◎西村
高齢保健福祉部長 敬老パスや今回の素案の制度の目的の再確認ということでございます。
敬老パスは、50年前に
福祉施策として始まったものでございまして、その規則であります札幌市
敬老優待乗車証交付規則におきましても、「高齢者を敬愛するとともに、外出を支援し、明るく豊かな老後の生活の充実を図る」と定めているところでございます。
昨年度、素案を公表いたしました
敬老健康パスにおきましても、その
福祉施策としての目的といったものを変えるものではないというものでございます。
◆松井隆文 委員 この
健康寿命延伸は、極めて重要な課題でありますけれども、
敬老健康パスの素案では、デジタル技術を活用してより多くの市民が楽しみながら自然と取り組める
環境づくり、これをしようとしているものであります。しかし、そうした施策の必要性や趣旨、目的よりもこの
敬老パスがクローズアップされている、これは、財源論をあえて明示しなかったというところも一つの要因ではないかなというふうに考えるところであります。やはり、ここは、論点を整理して議論すべきではないかなというふうに考えるところであります。
我が会派の代表質問に対して、先日、秋元市長は、次の定例会で具体的な議論ができるように検討を重ねているという旨、答弁をされたところでありますが、ここでお伺いしますけれども、次の定例会、また、その前後で、この
厚生委員会での議論というのも深めていくべきだというふうに考えるわけですが、どのような論点を議論しようとしているのか、この点についてお伺いいたします。
◎西村
高齢保健福祉部長 今後の検討の論点ということのご質問でございます。
これまで、
敬老健康パスの素案につきましては、
健康寿命延伸の必要性、あと、
高齢者予算の削減を目的としていないということを中心に説明のほうを進めてきたところでございました。しかしながら、
敬老パスに関する財源の問題についても、やはり丁寧に説明する必要があるとのご指摘もございまして、論点といたしまして、今後の
事業費見通しでございますとか、制度を支える世代の負担の推計といったことをただいま整理させていただいているところです。
次の定例会に向けましては、今、これまでいただいた市民意見でございますとか、事業費の見通しを踏まえた検討を重ねているところでございまして、この
厚生委員会でしっかりと議論をさせていただく所存でございます。
◆松井隆文 委員 承知いたしました。制度目的をきちんと発信する、そして、利用者に配慮しながらも将来世代に過度な負担を残さない、そういった検討が必要であるというふうに思います。
さらなる検討、議論、そして、この
厚生委員会を踏まえて、制度化に向けて、しっかり進めていっていただきたいということを求めて、質問を終わります。
◆
あおいひろみ 委員 私からも、陳情の趣旨を踏まえた上で質問いたします。
今回の陳情は、
敬老健康パスの素案の再考を求めつつ、現行の
敬老パスの枠組みを生かした制度の見直しを求めるものです。
陳情者からの説明にもあったとおり、
少子高齢化が進行する中で、現行の
敬老パス制度の見直しの必要性は、多くの市民は理解していると感じています。
見直しするに当たり、利用されている方の
チャージ額の分布の分析、予決算の状況や今後の社会情勢を想定した
シミュレーション、将来の
財源見通しなどの情報をしっかりと示す必要があります。その上で、市民の理解を得ていくわけですが、対象者が高齢者であり、長年愛用されてきた
敬老パスですから、急激な変更についてこられない方もいらっしゃると思います。そこは、時間をかけて丁寧に進めるべきです。
さきの代表質問では、我が会派の質問に市長からは多角的な検討を重ねているとの答弁がありましたが、不安に思われている利用者に安心していただくためにも、検討の方向性について、一定程度明らかにすべきと考えます。
そこで、質問ですが、今後どのような
シミュレーションを示そうとしているのか、伺います。
◎西村
高齢保健福祉部長 どのような方向性で
シミュレーションというご質問でございます。
今後の
シミュレーションにおきましては、まず、
敬老パスの課題、次に、
敬老健康パスの目指すものと、二つのものが混同してしまわないように丁寧にお示ししたいと考えているところでございます。
具体的には、今後の
事業見通しであるとか、制度を支える現役世代の負担の推計など、そういったことをしっかりと市民に向けて説明してまいりたいと考えているところでございます。
◆
あおいひろみ 委員
市民サービスに関わる見直しを検討するに当たっては、答弁のとおり、
事業費見通しを踏まえた
シミュレーションを分かりやすく市民と共有することが必要と考えます。とりわけ
敬老パス制度と
健康増進施策が混在すると理解を難しくしますので、混同しないよう、分かりやすく説明していくことが求められます。
そのような意味からも、次に、現行の
敬老パスの課題について伺います。
現行の
敬老パスには、制度導入から50年という長い歳月を運用してきた間に、社会情勢や人口構造、高齢者の生活状況など、様々な状況変化が生じています。今後は、
少子高齢化が進み、
敬老パスに限らず、
高齢者福祉の予算は増加する一方、
人口減少社会を迎えて、働き手は今後も減り続け、歳入は減少に転じることが見込まれるなど、これまで以上に厳しい状況変化が訪れることも想定されており、持続可能な事業を構築する必要があると考えます。
市民に将来を見据えた
まちづくりに協力を求めていく上では、まずは、現行の
敬老パス制度に対する札幌市の課題認識を市民に分かりやすく説明し、その理解を得ていくことが大切と思っております。
そこで、質問ですが、現行の
敬老パスを継続していくことの課題を丁寧に分かりやすく説明すべきと思いますが、どうお考えなのか、伺います。
◎西村
高齢保健福祉部長 現行の
敬老パスの課題を示していくべきということでございます。
市民の皆様に将来を見据えた
まちづくりへの協力を求めていくということのためにも、先ほどもご答弁申し上げたとおり、二つの課題が混同しないように分かりやすく整理していくこと、それから、今お話しいただいたような、様々な、全体の歳入が減少していくであるとか、この課題だけに限らず、
高齢者福祉全体にかかっている経費というものも、やはり、どんどん増えているとか、そういった様々な、市が抱える課題、それから、現行の
敬老パス制度が抱える課題を丁寧に明らかにしていくということをやっていきたいと思っています。
ついては、
シミュレーションに、第1回定例会で経過措置としてご答弁申し上げておりますが、自己負担の引上げであるとか、
利用上限額の引下げの試算、そういったことも含めた形で提示していきたいと考えているところでございます。
◆
あおいひろみ 委員 最後に、要望を申し上げたいと思います。
本来ならば、素案の提示の際に説明すべきであったと思います。市民と課題を共有して、丁寧に議論をしていく必要があると思いますので、今後よろしくお願いいたします。
◆丸山秀樹 委員 私からも、何点か伺いたいと思います。
先ほどの質疑で、これまでの
敬老パス制度が
福祉施策であるという確認がございました。この制度は、決して特定の高齢者だけを対象としたものではございませんが、陳情第16号の方の理由の中にも、利用できない市民がいると記されているところでございます。
そこで、改めて
敬老パスの利用実態についてお伺いをしたいと思います。
◎西村
高齢保健福祉部長 敬老パスの利用実態についてのご質問でございます。
敬老パスは、ただいまもご確認がありましたとおり、高齢者の生活の充実を図る
福祉施策でございますが、全体で見ますと、対象者の約半数が、単年度でいくと、チャージをしていないですとか、年齢別に見ますと、加齢に伴い、チャージしている方の割合がどんどん低下していくという状況にございます。
また、5万円から7万円の高額のチャージをしている方の割合が、大体、全体の9%ですが、その助成額で全事業費の大体47%を占めているといったような状況にございます。
◆丸山秀樹 委員 現在の
敬老パス利用実態は、対象者の一部に偏ってしまっているということだったかと思うのですけれども、制度導入から50年の間に人口構造も含めて様々な状況変化がその中の要因としてあるものと考えます。
公共サービスは、多くの市民に行き渡ることが重要であります。
敬老パス制度は、本来、高齢者が一人も漏れることなく、健やかで、そして、充実した老後を過ごしていただきたいとの願いの中でつくられた事業であったのではないかと思うものであります。しかし、50年という歳月を経て、この事業は約半数の高齢者の利用となっており、しかも、利用している方の大半が僅かな利用にとどまっているという点で、
公共サービスとして
制度バランスを欠いており、厳しく言わせていただければ、制度疲労の状態にあるということも言えるのではないでしょうか。
札幌市の高齢者率が、年々、急速に増加している中にあって、限りある予算でできるだけ多くの高齢者にサービスが行き渡る制度を、発展的に改善をしていくということは、本来、市の当然の責務であると考えます。
また、現役世代への負担増に対する懸念や評価を見過ごすわけにはいきません。若い世代が
敬老パスの見直しに対して前向きな意見が多いことは、こうした実態を厳しく見ている表れとも受け取ることができます。
現在利用されている高齢者の皆様には、
激変緩和措置の配慮を丁寧に行っていくことがとても重要ですが、段階的に今の社会環境や市の財政状況も踏まえながら、より多くの高齢者にサービスが届く、持続可能な事業へと見直しを図っていく必要があるものと考えます。
我が会派は、多くの高齢者に利用されることで、地域社会や高齢者とともに暮らすご家族にとっても、広く
公共サービスを享受することにつながるものと考えております。
陳情第18号は、「持続可能な制度とする方向で検討すべき」と指摘をなされております。単に制度を維持すべきだというのではなく、限りある予算を、
高齢当事者のみならず、社会で共に生き、生活する市民に直接、また間接的に広く好影響をもたらす制度設計としていくことが、持続可能な制度に向けた取組になるのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、これまでよりも多くの高齢者にサービスが行き届き、福祉の向上につながる効果的な仕組みが必要と考えますが、制度の見直しを進めていくに当たり、利用者の拡大をどのように進めていくお考えなのか、お伺いをいたします。
あわせて、多くの方に活動の参加のきっかけとなるような仕組みにしていく必要もあると考えますがいかがか、伺います。
◎西村
高齢保健福祉部長 利用者の拡大ですとか、参加のきっかけということについてのご質問でございます。
敬老パス制度を導入した50年前に比べますと、男女ともに
平均寿命は大きく延びております。その中で、現行の
敬老パス制度は、加齢に伴い、
公共交通機関の利用頻度が大きく低下してしまうと、それ以降の日常生活の充実・向上には寄与できないものとなってしまっているところでございます。
このため、年齢を重ねても、その年齢に見合った
健康づくりや身近な地域の社会参加などに取り組める、また、JRやタクシーを利用できる
環境づくり、そういったことを進めていくことが必要と認識しているところでございます。
また、参加のきっかけということでございますが、
普及促進策といたしまして、ポイントをあらかじめ付与するなど、より多くの方に利用される仕組みというものを検討していく所存でございます。
◆佐藤綾 委員 私からも、何点か質問させていただきます。
陳情では、素案の再考や、市民が納得できる
健康寿命延伸施策検討ということ、現行の
敬老パスと別に検討するということが述べられております。
先ほどの質疑でも、現行の
敬老パスは「多年にわたり社会の発展に寄与してきた高齢者を敬愛するとともに、外出を支援し、明るく豊かな老後の生活の充実を図る」ことが目的とされておりますが、このたびの改定の
敬老健康パスは、市民への説明では、
健康寿命延伸が大きく書かれておりました。
先ほどの質疑では、この目的は変わるものではないということでありましたので、やはり、敬愛すると。また、豊かな老後の生活の充実を図ると。外出の支援もしていくと。そういう中身をお考えなんだと思います。
健康寿命延伸については、2040年までに2016年のときの
健康寿命を3年延ばしたいと国を挙げて取組をしているところです。
WHOの
世界保健統計2023年版によると、日本人は、
平均寿命も
健康寿命も世界第1位、その差は平均10.2年ということでした。
平均寿命と
健康寿命の差は183か国中33位ということでしたけれども、上位の国は、大体、その差が10年前後ですので、日本は頑張っているというふうに言えると思います。
札幌市
高齢者支援計画2024の中で紹介されていますが、2016年の
健康寿命が男性71.34歳、女性が72.89歳でした。それが、2019年には男性がプラス0.74歳と女性はプラス1.8歳も延びており、
平均寿命の延びと比較しても
健康寿命の延びが大きいと書かれています。札幌市も頑張っているというふうに思うんですね。しかし、
敬老健康パスの変更案の市民への説明では、
政令指定都市平均より低いんだと、大体、平均8か月くらい低いということなんですけれども、それだけが強調されているように感じました。3年でこんなに延びたということは紹介されていなかったので、本市が延びていることもお知らせいただきたいというふうに思ったところです。
また、昨年、本市が18歳以上の市民に行った
高齢者施策の在り方に関する
アンケート調査では、日々の健康習慣の積み重ねによって、健康につながっていくと答えている方が一番多く、本市の
高齢者福祉計画でも、多くの高齢者が健康維持に気をつけていると分析がなされております。食べ物や運動、健診などですね。日々の積み重ねは、一生のものかというふうに思います。
そこで、お聞きいたしますけれども、変更案は、
健康寿命延伸のため、今回、70歳以上に限り、
ポイント制度で
健康づくりへ寄与するということが書かれておりました。
健康寿命延伸には若いうちからの配慮が必要だというふうに思うんですけれども、なぜ70歳以上に限定する施策と考えられたのか、伺います。
◎西村
高齢保健福祉部長 敬老健康パスの対象の70歳以上ということについてのご質問でございます。
札幌市におきましては、第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョンで重要概念としてウェルネスの推進を掲げておりまして、全庁一丸となって進めているところでございます。
その中で、高齢者の
健康寿命延伸ということに向けた
有識者会議の中では、各世代の特性に応じたアプローチが有効という知見の紹介があったところでございます。例えば、働く世代におきましては、日常の運動や食生活などの
生活習慣改善、高齢者になりますと、なかなか機会がなくなっていくということもあって、社会参加であるとか、
健康づくりの取組が効果的という、そのような紹介があったところです。
こうした知見を受けまして、
高齢者向けの施策として、
敬老パスを
敬老健康パスとする素案を提案したものでございまして、したがいまして、70歳以上を対象とした施策として提案させていただいたというところでございます。
◆佐藤綾 委員
敬老パスが70歳以上だったので、
高齢者向けの
敬老健康パスの
ポイント制というものを考えられたのかなというふうに思われるお答えだったかと思うんですけれども、既に、民間企業では、運動や
ウオーキングなど、ポイントがたまる、
電子マネーやクーポンで使えるアプリがありますし、自治体で
健康活動ポイント制がある場合は、地元のお店で割引などに使えるという、そういうものが代表的であって、効果が出ている自治体で、
ポイント制のところもそうでないところも取組はありますけれども、運動をメインに
ウオーキングや
筋力アップなどに力を入れている場合もあります。大体、70歳以上からではなくて、もっと若い世代からのものが多いというふうに見受けられます。そのほうが効果は高いと考えているのではないかというふうに思います。
市民からは、
健康寿命延伸というのに70歳以上では遅いし、高齢者が対象なのに高齢者が使いこなせないスマホのアプリなのかという疑問も私はお聞きしました。
また、本市の
高齢者福祉の
代表的施策である
敬老パスを
ポイント付与で使えるものの一つとして大幅に縮小してしまうことに市民の理解はないということが、
市民意見交換会や
コールセンター、メールで寄せられた意見などからも明らかです。
寄せられた意見がホームページで公表されていますので、私もつぶさに見てまいりました。ほとんどの方が変更案に賛成ということではないのですね。現行の制度を続けてほしいとか、JR、タクシーで使えるのはいいけどとか、そういう声が多いというふうに思いました。それは、4月の北海道新聞の世論調査でも、64%が反対ということにも出ていると思います。
少ない意見ですけれども、
敬老パスも
敬老健康パス案もやめるべきという意見や、子どもに使うべきとか、高齢者だけでなく、高校生や子どもも交通費の助成をしてほしい、そういう意見も見ました。
市長は、代表質問で、多様なご意見をいただいたと、意見を反映させるため、事業費の見通しも含めた制度の課題を整理し、あわせて、経過措置などを検討しているとのご答弁でした。市民の多数の声と
現行敬老パス変更前提の経過措置というのは、全く違う方向だというふうに思います。陳情のとおり、市民の理解も納得もないままです。
そこで、お聞きいたしますが、
意見交換会、
コールセンター、ウェブで寄せられた意見や、市民から既に署名が約2万6,000筆寄せられていること、また、陳情も出ていることは、現行制度の継続を望んでいると受け止めておられるのか、伺います。
◎西村
高齢保健福祉部長 現行制度継続を求める声の受け止めについてのご質問でございます。
人生100年時代を見据えて生涯をより豊かなものとするため、高齢者が
健康増進や介護予防、社会参加などの活動に自然に取り組むことができる新たな
環境づくりというものが必要と考えているところでございますが、今回の変更の素案に対しましては、委員のご指摘にもありました現行制度の継続を望む声も含めて、様々な意見が寄せられたと認識しているところでございます。
現在、これまでいただいた市民意見ですとか、事業費の見通しを踏まえて検討を重ねているところでございまして、それに基づきまして、議会や市民の皆様、また、この
厚生委員会のほうで具体的な議論を進めさせていただきたいと考えているところでございます。
◆佐藤綾 委員 陳情者からもありましたように、
健康寿命延伸については、市民は反対しているわけではないんです。しかし、
現行敬老パス制度は存続してほしい、だから、別に検討してほしいということがこのたびの陳情です。
今回の本市の素案は、
健康寿命延伸活動でのポイントという点で見ると、上限が2万円というのは、ほかの自治体には見られない高い額なんですけれども、これは、
敬老パスの上限を引き下げるという前提で割り出したものだと思いますので、
敬老パス事業と関係なく、
健康寿命延伸事業のみで見ると、素案は見直ししなければいけないというふうに思いますし、先ほど来出ていましたけれども、事業費の面から持続可能な制度にというのであれば、陳情の方からもおっしゃられましたように、市内経済への波及効果、社会効果、そういう先ほど3点の効果があるというお話がありましたけれども、そうした効果もしっかりと検証する必要があるというふうに思っております。
変更を前提として経過措置を検討すると言っていましたけれども、市民は
現行敬老パスの継続を望んでいます。一方で、
健康寿命延伸、元気で長生きしたいという市民の思いは本市と共通の認識です。
そこで、お聞きいたしますが、市民の意見を反映させるならば、
現行敬老パス制度を存続させた上で、
健康寿命延伸の取組を並立させ、施策を別として考えるべきだと思いますがいかがか、伺います。
◎西村
高齢保健福祉部長 敬老パスと
敬老健康パスを別の施策とすることについてのご質問でございます。
敬老パス、
敬老健康パスの目的とするところは、先ほどもご答弁申し上げたとおり、同一のところにございます。
一方で、
現行敬老パスの課題を明示すべきという意見も踏まえまして、現在、
シミュレーションを重ねているところでございまして、限りある財源の中で目的を達成できるよう、その結果を本委員会にお示しし、議論を深めてまいりたいと考えているところでございます。
◆佐藤綾 委員 ご答弁いただいて、ちょっと1点確認したいんですけれども、
シミュレーションを重ねて、新しく議論もしていくというようなことだと思うんですけれども、その
シミュレーションをした内容というのは、市民にはどういった形でお知らせ、ご説明がされるのかということをお考えでしたでしょうか。
◎西村
高齢保健福祉部長 市民へのお知らせというところに関しましては、先日の代表質問で、市長のほうから、今やっているところでございますので、市民に寄り添い、しっかりとご意見を伺いながら取り組んでまいりたいというご答弁をさせていただいたとおり、今考えて、これからちゃんと提示していく方法もこの委員会のほうで出していきたいと考えているところでございます。
◆佐藤綾 委員 やはり、重なりますけれども、
現行敬老パスの経過措置ではなくて、存続することを前提に検討し直すべきということを述べまして、私の質問を終わります。
◆丸岡守幸 委員 私からも、
敬老健康パス制度の再考について質問させていただきます。
敬老パスは、1975年、昭和50年の制度導入時、当時の年齢別の人口割合で70歳以上は僅かに3%でございましたが、2024年現在では22%を超えており、約35年後には34%を超えるという推計がございます。今のまま継続していくことに限界が生じることは、もはや明らかであり、制度の改善を検討していく必要があると考えます。
そこで、一つ目の質問でございますが、札幌市の70歳代、80歳代、90歳代以上の人口はどのぐらいいらっしゃるのか、また、その中で、各年代別の
敬老パスのチャージ者割合についていかがか、伺います。
◎西村
高齢保健福祉部長 年代別の利用実態のご質問ということでございます。
チャージの数字が令和5年度のものですので、人口のほうも令和5年10月1日現在のものでございますが、70歳代の方で25万5,396名、80歳代で13万9,402名、90歳以上が4万1,119名となっております。
この中で、年代別のチャージ率ということになりますと、70歳代で57%、80歳代で39.1%、90歳以上が11%となっておりまして、加齢に伴って、割合が低下をする状態になっております。
◆丸岡守幸 委員 やはり、70歳代の利用が最も多いことが確認できました。
次に、時代変化を踏まえた在り方について伺います。
札幌市の高齢者の有業者人口は、平成4年の統計開始時にはおよそ3万1,000人でございましたが、以降、増え続け、令和4年にはおよそ11万6,000人と約4倍になっております。
また、先ほどもお話がありましたが、
平均寿命も
敬老パス制度が導入された1975年当時は、男性71.73歳、女性76.89歳でしたが、現在は男性81歳、女性87歳と延びております。
制度導入時から高齢者像も変化しており、生活様式も多様化しております。とりわけ高齢者の就労率の向上は、本人の健康や社会参加による生きがいの面もあることはもちろんのこと、少子化が進む社会で人材確保の面からもすばらしい変化であると思います。しかし、そうした状況変化を踏まえますと、単に70歳という年齢だけを基準にした
敬老パス制度の在り方が、この50年間、抜本的に見直されていないことには少々疑問を感じます。年金以外の収入を得ながら、福祉として
敬老パスを受益し、さらに、勤務先から通勤手当も受け取っているような方が確実に増加しているように思われます。ゆとりのない生活を強いられている現役世代の方の違和感も増大する一方であります。
そこで、質問でございますが、
敬老パス制度について、社会の変化に合わせた検討が必要と考えますがいかがか、伺います。
◎西村
高齢保健福祉部長 敬老パスについての社会の変化を踏まえた検討の必要性というご質問でございます。
委員のご指摘にもございましたが、人口構造が変化してきておりまして、例えば、
敬老パス制度導入時は、対象者の割合が人口の3%でございました。現在の人口構造の下で3%を計算すると、88歳以上の方がその対象となる状況です。
また、
平均寿命が延びて
健康寿命も延びる中で、就労状況でございますとか、健康状況など、昭和の当時から見ると、高齢者像というものも大きく変化しているところでございます。
こうした変化というものを見据えて、持続可能な
まちづくりにつなげられる制度の在り方をしっかり検討してまいりたいと考えております。
◆丸岡守幸 委員 最後に、私から一つ提案をさせていただき、質問を終わらせていただきます。
他都市においては、
敬老パス制度を廃止したり、縮小しておりますが、例えば、京都市は、世帯所得に応じた負担を求める仕組みへと段階的に見直しをしております。
札幌市も、現状の課題や将来を見据えると早急な見直しが必要であり、私の提案としましては、
敬老パス対象の方々のご理解をいただきながら、年金、プラス、そのほかの合計所得金額の所得制限を考慮した
敬老パスを再考するなど、持続可能な仕組みに向けた検討の加速を求めて、私の質問を終わらせていただきます。