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平成25年第2回定例会(第5日目) 名簿 2013-06-19
平成25年第2回定例会(第5日目) 本文 2013-06-19

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  1. 仙台市議会 2013-06-19
    平成25年第2回定例会(第5日目) 本文 2013-06-19


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(佐藤正昭)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第五号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(佐藤正昭)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、小野寺健君及びすげの直子君を指名します。  この際、報告をいたします。  会議規則第二条の規定により、鈴木繁雄君から本日の会議に欠席の届け出がありました。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(佐藤正昭)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、及川英樹君に発言を許します。     〔八番 及川英樹登壇〕(拍手) 4: ◯八番(及川英樹)みんなの党・みんなの仙台、及川英樹です。  議長より発言のお許しをいただきましたので、一般質問をいたします。  アルコール問題について伺ってまいります。  厚生労働省は、アルコールによる行動障害などの調査を三年に一度実施、アルコール依存症は四万三千人でした。しかし、厚生労働科学研究成人飲酒実態調査では、疑いがある方を含めると推計三百万人以上です。  アルコール問題は、大規模な災害後、その地域で飲酒量が増加すること、飲酒問題を抱える人は悪化すること、また本人の自覚がなく、周囲に迷惑をかけ、どこにも相談せず問題を抱え込む傾向にあります。アルコール依存症は否認の病と言われ、心理防衛が働き、表面化されにくいのも特徴です。飲酒文化は、私たちの周囲に根づき、がんや生活環境病など数多くの疾患やDV、自殺、犯罪などとの関連、経済損失もはかり知れません。
     まず、このことについてどのような認識をお持ちなのでしょうか、伺います。  また、アルコール問題の相談件数や実態について伺います。  本市の対策は、昭和六十三年度より、南保健所で酒害相談を開始、今では各区保健福祉センターや総合支所において、個別に話を聞き、お酒の問題で悩んでいる方やその家族に、専門のスタッフが正しい知識、酔って起こしたことの責任や世話を焼き過ぎないなど、一緒に考え、場合によって専門病院などにつないでおりました。  さらに、平成九年からは太白保健福祉センターで、家族ミーティング事業ハートポート仙台の職員が出向く形で始まり、現在では毎週木曜日、福祉プラザで行っております。この事業は、お酒の問題に気づいた方々が、抱えている問題や仲間の話を聞くことで、孤立感など和らぎ、糸口を探る事業です。  本市は他都市と比べ、積極的に取り組んでいることがよくわかりました。しかし、せっかくの事業も認識していない方がとても多く、残念です。そこで、福岡で取り組んでいるように、お酒を提供する場所や購入できるところにポスターやリーフレットなどの掲示は有効です。また、町内会の掲示板など身近なところも効果があります。さらには、酒造組合などとの連携、気軽にアクセスできることも大切です。本市において未然に防ぐため、家族事業の啓発活動と連携について伺います。  アルコール問題において、本市とも密接にかかわりがある東北会病院に伺ったところ、震災から飲酒量がふえ、通院や入院がふえておりました。今後の対策について、厚生労働省が勧めるオーデットを幅広く使いスクリーニングすること、警察との連携が大切とのことでした。オーデットとは、WHOが二〇一一年に採択したアルコールの有害な使用を低減する世界戦略で、十項目の質問で構成されるテストです。対象者みずから記入し、保健指導実施者がスコア化することで、問題の程度を三段階に分類し、早期に治療する取り組みです。  厚生労働省は、平成二十五年四月より勧めている第二次健康日本21及び第二期医療費適正化計画で、特定健診の際や肝機能検査の結果などから、保健指導実施者などが、このオーデットを使って減酒支援の促進を図る計画です。本市において、オーデットの促進を、医師会などと協力や連携は図っているのでしょうか。また、特定健診、保健福祉センターでは、どのような取り扱いになっているのでしょうか、あわせて伺います。  次に、警察との連携強化であります。  福岡県では、三人の幼い兄弟が犠牲になるなど、飲酒運転による事故が後を絶たず、昨年九月に全国で初めて罰則つき飲酒運転撲滅条例が全面施行されました。これは五年以内に二回検挙されたドライバーに、アルコール依存症の診断を六十日以内に指定された病院で受け、結果を報告する義務です。依存症でなくても、飲酒行動を見直すプログラムへの参加も義務づけられました。  警察庁の発表で、常習飲酒運転者に講ずべき安全対策に関する報告書で、飲酒運転違反者の五七・六%が再犯者で、うち四〇・二%がアルコール依存症でした。宮城県警のまとめで、平成二十四年、飲酒運転事故及び違反で検挙されただけでも五百四十一件、うち百八十九件が本市で発生、またアルコール関連の事件も多数発生しています。  市内でも、高校生やさまざまな方が被害に遭い、痛ましい事故が二度と起きないよう、県警などと連携強化、加害者の話で、飲んで気づいたらハンドルを握っていたなどということがないよう、早期治療する更生プログラムが必要です。  県の条例で、五月二十二日が飲酒運転根絶の日、毎月二十二日が運動の日、幾ら検問してもなかなか減らない背景、飲んでも乗るのがこの病です。権限がないのはわかります。しかし、命にかかわる大問題です。積極的に情報を得たり、働きかけることが重要です。  本市は、これまで県警などと、どのような連携を図ってきて、これからどのような働きかけをしていくのでしょうか。ポスターなどに、このことを周知する必要があると考えますが、あわせて伺います。  私が思うに、市立病院や健康福祉センターなどと連携を図る必要があります。それは、平成二十四年、市内で急性アルコール中毒で救急搬送された三百十九件、しかし酩酊状態で外傷を負った場合や、依存症はこの中に含まれません。搬送されたときの治療も大切ですが、その後の対策がとても重要と考えます。そこで、病院と各保健福祉センターなど、地域連携を図り、情報を共有することで早期治療につながるのではないでしょうか。また、一気飲みやアルハラ防止など、大学や企業との連携、情報提供が必要です。個人情報など弊害もありますが、地域で問題を認識することが必要と考えます。どのようになっているのでしょうか、あわせて伺います。  未成年者の飲酒は法律で禁止されておりますが、中学生で月に一回以上飲むが八人に一人、高校生は三人に一人、また妊婦さんでは十人に一人が定期的に飲んでいるという厚生労働省の新しい調査結果です。本市は、昨年、未成年者が二十一人、急性アルコール中毒で救急搬送され、その中に小学生も含まれます。初めての飲酒は、大人の気分を味わってみたかったなどの安易な考え方や、親に勧められたのがきっかけになっている場合があり、大人自身に未成年者に対する飲酒の危険性に関する知識があれば、防ぐことができるのではないでしょうか。  発育段階の脳や臓器は、少量のアルコールでも影響を受け、短期間で重篤な障害を受ける可能性があります。また、妊娠中や授乳期も、胎児や乳児の発育に悪影響を与えることが確認されております。本市として、小中高生の飲酒実態調査や、警察に補導された場合に、適切な支援や連携、未然に防ぐ取り組みを伺います。また、妊娠中や授乳期での病院など、関係機関との連携を伺います。  震災から時間がたつにつれ、生活への不安などで、お酒に頼る人もふえ、また最近の傾向として、高齢者と若い女性にアルコール問題がふえています。市民生活を守るため、アルコールと上手につき合う啓発を一層図っていくことが重要です。  最後に考えを伺い、一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの及川英樹議員の御質問にお答えを申し上げます。  アルコール問題に対する認識と正しい知識の啓発についてお答えをいたします。  飲酒は、適量であれば、食欲増進や、気分を楽しくさせコミュニケーションを活発にするなどの効用がございます。その一方で、長期間の多量の飲酒は、アルコール依存症による精神障害や、肝機能障害、脳血管疾患などの生活習慣病のリスクを高め、本人の健康問題の原因となるほか、周囲の方への暴力や、飲酒運転事故など、社会的な影響も大きいと考えております。  こうしたことから、本市におきましては、未成年や妊産婦はもとより、市民の皆様にさまざまな機会を捉えて、飲酒による健康への影響等について啓発を行っているところでございます。  今後とも、医療機関やアルコール問題を抱える御本人とその御家族を支援する団体等の御協力をいただきながら、飲酒に関する正しい知識の普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 6: ◯市民局長(渡邊晃)飲酒運転根絶における宮城県警との連携強化について、お答えを申し上げます。  宮城県警におきましては、宮城県飲酒運転根絶に関する条例に基づき、飲酒運転再発防止のための指導、教育のほか、アルコール依存症が疑われる場合には、病院への受診勧奨を行うなど、再発防止のための取り組みを行っているtころでございます。  本市といたしましても、飲酒運転根絶重点区域である国分町地区における定期的なキャンペーンの実施や、飲食店関係者駐車場管理者へのポスター掲示を含めた協力要請など、引き続き宮城県警と連携し、飲酒運転根絶に向けた各種取り組みを強力に推進してまいる所存でございます。 7: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、アルコール問題についての数点の御質問にお答えをいたします。  初めに、アルコール問題の相談件数や実態についてでございます。  区保健福祉センター精神保健福祉総合センターに寄せられる相談件数は、近年減少傾向にございますが、その一方で、被災者を対象とした個別支援においては、アルコール問題を抱える世帯の相談件数は若干増加している状況にございます。こうしたことから、今後ともアルコール問題を抱える被災者につきましては、継続的な支援に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、アルコール問題を抱える家族ミーティング事業についてでございます。  これは、アルコール問題を抱える家族への助言と指導を通して、本人を治療に向かわせるための事業でございます。その啓発につきましては、区保健福祉センター精神保健福祉総合センターアルコール問題で相談のあった御家族に対し、その事業を紹介するほか、警察やエル・ソーラ仙台リーフレットを配付するなどの取り組みを行っているところでございます。  今後、町内会の掲示板の活用など、御提案の趣旨も踏まえ、より効果的な啓発方法について検討してまいりたいと考えております。  次に、飲酒に関するスクリーニングテストについてでございます。  御指摘のオーデットは、飲酒の頻度や二日酔いによる体調不良の頻度、さらには深酒による罪悪感の頻度など、アルコールによる健康影響や問題行動の程度をセルフチェックすることにより評価し、アルコール問題の早期発見、早期支援に活用するものでございます。  現在、本市の特定健診等においてオーデットは活用しておりませんが、問診表からアルコールの摂取状況を確認し、生活習慣病のリスクの高い方に対して、飲酒の健康影響等についての保健指導を行っているところでございます。  アルコール問題を未然に防ぐためには、早期発見、早期支援が大切でございます。ことしの四月に、厚生労働省からスクリーニングテストの一つとしてオーデットが紹介されております。今後、健康相談等の機会におけるオーデットの活用について、検討してまいりたいと考えております。  次に、地域との連携についてでございます。  アルコール問題は、本人の自覚がなく、家族も問題を抱え込むことから、表面化しにくい特徴があるため、早期発見と治療が何よりも必要でございます。御提案の医療機関と区保健福祉センターの保健師等の連携による情報共有につきましては、個人情報保護の観点から困難ではございますが、大学や企業と連携し、一気飲みや飲酒を強要しないよう、若者や職場に向けた啓発に取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、妊産婦の飲酒についてでございます。  妊婦につきましては、区保健福祉センターにおいて、母子健康手帳交付時に飲酒の習慣のある方に対しては、胎児や乳幼児への悪影響について説明をしながら、飲酒は避けるように指導しているところでございます。さらに、アルコール問題を抱える妊産婦についても、産婦人科等の医療機関と連携をしながら、定期健診の受診を促すとともに、無事出産、育児ができますよう、必要な支援を行っているところでございます。  以上でございます。 8: ◯教育長(上田昌孝)私からは、小中高生の飲酒の未然防止の取り組みについて、お答えを申し上げます。  学校においては、常日ごろから、児童生徒との信頼関係を構築し、保護者や地域との情報交換を行いながら、飲酒を含めた問題行動の把握に努めております。また、未成年の飲酒行為が、児童生徒の成長にさまざまな障害を与えるものであることを、小学校の高学年から保健の授業等で指導しているところでございます。さらに、各学校では、警察等の関係機関の協力を得ながら、非行防止教室等を実施し、飲酒を含む問題行動の未然防止にも努めております。  その上で、万が一、飲酒等で警察に補導されたケースについては、保護者や警察と情報の共有を行いながら、厳しく指導に当たっております。  今後とも、警察等の関係機関と連携しながら、児童生徒の飲酒防止に努めたいと存じます。  以上でございます。 9: ◯八番(及川英樹)一点だけ、市民局に。  福岡では、本当に真剣に取り組んでいるんですね。一万数千カ所に職員の方が出歩いて、直接一軒一軒訪ねて、何とかこれを張ってもらえないですかと、何とかしたいんだという職員の方々の熱意がそうさせて、ほとんどの提供する場所やそういうところに掲示をしていただいて、県民総ぐるみで取り組んで、九州も巻き込んでやっているということなんですね。  今、御答弁を聞きますと、確かに権限がないのはわかりますが、何かあってからでは遅いんですよね。やはり命が最も優先されるべきですから、事務的な手続ができないのは、それは十分にわかります。しかし、県を逆に仙台市に巻き込んで、しっかりと手当てしていかないと、間違いなく阪神・淡路大震災でわかっているとおりふえます。間違いなくふえます。  もう一度、御答弁をお願いします。 10: ◯市民局長(渡邊晃)県警との連携、要請について再度の御質問でございますけれども、福岡の状況は私ども承知をいたしております。なかなか個人情報の問題でありますとか、課題はございますけれども、さらに関係部局、関係機関とも協議をしながら、検討してまいりたいというふうに考えます。 11: ◯議長(佐藤正昭)次に、大泉鉄之助君に発言を許します。     〔五十二番 大泉鉄之助登壇〕(拍手) 12: ◯五十二番(大泉鉄之助)まず、国連防災世界会議について申し上げます。  去る五月十四日午前九時ごろ、宇和島市の市長室において、同市の石橋市長、三好議長と、来年の宇和島市の開府四百年事業や、本市との姉妹都市締結四十年の交流事業について意見を交換しておりました。そこへ、平成二十七年三月開催の国連防災会議が仙台に決定したとの連絡を受けました。その場で、石橋宇和島市長に申し上げたところ、早速お祝いの言葉をいただき、感激いたしたのであります。  同会議の開催市の決定は、大震災被災以来、ややもすれば暗い気持ちにさいなまれてきた本市にとって、待ちに待った朗報でありまして、うれしい限りであります。これは平成三年秋の日米市長商工会議所会頭会議以来、本市が開催市となる大規模な国際会議でありますが、その会議の規模、内容のグレードは、過去の会議の比ではなく、まさに国連主催の一大会議であります。ぜひ、見事に成功させ、仙台市の名を世界に発信、とどろかせたいものであります。  伺うに、前回開催の平成十七年の神戸会議は、参加国百六十八カ国、国際機関七十八機関、NGO百六十一団体、参加者は実に約四万人の会議規模であったとのことであります。なお、総経費は約十億円だったとも聞いております。  今回の地元開催市の負担は、四億円以上の負担能力が条件であるとのことであります。本市は、会議の誘致のために約二十億円余りの資金を投入し、新たにコンベンション施設整備を促進中であります。もちろん同施設は、会議開催後においても広く市民の利用に供するものであります。しかしながら、総額二十数億円もの巨費の財政執行、いわゆる市民の血税を投入しての開催であります。  よって、会議の開催に当たっては、東日本大震災により未曽有の大災害をこうむった被災都市仙台が、開催地である重大事を踏まえ、本市が世界に向かって何を発信するのか、それが以後の人類の歴史にどのような貢献をすることになるのか、ぜひ、性根を据えてしっかりやっていただきたい。  また、国連の大会議を誘致できました、見事開催しました、結果大成功でしたと、ただただ会議だけを喜ぶだけで終わっていただいては困るのであります。この会議の開催が、後の仙台市、仙台市民に何を残し、何をもたらすことになるのかであります。この会議を契機に、例えば国連や国関連の施設または世界的な研究機関が、地元東北大学や他の大学との連携などで誘致され、開設の運びとなり、これが実質的に地元経済の活性化に寄与し、さらには市民に利益がもたらされるということでなければならないと思考いたすものであります。  いずれにしても、開催まで一年九カ月足らず、本市のイベント開催の力量を思えば、厳しい日程であり、大いに不安を覚えるところであります。会議の誘致にこぎつけた奥山市長の所見と決意を伺うものであります。  また、平成三年の日米市長会議を経験した者として、あの会議が国際センターのこけら落としの使用であったことから、会議開催中に種々問題が惹起したことを思い起こすのであります。よって、新コンベンション施設は、国連会議の開催前に例えば成人式会場に使用するなど、何かおやりになることを老婆心ながらお勧めしておきます。  次に、仙台市博物館について申し上げます。  今まさに五月二十一日から六月三十日までの間、仙台市博物館において、仙台藩主勢ぞろいと銘打って、初代伊達政宗公から十三代慶邦公までの武具、甲冑、具足、書画など一堂に展示した企画展が開催されています。私も開催の翌日及び去る六日と、二回見てまいりました。なかなかのできばえで、さすが伊達六十二万石の大大名家の品々であり、そのお膝元の博物館の大企画展であると、真実そのすばらしさに感銘することしきりでありました。いまだごらんになっておられない諸兄は、ぜひお出かけいただきたいと思うところであります。  この企画展の一角には、伊達家六代藩主、宗村公直筆の和歌に、江戸中期の絵師狩野栄川典信が名所絵を添えた、三十組の仙台領分名所手鑑が、昭和三年の展覧会より、実に八十五年の時空を越えて無事ふるさとへの帰還を果たし、我々市民の目の前にお披露目となっております。この画集を頂戴するに当たっては、私も幾度か仙台塩沢間を行き来し、お手伝いをいたしたのであります。  知人の新潟県議会の斎藤県議の仲介で、新潟県南魚沼市塩沢の中島成夫さん、真知子さん御夫妻から、大震災で被災した仙台市民の皆様のお慰めになるならばとのお申し出を受け、去る四月二十四日、御寄贈をいただいてまいったものであります。専門家の話によれば、この書画集は歴史的にも重要な価値あるもので、本市博物館の収蔵品の質、量にさらに厚みを増したものと喜んでいるところであります。  この貴重な体験を契機に、仙台市博物館の収蔵品や近年の資料購入の実績等を調べ、大いに驚いているところであります。近年における本市博物館資料購入予算実績を見ると、平成二十二年度、平成二十三年度はゼロ、昨年度は購入額二百十万円、今年度は予算額四百十九万円と、ない袖は振れぬなのか、大仙台市の博物館としては、いとも寂しい限りであります。  そこで提案でありますが、第一に、資料購入予算増額に努めることを求めておきたいと思います。  第二に、ここ数年間のふるさと納税の現況を調べたところ、大震災絡みとはいえ、なかなかの数字を計上しているのであります。これに見習い、ふるさとの博物館振興基金的なものを創設し、広く内外の関係者に募金などを呼びかけることはできないものでありましょうか。  また、支倉使節団遣欧四百年のこのとき、内外の市民に呼びかけ、仙台市の歴史にかかわる民間の収蔵品等を、本市博物館へ御寄贈いただくことや、お預かりさせていただくことなど、呼びかけることなどできないものでありましょうか。これらについて、当局の所見を求めるものであります。  終わりに一言申し上げます。  本市にとって、東日本大震災からの復興事業促進は、何にも増して最優先課題であることは論をまたないところであります。加えるに、ことしは仙台藩祖政宗公が、慶長三陸大地震、大津波の復興の意気込みを示すが勢いで、西洋と我が国初の外交関係を目指し、支倉常長をして遠くローマへと派遣した厳然たる歴史から四百年の節目の年であります。  また、本日未明、本市博物館所蔵の慶長遣欧使節団に関する品々三点、これがユネスコの世界記憶遺産に登録された喜びの日でも、きょうはあります。既に皇太子殿下は、日本スペイン交流四百年事業の名誉総裁に御就任され、同地を御訪問され、御帰国されておられます。この秋には、本市博物館において、慶長遣欧使節と南蛮文化と銘打って、特別展も企画されているのであります。  それにしては、巷間全市的な盛り上がりが一向に感じられないうらみを感じるものであります。この絶好のチャンス、市民を巻き込んでの明るい機運を大いに惹起させる行政の取り組みがあってほしいものであります。当局の御所見を求めたいと思います。  以上申し上げ、定例会本会議における一般質問、本来あるべき姿と思う一括質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 13: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの大泉鉄之助議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、国連防災世界会議についてのお尋ねでございます。  本市は、これまでさまざまな国際会議やイベントを経験し、国際都市としての実績を積み重ねてまいりましたが、来る二〇一五年に開催されます国連防災世界会議は、まさに過去最大級の国際会議であり、施設を用いての事前のリハーサルを含め、相当の心構えを持って、準備に万全を期する必要があるものと考えております。世界中の国々からの温かな御支援を受け、復興への道を着実に歩みつつあります本市の姿を広く発信していくことはもちろんのことでありますが、会議を通じ、世界の防災文化の発展に向け、仙台が確かな成果をもたらすことが何より重要と、改めて肝に銘じているところでございます。  大震災の教訓を生かした本市の災害に強いまちづくりや、現在進行中のさまざまな復興プロジェクトは、必ずや世界各国の参考になるものと確信するところでありまして、仙台の名が確かな都市防災への取り組みの代名詞として世界に認識されるよう、会議へ向け取り組みを加速してまいります。  加えて私が重要と考えますのは、会議開催を通じ、確かな成果が市民の皆様にもたらされることでございます。一過性のものに終わらせることなく、国際コンベンションシティーとして本市が大きく飛躍をする契機となるとともに、防災関係のプロジェクトの誘致や関連産業の振興へもつながるよう、努めていく所存でございます。  このような会議の重要性に鑑みますと、残された準備期間はあとわずかと申し上げても過言ではなく、今後、全庁を挙げ準備に加速するとともに、東北の被災四県や県内の被災自治体、地元経済界などと連携を図りながら、この会議を大きな成功へと導いてまいる決意でございます。  次に、慶長遣欧使節出帆四百年記念事業に関連したお尋ねにお答えをいたします。  出帆四百年の節目を機に、その意義を国内外へ広く発信し、未来へと引き継いでいくため、慶長遣欧使節出帆四百年記念事業実行委員会が昨年末に設立され、先日、今年度の事業計画が決定されたところでございます。  計画では、十一月初めに記念行事として、フォーラムやフェスティバル等の開催や、仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会と連携したPRキャンペーンの実施などが予定されておりまして、今後、関係機関独自の事業もより具体化してくるものと考えております。  また、本日、ユネスコ世界記憶遺産に登録されることとなりました、博物館所蔵の国宝支倉常長像ほか二点を中心とした、国内外の貴重な資料によります特別展「伊達政宗の夢―慶長遣欧使節と南蛮文化―」を、御質問にもございましたが、十月にこれを開催いたしますほか、十二月にはオペラ「遠い帆」の上演も予定しているところでございます。  出帆四百年、さらに記憶遺産への登録というこうしたすばらしい追い風を捉え、一連の事業について、観光分野などとの連携も図りながら、広く全国に仙台を発信してまいりますとともに、全市的な盛り上がりをつくり出し、復興に向けた大きなはずみとしてまいりたいと考えております。  お尋ねについての御答弁は以上でございます。 14: ◯教育長(上田昌孝)私からは、博物館の収蔵品の収集に関するお尋ねにお答えを申し上げます。  博物館にとりまして、新たな資料を収集し、その活用を図ることは、その魅力を高めていく上で欠くことのできない重要な取り組みであると認識いたしております。  本市博物館は、昭和三十六年の開館以来、伊達家及び仙台藩に関する美術工芸、歴史資料はもとより、広く東北地方に関する資料を購入し、また資料の所有者との信頼関係をもとに、御寄託、御寄贈をいただくことにより、質、量ともに充実した東北地方を代表する博物館として、活動を行ってまいりました。先ほどのお話もございました伊達家ゆかりの仙台領分名所手鑑がこのたび寄贈され、現在開催中の企画展の一層の充実を図ることができたものと考えてございます。  その一方で、博物館活動の基礎となる資料収集に関しましては、本市博物館のみならず、全国の多くの博物館において、安定的な予算の確保が共通の課題となっていることもまた事実でございます。  そうしましたことから、各地の博物館同士の連携を強めながら、それぞれの収蔵資料をこれまで以上に相互活用する共同の企画事業の創出等、多面的な視点で検討を進めているところでございます。さらに、議員御提案にございますように、市民の皆様方の中から貴重な資料の御寄託、御寄贈や購入等のための基金などについての機運が生まれ、広がりを見せることに大いに期待をしているところでございます。  そのためにも、今後とも仙台市の文化水準のさらなる向上のため、博物館活動の一層の充実に向けて、鋭意取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 15: ◯議長(佐藤正昭)次に、やしろ美香君に発言を許します。     〔二番 やしろ美香登壇〕(拍手)
    16: ◯二番(やしろ美香)自由民主党・仙台、やしろ美香です。  議長のお許しをいただきましたので、発言をさせていただきます。  まず初めに、本市におけるICT総合計画について、数点お伺いいたします。  かつてOA、つまりオフィスオートメーションと呼ばれたコンピューター革命が、インフォメーションテクノロジー、すなわちITと名前を変え、現在ではインフォメーション・アンド・コミュニケーションテクノロジー、ICTと言われるようになりました。その間に起きたさまざまな大変動は、例えば、マイクロソフトやアップル社を好例として、世界地図を書きかえてしまいました。マスからマルチ、マルチからインターへと、時代は確実に変わっていると実感する毎日です。  まず初めに、仙台市ICT戦略二〇一一―二〇一五についてお伺いいたします。  現在、仙台市はICTに関する政策として掲げているこのICT戦略は、二〇一一年から二〇一五年の五年間を対象期間としていますが、この五年間という期間は、果たして妥当なのでしょうか。ICTの進化スピードは、かつてはドッグイヤーと言われました。それは犬の成長が人の成長よりもはるかに速いことにかけた比喩的表現でしたが、それでも間に合わないほど、ICTの進化は急激でした。  パソコンのOSを例に挙げれば、今から五年前はウインドウズビスタであったものが、ウインドウズ7を経て、現在はウインドウズ8へと変遷してきております。携帯電話にしても、今やスマートフォンが主流となってきております。  ICTの戦略の中に、期間中であっても必要に応じて見直しを行いますという記述があり、ことしは二〇一一年から二〇一五年の中間年に当たりますが、ICTの戦略の見直しをされる予定はあるのでしょうか。また、見直しの有無にかかわらず、今後、ICT戦略を進める上で、どのような取り組みをなされるのでしょうか。あわせてお伺いいたします。  続いて、いじめ防止条例について伺います。  前回の私の一般質問では、市長からは、いじめは教育委員会だけでなく、広く社会で取り組むべき問題である、市民をも巻き込んだ議論が深まり、いじめをなくそうとする機運が高まることを期待するというものでした。その後の教育長の御答弁では、現在、本市では、保護者や地域の方々、児童相談所や警察などの関係機関とも連携しながら、いじめの未然防止、早期発見、早期対応など、適切な対応に努めている、いじめを発見した場合には、速やかな原因の究明調査と解決に向けた対応、そして再発防止に向けた取り組みが必要不可欠であり、事案によっては、第三者委員会の設置が必要な場合も考えられ、再発防止の徹底に当たっては、その調査結果を公表していくことも大切なことである、いじめ防止条例の必要性や効果などについて研究するなど、総合的に検討していく必要があるものと認識している、とのことでした。  この答弁にありました条例の必要性と効果の研究ということについてですが、必要性については今さら言うまでもありません。いじめは、どこにでもあります。存在しないはずのいじめは、自殺者が出てから調査をすれば必ず出てきます。それを防止するのは、市長の御答弁のとおり、教育委員会だけの問題ではありません。では、市民をも巻き込んでいじめの防止を行うには、どうすればよいのでしょうか。  いじめ防止条例ができることによって、初めて市民に対して啓発活動ができることになるのではありませんか。もちろん条例化すれば、ニュースにもなります。市政だよりにも載せられます。何より、この市議会で議論が行われ、市民の関心を集めることができます。市民の誰もが、いじめの根絶に向かうためにこそ、条例が必要なのではありませんか。条例がなければ、自殺者が出た一部地域のワイドショーをにぎわす話題の一つに扱われてしまいかねません。問題視はされますが、しょせんメディアの上の出来事と捉えがちです。  果たしてそれでいいのでしょうか。この仙台市で、自殺者が出てから条例を制定しても遅いということを肝に銘ずべきです。子供が命を絶ってから、教育委員会が頭を下げても、涙を流しても、失われた子供の命は戻ってきません。条例制定が全てのスタートになるはずです。  前回の質問で取り上げた可児市や大野市の場合も、条例制定によって市民の意識改革、啓発活動、そして、これらが子供たちのいじめに対する意識の変化につながりました。改めて、いじめ防止条例の制定について早急に着手すべきと考えますが、いかがでしょうか。  続いて、子供虐待防止対策について、お伺いします。  平成十二年虐待防止法制定以来、幾度かの法改正を重ねながら、さまざまな政策がとられてきましたが、児童虐待相談件数は増加の一途をたどり、深刻な虐待事例である虐待死亡児童数は減少していません。虐待防止に向けての政策として、発生予防、早期発見、早期対応からの保護、支援、関係機関の連携がとられてきましたが、平成二十四年の総務省が出した児童虐待等に関する政策評価によれば、早期対応からの保護、支援には一定の効果が見られるが、残りの政策については、いずれも不十分との評価です。  児童虐待による死亡事例は、乳児が多くを占めており、その中でも生後間もない時期が高い割合を占めています。特に生まれたその日に、実母の虐待により死亡した事例を見ると、十九歳以下が二五%、望まぬ妊娠を理由に挙げる事例が八〇%を超えており、その背景には、母親が妊娠期から一人で悩みを抱えていたり、産前産後の心身の不調や家庭環境の問題が考えられます。  平成二十三年に開設された大阪府立母子健康センターにんしんSOSの相談内容からも、若年への妊娠、出産に対する正しい知識の普及、出産に関する支援制度の充実にあわせて、普及啓発の継続と、保健・医療・福祉が連携して支援の必要があるとされており、深刻な虐待につながる危険性が高い、若年の望まぬ妊娠についての総合的対策が急がれます。  昨年十二月の定例会において、若年世代への相談体制の充実と啓発について質問させていただきましたが、この四月より、メール相談も受け付ける、せんだい妊娠ほっとラインが新たに開設され、また、この情報が駅などに置かれている若い女性向けのフリーペーパーに掲載されるなど、御当局の対応のスピードからも、若年の望まぬ妊娠対策の重要性は言うまでもありません。  今回開設されたせんだい妊娠ほっとラインは、日曜、祝日を除く月、水、金の十時から十九時までの電話相談と、メールによるものです。その委託先は、財団法人宮城県助産師会みやぎ子育て支援センターとのことです。助産師会が行っている相談業務であれば、当然、周産期ケアの専門性が高い助産師さんがその対応をなさっていると思いますが、児童福祉法で支援が必要とされている特定妊婦、特に若年の場合には、妊娠に対する葛藤や経済的、家庭的問題など、さまざまな悩みを抱えていることが多く、母子保健だけでは解決できない問題もあるのではないでしょうか。  心療内科医やカウンセラーによる心のケア、ソーシャルワーカーなど福祉の専門家による生活支援、家庭的問題としては、親やパートナーに対するケアも必要と思われます。場合によっては、法的対応が必要な事例もあるかもしれません。厚生労働省からも、妊娠、出産、育児期における相談体制の整備及び連携体制の整備に関する通知が出されており、さらなる相談体制の充実が求められますが、御当局の御見解をお伺いいたします。  また、本市では、このほっとライン以外にも、区役所にも相談窓口があります。妊娠ほっとライン以外の相談体制について、どのようになっているかをあわせてお伺いします。  続いて、職員の育成体系と研修体制です。  児童相談所や区役所等に寄せられる各種の難しいケースの相談に対応するためには、専門性を有する職員が必要です。児童相談所や子供支援センターなど相談担当部署には、学校の教職員や市役所の事務職員も配置されている現状があります。教職員は、児童生徒や保護者との対応にはなれていますが、一般市民への対応は初めてである場合、また逆に、市民への対応はなれているが、児童生徒や保護者と接するのが初めての市役所職員、あるいは、相談業務が初めてである職員もいるかもしれません。このような、いろいろな部署から集まってくる職員に、専門性を有する職員としての能力を体系的に育成していくことが大切と考えますが、いかがでしょうか。  また、人事異動と人材育成体系をうまくかみ合わせることも必要ではないでしょうか。せっかく育った人材も、三年すれば異動してしまうのでは、後任がなかなか育てられず、相談機関としての力量が維持できないのではないかと心配するところですが、いかがでしょうか。  次に、虐待予防につながる教育について、お伺いいたします。  子供虐待の発生予防と早期発見、早期対応のための連携として、平成二十一年度より乳児家庭全戸を生後四カ月までに訪問する、こんにちは赤ちゃん事業が法定化され、本市では必要に応じて生後一カ月前後に家庭訪問によって健康や育児の相談、助言などを行う、妊産婦・新生児・未熟児訪問指導など、さまざまな取り組みがなされていますが、生後間もない嬰児の虐待死の抜本的対策は確立されておりません。予期しない妊娠に続く虐待を防ぐためには、発達段階に応じた継続的な命の教育も必要ではないでしょうか。  高知県四万十町では、平成十八年以降、保育所、幼稚園で、自分も他人も大切にできる人間を育てるために、いのちの学習を行っているそうです。幼少時からのいのちの学習は、良好な関係の親子だけでなく、問題を抱えている親子にもいい影響を与えて、結果として親子関係の修復にも役立ち、虐待予防につながると言われています。また、同じく高知県の春野高校では、子育て支援講座が開設されています。  かつては、家庭や社会に継承的に備わっていた親になることが、少子化や核家族化など社会の変化により、子供と触れ合う機会がないまま成長してしまい、精神的にも社会的にも親になれないまま子供を持ってしまうことが少なくない時代です。次世代の親となる高校生が、親となり子育てを始める前に、いわゆる性教育ではない、命のとうとさや子育てについて学ぶことも、親となる準備として必要ではないでしょうか。  安倍政権少子化危機突破タスクフォースの取り組みの中にも、妊娠、出産に関する知識の教育の充実が挙げられており、虐待予防だけでなく、少子化対策にもつながる命の教育のあり方について、本市のお考えをお聞かせください。  子供が健やかに生まれ育つことができる環境づくりを、さらに進めていただくよう求めまして、次の質問に移ります。  続いて、学校給食と食育です。  適切な表現ではないかもしれませんが、飽食の時代の給食とはどのようにあるべきかという問題とも言えます。もしくは、アレルギー時代の給食と考えてもよいでしょう。国民全てが栄養不足の時代の給食は、栄養補給のためという外せないテーマがありました。味は二の次というのは、私より少々上の脱脂粉乳世代の共通認識でしょう。給食は次第にその意味を変えながら、高度経済成長、バブル期、バブル崩壊から二十一世紀を迎えました。  前回の私の質問で取り上げさせていただいたのは、名古屋市の中学校の選べる給食、温かい給食でした。同じ政令指定都市である名古屋市にできているのに、仙台市ではできないという答弁の理由として、みんな一緒に好き嫌いなく食べることが重要ということでしたが、私の大好きな金子みすゞさんの童謡「私と小鳥とすずと」にある、みんなちがって、みんないいという考え方は、教育委員会にはないのでしょうか。  現在の給食制度では、かつてのように、残すな、という考え方から、無理に食べなくてもよいということになったようですが、どうして食べなくてもよくなったのでしょうか。また、食べなくてもよいのであれば、当然、食の選択にまで考えが広がるはずです。食をみずからの意思決定によって選択するということは、食育基本法の前文にある「今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている」にも合致します。  前回の答弁にあった好き嫌いなく食べるということが、子供たちに食を強いる強制と、嫌いなものを食べさせようとする矯正になっているとすれば、残念なことです。食育といいながら、大人の理屈と都合を押しつけているのではないでしょうか。名古屋市のスクールランチのような選択給食ができないと思われる理由を、改めて伺います。  また、給食の意義も多様化しています。これからの給食は、例えば、先ほどの質問でも取り上げました、子供虐待の一種でありますネグレクトに対する栄養補給という側面も出てくるかもしれません。みずからのアレルギーを認識し、自分が食べられるものと食べられないものを判断できる力も必要になるでしょう。子供の成長は、一人一人がそれぞれ全く違う姿を見せてくれます。それこそが子供を教育することの醍醐味だと思います。子供一人一人の生きる力を育むための食育教育のあり方と、食の選択の力を養うための給食をどのように考えているのかお伺いし、御答弁をいただいた後、一問一答に移ります。  御清聴ありがとうございました。 17: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの、やしろ美香議員の御質問にお答え申し上げます。  ICT戦略に関するお尋ねでございます。  情報化の進展は、経済活動のみならず市民生活全般に及び、行政においてもICTの効果的な活用が不可欠となっております。このため、本市におけるICTの利活用に関する統一的な方針として、平成二十三年八月に、仙台市ICT戦略を策定いたしましたが、策定から二年が経過し、この間、ソーシャルメディアやクラウドサービスの利用拡大など、情報通信技術は日進月歩の進展を見せたところでございます。  このような状況に的確に対応し、ICTサービスのさらなる充実を図ってまいりますためにも、戦略について一定の見直しが必要と考えるところでありまして、有識者によります仙台市情報化推進会議における御議論も踏まえ、検討を進めてまいる所存でございます。  今後、ICT戦略を進める上では、統一的な方針のもと、効果的、効率的に導入を進めるための取り組み、いわゆるICTガバナンスが重要であると認識しております。各部局におきまして、ICTの導入や更新を行う際に、システムの適正化が図られるようガイドラインの策定を進めるなど、ガバナンス強化へ向けての取り組みを進め、さらなるICTの活用に努めてまいる考えでございます。  そのほかのお尋ねにつきましては、藤本副市長及び教育長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 18: ◯副市長(藤本章)私からは、虐待防止施策に関するお尋ねのうち、子供未来局に係る三点の御質問にお答え申し上げます。  初めに、せんだい妊娠ほっとラインの相談体制についてでございます。  せんだい妊娠ほっとラインは、妊娠、出産に関する相談に加え、思春期の悩みや、子育てに関する相談などに、専門的かつ豊富な実績を有する宮城県助産師会に委託をして実施いたしております。母子保健の専門家として、また相談業務を通じて培ったネットワークを生かし、助産制度や各種手当などの福祉制度の紹介や、産婦人科等の医療機関への受診を勧めるなど、的確な対応をしていただいているところでございます。  事業を開始して二カ月余りが経過をいたしたところでございますが、この事業を虐待防止のための有効な手だての一つとして位置づけながら、今後は事業実施に伴い、さまざま生起する課題につきまして随時適切に把握をしながら、充実させていきたいと考えております。  次に、各区の相談体制についてでございます。  区役所におきましては、子供と家庭に関する保健及び福祉サービスを総合的に提供するため、専門の家庭相談員、社会福祉主事、保健師が、子供家庭総合相談を行っております。相談内容は、児童にかかわるもの、母子、寡婦にかかわるもの、母子保健にかかわるものなど、多岐にわたっているところでございます。  最後に、職員の研修体制についてでございます。  各区や本庁の担当課におきましては、実務レベルの技量や知識を高めるための研修を、所属ごとに随時各種実施をいたしているところでございます。人員体制につきましても、相談機関に関しましては、その役割を十分発揮するための配慮も行っているところでございます。  子供相談支援センターでは、青少年に関するさまざまな問題に対応するために、学校との連携が必要となりますことから、生徒指導の経験豊かな教員を複数配置をいたしており、また児童相談所におきましても、児童福祉士や児童心理士などの専門職員や、福祉、保健に係る行政経験を積んだ職員を配置いたしておるところでございます。  今後につきましては、職員の専門性がますます求められることになりますので、職員研修を通じて人材育成に努めますとともに、人事異動におきましても、定型的な人事ということではなくて、これまで以上に福祉部門に精通した職員の配置となるよう、意を用いてまいりたいと考えております。  以上でございます。 19: ◯教育長(上田昌孝)私からは、最初にいじめ防止条例についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  いじめ問題につきましては、学校だけではなく、保護者や地域を含め、社会全体で取り組んでいくことが肝要であると考えます。そうした意味からも、まず学校では、命のとうとさ、お互いの尊重、思いやりの心などの倫理観や道徳心を育てる教育の充実を図るとともに、保護者との連携のもと、いじめを許さない、生まない環境づくりの取り組みを進め、さらには地域や市民の皆様の御理解と御支援をいただきながら、いじめ根絶の機運を全市的に高めていくことが必要でございます。  現在、国会において、いじめ対策に関する法律案が審議されております。これは、国や地方公共団体、学校、保護者等の責務を明確にし、いじめの防止に関する措置や体制の整備などを定める内容となっており、これが制定された場合には、その枠組みを基本に、本市としての方針や具体的な内容を定めていくことになるものと存じます。  したがいまして、現段階におきましては、条例を制定する状況にはないものと考えますが、ただいま申し上げたことなどを踏まえながら、本市としてのいじめの防止、根絶に向けた総合的な対策について、なお一層取り組んでまいりたいと存じます。  次に、虐待予防のうち、生命の教育のあり方に関する御質問にお答えいたします。  本市では、豊かな心と健やかな体の育成を重点事項とし、小学校から発達段階に応じて、命を大切にし、人権を尊重する心を養う教育に取り組んでいるところです。  その中で、中学校では、妊婦体験や赤ちゃん人形を使った育児体験などを、さらに高校二年生の保健の授業においては、家族の意義や出産に伴う母体への影響等のほか、子育て支援制度の概要についての学習を行っております。  今後とも、関係部局と連携しながら、自分を含めた人への思いやりを学ぶ教育の充実に努め、命の大切さの教育に一層取り組んでまいりたいと存じます。  次に、学校給食と食育に関する御質問でございます。  まず、名古屋市の学校給食についてでございますが、小学校では本市でも行っております単独調理校方式の給食で、中学校では家庭からの弁当持参と、民間調理業者が配送する事前予約制のスクールランチ方式との併用となっております。このスクールランチ方式は、平成十年に中学校に給食が導入された際、採用された方式であり、二種類のランチメニューから選択することとなっております。  一方、本市の学校給食は、単独調理校や給食センターにおいて毎日の献立に基づき調理し、提供する方式でございまして、調理施設設備や調理人員が限られておりますことから、選択方式の給食を取り入れることは困難な状況でございます。  また、食に関する指導の観点からも、皆と一緒の給食を食べることは、地産地消や地元の食文化などについて学んだり、苦手な食材を食べることができるようになるなど、その教育的な効果は大きいものと考えております。したがいまして、本市といたしましては、基本的には、学校や学級がみんなで同じ給食を食べることが望ましいものと考えているところでございます。  最後に、食育のあり方と食の選択の力を養うための給食に関してでございます。  食は、人が生きていく上で基本的かつ不可欠な営みの一つであり、健康的な生活を送るために、健全な食生活は欠かせないものでございます。そうしたことから、子供たちが食を選択する力を身につけ、将来、みずからや家族の健康を支えていけるよう、バランスのとれた食事と、望ましい食習慣を学ぶことを第一に、学校での食育に取り組んでいるところでございます。  その中で、学校給食は、多様な食材を使った栄養バランスのとれた食事の実例として提供し、実際にそれを見て、食べるという実践活動を通じ、選択する力の基礎となる食に関する正しい知識を習得するための、大変重要な機会と認識いたしております。  今後とも、子供たちが将来にわたり、健全な食生活を送ることができますよう、食育に資する学校給食の提供に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 20: ◯二番(やしろ美香)これより一問一答に移らせていただきますが、私は一問目の仙台市のICT戦略に関して、絞って一問一答させていただきたいと思います。  まず初めに、個別の中身になりますが、市民GIS、グラフィック・インフォメーション・システムについて伺います。  これは仙台市のホームページ上で、市の施設や防災マップなど地理情報を提供しているものであります。平成二十四年度は、年間約二十三万件のアクセスがあったと伺っておりますが、市民のニーズが高いからこそ、これだけ多くのアクセスがあるものと思いますが、運用開始が平成二十年度ということで、年数として五年経過することになります。五年経過というと、そろそろシステム更新の時期かと思いますが、更新の予定はあるのでしょうか、お伺いいたします。 21: ◯総務企画局長(高橋一典)地理情報システム、いわゆるGISは、技術的進展が早い分野のシステムでございますことから、現行のシステムは、あらかじめ五年の事業期間を想定し、調達を行ったものでございます。導入から五年が経過しておりますことから、今年度、更新に着手したところでございます。 22: ◯二番(やしろ美香)ただいまのお答えでは、今年度システム更新の予定ということですが、年数が経過したということだけでなく、GISの機能や利用者にとっての使い勝手など、現行システムにおける課題をどのように認識されているのでしょうか。そして、それらの課題は、このたびのシステム更新によって解決する見込みなのでしょうか、あわせて伺います。 23: ◯総務企画局長(高橋一典)現在の市民GISは、画面展開における動作速度などに課題があるものと認識しております。既にそれらを解消できる仕様により、システムを発注したところでございまして、今回の更新により一定の改善が図られるものと見込んでおります。 24: ◯二番(やしろ美香)市民向けのGISは改善される見込みとのことですが、市民向けとは別に、市役所内部で職員が使用している庁内GISもあると伺っています。庁内GISはどのような目的、用途で使用されているのか、お伺いいたします。 25: ◯総務企画局長(高橋一典)GISは地図情報でございますので、目で見てわかりやすいことから、庁内GISは主に観光施設の場所の把握や、震災による宅地被害箇所及び修繕箇所の把握、単位町内会などの区域の把握に用いられているところでございます。 26: ◯二番(やしろ美香)市民GISでも伺いましたが、庁内GISの現行システムにおける課題はどのようなものがありますでしょうか。また、システムが更新されるとすれば、それらの課題は改善、解決される見込みなのでしょうか、あわせてお伺いいたします。 27: ◯総務企画局長(高橋一典)現在の庁内GISにつきましても、動作速度などに関して、市民GISと同様の課題がございます。また、震災以降、復興業務などにおける利用が増加しており、現行システムでは一度に利用できる人数に上限があるため、その引き上げについても課題となっているところでございます。  これらの課題につきましても改善することとしております。 28: ◯二番(やしろ美香)こちらもあわせて改善の見込みがあるということで、ほっとしましたが、私は庁内GISのデータを単に地理情報として利用するのではなく、例えば地図と人口データを連動させて、施設の適正配置のための分析に利用するなど、いわゆるビッグデータをまちづくりに活用することもできると思います。可視化されたGISを活用することは、区割りをまたぐ地勢的な見地からも都市整備計画などが立案でき、より効率的な市民サービスにつながると考えております。  クラウドの導入も必要になるとは思いますが、システム更新後は市長みずからの手でこのシステムを操作して、将来のあるべき姿、仙台の未来図を描いていただきたいと思います。  続きまして、情報政策部の役割について、お伺いいたします。  本市のICTを具体的に進める中核となる情報政策部の役割についてです。  ICT利活用の推進について、情報政策部は各部局を支援するという記述がICT戦略の中にあります。また、昨年九月の決算等審査特別委員会において、情報政策部の位置づけについてお伺いしたところ、情報政策部は情報に関する施策を一つの方向にまとめ、専門知識により各局を支援し、組織間連携を図りながら施策をサポートする役割を担っているという御答弁がありました。私は、情報政策部には、各部局の支援にとどまらず、情報化を推進していく役割があると思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 29: ◯総務企画局長(高橋一典)ICTの利活用に関して、各部門に共通するものにつきましては、ICTを推進する立場から情報政策部がルールづくりなどを行っておりますが、現場の業務内容や課題を把握しているのは各担当部局でございます。ICTをより効果的に、かつ使いやすいものにしていくためには、担当部局の取り組みとともに、情報政策部が専門知識を生かし、緊密に連携し、システム構築などを進める必要があると考えております。  こうした役割分担のもと、情報政策部から担当部局への働きかけを積極的に行いながら、より効果的、効率的な情報化が図られますよう努めてまいりたいと考えております。 30: ◯二番(やしろ美香)これまで本市におけるICT施策について、るる伺ってまいりました。現在進行中のマイナンバー制度導入に関する取り組みに関しましては、昨日、先輩議員が触れられまして、重複する部分が多くありますので割愛させていただきますが、一点だけ加えさせていただきます。  この制度は、将来的に民間との連携を想定した制度になっています。住民レベルで考えると、行政間での利用よりも民間での活用分野のほうが生活の利便性が向上されると思われます。このマイナンバー情報を利用できる事業というのは、法律に定められておりますが、条例によってその範囲を広げられることになっております。これは、いかにこの制度を有効に活用するかというのは、各自治体の首長の手腕にかかっているとも言っていいと思われます。  奥山市長は、再選に出馬表明をなさっておりますので、この制度導入についてもみずからの手で進めていかれると思われますが、このICT戦略における未来図、奥山市長はどのように見えていらっしゃるのかをお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。 31: ◯市長(奥山恵美子)マイナンバーの実施に関連いたしましては、まずは、現在は、税情報等の国等の機関における業務に限定をされて、ただいま法が整備されたところでございます。昨日もお答え申し上げましたけれども、まず私どもの第一義的な責務として、この大変多岐にわたります整備について、遺漏なきようこれを行うということが肝心であろうと考えております。  そして、運用の検証の中で、やはり国民、市民の皆様が一番御心配をいただいているであろう個人情報の保護ということ、これが実際どのように担保されるのか、その運用の推移をしっかり見守っていく必要があると考えてございます。  お話しのように、民間部門、また官民の共通する部門、さまざまなマイナンバーの活用の方策については、議論が出ていることは私も承知をしてございます。しかしながら、国民の皆様のさまざまな懸念もあるシステムでございますので、確実な運用に努めながら、将来的な拡張については、その後の課題ということで、私としては慎重にこれを見守ってまいりたいと考えてございます。 32: ◯議長(佐藤正昭)副議長と交代いたします。     〔議長 佐藤正昭退席、副議長 木村勝好議長席に着く。〕 33: ◯副議長(木村勝好)議長と交代いたします。
     次に、佐藤わか子君に発言を許します。     〔二十七番 佐藤わか子登壇〕(拍手) 34: ◯二十七番(佐藤わか子)市民フォーラム仙台の佐藤わか子です。  議長のお許しをいただきましたので、一問一答方式で一般質問をさせていただきます。  今議会から、一問一答方式が導入されました。議会での議論が、仙台の将来の発展につながるよう期待して、以下四点について質問いたします。  質問に入る前に、本日、国宝慶長遣欧使節関係資料がユネスコ記憶遺産に登録されましたことに、心からお喜びを申し上げます。この登録決定を広く国内外に広め、仙台市の名を世界に広げていっていただくことを御期待申し上げて、質問に入ります。  まず初めに、質問の第一点目として、平成二十七年三月に仙台市での開催が決定した、第三回国連防災世界会議について、お伺いします。  防災世界会議が仙台市で開催されることになったことは、大変喜ばしいことで、誘致に向けて努力されてきたことに敬意を表します。世界防災会議については、代表質疑や一般質問でも取り上げられましたので、私のほうからは、今回の世界防災会議を一つの契機に、将来につながる取り組みを実施すべきという観点で質問させていただきます。  今までも、国際会議の誘致に努力されてこられたことは承知していますが、今回は防災という切り口で世界会議が行われるわけですから、このチャンスを最大限に生かし、防災関係の国際会議は仙台市でと言われるぐらい、防災というテーマで次の国際会議の誘致を強力に進めていくべきと思います。名古屋市では二〇〇五年の愛・地球博を契機に、関係する環境系の国際会議を次々と誘致しています。二〇一〇年にはCOP10、来年二〇一四年には持続発展教育ESDに関するユネスコ世界会議が名古屋市で開かれます。他の政令指定都市でも、横浜市や京都市のように、国際会議が定期的に行われているところもあります。今回の防災世界会議で、仙台市を積極的に売り込み、次の国際会議の誘致につながる取り組みをするべきと思いますが、御所見をお伺いします。  防災世界会議を次につなげる取り組みとして、外国人観光客をふやす取り組みにつなげられると思います。そのための受け入れ環境整備を、防災会議の準備と並行して検討されるべきと考えるものです。仙台市で国際会議が頻繁に行われるようになれば、たくさんの外国籍の方が仙台に訪れるようになります。その方々によい印象を持って国にお帰りいただくことは、仙台を宣伝していただく最大のチャンスです。外国語表記のサインの整備なども含め、言葉の問題など、外国人観光客向けの受け入れ環境整備をどのように進められるおつもりか、お伺いします。  二点目として、仙台市の小中学校の英語教育について、お伺いします。  平成二十三年度から、小学校の高学年で外国語活動が必須化されました。今、国では首相から諮問を受けた教育再生実行会議において、小学校の外国語活動の教科化が検討されているようです。中学校でも、一部の授業を英語のみで教えるということについても、議題に上げられたと聞いています。このような動きを見れば、今後、小中学校の英語教育強化の動きが増すことは十分考えられます。仙台市として、小中学校の英語教育をどのように進めていくのか、その方向性を検討する時期に来ていると思います。  そのためには、導入から二年が経過した小学校高学年の外国語活動を検証する必要があります。小学校の先生から外国語活動に対するアンケートをとられたと聞いていますが、そのアンケートからどのような課題が見えてきたのか、その現状分析と課題認識、また、その対策についてどのような御見解をお持ちか、お伺いします。  また、今後の英語教育の方向性に対して、どのような御認識をお持ちか、あわせてお示しください。  小中学校の英語教育、外国語活動に大きくかかわっているのがALTです。ALTの質の向上に努めることが、仙台市の英語教育の質の向上につながっていくと考えますが、ALTの質の向上にどのように取り組まれてきたのか。仙台市の英語教育の中で、ALTが果たしてきた役割をどのように認識されておられるのか、お伺いいたします。  大震災から二年三カ月が過ぎようとしています。復興期間中は、震災復興に全力を投入していくということは理解するものですが、仙台市に住んでいる一人一人が、仙台に住んでいる満足感を実感できるようなまちづくりも重要と考えます。それは障害者も同じです。どのような状況でも、住んでよかった、これからも住み続けたいと、全ての仙台市民に思ってもらえるような施策を、震災復興と同時並行で進めていくべきです。  その観点から、第三点目として、障害者福祉の充実、特に相談体制と障害者福祉センターの機能充実について、お伺いします。  交通事故で高次脳機能障害になった方から、区役所に相談に行って、たらい回しにされた上、大変冷たい対応をされ、深く傷ついたという相談がありました。今、障害者福祉と一口に言っても、身体、精神、知的、難病、中途障害、発達障害などなど多岐にわたり、相談窓口では、その障害の特性と、さらには地域にどのような支援体制があるかなどの情報の集積が求められます。  国の法律が、障害者総合支援法にかわり、百三十の難病の方も障害福祉サービスの対象となりました。このように法改正が立て続けにあったことで、相談窓口の対応がそれらの変更に追いついていかないという事情もあるのかもしれません。でも、相談を受けるということは、事故や病気で突然障害者になってしまった中途障害の人や、治療方法も確立していない難病の方の、将来に対する不安や絶望感をまず一旦受けとめることから始まり、次につないでいくことが何より必要です。  障害者一人一人に寄り添った相談体制の整備が求められています。特に、区役所は、どこに相談に行ったらいいかわからない方が、まず相談に行く、障害者の何でも相談窓口のようなところです。全ての障害者の状況をしっかり把握しておく必要があると考えますが、区役所の障害者の相談窓口の現状はどのような体制になっているのか、お伺いします。  高次脳機能障害の方の相談は、泉区の健康増進センターに入ったウェルポートで行っているとのことですが、その情報が区役所でわからなかったとすれば、大変残念なことです。  次に、発達障害の相談についてですが、これは主にアーチルが受けていると認識しています。残念ながら、南部アーチルができても、相談まで相変わらず時間がかかっている状況です。需要が喚起されたという面もありますが、実際にすぐにでも相談に乗ってもらいたいという方に対して、何らかの対応をとるべきと考えます。アーチルができて十年が過ぎました。今行っているアーチルの事業を一度検証し、親御さんが困っている状況にすぐに応えられる相談体制整備の構築も検討するべきと考えますが、御所見をお伺いします。  障害者福祉の充実を考えたとき、各区にある障害者福祉センターの役割が重要です。十五年前にこの施設を各区につくろうとしたときは、障害者施策もまだ三障害別に分かれていました。今では、障害者を取り巻く環境も、障害者が行政に求めるニーズも大きく変わってきています。施設はつくったからそれで終わりではなく、時代のニーズに合わせて変えていく必要があると思っています。障害者の現在のニーズにどう応えていくかという観点で、障害者福祉センターの役割を検証していくべきと考えるものですが、これからの障害者福祉センターの役割と方向性について、どのような御見解をお持ちか、お伺いします。  仙台市の景観に磨きをかけ、まちそのものを美しい一つの財産として維持保全し、未来につないでいくことが、仙台市の価値を高め、魅力ある都市仙台の創出につながるという観点から、壇上での最後の質問として、広瀬川の景観を未来につなぐ取り組みについて、お伺いします。  三月議会の予算等審査特別委員会においても取り上げられましたが、今、霊屋橋のふもとの広瀬川沿いに、七階建てのマンションの建設が始まろうとしています。建設許可がおりているということで、このマンションの建築をとめることは難しいと思いますが、今後、第二、第三の同じような高層の建物が広瀬川の川岸に建築されるということになれば、広瀬川の景観を壊すことになると危惧するものです。  このような建物が広瀬川沿いに建設されるということに対して、広瀬川の景観に与える影響をどのように御認識されておられるのか、当局の御所見をお伺いいたします。  以上で、一括質問の部分は終了とし、以下は一問一答で質問させていただきます。 35: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの佐藤わか子議員の御質問にお答えを申し上げます。  国連防災世界会議に関連してのお尋ねでございます。  この会議の開催は、本市が防災、災害対応、復旧・復興のそれぞれの段階で、世界に貢献できる実績があることを評価された結果であり、会議には世界中の閣僚級の方々や、NGO、メディアなど、多くの人々が訪れ、広範な議論が交わされることとなってまいります。この機会を捉え、東北大学等の先端的な学術研究、豊かな自然環境など、今後の会議のテーマとなり得る仙台、東北の優位性を積極的にアピールをし、防災関連の国際会議はもとより、多様な会議の誘致に向けたセールスを行う絶好の機会と認識をいたしております。  また、本市の受け入れ環境のさらなる充実も重要でございます。  これまでタイなどへのプロモーション活動にあわせて、おもてなしの充実や飲食店での多言語対応の促進などを行ってきたところでございますが、今後、多様な宗教や文化にも的確に対応できるおもてなしや、多言語サインの整備、仙台の歴史や伝統文化を体験できる取り組みなども進めながら、会議の誘致活動を鋭意進め、国際コンベンション都市の構築に努めてまいります。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 36: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、障害者の相談体制と、障害者福祉センターに関する数点の御質問にお答えいたします。  まず、区役所の障害者相談窓口についてでございます。  区保健福祉センターは、市民の方からの幅広い障害に関する相談に対応し、その中で、より専門的な相談が必要な方につきましては、その方に合った専門相談機関につなぐことといたしております。窓口には、専門職など必要な職員を配置しておりますが、適切に紹介できなかったとの御指摘もございますように、ふだんからの職員のスキルアップが必要であると認識しているところでございます。  今般、制度改正がございましたことから、今後、専門相談機関や障害別に利用できるサービス事業所を一覧にした冊子を作成し、職員が窓口での適切な情報提供に活用するなど、障害者相談窓口の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、発達障害に関する相談体制についてでございます。  発達相談支援センターが、平成二十四年一月に南北二館体制となり、従前と比べて、初回の面談までの期間は一カ月ほど短縮されたところでございます。その一方で、南部地域における利便性の向上や、成人相談の増加などによりまして、平成二十四年度における相談件数は、前年度と比較しまして二割ほど増加いたしております。  このような中にありましても、緊急に対応が必要な場合には、アーチルにおける来所相談や訪問面談、さらには関係機関との連携による支援に努めているところでございます。  今後とも相談件数の増加が見込まれますことから、現在のアーチルの業務を改めて検証し、これまで以上に迅速な対応ができますよう、相談支援体制の構築に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、障害者福祉センターの役割と今後の方向性についてでございます。  障害者福祉センターは、障害者の総合的な福祉の増進を図ることを目的に設置され、障害に関する相談支援や、機能訓練、入浴、食事などのサービス提供のほか、災害時には福祉避難所としての役割を担う施設でございます。近年、制度改正により障害の概念が広がり、障害の重度化や多様化が進む中、センターに求められるサービスの内容は大きく変化をいたしております。  こうした状況の変化を踏まえますと、センターには、これまで担ってきた機能に加え、発達障害や難病患者なども含めた障害者のさまざまなニーズに的確に応えることができる相談機能と、コーディネート機能をあわせ持った、総合的な拠点施設としての役割が求められていると認識いたしております。  今後は、障害者福祉センターがこうした役割を担えるよう、あらゆる障害分野のニーズに適切かつ迅速に対応できるサービス基盤の整備や、幅の広い知識や専門性を持った人材の育成などに、力を入れてまいりたいと考えております。  以上でございます。 37: ◯建設局長(吉川誠一)私からは、広瀬川沿いの建築物が、広瀬川の景観に与える影響について、お答えいたします。  広瀬川の清流を守る条例は、水質の保全に加え、高さなど建築に係る制限を設けることで、景観を含めた自然的環境の保全に寄与してきたものと考えており、御指摘の建築計画につきましても、条例の規定内容に沿ったものでございます。  条例に基づくこれらの制限は、広瀬川の周辺にお住まいになられ、また建築をされる住民の皆様の御理解と合意が前提となっており、これにより、広瀬川の清流が長い間守られてきたものであると認識しているところでございます。  今後とも、広瀬川の景観保全につきまして、関係者の共通の理解が図られますよう努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 38: ◯教育長(上田昌孝)私からは、小中学校の英語教育について、お答えを申し上げます。  最初に、外国語活動の課題への対応と今後の方向性についてでございます。  昨年度末に実施いたしました小学校教員対象の外国語活動実施状況調査によれば、各学校においてカリキュラムの整備やALTの活用などが進み、子供たちも外国語活動になれ親しんでいる状況にございます。一方、小学校から中学校英語科への円滑な接続と、小学校教員に対する研修の強化が課題として明らかになりました。  このため、まず、今年度より新たに小中連携推進協議会を立ち上げ、小中間の情報交換や合同での授業研究など、連携の充実を図ることといたしております。また、研修につきましても、指導力の向上が図れますよう、これまで実施の外国語活動研修会の内容の改善等を進めてまいりたいと考えております。  本市では、これまでも中学校に配置のALTを全小学校に派遣するなど、外国語活動の推進に取り組んできたところでございますが、今後も御指摘の国の動向も的確に捉えながら、英語教育の一層の充実に向けて鋭意努めてまいりたいと存じます。  次に、ALTについてのお尋ねに、お答えを申し上げます。  現在、年間二十回の研修会やALTアドバイザーによる個別の指導なども行いながら、ALTの指導力の向上に努めております。特に、新規のALTにつきましては、小学校への派遣がふえましたことから、小学校外国語活動の中で指導の実践演習を行うなど、資質の向上を図っております。  また、児童生徒がALTのネイティブな英語に触れることにより、英語を学ぶことへの意欲やコミュニケーション能力の向上が図られてきたと認識いたしております。さらに、ALTが授業だけではなく、一緒に給食を食べたり、清掃活動をしたり、学校の行事に参加したりすることで、生徒が日常的に触れ合い、国際理解の促進にもつながっているものと考えております。  以上でございます。 39: ◯二十七番(佐藤わか子)ただいま御答弁いただきました中でお伺いさせていただきますが、ただいま、市長から受け入れ体制の準備として、多言語のサインの整備も検討していくんだというお答えをいただきました。具体的に、この多言語のサインの整備をどのように進めていこうとお考えになっているのか、お伺いします。 40: ◯経済局長(高橋裕)多言語のサイン整備につきましては、個人旅行を楽しむ観光客がふえていることも踏まえまして、一人でも不自由なく目的地にたどり着けるよう、観光案内板だけではなく、例えば、バス、地下鉄駅乗り場への誘導サインや、目印となる建物の表示、観光スポットや飲食店への道案内など、歩行者の視点も含め充実させることが重要というふうに考えてございます。  これらのサイン整備につきましては、さまざまな主体の参画が必要となりますことから、まずは全庁的な検討の場を設けまして、それらの方向性を見出し、官民一体となった取り組みにつなげてまいりたいというふうに考えてございます。 41: ◯二十七番(佐藤わか子)ぜひ、前向きに取り組んでいっていただきたいと、本当に強く思いますけれども、スケジュール的に、防災会議がもう二年を切りまして、一年九カ月なんですが、この防災会議に間に合わせるような形で進めていくお考えなのか、それとも、将来的に外国人観光客の増加に向けた息の長い取り組みと考えておられるのか、その多言語外国語サインの今後のスケジュールについて、お伺いします。 42: ◯経済局長(高橋裕)今回開かれます国連防災世界会議、これにつきましては、相当の海外の方々がいらっしゃいますので、我々としては、この機を目標に整備を進めてまいりたいと考えております。 43: ◯二十七番(佐藤わか子)ぜひ、間に合うようにやっていただきたいと、本当に心から思いますが、全庁的な検討に入るということなんですけれども、外国人の観光客の方からよく指摘されるのが、JRの仙台駅構内が余りにも複雑になっているために、どこに行けば、地下鉄に乗れるのか、どこに行けば、るーぷるバスに乗れるのかということが全然、駅におりただけではわからないという御指摘をたくさんいただくのですが、今回のこの全庁的な検討の中に、JRにも御協力をいただくというようなお考えはお持ちなんでしょうか、お伺いします。 44: ◯経済局長(高橋裕)JR東日本の基準では、駅の出入り口及び観光案内所を日本語、英語、中国語、韓国語の四カ国語で表示することになっておりまして、そのほかは各駅の判断により対応しているというふうに伺ってございます。  JR仙台駅は交通の結節点として、今後、ますます外国人観光客の皆様の利用増加が見込まれますことから、駅構内の施設や各交通機関の乗り場への移動がスムーズに行われますよう、適切な場所への外国語表記の誘導サイン、あるいは国際基準による案内記号の設置などにつきまして、JRのほうにも働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。 45: ◯二十七番(佐藤わか子)ぜひ、この機会を利用してということではありませんが、この機会にJRのほうにも御協力を求めて、一番は、やはり地下鉄の乗り場の案内表示が大変わかりにくいということなので、ぜひ、この辺を働きかけていただきたいと思います。  もう一つ、外国人の方に御利用していただいていて大変好評な、るーぷるバスがあるんですね。もちろんバスの中でも、外国語の案内をしたり、いろいろさまざま外国人観光客対応に取り組まれているんですけれども、できれば、るーぷるバスのバス停の案内板に、簡単なQRコードにより、仙台市の名所とか、いわれとか、そういうようなものが簡単にサインから読み取れるようなものも可能なのではないかと思うんですけれども、るーぷるバスのバス停のサインの整備については、どのようなお考えをお持ちか、お伺いします。 46: ◯経済局長(高橋裕)るーぷるバスのバス停につきましては、現在、停留所名などにつきまして、日本語、英語、中国語、韓国語の四カ国語併記といたしているところでございますけれども、今後、例えば、バス停にある記載のルート図につきまして、周辺の観光スポットをイラスト化して表示するなど、誰にでもわかりやすい表記の工夫について検討したいと考えてございます。  また、あわせまして、今、御提案の仙台の観光を楽しんでいくためのさまざまな情報について、IT技術の活用も含め、検討してまいりたいというふうに考えてございます。 47: ◯二十七番(佐藤わか子)ぜひ、今、いろいろなところでQRコードというのが有効に使われているそうで、そこのサイン板に全部書き込むことなんて、かなり大きなサインをつくらなければいけないわけですから、それを簡単にかざすことによって、英語、中国語、韓国語と選んで、そして、そこを選ぶと、そこにいろいろな歴史とかルートとかが出てくるということがあるそうですので、ぜひ、御利用を検討していただきたいと思います。  この第一問目の中の一問一答の最後として、言葉の問題、通訳の問題について伺わせていただきます。  さまざま努力をされてこられて、二〇一〇年九月ですか、APECの会議が行われたときには、大阪の通訳会社と提携して、この通訳サービスを行ったというふうに聞いていますが、もう、それはおやめになった、一過性のものになったんだそうですけれども、今度、この言葉の問題として、ホテル、旅館、タクシー、お土産屋さん、街角案内所などから、言葉の対応を求められたときに、どのように応えていこうとされているのか。通訳の問題について、お答えをお願いします。 48: ◯経済局長(高橋裕)今後の会議につきまして、前回、APECの対応といったようなものもございますけれども、国際センターのほうで実施している通訳サポート電話といったようなことも取り上げられているという状況もございます。今後、さまざまなそれらの活動につきまして、地域の方々へのPRを図るといったようなこととか、我々も関係する団体と連絡を密にしながら、きちんとした対応に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 49: ◯二十七番(佐藤わか子)これは担当局の方が、この国際センターでやっている、すごい長いことやっているんですよ。通訳サポート電話、時間帯としては九時から夜の八時までと、対応言語も英語、韓国語、中国語は二つですかね、まだ対応言語が四つぐらいなんですけれども、いつでも誰でも、そこに電話をすると対応してくれるという通訳サポート電話があったにもかかわらず、担当局の方がそのことを知らなかったと。そして、前回のAPECの会議のときには、わざわざ大阪の通訳会社と契約をして、お金をかけてやったと。  だから、私は、せっかく国際センターにある通訳サポート電話を、まずは庁内で広く知ってもらう。あるいは、広く市民に知ってもらう。あるいは、広くホテルやタクシーやお土産屋さんに知ってもらうということでも、かなりの言葉の問題に対応していけるんじゃないかなというふうに考えますけれども、どうでしょうか。御所見をお伺いします。 50: ◯市民局長(渡邊晃)仙台国際センターの通訳サポート電話につきましては、仙台の観光情報や生活情報などに関する通訳サービスを行っている事業でございまして、現在、英語、中国語など五カ国語で対応しております。  利用の拡大を図るため、名刺大の情報カードというものを作成いたしまして、市内の観光案内所、ホテル、交通機関窓口などに配付しております。御指摘がございました、さきのAPEC開催のときには、市内のタクシーへもカードの配付をお願いするなどして、周知に努めたところでございます。  国連防災会議の開催に向けましても、外国人が多く立ち寄るお店への配付など、なお一層の周知を図ってまいりまして、外国からおいでになる皆様が不安なく仙台に滞在できるよう、庁内の中も含めて、広くPRをしていきたいというふうに考えております。 51: ◯二十七番(佐藤わか子)ぜひ、この通訳サポート電話ですね、広く周知を図って、仙台市民全員でお出迎えするみたいな、そういう機運を盛り上げていっていただければと思います。  次に、第二問目の英語教育とALTについて一問一答させていただきますけれども、ALTが全校に配置されているというのは、もう十八年前ぐらいからやっていますし、いつも仙台市はどこよりもALTを活用している都市ですというふうに自慢げにお話しされているんですけれども、数も大切です。でも、やはり質も大切なんじゃないかなと思っているんですね。  今回、大変残念なことでしたけれども、ALTが逮捕されるという事件も起きてしまいましたし、十八年ずっとこの事業をやっていて、初めてだというようなことですけれども、私が知っている何人かの方は、やはり問題行動があって、来て早々お国にお帰りになっていただいた方も何人か、私が知っている限りでおられますので、今、国のJETプログラムというところに採用を任せているような状況なんですね。仙台市の主体性がそこになかなか入らないという状況なんですよ。もちろん要望はして、英語教育をやったことがある人、英語教育免状を持っている人、それから、できれば日本語ができる人という、JETプログラムに仙台市として要望は出しているんです。だけれども、その要望どおりの人が仙台にALTとして来てくれるかどうかというのは、常に相手任せのことなんです。仙台市に来るまで、その人となりが、まだわからないということを、JETプログラムにだけ頼るのではなくて、仙台市独自採用を少しずつふやしていくことも、ALTの質の向上にはつながると思っているんですけれども、仙台市として、今、四名おられるんですけれども、ALTの仙台市独自採用の方をふやしていくというお考えはないんでしょうか、お伺いします。 52: ◯教育長(上田昌孝)JETプログラム採用のALTでございますが、確かに残念な事例があったことは事実でございますけれども、JETプログラムでは、一定の資格要件を備えた人物を、各国の日本大使館等を通して採用しておりまして、国際的にも有数の人的交流プログラムとされております。また、昭和六十二年から開始されて、それ以来の実績がございまして、安定的に人材の斡旋を受けられますほか、採用予定者の急な辞退への対応や、事故等の非常時における支援、さらにはJETプログラムによる採用の場合は、その人件費等の費用は地方交付税の基準財政需要額に算入されるなどのメリットもございます。  そういうこともございまして、仙台市のALT採用につきましては、今後も基本的にはJETプログラムを活用してまいりたいと考えております。 53: ◯二十七番(佐藤わか子)私、何もJETプログラムを否定しているわけじゃないんですよ。だから、今後もJETプログラムに頼ってやっていただく、それはいいんです。だけれども、やはり日本語ができて、その人となりがわかり、例えば、ALTで来ていて、もう少し長く仙台でやってもらいたいななんていう人はいるわけですから、そういう人を、今は四名なんだけれども、それを定期的に二名ずつ毎年ふやしていくとか、そういうふうな方向性もあるんじゃないですかということをお伺いしているので、JETプログラムを否定しているわけではないので、その辺をもう一度お願いします。 54: ◯教育長(上田昌孝)ただいま御指摘のように、仙台市でも独自に採用しているALTのリーダー格の職員がおります。この職員は、非常に人格、識見ともすぐれた者で、仙台市の風土、気候にも合った外国人というふうに聞いております。  今、議員御指摘のように、優秀なALTがいたら、仙台市の英語教育に資するような形で活用したらどうだということでございますけれども、仙台市もそれにこしたことはないわけでございまして、今後、JET採用の分と、それから独自採用のそれぞれのメリットを十分踏まえながら、独自採用者の一定の増員の可能性についても検討してまいりたいと考えております。 55: ◯二十七番(佐藤わか子)以前、独自採用でたくさん柔軟に採用していた過去の経緯もありますから、今、絶対四名でなければいけないということもないでしょうし、やはり、その辺を柔軟に、優秀な人がいたら、それを仙台市独自採用でふやしていって、全体的な仙台市の英語教育、外国語活動教育のレベルアップを図っていただきたいと思いますので、ぜひ、前向きに検討していっていただきたいと思います。  次に移ります。第三点目の障害者福祉センターのところに移りますけれども、これから、いろいろな障害者福祉センターの機能充実に向けて取り組んでいきたいという前向きな御答弁をいただきましたので、ぜひ、そのようにやっていっていただきたいと思うんですけれども、先ほども申し上げましたように、健康福祉局だけではないんですが、他局にも言えるんですけれども、一回施設をつくってしまうと、それをさらに機能を充実したり、もっと違うことができるんじゃないかというふうに工夫を重ねていくということが、なかなか難しいというようなことをずっと見させていただいて感じたものですから、障害者福祉センターは、まさに本当に障害者の基地としてつくっていく必要があると思いますので、そこにはやはり、今の本当に発達障害の子供さんたちもふえているというような状況もしっかりと受けとめて、難病の方も結構ふえていますね。そういう方たちの対応もしっかり受けてやれるような、そういうセンターにつくっていただきたいと思っておりますので、これは、ぜひ、そのようにやっていただきたいということで、関連して、障害者福祉センター、大変残念ですけれども、青葉区だけがまだできていない状況で、全然進んでいないのですけれども、青葉区の障害者福祉センターの必要性というのは、つくらねばならないというような認識はお持ちなのでしょうか、お伺いします。 56: ◯健康福祉局長(高橋宮人)先ほども申し上げましたように、障害者福祉センターがさまざまな機能強化をして、総合的な拠点施設としての役割を担っていくということでありますので、今は四つの施設でございますが、地域に分散した形で均等にその業務を展開していくためには、今後、我々も計画しております(仮称)青葉障害者福祉センターというのが必要だというふうに考えております。 57: ◯二十七番(佐藤わか子)必要だという認識はお持ちですけれども、いろいろお伺いすると、復興期間中は復興事業に優先するので、復興期間が終わらないと、青葉区障害者福祉センター事業には入っていけないのだというように、何度かお答えいただきました。これはどういうことなのでしょうか。  私は、先ほども申し上げましたように、確かに復興事業を第一番に考えていかなければいけないというのは、それはもちろんそのとおりです。皆さん、そう思っています。でも、やはり必要だと思われる事業であれば、何とか少しでも早く、例えば復興期間中に終わって、そこからスタートしますよといったら、そこから基本設計やって、実施設計やって、建設やって、やはり三、四年はかかるわけです。そういうことを考えれば、今の時点から、十分庁内で市民局とも関係するわけですから、今の段階からきちんと、着工にいくまでの前の段階をきちんきちんと詰めていって、それから、復興期間が終われば、すぐにスタートできると、そういう方向には持っていくことができないのでしょうか、お伺いします。 58: ◯健康福祉局長(高橋宮人)(仮称)青葉障害者福祉センターにつきましては、平成二十六年度の開所を目指して準備を進めてまいったところでございますが、震災からの復興を最優先するという観点から、復興計画期間内の整備を見送ることといたしたところでございます。  現在は、震災復興計画終了後の平成二十八年度から基本設計に取り組めるように、障害者福祉センターに求められる相談支援体制、あるいは、災害時における役割などについて検討を進めているところでございまして、今後、関連施設の建設、さらには、周辺道路の交通体系の整備など、さまざまな課題について関係部局と調整を図りながら、議員御指摘のように、早期の開所に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。 59: ◯二十七番(佐藤わか子)できるだけ早期の事業着手に期待させていただきます。  それでは、一問一答の最後の第四点目の、広瀬川の景観を未来につなぐという取り組みについて、お伺いします。  先ほども地域住民のお話もお伺いしないといけないとか、いろいろ局長に御答弁いただきました。広瀬川の清流を守る条例ができて、もう四十年になります。その間さまざまな、地域から要望が出てきて規制緩和を十年ほど前に二回やられたということも、もちろん承知していますが、ただ十年前と、国のほうで景観法ができて、仙台市もそれに基づいて杜の都の景観計画をベースにした景観条例を策定したわけですね。だから、その当時、十年以上前に、いろいろな意味で規制緩和をされた時期と、今の景観に対する考え方の認識というのは、私は変わってきていると思うんです。
     だから、そういうことを考えれば、今のままでいったら、こういうような大きな建物が、今の広瀬川の清流を守る条例ではとめることができない。そうすると、同じような建物が何棟も何棟も広瀬川沿いに建ってしまいますよ。広瀬川の清流を守る条例の規制緩和の部分をもう一度見直すなり、新たに広瀬川の清流を守る条例の改定を行うなど、何らかの措置をとらなければ、マンションは建ってしまいますけれども、今のままの広瀬川を未来につなぐことはできないんじゃないですかということで、質問させていただいておりますので、もう一度答弁をお願いします。 60: ◯建設局長(吉川誠一)広瀬川の清流を守る条例に基づく申請につきましては、これまでも適正に対処してきたところでございますが、実際の申請に際して、条例で指定された区域にお住まいになられる方から、制限が厳しいという相談があることも事実でございます。そのような意見にも一定の配慮が必要であると認識しております。  広瀬川の水質や景観につきましては、今後とも市民の皆様の御理解に基づく合意により守られることが望ましいと考えるところでございます。私どもといたしましては、ただいま御指摘のございました景観を所管する関係部局との連携を強化するとともに、申請者の皆様にも条例の趣旨を御理解いただき、できる限りの御協力を得られるよう努めてまいりたいと考えております。 61: ◯二十七番(佐藤わか子)お近くにお住まいの皆さんの請願により、いろいろ規制緩和したというのは十分わかっているんです。ただ、それと、条例に沿っているから、どんな大きな建物でも建てていいよということとは、ちょっと一致しないんじゃないかなというふうに、そう思って質問させていただいているんですね。だから、例えば規制緩和した部分に、何平米以上のすごい巨大な大きな建物はこの限りにあらずとか、できれば広瀬川の清流を守る条例を改正していただいて、広瀬川の両岸に建てる建物は十メートルに抑えるとか、そういう新たな条例の改正とかを検討するべきではないでしょうかということで申し上げているんですけれども、地域の住民の皆さんの御理解を得なければいけないのは、もちろんそのとおりですので、それで条例改正をするかしないかを、地域の皆さんにお伺いして決めていくというわけにはいかないわけですので、まず、仙台市が今後どういうふうな形で進んでいくかということを、関係部局の皆さんで話し合っていただいて、それで、やはり、これは条例を改正していかなければ、この広瀬川の景観を守ることはできないよねということになったら、それは地域の皆さんといろいろ御意見をすり合わせながら、やっていくというようなことになると思うんですよ。その辺を提案といいますか、お伺いしているんですが、もう一度お願いします。 62: ◯建設局長(吉川誠一)この条例といいますのは、昭和四十九年にできた条例でございまして、当時から比べますと、車社会になって駐車場とか、高さと、それから空地というのがありまして、高さについては当初から二十メートルでございました。本来であれば、この地区に都市計画上の用途地域とか、そういうものがございますけれども、二十メートル以上の高さのものも建てられるわけでございまして、二十メートルというのは、そういう意味では、非常に高さを制限した厳しいものでもございます。  一方で、この条例につきましては、空地をとりなさいということですから、高さは高くするな、横にも行くなという、そういう意味では非常に厳しいところがございます。そういう意味で、やはり非常に実効性のあるものにしたいということで、いろいろ緩和もしてきて、それによって結果的に景観を守るようにしてきたと。  昭和四十九年にできた当時、それから緩和してきた当時から比べますと、確かに議員御指摘のございました景観という視点、これが新たな視点でございますので、我々としては、やはり、その景観を持っている部署とも強力に連携して、計画当初から、できるだけ早い段階から情報を交換して、相手方のほうに御協力をいただくように、そして、この広瀬川の条例の趣旨というものをわかっていただきたいということで、我々はその辺について努力したいと考えております。 63: ◯二十七番(佐藤わか子)努力していただきたいと思います。  ただ、この点、市長にちょっとお伺いしたいのですが、市長も平成二十二年の第三回定例会で、景観法ができたときなんですが、その景観計画を進めるに当たっての所信を市長はお話しになっているんです。美しい景観を形づくるためには、市民、事業者の理解のもと、一定の行動を抑制しつつ進めていかなければならないと話されています。今回の広瀬川に大きなマンションが建ってしまうというようなこと、それから、市長がお話しされた景観を守るためには、ある程度、一定の抑制もお願いしなければいけないということと、その辺の整合性といいますか、市長はどのような御認識をお持ちなのか、御所見をお伺いします。 64: ◯市長(奥山恵美子)広瀬川につきましては、いわば仙台の市民の皆様にとって母なる川ともいうべき、大変貴重な河川である、そして、その貴重さというのは、水がきれいだということもあれば、また周辺の景観というものもあるというふうなことについては、私も十分認識をしているところでございます。  しかしながら、一方で、ただいま担当局長から御説明申し上げましたとおり、その流域において土地等をお持ちの方におかれましては、御自分の財産をしかるべく利用したいというお気持ちを持たれることも、これもまた今日の社会において、極めてあり得べき妥当なお考えであろうと思います。その接点をいかに形づくるかというのが、私どもの難しい課題であるというふうに、ただいま申し上げているところでございまして、今般のさまざまな動き、市民の皆様のお声、私も承知をしてございますけれども、今の時点におきましては、十年前につくりました一つの基準の緩和、これが広く受けとめられているところでもございます。  広瀬川を守ることについての私どもの願い、それらを十分にお示ししながら、私としては、自発的な御理解によって、それを御納得いただいて受け入れていただく。この方針を当分の間、進めていくべきでないかというふうに考えてございます。 65: ◯二十七番(佐藤わか子)この件に関しましては、現在、裁判中ということもあり、余り前向きな御答弁はいただけませんでしたけれども、市長も市職員の皆さんも、仙台の美しい景観を愛して誇りに思っておられると思います。広瀬川を含め、仙台市の美しい景観を未来につないでいきたいという気持ちは、皆ひとしく同じく持っていると思います。近い将来、必ず広瀬川の景観を守る何らかの取り組みに着手していただけるものと御期待を申し上げまして、私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 66: ◯副議長(木村勝好)この際、暫時休憩いたします。     午後三時九分休憩          ────────○────────     午後三時二十五分開議 67: ◯副議長(木村勝好)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、跡部薫君に発言を許します。     〔十五番 跡部薫登壇〕(拍手) 68: ◯十五番(跡部薫)復興仙台の跡部薫です。  国と地方の喫緊の課題である待機児童対策と、未就学児に対する幼児教育の重要性に焦点を絞って、本市の施策と今後の取り組みについて一問一答方式で一般質問をいたします。  先月五月二十日、横浜市の林文子市長は、待機児童ゼロ宣言を行いました。横浜市は、二〇一〇年に全国最多の一千五百五十二名に上った待機児童数を三年間で解消し、林市長はその成果を強調することで、市長選の公約達成を宣言したものであります。  二〇一七年度、平成二十九年度末までに全国の待機児童ゼロを掲げる安倍首相は、横浜方式を全国に展開したいと述べて、横浜市の具体的手法を見習い、他都市の施策にも取り入れる意向を示しました。  しかし、横浜市が目標達成を高らかに宣言する一方で、全国の自治体の頭の痛い課題となっている待機児童の解消は、そう単純ではないという指摘や懸念が存在するのも事実であります。例えば、待機児童数が実態からほど遠く、隠れ待機児童はまだまだ数多くいるというものであります。東京都杉並区などでは、保護者から集団不服の申し立てが話題となりました。  また、人口三百七十万人を抱える横浜市だからこそできたのだという見方があります。横浜市は大都市としての財政規模を生かして、待機児童対策予算を三年間で七十二億円から百五十七億円と、約二倍強に増額し、百四十四カ所の認可保育所を新設し、約一万人の定員増を図りました。しかし、保育士不足に苦しむ台所事情などを見ると、早くも次年度以降も継続できるのかとの心配の声も聞かれております。  私は、自治体が待機児童ゼロを目指すことで、保育ニーズに懸命に向き合う努力を理解いたします。しかしながら、待機児童の数のみにとらわれて、短絡的に政策課題として扱うことには懸念を感じるものであります。今後、子供子育ての施策の主体となる地方自治体には、将来にわたり次代を担う子供たちの育ちと学びをどのようなものにするのか、子供本位の子育て支援制度を確立する、責任ある方針が求められるものと考えます。  待機児童ゼロに向けて、国の方針や支援が打ち出される中、本市の子育て支援策の理想をどのように描いて取り組むのか、奥山市長に御所見をお伺いいたします。  昨年の政権交代以来、安倍首相は、いわゆる三本の矢による積極的な経済戦略を表明し、この中には、女性が輝く日本と題して、五年間で四十万人分の保育の受け皿を目指した待機児童解消加速化プランが示されており、保育ニーズのピークを迎える平成二十九年度末までにゼロを実現するとしております。  このように、我が国の経済を再生させる方策として、たびたび注目されるのが、女性が仕事と子育てを両立させる環境整備の必要性であります。女性の就業率が一%上がれば、就業者が約五十万人ふえる計算になり、少子高齢社会を迎えた我が国の労働力確保につながるというものであります。かねてより日本は、北欧を中心とした欧米諸国と比べ、二十五歳から四十四歳の女性の就業率が子育て世代で低くなる、いわゆるM字カーブが特徴であり、この是正こそが日本の経済再生に大きく貢献するというものであります。  一方で、我が国の保育政策は、児童福祉法による保育に欠ける児童を保育するという規定が出発点であり、待機児童を保育に欠ける子供と認定し、認可保育所定員の量的拡大で対応する福祉政策と、女性の就業率を引き上げるためにM字カーブ解消を目指す経済政策と結びつく構図であります。  私は、この日本の特徴のM字カーブは、女性が子育ての重要性を踏まえ、多様な選択の結果であれば理想的なものであり、ある意味で日本のよさにもつながるのではないかと考えます。待機児童対策には、労働政策や経済政策の視点だけでなく、子供本位に子育てを重視して、幼児期に必要な幼児教育の要素も踏まえた上で、多様な保護者の保育ニーズを適切な制度で対応し、各種の保育サービスに誘導する施策展開が求められていると考えます。  具体には、今回の横浜市が導入した保育コンシェルジュ制度は、子育てを経験した相談員が幅広く丁寧に保育相談に応じ、保育ニーズと保育サービスを適切に結びつけることを目的といたしております。各種の保育サービスを利用者目線で情報提供し、利用者に最も合った保育サービスをコーディネートできる上、事業費は施設整備費と比較しても格段に抑えることが可能と見られます。  施設を新設するハード面の整備による待機児童数解消策とは違い、横浜市のきめ細かなニーズに応えるソフト重視の取り組みこそ、大いに参考になるものと考えます。昨日の岡本議員の質疑と重なりますが、確認の意味で保育コンシェルジュ専任相談員制度の導入について、お尋ねいたします。  また、今後の制度導入のスケジュールについてもお伺いいたします。  待機児童を減らすには、単純に保育所を新設して定員増を図るか、あるいは、従来からの幼稚園等の施設に、保育所機能を持たせて受け入れる方策が上げられます。本市の民間活力を活用した保育所整備を大いに評価するものであります。  施設整備以外の方策としては、保育資源を活用し、保育サービスとのマッチングを強化して、待機児童の解消を目指す観点から、以下の質問を、第一点は、きめ細かな保育ニーズへの対応について、第二点は、幼稚園を生かした保育機能の充実策、そして幼児をめぐる課題として、第三点は、幼児教育の重要性について、順次伺ってまいります。  初めに、第一点目である、きめ細かな保育ニーズへの対応について、お伺いいたします。  これまで本市の待機児童数は、二〇〇八年の七百四十人をピークに、五年間で保育所定員を約二千名分ふやしてきたのにもかかわらず、今年度は五百三十三名と五年ぶりに増加へと転じました。当局は、この現状をどのように分析しておられるのか、また、国は今後の保育ニーズのピークを平成二十九年度と想定しておりますが、全国的に政令市と地方都市間には保育ニーズに大きな違いがあり、一律にはかることは難しいものと考えます。本市における今後の保育ニーズの想定と、取り組み方針をお伺いいたします。  次に、補正予算案の保育所整備について、お伺いいたします。  今回の私立保育所の施設整備により、本市の三区に合計三百十名分の定員増が見込めることになりますが、この整備方針と整備地区には、どのような検討がなされたのか、お尋ねいたします。当局は、集中的な待機児童対策を要望する地域の保育ニーズをどのように把握し、対応されているのか、お伺いいたします。  次に、質問の第二点目として、幼稚園を生かした保育機能の充実策について、お尋ねいたします。  本市は五月一日現在で、九十六園の幼稚園に一万六千四百名もの園児がおります。ここ三年間で園児数は一千五百名の増加があり、預かり保育の利用者も増加が顕著で、昨年度の預かり保育利用延べ人数は、三十八万三千名に達しました。本市は、これまで保護者に対する本市独自の支援制度として、預かり保育の保護者負担軽減制度を導入し、長時間預かり保育を月額五千円として実施してまいりました。しかしながら、預かり保育の利用者増加とは反対に、制度を利用する幼稚園は三十園にとどまっているのが現状であります。  また、私立幼稚園による三歳未満児専用認可保育所、認定こども園設置に合計九割の補助を出し、幼稚園による保育所整備の促進を進めてまいりましたが、今年度は二園にとどまるなど、いずれも大きな進展までは至っておりません。  私は、他都市には見られない、これまでの本市の幼稚園と保護者それぞれに対する支援策を大いに評価いたします。しかしながら、変化が激しいこの分野では、私立幼稚園側と保育ニーズがかみ合わず、利用する保護者への周知も進んでいないのではないかと懸念するものであります。  待機児童解消に向けて、保護者の理解促進や認定こども園の整備促進に向けて、さらなる取り組みが必要ではないかと考えますが、お伺いいたします。  次に、質問の第三点目として、幼児教育の重要性について、お伺いいたします。  文部科学省は、幼児教育の無償化対象を拡大するとして、来年度から第二子の幼稚園児は半額補助、第三子以降は無償化する案の検討を公表いたしました。また、与党自民党は、政府に対し、六・三・三の学制の弾力的運用や、小中一貫義務教育校の創設、三歳から五歳児の幼児教育無償化、さらには、五歳児からの幼児教育義務化への検討も提言いたしました。  このように義務教育の一端を担い、さらには教育の基盤づくりとも言える幼児教育の重要性が再認識されている中で、今後は、幼稚園、保育所、さらには、こども園の子供たちに対する幼児教育のあり方が重要になるものと考えられます。本市の幼児教育への認識と取り組みについて、改めて御所見をお伺いいたします。  以上で、一括質問を終了し、以下は、一問一答方式で質問をいたします。 69: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの跡部薫議員の御質問にお答えを申し上げます。  本市の子育て支援策及び幼児教育への認識について、お答えを申し上げます。  幼児期は、生涯にわたります生きる力や健やかな心を育むための大切な時期でありまして、幼稚園や保育所における教育、保育は、同年代の集団の中で、自立心や他人とかかわる力を養い、主体的な生活態度を身につけることで、小学校以降の生活や学習につなげていくという、重要な役割を担っているものと認識しております。  その意味におきまして、全ての就学前の子供たちが適切な教育、保育を受けられますよう環境を整備してまいることは、本市が、今後とも魅力ある暮らしの場として選択され、活力あるまちとして発展を続けていく上で、不可欠な要素の一つであると考えております。そのために、幼児期の教育、保育について、その量的な拡大を図ることとあわせ、その質をいかに確保、向上していくかという視点を持ちながら、施策を展開してまいることが必要でございます。  今後、子育て世代の皆様にとって、仙台で子育てをしたい、子育てをしてよかったと思っていただけるまちとなること、また、子供さん方にとりましても、幼少のころの懐かしく温かい思い出がいっぱい詰まった仙台というまちになること、そのような都市像を目指しまして、子育て政策に取り組んでまいる所存でございます。  そのほかの御質問につきましては、藤本副市長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 70: ◯副市長(藤本章)待機児童施策に関する一連の御質問にお答えを申し上げます。  まず、保育コンシェルジュ機能の本市への導入とスケジュールについてでございます。  現在、各区役所の窓口におきまして、保育所入所に係る相談とあわせまして、保育サービスについて情報提供等を行っているところでございます。今後、窓口での相談に加えまして、積極的に子育てふれあいプラザなど子育て支援拠点等にも出向くなど、さらにきめ細かな対応が可能となりますよう、専任の相談員の配置に向け検討してまいりたいと考えておりまして、導入時期につきましては可能な限り早期の配置が可能となりますよう、庁内調整に努めてまいりたいと存じます。  次に、待機児童が増加に転じた現状の分析についてでございます。  本市では、平成二十年度に待機児童数がピークの七百四十人となったことを受けまして、平成二十一年一月に保育サービスの拡充に向けた緊急整備計画を策定し、二千九百九十人分の受け入れ枠を拡大するなど、保育基盤の整備に努め、待機児童数の解消に向けて取り組んでまいりました。  しかしながら、東日本大震災以降の人口の流入等によりまして、これまで減少傾向にあった就学前児童数が、この二年間で一千二百人ほど増加し、保育所への入所申し込み児童数が想定を超えて増加したことが、待機児童が増加に転じた要因であると分析しております。  次に、今後の保育ニーズの想定と取り組み方針についてでございます。  本市における保育ニーズにつきましては、今後、新制度に係るニーズ調査を実施した上で、改めて推計を行うことといたしておりますが、当面、増加傾向が継続するものと考えております。  今後は、国の五カ年の待機児童解消加速化プランを活用しながら、保育基盤の拡充に取り組んでまいりますが、とりわけ平成二十五、六年度は、緊急集中取り組み期間と位置づけまして、保育量の拡大を図ってまいる所存でございます。  次に、本定例会に補正予算として御提案をいたしております保育所の整備についてでございます。  本年四月には、二カ所の保育所を新設しましたほか、既存保育所の増築等による定員増によりまして、二百三十五名分の施設定員増を図ったところでございますが、入所児童数は昨年に比べて三百三十二名増となりましたけれども、さらに待機児童数については、昨年度の四百十から五百三十三と、結果といたしまして、百二十三名増加する結果となっております。  そのため、新年度予算編成を待たずに、保育ニーズが高い地域、愛子地区、富沢地区、八乙女地区に、事業者との協議が調ったものから、できるだけ早期に整備することとしたものでございます。今回の保育所整備地区の検討に当たりましては、周辺保育所の待機児童数、児童の居住地区ごとの保育需要と保育所の受け入れ枠、交通の利便性などを総合的に検討し、保育ニーズを把握した上で、整備地区の絞り込みを行ったところでございます。  次に、幼稚園の保育機能の充実策についてでございます。  本市におきましては、三歳以上の未就学児の約六割が幼稚園に入園しており、幼児教育に必要な人材とノウハウ、施設が既に備わっている幼稚園の保育機能の充実は、保護者の保育ニーズに応えるとともに、待機児童解消にもつながることから、その推進が不可欠であると考えております。  今回、国から示された待機児童解消加速化プランの中の、幼稚園の長時間預かり保育への支援策等の活用により、幼稚園による保育施設の整備や認定こども園への移行など、幼稚園の保育機能拡充への取り組みを進めてまいりたいと存じます。  また、子育て当事者である保護者の皆様にも、幼稚園の長時間預かりを初めとした保育機能の拡充への取り組みについて御理解いただくために、積極的に情報提供や相談を行うなど、ソフト面での対応にも力を入れることによりまして、さらに幼稚園の利用促進が図られますよう努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 71: ◯十五番(跡部薫)ここからは一問一答の質問として、一括質問の三点の質問から順次質問していきたいと思います。  ただいま御答弁いただきました見込みとしては、これからも待機児童数はふえていくという、あるいは、その希望者がふえていくという見込みであります。その意味で、先ほど聞いた三つの柱の質問でありますが、第一点目であります、きめ細かな保育ニーズへの対応について、数点伺ってまいります。  初めに、子供の年齢による保育ニーズの違いについて、お伺いいたします。  今回の補正予算案の保育施設は、ゼロ歳から六歳児の保育所、いわゆるフルサイズを民間活力により整備を予定しております。  保護者の入所希望の傾向を分析しますと、働く保護者が育児休暇を終える一歳児で保育ニーズが高くなる傾向が顕著であります。安倍首相の提唱する三年育休というものが実現するかどうかはまだわかりませんが、働く女性が取得する育休期間は、せめて子供が生まれて一年間はみずから育てて、育休が終わったら一年から一年半後に職場復帰したいという声が多く見られます。  このため、競争が激しい一歳児入所は、非常に競争が厳しいために諦めて、よりあきの多いゼロ歳児から入所を選んでしまうケースが散見される。このようなケースが、保育需要を喚起する一因ではないかと考えられるところであります。本来の子育ての趣旨から逆行してしまうこういう結果を、このことから一歳児枠をふやして、三歳未満児保育のニーズへの対応を重点的に行っていくということが効果的ではないかと思いますが、フルサイズ、三歳未満児保育などとのバランスですね、また一歳児枠について、本市の整備の方針をお尋ねいたします。 72: ◯副市長(藤本章)本市の待機児童のおよそ八割が三歳未満児でありまして、中でも一歳児が多くを占めております。そのため、保育所施設の新設に当たりましては、三歳未満児の受け入れ枠拡大に努め、中でも一、二歳児枠の拡大に重点を置いてまいりました。  また、保育基盤の整備に当たりましては、地域ごとの年齢別の待機児童数、児童の居住地区ごとの保育需要と保育所の受け入れ枠、幼稚園を初めとした保育資源の整備状況等を考慮しながら、全年齢型保育所、三歳未満児保育所等をバランスよく整備してまいりたいと考えております。 73: ◯十五番(跡部薫)ニーズに合わせてということでありますが、さきにも触れました保育コンシェルジュ制度ですね、このニーズを拾うということで、こちらの専任相談員制度について、この相談員の資格について、お尋ねいたします。  横浜市の場合、この保育コンシェルジュは、市の非常勤嘱託職員の地位で、保育サービス専門相談員として活動しているということであります。その特徴は、実際に子育てを経験して、子育て支援に貢献したいという意欲のある女性が務めており、保護者の個別事情の相談に乗り、ニーズに合ったアドバイスをするなど、予想を上回る効果的な結果が得られているとのことであります。行政側がきめ細かな子育ての相談を行い、各種保育サービスへの理解を促して誘導する点で、画期的と言えると思います。  このような保護者のニーズ対応型の横浜市とは対照的に、今年度からスタートしました福岡市は、七名のコンシェルジュのうち五名は、元公立保育所の所長など、市のOBが業務に当たっておられます。福岡市の説明では、保育所経営のノウハウを生かせる面や、幼児の受け入れの際など、保育所間の交渉など、こういうところではOB職員の手腕を発揮できるのではないかと期待しているということでありました。  本市の保育コンシェルジュは、どのような資格を想定しているのか、お伺いします。制度導入に当たっては、この検討の状況の中に、横浜市に見られるような子育ての先輩世代を採用して、相談機能を重視するタイプなのか、あるいは、各種の保育資源を有効に結びつけるために、どのような工夫を考えておられるのか、お伺いをいたします。 74: ◯副市長(藤本章)保育施設等の利用を希望される方を支援する専任相談員の配置につきましては、各都市それぞれ地域の実情に合わせ、工夫を凝らしておられるものと認識をいたしております。その中で、保育士等の資格を必須とするか否かなど、考え方にも取り組みの違いがあるものと認識いたしております。  本市における専任相談員の配置に当たりましては、資格要件、研修方法、保育資源の情報集約の仕組み等について、どの形がよりふさわしいかにつきましては、それぞれ、保育士としての資格、あるいは子育て経験、いずれもそれなりに特徴があろうかと思いますので、実際の市としてのコンシェルジュ機能をどういうふうに考えるかという中で、検討してまいりたいと存じます。 75: ◯十五番(跡部薫)もう既に平成二十五年、平成二十六年と増加傾向にある中で、また次年度に向けても準備はもうスタートしていると、できるだけ早い対応が必要だと思いますので、早急に、このコンシェルジュの中身についての御検討をいただきたいと思いますし、私は、相談機能重視型のコンシェルジュのほうが効果が高いのではないかというふうに思います。  次に、保育ニーズの把握について、お伺いいたします。  横浜市の三年間にわたる待機児童解消への取り組みの特徴として、徹底的な地域ごとの実態調査、保護者のニーズを把握するためのアンケート調査、また現場からのアイデアの採用ですね、ボトムアップ、また特命管理職を配置するなど、関係局と区役所の緊密な連携策も奏功したものと見られております。本市においても、ソフト面での対策手法は大いに横浜市の件は参考になると思いますが、きめ細かな保育ニーズへの対応策について、お伺いいたします。 76: ◯副市長(藤本章)ただいま御指摘のきめ細かなニーズの把握の手法は、大変有効な手法であるというふうに認識をいたしておりまして、そういった意味で、ソフト面での保育ニーズの対応策について、今後、保育サービスに係る専任相談員の配置を初め、さまざまなソフト施策の展開について検討を行いまして、一方でハード整備との相乗効果も見ながら、待機児童の解消を目指すというふうなものを基本としてまいりたいと考えております。  本市では、先日、仙台市子ども・子育て会議を立ち上げたところでございまして、この場におきましても、子供と子育て支援に携わるさまざまな立場の方から御意見を伺うということにいたしておりますので、その場も活用させていただきながら、保育ニーズの把握に努め、よりきめ細かな対応を図ってまいりたいと存じます。 77: ◯十五番(跡部薫)ソフト、ハード両面からの整備ということでありますが、特に効果の高いソフトの手法もあるわけでありますから、十分に参考にしていただきたいと思います。  次に、被災者の保育ニーズについて、お伺いします。  言うまでもなく、本市は東日本大震災で被災され、住宅を失った市民の皆様、大勢おられまして、この皆様方に三千戸の復興公営住宅を整備中であります。既に、今年度から一部の希望者の入居も始まっており、本格的な整備と入居募集はこれからとなりますが、この入居希望者にも子育て世代が少なくないことが予想されます。震災を乗り越えて、生活再建を図りながら子育てを行う世代に対する支援は、行政が担う重要な取り組みと言えます。このような保育ニーズへの対応と支援策をどのように考えているのか、また現在の応急仮設住宅における支援策に、子育て支援や保育ニーズへの対応がどのように行われているのか、お尋ねいたします。 78: ◯副市長(藤本章)被災をされました方々の保育ニーズへの対応と支援策についてでございますが、保育所等の整備に際しましては、復興公営住宅の配置等も考慮いたしまして、整備の必要性を判断しておりますほか、子育て中の方への支援策といたしましては、保育所、せんだい保育室及び家庭保育福祉員等の、いわゆる保育料につきまして、罹災程度に応じた減免を実施しているところでございます。  また、応急仮設住宅の入居をされている方につきましては、保健師等の訪問等によりまして世帯の状況の把握を行い、必要な場合には乳幼児の育児支援を継続するなどの対応をとってきたところでございます。 79: ◯十五番(跡部薫)被災者に寄り添う姿勢で、施策を展開していただくのは当然でありますが、復興公営住宅における保育ニーズというのは長期にわたっていくことも考えられますので、その点も十分考慮されて、今後、取り組んでいただきたいというふうに思います。
     次に、質問の第二点目の、幼稚園を活用して保育数をふやし、保育機能を充実させる取り組みに関連して、数点お伺いをいたします。  初めに、三歳未満児保育専用認可保育所について、お尋ねいたします。  本市はこれまで、私立幼稚園設置運営法人を対象として、三歳未満児専用認可保育所の整備に取り組んでまいりました。私立幼稚園が三歳未満児の保育を実施する際、さまざまな基準に見合う施設の規模や、新たな設備投資が必要となるわけであります。しかし、幼稚園が新たに保育所を整備する場合、幼稚園の敷地が狭隘などの理由から、困難なケースが多数あるものと想定されます。三歳児以上の教育、保育を幼稚園で行うことを条件として、一般的に数多く保育所を設置する社会福祉法人を対象とした、三歳未満児保育専用認可保育所の整備も可能性があるのではないかと考えますが、御所見をお伺いします。 80: ◯副市長(藤本章)私立幼稚園が三歳未満児保育所を運営する場合には、保育所の施設基準に見合った施設の規模や、新たな設備投資、人材の確保など、さまざまな課題がございまして、なかなか計画どおりに整備が進んでいないのが現状でございます。三歳未満児専用の認可保育所の整備を今後着実に進めていくためには、御指摘の方向性なども含めまして、さまざまな手法を検討する中で、待機児童の解消に向け、さらに取り組んでまいりたいと存じます。 81: ◯十五番(跡部薫)ぜひ、教育、保育を幼稚園で行う、この連携を深めて、社会福祉法人に専用認可保育所、三歳未満児の保育所をつくってもらうという方策を御検討いただきたいと思います。  次に、小規模保育事業への支援策について、お尋ねいたします。  定員二十人以上を想定する三歳未満児専用認可保育所を運営する場合、現行上の県による幼保連携型認定こども園の認定と、本市による認可保育所の認可を受けることが可能で、公的給付水準でも安定した運営が可能と考えられております。しかし、保育の受け入れが二十人以下と想定される幼稚園では、小規模保育事業として支援策が必要ではないかと考えます。私立幼稚園の現状を考慮すると、先ほどの敷地の狭隘なケースなど、保育の受け入れが小規模にとどまるケースが多いと考えられますが、今後の国の取り組みを踏まえつつ、本市としても、どのように取り組むのか、御所見をお伺いします。 82: ◯副市長(藤本章)幼稚園の敷地が狭隘な場合などにおきましては、新制度において新たに創設される、定員が十九人以下の小規模保育事業の導入が想定されるところでございます。本市といたしましても、幼児教育に必要な人材とノウハウを持つ幼稚園が、三歳未満児を対象とした小規模保育事業を実施することによりまして、ゼロ歳から五歳までの切れ目のない教育、保育環境の提供が可能になるというふうに理解をいたしております。  今後、国の小規模保育事業に係る基準や給付水準の検討状況を踏まえまして、個々の幼稚園の事情も十分に伺いながら、取り組みを進めてまいりたいと存じます。 83: ◯十五番(跡部薫)国の検討状況という御発言がありましたが、認定こども園の導入等も含めて、国の制度がなかなか進んでいない、あるいは、新たな子ども・子育て支援制度が明らかになっていないというのが現状であります。しかしながら、この待ったなしのニーズということもあるわけでありますので、現段階で本市は、この幼保の一体化をどのように行っていくのか、また、認定こども園導入に向けて、今申していただきました内容も踏まえて、検討状況なども踏まえて、どのような方針で進んでいくのか、改めて伺いたいと思います。 84: ◯副市長(藤本章)本市といたしましては、未就学児童に対する教育と保育を一体的に提供できる認定こども園の普及に向けまして、昨年度より幼稚園による三歳未満児専用保育所の整備を助成してまいりました。国の加速化プランにも、幼稚園の長時間預かり保育への支援策も示されておりまして、今後、こうした国の支援策も積極的に活用し、それぞれの幼稚園の状況やお考えをお聞きしながら、幼稚園の認定こども園への移行を推進してまいりたいと考えております。 85: ◯十五番(跡部薫)ぜひ、その方針に沿って整備をいただき、今は、そのお願いということであります。  次に、幼児教育の重要性について、三点目の柱でありますが、移りたいと思います。  近年の小学校の現場では、入学したばかりの児童が落ち着いて教師の話を聞けなかったり、授業中に教室を歩き回ったりする小一プロブレムが顕在化しつつあると伺いました。ある調査では、小一プロブレムが発生した学校は全体の二割から三割にも上ると言われ、教育現場において教員への過度の負担などが懸念されているところであります。懸念されているこの小一プロブレム、本市においては、どのような取り組みをされているのか、お伺いします。 86: ◯教育長(上田昌孝)本市におきましても、小学校入学時の環境の変化に戸惑い、子供たちが落ち着いて教師の話を聞けなかったり、学習に集中できなかったりするなどの問題は、どの小学校においても起きる可能性があるものと認識いたしております。  本市では、入学後一カ月程度、幼児期の遊び中心の生活経験を踏まえた学習プログラムであるスタートカリキュラムを全校で実施しておりますほか、子供たちが生活の変化にスムーズに対応できるよう、保護者や地域の皆様を小一生活学習サポーターに委嘱し、学習や給食の準備や片づけなどの支援を行っていただいております。  また、幼稚園、保育所と小学校が相互の理解を図り、円滑な接続を進めるため、子供未来局とも連携の上、仙台市私立幼稚園連合会や、仙台市保育所連合会との共催により、研修会を実施しているところでございます。  今後とも、これらの取り組みを通して、幼児期から小学校への円滑な接続に鋭意努めてまいります。 87: ◯十五番(跡部薫)この小一プロブレム、子供たちの生活の中心が遊びから学びに変わるというギャップの大きさが要因ではないかということでありますが、幼児期を引きずる子供たちにより、授業が不成立になるなどの場合が多いわけであります。しかし、子供は順応性が高いので、やがてルールがわかって落ち着いてくると言われておりますが、しかしながら、それが半年や一年となりますと、勉強に対するスタート地点での差が大きくなってまいります。幼児期にふさわしい教育を十分に行うことが、小学校との接続を図る上では最も重要なことと考えるところであります。  私は、幼保連携や幼保小連携の取り組みを推進する政府与党の姿勢を高く評価するものであります。特に三歳から五歳児の幼児教育の重要性については、地方自治体が今後の重要な課題として捉え、幼児を持つ保護者に対して、待機児童対策と同様に幼児教育の持つ重要性を広く知っていただく努力が求められると考えますが、この点についての御所見を、そして今後の取り組みをお伺いいたします。 88: ◯教育長(上田昌孝)幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を築き、小学校やその後の学ぶ土台をつくる上で大変重要なものであると認識いたしております。今後も、これまで行ってきました幼稚園、保育所と小学校の連携などの取り組みをさらに充実させますとともに、御指摘の国の動向や、これから議論される子ども・子育て会議の内容なども踏まえながら、関係部局と協議を深め、県や幼稚園や保育所等の関係団体とも連携を図り、幼児教育の重要性が広く理解されますよう努めてまいりたいと存じます。 89: ◯十五番(跡部薫)以上で、私からの一般質問を終わります。(拍手) 90: ◯副議長(木村勝好)次に、佐々木真由美君に発言を許します。     〔五番 佐々木真由美登壇〕(拍手) 91: ◯五番(佐々木真由美)公明党仙台市議団の佐々木真由美です。  議長のお許しをいただきましたので、一般質問させていただきます。  震災から二年三カ月、あの日から復旧・復興へ、ともに前へと、頂上を目指して歩みを開始しましたが、険難の山を、今どのあたりまで登ることができたでしょうか。市長が復興の決勝点と定めた二〇一五年には、世界中から数万人もの識者を迎え、国連防災世界会議が仙台で開催されることとなりました。どんなことがあっても、必ず復興をなし遂げて、百六万市民とともに、世界中から支援いただいた皆様への感謝を示し、喜びを分かち合いたいと思います。  アメリカの詩人ホイットマンは歌いました。さあ、出発しよう、悪戦苦闘を突き抜けて、決められた決勝点は取り消すことができないのだ、と。今、目の前に立ちはだかる課題を一つ一つ解消してこそ、復興のスピードが加速されると思います。否応なしにリーダーの決断力が求められます。このときに最もふさわしいリーダーが市民の手で選ばれるわけです。復興を加速することは言うまでもありません。間違っても市民を露頭に迷わすことのないよう、復興が果たされる日まで、その責任を全うしていただきたいと思うばかりです。リーダーとしての市長の決意をお伺いいたします。  初めに、復興公営住宅への入居にかかわる諸課題について、三点伺います。  復興公営住宅への入居意向調査結果が、四月三十日にまとまりました。対象となる九千九百八十三世帯に対して、回答された五千七百八十一世帯、このうち復興公営住宅への入居を希望された世帯は三千五百六十六世帯に上りました。実に六割以上の方が、復興公営住宅への入居を希望されているわけです。  一方、今回の調査では、まだ四割の方が回答をされておりません。とても気になるところです。既に住宅を新築されたり、修繕されたりした方々もいらっしゃるかもしれませんが、きっと、調査期間が二週間という短時間でもありましたので、安心・安全の住まいをどのようにしようか迷われている方もいらっしゃると思います。  皆さんの不安を取り除き、できるだけ希望にかなうよう、どこまでも被災者の身に寄り添っていくことが本市行政に求められると思います。  今回の入居意向調査の結果を受けて、今月六日に募集方針の詳細が示されたところです。優先的に入居されるのは、満七十歳以上の御夫妻などの高齢者のみの世帯や、障害を持つ方のいらっしゃる世帯に加え、一般抽選枠の中で、ひとり親世帯、多子世帯など、子育て世帯への優先枠を設けられました。  未来を担う子供たちが、安心して成長していってもらいたいと願っています。  そこでお伺いする第一の質問は、子供の通学する学区内への配慮についてです。  今さら言うまでもありませんが、三・一一によって、突然生活を一変させられてしまった方々が、仮設住宅に住まわれています。あるお母さんは、みなし仮設住宅に引っ越しをしながらも、もといた地域に戻れる日を信じて、お子さんを転校させずに通わせていらっしゃるそうです。通学にかかる時間は、震災前の三倍にもなっています。心待ちしていた復興公営住宅が通学区内に建設されることとなりました。喜びもつかの間、設置戸数を大幅に上回る希望が集まっている様子で、果たして入居できるのか、不安の日々を過ごしているとのことでした。  一般の公営住宅募集であれば、単に希望者の中から抽選でとなるかもしれませんが、復興公営住宅ですので、できるだけ抽選などを経ずに、皆が入居できるようにしてほしいと思いますが、公平を期すためにやむを得ないところであります。どうしても戸数に限りがあるとすれば、冒頭申し上げたように、優先されるべき抽選のあり方が求められるところですが、その際に、子供の通学の学区内枠も抽選に入れるべきと考えますが、御所見を伺います。  第二の質問は、他市町村からの移住希望者への配慮についてです。  復興公営住宅への入居を希望されている三千五百六十六世帯の方々のうち、実に八百五十三世帯の方々は、震災によって他市町村で被災されて、仙台市内の仮設住宅に住まわれた皆様です。今回の入居意向調査では、今、市内の仮設住宅に入居されている方のみが回答されている状況です。つまり、仙台市外に居住されている被災者の意向は反映されていません。  市外に仮住まいをされている被災者の方でも、本市の復興公営住宅への申し込みは一応できることとなっておりますが、あくまでも市内の方が優先で、応募人数が募集戸数を下回り、あきが生じた場合に限って、入居者選定の対象となっております。  復興公営住宅の建設が進めば、当然、安住の地を求める被災者の皆様は、他市町村からも本市へ移住したいとの希望がふえてくるのではないかと思われます。私のもとへ、震災で身内を亡くされて、娘さんを頼って県内から東京に避難された方から御相談がありました。全てを失ってしまったから、もとの場所には戻りたくないけど、知人の多くいる仙台で暮らしたいとのことでした。本市で仮設住宅の生活をされている方が優先されるのは、当然のことであります。  本市で被災をしながら、一時的に他都市に避難されている方や、本市以外で被災し、諸事情から本市の復興公営住宅に入居を希望する被災者へ、入居の受け皿を考慮すべきと考えますが、御所見を伺います。  第三の質問は、入居の際の連帯保証人等の条件緩和についてです。  震災によって全てを失われてしまった方々の御苦労を思うとき、できる限りの支援策を積極的に講じていって差し上げたいと思いますが、その一つに、連帯保証人を立てなければならないという問題があります。  当然、身元を客観的に保証していただかないと、あとあと支障が出てしまっては、行政としての責任問題も問われかねないと思うところですが、十分に事情を伺いながら、柔軟に対処していくべきではないかと思います。  公営住宅の入居手続の簡素化については、福島県や大分県などで、身寄りの少ない高齢者の保証人探しが社会問題化した十五年ほど前に、連帯保証人を不要とする特例措置や、県内在住などの制約を外すなどの要件緩和が行われております。特に、大分県では、連帯保証人免除取扱要領を規定し、免除される特別な事情として、災害で住宅を失った人等と明示しております。また、二〇〇八年には、日産自動車など民間企業による非正規従業員の解雇や、契約の打ち切りが相次いでいることを受け、社員寮などから退去を余儀なくされた失業者に、神奈川県が横浜市内の県営住宅約四十戸を期限つきで提供、このときには敷金や連帯保証人は不要としたのです。  本市では、今回の復興公営住宅について当局に伺うところによれば、今のところ市営住宅の入居手続と同様に、連帯保証人一名を立てることとなっております。どうしても立てることが難しい方については、緊急連絡人の提出でよろしい場合もある、とのこと。連帯保証人については、原則、市内に居住されている方、緊急連絡人の場合は、宮城県内に居住されている方となっておりますが、保証人も緊急連絡人も見当たらないからといって、入居を諦め、将来を悲観してしまう方が出ないよう、今後の入居手続の簡素化を求めますが、御所見を伺います。  次に、被災された方々の心のケアについて伺います。  被災された方々の生活再建は待ったなしです。中でも、時間とともに深刻になってくるのが、鬱を初めとする心の病です。私も議員になってすぐ、阪神・淡路大震災の被災地を訪れ、復興の取り組みを調査してまいりました。特に、神戸市こころの健康センターでは、震災直後からの寄り添い、傾聴の必要性を伺うとともに、五年後、十年後に発症の増加傾向が見られるので、目が離せないとの御指摘は、今、地域で訪問活動を進める中で身に迫ってくる問題でもあります。  第一の質問として、今までの取り組みについてです。  本市では、これまでも行政が中心となり保健師等による家庭訪問での健康支援、地域包括支援センターなどと連携した支援、コミュニティー維持を図るための自治会等などの活動支援、借り上げ民間賃貸住宅への戸別訪問や生活相談、社会福祉協議会やNPO、パーソナルサポートセンター等、多くの手を打っております。  しかしながら、例えば仮設住宅においても、生活の長期化に伴い、入居されたころと今とでは違った不安を抱えております。先日、プレハブ仮設で住宅の相談にかかわってきた方からは、入居当初は目的が一緒だったけれど、あれから二年がたち、今は、新居を構える人、現地再建が決まった人、復興公営住宅を希望される人と、それぞれの生活再建の形が見えてきた分、悩みや不安の方向性が異なり始めているとの声をお聞きしました。こうしたときに、家族だけでなく、近くで見守るゲートキーパーの存在が重要となってくると思います。今まで取り組んでいただいた効果はどうであったか、御所見を伺います。  第二の質問として、日常のストレス状態を自己チェックする心の体温計の導入についてです。  みずからが日常的に自分の健康状態をチェックすることができれば、重症化を予防することができると思います。自分は大丈夫と思っていても、気がついたときには手おくれということもあるようです。阪神・淡路大震災の教訓でも、これからの心のケアが大切になります。先日、公明党として心の健康セミナーを開く機会がありましたが、この中で、日々の自分の心の健康状況を簡単にチェックできる心の体温計による取り組みが紹介されていました。  これはパソコンや携帯電話を使って、そのときの自分のストレス状況をチェックしながら、心のケアにつなげていくきっかけをつくるものです。既に、埼玉県越谷市など、数十の自治体で取り組まれている国の補助事業による鬱、自殺予防対策の一つです。体の異常には、毎年の定期検診などがありますが、心の健康を維持、回復させるための点検作業には、こうしたちょっとした取り組みが実は大きな効果を促すものと思います。  これらの取り組みを進めるべきと考えますが、御所見をお伺いし、私の第一問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 92: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの佐々木真由美議員の御質問にお答えを申し上げます。  本市の復興に向けた決意についてのお尋ねでございます。  今年度は、発災から三年目、復興計画の折り返しの年でございます。復興公営住宅の整備、集団移転先地の整備や移転跡地の買い取り、宅地被害の復旧のほか、東部道路以東の農地九百ヘクタールで作付が始まるなど、さまざまな復興事業が本格化し、本市復興の姿が徐々に具体化し始めております。  平成二十七年三月の国連防災世界会議開催に向けまして、内外からの多数のお客様に、本市の復興の姿をごらんいただくためにも、各種事業の一層の加速化を図る必要があるものと考えております。  今後、避難道路や避難施設、かさ上げ道路などのプロジェクトが進み、復興の正念場を迎える中、私たちのふるさと仙台の復興の実現に向けて、そのパイオニアとして私自身が先頭に立ち、市民の皆様とともに前途を切り開いてまいる所存でございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 93: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、被災者の心のケアに関する御質問にお答えをいたします。  まず、これまでの取り組みの成果についてでございます。  本市では、震災直後から、区保健福祉センター精神保健福祉総合センターが連携をし、避難所や仮設住宅における心のケアを含む健康支援に重点を置いた保健活動に、積極的に取り組んでまいりました。仮設住宅入居者の心身の健康状態などを調査している東北大学の公衆衛生研究グループによりますと、震災の影響として顕著にあらわれる睡眠障害や、心の健康問題につきましては、他の自治体に見られるような悪化傾向が本市においては見られないとの報告でございました。  これは、本市がこれまで進めてまいりました健康支援や、孤立防止対策、さらには、地域との交流促進の取り組みにより一定の成果があらわれているものとの評価もありますが、しかしながら、心のケアの取り組みは長期的なタームの中で評価されるべきものであり、今後とも、引き続き、被災者への支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、心の体温計についてでございます。  心の不調は、体の不調と比べて自覚しにくいことから、日ごろより、みずからの心の状態を知ることは重要であると考えております。本市では、精神保健福祉総合センターのホームページや、心のケアのパンフレットにおいて、市民の方が心の健康状態を確認できるチェックシートを掲げているところでございます。  御提案の心の体温計は、携帯電話やパソコンを使って、心の健康状態を簡易診断できるサービスであり、導入している自治体もあると伺っております。今後、それらの自治体の導入状況を調査し、その導入の可能性について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 94: ◯都市整備局長(小島博仁)復興公営住宅に関する御質問にお答え申し上げます。  まず、入居者募集に際しての子供の通学に配慮した優先枠についてでございますが、募集に当たりましては、優先入居、優先順位、コミュニティー入居や、一般抽選の優遇措置など、さまざまな対応をしておりまして、さらに通学に配慮した優遇を行うことは難しいものと考えております。  なお、これまでの募集方針では、中学生以下の子を扶養するひとり親世帯を優先順位での募集対象としておりましたが、今回公表しました募集方針におきましては、これに加えまして、一般抽選においても、三人以上の子供がいる世帯や未就学児がいる世帯などの子育て世帯の当選確率を優遇することとしたところでございます。  次に、他市町村からの移住希望者への配慮についてのお尋ねでございます。  本市で被災し、他都市に避難されている方や、市外被災者で本市に住民登録をしている方につきましては、入居申し込みにおける制限はございません。なお、市外被災者で、本市に住民登録のない方につきましても申し込みは可能でございますが、間取りごとの応募人数が募集戸数を下回り、あきが生じた場合に入居者選定の対象としているところでございます。  最後に、連帯保証人等の条件緩和についてのお尋ねでございます。  復興公営住宅の入居に際しましては、市内に居住している連帯保証人または県内に居住している緊急連絡人をお願いすることとしております。しかし、それらの条件に合う方を探すことが難しい場合には、個別の事情を勘案しながら柔軟に対応してまいりたいと考えております。  ただいま議員の御指摘がございましたような、さまざまな御事情を抱え、不安や悩みをお持ちの方がおられることは認識しておりまして、今後とも関係部局とも連携しながら、情報提供や相談会の開催など、きめ細かな対応に努めてまいりたいと考えております。 95: ◯副議長(木村勝好)次に、嵯峨サダ子君に発言を許します。     〔五十五番 嵯峨サダ子登壇〕(拍手) 96: ◯五十五番(嵯峨サダ子)日本共産党の嵯峨サダ子です。  震災からの住まいの復興と市の住宅施策について一般質問します。  東日本大震災から二年以上が経過しました。被災者は長期間にわたって生活を取り戻せていません。今後どうすれば生活再建できるかという見通しも持てずにいます。復興を評価する物差しは、被災者が生活を再建できるのかということに尽きます。仕事がないとか、お金がない人は、仮設を抜け出す展望を持てない、生活そのものが苦しく、もう一度義援金が欲しいという声もあります。  当初は、自力で家を建てたいという願いを持っていた人が、どんどん諦めています。各地の住民意向調査では、復興公営住宅の希望が激増しているといいます。仙台市においても、四月三十日時点で、入居意向調査提出数は整備予定三千戸に対し、三千五百六十六件です。五月末では三千九百二十一世帯にふえています。プレハブ仮設、みなし仮設に入居している世帯は、約一万世帯です。住宅再建方針を決めかねている被災者の中で、これから復興公営住宅に申し込みを希望する世帯も出てくると思われます。現時点で既に入居希望が整備戸数を大幅に上回り、住宅不足は明らかです。  国は、復興公営住宅建設を三万戸としていますが、被災地域での要望を上げてもらい、積み増しをしていく。予算がないので建設しないということはないと言っています。住まいは人間が生きていくための土台です。三千戸に固執せず、被災者のニーズに合わせて整備戸数をふやすべきです。いかがでしょうか、伺います。  復興公営住宅の入居資格をめぐって、問題が出ています。市は仮設住宅に入居している被災者のうち、震災時住んでいたアパートが滅失していないという理由で、入居の対象外だと言っています。しかし、被災者は大家からアパートを解体するから退去してほしいと言われて出たものであり、被災者の責任ではありません。  ことし二月の県議会で村井知事は、入居者には何ら責任がないにもかかわらず、被災前に居住していた民間賃貸住宅から退去させられるなど、住宅を失ったとみなすことができる場合には、災害公営住宅に入居することは差し支えないとの国の見解が示されている。県としては、被災者の実情を十分把握し、被災者目線で取り組んでいく、と述べています。  仙台市の対応は、国の見解に反しています。被災者の立場に立って、このような事例も入居を認めるべきです。いかがでしょうか、伺います。  また、市は、入居意向調査を提出した三千五百六十六件のうち、福島原発避難者で、居住制限区域からの避難者四十一世帯を入居資格がないと述べています。なぜ今になってこういうことを言い出すのか、入居者募集案内には一言も書いていません。原発避難者にとって寝耳に水の話です。居住制限区域の避難者が復興公営住宅の入居資格がないのか、私は復興庁に問い合わせしました。復興庁からの回答は、福島特措法第十八条、十九条にあるとおり、現在、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域内に住居のある方々は居住制限者に該当する。居住制限者の住居は滅失とみなされるため、復興公営住宅への入居資格を有するとのことでした。  仙台市が勝手に線引きをして、入居資格を外す理由はありません。福島に戻るか、戻らないかを選択するのは被災者自身です。大事なのは、被災者の意向を尊重することです。被災者を路頭に迷わすようなことがあってはなりません。居住制限者は入居資格があるのですから、仙台市の復興公営住宅に入居したいという人は受け入れて、入居できるよう対応すべきです。お答えください。  復興公営住宅の入居者募集方針の詳細が示されました。これを見ると、優先順位やコミュニティー入居について制限を加えたり、選考方法を厳しくする内容になっています。被災アパートから退去した方や、福島原発避難者の扱いにしても、整備戸数を三千戸にとどめたい、管理戸数をふやしたくないという市の思惑があるから、このような対応をするのではないでしょうか。被災者を見捨てる、余りにもひどい、冷たい対応です。整備戸数をふやして、被災者の住まいを保障すべきです。伺います。  鹿野復興公営住宅が十一月に完成し、来年度早々には入居できると、被災者の皆さんは完成を心待ちにしていました。ところが、先日行われた住民説明会で、工期がおくれると言われ、がっかりしています。被災者の皆さんは、入居時期に合わせて生活設計を立てています。特に、高齢者が圧倒的に多い緑ヶ丘四丁目の被災者にとって、入居のおくれは心身ともに大きな打撃です。震災後、心労のために数人の方がお亡くなりになっています。  工期がおくれる原因について、市は、当初予定していた重機が確保できなくなり、大きな重機に変更した。そのため、新たな橋をかけかえる必要が生じ、工期のおくれにつながったと説明しています。そもそも工事の段取りが悪いのと、橋にひび割れがあるとわかっていたのであれば、早い段階で橋のかけかえを検討すべきだったのではないでしょうか。コンサル任せにしているから、このような事態を招くのです。工期がおくれて済む問題ではありません。市が責任を持って入居時期に間に合わせるよう、取り組みを強めるべきです。伺います。  津波による被災者のための戸建て復興公営住宅の整備が予定されています。百六戸の整備予定に対し、百十三戸の申し出があります。荒井東地区の土地区画整理地内に二十二区画が用意されています。六月六日に住民説明会が行われ、具体的な位置図が示されました。驚いたことに、すぐ脇に変電所があり、送電線が戸建て復興住宅の区画の真ん中を通ることになっています。良好な住環境にふさわしくない、条件不利地な土地を提供するとは、とんでもありません。条件の悪い、売れそうにない土地を、あえて復興住宅用地として用意するのは、被災者をばかにした話ではないでしょうか。区画整理組合任せにしているから、このようなことになるのです。市が責任を持って用地を確保すべきです。伺います。  阪神・淡路大震災の復興公営住宅の建設、募集は、従前の居住地や仮設住宅のコミュニティーを考慮せずに行われたため、入居後のコミュニティー形成の困難さや、閉じこもりなどが少なくなく、約二万五千戸建設された復興公営住宅での孤独死は、二〇〇〇年から二〇一二年までの十三年間で七百七十八人に上ります。  東日本大震災では、仙台市の場合、プレハブ仮設住宅戸数を大きく上回って、民間賃貸住宅の借り上げが供給されました。今後の災害発生時の仮設住宅施策の重要なモデルになるでしょう。しかし、みなし仮設住宅居住者は、個々ばらばらに入居し、孤立しており、必要な情報も行き渡りにくい状況にあります。復興住宅入居後のコミュニティーをはぐくむ面でも課題が大きいと予想されます。復興公営住宅の建設は、従前居住地に近い安全な場所に、集落ごとに計画し、地域コミュニティーが保持される建設を行う必要があります。入居選考においても、従前のコミュニティーと仮設住宅でつくられたコミュニティーを大事にすることが重要です。また、ばらばらになっている民間借り上げ仮設に入居している被災者の方々を市が集めて、話し合いの場を持ち、コミュニティーが形成されるような取り組みをすべきではないでしょうか。  復興住宅は被災者の従前の生活実態や地方性に配慮した、小規模で多様な建設、供給とし、多様な世代の居住にも配慮すべきですが、いかがでしょうか。あわせて伺います。  復興公営住宅の建設のあり方は、市が直接建設する住宅に限らず、民間公募買い取り事業も同様です。公募買取事業選定委員会で、委員から、戸数が多いほうが評価が高いということになっているが、管理上は確かにわかるが、地域のコミュニティーからすれば、いきなり大きな住宅ができるのはよくないことではないのか、との質問が出されました。これに対して市の事務局は、現在三十団地ぐらいの市営住宅を抱えている中で、これから、それ以上の団地を一気に整備し、管理するのは大変である。集会所や共用部の電気代等の維持費は入居者負担となるので、一定程度の戸数があったほうが望ましいと判断し、この評価としたと述べています。
     これは市の管理上の観点から見た評価であり、住む人の暮らしやすさや地域のコミュニティーを度外視したものです。こうした選定のあり方は改めるべきです。伺います。  仮設住宅で行われている見守り支援を、復興公営住宅入居後にどのような支援体制で臨むのかが問われています。日本共産党市議団は、震災後十八年たった神戸市を視察してきました。神戸市では、復興公営住宅に高齢世帯生活援助員の派遣や、中学校区ごとに、あんしんすこやかセンターを開設し、見守り推進員を配置するなど、行政が主体となって体制を構築し、生活再建を支援しています。現在は復興住宅に限らず、市内全体の地域の見守り活動推進事業として行われています。仙台市においても、個々ばらばらの支援でなく、市が責任を持って各部局が連携して生活支援体制を構築すべきではないでしょうか、伺います。  復興公営住宅に入居する際、仙台市は入居者から敷金を預かることを決めています。石巻市は、被災者に負担させないで、敷金は取らないと決めました。理由は、敷金はいずれ入居者に返すものだし、何よりも被災者に寄り添うという立場で決めました。多賀城市など他の自治体でも、敷金を預からない方向で検討しているそうです。仙台市においても、敷金は預からない対応をすべきですが、いかがでしょうか、伺います。  東日本大震災特別家賃低減事業期間は、災害公営住宅等の管理開始後十年間とされていますが、被災した低所得者が十年後から支払う家賃がふえることは、大きな負担です。事業期間を延長すべきです。また、五年後から地方自治体の負担割合がふえるとされていますが、五年以降も負担割合を据え置くよう、事業期間の延長とあわせ、国に対して求めるべきです。お答えください。  復興公営住宅に入居する際、世帯の収入要件はありませんが、入居後は一般の市営住宅と同様に公営住宅法の規定が適用されます。市営住宅に三年以上居住し、一定以上の収入がある場合、収入超過者や高額所得者となり、市営住宅を明け渡す努力義務が課せられるとともに、家賃が割り増しされたり、住宅の明け渡しが請求されることになります。ついの住みかと思い入居した被災者にとっては、思いもよらないことです。  この問題は、市営住宅に入居している人たちの問題でもあります。二〇〇七年に公営住宅法が改正されて、一般階層の場合の入居収入基準が二十万円から十五万八千円に下がりました。仙台市は国の言うままに、これに従いました。このため家賃が上がった世帯が一千五百世帯出ました。収入超過世帯は六百世帯です。六百世帯のうち九十世帯は高額所得扱いされて、明け渡し請求がなされ、退去しなければなりません。市は五年間の経過措置を設けましたが、来年の三月末でその期限を迎えます。入居収入基準を変えなければ、住まいが保障されなくなります。  これまでは公営住宅法により、国が全国一律で入居者資格を定めていましたが、地域主権一括法により、各自治体が基準を条例で規定することになりました。これにより、入居者資格は大幅に緩和されました。仙台市が独自に基準を決められるチャンスだったにもかかわらず、市は現行基準のままとしました。入居収入基準を引き上げると、応募がふえるとでも思ったのでしょうか。これでは市民の住宅要求に背を向けるものです。一般階層の入居収入基準を二〇〇七年の改正前の水準、二十万円に引き上げるべきです。いかがでしょうか、伺います。  民間借り上げ仮設住宅に住んでいる被災者の中には、引き続き今の場所に住み続けたいという方々がいらっしゃいます。仮設扱いが終了となれば、正規の家賃負担が発生します。安定した住まいを保障するために、民間賃貸住宅に居住する被災者に対し、継続的な家賃補助を実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。  大震災被災者に対する家賃補助制度の実績を踏まえ、一般の民間賃貸住宅への家賃補助を公営住宅入居階層を対象として具体化し、恒久的な制度として確立していくことが求められています。  年収二百万円以下のワーキングプアと呼ばれる人たちが、全国で一千百万人を超える中、家を借りることさえ難しい人たちがふえています。一方で、公共住宅は年々削られ、国民の四分の一を占める民間賃貸住宅居住者にも公的支援は一切ありません。公的な賃貸住宅の建設を強めるとともに、民間賃貸住宅でも、低家賃で良好な家に安心して住み続けられるようにすべきです。家賃補助制度を創設するよう、市として国に対し要請することを求めるとともに、仙台市独自でも、せめて子育て世帯等への家賃補助を行うべきです。お答えください。  市の住宅施策のかなめの一つは市営住宅です。市営住宅の応募者数は震災前よりふえており、二〇一二年度の平均応募倍率は一三・九一です。ことし四月一日現在の市営住宅管理戸数は八千八百十八戸です。市は住生活基本計画の中で、市営住宅によるセーフティーネット機能向上を掲げています。しかし、住生活基本計画の中に市営住宅の建設計画はありません。セーフティーネット機能を拡充するというのであれば、市営住宅をふやすことです。復興公営住宅をつくったとしても、従来からの市営住宅不足は解消されません。市営住宅の増設を基本計画に盛り込むべきです。社会資本整備交付金や地域自主戦略交付金などを活用して、市営住宅をふやすべきです。いかがでしょうか、伺います。  二〇一三年度から二〇二〇年度までを期間とする、仙台市住生活基本計画がこの七月に策定されます。住まいのみならず、まちづくりに関連する諸分野とも広く連携した住宅政策を総合的、計画的に推進するため、新たに策定するものです。住生活基本計画は二〇二〇年度までの中長期的な計画です。この中で、住まいの復興との関係をどう位置づけ、推進するのかが大事です。諸施策を実効あるものにするために、啓発や情報提供に終わらせるのではなく、行政がしっかり関与して、施策を実現するための予算措置を行うことです。  また、住生活基本計画とその他の福祉の基本計画等の整合性を図ることが重要です。福祉関係と住宅関係が定期的な協議を持って、双方の整合性のとれた施策を行うことが必要です。これらの点について、お考えを伺います。  住生活基本計画の基本理念に、全ての市民が住みよさを実感できる都市づくりを第一に考え、とあります。住みよさとは、快適な住環境と良質な住宅ストックの形成にあります。安全・安心な住まいの確保と、温かい人々が触れ合う地域コミュニティーの確立こそ、健全なまちとして都市が形成されるために必要な条件です。このことを最後に述べて、第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 97: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの嵯峨サダ子議員の御質問にお答えを申し上げます。  住生活基本計画に関する御質問にお答えをいたします。  全ての市民の皆様が住みよさを実感できる豊かな住生活の形成を目指しますためには、市民お一人お一人の住まいと暮らしの質を高めるとともに、大震災からの一日も早い復旧・復興や、その先を見据えた、よりよい地域づくりを進めることが重要と考えております。  そのために、住まいの復興や福祉、子育て、コミュニティーなど、まちづくりの視点を含めた幅広い取り組みを計画に位置づけたところでございます。  これらの施策の実施に当たりましては、住生活にかかわる福祉を初めとした、さまざまな分野とも連携を図るとともに、市民の皆様や事業者、NPO等の方々との協働を進めながら、総合的かつ計画的に推進し、希望と魅力あふれる都市の構築に向けた住生活を実現するよう取り組んでまいる所存でございます。  そのほかのお尋ねにつきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 98: ◯復興事業局長(鈴木三津也)まず、借り上げ民間賃貸住宅入居者の方々のコミュニティー支援についてのお尋ねでございます。  住みなれた地域を離れて、借り上げ民間賃貸住宅にお住まいの方々に対しましては、社会福祉協議会が実施するサロン活動、区役所や支援団体の同郷サロン、さらには子育てサロンなどを通じましてコミュニティー支援を行っているほか、地域かわら版みらいんの配付などを実施してございます。  今後もこのような活動を通じまして、借り上げ民間賃貸住宅にお住まいの方々への情報提供や、コミュニティー支援などに関係団体とも連携し、取り組んでまいりたいと考えてございます。  次に、民間賃貸住宅入居世帯に対します継続的な家賃補助についてでございます。  災害救助法に基づく仮設住宅の供与は、住宅が滅失した被災者の一時的な居住の安定を目指すものでございまして、お住まいの自力再建や防災集団移転、復興公営住宅整備の進捗などを踏まえ、供与を終了させてまいりますことから、継続的な家賃補助を行うことは考えてございません。仮設住宅に入居された方が一日も早く自立した生活に移行していただくためにも、世帯が抱えるさまざまな課題を適切に把握いたしまして、必要に応じて福祉制度の窓口につなげるなど、支援の充実に取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 99: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、復興公営住宅への入居した後の支援体制の構築に関する御質問にお答えいたします。  復興公営住宅へ入居される方の孤立防止のためには、地域のつながりや見守り体制づくりは極めて重要であると認識いたしております。このため、区役所が自治会の立ち上げを支援するとともに、今年度、各区の社会福祉協議会に配置したコミュニティーソーシャルワーカーが、民生委員児童委員や町内会、さらに区役所とも連携し、復興公営住宅が建設される地域の住民による見守り活動を支援してまいります。  さらに、区保健福祉センターの保健師等が、健康上の配慮が必要な方に対する家庭訪問などを通じて、心のケアを含む健康支援に取り組んでまいります。  今後、本市といたしましては、庁内関係部局の連携はもとより、地域のさまざまな団体とともに、こうした取り組みを連携しながら推進し、被災された方々が復興公営住宅に入居した後も、それぞれの地域で安心して生活できる支援体制づくりに努めてまいることといたしております。  以上でございます。 100: ◯都市整備局長(小島博仁)都市整備局に関連する数点の御質問にお答え申し上げます。  まず、整備戸数及び被災者の住まいの保障についてでございます。  整備戸数についてでございますが、復興公営住宅は、住宅を滅失し、自力での住宅確保が困難な世帯に対し供給するものであるとの観点から、このたび実施しました入居意向調査の分析を進め、十月の募集開始までには結果を取りまとめ公表してまいりたいと考えております。  なお、今回公表しました募集方針におきまして、高齢者世帯など優先順位の対象となる世帯については、市内のいずれかの住宅に入居できるよう配慮することとしております。さらに、コミュニティー入居につきましても、単に抽選で決定するのではなく、学識経験者等からなる選考委員会において、それぞれのコミュニティーの状況などを考慮し選考することとしております。  次に、復興公営住宅の入居資格についてでございます。  震災時に民間賃貸住宅にお住まいで、その住宅が滅失していないにもかかわらず、自己都合によらず退去せざるを得なくなった方につきましては、国の見解として、事業主体が災害により住宅を失った場合に準じて、適切に取り扱うよう求められております。窓口相談等におきまして対応が不十分だったことも事実でございまして、今後は個別事情に配慮しながら、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。  次に、原発避難者の災害公営住宅への入居資格についてでございます。  災害公営住宅の入居資格は、災害により滅失した住宅に居住していた者とされておりますが、福島特措法の制定により、原発による居住制限者につきましても、住宅を滅失した者と同様の対応になったものでございます。  一方、福島の復興及び再生を加速するため、福島県内の自治体におきまして、原発避難者向けに約三千七百戸の災害公営住宅整備を計画しておりまして、本市といたしましては、このような福島県内の取り組みも勘案しながら、本市で避難生活をされている居住制限者の皆様方が、住まいの再建に向けた判断ができますよう、情報提供等、丁寧な対応を行ってまいりたいと考えております。  次に、鹿野復興公営住宅の工期のおくれについてでございます。  以前、当該用地にありました市営住宅の解体時の経過から、橋の補強についてはその必要性を認識しており、今回の工事に当たりましては、中型機械を想定し補強を行うこととしておりました。しかし、住宅建設が急激に増加したことなどにより、当初予定しておりました中型機械の調達が困難となり、やむを得ず大型機械に変更したことから、橋の補強では対応できず、仮設橋を設置することとしたものでございます。  これにより工事のおくれが生じておりまして、入居を希望されている皆様方に御迷惑をおかけしておりますが、コンクリート二次製品を採用するなど、さまざまな工夫を、現在、受注業者と精力的に行っておりまして、来年度の早い時期に入居が可能となるよう、今後とも工期短縮等に努めてまいりたいと存じております。  次に、荒井東地区で整備する戸建ての復興公営住宅の用地の確保についてでございます。  この戸建ての復興公営住宅の用地につきましては、送電線の真下の宅地は含まれておりませんが、防災集団移転の自力再建の住宅や、戸建ての復興公営住宅の整備を進めるため、土地所有者と協議を重ね、土地区画整理地区内の限られた宅地の中から必要数を確保したものでございます。  次に、多様な世代の居住への配慮についてでございます。  復興公営住宅の整備箇所につきましては、被災地との位置関係や交通の利便性、全市的なバランスなどを総合的に判断して設定しております。また、建物の階数、戸数、間取りについても、さまざまなタイプを整備することにより、入居を希望する被災者の皆様が多様な選択ができますよう工夫するとともに、コミュニティー入居募集を行うことによりまして、復興公営住宅でのコミュニティーの形成にも配慮することとしております。  次に、民間公募買取事業についてでございます。  買い取り事業者の選定におきまして、団地の規模につきましては、整備や管理の効率性の観点から評価しており、その配点は全体で百点満点のうち五点としております。これに対しまして、コミュニティー形成の配慮については、最も重要な評価項目と考え二十点の配点としており、さらに立地条件、独自提案、提案価格などを含めた総合評価により、事業候補者を選定したものでございます。  次に、復興公営住宅の敷金の免除についてでございます。  一部の自治体では、復興公営住宅の入居時に徴収する敷金を免除し、退去時に修繕費用等を別途徴収する方法などを検討していると伺っております。本市といたしましても、復興公営住宅に入居される方々の御事情をお伺いし、入居時の負担がより軽減されるような可能な手法について、今後検討してまいりたいと考えております。  次に、東日本大震災特別家賃低減事業についてでございます。  これまでも事業期間の延長や、震災から五年以降の自治体の負担割合の据え置きにつきまして、宮城県市長会などを通じ、国に要望してきたところでございまして、引き続き、働きかけを行ってまいりたいと考えております。  次に、市営住宅の入居収入基準の引き上げについてでございます。  入居収入基準につきましては、公営住宅法の改正によりまして、各自治体が地域の実情等に合わせ、国が示す参酌すべき収入基準を十分に参照し、条例で定めることとされたところでございます。本市の家計収入に関する統計調査に基づき、入居収入基準を検討しましたところ、国が示します参酌すべき収入基準とほぼ同様であることから、従前基準の十五万八千円が妥当であると判断し、条例に位置づけたものでございます。  なお、高額所得者となる基準額等の要件に関しましては、条例ではなく法令である公営住宅法施行令において規定されているところでございます。  次に、子育て世帯等への家賃補助についてでございます。  住宅確保に真に困窮している低額所得者につきましては、住宅セーフティーネットの構築が必要と捉えておりまして、現在策定を進めております住生活基本計画におきましても、市営住宅供給による対応を基本として位置づけしているところでございます。  他都市におきまして、定住促進等の観点から、子育て世帯に対する家賃補助等を行っていることは認識しておりますが、本市では、直接的な家賃補助については考えておらないところでございます。  最後に、市営住宅をふやすべきとの御質問についてでございます。  現在、策定中の本市の住宅政策の方向性を示す仙台市住生活基本計画を踏まえながら、市営住宅の供給戸数と供給の方策など、整備方針につきまして検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 101: ◯五十五番(嵯峨サダ子)三点再質問いたします。  第一問でも述べましたけれども、昨日の本会議答弁でも、五月末の復興公営住宅の希望が三千九百二十一世帯だったと。そのうち入居資格者は、三千六百八十六世帯だったというふうに述べておられました。入居資格がない人はどういう人たちなのか、その内訳をお示しください。  さらに、第一問で述べました被災アパートから退去させられた人も、この中に含んでいるのか伺います。  それから、二点目ですけれども、福島原発避難者の居住制限者の入居資格の問題です。この問題で市当局は、居住制限者は入居資格がないとこれまで言い続けてきました。ところが、ただいまの答弁で一転して入居資格があることを認めました。市が福島特措法を間違って解釈し、入居資格のある被災者をはじき出すところでした。法律に違反する行為をしようとしたことは重大な問題です。整備戸数をふやしたくない、入居資格のない人を見つけ出そうという発想から出発するから、こういう失態を招くのです。  答弁で、居住制限者は入居資格があると認めましたけれども、被災者に対し情報提供を行うとしか述べておらず、入居を認めるとは言及しておりません。仙台市の復興公営住宅に入居を希望している四十一世帯は受け入れて、入居を認めるべきです。資格があるのに入居させないとなれば、これも法令違反に当たります。再度お答えください。  三点目です。家賃補助の問題です。借り上げ仮設期限後の家賃負担の問題が必ず出てきます。居住の継続を支援するために今から用意する必要があります。民間賃貸住宅居住者に対する家賃補助制度の実施を、国にも働きかけて行うべきです。また、一般の民間賃貸住宅居住者への家賃補助も求めましたが、御答弁では、他都市で行っている家賃補助は行わない、国にも要望しないという大変冷たいものです。 102: ◯副議長(木村勝好)この際、時間を延長いたします。 103: ◯五十五番(嵯峨サダ子)二〇一一年三月に出された仙台市住宅白書によれば、持ち家世帯の約五〇%が年収五百万円を上回っていますが、借家世帯の約五〇%は年収三百万円未満です。最低居住面積水準未満も多く見られます。  ある民間のデータによれば、住みよさランキングで仙台市は全国で下位のほうだと言われております。単身高齢世帯、ひとり親世帯等の低所得世帯及び子育て世帯に、仙台市独自で家賃補助を実施すべきです。あわせて再度伺います。 104: ◯都市整備局長(小島博仁)まず、再質問の第一問でございますけれども、三千六百八十六世帯につきまして、それ以外の、いわゆる三千九百二十一世帯から三千六百八十六世帯を除いた二百三十五世帯になりますけれども、この入居資格がないといった方々の内訳ということでございますけれども、詳細なデータについては、今、持ち合わせておりませんけれども、御指摘の原発避難者四十一世帯及び御指摘がございましたアパートから余儀なく退去された方が御希望されているということであれば、その方々も含まれているというふうになっております。したがいまして、ここにつきましては、我々として、今後、丁寧な対応をとっていかざるを得ないということでございまして、我々の法の解釈といった過ちにつきましては、この方々に対しても丁寧に陳謝を申し上げるとともに、速やかな情報提供等を行ってまいりたいと考えております。  また、原発被災者への対応についてでございますけれども、これについては、我々としましても、昨年度から、当然、原発で避難を余儀なくされている方々に対する対応というものは、我々も慎重に対応しなければいけないという気持ちで、国のほうに確認したり、あるいは、福島県のほうにも調整をしたりしてきたところでございますけれども、その中で、我々として、結果として法令に対する解釈に誤りがあったことについては、大変申しわけなく思っているところでございます。  入居を認めると言っていないということでございましたが、そうではなくて、入居につきましては、今後、募集等を行っていきますので、当然、そういう対象になるということで御理解賜りたいと思います。  子育て世帯に対する家賃補助でございますけれども、これにつきましては、従来から常任委員会等でもお答え申し上げていますけれども、繰り返しになりますけれども、我々としましては、いわゆる市営住宅等について、セーフティーネットの中核をなすものとしてございまして、そこについて配慮すべき真に困窮している市民、そういった方々に対して入居を促進しているということを基本と考えてございまして、他都市におきまして、子育て世帯等につきまして、市営住宅だけでなく、従来の特定有料賃貸住宅と申しますけれども、そういったところに入る際に家賃を一部補助しているということはございますが、その目的等、我々としては、定住促進とか、そういったところで他都市で行っていることは承知しておりますが、本市におきましては、現時点において、そういった方々に対する家賃補助というものは行わないということにしているところでございます。  なお、子育て世帯に対しましては、市営住宅におきまして、裁量階層と申しまして、収入要件につきましては拡大をしておりまして、その中で、入居について配慮をしているところでございます。 105: ◯五十五番(嵯峨サダ子)入居資格がないという、その対象が福島原発からの避難者で居住制限者の四十一世帯と、それから本人の責任ではないにもかかわらず、アパートの大家から退去させられたという、こういう人たちも含めているという御答弁でした。ちょっとひどいなというふうに思いますね。まずは、居住制限者は、後からの御答弁で、入居を認めるというふうにお答えになりました。これははっきりと、居住制限者四十一世帯については、仙台市の公営住宅に入居を申し込んだら、ちゃんと認めるということで、再度御答弁をいただきたいと思います。  それから、被災アパートから退去させられた人の問題ですけれども、これは窓口で個別に事情を聞いて柔軟に対応するということだけでは信頼できないんですよ。やはり、私が第一問で述べたように、国もちゃんと見解を示して、入居は差し支えないとはっきりと言っているわけですから、これを素直に受けとめて、無条件に入居を認めるべきです。これも再度お答えください。  それから、全体として、復興公営住宅整備戸数を三千戸と決めて、枠をはめていること自体が問題なんです。今、いろいろ入居選考の方法も示されておりますけれども、被災者に優先順位をつけて、市外の人は後回しにするとか、締め出すとかということで、要は、何とか三千戸の枠内におさめようとしている。これでは被災者の生活再建にはなりません。希望者全員が入れるように住宅を用意すべきです。市長の決断を求めます。市長に伺います。 106: ◯市長(奥山恵美子)復興公営住宅の建設につきましては、現状におきまして、三千戸ということで、ただいま整備を加速しているところでございます。一方、さまざまな被災、仮設住宅にお住まいの方々の今後の御希望についても伺っておりまして、現時点の調査によりますと、御希望の数と私どもの整備との間に数の隔たりがあるということは、十分承知をしているところでございます。  私どもは、今後、そうした御事情の丁寧な把握と、そしてまた、それぞれの方の、今御返答がない方も含めて、全数調査を行って状況を把握していく中で、十分な対応を考えていきたいということでございまして、私どもとして、まだ調査の途上にあるということでございます。 107: ◯都市整備局長(小島博仁)再度の質問に対して、お答え申し上げます。  募集等につきましては、これからであるということでございまして、先ほどの答弁にもございましたけれども、福島原発につきましては、希望するということでございますけれども、その方々とも丁寧に話し合って、どういう形で希望されているのか、先日、福島におきまして、いわゆる原発避難者のための災害公営住宅の建設の方針も示されたところでございますので、そういったことも含めて、我々としては、被災市町の連携をとりながら、そういった方々と、今後とも丁寧に御相談を申し上げていきたいというふうに考えておりますし、アパートから退去を余儀なくされてしまった方々につきましても、入居要件としては当然合致しております。そういった方々につきましても、個別に相談に乗りまして、丁寧な対応をとってまいりたいというふうに考えているところでございます。          ────────○──────── 108: ◯副議長(木村勝好)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 109: ◯副議長(木村勝好)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後五時八分延会...