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  1. 仙台市議会 2008-10-30
    東西線沿線整備調査特別委員会 本文 2008-10-30


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                 ※会議の概要 ◯委員長  ただいまから、東西線沿線整備調査特別委員会を開会いたします。  まず、説明員の出席についてでありますが、本日は都市整備局長、建設局長、交通事業管理者ほか関係職員の方々に出席をいただいております。  次に、本日の委員会の進め方についてであります。本日の日程はお手元に配付の日程のとおりでありますが、本日は財団法人日本経済研究所調査第一部長の鈴木眞人氏をお招きし、仙台のまちづくり地下鉄東西線の可能性と題しましてお話をいただきます。鈴木さんからは1時間程度お話をいただき、その後、質問等の時間にさせていただきたいと思います。  質問等が終了いたしましたら、一たん休憩を挟みまして、当局より青葉山で実施する事業におけるオオタカの保全について報告をいただき、その後、協議といたしまして今回の本委員会の調査テーマに関連して、東西線沿線まちづくり基本方針の改定について当局から報告をいただくことにしておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、財団法人日本経済研究所調査第一部長の鈴木眞人さんを御紹介いたします。  本日は御多用のところ御出席をいただきまして、ありがとうございます。委員会を代表して厚くお礼申し上げます。  私から簡単に鈴木さんの御紹介をさせていただきます。鈴木さんは昭和60年、北海道東北開発公庫に入庫、平成11年には日本政策投資銀行に入行し、主に調査研究分野にて御活躍され、平成19年から現職である財団法人日本経済研究所調査第一部長に就任されております。また、地域経済、公民連携に関する著書も多数あり、まちづくりについても幅広い見識をお持ちでいらっしゃることに加えまして、かつては本市にお住まいであったこと、さらに本市の経済関連の業務にも携わっていただいているなど、本市の状況に明るい方でもあります。  なお、皆様のお手元に鈴木さんの略歴書をお配りしておりますので、後ほど御高覧いただきたいと思います。  それでは、早速お話をいただきたいと思いますが、お話を伺う際には着席のまま進めさせていただき、また、プロジェクターを使用いたしますので、委員の皆様、よろしくお願いをいたします。  それでは、鈴木さん、よろしくお願いいたします。 2: ◯鈴木眞人参考人  日本経済研究所の鈴木です。本日はこのような席にお招きいただきまして、どうもありがとうございます。  1時間ぐらいということで、それほど大したお話はできないかと思いますけれども、少しでも仙台市さんのお役に立てればと思ってお話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  委員長からもお話ありましたように座ったままで、ちょっと位置が何か微妙なところで、何か囲まれたところで話しにくい部分もあるんですけれども。  本日は一応レジュメということで1枚紙をお配りさせていただいていますけれども、一応まず仙台市さんの可能性ということで、仙台市の置かれている状況について若干私なりに分析をさせていただこうかなと思っています。それと、仙台市のまちづくりに向けた方向性を少し示させていただいて、その上で、そういうまちづくりの中で東西線をどういうふうに活用するのがいいのだろうかと。まだ若干開業までには時間がありますけれども、その間にどういうことをやったらいいのかといったようなことで、少し私の意見を述べさせていただければなと思っておるところです。  最初に、簡単に私どもの組織をお話しさせていただいて、自己紹介も少しさせていただきますけれども、先ほど御紹介ありましたとおり、日本経済研究所なんですけれども、日本政策投資銀行の関連のシンクタンクと今なっておりまして、下の方にありますけれども、PFIですとか、まちづくり地域づくり関係調査研究を主にやっております。  私は、先ほど御紹介いただきましたけれども、昭和六十二、三年のころ、ちょうど仙台市さんが政令指定都市になるころと平成10年ごろ、その2回仙台に都合5年半勤務しております。先ほど調査研究というところのお話もあったんですけれども、企業向けの融資の担当とかが実は長くて、私ども旧北東公庫あるいは政策投資銀行でも長期の融資をするという中で、東北の地域特性を十分調べながら、その企業の可能性、フィージブルなところを見させていただくという業務をやっておりましたんで、これからの仙台市さんのまちづくりというところについて、そういう視点も交えながら少しお話しできればなと思っておるところです。  先ほど申し上げましたけれども、きょう一応3点ほどお話を申し上げたいと思っておりますので、そのうちの幾つかでも少し皆さんの頭に残るようなお話ができればいいかなと、そんなつもりできょうはお話しさせていただきます。  では、本題に入りますけれども、先に少し人口の話をさせていただきます。  もう皆さん十分御存じかと思うんですけれども、地域の経済を語る上で人口動向というものは非常に重要な指標でして、その割にはなかなか本質を理解されていない指標でもあるということで、簡単な整理を先にやりながら、その中から仙台の特色というものを見ていきたいと思っております。
     これはちょっと小さいグラフなんですけれども、時間前にさっとやりますけれども、ここのところがぴこぴことなっていますけれども、ここが終戦のときです。1945年ぐらいです。減って、ふえていると。これは増加率。折れ線グラフは増加率で、棒グラフは総人口の推移です。よく日本の人口が戦後急増したように言われているんですけれども、これは明治維新のころですけれども、ずっと増加基調にありまして、特に戦後の増加が多かったと。戦後すぐから50年間で日本の人口は5000万人にふえています。毎年仙台市が1個ふえるぐらいずつの人口がふえたと。これは出生率の問題もあるんですけれども、実も平均寿命が延びたことが大きい要因でして、最近人口の伸びがとまっているのは平均寿命の伸びがとまっていることとも関係しています。  これは人口ピラミッドですけれども、これはまた次で詳しくやりますけれども、ここでいう二つの母集団と言っているのは、団塊の世代と団塊ジュニアのところに二つの山があるというのが現状の日本の人口の特色。それと、先ほどトータルで日本全体ではふえているんですけれども、実は地域間では物すごい人口移動がありまして、その移動についてもどうして起きたのか、どれくらい移動しているのかというものを理解しないと仙台市の現状の人口を理解することはできないんで、その辺の話も少しさせていただこうかなと思っています。  先ほどの二つのこぶなんですけれども、これは昭和50年です。団塊の世代が一番ありますけれども、きれいなピラミッドになっていたんですが、いわゆる団塊の世代の後出生数がぐっと減ってきます。その後、その団塊ジュニアの世代が生まれてきて、その後また、出生率で減っていると言ってもいいんですが、出生数が減ってきて、これが2005年。これは一番直近の国勢調査の数字ですけれども、こういう状況になっていると。  ですから、ここの部分、この人たちがこの時点で大体60歳ですけれども、これから高齢化していくという話と、この部分です、この人たちより少ない部分しか生まれていないと。この少子化の部分と。これが少子高齢化があらわれている図です。当然この出生数ですから、これがずっと続いたとしても、この人たちがいなくなればその分日本の総人口は減っていくと。ここの今の15歳よりも上、20歳以上の年代は現状の出生数よりも上にありますから、ここの人たちが亡くなる部分までは確実に人口は減少していくということです。ただ、だから、あとこちらの出生数がどうなるのか。上がるのか、下がるのか。それによってその先の人口が決まってくると。  一応こういう状況が国全体の状況なんですけれども、実は先ほど出生数の話をしましたけれども、それは自然増加、自然減少という数字で、それ以外に社会移動、社会増減というものがありまして、実は日本の国の中で地域間で人口が物すごい移動していると。特に昭和30年代、40年代、移動しています。これはいわゆる集団就職とか、そういうもので東京に出ていった世代のところです。それで、上は関東、ここの青いところは関東です。次が東海で、関西と。昭和40年代まではこの三大都市圏にほかの地域から人口が移動するという時代が続いて、その後は専ら首都圏を中心とする関東地方にだけ人口は流入しているというのが実情なんですけれども、それを東北7県で見ると、東北からはたくさん人口が出ていきました。最近は少し減っているんですけれども、流入している部分が昭和45年以降にあります。これは宮城県です。仙台中心に東北の中では、全国で見ると東北は人口が移動しているところなんですけれども、東北の中では実は仙台中心に宮城県に人口が集まってきたということがデータから見て取れます。  その結果が仙台市の人口ピラミッドにあらわれています。後ろの棒グラフは先ほど見た全国の人口です。折れ線グラフは仙台です。先ほど言いましたとおり、昭和40年代までは宮城県も人口流出していました。仙台も流出していました。ですから、ここの山は全国より低いんです。だけれども、その後流入していると。どういう人が流入したのかというと、結構若い人が流入しているんです。ですから、ここが低いところとここの若い人の流入のところに特色があって、ここの部分が非常に今仙台に活力を与えているんですけれども。ですけれどもというのは、一見これですごく仙台はよさそうに見えるんですが、多分皆さんも実感されていると思うんですけれども、最近どうも調子がおかしんじゃないかというところがあるんじゃないかと思います。  ここが大きいのに、実は子供たちの数というのは割合から考えて、全国に比べてそんなに多くはないわけです。本来であれば、ここの部分の人たちというのは一番家庭を持って家族を持つという世代のはずなのに、全国と比較するとどうも子供の数が少ないと。これはどういうことかというと、こちらの数で見てもそうなんですけれども、就業動向で見ると、全体的に仙台は全国よりも就業動向が少ないんですけれども、実はそこの若い世代のところが就業していないんです。  ここはいろいろな要因があって、まだ詳細に分析していないんで一概に言えないんですけれども、例えば大学とかが多いという中で、研究職とかにつかれている方が就職されないでまだ研究されて独身で頑張っておられるとか、あるいは経済的に子供をつくれないなというような状況があるんじゃないのかなと。非常に若い層の就業問題というのは実は仙台は内包していて、それが先ほどのここに出てきているのかなと。  そのことが、こちらのグラフの読み方なんですけれども、これは仙台市さんにつくっていただいたグラフなんであれなんですけれども、ちょっと小さくてあれですが、平成2年、7年、12年、17年の人口ピラミッドなんですけれども、これが平成2年です。先ほど寿命が延びると人口がふえるよという話もしたんですけれども、ここの人は5年後にここに来ているわけです。さらに5年後にここに来ているわけです。さらに5年後ここに来ているということで、同じ5年ごとの推移を見ていると、50歳以上の方、この辺からの人は人口は変わっていないわけです。平成2年に40歳だった方は現状60歳ですけれども、若干減っているけれどもほぼ維持していると。  ところが、平成2年に15歳だった人は平成7年にこれだけふえているわけです。約2万人ふえていますけれども、これだけ外から流入があったわけです。それが平成12年、17年と減ってきていると。だから、これを見ると、学生さんとして流入した方がその後就職しないで仙台から外に出ていると。どうもそういうことが起きているんじゃないかなと。  さらに、ここの山が同時期の20歳から24歳の山が下がってきていますから、平成2年よりも平成7年、17年とふえてきたと。この若い人たちが流入してきたのは、平成17年は平成2年の水準よりも低くなっているということは、一時期よりも若い人の流入も減ってきていると。そういうことが考えられると思います。  ですから、そうなると、現状では全国よりも上にいて、全国よりも多分平均年齢は仙台は若いんだと思います。若い人がいて一見活力があるように見えますけれども、ここの部分は実はバブルで、今後ぐぐぐっと、全国並みかそれ以下かわかりませんけれども、かなり下がってくる可能性があるんじゃないかなということが見て取れると思います。  これがどういうふうに問題なのかというところで、これは政策投資銀行の藻谷が扱っているグラフをそのまま使わせろと言って持ってきたものなんですけれども、ちょっと別のところで使ったものなんで色分けとかが違いますけれども、仙台はここにあります。これはどういうグラフかというと、2000年と2005年を比較して、縦のグラフは人口の自然増減。ここに書いてありますけれども、出生者から死亡者を引いた数です。増減率ですけれども。だから、縦、上に行けば行くほど生まれる人が多くて死ぬ人が少ないと。だから、仙台なんかは先ほどグラフを見ましたけれども、年寄りの人よりも若い人が多いんで当然上に来ているわけです。横軸は何かというと、ここに書いてありますけれども、社会増減です。転入する人と転出する人です。入ってくる人が多い地域はこっちにあります。出ていく人が多い地域はこっちにあります。仙台は中立ですから、仙台の人口増加というのは社会増減じゃなくて自然増減で維持されているというのが2005年の時点です。ただ、最近の数字では、月別で見ると社会減になっている月が出てきていますんで、仙台市さんもちょっとこれから人口はもう減るんじゃないかなというふうに見ていますけれども。  それで、これが何で成績表なのかというのは、主にこれは横軸で見てほしいんですけれども、人口の社会増減というのは何で起きるのか。まず、そこのところに住みたいか住みたくないか、あるいは仕事があるかないか。人によりこれを足の投票といいますけれども、例えば刈谷市とか豊田市、安城市なんかありますけれども、ここは明らかに自動車関連の製造業が優位ですから、そういう産業があるんで人がいっぱい流入しているし、自然増もあるというふうになるわけです。そのほか沖縄、東京のここのあたりにありますけれども、福岡市、札幌市、名古屋市、大都市圏がこういうふうにあるんで大都市圏がいいのかなというんですけれども、実は詳細に見ていくといろいろおもしろいことがあって、例えばここに石垣島なんてありますけれども、石垣島は沖縄の先の離島ですけれども、実は石垣島には非常に人が流入していると。最近リゾートブームでそういうところに移り住む人が多いんだろうということで石垣島がふえているのかなと思うんですけれども、実は石垣島のお隣の宮古島は人口が減っているんです。それとか、例えば軽井沢です。リゾートでやはり同じように別荘ブームもありますし、ふえているんですけれども、東京から新幹線で1時間のリゾート地なわけですけれども、同じ東京から新幹線で1時間の越後湯沢はこんなに人が減っているわけです。グラフをはみ出て、さらにこっち側にあるんですけれども。だから、東京からの距離とか、そういうものも関係ないわけです。  それから、例えば産業面でいうと、ここに周南市という都市があるんです。これは山口県なんですけれども、皆さん、製造業の誘致をこれから仙台はしなくてはということを考えておられるかもしれないんですけれども、ここは化学コンビナートがいっぱい張りついていて、過去20年間ぐらい工業団地の空き家が一つもないぐらい工業が張りついているところなんですけれども、出荷額も最近、バブル崩壊で一時落ち込みましたけれども、最近またケミカルなんかが復活していますので、製造業の出荷額なんかすごく伸ばしているんですけれども、人口は減っていると。製造業はリストラしていますから。  ですから、ここの表をつぶさに見ていくと、その地域、地域によって今まで言われているような産業があるからとか、単純な理由で見ることはできない。考えられる原因としては、やはりそれはそれぞれの地域が自分たちでどういう方向にいきたいのかということを理解して、そういうまちづくりをしているということしかないんじゃないかなというふうに今私なんか考えています。  藻谷なんかとその辺はいろいろ議論はしているんですけれども、どうすれば必ずうまくいくのかというのはなかなかわからないんですけれども、例えばここに海士とか知夫村なんていうものがありますけれども、これは島根県の沖の隠岐の島の土地なんです。だから、高齢化が今まで進んでいたんで自然減はありますけれども、ああいうところに、これは人口2,000人ぐらいのところですけれども、住みたいという人が移ってくる。地元も農業とか漁業とか、それから観光といろいろあるんですけれども、そういう就業する人たちをふやそうともう努力しているところには人が来ているわけです。その一方で、観光地といえば日光とか箱根とか東京に近い観光地で世界遺産とかといっても、減るところは減ると。  だから、そこのところのことを考えると、仙台も今まで人口がふえていたのは何でなのかと。若い人たちがどっと流入してきたのはどういう理由だったのか。その人たちを引きとめるには何をしなくてはいけないのか。その辺のところをしっかり考えていかないと、今ここにいますけれども実はこっちの方に5年後行っている可能性もあるわけです。ですから、仙台は5年後、10年後こっちの方に移すにはどうしたらいいのか。それをまちづくりとか、そういうことでも考えていかなくてはいけないのかなということがまずあると思います。  ちょっとこればかり話していてもしようがないので、そのときに絶対産業が必要なんですけれども、ですから若い人の就業率を上げなくてはいけないと。そういったときに仙台の就業状況、ちょっと小さくて見にくいですけれども、仙台市というのは非常に特殊な産業構造をしていまして、全国と比較して第一次産業が低い、第二次産業が低い。製造業なんか全国の3分の1の就業者の構成数しかないわけです。それで、第三次産業が非常に強いと。特に卸、小売、サービス業、こちらは非常にウエートが高いんです。多分今の議員さんの中にもこれに関連した事業をやっておられる方がおられるかもしれませんけれども、実はこれが強み。支店経済とやゆされるときもありますけれども、何だかんだいって東北のいろいろなものの集積地になっていると。そういう意味での政治経済都市であったと。それプラスここの部分、学生さんがありますから学術都市でもあるんですけれども。  ところが、実はここの基盤が非常に今、十分皆さん御存じだと思いますけれども、危ういわけです。特に卸業が危うい。就業者数が減っていますし、販売額もがた落ちです。これの原因はいろいろあるんですけれども、これは1990年代の半ばぐらいに完全に全国のチェーン店の流通網が整備されてしまって、地域の問屋さんの存在意義が年々低下してきているという数字なんですけれども、これ自体は非常に時代の流れで変えられない部分なんですけれども、ではこれから復活の可能性があるのか、ないのかといったときには、実はイオンさんなんかを初めとする大手スーパーさんも今非常に苦戦しておりまして、今回も円高還元セールとかといって、本当にあんなことで決算大丈夫かなと思うような値下げセールをやっていますけれども、お店は非常に危機感が強いと。  そういう中で、卸売は結構大変なんですけれども、小売業の中でそういう大手さんが幾ら出てきても負けない小売業さんというのはある。特に同じスーパーでも地元のものを扱っている食品スーパーさんなんかは、非常に頑張っておられるところが日本全国にあるわけです。だから、そこのところは全国統一の品ぞろえで勝負する部分と、その地域ならではのもので勝負する部分と、そういう両方これから生きる道があるんじゃないのかなというふうに考えられます。  ですから、仙台はこの後者の方を考えるべきで、ちょっとこの辺はあれなんですけれども、ちょっと上のテーマの簡単なまとめをやりますけれども、仙台市をこれから発展させていくという意味では、雇用の受け皿となる独自の産業が必要じゃないでしょうかねと。独自のという意味は、先ほどの成績表のところでありましたけれども、その地域、地域で求めているものは違うわけです。その地域に人が来る、その地域で雇用があるというところはその地域で違いますので、それぞれの独自性が必要となってくると。では独自であれば勝てるのかというと、実はそうじゃなくて、地域間競争に勝てないと残っていけないと。先ほど日光とか箱根の話を出しましたけれども、世界遺産というものをもらったとしても勝てなかったりするわけです。ですから、どういうことが必要なのかということを考える必要があるのかなと。  それから、これは微妙な表現なんですけれども、今までは明らかに、先ほどの人口移動の表でも見ましたけれども、各地方圏における中心都市というものに一たんいろいろなものが集まって、それから東京に流れていったり、それから出ていったりというものがあったんですけれども、これからは本当にそういう時代が続くのかどうかと。こちらに地域間競争と言ったんですけれども、先ほどのこの成績表のおもしろいところは、東京であっても人口数百人の青ヶ島と、これは東京の南の方にある離島なんですけれども、そういうところであっても比較対照ができる、要するに地域間競争というのはもちろんライバルを自分で決めなければいけないんですけれども、その都市の大きさとか、そういうものに関係なく、それぞれの個性を競う時代に入ってきていると。明らかに時代が変わってきたという認識を持った上で今言ったようなこういうことを考えていかないといけないんじゃないのかなという問題意識を今私の方では持っています。  ちょっとグラフが出たんであれなんですけれども、先ほどの仙台市のグラフと似ても似つかないグラフなんですが、この折れ線グラフ鶴ヶ谷団地なんです。さっき仙台は若い人が多いと言ったんですけれども、御存じのとおり鶴ヶ谷団地は高齢化が進んでいます。後ろは何かというと鹿角郡です。要するに地方の山村の過疎が進んでいるところと同じようなグラフになってしまうと。仙台市全体がすぐにこういうふうになるとは言いませんけれども、産業がなくて何もそこのところで人を住まわせることができないといずれこういう形になって、ここの部分が10年後、20年後にはどんどんなくなってきますから、そうなるとその地域というのは本当に没落してしまうと。鹿角は少ないんです。こんな感じです。日本の地方圏というのは大体こんな感じです。おおよその。地方圏だから仙台は非常に頑張っているところだと思います。  それで、今言ったような話を仙台のまちづくりとの関係で考えると、改めて整理すると、まず現状認識。従来型の追求では地域の特徴を生かすことができないと。世の中変わったんだということをはっきり認識して行動しないといけないんじゃないかなというふうに思っています。どういうふうに変わったのかというのは、変わりつつあるというのが正解なんだと思うんですけれども、例えば今未曾有の金融危機だと、世界的な金融危機だということを言われていますけれども、例えば10年前のアジア危機でアジアの金融危機があったとき仙台はどういう影響を受けたのか。余り影響を受けていなかったと思うんです。例えば国際化と、グローバル化という点においても完全にもう見逃すことはできませんし、仙台が世界がどうなっているかという情報を見逃すことはできませんし、当然少子高齢化ということもありますし、それから情報化とか、あるいは地球環境問題とか、現状認識の中で解決しなくてはいけないものが非常に多岐にわたっていると。  10年前までは本当に何か一つのことを改善すれば、例えば公共工事をすれば雇用がふえて景気が回復するとか、割と単線のものだったと思うんですけれども、今は連立方程式を解かなくてはいけないような時代になっていると。しかも、自分で課題を設定して変えなくてはいけない時代になっていると。そういう中で、現状認識をきちっとしなくてはいけませんよと。多分そこから始まるんだと思います。  先日、うちの中学の娘が試験の結果を持って帰ってきて、80点だったと言うんです。でも、何か悔しそうにしていて、どうしたのとか、80点だったらいいじゃないとかと言ったら、いや、実は平均点が85点なんだよと。それは確かにやばいねという話をしたんですけれども、そうなんです。自分たちがいいと思っていても、そのポジショニングを間違ってしまうと次の対策を誤ってしまうと。起こってしまったものはしようがないんです。よくこれはあるんですけれども、過去の失敗を絶対認めないと。そういうことでは次に生かせないんです。だめだったものをだめだと言うところから発しないと、今の80点で、80点とっているからいいと言ったら、それ以上勉強しなければ平均点以下のまま。80点とっていたけれども成績はA、B、C、3ランクの中でCがついたといっても、それは文句を言えないわけです。それで自分は悪くなかったと言い張ることもできますけれども、それでは将来はない。できたことはできたということはちゃんと認めなくてはいけないんですけれども、だめなものはだめだと言うところから、そういう現状認識をしっかりしないと次の手がまるで違ってしまうということだと思います。  では、現状認識は何というと、これは競争力の話とかしていますけれども、仙台の特色をまずはっきり自分たちで認識する必要があるんだと思います。差別化。結局競争力というのはほかの地域に勝つか勝たないかということですから、ただ、それも県内大会で勝つのか、国体で勝つのか、オリンピックで勝つのか、いろいろなレベルがあって、必ずオリンピックで勝たなくてはいけないということもないわけです。その地域が豊かに、人々が安心して暮らせる状態であれば、別段世界一にならなくてもいいものがいっぱいあるわけで、そこは自分たちの競争力がどこなのか、だれに勝てばいいのかということはきっちり考えなくてはいけないんだと思います。  そういうときに、3点ほど書きましたけれども、先ほど言いましたし、皆さん十分御存じだと思いますけれども、仙台は非常にインフラが整っていますし、100万都市ということでいろいろなものがあります。これだけそろっている都市というのは世界的に見ても多分有数な都市基盤があるんだと私は思いますけれども、まずそういう蓄積、新しくつくるというだけではなくて、今すぐ十分蓄積があるんだよと、そういうものの中で使えるものはなんだろうかと、そういうことを確認する必要があるんじゃないかなと思います。  それから、歴史、文化、伝統は他地域と差別化できる特色と。仙台は400年以上の歴史がありますけれども、そういうものというのはすごく大事なんです。例えば、今日本はJアニメ、Jファッション、Jポップ、世界じゅうに日本のいろいろな文化が発信されていますけれども、その中でクール、格好いいと言われているものの過去江戸時代で一番クールと言われていたのは伊達なんだよと。伊達という言葉を世界に発信するという中でそういうものと結びつけるなんていうのは、例えば仙台しかできないわけです。伊達のお殿様は輪島にもおられますけれども、一応仙台が一番発祥なわけですから、そういうことというのはだれにも気兼ねせず自分らしかないんだと仙台の人間だけが言える特権なわけです。そういうものをどんどん生かさなくてはいけないと思うんですけれども、これは日本の全国の自治体すべてに言えると思うんですが、例えばホームページなんかに入っても仙台の歴史とか、そういうことに割いているスペースが余りにも少ないんじゃないかなと。いろいろな地域の人に仙台はどういうところなのと言われたときにはっきりそういうことが言える知識というのはすごく重要なんだと思います。  私はかれこれ20年前に仙台にいたときに、支店で採用した子は多分一女だと思いますけれども、入ってきて、その子と話していたら何と支倉常長を知らなかったと。今なくなってしまったんですけれども、一番町に支倉というレストランがあって、そこのところの常長の大きい絵がかかっていたんですけれども、あれ、だれだか知っていると言ったら知らないと。本当に知らなかったんで、一女とかを出ていてもこれくらいのことを知らないのかなというのはすごく記憶に残っているんですけれども、そういう話というのは世界史の中でもやりますけれども、地域の人がやはり一番知って、一番話していかないとどんどん風化してしまいますんで、やはり仙台の特色の中にそういう歴史があるんだということは十分理解すべきなのかなと思います。  それとあと、やはり東北大学を中心とする人材なんかです。でも、これは先ほど見ましたけれども、十分生かし切れていない。どうもそのような感じがします。  そういうところから、今言った歴史なんかから来る地域への思いとそういった地域資源をどうやって産業化していくのか。それから、新しい動きをどうやって支援していくのか。新しい動きというのは若い人です。そういうものをどんどんやっていく。そういうことがまちづくりに必要なんじゃないかなというふうに思っています。  そういう意味で、きょうちょっと仙台市の職員の方がいっぱい来られているんでどこまで言おうかなということはあるんですけれども、仙台市さんの取り組みは、私は全国各地見ておりますけれども、非常に先進的な取り組みもありますし、特に産業振興という面でも頑張っておられるところだと思いますけれども、より一層ターゲットを絞っていかれると今以上に競争力が出るのかなというふうには考えています。そこのところは先ほど申しましたけれども、頑張っていると。でも、頑張っているけれども、先ほどの現実のところで若い人の流入が減っているという事実もありますんで、そことの関係で次をどうするのかということをしっかり考えて施策を考えていくべきなんだというふうに思っています。  先ほど地域の話の中で、これは簡単なおさらいですけれども、ではどうしたらいいのかというときに、現状認識を変えなさいという話は一つはこういうことが起きているということです。これも一応行政というふうになっていますけれども、国と地方の関係も縦割りだったわけです。行政に一番情報があって、それを個別に情報を与えていますよと。こういう関係だったのが、これから、現状は既に一部こうなってきているんですけれども、完全にこういうネットワークの、それぞれが1個の主体として同じ立場に立っていろいろ活動できる地域の時代になってきていると。先ほどもちょっと委員長ともお話が出たんですけれども、今までは要するに大本営発表、国が言ったことしか情報は来なかったんですけれども、今インターネットとか、いろいろなメディアを使うことによってそういう情報の独占というものがなくなってきます。ですから、その情報の独占がなくなってきている中でつき合える。  ただ、こういうものをきちっと回していく仕組み、あるいはこれらの全体を見る受け皿というものが今度別途必要になってくるんですけれども、それはまた次の話になるんでここでは詳しく述べませんけれども、いずれにしても状況が変わってきているという認識を非常に持つ必要があるんじゃないかなと思っています。  あと経済的な話でいえば、これはわかり切った話なんですけれども……これ済みません、一部絵が消えていてちょっとわからないんですけれども、例えば仙台なら仙台という圏域の中で、産業といっても二通りあります。商業とかサービス産業など地域内でお金を回す産業と域外からお金を稼いでくる産業。この両方があります。仙台は割とこちらの方はもう十分なんで、こちらのどうやって外からお金を稼いでくるのか、ここのところをしっかり考えて振興する必要があるんだと思います。外からお金を持ってきて、それが賃金とか税となって入ってきて、住民に公共サービスを期待するわけですけれども、こういうふうにお金はぐるぐる回っていて、これ以外に地方は国から、書いていないですけれども、国から交付税とか公共投資とかがあります。あと、それ以外に例えば県外に行っている子供への仕送りとか流出する部分があるんですけれども、基本的にはこういう形でお金は回っています。ですから、ここの部分を強化してエンジンとしないと仙台の経済は発展しない。  では、ここの部分で仙台でやるところは何なのかということがポイントになると思いますけれども、それは先ほどの特色を生かす中で、ほかと違うことをやらないと外からお金は入ってこない。ほかの地域に勝たないとお金は入ってこない。多分そういうことなんだと思います。  そのお金の話でいえば、先ほどのここの時代は結局だからここの元締めになるドミナントをとる、地域で一番の企業になる、あるいは世界で一番の企業になるということがビジネスモデルとして一番重要だったんですけれども、こういう分散型社会になると1個1個が小さくてもやっていけるという状況になってきていると。それを、これは情報の世界でやっているんですけれどもロングテール、もう十分皆さん御存じだと思いますけれども、こっちが販売量で商品名ということになっていますけれども、情報の世界で2割の人が8割の利益をとっていると言われていて、ここの茶色のところに入らないと商売というのはできないんだよと言われていたんですが、ネットワークが進化することによってこういう黄色の部分でも今商売ができるようになってきています。これはアマゾンという通信販売で書籍をやっていますけれども、あそこで証明された話ですけれども、あるいはコンビニなんかでも今こうなってきているのかな。必ずコカコーラとかマイクロソフトとか、そういう部分での商売というのはこれからもあると思うんですけれども、こういう部分での商売が出てきて。だから、仙台なんか地方圏と、こっち側なんです。1個1個の規模は小さくても、それで1個1個の規模が小さいとかつては淘汰されてしまった。ところが、こちらでもできている。それがイオングループやイトーヨーカ堂と地元の小売との関係でもあるわけです。  こういうことをこういう形の黄色のところでも商売を成り立たせるというのは何かというと、先ほどのネットワーク。ネットワークの時代になったからということなんです。要するに、例えば今仙台の100万人の市場の中では非常に好みがきつくて、1,000人の人しかいなくて1,000人では商売にならなかったものが、ネットワークの中で市場を広げることができれば1億人の中の0.1%であれば10万人ですから、そうなると商売になるとか、そういうことが可能になってきているという理論が言われているんですけれども、実際に今そこのところで必ずしもこちらにならなくても勝てる。  仙台というか、東北自体がそうなんですけれども、大規模に頑張ろうとしても、それはやはりもう既に確立している大規模生産というところに資本力で勝てないという部分がありますから、違うところで勝つということを志向しないといけないんだと思います。  それで、具体にどういうまちづくりかというのは既に進めておられますので、東西線との絡みでお話ししたいと思います。これは東西線の路線図ですけれども、ホームページから拝借しました。南北線は、当時泉区の部分も含めて仙台の中心部からどんどん人口がふえていっている部分をつないで、それを輸送するという大量輸送というか、交通の革命として南北線はできました。人を運ぶための路線です。  では、今度東西線はどうなるのかと。東西線の沿線はこのような住宅団地は、これ住宅団地ですけれども、余りありません。もうこれは十分御存じのことだと思いますけれども、そういうことで見てみると、東西線の役割は先ほどの産業、仙台の新しい産業をつくる、そういう目的に使われるといいんじゃないのかなと。そんなことが考えられます。もちろん住宅地ともこの辺つながったりするんですけれども、南北線とは違う役割を東西線に求めるということがあってもいいんじゃないかなと思います。性格の違いをはっきり分けて、東西線を産業創造軸のような形で使うというのはどうかなということを私の方で、提案までいかないですけれども、考えるべきじゃないかと思っています。  これは既に仙台市さんも取り組んでおられるんで、その辺の再評価のような形になりますけれども、基本的な考え方はこの青葉山地区、ここに東北大学があるわけですけれども、ここの部分と中心部をどうつなぐのか。それから、こちらは多分卸商団地が中心になると思うんですけれども、この辺の産業地区と中心をどういうふうにつなぐのか。場合によってはこちらとこちらをどうつなぐのか。多分そういう観点になるんじゃないかなと思います。  青葉山の話はもう十分皆さん御存じだと思いますけれども、今新キャンパス構想ということで東北大学さんは情報系あるいは環境系の新キャンパスをつくろうとされていますんで、それで非常に拡張してきていますし、東北大学さん自体の今の知のレベルというのは世界の100大学の中にランキングされたり、非常に高いものがありますんで、それを活用するというのは非常に重要なことだと思います。  では、地下鉄が通ればそれで活用されるのかということなんですけれども、例えばなんですけれども、これは一応コンベンションとかホテルの会議室の図なんですけれども、青葉山とまさにこの中心地が結ばれるわけです。何でコンベンションを出したのかというと、今日本の国際会議の市場というのは非常に大きく伸びていまして、ここ10年間で倍ぐらいの開催件数になっています。ただ、仙台市さんは東北大学があるんでそこそこの数があるんですけれども、ここ10年間ほぼ横ばい、60件ぐらいですか。ちょっと詳しい数字が今手元にないんであれなんですけれども、ずっと横ばいの状況です。  市場がふえている中で横ばいというのは、いろいろほかから市場を奪うチャンスがあるわけで、そのときにやはり仙台市さんのネックになっているのはホテルとかコンベンション施設なんかなわけです。いろいろ会議場がありますけれども、同じくらいの都市規模から見た場合に、必ずしも十分ではない可能性があります。どういうものが必要なのかというのはこれから十分考えなくてはいけないですし、意外と小さいものも必要なので大きいものをつくるのがいいかどうかというのは微妙なんですけれども、そういったときに東西線ができることによって青葉山のキャンパス地区と中央地区が結びつくというのは一つの可能性。ちゃんといろいろなことを調べなくてはいけないんですけれども、ばっと見たときには非常に可能性があるなと見えます。ですから、今いろいろホテルの建設計画とかありますけれども、多分そういう外資系のところなんかは仙台市さんのそういうポテンシャル、将来性を見越している可能性はなきにしもあらずだなというふうに考えます。  ですから、例えば中心部とはそういうつながり方があって、コンベンションは宿泊だけじゃなくていろいろな消費とか、そういうものにも非常に大きな影響がありますんで、ぜひ頑張っていけばいいんじゃないかなという分野だと思います。こっち側はそんな感じです。  卸商の方は、これも皆さん十分御存じだと思いますけれども、現在既に先ほども見ましたように卸機能がだんだん低下する中で、卸商団地を再生するということでいろいろな取り組みになっています。地区計画の改正ですとか演劇工房、音楽工房と。こういうものは本当にいい取り組みで、こちらに新しい人の流れをつくる。特に若い人の流れをつくる。そういった意味で、このような取り組みをうまく活用して新しいインフラとして活用すると。それを新しい産業創造につなげていくという目線は非常に重要じゃないかなと思います。  中心部の方はもう余り土地がありませんので、今はちょっとこれから空きビルが出てくるかもしれないんですけれども、こちらはそういう中心街、こちらはちょっと雰囲気が変わった、こういう音楽ですとか演劇ですとか、そういうものが集まった地域にすると。これは非常にいい住み分けだと思いますし、100万都市仙台であればそれぐらいのものがあって、そういう文化性があったとしてもいいんじゃないかなと。それが非常に内外にアピールできる場所になるというふうに私どもは感じていますので、ぜひこのようなところはもっともっと進めていって、さらにこの雰囲気に合った形で住居系をふやしたりなんかすれば、東西線の乗降客数の増加というものに十分つながっていく可能性はあると思います。  こういう動きに、先ほど申し上げましたとおり、仙台の特色をさらにつけると。これらの、仙台はつけていますけれども、例えば仙台演劇工房がついていますけれども、これだけだとそれは金沢であったり、あるいはほかの都市でも同じようなことというのはやっているわけです。これにさらにもう1個仙台らしさをどうつけるのか。そこのところは多分こちらなんだと思います。そこにどういう仙台らしさをつけるのか。それは先ほどから言っていますけれども、仙台自身で考えていかなくてはいけないところなんですが、やはりまちのイメージとして伊達政宗というか、伊達家のものを仙台藩だということを利用するのがいいのかどうか、あるいはほかのことを利用するのがいいのかどうか。その辺は地域でけんけんがくがく話し合いをして、その上でこういうものがあって、それが仙台市のあり方につながっていくという動きが必要なんだと思います。  それについては……これ地域ブランドの話につながるんですけれども、まずそこに住んでいる人、仙台なら仙台の人が自分たちが仙台っていいところなんだよと、仙台らしさでこういうところがあるんだよと、そういうものをしっかり表現できる、外から来た人に自信を持って言える。だからほかのところと違って仙台のものっていいでしょうと。そういう人の信頼性があった上に初めて物の信頼度を獲得できるわけです。商品とかサービスですとか、先ほどの演劇の箱なんかもそうですけれども、そういうものが信頼されると。そこで物ができると初めて形となって、仙台というイメージが形づくられると。それが受け手側、消費者側に認知されるとブランド化、地域ブランドというものができる。  ですから、よく地域ブランドの認証で仙台も牛タンとかいろいろやっていますけれども、それは非常に重要で、でもここの部分なんです。その前のストーリーというか、これをしっかり仙台市全体で取り組んで、仙台というのはこういう方向でいくんだよというものがあった上で、こちらもコンテンツはいっぱいありますから、そういうコンテンツをまとめ上げて仙台のイメージをつくっていくということで地域ブランド化がなされる。そこまでいくとそれが、ロングセラー戦略と書いてありますけれども、ロングセラーになりますし、そうなるとここの部分、ここの部分での産業化というものがなされていく形になるんだと私は思っています。  ですから、東西線ができる機会に、今だから仙台というまちづくりをどうしたらいいのかということをやはり仙台市さんの中で大いに議論していただいて、新しい仙台らしさをつくっていくと。それをきっちりビジネスとして支援していくと。既存の大学などの仙台の特色と結びつけていくと。こういう動きが東西線の一つの影の役割として与えられると非常にいいんじゃないかなと。ですから、地下鉄東西線のあり方を議論するということは、イコール仙台の将来を議論する、仙台のまちを将来どういうふうに発展させるのか。5年後、10年後、東西線ができるのは7年後ですか、ですけれども、そこからさらに先の10年、20年、30年を託す路線にするんだということで、南北線との合わせた活用も含めて、こちらを南北線とは違う性格づけの中で今言ったような産業軸として位置づけて、ここで将来の仙台を担う新しい産業を形づくっていく。そんな話を、まだ時間がありますんで、これからどんどん議論していくときっとよりよい仙台市というものが見えてくるんじゃないのかなと、そんなふうに今回改めて東西線について調べて思った次第であります。  大体1時間になったんでこれくらいにしようかなと思いますけれども。ちょっと済みません、雑駁な話になってしまいましたけれども、私自身としてはこの東西線というのは初めどうして人のないところを走るのかなと思ったんですけれども、いろいろ見てみますと非常に可能性があって、使い方をしっかりすれば仙台の今後の発展に大いに寄与する路線じゃないかなというふうに感じているところでございます。(拍手) 3: ◯委員長  ありがとうございました。  それでは、皆様から御質問等がございましたらお願いをいたします。 4: ◯大槻正俊委員  まず、貴重なお話、御講演ありがとうございました。かなり示唆に富んだ内容だったというふうに私自身思いました。その中で、おっしゃられた中でさまざまな御提言をいただいていますので、それは私どもがより消化して考えていくべきだというふうに逆に受けとめさせていただきました。  ただ、せっかくですので、先生がきょうおっしゃられた中で、自分としてはもっと仙台の可能性、ターゲットを絞って競争力をつけるといった面で、もう少しこの辺でそれを展開したらというふうな考えをお持ちであれば、少しもう一歩踏み込んで教えていただければなというふうに、参考にさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 5: ◯鈴木眞人参考人  今、仙台市さんのホームページを見た限りの話なんで実際どこまでいっているかというのは全部検証していないんでわからない部分もあるんですけれども、一応今向かわれている方向性の大きなところはそんなに間違いはないと思っています。例えば製造業関係のものを、先ほど構成比を見ましたけれども、非常に仙台は低いんですけれども、ではこれが低いままでいいのかというと、やはりある程度のボリュームはないとやっていけない部分がありますんで、今たまたま東西線の沿線のところなんで製造業の話は余りしませんでしたけれども、物づくりという部分の可能性はやはり引き続き残しておいた方がいいと思います。  ただ、そこのところは単純な工場誘致ということではなくて、食料品製造業みたいなものは地場産業と非常につながりがありますから、そういうものをやるということもいいと思いますし、家具がちょっともう今落ちてしまいましたけれども、卸商団地で取り組んでいるものの中から新しい物づくり、まちづくりにかかわるいろいろな製品を出していくとか、そういう小さい物づくりをしていくというのは一つあるかなと思います。  それから、交流の延長でなんですけれども、観光というものについて少し見方を広げて、仙台にどれだけ多くの人に来ていただけるのかという視点のところからいろいろなことをしたらいいんじゃないかなと。温泉とか、いわゆる昔ながらの観光施設に来る人が観光客ということだけじゃなくて、先ほどコンベンションの話をしたんですけれども、コンベンションで来られた方にできるだけ、会議の期間は3日なんだけれども、あともう1日、2日こちらにいたいよと思わせるもの。それは温泉に行くだけ、松島に行くだけじゃなくて、やはり仙台市内のまち歩きとかがきっちりできる、買い物をそこでしてもらう、そういう雰囲気づくりが必要なのかなと思います。  これちょっと後で議事録に残されるということがあったんで余り言うのはやめようかなと思っていたんですけれども、1個だけ。これは苦言じゃないんですけれども、一番町買物公園のところから名掛丁、20年前に比べて非常に人通りが多くなって、仙台の商店街というのは活性化したのかなと思う部分もあるんですけれども、買い物公園が国分町との境がなくなっていると。客引きの人があそこまで出てきてというのは、私は非常によくないんじゃないかなと。別に国分町は国分町で構わないと思いますし、買い物公園の仕組み自体も非常にいいんですけれども、何かいろいろな場の住み分けというか、これから海外の人にアピールしてまちを安心して楽しんで歩いてもらうといったときに、どこがいいのかと。  最近の家は客間も居間も全部一緒なんですけれども、やはり都市の中でもお客さんを通す客間と裏方である居間と、まずいろいろ分けてつくるべきかなということをちょっと今感想として持っていまして、今までと違った視点で観光客のいろいろな来てくれる人のおもてなしというものを考えて少しまちづくりを考えたらいかがかなということをちょっと二つ目に思っていますけれども。 6: ◯委員長  ほかにございませんか。ありませんか。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 7: ◯委員長  なければ、以上で鈴木さんからのお話を終了させていただきます。  鈴木さんには大変貴重なお話をいただきまして、まことにありがとうございました。本日いただきました御意見は、今後当委員会の調査を進める上において大変参考になるものと思っております。  もう一度鈴木さんに感謝を込めまして拍手でお礼をしたいと思います。(拍手)  どうもありがとうございました。  この際、暫時休憩いたします。                               休憩 午後2時08分                               再開 午後2時20分 8: ◯委員長  再開いたします。  それでは、当局より報告事項についてお願いしたいと思います。青葉山で実施する事業におけるオオタカの保全について、交通局より報告願います。 9: ◯交通事業管理者  ただいまの青葉山で実施する事業におけるオオタカの保全の件につきまして、建設局と交通局からの御報告でございますけれども、御説明は交通局の方からさせていただきます。  東西線、それから都市計画道路事業を青葉山地区で推進するに当たりまして、環境影響評価に基づきオオタカの生息環境の保全を図ってきております。このたび工事が本格化するのを前にいたしまして、専門家の御助言をいただきながら今後の保全対策等を取りまとめた保全計画書を作成したところでございます。  その詳細につきまして、資料1によりまして東西線建設本部の建設課長より御説明を申し上げます。よろしくお願いいたします。 10: ◯東西線建設本部建設課長  それでは、青葉山で実施する事業におきますオオタカの保全について御説明いたします。  資料1をごらんください。ただいま管理者の方から御説明をいたしましたけれども、オオタカの保全に当たっての基本的な考え方を御説明いたします。  青葉山地区におきまして地下鉄東西線事業及び都市計画道路事業を推進するに当たり、この地域の猛禽類に関する環境影響評価を実施し、生育環境の調査や影響の予測を行っておりまして、それに基づき青葉山地区に生息するオオタカについて生息環境の保全を行っております。  今回御報告する保全計画書でございますけれども、ことしの秋から工事が本格化することを踏まえまして、猛禽類の保全に関する専門家の助言をいただきながら、東北大学とも連携いたしまして、これまでの経過と今後の保全計画について簡潔に取りまとめたものでございます。  次に保全対策の概要についてでございますが、お手元のもう1枚のA3判の資料、青葉山地区実施事業におけるオオタカ保全計画書をごらんください。  本計画書は、オオタカについてこれまで実施した調査、保全対策について取りまとめ、さらに今後の保全計画を示したものでございます。  まず、1ページ目をごらんください。現在までの経過について御説明をいたします。  環境影響評価書を策定しておりました平成11年から平成16年までの期間でございますけれども、3カ所で繁殖または営巣の兆候を確認しております。これはいずれもオオタカでございます。いずれのこのオオタカの営巣地も事業予定地より1キロ以上離れてございましたために、営巣環境への事業の影響は小さいものと判断をいたしました。また、行動圏に対しても事業により改変する面積の割合が少ないことから、生育環境への影響も小さいものと判断いたしまして、環境影響評価書を策定したところでございます。  ただ、オオタカは営巣する巣を移すこともございますので、評価書公告以後も調査を継続しておりまして、必要に応じて専門家の意見を伺いながら保全措置を講ずることといたしました。  平成17年以降の調査では、比較的事業地に近い場所で毎年営巣や繁殖が確認されるようになりました。この時点での事業の進捗状況から見まして事業計画の変更は難しく、事業地付近で繁殖が行われた場合には回避、低減が困難なことから、代償措置をとることといたしました。  代償措置の検討に当たりましては、青葉山周辺を事業地とする実施主体、これは仙台市の建設局、交通局、それと東北大学でございます。この実施主体で構成する検討組織におきまして猛禽類の保全に関する専門家にも御参加をいただきまして、事業者間で調整、連携を図りながら保全対策を検討いたしたところでございます。  2ページ目の上段をごらんください。  検討に当たりましては、ここに記載してございます各種の調査を行い、その結果を踏まえまして、一つにはオオタカが好む営巣環境が整っていること、それから将来的な改変の可能性が少ないこと、さらに事業による影響が小さく、かつ既存の巣から遠過ぎないことという条件に合致する場所に平成18年に人工巣を5カ所設置することといたしました。  さらに、平成19年には人工巣への飛翔空間整備のための枝打ち等を行っております。  次に、今後の保全計画について御説明をいたします。  本年の非繁殖期に当たります11月ころより竜の口橋梁建設のための工事用道路設置工事などに着手をいたしますが、これまでの保全対策では営巣地が移動しませんでしたので、人工巣などへ営巣地を移動することを促すためにさらなる保全対策を検討いたしました。  3ページをごらんください。  この検討に先立ち、本年の非繁殖期に営巣環境調査、古巣等の現況調査、営巣傾向調査、人工巣の現況調査、さらに採餌環境調査を行いました。これらの結果をもとに専門家の御意見を伺いながら検討した結果、営巣防止措置などを行うことといたします。一つには、事業地の影響範囲内にございます古巣などに縄や木の枝などで覆いをすることといたします。なお、今回設けます覆いにつきましては、工事完了後撤去し、もとの環境に復元をいたします。  また、3ページの中段にございますが、工事の際には徐々に段階的に工事の規模を大きくしていき、オオタカが徐々に工事になれていくように影響を低減するコンディショニングという措置も行います。さらに、事業中、事業後の影響把握のために引き続き行動圏調査も行ってまいります。  私どもといたしましては、今後も青葉山の地区におきましてオオタカの生息環境を保全しつつ、仙台市や東北大の各事業を進めてまいりたいと考えておりますので、引き続きオオタカの行動を見守ってまいりたいと考えております。 11: ◯委員長  ただいまの説明に対し、何か御質問はありませんか。
    12: ◯相沢芳則委員  保全計画初めて見させてもらいましたけれども、保全計画をつくるまでに幾らかけてやったんですか。まず予算措置。それから、今後、今コンディショニングをやるというんだけれども、私は必要ないという意見を持っているんですが。それと、もう一つ、これは環境局が何で出てこないの。何で交通局がやっているの。所管上からするとおかしいよ。答えてよ。金何ぼかかっているの。 13: ◯東西線建設本部建設課長  調査に関する費用については現在手元に資料がございませんのでその費用はわかりませんけれども、実際かかった費用としては事後調査といたしましてコンサルタント等が猛禽類の行動調査をしている費用がかかっております。  それから、この実施に当たっての環境局のかかわりでございますが、先ほど申し上げました検討組織の中に事務局として環境局さんも入っていただいておるところでございます。 14: ◯相沢芳則委員  ところで、当局側はこのオオタカというものを見たことあるのか。 15: ◯東西線建設本部建設課長  私どもの調査の中で写真等を撮り、その姿を確認しております。 16: ◯相沢芳則委員  いや、本物を見たことあるのかと聞いている。これは飛んでいる鳥だろう。そばに行って実際に見たのか。 17: ◯東西線建設本部建設課長  私どもが直接直近まで接近して見たことはございませんが、飛翔している姿等は見たことがございます。 18: ◯相沢芳則委員  オオタカをやるんであれば、オオタカという鳥がどういう鳥で、どういう特徴を持っているかということをやはり調べてやった方がいいと思うんです。なぜならば、深沼にヘリコプターの基地をつくるときオオタカの巣で大分もめた。ちょっとそれを思い出してよ。だれか古い人いないかな。だれもいないか。だから、環境局は何で出てこないんだと私が言っているんです。私はあのとき動物園に行ってオオタカという鳥はどういう鳥なんだと。オオタカを直接見て、その専門家にオオタカの鳥の特徴を聞いてきたんです。ヘリコプターが来るからオオタカが生育しないんじゃないかということなんですが、ヘリコプターの基地をつくったってオオタカの巣は今でもあります。だから、そういう一連の我々が経験したことが環境局が出てこないから。何で出てこないか。だから、金をかけてこんなことをする必要はないと私は思うんだけれども。  オオタカは目が鋭くて音が聞こえないんです。だから、アメリカのケネディー空港ではオオタカの鳥被害で、そこでカラス退治とか鳥退治をやっているわけです。それから、そのときちょうど東京都のまちの中にオオタカの巣が公園のところに出てきて、オオタカはまちの中でも繁殖するということが確認できたわけです。だから、私は環境局が出てこないのはおかしんじゃないかという話をしているわけです。調査に何ぼかかったんだか。  それから、私の経験からすると、このコンディショニングをする必要がないと思うんです。自然界だから我々が手を出す必要はないんです。自然界なんだから。私はそう思うんです。自然界での闘いだもの。鳥だってその自然になれていくわけです。だから、そこまで私は。だから、交通局で何でやるのかな。環境局の仕事だと思うんですが、委員長、いかがですか。聞いてください。 19: ◯東西線建設本部建設課長  私どもの環境影響評価の際にも貴重な生物に関する調査と、それから、それに対する保全措置ということで環境影響評価書をまとめさせていただきまして、そのことにつきまして環境局におけます審査会で御議論いただきました。その御議論の際にも、先ほど申し上げましたが、オオタカについてはこれから巣の位置を変えることもあるということで引き続き対応を図るべきであるということでこれまで調査をしてきたところでございます。  この調査に際しましては、全国でも幾つかオオタカ並びにその同類の猛禽類に対する保全措置というものの事例がございまして、それらを調査いたしました結果として今回このような対策が必要であろうというふうに取りまとめたところでございます。 20: ◯相沢芳則委員  だから、私は取りまとめたのはいいけれども、我々の歴史的な経験からしてこんなに費用をかけてやる必要がないんでないかと私は考えたわけです。ヘリコプターの基地をつくったときの人がだれもいないということないでしょう。私、議員生活20年だから。20年いるでしょう。そのとき特別委員会とかで話したとき、だれもオオタカの話を聞いていないのか。  だから、私は環境局がもっと出てこないといけないんじゃないかという感じをしているんだけれども。だから、やるなというんじゃなくて、今金ない、金ないという中で、私はもっと効率的な仕事をしていかなければならないと思うわけです。  それから、くどいようだけれども、自然界での闘いなんです。だから、オオタカの巣をつくってやるなんて、私からするとこれはどうかなと思うんです。現に仙台市のヘリポートをつくるとき、まだオオタカの巣があるわけだから。それは現況を知らないでやっているというのは、私はちょっと納得いかないんです。 21: ◯東西線建設本部長  今相沢委員がおっしゃられたような見方は当然過去の経験、ヘリポートをつくった際の経験、我々もヘリポートをつくって、そこにオオタカが付近に営巣しておったということは、直接その議論の場に入ったわけではございませんけれども、承知はしております。そういった経験を環境局サイドは当然知ってございますし、そういった経験をある程度お話をいただくような場もございまして、検討を行ってきたところでございます。  また一方では、オオタカというのは環境省で定めている準絶滅危惧種ということで、非常に貴重な生物であるというような位置づけもされております。公共事業をやる事業主体としてはいろいろな法律のもと、あるいは環境保全の重要性、それから費用効率というようなこともございますけれども、そういったことも含めまして事業をスムーズに進めていくためには必要なことというような考えのもとで行ってきたものでございます。そういうことでございますので、御理解を賜ればというふうに思います。 22: ◯相沢芳則委員  本部長にお聞きしたいんですが、先ほど費用幾らかかったんですかという費用対効果の部分でわからないという答えなんですが、その辺はどうなんですか。 23: ◯東西線建設本部長  建設課長が申し上げましたのは、今この場ではわかりかねるということでございますので、後ほど委員にはお伝えをしたいというふうに思います。  ただ、環境影響評価そのものにつきましては、全体の中の一つの項目としてとらえて調査なり、そういったものを行っておりますので、そこの部分につきましてはそこだけを取り出してやるというのは難しい部分がございます。ただ、環境影響評価を行った後の事後調査といったものについてはきちんとしたものがございますので、それについては正確な費用をお示しすることはできるかと思います。 24: ◯相沢芳則委員  わかりました。やはり、我々気をつけなくてはならないのは、過去の経験を生かして、やはり仙台市の消防のことだけれども、やはり地下鉄のこともオオタカのことはあったんじゃないかという、やはりもう少しひもといてやって、なるべく市民の負担がかからないようにやっていく必要があるんじゃないか。直接に環境影響評価はしなくてはならない部分ですから、それはわかりました。後で教えてください。 25: ◯大内久雄委員  過去の予算等審査特別委員会で、ヘリポート建設に当たっての議論は私が先頭に立ってやってきたところであります。そのとき、ある政党が先頭に立って、その政党を支持する団体も含めてヘリポート建設の反対の先頭を切ってやってきたことであり、特別委員会でオオタカが大事なのか、人間と家庭が大事なのか、どっちか選択すべきだということで厳しく議論したことはだれかが聞いているはずです。相沢委員も今お話しになりましたけれども、今ヘリポート、ヘリコプターがどんどん飛んでいる中でも、あの海岸公園でオオタカは悠々と飛び回っております。  したがって、私はこの問題についてぎりぎり何もかけようとするわけじゃありませんが、ヘリポートをつくるときにオオタカの問題で着工が2年近くおくれたんです。問題は、この地下鉄東西線がオオタカ、オオタカと言って、人が巣をつくってオオタカに差し上げる気持ちも私はいいと思う。しかし、このむだなことはだれかがボランティアでやってくれるならまだいいけれども、特別な費用をかけてまでオオタカの巣をつくってあげる必要は私はないと思う。このことによって地下鉄東西線の工事がおくれないようにやっていただくことを強く望んでおきたいと思います。  これで質問になったはずですから、当局の考え方をちょっとだけお聞かせをいただいて、あとは終わりにします。 26: ◯東西線建設本部長  我々もオオタカということにつきましてはヘリポートの経験も参考にさせていただきながら、着工がおくれることのないようにということに努めてきたわけでございまして、今回もそういった点も含めまして慎重に準備を進めてきたつもりでございます。  今後もそういった分、自然保護も非常に大事な視点でございますので、そういったことも配慮しながら、かつ事業はまたおくれさせることもできないということでございますので、その辺非常に難しい問題ではございますけれども、スムーズなる事業の進捗を目指してさらに努力をしてまいりたいと思っております。 27: ◯ふなやま由美委員  ただいまオオタカの保全についての御議論もありましたけれども、ちょっと私からも少しお伺いをしたいと思います。  先ほどの保全計画書の中を見ますと、現在までの経過として平成11年からの事前調査期からの経過が書かれているわけですが、特に2年前の2006年から人工巣を5カ所設置して誘導策を行っているということで御報告がありましたけれども、この状況はどのようになっていらっしゃるのか、今のつかんでいらっしゃるところを御説明いただきたいと思います。 28: ◯東西線建設本部建設課長  人工巣の現況についてのお尋ねかと思いますけれども、今年度人工巣すべてについて現況調査をいたしまして、傷んでいる様子等はございません。また、猛禽類に使われた様子もございませんでした。 29: ◯ふなやま由美委員  使われた様子もないということでの御報告がありましたけれども、先ほど相沢委員がおっしゃったように、やはり自然界の闘いに人が介入すべきではないという御意見については私ももっともな御意見だと思います。やはり、自然界の取り組みに人工的に介入することがいかに功を奏しないかといいますか、難しいかということをこれはあらわしていることだと思うんです。  今、具体的な検討会議や専門家の方の御意見もいただきながらまとめたということでの御報告がありましたけれども、これはどれぐらいの頻度で開催して、どういうメンバーで御検討なされてこられたのか御説明いただきたいと思います。 30: ◯東西線建設本部建設課長  検討組織の開催状況でございますけれども、平成17年度から年に1回もしくは2回の開催で本年まで続いております。メンバーにつきましては、仙台市といたしましては交通局の東西線の建設本部、それから建設局、それと東北大のキャンパス関係の部署、それと環境局の関係部署、それと専門家の方々から構成をされております。 31: ◯ふなやま由美委員  年1回から2回検討をされてきたということですけれども、その中で事前調査期あるいは工事着手準備期と分けて、さまざまな対策をその時期に合わせてそれぞれ検討策があって今の現況に至るのかお伺いしたいと思います。 32: ◯東西線建設本部建設課長  保全計画書にもございますとおり、平成16年度までは事業地近傍での営巣もしくは繁殖行動というのは見られておりませんでした。その後、平成17年から事業地の近傍で営巣が見られましたので、その段階になりましてその行動調査等のデータの御報告と整理の確認等をしております。さらに、平成18年度から、先ほど申し上げましたが、人工巣の設置という対策を講じるという議論をいたしまして、その際に人工巣の構造であるとか、それから人工巣を設置する場所についてその組織の中で検討いたしまして、人口巣を5カ所設置したというような対応を続けてきたところでございます。 33: ◯ふなやま由美委員  平成18年から設置して構造や場所について検討されてきたということですけれども、結局今の時点でも人がつくった巣には営巣した状況はないということですよね。  そうしますと、どういう構造をつくろうというふうに研究されてもなかなか難しいということがこの経過からもわかるんじゃないかと思うんですが、そこでなんですけれども、具体的に今回やろうとしている保全対策の中には今ある、これは現在の古巣に囲いをして使えなくするということと、あとコンディショニングというのが私も理解できないんですが、具体的にその対策の中身、どういうことを検討されているのか御説明いただきたいと思います。 34: ◯東西線建設本部建設課長  まず、ふたをかけるといいますか、巣を使えなくする措置でございますが、大体現在のオオタカの巣が幹の近くの枝に巣をかけておりまして、その巣の上に雪つりのようなもので、もしくは似たような形ですけれども、一見して雪つりのような形のもので縄を張ったりいたしましてその巣を使えなくするというものでありまして、決して巣を取り払うというようなものではございません。  それから、コンディショニングでございますけれども、これは工事の音というのはかなり広い範囲まで響く可能性がございますので、一度に大きな規模の工事をしますと一度に大きな音が出ると。それによりましてオオタカが驚いてこの区域では営巣できないというふうに感じるのを防ぐために、音の大きさを徐々に大きくしていく。つまり、工事の規模を小さい規模から大きい規模にしていくというようなことによって、この地域については必ずしも危険ではないというふうな理解をさせるという、そう感じさせるという方法の一つでございます。  なお、オオタカの人工巣につきましては、これまでの検討会の場面でも幾つか情報がございまして、秋田県や愛知県、それから京都府におきまして人工巣で繁殖した事例等がございます。 35: ◯ふなやま由美委員  ただいま御説明いただいたんですが、ますますオオタカにとっては非常に人工的な手をかけられているといいますか、自然界の介入というか、条理に反するようなことをやられてしまうということに。結局人工的な巣を使ってほしいがために今ある古巣を使えない環境を人間の手によって加えるということです。そういう理解ですか。これまでの巣は使えなくするという意味ですか。もう一度お願いしたいと思います。 36: ◯東西線建設本部建設課長  委員おっしゃるとおり、過年度までにこれまで使ってきたオオタカの巣にふたをして使えなくするということでございますが、これまでも事業予定地から離れたところでそうしたことの実績もございまして、この区域よりも離れたところに営巣させるよう誘導する方策の一つでございます。 37: ◯ふなやま由美委員  本当にひどいといいますか、私も専門家ではないのでよくわからないところがありますけれども、結局営巣しているところを使えなくして、人間が別なところに誘導したいがために使えなくすると。音をどんどん、最初は小さい音ですけれども、大きくしていってということで、これほど自然界に手をかけるようなことというのはないんじゃないかというふうに思うんです。  この問題で過去にもさまざま議会の中で別なヘリポート建設問題をめぐって市民の方からの御意見が殺到したということで、今御議論もありましたけれども、今回この問題に対して市民の方々からどのような御要望や御意見が出されているのか、御紹介いただきたいと思います。 38: ◯東西線建設本部建設課長  私どもの方には環境に関する1団体から御意見をいただいております。 39: ◯ふなやま由美委員  どのような中身での御意見になっているか御紹介いただきたいと思います。 40: ◯東西線建設本部建設課長  現在、意見に関する資料が手元にございませんので、ちょっと内容についてはここで申し上げかねます。 41: ◯ふなやま由美委員  後でも構いませんので、しっかり市民の皆さんからどういう要望が出ているのかということをお示しいただきたいと思います。  それに対して仙台市はどのようにお答えをされていらっしゃるのか、お伺いをします。 42: ◯東西線建設本部建設課長  御意見に対しましては書面にてお返ししております。さらに、説明会で意見をいただきました団体の方に伺いまして、こちらから御説明をしておるところでございます。 43: ◯ふなやま由美委員  具体的なところが非常にわからない御報告ですので、後でそこも含めて御説明いただきたいと思います。  オオタカについて準絶滅危惧種ということで指定されているということで、私も調べてみたんですけれども、前は絶滅危惧II類(VU)に分類されて絶滅の危険が増大している種であったところが、準絶滅危惧種になったと。この中身を見ると、現時点では絶滅危険度は小さいが生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性のある種ということで環境省でも分類しているわけですよね。そういう意味からいって、やはり市民の皆さんの声ですとか、あるいは環境への影響を防いでいくという立場できちんと議論をしていく中身ではないかというふうに考えています。  さらに、絶滅危惧種に対する取り扱い方としては、絶滅を防ぐためには生物環境の保全が必要とされると。全くそれに逆行するような施策を仙台市が東西線工事によって生み出していることですから、これは大変問題があると思います。今後もしっかり市民の皆さんの御意見を聞きながら、進める立場というよりも、きちんと議論し、検討していくという必要があるのではないかということを思いますけれども、いかがでしょうか。 44: ◯東西線建設本部建設課長  まず、オオタカにつきましてはレッドリスト上の取り扱いは平成18年度に個体数の増加などから準絶滅危惧種というふうにランクダウンした種でございます。同様の種の位置づけには鳥のマガンなどがございます。  私どももこの保全計画を立てるにおきましては、専門家や、それから環境省の方ともお話をしながら進めておりまして、今後ともオオタカの生育環境の保全には努めてまいるというふうな考えでおります。 45: ◯ふなやま由美委員  議論はまた別の場所ということも考えながら、きょうはここで発言だけさせていただきます。 46: ◯大泉鉄之助委員  委員長、議事進行。  委員長に申し上げておきたいと思うんでありますけれども、これ大変重要な御議論があったというふうに私は思います。大変大事なことだと思います。しかしながら、当調査特別委員会は沿線のまちづくりについて調査研究し、議論しようという委員会であります。よって、それに即した資料を提示していただき、それに即した説明を伺い、それに即した議論をし、一定の提言をしていくという本来の形に戻った形での委員会の運営をお願いしたいとは思っています。  この案件は大変重要なことでありますから、環境を所管する委員会であるとか、あるいは建設そのものを所管する常任委員会等で大いにやっていただくことが重要であろうというふうに私は考えますので、これからもまだ8カ月この委員会は続くわけでありますから、今後はこういった所管を超えた形での議論にお互いに精力を費やすことのなく、整然とした形で議論のできるように整理方をお願いしたいとお願いしておきたいと思います。 47: ◯委員長  今後の委員会はそのような方向で進めてまいりたいと思います。  その他、御発言はございませんか。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 48: ◯委員長  それでは、ほかになければ本件については以上とさせていただきます。  次に、本委員会のテーマでございます東西線整備に対応した沿線まちづくりの加速的推進について協議したいと思います。  本日は、これに関連いたしまして当局より東西線沿線まちづくり基本方針の改定について報告をいただくこととしておりましたので、本件につきまして都市整備局より説明願います。 49: ◯東西線沿線まちづくり課長  東西線沿線まちづくり基本方針の改定につきまして、資料2により御説明申し上げます。  委員長よりお許しをいただいておりますので、前方のスクリーンを使って御説明いたします。なお、カラーの別添資料をおつけしておりますが、スクリーンで映す内容と同じでございますので、あわせてごらんくださるようお願いいたします。  まず、改定の概要でございます。  平成13年に東西線沿線まちづくり基本方針と駅別行政素案を作成し、取り組みを進めてまいりましたが、沿線で進行しておりますさまざまなプロジェクトを踏まえ、都市ビジョンに示した都市づくりの方向性を具体化していく観点から、東西線の開業を見据え、沿線まちづくりを戦略に推進していく必要がございます。また、東西線の開業により南北、東西の公共交通軸が完成するのに合わせ、本市の都市構造の転換を先導していくとともに、これを大きなチャンスとしまして、新しい時代に対応した価値や活力を生み出していくことが必要となっております。  こうしたことから、現行の基本方針と駅別行政素案を統合した新たな基本方針を策定することとしたものであり、本日の資料はその全体構成と骨子、その考え方をまとめたものでございます。  改定のポイントでございます。  まず、都市ビジョンで示す都市づくりの方向性を実現する観点から、四つの方針とその基礎となります基盤整備の五つの分野ごとに方針と施策を提案してまいります。  次に、駅周辺のまちづくりを具体に進めていくため、13駅ごとにまちづくりの目標と施策を提案してまいります。また、平成27年度を目標年度としまして、具体な取り組みを行う施策と具体化に向けた検討を行う施策を提案してまいります。  今後の進め方でございますが、本日、本委員会でいただいた御意見を踏まえてさらに検討を行い、その後具体の施策や13駅ごとの計画を検討いたしまして素案を作成いたします。その上で本委員会に御説明申し上げ、パブリックコメントを実施してまいりたいと考えております。  基本方針の構成でございます。  I章は位置づけと改定の背景、II章は課題とコンセプト、III章は五つの分野ごとの方針と施策、IV章は13駅ごとの目標と施策、そしてV章はその方針実現の仕組み、そして参考資料としまして東西線整備の効果とバス結節の考え方を示してまいります。  基本方針の位置づけと改定の背景につきましては、ただいま御説明したとおりでございますので、説明を割愛させていただきます。  次に、沿線まちづくりの課題とコンセプトでございます。  課題のうちまず1点目でございますが、東西線沿線には文化、歴史、自然、学術、産業など、多様な性格を持った資源が立地しております。こうした地域資源を東西線を介して相互につなぎ、あるいは市域内外と交流するようなまちづくりを行うことによりまして、連鎖的に新たな価値やビジネスが生まれ、都市の豊かさがつくられていく。東西線にはそうした大きな可能性がございます。これらの可能性を具体のものとするために、沿線のまちづくりの方向性を明確に示していく必要がございます。  2点目でございますが、都市の活力や豊かさに加え、市民の暮らしの質を高めていくとともに、地球環境問題に対応し、本市が目指します機能集約型都市構造への転換を先導していく必要があるものと考えております。  こうした課題認識を踏まえまして、「進化する都市・仙台~東西線が創る新しい暮らしと仙台の未来~」をコンセプトとして提案いたしました。  次に、沿線まちづくりの方針とこの取り組み施策でございます。  コンセプトの実現に向けまして、四つの方針と都市基盤整備の分野から取り組みを進めることとしております。  方針1としましては安全・安心で暮らしやすいまちをつくる、方針2としましては魅力的で楽しいまちをつくる、方針3としましては活力にあふれた元気なまちをつくる、方針4としましては個性的で美しいまちをつくる。そして、これら四つの方針の基礎となります都市基盤の整備を着実に進めていくこととしております。  まず、方針1でございます。非常に画面は文字が小さいので資料の方をごらんいただきたいと思いますが、まず駅周辺に生活サービス施設や介護予防などの機能を持った施設、それから高齢者の入居に配慮した住宅などを誘導、整備してまいります。また、子育て支援機能の立地を誘導するほか、荒井、六丁の目、卸町、動物公園、各駅におきましては、駅を中心に歩いて移動できる駅前居住を進めてまいります。さらに、駅までの主要経路のバリアフリー化、駅舎内のユニバーサルデザイン化などによりまして、駅を中心に移動しやすい交通環境を形成してまいります。それから、新たに駅前居住が進む、あるいは土地利用が大きく変化していく駅周辺につきましては、既存の地域活動の活性化、まちづくりと連携した取り組みによりましてコミュニティーの形成強化に努めてまいりたいと考えております。  方針2でございます。東西線の両端の駅におきまして二つの性格の異なるレクリエーションエリアを形成したいと考えております。動物公園駅の周辺では動物園の再整備、民間遊園地との連携強化、青葉山の活用などによりまして森のレクリエーションエリア。それから、東の荒井駅周辺におきましては、駅を起点として背後地の商業施設、レジャー施設、海岸公園といったところを相互に移動し、都市的な雰囲気を楽しめるような海のレクリエーションエリアが形成されるよう取り組んでまいります。また、国際センター駅周辺では学術、文化交流拠点を形成し、あわせて多様な機能を持った公園の整備を進めてまいりたいと考えております。  ただいま御説明しました取り組みは、エリア拠点を対象としたものでございますが、それらのエリア拠点を東西線や南北線でつなぐことによりまして、三つの交流軸をつくってまいりたいと考えております。二つのレクリエーションエリアと中心部での都市的な観光を組み合わせたレクリエーション交流軸、それから三つのスポーツ施設を一つの都市の魅力と考えたスポーツ交流軸、そして歴史交流軸でございます。こうした交流軸の形成によりまして本市の都市の魅力がさらに高まり、新たな人の動きが生まれてくるものと期待しておるところでございます。  方針3でございます。青葉山新キャンパス整備を契機としました新しい学都づくり、また新キャンパスにおけます研究開発拠点の形成とこれによる新産業の創造を進めてまいります。また、卸町駅、六丁の目駅周辺を新ビジネスエリアと位置づけまして、本市を代表する流通小売業、それから製造業など、既存の地域産業の高度化を図るなど、新しいビジネスが展開されるよう支援をしてまいります。また、荒井駅周辺におきましては、駅周辺での居住者がふえる、それから東部地域の中心駅として多くの人が集まるエリアになる、そうしたことがございますので、周辺の地場農産物を活用したアグリビジネス、こうしたチャンスが出てくるだろうと思っております。そうした新しい農産業が展開できるよう取り組んでまいります。  方針4でございます。青葉通から西公園、広瀬川、青葉山公園、青葉山に至る方向は、本市、杜の都を象徴する緑、景観の軸でございます。東西線の各駅からこれらにうまくアクセスし、回遊できるような環境をつくることによりまして、それぞれの施設の利用の仕方が点から線、そして面へと広がり、これまで以上に多くの人に訪れていただけるようにしてまいりたいと考えております。また、東西線の両端の駅周辺にあります地域の景観資源につきましても保全を進め、都市の魅力づくりにつなげてまいりたいと考えております。  以上、御説明しました四つの方針の取り組みの基礎となる都市基盤につきましては、着実に整備を進めてまいります。  方針の考え方は以上のとおりでございますが、これら四つの方針プラス都市基盤、これらを実現するために必要となる具体の施策につきましては、これから13駅の計画とあわせまして次回以降に御説明したいと考えております。  次に、駅ごとの街づくり目標と取り組み施策でございます。今回はイメージにとどまっておりますけれども、今後平成13年に作成しました駅別の行政素案を基本としながら、ただいま御説明しました五つの分野ごとの方針、考え方、そして地域で進められております協議会などでの検討成果、こういったものを加味しながら新たな街づくり目標と施策を提案してまいりたいと考えております。  次に、ただいま御説明いたしました基本方針を実現するための仕組みでございます。市民との連携、民間開発の促進、それから私ども行政内部の進行管理の三つの観点から基本方針実現の仕組み、スキームを提案してまいりたいと考えております。  最後に参考資料でございますが、市民の暮らしの観点から東西線整備の効果、意義を整理して提示してまいりたいと考えております。  まず、快適な通勤通学の実現ということで例示をしておりますけれども、泉中央~卸町の移動に現況1時間かかっておりますが、これが東西線が開業することによりまして半分になる。それから、大雪の際には八木山方面から仙台駅、1時間以上おくれることもございますが、これが13分で移動できる。こうしたメリットをわかりやすく示してまいりたいと思っております。  それから、例えばスポーツ・文化施設への移動が楽になり、暮らしが充実するという観点。それから、高齢者や障害者の方々の移動も非常に便利になるという観点。そして、新しいビジネスが生まれて元気なまちになっていくという観点。最後に、東西線が開業することによりまして、公共交通の利便性が大きく高まってくるという背景のもとに少しでも日常の暮らしの中で自動車利用を控えていただくことによって、暮らしの中から温暖化対策ができると。こうしたようなさまざまな東西線の持つ意味、効果を少しでもわかりやすく改めて提示してまいりたいと思っております。 50: ◯委員長  それでは、ただいまの報告をもとに協議してまいりたいと思います。  ただいまの報告に対し、御質問あるいは御意見等がございましたら御発言を願います。 51: ◯大槻正俊委員  今、御報告をいただきました。委員会の中で提言なり補強なりということをしてほしいというふうに受けとめました。それで、私から見てもう少し補強してほしいという点について申し上げておきますので、それについてどのように取り扱うかお答えをいただきたいというふうに思います。  28こまの中に「自動車を持っていない高齢者、障害者の方々も公共交通で移動しやすくなります」。非常に結構なことなんですが、バス路線の再編とか含めて、もっともっと駅について利用しやすくするということをもっと明確に打ち出して、ぜひ利用をしたいというふうなことになるように、これはぜひ取り組む姿勢を明確に打ち出してほしいなというふうに思っています。  あと29のこまなどを初め、東北大学の必要性はさまざま述べられていて、私も全くそのとおりで、これは異議がありません。ただ、例えばなんですが、今度八木山フェスタということで、八木山、駅でいえば動物公園駅周辺のまちづくりをより活性化しよう、活発化しようということで八木山フェスタが3年前から取り組まれておりますが、今回は東北工業大学も具体的に参加をするというようなことなども出てきています。ですから、それらの名前も散りばめたりしながら、ぜひ広範囲に協力を願っていくというようなことなども、これまた必要なのではないかなというふうに思っています。
     あと30のこまで、要するに温暖化対策の関係ですが、もっともっと仙台の都市の気温が80年前よりも4度も高くなっているということも踏まえて、CO2対策に貢献をする。もちろんこれは東西線に限らないことですけれども、公共交通の利用を促進しましょうということも、これまた強く打ち出していくべきではないかなというふうに思います。  その辺などを具体的に補強していただきたいというふうに御提言申し上げますが、いかがでしょうか。扱える中でお願いします。 52: ◯東西線沿線まちづくり課長  本日お示しした資料につきましては、考え方を提示したものでございます。当然これから本体をつくって、現在作成中でございますが、その中ではもう少しきめ細かなデータもお示ししながら御議論いただきたいとは思っています。その中で委員御指摘の御提言も当然できるだけ盛り込んでまいりたいとは思っています。  あと個別のお話で申し上げますと、利用しやすい交通環境をつくるという意味では、当然バス路線の再編もございますし、きめ細かい地域公共交通の検討並びに駅舎中のユニバーサルデザイン化、そうしたことも具体施策で検討しておりますので、そこら辺も盛り込んでまいりたいと思っております。  それから、2点目の地域活性化の観点での東北工業大学さんのお取り組みも、現在私どもが検討します具体の施策の中で名前を出しておりますので、そういったところも含めて本編の中でお示ししていきたいと考えております。 53: ◯相沢芳則委員  私から、17ページ、魅力的で楽しい街の創造の中で、私はここの中にもう少し、創造と出ているんで、荒井駅から、サッカー場というのは泉中央駅だと思うんですが、点線を引っ張ってもらって、バスだろうな、当分は鉄軌道つくられないんで、バスで荒井駅から泉中央まで、それから泉中央から八木山動物園まで、それから八木山動物園からバスケットというか、これは仙台市体育館をイメージしていると思うんですが、最終の富沢があります。それが富沢駅からこっちの荒井駅まで円形で行けるような交通体系をつくっていただくと仙台市で言っている30分アクセス構想が全部包含されるんではなかろうかと期待感を持っている1人なので、例えばまちの発展を見ると、東京都にも山手線がぐるぐる回っているでしょう。だから、南北線と東西線1本だけではだめなんですよ。こうぐるっと回れるような。楽しいでしょう。荒井駅から泉中央まで行くと。その間田舎だから拾ってやればいいんじゃないの。バスを何本か出して。市街化区域なので。やはり拾ってやる。だから、ぐるっと東西線と南北線がぐるっと回れるようなまちを。これは魅力あるまちじゃないかなと思うんだけれども。創造ある。それを都市整備局でつくった仙台市の30分アクセス構想にすべて包含するんでなかろうかという期待をしている1人なんで、ここでお話しするか、それともこれからの平成22年までの計画以降のものでぜひ考えてもらいたいなというふうに思っていました。あとは私はいいんではなかろうかなと。  それから、卸町の先ほどの鈴木先生の話を聞きながら、新たな創造の生産、何か物づくりをしなさいという中で、卸町も出てきたんで、卸町の中におつまみをつくっているところがあるんです。せんべいとか魚の干したものとか。ですから、卸町は塩釜に近いんでワカメの、そういうおつまみのブランド品をあそこでつくって、皆さん観光に行ったとき、私も今どこでつくったんだか裏返しに見ると仙台市卸町となって。例えば宮古に行ったとき、カニのこういう、宮古でつくったのかなと後ろを見たら仙台市卸町だというから買わないできたけれども。だから、そういう先ほどの鈴木先生の話を聞いているうちで卸町の何か活力ある生産地ということでぜひやってほしいと。  それから、荒井地区の絵を見ていたら海水浴があったんで、もう少し仙台市の海水浴を中山から地下鉄で来れるように整備をしていただいて、仙台市の海水浴をもっとPRしてほしいと。それから、中山だけでないんです。こっちの旧宮城町の人たちもやはり東西線に乗せて、夏になったら海水浴にパンツ一つで地下鉄に乗ればと思っている1人なんです。そんなものをまずもっと平成27年度まで整備してほしいなと。  それから、荒井地区はさっき言った農業の部分で、農業園芸センターとどう結びつけて地下鉄に乗せるか。そこにはもっともっと市民農園をつくって、やはり仙台の市民農園はこの荒井地区だよという感じを出していただくのがいいのかなと。それと、農業と仙台の地下鉄のまちづくり。それから、この荒井地区に今米の加工品をつくってもらいたいんです。せんべいとか何か。そういうものを誘導するような、そんなものをやってもらいたいです。  それから、海水浴場を含めてあそこにキャンプ地をつくったでしょう。アウトレットみたいな。テントを張るところをつくったんじゃない。つくらなかったですか。私の夢か。冒険広場があったでしょう。冒険広場をもっとPRしてもらって、海水浴とこの冒険広場をもっとPRしてもらって、仙台市の子供たちにぜひ仙台は海に近いんだということをあそこで……。  それから、パークゴルフが9ホールしかないんでパークゴルフももっとつくって、よその小さい町で36ホールもあるのに、仙台市が9ホールだけということはないでしょうとこの前言われたんで、早くふやしてもらいたいということです。  だから、平成27年開業までまだあと6年ぐらいあるんで、あの辺の荒井地区をもう少し仙台市民のレクリエーションの場として整備をしてほしいな。それで、地下鉄で行けるレクリエーションの場として高齢者もそこに行けるというような格好にしてもらって、風呂場もつくってもらって、風呂に入りながらパークゴルフをやればもっとあそこに高齢者が行くんじゃなかろうかなと。パークゴルフができない高齢者は風呂に入って帰ってくるというような。ちょっと特徴あるパークゴルフを後発だからつくってもらいたいんです。  そんな思いを、あそこを仙台市の一大レジャーランドにしてもらいたいんです。民間活力を使いながら。そうすると荒井駅に人がもっと来るんじゃないかなという思いをするんで、そんな思いで先ほどのものをつくって、あとは立派なものをどう付加価値を高めていくかだというような。御苦労さまでございます。 54: ◯相沢和紀委員  8の基本方針の位置づけというところで考え方を伺いたいというふうに思います。  資料の2の概要の部分、それから改正のポイントのところにも出てくるんですが、都市ビジョンという表現が出てまいります。確かに、この間、議会の中で都市ビジョンについていろいろ議論がされてきました。  しかし、しっかりとした位置づけというのは議会等含めてないわけです。仙台21プランというのが基本計画としてあって、地下鉄建設もこの大きな柱であったわけです。このことからして、仙台21プランが言葉が抜けて仙台都市ビジョンに変わるということについてはいかがなものかなと。確かに21プランは人口推計含めて、そしてまた新しいプランに切りかわる時期でありますから、取り扱いとしては非常に難しいのかもしれませんけれども、やはり東西線をつくっていくという出発点、大きな位置づけは21プランだったというふうに思うんです。それがなぜここに来て改定版で都市ビジョンというふうに変わらざるを得ないのか、ここをまず聞きたいというふうに思います。 55: ◯都市整備局長  都市ビジョンの位置づけ及び21プランの位置づけでございますけれども、まず仙台21プランが変質したわけでもなんでもなくて、ベースには仙台21プランというものがありまして、その中の特に戦略的な取り組みを必要とするものとして取り上げたのが都市ビジョンであるというふうに私ども位置づけておりまして、中身としましては、まちづくりについて主に都市整備等の所管とか企画市民局で所管するようなまちづくりについての取り組みとか、あるいは産業の活性化、この二つの点に大きく焦点を当ててつくったのが都市ビジョンであるというふうに私は理解しております。 56: ◯相沢和紀委員  確かに都市ビジョンは創造と交流がキャッチフレーズだったと思います。しかし、この東西線沿線まちづくりという大きな柱、それも改定ですよね。もとになるものがあって新たに改定をしていくんだというときの位置づけからすれば、やはり21プランがきちっと位置づけられなければいけないんじゃないかというふうに私は強く思います。  平行線になるかもしれませんので余りそこについては避けますけれども、もう一つ、次のページのところで基本方針改定の背景というところにまた出てくるんです。三つ目の柱として、沿線地域ではさまざまなプロジェクトが進展、その後に都市ビジョンが出てきて、コミュニティビジョンで示した都市づくり。ここでいう都市ビジョンというふうに、ここにまた新しい梅原市長が提示したビジョンが出てくる。  だとすれば、東西線建設に伴ってコミュニティビジョンが進むんであれば、すべての地区にコミュニティビジョンを整備するんであれば、地下鉄をつくらなければならない。こういうふうにならないですか。 57: ◯東西線沿線まちづくり課長  このスライド9におけますコミュニティビジョンの取り扱いでございますが、これは東西線の沿線まちづくり、駅ができることによりまして駅周辺の地域が大きく変わってくるだろうと。当然そのときにはハードの整備だけではなくて、ソフト的なもの、地域のコミュニティーをいかに強化、形成していくかが非常に重要だというふうに考えております。そういう意味で、先ほど策定されましたコミュニティビジョンの理念、考え方を踏まえて駅周辺まちづくりに当たっていくという意味で記載をしたものでございます。 58: ◯相沢和紀委員  コミュニティビジョンというのはある意味でソフトですよね。まちづくりというのはある意味でハードが主ですよね。私がイメージするものとすれば。そのものに対して、取ってつけたようにコミュニティビジョンが新しくできたからここに文章表現しなければならないんだというふうなことについては私は非常にいぶかしいというか、そういうふうに感じるんです。やはり、もう少し地域沿線というふうになった場合に、コミュニティビジョンそのものを入れる必要は私は一切ないんじゃないかなというふうに考えておりますので、ぜひこの件についても御検討いただきたいというふうに思います。  もう1点、そのずっと後ろの方に、17のこまです。スポーツ交流軸とレクリエーション交流軸という大きな柱があって、三つ目として歴史交流軸というふうになっておりますけれども、出ているのは青葉山と、それから薬師堂といいますか、国分寺。2カ所しか出ておりません。仙台のまちそのものが約400年の歴史を持っているわけでありまして、その中でやはり大きな位置づけとされるものは旧町名。市長が好きでプロジェクトをつくったというふうに聞いておりますけれども、何ら結果が出せないで今に至っております。  しかし、この沿線沿いには、前にも私は質問しましたけれども、多くの、旧町名と言わず使われているまちがたくさんございます。そして、町並みもまだ少しですけれども残っています。そしてまた、若林城も形はもうないんですけれども、お堀を中心として用水堀、七郷堀、六郷堀含めて残っている。こういった部分をきちっと表現をし、それを将来に向かっても整備をしていくという観点がないと、この歴史的交流軸というのは非常に弱いものになっていくんじゃないかというふうに考えます。  そういった意味で、私はさっき言ったように、旧町名といいますか、昔から使われている若林区を中心とした鉄砲町、南鍛冶町等々の町並み、そういったものを保存していくということもまちづくりの中でしっかり位置づけをし、そしてまた若林城、今の刑務所についてもしっかりとした位置づけをすべきではないかということを申し述べたいというふうに思います。 59: ◯都市整備局長  ただいま御指摘いただきました歴史交流軸についてでございますけれども、ここでは薬師堂と、それから仙台城跡というものを例示しているわけでございますけれども、もちろん若林区にも七郷堀を初め、若林城初め、いろいろな歴史的に貴重なものが残っているわけでございます。やはり、そういったものをきちっとネットワークしていくということは大切な取り組みでございますので、そういったことも含めてまとめてまいりたいというふうに思います。 60: ◯木村勝好委員  まず委員長にお願いを申し上げたいんですけれども、きょうは大きく分ければ外部の参考人からのお話をお伺いする、それから最初の当局の報告があったオオタカの問題。そして今議論をされています沿線まちづくりの基本方針の改定についてと三つあったわけでありますけれども、委員会の運営はある程度限られた時間の中でやらなければならないということがございますので、この委員会の本来的な趣旨からして優先順位が高いと思われるものから時間を上手に配分をして委員会運営を進めていただきたいなというふうに思います。  私はきょうのこの3点の中では一番最後、3時過ぎてから始まりましたけれども、この基本方針の改定が最も大事なことだというふうに思っているんです。これはこれまでのこの委員会のあり方、そしてこれまでのいろいろな議論の経過、そして平成27年の開業を目指してこれから着手する、進めるべきこと、その中の基本になるのはこの部分でありますので、外部の方を呼んでいるからその時間調整の部分はあるかもしれませんけれども、優先順位と時間配分を十分考慮した委員会の運営をしていただきたいなというふうに思います。限られた時間の中では、議論をしろといってもなかなか難しい部分がございます。ですので、それは委員長にお願いをしておきたいというふうに思います。  その上で、この改定につきまして若干お尋ねをさせていただきたいんですが、今後の進め方という部分に関してであります。1、2、3、4となって最後に基本方針の改定を今年度末までにやりたいというふうになっています。そうしますと、逆算しまして1の素案を作成するのはいつごろになるのか。それから、2のこの委員会に対して具体的な素案を説明していただけるのはいつごろになるのか。そして、その上でパブリックコメントを求めるんでしょうけれども、これはいつごろというふうに考えているのか。まずそこはどうなんでしょう。 61: ◯東西線沿線まちづくり課長  今後の進め方でございます。  この資料に記載のとおり、私ども事務方としましては年度内にできれば最後の改定まで持っていきたいとは思っておりますが、作業の進捗状況もございまして、次回の本委員会におきましてはこの四つの方針の施策と13駅の計画、ただ、この13駅の計画すべてお出しできるかどうか。主要な駅にとどまるかもしれません。そうした出し方をさせていただきまして、再度御意見をちょうだいした上で完全な素案づくり、最終版をお出ししたいと思います。  そういう意味で、あと2回ほど資料を御提示申し上げて議論をちょうだいすると。その上でパブリックコメント、改定という流れにしたいと思っております。 62: ◯木村勝好委員  パブリックコメントを求めるときには、当然完成品ができていなければ求めようがないですよね。求めると言ったって、まさか3月になって1回だけやって終わりましたというわけにも多分いかないでしょうから、そうすると逆算すると13駅の素案をきちんと示して、この委員会で議論をしてもらって、これで委員会としても大体わかったというところにするまで2回で済むんでしょうか。そんな程度でできるのかな。どうでしょう。 63: ◯東西線沿線まちづくり課長  当初の予定としましては、本日を含めまして議論をいただく場として3回、それで最後に御報告するということで4回ぐらいを考えておりましたが、ただ年度内の本委員会のスケジュール、私どもからどうのこうのはないんですけれども、考えたときに残り2回、実質的に御議論していただける場をどのように設定していただけるか、あるいは我々が資料を作成してそれに間に合わせることができるか、スケジュールの方は作業も含めて少し調整させていただきたいと思います。 64: ◯木村勝好委員  先ほど委員長の方にもお願いをしたわけですけれども、事務方としてもこの委員会の運びについて今のような考え方があるんであれば、例えばきょうの委員会の進め方についてももう少しその辺のことも配慮しながらやっていかないと、結局きょうはただ説明を聞いただけで終わってしまうんじゃないですか。非常に大事なことなんです。ですんで、そこは、どなたになるのか、局長になるのか管理者になるのか知らないけれども、そこはやはりよく考えてやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。 65: ◯都市整備局長  確かに委員御指摘のとおり非常に中身の濃い基本方針でございますので、今後、この提案に当たりましては事前にきちっと配付いたしますとともに、十分議論の時間をとれるような形で提案してまいりたいというふうに考えます。 66: ◯木村勝好委員  その上で1点だけ具体的なことでお尋ねをしますけれども、荒井駅を中心とした海のエリア云々という話がありました。御存じのように、一方で松島の水族館を仙台港の背後地に移転をさせたいという話があり、仙台市側もいろいろ努力をされている。しかし、背後地のどこになるのか、あるいは背後地じゃないところになるのか、そして、それとこの東西線の荒井駅との関係をどうするのかというところも詰まっていないわけですよね。  最も望ましいのは、これはもう先方の、相手のあることでありますけれども、荒井駅から歩いて行けるところに水族館に来てもらうというのは最も望ましいはずであります。東西線ということを考えれば。そのことについては当局としては今のところ特に建設サイドに当たって、沿線の整備に当たって、それを担当している皆さん方というのはどういうふうに考えているんでしょうか。 67: ◯都市整備局長  水族館に関しましては基本的には民間サイドの事業として行われるものというふうに考えておりまして、しかしながら、水族館という事業が非常に収益性としてはそんなに高くない、一方で子供たちにとりましては貴重な学習の場にもなるということで、極力私どもとしましては最大限支援していきたいということで現在話し合いを行っているわけでございますが、基本的な中身につきましては事業者である水族館事業者の方で決めるということでございますので、その辺の推移につきましては十分慎重に見守ってまいりたいというふうに考えます。 68: ◯木村勝好委員  いや、私が言っているのはそうじゃなくて、それはもうわかっているんですけれども、具体的に背後地のここだということが決まっているわけでもないようですし、場合によっては高砂中央かいわいの一部も考えてもいいんじゃないかという議論もあるようですし、それであるならば、例えばこれから整備に入っていく、あるいはまだ整備が思ったようにいっていない荒井駅のところへということだって考えられるんじゃないですかと。むしろ東西線の沿線の整備という観点からするならば、その方が望ましいんじゃないですかと、そういうことを先方にお願いするなりということを仙台市の内部で議論するおつもりはないんですかと聞いているんです。 69: ◯都市整備局長  その点につきましては、私どもも事業者側に提案として話をさせていただいております。しかしながら、まだそのことにつきましては余りいい返事はもらっていないというところでございます。 70: ◯山口津世子委員  何点か伺っていきたいと思います。  16こまのところに方針2のところで魅力的で楽しい街の創造、その1、その2とありますけれども、この街の創造をする前に本当にこの東西線が私たち仙台市民にとって非常に楽しみなんですよと、希望を持っているんですよということでは、例えば前回の委員会のときに駅舎をつくっているところとかを見させていただきました。そこの場所では東西線何々駅ということを書いて、工事現場というような形なんですけれども、そういうところとか、例えばあとバスにも地下鉄のボディー広告を出されていますね。たまたまこれはこの間私の隣にとまってものですから写真を撮ってみたんですけれども、こういうものにも駅の名前を書いたり、東西線平成27年度開業予定とか書いてありますけれども、何か市民がわくわくするようなキャッチフレーズとか、何かそういうものを書いたらどうでしょうかというふうに思うんです。つくったら。  先ほど楽しい街の創造の中で海のエリアと山のエリアというお話がありました。そういうものを見たときに、例えば「届けます、海の風」とか「送ります、山の」、何というのか、何かそういう山から海に通るんだということで、「届けます、海の風」とか「送ります、山の風」とか、そういう東西線(「オオタカ」の声あり)オオタカはまず避けてもらって。自然界を壊すなっていうことだから、そのままにしておけという意見が多かったんでいいんですけれども。そういうことで、何か知らない人が見ても、その線をつくるというルートの人は多分ここには地下鉄が走るとわかると思うんですけれども、全然関係ないエリアにいる人は余り意識がないと思うんです。そういう意味では、何かそういう市民全体が、ああ、こういう地下鉄が走るんだ、じゃあ走ったときには動物園に行けるねとか海の方に行けるねということで、何か楽しいキャッチコピーをつくって何かそういうものを書いていったらどうかなと思うんです。  この間、新聞にもリーモがなかなか仙台のああいうようなキャラクターが認知されていないとかとありました。ほかのものも。ワケル君はかなり認知されていると思うんですけれども、そういう部分でもそういうものが認知されるとか、されないとかじゃなくて、本当にみんなが待ち望んでいますよという、そういう楽しみになるようなことをぜひ考えていただきたいなと思います。  そして、あと聞きたいのは、バスにボディー広告をされていますけれども、これは何台のバスにされているのか。あと、このバスはどのルートを走っているかわかりますか。 71: ◯東西線建設本部管理部長  市営バスのボディー広告といいましょうか、ラッピングバスについてでございますけれども、現在3台走ってございます。営業所が長町、それから霞の目と、もう一つが川内でしたか、東西線の沿線を走るようなルートを持っているバスの営業所に1台ずつ配置してございます。 72: ◯山口津世子委員  ということで、中山の方にもバスをさっきみたいな「届けます、海の風」とか「運びます、森の風」とか、そういうものをつくって書いて、ああ、そういうルートの地下鉄を今やっているんだなということで、この地下鉄が走らないようなところにもぜひ行ったらいいのではないかなということについてはいかがでしょうか。楽しいコピーを考えてください。 73: ◯東西線建設本部管理部長  現在東西線はまさに建設中でございますけれども、もちろん開業が徐々に見えてくるわけでございまして、その開業を視野に入れながら、今委員の御提案につきましても、我々東西線の事業自体をいかにPRしていくかということもこれからも引き続きの課題でございますので、検討させていただきたいと思います。 74: ◯山口津世子委員  ぜひお願いします。駅の工事現場の入り口なんかにもこういうものが書いてあると、何かそばを通った人が楽しくなると思うんです。それで、あれ、この地下鉄ってどこを走るのかなというようなところから皆さん待ち望むのがふえるのではないかと思いますので、ぜひよろしくお願いします。  それからあと1点、私も多分8年ぶりか9年ぶりにこの委員会に帰ってきたものですから中の議論がちょっとわからなくて申しわけないんですが、太白の八木山の先の萩の郷の横を通ってひより台に抜ける道は地下鉄開業と同時にそこのルートも通すという話を聞いていますけれども、それはその計画どおりなのかどうなのかお伺いします。 75: ◯道路部長  ひより台の橋のことでございますけれども、これにつきましては、やはり南西部とを結ぶ大変重要な橋でございまして、東西線の開業に合わせて完成するように今進めているところでございます。 76: ◯大泉鉄之助委員  きょう改定のあり方についてお話がございました。これはお話を聞かせていただき、また見せていただきまして、10年余りこの場で議論をし合ってきた、また、先ほどの鈴木先生のお話なども大体我々がここで議論をしてきたことということかなというふうに思っております。ですから、きょうお示しいただいたこの件について、私は多くの問題点もふぐあいも不満もありません。ぜひしっかりとした基本方針というものを打ち出してもらいたいというふうに思うんです。  しかしながら、そこで申し上げておきたいんですけれども、南北線は御存じのように既に張りついた地域の住民をどういった方法で都心に運ぶのか、また都心からどうその張りついた住宅にお帰りいただく方途をどうするのかということで考えた路線でありました。ところが、今回の東西線は言うなれば開発型地下鉄というふうに言ってきたわけでありますから、これはとりもなおさず沿線の整備に伴ってどうこのまちの発展の起爆剤になるかという大命題を抱えています。でありますから、この東西線の整備が成功するかしないかということは、仙台市の財政だけじゃなしに、大きく仙台市の将来のまちのありように大きなかかわりを持ってくる重大なものだというふうに私は思っております。  説明を伺いますと、机上のプランとして計画をいたしまして、こうあってほしい、こういったものを誘致していきたいという話は聞きますけれども、その先の話というものをなかなか引き出すことができない。私は、東西線の建設本部などと同じように、沿線の整備本部というものをつくって、仙台市の行政の総合力、そして市民の英知のすべてを結集してこれに取り組む必要があるんじゃないかというふうに私はかねがね思ってきております。  そういう中で、ややもすると、何度か私は議会で指摘をしておりますけれども、仙台市の行政は一つの施策展開にその担当局が一生懸命であるけれども、ほかは我関せずといった悪い体質というものがありました。最近ようやく今度のごみの問題なんか全庁挙げて取り組んでいるようでありますけれども、そんなことに比べたら雲泥の差、この東西線の取り組みというのはもっともっと総合力で取り組まなくてはならないと思います。  先ほどの説明の中でも、誘致を図っていくという。棚からぼたもちや果報は寝て待てとかということでは到底この事業というものの成功はおぼつかないというふうに思っております。私は、ぜひこの東西線の整備事業の建設本部をつくったと同じように、この沿線整備の建設本部をつくるぐらいの、そんな全庁的な論議の中でそういったものを立ち上げて全庁挙げてやろうというところに持っていくためにしっかりと進んでいってもらいたいと思うし、折に触れそのことについては尻をたたいてまいりたいというふうに思っておりますけれども、現段階における中村局長のそれに対する抱負というか、決意というか、その辺についてはいかがでありましょうか。 77: ◯都市整備局長  ただいま御指摘ありましたように、この東西線沿線を一つの大きな起爆剤として仙台のまちづくり、まちそのものを変えていくんだということについては、非常に大きな契機になる事業というふうに考えております。私どももそういう重い任務を背負っての取り組みだということにつきましては重々自覚して取り組んでいるつもりでございます。  ただいまお話ありました沿線整備の建設本部というお話もございましたけれども、今確かに東西線沿線まちづくり課だけでは到底この重い課題には対応し切れなくなっておりますので、都市整備局としましても関係課、例えば都市計画課ですとか、あるいは交通政策課、さらには区画整理課、いろいろな課が連携しましてこの問題に当たっているわけでございますけれども、そのほか関係局で構成されます東西線建設本部会議を設けまして、この取り組みにつきましては各局に周知するような形でこの沿線整備を全庁挙げて取り組むようなことを促しておるわけでございます。  しかしながら、さらにこの取り組みを強固なものにするためには、やはりキーとなります沿線まちづくり課についてはさらに充実して取り組む必要があるのではないかというふうに考えておりますので、委員の御指摘も今後踏まえまして検討してみたいというふうには考えます。 78: ◯大泉鉄之助委員  今、中村局長の守備範囲で手の届くところだけの話だった。そうじゃなしに、すべての局です。経済局も環境局も、あらゆる局のかかわりの中でやらなくてはいけないと思うんです。  この前、仙台の夕べに私も出席してきました。あの話の中で、今仙台は東西線を掘っているんですよと、その沿線は首都圏からの多くの企業の誘致などをお待ちしているんですよというようなお話一つない。このことを私は申し上げているんです。こういうことをもうどの場面においても発信していく、そのぐらいの緊張感と神経の細やかさというものが全庁にあってしかるべきじゃないかというふうに私は思っているんです。  ぜひ、これ以上答弁を求めませんけれども、こういう声が議会からあったということをよくよく御協議いただきながら、いずれこの基本方針がまとまったあたりでびしっと本会議で私は言おうと思っておりますけれども、しっかりひとつ取り組んでいただきますように申し上げておきたいと思います。 79: ◯委員長  ほかにございませんか。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 80: ◯委員長  なければ、以上で協議を終了させていただきます。  次に、他都市視察についてでございますが、日程につきましてはさきの委員会におきまして11月4日及び5日ということで決定をいたしたところですが、皆様方には既にお知らせをしておりますとおり、諸般の事情によりまして同月の12日及び13日に変更いたしたところでございます。  なお、視察先や調査対象につきましては正副委員長に御一任をいただいたところでございますが、今回は神戸の市営地下鉄、西神・山手線及び海岸線の駅周辺まちづくりの状況について視察調査を行いたいと考えております。  この点を含めまして、本日の委員会で御了承いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 81: ◯委員長  それでは、そのようにいたしますので、よろしくお願いいたします。  なお、視察への当局の同行者でございますが、都市整備局からは高橋都市開発部長、建設局からは大場東西線推進事業課長、交通局からは清水東西線建設本部副本部長、以上の3名に御同行いただくこととなりましたので、よろしくお願いをいたします。  次に、次回の委員会の開催についてですが、委員会の開会日につきましては本日の御議論を踏まえながら、副委員長とも相談の上日程調整したいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  なお、当日は当局からの報告や今回の有識者の御意見、他都市視察等を踏まえまして、テーマに沿った協議を行いたいと考えておりますが、その内容等については正副委員長に御一任いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 82: ◯委員長  それでは、そのようにさせていただきます。  それでは、次回の委員会に向けて皆様から当局に対して資料要求等はございませんか。 83: ◯ふなやま由美委員  済みません、次の委員会に向けての資料ではないんですが、きょう有識者の方からスライドといいますか、パワーポイントでの御説明をいただいたので、もし鈴木様、この先生の御都合がよろしければ資料として後で配付いただければと思うんですが、ぜひ御相談をいただければと思います。 84: ◯委員長  調整をさせていただきます。  ほかになければ、そのほか皆様から御発言等がございましたらお願いをいたします。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 85: ◯委員長  なければ、以上で東西線沿線整備調査特別委員会を閉会いたします。...