それでは、1枚おめくりいただいて、1ページ目、1、
住宅団地の現状、(1)
住宅団地の歴史でございます。
初めに、昭和30年代から平成までの
高度経済成長期、
東京オリンピック、ベビーブーム、オイルショック、
バブル崩壊、阪神・
淡路大震災、
リーマンショック、
東日本大震災という主な出来事について、年表として表示させていただいております。
その下、団地名と、その右側に線を引いておりまして、青いひし形がこの団地の施行開始、四角が施行完了を示しております。
年代のすぐ下に、参考として、千里、多摩、千葉の
ニュータウンを入れておりますが、本市では、
大宮台団地を初めとして、一番右下のあすみが丘(土気東)まで団地が整備されてきております。
住宅団地の多くは、昭和30年代後半から昭和50年にかけて急激に整備されてきたことがわかります。人口推移を左下から右上にかけまして、グレーの破線でお示ししておりますが、
住宅団地の開発と同時に人口も急激に増加してきております。
千里ニュータウンや
多摩ニュータウンでは、右上の青い四角に記載させていただいておりますが、平成15年ごろから
団地再生に向けた
取り組みが活発化しております。平成19年3月に、本市におきましても、
団地型マンション再生マニュアルを策定、またURの幸町団地も平成20年に入りまして、
センター地区の再生に取り組んでおり、
高齢者施設や
子育て支援施設を再整備しております。
このように、
住宅団地の多くが
高度経済成長期に開発、町開き後、約40年から50年経過をして、一斉に再生の検討が必要な時期を迎えております。
次のページ、2ページをお願いいたします。
本市の主な
住宅団地の分布でございます。赤枠が団地を示しており、そのほか鉄道、モノレール、そして緑色の線で主なバス路線を示しております。
住宅団地は、
公共交通を確保しながら整備してきた経緯もございますので、比較的交通の便が確保されている場所の多いことがわかります。
下の部分に、参考として、千里及び
多摩ニュータウンの面積を同じ縮尺で入れてございます。
千里ニュータウンは、11.6平方キロメートルで、稲毛区や美浜区の約半分の面積です。
多摩ニュータウンは、29平方キロメートルですので、稲毛区や美浜区よりも広く、花見川区より狭いというようなイメージでございます。こちらも、団地には、鉄道等の
公共交通が確保されております。
次のページ、3ページをお願いいたします。
(3)
住宅団地の概要でございます。
施行開始年度順に並べました。さきの1ページの分布の図の番号と同じ番号でございます。ここでは、名称、施行主体、施行開始、施行完了、事業手法、開発面積、人口と一覧にしております。
人口ですが、平成27年の国勢調査をベースとしており、右側中段の赤枠内で表示しておりますが、主な
住宅団地の人口の合計は約33万人、
市街化区域全体では約90万人、千葉
市合計が約97万人となりますので、本市の約3分の1の方々が主な
住宅団地に居住していることがわかります。
住宅団地内の
人口密度は、1ヘクタール当たり約96人となり、本市の
市街化区域での平均は1ヘクタール当たり約70人ですので、高密度な市街地を形成していることが見られます。
次の4ページから8ページにつきましては、
住宅団地と施設の
立地状況でございます。
まず、4ページでございますが、こちらには、本市の商業施設の状況としまして、コンビニ、スーパーなど、日常生活に必要な食料品等が購入できる施設を示しております。
そして、次の5ページでございますが、こちらは医療施設の
立地状況といたしまして、病院、診療所の状況でございます。大きい四角が病院、小さい四角が診療所でございます。
その次の6ページでございますが、こちらは福祉施設の
立地状況でございまして、
あんしんケアセンター、介護施設の
立地状況となっております。茶色の丸印の
あんしんケアセンターは、現在30カ所となっております。
次の7ページでございますが、こちらは
子育て支援施設の
立地状況でございまして、幼稚園と保育所の
立地状況となっております。オレンジの丸が幼稚園、赤の丸が保育所でございます。
最後に8ページでございますが、こちらは都市公園の
立地状況となっております。
以上のように、部分部分の
住宅団地により多少のばらつきはございますが、
住宅団地には、
既存ストックとして、おおむね商業、医療、福祉などの
生活サービスが立地しているということがわかります。
次に、9ページをお願いいたします。
これまで御説明申し上げましたことを
住宅団地の特徴と課題としてまとめております。
まず、上の点線で囲ってあります部分ですが、大きく四つの現状がございます。
一つに、
住宅団地の歴史としましては、
住宅団地の多くが
高度経済成長期に開発され、町開き後、約40年から50年が経過し、一斉に再生の検討が必要な時期を迎えているということでございます。
二つに、
住宅団地の分布では、
住宅団地は比較的交通の便が確保されている場所が多いということがございました。
三つに、
住宅団地の概要、
人口集積等では、
住宅団地には全市人口の約3分の1の市民が居住、
住宅団地の
人口密度は1ヘクタール当たり約96人と、高密度な市街地を形成しているということでございました。
四つに、
住宅団地と施設立地におきましては、
住宅団地には
既存ストックとして、おおむね商業、医療、福祉などの
生活サービス施設が立地しているということがございました。
そこで、左側の矢印の下、(1)
住宅団地の特徴としまして、まず1)として、
住宅団地は高い
公共施設整備率を誇る
優良ストックであるということがございます。
すぐ下、左側の
住宅団地の例と右側の
既成市街地の例をごらんください。
住宅団地は、道路、公園等のインフラや教育、
公共公益施設等が計画的に整備されており、
既存ストックが充実していることがわかります。
次に、2)の
住宅団地は、豊富な
住宅ストックと子育てに適した良好な居住環境であるということがございます。
住宅は、全市の約3分の1の人口を支える、豊富で多種多様な
住宅ストックが既にございます。そして、高齢化が進展しつつも、開発当初に
子育て世代が一斉に入居した経緯から、既に
子育て施設も充実しております。写真は、団地内の保育所でございます。
3)にまいりまして、一定の人口集積がある
住宅団地では、
公共サービス、
民間サービスも成立しやすいということがございます。
住宅団地は
人口密度が高いので、現況、商業、医療、福祉等の
生活サービス施設が立地しているほか、バスの
サービス水準も高いということでございます。写真は、団地内の
バスロータリーで、バス路線の起終点であり、バス停の上屋も整備され、本数も多い状況です。
次に、右側の(2)
住宅団地の課題にまいります。
まず、1)建物の老朽化でございます。
経年変化により、施設の老朽化やエレベーター未設置等、バリアフリー未対応の
集合住宅が多数存在しております。また、住宅内の設備水準が低いなど、時代のニーズに沿っていないこともございます。写真は、老朽化している
集合住宅でございます。
次に、課題の2)空き家、空き住戸の発生でございます。
ニーズと合わない施設、世帯減少に伴い、空き家、空き地等が増加しております。写真は、
空き集合住宅の現況を写しております。
3)にまいりまして、
センター地区の衰退という課題がございます。
住宅団地内には、
生活利便施設を集めた
センター地区が配置されていることが多いのですが、一部では、その
センター地区が老朽化し、そしてライフスタイルの変化に沿っていない施設となっております。写真は、衰退した
近隣センターでございます。
これらが施設面の主な課題と考えております。
住宅団地は、これまで
生活支援機能を有する地域拠点として機能したケースも多く、団地内の建築物、
公共施設の一斉の老朽化や陳腐化が、
住宅団地だけでなく、周辺を含む地域全体の活力低下、居住環境の悪化につながるおそれもございます。
課題の4)に移りまして、急激な高齢化ということがございます。
同一世代が一斉入居したため、一斉に高齢化が進展しております。
高齢化率は、千葉
市全体では約24%となりますが、特に高齢化の進んでいる団地としましては、都賀の台が約50%、大
木戸台団地が約49%、
こてはし台団地が約48%となっております。
また、
高齢者数ですが、千葉
市全体では23万8,213人ですが、
高齢者数の多い団地としましては、
海浜ニュータウンの2万4,100人、
千城台団地では6,360人、
東南部団地(おゆみ野)では5,460人という順になっております。
これら急激な高齢化により、介護、福祉など、いわゆる
高齢者対策のほか、
自治会活動の維持、
通勤通学者の減少による
公共交通利用者の維持などに懸念が生じてくると考えております。
最後に、5)増加する
外国人居住者への対応という課題がございます。
外国人は、千葉
市全体では、平成22年は1万4,394人が、平成27年では1万6,506人と、約2,000人増加しております。
外国人居住者が多い団地としましては、
海浜ニュータウンの3,360人を初めとして、幸町団地では689人、
幕張ベイタウンでは560人と、団地内に居住している状況でございます。
この状況を踏まえますと、多文化の共生という観点から、文化や生活習慣の違いなど、近隣住民とのつながりがないことや、災害時に日本語が不便な方もいらっしゃるため、災害難民になりかねないといった懸念も課題の一つと考えることができます。
市内の
住宅団地は、個々に実情、状況は違いますが、全市的に俯瞰させていただきますと、このように、
住宅団地は優良なストックであり、人が集まって居住していることから、
民間サービス、
公共交通も成立しやすいというメリットがありながらも、一方で、施設の老朽化、空き家、空き地の発生、
センター地区の衰退、増加する高齢者、外国人に対する対応という課題があるということを整理させていただきました。
それでは、ここで、別冊の参考資料、
団地カルテのほうをごらんいただけますでしょうか。
1枚おめくりいただいて、主な
住宅団地につきまして、1団地ごとに、見開きで、人口構成や現況図をまとめたものとなっております。
まず、基本情報としまして、開発主体や交通の状況などをまとめております。
国勢調査ベースで、人口、世帯数の推移を示しております。その他、団地内の総人口、
年齢構成別、
外国人居住者、世帯の現況、住宅の建て方、住宅の所有関係を示し、右上にいきまして、5歳階級別の
年齢構成比を示しております。その下は、
高齢化率の推移となっております。
なお、人口につきましては、一部、町丁目別の人口と団地の範囲が必ずしも一致しない団地がございましたので、あらかじめ、その点お断り申し上げます。
団地の特徴として、当然ではございますが、一度に開発、入居が行われた団地は、同じ世代がそのまま年齢を重ねている様子が伺えます。特徴的な団地としては、図は、割合、率を示しておりますので、多い、少ないはあると思いますが、例えば、41ページの
幕張ベイタウンや49ページの
東南部団地(おゆみ野)などは、比較的若い世代の居住する団地、それ以外は、おおむね特定の世代の高齢者が多く居住する団地ということでございます。
次の見開きの右側は、団地の現況図、主な施設を表示してございます。
現在、人口減少の傾向の
住宅団地も、優良なストック、
民間サービス、
公共交通も成立しやすいというメリットがあり、再生により、今後も良好な住環境を形成することができる大きな可能性がございます。
逆に、現在、人口増加の傾向の
住宅団地も、今後、年数を重ね、このまま放置していきますと、建物の老朽化、空き家、空き住戸の発生、
センター地区の衰退、居住者の急激な高齢化というような問題が起こり得ると考えております。
それでは、先ほどの資料、本編のほうですね、平成29年度
都市建設委員会所管事務調査、
団地再生についてのほうにお戻りいただきまして、10ページをお願いいたします。
ここでは、他都市の事例としまして、日本を代表する
ニュータウンでございます
千里ニュータウンと
多摩ニュータウンの概要をまとめさせていただいております。
まず、(1)の
千里ニュータウンですが、大阪府の吹田、
豊中の2
市にまたがる日本初の
ニュータウンとして、大阪府企業局が開発しました。開発面積は1,160ヘクタール、計画人口15万人、
住宅建設計画3万7,330戸となっております。
地区、住区ですが、吹田市域2地区8住区、
豊中市域1地区4住区でございます。全体を南、北、中央、三つの地区に分けており、さらにその中を12の小学校区として住区に分けているということでございます。市域別の規模ですが、吹田市域791ヘクタールで約10万人、
豊中市域では369ヘクタールで約5万人となっております。昭和37年の町開きから50年を経過している状況でございます。
右側に
千里ニュータウンの位置図を示しております。こちらも団地内に大阪市内から直通の鉄道が走っており、3カ所の
センター地区が存在し、
公共施設や
住宅供給戸数は、お示しの表のとおりでございます。
次に、左下の
千里ニュータウンの
取り組み概要でございますが、記載させていただいておりますとおり、平成19年から、
千里ニュータウン再生指針を、
千里ニュータウン再生連絡協議会が策定しております。この協議会は、大阪府、吹田
市、
豊中市、UR、大阪府
住宅供給公社、大阪府
タウン管理財団で構成されております。
再生指針ですが、20項目の
取り組みと、住民、行政、事業者、その他NPO、大学などの4者の役割を定めております。また、その
取り組みの20項目を推進し、定期的に
進捗状況等の点検も実施しております。
千里ニュータウンでは、徐々に
住宅団地の建てかえも進んでおり、これにより、若い世帯が入居し、近年、人口が回復傾向にあるところでございます。
建てかえについては、公営住宅、分譲、社宅など、さまざまな
団地所有者が再生に取り組んでおり、所有者の合意形成が困難な
分譲型住宅団地でも建てかえが進んでおります。既存の
老朽団地を高層化し集約することで、残った土地を売却し、新たに住民を呼び込み、少子・高齢化を抑制する方針でございます。
特に、
千里ニュータウンの住宅の約4分の1を占めていた
大阪府営住宅では、1万619戸の建てかえ、耐震改修を平成42年度までに完成させるとのことで、昨年度までに既に約3,000戸が建てかえを終えているということでございます。大阪府
住宅供給公社は、既に建てかえを平成25年に完了しており、賃貸の戸数を減らしましたが、残地の売却により、新たに
マンションが分譲され、賃貸と分譲を合わせた総戸数は、従来よりも増加しております。そのほかにも、社宅などの建てかえなども行われております。
次に、11ページをごらんください。
(2)
多摩ニュータウンについて御紹介いたします。
多摩ニュータウンの概要としましては、東京都の稲城、多摩、八王子、町田の4
市にまたがる
国内最大級の
ニュータウンで、新
住宅市街地開発事業と
区画整理事業による
面整備プラス都営、公社、UR等による
住宅供給により発展しております。昭和46年の町開きから40年を経過し、現在の開発面積は約2,900ヘクタール、人口は平成28年で約22万人となっております。
こちらも都心方面への大量輸送を確保するため、
多摩ニュータウンの整備にあわせ、
京王相模原線及び
小田急多摩線を整備しております。計画的に駅や幹線道路、
公共施設を配置しております。
住宅供給戸数は5万8,000戸、
公益施設等は記載のとおりとなっております。
左下の
多摩ニュータウンの
取り組み概要ですが、
多摩ニュータウンでは、平成25年に
多摩ニュータウン再生検討会議が発足し、平成27年に
多摩ニュータウン再生方針を策定し、再生方針に基づく
取り組みを推進しております。この
多摩ニュータウン再生検討会議は、学識、東京都、UR、民間企業、多摩
市で構成する会議でございます。
再生事例ですが、
先行モデル事業の実施地区での
取り組みとして、昭和46年に竣工しておりました旧公団分譲の諏訪二丁目住宅という
マンションがあります。総戸数640戸、地上5階建て、23棟でしたが、平成25年に、
マンション建替え円滑化法に基づく建てかえ事業で、総戸数1,249戸、地上11階から14階、7棟の
マンションに建てかえております。これは、民間企業が事業主体となり、ふえた609戸分を分譲し、売却益で建てかえ費用を捻出しております。
マンション建てかえ後は、
子育て世代が
マンションを購入したことで、諏訪地区の
高齢化率は低下しております。
このほか、昭和40年代以前に建設された都営住宅の
多摩ニュータウン諏訪団地の建てかえや
中学校跡地や
小学校グラウンド跡地を活用して、順次進めております。最終的には、今後、整備が進む幹線道路の沿道に用地を創出し、商業・産業施設を誘導することで、にぎわいを生み出していくとのことでございます。
住宅団地の再生には、建物や設備の老朽化、空き家、
空き地対策、屋外空間、歩行空間の再整備、
生活支援機能の導入など、多岐にわたる課題を含んでおり、
多摩ニュータウンでは、
千里ニュータウンと同様に、
団地再生に向けた指針を策定し、行政、UR、住民、民間等が連携して
取り組みを推進しているということでございます。
資料の1、
住宅団地の現状、2、
住宅団地の特徴と課題、3、
千里ニュータウン・
多摩ニュータウンの概要の説明は以上でございます。
次は、4の
住宅団地再生に係る
市の支援策につきまして、
佐久間建築部長より御説明させていただきます。
6
◯委員長(
川岸俊洋君) 建築部長。
7
◯建築部長 建築部の佐久間でございます。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
それでは、私からは、今の続き、12ページの4、
住宅団地再生に係る
市の支援策について説明させていただきます。
これまで、
住宅団地の現状、課題等に触れてまいりましたが、これらの
住宅団地の再生に向けて、現在、本
市が行っている支援策について御報告いたします。
今回の資料でお示しした32団地でございますが、戸建ての
分譲住宅、URの賃貸住宅、または県営、市営等の
公営賃貸住宅、さらには
分譲マンション等、さまざまな供給主体によるさまざまな所有形態の住宅がございます。
現在、
市で実施している支援策につきましては、住民主体で再生の検討を進めるに当たり、
区分所有法や管理規則に基づき、多数の
区分所有者の意見を取りまとめる必要があり、合意形成に非常に時間を要する課題がある
分譲マンション施策を中心に展開しており、その概要をこの資料にまとめてございます。
それでは、12ページ、左側の表をごらんください。
一番左の欄に、
マンションの建築の経過にあわせ、上から、
維持管理段階、
再生検討段階、計画段階、そして
事業実施段階と整理してございます。
左から2番目の欄は、
管理組合の活動の流れ、3番目の欄が、本市の対応施策を記載してございます。
まず、1番上の
維持管理段階ですが、
管理組合では、
管理組合設立後、適正な維持管理、運営を行い、
長期修繕計画に基づく大規模修繕を適切に実施していくことが重要でございます。これらに対する対応策としまして、対応施策の欄、1番上から、
分譲マンション相談会等、2の
分譲マンション管理組合実態調査、3、
分譲マンション関連団体の支援などをそれぞれ実施してございます。
次に、おおむね建設後30年程度経過した団地では、次のステップとなる、いわゆる
再生検討段階では、
管理組合の内部で、意見の調整を図ることが重要になってまいります。
まず、改修、建てかえ等に向けた有志による勉強会を開催し、他団地の事例の研究や、法律の関連規定、
各種補助制度の情報収集を行います。この勉強会の中で、一定の道筋が見えた段階で、
管理組合の総会の議決を経て活動費を予算化し、
検討委員会を設立いたします。
検討委員会では、専門家の協力を得ながら、団地の諸条件に適した建物の
再生方法の検討を実施いたします。また、さまざまな
再生方法のどれが望ましいか、意向調査や現状の把握をするための調査を実施し、再生方針を提案する段階になります。
この
再生検討段階の
市の対応施策ですが、引き続き、
分譲マンション相談会等の実施による支援に加え、
団地型マンション再生マニュアルによる啓発等、分譲
マンション再生等合意形成支援制度を実施しております。
この分譲
マンション再生等合意形成支援制度につきましては、ページ右側の(2)
市施策の概要の黒い四角の一つ目でございます。
老朽化した
マンションの再生等活動を支援し、良好な居住環境の確保と市街地環境の向上を目指すことを目的とし、再生等活動として、
長期修繕計画案の作成、再生に向けた合意形成に要する意向調査や現況調査等活動にかかる費用の一部を補助するもので、同一の
マンション管理組合に対して補助を行う期間は、通算で5年間を限度としております。
これまでの補助実績ですが、再生実施に至った事例として、団地の内外で遊具、健康ベンチ、足元誘導灯の設置を改修した事例、また団地外部空間のバリアフリー改修を実施した事例、耐震改修の実現を目指し、勉強会、計画案を作成、意向調査を実施し、耐震改修工事を実施した事例など、平成22年から平成28年度の制度利用実績は、通算で19件となっております。
左の再生等の流れ、左の表のほうにお戻りください。
再生検討段階から、次の計画段階についてでございます。
改修、建てかえに向けた活動推進の決議、また計画策定費の捻出について総会の議決を経て、事業計画の策定、計画に基づき改修決議、または建てかえ決議と進んでいき、最終的に実施計画を策定いたします。
この段階の
市の対応施策につきましては、引き続き、
分譲マンション相談会等の実施や
団地型マンション再生マニュアルによる啓発等に加え、6-1と書いてございますが、地域再生支援事業を実施しております。この地域再生支援事業は、計画段階で6-1と表示しているもの、さらには、その後の
事業実施段階の設計、工事に対する支援としても6-2として記載してございます。
地域再生支援事業につきましては、ページ右側の(2)
市施策の概要の黒い四角の二つ目をごらんください。下のほうです。
地域の居住環境の向上及び地域コミュニティーの再生を図るため、老朽化した分譲
マンションの建てかえを支援することを目的に、建てかえを進める
管理組合等に対し、第1段階としての計画策定費補助、さらには、第2段階として、設計・工事費補助を実施することとしております。
なお、補助対象は、国の優良建築物等整備事業の対象となる事業としておりまして、その中の
マンション建てかえタイプ、市街地環境形成タイプに該当する建てかえ事業を対象としてございます。
補助を受けられる
マンション等の要件でございますが、耐用年数の2分の1を経過し、かつ敷地面積が原則1ヘクタール以上となってございます。
これまでの補助の実績ですが、計画策定支援が平成25年度に1件ございます。
左側の再生等の流れの欄にお戻りください。
計画段階から
事業実施段階については、これまで御紹介した対応策以外にも、
マンション耐震診断費・改修費補助事業として、7-1の診断、設計に関する部分と、7-2の工事費の部分にそれぞれ補助を実施してございます。
住宅団地再生に係る
市の支援策の現状についての説明は以上でございます。
これで、平成29年度
都市建設委員会所管事務調査、団地の再生についての資料説明を終わらせていただきます。
8
◯委員長(
川岸俊洋君) それでは、これより質疑に入りますが、御発言の際は、最初に一括か一問一答か、質問方法を述べていただくほか、一問一答の場合は、答弁を含め、おおむね30分以内でお願いをいたします。
それでは、御質疑等がございましたら、どうぞよろしくお願いします。佐々木委員。
9 ◯委員(佐々木友樹君) 一問一答で、幾つか確認したいこともありますので、お伺いしたいと思います。
まず、このカルテの作成、詳細にといいますか、各団地の状況なども伺えて、すごくいい資料かなと思っているんですが、この作成というのは、きょうの
所管事務調査に向けて、都市局として、さまざまな資料を集めてつくったという理解でよろしいでしょうか。
10
◯委員長(
川岸俊洋君)
都市局次長。
11
◯都市局次長 この参考資料の
団地カルテでございますが、現在、立地適正化計画の素案等、検討をしておりまして、その中で、こういったものも検討の対象の中で、こういう資料を検討しておりますので、そのデータをもとに、こういった形でつくったということでございます。この
所管事務調査のためにということではなくてでございます。
12
◯委員長(
川岸俊洋君) 佐々木委員。
13 ◯委員(佐々木友樹君) それで、これは意見になるかと思うんですけれど、例えば
海浜ニュータウンとなると、かなり幅が広いじゃないですか。それぞれ個々の団地、例えば高洲のURの団地、分譲も含めた団地だとか、磯辺だとか、さまざま地域の持っている課題とかというのもあると思うので、
海浜ニュータウンについては、もう少し詳細なところの団地の部分について資料が必要なのかなと思うんですが、そのあたりの御見解はどうでしょうか。
14
◯委員長(
川岸俊洋君)
都市局次長。
15
◯都市局次長 委員おっしゃるように、団地でというくくりでこれを整理しておりますので、それぞれ大小がございますから、とりあえずこういった資料になっておりますが、今後いろいろ検討していく中では、
海浜ニュータウンでもいろいろ、高洲、高浜とか、磯辺とかございますので、それぞれの特性というか、できる限りそれぞれの地区ごとにということは、検討していきたいとは考えております。
16
◯委員長(
川岸俊洋君) 佐々木委員。
17 ◯委員(佐々木友樹君) できればそこをまず一番、現場というか、私も自治会とかにもかかわっていますし、いろんな地域とのかかわりもありますので、大枠というよりかは、もう少し詳細なところから必要かなと。これは改めて私のほうからも、そういった資料ができないかどうかというのは、お願いしたいと思っております。
それと、あしたからの視察の関係で、
千里ニュータウンと
多摩ニュータウンの
取り組みが紹介されたわけなんですが、以前、他の委員からもあったと思うんですけれども、私も一般質問で、
多摩ニュータウンの
取り組み、指針の作成だとか、そういったものを提案させていただいたんですけれども、先ほど建築部長からありました、さまざまな
マンションの再生に係る支援策ということは、これはこれで一定理解はするんですけれども、そのあたり、まちづくり全体を考えたときに、やっぱりそういった先進
市の
取り組み事例なんかも参考にしながら、関係機関との
取り組みというのが必要なんじゃないでしょうか。そのあたりも改めて見解を伺いたいと思います。
18
◯委員長(
川岸俊洋君) 建築部長。
19
◯建築部長 確かに、私どもの先ほどの最後に、現状の本
市の支援策、今やっているものの御報告をさせていただきました。委員がおっしゃるように、広い団地になれば、それぞれいろいろな要因もございます。それ以上に、先ほど申し上げた、供給主体によって、それぞれ所有形態等が違います。ですから、それらを何らかの形で結びつけるような、そういう考え方、当然そういうテーブルが必要になろうかと思います。
具体的に、
千里ニュータウンにしても、
多摩ニュータウンにしても、こちらはそれぞれ、我々が考えているよりさらに大きく、幾つかの行政体にまたがるような形でございます。そういう関係の中からすれば、当然のごとく、その中でどういう議論がされるかというのは非常に参考になる話。行政だけではなく、ここにもございますURであるとか、大阪の場合は大阪府の
住宅供給公社でしたか、そういう団体であるとか、そういうものがある。
私どもも実は、日々議会からの御示唆もございまして、例えばURであるとか、または県、
市間の中で、やはりこういうことの必要性は十分感じておるところでございますし、また今後もそういう観点からの検討というのは当然必要になっていくだろうという認識は持ってございます。
20
◯委員長(
川岸俊洋君) 佐々木委員。
21 ◯委員(佐々木友樹君) 今でも県やUR等と連携はされているということは理解はするんですが、再生と考えたときに、例えば美浜の
海浜ニュータウン、この一つエリアをとって、戸建ての住宅ももちろん再生に向けた
取り組みはしなきゃいけないんですけれども、特に顕著に見られるような老朽化、高齢化、
センター地区の衰退、美浜の
センター地区、商店街なんかはもうなくなっているところもあって、そこがまた
マンションになっているというような、そういった状況もあるので、一つモデル的な地区を、例えば検討の材料といいますか、一つのモデルとして取り組んでいくということも必要じゃないかなとは思うんですが。私は、団地の再生と考えたときは、やはり若い人にも入居してもらうことがまちづくりの更新にもつながっていくと思いますので、あしたからの視察も含めて、今後そういったモデル的な
取り組みを例えば美浜区でやってみるとか、そういったことも提案させていただきたいなとは思いますが、ちょっと漠とした質問になってしまうんですけれども、そのあたりもちょっと御検討できないかなと思っているんですが。これで終わりにしたいと思いますけれども、そのことの見解を伺って終わります。
22
◯委員長(
川岸俊洋君) 建築部長。
23
◯建築部長 おっしゃるように、個々の団地ごとにそれぞれ確かにいろいろな特色がございます。さっき申し上げたように、所有形態が違う、個人の皆さんの権利であったりとか、一人その隣に、例えばですよ、同じ団地に、
市であるとか、県であるみたいな大きな所有者がいて、それと個人が一緒になっているとか、そういうものもございます。URもしかりでございます。
そういう状況があるということと、もう一つ、再生というのは何を指すのかということが一つ大きなキーワードであろうと。我々が通常認識するんであれば、いわゆる修繕をすることも再生であろう。それから、もうちょっと住みやすく、何らかの、例えばエレベーターをつけるとかいうような改修をするということも再生であろう。さらには、建てかえをしてしまうというのも再生であろう。また、もうちょっと広く考えると、団地全体の中でのポテンシャルを維持するとか、高めていくというような。委員からもお話があったように、例えば若い人を呼び込むための新しい魅力を生み出すために、今まで使われていて、もう余り使われなくなったようなものを変えることによって、人を集める魅力をつくるとか、いろいろな段階とか、いろいろな形がまさに多種多様でございまして、これをどれか一つに絞ってやるというのはなかなか難しい検証かなと。
現実に私ども、平成19年に、私どもとURさんと、それから千葉大学で協力して、
団地型マンション再生マニュアルというものを作成して、それをいろいろ広く啓発したりしてございますけれども、これは一つの基本的なひな形で、その大きなスタンダードの流れを見せるような形の中で、ある程度の共通項をお示しするような形。実際にどこか特定の場所を決めて、そこをモデルケースとするというのはなかなか、別の意味の弊害もある可能性もありますので、今後当然、可能な限りそういういろいろなケーススタディーをする必要はもちろんあると思いますが、今すぐこれをどこかでという形まではちょっと考えていない状況でございます。
24
◯委員長(
川岸俊洋君) 佐々木委員。
25 ◯委員(佐々木友樹君) 私が言いたいのは、やはりもう少し行政側が主導権を持って働きかけていく。そういった意味では、美浜区というのは、県営住宅もあるし、URもあるし、分譲もあるし、
マンションもあるし、それぞれ特色というか、いわゆる多摩とか、そういったものに近いのかなと思っているんです。だから、そういったところでの何らかの指針なり、こういった多摩とか千里とかの指針なり、指針をつくって、それを実行していくというのはもちろん住民の皆さんなので、そういった部分では、やはり
市として何らかの提案できるもの、方向性を示していくということが必要じゃないかなということで言わせていただいたので。私だけであれだと長くなっちゃうので。済みません。
26
◯委員長(
川岸俊洋君) ほか、ございますでしょうか。川合委員。
27 ◯委員(川合隆史君) 一問一答でお願いします。
まず、どちらかというと、
住宅団地再生に係る
市の支援策ということで、当然これ、ストックが老朽化してきて、民間だけでやっていくということが基本は方針ではあるとは思うんですけれども、
市のほうで支援策を用意されているということがあるかと思います。再生の計画段階でいろいろまず
市のほうがかかわって、それから計画が進んでいって、設計、工事のほうに入っていくという中で、また補助をしていくという形のスキームにはなっているとは思うんですけれども、行政が考えているよりも民間の進む事業工程というのが非常にクイックであって、補助のものというのがしっかりと間に合っていないようなケースというのもあるかと思うんですけれども、そういうところに関しての実例であるとか、どういうお考えがあるか、今どういうふうに検証されているかというところをまず最初に聞かせていただけますか。
28
◯委員長(
川岸俊洋君) 建築部長。
29
◯建築部長 おっしゃるように、今回ここで御報告させていただいた支援策につきましては、いわゆる個人の資産を個人の方々が再生していこうという
取り組みに対して何かしらの支援をするという、まさにそのスタンダードケースでございます。委員おっしゃるように、そこの最大のポイントは、やはりスピード感。御存じのように、補助というと非常にいろいろなステップがございます。私どもの予算化から、事業の計画の審査から始まって、ずっと何年も何年もかかっている。このスピード感が実際に、例えば建てかえ事業の中で、土地の半分の余剰分を民間に売却して、それで何とか資金の一部に充てようなんていう場合、売りごろというのが当然ございます。それを時間をかけてやっていると、それをいつの間にか逃してしまう。
過去に、私どもの市内でも数多くの事例がございます。最近、逆の例でございますけれども、ちょっと御報告的ですが、議会でもお話をした民間の若潮ハイツという
マンションがございます。これは結果的に、土地の半分を県が持っていて、残りを住民の方が区分所有で持っています。これを県の部分を事業者が買い取って、そこを販売することで事業が成り立ったという形でございますが、これも実は私どもの支援事業、先ほど説明した支援事業をお使いいただいていない状況。その大きな理由は、やはりスピード感。計画確定からいろいろとステップを踏む時間がもったいないということで、非常にこれはレアなケースではありますけれども、でき上がった事例であるのは事実でございます。何か対応策がないかと言われても、非常にそれは我々としても一番苦しいところでございまして、やはりステップ、適時、全てを1から10までかかわっていくということができなければ、必要な部分だけとか、そういうような方法を日々考えているところではございます。
30
◯委員長(
川岸俊洋君) 川合委員。
31 ◯委員(川合隆史君) 民間のやることですから、全てが補助、補助というのは、当然条件があって補助するものですから、そういうところは理解する部分というのはあるんですけれども、今後そういういろいろなものというのが数として上がってくる可能性は、耐用年数を超えてくる物件は多いですから、そういうチャンスはたくさんあるとは思うんですけれども、当然、
市の単独の補助金じゃなく、国のプログラムを使った中での補助対象ということで、例えば
市のほうとしては、こういう形で条件がそろって、国のほうに要請したけれども、そこに対して、国のほうで、既存のプログラムにおいて充当しなくて、内示が得られないという形になると、そういう場合というのは、全体的に当然ここで上限で1戸当たり80万円ぐらい、いろんなことを考えると100万円ぐらいまでの補助をしますよと。例えばの話が、200戸ぐらいの
集合住宅になれば、2億円というお金になりますので、住民からとしては非常に期待する部分であるというのが、住民側は全て条件を整えてきたけれども、得られないような状況になるという可能性も考えられると思うんですよ。国のほうで内示がなかったとか。そういうことというのは、行政側としてはどういうふうに今後対応されていくか。なかなかこれは、もしもの話ですが、そうすると、また住民側のほうは、その再生が結局は、メニューをつくっているけれども、使えないようなメニューであるような認識にとらわれてしまうようなところがあるかと思うんですけれども、そういうところに関してはどういうふうなお考えなのかというところをちょっと1点お聞かせ願えますか。
32
◯委員長(
川岸俊洋君) 建築部長。
33
◯建築部長 おっしゃるように、一生懸命努力をして、計画がまとまって、じゃ、やりましょうかという段階で、確かに国の採択を受けられない。限りなくそういう可能性は少ないんだとは思っております。国が採択しないから、
市が単独で全てを背負ってやるかということは、私の立場で今そこまでは申し上げられませんので。ただ、もう一つ、先ほど言い忘れましたが、非常に時間がかかるというのは、実はこの計画をつくるまでの間。まず、そもそも何かやりましょうよという住民の合意、そこの中で、どうやりましょうよということの過程で非常に時間がかかっていると。それが余りにも時間がかかることによって、結果的に、さっき言いました、市場のチャンスを逃したりとか、そういうことが往々にあるのが全国的な事例でございます。
私どもの場合、その時間のかかるであろう合意形成につきましては、先ほど申し上げた、初期段階の合意形成支援というのは、
市単独事業として、最大5回の採択でございますが、1団地に対して、そこまではできる制度を設けてございます。そこをうまく乗り越えて、この案でいきましょうと決まりますと、改めて、先ほど委員がおっしゃるような、国の優良建築物の整備事業を併用した私どもの地域再生整備事業に移っていくわけですので、そこから先は割かしそれほど。合意形成ができていると、しかもやろうという決議になりますと、あとは当然市場の状況を見た上での話だから、そんなに蹴つまずくところはないのかなとは正直な話、思っております。やはり合意形成をいかにスピーディーにやっていくかということに尽きるのではないかと考えております。
34
◯委員長(
川岸俊洋君) 川合委員。
35 ◯委員(川合隆史君) 最後に、例えば先ほど言った若潮ハイツの件に関しても、本来であれば、千葉市内でもようやく再生ができるモデルケースでもあるし、そこに対して、
市がどれだけかかわって再生に入っていけるかという非常に大きなチャンスだったと思いますし、補助に関しても、本来であれば、補助ができない事業ではなかったようなところも見受けられるところがあると思います。ただ、いろいろな条件の中で、千葉
市のほうでは補助ができるような事業にならなかった。民間ベースで全てをやっていくという形になると、そこに関して余り
市のほうが結局は、再生というのを考えたとしても、なかなかかかわれない部分というのがあるというところを考えると、ちょっと残念だなと。いわゆる補助がどうということじゃなくて、再生というのがこれから進んでいく中で、もう少し
市のほうもいろいろな形でそういうものを主導していくようなメニューとか、国のほうも含めて、いわゆる民間が使いやすいような形のものというのをしっかりとつくっていただくことというのも一つ課題なのかなと思われますので、そこは努力していただければと思います。以上です。
36
◯委員長(
川岸俊洋君) ほか、ございますか。伊藤委員。
37 ◯委員(伊藤康平君) 一問一答でお願いいたします。
所管事務調査ということで、御提示いただいた資料につきましては、基本的なベースとなる部分になるのかなと思います。でも、ここから始まっていくので、これからどういう形に発展していくのかというのが、これからがいよいよ重要なところになってくるんだなというふうに感じております。
私なりに団地の再生等、都市のまた新たな再生という部分では、個人的に考えていることというのはたくさんあるんですけれども、あえてここでとやかく言うつもりはございませんが、一つだけ確認をさせていただきたいなというふうに思うのは、今、各委員のほうからさまざまな御意見がありましたけれども、行政がかかわっていけるポイントというのは、意外と多いようで少ないのかなとは思っています。あとは自主性というか、地域の機運というものを高めていく中で、どういうふうに自分たちのまちを再構築していくのかというところが大事になってくるんであろうというふうに思います。
そういった部分を考えると、行政がその船を走らせていくために、ポイントとなる点というのがあるんだというふうに僕は思っています。そのポイントとは、どこに力点を置いて、まず地域の機運を高め、そして再生をしたいという思いに応えていけるのかというところが、今ある制度がマッチしているのかどうかはわかりませんけれども、利用される方が少ないということは、制度はあるけれども、実際に地域ではこの制度を活用してやっていけないというふうな認識を持たれているんではないかなというふうに感じています。
そういったことを考えると、先ほども言いましたが、皆さん方、これから進めていくために、まず第1ステップとして、どこに力点を置いて進めていこうというふうに考えられているのか、今の段階でお答えできる範囲で結構ですので、お話しいただければと思います。
38
◯委員長(
川岸俊洋君) 建築部長。
39
◯建築部長 先ほど川合委員の御質問でも申し上げたんですけれども、やはり特に区分所有の所有形態になっているものが多ければ、当然その中でいろいろな方がいらっしゃって、それぞれ意見が違う。そういう中で、どうしてもやっぱり合意形成というのが第一に我々は考えてございます。
済みません、ちょっとこの場をおかりして、実は先ほどの合意形成支援、
市単独だと申し上げましたが、申しわけございません、交付金が入ってございますので、国費も少し入っているんです。薄いんですけれども、交付金を使っているのは事実でございます。失礼しました。
いずれにしても、段階としては、どういう実施計画をつくり上げるかというところまでが、まずは最初の私どもとしては大きなポイントなんだろうなと。そこまでの間にいろいろな、私どもとして、再生事業、建てかえのためだけではない、さまざまな情報提供であるとか、日ごろの管理の方法とか、そういうことを日々大事にしてやっていくことが大事なのかなとは考えております。
40
◯委員長(
川岸俊洋君) 伊藤委員。
41 ◯委員(伊藤康平君) ありがとうございます。
実際に事例として挙げていただいている
千里ニュータウンなんかは、各関係機関というか、軸となる事業体が、自治体が協力し合って、これから再生に向けて進められていこうというふうにしているわけですよね。ほかのところにも同じようなことで進めていこうという形はあるんだというふうに思います。
多摩ニュータウンなんかは一番いい例なんだというふうに思いますよね。
その中で、こうやって形づけて、もう既に進めていっている自治体と、同じようなこういった団地等がたくさんある千葉
市の中で、進められている自治体と千葉
市の
取り組みというものを今皆さん方が客観的に評価をするとするならば、皆さん方はどういう認識を持ってお考えになっているのか。そしてまた、どういうふうに評価をしているのかということですよね。
多摩ニュータウンのように進んでいる地域、やろうと思ったら進めていける地域があるわけでしょう。でも、現実、今、ようやく千葉
市はこれからスタートしていこうというふうに思っているんだけれども、個人的な意見でいうと、歯切れのいい回答がなかなか返ってこないというふうに思っております。
だから、これから進めていくところで、それが今できたところが成功事例なのかどうなのかというのは、これからの評価にはなってくるんだとは思うんですけれども、そうやって、本当に我が地域の実情を見据えて、先進的な事例として進めていっている自治体がある中で、千葉
市の皆さん方の進めていく過程というのは、果たして皆様方が思っている以上に、実は地域の再生を進めたいと思っている人たちもいて、だけども、なかなか行政が手を差し伸べてくれない部分があって、なかなか自分たちでは解決できないというふうに思われている方もいらっしゃるわけですよ。
そういった実情は、前々から皆さんは一番よく御存じなんだけれども、なかなかこういった再生事業に取り組むに当たっては、物すごく時間がかかっているという状況じゃないかなと。団地の何かマニュアルをつくったのも随分はるか昔ですよね。はるか昔につくったものがいまだにあって、でもその内容が改定されることなく現在に至っているということは、直接的に表現が正しいかどうかわかりませんけれども、意外と千葉
市というのは、守りというか、後ろ向きというか、そういったような部分が見受けられるんじゃないかなと思いますけれども、これまでの
取り組みと、そして今後どういうふうな進め方をしていこうかということを、評価も交えてお聞かせいただきたいなと思います。
42
◯委員長(
川岸俊洋君) 都市局長。
43
◯都市局長 確かに、今まで、どちらかというと、まさに建てかえですよね。制度も、どちらかというと、個別の建物の建てかえと。そういう意味で、千葉
市はこれだけの計画的につくられた団地があって、正確にこうしましょうとかという動きがなかったのは確かだと思います。
ただ、
千里ニュータウンとか
多摩ニュータウンというのは、そのエリアで完全に唯一無二の団地ですので、単独で取り組んできているという動きはあるんでしょうけれども、先ほどの図面にもありますとおり、千葉
市というのは、すごく大きな団地が幾つもあって、先ほどありましたけれども、要は市民の3分の1が住まわれているようなところ。確かに、今までの
取り組みについては、いろいろ若干
取り組みが遅いんじゃないかみたいな話はありますけれども、今回の資料も立地適正化計画をまさに今つくろうとしてやっているという中で、人口が3分の1張りついている団地の取り扱いというのは、やはりこの千葉
市の立地適正化計画の中では非常に特徴的なものになるだろうということもあって、実はこういうような資料がつくれるぐらいまで団地のデータを集めていたということもあります。
とにかく、これから一つの立地適正化計画の大きな目玉としているのは、この団地の取り扱いで、立地適正化計画の中で、我々としてもこの団地をどうしようかということをある程度明確にしていきますので、その後、モデル的になるのかという部分についての進め方はちょっとまだ明確にはなっていないですけれども、ある程度
市のスタンスはここではっきりさせた上でしっかり取り組んでいきたいと。それは、建てかえだけじゃなくて、
千里ニュータウンもそうでしょうけれども、
多摩ニュータウンもそうですけれども、やはりいろんな世代が住まわれる。それは決して建てかえだけの話ではありませんので、まさに空き家的なものをどうしようかみたいな、空き家の
取り組み等もかかわってきますので、ある程度立地適正化計画で我々としては位置づけをはっきりさせた上で、
市としての思いをちゃんと住まわれている方に伝えられるようにしていきたいなと。ちょっとスタートが遅いんじゃないかという部分はあると思うんですけれども、そこはしっかり取り組んでいきたいと思っております。
44
◯委員長(
川岸俊洋君) 伊藤委員。
45 ◯委員(伊藤康平君) ありがとうございます。
意見ですけれども、いずれにしても、これからスタートしていって、特に美浜区なんかは、ある意味、雑草以外はみんな税金でつくられているまちです、というふうに認識しているんですね。造成から、まちを建てて、道路をつくってと。そういった意味では、莫大な投資をして、美浜区というまちをつくってきたわけですよ。そういったことを考えますと、要は投資をしてきたものをここで腐らせてしまうわけには当然いかないし、ましてや人口をそこに誘導してきたということを考えると、そこの地域の再生というのは、やっぱりしっかりと行政が主導権を握りながら進めていって、そしてまた、今つくっている立地適正化計画が、まさに今、自分たちで団地の再生をしていこうと考えられている皆さんを阻害する計画にならないように進めていっていただきたいというふうに思います。これは大事な計画になってくるかと思いますので、表現は適切ではないかもしれませんが、絵に描いた餅にならないような計画となっていただくよう期待をいたします。
以上です。
46
◯委員長(
川岸俊洋君) ほか、ございますか。布施委員。
47 ◯委員(布施貴良君) 一問一答でいきましょうか。
団地の再生をいろいろ御説明いただいたんですが、主体としての公共サイドでは
市があるわけですが、特に美浜区を中心にしてURの部分が非常に多いわけですね。URがつくった団地に関しては、賃貸と分譲が混在しているという状況もあって、特に建てかえということになると、分譲団地が中心になってきたと。その建てかえといいますか、再生というか、この10年で大分内容が変わってきていると思うんですね。最初は、URのつくった分譲団地というのは、全部3DKで、全く同じタイプのものが何百戸ということだったので、それをまとめて建てかえをしようじゃないかと。例えば、3DKを3LDKとか、広いタイプのものをつくったりなんかしましてね。それがことごとく失敗してしまったということだと思うんですけれどもね。
最近では、まとめてというよりは、多様性のあるようなものにしていこうじゃないかと。全部建てかえじゃなくて、エレベーターだけつけようじゃないかというようなこともあるでしょうし、もう一度、要するに部分的に各棟ごとに増築をするとかということもあるかもしれないし、内容が多様化してきていると思うんですね。ですから、その辺についてのお考えがどうかなと。例えば、補助の中でも、土地整備及び共同施設整備等というふうに書いてあるんですけれども、ちょっとその辺の中身を今のことと関連してお示しいただきたいんですが。
48
◯委員長(
川岸俊洋君) 建築部長。
49
◯建築部長 おっしゃるように、再生の形というのはいろいろ多種多様でございます。全部つくりかえてしまうだけではなく、耐震改修もあろう、バリアフリーもあろう、いろいろございます。やはりそれぞれに合った、それぞれに使いやすい支援とか、そういうことが当然必要なんだろうなと考えております。
ここで、先ほど、土地整備費であるとか、共同施設整備費と書いてあるのは、そもそも優良建築物等整備事業という国の制度。これは、実はいわゆる法定再開発事業に対する民間再開発事業のメニューとしてもともとつくられた経過がございます。それは、民間の例えば分譲
マンションの場合、個人の資産の部分と住民全員の共有の資産の部分というのが大きく区分されるわけでございます。専らこういう支援をする部分というのは、個人の資産の部分ということではなく、全員の共有する部分。ですから、例えば土地、敷地内全体に関する、通常土地というのは大体、区分所有であればみんなの共有部分。それから、ここでいっている共同施設整備というのは、例えば、先ほど委員からもおっしゃった、エレベーターであるとか、階段であるとか、廊下であるとか、要するに
管理組合が管理している、そこの部分に対する補助というのが基本的な考え方でございますので、そういう意味で、ここの部分に支援をするという形をとっている。これは、
マンション系のこういう優良建築物等整備事業だけではなく、いわゆる法定再開発事業なんかにしても、ほとんどが基本的に補助するのは共有部分に関する補助ということが基本でございますので、そういう制度になっていると。
例えば、エレベーターをつくるということであれば、共有部分ですから、当然場合によっては補助の対象になっていくとか、耐震改修に関していえば、建物全体の構造を強化するので、みんなの共有の部分になるわけで、そういうことで支援をすると、そういう形になっているというような、さまざま、いろんな制度が今準備されているという状況でございます。
50
◯委員長(
川岸俊洋君) 布施委員。
51 ◯委員(布施貴良君) 分譲の場合に、徐々に住みかえが進んでいますね。古い方は、それこそ80歳、90歳の方がひとり暮らしするというケースも当然ふえてくると同時に、やがてその方も亡くなりますからね。そうすると、そのうちから出た息子、娘は基本的には帰ってこないと。空き家になるので、それが売却されて、新しい方がオーナーとして入るんじゃなくて、賃貸で入る方がかなりふえてきていますよね。
ですから、そういったことを考えると、高齢の方と若い賃貸で入ってくる方、それは当然子育てということになりますから、共通してエレベーターは必要なのかなという感じがしますのでね。それでいくと、10軒のうちで大体二、三千万円かかるんですかね、エレベーターをつくるのに。どうですかね。ですから、ちょっとそこら辺は補助の対象としては非常に難しいかなという感じもしていますし、後のメンテも必要になってきますからね。ここはちょっとそういった状況を勘案しながら、内容はもうちょっと見直ししてもいいのかなというふうに思っていますので、それらを含めて、これはお願いですが、さまざまな一つの団地という中では、一括でなくて、さまざまな形で部分的に、ハード的に手直しをしながら長く持たせていこうという面と、ソフト的な対応、これは福祉のほうで地域包括ケアシステムを推進しようとかいうことがありますので、組み合わせてやっていただきたいと思っております。
もう一つ、URのほうなんですけれども、医療・福祉拠点ということで、ほぼ大体のUR団地が指定されてきていると思うんですけれども、その辺の連携についてはいかがでしょうか。
52
◯委員長(
川岸俊洋君) 建築部長。
53
◯建築部長 医療施設拠点等に関しましては、実際に例えばURさんの団地の跡地に、あれは特別養護老人ホームでしたっけ、幸町につくられた事例とか、現実に千葉市内にもできてございます。具体的にどういう計画を千葉市内の団地、特にUR団地の中で、URさんがお持ちかというのは、なかなか我々ではかり知れないところがありますが、当然計画が具体化する、その団地について検討しようという段階になれば、我々に当然話が来るわけで、その際は我々、都市部だけではなく、いわゆる福祉部局等も交えて検討がされる状況にはありますが、具体的に今どこに何があるかと言われますと、そこまではちょっと把握し切れない状況でございます。
54
◯委員長(
川岸俊洋君)
都市局次長。
55
◯都市局次長 済みません。ちょっとつけ加えて補足で、先ほどもお話ししました、立地適正化計画を今現在策定しておりますけれども、その中で、先ほど局長からも、千葉
市における団地の位置づけというか、千葉
市の特性というか、そういったものがあるかと思っておりまして、その団地の中でも、やはりURというものは非常に大きなウエートを占めていると考えておりますので、立地適正化計画を策定する過程において、当然UR等とも協議というか、お話をしながら、千葉
市に即した立地適正化計画というものにしていきたいと考えております。
また、策定に当たっては、庁内では、福祉部門も当然そうですけれども、そういった関係部局との連携を図って策定は進めておりますので、千葉
市の特性を生かすというか、それに応じた立地適正化計画にしていきたいというふうに考えております。関係機関等ともいろいろ協議、連携等を図っていきます。
56
◯委員長(
川岸俊洋君) 布施委員。
57 ◯委員(布施貴良君) ありがとうございました。
たまたま幸町の場合は、一街区の建物が、高層の部分ですが、耐震が足らなかったということで、そこを全部再生しようということで、しょうじゅの里ができたと。比較的単純な形でできた面があるのと、幸町団地は、割と早い時期の団地で、自治会もしっかりしているということもあって、ああいう形のものができたのかなという感じがいたしますが。高洲、高浜あたりを考えてまいりますと、高洲地区がURが整備したところなんですが、医療・福祉拠点整備に当たっては、団地居住者のためだけではなくて、近隣の地域住民も対象にしながら、そういった施設の整備を含めた体制でやっていこうということになっていますが、問題は、例えば自治会もできていないとか、あるいはそれまであった自治会が崩壊しちゃっているとか、なかなかこれは関係者を集めるのが難しい。そういう状況であるがゆえに、さまざまな整備しなきゃならない公共、あるいはハード、ソフトの体制があるわけですけれども、それが集まらないということがあって、そうすると、URだけがということではなくて、やっぱり区役所が支援をしながらやっていかなくちゃいけないんじゃないかなということが出てきておりますので、区役所だけではなくて、都市局もそこに加わりながら、全体的な団地の整備、ソフト、ハード両面でどうやっていくかというのは課題になってくると思うんですね。
ですから、そういうことで、今後ですけれども、役割分担を明確にしながら、団地全体の再生ということをお伺いいただいて、進めさせていただきたい。我々もまだどこから手をつけていいかわからないというところがありますので、勉強しながらお願いしたいと思っております。
以上です。
58
◯委員長(
川岸俊洋君) ほか、ございますか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
59
◯委員長(
川岸俊洋君) ほかにないようでございますので、以上で、団地の再生についての調査を終わります。
説明員の方は大変御苦労さまでした。ありがとうございました。
[都市局退室]