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令和 6年第一部予算特別委員会−03月12日-06号
令和 6年第二部予算特別委員会−03月12日-06号

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  1. 札幌市議会 2024-03-12
    令和 6年第二部予算特別委員会−03月12日-06号


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    最終取得日: 2024-09-10
    令和 6年第二部予算特別委員会−03月12日-06号令和 6年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第6号)               令和6年(2024年)3月12日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  村 松 叶 啓      副委員長   うるしはら直子     委   員  勝 木 勇 人      委   員  高 橋 克 朋     委   員  こんどう 和雄      委   員  北 村 光一郎     委   員  伴   良 隆      委   員  川田 ただひさ     委   員  松 井 隆 文      委   員  小 竹 ともこ     委   員  三 神 英 彦      委   員  山 田 一 郎     委   員  和 田 勝 也      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  中 村 たけし     委   員  松 原 淳 二      委   員  たけのうち有美     委   員  おんむら健太郎      委   員  森   基誉則     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  好 井 七 海     委   員  小 口 智 久      委   員  前 川 隆 史     委   員  熊 谷 誠 一      委   員  太 田 秀 子     委   員  吉 岡 弘 子      委   員  長 屋 いずみ
        委   員  佐 藤   綾      委   員  波 田 大 専   欠 委   員  山 口 かずさ      委   員  成 田 祐 樹     委   員  脇 元 繁 之       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○村松叶啓 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、山口委員からは欠席する旨、また、三神英彦委員からは遅参する旨、また、こじま委員からは北村委員と、村山委員からは小竹委員と、小須田委員からは山田一郎委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第5款 経済費 第2項 農政費のうち、農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第1項 商工労働費の質疑を行います。 ◆吉岡弘子 委員  私は、中小・小規模事業者支援について質問いたします。  新型コロナウイルス感染症による経営悪化に陥る事業者支援として始まったゼロゼロ融資は、中小企業、小規模事業者を対象とした実質的無利子・無担保の融資で2020年3月から2022年9月までの期間で行われました。全国の利用件数は245万件、実行額は約43兆円に上りました。  地域経済を支える中小・小規模事業者は、今なお、コロナ禍に続く原材料・燃料価格の高騰、人材不足などに苦しんでいます。新型コロナウイルス感染症の5類移行後、回復に向かってはいるものの、円安による物価高や光熱費の高騰、人手不足と賃金上昇など、コストが増加し、経営を直撃しています。企業実績が回復し切れない下で、コロナ禍で実施されたゼロゼロ融資などの債務の返済開始が昨年夏にピークとなりました。  国は、2023年1月、ゼロゼロ融資の返済が本格化する現状を踏まえ、ゼロゼロ融資の借換え保証として伴走支援型特別保証制度を創設しました。本市の伴走型経営改善資金の融資に乗り換えるためには、セーフティネット保証4号などの4項目のいずれかに該当しなければなりません。該当すると認定されれば、伴走型経営改善資金を申し込むことができます。  国は、ゼロゼロ融資の返済開始の最後のピークと言われる今年の4月を前に、3月31日までのセーフティネット保証4号の認定期間を3か月間延長すると発表したところです。  そこで、質問ですが、本市におけるセーフティネット認定件数伴走型経営改善資金の実績、融資額及び事業者規模について伺います。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  セーフティネットの認定件数と伴走型経営改善資金の件数、融資額、その事業者規模についてお答えいたします。  セーフティネット保証は、売上げや粗利益の減少により経営の安定に支障が生じている事業者などの資金繰りを支援するものであり、令和5年度の認定件数は、令和6年1月末時点で1,362件となっております。  セーフティネット保証の認定を受けた事業者も対象となる伴走型経営改善資金については、民間ゼロゼロ融資等からの借換え需要などに対応しており、札幌市で運用を開始した令和5年2月以降、令和6年1月末までに524件で、約130億円の融資が実行されているところです。  この資金を利用している事業者規模については、従業員が20名以下の事業者で、件数では全体の約83%、融資金額では全体の約74%となっております。また、従業員が5名以下の事業者に絞ってみても、件数では全体の約47%、融資金額では全体の約30%となっており、小規模事業者にも広くご利用いただいていると認識しております。 ◆吉岡弘子 委員  130億円の融資ですから、伴走型経営改善資金が地域経済に果たす役割は大変大きいことが分かります。  一方で、本市におけるセーフティネット認定件数は、今お答えになった令和5年度で見ると1,362件ですが、伴走型経営改善資金の実績は、ほぼ同時期で524件ですから、差があることも分かりました。  セーフティネットの認定件数の割に伴走型経営改善資金が少ないのは、北海道による同様の借換え融資制度の活用が大きいとのことです。しかし、認定されて融資を申し込んでも、融資されずに諦める例がなかったのか、借りられない企業や個人事業者の方が多数いらっしゃるのではないかと心配するところです。  借換え融資の申込みの際には、5年先までの経営行動計画書の作成と、金融機関から継続的な伴走支援を受けなければなりません。具体的な計画が求められており、財政分析など、専門的なことも含まれるため、小規模事業者にとってはハードルが高いという声を聞いています。  そこで、質問ですが、札幌中小企業支援センターにおける今年度の相談件数と相談内容について伺います。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  札幌中小企業支援センターにおける相談件数と相談内容についてお答えいたします。  令和5年度の相談件数については、令和6年2月末時点で約7,000件となっており、主な内容としては、セーフティネット保証の認定に係る申請等が約2,700件、創業に係る相談が約2,650件、経営相談が約500件となっております。  経営相談の内容としては、資金繰りや融資、補助金、雇用関係、事業展開など、様々な相談が寄せられております。 ◆吉岡弘子 委員  今年度、最も多いのがセーフティネットについての相談で、これはゼロゼロ融資の借換えの申請に関わる相談が2,700件ということになります。  本市の令和5年度上期札幌市企業経営動向調査結果では、令和5年度下期の見通しは、売上高、経常利益ともに下降しています。物価高騰が経営に影響していると回答した1,035社中、危機的な影響があるが6.3%、かなり影響があるが50.8%で、合計すると60%に上っており、資金繰りについては2割が苦しいと回答しています。  政府が借換え保証などの支援策を6月末まで延長することにしました。本市としても、経営行動計画書の作成がネックとなっていると、実情と相談件数から推察されますので、事業者の皆さんへの援助として、経営の専門家である札幌中小企業支援センターの体制を強化するなどし、寄り添った対応を取られるよう求めまして、質問を終わります。 ◆山田一郎 委員  私からは、半導体関連の産業振興について、順次、質問いたします。  まず、半導体関連産業の集積に向けた取組について伺います。  昨年2月28日に次世代半導体の国産化を目指すラピダス社が千歳市への工場進出を表明してから、1年余りが過ぎました。新千歳空港に隣接する工業団地、千歳美々ワールドには大型クレーンが立ち並び、2025年4月のパイロットライン稼働、そして、2027年の量産開始に向けて、工場建設が着々と進んでいる状況でございます。  ラピダス社の進出により、道内では、かつてない巨額の投資に加え、数千人規模の雇用の創出や半導体関連企業の集積、交流人口の拡大といった様々な効果が期待されており、我が会派でも、これまでの代表質問において、札幌市としてもこれを絶好の契機と捉え、地域経済の活性化、さらには、まちづくりの発展につなげる取組を進めるよう求めてまいりました。  半導体産業は、原材料から製造装置あるいはソフトウエアまで裾野が広く、昨年11月に北海道新産業創造機構、いわゆるANICが公表したラピダス社の立地に伴う道内経済への波及効果シミュレーションは、2023年度から2036年度までの14年間で、IIM−1と2の両方が量産を行った場合の経済波及効果の総額は18.8兆円と試算されております。  このシミュレーション結果は、ラピダス社による道内調達の割合や関連産業の立地件数、従業員数など、前提条件、想定値の内容や組合せ次第で大きく変動するそうですが、この夢のような経済波及効果を現実のものとするためには、関連産業の集積を進めることが重要になると考えます。  また、この1年の間に、半導体製造装置内配管を製造する株式会社テクノウェルや半導体製造素材や資材などの倉庫を手がける株式会社日新をはじめとする半導体関連企業が千歳市や苫小牧市への立地を表明したほか、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLやアメリカのアプライドマテリアルズ、さらには、ベルギーの半導体研究機関、アイメックなどの海外の半導体製造装置メーカーや海外の研究機関なども北海道での拠点設立を検討していることが発表されています。  さらに、ラピダス社の小池社長からは、千歳市への半導体製造工場の道内進出をトリガーとして、苫小牧から札幌、石狩までの一帯で、デジタルや再生可能エネルギーを軸に半導体やデータセンターなどの先端企業が集積する北海道バレー構想も提唱されており、既に石狩市や苫小牧市では、データセンターや洋上風力など、方向性を定めて誘致活動を行っております。  札幌市においては、通信ネットワーク拠点やデータ関連企業の集積が期待されているところですが、今年度実施している半導体関連産業集積に向けた予備調査検討業務の中で、今後取り組むべき政策の方向性が示されていると聞いております。  そこで、質問ですが、札幌市では、これまで、高等教育機関の集積や人材の供給力といった強みを生かし、企業の本社機能やIT・クリエーティブ企業などの誘致に取り組んできたと思いますが、昨今の道内の動きを捉え、半導体関連産業の集積に向けて、今後どのような取組を行っていくのか、伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  半導体関連産業の集積に向けた取組についてのご質問でございます。  ラピダス社の千歳進出に伴いまして、道央圏での半導体関連企業の進出が期待されるところであり、札幌市といたしましても、企業誘致に積極的に取り組み、地域経済の成長につなげていくことが重要と認識をしております。  このため、今年度は、半導体をテーマにした企業誘致セミナーを東京で開催し、市長がトップセールスを行ったほか、北海道や近隣自治体、さらにはラピダス社とも連携をし、半導体の展示会に参加をして立地環境をPRしたところであり、来年度もこうしたプロモーションを継続的に行ってまいります。  また、大学の集積やオフィス環境の充実といった札幌市の強みが評価をされ、既に先端半導体の設計企業や大手製造装置メーカーのAI部門が立地をしている状況を踏まえまして、今後は、半導体の設計や研究開発を行う企業の誘致に積極的に取り組みたいと考えております。  さらに、半導体関連産業の発展に資するスタートアップやAI関連企業、大学などによるイノベーションへの取組を進めることで、立地先としての地域の魅力を高めますとともに、近隣自治体や関係機関とも連携をしながら、半導体関連産業の集積を進めてまいりたいと考えております。 ◆山田一郎 委員  ただいま答弁いただきましたとおり、いろいろとPRして、来年度も続けていくということでありますが、今後も、半導体関連企業を札幌に呼び込んでいただけるように、ぜひとも積極的な取組をお願いします。  さて、このように半導体関連企業を呼び込み、関連産業を集積させていくためには、これらの産業を支えて、その将来を担う人材が継続的に供給をされていくことがますます重要になります。  また、道内では、特に理系分野の若者が就職のタイミングで道外に転出してしまうことが依然として課題であることから、半導体関連産業の集積により、魅力のある雇用を創出しつつ、そこで活躍できる人材を育成し、地元定着を促進していくことも重要と考えます。  半導体関連の人材の育成、確保に向けては、道内の大学や高専におけるカリキュラムの強化のほか、国や道内自治体においても、小・中・高校生を対象とした半導体企業の工場見学や出前授業といった動きも見られるようになったところであります。  札幌市としても、人材の需要拡大を見据え、関連機関と連携しながら取組を進めていく必要があると考えます。  そこで、2点目の質問ですが、半導体関連人材の育成や確保に向けて、札幌市として今後どのように取組を行っていくのか、伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  半導体関連人材の育成や確保についてのご質問でございます。  半導体人材の育成や確保に向けましては、昨年、道内の半導体企業、大学や高等専門学校等の教育機関、国や北海道などで構成をされる北海道半導体人材育成等推進協議会が設立され、札幌市も参画をしたところでございます。  この協議会では、半導体関連の産業界が求める人材ニーズを明らかにし、これを踏まえた教育カリキュラムの作成などを促進しておりまして、札幌市といたしましては、こうした取組に資するよう、新年度、道内の教育機関や企業と連携をした人材育成の取組を計画しております。  具体的には、小・中学生を対象に半導体に関連する仕事や技術に対する興味や理解を深めるための展示・体験イベントを開催するとともに、高校生や大学生を対象に、将来の進路選択に役立ててもらうための職場見学・体験ワークショップなどを実施いたします。  さらに、大学と企業との連携によりまして新たな価値を生み出すオープンイノベーションの促進などを通じまして、若手研究者が参画をする場を広げ、将来、半導体分野での活躍を志す人材の育成や確保につなげたいと考えております。  今後も、関係機関と連携を強化しながら、人材育成の取組を進めることで、若年層の成長機会を拡大し、その定着とさらなる企業集積につなげてまいりたいと考えております。 ◆山田一郎 委員  人材育成については、さっき出たように、出ていく者に対して、そしてまた、新たな人材をつくっていくという取組が大切だと思います。これについては、本当に、他部局との連携であったり、地域との連携というのが必要になってくると思いますので、この活動をお願いできればと思います。  最後に、1点要望して質問を終わりたいと思うのですが、要望としては、まず、やはり、このラピダス進出に伴っていろいろと出てきている中で、札幌市としての方向性であったり、ビジョンをやはり明確に打ち出してほしいというふうには思っております。  さきの質問でも言いましたが、予備調査検討業務の方向性が示されるというようなこともありましたけれども、石狩では、やはり洋上風力であったり、苫小牧であったらデータセンター、千歳の議員の方と話すと、やはり千歳はラピダス周辺の地域開発、そして、千歳の中でも議論されているのは、やっぱり、千歳は千歳の役割があって、札幌は札幌の役割があるというような状況であります。  確かに、連携中枢都市圏の札幌市というのは、多岐にわたる業務、いろいろとあると思うのですが、まず、やっぱり大きなビジョンを見つけて、それに向かって進んでいってほしいと要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、ヘルスケア産業支援宿泊施設バリアフリー化推進事業の2項目伺います。  まず、1項目め、ヘルスケア産業支援について伺います。  高齢化社会の進展に伴い、社会保障費の増加や医療・介護現場での人手不足など、医療、介護に関する課題は山積しています。人々の健康維持や増進につながるサービスや製品を提供するヘルスケア産業の活性化は、経済成長につながるだけではなく、これらの課題の解決にも重要な役割を果たすと考えます。  このため、国においても、ヘルスケア産業成長支援の取組が進められていますが、ヘルスケア分野の課題やニーズは地域によっても違いがあることから、各地域における支援の取組も必要と考えます。  こうした中、札幌市では、サッポロ・ヘルスケアビジネス・サポートプログラムを推進し、ヘルスケア産業分野の事業者の支援に取り組んでいます。採択事業者には、補助金額は上限50万円、補助率も2分の1と、それほど支援規模は大きくはありませんが、支援対象は幅広く、健康を切り口としたヘルスケアビジネスであれば、業種、業態に制限を設けていません。  また、補助金支援だけではなく、採択事業者の事業推進に向け、その課題に応じた専門家によるアドバイス等の相談支援のほか、事業拡大につながるよう、関係機関や企業等とのネットワークづくりに対する支援も実施しているとのことです。支援内容も充実しており、個人事業主のような小さなところでも、成長性のある事業計画を有する事業者を支援できる仕組みとなっていることは評価をしたいと思います。経済成長はもちろんのこと、医療・介護分野の課題解決にもつながるヘルスケア産業がさらに活性化するよう、効果的な支援を実施していただきたいと考えます。  そこで、質問ですが、本事業における支援が効果的なものとなるよう、どのような点に力を入れているのか、伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  支援が効果的なものとなるよう、どのような点に力を入れているかというご質問でございます。  本事業は、採択事業者の業種、業態はもちろん、その事業段階も、検討段階のものから熟度の高いものまで幅広く対象としていることが特徴であります。したがいまして、それぞれの事業が採算に乗り、さらには成長できるよう、事業の段階に応じまして、事業計画の見直しから実証先の検討、販路の開拓など、多岐にわたる支援を行っているところでございます。  また、支援の方法は、事業者自らが事業課題に気づき、その解決に向け、一歩を踏み出せるような面談の機会を月1回程度、定期的に設けるなど、きめ細やかなものとしております。  さらには、ヘルスケアビジネスに関わる専門家の高度な知見やノウハウ、北海道ヘルスケア産業振興協議会など、関係機関とのネットワークを活用し、支援の効果が高まるよう努めているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  支援対象を幅広く設定しながらも、採択事業者に合わせたきめ細やかな支援が可能となるよう工夫されていることが分かりました。  身近で困っている人の声に柔軟に対応し、新しいサービスを生み出す可能性を持つ事業者は、たとえ小さな個人事業主であっても、とても重要な存在です。過去の採択事例を見ましたけれども、医療や福祉の分野で活躍する有資格者とサポートを必要とする人たちがつながり合い、助け合える会員制コミュニティサイトの開設をはじめ、市民にとって身近であるという点で、興味深いものが多くありました。  こうした市民にとって身近なサービス事業者を増やすことは、地域の活性化や市民の健康増進にもつながる取組であると考えます。本事業は、2018年度からスタートしていると聞いています。支援規模はさほど大きくはありませんが、小さな事業者でも、その事業に成長の可能性があれば支援の手を差し伸べる、このような取組を継続することは大変重要と考えており、今後も期待したいと思います。  そこで、質問ですが、本事業のこれまでの成果と今後の方向性について伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  本事業のこれまでの成果と今後の方向性についてのご質問でございます。  これまでの成果といたしましては、事業計画の磨き上げが順調な受注につながった事例や、販路拡大を通じまして売上げが支援終了後も継続的に伸びた事例など、きめ細やかな支援が各事業の成長に着実に寄与してきたところであります。  また、過去には、本事業におきまして一定の支援を行ったものの、結果として十分な売上げを上げられなかったという事例もあり、支援におきまして事業の実現可能性を高めるという重要性も見いだされております。  このため、採択事業者の取組の状況と必要な支援内容を都度検証し、適宜、軌道修正をするなど、ビジネスが成長していくために効率的な支援を行うことも必要となっているところでございます。  今後につきましては、こうした点に取り組みつつ、成長するビジネスを数多く生み出すことで、国内のヘルスケア産業をリードする企業を創出し、市内の健康・福祉・医療産業分野の活性化を図ってまいりたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  昨今のスタートアップ創出支援などをはじめ、華々しい、規模も大きな支援が見られますが、こうした市民にとって身近な事業者にも目を向ける支援の取組は大変重要と考えます。ぜひ今後とも継続をしていただきたいと思います。  3月27日には、北海道経済産業局主催北海道ヘルスケア産業創出セミナーが札幌市で開催されます。異業種連携、官民連携による新たなヘルスケア産業創出を目指すとのことで、本市のサッポロ・ヘルスケアビジネス・サポートプログラム2023採択事業者の事例報告もあると聞いており、大変楽しみにしております。札幌の取組がこのように注目されていると思うので、期待をしたいと思います。  また、繰り返しになりますけれども、個人事業主のような小さな事業者は、事業推進に困難を抱えるケースが多いと聞いています。ネットワーク構築や経営ノウハウの面の不足といったものもありますが、資金繰りの難しさも往々にしてあるのではないでしょうか。本事業の補助金支援について、補助率は2分の1とのことですが、ぜひ、今後も、本事業を継続していただくとともに、補助率アップなど、資金的支援の拡充について前向きに検討していただきたいということを要望して、この質問は終わり、次の質問に移ります。  次に、宿泊施設バリアフリー化推進事業について、4点伺います。  これまで、札幌市では、バリアフリー法に基づき、駅を中心とした地区や公共施設等が集まる地区を対象に、重点的かつ一体的なバリアフリー化を推進するため、定められた一定の地区のバリアフリー化の推進に関する計画である札幌市バリアフリー基本構想2022を策定し、地下鉄駅のエレベーターや路面電車など公共交通機関のバリアフリー化や、小規模店舗等のバリアフリー改修を後押しする札幌市民間公共的施設バリアフリー補助事業などに取り組んできたところです。  このたび、経済観光局でも宿泊施設バリアフリー化推進事業を予算化したところですが、この事業について伺います。  そこで、質問ですが、宿泊施設バリアフリー化推進事業を実施するに至った経緯について伺います。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  宿泊施設のバリアフリー化推進事業を実施するに至った経緯についてお答えをいたします。  高齢社会の進展を踏まえますと、今後ますます年齢や障がいによって移動に制約のある方の増加が想定をされますことから、多様な観光客を受け入れるためには、宿泊施設のバリアフリー化を一層進めていく必要があると考えております。  本事業の検討を始めた当初の時点におきましては、今後の観光需要を予測した結果、市内に必要なバリアフリー客室数は142室と推計をしておりましたところ、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法に基づく整備基準を満たす客室数は、この必要数を大幅に下回っておりました。  また、令和3年度に実施をしました調査によると、市内宿泊施設の77%がバリアフリー化に意欲的である一方で、90%以上が改修費用について課題であると回答をしてございました。  これらの状況を踏まえますと、市内の宿泊施設のバリアフリー化に向けては、行政として一定の支援が必要であると判断をし、本事業の開始に至ったものであります。 ◆たけのうち有美 委員  77%の市内宿泊施設がバリアフリー化に意欲的だという結果でありましたが、予想より高いなというふうに思いました。非常にうれしいことだと思います。本市の宿泊施設への支援によって、バリアフリー化が進むことを期待したいと思います。  一方、バリアフリーと言うと、車椅子やベビーカーなどを使用されている方やご高齢で歩行に不安を感じている方々に対する段差解消、トイレのバリアフリー化は、誰もが想像できるところだと思います。しかし、バリアフリーは、段差解消やトイレの改修だけを指すものではないと考えます。  本市は、このたびの宿泊施設バリアフリー化推進事業の施設整備の例として、廊下の幅の拡幅や傾斜路の設置、オストメイト用設備の設置、視覚障がい者用の誘導ブロックの設置、点字、音声、ピクトグラムによる案内などを挙げています。しかし、これ以外にも、表示などにおいて、色覚の個人差を問わず、誰もが見やすい色遣いであるカラーユニバーサルデザインも示す必要があると考えます。  色弱の方は、本市では4.8万人、北海道では12.8万人、世界では2億人を超えていると言われています。ぜひとも施設整備の例に盛り込んでいただき、宿泊施設が積極的に取り入れられるようにしていただきたいと思います。
     また、ほかにも、宿泊施設を利用したいと考えている方の中には、重症心身障がい児、医療的ケア児、重度の知的・発達障がいのあるお子さんを育てている家族もいらっしゃいます。子ども用車椅子であるバギーは、座位の維持が困難なお子さんが利用しています。宿泊施設の敷地内に福祉車両を止めることができるかどうかや、エレベーターはお子さんの乗るバギーとともにご家族も乗ることができる広さかどうかなども、とても重要な観点だと思います。小・中・高生でも、おむつを使用している場合はトイレにユニバーサルシートが必要となります。  このように、障がいと言っても様々です。障がいがあるからと旅行や観光を諦めてほしくない、いろいろな体験をしてほしいと思います。本市が、障がいや病気があっても安心して楽しく観光できるまち札幌であってほしいと思うところです。  そこで、質問ですが、様々な障がいへの対応をどのように考えているのか、伺います。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  事業推進に当たりまして、様々な障がいへの対応についてお答えをいたします。  障がいの種類にかかわらず、多様な方々に札幌での滞在を楽しんでいただけるよう、この事業を進めていく必要があると考えてございます。そのため、施設や客室の改修に対する補助金につきましては、例えば、色弱の方向けにはカラーユニバーサルデザインに配慮をした案内板の設置ですとか、聴覚障がいのある方向けには緊急時用のフラッシュライトの設置など、より幅広い事業を補助対象として検討していきたいと考えてございます。 ◆たけのうち有美 委員  幅広い事業を補助対象として検討したいとのことでした。  カラーユニバーサルデザインについては、これまで、広報課が研修を実施したり、手引を作成しておりますので、ぜひともしっかりと連携をしていただきたいと思います。  また、私が今申し上げた重症心身障がい児、医療的ケア児、重度の知的・発達障がいなども含めて、ぜひ多くの当事者や支援者の声を聞いて、実効あるものとなるよう進めていただくことを求めます。  一方で、施設の構造によっては、ハード面でのバリアフリー化に限界がある施設もあると思います。ハード面では完璧ではなくとも、従業員対応などのソフト面でカバーできることも多々あると考えます。  例えば、知的・発達障がいがあるお子さんがいるご家族の場合だと、周りに迷惑をかけることをとても気にされています。例えば、チェックインの際の待ち時間の短縮や、食事はレストランではなく、客室でも可能とするだけでも安心できるのではないでしょうか。  また、先ほども述べましたが、医療的ケア児で荷物が大量の場合、荷物を運ぶサポートがあるだけでも、精神的にもとても助かり、うれしいことだと思います。  また、例えば、胃管、胃ろう、腸ろうなどのお子さんは、注入のため、ポタージュくらいのミキサー食です。ミキサーや食事をご家族が持参されていることが多いとは思いますけれども、せっかくの旅行で現地のものを食べられるように、例えば、ミキサー食の対応はできる、それが難しい場合は、ミキサーの貸出しや持込み可能というものがあれば助かると思います。このような配慮は、ご家族にとってもとてもうれしいことだと思います。  そのためには、障がいに関する理解を深めるための研修等を実施するなど、ソフト面でのバリアフリー化に資する取組も重要と考えます。  そこで、質問ですが、この事業では、宿泊施設の従業員向けの研修などは考えているのか、伺います。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  宿泊施設の従業員向けの研修についてお答えをいたします。  委員のご指摘のとおり、ハード面だけではなく、ソフト面での充実も重要であるというふうに考えてございます。令和3年度に実施をしました調査におきましても、バリアフリーに知見の高い専門家から、設備面だけでなく、従業員の接遇が充実している施設に対して利用者の評価が高いというご意見も伺っております。  観光・MICE推進部として独自で実施する研修というのは予定をしてございませんが、保健福祉局におきまして、市民や企業が受講できる心のバリアフリー研修を実施しております。この取組と連携をし、研修を受講していただけるよう、宿泊施設に積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えております。  なお、この研修につきましては、観光庁が実施をしております心のバリアフリー認定制度の認定基準の一つであります、年に1回以上実施する必要があるバリアフリーに関する教育訓練にも該当するものでございます。 ◆たけのうち有美 委員  ただいま答弁で紹介のあった本市の心のバリアフリー研修は、観光庁が実施している心のバリアフリー認定制度の認定基準の一つになるということでしたので、ぜひとも、心のバリアフリー研修の実施を図るほか、障がい児・者の旅行などに詳しい専門家の研修を自由に受けられるような仕組みも構築をしていただきたいと思います。  心のバリアフリーに取り組んでいる事業者であることが市民や観光客にしっかりと伝わることは、その事業者の付加価値の向上にもつながると考えます。  そこで、質問ですが、本市として付加価値の向上についてどのように考えているのか、伺います。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  心のバリアフリーに取り組む事業者の付加価値の向上についてお答えをいたします。  心のバリアフリー認定を受ける宿泊施設が増えるということは、市全体の観光客受入れ環境の向上につながるため、一事業者の付加価値が高まるのみならず、誰もが楽しめる観光地として札幌市の評価も高まっていくというふうに考えてございます。  また、観光客の多様なニーズに対応できる環境が整備されるということは、市民にとっても便利な環境が整えられることになるため、札幌市のまちとしての魅力の向上にもつながると考えております。  そのため、施設や客室の改修に対する補助金の活用に当たりましては、心のバリアフリー認定制度の申請を促すなど、ハード・ソフトの両面でバリアフリー化が進展するよう事業を構築してまいりたいと考えてございます。 ◆たけのうち有美 委員  宿泊施設のハード・ソフト両面のバリアフリー化を進めていくことは大変重要ですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  最後に、要望です。  宿泊施設以外の部分でのバリアフリー情報を観光客に提供できる体制を整えることも大変重要であると思います。例えば、車椅子対応のタクシー会社や福祉タクシーとの連携、地下鉄駅の見やすい案内板など交通手段の情報、ユニバーサルシートのあるトイレの場所など、観光地の具体的なバリアフリー情報などが宿泊施設から事前に情報提供されると、利用する方も安心ですし、楽しめると思います。  本市に旅行に来た観光客が、どこにいてもバリアを感じず、安心して楽しんでいただき、病気や障がいがあっても安心して楽しく観光できるまち札幌となるよう、取組を早急に進めていただくことを求めて、私の全ての質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、2項目、健康医療バイオ産業分野におけるスタートアップ創出に向けた人材育成支援について、それから、ゲーム分野における学生と企業のマッチングについて、以上2項目について、順次、伺いたいと思います。  まずは、健康医療バイオ産業分野におけるスタートアップ創出に向けた人材育成の支援についてお伺いをしたいと思います。  札幌市は、産業振興の重点分野として健康福祉・医療分野を置きまして、健康医療バイオ分野の研究者や企業の研究開発の取組に対して、幅広い支援を行っているところでございます。  優れた研究成果を輩出するためには、研究開発に対する支援だけではなく、それを担う研究人材を育てることも非常に重要であります。特に、健康医療バイオ分野を含め、研究開発型のスタートアップを創出するためには、その事業の軸となる優れた研究シーズというものが欠かせませんので、研究人材の育成支援は極めて重要であるかと思います。そうした人材育成は、一朝一夕にはいきませんので、高校生以下の進路選択前の段階から、研究体験などの機会を通しながら、理系分野の興味や関心を持ってもらうことが重要ではないかと思うところでございます。  本市においても、今年度より高校生以下の若年層を対象に、理系分野に興味を持たせ、進路選択につながるような理系人材育成の取組を始めたと承知しているところでございます。  そこでまず、人材育成事業の具体的な取組の内容とその成果についてお伺いしたいと思います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  人材育成事業の具体的な取組内容とその成果についてのご質問でございます。  人材育成事業といたしまして、小・中学生及び高校生を対象にイベントを実施したところでございます。小・中学生向けにはバイオ企業の研究内容を楽しく学ぶイベント、高校生向けには細胞培養実験の体験教室及びその成果発表会を開催いたしました。  具体的には、小・中学生向けに、バイオスタートアップの経営者及び研究者を講師に招き、顕微鏡を使った観察やAIを用いた分析、関連するクイズなどを交え、研究について分かりやすくお話をいただきました。高校生向けには、工学系の技術をライフサイエンス分野に活用している研究者を講師に招きまして、細胞に関する先端的な研究について、動画を交えた解説の後、実際の細胞培養実験等についてご指導をいただきました。  いずれにおきましても、研究から起業を目指す過程についてもご紹介をいただきまして、さらに、交流の機会を設けたことで、身近なロールモデルを知り、研究の先に広がるスタートアップの世界を体感していただきました。  これらの機会を通じまして、理系への進路選択につなげるだけではなく、将来、スタートアップも視野に入れた活躍を目指そうとする意識の醸成につながったと考えております。 ◆前川隆史 委員  実際に、バイオスタートアップ、また、研究に携わる人に直接触れながらお話を聞いたり、具体的実験をしていく中で、そういった体験をしながら、それぞれの子どもたちの将来に向けての夢や希望を育む場にもなったのではないかと思いますし、いろいろ可能性を実感できるような機会になったのではないかと思いますので、今後もしっかりやっていただきたいと思います。  人材育成の支援につきましては、企業活動の支援に比べまして、産業の活性化を図る取組としては手前の段階の支援ということになりますけれども、その意義は大変に大きいと思いますので、お願いいたします。市内のバイオ産業活性化のためにも、市内の研究者が増えて、優れた研究成果が続々と現れる産業界の発展を目指していただきたいと思います。  ここまで、この小・中・高生などの若年層の人材育成支援について伺いましたけれども、研究開発型スタートアップ創出に向けた人材の育成策としましては、今度、大学院生なども含めた、起業を目指す研究者の育成支援も重要となってまいります。  札幌市でも研究者の起業支援プログラムを実施しておりますけれども、研究者の研究成果の社会実装を後押しする取組は大学でも行われておりますので、こうした取組としっかり連携して実施していくことが効果的になると思います。  そこで、伺いますけれども、起業を目指す研究者に向けて、大学等とどのように連携して支援を今後行っていこうと考えているのか、伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  起業を目指す研究者に向けまして、大学等とどのように連携をし、支援をしていくかというご質問でございます。  北海道大学が主幹となりまして、道内の教育機関等から成るスタートアップの支援プラットフォームでありますHSFCが一昨年度設立をされ、創薬、ヘルスケアを重点領域の一つに設定した社会課題解決型のスタートアップ創出支援が行われております。その中で、研究成果の社会実装を目指す研究者に対し、資金的な支援や事業計画の磨き上げ等の支援プログラムが実施されているところでございます。  こうした動きに合わせまして、札幌市では、健康医療バイオ分野に関する起業家精神の醸成のほか、ネットワークづくりや発信力の強化等起業に関わる基本的なノウハウを学ぶ機会を提供し、大学等の支援に研究者をつなげる後押しをしております。  さらに、令和3年度に組成いたしました札幌イノベーションファンドを活用し、大学発スタートアップへの支援も行っているところでございます。  優れた研究が事業化をして大きく成功するためには、研究内容の高度化、社会実証、資金や人材の確保等、多くの壁を乗り越える必要があり、札幌市や大学等の取組に加えまして、より規模の大きい資源の活用も必要でございます。  このため、今後は、大学等との連携を一層深め、国が実施する支援事業につなげていく仕組みをつくるなど、スタートアップとして成功する研究を数多く生み出す環境を整えてまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  この分野の成功というか、しっかり実績を上げていくためには、やはり多くの壁を乗り越えていかなきゃいけないということで、今後、国などの大きな支援に、大学と連携しながらつなげていきたい、こういったお話でございました。  この分野におきましては、大学との連携が肝となってくるかと思いますし、創業支援プラットフォームをつくるなど、スタートアップ創出に力を入れ始めた大学もございますので、今後も、しっかり実効性のある支援を進めていくために、こうした取組を粘り強く、力強く取り組んでいただきますことをお願いして、この質問をまず終わりたいと思います。  次に、ゲーム分野における学生と企業のマッチングについてお伺いしたいと思います。  我が会派としましては、これまで、セガ札幌スタジオですとか、Sapporo Game Campの視察などを通しながら、関係者との意見交換を繰り返してまいりました。市内ゲーム業界の現場の声を受け止め、札幌市のゲーム業界の課題ですとか、札幌市の新しい産業としてのゲーム産業の成長の可能性、こういったものを探ってきたつもりでございます。  また、今年1月には、東京都新宿区に本部を置きます、国内の主要なゲーム企業が会員となっております一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会、通称CESAに行ってまいりまして、いろいろお話を伺いました。世界全体を俯瞰したゲーム産業の現状、また、展望ですとか、世界の中にあっての日本のゲーム産業の特異性や、またあるいは、なかなか見通せない将来展望なども率直に伺ってきたところでございます。  CESAは、20万人を超える来場者を集める東京ゲームショウを主催する一方で、ゲームを中心とするコンピューターエンターテインメント開発者向けに技術や知識を共有する国内最大規模のカンファレンスを主催するなど、業界の人材育成や将来のクリエーターを増やしていくことに取り組んでいる団体でございます。  このCESAによりますと、2022年に、小・中学生の子どもとその親、高校生、高専生、大学生を対象に実施をいたしました学生のゲームクリエイターに関する調査によりますと、ゲームクリエーターという仕事への認知は学齢が上がるごとに増えていっておりまして、小学校中学年では約半数が認知している、高校生、高専生、大学生では約9割以上が認知しているとのことでございます。  職業としての認知度は高まっておりまして、順調にゲーム開発者は増えていきそうに見えますが、学生の多くは、大型タイトルを扱う限られた数しかないパブリッシャー、出版企業しか知らず、開発の最前線を担って、地方都市でも就職機会があるディベロッパー、開発企業への就職が進まないという課題をCESAで伺ってきたところでもございます。  我が会派としましても、こうした状況を課題と考えておりまして、昨年の第2回定例会で、学生と地元開発企業のマッチング機会を数多く設けていくべきではないか、このように主張させていただきましたところ、それに対して、企業による学生作品の講評会を定例開催していくとの答弁があったところでもございます。  そこで、伺いますが、まずは、この講評会の開催の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎坂井 産業振興部長  講評会の開催状況についてお答えをいたします。  札幌のゲーム開発企業による学生作品の講評会を2023年11月より毎月1回開催しているところでございます。1回につき、プログラマー、CGデザイナー、プランナー志望の学生を15人程度受け入れ、プログラミングのソースコード、3DCGモデルの映像や、モーション映像、ゲーム企画書などの作品に対して、複数のプロクリエーターが改善アドバイスを行う内容となっております。  学生のスキルアップを主な目的としておりますが、学生との接点を求める企業側の関心も非常に高く、経営者や採用担当者も自然に会場に集まっているところでございます。  講評会の中では、企業紹介や交流会の時間も設けておりまして、学生と企業のマッチングの場としても機能するよう、運営に努めているところでございます。 ◆前川隆史 委員  企業の側も積極的に来ていただいて、その学生と企業が触れ合いながら、いろんな経験をする場にもなっているようでございます。  次に、就職の確度というものを高めていく取組について伺いたいと思います。  クリエーティブ分野を目指す学生は、作品一つ一つの完成度を高めながら、就職の局面では、それらを作品集、いわゆるポートフォリオとしてまとめて、自分の力量を企業にアピールしていく必要に迫られます。  札幌の学生のポートフォリオのレベルについては、企業からは、首都圏の就活生と比較をして、学校の課題の寄せ集めで自主作品が少なかったり、もしくは、自分が好きで得意な表現だけを集めたものが多くて、クリエーターに求められる創造性ですとか、職業人としての適性、バランスを判断できるものが少ないとの大変厳しい、そういったご評価、声も伺っているところでございます。  企業と学生のマッチングを進める中で、より就職の確度を高めて人材の流出を防ぐために、札幌市はこのポートフォリオの作り方についても、助言、指導をしていく機会を設けていくことが、実は今一番必要な部分ではないかと思うところでございます。  そこで、質問でございますが、この学生のポートフォリオ指導の必要性と今後の具体の取組についてお伺いしたいと思います。 ◎坂井 産業振興部長  札幌市が学生へのポートフォリオ指導の機会を設けていく必要性の認識と具体の取組についてお答えいたします。  学校からは、企業の採用担当者を招いて実践的な指導を行ってもらいたいが、企業とのつながりが薄く、十分な機会を確保できていないという声をいただいており、Sapporo Game Camp実行委員会で取り組む必要性があると私たちも認識しているところでございます。  次に、具体の取組についてでございますが、多くの学生が集まるSapporo Game Camp2024でポートフォリオの作り方に関する基本的な講義や、ゲーム会社内定者の実例や採用担当者の視点を紹介する企画を実施してまいりたいと考えております。  また、毎月の講評会では、空き時間などを活用して、会場にいる採用担当者にポートフォリオ全体のアドバイスをもらう積極的な学生も見られるところでございます。  会談頻度が多く、意欲的な学生の参加が多い講評会を最大限に活用して、個々の学生へのポートフォリオ指導を行ってまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  部長の答弁が早口だったので、ちょっと聞き取れないところもあったんですけれども、講評会ですとか、Sapporo Game Campを通じながら、企業と学生さんが接する機会も持ちながら、ポートフォリオの指導を今後しっかり力を入れてやっていきたいということだったと思います。  ぜひ、今、具体的に障害となっているところを一つ一つ取り除きながら、学生さんがゴールにきっちりとスムーズに向かえるように取り組んでいくことで、ゲーム産業を札幌の新たな産業としてしっかり成長させて、これからの人口減少、高齢化を支える経済の活性化につながる取組にしていただきたい、このようにお願いして質問を終わります。 ◆小竹ともこ 委員  私からは、昨年の第2回定例会議案審査特別委員会においても質問をいたしました商店街基盤強化費のうち、商店街応援隊派遣事業について質問をいたします。  質問に入ります前に、市の商店街等へのこうした支援事業の補助金を活用いたしまして、商店街や地域ににぎわいをもたらし、交流人口を増やした一つの成功事例を紹介させていただきます。  今年1月28日日曜日、豊平区西岡にある札幌大学の構内は、大学が地域のために開放してくださったおかげもありますけれども、ちっちゃなお子さんからご高齢の方まで、大変多くの方々でにぎわいました。当日は、冬の風物詩としてすっかり定着をした事業、たくさんのアイスキャンドルやスノーキャンドルが冬を彩る、まちの灯りのイベントが行われており、同時に、キャンパス内のLinden Hallでは、西岡商工振興会の地ビールプロジェクトにおいて開発された地ビールの完成お披露目会が開催されておりました。  この地ビールプロジェクトは、昨年1月から私も参加をさせていただきましたが、商店街の販売戦略を考えるというワークショップから始まり、西岡の歴史や特性を踏まえた地域の名物を創ろうと、そして、地域を盛り上げていこうという目的の下、地ビールを開発し、進めてきたものであります。  私も、地ビールプロジェクトのメンバーの一人となりまして、この取組に関わらせていただきました。何もないところから始まり、地ビールの完成まで、視察にも行きましたし、プロジェクトの会議は実に13回を数えまして、商工会の皆さんをはじめとしたプロジェクトメンバーや地域の方々の熱意に改めて敬意を表するところであります。  ちなみに、西岡には、かつてサッポロビールのホップ園があり、現在も少量ながらホップが栽培されているということ、また、西岡水源池の水に発想を得て、地ビールを造ろうということになりまして、この完成した地ビールは、西岡水源池通りビールと名づけられました。  まちの灯りのイベントと完成お披露目会には、地域住民をはじめ、延べ人数約1,100人もの方々が来場されたということでありまして、大変多くの方が、ここにしかない、ここでなければ味わえないというビールを楽しまれて、報道機関にも大きく取り上げられるなど、成功裏に終わったことを大変うれしく思っております。  こういった成功の要因には、商店街が専門家等の外部人材や地域住民を商店街活動に巻き込んで新たな取組を創出することや、それらを推進するために、商店街の事務局機能強化を図ることが非常に大切であると実感をしたところであります。  この商店街応援隊派遣事業も、まさにそれらに対して支援をする事業であると考えます。初年度においては、応援隊の募集とマッチングをするためのワンストップ型の窓口の開設を実施されたと聞いております。  まず、1点目の質問として、商店街応援隊派遣事業の応援隊員がどのくらい集まり、どのような方が登録されていらっしゃるのかを伺います。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  応援隊員の人数及び属性についてお答えいたします。  商店街応援隊派遣事業における応援隊員については、昨年10月から12月にかけて募集し、総勢64名の方にご登録いただいたところです。  応援隊員の募集に当たっては、まちづくり、イベント企画、法律、経営、広告宣伝、ファシリテート、地元商店街サポーター、オールマイティー部門の八つの部門分けをし、応援隊員にとってはそれぞれの専門性に特化した応援ができるよう、商店街にとっては自身の困り事に対応できる専門家を見つけやすくなるよう配慮いたしました。  具体的には、行政書士や中小企業診断士をはじめとする士業の方々やファシリテーター、イベンター、SNSコンサルタントのほか、居住している区内の商店街を応援したいという熱意のある地域住民など、多様な方々にご登録いただいております。 ◆小竹ともこ 委員  イベントの企画から法律的なアドバイスまで、幅広い応援隊員の方を取りそろえられているということでありました。  実際の派遣に当たりましては、商店街側のニーズを十分に把握した上で、その課題を解決するにふさわしい応援隊員とマッチングすることが重要になってくると考えます。私も組合員となっております地元の月寒中央商店街では、この応援隊派遣事業を活用いたしまして、現在、広告デザイナーの方とともに商店街の広報誌を作成している真っ最中であり、どんなものができるのかと楽しみにしているところであります。  そこで、次の質問でありますが、具体的にほかの商店街からはどのような派遣依頼があるのかを伺います。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  商店街からの具体的な派遣依頼内容についてお答えいたします。  昨年12月に開設した商店街と応援隊員をマッチングする窓口として、札幌市商店街振興組合連合会が事務局を担っており、当該事務局において、各商店街へのヒアリングを実施し、そのニーズを酌み取っております。  商店街からは、委員からお話のありました広告宣伝に関するもののほか、夏祭りなどのイベント企画、SNSを活用した情報発信、補助金申請に関する書類作成や、組合の定款変更などへのサポートといった要望をいただいているところです。  ただ、本事業は開始して間もないことに加え、事務局において、商店街の課題に対してどのような応援隊員が適しているのか、丁寧に聞き取りをした上でマッチングを行っているため、実際の応援隊派遣にまで至っているケースは六つの商店街にとどまっているのが現状でございます。 ◆小竹ともこ 委員  実際にはなかなか大変なことでありまして、商店街で連絡手段として活用されているものは、まだまだファクスが多いんだそうです。それをファクスではなく、スマホのLINEでということで考えていたところ、まず、そのスマホの使い方、LINEの使い方から教えなければいけないといったこともございまして、実際には大変なんだなということを実感しております。
     本事業がまだ始まったばかりということは承知しておりますけれども、このように商店街の課題に寄り添ってくれる新たなアプローチの事業を広く商店街に浸透させない手はないと考えております。そのためには、商店街に本事業のよさや効果、応援隊員による支援のイメージを伝えていく必要があると感じております。  そこで、最後の質問ですが、今後、どのように制度を周知し、利用促進を図っていくつもりなのか、伺います。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  今後の制度周知及び利用促進についてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、制度を周知し、利用を促進していくことは大変重要であると認識しており、引き続き、商店街向けの支援制度説明会の実施や、関係団体への周知依頼、マッチング窓口の事務局による商店街への戸別訪問などを通じて、広く制度周知を図ってまいります。  また、今後は、実際に応援隊員の支援を受けた事例をホームページなどで紹介し、自分の商店街において具体的に応援隊の活用をイメージしてもらうことで、多くの商店街での活用を促していきたいと考えております。  これからも、商店街の皆様に寄り添いながら、本事業によって、各商店街の自主的な活動が促進され、地域の活性化が図られるよう支援してまいります。 ◆小竹ともこ 委員  本事業が先ほど申し上げた昨年の第2回定例会で補正予算として計上され、まだ始まったばかりということは承知しております。とはいえ、今年、商店街の新年会などでご挨拶のときに、この応援隊派遣事業や商店街加入促進事業について、私のほうからお話をさせていただきましたが、まだまだ商店街の個々の方々にはあまり知られていない、ご存じない方も多いということを実感しまして、大変残念に思いました。  冒頭紹介した西岡商工振興会さんのような大変な成功事例というのは、それほど多くはないとは思いますけれども、先ほど部長からご答弁をいただきましたように、具体的な活用事例を通じてこの事業のよさを幅広く周知することは、重要かつ必要であると思います。  より多くの商店街に本事業が利用され、市内の商店街に波及していくことや、商店街として活動することのメリットが享受できるような新たな取組が創出されることを期待いたしまして、私の質問を終わります。 ◆森基誉則 委員  私からは、大きく3項目質問をさせていただきます。  Sapporo Game Camp関連と奨学金返還支援事業並びにさっぽろテレビ塔についてという大きな3項目でやらせていただきます。  まずは、先ほど公明党の前川委員からも話題になっておりましたけれども、Sapporo Game Camp、私も前川委員に負けないぐらい熱い気持ちで応援したいと思いますので、質問をさせていただきます。よろしくお願いします。  今年1月に、セガ札幌スタジオが正社員の年収を4月から一律16.7%引き上げるという報道がありました。待遇改善で、開発強化に向け、人材を確保するためとのことです。ゲーム開発企業が意欲的に採用を強化している状況を見て、札幌市も、ゲーム関連施策にさらに力を入れ、人材供給力の向上に取り組んでいくことを期待するところです。  人材育成に向けた取組の一つとして、ゲーム開発企業と連携して10月に開催したシンボルイベント、Sapporo Game Camp2023は重要なイベントだと考えています。私も会場へ視察に伺いましたが、想像していた以上に、と言うと若干失礼かもしれませんが、多くの若者が集まっておりまして、非常に驚きました。  一方で、楽しみつつ、集中して作業する学生たちの明るい表情にも魅了されました。  そこで、まずは確認ですが、Sapporo Game Camp2023の開催実績についてどうだったか、教えてください。 ◎坂井 産業振興部長  Sapporo Game Camp2023の開催実績についてお答えをいたします。  Sapporo Game Camp2023は、昨年度から実施している学生が実際にゲーム制作を体験するゲームジャムと小・中・高生向けのプログラミング教室に加え、新しくトークイベントを実施したところでございます。  ゲームジャムとプログラミング教室は、前年よりも受入れ人数を拡大の上で開催いたしまして、ゲームジャムは、前年42名のところ、104名の学生が参加、プログラミング教室は、前年86名のところ、113名の小・中・高生が参加をしたところでございます。  トークイベントは、学生などを対象にゲーム業界でのキャリアプランをイメージしてもらうことを目的に実施をしまして、市内企業で活躍する若手クリエーターや、札幌のゲーム開発黎明期から活躍するベテランクリエーターが登壇をしまして、延べ760人が聴講したところでございます。  3日間で約1,000人という大変多くの方にご参加をいただいたほか、ゲームやCG関係の専門メディアにも掲載をされ、札幌のゲーム産業の集積度の発信と学生のゲーム業界に対する関心を高めることができたと考えております。 ◆森基誉則 委員  かなり盛況だったようですね。ゲームジャムもプログラミング教室も、そして、トークイベントも、延べ約1,000名というのは改めて盛り上がりを感じますし、私が現場で感じたこととそごがなくて、ちょっと安心しました。  こうなると、次に気になってくるわけですけれども、次年度、このSGC、Sapporo Game Camp2024、この部分について伺います。  2023年の2定の議特にて、私のほうからSGC2023のメイン企画であるゲームジャムの人材育成目的を質問した際に、理事者からは、プログラマー、デザイナー、プランナーというゲーム開発現場で求められる全ての職種の担い手を育成するということを目的としているという回答をいただきました。  ゲームジャムの作品発表会も見させていただきましたが、学生がそれぞれの職種の立場で切磋琢磨し、作品を作り上げた形跡が見てとれ、参加者の意欲の高さを感じる良質なイベントであるという印象を抱きました。  一方、小・中・高校生向けに用意された企画はプログラミング教室のみであったのは、寂しさを覚えると同時に、逆に伸び代も感じました。そのため、より児童生徒が興味を抱きやすいようなコンテンツも必要なのではないかと感じたところです。  多様な職種の担い手の育成のためには、小・中・高校生などに対して、様々な技術に触れる機会を提供していく必要もあるのではないでしょうか。  そこで、質問です。  次年度について、小・中・高校生向けに企画を広げていく予定の有無と、もし予定があるのであれば、どのような内容を考えているのかについて伺います。 ◎坂井 産業振興部長  小・中・高生向けに企画を広げていく予定の有無とその内容についてお答えをいたします。  Sapporo Game Camp2023の協力企業からは、人材の裾野を広げていくために、小・中・高生向けの企画を充実させていく必要があるという意見をいただいているところでございます。  来年度、これにつきましては拡充していきたいと考えているところでございまして、ゲーム開発に必要な3業種のうち、デザイナーの仕事については、CG制作ソフトの選定やカリキュラムを工夫することで、子どもの興味や関心を引き出すような企画が可能であるとして、企業からも様々なアイデアが出ているところでございます。  そこで、次年度は、デザイン技術の中でも特に人材ニーズの高い3DCGデザイン教室をプログラミング教室に加えて開催しようと考えております。  これらの教室に参加した子どもたちが、近い将来、ゲームジャムに参加し、学びを深め、札幌の企業で活躍することを期待しているところでございます。 ◆森基誉則 委員  既存のプログラミング教室に3DCGデザイン教室を組み合わせるというのは、確かに妙案だと思います。  札幌は、残念ながら美術系の大学が少なく、ふだんなかなかデザインの場に遭遇する機会が取れない子どもが多くいると思います。一人でも多くの子にコンピューターグラフィックデザインへの興味・関心を抱いてもらい、学びへの意欲のきっかけにしてもらうためにも、内容のブラッシュアップもさることながら、広報のほうもより充実していただきたいと要望しまして、この項目の質問を終わらせていただきます。  続いて、奨学金返還支援事業の現在の状況についてという部分で伺います。  さっぽろ圏内の企業への就業支援という視座で奨学金返還支援事業について伺っていきます。  札幌市が去年8月に実施した2023年度上半期の企業経営動向調査でも、人材確保ができていないと答えた企業は5割強を占めており、多くの業界で人手不足が叫ばれているところです。  また、同調査において、企業は、経営上の問題点として、諸経費の増加、仕入価格の上昇に続いて人手不足を挙げており、大きな経営課題の一つとしています。  そうした中、本市では、20代の若年層の道外流出防止策の一つとして、さっぽろ圏内の企業に就職した際、奨学金を返還する従業員に対し、札幌市と企業が共同で最大54万円まで支援する制度が始まり、4年が経過しようとしています。  その間、我が会派としても、本事業に注目し続け、2022年の決算特別委員会や去年の予算特別委員会でも取り上げさせていただきました。答弁から、登録希望企業や支援対象者が増えていると知り、事業の認知度が上がっていることを好意的に受け止めています。  そこで、質問です。  今年度も支援対象者の募集を行い、認定企業は引き続き募集中と存じますが、現在どのような状況なのかを伺います。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  支援対象者及び認定企業の状況についてお答えいたします。  今年度については、当初、定員100名のところ、2月末時点で101名の申込みがあり、全員を支援対象者として認定いたしました。  また、認定企業については、令和2年度から募集を開始し、令和4年度末時点で270社であったのに対し、今年度は2月末時点で355社となり、新たに85社の登録があり、今後も引き続き募集を継続してまいります。  なお、今年度は、就職後2年目と3年目の対象者130名に対し、企業の負担分と合わせで約2,000万円を支援したところでございます。 ◆森基誉則 委員  100人の定員のところ、101人の申込みがあって全員にというのは、非常に心強い答弁をいただきました。ありがとうございます。  日本学生支援機構が実施した学生生活調査によると、何らかの奨学金を利用している大学生は2人に1人という結果が出ています。その中でも、貸与型奨学金は、事実上、借金とも言えますので、就職後に返済に苦慮するという話も聞きます。社会人になりたての頃は、収入が一般的には低く、結果として、返済に回すお金の割合が高くなり、経済的に家計を圧迫する傾向にあります。また、奨学金を完済するまで結婚は考えられないという人も一定数いるようでして、晩婚化や少子化の一因にもなっています。  我が会派としても、本市が各認定企業と協力し、予算ぎりぎりまで有効活用していただきたいと思っています。  一方、本市は、アクションプラン2023において、その企業の登録数を2028年度末まで500社に伸ばす目標を掲げておりまして、先ほどの答弁にもありましたが、2月末時点で企業登録数は355社と既に7割を超えていました。とはいえです。次年度以降も引き続き、広報活動等により知名度を上げる必要はあると思います。  そこで、質問です。  本事業の知名度向上を含め、次年度はどのように取組を行うのか、伺います。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  知名度向上を含めた次年度の取組についてお答えいたします。  今年度、認定企業の拡大については、業界団体・経済団体主催のセミナーや合同企業説明会など、様々な場面において、企業に対してアプローチいたしました。  また、学生への周知については、広報さっぽろや札幌市公式LINEのほか、ラジオ番組で事業を紹介するなど、多くのメディアを通じて実施したところです。  次年度は、これらの取組に加え、人手不足が深刻な建設業において、本事業の認定を受けた企業に対し、人材確保・育成型の総合評価落札方式の入札時に加点評価することにしております。  また、市内大学へより一層積極的に出向き、キャリアセンターとの連携を密にしながら、直接、学生に事業を説明する機会を増やしてまいります。  加えて、支援対象者の1割程度が北海道外在住の学生であることから、東京に設置しているUIターン就職センターを通じて、道外の学生に対しても本事業を積極的に周知してまいります。  さらに、今年度策定したアクションプランにおいて、定員を100名から150名に拡大し、より多くの方が支援を受けられるようにしたことから、さらなる知名度向上に向けた取組を進めてまいります。 ◆森基誉則 委員  定員1.5倍ですね。100人から150名への拡大、すごくこれも力強いです。加えて、入札時の加点評価という形で、企業側にもある程度のメリットを示すことができたというのは、とてもすばらしいことだと思います。そして、何よりこの支援対象者の定員拡大、本当に繰り返しになりますけれども、奨学金を利用している大学生の親という、私もそういう立場でありますので、大いに歓迎したいところであります。  この事業は、直接的には就労支援ということなんでしょうが、学業支援や少子化対策などの側面もあると私は考えております。  今後も、登録企業とともに、さっぽろ圏の人材確保に引き続きご尽力いただくよう要望して、この項目の質問を終わります。  最後に、さっぽろテレビ塔について質問をさせていただきます。  去年の決算特別委員会における質疑では、株式会社さっぽろテレビ塔は早期の国の登録有形文化財の登録を目指して検討を進めるということでした。国の登録有形文化財に向けた手続としては、文化庁から各都道府県と政令指定都市宛てに、国の登録有形文化財の候補となる建造物について、年に数回の照会があるということですが、去年の例でいきますと、4月にも照会があったと聞いています。その流れから、株式会社さっぽろテレビ塔では、恐らく次回の照会に向けて着々と準備を進めているところと思っております。  その後は、文化庁において、文化審議会の文化財分科会による審議、議決を経て文化審議会から答申されるとのことです。最終的には、その後、官報に告示されて初めて国の登録有形文化財として登録されますので、去年の例によりますと、手続としては、文化庁からの照会から最短でもおよそ1年くらいはかかるのではないかと聞いています。  国の登録有形文化財に登録されると、その建築的、文化的な価値を利用した新たなPRが可能となることから、集客面でのプラス効果が期待され、来場者の増加によって収益の向上につながると考えられます。加えて、固定資産税や都市計画税といった税制面における優遇措置があるほか、保存修理のための設計・監理費の一部補助といった国の財政的支援制度もあるなど、様々な効果が期待されます。  こうしたことから、私も、さっぽろテレビ塔の国の登録有形文化財への登録を心から願っているところであり、ぜひ早期登録を目指していただきたいと思います。  さて、これもさきの決算特別委員会で質疑を行ったところでありますが、文化財登録の目的の一つは、さっぽろテレビ塔の耐震工事の早期実施です。  さっぽろテレビ塔は、建築当時の耐震基準では安全性に問題はなかったものの、その後の法律改正により、新しい基準には適合しない建築物となっており、法的には違法な状態ではないものの、安全性の確保の観点から対応が必要であると考えています。先ほど述べた文化財登録の様々な効果も最大限に活用しながら、耐震工事に向けた財源を確保し、できる限り早期に耐震工事が実施されるべきだと考えています。  そこで、質問です。  耐震工事に向けた財源の確保についてどのように認識しているのか、伺います。 ◎北川 観光・MICE推進部長  さっぽろテレビ塔の耐震工事に向けた財源の確保についてお答えいたします。  耐震工事には多額の費用を要することから、株式会社さっぽろテレビ塔では、現在、その費用に充てるための内部留保の確保に努めているところです。内部留保の確保には、何より収益を上げることが重要と考えておりますが、今年度のさっぽろテレビ塔の来場者数は、順調に推移しており、2月末時点で約41万人と、これはコロナ禍前の2018年度の約39万人を上回っているなど、経営状況は極めて好調でございます。  同社が今後も経営努力を継続しまして収益の確保に努めることはもとより、札幌市としましても、さらなる収益の増加につなげるため、文化財登録による効果的なPRとなるよう後押しをしてまいります。  加えて、文化財登録によって期待される国の様々な財政的支援の活用も視野に入れながら、早期に耐震工事に着手できるよう働きかけてまいります。 ◆森基誉則 委員  耐震工事について、株式会社さっぽろテレビ塔では、文化財登録による効果も含めて、収益を上げることで内部留保の確保を図るとともに、文化財登録による国の財政的支援の活用も視野に入れて、札幌市としても早期に耐震工事に着手できるよう働きかけていくという答弁で大丈夫ですね。  冷静にこれを考えますと、札幌の中心部にそびえ立つ147.2メートルもの高さを誇る塔が耐震性の面で対応が必要な状態というのは、憩いの空間である大通公園のイメージダウンにもつながってしまう可能性があるのではと危惧しています。さっぽろテレビ塔は、市民が愛するランドマークであり、この貴重な歴史的資源を将来にわたってしっかり守っていくためにも、一日も早く耐震工事が実施されることが必要と考えます。  そこで、質問です。  具体的に耐震工事にはどの程度の費用を要するのか、また、いつくらいに工事を実施しようとしているのか、伺います。 ◎北川 観光・MICE推進部長  さっぽろテレビ塔の耐震工事の費用及び実施時期についてお答えいたします。  耐震工事の費用につきましては、株式会社さっぽろテレビ塔において、コロナ禍前の2020年に約20億円と試算していたところですが、その後の資材価格や人件費などの高騰により、さらに増加しているものと考えております。  現在、同社の収益は順調に回復しているものの、コロナ禍の3年の間に大きな財政的損失を被ったことなどにより、直ちに耐震工事を実施できるほどの財務状況ではございません。今後は、同社において、文化財登録の進捗や内部留保の確保状況を踏まえ、改めて耐震工事手法の検討や工事費の見積りを行い、具体的な工事のスケジュールを検討することになると考えてございます。  札幌市は、同社の筆頭株主として、引き続き、耐震工事の早期実施に向け、同社としっかりと協議を行ってまいりたいと考えてございます。 ◆森基誉則 委員  耐震工事にかかるのは20億円という当初の数字ですけれども、ほぼほぼ間違いなく、これ以上になっているだろうとは推察されるんですけれども、具体的な耐震工事費用を現時点では確かに試算する段階にはないのかもしれませんね。文化財登録の進捗や内部留保の確保状況を踏まえて、ぜひとも最新の工事手法の検討といったものも取り入れていただいて、その際に、工事費の算出、そして、具体的な工事スケジュール検討をすることをどうかよろしくお願いします。  耐震工事は、多額の資金が必要であります。なかなか具体的なスケジュールは見通せないというのは、私も理解できます。ただ、答弁にもあったように、札幌市は、株式会社さっぽろテレビ塔の持ち株比率17%、筆頭株主です。さらに、同社の非常勤取締役として青山観光・MICE担当局長が就いていらっしゃるということもありますから、取締役会をはじめ、様々な場面で、同社に対し、積極的に働きかけを行い、一日も早く、さっぽろテレビ塔の耐震改修に向けた具体的なスケジュールが示されることを要望して、全ての質問を終わらせていただきます。 ◆熊谷誠一 委員  私からは、サッポロコンシェルジュ事業のガイド育成についてと宿泊施設バリアフリー化推進事業について、順次、質問させていただきます。  初めに、サッポロコンシェルジュ事業のガイド育成について伺います。  観光客のニーズの多様化が加速する中、我が会派では、観光・MICE推進部が昨年度より実施しているサッポロコンシェルジュ事業に注目しており、令和4年3定の代質、令和5年1定予特及び令和5年3定決特を通じて質疑を重ねてきたところでございます。さらに、会派として実際に事業を見学させていただくなど、折に触れて進捗状況についても確認させていただいているところでございます。  当該事業は、観光関連事業者の方々が、宿泊施設が集中する都心部エリアをターゲットとして、まだあまり知られていない新たな観光資源の発掘とそれらを活用したまち歩きのモデルコースの開発を行うことに重点を置いて取り組んでいるものでございます。  昨年度においては、こうした取組の成果品として、都心部7エリアの魅力をまとめた「SAPPOROぶらり手帖」を完成させております。完成品については、宿泊施設のフロントや観光案内所などで、観光案内時の教科書的な存在として活用されているほか、観光客のみならず、市民が直接手に取って札幌の新しい魅力に触れるツールとして使われているところでございます。  今年度においては、まち歩きコースの開発に加え、コースを案内できるガイドの育成にも新たに取り組んでいるとお聞きしており、私は、こうした観光ガイドの育成は、何度訪れても新たな魅力や体験を提供するための重要な取組であると考えます。  そこで、質問ですが、今年度から始めたガイド育成について、具体的にはどのような取組を行ってきたのか、お伺いいたします。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  ガイド育成に係る今年度の具体的な取組についてお答えいたします。  今年度開始をいたしましたガイド育成事業には、16名の観光関連事業者の方にご参加をいただいております。  具体的な取組といたしましては、参加者の一部がガイド役、そのほかの方がツアー参加者という設定で実際にまち歩きを行うプレモデルツアーを6回ほど実施しておりまして、自分たちで行いましたスポットの選定や移動距離、所要時間の設定、説明内容が各コースにおいて対象としている観光客にとって適切かどうかの検証を行うことで、ガイドスキルの向上や、まち歩きコースのブラッシュアップを行っております。  また、このプレモデルツアーのほか、実際に観光客が参加をするモニターツアーも2回ほど実施をいたしまして、参加者からいただいたご意見を基に、さらなる改善を図っているところでございます。 ◆熊谷誠一 委員  机上の検討だけではなく、実際に6回行われたプレモデルツアーや2回行われたとおっしゃっていましたモニターツアーの実施を通じ、よりリアルな反応、感想を踏まえて、ガイドのスキルの向上やコース内容の充実に取り組まれているということで理解させていただきました。  そこで、続けて質問ですが、ガイドの育成に関するこの1年間の取組を札幌市としてどのように評価されているのか、お伺いいたします。
    ◎葛西 観光地域づくり担当部長  ガイド育成の取組に係る評価についてお答えをいたします。  コースの案内が地元の人でなければ分からない内容になっているケースであったり、内容を盛り込み過ぎて、そのコースで伝えたいことがぼやけてしまっているケースなど、実際にまち歩きをしながらガイドを行う作業を通じまして、多くの気づきを得たところでございます。  この1年間の作業をもちまして、有料で、お金をいただいて、案内できるレベルのガイドやコースを提供できるという状態には至っておりませんが、こうした取組の第一歩をスタートできたこと自体につきましては、初年度として一定程度の目的を達成したものというふうに考えてございます。 ◆熊谷誠一 委員  1年間の取組を通じて、得るものがあった一方、札幌市として目指すところにはまだ達していないという受け止めとのことであったかと思います。  求めるレベルによっては、1年という期間だけで対応していくのはなかなか難しい場合もあると考えるため、当該事業の今後の展望についても気になるところでございます。  そこで、最後の質問ですが、改めてこうしたガイドの必要性について札幌市としてどう考えるのか、また、札幌市が求めるガイド人材像とはどのようなものなのか、お伺いいたします。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  ガイドの必要性と求める人材像についてお答えをいたします。  昨今の観光分野におきましては、観光客の満足度を高めるための高付加価値の施策といたしまして、その地域の歴史や文化等に関する専門的な知識を有したガイドから、旅行者自身のみでは得ることができない深い学びを得ることができるような体験が有効とされておりまして、今年度実施をしたモニターツアーの参加者からも、このようなガイドの重要性や必要性に係るご意見をいただいているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、札幌市といたしましては、やはり、ガイドの必要性は高いものと認識をしてございます。  令和6年度におきましては、ガイド育成に特化をした形でこの事業を展開することで、各エリアやテーマが持つ魅力やストーリーをしっかりと伝え、観光客の方にこのガイドがいたから特別な時間を過ごすことができたと評価をしていただけるような、まち歩きというフィールドにおけるガイドの育成を進めてまいります。  なお、将来的には、こうしたガイドによる案内がビジネスとして成り立つように目指してまいりたいと考えてございます。 ◆熊谷誠一 委員  本市として、ガイドの必要性は高いということでございました。  また、観光客にこのガイドがいたから特別な時間を過ごすことができたと喜んでいただけるようなとありました。ぜひ、そうした目標に近づけるよう、プロのガイドの育成に力を入れていただけますよう求めて、次の質問に移らせていただきます。  次は、宿泊施設バリアフリー化推進事業についてお伺いいたします。  さきの代表質問で、我が会派から、移動に制約のある方が旅行を楽しむための環境整備について質問したところ、来年度から宿泊施設のバリアフリー等の支援を開始する予定であるとの答弁がございました。札幌市の観光分野におけるユニバーサルツーリズムの第一歩の取組として、私も大変注目をしているところでございます。  そこで、早速質問でございますが、まずは、新たな事業の具体的な内容についてお伺いいたします。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  宿泊施設バリアフリー化に係る具体的な事業内容についてお答えをいたします。  まず、一つ目は、宿泊事業者が行う客室等の改修に要する経費補助でありまして、対象としては、例えば、施設の共用部にあります廊下幅の拡幅やオストメイト用設備の設置、また、客室内の手すりの設置や出入口の拡幅などを想定しております。  二つ目といたしましては、障がいのある方などが旅行計画を立てる際に活用していただくための宿泊施設のバリアフリー情報の収集及び発信事業でございます。この情報を発信する際には、ユニバーサル推進室のユニバーサル地図/ナビの取組と連携をいたしまして、市内の主要スポットのみならず、宿泊施設のバリアフリー情報も併せて発信してまいりたいというふうに考えてございます。  そして、三つ目でございますが、障がいのある方などが安心して参加できるモニターツアーの企画、実施を考えてございます。モニターツアーに参加していただいた方のご意見を踏まえまして、実際の旅行商品の造成につなげていくことにより、旅行に対して高いハードルを感じている障がいのある方などの観光需要の喚起を図ってまいりたいというふうに考えてございます。  新たな事業は、こうした施設整備、情報発信、需要喚起の三つの取組を一体的に行うことによりまして、効果的な事業展開を図ってまいりたいと考えております。 ◆熊谷誠一 委員  新たな事業は、大きく三つの取組を進めていくということでございました。どれもこれも大切な取組でございますので、連携しながら一体的な相乗効果のある取組を期待するところでございます。  事業の中心となるのは、宿泊施設が行うバリアフリー改修に要する経費の補助であると考えます。市内における宿泊施設のバリアフリー化が進むための一助として有益な事業であると思いますが、一方で、せっかく改修しても、その改修後の施設が障がい者や高齢者にとって使用しにくいものとならないよう事業を進める必要があると考えます。  そこで、質問ですが、宿泊施設のバリアフリー改修を障がい者等のニーズに合ったものとするために、札幌市としてどう対応するのか、お伺いいたします。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  障がい者等のニーズに合った改修としていくための対応についてお答えをいたします。  札幌市といたしましても、実際の改修が障がいのある方などにとって利用しやすいものとなるよう支援をしていく必要があると認識をしてございます。  現在、補助制度の詳細については検討を行っているところでございますが、基本的には、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法や、札幌市福祉のまちづくり条例の趣旨に合致する改修を補助対象としていくことを想定してございます。  さらに、宿泊事業者が改修を行うに当たりましては、例えば、事前に障がいのある方に現地で改修イメージをお伝えしながらご意見をお聞きできるような仕組みとしていくことで、より当事者のニーズに合った改修が進む制度となるよう検討しているところでございます。  年齢や障がいの有無にかかわらず、多様な観光客が安全・安心、快適に札幌での滞在を楽しんでいただけるよう、新たな事業を着実に進めてまいりたいと考えております。 ◆熊谷誠一 委員  最後に、要望を述べさせていただきます。  今ご答弁がありましたように、補助制度の詳細は検討中とのことでございましたが、基本的には、バリアフリー法や条例の趣旨にのっとり、進めるということでございました。  障がいの種類は様々、また、重症度によって求められる改修のレベル、これも多種多様であることから、今ありましたように障がい当事者の意見はもちろんのことながら、障がい当事者や高齢者の自宅復帰などに関わる経験豊富な福祉住環境コーディネーターとか、また、リハビリ専門職の意見もぜひ参考にしていただければと存じます。  手すりの設置、また、段差の解消、スロープの設置など、ハード面の改修が主に想定されるところでございますが、札幌市内のあらゆる場所を改修するということは、もちろん難しいことは重々承知していることから、心のバリアフリーなど、ソフト面のさらなる充実や、さきの代表質問でも言及させていただきましたが、専門職が同行する旅行の創出、補助制度の新設などを通して、年齢や障がいの有無にかかわらず、多様な観光客に楽しんでいただけるよう、さらに選ばれる観光地札幌を目指していただくことを心から期待いたしまして、私の質問を終わります。 ◆伴良隆 委員  私は、健康増進を目指す市政における健康経営の推進に向けた取組について伺います。  私は、十数年来、議員の活動の中で健康というのを非常に大切にしてきたつもりでございます。健康診断から始まって、分かりやすいものでありますけれども、いろいろな健康ということを、心身の健康ということを取り上げてきたわけであります。  なぜかと言いますと、当たり前でありますけれども、医療、福祉、介護、こういったことにおいて、特に重度な状況になっている方々への施策というものが多く散見されていたということ、ということは、つまり、健康とか予防というものに関するものが市の施策においては手薄だったというのが当時の状況でございました。  私は、保健、医療の分野だけではなく、経済観光局の方にも、ちょうど今から4年ぐらい前でありますけれども、その健康経営という言葉を皆さん方にお伝えしたら、首をかしげて、従業員の定期健診ですかというふうに言われたことは記憶に新しいわけであります。もちろん、従業員の健康、定期健診も大事でありますけれども、私が申したかったのは、健康な経営をするということは、結果的に、従業員の幸せになり、地域経済の循環にもつながるという考え方を示したかったわけであります。以来、数年来、この健康増進を目指す市政ということで、健康経営を皆さん方にお伝えしてきたところでございます。  健康ということになりますと、健康をしっかり頑張っている方々、そして、健康には興味はあるけれどもなかなかできていない方々、そして、健康に興味がない方々ということで、およそ、それぞれ3分の1ずつぐらいというイメージを持っていることはお伝えをしておりました。ひいては、この全体の裾野をどう広げていくかということにおいては、皆さん方が所管する中小企業、そして地域、そして家庭、個人ということに裾野が広がるわけでありまして、ここがどのようにして恩恵を被るようなことにしていくか、つまり、これはインセンティブ、特典などのきっかけのことを言いますけれども、これをそれぞれの層にどう充てていくかということが極めて難しいところでございます。  言ってみれば、健康層にそのまま恩恵を与えてしまうのはもったいないという議論もあれば、やはり、中間層の方々も含めてもっともっと健康にということ、健康に興味がない方々に健康をというやり方、いやいや、健康を頑張っているんだから、もっと特典をというような声もあります。非常に難しいかじ取りであります。  今回は、その企業、特に中小企業の中において、健康に頑張っているところと健康に頑張ろうとしているところと若干興味がないところ、こういったことについて質問してまいります。  健康経営については、民間の調査会社の調査によりますと、健康経営に取り組んでいる道内企業はおよそ57.3%、中小企業に限っても54.3%という状況でございます。また、国が認定する健康経営優良法人ということになりますと、令和5年においては160社、2年前の令和3年の95社というところからの増加傾向にございます。  そこで、質問でありますが、市内企業のSDGsの実現にとって重要な要素の一つである健康経営の視点を持ってもらうために、どのように取り組むのか、まず伺います。 ◎坂井 産業振興部長  企業がSDGs実現の重要な要素の一つである健康経営を推進するための取組についてお答えいたします。  SDGs健康経営の推進においては、自社の活動とSDGsとの関連性を認識し、経営戦略としてSDGsに資する具体的な取組を実践することが必要と認識をしております。  今年度から我々が実施をしています札幌SDGs企業登録制度におきましては、健康を意識した企業経営を、登録するための必須項目の一つとしておりまして、登録には必ず健康経営に取り組んでいただくこととしております。  また、来年度から実施する予定のSDGsの取組をより推進するための勉強会等においても、健康経営の取組に関するテーマを設けるなど、企業に健康経営への意識を高めていただくための取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  当時、約4年前でありますが、経済観光局の方に、先ほど申したようなことをどう思いますかと言いましたら、いや、中小企業の経営者に健康とはなんてこと自体がなかなか言いにくく、おこがましい話ですと。そうだと思います。日々稼ぎ、経営をしていく中小企業の中においては、市のほうから言われてやるというのはなかなか難しいことだと思います。  だから、私はやっていただきたいということを申したわけでありまして、そのような中で、今、坂井部長のほうから、SDGsの企業登録制度というところの中にはめていただいて、健康を意識した企業経営を登録の必須項目にしていただいた、また、来年度から実施する予定のSDGsの取組をより推進するための勉強会等においても、健康経営ということに関する取組をテーマに設けるなどしていただくというところまで来たわけであります。  しかし、それだけではまだまだ、この健康への部分のトレンドに持っていくということになりますと、波及効果というのは、まだ私は弱いというふうに思います。  そこで、今度は、インセンティブ、特典などのきっかけについて追求してまいります。  昨年の議案審査特別委員会で、山田一郎議員がSDGsを通じて健康経営に取り組む企業へのインセンティブについて質問させていただきました。  そのときのご答弁では、札幌SDGs企業として登録した企業については、登録企業だけが使えるロゴマークの使用や、公募型企画競争審査における加点措置などを検討するという段階にありました。本定例会で提案されている予算案では、札幌SDGs企業の登録制度に加えて、さらに、先進的なSDGsの取組を行う企業を認証する事業が提案されているというところでございます。  私は、当時、経済観光局の担当課にこう言いました。やっぱり、健康を促すというときにはインセンティブはとても大事なんですけれども、でも、公金、つまり税金をどんどん使って、ちょっと言葉は悪いですが、まいて健康へというのは、それはやめてほしいと言ったんです。  やっぱり、自ら健康を意識してもらうと。しかし、中小企業の社長さん方、従業員の方々に健康と言ったときに、その経済、経営、もうけ、そして生活というのと、健康をどう考えてもらうかというのは、やっぱり何かインセンティブがないと、つまり、もうけというものに結果的につながらない、これは生活の糧ということですけれども、ここを皆さん方に厳にお伝えしたつもりであります。  そういう中において、税金、その生のものではなくて、やはり、インセンティブですから、何らかの特典をということでお伝えしたいと思いました。  そこで、伺いますが、SDGs企業に認証されることでのインセンティブについてどのようにお考えか、伺います。 ◎坂井 産業振興部長  SDGs企業認証制度のインセンティブについてお答えいたします。  登録制度では、ロゴマークの提供のほか、専用ホームページで取組を発信することや、CO2排出量簡易算定ツールの活用ですとか、経済観光局における公募型企画競争審査時の加点措置等を可能にしたところでございますが、これに加えて、今後、入札参加資格審査におけるインセンティブなども検討してまいります。  認証企業に対しては、登録制度におけるインセンティブの活用はもちろんのことでございますが、認証企業だけが使用できるロゴマークの提供なども予定しているところでございます。  また、札幌市の中小企業融資制度の一つである札幌みらい資金における融資制度に認証企業を加えるなど、SDGsに積極的に取り組む企業への資金面におけるインセンティブも提供してまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  私が解釈すると、今、坂井部長のお話というのは、間接補助というように聞こえてくるところでございます。健康に関することで、これはとても大事な考え方だと思います。健康というのは、やっぱり、結果的には自分がお得になると。要するに人生としてなるべく健康で長く生きていくという意味でありますので、お金に代え難いんですね。だから、私は、生金じゃなくて、実際の補助というのは間接補助であるべきと。経営ですからね。  ですから、今お話があったとおり、公募型の企画競争審査での加点措置、これは既に行っていただいていますけれども、これに加えて、今後、入札というもの、この入札の参加資格審査における特典、インセンティブを検討していくということでありました。  また、大事な資金繰り、資金をどのように得るかという意味で、札幌みらい資金と。これは、利率が非常に有利でありますけれども、ここの融資対象にSDGsの認証企業を加えていくということにおいて、資金面におけるインセンティブも与えてまいりたいというお話がありました。嫌らしくなく、とてもいいやり方だというふうに思います。  そこで、最後の質問に移りますけれども、当初からこの健康ということを考えたときには、市内全体への裾野の広さということを私は意識してまいりました。いわゆるボトムアップであります。ですから、ある一定の層ですね。特定の層に効果限定的であると言われると、これはよろしくないと思いますし、時に特権になりかねません。  ウェルネス推進部が立ち上がったばかりでありますけれども、私は気にしておりまして、問題だと思っていますが、依然として大企業、大企業の意義というのは分かるんですが、大企業のみとウェルネス協定をしているというのはいかがなものかというふうに思います。健康に取り組む市民のポテンシャルに対して消極的であり、これは課題だと私は思っております。  翻って、今、経済観光局というのは、それぞれ裾野の広い中小企業などを大切にした取組ということで、これは大いに評価をできるところでございますので、ぜひウェルネス推進部に対しまして、今回のご答弁を含めて、やり取りを、情報提供をしっかりしていただくようにお願いをしておきます。  改めてでありますけれども、私は、当時から健康ということを取り上げてきて、確かに、興味も含めて、札幌市の施策としても政治活動についても健康ということを言っていくのはなかなか難しいことでございました。  ただ、今、ウェルネスという言葉が心身の健康ということで、そして、それが生きがいであり、やりがいというものにつながっているんだというところまで、市政もかじを切っていただいたところでございまして、では、これを健康経営というものに取り込みますと、従業員の健康増進、これはもう当たり前であります。それが労働環境ですね。当たり前ですが、心身が健康でないと、労働環境もよろしくない、つまり、労働環境の改善につながると。そして、結果的に、それが9時−5時であろうと、その後に夜勤であろうと、生産性の向上につながっていく、これはもう当たり前のことであります。  先ほど申したように、福祉の医療面に対しても非常に効果的です。人によっては違うと言う方もいるかもしれませんけれども、やはり、医療とか福祉、介護といったところに対する医療費の増加というものについては、一概に駄目とは言えませんけれども、健康でいることは大事なわけでありますから、結果的に、そういったものが鈍化していく、伸びが鈍化していくということは、これはとてもいいことだというふうに思っております。  しかし、私は、このウェルネス分野とか、介護とか、予防分野について常に質疑をしておりますけれども、今日は財政の方もいらしていると思いますが、数字的な効果をしっかり明らかにしてくださいと言ってあります。  つまり、当時、私が質疑をしているときに、きれいごとだと言われたことはありましたけれども、これはきれいごとでは終わらせないというつもりで皆さんに頑張っていただきたいので、ウェルネス分野とか介護・予防分野にも数字的効果や税源の涵養の尺度というものを求めています。  今、答弁でも出始めていますが、こういったことをしっかり財政のほうにも言えるような形を取っていただきたいと思っております。  今の時点で、坂井部長、具体的な数字というのは言いにくいわけでありますけれども、ただ、インセンティブは具体的なものが出てきました。それは、評価しておりますので、質問を最後にしますけれども、経済観光局として、健康経営を含む市内企業のSDGsへの取組推進によって、地域経済全体にはどのような効果があると見込まれているのか、伺います。 ◎坂井 産業振興部長  健康経営を含む市内企業のSDGsへの取組推進による地域経済への効果についてお答えいたします。  委員から今ご指摘がございましたとおり、健康経営を含むSDGsへの取組の推進は、労働力の維持、人材の確保、生産性の向上、企業イメージの向上などにつながることであり、ひいては、各企業の業績に好影響を及ぼすものと考えております。  また、健康を意識する企業が増加することにより、健康関連産業やサービスへの需要が増加することも想定されることから、こうしたニーズを札幌市内の企業が取り込むことで、新たなビジネスの創出が期待されるところでございます。  多くの企業が健康経営を含むSDGsの推進に取り組むことは、企業の経営改善のみならず、新たな経済活動にもつながることから、地域経済全体の好循環に資するものと考えております。 ◆伴良隆 委員  私は、まちづくり政策局で、GXについて市長にリターンはどこにあるんですかというふうにただしましたけれども、健康についても、リターンとまではなかなか言いにくいですけれども、なるべく間接補助で、そして、インセンティブですね。そして、それが経済効果として実際に出てきて、皆さんの生活を潤し、結果的に税政部が喜ぶということ、保健福祉局もですね。こういうことを好循環と呼ぶわけでありまして、今、私は経済観光局に質問しています。なので、先ほどおっしゃったように、企業の業績、健康の関連産業と。新ビジネスですね。そして、大事な地域経済全体の好循環につながるという面ですね。  ですから、健康というのは、裾野が広く、分かりにくいんですけど、でも、経済観光局の坂井部長から答弁を受ける、こういうことになるわけであります。  私は、今後も、地元の方々が長く健康でいることはすごくありがたいと思うし、大切な方が残念ながら天に召されていくというときも非常に苦しんでおります。そういうときに、少しでも健康ということを意識して、少しでも長く健康でと思う中に、今日は経済観光局に質問をさせていただきましたけれども、今後もしっかりと健康について他部局にも質問してまいりたいと思います。  皆さん、ここにいらっしゃる皆さん、長生きいたしましょう。  どうもありがとうございました。 ○村松叶啓 委員長  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時53分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○うるしはら直子 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆おんむら健太郎 委員  私からは、大きく3項目、札幌未来牽引企業創出事業について、カスタマーハラスメントについて、そして、さっぽろ雪まつりについて、順次、質問いたします。  最初に、札幌未来牽引企業創出事業について、幾つか伺ってまいります。  2023年第2回定例市議会議案審査特別委員会におきまして、私から、支援対象企業の選定などについて、この札幌未来牽引企業創出事業の質問をさせていただきました。札幌市からは、企業の付加価値向上を目指す付加価値向上コース、こちらでは札幌市産業振興ビジョンにおける重点分野の業種を中心に、株式市場への上場を目指す上場支援コースでは全ての業種を対象に選定していく旨の答弁があったところです。  その後、札幌市は選定に向けた手続を進め、去る2月6日に秋元市長から各社に、直接、認定証を手渡し、認定企業への支援が本格的にスタートしたと伺っております。認定式に出席した各認定企業からは、改めて身が引き締まる思いといった声も聞かれるなど、今後の認定企業の成長に私たちも大いに期待しております。  そこで、最初の質問です。  今回、どういった企業を認定されたのか、また、認定企業の現時点での本事業による支援状況について伺います。 ◎坂井 産業振興部長  札幌未来牽引企業創出事業の認定企業と現時点での支援状況についてお答えいたします。  付加価値向上コースでは、第2次産業振興ビジョンで重点分野としている食やIT・クリエーティブ関連企業を含む10社を、また、上場支援コースでは、スタートアップ企業など、上場による資金調達を行い、さらなる成長を目指す8社の合計18社をSAPPORO NEXT LEADING企業として認定したところでございます。  現時点での支援状況についてですが、付加価値向上コースでは、中長期的な事業計画の策定に向けて、各社の課題や強みを整理しており、上場支援コースでは、上場に向けて、250を超える項目にわたる課題診断を行っているところでございます。  いずれの支援コースにおいても、認定企業ごとにコンサルタントや公認会計士を配置し、それぞれの目標達成に向けて、丁寧に現状をヒアリングしながら進めているところでございます。 ◆おんむら健太郎 委員  今ご答弁にありましたけれども、SAPPORO NEXT LEADING企業として認定された企業の分野は様々であるのだなということと、現在は付加価値向上と上場支援の両コースとも企業の成長に向けた計画を策定されているところであることが分かりました。
     そして、今の答弁の中で、二つのコースの中で、上場支援コースの認定企業にはスタートアップ企業も含まれておりまして、支援を受けているということが述べられておりました。ただ、札幌市では、既にスタートアップ・エコシステムの構築に力を入れておりまして、様々な支援に取り組んでおります。行政として、スタートアップ企業への支援を効果的・効率的に進めていくためには、今回の札幌未来牽引企業創出事業とこれまでのスタートアップ企業について、切れ目のない支援が必要ではないかと考えるところです。  そこで、次の質問ですが、本事業と、札幌市が既に行っているスタートアップ支援事業との役割分担について伺います。 ◎坂井 産業振興部長  スタートアップ支援事業との役割分担についてお答えいたします。  これまでのスタートアップ支援関連事業は、成長可能性のあるスタートアップの母数の増加を目指して、起業家の育成から始まり、シード期からミドル期までを主な対象とした支援事業に取り組んできたところでございます。  一方で、今回の札幌未来牽引企業創出事業における支援は、上場による資金調達や信用力の向上等により、さらなる成長や人材確保等を目指すものであり、一定程度、企業規模が拡大した後のスタートアップ企業としての出口戦略の部分を支援できるものと考えております。  今後とも、起業家の育成の支援から上場まで切れ目ない重層的な支援を進めていくことで、スタートアップ企業のさらなる成長を促し、それにより市内経済のより一層の活性化を目指してまいりたいと考えております。 ◆おんむら健太郎 委員  従来の支援領域である起業段階からミドル期までのスタートアップに加えまして、出口戦略ということがございました。そういったところについての支援を行うと。それで、切れ目のない支援が可能になってきたのだなということが分かりました。  今後、スタートアップをはじめとした認定企業が成長を図っていくには、現在進めているコンサルタントや会計事務所からの支援だけではなくて、多様な側面からの支援が必要になってくるものと感じております。行政機関や経済団体など、様々な公的団体が、補助金や専門家派遣等の支援メニューを持っておりますが、この認定企業がそれらの支援メニュー全てを把握できているかというと、必ずしもそうではないのではないかと思います。今後、本格的な支援を進めていくに当たっては、そうした支援をしっかり活用していくことも必要になってくると考えます。  そこで、質問です。  関係機関と連携した支援体制についてどのように考えているのか、札幌市の考えを伺います。 ◎坂井 産業振興部長  関係機関と連携した支援体制についてお答えをいたします。  認定企業のさらなる成長のためには、札幌市としても、各企業が自社の課題解決に向けて必要な支援を活用できる環境を整えていくことが重要であると認識をしております。  このことから、各支援団体・機関が持つ補助金等の支援メニューに円滑につながることができるよう、札幌市が中心となり、市内の経済団体や金融機関、大学等とのネットワークの構築を進めているところでございます。  本事業の実施に当たっては、札幌市による支援に加えて、この支援ネットワークも十分に活用し、認定企業の課題を解決することにより、効果的な成長を促すことで、事業規模の拡大などにつなげてまいりたいと考えております。 ◆おんむら健太郎 委員  ぜひ事業規模の拡大などにつなげられるような、効果的な成長を促すような取組を進めていただきたいと思います。  スタートアップ企業の多くというのは、もともと技術者集団などであることが多くありまして、企業の成長につれて規模が拡大していくと、経営に対するノウハウがなかなか十二分に備わっていないところもあると伺っておりますし、また、そういったところは経営に対する不安感を持たれるような企業もあるやに聞いております。  その一方、さらなる企業成長のためには、経営戦略、事業計画の策定、着実な実行というものは避けては通れないものであると考えます。ですので、札幌の未来を牽引する企業に対しましては、しっかりと支援していただくことを求めさせていただきます。  また、札幌におけるスタートアップの支援拠点として重要な役割を担ってまいりましたSAPPORO Incubation Hub DRIVEが道新本社移転に合わせてもうすぐ営業を終了いたしますので、今、札幌市全体を見ても盛り上がりを見せておりますスタートアップのこの熱が冷めないうちに、しっかりと新たな拠点の整備に、早期に取り組まれることも要望させていただいて、次の項目へ質問を移らせていただきます。  次に、職場での迷惑行為や悪質クレーム、いわゆるカスタマーハラスメントに対する本市の考えについて幾つか伺ってまいります。  我が会派は、2021年、令和3年第1回定例市議会の代表質問で、本市におけるカスタマーハラスメントの現状の把握と今後の対策について伺ったところです。その際には、石川副市長から、カスタマーハラスメントは、労働者にとって大きなストレスとなり、心身の不調にもつながりかねないものとして、あってはならない行為であると認識しているということ、また、消費者という立場であっても、行き過ぎた言動は迷惑行為や犯罪に当たるという認識を社会全体で醸成していく必要性があるということ、あわせて、労働施策総合推進法の指針を踏まえ、国が策定する予定の事業主向けのマニュアルに基づき、様々な機会を捉えて、事業主のカスタマーハラスメントへの対応に関する周知・啓発を積極的に行っていく旨の答弁があったところです。  NPO法人北海道勤労者安全衛生センターが2022年度に行ったカスタマーハラスメントについての調査結果報告によりますと、あなたはこれまでカスタマーハラスメントの被害にあいましたかという問いに対して、約60%の方があると回答しており、その結果、9割の方が何らかのストレスを感じたと回答しております。  また、カスタマーハラスメントをなくすために今後どのような対策が必要だと思いますかという問いに対しましては、「新たな法制定など、法律による規制の強化」が30.8%、「社内マニュアルの整備」が24.5%、「業界全体で対応できるガイドラインの整備」は21.8%、「行政や業界団体による啓発活動」が16.7%という回答がありまして、中でも、国や行政に対して対策を望む声が4割と高いことが明らかとなっております。  東京都の事例になりますが、東京都は、顧客が企業の従業員に対して理不尽な要求や悪質なクレームを行うカスタマーハラスメントを防止するための条例を制定する方針を固めたと伺っております。このカスタマーハラスメントのことを略してカスハラなどと言うのですけれども、カスハラ防止条例とよく言われます。このカスハラ防止条例は、カスハラの禁止を明記し、働く人を守るルールを設けることで、カスタマーハラスメントを防止するという試みでございまして、全国の自治体では初めての取組となる見通しだそうです。  北海道議会でも同様に条例制定を検討されていると伺っておりまして、早ければ年内の定例会で条例案が提出される予定だと伺っております。  そこで、質問です。  企業がカスタマーハラスメント対策に取り組む意義について、札幌市としてどのように捉えているのか、伺います。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  企業がカスタマーハラスメント対策に取り組む意義についてお答えいたします。  悪質なクレームや不当な要求、人格を否定するような暴言など、カスタマーハラスメントは、企業の従業員にとって大きなストレスとなり、心身の不調にもつながりかねない問題のある行為であると認識しております。このため、企業は、カスタマーハラスメントに対して、取組姿勢を明確に示したり、相談対応体制を整備するなど、従業員を守る対応が求められます。  企業がカスタマーハラスメント対策に積極的に取り組むことで、従業員が安心して働ける職場環境となり、ひいては、人材確保や離職防止などにもつながることから、大変意義あるものと考えております。 ◆おんむら健太郎 委員  今、答弁にもありましたけれども、企業がカスタマーハラスメント対策に取り組むということは、人材の確保や離職防止等にもつながるということで、大変意義があるのだということを、今、庄中部長のほうからもお話しいただきました。  カスタマーハラスメントに遭いやすい業種というのは、主に顧客と直接接する機会が多い業種が多くありまして、同時に、それらの職種は、ほかの産業と比較しても働き手不足が深刻な状況であるということから、働く方々の尊厳を守るためにも実効性のある対策、これらの浸透が求められていると思います。  2019年6月に労働施策総合推進法等が改正され、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。この改正を踏まえ、2020年1月に事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針、こちらが策定されました。顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求などの著しい迷惑行為、カスタマーハラスメントに関して、事業主は相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが有効である旨が定められたところです。  さらに、昨年9月には、民間労働者を対象とした労働者災害補償保険制度において、心理的負荷による精神障害の認定基準が改正されまして、カスタマーハラスメントについても、労働災害の認定、分析する際の調査対象に追加されております。  本市では、市民の声を聞く課や各区総務企画課広聴係などにカスタマーハラスメント防止啓発ポスターを掲示し、どういう行為がカスタマーハラスメントに当たるのかを市民の皆様に広く知っていただくための取組などが行われております。  全国的に見て、いわゆる大企業と言われる大きな企業では取組が進んでいるところもあります。しかしながら、中小・小規模事業者、札幌市は中小・小規模事業者がほとんどでございますので、そういったところでは、全体的な取組というのは広く進んでいるとは言えない状況であります。だからこそ、中小・小規模事業者に向けては、行政からの啓発や支援が必要となってくるのではないかと考えるところです。  そこで、質問です。  カスタマーハラスメント対策について、本市は、企業に対し、どのような支援を考えているのか、お伺いします。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  カスタマーハラスメント対策における企業への支援についてお答えいたします。  委員からお話がありましたとおり、札幌市では、広報部がカスタマーハラスメント防止対策のポスターを作成しており、そのポスターなどを活用し、企業向けのセミナーや合同企業説明会、札幌サンプラザでのパネル展など、様々な機会を通じて積極的に啓発に努めてまいります。  さらに、働き方改革・人材確保サポートセンターにおいて、新たに、カスタマーハラスメントに特化した企業向けのセミナーの開催や出前講座の実施、社会保険労務士などの専門家によるコンサルティング支援を行うとともに、専門家相談ではカスタマーハラスメントに関する相談にも対応できるようにすることで、企業におけるカスタマーハラスメント対策を後押ししてまいりたいと考えております。 ◆おんむら健太郎 委員  企業向けに積極的に啓発を進めていくということは理解いたしました。  一部の消費者による、やはり一般常識を超えた不当な要求や、もしくは、そういった異常な態様の要求行為などのカスタマーハラスメントの抑止、また撲滅を継続的に推進していただくこと、こちらを要望させていただきますとともに、まだまだ表面化されていない被害についても、ぜひアウトリーチなどによって把握をされるような取組もぜひしていただきたいと思います。  また、厚生労働省が公表しているカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを企業などに活用してもらい、カスタマーハラスメント対策の推進に向けて、企業としてのマニュアル作成や具体的な対策を講じるよう、今、様々、対策も進めていかれる方針をお答えいただきましたが、積極的に札幌市としても進めていただければと思います。  ただ、カスタマーハラスメントは、小売業や飲食業、また、サービス業や、もしくは、交通・運輸業に加えまして、さらに、介護従事者ですとか、医療従事者、また、子育て支援関連施設の従事者ですとか、教育分野など、また、これは私たちもそうなんですが、行政のほうももちろん対象となってくるものでございまして、こういった様々な業種で起きている、今は社会問題だと思っております。  庁内では、それぞれの業種を担当する部局、部署が異なってまいりますので、今後、ぜひ庁内の各部局が連携されてカスタマーハラスメントの取組を進めていただきたいと思います。  市民が生きがいを持って働くことのできる社会の実現に向けて前向きに取り組んでいきたいと感じますし、ぜひ、先ほど庄中部長からもありました様々な対応、そういったもので、これからも札幌市全体が働きやすい環境というものをぜひ整備していただきたいし、また、この話をさせていただいてから今日に至るまでの間、ご尽力いただいたことに関しても、この場を通じて感謝を申し上げたいと思っておりますので、ぜひお力添えのほどよろしくお願いいたします。  そして、そのことを求めさせていただいて、次の質問に移らせていただきたいと思います。  3項目めとして、さっぽろ雪まつりについて、幾つか伺います。  我が会派では、昨年9月の第3回定例市議会の代表質問で、雪まつりを持続可能なイベントにしていくことについて質問いたしました。本市からは、新たな魅力を創出し続けることと、環境にも配慮した会場づくりを進め、持続可能なイベント運営を目指すという方向性が示されたところです。  今年の雪まつりは、新型コロナウイルス感染症による制限がない形で開催されまして、4年ぶりとなるつどーむ会場、国際雪像コンクールの再開、飲食ブースの展開、札幌国際芸術祭との連携など、魅力あるコンテンツが展開され、大通会場とつどーむ会場の来場者数は238万9,000人となるなど、大きなにぎわいをもたらしました。  私も雪まつり会場を歩きましたが、アジア圏や欧州からの観光客と見られる方々も写真を撮られたりして、大変楽しまれている姿を見受けることができました。さっぽろ雪まつりが持つ観光資源としてのポテンシャルの高さを改めて実感したところでございます。  ここで、質問いたします。  本市として、今年の雪まつりをどのように評価されているのか、伺います。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  今年の雪まつりの評価についてお答えいたします。  昨年12月の段階では、市内の積雪が少なく、心配いたしましたが、1月にはまとまった降雪があり、雪像制作もスムーズに進みました。会期中におきましては、比較的穏やかな天候が続きまして、雪氷像は良好な状態で保たれ、多くの方々に感動を与えることができたと考えております。  また、つどーむ会場の再開や札幌国際芸術祭との連携などを通じまして、雪遊びやアートなど、よりバラエティーに富んだコンテンツを展開することで、観光客だけでなく、市民にも楽しんでいただくことができたと考えております。  来場者数はコロナ禍前と同程度まで回復をし、会場内外で、とりわけ多くの外国人観光客の姿も目にしたところでありまして、改めて、このイベントが、冬の北海道、札幌に欠かせないものであるということを再確認したところでございます。 ◆おんむら健太郎 委員  雪まつりは、雪という天然資源を活用したイベントですので、天候や気温などに左右され、本当に当初は雪が少なくて我々も心配しましたが、最終的には何とかしっかり雪も降ってスムーズにいったと。また、海外の方々もいらっしゃっていて、本当にすごく札幌の重要なコンテンツだなと感じました。  今年は、雪まつりの会期終了後に気温が10度を超える日が発生するなど、温暖化の傾向も目立ってきておりまして、気候面の対策も今後は必要になってきているのではないかと感じるところです。  また、来場者に満足いただけるよう、コンテンツの磨き上げや受入れ環境の整備も必要となってまいります。  さらに、スポンサー獲得が昨今は厳しくなっているということのほか、資材などの物価高、また、労務単価の上昇で、実行委員会や各会場管理者の運営経費の負担が大きくなっているということも聞いておりまして、今後の雪まつりの開催に少なからず不安も感じるところでございます。  次期観光まちづくりプランにおいては、2032年までに総観光消費額1兆円を目指すとされておりまして、雪まつりは、観光閑散期である冬の誘客、滞在日数の長期化、来訪者1人当たりの観光消費単価の増大、これらに欠かすことのできないイベントだと考えております。  これらのことを踏まえ、札幌市は、このたび令和6年度予算案において持続可能な雪まつりに向けた調査検討のための経費を計上されております。  そこで、次の質問です。  持続可能な雪まつりに向けて、今後、札幌市はどのような調査検討を行うのか、伺います。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  持続可能な雪まつりに向けました調査検討につきましてお答えいたします。  さっぽろ雪まつりは、国内外から多くの観光客を呼び込む国際イベントとして定着をしておりますが、委員のご指摘のとおり、企業協賛の獲得が厳しい状況にありますほか、温暖化や不安定な降雪量、重機や足場、プレハブ、警備、雪輸送といった会場設営や運営経費の増など、様々な課題を抱えております。  これらの課題への対応策を考えるに当たりましては、協賛収入に大きく依存しない会場運営手法や、少雪などの気候変動、環境への負荷を考慮したコンテンツの展開など、多角的な観点からアプローチをしていく必要があると考えております。  そこで、今回の調査検討におきましては、市民及び観光客のニーズや類似イベントの調査を行いますほか、観光関連団体や雪まつり実行委員会関係者の意見も参考にしながら、冬季観光の活性化につながる持続可能な雪まつりの在り方について、丁寧に議論を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆おんむら健太郎 委員  先ほども申し上げましたが、やはり、雪まつりは、本市の観光振興に取り組む上で欠かすことのできない冬のイベントでございます。  今後、いろんな検討がなされていくという答弁がございましたが、今年の市民雪像の中には非常にクオリティーの高いものもございまして、結構話題となっておりました。ぜひ、市民の皆様方を今まで以上に巻き込んでいただいて、雪まつりを広く盛り上げていただけたらなと思っております。  これからも、札幌市が誇る雪まつりが、ぜひ後世に残るよう取組を進めていただくことを要望させていただいて、私からの全ての質問を終わらせていただきます。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、3項目質問をさせていただきます。  最初に観光関連施設の災害対策について、二つ目が札幌企業SDGs推進事業について、三つ目が多様な人材の活躍推進について、質問をさせていただきたいと思います。  最初に、観光関連施設の災害対策について質問をさせていただきます。  昨日で東日本大震災から13年、この1月にも能登半島地震が起きるなど、震災はいつどこで起きてもおかしくない状況にあるということを肝に銘じておかなければならないものというふうに感じているところでもございます。  平成30年9月に発生いたしました胆振東部地震では、札幌市内においても、都心部で宿泊施設に宿泊していた旅行者が、引き続き施設内に滞在することができず、行き場を失うなどの事案が発生いたしました。そのため、札幌市は、市内の宿泊施設に対し、宿泊客の滞在延長に可能な限り対応していただくよう要請し、各宿泊施設において旅行者の受入れや支援を実施したと伺っているところであります。  この対応の中で、旅行者への情報提供や、さらには、札幌市と宿泊施設、または、宿泊施設間の連携・連絡体制などの課題を認識したところであります。  実際に、私の地元でありますホテルエミシア札幌では、自主的に宿泊旅行者の受入れを継続し、旅行者への支援を行うなどをされておりましたが、大変な苦労があったと聞いており、札幌市からのきめ細かな情報、また、状況の把握、支援があればよかったという声もいただいたところでありました。  そうした状況を踏まえ、市と宿泊施設との相互協力により、災害時に観光客等の旅行者が安全に滞在することができる場所を提供し、必要な支援を行うことを目的として、災害時における旅行者の受入れ等に関する協定を、札幌市内ホテル連絡協議会、札幌ホテル旅館協同組合、定山渓温泉旅館組合の宿泊関連3団体と締結し、さらに、災害時における民間一時滞在施設の協力に関する協定を個別の宿泊施設と締結したということでございます。  そこで、質問ですが、改めてこれらの協定の内容についてお伺いをいたします。 ◎北川 観光・MICE推進部長  災害時における旅行者の受入れ等に関する協定内容につきましてお答えをいたします。  胆振東部地震の際の対応を契機に、災害時における市と市内宿泊施設との協力体制を強固なものとするため、宿泊関連団体と協議を行いながら、災害における旅行者の受入れに関する協定を締結したところでございます。  まず、平成31年1月に宿泊関連団体との間で締結した災害時における旅行者の受入れ等に関する協定では、宿泊施設が、宿泊者などに対して可能な範囲で客室や滞在場所を引き続き提供し、食料や物資等の支援を実施するとともに、市も交通情報の提供など必要な支援を行うことを定めたものでございます。  また、令和元年11月以降には、災害時における民間一時滞在施設の協力に関する協定、こちらを個別の宿泊施設と順次締結し、その内容は、宿泊施設が、宿泊者以外の方であっても施設内での滞在を希望する旅行者に対し、可能な範囲で滞在場所を提供、食料や物資等の支援を実施するとともに、市も物資の提供など必要な支援を行うことを定めたものでございます。  なお、個別の宿泊施設との協定につきましては、現在、10施設と締結しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  胆振東部地震の後に検証を行って、答弁のような協定を締結し、災害発生時の対応について官民が連携をして進める取組については、高く評価ができるものであります。  今回の能登半島地震では、被害の大きかった地域の要配慮者やその同伴者などを受け入れるため、被害が少ない他都市にある旅館やホテルを2次避難所として活用するなど、新たな動きがございました。  本市においても、大規模災害時において官民一体となった対応が必要であり、行政は、民間施設への支援やその仕組みづくりを行う必要があるものと考えます。今回の能登半島地震と置かれた状況は異なるかもしれませんが、個別協定を締結する施設数の増加や、大規模災害が発生した際に本協定が効果的に発揮されるように、有事に備え、しっかり取り組んでいくことが重要であります。  これらを達成する取組の一つとして、本市では、災害等に伴う停電時においても、宿泊施設の受入れ機能の維持のため、宿泊施設非常用自家発電設備整備補助事業が第2次札幌観光まちづくりプランに位置づけられているところであり、来年度もこの事業は予算化され、申請に係る相談も受けているということで、しっかりハード面の取組も進めていただきたいと思います。  一方で、大規模災害時に宿泊施設が本協定に基づいて旅行者の受入れを実施していくためには、ハード面の支援だけではなくて、ソフト面での支援も重要であるものと考えます。  そこで、質問をいたしますが、当該補助以外に、本協定を効果的に運用するために、これからどのような取組を行う考えがあるのかをお伺いいたします。 ◎北川 観光・MICE推進部長  協定を効果的に運用するための取組についてお答えいたします。  大規模災害が発生し、本協定に基づき、宿泊施設が一時滞在施設として開設した場合には、札幌市は、宿泊施設からの求めに応じ、非常用食料、飲料、寝具等の物資の提供に加え、外国語によるコミュニケーションを支援することとしております。そのため、実際に災害が発生した際に、こういった支援をしっかりと行えるような体制を日頃から構築していくことが必要であると考えております。  本協定締結のきっかけとなった胆振東部地震から5年が経過しているため、本協定に基づく協力体制を確認するためにも、例えば、札幌市災害対策本部運営訓練を活用し、双方のオペレーションの確認を行うなど、本市と宿泊関連団体や各施設との連携・連絡体制を強化してまいりたいと考えております。  さらに、外国人観光客への対応のため、例えば、協定を締結した宿泊施設へ多言語に対応できる翻訳ツールを導入するなど、宿泊関連団体と協議を進めながら、宿泊施設の実情に沿った支援について検討してまいります。 ◆丸山秀樹 委員  今の答弁で、一時滞在施設として開設した場合、施設からの求めにしっかり応じていくという、そうした姿勢が見られました。特に、非常用の食料であるとか、また、外国人とのコミュニケーション、特に観光のまちと言われておりますこの札幌市においては、非常に重要な取組であるというようにも思いますし、また、そうしたことの意見交換や訓練の実施、こうした具体的な取組をやはり継続していくこともとても重要な取組になろうかというように思います。  こうした取組は、観光都市を目指す本市にとっても、欠かせない取組であるということは明確でありますから、宿泊関連施設や、直接、市内のホテルとのヒアリングもしっかり行っていただいて、ニーズにかなった支援と連携の強化につなげていただくことを求めて、次の質問に移りたいと思います。  次に、札幌企業SDGs推進事業について質問をさせていただきます。  SDGsは、持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標であり、事業者にとりましては、社会や地域への貢献というだけではなく、新たな成長の可能性につながる取組でもあります。企業がSDGsに取り組むことは、新たな事業機会の創出やブランドイメージの向上、人材の確保といった点で、経営戦略としても有益であります。
     このたびの令和6年度予算案でも提案されております札幌企業SDGs推進事業において、企業活動を通してSDGsの達成に向けて取り組む市内企業を札幌市が登録して見える化することによって、SDGsに積極的に取り組む企業を後押ししていくという札幌SDGs企業登録制度が今年度事業として開始をされているところであります。  札幌SDGs企業登録制度は、多くの市内企業にSDGsへの認識を深めてもらい、取組を進めてもらうことを狙いとしておりますが、我が会派では、令和5年第2回定例市議会の議案審査特別委員会において、本事業に企業が参加しやすくなるような工夫についても質問をさせていただいたところであります。経済観光局の答弁では、分かりやすくスムーズな申請が可能となるような申請書の工夫を行うことや、ホームページを通じた電子申請を設けるなど、登録を希望する企業のニーズに合った方法を取り入れていくということも、答弁としていただいたところでありました。  本年度については、1月に申請受付を行って、申請期間を経て、先日の3月1日付で登録がなされたものと伺っております。  そこで、質問ですが、今年度の札幌SDGs企業登録制度において登録された企業数や業種は、どのような状況であったのかをまずお伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  札幌SDGs企業登録制度における登録状況についてお答えをいたします。  令和6年1月に募集した第1期の登録申請では、申請のあった176社に対して審査を行った結果、全ての企業を登録したところでございます。短い募集期間ではありましたが、多くの企業にご申請をいただき、市内企業のSDGs経営への関心は非常に高いと感じているところでございます。  また、第1期で登録となった企業のうち、9割近くが中小企業となっており、業種別で見ると、建設業が約3割と最も高くなっておりますが、そのほかにも様々な業種の企業に登録をいただいており、SDGs経営の裾野は着実に広がってきているものと考えております。  第1期の申請受付は終了したところでございますが、既に第2期の申請に関する問合せもいただいており、自社のSDGsに関する取組を行政が見える化することへのニーズは高いものと認識しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  176全てが登録されたという、また、中小が非常に多かったというお話も今いただきましたが、事業開始初年度であり、事業周知期間も限られたという状況であったとは思いますけれども、様々な業種に登録をいただいているということは評価したいというふうに思います。登録の対象は営利企業だけではなくて、社会福祉法人やNPO法人なども対象となることから、来年度以降も多くの事業者に登録をしていただけるように、より一層の工夫や周知に努めていただきたいと思います。  さて、我が会派では、企業のSDGsに対する取組意欲をさらに上げるためには、SDGs推進の先行自治体であるさいたま市などの例なども挙げて、登録制度から一歩進んで、企業の取組内容を審査するような認証制度の導入の必要性も訴えてきたところであります。  今般、本定例会で提案されている予算案では、札幌SDGs企業の認証制度が盛り込まれており、札幌市としての企業のより積極的なSDGsへの取組を支援する姿勢を示しているものと考えます。  そこで、質問でございますが、今回の予算案で提案されているSDGs企業の認証制度の狙いと事業のスキームについてお伺いをいたします。 ◎坂井 産業振興部長  新たに導入するSDGs認証制度の狙いと事業スキームについてお答えをいたします。  SDGsに関する先進的な取組は、環境や社会課題に関する新たな市場やニーズへの対応につながるものであり、新規の事業機会の創出につながるものと考えております。  また、認証制度により、より高い視点でSDGsに取り組む企業の活動を周知することで、企業のイメージやブランド力の向上につなげるとともに、認証企業の先進的な取組をロールモデルとし、他の企業に広げてまいりたいと考えております。  詳細な制度設計はこれからでございますが、客観的な指標を設定し、認証を希望する企業からの申請を基に、個別の審査によって認証をする予定としておりまして、認証企業数につきましては、20社程度を上限とすることを想定しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  企業経営のサステーナビリティー、要するに、環境や経済等に配慮した活動を評価するという概念が普及をしてきて、従来の財務情報だけではなくて、環境や社会、ガバナンスという要素も含めた投資であるESG投資がSDGsと併せて注目をされてきているという時代にもなってまいりました。今回のこの登録制度の継続に加えて、認証制度の導入によって、市内企業のSDGsへの取組がさらに推進されることを期待するところであります。  この認証制度のスキーム構築に当たっては、より先進的に取り組む企業を選定できる基準が肝要であります。他の自治体の例にありますように、企業の自己申告だけではなく、取組内容を有識者などの第三者が審査する仕組みも必要不可欠と考えます。認証された企業が、札幌を代表するようなSDGsに取り組むモデル企業として多くの人に理解してもらうためには、まさにこの基準と審査がポイントとなります。  そこで、札幌SDGs企業への認証に当たって設定する基準と審査をどのように行うのか、お伺いをいたします。 ◎坂井 産業振興部長  SDGs企業認証に当たっての基準と審査についてお答えをいたします。  まず、基準についてですが、登録制度と比較して、SDGsにおける環境、社会、経済の各分野において、より難易度の高い基準を設定することを考えております。内閣府が発行する地方創生SDGs登録・認証等制度ガイドラインによりますと、認証制度は、地方創生SDGsに取り組む地域事業者等に対する金融機関等の支援の拡大も目的としていることから、具体的には、委員からもご指摘がございましたが、金融機関のESG投融資につながるものを想定した基準としてまいりたいと考えております。  次に、審査についてですが、SDGs経営に精通した中小企業診断士や学識者など、外部の有識者を交えて行い、ヒアリング調査に加えて、必要に応じて実地調査も行った上で認証企業を選定してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  客観性ある基準と有識者の第三者も入れて審査をするということで、より先進的にSDGsに取り組む企業が認証されることを期待したいと思います。  今回提案をされました予算案では、認証する企業の上限を原則20社としているということでございました。予算上の制約と厳正な審査によるものということでもありますが、すばらしい取組をしている事業者が多数いらっしゃる場合については、必ずしも上限にこだわらず、認証することを検討していただくことを要望したいと思います。  以上でこの質問を終わりたいと思います。  次に、多様な人材の活躍推進という観点から、高齢者と女性の就労についてそれぞれ伺いたいと思います。  まずは、高齢者の就労という観点から、シニア人材バンクについてお伺いをいたします。  人手不足が叫ばれる昨今にあって、企業にとって人材確保は課題の一丁目一番地と言っても過言ではありません。生産年齢人口が減少している中で、一足飛びに解決することのできないことは確かではありますが、行政として、様々な取組を通じて支援していくことが重要と考えます。  とりわけ、我が会派では、以前から、働く意欲のある高齢者の方々に、その能力に着目して、このような方々が活躍していただけることが重要だと考えて、幾度も定例会や特別委員会での質問をしてまいりました。  令和5年決算特別委員会では、就業サポートセンターにおける新たな取組として、企業側から高齢者をスカウトするシニア人材バンクについて答弁をいただいたところであります。この取組は、企業から求職者にアプローチすることになるため、求職者にとって、自身の新しい可能性に気づき、これまで経験してこなかった職業にチャレンジをしていくような効果があるものと感じているところでもあります。決算特別委員会のときには、登録企業数、登録者数とも順調に推移していること、マッチング件数をさらに伸ばしていくことが課題だということを伺っておりましたが、私は、この取組に大変期待をしており、その後の動向について注視をしてきているところでもございます。  そこで、質問ですが、シニア人材バンクの現在の進捗状況と今後の取組についてお伺いをいたします。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  シニア人材バンクの進捗状況と今後の取組についてお答えいたします。  シニア人材バンクは、2月末時点で、登録者は328名、登録企業は118社、企業が行ったスカウトは547件となっており、企業における高齢者の採用活動が活発であることがうかがえます。  マッチング件数は31件となっており、軽作業を希望していた方が警備員として採用されるなど、新しい職業へのチャレンジを後押しできた事例も出てきておりますが、希望をしていない職業からのスカウトには不安を抱き、ちゅうちょする事例がまだ多くございます。  そのため、次年度は、求職者に対してマッチングの好事例をまとめて周知するとともに、求職者が希望と異なるスカウトを受けた場合でも、専門相談員が間に入って、当該企業やその職業への理解を促すことで就労を後押しいたします。  一方、企業側への取組としましては、求める人材を検索しやすいよう、シニア人材バンクの特設ホームページを改修するとともに、企業ニーズに沿った人材情報をプッシュ型で事業者に提供してまいります。  これらの取組を通してシニア人材バンクを効果的に運用することにより、次年度のマッチング件数を100件にまで伸ばしていきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  決算特別委員会のときに伺ったときから、登録者数については倍増、スカウト数は350件以上も上積みするなど、共に順調に伸ばしているように思います。  一方で、このマッチング件数については、決算特別委員会のときの4倍以上にはなっているものの、スカウト件数と比較すると、まだまだマッチング件数は伸ばしていく余地があるものと思うところであります。  高齢者が未経験の職業にチャレンジすることに不安を抱くということは理解できますが、私は、彼らが持っている知見や技術を生かすことができれば、活躍いただくことはできるというように考えるものであります。  今後は、特設ページを改修されるとか、また、今ありましたように好事例についても発信する取組も進めていただけるということでございました。今年度培った相談事例も参考に改善を重ねて、先ほど決意をいただきましたが、次年度についてはマッチング件数100件を達成していただければと思います。  このような新しい取組は、着手して初めて見えてくる課題もあると思いますので、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら、絶えず改善を進め、求職者と企業、双方に実りある取組にしていただくことを求めたいと思います。  続いて、女性の就労支援に関して、ここシェルジュSAPPOROについて伺います。  札幌市が昨年9月に公表をいたしました令和4年就業構造基本調査の結果概要によれば、令和4年10月1日現在、札幌市の女性のうち、15歳以上の有業者数は47万1,900人で、前回調査である平成29年の44万800人と比べて3万1,100人の増加をしております。  また、女性の無業者数は46万8,600人で、平成29年度の48万7,600人と比べると1万9,000人減少をしております。  年齢別では、25歳から29歳までの有業率は88.1%というようになっておりまして、前回の調査から14.7ポイント上昇しておりますが、30歳から34歳までの有業率は73.5%で、前回調査から横ばいという状況になっております。  加えて、同調査によれば、札幌市では、就業を希望する育児中の無業者女性のうち約73%が、就職を希望されているものの、就職活動には至っておりません。  有業率については、結婚、出産を機に一旦低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇するという、いわゆるM字カーブについては解消に向かいつつありますけれども、まだまだ支援を必要としている女性が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。  札幌市では、就労と保育の一体的な相談ができる女性の多様な働き方支援窓口、ここシェルジュSAPPOROを平成30年より運営し、様々な不安や情報の不足により就職活動に踏み切れない潜在的な求職者を主な対象者として、それぞれ希望に合った支援を行っているところであります。  働くことへの不安や、希望とする働き方は人それぞれであり、だからこそ、ここシェルジュSAPPOROが行っております利用者に寄り添った支援は重要性を増しているものと考えます。  また、様々なニーズに応えられるように、常に動向を注視し、新しい情報を取り入れて、窓口の利用者に多様な働き方を提示して選択の幅を広げていくということも求められているのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、今年度のここシェルジュSAPPOROの利用実績と今後の女性の多様な働き方支援の取組についてお伺いいたします。 ◎庄中 経営支援・雇用労働担当部長  ここシェルジュSAPPOROの利用実績と今後の取組についてお答えいたします。  今年度の利用実績は、2月末時点の新規登録者が1,344名で、平成30年に窓口を開設してから最多となっており、セミナーの参加者も1,292名に達するなど、多くの方が利用しております。  昨年9月からは、就労と保育の相談対応において、利用者の自宅や希望する職場に近い認可保育施設の情報をまとめた保育園MAPをオーダーメードで作成、提供しており、利用者からは求職活動に役立つとの評価をいただいております。  次年度は、子育て中の女性に好評な在宅ワークスキル入門講座の回数を年間10回から40回に拡充し、より多くの方に受講の機会を提供いたします。さらに、近年、新しい働き方として注目されている、短時間かつ単発で仕事をする、いわゆるギグワークという働き方について、窓口での相談体制を整えていくほか、セミナーの内容にも取り入れます。  ギグワークは、自身の都合に合わせて柔軟にシフトを組むことができることから、子育て中の女性も取り組みやすいと考えており、働くことに悩む方への選択肢の一つとして紹介していきたいと考えております。  加えて、在宅ワークやギグワークなど、子育て中の女性と親和性の高い働き方に関する事例集を作成し、情報を広く発信することで、多様な働き方を推進してまいります。 ◆丸山秀樹 委員  最後に、要望をして終わりたいと思います。  前年度に引き続きまして、ここシェルジュSAPPOROの登録者数が増加しており、セミナーについても好調とのことでございました。保育園MAPも子育て女性にとって非常に便利なサービスだと思いますので、ぜひ継続をしていただきたいと思います。  また、在宅ワークについても答弁をいただきましたが、子育てをしている女性にとって、出勤することなく、仕事をすることができる働き方は、非常に親和性が高く、多様な働き方支援窓口であるここシェルジュSAPPOROが担う取組としては、大変意義深いものであると思いますので、ぜひとも、より多くの方が講座を受講できるように努めていただきたいと思います。  また、今後、短時間、単発というギグワークという新しい働き方についても、窓口相談やセミナーを実施するとともに事例集を作成し、情報を発信していくとのことでありました。ぜひとも、働きたいけれども、どうしようかと不安を抱えている女性に対して、今はいろいろな働き方があるんだよということをご紹介いただいて、選択の幅を広げていただく取組が重要であると考えます。  女性の有業率が上がってきておりますが、30代になってから落ち込む傾向は続いており、ここシェルジュSAPPOROのような事業を継続し、女性の活躍を支援していくことには大変意義があるものと考えます。  今後も、女性一人一人の不安や悩みに寄り添いながら、それぞれに合った働き方を選択し、生き生きと輝くことができるような支援を実施していただくことを要望し、私からの質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、インバウンドの公共交通機関の利用の在り方について質問をしたいと思います。  2月上旬に、路線バスのインバウンド利用が多くて、市民がバスに乗車できないとのテレビ報道がありました。その内容としては、定山渓方面へのバスへ乗車できず、積み残しがあったというものであり、従前では見られなかった現象が起きたと感じております。特に、コロナ禍前と比べて、海外との往来の再開後の動向は明らかに変わってきており、団体客より個人客が増え、移動の仕方も、これまでの団体ツアーによるバス移動ではなく、個人での移動が増えるといった形で移動方法が変わってきたと感じているところです。  ただ、今回の報道の一点だけを見て、全てを判断するわけにはいかないのかなと思っております。私自身も、先週、該当する路線バスに何本か乗車して調査をしましたが、真駒内駅発の定山渓行きは、正直、がらがらという時間帯が多くありました。この課題に対する客観的な情報を得るためには、例えば、春節や雪まつりと重なった今時期だけの現象であるのか、もしくは、通年で起こり得る現象なのか、さらに違った見方だと、札幌駅からの直行便だけの現象なのか、真駒内駅始発のバスも同様に混雑しているのか、はたまた、チェックインやチェックアウト時間のその近くだけに起こり得る現象なのか、そのような比較調査をまず行わなければ、何か対策を講じても場当たり的な対応になりかねないのではと思っているところです。  先ほど述べたように、インバウンドの観光動態が変わってきていることを考えると、今回例に挙げた定山渓路線だけに限らず、これは、市内の観光スポット全般について、公共交通機関の調査をする必要性が出てきているのではないかと感じているところです。  ここで、お伺いしますが、インバウンドの公共交通機関の利用実態を市としてどのように認識しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  インバウンドの公共交通機関の利用実態に関する認識についてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、近年におきましては、個人旅行の増加など、旅行形態の多様化が顕著でありまして、観光客自らが交通手段を調べて目的地まで移動するということも多くなっていると言われております。  例年実施をしてきております来札観光客に対する満足度調査によりますと、国内観光客、外国人観光客を問わず、市内の移動のしやすさの満足度がほかと比べて低い傾向にありまして、市内での移動手段、いわゆる2次交通対策が課題となっております。  世界から選ばれる持続可能な観光地として札幌市がさらに発展をしていくためには、市内の移動のしやすさについても、観光客の利便性や快適性を高め、満足度の向上を図っていく必要があると考えております。  現在、移動のしにくさの原因がどこにあるのかということを把握するため、観光客を対象に、利用した交通手段の種類や、その利用に当たって具体的にどのような点が不便に感じたかなどについてお聞きする調査を実施しているところでございます。 ◆成田祐樹 委員  現在、調査を進めているとのお話をいただきましたが、コロナ禍でこれまでと観光動態が変わってきたということを考えると、非常に、今行われている調査は大事な調査だというふうに思っております。ぜひしっかりした調査を行っていただきたいなというふうに思っております。  特に、公共交通機関の利用については、市民も併せて利用しているということも考えると、生活に支障が出ないようにする必要があるのかと思うところです。単純に特定の路線や時間帯に利用の偏りが生じたことで積み残しが起こっているのであれば、分散させるための工夫が必要になると思います。地下鉄からも乗り継ぎで観光目的地に行けるということや、逆に、バスの行き先が地下鉄駅であっても、そこから市内の中心部に行けるという外国語表記がなければ、実際のところは直行便以外を利用しないのが実態ではないのかなと思うところです。  そうなると、いかにインバウンドに向けて他の交通機関の選択肢もありますよというところを理解していただくかという部分が大事なのかなと思っております。実際に、各バス事業者さんのバス停の時刻表を見ますと、行き先は、英語だけの表記はありますが、ただ、書かれているのが、for Sapporo Stationとかfor Makomanai Stationとしかないので、インバウンドとしては、一体どこの路線か分からない駅に行ってしまう、そういったバスにはまず乗らないんじゃないかと思うのですね。現実的には、直行便である札幌駅行きにしか乗らないんじゃないかと、そういうふうに思います。この駅がJRなのか、サブウエーなのか、何も書いていない、こういったことの積み重ねで、利用の偏りが生じるきっかけになっているのではないかと思うところです。  そうであれば、例えば、バスを利用して定山渓から都心部に行くためには、国道230号線を通って都心部に直行する経路と真駒内駅でバスを降りて地下鉄に乗り換える経路の二つのパターンがありますが、対策として、定山渓のバス停には、地下鉄に乗り継いでも大通や札幌駅に行けますよと書かれた多言語シールを市が作り、バス停の時刻表の行き先の上に貼るといった方法などで、お金をかけずとも、幾らか分散させることは可能かと思います。  また、市内の有名な観光地のホームページの外国語版を見ますと、アクセスについて、バスは札幌駅からの直行便の記載しかされておらず、地下鉄乗り継ぎのパターンを出していないということで、必然的に特定のバス利用に集中してしまうようなアナウンスをしているところも見受けられました。  また、ほかの施設ですけど、例えば、モエレ沼公園だと、バスセンターやサッポロビール園からのアクセスについては、日本語サイトと比べると、さらっと一文、書いてあるだけで分かりにくいといったことも見受けられます。  実際に、私も東区に住んでいますので、モエレ沼に行く方は、皆さん、環状通東駅からバスに乗って行かれるインバウンドの方が多いのですけれども、多分、そこが一番、モエレ沼から地図で見ると近いから、そこを選んでいると思うんですけれど、じゃあ、バスセンターとか、そういうところから乗っているかというと、そういうところは一切見かけないんですよね。そういったようなことも含めて、多様なパターンがあるというのは、ぜひ表記をしていただくほうがいいのではないかと思っております。  ただ、現状では、バスの運転手の不足によって、バスの増便が極めて難しいことや、今後は、市内中心部へのバスの直接の乗り入れ便が減少して、地下鉄駅止まりの便が増えていくということを想定すると、地下鉄乗り継ぎアクセスの周知には力を入れていくべき状況ではないかなと思うところです。なるべく偏りを生じさせず、すいているバスの利用につなげていくことで、まずは、積み残しを起こさずに市民の足の確保ができるということのみならず、利用者の分散によって、バス路線の維持にもつながりますし、地下鉄利用者の増にもつながると思うところです。  既存の移送システムをいじるのではなく、うまく利用者を分散させて最適化していく発想が今後必要になるのではないかと思っております。  そこで、お伺いしますが、インバウンドに対する公共交通機関によるアクセス方法のさらなる周知について、今後どのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。 ◎葛西 観光地域づくり担当部長  インバウンドに対する公共交通機関によるアクセス方法のさらなる周知についてお答えをいたします。  過去には、路線バスを利用して観光スポットに向かおうとする外国人観光客がバスターミナル内でどのバスに乗ればいいのか迷っているので、改善が必要といった声が市民から届いたこともあります。その際には、主要な観光スポットへ向かう路線バスが発着をするバスターミナル内の外国語案内表記について調査をし、案内が不足している場合には、市の所管部局やバス会社とも協議の上、簡易版ではありますが、外国語案内表記を掲示する取組を実施しております。  委員のご指摘の公共交通機関を利用したアクセス方法のさらなる周知につきましては、現在実施をしております調査の結果を踏まえるとともに、今後、観光スポットの施設運営者やバス会社等の関係者とも連携し、観光客にとってより分かりやすい案内方法等について検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  2点要望したいと思います。  まずは、1次情報の収集についてです。  やはり、インバウンドの皆さんが一体何を見て交通機関を選んでいるのか、私も分からないという状況であります。ガイドブックなのか、公式のホームページなのか、はたまた、SNSなのか、もしくは、ユーチューブみたいな動画を見てきているのか、もしくは、旅行者のブログみたいなものを見て判断しているのか、全くその1次情報が分からないので、ぜひ、どこかのタイミングでできるときに、1次情報としてどういったところで乗り物の選択をしているかということを調査収集してほしいなと思っております。  本当に、市内のいろんなお店だったり、観光地へ行くと、何でここにインバウンドの方がいらっしゃるのかなと、何を一体、情報にしているのかなというようなことを結構見かけます。グーグルマップとかもあるので、そういったところの口コミを見ているのかなと思うんですけれども、そういった1次情報の取り方が分かれば、そこに対する対策というのは練られると思うので、ぜひお願いしたいと思います。  次に、2点目に交通結節点についてです。  やはり、バスターミナルの表記というのは、今まで、札幌駅もそうですし、バスセンターとか、その辺もありますけれども、古かったのもあって、外国語表記とか、案内というのが非常に弱かったなというふうに思っております。  この先、定山渓の話も例えとして出させていただきましたけれども、真駒内駅がこれから再開発というか、いろいろ交通広場の再構築などもあると思うんですが、ぜひ、そのタイミングでインバウンドが利用しやすいような表記にしていただく。ここのバス停に来れば定山渓のほうへ行けますよと分かるような動線をつくる。それこそ、定山渓のゆるキャラのかっぽんとかを置いておいて、分かりやすいようにいろいろ応援する方法はあると思うんですけれども、ぜひ、そういった外国語表記だったり、シンボリックなものを置いたり、そういったことをして誘導できるような仕組みを、これは札幌駅の今造っているターミナルも含めて取り組んでいただくことをぜひまちづくり政策局に提言していただきたいということを要望して、質問を終わりたいと思います。 ◆脇元繁之 委員  成田委員、南区定山渓沿線の問題を取り上げていただいてありがとうございます。私からも、ぜひ強く、この乗り残しの問題に全市挙げて取り組んでいただければと、そんなふうに強くお願いいたします。  さて、私からは、経済観光局のMICE推進費についてお伺いしたいと思います。  令和6年度予算のMICE推進費として2億3,400万円が計上されておりますが、その中の新たな事業として、観光閑散期の需要創出補助金に係る制度創設を考えておられるとのことですので、この補助制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。  札幌の観光は、長きにわたるコロナ禍を乗り越え、今年のさっぽろ雪まつりの光景をご覧になっても分かりますように、インバウンドを含めた道外からの観光客で大いににぎわいを見せているところであります。  旅行の形態は、コロナ禍前は貸切りバスを利用した団体客が圧倒的に多かったわけですが、近年は、レンタカーを使ったり、バスや地下鉄、タクシーなどの公共交通機関を利用したりと、個人客での旅行が増えてきたように思われます。  一例を挙げますと、今お話があったように、南区の定山渓温泉を多くのインバウンドの客が訪れていて、この中には路線バスで移動する人もかなりおりまして、大きなキャリーケースを抱えているため、車内が混雑し、一般の市民がバスに乗れないような事態も生じているほどであります。インバウンドを含め、多くの人たちが札幌のまちを訪れて、食と観光を楽しんでくれているのは大変うれしいことでありますが、ややオーバーツーリズムの様相を呈しておりますので、正直申し上げまして、複雑な心境にならざるを得ません。
     このようなオーバーツーリズムの動きとは別に、コロナ禍前、コロナ禍後を問わず、札幌における宿泊者数の動向を見てみますと、11月と12月、そしてまた、今の3月から4月にかけてはぐっと落ち込む傾向が見られます。  これらの時期は札幌においても目ぼしい観光資源が見当たらず、いわゆる観光閑散期と呼ばれているわけですが、この観光閑散期というのは、著名な観光地にもあるようでして、例えば、京都市内や沖縄県などは、夏の猛暑の時期は観光客に敬遠されがちだということも伺っております。  そこで、札幌市では、観光閑散期における需要をどうつくり出していくか、観光業界における人材の確保や雇用の安定も目指して、様々な取組を進めておられます。  昨年12月に公表されたアクションプラン2023では、観光閑散期の需要創出事業として5年間で約4億300万円もの事業費を計上しておりますから、観光需要をもっともっと掘り起こしていこうとする札幌市の並々ならぬ意気込みを感じているところであります。  その第1弾として、令和6年度予算では、インバウンドを含めた道外からの観光客増につながる大規模なイベントの主催者や誘致に取り組む事業者を支援するための補助金として5,000万円が計上されております。  そこで、お伺いいたします。  観光閑散期における観光需要の創出というのは、なかなかハードルの高い課題だと思いますが、この需要創出事業において補助対象とするイベントというのは、どのような規模あるいは種類のものを視野に置いておられるのか、そしてまた、そのイベントのどの部分を補助対象にしようと考えておられるのか、お示し願います。 ◎北川 観光・MICE推進部長  補助対象のイベントと経費につきましてお答えいたします。  今年度、市内及び首都圏のイベント関連事業者等の状況を把握するため、観光閑散期の需要創出に向けた調査・検討業務を実施し、補助制度の詳細について検討を進めているところであります。  当該業務の結果を踏まえ、音楽、食、スポーツ、eスポーツ、アニメ、ゲームなど、幅広い分野を対象としつつ、1日1万人以上の集客が見込まれるような大規模イベントの誘致を想定しているところでございます。  また、補助対象経費につきましては、首都圏から離れていることなどから、スタッフの移動や機材の運搬経費、道外からの誘客のための広告宣伝に係る経費などを対象とすることで、イベント誘致に当たって札幌市が抱える地理的な課題を解決する一助になると考えてございます。  全国から札幌市を訪れる多くの方々により、市内ににぎわいが創出され、消費拡大につながるようなイベントの誘致・開催に向け、効果的な支援策となるよう制度設計を進めてまいります。 ◆脇元繁之 委員  対象イベントは、音楽、食、スポーツ、サブカルチャー等の大規模なものを想定していて、これが首都圏から離れているという理由もあるんでしょうけれども、移動費、機材運搬費、広告経費等を検討しているというところでございます。  答弁からは、幅広い大型イベントを想定しているように見受けられました。対象経費については、イベントにより、かかる経費の内容が大きく変わることも考えられますので、なるほどというものについては、しゃくし定規にこだわらず、柔軟な姿勢で対応してもらったほうが、結果的にイベントの成功につながりそうな印象を受けました。  イベントの誘致や開催ということで、札幌市全体の事業を見渡してみますと、令和6年度のスポーツ局におけるレベルアップ事業として、国際的なスポーツ大会やイベント等の誘致に向けた調査費、また、国際的なスポーツ大会、イベントなどの誘致・開催支援に向けた誘致促進費が合わせて5,450万円計上されています。スポーツ局のこの国際的なスポーツ大会やイベントなどの誘致促進費は、大規模なスポーツ大会やイベントの誘致・開催を通じて、スポーツの振興のみならず、多くの人たちを札幌に呼び込んで観光振興にも寄与しようという姿勢もうかがえるところであります。  そこで、観光・MICE推進部の北川部長もスポーツ局での勤務経験がおありなので、あえてお聞きをさせていただきます。  観光とスポーツの両立によるまちのにぎわいの創出という観点から、観光閑散期におけるスポーツ局との事業連携をどのように考えておられるのか、お伺いします。 ◎北川 観光・MICE推進部長  スポーツ局との事業連携につきましてお答えいたします。  ラグビーワールドカップ2019の札幌開催において、多くの外国人観戦客により、まちに大きなにぎわいがもたらされたことは、今も市民の記憶に強く残っているものと思われます。このように、世界のトップアスリートが参加する国際大会が札幌で行われることは、来札者の増加による消費の拡大や、大会関係者や観戦客に札幌のよさを知ってもらう大きな機会となるなど、様々なメリットをもたらすものと考えてございます。  また、ウインタースポーツを中心とした冬期間の大規模国際大会の開催により、多くの観戦客が国内外から来札することは、閑散期における集客の底上げとなるほか、スノーリゾートシティとしての国際的なプロモートにも寄与するものでございます。  さらに、大会関係者や観戦客の満足度を向上させることは、こうした方々のSNSなどでの札幌の魅力発信や、観光による再来訪につながるため、スポーツ局と連携し、札幌市全体のおもてなしの機運を高めながら、地域のホスピタリティーの充実を図ってまいります。 ◆脇元繁之 委員  スポーツ局としっかりと連携して、観光閑散期の集客力アップにもつなげていこうということでありました。  この閑散期の11月から3月までの雪の季節の大規模なイベントと言うと、素人感覚ですと、ある意味、限られてくるのかなと感じております。ただ、特に若い人の感性やアイデアというのは、時に、計り知れない、予想を超える結果を生み出すところもありますので、そういったものをむげに排除することなく、間口を広げて、経済効果のみならず、札幌市の新しい文化形成に寄与するような補助事業にしていただきたいと思っております。  石川副市長も、スポーツ局長などを歴任され、そして、今は副市長として経済観光局とスポーツ局の事務事業を所管されております。観光閑散期における需要の創出策として、音楽や食、スポーツなどの大規模なイベントの誘致、支援を検討しているとのことですが、この事業は札幌ドームの活用促進にもつながるのかなというふうに感じているところであります。  私は、あさって、改めて札幌ドームについて質問する予定ではありますけれども、現在、札幌ドームの経営に努力されている中で、札幌ドームの観光による活用というのは重要なファクターと考えております。その意味では、観光とスポーツの両部分を統括されている石川副市長の手腕に負うところも大きいと思いますし、私自身も期待しているところであります。  先日のオリパラ調特でもお話をさせていただきましたが、今、私が札幌に物足りないと感じているのは、強いリーダーシップだと考えております。そういった意味では、石川副市長に、手腕を発揮するにとどまらず、大いに辣腕を振るっていただきたい、このことを強く要望して、私の質問を終わります。 ○うるしはら直子 副委員長  以上で、第1項 商工労働費の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち経済観光局関係分の質疑を行います。 ◆波田大専 委員  私からは、札幌市におけるGX、グリーントランスフォーメーションに向けた農業の取組について質問をさせていただきます。  農林水産省では、食料・農林水産業分野は脱炭素と経済成長の同時実現に大いに貢献できるポテンシャルがあるとして、令和4年7月に施行されたみどりの食料システム法に基づき、食料・農林水産業分野における脱炭素・環境負荷低減に向けた変革の取組を推進しております。  GXに向けた食料・農林水産業の取組の具体例として、農業機械の電化や化石燃料を使用しない園芸施設、地域のバイオマスの活用・再生可能エネルギーによる発電、温室効果ガス削減の見える化などが挙げられております。  例えば、北海道内では、農業と太陽光発電事業を手がける札幌市内の会社が、胆振管内むかわ町の農地に垂直型の太陽光パネルを設置し、発電と営農を両立する、いわゆる営農型太陽光発電に取り組んでおります。収穫したカボチャを脱炭素かぼちゃとして付加価値を高めて、関東や台湾で販売しているとのことです。  そこで、質問ですが、札幌市におけるGXに向けた農業の現在の取組状況と今後の取組についてお伺いいたします。 ◎石橋 農政部長  札幌市におけるGXに向けた農業の取組についてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、国は、みどりの食料システム戦略及びみどりの食料システム法に基づき、食料・農林水産業分野における脱炭素・環境負荷低減に向けた変革の取組を推進しております。これに基づき、北海道では、令和4年に札幌市を含む道内市町村と共同で農林漁業における環境負荷低減事業活動の促進に関する北海道基本計画を策定しており、札幌市では、農業分野における環境負荷低減に向けた各種支援事業を行っております。  国費や道費を活用した事業では、効果的な加温ができるヒートポンプの導入などによる化石燃料削減の取組や、堆肥の施肥などによる化学肥料低減の取組に対して支援を行っております。  札幌市の単独事業では、約40年前より土壌分析とそれに基づく施肥指導を行っており、適正な施肥設計による農作物の栽培が環境負荷の低減につながっております。  今後の取組につきましては、国や他部局の施策を考慮しつつ、札幌市農業として脱炭素、環境負荷低減に向けた取組について検討してまいりたいと考えております。 ◆波田大専 委員  札幌市としての今後のGX特区の取組も踏まえながら、ぜひ、さらなる具体的な取組についてご検討いただければと思います。  最後に、要望でございますけれども、札幌市内の農業者の方々が長年抱える課題の一つとして、冬場に仕事がないという問題があります。冬場は、除雪やスキー場などでの仕事をされる方も多いと伺いますが、従業員を抱えるとなると、やはり、夏場のみの季節労働の仕事では、なかなか人員を安定して確保することが難しいとの声もあります。  南区の小金湯地区でミニトマトを生産する農業者の方は、毎年10月いっぱいくらいでハウスを解体して生産を終えてしまうとのことです。暖房などを用いてハウスを加温することで、本州のように冬場でも生産を続けることはできますが、光熱費などを考えると、とても採算が合わないとのことでございました。  そのような中、伊達市では、市が民有地を取得して温泉を掘削し、給湯管を設置することで、本州から農業法人を誘致しております。温泉熱を利用することで、冬場のハウス栽培が可能になったとのことで、道内では、ほかにも壮瞥町や音更町、弟子屈町などで同様の取組が行われております。  札幌市内においても、南区には、定山渓、豊平峡、小金湯などと温泉が連なる農業地域がありますが、例えば、札幌市がパイプラインを設置して温泉熱の農業利用を促進することによって、農業者の方々の冬場の生産や、経営と雇用の安定化を支援するとともに、こうした取組は、これからGX特区を旗印として掲げる札幌市において、農業分野での具体的な取組の一つにもなり得るのではと考えるところです。  ぜひ、様々な可能性について幅広くご検討いただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ◆三神英彦 委員  いろんな委員の方々に南区のことを触れていただいて、本当にすごくうれしい気持ちになりました。どうもありがとうございます。触れられた分だけ、南区に予算をつけてください。財政の方、どうぞよろしくお願いいたします。  私からは、南区におけるエゾシカの農業被害について伺っていきます。  遡ると令和4年の冬ですが、記録的な大雪で、なおかつ、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて私たち人間の側が行動抑制をしました。その行動抑制をしたおかげで、鹿が南区の特に南部にかなり出てしまって、結果的に、砥山とか白川の果樹園で本当に壊滅的な被害があったというのが令和4年です。私は、それからずっと、同僚の小須田委員とか、同じ会派の道議会議員とか、国会議員の人たちと関わりながら、この対策を追いかけてきました。  早々からグランドデザイン的なものは浮かんでいました。簡単に言うと、まず、調べるということが大事です。どれぐらい多くて、それをどれぐらい捕獲すると共存できるのかという話とか、それを何とかするためには猟友会さんを主とするハンターさん、地元農家さんとの関係性、コミュニケーションをどうやって良好なほうに変えていくのかという話です。その上で、受け入れた後に、今度は枝分かれして、いわゆるジビエだったり、ペットフードだったり、動物園の肉食獣にあげるとか、置物にするとか、漢方にして売りつけるというものがいろいろあってという話になって、最終的には、利活用できなかったものに関しては上手に処分すると。これを全部やって、やっと鹿の事業が一貫して出来上がるわけなのです。それは、早くから経済、農政に乗っていただいて、環境共生にも乗っていただいて、今は本当に石川副市長までこの話を共有させていただいている状態です。  そんな中で、本市としても、アクションプランの環境分野で自然とともに暮らすまちを実現するための重要な施策ということで載せていただき、事の重要性と、しっかり予算をつけてこれをやっていきましょうという姿勢を伺ったところだと思います。  令和5年度については、農林水産省の予算を活用した新しい取組なども始めていただきました。  まずは現状確認ですが、農業被害防止のために今年度実施した取組について伺います。 ◎石橋 農政部長  農業被害防止のために実施した今年度の取組についてお答えいたします。  これまで、札幌市では、農業被害の低減に向け、農家の電気柵などの設置を支援するほか、JAさっぽろと連携し、個体数の減少に向けたエゾシカの捕獲活動を行ってきたところでございます。  通常の捕獲に加え、昨年度に引き続きまして、猟友会札幌支部、JAさっぽろとの共催で、令和6年1月と2月に共同猟を実施しました。その際、ドローンを活用し、捕獲地周辺の個体数を確認したところ、共同猟による追い払い効果についても一定の効果が見られたところでございます。  国費事業の活用につきましては、今年度は、捕獲個体を東区の民間施設で試験的に焼却処分をし、ハンターに対しましては、捕獲、運搬に係る実費を支給しております。令和6年度からは、金網柵など、侵入防止柵の設置を進める予定でおります。  今後は、北海道が示すエゾシカ捕獲推進プランの捕獲目標頭数480頭の確保に向けまして、清掃工場での焼却や農業支援センターでの減容化など、複数の処分ルート確立に向けた多角的な取組を行う計画としております。 ◆三神英彦 委員  実際に経済、農政のほうでもすごく頑張っていただいて、ただし、そんなところで480頭の目標という話はかなりハードルが高いのだと思うのです。実際に、経済農政マターと環境共生マターでどうやって480頭を捕獲していくのかという話になるんです。  ただ一方で、地元でお伺いしている話だと、ちょっとバッドニュースなのですが、熊が鹿を食うということが目撃される事例がありまして、もしこれが増加傾向にあるのだとしたら、今度は熊対策として本当に鹿をやらなきゃいけないという話にもつながりかねないということです。詳細は、今日は省きます。  では、どうやったら480頭をやれるのかという話になってくるのだと思うのですけれども、今、昨年度から取り組んでいただいているのは、ハンターさん、猟友会さんたちに協力いただき、さらにドローンなどの協力もあって、巻狩りという部分で年に数回の活動をやっていただいています。  それから、本当にいろいろな試みを同時に、本当に次々やっていかなければいけないという話の中で、令和6年度の予算では、今度は駆除したエゾシカを一時的に保管する冷凍コンテナの話だったり、減容化ですね。これはバクテリアに溶かしてもらうという整備などに予算計上されているということです。  これは、背景を話してしまうと、利活用も大事なのだけれども、それよりも実際にハンターさんたちに捕獲を優先した場合に、それをどうするのかというほうが順番としては先になるという話ですね。  そんな中で、今年度の事業では、南区から中沼の民間焼却施設までハンター自身が運搬するというようなこともやっていただいている中で、前にも委員会でお話ししましたけれど、今、本当に札幌のいろんなところで出ています。民家で出てしまったら、結局、ハンターさんにお願いできないから、棒や網を持ってやるしかないわけです。そうすると、お金もかかるし、時間もかかるし、何よりも市職員が格好悪いということが起こるので、そうすると、市役所にとっていいことなんか一つもないわけです。そうすると、本当に数年のうちに南区で何とか食い止めるということになっていかなきゃいけないんだと思います。  次の質問ですが、先ほどの冷凍コンテナと減容化設備の設置場所と運搬などの運営方法はどのように考えているのか、伺います。 ◎石橋 農政部長  来年度の処分施設の設置場所や運搬方法についてお答えします。  捕獲したエゾシカを一時的に集積するための冷凍保管庫については、有害駆除されたエゾシカの約8割が南区で捕獲されているということなどから、まずは、南区に1か所設置する予定でございます。  運搬方法につきましては、処分方法に合わせて二つのルートを設定しております。  一つ目は、ハンターが適正なサイズに解体した個体を冷凍保管庫に運搬し、委託業者が清掃工場まで運搬して焼却処分するルートになります。  二つ目は、時間的制約等によりましてハンターが解体できない個体につきましては、1頭を丸ごと冷凍保管庫に運びまして、農業支援センター内に設置する予定の減容化設備で処分するルートで、冷凍保管庫から農業支援センターまでの運搬は、施設運営者である札幌市農業振興協議会が行います。  現在、協議会における鳥獣対策専門部会の構成員は、JAさっぽろ、札幌市となっておりますが、令和6年度には猟友会札幌支部のメンバーも構成員に含めることで、捕獲・処分体制の強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆三神英彦 委員  まず、今はハンターさんがやったものに関して早急に対応するという話で、実際には猟友会の皆さんともお話をされて、そういう進み方になったのだと思います。  いろんな理由があって、コンテナに関しては、すぐ南区に持ってこられました。減容化施設に関しては、いろいろあってまずは、東区の農業支援センター設置から始めるということですが、先ほどの理屈からいくと、南区で全部賄えるような状態になるということが行く行くは望ましいと思うので、それも検討を願います。  来年度予算は、処分ルートの確立を第一に実現するものなのですが、当然、私は利活用と言っていますけれども、その有効活用といった部分というのも、今後は継続して考えていかなければならないということですね。  質問ですが、今年度は有効活用についても調査をいただきました。その結果と今後の展開についてお伺いします。 ◎石橋 農政部長  エゾシカの有効活用に関する今後の展開についてお答えいたします。  有効活用につきまして、今年度の調査業務では、ペットフードへの活用や、新たな処理施設の整備などが検討されましたが、品質や供給量が安定しないことなど、多くの課題を有しているため、現時点では難しいという結果でございました。  一方で、小規模ながら、市内でも幾つかの譲渡先があるほか、今年度の共同猟では捕獲されたエゾシカを市外の譲渡先への提供につなぐこともできました。  このような新たな供給先を増やす取組や、他市町村保有のジビエカー活用の可能性などの調査結果に基づきまして、札幌市に適した手法について今後も検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆三神英彦 委員  鹿を捕獲するというのは、本当に個人的な感覚なのかもしれないのですけれども、捕獲してそのままというほうがむしろ殺生なのではないかと思うのです。人の都合で捕獲させていただいたものはできる限り利活用していくほうがいいんじゃないかと私は思っています。  イメージとしては、鹿だけじゃないです。熊も増えていますし、アライグマとかリスとかウサギとか、いろんなものが南区で増えているということを南区にいて肌で感じるわけです。それで、自分がイメージしているのは、南区がちゃんと旬のジビエを提供するようなエリアになるということなんだと思うのです。そういったときに、まずは、鹿で一気通貫、全部の事業を完成させた後は、じゃあ、それが熊だろうが、アライグマだろうが、いけるんだろうというふうに考えているわけなんですよ。  ただ一方で、鹿480頭というのは、実際に道庁から要請された数字なのかなと思うのですけれども、そういったものを達成するのは難しいんですが、見方を変えて、これをビジネスでやるという話だったら、今度は500頭では足りないだろうと思うのですね。  そうすると、喜茂別とか京極といった方面の市町村と連携を強化しないと、これ以上の数が増えていかないんじゃないかなというふうに思います。自民と、市長、副市長との懇談会の席上で市町村間とのことをお伺いしたところ、秋元市長からは、連携中枢の概念だと取引しやすいですという話があったんですよね。なので、きっと石狩と後志の壁はあるんですけれど、連携中枢の形ができれば、これは、多分、喜茂別、京極とも組んでいけるんだろうと思っているので、今後、当たっていこうと思います。  もう一つは、実際にどう利活用するのかというのが明確にならない状態で、それに取りかかっていかなきゃいけないということを考えると、中間処理施設という部分に関しては急いだほうがいいだろうと思います。しかも、一番、お金がかかるじゃないですか、土地と建物で何億円になっちゃうんだろうと思うのですけれども、そういったところは、当然、こちらも、各省庁からの応援というのは、国会議員さんを通じて引っ張り出すということを頑張っていきますので、引き続きそれをやっていただきたいということです。  それから、一番最初の数を割り出すということは、いまだに成功してないのですよ。そこに関しては、スタートアップという話が今日は何回も出てきていますが、きちんと数を調べるということです。熊だろうが、鹿だろうが、数を調べてそれをちゃんと必要なところに割り返すということに関しては、ニーズ、ウォンツが物すごくあるわけですから、札幌発でベンチャーができたら、それは、全国だって狙えるし、ひょっとしたら全世界だって狙えるようなものになると思います。  それに関しては、一本釣りのスタイルでもいいので、スタートアップでやっていただきたいと思います。  こういったところをやりながら、ちゃんとさっきの全体のグランドデザインを見ながら、いろんな部局と協力いただきながらやっていきたいと思いますので、引き続きお願いしたいと思います。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、西区小別沢がモデル地区となっている里山活性化推進事業について伺います。  里山は、森林と農地が一体となり、人が関わることで成立し、大変美しい景観を有する地域です。  我が会派では、この里山の農と森、人を結びつけることにより、地域の活性化や環境を守る取組である本事業について大変期待しており、事業の進め方や期待される効果、そして地域との対話を丁寧に行うことの重要性について、継続的に質問してきているところです。  昨年の第1回定例市議会予算特別委員会では、森林や農地という里山での資源を活用した、札幌市が推進する活動から地域主体の活動へと移行するための支援として、林業者、農家、地域内外の市民や団体をつなぎ、調整する役割を担う中間支援団体に対する新たな補助制度や、活動に対するサポート体制について質問しました。これに対し、里山地域の魅力や価値の向上に取り組む活動費の一部補助、自然を相手とする活動や地域との信頼関係の構築には時間を要することから、補助対象期間は3年間とする予定であり、中間支援団体へ積極的なサポートを検討していきたいとの答弁がありました。  今年度は、新たな補助制度に基づき実施したとのことですが、1年目としての成果や課題などが見えてきたところと思われます。  そこで、質問ですが、今年度の中間支援団体主体による事業の取組内容、及び、それに対する本市の関わりについて伺います。 ◎石橋 農政部長  中間支援団体主体による取組及び市の関わりについてお答えいたします。  中間支援団体は、令和5年度に主に三つの取組を行っております。  一つ目は、小別沢地域内外の交流や出会い、分野を超えたコミュニケーションや情報交換の場として里山会議を3回実施し、活用のアイデアを出し合うなど、意見交換を行いました。  二つ目は、小別沢と市民をつなぐアンテナショップとして、西区西野の店舗の一部を借り、小別沢産の農林生産物販売による認知度拡大とブランド化を目指した取組を実施しております。  三つ目は、小別沢の森林で音楽会を開催するなど、地域住民や市民向けイベントを2回実施しました。  これに対し、札幌市は中間支援団体がスムーズな運営を行えるよう、活動に対するアドバイス、意見交換等を適時行っております。 ◆たけのうち有美 委員  三つの取組を行っているとのことでした。  私も幾つか参加しましたけれども、中間支援団体に委託したことで、民間の視点での取組の幅が広がったのではないかと思っています。
     三つの取組の中の一つ、里山会議ですが、これまで、私も何度か参加させていただき、地域の方の思いに触れてきました。今年度も第1回目の里山会議に参加させていただきましたが、その会議は、中間支援団体を中心とした、分野やジャンルを超えた情報の場であり、終了予定時刻を大幅に超えて、今後の活動内容についていろいろな意見が交わされていました。  地域の方からは、地域にいると、みんなが言う魅力を感じていなかった、これまでは地域だけで将来を考えてもアイデアがなかなか出なかったけれども、少しでもこの事業で地域が明るくなればよいと思っているという声がある一方で、地域の考える活性化と外から来る人の思う活性化に少しずれがあるのではないか、イベント等で外から人が来ると、ごみの問題も発生する、中間支援団体には、外から来る人に森と付き合うマナーを伝える団体になってほしいという声もありました。  中間支援団体が、今後、円滑に活動を進めていくためには、本市が中心となって取り組んできたとき以上に、地域と一緒に取り組んでいく姿勢を示し、理解を得ていくことが大変重要と考えます。  そこで、質問ですが、中間支援団体は、地域と協力して活動を進めていくためにどのような取組を行ったのか、課題も含めて伺います。 ◎石橋 農政部長  中間支援団体による地域協力の取組と課題についてお答えいたします。  中間支援団体は、地域と良好な関係性を築くため、令和5年度から、イベントや里山会議のお知らせを地域住民や関係者全員に配付するなど、情報発信、連絡調整等を積極的に行っています。  こうした活動によりまして、地域の皆様から、農地の維持、活用だけではなく、畑に日陰をつくっている樹木の伐採などの困り事の相談を受けるなど、少しずつですが、地域理解も得られ始めています。  一方で、地域外から様々な人々が活動することに対し、快く思わない住民も一部見受けられることから、来訪者のマナーや地域への配慮が課題となっております。 ◆たけのうち有美 委員  中間支援団体の活動に当たって、地域との課題が確認できました。今後、スムーズな活動を実施していくに当たり、地域との連携を含め、本市の支援体制が大変重要となっていくと考えます。  そこで、質問ですが、2024年度の中間支援団体の活動に当たり、本市はどのような支援をしていくのか、伺います。 ◎石橋 農政部長  令和6年度における札幌市の活動支援についてお答えいたします。  中間支援団体への補助は、団体が自立するため、補助対象期間を3年間としており、年度ごとの活動内容、計画について審査し、補助継続を判断する審査委員会を設けております。この場では、団体の活動について助言や提案も行い、効果的な活動につながるよう支援してまいります。  また、中間支援団体と地域が連携して活動しやすいように、継続して情報共有や意見交換を密に行うことや、活動内容を市のホームページで紹介するなど、情報発信に関する支援を行ってまいります。  西区小別沢は、里山活性化事業のモデル地区であり、今後は、これまでの実績を生かし、新たな里山地域への事業展開につなげてまいりたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  今年度は1年目なので、初めて審査委員会が開かれますけれども、助言や提案などにより効果的な活動につながるよう、支援を期待したいと思います。  今年度の取組については、先ほどの答弁でも触れられていましたけれども、これまで里山の魅力が詰まったイベントが何度か開催されてきました。  円山動物園と連携した森とどうぶつえんでは、子どもたちが小別沢の木や枝葉を象に届け、象のふんでできた堆肥を小別沢に戻すという循環を生み出す取組、マルシェでは、小別沢の無農薬の小麦粉で作られたお菓子や里山みそなどが売られたり、地元のレストランや農家、木工作家の方々も出店しており、小別沢の魅力や財産を改めて認識したイベントでした。  今年度、伐倒や間伐をするヤマをひらく日というイベントが行われましたけれども、ここでは、生態系を考えながらの作業を見学しました。しらかば広場のおひろめ会では、シラカバの木の間から差し込む太陽の光を浴びながら、里山の野菜を食べ、シジュウカラの研究をしているバイオリニストの演奏を聴くという大変ぜいたくな時間を過ごしました。しらかば広場をつくるために刈ったササが円山動物園へ届けられるなど、常に小さな循環を生み出していることも分かりました。  一方で、先ほどもありましたが、イベント参加者はごみを拾って帰ってくるぐらいの気持ちで参加をすることも必要だと思いました。  この里山活性化推進事業は、自然との共生、景観保全、まちと里山の広がり、この三つがキーワードです。  これまで積み重ねてきた取組が生きるよう、この三つを実現できる事業に発展させていただくことを要望して、私からの質問を終わります。 ◆脇元繁之 委員  私からは、鳥獣被害防止対策、エゾシカの処理について、先ほど三神英彦委員も質問されましたけれども、こちらを少し深掘りして、2点お伺いしたいと思います。  令和6年度において、鳥獣被害防止対策推進費として5,200万円の事業費が計上されており、農業被害低減に向けた電気柵などの設置に対する補助や、捕獲したエゾシカの新たな処分ルートとしての集積施設の設置などが盛り込まれています。  令和5年度における鳥獣被害防止対策に係る予算額が1,000万円であるところからすると、新年度はかなり予算額を増やして取り組もうとされている点は評価させていただきたいと思います。  先ほどの質疑にもありましたが、捕獲したエゾシカの集積施設、冷凍コンテナを設置する取組は、大きな前進と捉えているし、期待もしているところであります。  先ほどの質疑で、この集積施設、冷凍コンテナの設置場所については南区に決めたということでありましたが、その規模とか、具体的な設置場所については、猟友会の方々も大いに関心を抱いておられることと思います。  そこで、質問であります。  集積施設、この冷凍コンテナの具体的な設置場所はどこでしょうか、お知らせください。 ◎石橋 農政部長  エゾシカ集積施設の具体的な設置場所についてお答えいたします。  冷凍保管庫の設置場所につきましては、猟友会のご意見を伺いながら、現在、札幌市有地を中心とした中から候補地の選定作業を行っているところでございます。  設置の条件として、ハンターの捕獲活動に利便性のよい場所で、かつ、市街地からはある程度離れている場所が望ましく、加えて、個体搬出入時の駐車スペースや必要な電力が確保されることなどがございます。これらを考慮し、早期に決定したいと考えております。 ◆脇元繁之 委員  猟友会の意見を聞きながら、早期に決定したいということでありました。  南区といっても、ご存じのとおり、非常に広い地域であります。札幌市の6割の面積を占めているのが南区でございますので、そういった意味では、本当にその置く場所ですね。条件等々というのはあるとは思いますし、また、猟友会のメンバーの方からちょっとお聞きしたんですけれども、今後、札幌市内も三つのエリア、グループに分けた形で鹿の捕獲をしていくということもちょっと耳に入ってきております。  そういった意味では、やはり、南区といえども適地というものがあるかと思いますので、ぜひ、そこの部分をしっかりと熟慮に熟慮を重ねて決定していただきたいと思います。  市有地を中心とした中から選定しているとのことでありましたけれども、札幌市の市有地ですから、ランニングコストなどの費用の面からすれば、札幌市が持つ市有地が第1候補になるのは当然のことと思います。しかし、集積施設の設置には様々な条件があるようであり、設置場所は、市有地に限らず、もっと候補地を広げて検討されてはいかがでしょうか。  そこで、質問であります。  猟友会の方々にとっての集積の利便性ということも考えて、市有地のみならず、土地を提供してくれる方がいれば、民有地も候補として検討すべきと思いますがいかがか、お伺いします。 ◎石橋 農政部長  エゾシカ集積施設の民有地への設置についてお答えいたします。  冷凍保管庫の民有地への設置につきましては、土地の利用に係る調整に時間を要することや、賃借料が発生すること、地権者の都合による移設等の可能性もございます。  こうしたことから、ハンターの皆様に速やかに安心してご利用いただくため、まずは、市有地での設置が適当と考えているところでございます。 ◆脇元繁之 委員  ぜひ、これから先も、この集積場というか、このコンテナの場所は、様々な、数か所出てくると思いますので、ぜひともそういった点も含めてご検討いただければと思います。  冷凍コンテナの設置場所には、様々な課題があることは承知しています。市有地にこだわることなく、猟友会の方々のご意見を踏まえた上で、ぜひ判断をしていただきたい、そんなふうに思います。  なお、この冷凍コンテナについては、電源確保の問題もありますけれども、臭いなど、あと、カラスなどが集まるということで、環境被害を防ぐべく、移動の容易なトレーラー方式というのも考えられないわけではないと思います。その辺りも含めた検討もお願いします。  また、冷凍コンテナに運び込めば、そこから先は処分という形になります。10月16日の決算特別委員会でも私は発言させていただきましたが、可能な限り、その命は有効活用を図るべきと考えております。先ほども答弁でありましたけれども、その取組として、コンテナに運ぶ前に、民間の加工場など、中間処理施設への搬入を促す取組の検討もお願いします。  それが実現できれば、焼却する量も少なくて済むわけですから、ぜひ命を無駄にしない取組の検討もお願いして、私の質問を終わります。 ○村松叶啓 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第11号 令和6年度札幌市中央卸売市場事業会計予算の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月14日木曜日午後1時から、交通局及びスポーツ局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時53分...