札幌市議会 > 2023-10-16 >
令和 5年第一部決算特別委員会−10月16日-05号
令和 5年第二部決算特別委員会−10月16日-05号

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  1. 札幌市議会 2023-10-16
    令和 5年第一部決算特別委員会−10月16日-05号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 5年第一部決算特別委員会−10月16日-05号令和 5年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第5号)               令和5年(2023年)10月16日(月曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名(欠は欠席者)     委 員 長  松 原 淳 二      副委員長   藤 田 稔 人     委   員  三 上 洋 右      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  長 内 直 也   欠 委   員  細 川 正 人      委   員  よこやま 峰子     委   員  佐々木 みつこ      委   員  北 村 光一郎     委   員  小 竹 ともこ      委   員  中 川 賢 一     委   員  山 田 洋 聡      委   員  山 田 一 郎     委   員  ふじわら 広昭      委   員  しのだ 江里子     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  かんの 太 一     委   員  あおい ひろみ      委   員  水 上 美 華     委   員  篠 原 すみれ      委   員  定 森   光     委   員  國 安 政 典      委   員  福 田 浩太郎     委   員  好 井 七 海      委   員  竹 内 孝 代     委   員  森 山 由美子      委   員  小 形 香 織
        委   員  池 田 由 美      委   員  田 中 啓 介     委   員  丸 岡 守 幸      委   員  坂元 みちたか     委   員  荒 井 勇 雄      委   員  米 倉 みな子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○松原淳二 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、細川委員からは欠席する旨、鈴木委員からは遅参する旨、わたなべ委員からは好井委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第2款 総務費 第1項 総務管理費危機管理局関係分の質疑を行います。 ◆森山由美子 委員  私からは、円滑な避難所運営のための職員研修について、避難所運営への女性の視点の反映についての2項目質問をいたします。  まず、円滑な避難所運営のための職員研修について伺います。  札幌市第4次地震被害想定におきまして、特に月寒断層による直下型の地震が発生した場合、多くの被害が見込まれ、最大で9万人の方が避難所での生活を余儀なくされると聞いております。  また、この災害想定よりは被害が少なかったものの、5年前の平成30年9月6日には、北海道胆振東部地震が発生し、今まで経験したことのない道内全域の約295万戸が停電するブラックアウトを経験し、避難所の運営におきましても、職員の対応など様々な課題が生じたところです。  その中で、特にトイレ問題に絞って申し上げますと、仮設トイレがレンタル事業者から提供されるまでの間は、排便収納袋を利用した簡易トイレによる対応も想定されるところです。現在、学校職員や区職員、地域住民に対する避難所運営研修が行われておりますが、どうしても地域住民は町内会等の役員に限られているのが現状であり、こうした町内会役員等の皆さんの協力は大切ではありますが、やはり、初動期において重要となるのは、職員の行動が最大の鍵になると思っております。具体的な例を挙げますと、簡易トイレの組み立て方や、利用、廃棄の方法、利用上のマナーなどを町内会の役員と協力しながら周知徹底する必要があります。  そこで、質問ですが、避難所を運営する全職員に対して、現在どのように避難所運営の手法を習得させているのかを伺います。 ◎浅山 危機管理部長  避難所運営方法の習得についてお答えいたします。  避難所運営を担う職員に対しましては、オンラインと実地の2種類の研修を定期的に実施しております。  一つは、災害時、避難所へ派遣される各区の避難所班や震度6弱以上の地震の場合に避難所に参集する特別動員を合わせた約2,000人に基礎研修を実施し、オンラインで避難所の開設方法や初動対応について基礎的な知識を習得するものとなっております。  もう一つは、避難所運営に携わる地域住民、施設職員、区職員を対象に運営研修を実施しております。実際に避難所となる小・中学校で避難所運営の基本的な流れについて学ぶほか、備蓄物資の保管場所や受水槽の使用方法などを確認し、運営能力の向上に努めております。 ◆森山由美子 委員  避難所対応をする職員に対して、基礎研修、それから、運営研修が行われているということが分かりました。ただ、私としては、これらの研修のほかに、実際に避難所の立ち上げなどの具体的な体験が伴ったものがあると、より災害時に円滑な対応ができるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、より実践的な内容の研修を加えたほうがよりよいと思いますがいかがか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  職員へのより実践的な避難所研修についてお答えいたします。  災害時に迅速かつ円滑な避難所運営を行うためには、避難所開設を意識した実践的な研修がより効果的であると認識しております。今年度から新たに、実際に避難所を開設する運営訓練を区職員を対象に実施して、避難者の受付や備蓄物資の配付、簡易トイレの組立て、非常用発電機の使用といった一連の流れを体験する内容を検討しております。  引き続き、研修や訓練の内容については、他都市の事例などを調査研究し、充実させることで、市民が安心して避難できる環境を整えてまいりたい、そのように考えております。 ◆森山由美子 委員  ただいま実践的な研修の機会を増やすとともに内容の充実を引き続き検討していくとの答弁がございました。  胆振東部地震のときには、我が会派として、幾つかの避難所を見て回り、そのときのそれぞれの我が会派議員の一致した実感は、職員の動きに大きな差があるということでございました。市の代表として避難所へ派遣される以上、職員には最低限の知識や行動面での均質化が求められるというふうに思います。あるところでは、避難所となる体育館の鍵を誰が持ってくるのとか、ペットを連れていったら、冷たく帰されたなど、様々でした。  このような災害後、職員の避難所の運営に関する研修も充実が図られてきていることは承知をしましたが、さらなる高みを目指して取り組んでいただくことを要望しまして、次の質問に移ります。  次に、避難所運営への女性の視点の反映について伺います。  大規模災害では、いつも、高齢者、障がい者とともに、人口でおよそ半分を占める女性が様々な場面において厳しい現状に立たされます。特に、避難所では限られた空間の中に多くの人が暮らすため、衛生面やプライバシーの問題から心身の健康を害する人も多く発生し、男女のニーズの違いや、子育て家庭等のニーズが十分に配慮されないことで、必要な物資が提供されなかったり、女性や子どもへの暴力が起こるなど、女性の心身への負担が非常に大きくなることも指摘をされているところです。  具体的な例を挙げますと、仕切りがなく、着替えなどのプライベート空間がほとんどないこと、女性用のトイレは少なく、防犯上からも怖いこと、調理や片づけ、掃除が女性に集中しがちなこと、女性が必要とする物資を男性に要望しづらく、また、男性から生理用品等の物資などももらいにくいなど、挙げれば切りがありません。  こうした女性が直面する問題は、プライバシーや衛生問題など、生活面に関することと、物資や環境の改善が進まないなどの運営面に関することに大別されますが、その多くが避難所運営の場に女性が十分に参画できていないために生じてきております。このため、避難所での生活や運営に女性の意見をもっと反映させていくためには、男女のニーズの違いや子育て家庭等のニーズに配慮するとともに、できるだけ女性の心身の負担を軽減する取組が必要となります。  そこで、質問ですが、女性の視点に立った避難所運営をどのように進めていくことを考えているのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  避難所運営への女性の視点の反映についてお答えいたします。  女性の視点に立った避難所運営を進めるためには、避難所運営の在り方の検討や意思決定の場に多くの女性が参画し、その意見を取り入れていくことが本当に極めて重要だと考えております。そのため、現在の避難場所基本計画の改定時には、学識経験者、関係団体、市民などから成る避難場所基本計画見直し検討委員会において、その委員の半数を女性で構成したところです。  また、計画と同時期に避難所運営マニュアルも見直すため、別途検討会を設置し、男女共同参画課もメンバーとなり、女性の視点を取り入れた改定を行っております。  具体的には、避難場所基本計画において、女性専用エリアの確保を位置づけ、運営マニュアルでは、避難生活が長期化する場合に設置する住民主体の避難所運営委員会のメンバーに女性の参画を積極的に求めることを明記いたしました。  このようにして、検討の場に入る環境は整ってまいりましたが、意思決定の場にはまだまだ数が少ないように思います。女性ならではの意見がありましても、そうと気づかれず、決定されなければ、前と同じになってしまいます。意見を取り入れるかどうかを決める意思決定の場に女性がいることが必要だと私自身が痛感しております。  今後も、関係部局等と連携しながら、男女共同参画の視点を積極的に取り入れ、避難所生活の生活環境の向上に努めていきたいと、そのように考えております。 ◆森山由美子 委員  避難所運営での女性の視点が大切であると認識され、現状においても様々な点で女性への配慮がなされているとともに、今後の施策等にも女性の意見を反映させていくとのことで理解はいたしました。  こうしたことは、今後もぜひ進めていただきたいと考えておりますが、私としては、札幌市防災会議の現在の女性比率が7.5%となっていることが大変気になっているところです。この会議は、地域防災計画など、専門的な事柄を中心に審議するものであるということは承知をしておりますが、そうしたことを考慮しても、女性の比率が低過ぎることを懸念しております。  市としても、既に推薦依頼団体等にも様々な方法で依頼しているとは思いますが、さらなる働きかけを行っていただく等、女性比率を少しでも向上させる施策検討に尽力をしていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆山田洋聡 委員  私からは、防災・危機管理体制について伺います。  防災・危機管理体制の中で、国民保護共同訓練を踏まえた今後の対応について、市災害対策本部機能に係る札幌市としての認識について伺います。  初めに、国民保護共同訓練を踏まえた今後の対応についてですが、昨今の国際情勢を見ますと、北朝鮮による弾道ミサイル発射事案が頻発しており、隣国、ロシアでは、昨年2月からウクライナに対して軍事侵攻を行い、終息の兆しが見えない中、住民の生命、命が危険にさらされている状況にあります。  国民保護事案におきましては、国、北海道、札幌市がそれぞれの役割分担に基づき対応することとなっており、札幌市では、住民の避難誘導を最重要ミッションとして対応することになっておりますが、このような極めて不安定な国際情勢を踏まえ、昨年の第3回定例会では、我が会派の藤田議員から武力攻撃事態等を想定した危機対応のうち、札幌市が平素からの備えとして取り組んでいる緊急一時避難施設の指定に関する問題意識について伺っております。  その際、市長からは、近年の北朝鮮による弾道ミサイル発射事案、ロシアのウクライナ侵攻などは決して対岸の火事ではなく、緊急一時避難施設の追加指定や市民への周知など、市民の命を守るための取組を進めてまいりたいと答弁をいただいたところであります。しかし、避難施設の指定だけではなく、そもそもの話として、実際にJアラートが鳴ったときに住民が具体的にどのような退避行動を取らなければいけないのかを周知するとともに、市職員の皆さんが、関係機関と連携しながら、どのように武力攻撃事態等に対してオペレーションするのかを身につけておく必要があると考えます。  札幌市では、本年8月4日に政府主催による弾道ミサイルを想定した住民避難訓練と市職員による事態対処を目的とした国民保護共同訓練を実施したところです。我が会派では、常日頃から、危機管理局には自然災害事象以外の危機事象にも先回りして想定しておいてほしいとお願いをしており、今回の訓練はそれを着実に実践されているものとして感謝を申し上げたいと思います。特に、住民避難訓練については、Jアラートが鳴ったときにどのような退避行動を取るべきか、住民への普及啓発につながったと認識しています。  一方、国民保護共同訓練については、各班が機能的に活動していたのか、訓練のための訓練になっていたのではないか、そのようなことで武力攻撃事態等から市民の命を守ることができるのか、疑問を感じたところではあります。  そこで、質問ですが、このたびの国民保護共同訓練を実施するに至った背景と、訓練を実施した結果についてどのように考えているのか、また、今回の訓練を踏まえ、今後の災害対応力向上にどのように生かしていくのかについて伺います。 ◎浅山 危機管理部長  国民保護共同訓練を踏まえた今後の対応などについてお答えいたします。  北朝鮮による弾道ミサイルの発射、ロシアによるウクライナ侵攻など、近年の国際情勢は不安定な状況が続いており、市民の不安感は増していると考えております。このような中、委員がご指摘のとおり、自然災害以外の危機事象にも先回りして考える必要があるとの認識から、政府が、毎年度、地方公共団体を対象として実施している国民保護共同訓練に札幌市としても弾道ミサイルを想定した訓練として初めて参加したものです。  このたびの訓練は、本年2月に策定した弾道ミサイルを想定した札幌市初動対処マニュアルの確認を行うとともに、武力攻撃事態とはどういうものなのか、職員がより具体的なイメージを持つことを主な目的としておりまして、十分な成果を上げたと認識しております。  今後は、より対応の流れがイメージしやすくなるよう、マニュアルの整理を行うとともに、様々な事象を想定した訓練を継続的に実施するなど、職員の災害対応力のさらなる向上に努めたいと考えております。 ◆山田洋聡 委員  危機管理局において考える今後の対応については理解をいたしました。  昨年10月4日、本年4月13日には、北海道を対象としたJアラートが鳴り、弾道ミサイルが通過しておりますが、これがいつ落下してくるか分からないことを考えますと、国民保護事案に対して、他人ごととして捉えてはいけないと、危機事象であると思っています。災害対応の中核を担う危機管理局としては、今後も、自然災害のみならず、武力攻撃事態等に対しても日々の訓練を怠らず、盤石な体制を構築するための準備をさらに進めていただきたいと思います。  次に、市災害対策本部機能に係る札幌市としての認識について伺います。  さきの代表質問において、我が会派の三神英彦議員から、市役所庁舎の建て替えについて質問した際、本年1月に竣工した千葉市役所庁舎の例を挙げさせていただいております。新庁舎には、常設の危機管理センターを整備し、災害対策本部オペレーションルームはもとより、非常時の業務継続に必要な機能を一つのフロアに集約させているとのことであり、市民の命を守る強い意気を感じたところであります。  札幌市では、地震、風水害等の自然災害、弾道ミサイル落下等武力攻撃事態等が発生した場合には、この市役所庁舎12階の1号会議室から5号会議室、そして、災害マネジメントの中軸となる危機管理局分室無線統制室を使って災害対策本部を立ち上げ、災害対応に当たるものと承知しております。  先日、災害対応をするための各種設備や機器が整備されている無線統制室危機管理局分室のほか、1号から5号の会議室を危機管理局の担当の職員に案内していただきました。これらのスペースは、平成30年に発生した北海道胆振東部地震の際に災害対策本部として運用していたということですが、千葉市の設備に比べますと、設備が古く、災害対策本部のスペースも、1号から5号会議室まで全てを使用するにしても狭隘であり、このような設備、スペースで、防災関係機関を交えた災害対応を迅速、的確に行い、市民の命を守ることができるか、8月4日の国民保護共同訓練も見学させていただきましたが、一層の危機感を覚えたのが正直なところです。  そこで、質問ですが、これと同様の設備を整え、災害対策本部スペースを用意している市役所庁舎はほかにもあると思いますが、ほかの指定都市における災害対策関連の施設・設備と比較して、札幌市はどのような認識を持っているのかについて伺います。 ◎浅山 危機管理部長  市災害対策本部機能に係る札幌市としての認識についてお答えいたします。  災害対応の中核を担う災害対策本部において、迅速かつ的確な情報収集と対策を行うためには、ソフト面はもちろんのこと、ハード面の充実も重要であると考えております。施設や設備については、更新時期などを踏まえ、適宜見直しを図っておりますが、委員がご指摘のとおり、ほかの指定都市において、庁舎の建て替えなどに合わせ、災害対策機能を強化した事例があることは承知しておりまして、札幌市としても参考とすべき点があると認識しております。  このことから、現在も、他都市の庁舎を視察するなど、調査研究を行っているところであり、将来における本庁舎の在り方や設備の更新時期を考慮しながら、今後もソフト・ハード両面について災害対策本部機能の強化に努めていく所存でございます。 ◆山田洋聡 委員  災害対策関連の施設・設備に係る札幌市の認識を改めて伺いました。災害から市民の命を守るためには、災害対策本部でのソフト面からの運営の能力向上のほかに、運営の中枢となる市役所庁舎そのもののハード面からの災害対策機能の強化が必要不可欠であります。  私自身、陸上自衛官として13年勤務するうち、10年、本部勤務をしてきた経験から、有事や災害対策は初動のスピードと情報収集が大変重要であるというふうに経験をしてまいりました。各駐屯地司令や部隊長は、全国のどの地の災害においても情報を収集し、災害派遣が決定される前に災害規模に応じて準備を整えているということも少なくありません。特に、大規模災害では、その災害が起きた瞬間から、部隊は、非常呼集といって、全部に連絡がかかり、すぐに集まって即時対応するようなことを夜中からでも準備を進めてまいります。繰り返しですが、これは本当に要請が起こる前から準備を進めているということです。これは、常日頃から自衛隊ではよく使う言葉で、物心両面というのがあるんですけれども、この物心両面の準備をしているからこそ可能であるというふうに考えます。  災害本部の立ち上げをするところからスタートするということでは、全然駄目だなというふうに、正直、考えておりまして、それでは守れるものも守れないというふうに考えます。速やかに国民を守る行動を取るためには、ある程度の精度の情報、このある程度というのは、確約されなければ動けないのではちょっと意味がないので、ある程度の先を想像できるような精度の情報、そして、トップの決心、超スピード力、この三つが何よりも大切なものだというふうに経験をしてまいりました。  このことから、危機管理局では、市民の命を守るための機能的な防災庁舎とすることを念頭に置いた上で、今後も引き続き、他都市の先進的な事例を調査していただきながら、その知見をしっかりと反映させていただくことを求めまして、質問を終わります。 ◆定森光 委員  私からは、札幌市応援者受入計画について質問いたします。  本市は、大規模災害時にほかの行政機関や民間団体などからの支援を効果的に活用するために、応援者受入計画を2016年に策定しております。大規模災害になりますと、本市の職員の一部も被災者になります。その結果、ふだんとは異なる膨大な災害支援の業務に通常よりも少ない職員の数で取り組まなければなりません。災害支援の業務は、被災者の命と暮らしに関わるものであり、適切な災害支援が行われなければ、被災地域の復旧、復興の遅れへと、そして、被災者の生活再建の遅れへと直結をいたします。  一方で、大規模災害が発生すると、全国各地から、協定の有無にかかわらず、多数の応援の申出があります。これらの支援を適切に受け入れることで、不足する人員体制の補強になるばかりか、災害支援の経験豊富な支援者の力を得ることができます。しかしながら、窓口を明確化するなど、受入れ側の態勢が整わないと円滑な受入れにはなりません。本市は、受入計画を策定したことで、適切な受入れができる体制を構築しつつあるものと理解はしていますが、計画策定から既に5年以上が経過しており、この間に地震被害想定の見直しがあるなど、災害支援を取り巻く環境は大きく変化をしております。  こうしたことから、我が会派としては、本計画の見直しを提案してきたところであり、昨年度改定されたものと認識をしております。  そこで、最初の質問ですが、本計画について、昨年度どのような見直しを行ったのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  札幌市応援者受入計画について、昨年度どのような見直しを行ったのかについてお答えいたします。  市内でも大きな被害があった北海道胆振東部地震の経験により、適切な応急復旧作業避難所運営を行うためには、庁内の人員体制とともに庁外からの応援体制を速やかに構築することが重要と改めて認識をしたところです。また、札幌市がシミュレーションした地震被害想定のうち、月寒断層を震源とした場合には、市内全域への影響が特に大きく、災害対応に当たる職員の大幅な不足が見込まれております。  このような背景から、昨年度、応援者受入計画の改定を行い、危機管理局とともにこれまで庁外への応援要請等の役割を担っていた総務局行政部市民文化局市民自治推進室総務局職員部を加えて構成する応援調整チームを設置いたしました。このチームは、市職員の配置と他自治体などからの応援者の調整を一体的に行うことを目的としており、災害時の人材受入れをより迅速かつ的確に実施するための体制としております。 ◆定森光 委員  今の答弁で、複数の部局で構成をする応援調整チームを設置したということでした。市役所の内部からの応援、そして、外部からの応援を調整する窓口が今回見直された、整理されたということで評価したいというふうに思っております。  ただ、答弁では、外部からの応援については、ほかの自治体の職員ということは触れられていたんですけれども、ほかがございませんでしたので、次に、外部の応援者について確認をしていきたいというふうに思います。  災害時の応援というと、よくメディアで取り上げられるのが、泥出しや被災家屋の片づけなどを行うボランティアの活動ですが、これらは、災害ボランティアセンターに登録をした一般市民や団体による活動であります。  一方で、こうした災害ボランティアセンターの活動とは別に、災害支援の経験が豊富なNPOや企業等、民間団体が専門性を生かした活動も行っており、こうした外部からの応援も被災地では大きな役割を果たしているところであります。例えば、北海道胆振東部地震のとき、大きな被害のあった被災地では、重機を使った活動、倒壊の危険性のある被災住宅から、家財や農機具とか、あと、ペット、こういったものを救済するために重機を使って取り出すというような活動をしている、専門的な活動をしているNPOもございました。ほかにも、支援物資を提供するだけでなく、避難所の運営について、全国各地で支援をしてきた経験を生かしたノウハウの提供をしている、こうしたNPOや民間企業、大学など、こうした民間団体もございました。被災自治体では不足する資源や経験というものを、多くの専門性あるNPOや企業等が支援を展開しているというのが、今や全国の被災地での状況であります。  国も、防災基本計画などで、災害支援の主体としては、当然、行政もございます、そして、災害ボランティアセンターを運営する社会福祉協議会さんもおります、それに加えて、NPOや企業等、民間団体の役割の重要性も指摘しているところであり、災害支援におけるこれらの3者が連携をすることの意義をまとめたガイドラインを策定しているところでもあります。NPOや企業等、民間団体の支援を適切に受け入れ、連携を図ることによって、行政だけでは解決が難しい被災者の課題にも速やかに対応することができます。  そこで、質問ですが、専門性を有するNPO、企業等、民間団体との連携についての本市の認識を伺います。 ◎浅山 危機管理部長  専門性を有するNPO、企業等との連携についての認識についてお答えいたします。  非常災害時において、専門的な知識や経験を持つNPOや企業といった関係団体などによる応援協力は、状況によってはとても大きな力になると受け止めております。そのような中、過去、実際に応援が行われた他都市の事例では、瓦礫撤去のほか、外国人の避難者への通訳サービスや生活相談員の派遣など、様々な分野で活躍したことを承知しております。  このような支援は、行政からの公助が行き届かない局面で特に重要な役割を果たすことから、関係団体等がその強みを最大限に発揮できるよう、災害に関する情報の共有を密に行うなど、しっかりと連携を図ることが必要と考えております。 ◆定森光 委員  今の答弁で、専門性を有するNPO、企業等とも災害時に情報共有を密に行っていきたいという答弁をいただきました。ぜひ進めていきたいとお願いしたいと思います。  連携の意義というのは、被災者のニーズを把握するということにもつながっていきます。行政としては、どうしても特定の地域や特定の状況にある人たちを被災者として想定した支援をしていくわけですが、それでは見落とされる被災者のニーズというのもあります。  例えばですけれども、自主避難所や在宅避難者など、行政が想定していた場所以外にいた被災者のニーズを、NPOや民間企業など、民間の団体が把握して、行政と適切に情報共有することで、広く被災者のニーズを拾うことができるということが被災地では見られることであります。行政内部の支援の限界というものが被災者支援の限界とならないよう、専門性のある民間団体とも連携をして、多様な被災者ニーズに応える災害支援となるということを期待したいと思います。  さて、災害時に異なる関係機関同士が密な情報共有をしていくには、平時の体制づくりが重要となってきます。  そこで、次に平時の体制づくりについて伺っていきます。  さきの我が会派の代表質問にて、災害ケースマネジメントに関する質問をしたところ、災害時に被災者の状況に応じた支援が円滑に行われるよう、関係団体や民間事業者と平時からの連携を図りたい旨の答弁がございました。  内閣府の災害ケースマネジメント実施の手引きでも、社会福祉協議会さん、そして、NPO等の民間団体との連携について、発災後から体制を構築していては支援の実施開始の遅れにつながるということから、平時からの顔の見える関係づくりを進めていく必要があるという指摘がされております。外部からの支援を円滑に受け入れられるよう応援調整チーム設置を明記したところですが、これがしっかり機能するには、平時から、関係部局、社会福祉協議会、そして、専門性を有するNPO、企業等、民間団体がお互いの活動内容の理解とどのような連携が可能かを共有し合うことが必要であると考えます。  そこで、質問ですが、応援を円滑に受け入れるための課題と今後の平時における取組について伺います。 ◎浅山 危機管理部長  応援を円滑に受け入れるための課題と平時における取組についてお答えいたします。  外部からの応援を円滑に受け入れるためには、災害時の受入れ手順を明確にしておくことに加え、協力を求める業務について事前に想定しておくことが重要と認識しております。このため、被災経験のある自治体から、特に有効だった支援の内容や、復旧、復興までの関係団体等との連携体制についてヒアリングを行うなど、様々な事例を把握していくことが必要と考えております。  その上で、全国から差し伸べられる応援の手をしっかりとつかむことができるよう、平時から、社会福祉協議会等と意見交換を重ね、連携を深めておくことで、有事の際の適切な体制構築につなげてまいりたいと思っております。 ◆定森光 委員  平時からの体制づくりということで、先ほど一つは被災自治体にヒアリングをしていくということでした。今、答弁の中でも復旧・復興期までを視野に入れた調査ということでありました。ぜひ、そこは大事にしていただきたいというふうに思っております。一人一人の生活再建支援を行う、これは、災害ケースマネジメントという概念で、今、被災地の支援活動の重要な考えとなっておりますが、復旧・復興期までしっかりと視野に入れていただきたいというふうに思っています。各局面によって必要となる応援が違うということを踏まえた調査となることを要望したいというふうに思っております。  もう一点ですが、平時の取組として、社会福祉協議会などとの意見交換も重ねていきたいという答弁がございました。北海道胆振東部地震のときを例にいたしますと、厚真町など、災害ボランティアセンターが活動を始めたのは、発災から約1週間たっております。この立ち上がるまでの1週間の間に、もう全国、道内各地から専門性のあるNPOや企業は、多数、私も当時現場にいたんですけれども、60を超える団体が災害ボランティアセンターとは別に様々な専門的な活動を行っておりました。  社協さんは、災害ボランティアセンターの立ち上げ準備で非常に忙殺されておりまして、こうした専門性のあるNPOや企業などの受入れ調整までをするのはなかなか困難さがあります。  防災基本計画には、NPO等、民間団体の支援調整をする災害中間支援組織というものが行政と連携することの意義が明記されております。災害支援に経験豊富な全国のNPOや企業などとの関係を持つ災害中間支援組織と応援調整チームとの連携もぜひ視野に入れていただくことを最後に提案して、私からの質問を終えたいと思います。
    ◆竹内孝代 委員  私からは、本年第2回定例会の代表質問で取り上げさせていただきました防災DXについて質問をさせていただきます。  札幌市は、地震や台風などの影響が他の主要都市と比較して少ないと言われてまいりましたけれども、先月は大雨警報が3回も発令され、道路冠水が発生するなど、近年は、自然災害が甚大化、また、頻発化する傾向にあるということを改めて認識しております。  また、少子高齢化の進行や担い手不足の影響等により、災害対応を担う行政職員、また、民間の事業者が減少していく、こういう傾向にありますので、本年第2回定例会の代表質問では、迅速で効率的な災害対応を行うために、デジタルの力を最大限活用する防災DXを取り入れていく必要があると主張をさせていただきました。  市長の答弁では、重要との認識、先手の対応を可能とする技術の検討などが示されたところでありますけれども、先月公表されました第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023の計画事業には、早速、防災・減災DX推進事業として盛り込んでいただき、スピード感のある対応を評価いたします。  北海道胆振東部地震から5年を迎えました。私自身、復興に向けて被災者の方々と一緒に乗り越えてきた歩みの中で、これまで、札幌市の防災・減災対策の強化、また、災害に強い札幌の構築に向け、多岐にわたる視点で質疑をさせていただいてまいりました。今後は、市民を守り、そして、観光やビジネスで訪問をされる方々を守り、そして、まちを守るためには、これからの札幌の防災対策を進める上で、この防災DXは大変重要なものになると考えております。  そこで、まず初めの質問ですが、今回のアクションプラン2023に盛り込んでいただきました防災DXについて、考えておられる取組内容、また、その期待される効果についてどう考えておられるのか、お伺いをいたします。 ◎浅山 危機管理部長  アクションプランで実施していく防災DXの取組内容とその効果についてお答えいたします。  防災DXの最初の取組としまして、気象情報、雨量、河川の水位、地形などのデータから各地域の大雨や土砂災害などの危険性をリアルタイムに予測しまして、分析や評価を行うシステムを導入する予定でございます。この災害予測評価システムを活用し、経験則のみではなく、正確で客観的なデータに基づく意思決定を行うことで、例えば、市民が、危険な夜間を避け、安全な時間帯に避難できるよう、避難情報を早めに発令するといった素早い判断が可能になるものと考えております。  また、道路や河川、上下水道などの公共インフラや避難所などへの対応に必要な人員の配備などを先読みし、先手の災害対応を行うことで、災害時における被害の最小化を図ってまいりたい、そのように考えております。 ◆竹内孝代 委員  ただいま、災害予測評価システムを導入するということ、それによって避難情報を早期発令することができますので、素早い判断が可能となるといったこと、また、災害対応に必要な人員、これについて配備を先読みすることができるということで、先手の災害対応が可能となるのではないかといった答弁であります。最新の技術を活用いたしまして、災害、また、被害の予測を行っていくということは、市民の安心・安全が守られていくためには大変重要な取組であると思います。速やかなシステム導入を求めておきます。  さきの定例会代表質問では、国が進める防災DX官民共創協議会に参加をしているといった答弁もいただきました。これは、国や民間事業者との情報交換、また、連携を視野に入れているものと推察をしております。私もこの協議会についていろいろと勉強させていただきましたけれども、示唆に富む議論が展開をされておりまして、自治体による防災・減災対策、また、災害対応力をより一層強固にするものであるというふうに感じております。  札幌市がこの協議会で得られた知見等を活用して、防災DX事業を、効果的、また、効率的に推進していくためには、危機管理局単独ではなく、全ての部局と連携をして市全体として取り組んでいただきたいというふうに考えております。  そこで、質問ですけれども、この防災DX官民共創協議会における札幌市の活動内容、どのようなものを考えておられるのか、また、札幌市内部における今後の連携についてお伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  防災DX官民共創協議会における活動内容と市内部における連携についてお答えいたします。  協議会では、自治体部会のコアメンバーとして参画しておりまして、自治体内部におけるシステム間のデータ連携など、全国に共通する課題解決に向けて、議論や取組を進めております。また、協議会では、デジタル庁と連携しまして、防災分野のDX推進に向けた取組を行っております。札幌市は、小田原市で実施されるデジタル技術を活用した避難者支援の実証実験への参加を予定しております。  協議会で得られた知見などを生かすため、市内部の連携については、各局が保有するデータを有効に活用することで、より迅速で効率的な対応が可能となることから、関係部局とともに検討を進めてまいります。 ◆竹内孝代 委員  この協議会では、札幌市が自治体部会のコアメンバーとして参画をされているということで、今後、小田原市の避難者支援の実証実験、こちらにも参加をされるということであります。今後の取組に期待をさせていただいております。また、内部連携につきましても、今、迅速、効率的な対応が可能となるのでしっかり共に連携して検討していきたいといった答弁でございました。ぜひ、具体的に進めていただきたいと思っております。  先ほども申し上げましたけれども、突発的な大雨や今夏のような猛暑、また、一昨年経験した大雪など、近年の札幌の気象状況というのは大きく変化をしてきております。これからの防災対応は、こうした気象状況の変化を考慮することも必要かと考えております。例えば、人口約200万人を擁する積雪寒冷地として、大雪時でも通行可能な道路情報、また、災害時に即時開設可能な避難所情報などを職員や事業者が即時に把握して市民へ情報提供を行っていくといったことは、今後重要になってくると考えております。  そこで、質問ですが、導入予定の、先ほど答弁いただきました災害予測評価システムに加えて、今後、札幌にとって必要な防災技術、また、システムとはどのようなものだと考えておられるのか、また、それらを活用できた場合には、期待される効果をどうお考えなのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  札幌にとって必要な防災技術やシステムとその効果についてお答えいたします。  札幌市にとって、被害情報や避難所情報などをリアルタイムに共有するとともに、積雪寒冷地である本市の特性を考慮しまして、大雪などの影響を的確に予測して対応するための技術やシステムが必要と認識しております。  現在、名古屋市や浜松市、相模原市などでは、様々なシステムと連動してデータが活用できる機能を導入し、地図上に情報を集約することで、迅速で効率的な災害対応につながっていると承知しております。このような技術は、本市における大雪時の自然災害のような場面においても有効活用が期待されることから、今後も引き続き調査研究を図ってまいります。 ◆竹内孝代 委員  先ほど申し上げました技術、また、システムについて、必要であると認識をしているといったことであります。  この被害や避難所の情報等を本当にリアルタイムに共有していくということ、また、大雪時などの影響を的確に予測していける、そうした技術やシステム、こうしたものは本当に今後の市民生活を豊かにしていく、また、守っていくためには重要であるというふうに思っておりますので、ぜひとも、この導入に向けて検討を進めていただきたいと思っております。  災害に強いまち札幌の構築のために、また、市民の安心・安全な生活の確保のために、この先進事例の知見を活用しました内部連携の強化、また、札幌に適した防災DXを力強く推進していただくよう要望いたしまして、質問を終わります。 ◆山田一郎 委員  私からは、避難所における感染症対策について、また、避難所における非常発電機についての2点質問いたします。  このたび、我が会派の、隣に座っております山田洋聡委員からの代表質問では、避難所における健康2次被害の備えとして、暑さ対策、寒さ対策、感染症対策について質問いたしました。ここでは、感染症対策について質問いたします。  危機管理局になってから2年目となりますが、我が会派といたしましては、これまで、危機管理局の庁内におけるポジションの在り方、多岐にわたる危機への対応方法などについて検討、議論を進めてきたところであります。災害時の対応によっては、市民の命に関係してくる部局であるため、これまで以上に、危機管理局には知見の集積と予算の獲得を望んでおります。  本市にかかわらず、危機管理部局においては、未知の危機をどの程度想定して、どの程度備えをすべきかという悩みが常に付きまとい、避難所での未知の感染症への備えについても同様のことが言えるのではないかと思われます。  そこでまず、本題に入る前に、まず1点質問いたします。  避難所開設後に複数の人数から同様な軽視できない病状が起きた場合、誰がどんな判断をし、どんな連絡系統をたどって対応していくのか、質問いたします。 ◎浅山 危機管理部長  避難所開設後の感染者対応についてお答えいたします。  避難者に感染症の疑いがある場合には、避難所内の感染拡大を防ぐ観点から、避難所運営の職員の判断により、別途設置している感染症室に症状のある方を隔離することとしております。その上で、区災害対策本部の保健医療班と連携し、医療機関の受診などについて判断を仰ぐこととなります。  また、並行して、その他の避難者に対しては、マスクの着用や消毒など、基本的な感染症対策について協力を求め、避難所内でのさらなる感染拡大の予防に努めてまいります。 ◆山田一郎 委員  ただいまの答弁から、避難所の感染患者への対応の流れについてはイメージができました。  それでは、こうしたことを行うために、避難所運営の在り方について、本市職員や避難所になっている学校の教員、地域の方々への周知としてどのように伝えていくのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  感染症に対する職員などへの周知についてお答えいたします。  感染症への対応については、札幌市避難場所基本計画避難所運営マニュアルにおいて、衛生管理の徹底を位置づけております。感染の疑いのある避難者の隔離やマスクの着用、消毒や換気等の基本的な感染予防について周知しているところです。  さらに、避難所運営に携わる地域住民、学校職員、区職員を対象に避難所運営研修を実施しており、感染症対策として、感染症室の設置や専用トイレの指定など、必要な対策について確認しています。 ◆山田一郎 委員  避難所を運営する職員等については、基本的な感染症対策について一定の理解があることが分かり、また、感染症室へ案内されるということも分かりました。  東日本大震災の際では、避難所でインフルエンザが流行した事例もありましたが、このほかにも、感染症には、ノロウイルス感染症や新型コロナウイルス感染症など様々なものがあり、当然、この次に何が流行するのか分からない状況でございます。  新型コロナウイルス感染症においては、感染初期において、全国的にも感染症対策が定まらず、対応が二転三転したことを経験的に学んだと思います。こうした経験を生かし、今後、未知の感染症に対し、避難所で初期対応するために、現状どこまで準備をしていて、今後どのような拡充をしていきたいと考えているのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  感染症に対する現状の備えと今後の拡充についてお答えいたします。  感染症対策として、マスク、消毒液、パーティション等の物資を避難所ごとに備蓄しているとともに、基本的な感染予防対策や発生時の対応について、関係職員等への周知を行っております。  今後、新たな感染症の発生に備え、保健所と連携しながら、様々な感染症に関する情報収集を行うとともに、脅威となり得る感染症に対しては有効性の高い対策を実施してまいりたいと考えております。 ◆山田一郎 委員  未知の感染症となりますので、未知であるわけですから、準備ももちろん完璧にできないかもしれません。しかし、対応などにつきましては、新型コロナウイルス感染症で学んだ部分が多いと感じております。  避難所での未知の感染症への備えを強化していただき、適切な感染症対策のガイドラインを策定し、市民の命を守るために、具体的な対応策を検討、整備、周知、そして、私が一番大切だと考えておりますのは危機管理局の部局横断的な管理体制の強化、これを要望して、次の質問に入ります。  次に、避難所における非常発電機について質問いたします。  平成30年9月6日3時7分、北海道胆振東部地震が発生し、この地震に起因して、道内全域の約295万戸が停電するブラックアウトになりました。札幌市は、この地震における対応を検証するため、振り返りを行った上で、平成31年3月に対応検証報告書を作成しております。この報告書には、改善に向けた取組の中で、停電による影響のところで避難所の停電対策が掲げられ、内容としては、停電を想定した設備や備蓄物資を検討すると記載されております。  この報告書の公表後、間もなくして、可搬型非常用発電機の購入が行われたと記憶しておりますが、ここで質問ですが、胆振東部地震から5年を経過した今、避難所における非常用発電機の整備状況について、現状どうなっているのか、まず伺います。 ◎浅山 危機管理部長  避難所における非常用発電機の整備状況についてお答えいたします。  基幹避難所での可搬型非常用発電機は、小・中学校や区体育館に整備しております。小・中学校の発電機は教育委員会が整備し、そのうち、ガソリン型が約8割、LPガス型が約2割となっております。また、10区の体育館については、危機管理局がガソリンとLPガスのハイブリッド式の発電機を整備しております。 ◆山田一郎 委員  ただいまの答弁も聞きましたが、避難所で関わる部分についても、小・中学校の部分については教育委員会ですし、また、体育館などの避難所には危機管理局、また、まちづくりセンターなどでは市民文化局が対応しているというような形もありますので、所管部署は、かなりまちまちになっている状況でございます。また、機種も、ガソリン型、LPガス型、ハイブリッド型など、多岐に分かれておりました。このような状況では、災害が発生した場合にどのような燃料が必要であるのか分からず、混乱を来す可能性があると考えられます。  本来は、危機管理局において、機種も含めて、一括購入・管理するといった所管部局の一括化が望ましいと考えますが、まずは、非常発電機の管理状況を一元的に管理することから始めることはできないのか、質問します。 ◎浅山 危機管理部長  管理状況等の一元化についてお答えいたします。  非常用発電機の機種については、平時の利便性、効率性の観点と災害時のリスク分散も考慮した上で整備しております。  災害時に必要な燃料を一括的に調達し、避難所を安定的に運営するためには、非常用発電機の一元的な管理が必要であることから、定期的な状況把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆山田一郎 委員  今も、管理状況の一元管理については、今後、定期的に行うというような答弁でございました。これはもう、本当に一歩前進であると思います。  私としては、先ほどの質問でもありましたが、危機管理局が部局横断的に管理体制をする設備、こういったものを早期に実現されることを要望して、私の質問を終わります。 ○松原淳二 委員長  以上で、第1項 総務管理費危機管理局関係分の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前10時53分       再 開 午前10時55分     ―――――――――――――― ○松原淳二 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中総務局関係分及び第11款 職員費 第1項 職員費中総務局関係分について、一括して質疑を行います。 ◆丸岡守幸 委員  私からは、アクションプラン2023を推進していく上での職員力の向上に関して質問をさせていただきます。  先般、2023年度から2027年度までを計画期間とするアクションプラン2023が発表されました。子ども、若者をはじめとする計画事業数600事業、事業費は1兆7,854億円にも及ぶ大きな計画でございます。この新たなアクションプランを推進していくに当たりましては、AIの活用といったことももちろん考えられないわけではありませんが、仕事をするのは生身の人間、つまり職員さんであります。  このアクションプラン2023の中では、札幌市における行政運営の目指す姿として、“市民のために、協働し、挑戦する市役所”を掲げて、その具体的な取組の一つといたしまして、職員力と組織力の向上を挙げております。とりわけ、職員力の向上につきましては、魅力的でやりがいを感じながら働ける市役所を実現する、市民志向を持った職員を育成するとなっておりますが、こうした方針を掲げるのは、市職員が置かれている現状と課題を認識してのことと思われます。  そこで、何点かお聞きいたします。  一つは、若年の職員の定着に向けた働きやすい環境づくりについてであります。  札幌市の職員部からいただいた資料によりますと、30代以下の若手職員の退職者の数が10年前の平成25年におきましては40名ほどであったのですけれども、令和元年には73名にまで増えて、令和4年度には102名と、100名を突破し、ここ10年で何と2.5倍にも増えております。令和2年に端を発したコロナ禍において、民間企業では、飲食業や宿泊業を中心に離職者が相次いで、労働環境が大きく流動化しましたが、市の職員をはじめとする公務員の職場は、リストラに見舞われたわけでもなく、給料も、一定水準、維持されていて、比較的安定しているように見えましたので、この若手職員の退職の急増は一体どうしたことか、何かあったのかと驚いた次第でございます。  そこで、若手職員の退職の要因を職員部に確認してみますと、給料水準が低いとか、仕事の内容が単調で裁量の余地がない、それに、結婚や育児、介護といった家庭の事情が上位を占めているほか、上司を含めた職場の人間関係に耐え切れなくて退職に至ってしまったというケースが多いようでございます。  そこで、質問でございますが、この若手職員の退職問題については、これまで、議会の場でも時折質疑がなされているとのことでありますが、アクションプラン2023で掲げられているところの若年職員の定着に向けた働きやすい環境づくりに向けて、具体的にどのような取組を展開されようとしているのか、まずお伺いいたします。 ◎保木 職員部長  若年職員の定着に向けた働きやすい環境づくりについてお答えいたします。  近年の本市若年退職者の数は、雇用の流動化の進行に伴う全国的な傾向ではあるものの、この状況が続くことは、将来的に、組織の持続可能性、ひいては市民への行政サービスの提供の維持にも大きな影響を与える可能性があることから、早急に対策を講ずるべき重要な課題と認識をしております。  本市の若年退職者向けアンケートなどから得た退職要因の分析結果を踏まえ、自分の描くキャリアを実現できないこと、業務に魅力、やりがいを感じていないこと、職場での人間関係がうまくいっていないことといった組織的な課題に着目し、若年職員がやりがいを感じながら働き続けられる環境づくりを進めてまいります。  具体的には、職場の魅力を共有する仕組みを構築することで、若年職員が主体的にキャリアデザインを描ける環境を整えるとともに、そうしたキャリアの実現につながる人事配置の在り方などを検討いたします。また、優れた業績を積極的に認め、それに報いる人事施策の検討、さらには、職場内での管理職と若年職員とのコミュニケーションの活性化や、職場や職域を超えた若年職員同士のコミュニティー形成などを支援する取組を行います。  これらの取組を中心に、他都市での有効な対策も参考にしながら、若年職員にとって魅力的でやりがいにあふれる組織づくりをより一層推進してまいります。 ◆丸岡守幸 委員  若手職員の退職の要因には、労働力不足が叫ばれている中での複雑な事情もはらんでおり、ただいま答弁をいただいた取組内容がすぐに効果を生み出していけるかどうかは分かりませんが、それぞれの職場における管理職の部下への声がけや励ましとか、上司の仕事に取り組む姿勢などが大きなポイントになることも間違いないと思われますので、管理職や係長職への研修や意識啓発を強化していただきたいと考えます。  次に、職員力の向上に関し、女性職員の活躍推進について伺います。  札幌市では、令和2年8月に、仕事と子育ての両立と女性の活躍をより効果的に推進することを目的といたしました札幌市子育て・女性職員応援プランを策定しており、その中で、妊娠中及び出産後における配慮をはじめ、時間外勤務の縮減や年次休暇の取得促進、女性職員のキャリア形成支援などを具体的な内容として盛り込んでおります。  ただ、そうでありながら、市役所内における女性職員の登用状況を見てみますと、係長職約2,000名のうち、女性の割合は、ここ数年、17%ほどと伸びが見られておらず、課長職以上の管理職約1,000名に占める女性の割合も17%に届かないほどでございます。その要因はどこにあるのでしょうか。  一つ、係長職候補者試験の受験率を見てみますと、男性職員は約6割が受験しているにもかかわらず、女性職員の受験率を見てみますと、ずっと20%台と極めて低い水準にあり、しかも、この受験率は近年下がる傾向にありますので、ここに何らかの理由とか事情が潜んでいるかのように思われます。  そこで、質問でございます。  今回のアクションプラン2023の中では、女性職員の多様なキャリア形成の実現に向けた支援策に取り組むとしておりますが、札幌市において、女性職員の係長職や管理職への登用がなかなか進まない要因をどのように分析しておられるのか、そしてまた、アクションプランの中で掲げる女性職員の多様なキャリア形成の実現に向けた支援策とは具体的にどういったことを示すのか、併せてお伺いいたします。 ◎保木 職員部長  女性職員の活躍促進についてお答えいたします。  女性職員の係長職や管理職への登用が進まない要因を分析し、より効果的な取組を実施するため、今年度、職員を対象に昇任やキャリアプランに対する意識調査を実施いたしました。このアンケートの結果、昇任を望まない、係長職候補者試験を受験しないと回答した女性職員が挙げた理由として、能力に自信がない、役職者の仕事に魅力を感じない、家庭と昇任後の仕事の両立が不安が上位となりました。  これらの背景には、自身のロールモデルが身近におらず、昇任を視野に入れたキャリアが描きづらいことや、子育てなどによる制約から経験業務が限定的になっていることなどが挙げられ、そうした環境が昇任への意欲を持てない要因と考えているところでございます。  これらを踏まえた支援策といたしまして、既に取り組んでいる女性役職者のロールモデルの紹介について、今後は、より多様なキャリアやライフスタイルの事例を取り上げていくことで、昇任後の不安を払拭するとともに、役職者の仕事の魅力を効果的に発信していきます。また、子育てにより限定的になっている経験業務を広げるため、子育て中の職員のキャリアをサポートできる人事配置などについて検討してまいります。 ◆丸岡守幸 委員  今後の女性の活躍促進に大いに期待いたします。  最後に、職員力の向上や女性の活躍促進に大いに関連すると思われます男性職員の育児休暇取得について伺います。  先ほど述べました札幌市子育て・女性職員応援プランの中では、男性職員の家庭での活躍推進ということも挙げられております。これは、男性と女性が協力して子育てすることは、母親の負担軽減はもとより、父親としての自覚の高まりや仕事面での効率化意識の向上にもつながり、仕事と家庭の両立において有意義だとするワーク・ライフ・バランスの考えに基づいたものだと思われます。  そこで、札幌市における男性職員の育児休暇取得状況を見てみますと、令和元年度には僅か6.7%にしかすぎなかったものが、令和4年度には、職種別でややばらつきはあるものの、目標率を上回る38.2%に達しております。  そこで、質問でございます。  この男性職員による育児休暇の取得率が大きく伸びた要因をどのように分析しておられるのか、また、官民合わせて男性による育児休暇の取得率が上昇する一方で、民間企業の中には、その分の補充をどうするか、そういったことで頭を悩ませている部分もあると聞いております。  札幌市では、育児休業の取得率上昇に伴う職員の欠員分をどのように補っているのか、業務に支障が生じていることはないのかを含めてお伺いいたします。 ◎保木 職員部長  男性職員による育児休業の取得率が大きく伸びた要因の分析と職員補充についてお答えをいたします。  令和2年に政府が策定しました少子化社会対策大綱におきまして、男性の育児休業取得率について令和7年末までに30%以上と目標設定されたことなどを受けまして、本市においても職員の子育てと仕事の両立の一層の実現などを推進していくための計画である札幌市子育て・女性職員応援プランを改定し、男性職員の育児休業の取得促進に向けた取組を加速させてきたところでございます。
     具体的には、育児休業期間中の経済的支援制度ですとか、育児休業を取得した男性職員の体験談など、男性職員の育児休業取得を後押しするような情報について、庁内ホームページなどを活用して職員に周知する取組を継続的に実施しております。  また、令和4年度からは、配偶者が妊娠した男性職員に対して所属長が制度を周知した上で、育児休業取得の意向確認のための面談を行うことを義務づけております。その結果を職員部に報告する取組を開始いたしておりまして、男性職員に対する直接的な働きかけを強めたところでございます。  以上のような取組の実施によりまして、男性職員の育児休業取得の重要性が全庁に浸透したことから、育児休業の取得率が大きく伸びたものと分析をしております。  なお、育児休業の取得率上昇に伴う欠員の補充につきましては、これを考慮した上で正規職員の採用数を決定しており、必要な人員を確保した上で各部署へ職員を配置しているところです。  具体的には、育児休業の取得により職場で欠員が生じた場合、原則、正規職員を配置しておりまして、令和5年4月時点で欠員補充の要望があった部署のうち、約96%は正規職員を補充しております。また、正規職員の配置が困難である場合は、会計年度任用職員を配置しており、各職場において業務に支障を来すことがないよう適切に対応しております。 ◆丸岡守幸 委員  市役所内におきまして男性職員による育児休暇取得率が伸びた要因と取得率上昇に伴う欠員の補充に関して答弁をいただきました。  今年6月に閣議決定されたこども未来戦略方針に基づく地方公務員に係る男性職員の育児休業取得率の政府目標との関係について伺います。  この戦略方針の中で、政府は、2025年の一般行政部門における1週間以上の育児休業取得率を85%と非常に高く設定しており、2030年にはさらに高めて2週間以上の育児休業取得率を85%にするとしております。男性職員による育児休業の取得率を高めることは、女性の活躍促進の面でも極めて有効と考えますが、先ほど述べましたように、取得率が高まりますと、その分、欠員分をどのように埋めるか、大きな課題になると思われます。  そこで、質問でございますが、札幌市として、本年6月に示された政府目標をどのように受け止めておられるのか、一生懸命努力して男性職員による育児休暇の取得率を38%までに引き上げることができたのに、それをさらに85%まで引き上げるということは、業務にも支障が出て、到底難しい、無理と考えておられるのか、いやいや、札幌市ならできる、やらなければならないと覚悟を決めておられるのか、率直なところをお聞かせください。 ◎保木 職員部長  本年6月に示された政府目標の受け止めについてお答えいたします。  本市では、男性職員の育児休業取得率について、令和7年度末までに30%以上との目標を設定しており、令和4年度にこれを達成したところでございます。今年6月に閣議決定されましたこども未来戦略方針で新たな数値目標が提示されたことから、本市においても目標の引上げについて検討をしているところでございます。  男性職員が育児休業を取得する必要性や重要性は今後ますます高まっていくものと考えているため、引き続き、代替職員の適正な配置や業務効率化を進めつつ、男性職員の育児休業の取得率向上についても強力に推し進めてまいります。 ◆丸岡守幸 委員  ぜひ、強力に推し進めていただきたいと思います。  札幌市役所において、若年職員の定着に向け、どのようにして働きやすい環境を整備していくか、そしてまた、女性職員について、その登用を含む活躍推進にどのように取り組んでいくのか、さらには、これらにも関連して、男性職員による育児休業取得率をどうやって高めていくのか、答弁をお聞きしていますと、ここに座っておられます管理職の方々の悩みもうかがい知れたような気がいたします。  私は、こんな話を聞いたことがございます。道内のとある銀行、名前は伏せておきますが、その銀行では、学校を出たばかりの新規採用の約3割が入行後3年以内に辞めてしまっているそうです。その理由は、転勤が嫌だとか、窓口業務が苦手だとかいったようなことのようです。銀行の仕事に転勤や窓口業務は付き物のはずなのに、それが嫌だから辞めていく、若手銀行員のお話でございます。  そしてまた、これは別の道内の銀行支店長さんから聞いたお話でございますが、その支店長さんが人材派遣会社に出向されていたときに、一体どんな人たちが次の職場や仕事を求めて登録しているのだろうと思い、リストを眺めていたところ、そこに自分の銀行で働いている仲間、それも中間層としてばりばり働いている年代の名前がずらりと並んでいて大変びっくりされたそうです。何の不満そうなそぶりも見せない銀行員がいつでも辞めてやるぞというような気持ちで働いているのかと思うと、その支店長さんはぞっとされたそうです。  よく、昔から、銀行員と公務員は、お堅い仕事で勤めたら最後までそこでずっと働き続けるというのが日本の風土にもあったようでございますが、働く環境が激変してきていることを痛感させられてしまいます。  そうした中で、いかに職員のやる気を引き出して働き続けてもらうか、女性職員の登用を進めていくのかなど、課題は山積みでございますが、良好な人間関係の構築も含めて、職員力の向上に努めていただきますよう、副市長さんをはじめ、ここに列席されております皆様方にお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆山田洋聡 委員  私からは、これからの広報戦略について伺います。  本市の広報予算は、令和4年度決算では約6億円と、そのうち、広報誌等発行費が約4億3,000万円というふうに大半を占めておりますが、市の広報手法につきましては、ほかに、ホームページ、テレビ、ラジオ、公式LINEなどのSNS、地上デジタルテレビのデータ放送、市中心部や区役所にあるデジタルサイネージ放映、さらには、市長記者会見や報道機関へのプレスリリースの提供による情報提供活動など、様々な媒体や機会を通じて市政情報を届けているというふうに認識しております。また、各部局におきましては、広報部の所管する媒体の利用に加えまして、各事業の予算に応じて様々な手法を活用しながらPRを実施しているというふうに伺っております。  各部局とお話しさせていただきますと、市民のためになる様々な事業を実施していると強く感じているところではありますが、一方で、実施していることが十分に伝わっていないのではないかということを感じることも少なくありません。民間企業で言うと、宣伝広告は、商品を知ってもらい、ユーザーとつながり、売上げをもたらす、まさに一丁目一番地の重要な業務となります。  そこで、質問ですが、一定の予算をかけて様々な媒体を利用し、市民の広報に努めているところでありますが、現在の広報における強みや弱みなどの特徴や課題について、広報部としてどのように捉えているのか、伺います。 ◎斎藤 広報部長  現在の広報におけます特徴や課題についてお答えをさせていただきます。  広報媒体の特性ごとに見てまいりますと、まず、広報さっぽろ、こちらは、市民意識調査によりますと71.4%と、7割以上の方に読まれておりまして、情報取得手段が多岐にわたる現代におきましても、本市の情報提供手段として高い重要性を感じているところでございます。  また、報道機関の協力によるパブリシティーについてでありますが、例えば、先月20日、南区で毒キノコが販売されたという件がございました。こちらに関しては、市から報道機関に情報を提供いたしまして、報道各社にすぐに取り上げていただき、購入された方に健康被害が出る前にお申出をいただくということで最悪の事態を避けることができました。このように、急を要する事態において、市と報道機関が同じ方向を向いて情報を届けられるということが非常に強みであると感じております。  一方、特に若い方を中心に、インターネットニュースやSNSなど、本人の興味のある情報のみをスマートフォンで得ているという方々が増えてきております。そのような方々へ市政情報をどう届けていくかが課題と考えてございます。  市政には、多くの事業、啓発事業がございます。その都度、対象者も異なってまいります。あまねく市民一人一人に市政情報をお届けするということを目指して、各媒体それぞれの特徴を生かして広報に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆山田洋聡 委員  これからの課題ということで言及がございましたが、やはり、今後の個人個人が情報ツールとして手にするスマートフォンに向けて、市がどのように情報を提供していけるのか、その点は重要であるというふうに考えます。そういった点では、まだ市が活用していない手法がインフルエンサーの活用ではないかというふうに思っております。  私も、4月の市議会議員選挙で市民からのご支持をいただくために草の根活動を続けてまいりましたが、その中でも、日々の活動や自分自身の信条を伝えるために、SNSの活用と、その活動にご理解をいただき、見守っていただいたインフルエンサーの力に大きく支えられた経験があります。今この場で質問させていただいておりますが、まさに身をもってインフルエンサーの広報力を実感した一人であります。  広報として活用する場合は、いわゆるトップインフルエンサーと言われるような、フォロワーが数十万を超えるような方たちが適切だとは思いますが、道内にも実は強力なインフルエンサーというのがおります。地元に根差した身近な方々ですので、もちろん一定の予算はかかるというふうには考えますが、市への協力も得られやすいのではないかというふうに思います。  なお、インフルエンサーは、私も誤解していたんですが、単に、見た目など、個人的なキャラクターだけで成功しているというわけでは決してなくて、共感を得る日々の活動の成果に加えまして、投稿の写真や文章などを伝えるという点において、しっかりとしたデータ分析による確かな戦略の結果として多くのフォロワーを獲得するに至っているというふうに聞きました。市の広報レベルアップという観点からも、大いに参考にすべきというふうなところではないかなというふうに思います。  インフルエンサーの活用のいい点は、そのフォロワーからもさらに情報が拡散していくと。ちょっと、つい先日、ネガティブな情報がSNSで物すごい拡散しましたが、本当に何千万人という方が目にするような事態もあったなというふうに、直近にもありましたとおり、さらなる拡散というのが期待できるという点でフォロワー数の数倍の広がりがあるということで、また、情報への信頼度も高くて、実際の行動に結びつきやすいものというふうに考えられます。  そこで、質問ですが、私の経験上、インフルエンサーを活用した広報はこれまでの市の広報をより強化するといった点で有用な効果があると思われますが、広報部としてどのように考えるのか、見解を伺います。 ◎斎藤 広報部長  インフルエンサーを活用した広報についてお答えをさせていただきます。  ただいま委員からご指摘のありましたとおり、これまで、広報部におきまして、ウェブメディア上でインフルエンサーを活用し、市政について広報を展開したという例はございませんでした。若者に向けた情報発信につきましては、引き続き、ウェブメディアやSNSを重要視すべきと考えております。広報すべき事業の分野や対象者、年齢などのターゲットにインフルエンサーの特性やフォロワーの属性、傾向、これが合致するようであれば、今後、活用を検討すべきであると考えてございます。  広報部では、各部局が行う広報について効果的に実施できますよう、これまで、ウェブメディアの活用について様々な研修を実施してまいりましたが、今後、実施する際には、手法の一つとして、インフルエンサーの活用についても各部局の参考になるような情報を提供してまいりたいと考えてございます。 ◆山田洋聡 委員  先ほども述べさせていただきましたとおり、インフルエンサーにつきましては、私自身も効果を実感しているというところで、広報を充実させるのであれば、予算の優先度というものを改めて検討して、変えて活用するということも考えられるというふうに思います。  また、どんなによい事業でも知ってもらわなければ意味がないと、ちょっと先ほども述べましたが、そういった点で、インフルエンサーの活用の前段として、ウェブメディアやSNSによる広報について職員の皆様自身のご理解も高めていただくということも必要ではないかなというふうに考えます。  職員の広報に対する知識やマインドを強化するためにも、広報部の皆様にまずその機会を用意していただきまして、周知していただくということを提言させていただきまして、私の質問を終わります。 ◆あおいひろみ 委員  私からは、指定管理施設における労働環境の改善に向けた取組について、3点質問いたします。  まず、1点目は、これまでの労働環境の改善に向けた取組についてです。  公共サービス分野においても、ほかの産業分野と同様、人材確保対策が喫緊の課題であり、我が会派では、代表質問など様々な機会を捉え、公共サービスにて誇りを持って働く労働者の雇用環境を改善していくことが重要であると主張させていただいております。  本年第2回定例市議会では、昨今の最低賃金等の上昇傾向を踏まえ、指定管理施設における労働環境改善に向け、労働者の賃金上昇を担保する制度を速やかに導入すべきとただしたのに対し、秋元市長からは、本年の賃金改定の動向を踏まえ、翌年度には労働者の賃金に反映するべく制度の内容を詰めてまいりたいとの答弁をいただいたところです。  本日は、その具体的な検討状況についてお示しいただきたいと考えますが、その前段として、これまでの市の労働環境の維持・向上に向けた取組の実施状況について確認をさせていただきます。  指定管理制度は、2006年度から運用が始まり、2018年度には指定期間を4年から5年に延長していると承知しております。また、施設利用者と施設側との継続的な信頼関係が必要な場合など、一定の条件を満たす場合は非公募による選定も可能なこととしており、これらの取組は、労働者にとっては雇用不安の解消の一助になっているものと承知しています。  一方、指定管理制度に関する運用ガイドラインによると、基本方針の一つに雇用問題への配慮が掲載され、サービス水準の維持・向上や雇用の確保を図る観点から、各施設の職員の雇用条件等に配慮することが定められています。  そこで、一つ目の質問ですが、近年、市で取り組んできた指定管理施設で働く職員の労働環境の維持・向上に向けて取り組んできた内容についてお伺いします。 ◎久保田 改革推進室長  私のほうから、これまでの労働環境の改善に向けた取組についてお答えをいたします。  指定管理施設で働く従業員の労働環境の維持・向上に向けましては、これまで、応募者の選定に際して、非正規職員から正規職員への転換に向けた取組の提案がある場合や、市の基準額を超える賃金額を予定する応募者に加点するなどの取組を行ってまいりました。  また、北海道社会保険労務士会に依頼をしまして、指定管理業務への業務検査の立会いや指定管理施設を所管する部署の職員を対象とした実務研修を行うなど、専門家の視点も導入した取組を進めてきたところでございます。  今後も、こうした取組を継続的に行いまして、適正な労働環境が確保されるように、指定管理施設の運営状況などを注視してまいりたいと考えております。 ◆あおいひろみ 委員  これまでの労働環境の維持・向上に向けての取組について確認させていただきました。  一方、気になる点といたしましては、やはり、昨今の電気代等の物価高騰の影響についてであります。指定管理の経営側にとってみると、一定の市民サービスの水準を維持するため、直面する物価高騰などへの対応を優先せざるを得ず、雇用・労働条件への対応、特に最近顕著である賃金上昇への対応が不十分になってしまうのではないかと懸念しています。  このことについては、冒頭お話をさせていただいたとおり、市として、最低賃金等の上昇を踏まえた、いわゆる賃金スライド制度の創設を進めていく考えを示していただいているので、これに大いに期待するところであり、順次、その内容について質問をさせていただきます。  本年8月に、北海道地方最低賃金審議会は、2023年度北海道最低賃金について、現行の920円から40円アップ、率にして4.3%引き上げ、時給960円とするとの発表がありました。また、本年9月に札幌市人事委員会が公表した民間給与実態調査に基づく月例給は、35万4,158円と、前年の34万9,974円より率にして1.2%の上昇値を示しているとのことであり、これらの賃金上昇に基づく給与改定をしっかりと指定管理者にも実現していただかなければならないと考えております。  そこで、質問ですが、現在、市で想定している賃金スライド制度の概要と、実際に労働者に支給されるまでのスケジュールについて、詳細をお伺いさせてください。 ◎久保田 改革推進室長  賃金スライド制度の概要と導入に向けたスケジュールにつきましてお答えをいたします。  指定管理施設で働く従業員の適切な賃金水準を確保することは、雇用の安定化はもとより、困難を増す人材確保の面からも重要と認識をしております。とりわけ、直近では、最低賃金など、賃金水準の大幅な増加傾向が見られることを受けまして、これらの変動に応じまして、2年目以降の指定管理費を変更する仕組みとして、賃金スライド制度を設けるものとしたものでございます。  具体的には、指定管理者が選定時に計画をしました各年度の正規職員、非正規職員ごとの人件費に対しまして、民間給与実態調査に基づく月例給や最低賃金といった変動率を反映させてスライド基準額を算出しまして、その分を、毎年度、予算に計上したいと考えております。その上で、予算議決後、スライド基準額を上限に実際に賃上げを行った分を指定管理者を通して従業員に支給したいと考えておりまして、今年度の最低賃金等の改定を踏まえた賃金上昇分については、翌年度に入って、速やかに従業員に支給ができるようにしてまいりたいと考えております。 ◆あおいひろみ 委員  今年度の賃金改定に基づく上昇分については、今後、来年度の予算案に上程され、議決後、年度初めになるかと思いますが、速やかに支給していく考えとのことでありました。事前にお伺いしたところ、今後、新たに更新する施設だけではなく、既に指定管理を運営している多数の施設に対しても、この制度導入を希望する場合は、協定を改定し、円滑にスライド額を支給していくとのことであったので、大いに期待するところであります。  一方、先行する他の自治体の状況をお聞きいたしますと、課題としては、市からあくまでも指定管理者への支出ということになるので、肝腎なのは、実際に労働者にくまなく行き届くのかということが心配だと聞いております。決して指定管理者の皆さんを疑うわけではございませんが、労働者の方への賃上げをしっかりしていただき、それに対する補填ということでないと意味がないと思っております。他の自治体では、施設へのアンケート等を行い、確認しているとのことでありましたが、もっと具体的に実効性が担保されているかを市としても確認していくことが必要なのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、実際に労働者に賃金上昇分が反映されているか、賃金スライド制度の実効性の担保についてはどのように取り組んでいくお考えなのか、お伺いいたします。 ◎久保田 改革推進室長  賃金スライド制度の実効性の担保についてお答えをいたします。  指定管理者に対しましては、毎年度、従業員の時給や勤務条件についての実態調査を行い、前の年度の同じ調査と比較をして実際に賃上げを行った分について、指定管理者を通して従業員に支給する考えでございます。また、毎年度、指定管理者に対して実施をする実地検査の中でも、賃金台帳などを照合の上、実際に賃上げが行われているかどうか、こういった確認もさせていただく予定でございます。  このように、実際の賃金上昇分を把握の上、補填すること、また、支給実態が適正かどうかを確認させていただくことによりまして、制度の実効性の担保を図っていきたいと考えております。 ◆あおいひろみ 委員  制度の概要については承知いたしました。  要望です。  原則、雇用主である指定管理者にしっかりと労働者の雇用環境を守っていただきたいと考えますが、元をたどれば、公共施設の管理ということもあり、札幌市としても重要な市民サービスの推進を指定管理者にお願いしているということでもありますので、市としてしっかりと労働環境の改善を後押ししていただきたいと考えております。まずは、制度の立ち上げと運用をしっかり行っていただき、適宜、働く方の声にも耳を傾けていただきながら、制度の推進を図っていただきたいです。  また、今回は賃金上昇に関わる対応について取り上げさせていただきましたが、指定管理者の話を聞きますと、やはり、管理上の問題として、光熱水費などの物価高騰の影響が大きいと聞いております。  この点については、丁寧に実態を確認していただき、補正予算の提案を検討されるなど、従業員が安心して市民サービスに打ち込めるよう、円滑な指定管理施設の運営に向け、市側も最大限のご尽力をしていただくことを要望して、質問を終わらせていただきます。 ◆森山由美子 委員  私からは、多文化共生推進費のうち、医療機関受診時における医療通訳の体制整備についてお伺いいたします。  我が会派は、これまで一貫して、多文化共生の推進に取り組む重要性を指摘し、さっぽろ外国人相談窓口や災害時の外国人支援などについて、議会で取り上げてまいりました。札幌で暮らす外国人市民の数は、近年急速に増加をしており、コロナ禍で一時的に減少したものの、水際対策の緩和に伴って急回復し、10月1日時点で1万7,368人と、初めて1万7,000人を超え、過去最多を更新しました。タイムリーに、広報さっぽろ10月号で、国や文化の違いを認め合う街と題して多文化共生の特集が組まれておりましたが、外国人市民は中長期的に増加基調が続くと予想され、多文化共生の重要性はますます高まっていくものと言えます。  こうした中、昨年、市が外国人市民2,000人を対象に実施したアンケート調査では、日本や札幌での生活で困っていること、心配なこととして、日本語のコミュニケーションのことが最も多く挙げられました。日本で生活していく上で、一定の日本語能力を身につけていただく必要はありますが、特に来日して間もない方は、必ずしも十分な日本語能力を有しているとは限らないことから、日常生活の様々な場面で言語面の支援が必要だと考えます。  中でも、外国人の方が言語や文化の違いにより困難を抱えていることの一つに医療の分野があります。まずは、日本の医療制度を理解することが必要になりますし、痛みや不調などの感覚を言語化したり、時には専門用語も必要になるため、言葉が通じなければ、大きなトラブルにつながりかねません。  こうした中、広報さっぽろでも取り上げられていましたが、札幌市では、医療機関受診時に医療通訳を提供する札幌メディカルコミュニケーションホットライン事業を実施し、日本語が不十分な外国人でも安心して病院を受診できる体制整備に取り組んでいると伺っております。  そこでまず、本事業を実施することとした背景を含む事業の概要と利用状況について伺います。 ◎久道 国際部長  札幌メディカルコミュニケーションホットライン事業を実施することとした背景を含む事業の概要と利用状況についてお答えをいたします。  本事業を実施する以前には、日本語が不十分な外国人の方から、どの病院を受診したらいいのか分からないですとか、受診しても病院のスタッフや医師とうまくコミュニケーションが取れないといった声を多く耳にいたしました。それとともに、医療機関におきましても、外国人患者の受入れ体制が必ずしも整っていないという課題があったところでございます。  そこで、本市が設置する多言語コールセンターにおきまして、外国人患者の問合せや予約を一元的にサポートするとともに、受診時に通訳者の派遣や電話による遠隔通訳を行う仕組みを構築してきたところでございます。  昨年度から、対象となる医療機関を登録制から市内の全てに拡大しておりまして、7月から3月までの9か月間に365件の利用がございました。今年度も6月から9月までの4か月間で既に182件の利用がございまして、1か月当たりの件数が昨年に比べて1割増となっている状況になっております。 ◆森山由美子 委員  昨年度9か月間で365件、今年も多いということで、非常に多くの方に利用をされているということが分かりました。やはり、市内の全ての医療機関で利用できるということと、市のホームページを見ますと、電話通訳は24時間対応をしているということで、外国人の方が困ったときに、いつ、どこの病院でも使えるという点が評価を得ているのではないかというふうに思います。ただしかし、先ほどの答弁では、年度途中から、昨年度は7月から、今年度は6月からというように、年度途中からの事業を開始したということで、空白期間があるということは非常に残念に思います。  医療というのは、時に命に関わるため、言葉が支障となって適切な医療が受けられないということはあってはなりません。多文化共生社会の実現を目指す札幌市としては、今後も力を入れていくべき分野であるというふうに考えます。  そこで、質問ですが、本事業の利用者や医療機関からの評価と今後の取組について伺います。 ◎久道 国際部長  本事業の利用者や医療機関からの評価と今後の取組についてお答えをいたします。  利用者からは、コミュニケーションが円滑にできて助かったといった声があるほか、医療機関からも、これまで、言葉が通じず、対応に困っていた場面でも、安心して外国人患者を受け入れることができたといった声を頂戴しているところでございます。  本事業によりまして、外国人の方はもちろん、医療機関にとっても、言語面の負担軽減や安心感につながっているものと認識しているところでございます。これまでは、試行的に実施してまいりましたが、ご指摘のとおり、医療は、生命、健康に直結する分野であることから、来年度からは年間を通じて切れ目なく事業を実施してまいりたいと考えております。  全ての外国人市民が、必要な医療にアクセスし、安心して暮らせる社会となるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  来年度からは、年間を通じて実施予定であるということで、安心をいたしました。継続することで、認知度が高まり、より多くの方の助けになると考えますので、利用者の声に耳を傾け、よりよい在り方を模索しながら、引き続き、支援の充実に取り組んでいただくよう要望いたします。  医療通訳は、一般的にはまだ広く知られていない分野ではないかというふうに思いますが、本事業を通じて、その必要性がより多くの方に理解され、故郷を離れて札幌で暮らす外国人の方が安心して暮らせる社会、まさに誰一人取り残さない社会になることを期待いたしまして、私の質問を終わります。 ◆坂元みちたか 委員  私からは、多文化共生の観点から2点、そして、行政改革と働き方改革、こちらのほうから3点、合計5点の質問をさせていただきます。  それでは、早速、多文化共生の観点から、札幌市施設における表示言語の多言語対応に関して、2点質問をいたします。  札幌市は、多文化共生を掲げ、また、国際観光都市を目指しております。国際的な観光都市を目指すという我々のビジョンは、札幌の将来を考えるとき、極めて重要なものであります。企業誘致になかなかよい結果が出ない中、観光分野は、世界的な知名度とホテルなどの社会資本の充実、北海道の食べ物や自然など、大きく飛躍できる基礎的要件を満たしているからであります。既に現在も多数の観光客の方々が札幌を訪れ、札幌の経済にはなくてはならない分野となっております。  今後、この札幌への来訪者をさらに増やしていき、世界中からお招きをすることがますます重要になってまいります。お招きをする札幌市といたしましても、来訪者にはできるだけのおもてなしをすることが求められます。中でも、訪れた方が不安なく安心して観光を楽しんでいくためには、様々な情報を発信し、しっかりとお伝えできることが大切です。  そこで、一つ目の質問ですが、札幌市の施設や広報物では、ほかの文化圏の方に対してどのような言語を使って各種案内をしておりますでしょうか。 ◎久道 国際部長  札幌市の施設や広報物等における多言語対応についてお答えをいたします。  国際部では、他部局が作成いたしますパンフレット等の資料や施設の案内表示板などにおきまして、札幌市として統一的な表記を促進するために、外国語表記ガイドラインを作成しているところでございます。ガイドラインを作成している言語は、英語、中国語の簡体字、ハングルの3言語でございますが、これは札幌に在住する外国人市民の数、こういったものですとか、来札観光客の多い国などを勘案しまして作成しているところでございます。  庁内他部局の印刷物等を見ましたところ、一部、ほかの言語でも作成されたものがございますけれども、おおむねこの3言語を中心として、多言語対応をしているところでございます。 ◆坂元みちたか 委員  先ほどの質問では観光客に視点を当てましたが、多文化を担うのは観光の方々だけではありません。札幌に在住される方もおられるわけです。札幌市の資料によりますと、札幌にいらっしゃる外国人の方々は、10月1日現在で1万7,368人いらっしゃるとのことです。1番目が中国の方で5,093人、2番目が韓国の方で2,460人、3番目がベトナムの方で2,082人となっております。  先ほどのお話ですと、日本語と英語のほかに中国語とハングルでの併記に力を入れているということでした。これは、一定の利便性向上があり、評価をしたいと思います。しかし、今後もさらにたくさんの国々の方をお迎えしていくわけであります。今は4か国語併記でありますが、今後も、順次、表示言語の種類を増やし、列挙して対応していくと、1言語当たりの表示スペースがどんどん小さくなっていって、結局、全員にとって不便ということにもなると思います。  データをひもときますと、世界で多く母国語として使われている言語は、1位が英語、2位が中国語、これは、標準中国語、北京語です。3位がスペイン語、4位がフランス語、5位がアラビア語、6位がロシア語、7位がドイツ語、8位がポルトガル語、9位がヒンディー語、そして、ちょっと意外なんですけれども、10位が日本語となっております。
     そこで、二つ目の質問ですが、今後も多言語化を進めていくのは、物理的な限界があり、困難なのではとも考えますが、その点、いかがでしょうか。 ◎久道 国際部長  多言語対応に関するご質問でございます。  確かに、委員がご指摘のとおり、在住外国人及び来札観光客につきましては、今後さらに、多様化、多言語化していくことが予想されます。その全てに対応していくことは困難と考えているところでございます。  そこで、今後は、これまで進めてきた多言語対応を継続いたしますとともに、難しい言葉を易しい日本語に言い換えたり、文章のつくりを簡単にしたりしました「やさしい日本語」による情報提供を充実させることにより、外国人にも優しい環境を整えてまいりたいというふうに考えています。 ◆坂元みちたか 委員  限りあるスペースの中で多様な言語の方々に情報を伝えていくことは、極めて困難なことです。しかし、多文化共生を掲げ、国際観光都市を目指していく札幌としては、避けて通れないことでもあります。先ほどの答弁にもありました発想の転換でもあります分かりやすい日本語の工夫という手法も、継続して札幌に在住される方も多数おられるわけですから、有効な手法だと感じました。  現在の表示言語は、日本語、中国語、韓国語、英語の4言語での表記ということをまた改めて考えてみますと、日本語を理解するのは日本の方のみ、中国語を理解するのは中国の方のみ、韓国語を理解するのは韓国の方のみでありまして、つまりは、現状は日本と隣国に対して対応しているに過ぎません。あとは、英語が通じることを祈るのみであります。多文化共生と国際的観光都市を目指すのには、少々お寒い状況と感じるわけです。  この表示言語の問題を他所ではどのように工夫されているか、調べてみました。あくまで一例ではありますが、世界で一番多くの言語の方々が集まっているのはどこか、それは国連であります。国連では、世界中の方々が集まり、互いに国益をかけ、高度な交渉を行っております。では、この国連ではどのような言語が使用されているのか。調べてみますと、英語とフランス語のみが常用語として使用されているそうです。国連の中で国際語として認められているのが、この2言語となります。  これからますます世界の方々をお招きしていく札幌、皆様にしっかり情報伝達をしていくためには、今までと違う手法も必要だと思います。先ほどご説明いただきました分かりやすく工夫した簡単な日本語、分かりやすく工夫した簡単な英語、それから、例えばなんですけれども、分かりやすく工夫した簡単なフランス語というように、言語数を絞って、知恵も絞って十分なスペースを確保するという発想の転換も検討に値すると思います。  最後になりますが、国際観光都市を目指す、これは掛け声だけでは実現困難です。隣国だけではなく、東南アジアから、ヨーロッパから、北米から、南米から、中東から、アフリカから、世界中から、様々な国から札幌を訪れてくださる、それを実現するためには、我々が準備する言語は重要です。  これから、札幌が国際都市として世界中の国々、人々から認められるよう、表示言語をどのように工夫するとよいか、今後、表示言語の調査研究、工夫をされますことを要望いたしまして、多文化共生部門の質問を終わります。  続きまして、業務改革推進部門の質問に移ります。  行政改革と働き方改革の分野で、3点の質問をいたします。  職員の働き方改革についてです。  このたびアクションプラン2023の案が公表されました。子ども医療費助成制度の拡充をはじめ、意欲的なプランだと評価する一方、大きな違和感があります。それは、これだけ多くのやるべき事業があることに対して、やめていく事業、なくしていく事業というものが全く見当たらないということであります。  我が会派は、意味のない仕事や無駄な事業というのを徹底的に排除していくという立場です。この観点から、本日は、仕事の見直し、事業の見直しという観点で、職員の皆様の働き方改革と評価制度の的確な運用について質問をさせていただきます。  まずは、職員の皆さんの働き方改革です。  聞いた話ですと、これは先ほど我が会派の丸岡委員も触れたんですけれども、札幌市職員の採用倍率もこのところ低下傾向で3倍台に落ち込み、若手の職員も、仕事が忙しい、つらいとある銀行では3年で約3割が離職するとのことです。まずは、職員の皆様がアクションプランに掲げるようなこれだけ多くの新しい仕事をしていくためには、コスト意識を持って無駄な仕事をやめていくという観点が必要だと考えます。  加えて、大事なことは、職員の皆様の個々の能力が最大限発揮できる環境づくりであると考えています。職員の皆様一人一人が、例えば、子育てをされている方、介護をされている方、病気をお持ちの方、様々なご事情があるわけです。しかし、これら全ての方々の能力を最大限引き出していかなければ、アクションプランに記載されるこれだけの量の仕事に応えることは難しいんではないかと考えます。  そこで、1点目の質問です。  職員の皆様が意欲を持って働くことができるような環境づくりについて、今後どのように取り組んでいかれるお考えか、お伺いをいたします。 ◎久保田 改革推進室長  職員の働き方改革、意欲を持って働く環境づくり、この点に関してお答えをいたします。  職員の仕事の生産性向上に向けまして、それぞれの職員が持てる能力を最大限発揮できるよう、柔軟で働きやすい環境の整備に向けた取組を進めているところでございます。  具体的には、外勤先や在宅勤務におきましてテレワークが可能となるノートパソコン型の業務端末をアクションプラン期間中に現在の1,000台から8,500台に拡大するなど、職員がどこでも支障がなく業務ができる環境づくりを進めていく考えでございます。  加えまして、時差出勤制度や在宅勤務制度の柔軟化に向けた検討を行うほか、働き方改革の必要性を管理職に浸透させていくなど、ツール及び意識改革の両面から、関係する部局が連携をし、職員が意欲的に最大限のパフォーマンスを発揮できる職場環境の整備を進めていきたいと考えております。 ◆坂元みちたか 委員  本日、まず最初に職員の皆様の働き方の見直しをお伺いいたしましたが、それ以上にしっかり取り組んでいただきたいことがあります。それは、抜本的に業務自体を精査し、時代背景や価値観の変化などから不要と思われる事業は、しっかりと勇気を持って、勇気を持って事業の断捨離をしていくということであります。ここが、我が会派が最も強く打ち出していきたいポイントになります。  冒頭お話しいたしましたとおり、このたびのアクションプランには、やりますリストの記載のみで、やめますリストがないのが誠に残念なのであります。この点では、札幌市はかねてより行政評価制度を運用されており、行政評価委員会という外部の専門家の皆様の意見も踏まえる、その上で個別の事業についての見直しの提言をされていると伺っております。  私も、昨年度の報告書をじっくりと拝見させていただきました。大通駅内の大通情報ステーションや、高齢者の憩の家など、時代背景に合っていないものは改廃に向けた検討を指摘するなど、しっかりと実態を議論されてご提言いただいていると感じました。今年度の行政評価委員会も今年の5月に運営を開始したとのことで、大きく期待をしているところであります。  そこで、2番目の質問です。  今年度、令和5年度の外部評価委員会においては、どのような観点で議論が進められているか、お伺いをいたします。 ◎久保田 改革推進室長  今年度の行政評価委員制度の取組についてお答えをいたします。  札幌市の行政評価制度では、大きく分けまして、市役所内部における自己評価と外部の有識者6名で構成される行政評価委員会における外部評価を行っております。このうち、今年度の行政評価委員会におきましては、市役所の全予算事業のうち、企画立案時に設定をしました成果指標の達成状況が思わしくない事業や、時代背景などから検証が必要な施設など、合計13の事業を選定していただいたところでございます。  現在、委員会におきましては、11月頃の市長への提言に向けまして、各事業における指標の妥当性や、事業そのものの在り方、さらには、事業間の連携の可能性など、こういった視点で活発な意見交換を行っていただいているところでございます。  加えて、今年度は、複数の公共施設が対象として選定されたこともありまして、委員会としまして、施設の現地視察を行ったり、評価委員による所管局の担当者への指標設定に関する勉強会、こういったものも開催するなど、積極的な委員会の運営を行っていただいているところでございます。 ◆坂元みちたか 委員  今年度も、外部評価委員がかなり熱心に行動されていると聞いて大きく期待をしております。しかし、しかしなのであります。委員会で取り上げられる事業数、僅か13事業ということであります。あのアクションプランの量からすると、本当にごく僅かでしかありません。  行政評価委員会で取り上げられ、提言をいただいた事業については、当然にしっかりと各原局でも真摯に受け止めていただく必要があります。しかし、そもそも行政評価委員会で取り上げられない大多数の事業、これらについては、内部の評価で、本当にこの事業は必要かといったことを真剣に議論していただき、事業の断捨離をしていかないと、札幌市の仕事は回らないのではないかと考えます。  そこで、3点目の質問、行政評価制度によって事業の見直しが進むよう、より実効力を高めていくための工夫としてはどのようなことを考えておられるか、お伺いいたします。 ◎久保田 改革推進室長  行政評価制度の実効性の担保、確保についてお答えをいたします。  まず、行政評価委員会において提言しました事業につきましては、指摘後の2年間にわたりまして、予算への反映状況や見直しの経過につきまして、委員会としてフォローアップをしておりまして、必要に応じまして再度指摘を行う、こういった取組をしております。  また、今年度は、効果的な事業推進や見直しを後押しできるように、指標設定の妥当性の観点などから見直しが必要と考えられる複数の事業につきまして、私ども改革推進室より、新たな検討課題を提起する取組も実施しているところでございます。  今後も、これらの取組の充実強化を検討するとともに、評価結果を財政部や政策企画部などとも共有しまして行政運営に的確に反映していくなど、評価制度の実効性の確保に向けた取組を進めてまいりたいと思います。 ◆坂元みちたか 委員  最後になりますが、一つ、この数年、日本の中で急速に認知された概念があります。それが断捨離です。難しい言葉ではありますが、今、日本で断捨離をご存じない方はいないわけです。それだけ日本国民の中で断捨離することの大切さが理解されたということにほかなりません。より充実した人生を送るために、不要なものを捨てる、人間関係を整理する、そうして生み出されたリソースで新たな取組を始め、人生を充実させる、これが断捨離の精神であります。  行政の事業は一度始めるとなかなかやめられない、これは我が会派も十分に承知をしております。しかし、思い切った断捨離を断行することで、浮いた事業費で新たな事業に十分な費用をかけることができる、また、職員の皆様の仕事が楽になるわけであります。特に、職員の皆様の仕事を楽にしていくというのは、喫緊のテーマであると考えます。  札幌の人口も増加期は既に終わり、中期予想では2割減るという試算もあります。足し算を重視する行政から引き算を重視する行政に、思い切った断捨離を断行していただけることを期待し、そして、我が会派としても最大限のご協力をすることをお約束して、私の質問を終わります。 ○松原淳二 委員長  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時3分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○藤田稔人 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆山田一郎 委員  私からは、組織活性化に向けた取組についてと中堅職員を対象にした研修についての大きく2点質問いたします。  まずは、組織活性化に向けた取組について質問いたします。  今、職員のエンゲージメントを高める取組と市役所組織の活性化について、昨今、市では、労働市場の流動化の影響もあり、採用試験の受験倍率が低下傾向にあること、これに加え、内定辞退者の増加、若手職員の離職傾向も見られることであります。  午前中の質問でも、丸岡委員、坂元委員からもありましたとおり、教職員や医療従事者を除き、令和4年4月の採用者は290人であったのに対し、昨年度、令和4年度の1年間の30代以下の若手職員の離職が102人に達していることであり、実に採用人数の約3分の1の若手職員が退職している状況であります。これについては、早急な対策が必要な状況と認識しております。  そのような中、組織活性化を担う改革推進室では、今年度から職員のエンゲージメント調査を実施するということであり、その内容について、順次質問いたします。  エンゲージメントとは、組織と社員の信頼性、関係性の状態を示すものであり、企業活動においては、離職率や労働生産性との相関が示されているところから、昨今では、多くの企業で人的資本経営を行う上で注目される指標の一つになっております。  もとより、企業においては、顧客満足度と従業員満足度、これを相互に高めるため、社員への投資も大事にいたしますし、営業利益といった分かりやすい指標があるため、社員も目標が立てやすいというところがあります。これに対し、市役所の仕事は、市民のために働くという大きな目標はお持ちだと思いますが、一方、若い世代に仕事先としての市役所が選ばれなくなりつつあるという状況については、どのように向かっていくか、問われるところと考えております。  そこで、1点目の質問ですが、このたび、市役所において、エンゲージメントというものに着目し、組織診断を行うこととした背景、経緯について、まずお伺いします。 ◎久保田 改革推進室長  エンゲージメント調査実施の背景についてお答えをいたします。  限られた財源、人員の中で質の高い行政サービスを持続的に展開していくためには、職員一人一人が組織への自発的な貢献意欲を持ち、主体的に業務に取り組むことが不可欠でありまして、この考え方を具体化するエンゲージメント向上の取組が必要と考えたところでございます。  このことから、まず、令和4年の1月に、離職の増加傾向が見られる30代以下の職員を対象に簡易調査を実施いたしました。その結果、職務へのやりがい、成長機会、ミッション・ビジョンへの共感、こういった項目のスコアが低い傾向が見られました。  これを踏まえまして、昨年度になりますが、市長が全ての区役所や市税事務所の若手職員と意見交換する機会を設けたほか、管理職向けのセミナーなども実施をし、組織活性化の重要性を全庁に共有いたしました。  その上で、今年度につきましては、対象を全ての世代に拡大して、エンゲージメント調査を行うこととしたものでございます。 ◆山田一郎 委員  若手職員の離職傾向を背景に、これまでも若手を対象に意識調査を行われたり、市長との意見交換会を設けられたりし、今年度からいよいよ全世代の職員を対象に詳細調査を実施するとのことでありました。  若手職員の調査結果からは、やはり、やりがいや成長機会が低いということで、残念ではありますが、そこは、やはり、市長、今お越しの町田副市長、管理職の皆さん、そしてさらに、本日お集まりの組織活性化、職員人事、職員人材育成を担当する各関係部署の皆さんの力を集結して、よりよい方策を打ち出していくことが重要と考えております。  それでは、今年度実施するエンゲージメント調査の具体的な内容についてお伺いさせていただきます。  事前にお伺いしたところ、10月の2日から調査を実施し、まさに現在、調査を実施中とのことでありますが、調査対象、設問項目など、具体的な調査内容と調査結果を踏まえた今年度の取組内容についてお伺いいたします。 ◎久保田 改革推進室長  調査内容と今後の取組についてお答えをいたします。  この事業の実施に当たりましては、専門の人事コンサルティング企業と契約をいたしまして、教職員や企業局、消防職員、会計年度任用職員などを除く約8,000人を対象としまして、現在、組織診断調査を行っているところでございます。  設問の項目としましては、本市の理念や戦略の職員への浸透の度合い、職員の成長機会や裁量度、組織や上司からの支援の充実度、職場環境の満足度など、自由記載を含めまして合計133問で構成をされております。  今後、速やかに調査結果を取りまとめていく考えでございますが、市役所全体のほか、職場ごとに組織の状況を数値化して、強み、弱みを分析の上、今年度の後半にかけて、具体的な組織風土の改善に向けたアクションとしまして、管理職向けセミナーや特定の部署へのコンサルティングなどの実施を検討しているところでございます。  年度末には、その成果を確認するために、再度、職員全体への意識調査を実施しまして、翌年度、次年度以降の取組の参考とする考えでございます。 ◆山田一郎 委員  今ちょうど8,000人やられているという答弁でございました。今後、結果が出るとのことではありましたが、もしかすると、最初は数値が低く出てしまう可能性もありますが、調査結果と具体的なアクションを継続的に行っていただくことで、数値を上げていってもらいたいと考えています。  日本一前向きな市役所の看板を掲げております大阪の四條畷市では、平成30年度からこの取組を行っておりますが、部長級、課長級の数値が、最初は偏差値で40ほどだったのが、現在はそれぞれ60ほどにまで上昇しているとのことであります。  上司である管理職が元気で意欲やバイタリティーにあふれていると、それが職員にも伝わり、職員の意欲ややりがいも上がり、ミッション・ビジョンに共感し、エンゲージメントも上がってくるのではないかと考えております。  また、これは私が思うところではありますが、官民問わず、新採用職員にとって、1か所目、一番最初の上司というのは本当に重要になると考えており、ここでつまずくと、若者にとっては、市役所で働く意義を見いだせず、また、その後のキャリアに影響を生じるのではないかとも考えております。  若い世代の考え方も、時代とともにどんどん変化しておりますので、管理職の皆さんの思考も、ステレオタイプに俺の背中を見て育てというものではなく、若手職員の得手不得手、特徴をしっかりと見極め、個性や強みを引き出していくということは必要だと考えます。このように、若手職員の活躍のためには、組織のマネジメントを支える各職場の管理職の役割が極めて重要ではないかと考えるところであります。  そこで、質問でございますが、組織をさらに活性化していくため、管理職の皆さんの役割についてはどのように捉えておられるのか、お伺いします。 ◎久保田 改革推進室長  組織活性化に向けました管理職の役割についてお答えをいたします。  各職場の管理職には、その職場の代表としまして、先頭に立って市政の課題や組織課題の解決を担っていく役割があると認識をしております。加えまして、組織や職場を取り巻く環境が変化していく中、管理職は、時代の変化に対応したマネジメントスキルを発揮することが必要でありまして、その向上を促すことが重要とも認識をしております。  したがいまして、まずは、このたび実施をしますエンゲージメント向上に向けた取組におきまして、目指すべき組織の状態とそれに向けて課題解決を図る上での管理職が担うべき役割をしっかりと全庁に共有したいと考えております。  その上で、今後、職員部と連携の上、例えば、調査結果に基づき、管理職向けの研修内容の充実を検討するなど、マネジメント強化に資する具体的な取組についても、順次実施してまいりたいと考えております。 ◆山田一郎 委員  冒頭で申し上げましたとおり、民間では、こういった組織満足度を高める取組は当然のように行われております。ぜひ、市も継続してこの取組を行い、組織を活性化させ、職員の意欲を引き出し、そして、市民サービスの向上につなげていくことに取り組んでいただきたいと思います。  また、若手に限らず、職員の皆さんの意識向上、意欲向上という観点で要望を1点させていただきますが、やる気、熱意、情熱のある職員の意欲を大事にしてもらいたいと考えておりまして、そのための具体的な仕組みとして、人事配置であったり、適正な評価とそれに基づく成果報酬であったり、いろいろな取組が考えられますが、私が特に重要だと考えるのは、職員の自己学習、自己研さんの意欲、これを大事にしてもらいたいというところであります。  職員が自ら進んで学び、それを業務に生かす、市の仕事全般に生かすような環境づくり、具体的には、何かの資格を取得するときの支援であったり、研修メニューの充実であったり、そのような、職員にしっかり投資するということが、今後、若手職員の離職対策、さらには市役所の魅力向上だと思います。そして、入庁希望者の増につながると思いますので、ぜひ、この観点での具体策を検討することを要望して、次の質問に行きます。  次は、中堅職員を対象とした研修について質問いたします。  先ほどもエンゲージメント調査に関する質問でも触れましたが、採用試験の受験倍率が低下傾向にあることや、内定辞退者の増加、そして、若手職員の離職増加等、本市においても人材の確保が困難になるなど、札幌市職員を取り巻く環境は厳しさを増している状況でございます。  加えて、今年度末時点で60歳に到達している職員の方から適用される定年引上げにより、職員の在職期間が長期化するなど、働き方について価値観が異なる世代が共に働く時代が進む中、これまで以上に、職員の能力を発揮させるような人材育成の取組が必要であり、中でも、若手といわゆる高齢期社員のはざまにある中堅職員の役割も重要だと考えます。  我が会派では、これまでも、機会を捉えて、在職期間が経過し、市職員としての責任感、使命感並びに夢や希望が薄れることがないよう、市に当初奉職した原点に適時立ち戻れるような取組が必要と、一貫して主張してまいりました。令和3年3定代表質問でも我が会派の伴議員が本件について取り上げ、役職者以外を中心にした中堅職員について、役割を再確認し、能力の向上を図る研修についても検討すると答弁をいただいたところ、基本に立ち戻る取組については、市民サービスの向上にもつながるものと考えております。  その後の検討の結果、今年度、採用20年目職員を対象とする研修を実施する予定と伺っております。  そこでまず、質問でございますが、中堅職員を対象とした研修について、今回、なぜ対象を採用20年目職員としたのか、伺います。 ◎宮地 人材育成担当部長  中堅職員研修について、採用20年目職員を対象とした理由についてお答えいたします。  採用20年目の職員は、年代で言いますと、30代後半から40代前半であります。採用から相当年数を経て、職員としての人生の折り返し地点、こちらのほうに差しかかってきているところと考えております。  これまでの職場において積み重ねた経験を生かし、今後、一般職として意欲とやりがいを持って業務に取り組んでいくのか、それとも、昇任を目指し、次のステージで職務に取り組むのかなど、自身に求められる役割を改めて見詰め直す必要がある時期と考えまして、採用20年目職員を対象とすることにしたところであります。 ◆山田一郎 委員  今の答弁でも、職員としての人生の折り返し地点として、採用20年目の職員を中堅職員研修の対象とされたということでございました。  本市では、これまで、一般向けでは、新卒採用時と3年、5年、7年に研修を行ってきたと聞いております。それ以降に一般職に関しては研修もなかったため、自らを振り返る機会も少なく、モチベーションの低下や、職員としての使命感、責任感が薄れていく可能性もあると考えます。このたびは、定年の延長もあり、残り20年の期間の中で今後のキャリアプランを再確認していくことは、市役所にとっても重要であると考えます。  そこで、さらに質問でございますが、研修の狙いと期待される効果について伺います。 ◎宮地 人材育成担当部長  研修の狙いと期待される効果についてお答えいたします。  本研修は、中堅職員が、これまでの経験を振り返りながら、自身のキャリアプランを再構築し、高い意欲を持ち続けながら、自身に求められる役割を十分に果たせるようになることを狙いとしております。  研修の内容といたしましては、グループワークを通して、自分の大切にしたい価値観や自身の強みを他者からのフィードバック等から発見、再確認するほか、自分のキャリア観を言語化して他者に伝えることなどにより、今後のキャリアビジョンを作成できるようなカリキュラムを予定しております。
     この研修の受講により、職員自身のモチベーションの向上、こちらのほうが期待されることはもちろんですけれども、若手の手本となるべき中堅職員が高い意欲を持って業務に取り組むことにより、職場全体が活性化するといった効果があると考えているところであります。 ◆山田一郎 委員  ちょうど20年前ですと、就職氷河期時代という形でございまして、現在は、今、約4倍である市役所の倍率、当時は17倍であったと伺っております。当時は、本当に狭き門を通過して、将来に対して目を輝かせていたものだと思います。ただ、こういった研修から遠ざかり、客観的に自分を見詰め直す機会がなかった職員が、新採用時の自身の姿を思い起こし、今を見詰め、これからを展望することができれば、きっとまた今まで以上に活躍されるものと考えます。  このたびの中堅職員を対象とした研修には期待いたしますが、一方で、今までなかった研修が今回20年という区切りで急に研修を受けるという形になりますので、なぜこの研修を受けるのか、まずは、この研修を受ける職員の方が納得感を持って研修を受けられるような体制の構築は必須であると感じています。また、今回20年では区切っておりますが、研修に参加する年代、また、構成など、これについてはまだまだ議論していく余地があると考えておりますので、これも会派として注視していきたいと思います。  最後に、2点要望をお伝えして、質問を終わりますが、まず1点目でございます。  これは、平成29年から会派でずっとずっと思っていた思いでございますが、本研修を実施するに際し、あなたは一生懸命生きてきた、いろんな形はあったかもしれないが、それはオリジナリティーであり、自己評価はいろいろあるが、それでもあなたは頑張ってきたというような研修の仕立てにしてほしい、それぞれの生き方を認めてあげるような研修にしていただきたいと思います。  2点目が、未来の自分へ、より中長期的な視点で自分のキャリアを描き、目標を描くようなことに取り組んでいただきたいことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ◆村上ゆうこ 委員  私からは、2項目、1点目は職員の人材確保について、2点目は広聴部門におけるカスタマーハラスメント対策について質問いたします。  最初に、職員の人材確保についてお聞きします。  これまでも、我が会派は、機会を捉え、職員の人材確保について取り上げてまいりましたが、少子化の進展による就職希望者の減少などを背景として、官民問わず、人材確保競争は依然として厳しい状況が続いています。  札幌市においても、採用試験の受験者数減少により、競争倍率も低下し、人材確保を取り巻く環境は大変厳しい状況です。また、年度途中の退職者の増加や男性職員の育児休業取得者の増加によって、年度内における人員補充の需要が増大をしていると認識しています。  今後も、行政課題は複雑化、高度化していくことが見込まれる中、市民サービスを維持・向上し、安定的な行政運営を進めていくためには、有為な人材を確保、獲得していく取組が最重要課題と考えます。  このような中、今年10月に札幌市人事委員会が2024年度からSPI3を活用した10月採用枠の試験を新たに開始すると公表したところであり、大いに関心を寄せているところです。  そこで、最初の質問です。  定年前の退職や育児休業等による年度途中の欠員状況はどのような状況なのか、また、欠員に対して、現在どのような対応をしているのか、伺います。 ◎保木 職員部長  年度途中の欠員状況と欠員への現在の対応についてお答えをいたします。  まず、年度途中の欠員につきましては、定年前の早期退職のほか、育児休業取得者が年々増加していることにより、全体として増加傾向にあるとともに、社会情勢や男性の育児参加意識の変化などから、男性の育児休業取得者のさらなる増加を見込んでおります。  これまで、年度途中の欠員につきましては、翌年4月からの採用を予定している採用試験の合格者のうち、既卒者を対象としまして、前倒しで10月から採用することにより対応してきましたが、10月に採用できる職員数が安定しないといった課題を抱えているところでございます。  このことから、より安定的に年度途中の職員採用数を確保することを目的としまして、令和6年度から、主に20代の転職希望者である、いわゆる第2新卒者をターゲットとする10月採用試験を新設することとし、実施の準備を進めているところでございます。 ◆村上ゆうこ 委員  2024年度から、いわゆる第2新卒者をターゲットとして10月採用枠試験を新設し、より安定的に年度途中の職員採用数を確保する予定であることが分かりました。安定的な行政運営のためには、年度途中の職員数確保が不可欠ですので、着実に実施していただくよう求めておきます。  しかしながら、人材確保については、年度途中の欠員だけが課題ではありません。近年、採用試験の倍率は減少傾向であり、2023年度の大学の部の倍率は4.0倍とのことで、5年前の7.1倍と比較すると低下をしているほか、採用試験合格者の辞退数も高止まりしており、人材の確保は、年間を通じての課題となっていると認識しています。  このような中、札幌市では、2025年度からは、10月採用枠に加え、4月採用枠についてもSPI3を活用した試験を実施するとしています。  そこで、質問ですが、新たな採用試験がどのような点で有為な人材確保につながると考えているのか、伺います。 ◎保木 職員部長  新たな採用試験がどのような点で有為な人材確保につながると考えているかについてお答えをいたします。  従来の試験に加えまして10月採用枠を新設することで、少しでも早く就職を希望される方の受験意欲向上及び受験者の増加につながるものと考えております。  また、新たな採用試験に民間企業の採用でも幅広く用いられておりますSPI3を活用することにより、従来の公務員試験の対策をしてきた受験者層以外の人材もターゲットにすることが可能となり、第2新卒者や民間企業等への就職を希望していた新卒者など、より多様な知識、経験を有する人材を獲得できると考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  新たな採用試験を新設することにより、採用時期を拡大し、受験者数を確保するとともに、民間希望者もターゲットにして人材を確保する狙いがあるということが分かりました。  今後は、従来の採用試験とSPI3を活用した2024年度以降の新たな採用試験を並行して実施することになり、それぞれの採用試験においてターゲットとする受験者層が違うとのことですので、札幌市にとって、どのような人材を確保し、その人材をどのくらい採用していくのか、その狙いを明確にして、それぞれの採用枠を決定していくことが重要と考えます。  そこで、質問ですが、SPI3を活用した新たな採用試験でどのくらい職員を採用したいと考えているのか、伺います。 ◎保木 職員部長  新たな採用試験での職員数の確保についてお答えをいたします。  SPI3を活用した採用試験においてどのくらいの職員数を確保するのかについて、その具体的な数字については、現時点では決まってはおりません。  今後、従来型の試験の受験者数や、令和6年度試験の実施状況のほか、他都市の同様の採用試験の実施状況等を踏まえ、採用する職員数について見極めてまいります。 ◆村上ゆうこ 委員  新たな採用試験における採用職員数について、2024年度の採用試験や他都市の採用試験の実績などを踏まえながら、効果的な実施方法について検討していくとのことでした。  最後に、要望を申し上げてこの質問を終わりたいと思います。  他都市においても、SPI3を活用した採用試験については既に実施されているところですが、民間希望者など、幅広い受験者層をターゲットにすることができる一方で、合格後の採用辞退者も一定数いることが課題になっていると聞いています。今後、採用試験の受験者を増やすため、さらなる取組はもちろんですが、単なる合格者数を確保するという視点にとどまることなく、札幌市職員として働くことに対する意欲が高い有為な人材を確保していくことが重要だと考えておりますので、引き続き、実効性のある取組を検討していただくことを求めます。  また、札幌市は、他都市と比べて、人口に対する職員数が少ないとのことです。現在おられる職員の皆さん、これから希望を持って入庁してこられる職員の皆さんが健康で安心して日々の業務に向かうことができる体制を確立し、維持していくことも、安定した市政運営には必要ですし、あらゆる行政サービスに対しても、最も有効で効果的であると私は思っております。  このことを職員部の皆様にもご同意いただけるということを期待いたしまして、次の質問に移ります。  次に、広聴部門におけるカスタマーハラスメント対策についてお聞きをいたします。  カスタマーハラスメント、言葉が長いものですから、これからは、以降、カスハラという言葉を使わせていただきます。  最初に、対策の状況についてです。  2023年第1回定例市議会の予算特別委員会において、我が会派から、広聴部門におけるカスハラの現状、あわせて、それらの対応状況や該当する行為に関する今後の抑止方法などに対する考え方について質疑をいたしました。その際、広報部長からは、これからの取組として、カスハラとはどのような行為であるかを周知・啓発し、市民自身が自分の行為がそれに当たるのではないかと気づくことを促すようなポスターの掲示を検討すること、また、威圧的な言動等に対する高い予防効果を期待できるものとしての通話の録音を検討すること、また、この録音による正確な会話記録により、市民の意見への的確な対応や職員の電話対応のスキルアップが望めるとの答弁などがありました。  その後の経過を見ますと、6月末にカスタマーハラスメント防止啓発ポスターの作成や、一部の部署で通話の録音を試行的に実施するとの公表もなされたところであります。カスハラの周知・啓発を目的としたポスターの作成、掲示は、全国の自治体の中で札幌市が最初の試みとのことです。本市が率先してこのような取組を始めたことは、報道を通じて広く知られることとなり、全国の自治体や民間企業でもカスハラ対策を意識する大きなきっかけになっているものと思います。  そこで、質問ですが、カスタマーハラスメント防止啓発ポスターの掲示場所など、現在の取組状況を具体的に伺います。  また、報道機関への公表後、どのような反応が市にあったのか、伺います。 ◎斎藤 広報部長  カスハラ対策の取組の状況、そして、その反響についてお答えをさせていただきます。  カスタマーハラスメント防止啓発ポスター、こちらは、今年の7月から本庁舎1階の市民の声を聞く課のほか、各区役所の総務企画課広聴係等で掲示をしてございます。また、通話の録音も同日から開始しておりまして、市民の声を聞く課の市政に関する相談窓口に入る全ての通話を録音させていただいております。  これらを受けましての影響、反響でございますが、報道機関に公表後、全国紙で取り上げられまして、それを契機としまして大変大きな反響をいただきました。道内をはじめ、各地の地方自治体からも取組に対するお問合せをたくさん頂戴してございます。  また、その記事が掲載されておりますポータルサイトですとか、SNSなどへの書き込みを拝見しますと、我々公務員だけではなくて、医療従事者、教員のほか、様々な職種の方から投稿がございまして、同じような経験をしたのでぜひ広めてほしいといった声ですとか、ポスターが示すような行為、そういったことを行う方には毅然とした対応が必要だ、そういった取組への好意的な意見を多く頂戴してございます。 ◆村上ゆうこ 委員  広聴部門におけるカスハラ対策の状況や、公表後の反響、賛否の状況などが分かりました。私も、投稿など、寄せられた意見の一部を見ましたけれども、おおむね好意的な意見だったかと思います。  ただ、中には、これらの対策によって、クレーム、苦情などの市民の声が一くくりにカスハラとされて無視されるのではないかという懸念や、市民対応に問題のある職員の改善のほうが先であるなどとの意見も見られております。本市のカスハラ対策に関する賛否については、価値観が多様化していることから、様々な考え方や意見があるのは当然だと思います。今後は、様々な考え方があることを意識しながら、市民に対して、これまで以上に丁寧な対応を心がけていただきたいと思います。  このことに関連して、カスハラ対策と正当なクレームの扱いについて、次にお聞きをします。  さきの予算特別委員会では、広報部長から、カスハラへの対策に併せて、市民の皆様が、札幌市に対して、苦情を含め、様々な声を寄せやすい環境整備に努めるとのお話がありました。このたびの取組により、カスハラ対策が始まりましたが、今後は、職員がこの言葉を過剰に意識してしまい、様々な困難を抱える市民の皆様からの苦情などを安易にカスハラだとして拒絶するような行政側の行き過ぎた対応になる危険性もはらんでおり、このようなことを防止する方策も考えなければならないと思います。  そこで、質問ですが、市民の皆様が札幌市に対して声を寄せやすい環境整備として、どのような取組が考えられるのか、既に実施が決まった取組はないのか、また、今後の考え方についても伺います。 ◎斎藤 広報部長  市民の皆様が声を寄せやすい環境の整備についてお答えをさせていただきます。  カスタマーハラスメント、そして、正当なクレーム、これらの違いですとか、相手の心情理解など、そういった手法を学ぶ研修を通じまして職員のスキルアップを図ることで、傾聴する力を高め、声を寄せやすい環境を整えることができると考えてございます。  その取組はもう既に始めておりまして、今年7月、外部講師をお招きし、各区の総務企画課や広報広聴部門の職員などを対象に、クレーム電話対処研修というものを実施いたしました。この研修では、相手の心情の理解に関することですとか、対応する際の声のトーン、対応する姿勢や態度など、基礎的な知識や心得を学んだほか、クレーム電話に対処するための基本的な技法を実技により身につけたところでございます。  今後も、市民の皆様が声を寄せやすい環境をつくるため、カスタマーハラスメント対策と並行して、同様の研修を行っていきたいと考えてございます。 ◆村上ゆうこ 委員  カスハラ対策と並行して、市民の声をしっかり傾聴し、声を寄せやすい環境づくりのため、研修を実施して職員のスキルアップに取り組んでいるということもお聞きいたしました。研修は、適宜実施してバランスよく取り入れ、声を寄せやすい環境整備を続けていただきたいと存じます。  さて、国におけるカスハラ対策の動きですが、2023年6月、厚労省の有識者検討会の報告書で、精神障がいを労災認定する際の心理的負荷の基準に客が理不尽な要求をするカスハラなどの追加が盛り込まれ、年内にも基準を見直すことが公表されています。このような国の動向を見ると、今後は、官民を問わず、職場としてカスハラから職員を守るために十分な措置を取ることが法的な義務となる動きが加速していくのではないかと思われます。  札幌市では、広聴部門がカスハラの周知・啓発やそれに当たる行為を起こさせないための通話録音の試行を始めましたが、検証を行った上で、将来的には全庁的に実施を拡大していく必要があると思います。  そこで、質問ですが、広聴部門における今後のカスハラ対策の取組と通話録音の試行実施をした後の展望、将来的な実施の拡大の検討状況について伺います。 ◎斎藤 広報部長  今後のカスハラ対策についてお答えをさせていただきます。  現在、カスタマーハラスメント防止啓発ポスター、こちらを市民の声を聞く課ですとか、各区総務企画課広聴係を中心に掲示をしてございますが、その効果を各区役所のみならず、そのほか全庁に積極的に発信をしてまいりたいと考えております。  次に、通話録音ですが、現在は市民の声を聞く課における試行実施となってございますが、これを通しまして、声を寄せられる方が録音されているということを意識しまして、暴言等を控えていただける傾向になりつつあることが分かりました。そのため、こういった試行実施の結果を踏まえまして、年内をめどに、現在は本庁舎の使用、市民の声を聞く課のみなのですが、これを各区役所の総務企画課広聴係にも通話の録音を拡大してまいります。  また、カスタマーハラスメントに悩まされている部局の参考になりますよう、庁内ホームページ等を通じて、全庁に、随時、取組の状況を発信してまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望でございます。  よりよいまちづくりを目指していくためには、市民の皆様からの行政に対する意見や要望を広くお聞きし、これらを的確に市政へ反映させていくという姿勢を持つことが非常に大切です。  意見や要望の中には、もちろんクレームや苦情なども含まれますが、厚労省が作成したカスハラのリーフレットにもありますように、クレームや苦情は、サービスや接客態度、システムなどに対する不平や不満を訴えるものであって、本来は、それ自体が問題と言えるものではなく、業務改善や新たなサービス開発につながっていくもの、建設的で有用なものと肯定的に捉えることができるものでもあります。しかし、カスハラは、このような建設的なものではありません。ひどい暴言や不当な要求などの著しい迷惑行為によって、個々の職員が萎縮し、さらには、出勤が憂鬱になり、眠れなくなるなど、職員に心理的、肉体的に大きなダメージをもたらすものでもあります。ひいては、適正な市政運営を阻害するものとなります。  このため、カスハラ行為には毅然と対応することは非常に重要であると思います。しかしながら、市政運営にとって有用なクレーム、苦情とカスハラ行為との間に明確な境界線を引くことが難しいことも事実であります。このため、先ほども申し上げましたように、市民のクレーム、苦情を安易にカスハラだとして拒絶することのないようにしていくことが重要です。  カスハラ対応策の検討、実施に当たっては、職員の健康を確保しつつ、かつ、モチベーションの維持・向上を図ることと市民要望を的確に把握して市政に反映させることを両立させることが大変重要でありますので、このことを十分認識しながら、慎重かつ大胆にこれからも検討していただくことを要望して、私からの質問を終わります。 ◆竹内孝代 委員  私からは、札幌市公式LINEの活用について、札幌市のふるさと納税について、以上2項目、質問をさせていただきます。  初めに、市公式LINEの活用についてお伺いいたします。  札幌市がこの公式LINEを立ち上げて情報発信をスタートしたのが2020年11月ですので、ちょうど3年が経過したことになります。なじみのあるアプリで、私もスタート時から活用させていただいているところでありますが、今年9月2日、広報部、危機管理部が協力をして、札幌市公式LINEによる防災訓練を初めて実施いたしました。これは、7月27日に市長より市公式LINEを活用して防災訓練を実施するとの発表があって以降、SNS、また、街頭ビジョン等で広く市民の方々に対して参加者の募集を行われたというふうに承知をしております。  私自身、防災対策に強い思い入れがあり、一人でも多くの方に知っていただきたいと考えまして、この「LINEで防災訓練!」の実施について、私自身、個人的にSNS等で広く情報発信をさせていただいたところ、多くの反応があったところでございます。  この防災訓練は、道内初の取組であると伺っております。過去に札幌で起きました風水害の情報を基に、市民には、気象情報や被害状況の写真の提供、またさらには、災害時の防災情報ポータルサイト、さっぽろ防災ポータルを操作していただいたり、また、避難所の情報などの確認方法を学んでいただくなど、有意義なものであったというふうに思います。  日頃は、区役所や町内会等で行われている防災訓練でありますが、実体験を伴う訓練ですので非常に大きな開催意義はありますけれども、日程や場所などの都合によって、参加したくても参加ができない市民が多くいらっしゃるものでもあります。そうした意味では、今までそういった機会を失っていた方にも気軽にご参加をいただける防災訓練の取組だったというふうに認識をしております。  今回が初めての実施でありますので、改めてその概要を確認させていただきたいと思います。  そこで、質問ですが、このLINEを活用した防災訓練に初めて取り組むことになった経緯、また、その実施の結果について、併せてお伺いをいたします。 ◎斎藤 広報部長  LINEを活用した防災訓練に取り組んだ経緯、そして、その実施結果についてお答えをさせていただきます。  市の公式LINE、こちらは、プッシュ型で、直接、市民の手元に市政情報が届けられるツールでありますことから、多くの方にご利用いただくためには、市民の利用拡大の機会を継続的に創出することが重要と考えております。今回の訓練は、その一環として、単なる情報提供のツールとしてではなく、場所にとらわれず、気軽に参加できる市民参加型イベントとして、災害時にスマートフォンが情報ツールとして利用される、その一連のプロセスを題材にして開催したものでございます。  実施結果としましては、今回、約800人の方にご参加をいただきました。また、訓練終了後のアンケートでは、約200人の方に回答をいただきまして、そのうち、約6割の方から防災意識が高まった、また、7割の方からは訓練に参加してよかった、そして、9割近い方からまた参加したいとの回答をいただきました。また、訓練の感想や改善点などについても、多くのご意見を頂戴したところでございます。  この訓練は、市の公式LINEを活用した気軽に参加できる市民参加型イベントの有効性を検証する実証実験として位置づけておりまして、今回の訓練を通して得た知見、こちらを、災害訓練だけではなく、他のイベントにも活用できないか、検討してまいりたいと思っております。 ◆竹内孝代 委員  市民への利用拡大の機会を創出していくためのプロジェクトであったというふうにご答弁がありました。  現実に800人の人数を集めて訓練するというのは、本当に大変なことであります。また、こうした機会を使って、防災の意識を高めるだけでなく、札幌市の情報が手軽に身近に感じるような公式LINEを登録するきっかけにもなったというふうに思います。  今お話がありましたように、参加した市民の満足度を伺いますと、大変意義ある取組でもあったと思います。私も、実際に活用させていただいて、そのように思いました。85%の方がまた参加したいと言ってくださったということですので、ぜひとも、今回の取組の結果を生かして、来年度以降、継続して実施をしていただくプロジェクトになったのかなというふうに思いますので、どうか、多くの方が参加できるよう、広報にも力を入れていただくよう要望させていただきます。  先般、市の公式LINEの登録者の推移について、広報部に確認をさせていただきました。2021年にワクチンロスゼロセンター事業への活用を契機に、それまで2万人台だったお友達登録が数か月で5倍の10万人を超えたと、また、その後も、クマ出没情報や全国初のリアルタイムアンケートの実施などで、積極的に新たな企画に取り組んでいらっしゃるということで、増えてきているというふうに聞いております。  先ほどお昼の時間に確認しましたところ、現在17万8,543人の登録をいただいております。これは、一定の情報力を有する媒体になってきたものというふうに感じております。  今回は、広報部による継続的な利用拡大の創出、先ほど答弁があったように、そうした強い意志を感じる取組だと思いますけれども、今後、さらなる充実に向けて、また、市民に役立つ情報ツールとして価値を高めていただきたいと考えております。  そこで、質問ですが、札幌市公式LINEの今後の展開についてお伺いいたします。 ◎斎藤 広報部長  札幌市公式LINEの今後の展開についてお答えをさせていただきます。  現在、札幌市の在留外国人が過去最多の約1万7,000人を超えたということで増え続けていることに鑑みまして、市の公式LINEにつきまして、アクションプランにおけるユニバーサルの取組として、多言語での情報発信というものを現在検討してございます。対応言語は、今のところ、英語、中国語、こちらは、簡体字、繁体字、そして、ハングルということで、4言語を予定しております。在留外国人の皆様が、平常時のみならず、災害時においてもしっかりと市からの情報を受け取ることができて、安心して生活を送れるようにしてまいりたいというふうに思っております。  また、LINEについては、他の自治体におきましても様々な機能が実装されてございます。ですので、これらの先行的な取組も参考にしながら、今後、有効な活用を検討してまいりたいと思っております。 ◆竹内孝代 委員  共生社会の実現、また、ユニバーサルの観点からも、LINEの多言語化に取り組むという答弁であります。また、機能拡充も検討していきたいということでありました。札幌も多くの外国人の方が本当に在留するようになってまいりましたので、ぜひ、札幌に住まわれている皆さんが国や文化を超えて情報を共有するということが本当に重要でありますので、ぜひとも、今答弁いただいた内容の準備を進めていただいて、早期の実施、また、丁寧な周知を求めさせていただきます。  この札幌市公式LINEは、市の情報を待っているだけで直接送られてくると。先ほどプッシュ型とおっしゃっておりましたけれども、そのようなものであります。メニューも豊富でして、ごみ、子育て、クマ出没情報や広報さっぽろなどにも簡単にアクセスができます。また、冬には、私もよく使いますが、地域の除雪情報にもつながっていくことができます。  人口195万人のうち、登録者は1割ということでありますので、まだまだ伸び代もあるかと思っております。ぜひ、より多くの市民にお友達登録をいただいて、活用されるものとなるよう、利用拡大にさらに努めていただくよう求めさせていただきます。  一つ指摘をさせていただきたいことがありますが、今年の夏、猛暑で大変つらい思いをされた方も多かったわけですが、熱中症による注意喚起、また、救急車の出動が逼迫をしているという札幌市の状況など、市民への安全・安心のための情報発信に公式LINEを活用していただきたかったということであります。しかし、この公式LINEの情報発信の流れをお聞きしますと、発信したい部局が広報部にその情報を提供するものだというふうに伺っております。  ぜひとも、広報部から各部局に対して、緊急性のあること、また、市民に広く発信すべき必要な情報は積極的に広報部に提供するよう、ぜひとも投げかけていただいて、公式LINEの価値を高めていただきたくことを求めて、この質問を終わります。  では次に、札幌市のふるさと納税に係る取組について質問をさせていただきます。  ふるさと納税の制度は、生まれ育ったふるさとや応援したい地域の様々な取組に対して、寄附を通じて貢献する仕組みであります。平成20年の制度開始から15年余りが経過いたしました。令和4年度の寄附額は、全国で約9,654億円と、その規模は1兆円に迫る勢いであるというふうに聞いております。  このふるさと納税により寄せられた資金といいますのは、子育てや教育、まちづくりなど、広く活用されており、地域の活性化に大いに寄与しているほか、災害時においては被災地への支援としても役立っているなど、地域経済の再生、また、発展に大変重要な役割を果たしていると承知をしております。  一方、国においては、寄附の少なくとも半分はその地域の自治体のために使うべきとの考えの下、ふるさと納税の募集にかかる経費を寄附額全体の50%以下にすること、また、返礼品の調達費用を寄附額の3割以下とすること、また、返礼品が当該自治体内で生産されたものであることなどの基準が設けられており、この基準を満たす自治体のみが国から指定を受けてふるさと納税制度を活用できるようになっております。
     そのため、各自治体においては、この基準の範囲内で工夫を凝らした返礼品を用意しておりますけれども、制度の健全な発展を促すために、国において度重なる通知がなされたり、制度の基準改正が図られたりしてきております。  この10月、ふるさと納税制度本来の趣旨に沿ってより適正に運用されるよう、告示改正により基準の一部見直しがなされました。その改正内容の一つというのは、寄附の募集にかかる経費についての考え方であります。これまで、寄附の募集にかかる経費については、主に募集に要する費用として、返礼品の調達費用や送料、広告費などが該当し、寄附受領書の発行、また、税控除の手続にかかる費用など、寄附を受けた後に生じる費用は算入しなくてもよいものとされてきましたが、このたびの法改正により、これらも含め、全ての費用を経費として加えるというふうに変更がなされました。  一部報道によりますと、自治体の約7割がこの新しい基準に照らし合わせると経費率が50%を超える状況になると予想されており、各自治体に与える影響は非常に大きいものであると推察いたします。ふるさと納税制度が適用されるためには、国の基準を満たした上で指定を受ける必要がありますので、もし基準を逸脱するようなことになれば、指定を受けられるふるさと納税制度を運用できなくなるといった事態も懸念されるものであります。  そこで、最初の質問ですが、札幌市のふるさと納税に係る経費について、現状と告示改正後の今後の見通しについてお伺いいたします。 ◎田村 秘書部長  ふるさと納税に係る経費の現状と今後の見通しについてお答えをいたします。  札幌市では、寄附を通じてふるさとなどの自治体の取組を応援いただくという制度の趣旨を踏まえまして、いただいた寄附金をできる限り市政に活用できますよう、これまでも経費を最小限に抑えるべく取り組んでおりまして、告示改正前の基準で令和4年度の経費率は約42%となっております。  また、この令和4年度の経費の実績につきまして、告示改正後の基準に置き換えて試算をいたしましたところ、経費率は約47%となりまして、告示改正後におきましても、引き続き、基準内に収めることができるものと考えております。  今後も、経費の節減ですとか、寄附額の設定の見直しなどによりまして、制度の適切な運用を図りながら、寄附の獲得に努めてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  寄附金をなるべく市政に反映できるようにという努力をされてきて、令和4年度では42%で、新基準に当てはめても47%ということで、50%以下に抑えられる見込みであるということであります。ぜひとも、引き続き、国の基準を遵守しながら、今答弁がありましたように、寄附の拡大に向けて取り組んでいただきたいと思います。  このふるさと納税の全国規模というのは約1兆円に迫る勢いでありますが、これほどまでに制度が定着、また、浸透した理由としては、返礼品が大きな要因であるということは言うまでもありません。返礼品は、単に寄附に対するお礼の品というだけではなく、自治体の持つ地域資源や食、観光に関する魅力をアピールすることができる優れた媒体でもあります。今後の寄附獲得に向けては、札幌らしいバラエティーに富んだ返礼品を充実させることが必要不可欠だと考えております。市内事業者の商品が札幌市の返礼品として取り扱われることで、事業者にとっては、新たに販路を拡大することとなります。地元企業の支援にもつながるものと認識をしております。  これまで、我が会派は、丸山委員を中心に、かねてよりふるさと納税の仕組みを利用した事業者支援について取り上げてまいりました。札幌市からは、公募などにより返礼品の拡充を図ることで、市内事業者支援につなげたい旨の答弁もいただいているところであります。  そこで、質問ですが、令和4年度の返礼品の公募の結果と令和5年度の現時点での応募状況について、それぞれ伺います。 ◎田村 秘書部長  返礼品の公募につきましては、より多くの事業者から魅力的な返礼品の応募をいただきたいと思いまして、庁内関係部署はもとより、札幌商工会議所をはじめとしまして、庁外の関係団体からもご協力をいただきながら、幅広く周知を図っているところでございます。  その結果、令和4年度は、64の事業者から187品の応募が寄せられまして、令和4年度末時点での返礼品の数は約1,250品となりました。令和5年度の公募につきましては、前期と後期の2期に分けて実施をしておりまして、既に終了しました前期分の結果としましては、55の事業者から、アクティビティー体験ですとか、旅行クーポンといったシティプロモート関連商品をはじめとしまして、約150品の応募が寄せられたところでございます。  市内には、まだまだ魅力的な返礼品となり得る商品を扱う事業者さんがたくさんあると思われますことから、引き続き、多くの事業者に参加いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  アクティビティー体験も含めまして、シティプロモートの関連商品、こうしたものの充実が図られているというふうに思います。たくさんの方に札幌を知っていただく、訪れていただく、魅力を感じていただくといった取組になっていくというふうに、今、答弁を聞いて感じます。事業者支援という観点からも、今後、さらなる返礼品の拡充を図る取組を期待しております。  このふるさと納税の返礼品には、その自治体内で生産をされた製品であることなどが定められております、いわゆる地場産品基準というものがあります。今回の告示改正では、募集にかかる経費に関する厳格化に加えまして、この地場産品基準についても要件がより詳細にわたって示されるものとなりました。  一つ、具体的な例を挙げますと、例えば、熟成肉や精米を返礼品とする場合、これまでの基準では、製造や加工といった工程などについて一定の要件を満たす必要はあるものの、その産地について明確な規定はありませんでした。ところが、10月からは、肉や米の産地は同じ都道府県内のものに限定されるなど、返礼品として認められるための要件がこれまでよりも厳しくなりました。  そこで、質問ですが、この改正により、自治体によっては、これまで人気の返礼品としてきたものが出せなくなるなど、大きな影響を受けるところもあると聞いておりますが、このたびの地場産品基準の厳格化による札幌市への影響はどのようになっているのか、また、今後の対応策についてどのように考えておられるのか、併せてお伺いいたします。 ◎田村 秘書部長  このたびの地場産品基準の厳格化につきましては、国において、行き過ぎた返礼品競争を抑制すべく、これまでも各自治体に通知などで要請をされてきたところではありますが、制度のより適正な運用を図るため、告示改正に至ったものと認識をしております。  今回の改正によりまして、これまで必ずしも取扱いが明確ではなかった点が新たに示されたりですとか、一部、基準が厳しくなったところではありますが、札幌市におきましては、これまでも、地域資源を活用し、地域の活性化を図るということがふるさと納税の重要な役割であるという認識の下、慎重に返礼品の選定を進めてきておりまして、告示改正による影響はないというふうに考えております。  むしろ、これまで取扱いがなかった返礼品につきまして、基準が明確に示されましたことから、これをむしろよい機会と捉えまして、この基準を満たすような返礼品を新たに加えましたりとか、引き続き、ふるさと納税制度の趣旨にのっとり、返礼品の充実に進めてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  他の自治体が心配しているような改正ではありますが、札幌市は影響はないと、これまで一生懸命慎重にしてきた、そういう成果だというふうなことも分かりました。また、告示改正をチャンスとして捉えるという逆の視点も今答弁がありました。ぜひとも、返礼品の充実を目指すということでありますので、よろしくお願いをいたします。  これまで、札幌市は、公募などによって返礼品の数を大幅に増やしてまいりました。こうした取組は、大変に評価させていただくものであると思っております。一方で、札幌市に対する寄附をさらに増やしていくためには、単に返礼品の数を増やすだけではなく、全国のふるさと納税のトレンドなどを踏まえた魅力的な返礼品をそろえることが必要じゃないかというふうに思っております。  先ほど答弁のほうでもお話ししていただきましたけれども、まだまだ魅力を持っていらっしゃる事業者がいっぱいあるのではないかということであります。札幌市内にあります多くの事業者の方々が、そのままでも、またあるいは、少し手を加えたり、加工することで、多くの寄附を集めることができる商品がまた生み出されるものもあるのではないかと、潜在しているのではないかと思っております。  今後は、魅力的な返礼品を生み出すことで、寄附額を拡大して、ひいては、事業者支援にも資する、また、市民の様々な施策にも使わせていただける資源にもなる、こうした好循環につなげていく札幌市のふるさと納税の取組を求めまして、全ての質問を終わります。 ◆荒井勇雄 委員  私からは、札幌市のコールセンターの運用状況について、3点ほどお伺いしたいと思います。  まず初めに、札幌市のコールセンターの入電状況についてですが、札幌市のコールセンターは、全国初の市政全般に関する総合コールセンターとして、平成15年、2003年に設置され、今年で20年がたちました。当初の設置目的の一つが、情報格差、いわゆるデジタルディバイドの対策だったということでございますが、20年前と比べますと、インターネットやスマートフォンも広く普及しまして、市民生活のデジタル化も進んできたものと感じられます。しかし一方で、高齢者の数は増え続け、必ずしもホームページやSNSで情報を取得できる方ばかりではございません。市役所の部署も数多くありますから、暮らしの中で何か市役所に確認をしたいと思っても、これはどこに聞けばいいんだろうという方も数多くいらっしゃると思われます。  そうした中で、札幌市のコールセンターは、市民の求めに応じるプル型の情報提供サービスとして、今も大切な役割を担っており、市民が欲しいときに欲しい情報にアクセスできることが大事であると考えております。  そこでまず、質問ですが、昨年度1年間で札幌市のコールセンターに入った電話の入電件数と、そのうち、どの程度、応答ができているのかをお伺いいたします。 ◎斎藤 広報部長  札幌市コールセンターの対応状況についてお答えをいたします。  昨年度、令和4年度の1年間、札幌市コールセンターに入った電話の入電数、こちらは13万1,593件です。そのうち、実際に応答できたもの、こちらが12万1,825件になります。この割合、かかってきた電話のうち、何件に応答できたかを示す応答率と言いますが、こちらは92.6%となっております。  コールセンター業界の一般的な水準で、応答率というのは、我々の仕様で85%以上を維持するようにということで定めておりますが、現在90%以上を維持できておりますので、仕様は十分に満たしているところでございます。また、今後もさらなるサービス水準の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆荒井勇雄 委員  令和4年度の札幌市のコールセンターの入電状況についてお答えいただきました。  次に、オペレーターの人材確保と自治体のコールセンターの特色について触れたいと思います。  市民と直接の接点を持つ部分について、しっかりとしたサービス水準を維持することは、市民が安心して暮らす上でも大事なことであります。一方で、昨今はどの分野でも人手不足が騒がれておりまして、賃金の見直しも様々な業界で行われております。  業界誌の月間コールセンタージャパンによりますと、北海道の地区のコールセンターの業界に関して、新規採用時の平均時給が、令和3年には時給1,133円だったものが、直近の令和5年は時給1,256円と、2年でおよそ10%も上昇している状況です。ほかの分野と比べ、上昇がこの分野に関しましては大変顕著であります。  札幌市は、コールセンターの集積も進んで、中心部のオフィスビルでも様々なコールセンター事業が拠点を構えるのを目にしますが、昨今の状況を考えますと、実際に電話を取るオペレーターの人材も各社で取り合いになっているのではないかと思われます。札幌市コールセンターを所管する市民の声を聞く課に事前に状況をお伺いしたところ、現在受託している事業者もオペレーターの確保に大変苦労しているということでございました。  そこで、次の質問ですが、札幌市のコールセンターにおける近年のオペレーターの人材の確保の状況と、自治体のコールセンターならではの特殊性について、どのようなものがあるか、お伺いいたします。 ◎斎藤 広報部長  コールセンターのオペレーターの人材確保、そして、自治体のコールセンターの特殊性についてご質問をいただきました。  まず、人材の確保についてなんですが、現在、札幌市コールセンターの業務には12名のオペレーターの方に従事をしていただいております。こちらの採用の状況、経緯につきましては、令和元年度からの5年間、こちらで退職したオペレーターは通算して13名、一方で、同じ期間に新規に採用されたオペレーターは9名となってございます。幸いなことに、今のところ、必要な人数は確保できておりまして、運営に支障が出るような状況には今のところはなってございません。  また、自治体のコールセンターの特殊性についてのご質問がございましたが、こちらは行政全般にわたる非常に広い範囲の知識が求められるということになります。制度変更ですとか、あるいは、新たな事業など、問合せに必要な情報の追加、更新が非常に多く発生する事業となっています。その結果、オペレーターの皆様の確保、そして、定着が難しいということが課題として挙げられる状況にございます。 ◆荒井勇雄 委員  札幌市のコールセンターにおける近年のオペレーターの人材確保の状況と、自治体のコールセンターならではの特殊性についてお答えいただきました。  行政サービスは、住民票の話からごみの分別、福祉のサービスと非常に幅広いですから、受けた電話をスムーズに案内するにも、現場の方の高いスキルが求められているだろうとお察しいたします。裏を返せば、今後、もしそうした高いスキルを持った人材の確保ができなくなってくると、市民の方がコールセンターに問い合わせても、案内に時間がかかったり、欲しい情報にたどり着けなかったりと、サービス品質に影響が出ないかということでございます。  最近では、電話応対の履歴の自動入力など、コールセンターの業務効率化も進んでいることでございますが、限られた人材の中で運営していくようなやり方も、今後は、仕事の業務効率性を継続いたしまして、必要になってくるのではないかと思われます。  そこで、質問ですが、今後、どのような運営体制を確保していくか、考えていくかをお伺いいたします。 ◎斎藤 広報部長  札幌市コールセンターの運営体制の確保についてお答えをさせていただきます。  札幌市コールセンターの運営に関する委託業務は、現在5年間の複数年契約としておりまして、来年度、次期契約更新を控えているところでございます。  次期契約の検討に向けて、今年度、複数のコールセンター事業者にヒアリングをしてございます。その中では、今まさに委員からご指摘のありましたとおり、応対履歴の自動入力ですとか、そうしたシステムを導入することで、事業者ごとに様々な効率化に取り組んでいるという話もお聞きしているところでございます。  そこを踏まえまして、次期契約の調達に当たっては、運営に支障を来さないよう、必要な予算を確保していくことに加えまして、受託事業者の選定方法や仕様、そして、運用内容の見直しなどによりまして、安定して、かつ、効率的な運営体制を確保してまいりたいと考えております。 ◆荒井勇雄 委員  ちょうど私の前職が、隣の部署が札幌市から委託を受けていたコールセンターの事業所でございまして、現場の声としまして、問題点としまして、先ほど村上委員からもご指摘がありましたが、やはり、お客様からの過剰なモラハラですね。次に、私も大変感じたんですけれども、会社としての形式的な業務の締めつけ等、非効率な運営がまだ散見されると聞いております。  我が会派としましては、仕事の効率性や行財政改革を打ち出しておりますが、やはり、現場の声としまして、第一線で働いている方々のお声を踏まえたお仕事というのが大変大切だと思っております。  そういったことを踏まえまして、1日15コールから20コールを受ける方々に関しましては、多大なる精神状況ですね、かなりのお疲れが重なって離職につながったりといったお話が大変出ておりまして、その後、他の業種に移られたりですとか、他のコールセンターに移ったりというのが、現在、札幌市内の状況としまして起こっているということを私も十分把握しておりますので、その点を踏まえまして、コールセンターの人材確保、業務の効率化を含めまして、ぜひともご検討いただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ◆國安政典 委員  私からは、次期アクションプラン2023に掲げる行政運営編の取組について、市役所改革に向けた今後の取組を集中的にお伺いさせていただきたいと思います。  これまで、我が会派では、業務効率化、市役所改革こそ、市民の信頼を得る第一歩と捉え、デジタルを活用した業務改善、民間の力を最大限活用すべきといった主張を繰り返しさせていただいてまいりました。  市では、今回取りまとめたアクションプラン2023の行政運営編におきまして、これらの方向性を行政DXの推進、あるいは、官民連携による質の高い行政を目指すといった視点で打ち出されたところでありまして、これらの内容は、これまでの課題を踏まえた施策が網羅的に掲載されていると、一定の評価をするところでございます。  一方で、何か新しい市役所改革のイメージが盛り込まれたかというと、その点については、いま一つ伝わってこないかなという印象を受けているところでもございます。個別には、チャットGPTへの対応であったり、書かない窓口機能を、順次、区役所に導入していくといった意欲的な取組も掲載されているので、そこには期待をするところでありますが、今の市役所運営にどのような課題があり、何のため、市役所改革を進めていくのかを市民にも職員にも分かりやすく説明していただくことが必要であるというふうに考えるところであります。  そこでまず、1点目の質問でありますが、アクションプラン2023の行政運営編を策定、取りまとめを行う改革推進室として、今後の市役所改革を進める上での課題とそれへの対応策についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎久保田 改革推進室長  市役所改革の課題と対応策についてお答えをいたします。  今後の行政運営を進めていく上で、質の高い行政サービスを維持・向上させていくためには、福祉分野への対応強化をはじめとしまして、複雑多様化する行政課題への迅速、的確な対応が必要であると考えております。  一方、このような市民サービスを支え、政策立案を行う私ども行政職員については、近年、採用倍率の低下、若年職員の離職傾向なども見られることから、まずは、市役所の運営をしっかりと支えるべく、組織力、職員力の強化が必要と考えております。  その上で、定型的な業務につきましては、デジタル化の推進、民間への委託化などをこれまで以上に推し進め、職員が市民サービスに注力できる環境をつくること、また、公共運営の担い手としまして、民間のお力も存分にお借りするための官民連携の仕組みづくりをしっかりと進めていくことが必要と認識をしております。 ◆國安政典 委員  組織力、そしてまた、職員力の強化が必要であるということ、また、そのために、デジタル化、民間委託化、さらには官民連携、こういったことを通して市役所業務を改革していくという決意をお聞きしたところであります。  それでは、その具体策への対応について聞いてまいります。  今の答弁でも触れられました民間委託化の促進について質問させていただきます。  札幌市では、令和3年に政令市で2か所目となる行政事務センターを設置し、入力やチェック業務などの定型業務、いわゆるバックオフィス業務を委託し、職員の業務効率化を推進しているところであります。事前にお伺いしましたところ、8月現在で18業務まで拡大したということでありまして、順調に推移していると考えるところでありますが、先ほど答弁いただいたような行政運営における課題を踏まえると、抜本的にもっとセンターの取扱い件数を拡大していく必要があるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、アクションプラン2023の期間において、行政事務センターの取扱い業務の拡大に向けての考え方について、新たにセンターの活用を想定しているものも含めてお示しをいただければと思います。 ◎久保田 改革推進室長  行政事務センターの活用の促進についてお答えをいたします。  行政事務センターの拡大に向けましては、今年度まで扱ってきた業務を継続するとともに、新たな業務の追加検討も行いまして、アクションプラン2023の最終年、令和9年度には、単年度で合計13万時間、約40の手続、70人工、こういったものに相当する分のセンター活用を想定しているところでございます。  今後、追加事業につきましては精査していきたいと考えておりますが、例えば、福祉関係の各種発送業務をはじめ、多くの相談を受けているところでございまして、センター活用に向けての検討を進めているという段階でございます。  センターの拡大に当たりましては、職員の業務負担軽減の効果とともに、例えば、手続に要した時間の縮減など、市民サービスの向上の面でも効果測定を行いながら、センター全体としての円滑な運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  今後、令和9年度までには、40手続まで取扱い件数を拡大していく、70人工というお話もありました。課題は多くあると思いますけれども、職員の皆さんが少ない人手で数多くの仕事を担っていただかなければならない状況に直面していると思いますので、取扱い業務の拡大は重要でありまして、しっかりと行っていただきたいというふうに思います。  さらに、追加の質問をさせていただきますが、行政事務センターの拡大の考え方の一つとして、札幌市だけの業務にこだわらず、もっと、広域自治体、近隣自治体の方にも利用してもらえるようにしていけばよろしいのではないかと考えるところでございます。  札幌市はもとより、道内の自治体の多くは、今後、職員確保に問題を抱え、適正な行政運営を担っていくことにご苦労されているところであります。札幌市の行政事務センターを単なる業務委託の受皿とするのではなく、一歩進んで、自治体の共通業務を行う拠点と位置づけることが広域連携のリーダー格である札幌市においても有効ではないかと考えるところでございます。  そこで、お伺いしますが、行政事務センターをはじめとした行政事務の広域連携、共同事業の実施について、その後の検討状況はいかがか、伺います。 ◎久保田 改革推進室長  行政事務の広域連携についてお答えをいたします。  各自治体におきまして、労働力の確保が厳しい状況にある中、持続可能な行政運営のためには、広域自治体による行政事務の協働・連携の視点が重要性を増していると認識をしております。  札幌市にとっても、例えば、行政事務センターにおいては、取扱い件数が増加することで年間業務の繁閑の差を平準化でき、あわせて、複数の定型的な業務の集約化によるスケールメリットを発揮できることから、委託コストの効率化にもつながるため、共同事務処理のメリットは大きなものがあると認識をしております。したがいまして、今年度後半にも近隣の自治体の担当者向け説明会やセンターの視察会などを企画しまして、センターの利用の呼びかけを行っていく考えでございます。  これらを踏まえまして、センターを含む行政事務の広域展開について、定期的に近隣自治体の皆様のご意見を伺いながら、十分検討していきたいと考えております。 ◆國安政典 委員  協働・連携の視点が重要であるということ、また、スケールメリットなど、大きなメリットがあるというお答えでありました。さらに、今年度後半、近隣の自治体に呼びかけて推進するというお話でありました。  重ね重ねになりますが、この広域連携のリーダー格である札幌市こそが、しっかりとその役割を果たして、近隣の自治体とも力を合わせて効率的な運営に努めていただくよう求めまして、私の質問を終わります。 ○藤田稔人 副委員長  以上で、第1項 総務管理費中総務局関係分等の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時20分       再 開 午後2時21分     ―――――――――――――― ○藤田稔人 副委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中デジタル戦略推進局関係分の質疑を行います。 ◆坂元みちたか 委員  私からは、札幌市におけるデジタル化の推進とそのフォローアップについて、2点質問をいたします。  生産年齢人口がますます減少する札幌においては、デジタル技術の活用により、行政の効率化と市民の利便性向上、この二つを両立していくことが必要不可欠であると認識しております。  デジタル技術は、簡易なものから複雑なものまで幅広く存在しているわけでありますが、市民生活に浸透しているなじみ深いものとしては、いわゆるキャッシュレス決済が挙げられます。キャッシュレス決済は、利用者側からは、時間や場所に制約されずに利用ができる利便性の高いものであります。また一方で、事業者側にとっても、気苦労の多い現金の管理や集計作業が不要になるなど、業務効率の向上をもたらすものであります。  国は、キャッシュレス決済の比率を2025年までに4割程度まで引き上げるという目標を掲げ、キャッシュレス決済を推進しております。経産省の調査によりますと、2022年の時点での日本のキャッシュレス決済比率は決済金額ベースで36%となっておりますので、目標は達成できそうです。しかし、これでは全く不十分と言わざるを得ません。なぜなら、同年の経産省の調査によりますと、決済金額ベースで、お隣の韓国では既に実に93.6%、中国では83%がキャッシュレス決済に移行しているわけです。残念ながら、日本は36%であります。日本は、非常に立ち後れていると言わざるを得ません。  私が日本の状況が危機的と考えておりますのは、周辺国ではこれだけ普及している、日本はこれだけ立ち後れているという事実すら、我が国民は気がついていない節があるということです。  そんな残念な状況ではありますが、札幌市においては、かねてから着々とキャッシュレス決済の準備を進めてきたと聞いております。各区役所の窓口や円山動物園などにおいては、クレジットカードやスマホなどのキャッシュレス決済の対応を積極的に進めてきた果実として、令和元年度には1,400万円弱でしかなかったキャッシュレス決済の決済額が令和4年度の実績では1億円を突破したと聞いております。  今後、キャッシュレス決済のさらなる普及に向けてのポイントは、これまで利用していなかった方、興味のなかった方に、いかにその利便性を体験してもらい、いかに習熟をしていただくかということになります。  その一つの機会でもありました、本年9月をもって終了いたしましたマイナポイント事業でも、マイナンバーカードの普及とともに、キャッシュレス決済の促進をその目的としておりました。マイナポイント事業では、最終的に全国で7,500万人以上の方々がマイナポイントの取得を申請しており、多くの方々がキャッシュレス決済を経験する機会となったと考えております。  一方で、スマートフォンやパソコンを所有していない方、デジタルに不慣れな方にとって、マイナポイントを申請することや、キャッシュレスの仕組みを理解することは、本当にハードルが高いことでありまして、この事業が終了するまでに多くの支援が必要であったと考えます。  そこで、一つ目の質問ですが、自身でマイナポイントを申請することが難しい方がたくさんおられたと思いますが、札幌市では、これまでどれだけの方に対してどのように支援をしてきたのか、また、その結果についてどのように受け止めていらっしゃるのか、お伺いをいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  マイナポイントの申請支援とその結果についてでございますが、昨年6月末のマイナポイント第2弾における新規ポイントの申請手続の開始に当たっては、予約不要な申請支援窓口を各区役所及び札幌駅前通地下歩行空間に設置いたしました。その際、そもそもキャッシュレス決済を知らない方や、手続に必要な準備が不足している方が多数来られ、その説明のために滞留が発生したことから、電話による事前予約制に切り替えまして、必要な準備をあらかじめご案内することで、スムーズな支援につなげてまいりました。
     また、マイナポイント第2弾は、2度の申請期間の延長があり、手続の支援を求める方が多数おられると予測できたことから、土・日や夜間も含めてこの需要に対応するため、市内の複数の商業施設に申請支援窓口を設置するなど、順次、体制を拡大してまいりました。その結果、延べ34万人以上の方にこれらの窓口をご利用いただいたほか、マイナポイントの申請期限である今年9月末に見込まれておりました駆け込み需要にも混乱なく対応することができました。  今後進展するデジタル社会に向けて、これまでキャッシュレス決済を使ってこなかった多くの方にデジタル技術を身近なものと感じていただくことができたという点において、大きな成果があったと受け止めております。 ◆坂元みちたか 委員  報道によりますと、マイナンバーカードの駆け込み申請の大騒動などという事象も散見をされました。他都市の駆け込み需要では、数時間待ちという状況、そんなものも発生したようでございます。ご答弁の中にありましたが、札幌市は、土・日の受付、夜間の受付、それから、電話での予約、そのような施策を行うことによって、大きな混乱もなく、支援を求める大きな需要に対して適切に対応できたものと評価いたします。  さて、マイナポイント事業を推進した成果として、まずは、7割の方々がマイナンバーカードを取得するに至りました。次のステップとして、マイナンバーカードの利活用、これを促進していくため、引き続き支援が必要であると考えます。  そこで、二つ目の質問です。  スマホやパソコンをお持ちでない方や、操作が不安な方に対し、今後、札幌市としてどのように支援をしていくか、伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  今後の支援についてお答えをいたします。  デジタルの利便性を実感していただける方を増やすため、昨年度に引き続き、スマホの基本的な使い方などを学ぶことができる講座を開催しておりまして、今年度は、740回、5,000名が受講可能な体制を準備しております。  また、マイナポイントの申請支援窓口終了後においても、本市が設置しておりますマイナンバーカードセンターにおいて、これまで申請支援窓口で実施をしておりましたマイナポータルの閲覧やポイント申込み状況の確認などの支援を継続しているところであります。  さらに、今後は、関係事業者との連携の下、オンライン行政手続を学ぶ講習会を開催するなど、市民ニーズに応じて適切な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆坂元みちたか 委員  最後になりますが、札幌市の目指している第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンにおいても、まちづくりの重要概念の一つとして、スマートというキーワードを挙げ、誰もが先端技術などにより快適に暮らし、新たな価値の創出に挑戦できる社会の実現を目指すこととしております。  また、先ほども触れましたが、この分野では、日本は、周辺国と比較し、大きく出遅れております。繰り返しになりますが、経産省の2022年のデータでは、キャッシュレス決済比率、韓国では93.6%、中国では83%、日本は36%であります。ここまで大きく立ち後れてしまいますと、民間企業の努力ではいかんともし難く、行政の積極的支援が必要不可欠であると考えます。行政のさらなる支援策こそ、全ての方が利便性を享受しつつ、事業者側も効率アップができる社会をこれで実現することができます。  全ての面で効率アップを目指すのが、我が会派の考え方であります。引き続き、必要性に応じた適切な積極的な支援を行うことを要望して、私の質問を終わります。 ◆山田洋聡 委員  私からは、DX推進に向けた組織の専門性の向上と外部の知見の活用の2点について伺います。  まず初めに、専門性を高めるための人材確保についてです。  DXは、単にデジタルツールを入れることで実現できるものではなく、その本質は課題解決にあるため、達成すべき経営目標に向けて、DXを推進するための予算やデジタル技術に関する専門的な知識を持つ人材を確保し、実行に移していく、そのような組織運営が必要となります。特に、デジタルに関するスキルを持つ人材を確保していくことは、民間企業においても容易ではなく、重要な課題となっているということがDX白書の中で指摘されているところであります。  このため、民間企業はもちろん、最近では、国や地方自治体においても様々な手法により人材の確保を進めているところです。例えば、東京都では、令和5年7月に、都庁各局や区市町村のDXを推進し、デジタル人材の確保等の役割を担う一般財団法人GovTech東京を設立し、オープンイノベーションの手法も取り入れながらDXを推進するとしております。また、神戸市においては、デジタル分野プロフェッショナル型採用として、多くの専門人材を常勤で中途採用することに取り組んでおります。  札幌市においても、現在、Chief Digital Officer補佐官、CDO補佐官やDXアドバイザーとして採用した4名の外部専門人材の助言・指導を受けながらDXを進めているとお聞きしておりますが、組織体制のさらなる強化を図り、アクションプラン2023で掲げる目指すべき都市像の実現に向けた分野横断プロジェクトの一つでもありますスマートプロジェクトを推進していくことが必要であると考えます。  そこで、質問ですが、組織の専門性を高め、DXを推進するための専門人材の確保について、どのような認識を持っているのかを伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  組織の専門性を高め、DXを推進するための専門人材の確保に関する認識についてお答えをいたします。  デジタルトランスフォーメーション、DXを牽引していく組織には、DXで実現する将来像を描くためのデザイン力や、データ分析、ソフトウエア活用、情報セキュリティー対策などに関する様々な知識を持った人材が必要になります。  こうした人材を確保し、組織の専門性を高めていくためには、外部から知見を取り入れ、ノウハウを蓄積していくことが重要であると考えており、CDO補佐官やDXアドバイザーを非常勤職員として任用し、助言などをいただきながら取組を進めてきたところであります。  今後、行政手続のオンライン化や、戸籍・住民記録窓口の利便性向上など、具体の業務変革を実現するため、職員と一体となって取組を進めることができるデジタル分野の専門性を有する外部人材を常勤職員として活用することなども検討してまいりたいと考えております。 ◆山田洋聡 委員  今後、外部人材を常勤職員としてということを検討しているというお話でございました。DX推進を加速させるための新たな取組として、大変画期的なものかと思います。  DXを牽引する人材には様々なスキルが求められるため、他都市でも民間の転職サイトを活用するなどの工夫をしていますので、札幌市においても、よりよい人材の確保に向け、しっかりと取り組んでいただければというふうに思います。  次に、先ほどの東京都の例でもキーワードとして挙げておりましたが、外部の専門的なノウハウや知見を取り入れ、イノベーションを創出するいわゆるオープンイノベーションについて質問をします。  札幌市では、デジタル技術を活用した市民生活の支援、市役所業務の効率化に向け、民間からのアイデアを一元的に受け付ける窓口、DXラボの設置を進めているとお聞きしており、これによりオープンイノベーションが進むことを期待しております。  オープンイノベーションは、組織内外の多様で優秀な人材が目的の達成に向けて事業等に関わることによって、事業推進のスピードアップを図り、顧客の多様なニーズや価値観に対応していくだけではなく、新たな知識や技術を獲得するなど、組織の専門性の向上を図る上からも効果があると言われており、変革することが重要とされるDXに効果的な手法であると考えております。  そこで、質問ですが、民間からのアイデアなどを取り込み、DXを推進するDXラボの現状と評価について伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  DXラボの現状と評価についてでございます。  DXラボについては、先月9月8日に立ち上げ、現在、複数の企業から実証実験の提案を受けており、提案企業や関係部局との調整を行っている段階であります。  提案内容といたしましては、窓口の効率化やサービスアップにつながるもの、まちづくりへのデータ利活用に関するものなどがあり、DXに寄与する先進的な民間の知見やアイデアを取り入れることができる可能性があると考えております。  また、行政が積極的に企業と協業することは、デジタル人材を地域に引きつけるなど、人材確保の観点においても重要であることから、より多くの企業から提案を受け、DXを加速させていけるよう、このDXラボの取組や仕組み、官民連携の成果を積極的に広報してまいりたいと考えております。 ◆山田洋聡 委員  9月8日にDXラボを立ち上げられたということで、民間と連携して実証実験が進んでいるというような理解をいたしました。  行政では、様々な分野の業務があり、人事異動があるため、一つの分野における専門性を高めるということが難しいということは理解しておりますが、ほかの自治体におきましても、外部の専門人材の活用や、民間企業や大学などと連携をして、業務委託など様々な手法を活用して、不足する専門性を補いながらDXを進めております。  また、この分野における専門人材の不足につきましては、冒頭申し上げましたとおり、全国的な課題となっており、今後、人材の奪い合いになっていくと考えられますが、札幌市においても、しっかりとよい人材を確保し、DXを推進していただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆水上美華 委員  私からは、行政窓口における利便性の向上に向けたデジタル技術の活用についてお伺いをいたします。  アクションプラン2023では、窓口における利便性の向上として、役所等に来庁する市民が快適かつ円滑に行政サービスが受けられる、書かない、待たない、同じ内容を繰り返させない窓口を実現することが掲げられております。  これに関して、10月2日の総務委員会において、私ども会派からの「書かない窓口」機能の導入についての質疑の中で、今年度中にも、中央区役所において、マイナンバーカードを活用して基本的な情報があらかじめ記載された申請書を出力できるシステムの導入を検討しており、将来的には、複数の手続をワンストップで行える環境の実現を目指していくとの答弁がありました。この答弁の中で、大きく2点、1点目はマイナンバーカードを活用しての「書かない窓口」機能と、2点目に基本的な情報があらかじめ記載された申請書を出力できるシステムの導入の検討というところが大変気になったところであります。  現在、デジタル庁においては、自治体窓口DXとして、書かないワンストップ窓口を掲げ、ガバメントクラウド上に複数事業者による窓口DXに資するアプリケーションを提供し、地方自治体はその機能を選択して利用することで窓口DXに取り組みやすくなる環境、いわゆる窓口DXSaaSを提供していくこととしており、今年度の事業者公募では4社が採択されております。  また、今年度のデジタル田園都市国家構想推進交付金において、窓口DXに取り組む自治体を採択し、こうしたアプリケーションを提供するなど、自治体の窓口改革の支援に取り組んでおり、来年度以降はこの取組を全国的に加速させていく方針を打ち出しております。  このデジタル庁で掲げている書かないワンストップ窓口については、道内の北見市が全国に先んじて取組を進め、報道でも度々取り上げられております。また、先ほど申し上げたこの窓口DXSaaSで採択された4社のシステムの一つが北見市役所と企業が共同で開発したシステムであり、現在、全国的に展開をされているところでございます。  そこで、先日、私ども会派の議員6名で、この北見市の書かないワンストップ窓口を視察してまいりました。この書かないワンストップ窓口は、来庁者の目線に立ち、各種証明書や申請書の発行だけではなく、1か所の窓口で、ライフイベントに関連する手続やお悔やみ窓口など、多くの手続が、予約もなく、また、マイナンバーカードだけにとどまらず、身分証明書があれば、誰でも同じ書かない窓口サービスを享受でき、短時間で行えることを確認してまいりました。あわせて、システムを運用する市職員の負担軽減につながる対策も見てまいりました。  北見市は、人口10万人程度の自治体であり、これまで、その取組は政令指定都市ではなかなか難しいとの意見も聞いてまいりましたが、デジタル庁が後押ししていることもあり、今年度は政令都市の中で浜松市がこのシステムを導入し、来年度も幾つかの政令指定都市が同システムの導入を検討しております。  一方、先日の総務委員会で質疑をしたアクションプラン2023で掲げている「書かない窓口」機能は、これとは大きく異なるものだと認識しており、本市では、このような全国的な流れに乗っていくのかどうかについてのビジョンがはっきりしていないと感じております。  そこで、質問ですが、アクションプラン2023で掲げる「書かない窓口」機能とデジタル庁が主導して取り組む窓口DXとの関係性も含め、窓口における利便性の向上に向けたデジタル技術の活用について、どのようなビジョンを持っているのか、お伺いいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  窓口における利便性の向上に向けたデジタル技術の活用に関するビジョンについてお答えをいたします。  デジタル庁が推進する窓口DXSaaSは、ライフイベントに合わせた手続案内や申請書作成などの様々な機能が備わったものであり、自治体情報システムとのデータ連携を視野に設計されたものであるため、将来的には、窓口のワンストップ化などのDXの実現につながるものと認識をしております。  一方、中央区役所仮庁舎で試験的に導入する「書かない窓口」機能については、自治体情報システムとの連携などのシステム改修を必要としないため、速やかに実際の機器を導入することで、窓口サービスアップの検討を円滑に進められるメリットがございます。  将来的なビジョンとしては、自治体システムの標準化や業務プロセスの抜本的な見直しを進め、デジタルを活用した行政手続の簡素化やワンストップ化など、窓口を含む行政サービスのさらなる利便性向上を図ってまいりたいと考えております。 ◆水上美華 委員  これから、標準化など、いろいろ課題があるとは思いますが、将来的には窓口の利便性向上を実現していく考えであるということは理解をいたしました。  ただ、このアクションプラン2023では、「変わる市役所」として行政DXを大きく取り上げておりまして、5年程度で、この「書かない窓口」機能を各区に順次展開するというふうに公表をされております。今年度から中央区役所で導入する「書かない窓口」機能に関しましては、窓口DXSaaSが示しているものとは、若干異なったものであるのかな、ただ、機能的には一部準ずるものなのかなと思うところではありますが、本当にごく一部の取組であるというふうに思っております。  市民が期待する「書かない窓口」の実現のためには、今年度導入するこの「書かない窓口」機能を5年で各区に展開するということだけには決してとどまらないように指摘をしておきたいと思います。  次に、窓口における利便性の向上に向けたデジタル技術の活用を進める庁内の体制についてお伺いいたします。  アクションプラン2023では、「書かない窓口」を各区に展開していくに当たって、中央区役所での検証と並行して、戸籍住民分野を中心にデジタルを活用した抜本的な業務改善の検討を行うこととなっています。また、将来的に取組が想定されている複数の手続をワンストップで行える環境の実現のためには、その取組を進める庁内の体制が重要になってきます。  窓口DXを進めるに当たり、他都市においては、プロジェクトチームを結成し、進めていることが多いですが、これは、デジタルを活用するだけではなく、行政改革の視点や、実際に業務を担う部門の声も聞きながら進める必要があるからだと伺っております。総務省が定める自治体DX推進計画においても、DXの推進は、極めて多くの業務に関連することから、全庁的、横断的な体制整備を行う必要があるとされております。  そこで、質問ですが、窓口における利便性の向上に向けたデジタル技術の活用に関しては、横断的な推進体制を構築し、取り組む必要があると考えますが、推進体制はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  窓口における利便性の向上に向けた推進体制についてでございますが、札幌DX推進方針に基づき、昨年度、情報政策の協議、決定等を行うDX推進本部会議を設置したところであり、今年7月には、デジタル活用による抜本的な業務プロセスの改革などを検討するため、庁内横断的な体制をつくることについて決定をしたところであります。  この体制では、総務局やデジタル戦略推進局のほか、まちづくり政策局、財政局、さらにはプロジェクト内容に応じた業務担当部局も加わりながら、DXに関する検討を行うこととしておりまして、まずは、戸籍・住民記録業務のDXについて検討を始めているところでございます。  今後、転入に伴う複数の手続を連携させていく場合などには、それぞれの手続に関係する業務担当部局をこの体制に加えながら、一体的に取組を進めてまいります。 ◆水上美華 委員  今年の7月には、本市で、抜本的に見直しをしていく検討体制がつくられているという答弁でございました。  組織を横断する取組、これを継続的に行っていくということは、大変、一筋縄ではいかない取組だと思いますけれども、今後、このプロジェクトの内容に応じて、業務担当部門や各窓口の担当課もこの体制に加わって、横断的に検討をしていくということでございましたので、大変興味深く、また、取組に期待をしております。  今後の取組に3点要望をいたします。  1点目は、この抜本的な改革を進めていく検討体制における議論についてでございます。  北見市が、書かない窓口、以前は、総合窓口ですとか、ワンストップ窓口と言われておりましたけれども、まだDXという言葉もない、この取組を始めた2012年当時、大変私ごとで申し訳ないんですけれども、私は北見市議会議員をしておりまして、この事業の議論を議会でしておりました。当時、事業を進める中で一番大変だったのは、庁内調整であり、プロジェクトとしての位置づけでありました。先月視察に行った際にも、担当課からは、DXはシステムを導入すれば解決する話ではなく、まずは、課題探しから始め、仕事の流れや手順を変えた上で、システムを上手に使いこなすことが大事であり、デジタルの前にトランスフォーメーションの構築が重要であると伺ってきました。  この検討会議では、ぜひ、デジタルやシステム導入を目的とするのではなく、何が解決できるのか、ありたい姿、どういう窓口にしたいのか、本来の目的に立ち返ってシステム化を進めていただくことを要望いたします。  2点目は、利用者の目線に立った取組についてです。  よりよい行政窓口をつくり上げていく肝は、サービスを受ける市民とシステムを利用する職員双方の目線に立つことでございます。本市としての理想の業務フローを職員目線で見直しし、できることから検証することが大事であります。  来庁者の利便性を向上させることはもちろん、職員もスムーズに仕事ができるよう、全体の流れの中で、来庁者と職員双方に負担軽減となるようにシステムを構築していただくことを要望いたします。  3点目は、誰一人取り残されないデジタル社会の視点での取組であります。  今回の中央区役所に導入される「書かない窓口」機能は、マイナンバーカードを持っている方が利用できるサービスであります。私は、決してマイナンバーカードを否定しておりませんし、電子申請などのデジタル化は大いに進めていっていただきたいと思います。デジタル社会に適応できる方は、積極的に活用していただきたいと思いますが、一方、適応できない方もいます。  本市が将来的に目指すこの窓口の利便性向上では、マイナンバーカードを持っていてもいなくても、スマートフォンを持っていてもいなくても、この行政の対面窓口は、誰もが同じサービスを享受できる体制をつくっていただきたいと思います。  また、現段階ではございますが、代理人申請のときなどは、まだマイナンバーカードが活用できておりません。ぜひ、今後の議論の中に、誰一人取り残されないデジタル社会、窓口対応の視点を持って改革を進めていただくことを要望いたします。  最後に、私は北見市のシステムを導入すべきだと決して申し上げたいわけではないということをご理解いただければと思います。ただ、同じ道内にそれだけのシステムを持つ自治体の先進事例がありますので、ぜひ、参考にしていただいて、市民にも、そして、運用する職員にとっても最高のシステムを本市でつくるという意気込みを持ち、施策に取り組んでいただきたいと願っております。  今後の本市の取組に期待をし、私の質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からは、人手不足に対応するためのDX推進についてお伺いいたします。  1点目としては、昨年度立ち上げましたデジタル戦略推進局のこれまでの取組の総括と今後の取組についてお伺いいたします。  札幌市の人口は、平成21年以降、人口の自然減少が続いており、令和3年には戦後初めて社会増加数を自然減少数が上回る人口減少局面を迎えたところであり、また、若年層の道外流出傾向も続いており、今後、さらなる少子高齢化の進展が懸念されるなど、超がつくと言ってもよい人手不足社会になると予想されます。  アクションプラン2023においても、こうした社会背景への危機感から、限られた財源や人員で行政サービスの水準を維持・向上させていくために、デジタルトランスフォーメーションに取り組むことが盛り込まれているものと認識しております。  これを実現するためには、DXの本質であるトランスフォーメーション、つまり、デジタルで単に効率化を図るということではなく、人口減少局面で生じる様々な課題の解決に向けて、新しい技術やよりよい考え方、手法を積極的に取り入れ、組織を変革させていくことが重要と考えております。  そこで、まず初めの質問ですが、札幌市では、組織や業務の抜本的な変革を目的にデジタル戦略推進局を設置し、DXを進めてきたと認識しておりますが、これまでの取組の総括と今後の取組についてお伺いいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  デジタル戦略推進局のこれまでの取組の総括と今後の取組についてでございますが、札幌DX推進方針に基づきまして、DXにより実現するビジョンを全庁で共有し、柔軟な働き方を可能とするデジタル環境の整備や、自治体システムの標準化などに取り組んでまいりました。  また、昨年度、行政サービスの中でも特に業務量が多い介護保険認定業務を取り上げてDXの検討に取り組んだ結果、単にシステムやICTツールを導入するだけでは実現が難しく、各サービスの業務プロセスについて抜本的に見直しを進める必要があると認識をしたところであります。  このため、アクションプラン2023では、業務プロセスの見直しに関する事業を位置づけておりまして、各局・区のDXを支援する体制の強化を図った上で、市民が効果を実感できる変革を実現してまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  まだ変革するまでに至っていないとのことでありますが、これまでの取組により、DXの推進の課題が明らかとなり、また、今後、変革に向けた取組を加速させていくとのことで、他自治体においては、オンライン化や窓口の効率化など、明らかな成果が出始めている市町村も見受けられます。札幌市も、後れを取ることなく、しっかりと歩みを進めていただきたいと思います。  次に、生成AIの受け止めと具体的な活用方法についてお伺いいたします。  生成AIは、これまでのAIとは違い、学習済みのモデルを用いて新たな文章や画像など様々なコンテンツを生成できることに特徴があり、報道などでよく目にするチャットGPTは、自然な文章を生成できることを生かして、AIと会話しながら企画のアイデアをつくることや、文章の要約、論点整理などができるものです。幾つかの自治体では、生成AIを職員のサポート役として活用し、業務の生産性を高めることを掲げており、そのような報道も多く目にするところであります。  DXは、デジタルツールの導入自体を目的とするものではないことは十分理解しておりますが、このような先進的な道具をまずは使ってみることで、変革を促進させるということもあるのではないかと思います。  アクションプラン2023においても、生成AIの活用に言及しており、9月15日の市長記者会見では、秋元市長から、生成AIについては、正確性の確保やセキュリティー面の問題で、市民向けの情報を扱うような部署での利用については、少し注意が必要になるが、使い方によっては様々な事務効率にも資することもあるため、年内にはガイドラインを策定し、具体的な活用についても、他都市の事例も勘案しながら進めていくとの発言がありました。  そこで、質問ですが、生成AIの活用について、現在の検討状況と現時点で想定される活用方法があるか、伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  生成AIの活用に関する検討状況と活用方法についてお答えをいたします。  生成AIは、学習済みのモデルを利用し、自動的に文章や画像などをつくり出すという特徴があることから、学習に使用されるデータの情報セキュリティーや成果物に対する著作権の問題などに十分注意して活用すべきものと考えております。このため、職員が生成AIの特徴を理解し、業務において適切に活用するためのガイドラインを作成しているところでありまして、年内にはこれを公表し、個別の事案において活用の可否を判断していく予定であります。  現時点で想定される活用方法としては、例えば、複数の規定などを確認しながら進める業務において、規定などを横断的に検索して、判断基準や業務手順を分かりやすく作成するシステムをつくること、こういったことなどが考えられます。  このような職員の業務をサポートするシステムを活用することにより、職員の生産性を高め、市民サービスの質の向上につなげていくことができるものと考えております。 ◆好井七海 委員  AIについては、活用方法を間違わなければ、人手不足に有効な技術であると考えております。デジタルに任せられる作業のような業務はできるだけ自動化し、人口減少社会においても、職員が本来担うべき、市民に寄り添うことに力を注げる環境をつくっていただくことを期待いたします。  最後に、DX人材の育成についてお伺いいたします。  先ほどの生成AIもそうですが、深刻化する人手不足に対応するために、今後も様々なデジタル技術が出てくることが予想されます。DXを推進していくためには、このような先進技術のメリットやデメリットを理解しつつ、その有効活用に向け、どのように業務を変えると生産性を高めることができるのかということを考え、デザインしていく能力を持った職員が必要となります。  また、DXで組織を変えていくわけですから、デジタル戦略推進局が旗振り役となることはもちろんのこと、各業務に実際に当たっている職員のデジタルリテラシーも向上させ、現場から課題意識が芽生えてくるようにしていかないと、組織の中に広く浸透していかないと考えます。  そこで、最後の質問ですが、DXを推進するための職員のデジタルリテラシーの向上について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  職員のデジタルリテラシーの向上に関する取組についてお答えをいたします。
     DXを推進する職員を育成するためには、その職員がデジタル部門に所属していなくてもDXの推進に関する様々な知識を広く習得できる環境を設けることが重要であります。他の自治体や民間企業では、希望者がデザイン思考などのビジネススキルをはじめ、クラウドやICTツール、生成AIなどの先端技術の基礎について学習できる環境を整えるとともに、学んだ知識を実践的に活用する研修などを実施しております。  札幌市におきましては、これまで、北海道大学と連携し、データ利活用に関する研修を実施してきたところでありますが、これに加えて、今年度からは、様々なデジタル知識を習得できるオンライン学習の提供や、ワークショップの実施などを通じて、年間50名を対象に、将来的なDXリーダーとなる人材の育成を目指す新しい取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  デジタル戦略推進局の様々な取組については、なかなか形として見えづらい部分が多いと思います。しかし、市民の皆さんや市役所職員の皆さんが、便利になった、サービスが充実した、また、働きやすくなったなど、実感として、また、目に見える形でよくなることが重要だと思います。そのためにも、庁内各部局の現場でデジタル化を推進する人材の育成にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  言うは易く行うは難しとは思いますが、市民目線のDX推進に尽力していただくことを要望して、質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からは、匿名加工情報制度について質問をいたします。  個人情報保護法の改正に伴い、今年度から行政機関等匿名加工情報制度の導入が都道府県と政令指定都市に義務づけられました。匿名加工情報制度は、地方自治体が毎年度1回以上、行政機関等匿名加工情報の利用について提案の募集を行い、事業に利用しようとする者、つまり、民間事業者等からの提案内容が保護法の規定する基準に適合するのか、審査した上で、適合すると本市が判断した場合、契約を締結し、市民個人のプライバシーに関わる情報を匿名加工することをもって、行政から民間事業者等にデータを提供する制度でございます。  市民は、自分のどのようなデータがどう加工され、また、どの事業者に提供されるのか、どのような目的に利用するのか、また、提供された情報はその後どうなっていくのか、知る由もございません。仮に市民が自分の情報の利用や削除、または、提供の停止を求めても、それらを認める規定は個人情報保護条例から削除されており、また、法律にも規定されていないため、提供を停止させることもできません。そのために不安に感じる市民は少なくありません。  イギリスの科学誌「ネイチャー」は、生年月日、性別、人種、学歴に加えて、車の所有状況や住宅ローンなど、匿名化された15の属性情報を使っていくと、99.98%の確率で個人を特定できたという論文を発表されております。このように、1人の情報が様々な角度から複数集まり、組み合わされることによって、加工された情報であっても特定の個人を識別できるようになり、個人の特定につながっていきます。  そこでまず、伺います。  情報を提供する本市と情報を受領する事業者の契約の中で、提供された情報は個人を特定するために他の情報と照合してはならないと個人情報保護法ではなっておりますが、提供後の情報について、個人を特定されることのないように本市としてどのように確認をしていくのか、伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  提供事業者において、いわゆる識別行為が行われないことの確認についてのご質問ということだと思います。  特定の個人を識別することを目的として他の情報と照合する行為、いわゆる識別行為ということになりますが、これは、個人情報保護法で禁止をされていることから、事業者からの提案時に匿名加工情報の安全管理措置を審査するとともに、提案事業者と本市の間で取り交わす行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約においても禁止規定を設定するなど、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  法律で禁止されているので、あとは、契約を交わすときにもそこが禁止となっているということではありましたけれども、やはり、本人を特定のためではないとしても、他の情報と照合していないのか、契約を履行しているのか、個人情報が本当に守られているのか、確認をしていくこと、これが本市の責任だというふうに思いますので、契約のみだということでは、しっかりと市民の個人情報を守られたとは言えません。  続いて、個人情報保護法の第22条では、個人情報取扱事業者は、その取扱いに係る個人データを利用する必要がなくなったときは当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければなりません。しかし、事業者等に提供された匿名加工情報は、加工したことをもって個人情報ではないとみなされますので、その後の保存期間や、また、廃棄すべき時期については規定がありません。  そこで、伺います。  個人情報保護法には規定がなくても、本市の裁量で匿名加工情報の保存期間や廃棄すべき時期について規定できるのか、伺います。  また、規定できるのであれば、どのように規定をしていくのか、併せて伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  利用期間終了後における匿名加工情報の廃棄、消去についての確認についてのご質問と思います。  利用期間終了後の匿名加工情報の取扱いにつきましては、先ほど答弁させていただきました行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約に基づき、事業者に匿名加工情報を返却させるとともに、事業者が保有する複製情報を削除し、かつ、削除した情報を読み取ることができないように処理した上で、それらの証明を書面で提出するよう求めてまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  今の答弁を受けて、もう一度、ちょっと伺いたいんですけれども、その全ての契約に関わって、保存期間だったりとか、また、消去、廃棄すべき時期、これが明記されていくのか、あるいは、入らない場合もあるのか、重ねて伺いたいと思います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  利用期間の設定に関するご質問と思います。  行政機関等匿名加工情報の取扱い、民間事業者から提案をいただく際に、この利用期間というものを終了期間も含めて設定するものというふうに認識しております。そのルール、決まりにおきまして、適切に対応してまいるということになります。 ◆田中啓介 委員  ちょっと質問の仕方が悪かったのですが、期間ではなくて、契約を交わすときに、きっちりと返却をしてもらう、消去する、これは全ての契約において同じなのか、あるいは、そういう返却の必要がない、あるいは、消去の必要がないというような契約の場合もあるのかということを聞いたんですけれども、改めて伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  本市における行政機関等匿名加工情報の取扱いという視点におきましては、契約を行う、申し上げました行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約において設定をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  個人情報保護法の改正によって、行政機関等匿名加工情報制度、これの導入が義務づけられてまいりました。ただ、日本弁護士連合会をはじめ、いろいろな専門機関からも、匿名加工されても個人が特定されるという危険性が指摘をされております。匿名加工情報は、一般的に復元できないものとしておりますが、様々な技術や手法によって、個人情報保護法のガイドラインでは、復元できる可能性については、否定も、また、規制もしておりません。安全だなどと言える保証がありません。  法改正による匿名加工情報の導入であっても、市民の個人情報を守るという立場に立てば、本市として最大限努力すべきです。しかし、本市は、その規定を設けることもなく、進めようとしております。それは、国と共に匿名加工情報の提供に前のめりになる姿勢であり、看過できない、このことを申し上げて、質問を終わります。 ◆米倉みな子 委員  私からは、マイナ保険証について質問いたします。  改正マイナンバー法などが2023年6月2日に成立し、2024年秋には、現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一体化される方針となっています。  マイナンバーカードは、番号法第17条第1項で、本人の申請により交付するとされています。申請した人には交付、申請しない人には交付しない、そもそもマイナンバーカードの取得は任意ということです。  マイナ保険証をめぐっては、別人の情報を誤って本人の資格情報にひもづける誤登録が2021年10月から2022年11月までに7,312件、明らかになったと厚労省より発表されています。今月10月6日のニュースでは、さらに増えて、ひもづけ誤りが8,544件になったと報じており、全国各地でマイナンバーカードをめぐるトラブルが続出しています。  そこで、質問です。  マイナンバーカードに別人の銀行口座や別人の健康保険証をひもづけたケース、マイナンバーカードを利用してコンビニで発行した住民票が別人のものであったケースなど、個人情報に関する様々な事案が報じられていますが、札幌市の状況はどうか、同様の事案について伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  本市で発生した同様の事案についてでございますが、今年度、国民健康保険のシステム上で、世帯内で誤ったマイナンバーを登録したといった事案がございました。判明後、直ちにデータを修正しており、これによる影響はなかったことを確認しております。  また、別人の個人情報をひもづけた事案ではございませんが、本市が設置したマイナポイント申請支援窓口において、ご本人が健康保険証の利用登録を希望していなかったにもかかわらず、受託事業者の誤認により利用登録がなされた事案がございましたが、ご本人の希望に基づき、国へ申請し、利用登録を解除しております。 ◆米倉みな子 委員  札幌は、トラブルの件数が非常に少ないということをお聞きしました。しかし、たとえ少ない件数であっても、その方にとっては大切な個人情報ですし、別人の情報に基づいて医療行為や薬剤投与が行われると、重大な医療事故にもなりかねず、1件であっても、数件であっても、あってはならない非常に重いことだと考えております。  そして、取得は任意であるマイナンバーカードですが、健康保険証を廃止してマイナ保険証に一体化するとされているため、事実上、義務化されるということだと思います。障がいのある方、寝たきりの方や認知症の方など、いわゆる弱い立場の方々にとっては、マイナンバーカードの取得や更新手続が非常に困難です。高齢者施設などでは、カードや暗証番号の管理がかなりの負担になることが予想されます。  マイナ保険証を持たない人に交付される資格確認書の有効期限は5年間に延びましたが、交付にかかるコストと手間、そして、命に関わる重要な情報が漏えいする危険性のことを考えれば、健康保険証は廃止すべきではないと考えます。  また、これまで、医療機関では、患者の受診内容や処方薬の情報はほかの医療機関と共有していませんでした。マイナ保険証を使うと、情報が1か所に集まってしまいます。個人の医療情報というプライバシー性の高い情報が1か所に集められることは、とても危険です。  昨年の10月、大阪急性期・総合医療センターという大阪府内の基幹病院がサイバー攻撃を受けました。電子カルテが使用できなくなり、緊急以外の手術や外来診療が停止となりました。近年、このような病院へのサイバー攻撃が定期的に起きていると聞いています。絶対に崩されないシステムはないので、情報が全て漏れてしまうことも十分あり得ます。  また、オンラインでしか情報を確認できない仕組みというのは、サイバー攻撃だけではなく、大規模災害やシステム障害等のトラブルに巻き込まれた場合、大きな混乱が生ずることも予想されます。  そこで、質問です。  医療機関や高齢者施設など、現場レベルで考えれば、マイナンバーカードに健康保険証を一体化し、紙の保険証を廃止するには、やはり無理があると考えますが、札幌市はどのような認識を持っておられるのか、伺います。  また、国に対して現行の保険証を廃止しないように働きかけが必要と考えますがいかがか、併せて伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  現行の健康保険証の廃止についてのご質問でありました。  マイナンバーカードと健康保険証の一体化については、混乱がないよう、国において対応を検討しており、これを着実に進めていくべきものと認識をしております。  その上で、委員からお話のございました高齢者施設における、例えば、カードの管理については、デジタル庁、総務省及び厚生労働省が連名で8月に出した、福祉施設・支援団体の方向けマイナンバーカード取得・管理マニュアルに沿って適切に管理をしていただくものというふうに認識をしております。  また、医療機関におけるセキュリティーにつきましても、個人情報保護法や厚生労働省のガイドラインなどによりまして、適切に情報を管理していただくものというふうに考えております。  札幌市といたしましては、マイナ保険証の導入によって、本人確認や資格情報の確認のみならず、これまでの受診・服薬情報などを医療機関が確認の上、治療に生かすことができるようになるなど、国民がメリットを享受できるものと認識をしており、現行の健康保険証の廃止方針を見直すよう、国に求めることは考えておりません。 ◆米倉みな子 委員  管理やセキュリティーにおいては、マニュアルに沿って国がやっていくもの、ですから、国への働きかけは考えていないとのお答えで、これについては、私は非常に残念に思います。  先ほども申しましたが、誤登録による別人へのひもづけや、サイバー攻撃など、不測の事態によって、適切な医療が受けられなくなったり、個人のプライバシーが漏えいするおそれがあります。  日本弁護士連合会は、2022年9月27日に「マイナ保険証」取得の事実上の強制に反対する会長声明を発表しました。その中で、「従来型保険証の原則廃止や高額ポイント付与等は、国民皆保険制度を採用する我が国では、全国民に対してマイナンバーカードの取得を強制するに等しいのであって、番号法の申請主義(任意取得の原則)に反し、マイナンバーカードの取得を事実上強制しようとするものにほかならない」と指摘し、マイナンバーカードをマイナ保険証とする今般の一連の政策について反対するとともに、速やかな見直しを求めています。私もそう考えます。  私たちは、ともすれば、国が決めたことには従わなければならないと思いがちです。しかし、今は自治・分権の時代です。分権改革によって、国と自治体は対等な関係になり、また、これに合わせて、地方自治法も、国が自治体に関する制度や施策を行うときは自治体の自主性と自立性の十分な発揮を保障しなければならないと定めています。また、国が制度や政策を誤りなく実行するために、市民に最も身近な政府である自治体が市民や地域の意向を踏まえて国に意見を述べることは、自治体の大きな役割の一つであり、これも地方自治の重要性を説明する際の定説となっています。  新聞報道によると、全国の市区町村長対象のアンケート結果で、30自治体の首長が健康保険証の廃止を撤回すべきとし、563自治体の首長は延期すべきと回答しています。  札幌市においても、国に対して、市民の生命と人権を守るために、マイナ保険証の強制ではなく、現行の健康保険証を廃止しないことを求める声を上げるべきであると改めて強く求めまして、私の質問を終わります。 ○松原淳二 委員長  以上で、第1項 総務管理費中デジタル戦略推進局関係分の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月18日水曜日午後1時から、市民文化局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時26分...