〔三番
跡部薫登壇〕(拍手)
6: ◯三番(跡部薫)この四月の
統一地方選挙で市議会に初めて議席をいただきました改革ネット・自民の跡部薫でございます。
新人にもかかわらず、一般質問の機会をいただきましたことに感謝申し上げながら、主に安全安心な
まちづくりに関連して順次お伺いいたします。
先月末、
国立社会保障・
人口問題研究所が発表した人口推計によると、東北地方は急激な
人口減少傾向が顕著な数値となってあらわされておりました。今月六日に厚生労働省が発表した
人口動態調査によると、出生率は久しぶりに一・三二と上昇傾向が報告されたものの、日本の社会構造に根本的変化の兆しが見られるわけではなく、将来的展望としては人口減が一層進み、全国の中でもとりわけ東北六県は高い数値で減少が進むことが予測されるとありました。また、本市も成熟化が進む郊外の住宅地において、全体平均数値よりはるかに高い率で高齢化が進んでいることは御承知のとおりです。
少子高齢化が進み、将来にわたる医療・福祉など
社会保障費が財政を圧迫し、自治体経営がますます不透明になる中で、市民への
行政サービスは、あれもこれもから、あれかこれかの時代へ移ったと言われております。
地域コミュニティが新たな段階に差しかかっている大きな転換点と言える今日、市民の協力と理解をいただきながら、持てる地域力を最大限に活用し、一層地域を巻き込んでの取り組みが必要であると感じるところであります。
初めに、仙台市御当局の不断の御努力に敬意を表しつつ、
少子高齢化社会が到来した本市の今後の展望と
地域コミュニティーの活性化への取り組みについて、市長の御所見をお伺いいたします。
かつての日本社会は、特に近代日本の特徴の一つとして、個人の道徳心を涵養し、相互扶助を大切にしつつ地域社会を営んできました。第二次世界大戦以降の我が国が、欧米をモデルに戦後復興を推し進め、近代化への道をひたすらに突き進んだ結果、本来の日本社会のよさ、日本文化の特長が失われかけていると言われております。変化が激しく、急激な
グローバル化が進む国際社会の流れの中にあって、
少子高齢化が進む我が国の、地域社会の次の時代を切り開いていくためには、どのようにしていくかが問われております。
私は、本来日本人が持つ根源的な力、気候風土がはぐくんできた感性や情緒など、日本人としての生命力や価値観を再認識し、かつては当たり前だった住民相互の結びつきを取り戻していくこと、助け合う社会を取り戻すことが大切であると考えています。二十一世紀の地域社会は、地域力を大切な資源ととらえ、市民参加のいわゆる全員野球を目指しつつ、市民の意識向上と仙台市民としての誇りを求めていくことが必要であると考えます。
例えば、今日の日本社会では、団塊世代の大量定年を目前にして
地域デビューという言葉がはやっております。私たちは、地域回帰と社会貢献がトレンドとなる今こそ、団塊世代はもとより社会を支える各世代に対して、地域から
少子高齢化、
人口減少社会に取り組む重要性を積極的に発信することが大切であると考えます。そして、市民の皆様に新しい生きがいある地域社会、生きがいのある生活モデルを提示する絶好な好機とも考えます。
そこで、市長は、御自身の施政方針の一番大きな柱である市民の安全安心な
まちづくりを
少子高齢化の波が大きく押し寄せる地域において、どのように具現化していかれるのか。団塊世代の大量定年期を迎えて、この貴重な地域力をどのように生かしていかれるお考えか、御所見をお伺いいたします。
次に、具体的な課題について数点お伺いいたします。
まず、防災についてであります。仙台市
地域防災計画・
地震災害対策編によると、大規模災害において被害を最小化するためには、公共機関による救助・支援などの公助に加え、
地域住民相互による援助である共助、そしてみずからがみずからを守るという意味での自助が必要である。
自主防災組織はこのうちの共助のための中核となるもので、住民個人を直接・間接に支える地域の基盤となるものとされております。御当局は、今日まで関係機関との連携を図りつつ、
各種災害予防体制を整備されてきたところと存じます。しかし、今こそ大切なことは、予防策の中心となる
自主防災組織の活動内容に重点を置き、その充実策と住民への理解の浸透を図ることと考えます。
自主防災組織は、町内会を基本とするように、日常の生活の場で接し、交流している住民相互の助け合いの組織であります。本市では、一千二百八十一の組織が存在し、三十七万世帯約九〇%を超えると言われる
自主防災組織結成率ですが、活発な活動を行っている組織はごく少数のように見受けられます。結成率でははかれない
自主防災組織の
活動そのものを御当局は何を基準に把握し、どのように評価しておられるのかお伺いいたします。
実情を調べてみますと、町内会の役員と班長が災害時の
自主防災組織の中心的役割を求められる関係上、高齢化が進んだ地域では負担が大変重くなっているのが現状です。また、役員や班長のなり手不足が深刻化する町内会は、任期を一年交代にするなど短期的にして負担感を軽減するため、防災活動まで引き継ぐ余裕がなく、形式的に組織だけが存在したり、特定の役員対象の講演会や訓練で済ませてしまうなどのケースも見られるようです。
本市の
自主防災組織への取り組みとしては、新規結成の促進や
地震防災アドバイザーなど専門家の派遣、ホームページなど広報活動、
防災グッズに対する助成など各種対策が行われております。しかしながら、地域力を生かし、地域の人材やグループを支援し、
活動そのものを支援するなど、住民を広く巻き込む具体的な取り組みが大切ではないかと私は考えます。
そこで、実際に
自主防災組織を活性化させようと行っている市内の二つの事例を御紹介いたします。
一つは、
単位町内会の取り組みです。形骸化しがちな
自主防災組織を支援し活性化するために、新たに
町内会内部に別組織の
防災ボランティアチームが結成されました。この
ボランティアチームは防災に興味がある住民が率先して継続的かつ活発に活動し、予想以上の成果が見られております。また、
ボランティア精神にあふれたメンバーが多く、地域の高齢者から困りごとの相談を受けたり、地域活動は初めてという団塊世代前後の方の参加が多いなど、
地域コミュニティーに新たな活気が生まれております。この結果、この地区では、一般の住民にもすそ野が広がるように防災意識が高まり、住民相互の新たな結びつきが見られる収穫も見受けられております。
もう一つは、
連合町内会の、いわゆる
連合自主防災組織の取り組みです。
連合町内会に加盟する
単位町内会に対して、それぞれの防災活動と
組織づくりの支援を目的とした、地元住民の
防災ネットワークが設立され、地域に根ざした支援活動が好評を得ております。各
単位町内会からは、防災活動の具体的な内容の問い合わせとアドバイスを求める声が多く、
連合町内会レベルのきめ細かな対応と、地域の事情に精通した人材、そしてメンバーの活動拠点が求められております。
この件で強く感じることは、近い将来の宮城県沖地震の発生が確実視される今日において、
地域コミュニティーの再生や住民の相互扶助、新たな地域力の結集に取り組むために、防災は時宜を得た絶好のテーマではないかということです。
しかし、それぞれ発足二年以上の活動を通じて、住民からの期待に手ごたえを感じる反面、課題が明らかになってきました。それは、いずれも新しい組織であることから、
単位町内会、
連合町内会の中での位置づけがあいまいなことや、専門知識が不足ぎみであり、予算措置が難しいなどが上げられます。いずれも現状は、
メンバー個人の努力と善意に頼る活動が続いております。
防災を担うのは常に人材です。そこで、
自主防災組織の実際に即した活性化策としてお伺いいたします。御当局は、今後、地域事情に精通し、一般住民に防災意識が波及するような地域の人材育成を行うなどの支援策はお考えでしょうか。地域できめ細かな対応を目指すためには、専門知識を持った
コーディネーターの役が必要と考えられますが、消防署員、同出張所員、消防団の分団員、あるいは
市民センタースタッフなど、地域に派遣し担当制を導入するなどのお考えはお持ちでしょうか。
また、
防災マップ講習や
防災グッズの助成など、行政側から一方的かつ広範囲な支援より、
個別防災マップ政策費の助成や
単位町内会の防災訓練、一時避難所設置など、
自主防災活動そのものへのきめ細かな支援が効果的と考えますが、この取り組みの現状と今後の対応をお伺いいたします。
活動が水平展開していくためには、本来おおよそ小学校の学区単位で存在する
コミュニティ防災センターが拠点として担うべきとされておりますが、現在の利用状況と人材が交流する拠点として活用されるお考えがあるかお伺いいたします。
次に、地域社会の防犯についてお伺いいたします。
地域において子供の安全を願うべく防犯活動に対して
ボランティア団体が大幅にふえていると伺いました。警察庁の全国調査によると二〇〇五年末の宮城県では三百二十八団体に上るとの発表がありました。このように地域住民の防犯への意識が高まり、取り組みが活発になることで、
防犯ボランティア団体は、幼児や子供をねらう犯罪に対する抑止力の補完機能として効果が期待されております。本市においても仙台市
安全安心街づくり条例や同基本計画などを通じ取り組まれているところでありますが、防犯関係の諸団体や
ボランティアグループの最新の数、人員、活動内容などはどのようにして把握しておられるのか、お伺いいたします。
六月四日夜、青葉区の小学校で下校途中の児童の行方がわからなくなりました。保護者からの通報で教職員や
PTA関係の多数の協力のもと捜索が行われました。この過程の中で十九時十五分に学校側から
地元防犯協会実働隊の会長あてに協力要請があり、約一時間後に二十二名の実働隊員が終結しました。活動する直前で児童が発見され事なきを得ましたが、このような協力は大変心強いものであります。この地区では、今回のような協力要請は初めてのことであり、関係団体への連絡について当局から指針はなく、各学校任せとなっているそうです。
侵入者から子供を守るなど、危機管理に関する
対応マニュアルは各学校それぞれに策定されると伺いました。小中学校の教職員は日常業務が幅広く、多忙を極めます。また、地域の事情はそれぞれ学校ごとに異なり、対応は複雑さを増しています。しかしながら、学校外の通学途上など、子供の安全を図るために協力を惜しまない
防犯ボランティア関連の団体は、今回の防犯協会を初め、関係諸団体、
近隣町内会、老人会、有志の団体など多数あると推測されます。地域力を生かし住民を巻き込んで子供を守る取り組みとして、地域事情に精通し情報をいち早く把握する学校がどのように協力要請し、連携を図るべきか。効果的、効率的対応、緊急度のレベルに応じた対応など、現場では指針が必要とされていると考えます。
そこで、市内の小中学校と
防犯関係団体との連携について、現状と今後の取り組みをお伺いいたします。また、具体的には、学校から保護者に出される
不審者情報などは、このような団体にどのように伝えられているのでしょうか。また、
教育委員会では今後、ガイドラインなど具体的につくられるお考えはおありでしょうか、お伺いいたします。
次に、平泉の文化遺産を世界遺産に登録しようとする運動に関してお尋ねいたします。世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から引き継がれた貴重な宝物として、
世界遺産条約に基づいた顕著で普遍的な価値のある文化遺産や自然遺産であります。ユネスコはその貴重な遺産を未来に守り伝えていくための国際協力に枠組みをつくり、世界各国に
世界遺産条約への締結や世界遺産の保護を呼びかけております。政府は、昨年十二月に平泉の
世界遺産登録推薦書、「
平泉-浄土思想を基調とする
文化的景観」をユネスコに提出して正式に受理され、お隣の岩手県は現在、官民を挙げて登録運動を展開しているとのことであります。
ユネスコは、
国際連合教育科学文化機関といい、第二次世界大戦が終結した昭和二十年に、人類が二度と戦争の惨禍を繰り返さないようにとの願いを込めて、各国政府が加盟する国際連合の専門機関として創設されました。我が国は、昭和二十六年に六十番目の加盟国となりましたが、これは日本が国際連合に加入が認められる五年も前のことでありました。そのきっかけとなったのが、本市に世界で初めて誕生した
仙台ユネスコ協力会であったことは、意外と知られておりません。仙台発祥のこの
民間ユネスコ運動が政府や国会はもとより全国に波及して一大運動に盛り上がり、
ユネスコ加盟への機運を大いに高めました。
平泉の文化遺産は、かつて伊達政宗公が手厚い保護を加えられ、あの月見坂の杉並木などが、浄土思想を基調とする
文化的景観として重要な遺産となっているのであります。平泉は隣県にあっても、もし世界遺産に登録された場合には、本市にとりましても観光行政にとってはかり知れない影響があるものと推察されます。私は、世界に先駆けて発祥した仙台の
民間ユネスコ運動の意義を再確認しつつ、
世界遺産登録が本市のみならず東北に新しい価値を創出する機会と考えます。かつて平泉町長が仙台市役所を訪れ、この登録運動への支援を要請されたとお聞きしておりますが、本市としてこの平泉の文化遺産を世界遺産に登録する運動に関して、今後どのような対応をなさるのか、その方針をお伺いいたします。
安全安心な社会の実現は政治の最も重要とする問題であります。私は多くの市民の負託を得て、議会にお送りいただきました。これからも明確な政治信念を持って市政の場に臨んでまいる所存です。
以上、私の決意の一端を申し上げて、初めての質問を終わります。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
7: ◯市長(梅原克彦)ただいまの
跡部薫議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、
地域コミュニティーの活性化への取り組みについての御質問がございました。近年全国的に
少子高齢化が進んでおります。仙台市においても同様の傾向でございます。世帯構成の変化、あるいは住民の皆様の意識、いわゆる価値観の多様化など、地域の
コミュニティーを取り巻く環境が大きく変化をしているわけでございます。
こういったことを背景に、現在、
地域コミュニティーと地域行政のあり方を示す指針としての
コミュニティビジョンの策定を進めております。この中で、若年層、若い方々、あるいは団塊の世代を取り込んだ地域の新しいリーダーの育成ですとか、地域における情報の共有化、あるいは地域における幅広い連携の推進などについて検討を行っていただいております。平成十九年度内に最終報告を取りまとめる予定でございます。これを踏まえまして
地域コミュニティーの活性化に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
安全安心の
まちづくりについてでございますけれども、犯罪を防止するためには、言うまでもなく、行政や警察のみが防犯活動を担うのではなく、
地域コミュニティー全体として防犯力、犯罪抑止力を高めていくことが重要でございます。
去る三月に仙台市
安全安心街づくり基本計画を策定いたしました。住民の皆様、あるいは事業者の方々による
自主防犯活動の促進、そしてこれらの活動に対する支援、さらには、そういったことを含めて仙台市民みずからの防犯力の向上ということを基本目標の一つに掲げております。
今後の
まちづくりを推進するために、地域における安全安心が非常に重要な取り組みであるということ、御指摘のとおりでございます。団塊の世代の方々が培われてこられました豊富な知識ですとか、経験、技術、こういったものを地域の活動などを通じて大いに発揮をしていただきたいというふうに強く期待をしております。
今年の七月、来月には、仙台市の
シニア活動支援センターが開所の予定でございます。地域のリーダーの育成、あるいは人材情報の共有化、こういったものを図りながら、これらの世代の方々の見識、能力を大いに発揮していただくように取り組んでまいりたいと考えております。
次に、平泉町の文化遺産の世界遺産の登録運動についての御指摘、お尋ねがございました。
この世界遺産の登録は、文化遺産の保護、あるいは保存といった面で一層の取り組みが求められている中、平泉の歴史、あるいは文化が広く全世界に発信され、国際的な注目度はさらに増すこと、これは東北全体の観光振興にとっても、あるいは仙台市にとっても非常に大きなプラスの効果をもたらすものというふうに認識をしております。
平泉町とは、同じ仙台藩の領であったという御縁もございます。平成十八年には、仙台市の
富沢遺跡保存館(地底の
森ミュージアム)におきまして世界遺産をめざす平泉展を開催したところでございます。今回の世界遺産の登録に向けての運動につきましては、数週間前も平泉町長、高橋町長さんがいらっしゃいました。町長のお話では、順調に準備が進んでいるというお話がございました。私ども仙台市としても広域的な観光の分野での連携を強めていく上でも平泉への誘客を促進をしております。外国からいらっしゃったVIPを私がみずから御案内するなど、観光面での一体的な取り組みを進めております。今後ともこの平泉の
世界遺産登録の実現に向けて仙台市としても協力を惜しまず、最大限の御支援をしてまいりたいというふうに思っております。
そのほかの御質問につきましては、関係局長から答弁をさせたいと存じます。
以上でございます。
8:
◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは地域社会の
防犯関係団体についての御質問についてお答え申し上げます。
地域における
防犯関係団体の
活動状況等に関してでございますが、現在、本市におきましては、さまざまな団体が防犯活動をしておるところであります。これらの状況につきましては、各種の団体の方々との情報交換でありますとか、県警との連絡調整の場などを設けておりますので、こういったものを通しまして日常的に
活動状況等の意見交換に努めているところでございます。
以上でございます。
9:
◯消防局長(藤橋孝彰)私からは、防災に関します数点の御質問にお答え申し上げます。
まず、
自主防災組織の活動につきましては、議員御指摘のように、結成率だけで防災力をはかることはできませんので、訓練等の実施回数を基準に活動実態の把握に努めているところでございます。平成十八年度において把握しております
自主防災組織の訓練等の実施回数は七百七十四回、参加人員は五万四千七百三十七人となってございます。しかしながら、組織数から見て、すべての
自主防災組織が活発に活動しているとは言えない状況にございますことから、今後は、地域のさまざまな活動と
自主防災組織の活動を組み合わせるなど、新たな視点に立った取り組みを進めまして、
自主防災組織の活性化に努めてまいりたいと考えております。
次に、
防災意識波及のための支援策についてでございます。
総合的な防災力の向上のためには、市民、個々人、
地域コミュニティー、そして行政が担うべき役割をお互いが理解し連携を図るという枠組みの中で、行政が市民や地域を支援していくことが大切なことと考えております。そうした意味で、住民の方々に防災意識が波及するような地域の人材育成が重要であることは、議員御指摘のとおりでございます。
そのための新たな取り組みといたしまして、今年度、災害分野、医学分野などの有識者に御参加いただき、大規模災害時に現実的な活動能力と統率力を有する人材の育成につきまして検討を進めまして、さらなる
地域防災力の向上に努めてまいりたいと存じます。
次に、
消防職員等の派遣についてでございますが、地域からの防災に関する要望等に適切に対応していくためには、専門知識を持った消防職員の果たす役割が重要でありますことから、各消防署や出張所におきまして、職員に受け持ち区域を割り当ててございます。
また、平成十五年六月から本市独自の取り組みといたしまして、議員御指摘の
地震防災アドバイザー制度を設け、よりきめ細やかな対応を図ってまいりました。
今後につきましては、
コーディネーター役として地域で活躍しておられる消防分団もございますので、こうした取り組みの輪を広げることにより、地域住民の方に防災意識がさらに波及するよう対応してまいりたいと考えております。
次に、
自主防災活動への支援についてでございますが、各消防署、出張所におきましては、区域内の
自主防災組織などに対しまして、個々の御要望等も踏まえながら、防災訓練の指導や
訓練用資機材の貸し出し、
防災マップ作成の指導・助言などを行っているほか、
地震防災アドバイザーや地震体験車を派遣するなど、地域の
自主防災活動を支援しているところでございます。
今後につきましては、これまでの取り組みに加え、専門知識を持った
コーディネーターや
自主防災リーダーの育成など、ソフト面をより充実させ、きめ細やかな支援を行ってまいりたいと考えております。
最後に、
コミュニティ防災センターの
利用状況等についてでございます。
平成十八年度の利用状況につきましては、
自主防災組織のほか、
婦人防火クラブ等も含め、
防災資機材を活用した地域単位の防災訓練などを四百十七回実施してございます。
コミュニティ防災センターは議員御指摘のとおり地域における防災・減災対策に係る人材の交流拠点としても重要であり、備えつけの
防災資機材等を活用した防災訓練のほか、
各種イベントや研修会などを実施することにより、
コミュニティ防災センターの本来の機能の充実を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
10: ◯教育長(荒井崇)私からは、地域社会の防犯の御質問のうち、教育局に係る御質問にお答え申し上げます。
初めに、小中学校と
防犯関係団体との連携についてのお尋ねでございます。
現在、子供たちの登下校時に防犯協会や町内会の方々に
学校ボランティア巡視員として御協力いただいている学校もございますが、連携の度合いは地域ごとに異なりますことから、
教育委員会といたしましては、各地域の実態を踏まえ、効果的な連携に向けまして対応を検討してまいりたいと存じております。
続きまして、学校からの
不審者情報についてでございますけれども、児童生徒が不審者に遭遇したりした場合、被害者の個人情報に配慮しながら、保護者、近隣の学校、幼稚園、保育所などに連絡するとともに、学校によっては必要に応じて
防犯関係団体に文書やファクスなどで情報を提供いたしまして、再発防止に努めてきたところでございます。
続きまして、学校防犯に関するガイドラインについてのお尋ねでございます。
教育委員会では、各学校の学校防犯マニュアルを整備する上での参考となりますよう、これまで学校危機ハンドブックや学校事故の予防等発生時の対応などの
対応マニュアルを作成してまいりました。
今後、各学校におきまして、
防犯関係団体との連携がよりスムーズに行われるように、地域の実情に応じましたより実効性のあるマニュアルづくりを行うよう指導してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
11: ◯議長(赤間次彦)次に、小野寺健君に発言を許します。
〔五番 小野寺健登壇〕(拍手)
12: ◯五番(小野寺健)民主クラブ仙台の小野寺健でございます。
歴史ある仙台市議会において質問ができることを大変光栄に存じます。市民の皆様、議員各位を初め、議会関係者の皆様、市長初め市職員の皆様、これから御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。
それでは、赤間議長のお許しを得ましたので、一般質問をさせていただきます。
まず初めに、市長の政治姿勢についてお伺いいたします。
梅原市政が誕生し、間もなく丸二年となりますが、改めて月日の流れの速さを感じるところでございます。キャリア官僚の職から市長選にチャレンジした梅原市長、経産省時代タイや米国での勤務経験があり、日本政府を代表して貿易協定を経験された国際派の梅原市長誕生に多くの市民が大きな期待を寄せておりました。かく言う私もその一人でございます。しかしながら、正直な物言いや行動が災いしてか、失礼を承知で言わせていただければ、何かと話題となることが多く、そのことが強い印象として残った二年だったと思います。結果責任を問われる政治家にとって、批判さるべきは批判され、正当に評価されるべきは評価されて当然と思いますし、梅原市長にして、本来もっと評価されてしかるべき実績も多々あったと思います。
梅原市政一期目の折り返しを控え、市政運営に対する自己評価、公約の達成度合いをまずお伺いいたします。
現在、国、地方自治体を問わずどこもおしなべて多額の赤字を抱えており、夕張市の問題一つとっても対岸の火事と言っていられないような課題が山積しています。
少子高齢化が進展する現状において、限りある財源や資産、人材をいかに有効に利活用するかは、今後の本市の行く末に大きな影響を及ぼしますし、その課題解決に残された時間も少ないと思います。市長は行財政改革を市政の最重要課題の一つに掲げて取り組んでおられますが、私はもっともっとスピードを上げて取り組む必要性があると考えます。
改革には痛みが伴うものであるだけに、これに積極的であればあるほど、市長は苦境に立たされるわけですが、今、なし遂げなければ次の世代はおろか、近い将来のうちに取り返しのつかない事態に行き当たることは明らかであります。
ただ、行財政改革において留意すべきところは、市政運営が何より民意を酌み取り市民協働によりかじ取りを行うことが重要なことです。そこで、市長にとっての市政運営や自治体運営についての哲学や考え方についてお伺いいたします。
次に、少子化対策について質問いたします。
二〇〇六年は前年よりも三万人余り多い約百九万二千人が生を受けました。一人の女性が生涯に授かる子供の推定人数を示す合計特殊出生率は、過去最低だった前年に比べ〇・〇六ポイントの上昇となり、四年ぶりに一・三ポイント台に回復しています。厚生労働省の背景分析ではありますが、景気回復と雇用改善などによって結婚するカップルがふえ、多くの夫婦が第二、第三子の出産に踏み切ったことが大きいと推察しているように伺っております。
しかしながら、産む世代の女性人口が減少しているため、人口減少の大きな流れは変わっておりません。少子化は依然として進行中と考えるのが妥当であり、少子化が進行する背景についても、必ずしも明確ではありませんが、晩婚化や未婚化、子育てと仕事の両立の困難さ、子育てに多額の費用がかかるという経済的な不安などに原因があります。
ここ十年以上にわたり、国においては、エンゼルプランや新エンゼルプラン、次世代育成支援対策推進法の制定と多くの施策が進められてきました。政府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議も長時間労働の解消など、働き方の改革を最優先とする方向性を打ち出しましたが、仕事と家庭の両立を目指している方々への対策は、まだ不十分という声が多くあります。
少子化問題は、直接的な子育てに関すること以外にも、多くの政策を同時に行わないと効果が期待できず、少子化問題の緩和や解決には、教育、労働、経済、保健、福祉など広範な分野での政策展開が必要であり、地方自治体単独で有効な少子化対策を実現するには限界があります。
しかし、統計からも明らかなように、本市においても急速な少子化が進行している現状がある以上、国の対策を座して待つことは許されず、なぜに合計特殊出生率が低くなるのか、その背景にはどのようなことが作用しているのかを、本市なりに可能な限り把握して、それに合致した本市としての対策を講じなければならないことは当然であります。
この点で、本市が仙台市の緊急少子化対策として、子育て支援アクションプログラムを取りまとめ、今年度重点的に少子化に関する施策に取り組まれていることは高く評価するところであります。そこでお伺いいたします。今回の、子育て支援アクションプログラムを拝見いたしますと、地域支援、両立支援、経済的支援と三つの柱が示されておりますが、特に、両立支援は、今回の出生率の上昇からいたしましても重要な課題と考えております。この両立支援に関するものとしては、これまでどのような施策に取り組んでこられたのか、お伺いいたします。
また、私は、両立支援のキーワードは、民間との連携・協働であると考えております。この点に関し、具体的にどのような施策をお考えか、できれば実際に取り組んでいる事例なども踏まえながら、お聞かせいただきたいと存じます。
続いて、両立支援の中でも欠かせない保育所問題についてお伺いします。
両立支援の中でも特に保育所の待機児童の解消が最重要な課題であると思います。全国で三万人近いという我が国が把握している数字ではありますが、この現状が少子化の原因と関係していると考えます。
全国合計特殊出生率一・二六という数字に驚いて、国や企業が家庭や企業での女性の待遇に気がつき、さまざまな手は打ち出してはいるものの、就学前、長期にわたって保育を確保するには、やはり保育所の存在が大きいものです。育児休業期間には限界があり、夫婦が安心して就業できるために保育所が欠かせません。公立の保育所整備という観点から見ると限られた税収の中で保育所を運営しふやしていくには限界があります。
定員数の拡大には民間の力の活用は欠かせません。これまでの民間による保育所運営は、専門性や柔軟性とともに、経費の効率運用など、民間ノウハウを生かし、保育所の待機児童の解消にこれまでも力を発揮しています。しかしその反面、わずかではありますが、問題があった運営体があったことも事実です。
そこで、子供未来局長にお伺いします。今後の保育所の整備拡大をどのように図っていくのか、御所見を伺います。また、その際、単に量的な拡大だけではなく、サービスの拡充や質の維持・向上の確保をどのように工夫していくのか、重ねて伺います。
続いて、教育問題について質問いたします。
初めに、学力向上についてであります。日本の子供たちの学力は世界の中でも高い水準を維持し、日本社会の成長にとって大きな原動力となってきたことは、多くの方々が認めるところです。しかしながら、昨今の国際的な学力調査などの結果を見ますと、読解力や数学的応用力などの低下、学力が身についている子供とついていない子供との二極分化が進んでいるなど、子供たちの学力に関する問題は保護者はもちろんのこと、社会全体にとって大きな関心事となってきております。
私は、今後もこのような子供たちの学力の状況が続けば、将来、日本の社会の活力を奪いかねない深刻な事態になるのではないかと危惧しております。このような子供たちの状況を改善していくために、学校教育の果たす役割は非常に重要です。
学力に関する調査については、国においても、平成十九年度から全国の子供たちの学力などの状況をとらえるために、小学校六年生と中学校三年生の全児童・生徒を対象に全国学力学習状況調査を行い、全国と都道府県の結果について公表することを予定しています。
私は、仙台市としてこの調査を積極的に活用し、全国との比較の中で冷静かつ客観的に仙台市の子供たちの学力などの状況を把握することが必要であると考えておりますが、一方で危惧を抱いております。
全国学力学習状況調査が成功するかどうかは、四十三年ぶりに特定学年全員参加方式で行ったこの調査の意義をどう生かすかにかかっておりまして、点数による一喜一憂や学校や市町村の評価の物差しとして使われるのであれば、この調査は百害あって一利なしだと思っております。ことし行われた仙台市独自の学力調査も全国的な学力調査も、その目的は子供たちの学力の状況を把握した上で、それに基づいて、指導方法の工夫の改善等を行い、子供たちのために学力の向上に役立てることであります。東京都品川区では、教育特区の小中連携事業の一環として、すべての中学校において小学校での学力調査を活用して、子供たちに不足している学力を補うためのカリキュラムを編成するなど行っていると聞いています。
そこで、今年度行われました全国学力学習状況調査と本市が独自に行った仙台市標準学力検査をそれぞれどのように位置づけておられるのかお伺いします。
続いて、本調査の結果により得られた分析データの取り扱いについてお伺いをいたします。
私は、本調査の数字のみが一人歩きし、いたずらに序列化や過度な競争を生ずることのないよう十分に配慮する必要があると考えております。そこで、学校ではどのような分析データが送られ各学校現場では児童生徒一人一人の学力向上にどのように生かしていくのか、お伺いいたしたいと思います。
特に、本市において今年度から独自に実施した標準学力検査は、これまで行われてきた学習状況調査とは違い、小学校一年生を除く全学年を対象としておりまして、平均点の上下よりも児童生徒の成長の様子を継続的に把握することにおいて有効な手段だと私は思います。この点についてお伺いをいたします。
また、今回の学力検査はあしたの仙台を担う子供たちのために、独自の予算を計上して実施されております。それだけに独自の展望が必要であり、
教育委員会として本市学力向上にどのように生かしていくのかをお伺いいたします。
次に、教職員の評価システムについてお伺いします。子供たちに勉強を教え、学力を身につけさせるのが現場の先生方であります。日々現場で一生懸命子供たちのために汗を流してくださっている先生方が大多数であることも認識しておりますが、先生の能力や資質、指導力などすべて同一ではないのではないでしょうか。
子供たちが一人一人違うように、やる気のある先生や資質のすぐれた先生、リーダー格やサポート役など、さまざまな役割を持ちながら子供たちの教育に当たるべきであり、客観的にその評価をし、バランスを保てる教育現場が必要であると考えます。そこで、教職員の評価システムについてお尋ねします。
本市では、昨年度、全校により試行を経て、本年度から本格実施に入ったことは承知しております。この評価システムは、先生方みずからが計画を立て、それをもとに校長先生との対話に基づき評価活動が進められるわけですが、昨年度の試行の実施状況を踏まえ、本年度はどのような点を改善し、本格実施に踏み切ったのか、こちらをお尋ねいたします。
また、私は、常々学校教育の活性化のためには、まず児童生徒の教育に直接かかわる先生方一人一人の魅力ある教育活動を展開することのできる指導力を身につけていただくことが大切だと思っています。そのためには、校長先生を初め、管理職の適切な指導・助言が有効に機能する評価システムが肝要と思いますが運用するに当たり教育長のお考えをお聞かせください。
最後に、町内会・自治会についてお伺いをします。
御承知のとおり、町内会は
地域コミュニティーの核として地域づくりに多大な貢献をしてきております。その活動や重要性についてどのような認識を持っておられるか、当局にまずお伺いいたします。
町内会活動は、町内の善意の市民で成り立っており、それぞれさまざまな仕事や役割を兼務しながら、地域のために日々活動をしております。一方、近年加入率が低下し役員のなり手が不足しているなどさまざまな課題も抱えているのも事実です。その活動を支える財源について見れば、基本的には町内会費をもとに運営されておりますが、市からの助成金も貴重な財源となっております。市では昨年度厳しい財政状況から町内会への助成金を減額しておりますが、町内会活動に対する支援状況についてお伺いをいたします。
また、現在検討中の
コミュニティビジョンの中で、町内会の活動に対する支援について補助の見直しも検討されているようですが、所見をお伺いいたします。
市民協働は藤井前市政から重要な市政運営の要素でございます。財政状況、非常に厳しいことは存じておりますが、何とぞ梅原市政においても御配慮いただきますよう御要望させていただき、私の一般質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
13: ◯市長(梅原克彦)ただいまの小野寺健議員の御質問にお答えをいたします。
まず、私の市長就任間もなく二年を迎えるに当たりましての御質問にお答えをいたします。
私は、一昨年の市長就任以来、仙台市民の暮らしの質の高さ、あるいは豊かさを実現するために、例えば地下鉄東西線の着工ですとか、沿線の
まちづくり、安全安心の
まちづくり、そして子育て支援政策など、さまざまの政策を推進するとともに、仙台市の成長戦略の基本を形成するビジョンとしての仙台市都市ビジョンを策定をいたしたわけでございます。言うまでもなく仙台が今後将来にわたって持続的な発展、成長を遂げること、これが市民の現在、そして将来の幸福につながる、こういった考え方でございます。
私が就任時に掲げました政策目標につきましては、常に日々の行政において、あるいは抽象的な観念から私の仕事の中心的な課題として、言うまでもなくその達成に全力を尽くしているわけであります。既に実現をした政策もございますし、実現しつつある政策もございます。これらの政策目標の着実な実現に向けてなお一層取り組みを進めてまいりたいと考えております。
就任二年を迎えるに当たりましては、それを契機として改めてその二年間の仕事を振り返り目標の実現に引き続き邁進してまいりたいというふうに思っております。
次に、市政運営の哲学についてのお尋ねでございましたが、さきに述べましたように、私の政策の究極的な目標、これは言うまでもなく現在、そして将来の仙台市民の皆様が幸福を実感でき、幸せを実感でき、そして、誇りを持てるような仙台をつくることでございます。
しかしながら、私たちに与えられている資源、これは無限にはございません。有限でございます。それゆえにこそ数限られた、量が限られた資源、リソースをどのように最適に、あるいは的確、有効に活用するか。そして、そこから最大限の成果を生み出していくか。そのための知恵と努力が求められております。
そのためには、行政のみならず、事業者の方々、あるいは住民の方々の間でさまざまなスタイルでの、さまざまな形での連携が必要であると思います。
私がその中で市長として果たすべき役割は、まず、明確な目標を示すこと。そして、適切なリーダーシップを発揮すること。広く仙台市民の皆様の声に謙虚に耳を傾け、そして、みずから十分な御説明をすることであるというふうに考えております。
議員御指摘の行財政改革に取り組むに当たって、将来の仙台市民、将来の子供たちに負担を先送りしないような大局的な観点での行財政改革を実行すること、そのことが将来にわたっての持続的発展が可能になるような仙台の都市づくりの基本になるものというふうに考えております。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から答弁をさせたいと存じます。
以上でございます。
14:
◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは、町内会に対する認識と助成についての御質問にお答え申し上げます。
町内会でございますが、地域住民にとって最も身近で基本的な地域団体であり、自立した
コミュニティーの担い手でいらっしゃいます。また、行政のパートナーとして幅広い活動を展開してもいただいております。その意味で、町内会の存在意義は極めて大きいものと認識をいたしておるところでございます。
次に、町内会活動に対する助成の実績でございますが、いずれも平成十九年度当初予算でございますけれども、
単位町内会に対しまして二億一千百万円、地区
連合町内会に対しまして一千二百万円、その他でありますが、区
連合町内会長協議会や市
連合町内会長会に対する予算の計上分も合わせますと、約二億三千万円となっているところでございます。
今後の町内会の運営への支援についてでございますが、議員御指摘の
コミュニティビジョン検討委員会での議論も踏まえまして、町内会がさらに活性化され、自主性がより発揮できるような補助のあり方につきまして検討してまいる所存でございます。
以上でございます。
15: ◯子供未来局長(細井実)私からは、少子化対策と保育所に関係いたします御質問にお答えいたします。
まずは、少子化対策のうち両立支援に関する御質問でございます。
働く女性の方々が増加し、その一方で核家族化が進行するという中で、少子化対策を推進してまいるためには、議員御指摘のとおり両立支援が重要なかぎを握っていると認識しているところでございます。
そのため、本市におきましては、保育ニーズの増大に対応した認可保育所の増設やせんだい保育室制度の創設、さらに延長保育、一時保育等の多様な保育サービスの拡充、幼稚園の預かり保育の推進、児童館を中心とする放課後児童健全育成事業など、主に保育にかかわる分野での両立支援策の充実を重点的に進めてまいったところでございます。
次に、民間との連携・協働についてでございます。本市の両立支援の取り組みは、保育に係る分野の充実が今述べましたとおり中心でございましたが、今後は、ワークライフバランスの観点から、働き方の見直しという就労形態などにもかかわる課題にも取り組んでいく必要があると考えているところでございます。
とりわけ本市におきましては、事業所の多くが中小の企業であることから、この解決に当たりましては、民間でございますこれら中小企業との連携や協力が不可欠と考えております。
具体的な施策でございますが、これまでも企業などを対象としたセミナー等の啓発、あるいは広報活動、事業所内保育所への助成、民間企業と実行委員会を組織しての子育てイベントの開催などを行ってまいりましたが、今後、中小企業や経済団体との意見交換を行う予定もございます。これらの内容を踏まえまして、両立支援として効果の高い事業の実施に向けた検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、保育所の整備並びにサービスの拡充等に関する御質問にお答えいたします。
保育所の整備につきましては、これまでも地域のニーズに即しまして、民間の方々のお力を活用しながら、新たな施設整備を進め、定員増を図ってまいったところでございます。今後も同様の取り組みを進め、その整備拡充に努めてまいりたいと考えております。
その際には、御指摘のようにサービスの拡充や質の向上もあわせて実現していくことが重要であると考えておりまして、これまでも民間の保育所の柔軟性を生かし、一時保育などの多様な保育サービスが実施できるよう、事業者への働きかけを行ってまいりました。また、職員の資質向上のための研修を行ってきたところでございます。また、今年度からは保育に関する助言、指導を行うスーパーバイズ制度をモデル的に始めるところでございます。
今後、各保育所の連携を強めながら、相互に研さんすることなどを通して、一層のサービスの拡充や保育の質の向上が図られるよう努力してまいりと考えているところでございます。
以上でございます。
16: ◯教育長(荒井崇)私からは、学力調査と教職員の評価システムに関する御質問にお答え申し上げます。
初めに、学力調査についてのお尋ねでございます。
まず、全国学力・学習状況調査と本市独自の標準学力検査の位置づけについてのお尋ねでございますけれども、本市の標準学力検査は、小学校一年生を除く全学年を対象に、各教科の基礎的・基本的な内容の定着度を把握するのがねらいでございます。
一方、全国学力・学習状況調査につきましては、小学校六年生と中学校三年生を対象としまして、国語と算数・数学につきまして、その学年での必要な知識・技能面での定着度のほかに、文章やグラフを読み取り、自分の考えをまとめる力を把握することがねらいでございます。
どちらの調査も児童生徒の学力を把握・分析し、指導や学習の改善に生かすという点では共通でございますけれども、本市の検査におきましては、その結果が六月に判明するということがございますので、その年度における各児童生徒への指導をより効果的に行うものができると考えてございます。
続きまして、分析データの提供とその生かし方についてのお尋ねでございます。まず、本市の標準学力検査におきましては、児童生徒には一人一人の個票が通知されまして、学校には学年別・学級別成績集計表、また、設問ごとの正答や誤答一覧表などが提供されます。
一方で、全国学力・学習状況調査につきましては、児童生徒に同じく個票が通知されまして、学校には、国全体、宮城県全体、仙台市全体、また各学校の問題ごとの平均正答率ですとか、正答数の分布グラフ等が提供されることとなります。
各学校におきましては、その結果について分析いたしまして、指導の工夫・改善に努め、児童生徒一人一人の指導に生かしてまいる所存でございます。また、今後も継続的に標準学力検査を実施いたしまして、データを蓄積していくということで、児童生徒の成長を確認するとともに、指導の成果を検証いたしまして、改善を図ってまいる所存でございます。
続きまして、
教育委員会としての取り組みについてのお尋ねでございます。
今申し上げましたような各学校での取り組みと並行いたしまして、
教育委員会といたしましても検証改善委員会を設置することといたしておりまして、その中では、検査問題と検査結果に関する分析を行い、その結果を踏まえた改善プランを策定いたしまして、課題分野の克服のためのモデル授業の実施などに取り組むことといたしております。
これらの成果を学校に還元しまして、各学校での取り組みを支援するとともに、学力向上の対策に関する情報交換会の開催ですとか、指導主事の学校訪問などによりまして、児童生徒の確かな学力の定着に向けた取り組みが、全市的に展開されるよう努めてまいりたいと考えてございます。
続きまして、教職員の評価システムについてのお尋ねにお答え申し上げます。
昨年度、全校により試行につきましては、おおむね順調に終了したところでございますけれども、その中で、この評価システムを円滑に実施するためには、できるだけ双方が納得でき、また、より透明性の高い評価とすることが何よりも重要であると再認識いたしたところでございます。
本年度からの本格実施に当たりましては、この点を考慮いたしまして、管理職と教職員との面談のさらなる充実を図るとともに、原則として評価結果を記しました職員評価票を教職員に交付するなどの改善を行ったところでございます。
最後に、この評価システムの運用についてのお尋ねにお答え申し上げます。
校長などの管理職の関与でございますけれども、この評価システムが有効に機能するためには、校長が個々の教職員の状況やまた課題に応じた具体的な指導・助言を行った上で、教育活動におきます実績やまた意欲等を適切に評価することが肝要であると考えてございます。
このことから、
教育委員会といたしましては、評価者である校長がより信頼性の高い評価を行うことができるよう、本年四月に校長を対象といたしました評価者研修を実施いたしたところでございますけれども、今後ともこの評価システムが有効に機能いたしまして、一人一人の教職員の意欲向上につながるよう努めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
17: ◯議長(赤間次彦)次に、小田島久美子君に発言を許します。
〔七番 小田島久美子登壇〕(拍手)
18: ◯七番(小田島久美子)公明党の小田島久美子でございます。
この四月の
統一地方選挙におきまして、初当選させていただきました。仙台市発展のため、そしてそこに暮らすお一人お一人の市民の気持ちを代弁する議員として、庶民生活の向上と安定に取り組んでいくことをお誓いし、順次、一般質問をさせていただきます。
初めに、農業問題についてお伺いいたします。
二十一世紀は、農業の時代であると言われております。農民詩人として活躍する星寛治さんは、二十一世紀農業は最も文化的な人間の仕事であると力説しておられます。山形県高畠町を舞台に、有機農業に取り組んできた体験から、現代社会に、今最も必要とされているものこそ、いのちの教育ではないかと世間に問い続けているのであります。
特に、教育の現場の中に、実際に土を耕し作物を育てるという農耕体験の機会をつくることの大切さを指摘しております。子供たちが命の尊厳を学び、新たな感動を得ることができる、いわゆる農の教育力ともいうべき農業の持つ力に注目すべきと強調しておられます。
我が公明党もこれまでの取り組みを総括し、さらなる農業振興と農業力活用を目指して農林水産業活性化推進本部を立ち上げ、改めて全国の農村地域を精力的に視察し、農業に従事する人たちの声に直接耳を傾ける行動を開始いたしました。
仙台市の施策に目を転じてみますと、農業・農村を二十一世紀の仙台の先導と位置づけ、百万都市にふさわしい農業振興に取り組もうとされているようであります。平成十四年に策定した仙台市農業基本計画を見ますと、平成二十三年度までの計画の中では、その中間年度に当たる平成十八年度には、必要に応じて計画を見直すとなっております。お尋ねいたしましたところでは、現在、見直しを進めているとのことでありますが、どのような点が見直されているのか、お伺いいたします。
基本計画の中で、農を理解・体験できる場づくりとして、生産者が講師になるなど農業に関する学習や交流機会の充実を推進するとなっておりますが、これまでに、どのような事業を展開してこられたのでしょうか。また、市民と農業・農村をつなぐ多様な情報の受信・発信は進んでいるのか、お伺いいたします。
耕作放棄地などを有効利用しての栽培型指導農園の拡充についてお聞きします。
耕作放棄地や遊休農地の有効活用方法については、各会派の先輩議員がこれまで何度となく議論されてこられました。そうした中、我が会派では、平成十七年第一回定例会代表質疑の折、耕作放棄地や遊休農地を利用して、プロのアドバイスを受けながら市民が楽しく農業体験できるように提唱したところであります。
本市では、昨年から、農家の方が地域ぐるみで市民の野菜栽培の指導を応援する栽培指導型農園が太白区にある坪沼地区でスタートいたしました。本年には青葉区の大倉地区でも開設され、好評を博しているところであります。
私も早速太白区・坪沼地区の農園を視察させていただきました。現場に行き、着いた瞬間からすばらしい光景に目を見張りました。山々にもえる新緑のまぶしさ。東北の山村風景がそのまま生きている。これが仙台市のよさだと思いました。
この緑に囲まれた田園地帯の一角で、市民が農地を借りて地元の農家の方々から直接指導を受けて楽しそうに野菜づくりに励んでおりました。この日も十数名の方々が現地にいらっしゃいました。お話を伺うと、定年後の第二の人生プランを立てる中で、農園通いを始めた方、自宅の庭での野菜づくりがうまくいかず、本物の指導を求めて、改めて挑戦している方、皆さんがここではわからないことをすぐに教えていただける、農家の方の笑顔を見ながら作業できることが楽しいと語っておられました。農家の御努力があったればこその事業であり、担当される農業振興課の御努力のたまものと敬意を表します。
農業の現場では、後継者不足が叫ばれておりますが、この栽培指導型農園は、新たな農業従事者を発掘、育成するきっかけにもなると思いますので、事業の一層の推進が待たれると思います。農家の方が御高齢であっても、後継者などへの指導は可能であり、地域の活性化と優良農地の保全の面からも、耕作放棄地をつくらないように努めるべきと思うのです。今後、栽培指導型農園を広げていくことについて、開園予定とあわせてお伺いいたします。
次に、水田を維持・活用するための新たな試みとなる米のエタノール化事業についてお伺いいたします。
現在、仙台市における水田の減反率は三三・六%に上っております。田んぼの持つ役割は米の生産だけではなく、大気保全機能の面からも環境的価値が大きいことは御承知のとおりであります。米の食糧としての消費拡大が進まない中、今、注目されているのが、米を燃料に活用するための栽培事業、すなわち米のエタノール化事業であります。
この米のエタノール化事業については、宮城県登米市においてバイオマスエネルギーの可能性を探る新他用途米の試験栽培がこの春から始まっておりました。私も我が会派の山口議員らと視察してまいりました。
試験田では、化石燃料にかわる新たな燃料、バイオエタノールの原料となる飼料稲を栽培しておりました。この栽培のメリットは、食用米より手間をかけずに育てることができるのです。まだ、試験中ですので、秋の収穫後、倉庫に一年間保管して品質調査をした上で、製造事業者と連携してエタノール化を目指しているとのことでありました。
この試みは、水田景観の保全はもとより、田んぼを田んぼとして活用することで、稲作農家の技術も生かし、多くの農家が取り組める事業と思われます。異常気象による米不作などの万一の場合に、燃料用米がそのまま緊急時には食糧米として備えることもでき、登米市などとも連携し、同事業の推進を図ってはと考えますが、御所見をお聞かせください。
次に、高額医療費の現物給付化について伺います。
本年四月より七十歳未満の方が入院したときは、窓口負担が自己負担限度額のみの支払いでよいことになりました。いわゆる高額療養費受領委任払い制度が始まりました。そこで、この制度の利用を円滑に進めるための広報のあり方などについてお聞きいたします。
市民の方々と接するたびに、最近の市民サービスの向上の例として、私も積極的に高額医療費の現物給付化が始まっていることをお知らせしているのですが、いまだになかなか浸透していないようであります。北九州市などでは、書面と市のホームページでお知らせしているところでありますが、本市の担当局では、どのような形で市民の皆様にお知らせしているのか、お伺いいたします。
さらに、この制度を利用するには、事前に限度額適用認定証の交付を受けなければなりませんが、いざ、退院時に支払いの手続をしようと思い、初めて限度額適用認定証のことを聞かされる方もいると伺いました。入院時、または入院中に高額医療費の支払い対象になる方には、限度額適用認定証の申請がされて、退院時までに認定証が発行されるというように手続を簡素化するものをシステム化することがあってしかるべきと思うのですが、御所見をお伺いいたします。
次に、障害者医療費助成の病院での申請の簡素化についてお伺いいたします。申請する市民の立場に立って早急に改善を求めたい課題についてであります。
障害を持つ方が医療費の助成を受けるには、必ず申請書を提出することになっていますが、本市の場合、毎月、診療を受ける科ごとに書類を作成しなければならない事態が続いています。私は、議員となってすぐにこの問題について御相談をいただきました。
この方は、脳梗塞によって右半身が麻痺されてしまい、きき腕が動かない状態です。今、内科と眼科、そして耳鼻科に通院されております。さらには、地元の病院でも治療を受けることがあります。通院の頻度は月に一回の状態ですので、医療費の助成を受けるためには、毎月申請書を提出しなければなりません。その用紙には、給付を受ける人、すなわち健康保険証の被保険者の名前と住所と電話番号と対象者、すなわち障害を持った人の名前と生年月日、さらに保険者番号、障害者医療費受給者番号、診療年月日を記入し、外来か入院などの区分に印を入れなければなりません。
これを、科ごとですから、四枚書かなければならないのです。右手が使えないため、なれない左手で書かれています。病院に行って診療を受けることさえままならない状態のところを窓口に行くたびに記載して提出しているのです。これについて御当局に御相談申し上げましたところでありましたが、難しいようでございました。他の都市の給付の事例を調べたところ、政令市では、仙台市と千葉市を除く十五市では、皆、自己負担額を除いた給付の方式は現物給付でありました。窓口での申請書の記載についても十三市で全くなし、残る二市も一部なしとなっております。申請書の記載が要らない理由は、受給者証で資格の確認をするか、医療機関が申請書のとりまとめを行っているためとのことでした。
こうしたほかの政令都市のほとんどが取り組まれている事例をなぜ仙台市では取り入れられないのでしょうか。市民の目線に立って、すぐに改善していただきたいと思うところであります。現場第一主義を掲げる梅原市長であれば、この障害を持つ方々の御苦労を目の当たりにして、直ちに手を打ってしかるべきことではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
次に、市立小中学校における児童生徒数の変動による年度途中での学級再編についてお伺いいたします。
五月二日の地元新聞に、五月なのにクラスがえとの記事が掲載されておりました。市内の小学校の二校で四月にスタートした学級がそれぞれのクラスで一人の児童の転校に伴い、五月にクラスを一つ減らしたということであります。記事の見出しに異例の再編に保護者反発と示されたとおり、子供を持つ親ならだれもが驚いたのではないかと思います。
私のところにも保護者の方から御相談がありました。新学期早々に新しい先生になり、環境も変わり、まだ不安もあり行事もいろいろ始まる時期に、またクラスをかえることは子供のことを本当に考えているのかと怒りをあらわにされておりました。私は早速事情を調査させていただきました。県の
教育委員会では、国の基準に沿って教員数は減らさざるを得ないが、市の段階で学級数は維持できるし、その旨もお伝えしたとのことでした。しかし、市の
教育委員会では、県が教員数を減らす以上、学校の対応に任せ、今回の事態は避けられなかったとのことでありました。このような事例が想定される中で、県と本市の
教育委員会はどのような話し合いがなされてきたのか、お伺いいたします。
さらにこのような場合、市の独自の予算を立ててでも教員数を変更しないで学級数を維持できなかったのか、お伺いいたします。
また、今後も年度途中でこのような事態が考えられると思いますが、どのように対応していくお考えなのか、お伺いいたします。
本市では、市費負担による教育職員の任免服務及びその他の人事及び福利厚生に関する権限がございます。新潟市では同じように四月に学級数が減となる状況がありましたが、県との協議の結果、学級編成を行わなかった事例があります。また、ほかの十六都市の政令市におきましても、二〇〇四年の市町村立学校職員給与負担法が改正されて以後、市区町村による教職員雇用が可能になり、ここ三年間は、年度途中でクラスが減になった事例はございません。
教育の現場でさまざまな問題が浮き彫りになっているときであります。子供たちの学ぶ環境を最も大切にしていただきたいと思うところですが、御所見をお聞かせください。
次の時代を担いゆく、子供たちが慈愛あふれる大人たちに見守られて、伸び伸びと元気いっぱいに育ちゆく、そういう社会をつくっていくのが私たち大人の責任であると思っております。改めて今後の教育にかける御決意をお伺いして、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
19: ◯市長(梅原克彦)ただいまの小田島久美子議員の御質問にお答えを申し上げます。
私からは、農業に関する御質問のうち、仙台市農業基本計画についてお答えをいたします。
農業という産業が果たしているいろいろな機能、多面的な機能がございます。すなわち食糧の安全保障、あるいは国土全体、山林、平野、都市部を含む国土の保全、そして環境の維持、さまざまな機能をあわせ持つ国全体にとっても、地域にとっても大変に重要な産業でございます。
仙台市においては、総生産額のうちの金額は低い割合ではございますけれども、単に量的な問題ではなく、私たちの地域社会、全体を含めて、農業を振興していくこと、極めて重要であると考えておりますし、私は、農村が豊かであり、本当に美しい国こそが真の意味での先進国であるというふうに常々思っております。仙台市の農業の指針となる農業基本計画につきましては、言うまでもなく、農業経営の安定化政策など国の方針が一昨年来、大きく転換をしている中で、近年の食の安全ですとか、あるいは農業に対する関心の高まりなど、いろいろな新しい要素にも的確に対応すべく見直しを行ったものでございます。
見直しに当たりましては、担い手としての認定農業者、あるいは集落営農組織の育成を図るとともに、いわゆるアグリビジネスの振興ですとか、環境保全型の農業に取り組んでおられるエコファーマーと呼ばれる活動への誘導、そして子供たちの健康にも直結する食育の取り組みなど、さまざまな観点からの新しい取り組みも推進しております。
今度とも農業者の方々が自信と誇りを持っていただいて、引き続き農業に取り組んでいただくよう、農業者、あるいは農村が豊かであるように、農業の全体、産業としての発展を推進するために、長期的あるいは持続的な経営が可能となるような農業政策を今後とも着実に実施をしてまいりたいというふうに考えております。
そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
20: ◯健康福祉局長(瀬戸和良)健康福祉局に係る二点の御質問にお答え申し上げます。
まず、高額療養費の受領委任払い制度についての市民への周知についてでございますが、この制度につきましては、御指摘のように、事前に限度額適用認定証の交付を受ける必要があることから、そのことも含め、市政だより、リーフレット及びホームページでお知らせしているほか、医療機関には厚生労働省・日本医師会・歯科医師会・薬剤師会の連名によるポスターを掲示しているところでございます。
また、制度導入直前の本年三月末には、入院時の食事代が減額になる標準負担額適用認定証をお持ちの世帯、並びに最新のレセプトから抽出した入院中の方がいらっしゃる世帯に対して、御案内の文書と申請書をお送りいたしました。この文書によるお知らせは、毎年八月の認定書の更新時に継続して行っていくことといたしております。
さらに、高額療養費の申請などで区役所の窓口に来られた市民の方に御説明をするなどして、この制度の周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
次に、障害者医療費助成の窓口申請の簡素化についてでございますが、この制度は、医療費の自己負担分を医療機関の窓口で支払っていただき、申請に基づいて助成する制度でございます。
申請書につきましては、記載が困難な方の負担の軽減のため、コピーによる提出も可能としているところでございますが、今後さらなる方策について検討してまいりたいと考えております。
また、受給者証の資格確認による給付の取り扱い、いわゆる現物給付化につきましては、本市単独で行った場合に、県内各市町村の医療費助成対象者が仙台市内の医療機関を受診した場合など、取り扱いに格差を生じること、それから医療機関における事務の混乱を招くなどさまざまな課題もあることから、宮城県とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
21: ◯経済局長(萱場道夫)農業問題にかかわります数点のお尋ねにお答えいたします。
初めに、農を理解・体験できる場づくりについてお答えいたします。
本市では、地域農業の理解を深めていただくため、生産者が講師となった体験型事業を積極的に推進してきております。農家と一緒に米づくりを行う米のオーナー事業や野菜の栽培・収穫体験事業を初め、農家をお手伝いいただく人材を養成する農業サポーター事業、最近では、農業に関心を持つ市民に農家が本格的な栽培指導を行う栽培指導型農園開設支援事業など、市民と農家をつなぐさまざまな事業に取り組んでいるところでございます。
次に、情報の受信発信についてでございますが、ホームページや各種ガイドブックの配布などを通じまして、しゅんの野菜情報、農業体験事業のお知らせなど、農業に関しますさまざまな情報の提供に努めているところでございます。
また、農業園芸センターにおきましては、農家によります農産物の直売を初めといたしまして、消費者が実際に農家を訪問して交流をしていただく消費者農業講座などを実施しているところでございます。
次に、栽培指導型農園の拡充についてでございますが、御指摘のように、この取り組みは、市民にとりまして、専門的な技術、知識を得られるのみならず、新たな農業の担い手の発掘にもつながる可能性があるものと認識をしております。
また、高齢農業者の活躍できる機会が創出されますとともに、遊休農地の活用によりまして、農地の保全が図られることなど、大きな成果が期待されることから、今後も積極的に推進してまいりたいと考えております。
現在、新たな開設に向けた調査を行っている段階ではございますが、できるだけ早い時期に開設をしてまいりたいと考えております。
最後に、米のエタノール化事業についてでございます。米を原料とするバイオエタノールにつきましては、二酸化炭素の抑制効果に加えまして、水田の維持保全にも資することから大変注目をしております。しかしながら、米のバイオエタノール化につきましては、収穫量の多い品種の開発や栽培技術の確立、製造施設の整備、そして経済性などさまざまな課題が現在指摘をされている状況でございます。今後、国の実証事業や登米市を初め、他の自治体の情報も得ながら、農業関係団体とも協議し、検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
22: ◯教育長(荒井崇)私からは小中学校の年度途中での学級の再編についてのお尋ねにお答え申し上げます。
学級編成弾力化事業につきましては、これは県の事業でございまして、小学校一年生、二年生におきまして、一学級の児童生徒の数を三十五人以下とする学級編成といたしまして、これは五月一日を基準として学級数を決めるということになってございます。
議員御指摘の事案におきましては、四月以降、児童数の減があったために、制度上、五月一日以降クラスを一つ減らさざるを得ない状況となったところでございますけれども、市の
教育委員会といたしましては、この事態を防ぐために、学級の維持、またその担任となる常勤講師の継続配置につきまして、県に強く要請をいたしたところでございます。その結果、学級の維持につきましては認められたものの、常勤講師を配置し続けることに関しては認められずに、校内の他の教員を担任に充てるといったような指導がございました。
この該当となっている学校におきましては、教務主任以外には担任に充てることのできる教員はいない状況にございましたけれども、教務主任の職務は極めて多く、学級担任を兼務することは不可能であるために、学級数の維持は困難であると判断せざるを得なかったところでございます。
本市の制度として措置できる非常勤講師を配置いたしまして、授業によっては少人数学習ができるよう配慮はいたしたところでございます。
続きまして、市の独自予算で学級数を維持できなかったのかというお尋ねでございます。
まず、義務教育に係る基本的な役割分担といたしまして、教員の人件費は都道府県が負担するものとされてございます。
議員御指摘のように、平成十八年度から市町村が独自の費用負担で常勤講師を配置し、学級担任ができるようになったところでございますけれども、県の弾力化事業に係る対応につきましては、基本的に事業主体である県において措置すべき性格を有してございまして、基本的な県と市の役割分担に係る事項でもありますことから、本市といたしましては、慎重な検討が必要であると判断したところでございます。
新潟市の事例におきましては、新潟県におきまして特例的な対応をしたと伺ってございまして、今後につきましては、基本的には県に弾力的な運用を要請していくとともに、今後も発生が予想されますこのような事案におきましては、子供たちの学ぶ環境の確保を第一にいたしまして、県と鋭意協議してまいりたいと考えてございます。
最後に、教育にかける決意についてお尋ねでございますけれども、本市におきましては、子供たちの教育環境を向上させていくために、数々の先進的な取り組み、例えば本市独自の標準学力検査を実施するなど、学力の向上に向けた取り組み、さらには、学習障害、いわゆるLDですとか、注意欠陥・多動性障害、いわゆるADHDでございますけれども、こういった児童生徒に対応するための個別指導補助員の増員によります特別支援教育への取り組みの強化等を図ってきたところでございます。
今後とも、本市の子供たちをめぐる各般の状況に即しました効果的な教育施策を実施することによりまして、仙台の子供たちの教育環境を一層充実してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
23: ◯七番(小田島久美子)学級編成についてお伺いいたします。
今、教育長から御答弁いただきまして、県との協議の上で、今、そういう状況に、再編成するしかなかったとおっしゃっておられましたけれども、仙台市の子供たちの教育環境を一番に守っていかなければならないところはどこでございましょうか。県がそういう対応するときに、仙台市としての独自の教育の予算で行政改革をして財源を生み出してまで、子供たちを守っていく、教育を守っていくそういうお考えはこれからあるのか、お伺いいたします。
24: ◯教育長(荒井崇)再度の御質問でございますけれども、先ほど申しましたように、これは義務教育に係る基本的なまず役割分担といたしまして、教員の人件費、それを県が負担するとなってございます。今回の弾力化事業につきましては、もともと県の事業でございまして、やはりこれは基本的には事業主体である県において措置すべきものと考えてございます。これも県としての役割分担にかかわる問題でございまして、諸般に影響あるものでございますから、今回のことに関しましては、基本的な原則にのっとりまして県の方に要請してまいったところでございます。
今後もこういった事案が発生することが予想されますので、そういった際には、県に対して強く要請をしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
25: ◯議長(赤間次彦)この際、暫時休憩いたします。
午後二時三十三分休憩
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午後二時五十五分開議
26: ◯議長(赤間次彦)休憩前に引き続き会議を開きます。
副議長と交代いたします。
〔議長 赤間次彦退席、副議長 佐藤嘉郎議長席に着く〕
27: ◯副議長(佐藤嘉郎)議長と交代いたします。
次に、高見のり子君に発言を許します。
〔十二番 高見のり子登壇〕(拍手)
28: ◯十二番(高見のり子)日本共産党の高見のり子です。
私は長年、医療の現場で働きながら、お年寄りや障害者の皆さんの暮らしや願いに接してまいりました。高齢化が進む今日、高齢者が安心して暮らせる仙台のまちをつくるために、一般質問いたします。
初めに、高齢者が安心して暮らせる住環境をつくる観点から、仙台市市営住宅の供給の問題について伺います。公営住宅法は第一条で「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする」とうたっています。これは憲法第二十五条の国民の生存権について住生活を保障する立場から定めたものです。
ところが、二〇〇六年六月に自民党、公明党、民主党によって住生活基本法が国会で成立しました。この法律は、住宅確保の市場化を進めて、国民に自助努力と自己責任を求め、国と地方公共団体は専ら市場の手助けをすべきという内容です。「住まいは人権」の視点から考えると、住宅の公的責任を放棄していると言えます。
市営住宅におけるここ数年の申し込み状況は、毎回一千世帯から一千五百世帯となっており、二〇〇六年の平均応募倍率は十八・四四倍、場所によっては、百倍を超すところもあります。何回応募しても入居できないのが実態です。
市営住宅への入居倍率が近年急上昇している理由は、格差が拡大する社会の中で、低所得者がふえ、市営住宅への入居希望者が増加していることが挙げられます。また、公営住宅法第三条に位置づけられている公営住宅の供給義務を国と地方自治体が財政難を理由に意識的に放棄しているからです。
現在、仙台市の全体の管理戸数は九千二百五十三戸ですが、鶴ケ谷市営住宅の建てかえ計画に伴い、管理戸数が三百三十六戸減る予定になっています。これではさらに住宅に入りたい人が入れなくなってしまいます。市はこの三百三十六戸分の住宅を市内の別の場所に建てると説明していますが、具体的な建設年次や計画をお示しください。
現在の管理戸数では、急増する市民の住宅需要にはこたえられません。二〇〇二年に出された仙台市住まいの基本計画でも二〇一〇年には二千二百戸を上回る需要が生じると予測していますが、さらに需要はふえるものと見込まれます。市民の切実な住宅要求をかなえるために、戸数を減らすのではなく、もっとふやすべきです。市長の御所見を伺います。
また、借り上げ市営住宅の導入も具体化が先延ばしになっています。いつからどうするのか、具体に伺います。
あわせて、これまで日本共産党仙台市議団が繰り返し提案をしてきた、民間住宅に住み市営住宅入居を希望しながら入居できないでいる世帯に対しての家賃補助制度についても、どのように検討がされているのかお示しください。
次に、仙台市内で高齢化率が高い地域として注目されている鶴ケ谷団地の
まちづくりについてお伺いいたします。
鶴ケ谷団地は、三十四年前仙台市のモデル団地として造成されました。高齢化率は二〇〇六年十月で三一・三%です。五年前の二〇〇一年十月が二四・〇%でしたから、この五年間で急速に進んだと言えます。今後、団塊の世代が高齢期に入りますから、さらに高齢化は進むことになります。
人はだれでも元気で長生きして社会のために貢献したいという願いを持っています。ですから、元気な高齢者の増加は社会的人的資源がふえることにつながります。市民一人一人の持っている力を十分に社会に貢献していただくことは、生きがいの持てる元気な仙台のまちをつくっていく大きな源泉となります。
これまでも市は、鶴ケ谷団地を高齢者が安心して暮らせるまちのモデル地域として位置づけて、介護予防と抑うつ高齢者対策など、さまざまな施策を行ってきました。こうした取り組みをさらに充実させ、仙台市が責任を持って成功させることは、高齢者だけでなく障害者や子供たち、市民だれもが暮らしやすい
まちづくりに貢献し、市民に共通した利便性を保障します。
今、鶴ケ谷では、つるがやリフレッシュ倶楽部、ふれあい生き生きサロンなど、住民と行政が協力した取り組みや鶴ケ谷四丁目町内防犯みまもりたい、つるがやを考える会など、住民の自主的な活動が盛んに行われています。
この間、これらの住民が主体となって行ってきた懇談会やシンポジウムでは、市営住宅建てかえ問題やバス路線など交通の問題、医療過疎問題、利用しやすい市民センターづくり、行政の窓口設置など数多くの要望が出てきております。
その中から、まず初めに、地域包括支援センターについて伺います。
現在、高齢化率が高い地域との認識がありながら、鶴ケ谷地域には、地域包括支援センターがなく、今は小松島か岩切、あるいは燕沢まで相談に行かなければなりません。それぞれのセンターでは、職員一人の抱えるケースが過剰となり、また限られた予算の中で高齢者の健康や福祉・介護、生活支援と安心して地域で自立して暮らす願いにこたえ切れていないのが現状であると聞いています。住民のニーズにこたえるために、地域包括支援センターを鶴ケ谷地域に、しかも仙台市直営で設置すべきと考えますが、御所見を伺います。
鶴ケ谷市営住宅の建てかえは、そこに住む人だけの問題でなく、地域全体にかかわる問題であるとの認識が昨年四月に行ったパブリックコメントにも示されました。鶴ケ谷第一市営住宅団地再整備事業の幾つかの点についてお伺いいたします。
第一は、高齢者を初め、だれもが安心、安全に暮らすため、市営住宅の建物のバリアフリー化はもちろん、道路、公園、駐車場など事業区域全体のユニバーサルデザインの推進ですが、いかがお考えでしょうか伺います。
また、市民の健康づくりのために、事業区域内への遊歩道が求められています。現在示されている計画では、中央広場の整備などもありますが、ぜひこの中に、地域に開放された空間として、健康づくりも想定した遊歩道を設置すべきですが、いかがでしょうかお尋ねします。
第二は、シルバーハウジングについてです。現在、仙台市には四郎丸に二十戸、袋原に二十戸、茂庭に三十戸で、合計七十戸のシルバーハウジングがあります。しかし、全体の高齢化が進んでいることを考えると、まだまだ不十分です。シルバーハウジングは、高齢者用ケアつき住宅で、ライフサポートアドバイザーが配置され、毎日の安否確認、緊急通報システム、生活支援が行われており、これは高齢者世帯の方に大変喜ばれているものです。
今回の再整備事業では、高齢者福祉施設の設置を市民活動・福祉エリア内で計画しています。また、鶴ケ谷京原地域には、特別養護老人ホームも二〇〇八年に開設予定です。これらの施設が二十四時間体制の緊急通報の受け皿になる可能性があります。鶴ケ谷市営住宅にもシルバーハウジングを少なくても三十戸以上つくるべきですが、いかがお考えでしょうか。お答えください。
関連して、車いす住宅やケアつき車いす住宅について伺います。仙台市全体で車いす住宅は六十戸、ケアつき車いす住宅は四郎丸住宅に八戸しかありません。四郎丸住宅にはケアステーションがありヘルパーも常駐し、ケアサービスが提供されています。鶴ケ谷にもケアステーション、もしくはヘルパーステーションを設置し、ケア式車いす住宅をつくるべきです。また、おふろやトイレも介助しやすいように改造が可能な車いす住宅も必要です。車いす住宅及びケアつき車いす住宅の応募倍率はいつも五倍から十倍で、まだまだ足りません。
ノーマライゼーションを一層進めるためにも鶴ケ谷市営住宅にも車いす住宅やケアつき車いす住宅を希望している人全員が入居できるような数をつくるべきですが、いかがでしょうか伺います。
第三は、市民センターについてです。現在、市民センターの移転が事業区域内に予定されています。そこに、
行政サービスセンターをつくるべきです。さまざまな行政手続で区役所に出かけるのに、高齢の皆さんは足腰が弱いため、高い交通費をかけタクシーを利用している方も少なくありません。高齢者の皆さんにとって近所に
行政サービスセンターがあることは、手軽に相談できる窓口を身近に持つということになります。お考えを伺います。少なくとも、住民票などの自動交付機を設置すべきですがいかがでしょうか。
また、市民センターに高齢者が気軽に集まれるサロンを設置し、元気な高齢者の活動の拠点をつくるべきです。その際、子供や若い人たちも自由に利用できて多世代の文化の継承もできるようにすべきです。いかがでしょうか伺います。
第四は、今後市民との協働の
まちづくりを進めるための考え方について伺います。
地域の代表と専門家に仙台市が委嘱した鶴ケ谷第一市営住宅団地再整備懇談会が二〇〇六年三月に、
まちづくりを進めるに当たって地域、行政、専門家それぞれが知恵を出し合える断続的で継続的な組織が必要、それは事業に助言を与え、時に牽引する地域、行政、専門家、事業者が一体となった実行力ある組織体でなければならないと提言しています。その後、この懇談会は開かれていません。私は、提言にあるように、地域の住民と専門家、そして、行政、事業者で絶えず意見をやりとりできる、新たな組織を早急につくるべきと考えます。今行っている基本設計にこそ、そういう中で出された意見を反映することが望まれます。その際、公募枠を設けて、高齢者や地域住民の声を十分に反映すべきですが、いかがお考えでしょうか、お答えください。
次に、上下水道の減免制度について伺います。貧困と格差は社会的問題となっています。特に、年金暮らしの高齢者は、住民税増税と介護や医療費の負担増に苦しんでいます。先日、鶴ケ谷市営住宅に住むおひとり暮らしの八十代の方から相談がありました。年金が月八万円、非課税世帯で暮らしが大変で、上下水道料金の減免をしたいが方法がわからないとのことです。そこで、一緒に減免申請の手続を行いました。まず、宮城野区役所で非課税証明書を発行してもらい、最も近い水道局の窓口である市役所本庁の水道サービスセンターまで移動して手続をしました。私は実際に体験してみて、本当に手続が面倒で複雑であると感じました。特に、身近に親族がいなくて手続を手伝ってくれる人もいない体が不自由な方であれば、なおさら、困難が増します。同様に三人の方のお手伝いをしましたが、非課税でありながら、減免制度を活用できない、あるいは減免制度そのものを知らない世帯がまだまだいらっしゃると実感しています。水道局の窓口で、減免の手続をすると、非課税世帯は上下水道とも基本料金が減免されます。年間一万円から二万円の公共料金の負担が減ることは、年金暮らしの高齢者を初め、低所得の市民の皆さんにとって、一息つける、暮らしを助ける本当に役立つ制度です。もっと活用されるよう市が行うべき点について、以下、具体に伺います。
第一に、減免制度の市民への周知徹底を求めます。市政だよりに載せているだけでは十分な広報をしているとは言えません。水道局のホームページではトップページにわかりやすく減免制度を紹介すべきです。現在のままでは探すのに手間がかかり過ぎます。いかがでしょうか伺います。
また、高齢者などインターネット環境が整っていない世帯もまだまだたくさんあります。プリントにして各区役所や市民センターなどにお知らせとして常時置くべきですが、お考えを伺います。
第二に、手続の窓口をふやすことです。現在、水道局の受付窓口は年間通してできるのが太白区大野田の水道局庁舎、市役所本庁の水道サービスセンター、泉区区役所東庁舎の北営業課の市内三カ所のみです。去年の三月まで水道局の出先機関があった青葉区宮城総合支所では六月中の十日間だけ手続が可能です。これでは、大変不便です。各区役所、総合支所、
行政サービスセンターでもできるようにすべきです。せめて更新時の六月だけでも臨時で窓口を開設すべきですが、いかがでしょうか、伺います。
さらに、鶴ケ谷などの大きな市営住宅では、期間を設けて出張窓口を開設すべきですが、お考えを伺います。
第三に、一度手続をした世帯には、更新しやすいように、水道局から更新の案内書と申請書、世帯全員の住民税の課税情報をとることの同意書、そして、返信用の封筒を同封して郵送すべきです。そうすれば、わずらわしい手続を繰り返すことも非課税証明書をとる費用もかからず大変喜ばれます。こういうきめ細やかな
行政サービスこそ求められています。これにかかる新たな費用は一般会計から繰り出しても行うべきですが、水道管理者並びに市長のお考えを伺います。
第四に、減免対象世帯の拡大です。現在の対象は、生活保護世帯、または世帯全員が市民税非課税世帯です。住民税の負担がふえる中で、生活が困難になっている障害者及び障害児世帯や要介護高齢世帯、ひとり親世帯について、それぞれ所得基準を設けて、減免対象を新たに充実すべきです。市の福祉施策として、一般会計から減免額を繰り入れて、減免制度の拡大充実を行うべきです。いかがお考えでしょうか。市長に伺います。
市長は、常々人間に優しい市政を実現すると表明されております。高齢者を初め社会的弱者が生き生きと暮らせる仙台の
まちづくりを求めて、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
29: ◯市長(梅原克彦)ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。
私からは、市営住宅の供給方針についてのお尋ねにお答え申し上げます。
公営住宅法の第一条にございますように、住宅に困窮する低額所得者の方々に対して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、そして、低廉な家賃で賃貸をすることによりまして、国民生活の安定、社会福祉の増進に寄与することを目的として、国、そして地方公共団体が協力し、その整備に努めてきたところでございます。
仙台市としてもこのような方針のもとで市営住宅の供給について市営住宅の整備を進めてきたところでございますが、平成十二年度に仙台市住宅ストック総合活用計画を策定をいたしまして、平成十三年度から二十二年度までの方針を定めたわけでございます。その中で、全体の管理戸数を維持することを基本として建てかえなどを行ってきたところでございます。
現在、その計画の中間期に当たるわけでございますが、平成二十七年度までの需要の見直しを行っているところでございます。見直しに当たりましては、
少子高齢化、あるいは人口減少という長期的な人口動態、あるいは民間住宅の供給状況を見きわめるとともに仙台市の財政状況なども踏まえまして、今後の供給方針を今年度中に策定をしたいと考えております。
そのほかの御質問につきましては、水道事業管理者並びに関係の局長から答弁を申し上げます。
以上でございます。