6: ◯十一番(松本由男)自由民主党の松本由男です。
冒頭、昨日の大阪の地震において亡くなられた方々の御冥福と被災された方々にお見舞いを申し上げます。
ブロック塀の倒壊について、宮城県沖地震の教訓が生かされていなかったことはまことに残念であります。
梅雨の時期であり、救助、復旧に携わる方々の二次災害に留意した活動をお祈りするものであります。また、けさは
本市危機管理室から先遣隊として二名が派遣されました。無事の任務遂行をお祈りします。
それでは、大綱四点、政策提言をしながら順次伺います。
まず、災害時受援、応援計画と
業務継続計画、いわゆるBCPとの連携について伺います。
初めに、宮城県沖地震から四十年に当たる先週十二日の市民防災の日における、幅広い市民参加による
シェイクアウト訓練と、関係機関が参加しての実動訓練が行われたところであります。市民防災の日における
総合防災訓練は、昨年度、内容を見直し、自助と公助に焦点を当てたものですが、二年目を迎えた今回の訓練について当局はどのように評価しておられるのか伺います。
さて、本市は、この三月に災害時の受援、応援計画を東北の県庁所在地としては初めて策定しました。早速、けさ、この応援計画に基づき、被災地支援の先遣隊として、熊本地震でも派遣された一人を含む二名が出動しました。作成にかかわった関係者の御労苦に改めて敬意を表するものであります。
また、私が三年前の第四回定例会以降提言させていただいた者として、この計画ができたことに感慨深いものがあります。
この計画は二〇一七年三月に内閣府が示したガイドラインに基づくものであります。計画をつくる上での
基本的災害想定は、それぞれ
東日本大震災、熊本地震の教訓をもとにしており、まさしく汗と涙の結晶であり、今後は、BCPとの連携や関係部局への周知、市民への広報などにより、実効性あるものとするべく、魂を吹き込んでいかなければなりません。
今後、災害有事の際に、これらの計画に基づく支援の受け入れや、今回の大阪への派遣のように他都市への応援が積極的に行われることを期待するものですが、これらの計画について二点伺います。
第一は、応援計画における職員の人事管理、研修や訓練についてであります。
応援計画は、被災自治体から要請があった場合、迅速かつ的確な応援活動が実施できることを目的として、応援にかかわる組織体制や業務内容などの詳細を規定したものであります。
また、迅速な派遣となるように、被災自治体の
災害対策本部のマネジメントを支援する課長級以上の職員や、平素から災害対応に適任のスキルを持った職員を登録し、データベース化しております。本年四月二十日から運用し、現在は百四十名が登録されているとのことであります。
熊本地震の際にも見られたように、他都市へ応援に赴くに当たっては、
東日本大震災の本市の災害対応や復旧、復興のノウハウを十分に生かした活動が求められております。
一方で、年月を経るに従い、経験した職員が退職し、震災経験のない職員が増加することは避けられず、これらに伴う職員のスキルの低下も懸念されるところであります。
大震災で全国から支援をいただいた本市が、今後起こり得る大規模災害に対して被災地の復興を継続して支援していけるよう、技術の継承が求められますが、今後の取り組みについて伺います。
質問の第二は、支援を受けるための計画、受援計画についてであります。
特に受援計画はBCPと
相互補完関係にあり、しっかりとしたBCPがあって初めて実効性ある受援計画がつくられるものと認識しております。また、災害有事のためのBCPの充実を図るということは、平素の業務の見直し、効率化につながり、ひいては市民サービスの向上にもつながります。
災害にかかわる統括は
危機管理部署ですが、BCPは各局、区、事業管理者も策定することとなっております。全ての部局から答弁を求めたいところですが、時間の関係上代表して、経済局、交通、水道、
ガス事業管理者、宮城野区長から、BCPづくりの進捗状況、課題と平素の職員の訓練はどのようになっておられるのか伺います。
次に、
原子力災害対策における避難計画に焦点を当てて伺っていきます。
本市の
地域防災計画の中の
原子力災害対策は、
災害対策基本法と
原子力災害対策特別措置法に基づいてつくられております。
この計画の目的は、原子力施設に事故が発生したことによる原子力災害の発生と拡大を予防し、原子力災害の復旧を図るために必要な対策について、仙台市、宮城県、
指定地方公共機関等の防災機関がとるべき措置を定め、総合的かつ計画的な
原子力防災事務または業務の迅速な遂行によって市民等の生命、財産を原子力災害から保護することとしております。
本市は、最も近い女川原発から三十キロ圏外に位置しており、法律に基づく
計画策定対象に該当しないものの、福島第一原発事故の教訓から、放射性物質の影響から市民の安全・安心を確保するために
原子力災害編を策定しており、高く評価するものであります。
宮城県の避難計画、
原子力災害作成ガイドラインでは、原発からおおむね三十キロ圏内の七つの市と町の外への避難先を定めており、本市は、石巻市と東松島市から合計六万四千八百五名の避難者を受け入れることとされております。
そこで、県と本市の計画における調整のあり方と避難の考え方について、順次伺います。
第一は、原発事故があった場合の避難計画について、国や県が中心となり計画策定を進めていると聞き及んでいますが、本市として有事の際における住民の避難の基本的考え方と
取り組み状況、課題について伺います。
第二は、最悪のシナリオを想定した場合には、市外や県をまたいだ広域的な避難の必要性が出てくるわけですが、この際の宮城県及び本市の避難の
基本的スタンスはどのようになっているのか伺います。
第三は、受け入れ市である石巻市と東松島市との協議及び協定等はどのようになっているのか、あわせて課題についても伺います。
この際、計画にある
受け入れ人数、石巻市四万六百五人、東松島市二万四千二百人はどのような考え方により示されているのか伺います。一人でも計画人数を超えたら受け入れできないということなのでしょうか。
第四は、
受け入れ避難所となる施設は、計画上、本市が保有する施設となっておりますが、予備の施設を含めて具体的に調整、確保されておられるのか伺います。
質問の最後は、この避難計画を実効性あるものとするためには、平素から市民、関係機関等への周知と訓練が重要と考えますが、具体的な取り組みについて伺います。
次に、
エネルギー自治による地域の活性化について伺います。
行政が地域内のハブ機能となり、産業、雇用を創出することにより、住民の福祉の増進を図るための
エネルギー事業、いわゆる
エネルギー自治について伺います。
さきの大戦の開戦理由は、我が国がアメリカに大半を依存していた油、
エネルギー源を絶たれたことによると言われております。この本会議場も電気がついておりますが、今も昔も、世界とのかかわりの中で、エネルギーがなければ何もできない、始まらない社会構造にあります。
経済産業省によると、我が国の
エネルギー自給率は、大震災前は約二二%であったのに対し、二〇一六年度には約八%となり、主要国の中で第三十四位となっております。第一位のノルウェーは約七〇二%、第七位のアメリカにあっては約九二%の自給率であります。
我が国の
エネルギー海外依存九割については、我々国民一人一人から多額の血税が投入され、海外から石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料の輸入に頼っております。
エネルギー安全保障の観点からも憂うる事態であります。
我が国は、有史以来、初めて経験する少子高齢化と人口急減といった社会構造の変化を受け、地域における経済環境はますます厳しさを増しております。一方で、特に東北地域には豊かな自然があり、環境に優しく、
エネルギー自給率に貢献できる
再生可能エネルギー資源、再エネ資源である太陽光、地熱、水力、風力、
木質バイオマスなどは豊富にあります。
二〇一四年の再エネ技術白書では、再エネの導入拡大は、
エネルギー源の多様化による
エネルギー安全保障の強化や、低炭素社会の創出に加え、産業の創出、雇用の拡大の観点から重要であり、地域の活性化に寄与することが期待されていると述べております。
我が国の
エネルギー政策は、二〇〇二年施行の
エネルギー政策基本法に基づき推進しており、この夏、三年に一度改定される
エネルギー基本計画の策定に向け議論が活発に行われており、中でも
再生可能エネルギーの導入は最重要の論点となっております。先月には
エネルギー基本計画案が示され、
パブリックコメントは一昨日終了しております。
政府も、昨年十二月、人口急減、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し、政府一体となり取り組み、各地域の特徴を生かした自立的で持続可能な社会をつくることを閣議決定しました。この政策目標のトップには、地方に仕事をつくり安心して働けるようにすることを掲げております。仕事があって人が集まり、人の営みがあるところにまちができる。私は、まち、ひと、しごとではなく、しごと、ひと、まちの順番に捉えるようにしております。地域にとって好循環を生む再エネを積極的に取り込むことが望まれます。
本市を見渡すと、防災・減災の観点からのエネルギーにかかわる計画や取り組みはありますが、産業、雇用の創出の観点からの
エネルギー政策がないように感じられます。
そこで、三点伺います。
第一は、先月十六日に国から示された
エネルギー基本計画案に対する所見、あわせて、本市としてこの計画案に対する
パブリックコメントへの対応状況について伺います。
また、昨年七月に指定都市の市長で構成する
自然エネルギー協議会から
内閣総理大臣宛てに出された提言がどのように計画に反映されたのか伺います。ちなみに、主な提言項目は三つで、一つ、
自然エネルギーの最大限の導入に向けた目標値の設定、二つ、
自然エネルギーの最大限の導入に向けた対策、三つ、水素社会の実現となっております。
質問の第二は、平成十四年に施行された宮城県
自然エネルギー等・
省エネルギー促進条例の中の第四条、市町村の責務となっている積極的な再エネ、省エネを導入することについて、本市の
取り組み状況と課題、今後の方向性について伺います。
第三は、住民の税収のみに頼らない、稼ぐ、歳入をふやすという観点から、再エネを導入した、行政ハブ機能型の地産地消による産業、雇用の創出のための
エネルギー自治を推進することについて政策提言するものですが、見解を伺います。特に本市は森林が六割以上を占めており、
木質バイオマスを
エネルギー資源として活用すれば、林業などの振興にもつながります。
エネルギー自治に取り組んでいる先進の他都市の事例としては、成田市、横浜市、泉佐野市、北九州市、飯田市などがあります。群馬県中之条町は、独自の条例により、行政がハブ機能となり、町が一丸となって取り組んでおります。東北地域においても、各県内の二ないし三つの市町村が再エネ事業を推進しております。お隣、富谷市においても、太陽光や水素、バイオマスなどを総合計画に盛り込み、鋭意取り組みを始めました。
また、海外に目を転じれば、ドイツの人口二十万人規模のフライブルク市は、売った電気の収入を赤字の
公共交通事業に補填している事例もあります。
先進事例の教訓を生かし、本市の特性を踏まえ、東北の経済を先導する仙台市として研究、検討することを期待するものであります。
最後に、蒲生地区の
貞山運河跡地の保存、活用について伺います。
貞山とは、伊達政宗公の法名、おくり名であります。宮城県土木部河川課が発行する平成六年度歴史のかおる
運河整備計画編集委託報告書によると、貞山運河は約四百六十年前の慶長二年から明治十七年にかけて建設され、旧北上川河口から阿武隈川河口までを結ぶ、北上運河、東名運河を合わせて総延長約四十六・四キロメートルの全国一長い運河であります。
さきの
東日本大震災においては、
七北田川下流域周辺、特に仙台荒浜・蒲生地区の太平洋沿岸は、まちそのものが消滅するほどの壊滅的な被害を受けました。この間、本市は、地域、国、県とともに復旧、復興に尽力されてきました。改めて敬意を表するものであります。
また、宮城県においては、平成二十五年五月に策定された
貞山運河再生・復興ビジョンの中で、仙台港建設に伴い失われた御舟入堀の一部や舟溜等の遺構の復元に向けた社会的機運の高まりを期待し、関係機関との連携を図ることとしております。
現在、本市の七北田川左岸の蒲生地区では、
集団移転跡地の利活用ということで立地事業者の公募が始まっております。
この貞山運河、御舟入堀や舟溜は、仙台藩の物流の歴史を物語る重要な歴史遺産であり、当時の土木技術を含め、歴史や文化がよみがえる心のふるさととして、何らかの形で未来に残し、受け継いでいかなければなりません。
そこで、二点の質問です。
第一は、この仙台市にかかる貞山運河は、歴史的遺産を生かしたまちづくりの観点からどのように位置づけられておられるのか、あわせて、現在の
取り組み状況と今後の方向性について伺います。また、今年度から手がけている
本市次期総合計画にはどのように位置づけられていくのか伺います。
質問の最後は、
貞山運河跡地の御舟入堀は緑地として保存する予定とのことです。これと一体となって機能を果たしてきた舟溜跡地の保存、活用並びに関連道路の整備について、住民などから要望を受けているところですが、現在進行中の
土地区画整理事業に影響を及ぼさない範囲で、例えば銘板を設置するなどさらに創意工夫することを提言するものですが、見解を伺います。
以上、当局からの前向きな答弁を期待して、第一の質問を終了します。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
7: ◯市長(郡和子)ただいまの
松本由男議員の御質問にお答えを申し上げます。
被災地の復興支援を継続していくための今後の取り組みについてのお尋ねでございます。
まずは、昨日の朝、大阪北部を震源とする地震によりまして、四人の方々がお亡くなりになり、またけがをされた方も多数に上っております。改めまして、心から御冥福と、そしてお見舞いを申し上げます。
仙台市といたしましても、本日の朝、先遣隊を派遣させていただいたところでございます。
今回の大阪の地震に限らず、他都市などでの大規模な災害が発生した際に、本市がその被災した自治体の立場に立った支援を行うためには、震災対応のノウハウや技術などを次の世代の職員にしっかりと継承していくということが重要だというふうに思っております。
このため、このたび策定いたしました応援計画におきましては、各局区などが仙台市危機管理・
防災研修訓練プログラムに基づきまして、体系的、計画的に研修などを行うことにより、
災害対応能力を有する人材を幅広く育成し、本市が応援活動を持続的に実施できるよう定め、今年度から取り組みを始めたところでございます。
今後とも被災地のニーズに応じた支援が積極的に展開できますよう、
東日本大震災の対応で得たスキルの維持継承に向けまして取り組んでまいりたいと、このように思っております。
そのほかの御質問につきましては、交通、水道、ガスの各
事業管理者並びに関係局長から御答弁申し上げます。
私からは以上でございます。
8:
◯危機管理監(佐々木淳一)私からは、災害時受援、応援計画と
業務継続計画との連携及び
原子力災害対策について、市長のお答えした以外の数点につきましてお答え申し上げます。
初めに、市民防災の日
総合防災訓練の評価についてお答えをいたします。
本市におきましては、震災の風化が懸念されていること等を踏まえ、昨年度より、訓練内容の見直しを行い、より多くの市民の皆様に御参加をいただけるよう、
シェイクアウト訓練と呼ばれる
市民参加型訓練を導入いたしますとともに、あわせて、自衛隊や消防などの
防災関係機関等の
応急対策業務に関する連携の確認を目的とする実動訓練を実施いたしております。
今年度の
シェイクアウト訓練には、昨年度比一万五千人の増となる約五万七千人の市民の皆様に御参加をいただき、また、実動訓練につきましても、昨年度を上回る関係機関や災害時の
応援協定締結団体などに御参加をいただき、新たな訓練も導入するなど、広がりも出てまいりました。
これらの訓練を通じ、市民防災の日が、多くの市民の皆様や関係機関が自助、公助の取り組みを改めて確認いただく機会となってきているものと、そのように考えております。
次に、原子力対策における住民避難の基本的な考え方と
取り組み状況及び広域的避難についてお答えを申し上げます。
本市は、女川原子力発電所から三十キロ圏外に位置しておりますことから、
原子力災害対策特別措置法に基づく計画の策定を求められる地域ではございませんが、原子力災害が発生した場合には、影響が広域に及ぶ可能性があるという認識に立ち、平成二十六年四月に
地域防災計画、
原子力災害対策編を策定し、避難に関する事項も含め、本市の
原子力災害対策の基本となる内容を定めたところでございます。
さらに、放射性物質の大量放出に伴う被曝対策の優先度が高いことを踏まえまして、本年四月には、屋内退避及び一時移転の方法等の詳細について計画への記載を追加したところでございます。
また、市の計画では、空間放射線量が基準値を超え、市外への一時移転が必要となった場合、移転先を県と協議することとしておりますが、県は三十キロ圏外の地域の移転先などについて示していない状況でございますことから、具体的な対策を示すよう国や県に求めているところでございます。
次に、石巻市と東松島市からの避難者の受け入れに関し、協定や
受け入れ施設の状況等についてお答えをいたします。
石巻市及び東松島市とは平成二十九年十二月に原子力災害の発生時等における広域避難に関する協定を締結し、本市の施設が使用可能であることなどを前提に、両市から避難者を受け入れることとしております。
受け入れ人数につきましては、
受け入れ先自治体の規模等を勘案して県が調整して定めたものでございますので、避難元自治体の状況等の変化により
受け入れ人数の大幅な変更が必要となった場合には、県に再調整を求めてまいりたいと考えております。
また、広域避難者を受け入れる施設につきましては、本市の指定避難所は使用しないこととしており、施設を所管する部局と調整の上、体育館等の大
規模市有施設や
市民センター等を確保しているところでございます。
最後に、計画の実効性を確保するための周知や訓練についてお答えいたします。
原子力災害も含め
地域防災計画の実効性を確保するためには、市民の皆様への啓発や関係機関と連携した訓練が何より大切であると認識をいたしております。
このことから、九月から配布を予定しております今年度版の
仙台防災タウンページにおきまして、原子力災害についても記載するよう準備を進めているところでございます。
また、県が三十キロ圏内の市町を対象に毎年開催しております訓練を参観しているほか、本市におきましても、東北電力との協定に基づき通報連絡の円滑な実施に関して連携の強化を図るための連絡会を開催するなどの取り組みを行っているところでございます。
今後も、平素から市民の皆様への啓発や関係機関と連携した訓練等に取り組んでまいりたいと存じます。
以上でございます。
9:
◯まちづくり政策局長(福田洋之)私からは、エネルギーに関する御質問にお答えをいたします。
まず、国の
エネルギー基本計画案に関するお尋ねでございます。
現在見直し中の
エネルギー基本計画案には、安全性、環境配慮、経済効率性、安定供給といった原則のもと、二〇三〇年における需給見通しや、二〇五〇年を見据えたパリ協定への対応、
再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取り組みなどが掲げられております。
本市としては
パブリックコメントによる意見提出は行ってはおりませんが、これまで本市を含む
指定都市自然エネルギー協議会が国に提言してまいりました地産地消型の
分散型エネルギーの普及拡大や、二〇三〇年に向けて
再生可能エネルギーの割合を高めることなどの項目が反映されているものと認識をしております。
次に、本市の再エネ、省エネの
取り組み状況と課題等についてのお尋ねでございます。
再生可能エネルギー導入の取り組みにつきましては、公共施設における
太陽光発電システムの設置や、風力、水力、地中熱の活用を行っており、また、
省エネルギーの取り組みにつきましては、高効率エアコンやLED照明といった省エネ機器の導入などを行っております。
再生可能エネルギーにつきましては導入が進んでいる一方、
省エネルギーに関しましては、庁舎等の電気使用量が震災前の水準を上回っているということが課題となっておりまして、今後とも、ハード、ソフト両面から再エネ、省エネの取り組みを進めてまいりたいと存じます。
最後に、
エネルギー自治に関するお尋ねでございます。
本市が
エネルギー自治の主要な取り組みとなる電気事業を実施することは、事業採算性や立地場所等の考慮すべき課題がさまざまあると認識をしておりますが、環境負荷低減や防災性などの観点も踏まえますと、
再生可能エネルギーの利活用というものは重要なものであるというふうに考えております。
今後とも、仮想発電所の
実証プロジェクトや
エコモデルタウン事業などに取り組むことはもとより、先進事例なども参考にしながら、市民、事業者の皆様とともに
再生可能エネルギーの利用推進に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
10: ◯経済局長(遠藤和夫)私からは、経済局における
業務継続計画についてお答えいたします。
災害発生時において経済局では、避難所運営のほか、市内の商工業者や農業施設等の被害状況の把握、事業再開、継続に向けた支援、離職を余儀なくされた方の雇用対策などを行うこととなっており、復旧段階に応じて的確に対応することが求められております。
あわせて、救援物資の受け入れや管理、各避難所等への配送を担っており、迅速な物資集配の実施が課題であると考えております。
経済局といたしましても、
総合防災訓練において
物資集配訓練を実施するとともに、計画につきましても毎年度必要な見直しを行っており、
業務継続計画の実効性の維持、向上に努めてまいります。
以上でございます。
11:
◯都市整備局長(小野浩一)私からは、貞山運河の舟溜跡地の保存、活用等に関するお尋ねのうち、銘板の設置等についてお答えいたします。
貞山運河は未来に向けて受け継いでいくべき重要な歴史遺産であると認識しております。
舟溜跡地を保存、活用するための関連道路整備につきましては、現在進めている
土地区画整理事業の影響を考慮しますと、新たな道路を計画するということは難しいものと考えております。
しかしながら、当時の石積みが地中保存されますことから、その場を訪れ往時の舟溜の状況に思いをはせることができますように、銘板の設置などを含め、関係部署と連携しながら検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
12: ◯建設局長(小高睦)私からは、貞山運河の位置づけに関するお尋ねにお答えをいたします。
貞山運河は、河川管理者である宮城県において、
貞山運河再生・復興ビジョンの基本目標に、地域にとって誇りある歴史的な運河群の再生として位置づけられ、復旧工事が進められております。
本市におきましては、海岸公園復興基本計画の中でカヌーやボート遊びなどに利用できるような親水空間として位置づけており、運河沿いに桜を植樹するなど整備を進めることとしております。
今後、次期総合計画やみどりの基本計画の策定を進めていく中で、こうした緑豊かな自然環境と歴史的遺産から成る親水空間のあり方について検討してまいりたいと考えております。
13: ◯宮城野区長(小林仁)
業務継続計画についてお答えいたします。
宮城野区を含め各区役所におきましては、
東日本大震災の経験と教訓を踏まえ、戸籍や生活保護の窓口など市民生活への影響が大きい業務を優先的通常業務と位置づけ、避難所の運営などの災害対応業務とあわせ、組織的に実行できるよう計画を策定しているところでございます。マンパワーの確保が課題となりますことから、毎年度当初、各課公所の担当業務や職員の配置状況を考慮し、最適なバランスとなるよう見直しを行っております。
また、各区で策定している危機管理・防災訓練実施計画に基づき、職員研修や風水害図上訓練などを行っているところであり、今後とも職員の危機対応能力の向上に努めてまいる所存であります。
以上でございます。
14: ◯教育長(佐々木洋)私からは、貞山運河の舟溜跡の保存、活用についてお答えいたします。
現地での発掘調査からは、この舟溜跡が江戸時代に仙台城下への物資輸送のため設置された重要な遺跡であることが判明いたしましたが、発見された石積みは、石材の劣化や浸水の危険性があることから、地中に埋め戻した上で保存することとしております。
蒲生地区に残された江戸時代の歴史遺産を広く知っていただくことは大切なことと認識しておりますので、今後、写真や出土品などを活用した展示を行うなど、市民の皆様が貴重な歴史に触れる機会をふやすよう努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
15: ◯交通事業管理者(加藤俊憲)交通局の
業務継続計画についてお答えいたします。
交通局におきましては、局の防災実施計画において、発災後の組織や対応など業務継続のために必要な事項を定めております。
発災直後にバス、地下鉄を御利用の皆様の安全を確保すること、そして、市民の足であるバス、地下鉄の運行を早期に再開することが最優先の業務であり、そのために、駅間に車両が停止したことを想定した避難誘導訓練や交通局総合
災害対策本部の運営訓練など、お客様に安心してバス、地下鉄を御利用いただけるよう、毎年設定を変えて訓練を実施しているところでございます。
以上でございます。
16: ◯水道事業管理者(板橋秀樹)私からは、水道局に係る
業務継続計画についてお答えを申し上げます。
ライフラインの確保を使命とする水道局におきましては、災害時対応業務とBCPの非常時優先業務は一体でございまして、毎年実態に合わせてその見直しを積み重ねてきてございます。
課題といたしましては、職員の技術継承に加え、他都市との応援、受援の際には、水道施設や消火栓設備の違いなど、現地の実情を事前に把握することが挙げられます。
こうした観点から、水道局におきましては、毎年、東北各都市との訓練を実施しているほか、札幌市、東京都、新潟市など広域的な他都市との訓練を協定に基づき実施しており、職員の災害対応力強化とあわせて応援、受援体制の充実を図っているところでございます。
以上でございます。
17: ◯
ガス事業管理者(氏家道也)ガス局におきましても、非常時優先業務実行管理表に基づきます
業務継続計画を策定しておるところでございます。
災害時におきましては、日本ガス協会に所属する他事業者の応援を得て復旧業務に当たることとしており、また、災害拠点病院など重要施設におきましては、臨時の供給設備を設置するなど、優先的にガス供給を行うなどの対応を行うこととしております。それらの対応に備え、局においては毎年定期的に災害対応訓練を実施しておるところでございます。
以上でございます。
18: ◯議長(斎藤範夫)次に、やしろ美香さんに発言を許します。
〔二十番 やしろ美香登壇〕(拍手)
19: ◯二十番(やしろ美香)自由民主党のやしろ美香です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問いたします。
本市におけるICTの利活用推進は、平成二十八年に策定された仙台市ICT利活用方針二〇一六─二〇二〇をもとに、全庁的に取り組んでおられるものと思います。本年、平成三十年は実施期間の中間年に当たり、ちょうど折り返しの時期を迎えております。
今、この利活用方針を読み返してみると、策定の背景になっているブロードバンド利用可能世帯数の推移、情報通信端末の世帯保有率の推移など、各項目に登場してくる単語に懐かしさすら感じます。ドッグイヤーと言われるICTの進化の速さは、一時代を築いたガラケー、iモードの時代から、iPhoneやアンドロイドと呼ばれるスマートフォンの時代になってしまいました。仙台市の方針が一昔前のものに感じられます。まずはその技術の進歩に行政が追いついていけるのか、そこが一番の課題ではないかと思います。
これまで教育の情報化に関する質問をたびたびさせていただいておりますが、そのベースとなる国における情報化のガイドラインは、初めは文科省、続いて総務省から出されました。そして、今日では、AIを含めた新たな教育に関する報告書が経済産業省から出される時代になりました。これは、文科省の教育によって使い方を教える段階、総務省によって環境を整備する段階、そして経産省によって技術を活用する第三フェーズを迎えたと言えると思います。
このたび経産省の報告書に挙げられたエドテックと呼ばれる新しい教育システムは、エデュケーションテクノロジー、すなわち教育技術です。
例えば日本人が苦手とされる英語のヒアリング、スピーキングですが、エドテックを導入すれば、ロボットがネーティブレベルの発音で教えてくれます。科学の授業は、ARやVRとの組み合わせによって実体験しているかのような学習も可能になります。自分が宇宙飛行士になって宇宙の果てを目指すことも可能ですし、海の中を泳ぎ回ることも、かつての名作映画、ミクロの決死圏のように人体の中を探検することも可能です。勉めて強いる勉強の時代から、楽しみながら学ぶ楽学の時代になります。教育がエンターテインメントとして成立する新しい時代が来ます。楽しいことは子供たちも熱心に取り組むでしょう。
このようなエドテック導入によって、今の教育システムでは想像できない可能性が広がります。AIを導入することで、児童生徒一人一人の学習の状況をデータ化して分析し、能力に応じて年齢の異なる子供たちが一緒に学習できる場を提供することができるようになります。
三十人の生徒に対して三十人の家庭教師がいると考えてください。しかも、その家庭教師は担当の子供全てのデータを把握しています。つまり、その子供専用の教育カリキュラムがつくられるということです。
子供は自分のペースで学習することができるようになります。AIは、児童生徒の得意と不得意を正しく見きわめ、弱点を見つけて補習授業をやってくれます。九九がわからないのに割り算を教えられることはありません。分数の意味がわからないのに分数の掛け算をやることもなくなります。子供のそのつまずきの石を自分の力で取り除けるように教えてくれます。
教育へのAI導入は子供たちにとっても十分メリットがありますが、教師たちにも大きなメリットがあります。その子供専用の教育カリキュラムをAIがつくってくれますから、教師の負担は大きく軽減されることになり、教師は人間としての教育を行う余裕が持てるようになるでしょう。
世界の先進国は既にこのステージにあります。翻って、我が日本、仙台市の状況はいかがでしょうか。学校教育においてAIを活用していくことも、近い将来、現実になるものと考えますが、まず現在の学校における教育の情報化の状況について確認しておきたいと思います。
私は、かねてから教育の情報化を進めるように提案してまいりました。仙台市も、ようやく小中学校において児童生徒が使用するタブレット端末の導入を開始いたしました。
しかしながら、ただ導入すればいいというものではありません。適切に活用できるように進めるために環境整備を行うとともに、授業において効果的に活用できるよう、教員の指導力の向上を図っていく必要があります。これらのことについてどのように取り組んでいるのか伺います。
IT活用によって、よりきめの細かい教育システムが可能になります。クラス全員が同じことをやらなければならない現在のシステムでは無理だったことも、AIやエドテックを導入することで、子供たち一人一人の能力や適性に応じて個別最適化された学びを実現することができます。このような学びのあり方についてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
続いて、Society5.0についてお伺いいたします。
内閣府総合科学技術・イノベーション会議が発表したSociety5.0という新しい概念があります。Society5.0とは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな経済社会です。その新しい社会とは、サイバー空間とフィジカル空間が融合し、地域や年齢、性別、言語等による格差のない、多様なニーズ、潜在的なニーズに対応したモノやサービスにより新たな経済的発展と社会的な問題の解決が図られ、快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることができる人間中心の社会とされ、今後の日本が目指す方向を明らかにしたものです。
先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、さまざまな社会課題を解決するSociety5.0を実現するためには、さまざまな産業分野に新しい人材が必要になります。その人材を育成するためには、子供たちだけではなく、社会人にも新しい教育が求められていくということにもなります。
このSociety5.0の実現に向けて、仙台市はどのようにかかわっていくおつもりなのかお答えください。
以前、就職マッチングにAIを導入してはどうかと提案しましたが、全ての市役所業務についてAI導入が可能かどうか、過去にシミュレーションを行ったことはありますでしょうか。あれば、結果をお知らせください。なければ、今後の予定をお伺いいたします。
Society5.0の実現を目指し取り組んでいく自治体として、私は、仙台市は最適な都市ではないかと思います。例えば、仙台市はオープンデータの取り組みを行っていますが、AIを活用したデータ分析について、東北大学を初めとする大学との連携が可能と思います。大学は研究するのが仕事です。ぜひとも大学本来の仕事をさせてあげてください。仙台市には数多くの大学が存在し、また大学のネットワークもあります。最近では各種の専門学校も充実しています。学都仙台は帝大時代からの呼び名ですが、仙台市のブランドとしてこれを活用しない手はないでしょう。
ICT利活用方針では、これまでに取り組んできた市民サービスの向上とともに、魅力あるまちづくりを支えるという視点が加えられました。Society5.0の実現は仙台の魅力をさらに引き出すと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
続いて、障害者雇用についてお伺いいたします。
ことし平成三十年四月一日から障害者の法定雇用率が引き上げになりました。民間企業においては二%が二・二%に、国や地方公共団体は二・三%から二・五%に、都道府県等の教育委員会は二・二%が二・四%と引き上げ、率が上がりました。
また、対象となる事業者についても、従業員数五十人以上だったものが四十五・五人以上になり、新たに引き上げの対象となる事業所もふえました。
今後三年以内に民間の法定雇用率は二・三%に引き上げられ、対象事業所の従業員も四十三・五人と拡大します。
まず初めに、現時点での仙台市内の民間企業の状況について、どの程度の障害者が雇用されているのか、事業所数と雇用されている障害者の人数についてお知らせください。
今回の雇用率引き上げで新たに雇用主となる事業者の把握はなされているか、また、新たな事業者へのアプローチについてお答えください。
障害者とは何かを論ずるつもりはありません。例えば運悪く交通事故に巻き込まれて車椅子生活になる方もいらっしゃいますが、障害を負ったからといって、それ以前に培ってきたスキルまで失うわけではありません。
また、脳科学の研究によれば、生まれつき障害を持っている方の脳は、本来使われるはずだった領域が別のことに使われることがあるために、特殊な能力を持っている場合があるそうです。例えばアスペルガー症候群においては対人関係が苦手ですが、興味を持つものに対しての集中力は常人をはるかに凌駕します。
企業によっては、障害の特性を考慮した作業工程や施設をつくり、成果を上げている事例があります。障害の特性を理解したやり方がわかれば雇用率が上がるのではないかと思いますが、現状、市役所において、障害者の配置について何か配慮がなされているか、お答えください。
キリスト教社会には、神がつくられたものには意味があるという考え方があります。障害も神が与えた特別なものという認識は我が国に最も欠けている部分かもしれません。今後も障害者に対しての十分な心配り、そんたくをお願いして、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
20: ◯市長(郡和子)ただいまのやしろ美香議員の御質問にお答えを申し上げます。
Society5.0について、大学、研究機関との連携に関するお尋ねがございました。
近年、人口減少や高齢化などによって複雑さを増す地域課題について、大学、研究機関、企業、行政など多様な主体が保有する膨大なデータをオープンデータとして共有しながら、AIなどの活用により課題解決を目指す取り組みが注目を集めております。
本市におきましても、現在、産学官の連携によって、保有するデータを効率的に共有、活用できる仕組みづくりに向け、データ連携の可能性や課題などについて調査、検討することとしております。
今後、国などの動向も留意しながら、学都仙台の知的資源やICT企業のノウハウなどを十分に生かして、ICT、AI、IoTなどの技術を効果的に活用した市民サービスの向上に取り組んでまいりたいと思います。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。
21: ◯総務局長(芳賀洋一)私からは、本市における障害のある職員の配置上の配慮についてお答えを申し上げます。
障害のある職員の配置に当たりましては、職員が従事可能な業務内容や、通勤手段、職場での執務スペース等について確認をしております。
その上で、所属長に必要な情報を伝え、配慮を依頼するとともに、職員の障害の状況に応じ、例えば拡大読書器のような執務時の補助器具を導入するなど、障害の特性を踏まえた配慮を行っているところでございます。
私からは以上でございます。
22:
◯まちづくり政策局長(福田洋之)私からは、Society5.0に関する御質問のうち、本市業務へのAI導入についてお答えをいたします。
人工知能、AIは製造業などさまざまな分野で導入が進んでおり、行政分野におきましても、AIの利活用の試行に取り組む自治体が出てきております。
本市におきましても、本年二月から三月にかけて、職員を対象として、市役所業務に関する問い合わせにAIが応答するサービスの実証実験を実施したところでございまして、利用アンケートからは、改善を求める声もあった一方、その利便性に期待する回答が多くございました。
AI技術は日進月歩の状況にあり、将来的にはさまざまな行政分野への利用可能性が高いものと認識をしておりまして、引き続き、技術上の課題はもとより、費用対効果や情報セキュリティー保護などについて先進事例の調査に努めながら、導入に向けた検討に取り組んでまいりたいと存じます。
以上でございます。
23: ◯健康福祉局長(舩山明夫)私からは、本市の民間企業におきます障害者雇用の状況などについてお答えをいたします。
障害者の雇用状況につきましては、宮城労働局が公共職業安定所の管轄区域別に毎年度公表しており、仙台管区の平成二十九年六月一日現在の数字で申し上げますと、障害者を雇用している企業は八百五十社、雇用されている障害者は三千十四人となっております。
このたびの制度改正により新たに障害者雇用が義務づけられる企業につきましては、平成三十年六月一日現在の調査が公表される来年一月ごろの時点で明らかになるものでございます。
市内企業の障害者雇用促進のためには、業種別、規模別の雇用状況を分析した上での対応に加えまして、新たに雇用義務が生じる企業へのアプローチが効果的と考えております。
今後、宮城労働局や宮城県と連携した企業への働きかけを継続いたしますほか、障害者雇用の好事例などを企業向けに紹介するセミナーにおいて設けております個別相談会の場の活用などにより、より多くの障害者の雇用につなげてまいりたいと存じます。
以上でございます。
24: ◯経済局長(遠藤和夫)私からは、Society5.0の実現に向けた産業分野における人材育成についてお答えいたします。
Society5.0では、AI、IoT、ロボット、ドローンなどの先端技術の活用により、新たな価値の創出やイノベーション実現に貢献できる人材が今後ますます必要になるものと認識しております。
現在、東北大学や大手IT企業との連携、協力により、ドローンによる防災・減災や自動運転の実証実験などを進めております。こうした取り組みを広く発信するとともに、若者や社会人を対象に、Society5.0が実現する社会への理解を深め、問題解決能力や必要な技術力向上を図る機会の創出につきまして、地域の教育機関やさまざまな分野の業界団体、民間企業と協働し、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
25: ◯教育長(佐々木洋)私からは、ICTと教育に関してお答えいたします。
初めに、学校における教育の情報化の取り組みについてでございます。
新学習指導要領が平成三十二年度から小学校、平成三十三年度から中学校において全面実施されるのに合わせ、本市の小中学校では、タブレット端末の導入を進めるとともに、どの教室でも使えるよう無線LAN環境も整備しております。
加えて、ICT環境を活用した主体的で対話的な深い学びの実現に向けての実践研究や、教員の指導力向上を図るための機器の操作活用研修、学校へのICT活用のための支援訪問に取り組んでいるところでございます。
今後も、新たな時代を生きる人材の育成が図られるよう、学校におけるICT環境の整備や教員の指導力向上に一層努めてまいりたいと存じます。
次に、AI等を活用した学びのあり方についての御質問でございます。
46: ◯環境局長(遠藤守也)本市に交付されたみやぎ環境税によるこれまでの実施事業費につきましては、約五億九千八百五十万円余りとなっております。
以上でございます。
47: ◯議長(斎藤範夫)次に、野田譲さんに発言を許します。
〔四十三番 野田譲登壇〕(拍手)
48: ◯四十三番(野田譲)自由民主党の野田譲です。
私からも、昨日の大阪北部地震の被害でお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りいたします。
一般質問を行います。
初めに、東北放射光に関して数点お尋ねいたします。
本定例会では代表質疑や一般質問で東北放射光に関する質疑があり、これは、放射光施設整備への立候補地が仙台、青葉山地区だけであり、間もなく文部科学省の小委員会で立地が決定される見込みであることから、改めて放射光施設の持つ多面的で大きな効果が議会の中でも理解されるようになったものと認識しております。
今回の放射光施設誘致の主体であり、施設設置後は運営主体となることが想定されている一般財団法人光科学イノベーションセンターの高田理事長、東北大学教授であり、東北大学総長特別補佐も担っておられる方でありますが、この高田教授とともに、私は五年ほど前から、兵庫県の放射光施設SPring-8の現状、次世代型放射光施設の勉強会に参加してまいりました。この勉強会には後に奥山前市長にも参加いただき、施設誘致の意義について共有してきたところであります。
震災後、大郷町、丸森町、松島町などが放射光施設の誘致に動く一方、仙台市は、ひとり勝ちとの批判もあって、放射光施設の誘致に名乗りを上げられませんでした。そのため、仙台市にかわって東北大学が仙台、青葉山キャンパスへの誘致に動き、仙台が候補地になったというのが実態であります。
放射光の誘致に継続的にかかわってきた私からすれば、仙台市は放射光に関しては後出しと言われてもやむを得ない面もあるのです。その意味では棚ぼたを手にした放射光なのでありますから、誘致が決定した暁には、その経済的な効果を、仙台はもとより宮城、東北へと波及させる責任があるものと考えております。
そもそも放射光の意義やこれまでの経過に立ち返って、数点にわたりお尋ねしてまいります。
放射光施設は、加速した電子を磁場の力で曲げる際に発生する放射光を利用して、物質の構造を原子レベルで解析する巨大顕微鏡であります。燃料電池、電子製品、創薬など幅広い分野に関連し、我が国がものづくりや先端産業で世界をリードしていくために不可欠な研究基盤と言われております。
近年、世界各国では性能の高い放射光施設の建設が相次ぐ一方、我が国では、約二十年前に兵庫県に整備されたSPring-8以降、大規模な放射光施設整備はなく、日本の産業振興上の課題の一つとなっていたとのことであります。
国は、次世代放射光施設整備を進めることにより、我が国の研究開発や産業競争力の向上に寄与すべく、今回の施設整備を企画し、これに対し、現在、一般財団法人光科学イノベーションセンター、東北大学、東北経済連合会、宮城県に仙台市も加わって、東北大学青葉山キャンパスへの施設整備に向け、地域一体、産学官連携で取り組んでいるところであります。
このように、国家レベルで研究開発や産業に大きな意義を有する放射光施設の仙台誘致については、本市のまちづくりや特に東西線沿線の魅力づくり、そして、仙台、宮城、東北の産業活性化にとって極めてインパクトが大きく、ぜひ誘致を実現すべきものと考えております。
我が会派の代表質疑において、本市の施設整備に関する負担の概要についてお尋ねをいたしました。これに対し当局は、従来からの企業誘致施策として用いてきた固定資産税、都市計画税のキャッシュバックに加え、国関連の制度を利用した無利子貸し付け及び加入金取得により、本施設の誘致を確かなものにしていくと答弁されました。
このことについては、その経済効果やまちづくりに与えるインパクトとのバランスが図られているかが問われるところと考えますが、私としては、この施設の生み出すさまざまな波及効果を勘案すれば、今回の支援内容は適切なものと考えます。
そこで、まず、本施設整備により、仙台市あるいは宮城、東北にとって大きな経済効果と雇用、知的人材の交流人口拡大が期待できると思いますが、概算でどのくらいの効果を見込んでいるのか伺います。
仮に一時的に大きな負担をしても、このようなインパクトのある施設については積極的に誘致に取り組み、人口減少など厳しさを増す時代に、地域に持続的な成長の種をまき続けることが政治に求められていると考えております。その意味から、今回の当局の判断や姿勢については高く評価をするものであります。
経済的な視点、まちづくりの視点から、本施設に対しどのような期待をしているのか、これをどのように生かしていくお考えなのか、お伺いいたします。
また、加入権取得には年二百時間程度の施設優先使用権というボーナスが発生するとのことですが、これなどもうまく活用して、地元企業の育成に資するような取り組みを求めるものでありますが、この点に係る現時点でのお考えをお聞かせください。
本施設の整備予定地である東北大学青葉山キャンパス地区は、もとはゴルフ場だった場所を東北大学が買い取り、青葉山の豊かな自然環境を生かしつつ、高度な学術研究、交流機能の導入を図ることにより、杜の都にふさわしい環境調和型キャンパスの実現を目指すこととして、平成二十二年、都市計画上の用途地区として準工業地域に指定され、地区計画条例により大学や研究所など建築用途制限などを実施してきました。
震災などの影響もあって、残念ながら産学の研究機関の集積を目指したサイエンスパークに向けた動きはとまっていたところですが、都市計画上、この場所に対してどのようなまちづくりが進むことを期待してきたのか、これまでの取り組みや経過も含めて伺います。
国による本施設の整備計画によれば、放射光施設整備地区周辺には、サイエンスパークと同じような狙いのあるリサーチコンプレックスの形成を目指すこととされております。SPring-8は兵庫県の山深い地域にあるため、研究者が訪問すること自体が大変で、研究機関が集積するには困難な場所であります。
一方、今回の候補地、東北大学青葉山キャンパスは、仙台駅から東西線青葉山駅まで九分と利便性の高い場所に位置し、サイエンスパークゾーンとして放射光施設を拠点とした本格的な開発が期待されるところであります。
東京から九十分で到着する百八万都市仙台、杜の都仙台のすぐれた都市環境、学都として多くの若者を有する仙台は、震災以後、特にICTやウエブデザイン、コールセンターなどの都市型産業の企業誘致において、他地域に劣らない実績を挙げております。
ここ五年間の企業誘致実績の変遷と、企業が仙台に進出をしてきている理由についてお示しください。
次に、次世代型放射光施設という、研究開発面でも産業競争力強化という面でも非常に効果の大きい企業が進出する場合、今後の本市の企業誘致にどのような影響を及ぼすと期待しているのか、どの程度の企業、研究機関の集約を目指しているのか伺います。
リサーチコンプレックスの形成に向けては、ひとり仙台市だけではなく、東北大学や宮城県、地域企業などとの産学官連携による誘致の取り組みが重要と考えますが、どのように取り組んでいくお考えか伺います。
あわせて、次世代放射光施設と地域企業の関係について、地域企業が放射光を利活用し、自社の製品開発等に役立てることはもとより、リサーチコンプレックスで誘致、集積した企業と仙台、東北の地域企業がうまく連携することにより、幅広い経済効果が期待できるものと考えます。この点についてどのように取り組んでいくお考えか、お示しください。
また、学術分野、産業分野に期待の大きい放射光施設ができれば、これを契機とした国際学会や学術会議、大規模展示会などの誘致にも弾みがつくことが期待されると考えます。これを活用したMICE誘致などについて御所見を伺います。
このように、次世代型放射光は、学術研究からさまざまな産業分野まで極めて幅広い分野での利活用が期待され、関係する研究開発機関の集積も期待されます。
アメリカのシリコンバレーにあるスタンフォード大学が、大学の敷地内に放射光施設を有するとのことです。
本市は、近年ICT関係の企業誘致が進んでいること、奥山市長のもとで策定した仙台経済成長デザインにおいて新規開業率日本一を目指し、市民や学生の起業マインドが向上していること、国家戦略特区の指定を受け、岩盤規制にチャレンジできる体制が整っていることなど、未来に向けた成長産業輩出の機運が高まっているものと考えます。
これに加え、今回の放射光施設整備が正式に決まれば、仙台シリコンバレー計画など新たな都市ブランドづくりにもつながるのではないかと期待するところでありますが、市長の御所見をお伺いいたします。
次は、障害のある方のグループホームについてであります。
ことし三月に策定された第五期障害福祉計画では、重点分野の一つとして、地域に必要な機能としての基盤整備に障害の重度化、高齢化に応じたグループホームの整備促進を掲げ、共同生活援助、いわゆるグループホームの必要見込み量を平成三十二年度までに千百七十三名と、一年に百名ずつ増加させるとしており、あわせて障害の重度化、高齢化に応じたグループホームの整備促進を図るとしています。
障害のある方が住みなれた地域で生活していく上で基本となる住まいの場であるグループホームの整備は、本市の実施計画にも掲載されている重要な施策でありますが、まずこれまでの整備状況と、その中でも主に知的障害のある方を対象としたグループホームの整備状況について伺います。
本市では、特別支援学校を卒業された重い知的障害のある方の日中活動を行う場として、生活介護サービス事業所を計画的に整備しておりますが、そうした事業所を利用されている方の年齢構成について伺います。
平成初期に整備した通所施設は、開所後二十五年以上が経過しています。開所当時から通所している利用者も、現在では四十歳を超えている利用者が多く、その保護者は七十歳を過ぎて、高齢化により支えることが困難になっている事例や、いずれ到来する親亡き後の我が子の住まいの場がどうなるか、大変不安に感じております。
こうした通所施設の保護者の方々の状況をどう捉えているか伺います。また、親亡き後の住まいの場をどのように確保していくのか伺います。
住まいの場の整備を進めていくだけでなく、医療受診体制や財産管理などの生活を続ける上でのサポート体制も周知するべきではないでしょうか。当局の認識を伺います。
愛知県では、グループホーム整備促進支援制度を実施し、現在グループホームの整備を検討している方、特に整備、運営について不安な方に対し、支援コーディネーターが中心となって開設から運営までをトータルに支援しています。
具体的には、現在グループホームの整備を検討している方を主な対象として、グループホーム開設・運営説明会、グループホーム見学会、グループホーム相談会などを行っているとのことであります。
また、説明会で寄せられた質問をもとにグループホームの開設に関するQ&Aを作成し、グループホームの開設から運営に至るさまざまな情報を掲載しております。
本市でも、こうした取り組みを参考にしつつ、さらに保護者を対象とした情報発信も行い、単なる住まいの場の数をふやすだけでなく、あわせてサポート体制や質も向上させる取り組みを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、小学校における英語教育について伺います。
これまで小学校における外国語活動は、具体的には英語教育ですが、五、六年生を対象に行われてきました。これまでの経過と具体的な内容、その成果と課題について、どのように総括し、評価しているのか伺います。
これが学習指導要領の改定により、外国語活動が三、四年生に早まるということで、この具体的な内容と開始時期、仙台市における導入の方針について伺います。あわせて、三、四年生に早めることに伴う問題点、課題について伺います。
子供たちに適切に英語を教え、公正に成績評価ができる教員をどのように養成して、確保するのか、これは保護者を初め多くの関係者が不安に感じるところだと思います。このような不安を打ち消すためにも、二年間の移行期間にどのような検討や準備をするかが大事なことだと思います。教育委員会としてどのように考えているのか伺います。
国際化が叫ばれて久しい昨今、必ずしも海外勤務など外に出ていくことがなかったとしても、国内においてさえ、ビジネスや観光などさまざまな機会に外国人とコミュニケーションをとることが当たり前になりつつある中で、そもそも日本の初等教育における英語教育の位置づけ、その効果や逆に弊害についてもどう考えているのか。自国語の習得、従来から重視されてきた読み書きに加え、表現力や建設的な議論をすることの訓練などを身につけてから、外国語の習得をバランスよく教えるべきだという考え方もある中で、しっかりとした理念と方針に基づいてカリキュラムを考えていく必要があると思います。
当局ではどのようにお考えなのかお伺いして、私からの一般質問といたします。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
49: ◯市長(郡和子)ただいまの野田譲議員の御質問に御答弁申し上げます。
まず、放射光施設の整備による効果と施設への期待についてのお尋ねでございます。
放射光施設整備に伴う経済効果は、生産誘発効果として、宮城県内で六百七十八億円、東北六県ではおよそ九百二十八億円、雇用者数につきましては、宮城県内でおよそ五千人、東北全体ではおよそ六千人と見込まれておりまして、地下鉄東西線沿線という施設の立地のよさなどから、大学や企業の関係者など数多くの利用者の往来が期待されているところであります。
また、施設の整備によって、地元企業による施設の利用はもとより、先端技術を有する企業、研究機関の進出、また企業間の連携など、産業面でのさまざまな相乗効果が見込まれますほか、理工系学生を初めとする人材の地元定着を促していくなど、学都仙台にふさわしい、活力と魅力があふれるまちづくりに大きく寄与するものであろうと期待をしているところでございます。
今後、施設周辺へのリサーチコンプレックス形成や、地元企業などの利用促進に向けた取り組みなどを通じまして、本市のみならず、東北全体に係る産業、経済の活性化など、その効果が最大限波及できますよう努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
それから、放射光施設に係る新たな都市ブランドに関するお尋ねがございました。
この仙台の地で、およそ百年前に我が国の材料科学研究を創始して、その後、さまざまな起業に結実をさせましたあの本多光太郎先生は、産業は学問の道場なりというイノベーションの精神をあらわす至言を残されております。
まさにこのイノベーションの精神というものが東北地域の産学連携の取り組みの礎となって、次世代放射光施設の誘致と、そしてまた、それを中核とする企業、研究開発施設の集積によるリサーチコンプレックスの形成という今回の提案に結びついている、つながっているというふうに考えております。
本市といたしまして、放射光施設の立地が決定した暁には、東北の地域経済を牽引する起爆剤として最大限活用するとともに、世界有数の国際イノベーションエリアとしての都市ブランドの構築にもつながっていくように、私といたしまして全力で取り組んでまいりたい、このように思っているところでございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。
50: ◯健康福祉局長(舩山明夫)私からは、障害のある方のグループホームにかかわる数点の御質問にお答えをいたします。
まず、グループホームの整備状況についてでございます。
本市においては、障害のある方が安心して地域生活を送れますよう、開設時の独自助成などによりグループホームの計画的な整備促進に取り組み、前期障害福祉計画期間の三年間で三十三カ所、二百七十六名の受け入れ枠拡大を図ってきたところでございます。
その結果、平成三十年四月一日現在では、全体で二百二十六カ所、利用定員千二百三十四名のグループホームが整備されてきたところであり、うち主に知的障害のある方を対象としたグループホームは百六十二カ所、利用定員八百六十三名となっております。
次に、生活介護事業所の利用者の年齢構成についてでございます。
本年四月の利用者は千三百八名となっており、その年齢構成は、二十代までが五百十二名で約三九%、三十代が三百三十四名で約二六%、四十代が二百四十名で約一八%、五十代以上が二百二十二名で約一七%となっております。
次に、通所施設の保護者の方々の状況と親亡き後の住まいの確保についてでございます。
障害者の通所施設、特に生活介護事業所を利用される方の年齢構成の状況から、保護者も御高齢の方がふえている状況にございます。
このような中で、保護者の中には御自身が亡くなった後のお子さんの住まいなどに関しまして不安を抱いている方々もふえてきております。そうした方の多くは、障害者が地域で安心して暮らすことのできる住まいの場として、グループホームの利用を御希望されております。
今般、国におきましては、グループホーム利用者御自身の高齢化や重度化への対応といたしまして、利用者の状態に応じた手厚い支援体制となる日中サービス支援型グループホームの類型を創設したところでございます。
こうした制度を広く周知してまいりますとともに、障害が重度化したり高齢となった方々も含め、広くグループホームを利用できるよう整備促進に努め、御家族の安心につなげてまいりたいと考えております。
次に、生活上のサポート体制の周知についてでございます。
障害のある方やその御家族にとりましては、障害福祉サービスだけではなく、日常生活上の必要な支援を迅速かつ的確に提供していくことが大変重要と認識をしております。
例えば、医療機関への通院には障害福祉サービスの通院等介助の活用が可能であること、財産管理については仙台市権利擁護センターの金銭管理サービスが利用できるなどといったさまざまな支援がございます。
障害のある方々に必要な支援が適切に行き届くよう、区役所の障害者総合相談を初め、障害のある方が利用される相談支援機関や障害福祉サービス事業者などを通じての周知を強化してまいりたいと考えております。
次に、グループホームの開設、運営に係るサポートなどについてでございます。
本市では、事業所開設などに関する相談支援の実施に加え、平成二十七年度からは、事業者ネットワークの構築に向け、グループホーム支援コーディネーターによる開設、運営の相談や研修会などを実施してまいりました。
本年四月には事業者のネットワークであるグループホーム連絡会が設立をされ、本連絡会による主体的な取り組みが始められたところでございます。
今後は、御例示をいただいた取り組みも含め、他の自治体の先行事例も参考ににしながら、連絡会との情報共有、連携を図ることで本市における開設支援の取り組みを充実をさせ、グループホームの質の向上につなげてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
51: ◯経済局長(遠藤和夫)私からは、東北放射光施設整備に関しまして、経済局に係る数点の質問にお答えいたします。
まず、地元企業の育成に資する取り組みについてでございます。
本市では、地元企業に対しまして、加入権の取得による施設利用権の一部の付与による支援を行うことを検討しており、大学などの知見も得て、地元企業が積極的に利用することを期待しているところでございます。
地元企業がみずからの有する技術に照らし、新たな開発ビジョンを持ちながら施設の利活用を進めることができるように、産学官の関係機関と連携し、施設の利活用の方法や見込まれる成果をわかりやすく提供するなど、放射光施設が企業の育成につながるよう取り組んでまいります。
次に、企業誘致の実績と進出理由についてでございます。
平成二十五年度からの五年間の誘致実績としましては百十件、特に近年は研究開発施設やソフトウエア業の誘致に積極的に取り組んでおり、こうした企業を含め、昨年度は三十八件と過去最高の誘致件数となったところでございます。
企業の進出理由といたしましては、良質な研究開発環境、優秀かつ豊富な若手人材、それらに加え充実した生活環境などについて本市の優位性を評価いただいていると分析しております。
次に、放射光施設による企業誘致への影響などに関するお尋ねでございます。
本市に立地した企業からは、世界をリードする東北大学との連携等による良質な研究開発環境があると高い評価を受けております。
放射光施設の整備により、こうした立地環境の優位性がさらに高くなるものと期待されますことから、これを大きな強みとして発信し、今後の誘致活動に生かしてまいります。
また、放射光施設を活用する分野として、先端材料、医療・生命科学、食品化学等が見込まれており、こうした分野の多くの最先端研究開発施設が集積し、放射光施設を中核とした日本初のリサーチコンプレックスが形成されるよう取り組んでまいります。
次に、リサーチコンプレックス形成に向けた誘致の取り組みについてでございます。
リサーチコンプレックスの形成には、東北大学や産業界と本市が一体となり、これまでの産学官連携の実績なども最大限生かしながら、企業や研究開発施設の誘致を行っていくことが重要でございます。
立地に関する支援制度を一元的に集約し提供することや、関心を示す企業などの情報を共有し、人的なネットワークも用いながら、関係機関が協働して誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。