脱炭素・
省エネルギー社会の実現を目指して。
「地球全体で発想せよ」とは、
レアメタル専門会社の中村繁夫の言葉ですが、トヨタのプリウスなど
ハイブリッド車は、レアメタルの塊のようなものと言えます。現在、どれほど需要があるからといっても、現在のトヨタの力でさえも
ハイブリッド車の大増産は無理だといいます。
しかし、トヨタは製造工場である堤工場に五万本を植樹し、
太陽光発電によって
車両組み立てにかかる電力の半分程度を賄い、壁面にはNOX分解のため、光触媒を塗装するなど、環境向上へと変身を遂げつつあるといいます。かぎを握る従業員の意識改革こそエコの本命だとして、
エコポイント制度を導入して取り組んでいると報じられている。ここのエコは
太陽光発電、森づくり、大気浄化を柱とし、地域住民がずっとこの場所にあり続けてほしいと願う工場に育てたいと、地域との融合をキーワードに掲げている。両者とも「地球全体で発想せよ」を実践していることに注目したい。
世界じゅうからレアメタルを集める側も、それを使って自動車を生産する側も、地球全体を考えて活動している。これについて市の脱炭素、
省エネルギー対策は徹底しているか、当局の御意見を伺います。
平成五年第四回定例会において、資源の有効活用が世界的課題となっている現在、学校給食の残飯や外食産業から出る著しい生ごみを焼却処分するのではなく、下水道処理で生ずる汚泥とともに資源化する、生ごみのリサイクルを提案した
自由民主党市民連合のA議員は、その当時まともに受け入れた局はなく、今後十分検討していく程度の答弁でした。数年後に学校給食の残渣と樹木の剪定後の枝葉、それに下水道の汚泥を混合発酵させて肥料化したのは、仙台市の環境対策の功績と考えている。エコというが、自然の摂理に従って考えれば当然のことだろう。それを実践するには、人並み以上の研究と実験の積み重ねが必要で、現在から見れば当然かもしれないが、初めて事業化するには将来を見通す力と決心が必要だったと思う。この件について、当局の御意見を伺います。
平成十二年第一回定例会において、
グローバルネット仙台のA議員は、前回の質問を受けて、ポイ捨てを初め住民のモラルへの警告、再資源化よりも
埋め立て優先への処理方法の変更提言、廃棄物ゼロを目指す運動の活用、
環境対策全般の見直し、
最新ディーゼル自動車の無公害化への変身についての見方、自然との共生の視点で農業の見直し等を質問しております。これに対する藤井市長の答弁で、今日的な環境問題をもたらした人類社会を、環境負荷の少ないものに変えていくことを基本に、具体的な個別計画を策定して、さまざまな対策を実施していると述べております。この答弁後の市の
環境対策事業の進行状況をお伺いします。
省資源、脱炭素への市の取り組みについて。
さて、仙台市では、この十月からごみ収集の有料化を開始するが、そもそもエコに対する発想は、地球的危機を克服するために考え出したのかどうか。先行的に実践した分も含めて、環境対策はどれほど取り上げてきたのか。そして、成果として得られたエコ効果はどれほどなのか。CO2の排出量を計算、管理するソフトが始動している現在、前に取り上げた企業の取り組みを参考にしながら、当局の御答弁をお願いします。
宮城野貨物駅の移転事業へのかかわりについて。
石油価格の高騰については、
世界じゅうのひんしゅくを買っているにもかかわらず、
オイルマネーの暗躍でアメリカの経済が揺るぎ、サブプライムローンの影響とともに、日本経済にも多大の悪影響を及ぼしている実情はどなたも御存じであるが、自由経済の原則から手をこまねいて眺めるしかない、極めて困った状態が続いている。だから、石油を極力節約しエコに精を出すとともに、最も有利な物流方法としてトヨタが打ち出した
JR専用貨物列車の増発利用は、時宜を得たものとしてその慧眼に賛辞を送りたい。
もちろんトヨタ内部でも貨物船を抱えているため、必ずしも全力投球とはいかないが、世界的にもモーダルシフトが起き、ロシア、ヨーロッパでは鉄軌道の活用で大きな成果を上げている。最近は、自動車とその部品の輸送の拡大利用が多くなっている。
自動車産業は、
世界じゅうに生産拠点をつくり、その国内で販売する手法が主流となっており、そのための物流は輸送速度と確実性を求められ、輸送経費の節減が利益を左右する時代になっている。市では、鉄道による物流輸送に対しての確実性をどのように考えているのか、また脱炭素貢献度についてもお伺いします。
新設の貨物駅の構想と市の取り組みについて。
言うまでもなく、鉄道輸送は発着駅間の直通であり、その前後は道路をトラックでの輸送となるため、高速道路や
取り付け道路の整備は、効率化の手段として必要欠くべからざるものである。そこで、新設の貨物駅についても市として最大の配慮を行うものと考えている。
設備規模は、
コンテナ車二十四両EH五百
連結牽引トン数千二百トン、発着線七線五百四十九メートル、荷役線八線五百八十九メートル発着線兼用、
コンテナホーム七面五百メートル、
トラックプール約五千平米一部
コンテナ置き場、
コンテナ置き場二千個、引き上げ線一線五百五十メートル以上、
貨物附帯倉庫八千二百平米以上となっており、
仮称仙台貨物ターミナル駅として最新型の貨物駅を目指しており、広大な敷地に展開するものであると考える。そこで、
道路整備等も必要と考えますが、その場合市はどのような対応をお持ちか、当局にお伺いします。
仙台港の抱える諸問題について。
梅原市長は、東北唯一の
特定重要港湾仙台塩釜港の物流を考えるシンポジウムに出席し、講演を行ったと聞いています。仙台港の有用性については強調しておりますが、現在の規模や設備では、
大型貨物船の入港接岸ができない状況であるため、大量のコンテナの搬出入には、港湾の整備が前もって必要となります。自動車の大量積み出し港としての活用は大いに望むところであるが、原材料の搬入にも役立つため、県とともに早急に計画を立案して着工にこぎつけてほしい。また、仙台港背後地に大規模な商業施設が立地することに、港付近の道路が渋滞してしまうのではないかと懸念が示され、
コンテナ輸送トラックを高速道路に誘導するような財政的な支援を求められている。効率的な
物流機能整備を掲げる市長に申し上げますが、急にはできないまでも、急がないと間に合わないのが一番困るので、どの順序に整備していく考えなのか、お伺いします。
宮城野貨物駅の跡地利用について。
JR宮城野貨物駅の移転については、前議会で梅原市長より、平成年度の調査時点よりもさらに必要性が高まった旨の御答弁をいただいておりますが、移転費用の捻出にはJR貨物の収支から見れば、その跡地の処分が間違いなく必要条件であることは、だれの目から見ても当然であると考えます。買い手はだれか、当然民間の事業として行われるべきものである。しかし、この事業を推進するのに市の協力は欠かせない状態である。道路にしても、
土地利用地域の変更にしても、細かく見れば多くの点で市の協力なくしては成り立たない。最大の問題は、課税による原資の減少である。市として最大の譲歩を行って、この事業を成功させていただきたい。この点について御当局のお考えをお伺いします。
跡地利用計画構想について。
民間が行うからには、事業について市の意見を無視して推進すべきではない。この地域には、陸上競技場、野球場等の運動施設があり、隣り合っているため、相互に影響し合って、明るい雰囲気の地域になると考えられる。さらに、宮城野原駅に近接しているので、多くの施設が建ち並ぶことが予想され、跡地だけの見方では近視眼的ではないかと考えられる。また、商業施設が入らないと、原資確保が難しくなることは事実である。しかし、市内には大型のモールが続々と誕生し、既存の商業地域がその存立に危機感を持っていることも事実である。この点を市では心配してこの事業に消極的だと聞きますが、当局の御意見をお伺いします。
市の市街化区域の拡大しない方針との整合性について。
仙台市は、
都市計画制度における二〇〇九年度末の
区域区分見直しで、開発を推進する市街化区域を基本的に拡大しない方針を決めた。郊外の住宅地や商業施設などの乱開発を防ぎ、
機能集約型都市の形成を目指すとしている。その中で貨物駅跡地の再開発については、都市整備の観点から広く見直しして、施設群の種類と地域割りなど、市当局ではどのようなお考えをお持ちかお伺いします。
この事業について、梅原市長の強力な推進力に期待する市民は多く、市長の
ゴーサインを待ちわびている関係者はいつ出るかとかたずをのんで見ている状態である。まさかあつものに懲りてなますを吹くの例えのように、憶してしまったのではといううわさが聞こえている。しかし、それには各局の積極的な立案と進言が伴わなければ、簡単に
ゴーサインを出すわけにはいかないだろう。
一方、
日本貨物鉄道株式会社では、現在、移転の必要経費を積算中で、近いうちに明らかになるものと見られ、私はこの両者が相伴って
ゴーサインの根拠になるだろうと考えている。これらについて市長の御見解と、当局の準備状況をお聞かせください。
私見を申し上げれば、これからの都市計画は人の和、コミュニケーションが弾むような人間関係の熟成、人間愛に満ちた
まちづくりが至るところにあらわれるようにしたいものと考えている。高層ビルが林立する
都市づくりはどこにもある。しかし、それは企業の投資による競争力の顕示にすぎない。エコの観点から見れば、エネルギーの消耗を促進する。
これからの人口構成を見てもわかるように、少子高齢の社会が急速に進行している。したがって、
高齢者ケアつきの
マンション等の設置と、
クリニック用の複合施設が伴うように配置されるべきであると考える。また、健康増進用の施設の配置も魅力になると考える。
仙石線宮城野原駅に近接した地域は、市内のみならず近郊都市からも利用者が集まるのではないか。それに幼児教育の施設が伴えば、一日
じゅう利用者が絶えないと考える。
広大な土地だから緑地や公園等のぬくもりを求める人、いやしを求める人、家族の団らんを求める人に潤いをもたらす地域を併設し、さらに遊園地で遊んで
ストレス解消となり、ここに住んでよかったと多くの住民が満足するような
地域づくりをしてはどうでしょうか。これについて当局の御意見をお伺いします。
人材育成について。
六月三日、とうほく
自動車産業集積連携会議の総会が盛岡市で開催され、出席者たちは、東北各県で加速する
自動車関連企業の集積と取引拡大に意欲を示した。一方、今後に向けて人材育成がかぎと課題が指摘された。大企業の進出で、優秀な人材が
大手メーカーに流れる。地元企業のためにも産学官の人材育成が必要であると訴えていた。
二月定例会で、
自動車工業技術者の養成について、若者の
理工系離れ現象を指摘し、企業が期待する人的資源や地域の理解、支援がある姿から遠ざかる心配を述べた。六月議会の質問の中で、仙台市は第三次産業が突出した産業構造になっており、将来の発展のためには第二次産業の進展が必須であり、学校教育も人材育成もその充実に傾斜する必要があると強調しました。
八月八日の地元紙で、
東北電子専門学校に
自動車組み込みシステム科を新設する旨、報じられた。同校では、予想されるエンジニアの需要増加に対応したいと話している。同校によると、
組み込みソフトを学んだ学生に対する求人数は、学生数を圧倒的に上回る状況が続いているが、定員の半分ぐらいしか学生がいないという。八月十日付地元紙が報ずるところによれば、
地元メーカーに人が集まらない、こんな不安が宮城県を中心に東北の
中小製造業者に広がっている。
ハイブリッド車用電池製造の
パナソニックEVエナジーが、七月上旬、仙台市で開いた就職説明会では、百人の募集に対し、受付前に約四百五十人が行列をつくったという。東北に工場を新設し、新規雇用を計画しているのは、
セントラル自動車を初め六社で二千二百人を超え、理工系離れが進む中での大量採用だけに、
地元製造業者には工業系の高卒者さえ満足に採用できないのではないかと不安の声が渦巻く。
こうした情勢を受けて、基本的には幼少のころからの教育がかかわっており、
ものづくりの大切さを身につけることが求められる。そこで、市では、東北への
大手メーカーの進出による人材需要の変化に対応する道をお持ちなのか、当局にお伺いします。
広域連携による観光振興について。
去る八月二十七日、仙台・福島・
山形市議会広域観光連携推進協議会が開催され、観光立国と観光の現況、住んでよし訪れてよしの
まちづくり、広域連携による観光振興、
滞在型観光促進のための
観光圏整備、
インバウンド促進のための広域連携、仙台・福島・
山形広域連携による観光振興のテーマで、
株式会社ジェイティービー常務取締役清水愼一氏の講演を下に勉強会を行った。
観光交流人口の拡大による日本の再生、
旧来型観光とこれからの観光は、旅の形、旅の目的、地域との関係、旅の経済性において相違があること。
住んでよし訪れてよしの
まちづくりでは、地域を取り巻く厳しい環境から、交流なくして活力なし、活力なくして交流なしをモットーに、
地域コミュニティーの活性化、交流人口の拡大を図ること。東北では仙台市が訪問先のトップだが、再訪希望は二位で、再訪希望が低い。長所としては、広瀬川の川沿いが歩けるなど、仙台は生活感があり、行き先、商店街、飲食街が多く、歴史文化の町並み、緑豊かなまちで話題性があり、東北各地の食べ物がそろっていること。さらに可能な限りバリアフリーを実現し、景観条例等によりこんな場所からも青葉城が見えると驚かれるような
町並みづくりに努めること。また、観光のポイントは、まち歩きの感触で、歩いていて心地がよい、
オープンカフェがある、歩いて回れると感じること。
広域連携による観光振興では、
滞在メニューやプログラムの多様化、
ストーリーでつないだ
観光コース、
一体的プロモーションによる
イメージ形成、強調すべきは
ストーリーに従って時間を過ごすお客様からは自治体の境界が見えないこと。
インバウンド急増の主役は韓国、台湾、中国である。アジア系は、温泉、リラックス、ショッピングに関心が高く、伝統文化、歴史的施設はこれに次いでいる。したがって、伊達な観光圏を目指す仙台市は、県内の広域的な歴史的、文化的、自然、景勝地の
観光ゾーンと、温泉ごとの特色と宿泊施設の紹介情報のほか、
世界遺産候補平泉とその周辺の文化的資源を中核とした
観光資源等をインターネットで紹介する情報発信に力を入れ、
滞在型観光促進のための
観光圏形成に努力しなければならないこと。
これらのことから、仙台駅、空港を拠点とした
周遊コースづくりを考え、これに観光資源を
ストーリーでつなぐコースとして見る観点で整備する計画を、仙台・
宮城デスティネーション期間にマッチさせて推進しようと話し合った。
七月十九日に、
仙山カレッジの第十七回フォーラム、
ものづくり連携の可能性が開かれ、
自動車産業の東北進出を受け、宮城と山形の企業がビジネスチャンスを生かしていくための連携策について話し合った。仙台市では、観光を大きな資源として位置づけ、支援する体制ができているため、千人力を得たような気分で取り組もうとしておりますが、果たしてどうなのか。当局から具体的計画を御提示いただきながら、その熱意のほどをお聞かせください。
今回は、一歩踏み出した提案と質問を行いました。つきましては、市長及び当局の、明快でだれにもわかる踏み込んだ御回答を期待して終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
6: ◯副市長(笠原周二)ただいまの
加藤和彦議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、仙台港の
物流機能整備についてお答えを申し上げます。
今後、仙台圏には
自動車関連産業などの大規模工場の立地が進むこととなりますが、こうした産業の集積をさらに継続、加速していくためには、将来にわたる企業の円滑な事業活動を支える物流基盤の整備を迅速に進めることが不可欠であると、このように認識をしているところでございます。
仙台港の整備につきましては、現状では
セントラル自動車の操業に伴う
完成自動車輸送等への対応として、モータープールの拡張や大型船舶の接岸が可能となる水深の確保などが課題となっております。現在、
港湾管理者であります宮城県において策定中の
次期港湾計画におきまして、
自動車関連施設の優先的な整備が盛り込まれることとなっております。
また、大
規模商業施設の立地なども踏まえた港周辺の
アクセス道路環境の整備などにつきましても、的確かつ迅速に対応していくことが必要であると考えており、こうした諸課題に対しましても、仙台港の物流が円滑に進むよう、引き続き宮城県などとともに協議を行いつつ、精力的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
次に、
宮城野貨物駅の跡地利用に関しまして、都市整備の観点からの見直し及び都市開発の考え方についてお答えを申し上げます。
本市は、公共交通軸を中心に多様な都市機能を集約し、過度に自動車に依存せず、市民だれもが多様な都市機能にアクセスできる、便利で暮らしやすい都市の形成を目指しております。市街地の外延的拡大の抑制もその一環として進めているところでございます。
宮城野貨物駅が移転した場合の跡地利用につきましても、この方針に即した計画であるべきと考えております。
また、跡地利用は、都心周辺におけます大規模な
土地利用転換となるため、本市にとって望ましいあり方について御提案の内容も含め、幅広く検討することが必要と認識しているところでございます。跡地利用に伴う用途地域の変更など、都市計画における対応等につきましては、事業者が提示する計画により、必要性も含め検討してまいりたいと考えております。
そのほかの質問につきましては、関係の局長から答弁いたしたいと思います。
以上でございます。
7:
◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは
宮城野貨物駅の跡地利用に関係いたしまして、跡地処分について、
跡地利用計画について、
跡地利用計画の推進と準備状況につきまして、以上三点の御質問にお答え申し上げます。
まず、
宮城野貨物駅の跡地利用についてのお尋ねでございます。
宮城野貨物駅が仮に移転した場合の跡地売却につきましては、議員御指摘のとおり基本的に民間の事業として行われるものでございまして、課税面での対応は極めて困難ではないかと考えております。しかしながら、この土地は都心からほど近く、土地利用の動向は本市の
まちづくりにとりましても重要であると認識いたしておりまして、本市といたしましては引き続きJR貨物の今後の動向を注視してまいりたいと考えております。
また、
跡地利用計画に関しましては、現在JR貨物において
利用方法等を検討しておられると伺っており、現時点において計画の是非について判断することは困難でございますことから、具体的な計画が明示された段階で、検討の上必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
8:
◯環境局長(山内晃)脱炭素、
省エネルギー社会の実現についての数点の御質問にお答えします。
まず、市役所における脱炭素、
省エネルギー対策についてでございます。
平成十年に
環境率先行動計画を策定し、翌年には
政令指定都市初のISO14001の認証を取得し、十八年度にはこれらを新・仙台市
環境行動計画として一本化して、全庁的に徹底した
環境配慮行動に取り組んでおります。
その結果、十九年度にはごみ排出量を十一年度比で四八%削減するとともに、
リサイクル率もオフィス系で八六%、全体で五七%と高い値を達成し、またCO2の排出については基準年である十六年度に比べ約七千トン、東京ドーム三個分を削減いたしております。これによる経費の削減効果も約三億四千万円となっております。
次に、資源の有効活用についてでございます。
仙台市の公共事業において排出される生ごみ、剪定木くずや、
し尿系脱水汚泥の資源化を図る施設として、平成十四年度から
堆肥化センターを稼働しております。生成された堆肥につきましては、杜のめぐみとして、公園事業や学校、町内会の花壇づくりなどで循環利用をしているところでございます。
この施設の情報を提供し、
民間事業者の生ごみの減量、リサイクルの促進に努めるなど、今後とも限りある資源を有効に活用し、環境への負担を減らしていく取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、
環境対策事業の進行状況についてでございます。
まず、計画といたしましては、平成九年に策定した杜の
都環境プランを基本とし、
地球温暖化対策推進計画、
自動車環境負荷低減計画、
一般廃棄物処理基本計画など、さまざまな個別計画を順次策定してまいりました。また、事業につきましては、新エネルギーや低公害車の普及促進、百万人のごみ減量大作戦や環境教育など、幅広い分野にわたって展開してきており、十九年度においては市全体で六百余りの
環境対策事業を実施したところでございます。
最後に、省資源、脱炭素への市の取り組みについてでございます。
まず、
ごみ有料化との関連でございますが、有料化につきましては一層のごみ減量と資源循環を推進し、
地球温暖化防止に貢献するものと考えております。また、これまでの環境対策とその効果につきましては、河川愛護や
清流保全活動とその成果を初めとして、交通対策や車両の低
公害化促進などによって、大気中の
二酸化窒素濃度が
政令指定都市の中で最も低い値となるなど、杜の都仙台の環境が良好に維持されているところでございます。
さらに、緑化推進や学校等への
太陽光発電設備の積極導入、企業の
環境管理システムの導入促進など、
地球温暖化対策につきましても幅広い事業や啓発活動を展開してまいりました。こうした取り組みの結果、昨年度の調査では、十七年度の市域内の
温室効果ガス排出量は七百三十万トンと、十二年度の七百五十八万トンをピークに減少に転じる傾向となっております。
今後とも低炭素型の
都市づくりや資源循環の推進など、地球環境に負担のかからない取り組みを推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
9: ◯経済局長(藤本章)
宮城野貨物駅の移転事業についての御質問のうち、脱石油の鉄道輸送についてお答えいたします。
鉄道輸送につきましては、
トラック輸送と比較いたしまして、輸送の頻度やスピードといった面では劣るものの、
大量一括輸送に適しており、また定時性も高いといったすぐれた特徴を有しているものと認識いたしております。また、
温室効果ガス排出量が少なく、環境への負荷も小さいなどの特性を持つ輸送手段であると認識いたしております。
企業における輸送手段の選択は、経済性や効率性、あるいは危機管理などを総合的に勘案し行われるものではございますが、原油などの価格が高騰し、環境問題への対応の必要性も高まる中、鉄道輸送の重要性が今後も増していくものと考えております。
次に、広域連携による観光振興についてお答えいたします。
近年の旅行形態の変化や旅行ニーズの多様化など、観光をめぐる環境の変化に対応しながら、国内外からの観光客数や滞在日数を伸ばし、地域の活性化につなげることが課題でございます。とりわけ地域間競争の中におきまして、観光客の目線に立った魅力ある観光メニューの提示が求められており、多様な観光資源を、テーマ性を持ったルートやプログラムとしてPRできる広域観光は、一層重要性を増しつつあると認識いたしております。
その観点から、本市といたしましては、本市固有の資源を活用した都市観光の確立など、足元の取り組みと同時に、あわせて連動させつつ、福島市、山形市との三市連携、宮城県、岩手県の六市四町によります伊達な広域観光圏の連携等の中で、滞在プログラムや日帰りツアーの開発、ホームページ等での情報発信、旅行会社の招聘、二次交通の充実などに取り組み、魅力ある観光地のイメージづくりや、滞在型の観光促進を積極的に推進しているところでございます。
こうした取り組みは、東北観光の拠点都市である本市が、東北全体の活力向上にも寄与する契機となるものでございまして、そうした責任を果たすという観点も踏まえながら、今後も大いに推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
10: ◯都市整備局長(中村克正)新貨物駅の構想と市の取り組みに関する御質問にお答えいたします。
貨物駅の新設に対する本市の取り組みにつきましては、現在のところJR貨物から貨物駅の新設計画が明らかにされておらず、具体的な対応について申し上げる段階ではございませんが、新設に伴い必要となる既存道路のつけかえ等の補償は、基本的には開発事業者が行うことになると考えております。しかしながら、物流機能の強化は不可欠であると考えておりますので、広域交通体系の検討など、本市が担うべき役割を踏まえまして、必要な取り組みを行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
11: ◯教育長(荒井崇)私からは、
大手メーカーの進出に関連しての人材育成についてお答え申し上げます。
まず、
ものづくりの振興のためには、それを支える地域の人材育成が重要と認識してございます。そのためには、まずは早い時期から科学や
ものづくりの楽しさを感ずることができるよう、市立小中学校におきまして、理科支援員の配置による実験学習の充実、最先端の科学を学ぶサイエンススクールの開催、また、
ものづくりの現場における中学生の職場体験など、さまざまな取り組みを進めてございます。
さらに、
ものづくりを支える人材の育成に直結する取り組みといたしまして、高校では、仙台市内に位置する宮城県工業高校と仙台工業高校の生徒のインターンシップなどを、みやぎ工業会や地域企業との連携で進めているほか、さらに仙台工業高校では、本年度より学校での専門教育と企業での長期実習を組み合わせまして、即戦力となる技術者を育成するデュアルシステムに取り組みを始めたところでございます。
今後とも関係機関との連携を密にいたしまして、地元産業を支える人材の育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
12: ◯議長(赤間次彦)次に、安孫子雅浩君に発言を許します。
〔十九番 安孫子雅浩登壇〕(拍手)
13: ◯十九番(安孫子雅浩)民主クラブ仙台の安孫子雅浩です。一般質問をさせていただきます。
今から十一年前、日本経済新聞の紙上で連載されていた「二〇二〇年からの警鐘」は、「日本が消える」という衝撃的な副題がついて書店に並べられていました。そして、きょう既に我が国は人口減少社会に突入し、高齢化は加速、製造企業は国外に流出し、非正規雇用の拡大は進み、個人の孤独感は深刻さを増していくなど、警鐘のとおりの道筋をたどっております。
先日発表された荘内銀行総合研究所のレポートによれば、東北地方全体の人口は二〇三五年までに二百二十万人も減少し、一割の自治体では老年人口が人口の五割を超えて、自治が機能できない限界自治体が出現するとなっています。
本市を核とする仙台圏域では、現在の百九十一万人人口圏が百七十四万人に減少する一方で、人口の集積率は高くなり、都市圏以外の東北地方の過疎化は一層進む推計になっています。このような東北地方の将来推計に対して、同レポートは提言として、自治体では将来の行政需要の縮小を先取りした、身の丈に合った地域計画が必要であり、また東北地方全体を牽引する強い都市圏域を確立し、道州制で議論される東北州から、さらに踏み込んだ東北国を目指す気概が必要であると報告しています。
そこで、本市でありますが、あらゆる行政施策の基本をなす仙台市基本計画が、その計画期間を平成十年度から二十二年度までとした仙台21プランがあります。現在、この計画の最終実施計画が進められているところであり、実施計画の重点事業は昨年度の進捗状況が報告されています。仙台市基本計画は、平成二十三年度からの次期計画の策定に向けて、今年度から企画市民局に総合計画課を設置し、策定作業の着手に向けて準備を始めています。
本市の施策の大もととなる基本計画の基礎資料となるのは、人口推計であります。計画期間中の人口の増減、年齢構成の推移、移動人口の推計などの算定をもとに、市民が安心して快適に暮らすことのできる生活環境の整備を初め、福祉や
まちづくり、教育、環境政策など、あらゆる行政施策の目標を定めることになります。現在の基本計画では、本市の人口フレームは百十二万人と推計されています。計画期間を二年残し、現時点での本市の人口は百三万人であり、推計に対して九万人も満たない実態となっています。人口フレームは、その算出いかんによって本市の都市基盤整備、土地利用、交通政策、住宅政策などの想定量も決められることになります。計画期間中の行政サービスの総量を判断していく指標となる人口フレームは、基本計画策定の策定根拠となるものです。その上で、数点伺います。
まず、現行の計画において、本市の推計人口が九万人もの誤差を生じ、割合にして実人口と一割近くも異なるフレームの設定となった原因はどこにあるのか、お伺いいたします。次期計画を策定する際の基本指標は、相当に慎重に各種データを分析した上で、実態と乖離しない堅実な人口フレームの設定を求めるものです。人口推計には、時代環境やトレンド、市民意識や産業構造、景気動向や雇用環境等々、膨大な各種データの分析を経なければならないものでありますが、本市としては、どのような手法で次期仙台市基本計画の策定に当たり、計画の基本資料である人口フレームを設定していくのか、御所見をお伺いいたします。
次に、本日市長はあいにく答弁席にいませんので、次年度市政運営の基本方針案について予定していた主要三点の質問は、残念ながら審査特別委員会等で質疑することといたしまして、二点のみ伺います。
市長が次年度の基本方針案に、都市ビジョンとコミュニティビジョンの施策の具体化に来年度は本格的に取り組むとありますが、両ビジョンの具体化へのプロセスに本格的に入っていくとは、その作業手順はどのような段取りで、具体に進めようとされているのか、お伺いします。また、コミュニティビジョンについては、区役所を中心に町内会、地域のボランティア団体と議論を深めていきながら進めていくとしています。コミュニティビジョンでは、コミュニティー活性化は行政責任であるとし、地域と行政が適切に役割分担を行う指針がビジョンであり、双方が主体性を持って積極的に取り組むことが重要であるとしています。その上で具体には、
地域コミュニティーと行政の連携、地域課題を共有、解決する場の設定、新しい連携の取り組みの促進など、二十数項目にわたって設けます、図ります、進めますと示されていますが、問題は果たしてこれらをだれが主体となって、設け、図り、進めると言っているのかが不明なのであります。その主体は区役所、市民センター、町内会あるいはどこにあるのか、お示しください。
また、コミュニティー支援機能の強化や活性化のための特色ある事業展開とは、具体にはどのようなものを目指しているのでしょうか、お伺いいたします。
次に、財政の健全化について以下に伺います。
方針案の基本的な考え方に、本市の財政は歳入は当面の間、市税収入の伸びは期待できず、国からの地方交付税や臨時財政対策債も削減が続くと予想され、一方の歳出は、福祉関係経費の増加と、これまでの都市基盤整備に係る公債費の高どまりなどで増加傾向になると示されています。今後、予算編成作業はますます困難なものになると予想され、現在の収支見通しでは、来年度の新規事業は何もできない状況にあることは深刻です。したがって、財源の捻出のために、事務事業の見直しを徹底し、本市が単独で実施しているさまざまな補助金についても、例外なく点検すると示しています。
午後四時三十五分延会...