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平成24年第3回定例会(第4日目) 名簿 2012-09-13
平成24年第3回定例会(第4日目) 本文 2012-09-13

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  1. 仙台市議会 2012-09-13
    平成24年第3回定例会(第4日目) 本文 2012-09-13


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(佐藤正昭)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(佐藤正昭)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、嵯峨サダ子君及び鈴木勇治君を指名します。          ────────○────────     諸般の報告 3: ◯議長(佐藤正昭)この際、報告いたします。  会議規則第二条の規定により、野田譲君から本日及びあすの会議に、伊藤新治郎君から本日の会議に欠席の届け出がありました。          ────────○────────     日程第二 一般質問 4: ◯議長(佐藤正昭)日程第二 一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、やしろ美香君に発言を許します。     〔二番 やしろ美香登壇〕(拍手) 5: ◯二番(やしろ美香)自由民主党・仙台、やしろ美香でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を始めます。  東日本大震災の後の選挙で当選させていただき、この一年、復旧・復興について質問を続けてまいりました。あの日から一年半がたち、ようやく復旧から復興の段階になったのかなと感じております。そこで、今までの質問に対していただいたお答えがその後どのような状況になっているのか、新たな提案も含めて質問したいと思います。  まず初めに、昨年初当選の後、最初の議会で、東日本大震災の教訓として情報というキーワードを提案させていただきました。
     例えば、緊急津波速報エリアメールについては、総合的に検討を進めるという御答弁をいただきましたが、その後どのように検討がなされているのかを伺います。既に携帯各社が独自にこのようなサービスを提供しているようですが、仙台市としてどのように連携していくのか、計画があればお知らせください。  東日本大震災で被災地が停電した後も機能したのが、杜の都防災メールでした。昨年の御答弁では一万五百十四人の登録者ということでしたが、その後の推移はいかがでしょうか。十分な広報活動は行われているのでしょうか。お答えください。  先日、我が仙台市も関係の深いフィンランドの大使館ツイッターのキャラクター、フィンたんが日本政府外務省つぶやき交換をするというイベントがありました。残念ながら、日本国はハードウエアではICT先進国でありながら、ソフトウエア、特に利用者のスキルにおいては、はるかかなたの途上国以前の後進国であることが世界じゅうに露呈してしまいました。  昨年、私が提案させていただきましたツイッターの利用については、研究してまいりたいという、どう好意的に聞いても後進国の政府のような御答弁をいただいたわけですが、大震災の後、わずか一週間で被災地を中心に約一億八千万件の情報が発信されました。今やソーシャルネットはアメリカ大統領選挙の行方をも左右する勢いです。既に研究という段階ではないと思いますが、その後のお取り組みについてお聞かせください。  同じく、昨年九月に、クラウドコンピューティングなどXaaSという技術について提案させていただきました。わずか一年で取り組みが進むほど簡単なことではないとは思いますが、そのわずか一年の間に大きく変わるのがICTの世界です。先日まで標準であった通称ガラパゴス携帯から、iPhoneなどに代表されるスマホと称されるスマートフォンへの変化は、あっという間の出来事でした。  そのスマートフォンでは、民間企業によるさまざまなサービスが提供されています。地方自治体でも地域ICTとして利活用され始めているようです。我が仙台市も、消防局の病院照会サポートシステムでも、救急隊にスマートフォン及びタブレット端末を配備し、救急搬送時間の短縮につなげるなど導入が進んでおります。  仙台市には、情報政策部という地方都市にしては珍しい先進的な名前の部署もあります。世界を結ぶ光通信発祥の地、仙台市としてふさわしい施策を期待するものでありますが、どのような取り組みをなされているのかを伺います。  続いて、津波対策です。  津波対策については、自然を完全に制御する完全な防災から、自然災害から安全に逃げることを最重要視する減災へと方向転換し、学校や地域での防災訓練などを通じて啓発活動に努めるとのお答えをいただきました。  新年度が始まって半年がたちます。その間、どの程度啓発活動が行われたのか。また、それぞれの活動への参加者数、参加者の様子などはいかがでしょうか。私の耳に届く声は、残念ながらいまだに安全な避難への意識変化が感じられません。啓発活動が足りないのではないかと思われますが、いかがでしょうか。今後の啓発活動の計画について伺います。  続いて、津波情報伝達システムの事故を教訓とするフェイルセーフについてお伺いいたします。  先月の津波注意報の際に、津波情報伝達システム屋外拡声装置が機能しなかった事故に関連して、さきの代表質疑の御答弁では、誤操作防止カバーの設置やシステム機能の追加などの対応がなされたそうですが、当初よりハードレベルでのエラー報告のシステムがなかったことは、当局にフェイルセーフという意識が欠けていたと思わざるを得ません。ふぐあいの発生に気づくまでの一時間以上の間、システムの作動確認を行っていなかったことからも、ミスは機械ではなく人間が起こすもの、まさしくそのとおりでした。想定外の障害が発生することを前提に対応していれば、今回のような失態は起きなかったはずです。予想を超える津波、想定外の電源喪失、予想外のメルトダウン。福島の原発事故の教訓が生かされていないと切実に感じました。  津波情報伝達システムに限らず、市民の安心・安全を守るシステムにはフェイルセーフ機能が不可欠と思いますが、今回の事故を教訓とする新たな対策がとられているかをお聞かせください。  次に、心のケアについて伺います。  私からは、仮設住宅にお住まいの皆さんだけでなく、市民全体に対して必要なのではないでしょうかとお話しさせていただきました。仙台市でも、こころの絆センターの開設など対応なされているようですが、現在までの利用状況などをお知らせください。  また、被災から一年半が経過し、被災時になかった新たな心の傷があらわれているのではないでしょうか。仮設住まいも一年を超えてきている現状は、より積極的な訪問活動等が求められていると思います。現在の活動状況と今後の計画について、特にスタッフの増員があるのかをあわせてお答えください。  続いて、経済復興について伺います。  経済復興はこれから数年単位で考えていかなければならない大きな問題です。そのような状況のもと、地域の商店街や個人商店などが復旧から復興に向けて頑張っているときに、前例のないさまざまなことが起きつつあります。その一つが風評被害です。  高齢化が進む住宅街では、近所の個人商店が日常的な買い物を支えてきましたが、震災から一年を過ぎてもまだおさまらぬ福島原発事故の風評によって、魚や果物が売れなくなり、品ぞろえが厳しくなるなど、厳しい状況に追い込まれています。経営が困難になり廃業する店も絶えない状況です。  経済復興というと企業に対するものというイメージですが、市民の生活を支える小売店も重要な存在です。地域住民にとっては、近所のお店こそがライフラインではないでしょうか。震災直後、みずから被災しながらもお店をあけ、地域住民の生活を支え続けた功績の大きさは誰が認めるものですが、商店街や個人商店などの現状、このような状況に対してどのような対策をお考えなのかをお伺いいたします。  続きまして、低所得家庭への学習支援についてお伺いいたします。  厚生労働省の発表によれば、生活保護受給者数は戦後直後の過去最多受給者数を超える見込みとなり、制度の見直しが検討されております。中でも、生活保護世帯の子供が大人になって再び生活保護を受給するケースが多数発生し、その割合が二五%にも上ることから、平成二十四年度の子どもの健全育成支援事業では、貧困の連鎖を防止することが喫緊の課題とされました。  貧困からの脱出には就労による経済的安定が必要ですが、生活保護世帯の子供の進学率は一般世帯に比べて一〇%程度低い状況にあり、また中退する子供も多く、就職の可能性を狭めています。  この進学率の低さと中退率の高さは、親が教育や進学について熱意や関心がないことが子供に影響すること、また、不規則な生活や学習習慣が身についていないことなどから来る基礎学力の乏しさと考えられております。家庭背景と子供の学力等の関係についての調査研究では、世帯収入、家庭での保護者の行動や子供への教育意識が、子供たちの学習に対する構えや志向性と関係しているとのことです。  また、不登校の問題においても、生活保護家庭の一割に不登校が発生しており、この発生は一般家庭の四倍にもなっております。調査によれば、これまでは学校嫌いが原因とされていた不登校ですが、低所得などの生活苦も大きな要因であることが明らかになってきました。  最低賃金が生活保護支給を下回る宮城県では、生活保護は受けていないけれど、保護世帯と変わらない経済状況の貧困家庭も少なくないと思われます。生活保護を受けていない低所得世帯も含めれば、この数字はより深刻なものとなるでしょう。  貧困家庭の児童生徒に対する学習支援は、教育だけではなく、福祉の問題でもあるのです。これからは生活保護世帯の枠を超えた支援が必要ではないでしょうか。  貧困、低所得は、いじめ、不登校、虐待、犯罪などさまざまな社会問題の要因となり、貧困の連鎖へとつながっていきます。この連鎖を断ち切るためには、高校への入学、卒業により、進学、就職の可能性を広げることが必要と考えますが、民間支援団体と協働して生活保護家庭に対する学習支援策を先駆的に講じた埼玉県の例では、一年間で進学率が約一〇%上昇したとの報告がありました。釧路市や横浜市でもNPO法人と連携した新しい公共による取り組みが始まっており、高知市のチャレンジ塾では、その対象を生活保護世帯から広げ、一般家庭にも門戸を開いた取り組みとなっているそうです。  仙台市でも、震災後の被災地支援の一つとして、NPO法人キッズドアによる学習支援、無料公立高校受験対策講座タダゼミが始まっています。震災で困難を抱える中学三年生を支援する取り組みですが、利用する生徒の家庭事情を見ると、生活保護受給世帯の子供が震災の影響による学習困難生徒を上回っているようです。現在の市内一カ所に限られた実施では、通学エリアの問題も考えられます。また、参加条件の事前審査がある制度ですので、希望しても受講できない生徒もいるかもしれません。さらなる拡充が必要と考えますが、いかがでしょうか。  先ほど例に挙げました埼玉県での取り組み、アスポート教育支援員事業によれば、支援を利用する中学生には学力の底抜けが見られ、多くの生徒は小学校三、四年生の学習内容でつまずいているそうです。  教育界には十歳の壁という言葉があります。算数でいえば、少数や分数など概念として数字を捉えることができない、また、計算問題はできても文章問題が解けない。国語でいえば、文章を読み取り、文中の言葉から情景を描くことができないなど、具体的な理解から抽象的な思考へと移行できないといった壁です。まさに小学校三、四年生でつまずいた低学力の子供たちは、この壁を乗り越えることができなかった子供たちなのです。  厚生労働省による平成二十四年七月の生活支援戦略中間まとめで、貧困の連鎖の防止として早期対応を掲げており、この中では、幼年期、学齢期での取り組みの必要性にも言及しています。現在の中学生からとなっている対象学年を下げ、低学年でのつまずきを防ぐことがより有効な学習支援ではないでしょうか。  学都を標榜する仙台市こそ、先駆的に取り組むべき課題と考えますが、市長の見解をお伺いして私の第一問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 6: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのやしろ美香議員の御質問にお答えを申し上げます。  私からは、低学年への学習支援に関するお尋ねにお答えをいたします。  低学年の子供たちの健全育成の支援は、重要な課題と考えてございます。こうした環境が子供たちにもたらすさまざまな問題を克服するためにも、早い段階から学力をしっかりと身につけていく必要があることは言うまでもないことと考えております。  本市の各学校におきましては、標準学力検査の結果等をもとに、児童生徒の学力の定着状況の把握に努めていると承知をいたしております。その上で、子供の家庭環境は、ただいまのお話にもありましたとおりさまざまではございますが、低所得の家庭に限らず、学力が伸び悩む子供たち一人一人に対して、教員が家庭とも連携をしながら、低学年から個別指導等のきめ細かい指導に取り組んでいるものと理解をしております。  したがいまして、基本的には各学校において、低学年でのつまずきを防ぐことも含め、個々の子供たちの状況を踏まえながら、今後ともより丁寧な対応や指導に取り組んでいくことが肝要であると考えてございます。  また、学力を身につけさせていくためには、家庭において幼児期から親が子供としっかりと向き合い、生活習慣を含めさまざまな力をつけていくことも極めて重要でございます。そうしたことなどへの支援の観点から、これまでも本市におきましては、放課後子ども教室学校支援地域本部等の活動を通して、地域で子供たちの育ちを支える事業を推進してまいったところでございます。  今後とも、家庭と地域、学校が一体となり、子供たちの健全な成長を支援する体制をさらに充実させていくことに、私といたしましても教育委員会とともに取り組んでまいりたいと考えております。  私からの回答は以上でございますけれども、残余の質問につきましては、関係の局長等から御答弁を申し上げます。 7: ◯総務企画局長(高橋一典)ツイッター活用への取り組みについての御質問等にお答えいたします。  大規模災害時におけるツイッターなどの活用につきましては、災害、防災情報などを提供する手段を広げるという面で利点がございますが、信頼性の確保された運用を行うためには、人員体制も含めなお課題も多くございますので、引き続き検討してまいりたいと考えております。  また、現在、総務省において、ツイッターなどで一一九番通報ができる態勢の可能性について検討が行われておりますが、発信者の確認方法や通報内容の確認などの課題も指摘されておりまして、その議論の動向を注視しているところでございます。  平常時におけるツイッターなどの活用につきましては、本市では、リサイクルの普及啓発を目的に、若者をターゲットとしたツイッターを運用している事例がございます。こうしたソーシャルメディアには誤った情報が拡散しやすいなどのリスクもあることから、運用のためのガイドラインを定めることとしております。引き続き、その媒体の特性を十分に踏まえた適切な活用に努めてまいりたいと考えております。  次に、情報政策についての御質問でございます。  東日本大震災では、長期間にわたる停電による情報システムの停止や、自治体によってはデータへの被害などが発生したところでございます。  このような状況も踏まえ、昨年八月、今後の本市の情報政策を進める上での基本となります仙台市ICT戦略二〇一一|二〇一五を策定いたしました。ICT戦略では、スマートフォンなどの普及を前提に、市民サービスの充実に向けたICTの利活用の推進を基本方針としております。また、大規模災害時に情報システムやデータの損失防止が期待できるクラウドコンピューティングの利活用なども、検討を進めているところでございます。  今後も、ICTの技術動向を注視し、セキュリティーやコストの観点も踏まえ、災害に強く市民の皆様の安全・安心に寄与するよう、ICT施策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 8: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、心のケアに関する御質問にお答えをいたします。  まず、こころの絆センター利用状況等についてでございます。  こころの絆センターは、本市が自殺対策を総合的に推進する目的で、昨年十一月、精神保健福祉総合センター内に設置いたしたところでございまして、本年八月までの相談実績は二百五十四件となっているところでございます。  また、センターにおきましては、自殺を考えておられる方に早目に気づき、専門相談機関につなげるゲートキーパーを養成するため、市の窓口職員を初め、地域における身近な支援者とる民生委員の方々などを対象に研修を実施しておりますほか、市内事業所にも講師を派遣し、心のケアの普及啓発に取り組んでいるところでございます。  次に、仮設住宅に対する訪問活動状況等についてでございます。  現在、各区の保健福祉センター精神保健福祉総合センターが連携し、被災者の心のケアも含めた健康支援として、訪問活動や相談交流会などを継続的に行っているところでございます。  今後、被災者の住まいや就労などの生活環境の変化により、新たに心のケアや健康支援の必要な方がふえることが予想されますことから、必要に応じてスタッフの増員に努めながら、きめ細かな訪問活動等に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 9: ◯経済局次長(木村智)私からは、商店街や個人商店の状況等についてお答えいたします。  地域の商店街等は、従前から業績悪化や後継者不足等の課題に加えまして、震災による直接被害あるいは風評被害によりまして、経営の面にも影響が出ているというふうに認識しているところでございます。  本市といたしましては、昨年度、商店街による県内産の農畜産物の安全性をPRする取り組みに対し支援を行うとともに、今年度におきましても、販売促進につながる各種イベントに対する助成制度につきまして、補助率あるいは補助限度額といったものを引き上げたところでございます。  今後とも、商店街等が経済復興の重要な担い手であるという認識のもと、地域住民による商店街の利用促進など、新たな取り組みも含めまして引き続き効果的な支援に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 10: ◯消防局長(高橋文雄)防災に係る数点の御質問にお答えいたします。  初めに、エリアメールに代表される緊急速報メールでございますが、携帯電話会社が特定の区域にある携帯電話に緊急情報を送信する緊急速報メールにつきましては、本市では、NTTドコモと連携し、本年八月一日から、津波警報、大津波警報が発表された際の避難指示、避難勧告の情報の提供を開始したところでございます。  また、au、ソフトバンクとも連携し、今月中に同様の情報の配信を開始する予定で準備を進めているところでございます。  今後、これらが津波避難情報の伝達手段の一つとして幅広く市民の皆様に認知していただくよう、各種イベントや防災訓練などのさまざまな機会を捉え、その広報に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、杜の都防災メールの登録者数の推移と広報活動についてでございます。  杜の都防災メールにつきましては、東日本大震災後には登録者が大幅に増加いたしましたが、さらなる利用者増を図るため、ホームページや各種パンフレット地震防災アドバイザーによるPRやチラシ配布などにより、継続的に広報に努めてまいりました。  こうした取り組みなどにより、本年九月一日現在の登録者数は一万一千二百四十四人となっており、昨年同日比では七百三十人の増となっております。  引き続き、より多くの市民の皆様に杜の都防災メールを利用していただけるよう、さまざまな機会や広報媒体等を活用して登録者の増加に努めてまいりたいと考えております。  次に、津波対策等の啓発活動についてお答えを申し上げます。  津波から確実に避難し、命を守るには、安全に逃げることが最も重要と認識しており、避難のあり方や避難に必要な情報を網羅した津波からの避難の手引きを全戸配布するなど、啓発に努めてきたところでございます。  こうした逃げることを確実に定着させていくためには、継続的な取り組みが重要と考えており、今年度におきましては、六月の総合防災訓練では、ヘリコプター、消防車両による避難広報訓練を初め、コミュニティFMによる津波情報の伝達、津波避難ビルでの避難者受け入れの訓練などを実施したところでございます。  また、津波対策を含む減災への活動を促すため、わが家と地域の防災チェック表の配布を初め、地震防災アドバイザーによるテレビ、ラジオでの啓発、さらには、勾当台公園で実施しましたせんだい防災のひろば二〇一二など、さまざまな世代の多くの方々が幅広く防災に関する情報に触れられる機会を設けまして、広く啓発に努めてきたところでございます。  津波からの避難を初めとする減災の啓発、普及は、地道に、そして繰り返し行うことが重要でありますことから、引き続きこうした取り組みを継続するとともに、関係部局と連携して学校などにおける防災教育の推進にも鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  次に、津波情報伝達システムのふぐあいを教訓とする対応についてお答えいたします。  津波情報を伝達するための重要な手段である本システムの音声情報が作動しなかったことにつきましては、市民の皆様の安全に直結する重大な事案であり、おわびを申し上げます。  ふぐあい発生後、緊急に誤操作防止カバーの取りつけ、電源異常を検知するアラーム機能の追加、操作手順や操作体制の見直し、操作パネルが起動しない場合の操作卓からの起動手順の追加など、二重三重の再発防止策を講じました。また、現地で音声情報が確実に流れているか否かを確認できるよう、屋外拡声装置の作動状況を操作卓で逐次確認できる機能の追加などについても検討いたしまして、市民の安全・安心を守るシステムが確実に機能するよう努めてまいりたいと考えております。  その他の市民の安全・安心にかかわる、例えば一一九番通報や出場指令等へ対応する総合防災情報システム、さらには杜の都防災メールなどにつきましては、従来から障害発生時に備えた手動操作訓練や保守体制を確保しておりますが、これら一連のシステムにつきましても、今回の事故を真摯に受けとめ、想定外を想定して、これまでの対応に不備がないか、ハード、ソフト両面から再確認を行いまして、緊張感を持って実効性を確保してまいりたいと存じます。  以上でございます。 11: ◯教育長(青沼一民)私からは、低所得家庭への学習支援に関するお尋ねのうち、無料公立高校受験対策講座の拡充についての御質問にお答えいたします。  本市では、震災後、海外も含む数多くの団体、個人から学校や児童生徒に対する支援をいただいております。議員御指摘の事例につきましては、幾つかのNPO法人から震災等により困難を抱える子供たちへの学習支援を行いたいとのお話があり、取り組んでいただいているものでございます。  教育局といたしましては、各学校への募集案内の配付、会場の確保などの協力を行ってきたところでございます。こうしたNPOの活動がさらに広がりますよう、今後とも必要な支援に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 12: ◯二番(やしろ美香津波情報伝達システムの答弁について再質問をさせていただきます。  私は、津波情報伝達システムに限らず、市民の安心・安全を守るシステムとお伺いしております。これは消防局長からの御答弁でしたが、市長は市民の安心・安全を守るのは消防の仕事であるとお考えでしょうか。さきの代表質疑でも先輩議員がこの問題に触れておられますが、市長からの御答弁は一度もございませんでした。  私は、これは全庁挙げて取り組むべき課題と考えております。全職員が常に意識として持つべきものだと思っております。もし市長が市民の安心・安全にかかわる問題は消防局の問題であると考えておられるのであれば、これこそフェイルセーフの意識が欠けておられるのではないでしょうか。  仙台の総責任者として、市長の安心・安全にかかわる御見解についてもう一度伺わせてください。 13: ◯市長(奥山恵美子)お尋ねの安全・安心にかかわる全庁的な取り組みということでございます。  市民の皆様の安全・安心を確保していくことは、仙台市として大きな基本的な責務でございまして、これは一つ消防局のみにかかわるものではなく、全庁がそれぞれの部局で対応すべき側面があるということは議員の御指摘のとおりでございます。  私もかねてからそのことにつきましてはそのように理解をいたしておるものでありまして、例えば教育局は安全に関する防災教育という側面を担っておりますし、また、区役所は、現地においてそれぞれの地域団体がどのように安全・安心を確保していくかということについて、具体の御相談をするというような役割を果たしているところでございます。  この間の事故に関しまして、システム的な課題がありました面も含めまして、消防局を中心にお答えをしたというのがこのたびの状況でございまして、私の認識としては、仙台市のそれぞれの部局がしっかりと自分の持ち場を守りながら、市民の皆様の安全を総体として深めていく、こういう考えであることを申し述べたいと存じます。 14: ◯議長(佐藤正昭)次に、小野寺健君に発言を許します。     〔十四番 小野寺健登壇〕(拍手) 15: ◯十四番(小野寺健)市民フォーラム仙台、小野寺健です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をいたします。  初めに、地域主権改革関連法に関連してローカルルールについてお伺いいたします。  平成二十二年十二月、地域主権戦略大綱が閣議決定されました。この理念にもあるように、明治以来の中央集権体質から脱却し、国と地方が上下の関係から対等の関係へ転換していく根本的な動きが始まったわけでありますが、この大綱を踏まえ具体的に進める法律が施行されました。地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係の法律の整備に関する法律、通称、第一次一括法、第二次一括法と呼ばれるもので、この法律の趣旨概要は、地域主権改革一括法により、義務づけ、枠づけの見直しが行われ、法令上の各種基準について政省令から条例へという考え方をもとに、地域の実情に応じて地方公共団体が条例で定められるような仕組みをつくられました。とはいえ、最低でも政省令を参考にして決めなければならず、全くのフリーハンドというわけではありませんが、地域が独自の工夫を凝らして自治事務の基準をつくり変えることができることになります。  そこで伺いますが、今回の法律の施行によって仙台市の条例制定権が拡大された法律や事務は何件あり、各局はどのように取り組んでおられるのか、その進捗を簡潔にお示しください。
     地域主権改革関連法は、全国一律だった公共施設の整備、運営の方法について自治体の裁量を広げる内容になっていて、児童福祉施設や地方道の整備に関する基準のほか、公営住宅の入居資格などの設定が一定の範囲で自治体の条例に委ねられ、地域の実情に合わせた工夫が求められています。  例えば佐賀県は、乳児の入所する保育所に対し看護師か保健師を置くよう努力義務を課す児童福祉法施行条例を策定し、九州各県の中で共働き家庭の割合が最も多いといった地域特性を踏まえて、保護者が安心して乳児を預けることのできる環境を整えることを狙いにし、京都市では、保育士の配置基準を国より手厚くして、国の基準では、一歳児については六人に一人、三歳児は二十人に一人の割合で保育士を置くことになっているのに対し、京都市は、一歳児、五人に一人、三歳児、十五人に一人といったぐあいに配置基準を上乗せすることにしています。  一方、地方道の構造についても国の基準を参考に各自治体独自に条例を定めることができるようになり、これを受け、自動車保有台数が全国トップの愛知県は、交通事故による死者数がワースト一位、渋滞も深刻で、このため条例には交差点の直進車線の幅員を縮小することのできる規定などを織り込んでいます。  このローカルルールについて内閣府地域主権戦略室は、国の基準をそのまま写すのではなく、地域の実情をよく考えた上で、さまざまなパターンの独自基準がふえることを期待しているようです。  期限は来年三月までと余り時間はありませんし、対象となるものに対して全て独自性を発揮することは難しいでしょうが、仙台市のカラーを打ち出せるものに対しては積極的に取り組み、奥山カラーを出していくいい機会だと思いますが、奥山市長に所見を伺います。  次に、仙台版ふるさと納税と言える杜の都・仙台絆寄付について伺ってまいります。  私は、平成二十年の第四回定例会にふるさと納税について質問いたしました。そのときの答弁はどちらかというと消極的な答弁でありました。しかしながら、現況を取り巻く状況は、昨年の大震災を境に大きく変化をし、今回の制度が構築されたことは歓迎いたしております。  そこでまず伺いますが、現在までどの程度の件数、金額が寄せられたのかお示しください。  また、この制度に寄附をするとどのように仙台市の施策に反映されるのか、また寄附者のメリットは何かお示しください。  山形県のふるさと納税の収納状況は、東日本大震災後の復興や避難者支援事業への活用を希望する新規寄附者が増加し、平成二十三年度は、前年度の約二倍、過去最高額となる百十八件、五百六十三万三千八百円を記録。二十四年度は、昨年度に比べると少ないものの、例年以上の収納額で推移しているそうです。また、山形県は、今後も継続して寄附をしていただけるよう、首都圏キャンペーンの折や訪れた観光客を対象に、リーフレットをつくり呼びかけているようです。  東日本大震災から一年半、報道もされなくなり、国民の意識も希薄になりつつある現在、イベントなど事あるたびに呼びかけることも必要だと思います。この制度は本市のシティーセールスとも関連する施策です。現況、仙台市のホームページにおいて右側にバナーがありますが、目立たない状況です。PRについてぜひとも工夫していただきたいと思います。所見を伺います。  この杜の都・仙台絆寄付が仙台市民以外の方々を対象としているものですが、一方で仙台市民を対象とした寄附制度の構築も必要だと思います。  他都市においては、相模原市で、ふるさと納税を活用した新たな寄附金制度、暮らし潤いさがみはら寄附金制度を創設しています。これまで市に対する寄附については社会福祉等既存の基金で受け入れを行ってきましたが、寄附の趣旨によっては既存の基金での対応が難しいものもあったそうで、今回創設された寄附制度は主に市民を対象に市政参加の手段として位置づけていることが特徴となります。  相模原市の新制度は、ふるさと納税制度を活用しているため上限はあるものの、寄附金額の二千円を超える部分については、国や在住の都道府県、市町村の税金から控除されることから、税金の一部について使い道を自分で指定するのと同様の効果があります。制度発足初年度である今年度は、一千万円の収入を目標としているそうです。  ふるさと納税は、国民がすぐれた施策を打ち出している自治体を、応援したいという思いを託すことのできる制度ですが、仙台市においても、その利活用について大いに検討し、積極的に取り組むべきではないでしょうか。所見を伺います。  次に、鬱病の現状と課題、また、関連して東日本大震災以降の仙台市職員の精神疾患による休職者対策について、伺ってまいります。  現在、日本で通院している、鬱病、躁鬱病の患者数は百万人を超えたと言われています。また、鬱病といっても、その背景には産後の鬱、児童期、思春期の鬱、高齢期の鬱など、さまざまな要因があり、非常に強い苦痛を伴い、仕事や家事、学業などに深刻な影響が出るということだけではなく、家族や周囲の人々も心を痛めるということになります。また、繰り返し発症しやすいという特徴があります。その上、我が国では平成十年から十四年連続で自殺者が年間三万人を超える事態となっていますが、その背景には、程度の差こそあれ、鬱病が存在していると考えられます。  先般、厚生労働省は、これまでのがん、心臓疾患、脳血管疾患、糖尿病の四大疾患に精神疾患を加え、五大疾患としました。そして、この精神疾患はほかの四つの患者数を上回るとの見解を示しています。  精神疾患の中には、鬱病もあれば、パニック障害、適応障害などさまざまな疾患が含まれています。その中で鬱病の占める割合は極めて高く、鬱病対策は大きな社会問題と言わざるを得ません。  鬱病は心の風邪と言われることから、病気であるものの、心の持ちようであるとか、怠けていると見られることも多くあります。誰もが患者になり得る可能性があると言われています。鬱病を正しく理解し、正しく治療に結びつけることが大切であると考えます。  鬱病の治療には、薬物治療、精神治療、休養、環境調整の四つの要素が不可欠と言われています。鬱病の場合も、鬱病の前段階である鬱状態のうちに正しくケアすることが必要となってきます。早期発見、早期治療が有効であることは他の疾患と同じであります。そうならないように日々の日常の生活の中で予防していくことが大切なことはもちろんでございますが、心理的に最適な予防策は、自分のことを知るということでもあります。  そこで伺いますが、市民の鬱病の状況について、当局は、どのように認識されているのでしょうか。特に東日本大震災以降、患者数はふえていると伺っていますが、当局は、どのように認識しているのか。鬱病は社会全体で対応しなければならない課題ですが、今後、市は、どのように対応していくのか、伺ってまいります。  関連して、市職員の休職者数について、伺います。  東日本大震災以降、精神疾患が理由で業務につけていない職員は、どの程度いるのでしょうか。また、それは東日本大震災以前と以降では、どのような変化があるのか。また、休職されている職員には、どのようなフォローをしているのか。あわせて、休職者を出さないために、どのような対策を講じているのか伺います。  次に、子ども・子育て支援法に関連して伺ってまいります。  この法律は先月公布されたわけですが、まず、この法律が制定されることによる仙台市に対する影響について、お示しください。  この法律の内容は、子ども・子育て支援給付、地域子ども・子育て支援事業、子ども・子育て支援事業計画、費用、子ども・子育て会議などで構成されていますが、私が注目しているのは、市町村及び都道府県は、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況を調査、審議するための審議会、その他の合議制の機関を置くよう努めるものとするという条文が入っていることです。  この機関について、仙台市においては、どのようなスケジュールで設置に向けて動いているのか、お示しいただきたいと思います。  あわせて、認定こども園について、伺ってまいります。  認定こども園制度は平成十八年から始まった制度ですけれども、幼稚園、保育園等のうち、就学前の子供に幼児教育、保育を提供する機能、また、地域における子育て支援を行う機能を備え、認定基準を満たす施設は都道府県知事から認定こども園の認定を受けることになります。  平成二十四年四月一日現在、全国で九百十一件の認定件数があるように伺っていますが、現況、仙台市、近隣自治体の幼稚園、保育園の認定の動向は、どのような状態なのか、現況と今後の見通しについて、お示しください。  現状、認定こども園の認定が進んでいないとすれば、その理由は何か、仙台市として改善策として、どのようなアプローチが考えられるのか、あわせて伺います。  次に、ことし三月に行われた予算等審査特別委員会において質問いたしました待機児童対策について、伺ってまいります。  私は特別委員会で、全庁を挙げて取り組んでいるとのことだけれど、実を上げていないのではないかと指摘しました。そのときの子供未来局の答弁では、新年度より、幼稚園預かり保育の拡充を行うことや、今後とも幼稚園設置者に対し、未満児保育に参入することの意義と必要性について説明を重ねること、共同型保育ママの推進や、せんだい保育室に対して、新システムの小規模保育施設としての指定基準を満たすための準備などを働きかけるなどの答弁がありました。あれから六カ月たちますが、現在の進捗状況について、まず、伺います。  ことしももう少したつと、平成二十五年四月一日付の入所について第一次選考が始まります。毎年同じように募集し、選考するだけでは、待機児童は減りません。これまでの議会での質疑を踏まえ、当局におかれては、待機児童ゼロを目指し、施策に取り組んでおられると思いますけれども、現況、どのような取り組みをされているのか、また取り組みを考えておられるのか、伺ってまいりたいと思います。  予算等審査特別委員会では、認可保育所の定員増、家庭保育福祉員の増についても触れられておられましたけれども、どのようになっておられるのでしょうか、お答えください。  昨年は、第一次選考に漏れた児童数は、千二百五十二名でありました。区別の状況につきましては、青葉区が四百一名、宮城野区が百九十一名、若林区が六十四名、太白区が二百十九名、泉区が百四十二名、ゼロ歳児が八十六名、一歳児が四百四十二名、二歳児が百九十二名、三歳児が二百名、四歳児が七十三名、五歳児が二十四名ということでした。  データがあるのですから、取り組みの仕方があると思います。待機児童ゼロは認可保育所の活用だけでは実現しません。せんだい保育室の活用が欠かせない要件となってきます。認可保育所の申し込み時に、せんだい保育室の優位性をPRしたり、事前に保護者に大変厳しい旨を認識していただき、希望する保育園の地域に幅を持たせていくなど、あらゆる手段をとっていくことが必要だと思いますけれども、このことを含め、子供未来局長に、待機児童ゼロになるための決意を伺ってまいりたいと思います。  次に、小学校の外国語活動について、伺ってまいります。  私も過去に何度か質問しておりますが、昨年、全国にある全ての公立小学校で英語活動、外国語活動が一斉にスタートしました。今のところ、年間三十五時間の授業数を確保されているのは高学年のみで、五年生と六年生に外国語活動の時間があります。  まず、スタートから一年、現況の評価、課題認識を教育局に伺います。  英語活動を教える先生は、担任の先生が指導することを基本としています。しかし、英語指導にふなれな小学校の先生が多いため、強力な助っ人として、仙台市においてはALT、外国語指導助手という外国人が授業に参加しています。教える先生方がどのような研修を受け、そして授業に取り組んでおられるのか。現況、小学校の先生は常に授業の準備やみずからのスキルアップのため御苦労されているという声を聞きます。  私は、地域に住む英語堪能な人材、PTA等から、英語のボランティア講師、プロの児童英語教師など、小学校の英語教育に貢献したいという人々が多くいると認識しています。この方々との連携を積極的に行っていくべきではないでしょうか。  また、小学校の外国語活動については、いわゆる英語のテストがありませんから評価は義務ではありません。しかしながら、成果をはかるために、学習態度、積極的な姿勢、リスニング能力、コミュニケーション能力など、何かしら評価らしきデータも測定されていると聞いています。  小学校の外国語活動の基本的な目的は、コミュニケーション能力の育成となっていますので、四技能の英語力だけを評価するということではありませんけれども、児童英検や英検などの外部テストを利用して能力を定期的にはかって、子供たちに目標をつくるという流れを構築していってもよいのではないでしょうか。あわせて伺います。  先日、文部科学省が、この小学校外国語活動を低学年にまで広げることを発表しました。このことについて、現段階においてつかんでいる情報、また教育局の所感を伺います。  私は、英語を学習すること自体は賛成ですが、それと同時に、子供たちが日本という国はどういう国か、世界の中の日本はどういう国かということを認識するための教育を同時に行うことが必要だと考えます。  そこで伺いますが、現状、小学校外国語活動には副読本が何種類かあることは承知していますが、現行、どのような副読本を採用しているのか。場合によっては、あわせて日本国のすばらしい文化の認識を深めるような副読本を仙台市において作成、採用するべきだと考えますがいかがでしょうか、伺います。  続いて、小中一貫教育について、伺ってまいります。  先般、文部科学省の諮問機関の中央教育審議会は、小学校と中学校の一貫教育の制度化に向けた検討に乗り出しました。中学校に進学すると、小学校と比べて学校が楽しいと感じる生徒が減少するなど、学習や学校生活に適応できない子供がふえていることを踏まえ、小中間の連携を強化する必要があると判断されたもののようです。  小中一貫教育をめぐっては、教育振興基本計画などで制度化の検討をされておりますけれども、これまでも自治体などが学習指導要領によらない教育課程を編成できる特例制度を活用して、平成二十三年現在、八百十二校で先行的な取り組みを実施していると聞いています。先行事例では、同じ敷地内で小中九年間を過ごす一体型や、隣接する小中の敷地間を教員や児童生徒が移動する連携型といった、さまざまな一貫教育の形態があるとも聞いています。  学力の問題や暴力行為の加害児童生徒数、いじめの認知件数などが、いわゆる中一ギャップの問題があり中一段階で急増することも、小中一貫教育制度を検討する背景にあるようですけれども、仙台市においては、どのような対応をされていくのか。仙台市の課題でもある、郊外の団地の児童生徒数の減少が深刻化していて、解決が待ったなしになっている学校適正化規模問題においても有効な施策の一つで、具体に検討するべきだと思いますが、教育長の所見を伺います。  あわせて、仙台市には中高一貫校で平成二十一年に開校した、仙台青陵中等教育学校があります。期待され開校され三年経過し、実績も課題も見えてきたところだと思います。現状認識について、伺います。  最後に、先月発表された二〇一二厚生労働白書に関連して、伺います。  白書では、今の高齢者だけがやたら恵まれていて、現役世代は不幸だとは一概に言えない。経済成長率が高く、高齢化のスピードが速かったのであるから、日本の公的年金制度における世代間格差は他国と比べて大きくなることはやむを得ないと明記されています。  はっきり言ってあきれました。これが国の厚生労働省の認識なのかと。随分現役世代に厳しく、人ごとのように突き放してはいないでしょうか。多くの若い方々が、年金など社会保障制度の不透明さや、不安定な雇用の広がりによって将来への不安を抱えている状態なのに、当事者である国が、このみずからの責任を棚に上げて、現役世代に向け無責任ではないでしょうか。  今や労働者の三分の一が非正規労働者。今春の大卒者も、二二・九%、十二万八千人余りが安定的な雇用につけていない状態です。昔の、企業が国にかわって正社員を支え、社会保障の出番は晩年のみという社会は遠く、現役世代への早目の支援は喫緊の課題でございます。就労、子育て支援の思い切った拡充がなければ、若者が希望を持てる社会は取り戻せない状態にあります。  仙台市に目を向ければ、点数では、百点満点中、及第点を上げることができる状態でないかなと私は思っています。就労の機会としては、通販サイト、アマゾンのコールセンターなどの誘致を行い、企業誘致を行い、児童クラブの制度拡充などに取り組んできた仙台市です。  そこで伺いますが、残任期間一年を切りました奥山市長に改めて就労、子育て支援の拡充について意気込みを伺い、第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 16: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの小野寺健議員の御質問にお答えを申し上げます。  就労と子育て支援の拡充に関してのお尋ねでございます。  仙台は長らく、学都や商都として、若い方々が学び、集うまちとして発展を続けてまいりました。少子高齢化が急速に進展する中、都市としての活力をいかに獲得し、これを維持していくか、この大きなテーマを考えましたとき、若い力でにぎわうまちという、この仙台の都市個性に磨きをかけ、定住促進を図ってまいりますことが重要であると認識をするものでございます。  そのためには、まず就労の場があること、そして、安心して子供を産み、育てることのできる環境が充実していること、この二つの点が大きなポイントと考え、市長就任以来、これらの施策に力を注ぎ、これまでに、コールセンターなどの都市型産業の誘致により、二千五百人を超える雇用を創出しましたほか、また、認可保育所につきましても千六百人以上の定員の拡充を果たすなど、積極的に取り組んでまいったところでございます。  今後、学都や商都としての都市の強みを生かしながら、さらなる雇用の拡大に努めてまいりますとともに、さまざまな就労の場への女性の方々の社会進出が図られますよう、児童館の整備など、子育て環境の一層の充実にも努めまして、若い世代が集い、光輝くまちとしての仙台の発展へとつなげてまいる所存でございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 17: ◯総務企画局長(高橋一典)総務企画局にかかわります御質問にお答え申し上げます。  まず、地域主権改革一括法に関する御質問でございます。  この法律の施行により、これまで国の法令で定めていた施設の設置基準などについて、自治体が条例で定めることとされており、一部については、国の基準を参考に独自の定めをすることが可能となっております。  本市では、二十の法律が該当し、三十近くの条例の新設や改正が必要であります。既に九件の条例改正を行っておりますが、このうち水道事業給水条例の水道技術管理者に係る資格基準について、本市独自の設定を行ったところでございます。  来年三月の期限までに、必要な条例の新設及び改正を行ってまいりますが、一部の福祉施設につきましては、サービス水準の向上を目的にこれまで本市独自の基準で運用してきたものがございまして、これらを条例に盛り込むべく、現在、検討を進めているところでございます。  次に、市職員の休職者についてでございます。  市長部局におきまして、精神疾患により一カ月以上病気休暇及び休職により休業した職員は、平成二十二年度は七十六名、平成二十三年度は九十九名であり、震災後は震災前より三割程度増加しております。  次に、休業中の職員へのフォローでありますが、心の健康相談室の相談員が療養中から本人と連絡をとり、病状の確認や復職に対する不安へのアドバイスなどを行っております。復職に向けては、産業医や相談員が面談しながら病状に応じて支援を行い、勤務する時間を半日勤務から通常勤務時間の八時間まで段階的にふやしていく、いわゆるならし勤務や、心の健康相談室に通所しながら復帰訓練を行うリワーク研修などを行い、職場復帰につなげております。  また、復職後も定期面談を行い、再発防止に努めております。  最後に、休職者を出さないための対策でございます。  本人や周りの職員が早期に不調に気づき、適切なカウンセリングや治療を受けることが重要でありますことから、チェックシートによる自己チェックや、過重労働の保健指導などにより不調者の早期把握に努め、専門の産業医や相談員によるメンタルヘルス相談につないでおります。  また、管理職向けや一般職員向けのメンタルヘルス講習会の開催、庁内ホームページなどによる予防啓発を行っているところでございます。  今後とも、早期把握よる予防と、休業者の早期復帰に向けての支援に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 18: ◯財政局長(佐藤清)杜の都・仙台絆寄付についての御質問にお答え申し上げます。  仙台絆寄付に寄せられた寄附金のうち、税控除のメリットがある、ふるさと納税の対象となる個人の方からの収入実績につきましては、平成二十二年度は二百六十二件、五千百万円、平成二十三年度は千十一件、一億四百万円となっており、震災発生以降、本市の復興支援のため、仙台市民の方を含め、多くの方々から心温まる寄附を頂戴しております。  寄附金の受領後は、感謝の意を込めましたお礼状をお送りしており、その使途を明確化するため、震災復興基金に積み立てた上で、寄附者の方々が選択した分野の復興事業に充当することとしております。  次に、仙台絆寄付のPR等についてでございます。  本市では、平成二十年度のふるさと納税制度の創設にあわせ、ふるさと仙台まちづくり寄付として、ゆかりの方々などへの御案内などを行ってきたところであり、震災発生後は、震災復興を応援する杜の都・仙台絆寄付とし、ふるさと納税制度を活用した税制上の優遇措置も含め、ホームページやパンフレットなどによるPRに努めてきております。  寄附金は、今後の復興事業の貴重な財源となるものであり、他団体の事例も参考にしつつ、御支援いただいた皆様に寄附金の使い道などについて、具体的でわかりやすくお伝えするなど、さらなる活用やホームページでの掲載などPRの方策について、検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 19: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、市民の鬱病に関する御質問にお答えをいたします。  まず、鬱病に対する認識についてでございますが、精神疾患、特に鬱病の症状を呈した後に自殺に至る割合が高いと言われておりますことから、鬱病に対する正しい理解とその予防、そして早期発見、早期治療が重要であると考えております。  次に、震災後の状況についてでございますが、東北大学が昨年九月と本年二月に実施いたしました被災者の健康調査の結果によりますと、睡眠障害や心の健康状態につきましては、全般的に改善傾向にあるものの、一方で悪化している事例も見受けられるということから、いわゆる二極化の様相を呈しておりまして、引き続き、幅広い啓発が必要であると報告されているところでございます。  こうしたことから、本市は現在、震災後の心のケア行動計画の策定を進めているところであり、今後とも、心のケアを含めた健康相談を進める中で、鬱病に対する啓発活動はもとより、鬱病の手前のいわゆる抑鬱状態にある方々の相談支援の充実にも努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 20: ◯子供未来局長(西城正美)子ども・子育て支援法に関連しての御質問にお答えいたします。  初めに、本市への影響についてでございます。  主なものといたしましては、新たな制度では、これまで別々の体系で運営されておりました保育所、幼稚園、認定こども園に対しまして、施設型給付という共通の制度が創設され、また、家庭保育福祉員や小規模の保育施設につきましては、地域型保育給付という制度が創設されることになりまして、これらの給付の対象となります利用者の認定や所得に応じた給付などを行うこととなります。  地方自治体におきましては、これらのサービス量の見込みや提供体制の確保等を含めた事業計画を策定すること、新たな給付に係る認定等の仕組みを構築することなどが必要となってまいります。  また、幼保連携型認定こども園の認可権限が、都道府県から指定都市等に移管されることとなっておりまして、これらに対応していくことも求められております。  続きまして、子ども・子育て支援法に規定されております、審議会、その他合議制の機関の設置についてでございます。  子ども・子育て支援事業計画の策定の際には、審議会の意見を聞くことが求められておりまして、本市といたしましては、来年度の早い段階で設置してまいりたいと考えております。
     次に、認定こども園についてでございます。  認定こども園の認定件数は、本年四月現在、宮城県内で十件、うち本市内では一件となってございます。全国的にも目標件数の半分以下にとどまっておりまして、これは、幼稚園と保育所の所管省庁の違いによる手続の煩雑さ、子育て支援事業の負担、こういったものがございますほか、国による特段の財政措置がなかったこともあり、普及が進んでいないものと認識しております。  本市といたしましては、今年度より実施しております、私立幼稚園による三歳未満児専用保育所の整備にあわせまして、認定こども園の認定を進めているところでございます。  なお、今般の制度改正においては、所管省庁の一元化が図られることとされております。また、国からは、認定こども園制度を改善し、その普及を促進する方向性が示されておりますことから、今後の国の具体の制度設計を見ながら対応してまいりたいと考えております。  続きまして、待機児童対策についてでございます。  まず、今年度の進捗状況についてでございますが、認可保育所につきましては、新たな保育所の創設、既存保育所の定員増、さらに、三歳未満児に係る取り組みといたしまして、幼稚園設置者による未満児保育所一カ所の整備を行うことによりまして、合わせて二百六十人の定員を確保することとしております。また、幼稚園の預かり保育につきましても、新たな制度の実施園の拡大を進めておるところでございます。  家庭保育福祉員、いわゆる保育ママにつきましては、個人型二名を増員いたしますとともに、さらに、共同型という新たな形態で本年四月から一組が保育を開始してございます。  なお、せんだい保育室の小規模保育施設への移行につきましては、新制度における基準等を踏まえ必要な支援策を検討してまいる考えでございます。  最後に、今後の取り組み等についてでございます。  今後の取り組みにおきましては、本市の待機児童の年齢別あるいは地域別の実態を十分に踏まえて、対策を講じていくことが重要であると認識しております。このようなことから、特に三歳未満児につきましては、未満児専用保育所の整備、せんだい保育室の小規模保育施設への移行の促進、そして共同型の家庭保育福祉員の推進などを図ってまいる考えでございます。  このようなハード面での対策を進めながら、あわせまして、幼稚園やせんだい保育室の特徴などを適切に保護者の方々に情報提供することで、その選択肢を広げていただくことも重要であると認識しております。  今後、情報提供、相談、調整といった、いわゆるソフト面での対応にさらに力を入れることで、対策の実効をより一層高め、待機児童の解消に向けた取り組みを確実に前進させてまいりたいと考えております。  以上でございます。 21: ◯教育長(青沼一民)私からは、教育に関する数点のお尋ねのうち、まず小学校の外国語活動についてお答えいたします。  本市におきましては、平成二十三年度から小学校における外国語活動を実施する三年前より、モデル校による英語ノート試作版を用いた外国語活動の研究にいち早く取り組むなど、完全実施に向けた準備を進めてきたところでございます。  また、実施後の外国語活動につきましては、御指摘のとおり、外国語指導助手でありますALTを積極的に活用することなどによりまして、おおむねスムーズに実施されてきているものと評価しております。  一方、課題といたしましては、小学校で二年間、外国語活動に取り組んだ児童が、来年四月に初めて中学校に進学することとなりますことから、小学校での成果を生かせるよう、円滑な接続を図っていくことが重要になると考えておりまして、小中連携の一層の推進に努めているところでございます。  次に、教職員の研修等についてでございますが、ALTを講師とした外国語活動講座などを開催しておりまして、今年度は、年間十四回の開催を予定しております。その内容は、英語を使ったゲームや歌の実技などのほか、ジェスチャーを交えた表現指導、デジタル教材の活用法などでございます。  また、各小学校においても、全教員で模擬授業を行ったり、あるいは教材を作成したりするなどして、高学年担任だけではなく、全教員が指導できるように研修に取り組んでいるところでございます。  こうした研修を通しまして、例えば、担任が英語を使って日常的なコミュニケーションの場面を演じて見せることにより、児童が自然に外国語活動に取り組むことができたといった成果が上げられております。  次に、地域やPTAの方々との連携についてでございます。  本市では、市内小学校五、六年生の全学級で年間十時間程度、ALTを活用することを基本として対応しているところでございます。  もとより、さまざまな教育活動に地域やPTAの方々の御協力をいただけることは、大変意義のあることと考えております。  したがいまして、今後、外国語活動におけるボランティアなどの人材の活用につきましても、地域の皆様との連携の推進に努めてまいりたいと存じております。  次に、外部テストを利用した能力の測定についてでございます。  外国語活動の狙いは、コミュニケーション能力の素地を養うことであり、技能そのものの習得は目標とされていないことから、テストなどによる数値的な評価は行わないこととなっております。しかしながら、外国語活動の効果や成果を的確に把握する評価のあり方については、今後さらに研究していく必要があるものと考えております。  また、中学校や高等学校では、英語検定などに取り組んでいる生徒も多数見られるところであり、そのような自主的な取り組みは推進されるべきものと考えられます。小学校につきましては、外国語活動実施後の状況なども踏まえました上で、外部テストの利用について、今後、見きわめていく必要があるものと存じます。  次に、小学校低学年からの英語活動必修化についての御質問でございますが、これは、先日公表の、文部科学省平成二十五年度予算の概算要求の中の、将来的な外国語教育のあり方に関する調査研究事業において、小学校低中学年からの外国語教育の実施や授業時間数の増加など、実践校での調査研究に要する予算が計上されております。  この事業につきましては、グローバル社会における人材育成の基礎となる英語コミュニケーション能力の強化を図ろうという視点に立ったものと認識しており、本市といたしましも、今後、その動向を注視してまいりたいと思います。  次に、外国語活動で活用する副読本についてでございますが、本市の全ての小学校において、文部科学省より配付の「ハイ・フレンズ」を活用しており、活動に応じて英語の絵本の読み聞かせなどを取り入れている学校もございます。  この副読本では、例えば、日本の行事と関連させて、暦の言いあらわし方が示されるなど、児童が外国語に触れながら日本の文化を意識することができる構成になっております。  また、本市では各教科、領域ごとに年間指導計画、例えば、スタンダードカリキュラムを作成しております。その中で外国語活動につきましては、各単元の中で仙台市の伝統行事やお祭を題材に取り上げた活動例も紹介しておりまして、各学校でこれを活用した取り組みもされているところでございます。  続きまして、小中一貫教育についてのお尋ねでございます。  小中一貫教育は、小学校と中学校を九年制の一つの学校とした上で教育を行うものであり、また、小中連携教育は、同じ地域にある小中学校が課題を共有しながら、九年間の義務教育を通じて、系統的な教育活動に取り組むものであると認識しております。  子供たちが小学校から中学校の生活にスムーズに移行することができるよう、小中学校間の連携を強化することは極めて重要であり、小中一貫教育の導入は有意義な手法の一つであると認識しております。  しかし、小学校は学級担任制、中学校は教科担任制をとっているという校種間の違いによるさまざまな課題、例えば、教員免許や教育配置などの克服するべき課題がございますことから、本市における導入につきましては現時点においては難しい面があると考えております。  現在、本市におきましては、地域と家庭と学校とが共有する九年間で育む子供像をもとに、小中学校がそれぞれの特徴を生かしながら、家庭、地域と連携して、教育活動に取り組む小中連携教育を進めているところでございます。特に昨年度からは中学校区・学びの連携モデル事業を開始し、議員御指摘の中一ギャップなどの解消も目的とした、中一ソフトランディングプログラムや、九年間を通した自分づくり教育、学校支援地域本部の活動などを工夫しながら、総合的な小中連携に取り組んでいるところでございます。  今後は、このモデル事業の成果を全市的に広げ、将来的には市内全ての中学校区において、仙台型の小中連携教育を実現してまいりたいと考えております。  最後に、仙台青陵中等教育学校の現状と課題についてのお尋ねでございます。  開校から四年目を迎えた本校におきましては、六年間一貫して体系的な教育ができるという中等教育学校のメリットを生かし、計画的、継続的な教育課程を展開することで、人格形成と学力の向上の両立を図っているところでございます。  また、ことばと論理などの学校独自の科目の実施や、農村での宿泊体験、研修旅行での外国人留学生との交流など、豊かな人間性の育成を目指した活動にも取り組んでいるところでございます。  課題としましては、六年間というスパンの中で、将来への目的意識を高め、持続させること、あるいは人間関係の固定化により生ずる、さまざまな問題を未然に防いでいくことなどが挙げられます。  今後はさらに、首都圏の大学、企業訪問などを通じまして、学習意欲の高揚を図ることや、前期課程と後期課程の生徒が交流する機会をふやすことによって、生徒全員が助け合い、学び合う学校づくりを進め、本市唯一の中等教育学校として、開校の理念の実現に向け、より一層の教育活動の充実に努めてまいりたいというふうに存じております。  以上でございます。 22: ◯議長(佐藤正昭)次に、岡部恒司君に発言を許します。     〔四十番 岡部恒司登壇〕(拍手) 23: ◯四十番(岡部恒司)議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。  第一回定例会において、公共工事における入札不調問題を取り上げましたが、今回は、これからの復興事業の足かせになりかねない、より深刻な問題について取り上げたいと思います。資材不足、技術者不足についてであります。  先日、生コン不足対策急務の見出しで地元紙にも記事が掲載されましたが、現状はもっと切迫した状況になっているとのことであります。気仙沼の例を挙げると、港に注ぐ河川の管理が国、県、市にまたがっていて、三者の協議がなかなか進まないことが工事の遅れにつながっているそうですが、生コンが一週間に一回から二回しか供給されず、今までに発注された事業の一、二割しか進捗していない現状で、今後、本格的な工事発注がなされると、さらに供給不足が深刻な事態になりかねないとのことであります。  これは対岸の火事ではありません。沿岸部からの集団移転や、丘陵部宅地の本格的な復旧・復興に向けた大型発注が一斉になされると、同じ現象が仙台でも起こることは明白であります。  そこでまずお伺いしますが、これまでに仙台市が発注した工事における現状と今後の見通しについて、当局の認識をお示しください。  そもそも工事の遅れの最大の原因は、生コン業者にセメントはあるが、砂、石などの骨材が供給されないことにあります。生産量に対して復興需要がはるかに多いので供給が追いつかず、これによって価格も高騰します。県外から骨材を運搬するにも、遠距離を一日に運搬できる回数は限られます。ダンプも足りませんので、ダンプの運賃がはね上がります。船で運搬しようにも、そもそも港が被災し、復旧工事の最中ですから、使えるバースに限りがあるといった状況です。  資材不足は工期の延長にもつながり、当然、人件費の高騰を招きます。鉄筋工や型枠工などの職人不足も深刻です。全国にはたくさんの職人がいるのですが、東京も建築需要がかなり高く、西日本の職人が全て賃金の高い東京でストップして、こちらには流れてこない状況です。  資材不足や職人、技術者の不足は、工事の中断に追い込まれ、その後、工期に間に合わせるために安全管理がおろそかになり、工事現場の事故を招くという結果にもなっています。以上のような状況について、当局の現状認識をお聞かせください。  資材や職人等といった工事の条件が整わないうちに、国、県、市の公共工事が次々発注される現状にあります。予算がついたものは年度内に消化しなければならないという会計制度も、現状の発注課題の状況に拍車をかけています。このままいけば、発注ばかり無計画に出されて、現場のほうが追いつかず、結局、国も県も市も、年度内に工事が進捗しないという結果になりかねません。これでは、五年、十年といった市や県の復興計画の期間中に事業を完成させることもおぼつかなくなってきます。  そこで提案ですが、国と県と市町村が事業調整をし、受注者側の工事の体制が整ってから、発注者間で、計画的に発注するような仕組みづくりが必要ではないかと思うのですがいかがでしょうか、伺います。  そもそも、着工できなかったら予算を返さなければならないという会計の仕組みも、無理な工期設定につながり、入札の不調、不落を生む原因ともなっております。平時においては、このような仕組みでも進むのでしょうが、震災の復旧・復興事業という緊急事態には、平時の会計制度は通用しないのではないでしょうか。  被災地における、復旧・復興事業をスムーズに進捗させるためには、資材不足、技術者不足解消のための環境整備と、国を含めた役所全体の予算の仕組みを変えて、全体の事業を調整していくこと。平時の制度ではなく、特区制度や会計法の改正など抜本的な緊急時の制度改正が必要です。  当然、仙台市だけでできるものではなく、民間事業者と県、市が、行政も議会も共通の認識に立って、国を動かしていかなければなりません。そのためにも、市長のリーダーシップが問われています。いかがでしょうか、伺います。  次に、これも以前地元紙でも取り上げられた問題ですが、タコ足庁舎ともやゆされる、仙台市役所の庁舎の分散化についてであります。  まずお聞きしますが、現在、庁舎として使用している民間ビルの借り上げ状況と、それにかかる年間の賃料について、お示しください。  目に見えるコストだけではありません。市役所職員の事務事業の効率にも、目に見えない大きな影響を及ぼします。特に、復興事業局を中心に、複数の局にまたがる復興事業を、緊密に連絡調整しながら、政策形成し、執行していく上で、このような配置状況では、目に見えない無駄が生じているのではないかと危惧するものであります。当局の御認識はいかがでしょうか、伺います。  このような配置状況では、我々議員もそうですが、そもそも市の職員自身が、どの部局がどこのビルに入っているか把握できていないのではないでしょうか。ここにおられる局長はいかがですか。これでは、用事があって来庁される市民の皆さんにも、大変な御不便をおかけすることになります。この辺の認識についてはいかがでしょうか。市民の目線でお答えください。  庁舎の建てかえ問題については、これまで議会も含めいろいろと議論があり、過去の経過があったわけですが、ここにきてまた状況が大きく変化しております。  想定していた宮城県沖地震を上回る、世界的にも最大級と言われるマグニチュードの地震を我々は経験しました。幸いにも、本庁舎の耐震工事が功を奏し、今回の地震の揺れに何とか耐えて、震災直後には、帰宅困難者を含む、多くの被災市民を受け入れることもできましたし、市内の救助、復旧活動に当たる、文字どおり司令塔としての役割を十分に果たすことができました。これは、不幸中の幸いと言えます。  しかし、油断は禁物です。最近も大きな余震があり、気象庁も改めて呼びかけておりますが、今後の大型余震に備え、今回の地震で満身創痍となった本庁舎の耐震強度の真相はどうなのか、お示しください。  市民の安全・安心のためにも、足元の安全・安心の確保は欠かせません。仙台市役所とほぼ同時期に建てられた秋田市役所が、庁舎建てかえ事業に果敢に取り組んでいます。まずは、仙台のまちの復興、市民の生活の復興が先決でありますが、その次の課題として、復興の司令塔であり、非常時における市民の避難所としての実績も示したところの、この市役所の庁舎問題の抜本的な解決に向けて、市長の特段の決意を伺いたいと思います。  次に、ネーミングライツの積極的な活用について、伺います。  少子高齢化時代の恒常的な税制問題解決のためにも、特に今後の復興事業に充てる予算の獲得のためにも、一層の創意工夫が必要であります。そのための一つの方策として、ネーミングライツについて、伺います。  まず、これまでの仙台市における実績と現状の評価について、お聞かせください。  これまで議会でも地下鉄東西線の駅などさまざまな提案が出され、宮城県庁においては、ダムなどのハードの施設だけでなく、県民ロビーコンサートといったソフトの事業にも導入しておりますが、従来の発想にとらわれない、大胆で人の目を引くようなネーミングライツを考えてはいかがでしょうか。  奥山ストリートとは言いませんが、道路や公園といった、身近で市民誰もが利用する施設や、これから旬を迎える大学女子駅伝や区民まつりといった市のイベントへの導入など、工夫の余地はたくさんあるはずです。区民まつりであれば、各区でアイデアを競いながら、相乗効果で収入を上げることも期待できます。来年以降も並々ならぬ決意と実行力で復興事業に取り組まれるであろう奥山市長、いかがでしょうか、伺います。  次に、国の復興予算に関する市長の認識について、伺います。  復興は進んでいない。お金は一体どこに使われているのか。今、被災地から切実な悲鳴が上がっている。九日、日曜日のNHKスペシャルでは、こんな切り出しで国の復興予算の実態を取り上げる報道が行われました。なお、昨晩もありました。  総額十九兆円とも言われる国の復興予算。しかし、その中には、沖縄県の海沿いの国道工事費に七億円、反捕鯨団体対策費に二十三億円、外務省の海外との青年交流事業に七十二億円、大半が被災三県以外の企業立地補助金に三千億円などが計上されているとのことです。番組を見て五分で卒倒しそうになったという人もいるほど、復興とかけ離れた、信じられない実態が明らかになっています。  この件については、既にさきの衆議院東日本大震災復興特別委員会で、地元宮城県出身の自民党議員が政府を追及しています。  原文を引用させていただきますと、「今回、東日本の復興特別会計、これは財務省が査定されましたよね。この予算の中に、ホームページに出ていますが、私、見て驚きました。何で武器の購入費二十三億円、弾薬の購入費三億円。これは復興予算ですよ。ほかにもありますよ。官庁の修繕費三十六億円、うち十二億円は内閣府が入る霞が関合同第四庁舎ですよ。石巻市は一階が水没したのに、ここに出たお金は二千九百万円ですよ。直らないんですよ、石巻市役所は。自分たちのところだけざっくり直して。あるいは北海道と沖縄、ある意味これも必要だと思いますが、どうしてこの道路予算に七十八億円と二十二億円がこの復興予算から使われるんですか。」といった質問内容でありました。  市長はこういった国の復興予算の実態について、どんな感想をお持ちでしょうか。武器弾薬の購入も、北海道、沖縄の道路整備も、青年の国際交流も、それぞれ重要で必要な予算でしょう。しかし、被災地にとって、被災者の生活再建や復興はこれからが本番。時間との勝負で、まさに必死で取り組んでいかなければならない正念場であります。  国の財政支援もまだまだ不足しており、強く求めていかなければなりません。しかも、復興予算十九兆円、そのうち十兆五千億円は、復興を目的とした増税、貴重な国民の皆さんの増税によって賄われているはずです。それが、このような形で、横流しと言ったら差しさわりがあるかもしれませんが、シロアリにたかられるように、本来の復旧目的以外に食い潰されようとしていることに、市長は憤りをお感じにならないでしょうか。  この国会速記録、いつでも私の手元のものをお渡しします。また、NHKスペシャルも、ごらんになっていなければ録画したDVDをお貸しします。ぜひ、この二つをごらんいただき、宮城県あるいは東北の市長会会長として、被災地の思いを踏みにじり、逆なでするような現在の政府の予算編成の実態に、激しい怒りと抗議の声を上げ、是正を求めるべきと強く思うのですが、これらの一連の問題について、奥山市長の御所見を伺います。  市長、被災自治体を代表し、被災者のために国にまた怒りましょう。市長の今後ますますの活躍を期待して、一般質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 24: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの岡部恒司議員の御質問にお答えを申し上げます。  国の復興予算に関する、私の認識についてのお尋ねでございました。  未曾有の震災からの復興は、国による確かな復興財源がなければ一歩も進まないことは明らかでございます。  御指摘の件に関しましては、復興大臣も実態の調査を指示されている、このようなことでございますけれども、復興関連予算の名目により、被災地との関連が認めにくいような事業費が措置されていた。そのようなことでありますれば、被災地において奮闘しております、私ども被災地の住民の感情を逆なでし、被災地と国の信頼関係に悪影響を及ぼすものと考えるものでございます。  かけがえのない御家族や友人の皆さん、また大切な家屋や財産を失われた被災された市民の方々のお気持ちを思いますとき、まさに言葉もないという思いでございます。  私は、被災自治体の長として、これまでも、さまざまな機会を通しまして、被災地の実情と被災された市民の皆様のお気持ちや願いを訴えてきたところでございます。この件につきましても、この報道に接した市民の皆様のやり場のないお気持ちやお怒りをしっかりと国に対して訴えてまいりたい、このように考えてございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 25: ◯財政局長(佐藤清)財政局関連の御質問にお答え申し上げます。  まず、緊急時の制度改正に向けた取り組みについてでございます。  復旧・復興事業の執行に当たりましては、その事業内容や予算規模が膨大なものとなりますことから、期間が複数年にわたる事業も数多くございます。  このような状況を踏まえ、予算の単年度主義のもとにおきましても、債務負担行為や繰越明許費などの制度を活用することにより対応しておりますほか、復興公営住宅の建設や防災集団移転促進などの復興交付金事業につきましては、交付金を基金に積み立て、計画期間内における柔軟な予算執行が可能となっているところでございます。  今後とも、実際の事業の進捗や財源確保の状況などを踏まえつつ、必要に応じて国へ制度改善の働きかけを行うなど、復旧・復興事業の円滑な推進に向け、継続的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、庁舎として使用している民間ビルの借り上げ状況についてでございます。  現在、仮庁舎として七カ所、会議室専用として二カ所の民間ビルを賃借しており、これらの年間の賃料は合計で四億四千万円になってございます。  次に、職員の事務事業の効率についてでございます。  仮庁舎は、おおむね局ごとに配置しており、局内における通常の業務についてはさほど影響はないものと考えておりますが、本庁舎での会議や他部局との調整等においては、移動時間のロスや負担感が生じているものと認識してございます。  また、庁舎の分散によって少なからず市民の方々には御不便をおかけしているものと認識しておりますが、最新の庁舎配置図を新たに設置したほか、市政だより、ホームページなどを通して、仮庁舎への案内のさらなる徹底を図っていく所存でございます。
     次に、震災後の本庁舎の耐震強度についてでございますが、震災後に耐震工事の設計業者と工事業者とともに調査を行っております。その結果、ほとんどの柱及び梁には損傷がなく、健全な状態であることが確認されました。また、壁についてはかなりのひび割れが発生しましたが、現在では補修も終了しており、震災前と同程度の耐震性を有しているものと判断しております。  本庁舎の建てかえについてでございますが、多額の一般財源が必要なことでもあり、復興に財源を集中しなければならない現時点で建てかえの判断をするのは難しいと考えてございます。  しかしながら、本庁舎建てかえの問題は今後の大きな課題であると認識しておりまして、ことし中に財政局内にワーキンググループを立ち上げ、庁舎を建てかえる場合に必要となる一般財源の確保や建設手法などの諸課題について、内部的な整理、検討を進めていく考えでございます。  最後に、ネーミングライツについてでございます。  まず、これまでの実績ですが、平成十七年度に仙台スタジアムをユアテックスタジアム仙台としたほか、平成二十二年度からは、八木山動物公園でも動物説明板にサポーターとなっていただいた企業名を掲示するなどの取り組みを行っております。こうした取り組みにより、歳入アップが図られたことはもとより、御協賛いただいた企業の社会貢献の場として活用いただけたものと考えております。  厳しい財政環境下でもあり、歳入の充実策の一環として、このような取り組みは積極的に推進していくべきものであり、これまでの発想にとらわれず創意工夫を重ねることが重要と認識しております。  引き続き、本市が保有いたします施設やイベントなどを全般的に検討し、それぞれの効果と、媒体価値や費用との兼ね合いを勘案した選定作業を行い、具体の取り組みにつなげてまいりたいと存じます。  以上でございます。 26: ◯都市整備局長(小島博仁)資材不足、技術者不足に関する三点の御質問にお答え申し上げます。  まず、本市発注の工事の現状と今後の見通しについてでございます。  これまでに本市が発注した工事におきまして、震災前に比べ、生コンクリートの出荷時期や出荷量の調整が始まっているとの情報を得ておりますが、現時点では工事の全体工程に影響を及ぼす事態には至っていないところでございます。  しかし、生コンクリート生産の原材料となる骨材等の安定供給につきまして、懸念しているところでございまして、今後、大規模工事が本格化していく中、資材調達などの動向を注視していくとともに、国、県並びに関係団体と連絡を密にしながら、必要な対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、資材不足、技術者不足についての現状認識についてでございますが、今後、復旧・復興工事が本格化する中、資材について、県内のみならず遠隔地からの調達などにより、安定的に確保する必要があると認識しております。また、生コンクリートの需要増加とともに、鉄筋工や型枠工などの確保が難しくなっているものと懸念しております。  このことは、本市のみならず、県発注や国発注工事においても同じでございまして、国、県、関係業界団体並びに本市で構成します建設資材対策東北地方連絡会宮城県分会におきまして、安定的な供給に向けた協議を行っておりまして、また、本市としましても、遠隔地からの資材調達や労働者の確保につきまして、設計単価に反映させるべく、現在、準備を進めているところでございます。  工事現場での事故につきましても増加傾向にございまして、受注者に対する注意喚起の文書発出や工事監督課における点検の頻度を上げるなど、従来の取り組みだけではなくて、資材調達のおくれ、労働者の確保の状況等につきましては、受注者とも情報を共有化しまして、工期延長による安全管理の確保など図れるように努めてまいりたいと考えているところでございます。  最後に、計画的に発注する仕組みでございますけれども、国、被災三県、関係業界団体並びに本市で構成する復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会が設置されておりまして、受注者側の意見も聞きながら、これまで入札の不調、不落対策など、さまざまな対策を立案し、実施してきたところでございます。  引き続き、この協議会におきまして、復旧・復興事業の円滑な実施を図るために、計画的に発注する仕組みづくりにつきまして、議員御提案の趣旨も含め、議論してまいりたいと考えております。  以上でございます。 27: ◯議長(佐藤正昭)この際、暫時休憩いたします。     午後二時四十二分休憩          ────────○────────     午後三時開議 28: ◯議長(佐藤正昭)休憩前に引き続き、会議を開きます。  副議長と交代いたします。     〔議長 佐藤正昭退席、副議長 木村勝好議長席に着く。〕 29: ◯副議長(木村勝好)議長と交代いたします。  次に、佐々木真由美君に発言を許します。     〔五番 佐々木真由美登壇〕(拍手) 30: ◯五番(佐々木真由美)公明党仙台市議団の佐々木真由美です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問させていただきます。  早いもので、あの東日本大震災から一年半が経過し、二回目の冬を迎えようとしております。不思議なもので、暖かく暑く感じるときよりも、涼しく寒くなるときのほうが悲しみやつらさはより以上感じられます。それが、これからです。  これまでも公明党宮城県本部として、プレハブ仮設住宅に住まわれている方々へのアンケート調査を二度にわたり実施してきました。その調査結果を踏まえ、住環境の改善等、国会の場で何度も訴えてきました。その結果、仮設住宅の方々の住居年数も二年から三年と一年延長になり、プレハブ仮設住宅の住環境も、物置の設置、お風呂の追いだき機能の追加工事が決定し、寒さに向かい工事が急がれます。そして、今後は、一人一人の復興に向けた生活再建にどれだけ行政として加速的にバックアップできるのかが課題です。  地元紙のインタビューで奥山市長は、基礎自治体は、常に住民の暮らしを一緒になって支えていく立場。一日でも早く新しい家に入りたいという被災者の気持ちに応えるには、仕事を一日一日しっかりやっていくことに尽きると心強い言葉がありました。  先週も、移転先ごとの防災集団移転促進事業に関する説明会がありましたが、被災された方々から、土地の買い取り価格や、今までのローンの返済への不安等の声が聞かれました。安心・安全の住まいを決めるのは、本当にこれからです。  東北を牽引する仙台市のリーダーとして、東日本大震災からきょうまで、被災者の方初め、市民の皆様に寄り添う復旧・復興支援ができたのか、市長の御所見を伺います。あわせて、今後の復興にかける御決意もお聞かせください。  初めに、メモリアル施設について、伺います。  先月、神戸市にある、みなとのもり公園を視察してまいりました。この公園には、震災の経験や教訓を後世の人々に継承していくための語り継ぎ広場があり、被災樹木を初め、震災や復興に関係するものを配置したり、安全の鐘としてモニュメント化した時計が五時四十六分の時を刻んでいました。これはいずれも、阪神・淡路大震災を記憶にとどめ、風化させないためのものと感じました。  また、北海道南西沖地震で甚大な被害を受けた奥尻島を視察した際には、津波で完全流出した地区は、徳洋記念緑地公園として生まれ変わり、その公園の中央には亡くなられた百九十八名の名前が刻まれた慰霊碑、時空翔があり、震災の記憶を風化させない取り組みが行われていました。  第一の質問として、メモリアル時計の整備について、伺います。  本市では、みんなで育む百年の杜として、平成二十四年度から平成三十二年度までの新しいみどりの基本計画を策定し、東部地域における防災・減災機能の高いみどりの再生を最優先とされております。また、震災復興計画では、震災の記憶を継承するメモリアル施設の設置の検討とあります。  東日本大震災の記憶を風化させないために、東部地域に、みどり再生の丘を築き、その丘には、震災発生時の午後二時四十六分には時を刻むメモリアル時計を整備してはいかがでしょうか。御所見を伺います。  第二の質問として、新浄化センター内にメモリアル施設の設置について、伺います。  九月三日に仙台市南蒲生浄化センターの起工式があり、新たな水処理施設等の説明がありました。平成二十八年三月完成予定の新浄化センターは、津波対策はもちろんのこと、環境面でも、省エネルギー、創エネルギー技術の導入や下水汚泥の資源循環利用など、最先端の技術を導入した水処理施設になると伺いました。震災から一年半が経過し、このたびの起工式を行うまでの当局の御努力に敬意を表するとともに、一日も早い完成を願うものです。  南蒲生浄化センターは、東日本大震災で第三ポンプ室を初めとして施設全体に大きな被害をこうむりました。この震災の教訓を風化させないためにも、被災状況を記録にとどめ、残すべきです。  最先端技術を駆使した新浄化センターが完成すれば、日本のみならず、世界各国からの視察が予想されます。来訪される方に、震災の爪跡を残す展示コーナーや映像コーナーなど、次世代に継承できる場の設置を求めるものですが、御所見をお伺いいたします。  次に、東部地域における海抜表示について、伺います。  神戸市にある阪神・淡路大震災を継承する博物館、人と防災未来センターには、東南海・南海地震を想定し、十三メートルの海抜表示が建物の中にあり、津波被害で甚大な被害を受けた奥尻島では、津波の海抜表示を島全体に表示し、防波堤にも十一メートルの高さ表示がしてあります。  大きな地震が来たら津波が来る、だから高台に逃げる。皆様も御存じのとおり、三陸の釜石市では、津波てんでんこをもとに、多くの下校していた子供たちが自分の判断で高台に避難し、一人の犠牲者も出さず、釜石の奇跡と言われました。地震が来たら逃げる、この教訓を確実に迅速に行動に移すためにも、今、自分がどのくらいの高さのところにいるのか確認することにより避難の経路確認もできます。  ぜひ、海抜表示を東部地域における幹線道路や避難施設、公園に設置すべきですが、御所見を伺います。  続いて、感染症予防について、伺います。  先日、NHKで興味深いニュースが報じられました。日本小児感染症学会の調査によると、妊娠中にトキソプラズマに感染したお母さんの中で、三年間に十六人の赤ちゃんがトキソプラズマの寄生虫の影響で目や脳に障害が出たそうです。  トキソプラズマとは、トキソプラズマ原虫と呼ばれる単細胞の寄生虫で、体温を一定に保つ人間や動物に感染し、宿主として有名な動物が猫です。加熱したものより生のものを食べることで猫に感染し、猫のふんに寄生虫が多く含まれています。  これから妊娠される方や、妊娠初期の方で、生肉を好んで頻繁に食べている人や、子供と一緒に公園の砂場遊びをしたとき、ガーデニングなど土いじりを頻繁にする人が感染しやすく、特に公園の砂場では、野良猫の尿やふんにトキソプラズマの卵が残っていると手に付着し、経口感染で体内に入ってしまう可能性があります。  砂遊びや土いじりは、幼児期の心身の発達に大きな役割を果たすと言われています。そのためにも、砂場などの安全な管理や衛生学的な対策が必要です。  質問の第一は、市内の公園や幼稚園、保育所など、砂場の定期的な検査や砂の入れかえ、全公園に手洗い場の設置、砂場を動物のふんから守るための安全対策が必要です。もちろん一番の予防は手をよく洗うことですが、犬、猫が入れないように砂場を防護ネットで囲む対策が必要と考えますが、御所見を伺います。  トキソプラズマは妊娠中以外には全く問題ない感染症です。知らないうちに過去にかかったことがあり、既にトキソプラズマの抗体を持っている人は再感染することはありません。  質問の第二は、予防接種はありませんので、予防が一番の対策となります。あらゆる世代の方々に情報が入るよう、周知、広報も大事です。特に、これから妊娠される方や、保育所職員や幼稚園教諭など、より一層感染する可能性が高い職業でもあります。定期的検査も必要であると思いますが、御所見を伺います。  最後に、コミュニティバスについて、伺います。  コミュニティバスについて、過去の会議録を検索しました。ここ十数年、多くの先輩議員が何度となく議会において議論されてきました。それだけ身近な問題であり、早急に対応すべきであります。  実験運転した太白区の青山くんは、一便当たり十五人目標に対し七・七人にとどまり、利用者がなかなかふえない状況で、そのため採算が合わず、結果、当初設定した目標以上に利用者をふやすこと、または、利用状況に合った乗り物に変更するとし、本格運行は困難と判断されました。  現在、坪沼地区の乗合タクシーの一カ所がコミュニティバス的なものとしてあります。地元の中学生の通学の足として、地域の足として、地域住民と行政が一緒になり運営協議会を立ち上げ、実験運行を含め六年間継続しております。平成二十三年度では、平日十便、土曜日二便、延べ九千七十九人の人が利用されております。  また、函館市の陣川あさひ町会は、住民の買い物や通院、通学の手段として、本年四月から市街地を巡回するコミュニティバスを試験運行しました。函館バスと貸切契約を結び、町内会が独自にバスを運行するとし、行政の補助も受けず、自治会が自力運行する町会バスです。全国的にも珍しく、平日七便、土、日曜日、祝日は三便、約四十分かけて地区を巡回しています。  坪沼地区や函館市陣川あさひ町会の事例でも、地域住民が協議会等を立ち上げて、コミュニティバスの検討を重ねています。  今後のコミュニティバスの考え方として、地域と民間、そして行政の三者連携による取り組みが必要であります。まずは地域でコミュニティバス運営協議会を立ち上げ、その運行方法は民間委託方式や自前方式で実施するなどの運行実施計画や、運行にかかわる予算計画も立案することで、実現に向け進めていく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。  市内でも、特に高齢化が進んでいる鶴ケ谷地域や、中心部に近くとも道路が狭く大型バスが入らない小田原、清水沼地域など、地域住民のニーズに合った交通施策のあり方を展開すべきです。コミュニティバス導入を希望する声も多く寄せられており、地域活性化を考える運営協議会立ち上げなども視野に入れていくべきでありますが、運営協議会等が立ち上がり、本格的に検討する際には、本市による資金面での補助も必要不可欠だと思います。  太白区の坪沼乗合タクシーには、本市から補助金が支払われています。他地域においてもコミュニティバスの導入検討されるところも出てくると思いますので、コミュニティバス導入のガイドラインなどを早急に整備する必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。  私たち公明党仙台市議団は、大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいくということを信条として、これからも市民に寄り添い、一日も早い復興に向け全力で取り組んでまいります。  以上で私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 31: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの佐々木真由美議員の御質問にお答えを申し上げます。  被災者の方々へ寄り添った、復旧・復興に関してのお尋ねでございます。  私は、昨年の東日本大震災の発災以降、被災された皆様のお声に耳を傾け、そのお気持ちに寄り添った復旧・復興が重要との認識に立ちまして、各般の支援事業を進めてまいったところでございます。  避難所の生活環境の改善や、仮設住宅の早期の提供、寒さの対策などにつきましても、被災された方々の生活環境を改善したいとの思いから、各方面に働きかけ取り組んでまいったものでございます。  私が復興に当たり、現下も最も重要と考えておりますことは、被災された方々への安全で安心なお住まいの再建でございまして、他自治体に先駆け、津波浸水区域や被災宅地における本市独自の支援制度を創設をいたしましたのも、このような思いのあらわれでございます。  今後、集団移転等の事業が本格化してまいりますけれども、被災された皆様は、ただいまのお話にもありましたとおり、被災土地の買い取り価格や、また二重ローンの問題など、多くの不安を抱えておられるものと存じます。  引き続き、国や関係機関に対し、必要な支援策を求めながら、これまで以上にきめ細やかな対応や御説明に努めることにより、被災された皆様の不安の解消と、お住まいの再建に向けた取り組みをさらに加速をさせてまいりたい、このように考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 32: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、トキソプラズマ症の予防と周知、広報についての御質問にお答えをいたします。  トキソプラズマは、御指摘のとおり、生肉を食べたり猫の排せつ物に触れることでまれに感染することがあると言われております。  また、母子感染による、いわゆる先天性トキソプラズマ症の発症例につきましては、極めて少なく、また、国においても妊婦に対して必要な検査とは位置づけられていないということから、妊娠の可能性のある方などへの定期的検査につきまして、本市が実施することは考えていないところでございます。  しかしながら、感染予防のためには、ふだんから肉を十分に加熱すること、また、素手で土いじりや砂場遊びを行った後は、よく手を洗うことが大切であると言われておりますことから、今後、ホームページ等で市民への正しい知識の啓発を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 33: ◯子供未来局長(西城正美)トキソプラズマ感染対策に関する保育所などでの取り組みについて、お答えいたします。  保育所におきましては、衛生管理マニュアルに基づきまして、猫などによる砂場のふん尿汚染を防ぐために、夜間や休日はブルーシートなどの覆いをかぶせること、砂場での遊びの後の手洗いを励行することにつきまして、民間保育所及び認可外保育施設も含めまして、徹底を図っているところでございます。  職員を対象としました検査の実施につきましては、現在のところ考えてございませんが、今後とも、各施設における砂場の衛生管理などの取り組みを徹底し、感染の予防に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 34: ◯都市整備局長(小島博仁)コミュニティバスに関する御質問にお答え申し上げます。  まず、運営協議会の立ち上げについてでございます。  本市では、せんだい都市交通プランにおきまして、市民協働による地域の足の確保を基本方針の一つとして掲げ、地域住民と行政との連携による生活交通導入に向けた協議会等の立ち上げの必要性についても位置づけしているところでございます。  本市といたしましては、このような協議会の立ち上げや、協議会での運行方法などに関する検討に対し、専門家派遣などによる支援を行いながら、真に地域に根差した生活交通の確保に向け、地域の皆様とともに取り組みを進めてまいりたいと考えておるところでございます。  次に、コミュニティバスなどの生活交通の確保に関する、ガイドラインの整備等についてでございます。  地域ごとに交通状況等がさまざまでございまして、地域の特性に合った対応が必要でございます。まずは、生活交通に対するニーズが高い地域におきまして、住民の皆様とともに実情に合った運行形態等に関する検討を行いながら、持続可能な移動の足の確保に努めてまいりたいと考えております。  このような生活交通導入に関する取り組みの実績を重ねながら、国において現在審議されております交通基本法制定に関する動向や先進事例を踏まえつつ、ガイドラインの整備なども含めまして、支援方策を検討してまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 35: ◯建設局長(吉川誠一)私からは、建設局に関する三点の御質問にお答え申し上げます。  初めに、東部地域における、みどりの再生とメモリアル施設の設置についてでございます。  津波により大きな被害を受けました海岸公園の整備につきましては、今回の大震災を教訓としまして、津波に対する防災機能の強化を図ることとしております。  震災の記憶を後世に伝えるメモリアル施設につきましては、御提案の趣旨を踏まえて検討を行ってまいります。  次に、南蒲生浄化センターにおける震災に関する展示についてのお尋ねでございます。  南蒲生浄化センターは、御承知のとおり甚大な被害を受けたことから、震災の記録を後世に継承し、広く情報発信をすることが重要であると認識しております。今後、当浄化センターの復旧に合わせ、管渠やポンプ場も含めた被災状況の写真や映像、被災物、復興の過程などを展示するスペースの設置について、検討することとしております。
     最後に、公園の砂場の安全対策についてでございます。  公園の砂場では、状況に応じて砂の入れかえや補充を行っているほか、シートをかぶせるなど措置を講じてきているところでございます。  今後とも、利用者の皆様の御協力をいただきながら、引き続き、快適に利用していただけるよう管理に努めてまいります。  以上でございます。 36: ◯消防局長(高橋文雄)津波から避難するための海抜表示について、お答えいたします。  津波から命を守るには、確実に逃げるということが最も需要であり、東日本大震災後、避難に必要な情報を網羅した、津波からの避難の手引を全戸配布しましたほか、携帯電話を活用して津波避難情報を提供する緊急速報メールを導入したところでございます。  津波からの避難につきましては、こうした情報に加え、避難場所の確保や避難誘導も重要であり、御提案の海抜表示につきましても有用な検討課題の一つと認識をしております。  現在、有識者による検討委員会において、津波避難施設の整備を中心に検討が行われておりますので、海抜表示のあり方についても、この中でさまざまな観点から検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 37: ◯副議長(木村勝好)次に、すげの直子君に発言を許します。     〔二十一番 すげの直子登壇〕(拍手) 38: ◯二十一番(すげの直子)日本共産党仙台市議団のすげの直子です。震災を経験した全ての子供たちに、豊かな教育を保障する施策を求めて一般質問いたします。  今議会は、震災直後の昨年度、本市の財政運営が適切だったのかどうか、決算をもとに審査する議会です。教育費でいえば、震災でダメージを受けた学校の再建や、子供たちを支え、教育権や成長を保障するために、これまで以上の充実が求められていたはずです。しかし、教育費の決算状況からは、それが全く読み取れません。  教育費の決算は、一般会計で前年度決算より十五億円も少ない三百四十億円にとどまりました。調べてみると、この額は、政令市移行後、最低の水準です。さらに見過ごせないのは、繰り越しを除く不用額を三十一億円も出していることです。未曾有の大災害を経験した子供たちのために、予算の枠を多少超えてでも実施すべきことはたくさんあったはずです。しかし、国の災害復旧費や、国から補償される人的配置を超えて、市が独自に頑張ったとはとても言えない執行状況です。  ここ数年の教育費の決算を追って見てみると、毎年毎年三十億円前後の不用額を生じさせています。そうすると、翌年度の予算が減り、その中でもまた不用額を出し、翌年度予算がさらに減るということを繰り返しています。  市長は、今の教育費のあり方と震災直後のこの決算について、妥当であるとお考えでしょうか、お答えください。  予算を削り、不用額まで出しながら、一方では、学校からの切実な要望には、財政が厳しいといって我慢や負担を強いています。  先日、マスコミでも取り上げられた、宮城県教職員組合が実施した学校へのアンケートには、仙台市内の学校からも回答が寄せられました。校舎の亀裂が修繕されていないため、大雨の際、雨水が漏れてくる。教材備品の多くが転倒し破損、今年度予算に申請したが、額が大き過ぎると認められなかった。間借り先の学校で、今も二つの学年が一教室で学んでいるという声などです。  私も、この間、被災した学校を幾つか伺ってお話をお聞きしてきました。ある仮設プレハブ校舎では、職員室の大事な書類の上にも雨漏りし、休み明けに学校に行くと教室に水たまりができていたこともあるそうです。ゴム製のマットを敷いただけの、でこぼこした子供たちの通路など、すぐにでも改善が必要なものが、手をつけられずにいました。  中学校の校庭を使用しているので遊具がなく、せめて体育で使用する小学生用の鉄棒だけでも欲しいというささやかな要望にも、医師会からの支援金で買ってくださいとなったという話には、ここまで出し渋るのかという思いです。  子供たちの教育環境を整備するのは、行政の仕事です。教育予算を思い切ってふやして、こうした要望にきちんと応えるべきです。いかがでしょうか、伺います。  予算をふやし、早急に取り組むべき仕事はたくさんあります。  ことしの夏も連日三十度を超える猛暑となり、連続真夏日、歴代一位の記録を突破しました。こうした状況の中で、いまだプレハブ仮設校舎での生活を余儀なくされている学校が十校あります。プレハブ仮設校舎には、普通教室や職員室、一部の特別教室にはエアコンが設置されているものの、図書室や理科室、家庭科室などの特別教室にはエアコンが設置されていません。  泉区の南光台小学校に伺ったときは、午前中でしたが、既に暑苦しい空気がまとい、午後になるとさらに西日が差して蒸し風呂のようになるとのことです。青葉区の折立小学校では、向かい側のエアコンのついた教室の出入り口に扇風機を置いて、向かい側の図書室に涼しい風を送り、少しでもよい環境をと涙ぐましい努力をされていました。若林区の蒲町小学校でも、余りの暑さに二階にある理科室は使用せず、全ての理科の授業を教室で実施したそうです。  十校の仮設校舎のうち、南光台、折立、蒲町小学校は、ことしの夏にとどまらず、あと二年間をプレハブ仮設校舎で過ごさなければなりません。震災で校舎が使えなくなり、昨年度も武道場や体育館で間仕切りのみで勉強せざるを得なかった子供たちです。  プレハブ仮設校舎には、特別教室にも全てエアコンを設置することが必要です。いかがでしょうか、伺います。  学校の暑さ対策については、繰り返し議会や委員会で取り上げてきました。今年度の当初予算に、ようやく三十八校分の保健室へのエアコン設置の予算、約四千万円が計上されましたが、結局、この夏には間に合わず、十月以降の工事になるとのことです。  今後五年間で順次設置するとのことですが、とても待っていられません。予算を倍にしても、一億円以内で七十校を超える学校に設置することができます。計画を前倒しし、三年以内の全校設置を目指すべきです。いかがでしょうか。  今、学校は、授業時数が大幅にふえたこともあり、夏休み期間が短縮され、夏休み中に実力テストや授業を実施する学校もふえています。子供たちにとっても、夏休み中に学校で職務に当たる教員にとっても、劣悪とも言える環境です。  学校の音楽室とコンピューター室には、エアコンを設置するという計画をもともと持っていますが、これすらほとんど進んでいません。小学校のコンピューター室への設置率は、たったの二五%にとどまっています。これは以前からある計画ですから、補正予算を組むなどして、一刻も早く全校設置を完了すべきです。  二年前の九月議会の代表質疑で、我が会派の嵯峨サダ子議員が学校へのエアコンの設置を求めました。教育長は、当時答弁で、確かにことしは夏休みが終了した後も暑い日が続いているが、この夏の異常気象は三十年に一度と言われており、ことしのような状況が恒常化、常態化となるかどうかを見きわめる必要があると答えています。そろそろ、見きわめる時期が来ているのではないでしょうか。  学力を向上させたいのであれば、学業に専念できる環境を整備すべきです。学校の暑さは、もはや精神論でやり過ごすことはできません。学校の普通教室や職員室などに、順次エアコン設置を進めるべきです。お答えください。  この間、市は、学校からの扇風機の要望にすら応えていません。結局、学校では、子供たちの学習環境を第一に考え、ほかに使う予定だった配当予算を扇風機代に回しています。エアコンの設置が進むまでは、市の責任で早急に扇風機を設置すべきです。伺います。  震災を経験した子供たちが日常を取り戻し、少しずつでも希望を持って前に進めるように、一層丁寧なかかわりが学校には求められています。子供に対する災害救援活動のあり方を考えるとき、子供たちが毎日を過ごす学校が、長期にわたってその役割を担い、教員がその重要な位置を占めるということを前提にして、必要な施策を行うことです。  恐ろしかった津波や地震の経験から立ち直り、大事な家族や、ふるさとをなくした悲しみが癒えるまで、私たち大人でも相当長い期間を要します。まして、大人たちのそうした思いや将来不安をも敏感に捉えるのが子供であり、子供たちには、それ以上のケアが長期的に必要なのは言うまでもありません。学校が、被災した子供たちの生存、学習、発達を支えるという本来的で重要な役割をきちんと果たせるように、学校と教師を、政治と社会が支援しなければならないというのが、世界の災害学の常識です。  震災後の昨年度から、本市には復興加配の教員が国から配置されています。今年度は、養護教諭四名を含めて四十四名が加配となっており、学校からも非常に喜ばれています。  市民教育委員会で視察に行った神戸市では、子供のPTSDの発症や、いわゆる荒れなどの問題行動は、震災後二、三年目がピークだったとお聞きしてきました。東日本大震災は、阪神・淡路大震災を超える未曾有の大災害です。本市の子供たちにとって、これからも手厚い環境は不可欠です。  復興加配は来年度以降も実施し、さらに増員するよう国に強く求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。  そもそも国は教員定数の抜本的な改善を行ってきませんでした。それが今や、正規の教員ではなく、非正規で働く講師が、全国平均で学校の一五%を占めるという体制をつくり出しています。  本市でも、常勤、非常勤講師の数は、合わせて三百二十一名になっています。今では講師を募集しても見つからず、ある学校では病休の代がえの先生が見つからず、一カ月間学級担任がいないということまでありました。  子供たちとしっかり向き合いたいと願っても、教員は膨大な書類づくりと報告書づくりに追われ、肝心の授業準備や教材研究は、うちに帰ってからしかできない。多忙化は解消されるどころか、時間外労働が月八十時間の過労死ラインを超えている教員が少なからずいることは見過ごせません。昨年の震災後、避難所運営にかかわった教員が学校で倒れ、過労死するという事態まで起きています。  これでは、学校が真の役割を果たすことはできません。加配という対応ではなく、教職員を思い切ってふやすことが必要です。国に求めるべきです。いかがでしょうか。  子供たち一人一人に寄り添う教育の実現のために、今こそ少人数学級を三年生以上に拡大することが求められています。  学区内に児童養護施設があり、さまざまな心の傷を負った子供たちがたくさん通っている学校や、震災で家族や家を失ってしまった子供たち、原発事故によってふるさとを離れなければならなかった子供たちは、市内全域で学んでいます。発達障害を持つ児童生徒も年々増加し、教育を受ける権利を保障することも切実です。  少人数学級の実施は、今や、四十七都道府県全てで行われ、市町村単位での実施も広がっています。  仙台市が唯一設置している、中高一貫の青陵中等教育学校では、中学、高校の全学年で三十五人学級を実施しています。少人数学級が教育環境としてすぐれていることをみずからも認めている証拠です。  震災を経た本市の教育を、本気で再生させたいのであれば、市独自での少人数学級を今すぐ決断し、実施すべきです。お考えをお聞かせください。  震災直後の昨年四月に教育長が学校に通知したのは、児童生徒による故郷復興プロジェクトの実施についてでした。昨年の五月十一日から始まり、ごみ拾いや合唱、数校の生徒会が集まっての意見交換などが行われました。今年度も実施が求められ、月命日ともなる十一日に実施されることで、行事の途中に不安定になったり泣き出したりする生徒もいるそうです。  また、この復興プロジェクトの一環として、仙台七夕に飾るため、全児童生徒に折り鶴の作成と、教職員には紙花の作成が求められました。この七夕飾りづくりでは、各学校の折り鶴を集約する学校が機械的に決められ、結果、津波被害を受けて他校に間借りしている学校がその集約校に割り当てられました。余りにも配慮に欠けるやり方です。  一人一人の子供の不安や揺れを受けとめて、丁寧なかかわりこそ求められているときに、全く違うことに手をとられて、現場の多忙化にも拍車をかけています。  問題なのは、こうした復興に向けての取り組みが、全て市教委の旗振りで突然始められ、全市一斉という形で、半ば学校や子供たちに強要されていることです。今回の震災を経て、自然との向き合い方や命の大切さ、地域や他者とのかかわりや助け合うことの大切さを子供たちとともに考え、教育に生かすことは、当然、学校にも求められていることです。しかし、それは決して上からの押しつけではなく、被災した学校や子供たちの実情に応じて、それぞれが日常的に自主的に取り組むべきことです。  全市一斉の故郷復興プロジェクトの実施はやめるべきです。いかがでしょうか、お答えください。  被災地仙台で学ぶ子供と保護者にとって、就学援助の充実は欠かせません。震災後、ある学校の事務職員は、家や財産を失った保護者の前で負担を求める説明をしなければならなかったことがつらかった。教育費が真に無償であったらと今ほど思うときはないと語っていました。  本来無償の義務教育が、実際には、給食費を初め、教材費や学用品費、野外活動の費用など、保護者負担となっています。  経済的な理由で、教育を受けられない事態をつくらないための大事な制度が就学援助です。決算年度、就学援助の認定者数は、要保護、準要保護合わせて一万一千三百十四人となっています。このうち、国による特例で制度を利用している被災児童生徒の数は八百七十九人です。  決算年度、就学援助を申請したのに不認定になった人数は三百九十一名で、前年度と比較して大きな伸びを示しています。  本市の就学援助基準額は、一九九七年以降、全く改定されず、他都市と比較しても低い水準になっています。夫婦二人と子供二人のモデルケースで、年収三百九十万円、所得に換算すると二百五十八万円を超えると制度が受けられません。新潟市は生活保護基準額の一・四倍、さいたま市や静岡市、浜松市が生活保護基準額の一・三倍などになっている中、仙台市の基準は生活保護基準額の一・〇倍に、その他の経費として三十五万円を足しただけというお粗末さです。  基準額を十万円、二十万円超えただけで認定されなかった世帯が少なくありません。これでは、生活保護世帯とそう変わらない世帯しか受けることができません。震災後の子育て世代を支援する意味でも、せめて就学援助の基準額は、生活保護基準額の一・三倍まで引き上げるべきです。いかがでしょうか、お答えください。  さらに、本市の就学援助は国の範囲を一歩も出ていません。他都市では、制服代や体操着、眼鏡代への補助を自治体独自に行っているところもあります。  二〇一〇年度から国は、要保護児童生徒にPTA会費、生徒会費、クラブ活動費を新たに支給することとしました。これに呼応して、準要保護世帯にもその対象を拡大する自治体が生まれています。横浜市や高松市などでは既に実施され、さいたま市や静岡市でも実施を検討中とのことです。  準要保護世帯にもこれらの項目を適用するよう国に求めるとともに、本市独自でも拡大することを求めます。いかがでしょうか、お答えください。  こうした支援にすぐに取り組まないどころか、今度は給食費の引き上げまでしようとしています。  文部科学省が行っている子どもの学習費調査の結果によると、公立小学校の六年間でかかる学習費の総額は約百八十二万円、公立中学校の三年間で約百三十八万円となっており、教育費の負担は家庭に重くのしかかっています。子供の相対的貧困率は、二〇〇六年には一四・二%だったものが、二〇〇九年には一五・七%とさらに引き上がりました。  そこに、東日本大震災が起きたのです。被災者の生活をどう支え、支援していくのかが何よりも求められているときに、給食費の引き上げを家庭に求めるなど到底認められません。必要な栄養価を満たし、おいしい給食に必要な分は、市が負担すべきです。年間三億円で可能です。毎年三十億円の不用額を出していることを考えれば、大きな予算の増額でもありません。  実際、東京都江戸川区では給食費への三分の一の助成も行っています。給食費の引き上げを家庭に求めるのはやめるべきです。最後に伺って、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 39: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのすげの直子議員の御質問にお答えを申し上げます。  私からは、教育費についてのお尋ねにお答えをいたします。  昨年度は、全市を挙げて、震災からの復旧を最優先にして取り組んでまいったものでございます。教育関連予算につきましても、教育施設の災害復旧を中心に、数度にわたり増額の補正を行いながら、子供たちの教育環境等の速やかな復旧を図ってきたところでございます。  一方で、復旧・復興に向けて財源とマンパワーを確保するため、当初予定をしておりました事業の年次調整を行いましたことや、学校給食の提供が例年どおりにはできなかったこと、また、社会教育施設の再開がおくれたこと等の要因によりまして、教育費としての決算額の減や一定の不用額が生じたものでございまして、震災の影響を鑑みますと、やむを得ないものと認識をしておるところでございます。  予算の編成に当たりましては、前年度の決算額のいかんにかかわらず、個別の施策の必要性を判断し、各般の施策の重点化及び効率化を図りながら、バランスよく、かつ、効果的な事業の展開を念頭に進めていく、このことが重要でございますので、教育費につきましても、仙台の未来の担い手となります子供たちが、希望を持って学び成長していくために必要な予算、これにつきましては確実に措置をしてまいりたいと考えているものでございます。  そのほかの御質問につきましては、教育長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 40: ◯教育長(青沼一民)私からは、暑さ対策に関するお尋ねのうち、初めに仮設校舎へのエアコン設置についてお答えいたします。  仮設校舎におきましては、震災による応急仮設校舎に限らず、これまで普通教室、職員室のほか音楽室、コンピューター室にはエアコンを、その他教室については天井及び壁に扇風機を設置してきたところでございます。  これは、比較的温度の高くなる仮設校舎において、児童生徒や教職員が日常の大部分を過ごす部屋についての対策を講ずべきとの考えから、エアコン等を設置してきたものでありまして、今後も同様の考え方で対応してまいりたいというふうに考えております。  御指摘の特別教室につきましては、その使用頻度や温度の高い期間などを勘案し、状況に応じた部屋の使い方を工夫することなどにより、児童生徒の健康管理を図ってまいりたいというふうに考えております。  続きまして、保健室へのエアコン設置についてでございますが、校庭整備やトイレ改修なども含めた学校施設全体の整備や改修の計画を踏まえ、財政的な平準化を図る必要から、五カ年計画としているところでございます。今後とも、均衡ある学校施設整備を計画的に進めるための予算運用に努めてまいりたいと存じます。  続きまして、普通教室へのエアコン設置についてでございますが、現在は、本市を含む積雪寒冷地とされている地域は、原則、国の補助対象ともなっていないところでございます。  こうしたことから、引き続き、気候の状況を見きわめていく必要はございますが、あわせて財政的な条件整備が大きな前提条件となるものと考えております。  次に、学校における扇風機の設置についてでございますが、それぞれの学校が使途を決める学校配当予算等により対応してきたところであり、従来から相談のあった学校につきましては、安全上、問題がないことを確認の上、設置しているところでございます。  今後におきましても、基本的に各学校の判断に基づいて対応していきたいと考えております。  次に、教員配置についてのお尋ねのうち、復興加配の継続要請についてでございます。  平成二十四年度の教育復興加配につきましては、小学校が二十二校に養護教諭一名を含む三十四名、中学校七校に養護教諭三名を含む十名をそれぞれ配置しているところでございます。  来年度以降についても、なお、震災による児童生徒の心のケアや被災校における学習環境の整備等を図るため、教育復興加配の継続並びに充実につきましては、ことしの七月に私自身が文部科学省に直接出向き要請したところでございます。  続きまして、教職員の増員についてでございます。  基礎学力の向上と習熟度別など、個に応じたきめ細かな指導を実現し、新学習指導要領の本格的実施など、学校教育上の課題に適切に対応するため、教職員定数の改善は不可欠であると考えております。  本市といたしましても、他の政令指定都市との連携のもと、国に対して教職員定数の改善を強く要望しているところでございます。  次に、小学校三年生以上における少人数学級の実施についてでございます。  現在、本市におきましては、県の学級編制弾力化事業の一環として、中学校一年生においても三十五人学級を実施しております。また、仙台青陵中等教育学校の前期課程においても、県の加配によって三十五人学級を編制しているところでございます。  そのほかの学年における市独自の実施につきましては、財政的な負担が大きな課題となってくるところであり、義務教育に係る基本的な役割分担としましては、県費負担教職員による配置が基本でございます。  したがいまして、まずは、先ほども申し上げましたとおり、学級編制の見直し、すなわち教職員定数の改善につきましては、引き続き、国に強く要望してまいります。その上で、国の検討状況や県の学級編制弾力化事業の行方等も踏まえながら、今後、慎重に検討していく必要があるものと考えているところでございます。  続きまして、児童生徒による故郷復興プロジェクトについてでございます。  これは、震災以降の全国からの支援や励ましにお応えするとともに、本市児童生徒の元気な気持ちを発信するために、地域による被災状況の違いを超えて、市内の児童生徒が復興への思いを共有、共感できるようにとの趣旨から行っているものでありまして、各学校には地域や学校の実情に即した形での実施をお願いしているものであります。  七夕飾りにつきましては、多くの市民の皆様や全国の方々から称賛の声が寄せられ、また、この二月に実施しました本プロジェクトに関する学校アンケート調査でも、児童生徒の復興に向けての意識の高揚が見られ、地域を守ろうとする気持ちの醸成が図られたなど、評価する意見が多数ございました。  今後につきましては、これまでの取り組みを検証し、学校や児童生徒の負担にも配慮しながら事業を継続してまいりたいと存じます。  続きまして、就学援助の認定基準額の見直しについてでございます。  本市の認定基準額は、多くの指定都市と同様に、生活保護費の最低生活費をもとにしており、この最低生活費に、子供がいる世帯において必要となる、生活保護基準額に含まれていない芸術文化活動や、スポーツ・レクリエーション活動などの学校外活動費を加算して算定しているものでございます。  これまで、算定の基礎となる生活保護費の最低生活費に大きな変動がないことから、就学援助基準額も同額のままとしてきたもので、生活保護基準額の一・三倍まで引き上げることは現時点においては困難と考えております。  次に、就学援助の援助項目の拡大についてでございますが、PTA会費、生徒会費、クラブ活動費につきましては、まだ多くの都市では支給項目としていないことから、その支給につきましては、今後、他都市との情報交換をしながら慎重に判断してまいりたいと考えております。
     最後に、学校給食費の改定に関する御質問でございます。  本市における学校給食費につきましては、学校給食法に規定されている施設整備費や人件費といった公費負担のほかに、保護者負担とされている食材費や光熱水費、消耗品といった経費のうち、食材費のみを保護者に御負担いただいており、適切なものと認識しております。  今回の十四年ぶりの学校給食費の改定に当たっては、各学校を通じて保護者の皆様に、現状で不足している必要な栄養量を充足させるなどの改定の理由や経緯、その効果などについて、お知らせいたしたところであり、今後も周知に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 41: ◯二十一番(すげの直子)二点お聞きをしたいと思います。  一つは、学校のエアコン、扇風機の設置についてです。  私も、九月十一日に学校に用事があって行きました。朝九時半でしたが、その時点で教室の温度、もう三十二度になっておりました。そういうところで、多分きょうも、四十人近くの子供たちが勉強や生活をしているという状況です。  子供たちの健康を守るという点でも、プレハブ仮設校舎の特別教室、これは最低限だと私は思っておりますが、学校の声も聞きながら、必要な教室や職員室にエアコンや扇風機を市の責任で設置すべきだと思います。再度、お伺いをしたいと思います。  もう一つは、給食費の引き上げについてです。  御答弁をお聞きしますと、食材費については保護者負担にしかできないかのような御答弁でありました。実は、文部科学省は学校給食法と同法施行令について通知を出しております。保護者負担の食材費について、例えば、保護者の経済的負担の現状から見て、地方公共団体などが給食費の一部を補助することを禁止はしないと明確に書かれております。  ただでさえ、本市の就学援助の基準も低過ぎるという状況です。救われていない家庭が多い中で、今、こういうときにこの上給食費の引き上げを家庭に求めるというのは本当にひどいと思います。引き上げ分、必要な栄養価を満たす、おいしい給食にするということは必要だと私も思います。その引き上げ分は公費で助成すべきです。  以上、二点についてお伺いします。 42: ◯教育長(青沼一民)まず、普通教室へのエアコン導入につきましては、二年前の平成二十二年度が非常に厳しい残暑となり、ことしもやはり残暑厳しい状況でありますが、しかしながら一方で、エアコン設置に関する国の補助対象の中で、七月二十九日から八月二十一日の間で、平均気温と二十四度との差を積み上げた合計が七十度以上であることというのがございまして、少なくとも今まで三十年間の平均値からしますと、やはりこの教室のエアコン設置等については難しいと感じております。  さらに、給食費の値上げにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、学校給食法につきましては、食材費あるいは光熱水費、消耗品といった経費は本来的には保護者負担であるという状況でありますが、本市におきましては、他の市町村と同様に、食材費だけを負担させていただいていることがございますので、適切なものと考えております。  以上でございます。 43: ◯二十一番(すげの直子)ですから、食材費への助成を自治体がしても構わないんだというふうに文部科学省も言っております。このことは述べておきます。  それで、エアコンなどの設置ですけれども、確かに国の基準というのも実態に合っていないなという思いは私もあります。ぜひ、それは国に、いろんな都市とも共同もしながら、やはり補助基準の見直しを求めていくということは必要だと思いますけれども、今、子供たちにとって、もう待てないという状況なんです。  ぜひ、市長に再度伺いたいと思うんですけれども、先ほど御答弁で、子供たちのために必要な予算は確実に措置していきたいという御答弁ありました。  以前にも、学校施設の改善について求めた際にも、子供たちにとって、安心・安全の確保だけではなく、学校では子供たちが長時間を過ごす場であり、快適な生活ということも大切な要素なので、必要な予算について確保してまいりたいという御答弁をしております。このときは私、さすがは教育長を歴任された市長だというふうに思いました。必要なエアコンや、せめて扇風機のための予算を、市長がきちんと措置するということをぜひ求めたいと思います。いかがでしょうか。 44: ◯市長(奥山恵美子)児童の学習環境等を整えていくために、本市として、さまざまな施策を講じているというのはそのとおりでございますし、また、その気持ちについては、ただいまも御答弁の中で申し上げたとおりでございます。  御指摘いただいておりますエアコンと扇風機など、気候の変化に伴う状況調整の機能ということにつきましては、教育長が御答弁で申し上げましたとおり、一つには国基準の問題、そしてまた、長期的な気候の傾向として、本来的に仙台市の風土の中でそれが必要かどうかという判断につきましては、各学校の現場を預かっております教育委員会と密接に情報を交換しながら、この後も予算措置が必要かどうかについて、精査をしてまいりたいと考えるものでありまして、現時点におきましては教育長が御答弁した考え方と違うものではございません。 45: ◯副議長(木村勝好)次に、ひぐちのりこ君に発言を許します。     〔七番 ひぐちのりこ登壇〕(拍手) 46: ◯七番(ひぐちのりこ)社民党仙台市議団のひぐちのりこです。議長のお許しをいただきましたので、一般質問いたします。  仙台市はことしの春、新規採用職員の方を職場に迎えました。新採職員の皆さんが集まった会合で、「業務に臨む新採さんの目の輝きがすばらしいこと。きらきらと真っすぐな視線とすてきな笑顔で業務を行っていますというコラムを見た。皆さんを見てみて、まさにそのとおりと思った。」とお話をした局長がいらっしゃいました。  特に、昨年、ことし採用された皆さんは、一日も早く震災からの復興をという気持ちで、希望に満ちあふれ、仙台市という職場を選んだ方々です。半年を経ようとしている今、毎日の業務に追われていると思いますが、笑顔で仕事に励んでいらっしゃいますか。  働く職場の状況は、いかがでしょうか。市長は、仙台市役所全体が、耳を立てて市民の皆様のお声を聞くとしています。その趣旨を鑑みれば、管理職の皆さんは、まず身近な職員の皆さんの声を聞くことが大切と思います。そのために、行政の組織として、どのような取り組みが行われているのか、お伺いします。  本市は、市長部局だけで五百カ所以上の外部職場があります。時間をつくり職場に出向いて、第一線で働いている皆さんと顔の見える関係をつくることが大切ではないでしょうか。局長の皆さん、職場で働く、特に、若い職員の皆さんのところに行き、お声をかけていらっしゃいますか。私も新人のころ、直属の上司が私の仕事のアイデアを熱心に聞いてくださいました。今思えば大変稚拙なものだったのですが、その際、自分の話を決定権がある人が聞いてくれたということで、大変うれしくなったことを思い出します。  社会人採用の方もいらっしゃいますが、大半は学校を卒業してすぐに採用される方々です。親御さんよりも、人生も職業人としても先輩格の管理職の方と働いている職場でじかに顔を合わせ、声を交わす。時には職場の状況や提案についてディスカッションをするということは、特に若い職員にとってもモチベーションが上がり、励みになると思いますが、お考えをお伺いします。  次に、実効性のある地域防災計画や防災マニュアルについて、お伺いします。  去る八月三十日午前四時五分、宮城野区で震度五強を観測する地震がありました。本市の職場では二号非常配備が発令されました。各職場の参集状況は、どうだったのでしょうか。参集状況にばらつきがあったと聞き及んでいますが、東日本大震災から一年半を経て、のどもと過ぎれば熱さを忘れるでは困ります。検証と対策が必要なのではないかと思います。  阪神・淡路大震災の後、三年ほど、震度五を観測する余震が断続的に起こったそうです。神戸市役所では、地震が起きた際、各職場での職員の参集状況を把握し、いざというときの備えにしたと聞き及んでいます。非常配備発令時に、職員が速やかに参集でき、的確に行動ができるようなきめ細かな体制をつくることや、現実的に実践が可能かどうか検証することが肝心だと思いますが、御見解をお伺いします。  地域防災計画や防災マニュアルの見直しが行われています。現場に携わる人や、震災時避難所運営などにかかわった人など、最前線で活動する人の声についても反映されるべきと思われますが、御所見をお伺いします。  次に、職員の旧姓使用について、お伺いします。  仙台市では、二〇〇二年七月に職員の旧姓使用取扱要綱が実施されました。  二〇〇〇年五月に行われた内閣府の調査によると、選択的夫婦別姓、または仕事上などで、通称、ほとんどが旧姓となりますが、これを使用することについて、全世代では六五・一%、二十代、三十代では八割以上が認めると回答しています。  仕事や社会活動などにおいて、本人が希望すれば旧姓を使うことが普通となってきました。また、正規職員だけでなく、臨時や非常勤嘱託の方も希望すれば旧姓を使うことができるそうですが、果たしてこのことが周知されているのかどうか疑問です。旧姓が使用できないかもしれないといって、臨時職員への応募をためらったという人や、正規職員においても、旧姓使用届を出す段階で、旧姓使用をするなんて旦那さんがかわいそうと上司に言われ、届けを出せなかったという事例がありました。  また、戸籍上の氏を変更した日から一カ月以内に旧姓使用申請書を提出しなければならないという規定がありますが、国家公務員を初め、他都市では申請期間を設けていないところも少なくありません。  本人が希望しているのに、制度があるのにもかかわらず、使うことができなかったことが残念です。このことについて、どのようにお考えか、お伺いします。  本市の旧姓使用要綱ができる前に、一九九八年四月、仙台市議会総務財政委員会で旧姓使用について質問があったことを契機に、一九九九年から、事実上、旧姓使用ができるようになりました。現行の要綱では市長表彰は戸籍名となっていますが、二〇〇〇年には旧姓の記載で市長からの表彰がありました。その際、当時の藤井黎市長は、御本人が旧姓がよろしいというのであればそれでいいのではないですかと、みずから表彰状に旧姓を記入したと聞き及んでいます。  市長表彰の氏名が、戸籍名でなかったことでのふぐあいがあったとは考えづらいものです。それよりも、旧姓の使用は、望む人にとって仕事上のモチベーションを高めることや、相談窓口としての名前の一貫性が市民の方々との信頼関係をつくることにおいてメリットがあると思います。  法令などで戸籍名と規定されていないものは旧姓の使用を認めるべきですし、戸籍名を使用する際でも、旧姓を併記することで数々のふぐあいは解決すると思いますが、お伺いします。  宮城県では、議会の場で旧姓使用に対し一九九八年当時の知事が、旧姓の使用を認めることにより、女性職員の自立を高め、職員の活性化が期待できるという面もあると考えられると話しています。名乗りたい名前で呼ばれ、認知され、人間関係が広がる。このことで、やる気満々になる人もいるのです。  現行の要綱では、職員の異動発表は戸籍名です。他都市において、教員の人事異動の新聞発表が戸籍名だったため、異動状況、勤務先については、戸籍名を知るほんの一部の人以外、元同僚、教え子、保護者はこれを知ることができず、精神的苦痛をこうむったとして裁判が行われています。本人が希望するのであれば、実現できるようにするという藤井元市長の姿勢こそが求められています。  旧姓使用の範囲を広げ、届け出期間について見直しを図るべきと思われますが、お考えをお伺いします。  次に、職員、市民協働でのイベントの取り組みについてです。  七月二十八日から八月十四日まで、仙台出身の荒木飛呂彦さんの漫画、ジョジョの奇妙な冒険の原画を展示した、ジョジョ展inS市杜王町が、せんだいメディアテーク六階で開催されました。テレビの人気番組でも日本中に紹介され、地元紙にも全面広告が掲載、作品中に登場するコンビニも市内にできるなど、前評判も高く、全国から多くの方が訪れました。  私もジョジョ展に行ってきましたが、百点以上の原画の持つ迫力や、会場の至るところに作品に登場する擬音が書いてあるなど、作者の思い入れを感じることができましたし、訪れた人たちのジョジョ展に対する熱い気持ちを全身に浴びてきました。  ジョジョ展inS市杜王町は、市民局や経済局、外郭団体初め、地元企業で構成する実行委員会の主催で行われたと聞きました。入場者総数は三万一千五百人、一日当たり約千七百五十人と大成功に終わったとのことですが、経済効果は、どのくらいだったのでしょうか。また、波及効果もかなりあったのではないかと推測しますが、ジョジョ展inS市杜王町の評価もあわせてお伺いします。  会場前では、主人公の奇妙なポーズであるジョジョ立ちと言いながら、展覧会帰りの人に写真撮りますよと呼びかける市の担当職員の姿もありました。おかたいとのイメージがある公務員も、なかなか柔軟だねと好意的な反応でした。漫画の原画展を自治体が中心となって開催するのは、先駆的なことと思われます。会場のボランティアを市民に呼びかけ募ったとのことですが、経緯や運営について、お伺いします。  原画展に先立ち東京で行われた記者発表会では、伊藤副市長も登壇し、杜王町のモデルになった仙台の姿をごらんいただきたいとPRしました。仙台市挙げての歓迎ムードが高まっていたのですが、一方で課題も残りました。  前売り券は開催のかなり前に完売し、平日限定の前売り券も開催十日ほど前に売り切れました。会場の混乱が予想されるために、当初、予定していた当日券の売り出しはなしとなりました。最終日に会場に行きましたが、他都市から訪れた方々が当日券の販売がなかったために入場を諦めざるを得ない姿を複数見ました。キャラクターなどのグッズも売り切れ続出だったため、欲しくても買えなかった人がたくさんいました。  開催の前には、市民局と交通局が連携をした取り組みが行われ、スキップカードが二千五百枚販売されました。これは、漫画の連載が二十五年、そして地下鉄開業二十五周年という数字に由来したものだそうですが、販売当日、二十分足らずでカードは完売してしまいました。本来であれば、これらの方がグッズなどの購入をすれば、さらなる波及効果があったはずなのです。  ジョジョ好きの身近な職員や、ターゲットとなる若い年代の人たちは、貴重なシンクタンクです。その方々の話を聞き事前のリサーチをすることや、アイデアを提供してもらい企画に生かすなど、多くの取り組みができたと思います。見通しが甘かった部分も否めません。お伺いします。  さらなる広告宣伝を図り、例えば、市長部局が発案する事業を、市内全戸に配布するガスや水道の使用量のお知らせの裏面のスペースを使って広報することなどの活用ができると思います。市長部局と企業体などが垣根を越えて横の連携を深め、仙台市が一丸となって広報することで相乗効果をもたらすと考えます。御所見をお伺いします。  ジョジョ展で培ったノウハウを、今後も最大限に生かすべきと考えます。職員や市民の協働でつくり上げる事業は、将来にわたり、さまざまな可能性や展望があると思いますが、見解をお伺いします。  最後に、発達障害者に対する支援について、お伺いします。  二〇〇五年に発達障害者支援法が制定、施行され、国や自治体には、早期発見、適切で継続的な支援といった責務も定められました。早期発見や支援、発達障害者に対する就労、地域における生活などに関する支援や家族に対する支援、各部局との連携した取り組みについて、どのようになっているのか、お伺いします。  発達障害の一つとも言われているアスペルガー症候群とは、生まれながら脳の機能障害が原因とされています。  ことしの七月三十日、姉を殺害した四十代のアスペルガー症候群の男性被告に対し、大阪地裁の裁判員裁判で、検察の求刑を上回る懲役二十年の判決が言い渡されました。その理由は、アスペルガー症候群に対応する受け皿が用意されていない。再犯のおそれが強く心配されるから、刑務所への長期収容が必要というものです。痛ましい犯罪だったとはいえ、障害者を社会から隔離するという発達障害への無理解と偏見があるひどい判決です。市長は、この判決に対して、どのような御所見をお持ちか、お伺いします。  罪を犯した発達障害者に対し、厚労省は、刑務所などから退所する場合、受け入れ先を探す、地域生活定着支援センターを全都道府県に設置し、社会復帰につなげる動きを進めていますが、まだまだ受け皿が少ない状態です。本市が責任を持ち、障害を持つ方々に寄り添い、ともに暮らすことができるように、県との連携や受け入れ先の確保や支援の拡充も、受け皿となる施設の処遇改善も必要です。本市の取り組みについて、お伺いします。  また、発達障害への理解を進め、差別と偏見をなくすため、市民への啓蒙も必要です。お取り組みについてお伺いし、私からの第一問とします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 47: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのひぐちのりこ議員の御質問にお答えを申し上げます。  先般開催をいたしましたジョジョ展についてのお尋ねでございます。  この原画展は、市職員や地元民間企業の有志の皆様からの依頼に対し、作者であり、仙台出身の漫画家でもあります荒木飛呂彦氏が、震災復興に何らかの貢献をしたい、この強いお気持ちがあったことから実現に至ったものと受けとめております。  開催期間は七夕まつりとも重なり、予想をはるかに上回る方々に御来場いただき、この仙台のまちなかに、にぎわいと活気をもたらすとともに、市民の皆様にもいろいろな形で元気を与えることができたものと考えております。また、震災からの復興に向けて歩みを進める仙台の元気な姿を、全国からおいでの皆様に発信できたのではないかとも考えているところでございます。  今回のジョジョ展は、官民の垣根を越え、また、組織の枠を超えて協働で取り組みました事業の一つの成功事例として、これからの運営のモデルにもなるものと認識をしているところでございます。今後とも、このたびの運営を通して得られました経験やノウハウを生かし、都市の魅力や活力の創出、交流人口の拡大などにつながるイベントの開催に向け取り組んでまいりたいと考えております。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 48: ◯危機管理監(佐藤孝好)私からは、非常配備時の職員の参集について、お答えを申し上げます。  先般、八月三十日に発生した地震では、宮城野区で震度五強を観測したために、非常二号配備を発令するとともに、災害対策本部を設置し、全庁的な応急活動を実施いたしたところでございますが、その際の職員の参集につきましては、部局ごとに違いはございましたが、全体では規定参集人員の六割程度にとどまったところでございまして、この結果につきましては重く受けとめているところでございます。  今回は幸いにも大きな被害はなかったところでございますけれども、いざというときに的確に行動できるよう、平素から体制を整えておきますことは極めて重要でございますので、このたびの参集状況を踏まえまして、参集の基準はもとより、職員の連絡網のチェックや役割分担などについて、さらにきめ細かく周知をいたし、非常配備体制の徹底を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 49: ◯総務企画局長(高橋一典)職員のモチベーションに関する御質問等にお答えいたします。  全庁挙げて復興を加速させていく中で、職員のやる気を高め、組織の力としてまとめていくためには、何より所属長の役割は大きく、日々の職員への声がけや職場内での積極的なディスカッションの積み重ねが重要でございます。  ふだんからやる気を育む職場環境づくりができるよう、管理監督者向けの研修に力を入れておりますほか、配置管理などに当たりましては、所属長が職員一人一人と面談し、担当業務への取り組みや職場への提案などについて、意見交換をする仕組みとしております。  また、ふだん直接会話の少ない局長などの幹部職員と一般職員とが、役職、立場を離れて気軽に意見を交わす機会を設け、組織内コミュニケーションの活性化を促している事例もございます。  今後とも、こうした職員のモチベーションの向上につながる取り組みに工夫を重ねてまいりたいと考えております。  次に、旧姓使用の運用についてでございます。  本市職員におきます旧姓使用の取り扱いにつきましては、平成十四年七月にその取扱要綱を定め、その基準といたしまして、対外的に公権力を行使する場合や職員としての身分にかかわる場合、その他職務を遂行する上で市民への誤解などが生じるおそれがある場合を除いて、臨時職員なども含め、その使用を認めているところでございます。  本制度の運用に当たりましては、婚姻などに伴う改姓による社会生活上の不利益などを軽減し、男女双方が社会でその能力を発揮できるようにするとの本来の趣旨を理解することが、何より肝要と考えております。  今後も、こうした基本的な考え方を踏まえ、職員の事情にも配慮しつつ、使用の範囲や届け出期間について、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。  最後に、組織横断的な広報についてでございます。  本市が行う大きなイベントや事業を相互に関連づけ、一体としてPRを行うなど、組織が連携し広報を行うことは、相乗効果をもたらす有効な方法であると認識いたしております。  こうした広報の基本となりますのは、何よりも職員一人一人の広報マインドの向上でございますので、他部局の事業にも関心を持ち、タイムリーな情報を用いて効果的な広報を行えますよう、引き続き、職員研修の充実や庁内LANでの情報共有化などに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 50: ◯市民局長(上田昌孝)私からは、ジョジョ展に関する御質問のうち、市長と総務企画局長から御答弁申し上げました以外の質問について、お答えを申し上げます。  まず、ジョジョ展の経済効果と評価についてでございます。  今回のジョジョ展におきましては、約三万一千五百人の方に御来場いただきました。半数以上の方は県外からの来場者で、北海道から九州、沖縄まで、さらには海外からもお越しいただいており、チケット代やグッズの売り上げ、宿泊交通費、飲食費などの経済的効果は約十一億円となるものと試算いたしております。  市民を初め、県外からも多くの方々に御来場いただき、地域経済に大きな効果をもたらしますとともに、仙台の元気な姿を内外に発信するなどの成果があったものと存じます。  次に、市民ボランティアを募った経緯や運営に関する御質問にお答え申し上げます。  今般のジョジョ展におきましては、地元のファンを中心とした若い年代の方々に、企画立案の段階からボランティアとして参画していただき、そこから生まれたアイデアを最大限生かしてまいったところでございます。  運営に際しましては、これらの方々に加え、市民ボランティアに参加いただくことにより、全国からいらっしゃる多くの方々が楽しんでいただけますよう、円滑な運営、ホスピタリティーの向上に努めたところでございます。  最後に、チケットや関連グッズを購入できない方が多かったなど、事前リサーチ等の取り組みについての御指摘でございますが、今回の原画展の開催は全国初の試みのため、来場者数やグッズの売り上げ等を予想することは大変困難な状況にございました。  結果的に、予想をはるかに超える人気のため、チケットやグッズの入手について希望に添えない方がいらっしゃいましたが、今回の結果を十分に踏まえまして、今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 51: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、発達障害者の支援に関する数点の御質問にお答えをいたします。  まず、早期発見等の取り組みについてでございます。  発達障害の早期発見や支援につきましては、発達相談支援センターが、各区の保健福祉センターや保育所、幼稚園、学校、医療機関等から、発達に不安のある方の紹介を受け、本人や御家族の状況等を確認の上、支援を行うとともに、こうした関係機関に対し、必要な助言等を行う体制を整えているところでございます。
     また、就労につきましては、障害者就労支援センターやハローワーク等との連携により、就労に結びつけることや、教育局と連携し、将来を見据えたキャリア形成等の支援にも取り組んでいるところでございます。  御家族に対しましては、先輩保護者との交流の場等を通じ、保護者自身が障害と向き合い、子育ての方向性を見出せるよう支援をいたしております。  また、発達障害児者とその御家族が地域で安心して生活していくためには、さまざまな関係機関との連携によるライフステージに応じた支援の継続が重要でありますことから、御本人とその御家族を中心に据えた支援ネットワークの強化に努めているところでございます。  次に、発達障害者への判決についてでございます。  今回の事件の被告は、必要な支援を受けられないまま長期間にわたり不登校や引きこもりの生活を送り、このたびの逮捕後に初めて発達障害の一つであるアスペルガー症候群と診断されたと伺っております。  判決内容につきましては、現在、係争中でございますのでコメントは差し控えたいと考えておりますが、このような事件が起きましたことは極めて残念であり、発達障害の早期発見と幼少時期からの継続した支援の重要性を改めて感じているところでございます。  次に、矯正施設から退所する発達障害者の受け皿の確保等についてでございます。  矯正施設からの退所者への支援は、入所中から国の保護観察所と都道府県の地域生活定着支援センターが中心となって行っておりますが、障害者施設等を利用する必要性がある場合は、本市もケア会議に参加し、退所後の生活の場の確保や生活支援等に努めているところでございます。  今後とも、障害者施設等が地域生活の受け皿となりますよう、引き続き、宮城県を初めとする関係機関との連携強化に努めてまいりたいと考えております。  最後に、発達障害に関する市民啓発についてでございます。  発達障害児者とその御家族が住みなれた地域で安心した生活を送るためには、市民の理解が何よりも重要でございます。  こうしたことから、発達相談支援センターにおきましては、広報誌の発行やホームページ等により情報の提供を行うほか、アーチル療育セミナーや発達障害講座など、市民の皆様や支援者に対する各種の研修を開催しているところでございます。  こうした研修会におきましては、単に発達障害についての基礎的な内容にとどまらず、障害のある当事者御本人にみずからの経験をお話しいただくなど、市民の皆様の理解を深めていただくための取り組みを行っており、今後とも、障害に対する心のバリアフリーの普及啓発に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 52: ◯消防局長(高橋文雄)地域防災計画等の見直しにおける現場の声の反映について、お答えいたします。  このたびの東日本大震災における対応といたしましては、行政では十分にできなかった対応を地域の皆様に補っていただいたところでございます。このような観点から、地域防災計画等の修正に当たりましては、市民アンケートや連合町内会によるアンケートなど、震災を経験した多くの方々の意見等を取り入れてまいりたいと考えております。  また、本市職員が避難所や災害対策本部の運営、その他さまざまな活動を通して得た貴重な教訓についても集約し、今後に生かしていくことが重要であると考えております。  本市の防災会議には地域団体の代表にも参画いただいておりますので、このたびの大震災において現場で活動された方々の声が十分に反映されるよう努めてまいりたいと存じます。 53: ◯副議長(木村勝好)次に、及川英樹君に発言を許します。     〔八番 及川英樹登壇〕(拍手) 54: ◯八番(及川英樹)八番、みんなの党・みんなの仙台、及川英樹です。議長より発言をお許しいただいたので、地域医療、健康対策、認知症対策について質問いたします。  まず、在宅医療について、伺います。  改正介護保険法がことしの四月に施行され、その狙いは、医療、介護、生活支援サービスなどを一体的に提供する体制を整え、重度化しても住みなれた地域で生活を維持できるようにする、地域包括ケアシステムを築くことですが、地域包括ケアは、平成十八年の制度改正で小規模多機能型居宅介護や夜間対応型訪問介護などが創設されましたが、現場単位では懸命に取り組んでいるものの、まだまだ在宅重視ではなく、病院などの施設志向が続いており、臨床研修指定病院百七十二病棟、千三百二十五例の在宅適用、退院患者転帰データによりますと、入院三カ月を過ぎ、約四九%が転院、入院していた病院に約二一%が通院、近隣の病院などを紹介、約一七%、施設入所が約一三%などとなっており、在宅医療にほとんどつながっていないのが現状であります。  自宅で療養を行い、医師などが訪れて診察する在宅医療や訪問介護は、急速に進む超高齢社会においてはますますニーズが高まり、本市としても積極的に取り組む必要があると思われますが、御所見を伺います。  一九五一年には約八三%が自宅で最期を迎えておりましたが、今では八〇%以上が病院などの施設型になっております。また、最期を迎える一カ月間に必要とされる医療費が百万円以上かかる場合もございます。  なぜ、地域医療を推し進めても在宅医療につながらないのか、本市において在宅医療を積極的に、かつ、献身的に取り組んでいる、花京院にある仙台往診クリニックに依頼し、本人や家族の同意をとっていただき、往診時に何度か同行させていただき、現場の状況、御家族の聞き取りや他都市の現状などもあわせて視察調査いたしました。  その中のケースでは、六十代女性が神経難病に至り、全身麻痺で寝たきり、呼吸器を取りつけ、栄養は点滴や胃ろうで、三百六十五日、二十四時間、独居の方がさまざまな制度を利用し暮らせており、このことなどから、本市は他都市に比べて在宅医療をある程度受けやすい環境にあることが見受けられました。  そこで、食事、排便、運動、入浴などのさまざまなヘルパー、看護、リハビリ、歯科、薬剤師などの連携がさらに図られるような合同カンファレンスの場を設け、互いの長所や短所を補ってもらうことなどや、在宅医療の知識や情報などを共有してもらい、意識の統一をさらに図ることが必要です。  それは、看護学校などでは、時代に合わせて在宅医療についての授業を導入しておりますが、医学部などでは、各専門分野を重視し、さらに細分化しているため、在宅医療分野まではなかなか取り組んでいけていないようです。  また、それと同時に、市民にも、輸血、X線検査、中心静脈栄養など、さまざまな治療が在宅で受けられ、その費用は入院して受けるよりも場合によっては半額以下で済むことや、症状が急変してもすぐ対応してくれる、また、家族がつきっきりにならなくてもよいなどの正しい在宅医療に関連した知識や情報も積極的に提供することにより、住みなれた自宅が病室や施設のかわりになるわけです。箱物をつくり続ける必要はなく、医療費や介護費の大幅な削減につながります。  国としても、社会保障のありようについて、施設重視ではこの先崩壊することに気づいており、在宅重視にシフトしているのではないでしょうか。  また、長崎で地域医療連携に積極的に取り組んでいる在宅ドクターネットなども参考に、本市としても、さらに取り組んでいく必要があるのではないでしょうか、伺います。  次に、健康対策について、伺います。  年をとると物忘れが多くなるのは、加齢による脳機能の低下が原因とされておりますが、同時に病も疑われます。物忘れに始まり、放っておくと記憶や理解、判断に障害を来し、人によって、幻覚、妄想、徘回、暴力など、さまざまな症状を引き起こすのが認知症です。また、暴力や徘回などで他人に迷惑をかけてしまえば、家族崩壊にもつながります。もし自分の親や家族が認知症などにかかった場合、事実を受けとめにくく、戸惑いなどで苦しみ、鬱状態になるのも、この病の特徴です。  昨年、薬を飲み込めない方や、飲むことを嫌がる方にも有効な、体に張るタイプの認知症治療薬が国内で初めて承認され、症状の緩和が期待されているところでもございますが、いまだ根本治療があるわけではございません。  このように悩み苦しんでいる方々や、御家族を支えるニーズは高まりますので、専門的な知識や情報などの支援、また、徘回SOSネットワークシステムの本市と県との連携強化や周知の徹底は、できているのでしょうか。あわせて、伺います。  今までは、病気の早期発見、早期治療により、症状をおくらせることが最も有効な手段と考えられておりましたが、最近の医学学会報告や医療機関などに伺ったところ、身体を動かすことが有効であるとのことでした。  また、昔のことは忘れにくく、新しいことは受け入れにくいことなどから、家族や地域の顔見知りの方々と体を動かす機会があれば、さらに効果的とのことです。来月開催される、ねんりんピックのような大会は、体を動かす大きなきっかけになることは間違いないですが、もっと身近で、健康になり、地域と結びつき、運動のきっかけづくりができる方法があると思われます。それは、国民健康体操、通称ラジオ体操です。  エアロビクスの国際大会や日本大会に何度も出場され、市内などでインストラクターとして活躍されている先生方に、ラジオ体操をどのように思われますかと尋ねたところ、有酸素運動ですと伺いました。特に正しい動作で行えば、さらに運動学的にも効果があるとのことでした。また、報道機関などでもたびたび効能について取り上げられております。  そこで、市内などを中心に地域の健康増進に努めている仙台市ラジオ体操連盟会長に直接指導を仰ぎながら、調査視察をしてまいりました。確かに心身ともに健康になり、地域のつながりができるとのことで、会長いわく、ラジオ体操第一は、小さな子供から年配の方まで幅広い年齢層が楽しめる一般向けであり、ラジオ体操第二は、動きに強弱があるので勤労者の方に適しているとのことでした。  二十一世紀の医療は予防医学が重要です。本市は、病気の予防と健康増進を図るための運動施策は、どのように行っているのでしょうか。あわせて、伺います。  常に体を動かす習慣づくりに、積極的に取り組んでいくことに期待をいたします。  以上で一般質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 55: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの及川英樹議員の御質問にお答えを申し上げます。  在宅医療に関してのお尋ねでございました。  急速な高齢化の進行に伴い、医療ニーズの高い高齢者の方や重度の要介護者の増加への対応は、喫緊の課題となっているところでございます。  こうした課題を踏まえ、高齢者の在宅での生活を支援する地域包括ケアシステムの構築につきましては、医療と介護の連携強化を図っていくことが重要な柱の一つであると認識をいたしております。  本市におきましては、これまで仙台市医師会の御協力をいただきながら、住みなれた自宅で最期を迎えるために、これを目標に掲げ、在宅医療の推進に関する勉強会や市民フォーラムの開催などを行ってまいったところでございます。  また、地域包括支援センターにおきましては、医療関係者の御参加をいただきながら、地域における包括的、継続的な高齢者支援のネットワーク構築を目指しているところでございます。  今後は、高齢者の方が住みなれた地域で安心して暮らしていただけますよう、御紹介の長崎の事例なども参考としながら、仙台市医師会との連携のもと、医療と介護の連携と在宅医療のあり方について、さらに検討を進めてまいりたいと存じます。  そのほかのお尋ねにつきましては、健康福祉局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 56: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、認知症対策と健康増進施策の二点について御答弁申し上げます。  まず、認知症の支援体制についてでございます。  本市では、平成二十年に仙台市認知症対策推進会議を設置し、認知症に関するさまざまな課題について検討を行うとともに、関係機関のネットワークによる支援体制を構築してきたところでございます。  これまで、認知症サポーター養成講座の開催や、仙台市医師会と連携し、かかりつけ医を対象とした認知症対応研修を実施したほか、各区役所や地域包括支援センターの窓口での相談、さらには、認知症の人と家族の会と連携した電話相談、家族交流会などを行ってまいりました。  また、徘回する高齢者を関係機関と連携して発見、保護するSOSネットワークシステムは、宮城県警が中心となって実施しているものでございますが、本市でも認知症の相談の際にこのシステムを紹介するなど、その周知に努めているところでございます。  今後とも、関係機関との協力のもと、認知症の患者とその御家族の支援に取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、予防と健康増進のための運動施策についてでございます。  御指摘のとおり、日常生活においてエアロビクスなどの有酸素運動といった適度な運動を取り入れることは、生活習慣病予防や介護予防、さらには心のリフレッシュにつながるなど、心身両面の効用があるものと考えております。  現在、各区の保健福祉センター等において、健康づくり運動教室や生活習慣病予防講座の開催、また、自主的に運動する高齢者グループの育成や、運動プログラムの提供などに取り組んでおります。さらに、地域の健康づくり講座への講師派遣やホームページによる市内ウオーキングコース情報提供なども行っているところでございます。  今後とも、市民の日常生活に運動習慣が定着し、健康づくりが推進されますよう、各種施策の充実強化に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。          ────────○──────── 57: ◯副議長(木村勝好)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 58: ◯副議長(木村勝好)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日、定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後四時四十七分延会...