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  1. 仙台市議会 2018-05-14
    交通政策調査特別委員会 本文 2018-05-14


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                  ※会議の概要 ◯委員長  ただいまから交通政策調査特別委員会を開会いたします。  本日は都市整備局及び交通局より関係職員の方々に御出席をいただいております。  4月1日付で人事異動がありましたが、お手元に配付しておりますので、名簿による紹介とさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。  次に、本日の委員会の進め方についてでありますけれども、お手元に配付いたしました日程のとおり、有識者からの意見聴取を行います。具体的な進め方といたしましては、既に御着席をいただいておりますが、福島大学人文社会学群経済経営学類准教授吉田樹先生から、元気な地域をつくる公共交通のマネジメントについて、特に仙台市の課題と求められる視点を中心に、1時間ほどお話をいただきまして、その後、質問等の時間にさせていただきたいと考えております。  意見聴取終了後、一旦休憩をとりまして、再開後、吉田先生のお話を踏まえた委員相互意見交換を行いたいと思っておりますので、よろしくお願いをさせていただきます。  それでは、早速意見聴取に入りたいと思います。  改めて皆様に御紹介をいたします。本日は福島大学人文社会学群経済経営学類准教授吉田樹先生にお越しいただいております。吉田先生には、御多用のところ当委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。委員会を代表して、厚く御礼を申し上げさせていただきます。  吉田先生は、地域交通政策まちづくりなどを主な研究分野として活躍されており、国土交通省地域公共交通の活性化及び再生の将来像を考える懇談会委員を務められるなど、国の交通政策にもかかわっておられ、地域公共交通まちづくりに関する幅広い知識をもとに、超高齢化社会における交通問題などにも積極的に取り組んでおられます。  皆様のお手元には、吉田先生の略歴をお配りしておりますので、後ほどごらんいただきたいというふうに思います。  それでは、早速お話をお伺いしたいと思いますけれども、私から着席のまま進めていただきますようお話をさせていただいておりますので、委員の皆様、よろしくお願いをいたします。  それでは吉田先生、どうぞよろしくお願いいたします。 2: ◯吉田樹参考人  どうも皆さん、こんにちは。  ただいま御紹介にあずかりました福島大学の吉田でございます。よろしくお願いいたします。  職場は福島におりますけれども、前は首都大学東京という昔の東京都立大学で教員を務めていまして、原発事故の後に縁あって福島大学に来たという経歴なんですけれども、東北に住むなら仙台に住みたいというふうに職場にわがままを言いまして、実は今青葉区の小田原に住んでおりまして、仙台から新幹線通勤で福島まで通っております。ですので、きょう仙台のバスを中心としたようなお話もたくさんさせていただきますけれども、一利用者として、バスの政策に携わる、国の政策に携わる一研究者として、両方の目線から皆さんにいろんなことがお伝えできればというふうに思ってございます。  まず最初でありますけれども、路線バスの話を中心にするというお話をいたしました。この右肩下がりのグラフを最初にお載せしていますけれども、これは仙台市の市営バス年間輸送人員であります。ピークが1980年でありまして、実は全国のピークは1968年ですから、それに比べると随分遅いピークです。このことは一体どういう意味かといいますと、実は多くの東北地方の自治体の場合には1970年前後がピークでありますので、そういう意味で言えばモータリゼーションの進展の中にあってもまだまだ使っていただけていたというような環境が仙台の中にはあったのかなというふうに思っておりますけれども、他方でその1980年をピークといたしまして、この35年間でお客さんの人数は3分の1まで低下をしてきたという経緯がありますし、ここにオレンジ色のグラフが、日走行キロと書いてありますが、これは路線の数ですとか、それから本数、そういったものが少なくなっていくとこの数字がだんだん下がってくるということになっていますが、平たく言えばサービスは3分の2に、お客様の数は3分の1にこの35年間で変わってきたということが、ざっくりとしたつかみであります。  ただ、仙台市内の特徴としては、恐らく2009年から2010年、ですから震災よりも若干前でありますけれども、そこが実はお客様の数としては底打ちをしております。ですから、実は東西線が開業するまでは微増を続けていたというところが、ほかの東北地方の自治体にはない特徴です。ですから、ひとえにバス離れと言っても、実は仙台の市営バスだけで見ますと底打ちをしていたと。その中で東西線が開業して、まだそこから先の動向というのがよくわからないといったような状況というものが直近の現状かなというふうに思っております。  ただ、マクロで見ると35年間右肩下がりだったというわけでありますけれども、これは公営企業体においても、あるいは民間のバス事業者においても、日本の路線バス事業というものは非常に不運であったというふうに思っております。それはなぜそうなっているのかと申し上げますと、独立採算原則というものがずっと貫かれてきたわけです。例えば仙台にいますと、公営交通ですから少しわかりにくいわけですけれども、ただオール宮城県で見ますと、それ以外の事業者はといったら大半は宮城交通宮交バスを思い出すわけですし、福島でありますと福島市、郡山市と中通りには福島交通いわき周辺には新常磐交通というように、エリアごとに大きな事業者というのが1社、2社というような形で限定をされております。それはなぜそういうことが起こってきたのかといいますと、ずっと戦後から日本のバス事業というのは採算部門の収益、つまり採算部門というのはもうかるバス路線という意味です、ですから広く言えば高速バス貸し切りバスというものも含みます。そうしたところの収益を使って、もうからないところをやると。でも、そのかわりにこのエリアではエリア独占というような形で国が認めてきたということがずっと続いていたわけです。そういうのは需給調整規制というふうに申し上げますが、これが2002年の2月まで日本では続いてまいりました。それ以前は、トータルとしての、会社としての赤字があった場合だけ国が補助金を入れるというような仕組みでありましたので、言ってしまえばお客さんはずっと右肩下がりなわけですから、その中で何とか路線を維持してきたというような傾向というものがあるわけです。しかし、こうしたもうかる部門のもうけを使って、もうからない部門の穴埋めをして、トータルでどう見ていくんだというようは話は、民間バス会社は少しずつ脱却しつつありますが、市営バスのような公営企業体に関してはまだまだこの内部補助というところの発想から抜け出せていない、逆にそういう環境を強いられてきたという側面があるわけです。  そうすると、一体何が起きるのかという話です。ここの右下に散布図という統計的なグラフが出ております。これは実は東西線が開業する前、ですから地下鉄の南北線が泉中央まで延びた翌年から、地下鉄東西線が開業する前の年までの22年間の市営バスのデータです。横軸にとったのが、先ほどのオレンジ色のグラフの日走行キロです。ですから、サービスをあらわしています。縦軸がお客様の人数です。これを両方、対数というものをとってあげることによって、関数の傾きというものが弾力性、弾性値というふうに経済学では申し上げますけれども、簡単に言いますとサービスが1%上がったり下がったりしたら、お客様は何%上がったり下がったりするのかというものを示しているものです。これを計算しますと、1.397という数字が出てまいります。総じて、先ほどのオレンジ色のグラフ、ずっと下がり基調でありましたので、サービスが下がってくればどうなるのか。サービスが1%下がれば、お客様は1.4%逃げているという。サービスが1%下がって、お客様が例えば0.5%しか逃げなかったという話であれば、福祉政策的には問題はあると思います。しかし、公営企業としての経営、あるいは交通政策的には効率性が上がっています。ところが、サービスを1削ったのに、お客様が1.4逃げているというのは、交通政策的にも企業経営的にもまずいわけです。実はこれを仙台はまたやろうとしているわけです。つまり、これから5年間ぐらいの間に5%減らすという話が出てきました。20本に1本という話が出てきましたけれども、これはこれの繰り返しです。ですから、歴史の過ちをまた繰り返しているわけです。  ただ、皆さんに御理解いただきたいのは、じゃあふやせばいいのかというと、そうそうふやしても成果が上がりにくいというのもこの分野です。そうすると、減らし方の工夫ということをしっかりとやっていかないといけないということがおわかりいただけるかと思います。きょう、残り約50分くらいありますけれども、この減らし方の工夫というものをどうやればよくなっていくのかと、どうやればできるのかというところの話を中心にお話をしていきたいというふうに思っています。
     そうなると、日本の公共交通事業ってこういう図式なんです。利用者が減ったら、仙台もそうでした、便数が減るというようなサービス切り下げが起こると。そうすると、それでさらに不便になるわけですから、さっきの1.4倍逃げていますよという話、つまりさらに利用者が逃げるという、ここだけで悪循環なんですが、さらにそれがネットワークの生産性を低下させると。つまり、例えば1台、あるいは1人の乗務員さんで稼げるものというものを減らしていくことになる。そうなっていくと、例えば公営企業体であればまだ一般会計からの拠出という選択肢も残しているわけですけれども、これが民間バス事業者であれば、もう車両が買えないとか、乗務員さんが確保できないとか、そういう問題になってくるわけです。それがこの右下の投入資源リスクというところです。  そうすると、最近実は各地方で卓越しているのは、お客さんが減っているからバスを廃止しますじゃないんです。乗務員さんがいないからとか、車両が調達できないからもうネットワークが確保できないという、もうここまで複雑になっています。そうすると、またサービス切り下げが起こってしまうわけですね。そうすると、また滅びの道に入るという。この滅びの道へのスパイラルというものを、日本の公共交通事業というのは繰り広げてきてしまった。  そこにいろんな吹き出しを書いてあります。そういったネタを、これから残り限られた時間でありますけれども話題提供してまいりますけれども、実はこの負のスパイラルを切るきっかけや方法というのはいろんなやり方があるんじゃないのかというふうに個人的には考えているところです。じゃあそれをこの仙台市という目線に落とし込んだときに、どういう点を私たちが考えることが必要かということです。  まず一つ目には、基幹的なバス路線網の構築というところです。恐らく市民の皆さんも、あるいは交通局皆さんも、何となく、あ、ここが基幹的だよねというようなことはおわかりいただけていると思います。つまり、たくさんバスが走っている道路というのがあるわけです。私は今青葉区の小田原に住んでおりますので、きょうは朝、雨が降っておりましたけれども、国道45号線の小田原2丁目というバス停から国道45号線沿いにバスに乗ってくるわけでありますけれども、非常に本数が多いわけです。恐らくそういう本数の多そうなところが基幹的なネットワークだねというようなことがわかるわけですけれども、他方でたくさんの本数がやってくるということになります。つまり、たくさんの台数がやってくるということにもなります。ですから、言ってしまえば非効率になりやすいというのもこの基幹的なバス路線網と呼ばれるところです。ですから、そこの本数がたくさん集まっているところをどうしていけばいいんだっていうことをしっかり計画していくということも大事です。  もう一つの目線としては、仙台は地下鉄南北東西、通りました。あるいはJR線もあります。とはいえ、駅やその周辺に住んでいる市民って、108万人の市民の中で言えば多分半数かそのぐらいだと思います。残りの半分強の市民の皆さんはそうじゃない。そうすると、鉄道ほど、地下鉄ほどではないけれども、軸となるもっと便利なネットワークというものを求める市民というのは少なくない。そういうニーズと、それをどうやって効率的に供給していけるのかというところ、ここを計画的に描いていくというところが、実は一番やらなければいけないことだろうというふうに思っています。  一方で、2番目の点としては、これは仙台市営バスさんのホームページなんですけど、仙台駅周辺にたくさんのバス乗り場があります。が、市営バスホームページを見ますと、宮城交通のものは一切出ていませんし、宮城交通さんのを見ると市営バスのものは一切出ていないわけです。例えばこれを、初めて仙台に来た人だとかそういう方々が見るということになると、そもそもこのまちに二つのバス会社がメーンで走っているということは、よっぽどのマニアじゃなきゃわからないわけですし、ワンストップで知る情報というものが一切ないわけです。  しかも、これだけインバウンド訪日外国人と呼ばれている中で、市営バスは番号が書いているんでまだましですが、宮城交通は一切、英語表記もない、数字もない。英語表記が一個だけつくられました、回送中だけです。NotInService、これだけです。  ここからおわかりいただけると思いますが、実はバスの番号とか、アルファベットで表記するというのは、誰のために行っているかというと利用者目線じゃないんです。基本的には管理をしやすくするためにずっとつけてきたんです。ですから、今市営バスについている系統番号というのも、恐らくその流れの中だろうというふうに私は理解しています。なので、このあたりの番号のつけ方一つから見せ方を変えていくというのも、実は地道にやらなきゃいけないことだろうというふうに思っています。  それから、3番目です。東西線が開業するときに、使い倒すという言葉がよく使われました。本来は無理やり利用するという意味というふうに広辞苑には書いてあるんですけど、やっぱり使おうだけのキャンペーンではなかなか長続きしないというふうに思っています。そうすると、公共交通を利用してこんな楽しい暮らしが送れるんですよというようなことを提案できるような仕掛けというものが必要になってきます。  実はこの話って、最近はやりの運転免許返納問題にもつながってきます。例えば高齢ドライバーの方は、じゃあ運転免許を手放して公共交通を使うかというとき、物すごくハードルがあります。それはどこに走っているかどうかがわからないというところの情報へのハードルもさることながら、それだけではありません、やっぱり車って一番便利なんです。いつでもどこでも行ける。いつでもどこでも行ける車というものから公共交通に乗りかえるというのは、私たちが考えている以上に物すごいハードルがあります。でも、車にはない、公共交通っていうのはこんな楽しいことがあるんだよとか、こんな暮らしが送れるんだよというものの移動プラスアルファの情報というものをしっかりと私たちが出していくことによって、その敷居を初めて下げることができるわけです。そうなっていくと、勢いまちづくりとの連携というものは切っても切り離せない話になる。そういうところにいわゆる使い倒す運動というものを結びつけていく必要があるだろうと思っています。  そして4番目です。これは他市では話しません。仙台だからお話しします。公営交通特有の非効率からの脱却と。市民の目線から見ても、あるいは行政政策的な目線から見ても、何か交通政策バス政策って、市バスの経営再建だとか、市バス事業をどうするかとか、あるいは市営バスがちゃんとここに来てくれるかどうかとか、そういう目線で語られることというのがすごく多い気がしています。私自身、八戸市営バス経営再建にかかわってきましたので、そこでもそういうことをひしひしと感じながら15年やってきました。公営企業体の非常にかわいそうなところは、要望路線が多くなりがちなんです。一日に数本しか走っていない路線、あるいはなぜこれだけの人口密度しかないのにこんなに大型のバスを走らせなきゃいけないのか。実はそういうことを積み上げてしまっていることで、非効率になってしまっているところもあるかもしれない。そうすると、実はこの議会の皆さんとも一緒になりながら、こういうことって対応していかなきゃいけない。八戸の場合にはそれをやってきました。ですから、やっぱり仙台もそこに対してメスを入れていただきたいと思っています。  そして5番目。これは既にみんなでつくろう地域交通スタート支援事業という形で、仙台市の公共交通推進課でもチャレンジしていただいています。非常にいいことだと思います。でも、これをどうやって形にしていくのかというところが次のステップだと思っていますので、これをちゃんとした仕組みづくりにできるかどうかというところも必要かと思います。バスだけで、あるいは地下鉄、鉄道だけで全部のネットワークをカバーするということはできませんので、そのあたり、この地域の皆さん、あるいはパートナーになってくれるような、市営バスだけじゃありませんよ、交通事業者皆さんとタッグを組みながら何ができるのかということも、一つも二つもいい事例をつくっていただけるといいかなと。それも仙台で考えていかなきゃいけないことだと思っています。  大きく言えば、この5点ぐらいがポイントになるだろうというふうに思っています。  じゃあ国の動きはどうなのかという話です。これは私も策定にかかわりましたけれども、4年半前に交通政策基本法という法律ができました。この中で、交通政策の主目的、何のために交通政策をやるんだというところで、生活と交流という二つのキーワードが挙げられています。きょうお話しする公共交通政策という立場に立ってみますと、じゃあ生活を支える公共交通って何なのかと。これは、そこに走っている移動手段が使えるということです。よくバスがあることが大事だとかという話、あるいは最近ローカル線の存廃問題も多いです。鉄軌道があることが大事だと言う方もいらっしゃるんですけど、あることが大事じゃないんですよ。あって、それがちゃんと使えるようにしつらえられているかどうかが大事なんです。  2番目のポイントです。交流を支える。きのうは母の日でしたけれども、うちの妻も私も大変お恥ずかしながら2人ともアマゾンで母の日ギフトを両親に送っておりました。本来だったら、教科書的に言えばちゃんと藤崎とかに買い物に行って、そこからギフトを送りたかったわけですけれどもね。要は何が言いたいのかといいますと、最近出かけなくてもいろんなものが手が入れることができたり、あるいは送ることもできる。でも、それじゃまちは元気にならないわけです。そうすると、交通政策、あるいは公共交通政策っていうのは、平たく言ってしまえばまちに人を引っ張ってきてくれる、あるいは郊外に魅力的な温泉なんかも仙台にはあるわけですけれども、例えばそういう郊外の魅力的な場所に人を引っ張ってきてくれる、そういう道具として公共交通というものは考えていかなきゃいけない。ですから、公共交通って一体何を考えることなのかというと、どうやって市民の皆さんにお出かけしてもらえる道具として使っていただけるかどうか。そういう道具として機能できるようにするために何が必要なのかという、そういう目線で考えていただかなきゃいけないということであります。  そして、国が示している国土のグランドデザイン2050、これは新しい国土形成計画の中でもコンパクト、プラス、ネットワークという言葉で表明されているわけですけれども、いわゆる青森市がやってきたような市街地の中に高密に集住してもらうという、そういう発想のいわゆるコンパクトシティーというところから、少し目線が変わっております。なぜプラス、ネットワークをつけたのかといいますと、別に郊外居住の否定ではない。仙台にもたくさんの郊外団地があります。例えばそういう郊外団地の拠点と、それから市街地にある拠点、そこまでのネットワークというものがしっかり担保されている。そして、郊外の拠点まで行ける、いわゆるラストマイルと呼ばれていますけれども、そういったラストマイル移動手段ということも適切に確保されている。両者が有機的に確保されているかどうか、それをデザインするというのが公共交通ネットワークの計画に非常に有効になってくるというわけです。  例えば岩手県の北上市、人口サイズはこちらの10分の1もありませんけれども、地域公共交通網形成計画という、法定の公共交通ネットワークの計画を立てています。今、この地図が出ておりますけれども、色がさまざまですね。北上市は都市計画マスタープランあじさい都市と言っているんですけど、市内にはどうも16地区あるんだそうです。それぞれが色合いといいますか特徴が違う、だからアジサイのようだねということであじさい都市というふうに北上市は標榜しているんですけど、そのあじさい都市の16カ所にそれぞれ中核となる拠点というものをつくっていきましょう、あるいは既に整備されているところもあります。その拠点と町なかまでの拠点を結ぶものは、軸として市が中核となりながら、交通事業者皆さんと連携をして、質の高いものをつくっていきましょうと。そして、それぞれのアジサイの中核のところまでそれぞれの御自宅の目の前から行けるような移動手段というのは、地域の皆さんと協働していきながらつくりましょうということです。これが先ほどの仙台市で言っても新しい事業が始まったわけですけれども、実際に小さな都市においてはそういったような知見、あるいはノウハウというものが幾つも生まれつつあるわけです。  私がかかわってきた青森県の八戸市、ここは公営企業体を抱えているところですけれども、やはり拠点間を結ぶところは幹線軸として定めましょうと。その幹線軸を強化する取り組みというものをやっているわけです。一方で、郊外の拠点とラストマイル、その部分というのは地域の皆さんと一緒に育てる仕組みというものをつくっていきましょうという2本立てでやっているわけです。ところが、最初から結論をお話ししておきます。公営企業体があるところで、この育てる公共交通ってなかなか難しいです。だって、公営企業体に走ってもらえばそれで済むとみんな思ってますもん、納税者の皆さん。議会の皆さんもそう思っていますから。なかなかこれをつくっていくというのが本当に大変です。だから、まだなかなか物になるものが複数つくれていないというところが、私も15年八戸にかかわってきている中の反省事項です。ということは、仙台も同じようなことが起こり得るかもしれないと思っていますので、もう少しここを工夫していかなきゃいけないねという提案も最後にしていきたいと思います。  ただ、八戸でこの15年しっかりやってきたのは、市内幹線軸というところの磨き上げであります。八戸に行かれたことがある方もいらっしゃると思います。新幹線の駅から中心市街地までは7キロメートルほど離れています。一応1時間に1本のJR八戸線というローカル線があるんですが、一番中心市街地に近い本八戸という駅から市街地の真ん中の三日町というところまでは相応の距離があります。ですので、実は市民の皆さんはかなりの数、バスを使って移動されておりました。市営バスと民間の南部バスという2つのバス会社が競合していたわけです。従前というところに書いてありますけれども、9時3分、17分、28分とかと書いてあります。これは米印がA社で、米印がついていないのはB社ですけれども、例えば9時43分、今B社です。40分がA社とします。そうすると、同じバス停から同じ区間を走っているわけですから、次にバス会社がダイヤ改正で何を考えるかというと、43分を38分とかにしちゃうんですよ。要するに、先にバス停で待っているお客さんを獲得したほうが勝ちという、それがバス会社にとってお客様から収入を得るための一番短絡的な方法論なんです。ただ、それを繰り返していくとどうなるかというと、すごく本数が来る時間帯もあれば、本数が余り来ない時間帯もある。本数がたくさん走っているのに、っていうことは逆にコストもかかっているのに、実は利便性は悪い、そういう状況になってしまっているわけです。それを市の調整で10分に1本という形で整えて、お客様もふやし、黒字化を図ったということです。  でも、仙台って一部の路線は宮城交通と競合していますから、こことも符合しますが、仙台の場合だとこれが路線間の競合になります。同じ市営バスの違う路線同士の間でこういった状況が起きるわけです。先ほどこう言いました。単純にどの路線も20分に1本減らすというのは、過去の失敗を繰り返すだけですよと。でも、減らさないと効率化できませんねと。じゃあどうするんですかというと、たくさんの路線が集まってきている、例えば国道45号線のようなところがそうなんですが、そういうところでできる限り等間隔にしていく。ただ、仙台の場合には、八戸と違うのは交通渋滞とかそういうこともありますので、別な調整も必要ですけれども、できる限りここを本数を減らしていきながら、でも運行間隔は今までよりもぴっちり来ますねと。要するに、見た目減ったように見えていない、逆に言うとこれは平均運行間隔が短くなりましたから、ふえているように市民の皆さんには見えているんです。でも、本数は減らせているんです。実は仙台のバスはこれをやれるところがまだまだ幾らでもあります。ここに手をつけずして市営バス経営再建はないだろうというふうに見ています。  これは市民の皆さんにかなり喜んでいただけたので、市営バス単独のところでも、あるいは民バスと競合しているところでも、等間隔で運行するというのを八戸の場合には積極的に取り入れてきました。そういうところを、交通が便利な区間ですよというふうに位置づけまして、都市計画の中に立地適正化計画というのがあるんですが、居住誘導区域、平たく言えば住むのにお勧めなエリアですよというエリアにも設定をしたというわけです。そうすると、実はバスであっても、地下鉄ほどではありませんが、緩やかに人々が住んでもらえるようなインセンティブがあるエリアをつくることができるということにもなってくるわけです。  実際に国勢調査のデータなんかを見ますと、やはり我々がバスの軸として定めてきたエリアというのはエコ通勤が卓越しています。つまり、自家用車に頼らない通勤というものが卓越しているということもわかってきました。最近ですと、こういう郊外の区画整理がやられているエリアでも、今までバス路線が十分に行き届いていなかったエリアにこの幹線軸というものを振り向けるということの路線の見直しというのも、これは来年の4月でありますけれども、かける予定にしています。ですから、実際の住宅の張りつきなんかも見定めながら、柔軟にこの幹線軸というものを動かすことができる。これも、地下鉄ですとさらに建設するって大変ですけれども、バスだったらできるところがまだまだある。仙台はまだ数年は人口が成長していく可能性が高いですし、しかも仙台は3月でがばっと3万人減って、4月にがばっと3万2000人ぐらいふえるという人口の特徴もあります。人口の入れかわりもあります。そうすると、そういうところの支援に柔軟に対応できるネットワークとして、実はバスの軸を描いていく。八戸以上に私は仙台でやらなきゃいけないんじゃないかと思っています。  具体的にこういうことをやっていきますと、やはり軸となる路線の営業係数、一応八戸市交通部は黒字路線を持っております。ただ、じゃあ仙台は何で持っていないんだというと、これは人件費の単価が余りにも違い過ぎます。これは仙台が悪いわけではありません。八戸が低過ぎたんです。だから賄えている部分がありますが、最近上げにかかっています。労働力が足りないので、上げにかかっています。でも、それができるところまで経営は再建できてきています。  一方で、わかりやすいダイヤって何で大事なのという話なんですが、実は私、東京の武蔵野市にムーバスという有名なコミュニティーバスがありますが、武蔵野市地域公共交通会議の座長を務めております。これはもう、失敗例です。実は、吉祥寺とか三鷹、武蔵境、中央線の沿線駅にたくさんいろんな施設が立地していますので、このムーバスがおくれるということで、20分に1本走っているバスを22分に1本のバスにするという、そういうことが地域公共交通会議で提案が出てきまして、座長である私と事業者系の委員の皆さんは反対。ですけれども、市の当局に押し切られまして、やりました。ところが、お客様はがくっと減りまして、20分から22分で大して変わらないじゃないかと思うんですが、みんな時刻を覚えられないんですよ。そうすると、お客さんががばっと減っちゃったという。それで、今戻しました。戻しましたら、ゆっくりともとに戻りつつありますけれども、まだ昔の水準までは回復していません。  じゃあ仙台で、わかりやすいダイヤってどこまであるんですかということはもう一回、特にバスに関しては目くばせする必要があるだろうと思っています。個人的には、地下鉄南北線が7分に1本というダイヤから、1時間に8本というダイヤに変わったはずです。これは減便をしているということにもなるんですが、でもお客さんは減ってないんじゃないかと見ています。つまり、毎日同じ時間に来るという感覚で皆さん覚えられるようになったはずですから、もしかしたらそういう覚えやすいダイヤだとお客様がついてくるというのは、仙台は南北線の事例なんかも踏まえて分析されると結構出てくるんじゃないのかなというふうに思っています。  一方で、これは私が住んでいる小田原周辺のバスの動きですけど、この丸は朝、どこバス仙台で出たバス停の位置です。このポールが立っているのが私が使います小田原2丁目でありますけれども、左側のときはラッキーなわけです。3台もすぐにバスがやってきますので、私は絶対に3台目に乗ります。一番すいています。ここの地点で、もう効率が悪いんですよ。でも、あるときに来ると右側のような図なわけですよ。これだと、バス停で10分は待ちぼうけです。もうこのときは確実に歩きますね。そうすると、お客さんを取り逃していますよね。もうこれが常態化しているわけですよ。やっぱりここを何とか改善する必要があるだろうというふうに思っています。先ほどもお話しした、できるだけ等間隔にする取り組みというのが私は有効だろうと思っています。八戸では、異なる路線間、これは事業者間の枠組みを超えてダイヤを調整するということをずっとやってきています。でも、仙台の場合だと道路の混雑もありますから、それだけだとうまく調整がし切れるわけではありません。  例えば、福岡に西日本鉄道さん、西鉄バスさんがあります。福岡の西鉄バスさんが、どうやってダイヤを整えているかといいますと、ICカードをお使いになっています。仙台もイクスカが入りました。機能は一緒です。じゃあ西鉄さんは何をやられたかというと、このICカードのデータを使って、どの時間帯におくれがよく発生するかということを全部分析されました。それで、標準的な運行間隔とか、停留所間の運行間隔の見直しということを全面的にかけられました。それを使って、なるべくだんご状態になりにくいダイヤというものを組んでいくということもしています。あるいは、お客様が多いエリアであれば初乗り170円、次が180円と面倒くさいことを言わずに、このエリアは全部200円でどうだというようなやり方にするというのも一案かと思います。例えばそういうような形の運賃の支払いということも含めて考えていく。だから、軸でやらなきゃいけないことって本当に多いんじゃないかと。そうすると、車両台数を減らすことができるけれども、お客さん目線から見たらバスが均等に来るし、もうお金の心配も、いつも値段が違わなくていいので、安心できる。両立できます。こういうような工夫というものを仙台でもやっていく必要があるだろうというふうに思っています。  これは皆さんの資料に入れていません。これは地下鉄東西線、南北線が入っています。背景は、今ヤフーの地図を見ますと、どこに人が集中しているかというものをヒートマップであらわしているものがありますので、この勾当台公園周辺と、それから仙台駅周辺が大概色が濃い、明るい色ですから、人が集中しているエリアということになるわけです。  仙台の町なかのネットワークを見ると、こういう形でバスがあり、自転車、DATEBIKEがここにあるということになるわけですけれども、これを見て皆さん気づかれるかもしれませんが、DATEBIKEのポートの位置、地下鉄の出入り口の位置、バスの路線のネットワーク、三つが有機的につながっていないわけです。地下鉄の出入り口の近くにDATEBIKEのポートがあるとも限りませんし、逆に言うとわざわざ仙台駅まで行かないと南北東西地下鉄を乗り継げないわけですが、じゃあそれをショートカットできるようなバスがあるかというと、そんな感じにもなっていないわけです。今例えば私が乗っている国道45号線沿いのバス、大半のバスは仙台駅に一旦着けてから、交通局東北大学病院前まで向かいます。ということは、交通局大学病院前までの、例えば定禅寺通りとかはめちゃくちゃな本数でバスが来るわけですよ。そこまで本当に要るんだろうかと。  例えば、これは福岡市でやった再編がそうなんですけど、そういう路線が多く来る、福岡の場合だと天神というところと、それから博多というところがあります。両方を連接バスで10分間隔ぐらいで結びつけていて、なるべく博多駅に近いほうは博多で路線を切る、天神に近いほうは天神で切るというような形にして、うまい形で市内の本数を減らすということに成功しているわけです。ですから、この町なかのネットワークというのも一緒に考えていくというのは、仙台の中ではすごく大事になってくるだろうなというふうに思っています。これがもう一つの論点です。  あと、バスがおくれるというときに、結構停留所の乗りおりに時間がかかっているよという話です。ICカードが入って、いささか早くなっているように見えなくもないわけですが、でも運賃体系が複雑ですので、一旦現金の方がいる。あるいは、これで両替をする方がいるということになると、一気におくれます。ですから、もう少しわかりやすい運賃体系という、アナログなものと両方でやっていかないとうまくいかないというわけであります。  一方で、インバウンドという目線も最近あるわけですけれども、例えば英語のブログなんかで検索をしてみますと、仙台プラス、トレインとかウォークとかバスというのがカーという複合検索に比べたら実は圧倒的に多いんです。実はインバウンドで来られる皆さんというのは、車を使って旅行するというよりかは公共交通を使って旅行したがります。しかも、できる限り移動手段にお金をかけたがりません。じゃあこういうところに本当に応えられているのかどうかということです。  例えば私がかかわってきた八戸市では、こんなことがありました。これは同じ場所のバス停ですよ。八日町、三日町、どっちが正解かわからないですが、どっちも正解です。要はバス会社によって停留所名が違っているというケースです。こういうところって、例えば宮城交通仙台市営バスで違っているバス停がもしかしたら仙台市内の中にも幾つかあるかもしれませんね。八戸に行かれたことがある方は御案内かもしれませんが、町なかは一方通行でありまして、先ほど駅から10分間隔で幹線をつくりましたと話しましたけれども、三日町というバス停でおりたら、帰りは六日町というバス停で乗らなきゃいけないという、非常に複雑だと。なので、もういっそのこと町なかを中心街ターミナルという統一した名称にして、1番、2番、3番、4番、5番乗り場というような形に数字で整理をしましょうと。東京の地下鉄のように、どっち方面に行くんですよというような方面をアルファベット1文字で示してあげることによって、どっちのほうに行くのかというのを明確に伝えてあげると。しかも、バス会社が複数ありますけれども、複数のバス会社で統一したルールでナンバリングをしていって、わかりやすく乗れるようにする。そういったようなことも行ってきました。  そういった動きというのは、実は各地でも起こっていまして、埼玉県の秩父では、秩父市だけじゃなくて周辺の1市4町でバスの統一的なナンバリングというようなものを行っているケースもあります。でも、仙台もそういえばやっているわけです。例えば地下鉄東西線でありますけれども、八木山と泉中央をそれぞれ1番として、東西線はT、南北線はNという形で、駅ナンバリングをしているわけです。でも、このつけ方も私個人としてはめちゃくちゃ事業管理目線だと思っています。なぜ乗りかえ駅の仙台駅が番号が違っているのかです。片や10番、片や7番、人から見たら全くこれが同じ駅とは思えない。東京で新宿だったらいたし方ありません。全部同じ番号に合わせるのはどだい無理です。でも、たった2路線しかないんですから、もっと工夫があってもよかった。例えばこれでもいいわけですよ。仙台駅をゼロにして、八木山に行くのは西だからWにして、富沢に行くのは南だからSにすると。例えばこういうナンバリングをしてしまえば、この足し算をすれば、乗りかえて何個目が自分のおりる駅かというのも簡単にわかるわけですし、例えば八木山、バスとの結節点にもなっているわけですが、八木山をWの6とすると、ここから出ていくバスはWの六百何番とかというバスにすれば、ああ、Wの6っていう八木山動物公園の駅から乗れるバスなんですねということもすぐにわかるわけですよね。こういう有機的なナンバリングのやり方ということももう少し考えてもよかったはずだし、逆に言うとインバウンド皆さんの目線から見たらこういうやり方のほうが圧倒的にわかりやすいです。だって、海外の主要都市はみんなこういうナンバリングのつけ方をしていますので。こういうような調整というものを、これは市営バスだけじゃなくて、できれば宮交も含めたやり方というものをぜひ政策部局の中でやっていただくといいのかなというふうに思っています。  一方で、バスからまちづくりをなぜ考えるのかという話です。先ほどライフスタイルを提案するというお話もしました。以前であれば、利用者が減っていく中で公共交通の問題が多様化している、発生しているという話もあったわけですけれども、今はもっと複雑多様化しています。例えば交通事業者自体も疲弊している。宮城交通さんも、厳密に言えば地場の事業者さんじゃありません。親会社は名古屋鉄道さんですから、今宮交のバスの色は名古屋鉄道と全く同じ色ですので。地元じゃないんですよ。そう考えると、実は仙台都市圏をやっている中でも非常に大変。  一方で、コンパクトシティーってコンパクト、プラス、ネットワークというふうに言われていますけれども、これからだんだんと緩やかに人も減っていくということが予想される中で、どうやって出かけてもらえるのかと。出かけてもらえるような仕掛けというものを公共交通を使いながら考えていけるといいですねというところまで目配せする必要があるわけです。  例えば八戸ですと、八戸の場合はそんなに大型店があるわけではありませんけれども、身近な、最近バス停の近くにコンビニが立地するというケースがよくありますので、こういったコンビニエンスストアですとか人が集まる場所に、あと何分でバスがまいります、ここで言えばどこバス仙台です。今どこバス仙台って宮交バージョンと市営バージョンがあって、一応市営バージョンのほうを見ると宮交バスがどの順序で来るのかというのはわかるようにはなっていますが、じゃあそれが例えば仙台駅とかのデジタルサイネージを見てどうなるのかというのがよく読み取れないわけです。でも、八戸が目指そうとしているのは、事業者にかかわらずここに来るバスは次何が来るというのを1枚の表示板でわかりやすく伝えましょうと、そういうプラットフォームをつくりましょうというところまで今着手しようとしています。海外だとそういうことはもう当たり前になっていまして、ドイツなんかはこんなパン屋さんのところにデジタルサイネージがありますし、バーですよ、これ。バーの出口のところに、デジタルサイネージがあるわけですよ。これは明るい中でバーに行くということで、おまえ出張のときに飲んでるのかって言われそうですが、午後7時7分と書いてありますので、一応勤務時間が終わって、誕生日を祝ってもらったんですけれども、ドイツの知り合いに。そういうところにもこういうデジタルサイネージが、当たり前のような場所にあるわけです。ですから、目につくところにちゃんとした公共交通の情報が提供されているというのが、まちの中にあるわけです。今、日本の中でも福岡とか広島はかなりそういうことに力を入れ始めています。  一方で、地元との連携。これは交通以外の事業体との連携です。例えば八戸だけではありません、熊本都市圏もそうですし、帯広でもそうです、公共交通と地元のおいしいもの、見どころをパッケージ化したようなもの、商品というものを、乗車券として売り出すというものが盛んに行われています。例えば八戸の場合ですと、一番ロングセラーかつ売れ筋商品は、隣町の五戸町にある馬肉屋さん、名前は尾形、ささ木、たかはし、みんな個人名ですけれども。これは生産から加工、流通、最近はやりの6次化を昔からやっておられる会社なんです。ということは、地元への経済の循環もさせやすい事業体ということになるわけですが、やっぱり一見さんが入るには敷居が高いので、なかなか入りづらいので、それをこういうパッケージにしてあげることによって、行きにくいなと思っているお店のハードルを下げる、でも行ったらすごくおいしいものがあるので、地元を好きになってもらえるし、バスがないとその特典というものが受けられないし、なおかつ地元の商店側も公共交通を使ってくれる人は上得意さんだよねというふうに思ってもらえる。実はこういうような小さな取り組みというものを、例えばそれぞれの区の中で、実際泉区だったらこういうもの、宮城野区だったらこういうものというような感じで、市民と一緒に取り組んでみるというのも非常におもしろい目線として有効かなというふうに思っています。これは失敗はほとんどありません。だって、経費は印刷費だけですから。ほとんど失敗ありませんから、こういうものをいろいろと連鎖的にやってみるというのもおもしろいと思います。  一方で、仙台市の中には坪沼がありますので、地域公共交通会議が立ち上がっているはずです。これは地域の実情に応じた移動手段の確保というものを、一応バスとか乗り合いタクシーは道路運送法という規制がかかっているんですけど、ここで規定されている以上のものをやりたいというときに、この地域公共交通会議、出席する人はステークホルダーですから、利用者代表の方や交通事業者の方、行政の方、道路管理者の方が中心ですけれども、ここで合意を得たものについては特区的に扱われます。ですから、道路運送法上で想定をしていないものも、安全が確保できるという担保があって、みんなが合意できているものであれば、いろんなバスの走らせ方というものをやることができる。それがこの地域公共交通会議というものです。  仙台はやはり大きな自治体ですから、なかなかここが能動的に動いているかどうかはわかりませんけど、八戸なんかは非常に能動的に動かしてきました。いろんな分科会というものを立ち上げて、常に議論をしながらやっているというものもずっとやってきましたし、こういうポータルサイトを立ち上げまして、私も15年やっていますので、なかなか最近だと事業者目線になりかねないところがあるので、いろんなお褒めの言葉やアイデアやお叱りの言葉を常に受けて、みんなで集まってそれをどうしていこうねというふうな場をつくると。こういうようなことも、地域公共交通会議の延長でつくっています。  一方で、仙台の場合、公営企業体があります。これは青森市営バスさんが民間に路線を一部委譲するときに、私がお話ししたときのスライドなんです。青森市がどういうやり方で民間に路線を引き渡したかというと、これは収支率が高い順に並べられていると思ってください。4番目の路線までは黒字路線で、5番目以降が赤字路線です。先ほどお話ししたもうかる路線のもうけを使って、もうからないところの穴埋めをするという方式です。そうすると、損益分起点は10番目の路線です。ということは、10番目までを市営が維持して、11番目からは民間に委譲しようということを考えたのが青森市のやり方だったんです。ところが、私が青森の皆さんに疑問を投げかけたのは、だったら民間に任せちゃえばいいじゃないと。つまり、民間だったら15までできちゃうんですよ。どうしてか。経費が安いからです。そうすると、公営企業体が民間と一緒にやっていくというのは、こういう赤字が大きい路線を民間に渡すということだけをやっていたら、公営企業体として維持していくというところの意味がなくなるわけです。だから、別なロジックで考えなきゃいけないと思っています。  私個人として、仙台市の市営バス事業の課題は二つあるだろうと思っています。  一つは、管理の受委託というやつです。これは今いろんな営業所でやっています。宮城交通さんに委託したり、JRバス東北さんに委託したりしています。確かに輸送原価の低い民間事業者に委託をしていますので、人件費も含めた経費の圧縮というものを図ることができるわけですけれども、でもこれって現状追認なんです。つまり、要望路線だとか、だんごでやってきますよという、全く生産的とは言いがたいようなネットワークに全然メスを入れていない。それでどういうことが起きているかというと、宮交バスとJRバス東北の疲弊を招いています。正直言って、これを彼らは受けなきゃいけないんですよ。そうじゃないと、ほかから参入されますから。もう受けなきゃいけない。だけど、宮交バスやJRバスだったら、こういう走らせ方をして効率化できるっていうところをやれないんですよ。市営バスのほうとしての路線をそのまま引き継ぐだけですから。なぜ民バスが安い輸送原価でやれているかという一つの要因は、ネットワークが公営よりも効率的だからです。でも、効率的とは言いがたい公営バスの路線を引き受けさせられることになりますから、逆に言うと宮城交通やJRバス東北の疲弊を招いてしまっている可能性もある。そこは注意を払う必要があると思っています。そうすると、やはり要望路線やだんご運転といったような非生産的なものにメスを入れないと、どうしようもない。その上での管理の受委託だと思っています。それを京都市はやったはずです。京都も路線再編のときに、京都は仙台よりも早く管理の受委託をやったんですが、軸を明確にする、あるいは民間等も含めて見せ方をいろいろやる、実は今八戸市と京都市営バスさんの交流もあります。いろんなノウハウを共有しています。そういう中のところで、いろんな再建を果たされています。だったら、もっと仙台はできるはずだなと思っています。  2番目は、さっき言いましたね、今の20分に1本のままやろうとすると、再び負のスパイラルのままですよねという話になります。  一方で、私的には公営バス事業を安易に民営化するというのは、余り乗り気ではありません。殊に仙台においては、多分今の市営バス事業をまるっと引き受けられる企業体というのはそうそうないと思っています。宮城交通さんでも厳しいんじゃないかというふうに見ています。でも、公営バスがあってくれたおかげで、本数が確保できているんです。確かにだんごになっているというのはありますよ。でも、人口に比しては本数は確保されているので、逆に言うと、さっきも言いました、仙台のバスのピークは1980年、ほかの地方都市に比べてピークをおくらせることもできたんです。ですから、それだけまだ公共交通が使ってもらえる文化というものを少しはつくってくれていた。そこが公営バス事業としての意義だと思っていますし、一方で2)民営に任せられない正便益、不採算、不採算だけれども市民の皆さんにはメリットがあるんですよというようなサービスというものを確保するというところでも、公営交通としての意義はあると思っています。それは、不採算かつ低収入の事業には民間が参入しにくいわけです。ただし、それをあの大きなバス、あの大きな路線でやっていくという話とは別問題です。そうすると、私個人としては、地域交通スタート事業こそ市営バス事業再建との連携を図るべきだと思っています。つまり、同じ市営バスというブランドを残しつつ、バス事業としては余りにも効率がよろしくない、そういったようなエリアというものをこの地域交通スタート事業と合わせわざで小さな交通として維持していく。だけれども、それは市営バスとしてのブランドを残して、市営バスと同じように今まで使えている例えばイクスカですとか、それから高齢者の割引ですとか、そういったような制度というものを維持していく、それも一つ有力な選択肢になってくるだろうと思っています。  最後に、じゃあこの地域交通をサポートしていく事業を考えるときに、ダウンサイジングしていくわけです。このダウンサイジングの流れというのは、少子高齢社会、人口減少社会の中では避けられないわけです。マクロ的に言えば、路線バスからデマンド交通、乗り合いタクシーにするというのもありますけれども、それはいろんな地方で15年前からやってきました。でも、最近では東京都内ですとタクシーをアプリを介してシェアリングするというのも始まりましたし、きょう午前中南相馬市に行ってまいりましたけれども、南相馬では市内のタクシーを市民限定で定額制にしていまして、地域の皆さんが相乗りできるようなプラットフォームをつくっています。こういう通常のタクシーをシェアリングするという流れは一気に加速化していますし、自家用車の活用というのも最近は着目をされているわけです。  そもそも人を乗せる事業にはいろんな仕組みがありますよというのは、9番のこのスライド、あるいはこのスライドのところに細かく書いてあります。これは後ほどごらんいただければと思います。じゃあその中で地域住民の皆さんがどうかかわってくればいいんだろうかという話です。今、さまざま高齢者の移動手段の確保が問題になっています。恐らくその問題というのは、既存の政策領域、例えば交通、福祉、コミュニティーという話で言えば、そのはざまにあるところがすくえていないわけです。じゃあそれをどうすくうかというときに、それぞれの持ち分を少し広げる、のり代ですね、これをつくってあげれば、カバーすることができるし、かつ今までの見える交通需要よりもふやせることになるかもしれないので、人々のお出かけが活発になって、人口減少社会における地域経済の活性化というところまで長い目線で見れば結びつけることだってできるんじゃないかというふうに思っているわけです。既にこうした目線というのは、国連のSDGsなんかでもそういうような発想に基づいて言っているわけです。ですから、もう交通政策は交通だけで考えるというような時代ではないということです。  一方で、従来の公共交通って、市営バスもそうですがビジネスの主体、つまり企業体がもっぱら一方的にと言っちゃ失礼かもしれませんけど、市民の皆さんに対してサービスを提供していくという、BtoCというものが基本だったわけですが、最近はユーザー同士が結びつくような形態というのも、アプリがいろいろ出ていますから着目はされていますし、でも先ほどちらっと南相馬の話をしましたけれども、そんなアプリなんかなくてもみんなで隣近所相乗りしていけばいいじゃんという形で、地域が自発的に相乗りができるような仕組みというものを自分たちがつくっていった。ですから、ユーザー創発型サービスと書いてあるところが、今恐らく仙台市がスタートしようとする地域交通の新しいチャレンジングな事業の枠組みなんだろうというふうに思っています。  でも、こんな話をすると、ある議会で同じように意見聴取の場がございまして、そのときにある議員さんから言われたんですけど、もう自動走行とかが入ったら、こんな地域の皆さんに手間かける必要がないじゃないかと言われたんですけど、私は全くそんなこと思っていません。どうしてかといいますと、さっきの交通、福祉、コミュニティーがあります。恐らく行政の守備範囲って、明らかに縮みます。人口減少、財政制約があります。そうすると、例えばこのきれいに青く囲っているように、きれいにすき間をいろんなシステムやシーズで埋めたと思っても、埋めることができない世の中なんです。ということは、自動走行とかいろんなICTが進展しても、それだけでは解決ができない。じゃあ交通だけで解決しようと思うと、守備範囲をめちゃくちゃでかくしなきゃいけませんから、これはこれで逆に無駄が出ますよね。実際に、キヤノンの会長であった村瀬さんなんかも、やっぱりこういうふうにいろんな分野が重なり合うような仕組みをつくっていくというのが組織を持続させるために大事なんだと。経営学の中でもおっしゃっているんですね。実はそれを地域の中で交通の場面で実装していこうというのが、これから仙台市が取り組まれようとしている事業なんだと思っています。  私自身、山形市の郊外部でそういうことをやりました。天童市との境にある明治地区、大郷地区というところです。15年前にバスがなくなりまして、週1日しかなかったんですよ。地元の皆さんはふやしてほしいと思ったわけです。そういった中で、どういう会があったかというと、地域の皆さんが自分たちが組織化しましょうということになったんです。その組織に対して、山形市が財政支援を定額で行っています。でも、このお父さんたちは道路運送法なんて仕組みを知らないので、別にそれを勉強してもらわなくてもいいと思っています、個人的には。そういうことこそ、むしろ行政が肩がわりすべきだろうと思っています。でも、運行するパートナーとなる、この場合タクシー会社さんですけど、タクシー会社さんとは協議会が直接契約をするという形をとっています。タクシー会社さんも、いや、こういう場面は走れるけど、こういうふうな経路だと難しいですねとかといったような、プロの目線からアドバイスをしてくれるということがあるわけです。地域の皆さんは、自分たちでどういうものに困ったところがあって、こういうふうにすれば自分たちが使いたくなるというものを提案してくれるわけです。それぞれができることをつむぎ上げることによって、地域課題をクリアする。でも、それを実装していくためには、課題を共有して、ニーズを数え上げて、どういう手段がいいかということをみんなで考えて、でも実際に走らせてみてからまた大変だよっていう場面が絶対あるんです。  皆さん、このグラフをごらんください。これは私先ほどお話しした山形の明治地区のグラフです。棒グラフが利用人員です。赤い折れ線グラフが運送収入です。これだけ見たとき、どう思います。右肩下がりですね。3年目がピークです。そこから下がっています。やっぱり効率化を図らなきゃいけませんねと、絶対皆さんそう思うはずです。ところが、地域の皆さんの会は少し違うんです。確かに教科書的に言っても、バスの上にも3年ということわざがありますよね。ありませんけど、私あると思っていますが、物事そうなんですよ。3年目までは大概初期メンバーの方がいたりとかするので、意外に盛り上がるんですよ、盛り上がるところは。でも、それを続けるのはめっちゃ大変なんです。7年目でがくっと落ち込んだんですよ。そのときに、何で落ち込んだのかなと。地域の顔が見えるバスだったから助けられました。実はヘビーユーザーだった数名の方が入院されたり、息子さんのところに転居されたり、お亡くなりになっていたんです。数名いらっしゃいました。ということは、頭数でその数名の方を新しくここに取り込めば、地域の中での価値は一緒なわけですね。さらにもう1人、2人と頭数をふやせれば、もっと役立つバスになるわけですよ。ああ、それが目標でいいんだよねっていうふうに目を向けることができた。それはやっぱり地域の皆さんと一緒に考えているからなんですよね。  じゃあどうやってその危機を乗り越えたかというと、これです。温泉に出かけています。何でこれでと思うかもしれませんが、写真に写っている皆さんは免許を返納されていません。皆さんふだんは車を運転されています。ですから、ふだんはこの地元の乗り合いタクシーは使いません。でも、自分たちはいつかは使うだろうと思っています。でも、いざ自分たちが使わなきゃいけなくなったシーンには、きっと使えないだろうと。だからその前に、こういうふうに呼べばいいんだ、ここから乗れるんだ、車内や乗務員さんの雰囲気ってこうなんだ、それを体験しておくことが必要だよねと。だったら、みんなで乗れる機会をつくろうよということで、たまたま沿線に温泉がありましたので、実はエリアを拡大したときに温泉ができたので、エリアに入ったので、じゃあみんなで毎月風呂の日、安くなるんですね、入浴料が、そこを目がけて風呂に行こうぜってツアーをやり出したんですよ。そうしたら、この分でオレンジ色のお客さんがふえたんです。2016年と書いてあります。そのふえたお客さんが、山形は冬は雪が降りますので、そういうときに普通のバスも乗ってくれるんですよ。だから、こういうふうな形で地域の皆さんが知恵を絞りながら取り込んでいるんです。  こういう儀式もやるんですよ。5,000人達成セレモニーとかとなると、くす玉を割りまして、佐藤市長も挨拶に来てくれていまして、交通の担当職員の人はこのゆるキャラに入っているわけです。そして、地元のメディアも取材に来てくれて、運転手さんにありがとうと花束を贈呈して、みんなが笑顔でにこにこしているわけですよ。まさにこの小さなバスが幸せを運ぶという、この図式を仙台の中にもどれだけつくっていけるかなというところなんです。  そのためには、地域に丸投げするだけではうまくいかないと思っていまして、うちの地域はこのやり方でやったらいけるよねって決めたものを、ある意味行政が受けとめる仕組みが必要だと思っています。でも、盲目的に受けとめるんじゃなくて、目的は共有したほうがいいと思います。例えば、地域にはどういう課題があった中で、でもそれをどうやって持続させていくのか。それが今ここでやっている収支率という数値的なものなのかどうなのかというのはわかりませんが、共有した目標像というのは必要だと思います。よくキーパーソンの人がいないとなかなか地域の中でこういうものが育たないと言われますが、私はOJTだと思っています。つまり、実際に実践をして、一緒にともに考えていく中で力を発揮してくれる人って見えてくると思います。今、山形の明治地区で一生懸命頑張ってくれている秋葉康雄さん、男性の方がいらっしゃるんですが、康雄さんは最初このメンバーではありませんでした。初期メンバーではないんですね。そういう方もいます。  じゃあ仙台、みんなでつくろう地域交通スタート支援事業、全部要項も含めて熟読しましたが、コンサルタントを派遣しと書いてあるんですけど、これはいいんですよ、だけどコンサルタントと地域の関係がポイントかなと思っています。つまり、コンサルタントの方が調査からこういうふうに走らせたらいいよというところの上げ膳据え膳までやってしまったら、全くもって持続しません。これでつぶれているケースは私何度も見ています。逆に地域の皆さんがこういうものって選択肢はあるの、こういうケースがあるのという疑問に対していろんな資料を提供してくれる、例えばそういうコンサルタントの方々と地域の皆さんとの関係性が築いていけるかどうか。そうすると、それをコーディネートする交通政策課の役割ってすごく大きいのかなと思います。あるいは公共交通推進課もそうですね。  それから、移動手段も、乗り合って、有償で、デマンド交通って書いてあるんですよ。何で絞ったんですかね。だって、世の中、今タクシーの相乗りとか、送迎バスを使うとか、いろんなのがあるわけですよ。何でそういうものを除いて、これじゃなきゃいけないっていうふうに絞ったんだろうか。恐らく実際に現場に入られる中でチューニングされると思いますが、私仙台市はどこもかかわっている地域がありませんのでわかりませんが、外の目から見るとこういうことを疑問に思いました。  最後です。ちょっと長々、時間が超過してしまって済みません。これから議会の皆さんでもいろいろ考えられると思います。あるいはきょう、交通局も含めていらっしゃっていただいていますけれども、市営バスという組織のあり方じゃなくて、市営バスの路線網のあり方に対する議論というのは不可欠。その中で、要望路線はできる限りスリム化させたいね、軸となる区間をつくって、だんご状態をできる限り科学的に解消したいね、ここをやるべきだと思っています。それがやれれば、台数の削減とサービスの向上の両立というところにも結びつけてくるだろうというふうに思っていますし、最後の地域交通スタート支援事業というのはまさに地域ののり代をつくることだというふうに思っていますので、今山形の話もしましたけれども、全国的にいろんなケースというものがあります。その成果だけをまねするんじゃなくて、ぜひそのプロセスの中でどういうふうに話されていたらこういうふうになってこうなったというところをぜひともつかんでいただいて、でもそれがうまく仙台に応用できるかどうかはわかりません。でも、一つ二つモデルとなるようなケースができてくれば、だんだんと仙台らしさも出てくると思いますから、そういうようなところまでぜひ結びつけていただきたいというふうに思っていますし、当然一市民として、一専門家として、私も協力を惜しみません。  以上です。ありがとうございました。 3: ◯委員長  ありがとうございました。  吉田先生から貴重なお話をいただきましたけれども、それでは皆様から質問等がございましたらお願いをいたします。 4: ◯辻隆一委員  2点ほどお尋ねしたいんですが、一つは、いろいろ国が交通政策基本法も策定をしている、そしてさまざま交通に対して国がいろいろ方針を示したんですが、具体的な中身としては余り地域交通に役に立っていないんじゃないかという感じを私個人は思っているんですけれども、その際、一番気になっていたのが、交通事業を考えるにしても、公営企業法という法律がどうしてもネックになっている課題というのが多いと思うんですね。そこについて先生のお考えを、どのように今後考えていけばいいのかを含めて教えていただければというふうに思います。  それから、自治体で、私も交通の問題ではずっと、国が交通政策基本法という法律をつくったんだったら、やはり自治体が法律的なものをきちんとつくっていくためには交通基本条例みたいなもの、例えば福岡とか、あるいは熊本とか、そういった条例をつくって、きちんとした対応をすべきじゃないかということを申し上げてきた経過もあるんですが、そういうことについて行政側のかかわりも含めてどのようにお考えか、ちょっとお聞かせいただければと思います。 5: ◯吉田樹氏  まず、2点目から先にお話ししたいと思います。交通に関する条例というところは、おっしゃるとおり全国的に幾つかの自治体、しかも比較的大き目な自治体というふうに言ったほうがいいのかもしれませんけれども、策定がされています。個人的には、2年前まで私はそんなものつくっても意味ないと思っていました。要するに、交通っていうのは極めてマーケティングな分野でもありますし、あるいは実務が非常に重要な分野でもある。なんですけれども、ただ一方で、ここで1点目の話とも翻ってくるんですけれども、なぜ国の交通政策基本法というものができておきながら、地方に政策が行き届かないのかというところもかかわってくるんですけど、一応交通政策基本法は正直にいくとあの法律ということを一つの元手にしながら、当初のもくろみとしては事業法の改正、この事業法の改正というのは道路運送法から鉄道関係の事業法、あるいは公営企業体に関係する法律、あるいは独占禁止法にかかわるところ、要するに交通政策に関係する分野の所要の改正を踏まえていく中で、いいネットワークを描いていくためにさらに財政の確保を手厚くするというところの2本立てで考えていたんです。ただ、実は法律の改正っていうところがまだできているのは、正直にいくと道路運送法の一部と都市計画関係の一部というところで終わっているんですね。例えば先ほどお話しした八戸のような、複数のバス会社があって、いろんな交通調整を行っていくときになると、独占禁止法というところが課題になるんですけれども、そこに対しての法的な整理というのは一切されていないし、仙台市に関して見ると、例えばですよ、仙台市の中で一応公営企業体が民間になるという話になったときに、最近では大阪のケースがあるわけですけれども、宮城交通という会社が一気にどんと引き受けるということになると、これも独禁法との絡みが出てきます。要するに、県内のシェアが物すごく高くなるという話になるので。なので、逆に言うとやり方というところは大阪とか、熊本もそうですけれども、別な受け皿となるような企業というものをつくってやっているというようなケースもあったりもするわけですね。ですから、基本法はできたんですけど、それを付随するような、担保にするような政策とか法律の改正っていうところが追いついていないというのが実態です。追いついていないので、なかなかベストプラクティスも限られてしまうというところがあるので、実は地方にとって使い勝手が悪いような補助制度の立てつけになっている。だから、私地方議会の皆さんとお話しするときによくお話しするのは、実は地方ではこういうような支援が必要なんだということを、本当に永田町や霞が関に届けてほしいと。逆にそのエビデンスがないと、財務省と戦えないんだっていうふうに言われるんです。だから、ぜひそれを出していただきたいと思っています。  2番目の話になってきますけれども、じゃあ条例というところになると、むしろ仙台市として例えば公営交通のあり方も含めてこういう指針で移動手段の確保だとか、あるいはもっと市の経済が活発になるような、あるいは福祉が充実するような交通網というものをつくっていくんだという、ちゃんとした明確な宣言をするという意味で言えば、むしろそれが仙台市全体の政策をつむぎ上げる、つなぎ上げる手段にもなるということにもなると、条例というものの価値は大きいだろうなと思っています。ですから、条例は私2年前まで要らないと言っていたのが、意味があるなというふうに思うようになったのは、やっぱり交通政策基本法後の政策の流れというところで難しさを感じているのに直面しているからというところがあります。 6: ◯庄司あかり委員  貴重なお話をありがとうございました。  地域交通のところでちょっとお伺いしたいんですけれども、御説明をお聞きして、本当にそうなんだろうなと思ったのが、始めるのも大変だし続けることはもっと大変だというところで、成長期と成熟期があって、衰退期を迎えるときにヘビーユーザーの方が亡くなるとか入院されるとか、そういうリスクがあるというお話だったんですけれども、そうなるとやっぱりスタート支援事業に仙台もなっていますけれども、スタートするところをコンサルを派遣して、そのかかわり方も非常に大事だというお話がありましたけれども、スタートさせたと。その後、衰退期を迎えそうなタイミング、あるいは迎え始めたときに、じゃあ今までやってきた住民の皆さんで継続させていかなくちゃいけないというのは本当に大変だし、そこでやめてしまうということも考えられると思うので、そういう事態になったときを支えるにはどういうかかわり方があるのかと。そのときに、スタートのとき支援したコンサルさんがまた長く支えていく、支援していくというのも、ちょっと現実的ではないのかなと。衰退期がいつ来るかというのはその地域によっても違うと思うので、そういうときに行政がどういうふうにかかわっていく必要があるのかということ。  あとは、市営バスのブランドを生かして、このスタート支援事業も取り組んではどうかというお話もあったんですけれども、そこも少し詳しく教えていただきたいなと思います。 7: ◯吉田樹氏  まず1点目ですけれども、例えば京都の舞鶴市があるんですけれども、今の京都交通というバス会社さんは再生会社で、一回倒産している会社なんですね。なので、そのとき路線が大幅になくなったときに、結構各地域ごとに地域バスという地域住民の皆さんが担い手となっているいろんな種類のバスというのが出てきたんです。それが10年ぐらい続いています。もちろん衰退期も途中で迎えているんですけど、連絡会というのをやっていまして、要するにノウハウ、複数の地域が出てきたときには、うちはこういう問題なんだよな、うちもそれは共通している、でもこういうものだって乗り越えてきたんだよ、じゃあそれやってみようかとか、要するに行政側の目線から見ればそれが属地的な問題なのか共通している問題なのかというのを把握する手段、これは行政の政策としてどういう立てつけにするかに生かせますよね。プラス地元の人にとってみたら、こういう知恵で乗り越えられるんだ、うちもちょっと仕掛けでやってみようかというふうな気づきにもなるというような、地域間の横の連絡の場づくりというものを行政体がやっているというケースが多いです。コンサルさんが入るというケースは、全国的には極めて少数と私は踏んでいます。例えば、地域の皆さんで一緒に議論をするときに、大きな地図をつくってみんなで議論素地にするとか、人がどこに住んでいて、目的地がどこにあってとか、今近くのバス路線がどこにあってとかという図をつくるとかというのは、地元の人は大変で、逆にコンサルさんの支援があったほうが明らかに楽になりますし、ファミレスで言えばメニューですね、要するにこういうメニューとこういうメニューとこういうメニューというのがどうもおたくの地域だと考えられそうなんですけどもという、議論の最初のとっかかりをつくるとか、あるいは地域の皆さんにアンケートとかをとるときの支援をするとか、多分そんな感じになってくるんですよ。多分コンサルタントの皆さんにはそんなにうまみがある金額の業務にはなり得ないと思うので、むしろ逆に言うと例えば仙台市内の大学と連携するとか、あるいは複数出てきたんだったら、今山形はそうしようとしてますけど、あるAという地域で結構頑張って事務局とかをやってきた人がBの地域に入る、そういうような形での、さっきの横つなぎというところもあわせた橋渡しというところもしていく必要があるのかなと思います。ただ、これは実際にスタートしてみないと、仙台市としてどういうものが向く雰囲気なのかなというのがわからないので、そこは走りながら考えていくでも問題ないかと思っています。  2点目の市営バスのブランドを生かしてというのは、特に市営バス要望路線を中心としたところ、あるいは末端路線という言い方は失礼ですけれども、物すごく営業係数が高くなってしまっていて、でも確保はある程度必要かもしれないなというところをどうしていくのかというときの話です。もちろんそのときにも、需要規模は小さいので、こういう地域の皆さんが参画するような形をつくっていくということは必要だというふうに思っていますけれども、もともと市営バスがあった中のところでダウンサイジングすることになるので、何かうちの地域廃れちゃったなというふうに思われないような仕掛けづくりが必要なんですね。そうすると、その道具としてそういうエリアのところについては例えば支払いはこのままでできるとか、あるいは今の市営バスで使えているような乗車証というものが使えるようにできるだとか、あるいはそういうものが走っているよというのを市営バスの時刻表とかを検索しても出てくるようにするとか、そういうような仕掛けをしていくということも必要なんじゃないかなと。そういうことです。 8: ◯高見のり子委員  本日はありがとうございました。  仙台市の1のバス離れのデータなんですけれども、仙台市は敬老乗車証制度があります。制度が変わってきて、前は上限がなかったのが今は1割負担の上限ありというような形になってきて、そちらの影響なんかもここの中に加味していただけると、もう少し敬老乗車証制度とのかかわりもわかるといいなというふうに思っているんですが、先生がそういったことも検討されていたかどうかというのを伺いたいのが一つです。  それから、やはり公共交通なんだと思うんですね。市民の皆さんの足を守るというか、経済活動にしても福祉にしても、やはりその基盤となる地域公共交通というのが本当にしっかりと考え方にないと、仙台市がこれからやろうとしている地域交通というのも成功しないんではないかなと思っているんですけれども、料金との関係で、乗る方の負担のところの考え方というか、その辺は先生はどのようにお考えになっているかをちょっと伺いたいんですけれども。 9: ◯吉田樹氏  まず1番目の乗車証制度との関係ですけれども、内訳は一切公表されていませんよね。乗車証で何人乗ってとか公表されていませんから、分析しようがないと。私が今データで分析しているのは、あくまでも市営バスホームページと仙台市の統計書に載っている表面的なデータのところからやっているだけですので、そこまで分析はできていないということです。もちろん八戸ではそれは全部やりました。全部公表していませんけれども、全部私データをもらって、今も毎年やっています。だから、やれと言われればやりますけれども、今の段階はそれができていない。ですから、ちょっと伸びたのがどういう理由なのかというときに、おっしゃるとおりに乗車証の影響というのは少なからず入っている可能性はありますよね、地下鉄東西線開業の直前に。  2点目の運賃、料金というところに関してですけれども、八戸の場合に、運賃を下げたんです。何で運賃を下げたのかというと、所得の問題でした。要はどういうことかといいますと、田舎ですので遠距離に行くほどバスの料金が高くなりますね。それは合理的なんですけど、年間定期券代にするとめちゃくちゃな金額がかかるので、例えば高校の進路選択が狭まるとか、そういうのが出てきたわけですよ。最低賃金とか平均の世帯当たり収入も仙台市とは比較にならないぐらい低いので、ですから市内の上限は300円、郡部も含めた上限は500円というところで、頭打ち運賃をつくって、やりました。その中で、さらにそこでまた負担ができないという方、要するに低所得な方とか、そういう方々の場合には、今度は福祉政策として乗れる環境をつくる。どういうことが言いたいかというと、交通政策としてしつらえる部分、でもそこでうまくいかないところを福祉政策でバックアップするという2階建てにしているんです。でも、今仙台の場合だと、あの乗車証が福祉政策なのか。でも、運送収入上でいったらかなりあの収入は公営企業体に入ってきているはずなので、ある意味バスを支えるものなのかというのがちょっとわかりにくいですよね。これは公営企業体がある自治体であれば、どこもそうなんです。仙台だけが特殊じゃないんです。だから、そこの整理はする必要があるだろうと思っています。なぜそんなことを言っているかというと、特に高齢者の方の場合だと所得の格差が大きいです。支払い能力が高い人もいれば、そうじゃない人も多いです。だから、やっぱり2階建てでやっていかないといけないだろうなというふうに見ています。だから、100円だから乗るとか、500円だから高いとかと話ではなく、第1段階としてはあくまでも交通輸送の対価という概念で払ってもらう金額をきっちりつくって、そこでフォローできない人たちに対してどうするかということで考えていかないと、見誤ってしまうんじゃないのかなという気がします。 10: ◯高見のり子委員  ぜひ先生、仙台でも事例を御一緒につくっていただけると。期待しています。ありがとうございます。 11: ◯赤間次彦委員  きょうはわかりやすい説明、大変ありがとうございました。  どうしても自分たち議員は、全体の部分もありますけれども、住んでいる地域のことを考えてしまう部分があるものですから、自分たちが議論した中では路線がなくなった部分で、今出たようにデマンドとかコミュニティーという話は大分出しましたし、特に視察に行った先でなるほどなと思った部分で、人が少ないところなので、お話に行ったらちょっと難しいというのは、自動走行だのいいんじゃないかと単純に考えていたんです。今お話いただいて、なかなかこれは大変なんだなという部分が現実に入ったんですけれども、自分の住んでいるところというのはどうしても、地下鉄はないんです、JRの東北本線と仙石線。そうしますと、現実的に私はもう20年くらいバスに乗ったことがないんです。20分くらい歩いてもJRに乗っちゃうんですね。若い人は、今マイカー離れもありますけれども、やっぱり利便性があれば乗る可能性はあると思うんです。さっき先生のほうでお話があった、まず皆さんにわかりやすい、なるほどなというのは駅の番号、あれは逆に当局にうんと考えていただきたい。我々もやりますし。  それから、仙台駅に来られたときに、よく議会で、バスターミナルの話はよくあったんですよ。仙台駅東とか西とか、どこにおりるのかわからないし、どこから乗るのかわからない。しかも、仙台駅の前に京都市みたいに立派なバスターミナル云々といったときに、景観の問題があるとか。これはなくなったんですよね。ですから、これは行政の考え方もあるんですけれども、それ以外で逆に教えていただきたいのが、ちょっと小さくなるんですけれども、育てる公共交通というお話をされたんですが、特に余り乗っていない地区なんです、自分で。そこで、ここで見ると企業とか学校だのという取り組みをするときに、何かアドバイスがあればぜひ教えてもらいたいなと思うんです。 12: ◯吉田樹氏  特に鉄道駅が近いという話は、そうなんです。変な話ですけれども、鉄道と、例えばですよ、八戸は今10分に1本、バスを駅から走らせています。中心街まで。一方で、JR八戸線は1時間に1本です。実は運んでいる輸送人数は同じなんです。ですから、鉄道のほうがバスに比べて6倍ぐらい人を引きつける力があるので、鉄道駅が、ある程度歩いて行ける、自転車で行ける範囲だったら、多分そこが一番当てにされるというのはほぼ間違いがないわけですよね。でも、その中でやっぱりラストマイルを考えるということになったら、バスか、それよりもダウンサイジングされた陸上の交通ということになりますよね。例えばですよ、さっきの山形の明治、大郷地区もそうなんですけれども、実は議会の先生が何人かかかわりました、最初。皆さん先進事例をよく知っているんですよ。でも、地元のバスを使う機会もないし、離れていると。みんなであえて乗る機会をつくりましたね。実際に乗って、確かめてみようと。この地域のバスがどうなっているのか確かめてみようというところからスタートして、そこから始めたんです。だから、もしかしたら仙台のこれからの地域交通スタートもそうですし、私が言った育てる公共交通というのもそうなんですけど、議論して集まってくる人は大概自分たちの地域の移動手段を使っていないケースが大半だと思うんです。でも、それはライフスタイル上しようがないんですよね。だけども、1回じゃあ試しにあえて使ってみるイベントじゃないですけど、機会を1回つくりましょうとやってみて、そこで感じたこととかをその場で議論するとか、たったその1回でもいいと思うんですよ。そういう場面をつくってみると、一気に話が進んだり、みんなが思う方向が一緒になったりとかすることもありますから。私はあえていろんな路線をウォッチしていますのであれですけれども、皆さんもぜひ乗っていただきたいと思いますし、そういう場面のときにはぜひそういう場をつくっていただきたいと思います。 13: ◯佐藤和子委員  先生、ありがとうございました。  仙台市も地域交通の取り組みを本格的に進めるということで、こういうものをつくったわけですけれど、まず継続できるようにするための行政としての補助金の考え方を教えていただきたいなというふうに思います。  それから、運行主体が交通事業者、今タクシー会社も大変厳しい状況なので、本当にタクシー業者がかかわっている地域交通ってたくさんあるんですけれど、その中に地域とNPOの人たち、要するに住んでいる住民の方々がやっている部分で、ただこの部分ではやはり公共交通空白地有償運送ということで、タクシー会社がないとか、会議で合意を得られないとこれは実施できないとは思うんですけれど、地域やNPOが運行主体としてやっていく部分での全国の傾向というんでしょうか、そういうのを教えていただきたいと思います。 14: ◯吉田樹氏  地域やNPOがかかわってというケースでも、運行まで自分たちがやるというケースですけれども、福祉有償運送と、それから今お話しされた空白地有償運送の2タイプあります。空白地有償運送の制度は、今から12年ほど前に制度化されたんですけれども、2006年です、そのときが恐らく60例ぐらいです、全国で。今は100強です。ほとんどふえていないことがおわかりいただけますね。なかなか続けるのが大変ということが事実です。その多くは自治体からの支援がなかなかない、東北の中でも私がかかわったところでは青森県の佐井村という、下北半島にありますけれども、そこは12年前から、制度ができたときから有償運送を始めていますが、今は運転するボランティアの方が本当に来ないということで、社会福祉協議会の方とかがかなり頑張っておられて、何とか維持しているという状況です。だから、地元の人が自家用車でやるというケースでも、やっぱり持続性というところでは結構大変だということになるんですね。でも、佐井村で何で12年継続できているかというと、そこにも財政支援を出しているんですよ。運営費とかそういうところで財政支援を出しているんですね。だから、緑ナンバーじゃないと出しませんよということになると、それはついえてしまうわけですけれども、選択肢を広げれば別に緑ナンバーじゃないものでも運営費は出せるという余地は十分にあり得るわけです。今、タクシー会社との合意というのもありましたけれども、3月31日に国が高齢者の移動手段確保に関するガイドラインを示していまして、その中で自家用車を活用した送迎までに至るところの合意形成のプロセスというのをモデル化しています。例えばですよ、仙台市に申し出がありました、その中でタクシー会社に対してこういうことができるか、バス会社に対してできるかと問いかけをしました、何ら返答がなくて、4カ月来ましたといったら、じゃあおたくはやれないんですねっていう判断ができるという、そういう交通整理がされたということもあります。ですから、緑ナンバーがもちろん主体ではありますけれども、自家用も含めて考えていかなきゃいけないよねというのが最近の政策の流れにもなってきていると。  補助のあり方というところがありましたけれども、今何%ってやっているんですよね。恐らく無理でしょう。多分達しないと思います。あのパーセンテージに。と思っています。大概どの自治体もそうなんですけど、さいたま市とか先行事例がそうなんですけど、最初さいたま市は40%にしていたんですよ。それを具体的に幾つかの事例を上げていく中で、どうも頑張っても2割5分前後が限界だというところで、そこにシフトするんです。だから、やっていく中で最終的なお金の出し方というところもどこまでを行政がやるのかというところを調整していますよね。多分仙台の場合もそこだろうと思っています。だから、今回うまいなと思ったのが、本格運行に向けて調整します、あれは正解です。あれは大正解だと思います。現実それでいいと思います。ただ、実証運行を2回やらなきゃいけないんですよね。あれがちょっとまどろっこしいかなとかと思ってますけど、制度のたてつけとしてはうまいことやったなと思います。 15: ◯委員長  まだまだ時間が欲しいところですけれども、この辺で終了させていただきます。  吉田先生には、本日は大変貴重なお話をいただきまして、まことにありがとうございました。当委員会の今後の調査を進める上においても、大変参考になるお話を伺うことができました。ここでもう一度感謝の気持ちを込めまして拍手で御礼をしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  ここで暫時休憩をいたします。                休憩 午後2時44分                再開 午後3時00分 16: ◯委員長  再開いたします。  それでは、先ほどの吉田先生のお話を踏まえて、委員相互意見交換を行いたいと思います。皆様から御意見等をお願いをいたします。どうぞ遠慮なく、忌憚のない意見を。 17: ◯赤間次彦委員  さっきちょっと吉田先生の話を聞いてあれだけど、駅の番号とか、乗り場の番号とか、ああいうの聞いてどう思いますか。やっぱりヨーロッパとかいろんなところであのようにやっているんだったら、当局の考え方というか、やっぱりいいものは直すべきだと思うんですよ、早目に。みんながわかりやすいっていうね、さっき言われた中であるのは、市民とかの目線じゃなくて経営者目線でやってるんじゃないかと。そういう部分は直していくというか、これは早ければ早いほど私はいいと思うの。なるほどなというのは、仙台駅をゼロにして、両方わかるようにする。バス路線とかいろいろ決めるときに、やっぱり縦社会で横がないというのは、例えば私の地域のことを言いましたけれども、JR、本線、仙石線だのがある、今は東西線の荒井駅にどうするかと皆言っている部分があると。地域の人たちと話をするとき、どういうのが出てくるかというのも実際正直言ってわからないのね。だけど、うちの地域は市営バスもあるけど、一部泉のほうに向かうのは宮城交通さんですから、地域でデマンドとかコミュニティーバスが欲しいというのは、中なんですよ、中。いわゆる余り外に出にくい高齢者の方が乗るためにそういうのが欲しいとかという、地域で意見が違うわけですから。ここは意見交換で言いますけど、最初のやつの、目ですぐわかる駅の番号とか、あと乗り場の番号とか云々というのは、やっぱりせっかく吉田先生から話を聞いたので、どう思われますかとそちらの意見を聞いて、あと意見交換しますので、よろしくお願いします。 18: ◯委員長  それでは、当局のほうでお答えいただけますでしょうか。 19: ◯輸送課長  バスの乗り場につきまして、済みません、市のホームページ、市の案内のほうはやはり市のバスの乗り場になっておりますので、これまでの経緯とかをいろいろ確認しつつ、どう対応できるのか、そこはちょっと考えていきたいと思います。  なお、バス協会というところがありまして、そこでつくっている案内図等につきましては全部網羅したようなものは一応ございまして、駅前での大きな地図の掲示だったりもバス協会で5カ所あったりはしておりますが、いずれ市のものもありますので、どこまでできるか、まずそこは考えていく必要があると思ってございます。 20: ◯交通局経営企画課長  地下鉄の番号につきましてでございますが、これを決める際にもさまざまな検討はしたということでございまして、吉田先生のおっしゃったような真ん中を起点にして数えるというのも候補にはあったというふうなところはあるようでございますが、さまざまなメリット、デメリット等を勘案しました結果で今のような形、どうも同じ駅の番号がたくさんできるような形になるのを避けたというところが現在の状況ではございます。確かに吉田先生がおっしゃるような結節という面でわかりやすくというふうなのが一つ御意見としては非常に貴重なところがあろうかとは思ってございますので、このあたりを持ち帰り、関係の部署との意見交換といいますか、検討のほうをできればというふうに思ってございます。 21: ◯委員長  ぜひ市民がわかりやすい、使いやすい、市民目線というものを大事にしていただきながら、やっていただければと思います。 22: ◯赤間次彦委員  さっき出たバスナビというか、今どこに来ているっていうの、あれは仙台はどれくらいあるんでしたっけ。 23: ◯輸送課長  ちょっとお待ちください。
    24: ◯赤間次彦委員  いいです。後で資料だけください。 25: ◯輸送課長  済みません。本日ちょっと持ち合わせがございませんので、申しわけございません。 26: ◯委員長  では、後でお配りお願いします。  それでは、委員の皆様に意見交換ということでお願いをしたいと思います。 27: ◯菅原正和委員  先ほど地域拠点と都市拠点を結ぶ路線網の確保と維持というのが交通政策にまず必要だということだったと思うんですけれども、仙台市内は東西線ができて、結線という形で今までなかったものが、結線をして交通をつないでいくという形になったかと思うんですよ。非常に乗りなれないという方が多くて、東西線が始まったりとか何かってあったんですけれども、なおかつ今地下鉄も東西線と南北線を乗り継ぐという形で、なれない人は非常に大変だという、乗り継ぎ文化がまだまだ仙台市は醸成していないと。そういう中で、今後バスの減便ではないですけれども、だんご状態のバス解消のためにはこういうことも必ずやっていかなきゃだめだと。現在、東西線が開通してからも薬師堂に行くときに本当にだんご状態になっているというバスがかなり、実は路線によっては最終的に結線に結びついていってしまうので、3台くらい連続して走っているという、そういう状態を市民の方が見ていると、要は空気を乗せたバスが何台も連なっていると思われているという、これは多分だんご状態ができているから、そういうことなのかなと思うんですけれども、この結線に対して市民にどうやって乗りやすくしたらいいのかというのをアピールするためには、今後どうしたらいいのかなというのが一つの課題になるのかなと思うんですけれども、その点について皆さんの御意見をお聞きしたいなと思っていました。 28: ◯高見のり子委員  吉田先生のお話を聞いて、まず自分が乗らなきゃだめだなというふうに思いました。そこが出発だよなというふうに思いつつ、何で乗らないかなと思うと、やっぱり乗り継ぎとか、時間とか、便利じゃないというか。そうなると、やっぱり便利な、そういった地域交通をつくらないと、鉄路とバスとなると思うんですけど、そういうのを目指していかないとだめだよなというのをまず感じました。そういった意味で、どうしたらバスに乗っていただくかという、みんなのバスと先生もおっしゃったんだけれども、やっぱりそういった地域交通をつくっていかなきゃないなというふうに思いました。  私は料金についてちょっと質問させていただいて、大分すっきり考えを、必要な経費というのと、あとは福祉的な観点とか、例えば学生支援もそうだと思うんですけれども、学都フリーパスなんかもそうなんですけど、そういった視点でのバス料金の考え方というのをちゃんと持つべきだというところも、非常に整理されました。それもこれも、やっぱり乗っていただく、利用していただくというところにつながるのかなというふうに思いました。  あとは、地域交通についての新たな仙台市の支援制度がスタートするわけなんですけれども、まだまだ手探りの状態ではありますけれども、やはりこの地域交通が成功するためには、まず本当に皆さんにたくさん乗ってもらって、便利だなとか、やっぱり乗りたいなと思ってもらう体験をしてもらって、そして通常の試験運行ではなくて本格運行につなげていくということが非常に大事だなというふうに思いました。  コンサルタントの考え方も先ほど先生からお話ありました。仙台の場合、今一つのコンサルさんがどうも一手に引き受けているところがあるので、やはり吉田先生みたいな考え方、大学との連携というお話もあったので、そういった視点も今後は必要なのかなというふうに、そういったお力をおかりすることも必要なのかなということも思いました。 29: ◯佐藤和子委員  きょうの吉田先生のお話、本当に公営バスとして、今現在も御努力いただいているわけですけれども、さらに効果的な提案をいただいたなということで、大変勉強させていただきました。  この資料の中に、民間に任せられない正便益、不採算のサービスを確保するということで、本当に市営バスとして市民の要望を受けて路線をふやしてきたり、または乗客の利便性ということにも努力していた部分で、全国のピークよりもピーク時がおくれたというか、という話が最初にありまして、そして今後の考え方としては地域交通の事業と、それから市バスのブランドを残しつつやっていくという考え方は、私たちのこの委員会でも皆さんと共有していることじゃないかなと思いました。  それで、地域交通のスタート支援事業、これ本当にできまして、私も二つの地域の方々に、将来の高齢化の中で地域の足を心配される住民がおりまして、これをお渡ししたんですけれども、もっともっとこれへの取り組みを仙台市でやるということをもっとどんどんアピールしていただきたいなというふうにも思いますし、それから先日河北新報に出ました燕沢ですね、実証実験3年間ということでやるということが載っておりまして、先ほどの吉田先生のお話にもあったとおり、やはりイクスカとか敬老乗車証が使えれば、利便性がよくなるので、そういう部分で地域交通にもそれが生かしていけるようになればいいなと思いました。  また、考え方としてはやはりまちづくりにもつながっていく、生活と、それからやっぱりにぎわいという二つの考え方ですか、地域交通のコースを考えていくという部分でも、本当にきょうの先生のお話はこれから住民が考える上でも地域交通に対してのアドバイスがたくさんあったので、ぜひこういう部分も当局で検討していただいて、住民に発信をしていただければなというふうに思います。この計画というか、実際にやるまでは当然時間がかかるし、持続も大変だということで、並大抵のことではないとしても、でもそうやって住民が主体になってやっていくという機運を高めるためにも、行政として発信していくというか、こういう事業を始めたんだということをもっともっと発信していただければなというふうに感じました。 30: ◯庄司あかり委員  本当に吉田先生に非常に大事な指摘を幾つもいただいたなというふうに思っておりまして、まず、ああやっぱりそうだったのかと思ったのが、最初のところで路線バスサービスを1%低下させると1.4%利用者が減少したと、負のスパイラルになっているというお話で、負のスパイラルに陥っているなというのは感覚としてはありましたけれども、こうやって数字で示されるとなおさら実感するものですし、経営の視点からいってもサービスを減らした以上に利用者が減っているのはどうなのかというお話があって、それは結局経営改善の名のもとにやっていることですから、これを経営改善と言って進めていっていいのかという重大な指摘だったんじゃないかなというふうに思っています。  それで、じゃあバスを充実させるというふうには単純にいかないというお話もなさっていて、それはもちろんそのとおりだと思うんですけれども、幾つもさっきも質問もありましたけれども、もっとバスに乗る、地下鉄に乗るというときにわかりやすくする工夫についてですとか、あとパターンダイヤにして、時刻表を常に持っていなくても、あの時間に来るというのがわかるようにしようというお話とか、あとはお出かけしやすいようにバスパックというのも、これもすごいいいなと思って見ていたんですけど、こういう取り組みというのはどちらかというと交通局が経営改善だと言って取り組んでできることではなくて、やっぱり市全体として、文化観光局とかまちづくり政策局もそうですけど、一緒になって、まだまだやれる工夫があるんじゃないかなというふうに思いまして、これも非常にいいお話を聞けたなというふうに思っています。いろんな視点で経営改善に取り組んでいくということが大事じゃないかなと思いました。  あと、5%の減便を進めていくということと、先ほどからお話がある地域交通のスタート支援事業が同時に進められるのではなくてそれぞれ別にやっているという印象があるので、それも一体に取り組んでいくということも考えられるんじゃないかなと先ほどのお話を聞いて思いました。地域が手を挙げて、このスタート支援事業に取り組みたいというのを待つだけじゃなくて、例えば市バスで営業係数が高い地域なんかに、仙台市からこういう事業が始まりますということを働きかけていくということも考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思いまして、本当に大事なお話を伺ったなという感想です。 31: ◯小野寺利裕委員  きょうは吉田先生に貴重なお話をいただきまして、大変勉強させていただきました。幾つかその中で感じた部分なんですが、やはり大事なことは、例えば地域交通一つとってみても、経営者側からの発想ではなくて利用する側からの発想が非常に大事なんだなというふうに思いますし、また地域交通を考えたときにその地域の要望または課題がさまざまでありまして、そういうこともやはり十分に考慮しながら、しっかりと取り組んでいくことが大事なんだなというふうに思います。  また、私もこれは非常に大事な視点だなと思ったのは、吉田先生の中でライフスタイルを提案する公共交通というふうにお話がありまして、ここに関しては本当に高齢化の中で生活と密着していく交通のあり方、やはり生活と切り離したところで交通というのは考えられないんだということをしっかりと捉えていく必要があるんだなというふうには思っております。そういう意味では、常に地域のライフスタイルというものを同時に考えながら、またある意味では提案しながら、またあるときには地域の方のいろんなお話を聞きながら、どう地域交通のあり方を、より皆さんが便利で、それを利用しながら、そしてまた自分の生活になくてはならないものとしてそれを捉えていくのかということを十分に考慮しながら、今後やっていく必要があるんだろうというふうに思っております。  また、今後、こういった地域のいろんな要望もいただきながら、モデルケースをふやしていきながら取り組んでいくことが大事なんだろうなというふうに思いました。 32: ◯辻隆一委員  きょうは吉田先生のお話、非常に貴重な御意見をいただいたというふうに思います。その上で、一つには公共交通の問題と言っても、きょうはバスの話が中心だったと思いますが、公共交通を考えるときに大切な視点というのは、今庄司あかり委員からもお話がありましたけれども、やっぱり縮小再生産ではだめだと。要するに負のスパイラルという言葉で言われましたけれども、そういうことではだめなんだということは、やはり我々も実感として感じてきたことをきょう先生のほうからデータで示されて、非常に大きな課題だったかなと、視点だったというふうに思っています。  そういう意味で、地域交通とも関連するんですけれども、仙台市としてはパーソントリップ調査をして、新しい交通体系について検討していくということでは、議会の答弁でも何回もお話しされているんですが、パーソントリップというのは動いている人たちを中心に分析するんですが、地域の人たちがどこに行きたいのかという、そういう視点を検討していくことが非常に大事な視点であろうと私は思っています。もちろん先ほど話が出ましたけれども、燕沢で実験していますけれども、まず一番必要なのは皆さんどこに行きたいかということの調査から始まって、路線もどこに行きたいのか、どこにとまればいいのかという、地域の人たちが主体になって検討してきた結果、実験に秋以降踏み出すということなんですが、これと同じようなことがやっぱり、それぞれの地域でどういう課題を持っているのかと。仙台市全体で。私山形にも実際見に行ったことがありますし、また先ほど先生の話では北上市の話も出ましたけれども、それぞれの地域でどういう課題を持っているのかということをそれぞれ分析していかないと、どこかで実験をやったのを次につないでいけないというふうになるので、その地域の人たちはどこへ向かいたいのか、公共バスでどこまで行きたいのか、そういう課題と、それができなければどうすればいいかと、こういう区別をして、議論していく必要があるんだろうと。そういう意味で、この委員会の目的もそういったところをきちんとやっぱり一定程度の方向を出していければいいのかなというふうには思っています。 33: ◯副委員長  きょうの吉田先生意見聴取というのは、かなり秀逸だなというような印象を持ちましたね。できれば吉田先生自体に御当局のほうのコンサルに入ってもらってですね、そういうイメージができたわけですが、皆さんから全体的な部分での御意見をたくさんいただいたところですけど、私のほうからの切り口としては1点だけ、すごく感じたところの意見を申し上げると、やっぱり地域公共交通というのはインバウンド利用に応えられているのかという点であります。先ほども出たように、NotInServiceというかOutOfServiceというか、その程度で、今交通事業者も売り上げを上げるということにいろいろ工夫をされているけれども、やっぱり地域経済が今向かおうとしているところと同じように、外から来た人たちがそれを利用して、それが売り上げの貢献につながるということを当然考えなきゃいけないし、今後やっぱりいろいろ改善計画等を進める上でのコストの確保という点においても、今の現状ではどんどん減っていく売り上げということに対してどうするかじゃなくて、ふえる可能性があるわけですから、外国人のインバウンドの方々が。比較的今は団体旅行じゃなくて個人旅行なんですよね。だから、国内の都市を見ても、東京あたりに行っても地下鉄を利用している人なんか物すごく多いし、軌道系の民間の交通を利用している方はすごくふえていますね。やっぱり相当の売上収入になっているそうです。京都とか、大阪にしてもそうですけれども。というのは、やっぱり乗りやすいし、乗った後おりてからどこに行くかということも明示がされていると。だから、例えば東西線も一応4カ国語ぐらいで、駅の表示は一所懸命入れるようになりました。ところが、私この間バンコクに行ったり、台北に行ったり、この間も上海に行ってきたけれども、現地に行くとさんざん私はもうまさに地域公共交通機関を利用してあっち行ったりこっち行ったりしているんだけれども、物すごく便利なんですよ。一旦乗り方がわかると、外国人も幾らでも利用できるような環境があって、すごく快適です。  それをふと、東京はさることながら仙台でどうだろうと。東西線と南北線を乗ったときに、確かに駅名はわかりますよ。ところが、肝心なのは、駅でおりて、じゃあ自分が行こうとしているほうのどっち側の出口か。地下鉄というのは、出口を間違ったらえらく大変なことになりますからね。そこがすごく明示されているんです。今言った三つの都市の話をすると、この出口に行くとこっち側の公園に近い、こういった建物のところに行きますということが外国人にわかるようにはっきり明示をされています。アナウンスもそうです。やっぱりそういったふうな工夫もしていくことによって、私東西線なんかも物すごく利用価値があると思うんですね。外国の方々にとっても。八木山動物園に行ったり、東北大のほうに行ったり。だけど、やっぱりいかんせん駅名だけを連呼しているだけではあれでありますし、今必ずしも団体旅行ではありません。特に東北のほうに来る人たちの傾向を見ていると、個人客、きのうもハーフマラソンで結構外国の方もたくさん来ていたけれども、基本的に個人旅行で来て、ぐるっと回って帰るという方、そういった方々が、実は地下鉄に乗ると快適なんだというようなことがすごくSNSでつながっていけば、相当私は売り上げのほうに貢献するだろうと思うし、ということも含めて、その辺のインバウンド対策についても非常にいいお話があったと思いますので、痛いところかもしれませんけれども、その辺もやっぱり取り組むべき課題ではないかなというふうに。  そのもとになるのは、先ほど赤間委員もおっしゃいましたけれども、私も非常にあのNとTですか、何なのかなって腑に落ちなかったけど、私はやっぱり先ほどの吉田方式なんかを取り入れると、まさにそれはグローバルスタンダードというか、ユニバーサルステージというか、そこからの結節、利便性においても物すごくいいものになるんだろうなということは本当に感じます。 34: ◯委員長 ありがとうございました。  ほかに御意見ございませんでしょうか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 35: ◯委員長  なければ、以上で意見交換を終了いたします。  次に、他都市視察についてであります。  本委員会におけるテーマであります持続可能なまちづくりの実現に向けた交通政策に関連して、他都市における取り組みを視察調査したいと考えております。  視察先につきましては、このテーマに関連した先進的な取り組みの調査を中心とし、現在候補地を考えております。  視察の日程につきましては、皆様には事前に日程調整をさせていただいておりましたが、平成30年7月24日火曜日と25日水曜日の1泊2日で実施したいと考えております。  基本的にはこのようなことで進んでまいりたいと考えておりますが、視察先の都合などもありますので、その詳細につきましては正副委員長に御一任をいただき、後日改めて委員の皆様にお知らせをするということで、いかがでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 36: ◯委員長  よろしくお願いします。  それでは、そのようにさせていただきます。  なお、先進都市の視察に当たり、今後委員会運営上、当局に御同行願いたいと考えておりますが、いかがでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 37: ◯委員長  よろしくお願いします。  御当局、両局、よろしくお願いします。  それでは、そのようなことで進めたいと思います。  なお、同行者の人選についても正副委員長に御一任をいただければと思いますが、よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 38: ◯委員長  それでは、そのようにさせていただきます。  次回の委員会についてでありますけれども、次回の委員会については開催日程に基づきまして7月4日水曜日、午後1時から開催したいと考えておりますが、いかがでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 39: ◯委員長  内容につきましては、調査事項に関連した市内視察を予定しておりますが、視察先等具体の内容については正副委員長に御一任をいただきまして、後日改めて皆様にお知らせをしたいと思いますが、いかがでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 40: ◯委員長  それでは、次回の委員会についてはそのようにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  以上で予定しておりました日程を終了いたしますが、そのほか皆様から何か御発言等がございましたら、お願いをいたします。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 41: ◯委員長  なければ、以上で交通政策調査特別委員会を閉会いたします。...