仙台塩釜港においては、震災の影響はあったものの年々寄港が増加している傾向にあり、
外国船籍クルーズ船のさらなる寄港が期待されている状況であります。来年四月二十九日に総トン数九万一千トン、乗客定員二千百五十八人のセレブリティ・ミレニアムが仙台塩釜港に寄港する予定となっています。本市の
交流人口拡大の後押しとなるものであると感じています。
この
大型クルーズ船の誘致に当たっては、宮城県が窓口となり決定したものと認識しています。港湾の管轄は宮城県であることと承知をしておりますが、港湾に関する本市の窓口はどの部局が責任を持って対応していくのでしょうか。政令市の中で、横浜市には港湾局、福岡市では港湾空港局が設置されております。本市でも、仙台空港と仙台港を一体的に所管する縦割りではない横断的な窓口が必要であると考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
本市では、
仙台経済成長デザインを掲げ、平成二十九年までに年間観光客入り込み数二千三百万人と目標を掲げておりますが、陸路、航路、空路を最大限活用し、
交流人口拡大に向けた取り組みを我が
市民フォーラム仙台が要望し、統合が実現した
仙台観光国際協会と連携を図り、なお一層進めていくべきであると考えます。現在の進捗状況と、確実に目標を達成していくための今後の取り組みについての決意を、担当副市長にお伺いいたします。
次に、
地下鉄東西線及び
バス路線再編についてお伺いします。
昨年十二月六日に開業した
地下鉄東西線も、早いもので一年が経過しました。開業一周年のイベントやさらなる利用促進に向けて、本市でもさまざまな取り組みを実施していると認識しております。
地下鉄東西線開業一周年記念のお祝いムードに水を差すような話となってしまうかもしれませんが、
バス路線再編の課題はいまだに残っていると考えます。
これまでも議会においてこの
バス路線再編に関する課題等を先輩議員や同僚議員が取り上げてきており、先日の代表質疑でもこの件についての質疑がありました。その際、
交通事業管理者は、明年四月に予定しております次回の
バスダイヤ改正におきましては、原則として現状を維持すると御答弁されています。私のところには、再編直後からさまざまな御意見を市民の方々よりいただいております。
具体的に申し上げると、バスの便数が減ったことにより、仙台の中心部へ行くのがとても不便になったということや、地下鉄をおりてもちょうどいいバスがないので、足が痛いのだけれど二、三十分かけて歩いて自宅まで帰って大変だった等々で、このほかにも寄せられています。さきの代表質疑における
交通事業管理者の御答弁は、このような市民からの意見を全く無視されていると言わざるを得ません。
バス路線再編を行った地域に路線や便数を見直ししない旨の説明を、市民の方々へ丁寧に行う必要と責任があると思います。まさか市政だよりやホームページに掲載しただけで、説明を終わりにするということではないと思いますが、御当局はいつまでにどのような形で関係する地域団体や市民の方々へその説明を行っていくおつもりなのか、お伺いいたします。
地下鉄を利用されている市民の方々からは、東西線から南北線への乗りかえ時にスムーズな乗りかえをするためには、東西線と南北線の運行状況を連動させ、乗りかえにストレスを感じることなく、という御要望をいただいております。私も実際に乗りかえをしてみましたが、東西線から南北線へ乗り継いだときに、あと少し時間的に余裕があればスムーズに乗りかえできたということがありました。今後、ダイヤ改正を行う際に、ストレスを感じることのないダイヤ改正にすべきでありますが、当局の御所見をお伺いいたします。
次に、
ふるさと納税についてお伺いします。
平成二十年度から開始をした
ふるさと仙台まちづくり寄附は、平成二十三年度から復興支援のための杜の都・仙台絆寄附、そして今年度より
仙台ふるさと応援寄附と名称を改め、直近の平成二十八年十月現在の寄附額は一千五百八十二件、五千四百三十七万三千円となっております。ことしから九分野、二十六メニューを準備し、寄附される方々がどのメニューに寄附するか選択できるようになり、その点については評価させていただきたいと思います。
寄附メニュー別の件数及び金額を見てみると、件数及び金額の多いものの順番として、震災復興が六百四十四件、二千四百三十六万円、次いで仙台まるごと応援二百六十二件、一千三百五十三万二千円、子育て支援二百六十一件、六百三十五万円となっており、逆に少ないものとしては、協働によるまちづくりの推進ゼロ件、ゼロ円、劇都仙台推進(舞台芸術の振興)二件、三万円、
仙台国際ハーフマラソン大会応援四件、六万円となっています。このメニューについては、ことしから始まったばかりということもあり浸透していないこともあるとは思いますが、魅力あるメニューの創設も今後必要となってくるのではないかと考えます。このメニューの入れかえや見直しについては、いつの段階で見直しに着手していくのか、今後の取り組みについてお伺いいたします。
全国の各都道府県や市町村の
ふるさと納税の寄附額を見てみると、返礼品を豪華にすることで多額の寄附を集めているところもあります。ある意味、過剰な返礼品合戦が繰り広げられており、制度の趣旨から限界に来ていると言っても過言ではありません。本市では、仙台の名産品である牛タン、仙台牛、お米、笹かま、青葉餃子などなど、どれも
仙台ならではの品であると認識しています。これまでも
ふるさと納税の返礼品についてのあり方や、そのメニューについての議論がなされてきておるわけでありますが、その際、御当局は他都市における体験型のサービスなど、話題性に富んだ返礼のあり方も参考にしながら、協力事業者に幅広く声がけをしてまいりたいと答弁されています。次年度以降の
体験型サービスに関する返礼品の検討状況や見通しについて伺います。
本市は、
仙台ふるさと応援寄附の返礼品として、
体験型サービスのメニューをふやしていきたいとの方針であると伺っており、その趣旨に合致することとあわせて、
仙台国際ハーフマラソンの周知拡大にもつながるなど、何よりも
シティセールスに資する観点から、一例として
ネット受け付けが約三十分で終了するなど、年々魅力が高まっている
仙台国際ハーフマラソンの出走権などが考えられますが、あわせて当局の御所見をお伺いいたします。
次に、
スポーツ振興についてお伺いします。
本年十一月十二日、十三日と二日間にわたり、第六回
仙台リレーマラソンが仙台市陸上競技場を会場に、快晴の秋空の中、五百十七チームの参加で盛大に開催されました。ことしから二日間の開催とし、さきにも申し上げましたが、五百チーム以上の団体に参加機会を広げられたことにつきましては評価します。
スポーツ市議の会有志で、今回五回目の出場をさせていただき、先輩議員や同僚議員とともに私もメンバーの一人として、一周一・四キロメートルを二周走らせていただきました。宮城県内でも
国営みちのく湖畔公園を会場に風の
草原リレーマラソンや、千年希望の丘を会場にPARACUP
SENDAIリレーマラソン等が開催されています。
リレーマラソンは、年齢と性別を問わず、小学生から高齢者までみんなで力を合わせてたすきをつなぎ、四十二・一九五キロを走り切ることはとても有意義であると考えます。また、職場対抗であれば、より一層の社内親睦やコミュニケーションを図る絶好の機会でもあり、今後も大会の継続を願うものです。
ここ数年、全国各地で
リレーマラソン大会の開催が広がっております。本市が第一回の
リレーマラソン大会を開催したころは、ここまで全国的に
リレーマラソン大会ブームが巻き起こる以前であったことから、本市は
リレーマラソン大会発祥の地と言っても過言ではないと思います。
そこで、私としての提案になりますが、全国各地の
リレーマラソン大会でチームワークかつ実力のあるチームを招待し、本市を会場に
リレーマラソン全国大会を企画し、大会名を例えば杜の
都リレーマラソン全国大会と称し、実施してはと考えます。既存の
リレーマラソン大会は、市内や宮城県内からの参加チームが大半であるため、これまでの大会とは別な日程で開催し、既存の大会と同じ仙台市陸上競技場もしくは来年度
完成供用開始予定の
蒲生海岸公園を会場としてはいかがでしょうか。
東日本大震災から復興をなし遂げた東部地域の
蒲生海岸公園で開催することができれば、全国各地からの参加者に復興の姿を見ていただくこともできますし、海風を感じながらマラソンを楽しんでいただけるという点からも、本市にとって大変有益であると考えます。
このことを
スポーツコミッションせんだいに担っていただき、この組織の基本理念に掲げられているスポーツによる街の活性化に合致することと、本市の交流人口の拡大にもつながることから、ぜひ企画から実施に向けて新たな
スポーツイベントの開催に向けての取り組み、アクションを起こしていく絶好の機会であると考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
以上で私の第一問とさせていただきます。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの
渡辺敬信議員の御質問にお答えを申し上げます。
リレーマラソン全国大会についての御質問にお答えをいたします。
仙台リレーマラソンは、企業や学校の親睦を深め、家族でも楽しむことのできる地域に根差した大会として企画されたものでございまして、年々参加希望者が増加をし、好評を博しております。
スポーツ振興施策の面におきましても、
ライフステージに応じたスポーツ活動への参加機会の拡大を図る上で、大変貴重な取り組みとなっております。
気軽に楽しめる
スポーツイベントとして定着し、六回目を迎えました今大会では、多くの皆様より参加したいとのたくさんの御要望をいただいておりましたことから、規模を拡充し、二日間にわたり開催をしたところでございます。
今後、全国から参加をしていただけますよう、開催の内容や広報等の充実を図りまして、全国に誇れる大会となるよう育て上げ、人とまちの元気を育む
スポーツシティー仙台を目指してまいりたいと存じます。
そのほかの御質問につきましては、伊藤副市長、
交通事業管理者並びに関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
6: ◯副市長(伊藤敬幹)
交流人口拡大に向けた取り組みに関するお尋ねについてお答えいたします。
昨年の本市の観光客入り込み数は、過去最高となる二千二百三十万人となりましたことから、今年度は目標達成を確かなものとするため、
仙台空港民営化、
北海道新幹線開業や
海外クルーズ船来航を好機とした国内外での
プロモーションを展開するなど、仙台、東北の
交流人口拡大を力強く推進してきたところでございます。
今後もこの勢いを持続させるべく、東北六魂祭の後継イベントの開催や、東北各地への周遊観光の促進など、東北の
ゲートウエー都市としての役割をしっかりと果たしてまいりたいと存じます。とりわけインバウンドの推進に関しましては、本市が強みを有するタイや台湾などターゲットを明確にし、国の交付金なども活用しながら、
プロモーションや受け入れ環境の整備等に力を注いでいくこととしております。
本市といたしましては、これまでの取り組みを通じて培いました
仙台観光国際協会等の関係機関や、東北各都市とのネットワークを最大限生かしながら、観光客入り込み数二千三百万人の確実な実現を目指してまいる所存でございます。
以上でございます。
7:
◯まちづくり政策局長(大槻文博)私からは、空港港湾に関する組織体制についてお答え申し上げます。
現在、空港港湾に関する業務は、
クルーズ船誘致を含む
インバウンド対策については文化観光局、産業振興につながる
港湾利用促進については経済局など、案件に応じて各局の取り組みの中で対応しております。
その上で、
まちづくり政策局が港湾管理者である宮城県との連絡調整等を行いつつ、
インバウンド対策を含めた空港港湾の活用に向け、引き続き庁内関係局の連携を主導してまいりたいと考えております。
以上です。
8: ◯財政局長(板橋秀樹)私からは、
ふるさと納税に関する三点の御質問にお答えをいたします。
初めに、
寄附メニューの見直しについてでございます。
仙台ふるさと応援寄附のメニューにつきましては、寄附される方の視点に立ち、寄附の使い道のイメージが明確になるよう、今年度から具体的な事業や施策の名称を用い、選択肢もふやしたところでございます。
この制度は今年度に見直したばかりでございますので、まずは現時点で寄附件数の少ないメニューを中心に、内容をより理解していただけるように
ホームページ等での説明を工夫してまいりたいと考えております。
寄附メニュー見直しの検討につきましては、他都市での事例や寄附の実績等を踏まえつつ、関係局の意見を聞きながら毎年度継続して取り組んでまいりたいと存じます。
次に、次年度以降の
体験型サービスについてでございます。
仙台ふるさと応援寄附における
体験型サービスの返礼品につきましては、
シティセールスなどの観点から非常に有益であると認識をいたしております。来年度に向けましては、民間事業者が提供するサービスの提案に関して、十一月末に説明会を開催し、個別相談なども行っております。また、行政がかかわるサービスの提案につきましても、関係局に呼びかけを行ったところでございます。
今後は、来年の一月末までに返礼品に係る提案を受け、二月中には決定してまいりたいと考えており、現段階では内容が確定してございませんが、積極的な提案がいただけるよう個別に事業者にも働きかけているところでございます。
最後に、
仙台国際ハーフマラソンの参加権を返礼品とすることについてでございます。
マラソン大会の参加権を返礼品とする事例は、他都市においても見られるところでございます。本市におきましては、当該大会の主催者が既にことしから先着順で参加権を付与する
仙台応援チャリティーランナー枠を創設し、仙台市
児童養護施設協議会や
仙台フィルハーモニー管弦楽団などの団体に寄附を行っております。このため
仙台ふるさと応援寄附の返礼品に加えるためには、主催する構成団体との調整が必要となりますので、関係局とともに実現の可能性について検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
9:
◯交通事業管理者(西城正美)初めに、
バス路線再編見直しに関する御質問にお答えいたします。
昨年十二月に実施したバス路線の再編に当たりましては、経路や便数等の大幅な変更がございましたため、各地域における説明会を開催し、皆様の御理解を求めたところですが、今回は明年四月に実施するダイヤ改正では、原則として再編路線については現状を維持するといたしており、当面大きな変更がございませんことから、地域の皆様に対する特別な説明は予定しておらないところでございます。
しかしながら、今般の対応に至った基本的な考え方やその背景となったバス事業の経営状況などにつきましては、できるだけ御理解を頂戴したいと考えており、今後必要な対応を検討してまいる所存でございます。
次に、地下鉄のダイヤについてでございます。
地下鉄東西線から南北線への乗りかえ時間につきましては、これを五分程度と見込んでダイヤを設定しておりまして、移動の速い方ですと一本前の列車が出発した直後にホームに着くという場合もございます。
乗りかえに要する時間はお客様によってさまざまであり、また一部の乗りかえ時間を調整するためにダイヤを修正いたしますと、全ての乗りかえに影響が生じるという難しい面もございます。今後改めて状況を確認いたしまして、できるだけ多くのお客様にスムーズに乗りかえていただけるよう、対応を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
10: ◯議長(岡部恒司)次に、鎌田城行さんに発言を許します。
〔四十番
鎌田城行登壇〕(拍手)
11: ◯四十番(鎌田城行)
公明党仙台市議団の鎌田城行です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を一問一答の方式を取り入れて行わせていただきます。
東日本大震災から五年と九カ月がたちました。課題を
一つ一つ洗い出し、その課題に向かい解決することで、復興の道が開かれてきたのだと思います。文豪魯迅の小説「藤野先生」には、いつも夜になって疲れが出、一休みしようかと思うとき、顔を上げて明かりの中の先生の浅黒い痩せ型の顔が、今にもあの抑揚のある口調で話しかけてきそうになるのを見ると、私は俄然良心に目覚め、勇気が満ちてくるのを覚えると。師匠への恩を胸に、日々正義のペンをとったのでありましょう。奥山市長におかれましても、勇気を満たして今後の諸課題に取り組まれることを期待いたしまして質問いたします。
初めに、学生の就学後の支援と
ひとり親家庭への支援について、二点お伺いいたします。
第一は、就学後の奨学金の返還等に係る支援の創設についてであります。
未来を担う子供たちが、経済的な理由によって学業を断念せざるを得ないような状況を生まないよう、諸施策の実現を模索してきました。本市独自の奨学金制度を創設しようと、超党派で議論を重ね、他都市視察や識者の意見を拝聴しながらも、財源の確保が難しく、結果として高等学校等の教育に必要な資金の融資、いわゆる国の教育ローンを
日本政策金融公庫から受けた方に対して、在学期間中に支払った利子を補給する
高等学校等就学資金借入支援制度を二〇一〇年度に創設するに至ったのであります。
一方、学生の四割に上ると言われている国の奨学金制度の利用については、卒業後の収入が安定せず返済に悩む学生が多いことから、本市議会において返還不要の
給付型奨学金の創設と、無利子奨学金の拡充を求め、さきの定例会で意見書を提出したところでありました。
給付型奨学金については、政府与党が十八年度の進学者から本格実施する方針を決定し、特に経済的に厳しい状況にある学生を対象として、
明年度先行開始が検討されようとしているのであります。
こうした動きがある中、大分県宇佐市では、地元に戻ってきた新社会人の奨学金返還を応援する事業が、今年度からスタートされたのであります。企業の人材不足の解消と定住を促進する目的で、申請の年の前年に返還した額の半額を助成するものであります。一人当たりの補助金の総額は百万円を上限として、同市に十年以上定住する意思があることなどが要件となっております。
本市において、教育ローンの利子補給制度を創設したものの、思いのほか利用実績が伸び悩んでいる現状を鑑みますれば、宇佐市に倣って新事業を展開することもあってしかるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
第二は、
ひとり親家庭への支援について二点お伺いいたします。
一つは、遺族年金の対象とならない父子家庭への本市独自の支援についてであります。
この世に生を受けた命のとうとさは、今さら言うまでもありません。親、家族、社会が責任を持って子供を守り育て、時には諸施策を講じて将来への道しるべとなるべきでありますが、その子を取り巻く環境によって支援に格差が生じてきたのであります。こうした格差の是正を求め、幾度となく改正が図られてきたのも事実であります。例えば、母子家庭への支援策が父子家庭に該当しなかった問題を受け、本市議会から父子家庭と母子家庭がともに
ひとり親家庭として平等に支援を受けられるよう、対策を求める意見書を提出し、父子家庭にも
児童扶養手当が支給されることになったのは二〇一〇年からのことでありました。
さらに翌年、
東日本大震災が発生した年の十月、第三回定例会において、父子家庭に対する支援の充実を求める意見書を上程した結果、多くの法改正がなされ、二〇一四年四月一日から父子家庭にも
遺族基礎年金が支給されることとなったのであります。これは震災で突然親を失った子供と家族に、希望の光をともしてほしいとの願いからでありましたが、しかし、二〇一四年三月三十一日以前に妻を亡くした死別の父子家庭には対象とならなかったのであります。
今、二〇一四年三月三十一日生まれの子供たちが、三歳を迎えようとしています。そして、一九九八年三月三十一日生まれの子供たちが十八歳となり、社会に飛び立とうとしているのであります。日本国内に
遺族基礎年金が届いていない死別の父子世帯で育つ子供たちは、今この瞬間、家族との時間をどれだけ得られているのかと、支援者から不安と疲弊する声が届いているのであります。
国では、離別の
ひとり親家庭の面会交流と養育費の問題について議論され始めておりますが、死別の
ひとり親家庭には面会交流も養育費もありません。ただ、パートナーの死による喪失感を親も子も抱えながら、父親が一人で子育てと仕事と家事をこなさなくてはならないのです。どうか法施行以前に妻を亡くした父子家庭も対象にしてほしいと、仙台市内の
父子家庭支援団体は国の特例法の実現に向けて署名活動を続けており、その数は十二月三日時点で二万八千百二十筆に上っております。
本市が昨年まとめた仙台市
ひとり親家庭等安心生活プランによれば、二〇一〇年時点の父子家庭は百三十二世帯とのこと、震災後の世帯数はいまだ定かではありませんが、この際、未成年を養育しかつ
児童扶養手当の対象者となれば、年々減少していくのでありますから、この方々に対して市独自の経済支援の創設を検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
二つは、非婚の
ひとり親家庭への支援強化についてであります。
結婚することなく
ひとり親家庭となる理由は、多岐にわたります。子供から見て、母親または父親となる双方の自己責任論で語れるほど、簡易な問題ではありません。例えば、相手方の失踪やDV、レイプ被害、置き去り、婚姻前に死別、罪を犯してしまうなど、非婚のひとり親は選択してなるケースは少ないのが実情です。
そうした中、非婚であることによって経済的負担を強いられ、福祉サービスの対象からこぼれ落ちることが社会問題として浮かび上がってきました。厚生労働省の調べによれば、母子世帯の平均就労年収は、死別の場合は二百五十六万円、離婚の場合は百七十六万円、非婚の場合は百六十万円とのことであります。一方、死別や離婚等では、所得税や市県民税への寡婦(寡夫)控除が適用されるのに対して、非婚の場合には適用となりません。このため相対的貧困率が五割を超えていると言われるひとり親の中でも、最も収入の低い非婚世帯に、税の負担が最も重くのしかかっているのであります。
さらに、このゆがみが税だけではなく、課税上の所得を基準に算定される自治体の福祉サービスにも影響されてきたところでありました。
本市においては、保育料への寡婦控除のみなし適用を二〇一四年度から実施し、市営住宅についても公営住宅法が改正されるなど、是正の動きが見え始めたところではあります。先月、参議院の委員会質疑の中で、各自治体のみなし適用の対応が延長保育や病児保育、一時預かりなどで進んでいない状況が指摘され、ひとり親になったその理由のいかんを問わず、全ての子供が安心して保育を受けられる環境の整備に向けて、厚生労働省としてしっかりと検討すると答弁されたところであります。
本市諸施策の中では、保育料と住宅費のほか、大方は既にみなし適用としているとのことでありますが、今後の新たな事業が展開される際には、くれぐれも寡婦控除のみなし適用を怠らぬよう点検し、非婚の
ひとり親家庭への支援強化に努めるべきと思うのでありますが、御所見をお伺いいたします。あわせて、もとより税法改正が急がれるべきでありますので、今後事あるごとに国に対して改正を強く求めるべきと思います。御所見をお伺いいたします。
次に、誰もが暮らしやすいまちづくりについて、三点お伺いいたします。後ほど一問一答式にて進めさせていただきます。
第一は、本年四月に施行された、仙台市障害を理由とする差別をなくし障害のある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくる条例についての、条例施行後の実情と課題についてであります。
本条例については、国連において二〇〇六年に障害者の社会参加などを進めるための権利条約が採択され、日本でも障害者の自立支援法、総合支援法、虐待防止法などの法を整備、一三年に障害者差別解消法が成立したことで、国連の権利条約を批准したのであります。
本年第一回定例会における代表質疑では、特に障害を持つ当事者の声を聞くこと、身近な相談窓口、市民への広報啓発などが求められたところであります。市営バスへの車椅子乗車に関する対応など、昨年までに改善していただいたものもありますが、この八カ月余りを通して、特に情報の保障や合理的配慮等への取り組みと今後の課題対応について、お伺いいたします。
第二は、バリアフリーの促進についてであります。
本市では、公共施設等のハード面のバリアフリーを目指して、一九九六年に仙台市ひとにやさしいまちづくり条例が制定されました。ここでうたわれているのは、障害者や高齢者、病弱者を含めた全ての人が、普通の生活を送る諸条件の整備にあり、整備基準の設定の考え方として、到達性への配慮、安全性への配慮、使用性・操作性への配慮、わかりやすさへの配慮を掲げているのであります。
これまで約二十年にわたって市内の整備が進められてきた一方で、震災復興の進捗に相まって、トイレの洋式化や歩道の平坦化、駐車スペースの十分な確保など、一層の改善を求める声が高まってきているのであります。こうした市民の御要望に真摯に耳を傾けて、利用頻度の高い箇所から改善に着手すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
第三は、公共交通の整備と移動手段の保障についてであります。
近年、高齢者の運転する自動車事故が各地で多発し、対策が急がれております。現在、七十五歳以上のドライバーに課せられている免許更新時の認知機能検査を、明年三月の道路交通法の改正によって、免許の更新時以外にも信号無視や一時不停止などの交通違反をした場合、臨時の検査が義務づけられ、検査結果が前回よりも認知機能の低下していた場合、臨時講習を受ける必要があるほか、認知症のおそれがあると判断されれば、医師の診断を受けなければならず、認知症と診断された場合や医師の受診などを拒否すると、免許の停止や取り消し処分となるというものであります。
免許証の返納を自主的にすべきか強制するかとの議論もありますが、ここはひとまず道路交通法の改正の効果を見守っていきたいと思うのであります。
一方、行政面で急がれるのが、公共交通の整備と免許証を失った方への移動手段の保障であります。運動機能の低下は、年齢ばかりではなく個人差の幅が広く、運転を続けていることで運動機能が低下しないとの指摘もあります。高齢者の社会参加や生きがいを考えたとき、周囲の理解と協力が求められ、コミュニティバスやデマンドタクシーなどの整備が待たれているのであります。今後の整備状況について御所見をお伺いいたします。
以上で、私の第一問といたします。
12: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの鎌田城行議員の御質問にお答えを申し上げます。
バリアフリー化の推進についてお答えをいたします。
平成八年に条例を制定して以降、市内の建築物や道路、公園などについて、全ての市民の皆様にとってこれが利用しやすいものとなるよう、官民の協力のもとでバリアフリー化を推進してまいりました。また、平成二十四年には、仙台市バリアフリー基本構想を策定し、都心地区を初めとする四つの地区については、駅や病院、福祉施設等の主要な施設を結ぶ経路や交通機関等について、一体的にバリアフリー化を進めることといたしております。
今後、本市が世代や障害の有無などを超えて、誰もが健やかで安心して暮らし続けることができるまちとして、また、都市としての魅力を高め、活力を生み出す機能を充実させていく上で、誰もが利用しやすい施設の整備や移動の円滑化は重要な要素の一つとなるものと考えております。
引き続き、利用される皆様の御意見に丁寧に耳を傾けてまいるとともに、施設を管理する事業者と連携を図りながら、障害のある方や御高齢の方を含め、日々生活し、利用する皆様の視点に立ったまちづくりに努めてまいりたいと考えております。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
13: ◯健康福祉局長(佐々木洋)私からは、障害者差別解消に関する条例施行後の情報保障や合理的配慮等への取り組みについてお答えいたします。
これまで本市職員対応要領を策定するとともに、障害者への配慮と情報保障に関するガイドラインを作成し、合理的配慮の推進に努めているところでございます。
情報保障については、手話通訳者派遣を社会参加に関する活動へも拡大したことに加え、本市主催事業における手話通訳者や要約筆記者の確保について必要な予算を確保しております。一方で、手話通訳者の養成や、視覚障害者等に対応した行政情報の一層の充実など、課題があると認識しております。
合理的配慮については、お一人お一人の状況に応じた対応が必要となりますが、今後とも相談に丁寧に対応しながら、事例を蓄積していくことを通じて、障害者への理解や合理的配慮の推進を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
14: ◯子供未来局長(福田洋之)私からは、
ひとり親家庭への支援に関する御質問にお答えをいたします。
まず、
遺族基礎年金の対象とならない父子家庭への支援についてでございます。
社会保障と税の一体改革の中で、それまで母子世帯のみであった
遺族基礎年金の対象に、平成二十六年度からは父子世帯も加わりましたが、改正法施行前に配偶者を亡くした家庭については支給対象となっていないことは、承知をしているところでございます。年金の問題に関しましては、特例法の制定等、一義的には国において対応されるべきものでございますことから、今後国に対する要望などの際に、そうした点も考慮していきたいというふうに存じます。
また、本市独自の支援策につきましては、今後の国の動向や他都市の状況なども注視しながら、その必要性を見きわめてまいりたいというふうに考えております。
次に、非婚の
ひとり親家庭への寡婦控除のみなし適用についてでございます。
本市におきましては、税法上の寡婦控除が適用されない婚姻歴のない
ひとり親家庭の経済的負担を軽減するため、保育料や市営住宅の家賃のほか、各種の保健福祉事業の利用料金について、寡婦控除を適用したものとして算定をします、いわゆる寡婦控除のみなし適用を平成二十六年度から導入したところでございます。
今後、本市として新たな事業を開始する際には、その担当局とも情報共有を密にし、事業の目的や性質等を考慮しながら、非婚の
ひとり親家庭への寡婦控除のみなし適用について、適切に対応してまいりたいと存じます。
また、国への寡婦控除に係る税法改正の要望についてでございますが、同じ
ひとり親家庭であっても、婚姻歴のあるひとり親には適用される住民税、所得税における控除が、非婚のひとり親には適用されないという差が生じております。本市といたしましては、これまでも他の指定都市とともに、非婚の
ひとり親家庭への寡婦控除の適用について国に対して要望しているところであり、引き続き働きかけてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
15: ◯経済局長(石川浩史)私からは、地元定着に向けた奨学金の返還支援制度に関するお尋ねにお答えいたします。
労働力人口の減少が加速する中、本市にとりましても若者の地元雇用の推進は重要な課題であり、これまでも国、県等と連携した合同説明会や、企業、大学との連携による地元中小企業の魅力発信事業などに取り組んできたところでございます。
企業の人材確保の視点から、大分県宇佐市のように、地元就職の場合に奨学金返還金の補助を行っている事例があることは承知しておりますが、このような奨学金受給者への補助につきましては、実施効果や対象要件の設定について見きわめが必要と考えており、実施状況等について研究してまいりたいと存じます。
以上でございます。
16: ◯都市整備局長(鈴木三津也)私からは、公共交通の整備についてお答えをいたします。
本市におきましては、定時性・速達性にすぐれる鉄道にバスが結節する公共交通体系を目指しておりますが、高齢者の社会参加を促すためにも、路線バスを補完するコミュニティバスやデマンド交通の導入も、検討対象になり得るものと認識してございます。
バス事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、地域における持続可能な公共交通の確保のためには、地域が主体的に検討に取り組んでいただくことが重要と考えており、現在、参考となります他都市の事例を初め、基礎的な資料の収集などを進めておるところでございます。
以上でございます。
17: ◯四十番(鎌田城行)一問一答に移らせていただきます。それ以外の部分は再質問したくとも遠慮しなければいけないなと思いますので、専念して一問一答させていただきます。
まず、差別解消法条例に関するところで基本的なところを確認しておきたいんですが、昨年の十月に作成された事例集、障害のある人もない人も暮らしやすい仙台を目指すための事例集というものが、仙台市として小冊子を発刊されております。ここのところについては、この条例ができたというよりも、国としての差別解消法ができることに対しての本市のアクションだったのかなというふうに思いますが、そもそもこの障害というのはどういうことをイメージするのか、共通認識しなければいけないと思います。そしてまた、差別とは何か。偏見とは何か。このあたりについて、皆さんがわかりやすく確認をひとつさせていただければと思います。
18: ◯健康福祉局長(佐々木洋)ただいま紹介いただきました事例集でございますが、障害のある方、ない方、共通の理解に立ちたいと思いまして、私どもが作成、障害当事者や家族の方から御意見をいただきまして、まとめ上げたものでございます。
その過程で、障害のある方が抱えています生活のしづらさというものは、身体や精神などの機能的な障害だけが原因ではなくて、段差やわかりやすい表示がないなど、社会の仕組みが心身の障害に対応していないということが、改めて認識されたところでございます。こうした障壁となっているもの、これがいわゆる社会的障壁ということでございまして、機能的な問題だけでなくて社会的な面、これも含めて障害というふうに私ども考えてございます。
また、障害や障害者に対する間違った見方、思い込みによる偏見も、障害を理由とした差別ということにつながるものというふうに考えてございます。差別につきましては、本市の条例において、障害があるということだけでサービスを提供しないなどの障害のない方との異なる取り扱い、こういった部分の不当な差別的取り扱いですとか、障害に応じた配慮をしない、合理的配慮の不提供、こういったことも差別ということで捉えてございます。
19: ◯四十番(鎌田城行)自分は普通、当たり前と思い、一方、特別というふうに相手方を見てしまうということは、これはそのおそれを助長してしまうということになりますね。そういう点では、分け隔てのない暮らしをするということ、相手の身に寄り添って考え、行動するということ、これが今回の条例の目的とするところの一つかなというふうに思います。
それでは、特に権利条約の部分でもよく叫ばれたことが、私たち抜きに私たちのことを決めないでと、この条約に息づくものを大事にして整備してきたものというふうに私も教わりました。批准に時間がかかったのが、これが重要だということの観点から丁寧に行われたと。例えば、合理的配慮について、また全体の整備が進まないときは個別に対応していくことと、こういったことがしっかりと望まれている。また、そういう観点では、本市でどうしても、私も相談事を何度か受ける中に、特にほかの自治体で暮らしてらっしゃる方が本市に来たとき、また新たに障害をお持ちになった場合の、そのサービスのあり方といったところの身近なところの問題として浮かび上がってくるのが、例えば日常生活用具ですね、これについてはほかではできたのに、何で仙台市ではといった相談事がままございます。こういったことに対する対応も、実は速やかに行われるべき、時間がかかり過ぎてはいけない、こういったことを思いますが、このあたりは取り組みの姿勢が問われていると思います。いかがでしょうか。
20: ◯健康福祉局長(佐々木洋)障害者の日常生活上の便宜を図るための用具でございます日常生活用具は、障害者総合支援法に基づき給付されるものですが、近年の技術の進歩により、より高性能で使いやすいものが登場し、本市にもさまざまな御要望が寄せられているところでございます。
日常生活用具は、地域の実情や予算の範囲内で選定しておりますが、障害者の皆様の御意見や他都市の状況などを参考にさせていただきながら、より適切なものを給付できるよう、今後とも検討してまいりたいと存じます。
21: ◯四十番(鎌田城行)この技術の日進月歩のスピードについていくということは非常に大事かと思います。よく言われるのが、一般の現場にもまだまだこれから始まるところ、広がりがこれからだという場合に、障害を持たれている方がそれを求めると、まあまあもう少し待ってくれということであってはならないというふうなことで思っておりますので、その点対応をしっかりしていただきたいと思います。
それでは、次に、バリアフリーの促進というところで確認しておきたいと思います。
例えば、標準仕様と思われるところ、それもこれも時代の流れによって標準仕様も変わってきております。この変化に敏感になっていきたいなというふうに思います。例えば、トイレ。日本の文化は当然和式でありました。しかし、今子供たちの成長する道筋を見たときに、和式に触れる機会はほとんどありません。公共のところにはぜひ洋式化が進んでいくべきというふうに思いますが、これまで同僚議員等、さまざまな視点でこの洋式化について触れております。お年寄りや障害を持つ方などにとってはなおさらのこと、特に公衆トイレの整備には配慮が急がれると思います。
このあたりについてよく言われるのが、JRの駅トイレはできれば使いたくないというふうに忌み嫌われてしまうほど、余り衛生的にも芳しくなかったのが、今ではほとんどの駅がすばらしい状況に変わっております。一方で、公衆トイレというふうに言われると、どうしても公園に設置されているところを思い浮かべますが、ここについては昔のJRの駅のトイレと同様に、ちょっとできれば家に帰るまで我慢しようというようなふうに思ってしまうところがまま見受けられます。
こういう中にあって、実は勾当台公園の市民広場のところのトイレ、外から見ればしっかり清掃されておりまして、使いやすいかなというふうに思う一方で、お年寄りの年配の女性の方から私、御指摘いただいたのは、やはり洋式トイレがここにあるべきでしょうという御指摘をいただきました。こういったこと、公園全体としても整備を進めるべきところでありますが、特に中心拠点となるべきところの施設の周辺は改善を急ぐべきと思いますが、このあたり伺っておきたいと思います。
22: ◯青葉区長(村山光彦)公園のトイレの洋式化につきましては、その割合が五〇%に満たないものについて、市有施設の洋式化に係る年次計画に基づき改修することとしております。
御指摘の勾当台公園につきましては全体の割合が五〇%となっておりまして、現時点で改修の計画はございませんが、市中心部の大規模な公園として観光客など多くの利用者がいるなどの特性を考えますと、さらなる洋式化が課題と認識しておりまして、今後その対応について関係部局と協議してまいりたいと存じます。
23: ◯四十番(鎌田城行)これは五割ということは半分ですよね。どうしてももともとの個数が少ない場合は、一つであればゼロか一〇〇かと、二つの場合であれば五〇か、ゼロもしくは一〇〇になるのかということになるので、そういうふうに割合でいくとそうならざるを得ませんけれども、特に勾当台公園の市役所の目の前にある、県庁のすぐそばにある、イベントが多数開催されて、国際色豊かなイベントも期待されるところの部分でありますので、このあたりは十分考え直していただきたいというふうに思います。
もう一つ、駐車スペースのことについてでございます。
以前、仙台市のひとやさ条例では寸法に変わりはありませんけれども、対応としてやはり、コンビニなんかよく隣の車との間を二つのラインで少し余裕を持たせて示しておりますが、公共施設、仙台市の場合どうしても一つのラインで示しているところが多い。こういったところについては、ぜひ安心してとめやすい環境をつくっていただきたい。車椅子対応は当然のことですけれども、一般の方であっても使いやすい駐車場となるべきではないかというふうに思っております。このあたりのところについて、できれば民間に倣って公共施設の整備というものがあってしかるべきと思いますが、このあたり伺っておきたいと思います。
24: ◯健康福祉局長(佐々木洋)車椅子使用者のための駐車場については、ひとにやさしいまちづくり条例の規定によりまして、官公庁や病院等の公益的施設は三百五十センチメートル以上、三・五メートル以上の幅を確保することとし、当該利用者の乗りおりのスペースにより配慮したものとしてございます。
また、本市の公共施設における一般用駐車場は、ひとやさ条例による基準はないものの、おおむね二・三メートルから二・五メートルの幅を目安として、各所管課が整備しております。一台当たりのスペースを拡大し、区画線を二本化とすることにつきましては、各公共施設で一定の駐車台数を確保する必要があることも踏まえながら、関係局と連携を図ってまいりたいと存じます。
25: ◯四十番(鎌田城行)ぜひ施設を管理する側の視点ではなく、そこを利用される方の視点に立って改善を進めていただきたいと思います。
一方で、パーキングパーミットの導入について、いま一度確認をしておきたいと思います。
いわゆる電車で言えば優先席のように、車椅子を使う方のみならず、さまざまな障害やそのときの状況を鑑みれば、当然できるだけその施設を利用しやすい一番いい場所に車をとめられるような環境整備をすべき、そういう点で利用する方が安心してとめられるために、スペースの確保はもとより、利用する車にとっても私の車がそういうことで皆様とともに過ごしやすいための車なんですよということを見分けがつくような、そういうパーキングパーミットの事象。佐賀県がスタートとなりまして、もう十年たちますけれども、最近では秋田県のほうでも導入をされていると。残念ながら、宮城県、仙台市ではこのあたりについてはいまだ進められていないという実態がございます。このあたりについては、今後どのように取り扱おうとしているのか、伺っておきたいと思います。
26: ◯健康福祉局長(佐々木洋)パーキングパーミット制度は、広域的な取り組みが必要であるとともに、導入に当たっては利用証の登録管理や駐車場を設置する事業者の御協力など運用の仕組みづくりや、先行実施している他自治体での課題について検討する必要があるものと考えております。
宮城県において、今後、本市を含む県内市町村と協議しながら導入について検討する旨お聞きしており、引き続き県と協議を行いながら、障害のある方や妊産婦など、さまざまな利用者に配慮した駐車場のあり方について検討してまいりたいと存じます。
27: ◯四十番(鎌田城行)ぜひ検討から実行に移す、その間が短くなることを期待しております。
もう一つ、仙台駅西口のペデストリアンデッキの課題です。これは、駅からの移動にはある程度便利なんですけれども、いざバス停などを使った場合に、その接続を見たとき、エレベーターなどでどうしても上り下りする場所が必要となっております。この導線について思うように見当たらない、必要なところで使えるような配置になっているはずなんですけれども、見つからなくてうろうろしてしまったというような声を何度か私も頂戴しております。今までの案内表示に加え、路面に表示することなども含めて、さらなる工夫が必要であると思いますけれども、このあたりいかがでしょうか。
28: ◯建設局長(村上貞則)仙台駅西口では駅前広場の再整備を進めておりまして、昨年の
地下鉄東西線開業にあわせ、ペデストリアンデッキと地上階を結ぶ新たなエレベーターを、JR仙台駅中央口付近に設けたところでございます。現在は、JR仙台駅から西口バスプール、そして地下鉄南北線へとつながるバリアフリーに配慮した新たな歩行者動線について、平成三十一年度の完成を目指し整備を進めてございます。
また、案内表示につきましては、よりわかりやすいものとなりますよう今後工夫してまいりたいと考えております。
以上でございます。
29: ◯四十番(鎌田城行)ぜひ現場の方々がわかりやすいと言っていただけることを願っております。
次に、公共交通の整備と移動手段の保障についてのところですけれども、公共交通の整備、なかなか難しいということがございます。まずは個人個人がみずからの責任で移動する際、より安全性が高まるような環境が必要であろうと、そういう点では最近では障害を検知して自動でブレーキがきいたりする、安全性能を高めた自動車の開発が進み、市販もされ始めたところでございます。一般にも普及されるべきですけれども、こういった車両が高齢者や障害者にもより早くしっかりと普及されるべきというふうに思います。
以前、環境の国のあり方ということでは、ハイブリッド車が出始めたときに、よりこういう車が国中に走っていただければという、そういう願いからだと思いますけれども、国を挙げてこういったものの購入には補助制度というものが取り組まれました。これと同じように、こういった車両を購入する際、補助するようなもの、誰もが暮らしやすいまちを目指す上で市としても、市がこの補助制度を創設するのはなかなか難しい話ですけれども、国としてそういう取り組みが急がれるよう、こういったことを御意見として本市から上申するということはあってよかろうと思いますが、いかがでしょうか。
30: ◯市民局長(寺田清伸)先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援する自動車につきましては、今お話しのように、現在国においてその開発普及の促進を図っており、運輸事業者向けの補助制度や税制上の優遇措置が設けられているところでございます。
現時点で、本市独自に制度を設けることは考えてございませんが、国などの動向を注視しつつ、関係機関と情報共有しながら、高齢者交通安全教室の場などにおいて、先進安全自動車に関する情報提供に努めてまいりたいと存じます。
31: ◯四十番(鎌田城行)車両丸ごとというとなかなか難しいので、例えばアクセルとブレーキを一体化することによって、踏み間違いの事故を防ぐワンペダルというのがあります。これについては、取りつけ費用も含めて十万ちょっとということで、自治体によっては半額助成をしているところも既にあるというふうに聞いております。事故を防ぐ安全技術は日進月歩でありまして、こうした事例を調査、研究をし、本市でも市民への普及を検討していく、何か施策として取り組むことも有効ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
32: ◯市民局長(寺田清伸)ただいま御紹介いただきましたワンペダルのような車両の改造の事例も含めまして、運転の誤操作を防ぐなど、交通安全に資する技術、製品について、まずは関係機関等と連携を図り、情報収集に努めてまいりたいと存じます。
33: ◯四十番(鎌田城行)あと車に乗らないという方、よく自動車から電動車椅子、シニアカーなどへの乗りかえが見られます。このときに気をつけなければいけないのが、運転免許が不要なんですけれども、操作ミス、また歩道の切り下げ、前回第三回定例会でも何度か指摘させていただきましたけれども、そういったことでバランスを崩して事故につながる場合も全国的には見られるところであります。
出前講座などを使って、利用に際しての安全教室などを行っていくようなことも含めて、市民への安全の高まりということを求めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
34: ◯市民局長(寺田清伸)シニアカーなどの安全利用には、正しい操作方法等を習得していただくことが重要と認識してございます。これまで本市では、利用に当たっての注意喚起情報を地域包括支援センター等を通じて周知を図ってまいりました。今後とも安全利用に関する講習会の御要望がある場合には、販売店等に協力を要請するなどの対応をしてまいりたいと存じます。
35: ◯四十番(鎌田城行)あともう一つ、何事もこれまでの生活から一転するわけでありますので、改めて年齢はともかくとして、初めて試みられる経験というものが出てくると思います。例えば、自家用車でずっと生活されてきた方にとっては、バスや地下鉄に乗ること自体も乏しい機会でありました。こういったときに、乗り方そのものについても、特に敬老乗車証などのパスをいただいたときには、バスに乗るときどのようにそれを示していけばいいのか、最近はIC化にも変わりましたので、以前ともまた状況が変わっております。こういったことも含めて、初めて使う人の身になって、デビューの際の支援というものに力を注ぐことも願いたいと思います。その辺いかがでしょうか。
36: ◯健康福祉局長(佐々木洋)敬老乗車証の交付の際には、バスや地下鉄の乗車、降車時の乗車証の使い方や、バス走行中の注意点などを記載したパンフレットをお渡しし、周知を図っているところでございます。引き続き交通事業者とも連携しながら、高齢者などが安全に安心して公共交通機関を利用できる環境整備に努めてまいります。
37: ◯四十番(鎌田城行)実際ペーパーを読んでもよくわからない場合というのがあります。こうするんだということは、目の前で示していただくとすぐわかる。そして、実際に試してみようという気持ちになるということも正直ありますので、このあたりについても手を尽くしていただきたいと思います。
また、路線バスは縮小傾向でありまして、ここには幾ら求めてもなかなか求められない事情もあります。頼ってはいけない場合もあります。そうしたときに、期待したいのがタクシー等の活用です。例えば、今のタクシーの状況について、もっともっと市民が使いやすいような環境整備というものも、市としてもサポートしてはどうかと思います。
乗り合いタクシーというのは、一部路線バスのようにルートを決めてということで、なかなか実際進んでいないのが本市の場合ありますけれども、こういったところの取り組み、また一方では、行き先単位に待合所をタクシーの乗り場として促すようなことによって、結果的にはお客さん同士で乗り合いをして、その方面に対して格安で乗っていくような工夫、そういった工夫次第だというふうに思いますけれども、このあたりは当然タクシー業界と協議をしなければ進まない話かと思います。このあたり協議はどのようになってますでしょうか。
38: ◯都市整備局長(鈴木三津也)人口減少や高齢化の進展によりまして、交通事業者の経営環境が厳しくなることが見込まれます中、地域によりましては路線バスの維持が困難になることも想定をされるところでございます。
このような認識のもと、将来的に公共交通の維持確保を図る上で、タクシーの活用につきましては大変重要だと考えてございまして、現在タクシー協会と意見交換を始めたところでございます。
39: ◯四十番(鎌田城行)以前私ども会派また団体としても、タクシー業界と話が出るたびに、行政と話し合いが進めばいいななんて、そういう声もありましたので、ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに思います。当然タクシーだって、料金が安ければみんな利用するんじゃないかというふうな声はいっぱいございます。利用する上で多少なりとも安くしてもらえるということは、各地域で取り組みが始まっております。
例えば栃木県のタクシー協会では、免許証を返納した方、免許証を所持していたその履歴のカードを警察のほうから発行したもらった場合、それを提示するとタクシー料金を一割引きにすると、そういうことが既に行われておりました。ほかの自治体でも見られておるところでありますが、栃木の場合は特にこのことについては他県の人であっても対象になりますということで、高齢者でなくとも運転経歴証明書を提示してくれれば、全て一割引にするということでサービス精神旺盛な面が見られております。
このあたりも、当然本市が補助するかどうかという話は別として、我が宮城県のタクシー協会なんかも、こういったことにアクションを起こしていただければいいなと思うんですが、このあたり協力を求めるということもあってはどうかと思います。いかがでしょうか。
40: ◯都市整備局長(鈴木三津也)運転免許を返納なさった方へのタクシー運賃の割引につきましては、タクシー事業者の判断によるものでございますけれども、現在、宮城県タクシー協会仙台地区総支部におきまして、その導入について検討されていると伺ってございます。
本市といたしましては、その検討状況を今後とも注視してまいりたいと考えてございます。
41: ◯四十番(鎌田城行)ぜひ注視というか実行に移されることを、確かに注視するしかないですね。見守っていただきたいというふうに思います。
最後となりますけれども、交通局の地下鉄や市営バスを軸としながらも、その他のJRでありますとか、ほかの鉄道やバス、さらにはタクシーとも連携を図るということによって、市内の公共交通網を充実させるということが、これからの運転免許を返納した方を初めとして、これまで車に乗ることもできなかったけれども、公共交通にもなかなか遭遇することができなかった方々に対しての充実というものが急がれると思います。
誰もが暮らしやすいまちをつくるという観点では、そういったことについてもしっかりと一歩一歩着実に、なおかつスピーディーに前に進めていただきたいと思います。これまでのこと、今までの質疑を含めて御所見を伺って終わりにしたいと思います。
42: ◯都市整備局長(鈴木三津也)本市内のタクシーは、現在、約三千台運行してございまして、早朝から深夜まで機動的なサービスを提供するほか、坪沼地区における乗り合いタクシーや、福祉・介護タクシーなど、地域における市民の足としての役割は非常に大きいものと認識してございます。
本市の目指す鉄道にバスが結節する交通体系とタクシーの連携につきまして、業界との意見交換を重ねながら、地域における公共交通のあり方について今後とも検討してまいりたいと考えてございます。
43: ◯四十番(鎌田城行)終わります。(拍手)
44: ◯議長(岡部恒司)ここで、副議長と交代いたします。
〔議長 岡部恒司退席、副議長 安孫子雅浩議長席に着く。〕
45: ◯副議長(安孫子雅浩)議長と交代いたします。
次に、花木則彰さんに発言を許します。
〔四十四番 花木則彰登壇〕(拍手)
46: ◯四十四番(花木則彰)日本共産党の花木則彰です。二期八年の任期満了に近づいている奥山市長の政治姿勢にかかわる問題について、一問一答で議論したいと思います。
前回の定例会において、奥山市長が昨年度一度も仮設住宅や復興公営住宅を訪ねることもなく、復興計画期間を終了させたことが明らかになりました。言うまでもなく、復興の第一の目的は、大震災で被災した方々の生活の再建です。五年間にわたる復興事業がその目的を達したのか確かめる、不足があれば追加策を打つ、こんな当たり前のことを奥山市長はなぜ行わなかったのか、大変大きな問題だと感じます。市長の説明を求めるとともに、今年度は復興公営住宅やいまだ住宅再建に至っていない方々のところへ、声をどのくらい聞きに行ったのかお聞きします。
二期目の市長選挙で、市長は、保育待機児童解消を目玉政策の一つに掲げました。待機児童の数え方を国がころころ変える中で、数字は少なくなっていますが、認可保育所を希望したが入れなかった児童の数は本年度も約一千人であり、事態は前進していません。私たちは認可保育所のニーズ予測が低過ぎること、公立保育所の計画的整備方針がなく、逆に公立保育所を廃止していることに解消が進まない原因があると考えます。市長はどうやって来年度当初の待機児童解消を実現しようとしているのか、あるいは数年おくれても待機児童解消を実現する方針を考えているのか、伺います。
地下鉄東西線の利用見込みが大きく外れたことが話題になっています。市民の足を充実させるための東西線ではなく、都市の発展のための東西線だという市長の位置づけが、そもそも問題だと指摘してきました。広い市域に暮らす市民にとって必要な公共交通は、地下鉄やバスに加え、行政による地域巡回型の交通が求められています。高齢になってもマイカーに依存しなければならない事態を解決するための仙台市の公共交通政策について、市長のお考えを伺います。
仙台市が未来に向かって健全に発展するためには、高齢者が住みやすい都市になるとともに、若者が学び暮らす、安心して子供を産み育てるまちになることが重要です。学都仙台と呼ばれてきた仙台市ですが、学生や若者を支援する施策は大変貧弱です。多くの学生が学び、東北の各地方に新しい人材を供給するとともに、仙台で力を発揮してもらえる都市にするために、積極的な施策を推進することを求めます。
若者の親の世代が既に仕送りを十分にはできない経済状況になり、若者自身も不安定な雇用のもとに置かれています。学ぶことも働くことも、結婚や子育てなど暮らしていくことも、大変生きづらさを感じている現状について、奥山市長はどう捉えているのか伺います。
市民の命と暮らしの安全を守るのが市長の仕事です。ところが、事故が起きた際、避難する計画も具体的に持てないのに、女川原発再稼働について容認する対応を市長はとり続けてきました。そして、今注目されているのは、福島第一原発事故で県内にまき散らされた放射性物質について、その大半を仙台市に持ち込み焼却し、富谷市にある仙台市の石積処分場に埋めることになる、村井県知事の計画に対する市長の対応です。
八千ベクレルを超える放射性指定廃棄物の最終処分場問題で行き詰まったのに、また同じことを、今度は八千ベクレル以下だからと繰り返す。それも一番人口の多い仙台市に集めてくるなどという県知事の提案は、即刻反対を表明すべき問題です。もとはと言えば、十一月三日の市町村長会議直後に、市長が県に協力的なコメントをしたことが市民に不安を与え、仙台市の担当部局を困難に陥らせました。さらに、今議会の答弁で、自分の自治体だけでは処理し切れないところもあるとし、県内自治体が協力するのはよいことだとの認識を示しました。自治体で処理し切れないのに、八千ベクレル以下は自治体の責任だとした原子力災害対策特別措置法にこそ、問題があります。その上、八千ベクレル以下の廃棄物がない自治体にまで処理させることは、誤りに誤りを重ねる対応です。いかがでしょうか。
あれこれの部局でなく、市長がみずからの判断の理由を示し、正すべきことは正すということが大切です。伺います。
以上、第一問とし、市長の誠実な答弁を求めます。あとの議論は一問一答で行います。
47: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの花木則彰議員の御質問にお答えを申し上げます。
震災復興についてのお尋ねにお答えをいたします。
震災からの復興に当たりましては、被災された方々のお住まいと暮らしの再建を最優先に、各般の復興事業を推進してまいりました。この間における被災された皆様の御努力と、生活再建加速プログラムに基づく個別の御事情に寄り添った支援により、恒久的なお住まいへと移転が進み、この秋にプレハブ仮設住宅が解消されるなど、一つの節目を迎えることができたものと考えております。
今年度、私自身は直接仮設住宅や復興公営住宅を訪問したということはございませんが、本市全体が一つのチームとして戸別訪問などにより皆様のお声を伺いながら、個々の御事情や課題に応じた支援を進めているところであり、関係機関の方々ともしっかりとタッグを組みながら、被災された皆様の生活の再建に向け、引き続き努めてまいる所存でございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。