札幌市議会 > 2024-03-19 >
令和 6年第二部予算特別委員会−03月19日-09号
令和 6年第一部予算特別委員会−03月19日-09号

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  1. 札幌市議会 2024-03-19
    令和 6年第二部予算特別委員会−03月19日-09号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 6年第二部予算特別委員会−03月19日-09号令和 6年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第9号)               令和6年(2024年)3月19日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  村 松 叶 啓      副委員長   うるしはら直子     委   員  勝 木 勇 人      委   員  高 橋 克 朋     委   員  こんどう 和雄      委   員  こじま ゆ み     委   員  伴   良 隆      委   員  川田 ただひさ     委   員  松 井 隆 文      委   員  村 山 拓 司     委   員  三 神 英 彦      委   員  小須田 大 拓     委   員  和 田 勝 也      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  中 村 たけし     委   員  松 原 淳 二      委   員  たけのうち有美     委   員  おんむら健太郎      委   員  森   基誉則     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  好 井 七 海     委   員  小 口 智 久      委   員  前 川 隆 史     委   員  わたなべ 泰行      委   員  太 田 秀 子     委   員  吉 岡 弘 子      委   員  長 屋 いずみ
        委   員  佐 藤   綾      委   員  波 田 大 専     委   員  山 口 かずさ      委   員  成 田 祐 樹     委   員  脇 元 繁 之       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○村松叶啓 委員長  ただいまから、第2部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、熊谷委員からはわたなべ委員と交代する旨、届出がありました。  それでは、議事に入ります。  議案第10号 令和6年度札幌市病院事業会計予算の質疑を行います。 ◆太田秀子 委員  私から、まず、医師の働き方改革について伺います。  来月より、新しい医師の働き方のルール、いわゆる医師の働き方改革がスタートします。2019年に施行された働き方改革関連法に基づき、2024年4月から勤務医にも適用されるものです。  現状では、医師の時間外労働については上限規制がされていませんが、今後、原則として時間外・休日労働時間を年間960時間、月100時間未満とすることが求められ、これがA水準と位置づけられると聞いています。  一方、救急医療などを提供する地域医療機関においては特例が設けられており、都道府県の指定を受ければ、2035年までの時限的な措置とは言いますけれども、年間1,860時間が上限となるB水準という基準も設けられることになります。このB水準の指定を受けた場合、医師の健康確保のための措置が義務づけられることになります。  そこで、伺います。  市立病院は、特例申請の指定を受ける予定と聞いていますが、進捗状況を伺います。  また、医師の健康確保のため、どのような対策を取る計画なのかを伺います。 ◎山口 経営管理部長  特例申請進捗状況、医師の健康確保についてお答えいたします。  医師の働き方改革における特例申請については、昨年12月に北海道に申請を行い、本年2月29日付で特定地域医療提供機関、いわゆるB水準の指定を受けたところです。B水準では、医師の健康確保のための措置が努力義務ではなく、義務づけとなります。そのうちの一つが勤務間インターバルの確保であり、勤務終了後から翌日の始業までに9時間の間隔を確保することなどにより、十分な休息時間を確保するものであります。万一、確保できなかった場合においても、翌月末までに代償休息として確保できなかった時間分の休息を取得させることも義務づけられることから、それらを遵守することで医師の健康確保に努めてまいりたいと考えております。  そのほか、時間外・休日労働時間が月100時間以上と見込まれる医師に対する面接指導も義務づけられることから、当院では6名の面接指導医を確保したところであります。  当院としては、このような長時間勤務が少しでも減少するよう、医師が担う業務を他の職種に移管する、いわゆるタスクシフトなど、これらの取組も並行して進めながら、医師の健康確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  医療現場過重労働が社会的な問題になっています。  休息時間として9時間の間隔を空けるというお話もありましたけれども、残業して9時に上がったら翌朝の6時ですから、普通に勤務できるというようなイメージもちょっとありましたけれども、休息時間が取れなかった場合は翌月末までに取得させるという今のご答弁で、休息というのはまとめてなかなか取れないので、本当にしんどいことだなと思いました。  根本には、やはり医師不足とそれに伴う長時間労働に原因があるものと考えます。働き方改革と同時に医師を増やしていく計画が必要だと思うところです。今のご答弁にもありましたが、タスクシフトを進めることも求められます。  そこで、伺いますけれども、市立病院の現在の医師定数充足状況及び医師の確保策について伺います。  また、他の職種へのタスクシフトをどのように進めていくのかも併せて伺います。 ◎山口 経営管理部長  医師の定数の充足状況確保策タスクシフトについてお答えいたします。  まず、医師の充足状況については、3月1日時点で、定数177名に対し、配置数は163名となっております。  医師の確保に当たっては、大学医局への派遣要請を基本として、必要に応じ、院長自ら直接要請を行っております。しかしながら、それでも医師数が十分でない診療科もあることから、退職した医師の非常勤嘱託医としての雇用や、大学病院から随時診療の応援に来ていただくなど、医師の確保に努めているところでございます。  また、医師から他の職種へのタスクシフトについては、定期的に会議を開催し、各職種においてタスクシフト可能な業務について検討を行っております。具体例としては、医師の包括的指示のもとにカテーテル挿入などの診療補助を行う特定認定看護師の活用が効果的な取組の一つであると考えているところでございます。そこで、令和6年度からは、医師からの応援要請に即時に対応できる特定認定看護師を配置すべく、看護師2名を増員する予定となっております。 ◆太田秀子 委員  大学に派遣要請もしているということですけれども、働き方改革のことでいろいろ調べますと、いろいろ地方にもお医者さんが派遣で行っているけれども、そこももう行かれなくなったという報道も見ましたので、本当に厳しいものだと思っているんです。  今の二つの質問で答えていただいた内容で、1,860時間の上限、B水準でいく準備がこのように進んでいるということでした。医師の健康を確保しながらとは言うものの、この年間の残業時間というのはやはり尋常ではありません。今、ご苦労も伺いましたけれども、医師の増員に努力していただいて、2035年の措置期間満了を待たずにぜひ改善できたらというふうに思いますので、ご検討ください。  二つ目に、2024年度診療報酬の改定について伺います。  この度の診療報酬改定では、賃上げ、医療DXポストコロナなどを柱として、診療報酬改定率は0.88%のプラス改定となっています。中でも、医療デジタル変革医療DXについては、業務の効率化による負担軽減も強調していますが、医療DXの推進に当たっては、マイナ保険証利用促進が前提とされています。  国は、12月2日に現行の健康保険証の発行は終了し、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証に移行すると表明しました。昨年12月時点でのマイナ保険証利用率は全国で約4.3%まで下がっており、病院の現場では混乱が予想されると考えるところです。  そこで、伺います。  この医療DXの推進に向けて、市立病院では具体的にどのようなことをやっていくお考えなのか、伺います。 ◎山口 経営管理部長  医療DX化推進に向けた当院の具体的な取組についてお答えいたします。  今回の診療報酬改定では、医療DX推進のため、医療情報の取得について加算が新設されており、マイナ保険証の利用による効率的な医療情報の取得が評価されるところでございます。  マイナ保険証からは、これまで患者さんから聞き取っていた服薬履歴や特定健診の情報を迅速かつ正確に確認することができ、より適切な診断につなげられることから、当院においてもマイナ保険証を効率的に活用できるシステムを整備してまいりたいと考えております。  また、当院における紹介状を持った患者さんの予約方法電話予約が一般的ですが、曜日によっては電話がつながりづらいため、当院独自の取組として、患者さんが24時間365日オンライン予約申込みをできるシステムを来年度前半には整える予定です。  このようなDX化を進めることで、診療体制の強化や効率化を図り、患者さんはもちろんのこと、医療従事者負担軽減も図り、働き方改革の実現に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  医療DXは、オンライン資格確認システムのネットワークを拡大してクラウド間連携を行うことで、今、お話にもありましたけれども、これまで各医療機関で管理保管されてきた電子カルテや処方箋、予防接種、特定健診情報などの医療情報を一元管理できる全国医療情報プラットフォームを構築していくというものです。  医療データというのは、患者本人が明かしたくない機微な情報がとても多い分野です。個人情報個人データは人権ですから、プライバシー権を守る仕組みが必要です。より適切な整備をしていくというお話でした。これらにも注意していただきたいと思います。また、これについては、今後も注視していきたいと考えております。  2024年度病院事業会計予算の概要では、病床利用率は81%、2019年並みまで回復することを見込んでいます。2021年度の約57%から段階的に回復してきていますけれども、一方で、人件費の増や光熱費の高騰などの影響を受けて医業費用が増加しており、約10億円の赤字を見込んだものとなっています。コロナ感染は続いていますけれども、病床確保補助金は2020年から23年の決算見込みを含めると157億円だったものが、令和6年はゼロになります。そして、そのような中、一般会計借入金償還金は令和5年度予算で返済完了見通しであります。経営改善の努力は大変なご苦労であると思っています。  市立病院は、高度な医療、特殊な医療で採算を取ることが困難な部門も積極的に患者を受け入れています。令和5年度補正予算で、この不採算部門収支差相当額を繰り入れるために、一般会計負担金を増額補正しました。令和6年度も当初予算に入ると聞いて、とてもほっとしたところです。  市民のため、最後のとりでとして、地域の医療を支えるという使命に基づいて運営しているこの市立病院は、本市や市民にとって、なくすわけにはいかない医療機関です。財政的にも本市がしっかりと支えていただきたいということを最後に申し上げて、質問を終わります。 ◆和田勝也 委員  私からは、市立札幌病院経営改善に向けた取組と、将来像を検討するための議論の進め方についてご質問させていただきます。  令和6年度の病院事業会計予算案では、入院患者数令和元年度に近い水準までの回復を見込んでいるものの、看護職員などの処遇改善による給与費の増加や光熱水費の増加などにより、経常収支は約10億円の赤字となることが見込まれております。  令和6年度の診療報酬改定では、診療報酬本体プラス0.88%となることなどにより一定の収益の増加が見込まれるものの、昨今の社会情勢を踏まえると、今後、さらに光熱水費などの費用が増加し、経営状況を圧迫する可能性があると思われます。  市立札幌病院は、救急医療や周産期、小児医療など、市民生活にとってなくてはならない、政策的に必要な医療を担っており、これらの医療は採算の確保が難しいことは理解をいたします。一方で、経営赤字が続くと、資金不足に陥り、将来の再整備のみならず日々の安定的な医療の提供が難しくなるおそれがあるため、経営の改善を急ぐ必要があると考えます。  そこで、質問でございますが、市立札幌病院経営改善に向けて、今後どのように取組を進めていくのか、お伺いをいたします。 ◎山口 経営管理部長  経営改善に向けた取組についてお答え申し上げます。  病院の経営環境は非常に厳しい状況にありますが、病院内の全職員が危機感を共有し、全員が一丸となって早期の経常収支黒字化を目指して、診療収益の増加と医業費用の削減に取り組んでいく必要があると考えております。  診療収益の増加に向けては、その4分の3を占める入院収益の増収が欠かせないと考えており、新たな入院につながる可能性のある紹介による新規外来患者の獲得と、救急患者受入れを増やしていくことが重要と考えております。  そこで、患者増が見込める診療科を中心に、地域医療機関への重点的な訪問活動を進めており、併せて、救急患者受入れ体制のさらなる強化に取り組むことで入院患者の増加につなげてまいりたいと考えております。  また、医業費用の削減については、今年度から取り組んでいる院内感染性廃棄物分別強化による処理費用見直しなど、着手可能なものは既に実施しており、このほか、医療材料などの費用の見直しについても計画的に進めてまいりたいと考えております。 ◆和田勝也 委員  医業収益の約7割を占める入院収益を伸ばしていけるよう、受入れ体制の強化を行っていくとのことでございました。  コロナ禍以前で申しますと、経常収支は、令和元年には6年ぶりに黒字を達成していることであり、令和元年を一つの目安として、計画をしっかりと立てて、経営改善に向けて実効性のある取組を進めてほしいと思っております。  令和6年度予算には、市立札幌病院の再整備基本構想次期中期経営計画策定支援業務の経費が計上されており、今後、市立札幌病院の将来像を検討するとのことであります。  市立札幌病院が平成7年に現地に移転してからこれまでの約30年の間に桑園地区には多くの地域医療機関が集積してきましたが、その間に高齢化率は11%から28%へと増加するなど、市立札幌病院で治療する患者像は移転当初から大きく変化をしております。  札幌市は人口の減少局面に入りましたが、高齢者人口は2040年代にピークを迎えることが予想されており、当面は入院患者の増加や複数の病気を併せ持つ患者の増加が見込まれ、また、災害時や新興感染症の蔓延時にも基礎疾患を有する患者受入れが多くなることが想定されます。一方で、2040年代以降は医療需要が減少に転じる見通しであり、生産年齢人口の減少により医療従事者の確保も一層難しくなることと考えられるため、中長期的な視点で公立病院として確保すべき機能のバランスを見定めていく必要があります。  現在の市立札幌病院は、33の診療科を持つ基幹病院として幅広い疾患に総合的に対応できる体制を整えている点が強みと言えますが、それゆえに、必ずしも効率的な経営とは言い切れない面もあるのではないかと考えます。そのため、例えば、高度医療に機能特化して病院自体の規模をスリム化するなども将来的な選択肢の一つになると考えます。今回の再整備基本構想の策定を、市立札幌病院在り方を見詰め直す貴重な機会と捉え、中長期的な医療環境の変化を見据えて、地域の医療関係者や市民の声が反映できる方法で、これまでの経緯にとらわれることなく、今後の市立札幌病院の機能、規模について議論を深めるべきと考えます。  そこで、質問でございますが、市立札幌病院の将来像を検討するに当たり、今後どのような考え方で議論を進めていくのか、お伺いをいたします。 ◎山口 経営管理部長  市立札幌病院の将来像を検討するための議論の進め方について、お答え申し上げます。  市立札幌病院は、高度急性期医療を提供する公立病院として、周産期医療小児医療を必要とする患者や、他の医療機関での受入れが難しい複合的な疾患を持つ患者さんも受け入れており、有事の際には災害拠点病院感染症指定医療機関として地域を支えてまいりました。  しかしながら、老朽化はもとより、少子高齢化の進展に伴う医療の質の変化や医療担い手不足に加えて、新型コロナウイルス感染症対応で顕在化した個室不足換気能力の不足など、様々な課題に対応する必要性が生じたことから、市立札幌病院在り方検討会議を立ち上げ、再整備も含めた将来像の検討に着手したところであります。  検討に当たっては、今後30年から40年先を見据えた中長期的な視点から、市立札幌病院が地域において必要な医療を安定的に提供するとともに、経営の健全化を実現するための方向性を改めて整理することが重要と認識しております。  令和6年度の再整備基本構想の策定に向けて、在り方検討会議はもとより、市民や地域の医療関係者など多方面からの意見を踏まえながら、市立札幌病院が果たすべき役割や将来像について、しっかり整理してまいりたいと考えております。 ◆和田勝也 委員  市立札幌病院は、市民の最後のとりでとして地域の医療機関を支える役割があります。また、道内唯一の第一種感染症指定医療機関であり、道央圏で唯一の総合周期母子医療センターを持ち合わせている病院でもあります。札幌市民はもちろんのこと、北海道とも連携を取り、道央圏での医療体制を支える役割を担うべく、しっかりと議論していただきたいと思います。  政令市では、令和元年にさいたま市が、令和2年に横浜市が市立病院の再整備を行っております。規模、機能、経営の健全化について、どのように議論がなされてきたのかなど、他都市の事例も十分に参考にしながら進めていってほしいと思います。  再整備基本構想の策定を契機とした市立札幌病院在り方について、改めて議論を深める機会と捉えていただき、市民と次の世代への責任があるという思いを持って取り組んでいただき、我が会派としても継続して議会議論してまいることを申し述べ、質問を終わります。 ◆森基誉則 委員  私からは、大きく2項目、質問をさせていただきます。  まずは、市立札幌病院の病室におけるWi−Fi環境整備について、そして、入院患者栄養管理と外部との連携についてです。  まずは、Wi−Fi環境整備から質問をさせていただきます。  今年で29年目を迎えた市立病院における患者インターネット環境については、現在、デイルームなど一部のエリアでWi−Fi環境が整備されているのみであり、入院患者からは各病室への整備に対する要望も一定数あると聞いています。次の建て替えや大規模改修まで、まだ相当の期間を要すると考えられる中、整備しないままでいることは、患者サービスの観点からあまり好ましくない状況であると考えます。我が会派においても、2022年第3回定例市議会決算特別委員会にて、病室へのWi−Fi環境整備について質問をしたところ、他病院の事例などを参考にし、整備が可能か検討していくとの答弁をいただいていたところです。  そこで、最初の質問です。  病室へのWi−Fi環境整備に係るその後の検討状況についてどのようになっているのか、また、整備するとした場合は、そのスケジュールについても伺います。 ◎山口 経営管理部長  Wi−Fi環境整備について、その後の検討状況及び整備する場合のスケジュールについてお答えいたします。  当院のWi−Fi環境については、現在の提供事業者サービスが今年6月に終了することや、病室での利用希望が増えていることなどを踏まえ、サービス内容の改善を検討し、利用可能エリアを病室まで広げることとしたところです。設置に当たっては、費用を病院が負担せず、事業者が機器などの設置や保守管理を含めた運用の全てを行うこととし、料金は利用者が負担する手法で公募型企画競争を実施し、昨年10月に運営事業者を選定いたしました。  導入スケジュールについては、現在、運営事業者と調整中ですが、今月末から4月にかけて院内の工事を予定しており、順調にいけば5月中にはサービスを開始できると考えております。 ◆森基誉則 委員  各病室へ整備する方向、拡大するという方向で安心しました。5月からのサービス開始というものも期待しています。  今や、インターネットは生活に欠かすことのできないインフラであり、療養中の患者であってもネットへの接続が必要な場面は少なくないと思われ、病室で利用できるようになることは患者へのサービスアップに大変寄与するものと思います。  一方で、外来棟など、診療や検査を待っている外来患者へのサービス提供がなされるのかも気になるところです。また、多床室の多い市立札幌病院では、利用の仕方によっては、ご自身の体調に影響する場合や他の患者に迷惑をかけてしまう場合も想定されます。最後のとりでであり、様々な病状の患者がいる市立病院には、誰もが安心して治療に専念できる適切な療養環境を整えておくために、一定の利用制限も必要であると考えます。  加えて、現在はデイルームのみのサービスで無料となっていますが、病室まで拡大するには多大な費用を要することもあり、それを利用者に求めることは理解できますが、多大な負担を求めることにはなっていないか、気にかかっています。  そこで、質問です。  市立病院で新たに整備するWi−Fiサービス利用可能エリアや、利用時間、利用料金などの概要について伺います。 ◎山口 経営管理部長  新たに整備するWi−Fiサービスの概要についてお答えいたします。  まず、Wi−Fiの利用可能エリアについてですが、1階から3階の外来待合スペースや、3階から10階にある各病棟の病室及び家族との面談で使用できるデイルームを予定しております。  次に、利用時間と料金についてですが、外来待合スペースが午前7時30分から午後6時までとし、時間制限付で無料とする予定です。また、各病棟の病室やデイルームについては、起床時間から消灯時間と同じ午前6時から午後9時半までとし、利用料金は1日250円から2週間で1,900円まで四つのプランをご用意する予定です。  なお、利用方法については、患者さんやご家族の方が院内ポスターやパンフレットからQRコードを読み取って設定することとなり、利用者からの問合せやサポートについては、運営事業者が設置する専用ダイヤルに窓口を一本化して対応する予定でございます。 ◆森基誉則 委員  概要については承知しました。私も、1日250円であれば、そんな過大な金額だとは思わないわけです。ぜひとも、こちらのほうもどんどん周知していっていただきたいと思います。引き続き、患者サービスの観点からも適切な、療養環境の観点からも市民にとって優しい病院であってほしいと要望し、次の質問に移らせていただきます。  続いては、入院患者栄養管理と外部との連携についてです。  市立病院は33の診療科を有し、672床という道内で最大規模公立病院となっています。2024年度の局別施策の概要を見ると、1日平均入院患者数を544人と見込んでおり、これを年間で計算すると、入院延べ患者数は約20万人となります。高度急性期病院である市立病院では、その多くは、容体が不安定で、予兆なく体調が悪化するおそれのある急性期患者が中心となると考えられます。そのような急性期患者の中には、腎不全や心疾患など、治療食が必要な患者が多くいることから、患者の状態に最適な食事を提供するのはもちろんのこと、手術の前後や嚥下、いわゆる飲み込みの機能が低下した方への配慮も不可欠となるなど、病院で提供する1食当たりの種類は約200種類にも及んでいるというふうに聞いております。  この病院食、治療の根底を支えていることはもちろんですが、患者にとっては、食事は入院中の唯一の楽しみとも言われており、1日3食の病院食を心待ちにしている患者も多いと思います。市立病院の栄養科には、管理栄養士が複数名在籍し、食を楽しみたいという患者のニーズと個々の患者の病態を考慮した治療とのバランスを日々検討していると聞いています。  そこで、質問です。  患者の入院生活を食で少しでも楽しくするため、どのような工夫をしているのか、伺います。 ◎堀内 栄養科部長  入院生活を送る患者さんを食で楽しくするための工夫について、お答えさせていただきます。  患者さんの食事に対する満足度を少しでも高めるために、ひな祭りやクリスマスといった季節に応じた行事食を毎月1回以上、年間で20回程度、提供しております。そのほか、主菜を選ぶ選択食や日本全国の郷土食に加え、誰もが懐かしむ学校給食メニューをアレンジして提供しているところでございます。これらの取組に対して、患者さんから感謝の気持ちが書かれた手紙をいただけることもあり、好評をいただいていると認識しております。  今後とも、病態によって食材が制限される患者さんにとっても、治療を促す病院食はもちろん、食を楽しみながら必要な栄養を摂取できるように進めてまいりたいと思っております。
    森基誉則 委員  長らく入院していると、なかなか季節感というものが伴ってきませんから、食事で季節感を楽しめる、満喫できるというのはすばらしいことだと思いますし、人によっては、今風に言うと、学校給食はエモいと感じて喜んでくれる方も多いと思います。  患者が食事を楽しむ工夫がされているというのは、しっかりと分かりました。市立病院のような高度急性期病院であれば、かなり状態の悪い患者さんも入院されていると思います。そのようなことから、食を楽しむという側面のほかに、食を通じた治療も大変重要な役割ではないかと考えます。  そこで、質問です。  患者の治療といった面で、どのような取組をされているのか、伺います。 ◎堀内 栄養科部長  患者さんの医療という側面での取組についてお答えさせていただきます。  当院の栄養管理士は、日常的に患者さんの摂食状況を確認しながら、個々の患者さんの病態に応じて食事を調整し、摂取量が低下しないように対応するとともに、入院患者さんが転院する際には、転院先に栄養に関する情報を共有するなど、切れ目ない栄養管理を行っております。また、救急搬送された患者さんに対しても、救急搬送直後から患者さんの状態に合わせて早期の栄養管理について内容を検討し、医師に提案しているところです。  このほか、当院では、他の病院ではない独自の取組としまして、令和2年から管理栄養士のほか、医師、看護師、薬剤師など多職種で構成する、口から食べる栄養サポートチームを設けております。このサポートチームでは、最も自然な栄養摂取法であり、患者さんの喜びにつながる、口から食べることをサポートするため、患者さんの摂食機能や栄養状態、投薬状況、口腔状態などを総合的に評価し、専門的な知見を活用し、適切な栄養指導プランを立てております。  今後とも、入院患者さんへの栄養指導を積極的に実施し、患者さんの治療を食の面から強力にサポートしてまいりたいと思っております。 ◆森基誉則 委員  救急患者にも対応しているのはすばらしいと思います。  多職種で構成する口から食べる栄養サポートチームは、札幌市民としても心強いバックアップ体制と感じています。  口から食べると言えば、健康をもっと楽しく身近にするというさっぽろウェルネスプロジェクトの一環として、市立病院がローソンとコラボスイーツを開発したのが話題となりました。現在も発売中ですけれども。ここ数年、健康志向に応える商品を頻繁に見かけるようになったと、そういうふうに私は感じております。背景には、減塩や高たんぱく質など、健康を増進するような商品ニーズが高まっているためだと思っています。  これまでの質疑で明らかにしたように、病院の組織である栄養科の主な業務は患者への栄養管理です。そういった本業に加え、今回のコラボスイーツのような外部との連携はすばらしい取組と思う一方で、時間繰りなど大変な面もあったのではないかと思います。  私も、かつて、某コンビニエンスストアとコラボ弁当をつくりまして、販売していただいたこともあるのですが、もう何度も打合せを重ね、幾つも試作品をつくっていただき、期限いっぱいまで悩みに悩んだことが思い出されます。  私は、これからも市立病院には患者への栄養指導で培ったノウハウや知見を札幌市民の健康増進や健康維持につながるように意識して活用していただきたいと考えています。  そこで、質問です。  市立病院として、外部機関や団体との連携について、今後どのように考えていくのか、伺います。 ◎堀内 栄養科部長  外部機関や団体との連携についてお答えさせていただきます。  超高齢社会の中で健康増進と栄養は切り離せないため、既に病気がある程度進行し、治療中や治療後にリハビリテーションや保健指導をすることで社会復帰を促すことだけではなく、健康の維持・増進や病気の重症化予防につなげることも重要であると考えております。  当院の管理栄養士は、その知識を生かして医療関係者や市民の皆様に健康増進を啓発するため、食・栄養課題を取り上げた講演会を当院を含めた地域の医療機関で開催するとともに、報道機関に働きかけ、腸の動きを良くするようなレシピなどを新聞に掲載していただいているところでございます。  今回のコラボスイーツは、院内の売店として営業しているローソン様のほうから提案を受けて、さっぽろウェルネスプロジェクトの一環として推進してきたものであります。今後とも、このような外部との商品開発を積極的に行い、より幅広い市民の健康増進・促進を図っていきたいと考えております。 ◆森基誉則 委員  最後に、要望となりますけれども、まさにおっしゃったとおり、健康増進と栄養というのは切っても切り離せないものだと私も感じております。漢方用語にはなるんでしょうけれども、医食同源という考え方があります。薬も食事も源は同じという字面どおりの意味ですけれども、ふだんあまり意識せずに取る食事で健康になれるのであれば、これはもう願ったりかなったりです。意識して健康になるという考えもすばらしいですが、日常生活で意識せず、健康になれるのであれば、こんなすばらしいことはありません。  本市が取り組むウェルネスにおいて、食べるという面をクローズアップしています。その意味においても、市立病院の役割は小さくないと感じています。日々の食事に関しては、様々な参考本も出ておりまして、個人で気をつけている方も多いと思いますが、情報があまりに多く、氾濫しているため、何を信じていいのか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、食事に制限を必要とする病気で通院、あるいは、退院された方などは、自宅での食事管理は大変で、専門知識のある病院の栄養職員などからの指導を頼りにしている市民も多いと思います。  限られた人員で様々な角度から指導や管理に当たられているわけですので、ぜひとも職員の増員など、さらなる市立札幌病院の栄養科の充実を図ることを求めます。あわせて、食という部分で、来院していない市民の健康にも今後ともご配慮いただければと要望しまして、全ての質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、大規模地震に備えた市立札幌病院の施設機能の在り方について伺いたいと思います。  今、皆さん、感染防止のためマスクをされているのに、こっちはマスクをせず大きな声でしゃべっていて申し訳ない気持ちですが、お許しください。申し訳ございません。  市立札幌病院のことにつきましては、これまでも様々議論をさせていただきました。財政問題のこともありましたし、また、それに絡めて稼ぐ力をしっかりつけるべきではないかということもありました。民間病院がたくさんある札幌市において、市立札幌病院というのは本当にどういった役目、使命を果たしていかなくてはいけないのかですとか、また、北大や札医大も行う先端医療のいろんなものに対して、市立札幌病院がどんな連携をして、また、関わりながら病院としての機能を高めていく、そのようなこともどうなのかとか、いろんなことをやってきましたが、やっと最近、新病院の整備へ向けての流れが整いつつございますので、今日はその病院を整備する方向性に向けて、能登半島の地震も、今年の元旦に発生しました。石川県の輪島市ですとか、志賀町で震度7を観測して、多くの建物の倒壊、大きな被害が出ておりまして、停電、断水などもたくさん発生しました。ライフラインの寸断、そういう中で医療機関も大きな、深刻なダメージ、打撃を受けているとも伺っております。  北海道におきましても、平成30年9月の胆振東部地震の際には、北海道全体で大規模停電、ブラックアウトが発生する中、市立札幌病院は非常用の電源設備で何とか被災直後から診療を止めることなく、継続をして治療に当たっていただきました。  しかし、このたびの能登半島地震のような非常に大きな地震が札幌で発生した場合には、やはり少なからず影響が出るものと懸念をするところでもございます。  特に、市立札幌病院は市内に5か所ある災害拠点病院の一つとして、被災地からの患者受入れなどの対応も行うこととなっておりますし、災害時でも地域医療の拠点として安定的に医療を提供する、そういった使命と責務がございます。  そこで、まず伺いますが、能登半島地震のような大規模な地震が発生した場合に、市立札幌病院の建物や設備にどのような被害が生じて、診療にどのような影響を与える可能性があるのか、伺いたいと思います。 ◎山口 経営管理部長  大規模な地震が発生した場合の建物、設備の被害と、診療に与える影響についてお答えいたします。  現施設は震度7や震度6強の大規模な地震が発生しても直ちに倒壊しない水準の耐震性能を有していますが、建物内は大きく揺れることが想定されます。揺れの大きさによっては、患者さんに影響があることはもちろん、壁や天井などの建物内部の破損に加えて、エレベーターの機能停止や給排水の配管設備の劣化箇所の損傷による漏水、医療機器の破損など、建物の躯体以外に大きな被害が生じる可能性があります。  こうした被害が生じた場合には、医療機能が制約されることにより、患者さんへの安定的な医療の提供や被災地からの患者搬送の受入れが難しくなる可能性があると考えております。 ◆前川隆史 委員  やはり震度7クラス、また、6強クラスの地震が来るとなると、内部の破損、また、エレベーターの機能が十分に機能しなくなるですとか、給排水も滞ってしまったり、医療機器への影響もあると。そうなると、やはり十分な医療の提供を担保することは難しいのではないか、こういった部分かと思います。  災害時に強固な建物を公共として維持していくということは重要なのですけれども、市立札幌病院のような災害拠点病院は、この度の能登半島地震のような大規模な地震災害に遭っても、診療への影響を最少にしていかなくてはいけない、そういったことが求められると思います。  そのためにも、地震のエネルギーを吸収する免震構造の採用などが有効であると考えますけれども、厚労省が毎年実施しております病院の耐震改修状況調査によりますと、令和4年9月1日時点で、全国の病院の耐震化率は約8割である一方で、免震構造を採用している病院は1割にも満たない状況となっております。  そのような状況の中、令和元年開院の、先ほども出ましたけれども、さいたまの市立病院ですとか、令和2年開院の横浜の市立市民病院など、再整備のタイミングで免震構造を導入している病院が多く見られます。市立札幌病院においても、災害拠点病院として十分な機能を発揮するためには、免震構造の採用が必要不可欠であると考えます。  また、大規模な地震が発生する場合、他の医療機関が大きな被害を受けて診療の継続が難しくなるということもあるかと思います。その意味でも、市立札幌病院に広範囲から、あちらこちらから患者が集中してくる、こういったことも想定されるわけであります。この場合、医療従事者の皆さん自身も被災して十分な人数の確保が難しいという可能性もありますし、入院中の患者に加えて、被災地から日々搬送される患者の治療にも当たる必要がありますから、患者受入れの円滑化など、医療従事者負担軽減の観点なども重要になってくるかと思います。  そこで、伺いますが、病院の機能維持ですとか医療従事者負担軽減の観点から、災害拠点病院として将来的にどのような機能が必要であると考えているのか、伺います。 ◎山口 経営管理部長  災害拠点病院として将来的に必要となる機能についてお答えいたします。  災害発生時の機能維持のためには、現在設置されている自家発電設備や井戸水を処理する装置などによる電気、水道の安定供給に加えて、医療機器が通常どおり使用できることが重要と考えております。  特に、大規模な地震への備えとしては、免震構造の採用など、地震の被害を極力小さくするための機能が有効とされており、過去の地震においても、免震構造の病院では設備機器の損傷が抑えられるなど、その効果が実証されております。  また、医療従事者負担軽減のためには、患者受入れに必要となるスペースや、効率的な受入れ動線の確保に加え、全国からの応援職員の派遣を受けやすい環境を整備していくことが望ましいと考えております。他の病院では、外部から直接出入りしやすい別棟の施設にあらかじめ医療用ガス設備などを配置しておき、災害時には被災患者の治療や応援職員の受入れなどにも活用できるよう整備している事例もあります。  市民の命を守る最後のとりでとして災害医療に必要な機能を強化していく、こういった観点も含めまして、整備費を見極めながらしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  やはり、医療機器が正常に機能して医療をしっかりと提供できるということが医療機関たる部分でございますので、それを絶対に失ってはいけないというお話でございます。そのための免震構造というのは、かなり重要な要素だろうというお話だったと思います。  また、医療従事者ですとか応援の人たちが来ていただくということを考えても、動線やそうした方々が待機をしたり、休んだり、何かお手伝いをするだとかという部分のスペースなども必要だというお話もありました。  先日、病院局ではございませんけれども、丘珠空港の整備の議論をした際にも、今後、丘珠空港は、単純に100万人を目指していくというお話ですが、そういった乗客を受け入れるだけではなくて、災害時も想定した空港の機能ということで、そういったスペースも必要だというお話がありました。  そういった意味では、今後の公共のいろんな整備の計画の中では、単に施設や部署が務めを果たすためだけのつくりではなくて、そういったある一定の余裕のあるスペースですとか、機能というのは非常に重要になってくるのではないかと、このように思うところでもございます。  先ほどコストのお話もございました。私も、これまで結構厳しく質問した場面も過去にありまして、必要だからといってじゃぶじゃぶ何でもお金かけてつくってくださいということではありませんが、限りある財政というところで工夫してそういった機能を設けていくことが重要になると思いますので、どうか今後の議論の中でしっかり深めていっていただきながら新病院の開院につなげていっていただきたい、このようにお願いして、質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、市立札幌病院の経営と働き方改革に伴う影響、ペイシェントハラスメント対策の3点についてお伺いをいたします。  まずは、経営についてです。  コロナ対応が終わり、平常時の運営体制に戻しながらの1年ということを考えると、今年の運営状況そのものもイレギュラーだったのではないかと感じております。そのような中で、病床利用率は年間を通して76.0%の決算見込みということで、すぐに病床利用率を上げることは大変難しいということを考えますと、令和5年度はかなり巻き返しに頑張っていただいたのかなと思っております。  やはり、病床利用率は医業収入に直結することから、何よりも重要な指標の一つです。ただ、年間を通して76%ということですから、稼働が低かった前半を考えると、現在は若干回復しているものと考えます。次年度以降の予算の見立てにも影響しますので、まずは、現在の状況をお伺いしたいところです。  ここで、お伺いしますが、ここ直近の病床利用率と令和6年度予算で設定しました病床利用率81%という目標について、まずは見解をお聞かせください。  あわせて、今回の診療報酬の改定が経営面に対してどのような影響をもたらすのか、お答えをいただければと思います。 ◎山口 経営管理部長  病床利用率の現状や、令和6年度で設定した病床利用率の考え方、診療報酬改定が経営面に与える影響について、お答え申し上げます。  令和5年度決算見込み病床利用率は、令和6年度予算編成時点での実績を基に76%と推計しており、この値が令和5年度予算である73%を上回ることから、令和6年度予算の病床利用率は、令和5年度の予算の設定の考え方と同様に、決算見込みに5ポイントを加え、81%と設定しているところであります。  令和5年度の直近の病床利用率としては、令和6年2月で76.1%とコロナ禍からの回復途上であることから、令和6年度予算の利用率達成に向けては、地域の連携医療機関への訪問活動を強化するなど、より一層、紹介患者の増加に取り組んでまいりたいと考えております。  また、診療報酬改定については、初診料や再診料、入院基本料の引上げを原資とした医療従事者への賃上げが主な内容となっており、改定内容を現在精査しているところでございます。  そのほかにも、集中治療室やハイケアユニットに入室する患者要件や医療機関に求められる基準が引き上げられており、当院のような高度急性期病院にとっては厳しい内容であると評価しております。  診療報酬改定が施行される令和6年6月に向け、適切に算定できるよう、着実に準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  現状で76.1%ということで、通年の見通しとほぼ同じぐらいということで、もう少し回復しているのかなと思いましたけれども、それで5ポイント上げ、という目標を立てていただいたのかなと思います。5ポイント上げるのも大変難しい案件だと思いますが、これまで市立札幌病院が実際に稼働していた状況を考えると、決してできない数字だと思いませんので、目標に向かってやっていただきたいと思っております。  また、診療報酬の改定でも、ICUとハイケアユニット、看護のところの見直し、これで加算を取れる病床の割合が減ってしまうということと、あとは、先ほどもほかの議員の質問にも出ていましたけれども、働き方改革の影響、宿日直の影響で、また加算を取れる、取れないという話が出てきているのかなというふうに思っております。なかなか難しい状況だというふうに思いますし、人がいないとなかなか大変なのかなというところも感じているところです。  そこで、続けて、医師の働き方改革に伴う影響についてお伺いしたいというふうに思っております。  2024年4月から、医師にも時間外労働上限規制が適用されることとなり、どの地域の病院も大きく影響を受けるというふうに言われております。5年間の猶予期間が設けられてはおりますが、実際にこの上限規制を入れてしまうことで、現実的には病院運営そのものに支障を来してしまうところが多いのかなと思っております。医師が4名以上いない診療科は、事実上、夜間や休日の診療が困難になるのではないかというふうにも言われております。  とりわけ影響が大きいと考えるのは、24時間365日の対応をしなければならない救急や産婦人科、新生児科、小児科といった周産期医療の部分です。3次救急のとりででもあり、また、総合母子周産期センターとしての役割を持つ市立札幌病院において、働き方改革の影響について非常に難しい課題になってくるかなというふうに思っております。  従前から、救急科の医師の勤務時間については長時間傾向にあることを、過去の委員会でも、私のほうから確認をさせていただいたことがありますし、産婦人科や小児科の先生方の数を維持していくことについても非常に厳しい状況が進行していると聞いております。この先、体制を維持していけるのか、心配をしているところです。  これは、単に市立札幌病院だけの課題ではなく、市内全体の医療体制に課せられた課題だと思いますが、この医師の働き方改革の影響を乗り越えるには、医療資源やマンパワーの集約以外の方法がなかなか考えにくいのではないかなと思うところです。そうなると、大学病院はその中にはなかなか入らないと思いますから、市立札幌病院は、その中でも間違いなくキーマンとなってしまうことから、将来的な部分をどう見据えていくのか、念頭に入れざるを得ない状況になってくるかと思います。  ここで、お伺いしますが、市立札幌病院は、働き方改革の影響が出てきた際の病院の立ち位置をどのように考えているのか、見解をお聞かせください。 ◎山口 経営管理部長  医師の働き方改革に伴う救急・周産期医療への影響についてお答えいたします。  委員がご指摘のとおり、医師の働き方改革により、特に救急医療や周産期医療など24時間365日の対応が必要な医療については、医療従事者の安定的な確保が課題となります。そのため、地域における他の病院との連携などについて、医療関係者や市、道の医療政策を担当する部門など、これらとの調整を図りながら、今後も地域の医療機関を支える中核病院として役割を果たしてまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  大変答えにくい質問だったのではないかと思っております。これは、市立札幌病院だけの話ではない内容だと思っております。ただ、今回の診療報酬の改定や働き方改革の状況を見ていますと、どうやっても集約していけというような方向性なのかなというふうに見えてしまいますし、強いて言うなら、スーパー病院をつくれと言っているのと等しいというふうに私は思っております。  ただ、これは相手のある話なので、一体どういう集約化をするのか、そういう検討がされるのかを含めて、これは医療計画をつくっている道との協議が欠かせないものでございますから、市立病院だけの単体の話ではございませんが、ぜひそういうことを念頭に入れていただきたいというふうには思っております。  最後に、病院の中でのカスタマーハラスメント対策、いわゆるペイシェントハラスメント対策についてお伺いします。  昨今の医療機関においては、患者患者家族から医師や看護師などの病院職員に対して自己中心的で理不尽な要求や悪質なクレームなどの迷惑行為が起きるだけではなく、時には暴力と思われるような行為が行われるなど、病院に勤務されている人の心を折るようなケースがあるとも聞いております。特に、市立札幌病院は、病床数も多く、様々なケースで来院される方がいることから、いろいろなペイシェントハラスメントへの想定をしていかなければなりません。  また、現在の病院の動線については、患者患者家族などと隔たれた動線を持っているわけではなく、同じ階段や廊下を使っているという状況にあります。  現在、公立病院や民間病院のどちらにおいても、職員とそれ以外の動線を分離していることが主流となっているほか、警察OBの配置をして、悪質なクレーム対応をしている病院も結構あると聞いております。  最近では、公立病院職員の退職が多くなっていると報じられている中で、職員が安全な環境で勤務するためにも、ペイシェントハラスメントへの対策は常に行っていく必要があると考えております。  ここで、質問ですが、市立札幌病院は、ペイシェントハラスメイトに対して、今後どのように対応策を取り組むのか、見解をお聞かせください。 ◎山口 経営管理部長  いわゆるペイシェントハラスメント対策についてお答えいたします。  当院のペイシェントハラスメント対策について、患者さんや家族からの不当な要求や暴力的な行為などに対応するため、平成21年度から、対応に精通している警察官OBを安全管理員として任用しているところです。  安全管理員は、職員が診療業務に専念できるよう、毎日、院内を巡回し、要請があれば現場に駆けつけて助言や見守りをするほか、職員に代わって直接事案を対応して解決することも多く、当院にとっては必要不可欠な存在となっております。  今後も、引き続き安全管理員を中心とした病院全体での組織的な対応を心がけるとともに、不当要求や暴力的事案に対する研修会を実施するなど、病院職員が安心して働くことができる職場環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  最後に要望になりますが、今回、3点の質問をさせていただきました。  実は、今回の3点の質問はばらばらですけれども、目的としては病院の建て替えに全部つながるというふうに思っております。  一つは、まず集約化についてお話をさせていただきました。やはり、スーパー病院をつくるのか、この体制については、単に今、市立病院の建て替えという話ではなく、他の医療機関との関係を考えていかなければならないと思っています。  前回の決算特別委員会で、もしこの集約、再編ネットワーク化した場合には、病院事業債が25%から40%に上がる、大体、私はこれは、100億円ぐらい市の負担が減る、国からの普通交付税が下りるというふうに見ております。  もちろん金銭的な部分もございますが、今、申し上げたように、働き方改革や診療報酬の改定などで有利な立場に立つためには、そういったことを私は無視できないような状況になってきていると思います。  ぜひ、これから病院建て替えの際、この部分は必ず念頭に置いて議論を進めていただくことを望みます。  また、ペイシェントハラスメントの対策でも申し上げましたが、動線については、現病院では今はどうにもならないというふうに思っております。新たな病院をつくる際は、デザインに特化した病院などではなく、ぜひ働いている皆さんが一番使いやすい動線にしていただく、こういったペイシェントハラスメントに対応できるような動線にしていただく、そういったことを検討していただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ○村松叶啓 委員長  以上で、病院事業会計の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月22日金曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時...