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  1. 札幌市議会 2023-12-11
    令和 5年(常任)文教委員会−12月11日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 5年(常任)文教委員会−12月11日-記録令和 5年(常任)文教委員会            札幌市議会文教委員会記録            令和5年12月11日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時     ―――――――――――――― ○竹内孝代 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第1号 令和5年度札幌市一般会計補正予算(第5号)中関係分、議案第14号 札幌市立学校教育職員の給与に関する条例及び地方公務員法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備等に関する条例の一部を改正する条例案、公の施設の指定管理者の指定に関する議案第15号、第16号及び第19号の5件を一括議題といたします。  質疑を行います。 ◆山田一郎 委員  私からは、学校施設における照明器具LED化について質問いたします。  学校施設は、このたび、新型コロナウイルス感染症における世界経済長期停滞後、経済活動の再活性化とエネルギー需要の増加が見られます。この状況下、ウクライナ情勢不安定化や、ここ最近、多少は戻しましたが、円安の影響で燃料価格の高騰が続いております。市民生活に加えて、公共施設、特に300校を超える市立学校の光熱費にも大きな影響があり、補正予算では、電気代及びガス代の不足分として20億7,500万円が計上されました。  こうした背景を踏まえ、学校施設における近年の光熱費の具体的な状況とそれに伴う財政的な影響について詳細を伺いたいと思います。  そこでまず、質問ですが、学校施設における近年の光熱費の状況についてお伺いいたします。 ◎池田 学校施設担当部長  学校施設における近年の光熱費の状況についてでございますが、電気、ガス、重油、灯油といった光熱費の決算額についてでございますが、令和2年度までは、1年度当たり約35億円で推移してきておりましたけれども、令和3年度につきましては43億円、令和4年度につきましては56億円と上昇してきております。令和5年度の決算につきましても、現時点において令和4年度と同程度となるものと見込んでおります。 ◆山田一郎 委員  学校施設における令和4年度の高熱費は、例年の約35億円から約56億円と大きく跳ね上がっており、また、令和5年度に関しましても同額程度の決算額を見込んでいるとの答弁でありました。  例年よりも約20億円上昇しており、また、それが高止まりしている状況でありますが、ウクライナ情勢等の動向は依然として不透明であり、今後もこのような料金水準というのはしばらく続いていくことが予想されます。  そして、この負担が積み重なっていくのであれば、札幌市の財政への影響は計り知れないものとなることから、学校施設省エネ化が喫緊の課題であることは言うまでもないと感じております。  今も、新築や改築であれば、当初からの建物の断熱化、また、高気密化など、省エネに関する取組も可能ですが、既存校ではそうもいかず、今回の補正予算では、繰越明許費として計上されている照明器具LED化は、電気代削減の効果があると期待できる有効な手段であると考えております。
     そこで、質問ですが、学校施設照明器具LED化について、現在の進捗状況及び今後の計画について伺います。 ◎池田 学校施設担当部長  学校施設LED化進捗状況及び今後の計画についてということでございます。  学校施設の照明のLED化につきましては、省エネ化を目的といたしまして、平成27年度から新改築時や照明器具の更新に合わせまして順次改修を進めてきたところでございまして、現在のところ、校舎で約2割、屋内運動場で約3割を終えたところでございます。  今後につきましては、アクションプラン2023の計画期間であります令和9年度末までに、校舎につきましては全校、屋内運動場につきましては約7割のLED化を終える予定でございます。  残りの屋内運動場につきましても、札幌市気候変動対策行動計画に基づきまして、令和12年度までにLED化を完了するように計画的に進めてまいります。 ◆山田一郎 委員  今の答弁で、令和12年度までに全校のLED化を進めるべく、計画的に進めるという答弁でございました。  令和12年、2030年でございますが、今、蛍光灯では2027年問題と言われており、2027年には水銀を含む蛍光灯の製造と輸出入が禁止されることが決まっております。  2027年を過ぎても2030年まで3年ございますが、既に生産されている蛍光灯の在庫の販売は可能ですが、製造を続けているメーカーが現時点でも少なくなってきており、将来的に購入が困難になることも予想されます。電気代やガス代等をはじめとした光熱費の高騰は今後も続き、現在の価格がスタンダードになると考えたほうが現実的であると考えております。  300校を超える学校施設省エネ化は、札幌市の財政負担に大きく寄与するものでございます。今回も入札不調で翌年度に実施設計を繰り越した学校が10校もあると思うのですが、これも、次年度、早期に業務発注して、次年度内の改修を行うとともに、全体としてもLED化を遅らせることがないように着実に進めていくことを要望して、私からの質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私、議案第15号 公の施設の指定管理者の指定の件(南区保育・子育て支援センター)に関連して質問をしたいと思います。  札幌市内公立保育園というのは、順次、縮小、廃止になっておりまして、保育・子育て支援センター、ちあふるを1区に1園配置するという考えに立っておられます。  ほかの区は公設公営で運営されておりますけれども、このたびの南区については、公設民営となっております。その経過や背景について伺いたいと思います。 ◎伊藤 子育て支援部長  南区保育・子育て支援センター、ちあふる・みなみが公設民営となっている経過や背景についてお答えをいたします。  ちあふる・みなみは、札幌市が平成25年に策定いたしました真駒内駅前地区のまちづくり指針において、旧真駒内緑小学校の跡施設を活用して整備することを決定し、平成27年4月に開設しております。  ちあふる・みなみの保育機能につきましては、当時の南区の待機児童の状況などを踏まえまして、ゼロ歳児から2歳児までを対象とする小規模保育事業を実施することとしたものでございます。  各ちあふるは既存の公立保育所機能転換により整備を進めてきたところでございますけれども、当時の全市の待機児童公立保育所の状況から、転換によって直営とすることが難しいと判断し、保育機能部分公設民営としたものでございます。 ◆小形香織 委員  当時の状況から公設公営とするのは難しいという判断であったということであります。  それで、このたびの選定では、市内で保育所を運営している3団体が応募したということでありました。  そして、このたび応募されて決まった事業者選定の理由として、この事業者は3歳未満の子どもに対する保育の質について非常に高い水準となることが期待できるということを理由として書いておられます。高い水準が期待できるというふうにしたその根拠について伺いたいと思います。 ◎渡邉 支援制度担当部長  候補者が行う保育の質が非常に高い水準にあるとしたその根拠についてお答えいたします。  指定管理者の選定に当たりましては、有識者から成る選定委員会におきまして選定方法選定基準を決定いたしまして、書類や面接による審査を行い、各委員が採点した結果、最高得点を獲得した法人がその候補者となるものでございます。  選定委員による評価結果を分析いたしますと、候補者が提案した保育計画は、とりわけ子どもの発達状況に配慮し、アレルギーや事故への対応も適切に考慮されている、そういった点で最も高い評価を受けているということでございます。  また、この候補者につきましては、応募段階から、業務の引継ぎにつきまして、現在の運営法人情報交換をしながら具体的な検討を行った点で、他の応募者に比べ高い評価を受けておりまして、子どもや保護者が継続的に安心して保育を受けることが期待できると委員会において判断したものと考えております。 ◆小形香織 委員  保育計画の中で、アレルギーへの対応だとか事故の対応というところ、これは私も大変大事な点だというふうに思っております。  とりわけ、この保育所はゼロ歳児から2歳児までを預かる、乳幼児を預かるということになります。とりわけ、非常に2年間の間で大きく子どもの体が発達する時期でありまして、特に、寝返りからはいはいになって、そして歩行を始めるということ、あるいは、母乳やミルクの段階から離乳食に入って、そして通常食になっていくということで言うと、時々、寝返りの段階でうつ伏せ寝などが事故の要因になったりするということも報じられておりますし、離乳食に移行するところでアレルギーが分かって、それに対してどういう対応をするのかという点では、保育の質という点で非常に慎重であり、そして、十分な保育経験が必要だろうというふうに思っております。  そういう点での高い点数を得たということでありましたので、やはり、ゼロ歳から2歳までの子どもに対する安全な十分な保育というものをぜひともこの事業者にやっていただきたいと思っております。  この場合は、3歳未満のお子さんが入る施設ですから、3歳になって、この保育所から卒園した後、受入先が見つからないということがあってはならないと思っております。  希望者の全員が入所できるために、今回選定された事業者と受入先となる保育所等とでどのような連携を図られるのか、伺いたいと思います。 ◎渡邉 支援制度担当部長  卒園児の受入先との連携についてお答えをいたします。  2歳児までを受け入れる小規模保育事業所には、卒園後の受皿として、連携施設と協定を結ぶことを義務づけております。  この応募者につきましては、近隣の保育所でありますとか認定こども園など、合計で4か所と現在は協定締結を進めているところでございます。  また、札幌市が行う入所調整に当たりましては、小規模保育事業所を卒園し連携施設に転園する際には加点を行うなど、他の要件に比べ優先して転園できるよう調整を図っているところでございます。  卒園後の受入れに影響が生じることなく子どもたちが安心して保育を受け続けることができるよう、来年4月の指定管理者の更新に向けてしっかりと対応してまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  加点という仕組みを設けて、優先的に入れる仕組みになるのだということでありますので、ぜひ全員が入所できるようしっかり取り組んでいただきたいと思います。  札幌市の公立保育所が廃止されていく中で、1区1園のちあふるということで、公設公営を原則として、やはり、本市の公的な責任を担っているものであります。  南区の場合は公設民営でありますけれども、やはり、保育の質を維持・向上させること、ゼロ歳児から就学前までのつながった子どもの保育を保障されるよう改めて求めまして、私の質問を終わります。 ○竹内孝代 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第1号中関係分、第14号、第15号、第16号及び第19号の5件を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  異議なしと認め、議案5件は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第22号 札幌市婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第22号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  異議なしと認め、議案第22号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第23号 札幌市児童会館条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第23号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  異議なしと認め、議案第23号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第29号 札幌市立学校設置条例等の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。 ◆小形香織 委員  このたびの条例改正案ということでありますけれども、真駒内中学校真駒内桜山小学校を廃校にして、新しく義務教育学校をつくるという条例の中身が入ってございます。  真駒内中学校というのは、地下鉄真駒内駅のすぐそばにある学校であります。それから、真駒内桜山小学校というのは、2011年に真駒内エリアの四つの小学校を2校にした、そのうちの一つであります。  このたび、真駒内桜山小学校を変えて、義務教育学校をここに設置しようということになっております。  それで、義務教育学校をつくろうというこの方針を地元地域に示したと思います。そこで、意見交換も行ってきたというふうに聞いておりますけれども、その場で様々な意見、あるいは、その後、札幌市へも寄せられた意見などがあったのではないかと思いますけれども、どのような意見があったのか、伺いたいと思います。 ◎池田 学校施設担当部長  真駒内地区新設義務教育学校の設置に当たりましての声についてでございました。  義務教育学校の新設に当たりましては、昨年4月から通学区域内の住民を対象に説明会を開始いたしまして、これまで5回の説明会を実施いたしましたほか、ホームページ上でも、随時、意見募集を行ってきたところでございます。  説明会等におきましては、義務教育学校の概要につきまして一定の理解を得たものと認識しておりますけれども、声といたしましては、新しい学校への期待の声や人数が多くなることで一人一人に目が行き届かなくなることへの不安などの声が寄せられたところでございます。 ◆小形香織 委員  賛成の声、期待の声もある一方で、不安の声もあるということでありまして、私もホームページなどで寄せられた意見などを読ませていただきました。700名を超える学校を設置することには反対なのだという声だとか、大規模校の設置というのは時代に逆行しているのではないかといった意見なども出されておりまして、必然性だとかデメリットについて説明が不十分だよという意見も出されておりますけれども、このたび、そうした声は十分酌まれることなく、義務教育学校を設置ということで条例で改正していこうという姿勢には、私は疑問を持っているところです。  それで、この声にも出されていますけれども、整備の中身で伺いたいのですけれども、敷地が二つに分かれるということで、出されている声としても整備する第2グラウンドは、学校敷地から信号を二つ渡らなければならない筋向かいの土地であり、安全性に懸念があるという声が出されております。私どもも代表質問でこのことを問うたわけですけれども、対応してまいりますというご答弁はいただきましたけれども、具体的にどのように対応されるのか、お示しいただきたいと思います。 ◎池田 学校施設担当部長  義務教育学校の第2グラウンドに対します子どもたち安全確保についてというご質問でございました。  第2グラウンドへの移動も含めました開校後の児童生徒安全対策につきましては、現在、学校関係者ですとか、地域、保護者の代表者、警察や市の関係部局などによりまして様々な検討を進めているところでございまして、今後、開校に向けまして子どもたち安全確保に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆小形香織 委員  やはり、安全性に懸念があるよという声に対して、現在はまだ検討中というお話でありましたから、それは、当然、地元の方としては納得できないことだろうというふうに思うのですね。二つの学校を一つにして義務教育学校をつくろうという側としては、いろいろと前向きに検討されていくということだろうと思いますけれども、しかし、市民の中にある不安だとか疑問というものはまだ払拭されておりませんで、なお納得できていないというふうに思います。  学校というのは、地域の核となる施設であります。このたびは、真駒内駅前地区のまちづくり計画タイムスケジュールに合わせた形でこれらの意見聴取も進められて、合意が不十分なまま条例を変えようということになりました。数十年先を見通すまちづくりであり、やはり拙速なやり方と言わざるを得ないということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ○竹内孝代 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。 ◆小形香織 委員  私は、日本共産党所属委員を代表して討論を行います。  本市は、2011年6月に、真駒内小学校真駒内南小学校真駒内曙小学校真駒内緑小学校の4校を廃止し、真駒内公園小学校真駒内桜山小学校の2校を設置する条例改正を行いました。それから12年後のこのたび、統廃合した真駒内桜山小学校真駒内中学校と併せて廃止して義務教育学校にしようとするという経過をたどっております。  本市の義務教育学校設置の提案は、真駒内地域の住民にとって度重なる学校再編であり、不安や疑問が多く出されるのは当然だと考えます。地元の市民からは、700名を超える学校を設置することには反対、きめ細やかな対応は小規模の学校でこそ実現でき、大規模な学校では難しい、教育のさらなる推進を図ることができる説明が不十分などの声が寄せられております。  これらの声に対して、本市は、国の基準であり、義務教育学校として十分に機能すると答えているのみで、説明や議論が尽くされたとは思えず、合意は不十分だと考えます。  よって、議案第29号に反対いたします。  以上で、私の討論を終わります。 ○竹内孝代 委員長  ほかに討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり)
    竹内孝代 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第29号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○竹内孝代 委員長  賛成多数であります。  よって、議案第29号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第40号 令和5年度札幌市一般会計補正予算(第6号)中関係分を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第40号中関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  異議なしと認め、議案第40号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時25分       再 開 午後1時26分     ―――――――――――――― ○竹内孝代 委員長  委員会を再開いたします。  次に、(仮称)第2期札幌市教育振興基本計画(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎木村 生涯学習部長  私から、第2期札幌市教育振興基本計画(案)についてご説明申し上げます。  お手元に、資料1として計画(案)の概要版、資料2として計画(案)の本書をお配りしておりますが、ここでは資料1の概要版に基づいてご説明申し上げます。  1ページ目から順にご説明いたします。  第1章 札幌市教育振興基本計画の策定についてでございます。  まず、左上の1、計画の策定についてですが、現行計画が今年度で期間終了となるため、令和6年度からの10年間の札幌市の教育に関する施策を総合的、体系的に進めていくことを目的として策定するものでございます。  右下の図でお示ししている本計画の構成をご覧ください。  本計画は、今後10年間を見据えた基本理念等を示す札幌市教育ビジョンと、5年間で取り組む教育施策を示す札幌市教育アクションプランで構成いたします。  次の2ページ目をご覧ください。  第2章 教育を取り巻く現状と課題として、教育を取り巻く社会経済情勢や国における教育目標教育政策の動向についてまとめております。  資料の真ん中の上、2の(1)に記載しておりますが、国の動向といたしましては、第4期教育振興基本計画が今年6月に閣議決定されたところでございます。  第4期計画では、2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成と、日本社会に根差したウェルビーイングの向上がコンセプトとして示されておりますが、こうした国の方針も踏まえた形で本計画の策定を進めてまいります。  3ページ目をご覧ください。  現行計画における教育施策の成果と課題についてまとめております。  現行計画では、札幌市の教育が目指す人間像である自立した札幌人を実現するために、資料の表にありますとおり、三つの基本的方向性を掲げ、12の基本施策を設定し、学校教育や生涯学習に係る様々な施策の展開を図ってまいりました。  概要版のこのページでは、教育施策のより一層の充実・発展を目指す必要がある主な指標の状況をまとめ、第2期計画に向けた課題を挙げております。  なお、ここで掲げている課題は、第2期計画で重点的に取り組む項目としております。  4ページ目をご覧ください。  第3章 第2期札幌市教育ビジョンとして、第2期計画における札幌市の教育が目指す人間像と基本的方向性についてまとめております。  左上、札幌市の教育が目指す人間像ですが、第2期計画においても現行計画に引き続き自立した札幌人を掲げ、時代の変化に伴い、その解釈を捉え直しております。  そこで、左下の囲みにありますとおり、未来に向かって新たな価値を創造し、主体的に学び続ける人、自他のよさや可能性を認め合い、しなやかに自分らしさを発揮する人、ふるさと札幌に誇りを持ち、持続可能な社会の発展に向けて行動する人としております。  資料の右側をご覧ください。  自立した札幌人を実現するために、三つの方向性を示しております。  1点目として、一人一人が自他のよさや可能性を認め合える学びの推進、2点目として、学校、家庭、地域総ぐるみで育み、生涯にわたり学び続ける機会の拡充、3点目として、社会の変化に対応した教育環境の充実としております。  ここまでが札幌市教育振興基本計画教育ビジョンになります。  続いて、5ページ目をご覧ください。  第4章 第2期札幌市教育アクションプラン(前期)になります。  教育ビジョンで掲げました札幌市の教育が目指す人間像、自立した札幌人及び三つの基本的方向性に基づき、12の施策から成るアクションプランを令和6年度からの5年間で取り組むものとして設定しております。  次の6ページ目をご覧ください。  第2期計画では、第1期計画の成果と課題を踏まえ、特に解決するべき課題に対応する、重点的に取り組んでいく項目を設定いたしました。  資料の左側をご覧ください。  札幌市の子どもたちの現状として、三つの課題を挙げております。  一つ目は、札幌市の子どもたちの自己肯定感の現状、二つ目は、困りを抱えた子どもの増加、三つ目は、体力・運動能力の低下です。  資料の右側をご覧ください。  こうした現状を踏まえまして、令和6年度から5年間の前期アクションプランでは、三つの事項を重点項目といたしました。  重点項目の一つ目は、共生社会を担う力の育成、二つ目は、誰一人取り残されない教育の推進、三つ目は、生涯にわたる健やかな体の育成です。  次の7ページ目をご覧ください。  具体的な施策の展開について、全体像を示しております。  第2期計画では、施策ごとに4から13の事業を設定し、合計98事業を展開します。  6ページで示した重点項目に関わり重点的に取り組む事業については、「重点」と表記しております。  次の8ページ目をご覧ください。  第5章 計画の推進と進行管理になります。  毎年度、成果や課題を評価、検証し、社会状況の変化に応じた施策の見直しや新たな施策の立案等、必要な改善、見直しを行いますが、そのため、施策ごとに成果指標を設定しております。成果指標は、市民への分かりやすさ、施策における代表的な要素を踏まえながら設定をしております。  内容に関わるご説明は以上でございますが、この計画(案)をまとめるに当たりましては、これまで外部検討会議を、昨年度に2回、今年度に入り3回、8月には子ども教育委員会会議を開催し、多様なお立場からのご意見を参考とさせていただきました。  今後は、12月中旬から1か月間、パブリックコメント及び小・中学生を対象としたキッズコメントを実施し、市民の方々から幅広いご意見をお寄せいただきたいと考えております。  その後、必要な調整を加えまして、2月下旬に教育委員会会議に付議し、そこでの議決をもって策定という流れで進めていく予定でございます。 ○竹内孝代 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆山田一郎 委員  私からは、第2期札幌市教育振興基本計画についてご質問させていただきます。  12月5日の我が会派の代表質問において、教育ビジョンについて教育長に質問をしたところ、子どもを軸とした地域のネットワークを広げ、子どもの学びや育ちを支える教育を推進し、子どもたちが地域の一員として社会の発展に向け行動する力を育み、将来の札幌のまちづくりを担える人材の育成に努めてまいりたい、このように答弁をいただきました。  これを受けまして、私からも教育ビジョンについて幾つかお伺いいたします。  現行の計画は平成26年度に策定され、この10年間で自立した札幌人を実現するために様々な施策を展開したところでございますが、第2期計画策定に当たり、どのような成果や課題があったのか、捉えているのかを確認したく考えております。  そこで、質問ですが、現行計画における成果と課題についてお伺いいたします。 ◎木村 生涯学習部長  現行計画における主な成果と課題についてお答えいたします。  現行計画では、知、徳、体の調和の取れた育ちの一層の充実を目指し、課題探究的な学習を取り入れた事業の充実や、9年間の系統性、連続性のある教育を目的とした小中一貫した教育を全ての市立小学校と中学校で実施してきたところでございます。  また、絵本図書館、図書情報館の開館や青少年科学館などの整備によりまして、市民が身近な場で学びを深められる環境の充実を進めてきたところでございます。  一方で、今後、デジタル化やグローバル化の進展等の社会変化に対応した教育環境を充実させるとともに、令和の日本型学校教育も見据え、子どもたちに自分を認め肯定する気持ちや多様性を尊重する態度を育むことが求められていると認識しているところでございます。 ◆山田一郎 委員  課題についてもたくさんありますが、もちろん時代の変化等もありますので、第2期計画に受け継がれ、また、改善を目指すものと思っております。  先ほど、札幌市の教育が目指す人間像について、第2期計画においては現行計画に引き続き自立した札幌人を掲げるものの、この時代の変化に伴ってその解釈を捉え直したというような話もあります。  時代の変化で言えば、教育現場においては、近年、新型コロナウイルス感染症拡大による長期間にわたる臨時休校であったり、少子化による教育環境の変化、価値観の多様化、デジタル化など様々な変化がございました。  私としては、第2期計画の札幌市の教育が目指す人間像は現行計画における成果と課題や社会情勢の変化も踏まえ、より時代に即したものであるべきと考えます。  そこで、質問ですが、第2期計画ではどのような子どもたちを目指し、育もうとしているのか、伺います。 ◎木村 生涯学習部長  計画で目指す人間像についてお答えいたします。  子どもたちが人との関わりを通して、自他のよさや可能性を認め合い、時に他者との対立やジレンマが生じた際でも対処する強さと柔軟さを身につけることが重要だと考えております。  また、他者の意見や考えを踏まえ、多様な価値観や文化を理解し視野を広げることによって、新たな価値を創造できる力が必要でございます。さらに、ふるさと札幌に誇りを持ち、持続可能な社会の発展に向けて行動する子どもたちが計画で目指す姿でございまして、学校、家庭、地域が一体となって地域全体で自立した札幌人を育ててまいりたいと考えております。 ◆山田一郎 委員  ちょうど自立した札幌人の下に書いてあるところを話されていたのかと思います。  私としても、今、木村部長もいろいろと話したとおり、第2期札幌市教育振興基本計画は、いろいろな意見を聞いて、また、キッズコメントの意見も聞いて策定していく、これからもやっていくという話ではあるのですが、私としても、ここ最近、意見を少し聞き過ぎているのではないかなというふうにも思うところはあります。例えば、子どもが学校に行きたくないと言うと、やっぱり行かなくていいよ、これでは、判断能力のある、ないにかかわらずですけれども、多少、子どもの意見を聞き過ぎたがゆえに、そっちにかじを切ってしまったということもあります。  もちろん、意見を聞くというのはすごい大切なものであると思います。聞くというと漢字では「聞く」「聴く」、それから、英語で言うならアスクの「訊く」がありますけれども、やはり課題解決の聞くという部分についても大きく考えを取り入れていただいて、教育振興を目指していただければと要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ◆篠原すみれ 委員  先ほどご説明がございました札幌市の教育が目指す人間像である自立した札幌人を育てるために、本から学ぶことも、主体的に学ぶことも重要だと考えます。  それを前提に、私からは、札幌市教育振興基本計画における図書館の取組について伺います。  まず、1点目です。  図書館は、子どもから大人まで、あらゆる世代の市民が気軽に利用できる施設、また、市民自ら生涯にわたって学ぶことができる施設です。  時代の変化とそれに伴う多様なニーズに対応するための取組が図書館には求められてきたところです。第1期計画が策定された2014年当時は、社会的な背景として、少子高齢化、人口減少社会の到来やインターネットなどデジタル技術の進歩への対応などが考慮されておりました。その後、2020年からのコロナ禍によりデジタル化が加速度的に発達し、生活、仕事はもとより、教育などあらゆる分野においても、目まぐるしく社会が変わっております。  このような社会情勢、人々の意識の変化に対応し、持続的な図書館運営とするため、この10年間、様々な課題に取り組んできていると承知しております。  そこで、質問ですが、図書館としては、第1期計画の取組の成果と今後の課題についてどのように捉えているのか、伺います。 ◎矢萩 中央図書館長  第1期計画の図書館の取組の成果と今後の課題についてのご質問でございます。
     2014年からの第1期の札幌市教育振興基本計画では、基本的方向性である多様な学びを支える環境の充実の取組の一つとして、子どもが読書に親しむきっかけづくりとなる図書館デビューなどの事業を実施するとともに、2016年に絵本図書館を開館いたしました。  また、ICTを活用した非来館型サービスとして、2014年に電子書籍の貸出しを開始したほか、仕事や暮らしの課題解決に役立つ図書館として、2018年に図書情報館を開館することで、多様なニーズに対応し、これまで利用が少なかった若い世代の利用につながったところでございます。  一方で、コロナ禍の影響もあり、近年、特に地区図書館の利用者数が減少傾向にあるほか、依然として図書館は本を読む、借りる場としてのイメージが強いことから、情報収集や新たな活動の場としての図書館サービスを広く知っていただくことが今後の課題と捉えているところでございます。 ◆篠原すみれ 委員  つい昨日なのですけれども、私は、地元のイベントに運営側で参加したときに、小さな図書館ではあったのですけれども、地区センターの中にある図書館は思っていた以上にご利用者が多くて、それだけ地域の皆様にとって大事な場所であるのだなということを知りました。  私自身、図書館というと、どうしても中央区にある図書館をすぐに思い浮かべてしまうのですけれども、今の答弁にありましたように、地域の図書館もさらに発展していっていただきたいと思いました。  次に、第2期計画の取組についてです。  第1期計画中に開館した絵本図書館と札幌市図書情報館は多くの市民に様々な場面で利用されていることは今のご答弁でもございました。  未就学児向け、そして、働く世代向け、それぞれのコンセプトの下、利用されている図書館のいいところがほかの図書館にも広がることを期待しているところです。  また、人生100年時代と言われる今後の社会において、図書館の役割や重要性はさらに高まると予想されております。既に実施されている図書館サービスである各種セミナーの実施やリファレンスなど、生涯にわたる学びに役立つ機能を広く市民に活用していただくことも重要です。  加えて、このたびの第2期計画において、図書館全体の利用者数が減少している現状の中、来館者数や利用登録者がある市民の割合について、高い目標値が設定されている部分も注目しております。  先ほど触れました絵本図書館につきましては、私が住んでおります白石区にございまして、興味を持っているところです。特色ある施設、取組の実施は、来館者の増加に寄与するとございます。  そこで、質問ですが、図書館としては、先ほどのご答弁にございました、これまでの課題を解決するため、第2期計画においてどのようなことに取り組んでいくのか伺います。 ◎矢萩 中央図書館長  これまでの課題を踏まえた第2期計画の取組についてのご質問でございます。  図書館では、2022年5月に策定いたしました札幌読書図書館プラン2022の基本理念を踏まえ、市民の生涯にわたる学びや創造的な活動を支えるための図書館を目指し、第2期教育振興基本計画の取組を進めてまいる所存でございます。  まず、第1期に引き続き、図書館を訪れるきっかけとなる講演会、イベントや図書展示を充実させ、来館者が課題を解決するための調査相談や情報収集のサービスを推進するとともに、これらのPRにも力を入れ、生涯を通じた主体的な学びの場としての図書館の活用を図ってまいります。  さらに、絵本図書館と図書情報館では、ICTの活用により利用者の利便性向上と業務効率化が図られており、その結果、司書が専門性を発揮してサービスの強化や企画の充実、ひいては、施設の魅力向上につながっていることから、この2館以外へのICT活用、DXの推進も目指してまいりたいと考えております。  これらの事業に取り組むことによりまして、市民にとって身近な学びの場として、より魅力ある図書館づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆篠原すみれ 委員  ただいまのご答弁で、前の計画ではICTという文字、そして、今回の案としての計画ではDXの推進という言葉に変わっているところに強く期待しているところでございます。  誰もがインターネットで情報を検索する時代ですが、本棚に手を伸ばし、一つ一つ読み進めながら主体的に学ぶ過程を今のデジタル社会で子どもたちに大切にしていただきたいです。図書館が、あらゆる世代、様々な個性を持ち合わせた市民の生涯にわたる学びの拠点としてさらに発展させるための取組を続けていくよう要望し、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、第2期札幌市教育振興基本計画における誰一人取り残されない教育の推進について、何点かお伺いをしたいというふうに思います。  現行の札幌市教育振興基本計画では、学びのセーフティネットの充実という基本施策を掲げ、この10年間、子どもの困りや悩みについては、学校だけではなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、相談支援パートナーなど、様々な外部の方たちと連携しながら取組を進めてきたことは承知をしております。  しかしながら、文部科学省が公表しております令和4年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果に結果によれば、いじめの認知件数は、全国の小・中学校で約66万人、不登校児童生徒数は全国の小・中学校で約30万人に上り、過去最多となっています。  札幌市においてもこの傾向は同様でありまして、いじめの認知件数は約1万2,000件、不登校児童生徒数は約4,800人に上っており、我が党としても大変憂慮すべき状況であると考えております。  一方で、この10年を振り返ってみると、子どもの困りや悩みが複雑化、多様化し、それに伴い、子どもたちへの支援の在り方も変わってきているのではないかと感じているところでございます。  第2期札幌市教育振興基本計画の策定に当たっては、教育委員会としてもこのことをしっかりと検証することが必要と考えます。  そこで、質問ですが、現行の札幌市教育振興基本計画の期間における困りや悩みを抱えた子どもへの支援の在り方がどのように変化してきたと捉えているのかお尋ねをいたします。 ◎廣川 児童生徒担当部長  現行の計画における困りや悩みを抱えた子どもへの支援の在り方の変化についてお答えさせていただきます。  現行の札幌市教育振興基本計画が策定されました平成26年以降、子どもを取り巻く環境が目まぐるしく変化をし、全国的ないじめの深刻化、あるいは、不登校要因の複雑化、多様化を受けまして制定されましたいじめ防止対策推進法、そして、教育機会確保法に基づく取組が進められてまいりました。  また、地震、大雪、酷暑などの自然災害や、新型コロナウイルス感染症などで心理的な不安を抱えた子どもへの対応、障害者差別解消法に基づきます合理的配慮の提供、様々な性の在り方への配慮、こうしたことも求められております。  このような新たな状況に適切に対応するためには、様々な困りや悩みを抱えた子ども一人一人の状況に一層丁寧に寄り添った取組の必要性が高まっていると認識しております。 ◆福田浩太郎 委員  目まぐるしい変化の中で新たな課題に対応しなくてはならないということ、また、きめ細やかな支援の重要性ということが見てとれるということでございます。そうした教育委員会のトライについては理解をいたしました。  支援の在り方の変化を踏まえて、今、提案されております第2期札幌市教育振興基本計画における教育アクションプランを見てみますと、いじめや不登校をはじめとする困りや悩みを抱えた子どもへの支援については、今後5年間で重点的に取り組んでいく三つの重要項目の一つである誰一人取り残されない教育の推進として掲げられています。  その重要項目にある一つ一つの具体的な事業を確実に推進していくことで、困りや悩みを抱えた子どもへの支援を一層充実させてほしいと考えるところでございます。  そこで、お尋ねをいたしますが、第2期札幌市教育振興基本計画における誰一人取り残されない教育の推進の取組の方向性についてお尋ねをいたします。 ◎廣川 児童生徒担当部長  第2期札幌市教育振興基本計画における誰一人取り残されない教育の推進の取組の方向性についてお答えさせていただきます。  社会が急激に変化する状況下にあっても、全ての子どもの個性を尊重し、どの子どもも自らの可能性を発揮しながら学び育つことができる環境を整え、教育活動の充実を図っていくということが何より重要であると考えております。  そのためには、不登校や学校生活上の支援を必要とするなど、様々な困りや悩みを抱えた子どもに対する新たな学びの機会の提供を進めるとともに、学校だけではなく、地域とともに目指す子どもの姿を共有し、小・中9年間を見通して子どもの学びや育ちを支える取組を進めていく所存でございます。  教育委員会といたしましては、第2期札幌市教育振興基本計画の下、人間尊重の教育を基盤に据え、子ども一人一人が自分が大切にされていると実感できるよう、誰一人取り残されない教育の推進を確実に進めてまいります。 ◆福田浩太郎 委員  今、ご答弁にありましたように、誰一人取り残されない、取り残さない教育の推進に向けて、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  私からも、今のお答えに重なるところがございますが、関連のある具体の要望について幾つか述べて終わりたいというふうに思います。  初めに、自己肯定感についてでありますが、一つ目の重点項目にも関わるところでありますが、こうした自己肯定感や意欲の向上のみならず、感性や創造性を育む文化芸術、スポーツ体験、自然体験、社会体験など、活動体験の充実について取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、コミュニティスクールと地域学校協働活動を一体的に推進し、地域の子育て、教育拠点としての学校づくりを進めていただきたいというふうに思います。そして、個別最適な学びを通じて一人一人の創造性を育むGIGAスクールの充実もお願いいたします。  さらに、障がいがある子どもと障がいがない子どもができるだけ同じ場でともに学ぶとともに、個々の教育的ニーズに応じた多様な学びの場を整備するインクルーシブ教育システムをぜひ推進をしていただきたいというふうに思います。  最後になりますが、不登校特例校やフリースクールなどの柔軟な学びの場の確保、教職員や学習指導員等の充実、訪問相談、オンラインの活用など、地域、民間などと連携して不登校の子どもの支援にしっかりと取り組んでいただきたいということ、以上を求めて質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私からも質問させていただきます。  これまでの10年計画の目標である、教育が目指す人間像、自立した札幌人、これは引き続き継続した次のプランとしていく、ビジョンとしていくということでありました。  私は、子どもに関わる施策のときにとても大事だと思うのは、自己肯定感をどれだけ持つか、そういう子どもが育つかということだと思っております。  これまでの取組の中での評価は、目標に対して、自己肯定感、自分にはよいところがあると考えている子どもの割合、あるいは、人の役に立つ人間になりたいと考えている子どもの割合というのが当初の目標に対して低くなっているということで資料が示されております。  本市は、子どもの権利条例も制定していて、意見表明権や参加する権利、尊重される権利などをきちんとうたっておりますけれども、それらの権利のベースになるのが、自己肯定感をどれだけ持つかということだと思っております。教育が目指す人間像の自立した札幌人ということで、自立と聞くと、これを強く言われると、叱咤されているような、あるいは強制されているようなイメージを持つ方もいらっしゃいますけれども、私は、これは非常に大事なところだと思っております。  教育委員会が目指す自立した札幌人という人間像と、自己肯定感を育んでいくということと、どのような関連を持っていくのか、どのような考え方で教育を進めようとお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎長谷川 学校教育部長  自立した札幌人と自己肯定感を育むこととの関連と、子どもの自己肯定感を育むことについてどのような考えで進めていくのかについてお答えいたします。  自立した札幌人の自立したとは、自己肯定感や自己有用感を土台とし、未来に向かって行動していくことを表しております。今後、ますます予測が難しい社会において、子どもが自ら共生社会をつくり出していけるようになるためには、他者と協働する機会を通して、他者の大切さを認めるだけでなく、自分の大切さを認めることが重要になると認識しております。  このことを踏まえまして、多様な体験活動を通して人や社会とのつながりを持てる機会の充実を図り、子ども一人一人が自分のよさや可能性を実感できる取組を一層推進していく考えでございます。 ◆小形香織 委員  今、自己肯定感、自己有用感を土台とすると答えておられましたが、私はここが本当に大事なところだと思っております。  どうやって子ども自身が自己肯定感を持つようになるのかということを考えますと、私は、大人あるいは他者と子どもが豊かに応答していく関係を築くことだと思っております。例えば、乳児であれば、泣き声を出すことで大人が反応しておむつを替えてくれる、あるいはミルクを与えてくれたりする。これが幼児になれば、言葉はまだ不十分だけれども、何かを指差して発音したりすると、大人がそれに応えてくれる。小学生あるいは中学生であれば、発見したことだとか、分かったことだとか、あるいは分からないことを、どうしてなのかとか、分かりませんとか、こういうことを言葉にしたところ、周囲の大人や教師がそれに応えてくれる。自分が何かを発すれば周りの大人がそれに応えてくれるという関係、これを積み重ねていくことで、子どもは大人を信頼するようになるし、そうやって安心な関係が生まれてくれば、自分らしさを出せる、ここで話していいのだな、自分が発言していいのだな、こういうことの中から、自分にはよいところがあるなという自己肯定感が育まれていく、そういうふうに思っております。  ですから、そのためには、画一的では駄目ですし、あまりにも行き過ぎた競争主義的なやり方でも駄目ですし、ゆとりのある教育環境というものが大事だと思っておりますけれども、この自立した札幌人という人間像を実現する土台となる自己肯定感を育まれるために具体的にどのように取り組むお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎長谷川 学校教育部長  子どもの自己肯定感を育むためにどのように取り組んでいくのかについてでございますが、札幌市では人間尊重の教育を学校教育の重点の基盤として位置づけており、子どもたちがよりよい生活に向けて、多様な人と協働しながら、思いや願いを実現するさっぽろっ子自治的な活動を推進しております。  今後導入を予定している札幌らしいコミュニティスクールにおきましては、さっぽろっ子自治的な活動を取組の柱としており、こうした子どもの手による活動などを通しまして、子ども一人一人の自己肯定感を醸成していく所存でございます。 ◆小形香織 委員  子ども自身の活動というのは本当に大事で、思っていること、感じていることを言葉にし、そして、そのことをお互いに共有しながら働きかけて何かをつくり出していくという関係は本当に大事だと私は思っております。  そのためにも、教員自身が話を聞く姿勢を常に持つとかそういう関係、そういう姿勢を保つためにも、できるだけ多忙な職場は改善していくとか、35人以下学級をさらに拡大するということで、受け持つ子どもの数を少なくしながら目線が行き届くという教育環境をつくっていくことも必要だと思っております。  こうした自己肯定感を育むことと併せて、子ども自身の体力を向上していくということも大変大事だと思っておりますけれども、このたびの前期のアクションプランの中では、課題として体力、運動能力の低下ということが挙げられております。  順天堂大学のある助教授の資料などを見ますと、やはり、子どもの頃の体力をつくるということが大事だという中で、体力というのは大きく2種類に分かれるのだと。健康に関連する体力、筋力とか持久力がそこに該当し、もう一つは、運動に関連する体力で、スキップができるとか、ドリブルができるようになるとか、体をコントロールしたり調整したりする力を指すそうでありますけれども、子どものうちにしっかり体力をつけていくことが生涯における健康な体を維持していくためにも必要なのだということがるる述べられております。  私も、生涯を通じて健康に生きるということは、自立した札幌人を育む上で非常に重要な要素だと考えております。  そこで、伺いますけれども、1週間の総運動時間が60分未満の子どもの割合が逆に増えているということが課題として認識されていると思いますけれども、今後、子どもの体力の向上に向けてどのように取り組んでいくお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎長谷川 学校教育部長  子どもの体力向上に向けてどのように取り組んでいくかについてお答えいたします。  子どもの体力向上に向けては、どの子も運動の楽しさに触れる機会の充実を図ることにより運動習慣の形成へとつなげていくことが重要であると認識しております。  このことを踏まえまして、体育の授業だけではなく、授業以外でも子どもの運動機会を創出するなど、自ら健康を保持・増進しようとする態度の育成や運動習慣の形成など、生涯にわたって健康で豊かな生活を送ることができるよう、取組の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  できるだけ運動の楽しさを実感できるということで、とりわけ冬などは外になかなか出られない中で、札幌の場合は雪というものがあって、ウインタースポーツにも親しめます。スキー学習などの取組などもぜひ進めていただきたいと思っておりますので、今後の具体的な取組に注目したいと思っております。  自分はかけがえのない大切な存在であり、他者からも認められると実感できる教育、また、遊びだとか、スポーツだとか、こうしたもので体を動かすことに満足できる、こういう教育環境をこの計画の中で意識して推進されるよう申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ○竹内孝代 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時7分       再 開 午前2時9分     ―――――――――――――― ○竹内孝代 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第2次札幌市子どもの貧困対策計画(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎山本 子ども未来局長  第2次札幌市子どもの貧困計画(案)について、ご説明、ご報告をいたします。  札幌市では、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、平成30年に札幌市子どもの貧困対策計画を策定し、子どもの貧困対策に取り組んでまいりました。  第1次計画は令和4年度に終了したことから、本年10月まで、附属機関である札幌市子ども・子育て会議におきまして第2次計画(案)をご審議いただき、そのご意見を踏まえて、全庁の関係部局と検討を進め、計画(案)を策定いたしました。  本日、この計画(案)のご報告の後、パブリックコメント及びキッズコメントを実施した上で、今年度中の策定に向けて検討を進めてまいります。  それでは、第2次札幌市子どもの貧困計画(案)の概要については、子ども育成部長の佐藤からご説明いたします。 ◎佐藤 子ども育成部長  私から、第2次の計画(案)についてご説明を申し上げます。  委員の皆様には、A3判横の概要版と計画(案)の本書をお配りしておりますが、本日は概要版に沿ってご説明いたしますので、ご覧いただきたいと思います。  まず、第1章です。  本計画の位置づけですが、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの個別計画の一つであり、関連する計画とも整合を図るものです。  計画期間は、令和5年度から令和9年度までの5年間といたします。  続きまして、第2章 札幌市の子どもの貧困等の現状と課題です。  その下、枠囲みに3点、グラフを抜粋して掲載しておりますが、これは、計画の策定に先立ち、令和3年10月から令和4年4月にかけて行った子どもの生活実態調査の結果の一部となっています。  この調査では、低所得層1から上位所得層まで五つの階層に世帯を分類し、暮らし向き、教育、社会的孤立の状況などにどのような差異が見られるか、把握をしています。  例えば、低所得層1は、2人世帯であれば、年間の手取り収入がおおむね180万円未満となっています。  この概要版には、調査結果を通じて把握された、特に重視すべき四つの現状と課題を掲載しています。  1点目は、貧困、困難の把握と支援へのつなぎについてです。  実態調査の結果からは、所得が低い世帯ほど悩みを相談する相手がいない割合や、制度や相談機関を知らない割合が高いことが分かっています。また、こうした世帯は、家庭内で問題を抱え込み、急を要する事態に至って初めて周囲に助けを求める傾向にあることも把握されています。ここにリスクが潜在化していると考えられることから、こうした子どもや家庭を必要な支援に早期につなげる取組が重要になると考えています。  2点目は、子どもの学びと育ちについてです。  記載のグラフでは、子どもの進学資金の準備のめどが立っていない世帯の割合を所得階層別に比較していますが、このほかにも、体験機会、学習環境に、所得階層間で差異が確認されています。  学びに困難を抱える子どもに対しては、学習のサポートや経済面からの支援を、また、孤立の傾向にある子どもに対しては、安心して過ごすことのできる居場所や健やかな成長を促す体験機会を提供していくことが求められています。  3点目は、子育て家庭の生活についてです。
     記載のグラフは、家庭の経済状況を尋ねる問いに対し、「ぎりぎり」または「赤字」と回答した世帯を所得階層別に比較したものです。  世帯全体では50.4%であるのに対し、低所得層1では81.2%と厳しい状況がうかがえます。これらの世帯に対しては、保護者の就労の安定や経済的な支援の充実を図るとともに、心身の負担が軽減されるよう、生活面からも支えていく必要があります。  4点目は、様々な背景、要因により、特に配慮を要する世帯と若者です。  社会的養護の下で育ったケアリーバーやひとり親世帯は、特に生活基盤が脆弱です。また、ひきこもり、ヤングケアラー、身体的、心理的被害に遭っている若年女性は、特に困難が見えにくい状況にあります。こうした対象については、要因と状況に寄り添ったアウトリーチや伴走型を含む支援が必要になると考えています。  続きまして、第3章です。  まず、計画の基本目標ですが、第1次計画を継承し、子どもが生まれ育った環境などに左右されることなく、毎日を安心して過ごしながら、夢と希望を持って成長していくことができる社会の実現といたします。  計画の対象は、生まれる前の妊娠期から社会的自立に移行するおおむね20歳代前半までといたします。  続いて、施策の展開に当たっての視点ですが、令和元年の国の子どもの貧困対策に関する大綱の考え方を取り入れ、第4章で施策を展開する前に、共通して持つべき五つの視点を明文化します。  続きまして、第4章 具体的な施策の展開です。  ここで、資料の2枚目をご覧いただきたいと思います。  第2次計画では、第2章で把握した現状と課題に対応する形で、四つの基本施策を設定し、施策を推進していきます。  まず、基本施策1、周囲の支えが届きにくい世帯に留意の上、困難を早期に把握し、必要な支援につなげる取組です。  ここでは、1の成長段階に応じた切れ目のない相談支援で、幅広く多くの子ども、家庭にアプローチし、2の配慮を要する子どもと家庭、若者への相談支援で、貧困リスクの高い層に対してアプローチを行っていきます。  続いて、基本施策2、子どもの学びと育ちを支える取組です。  ここでは、1の子どもの健やかな育ちと多様な学びの支援で疾病や障がいを含む育ちの支援のほか、不登校や日本語の不自由な児童生徒に対する学びの支援などを推進し、2の学びを支える教育費の負担軽減、進学支援では、世帯収入に応じた教育費の負担軽減や奨学金の給付などに取り組みます。3の健やかな成長を促す体験活動と子どもの居場所づくりの推進では、体験活動の促進に力を入れていくほか、多様化する地域の子どもの居場所づくり活動などを後押ししていきます。  続いて、右上、基本施策3、子育て家庭の生活を支える取組です。  ここでは、1の安心して出産、子育てをするための生活支援として、ライフステージに応じて保護者の健康と子育てをサポートし、2の保護者の就労の安定や自立に関する支援で、就労の安定と向上、家計再建などの支援を進めます。3の子育て家庭を支える経済支援では、経済的に苦しい状況にある子育て家庭に対し、手当などの金銭給付や経済的な負担の軽減などを行います。  最後に、基本施策4、特に配慮を要する子どもと家庭、若者に寄り添い、支える取組です。  1の社会的養護を必要とする子どもへの支援では、家庭的養育を推進したり、社会的養護から離れた子どもの社会的な自立を支援したりします。2のひとり親家庭への支援では、ひとり親家庭の就労や生活の安定に向けた支援に取り組みます。3の困難を抱える若者への支援では、ヤングケアラーなど社会的な自立に様々な困難を抱える若者に対して、個々の状況に寄り添った支援を行っていきます。  ここで、もう一度、資料の1枚目に戻ってご覧いただきたいと思います。  最後に、第5章 計画の推進です。  この計画では、基本施策ごとに二つ程度の指標を設定いたします。  まず、基本施策1では、世帯に関する指標として、区役所の相談窓口で子育てや生活の相談ができることを知らなかった世帯の割合を設定し、子どもに関する指標として、スクールソーシャルワーカーの支援により児童生徒の状況が改善した、または、改善に向かっている割合を設定いたします。  次に、基本施策2では、子どもの育ちに関しては、自尊感情を高めることを狙いとした取組の成果を測る指標として、自分が必要とされていると感じる児童生徒の割合を設定し、子どもの学びに関しては、生活保護世帯に属する子どもの高校進学率を設定いたします。  基本施策3では、子どもがいる世帯のうち、家計の状況がぎりぎり、または赤字である世帯の割合を家庭の経済状況を把握する根幹となる指標として設定し、その推移を経年で見ていきたい考えです。  このほか、子育てをしていて感じる楽しさと大変さのうち、楽しさのほうが多い子育て世帯の割合を設定し、子育て支援の取組の成果を測ります。  基本施策4は、三つの体系それぞれに成果指標を設定いたします。  社会的養護は、家庭的な環境での養育の推進を図る指標として、要保護児童のうち、里親、ファミリーホームに委託される児童の割合を設定いたします。  ひとり親家庭、困難を抱える若者については、記載のとおり、いずれも就労に関する指標を設定いたします。 ○竹内孝代 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆篠原すみれ 委員  私からは、第2次札幌市子どもの貧困対策計画について、ただいまご説明のあった内容について2点質問いたします。  1点目は、札幌市子どもの貧困対策計画の総括についてです。  札幌市では、2018年に第1次となる札幌市子どもの貧困対策計画を策定し、困難を抱える子どもと家庭への支援に取り組んでおります。  また、これまで、我が会派においては、子どもの貧困対策に関して様々な提言や質疑を行ってまいりました。特に、支援につながっていない見えにくい困難に対応すること、子ども食堂など、地域資源を支援し連携する必要性については強く求めてきたところであります。  加えて、第1次計画において、子どもコーディネーターが配置され、困難を抱える子どもと家庭を早期に支援につなげる取組が進んでいることや、子ども食堂への補助が開始され、現下の物価高騰支援にも取り組んでいることについて評価をしているところでございます。  一方で、この間、新型コロナウイルス感染症への対応に加えて、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発したエネルギー価格や食料品をはじめとする生活用品の物価高騰が長期にわたって続いているという社会情勢もございます。  今なお、先行きが見通せない中、経済的に厳しい状況にある子どもと家庭をしっかりと支え、全ての子どもが夢と希望を持って成長していくことができるよう、引き続き、子どもの貧困対策を推進していく必要があります。  このたび、第2次計画の案が報告されましたが、新たな計画の策定に当たっては、これまでの計画の取組を検証し、次の計画に生かしていくことが重要と考えます。  そこで、質問ですが、現行の札幌市子どもの貧困対策計画をどのように総括しているのかお伺いいたします。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの札幌市子どもの貧困対策計画、1次ですけれども、総括についてのご質問にお答えいたします。  現計画では、平成30年度から令和4年度までを計画期間とし、困難を早期に把握し、必要な支援につなげる取組の推進のほか、保護者の就労や生活基盤の確保など、五つの柱に沿った施策を展開し、一定の成果があったものと考えています。  特に、相談支援体制の強化については、子どもコーディネーターの新規配置やスクールカウンセラーの拡充などにより、子育てなどに関する不安や負担が軽減している人の割合が当初の57.3%から75.3%へと上昇しています。  また、ひとり親家庭への支援については、保護者の就労支援の拡充などにより、働いているひとり親家庭の正規職員の割合が35.8%から44.3%へと上昇しています。  一方、子どもの体験活動支援については、コロナ禍の影響もあり、子どもが体験をしやすい環境であると思う人の割合は56.9%から48.9%へと低下しており、第2次計画ではこれらの事業の充実強化が課題だと捉えています。 ◆篠原すみれ 委員  相談支援や就労支援が進むなど、一定の効果があったこと、一方で、子どもの体験活動支援には課題があるとのご答弁でした。  この数年は、コロナ禍の中で、やはり地域とか職場をはじめとして様々なイベントの実施が難しかったので、やはり数字の低下は仕方ないことかなと思うのですけれども、今現在、インフルエンザがはやったり、これからも、今、分からないような感染症が進むなど、どんな情勢があるのか分からないので、そのようなときに対応していけるような体制もある程度していただければなと思っているところです。  次に、第2次計画における子どもの体験活動の支援についてです。  文部科学省が2022年12月21日付で発表した2021年度子どもの学習費調査では、世帯の年間収入別に見た体験活動などの学校外活動費は、公立、私立学校ともに世帯の年間収入が増加するにつれて、おおむね支出が増加する傾向が見られております。つまり、この調査結果は、世帯の収入が低い場合、学校外活動費にかけるお金が少なくなる傾向にあると言えます。  子どもの頃の体験活動については、これまでも我が会派の代表質問で取り上げてきたところです。  2022年第1回定例会では、次期子どもの貧困対策計画の策定に当たって、体験・交流活動に係る質問をしたところ、秋元市長からは、子どもたちが健やかに成長するためには多様な体験が必要であるという認識とともに、体験・交流活動をさらに進めるとの考えが示されました。  さらに、その後の2023年第1回定例会でも、町田副市長から、体験活動を含めた子どもへの学びへの支援などを一層推進していきたいとのご答弁があったところです。  そのような中、このたび策定中の第2次計画におきまして、子どもの体験活動について、従前からあるプレーパーク推進事業や文化芸術の体験事業に加えて、新規事業として職業体験事業が盛り込まれたことは高く評価いたします。  この子どもの職業体験事業について、子どもが仕事を実際に体験できるというのは、様々な体験活動の中でも、家庭で実践することが難しいことの一つです。  それを行政で担ってくれることは非常にありがたく貴重なことであり、大いに期待しているところです。  テレビや動画サイトで得られない臨場感のあるそのような体験は、本当に重要な、そして、子育ての中でも鍵となるものと思います。  そこで、質問ですが、このたび新規事業として掲げられた子どもの職業体験事業について、狙いを含めて、その概要を伺います。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの子どもの職業体験事業に関するご質問にお答えをいたします。  子どもが将来への夢を描いていく上で職業体験をする機会を持つということは、とても大切だと考えます。  これまで、札幌市では、働く楽しさや世の中の仕組みを学べるよう、小学3・4年生を対象に、子どもが市民となる仮想のまちで、自分で仕事を選び、働いて得た給料を消費、納税する体験事業、ミニさっぽろを実施してきました。  このたびの新しい事業では、子どもが社会や仕事への関心を高めながら、自分の将来を考える大切さに気づくことを狙いとし、小学5・6年生を対象に、実際に大人の働く現場を訪問し、話を聞いたり、仕事をやってみたりする事業を実施したいと考えています。  子どもが生まれ育った環境などに左右されることなく、夢と希望を持って成長できるよう、発達段階に応じて職業体験機会を提供し、将来の自立に向けた後押しをしてまいりたいと考えております。 ◆篠原すみれ 委員  職業体験事業の内容について、ただいまご答弁いただきました。  職業体験では、地域と触れ合いながら、その体験で習得したことを、学校生活やその後の人生に生かすことが期待できます。  また、小学生という年齢で社会を見る目を養い、五感を通して大人の世界を学習できると考えますので、この事業に賛同いたします。  そして、職業体験をはじめ、自然や文化芸術などに触れる子どもの体験活動は、その子自身の自己肯定感を育み、その後の成長に大きな影響を与えると考えます。  また、私としては、不登校やひきこもりの子どもたちにとっても、一歩外へ出るようなきっかけになるのではないかなと期待しておりますし、また、様々な個性を持ち合わせた子どもでも参加できるような工夫をしていただきたいと思っております。  今後とも、子どもたちへの多様な体験活動の提供に取り組んでいただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、第2次札幌市子どもの貧困対策計画について、大きく2点質問をいたします。  1点目は、子どもの居場所づくりの推進についてでございます。  2012年の話ですが、東京都大田区の1軒の青果店が始めた子ども食堂は、その後、一貫して増加を続け、今や全国で7,000か所以上に至っております。一方で、子ども食堂以外にも様々な子どもの居場所が開設されております。日本財団では、困難を抱える子どもや若者を支援する様々な取組を行っておりますが、財団の助成を受け、例えば、沖縄県の本部町では、社会福祉法人と地域の農業者が協働した農業体験ができる居場所事業が展開されております。  また、熊本市では、一般社団法人がひきこもりや不登校の子どもなどを対象として、勉強に加え、調理などの生活スキルや生活習慣を身につけることができる居場所を運営しているところでございます。  札幌市では、第1次の子どもの貧困対策計画において、地域における子どもの居場所づくりの推進を計画事業に位置づけ、子ども食堂への補助を開始いたしました。  今回、第2次計画(案)が報告されましたが、これまで以上に充実した支援に取り組んでいくことが期待をされるところでございます。  そこで、質問ですが、第2次計画において、子どもの居場所づくりの推進にどのように取り組んでいくお考えか、お尋ねいたします。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの子どもの居場所づくりの推進についてのご質問にお答えいたします。  子どもが健やかに成長していく上では、家庭や学校のみならず、人との関わりを持ちながら、自分らしく安心して過ごすことができる多様な居場所が必要だと考えています。  このため、札幌市では、令和2年度から、子ども食堂の運営団体に対して、新規開設時のほか、学習支援の開催など、内容の拡充を図る際にも支援を行ってきました。  そうした中、現在、食事の提供を伴わない形で学生ボランティアによる学習サポートをしたり、遊びや運動、季節のイベントといった体験機会を提供したりするなど、居場所づくりの取組が広がりを見せているところです。  そこで、第2次計画では、支援の対象を、食事の提供をせずとも学びや体験活動などを行う居場所づくりにまで拡大し、子どもが自分の居場所を持ちながら豊かに成長していくことを後押ししてまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  食事の提供のみならず、様々な体験活動を行っている場についてもしっかり支援をしていくということでございました。人との関わりが非常に大きないい影響を与えるというふうに思いますので、支援の拡大をお願いしたいというふうに思います。第2次計画において、子どもの居場所づくりの推進がより一層進んでいくことを期待して、次の質問に移らせていただきます。  2点目は、社会的養護経験者に対する支援についてでございます。  児童養護施設や里親など、社会的養護の下で生活する子どもに対しては、その子どもたちが適切な環境で養育を受けられるよう、公的責任において支援を行う必要があります。また、社会的養護の下で生活する児童は、原則18歳到達後に施設等への措置が解除されますが、措置解除後においても円滑に社会に出ていくことができない子どもも少なくありません。例えば、自立の際に身内から経済的支援が受けられない場合や、初めての一人暮らしにおける金銭管理の問題など、自立に向けては、生活面だけではなく、経済面においても継続した支援が必要でございます。  これらの事情に関しては、第1次の子どもの貧困対策計画における施策の一つである社会的養護を必要とする子どもへの支援の中でも、入所中だけではなく、退所後における支援の必要性が挙げられているところでございます。  そこで、質問ですが、第1次計画期間における社会的養護を必要とする子ども、特に、施設等への措置が解除されたいわゆる社会的養護経験者に対する支援の取組状況についてお尋ねをいたします。 ◎宮本 児童相談所長  第1次計画期間中の社会的養護経験者に対する支援の取組状況についてお答えいたします。  札幌市では、国の制度開始に合わせまして、平成29年度から社会的養護自立支援事業を実施し、児童養護施設等に措置されている児童が18歳到達後も原則22歳まで必要な支援が継続して受けられるよう取り組んできたところでございます。  具体的には、支援コーディネーターによる自立までの計画の作成や相談支援担当職員による生活就労相談のほか、居住費及び生活費の支給等を実施しております。  第1次計画期間における実績としましては、令和4年度までの間に支援を受けられた人数がおおむね約2倍となるなど、伸びが見られているところでございます。  また、直近の令和4年度の利用実績としましては、支援計画の策定を受けた方が53名、生活就労の相談を受けた方が18名、居住生活費支援を受けた方が25名、こういった活用状況となってございます。 ◆福田浩太郎 委員  第1次計画期間における社会的養護経験者に対する支援の取組状況、お聞かせいただきました。  これまで、札幌市では、社会的養護自立支援事業において、児童養護施設等に対する措置解除後の子どもに対して、必要に応じて継続した支援を実施をしており、ただいま伺いましたとおり、一定の成果も得られているものと評価をいたします。  しかしながら、近年は、従来に比べて就職先の拡大や、大学、専門学校への進学の希望など、子どもの施設等退所後の進路の多様化が進んでおりまして、社会的養護経験者に対する支援の必要性がより高まっている状況にある中で、国においても、令和6年度の児童福祉法改正において制度の改正を予定しているというふうに承知をしているところでございます。  そこで、質問ですが、社会的養護経験者に対する今後の支援の方向性についてお尋ねいたします。 ◎宮本 児童相談所長  社会的養護経験者に対する今後の支援の方向性についてお答えいたします。  これまで、社会的養護自立支援事業を継続的に実施する中で、社会的養護経験者は自立後の様々な環境の変化への戸惑いも大きく、結果的に対人関係のトラブルを抱えてしまう場合や、金銭管理の経験不足から経済面でつまずいてしまう例が多いことも認識しております。  令和6年度の改正児童福祉法では、措置解除後の支援対象者の年齢制限が緩和されるほか、社会的養護経験者の孤立を防ぐため、困り事の相談や相互交流の場となる自立支援拠点の設置が求められているところでございます。  札幌市といたしましては、来年度に向けて社会的養護経験者一人一人の状況に寄り添った適切な支援を行うための自立支援体制について検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  今後の支援の方向性について、承知をいたしました。  繰り返しかもしれませんが、児童養護施設等退所時に児童等の5割程度の方が生活費や学費に不安があると回答しているようでございます。  まずは18歳以後の支援を充実させることが重要でございます。
     施設退所後に子どもや若者が安心して社会で活躍できるよう、仕事や住まいなどに関する相談支援、また、先ほどもご答弁にありました居場所の確保を実施する拠点事業、あわせて、身元保証人確保対策の拡充についても検討をしていただくことを求めて、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  これまでの札幌市の子どもの貧困対策計画の策定に当たっても、私どもは、直接的な経済的支援が最も有効だと、計画に盛り込んで、具体的な施策を行うように求めてきたところです。  先ほど佐藤部長のご説明にありましたけれども、子どもの生活実態調査の結果で、世帯の暮らし向きという全体像が話されました。家計の状況について、黒字でもなく、赤字でもなく、ぎりぎり、赤字であり貯金を取り崩している、赤字であり借金をして生活している、これらを合わせた割合というのは、世帯全体は50.4%で、それを所得階層別に見ると、低所得層1が81.2%、それから、世帯類型別で見ると、ひとり親世帯が70.7%と厳しい状況がうかがえるということでありました。  ですから、今回の第2次計画は、これまでの取組をさらに進めると同時に、直接的な経済的支援を軸にした対策をもっときめ細やかなものにする必要があるというふうに考えております。  まず、初めに、これまでの取組や、それから、今後の行おうとする取組において直接的な経済的支援としてどのようなものを実施してこられたのか、また、今後実施されようとしているのか、伺いたいと思います。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの直接的な経済的な支援についてのこれまでとこれからというご質問にお答えしたいと思います。  現在の計画では、児童手当など各種手当の給付のほか、子ども医療費助成や、第2子以降の保育料無償化をはじめとする経済的負担の軽減、それから、札幌市奨学金や就学援助など、学校教育に係る費用の支援などを行ってきたところです。  第2次計画においても、これらを継続する中、子ども医療費助成や、第2子以降の保育料無償化の拡充に加え、札幌市奨学金の対象人数も拡大するなど、困難な状況にある子どもと家庭を経済面からも支えていく考えです。 ◆小形香織 委員  これまでやってこられた経済的な支援を今後の計画の中で一層対象を拡大できるようにという中身であるとのご答弁いただいたと思います。  子どもの医療費の無料化などは、今度のアクションプランの中でも、中学校3年生、その後、高校3年生まで拡大するということが盛り込まれました。アクションプランの中では、安心して子どもを産み育てることができる子育てに優しいまちという、まちづくりの取組の主な事業ということになっておりますけれども、この子どもの貧困対策計画という側面から見ると、これらの事業というのはどのような効果があるのか、どのような目的なのか、伺いたいと思います。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの子ども医療費助成の拡大の効果、目的についてのご質問にお答えいたします。  家庭の状況にかかわらず、全ての子どもが毎日を安心して過ごし、健やかに発育、発達していけることが何よりも大切です。このため、家庭の経済状況を理由として子どもが必要な医療を受けられないという状況はあってはならないものと認識しています。  子ども医療費助成は、子どもの健やかな育ちを支えていく上でも重要な施策であり、第2次計画において、段階的な対象拡大に取り組んでまいります。 ◆小形香織 委員  来年度から対象年齢が拡大される子ども医療費助成であります。  今、経済的な理由として医療が受けられないということがあってはならないからなのだというふうにおっしゃっておられました。この医療費の助成制度というのはどのような周知をされているのか、伺います。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの子ども医療費助成の周知についてのご質問にお答えいたします。  子ども医療費については、まずは、令和6年4月に通院医療費の助成対象を中学生まで拡大するところです。新たに対象となるのは現在の中学1年生と2年生のいる世帯であり、この世帯には、今月、申請書約2万7,000通をお送りし、いわゆるプッシュ型で申請勧奨を行います。  また、現在、広報さっぽろ12月号やホームページにより広く周知を行っており、さらに、市内の医療機関や中学校におけるポスターの掲示により一層の周知を図っていく予定です。  なお、令和7年4月には高校生にも助成を拡大しますが、その際にも同様の申請勧奨、広報などを行っていく予定と承知をしております。 ◆小形香織 委員  プッシュ型で申請を進められるということで、これは本当に大事なことだと思うのです。  やっぱり申請するというハードルがあるのですね。ここをプッシュ型で越えてもらいたいということでお勧めするという点の改善がなされていて、さらに対象も広げていくというのは、本当に貧困対策として大事だと思うのです。  しかし、同時に、子どもの医療費の無料と言いましても、実際には、初診のときに医科で580円、歯科では510円を払うことになっている、これが札幌の医療費無料と言っている中身なのですよね。しかも、同じ月に小児科を受診して、その後、例えば、皮膚科あるいは耳鼻科などと複数の科を同じ月に受診すれば、580円掛ける2、掛ける3というふうに初診料としてやっぱり払うのですよ。  この低所得層1と言われている世帯にとって、病院は無料なのだというところにまだ行き着かない、病院に行けば必ずお金を取られるということになりはしないか、私はここをもっと拡大していくということが必要なのだと思っているのです。初診時の医療費を完全に無料にして子どもの貧困対策として実施するなら、病院に行ったら、子どもの病院についてはどんなときでもお金がかからないということになりますから、それが安心して病院にかかれるということになって、どんなことが、どんな経済的な理由があっても医療は受けられるというふうにしていく、つまり、貧困を抱える家庭を支える施策となると考えますので、ぜひともこうした細かい実施も検討していただきたいと思います。  次のところですけれども、施策3に子育て家庭を支える経済的支援の新規拡充事業として、住宅要配慮者居住支援事業というのが新しく加わっております。これは、入居から退去までの困り事をサポートするものだというふうに説明に書かれております。  困り事として、家賃が払えないというのが最も切実なことではないかと思うのですけれども、こうした場合にどんなサポートがなされるのか、伺いたいと思います。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの住宅確保要配慮者居住支援事業における困り事のサポート、払えない場合のサポートというご質問にお答えいたします。  住宅確保要配慮者居住支援事業では、住宅の確保に課題を抱える方に対して、札幌市居住支援協議会の相談窓口において、相談者の希望に沿った住宅を紹介するなどの支援を行っています。さらに、入居中の困り事についてもサポートできるよう、生活支援サービスや福祉相談窓口の紹介なども行っているところです。家賃が支払えないなど、生活に困窮する方に対しては、生活就労支援センター、ステップを紹介し、ステップでは、住居確保、給付金の相談や申請受付のほか、困窮状態から早期に脱却できるよう関係機関と連携しながら継続的な支援を行っております。 ◆小形香織 委員  相談窓口の紹介だとか、こうやれば給付金が受けられるかもしれないよという支援などはなされるということであります。  しかし、私は、やっぱり、家賃を払えないというのは深刻なことになるというふうに思うのです。家賃が払えなくなったら、住むところを出ていかなければならないということに直結するのではないでしょうか。  家賃が払えない状況というのは、身体的、精神的に健全な状況を保てないということになるのではないかと思うのですけれども、この点はどのような認識でしょうか、伺います。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの家賃の支払いに困窮する子育て世帯に関する認識についてのご質問にお答えいたします。  子どもが安心して暮らしていく上で、子育て世帯が経済的な事情によって家賃を支払えない状況に至ることはあってはならないものと考えています。  このため、先ほどご答弁申し上げました生活就労支援センター、ステップや区役所をはじめとする相談機関において、生活基盤の安定に向けた各種の相談支援を行っているところです。 ◆小形香織 委員  2021年のときのNHKのクローズアップ現代という番組の中で、私には帰る場所がないという、家を失う女性のことをレポートした番組があったのですね。この方は東京にお住まいで、コロナ禍で失業もあったそうですけれども、都営住宅に6月までは両親と兄弟で5人で住んでいた。ところが、家計を支える父親が仕事を失って、これはコロナ禍でということだと思うのですけれども、家賃を3か月滞納して家を失ってしまった。そうしたら、その後は家族が離散して、そして、その方は、公園などを泊まり歩いて、公衆トイレでバケツで水をかぶってお風呂代わりに入っていたなど、ずっと池袋まで歩いた話だとか、ハローワークに通っても仕事が見つからないまま半年が過ぎたというようなことが具体的に報じられておりました。家賃も払えませんから、携帯電話の費用も払うことができないから、ハローワークにつながりたいというところにまでたどり着かないというようなレポートの中身だったと思っております。  つまり、人間らしく暮らしていくためには、家があるということが非常に重要な拠点となるわけで、これを失うことはあってはならないと部長はおっしゃっていましたが、本当にあってはならないと思うのです。  でも、今、札幌市がやっているのは、相談窓口があるから行ってくださいよ、あるいは、ここに行ったら給付金がもらえるかもしれませんから行ってごらんなさいというための支援はするのだけれども、本当に払えなくなったときにどうするのかというところで言うと、私は、さっきも言いましたけれども、低所得層1という状態にある家庭については、やはり家賃を払えるような、軽減をしていくというような具体的な施策が必要だというふうに思っているのです。  ぜひ、都市局などと連携して、子どもの貧困対策として、子育て家庭の生活を支える取組ということで、保護者への家賃負担軽減策を検討するべきだというふうに思うのですけれどもいかがか、伺いたいと思います。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまの子育て家庭の家賃負担軽減策についてのご質問にお答えいたします。  子育て家庭に対する住まいの支援については、入居者を子育て世帯に限定した市営住宅の提供に加え、市営住宅への入居者の抽せんの際に優先的に選考する対象者として、小さな子どものいる子育て世帯を追加することとしています。  また、先ほどご答弁申し上げた生活に困窮する方に対する住居確保給付金のほか、ひとり親家庭向けの住宅支援資金の貸付けなども行っているところです。  引き続き、市営住宅の提供や福祉施策としての住居費の給付などにより、子育て家庭に対する住まいの支援を行ってまいりたいと考えています。 ◆小形香織 委員  給付だとか貸付けというのは非常にハードルが高いのですよ。借りたら返さなければならないですからね。だけれども、さっきも言いましたけれども、低所得層1という家庭は、最初にご説明がありましたが、2人の世帯で年収180万円に満たない世帯ということですね。ですから、こうしたところだけでも前進させるような家賃軽減ということを考えていく必要があると思うのです。  せっかく視点を持って、多面的な支援が必要なのだと今回の計画の中で考えておられるわけですから、ぎりぎりの家計を支えるという点で、成果指標にも、困り事、経済的な支援が必要だということを盛り込んでおられますから、ぜひこうした検討をしていただきたいと思っております。  次に行きますけれども、基本施策2の中に、施策の1として、子どもの健やかな育ちと多様な学びの支援の事業ということで、その一つで、ひとり親家庭学習支援ボランティア事業というものもやっておられるようです。  この事業についてはどのような内容なのか、概要だとか実績について伺いたいと思います。 ◎伊藤 子育て支援部長  ひとり親家庭学習支援ボランティア事業の概要と実績についてお答えいたします。  この事業は、ひとり親家庭の子どもの学習習慣の定着と基礎的な学力の向上を図るとともに、進学や進路等の相談を通して、ひとり親家庭の不安感を解消することを目的としているものでございます。  平成25年度から事業を開始しまして、小学3年生から中学3年生までを対象に、各区1か所、毎週末に2時間程度、大学生等のボランティアによる支援を行っております。  実績でありますけれども、令和元年度には延べ数で3,491人の参加があったところ、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、令和3年度には1,503人まで減少、令和4年度は2,484人となり、参加者は徐々に回復をしてきているところでございます。 ◆小形香織 委員  子どもたちの学習支援とか進路などの相談にも乗っているということでありましたし、大学生が支援に関わっているという点では、身近な大人といっても自分の年齢に近い大学生が親身になって支援しているという点で、これは、将来を築く、あるいは貧困の連鎖を断ち切っていくという点で大事な事業だと思っておりますけれども、今お聞きしますと、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、令和3年度、令和4年度は少し下がっているということでありました。  今後、この事業はどういうふうに進めていかれる方向なのか、課題や方向性について伺いたいと思います。 ◎伊藤 子育て支援部長  ひとり親家庭学習支援ボランティア事業の課題と今後の方向性についてお答えいたします。  令和4年度に実施いたしました、ひとり親家庭の生活と意識に関するアンケート調査によりますと、本事業を知らないと答えた母子家庭が62.5%となっておりまして、認知度の向上が課題となっております。  そのため、今年度から、広報さっぽろ等での周知に加えまして、学校の長期休暇の前に、ひとり親家庭向けの公式LINEで情報発信をするなど、必要なときに必要な情報が届くように工夫をしているところでございます。  引き続き事業の周知に努めるとともに、学習支援や進路相談等を通して、本事業が子どもたちにとって安心して過ごせる居場所となるよう、関係機関と連携しながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  まだ知らないと答えている方が多いようでございますので、今おっしゃられたLINEなどの工夫も含めて、多くのこういう事業を求めている子どもがそこにきちんと入っていけるような誘導というか、お知らせをしていただきたいと思っております。  子どもの学びと育ちを支える施策という中で、今のようなひとり親の家庭学習支援ということもやっておられますけれども、もう一つ、フリースクールに対しても経費の一部を助成する事業をされているという説明が資料の中に書いておりました。  不登校児童へのオンラインによる支援もしているし、相談支援パートナーの配置で早い段階から不登校になりそうな子どもを支援するということもやっておられることになっています。  しかし、札幌の市立学校には不登校になってしまった、そして、フリースクールなら行けるという子どもが、家庭の経済的な事情から通うことができないということが懸念されるわけなのですね。  私、フリースクールに通う子どもを持つ家庭に対しても、経済的な支援策として、例えば、授業料を軽減するとか、無料にしていくとか、こういう、これまでやってきたフリースクールの事業者に対する助成ではなくて、そこに通わせる子ども、家庭の経済的な支援ということでの負担軽減などを検討する必要があると思っていますけれども、この点はいかがか伺いたいと思います。 ◎佐藤 子ども育成部長  ただいまのフリースクールに係る保護者負担の軽減についてのご質問にお答えいたします。  札幌市では、学校以外の子どもの学びの環境づくりを進めるため、不登校児童生徒の受け皿となっているフリースクール等、民間施設に対し補助を行ってきたところです。  この補助事業では、フリースクール等、民間施設の設置団体に対し、配置職員や活動の充実に要する経費の一部を補助することで団体の活動を支援しているところであり、間接的に保護者負担の軽減にもつながっているものと考えております。 ◆小形香織 委員  間接的なのですよね。  この計画は、子どもの貧困の捉え方ということを書いてあって、この計画では、子どもの貧困を主に経済的な問題を要因として、子どもが生まれ持つ環境に様々な困難が生じることにより、心身の健康や周囲との人間関係、学習環境など発達の諸段階に応じて、ということでるる書いてありますね。やっぱり、直接的な、経済的な支援が最も有効なのだという視点に立って、ぜひともこの計画をさらにきめ細やかなものとして進めていただくよう求めて、質問を終わりたいと思います。 ○竹内孝代 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○竹内孝代 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前3時5分...