委 員 森 山 由美子 委 員 池 田 由 美
委 員 田 中 啓 介 委 員 丸 岡 守 幸
委 員 荒 井 勇 雄 委 員 米 倉 みな子
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時
――――――――――――――
○小形香織 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、竹内委員からは前川委員と交代する旨、届出がありました。
議事に先立ち、審査方法について確認いたします。
質疑者、討論者及び答弁者は起立して発言すること、答弁を行う部長及び課長は、冒頭に職及び氏名を名のってから発言すること、なお、同一委員への答弁が続く場合は最初だけでよいこととします。また、質疑及び答弁は、簡潔を旨とし、前置きなどは極力省き、内容の重複等も避けながら、定められた審査日程のとおり進めることのできるようご協力をお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
議案第1号 令和6年度札幌市
一般会計予算中関係分ほか、付託議案8件を議題といたします。
最初に、令和6年度札幌市
一般会計予算中、歳入のうち一般財源、第2款 総務費 第1項
総務管理費中会計室及び
財政局関係分、第3項 税務費、第9款 公債費 第1項 公債費、第10款 諸支出金 第1項
財産取得費、第2項 他
会計繰出金中
財政局関係分、第12款 予備費 第1項 予備費、議案第8号 令和6年度札幌市
基金会計予算及び議案第9号 令和6年度札幌市
公債会計予算について、一括して質疑を行います。
◆山田洋聡 委員 私からは、
予算編成手法の見直しについてお伺いいたします。
アクションプラン2023策定時、本市の財政状況について、向こう5年間の
財政見直しを
中期財政フレームとして設定し、財政面から政策を担保したところではありますが、新年度予算を編成したところ、
基金活用額は想定を98億円上回ることとなりました。
この要因や今後の財政運営の考え方については、本定例会において、我が会派の代表質問においてやり取りをしたところではありますが、これを機に、新たな視点で財政負担の軽減に資するような見直しを検討すべきではないかと考えます。
そこで、本市の予算について見ていきますと、例えばですが、各部局ごとに旅費や時間外手当に係る経費が計上されているようですが、これは、民間企業であれば、しかるべき部門において一元的に管理、執行されることがほとんどかと思います。
私から見ますと、このように各部で執行を任せるということは、ある意味で非効率であり、一元管理することで
スケールメリットが生じる経費もあると考えます。
そのためには、例えば、特定の部局に庁内の特定の経費を一元的に予算配分し執行することで実現可能となり、結果、執行管理の状況などについても分かりやすくなるだけではなく、
コストメリットもあるはずです。
もちろん、こうした取組を実現させるためには、特定の部局に人員体制をしっかりと構築させる必要があるなど、予算面以外の課題も様々あるとは認識しておりますが、仮に
予算編成に係る取組・視点だけで見たときに価値があるものではないかと思います。
そこで、質問ですが、
予算編成における手法の一つとして、特定の経費について予算を一元的に配分し、執行するという手法について、財政運営の観点から、導入することについてどう考えているのかを伺います。
◎生野 財政部長 市役所全体の特定の経費に係る予算及び執行管理についてお答えいたします。
現行の
予算編成におきましては、各局に対して
局マネジメント枠というものを設定しておりまして、その範囲において、局の裁量による編成や執行上の工夫を認めております。
これによりまして、時代や市民のニーズに即応し、各局による柔軟な対応や主体的な見直しを行うことができ、
アクションプラン2023計画期間における柔軟な財源配分を可能としております。
一方で、経費の節減や事業効果の最大化を図るということは、
予算編成における大切な観点でありまして、ただいま委員からご指摘いただきました、特定の経費について予算を一元的に配分し
スケールメリットを図るという手法もその一つであると認識しております。
しかしながら、そのためには予算の配分だけではなく、人員体制の構築や業務改革を行うことが必要でありまして、関係部局と検討を重ねる必要があるというふうに考えてございます。
◆山田洋聡 委員 長きにわたる習慣や決まり事を変えるというのは、変えたほうがいいと思っていても、なかなか難儀なことは理解しておりますが、予算においてよく言われる将来世代に負担を残さないという考え方にのっとれば、変化することは必須だというふうに考えます。今、庁内DXも本格的にスタートしているというところで、タイミングとしては最良ではないかというふうに考えます。
苦労仕事を無駄だと言うつもりは全くありませんが、人口減少の現実に合わせた変化を進められるよう協力し合って推進できればというふうに思います。
次に、事業の成果を踏まえた見直しと
予算編成について伺っていきます。
少し視点を変えまして、予算づけをした後の事業の成果を踏まえた見直しに対する考え方について伺ってまいります。
これも日頃感じていることですが、各事業部局で所管をしている事業について、自ら成果に対する振り返りや評価、それに対応した見直しを行っていないように感じることがあります。
この事業の成果を踏まえた見直しも、毎年の
予算編成においては重要な観点であります。
このたびの
アクションプラン2023を見ますと、財政運営の取組の一つとして、
事業見直しサイクルの確立という項目が挙げられており、この取組によって、事業部局との間でどのような見直しを進めていくことができるのかと関心を持っております。
そこで、質問ですが、今後の事業の成果を踏まえた見直しと
予算編成についてどのような手法で進めていくのか、伺います。
◎生野 財政部長 事業の成果を踏まえた見直しと
予算編成についてお答えいたします。
アクションプラン2023では、
まちづくりの分野ごとに26項目の成果指標を設定するとともに、事業ごとに効果を可能な限り定量的に評価するための事業目標を設定しております。
事業見直しサイクルは、毎年度の
予算編成において、客観的なデータに基づいた事業の効果検証を行い、次年度の予算要求、予算査定に反映させていく仕組みであります。
この取組によりまして、当初想定していた効果が見込まれない事業等につきましては、事業手法の
抜本的見直しを含めた再編、再構築を行うことで成果指標の達成に努めてまいります。
◆山田洋聡 委員 評価という言葉に対しては、もしかすると分かりづらいかもしれませんが、ちょっと大きな話として、例えば、地下鉄の延伸がなされたという結果として、どのぐらい人口が増えたのか、
まちづくりが進んだのか、そういうところに及ぶような評価という意味合いとさせていただいておりますので、ちょっと踏み込んだところで、とても大変な事業になることは承知しているのですが、そういう観点も重要ではないかというふうに思います。
公の担う行政と民間企業では役割が違うということは本当に重々承知しているところなのですけれども、いずれも、今、目の前にお預かりしている大切なお金、予算とされているお金、とても大事なお金だと思いますが、これを使って事業を進めているということは民間も公も共通していることだと思います。
執行した予算の結果として、何をどの程度もたらしたのか、この先、どれほどの発展性や成長性があるのか、予算要求以上に分析をして、しっかり効果検証しなければ、本当に必要なところに予算を充てられず、結果として札幌市の衰退を招くのだというふうに強い危機感を覚えております。
よく打合わせをさせていただくと、ちょっと言葉は乱暴かもしれませんが、財政に予算を削られたというような言葉をよく耳にするのですが、正直、その言葉に残念さを覚えております。
我々議会も含めて、全員一丸となって札幌市のために一歩一歩前進するためにも、引き続き、財政の皆様には強いリーダーシップを発揮していただくことを感謝とともにお願いさせていただきたいと申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
◆定森光 委員 私からは、
臨時財政対策債、以下、臨財債と呼びますけれども、これについて伺います。
臨財債は、2001年度に導入された地方債の一種で、財源不足を補填するために
地方自治体が特例として発行する赤字国債であります。
本来は、国から
地方交付税として交付されるものを
地方自治体が市債として発行し、国が後年次の30年間にかけて元利の償還金を補填する仕組みとなっております。
昨年末に公表された令和6年度
地方財政計画において、この臨財債は総額4,544億円となっており、令和5年度から54.3%減と抑制されております。臨財債の抑制は3年間続いており、2001年の制度開始以降、最少額となっていると聞いております。
そこで、最初の質問ですが、札幌市としては、令和6年度の
地方財政計画で計上された
臨時財政対策債についてどのように評価しているのか、伺います。
◎生野 財政部長 令和6年度
地方財政計画における
臨時財政対策債の評価についてお答えいたします。
臨時財政対策債は、
地方交付税の一部を、いわゆる地方の借金である地方債で補填するものでありまして、その償還に係る財政負担は後年次に
普通交付税で全額措置されるものの、
市債発行額の抑制や市債残高の削減にも影響するところであります。
地方交付税は、所得税や法人税などの国税の一定割合を財源とする地方の固有財源でありまして、本来は全額現金で交付されるべきものと考えております。
札幌市といたしましては、令和6年度の
地方財政計画におきまして、
臨時財政対策債が抑制傾向であるということは一定の評価はいたしますものの、これは国税や
地方税収入が好調なためであり、なお廃止に至っていないことは課題であるというふうに認識をしてございます。
◆定森光 委員 今の答弁では、
臨財債抑制傾向であるということは一定の評価はするけれども、廃止に至っていない、ここは課題であるというような答弁だというふうに認識しております。
次に、札幌市の令和6年度予算案で計上された臨財債について伺います。
地方財政計画において、臨財債が抑制されていることに伴い、札幌市の令和6年度予算においても、本市の
臨財債発行額は、令和5年度当初予算比で73億円減の145億円と見積もっております。また、昨年11月の国の補正予算に伴って、札幌市に約39億円の
地方交付税の追加がありましたが、そのうち約26億円は
臨財債償還基金費となっております。これは、後年次に臨財債を償還するための基金の積立てに要する経費であり、1定の補正において減債基金に積み立てたところであります。
この
臨財債償還基金費は、令和6年度の
地方交付税の見積りにも影響があると聞いております。
そこで、質問ですが、令和6年度予算において、この
臨財債償還費の反映を含めて、
臨時財政対策債をどのように見積もったのか、伺います。
◎生野 財政部長
臨時財政対策債償還基金費の反映を含めた令和6年度の
臨時財政対策債の
予算見積りについてお答えいたします。
臨時財政対策債は、標準的な財政需要から市税収入などを差し引いて生じる
財源不足額のうち、
普通交付税として交付すべき額の一定割合を振り替えられているものであります。
札幌市の令和6年度予算では、
財源不足額を1,554億円と見積もっておりまして、このうち、
臨時財政対策債に振り替えられる割合につきましては、全国の伸び率などから約9.3%と見込みまして、額として145億円と見積もったところでございます。
また、令和5年度の国の補正予算に伴う
地方交付税の追加交付のうち、
臨時財政対策債償還基金費約26億円につきましては、令和6年度と7年度の2か年にわたって、
臨時財政対策債の償還に係る財政需要から減額することを国が示しております。
そのため、令和6年度の
普通交付税と
臨時財政対策債の見積りにおきましては、この26億円の2分の1に相当する約13億円を
財源不足額から控除しているところでございます。
◆定森光 委員
地方交付税の算定に関わる
財源不足額が、この
臨財債償還基金費相当額は減額を反映して見積もられているということであります。
これは、国税が増加して
地方交付税が追加で入ってきても
償還相当額が後年次に
地方交付税が減額されるということにもなってしまい、本来、使途の定めのない一般財源である
地方交付税の性質とは異なるものになってしまうということから、課題があると言えます。
また、国や地方の税収の状況に応じて臨財債を発行し続けることで、今後も市債残高が積み上がることとなり、臨財債は、札幌市の
財政運営上、好ましくないものと考えるところであります。
そこで、質問ですが、臨財債の今後の見通しについて、札幌市としてどのように考えているのか、伺います。
◎生野 財政部長
臨時財政対策債の今後の見通しについてお答えいたします。
アクションプラン2023におきまして、令和9年度までの
計画事業費と財源を示した
中期財政フレームを策定しております。
令和6年度
予算編成に伴いまして、これを反映した
中期財政フレームにおきまして、
臨時財政対策債は、国と地方の税収が比較的好調であることを前提に、令和6年度と同程度で推移すると見込んでいるところであります。
現在の見込みでは、財源不足に対する
臨時財政対策債の割合は1割程度でありますけれども、今後、
社会経済情勢の影響により国税収入などが悪化した場合には、この割合が増加することも懸念されます。
そのため、他の指定都市とともに、白本や青本などの要望の機会を捉えまして、必要な
地方交付税総額を確保し、
臨時財政対策債については廃止をするよう、引き続き求めてまいりたいと考えております。
◆定森光 委員 国税や地方税、収入が好調な間は臨財債の総額は現状のレベルで推移する可能性がありますけれども、今後の景気動向というのは分かりません。過去には600億円を超すような臨財債の発行をせざるを得ないといった状況もありましたし、今後も同様のことが起これば、それだけの額を市として借金しなければならないという状況にもなります。
今後、老朽化した施設の更新需要の増加など、市債残高の増加も見込まれることですから、札幌市の財政状況は決して楽観視できるものではありません。
これまでも、
指定都市共同で臨財債の廃止を求めてきておりますが、札幌市としても独自としてしっかり、この現状でいいと考えるのではなく、臨財債の廃止と、そして、交付税による全額確保を粘り強く国へ強く求めていくことを要望して、私からの質問を終わります。
◆
森山由美子 委員 私からは、
物価高騰対策としての住民税からの
定額減税について、端的に2点質問をいたします。
物価高騰対策について、我が会派は、昨年の緊急要望に続き、さきの
会派代表質問でも市民への支援の重要性を訴え、市長からは、国の補正予算を活用することにより、16か月予算を編成し対策を講じた旨の答弁をいただいたところであり、足元の
物価高騰対策に一体的に取り組もうとされていることには大きな期待を寄せるところです。
一方、我が党は、政府の経済対策として
所得税減税を求めており、低所得者への給付や地域に応じた
物価高対策と並んだ三つ目の対策として、納税額の低い人ほど恩恵の大きい
定額減税を行うことの必要性を訴えており、昨年末の
政府税制改正大綱では国税の所得税に加え、地方税の住民税からも定額減税することが盛り込まれたところです。
所得税の定額減税については国会において審議が行われているところであることから、本日、私からは、住民税の定額減税について質問をいたします。
まず、本市において定額減税を受ける納税者はどのくらいと見込んでおられるのか、また、減税額と経済効果はどのように見込んでいるのか、お伺いいたします。
◎大柿 税政部長 本市において、住民税の
定額減税を受ける納税者数、減税額と経済効果についてお答えいたします。
本市の住民税において、令和6年度に
定額減税を受ける納税者の数は約92万人となると見込んでおります。この納税者に加えまして、被扶養者も住民税1万円減税の対象となることから、減税規模は142億円と算定したところでございます。このうち、道民税分29億円を除いた113億円が市民税の減税額となるところでございます。
また、ご質問の
経済効果そのものではございませんけれども、第213回国会の
財務大臣答弁におきまして、減税規模の半分程度が消費に回るとの見解が示されたことから、これが国と同様であれば、本市におきましても減税額の半分程度が消費に回るのではないかと考えているところでございます。
◆
森山由美子 委員 答弁では、92万人の納税者が減税の恩恵を受け、国の想定と同じであれば142億円の半分が消費に回る見込みとのことでございました。
今回の
定額減税は、
物価高対策であるとともに経済対策でもあることから、これらの減税したお金が消費に回っていくことが大事であり、そのためにも市民一人一人に具体的な減税額をお知らせして、これだけ使えるということをアピールすることや、制度に関して周知をしていくことが重要と考えます。
そこで、質問ですが、本市の住民税において、減税額をどのように納税者に周知をしていくのか、また、
定額減税の制度に関し、市民に対する周知をどのように行っていくのか、お伺いいたします。
◎大柿 税政部長 減税額及び制度趣旨に関する周知方法についてお答えいたします。
減税額の周知につきましては、今後発送いたします住民税の
納税通知書などにおきまして、市民税、道民税、双方の税額から減税した額を印字して通知することとなっております。
また、
定額減税の制度に関する周知についてでございますが、既に1月から
本市ホームページに掲載をしておりますほか、今後も、制度内容を記載したリーフレットを
納税通知書に同封することなどによりまして、市民の皆様にご理解いただけるよう周知していきたいと考えているところでございます。
◆
森山由美子 委員 住民税だけでも140億円にも及ぶこの減税をできるだけ多くの市民が実感していただき、経済の好循環につながっていくことを切に願うところです。
一方で、今回は
定額減税の恩恵を十分に受けられないと見込まれる方への給付が行われる点がこれまでの減税とは異なるところであり、公平性が保たれる反面、市民にとっては複雑な仕組みとなるのではないかとの心配もあります。
政府の決定から6月の減税まで時間が限られることもあり、自治体側の準備も大変という報道があることも承知をしており、ついては、給付までがスムーズに行われるよう、ぜひとも理事者の皆様には、納税者への減税内容の周知と併せ、給付の対象となる方々への情報提供も丁寧に進めていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆荒井勇雄 委員 私からは、先日、代表質問で取り上げました
中期財政フレームについてお伺いしたいと思います。
秋元市長3期目の最初の本格予算である令和6年度の札幌市の
一般会計予算額は1兆2,417億円と、令和5年度に次いで2番目の規模とのことでございます。昨年12月には、2023年から5年間を見据えた札幌市の
まちづくり戦略の
アクションプラン2023が策定され、約600に及ぶ事業が計画化されました。
昨年12月、
アクションプラン2023の公表とともに、歳入歳出の見通しや、
まちづくり推進基金をはじめとする基金の活用、それに市債残高の推移などを示す
中期財政フレームが示されました。それに対して、私から、札幌市の財政は厳しい、厳しいとよく言われるが、近年における税収の伸びや今後における市債残高の見通しを踏まえると、本当に厳しいのか、いや、まだまだ十分やっていけると考えているかどうかについて財政局にお尋ねいたしました。
その時点では、
アクションプラン2023について、5年間の総事業費が1兆7,854億円に及ぶものの、
財政運営面では、再開発事業の進展などによって税収が伸びていることから、それほど心配する必要はないと受け止めておりました。
ところが、令和6年度予算の編成後に示された
財政フレームでは、各種基金の活用額は昨年12月の公表時よりも98億円も増え、今後3年間を見通すと、毎年度100億円ほどの基金の活用額が上振れをし、令和9年度まで活用総額は420億円にも達して、これにより、令和9年度末の基金残高も昨年12月の公表時より223億円も悪化するとのことであります。
昨年12月に
中期財政フレームが示されてからの僅かの期間にこのように
財政フレームが大きく変貌した要因はどこにあるのでしょうか。
財政局が示した令和6年度予算の概要という冊子によりますと、その要因は、
アクションプラン2023に計上していない事業の追加であったり、扶助費や職員費の増、さらには物価高騰の影響などにより、歳出総額が計画を大きく上回ったため、
基金活用額が当初の想定を98億円上振れしたとあります。
確かに、障がい福祉に関わる扶助費は令和5年度より132億円も増加し、また、定年延長に伴い
職員退職手当も令和5年度よりも倍増し、66億円増となっております。
ですが、扶助費などの増加要因は、昨年の12月の時点でも十分に想定できたのではないでしょうか。
具体的に申し上げますと、昨年12月に公表された
中期財政フレームの設定条件として、扶助費については令和5年度予算に過去の実績の伸び率を基に算定し、職員費についても
定年退職予定数などを踏まえて試算したものでありますが、この設定条件と比較して大幅な
基金活用額の増の理由を改めて確認する必要があると考えます。
そこで、お伺いいたします。
アクションプラン2023に盛り込まれている事業のほかに、今回の
予算編成で新たに追加となった事業には、先日の代表質問で答弁でもあったGX関連予算のほかにどのようなものがあるのかを具体的にお示しください。
それと、昨年の12月の
中期財政フレームの公表時に比べ、新年度
予算編成において、
基金活用額が98億円も上振れした要因についても、私どもに具体的に分かりやすくお示しいただければと思います。
◎生野 財政部長 令和6年度
予算編成を反映した
中期財政フレームについてお答えいたします。
令和6年度予算は、
アクションプラン2023の見込みより一般財源の所要額が212億円増加をしております。このうち、プランに計上していない事業といたしましては、GXの関連のほか、新型コロナウイルスの5類化に伴う予防接種や高齢者健康寿命延伸に係るシステム改修等の経費のほか、学校施設冷房設備整備につきまして、当初の想定額を上回る経費を計上したものであります。
このほか、障がいのある方の訓練等給付の件数増などによる扶助費の増や人事委員会勧告による給与増に加え、退職手当の増などによる職員費の増のほか、現下の物価高騰を受け、市有施設の光熱費や営繕工事の労務費等の増加を計上したものであります。
一方で、市税や
地方交付税など歳入一般財源につきましては114億円の増加を見込んでおりまして、歳出一般財源額の増、212億円との差し引き98億円が
基金活用額の増加分であります。
◆荒井勇雄 委員 昨年12月に公表された
中期財政フレームが、その後における
アクションプランに盛り込まれた計画事業以外の事業の追加や扶助費の大幅増、さらには退職手当の増などによって大きく数値が動いたことについては一定の理解をしました。
ただ、代表質問において、基金の活用額が上振れした要因の一つとして、学校施設による冷房施設の整備事業を挙げられておりましたが、これにつきましては
アクションプラン2023の策定時において事業費が組み込まれていたはずですので、その後において経費増の要因があったとすれば、しっかり見込んでおくべきだったと思われます。
そこで、もう一点お伺いたします。
扶助費の増加によって財源が厳しくなり、基金の活用額、すなわち基金の取り崩し額が、令和7年度以降も、当初見込み、昨年の12月の公表時より毎年度100億円規模で増えていくとの見通しを立てておりますが、これは障がい福祉に関わる扶助費が令和6年度予算で130億円ほど一気に増えたことがその後も大きく影響すると推計した上での数値なのか、はたまた、それ以外に
職員退職手当などの他の増加要因も見込んだ上での基金の取り崩し額の推移なのかをお示しください。
◎生野 財政部長
基金活用額の推移の見込み方についてお答えいたします。
令和6年度予算を反映した
中期財政フレームの試算に当たりまして、扶助費につきましては、近年の増加傾向を基に今後も増加していくことを見込んだところであります。
そのほか、職員費は職員定数や退職手当額の増減などを見込みまして、光熱水費など物価高騰の影響につきましては先を見通すことが困難であるということから、令和6年度の影響額に基づいた試算をいたしまして、
基金活用額の推移を改めて算出したところであります。
◆荒井勇雄 委員
中期財政フレームというのは、財政のプロである財政局の方々が策定し、市民の皆様に公表したものであります。これまでの答弁をお聞きしておりますと、財政当局において推計に見込み違いがあったとは断言いたしませんが、このように極めて短期間の間に
財政フレームが厳しい方に振れますと、我々議員はもちろんのこと、市民の間には、まだ
アクションプラン2023が始まったばかりなのに今後の財政運営は果たして大丈夫なのかという不安を与えることにもつながりかねないと思います。
そこで、総務省ご出身で、地方財政に大変お詳しい笠松財政局長にあえてお尋ねしたいと思います。
札幌市の今後の財政運営は極めて厳しいと見ておられるのか、それとも、近年における税収の伸びや基金残高の規模、さらには市債残高の将来の見通しなどから見て、かなりしたたかな目を持っているのか、大丈夫だと見ておられるのか、私としましては、市民の皆様に安心してくださいと局長に力強く語ってほしいと願っているのですが、いかがでしょうか、その点をお伺いしたいと思います。
◎笠松 財政局長 今後の財政運営につきましてお答えをさせていただきます。
安心してくださいと力強く語ってとのご質問でございましたけれども、残念ながら、そのように力強く語ることはなかなか簡単にはできないものと考えております。
これは、本市だけに限った話ではなくて、地方財政全体で見ましても同様でございまして、一つは、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、二つ目としましては、人手不足ですとか事業承継に係る課題、三つ目としましては、地球規模での気候変動の影響など、これらに起因いたしました様々な課題等から、今後の経済、財政の将来見通しというのはますます不透明感を増していくものと考えられていることによるものでございます。
また、目を転じて本市に関して見ましても、先ほど来ございますとおり、扶助費ですとか公共施設の更新、このような財政需要が増加する一方で、行政改革も求められている中で、市政の諸課題に投入できる資源も縮減していくことが想定されるところでございますので、適正な水準の行政サービスを提供していくためには、長期的な視点を持って財政の持続可能性を追求していかなければならないものと考えております。
そのためには、市民の理解を得ながら、歳入歳出の改革ですとか、財政基盤の強化を図るということはもちろんですけれども、歳出ありきというふうな財政運営ではなくて、やっぱり、「入るを量りて出づるを為す」という考え方の下に、毎年度、
予算編成ですとか、予算の執行の過程におきまして、事業の精査、節減や歳入の確保など、不断の見直しを継続していくことが必要だというふうに考えております。
これらに取り組むことによりまして、札幌の市民の方々には、最終的には夢や希望を持っていただけるような行政サービスを提供できるように努めてまいりたいと考えております。
◆荒井勇雄 委員 1年生議員の質問に対して財政局長からご答弁いただき、大変恐縮しております。
ただいまご答弁いただきまして、改めて私も思うところがあります。
私も、議員という立場を与えられて、やはり、市役所に来る陳情というのは、ご高齢の方から、敬老パスを拡充してくださいですとか、年金をもっと上げてくださいというのが大変来るのですけれども、さすがに、市役所に陳情に来たい世代と申しますか、実際に働いている方々のご意見からしましては、正直、私の年代からしますと、敬老パス制度はもらえないというふうに感じておりますし、年金を納めた額よりも3.6倍ほど、我々は上の世代よりもらえないというふうに統計でも出ております。
明治大学の加藤久和教授が述べておりますけれども、税の在り方というのは世代間の格差を撲滅するためのものであると思っておりまして、やはり、世代間格差を生まないためにも、政治の力を踏まえて前向きに提案していきたいと思います。
財政局長から、現状、決して財政は楽観できる状況ではないというお声をいただきましたので、我々日本維新の会としましては、財政の見直し等を含めまして今後も提案していきたいと思います。
◆藤田稔人 委員 私からは、入札契約制度と入札不調等の対策について質問をさせていただきます。
さきの代表質問において、我が会派の川田議員が、昨今の物価上昇や労務費上昇を受けての事業者支援について伺ったところですが、私から関連して二つ質問をさせていただきます。
まず、清掃や警備などの市有施設の維持管理業務における労務費の上昇などについて伺います。
このところの最低賃金の大幅な上昇や、ただいま笠松局長からもございましたが、慢性的な人手不足など、清掃や警備などの業界においても経営環境は大変厳しいものとなっており、最低制限価格の引上げについて、関係業界団体からも要望が上がっております。
そして、それは我が会派としても大変重要なことであると関心を持っております。
清掃や警備などの業界における環境が厳しさを増し、何よりも将来に向けた人材投資もままならず、結果的に業務実施にも影響が生じるのではないかと危惧しております。
札幌市では、市有施設における清掃や警備などの維持管理業務において、その履行品質の確保とダンピング対策を目的として、最低制限価格制度を導入しております。
そこで、質問ですが、現在の清掃や警備などの業界を取り巻く状況をどのように認識しているのか、また、最低制限価格制度のこれまでの設定状況と現在の状況はどのようになっているのか、お伺いさせていただきます。
◎北川 管財部長 人手不足を背景としました清掃警備業務等の状況認識と最低制限価格制度の推移についてお答えいたします。
今年1月に、人手不足に関しまして、経済観光局雇用労働課と一緒に関係団体へのヒアリングを実施したところでございます。
近年の最低賃金の上昇と人材不足などから、事業者が従事者を確保するためにはこれまでのような最低賃金付近では厳しい状況となっていることや、採用にも力を入れて様々な対策を取っているものの、コロナ禍後の景気回復に伴い、他の業種に人材が流れてしまうことなども伺ってきたところでございます。
本市におきましても、清掃、警備など各業界において企業における人手不足は深刻な状況となっているものと認識しております。
本市の最低制限価格は、履行品質確保とダンピング受注を防止する観点から運用しておりまして、建物清掃、警備等の市有施設維持管理業務における最低制限価格制度は、平成14年12月より予定価格に70%を乗じた定率の算定方式により導入を開始したところでございます。これを、平成24年4月履行開始の契約から、直接人件費や直接物品費などといった経費の内訳ごとに積み上げる方式に改正をしてございます。
なお、経費の算入率につきましては、直接人件費及び直接物品費は90%、業務管理費及び一般管理費は70%などとしているところでございます。
◆藤田稔人 委員 ただいまの答弁にありましたが、しばらく最低制限価格の算入率の見直しを行っていない状況にあるということでございました。
昨今は、あらゆる分野で働き手の不足が叫ばれており、管財部でもヒアリングを実施されたようですが、清掃や警備などの業界においては、特に労働者の確保が難しい状況にあると考えております。
このため、労働者の賃金を引き上げなくては人の確保もままならないという状況であり、発注者の責務として、企業の安定した経営につながる適正な価格での契約を目指すべきと考えます。
また、確認したところ、清掃や警備などの最低制限価格を算出する際の直接人件費の算入率について、現在、札幌市では90%とのことですが、北海道では92%と札幌市よりも高い状況であり、このことも業界からの要望の背景にあると考えております。
そこで、質問ですが、業界を取り巻く状況が厳しいことは北海道も札幌市も変わらないことを踏まえると、清掃や警備などの市有施設の維持管理業務の最低制限価格について引き上げることを検討すべきではないかと考えますが、今後の見直しについてどのように考えているのか、お伺いさせていただきます。
◎北川 管財部長 最低制限価格制度の見直しについてお答えいたします。
清掃、警備等の市有施設の維持管理業務におきまして、直近の北海道労働局公表の有効求人倍率は高く推移していることから、今後、継続した採用活動を行っていくためにも、事業者での人材確保には、さらなる賃金アップが必要となってくるものと認識してございます。
また、人材確保がままならなくなり、入札不調などが発生して、市有施設の維持管理に問題が生じるなどといった事態が起こることがないように手を打つ必要があると考えているところでございます。
このため、労働環境や事業者の経営環境の状況などを考慮いたしまして、人件費に係る最低制限価格の算入率を北海道並みに引き上げるなど、来年度中の改定に向けて検討を進めてまいりたいと考えてございます。
◆藤田稔人 委員 ただいまご答弁いただきましたとおり、北海道並みの算入率に引き上げていくということで、来年度中の改定に向けて取り組むということでございましたので、業界の意向を踏まえて、ぜひともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
企業の安定経営のみならず、業務品質の確保にも資するものと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
続いて、工事の入札不調等について伺います。
近年、公共工事の入札において、
応札者がいないとか、
応札価格が予定価格を上回っているための入札不調、不落による不成立の増加が顕在化し、問題となっております。
我が会派としても、昨年の第3回定例会代表質問で、人材を確保したいが、確保できない企業は建設業で割合が高いことや、札幌市発注工事における入札不調や不落が増加傾向にあることを踏まえ、人材不足への対策に関しての視点から、入札不調等への対応について質問をいたしました。
秋元市長からは、関係部局が情報共有を図りながら公共事業を着実に推進し、可能な限り市民生活に影響が出ないよう取り組んでまいりたいとの答弁がございました。
そこで、質問ですが、令和5年度に市長部局の工事の入札不調等が何件発生し、発生割合がどの程度なのか、また、令和4年度と比較してどのぐらい増加しているのか、お伺いさせていただきます。
◎北川 管財部長 工事の入札不調等の状況についてお答えをいたします。
市長部局の入札不調等の件数につきまして、令和4年度は51件で、告示件数全体に占める割合は5.9%、令和5年度は件数としては約2倍の97件、全体に占める割合は10.7%となっており、大幅に増加しているところでございます。
また、令和5年度に特に件数が増加しているのは、衛生設備工事などの管工種でございまして、令和4年度のゼロ件から39件に増加となっているところでございます。
◆藤田稔人 委員 工事の入札不調等が約2倍と大幅に増加しているということでございましたが、入札の不調、不落の主な原因としては、価格が合わない、施工時期が重なり技術者が不足して対応できないといったものや、技能労働者が不足しており下請企業が確保できないということがあると聞いております。
札幌市においては、技術者不足などで対応できないといった課題に対しては、これまでも、発注時期や施工時期の平準化などに取り組んでおり、一定の評価をしているところであります。
入札不調、不落の問題については、担い手不足や道内の民間再開発の増加など、昨今の地域の建設業が置かれている様々な要因が組み合わされて発生しており、直ちに効果が上がる特効薬はなかなかないと思っておりますが、ただいまの答弁にございましたとおり、特に管工種などの設備系の工事で不調が急増しているとのことでありますので、札幌市としても、こういった工事の実情を適切に把握し、その要因や原因を分析し、様々な対策をできることから実施していくことが重要ではないかと考えております。
そこで、質問ですが、工事における入札不調等の対策として、来年度はどのような対応を考えているのか、お伺いさせていただきます。
◎北川 管財部長 来年度の入札不調等の対策についてお答えいたします。
令和5年度において、入札不調等が発生した際には、参加資格の緩和や発注時期の見直し等の対応を行ったものがおよそ7割、発注時期を次年度に繰り越した案件は3割程度であり、いずれにつきましても、市民生活に大きな支障が生じているものではないと考えているところでございます。
このため、来年度におきましても同様の対応を進めるとともに、特に不調等の発生件数が多い管工種の衛生設備に係る工事部分については、さらなる対応策といたしまして、国や他の自治体において不調、不落となった場合に活用されております見積活用方式といったものを新年度から限定的に活用することも検討しているところでございます。
この見積活用方式は、本市の積算と市場価格に乖離がある場合に、入札参加者から見積書の提出を求め、予定価格作成の参考とする方式でございます。
引き続き、入札不調等が発生した際には、参加資格や発注時期の柔軟な設定を行うとともに、この見積活用方式の活用によって不調等による影響を最小限に抑えるよう努めてまいりたいと考えてございます。
◆藤田稔人 委員 次年度も引き続き、発注時期や施工時期の平準化などに取り組んでいただくとともに、ただいま北川部長からご答弁いただきました見積活用方式を新たに札幌でも導入するということでございますので、関係部局としっかりと連携を図り、検討していただき、運用を開始した後についても、効果を検証しながら不調対策に取り組んでいただきたいと考えております。
◆林清治 委員 私からは、目的税の使途について幾つか質問していきたいと思っております。
市税や道交付金、地方譲与税の中には、その使途があらかじめ定められている目的税が幾つかございます。
我が会派では、その中でも森林環境譲与税について、制度導入当初から、その制度や本市における活用などについて注目してきたところであります。
目的税は、定められた使途に活用することが重要であり、本市として有効に活用すべきと考えております。
そこでまず、令和6年度予算における目的税等の種類と金額はどのような状況になっているのか、また、定められた使途に従って有効に活用できている状況なのか、伺いたいと思います。
◎生野 財政部長 目的税の使途の状況についてお答えいたします。
令和6年度予算におきまして使途があらかじめ定められている目的税等は、入湯税、事業所税、都市計画税、森林環境譲与税及び地方消費税交付金のうち増税分がありまして、合計額は644億円となっております。
具体的な使途は税目ごとに定められているところでありますけれども、全ての税目において使途に沿った経費を収入額以上に計上しておりまして、各税目の趣旨を踏まえて有効に活用できていると考えております。
◆林清治 委員 目的税の充当事業が予算上もしっかり積み上がっており、使途に従った有効な活用ができているという答弁だったと思いますが、中でも、先ほど触れた森林環境譲与税においては、3億円ほどの収入に対して、充当された事業は5億7,000万円ほどということになっております。そのほとんどが地域材の利用とされているところでございますが、これまで基金に積み立ててきた金額を地域材利用目的で取り崩して使用したということもございます。
市有施設で地域材が積極的に活用されていることは高く評価するところでありますが、森林整備や担い手の育成、確保、普及啓発等にも充当することとなっていることから、より幅広く活用してほしいと期待を持っているところでもございます。
現状、個人所有の民間人工林の整備委託事業が進んでいないことを私ども会派では重大な事項として受け止めているところであります。森林環境譲与税の制度が始まったときから、地域材の利用拡大とともに、地域での人工林管理が大きな目的とされてきております。
森林環境税は令和6年度から本格的に徴収されることとなるため、市民への周知などについてもよい機会となるのかなというふうに思っております。
そこで、次の質問ですが、財政局として、森林環境譲与税など、目的税の充当対象事業の拡充について、今後どのように対応を行うのか、お伺いしたいと思います。
◎生野 財政部長 森林環境譲与税など、目的税の充当対象事業の拡充についてお答えいたします。
森林環境譲与税の創設を受けまして、財政局といたしましても、関係部局と連携して、その趣旨を庁内に周知の上、学校をはじめとする市有建築物への地域材の利用など、幅広い部局において活用されるよう取り組んできたところであります。
また、毎年度の予算、決算を公表する際に、森林環境譲与税など目的税の使途についてお知らせしたところでありまして、広く市民などへの周知に努めてきたところでございます。
目的税の充当対象事業の拡充につきましては、一義的には事業を所管する部局において検討されるべきというふうに考えておりますけれども、目的税が引き続き有効に活用されるよう、財政局といたしましても、予算の編成、執行の段階を通じて関係部局の取組を後押ししてまいりたいというふうに考えてございます。
◆林清治 委員 財政局としてのお考えは大変理解できるところでありますし、今日、質疑の中で中心に据えておりました森林環境譲与税の部分で、森林管理事業というのは脱炭素社会実現に向けた大事な施策にもなっております。
CO2削減に向けては、木が生えていればよいわけではなくて、健康な樹木が必要になってまいります。そのためには、成長した木を伐採して活用し、その後に植樹して育てる、このサイクルを長期間で実施しなければならない。現状として、民間所有林は管理が行き届かず、先ほど述べたサイクルが成立しないケースが増えていることから、国が森林環境税の徴収前に森林環境譲与税を自治体へ交付して森林管理と地域材活用を促進した、大規模な全国的な事業であります。
札幌市は、総面積の約64%を森林が占めており、森林環境譲与税の森林整備の対象となる私有林の人工林については、林業経営の不振や担い手不足などにより、間伐等が長期間実施されず、過密化した森林も数多く存在している状況になっております。
担当の建設局みどりの推進部も、個人所有の森林の管理業務委託などを進めるべく努力しております。先ほど触れたように、来年度から森林環境税を徴収することから、さらにこの目的税の活用の検討、使用状況を市民にしっかりと周知することも検討していかなければいけないなというふうに思っているところであります。
そうした意味でも、財政局長にお聞きしますが、今後の目的税の活用並びに市民周知に対するお考えをお聞きしたいと思います。
◎笠松 財政局長 今後の目的税の活用及び市民周知に関する考え方についてお答えをさせていただきます。
まず、目的税の活用につきましては、さきに財政部長からもお答えいたしましたとおり、具体的な使途というのは税目ごとに定められておりますことから、森林環境譲与税のような新たな制度も含めまして、引き続き、各税目の趣旨を踏まえまして、納税者の方々からいただいております貴重な財源でございますので、さらには、先ほど山田洋聡委員からも、目の前にお預かりしている大切なお金だというご指摘も受けましたので、有効に事業に充当していく考えでございます。
また、市民周知につきましては、引き続き、事業部局が行っております目的税を活用した有効な取組や様々な機会を捉えた市民への広報につきまして、これは各事業部局におきまして行っていただくことが第一義ではございますけれども、財政局といたしましても、互いに連携しまして、また、予算の編成ですとか執行の段階を通じまして、各事業部局をしっかりと支えてまいりたいと考えております。
◆林清治 委員 今日は、この目的税についてということと、特に森林環境譲与税という最近創設された目的税の利用を中心に議論させていただきました。
これまでも、
札幌市議会の中で、目的税の一つである入湯税に関して、定山渓の旅館、ホテル業の皆さんからの要望だったり、様々な議論をされてきたところでございます。その目的をしっかりと考えて、市民に分かりやすく使っていく、そうしたことがこれからもまた求められてくるのかなというふうに思います。
そして、様々な関係部局で、本当にいろいろな知恵を絞り、計画をつくってやっておりますので、財政局としては、厳しく査定することも必要なのでしょうけれども、そこはちょっと大目に見て、その事業をしっかりと支えるという立場で、これからも温かい目で見ていただければありがたいというふうに思うところであります。
要介護5の対象となる方は2023年の12月31日現在で7,807人ですから、障がいのある方も含めて、まだまだこの郵便投票制度を知られていない、あるいは、投票への諦めの思いが定着しているのではないかというふうに思うところです。
いま一度、制度の周知、この方法を検討していくことが重要ではないのか、そして、投票行動を諦めない、政治に参加していく意義を広げていくことが必要です。
今後も丁寧な周知に力を入れていただけますように求めておきたいというふうに思います。
次に、施設内投票の実態についてです。
施設内投票所が設置されることは、入院されている方、施設に入居されている方にとっては、投票活動の保障となり、喜ばれております。
現在、病院や高齢者住宅などの施設内投票ができる指定施設は、2024年2月現在で541施設とお聞きしているところです。
まだまだ増えていく可能性がございます。選挙管理委員会として、対象要件を満たす市内施設へ、毎年5月と11月に施設内投票の申請に向けた案内文書を約200施設に送って、施設から問合せがあると説明に出向いて努力しているということでありました。
ここで、伺いますが、施設内投票の指定施設数の増減状況について伺います。
◎石田 選挙管理委員会事務局長 不在者投票指定施設の施設数についてお答えいたします。
昨年4月の統一地方選挙時点では532施設であったのに対し、今年2月現在では541施設となっており、9施設の増となっております。
この9施設の内訳につきましては、新規指定による増が11施設、閉院や病床数が指定基準以下に減少したことによる指定解除に伴う減が2施設となっております。
今後も、指定を受けていない施設に対しては地道に働きかけを続けてまいります。
◆池田由美 委員 9施設が増えたということでありました。
毎年、微増ではあっても増えてきている状況だなというふうに私も資料を見せていただきました。
昨年の統一地方選挙からの増減は、今言ったように9施設ですから、地道な努力の積み重ねというふうにおっしゃっていましたけれども、私も効果があるのだなと思います。
しかし、問合せが来ることを待っているということであれば、微増というところからは変わらないのだなと思いますので、札幌市の選挙管理委員会から積極的に訪問するなどの取組でさらに増えていくのではないかというふうに思います。
計画的にこちらからアプローチをしていくことを進めていくことが重要だということを求めておきたいと思います。
最後に、移動期日前投票所の取組について伺いたいと思います。
投票率の資料を見ますと、80歳代を超えると投票率が下がってまいります。足腰が弱くなり、投票所までは歩けないなどの声が地域からも聞こえてきているところです。
2016年から、国政選挙については、投票所への移動支援に要する経費や執行経費基準法の改正により、移動支援経費の加算規定も新設をされて、投票所への移動施設や移動期日前投票所に必要な経費の財政措置がされるということになっています。
これについては、政令市においても定められた額の範囲で措置をされるということでありますから、私は、区ごとに移動式期日前投票所が設置されていくことによって、投票の意思を支え、政治に参加する保障となるのではないかというふうに考えます。
そこで、質問いたしますが、移動期日前投票所の取組や投票所への移動支援について本市も検討していく必要があると考えますがいかがか、伺います。
◎石田 選挙管理委員会事務局長 移動期日前投票所の検討についてお答えいたします。
移動期日前投票所については、他市町村の例を見ますと、多くは市町村合併や過疎化の進行など、投票所を統廃合した代替措置として導入されております。
札幌市においては、投票所の統廃合の予定はないことから、現時点で移動期日前投票所の導入は考えておりません。移動支援についても同様に、統廃合した場合の支援としてやっておりますので、こちらのほうの検討もしておりません。
◆池田由美 委員 過疎化の問題、そして、投票所の統廃合という問題に対応するものだということでのご答弁でありました。
投票所の設置が徒歩2キロメートルから3キロメートル圏内となっていますから、高齢になってからの2キロメートル、3キロメートルは大変な方も増えてきているというふうに考えます。ましてや、独居の方も増えておりますし、タクシーを利用するにも、年金生活、生活保護世帯となれば大きな負担となるというふうに思います。
高齢になっても投票する意思を支え、政治参加を保障する特別な取組が、これからさらに重要になっていくというふうに思います。
本市の状況を分析し、どんな支援が必要か、市民の目線に立った取組が必要だというふうに思いますので、予算を確保し取り組むべきと申し上げて、質問を終わります。
○小形香織 委員長 以上で、第4項 選挙費の質疑を終了いたします。
最後に、第5項 人事委員会費及び第6項 監査委員費の質疑を行いますが、いずれも通告がありませんので、質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、3月4日月曜日午後1時から、消防局及び危機管理局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
――――――――――――――
散 会 午後3時50分...