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  1. 仙台市議会 1997-10-21
    市民教育委員会 本文 1997-10-21


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                 ※会議の概要 2: ◯委員長  ただいまから、市民教育委員会を開会いたします。  本日の日程は、お手元に配付のプリントのとおりであります。  なお、委員会終了後、引き続き協議会を開催し、委員会審査事項以外の所管事項について当局からの報告及び質問等を願いますので、よろしくお願いいたします。              《付託請願審査について》 3: ◯委員長  それでは、これより審査に入ります。  まず、第1号請願選択的夫婦別姓等民法改正に関する件」及び第2号請願夫婦別姓制導入反対に関する意見書提出を求める件」についてでありますが、前回の委員会でお話ししておりましたとおり、本日はそれぞれの請願提出者の代表の方に参考人として御出席をお願いしております。そこで進め方についてでありますが、初めに第1号請願提出者代表の方に入室をいただき、20分ほど請願趣旨説明を願い、引き続き第2号請願提出者代表の方に入室していただき、同様の方法で説明をお願いしたいと考えております。  なお、時間の都合等もありますので、本日は説明をお聞きするにとどめ、参考人に対する質疑応答の時間は設けないことにしたいと思いますが、御異議ございませんか。 4: ◯屋代光一委員  委員長、持っていき方なんだけれども、賛成者に話してもらって出ていってもらう、今度は反対の人に来てもらって話してもらうということなんですけれども、これは私たち委員会に対する説明だからそれはそれとしていいんだろうけれども、参考人として来る人がいたいのならば、賛成者反対者の話を聞いてもいいし、反対者賛成者の話を聞いてもいいのだから、2人を入れておいて話をさせてもいいのではないでしょうか。 5: ◯委員長  今、ここの時点まではお一人ずつの入室としておりました。最初第1号請願の方がお話をします。そうすると、最初の人のを聞いてしまうと、どうしても次の第2号の方はそのことをうまく取り入れてお話をすることもあるのではないかと思いますので、両方公平にということであれば、聞いてもらわない方が公平性が保てるかなと思うんですけれども、いかがですか。 6: ◯屋代光一委員  これは委員会に対してだから、私たち意見を聞かせてもらえればそれはそれとしていいんですけれども、こういう話というのはやはり市民レベルであるべきだと私は思います。だから、お互いにどっちが先であろうが、何もそこで議論するわけではないんだから、反対者がそれを聞いていてどういうことで賛成なのか、それから今度はその反対に反対者意見も聞いておくということだって、公平ということならそういうことの方が公平だと私は思うんです。ただ、きょう呼んでいる方々がそうしたくないというのなら1人ずつの方がいいだろうし、お互いの話を聞いてみたいというのなら聞かせてもいいのではないかと私は思うのだけれども、これは委員長の裁量です。委員長が1人ずつにしたいというのなら、ここは委員長の采配だから。 7: ◯阿達孝治委員  もう一つは、きょうは質問をしないで終わりにしてくださいということだけれども、それではこの次質問するときにきょう説明した人にわざわざ来てもらうんですか。そういうことになるから、今屋代委員が話されたように、両方に入ってもらって、そして両方の人たちにいろいろな意見を交わしてもらえば私たちはとても参考になるんだけれどもなと思います。だから、形式よりも私たちにわかるように、なぜこういうようなものを両方ともが出しているのかということを、少し時間もたってきたのだから決めなくてはならないから、討論とか質問とかをしてもいいようにしてもらった方が私はいいと思いますが。 8: ◯屋代光一委員  反論するわけではないけれども、やはり意見を聞いて議論するのはここでいいと思います。それで、今まで継続、継続にしてきたんだから、疑問があってまた発言者に聞きたいというときには、また委員長に言って呼んでもらうというのもしようがないのではないですか。  これは委員長がどうしたいかを決めればそれに従いますから、委員長の権限ですから、委員長がきちっと決めてください。 9: ◯委員長  本日は両方の方に1人ずつ御入室を願って意見を発表してもらうということにとどめるということで、委員さん方からそれでもよくわからなかったということがあって質問をしてみたいということであれば、その機会もまた設けるという形で進めたいと思いますけれども、御理解をいただけますでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 10: ◯委員長  それでは、そのように進めたいと思います。  なお、参考人より資料配付の申し出がありますので、これより配付いたします。また、参考人の発言は着席のまましていただくことになっておりますので、御了承願います。  それでは、まず第1号請願提出者代表の方に入室していただきます。御案内いたしておりますので、少々お待ちください。
                 〔資料配付参考人 樋口典子入室〕 11: ◯委員長  本日は御多用のところ当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  初めに、私から御紹介させていただきます。第1号請願を提出された「別姓を考える会」代表樋口典子さんであります。  それでは、早速請願趣旨等の説明をお願いいたします。 12: ◯樋口典子参考人  樋口典子と申します。きょうは大変貴重な発言の機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。  「私たち別姓を考える会です」というレジュメをお渡ししたんですけれども、私ども「別姓を考える会」というのは、こちらの仙台市──今は女性企画課になっておりますけれども──の方で企画をされまして、ちょうどそこに見えますエル・パーク仙台で91年3月に夫婦別姓に関しての勉強をしようということで講演会が行われました。そちらの講演会をやりまして、大変多くの市民の方が集まったんですけれども、その中で、では仙台にも夫婦別姓というのはどういうものだろうかということを考える会をつくってもいいですよねということになりまして、「別姓を考える会」というのを立ち上げたわけでございます。ですから、本当に職業も年齢も、内容が内容でございますのでどちらかというと女性の方が多い会なんですけれども、今会員は130名を数えているんですけれども、北は北海道から南は沖縄まで、大体女性がその9割ぐらいを占めております。男性は1割ですけれども20人ぐらいおられます。そういうことで「別姓を考える会」というのを立ち上げました。  ただいまは別姓ということでどういう生き方があるんだろうと、私たちはいろいろな生き方があっていいということで、お墓のことでありますとか、それからいろいろな女と男の関係、家庭の関係でありますとかを勉強しております。今はやりのNGO、市民団体です。  次に、ここに唐突に「私は樋口と申します」と皆様の前に来たんですけれども、私のことを少し話させていただきます。私は、ただいま仕事は仙台市職員でございまして、ここから西の方に行きます仙台愛子保育所に勤務しております。と言うと「保母さんでしょう」と言われるんですけれども、私は栄養士の職をやっておりまして、午前中は子供たちに給食を出して、今こちらに駆けつけてきたという形です。こちらにもあるんですけれども、家族を大切にすることとありまして、私もうちに帰ればお母さんもやっていますし、それから夫もいる妻をやっておりまして、子供は中学生を頭に3人おります。うちに帰っていくと、よく俗に言う子育て真っ最中のお母さんという表現で言われるかもしれませんが、そういうことをしております。やはり私の夫も仙台市内の会社に勤めておりまして、2人の安定した家庭からとても健やかな子供たちが生まれるんだよねということで毎日生活しておる者でございます。  さて、次のレジュメなんですけれども、民法改正ポイントということで法務省の案というのを皆様のところにお渡ししております。このたび法務省の案についていろいろな政党で臨時国会でありますとか、それから通常国会にも出されているんですけれども、まず法務省の案ということで民法改正ポイントについてお話し申し上げたいと思います。  まず、ポイントなんですけれども、初めは婚姻最低年齢がただいまは男性18歳、女性16歳を男女とも18歳に改正しようということです。次に、再婚の禁止期間なんですけれども、離婚後女性のみ再婚できない期間を現在の6カ月から100日に短縮しよう。それから、これがただいまの請願でも大変論点になっていることとは思いますけれども、夫婦の氏、それが同じ名前か別な名前かを選べる、同じにしたい人は同じでいいんだよ、違うふうにしたい人は違うのでいいんだよ、それを国の法律婚の中で選べる法案にしてくださいということです。それで、次は別姓夫婦の子は婚姻時、婚姻届を出すときに届け出をしてください、それから既婚の夫婦同姓の法律のもとで同姓になった夫婦でも、別姓になりたい人は法改正後1年以内にお互いに同意して届ければ別姓にしてもいい、そういうようなことがポイントになっています。次に、離婚がよく話題にもなっているんですけれども、5年間以上別居しているときを追加しよう。それから相続のところで、これも大変重い問題かと思います。重要なことと私どもは感じておるんですけれども、婚外子相続分を現在の婚内子の半分から同等にしてください、そういうことが法務省の案のポイントです。  それでは、ここの3.夫婦の氏のところ、特に1)夫婦同姓別姓かを選べる制度にということで私たちは主に主張しているんですけれども、そのことをお話しさせていただきたいと思います。  民法改正ポイントなんですけれども、夫婦別姓というと、今までいる人たち、これから婚姻届を出す人たち、みんな別姓にしてくださいというふうに大変誤解されている場合があるんですけれども、それはあくまでも選択制同姓にしたい人はしたい人、別姓にしたい人は別姓にしたい人、あくまで選択制であることを認識していただきたいと思います。  それから、価値観が多様化しております。規制緩和の時代と言われているんですけれども、一人一人生き方も違うし、そういうことで価値観が多様化しているので、やはり国で選んで国で決めている法律もそれに伴ったものにしていただきたいなということです。  それから、女性社会的進出における地位の向上ということで、新しい資料では97.4%が女性の方が名前を変えている、改姓しているわけです。やはりその辺は憲法の中で両性の平等をうたっているのにどうなのかなと思います。  それから、諸外国における婚姻法制度の整備の状況、さらっと言うと世界の流れは同姓が主流だと言われるんですけれども、必ず同じ名前にしなければ法律的な婚姻が認められないと言っているのが、民間のどこかわからないというのでなく法務省の調べで、タイとインドと日本だけです。強要、強制をしているのは3カ国だけです。  それから、民法改正法務省案が出た流れなんですけれども、これは法制審議会民法部会において1996年に出されたんですけれども、その前の過去5年間論議しているということです。その間に中間答申が出ました。こういうようなことを法務省が考えているんですけれども、そういうことを言ったときに、これは初めてだったと聞いているんですけれども、24時間国民の皆様に向けて「この法務省案についてどう思いますか」というファクスの受け付けをやっている。そういうことを法務省は広く国民に問うて、そして法務省の案ができてきたというのが実際ございます。初めてのことがとても多くて、法務省には本当に画期的なことをしていただけたなと思っております。  次に、夫婦同姓を強制していると先ほど申し上げました。このことについて申し上げたいと思います。  名前というのは重要で、名前をもとに社会生活を営んでいます。議員の方々、それから自分名前で仕事をなさっていらっしゃる方は大変そのことはわかると思うんですけれども、これは人格権にほかならないと思います。自分名前が変わってしまうことにおける不利益というのは、議員の皆様は自分のことに置きかえていただければ、今まで自分名前で売ってきたのがある日突然違う名前で呼ばれてしまう、違う名前になってしまう、その不利益は大変多大なんです。  それから、同じようなことで結婚改姓が不便であるということ。例えば、パスポート、運転免許、資格、不動産登記印鑑証明健康保険証、全部書きかえになります。ある方が試算なさいましたら、何万円か、本当に万の単位がかかるということなんです。全部書類を取り寄せて、それを一つ一つやって、それから交通費をかけてとか、それもありますし、今度は周りの人たちにも変わりましたよと、それを自分でとても苦痛に感じる方というのは少なからずいらっしゃるということを認識していただきたいと思います。例えば、それは結婚届を出したときに必ず強制になりますから、離婚や再婚を繰り返している場合、届けを全部初めからやり直さなければいけないわけです。また、新しい資料なんですけれども、総理府の統計によりますと、平均の初婚年齢女性の場合は26歳です。26歳という年、例えば高校を卒業して就職しますと8年間です。そうすると、女性の場合8年間積み上げてきた仕事のキャリアは全部名前が変わってしまうということが考えられるわけです。特に研究職の方で、後で申し上げます通称、いわゆる戸籍名ではない名前を使わせてくださいということで裁判を起こしている方がいらっしゃるんですけれども、そういう方、それから営業職の方、本当に業務が中断します。それから、医師免許を持っていらっしゃる方、名前を書きかえることによって免許の月日が変わってしまうんです。すると、例えばその名前でずっと仕事をしてきたのでも、名前が変わったことによって免許の日付が変わるというと、ぱっとその免許を見た方は、「ああ、この人は新米か。キャリアがないのか」と思われてしまうということもございます。実際、私も婚姻届を出してからある資格を取ろうと思って、結局学校を卒業した名前と今の戸籍名が違うわけですから、戸籍まで取り寄せて、「ここの学校を卒業した名前はこうですけれども、今はこちらの違う名前で資格を取りたいんです」と一つ一つ申し開きしながら資格を取ったと、自分に照らし合わせてもそういう経験がございました。大変不便だったなと思っております。  先ほどから申し上げているんですけれども、同姓でも同じ、両性の合意のみ、憲法24条で決められております。同じ名前で私たちはいいんだよ、違う名前に書きかえる手間なんか感じることがないですよとおっしゃる方はいいんですけれども、やっぱり名前が変わることによって耐えられないと感じたときは、それは物すごく大きな負荷になってしまうということがございます。  また、私どもこういう活動をしておりますと、よく相談に来るのが、お互い一人っ子なんだけれども、あと女兄弟ばかりの一番上のお姉ちゃんでこのうちを継げと言われていて、そういう方が一人っ子の男性と恋愛した場合に婚姻届を出せなくて困っている。そのうちにだんだんこの人の子供を産みたいと思っても自分の体が年をとってきて、いわゆる法律婚の中で子供を持つことも結婚することもあきらめなければいけないのかしら、そういう相談が物すごく来ます。3月に私が新聞に出たことがあるんですけれども、そこから大体2週間ぐらいは毎日1回ぐらいずつそういう相談の電話が来ておりました。そういうことをやるためには、やっぱり法律は大きく間口を広げていただきたいなと思います。  民法750条で婚姻の自由ということなんですけれども、憲法24条では婚姻は両性の合意のみで成立ということになっているんです。ほかの人が反対して、強制して、勝手に届けは出さないよと、そういうことだけを規定しているのに、民法750条、それから戸籍法74条がほかのしがらみをつけてしまっているというのが実際のこの国の制度だということを認識していただきたいなと思っております。  そこで、それだったら別に戸籍は同じでも通称使用、このレジュメの裏側にあるんですけれども、今別姓にするよと選んだ場合どういうことがありますかということが書いてあるわけでございます。そのときに、通称使用、戸籍は違うけれども──私も言ってみれば「樋口典子」という名前通称使用しているわけです──今までどおりの姓を名乗るよといった場合は通称使用になるわけです。そういうことでいいじゃないかとおっしゃっている方々がいらっしゃいます。ところが、これは先ほどの大学の方で裁判を起こしている方もございますし、実際企業の中で通称使用を認めている企業はまだ2割にも満たないという統計がございます。各自治体でも通称使用を認めてきたというのは、埼玉県とその周辺の市町村少しだけでございます。宮城県、仙台市、東北地方には全然ございません。そうなりますと、結局ダブルネーム、二つの名前を持つことによるしんどさが物すごく出てくるんです。戸籍名住民票上の名前が連動しておりますから、例えばほかの印鑑証明不動産登記、これは住民票と連動しております。すると、例えば自分がいわゆる旧姓で仕事をしたいと思ったときも、その印鑑証明が使えない、不動産登記が使えない、そういうことで実際困っている方々がたくさんおります。そのときに、戸籍名でこの仕事をしていたのか、通称名でこういう仕事をしていたのか、人間関係はどういうことをやっていたのか、そこで大変なエネルギーを使うわけです。  それからもう1点なんですけれども、憲法で両性の平等がうたわれております。両方の性は男性であれ女性であれ平等。ということは、通称使用しよう、お互いに別な名前でいこうといった場合に、どちらかが通称使用するということはどちらかが譲歩しなければいけない、やっぱり本質的な平等ではなくなってしまうわけなんです。  よく別姓制度にすると家族一体感が失われるとか、実際総理府の調査でもいろいろな危惧を持っている方がいらっしゃったんですけれども、別姓制度が取り入れられたからといって、例えば夫婦の協力とか扶養義務、相互扶養しなければならないという義務は全然変わりませんし、それから婚姻をしたときの義理のお父さん、お母さん姻族関係が生じることも全然変わりございません。ですから、介護はどうなる、お墓はどうなる、そういうことは今の制度と全然変わらないんです。呼び名を別姓という新しい枠を設けてください、本当にただそれだけなんです。  新しい制度を導入するときというのは、これまで過去いろいろな制度があったときに、やはり大変不安に思われていた。それから、例えば国民の合意がされていないと言う方がいらっしゃるんですけれども、いや、そういうことを考えれば、消費税の場合はどうだったんだろう、住専の処理の問題の場合は国民の合意を得て、そして実際に法案が成ったりいろいろ政府の方針が成ったんだろうか、そういうふうなことを考えるわけです。  それから、3年前は国際家族年でした。国際家族年の一番初めは「個人から始まるデモクラシー」といううたい文句でした。そのときに、国際家族年の宣言で、これは日本政府が出した宣言でございます。日本政府も合意した宣言でございますけれども、その宣言の中で、国は家族というものが一つだと、このような家族が理想的な家族だ、そういう像を追求してはならないとうたわれております。  ですから、別姓家族があろうと同姓家族があろうと、それ以外にいろいろな家族があります。御両親がそろっていない家族だっていらっしゃるわけです。そういうふうな家族、どの家族が国として一番理想だよ、そういうことを追ってはいけない。理想的な家族を追おうとしてもできない方々、そこからは違う家族でも私たちは理想だと思っている、そういうふうに思っていらっしゃる家族、それがあっても全部いいのではないかなと私は考えております。  新しい制度ですけれども、例えば女性参政権、そのころは婦人参政権と言われておりました。女性が選挙をしてもいいんだよという制度を取り入れるとき、それから家庭科男女共習、それから今回も変わったわけですが雇用機会均等法、そういう新しい制度がどんどん取り入れられたとき、次はどうなるんだろうかとやっぱり不安な声は上がりました。でも、今は本当に生き生きとしていろいろ自分のことを花開かせることのできる社会になってきたと思います。  具体的な例でありますけれども、一人っ子同士のために法律婚ができない、本当に困っている、親御さんたちも困っている、子供たち別姓でいいんだったらそういう制度の中に入った結婚をしてもらいたい、そういうふうに困っていらっしゃる人が本当にいるんです。実際、婚姻届を出した中で、自分別姓にしたいですかという去年の6月の総理府の調査で、全国民の中で別姓にしたい方が5%いたんです。5%の人が別姓にしたいという声にぜひ耳を傾けていただきたいと思います。そういう声を法律がバックアップしなければならないのではないでしょうか。制度のために多くの人が苦労して選べない状況というのはやっぱりおかしいなと思います。そして、この民法改正ということを通して、これから日本が多様な価値観を認める豊かな社会になっていく、そういう布石だと思っております。  というわけで、今回の民法改正、これ以外にもいろいろな問題がございますけれども、私どもの請願書の意味をよくお酌み取りいただきまして、ぜひこれを意見書として出していただければと思っております。 13: ◯委員長  ありがとうございました。第1号請願については、これで終了いたします。  それでは、御案内いたしておりますので、少しの時間お待ちくださいますようにお願いいたします。資料を配ります。              〔参考人 樋口典子退室資料配付参考人 飯澤耕作入室〕 14: ◯委員長  お待たせいたしました。  それでは、まず私から紹介をさせていただきます。第2号請願提出者代表飯澤耕作さんであります。  それでは、請願趣旨等の説明をお願いいたします。 15: ◯飯澤耕作参考人  私は、ただいま御紹介いただきました飯澤耕作仙台市の出身であります。「宮城ビジョンの会」が請願をさせていただいているんですが、耳新しいので自己紹介をさせていただきます。  3月初めに若干の委員の方々にはお会いしたんですが、大分新しくなられたようでございますので、自己紹介をします。年は70歳ですが、若い人が好きなものですから、「若い世代の会」というのがございまして、それが発展して「宮城ビジョンの会」になりました。ビジョンを持って日本をよくしたい。15日に実は教科書問題の藤岡先生をお呼びして、141ビルで講演会をいたしました。150名ほど入ったんですが、そのうちの半分以上は若い人であります。今からの日本も若い人がちゃんとなればよくなるのではないかと、老骨にむち打ってボランティアばかりやっている者であります。  主題に移ります。請願しました内容は、既にごらんいただきましたでしょうが、もういいよという方もおありでしょうけれども、請願の趣旨を読ませていただきます。  私たちは、日本伝統文化を守り、国の繁栄と世界の共存共栄を祈る立場から、以下の理由をもって選択的夫婦別姓制の導入を柱とした民法改正案に反対の意見を表します。これが前文です。  夫婦別姓の導入に対する見解には、個人の尊重すなわち個人主義の徹底という傾向が極めて顕著でございます。社会共同体最小単位である家族重要性を軽く見て、さらには民法897条に規定されております祭祀継承制度──お墓とかを守るというのが民法に出ているわけですが、それをも廃止をしようという意見が多いことは大いに今後の日本にとって危惧される。  家庭は次代を担う子供の健全な成長の場でありまして、家庭こそ教育の根源でございます。夫婦別姓制が極端な個人主義的傾向を生み出す危険性は極めて高く、家族一体感がなくなる。いろいろ言われていますが、家族の崩壊に拍車をかけることにもなりかねない。したがって、家庭の崩壊がさまざまな社会問題の誘因を指摘される今日にあっては、家庭の一体感はより強固なものとされなければならない。  我が国における夫婦同姓制度は、明治維新後に採用されたものでありまして、国民生活に支障がなく定着してきた事実からするならば、夫婦のきずなを強め、家族一体感をはぐくんできた我が国民性に合致したものでありまして、日常生活のみならず精神文化の重要な要素ともなっている。国民生活に深く浸透し、精神文化の改変にもなりかねない事柄については、限られた社会生活上の理由によって安易にたやすくこれを改正してはならない。  そのような趣旨でもってこの意見書を提出させていただいた次第であります。  既に3月初めに市議会にもおじゃまさせていただきました。県議会においても継続審議で、5月に勉強会などに参上させていただいております。  これの敷衍説明でございますが、国民の中にいかに徹底しているかということについて若干申し上げます。  地方議会というのがございますが、6月末、7月初め現在の調べですけれども、そのうち賛成が26あるそうであります。しかし、県議会で反対しているのが6県、それから56市、240町、54村、したがって356の議会が既に反対を表明しておられるわけであります。数は賛成の十数倍でありまして、この辺から見ても、国民の世論はやはり日本のいい伝統の家族制度、憲法とか何かで新しくなっていろいろ言われていますが、これが大事だということは国民の中に定着をしていると思われるわけであります。  それから、数的に申し上げますと、実は「ちょっと待って夫婦別姓」という新しい本が出ました。これはことし出まして、女の方々が中心になって5月7日にこのような会をやりました。この題目が「ちょっと待って夫婦別姓女性だって反対よ」という緊急集会が行われたわけであります。これは議会の近くでやったらしいんですが。その場合にも、何と102万2478人分の反対の署名が積み重なっておったと新聞は報じております。ただし、朝日新聞だけは「ちょっと待って夫婦別姓」という会があったと。永田町の参議院議員会館で開かれという題目で、法務省の代理の方が出たのがまずいということを書いておりますけれども、しかしながら、「ちょっと待って夫婦別姓」その次の「女性だって反対よ」という題目が朝日は抜けているんです。今の女性の御意見であってもやはり変ではないのかというので、最近本が出たんです。私は最近これを買いまして、中身は非常に濃いです。この中の一番最後に、先ほど申し上げました数字が出ております。本当に夫婦別姓に賛成しているのは何とわずか5.3%です。これはちょっと古いんですが、平成8年6月の「家族法に関する世論調査」、総理府の権威のある調査でありますが、国民の中の5.3%の人たち、学者初め法律の大家とかあるいは人権何とかの女性の大先生、そういうところを合わせても5.3%なんです。庶民の本当の声は、何回も言いますが、同姓がいいと思っているようにうかがう次第であります。  したがって、では何でこういうのが出てきたかというのは、皆さん方御承知のとおりでございますけれども、だんだん世の中がいろいろな面でいろいろなことが言われ出しまして、その中の一つとして、最初は女の人が結婚して別姓になるのは不便だと、そこから出てきたようなんです。それが何だかわからないうちにぐるぐると先生方のいろいろな意見が強調され出したと物の本には書いてございます。  そして、次に申し上げたいのは、事務局にお聞きしたところ、来月21日にこういう会をお開きになって、学識経験者の方をお呼びして意見を申し述べさせたいというお話でございますので、私は学識は余りなくて暴れてばかりおりましたので、したがって東京から友人を呼んでまいります。これがお手元に配付しました「選択制だからこそ問題だ」を書いた本人であります。岡田邦宏というまだ若い人ですけれども、実はこの前県議会においてもこの岡田君が来ていろいろ御説明申し上げました。東京からも立派な先生がおいでだそうなので、よかったと思っております。したがって、この内容は、まことに恐縮ですが来月21日までにお目を通していただきまして、岡田の話を聞いていただきたいと思います。  せっかくの機会ですから、この本をもとにどういう内容で我々が夫婦別姓に取り組んでいるのかという要約をちょっと御説明させていただきます。  この前に二、三冊いろいろな本を出したんですが、これが今現在の最新の我々のもとになる本でございます。この第1ページを開きますと、「家族から一体感を失う夫婦別姓」と「新たな段階に入った夫婦別姓」という表題が出まして、その次が一体感と申しますか、これは余りくどくど申しませんが、夫婦が別々で結婚したときから名前が違っておったのではやっぱり一つという意識がなくなるのでないかというのが我々一般庶民の常識ではないかと思います。私は何々、あなたは何々となると、これはちょっとどんな意味を持つでありましょうかというようなことが書いてございます。  その次のページが、後から出てきますが、夫婦になった女の人は自由でよかった、便利になったと言うけれども、生まれた子供はどちらかの姓になるわけでございますので、私も98歳のおふくろがいるので子供ではございますけれども、今からの子供にとってみれば、別姓制度というのは親の自由は子供の不自由になるのではないかということがここに書いてございます。  それから、第2項は「夫婦別姓論とは何か」ということで解説をしているんですが、先ほど申し上げましたように改正をするという不利益は、今現在案で出ておりますが、通称という制度民法を変えずに戸籍法でもってきちんと変えてこれを制度化すれば、通称制ということになれば不自由は解消されるのではないかと思うんです。私的なことになって申しわけありませんが、私の息子も東京にいまして、女房はずっといろいろな仕事をしておったものですから旧姓を使用しております。そういうことでいろいろ聞いてみたんですが、何も戸籍法を変えたからではなくて、大きな会社とかあるいはその他においては今でも通称が通用している。これをきちんと制度化すればいいと思うわけであります。  いろいろな御家庭があることはよくわかるんですけれども、姓が別々だと家名と申しますか──古いようなことを生意気に言って申しわけないですが、いわゆる家名を継がせるということを昔から言っておりますが、これはやはり別姓ではなかなか解決が難しい。  問題はその次なんです。別姓を進めたいというその正体が何かということが問題でありまして、その正体は過激な個人主義、個人が絶対、公は次、とにかく個人が立派になる、そういう個人主義がもとをなしているのではないかと説明をしております。  時間もないですから次のページに移りますが、10ページには「選択制にだまされるな」という大項目で書いてあるんです。実は、ごらんになった方もおありでしょうが、きのうの河北新報の夕刊にも夫婦別姓のコラムみたいな何行かの欄がありました。それも持ってまいりましたが、最後の結論だけ申し上げますとこのように言っています。「夫婦別姓導入は、国民大多数の気持ちを無視する権力の横暴というなら御心配は御無用。論議されているのは夫婦別姓制ではなくて、夫婦別姓選択制同姓を望む多数派はもちろん同姓を選べばいい」、あとは「介護や親族間の扶養義務の思いが薄れると憂慮なさっているけれども、形に縛られないと親子の情が保てないほど日本人は落ちぶれたのか」というのが河北のコラムです。どんな人が書いたかわかりませんが、この人の言わんとするのは選択だからいいんじゃないかという御議論と承ったわけであります。しかし、これにだまされるといけません。選択制というのは同姓でも別姓でもいい、選択をするんだと言うけれども、これは同等の権利を持つ選択制でありまして、そのもとの法はこれを諸外国が本当に採用しているかというと、御存じと思いますが本当に採用している外国はスウェーデンだけです。あとは全部同姓を主体にしたのでもってやっておる。そのゆえんはここにあるんです。個人の判断が絶対であって、国家、法律は個人の選択に介入してはならない、ここに問題があるんです。個人の判断がもう何もかも絶対。国家とか法律───法律も国家に属するわけですが、そんなのは一切監視をしてはならない。とにかくルールがない。個人、個人、人権、人権、そんなことを言ったって我々は木のまたから生まれたのではなくて、おやじ、おふくろをもって生まれて、しかもおやじ、おふくろはその祖先があって生まれて、それを養ってくれたのは、いろいろな保護を与えてくれたのは国ではないでしょうか。やはり国のそれなりの道徳律とかあるいは決まりがあってこそ夫婦も成り立っていくのではないかと。何もかも捨てたのでは、これは自由奔放な、神様だけの世の中ならそれでいいかもしれないけれども、人間はそうはいかないと思います。100万台以上になる自動車だって、きちんとルールがあるから走っているんです。おれは自動車でも右側だとばらばらになったら、これはもう世の中成り立っていかないです。その最低限の秩序の維持が同姓という中に隠れているのであって、どうも察するに別姓はそんなことはいいんだというのが──これは私が言うのではなくて、夫婦別姓の推進論者である大先生方の本も何冊か読みましたが、結論的にはそういうふうに書いてあるんです。幾ら考えても変ではないかと思うわけであります。  「だれと結婚しようが勝手」、次の14ページの「道徳も倫理も無視する選択制」、道徳も倫理も要らない、とにかく個人、個人、他に迷惑をかけなければいいから援助交際でも何でも自由だと、これでは世の中まずいです。そういうことにつながるのではないかと思うわけであります。  大きな項目4項では、日本はおくれた国だと、全部悪いんだと、そんなことは絶対にないです。私から言うと日本ぐらいいい国はなかったんです。しかし、いろいろな人がいて負けたり何だりしたから、これからまた再建しなければいかん。いい意味の日本をつくらなければいかん。そういう意味で、では欧米はどうなっているか。欧米は先進国だと一部の人は言いますが、まことに先進はしましたけれども、悪いことも先進したんです。したがって、夫婦別姓をとったスウェーデンは、行った人にも聞きましたが、今もうめちゃくちゃです。それから、アメリカだって改めて家族制度を大統領が演説している、これが世界の情勢の実態です。何も日本はおくれているのではない、いいことをきちんと世界に向かって堂々と言う、そのいいことの中の一部が夫婦同姓で、うちをしっかり守っていいものをつくってきたと私は思います。  5番目「家族の価値を見直そう」、本当のところ別姓問題は他人事ではないんです。これが法律化されますと非常に大変だ。  結論を申し上げます。同姓というのはファミリーネーム。どんな草野球だって名前があるんです。うちにもきちんとした名前が一つきちんとあるのがいいのではないかと思うわけです。この定着した伝統をきちんと守っていきたい、それが一つ。それから、先ほども申し上げました過激な個人主義の危険性、これは非常にいろいろな面であらわれているのではないか。これらの中のものを別姓によって、選択という名のもとにこれを法律化することは絶対許せない。個人の判断が絶対であって、国家、法律は個人の選択に介入してはならない、これが選択制であっても基本的な別姓導入の理念と理解をしている次第であります。また頭のかたいことを言うと思うかもしれませんが、私だけでなくて全般的に心ある人はみんなそう言っていると思っております。したがって、最後にお願いしますが、この議会等においても優秀な委員方がいっぱいおられるから、早目にこんなことは反対ということをやっていただければ非常にありがたい。  非常に駄弁を弄しまして、ちょっと言いづらい点も──老人に免じてください。 16: ◯委員長  ありがとうございました。第2号請願についてはこれで終了いたします。              〔参考人 飯澤耕作退室〕 17: ◯委員長  それでは、本件について皆様から何か御意見、御質問等はございませんか。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 18: ◯委員長  それでは私からでありますが、来月の委員会におきまして有識者を参考人としてお招きし、御意見を伺うことになっておりましたが、調整をいたしました結果、第1号請願については早稲田大学法学部教授の棚村政行氏に、また第2号請願については日本政策研究センターの岡田邦宏氏にお願いすることで進めておりますので、御報告をいたします。  それでは、お諮りいたします。  まず、第1号請願については、継続審査とすることに御異議ございませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 19: ◯委員長  第1号請願については、継続審査とすることに決定いたしました。  次に、第2号請願については、同じく継続審査とすることに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 20: ◯委員長  第2号請願については、継続審査とすることに決定いたしました。  この際、副委員長と交代いたします。              《閉会中継続審査について》 21: ◯副委員長  委員長と交代いたします。  次に、「学校教育について」であります。  本件について、当局から御報告をお願い申し上げます。 22: ◯教育長  教育局より継続審査事項「学校教育について」を御報告させていただきます。  今回は、お手元に配付させていただいております資料1によりまして、いじめ・登校拒否問題の現状と対応につきまして、指導課長より御説明を申し上げます。 23: ◯指導課長  それでは、仙台市立小・中学校でのいじめ・登校拒否問題の現状とその対応につきまして御報告いたします。時間の関係上、特徴的なポイントに絞って御説明いたしますので、よろしくお願いいたします。  初めに、1番目のいじめ問題の現状について御説明します。  (1)いじめを確認している件数ですが、図1-1をごらんください。平成8年度は小・中学校合わせて339件でした。平成7年度の505件から166件、約33%減少しました。  2ページをお開きください。2番目の学年別いじめ確認件数は、図1-2のようになっております。小学校では学年が上がるにつれて徐々にふえ、中学校になると大幅にふえますが、学年が進むにつれて減少する傾向にあります。  続きまして(3)のいじめの態様、平成8年度を見ますと、図1-3のようになっています。小・中学校とも冷やかし・からかいと言葉でのおどしが多く、仲間外れや暴力を振るうがそれに続いております。  3ページをお開きください。解決状況でございますが、図1-4をごらんください。平成8年度は、小学校では90件中82件で91%、中学校では249件中230件で92%が解決しております。  (5)いじめの解決に特に効果のあった学校の対応を平成8年度について見たのが図1-5です。学校では、いじめを学校全体の問題として受けとめ、校内での取り組みと同時に、家庭、地域、関係諸機関との連携や相談など多様な対応をしていることがわかります。このような対応によって、8年度はいじめが大幅に減少したものと考えられます。  4ページをお開きください。続きまして登校拒否問題の現状について御説明します。  (1)登校拒否児童生徒数の推移につきましては、図2-1をごらんください。毎年増加しておりまして、平成8年度は小学校で165人、中学校で547人、合わせて712人となっており、全児童生徒数に対する割合は小学校が0.27%、中学校は1.62%となっております。  続きまして、(2)のこの数を学年別で見ますと図2-2のようになります。小学校では学年が上がるにつれて徐々に増加し、中学校になると大幅に増加する傾向にあります。  5ページをお開きください。(3)登校拒否の態様ですが、図2-3をごらんください。小・中学校とも不安など情緒混乱型が最も多く、次いで小学校では複合型、中学校では無気力型や学校生活に起因する型、遊び・非行型と続いており、小・中学校の違いが見られます。  (4)平成8年度における登校拒否児童生徒への指導結果でございますが、再登校できた者が小・中学校ともに30%、好ましい変化を示している者は小・中学校ともに約16%となっております。  次のページをお開きください。次に、再登校できるようになった児童生徒に特に効果のあった学校の対応ですが、図2-5をごらんください。8年度の場合、家庭訪問や個別の教育相談の援助が小・中学校とも最も多く、次いで小学校では友人関係の改善、中学校では保健室等特別な場所での指導が効果的だったようです。ほかに個々の実態に応じていろいろな対応を工夫して効果を上げております。  7ページをお開きください。続きまして、いじめ・登校拒否問題への仙台市の対応について申し上げます。  いじめや登校拒否は、どの学校にもどの子にも起こり得るという認識に立ちまして、教職員の指導力向上とともに学校、家庭、関係機関との連携を図りながら、早期発見、早期解決を目指してさまざまな施策を行っております。対応や施策の主なものですが、枠の中にありますが、学校における対応ではそこに3点挙げておきました。具体的には先ほどいじめの解決に効果のあった学校の対応や再登校に効果のあった学校の対応で説明いたしましたが、個々の問題に応じて工夫しながら解決に向けて努力しております。教育委員会としての対応ですが、(1)指導充実のための対応としまして、通知文の発出、諸会合での指示・指導、それから4)の研修会、資料等の作成配布、そして6)スクールカウンセラー配置、スクールスーパーバイザーの派遣、いじめ・登校拒否問題対策推進協力校の指定などを行っております。また、(2)適応指導教室の充実、次の相談窓口の充実、そして就学相談の充実なども行っております。これらのうちスクールカウンセラーの配置とスクールスーパーバイザーの派遣、そして適応指導教室「杜のひろば」につきましては重点施策としておりますので、若干御説明申し上げます。  8ページをお開きください。スクールカウンセラーの配置ですが、専門的なカウンセラーを中学校に配置しまして、児童生徒や保護者を対象とした教育相談のほか教職員への助言を行っております。平成9年度から文部省委託校、市単独配置校、合わせて10校、いずれも中学校に配置しております。相談の状況は下の表に示してあるとおりでございます。多くの児童生徒や保護者も相談に訪れ喜ばれておりますので、今後さらに多くの中学校に配置する計画でおります。  次のページをお開きください。スクールスーパーバイザー派遣事業ですが、今年度から始めた事業です。専門的な臨床心理士や大学教官を学校の要請によって派遣し、主に教職員を対象に教育相談等について指導や助言を行っております。これはスクールカウンセラー未配置校を対象としておりますが、9月末現在小・中・高等学校で計55回派遣しております。今後3月まで40回ほど予定されております。これも学校から喜ばれておりますので、さらに拡充の方向で計画しております。
     最後になりましたが、適応指導教室「杜のひろば」ですが、登校拒否児童生徒を対象に学校復帰への支援を目的とした教室です。従来東仙台に1教室でしたが、今年度から立町小学校の一角に「杜のひろば 立町」を開設しました。通級状況は、下の表のようになっております。これも今後増設の方向で考えてまいりたいと思っております。  以上、いじめ・登校拒否問題の現状と対応の概略について御説明いたしましたが、この問題は、家庭、社会、学校など子供たちを取り巻く環境の問題が複雑に絡んでおります。教育委員会といたしましても、学校と一体になって、どの子も楽しい学校生活が送れるよう、今後とも早期発見、早期解決に向けて努力してまいる考えでおります。委員の皆様の温かい御理解、御支援をお願い申し上げまして終わらせていたただきます。 24: ◯副委員長  ただいまの報告を含めて、本件について何か質問等はありませんか。 25: ◯笠原哲委員  詳細な資料をいただきましてありがとうございました。  本市には小学校は123校、中学校65校、高校が6校ということでございますから、いじめの数については小学校で1校当たり一つにまでならない。それから中学校で3倍ぐらいの数ですから、私はそんなに多い数ではないのではないかと。顕在化した数がこのぐらいなんでしょうから、もっと実際には多いんだとは思うんですけれども、決してそんなに学校側が対処に困るほどの数ではないのではないかと。この認識についてどのようにとらえていらっしゃるのか、1点お伺いしたいと思います。  それから不登校についてなんですが、小学校からずっと義務教育が終了するまで不登校というケースもあるのではないかと思うんですが、この辺の実態は掌握していらっしゃるのかどうなのか。また、ほとんど学業に携わっていないわけですが、それでも卒業はする形になると思うんです。義務教育課程を終了したという、卒業式に参加しなくとも卒業証書は渡しているのではないかなと思うんですが、この辺はこれでおしまいという考え方でいらっしゃるのかどうなのか。国によっては、文字が書けない子には卒業してからも市民センターだとかいろいろなところで指導しているケースもあるようでございますけれども、その辺はどうなのかをお尋ねしたいと思います。 26: ◯指導課長  1点目の、数としては1校当たり小・中学校ともそんなに多くはないのではないかというお話でございますが、確かに数の上ではそうでございます。それから、これは30日以上ということですのではっきりした人数でございますが、ただ、今やはり我々は一人一人の子供を何とか楽しい学校生活の中でたくましく育てていきたいという観点から、1人でも2人でも学校の問題として慎重に考えていくべきだと受け取っておりますし、そういうつもりで取り組んでおります。  それから、3年間通して学校に来なかった子供はどうなのかということですが、数としては今のところ把握しておりませんが、実際にいることはいると思います。卒業のことでございますが、卒業につきましては出席日数の何分の1以上という規約はございますが、それを当てはめてしまうとこういう子供たちの将来に非常に影響する。この子供たちも将来生きていきますので、親との話し合い、本人との話のもとにこれからどうするか、進路を含めまして見通しがある場合に卒業認定をいたしておりますし、場合によってはもう1年やらせてくださいというのがごくまれにはございますが、ほとんどの場合は卒業させて、次の生活に期待しておるところでございます。 27: ◯笠原哲委員  いじめの件については、さほどの数ではないのではないかというのは深刻に考えるなという意味ではないんです。十分に学校で対応できる数ではないのかなと思うので、しっかりやってもらいたいという意味も込めてお願いをしたわけでございます。いじめが解決しているのが92%ですから、解決していないのが8%ある計算になります。これは指導継続しているということですけれども、さまざまな例があるのかと思いますけれども、具体的にどのようなことか、お聞きをしたいと思います。  それから、いじめの中で暴力を振るうというのがあります。これがかなりの数、中学校で70数件になっているのではないかと思うんですが、これは平成8年度におけるいじめの態様ということですが、暴力を振るうという数は減っているんですか、ふえているんですか。 28: ◯指導課長  初めは未解決の8%のことでございますね。この8%というのは、3月末段階での調査で8%として残っている数でございますので、その後年度を越えて継続的に指導しながら解決に向けて進めているはずでございます。  それから、暴力の件についてでございますが、暴力を振るう件につきましては、中学生の場合には件数でまいりますと平成7年度が75件、8年度が73件という数になっておりまして、この2年間の比較では横ばいという状況でございます。 29: ◯笠原哲委員  統計で見ると非常にショッキングな状況になるということですが、確かに深刻な問題は問題だと思うんですけれども、こういう場ですから数で言うしかないんだと思うんですけれども、もうちょっと一人一人に徹底的に、現場ではどの子がどのようになっているかということはきちんと掌握されているのかどうなのか、これを非常に疑問に思うときがあるんです。  いろいろな方から僕らも相談を受けます。ほとんど学校の先生は来ない、1年に1回も来ないと言う生徒さんもいらっしゃる。親にも全然話もありませんと、こういう例が実際にあるんです。だから、僕は子供が通っている学校の体制がどうのこうのではなくて、どう子供を思っているかだと思うんです。スクールカウンセラーがどうのこうのとか、スーパーバイザーとかとありますが、先生の資質そのものが非常に問題なのではないかと僕はすごく強く思っています。ですから、数でいうと横ばいだとかあるいは減っているという話がありますけれども、現実的に先生の問題を解決するのはなかなか大変だとは思いますけれども、本当に真剣であれば校長だって教頭だっているんですから十分に対応はできるはずなんです。それが全然来ない。ここにおられる方でもいらっしゃるかと思いますけれども、我々は日常市民センターの中で現実には相談を受けます。全然対応してくれない、こういうケースが結構多いんです。だから僕は言うんですけれども。  ここで言ってもしようがないので、現場の校長先生にでも言わざるを得ないところがあるのかもわかりませんけれども、どうもそういう意味で私は非常に現場の先生方に対する不信感が強い一人でございます。それを指導していらっしゃる教育委員会ですから、前に教育長に質問したときには教員の採用も含めて考えなくてはいけないんだというお話がありました。どうか本当にその子の、またその親の痛みをしっかりわかるような先生方をいっぱい育てていただきたいと思います。  それから、大変残念な事件が神戸であったわけですけれども、今医療鑑別所は全国に4カ所しかないという話を聞いています。あのようになってしまったということは、家庭の問題も多いと思いますけれども、学校の問題もあるのではないかと僕は思うんです。あれだけ大きな事件ですから、マスコミも大変な騒ぎで、漏れ聞くところによると余り反省していないとか、したとかという話やいろいろなうわさが世の中に飛び交っているわけです。この辺をどのように教育現場がとらえて、どのように教育現場の中で指導していったらいいのか。  やっぱり子供たちは、私たちは少年法で守られているんだと結構平気で言います。この間も校外指導の話でいろいろ別なことでも触れましたけれども、非常に大人社会というか、法律を甘く見ている。それが恒常的になってくるとああいうふうになってしまうのかなという気もしますけれども、医療という分野でのかかわり合いが全くないんです。この中には臨床心理士という表現がありますけれども、医療の分野でのかかわりというのはどうなっているんですか。例えば、極端にしょっちゅう暴力を振るう子供は、やっぱりどこか問題があるのではないか、カウンセリングを受ける必要があるのではないかと思うこともあるわけです。と同時に、私たちは大家族の中で育っていますから、家庭の中で切磋琢磨して結構打たれ強い部分がある。多少いじめられてもそれを乗り越える力があった。今は核家族になってしまって、お母さんの庇護のもとに1人や2人しか子供がいませんから、外に行ったら全く対応できなくなってしまったりということもあるのではないかと思うんです。だから、私は医療という分野についてどのように考えていらっしゃるのか、その辺もちょっと疑問に思うんですけれども、いかがですか。 30: ◯指導課長  今教育相談の中での医療ということがございましたが、一つは教育委員会のいろいろな検討委員会とかがございますが、その中に精神医学の先生などをお呼びしながらいろいろ我々も勉強しております。それから、杜のひろばの方に嘱託の精神科医の先生お二人をお願いして、難しい問題に対しては医学的な診断をお願いして進めております。 31: ◯笠原哲委員  やっていらっしゃるということですけれども、そういったのをやるところは規模も場所も含めて非常に少ないわけです。これもアメリカなんかの例を見ますと、精神科医と非常にオープンな雰囲気でおつき合いしているようです。日本では精神科医にかかるとどこか何か問題があって変な目で見られてしまうという部分もありますけれども、アメリカあたりは、例えば職場でちょっとトラブルがあるとか心理的に落ち込んだときに簡単に指導を受けられる体制になっている。かなり仙台市内にも精神科の先生はいらっしゃるんです。心療内科、精神内科というんですか、私はこの方々の活用を、いろいろな意味でもっと精神科というものがオープンにされて、気楽に相談に行けるんだと。また、家庭において子供さんのことで悩んでいるお母さんも、ある意味では精神的にかなりまいっているわけです。そういったことの連携というのは僕はすごく重要だと思うんです。今、非常勤でどうのこうのという話がありましたけれども、もっと幅を広げて、開業医がいっぱいいるわけですから、この辺との連携というのはどういうふうに考えたらいいのか。私は積極的にやるべきだという思いでいるんですけれども、その辺はいかがですか。 32: ◯教育長  ただいま指導課長から申し上げましたとおり、現在教育センターを中心に精神面での相談の窓口といたしまして精神科のお医者さんにお願いをしながら進めているわけでございますけれども、今回神戸の事件がございまして、特にやっぱり子供たちの精神面での対応というのが大事になってきておりますので、我々といたしましてもその辺を十分に踏まえながら精神科医との連携も進めてまいりたいと考えております。 33: ◯笠原哲委員  親も子供も、学校の先生だっていっぱい問題のある人はいらっしゃるわけですから、なりつつある人もいらっしゃるでしょうから。職員だってみんな同じなんです。我々もいつそうなるかもわからない。もっと気楽に精神科の先生方に相談するという雰囲気をどんどん盛り上げていかなければならない。と同時に、教育サイドとしても精神科医の専門の話を聞くとか、指導を受けながら、どういうカウンセリング体制をつくったらいいかということまで含めてしっかりした体制をつくっていただきたい。  そうでなければ、神戸のような事件というのは本当に不幸な事件でかわいそうだと思うんです。と同時に、たまにはおやじを殺してしまったという場合もある。あるいはおやじが子供を殺してしまったという場合もあるという、非常にこれは重要な問題だと思うんです。我々も近所にいますけれども、本当にかわいそうだなと思ってもなかなか手が入っていかない部分があるわけです。ですから、少なくとも教育現場ではそういうことがないようにぜひ努力をしていただくように、精神科医も積極的に活用すると同時に連携がすごく大事だと思います。相手方のプライバシーの問題等も含めてあるとは思いますけれども、徹底的な話し合いがないからうまくいかないのではないか。家庭訪問しても10分やそこらで帰ってしまう。あるいは生徒が先生の顔をじっとにらみつけているのに下を向いている先生もいる。どっちがカウンセリングを受けているんだかわからないような場合も現場にはあるんです。だから、何か親から見ればむしろ先生の方に問題があって登校拒否しているんだと。子供には意地がありますから、三分の魂とか五分の魂とかがありますから、じっと見ていると相手方が下を向いてしまったと、こういうこともあるんです。  だから、現場を担当していらっしゃる先生が本当にすべて信頼できる先生ならいいけれども、その特性も含めて校長、教頭がしっかりつかんで、その先生にだけ任せていいのかどうなのかというところまで含めて徹底した論議が僕は必要だと思います。校長先生にしても教頭先生にしても、外とのつながりが多過ぎて余りにも忙し過ぎます。この辺の事務改善も含めて、教育局は余り仕事をつくらないようにして、一々呼ぶのではなくて現場にこっちから出向いていっていろいろな対応をするように、これは要望になりますけれども、この問題は一朝一夕に解決がつかないのはわかります。けれども、これはほうっておいてはとんでもないことになりますし、とんでもない事件が次々と起こる可能性もある社会ですし、バーチャルな世界でもありますし、とんでもない世界になっていますので、教育の現場もその子供の発達段階に合わせた教師としての努力もしなくてはいけないと思います。  私も含めて、小さい子供、中学生、高校生、自分の子供の気持ちもなかなかわからない部分があります。それだけに難しいんだと思うんですけれども、どうか対応をしっかりやっていただきたい。ふえているということ自体は恥というよりも先生の問題なんだと思うぐらいのつもりでやってもらわないと、家庭の問題だ、子供の問題だなんて言ったって、今の社会の中ではこれは解決しないと思います。本当によほど先生が真剣になって対応していかなければ解決しない問題だと思いますので、かなり嫌みになってしまったかもわかりませんけれども、御努力を願いたいと思いまして、質問を終わります。 34: ◯橋本亮委員  1点だけお尋ねしたいと思うのでございますが、5ページの登校拒否問題でございます。  いじめの問題は、先生方の大変な努力によりまして、平成8年度は平成7年度に比べると大分減っているわけです。もちろん、今質問がありましたように、まだまだ残っているわけでありますけれども、先生方の努力によっていじめの方は大分減りつつあるように見受けました。それに比べまして登校拒否問題、不登校問題は減らなくて、逆に先生方の努力があるにもかかわらずふえている傾向がございます。その理由は5ページにあるわけなんですけれども、一番多いのが不安など情緒的混乱型、それから2番目が無気力型、3番目が学校生活に起因する型、この三つが不登校の一番の拒否の態様になっている状況のようでございますが、この三つの件につきまして、市教委としてその原因がどこにあるのか、その辺をどういうふうに把握されているのか、そこをお聞きしたいと思います。 35: ◯指導課長  5ページの不安など情緒的混乱型、その他の増加についてのお尋ねでございますが、この不安など情緒的混乱型というのは、別には過保護とか過干渉とかという生育の中で自立がおくれている子供に多いのではないかということも言われております。そういう中で、学校に来ての友達づき合い、友達づくりが苦手というか、なかなかうまくいかない。また、周りの子供たちを思いやるような心の芽生えも最近ちょっと薄くなっているのではないかという指摘もございます。したがいまして、子供たちの心をどういうふうに理解しながら、そして励まして適応力を図っていくか、先ほど委員の御指摘にもありましたが、やはり我々としても一人一人の子供にもっと目を配りながら手を差し伸べてやることが必要かなという感じがいたしております。  さらに無気力型でございますが、これも根は同じところにあるのではないか。学校、家庭、いろいろな環境要因が絡んでいるわけですが、そういう中でやはり親との強い連携、協力のもとで、子供に家庭ではこういうふうに、学校ではこういうふうに働きかけますから、ともに意欲を持つように言葉を選んで指導していきましょうという体制、家庭との連携も非常に重要な視点かと思います。  それから、学校生活に起因する型でございますが、これも先ほど申し上げました友達間のトラブルとか、あと先ほど御指摘がありましたが、教員とのちょっとしたトラブル、そんなものが原因になっていく場合もあるという指摘がございます。そういうことも含めまして、やはり学校が子供にとって非常に楽しい学校になるような、あるいは学級づくりも楽しい学級づくり、意欲を持たせるような学級づくり、その辺に視点を当ててこれからも努力してまいりたいと思います。 36: ◯橋本亮委員  今のお話で大体わかりましたが、ただこの中に中学校の生徒の場合、不安など情緒的混乱型がございますが、やはり高校入試の問題が私は絡んできているのではないかと思うんです。今はいわゆる点数制です。その点数制によって高校の振り分けが行われる。こういう問題に絡んで情緒不安定という問題が私は出てくるのではないのかと考えているわけなんです。今のお話によりますと家庭生活云々とございましたが、もちろん教育の原点は家庭教育にあると私は思うんです。おやじ、おふくろがきちっとした教育体制をとって子供を指導すれば、余り学校に頼らなくとも、あるいは社会に頼らなくとも立派な子供が成長するとは考えますが、やはり制度の問題として不満足な点が私はまだ教育界にあるのではないかと。そういうことで、高校入試の問題なりあるいは大学入試の問題等々がいろいろ論議をされて、何とかいい方法を見つけようではないかということが論議をされているのではないだろうかと考えるわけでございます。そういう点で、やはりもっとそういうところにひとつ心を持っていただいて、そしていろいろな機会において市教委としても発言をされるなり、でき得る是正はどんどんやっていくという指導を現場の先生方の中におろしていくという体制が私は必要なのではないかと考えておるわけでございます。  自分意見だけ述べたようになりましたが、その点だけ申し上げて終わります。 37: ◯嵯峨サダ子委員  私からは2点ほどお伺いをしたいと思います。  まず、いじめの問題に関してですけれども、3ページのいじめの解決に特に効果のあった学校の対応ということで、学級活動において指導というのが一番高くなっておるんですけれども、具体的にどういう指導を行ったのかをまずお伺いしたいと思います。  それからもう1点、登校拒否、不登校の問題なんですけれども、これに関連いたしまして、昨年10月に文部省の委託を受けた日本学校保健会が保健室登校の実態調査を行いました。これによりますと、全国の小学校で37.1%、9,500人の子供、中学校で58.1%、1万2900人、高校で44.4%、6,000人、全国で2万8000人余りが保健室登校をしているという調査結果が発表されました。1日平均にすると36.6人ということで、かなり多いと見るわけなんですが、都内のある小学校では1日に延べ140人も訪れたという報告結果も出されておりますし、90年と比べますと1日平均当たり6人も増加しているという結果が出ております。不登校も96年度で9万4000人、91年度から2万7000人も増加しているということと、この保健室登校がやはり関連するのではないかと私は思っておりまして、本市の保健室登校の実態はどうなのか、その辺の2点についてお伺いしたいと思います。 38: ◯指導課長  1点目の学級活動においての指導でございますが、図1-5をごらんいただけばわかりますように、これは小学校の方で大分効果を上げております。小学校の場合、いじめの態様としては冷やかし・からかいとかの言葉上の問題が多いわけでございます。これは現在の子供たちは、相手をいじめようと思って言っている言葉ではなくて、無意識に言った言葉が相手にそういうふうに受け取られている傾向が非常に強い。そういうようなことから、学級では主に言葉遣いとか、あるいはだれちゃんの気持ちになって考えようとか、そういうような形での指導が全体あるいは個別的に随時行われていると受け取っております。  それから、2点目の保健室登校の仙台市の実態でございますが、平成8年度について数で申し上げますと、小学校では8校において行われました。中学校においては29校において保健室登校で効果を上げたという報告を受けております。 39: ◯嵯峨サダ子委員  いじめの問題については、いかなる理由があろうとも絶対にいじめはいけないという指導が徹底されることをさらに望みたいと思います。  保健室登校ですが、学校の数だけを今お答えいただいたんですけれども、人数については把握されておられないのでしょうか。 40: ◯指導課長  この調査では特に効果のあった措置として調査いたしたものですから、先ほど中学校で29校とお話ししましたが、少なくとも29人の生徒には効果があったのだろうと。ただ、そのほかに複数いると思います。実際私も前任校で何人かの生徒を保健室登校の中で次第に教室に復帰させた経験もございますので、この数は少な目に出ていると受け取っております。 41: ◯嵯峨サダ子委員  ぜひもう少し実態を細かに調査していただきたいと要望しておきます。  たまたまけさNHKのテレビ放送で養護教諭の方が出ておられまして、保健室登校の問題が報道されておりました。体の問題で保健室に来る子供たちが約半数ですけれども、そのほかの半数は心の問題、さまざまな情緒不安を訴えて、保健室を心のよりどころとして通ってきているということも報道されておりました。特に効果のあった学校数、それから生徒数はまだはっきりわからないんですが、この陰にはもっともっと実際にはいると思うし、保健室登校寸前の子供が教室の中で我慢していすに座っているという状況もあると私は思いますので、後でも結構ですので、ぜひ詳しい実態調査をお願いしたいと思います。  それから、こういう子供たちに対応している養護教諭の問題ですが、中学校は特に保健室登校する子供たちがふえておりますし、とても1人では対応ができない状態に今あるのではないかと思うんです。ですから、複数の養護教諭の配置をぜひ県なり国なりに求めていく必要があると思うんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。 42: ◯教育長  今委員御指摘のとおり、特に中学校になりますと保健室登校の部分が多くなってまいります。これについては、養護教員の皆さんに大変御協力いただいているわけでございますけれども、数の面につきましては、やはり配置というのは県なり国との関係もございますので、その辺も少し調整をしながら進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 43: ◯嵯峨サダ子委員  それと、学校内での養護の先生の立場の問題ですけれども、やはりこういう不登校の子供たちの受けとめ手として、そして心のよりどころとして非常に重要な役割を果たしていると思うんですけれども、学校内での養護教諭の重要な位置づけなりの学校全体での認識、その点をどのようにとらえていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 44: ◯教育長  我々といたしましては、学校に配置されております職員が一致協力して学校運営に当たるというのが基本と考えております。したがいまして、我々もその基本にのっとりまして、養護教員たりともやはりみんなと一緒に学校経営に当たっていくという精神を学校全体で受けとめていただきたいということを考えておるところでございます。 45: ◯嵯峨サダ子委員  いじめにしろ不登校にしろ原因は一つでなくて、学校の学習になかなか追いついていかないと、1時間なり45分なりじっとわからないまま座っている子供たちの苦痛がどれほどのものかというのを、やっぱり私たち大人がおもんぱかることが必要だと思います。今の新学習指導要領の詰め込みの問題とかさまざま原因があるわけでありまして、総合的にその辺は解決の方向に向けて真剣に努力することが必要だと思いますので、ぜひ仙台市としましても一層そういった方面での解決に向けて努力していただきたいということを申し上げまして終わります。 46: ◯阿達孝治委員  私からは、9ページに適応指導教室「杜のひろば」というのがあるんですけれども、これに行った人たちは6ページのこの欄ではどこに分類しているのか、これは全然別に考えているのか、その辺まず一つお伺いします。 47: ◯指導課長  杜のひろばに通級した児童生徒が6ページのグラフの中ではどこに入るかという御質問でございますね。ここでは教育相談機関との連携による指導、その辺に入れて報告を受けていると思います。 48: ◯阿達孝治委員  杜のひろばというのは、学校につくるのではなくて、例えば立町みたいに新しくつくって、よその学校に行ってこういうことをやっているわけなんですか。その辺、具体的に少しお願いします。 49: ◯教育長  杜のひろばでございますけれども、杜のひろばでは学校に行けないと申しますか、どうしても学校になじめないという子供が、それでは1対1で面接をしながらもう1回スタートから先生方と対面をして、できるだけ学校に戻したいということでやっておる制度でございまして、先ほど説明で申し上げましたように、昔の東仙台支所に1カ所、今までございました。その後、ことしからは立町小学校の一角を借りて2番目の杜のひろばをやっておりますけれども、我々といたしましては、やはり学校でないところの施設で指導するというのがこの杜のひろばの効果をあらわすものではないだろうかと考えておりまして、立町の場合にはあくまでも暫定的な場所であるということでございます。 50: ◯阿達孝治委員  私は、中学校の生徒で授業についていけないと言って学校に行かなくなる理由の一つに学力不足があると思うんです。学力というのは、例えば分数とか数学が一番ではないかと思うんです。国語なら読めなければ片仮名で書いたっていいですけれども、数学の場合は分数や掛け算がわからない子供は全然ついていけなくなると思うんです。ですから、中学校に行ってしまった場合、そういうのは関係なくばんばん進んでいくと、さっき嵯峨委員が言ったようにお客さんになってしまって、いる場所がないというふうになって、暴れたり目立ったりするのではないのかなと。私自身も相談を受けていろいろやった子供は全然数学がわからない子供で、3年生、4年生のときに病気で休んだんです。そのまま今度は進級するものですから、そういう子供たちはどういうふうにしているのかということ、そういう子供たちというのが実際にいると私は思うんだけれども、指導課長、いると思いますか、いないと思いますか。 51: ◯指導課長  私も長年の学校生活の中でそういう友達もおりました。 52: ◯阿達孝治委員  私たちが小さいときは、皆さんもそうだと思うんだけれども、できないと補習と称して残されて勉強を教えられたわけです。今、補習なんていうことは学校でやっているんでしょうか。やったりしたら大変なことになるんですか。その辺はどうなんですか、わからない子供たちに対して。 53: ◯指導課長  補習という言葉が出ましたが、以前に進学盛んなりしころは大分遅くまで補習がありました。現在はそういうことはありません。ただ、特に中学校あたりですと、定期考査などが近づいた場合に、数学とか英語とかでおくれている子供たちを放課後集めて、易しいところから指導したりして励まし、触れ合いを持っている学校もふえてきております。 54: ◯阿達孝治委員  中学校のときは私もよく残されてもう一遍教えられたりされた方だからよくわかるんですけれども、小学校でやはり私は4年生、5年生あたりのときに学力テストをして、数学とかがわからない子供をなくすようにしなくてはならないと思うんです。そうしないと、中学校にそのまま送ってやった場合、お客さんになること間違いなし。だから、小学校の対応で特に一番大切なのは3年生、4年生。普通は1年生、2年生が基盤で大事で、5年生、6年生は小学校の仕上げだからということで何か教員の配置をするんだそうですが、私は違うと思うんです。一番大事なのは3年生、4年生だなと思うんです。そのとき必ず覚えておかなくてはならない問題についてはそこできちんと教える。わからなかったら補習してもこのことだけは絶対教えるという意欲というのが、遠慮してばかりいるのかどうか、ないのではないのかなと。こういうことを考える必要があるのではないだろうかと。学校ではなく塾に行けばいいということではなくて、学校の中で本当に必要なことは教えて、覚えさせるということをもう一遍考える必要があるのではないかと思うんだけれども、この辺は学校としてそういうことをやってみるということはできないものなんですか。 55: ◯学校教育部長  確かにできない子、わからない子、そのために、今小学校のお話が委員からありましたが、中学校の場合にはいわゆるTT方式という、1人の先生が授業をしている間にもう1人の先生が同じ場所にいて、わからない生徒のところに行って個々に教えてあげる方法、そういう指導の仕方があるのではないかと、新しい試みで一生懸命進めております。これを小学校でも今やっております。特に委員御指摘のように算数、これは何とかしなければならないということで、放課後ということなんですが、やはり放課後というのは子供たちにとっても遊びがあるし、いろいろな活動があるためになかなか思うようにいかない。さらには、前ですと「お前、きょう残れよ」と言うと子供たちは喜んで残って担任の先生の指導を受けたんですが、今はやはり家庭生活も随分ありまして早く帰らなければならないとかがあるものですから、何とか授業の中で1人の先生が指導する中でもう1人の先生が一緒についていて、わからない子、おくれている子についてはその机のところに行って教える指導方法、そういうことを今後ますます進めていきたい。そういうことを今盛んに仙台市としては進めておりますので、さらに進めてまいりたいと考えております。 56: ◯阿達孝治委員  それから、特殊学級の設置のことなんですが、私の小学校は県内で17番目に特殊学級を設置したんだそうです。私も前に「手をつなぐ親の会」というのがあって、特殊学級をしょっちゅうのぞいていたんですが、知恵おくれの子供たちばかりでなくて、少し学力のおくれたような子供たちも行っていて、個別指導学級だなと私は思ったんです。同じことを何回も何回も教えられると覚えて、そしてちゃんと子供が高校に入ったんですから。今行ってみると、特殊学級に行くような子供がいないから廃止するんですということになっているんだけれども、私は特殊学級みたいなもので数学なら数学の時間だけこっちに来て教えるとか何かして、そしてやっぱり何回も何回も、頭で教えるのでなくて体で教えるというような、覚えさせるような、ああいうふうな教育をしたらばついていける、戻れるのではないかと思うんです。音楽の時間などは構わなくたって覚えるんだから、そういうようなとき連れてきて数学だけ教えるというような、新しい方法ばかりでなくて昔やってきたいい方法をまた繰り返してやるということは必要ではないかと思うんです。その辺、特殊学級の考え方と、そういうふうなことに特殊学級を活用する方法というのは考えられないものなんですか。 57: ◯学校教育部長  正確に申し上げますと、いわゆる精薄でない、遅進児のことを委員御指摘だと思うんですが、遅進児学級というのは法律的には認められないわけです。ですから、学校においては精薄学級、いわゆる特殊学級の精薄児の学級があるところに、たまたまこの子は算数が弱いんだ、だから特殊学級でやっている算数の計算のところをぜひ先生教えてという形で、学校内で工夫によってやる分にはさほど問題はないと思うんですが、その子たちだけを集めて遅進児学級を新たな学級としてつくるということは大変難しい。これはできないのではないかと思いますが、ただ、学校でそういう工夫をしながら指導の機会をつくって指導しているという実態はございます。 58: ◯阿達孝治委員  それで、特殊学級みたいに法律ではできないとしても、せっかく先生が1対1で教えるとすると、授業をやっているところは割合にレベルの高いところをずっと行くでしょう。けれども、その子供はわからないんだから、もっと下の方なんです。だから、そういう子供たちに対する教室のあり方についても、小学校の4年、5年あたりのときに考えて、これだけは小学校で必ず覚えなくてはならないという分数とか掛け算とかについてはきちんと教えてやれば、もう少し私は統計上、中学校に行ったときのお客さん、学校に行きたくないというのがなくなるのではないのかなと思うんです。  大体、中学校に行って何日か休んだら、真ん中を抜いたらわからなくなるのは当たり前だと思うんです。私は学徒動員あたりに行って全然わからなかったから。私は中学校のとき2年生、3年生、4年生まで学校に行っていて、4年生で終戦になって教科書だけ4年生のをよこされてもさっぱりわからなかったんです。わかった人がいたんだから優秀だと思うんだけれども、だからそういう自分の経験から言うと、やっぱり下の方からきちっと教えてもらって、小学校のときのことが私は非常に大事だなと思うんです。何か新しい方法を考えて、仙台市方式みたいなのもをやれないものだろうか、これが一つ。  それから、先生方がすばらしいんだということは後で協議会になったらお話ししますけれども、先生方も私は勉強する必要があるなと思うんだけれども、子供たちに対する教え方について、先生方の勉強の方法というのはどういうふうなことをしているんですか。たまに何であの先生が先生になったんだろうなというのが出てくるときがあるんです。そういうことが実際にあるんですから、先生たちもやっぱり勉強しなくてはならないと思うんだけれども、先生たちの勉強というのはどういうふうにやっているものなんですか。 59: ◯学校教育部長  まず、先生方の研修の一番は、学校の中で小学校の場合ですと学年ごとに研修をします。それと、算数だと算数科の研究グループが各学校にあります。先生たちがどういう指導方法をしていくんだというようなことを、研究授業をしながら研修をしていきます。これが一つです。  それと、今度は市内で小学校だけの研究会がございます。算数の場合ですと、さらに小・中・高校の算数、数学の研究会がございます。これが年間数回持たれまして、指導法の研究、あわせて授業研究なんかをしながら研究を進め、いろいろな成果集をつくりながら、それでお互いに研修をしている。特に小・中・高合わせているのは算数とか理科、理数科関係なんかにはそういう形での研修をやっていただいております。 60: ◯副委員長  ほかにございませんか。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 61: ◯副委員長  なければ、これをもって委員会を閉会いたします。...