札幌市議会 > 2024-03-18 >
令和 6年第二部予算特別委員会−03月18日-08号
令和 6年第一部予算特別委員会−03月18日-08号

  • "│出席委員 │ "(/)
ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2024-03-18
    令和 6年第二部予算特別委員会−03月18日-08号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 6年第二部予算特別委員会−03月18日-08号令和 6年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第8号)               令和6年(2024年)3月18日(月曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  村 松 叶 啓      副委員長   うるしはら直子     委   員  勝 木 勇 人      委   員  高 橋 克 朋     委   員  こんどう 和雄      委   員  こじま ゆ み     委   員  伴   良 隆      委   員  川田 ただひさ     委   員  松 井 隆 文      委   員  村 山 拓 司     委   員  三 神 英 彦      委   員  小須田 大 拓     委   員  和 田 勝 也      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  中 村 たけし     委   員  松 原 淳 二      委   員  たけのうち有美     委   員  おんむら健太郎      委   員  森   基誉則     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  好 井 七 海     委   員  小 口 智 久      委   員  前 川 隆 史     委   員  熊 谷 誠 一      委   員  田 中 啓 介     委   員  吉 岡 弘 子      委   員  長 屋 いずみ
        委   員  佐 藤   綾      委   員  波 田 大 専     委   員  山 口 かずさ      委   員  成 田 祐 樹     委   員  脇 元 繁 之       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○村松叶啓 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、太田委員からは田中委員と交代する旨、届出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 土木費 第5項 都市開発費のうち関係分及び第7項 建築費について、一括して質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、市営住宅の諸課題についてと居住支援協議会の取組について、この2点について質問をさせていただきます。  まずは、市営住宅の空き住戸修繕について質問をさせていただきます。  市営住宅は入居者の退去後、指定管理者が通常使用できる程度まで原状回復の修繕を行い、次の入居者を募集すると認識しているところであります。  昨年の予算特別委員会でも、我が会派から、空き住戸修繕に関する質問をさせていただいておりますが、団地自治会からは、退去した後、そうした修繕がなされずに次の入居者が入ってこない空き住戸が多数あるということを、いまだに多く聞くところでございます。  空き住戸の中には、火事や孤独死など、すぐに使えないものや、建て替えのため入居者が退去したものなど、修繕しても次の入居者を募集できない住居があること、また、入居者の高齢化などにより、退去者の増加に対し、労務単価や資材価格の上昇により工事単価が上がっていることで、修繕が追いついていない現状にあるということは承知をしているところであります。  そこで、最初の質問ですが、市営住宅の空き住戸のうち、募集するために修繕が必要な住戸は現在どれほどあるのか、お伺いをいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  募集するために修繕が必要な空き住戸についてでありますが、市営住宅の管理戸数約2万6,500戸のうち、令和6年2月末時点での空き住戸は約4,000戸でございまして、このうち、募集するために修繕が必要な住戸は約2,000戸でございます。  委員のご指摘のとおり、労務単価や資材費の高騰により修繕戸数が退去数に追いつかず、積み残しが発生している状況ではありますが、引き続き、より多くの住戸を修繕できるよう努めてまいります。 ◆丸山秀樹 委員  現在の空き住戸数につきましては約4,000戸、そのうち募集するために修繕が必要な住戸は約2,000戸であり、引き続き、より多くの修繕に取り組んでいかれるということであったかと思います。  しかし、応募倍率を見ても、市営住宅へのニーズが高いことは明らかであり、入居を希望する多くの市民に市営住宅を提供するためにも、空き住戸の修繕を加速させていく必要があるものと考えます。  令和5年度予算には、指定管理費とは別に、積み残しとなっている空き住戸の修繕に関する事業費が計上され、令和6年度予算案にも引き続き同様の空き住戸修繕に取り組むための予算が計上されております。  そこで、質問ですが、積み残しとなっていた未修繕の空き住戸について、どのような考えで修繕を進めていくのか、また、令和5年度の修繕実績と令和6年度における修繕の見込みも併せてお伺いをいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  積み残しとなっている空き住戸の修繕の考え方と、令和5年度、令和6年度の修繕戸数に関するご質問でございます。  初めに、空き住戸修繕の考え方でありますが、修繕に当たりましては、地下鉄駅近くなどの利便性の高い団地やエレベーターつきの団地、低層階の住戸など、応募倍率が高い傾向の住戸に重点を置いて修繕を進めているところでございます。  次に、修繕戸数についてでありますが、令和5年度は約270戸を見込んでおり、令和6年度は約550戸の修繕を予定しております。  修繕が終わった住戸につきましては、速やかに新たな入居者を募集し、入居を希望する市民の期待に応えられるよう努めてまいります。 ◆丸山秀樹 委員  5階建てのエレベーターのある住戸であったとしても、最近は住み替えなどが非常に増えていまして、低層階への移動を希望される方も数多くいらっしゃいます。ぜひ、そうしたことも配慮していただければというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  今、ご答弁がありましたように、入居を希望する市民の期待に応えていくように、ぜひ修繕を進めていっていただきたいところでございますが、やはり、現時点でも多くの空き住戸があることは事実であります。空き住戸が多いと、その分、入居者から自治会が自治会費を徴収することができず、自治会運営にも影響が生じてしまうとの懸念の声が団地自治会から挙がっているところであります。  市営住宅は、廊下や階段などの共用部分の照明やエレベーターなどの電気料、団地内の除排雪や草刈りに要する費用は、共益費として団地自治会が管理しているところであります。特に、厚別区のもみじ台団地は、市内最大の管理戸数を有する団地でございますが、空き住戸が多く、入居者の高齢化が進み自治会の担い手がいないなど、財政面や体制面において大きな課題が生じてきております。  一例として、東京都では、都営住宅についての共用部の電気代など、一部の共益費の徴収を自治体が代行するようにしたという事例もあることから、札幌市としても、自治会の負担を軽減する施策について検討に着手していくべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  自治会の課題、負担軽減につきましてのご質問でございます。  札幌市におきましては、これまでも、市営住宅の団地自治会に対しまして、空き住戸の状況により、共用部分の電気料金などの補助や敷地内の除雪に関する助成による支援などを行ってきたところであります。  しかしながら、委員からご指摘のありました団地自治会の財政面や体制面における課題につきましては、団地自治会からも様々な要望が寄せられ、私どもといたしましても課題であると認識をしており、これらの課題に向けて、他都市の事例なども参考にしながら、どのような取組ができるのか、検討してまいります。 ◆丸山秀樹 委員  特に、役員の成り手不足は大変深刻な状況にもなっているということもございますので、ぜひ様々な事例検証を進めていただきたいというふうに思います。  現在、札幌市では、もみじ台地域が直面している課題に対応するために、まちづくりの方向性を整理し、土地利用再編の動きを加速させておりますが、本市には、この地域の未来を住民とともに描いていただくと同時に、直面している現実課題の解決に全力で取り組んでいただく必要があるものと考えます。  昨年9月には、自治会運営が限界であるという声を聞きまして、もみじ台自治連合会と10の市営住宅自治会で構成されておりますもみじ台市営住宅自治会連絡協議会として、札幌市長に対し、市営住宅もみじ台団地が抱える諸課題への迅速な対応を求める要望書として提出させていただき、そのときに受理をしていただいたのが今日おいでをいただいている天野副市長だったというふうに思います。副市長からも、札幌市としてどのようなことができるのか検討していくというお話をいただいたところでございます。  ぜひとも、自治会支援の具体的な対策を講じていただくことを求めて、この質問を終わりたいと思います。  次に、居住支援協議会の取組についてお伺いをしたいと思います。  札幌市では、令和2年に札幌市居住支援協議会を設立し、住まいの確保に課題を抱えている方がスムーズに住まいを確保できるよう、連携体制を構築しているところでございます。  また、協議会の設立と併せ、相談窓口、みな住まいる札幌を開設し、住まいのことで悩みを抱える市民の相談に対応し、住宅の情報を紹介し、生活に必要な福祉の相談窓口を紹介するなどの取組を行っております。  私も、地域の高齢者から、生活面での不安などにより、一般の住宅から高齢者向けの住宅への引越しを考えているという相談を受けたことがあり、みな住まいる札幌を紹介させていただいたことがございます。  そのときに、相談者からは、みな住まいる札幌で幾つかの住宅情報を教えてもらい、無事転居先を決めることができたと大変感謝をされていたことを思い出します。  このような居住支援の取組は、高齢社会には欠かせない重要な取組となってきており、本事業を大変評価するところではありますが、今後、高齢化が一層進行する中で、住まいの相談ニーズはより高まるものと推察いたします。  そのため、我が会派では、みな住まいる札幌の利用者が増えるにつれ、相談窓口の相談員の負担が懸念されると繰り返し指摘をしてまいりました。  そこで、質問ですが、みな住まいる札幌のこれまでの相談件数の推移についてお伺いをいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  みな住まいる札幌の相談件数の推移についてのご質問でございます。  相談件数は、開設初年度の令和2年度が864件、令和3年度が1,164件、令和4年度が1,365件でありまして、年々増加傾向にございます。  今年度、令和5年度は2月末時点で1,264件でありまして、最終的には、昨年度より若干の増加を見込んでいるところであります。  今年度の相談件数の内訳といたしましては、対面相談が936件、電話、メールによる相談が328件でありまして、対面相談の割合が7割を超え、約6割であった昨年度より高くなっている状況でございます。 ◆丸山秀樹 委員  相談件数は年々増加傾向にあり、今年度はさらに増える見込みだというお話でございました。  平日のみな住まいるの相談体制は、業務管理責任者、相談員2名の3名体制というふうに伺っており、月に数回の出張相談会や地下歩行空間でのイベントなども実施をされているようでございます。  相談件数の増加に伴う相談員の負担は増す一方であり、こうした傾向が続くと、近い将来、窓口運営に支障を来すものと推察いたします。  ついては、将来にわたりみな住まいる札幌が安定的に運営されるよう、人と予算の拡充を検討する必要があることをまず指摘させていただきたいと思います。  さて、そのみな住まいる札幌ですが、私の知る限り、利用者からの評価は良好ですが、相談窓口の利用者に対して、アンケート調査で満足度を確認されていると伺っております。  そこで、二つ目の質問ですが、みな住まいる札幌の利用者の声について、どのような状況なのかをお伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  相談窓口利用者の声に関してのご質問でございます。  昨年6月から今年1月までの8か月間、みな住まいる札幌を対面相談で利用した方470名にアンケートを配付いたしまして、回答をいただいたのは165名、回収率は約35%でございました。  アンケートの結果といたしましては、住まいの課題改善に役立ったかとの設問に対し、役に立ったとの回答が88%で、利用者の満足度は高いと考えております。  また、相談員の対応はどうだったかとの設問に対しましても、よかったとの回答が95%であり、相談員の対応につきましては、さらに満足度が高い結果でございました。  自由記載欄につきましては、寄せられたコメントのほとんどが窓口や相談員への感謝の気持ちを示す好意的なものであり、利用者の評価は高い結果となっておりますが、今後も利用者に寄り添い、丁寧な相談対応に努めてまいります。 ◆丸山秀樹 委員  役に立ったが88%、よかったという回答が95%と、非常に高い数字かというふうに思います。利用者が増えているにもかかわらず、利用者の満足度が非常に高いということは、それだけ相談員の方々が丁寧な対応をなされている成果であるというように思います。  年間1,300件を超える相談者は、住まい探しの問題だけではなく、その背景にある様々な生活上の困難や課題を抱えているものと推察するところでもあります。みな住まいる札幌では、基本的には住まい探しの支援を行う相談窓口という位置づけではありますが、相談内容によっては行政や専門相談機関へつなぐ必要があり、関係機関との連携は欠かせないものと思います。  例えば、精神的な障がいをお持ちの方への対応に当たっては、その解決に向け、居住支援法人との連携が欠かせないなどでございます。  そこで、我が会派は、昨年の決算特別委員会で、居住支援法人との連携について質問をさせていただいたところ、勉強会などを通じ、より関係を深めるとともに、各法人の特色をまとめたガイドブックを作成中との答弁をいただいて、このガイドブックについては既に完成がなされているものと思います。  そこで、質問ですが、居住支援法人ガイドブックをどのように周知していくのか、また、次年度、居住支援法人などの関係団体とはどのように連携していくのか、お伺いをいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  居住支援法人ガイドブックの周知と関係団体との連携についてのご質問でございます。  居住支援法人ガイドブックは、北海道知事から指定を受けている道内32の居住支援法人について、それぞれが得意とする支援内容などをまとめたものでありまして、今年の1月に完成しております。  このガイドブックを活用し、居住支援に関係する様々な機関が居住支援法人に直接相談することができるよう、各区役所や地域包括支援センターなどに配付をするとともに、会議の場などにおいて活用方法などの周知に取り組んでいるところでございます。  また、関係団体との連携についてでありますが、引き続き、住まいの確保が困難な方をどのように支援していくか等について、勉強会やセミナーなどの場を通じて居住支援法人と連携を図っていくとともに、不動産管理会社や賃貸住宅のオーナー等の関係者と意見交換を行うなど、複雑で多様化する相談に対応していくため、より一層連携を深めてまいります。 ◆丸山秀樹 委員  各区役所や地域包括支援センターなどにそうした周知を行うことで、逆に、今の居住支援協議会、みな住まいるの負担軽減にもつながることもあり得るのかなというふうに思います。  最後に、要望をさせていただきます。  住宅確保要配慮者と言われる高齢者や障がい者、生活困窮者、さらにはシングルマザーDV被害者等が抱える問題は、札幌市におきましても大変顕在化しており、中にはスピード感が求められるケースもあろうかと思います。  保健福祉局や関係部局、さらには居住支援協議会との日常的な連携強化に努めていただいて、いざというときに、すぐにその問題解決や課題を共有し、スムーズな解決を図っていただく体制を取ることが非常に重要であろうと思います。  そして、相談者がより安心して居住先を確保できる仕組みをしっかり構築していただきたいと思います。  今後も、相談件数や活動の推移を見守りながら、予算措置の拡充も含め、居住支援協議会の取組を支えていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆佐藤綾 委員  私からは、我が党が代表質問で取り上げました高齢者の住まいに関連して質問いたします。  高齢者の住まいというと、持家、一般の賃貸アパート等も多く、シニア向けマンション特別養護老人ホームをはじめとする介護施設なども思い浮かびます。  介護に関わる施設は保健福祉局の所管ですが、市営住宅、また、民間の一般の賃貸アパートサービス付き高齢者向け住宅など、高齢者に関わる住まいが都市局の所管となっております。  本市では、住宅確保要配慮者への居住支援として、2019年に居住支援協議会を設立し、2020年度から、みな住まいる札幌で住まいに関わる相談を受けております。  先ほどの丸山議員の質疑の中で、年々相談が増えているということで、最初の年は864件でしたけれども、昨年1,300件を超えて、今年は既に1,264件で1,300件に迫っているように、大変増えているのだなと思っております。  そこで、お聞きいたしますが、みな住まいる札幌に相談された方の世帯構成、また、紹介はどのような物件が多いかなど、傾向について伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  みな住まいる札幌の相談状況に関するご質問でございます。  初めに、どのような方の相談が多かったかについてでありますが、令和6年1月末時点の割合で申し上げますと、高齢者世帯が最も多く77%、続いて、障がいのある方の世帯が7.1%、ひとり親家庭の方が2.4%となっております。これらの方のほか、DVの被害に遭われた方、Uターンを考えている方など、様々な事情のある方の相談を受けているところであります。  また、紹介をした物件の種類でありますが、一般の賃貸住宅が最も多く29%、続いて、サービス付き高齢者向け住宅などが15%、ケアハウスや軽費老人ホームが2.2%となっております。 ◆佐藤綾 委員  高齢者が77%ということで、高齢者の世帯が大変多いというふうに思います。そして、サービス付き高齢者住宅が15%ということでしたけれども、全体の相談の半数ぐらいの方に物件を紹介しているというふうにお聞きしていますので、実際のところ、紹介した物件の中でサービス付き高齢者住宅が大変多いのではないかなというふうに思っております。  続けてお聞きいたしますけれども、高齢者の相談が7割、また、高齢者の単身世帯も多いというふうに私はお聞きしていたのですが、相談の内容や高齢者を取り巻く状況から見られる高齢者の住まいの課題についての認識をお伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  高齢者が住まいを確保するに当たっての課題についての認識でありますが、高齢者につきましては、緊急連絡先や保証人が確保できないことで、賃貸住宅の大家などから入居を断られるケースがあるなどの課題があると認識をしております。 ◆佐藤綾 委員  私は、家賃の問題ですとか、バリアフリーの住宅が少ないということなども課題なのかなというふうに思っておりました。  相談を受けて物件の紹介がされたのは全体の約半数で、このうち、サービス付き高齢者住宅などの高齢者向け住宅が一番多いということを先ほど申し上げましたけれども、高齢者が住まいの問題に直面したときに選択肢として大きいのがこうした見守りのある高齢者住宅ということだと思います。  紹介した物件で多い高齢者向け住宅は、サービス付き高齢者向け住宅有料老人ホーム、また、高齢者優良賃貸住宅などが含まれて、バリアフリーで、ある程度自立した生活を送れる方が対象です。  大きな問題は、家賃です。みな住まいる札幌の相談では、家賃の予算額が5万円以下という方が約半数ということで、なるべく家賃を低く抑えたいということが分かります。札幌市はサ高住の戸数が全国で一番多いのですが、本市のサ高住の入居費用の相場は17万3,000円が平均価格、中央値が15万9,000円で、ハードルが高いのが費用面です。中央値より少し下の月額15万2,000円というサ高住の入居費用の内訳を見ますと、家賃が5万6,000円、管理費などサービス料が3万1,000円、食費が5万円となっていました。そのほかに、冬期には暖房費用が別途かかり、電気や水道などの費用が別となっているところもあります。  高齢者は主な収入が年金ですが、北海道の平均値は、国民年金が5万5,509円、厚生年金では13万5,888円ですので、費用が高くて入れないという場合も少なくありません。一方で、高齢者優良賃貸住宅、高優賃は、サ高住に家賃の補助があるという形態です。  そこで、高優賃の家賃補助について伺います。  高優賃は、2002年、平成14年から制度が始まりました。家賃補助は、国が2分の1、自治体が2分の1で、入居者の収入により補助額は異なります。  本市では4か所197戸が建てられ、最後の高優賃ができたのは2010年です。しかし、2011年、高齢者住まい法等改正により、それまでの高齢者専用賃貸住宅等が廃止され、サービス付き高齢者住宅へ一本化されました。2011年の法改正後も、高優賃の20年間の家賃補助を続けることに変更はありませんでしたが、制度開始から20年以上が経過し、本市では、今年度に1か所減り、169戸となりました。来年度はまた1か所減り、137戸となります。  しかし、2001年の段階で、国交省は、高優賃の家賃補助は20年間の後、なお20年の延長ができるとしていました。2011年の法改正時点でも変わっておりません。  代表質問では、低所得、低年金の方を含め、高齢者が安心して入居し、暮らせる住まいの提供について伺ったところ、高齢者等の住宅確保要配慮者に対しましては、市営住宅だけでなく、不動産関係団体等と連携し、民間賃貸住宅も活用しながら、住宅市場全体でセーフティネットを構築してまいりますとのご答弁でした。  そこで、お聞きいたしますが、2001年に国が策定した高齢者向け優良賃貸住宅制度要領にある補助期間の延長について、当時とこの23年の間、検討されたのか、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  高優賃の補助交付期間延長に関してのご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、平成13年、2001年に国が定めた高齢者向け優良賃貸住宅制度補助要領では、地方自治体の長が家賃の減額に係る補助金の交付期間の延長を認める場合は、さらに20年を限度に当該期間を延長することができるものとなっておりましたが、本市といたしましては、札幌市高齢者向け優良賃貸住宅制度要綱で補助の交付期間を20年と定め、平成14年度、2002年度から制度を運用しており、補助の交付期間の延長については行わないと判断をしてきたところであります。
    ◆佐藤綾 委員  今、決めてきたということをおっしゃいましたけれども、検討されてきたかどうかについてはお答えがありませんでした。保健福祉局や居住支援協議会、また、住まいの協議会などとも協議されたのか、事業者にも意見を聞いたのかと、大変疑問に思っております。  高優賃に入居されている方は、自立して生活できる方が対象となっているものの、平均で介護度1から2、中には要介護4という方もいると事業者からお聞きをしています。家賃補助がなくなると、そういう方が出ていかざるを得ないことにもなっております。  代表質問では、今回と同じく家賃補助の延長は想定していないということでした。これは事業者と契約者の契約であるので想定はしていないという旨のご答弁でしたけれども、延長することは、喜ばれこそすれ、悪影響はありません。また、民間のURでは、管理期間が20年経過しても家賃軽減措置を継続できる、入居者の退去時まで延長するとしております。  国が行う高優賃の補助期間の延長をすべきであり、事業者にも意見を聞き、考え直すことが必要だと思いますがいかがか、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  補助交付期間の延長につきましては、先ほどもご答弁させていただきましたとおり、本市におきましては補助の交付期間は20年と定め、この期間については、事業者及び利用者双方の合意の下に入居契約が取り交わされており、補助交付期間の延長は行わないと判断をしてきたところでありまして、今後も延長は難しいと考えているところであります。  こうしたことから、期間延長に係る意見聴取は考えていないところではありますが、今年度、補助の交付期間が終了した高齢者向け優良賃貸住宅では、期間終了の2〜3年前から、事業者と期間終了後の対応などについて協議をしており、今後、期間の終了を迎える高齢者向け優良賃貸住宅についても同様に対応してまいります。 ◆佐藤綾 委員  ある高優賃住宅では、今、待機者が40人以上いるということもお聞きしました。希望する方がたくさんいるのです。しかし、所管する都市局でも、保健福祉局でも、高優賃入居者の介護度や生活状況は把握していないとお聞きいたしました。単身高齢者の相対的貧困は2人に1人と言われており、低廉な家賃でバリアフリーである住まいは足りないのが現状です。高齢者福祉の課題であり、入居者の状況も把握をしないまま、都市局内だけでの判断ということは問題ではないかと思っております。  9月に、我が党の田村智子参議院議員が、地方の議員と一緒に国交省へ見解を伺っております。そのときに国交省の担当者の見解を伺いますと、高齢者が安心して住み続けられるようにとつくった制度なので、途中で追い出すことはない、制度上は40年まで補助を続けられると言っております。制度として自治体がまず決めることで、各自治体にその趣旨は伝えてあるということでございました。  ぜひ、これは国の制度の延長を活用するべきだと思います。再考を強く求めたいと思います。  次に、住宅市場全体でセーフティネットを構築するということから、民間のセーフティネット住宅についてお聞きします。  2017年、平成29年改正の住宅セーフティネット法に基づき、高齢者など住宅確保要配慮者の居住の安定確保及び向上を目指し、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度が創設され、登録された住宅、いわゆるセーフティネット住宅は、市内で現在3,009戸、そのうち入居がすぐできる空き住宅は94戸です。また、そのうち、要配慮者だけを入居者と限定する専用住宅は38戸あります。現在は、そのうち、20戸が空き住宅です。まだ全体的に少ないために、高齢者が低廉な家賃を希望する場合、物件が限られ、さらに階段や段差がないところとなると、ほぼ選択肢がありません。  国交省の調査では、先ほどご答弁の中でもありましたけれども、大家さん、賃貸人の7割が高齢者に拒否感を持つ、高齢者は断るという入居制限が5%、制限つき入居は39%ということです。  一方、65歳以上の4人に1人以上が入居を断られており、5回以上断られた方は約12%であることが民間の調査で出ております。背景には、高齢者は保証人や身元引受人がいない場合も多く、亡くなった場合、賃貸人が部屋の物を処分するにも相続の関係などが複雑で、賃貸人への多大な負担となる、家賃が不払いとなる懸念があるなどの問題があります。最初に、課題としてもお答えいただきました。  国や自治体の支援がないと、民間でのセーフティネット住宅の居住の安定確保及び向上は困難であると思われます。  国においては、セーフティネット住宅へ補助メニューを用意して、自治体へ活用を勧めているところです。国のメニューには、バリアフリーや耐震化などの改修費の補助、また、家賃低廉化支援、家賃債務保証料低廉化支援、セーフティネット住宅への住み替えに関わる補助があります。  そこで、お聞きいたしますが、国の補助メニューから本市が活用されているものについて伺います。  また、家賃低廉化補助について、他の政令市の導入状況について把握されておられましたら、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  本市におけるセーフティネット住宅に関する補助制度と家賃低廉化に係る制度を行っている政令市の状況ということでございます。  初めに、本市のセーフティネット住宅に関する補助の実施状況でありますが、本市では、家賃債務保証料、孤独死残置物に係る保険料、緊急連絡先の引受けに係る費用に対する補助を実施しております。  次に、家賃低廉化に係る補助の実施状況でございますが、横浜、名古屋、京都、福岡の4市が実施していると承知をしております。 ◆佐藤綾 委員  低家賃の登録住宅の過少が問題となっていまして、現在登録されている住宅のうち、家賃が5万円以下の住宅の割合は全国で19%に過ぎず、今後増加が見込まれる単身世帯の需要に対応できなくなるおそれが指摘されております。  家賃補助としては、生活保護の生活扶助、また、住居確保給付金と高優賃しかありません。住居確保給付金は若年層が対象でしたけれども、コロナ禍に65歳以上も対象となりました。本市の件数を見ると、コロナ禍を過ぎた今年度もまだ65歳以上の受給が全体の4.4%もいるということです。民間でセーフティネットを構築するということであれば、家賃補助などの支援が必要ではないでしょうか。  補助メニューの活用を広げ、家賃低廉補助を行うべきと考えますけれども、いかがお考えか、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  家賃低廉化の支援に関するご質問でございますが、本市の家賃水準や他都市の動向、賃貸住宅所有者の意向なども踏まえ、その必要性について、引き続き慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤綾 委員  横浜市では、単身世帯の住まいの状況・ニーズ調査というものをしておりまして、公的なサポートについて充実してほしいと思うものは、家賃補助が43%と最多となっておりました。  家賃補助があると、専用住宅の登録も増えるのではないかと思います。  今、政令市でお答えのありました福岡市68戸、専用住宅ですね、名古屋市は107戸と、横浜市も100戸ということを聞いております。登録してくださいと言うだけでは進みませんので、そしてまた、政令市以外でも、東京都の都市部、23区などで広がっているほか、中核市でも取り入れているというところです。  国によるセーフティネット専用住宅の家賃補助メニューをぜひ活用いただけるように申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆波田大専 委員  私からは、空き家対策について質問をさせていただきます。  札幌市では、令和5年3月に、株式会社クラッソーネと連携協定を締結し、空き家などの適正な管理の推進に係る実証実験を行っております。  同社が提供するすまいの終活ナビは、スマートフォンなどから土地・建物の面積や最寄り駅、接する道の幅などの条件を入力することで、解体費用と解体後の土地売却査定価格の概算額を手軽に無料で把握することができるサービスであり、空き家の処分や管理について悩む所有者の方にとって、意思決定に大いに役立つサービスであると認識しております。  一方で、住まいの終活ナビへのアクセス数の推移を見てみますと、サービス提供開始のプレスリリースを経て、新聞記事にも掲載された令和5年4月には約800件のアクセスがありましたが、その後は停滞し、毎月約20件から80件程度のアクセス数となっております。  札幌市における空き家対策に大いに役立ち得るサービスであるにもかかわらず、まだあまり多くの方にサービスが知られていないとすれば、非常にもったいない現状にあるものと感じております。  そこで、質問ですが、実証実験として取り組んでいるすまいの終活ナビについて、空き家の処分や管理に悩む市民の方にサービスを知ってもらうために、これまでどのような広報活動を行ってきたのか、お伺いいたします。 ◎二宮 建築安全担当部長  すまいの終活ナビの広報活動についてお答えいたします。  実証実験を開始するに当たり、プレスリリースを行うとともに、本市広報部の公式X、旧ツイッターや公式LINE、公式ホームページに本取組を掲載したことで、新聞やテレビ番組で取り上げられたところでございます。  また、空き家対策に関するセミナーの参加者や空き家の所有者に対してパンフレットを配付するなど、本取組の利用促進を図ってきたところでございます。  現在、1年間の実証実験の結果を踏まえて、実施方法の一部見直しを検討しているところでありますが、引き続き、より多くの方にご利用いただけるよう、様々な媒体を通じた広報活動に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆波田大専 委員  例えば、神戸市や横浜市などでは、固定資産税の納税通知書や空き家所有者への指導文書にパンフレットを同封することで、より網羅性の高い啓発を図っているとも伺っています。せっかくのよいサービスをより多くの市民の方に広く知っていただき、活用いただくために、さらなる広報活動に取り組んでいただけたらと思います。  そして、すまいの終活ナビなどの活用によって、空き家の処分や管理の検討に至った場合においても、解体などに要する費用負担が大きいことは、空き家を放置してしまう大きな要因であると認識しております。  札幌市が令和元年10月に行った市民意識調査の結果によりますと、空き家所有者の抱える悩みについて、16.1%の方が空き家の取り壊し費用が足りない、19.4%の方が取り壊すと固定資産税が高くなると回答しております。  札幌市では、危険空家等除却補助制度として、通常型と地域連携型を用意しており、通常型では除却費用の3分の1以下、最大50万円が補助されます。しかし、その対象となるのは、倒壊や建築部材の飛散のおそれがある危険な空き家に限定されておりますため、早い段階での解体を促すというよりは、むしろ、逆に危険な状態になるまで空き家を放置しておいたほうが補助金の対象になるといったモラルハザードを誘発しかねない補助制度にも見受けられます。  また、地域連携型では除却費用の10分の9以下、最大150万円と、通常型よりも手厚い補助内容となっておりますが、除却後の土地を町内会やNPOなどの自治組織に5年以上無償で貸与するという要件のハードルが高く、その交付申請数は令和4年度でゼロ件、令和5年度もゼロ件となっており、せっかくの補助制度が有効に活用されていない現状にあります。  このような現状を踏まえますと、現在の札幌市危険空家等除却補助制度には様々な課題や改善の余地があるようにも感じるところです。  そこで、質問ですが、札幌市では、現状の札幌市危険空家等除却補助制度の課題をどのように認識し、今後どのような検討を行っていくのか、お伺いいたします。 ◎二宮 建築安全担当部長  札幌市危険空家等除却補助制度の課題認識と今後の検討についてお答えいたします。  当該補助制度については、倒壊や建築部材の飛散のおそれのある危険空き家が年々増加している状況であることから、除却の優先度の高い危険空き家を補助対象としております。  また、補助制度のうち、通常型については、補助要件の緩和などの見直しを行うことで、例年10件程度であった交付件数が令和5年度には21件にまで増加するなど、これまで行ってきた制度改善が補助制度の有効活用につながっているものと認識しております。  一方で、地域連携型については、除却後の土地の活用方法について所有者と地域の団体などの意向がうまく合致しないことや、こうした事前の調整に時間がかかり、早期に空き家を除却したい所有者が補助金の活用を断念するなど、所有者と地域の団体などの合意形成が難しいことが課題であり、見直しが必要と認識しております。  今後も、交付状況や危険空き家の件数などを勘案して、適宜、補助制度を見直し、より多くの危険空き家を解体して、市民の安全で安心な居住環境の形成を図ってまいりたいと考えております。 ◆波田大専 委員  もちろん、現時点で既に危険な状態にある危険空き家のほうが除却優先度は高いとは思います。しかし、一方で、札幌市の空き家数は平成30年時点で12万5,400戸とのことですが、これらの空き家の中にも、このまま放置されればいずれは危険な空き家となってしまう、言わば潜在的危険空き家が含まれているかと思います。  そこで、例えば、神戸市では、危険空き家の発生を未然に防ぐために、危険な状態にはない空き家に対しても解体の補助を出しており、令和5年度の補助件数は約600件と、札幌市の21件と比較しても、その力の入れ具合が伝わってまいります。  補助対象を拡大することは財源の問題もあるとは思いますが、例えば、築年数が古くて資産価値の低い空き家をそのまま放置しておくよりも、札幌市の補助によって除却が進み、土地が有効に活用され、そこに資産価値の高い新築の建築物ができれば、札幌市に入る固定資産税が増えるという一面もあるかと思います。  ぜひ、目先の課題への対応だけではなく、長期的展望に立った制度設計を引き続きご検討いただくよう要望させていただきます。  最後に、もう一つ要望でございますが、空き家を放置してしまう理由として、先ほどの市民意識調査の結果にもございましたとおり、取り壊すと固定資産税が高くなるということも、早い段階での除却の検討を妨げる大きな要因であると認識しております。実際に、空き家を解体して更地にしてしまうと、住宅用地に係る課税標準の特例が適用されなくなってしまい、土地に対する固定資産税が最大6倍にも高くなってしまうという現状があります。  こうした現状を踏まえて、国土交通省住宅局住宅総合整備課は、令和5年12月13日、各都道府県・指定都市空き家対策担当部局に対し、事務連絡として、一定の空き家を除却した場合の固定資産税に係る負担軽減措置について情報提供を行いました。それによりますと、令和4年11月時点で全国66市町村において、空き家除却後の土地を対象に、固定資産税等の減免もしくは除却により増加する固定資産税等の税額相当分の補助金の交付を行っております。  こうした負担軽減措置による効果として、地域で問題とされていた特定危険空き家の除却が進んだ、空き家が除却され、その跡地が活用されることで、長い目で見ると税収の増加にもつながっているなどの効果が上がっているとのことです。  札幌市においても、空き家を解体すると固定資産税が上がってしまうということを理由として空き家を放置している方に対して、このような負担軽減措置は早い段階での解体の検討を促す一つの大きな動機づけになるのではと考えるところです。  このような固定資産税等の負担軽減措置について、財政局とも連携や協力をいただきながら、他都市での取組状況も参考として、ぜひ札幌市においても措置の実施をご検討いただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆伴良隆 委員  私は、1点、市有建築物保全と今後のビジョンについて伺ってまいります。  第2次まちづくり戦略ビジョンの基本目標20に、都市基盤を適切に維持・更新し、最大限利活用するまちと掲げられていまして、目指す姿として、インフラや建築物は計画的な維持、保全、更新、再配置、複合化が行われ、誰もが快適に利活用していますと、このように書かれています。  戦略編におきましては、都市基盤の維持・更新等に要する費用を縮減、平準化するため、公共のインフラや建築物の効率的かつ計画的な維持・更新などを行いますと、このように書いてあります。  この維持・更新を言い換えれば、維持のほうが計画的な保全ということであります。また、更新となりましたら、いわゆる建て替え、つくり直すということと私は解釈しております。  今日は、これを段々に伺ってまいりたいと思います。  言わずもがなでありますが、老朽化が進む市有建築物は、その数も量も度合いも増していっている状況でございます。建築物の着実な保全のためには、綿密な事前調査をしっかりして、計画的に進める必要がございます。  今後、市有建築物は、計画的保全と並行して、一方で、つくり直し、建て替えの検討もまた必要になってきます。  第一部予算特別委員会の我が会派の質疑で市役所の本庁舎について伺っておりますが、市役所本庁舎の老朽化の実態ということが大分明らかに答弁されたところでもございます。  それではまず、目の前のことをしっかりでありますので、着実な保全の現状取組について、市営住宅を事例として伺ってまいります。  市営住宅は約700棟、そのうち、昭和40年代後半からおおむね20年間で約65%が建設されておりまして、多くの市営住宅の老朽化が進んでいる状況であります。  一部の設備については改修が追いついていないと聞いておりますので、質問でありますが、市営住宅の設備更新における現状と今後の取組について伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  市営住宅の設備更新における取組についてのご質問でございます。  市営住宅の設備の改修には、国の補助金の対象になる設備と対象にならない設備がございます。国の補助金の対象になる設備は、給水管の直圧化や照明のLED化など、改修により居住性や耐久性能が向上するものであり、これらにつきましては、札幌市市営住宅長寿命化計画に基づき、計画的に改修を行っているところであります。  一方で、排水管や分電盤など国の補助金の対象にならない設備につきましては、これまで長期的な改修計画は定めておらず、建築後の年数に応じ、順次改修を行ってまいりましたが、改修となる設備が増加をする中で、その全てを改修することは困難となっているところでございます。  そのため、まずは、令和5年度から令和8年度までの4年間で市営住宅の全ての設備の調査を行うことで、改修の対象や優先度などを示した長期的な設備の改修に関する計画を令和9年度までに策定し、この計画に沿って設備の改修を行ってまいります。 ◆伴良隆 委員  藍原部長のご答弁では、4年間かけて設備関係の調査を行って、令和9年度までに計画策定ということで、その計画に沿って改修を着実に行っていきたいということでした。まだちょっと先ではありますけれども、着実な保全の取組として、確かに確認をさせていただきました。  しかし、計画を策定するからには、効果的なものでなければなりません。私は、ほかの部局でも、財政的効果ということを必ず聞かせていただくようにしています。  そこで、質問でありますが、現在行っている設備調査の結果を踏まえまして、策定する設備の改修計画についてはどのような効果があるというふうになっているのか、お考えを伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  計画策定による効果についてのご質問でございます。  全ての設備を調査することで、より詳細に設備の老朽化の度合いや劣化の状況を把握することができ、その結果、これまで以上に不具合の発生が危惧される設備を計画的、効率的に改修することが可能となります。  今年度、令和5年度に実施いたしました暖房給湯管の調査結果では、調査を行った市営住宅17棟のうち5棟につきましては改修の必要がないとの結果でありまして、建築後の経過年数に応じ、全ての暖房給湯管を改修する場合と比較いたしまして、約3割の改修費用の削減が見込まれているところであります。  今後策定いたします設備の改修計画に沿って改修を行うことで、事業費の削減効果を最大限発揮できるように取り組んでまいります。 ◆伴良隆 委員  今、給湯管の関係ではありますけれども、実際に3割の改修費用の削減が見込まれているというお話をしていただきました。こういうことを財政当局にもどんどん伝えていっていただきたいというふうに思います。  道路の関係の質問をさせていただいて、幹線、補助幹線、生活道路、こういったことも、事前の保全、そしてまた、事後の着実な保全ということが、結果的には道路部隊のほうではたしか50億円強の削減効果が見込まれるというお話がありました。  私は、まちづくり戦略ビジョンに書いてありますけれども、これはもっと大きく記すべきだ、掲げるべきだと思うのは、着実な保全、そして、未然にどう対応していくか、事前に対応していくかです。何かが起きてからでは、市民は非常に厳しい声になりますので、ぜひ滞ることのないようにするために、そしてまた、今、削減効果は3割という話が一方でありましたけれども、こういったことをきちんと伝えていくべきだというふうに思っています。  後に、このビジョンについては都市局長にご答弁をいただきたいというふうに思っております。  それでは、続けて質問でありますが、次は保全について伺ってまいります。  市有建築物の保全、改修計画は、速やかに策定されることを、先ほどの住宅関係は期待をしますけれども、建築部では平成20年度から取り組んできた市有建築物保全推進事業といったものがございます。  これは企業会計の所管施設や市営住宅、学校を除く422施設を対象としているということでありますけれども、1年前の我が会派質疑の答弁では、保全推進事業のスタートから10年以上経過した中の大きな課題として、大規模施設の改修工事では、建物内の設備機器を全面的に撤去し、新たなものに入れ替える必要があるため、休館期間が長期化して市民利用への影響が大きくなることがあり、それについて改善できるよう検討を進める、このような答弁でありました。  そこで、伺いますが、改修工事において、長期休館による市民利用への影響を少なくするよう検討を進める中でどのようなことが明らかになってきたのか、伺います。 ◎小島 建築部長  ご質問のありました課題の解決に向けまして、現在、幾つかの市有建築物をモデルとしまして、建物を使用しながら設備を部分的に更新していく手法などの検討を行っているところでございます。  その中で、施工方法や工期の設定、市民利用環境の確保など、それに必要となる仮設など、工事計画を幾つか想定いたしまして、業務や市民利用への影響の度合いとその事業費についての比較検討をいたしました。  検討を進める中で、区役所などの来庁者の多い施設では、施設利用への影響を低減するためには、大がかりな仮設や一時的な移転が必要となり、費用や時間、手間がかかるなど、様々な懸念事項が明らかになってまいりました。  また、仮設等がなくとも、大規模または代替のない施設におきましては、既存の建物が設備の具体的な更新作業まで想定してつくられておらず、主要な設備の停止期間が長期に及ぶため、市民利用への影響が一定程度生じることとなろうかと存じます。 ◆伴良隆 委員  ただいまのご答弁では、着実な保全のためにいろいろな調査なんかをしながら、工期の縮減もそうですし、休館なども含めて、夜間の工事なんかもありますので、そういったことをまさに計画的に調査していくというのでしょうか、組み立てていくということで、保全をしっかりやっていくのだということだったと思います。  しかし、一方で、先ほどご答弁にありましたけれども、やはり、手間がかかってしまう、費用とか時間がかかって、市民サービスも非常に困ることがあるのではないかということもまた話題になってきているということでありました。  小島部長も、長年、大変お疲れさまでした。  こういったことをぜひ次の代に生かしていきたいという思いを込めて、次に、中村都市局長への質問に移ってまいります。  ただいまのご答弁で、費用、時間、手間が非常に大きなハードルになるというふうに私は解釈をしております。これが保全の今の状況ということであります。  発想を変えますと、場合によっては、建物のつくり直しと、建て替えといったことも考えなければいけないケースもあると思います。  将来の保全につきましては、当時建てられたものが、維持管理ということで言うと、保全をしっかり考えて建築、設計されたものかどうかということになりますと、インフラに関しては我々の世代が感じていますけれども、必ずしも建物だけではなかったのではないか、必ずしもそうではなかったのではないかということが反省として残っていると思います。
     私は、まちづくり政策局の質疑で、雑駁に30年ごとで区切りましたけれども、昭和40年代からの30年間ということは、建物等のインフラの建築、建設のラッシュだったと思います。非常に多くの建物がつくられていたということで言うと、建築を優先したのだろうなというふうに思っております。  およそ平成元年からの30年間というのは、そこをどう維持管理していくかというルーチンに入っていたと思います。つまり、その中で、ソフト的対策、クオリティーをどう上げていくかということで、これはソフトを優先ということだったのかなというふうに解釈をしております。  まちづくり政策局に強く指摘したのは、今後のおよそ30年間は、計画的な保全とともに、建物のつくり直し、つまり、まちが再編されていく、再整備されていくということが出てくるので、技術職の方々は、今までのようなフェーズではなくて、今後物すごく責任を負う、つまり、期待が増しますよということを、私は具申をしたわけでありまして、この今後の30年間というのは、機能をどうやって優先していくかということを伝えていかなければいけないというふうに思っています。  そのためにも、先ほど言ったように、財政の効果、この費用便益をどう考えるかということだと思います。  当時を思い出しますと、平成26〜27年に、市役所の外壁が剥落したときについて、当時、代表質問の中で触れました。  そのときのご答弁は、本会議場でありましたけれども、本庁舎の維持管理上の問題だということで一蹴された記憶がございましたが、いかがなものかと思いました。根本的な原因や重篤性を避けてきた当時の市政だったというふうに私は思っております。  本市では、民間主導の再開発が優先されたということがあって、それから、こういう民間の再開発とか地域の問題が顕在化していくのを、待ちの姿勢で、事後対応に陥っていたのではないかと。市役所の自らがまちづくりの担い手であるということの思いというか、そういうプライドを封印して、窓口的な業務や事業部署的な業務に、実は甘んじていた時代ではなかったかなと、ちょっと強い言葉で言うと、私はそういうふうに思っております。つまり、もっと皆さんのノウハウであるとか、使命であるとか、責任であるとか、業務というものは、もっともっと必要なものがあったのではないかと思うのですけれども、時代だったのかなと思っています。  ただ、今後はそうはいかないというふうに思っております。  おおよそ、今後30年で老朽化した建物がつくり直され、再開発も含め、まちが再整備されていく中、市有建築物もまた、つくり直しの時期が到来しています。  先ほど小島部長からお話がありましたけれども、私たち世代が、建物の保全でこうして様々に苦心をしています。苦労をしています。つくられたことについては感謝をしていますけれども、やっぱり使い勝手も含めて大変になってきていますね。ですから、私たちは、建物はそのときのご時勢でただ建てるだけではなくて、末永く維持管理し、保全しやすい建物につくり直していくことこそ、次の、次の世代への責任である、このように痛感しておるところでございます。  よって、市有建築物の建設と保全を進めてきた都市局には、これまでの経験を整理した上で、今後必要となることを市役所内外に示し、先手を打って対応していく積極的な姿勢が今後一層求められている、このように強く申し上げたいと思います。  そこで、最後に、中村都市局長に質問であります。  これまでの長きにわたるご経験、ご奉職も大変お疲れさまでございました。しかし、そのご経験をどう生かしていただくかということでご答弁いただきたいと思いますが、また、ファシリティーマネジャーとしてのお立場もありました。  そこで、市有建築物の保全や今後の都市再整備に広くどのように対応していくべきなのかということを、現在の答弁とともに、次の世代へのご提言も含めて、中村都市局長に伺いたいと思います。 ◎中村 都市局長  質問の内容があまりにも大き過ぎるので、都市局長としての、FMとしてのお答えとさせていただいてよろしいでしょうか。  これまでの経験を踏まえ、総括的にどのように対応していくのか、FMの立場としてどうなのかということがありました。  先ほど、委員からご説明がありましたとおり、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023年では、「都市基盤を適切に維持・更新し、最大限利活用するまち」を掲げて、市有建築物は単につくって終わりとならないよう将来にわたって維持・更新し、市民の財産を大切に使用することが重要だと考えております。市有建築物の耐用年数を80年とし、長寿命化するためには、最低でも2回程度の大規模な設備更新工事が必要であり、本来であれば、定期点検や機器等の入替えなどを想定した設計とすべきであります。  しかし、1970年代から80年代にかけての建設ラッシュ時につくられた建築物は、大規模な設備更新までは考慮されておらず、更新工事の際、非常に苦労しますが、今回のうちの更新工事の中でできる限り考慮して、内容を検討していきたいと思っています。  また、残念ながら、重要部分が更新できない案件、長期間、完全に停止しなければいけない案件がありますが、関係部局とも連携しながら、長期閉館や建て替えを含めた検討を行い、都市局としては、保全工事の実施機会を捉えて、できる限り負の遺産、あえて負の遺産とさせてもらいますが、負の遺産を減らす努力をしてまいりたいと思っています。  また、FMとしてという話もありましたので、アクションプランの「適切に維持・更新」に込められた意味について踏み込みますと、適切に行うためには、長期・中期・短期計画があり、特に短期修繕計画には、年点検などの情報から劣化度を判定し、対応する必要があります。さらに、使用者のことを考えて、耐用年数が10年、12年、15年と多少違うものがありまして、他の設備、電気、機械を一緒に行うことで現地の負担を軽減することが求められます。  これらの情報から、完全閉館か、一部使用しながら行うかの判断を行い、基本計画を立て、実施計画、工事となります。  これを行うためには、様々な経験と実績が求められ、時間とマンパワーが必要であり、非常に苦慮するところであります。  今回の都市局所管の市営住宅が10年来の課題解決に向けて動き出した成功事例と私たちは考えているのですが、所管部局である住宅担当部が危機的状況を明確に理解し、適切に関連部局と共有できたことが重要だと考えています。これを、他部局所管施設の保全工事を都市局で一元的に実施する市有建築物保全推進事業においても、原局との危機意識と切実さをもって情報交換できるか、設備の重要部分の更新が不可欠であることの情報共有を図り、解決策を出し合うことなど、引き続き努力してまいります。  さらに言うならば、職員は残念ながら、2〜3年で異動、退職します。業務を継続していけるよう引き続きしっかり行ってまいりますが、車の両輪である市議の皆様にも、温かく見守り、励ましと、新たなアイデアなどをご教示いただければと思います。  また、今回の成功事例は、関連部局が一丸となって考えて取り組んだ成果と受け止めています。  札幌市を取り巻く状況は非常に厳しいですが、ぜひ明るく元気な札幌市の市政のために一丸となって取り組みますよう、お力添えをよろしくお願いします。 ◆伴良隆 委員  しっかりお話をいただいたので、私もお話をすることがほぼなくなってしまったのですけれども、長期、また短期という計画の中で、僕の心の中に残った答弁は、都市局だけではなく、技術者の皆さん方が今まで経験をされてきたことをどう原局の予算に対して訴えていくかということなのだと思います。  市民は、やっぱり配管のところまで分からないですね。どういうふうに設備がどうなってるのか、電気系統も含めて、分かりません。ただ、どれだけ更新のときにお金がかかるのか。本庁舎のこともそうです。事務室に水があふれていることなんか誰も知らないわけです。  そういう状況を、危機感とともに、どれだけそこにお金がかかっていくか、ライフサイクルコスト、そして、場合によっては建て替えも含めてですけれども、こういったことをもっと皆さんはきちんと伝えてほしいというふうに思いますし、各部署にどんどん異動される中においても、いろいろなノウハウを次の世代に継承していただきたい、つないでいただきたいと思っております。  今、都市局長としてのご答弁ですから、まちづくりの担い手であるという言い方はなかなかしにくいですけれども、私はまちづくりの担い手であると広義の意味では捉えています。しかし、狭義の意味では、確かに、保全をしっかりしていくことと、どうやって建て替えの際に設計に関わっていくかということだと思います。  ですから、原局の方にもお伝えをしたいと思いますし、伝えていきますけれども、ぜひ都市局の皆さん方のノウハウと、次の世代がどう関わっていくかということをつないでいただきたいというふうに期待しております。  最後に、中村都市局長には、市役所内外でまたご活躍されることを期待申し上げますとともに、感謝を申し上げて質問を終わります。 ◆おんむら健太郎 委員  私からは、高断熱・高気密住宅普及促進事業について、幾つか伺ってまいります。  高断熱・高気密住宅普及促進事業で行われております札幌版次世代住宅の取組は、積雪寒冷地である札幌市独自の住宅の省エネ化の取組でございまして、国の省エネ基準を上回る断熱基準を設け、2012年から補助制度などを活用しながら住宅の省エネ化をリードしてまいりました。  専門家の話によりますと、札幌版次世代住宅の取組は、札幌市内、北海道内にとどまらず、全国的にも知られている取組だということでございました。  昨年の決算特別委員会で、我が会派委員から提言しました名称変更についても、専門家からは、札幌版次世代住宅が建築専門家に定着している状況で、変えないほうがいいというお墨つきもいただいたと聞いております。  昨年、国の省エネ基準の改正を踏まえ、6年ぶりに基準の見直しが行われ、住宅の性能に関する等級が、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4段階に見直されまして、また、新しい要件として、太陽光発電、蓄電池の設置が加わり、今年度から新制度が運用されております。  昨年の決算特別委員会でも触れましたが、資材高騰が続く中でも補助申請が順調に出されているということで一安心していたところではございますが、今年度の執行状況が気になるところでもあります。  そこで、一つ目の質問です。  今年度の札幌版次世代住宅補助金の執行状況について伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  札幌版次世代住宅補助金の執行状況についてのご質問でございます。  昨年度と同様に、市民や事業者のニーズを踏まえ、4月、6月、8月、10月の全4回募集を行い、等級が高い順に、プラチナが12件、ゴールド26件、シルバー10件の合計で48件の補助申請を受け付けまして、予算額8,140万円に対します補助申請額は7,920万円でありまして、97%の執行を予定していたところであります。  その後、着工時期が遅れたなどの理由によりまして13件の辞退があったことから、最終的な補助金の交付予定件数は35件となり、執行予定額は5,940万円で、2,200万円が不用額となる見込みでありまして、執行率は73%となっております。 ◆おんむら健太郎 委員  プラチナに12件、ゴールドに26件と、これまでにないほど高い等級に多くの申請があったということで、市民や事業者の高断熱住宅に対する意識も着実に向上しているのではないかなと感じたところでもあります。  来年度は、新しい基準、補助制度の2年目ということでございますので、制度の周知が今以上に進みまして、プラチナやゴールドへの応募者がさらに増えて、補助金の交付が抽選になることもあるのではないかと推察するところでございます。  一方で、今年度は、13名の辞退者が発生し、2,200万円の予算が余ってしまったということでございましたが、やはり、一人でも多くの市民に補助金を活用してもらうために、制度の改善も必要かと思います。  今年度、補助金の増額や、上位等級を優先して採択するという抽せん方法の見直しを行ったことで、より断熱性能の高い等級の申請が増えたように、効果的に予算が使われるよう随時制度の見直しを行う必要があるのではないでしょうか。  そこで、次の質問です。  来年度はどのように補助制度を運用されていく予定か、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  来年度の補助制度の運用についてのご質問でございます。  今年度、補助金の額などを見直した結果、プラチナ、ゴールドといった高い等級の申請が増えたことから、より断熱性能の高い住宅の普及促進を図るといった見直しの効果は一定程度あったと考えているところでございます。  そのため、補助金額や募集時期の見直しは行わず、補助金額は、プラチナ220万円、ゴールド180万円、シルバー60万円といたしまして、募集時期も4月、6月、8月、10月の年4回を予定しております。  一方、委員のご指摘のとおり、今年度は13件の辞退がありまして、これにより予算に不用額が出る結果となったことから、来年度は辞退者が出た場合に、その予算を有効に活用できる仕組みにしたいというふうに考えております。  具体的に申し上げますと、年度内最後の募集会が抽せんとなり、その結果、落選となった申請者を補欠として登録をいたしまして、辞退者が出た場合に、補欠登録者が補助金を受けることができる仕組みに変更する予定であります。  また、補助金の予定額を上回る申請があった場合の抽せん方法につきましても、プラチナの優先枠を一定数設定することで、プラチナへの申請者を優先的に採択できるよう見直しを行う予定でございます。 ◆おんむら健太郎 委員  今、プラチナを優先的にという話がありました。最高等級のこのプラチナは、国の省エネ基準を上回る、世界でもトップクラスと言われている断熱性能の住宅でございますので、これに取り組む先進的な住宅事業者さんたちを後押しするような制度であってほしいと思います。  また、昨年の決算特別委員会でも我が会派から要望させていただきましたが、札幌市がカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいくためには、住宅の高断熱化、省エネ化は非常に重要でありますので、引き続き積極的に取り組んでもらいたいと思います。  また、住宅の省エネ化は、戸建て住宅だけではなく、集合住宅においても重要でありまして、さらに、新築だけでなく、既存の集合住宅の高断熱化に取り組む必要もあるということについても我が会派から繰り返し指摘させていただいたところであります。  これに対しまして、昨年の決算特別委員会では、既存の集合住宅に対して、外断熱工法による高断熱改修を促すため専門家を派遣する省エネ改修コンサルタント派遣制度を始めたという答弁がございました。  外断熱改修が実際に行われますと、CO2の削減に非常に効果がありますので、マンションの管理組合などが外断熱改修の工事などに取り組みやすくなるような支援も必要ではないかと考えます。  そこで、質問です。  今年度の既存集合住宅省エネ改修コンサルタント派遣事業の取組状況について、また、今後、外断熱改修の促進に向けてどのように支援していくのかについて伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  今年度の既存集合住宅省エネ改修コンサルタント派遣事業の取組の状況と、今後の外断熱改修促進に向けた取組についてのご質問でございます。  初めに、今年度の省エネ改修コンサルタント派遣事業の取組でありますけれども、昨年の10月から11月にかけて申込みを受け付けまして、これまでに、3棟の分譲マンションに対し、専門家を派遣したところであります。  アドバイスの概要といたしましては、外壁改修などの通常の大規模修繕を行った場合と、大規模修繕に外断熱工事を追加した場合など、複数の案を提示した上で、外断熱工法を採用した場合は、住環境の向上や断熱材でコンクリートが保護されることにより、将来の外壁の修繕費が抑えられるといった特徴やメリットなどを示したところであります。  今後、専門家によるアドバイスを踏まえ、マンション管理組合などに外断熱工法のメリットが伝わり、外断熱改修につながることを期待しているところであります。  次に、外断熱改修促進に向けた今後の取組についてでありますが、引き続き、省エネ改修コンサルタント派遣事業を進めていくことに加えまして、委員からご指摘のありましたとおり、マンションの管理組合等が外断熱改修に取り組みやすくなるような支援策の創設など、具体的な検討を進めてまいります。 ◆おんむら健太郎 委員  今、様々なご答弁いただきました。集合住宅の外断熱改修がさらに進んでいくことを期待しております。  高断熱・高気密住宅は、結露を防ぎ、住宅内の温度、湿度を一定に保ちまして、入居者の健康にも寄与するものであります。分譲型集合住宅の改修には所有者、入居者の同意が必要でありまして、管理組合も苦労されているというふうに伺っております。管理組合運営のアドバイスとともに、外断熱改修の理解を深めていただき、集合住宅の長寿命化と入居者の健康増進につながる支援も必要だと思います。  札幌版次世代住宅の補助制度を始めたときのように、創意工夫をされて、独自の補助制度を提案するなど、日本の住宅の高断熱化をぜひリードしていくような取組になることを期待しまして、私からの質問を終わらせていただきます。 ◆田中啓介 委員  私からは、マンション共用部分のバリアフリー改修に係る支援について質問をいたします。  本市の全住戸のうち、分譲マンションが占める割合は約16%、本市は、札幌市マンション管理適正化推進計画の中で、建物の老朽化とともに居住者の高齢化も課題となっており、適正な管理が行われていない場合には、将来的に居住者の居住環境の悪化のみならず、周辺の住環境や都市環境の悪化を引き起こす可能性があることから、こうした事態を招かないためにも、マンションの維持管理の適正化に向けた取組の強化が求められるとしております。  2020年度の札幌市マンション管理実態調査によりますと、分譲マンション居住者のほぼ半数が65歳以上で、築年数が古いマンションほど、その高齢化率の割合が高くなっております。また、この調査では、バリアフリーを実施しているかどうかについても調査しておりますが、バリアフリー対策を行っていないマンションは全体の4分の1、特に、1976年から1980年に建てられたマンションでは41.2%となっております。  この実態調査、バリアフリー化の状況についてはお聞きしておりますが、実施していない理由までは聞いておりません。  そのほか、例えば、断熱改修については今後の実施予定を、また、耐震改修については実施していない理由などを聞いております。  管理組合の状況を適切に把握していくためには、例えば、バリアフリー化についても実施していない理由について確認する必要があると思っております。  私は、これまでに何度か、マンションの共用部分のバリアフリー改修費補助について質問をしてまいりました。2021年の予算特別委員会で質問をしたときに、当時の担当部長はその答弁の中で、補助につきまして、今回の管理実態調査の内容も精査しなければならないとお答えしております。  そこでまず、伺います。  この調査の内容の精査をする上においても、また、管理実態調査をより有効的なものにしていくためにも、管理組合の様々な実施状況に加えて、実施できていない理由も調査をしていく必要があると思いますがいかがか、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  マンション管理実態調査の調査項目についてのご質問でございます。  マンション管理実態調査はおおむね5年ごとに実施をしており、適宜、調査項目の見直しを行っているところではございます。次回の調査は令和7年度を予定しておりますが、調査の実施に当たりましては、マンションの管理の実態をより詳細に把握できるよう、調査項目を検討してまいります。 ◆田中啓介 委員  今の答弁でもより詳細にとありましたので、本当に正確に、適正に把握して、どんな支援が必要か、そのためにも、ぜひ、今の答弁にあったような詳細に調査をしていただければというふうに思います。  2006年に建築物のバリアフリー法の施行がされた前に建てられているマンションのバリアフリー化を促していく必要があると思っております。築年数が古いマンションほど居住者の高齢化率が高くて、また、自分自身が住んでいる専有部分だけではなくて、共用部分のバリアフリー化も同時に求められていることだと思っております。  そして、この問題は本市だけではなくて、全国的にも同様な課題がありまして、他都市では、例えば、横浜市、兵庫県など、道内では旭川市がマンションの共用部分のバリアフリー改修費用の一部補助を行っております。  2021年の予算特別委員会で、この共用部のバリアフリー化に係る費用の補助を求める質問において、担当部長は、高齢化の進展に伴いまして、大変深刻な問題だというふうには認識している。ただ、補助につきましては、私ども、国や他都市の動向などにも注意を払いながら、また、今回の管理実態調査の内容も精査しなければなりません、また、他制度や本市関連他部局の動向、さらには本市の財政状況などを踏まえまして、今後の課題として検討してまいりたいと答弁をされております。つまり、本市として、マンション共用部分のバリアフリー化対策の必要性は認識しているのだと思っております。  そこで、伺います。  本市がマンションの共用部分のバリアフリー改修に対して支援をするに当たって、どんな課題があると認識をされているのか、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  バリアフリー化支援の課題に関するご質問でございます。  既存のマンションにおきましては、例えば、スペースの問題で段差を解消するスロープが設置できないなど、バリアフリー改修を実施しない理由は様々であると推察されますが、先ほど委員からご指摘がありましたとおり、それらの事情を把握できていないといった事情があります。  そのため、先ほども答弁させていただきましたが、令和7年度に予定をしておりますマンション管理実態調査において、バリアフリー化の課題なども把握ができるよう、必要な調査項目を検討してまいります。 ◆田中啓介 委員  様々な課題があり、もう一つ、今、部長が答弁をされたのが、実態まで把握できていない部分もあるということでした。  今、3期目を迎えております秋元市長の選挙公約の一つに、市役所内にユニバーサル推進室を設置し、移動経路、建物等のバリアフリー化に関する取組を推進しますとあります。高齢や障がいがあっても住みやすい居住、地域環境にしていくためにも、マンション共用部分のバリアフリー改修工事費用の補助をしていくことは、本市のまちづくりの重要概念の一つでもありますユニバーサル(共生)の推進にも寄与する取組になると思います。  また、先ほど部長がおっしゃっておりました実態の問題、本市が行っている管理実態調査での回答率、2020年度は約4割で、6割近くのマンションの管理実態調査を把握し切れておりません。本市がもしマンションの共用部分の改修に補助をするということを実施した場合、把握できていなかったマンションからも応募するというきっかけになると思いますし、それによって、本市のマンションの実態をより正確に把握することにもまたつながっていくのではないかと思っております。  さらに加えて、マンションの共用部分のバリアフリー改修補助をすることは、経済の活性化にも寄与するものだと思っております。  本市では、戸建てやマンションの専有部分で省エネにつながるリフォームやバリアフリー工事費用を助成する住宅エコリフォーム補助制度を実施しております。この制度の2022年度の補助額は約1億2,000万円に対して、工事費は約24億円と20倍の経済効果がありました。  マンションの共用部分のバリアフリー改修工事費補助として、先ほど例に挙げました横浜市は、工事費の3分の1、上限30万円の補助をするというものがございます。この横浜市と同様に例えば上限30万円として500件に対する支援を本市で実施した場合に、1億5,000万円の補助予算額を組むことになりますが、それによって、20倍の30億円の工事費が見込まれ、経済波及効果も期待できるのではないかと思っております。  そこで、伺います。  マンション管理組合の負担軽減というだけではなくて、本市のまちづくりの重要概念であるユニバーサルの推進にも寄与して市内経済の活性化にもつながるということを考えて、改めて分譲マンション共用部分のバリアフリー化改修費用への補助の実施を検討すべきだと思いますがいかがか、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  バリアフリー化への支援についてでございますけれども、国の制度でありますとか、他都市の動向も注視をしながら、また、令和7年度に実施をいたしますマンション管理実態調査の結果も踏まえ、その必要性について引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  マンションは地域における重要な居住形態であり、居住者の高齢化などによって適正な維持管理が困難なマンションに対する支援策の一つとしてということだけではなくて、本市の経済の活性化にもまたつながっていくのだということで、マンションの共用部分のバリアフリー化改修費用の補助を早急に検討して、実施していくことを求めまして、質問を終わります。
    ◆たけのうち有美 委員  私からは、民間建築物の耐震化支援について伺います。  年明けの1月1日、石川県能登半島で最大震度7の揺れを観測する地震が発生しました。  石川県によると、能登半島地震の建物の被害は3月12日時点で9万棟を超えています。中でも、住宅の全壊、半壊、一部破損は8万棟を超え、多くの人々が倒壊した建物の下敷きになるなどして命を落としました。  このような大地震から自らの命や財産を守るために、改めて住宅や建築物の耐震化を図る重要性を認識したところです。  しかしながら、耐震改修には多額の費用を要することから、建物所有者の負担は大きく、札幌市における耐震化補助制度においては、費用負担を軽減することが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、民間建築物の耐震化補助事業について、これまでどのような取組を実施してきたのか、伺います。 ◎二宮 建築安全担当部長  耐震化補助事業のこれまでの取組についてお答えいたします。  本市では、昭和56年の建築基準法改正以前に建てられた旧耐震基準の木造住宅や民間建築物を対象として、耐震診断や耐震設計、耐震改修工事等に対する補助制度を実施しております。  木造住宅については、耐震診断補助制度を平成18年度に開始し、平成28年度には耐震診断を無料化、耐震改修工事の補助制度については、平成22年度に補助額の上限を40万円で開始し、以降、補助額を80万円、100万円、120万円と増額しており、補助率は当初の23%から80%に引き上げております。  また、木造住宅以外の多数の方が利用する民間建築物については、平成20年度に耐震診断補助制度を、平成24年度に耐震改修工事の補助制度を開始し、対象用途を徐々に拡充するなど、随時制度の見直しを進めてきております。 ◆たけのうち有美 委員  これまで本市が実施してきた耐震化の促進に向けた支援制度の取組状況は分かりました。  我が会派は、これまで補助制度の拡充を求めてきたところであり、それに応える形で支援制度を充実させてきている点については一定の評価をしたいと思います。  2021年3月に策定された第3次札幌市耐震改修促進計画によると、市内の建築物の耐震化は住宅で91.6%、多数の方が利用する建築物については94.5%と進んできてはいるものの、耐震性が不十分と考えられるものがいまだ一定数存在しています。  こうした状況を踏まえると、今後もより一層耐震化を促進するために、さらなる支援の拡充が必要と考えます。  そこで、質問ですが、今後の補助制度の取組について伺います。 ◎二宮 建築安全担当部長  今後の補助制度の取組についてお答えいたします。  旧耐震基準で建てられた建築物は、築40年以上が経過し、老朽化の進行に伴って、耐震化の手法として建て替えを選択肢とする場合が今後増えていくことが想定されます。  そのため、木造住宅については、令和3年度に除却工事補助制度を開始したところ、今年度は、耐震改修工事の補助を超える25件の利用があり、一定の成果があったと認識しております。  また、木造住宅以外の民間建築物については、用途によっては事業の継続性を確保する必要があるなど、利用面から耐震改修や現地建て替えによる耐震化が難しい場合がございます。  そこで、別敷地での移転建て替えなどの多様なニーズに対応するため、多数の方が利用する民間建築物についても、令和6年度から除却工事を対象とした補助制度を開始し、さらに耐震化の推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  来年度からは、木造住宅以外の多数の方が利用する民間建築物の除却工事補助を拡充予定とのことで、一定の評価をしたいと思います。しかし、木造住宅については、低コスト工法なども含めた様々な手法も視野に検討していくことが求められると思います。  南海トラフ地震に備える高知県では、低コスト工法を活用し耐震改修を進めています。事前に補強が必要な箇所を精密診断し、工事は最小限なので、住人は住んだままで改修が行えます。また、従来の工法は天井と床を取り外すため、工期が2〜3か月かかり、費用も数百万円かかる場合が多いのに対し、低コスト工法は、床と天井をそのままにして、合板などを用いて壁を補強し、工期も2週間から1か月ほどで、従来の工法よりも負担が少なくて済むと言われています。もちろん、雪が降らない高知県と札幌では条件が違いますので、札幌には積雪荷重に耐えられる低コスト工法が必要であると考えます。  今後は、例えば、北海道を含めた耐震関係の連絡協議会などをうまく活用して、積雪寒冷地のための低コスト工法等についても情報共有をしながら研究を進めていただきたいと思います。  大地震から命や財産を守るため、民間建築物の耐震化については、効果的、効率的な手法を工夫しながら、より使いやすい支援に努めていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ○村松叶啓 委員長  以上で、第5項 都市開発費のうち関係分等の質疑を終了いたします。  次に、議案第2号 令和6年度札幌市土地区画整理会計予算及び第10款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月19日火曜日午後1時から、病院局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして、散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時39分...