度予算では、動物愛護センター建設に伴う基本設計及び実施設計費が示されております。今後、センターの活動として重要な要素となる教育施設としての制度設計はどうなっているのか伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 新しい動物愛護センターについての御質問でございますが、平成30年度に開設を予定しております新たな動物愛護センターでは、多くの人数を収容可能な多目的ホールや、動物の持ち込みを想定した適正飼養啓発室等を設けることにより、小学生を対象とした命の教育や、市民の方を対象とした犬のしつけ方教室を行うほか、小中学生の自由研究や職場体験、犬や猫の世話をする飼育体験教室等の開催にも対応できる施設としてまいります。また、展示・学習コーナーを設置し、動物に関する絵本や図書等の閲覧、啓発パネルの展示を行い、来所した市民の方々に対しても動物愛護に係る理解を深めていただけるよう、普及啓発にも努めてまいります。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 さらに、ソフト面のプログラム開発、あるいは人材育成をどう取り組まれるのか、ボランティア及び川崎市獣医師会との関係について伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 プログラム開発や人材育成についての御質問でございますが、命の教育の進め方や内容につきましては、外部有識者や子どもたちへの啓発を実践している動物愛護ボランティア、獣医師等の委員で構成している「いのちの教育」に係る意見交換会において御意見をいただきながら、本市の教育現場のニーズに合ったプログラムとなるよう、関係局と連携を図り、取り組みを進めているところでございます。今後におきましても、職員のスキル向上に努め、市民の方々や子どもたちへ命の大切さをわかりやすい言葉で伝えてまいります。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 先日、「いのちの教育」に係る意見交換会を傍聴させていただきました。有識者、あるいは獣医師会の皆さんは大変熱心な御討議をされておりまして、非常に感銘を受けたわけでございますが、ぜひ今後こうした動物愛護にかかわる取り組みをしっかりサポートしていただきたいと思います。その上で、動物愛護推進事業にかかわる予算について伺います。命の教育に要する経費及び動物愛護センター再編整備事業費について伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 動物愛護に係る予算についての御質問でございますが、平成28年度の主な予算におきましては、動物愛護推進事業費として、「いのちの教育」に係る意見交換会に要する経費や教材開発等に係る予算として約60万円、動物愛護センター再編整備事業費として、実施設計委託料等に要する予算として2,938万4,000円を計上しております。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 動物行政を進める上でボランティアの協力は欠かせません。今後、新センターにかかわるボランティアは恐らく増加するだろうと思われますが、ボランティアとの協働を進めるに当たり、協働施設、あるいは教育面での整備など、具体的に検討すべきと思います。予算を含めてお願いいたします。
◎成田哲夫 健康福祉局長 ボランティアとの協働についての御質問でございますが、動物愛護施策の推進に当たりましては、ボランティアの皆様や動物愛護団体等、多様な主体との連携が大変重要であると認識しております。これまでも譲渡会や飼い主の方々への啓発活動など、多大な御協力をいただいてきたところですが、今後も引き続きボランティアの方々と連携を図りながら、具体的な取り組みを実践してまいりたいと考えております。主な予算といたしましては、動物愛護フェアや譲渡会などボランティアの方と協働して開催しているイベント等に要する経費のほか、かわさき犬・猫愛護ボランティアとして登録していただいている方々の保険加入費や、子猫の哺乳ボランティアの方々へのミルク配付などの活動支援に係る予算など約80万円を計上しております。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 それでは最後に、新センター建設後の動物愛護センターの位置づけについて伺います。現在、健康福祉局生活衛生課で所管をしている動物行政における施策の形成、あるいは企画調整機能を、これから建設されます動物愛護センターに一元化すべきと思いますが、見解を伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 動物愛護施策の推進体制についての御質問でございますが、初めに、新たな動物愛護センターにつきましては、整備基本計画において、動物を通じて誰もが集い、憩い、学べる交流施設として、多様な主体と連携協働しながら具体的な取り組みを実践する拠点として位置づけております。次に、生活衛生課につきましては、庁内関係部署を初め、国や他都市、関係機関、団体などとの調整を含め、総合的な視点で施策を企画調整する役割を担っております。今後におきましても、生活衛生課や新たな動物愛護センター及び市民の窓口となる各区役所衛生課とが連携、役割分担しながら動物愛護施策を推進してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 それでは、意見要望を申し上げます。最近、全国的に動物愛護センターが開設をされた例えば新潟、熊本、浜松、直近で言いますと横浜が整備をされたわけですが、特に本庁にあった管理部門と現場を一元化して、ワンストップで行政サービスが処理され、住民、市民にも大変喜ばれていると伺っています。ぜひ、まだ時間もございますので、十分に討議をしていただいて、こうした先進事例も検討されるように要望しておきます。
それでは、次の質問に移ります。少年野球の選手たちが、練習過多、あるいは変則的な投球方法で発症する、いわゆる野球肘に着目した川崎市少年野球連盟は、聖マリアンナ医科大学、別府名誉教授の指導を受けまして、この間3年間にわたり独自の取り組みを行ってまいりました。検診は昨年の12月13日、関東労災病院、12月20日、日本鋼管病院、本年1月31日、麻生総合病院と、延べ600人を超す選手たちが受診をいたしました。昨年6月、川崎市に対して、川崎市少年野球連盟、別府名誉教授より支援要請が行われたわけでございますが、これまでの本市のかかわりについて伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 川崎市少年野球連盟における野球肘の取り組みなどについての御質問でございますが、少年野球連盟では、これまで、シーズンオフ期間の活動規制、投球数制限など選手の活動環境の見直しや、指導者、保護者を対象にしたスポーツ障害予防の講習会、選手本人に対する野球肘検診やストレッチなどを学べる研修会など、さまざまな活動を通じて成長期における学童野球選手の障害予防に取り組んでいると伺っております。これまで本市といたしましては、講習会等への後援名義使用や会場確保などについて協力を行ってきたところでございます。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 本市の取り組みについて、今、市民・こども局長の答弁で、これまで後援名義使用や会場確保等について協力を行ってきたとのことでございます。検診の際に受診者、子どもたちから、実は500円の自己負担をお願いしております。延べ30名を超す医師の検診は全てボランティアということになっています。そこで、今後、検診、そして、この子どもはちょっと異常があるということになった場合には治療、あるいはリハビリ、トレーニングなど、アフターケアも必要となってまいります。本市としての支援策について伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 野球肘の取り組みへの支援策についての御質問でございますが、現在、少年野球連盟が実施しております野球肘検診に係る経費につきましては、受診する選手などが自己負担している状況と伺っております。成長期の子どもたちのスポーツ障害の予防に取り組むことは大変重要だと考えておりますが、本市では、各競技団体への直接の事業助成は行っておらず、川崎市スポーツ協会を通じて各団体の事業に対して助成をしている状況でございます。今後につきましても、市として引き続き講習会等への後援名義や会場確保、広報など、可能な限り協力をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 要望させていただきます。今、市民・こども局長から答弁がございました。横浜市の場合も同様にスポーツ協会を経由して支援をいただいているという報告も聞いているわけでございます。他都市の事例なども十分に検討していただき、支援のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、次の健康福祉費障害者福祉費に関連して、ふれあいショップについて伺います。川崎市立労働会館にありますふれあいショップが本年3月をもって廃止されるとの報告がございました。この事業が始まった経過及び今後の方向性について健康福祉局長に伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 市立労働会館内のふれあいショップについての御質問でございますが、ふれあいショップは、障害のある方の就労の場を確保するとともに、市民の理解を深めるため、公共施設を活用して喫茶や軽食の提供、自主製品の展示、販売等を行う社会福祉法人への市単独の補助事業でございまして、平成9年に開始いたしました。この間、平成18年に障害者自立支援法が施行されて就労支援事業所が増加するとともに、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正による法定雇用率への知的障害者の算入や、法定雇用率の引き上げ等により、障害のある方の働く場は広がってきているところでございます。このような環境の変化の中、市立労働会館内のふれあいショップ「かわせみ」につきましては、集客が減少しており、運営面のほか、障害者の就労を通じた社会参加の場としての機能を維持することが困難となった状況から、運営法人と協議を重ね、本年3月末をもって廃止することとしたところでございます。なお、現在就労している3名の方につきましては、御本人の意向を伺いながら、運営法人との調整を図り、4月からは他の就労支援事業所等へ移ることを予定しております。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 川崎市内には同様のふれあいショップが運営されております。ふれあいショップにおける障害者の雇用状況について伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 ふれあいショップにおける障害者の雇用状況についての御質問でございますが、現在、市内5カ所で15名の障害のある方が就労しているところでございます。ふれあいショップにつきましては、運営面での課題があることや、障害のある方を取り巻く雇用や就労の状況が大きく変化していることから、市内全体の就労の場としての役割を見据えながら、運営法人と協議し、運営手法や形態について必要な見直しを図ってまいります。いずれにいたしましても、本市といたしましては、平成26年3月に策定した障害者雇用・就労促進行動計画に基づき、就労支援事業所や市内関係機関等と連携を図りながら、障害のある方が生き生きとその人らしく働くことを実現できる取り組みを積極的に進めてまいります。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 市立労働会館は働く者の拠点であります。障害者が労働会館のふれあいショップで働いているというのは、ある意味ではシンボルでございました。これが廃止されるというのは極めて残念でなりません。施設管理者である経済労働局長に廃止となったことに対する見解、今後の障害者雇用の拡大について伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 ふれあいショップについての御質問でございますが、労働会館に設置されているふれあいショップ「かわせみ」につきましては、これまで会館利用者の利便性向上に寄与してきたものと考えておりますが、このたびの状況を踏まえますと、閉鎖はやむを得ないものと認識しております。4月以降、会館利用者の利便性を低下させないよう、指定管理者と協議を行いながら会館の運営に努めてまいります。また、新たに会館を運営する指定管理者につきましては、障害者雇用に積極的な事業者を選定しており、受付窓口等に障害のある方を配置する予定と伺っております。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 4月以降、会館利用者の利便性を低下させないよう、指定管理者と協議をする、具体的には、障害者雇用に積極的な事業者を選定しておるので、受付窓口等に障害のある方を配置する予定と伺っていると答弁いただきました。さらには、労働会館にはまだレストランもありますし、雇用の先としては幾つか検討ができようかと思いますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
それでは最後に、建設緑政費のうち道路整備費及び橋りょう架設改良費に関連して伺います。一昨年、扇町跨線橋撤去をめぐって、道路整備に合わせた撤去平面化に向け、川崎市はJR貨物と鉄道施設の改修に関する協定を締結し、条件整備に取り組んできましたが、次年度の取り組みを伺います。さらに、昨年、決算審査特別委員会で、跨線橋撤去については、次期道路整備プログラムで着手時期を示すと答弁がございました。着手から完成までの時期をお示しください。
◎金子正典 建設緑政局長 扇町跨線橋についての御質問でございますが、扇町跨線橋の撤去につきましては、整備に先立つ準備工といたしまして、現在、JR貨物との鉄道施設の改修に関する協定に基づき、信号設備工事や、平面化に支障となる鉄道施設の除却を進めているところでございます。平成28年度の取り組みといたしましては、平面化計画の立案に向け、測量や施工方法の検討などを予定しております。また、この川崎駅扇町線道路改良事業は、3月策定予定の第2次川崎市道路整備プログラムに位置づけ、平成34年度から平成37年度までに着手する予定としておりますが、具体的な着手時期や整備期間につきましては、今後の検討熟度や幹線道路整備の進捗状況などを踏まえながらお示ししてまいりたいと存じます。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 ようやく着手時期が見えてまいりました。扇町跨線橋は、厳冬期になりますと路面凍結によって大渋滞が起こります。川崎駅から扇町まで約6キロぐらいが大渋滞ということもございます。JRとしても、線路を撤去した跡地活用についてはさまざま考えているようであります。ぜひ、JR貨物と協議を行いながら、一日も早い撤去を要望します。
次に、大島4丁目歩道橋撤去について伺います。まず、これまでの経過と取り組みの進捗について伺います。先日も向小学校PTAなど学校関係者から御相談いただきました。撤去は賛成ですが、児童の通学路の安全対策はどうなっているかということでありました。交通管理者との協議も必要と思いますが、伺っておきます。
◎金子正典 建設緑政局長 大島4丁目歩道橋についての御質問でございますが、当該歩道橋につきましては、昨年6月に大島地区連合町内会より、高齢化が進み、階段を上ることができない人がふえていることや、歩道橋を利用せずに道路を直接横断する人が多く危ないことなどを理由に、撤去を求める要望書が本市へ提出されたため、現在、撤去に向けまして交通管理者や学校関係者と協議を進めているところでございます。今後につきましては、現況の交通量調査を行い、要望内容にもございます撤去後に必要な横断歩道等の安全対策につきまして、交通管理者や近隣町内会、教育施設などの関係機関と協議調整を行ってまいります。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 ぜひ、十分に安全確保がとられるよう要望しておきます。
次に、川崎駅扇町線のバス路線の減便による影響について伺います。昨年、バス事業者の時刻表改正が行われました。午後6時以降は扇町線の身がわり地蔵尊から臨海部へ向かうバス路線は廃止されました。この沿道には全く防犯灯もございません。このため、日没以降は真っ暗な中を徒歩で帰宅せざるを得ません。先日、扇町町内会、立地企業、田島支所など関係者が集まって話し合いが行われました。改善策について市民・こども局長に伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 防犯灯の設置についての御質問でございますが、防犯灯の新設や維持管理などにつきましては、町内会・自治会などに行っていただいており、新設する際には設置補助制度を御利用いただくことが可能となっております。なお、本市におきましては、平成29年度から防犯灯を一括してLED化し、10年間の維持管理を行うESCO事業を開始することとしており、平成28年度までに設置された防犯灯のうち、同事業の対象となるものにつきましては、本市が維持管理を行うこととしておりますことから、今後、対象団体などに適切に説明してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆飯塚正良 委員 平成28年度中に何としても立地企業間で調整をして、川崎市のほうに要請をしたいと言っております。ぜひ早期の取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わります。
◆原典之 委員 私は、通告どおり、消防費について、そして建設緑政費について、また健康福祉費について、一問一答で順次伺ってまいりますが、消防費については意見要望のみとさせていただきたいと思います。
昨年7月から、消防団員に対する市内店舗を利用する際のサービスが開始されました。店舗数で言いますと、川崎区がダイスのみですけれども、24店舗、幸区が15店舗、中原区が3店舗、宮前区と麻生区が1店舗ずつと、計43店舗の消防団に対する応援事業者の方々に御協力をいただいているところでございます。そこで、3点ほど消防局長に意見要望させていただきたいんですけれども、きょう、私は自分の消防団員手帳を忘れてしまいまして借りたんですが、今こういう消防団員手帳を各消防団員が持っていると思うんです。この消防団員手帳を提示すればサービスを受けられるということでございますけれども、正直、私もきょう忘れるぐらいでございますので、日ごろ携帯をしておりません。恐らく携帯している消防団の方のほうが少ないと思います。これは神奈川県でも本年2月より始まりましたけれども、こちらのほうはカードを新たにつくる。消防団員カードですか、これを配るということでございますので、川崎市独自のカードですとか、お財布に入れられるようなものを市で独自でつくるのか、県と一緒にやるのか、これも1点目の要望とさせていただきたいと思います。
そして、2点目ですけれども、協力事業者にはこういうポスターを張っていただいて認知をしていただくということですが、消防団応援事業所、私たちは、地域のために活動している消防団を応援しています、「頑張れ!消防団」という吹き出しもあるんですけれども、これは正直、インセンティブがあるような店舗だけではなくて、市内のどこの事業者さんにお配りしてもいいポスターだと思います。これよりも、例えばポスターを見てわかりやすい、吹き出しをあえて空白にして、各店舗にはそれぞれのサービス内容を書いていただけるようなポスターでもいいのではないかなと思いますし、また、今、何種類あるかわかりませんけれども、サイズも含めた検討もお願いしたいと思います。
そして、3点目はサービス内容についてですけれども、インターネットで見ますと大体5%から10%オフですとか、ドリンク1杯無料ということ、中には119番に絡めて11.9%オフという企業もあるんです。これはさまざまで、本当にありがたい御協力だと思いますけれども、ただ、5%から10%ですとか、1杯ドリンクサービスというのは、正直、私も携帯電話でホットペッパーですとか食べログを見ると、同じようなサービス内容なんですね。そうすると、消防団員だからというインセンティブが少ないのではないかなと思えます。これは、これ以上応援事業者にもっとサービスしろというわけにはいきませんので、消防局さんのほうでぜひ予算もつけていただいて、例えば20%、30%だったら行くよという気持ちになるような施策のほうが、私自身でなくて、消防団員が行きやすいし、行きたいサービスがあれば、これはいずれ団員数の向上ですとか、また協力店舗の拡大にもつながりますので、局長におかれましては、残された期間かもしれませんけれども、ぜひとも御協議をいただきたいと思います。
次の質問で、5款9項1目の葬祭場費について伺いたいと思います。市内葬祭場運営についてですけれども、北部・南部斎苑の休場日はいつなのか伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 葬祭場の休場日についての御質問でございますが、葬祭場につきましては、火葬施設は1月1日から3日及び友引日、斎場は1月1日及び2日を休場日としているところでございます。また、施設の安定的な稼働に必要な設備の改修や点検などのために、本市と指定管理者が協議を行い、臨時に休業する場合がございます。以上でございます。
◆原典之 委員 今、基本的には、臨時の休業以外は友引と正月三が日が公休と御答弁がございました。次に伺いますのは、この正月三が日の前後、例えば12月31日の午後、または3連休明けの4日の午前中の運営状況について伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 葬祭場の運営状況についての御質問でございますが、初めに、昨年12月31日の運営につきましては、休業後の稼働準備や施設設備の点検を実施するため、火葬の終了時間を繰り上げておりまして、その結果、南部斎苑については、火葬の受け入れを、通常22枠のところ20枠に、北部斎苑については、通常15枠のところ14枠としたところでございます。また、斎場につきましては、告別式のみを行い、通夜については、翌日が休場日のため、南部、北部とも実施しておりません。次に、本年1月4日の運営につきましては、南部斎苑においては、稼働準備のため火葬の開始時刻をおくらせておりまして、通常22枠のところ20枠としたところでございます。また、北部斎苑については、改修工事期間中のため開始時刻を午前11時としたことから、通常の15枠にて運営しております。なお、斎場につきましては、南部、北部とも通常どおり実施したところでございます。以上でございます。
◆原典之 委員 この件に関しまして葬儀の関係者の方に聞いたところ、2年前ですけれども、予約開始の時点で既に31日の午後と4日の午前中はバッテンで予約ができないという状況だと。そんなわけはないだろうということで今回の質問に至ったわけです。そこで、昨年、再度理事者の方にお話をさせていただいたところ、数こまが開放されたということでございます。本来の公休とは違う扱いということでございますので、ちょっと疑問というんですか、3日休むとやっぱり予約が詰まってしまいますので、ぜひ、ことしの年末からは改善されますことを要望させていただきます。
そして、3問目ですけれども、現在北部斎苑は改装中であるんですが、現段階での北部斎苑、南部斎苑、両斎苑がフル稼働した場合と、改築後の年間の火葬可能件数を伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 火葬可能件数についての御質問でございますが、初めに、平成27年度における1日当たりの火葬可能件数は、南部斎苑22件、北部斎苑15件の合計37件でございまして、北部斎苑の大規模改修に伴う臨時休業を踏まえた年間最大火葬件数は1万件程度でございます。次に、北部斎苑の大規模改修後の火葬可能件数につきましては、1日当たり32件となりますので、これにより両斎苑の年間火葬可能件数は1万6,000件程度と試算しているところでございます。以上でございます。
◆原典之 委員 現在、お隣横浜市さんでは、仏教において火葬にはふさわしくない日とされる友引の日においても輪番制で斎苑の運営がなされております。これは仏教以外を信仰されている方、または無宗教の方々への柔軟な対応かと認識をしております。先ほどの御答弁、また、本市の年間死者数が平成26年から1万人を超えるようになりました。そして、平成25年の火葬可能件数は1万1,500件、それに対して1万135件の方が火葬されました。平成26年は可能件数が9,500件に対して9,233件と、ほぼほぼ100%に近い数字です。あと、人口はこれからもふえ続けていく。そうすれば、もちろん死者の方々もふえていくということを見れば、友引の日も可能な限りあけるべきだと私は考えますけれども、今後の取り組みについて見解を伺います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 葬祭場の運営日についての御質問でございますが、友引に当たる日の運営につきましては、他都市の状況や葬祭場の稼働状況及び運営面に与える影響等を考慮するとともに、地域の方々や葬祭事業者からの御意見を伺いながら検討する必要があると考えております。今後におきましては、平成30年度からの次期指定管理期間に向け検討材料とするため、平成29年度のモデル実施について、指定管理者との協議や関係局との調整を行ってまいります。以上でございます。
◆原典之 委員 正月三が日は火葬できないことと、冬の時期はどうしてもお亡くなりになる方がふえ、きょうの段階で私も確認をしましたら、通常の時間を予約するとどうしても1週間待ちだというのが現状でございました。御答弁では再来年度、つまり平成29年度からモデル実施を導入していくとありますけれども、今の年間の死者数、また火葬可能件数という数字も御理解いただいていると思いますので、せめて夏と冬と、一番忙しい時期と言ってはなんですけれども、こうしたときに関しては、来年度から営業日の拡充ということもしていただきたく要望させていただきます。また、12月31日は枠を通常営業でなく、他都市さんですとか民間の火葬業者さんは、これから三が日はどうしてもできないということを鑑みて、時間延長してやられているところもありますので、ぜひそこも含めて御検討していただきますように要望をさせていただきます。
最後ですけれども、歳入21款6項4目納付金について伺います。これはネーミングライツについてですけれども、昨年4月、本市では富士見球場にネーミングライツを導入しました。2つ目としまして、平成29年10月オープン予定の川崎市スポーツ・文化総合センターのネーミングライツパートナー募集が現在始まっております。さらには、歩道橋や連絡通路にもネーミングライツパートナーが今月下旬より始まります。厳しい財政状況の中、こうした施策は安定的な収益が得られ、また、スポンサー企業にとってはよい宣伝活動にもつながることから、これからも多くのネーミングライツを導入していくべきと考えますので、幾つか伺ってまいります。歩道橋ネーミングライツについてでありますけれども、市内には幾つの歩道橋があり、そのうち幾つを今回行うのか、また、将来的には歩道橋全橋を目標にしているのか伺います。
◎金子正典 建設緑政局長 歩道橋等のネーミングライツについての御質問でございますが、募集する箇所数についてでございますが、本市には横断歩道橋が117カ所、連絡通路が1カ所ございますが、このうち初回の募集につきましては、現在最終的な調整を行っているところでございまして、今月末に募集を開始したいと考えております。次に、将来の目標数についてでございますが、撤去の可能性があるものや視認性が悪いものなど、ネーミングライツになじまないと判断するものを除き、導入目標を50カ所程度として事業の拡大に取り組んでまいります。以上でございます。
◆原典之 委員 将来の目標は50ということで、117のうちの50ですので、まだ半分にもいっていませんので、できれば全橋を目標に、いずれは御検討いただきたいと思います。
今回の導入に当たり、選定基準はどういったものを考えているのか伺います。また、企業からどういった要望があるのか伺います。
◎金子正典 建設緑政局長 歩道橋等の選定基準などについての御質問でございますが、選定につきましては、補修や撤去の予定がないもの、特殊な形状ではなく視認性がよいもの、さらに、交通標識等が少なく、表示場所を確保できるものなどを基準として考えているところでございます。次に、企業からの要望についてでございますが、ネーミングライツに対する要望は現時点で出ておりません。今後、横断歩道橋等への導入に当たりましては、本市で初めての事業となりますことから、多くの企業の皆様に応募していただけるような制度を構築してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆原典之 委員 きのう、かわの委員からもネーミングライツについて質問があったんですけれども、私も個人的に調べましたら、セレサモス2号店の前の歩道橋は今回入っていない。あそこですと、農協さんでございますので、御協力がいただけそうな企業もございますので、ぜひ、そこら辺も含めて、よろしくお願いをしたいと思います。
ディスプレーをお願いいたします。ネーミングライツについて引き続きですけれども、全国的に見ますと、J1、J2を行う多くのスタジアムがネーミングライツを導入しております。これですと、J1は18チーム中12チームがネーミングライツを導入している。逆に言うと、使用していないチームが川崎フロンターレを含めて6チームなんです。ただ、ジュビロ磐田のヤマハスタジアムも、ヤマハさんが持っているスタジアムでございますので、言ってみれば、あと5個の球場がネーミングライツを導入していないということでございます。J2が22チームありまして、13チームが使用している。ここに関しては、J1のFC東京と東京ヴェルディが同じ味の素スタジアムを使っているわけですけれども、そうすると、9チームが今のところネーミングライツは導入していない。合計しますと、さっきのヴェルディとFC東京は1つと数えれば、39分の24がもう既にネーミングライツを導入しているということでございます。川崎市スポーツ・文化総合センターでは、期間が5年6カ月の中で、年間契約が1,000万円以上ということでございます。川崎フロンターレが試合を行う等々力陸上競技場は相当な年間利用者数がございます。例えば、ここにネーミングライツを導入することで相当な契約料が見込めると思いますけれども、導入に向けての可能性と見解について伺います。
◎金子正典 建設緑政局長 等々力陸上競技場へのネーミングライツ導入についての御質問でございますが、新たな財源の確保や市有財産の活用の観点からも、ネーミングライツの導入は大変有効であると認識しているところでございます。等々力緑地は市民スポーツの拠点的な公園でございますので、今後、サイド・バックスタンドの第2期整備に関する事業評価などとあわせて、効果的なネーミングライツの導入の検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆原典之 委員 ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。最初の1枚目ですけれども、ここで見ますと、大体が年間3,000万円ですが、横浜の日産スタジアムが年間1億5,000万円、そして、FC東京とヴェルディのところ、味の素スタジアムが年間2億円と、ちょっと突出している数字です。等々力がどのランクに値するかはなかなか判断が難しいんですけれども、決して下位ではないと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それ以外にも、例えば等々力ですと硬式野球場がありますし、ここですと、川崎市内にも野球が強い企業チームもございますし、公園だけ見れば、生田緑地にもゴルフ場もございます。個人的に言えば、等々力プールにネーミングライツを導入されてみてもいいかなとも思いますし(「しつこい」と呼ぶ者あり)、これはしつこいようですけれども、ぜひともそうしたことも、ありとあらゆる可能性を考えていただきまして、効果のあるネーミングライツを随時導入していただきますように要望させていただき、質問を終わります。以上でございます。
◆月本琢也 委員 私は一問一答方式で、3款1項2目、防犯カメラ設置補助事業について市民・こども局長に、10款1項1目、木材利用促進事業費についてまちづくり局長、教育長、市民・こども局長にそれぞれ伺ってまいります。
それでは、まず3款1項2目、防犯カメラ設置補助事業について伺います。私は以前から、町内会・自治会等の地域団体に防犯カメラの設置補助を進めるべきと質疑してまいりましたが、昨年の
予算審査特別委員会で初めて支援のあり方等について検討するという答弁をいただき、来年度に導入されるということは大きな一歩を踏み出したと評価いたします。また、平成26年の私の一般質問に対し、町内会・自治会等からの設置要望の把握や県警察との情報共有を進めるとともに、安全・安心なまちづくりに向けまして関係機関の御意見も伺ってまいりたいと市民・こども局長の答弁をいただいております。今回の予算は県の地域防犯力強化支援事業による防犯カメラ設置促進が機会になっていますが、これまでの議論の経過から、市と県が連携を進めてきたことで予算案が示されていることと思います。そして、実際に防犯カメラ設置補助の申請があった際ですが、仮に想定の予算を超えた場合、優先順位を決めていくのか、申請のあった団体に補正予算を組んででも全ての補助を行っていくのかについては、今後、県との協議を進めた上で、本市が検討していくものと思います。ただ、刑法犯認知情報だけでなく、交番設置要望のような県警察でつかんでいる情報を市でも共有することにより、より効果的な設置を進めることが可能になる、あるいは優先度をつけていくことが可能になるわけですが、一昨年以降、市と県警察及び関係団体でどのように情報共有を進めてきたか伺います。また、安全・安心のまちづくりに向け、新たにどのような連携を進めているかも市民・こども局長に伺います。
◎加藤順一 市民・こども局長 県警察などとの情報共有についての御質問でございますが、市と県警察及び地域団体などとは随時情報共有に努めているところでございまして、一例といたしましては、振り込め詐欺などの具体的手口の情報提供について、発生当日における最新情報を県警察から受けることにより、市民に対する情報発信や、青色パトロールカーによる巡回により市民に注意喚起するなどの取り組みを継続的に行っているところでございます。そのほか、県警察からの情報に基づき、市ホームページや河川情報表示板などにおいて速やかな広報を行うなどの取り組みを行っているほか、高齢者向けに市から発出する通知等におきましても注意喚起を行っているところでございます。今後につきましても、防犯カメラの設置に係る情報の共有や夜間合同パトロールの実施、防犯キャンペーンの共催など、あらゆる機会を捉えて県警察などとの連携に努め、市民の安全・安心に資する取り組みを推進してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆月本琢也 委員 ありがとうございます。今、答弁の中でも一部、注意喚起のお話も触れられていましたが、今、麻生区では防災無線を活用して振り込め詐欺の電話があった場合に情報共有を促していっているということで、まさにこれは高齢者対策なのかなというところで、そこも1つ評価をしたいと思います。事前のやりとりの中で防犯カメラの設置補助について、520万円の予算については、具体的なところは今後ということもあったので、質疑という形では控えさせていただくので、2点ほど意見要望としてお伝えさせていただきます。まず1点目が仕様と助成についてでございますが、先日、末永委員が例示しましたビーコンつきの防犯カメラの話もありましたが、LEDの防犯灯とカメラが一体になっている仕様のものもあったりします。多分さまざまなタイプの仕様があると思うんですけれども、それらに対して、例えば防犯灯と一緒になっているものだったら、防犯カメラと防犯灯の補助率の割合とか、細かいところになってきた場合、どっちを取り扱うとかということでなかなか話が進まないということがないように、補助のルールも一体型のものにも対応できるようにということと、あと運用する際に、警察等との連携はもちろん必要になってくると思いますので、そのあたりもスムーズにいくような体制づくりを平成28年度しっかりとお願いいたします。
もう1点が要望が多い場合ですけれども、先ほど優先度の話に私はちょっと触れてはいたんですが、実際安全・安心を守る上では、つけたいという要望があれば早急につけていただきたいと思います。例えば大阪府箕面市では、防犯カメラの設置補助事業をスタートしたら、予算の想定を上回って何倍かの設置要望が来たんですけれども、それに対して全て補正を組んで対応したという例があります。ただ、ここのまちは11万人のまちですから、全く同じ規模では考えられないんですけれども、今後、要望が多い場合には、補正予算とかも検討していただきますことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
それでは、10款1項1目、木材利用促進事業費について伺います。公共建築物への木材利用促進が進められておりまして、小学校や幸区役所等で木材利用の実績があります。そもそも木材利用の意義は、地球環境への配慮、地域の風土や文化との調和、イメージです。あと、温かさと言えると思います。地球環境への配慮について、間伐材利用による森林保全や地域材活用による輸送距離の短縮等が挙げられます。また、コンクリート造よりも季節の寒暖差が少ないという見解もあり、木材の活用がよいとされています。平成26年に示された川崎市公共建築物等における木材の利用促進に関する方針では、新築または改築の際の木材使用量を設定し、公共建築物での木材利用を推進しています。また、昨年10月に川崎市木材利用促進フォーラムが設置されました。このフォーラムは、有識者や団体代表を中心とした運営委員会と、さまざまな業種のメンバーで構成される作業部会があります。一言に木材と言っても、建築、教育、文化、環境などさまざまな分野にかかわるわけで、作業部会も5つの部会に分かれて課題の抽出を行い、第2回では共通テーマの多い部会をまとめて、2つの合同部会で議論が行われていると伺っております。そこで、これまでの木材利用促進フォーラムで示された本市における木材利用促進に向けた課題をまちづくり局長に伺います。また、課題解決に向けて、このフォーラムの目指す体制及び平成28年度としての目標について伺います。
◎金子督 まちづくり局長 木材利用促進フォーラムの取り組みについての御質問でございますが、本フォーラムは、民間建築物等における国産木材の利用促進を目的に設置し、各部会において実務的な検討を行ってきたところでございます。この中で挙げられた主な課題についてでございますが、他の材料と比較した場合のコスト面の課題や適切な場所への利用方法、木の価値等が広まっていないことなどの課題を抽出したところでございます。次に、平成28年度の取り組みについてでございますが、これらの課題を踏まえ、引き続き事業者間の連携による一層の技術力の向上や、さまざまな関係者の自由な意見交換、情報共有が図られる体制の充実とともに、主な取り組みといたしましては、設計事例等を用いた技術、コスト等に関する具体的な検討や、木育イベント等を通じた木の価値等の普及啓発などを進めてまいります。以上でございます。
◆月本琢也 委員 御答弁ありがとうございます。事業者にとって具体的、そして現実的な議論ができる体制づくりということで期待をしております。
そこで、公共建築物における直接的な木材利用だけでなく、波及効果として民間建築物への木材利用促進が望まれます。本市では、昨年から先ほどの木材利用促進フォーラムが発足しておりますが、木材の利活用という話になると、東京都港区の取り組みが注目をされているわけでございます。港区では、CO2固定量認証制度を初め、みなと森と水ネットワーク会議により、多くの協定自治体と間伐材を初めとした国産材の活用促進に関する協定を締結し、協定木材の使用を推奨している例があります。コストや供給の安定性、輸送の問題を超えられる可能性を持っているわけでもございます。同じような取り組みを進めるのも一つですが、本市ならではの取り組みにしていく必要がありますし、フォーラムの作業部会に木育部会があるというのも一つの特徴としています。まずは木になれ親しみ、木材のルーツを考え、森林や環境についても理解を深めていくことが大切です。
木材の利活用という話になると、木育という言葉がたびたび登場するわけですが、文部科学省が定める学習指導要領に木育という言葉の定義は存在しません。存在しないものの、木材に関連した教育というのが木育であるという何となくのイメージがつき始めていると感じます。そこで木育について伺います。木材の利活用という考えの中で、木育といえば木材を活用した施設や木材玩具について触れられることが多いわけですが、森林教育や地域文化との関係等も包含した総合的な教育が木育であるべきです。森林教育という点では、土橋小学校や三田小学校で行われていた山北出前レクチャーという実績がありまして、学校現場だけでなく、上下水道局の水源に関連して山北町交流事業が実施されています。また、水源に関連した森林教育だけでなく、本市では東柿生小学校や岡上小学校にて里山教育が行われている実績がありますが、これは先ほどの港区ではできないことが川崎市でできるという象徴的なものです。しかし、それぞれの取り組みが共通する点がありながらも、教育と交流事業がそれぞれで行われていることから、連携によりさらに理解が広まると考えられますが、教育長の見解を伺います。
◎渡邊直美 教育長 木を活用する教育についての御質問でございますが、現在、各学校においては、図画工作科で木材を利用した製作活動を行っております。また、社会科や理科においては、水源林の大切さについて理解を深める学習や、生物と人とのかかわりを学ぶ中で環境を守っていくことの大切さを学んでおります。また、総合的な学習の時間を使って里山に携わる人々の思いを学び、地域の人とともに里山を守る取り組みをするなど、体験活動を通して森林や里山の大切さを学んでいる学校もございます。木を身近に感じ、限りある森林資源を大切にする教育や、地域の人とともに里山の自然を守る活動に取り組む教育は、子どもたちが身近な自然に目を向け、みずから環境を守るための活動を行っていく上で大切なことであり、関係団体と連携していくことは教育的効果を高めるものであると認識しております。教育委員会といたしましては、学校が地域の実態等に応じて行っている活動が効果的に進められるよう、教員を対象とした研修会等で必要に応じた情報の提供に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆月本琢也 委員 木育には、森林教育や里山教育にあわせ、木材を加工する技術の伝承を進めるということにも意義があります。例えば、木材の加工後、建築物や家具や玩具のような木製品、紙製品や木質バイオマス等に活用されています。そこで、木材加工のうち主な用途である建築や木製品等に関する体験教育について伺います。冒頭に木育の定義が学習指導要領にないことを言っていますが、定義がなくても該当する事例があったり、課外学習で行われていたりということもあります。そこで、木材加工の体験学習について、学習指導要領に基づいた図画工作の授業での本市の実践事例と、夏休み親子工作教室のような課外における本市の取り組み事例を教育長に伺います。また、木材加工について、授業の場で学習するケースと課外学習が連携して行われているケースがあればお聞かせください。あわせて、森林教育や里山教育と結びついている事例についても伺います。
◎渡邊直美 教育長 木材加工の体験教育についての御質問でございますが、学習指導要領におきましては、小学校3・4年生の図画工作科では、木材を使用した題材を扱うことになっており、角材や建材の端材等を利用し、のこぎりで切る方法や、くぎを打つ方法の学習を通して、形の組み合わせやつなぎ方を工夫してつくる活動が行われているところでございます。また、中学校の技術・家庭科の技術分野において、木材を材料とした作品の製作を通して、材料の再資源化や自然環境の保全についての学習を行っております。また、夏休み親子工作教室は、子どもたちに木工工作等の体験学習の機会や、親子が協働して作業に取り組み、親と子が触れ合うことを目的として、市立小学校で夏休みを利用し、希望制で開催されております。今年度、113校中85校で実施しております。そのほかの取り組みといたしましては、小中学校での自然教室における森林体験の中で、自然の木材を使用した製作活動等が行われております。小中学校での木材加工について連携した取り組みにつきましては、地域の専門家を招いて御指導いただく取り組みの事例がございます。さらに、岡上小学校では、地域の山とかかわり、山道に山の木を使い安全に配慮した手すりを製作したり、憩いの場となるようにベンチを製作するなどの活動が行われております。以上でございます。
◆月本琢也 委員 ありがとうございます。
それでは、今度は木材の利活用で市民交流という点についてちょっとお話をさせていただきます。木材の利活用で都市間連携を進めていく上で市民交流が大切になってきます。以前、姉妹友好都市を初めとした都市間交流に関する質問をした際に、一部の事業の連携だけでなく、市民レベルに拡大していくことが大切であると指摘しています。木材についても、木材を核として市民交流を進める機会が必要です。木材利用促進フォーラムでは、山北町長、開成町長、宮崎県の山村・木材振興課長がアドバイザーになっており、作業部会には山北町森林組合や山北町のNPO法人のメンバーが名を連ね、議論を進めておられます。
そこで、交流のきっかけになる木材に関するスポーツを紹介いたします。ディスプレーをお願いします。実はクッブというスウェーデンのスポーツですけれども、クッブはまきという意味ですが、置いてある木に丸い木を当てていくという結構簡単なルールのスポーツでございまして、もともとバイキングが始めたスポーツと言われております。昨年11月、私は昭和記念公園で開催されたジャパンオープン東京大会を視察しました。老若男女が一堂にできるスポーツで、この決勝戦もシニア対大学生でした。これがそうですね。これがジャパンオープンの大会の途中です。ちょっと表情がわからないんですけれども、木を投げているシーンですね。これは麻生区のKAWASAKIしんゆり映画祭の夏休みの野外上映会のときにも実は去年出ていまして、これは子どもたちが実際にやっている風景でございます。こういったクッブのような簡単で、かつ、先ほど申し上げたみたいに、シニアと大学生が決勝で戦うような世代を超えられるスポーツというのはなかなか少ないですし、あと、かたい木でつくるという特徴もありますので、木の材質も考えていくようなものでもございます。木に親しみ、市民交流を進めていくことができれば非常に有意義ですし、学校の校庭や公園でもできるわけでございます。このように、子どもたちからお年寄りまでが一緒にできるスポーツであるクッブは一つの例ですが、山北町や開成町、連携協定を進める宮崎県を初めとした木材をテーマに交流を進める都市の市民レベルでの交流を広げるために、効果が期待できるものと考えます。木材の市民レベルでの普及、さらには木を通じた交流のあり方についてどのように考えているか、まちづくり局長に見解を伺います。
また、交流事業を行う上で、クッブについて神奈川県クッブ協会という組織があるため、山北町や開成町のような県内自治体との交流について特に期待できるスポーツと考えますが、クッブについての見解を市民・こども局長に伺います。
◎金子督 まちづくり局長 木材利用の普及等についての御質問でございますが、木材利用の普及に向けては、さまざまな場面で木を活用し、木と触れ合い、木に対する親しみや木の価値の理解を深めることなどが大切と考えております。こうしたことから、木材利用促進フォーラムにおいて木育部会を設置し、木育イベント等の実施に向けた検討を進めているところでございます。あわせて、宮崎県との連携協定に基づき、この1月には木育をテーマに保育事業者などを対象とした視察会を開催し、木の価値や効果を実感していただいたところでございます。今後もこうした取り組みを広く情報発信し、市民の皆様に木の価値への理解を深めていただくなど一層の普及啓発を図るとともに、木材を活用したイベントなどの取り組みを重ねることで、市民レベルでの交流につながる機会を広げてまいりたいと考えております。以上でございます。
◎加藤順一 市民・こども局長 クッブについての御質問でございますが、本市では、平成25年度に文部科学省の委託事業として、団塊世代を中心とする高齢者の体力づくりの普及啓発を目的としたニューエルダー元気塾を、本市や川崎市レクリエーション連盟等で組織した実行委員会が主催して実施いたしましたが、その中にクッブをプログラムとして取り込み、参加者の皆様に体験していただいたところでございます。クッブにつきましては、まだ一般的に知られていないスポーツでございますので、川崎市レクリエーション連盟と連携して市民に紹介する機会について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆月本琢也 委員 ありがとうございます。クッブはまだマイナーなスポーツですけれども、今のKAWASAKIしんゆり映画祭の野外上映会もそうですし、あと、新ゆりアートパークスで年間数回開催されていますAir Greenというイベントのときもやっていまして、徐々にやっている人の数もふえていっていると思いますので、ぜひ関心を持っていただければと思います。特に、木材連携のところでは市長も筆頭になって進めていただいていますので、新百合にお越しの際に、やっている機会があれば一緒に参加をしていただければと思います。
続きまして、ここまで木育のお話をさせていただいていて、市民交流の話もさせていただいているんですが、現在、本市では木材利用促進フォーラムが開催され、さまざまな検討が重ねられているところと思います。木材利活用の予算がある中で、木育の定義づけを初めに行うということが川崎らしい木材利用のあり方ではないかと思います。そして、一言に木育と言ってもさまざまな範囲に及ぶわけです。ある方と意見交換をした際、さらに別の要素について意見をもらいました。木を火に変える、木をさわる、木を割る、木を燃やして食を得る、暖をとる、すると木の違いに気づくという言葉がありました。例えば、こういう御飯をつくるようなイベントで、木をただ使うだけではなくて、燃やすとどういうことになるか、燃やすことによって御飯が炊けるよというイメージも一緒に兼ね備えながら活用していっていればと思います。木の加工は火を使ったり、森林につながったり、食につながったりということで、木を一つとってもいろいろな可能性を持っていることを示していくことが木育には必要ではないかと思います。昨年、宮崎県木材利用技術センターを視察しました。この施設は建物から飫肥杉でできていて、飫肥杉の案内を初め、さまざまな研究や検査が行われていると同時に、木材玩具や木製家具も展示されています。この中で、木片を置くと木の種類や適した用途等が示される機材があって、木育の一環として利用されています。これですね。いろんな種類の木片があって、これを真ん中に置くと画面に出てくるような教育の一環として使われているものもございます。木育という定義をつくっていかなければ、何となく木に関係すれば何でも木育という使われ方をしますし、木育は環境教育の要素を十分に含めていかなければ京都議定書の精神にも反します。そこで、木育の定義づけについてどのように考えていくか教育長に伺います。
◎渡邊直美 教育長 木を活用した教育についての御質問でございますが、教育委員会といたしましては、木材の活用や森林を題材とした学習について幅広く捉え、学習指導要領上の各教科等の学習内容と関連づけながら、適切に指導してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆月本琢也 委員 学習指導要領に基づいた適切な指導というのは現時点でのことだと思いますが、今後の木育の使われ方についてはしっかりと検討していただくべきかなと思います。木材利用促進フォーラムの作業部会には木育部会がありますけれども、教育長も庁内連絡会議のメンバーでもいらっしゃるということですので、このフォーラムのほうにもぜひ積極的に教育委員会のメンバーにも参加をしていただければと思います。木育部会には先ほどの森林活動のNPOとか、あと森林組合もいますので。彼らも森林の専門家ですが、教育の専門家ではないんですね。そういった意味では、教育の専門家の見地でぜひ参加をしていただいて、導いていただければと思います。特に、何とか育という言葉がはやっていて、さも子どものためにというイメージのものもたくさんあって、実はこれは大人のためというものも中には多く含まれていたりするので、特に木育という言葉はこれから出てきているところでもあります。このフォーラム自体がさまざまなカテゴリーの人材が集っていますので、木育の定義を、文科省がつくらなくても、川崎市がリードしてつくっていけるような機会にもなるかもしれませんので、ぜひ積極的にかかわっていただきますことを要望申し上げまして、私の質問を終わります。
◆三宅隆介 委員 私は、等々力緑地再編整備事業費について、2点目にぜんそく対策について、3点目、収支フレームについて、4点目、来年度の経済見通しについて、それぞれ一問一答で質問させていただきます。
まず、等々力緑地再編整備事業費についてお尋ねをさせていただきます。等々力陸上競技場は、第1期整備として昨年3月に新メーンスタンドがリニューアルされ、Jリーグなどを観戦した方々からの評判も上々であると仄聞しております。一方、サイド・バックスタンドにつきましては、第2期整備として今後整備の検討を進めていくようでありますが、現在は至る箇所で屋根のさびなど、経年劣化が進んでいるところが多く見受けられております。そこで、既存のサイド・バックスタンドは何年にどのような経緯で整備されてきたのか、また、施設の劣化状況についてどのように把握されているのかについて建設緑政局長に伺います。
◎金子正典 建設緑政局長 等々力陸上競技場についての御質問でございますが、現在のサイド・バックスタンドにつきましては、平成5年のJリーグの発足に伴い、Jリーグスタジアム基準に対応するため、平成5年度から平成7年度にかけ、芝生スタンドから鉄骨造の屋根を有するプレキャストコンクリート造のスタンドに改修を行ったものでございます。施設の劣化状況についてでございますが、平成22年度に劣化調査を行ったところ、鉄骨部分のさびなど経年に伴う劣化があるものの、構造的な損傷はほとんどないとの結果でございました。しかしながら、平成25年度から平成26年度にかけて実施した屋根部分などの局所的な劣化診断調査では、劣化に伴う鉄骨部分のさびどめなど、計画的な維持修繕が必要であるとの結果でございました。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 御承知のとおり、イギリスのオリンピックチームが事前キャンプを行うことが決定いたしておりますので、ぜひとも必要な修繕を早期に進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
続いて、ぜんそく対策について質問させていただきます。ディスプレーをお願いします。これは1975年以降のぜんそく死亡数の推移を示したものですけれども、ごらんのとおり、1995年ごろあたりから劇的に死亡者が減り始めているわけですけれども、まず健康福祉局長にその理由についてお尋ねしたいと思います。この原因をどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 ぜんそくで亡くなる方の推移についての御質問でございますが、厚生労働省は、日本アレルギー学会が平成5年に定めたアレルギー疾患診断・治療ガイドラインによりますと、吸入ステロイド薬がぜんそく治療に広く使用されるようになったことや、国が平成18年からぜんそく死ゼロ作戦を推進し、喘息予防・管理ガイドラインを中心とした標準化治療の普及に向けた取り組みが進められたことなどが、ぜんそくで亡くなる方の数を減らすことにつながったとしておりまして、そうしたことが影響しているものと考えております。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 御答弁によりますと、標準化治療の普及がぜんそく死を減らしてきた最大の要因であるとのことであります。ぜんそく治療に対する医療費の経緯を見ますと、1984年に患者の自己負担が定額から1割に、1997年に1割から2割に、2002年に2割から3割に改正が行われてきました。つまり、医療費の自己負担が徐々にふえてきた一方、逆にぜんそく死が減ってきたということでありまして、ぜんそく死と医療費負担との間には余り相関性が見出せないことがよくわかりました。
続いて、このグラフは、関東圏の東京都区部、さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、相模原市の単位人口10万人当たりのぜんそく死をそれぞれ比べたものであります。これを見ると、何とぜんそくの医療費助成制度のある、ある意味、本来最も恵まれているはずの川崎市と東京都区部が皮肉にもやや飛び抜けて高いという統計結果になっております。以前、当議会でも述べましたが、国のデータによると、昭和45年以降には少なくとも東京、川崎、横浜等においては大気汚染の指標に目立った地域差はなくなったかと思われます。そこで改めて環境局長に伺いますが、川崎、横浜、東京、相模原、さいたま、そして千葉市の6地点における通年の大気汚染指標に大きな差が生じているのか、改めてお伺いしたいと思います。
◎小林哲喜 環境局長 大気汚染の状況についての御質問でございますが、大気汚染の状況を把握するため、二酸化窒素、二酸化硫黄及び浮遊粒子状物質――SPM等の濃度を測定しておりますが、本市を含む6都市それぞれの平成26年度の年平均濃度につきましては、二酸化窒素は0.016ppmから0.023ppm、二酸化硫黄は0.001ppmから0.002ppm、また、浮遊粒子状物質――SPMは1立方メートル当たり0.019ミリグラムから0.024ミリグラムの範囲となっておりまして、地域による大きな差は見られない状況となっております。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 つまり、ほぼ環境基準を満たしているということだと思います。そうすると、このようなぜんそく死の地域差は大気汚染によるものではないということになります。
そこで健康福祉局長に再びお伺いしますけれども、医療費助成をしている東京と川崎のぜんそく死が関東圏で特に高いという原因とその対策についてどのようにお考えなのか、改めて伺いたいと思います。
◎成田哲夫 健康福祉局長 ぜんそく対策についての御質問でございますが、厚生労働省の人口動態統計によりますと、過去3年間のぜんそくによりお亡くなりになられた方の人口10万人に対する死亡者数につきましては、平成24年0.8人、平成25年0.7人、平成26年1人でございます。平成26年の数値につきましては、関東圏内の他都市と比較して大きくなっておりますが、年度ごとに変動もあることから、原因については今後の推移も踏まえた検討が必要であると考えております。国は、平成23年の専門委員会による報告書の中で、ぜんそく診療に対する患者の認識の不足や、不定期な受診等がぜんそく死の原因につながる一方、喘息予防・管理ガイドラインに基づく標準化治療の徹底が重要であるとしております。このため、ぜんそくを含めたアレルギー疾患対策として、患者の方々へのさらなる広報啓発とともに、居住地域にかかわらず適切な医療を受けられる医療従事者の育成や、専門的な医療の提供等を行うことのできる医療機関の整備等を進めているところでございます。本市といたしましても、これらの取り組みの推進が重要であると考えております。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 要するに、標準化治療がいかに重要かということになろうかと思います。標準化治療の普及に専念されている市民団体の皆さんや専門家にお聞きするところによりますと、ぜんそく死亡が低い都市、例えば相模原市なんかがそうですけれども、あそこには名実ともに日本のアレルギー医療のトップである国立相模原病院というのがあります。こうしたぜんそく死亡率の低い都市には、アレルギー対策について自治体と一緒になって取り組んでいる中心的な医療機関の存在、あるいは中心的な医師の存在と活躍があるということでありました。ぜひ、川崎市におきましても、費用対効果の観点から、科学的事実に基づくぜんそく死ゼロ作戦により、標準化治療の普及に向けて一層努力していただきたいと思います。改めて健康福祉局長にお伺いします。
◎成田哲夫 健康福祉局長 ぜんそく対策についての御質問でございますが、国は、アレルギー疾患対策基本法に基づき、アレルギー疾患を有する者が、居住地域にかかわらず、適切な医療を受けられるようにするため、ぜんそくに限らず、アレルギー疾患医療の均てん化を進めるとしております。本市といたしましては、国の動向を注視していくとともに、関係機関や団体等と連携を図りながら、標準化治療の普及と推進に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 ぜひ、川崎市内のどこの病院に行っても標準化治療が受けられるというような川崎に一日も早くしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、済みません、先ほど等々力緑地再編整備事業について、修繕を行うべきだと思いますと要望したんですが、してくれるかどうかだけ、もう1回、確認のため御答弁をお願いします。
◎金子正典 建設緑政局長 等々力陸上競技場についての御質問でございますが、先ほど答弁いたしましたこれらの調査結果を踏まえまして、平成28年度より屋根部分の塗装などの修繕工事を計画しておりまして、今後とも、利用者の安全で快適な観戦環境を確保してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 ありがとうございました。
続きまして、収支フレームについて財政局長に伺いたいと思います。去る2月に財政局長が策定しました今後の財政運営の基本的な考え方案によりますと、そこには平成32年度までの収支フレームが示されております。その算定根拠として、内閣府の中長期の経済財政に関する試算にある経済成長率や消費者物価指数が利用されております。そこには経済再生ケース、あるいはベースラインケースのそれぞれの試算がありますが、これは余りにも実態とかけ離れ過ぎているかと思われます。例えば、内閣府の試算、つまり政府の試算のベースラインケースで見ると、平成27年度の予測GDP成長率は1.5%増、消費者物価は0.6%という想定になっています。しかし、御承知のとおり、現在の経済情勢を見ますと、この1月から3月期の結果次第では2年連続でマイナス成長の公算が高くなっております。ディスプレーをお願いいたします。これは2013年度以降の経済情勢ですけれども、2015年10月から12月、マイナス0.3になっていますが、速報値がマイナス0.4だったんですね。きのう上方修正されましたと。プラスになったのかなと思ったら、マイナス0.4がマイナス0.3になっただけで、マイナスであることは変わりがないということです。これによりまして、この1月―3月期によほど頑張らないと本年度のマイナス成長は確定でありまして、もしそうなると、昨年度に引き続いて2年連続のマイナス成長ということになります。
一方、前提としている消費者物価指数を見ても、2014年度は2.9%を想定していましたが、日銀が指標としてきたコアCPIベースでは1.1%でした。しかも、これは消費税増税による影響を含めての1.1%であります。2015年度の消費者物価指数の想定値はやや控え目にして、0.6%とされていましたが、これも実数値は0.1%でした。地方自治体という性質上、政府の試算を客観的基準にせざるを得ない事情もわからなくもありませんが、政府試算のみを基準にすることは、むしろその客観性を乏しくするのではないでしょうか。例えば内閣府算出のベースラインケースですら極めてお花畑的な予測値です。来年4月には消費税の再増税が既定路線として確立しております。現に安倍総理は国会答弁でもアベノミクスは失敗していないと断言されておりまして、なおかつ、リーマンショックや大震災のようなことが起こらなければ予定どおり増税するとも述べておられます。
そこで再びこちらを見ていただきたいんですけれども、下のほうが小さくて見えないかもしれませんが、要するに赤いラインが消費税増税以降ですね。これは実質家計消費支出の推移を見ておりまして、これは2人以上の世帯ですけれども、消費税増税以降、明らかに消費の支出が落ち込んでいるという状況であります。それから、これが民間最終消費支出、いわゆる個人消費と言われるものの推移ですけれども、2013年、これは消費税を増税する前の年で、2014年4月に増税をした結果、2015年には6.7兆円の減となりました。それからもう一つ、この数字を見ていただきたいんですけれども、これが実質賃金指数です。2012年はまだ野田政権のときですね。あれほど評判の悪かった民主党政権よりもさらに実質賃金を落としているのが今の第2次安倍政権でございまして、これを足すと大体マイナス5%以上ですね。恐らくこれは歴代内閣最低記録ではないでしょうかね。このように、平成24年4月の増税の結果、明らかに実体経済は悪化しております。来年のさらなる増税は経済をより悪化させることがもはや明確と言っていい状態ですが、その場合、この試算と比べどの程度のマイナス幅を想定しているのか、財政局長にお伺いしたいと思います。
◎大村研一 財政局長 歳入の見通しについての御質問でございますが、平成24年度以降の市税収入は増収を続けておりますが、今後の動きにつきましては、現時点では、国が中長期の経済財政に関する試算において示した経済見通しの範囲内で、さまざまな環境変化の影響を受けながら推移するものと考えております。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 先日来、川崎市の市内総生産と日本の輸出額を見ると、しっかりと相関しているというお話をさせていただきました。これは相関係数0.91でございますね。その結果、当然市内総生産が上がれば上がるほど税収は上がりますので、市税収入と市内総生産もまた相関するわけです。これが相関係数0.72です。0.7を超えると、ほぼ相関と言える、という統計上の考え方だそうです。そこで、輸出額の推移を直近で見ますと、このようになります。2013年以降、順調に上がっているんですけれども、川崎市の税収を見ると、やはり2014年、2015年は上がっているんですね。それは、やっぱり輸出がこれだけ伸びたからだと思われます。ところが、これはアメリカの成長率の推移を見ているんですけれども、ご承知のとおり日本はGDPの15%を輸出に依存しておりまして、その20%がアメリカですから、アメリカの景気次第で輸出額が変わってくるわけですね。これをずっと調べていくと、約7年から約10年のスパンでアメリカ経済がリセッションに入っていることがわかるんですね。この間のリーマンショック以来、ちょうどことしが7年目になります。したがいまして、早くてことし、遅くて再来年あたりにはアメリカは多分リセッションに入るんだろうと。今、アメリカは大して景気がよくないのに金利を上げたがっているのは、次のリセッションのときに、金利をわずかでも下げる余地を残したいがために今一生懸命上げようとしているんだろうと思います。そこで、例えばリーマンショックの際の輸出額の落ち込みを見ますと、このようになります。2007年から2年後の2009年まで、輸出が27兆円減少いたしました。リーマンショック後、ピーク時から27兆円輸出が減少したんですけれども、同じ時期の本市の税収を見ますと、2008年から2010年にかけて、何と118億円の税収が減っております。以上のように、アメリカ経済が仮にリセッションに突入し、そこに昨年失速した中国経済の再失速が重なった場合、かなり輸出の落ち込みが予想されます。財政局としてどの程度の税収の落ち込みを想定しているのか、改めて伺いたいと思います。
◎大村研一 財政局長 歳入の見通しについての御質問でございますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、収支フレームの作成に当たりましては、国の経済見通しを使用しているところでございますが、実際の財政運営に当たりましては、より慎重な姿勢が必要であると考え、2パターンが示された国の経済見通しのうち、より緩やかな成長となるベースラインケースによる推計を基本としたところでございます。また、昨年末の平成28年度税制改正大綱で明らかになった新たな減収影響や、社会経済状況の変化等に伴う今後の財政状況への影響につきましては、毎年度の予算編成や実施計画のローリング作業等において、施策調整や事務事業の見直しなどを行い、その解消に努めてまいります。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 先ほども言いましたように、自治体である以上、国の試算というものをある程度重視しなければいけないのはわかるんですが、今、民間のシンクタンクのほか、世界銀行、そのほかの国際機関などでも経済の見通しを策定していますので、政府試算のみにとらわれることなく、柔軟性と客観性を持った予測値を前提に収支フレームを考えていくこともこれからは検討していかなければならないのではないかなと思います。
それで、ぜひこれは市長に覚えておいていただきたいんですけれども、今、世界はスロートレードの時代と言われておりまして、1990年代から2011年までは、世界のGDPの成長率よりも貿易量の成長率のほうが高かったんですね。これは恐らく中国の成長とかもあったんだと思うんですけれども、御承知のとおり、昨年失速した中国経済でございますが、結果、2012年以降は貿易量よりも実質GDPの成長率のほうが上回って、貿易が拡大しない時代に入ったというふうになっております。先ほど申し上げましたように、本市の経済構造、財政構造というものが輸出に相関する以上、この辺は注視していかなければいけない点だと思いますので、ぜひ御参考にしていただければと思います。
次いで、経済見通しについて経済労働局長に伺いますけれども、先ほど申し上げましたように、こういう情勢でございますので、経済情勢は非常に厳しいんですけれども、今、経済の最大の問題はデフレ脱却ですよね。デフレ脱却することが最大の問題ですが、デフレの脱却について、今、本市経済を含めてどういう状況になっているという認識であるのか、お答えいただきたいと思います。
◎伊藤和良 経済労働局長 現在の経済状況についての御質問でございますが、本年1月に閣議決定された平成28年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度では、経済の好循環が進展する中で、物価の基調は緩やかに上昇しているとしており、また、平成28年度の経済見通しとして、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれる、物価については、経済の好循環により、需給が引き締まっていく中で上昇し、デフレ脱却に向けさらなる前進が見込まれるとしております。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 デフレ脱却のさらなる前進云々と、政府の答弁を踏襲するしかないんだと思うんですが、これは川崎市の消費者物価指数の増減率の年平均の推移ですね。2012年以降、全く上がっていなかったんですね。2014年に2.4%になっているんですけれども、これは消費税増税分の2%がありますから、実質0.4%なんです。日銀が目標としている2%には遠く及ばない状況ですね。長期的に見ると、こんな感じですね。ちょこんとできているのが消費税を上げた月です。もう1回見ていただくと、これが増減率の推移ですけれども、年平均を見たものですが、要するに、物価が上がらないということは物やサービスが購入されていないということなんですね。物やサービスが購入されていないということはデフレであるということなんですね。デフレを脱却されたと言うんですが。経済にはインフレギャップとデフレギャップがあるというお話を以前したことがあると思うんですけれども、例えば、高度成長期の日本は左側のインフレギャップの時代なんですね。総需要に対して本来の供給能力が低い状態、だから、物を生産すれば必ず売れた状態なんです。今、デフレギャップと言って、総需要よりも供給能力が上回ってしまっているわけ。民間需要も弱い。なのに国も地方も、このデフレ期に緊縮財政とかやっています。だから、なかなかデフレから脱却できないんです。経済労働局さんの政策を一つ一つ見ていくと、全て基本的にインフレギャップの政策なんですよ。デフレギャップのための政策は何かありますか、改めて伺います。
◎伊藤和良 経済労働局長 経済対策についての御質問でございますが、本市におきましては、国の経済対策と緊密に連携し、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を活用し、地域消費喚起・生活支援型の事業として、総額33億円の川崎プレミアム商品券を販売し、市内における消費喚起につなげてきたところでございます。以上でございます。
◆三宅隆介 委員 プレミアム商品券も、やらないよりやったほうがいいのかもしれませんが、例えば、1万円買うと1万2,000円分使えるわけですよね。2,000円分が得するんですが、その余剰部分が貯蓄に回った場合、これは経済効果としてゼロなんですよ。御理解いただいていると思いますけれども。GDPが膨らむためには、その分が貯蓄に回ってはいけないんです。けれども、残念ながら、この事業はたしか実績が100%いっていないんですよね。要するに、民間のお金を使う力が弱いということですよね。それから、GDPというのは三面等価の原則というのがありまして、需要が少ないということは、結果として所得が少なくなるということなんです。川崎市民1人当たりの市民所得の推移を見ますと、リーマンショック以降、1人当たりの所得が明らかに減っている。要するに、川崎市民が貧乏になっているということなんですね。ここに何とか歯どめをかけなければいけないんですけれども、残念ながら、求められている適切なデフレ対策がなかなか実施されていないというのが現状です。例えば、お金を借りやすくするために融資制度を整えましたと言うんですけれども、それは資金繰りの苦しいところは助かるかもしれません。ただ、多くの企業が、金利が高いからお金を借りないのではないんですよ。要は、投資してももうからないから投資しないんですよ。金を借りないんですよ。それがデフレなんですけれども、なかなかそのことが理解されなくて、ただ金利を下げれば投資が拡大するだろうと言って、この2年間ほとんど物価が上がらないという状況ですね。
来年の4月の消費税増税を本当に断行した場合を考えてみると本当に恐ろしくなるんですが、ここで一言言わせていただきたいんですけれども、最近、何となく将来の福祉を支えるためには消費税の増税もやむを得ないんだみたいな暗黙の雰囲気があるんですが、私は、それは決して正しいとは思っておりませんで、本当に福祉のためかどうかというのは疑わしいと。このグラフは日本の法人税収と消費税収の推移を見たものですけれども、下の青いのが法人税の税収、上が消費税の税収。これを見るとわかるように、法人税というのは着々と下がっているんですが、法人税の減った分、消費税で穴埋めしているだけなのです。共産党さん、そうでしょう。本当に将来の福祉に使われるための増税なのかどうかというのをもう1回考えなければいけないと思いますし、法人税が高いから企業が出ていってしまうのではないかとかと言う人がいるんですが、国・地方を合わせた法人税率の国際比較を見ますと、アメリカなんかは日本に法人税を安くしろと言いながら、アメリカはもっと高いんですよ。じゃ、企業家や投資家はアメリカに投資しないかというと、そんなことはないんですね。法人税が日本より高いアメリカにだって投資するんです。何でかというと、法人税が高いか安いかで企業家は投資しませんから。もうかるかもうからないかで投資判断を決めるわけです。何で日本に投資が少ないかというと、デフレだからです。法人税が高いから投資が少ないのではなくて、デフレだから投資が少ない。だから、いち早くデフレ脱却をするための対策を打たなければいけないということですけれども、国も地方もなかなかデフレの正体をつかめていないのが現状ではないかと。
市長、これはぜひまた参考にしてもらいたいんですけれども、地方行政にもう少しマクロ経済の視点があっていいのではないかと。例えば、経済労働局の担当課の人に川崎市の消費者物価指数は何%かわかりますか、把握していますかと聞くと、何と答えると思いますか。それは総務局の統計情報課の所管ですと答えるんですよ。私が知る必要はありませんとも言わんばかりの勢いで、そういうふうに答えますよ。やっぱりそれではいけないと思うんですね。経済労働局は経済政策を担当する局ですから、少なくとも担当の各職員が、川崎の消費者物価指数はどうなのか、1人当たりのGDPはどうなっているのかというマクロの視点でしっかりと経済全体を見ていくことが必要ではないかと。そうしないと正しい経済政策も出てこないのではないかと思います。
それから、財政局長にもう一つ突っ込みを入れておかなければいけないんですけれども、先ほど言った内閣府の中長期の経済財政に関する試算をもとに財政局さんが基本的な考え方の案をつくったと。こっちには名目成長率と実質成長率、2つ載っているんです。今、財政局さんが使っているのは、名目成長率を使っているんですね。基本的に成長率と言ったら実質ですよね。内閣府も何で名目成長率なんて書いたのか理解できないんですけれども、名目と言った場合にはインフレ率が含まれますから、本当の経済の実力、どれだけの物やサービスが生まれたかという個数を見ないといけないわけですよね。ですから、成長率と言ったときには必ず実質成長率で試算をしなければいけないと思うんですけれども、残念ながら、これは名目でやっているんですね。名目の、しかも消費者物価指数がすごく高く上がる試算でやっていますから、収支フレームは大分狂ってくるんだろうなと私は推測をいたしております。ぜひ、経済労働局及び財政局を含め、また市長、マクロ的な視点を地方行政の中にも取り入れていくことを御検討いただくことを要望して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○松原成文 委員長 お諮りいたします。本日はこの程度をもちまして終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松原成文 委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
それでは、これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後5時23分閉会...